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2012-08-27 第180回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年八月二十七日(月曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員異動  八月三日     辞任         補欠選任         白  眞勲君     大野 元裕君      藤末 健三君     藤原 正司君  八月六日     辞任         補欠選任         大野 元裕君     白  眞勲君      川口 順子君     山田 俊男君  八月二十日     辞任         補欠選任         渡辺 孝男君     谷合 正明君  八月二十一日     辞任         補欠選任         魚住裕一郎君     渡辺 孝男君  八月二十四日     辞任         補欠選任         田城  郁君     小見山幸治君      山田 俊男君     川口 順子君  八月二十七日     辞任         補欠選任         小見山幸治君 ツルネン マルテイ君      斎藤 嘉隆君     林 久美子君      藤原 良信君    はた ともこ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         玉置 一弥君     理 事                 岡崎トミ子君                 小西 洋之君                 西村まさみ君                 愛知 治郎君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 谷合 正明君                 平山 幸司君     委 員                 大久保潔重君                 金子 恵美君                 小見山幸治君                 斎藤 嘉隆君             ツルネン マルテイ君                 轟木 利治君                 白  眞勲君                 林 久美子君                 広田  一君                 藤原 正司君                 前田 武志君                 増子 輝彦君                 赤石 清美君                 岩城 光英君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 高階恵美子君                 藤井 孝男君                 牧野たかお君                 石川 博崇君                 渡辺 孝男君                はた ともこ君                 藤原 良信君                 小熊 慎司君                 桜内 文城君                 山下 芳生君                 吉田 忠智君                 行田 邦子君                 谷岡 郁子君                 荒井 広幸君    国務大臣        総務大臣     川端 達夫君        法務大臣     滝   実君        文部科学大臣   平野 博文君        農林水産大臣   郡司  彰君        経済産業大臣   枝野 幸男君        国土交通大臣   羽田雄一郎君        環境大臣        国務大臣     細野 豪志君        国務大臣        (内閣官房長官) 藤村  修君        国務大臣        (復興大臣)   平野 達男君    副大臣        内閣府副大臣   中塚 一宏君        外務副大臣    山根 隆治君        財務副大臣    五十嵐文彦君        厚生労働大臣  辻  泰弘君        経済産業大臣  柳澤 光美君        国土交通大臣  奥田  建君        国土交通大臣  吉田おさむ君        環境大臣    横光 克彦君        防衛副大臣    渡辺  周君    大臣政務官        総務大臣政務官  稲見 哲男君        国土交通大臣政        務官       津島 恭一君        環境大臣政務官  高山 智司君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        内閣官房原子力        安全規制組織等        改革準備室副室        長        櫻田 道夫君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     安藤 友裕君        文部科学省科学        技術学術政策        局長       土屋 定之君        文部科学省研究        開発局長     戸谷 一夫君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       宮野 甚一君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      照井 恵光君        経済産業大臣官        房技術総括審議        官        朝日  弘君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     深野 弘行君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院首席統括        安全審査官    山本 哲也君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        関  克己君        環境省水・大気        環境局長     小林 正明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○東日本大震災復興総合的対策に関する調査  (東日本大震災復興総合的対策に関する件)     ─────────────
  2. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、藤末健三君、魚住裕一郎君及び田城郁君が委員辞任され、その補欠として藤原正司君、谷合正明君及び小見山幸治君が選任されました。     ─────────────
  3. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事谷合正明君を指名いたします。     ─────────────
  5. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) この際、吉田国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。吉田国土交通大臣
  6. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 八月三日の本委員会における川口議員質疑中に、結果として委員長の了解を得ずに退席したことについて、深くおわびを申し上げます。  また、国政の最重要課題である被災地再生被災者救済をあずかる本委員会審議を中断させることとなったことについて、重ねて深くおわびを申し上げます。  本件については、過日、海洋政策担当である羽田大臣から厳重な注意を受けたところであります。  今後は、二度とこうしたことがないよう行政事務を徹底するとともに、円滑な委員会審議のために一層努力してまいる所存であります。
  7. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) この際、平野復興大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平野復興大臣
  8. 平野達男

    国務大臣平野達男君) この際、一言述べさせていただきます。  去る八月三日の本委員会における森まさこ委員の御質問に対する私の答弁において、委員答弁を求めていない事項につきまして弁明をし、反論の場等答弁を行い時間を要したことについては、委員長議事運営の下で行われたものではありますが、結果として円滑な議事運営に支障を来したことについて、深くおわび申し上げます。  この場をお借りして、これらの答弁を取り消すとともに、国政の最重要課題である被災地再生被災者救済をあずかる本委員会審議に御迷惑をお掛けいたしましたことにつきまして、重ねて深くおわび申し上げます。  また、本件については、過日、内閣官房長官から、国会答弁は誠意を持って丁寧に行うよう注意を受けたところであります。  今後は、十分に注意いたしまして、より適切な説明となるよう一層真摯な答弁に努めてまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
  9. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 以上で発言は終了いたしました。     ─────────────
  10. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 増子輝彦

    増子輝彦君 おはようございます。  今日は、予算委員会並行審議ということで各大臣始め皆さんには大変お忙しいと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  発災以来、もう一年六か月になろうといたしております。この間、二百万県民福島県民は大変日々厳しい生活を強いられているという状況、もう既に御存じのとおりであります。その中にあって、平野大臣細野大臣は特に何度も福島県に足を運んでいただいて、いろんな形の中で福島復興再生に御尽力いただいていることに改めて感謝と御礼を申し上げたいと思います。  まだまだ復興の先が見えないという不安の中で日々生活していること、我々は、全力でこれから福島復興及び東日本大震災復興のために頑張っていかなければならないと思っているところでございます。十九分という限られた時間の中での質問でありますので、端的にいろいろ質問させていただきますので、御答弁の方もよろしくお願いを申し上げたいと思います。  一昨日、いわき市の方に行ってまいりました。そこで、いわきふたば絆の会という会が発足をいたしました。民間の方で、しっかりと双葉郡の方々を支えていこうと、いわきがその支援をしていこうという、民間皆さんが自主的に立ち上げた会でございました。約三百人近くの方々がお集まりになっていまして、今日おいでの森まさこ議員岩城光英議員も私と一緒に出席をしてまいりましたけれども、これらの皆さん状況を見るにつけて本当に大変だなという状況であります。  特にいわき市、御案内のとおり、東北で二番目の都市でありますし、また被災地としても二番目の大きな被災を受けたという町であります。このいわき市にいわゆる仮の町構想、実は私は仮の町という言葉が余り好きではありませんので、福島復興希望を持つために希望町構想とかいうふうに私は勝手に呼んでいるんですが、このいわき市あるいは郡山福島という、福島県内の大都市がいわゆるこれらの避難皆さん受皿になることは当然のことだと思っております。ただ、双葉郡の皆さん始め多くの方々がこれらに避難をしながら、そこに希望の町という形の中で住んでいくに当たっても、受皿となる市町村というものがまだ厳しい現状にあることは御案内のとおりであります。特にいわき市、先ほど申し上げたとおり、二番目の被災地としての様々な実は被災も受けているわけであります。ここには多分、双葉郡の皆さんを中心として最低でも三万人、もう既に二万三千人、実は避難をされているわけですが、ここに場合によっては五万人ぐらいいくんではないだろうかというふうにも言われているわけであります。  そうしますと、ここにいわき市が一体どういう町の行政をしていくのか。二重行政になっていくわけでありますから、ここの整理というもの、あるいは仕組みの変更というもの、非常に重要な課題になってくると思います。この経緯については平野大臣いわき渡辺敬夫市長といろいろと今お話をされていることを私も伺っておりますが、是非いわき市に対する様々な支援体制もしなければ、双葉郡の皆さんいわき市に移り住んで一定期間、自分のふるさとに戻るという希望を持っていく中でも様々な課題があると思います。  基本的な考え方、現在の進捗状況、そして今後の課題について、平野復興担当大臣から御所見を伺いたいと思います。
  12. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 時間も限られていると思いますので端的にお答えしたいと思いますけれども、いずれ中長期的に避難お願いしなくちゃならないエリアというのが相当程度あります。そこに住んでおられる方々帰還までどのような場所でどのような形で住んでいただくかということについては、まず一義的には個々の被災者意向を把握することが基本だというふうに思っております。これはもう年内にできるだけしっかりとやっていきたいというふうに思います。  その上で、どの地域にどれぐらいの人数の方がどのような年齢構成でどのような形で住んでいただくか。これは、被災者方々避難者方々と併せて、受入れ自治体皆さん方とのしっかりとした協議を通じてその形を作っていかなければならないというふうに考えております。今、それに向けて様々な制度的な詰め、関係省庁とチームをつくりながら検討をしているところでございまして、その意向調査と中での検討の結果を踏まえつつ、できるだけ早い段階被災自治体それから受入れ自治体、そういった方々との協議の場、こういったものをつくっていくということも視野に入れながら準備を進めていきたいというふうに思っております。
  13. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、これはいわき市に併せて、当然、郡山福島市も該当することとなると思います。その協議の場を、大体めどとしていつごろに設置したいというふうにお考えでございますか。
  14. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今まで、いわき市長さん、それから郡山市長さん、それに福島市長さんと個別に話をさせていただきました。あと数町村お話をさせていただきまして、県との調整の上で、近い段階でまず受入れ自治体との、代表する自治体との協議体的なものをちょっと今イメージしておりますけれども、それを発足したいなというふうに考えております。
  15. 増子輝彦

    増子輝彦君 復興庁が発足してもう一年を過ぎましたけれども、今どうしても地元で言われていることは、スピード感に欠けるということを相変わらず言われております。一生懸命やっていることも私も承知しております。復興局もできました。是非復興局にももう少し権限を与えながらスピーディーに進めていっていただきたいと。特にこのいわきあるいは郡山福島を始めとした関係市町村との協議、できるだけ早く進めていただくことによって希望ある私はふるさとへの帰還ということも可能だと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、関連死というか、震災で様々な被害が出ていると同時に、仮設住宅借り上げ住宅等においての健康上の問題を始め、精神的な問題、いろんな問題が出ていることは御案内のとおりであります。  もう福島県だけでも震災関連死、四百三十三名と言われております。ほかの県よりもはるかに多いという状況の中、それでなくてもこの震災関連死に加えて、離婚も増えている、自殺者も増えている、様々な課題が出ております。これらの課題克服について今まで以上にしっかりと対応していただきたいと思っておりますので、これは答弁は結構でございますので、一層の体制をしいていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。  次に、実は自主避難者方々がたくさんおられます。今、二万三千人を超えると言われております。これは、多分この後の質問等にもいろいろ出てくると思いますが、私も先週、東京に避難をしているいわき方々三人と直接お会いをしながらいろいろ話も伺いました。あるいは、県内のいろんな自主避難者皆さんともできるだけ多く私は接触をして御要望をお聞きしながら、まずはおわびをしながら、これらの皆さんにどういう対応ができるかということをしっかりやっていかなければいけないと思っております。  そういう状況の中で、たくさんの御要望がありますけれども、あえて今日は三つの点について御質問をしながら御見解、そして前向きな対応をしていただきたい。これについては、超党派で作らせていただきました子ども被災者支援法にどのように適用していくかということも極めて重要な課題だと思っておりますので、ここはしっかりとこれから復興庁としても関係省庁と連携を取りながら、これもスピーディーにいろんな課題をひとつ解決をしていただきたいというふうに思っておるところでございます。  まず一つに、避難指示区域以外の高線量区域、これは福島県外を含みますが、避難指示区域からの避難者と同等の公営住宅にかかわる支援が受けられるように国として必要な措置をどうしても講じてほしいという希望が非常に多いものがございます。これについての御見解をお伺いしたいと思います。
  16. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今委員から御指摘がございましたように、いわゆる子ども被災者支援法では、現在自主避難者とされている方々のうち、一定の基準以上の放射線量が計測される地域からの避難者に対しまして支援措置を講ずることとされております。  今、その支援措置につきましては、同法に基づき検討中の基本方針において今後具体化するということになりますけれども、画一的な対応となることなく、支援を必要とされる者に必要な支援が適切に行われることとなるよう、避難者地域の声をお伺いしつつきめ細かな検討を行ってまいりたいと考えておりまして、今委員から御指摘の言われた点につきましても、それを取り入れる方向検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
  17. 増子輝彦

    増子輝彦君 検討を進めているからもう一歩是非大臣、踏み込んでいただきたいと思います。野党の皆さんも、これについてはかなりの要望を出していると思います。是非、我々も与党として、幾ら陳情を受けても何も実行できないじゃないかという批判があることも事実でありますので、この件については検討からもっと前に踏み込んでスピーディーに対応を願いたいと思います。  次に、避難者を受け入れられている自治体では、避難者に対して県営住宅市営住宅などを提供しているところもあります。御案内のとおりであります。その提供の期間の大幅な延長長期化是非必要だと。一定期間で今認められておりますが、更なる延長期間が必要だということをそれぞれの避難者皆さん強く訴えておりますので、この件についても積極的にスピーディーに検討、結論を出していただきたいと思います。いかがでしょうか。
  18. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 原則二年ということにしておりますけれども、これも私も、被災者方々お話しするときに同様の要望を何回も受けております。  その都度申し上げておりますのは、戻る場所、戻る住宅、そこが確定しない限りにおいては現在の仕組みを継続させていただきますと。若干の手続がございますけれども、その旨は繰り返し繰り返し説明させていただいておりますが、その方針で臨みたいと思いますし、そのことについての情報発信もしっかりやっていきたいというふうに思います。  ただ、原則はいずれ早く戻っていただくということでございますから、そちらの方に全力を挙げるということは言うまでもないことだというふうに思います。
  19. 増子輝彦

    増子輝彦君 よろしくお願いいたします。  加えて、民間賃貸住宅応急仮設住宅としての借り上げについても、同じようにしっかりと対応してほしいという要望が強く出ております。既に終了している都道府県においても、その再開が行われることを皆さん望んでおります。  この民間賃貸住宅応急仮設住宅についても、しかるべき対応をしっかりとやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いわゆる仮設住宅といわゆる借り上げ住宅ということについての支援考え方に違いはございません。先ほど申し上げたような考え方で今後とも対応させていただく、対応するということになります。
  21. 増子輝彦

    増子輝彦君 ありがとうございます。  それでは、環境大臣お忙しいところありがとうございます。時間が余りありませんので、幾つかの点について御質問をさせていただきたいと思います。  ようやくと言っては失礼ですが、何とか中間貯蔵施設建設を踏まえた調査要請を各市町村にされました。先日の八プラスワン会議で具体的な場所が設定されたようであります。大熊町九か所、双葉町二か所、そして楢葉一か所、合計十二か所。それぞれの自治体反応というのは様々だと思います。と同時に、首長さんと議会と地域住民皆さん反応もまた必ずしも一致しているという状況ではないことは、もう御存じのとおりだと思います。  これら中間貯蔵施設、極めて重要な課題であります。当然、この中間貯蔵施設ができないがゆえに仮置場もほとんどできないという状況が今福島県にあって、森林除染も含めてあらゆる除染がなかなか進まないという現状にあるわけであります。この中間貯蔵施設建設というのが極めてこれからの除染福島復興に重要な課題であることは、もう言うまでもございません。  この十二か所のいわゆる調査要請をされたという状況の中で、今後どういうふうになっていくか、この結果を待っているところでありましょうけれども、もしこれらについて、町によってはなかなか応じられないというようなものがもし出てきた場合にはどのように対応されるのか、御見解を伺いたいと思います。
  22. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 中間貯蔵につきましては、昨年のちょうど今ごろ、菅前総理のときに初めてそうしたものが必要だという考え方福島県知事始め皆様に御説明をさせていただいたという経緯がございます。それから一年たって、様々な状況というものの変化もございまして調査を依頼するに至ったということでございます。  現段階では、佐藤知事から、国からの要請を一旦預かって、双葉地方町村と県の実務者で論点を整理をし、関係者と相談の上、国に回答するという、そういうお言葉をいただいております。したがいまして、まずはその御判断を待ちたいと思っております。  もちろん、我々は待っているだけではなくて、お求めがあれば、そこには中間貯蔵施設施設としての在り方であるとか、さらには安全性などについては説明をさせていただいておりまして、まずはその御検討の結果というのをお待ちをして、その上で次の段階に入っていきたいと考えております。
  23. 増子輝彦

    増子輝彦君 その結果待ちであることは、私も承知しております。どうぞ十分、県も含めて関係町村協議をしていただきたいと思います。  さらに、一歩進んでいくとするならば、中間貯蔵施設が仮に受け入れられる町村が出た場合に、今度は大事なことは、その放射性廃棄物減容化をどこでするのか、まだ方向性が決まっていないというふうに伺っております。仮置場自治体でやるのかあるいは中間貯蔵施設のところでやるのか、これは極めて重要な実は課題であることは言うまでもございません。  これはどちらでやるという基本的なお考えを持っているのか、端的にお答えを願うということと、もう一つ最終処分場、三十年後には県外にということであります。これは一部の町長さんからこれを法制化しろという話が出ておりますが、この減容化場所、そして最終処分場の法制化等についてはどういう考えを持っているか、大変申し訳ありません、この後また質問あるので、端的によろしくお願いいたします。
  24. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 減容化施設は両方の可能性を探ってまいりました。すなわち、仮置場減容化をして中間貯蔵施設に持ち込むという考え方、一方で、中間貯蔵施設で大規模に減容化をするという考え方。いずれも可能性を捨てたわけではありませんけれども、実際に技術について検討してまいりますと、非常にこの減容化というのは大量のものについてやるのは技術的に難しい問題がございます。したがいまして、すぐになかなか減容化施設を造って始めるという状況ではございませんので、今のイメージとしては、どちらかというと大規模な中間貯蔵施設の方で減容化をするということの方が現実的ではないかというような議論を内部でしているところでございます。まだ結論が出ているわけではございません。  法制化の方でありますけれども、この中間貯蔵施設について自治体皆さんの御理解をいただけるということになってまいりますと、当然それは法制化しなければならないと考えております。法制化をする中において、最終処分の考え方については、まだこれもしっかりと相談をした上で方向性を出したいと思っておりますが、やはりきちっと書き込む必要があるのではないかというふうに私自身は考えておるところでございます。
  25. 増子輝彦

    増子輝彦君 減容化については、大臣、私はやはり中間貯蔵施設でやるというよりは自治体でやることの方が現実的だと思います。  なぜならば、それを、廃棄物をそのまま仮置場から中間貯蔵施設へ運ぶというところに様々な課題が出てくると思います。これは大量な量になりますから、途中の市町村の住民の皆さんから多分反対も出るかもしれません。道路の整備あるいはトラックの様々な問題等。是非これは、両方検討していくという過程の中でできるだけ早く結論を出していくことが大事だと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  それでは、吉田国交副大臣、高速道路の無料化等々について、これ極めて避難者にとっては今大きなやはり要望が引き続きございます。そういう意味では、九月末でいわゆる避難者に対しての無料化が一旦切れることになっております。これの継続を是非、今日、とにかく頼んでほしいといろんな方々から要望が参っております。  九月で終わるという予定のものを引き続き無料化をしていただけるかどうかということと、さらに、まだ一部、例えば土浦、佐倉のように、これも前にも、今日、前田前大臣いらっしゃいますが、このときも申し上げました。双葉、浪江、大熊の三町の皆さん避難しているんですが、双葉町だけの方が対象なんですね。それは、桜土浦の周辺には双葉の役場機能だけがあるということで、その対象だと。私は、役場機能を対象にして指定をするんではなくて、避難されている地域住民皆さんを中心として考えていくことが当然のことだと思います。  これらまだ指定をされていないインターチェンジを含めて継続を是非お願いしていることと、更に追加をお願いしたいということについての御見解是非前向きな御答弁お願い申し上げたいと思います。
  26. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 本年四月以降の原発事故による避難者を対象とした高速道路の無料開放は、委員指摘のとおり、九月三十日までの予定で実施をしております。その後の取扱いにつきましては今後検討してまいります。  また、現在の措置は、原発事故による避難者の一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的から、福島県内の全インターチェンジ等を出口又は入口とする利用を対象として実施をしているところであります。
  27. 増子輝彦

    増子輝彦君 時間が参りましたけれども、最後にもう一つ自主避難者へのこの適用ということも是非検討いただきたいと思いますが、国交副大臣、いかがでしょうか。
  28. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 本年四月以降の原発事故による避難者を対象とした高速道路の無料開放は、政府としてこれまでに避難を指示したり勧奨したりしている区域等に元の居住地がある避難者について、一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的から実施しているところでございます。
  29. 増子輝彦

    増子輝彦君 ありがとうございました。時間が参りましたので、終わります。  吉田大臣、いつものように歯切れ良く、ひとつがあっとやってくださいね。お願いします。  柳澤副大臣、申し訳ありませんでした。時間がなくて質問できなかったおわびを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございます。
  30. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。よろしくお願いいたします。  冒頭ですが、平野大臣から委員会の冒頭に謝罪の言葉がございました。これについては、先日の委員会森まさこ委員質問をしたところ、その質問以外のことで、反論の場を与えていただきたいということで延々と答弁されたことに対して謝罪をいただきました。改めてでありますけれども、大臣答弁をする際に、これは反論権のようなものはありませんので、質疑者の質問にしっかりと沿った答弁をしていただきたい。これは肝に銘じていただきたいと思います。  これは委員会のことですから、改めて大臣の姿勢をチェックしながらこれからも我々質疑に臨みたいと思うんですが、もう一点、心配していることがあります。被災地、そして被災者皆さんに対してであります。  大臣が、特に復興大臣が臨まなければいけない姿勢としては、反論するようなことはなく、また、議論をして論破をして説き伏せる、こういった姿勢というのはやはりいかがなものかと思います。まあそのようなことはないと思いますけれども、今、復興大臣に必要なことは、現場でも大変な不満が渦巻いております、是非謙虚に真摯に、常に聞く耳を持って被災者被災地皆さんの話を聞いていただきたい、その姿勢を持ち続けていただきたいということを、まず冒頭、苦言ということでありますけれども、お話をさせていただきたいと思います。  その上で、またその不満が山ほど渦巻いておるんですが、一点だけ質問させていただきたいと思います。  被災者被災地域における線引きについてなんですけれども、沿岸部においてなんですが、防災集団移転促進事業対象区域とそれ以外の浸水区域がありますけれども、これは同じようにほとんど変わらず被害を受けたということは事実としてあります。防災対策を講じても一定の浸水が想定され、かつ防災施設の整備が行われない間は危険な状態が継続する地域では、住民に対する支援が国の制度としてはないと聞いております。  沿岸市町においては、防災対策を講じれば移転までは要しないという自治体から住民の皆さん説明をしても、やはり津波を目の当たりにしてその怖さがトラウマのようになっている方も多くおります。幼い子供がいる家庭では、自宅があった場所に行くと子供が津波を思い出し泣き出してしまう話なども聞いております。また、防潮堤などが整備されるまでの間は危険であって、少しでも安全な宅地にするために建物の基礎を高くしたいなど、移転をしたいという住民や、現地再建を行うために安全な宅地や建物への改善を希望する住民はまた多いと聞いております。宅地被害についても同様なことが生じており、新たな復旧への制度をせっかく創設されたものの、公共事業に含まれない被害宅地への支援がない状況にあります。  やはり一定の線引きというのは必要なのかもしれませんが、広くこういった方々救済してほしい、それが現場の声であります。どのような措置ができるのか、大臣見解を伺いたいと思います。
  31. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 被災地における、特に津波地域のこれからの復旧復興に向けては様々な要望が上がっておりますが、ここに来て、住宅再建についてどこまで国が支援をするかという問題、それから制度間についてやっぱり差があるということについて、これをどのような形で是正ができるとすれば是正するかという、そういう点にかなり要望が集約化されてきているなという感じがいたします。  この点に関しましては、まず一点目、住宅の再建について国がどの程度まで関与するかということにつきましては、例えば被災者生活支援法は、今までの経過はもう御案内のとおり様々な経過がありまして、全壊の場合には三百万ということで、これは国会の中でも相当な議論がされて制度ができております。これを更にどういう形でかさ上げするかということにつきましては、この東日本大震災震災復興という問題ではなくて、災害復旧全体の制度の根幹にかかわる問題だろうというふうに思っておりまして、このことは知事の皆さん方にも申し上げておりますけれども、例えば知事会の中でしっかり議論していただく、あるいは国会の中でも議論していただくということが基本だと思っております。  私の立場とすれば、今の段階では、そこについては慎重にならざるを得ないという答弁を申し上げておりまして、今日もその答弁以上のことはなかなかできないということだと思います。  それからあと、制度間の差につきましては、これは例えば防集と例えば土地区画整理事業、危険区域等々、それ以外の危険区域の指定されない地域について、例えば利子補給があるかないか等々につきましての制度上の差異はあります。ありますが、このことにつきましても、かなり資料を用意しまして、相当、かなり説明をいたしました。  簡単に申し上げますれば、危険区域に指定された方々については退去を命ぜられます。退去を命ぜられることによって、その土地が、買上げはできますが、従前の価格の六割、七割ぐらいになってしまいます。そして、命ぜられた方は、例えば高台移転する場合には土地を買わなくちゃなりません。土地を買う場合については、これは用地取得費が掛かります。この用地取得費については時価の評価になります。その中でやっぱり負担が出てくるだろうということです。  一方で、土地区画整理事業なんかにつきましては、これは利子補給制度はございませんが、これはその地場で要するにかさ上げをしますから、土地についての権利の移動がございません。そういう中で、土地を売って買うという操作がございません。そういうまた違いがあります。  それから、そういった意味で、今回の利子補給等々についての差があるというのは、そういう個人の負担にかなりの、場所によってはかなりの大きな差が出てくるから、それに対する相違に着目してできた制度だという、こんな説明をやっております。  あと、支援の対象につきましては、もう委員も御案内のように、ある一定のところでやはり、大変申し訳ないんですけれども、基準というものを設けながら支援をしていかないと、なかなかこの制度上の運用上の問題が出てくるということであります。
  32. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 制度上の問題がいっぱいある、たくさんあるということは私も分かっていますし、また現場、いろんな問題が出ているということは大臣も十分承知していると思うんですが、先ほど言いましたように、これはできないということでただ説明をするのではなくて、前向きに常に検討していただきたい、その姿勢を是非持っていただきたいということであります。  幾つかまだ質問はあったんですけれども、時間がないので飛ばして、補助金についてお伺いをしたいと思います。  グループ補助金を始めとする補助金についてなんですが、これは副大臣にお伺いしますけれども、二十三年度中に認められた補助金、これは二十五年度になったらもう打ち切られてしまうという答弁が衆議院の委員会で、大臣からそのような趣旨の答弁があったと思うんですけれども、事実関係を確認したいと思います。
  33. 五十嵐文彦

    ○副大臣五十嵐文彦君) これは二十三年度の補助金、二十四年度には繰越明許という形で繰越しができますが、二十四年度にも執行が難しそうだというお話をいただきました。その場合は財政法上の制約がございまして、裁量権が過大に広がったりしてはならないものですから、単年度主義、それから会計年度独立の原則を旨とすると難しいんですけれども、しかし実質的にそのグループ補助金を必要とする方々に事業ができるような措置が行けばいいわけですから、それは十分にお気持ちも分かりますし事情も分かりますので、関係省庁検討させていただいて対応させていただきたいというお話をいたしました。
  34. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 時間が参りましたので、くれぐれも民間方々、特に被災をして企業を同じ場所に立ち上げたいと思っても、なかなかそこに許可も下りずに再建できないという事情もあります。一年で全てこの補助金、せっかくもらった補助金ですけれども使い切るというのはなかなか難しいですから、その現場の事情というのをしっかり踏まえた上で現実的な対応是非お願いをしたいと思います。  時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。
  35. 川口順子

    川口順子君 自民党の川口順子でございます。  まず最初に、先ほど吉田大臣から謝罪の言葉がありましたけれども、大変に遺憾なこと、これは国会議員としても副大臣としても恥ずかしいことであると私は思っております。結果として委員長の了解を得なかったという言葉がありましたけれども、私の了解も得てもらっていません。質問者の了解を私は取ってもらっていない。副大臣としては全く資格がないということを申し上げさせていただきます。  まず、質問に入りたいと思います。横光副大臣にお伺いをいたします。  横光副大臣環境省、NGOの人たちと一緒にアメリカのNGO、アメリカの政府当局と会合を八月に持った。この資料は、資料一としてお配りをいたしておりますけれども、いろいろな環境省の職員の方もいらしてアメリカのNOAA等とお話しになったと思いますけれども、時間がありませんので三点、具体的にお話をいただきたいと思います。この漂流物を片付けるに当たっての問題点は何か、それから、米国はどのような体制をつくって取り組もうとしているか、日本に何が期待されているか、こういう点を政府間でもお話しになったと思いますので、御説明をいただきたいと思います。短くお願いします。
  36. 横光克彦

    ○副大臣(横光克彦君) お答えをいたします。  東日本大震災による洋上漂流物への対応に関しまして、今お話しのように、日米のNGOによる意見交換が、去る八月四日から六日にかけまして、アメリカのオレゴン州ポートランド近郊にて行われました。今回の派遣に当たりましては、環境省の予算によりまして意見交換にかかわる費用を支援してきたところでございます。  意見交換では、まだ本格的な漂着は見られていない、見られている状況ではないんですが、それでも西海岸の各州に震災が起因と見られる発泡スチロール等が漂着しておりまして、これらに対する漂着状況、あるいは各州の取組状況の把握などがまず行われました。  今回の成果を踏まえまして、今後とも継続して意見交換をするということが合意されましたし、またNGO同士が協力してモニタリング等による漂着状況を把握すること、さらには今後どのような協力ができるのかといったような具体的な行動計画を策定することなどが合意されたところでございます。
  37. 川口順子

    川口順子君 具体的にという注文を出していたんですけれども、全く答弁は具体的ではない。ということは、話合いが具体的でなかったということであろうと思います。これから行動計画とおっしゃいますが、環境省の調査でも十月からすぐもう大量に流れ着いてくるというときに、これから行動計画を作るも何もないと思うんですね。大変に後手であるということを申し上げたいと思います。  そこで、予算の話ですが、山根副大臣にお伺いをいたしますけれども、これアメリカ、カナダの海岸の、メキシコというのもありますけれども、漂着物については、州政府あるいは地元のコミュニティーの予算で片付けるというのが建前であるというふうに聞いておりますけれども、例えばワシントン州、オレゴン州、それぞれ海外漂着物処理のための予算をどれぐらい持っているか、ということを実は聞くということを二、三日前に外務省に通告をいたしましたら、それから公電を打って調べますという状況で、まともにこの問題に取り組もうとしているという姿が見えません。  いずれにしても調べていただいたと思いますので、幾つかほかにも調べていただいてありますが、時間の観点からワシントン州とオレゴン州の二つについて教えていただきたいと思います。
  38. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 具体的なお尋ねでございます。  ワシントン州につきましては、通常の予算はございませんが、追加予算として知事の緊急予算から災害対策予算といたしまして、五十万米ドルの追加予算を計上をされているというふうに承知をいたしております。そのほかに、環境保護局からは、廃棄物の縮小、リサイクル、ごみ管理予算として十万米ドルを捻出をされているようであります。  また、オレゴン州につきましては、二年ごとの財政年度を採用されておられるわけでありますけれども、現会計年度である二〇一一年から二〇一三年度の洋上漂流・漂着物処理及び海岸清掃に充てられた予算は十三万五千米ドルというふうに承知をいたしているところでございます。
  39. 川口順子

    川口順子君 とても少ないと思うんですよね。  オレゴン州、この間、青森の浮き桟橋が流れ着きました。あれの処理で六百八十万円ぐらい既に掛かっていて、他方で、オレゴン州の二年間の予算で、十三万五千ドルというのは約一千八十万円ですから、二年間分の予算を一件で使っちゃっている、ほぼ使っちゃっているということに近いわけであります。ほかの州についてもほぼ同じようなことの情報を調べて外務省にいただきました。  日本が本当に真面目にこれに対応するつもりであったら、六月に本部ができているわけですから、この予算、アメリカが一体どういう体制でどれぐらい持ってやっているんだろうかというのはイロハのイで調べておかなければいけない、後手である、遅過ぎる、真面目に対応するつもりがないということを申し上げさせていただきます。  それで、横光副大臣には、廃棄物処理、NGOの役割は非常に大事であって、今回の会議環境省が御支援をなさったということであります。今後ともNGOの役割というのは重要だと思いますけれども、バックアップする予算がない。聞くところによると、今回の会議でも、環境省の予算を日本のNGOは米国のNGOの旅費にも配っているというような状況であります。  今後、環境省として、これが数年続くわけですけれども、どれぐらいの予算を環境省はNGOに対して出すつもりで考えていらっしゃいますか。予算の概算の締切りはもうすぐです。
  40. 横光克彦

    ○副大臣(横光克彦君) 委員が御懸念されておりますように、本格的な漂流は十月ごろから始まるわけで、非常に速やかな対応が必要であると考えておりまして、そういった意味で、NGOの皆様方のお力をまず借りるということで今回米国にも派遣したわけでございますが、これからのNGO支援に対しましては、まず地球環境基金という既存の枠組みを活用させていただきたいと、それでNGOの連携をこれからも支援してまいりたい、まずこのように考えております。  さらに、今後につきましては、既存の枠組みを活用しつつ、環境省としてどのような対応が可能なのかどうかについては検討してまいりたいと、今そのような状況でございます。
  41. 川口順子

    川口順子君 地球環境基金から出せるお金というのは年間一千万とか二千万とか、その程度しかないわけです。概算要求がもう締切り間近ということになって、それ以上のものはない。こんなのでやっていけませんよ、本当に。  それでは、吉田大臣にお伺いをしますけれども、総合海洋政策本部においても予算要求をしていらっしゃると思います。合計どれぐらいの予算要求をしていらっしゃいますか。
  42. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 東日本大震災によります海上漂流物への対応につきましては、今環境省さんの方で平成二十三年度及び二十四年度に予算を措置をされております。洋上漂流物の漂流予測を実施しているというふうに聞いております。  それぞれの省庁が役割を分担しながら必要な予算を措置して取り組んでいるところでございまして、今後も米国等沿岸国への協力の在り方を検討する中で必要に応じて予算確保に努めてまいる所存であります。
  43. 川口順子

    川口順子君 何にもお答えになっていらっしゃいませんね。  各省やっている、そんな無責任なことでいいんですか。吉田大臣は副本部長でいらっしゃいます、総合海洋政策本部の。そこが、各省にやらせている、だから自分は何も知らない。  具体的に何も知らないんですか。知っているか、知らないか、お答えください。
  44. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 今、概算要求につきましては取りまとめ中でございますので、個別案件については具体的なお話は差し控えたいと思います。
  45. 川口順子

    川口順子君 それでは、概算要求が出たところで数字をこの委員会に出していただきたいと思います。  私は応援しようと思って質問をしています。そういうことも分からずに、野党にはアイデアないしは対策の具体案を出さないというのは一体として、これはもう日本の問題でもありますから、そういうことについて前向きの姿勢を持っていないというふうに理解をさせていただきます。  それで、吉田大臣にもう一つ質問ですけれども、前回の、そのときにもう吉田大臣は席をお立ちになっていらしたのかもしれませんけれども、お配りした資料に、笹川さんの漂着物処理に自衛隊を派遣せよということの説明をいたしました。  自衛隊、自衛隊だけではなくて私の同僚の宇都参議院議員のアイデアでは、予備自衛官とかOBとかそういう派遣が考えられないかということで、いいアイデアだと私も思うんですけれども、受入れの先方の合意が前提ではもちろんありますけれども、事務方に聞いたときには、自衛隊員チームと呼ばせていただきますけれども、その派遣については議論をしていない、本部では議論していないと言いました。  事実確認です。していますか、していませんか。
  46. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 吉田国交副大臣
  47. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 国交副大臣ではなく、多分海洋政策の担当の副大臣でございまして、ただし、残念ながらそういう証書はいただいておりませんので、呼び名という形でお答えをさせていただきますならば、今、自衛隊派遣についての検討という形でございますが、政府としてはそのような検討はしておりません。
  48. 川口順子

    川口順子君 民間の方が日米関係、民主党政権になってから極めて傷んだ日米同盟関係の強化ということも考えてアイデアを出していらっしゃるときに、政権では何も考えていないということですけれども、渡辺大臣、防衛省の中でも全然そういうことは検討していませんか。
  49. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) 笹川さんが書かれたこの新聞記事等読ませていただいて、こういうことはということで、こういう御意見があることは認識しておりますけれども、防衛省内において自衛官あるいはOBを、これ、OBといえども民間人でございますので、こうした方々を派遣するという仕組みはないということで検討はしておりません。
  50. 川口順子

    川口順子君 仕組みはないとおっしゃいました。仕組みがなければ何も検討しないんですか。仕組みがなければ、必要だと思えばつくるということを考えるのが政府の役割だと思います。  送る、そこまで対応をする必要はない。これだけ日本にある瓦れきの十二、三分の一が流れ着こうとしているときに、トモダチ作戦であれだけの大きな海兵隊が手伝ってくれたときに、自衛隊は重機も使えるし、組織として動く力も持っている、OBの方もいらっしゃいます、予備自衛官もいます、それでも全くもう何もやるつもりがないということをおっしゃっているわけですね。
  51. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) これは外務省の所管のことでございますので、私が答えるよりは本来なら山根外務副大臣かと思うんですが、一般論として申せば、一国のやはり実体的に軍ですね、自衛隊も。この自衛隊が国際緊急援助法によらないで行くとなれば、これはやっぱり一つの法的根拠の部分において現在なかなか苦しいだろうと。  それともう一つ、もし行くとなれば長期間、何千キロと及ぶアラスカからアメリカの西海岸に、例えば実体的に軍である日本の自衛隊が駐留、一定期間するとなれば、当然重機も持ち込んで一定期間そこに駐留をすると。これは、一般論としてやはり地位協定を結ばなければいけないような議論も出てくるであろうと。そうしますと、この点については相手国の、やはり緊急援助という法の枠でいえば、相手国若しくは国際機関からの要請があって初めて外務大臣協議をするということでございます。今、その前提がない以上は、現在、防衛省で検討しているという段階にはないことは重ねて御答弁申し上げたいと思います。
  52. 川口順子

    川口順子君 全く先取り的に物事を考えていない。よく官僚が固いと言いますけれども、そんな政治家だったら政治主導できませんよ。  先ほどおっしゃった法律ですけれども、法律では読めないということをおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、国際緊急援助隊の派遣に関する法律では読めないということをおっしゃったと思いますが、自衛隊法、災害派遣で送ることができることになっていますし、地位協定云々の話も、これは自衛隊員を大量に送るということももちろん考えられるでしょうけれども、指令要員というか連絡要員、向こうの政府との連絡要員として現役自衛官を少数送って、あとは予備自衛官の方とかOBの方で仕事をするということも考えられるというふうに私は思います。そういうことがまず必要、最初にありきであって、それから法律上それが手当て可能か、もしそうでなかったらば新しい何かが必要かという方に考える発想、それがまさに政治主導、縦割りを超えた政治主導であると思います。  民主党の方に政治主導のレクチャーをすることになるとは思ってもいませんでしたけれども、自衛隊の八十三条、現存の自衛隊法ではこういったことは読めないんでしょうか。それについてお伺いします。
  53. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) 災害派遣ということにおいては、やはり当然これ要請がまずあるということが大前提でございまして、現在、アメリカ政府から現時点で災害派遣の要請がないわけでございます。また、海外からの要請となりますと、これ国際緊急援助法の根拠ということになるわけでございまして、現在のところ、このアメリカに漂着した、あるいはこれから漂着するであろう廃棄物の瓦れきの除去のために自衛隊が災害派遣という形で行くということは現在では考えられないと、そのように御答弁を申し上げたいと思います。
  54. 川口順子

    川口順子君 今の法律では読めないというお答えをいただいたと思います。  要請がなければというふうにおっしゃいますけれども、これ、アメリカとの関係では、自らが行って手伝いたいんですがと言うことに意味があるんですね。それは法律が、そういうような形の法律はないということであれば、これは特別法を作ればいいんです。現に自民党では、そういう形の法律を作ることも視野に入れて、今この問題の議論をしております。政府がそういうことをおやりになるということであれば、我々は喜んで支援をいたします。  アメリカ州政府は予算もない、日米同盟関係も非常に傷んでいる、実際に困る、NGOの支援する予算もない。全体としてどれぐらいの予算を取って何をやろうとしているのか、政府の具体的な取組は全く見えません。こういうことで外交そして災害対策、こういうことをやっていく、これで、今の政権にはこんなことができないということがますます分かってしまったということになるのが非常に残念であります。  やはり、これは震災、日本の震災から出たごみがほとんどということであって、日本が、アメリカにとってみたら遅れて来た震災であるというふうに理解をしなければいけないんだと思います。そこを日本として、日本も苦しいけれども、人が見える形で行って助けるということが、トモダチ作戦の例を考えてみても、いかに日本がやっているというイメージを国際社会で強くするか、アメリカの西海岸の人の対日感情を良くするか、総合的にそういうことを考えてやりたい、やってほしいと思いますが。  最後に、時間なくなってしまいましたが、この点について、山根副大臣とそれから最後に平野復興大臣のそれぞれコメントをお願いをします。そういうことが必要だと思うか思わないかということです。
  55. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 先ほど来の御議論を聞かせていただいております。見える形での支援をというのが前回での御質問の趣旨でもございました。その思い、自衛隊派遣ということについては、私どもは三つの条件がクリアされれば可能かというふうにも思っております。  一つは、国内法の中でそれがクリアできるのかどうか。それからもう一つは、具体的な作業、仕事というものがどのようなものであるのかということが確認をされること。そしてもう一つは、軍といいましょうか、日本では自衛隊の派遣ということにつきましてはやはり丁寧でなくてはいけませんし、アメリカにとってやっぱりウエルカムなもの、歓迎されるものでなくてはいけない。この点、いろいろな主権の問題等での議論、災害派遣といえどもあろうかと思いますけれども、そうした三つの条件がクリアされて後、行われるものだろうというふうに思っております。  以上でございます。
  56. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 災害の瓦れきの量、漂着するであろう瓦れきの量もかなりの量だというふうに見込まれています。  あわせて、木質系が多いということで、聞いていて思ったんですけれども、多分海水をたっぷり吸っております。海水をたっぷりと吸った木質系を例えば燃やすということについては、これはかなり難しい問題もあったりします。そういう中で、コスト負担ということにつきましては、やっぱり漂着瓦れき等については違ったコスト負担も出てくる可能性もあります。  そういうことをちょっと今頭に浮かべながらお聞きしておりましたけれども、いずれ、この出どころが東日本大震災からに基づく漂着瓦れきだということについては、私自身はきちっとこれを頭に入れながら臨む必要があるだろうというふうに思います。  ただ、何ができるかということにつきましては、今各関係省の副大臣も御答弁されたとおりかと思いますが、いずれ、漂着瓦れきについては、少なくとも日本としても、復興大臣としても無関心ではいられないということは事実だというふうに思います。
  57. 川口順子

    川口順子君 強い政治主導を期待をします。  以上です。
  58. 上野通子

    ○上野通子君 自民党の上野通子でございます。  早速質問に入らせていただきます。  まず最初に、SPEEDIの活用、公表及びモニタリング関連の情報分析、公表についてお伺いします。  昨年震災が起きまして、もう一年五か月以上がたちました。この間、様々な事故調査委員会が立ち上がり、それぞれの最終報告書も出されました。もちろん、その中でSPEEDIについて、またモニタリング関連の情報についての検証もなされてきましたが、もちろん文部科学省としても、東日本大震災からの復旧復興に関する文科省の取組についての検証結果のまとめとして独自の報告書をまとめられています。  まず、第一次報告書は、ここにも抜粋したのがありますが、昨年末、平成二十三年十二月二十二日に出されました。では、第二次報告書はいつでき上がりましたか。文科大臣お願いします。
  59. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 日にちにつきましては、私の手元に、今、上野先生御指摘のように、昨年に一次を作りまして、その後、二次報告書として、特にSPEEDIの計算結果の活用、公表、さらには、環境放射線モニタリング情報の収集、分析、学校の校舎、校庭における取組、学校給食の安全、安心、学校が避難場所となった際の対応の在り方等々含めて二次報告書を策定したものでございます。日にちにつきましては、七月の二十七日に二次報告書を提出したところでございます。
  60. 上野通子

    ○上野通子君 今年の三月二十二日の文科委員会の方で、第一次報告書が出てからまだ第二次報告書出ないけれども、いつですかと大臣にお伺いしたのを覚えていらっしゃると思うんですが、そのときに大臣は年度末をめどに出したいということをおっしゃられて、ずっと待っていたんですけれども、結局、年度末には出していただけなくて、第一次報告書の後、七か月たってからですか、七月の二十七日になってやっと出たので、ここにあるんですが、これかなり重たいんですよね。分厚いので、中身も大変濃くて分厚いものかなと思って期待したんですが、ちょっと残念な結果が私としては感じられました。  大臣御存じのように、私、ずっとSPEEDIにかかわってまいりまして、SPEEDIオタクとまで言われているんですが、文科大臣だけでも三人目なんです、大臣で。そして、なぜこれほどこだわるかというと、私は日本は科学技術大国だと思っています。すばらしい技術、能力を持っていて、だからこそこういうものを開発してきたと思っているので、SPEEDIの名誉のためにもお伺いしているんですが、ただ、その答弁がどの大臣も分かりにくくて、また、マスコミにスクープされると渋々その間違いを認めたりということも多くて、そのたびにいろんなことで質問させていただいているんですが、その最たるものがアメリカとの情報のやり取りだと思います。  政府は、SPEEDIの情報を平成二十三年三月二十三日に原子力安全委員会が公表するまで国民に非公表にしてきた一方、震災直後の三月十四日ごろから文部科学省から外務省を経由して在日米軍に提供してきました。また、政府は、三月十八日から米国エネルギー省、DOEより、航空機による福島第一原発周辺の空間放射線量の実測データです、実測ですよ、実測データの提供を受けていたにもかかわらず、国民に公表もせず、周辺住民の避難誘導にも活用することもありませんでした。これは予測ではなく実測です。十分に避難にも使えるデータですし、しかもSPEEDIの予測データともほぼ一致するものでした。かなり信頼できる、信頼性の高いものであったと私は思います。  こうした外国政府との情報交換や文部科学省の情報公開の在り方に対しては国民から大きな批判が寄せられ、国会でも、私だけではなく、私よりもっと怖い森先生、そこにいらっしゃいますが、森先生や多くの先生方から何回も繰り返し物すごい鋭い質問があったと思います。それにもかかわらず、この第二次報告書の検証の中ではSPEEDIとモニタリング情報公開等についてかなり薄い検証であると私は実感しております。  ちょっと時間がないので、ここで政府の御答弁をいただきたいんですが、続けさせていただいて、文科省は、米国との情報のやり取りの部分も含めてもう一度検証をして、第三次報告書をまとめる考えはございますか。
  61. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 冒頭、上野先生からSPEEDIオタクという、こういう言葉が出ましたけれども、本当に上野先生は、この科学技術を駆使したSPEEDIシステムについてなぜもっと有効に活用しなかったのかということも、私の立場においても御質問いただいたことは承知をいたしておりまして、本当に見識を持った御質問だったというふうに思います。  いま一点、冒頭言われましたが、七か月遅れたと、年度末ということでございますので、本当は三末に出すということでございますので、四か月ぐらい遅れたということで御理解をいただきたいと思います。なぜならば、政府事故調、国会における事故調等々いろんな調査がございました。したがいまして、文科省としても、改めて省内でしっかりこの問題については、先生の御指摘も含めてあったものですから、しっかり検証すると、もう二度と曖昧なことにしないということで検証した結果、七月末になったということで、遅れたことはおわびを申し上げたいと思います。  特に、アメリカとのやり取りにつきましても、私どもとしては、それまでにもしっかりこの問題については取り組んでおりましたし、要請についてはおこたえをしてきたつもりでございます。ただ、被災地の皆様方の思いと国民の皆さん方の理解との間でギャップがあったということでございますが、私どもとしてはルールに従って出してきたと理解をいたしております。しかし、もっと積極的になぜ科学技術を使った部分として利用しなかったのかという厳しい指摘に対しては、素直に私は反省をし、今後、この活用については十分に活用でき得るように取り組んでいきたいと、こういう反省も含めて答弁をしたいと思います。
  62. 上野通子

    ○上野通子君 人間の記憶は薄くなってしまいます。そしてまた、次世代へとつなぐためには、確かなものとして、資料として記録しておく必要があります。そういうことから考えると、まだまだ米国との情報交換等も含めてこの報告書は不十分だと私は思いますから、是非とも第三次報告書若しくは追加報告書として、ここの部分をしっかりと報告書に残していただきたいと要望させていただきたいと思います。  大臣大変お忙しい中なんですが、もう一つだけお聞きしたいのはワールドSPEEDIのことなんですが、ワールドSPEEDIの件について今皆さんに資料をお渡ししましたが、SPEEDIと同様にすばらしい科学技術を駆使して日本でつくったもので、実用化は無理だと、何度お聞きしてもまだまだ段階が実用化されない段階だということですが、もう既に何回も使われていますし、今後はしっかりとワールドSPEEDIもSPEEDI同様に防災マニュアルに入れていただくと、そういうことにしていったらどうかと思うんですが、その点についてお答えください。
  63. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 上野先生からWSPEEDI、ワールドSPEEDIについてもいろんな御指摘をいただきました。  これは、あくまでも広範囲に大気が汚染されている状態をどういうふうに検証するかということで、まだ研究開発段階での状態のシステムでございます。したがいまして、そのデータについての信憑性を含めた品質をしっかり高めた上で、先生御指摘のように、これもそういう場合においての活用について十分に私は使っていくべく検証していきたいと、かように思っております。
  64. 上野通子

    ○上野通子君 研究段階といいましても、様々な拡散実験などのデータによって検証されており、動力炉・核燃料開発事業団の火災爆発事故、一九九七年三月や、ジェー・シー・オー、ウラン加工工場臨界事故、一九九九年九月の解析で実績を上げています。様々な段階ですが、もう既に実績も上げて幾らでも生かせる段階に入ってきていると思いますから、是非とも防災マニュアルの中の活用の位置付けも考えてほしいと思います。  文科大臣予算委員会と重なっていまして、あちらの方に行かなければならないという中、お忙しい中来ていただきましてありがとうございます。どうぞ行かれてください。結構です。
  65. 平野博文

    国務大臣平野博文君) ありがとうございます。  上野先生の御指摘踏まえて、しっかり対応していきたいと、かように思っております。ありがとうございました。
  66. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 平野文科大臣は御退席いただいて結構です。
  67. 上野通子

    ○上野通子君 次に、観光産業における風評被害についてお伺いします。  震災後、原発事故地に近い場所にある観光地はもちろん、福島もそうですが、宮城、そして私の地元の栃木県も風評被害による観光客が激減ということで、大変苦しい状況になっています。前回も復興担当平野大臣には、栃木県に行かれていただいたことありますかとお尋ねしたところ、行っていますよというお話をいただきましたので、今日は栃木県の観光状況のその後、ちょっとお話しさせていただきたいと思いますが。  栃木県といいますと、観光立県と言われて、まず栃木県知らなくても日光は知っている、那須は知っているというような状況ですので、私たち栃木県人は大変この風評被害に困っている状況がいまだに続いております。そんな中、県としても独自の観光安全宣言を出したり様々なキャンペーンを行うなどして観光客へのPRに力を入れてきました。その結果、あの一時は観光客九五%減とか八五%減にまでなった日光地区でも、観光客の数が、宿泊数が平成二十二年度の比率で、三月の比率ですが、約八五%程度に戻ってきたということを聞きまして、私も大変うれしく思っているところです。  また、もっと具体的なことでは、この八月だけの回復状況を見ますと、震災後二回の夏を迎えて、夏休みは絶好の、観光地としては本当に待ちに待ったそういう月なんですが、県内各地、風評被害にも遭っていますが、宿泊客にも格差が付いてきたのが明らかになりました。  というのは、那須塩原の温泉地は御存じだと思いますが、こちらの方は、ほぼ前年度の、平成二十二年度の宿泊客に戻った、水準に戻ってきました。その理由はといいますと、皆さんお分かりと思うんですが、那須に御用邸がありまして皇族の皆様が交代で静養に来てくださるんです。それで、来てくださる、それなら、皇族の方も来てくださるならば放射能に対する健康の安全もちゃんと整っているんだろうと、だから行ってみようということで、家族連れが戻ってきました。これ、大変うれしいことなんですね。  ところが、その那須塩原の温泉地の隣に日光があるんですが、そちら日光の方は、八月現在、依然として震災前の三〇から四〇%減の観光客なんです。かなり苦しいんです。同じ栃木県内でもこのように差が付いてまいりまして、特に、前から言っていますが、日光は外国人の観光客が大変多いところでも、外国人の観光メッカでもあるんですが、まだまだ戻っておりません。栃木県全体としても外国人観光客の戻りは、平成二十二年度比で五八・八%、半分よりちょっといいぐらい、でもほとんど戻ってこないという悲しい状況です。  また、皆さん御心配していただきましたが、修学旅行の件ですが、日光は修学旅行のメッカでもありますが、関東近県の修学旅行に来てくださっている学校に一校一校お訪ねして、来てくださいというお話を県としても日光市としてもしてきたわけですが、何とか戻ってはきてくださいましたが、完全とはいきませんでした。神奈川県の一部の学校などは、PTA、保護者の強い要望によってほかのところに修学旅行は変えられたような状況です。  そして、今一番頭を抱えていることがあります。これは、復興大臣ばかりじゃなくて、環境大臣細野大臣にも関係あることなんですが、この日光、行ったこと必ずあると思うんですが、日光、奥日光になるんですが、中禅寺湖という湖があります。そこの魚の放射能汚染です。これが出てきてしまって、どこの観光地にも目玉というものがあると思うんですが、奥日光はただ涼しいだけでなくて、マス釣りというか、中禅寺湖がその観光の目玉の一つでした。年間二万人以上がこのマス釣りを楽しむということなんですが、ここ中禅寺湖では放射能の実被害を受けてしまっていまだに基準値を超える魚が相次ぐということで、マス釣りは解禁の延期です、延期がされた状況。結局は、釣りをしたいと言って来るお客様方には、キャッチ・アンド・リリースの方式で、釣っても食べない、持って帰らない、元に戻すという、そういうやり方でやっていますが、これでは釣りが楽しめないということでブーイングが出ております。  そして、中禅寺湖は湖の底がすり鉢状になっているんですね。底に付着した放射性物質が移動しづらい、また川のように下流へと流れることもない、たまったまま濃度だけ濃くなる、そういう状況に地元の方は、セシウム半減期って、三十年先までマス釣りはできなくなるんじゃないだろうかと本当に心配している状況なんですね。  そこで、これは多分細野大臣の方がこの管轄になるんじゃないかと思うんですが、湖の底ごとの除染は大変な仕事で、そんなことできないよと地元でも言っているわけですが、何とかしてほしいという、何とか良い除染の方法はないかということで、こういう技術指導を併せて除染を担当している部署でやっていただけないかという要望が出ておるんですが、平野大臣、いかがでしょうか。あっ、済みません、細野大臣
  68. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 除染は、もちろん住宅を含めた人がお住まいになっているその近くというのは最優先でやっておるわけでありますけれども、そのほかにも福島県内でいえば森林であるとか、さらには湖沼ということでいうと、それこそ北関東も含めていろんなところに広がっているという状況でございます。率直に申し上げまして、まだ湖の除染ということについてはなかなか方針が確立をできておりませんで、どういった方法があるのかということについての検討をしているという段階でございます。  そういった中にあって、特にその中禅寺湖のように山の中にある場合は長期的にたまる可能性がありますので、どんどんどんどん移動するものについては一回一回除染をしていると、これはなかなか切りがないという問題があるんですけれども、特にたまるところの場合は、たまったところで何らかの除染作業ができないだろうかというのは、検討は十分にしていく必要があるというふうに思っております。  地元の観光業者の方には本当に大変な御迷惑をお掛けをしておりますので、今改めて御指摘をいただいたのも踏まえて、検討を急ぎたいというふうに思います。
  69. 上野通子

    ○上野通子君 是非、両大臣、一度、奥日光、中禅寺湖に来ていただきたいと思います。日光の皆さんは昨年来ずっと何らかの形で観光客戻そうとして努力していらっしゃいますが、次々に起こる問題でもうすっかり疲れ切っております。栃木県としても日光市としても一生懸命、頑張ってないわけではなく、自助努力をしております。ほかの観光地でもそうだと思います。ただ、それがなかなか思うようにいかない、そういう状況でおりますので、是非ともよろしくお願いいたします。  続いて、今除染のことでしたので、引き続き除染のことでお伺いしたいんですが、放射線量低減対策特別緊急事業費補助金というものが国の方から、政府の方から出されていただいておりますが、何度か説明もお伺いいたしました。そして、主に福島県内を中心とする比較的線量の高い地域とそれ以外の被災地の比較的線量の低い地域に分けて国費負担の対象となる作業のメニューが決められているわけですが、例えば住宅地の洗浄メニューでいいますと、高い地域では高圧洗浄や表土の剥ぎ取りがメニューに入っています。そして、低い地域にはこれらがありません。  私の地元では、北部地域を中心に八市町が線量の低い地域に指定されています。線量の低い地域ですので表土の剥ぎ取りのメニュー等は入っていないんですが、そして、あくまで補助金のための仕分であって、年間二ミリシーベルト近くになってしまうおそれがあるという、そういう地区が対象になっていると思います。  ここで、これらの政府のメニューそれぞれに、高線量地区と低線量地区で分けての除染のメニューができたわけですが、その効果の検証というのはなされているんですか、細野大臣お願いします。
  70. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 効果的な除染方法によりまして必要かつ合理的な範囲内で行われるものにかかわる費用については政府の財政措置の対象とするという基本的なこの考え方に基づいて今御指摘の交付要綱ができております。  ただ、これは地域によって柔軟にやるべきところはするべきだという考え方でこれまで運用してまいりました。したがいまして、例えば放射線の影響を受けやすいとされる子供の生活環境につきましては、例えば学校や公園ということでありますが、これは線量にかかわらず共通の除染の実施方法をお示しをしております。つまり、剥ぎ取りを現実にやっております。それ以外のところについて、例えば住宅ということになってまいりますと、全部剥ぎ取ってしまうと、その土をどこに置いておくのかという具体的な問題も出てまいりますし、また全部剥ぎ取ることが本当にそういう効果としてどうなのかという議論もあるわけです。特に線量が低いところの場合には、自然減衰で場合によっては追加放射線量で一ミリを下回るというようなところもありますので、そういったことも総合的に勘案をした中で要綱としてお示しをしているということでございます。  これまで様々な実証実験をしておりますので、高線量のところで効果が出やすいもの、低線量のところで効果が出やすいもの、それぞれについてはかなりのデータが蓄積をされておりますので、それに基づいてできる限り効果的なやり方を順次また更新をしていくという考え方で臨んでまいりたいと考えております。
  71. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。  実は、栃木県の地元でも独自の検証の実験をしておりまして、私の地元、栃木県の県北の低線量自治体一つである那須町ですね、高久勝町長というんですが、この町長さんを中心として、先月、町内の二戸の住宅で、一方は低線量地域のメニューを、もう一方は高線量地域のメニューで除染実験を行いました。  効果の検証をして、ここにその、こんな分厚いんですが、検証のデータが出ております。その結果、低線量メニューでも、雨どいの清掃や雨どい下の表土の除去は表面の線量が九割も低下して、局所的には劇的な効果があったそうです。しかし、敷地内の五か所の平均空間線量率は除染後に三・九%に上昇し、全体としては効果が見られなかった、一時的かもしれないんですが空間線量が上がってしまった、こういう結果が出ているそうです。それに比べて、敷地の表土の剥ぎ取り等の高線量メニューによる除染を行えば、除染後の平均線量率が二五%減少することも明らかになったそうです。  当然ですが、先ほどもお話ししましたように、表土の剥ぎ取りに対しての補助金は栃木県では住宅については出ておりません。しかし、この実験結果から言えることは、余り効果がない、期待がされないという線量メニューを国費を掛け続けてするのはいかがなものか。  那須としてはもったいないのではないのかという声も出ていて、実は那須町というところは約二万戸の住宅がありまして、もし一戸に低線量のメニューをするとなると、五十万円掛かるとすると百億掛かるわけでして、こんなに多額の国費を使って、知らないですよ、普通の一般住民は分からないので、剥ぎ取りはしないですが、決められたメニューの中から選んでやるかもしれない、でも効果が上がらない。こういうことをするよりも、費用対効果を考えて、一日も早く是非とも選べる選択制のあるメニューにするとか、効果もないのは余り勧めないという形にしてもらうとか、メニューの入替えも考えていただきたいと思うんですが、どう思われますか。
  72. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 低線量の地域で要綱としてお示しをしているやり方がどういった形で効果があるのかということについては、政府なりに検討してお示しをしたものもございます。是非、那須町でやられたものを私自身も拝見をして、どういった結果が出ているのかというのは確認をしてみたいというふうに思います。  一番大きいのはやはり土壌の問題なんですけれども、やはり効果のある除染の方法を常に模索していく必要があるというふうに思いますので、順次、今の御指摘を踏まえて、いいものは取り入れていくという考え方でやってまいりたいというふうに考えております。
  73. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。  実は、その那須町の高久町長、今週、大臣のところにお伺いする予定でアポ取ってあるようですので、是非とも丁寧にお話聞いていただいて、参考にしていただければと思います。もうどこの地域も必死になって除染をすることに努めていますので、どうかその気持ち、分かっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  続きまして、防災の基本計画等についてのマニュアルについての見直しについてお伺いいたします。  政府は、これまで緊急時に備えて策定していた各種のマニュアルや計画、実施要領などは実際に役立たない部分もあったということを明らかにされ、今回の震災を教訓とした新たなものを見直すという方針をされて、先日も答弁をいただいたところですが、その新しく見直しております原子力災害対策の指針について近況報告というか現状進捗状況平野大臣にお伺いしたいと思います。
  74. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の東日本大震災を踏まえた検証と併せて次の災害にどういう対策を取るべきか、これは様々な自治体レベルでの災害の対策の基本方針と併せて今見直しが進んでおります。政府レベルでは、災害基本法等の改正等々も今国会で一部お願いをして、それを成立をさせていただいたわけでありますけれども、引き続きこういった観点での検討も進んでおります。  そのほか、原子力災害基本方針につきましては細野大臣の方から御答弁があるかと思いますが、そういった観点での検討も進んでおるということであります。
  75. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 原子力災害対策指針でありますけれども、これは参議院の方でも御議論をいただいて成立をさせていただきました原子力災害対策特別措置法の第六条の二におきまして、これまで法定化されていなかったものを法律の中で位置付けるという形になりました。したがいまして、原子力規制委員会において速やかに検討されるものというふうに承知をしております。  ただ、設置を前に手をこまねいて見ているわけにはまいりませんので、例えば原子力安全委員会で本年三月に示されました中間取りまとめを踏まえまして、例えばUPZやPAZ等につきまして適切に反映をするべく、今事務的な作業はもう詰めの段階に入っているということであります。ただ、最終的には、もちろん原子力規制委員会委員の皆様がしっかり御議論をいただいて総合的なものにしていただかなければなりませんので、その判断を待ちたいというふうに思っております。
  76. 上野通子

    ○上野通子君 国の立ち上がるのを待って、あちこちの都道府県では、防災計画等を踏まえたその計画案もきちんとした形にして作り直したいと思っているところは多いと思うんですが、地元の県庁の担当者からも、国はこの四月に概要を示すようなことを言っていたのに一体いつになったら決まるんだろうと、私たちもなかなかまとめられなくて困るんだという声が漏れております。  政府として、この改正の遅れに対しての、地方に対しての発信、もうちょっと待ってくれ、もうちょっと待ってくれじゃなくて、いつまでにちゃんとしたものができるからここの部分を丁寧に今のうちに見直すとか、そういう親切な発信はしていただいているんですか。
  77. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 当初は、原子力規制委員会を四月に発足をさせることを予定をしておりましたので、そういう説明を、特に今年の年初辺りはしておったんだろうというふうに思います。  様々な情報提供に関しての御要望地域からありますので、原子力安全・保安院を中心にやってはおりますけれども、改めて、発足がもう目の前ということでありますので、どういった時期にこの防災指針を、原子力災害対策指針を作ることができるのか、目安も含めて、お問合せがあればできるだけ丁寧に対応していきたいというふうに考えております。
  78. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。  復興の元年と言われて、今年は必ず震災復興は進むと皆さん期待されている中、栃木県も含めて、東北三県以外の被災されている方々皆さんはまだ、東北三県ではなくても避難所的な仮設住宅暮らしの方もいっぱいいらっしゃる中で、まだまだ元気が出ない状況です。これで何か本当にまとまったことを地域にやっていただけると大変有り難いなと実感しております。  栃木県には復興庁の出張所、出ておりません。何かあると必ず県庁から、又は市町村から国の方まで来なきゃならない。このことも前回お話ししましたが、だから、なかなか声が届かないので、反対に、ここまでは決まりましたという国の今の動きをまめに知らせていただけると大変有り難いと思いますので、どうかよろしくお願いします。  ありがとうございました。以上です。
  79. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。  ごく短い時間でありますが、私の方は、実務的な話というか、現場が、市町村や県が本当に困っている、復旧復興が遅れていると言われていますが、遅れている部分、また、幾分かは実際に予算は計上した、その計上された予算をどう使えばいいのか、あるいは使い方に限定があり過ぎる、あるいはまた不足している部分が多い、こんなことから進んでいないというのが結構見かけます。そういうような問題意識からちょっと、今日は主として事務的な経費の話を少し伺いたいなと。  これ、本当の話は、市町村や県は困っているんです、困っているんですね。それで、資料をちょっと用意しました。資料の一は、これは過去の分なんです。過去の分で、平成例えば二十年度に災害復旧なんかで、工事の雑費や事務費、これ、事業をやっていく上では、災害の復旧とか復興、今回の復興は新しい需要というか、これがあるからやらないかぬと、こうなっていますから、今までの定常業務とは違うんですね。その分をちゃんと動けるような事務的経費を用意せないかぬ。  二十年度までは用意した。実は、二十二年度から政権が替わって、地方の補助事業は地方の負担、国の方は国だけ負担と、こういうふうに切り替えてしまったものだから、これは復旧や復興なんかは本当に困っている。地方の補助事業といいますか、復旧事業なんかやろうとしたら事務的経費ありませんよと、どうやって動くんですか。で、それを今度発注して、設計や調査を発注してやるんならいいんですよと、こう緩めたつもりで政府はいるんだけれども、発注業務というのは、またそれはそれで時間掛かるから、元々が。これまた時間は掛かる、人手はないわ、さあどうしましょうと、こうなっている部分がかなりあります。  これ、まず最初、事実の確認ですが、事実の確認ですよ、資料の一、例えば新潟の場合には、災害復旧で県の工事分は、二十年度でいえば、補助事業費は県の場合には事業費三十五億、このうち工事雑費と事務費というのは、事務取扱費が三・二%ぐらい、市町村分でいうと五%ぐらい。まあ大体このぐらいの経費は、追加需要というか、定常業務以外のところをやろうとしたら掛かってくる、これが実態だと思いますが、事実関係、水局長、こういうことでいいかどうか、こういうことだったかどうかということをイエスかノーか答えてください。
  80. 関克己

    政府参考人(関克己君) お答えをいたします。  今先生御指摘の災害復旧事業におけます事務経費、これ災害対応という臨時的な業務に対する人件費、旅費、それから職員の給与、事務費の消耗品、こういったものが含まれております。  災害復旧事業における事務経費というのは、これは災害復旧事業の個々の規模とか内容によって変動しますけれども、この平成二十一年度まで用いられていた基準をもって申し上げますと、標準的な必要額としては、工事雑費として本工事費に対して一・五%を乗じた額、また事務費としては工事費の総額に対して四・五から一・五%を乗じた額を計上しております。したがいまして、当時の基準を用いた場合ですが、おおむね災害復旧事業におけます標準的な事務経費は工事費総額のおおむね三から六%になります。
  81. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 時間がないので、説明要りません。イエスかノーかで答えてください。  副大臣、わざわざおいでいただいて済みません。  資料の二に、今みたいな考えで計算したときの、資料の二、東日本の大震災の復旧でいえば、例えば岩手県は総事業費、復旧事業費二千二百億掛かりますと。このうち事務経費六十五億掛かりますと。これは、実は復旧対象事業費の外ですから単費で全部やるんです、これ。大臣、これ全部単独費でやるんですよ、これ。工事雑費と事務費の六十五億、県でいえば。これ全部そうなんです。二十二年度から国が補助する復旧事業費には事務費入れていませんから、それは単独費でやりなさいと、こういう議論なんですね。このぐらいの費用が掛かる、大体これ三から四ぐらいです、やっぱりね。副大臣、このぐらい掛かるんですが、何か面倒見る、手当てできますかね。できるかどうかだけお答えください。
  82. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 委員指摘の、二十二年度から直轄事業負担金の業務取扱費全廃と、この際に、併せて国から地方事業への事務経費補助金を廃止しているところであります。したがって、地方公共団体の事務経費につきましてはその地方公共団体の負担となりますが、地方財政上の措置として、東日本大震災の復旧事業も含め、補助事業の実施に直接必要な事務経費を対象に総務省において必要な財源措置が講じられておるというふうに承知しております。
  83. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 多分講じられていないんです、いない。で、復興事業費も復興交付金も、これ大臣に伺おうと思いましたが、時間がなくなりましたので、資料の三に復興交付金事業費というのが幾ら掛かるかというのが出してあります。これにも事務費は全然ありません。事務費載っていません。例えば四%掛かるとしたら、岩手県の場合には、五百十一億の交付金事業費なら四%、二十億ぐらいの地方費が要るんですね。皆そうです、市もそうです。  そこでなんです。今、地方財政措置してあるというのは、これは本当にしてありますかというのは、総務省、どうですか。
  84. 稲見哲男

    大臣政務官(稲見哲男君) 先ほど国交省からありましたように、工事雑費、事務費、三%から六%と、こういうことでございます。このうち、災害救助費、災害廃棄物処理事業費、こういうものについては国庫補助事業になっておりますので、当該国庫補助事業の地方負担分、この全額は震災復興特別交付税で措置をすると、こういうことになります。  それから、先ほどありました事務費補助金の廃止に伴いまして、公共土木施設あるいは農地、農林漁業施設の災害復旧事業、これについては、先ほどおっしゃっておられたように事務費等が入っておりませんので、この点は被災地方公共団体において必要となる事務経費を調査をした上で、その全額について震災復興特別交付税で措置をすると、こういうふうになってまいります。  したがって、復興基幹事業の効果促進事業につきましても、そこに事務費が生じれば復興特別交付税で措置をすると、こういうふうになります。
  85. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 そこで、大体、見ていると言って見ていないのが普通の特別交付税なんですね。総額決まっているから、いや、総額決まっているから圧縮するんです。で、このデータがない。それ、是非委員会に出していただきたいと。総額、復興特別交付税なるものがどの県、どの市に幾らずつ行って、そのうち、こうした事務的経費に相当するものとして積み上げて幾らずつ、そのほかの経費分に幾らずつという分類を、多少時間掛かるかもしれませんが、出していただかないと、見ている、見ているという部分が多分見れていない。それで、全体の特別交付税自体が、全国の特別交付税自体が総額決まっているから、どのぐらい圧縮されるかと、これが分からない。  復興特別交付税も、見ているというお話であれば、その内訳をきちっと出して、これだけそれぞれの県や市町村に、内訳ですよ、事務的経費だけではありませんから、それをきちっと出して、世の中に教えてくださいと、こういうことなんです。よろしいでしょうかね。
  86. 稲見哲男

    大臣政務官(稲見哲男君) 復興事業につきましては別枠ということになっておりますので、例えば平成二十三年度につきましては、国交省、農林省事業七千二百九十二億円という措置額に対して五十九億円という事務費、これを個々に算出をして、それを措置をいたしております。  したがって、平成二十四年度も、この復興事業全体が定まってまいりました場合は、先ほど申し上げたように別枠で、全額復興特別交付税で措置をすると、こういうふうになってまいろうかというふうに思っております。  二十四年度の交付額が、今、三次、四次という形で交付可能額が措置をされているところでありますので、その点、どの時点で切るかということはございますけれども、また委員長の御指示に従って総務省として対応したいというふうに思っております。
  87. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 今のお話だと、二十三年度、七千二百九十億円の事業費に対して事務費が五十九億円と、こうおっしゃいましたよね、ですよね。一%に行かない。どうやって見ているか、どこで見ているか、だから信用されない。本当はちゃんと見ているかもしれませんよ。  ですから、県、市町村ごとに事業の復興交付金、復旧事業費の総額とそれに要するであろう事務費と特別交付税は幾ら見ていますと、復興特別交付税ですよ。それで、復興特別交付税の総額は、そのほかこうやって幾らですと、この内訳がないから、あるいは、あっても今みたいに七千二百九十億円で五十九億円見ていると言われたって、現場は動けません。足りないに決まっているんです。大臣、これはお分かりですよね。今の答えであれば、七千二百九十億と五十九億って、必要な経費に対して落差があり過ぎる。  元々、これ無理があるんです。二十二年度に、これはまた別途の議論をちゃんとせにゃいけませんが、直轄事業に対して事務費の負担は地方がやらなくていいですよと、事務的経費は。その代わり、県も市町村も補助事業の事務的経費もうやめましょうねと、こうしてしまった。ところが、市町村は元々、直轄の負担金の事務的経費なんて出していませんから、そうすると、市町村の場合には補助事業切られただけになるんですね、事務的経費を。それで、その分を交付税で見るかというと、見ていません、特別交付税、その分を、きちっと。これは調べていただければ分かると思います。その延長線上でこの議論があるから、みんな、今回の震災も復旧費や復興交付金について、事務的には大変だ、これはまあ、どうやったらいいんだべと、経費そのものがですね、そういう問題があります。データとしては委員会是非出してください。  それから、もう一つ、もう時間なくなりました。資料の四ですが、ふくしま産業復興立地企業の立地補助金と国内立地推進事業費の補助金、これ五千億円用意したんですね、五千億円、第三次補正で。それぞれ満杯です。それぞれ満杯になってしまいました、もう。福島の場合には五年ぐらい掛けるつもりが、資料の四であります、五年ぐらいで立地企業を誘致するつもりが、もう半年で満杯になってしまった。元々、ちょっと条件緩いじゃないかという話がありました、話が。だけど、これ元々制度設計として、福島の場合には特別来てくださいというんで、補助率も四分の三から二分の一とかですね、こんなふうに仕分しています。ところが、満杯になってしまった。いろんな工夫をして、三次補正の不用額を集めるとか、あるいは原発の立地補助を特別に基金でつくるとか、基金積み増してつくるとか、そういう工夫をしなければ駄目、こういう問題と思います、特に福島の場合は。  決意だけ、一言だけ、もう時間ありませんから。一言だけ、工夫しましょうと、こういうことを、これは経産省でしょうかね、大臣、済みません、大臣のお答えはいいです、経産省、一言だけ。
  88. 照井恵光

    政府参考人(照井恵光君) ふくしま産業復興立地支援事業につきましては、総額一千七百億円ということで、五年間の管理運営を前提として、少なくない金額を福島県に基金として措置したものでございます。  現在、県におきましては、第二次募集を終了しまして、現在、精査をしている状況でございます。福島復興再生基本方針に基づきまして、引き続き企業立地促進のために県と協議をしてまいりたいと存じます。
  89. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 先ほど佐藤委員の方から総務省に要求のありました資料につきましては、理事会で後で諮りまして、正式に御連絡したいと思います。
  90. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  東日本大震災被災者支援に関連して質問をさせていただきたいと思います。  まず、東日本大震災による避難者を現在約二万三千人受け入れているいわき市での今後の地域医療の確保対策について質問をさせていただきたいと思います。  いわき医療圏の地域医療の充実強化や災害にも強い医療提供体制の再構築を進めるために、地域医療再生基金の積み増しや当該地域への基金を拡充し、いわき市の高度急性期医療や三次救急医療を担うと期待されております新病院の整備等への同基金の配分の拡充を図ること、また同新病院の整備等に同基金を充てる場合に、万が一、平成二十七年の最終年度を超える見込みとなった場合の柔軟な対応を求める、そのような現地からの要望をいただいておるわけでありますけれども、この点に関しまして辻厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  91. 辻泰弘

    ○副大臣(辻泰弘君) 渡辺先生御指摘いただきました地域医療再生基金は、地域の医療課題の解消を図るために都道府県ごとに設置していただいているものでございますけれども、これにつきまして、福島県に対してはこれまで震災対応分を含め合計三百二十億円を交付させていただいているところでございます。  この地域医療再生基金は、各都道府県の判断で必要と思われる事業に充てることが可能とさせていただいておりまして、福島県におきましては、双葉郡から多くの方々避難してきておられるいわき医療圏につきまして、いわき医療圏内の病院間で患者情報を共有する情報連携に関する基盤整備に約二十一億円、地域の中核病院である磐城共立病院の機能強化を図るための施設整備に五億円などの事業を実施することを計画していただいているところでございます。  そして、地域医療再生基金の更なる積み増しにつきましては現時点では予定されてはおりませんけれども、今後の地域医療再生基金の事業の成果などを見させていただきながら必要があれば検討していきたいと、このように考えているところでございます。  なお、基金事業の実施期限についてでありますけれども、やむを得ない理由によりまして期限の延長が必要となりました場合には延長が可能ということにさせていただいておりますので、具体的に検討をされました時点で御相談をいただければ柔軟に対応していきたいと、このように考えている次第でございます。
  92. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 期限につきましては柔軟な対応ができるということでありますので、地元の新病院を造る場合に、場合によっては少し二十七年度を超える可能性もあるということでありますので、この対応をしていただければ非常に有り難いと思います。  地域医療再生基金についての、いわき医療圏に関しましていろいろやっていただいているわけでありますけれども、新病院の方に関係しては五億円の基金が配分される見込みとなっておりますけれども、この金額よりも、地域の配分がいろいろ、地域再生復興の進み具合によっては地域医療のニーズが変わってまいりますので、それに応じてまた適切な配分の再検討というものが行われる可能性もありますので、そういう面で五億円という今のところの配分の予定でありますけれども、それを柔軟な対応もしていただければと、柔軟というのは拡充をしていただければと、そういうふうに地元の方々要望しておりますので、この点も御検討よろしくお願いいたしたいと思います。  次の質問でございますけれども、二月七日の予算委員会質問をさせていただきましたが、福島県内の医療・介護従事者の人材確保についてでありますけれども、その後半年たったわけでありますので、相双地区の医療、保健、介護の体制がまだまだ大変厳しいということでありますので、その再構築に必要な医師、保健師、看護師、介護従事者の確保状況がどのようになっているのか、また、それを改善強化するためにはどのようなことをお考えになっているのか、辻厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  93. 辻泰弘

    ○副大臣(辻泰弘君) 緊急時避難準備区域でございました相双地域にある六病院の医療従事者につきましては、震災前と比較いたしまして、平成二十四年六月一日時点におきまして、常勤の医師の数は全体の約九割、看護職員の数は全体の約七割に回復している状況でございます。  この医療従事者確保の支援につきましては、全国の医療関係団体で構成をされております被災者健康支援連絡協議会の協力を得まして、医師等の派遣の調整を実施しているところでございます。同時に、福島県におきましては、地域医療再生基金を活用していただきまして、県外から医療従事者の派遣を受ける医療機関への補助や離職中の看護職員を対象とした巡回就職相談事業などの取組を行っていただいているところでございます。  そして、介護従事者につきましては、福島県が、県の社会福祉協議会を始めとする関係団体及び厚生労働省で構成をしております福島県相双地域等福祉人材確保対策会議を設置いたしまして、現状を把握しつつ、応急的な措置として、近隣の県などから三か月程度の応援職員を募集し、その確保に努めているところでございます。  保健師の確保につきましては、これまで被災県からの要請に基づきまして、全国の都道府県などからの保健師の派遣の調整を行ってまいりました。また平成二十三年度第三次補正予算におきまして、被災地健康支援臨時特例交付金を計上いたしまして、被災地での健康支援活動や保健師などの人材確保等を支援をいたしているところでございます。  そして、以上のような取組を実施するに当たりまして、厚生労働省といたしまして、南相馬市内に相双地域等医療・福祉復興支援センターを設置いたしまして、現地のニーズを把握しつつ、医療施設、福祉施設の従事者確保に係る関係者間の調整などの取組を行っているところでございます。  今後とも、相双地域にある関係機関などと緊密な連携を取らせていただいて医療従事者等の確保に取り組んでいきたいと、このように考えております。
  94. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 いろんなデータから見ますと、本当に相双地域、まだまだ医師、看護師の不足が課題となっておりまして、これから、医療そしてまた介護関係のニーズも高まってくるということでありますので、そういう医療関係の従事者をしっかり確保できるようによろしくお願いしたいと思います。  関連しまして、次の質問をさせていただきますけれども、東日本大震災に伴う被災者の医療の提供を確保するために講じられております保険診療等の取扱いで九月末で期限が切れるものがありまして、現場の方々からは十月以降も継続を求める、そういう声が上がっているわけでありますが、この点につきまして、辻副大臣にお伺いをしたいと思います。
  95. 辻泰弘

    ○副大臣(辻泰弘君) 診療報酬の施設基準等の緩和措置につきましては、大部分が期限を定めていない当面の間の措置でございますけれども、例えば月平均夜勤時間数について変更の届出を行わなくてもよく、震災前の入院基本料を算定できる措置などの入院基本料の施設基準に関する緩和などの措置につきましては、御指摘のように平成二十四年九月三十日までの措置ということで通知をさせていただいているところでございます。  これらの措置につきましては、現在、診療報酬に係る特例措置の利用状況につきまして調査を行っているところでございまして、その結果を踏まえ、中医協での御審議お願いし、今後の取扱いを検討していきたいと、このように考えております。
  96. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 最初に申し上げましたとおり、いわき地域は二万三千人避難者がおられまして、やはり医療や介護等々のニーズも高まっておりまして、医療のニーズにこたえるためには、やはり人材不足ということもございますので、診療報酬等のそういう特例措置というものがやはり継続が必要だと現場の医療機関の方々はおっしゃっておりますので、この点、継続できるようによろしくお願いしたいと思います。  次に、二〇一七年度末まで介護療養病床の廃止をするという厚生労働省の方針でございますけれども、被災地での医療や介護のサービス提供状況を見ておりますと、まだまだ介護療養病床のニーズがあるということでございまして、今後、地域の実情を再調査をしていただいて、その結果に基づいて、全国一律に廃止するということを、本当にそれが実情に合っているのかどうか、再調査をして、現場のニーズに合った対応をしてもらいたいと思いますけれども、この点に関しまして、辻厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  97. 辻泰弘

    ○副大臣(辻泰弘君) 御指摘の介護療養病床につきましては、利用者の状態に応じたサービスを適切に提供するため、平成二十四年三月までに介護老人保健施設等に転換することとしたものでありますけれども、転換が進んでいない実態を踏まえまして、これまでの政策方針を維持しながら転換期限を六年間延長するということで、昨年の通常国会において介護保険法改正で対処したところでございます。  また、平成二十四年度の介護報酬改定におきましては、更に転換を進めるために、介護療養型老人保健施設につきまして、喀たん吸引の必要な方や認知症高齢者の方々一定以上受け入れている場合に介護報酬を高く評価するという措置をとらせていただいたところでございます。  東北地方の介護療養病床につきましては、県や関係団体を通じて被害状況やサービスの提供状況を把握させていただいてきたところでありますけれども、今後とも、必要に応じて更なる被災地の実態把握を進めながら、施設の安定的な運営を確保し、転換の支援に努めていきたいと、このように考えております。
  98. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 転換できるような状況であれば、もちろん在宅移行、あるいは老健施設等に移っていくということは望ましい方向だと私も考えますけれども、ところが現場ではそういう在宅医療が十分進まない状況もあり得ると。特に被災地はそういう状況もあり得るということなので、再度現場の、今後、現場の調査を踏まえまして、全国一律の対応ではなく、あくまでも現場のニーズに対応したような形で、廃止の、それでいいのかどうかを検討してもらいたいと、そのように思います。  次に、住宅不足の解消に関しまして質問をさせていただきたいと思います。  南相馬市など避難指示解除準備区域やその周辺の地域では就業者の方々もこれから増えてくると思うんですが、住宅不足が大きな問題になっておるわけでございます。この問題の解決のためにどのような対策を進めていくのか、平野復興大臣にお伺いをしたいと思います。
  99. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 委員の今の御質問は、復旧事業に係る作業員等々の住宅の不足の問題と……
  100. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 また、作業員だけではなくて現場に戻っていらっしゃる方の、そういう若い方々の住居という意味も含めてでございます。
  101. 平野達男

    国務大臣平野達男君) ああ、そうですか。分かりました。  住宅、戻ってくる方々住宅につきましては、地震でかなり被災しているところもございまして、まずは被災した家屋についての撤去等々について、これは環境省が主体となって行いますけれども、これについて今取り組んでいただいているところであります。あわせて、津波地域につきましては、南相馬の地域においても、やはり高台移転を希望するという意向を持っている方が多いということで、今その場所をどこにするかということについての議論が開始されたというところだと思います。  いわゆる旧警戒区域、今避難解除準備区域になっておりますけれども、瓦れき等々の処理についてもまだ手が付いていないという状況で、今これについても環境省が中心となって準備を進めているところでございまして、こういったことを進めながら、住宅の再建についてもしっかりとした計画を作って計画的に進めていきたいというふうに考えております。あわせて、作業員の住宅につきましても、これは南相馬だけではなくて、津波全体の地域で共通して見られる課題でございまして、国交省の予算の中でも、発注に当たっての間接経費の見直しの弾力的な運用でありますとか、あるいはグループ化補助金等々の活用によっての作業員の宿舎の建設、こういったことも今進めているところであります。  いずれ、このことについても、現状を踏まえながらしっかりとこれは対応していかなければならないなというふうに考えております。
  102. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 作業員の方々、当然、除染等々で増えてくるということが見込まれますし、また新たな企業誘致、あるいは元々仕事をされていた方で避難されておって、そろそろ戻ろうかなという方々の、そういう住居の確保というのは大変重要でありますので、その点、しっかりやっていただきたいと思います。  次に、もう一つ現場の課題でございますけれども、東日本大震災に伴った東京電力福島第一原子力発電所の事故によりまして避難をされている方々への支援として、NEXCOの方が実施をしております高速道路使用無料化の措置でありますけれども、これは今後とも沿岸地域再生復興には非常に有用であると、そのように現場の声をいただいております。  この措置をやはり十月以降も継続してもらいたいと、そういう要望が強いわけでございますが、この点に関しまして吉田国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。
  103. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 委員指摘のとおり、本年四月以降の原発事故による避難者を対象といたしました高速道路の無料開放は、原発事故による避難者の一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的で、九月三十日までの予定で実施しております。  その後の取扱いにつきましては、今後検討してまいります。
  104. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 是非とも継続をしていただけるように、国土交通省からも働きかけをよろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、福島県の県民健康管理調査進捗状況につきまして質問をさせていただきたいと思います。  東京電力福島第一原子力発電所事故が起こった福島県では、住民の健康を守るために県民健康管理調査を実施中でありますけれども、その進捗状況、そしてまた調査結果について、そしてまた、問題は県外避難されている方でありますが、そういう県外避難者の健康調査実施状況と、今までの実態の調査では県外方々県内方々よりも調査が進んでおらないという、そういうお声をいただいておりますので、その改善策について細野環境大臣にお伺いをしたいと思います。
  105. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 福島県の方で行っていただいておる県民健康管理調査でございますけれども、各個人の被曝線量を把握するための基本調査というのを、これをまずベースにしております。  その調査の現状況でございますけれども、これまでに推計が終了した一般住民三万四千八百五十八名の九七・四%が五ミリシーベルト未満、九九・七%が十ミリシーベルト未満との結果でありました。なお、最も高い推計値の方ということで申し上げると二十五・一ミリシーベルトというふうになっておりますので、県民健康管理調査検討委員会においては、放射線による健康影響があるとは考えにくいと、そのような評価がなされております。  もう一つ基本調査以外に極めて重要なのが個別の調査でございまして、特に十八歳以下の全県民を対象といたしました甲状腺の超音波検査が行われております。これをできるだけスピードアップしたいというふうに思いましたものですから、様々、県の方にも御努力をいただいて、かなり進んでまいりました。  被災時に十八歳以下であった全県民の方を対象にした甲状腺超音波検査は昨年十月から実施をされておりまして、これまでに約五万人が実施済みと。そして、受けた方についてはおおむね安心な結果との評価が示されております。また、避難区域等の住民の方々の健康状況を把握するための健康診断、検査につきましても昨年十月から実施をされております。  また、今、渡辺委員から御質問がありました、問題は県外でございますが、こうした方々についても基本的には県内の方と同様の内容での健康管理調査が行われることとなっております。ただ、実態としては、なかなか連絡がうまくいかなかったり、市町村の方も十分把握をできていなかったり、県がデータを持っていなかったりするところもあるやに聞いておりまして、ここはやはりてこ入れが必要だろうと思っております。  環境省が新しいこの法律の下で健康管理についても主たる役割を担うことになりましたので、県民健康管理調査の正規のメンバーとしても加えていただく形になっております。そうなりました段階で改めて、県外避難された方々課題についても国がしっかりと責任を持って対応をしていく必要があると考えているところでございます。
  106. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 私は山形県の米沢市に居住しておりますが、山形県にも福島方々は多いわけでありますが、一万三千人、現在でも避難をしておりまして、私の住んでいる米沢市には三千人ほど避難をしております。  避難されている方にお伺いしたところが、先ほどの例えば子供さんの甲状腺の検査とか、一般の方々で余儀なく避難をされているその地域方々がおいでになるわけですが、やはり現地ではなかなか検査を受けられておらないというようなことでありますので、そういう避難地域できちんと検査が受けられるような医療機関のいろいろ協定をしていただけるように図っているということは聞いておりますけれども、まだ私の方はそういう連絡が来てない、どこで受ければいいか分からないというような声も聞いておりましたので、ここは、県外避難されている方はここの病院だときちんと健康管理調査をしていただけるというようなことが分かるようにしていただきたいと思います。  次に、東日本大震災では被災者が長期にわたり避難を余儀なくされているわけでありますけれども、先ほど山形県の例もお話をしましたけれども、福島県内県外で多くの避難者を受け入れている自治体の負担もやはり大きなものがあるということでございまして、そういう避難者を受け入れている自治体に対する国の支援が求められているわけでありますが、この点に関しまして平野復興大臣にお伺いをしたいと思います。
  107. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 特に福島の原発事故に関連しまして、町外あるいは県外避難をされている方々がたくさんおられまして、福島県だけで見ますと十六万人の方々避難をされておりまして、そのうち、あっ、十五万人ですか、そのうち六万人が県外避難をされているという状況で、今、被災自治体の本当に丁寧な対応で、被災者が一日も早い帰還を望んでいるという、そういう状況であります。  その自治体の負担につきましては特別交付税できちんと手当てをするということでやっておりますが、引き続きこの制度につきましてはしっかり運用しなければならないというふうに考えておりますし、あわせて、やっぱり長期に避難が及ぶということも想定されますので、こういった被災自治体と国との、県とも連携を取りながら、様々な意見交換をしながら必要な支援はしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
  108. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 避難者方々、大変な状況にあるので、避難をされている地元の自治体では本当に一生懸命取り組んでおりますので、そういう自治体に対する対応を、国の方も支援をしっかりやっていただきたいと思います。  次に、東日本大震災の折にもあった課題でございますが、そのほかにも大雪とか竜巻の災害時のときに問題になりました、放置され倒壊のおそれのある空き家の、公益上どうしても解体等の必要があるという場合の法的な対応等を含めました空き家対策でございますけれども、これを国の方も進めると、平野復興大臣も災害担当の大臣のときにこれを進めるというお話も伺っておりました。  この点、どのように政府の方で進められてきているのか、この点を平野復興大臣にお伺いをしたいと思います。
  109. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 大雪の際に倒壊しそうな家屋の問題につきましては、新潟の豪雪で災害対策委員会で御指摘をいただいた点だと思います。  このことにつきましては、二十四年三月に内閣府防災の方から、空き家の除去等々につきまして、行政代執行の場合の空き家等々の所有者から費用の徴収することができるといった制度の確認と併せまして、あと、平時からの取組として、住環境環境改善等を図る観点から、地方公共団体が空き家の除去等の取組を行おうとする場合には社会資本整備総合交付金により支援するというような、こういったことで方針を打ち出しております。  一方、東日本大震災被災地につきましては、基本的にはやっぱり所有者の了解を取りながら撤去をする、撤去しなければならない被災家屋については撤去をするということでございますけれども、万一、所有者等との連絡が取れない場合には、土地家屋調査士等々の専門家の意見を求め、建物の価値が見えないとみなされた場合には現状を記録した上で取り壊すことができる旨、これは平成二十三年三月でございますけれども、政府内で整理をしておりまして、この方針の下で今対応していただいているということでございます。  さらに、南相馬のように、いわゆる避難解除準備区域ではもう一つ考えなくちゃならない問題がございまして、これは賠償の今度は対象になってきますので、取り壊しについてはより一段これは慎重に対応しなければならないということで、その旨についてはきちっと意識しながら環境省の方で対応していただいているということでございます。
  110. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 自治体の方もなかなかこれは非常に厄介な問題でございまして、自治体独自の条例等を作って対応しているところもありますけれども、やはり国の方の大きな方針が定まってくれば地方自治体としてもやりやすいということでありますので、更なる課題がありましたらば国としても検討をしていただきたいと思います。  次に、被災の関係で、不便な状況改善をということがございまして、その一つに、多くの国民が利用しやすい災害用の伝言サービスの構築ということで質問をさせていただきたいんですが、災害発生時には災害用伝言サービスが有用でありますけれども、まだこれを利用するに当たっては課題が残っているということであります。  その一例としまして、NTT東西日本が提供している固定電話機対応の災害用伝言ダイヤル一七一を携帯電話の番号でも利用できるようにするなど、関係サービスの連携に取り組むべきではないかと、そのようなこと、そしてまた事業者における検討が行われているということを聞いておりますが、その進捗状況がどのようなところまで来ているのか、その点を総務省にお伺いをしたいと思います。
  111. 安藤友裕

    政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。  災害用伝言サービスには、現在、NTT東西が提供する音声による災害用伝言ダイヤル一七一、それから携帯電話、PHS事業者が提供するテキストによる災害用伝言板、またインターネットによる災害用伝言板ウエブ一七一の三つのサービスがございますが、これらの災害用伝言サービスの相互連携が行われておらず、その実現が、御指摘のような点への効果的対処を含めまして、非常災害時におけるより迅速かつ的確な安否確認を確保していく上で非常に重要となっておるところでございます。  この点につきまして、総務省において開催いたしました検討会の取りまとめにおきましても、関係事業者においては災害用伝言サービス間の連携に取り組むことが適当とされておるところでございまして、この検討結果を受けまして、携帯電話、PHS事業者が提供いたします災害用伝言板とインターネットによる災害用伝言板との相互連携につきましては、本年八月三十日から実現される予定、運びというところまで来ておるところでございます。  また、災害用伝言ダイヤル一七一とその他の災害用伝言板との連携につきましては、使いやすく効果的な実現に向けまして、現在、関係事業者が技術的な課題の抽出や分析を行うなど、具体的な方策の検討を鋭意進めておるというところでございます。
  112. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 そのような検討が進められれば、安否確認等がスムーズに、事業者がいろいろ違う場合も確認ができるようになるのかどうか、その点を再度確認をさせていただきたいと思います。
  113. 安藤友裕

    政府参考人(安藤友裕君) ただいま御説明させていただきましたような伝言サービス相互間の連携ができるようになりますと、スムーズに安否確認が実現される状況となってまいるということでございます。
  114. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 次に、東京電力福島第一、第二原子力発電所内における労働安全衛生等に関しまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、東京電力福島第一、第二原子力発電所内における労災発生状況等について質問をさせていただきます。  八月二十二日の東京電力の発表では、福島第一原子力発電所で解体作業中の作業員が亡くなり、作業員の死亡事案は五名となったということでありました。そこで、まず近年五年間の年度ごとの労災申請件数、そしてまた労災申請内容の概要並びに労災認定の状況等について厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
  115. 宮野甚一

    政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。  まず、震災以後の本年八月二十四日までの労災の申請件数でございますけれども、福島第一原子力発電所に関しましては五十七件、同じく福島第二原子力発電所に関しましては五件となっております。  なお、これ以前でございますけれども、両発電所の震災以前の請求状況につきましては、所管をしております富岡労働基準監督署への立入りが現在制限をされておりますので、災害の詳細を把握できておりません。したがって、現時点においては集計できておりません。  この震災以降六十二件の請求内容の概要でございますけれども、津波に巻き込まれて死亡された方二件、地震の揺れが原因で亡くなられた方一件、その後の復旧工事で負傷された方、これが五十九件というふうになっております。また、このうち労災認定をした件数でございますが、これは震災以後本年八月二十四日までに、福島第一原子力発電所に関しましては五十四件、第二原子力発電所に関しましては五件というふうになっております。
  116. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 五十九件がこの工事のところの関係で労災申請がされているということでありますけれども、これに関連しまして、先日作業員の被曝隠しの事案というのがございまして、そういう労災の起こることを防ぐためにはこういう被曝隠しというのは非常に問題があると、そのように思っておりますけれども、この被曝隠し事案の概要と類似の事案の調査結果並びに今後の防止対策につきまして、厚生労働省並びに原子力安全・保安院にお伺いをしたいと思います。
  117. 辻泰弘

    ○副大臣(辻泰弘君) 東京電力福島第一原発におきまして線量計を鉛板で覆わせて作業をさせていた事案は、労働者の被曝管理の根本を揺るがすゆゆしき問題だと認識をいたしております。現在、所轄の労働基準監督署と労働局で詳細な事実関係を調査中でございまして、法令に基づいて厳正に対処していきたいと、このように考えております。また、ほかにも線量管理が適切に行われていない事案が発生していないかどうかを確認するために、昨年の十一月に遡りまして実態調査を実施しているところでございます。  さらに、同様の事案が再発しないための対策として東京電力から、一定の線量以上の被曝が見込まれる作業につきまして、胸部が透明で線量計の装着が視認できる防護服を着用させる方針であるとの報告を七月三十一日に受けたところでありますけれども、その後線量計の未装着事案や紛失事案が続いて発生したことから、早急な再発防止を強く指導し、線量計を着用しているかを作業開始前にボディータッチで確認する運用を八月十日から開始しているところでございます。  厚生労働省といたしましては、労働者の被曝管理につきまして、今後二度と同種事案が起こらないように東京電力に対しまして今後とも厳しく指導をしてまいりたいと、このように考えております。
  118. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) 保安院の方の対応について御説明をさせていただきます。  先ほど御説明ありましたように、東京電力の福島第一原子力発電所におきましては、下請の作業員五名が警報付きの個人線量計、これAPDというふうに申しておりますけれども、これに鉛カバーを装着いたしまして、被曝線量を見かけ上低く表示させるような不正を行っていたと、こういう証言がございました。これが七月の二十四日に私ども保安院の方に報告を受けたところでございます。それを受けまして私ども保安院におきましては、同日七月二十四日には東京電力に対しまして再発防止対策の策定を指示をしたところでございます。そして、八月の十三日には東京電力から再発防止対策についての報告がなされたところでございますが、保安院といたしましてこの内容を評価いたしまして、八月の二十日に評価結果を公表したところでございます。  この評価の中におきましては、まず先ほど御説明ありましたような胸部の一部が透明であります防護服の採用、これについては一定の評価を私どももしておりますけれども、しかしながら、その対象が計画線量が三ミリシーベルト以上というものになっております。したがって、これについての拡大をしていくようなこと。あるいは、その装着についてきちっと行われているかどうかを実効性を持った形で、例えば抜き打ち的なAPDの着用の確認を行うようなこと。それから、仮に組織的な不正行為がなされた場合のことも念頭に置いた対策の更なる充実が必要であると、こういう評価を私ども保安院としてしたところでございます。  したがいまして、東京電力に対しましては、このような評価結果を踏まえまして指摘事項という形で伝達をし、直ちにその改善に取り組むよう求めたところでございますし、また今後私ども保安院といたしましても、現場に保安検査官がおるわけでございますけれども、この検査官によります日々の巡視あるいは法定の保安検査、これらによりまして東京電力の取組状況をしっかり確認してまいりたいというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。
  119. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 国会事故調の報告書でも、原発の作業員で内部被曝と外部被曝の合計線量が百ミリシーベルトを超えた人が百六十七名いたと、法令上緊急被曝の上限値である二百五十ミリシーベルトを超えた人も六人、女性の上限値を超えた人も二人いたとされておりますので、今後、そういう原子力発電所の事故、特に福島第一の場合は解体作業等もしていかなければならないような状況もございますので、この原子力発電所内のいろいろな作業員の方々頑張っておられるわけでございますが、そういう被曝による健康障害、労災等が起こらないように、しっかり政府としてそういう不正等が起こらないように、きちんと被曝の線量等が計られて労働管理もきちんとされるようにしていただきたいと思います。  時間がありませんので、以上で質問を終わりにしたいと思います。
  120. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 午前中の質疑はこの程度にいたしまして、午後一時十五分まで休憩といたします。    午後零時二十三分休憩      ─────・─────    午後一時十五分開会
  121. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、藤原良信君、斎藤嘉隆君及び小見山幸治君が委員辞任され、その補欠としてはたともこ君、林久美子君及びツルネンマルテイ君が選任されました。     ─────────────
  122. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 休憩前に引き続き、東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  123. 谷合正明

    谷合正明君 公明党の谷合です。  東日本大震災によります洋上漂流物について質問をいたします。  二週間ほど前に、私もアメリカのオレゴン州を訪れまして、オレゴン州の州知事室、また環境NGOとも意見交換してまいりました。実際に漂着物が着いております海岸、今回日本のNGOも行きましたが、キャノンビーチの方にも訪れました。  現地では、予想に反しまして早くかつ巨大な浮き桟橋が漂着したということで、大変大きなニュースになりました。オレゴン州の瓦れき処理の費用、海岸のごみ処理費用というのは例年の予算を大きく超えるものでございます。今回、連邦政府が財政支援を表明しておりますけれども、それでは不十分だとする声も連邦議員からも聞こえてきているところでございます。  州知事室とも話をしましたけれども、ごみを処理するだけではなくて、今回、浮き桟橋については津波防災の教育材料として活用していくといったことも教えていただきましたし、また、現地では二一一という専用ダイヤルを設けておりまして、海岸に何か漂着のごみが着いたらそのダイヤルに掛けて、万が一個人の大事な記念品であればそれを返していこうと、そういうシステムも構築しておりまして、それは官民挙げてやっておる体制がございました。  我が党も、井上幹事長が六月二十二日に政府に対しまして、早急に漂流瓦れきの支援策を決定すべきであるという旨の会見をしております。  今、私も現地に行きましたけれども、アメリカ側から具体的な財政支援要請があるわけではありませんけれども、しかし、私は今回改めて現地に行きまして、やはり日本側として主体的に何か支援、協力ということを具体化していく責務があるのではないかと思いました。  四月に野田総理が訪米したときに、この洋上漂流物について憂慮すると表明されております。  そこで、官房長官にお伺いしますが、具体的な米側からこうしてほしいと日本に要請がなかったとしても、予想されるこの十月のごみの漂着の前に、政府として具体的な対策、また予算措置をはっきりさせるべきと考えます。検討スケジュールを確認させていただきたいと思います。
  124. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 東日本大震災による漂流瓦れきにつきまして、日本政府においてもこれまで関係省庁による対策会議というものを設置をいたしました。そして、既に米国それからカナダの関係機関との必要な情報の共有、あるいは意見交換を行ってきているところでございます。それから、船舶等の情報提供をお願いすると、そういう措置も講じているところでございます。  今おっしゃった、十月ごろに多分漂流瓦れきが相当たくさんという、そういう流れになっているようでありますので、政府といたしまして、米国、カナダの意向も十分に踏まえつつ、費用負担を含めた様々な選択肢から取り得る対応策を講ずるということで、これは十月に向けてということでございますが、適切に対応したいと考えております。
  125. 谷合正明

    谷合正明君 その際に、アメリカ、カナダというのは先進国でありますので、例えばODAの予算を使って協力するわけにはいかないというわけであります。  そこで、改めて、なぜ日本がアメリカ、カナダといった国々に対して協力していくということが、そういう用意があるのかということは、これは、我が国の国民に対しても、またアメリカ、カナダの国民に対してもしっかりとこれ説明していくことが大事ではないかと思っております。その意義が大事であると思いまして、支援の額が大事ではなくて、メッセージが大事だと思っておりますが、その点について改めて官房長官に伺いたいと思います。
  126. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 米国、カナダという国々は先進国であります。その国々以外にも、この度の東日本大震災では世界中の国々から救援隊、そして救援物資、さらには寄附金ということで多額の御支援をいただいているところであります。こうしたことを考えますと、先進国である米国、カナダに対しても、善意に基づく何らかの協力ということにおいてこの必要性があると、そのように考えます。  我が国の取組については、今後も協力の概要やその必要性について、これもちろん国民の皆様にも周知を努めていくと、こういうことでございます。
  127. 谷合正明

    谷合正明君 次に、環境大臣に伺います。  私が現地に行きまして思いましたことは、この瓦れきの処理ということだけに米側が着目をしているわけではなくて、津波の防災の教育材料にしたり、あるいは環境教育という分野において国を越えた協力関係ができないのかと、そういったことを考えております。これはNGO側が特にそういう意識を持っております。  海岸清掃については、やはり政府、行政というより民間のNGOが主体的になってやっておりますので、我が国もそういった意味では、カウンターパートとしてしっかりと民間団体、NGOの力というものを結集して協力していく必要があるのではないかと思います。  今回、オレゴン州に環境省の予算として派遣したわけでありますけれども、何もこれオレゴン州だけの問題ではありませんので、アラスカや、またカナダ、広大な地域にわたった問題でございます。一回のNGOの顔合わせの会合だけで全てが終わるわけではありませんので、しっかりと今後も引き続き顔の見える調査支援というものを展開していくべきではないかと考えますが、環境大臣見解を伺います。
  128. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおり、顔が見える形で米側に対してしっかりと我々としての感謝の意を表明をし、この問題に向き合っていく姿勢を示すことは極めて重要であると思っております。  私どもが費用を負担をして現地に行っていただいたNGOでありますけれども、一般社団法人JEANという団体でございます。この団体はどちらかというと、これまでは日本に流れてくる瓦れきの問題について取り組んできたり、国内での様々な、例えば川を通じていろんなごみが流れ着くとか、そういったことについて様々な取組をしてきた団体でありますが、今回、現地に行くことによりまして、米国のNGOともいろんな協議をしていただいて、非常に大きな情報共有という意味で成果があったというふうに思っております。  先ほど官房長官からも御答弁がありましたとおり、様々な、費用の面も含めてこれからどういったサポートができるのかということは、しっかりと政府として見極めて結果を出していく必要があるというふうに思っております。そして、その際には、やはり顔が見える、そういう人の問題というのは極めて重要でありますので、その面でも何ができるのか、今様々な検討をしておりますが、しっかりとその検討を更に具体化した上で方向性を出していきたいと考えているところでございます。
  129. 谷合正明

    谷合正明君 四月に総理が憂慮するという発言があってからしばらくたっておりますし、この十月というのはもう目前に迫っております。その意味で、先ほど、午前中の川口委員質問もあったとおりでありまして、私も、政府がもっと主体的に動く、努力していくべきであるということは強く申し上げたいと思います。  さらに、今回の洋上漂流物については、これは基本的に発生国に法的責任がないわけでございます。これは平時から漂着ごみというのはアメリカの海岸にも到着するわけでありますが、しかしながら、今後大津波の災害が起こり得ることも考慮して、発生国が明確な場合の大規模災害に伴う漂流物についての対応というのは、これは政府内のみならず、国際社会でも議論すべきではないかと考えますが、官房長官、答弁を願いたいと思います。
  130. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 今御指摘をいただきましたように、法的責任はないと、こういうことでありまして、今まで多分、世界の中でこういう大掛かりな漂流物についてのことがほとんどなかったということもあるんだと思います。  今、内閣官房の海洋政策本部というところがありますので、むしろ海洋政策の一環としても、大規模災害に伴う洋上漂流物について、この経験を我々は持っていますので、それを踏まえた上で、環境、経済、安全の面から大規模災害に伴う洋上漂流物に対することが重要であるという認識を持っています。今後引き続き政府内で検討していくとともに、国際社会でも適切な機会をとらえて議論をしていく、提起していく、このことを考えております。
  131. 谷合正明

    谷合正明君 国際社会においては、現在、日本、韓国、中国、ロシアが参加している北西太平洋地域海行動計画というんでしょうかね、そういった枠組みはあるようでありますが、アメリカ、カナダと共有するような枠組みがないということもありますので、是非今回の機会に我が国としての主体的な取組を要請したいと思います。  次に、被災地住宅再建について伺います。防災集団移転促進事業と、がけ地近接危険住宅移転事業についてであります。  まず、事実関係を確認します。  防災集団移転促進事業、がけ地近接危険住宅移転事業で自宅再建した数というものは現在幾つあるでしょうか。
  132. 津島恭一

    大臣政務官(津島恭一君) 今委員の方から二つのことが質問されたと思います。  まず一つでありますが、防災集団移転促進事業につきましては、平成二十四年八月二十四日の時点でありますけれども、国土交通大臣が同意しております五十八地区、集団移転促進事業計画におきまして移転促進区域からの移転戸数は約一万戸が計画されております。  それから、あわせて、がけ地近接等危険住宅移転事業につきましては、現時点で千四百三十戸分の危険住宅の移転等に関する経費につきまして予算を配分しているところであります。
  133. 谷合正明

    谷合正明君 いずれも計画、予算計上ということで、実現したというか移転したという実際値のはないという理解でいいと思います。  それで、自力移転、これは定義によるかもしれませんが、自力移転がどの程度いるかという実態を政府としては把握されているのか、まずこの点について伺いたいと思います。
  134. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 自力移転ということをどのように定義するかということもございますが、結論からいいますと、その観点からの把握は行っておりません。  ただ、被災者生活再建支援制度というのがございまして、そのうちの中で住宅の再建方法に応じて支給される加算支援金の対象世帯数、これは今まで約二万一千世帯、賃貸が約一万二千世帯というふうになっております。この中には地震で全体的に倒壊して被災された方々がおられまして、この中で津波地域が何件か、うち移転に伴う自力再建が何件かというところまでは、これは把握が今難しいということで、こういう実態であります。
  135. 谷合正明

    谷合正明君 時間がありませんので、最後にまとめてお伺いします。  がけ地近接危険住宅移転事業につきましては、二十三年の三月十一日に遡及適用、遡及措置できるようにという要望がございます。また、午前中、大臣の方からも話がありましたが、防災集団移転促進事業、またがけ近の事業の対象外となった方との支援の差、具体的には住宅建設に係る借入金の利子相当額に係る経費、ここに差があるという問題、これも現場からたくさん声がございます。  そうした声についてどのように復興大臣としてこたえていくのか。私は、例えば利子補給の差がある、一定の差があるということは理解しましたが、しかしながら、その差が妥当なのかどうかということはしっかりと検証もしなければならないとも考えております。改めて大臣の前向きな考えを表明していただきたいと思います。
  136. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、遡及適用については、今の様々な制度の根幹にかかわる問題だということで、これはなかなか慎重に考えていかなければならないということについては何回も答弁を申し上げたとおりでありますけれども、現段階でもそのポジションは変わっておりません。  それからあと、利子補給につきましては、これは先ほどの午前中での議論の答弁でも申し上げましたけれども、やはり個人の住宅に政府がどこまで関与するかということになってまいります。  防災集団移転事業の中に利子補給を入れるということにつきましては、午前中の議論の中にもございましたけれども、当該被災者にとって土地売却、土地購入という、そういう行為が伴って他の被災者よりも負担が掛かるという、そういう前提で利子補給制度を入れているというものでありますけれども、これは現状においてもそういうことは私は言えるのではないかというふうに思っております。  他方、一方でやはり様々な御指摘がございまして、自治体間の中で、自分の様々な工夫の中で個人の住宅再建に対して支援をしている例がございます。実はこれが、自治体間で差が出ることによってこれはまた実は様々な問題が出てまいりまして、この点に関してどのような対策をしていくかということにつきましては、これはやっぱり国も無関心でいるわけにはいかないということでございまして、関係自治体ともいろいろ様々これから連携しながら、どういう形ができるのかということについてはこれはきっちり検討していかなくちゃならないというふうに思っています。  ただ、根幹にあるのは、繰り返しになって恐縮ですけれども、個人の住宅に災害があった場合にどれだけの支援をするかという根本課題というのは、これは被災者生活支援法についてもそうなんですが、様々な経過があって積み上げで今の現在のような制度にできておりまして、政府の案というよりはこれは全体の、災害対策全体の対応という観点もあろうかと思いますので、その観点での議論も私は期待をしたいというふうに思っております。
  137. 谷合正明

    谷合正明君 時間が参りましたので終わります。
  138. 平山幸司

    ○平山幸司君 国民の生活が第一の青森県選出、平山幸司です。  まずは、被災地選出でもある初代の平野復興大臣に、これまでの東日本大震災の復旧復興への御奮闘に心から敬意を表したいと思います。  実は、私も昨年の六月二十日、参議院の本会議にて復興基本法案に対する賛成討論を行わせていただき、その際、復興庁の早期の設置を強く提唱いたしました。よって、復興庁に対し自分自身としても特別な思いがございます。復興基本法案成立後、結果的におよそ半年を過ぎた今年の二月に復興庁が設置、それから半年が経過します。  そこで、まず、復興庁設置からこれまでの所管大臣としての客観的な評価を簡潔にお伺いしたいと思います。
  139. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 委員から御指摘がございましたように、復興庁が設置されて約半年になります。  復興庁の評価ということでございますけれども、まだまだ、被災現場というのを見ますと、復興というのはまだまだこれからであります。その中で復興庁が評価ということになりますと、これはもう現場の状況で判断していただくのが一番よろしいかなというふうに思います。  復興庁としては精いっぱい取り組んできたつもりでありますし、ワンストップの役割はしっかり果たさなくちゃならないということで、今復興局の職員はできるだけもう現場を駆けずり回って様々な要望を聞くということに関しては、その仕事については徹底してやっていただいている、やらせているというふうに思っております。  あとは、これがどのように結果として結び付くかということでございまして、これから住宅再建等々の問題ございますし、福島につきましては、これはもう本当に、これから本格的な復旧復興の議論ができるというまだ入口に立ったという大変申し訳ない状況にまだあるというふうに思っておりまして、そういう状況の中で復興庁が引き続き被災地域の復興の先導役となってしっかり仕事ができるように、私自身も先頭に立って取り組まなくちゃならないというふうに考えております。
  140. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。その評価については現場ということのお話だと思います。  昨日、平野大臣も私の地元青森県にて東日本大震災からの復興の取組ということで講演されたと聞いております。その中で、復興はこれからと、復旧復興これからということで、スピード感がないという批判がある、真摯に受け止めなければいけない、個々の地区の計画を見ながら被災自治体と国が連携して取り組んでいきたいと、こう述べていると地元紙に掲載されておりました。  そこで、改めまして、八月の二十四日に復興交付金の第三回の交付通知が行われたわけでありますが、その件も含めまして、スピード感ということ若しくは復興庁がワンストップで率先的にやっていくという観点からも、平野大臣被災地復興に対する改めて決意のほどをお伺いしたいと思います。
  141. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 津波、地震地域、特に津波地域復興にとって住宅再建、それから市街地の再生、再興、これが大きな課題でございまして、このことについては何回も申し上げておりますけれども、被災したその場所復興ができないという大変なつらさがあります。そのことを克服しながら、今現場では、一地区一地区ごとに合意形成をして、かつまた新しい移転先の土地の確保に今一生懸命動いております。  これに対してのマンパワー不足等々の問題もございますし、手続もまだまだ複雑だという指摘も受けております。そうしたマンパワー不足については、引き続き国としても、国の職員自ら派遣する、あるいは関係自治体に、関係機関にお願いをするということをしっかりやっていかなくちゃならないと思っておりますし、そうした手続の簡素化につきましても引き続き取り組まなくちゃならないというふうに思っています。  それから、あと福島については、もうこれは本当に復興庁ができたときに想定した仕事の範囲よりもはるかに大きな仕事があるなということを、大変申し訳ございませんが、現段階で非常に痛感をしております。  そういった意味も含めまして、復興庁体制の在り方も検討すると同時に、これから本格的な帰還に向けた、あるいは復旧に向けた、そういった取組を加速させなければならないというふうに考えております。
  142. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。  今のお話で、現場を大切にする、また手続が多少複雑だという御認識もあるようであります。そういった意味から、復興交付金に関しましてお伺いをさせていただきたいと思います。  本来であれば、この通知の前の前回、八月の三日の委員会で、少しでも被災者の立場若しくは被災地の声を、質疑を通じて第三回の交付の内容に反映したかったわけでありますけれども、結果的に今日ということでその声は届くことがなく、ちょっと残念なんでありますが、しかしながら、被災自治体復興プランを力強く推進するための中核を担うこの復興交付金、これに関しまして、大臣の御認識若しくは提案をさせていただきたいと思います。  私は、先ほども述べましたように六月の二十日、復興基本法の本会議の賛成討論で、地域に主体性を持たせ復興を加速させる、大臣も現場を大切にするというお話でありましたので、そういった意味から、使い勝手のいい、地域の使い勝手の良い復興一括交付金というものを提唱をさせていただきました。  これはまさに国民が当時の民主党に期待した、本質的に中央集権により権限と財源を中央が握って政策誘導を行う補助金システムを政治主導で大胆に見直して、地域が主体性を持って予算を行使できるよう大改革することが政策の一丁目一番地であったと、こう認識しております。結果として国民の手によって政権交代が実現したと、私はこのように認識しております。  よって、最近も国の統治機構の見直しや在り方が盛んに議論されるわけでありますが、この地域主権の政策の柱である一括交付金若しくは交付税の考え方、これは大臣も強く共感して、国民にもこれまで提唱してきたと、このように思います。  戦後一番の国難の時代だからこそ、迅速な復興を目的として、その権限と財源を被災自治体に大胆に移譲し、新しい地域づくりを力強く推進する、これが次世代の地域社会のモデルとして他の日本全体の地域が未来に希望が持てるようになる、こう確信するわけでございますけれども、地域には必ず還元され、評価されると確信します。  将来の見通しも含めて、今からでも遅くないと思います、是非この復興一括交付金と権限と財源を大胆に地方に移譲するんだということを大臣に期待したわけでございますので、その点に関しまして、将来の見通しも含めまして大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  143. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の災害の復旧復興に当たっての様々な規制緩和、手続の簡素化等々についてはまだまだ不十分な面はございますけれども、相当程度の措置はさせていただきました。その一方で、委員の御指摘のあるように、例えば権限も財源も全て例えば被災自治体にという発想というのはよく分かりますが、それは、例えば、特別交付税なり地方交付税なりで全部災害復旧も例えば市街地の再生もやってくださいという形で一括でお渡しするというような考え方もあろうかと思います。しかし、現実には被災自治体は今何を求めてきているかといいますと、計画の策定、様々な権利調整、これについて今様々なやっぱり被災自治体が経験したことのないようなことがたくさんございますから、そういった計画策定の段階で国の関与を積極的に求めてきています。  私どもが今心掛けているのは、被災自治体から上がってきたものに対して、時々要望事項についてできないものはできないというふうに言いますが、計画自体につきましては一緒に作る、共に作ると、そういう発想で今臨んでいるつもりであります。結果として、その結果出てきた計画については、その実施に向けて、財政的にも、あるいはいろんな手続の面においても、簡素化についても、これをしっかり支援をするという、こういう形で取り組んでいるんだということについては是非御理解をいただきたいと思います。  一般論として、権限も財源も地方へということについては、これは私はその考え方は非常に大切だというふうに思っております。ただ、繰り返しになりますけれども、今回の災害はもう本当に大災害であります。自治体が全部自分の考え方でやるというその範囲をちょっと超えているのではないかというふうに思いまして、そこについては国が指導する、それは上から何だかんだというふうに押し付けてやるということではなくて、一体となって計画を作って復興をやるという、そういう姿勢で臨んでいくということについては徹底をさせていきたいというふうに思っております。
  144. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。  ある一定の程度、権限と財源を移譲していくんだという考え方に関しての方向性大臣考えを共有している、ただ、今回の震災に関しましては特別交付税等いろいろなものを組み合わせながら一体となってやっていくというお話だったと思います。是非方向性はあると思いますので、今後また自治体の声を聞きながら進めていただきたいと、このように思います。  その中で、今のお話にもありましたけれども、復興交付金に関して第一回、第二回そして第三回とあったわけでありますけれども、第三回目の通知までの経過の中で、特に第一回に関しましては、三月に交付されたと思うんですが、その際は復興庁は査定庁というような批判の声も聞こえましたけれども、その後、やはりその声を聞いて、ある程度権限と財源を移譲しようという大臣の大胆なリーダーシップがあって、強いて言えば、二回目の分に関しましては一転して高い評価も得たということもあると思います。  反省点として具体的に言うと、効果促進事業として基幹事業費の三五%を上限として事業計画の提出を認めましたけれども、その計画が承認されるかどうかの査定によって予算が思ったより少なかったから、結果的に第一回目の交付の際はちょっと反発を招いたかなと。しかし、二回目、そこで被災地の声を受けて、大臣のリーダーシップと決断で、事前の承認を要することなく、基幹事業費の二〇%は一括配分するという決定を行った、よって被災地がある程度地域の裁量を持って事業を実施することができ、予算と査定にある程度苦慮する不安が解消されるという点での改善が私は評価されたのではないかなと、こう思っております。  そこで、大臣に、まあ一括交付金はすぐにはなかなか難しい、しかし方向性は合っているんだという点で、今の制度の中で是非、四回目に向かってここのところを是非決断をお願いしたいなと思うんですが、二回目で事業費の二〇%を承認なしに交付するという改善が評価を受けたわけでございますので、基幹事業費の二〇%の交付の割合を、今回本当は三回目の前にこれをお願いしたかったわけでありますけれども、その二〇%の割合をもう少し大胆に見直して拡大する、復興を加速すると、こういった考えは四回目に対してありますでしょうか。
  145. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 効果促進事業につきましては、御案内のとおり、三五%を大枠として、基幹事業の三五%を交付するということになっておりますが、まずは第一段目で二〇%ということで交付を今しております。  今、自治体の方では、この使い方について実は一番多いのは、個人の住宅に対する支援という要望が一番多いんです。これは、効果促進事業につきましては国会で何回も御答弁申し上げましたけれども、その個人の住宅、いわゆる個人の資産の形成に係るようなものについてはこれは対象外とするということで、国会で何回も申し上げてきまして、そこに関して、今まだ依然と、かなりのやり取りがあります。  そのほかの部分につきましては、できるだけ何でもという形で、できるだけの範囲で使っていいよということなんですが、一方で自治体は、ほかの例えば住宅再建等々の方でも人が相当割かれています。これもやりたい、これもやりたいと言っていますけれども、やっぱり優先順位を付けてやらなくちゃならないということがございまして、効果促進事業、例えば二〇%付けても、一気に全額消化できるというような状況ではありません。かなり大部分は基金化して後に使うという形になるかと思います。  いずれ、効果促進事業につきましては、できるだけ使い勝手のいい形にするということで、様々なアイデアをいただきながら、こういうものにも使い道もありますよというアイデアをいただければ、各自治体にもそれを流すというようなこともやっておりまして、そういう形での使い勝手の良さというのは引き続き追求をしていきたいというふうに思っております。
  146. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。  個人の住宅に対しての対応というのが苦慮されているというお話であります。これも大枠では、冒頭質問をいたしました、権限と財源を移譲して各地域の裁量に任せるという点では、国がなかなか判断し切れない部分、各自治体の裁量によって、この地域はそういったことでうまくいった、若しくはそうじゃないというところも見えてくるかもしれませんので、その辺、是非大臣に知恵を絞っていただいて方向性を見出していただければと、このように思います。  もう一点、二点ですね、時間がありませんが、基幹事業の対象の拡大、これに関してもお伺いします。  なかなか使い切れていないと、先ほど効果促進事業に対してもお話がございましたが、観光事業の基幹事業の対象拡大について少しお伺いしたいと思うんですが、復興という名称から、復旧事業とは違い、地域をこれまで以上に活性化させるということが復興庁の重要な役割であると、このように思っております。よって、復興、活性化という観点から考えますと、被災地及び周辺地域にこれまで以上に多くの人に足を運んでいただくということが非常に重要だと思いますし、積極的に取り組む必要があると、成長産業である観光の推進が不可欠であると、こう考えますが、そういった観点から、観光関連施設の整備を始めとする観光復興のための事業の財源について、復興交付金の基幹事業の対象拡大を検討していただけるかどうか。何か違う手法があるとすれば、その点も含めまして大臣に知恵を少しいただきたいなと、こう思います。
  147. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 基幹事業は、原則はあくまでも被災した施設等々についての復旧ということが基本だというふうに思っています。  ちなみに、観光等々の問題につきましては、これは個別のケースによるかと思いますけれども、こういうものこそ本当に必要性がきっちり客観的に説明できるんだということであれば、例えば効果促進事業という形でその予算を充てるということも一案かと思います。そういったことについてはケース・バイ・ケースで相談があれば応じておりますので、個々のケースで考えるということと併せて、一つのケースができますと、後はこれが相談抜きで他の自治体でも使えるということにもなってきますので、そういった意味での拡大は、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、続けていきたいというふうに思っております。
  148. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。  前向きな御答弁で本当にありがとうございました。是非、観光に関しましても、基幹事業に関しては復旧というところでありますけれども、やはり復興という面からは観光は非常に大切であると思いますので、是非積極的な取組をお願いいたします。  その観点から、八戸の三陸復興国立公園の構想について、これ、ちょっと関連しますが、環境省の方にお伺いします。  八戸は、工業都市、水産都市としての顔を持つ一方で、構想されている三陸復興国立公園の北の玄関口として、蕪島や種差といった、種差海岸ですね、といった美しい貴重な自然景観を有し、観光都市としての顔を持っております。同市においては、観光復興のための施設整備を積極的に進めていきたいと、こう考えておりますけれども、その財源の確保に非常に苦慮しているわけでございます。この構想を推進する環境省に、二十五日に、おとといですか、イベントもあったということでありますが、今の現状と今後の事業の見通しについて、是非積極的な御答弁お願いいたしたいと思います。
  149. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 平山委員に御答弁いたします。  委員指摘のとおり、青森県を中心として、今環境省ではこの三陸復興公園を造っていこうということで、今年の五月に復興のビジョンを策定させていただきました。そしてその中で、陸中海岸国立公園に青森県の蕪島、種差といった海岸を編入いたしまして、二十五年度の初めには三陸復興公園の指定をしたいと考えております。  そういった国立公園の指定に先立ちまして、今年の四月には、まず環境省の職員、これ八戸の自然保護官というのを配置いたしまして、自然保護官事務所も開設させていただきました。また、青森県八戸市の協力を得まして、この復興調整費によりまして種差海岸国立公園PR事業というのを今実施している最中でもございます。この事業の中では、トレッキングや、またエコツーリズムの実証実験なども今行っているということでございます。  国立公園と長距離自然歩道の東北海岸トレイルの北の玄関口でありますこの地域被災地全体のグリーン復興を牽引していただけますように、環境省といたしましても様々なこの利用拠点づくりを進めてまいりますが、これにはもう地域方々の協力が不可欠でございますので、平山先生もオーストラリアでの御経験もあると思いますので、是非御協力いただければと思います。
  150. 平山幸司

    ○平山幸司君 ありがとうございます。  是非、この件に関しましても積極的に取組をお願いしたいと、このように思います。  最後でありますけれども、昨年の東日本大震災以来、日本は戦後以来一番の国難とも言える時代に突入していると思います。その際、これからの被災地復興の在り方というものが日本国内外でこれは歴史的に評価され、良くも悪くも今後の日本の発展、繁栄に大きくかかわってくると思い、これは非常に重要な役割を皆さん担っているし、我々も担っていると思っております。そういった意味では、大臣には復興に積極的に取り組んでいただいて、今後の御活躍を祈念申し上げまして、質問といたします。  ありがとうございました。
  151. はたともこ

    ○はたともこ君 国民の生活が第一のはたともこでございます。  福島第一原発事故について質問をいたします。  まず、環境省に地下水の汚染について伺います。  福島第一原発の一号機、二号機、三号機がメルトダウンして、溶けた燃料棒が圧力容器や格納容器の外に出てメルトスルーを起こし、更に地下へと貫通してしまうのではないか、チャイナ・シンドロームのようなことはないとしても、地下水を汚染し、それが地下水脈によって拡散し、原発サイト外、場合によっては日本列島の広い範囲で地下水が汚染されてしまったのではないかという懸念を持つ人もいらっしゃいます。  環境省は、事故後、原発サイト外で地下水のモニタリングを行っているわけですが、福島第一原発事故の原発サイト周辺及びその他の地域の地下水の汚染状況について説明してください。
  152. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) お答えを申し上げます。  放射性物質によります環境の汚染状況につきまして、これを把握し、情報提供をしっかり行うということで、総合モニタリング計画に沿いまして関係省庁が連携し、各種モニタリングを実施しております。その中で、特に環境省におきまして一般環境中の地下水を含めた水環境についてモニタリングを行っておりまして、昨年九月からモニタリングを実施し、結果を随時公表してきております。これまで地下水につきましては、セシウムはほぼ検出限界を超えるものはごく僅かでございまして、検出はごく僅か、汚染は確認されていないというのが現状でございます。  引き続き、平成二十四年度におきましても継続してモニタリングを実施をいたしまして、しっかり監視を続けてまいりたいと思っております。
  153. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、保安院に伺います。  福島第一原発の放射能汚染水の処理状況についてでございます。  フランスのアレバ社、米国のキュリオン社、東芝のサリーなどで汚染水の処理が行われていますが、汚染水を保管するタンクの増設が間に合うのか。汚染水の処理の状況と今後の見通しについて説明してください。
  154. 朝日弘

    政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。  汚染水につきましては、今の先生御指摘のとおり、サリー、キュリオンなどの施設によりましてセシウムを中心に除去した後、保管してございます。八月二十一日現在のタンク容量約二十二万トンに対しまして、十八万九千トンをためているという状況でございます。  タンクについて申し上げますと、これまで逐次増強を行ってございます。更なる増強を計画中であります。この十一月までに三十二万トンに達する、約十万トンの増強を計画し、工事を進めているところでございます。  全体の滞留水につきましては、地下水の流入などございまして増加してございます。そういう中で、しっかりと保管容量が確保できますように、保安院からの指導もありまして、今後三年間の処理水の発生を踏まえた貯留タンク増設計画策定を東京電力に指示いただいておりまして、本日期限となっておりますけれども、そういう意味で貯留タンクの増強、しっかりと進めることが必要であるというふうに考えてございます。
  155. はたともこ

    ○はたともこ君 更に保安院に伺います。  先日の説明で、原子炉建屋などに入ってくる地下水対策として、地下水バイパスと呼ばれる井戸を掘って地下水の流入量を減らす方法があるということでございましたが、その見通しと汚染水の処理の今後の抜本的対策について説明してください。
  156. 朝日弘

    政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。  先生御指摘の地下水バイパス計画であります。これ、非常に重要な計画でございます。現状、タービン建屋に恒常的に地下水が流入している状況でございます。こういった状況にありますので、建屋山側の高台から流れ込む前の非常にクリアな地下水をくみ上げまして、その流路を変更して海に流すという計画でございます。建屋周辺の地下水位を低下させることによりまして、タービン建屋に流入する水を減らしていくという計画でございます。この計画については非常に重要な計画であります。周辺自治体の皆様にも逐次説明、相談をさせていただきながら作業を進めているところでございます。本年度下期からの稼働を目指して、現在、くみ上げのための井戸の設置に向けて準備を進めているところでございます。  それから、中長期的に抜本的な対策という意味では、タービン建屋と原子炉建屋の間の止水を実現することが必要でございます。二〇一七年度に向けまして、技術開発に万全を挙げて取り組んでいるところでございます。  いずれにいたしましても、東京電力をしっかりと指導監督して、これらの事業が計画どおり進むよう監督してまいりたいと考えてございます。
  157. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、東京電力福島第一原発の事故原因究明と政府、福島県、東京電力の事故直後の危機管理の検証について質問をいたします。  先月、七月二十三日に政府事故調の最終報告書が提出をされ、政府事故調、国会事故調、民間事故調、東京電力と、四つの事故調査報告書が出そろいました。しかし、これは東京電力福島第一原発事故の本格調査のスタートラインだと思っております。地震による損傷はあったのかなかったのか。政府、福島県、東京電力の対処は適切であったのか。SPEEDIはなぜ活用されなかったのか。数々の点においても、これらの四つの報告書は、一致するものもあり、また一致しないものもあります。国会においても、調査委員会が設置されるという動きもあるようでございますが、私といたしましても、今後の更なる研究、検証の一端として、今日はSPEEDIはなぜ活用されなかったのかについて質問したいと思います。  SPEEDI、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムは、原子炉災害直後に周辺環境の放射性物質の大気中の濃度及び被曝線量などを放出源情報、気象条件及び地形データを基に迅速に予測するシステムで、本来は住民避難に活用すべきものですが、東京電力福島第一原発事故では全く活用されませんでした。それどころか、総理官邸の中枢の国会議員、つまり総理大臣、官房長官、経済産業大臣、官房副長官、総理補佐官等の誰一人としてSPEEDIの存在すら知らなかったということでございます。何ということでしょうか。二〇一〇年十月の浜岡原発における防災訓練では、SPEEDIを使って住民避難訓練も行われています。この防災訓練には、当時の菅総理大臣、福山官房副長官も参加をしています。知らなかったで済まされるのでしょうか。  東京電力福島第一原発事故は、全電源喪失ということで、第一原発からの放出源情報が得られなかったためにSPEEDIは使えなかったということになっております。  そこで、まず初めに文部科学省に伺います。  文部科学省では、放出源情報が得られない場合でも単位量放出、単位量一ベクレル放出を基に一時間ごとにSPEEDIデータを出していたということですが、それはそのとおりでしょうか。
  158. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) 御説明いたします。  文部科学省におきましては、三月の十一日の地震があった日でございますけれども、原子力災害対策マニュアルに基づきまして、十六時四十分に原子力安全技術センター、ここが計算するところでございますが、原子力安全技術センターに対しましてSPEEDIを緊急時モードへ切り替え、単位量の放出、一ベクレルが放出された場合でございますが、単位量の放出を仮定した計算を二十四時間体制で毎正時に実施するよう指示してございます。この計算結果は、文部科学省あるいは原子力安全・保安院、原子力安全委員会等に同日夕刻から配信しておるという状況でございます。この一時間ごとの計算につきましては、現在も継続しておるという状況でございます。
  159. はたともこ

    ○はたともこ君 文部科学省、その一時間ごとの単位量放出に基づくSPEEDIデータは、風向きや放射性物質拡散の方向などを予測するもので、住民避難の参考になるものではありませんか。
  160. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) 放出源情報が得られない場合のSPEEDIの取扱いについてでございますが、先生先ほど言及されました政府の事故調査委員会あるいは国会事故調査委員会の報告書においても幾つかの指摘がございます。  まず、政府事故調査委員会の最終報告書におきましては、放出源情報が得られない場合のSPEEDIにより単位放出を仮定した予測結果を得ることは可能であって、現に得ていたのであるから、仮に単位量放出予測の情報が提供されていれば、各地方自治体及び住民はより適切に退避のタイミングや避難方向を選択できた可能性があったという指摘がございます。  他方、国会の事故調査委員会の報告書におきましては、放出源情報が得られない場合には、それのみをもって初動における避難区域の設定の根拠とすることができるほどの正確性を持つものではない、あるいは、ベントなどの放射性物質の放出時期を自ら決めることができる場合には、仮定値に基づくものであってもその事象の発生時に放出があったものと仮定してSPEEDIによる予測計算を行うことによって、その後の住民の防護対策の検討の一資料が得られる可能性があるという指摘がございました。  というような幾つかの指摘がございますので、文部科学省といたしましては、こうした指摘を踏まえまして、今後、SPEEDIの運用改善を図ることが必要というふうに考えております。
  161. はたともこ

    ○はたともこ君 では、次に保安院に伺います。  資料の④を見てください。  これは、地震、津波の翌日、三月十二日十五時三十六分に一号機が水素爆発した直後の十六時に配信された十六時から十七時までのSPEEDIデータです。明らかに北西方向への拡散を示しており、住民避難のための重要なデータになったものだと思います。  端末は保安院にもあるわけですから、単位量放出に基づくSPEEDIデータを住民避難のために使わなかったのはなぜですか、保安院に伺います。
  162. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) お答えいたします。  今回の事故におきましては、先ほども御説明ありましたように、事故時の放出源情報、すなわち原子力発電所からどれぐらいの放射性物質が放出されたかと、こういう正確な情報が得られなかったことから、一定の仮定を設けてSPEEDIの試算を行ったものでございます。したがって、実際の放出源による試算ではなかったということから、この情報の信頼性の観点から担当者の参考情報として扱われたものというふうに認識しているところでございます。  先ほど、政府の事故調におきましてもこれらの活用についての指摘がなされておるところでございますので、これは重く受け止めたいというふうに考えておるところでございます。
  163. はたともこ

    ○はたともこ君 続けて保安院に伺います。  資料の①、②、③を見てください。①の東京新聞の記事は、SPEEDIは住民避難には活用されなかったが、たった一度だけ、総理のヘリによる視察の前に保安院から官邸に届けられたSPEEDIデータがあったというものです。資料の②の赤で囲った二番がそれに当たります。一号機ベントによる影響確認のため、十二日三時半放出開始、一時間放出三時間積算と書いてありますが、保安院、このデータを官邸に送ったのは事実ですか。
  164. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) 各種事故調査委員会の報告書にも記載されておりますように、昨年の三月の十二日の午前一時十二分にSPEEDIの計算をいたします原子力安全技術センターから保安院に配信されましたSPEEDIの試算結果、これにつきましては、同日、三月十二日の午前一時三十五分ぐらいに保安院の緊急対応センターの総括班から官邸のオペレーションルームにおります保安院職員に送付されたというのは事実でございます。
  165. はたともこ

    ○はたともこ君 では、保安院、資料②の赤で囲った二番のデータの作成を指示したのは誰ですか。さらに、このデータを官邸に送るよう指示したのは誰ですか。
  166. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) このSPEEDIの計算結果につきましては、保安院から官邸に送付されたのは事実でございますけれども、仮定に基づく試算であったため、担当者の参考情報としての取扱いにとどまったというふうに聞いているところでございます。  したがって、当該試算結果について、官邸の方から指示をするような事実があったということではございません。
  167. はたともこ

    ○はたともこ君 更に保安院に伺います。  保安院は三月十一日午後九時十二分から三月十六日の午前十一時十三分まで、合計四十五件のSPEEDIデータを様々な仮定の下、作成をしています。資料の②はその一部ということでございます。  これら四十五件のデータは何のために作成をしたのですか、そして何のために使ったのですか、教えてください。
  168. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) 原子力安全・保安院におきましては、事故の初期段階にあります三月の十一日から十六日までの間に、御指摘がありましたように、四十五回にわたりまして試算をしているところでございます。その一例で申し上げますと、例えば東京電力福島第一原子力発電所一号機で水素の爆発があったわけでございますけれども、こういう大きな動きがあった際に、その影響を見るために仮想の放出量を入力して試算を実施したものというものでございます。
  169. はたともこ

    ○はたともこ君 保安院、単位量放出に基づくものや自ら仮定して作成したSPEEDIデータの情報を住民避難に使わないということを判断し、決定したのは誰ですか。
  170. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) 今回の事故におきましては、事故時の放出源情報を得られなかったことから、一定の仮定を設けてSPEEDIの試算を行ったところでございます。したがって、実際の放出源情報による試算ではなかったということから、担当者の参考情報として扱われたものとして認識してございます。  しかしながら、このSPEEDIに関しましては、政府の事故調の中間報告におきまして、既に得ていた結果を公表していれば地方自治体や住民はより適切な避難経路を選ぶことができたと指摘されているとおりでございまして、これは真摯に受け止めたいというふうに考えております。  今後は、政府事故調の報告の内容を踏まえつつ、SPEEDIによります試算結果を有効に活用する方法の検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
  171. はたともこ

    ○はたともこ君 では、文部科学省にも伺います。  文部科学省も、三月十二日午前二時四十八分から三月十六日午後三時三十五分まで、合計三十八件、独自の仮定に基づきSPEEDIデータを作成をしています。これは何のために作成したのか、また何のために使ったのか、教えてください。
  172. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) お答えいたします。  文部科学省におきましては、先ほど御答弁いたしました単位量予測のほかに、様々な仮想的条件を設定いたしましてSPEEDI計算を三月の十二日から十六日までの間に三十八件実施してございます。この仮想計算は、関係機関から支援を求められた場合に迅速かつ臨機応変に対応できるようにということで、様々な事態の発生を仮定して、放出量、放出時間、放出の高さなどを設定し、予測計算を行ったものでございます。  この予測結果につきまして、文部科学省といたしましては、単位量放出による予測結果と併せまして、緊急時モニタリングにおいて優先的にモニタリングを行う地点を選ぶ際の区域設定の参考として活用してございました。
  173. はたともこ

    ○はたともこ君 文部科学省は、測定の参考にするためにSPEEDIデータを使って三月十五日にモニタリングカーを出しています。それは三月十五日の何時何分配信のデータを使ったのか、それを住民避難のために活用しなかったのはなぜなのか、答えてください。
  174. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) 三月の十五日の時点でございますが、その時点におきますモニタリングは、現地災害対策本部の下に県を主体としたモニタリング体制を組んで、これに対して文部科学省が支援をするということになってございまして、ところが、実際の地震によりましてモニタリングポストが被害を受け、機能停止、あるいは福島県自体が大変な被害を受けられたということで、そういう事前に決めておりました体制が十分機能しなかったという状況でございました。そういう中で、文部科学省では測定機材であるとかあるいはモニタリングカーに職員を乗せて現地へ派遣したところでございます。  で、モニタリング活動を実施したところでございますが、先生御質問の三月十五日夜、文部科学省の方はモニタリングを行ったわけですが、その地点設定に当たりまして、当時そのモニタリングチームは福島市内におりまして、そこからモニタリングを行う地域へ行くということがありましたので、最も早く接近できる避難指示区域はどこであるかといったようなことに加えて、当日夕方に得られましたSPEEDI計算結果を優先的に測定すべき高線量区域検討する上での参考として行ったところでございます。  ただ、御質問の、どの時点での計算に基づいた結果を活用したかというところは、記録が残っていないので確認できないということでございます。  よろしくお願いいたします。
  175. はたともこ

    ○はたともこ君 私は、三月十一日午後四時から現在もなお一時間ごとに定期的に配信をされている単位量放出に基づくSPEEDI情報は、全面的に公開すべきであったと思います。三月十四日の三号機の爆発のときは、一日中風は海に向かって吹いていました。しかし、二号機、四号機が爆発し、最も多く放射性物質が放出された三月十五日の夕方から夜にかけては風は北西に吹き、雨が降り、大量の放射性物質が降り積もりました。  改めて文部科学省に伺います。一時間ごとの単位量放出に基づくSPEEDI情報は公開すべきだったのではありませんか。
  176. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) 先生御指摘のとおり、SPEEDIの計算結果についての公開でございますが、当初の段階から公開すべきであったものというふうに、現時点ではそのように思っておりますが、その当時、公開が遅れてしまいました。  それで、私どもとしては先月に省内の検証も行いまして、SPEEDIの情報の活用等についてでございますが、元々、防災マニュアルにおきまして私どもは関係の機関へ報告をするということになっておりまして、それで関係機関に情報提供したところでございますが、一義的に、これについて政府事故調査委員会の報告書におきましても、国民への情報の提供は現地災害対策本部あるいは保安院が行うように定められていたと言えるものというふうにされているが、事故発生直後にSPEEDI計算結果を扱える立場にある文部科学省としては、計算結果の適切な公表に係る注意喚起といったようなことなど、関係機関に何らかの助言を行うことを検討すべきであったという指摘をいただいておりまして、私どももそのように認識しておるところでございます。
  177. はたともこ

    ○はたともこ君 では、時間ですので、最後に文部科学省に伺います。  資料の⑤は、昨年六月十五日に発表されたWSPEEDIのデータでございます。事故から二か月間の放射能拡散の試算です。この岩手県から静岡県に至る範囲は、牛の飼料となる稲わらやお茶の葉の汚染など事故後の対応の参考になるデータだったと思います。この動画シミュレーションもでき、広範囲なWSPEEDIをもっと積極的に活用できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか、最後に伺います。
  178. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) 先生御指摘のWSPEEDIでございますが、これは本来、海外で発生した原子力事故による日本への影響評価といったような広域の放射能影響調査をシミュレーションによって実施するために、日本原子力研究開発機構が研究開発を現在も行っておるところでございます。そのシステムの中には避難所などの社会環境情報や主要な地理情報を含まないというような状況でございまして、SPEEDIとは全く違って、SPEEDIの方はもう定常的な運用段階、実際に使えるということでございますが、位置付け、役割は異なるということでございます。  ただ、今回の事故直後には放出源情報が得られないという状況にありましたので、文部科学省といたしましても、広域にわたる大まかな拡散傾向を把握することが重要と考えて、日本原子力研究開発機構に仮定計算の実施を依頼しております。その計算結果、現在公表はしておりますが、当時としてどういう仮定を設定するのが適当なのか判断する材料がない中での計算に基づくということでございまして、現実をシミュレーションしたものとは言い難いと認識したため、発災直後は公表しておりませんでした。  しかしながら、WSPEEDIにつきましては、今後適切に技術開発を進めつつ、原子力発電所事故への対応として実施された計算結果、これは広域の拡散傾向を示す重要な情報というふうに思ってございますので、今回の経験を踏まえまして、今後その取扱いにつきまして十分に検討していくことが必要だと考えております。
  179. はたともこ

    ○はたともこ君 終わります。ありがとうございました。
  180. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。  まず初めに、森林の除染について、まだ最終決定がされていないところではありますけれども、これまでの取組の経過と今後の見通し等についてお示しをください。
  181. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 森林は福島県内の約七割を占めておりまして、住民の皆さんとの密接な関係を有するものでありますので、そうした問題にしっかりと取り組むことは重要であると思っております。  除染の特別地域におきましては、そうした森林の除染の重要性は認識しつつも、まずは人の健康の方の観点から必要となる住宅であるとか学校などにつきまして、平成二十四年、さらには二十五年度に優先的に除染を実施することとしております。森林につきましては、住宅の近隣の森林について除染をするということとしております。  住宅の近隣以外の森林の除染につきましては、どのような方針とするか、今まさに検討をしております。森林の中に放射性物質があるとしても、それが例えば日常的に水を通じて流れ出るとかいうことではない、飲料水などには問題はないということを確認をいたしましたので、そのことを先日の検討会の中で言及をいたしましたところ、森林はやらないのではないかというような御懸念が福島県内から出てまいりました。  元々、森林については長期的には取り組んでいかなければならないという方針でございましたけれども、改めてやはり福島県の皆さんの声を直接聞くべきだろうというふうに考えましたので、次回、月末になろうかと思いますが、そこで関係者皆さんから直接話を聞かせていただいて、その後、現時点での森林の除染についての知見を踏まえまして、方向性課題整理を行い、中間的な取りまとめをしかるべき時期に出したいというふうに思っているところでございます。
  182. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 そうした経過の中では、大臣御承知のとおり、方針が固まったやになったときに、県内市町村、県も含めて、私のところにも要望書来ましたけれども、それじゃいかぬだろうということで、また見直しを大臣指示されたという、こういった流れが、大臣よく福島県にも来ていただいていますけれども、大変一生懸命やっていただいているんですが、それ見ていたら、見直しする前に最初からそういう県と県内市町村との意見を踏まえながら何でやれなかった、言われたから見直すとかちょっと修正するとかじゃなくて。  今言われた除染の在り方も、私も昨年から言っているとおり、安心と安全は違うんですよ。今言われたとおり、放射性物質の知見の、事実の部分と、あと県民が抱えている精神的な不安の部分とはやっぱり別のところにあって、ある意味、費用対効果なんて言葉は私は使いたくないんですが、そういった除染の効果とか云々ではなくて、もうより以上にやって、それでもどこかに不安が残るというぐらいのところですよ。私のところ、私も会津に住んでいますけれども、もうほとんど東京と線量なんて変わらない地域ですけど、でもいろんな風評被害とか、福島県ということで不安を抱えている部分も、私のPTAの仲間もそうですけれども、ある。  そういう意味では、放射性の除染の知識はそういうことだとしても、福島県の意識はどうだったのかということを思えばこうした対応にならなかったと思うんですね、最初から。それは、知識どおりにやればこうでしょうとなるけど、そこに不安を取り除けるのかどうかという想像力がなかったんですよ。  福島再生なくして日本の再生なし、総理大臣が言った言葉、非常にいい言葉ですけれども、だから言葉だけだと言われちゃうんですよね。大臣福島によく通っていらっしゃるんであれば、やっぱり様々な大変なことありますよ、その意識の部分ですよ、福島県の意識が那辺にあるのかということを踏まえればこういう対応はしなかったんじゃないかというふうに思うんですね。これ、震災直後の混乱した中でやっている話じゃなくて、一年半もたつこの現時点でいまだに我々の気持ちを分かっていただけないのかなと、非常に私は大臣に期待するところがあったんですが、非常に残念です、その意識のずれという部分で。  そういうこの意識という部分、またその安全ではなくて安心といった部分にきちっと配慮していくということが必要だと思うんですよ、この森林の除染だけじゃなくて、全てのことに関して。そういった観点に立ってもう一度、大臣答弁お願いします。
  183. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 小熊委員がおっしゃることは、まず我々一人一人が心しなければならないことだと思っております。  森林の除染については検討会を何度かやっておりまして、何かそこで物を決めたということではないんです。もうこういう情報公開が徹底をされなければならない時代ですから、全ての検討のプロセスの会議は、当初は全て、去年の時点で、去年の一番初めに始めた時点では公開をしておりませんでしたが、みんな自由に物が言えるようにと思って、そうすると隠したのではないかというそういうあらぬ疑いを掛けられますので、フルオープンでやっているんです。そうしますと、研究者の方が客観的にこうなんだということも全部そのまま説明しますから、そこも含めて福島皆さんのとらえ方と研究者の皆さんの間にやっぱりずれが生じることってあるんですよね。それを全て完全に配慮するのは実際は難しいところがあるわけですね。  ですから、我々が心しなければならないのは、少なくとも政策決定にかかわる我々政治家であるとか、また例えばこの除染中間貯蔵ということに関しますと、担当しておる環境省の例えば幹部であるとか担当者であるとか、そういった人間がもう一度心して福島皆さんにいかに寄り添って物事を決めていくかということへの意識を強く持たなければならないと思います。  私が水の問題で改めて感じましたのは、川内村に二十名ほどの経営者を連れて宿泊して、何かここでやれないかということをしたときに、やっぱり隣近所を見ていると沢水を飲んでいらっしゃるわけですね。大丈夫ですと言っても、飲む人からすると気持ち悪いわけですね。それは実際に飲むと、まあ一日行って飲むぐらいは別にそれはどうってことないんですけれども、これは毎日飲むと、例えば嵐の日もあって、何かちょっとこう、どうなんだろうかとかいうことを気にされる方も当然いらっしゃると。そういう意味での想像力がもう少しなければいかぬだろうというふうに私自身も改めて反省をいたしました。  ですから、今、小熊委員がおっしゃったまさに福島皆さんの安心を確保するという意味では、いかに我々が福島県の皆さんの立場に立って、そこで自分が生活するならどうかという観点から物を考え得るかということに懸かっているだろうというふうに思います。そういう観点からすると、森林の除染の重要性は改めて極めて大きなものがありますので、皆さんの思いにできるだけこたえられるような対応をしてまいりたいと考えております。
  184. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ちょっと今の答弁で二点ほど指摘させていただきたいというふうに思います。  一点は、フルオープンでありますから、まだ仮定の段階も決定事項のようにマスコミが先行して書いてしまう場合というのもあることも私は承知をいたしますけれども、だからこそ、今大臣が言ったことはそのとおりなんですよ、だけど、そういう状況だからこそ、先に有識者会議でやるけれども、これは決定事項じゃないんですよということを言っておいて地ならししておいて出さないと、やっぱり決定事項みたいに見えたら、そういう配慮は必要ですよ。今みたいな官僚、政治家ですからね、大臣は、官僚じゃないんだから、そういう配慮をするのが人間である政治家なんですよ。そんな通り一遍の順序どおりしゃべったって駄目なんですよ。その有識者会議が出すことは、それは一つ見解だと、決定事項じゃないと分かりますけれども、それをまず言っておいてからやらせて出さないと、これは誤解を生じるということですよ。誤解をした側じゃなくて、誤解をさせる前提があるということですよ、そういう対応が。そういう配慮を是非していただきたい。  あともう一個は、その森林の、今、沢水の話を出されましたけれども、放射線が入ってきたらどうかと言いましたけれども、それはもちろんそうなんですよ。じゃなくて、三月十一日以前の山じゃないんですよね。会津の山だってそうですよ。三月十一日以前の山じゃないんですよ、安全基準値以内であっても。分かりますか。安全か危険かじゃないんです。安全なんだけれども、三月十一日の山とは違うところを背負って生きていくんですよ。だから、知識上安全だと分かりますよ。まあ知識上安全だと言ったって、それを信じない人もいますけれども。そういう心の問題なんですよ。だから、安全なものをまたその作業をして除染するというのは無駄なのかもしれませんけれども、それによって心が晴れる部分もあるんですよ。  先日、陳情に来られた須賀川市の橋本市長、ハシモト市長と言うと違う市長になっちゃうから、須賀川市の橋本市長さん、私の県会議員の先輩なんですけれども、も言っていました。安全であってもやっぱり県民の、地域住民の納得感を出す作業をしなければならないから、これは私は除染をやるべきだというふうに須賀川の市長さんも言っていたんですよ。そういう点に立たないと、危険か危険じゃないかってやっているからこういうことになるんですよ。  大臣の個人的見解でもいいです。安全基準ということも大事ですが、それ以外の心証的な福島県民地域住民の納得感というものに配慮して今後決めていくかどうか、それが絶対でなくても、それをきちっと配慮してこういった方針、取組に盛り込んでいくかどうか、見解をお尋ねします。
  185. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 除染において目標とする基準であるとかやり方であるとか、そういったところの科学的な情報というのは、これはこれでやはり非常に重要だというふうに思うんです。ですから、そこはしっかりと御説明をしながら、一方で、小熊議員がおっしゃったとおり、除染というのは地域住民皆さんにとっては納得のプロセスであるということも、そこはもう肝に銘じなければならないというふうに思います。  したがって、そういう考え方に立った場合に、具体的にその地域でどういう除染が方法としては考えられるのか、住民の皆さんにはどうやったら納得をまさにしていただけるのか、そういうことについての配慮がまだまだ政府の中で足りない部分があるということを感じております。私自身が直接得た情報については最大限そういったことに配慮をした方向でということでやっているんですが、相当の地域除染が行われていますので、まだ目が行き届いていないところもたくさんあるんだろうというふうに思います。もう一度職員の中に、まさに除染というのは、福島県の皆さんが納得をしていただく、安心をしていただくプロセスとしての役割も科学的な部分に加えて重要なんだという意識を徹底をしたいというふうに思います。
  186. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 是非、これは福島県だけじゃなくて、東日本、大きく言えば日本全体にかかわってくる問題ですし、先ほど上野議員からも風評被害、まさに私の隣の栃木県も大変観光産業に打撃を受けている。  私もこの週末地元を歩いたときに、観光地を歩いたら、個人客は八割戻ったけど観光バスは五割程度しか戻ってきていないという状況にもありますし、これは福島県だけではなくて、まさに風評被害、一緒に取り組んでいかなきゃいけないということで、私も子供を連れて一日だけ日光にお邪魔をいたしました。東照宮は我が松平容保公も宮司を務めたところでもありますし、これ行ったときに感じたのは、外国人がいっぱい来ていたはずなのに、日本人の観光客はまあまあいましたけどやっぱり外国人いなかったということもありましたし、子供たちの観光をしている姿も余り見なかったということであれば、これはそういう意味では福島県だけではなくて、この除染の問題は、これは隣県まで含めてそういった配慮が必要であるというふうに思いますので、これは福島県だけではなくて広い地域を対象としてしっかりとした配慮のある対応を取っていただきたいと思います。安全と安心が別に醸成をされなきゃいけないということ、大臣も言ったとおり、理解と納得が違うということ、知識と意識レベルの問題があるということ、しっかりと踏まえて対応を取っていただきたいと思います。  次に移りますけれども、いわゆる中間貯蔵施設について午前中も審議がされましたけれども、改めてこれまでの取組と今後についてお伺いをいたします。
  187. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 中間貯蔵施設は、福島県内で仮置場を造る、さらには除染を実施をするという意味で非常に重要な施設であるというふうに考えております。  昨年のちょうど今ごろ、菅前総理がそうしたものが必要であるので是非検討いただきたいというその話を福島県内で言及をしたのがスタートということでございます。昨年十月に、中間貯蔵施設基本的な考え方、いわゆるロードマップを策定、公表いたしまして、福島県内市町村長に私が説明をさせていただきました。その後、福島県知事双葉郡の首長の皆様に対しまして、繰り返し中間貯蔵施設の必要性を踏まえましてその設置について御検討お願いをしてまいりました。  ただ、そうした中で、やはり賠償を始めとした、福島県民皆さん、特に浜通りの皆さんにとって一番重要なことについてのなかなか前進がないという状況でございましたので、一旦この検討について、内部では進めてまいりましたけれども、福島県内ということでは一回止めまして、改めて八月十九日に開催をされました双葉地方町村及び福島県と国との協議会、いわゆる八プラス一という会合でございますが、ここで事前の調査の実施をお願いをしたところでございます。そして、その場で佐藤知事からは、国からの要請を一旦預かり、双葉地方町村と県の実務者で論点を整理をし、そして双葉地方町村と相談の上、国に回答するという、そういうお言葉をいただきました。  今後につきましては、こうした御回答を待ちながら、県とよく相談をして、説明をさせていただけるところがあるならばどこへでも国として参りまして、この中間貯蔵施設の性格であるとか、さらには安全性について、私どもとして最大限の丁寧な説明をしてまいりたいと考えているところでございます。
  188. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ここでしっかりとした意識を持っていただきたいというのは、あくまでも私は、この原発事故は東電と国が加害者であって、これは県は、これは一部の報道ですよ、報道だから正確じゃないかもしれないんですけれども、県が仲介役として役割を果たしていないという政府内の御意見もあるというような報道も一部あったんですけれども、これ県は仲介役じゃないんですよ。あくまでも町村の側に立って、そして国と東電と闘っていくという側であって、これ例えがいいか悪いか分かりませんけれども、おかま掘って、その同乗者でけがして、示談まとめてくれってその同乗者に言っているようなものですからね。県は国の仲介役で町村と当たっているわけではないということはしっかりと認識をしていただきたいと思いますし、大飯原発の再稼働のとき総理が、俺が責任持つんだと。これ、原発事故、私、誰も責任取れないと思います、徹底的にはですよ。だから、やっちゃいけないと思っているんですよ。これ、風評被害だって責任取っていない。私も子供いますけど、今後結婚していくときにどんな差別を受けるかどうか分からない。ないと思いますけどね、日本人はそんなに愚かじゃないから。でも、そんなところの果てまで言ったら、それは責任取るなんて言えませんよ、取れないんだから。責任取れないものはやるべきじゃないんですよ。  ただ、今回はこの中間貯蔵に焦点を当てれば、責任取るというのがもう徹頭徹尾国が前面に立ってやるべきで、県はあくまでも町村と同じ側のテーブルの側の人間なんですよ、それは。そういう意識じゃなくて、仲介役だなんていう認識じゃないでしょうね、確認しますけど。
  189. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今回、福島県知事を始め県の皆さんが一旦預かっていただいて、この当事者である町村皆さんといろんな相談をしていただけるということ自体は非常に有り難いというふうに思っています。  といいますのは、福島県内除染をするのにどうしても中間貯蔵施設が必要であるということをおっしゃる方は大分増えているわけですね。しかし一方で、じゃどこにとかいうことになると、これはなかなか一致ができないという、そういう状況が続いてまいりました。そういった中で、県の方でいろんな話を当事者の皆さんとしていただけるというのは本当に有り難いことだと思っています。  ただし、勘違いしてはいかぬと思います。当事者は国であるということ、そして原因者としては東京電力があるということですね。ですから、あくまで説明をし納得をしていただいて前に進める責任は、これは福島県にあるのではなくて国にあるということは、これはもう絶対忘れてはならぬというふうに思っています。  ですから、逆にそういう責任の主体でないにもかかわらず、いろんなことで労を取っていただく皆さんに対する感謝の念であるとか、様々な意味での配慮というものはしっかりと我々が持たなければならないというふうに思っております。
  190. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 大臣、苦労されているのは分かりますよ。私も、昨年のちょうど今ごろですね、我が党として二十キロ圏内の土地の有効利用という、まあ抽象的な言葉ですけど、いわゆる土地の借り上げ買上げ法案というのを原案を作って、私、県内の関係する市町村、二十ぐらい回ったんですけれども、もうぼろかす言われましたよ。それはそうですよ、ある意味ではふるさと捨てろという話ですから。  この原案については、平野大臣にも我が党から細かく説明をさせていただいた経緯もありましたけれども、本当に塩をまかれる思いでしたし、町村長も会ってくれないところもありました。副村長とか副町長も出てこない、課長すら出てこないところもありました。けんもほろろに言われてきましたけれども、でもやっぱり地域住民の中には、もう帰れるのか帰れないのか早く決着してほしいという声もあるのも事実なのも、大臣、分かるとおりです。  これ、決定するときは誰かが決定しなきゃいけない。造らないわけにはいかない施設ですから、造らなきゃいけない施設ですから、誰かが決定をしなければならないんですけど、これは悪者ですよ、どこまで行ったって。造らなきゃいけないとみんな分かっていても、そこに造りますよと言われたら、言われた方からしてみればたまったものじゃないですから。誰か合意点を見付けてくださいって、合意点なんか見付かるわけないんです、これは、この政策は。誰かが本当にもう命懸けで、ここですと、納得感がなくてもここですと言い切るしかない政策です、これは。それは、その役割を果たすのは県でもなく町村長でもなく、やっぱりこれは政府じゃないんですか、これは。これまでのこういう検討経過も、そういう国が前面に立つと言っていながら、いながらですよ、前面に立っているって、こう見えてこないんですよ。  今日はやりませんけれども、現に復興の事業なんかは国の予算で縛って地元の思いがなかなか達成されずに、逆に、原発事故は国が前面に立たなきゃいけないのに、除染の部分だって市町村で計画立ててくださいなんて丸投げしている部分もあるし、これ原発事故は徹頭徹尾国が前面に立つということが見えていないというのが事実なんですよ。  慎重にやらなきゃいけない部分も、先ほどの森林除染とかありますけれども、これは慎重にやるべきところもありますが、残念ながら百点取れる政策ではありませんから、これはしっかり決断をしなきゃいけない。それは、地域の反対があった、ありますよ、これは絶対。だけど、一定時期決断をするという覚悟がないんですよ、これ。県に押し付けているとしか言いようがない、今のプロセスは。プロセスが大事ですから。これ、もう少し、県にお任せしている部分ではなくて、国がもっと前面に出ていって、この原発事故の当事者であるという部分を見せることがないと納得が出ません、県民において。理屈じゃないですよ、納得感が出ないんです、今の姿では。  そこを踏まえて、最後に大臣、もう一言お願いします。
  191. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 全て責任が国にあると、中間貯蔵施設に関しましてですね。費用面では東京電力に当然負担ということになりますけれども、それは小熊委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。  悪者に、徹頭徹尾悪者になるしかないとおっしゃったんですけど、そもそもこの原発事故という極めて悪いことを起こしてしまったのが責任ですから、それに伴うこの問題について当然責任を負っていくのはまさに政府、今でいうならば私の役割であるというふうに思っております。  言い訳に聞こえたら是非そこは御容赦をいただきたいんですが、これまでも何度も国が前面に出てやろうとしたんです。昨年からそうでありました。私も何度も踏み込んで発言をいたしました。ただ、そのたびに出てくるのは、まだ納得感がないと、まだ先にやらなければならないことがあると、押し付けてくるべきではないという御意見がどうしても多いわけですね。  そういう中で、もちろん全ての責任は国が負うんだけれども、やはり、一定皆さんの受け入れていただく土壌であるとか、一定のそういう調整であるとか、そういったものがなされないと強引に進めても前に進まないという、そういう現実にも何度もこれまで突き当たってきたんです。それで一年掛かってしまったんです。  ですから、意識としては、もう全て国がやらなければならないことであるという、そこはもうしっかり持っています。持っていますが、それを前に進める際にどうしても地元の皆さんにいろいろ力を貸していただかなければならないというのは実態としてはあるということを御理解をいただければというふうに思います。
  192. 桜内文城

    ○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。  今日はまず二重ローンの解消に向けてのスキームについてお尋ねいたします。  昨年の今ごろ、この参議院、そして秋にかけて、ようやくという感じも当時あったんですけれども、衆議院でも審議が行われて、二転三転しまして衆議院で更に修正可決がなされてこちらに戻ってきまして、結局二本立てといいますか、予算措置、中小機構の一千五百億円を活用する産業復興機構のスキームと、それから政府保証枠五千億円の規模を想定した東日本大震災事業者再生支援機構、この二つが併存して今活動をしているところでございます。  活動の状況については後ほど、あらかじめ数字いただきましたので、芳しくないということも御指摘申し上げようとは思うんですけれども、一年もたってきますと、そもそも何でこれ二つあったのかなとか、二つのこの産業復興機構のスキームとそれから新たな法律でつくりました再生支援機構、この二つの趣旨、そしてそれぞれの特徴といいますかメリット、あるいはその違いというのを、まず所管大臣お二人に、経産大臣とそれから復興担当大臣、お二人にお尋ねいたします。
  193. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 産業復興機構につきましては、まさに二重ローンがこれからの復興に向けて対策が必要になってくるという観点から、政府としてしっかりと対応していこうという観点で国会に御審議を法案をお願いをして設立したものでございます。  それに加えて、議員立法でもう一つの機構がつくられたということでございますが、議員立法の方について、その趣旨について政府でお答えするべきではないのかなと思っております。
  194. 桜内文城

    ○桜内文城君 とはいっても、これ法律が通った後、執行をしているのは役所ですので、政府の方でこの再生支援機構の現在の活動等についても御説明お願いいたします。
  195. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 東日本大震災の事業者の再生支援機構については、ただいま経産大臣からも御答弁がございましたけれども、議員立法でできた機構ということなのですが、その背景にあったのは、やはり産業復興機構というのは、どちらかというと投資ファンド的な性格が強いのではないかと。投資ファンド的な性格が強いということは、やはり赤字を出さないという観点で運用がされるのではないかという懸念がどちらかというとあったように思います。そういった前提でこの支援機構というものが提案されたのではないかというふうに思います。  それから、さらに個人の、例えば農業者でありますとか、それから個人経営者に対して十分な手当てができるのかといった御懸念も議論の過程の中ではあったかと思います。そういったことに対応するための機構として、産業復興機構と連携しながらこの二重ローン対策に当たるということから設置された組織だというふうに理解をしております。
  196. 桜内文城

    ○桜内文城君 いかにも歯切れが悪いと感じざるを得ないんですけれども、というのは、昨年のいろんな経緯があって、皆さん大臣も、お二人とも御承知だと思うんですけれども、元々は、この議員立法の方ですね、その再生支援機構の方ですけれども、政府保証枠も五千億円用意しておりますし、また、今、平野大臣がおっしゃったように、農業者ですとか個人、そういったものも視野に入れましょうということで始まったわけですけれども、先ほども申しましたけれども、昨年参議院で一旦可決した後、衆議院で与党・民主党が中心となって、私は改悪の修正と呼んでおるわけですけれども、債権買取りの価格ですとか、あるいは債権管理ですね、その買った後の、について、結局、先ほど平野大臣も御指摘いただいたような、投資ファンド的なといいますか、赤字を出さないような意味での、悪い意味でのイコールフッティングが結局なされて、この二つの、元々経済産業省が進めておった産業復興機構と、それから新たに議員立法でせっかくつくったこの再生支援機構の債権買取りの要件等々ほぼ一緒になってしまったんじゃないのかというふうに感じておりますけれども、違いがいまだに何かあるのであれば指摘していただければと思います。
  197. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 先ほどの中で、投資ファンド的なというようなことで申し上げましたけれども、ちょっと言葉に、言葉をもうちょっときちっと説明せにゃいかぬと思いますが、今回の場合は、あくまでも産業再生基本とするものではありません。被災からの要するに復興でありまして、復興支援のためにどういう二重ローン対策をすればいいのかということについて今様々に検討しているということであります。  大事なことは、一件一件とにかく丁寧に、個別によって非常に事情が違うということもございますから、むしろ待っていて、それに相談応じるということではなくて、こちらから出かけていって一件一件の問題点を把握しながら発掘に努めるということについては、これは被災者支援機構も産業復興機構も丁寧に丁寧にやっていることではないかというふうに思います。  結果として、まだ買取り等々の案件が少ないということは実態はございますけれども、これについてはこれなりの私は事情があるのではないかというふうに思っておりますが、この一件一件丁寧にこちらから出向いていってその個別の案件の発掘、対応に当たるという姿勢は、今後ともしっかり堅持していく必要があるというふうに思っております。
  198. 桜内文城

    ○桜内文城君 一件一件丁寧にというのは、聞こえはいいですけれども、要はスピード感に全く欠けているというのは逆に言えば言えるんじゃないかと思います。  今大臣に、買取りの価格ですとか、債権のその買い取った後の管理ですとか、何か違いがあるのかと言ったらお答えにならなかったんですけど、ないわけですよ。元々は、今大臣もおっしゃったように、議員立法でわざわざつくったという趣旨は、元々は復興のためなわけですよ。復興のために、特にこの二重ローン問題というのは、まさにスピードを要する、日々の資金繰りにも関係してくる話ですので、一年半もたって一件一件丁寧にと言っている場合では本当はなかったものだと思います。  また、この東日本大震災事業者再生支援機構を設立する法律が昨年秋に、半年以上震災発生からたって、それも民主党の衆議院の皆さんによる改悪、買取り条件ですとかそういうものを産業復興機構に合わせるというものを行ったがゆえに同じように進まないんじゃないのかというふうに私は思っております。これは重ねて指摘しておきます。  あと、先週数字いただいて今日臨んでおるんですけれども、ちなみに、経済産業省が所管の産業復興機構、中小機構の、元々民主党さんの事業仕分で返せと言われた二千億円のうち一千五百億円を利用してこういったファンドをつくって買取りしましょうということにされたわけですけれども、結局この一千五百億円すら全く届かない状況です。買取り金額でいいますと、三十六億円。これ、いつになったら一千五百億円まで達するのか。こんなスピードの遅いことで本当にいいのか。  先ほど言いましたように、この二重ローン問題というのは日々の資金繰りに関係してくるものですよ。それが、一件一件丁寧にと、今ごろになって、震災発生から一年半もたっておっしゃっている。これは一体どういうことなのか、お尋ねいたします。
  199. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 金額の目標に何かがあって、それに達しなきゃならないという性質のものではなくて、これはまさに復興のために必要な部分について必要に応じて対応していくという性質のものであって、一千五百億円を何か全部使わなきゃいけないという性格のものではないということは十分御理解をいただいているかというふうに思います。  今のところ、大変金額が当初予想していたよりも少ないということは間違いありませんが、これには、一つには、金融機関が自ら柔軟な条件変更などを進めておられると。  それから、仮設店舗等を活用するということで、すぐに新たな借金をする、つまり、二重債務、二重ローンという状態になることなく、まずは仮設店舗等を使った営業再開をするという方がいらっしゃいます。  あるいは、これ以外の、例えばグループ補助金等の支援策を活用するという形の中で二重ローン問題に陥ることなく復興対応をされている方が、こちらグループ補助金、我々の想像以上の御活用をいただいているということからも対応されています。  また、最も大きなところは、被災地復興計画の進展待ちという状況がございます。新たに借入れをすることで二重ローン、あるいは借入れをしようとすることで二重ローン問題が生じるわけでありますが、それぞれ地域によっては復興計画がまだ具体化をしていない、あるいは具体化が遅れていると。そうした復興計画ができ上がって、そして例えばそのベースになるインフラ整備などがある程度見えてくることで、では新たに借金をしてでも復興に向けた新たな事業を再開させようという問題が出てきますので、これからいよいよ復興計画が具体化をし、進んできておりますので、これから本番だというふうに考えております。  そうしたことの中で、今、復興大臣の方も復興庁として御尽力いただいておりますが、復興庁としっかり一体化をして、復興に当たって新たな借入れ等せざるを得ない、だけど、今までの借金があるというような皆さんに二つのこの仕組みを十分に御説明申し上げて、御活用されることがそれぞれの復興に当たって効果的な皆さんには十分活用していただけるようきめ細かく対応してまいります。
  200. 桜内文城

    ○桜内文城君 全く、被災地復興のためにせっかく組んだ予算なわけですよ、それが使われていない。いろいろなところで批判もなされていますけれども、もちろん全部が経産大臣の所管というわけではないんですけれども、復興予算十九兆円ですか、総額で、昨年補正予算等で組んだけれども、六兆円の不用が生じている。こういったところも指摘されているわけです。  それに対して、金融機関が柔軟に対応したですとか、あるいは仮設店舗でやっているからいいって、そういうのは、そもそも、じゃ、この一千五百億円という予算を作ったときの見込みが甘かったということじゃないですか。そういうふうないいかげんな、復興の役に立たないようなこういう制度をつくって、そしてまた新しく、せっかく法律でもって東日本大震災事業者再生支援機構、こういうものを新しくつくったんだけれども、そういったあしきイコールフッティングで同じような買取りの条件にしてしまった。  こちらの方を平野大臣にお伺いいたしますけれども、同じような質問ですけれども、五千億円の政府保証の枠がせっかく設定されているにもかかわらず、これ、金曜日にいただいた資料では、今支援決定を行ったもの十一件、そのうち実際に買取り決定を行ったもの僅か二件。もちろん、三月五日業務開始ですので、そんなに時間がたっていないというのもあろうかとは思うんですけれども、支援決定がこれ、もう一年半たって四十億円程度しかないわけですよ。これで本当に復興のために資するというふうに言えるんでしょうか。その五千億円という枠も、もちろんそこについては政府の方で関与されたわけじゃないとしても、それだけの二重ローンの負担が生ずるという見込みがあってこそなわけですよ。それが一年半たって、一件一件丁寧にやっています、そういったことでよろしいんでしょうか。
  201. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、先ほど枝野大臣からも御答弁がございましたけれども、現場で今どういう状況になっているかといいますと、まず仮設店舗あるいは仮設工場等々での操業をやっているところが結構あります。まだ、例えば、先般陸前高田にお邪魔しましたけれども、陸前高田では仮設店舗の設置を希望が出ております。それは、陸前高田全体が中心市街地も津波で大きく被災をしたことによって町並みの復興計画がなかなかうまく調整ができていないということで、町の復興計画を待っていたのでは仕事ができないということで、まずは仮設店舗だということで希望が上がっているということです。仮設店舗については仮設店舗の制度がこれはございますので、これに関して二重ローンが今の段階で大きな問題になることは私はないというふうに聞いております。  あわせて、これも繰り返しになりますけれども、中小企業グループ化補助金、あるいは水産庁の水産業利用施設特定施設整備事業、こういったものについてはかなり今手が挙がっておりまして、御案内のとおり、中小企業グループ化補助金についてはまだまだニーズが出ているということであります。このグループ化補助金が補助金として四分の三利きますと、かなり企業での貸借バランスというかバランスシートが改善されますから、そういった意味での二重ローンという問題についてのニーズは、当初の想定よりはあるいは少なくなっているということは言えるかもしれません。  しかし、あわせて、仮設店舗で操業している企業がたくさんございます。個人でも企業でもございます。こうしたものがいずれ、町並みが復興になりまして、本格的な店舗、工場の復活ということになりますと、今リスケで債務の延期をしていただいている企業につきましても、今度はしっかりとした返済計画で企業を再生してくださいという話になってまいりますから、その段階になりますと、この二重ローンの問題というのが更に大きな問題になってきまして、産業復興機構、支援機構の出番というのは大きくなってくるのではないかというふうに思います。  今私の理解では、理解というか支援機構では、そういったことに対して、繰り返し、冒頭申しましたけれども、現地に出かけていって一社一社の事情を今聞いていて、その状況を把握しながら次に備えているという面もあるということも併せて申し上げさせていただきたいと思います。
  202. 桜内文城

    ○桜内文城君 よく昨年、今ごろ、復旧そして復興という言い方をしていました。仮設店舗があるからいいというのは、これは復旧の部分にとどまっていると思います。もう一年半もたって、しっかりとやはり復興に向けて仕事をやっていただく必要があるし、そしてグループ補助金の方が需要があるからということもおっしゃいましたけれども、お金に色はないんです。ですので、こういったせっかく法律でつくったようなもの、支援機構ですね、こういったものをもっともっと所管大臣として活用していただきたいということを申し上げておきます。  時間がないので、最後、一問だけ、細野大臣とそれから枝野大臣にお尋ねいたします。  東電の国有化についての資料をちょうだいしました。拝見しますと、東電を国有化すること自体は、これはこれで私は当然の道筋だろうと思っております。ただ、いただいた資料によりますと、原子力損害賠償支援機構が五〇・一一%、種類株の転換によっては七五%を超える株式保有比率になると、これはこれで結構なことだと思いますけれども、やはり言わば実質的な債務超過に陥った東京電力の会社更生法的な今後の処理というもの、こういった持分比率というものと、そして実際に、福島第一原発自体、サイト自体の国有化といいますか収用を行った上で、まさに防潮堤をしっかり造っていく、あるいは国の予算をちゃんと使って四号機の補修、補強を行っていくですとか、そういったものが私は必要だと思います。  これまで重ねて、細野原発事故収束担当大臣、無任所大臣でいらっしゃるので、サイト内に対する国の予算というのは一円たりとも付いていないということをずっと指摘してまいりました。所管大臣としての経産大臣が、今後そういったサイト自体の事故収束に向けた国有化、そしてこれに対して国が責任を持ってまさに燃料棒を取り出したりですとか最終処理を行っていく、こういった方策を取っていただきたいと重ねてお願いしておきたいと思いますけれども、御感想についてお二人の大臣にお尋ねして、これで終わりにいたします。
  203. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 廃炉が安全に、そしてできるだけ迅速に進めていくことについて国が責任持ってやらなきゃならないということについては全く同感でございます。したがって、東京電力が資金難などによって遅れたりする、あるいはやるべきことをやらないことになったりしないように、そこは国有化のスキームを、そういう趣旨も目的の一つですが、やってまいります。  ただ、国が少なくとも今の段階で直接このサイトそのものを所有をして、東京電力ではなくて国が主体としてやるということが本当に日本のエネルギー政策全体を考えたときにいいことかというと、私はそれは違うと思っていまして、私たちが原発依存からの脱却を目指していることの理由の一つには、これまで実は原発を利用した発電というのが実際よりも安い値段だというふうに見積もられて、だから安いから原発を使うということになってきました。しかし、実態は違います。まさに、こうした事故が起こった場合の廃炉であったり賠償であったり除染であったりというのも、当然本来は、そうしたことに備えた積立てをしておくとか保険に入っておくとかということが原発による発電の電力料金に乗っかっていなければならなかったものが乗っかっていなかったから見かけ上安かったということにすぎません。  したがって、これは本来電気料金で負うべきコストであって、そして本来はそうしたものも全部電気料金に乗って本当に原発が安いのかということをしっかりと見ていくということも重要であるという側面からすれば、安易に、いや、事故が起こったら国が直接持ってもらって、国がお金出して、結局、国がお金といっても結局国民の皆さんの税金です、でやってくれるということであるならば、まさに、だったらまあ原発の方が安くて便利でいいじゃないかという、この三・一一までの流れをそのまま続けようという声がむしろそれは強くなるのではないかと思います。  もちろん、最終的には、繰り返しになりますが、国が責任持ってできるだけ迅速に安全に廃炉をしなければならない責任がありますから、将来にわたってこういう方針で徹底するということを申し上げるつもりはありませんが、今の段階で安易に、東京電力の責任、外してあげるということになりますから、そういった判断をすべきではないというふうに思っています。
  204. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 国有化については枝野大臣の御答弁がございました。実態面としては、政府・東京電力中長期対策会議というのを設置をしておりまして、その議長が枝野大臣であり、私もそれをさせていただいておりますので、国が主体となって廃炉に向かっての様々な取組をやっているというのは、まさにそういう状況にあるというふうに考えております。  その中で、私の役割なんですが、経緯が若干ありまして、去年の三月から私、東京電力におりましたので、どこにどういう問題があるのか、そして例えばその東京電力の中でどの人に聞けば問題が分かるのかということについては、政府の中で一番かかわってきたという、そういう経緯があります。さらには、例えば海外から見た場合に、この事故収束を政府がちゃんとやっているのかと、誰が担当なのかということについて、例えば私がそれを担当することによって、実はこういうことなんですということを説明をしやすいという面もございます。  ですから、予算面においては、確かに私自身が持っているというよりは、人材育成などについて経済産業省の方で予算の確保を今準備をしていただいておりますので、そこはお任せをするとして、そういうこれまでの経緯と対外的な面も含めて、現段階ではこうした役割分担が適切なのではないかということでさせていただいているということでございます。  以上でございます。
  205. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  復興庁の資料によりますと、現在、福島県の避難者数は十六万二千人、そのうち県外避難者数は六万一千人、依然として原発事故の被害というのは深刻であります。    〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕  まず、平野復興担当大臣に原発事故の被害者に対する対応基本について伺いたいと思います。  私は、大事な観点が二つあると思うんですね。一つは、原発事故の前に住んでいた家、田畑、森林などの原状復帰、すなわち元の場所で元どおりに生活できるようにすることが基本であるということ。二つ目に、それがかなわない被害者、残念ながら放射線量が高くてすぐにはできない方もおられます。それがかなわない被害者にはそれができるまでの間、新しい場所で元のような生活ができるようにしなければならない。この二点が大事だと思いますが、平野大臣の認識、いかがでしょうか。
  206. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 基本的にはそのような考え方だと思いますが、一点だけ、長期避難者に対する戻るまでの期間支援をどうするかということにつきましては、これはどういう条件で、どういう居住条件で暮らしていただくかということについては、賠償等々の兼ね合いがありまして様々なこれから詰めなければならない課題がございます。そういった課題を詰めるのに当たりましては、国だけで詰めるのではなくて、被災自治体被災者方々の意見も聞きながらしっかり詰めていくことが大事だというふうに思っております。
  207. 山下芳生

    ○山下芳生君 基本的にはそのような考え方だということでした。  私は、元の場所で元どおりに暮らしていただけるようにする、それから、それがかなわない方はそれがかなうまでの間、新しい場所で元のような生活ができるようにする、それがどの程度の長期になるのかということもあるでしょうけれども、やっぱりどの程度の長期になろうが短期であろうが、やっぱり元に住んでいたような状況避難生活していただくことが大事だと思うんですね。  なぜならば、これはもう国会の事故調の指摘を引くまでもなく、原発事故というのはこれは自然災害ではなくて人災だからであります。加害者、事故を起こした東電と原子力政策を推進してきた政府の責任で元どおりの生活、元のような生活を保障する責任があるというふうに思うわけです。  そこで、枝野経産大臣にも同じ質問、原発事故被害者に対する対応基本的な考え方、私、二点大事だと思うということを述べましたけれども、いかがですか。
  208. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 御指摘考え方基本的には私も同感でございます。できるだけ早く元の場所で元のような生活をしていただけるようにしたい。その戻られるまでの間も別の場所でできるだけ元の生活に、元と近い生活をしていただけるようにするということが基本であると思います。  ただ一方で、もう一つ考えなければならないのは、被害を受けて避難をされている当事者の住民の皆さんの中には、帰りたいというお気持ちはあるのかもしれませんけれども、様々なことをお考えになって自らは帰ることを希望しないと、むしろ別の場所で新たなスタートをしたいという、こういう御希望の方もいらっしゃると。こうした御希望の方の声にもしっかりとおこたえをしなければならないというふうに思っております。
  209. 山下芳生

    ○山下芳生君 大事なことです。帰りたいんだけれども帰れない、あるいはもう子供さんの関係などで別の場所で新たな生活をスタートさせたいという方もいらっしゃいます。枝野さんに確認します。そういう方も元のような生活をきちんと保障していくことが私は大事だと思うんですが、これはいかがですか。
  210. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) もちろん元の場所ではありませんので、元の生活と同じ生活をしていただくということはこれは不可能なわけでありますけれども、できるだけ事故の前の生活に近い状況を取り戻していただけるように国としても最大限の努力をしていく必要があると思っております。
  211. 山下芳生

    ○山下芳生君 そこで、政府は、東電福島第一原発事故の避難指示区域を年間被曝線量に応じて帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の三つの区域に再編するとしております。その上に立って経産省は土地、建物などの財物賠償の基準を示されました。  枝野大臣、財物賠償の基準の基本考え、簡潔に説明してください。
  212. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) これ、賠償は民法に基づいて東京電力と被害者の皆さんの間における関係ではありますが、避難指示区域皆さんの賠償というのはまさに今の生活再建などとも大変密接にかかわり大変重要なものでありますので、国として、まあ基準ですので、個別にはもちろんいろいろな事情に応じて、より大きな額になる方はいらっしゃるわけですけれども、最低限の基準を作るに当たっては、国としても、被害者の皆さん自治体皆さんの意見や実情を伺って賠償基準に反映させるべく東電との調整をしてきたところでございます。  この考え方は、細かく申し上げれば多々ありますけれども、大事なこととして考えましたのは、賠償が個人の判断、行動に影響を与えるべきではない。先ほど申しました、帰りたいけど、だから待って帰りますという方と、いや、帰りたいけど、いろいろなことを考えて、もう帰らないことを選択すると。この選択に、こういったことに影響を与えてはいけない。これは、まさにそれぞれの、ほかの事情で御判断をいただくことだということが重要だと思っておりまして、帰還した上での生活再建の場合と新たな土地における生活の開始の場合とで基本的に差異を設けないと、こういうことが重要であると。  それから、もう一つだけ付け加えておきますと、これはあくまでも最低基準であるということをとにかく徹底をするということでございまして、個別の事情でこの基準を超える損害が生じている方については、当然それは対応するということを東京電力にも繰り返し徹底をしているところでございます。  なお、後の質問の先取りになるのかもしれませんが、先ほど申し上げた、元の生活を取り戻すということに当たっては、賠償は大変大きなツールでありますけれども、賠償だけでできるものではないというふうに考えておりまして、これは行政としてしっかり対応をしていかなければならない。公営住宅を始めとした居住環境の整備や医療、福祉、教育、雇用の確保といった様々な課題に対する取組と併せて、そして、それと賠償とを併せる中で元の生活を取り戻していただくということに向けて努力をしていきたいと思っております。
  213. 山下芳生

    ○山下芳生君 経産省の、今、基本基本説明いただいた財物賠償基準、そして、それを基にした東電の財物賠償基準について、実際、被害者の方々がどう受け止めているか。  八月二十三日、福島双葉町から新潟県柏崎市に避難している被害者を対象に経産省と東電は初めて財物賠償基準の説明会を開催されました。NHKが当日報道しておりましたけれども、事前の相談もなく基準や評価を一方的に決められるのは納得いかないとの声が出されたとナレーションが入りました。生の発言として私も聞きましたけれども、何を基準に決めたのか、あなたのところはこれだけですよと一方的に決める資格はあなたたちにはないと男性の被害者が怒って訴えている姿も報道されました。  経産大臣、こうした声をどう受け止めますか。
  214. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 先ほど申しましたとおり、この賠償基準というのは、これしか賠償しませんという性格のものではありません。本来であれば、損害の額というのはそれぞれ個別にいろいろと積み上げていかなければならないわけで、それによって千差万別であります。  しかしながら、これだけの広範な被害であるということなどを様々総合的に考慮をすると、どなたでも個別の積み上げをしなくてもこれだけは賠償しますという最低線の基準を作りませんと、例えば東京電力を最大限努力させても、一件一件全部精査をするとか、あるいは被害を受けられた方も、全部一人一人自分の損害額を一定程度立証するとかということでは大変時間が掛かって生活再建につながらないということがありまして、あくまでも最低基準であると。  そのことがまだまだ十分に被害者の、まあ東京電力がこれが上限だみたいなことをやっちゃいけないということで、ここを、違うんだということは徹底いたしましたが、住民の皆さんにそういった趣旨などが十分まだ伝わっていないのかなと。あくまでもこれは最低線ということなので、それに当たっても、まさに決め方について、決める前段階から、何というんでしょう、かなりオープンな議論をすればよかったのではないかという御指摘あるかもしれませんが、非常に多種多様、それぞれの個別事情のある中でございますので、自治体などとは御相談をさせていただきながら、もちろん、今後それぞれの事情で、うちはそんな安くない、そんな基準では全然合わないという話については、東京電力においても当然柔軟な対応をさせますし、また一定程度類型的に、こういう場合はこういう積み増しが必要なんだということが可能であれば、その基準そのものを、何というんでしょう、追加というような形で類型的に評価できる、とらえることができる部分については対応していきたいというふうに思っております。
  215. 山下芳生

    ○山下芳生君 最低基準だと言うんですけど、これまでの東電の賠償を見ておりますと、大体、紛争審査会の基準が決められたら、それを超えることないわけですよね。もうこれ以上出せませんと、国が決めた基準ですからということで、これで被害者の皆さんは物すごい怒っているわけですよ。今回も、出た基準が最低であって、ここから上へ行くんだなんということ、なかなか信用できないですね。その最低の基準が、これでは具合が悪いというふうに被害者の方が本当に思っておられるわけです。  もう一つ紹介します。  福島第一原発事故で、福島双葉町は二十四日にも、土地や建物など財物の損害賠償に関する住民説明会を福島郡山市の県農業総合センターでも開いたと河北新報が報じております。同市などに避難している町民百七十人が出席したと。土地は固定資産税評価額、建物は建築年数が賠償基準になることについて、賠償額が低くなり、いわき市や南相馬市に移住の住まいを購入するのは無理といった不満が出たと、こうあります。  私も、何人か直接、被害者の方々の声を聞いてみました。例えば、浪江町から二本松市に避難されているSさんです。やっぱり同じように、固定資産税評価額ではとても追い付かない。働いて家のローンを払っても、古くなっている人は安くなると、評価がですね。それから、土地の値段も、東京の一等地と福島の田舎、Sさんが言う言葉ですけれども、では全然違うと。土地は一・四三倍で評価すると言うが、元々が安いんだと。今、二本松市に避難しているけれども、ここでも土地が高くて、とても家を買うことはできない、全然被災者の気持ちになっていない基準だと、これで合意書を書く人はいないということを言われました。  大変きつい批判ですけれども、私は根拠のある、もっともな批判だと思いました。この賠償基準では、新たな場所で新たに生活、戻れない方ですよね、同じような生活をしようと思ってもそれができない、同じような家屋を手に入れることはできない、そういう批判ですけれども、これをどう受け止めますか。    〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕
  216. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のような声というのは非常に重く受け止めなければならないというふうに思っております。  その一方で、まず一つは、これは損害賠償の基準をお示しをしたということであります。御承知のとおり、損害賠償というのは加害行為によって生じた損害の補填をするという性格のものでございますので、損害賠償だけで生活再建の全てをしていただこうという話ではないと。そして、それから、なおかつ今回のは、今御指摘をいただいたのは財物、不動産についての賠償の基準であると。当然、事故前日の、例えば昨年の三月十日の当該建物や不動産の、これは客観的な額というのは厳密にやろうと思えば裁判所で決めてもらうしかないわけですけれども、その額を超えた賠償ということは、これは賠償ということではあり得ないということの中であります。  ただ、それだけでなかなか生活再建できないということの中では、例えば営業損害であるとか等のところについて、これも損害賠償の理論からいけばぎりぎりの線だと思いますけれども、公用収用に伴う休業補償などと比較をして最大限の数字を取らせていただくといった形で、賠償という枠の範囲内でできるだけ生活再建に資する形になるような努力はさせていただいているつもりでございます。  その上で、先ほど来繰り返しておりますが、例えば教育の問題であるとか福祉、そして産業振興や雇用の確保、それから公営住宅を始めとした居住環境の整備、こうした様々な課題に取り組む中で、総合的に元の生活を回復していただけるよう努力をしてまいりたいと思っております。
  217. 山下芳生

    ○山下芳生君 その損害賠償なんだということがやっぱり被害者の方は納得されていないんですよ。Sさんこう言いましたよ、好きで避難しているんじゃないんだと、瑕疵もないんだと、これでは納得できるはずがないと言うんですね。それはそうですよ。元住んでいたところがどんなに中山間地で山の中といっても、そこでちゃんと大きな家で大家族で過ごしていた方々ですよ。別に事故がなければ、そこで大家族で古いかもしれないけれども大きなおうちでまだ同じような生活ができていたはずなのに、それが事故によってできなくなったわけですね。  元どおり大家族で暮らせるようにしてほしいとこのSさんはおっしゃっていたんで、一体何人で暮らしていたんですかと聞いたら、私は九人の大家族だったと。それに加えて、双葉町のお母さんも引き取ったので今十人だと。で、二本松の仮設住宅で四つに分かれて暮らしていますと。部屋は全部並んでいるわけじゃありません、ばらばらですよ。だから、この方は、元どおり、前の家より豪華な家は求めない、前の大きさで前のような家財で同じようにみんなで住みたいんだと、こうおっしゃっているんですよね。これができないんだったら、その基準がおかしいんじゃないかと。  私は、これは無理なことじゃなくて、当たり前のことだと思うんですが、この当たり前の願いにこたえられるような、賠償で駄目だったら保障ですよ。何らかの形でやらないとこれは納得されないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  218. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) ですから、先ほど来申し上げておりますとおり、あくまでも今回基準をお示しをしているのは賠償の話であります。賠償だけで、何というんでしょう、今回の被害を回復できる方もいらっしゃるかもしれませんが、賠償だけではできない方もいらっしゃる。これ、間違いないと思っておりますので、その他様々な総合的な対応をしていくことの中で、例えば、今はまさに急に避難をしていただいて、そして仮の住まいに住んでいただいているという状況の中では、今のような大変ある意味では不合理な非常につらい仮の住まいをお願いをしているわけでありますけれども、ある程度ここに例えば仮の町をつくるとか、こういった話がもし具体的に進んでいくときには、そこについては例えば様々な政府としての支援も含めて、従来の大家族で住んでいただけるような場を提供するというようなことも十分やっていけると思っておりますし、やっていかなければならないと思っております。  ただ、そうしたことを全部準備してからでないと賠償の話についてお話ができないでは、これまた生活再建を早くしたいという方に対して大変御迷惑をお掛けをすることになりますので、まずは賠償についてのお話、今回出させていただいています。今後、それぞれの、どれぐらいで帰れるかという地域の事情とか様々なことを踏まえながら、順次、賠償以外の様々な生活再建に向けた対応についてお示しをしたり御相談をさせていただいたりしていくということになると思っております。
  219. 山下芳生

    ○山下芳生君 ということは、賠償以外に、今おっしゃられた、私が紹介したSさんならSさんの、元の町に戻りたいけれども戻れるまでの間、あるいはそれがかなわないかもしれないから新しい場所で同じような生活をしたい、そのために必要なおうちや家財を手に入れたい。賠償でもし足らないんだったら、賠償以外の方途でそういうことをかなえるようにするというのが経産大臣としての国会での答弁というふうに理解していいんですか。
  220. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 賠償の国の基本的な考え方を決める前には、枝野大臣の主導の下での資源エネルギー庁が各被災自治体ともう何回も何回も綿密な打合せを行っています。打合せを行って、賠償の審査委員会から出た指針を踏まえつつ基本的な考え方をまとめたということでありまして、かなり詳細な部分にまで入った考え方になっていると思います。  しかし、現実には被災状況というのはもう個々によって全く違ってまいります。そういう意味で、これから賠償の基本的な考え方、それで東電が賠償基準を示しましたけれども、それは枝野大臣も言いましたように、まず最低の部分ということで、あとはケース・バイ・ケースの中で話をしていくということになると、お話をさせていただくということになると思います。  その上で、長期の避難お願いするという場合には、その間においてどのような住宅を、どのような居住環境を用意するか、どこに住んでいただくか、こういったことについては国が前面に立ちまして、様々な意向調査をすると同時に、復興計画の一環の中で計画を練っていかなくちゃならないというふうに思っております。  そしてまた、冒頭で申し上げましたように、その間にどのような居住環境で住んでいただくかということは、実は今までの賠償の問題の中では対応できなかった部分、対応というか経験していなかった部分がたくさんございます。制度的にもまだまだ詰めなくちゃならない問題がございますが、今それを鋭意詰めているということでございまして、そういった賠償と併せて、そして国の支援のスキームというのをセットでお示ししながら、そして被災者の御理解を得てその支援に当たっていくという基本姿勢で臨んでいきたいというふうに思っておりまして、その点に関しては先ほど枝野大臣も申し上げたとおりでありまして、委員から指摘された賠償以外の別のスキーム、これについてもしっかり検討して対応していきたいというふうに思っております。
  221. 山下芳生

    ○山下芳生君 このSさんは何人かの方と一緒に避難されているわけですね。こう言っていましたよ。一緒に避難している人は全員言っていると、これでは話にならないと、この賠償では戻れない方は新たなところで同じような生活を営むことはできないと、全員言っているというんですね。今、残念ながら、それしか出ていないから納得されないんだと思いますよ。だったら、それ、いつ出すのかと、国がこれでよしと認めたこと自体がおかしいと、こう言っていました。自分たちがこういう目に遭ったらどうだろうと思ったら分かるはずだと、そうも言っておりました。  私は、これは、当面ふるさとに帰ることができない人たちが仮設住宅から出て新しい場所で元のような生活を始めるにはこの基準で示された金額では足らない、これは重く受け止めて、賠償では不十分だったら、そのほかにもちゃんとした基準をちゃんと示して、早く安心して生活の再建の展望ができるようにするべきだと思いますが、いかがですか、枝野大臣
  222. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 繰り返しのお答えになりますが、おっしゃることの趣旨は理解をいたします。  ただ、賠償という仕組み、枠組みの中でできることと、その枠組みではできないことがございます。賠償という枠組みの中でできる最大限のことはやってきているつもりでございます。そして、全体のスキームを同時にお示しできれば、その方が、我々もそうしたいと思っておりますが、まさに、例えばどういう段階、例えば仮の町の話等、いろいろ新聞などはにぎわしておりますが、やはり地元との御相談とか具体的にどういうプロセスでどれぐらいの時間を掛けてどうするのかというのは国だけで一方的に決めるべき性格のものでもございません。  いろいろと御相談をしながら進めていくということの中で、全体スキームをお示しできるまで賠償の話、全く進められないということでは、逆に、避難されている住民の方の中には、取りあえずまずは賠償を幾らもらえるのか、そのことだけでも早く知りたいし、もらえるものなら早くもらいたいという方も、これもいらっしゃるのは間違いありませんので、こういう段取りで来ています。  今後は、まさに賠償と、それから様々な政策的な生活再建に向けた支援策というものを今後どう賠償に付け加えていくか、それを地域の復旧復興とどう組み合わせていくのかということについては最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
  223. 山下芳生

    ○山下芳生君 こちらも繰り返しになりますけれども、被害者には全く瑕疵ないんですよ。元いたところで元どおりの生活ができるようにするのは当たり前なんですよ。それができなかったら新しいところで元のような生活を保障するのは当たり前なんですよ。  賠償の考え方ではできないと言うんだったら、違うやり方でも何でもいいから、国と東電の責任でそういうことをやらない限り、これは被害者は救われない。それが余りにも遅いから今こういう声が出ているんですね。これをしっかりと肝に銘じていただきたいと思います。
  224. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今のお話は、そもそも今の民法の損害賠償法理自体が適切なのであるのかどうかと。そもそも損害賠償法理自体が、例えば万が一、被害者側に落ち度があれば過失相殺されるという仕組みですから、一〇〇%被害者に落ち度がないということの中で加害者がどういう賠償をするのかという制度が、これ国会でお決めをいただいて、それに従って損害賠償法理というのは動いています。  その法理に基づいて、でも、その中で幅が見られるところについては最大限賠償するという枠組みの中でこの損害賠償の話についても進めてきているということは十分御理解いただきたいと思います。
  225. 山下芳生

    ○山下芳生君 これまでの枠ではとらえられないような事故を起こしちゃったんですから新しい枠をつくらないと駄目ですよ、そのことを申し上げたいと思います。  最後に、時間の許す限り、中間貯蔵施設について質問します。  国は、八月十九日、福島県知事及び双葉郡の町村長との協議の場で、中間貯蔵施設に係る地質などの現地調査要請を行いました。中間貯蔵施設、十二候補地提示、政府、地質調査要請自治体との交渉は難航かとか、中間貯蔵施設候補地、住民抵抗感根強く、帰還、事業再開に足かせなどの報道がされております。  まず、平野復興担当大臣に聞きますけれども、二十一日、中間貯蔵施設の現地調査について、大臣は地権者と地元の了解を取らないと首長が了解してもできないと述べたと報道されております。さらに、国職員の一部に土地収用法に掛ければいいと考えている者がいて一喝したとも報道されております。  改めて確認したいんですが、今回の協議の場は中間貯蔵施設の受入れが前提のものでもないし、現地調査も敷地の選定も地権者と地元の了解が前提であって、強制的な手続は取らないと、もう一度明言していただきたい。
  226. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 一般論といいますか、今回の中間貯蔵施設もそうなんでありますが、これは国が実施主体ということになります。国が実施主体ということは、調査入るときには、まず通常では、ダムにしても何でもそうなんですけれども、必ず地域に対してこういうこれから調査に入りますという、普通は説明に入ります。  それから、現地の実測測量あるいはボーリング、こういったものを行うに当たりましては、当然のことながら地権者の了解を取らなければなりません。そういうことを私は記者会見で申し上げました。  それで、地域の了解という言葉に、新聞の一面にはそうなりましたが、ちょっと私の舌足らずなところがございまして、調査段階地域全体の了解を取らなくちゃならないということはありません。あくまでもこれは、こういう説明をしながら、しかしやはり地権者には了解を取るというのは当たり前です。地権者の、その地域の中で実測をする、ボーリングをやるということについては、知事においても首長さんにおいてもそういったことに対しては了解する権限はございません。これも当たり前の当然のことであります。これは地権者が一義的に了解をしなければならないということでありますから、そういうことを申し上げました。  それからあと、土地収用法につきましては、私は、私の考え方としましては、土地収用法に施設がそもそも対象になるかどうかというのはまだ法律的にも明確になっておりませんが、しかし、そもそも論として、ああいう原発の事故を起こして、強制的に退去を命じさせて、その後に施設を造って、そこに土地収用法を掛けるということは、これはもう私はあってはならない話だろうというふうに思っています。  私は、土地収用委員会もそういう、委員の先生方はそんなことに応じられないというふうに言うのではないかと思うということでの感想として申し上げたということであります。
  227. 山下芳生

    ○山下芳生君 強権的なことをする立場にはないということだと思いますが。  そこで、細野環境大臣に伺いたいと思います。  こういう新聞報道がありました。他町に比べて候補地が多過ぎる、納得できない、会津若松市に避難する大熊町の行政区長塚本英一さん七十一歳、新聞で候補地の大半が町内に集中していることを知って驚いたと。自宅のある行政区は全域が長期にわたり戻れない帰還困難区域に再編される見通しだ。七代続けて暮らす土地に父親が現在の家を建てて七十年近くになる。先祖から引き継いできた土地、簡単に手放すわけにはいかない。いつかはふるさとに戻り、子供に家と約三十アールの田んぼを譲りたいと思うと、こう言っておられます。しかし、自宅に近い場所にも候補地があったんですが、帰還の、この方は意思は変わらないんだが、同じようにふるさとに戻りたいと思っている地域住民の中には諦めてしまう人も増えるのではないかと懸念すると。ただでさえ見通しが立たない中で、先行きがもっと見えなくなったと肩を落としているということでした。ほかにも同じような報道が別の場所でありました。  大変胸が痛いですね。原発事故は本当に厄介だと。県知事が引き取ったということですが、こうした筆舌に尽くし難い苦悩があることを私たちは知らねばならないし、忘れてはならないと思います。  細野大臣のまずこの点での所見を伺いたいと思います。
  228. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 昨年のちょうど今ごろから一年にわたりまして、私は福島県に行って、何度も中間貯蔵施設について説明をしたりお願いをしてまいりました。いろんなお願いをしなければならないわけでありますが、その中でも、この中間貯蔵施設についてお願いをするのが一番本当につらい、重い、そういう事柄でございました。  といいますのも、福島皆さんにこれだけ御迷惑をお掛けをしている中で、更なる御負担をお願いしなければならないわけです。こういうようなものが造らずにできるのであれば、それにこしたことはないとも思います。しかし、除染をして、できる限り福島皆さんの安心、安全を確保するという意味では、どうしてもやはり中間貯蔵施設が、これが必要だという思いでこれまでお願いをしてまいりました。  お願いをするからには、それに対して地元の皆さんが持っておられる、非常に本当に筆舌に尽くし難いつらい思いにこたえられるような政府としての対応が必要であるというふうに思っておりまして、現段階では県知事が地元の町村皆さんとお預かりをいただいているという状況ですが、福島県の方から何らかのお話があった時点で、更に国としてやれることが何なのかということについて具体的な御相談をさせていただきたいと、そのように思っております。
  229. 山下芳生

    ○山下芳生君 先ほど小熊さんの質問に対する答弁の中で細野大臣が、地元から呼ばれれば何度でも行って、いかに安全かということをお話ししたいという趣旨のことを言われたんですよ。私は、安全を説明する前に、いかに地元の方々が苦しい思いをされているか、もう本当に、ふるさとに戻りたいと思ってもそれが更に遠のくことが迫られている中で、どんなに苦しい思いをしているか、そのことをまず知ることが先だと思いますよ、安全の説明をするよりもですね、そう思いました。  私が今言えることは、原発事故は一度でも起こしてはならないと、こういう事故があった以上、原発ゼロの決断を政治がやることが今こそ求められていると、そういう感想を述べて、時間が参りましたので、質問を終わります。
  230. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  いわゆる子ども被災者支援法についてまず質問をいたします。  六月二十一日に、子ども被災者支援法が与野党全党共同提案という形で成立をいたしました。当委員会での採決を受けて平野大臣にも、成立後は、子ども被災者の生活支援等の推進に各府省一体となって最善の努力をしていくとの決意の表明をいただきました。取りまとめに当たられた議員の皆さん、今日お見えでございますけれども、草案提出者、また委員各位に改めて敬意を表します。  被災者避難者、草案提出者の総意は、第一に、支援対象地域の設定に当たっては、年間一ミリシーベルト以上など広範な基準を設定していただき、支援を必要とする方が万が一にも漏れることのないように努めていただきたいということ、第二に、基本方針策定や個別施策実施に当事者や当事者支援団体の声を反映していただきたいということ、第三に、早期に予備費、補正、来年度予算など財源を確保して、着実な支援を実施をしていただきたいという、この三点でございます。  この法律の柱は、被災された当事者の皆さんのそれぞれの選択を最大限尊重することにあるわけであります。当事者、すなわち避難区域から避難を強いられた皆さん避難区域ではないけれども自主的に避難された皆さん、そして残って生活することを選択された皆さん、こういったそれぞれの皆さんお話を丁寧にお聞きをして、ニーズに応じた制度設計をしなければなりません。  そこで、平野復興大臣にお伺いをしますが、支援対象地域など支援対象者、そして基本方針、関連予算の策定に当たっては、当事者の声を最大限尊重すべきと考えますが、大臣の御決意をまずお聞かせください。
  231. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今、子ども被災者生活支援法に基づく基本方針検討を行っております。  この検討に当たりましては、新たな施策の実施や予算の確保が求められていること、今委員からも御指摘がございました。それから、支援すべき方々に的確に支援を行うことができる支援対象地域として設定するとしている観点から支援対象地域を設定する必要があること、その一方、地域の設定によりまして新たな風評被害や地域差別を発生させてはならないこと等々から、避難者や地元の立場に立って幅広い観点から検討を行わなければならないと考えております。  同法におきましては、基本方針の策定に当たりましては、東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等々の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするという規定がございまして、これに基づきまして、避難者や地元の様々な声をしっかりと受け止め、基本方針に反映させてまいりたいと考えております。
  232. 吉田忠智

    吉田忠智君 事前に復興庁の担当者の方からもお話をお伺いをしまして、平野大臣、非常にリーダーシップを発揮されて、この法律の趣旨を生かすために努力をされておられる、そのことは率直に認めます。その上で、法案審議の過程では、パブリックコメントなどの形式的なものではなくて、やっぱりタウンミーティングなどで当事者の意見を反映させることを実質的に保障していくということの重要性が何度も強調されたところでございます。  是非、現地はもとよりですが、新潟、山形、北海道、愛知、東京などで避難された皆さんからの直接御意見を聞いていただきたいと、そのように思いますけれども、大臣、いかがですか。
  233. 平野達男

    国務大臣平野達男君) どの範囲までやれるかということについては、ちょっと今、この今日の段階で明確に申し上げることはできませんが、いずれ、六万人の方々県外避難されているということもございます、そういった方々の意見もしっかり踏まえていかなければなりませんし、もちろん、県内避難されている方の意見を聞くということは当然のことでございます。いずれ、先ほど申し上げましたけれども、避難者方々の実情を踏まえながら、そしてまた要望を踏まえながらこの基本方針等々の策定を進めまして、必要な施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
  234. 吉田忠智

    吉田忠智君 このことについては、意見を聞くということについては、特にタウンミーティングなどは政府任せにするだけではなくて、私ども、この法律の策定にかかわった議員もやっぱり声を掛け合ってやらなければいけないなということも話しておりまして、なかなか日々皆さん忙しいんですけれども、是非、日程調整をして、そのことについてはしっかりやっていきたいと思いますし、その際にはまた担当の方の出席も求めることにもなろうと思いますが、是非、その点については積極的に御協力をいただきたいと思います。  支援対象地域をどうするかについて難航していると聞いております。現実問題として、平均すると低い線量地域であっても、生活域にホットスポットが存在することなどから自主避難されている方も多数に上っています。  そこで、また大臣にお伺いしますが、支援対象地域に指定されている方はもとより、指定されなかった地域の方であっても自主避難者として支援を必要とされる方には支援法において何らかの支援が行われるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  235. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 支援対象地域をどのように設定するかということにつきましては、これは今委員からもお話がございましたけれども、本当に正直言って難しい問題でございます。難しい問題でございますが、法の趣旨に照らしていずれこれはしっかり決めなくちゃならないというふうに思っておりますし、その地域で、指定された地域についてはこの法律の趣旨に基づいた支援を行うということは、これは当然のことでございます。  この指定地域内外についてどのような支援を行うかということにつきましては、これは今でも様々な御議論が、特に自主避難者に対してどのような支援を行うかということについては議論がございますが、これも大事なことは、引き続き避難者方々要望、御意見、それから受入れ自治体等との意見交換も踏まえながら対応していきたいというふうに考えております。
  236. 吉田忠智

    吉田忠智君 そこで問題になるのが自主避難者の把握ということでございます。  前提として自主避難者の把握が必要なわけですが、現状、国も自治体も誰が避難者なのかを完全には把握できておりません。自主避難者の方から見れば現段階では行政に登録するインセンティブに乏しく、そのせいで行政自主避難者を把握できない、だから支援策がないという悪循環に陥っております。そこで、総務省が既に整備をされています全国避難者情報システムに自主避難者から手を挙げて登録していただいて、これをベースに支援法による施策を打っていくのが現実的ではないかと考えます。  総務大臣、今日は来ていただいていますが、同システムの概要と支援法にかかわるデータベースとしての活用の可能性についてお聞かせください。
  237. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 総務省では昨年の四月に、今お触れいただきましたけれども、全国の都道府県、市町村に協力をお願いいたしまして、全国避難者情報システムを構築させていただきました。  この仕組みは、避難された方御自身が、氏名、生年月日、性別、それから避難前の住所、それから避難今しておられる避難先、避難所あるいは個人宅等の情報を自主的に決められた書式に御記入いただいて避難先の市町村に提出をしていただく、そしてそれを、その市町村から避難先の都道府県を経由いたしまして避難前にお住まいの県、市町村にお送りをして把握をする、そしてそれに基づいて、お知らせという意味では、見舞金等の各種給付の連絡や国民健康保険証の再発行、あるいは税や保険料の減免、猶予、期限延長等の通知などに使っているということでありまして、被災した市町村はこの仕組みを活用して避難した住民の所在の把握を進めてこられたところでございまして、これがシステムの概要でございます。  したがいまして、例えば、総務省、国がその集まったデータを一括して持っているという仕組みではございません。避難者に関する情報については市町村が把握をする、そういうことでございますので、それに基づいていろんな支援を、いろいろ施策を行うときにはどういう形で支援対象者の把握を行うかというときに市町村が持っているこの情報も一つの対象であるというふうには考えておるところでございますが、関係省庁と連携しながら検討していくことが大事だというふうに思っております。
  238. 吉田忠智

    吉田忠智君 総務大臣にもう一回確認をしますが、このデータベースについては、この支援法、いわゆる子ども被災者支援法にかかわるデータベースとして活用の可能性については前向きにとらえて総務省としてしっかり協力していくと、一緒に取り組んでいくということでよろしいわけですね。
  239. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 今申し上げましたように、このシステム自体は、被災者が書いていただいたものを元々住んでおられたところにお送りするというシステムでありますので、そのデータ自体が、まとめてデータベースとして国が管理しているというものではございません。  そして、今、子ども被災者支援法に基づく支援対象者をどう把握するかということに関しては関係省庁と連携してしっかり検討しなければなりませんが、その中に避難者に関する情報を市町村が持っているということは事実でありますので、それをどう活用するかは、この支援を、どういうものをどういう支援でやるかという施策に基づいてのときにしっかりと議論をして検討をしていきたいというふうに思っております。
  240. 吉田忠智

    吉田忠智君 平野大臣にそのことについてお伺いをしますが、この全国避難者情報システムを活用してもう一段連携を図らないとちょっと活用までいかないような、今、私、そのように受け止めましたが、平野大臣是非、総務省とその辺の連携して、各自治体にも協力をお願いしてしっかりもう一段踏み込むということをちょっと答弁していただけませんか。
  241. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 総務大臣から御答弁がございましたけれども、このシステムの活用方法等々につきましては、復興庁としても総務省と連携しながら何ができるかということについてはしっかり検討してまいりたいというふうに思います。
  242. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非、しっかり検討していただきたいと思います。  とにかく、予備費でも補正でも、今緊急に支援すべきは自主避難者の家族の再会、具体的には、母子、父子避難者など、家族と離れ離れになって暮らす方が再会するための交通費でございます。自主避難生活も一年近くが経過をしています。この間、東北自動車道の無料化が打ち切られまして、高額の交通費を負担するか、一般道など安い交通手段で長旅による疲労と闘いながら家族の再会を果たしておられます。しかし、そろそろ限界だという声も多く、中には御夫婦の離婚に至る悲しいケースも生じております。  そこで、国交省にお尋ねしますが、自主避難者のデータベースを基に、母子、父子避難の家族の再会支援のため、高速道路は避難指示区域の方に対しては既に無料化されておりますので、この拡大、また鉄道、航空便などについては新たな支援策で交通費を無償、無料化していただきたいと考えますが、見解を伺います。
  243. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 道路に関しましては、本年四月以降の原発事故による避難者を対象とした高速道路の無料開放は、政府としてこれまでに避難を指示したり勧奨したりしている区域等に元の居住地がある避難者について、一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的から実施をしているところでございます。  また、今お話しございました公共交通機関につきましては、基本的には交通事業者が運賃を収受するという前提で運行を行っているものであります。自主避難者の移動に対する支援の在り方につきましては、被災地被災者に対する様々な支援の在り方等を踏まえつつ検討を行っていく課題と、そういうふうに認識しているところでございます。
  244. 吉田忠智

    吉田忠智君 なかなか前向きな答弁には受け止められません。非常に消極的であるというふうに思いますが、この支援法の趣旨は、東電任せでは賠償が進まないこと、これまでの原発推進に対する国の責任に鑑みて、国のイニシアチブで原発被災者への迅速かつ適切な支援に取り組むことであります。その点、国交省も自覚していただかないと困るわけであります。  この点を踏まえて、国としての支援を、国交省としても国交省ができる役割として検討していただきたい、そのように思いますけれども、再度答弁を求めます。
  245. 吉田おさむ

    ○副大臣吉田おさむ君) 今申し上げましたように、今後の検討を行っていく課題という形で認識をしているということでございます。
  246. 吉田忠智

    吉田忠智君 平野大臣是非各省と連携して、自主避難者支援、とりわけ緊急の課題である家族の再会の交通費を無償化することに、復興庁、とりわけ各府省を束ねる立場ですから、取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
  247. 平野達男

    国務大臣平野達男君) この件についての期間延長という要望は、先般の福島県における会議の場でも強く出されました。  しかし、一方で、この制度をどこまで維持するかということについては、国土政策上のあるいは交通政策上の様々な課題もあろうかと思います。そういった点も踏まえまして、あるいは賠償との兼ね合いという問題もあろうかと思います。国交省とはそういった点も踏まえましてしっかり議論をしていきたいというふうに思います。
  248. 吉田忠智

    吉田忠智君 国交省としても、是非課題に終わらないように、これが実現するように取り組んでいただきたいと思いますし、復興大臣も各府省をこうした課題については束ねる立場で取り組んでいただきたいと思っています。  それでは次に、二重ローン対策としての個人版私的整理ガイドラインの利用促進について質問をいたします。先ほどは企業版の二重ローン対策について質疑がございました。  被災者個人の二重ローン対策の柱として期待をされた個人版私的整理ガイドラインの運用実績が伸びておりません。運用開始一年となる今日現在、約一年となりますが、本日現在で準備中が六百六十四件、債務整理の成立は六十件にすぎません。  このことにかかわった日弁連の方は、やっぱり一万件ぐらいはいかぬと悪いですねと言って話をしていたんですけど、この程度にとどまっています。一方、返済一時停止件数が急減し、支払条件変更、これをいわゆるリスケと言うんですが、リスケが急増しております。  ガイドラインの中で、金融機関に対して私的整理ガイドラインを尊重するよう明記されておりまして、さらには、特例法により金融機関に対しては公的資金が注入されているにもかかわらず、金融機関が被災者にガイドラインを告知せずにリスケに誘導しているのではないか。全国から善意で寄せられた義援金や生活再建に充てるべき生活再建支援金を弁済に充てさせている例なども見られております。  弁護士会などからの指摘を受け、金融庁も七月二十四日に業界に対し、金融機関はガイドライン利用のメリットや効果等を丁寧に説明し、利用を積極的に勧めることとする通知を出してはおりますが、まだまだ周知、指導が不十分なのではないでしょうか。今後、被災地では土地の買取りを伴う防災集団移転促進事業などが本格化してまいりますが、仙台市では対象となる土地の約四分の一に抵当権が設定されていると言われております。住宅ローンの整理が遅れれば、集団移転にも支障を来しかねません。  そこで、所管の金融庁に質問しますが、金融庁から金融機関、被災者、法律家あるいは集団移転事業にかかわる自治体などの関係者に対して、更なる周知、指導の働きかけが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  249. 中塚一宏

    ○副大臣(中塚一宏君) 私も度々被災地へ足を運びまして、被災地の金融機関とも意見交換をしてまいりました。  今先生から御紹介ありましたとおり、金融機関が条件変更等で対応をしているといったようなことや、それから、これからの復興計画を見据えてからこの二重ローン問題に対応をしていきたいという方が多いように思っておりますが、しかし今後これが増加していくことだけは間違いないと、そういうふうに思っております。  七月の二十四日に、金融機関に対しまして、被災者状況を一層きめ細かく把握し、ガイドライン利用のメリットを丁寧に説明することでありますとか、あるいは債務者の状況は千差万別でありますので、ガイドラインの利用を金融機関の側から積極的に勧めること等の要請を行ったところであります。  さらに、その七月二十四日の要請のフォローアップを今行っておりまして、八月の二十一日なんでありますけれども、当庁、金融庁及び、あと地方財務局から被災地の金融機関の経営トップに対しまして、改めて営業の第一線にまで周知徹底を図るように要請をしておるところであります。  例えば、手元に残せる自由財産、現預金の上限が五百万円ということで拡張をされているということでありますとか、それからあと、義援金はその現預金五百万円とは別の自由財産として扱われるということでありますとか、それからこの私的整理ガイドラインを利用する際の弁護士の費用は、これは国が全額補助をしているといったようなことでありますとか、そういったことを周知徹底を図るように要請をしたところであります。  いずれにいたしましても、今後もこの制度が活用されるように努力してまいりたい、そう考えております。
  250. 吉田忠智

    吉田忠智君 いずれにしても、特に指摘されてきたのは、やっぱり周知徹底の努力がこの間足りなかったということでございまして、今副大臣、金融庁としてしっかり取り組んでいくと、そのように言われましたけれども、しっかり進めていただきたいと思っておりますが、金融機関は金融庁が担当するとして、被災者に対しては復興庁が、そして法律家に対しては法務省が、自治体に対しては総務省が、それぞれ私はやっぱりこの問題に対しても役割を果たすべきだと、そのように考えております。  そこで、改めて復興大臣、それから法務大臣総務大臣、この周知についてどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
  251. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 個人版私的整理ガイドライン、これも含めまして、国が今回用意させていただいた様々な制度につきましては、いろんな媒体を通じましてあるいはいろんな機会を通じまして、被災者あるいは地域にこれを広めるということは復興庁の大きな仕事でございます。  被災者支援策に関するハンドブック等々も用意させていただいておりますけれども、こういったものの活用をしながら、かつまた、いろんな機会をとらまえて、こういった制度の周知には努めてまいりたいと考えております。
  252. 滝実

    国務大臣(滝実君) 御指摘のとおり、私的整理ガイドライン、これを被災者皆さん方に周知徹底するのは大変重要な問題だろうと思っております。  法務省の関係で申しますと、司法支援センター、通称法テラスですね、それの現地の出張所を、現在まで岩手県、そして宮城県、合わせて四か所に出張所を設けて、そして弁護士を通じて無料法律相談、ローンの解消についての相談、そんなこともこの出張所を中心にしてやっているところでございます。  七月一日現在で件数を調べましたら、この四か所のうちの相談件数が合計すると大体千六百八十件ぐらい、その中で二重ローン問題を扱っているのが二百七十件、そういうような実績でございます。まだまだ、これからようやく落ち着いて二重ローン問題に本格的にいろんな相談が出てくるんだろうというふうに思っておりますので、こうした法テラスの現地の出張所を通じて、是非、これは無料法律相談でございますから、相談をいただきたいと思います。  福島県が遅れておりましたけれども、大体九月から十月にかけて二本松市で出張所を設けるということで、現地の市役所とも合意に達しておりますので、それが加わりますと、福島県分も本格的な相談に乗れる体制が整うと、こういうふうに考えております。  御指摘のとおり、ここは法律問題としては重要な問題でございますから、法テラスを通じて取り組む、このことを徹底してまいりたいと思いますし、周知方も法テラスを通じて行ってまいりたいと思っております。
  253. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 委員指摘のように、被災ローン減免制度は被災者支援策としては大変大事な制度であるというふうに思っておりますし、必要な方に適切に利用されるべきものであると思います。  そういう意味で、制度の存在を知らないこと等によって、必要な方についてその利用が不十分であってはならないというふうに考えておりますし、総務省といたしましても、所管の金融庁が現在、被災者への個別の説明会あるいはパンフレットやチラシ、ポスターの被災地仮設住宅への配布、貼付など、周知、広報を実施していただいておりますが、そのことも踏まえて、十分によく連絡、連携の上、自治体への適切な周知等、必要な協力について努めてまいりたいというふうに思っております。
  254. 吉田忠智

    吉田忠智君 ありがとうございました。  縦割り行政のすき間に落ち込んで被災者救済が遅れるということがあってはなりません。こうしたすき間を埋めるためにこそ復興庁が設置されたわけであります。  改めて、今、法務大臣総務大臣からも答弁をいただきましたが、復興大臣、この周知を徹底してガイドラインの利用を促進するため、復興庁のイニシアチブで関係省庁に働きかけていただきたい。このことについての大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
  255. 平野達男

    国務大臣平野達男君) この委員会での議論も踏まえまして、しっかり対応したいと、対応しなければならないと考えております。
  256. 吉田忠智

    吉田忠智君 ちょっと時間がありますので、もう一点。もちろん通告はしておりますが、金融庁に、ちょっと問題になったことがありましたのでお尋ねをします。  ガイドラインの利用を支援する立場の個人版私的整理ガイドライン運営委員会というのがございますが、この説明会で、被災者がローンを減免されても銀行は国からお金をもらえるわけではない、あるいは返済を続けた方が新規のローンを組みやすいなど、この委員会、個人版私的整理ガイドライン運営委員会委員がそういうことを言って被災者のガイドライン利用を妨げるような説明が見られたということでありますけれども、このような不適切な説明を許さないよう金融庁から運営委員会にも厳しく指導していただきたいと考えますが、この点についてはいかがですか。
  257. 中塚一宏

    ○副大臣(中塚一宏君) 被災者状況はそれこそ千差万別でありまして、その被災者の方にふさわしい方法を取っていかなければなりません。  例えば、条件変更というのも、それはそれで一つの有効な手段であります。ただ、条件変更だけでいつまでもしのげるわけではありませんので、その場合には債務整理を決断をしなければならないときは必ずやってまいります。そういったときのための制度がこの個人版の私的整理ガイドラインでありまして、その趣旨が徹底をされるように今後も促していきたいと、そういうふうに考えておりますし、不適切な事例があれば、それはちゃんと指導してまいりたい、そう考えております。
  258. 吉田忠智

    吉田忠智君 しっかり指導していただきたいと思います。  復興庁を中心にして、原発事故被災者避難者への支援、事業者に対する二重ローン救済策、被災者個人に対する被災ローン減免制度の活用を通じて、一日も早い被災地の生活再建に政府が全力で取り組んでいただくように強く求めまして、少し時間がありますけれども、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  259. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 お疲れさまです。みどりの風の谷岡郁子でございます。  今日は久しぶりに四十分というたくさんの時間をいただきまして質問をさせていただきますが、その前に、今日は、実は質問を予定しておりましてお願いをしておりました参考人三名以上が今日は呼ぶことができなかったという状況になりました。まず、そのことについての私自身の思いということについて述べさせていただきたいと思います。  政府事故調の畑村委員長、国会事故調の黒川委員長、そして今度の規制委員会委員長候補あるいは委員候補、田中俊一さんたちを私は呼んでほしいということをお願いしたわけであります。それは、まず、なぜかということをお話をしたいと思います。なぜ呼べなかったかということについてもお話ししようと思います。  私たちは、国会事故調については、全会派、全議員の賛成をもって私たち自身が憲政史上初めて国会に事故調を設置いたしました。十五億円の血税の予算を付けました。そして、その結果、報告書を得ました。今、ボールは国会にございます。  事故調が完全に独立して、そして第三者として妨害を受けることなくしっかりとした事故調査をできるようにということで、接触をしてはいけないということが報告書が出るまで国会議員の約束となっておりました。したがいまして、私たちは一切の接触をしていませんでした。報告書が出ました。やっと私たちは国会の事故調の方々としっかりと話し合うことができる段階に至りました。しかしながら、ここにお呼びすることはできないという。  国会の事故調のやったことに対してのボールを受けて、これからどうやって私たちが規制委員会を監視していくのか、そして国会の事故調が私たちに与えた様々な提言というものを実行していくのか。これは私たちの責任であり、義務であります。私は、自分自身が国会事故調をつくるために裏側で奔走した人間の一人として、私自身の義務を果たしたい、責任を果たしたいと思っております。  これは、本来、国会全員の義務でありますけれども、それを果たしたくないとお考えの方がいらっしゃったとして、私の義務、私の責任を妨害していただくのは大変困ります。それを、今、自民党が了解なさらないということで、国会事故調並びに政府の事故調の委員長をここにお呼びすることができません。報告書があるからいいのだという理由でありました。それは違います。  なぜならば、予算は十分足りたのか、そして、国会の事故調の時間は十分にあったのか、事務局と運用、それはやりやすいものだったのか、障害があったのか、そして、もしもっと許されるならば、もっと深くどこを例えばやりたいのか、そして、私たちに何を求めていて、彼らが求めている監視機関なるもののイメージは具体的にどんなものなのか、こういうことはお越しいただけなければ私たちは聞くことができません。  したがいまして、私は、この委員会に国会事故調の委員長並びに本当に重要な国民を守るための手だてを提言しております政府事故調の委員長を呼ぶことが国会にとって大変重要なことだと思っております。ここは先進国の国会であります。ある種の議論というものがどこかの思惑によって封殺されるようなことがあってはならないというふうに思っております。  そして、規制委員会の人事でありますけれども、少数会派は、議運のメンバーではないということでこの間、委員長候補に質問することもできないでおります。しかしながら、先ほど吉田さんが議論をしてくださった子ども被災者支援法にもありましたように、私たちはこの間、全会派、少数会派も含めて、知恵を集めてこの原発問題に対する対応ということをやってまいりました。全ての会派が協力的に、建設的に話し合った結果、私たちは当初どの党が作っていたものよりもいい子ども被災者支援法を上げることができたというふうに思っております。  国会は、このように、少数であっても多くの多様な人間たちが建設的にコミットすることによって知恵を得る、そういう仕組みであると思います。ですから、この規制委員会の人事、議運の方々がこの問題をやってこられた専門家ではありません。私たちは、専門家の見地の中で私たち自身の識見というものを述べていきたいというふうに思います。このような国会の議論というものが制約を受けるということはできるだけあってほしくないことだということを申し上げたいと思います。  今日の理事会で、自民党の筆頭からは、その問題というものは党にも伝え、今、党の中で話し合っていることなのでもう少し待ってほしいというお返事をいただきました。これは、この間の中から考えますと進歩であるというふうに思っておりますが、なるべく早くきちんと私たちが義務を果たすことができるような国会になりますように心から関係者の皆様にお願いを申し上げたいと思います。  さて、そこで、私の半分の質問ができなくなってしまったわけでありますが、今日は十分、ほかの半分に時間がそれでは取れるということで質問に入らせていただきたいと思います。  まず最初に、子ども被災者支援法の具体的施策の準備状況ということでございます。  私どもが説明を受けておりますのは、一方で、今後の急務として対象地域を決めなければならないと。そうすると、ミリシーベルト云々というものが必ず問題になってきてしまうと。だから、ダブルトラッキングで、今本当にその支援を必要としている、実際の困難を感じていらっしゃる、そういう方々、その方々に対するその具体的な施策を打ちながらダブルトラッキングでその問題を考えてみたいというふうに私は今現在説明を受けておりますが、これについて、これは一体どういう意味を持っているのかということをまず平野大臣の方から説明をしていただけると有り難いのですが、今どのようにアプローチされていらっしゃるのかということを。
  260. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、支援対象地域をどのように決めるかということにつきましては、これはなかなか難しい問題があるということについては委員と私との間の中にはそんなに認識は違いはないのではないかと思います。  あわせて、どういう支援が必要かということにつきましては、私はどちらかというと、支援対象地域を決めてからという考え方を持っていましたけれども、どうも谷岡さんとの議論の中で通じては、そんなこともしていられないのではないかと。むしろ、どういう施策があるかということも、もうむしろ地域の中から、被災者の方から様々な意見が寄せられておりますので、そういったことを踏まえまして、今の施策の中で足りないところ、また補強すべきところ、こういったところについては、できるだけ早くといいますか、早急に早く詰めていくという姿勢もこれは大事なのではないかというふうに思っております。
  261. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 これは、地域を切り取る話というのは、どう切り取ってもその横から問題が出ると思います。その中から問題が出ると思います。隣との関係で問題が出ると思います。それを個人の住宅にしましょうとも、道路一本にしましょうとも、また学区やあるいは字などにしましょうとも、恐らく必ず問題は出てくるだろうというふうに思っております。そういう中で大変重要になってくることは、私はやはり徹底したモニタリングというものが、特にその対象になる可能性のある地域ということで考えていくべきだというふうに思っております。  今調べられているのは、例えばガンマ線を中心としたその雰囲気のことなんですけれども、実は、もっと言ってみますと、これは随分場所によって違ってしまう。それから、南相馬市から出てきました黒い粉で話題になりましたように、これはガンマ線ということで、一定離れるとほとんど感知できない。しかし、アルファ線をたくさん持っているものであるから、ちゃんと調べると大変なベクレル数が出てきてしまうような類いのものであって、これは生物的にかなり濃度を増してしまったという形のものである、それが乾燥したものであるということが今現在大分分かってきたというふうに思っています。  このように、ベータ線、ガンマ線、アルファ線、これそれぞれ一定の問題を抱えているということでもありましょうし、今回プルトニウム発見されましたけれども、ストロンチウム、プルトニウム、これはどんなに少なくとも内部被曝をすれば、プルトニウムは肺がんに、ストロンチウムは骨がん、骨や歯に入ってしまって一旦入るとなかなか出てこないというような問題もあるわけですね。そして、同じ測り方でも、面積当たりのいわゆるベクレル数で測る測り方もあれば、土という形で体積的に測る測り方もあると。  この辺をかなり何種類か適用しながら総体的なことをやりませんと、単なるガンマ線のベクレル数云々ということとか言わばマイクロシーベルト云々ということになりますと、これはうちの方が高い低い、かなりそういう問題になりやすいと思うんです。  そこをやはり科学的な問題としてきっちり調べていただくということでは、文部科学省のお仕事が実は大変重要になると思うんですけれども、その辺、今大臣はどうお考えいただいているんでしょうか。
  262. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 今、谷岡議員からるるお話ございまして、特に、被曝をする、こういうことで、文科省として特に放射能物質の核種を含めた調査についてどういうふうになっているのかと、こういう御指摘でございます。  特に今、具体的に言われましたプルトニウム、ストロンチウムにつきましては、文科省としては、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生以前に、昭和三十二年から、大気内の核実験等に伴う影響を把握すると、こういうことで、環境放射能水準調査により、全国四十七都道府県に、土壌及び環境試料や毎月の雨を含めた降下物について測定した結果を取りまとめて、毎年一回公表してまいりました。これは三十二年以来ずっとしてきたところでございます。  ストロンチウム90につきましては全国四十七都道府県、プルトニウムにつきましては238、またプルトニウム239プラス240についても、これは四十七都道府県でやってきました。土壌、降下物、ダスト等々を含めて、プルトニウムにつきましては土壌でやってきたところでございます。  今回、福島第一原子力発電所の事故を受けまして、事故由来放射性物質の拡散状況を詳細に掌握するために、福島第一原子力発電所を中心に、第一次分布状況調査、昨年六月から九月まで、第二次につきましては、昨年十二月から本年八月までプルトニウムにつきまして、昨年十二月から今現在実施中でありますがストロンチウムの調査を順次やっているところでございます。  長くなって恐縮でございますが、放射性ストロンチウムにつきましては平成二十三年九月に公表をしております。測定地点は百か所、福島県内は八十か所を対象に約八十キロ圏内をベースにやってございます。  二次分布状況につきましては、今現在取りまとめ中でございますが、約六十か所、福島県内は前回測定した部分を含めて県内二十か所、対象は八十キロ圏外及び八十キロ圏内の一部、空間線量率が毎時〇・二マイクロシーベルト以上の範囲をベースに調査をさせていただいていると、こういうことでございます。  これまでの第一次調査の結果は昨年九月に、二次調査につきましては、プルトニウムの結果は今月二十一日に公表してございます。プルトニウムにつきましては発電所から四十五キロ圏内で北西方向に十六か所、ストロンチウムにつきましては発電所から八十キロ圏内で四十五か所において、原子力発電所由来と考えられるものが確認をされてございます。  外部被曝及び呼吸による内部被曝の影響を推定すると、大量に放出されたセシウムに比べ、プルトニウムやストロンチウムによる影響は約一万から二万分の一程度であり、非常に小さいということで現在確認をされているところであります。  しかし、今後これらの調査結果を詳細に分析して、必要な調査を更に加えている考え方でございます。これらにつきましては、関係府省と共有を図り、被災者支援法の対象区域の設定にどう活用していただくかということを今考えているところでございます。  以上でございます。
  263. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 大臣、モニタリングの能力が文科省にあることは十分よく分かりました。分かっていたことでもあります。  それと、この子ども被災者支援法について、何が、どういう意味で私はこの質問をしているかということは、丁寧な質問取りもやりましたから文科省の方もお分かりになっていたはずなんですね。そういう抽象的で全体的な話をしているのではなくて、ターゲットになり得る、この特別な指定地域になり得るところの問題について、どういう区別をして抽出するのだということが、復興庁に対してどういう形で寄与するのかということでお聞きをいたしたわけです。これについて是非協力的にやっていただくということをお願いしたいと思います。この長々しい答弁ということは、全く無駄である部分があるということをよく御理解いただきたいと思っております。  本当にこれは非常に重要な争議をもたらす問題になりますので、そのターゲットになる部分というものをどうやって対応するのかということがやっぱり重要になってくるんだという視点から、是非しっかりと研究をお願いしたいというふうに思います、十分能力はあるということは分かっておりますので。  それで、私はこの間、様々な被災者のタウンミーティングというのを個別にも、この法案を作った関係上からできるだけやってまいりました。福島県内でもやりました。若者に特に絞ってもやりました。また、山形県に出ていらっしゃる母子というものを、幾つかの都市から集まっていた方々にも集まっていただいてやりました。それから、愛知県にこの間、愛知県で夏休みのキャンプに来ていた小学生や中学生が本音でどういうふうに感じているんだろうかということも聞いてまいりました。  そして、本当にこういうことに対応するということは大変難しいことだということと同時に、一定の信頼関係がなければその本音も出てこないということもまた痛切に感じているところであります。そして、その中でやはり問題なのは、具体的にどれだけしっかりとやっていくことが、一つずつできることをやっていくことができるかということだというふうに感じているんです。  その中で、特に私が今現在大事だというふうに思っていることは何かといいますと、まず本当にできることをちゃんとやる、できるところからやると。先ほど言いましたように、じゃ、この地域を本当に公正に、かつ客観的に、みんなから文句が出ない納得ずくで地域を指定するのがいかに難しいことか。そして、何ミリシーベルト以下にするのかということがいかに本当に混乱要因であるか。その一方で、私たちがどういう形で被災者と寄り添うことができるか。  その中で、すぐにもやっぱりやっていただきたいのは、先ほど来出ているんですが、実は高速料金の問題なんです。避難地域方々についてはまだ今も継続をされています。しかし、この三月で、例えば山形、例えば新潟に逃げておられる方々、この方々と家族が出会うというための、再会のための高速料金というものは今有料になっています。それが、週一回であったものが、地道を使うことによって大変な時間が掛かるというようなこともあって、やがて月二回になり、月一回になっているというのが今の現状です。  そして、山形に避難されている多くの方々、全く同じ問題を抱えておられました。夫婦の間の会話が少なくなる、母親のストレスはそれだけ大きくなる、お互いにギャップを感じる。そういう中で、今子供の虐待が起きてきている、あざを付けた子供たちも見付かっているというような状況です。  これは物理的な問題ではなく、子供が親に会う権利の問題でもありますけれども、本当に二次災害、三次災害がそういう形で出てきている問題になっています。子供が親と一緒にいるための、そのための高速料金、そして、少しでも多く子供が家族と一緒に今福島に住んでいるところから放射能フリーの環境に週末などに行かせてあげるための高速料金、これがネックになってしまっているんですね。  多くの復興予算というものがまだ余らせている、使い切れていないということが言われていますけれども、これは子供たちを、そしてその人々の生活をサステーナブルに持っていくということが復興の前提条件なんです。どうか、この復興のための予算、余っているのでしたら是非是非高速料金のために使っていただけないかということをお願いしたいわけなんですけれども、これは国交大臣、いかがでしょうか。
  264. 羽田雄一郎

    国務大臣羽田雄一郎君) 原発事故による避難者の移動の支援については一義的には東京電力による賠償により対応すべきものと、こういうふうに考えさせていただいておりますが、そういう中で、やはりこの原発事故による避難者を対象とした高速道路の無料開放、実際には、私が大臣になってからも、福島県内全域のインターチェンジというふうに広げたり、拡大したりするような形を取らせていただいておりますけれども、政府として、これまでに避難を指示したり監視をしたりしている区域等に元の居住地がある避難されている方について、一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的から実施をしているということであります。  ただ、今、谷岡委員、本当に被災地皆さんに寄り添って言われたというふうに思っております。そういう意味では、一義的には東電の賠償ということだというふうに思いますけれども、いろいろな形の支援県内の議員さんからもいろいろな陳情等もありますし、また、知事さんや市町村長さん、本当に議員の皆さんから切実な声も聞かせていただいております。あらゆる検討をさせていただきたいというふうに思っておりますが、やれる限度というものもございます。そういう中で、この高速道路の無料開放について、今いろいろな形で検討をさせていただいているところであります。
  265. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 子ども被災者支援法にははっきりと書き込まれております。それは、国が払ったお金であっても本来東電に求償すべき賠償の対象となり得るものは、それは、国はその後求償できるのだということが書いてありますので、そうであるのならば、なおさらそれをやっていただきたいんです。  そして、私はこの間、いろんなところで行われている夏や冬のキャンプ等も見てまいっております。子供たちは今年の夏も、朝五時半に起きて、カブトムシを探しに行ったりセミを探しに行ったり、放射能のないところではそういうことをやっております。二、三週間そういうキャンプで、年間、外へ出す。その後の一週間余りは、二泊なり一泊なり、とにかく家族で出てもらうということをやることが、実は本当に長い期間ふるさとから離れないで、チェルノブイリでも、一年間のうちに約一か月放射能フリーの生活をしてもらうことによって、子供たちの免疫要素が損なわれない、がんの発症がずっと低く抑えられるというようなことはもう既に分かっております。結局、病気にしてしまったりあるいは本当に福島から子供たちがいなくなってしまうよりはずっと安い金額で、高速料金という問題のネックを取ることによって、実は外に出ている子供たちも親と会うことができ、そして中にいる子供たちも保養に出ることができるという状況になるというふうに思っております。  この少数化されている中で、今生まれている子供たちをどう元気に守っていくか、本当に大事なことだと思いますので、是非子供の立場に立ってお願いしたいと思いますが、大変趣旨はよく分かりましたので、もう一度決意のほどをお願いしたいと思います。
  266. 羽田雄一郎

    国務大臣羽田雄一郎君) 子ども被災者生活支援法、これは議員立法でありまして、谷岡議員も民主党議員として、野党の間を本当に精力的に回っていただいておまとめをいただいたと。その当時、国会対策委員長でありましたので、よく理解をさせていただいているつもりであります。そういう意味では、やはり私も子供たちに対する支援、何ができるのかということはしっかりと考えていかなければならないというふうに思っております。  そういう意味では、生活をされている生活者の皆さんが本当に今後の生活について大変厳しい状況というものを思いながら生活をされている。大人たちがそういう状況ですから、そういう意味では子供たちに対する影響というものは大変大きいものがあって、この夏も、先ほど言われたような夏のキャンプ等を通して子供たちがきずなをまた深めるとか、仲間と一緒にキャンプに行くとか、いろいろな形が取られているというふうに私も感じておりまして、そういう意味では、どのような支援が最大限国としてできるのか、また東電としっかりとそういうことも含めて話をするということもしっかりとしていかなければならないというふうに考えております。
  267. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 この間ずっと実際の支援者を見てまいりまして、支援地域に入っておりまして、そして支援の活動を見てまいりました。今年の夏は、本当に子供たちがもう三回目に、愛知に来た子供たちがいまして、その子たちは、むしろここから持続可能であるように、自ら進んでお手伝いを始めて一緒に御飯作りをやってくれたり、それから片付けをやってくれたりするようになりました。  そういうきずなのあるところで子供たちからの、子ども会議というのも一回やったんですが、本音を引き出しました。そこで分かってまいりましたことは、実は子供たちが本当につらく思っているのが、親が夜、東電と国の悪口を言いながらお互いにけんかし合っていると。その声が家の中で聞こえてしまう毎日というのが本当にうんざりする重苦しさを感じて、それがつらくてしようがないんだという子供の声がありました。それから、実は学校の帰りに寄り道をして外で遊んでいる、でもこれは決して親には言えないことなんだ、親には真っすぐ帰っているふりをする。外で遊ぶというごく当たり前のこと、それをやっているんだけれども、お互いに親には絶対に言わないようにしようねと、親に対して秘密を抱え続けるということが実はすごくつらいんだというような、子供は子供らしい悩みを持っているんだなということを感じました。  これは私が本人として直接聞き出したことではなくて、親しくなった愛知の学生たちが毎日の生活の中でぽつぽつと出てくる声を拾い集めたものでありまして、今その編集に取りかかってくれているところなんですけれども、何が申し上げたいかというと、人間の悩み、特に子供や、そしてふだん自らの意見を言うことに慣れていない若いお母さんたちや学生、若者たち、この人たちの本音というのは、なかなかいろんな場ですぐに引き出せるものではない。そして、だんだん出てきているこの本音というものをちゃんと拾い集めていかなければ、子ども被災者支援法の施行というものをちゃんとやっていけないということなんです。  そこで、平野大臣、申し上げたいのは、実は一方で民間の様々な補助金なんかが、今、去年一年はずっとやられてきたものが、今年の夏ぐらいからどんどん打ち切られています。大体一区切り付いてきたというようなことが民間が感じつつあって、そしてそのきずながあってずっと続けたい、そしてノウハウを培ってきた人たちが、今お金を、資金を工面するのに大変な困難を感じていると。せっかくここまでつくってきたきずな、つくってきたノウハウ、つくってきた経験、こういうものを生かし続けてちゃんとやっていくためには、言わば支援者を支援し続ける、支援者の支援が、それが自治体であってもボランティアでもNPOでもいいわけですけれども、サステーナブルになっていくようなそういう仕組みの構造が必要であり、支援者たちが今どんな悩みを抱えているかということもまた大変重要なソースとして必要なのかなと思いますが、この辺について今どうお考えでしょうか。
  268. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 一般的に、災害が起こった後の支援というのは短期間で終了するということで前提に立っているように思います。  今回の場合の災害、津波、地震もそうなんですけれども、特に今、福島の原発に関連する災害、これに対する支援はかなり長期になるということではございまして、その中で、今、NPO法人や株式会社等々が、あるいは民間の団体が自分たちで資金を用意して様々な支援をしていただいているということは私どもも承知しております。これが長期になりますと、それがいつまで続くか分からないという中で、しかし、長期にお願いしなくちゃならないという中で、国としてどのような支援ができるかということについても、これは大きな課題だというふうに思っております。  いずれ、こういったことにつきましても、避難者を受け入れている自治体、あるいは避難者等々、あるいはNPO等との意見も踏まえて、検討しなくちゃならないところは検討して、支援すべきは支援するという、こういう姿勢で臨みたいというふうに思います。
  269. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 国交大臣、文科大臣におかれましては、もし御用がおありでしたら引き揚げていただいて結構だと思います。  ここから、細野大臣お戻りですので、ちょっと中間貯蔵施設の問題について考えたいと思います。  中間貯蔵施設につきましては、この間発表されました環境省の、平成二十四年八月ということで、「除染、廃棄物処理及び中間貯蔵施設に関する調査について」ということの調査が出ております。この中間貯蔵施設に係る調査候補地等ということで今約十二か所の調査対象区域というものが決められています。大きく一か所だけ楢葉町があって、あとは双葉町と大熊町ということになっているんです。    〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕  もちろん、いろんなところで、なぜうちがいっぱいあるんだと大熊町の方が言われるということも理解できるんですが、しかし、その一方で、これから集約していくこと、そして、ある意味では本当に放射性物質がたくさんたまるということであれば、対テロの対応だとか警備だとか、そういうことも含めて考えると、一定程度やはり集約をする必要性があるんじゃないかと。  今、ここにありますように、こう赤いマークがいっぱいあるようなところで、その間に家が残ったとして、そこに例えば実際に住めるんだろうかとか、あるいは、そういう放射性物質とそこに人々が住む場合に、帰ることが今後できるようになっても、一定のやはりバッファーゾーンというものを置くということが必要になるんじゃないかということを考えた場合に、転々とするよりも、ある種のゾーンとしてそれを考えるのが妥当じゃないかなと思うんですが、その辺についてのお考えというのは今どうなっているんでしょうか。
  270. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私も昨年、中間貯蔵施設について必要性を感じたころは谷岡委員と同じことを考えておったんです。ただ、実際にそれを設置をするということになりますと、幾つかやはり制約要因というのがございまして、完全に一か所に集約することは難しいと考えるようになりました。  その一つは、中間貯蔵施設という場合に、地形を大規模に改変をして一か所に集めるというのは、これは実は技術的にはなかなか難しいところがあるんですね。例えば間に川が流れていたり、山を削らなければならなかったり、物すごく地形の大規模な改変が必要になりますので、それは必ずしも現実的ではない。そうではなくて、地形をうまく活用して、その谷をできるだけ活用して、そこにそういう処理をする施設を造るであるとか、そういった工夫が必要であるというふうに考えるようになったのが一つであります。  もう一つは、現実的な問題として交通渋滞というのはかなり深刻です。大量の土砂を運びますので、一か所に集約をしてしまいますと、そこにもうあらゆる、例えばトラックが集約することによってサイトの中の作業を妨げることにもなりかねない、そういう問題も現実にございます。計算もいろいろしてみました。そういった中で、地形をうまく活用して幾つかの場所に分散をしてというやり方が最も現実的ではないかというふうに考えるに至ったわけです。  もう一つは、幾つかの、やはり中間貯蔵施設といっても若干の多様性は必要ではないかというふうに考えるようになりました。例えば、大熊町のように線量の高い地域皆さんお願いをせざるを得ない、そういう部分もあります。一方で、楢葉町のように、線量は低いけれども初期の段階から例えば除染によって生じた土を運び込むことができる、さらには減容化についても早い段階からいろんな実験ができるかもしれません。そういう施設も例えばそこで働く人たちの環境ということを考えれば必要ではないかというふうに考えるようになりました。  これはいずれも政府が現段階において政府の中で検討していることでございますので、全てのことは地元の理解が得られなければ前に進めることができない事項でございますが、この除染をし、仮置場を造り、そして中間貯蔵をするという意味においては、幾つかのそういった要因を考えた上で今回提案をさせていただいたということでございます。
  271. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 この地図を見ておりますと、本当に四方を中間貯蔵施設の候補地に囲まれた地域なんかがあるんですね。こういうところで本当に人々は生活ができるんだろうか。そこへ様々ないわゆる放射性廃棄物が運び込まれる、それは日常であり、そういうものがどんどん、例えば通学路であったりするところや学校の近くであったりするというような状況に、もしよしんばここへ大熊町の方々が帰って生活をし始めたとして、そういう状況になる。    〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕  例えば、楢葉町なんかだったらなおさら、あそこは帰れると言われながら、そういう中間施設がその近くにあるということで、そこへ至るまでの道筋のところでも、例えば通学路や子供たちが遊び回るような場所があったり商業活動がされているところがあってということになりますと、それは、ここからどんどん長年を掛けて運び込まれてくるもの、そしてそれを処理するものというのが、本当にそこで、間で生活ができるんだろうかという疑問があるんですけれども、そこはどうなんですか。
  272. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず楢葉町なんですけれども、楢葉町に搬入をさせていただきたいと政府の中で今検討をしておりますのは、いわき市及び広野町のものであります。楢葉町の方が東京電力福島第一原発に近いところにありますから、言わば外から、低いところから土を運んでくるということなんですね。したがって、楢葉町の環境がより悪くなるということは、そういうところから運び込むという意味では、これはないと。もちろん、安全に保管しなければなりませんので、そういった意味で最大限の配慮は、注意は必要だというふうに思いますが、過度に環境悪化をして、楢葉町に戻りたいのに戻れないというような状況にはしてはならないと思っております。  バッファーゾーンというお話がございました。先ほど、済みません、御質問でいただいていたのに答えずに、大変失礼いたしました。  私どもがお示しをしている中間貯蔵場所というのは、その施設場所ぎりぎりいっぱいまで何か放射性物質が埋まっているという施設ではないんですね。むしろ、その中に適切に管理できるように管理をして、関連施設も含めてそのエリアに造らせていただきたいと、そういうイメージでおります。したがって、そのすぐ外が極端に環境が悪いということではないということです。  ただ、そうはいいながらも、特に大熊町の、それこそ浜通りの一番海岸線側ということになってまいりますと、現実の放射線量も高うございますし、中間貯蔵施設ができるということになると、その近くには帰れない、若しくは帰りたくないという方が出てくることも、これも十分我々としては考えなければならないと思っています。そういう場合には、そういった方々にどういう形でそれぞれの皆さんの生活をしていただけるのかということについては、中間貯蔵施設検討と併せて、町村と様々な話をする中で、大熊町の場合、町長さんを始め町の方と話をする中で、しっかりとした方向性を出していかなければならないというふうに思っております。
  273. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 一世代を二十年から二十五年というふうに考えますと、その三十年という月日を中間貯蔵にするということは、もう本当にかなりの長い期間だというふうに思います。その間、多くのごみを、何とか中間貯蔵を安全に持っていかなければならないということで、この施設を造るところの方々あるいはその地域、周りの方々というのは、ふるさと、先ほどもありましたけれども、例えば七代も住んでいらっしゃる土地があってというようなところにそういうものができるということは、大変な痛みを感じることだと思いますし、ほかの、国全体、国民全体のために犠牲を払っていただくということなんだろうと思います。  人災の中で自らが今外に出なきゃいけなくなったような人がまた多くの犠牲を払わなきゃいけないということ、この痛みに対しては、やはり今ある賠償等に、それからその計算根拠というものとは違うところで、やはりそれに対する感謝の念であり、そして犠牲になっていただくことへの痛みに対する思いというものに対して十分形にするということが私は大事だろうというふうに思っています。そして、それは計算上にこうだからというような理屈ではなくて、やはりどこまで行き届けるかということが大変重要になってくるんだと思うんです。  最近、大熊町の方々と話をしていたときに出てまいりましたのは、一つはやはり墓地の問題です。元々都会へ来て、そして一年に一回、お彼岸に墓参りするかしないかというような生活をしている都市の人間ではない方々が、今も日本の田舎と言われるようなところであったり、地方と言われるところにまだ住んでいらっしゃって農業なんかをやっていらっしゃると思います。その方々の土地に対する愛着、あるいは先祖とのつながり感というものは、都市に住む私たちとは多分比較にならないものがあって、そこから切り離される痛みというものは大変なものがあると思います。  今、仮の町なのか希望の町なのか分かりませんけれども、そういうコミュニティーの移転というようなことも含めて考えていく中で、じゃ本当に先祖とのつながりをどうするのか、自分たちの骨をうずめるところとの関係をどうするのかと、これ現世だけでは実は完結しない問題というものも実は私たちの問題として残っているのではないかと思います。これは中間貯蔵施設などを造るといったことでかなりの長い期間そういう問題がある、あるいは五年以上にわたって帰れないというようなところの場所の問題として、この問題も私たちはやはり日本の、日本人の文化、日本人のありようという問題のつながりから考えて無視をすることはできないと思っているんですけれども、どうお考えになっているのか、細野大臣また平野大臣、お聞きをしたいと思います。
  274. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 谷岡委員の言われたことと私も同じことをずっと考えておりました。  正直申し上げますと、去年の事故が起こってしばらくした段階、去年の、そうですね、六月から八月、九月ころまで私の中では、いろんな各党からそういう意見が既に出ておりましたけれども、あの地域についてはもう大規模に買い取って完全に国有地にした方が住民の皆さんにとってもいいし、政府も物事をやりやすいのではないかということが頭をよぎったことはありました。ただ、その一方で、そこで本当に何代も生活をしてこられた方とか、お墓を持っていらっしゃる方からすると、とても簡単にそんなことは受け入れられないという現実もあります。  私は、ここまで事態が本当に深刻化をしていますので、選択はそれぞれの皆さんに任せるべきだと思っています、今。大熊町の中で新しいところで生活をするという方についてはそれに寄り添うべきだと思うし、一方でどうしても帰りたいと、お墓を守りたいという方に対してどうやったらそれにこたえることができるかということについても、これも相当検討して可能性はやはり残すべきではないかというようなことも含めて、こういう考え方を提示をさせていただいているんです。  中間貯蔵施設もできるだけ人家にかからないような地図を出しています。全部そこにお墓がないかどうかまで調べていませんが、人家があって、そこに先祖伝来のもう欠かすべからざる財産がある場合にそれを簡単に手放すことができないという方は必ずいらっしゃると思うんですね。そこも含めて、できる限りその皆さんのそれぞれの人生に寄り添う形でどういった形で中間貯蔵施設を造ることができるのか。さらには、三十年、さらには四十年というスパンになるかもしれませんけれども、帰りたいという思いを持っていらっしゃる方の思いにもどこまでしっかりと寄り添うことができるのか。そこは、非常に難しいけれども、政府としては絶対に目をつぶることができない課題であると考えております。
  275. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 私は、復興庁というのは地域の振興とそれから復興、それから地域住民の視点に立って物を考える、そういう役所だというふうに思っています。  したがいまして、例えばプラントの問題一つ取ってみても、あれは安全だというふうに仮に言ったとしても、住民がどう考えるか、住民がどう考えることによってどのような判断をされるか、こういったことも十分配慮していかなくちゃならないというふうに思います。  それで、最終的には住民の判断に委ねるということは大事なんでありますけれども、判断するに当たっての情報はきちっと提示するということで、これは復興庁の立場からいきますと、地域住民、周辺住民の考え方に即した必要な情報は何かということについてはきっちりやっぱり考えながら私ども復興庁としては関係機関にもいろいろ働きかけをやっているつもりでありますけれども、これからもやらなくちゃならないと考えております。  それから、中間貯蔵施設につきましては、これに関しましても、あの地域に仮にあれだけの施設ができたらあの地域の居住環境はどうなるんだろうかという、今度は地域住民の観点からやっぱりこれも評価しなくちゃならないというふうに思っております。  それから、あと谷岡議員の中の先ほどの御指摘の中で、これから多分具体的な調査が進んで買収、仮に、仮にですね、設置が決まって賠償等あるいは買収等々の交渉が入りますと、あの中間貯蔵施設にある、間の、介在する土地が、民地が残されます。それがどういう扱いになるかということも多分大きな議論になってくると思います。結果としてそれがゾーニングという形になるのかもしれません。  大事なことは、設置する側と受け入れる側という中ではどうしてもやっぱりギャップがございますから、そのギャップというか、それをどのように評価するか、どのように見るか。これは何でもそうです。一般の公共施設造るときもそうです。そういう中で、特に今回の場合は福島ということで、中間貯蔵施設ということでありまして、こういった設置する側と受け入れる側とのコミュニケーション、これについては復興庁がきっちりやっぱりやっていかなくちゃならないというふうに思っていますし、そういう観点から、地域全体の振興計画、復興計画、これをやっぱりしっかり作っていくことも大事ではないかというふうに思っています。
  276. 谷岡郁子

    ○谷岡郁子君 さすがに両大臣とも本当に長い間この問題とずっと密接にかかわっていらっしゃって、本当にその姿勢というものがしっかり見えてきてうれしく思います。  その一方で、官庁のいわゆる役所の皆様方というのは、せっかくその地域に入り込んでいらっしゃっても、またそれが人事異動で変わったりというようなことが本当にあると思います。人々の生活にある意味でちゃんと寄り添って政策を立てていくということは、個人的な人間的なやはりきずなというもの、信頼関係の中で物事が進められていくことだと思いますので、そういうことも含めて、これまでの役所の言わば慣習、役所の文化ということではなく、人々の文化に寄り添っていただいて、これからも頑張っていただきたいと思います。  終わります。
  277. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 改革の荒井です。  各大臣には、委員会が重なっているところをやりくりしていただいて、ありがとうございます。  まず、細野大臣が五時十七分には退席でございますので、質問の四番目からにさせていただきますことをまずお許しいただきます。  せんだって、石川の志賀原発に行ってまいりました。志賀町にお伺いしてまいりました。破断層が存在するのではないかということで間もなく調査をすると、こういうことですが、やはり県とか志賀町が一緒に立ち会える場所は立ち会って、共に検査をしていく。これは志賀町、志賀原発のみならず、そういう姿勢で臨むべきだと思いますが、取りあえず志賀町が立ち会えるよう配慮していただきたいと思いますが、いかがでしょう。あるいは石川県ですね。
  278. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 破砕帯を確認する調査は地面に穴を掘るわけですので、地盤の崩落等の危険もありますから、この安全確保に万全を期す必要が一方であります。したがって、無制限にどなたでもいつでも入ってくださいというわけにはいかないんですけれども、一方で、県や町などにおいて立会いの御要望があれば、こうした安全対策を講じた上で積極的に検討してまいりたいというふうに思っております。
  279. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 例えば、入らなくても同時にモニターで見れると、こういうことありますね、縦に掘って横に行かないと、あそこできませんから。そういう工夫で、大臣の姿勢で臨んでいただきたいと思います。やっぱり事実は一つだと、こういうことをみんな代表者が目で確かめる、これが一番いいことだろうと思います。  続きまして、大飯原発でございます。  大飯原発で、大飯町でございますけれども、どんな基準で、どんな範囲まで安定沃素剤を常備させているかということで、皆さんのお手元、先生方御覧いただくと、カラー刷りのものの下ですね、原子力発電所立地道府県等における安定ヨウ素剤保有状況という一枚紙がございますが、これはいわゆる経済産業省原子力防災課が作成をいたしております。これは県単位で見てみると、皆さん、十キロ圏についてこれだけの保有数があるということですから、一人が一つということでいえば十分な数があるわけです。  ただし、これが二十キロ、三十キロと、あるいは五十キロと、こういうことになったときにどうなるのかということで、別な観点でお尋ねいたしますが、これは保安院長ですね、担当は。保安院長町村単位で分かっていますか。
  280. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) 安定沃素剤につきましては、私どもの方から基本的に都道府県に対して支援をして、この整備をしていただいております。したがって、具体的に各市町村単位でどういう形で保有をされているかということについて、詳細はこれは県の方で把握をされておりますけれども、この福井につきましては敦賀と若狭、それぞれの地区に一か所ずつございます県の施設において保管をしているというふうに承知をしてございます。
  281. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 皆さん、今の保安院長の話、非常に問題ありますね、各大臣。  福島県の場合は、大熊町あるいは富岡町始め持っていましたね。三春町に参りました。私の生活している隣なんですが、たまたま避難されてきたんですが、安定沃素剤お持ちだったんです、その方々が。三春町もほとんどのところが原発に勤めている方も大体いらっしゃいますから、これは沃素剤を飲まさせた方がいいんじゃないかと町長を始め役場の担当者、そして本多議長を始め会議をやったわけです。これは新聞で一連のものは出ておりますけれども。  結局、国も県も無政府状態なんです。自分たちが判断するしかないんです。県において、あるところに県が備蓄しておいて間に合うはずないではありませんか。全く福島の教訓が生かされていないというのがこの一点で分かるんです。  保安院は各町村にどれだけの沃素剤が置いてあるかさえ確認していない、これが現状です。それでよくも再稼働だと言ったものだということを私言っているんです。ハードが大丈夫だ、ストレステストは大丈夫なんだと。三月十一日と同じじゃないですか、それ以前と。こういう民政上の問題、人を真ん中に置いた環境対策ができていないのに稼働するとは何事かと、我々各党共にそうした視点で文句を、文句といいますかね、注文をしているんです。相変わらず、いまだに変わっていないじゃないですか。  それでは、引き続き保安院長、お尋ねいたします。  原子力災害対策本部長、つまり総理の指示で服用させることになっています。改めて勉強させていただきました。皆さんと勉強させていただいたら、これは県や市町村長の判断も妨げないんです。実際には、市町村長の判断でもこれは飲んでいいよと、こういうことができるんです。三春町は、これはみんなで協議をし、地元の医師会とも判断してそういうタイミングを見たわけです。  いつ、どのように飲ませたらいいか、そして総理あるいは県知事の判断、あるいは首長の判断、私は首長の判断を重要だと言っているんですが、そのときのマニュアル、安全指針というものがありますけど、全くこれが分からない。分からない中で、今どんどんと皆さんの再稼働の動きが進んでいるんです。  そこで、改めて安全指針をもっときちんと分かるようにマニュアル化して、市町村長の指示によってきちんとそれらが服用できると、こういう体制にするべきでありますが、改めてその姿勢があるかどうか尋ねます。
  282. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) 今御指摘がございましたように、この安定沃素剤の服用につきましては、国や自治体基本的な役割を定めました現行の防災基本計画におきましても、地方公共団体も自らこの指示をできることになっております。この指示の具体的な技術的な事項につきましては、原子力安全委員会のこういう沃素剤服用についての基本的な考え方が示されておりまして、それに沿って対応をするということになっております。  ただ、今回国と自治体の間の連携、意思疎通がうまくいきませんでしたので、こういったことを反省いたしまして、国と地方の連携の強化の仕組みというのを今見直しているところでございます。  また、沃素剤をどういうタイミングで服用するかというのは、これは技術的な事項でございまして、この点につきましては、今の原子力安全委員会考え方を今後原子力規制委員会が設立後にそちらの方で見直されていくというふうに認識をしてございます。
  283. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これは、大臣方、原子力規制委員会を待ってやる、そんなことは必要ないんですよ。今から必要だと思うことはやっていればいいんですから。何か規制委員会ができなければ全てのものは解決しないという、その姿勢に私は若干疑念を感じるんですよ。規制委員会なんかできなくたって、経験則に基づいてきちんとできるんです。やるべきことをやってください。やっていないということです。  そうなると、情報の共有なんですよ。さあ無政府状態です、県に聞いても何が何だか分からない、もう首長がどれだけ困ったことか。全村避難を掛けた村長さん方もいましたね。私が後になって、何で村長、全員が村から出ていけと言ったんだと、後になって、家畜もみんな、泥棒にも入られて大変だったんじゃないかと言われたときに、ある村長は、そうやって後で怒られたら俺は本望だと、怒られなくなるようなことになったら大変だから、みんなで出ていきましょうといって、葛尾村長のみならず川内村長もみんなそうやって判断していった。政府が判断できないんですよ、県も。市町村がその現場を担ったんです。  私は、マスコミにも申し上げたい。市町村長さんに聞いたら、どんな状況がマスコミとの関係で困ったか。昨日まで来ていたマスコミが来なくなった。これは何かがあるんじゃないかと。分からない、国にも県にも問い合わせたって分からない。隣の町に聞こうかといっても分からない。マスコミがいなくなるんですから。何かあったんじゃないかと、その不安は大変なものだったと、ある首長さんはきちんと言っておられる。  そのマスコミも、今になってどうのこうのきれい事は言っているが、大体一か月滞在させたらば一週間ぐらい戻すんですから。先ほど谷岡さんの話にあったように、放射線の被曝量を減らす、こういう意味なんでしょうかね、時々戻すんですよ。そういう状況にありながら県民は生活をしている、これは改めて大臣諸兄に認識していただきたい。  そこで、東京新聞がこの間出しておりましたけれども、保安院、昨年三月十一日から今年五月二十九日まで二百九十四人を福島に出張させたが、出張は一回当たり一週間から一か月ほどで、出張期間が終わると一旦東京に戻って休み、数日後にまた福島に戻る。何で腰を据えないんだと、全く同感ですよ。そうしたら、臨時的であるとか、こんなことばっかりで逃げている。信頼関係が生まれますか。先ほど来から大臣方も答弁されていますが、そんなことで信頼関係なんて生まれるわけがないんですよ。もう一度、保安院はしっかり腰を据えるということを検討してもらいたい。  さらに、原発担当大臣にお尋ねいたしますが、これでも相変わらずストレステストが合格したら再稼働しますか。安定沃素剤自体どこにあるか分からない、飲ませ方も分からない。それでも再稼働させますか。
  284. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 大飯原発三号機、四号機につきましては、様々な専門家の意見を踏まえた上で再稼働という判断をいたしました。そして、これからが問題なわけでありますけれども、これからの再稼働につきましては、新しい組織のこの誕生をしっかりと待った上で、そこで判断をしていくということになります。当然、その原子力規制委員会の中でストレステストの扱いについても判断をしていくことになろうかと思います。  通常、ストレステストというのは、再稼働の条件とは諸外国ではしておりません。我が国は、昨年の極めて特殊な状況を受けまして、行政指導で再稼働を止め、そしてストレステストを勘案をした上で判断をするという体制をつくりましたが、これはやはり去年の特殊な事情を受けての判断ということになりますので、そのストレステストの扱いも含めて、新しく誕生する原子力規制委員会の中で判断がなされるものというふうに承知をしております。  また、沃素剤を始めとしたオフサイトのことについても荒井先生の方から御発言がございましたが、そこも原子力防災指針というのを法律に基づいて作るというところからスタートになります。したがいまして、このオフサイトについても対応ができているのかということも含めて勘案をした上で、これからについての再稼働の是非というものは判断されるものというふうに承知をしております。その全ての判断は、私の政務としての判断というのは介在をしない形で原子力規制委員会が判断するということになっております。
  285. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 細野大臣が、谷岡さんの質問も含めまして、こう考えるようになりましたと、変わってまいりましたということを言いました。これは、いい方向に、あるいは住民や、あるいは安全性のために変わったという点もありますから評価しますが、やっぱり少し不安になるのは、例えば十二か所の提案をしていただきましたが、実態はここまで深刻化しているんだと自分は思っていると。そして、自分たちはその処理の仕方を含めて、中間貯蔵の仕方を含めて、去年はこう思っていたけれども今はこういうふうに考えるようになりましたというふうになると、やっぱり少し住民側は怖いんですよ。もっといいことあるんじゃないんですかと、もっと違うやり方あるんじゃないですかと、そこがすごく不安なんですね。  もう一つ不安は、中間貯蔵施設を三十年ということでした。その後は他県に移すということなんですね。ある意味で、民主党さんは沖縄基地と同じことを言っているんですよ。県外にということを言うんです。恐らくほとんど福島県民皆さん、信用していないんですよ。そこに来て、法律を出すと言っていましたけれども、三十年後は県外に出すというものを含めた法案、この法案を出すんですか、出さないんですか。現状どうなんでしょう。
  286. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 中間貯蔵施設の在り方というのは、一つ内閣だけで方針を出せば済むというものではありません。本当に、十年、二十年、さらには三十年という、三十年近くという時間が必要になる可能性がございますので、内閣を超えて政府としての方針として確認をされる必要がございます。  その方法としては、閣議決定というのも一つあり得るわけでありますけれども、やはり持続性という観点からは法案で提出するのが筋であろうというふうに考えております。内々、どういった形があり得るのかということの検討はしておりますが、依然、まだ調査がさせていただけていない状況でございまして、いきなり政府から法律を出すというタイミングではまだないのではないかというふうに感じております。  したがって、そこは福島皆さんといろんな話をする中で、こういう法律ならば福島皆さんに受け止めていただけるのではないかという、その辺が見えてきた段階で出させていただきたいというふうに思っております。
  287. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これは難しいところです。非常に難しい。ですからこそ、この間の普天間のような話にならないようにしなくちゃいけない。ここに気を配ってください。  そうすると、次、私は最後の、あれは六月でしたか、三党が合意をしていわゆる原子力規制委員会をつくったわけです。三日間の審議でした。我々は入れません。二人しかいませんから委員に入れない。委員発言ということです。これは、国会は委員会主義ですから、本会議での場ではありません。委員会で徹底討論するということです。ですから、必ず一人どこかの委員会に入っているわけですが、これだけの問題について、これだけ全党入る委員会をつくりながら、原子力規制委員会環境委員会でやりましたね。入れません、我々。賛否は言えない。その上に、話だけさせるからという、こういう姿勢ですよ。三党で決めていて我々は何にも知らないんだから、我々こそ委員になるべきでしょう。ところが、それが入れなかった。  その中に、私は指摘しました、十四条でしょうか、十二条でしょうか。今までの規制でもあった話です。今までもあったものをそのまま法律に書き換えただけです。原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会、これは今までも法定だった。そのままそっくり持ってきただけです。メルトダウンを起こしている、そして廃炉にしていくということが分かっている。なぜ、廃炉の安全専門審査会というのを法定立てしなかったか。この三党と、そして政府原案、全くこれは問題でありますよ。  こういう問題点を考えると時間がありませんから、一点だけ。  大臣、必要とあれば、皆さんが法改正するか我々が法改正するかですけれども、大臣の認識として、廃炉安全専門審査会というのは法定で決めるべきかどうか、御見解をいただきます。
  288. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この制定をしていただいた法律というのは、与野党で様々、まあ三党ということではありますけれども、御議論をいただいて提出をされた法律でございますので、しかもまだ施行されていないという状況ですので、それにつきまして私の方から法改正について言及することは、やはり立法府との関係からいって控えるべきだろうというふうに思っております。  御指摘のように、廃炉というものがこれから極めて我が国にとって重要になりますし、また、原子力規制委員会がこれから安全性を確保する意味で、確認をする上で極めて重要なテーマになるのはもう御指摘のとおりだというふうに思います。  したがって、その専門的な知見をどのように積み上げて、正直言いますと、廃炉の知見というのは安全審査の側からしても極めてまだ不十分だと思います。そういった意味では、どうやって専門家をある種集めて、そしてそれをチェックをしていくのかということについては大きな課題がございますので、そういう専門家を集めてしっかりと見極めていくという体制は、これは非常に必要性が高いというふうに思いますので、設置をされる原子力規制委員会委員皆さんの中で積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えます。
  289. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今までと同じで、法律を変えたといっても同じなんです。各部会を置いているんですよ、相変わらず置くんでしょう。その部会でやればいいとか、廃炉だから、従来の核燃料、原子炉のそれぞれの専門審査会でも共有できるんだと、こう言いたいように流れが行ってしまうのは、新設と再稼働のために力を入れた専門審査会しか置かなかったように私にはすごく思えるんですよ。  やっぱり、原発を将来、代替エネルギーがあればゼロにするという意味では、誰も異論を唱える人いないでしょう、代替エネルギーがあれば。ゼロにしていくという方向の姿勢が全く示されていないからこういうことになる。まさに、この専門審査会を置かないことは、この審査会を置かないことを名は体を表すと。もうどんどん、行け行けどんどん、こういうことに私は映りますから、これは私どもも含めて、これはしっかりしていかなくちゃいけない、つくっていかなくちゃいけない。そして、その各部会とダブルチェック機能を専門審査会はさせていく、そういうようなものを必要だと、これは提言しておきます。  先日、東芝に行ってまいりました。福島の大量のあの汚染水、原発のですね、これをクリーンにするために公募をして、東芝が技術で取りました。この東芝、まさに多核種ですね、多核種、六十二種あるわけです。この六十二種をゼロにしていく。極力ゼロにしていく。同時に、鉄も入っているでしょう、コンクリーもあるでしょう、放射性物質以外にですよ、六十二以外に。最大は、海水を注入しましたから、塩分を含んでいる。  これらの技術は海外にありません。海外にない。これを三機設置して、突貫工事で、昼夜を問わず水をきれいにしていく。このきれいにするときに告示濃度限度というのがある。それの百分の一にするということですから、かなりきれいになるんですよね。大丈夫だというところの百分の一まで持っていくというんです。  経済産業大臣も含めて、そして原発大臣も含めて、まさに廃炉というのは技術がなければできないんですよ。人材を育てるんですよ。そして、東電のいささかいいかげんな廃炉の、この一号から四号まで約一兆円と言っているでしょう、廃炉費用。しかもそれが四十年間です。ですから、それなりに雇用も生むんです。恐らく、新設の二分の一から三分の一の雇用を生むでしょう。ただし、長期ですね、これは。  そういうことを考えると、経産大臣と原発大臣に御認識を問いたいんですが、果たして廃炉という作業が、人材を集めたり人材を育てたり技術を生んだり、その応用技術がほかに転用されて、日本のいわゆるこの経済の力、こういったものに私は十分資する、そして原発を持っている地域地域経済もまた一つ引っ張っていく、こういうふうに思っていますが、どうもお二人の見解を聞くと、新しくつくることが、これが日本の道だと、人を集め技術をつくっていくというふうにしか聞こえないんですが、廃炉ってそんなに小さいものでしょうか。廃炉というのはそんなに経済、雇用や、あるいは技術を生まないんでしょうか。経済産業大臣、これはどちらに聞くようになっているか、順番は別として、原発大臣経済産業大臣、お二方にお聞かせください。
  290. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この廃炉に向かってのプロセスの中で、昨年から私、東京電力に長くおりましたので、日本の企業の持っている技術力というのは捨てたものではないと感じました。東芝を例に出されましたので申し上げるならば、サリーという循環注水冷却のシステムを最終的に安定化させたのも東芝でありますし、今取付けをまさに準備をしております多核種の除去装置というものもそうした技術が生かされております。  したがって、廃炉に向かってやるときに、しっかりとその技術開発ができるような体制を国家としてつくっていかなければならないし、そのことは経済効果も含めて非常に波及効果の大きいものだというふうに思っています。  一方で、荒井先生がおっしゃったところで言うならば、人材は更なる困難が伴うと思います。人が要るのは事実でありますし、雇用を生みます。しかし、廃炉に至る過程が三十年、四十年だとするならば、今例えば二十歳の若者もこの分野に入ってきてもらわにゃいかぬですね。  私、ちょっとたまたま何人かの学生と話す機会がございましたが、原子力への道、ほとんどの学生は諦めています、専門的にやっていこうと思っていた人もですね。いや、廃炉があるんだよと、これだけビッグビジネスなんだよと言いましたが、全く興味を示しませんでした。  つまり、そういう若い人も含めて、どうすればこれが我が国にとって極めて大事で、そしてそのことが世界にとっても重要なんだとかということを国家としてどう説明していくのかというのは極めて大きな課題だというふうに思っています。  ですから、私は原発を増やすべきだなどとは全く思っていません。ただ、安易に、ゼロで、原発に未来がないという印象を及ぼすことは、逆説的なんですけれども、福島の廃炉を危うくする、さらに我が国がこれから原子力発電所の数を減らしていくことをむしろ妨げることにもなりかねないので、その一点において非常に言い方は慎重にしているということであります。  ですから、荒井先生と私は思いを全く同じくするというふうに今御質問を伺っていて感じたところでございます。
  291. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 経産大臣とは委員会でまたそこをやらせていただいて、時間がなくなりましたので、非礼をお許しいただきたいと思いますが、経産大臣にはまた改めてお聞かせいただきます。  だからこそ、だからこそ、廃炉安全専門審査会だったんですよ、法定の。国の姿勢がはっきりしていないんですよ。これを申し上げておきます。そして、我が国は廃炉技術によって世界四百六十原発の、世界各国の貢献をしていく、そういう日本の打ち出し方というのはあるわけです。  それでは、質問の一、二、三に向かわせていただきたいと思います。原発大臣、どうぞお引き取りいただきたいと思います。  例えば農林水産物でお話をさせていただきたいと思いますが、風評被害等で販売額の低迷や数量減に伴う価格補償は、本来政府が行うべきだと私は思っているわけです。なぜ東電に賠償という形で相変わらず続けているのかなと、不思議で私はたまらないんですが、これ、どうしてなんでしょうか。経済産業大臣お願いいたします。続いて、文科大臣、農林大臣お願いしたいと思います。
  292. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 一つは、御承知のとおり、原子力損害賠償法の法律の規定で損害賠償は事業者が行うということがありますが、さらに実質的なお話をすれば、先ほども少し御答弁申し上げましたが、まさになぜ原発依存から脱却しなければならないのか。それは、もちろんこうした大きな被害を与えるリスクがあると、このリスクがゼロにはならないということでありますが、そのことの現象面の一つということが、まさに本来は、従来原発が安いと言われていた、これはうそだったということなわけです。  つまり、本来、事故が起こる確率ゼロにはできないわけですから、事故が起こった場合の損害賠償や、それこそ先ほどの廃炉や除染といったもののコストは、それは積立て、引き当てであるのか保険であるのか、やり方は別としても、当然従来の電気料金に乗っていなければいけなかった。これからも、本来は、一旦起こった事故でありますけれども、このコストは電気料金において、つまり電気事業者が負担をすべきものであると。この電気事業者であり、原発の稼働のコストなんだという基本線を動かしてしまえば、なぜ原発依存から脱却しなければならないのかという、何というんでしょう、根拠の少なくとも一つを弱めることになります。  そしてもう一つは、もちろん政府としてのこれまでの原発政策という責任は大きくありますが、やはり東京電力の事業体としてのこの原発事故に対する責任を逆にそのことによって軽減をするわけです。国といっても、国が打ち出の小づち持っているわけではありませんから、国民の皆さんの税金で東京電力の責任を小さくするという話になります。当然、賠償が遅れることのないように国として責任は徹底して取らなければなりませんが、やはりこれはこの法律の趣旨、立て付けというのは、そういった意味から理屈の上でも正しいというふうに私は思っています。
  293. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 今、荒井先生からございましたが、今、枝野大臣が言いましたように、法律の立て付けとしては、原賠法に基づくルールとして一義的には原子力事業者である東京電力が賠償の責任を負うと、こういうことでございます。  文科省としても被害者の立場に立って迅速に、公平に対応したいと思っておりますし、これまた先生御案内のとおり、本賠ができるまでにやっぱり被災者救済していくための手だてとして仮払いと、こういう制度設計もいただきまして、風評被害等の問題については対処してきたところでございます。しかし、追加的なやっぱり被災者に対する支援というのはあらゆる角度から政府の方で全体として取り組んでいくべきものと考えますが、今の御質問に対しては原賠法の法律に基づいて文科省としても対応していると、こういうことでございます。
  294. 郡司彰

    国務大臣(郡司彰君) 基本的なところについては、両大臣からお話があったとおりでございます。  農林水産の関係でございますから、そのことに限らせてお話をさせていただければ、確かに遅い時期がございました。そして、特に福島の場合には、請求をする方々がその地に住んでいられないというような条件も重なりましたから大変に支払が遅れたことがございましたけれども、昨年来から徐々に先ほどの話がありましたような形でもってスピード感を持つようにさせていただきました。現在のところ、全体からいえば七四%、福島に限って言いますれば八一%のところまでスピード感を持って支払をするような形になってきております。  これは、委員もよく御存じだと思いますけれども、新たなその仮払いというような形にもし行うとすると、やはりマンパワーが必要となる。それは、員数だけではなくて、習熟も大変に重要な形になってきておりまして、今、私どもの基本的な考え方に基づく本賠償まできちんと行うようなそのスピード感を上げてきた、その中で対応することの方が現実的にも早いような形になってきているというふうに思っているところでございます。
  295. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これはそれぞれの知見、見識というのはあります。それはそれで認めるところあります。しかし、今になったから言えるんですよ。逆に言えば、時間のたつことによって、被害者が、被災者ではありませんよ、被害者が本当に自分たちがもがきながらやってきたんですよ。そして今になっているということなんです。これを忘れてはならない。  ですから、お手元の資料、カラー御覧いただきたいんですが、大臣皆さんも、これが七月二十九日にできた法律ですね。  これはどういうふうにしたかというと、野党が出して、仮払い法です、そして基金です。それを枝野さんのところの東電に国のお金を入れる。あの東電、言ってみれば救済法とバーターして政治的にこれは成立させたものですよ。だから、結果的にほとんど使われなかった。一部、風評被害で旅館に去年の暮れに使われたかなという程度だった、こういうことです。  そして、やっと福島県も必要を認めて、この二月に、三月にでしたかね、今度はいわゆる中通りでも県南の方と会津の方の部分について、これをお見舞いをするというような形での二十万と四万円という形でしたか、これを支払う形にして、今それが少しずつ進んでいるところです。  結論を申し上げます。まず、何のために我々は国家として形成しているのか。この簡単なポンチ絵です。まず、東電には責任は十分あります。しかし、東電がやっていたのでは間に合わない。国と県がやるわけです。だから、基金を含めてその設定をこの法律はしている。仮払いというのは本払いでもいいんです。そして、それによって、まずは早く、そして全額。私のところに、農林省でいうと、例えば、東西しらかわ、JAですね、福島県、福島森連、JA全農福島、園芸作物、畜産からいうと、私の手元では四一・九%から八二%までばらつきありますけれども、まだまだですよ、それは。国がつかんでいるのとは全然違う。安心感をちょっと持ち過ぎていますよ。これからうまくいくなんという話ではないですよ。  このやり方でまず国が払う、簡易なもので。そして福島には、福島に渡し切り費をして、基金で五千億積んで、それで足に合った靴を作っていく。簡単な請求でできるようにする。後に東電に請求すればいいという、単純にこれだけではありませんか。そういう体制がないから問題なんだと言っているわけで、いや、今になったらば少し良くなりましたなんということで、みんな、泣かせ損、泣き損していては仕方ないわけです。  こういうふうにつくりを変えていくということをしていくべきだと思いますが、最後に復興大臣に、こういうつくりに変えていくということを検討するのがまとめ役の復興大臣ではありませんか。いかがですか。
  296. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 賠償につきましては、東電にお任せをするということではなくて、あるいは任せっきりにするということではなくて、各々の例えば農林水産業なら農林水産業、その中に、特に畜産ということにつきましてはほかの制度とは違う体系が今ございます。こういった体系を踏まえて賠償をすべきだということで、農林水産省が、私の理解では、いち早く東電といろんな交渉を重ねてきているというふうに理解をしております。  いずれ、東電に、払う前に一つの賠償の仮払いの体系というのがございますけれども、私、やっぱり基本は、国と東電が各々の施策の賠償について考え方をすり合わせをしながら一日も早い迅速な賠償を支払っていくという形での体系をつくっていくということが大事ではないかというふうに思っています。  これから、特にもう一次産業につきましては、風評被害というのは残念ながら結構長く続くという可能性もございます。そういった意味でも、今この段階一つの体系をつくっていって、その体系ができますと後での支払がかなりスムーズになってきますから、そういったことを想定しながらその賠償のスキームをつくっていくということを目指すということが基本考え方であるべきだと思っております。
  297. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 最後に一言ですが、ボタンの掛け違いのまま来ていますから、早く国民に信を問い直して掛け違いを直していく必要があることを訴えまして、終わります。
  298. 玉置一弥

    委員長玉置一弥君) 本日の調査は終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後五時二十七分散会