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2012-03-22 第180回国会 参議院 環境委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年三月二十二日(木曜日)    午前十時五分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松村 祥史君     理 事                 小西 洋之君                 小見山幸治君                 川口 順子君                北川イッセイ君     委 員                 輿石  東君             ツルネン マルテイ君                 徳永 久志君                 羽田雄一郎君                 舟山 康江君                 小坂 憲次君                 鈴木 政二君                 谷川 秀善君                 中川 雅治君                 加藤 修一君                 水野 賢一君                 市田 忠義君                 亀井亜紀子君                 平山  誠君    国務大臣        環境大臣     細野 豪志君    副大臣        経済産業大臣  牧野 聖修君        環境大臣    横光 克彦君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       中根 康浩君        環境大臣政務官  高山 智司君    政府特別補佐人        公害等調整委員        会委員長     大内 捷司君    事務局側        常任委員会専門        員        山下 孝久君    政府参考人        内閣官房原子力        安全規制組織等        改革準備室長   森本 英香君        内閣原子力安        全委員会事務局        管理環境課長   都筑 秀明君        復興庁統括官   上田  健君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      糟谷 敏秀君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     深野 弘行君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       佐藤 敏信君        環境省地球環境        局長       鈴木 正規君        環境省自然環境        局長       渡邉 綱男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境及び公害問題に関する調査  (環境行政基本施策に関する件)  (公害等調整委員会業務等に関する件)     ─────────────
  2. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室長森本英香君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政基本施策に関する件及び公害等調整委員会業務等に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 小見山幸治

    小見山幸治君 おはようございます。  民主党・新緑風会を代表しまして、本日は、先日の大臣所信表明に対しまして質問をしていきたいと思います。  まず最初に、本日の朝日新聞に規制庁記事が載っておりました。「規制庁 一日発足断念」という記事でございます。昨日、民主党城島国対委員長が、四月一日スタートの法案であるが成立できなかったと記者団表明しております。この件につきまして、環境大臣思いといいますか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  6. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) おはようございます。よろしくお願いいたします。  原子力規制庁でございますけれども、できる限り早く発足をさせる必要があるという認識に変化はございません。特に、我が国原子力行政推進サイドとある意味混然一体となって進められてきたということがございます。規制推進サイドからは明確に切り離さなければならない、これはこの改革出発点でもございます。  こうした状況をいつまでも続けるわけにはいかないというふうに思っておりますので、是非環境委員会皆様にも御理解をいただいて、できる限り早期発足をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
  7. 小見山幸治

    小見山幸治君 今大臣から御答弁ございましたが、さらにその早期実現に向けて、事故調黒川委員長が、まだ調査中にあるにもかかわらず設置をすることはいかがなものかと、そういったコメントも残しておられますが、そういったことも含めまして、そういう状況コメントがあるにもかかわらず早期設置を求めることにつきまして、もう少し詳しくお話をいただきたいと思います。
  8. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 国会事故調査委員会というのは、これはこれまでの国会の在り方を変える非常に大事な会議だというふうに承知をしておりますし、私も野党時代、そういったものをつくってしっかりと国会方針を出せるような、そういう場が必要ではないかというふうにも思ってまいりました。したがいまして、そこで議論されている中身であるとか、また出されたものについては、我々もできる限りしっかりと対応していくということが重要であるというふうに思っております。  その一方で、今政府行政をさせていただいている立場からすると、できるだけ早い段階でしっかりとした規制機関を立ち上げて、そのレベルをやはり上げていくということが重要であるというふうに思っております。  したがいまして、原子力規制庁についてはできるだけ早期発足をさせていただいて、その上で、国会事故調もございますし、また政府事故調をつくっておりますので、そういった提言も踏まえて、今年中にさらに最終的な形を目指していくという、そういう方針で臨んでまいりたいと思っております。このことは八月に閣議決定をされている方針でもございますので、二段階考えているということを是非理解をいただきたいというふうに思います。
  9. 小見山幸治

    小見山幸治君 国会の中でこの問題がなかなか審議が進まないという原因の中の一つに、環境省外局のままでいいのかという議論についても皆さんからいろんな御意見がございます。環境省は、地球温暖化対策という面では環境省原子力推進官庁となり得るのではないか、規制利用の分離がなされているのかとか、また、独立性を高める点から三条委員会がいいのではないかといったお話もございます。  改めてお伺いしますが、なぜ環境省外局であるべきなのかということについても大臣のお考えをお聞かせください。
  10. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今回の事故を踏まえますと、原子力安全規制の目的は人と環境を守るということ、このことをやはり明確にする必要があると思っております。今回閣議決定をさせていただいた改正案の中でも原子力基本法改正も含んでおりまして、その中でもこのことを明記をしております。このことはIAEAの安全基準の冒頭にもうたわれていることであるということも併せて申し上げたいと思います。  さらに、今回の事故ということでいうならば、現在環境省が取り組んでいる最大の仕事の一つは、除染という、このことでございます。現在の放射性物質の拡散というのは我が国の歴史上も究極の環境問題ともいえる状況にあるわけでございますので、その問題にしっかりと対応している環境省というのは、この問題と向き合っているからこそ、二度と同じ間違いを犯してはならない、そういう意識でこうした問題に取り組むことができると、そのように考えているところでございます。  三条委員会か若しくは行政外局とするかということについても、国会でも様々な議論があるというふうには承知をしております。そこは、今回の事故を受けまして、危機管理をどのようにやっていくのかということについての議論がございました。政府から独立をした合議制機関ということは一つ考え方だというふうには思っておりますけれども危機管理のときの体制としては、やはり行政庁の下でしっかりと対応できる仕組みの方が望ましいのではないかと考えました。  その中で独立性について様々な御議論がありますので、そこは推進サイドからの独立はもちろんですけれども、やはり政治からの独立性ということについても様々な御懸念がありますので、そこはしっかりと委任をすることによって、原子力規制庁が科学的、そして客観的に様々な判断をすることができるような体制をつくる必要がある、そしてそういう法律の中身になっているということを是非理解を賜りたいと思っております。
  11. 小見山幸治

    小見山幸治君 今大臣から、なぜ環境省外局に置くのかということについていろいろと御説明がございました。  もう少し踏み込んで少し質問をしたいと思いますが、その体制について、どういう体制で臨まれるのか、安全確保を十分に行える体制ができているのか、原子力規制庁職員はどのように確保されるのか、経済産業省文部科学省からの出向者が中心になると聞いておりますが、その辺のところについても是非お話を伺いたいと思います。
  12. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 長官を含めて原子力規制庁人材については、幅広く、官民を問わず優秀な人材を集めなければならないというふうに考えております。したがいまして、当然、独自採用というのもやっていかなければならないというふうにも考えております。  この独自採用というところで、内閣府に設置をするか、環境省設置をするかという議論もございました。やはり一つの役所で人を採用してしっかりと育てていくというのは、これまで内閣府に数々の組織がつくられておりますけれども、ほとんどの組織でそれを実現をすることができておりません。  これは、やはり採用して人を育てるというのがいかに大変なことかということを象徴的に表しているというふうに思うんですが、そうしますと、結局は各省庁からの出向者で成り立って、その組織自体が強くならないということにもつながりかねません。そういうことをしてはならないということもあって、環境省のところにしっかり外局としてつくって、そこで人を育てるということについても検討をしていく必要があるというふうに考えたという経緯でございます。  人材でございますが、今、小見山委員がおっしゃったとおり、最初段階では、原子力についての専門的な知見を有するということで経済産業省であるとか文部科学省職員を集める、基本的にはですね、そういう形になります。ただ、これまでのようにこの二つの省庁からだけ人を集めて対応するということでは不十分であるというふうに思っておりまして、特に危機管理に対応できるような仕組みとして、防衛省であるとか警察庁との人事交流もしていきたいというふうに思っております。  そして、この人材についてはできる限りノーリターンルールというのを採用していく方針でございます。  具体的には、指定職、これはもう例外なくノーリターンルールといたします。政令職、これは課長クラス以上ということになりますが、これについても原則的にはノーリターンルールといたします。  こういった形でノーリターンルールとする場合は、当然その下についても、一旦来ていただいた人についてはできるだけそこで育てて登用していくという考え方を取りたいというふうに思っておりますので、とにかく人を中で育てて、しっかりとした規制サイドに立った行政を行うという体制をできる限り早期につくりたいというふうに思っておりまして、既にいろんな人材についても、私自身、必要な人物については面接をして、しっかりとこれまでの推進サイドと決別をして、規制庁としてきちっと機能できる体制をできる限り早期につくりたいということで準備を始めているところでございます。
  13. 小見山幸治

    小見山幸治君 今大臣からもお話がありましたとおり、私もそういう意味では早期規制庁設置是非求めていきたいと思います。いろいろな意見がありますけれども、いずれにしろ、国会の中で審議が始まらないということでは議論も進みませんので、与野党の皆さんにも協力働きかけながら、一日も早い審議が始まるよう努めていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、災害廃棄物広域処理について質問をしていきたいと思います。  三月十六日に内閣総理大臣及び環境大臣から、災害廃棄物処理特別措置法第六条第一項に基づき、災害廃棄物を既に受け入れたり具体的な検討をしている自治体を除く三十五道府県とその域内の十の政令指定都市に対して、災害廃棄物処理に係る広域的な協力要請文書でされました。  それについてどのような要請をされましたか、大臣からお話をお聞きしたいと思います。
  14. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、小見山委員におかれましては、被災地にも行っていただいて、直接廃棄物状況について御確認をいただいた上で、御地元である岐阜県の方にも働きかけをしていただいているというふうに承知しておりまして、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。  また、ほかの委員先生方もそれぞれ御地元働きかけをしていただいているというふうに伺っておりまして、本当に皆様の御協力に心より感謝を申し上げます。  今御指摘をいただきました、三月十一日に総理からの広域処理推進に向けた新たな三つの取組を公表した上で出された三月十六日付けのこの要請文書でございますが、これは、まだ廃棄物受入れについて明確に表明をしておられない自治体に対して要請をしたものでございます。要請先としては、都道府県政令市に限定をして出させていただきました。  その中で申し上げていることは、岩手県や宮城県の廃棄物が非常に大量であり、広域処理が必要であるという説明をした上で、是非とも積極的な協力お願いをしたいという、そういう形になっております。  やはり要請をするからにはしっかりと御検討いただきたいというふうに考えましたので、四月六日までに環境省あて文書で御連絡をお願いしますという、そういう記述になっておりまして、現在、各都道府県で御検討いただいている、政令市で御検討いただいているということでございますので、そのお返事を待って、お返事をいただいたら、更に具体的にお願いできるところについてはその段階に向かっていきたいというふうに思っているところでございます。
  15. 小見山幸治

    小見山幸治君 今大臣の方から御答弁がございましたように、今回は都道府県に対しまして要請をされたということであります。  実際に私が思いますのは、一般廃棄物処理場を持っているのは、基本的には基礎自治体である市町村であると思います。岐阜県の私の地元古田知事も言っておりますけれども、その受入れの可否は市町村判断を尊重するというふうにおっしゃっておられるように、市町村がそれぞれの住民意見交換をする中で判断をしていくということを考えれば、この要請については是非市町村にもきちっとしていただくのがいいのではないかと思いますが、そういった御予定があるのかということも含めて大臣の御答弁お願いします。
  16. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおり、ほとんどの廃棄物処理に関する施設焼却施設であるとか処分場というのは市町村が保有をしております。これまでも幾つかの市町村であるとか都道府県とそういう協議を続けてきたわけでありますが、これまでの経験上、都道府県市町村というのは、これはもう本当に車の両輪でございまして、どちらかが前向きだけれどもどちらかが積極的にならないということでは処理が進まないという、そういうことも経験をしてまいりました。  したがいまして、今、都道府県に期待をしておりますのは、都道府県市町村を集めていただいて説明会をしていただけないだろうかと、こういうことをお願いをさせていただいております。県も一緒になって説明会をやって、私どもの方から広域処理必要性安全性について説明をさせていただく、そこから市町村がそれぞれ検討していただくという、そういう段階に入ります。  したがいまして、市町村にも個別にもう既に表明をしていただいているところには当たっておるんですが、県もやはりしっかりとかかわっていただかないとなかなかうまくいかないという経験もいたしましたので、県に働きかけながら同時に市町村にも積極的に働きかけていくという、同時並行で続けているところでございます。
  17. 小見山幸治

    小見山幸治君 是非市町村にも具体的に要請をいただきたいと思います。  私は実は、先週、うちの事務所のスタッフを使いまして、岐阜県内四十市町村あるんですけれども、全ての市町村に出向きまして、この広域処理に向けての調査をいたしました。その調査結果につきましては後ほど環境省にも是非見ていただきたいと思っておりますけれども、総じて、まだまだこの広域処理についての情報が余りにも少ない。それによって判断をしかねているところ、また、誤った報道だけに頼って判断をしようとしているところ、まだまだそういう状況が見受けられます。  先ほどお話がありましたように、まず各都道府県単位市町村対象とした説明会を開いていく、これは大事なことであります。私の地元岐阜県でも三月の二十七日に環境省主催説明会を開いていただくことが昨日決まりました。是非そこで具体的な説明お願いしていきたいと思うわけでありますけれども。  そういう中で、私は、三月の二日の日に現地女川町へ行ってまいりました。ちょうど三月一日から女川町は東京災害廃棄物受入れお願いしておられました。  私が見たその作業は、それぞれ災害廃棄物ベルトコンベヤーの上に乗って、その両脇に作業員が立っておられまして、手作業で、例えば私は石係、隣の人はガラス係、その隣は布係、こっちは鉄係廃プラ係というふうに並んでおられて、二階でベルトコンベヤーに上がったところでやっておられましたので、それぞれのところに穴がありましたので、そこへ石係は石だけを入れる、こっちのガラス係ガラスだけを入れる、それぞれきちっとそのように分別がなされていました。最後にベルトコンベヤーに残っていったのは木くずだけでありました。そこで、もちろんそれぞれ分けたものについて線量を測っておられました。  東京都は、その木くずをそのままコンテナに積むと、これは大きいものばかりですから容量が、何といいますか、効率が悪いということで、それを粉砕をして、それだけではなくて廃プラもということでございます。それは多分カロリーが高いので、その方が燃えやすいということを含めて、木くず廃プラ混合物コンテナに載せて、またコンテナがその集積場から出るときに両サイドからコンテナの外の線量も測って、それで確認をした上で外へ出しておられるという現場を見せていただきました。  こういうものを見ますと格段に理解が進みますし、こんなきちっと分別がされている、こういうふうにきちっと線量も測られている、こういう安全なものだというイメージを是非それぞれの関係者皆様には御理解をいただく、そういった努力がまだ足りないのではないかと、そういうふうに思うわけでありますが、そういう中で、先ほど各都道府県単位説明会をなさるという中で、是非私は、都道府県単位なのかそこはちょっと分かりませんが、現地への説明会も積極的に行っていただきたいと思いますが、それについて是非環境省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  18. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 被災地瓦れき処理に関する努力というのは本当に大変なものがございまして、今、小見山委員の方から御指摘をされた分別というのも広域処理を進める上ではどうしても必要だということで、本当にかなり手作業に近い形でやっていただいているという、そういう状況でございます。  小見山委員が御覧になった女川町の状況について、三月に東京都と連携をいたしまして自治体対象とした意見交換会を実施をいたしました。これが大変反響がございまして、実際に現場を見た市町村担当者から、これならば受入れをしっかりと考えていいのではないかという声が既に出てきております。したがいまして、これから更に広域処理について前向きに御検討いただく自治体が出てくるというふうに思いますので、現地での説明会というのを必要に応じて更にやっていきたいと思っております。  そして、現地を見るという意味では、その担当の方だけではなくて、住民皆さんに見ていただくというのも、これも非常に有効な手段となってまいります。受入れ表明をした静岡県の島田市は、市長を筆頭に町内の方々なんかも現地に行って被災地状況確認をしたと。やはりこれは何とかしなきゃならないという思いを持っていただくという意味では、現地を見ていただくというのが非常にこれは効果がございます。そこもしっかりと私ども予算措置をしておりまして、そういう説明会もそうですし、さらには、現地受入れ側の自治体皆さんがグループで行かれるという場合もしっかりとサポートをしてまいりたいというふうに思います。  実際の状況を見ていただいた上で、是非それぞれの自治体が一歩前に踏み出していただけるような環境を、国がまさに方針を示すことで具体的な成果につなげるような形に持っていきたいと考えているところでございます。
  19. 小見山幸治

    小見山幸治君 ありがとうございます。  是非現地での説明会も積極的に行っていただきたいと思いますし、そういう中で、私の地元でも、是非、関市というところが現地へ議会を挙げて行きたいと、今おっしゃるように処理場の近くの地区の代表の方も連れていきたいということであります。  それにはやっぱり、具体的に言うと、泊まりになりますから、岐阜辺りからでは日帰りでは行って帰ってこれませんので、バスの手配とか宿泊とか、そういったことについても具体的な費用が出るというふうに聞いておりますので、その辺のことも説明会では是非、いろんなところで説明をしていただくことが大事ではないかと思いますので、積極的に行っていただきたいと思います。  一方、その調査をした中にこういう申入れがありました。もう既に地域によって使っていない処理場といいますか、廃炉につきまして、是非そういったものも活用できるのであれば現地に持っていっていただいて活用していただいたらいいのではないかというお話がございました。  これについては、三月十五日の東京新聞にも、何か政府というか環境省が各都道府県廃止予定焼却炉があるかどうかの調査をしているというようなことも書いてあるので、先日環境省の方に問合せをしましたけれども、それは、そのようなことはしていない、廃炉についての今のところ利用考えていないというちょっとお話があったんでございますが、私は、使えるものはどんどん使っていけばいいと思うんですけれども、その辺について環境省はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
  20. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 仮設の焼却炉というのを有効に活用していく必要があるというふうに考えております。それは、広域処理も非常に大事なんですけれども、やはり被災地でしっかり処理をしていくということが大事でございまして、既に二十五基の仮設の焼却炉の整備が計画をされておりまして、そのうち五基が稼働し、これから順次、この四月、五月辺りからは立ち上がってくるという、そういう予定になっております。この二十五基から更に増設するかどうかということについても検討はいたしておりまして、それぞれ県の考え方もありますので、私も先日も宮城県知事とお話をしまして、いろんな意見交換をしてまいりました。  御指摘のような、古くなって使えなくなった焼却炉で、すぐに解体をして現地で使えるというものがあれば、そこはちょっと私も確認をさせていただきたいというふうに思います。あとは、どこにどういう形で設置をすることをこれから考えていくのか。そこは率直に言って、スペースの問題もありますし、県の考え方というのもありますので、そこはしっかりと相談をさせていただく中で、そういう可能性があれば模索をしていきたいというふうに思います。
  21. 小見山幸治

    小見山幸治君 そういった中で積極的に、いずれにしても早期災害廃棄物広域処理を進めていく必要があると私は思っています。それがなければ被災地の復旧復興はやっぱり進まないということだと思います。  そういう中で、今、日に日にそれぞれの地域で広域処理を進めようという話がありまして、そういう主張をするとすぐに新聞にも載る。一方で、なかなか地域によってはそういったことを積極的に進められない事情もあったりするところもあります。  これがどんどん進みますと、受入れ表明しないところが何か一方で悪者になってしまうような、そういうことにはなってはいけないと思っていますし、市町村からすれば、それぞれその市町村判断に任せるというよりは、まさに安全な災害廃棄物であると、健康に被害を及ぼさないということであるのであれば、国がきちっと責任を持って割り振るべきではないかと、具体的に。ある一定の理解が進めばそれぞれの都道府県に割り振ったらいいのではないかというのが私の思いであります。それについて、大臣の積極的な御意見を伺いたいと思います。
  22. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先日出しました都道府県政令市に対する要請文書というのは、これはまだ表明をしていただいていないところに出させていただいたものでございます。  なぜ表明を既にしているところを外したかというと、もう既に表明をされているので改めて要請をする必要性がないということも一つあったわけですけれども、もう一つ考えたことがございました。それは、既に表明をしていただいている自治体については、具体的な被災地の場所とそして廃棄物の種類と量、これを明確にして、要請をするときには具体的な要請にした方がいいのではないかというふうに考えたからであります。  現在、それぞれの市町村といろんな情報交換をしておりまして、できるだけ早い段階で、煮詰まったところから、国としての考え方として、全て受けていただけるかどうかは市町村判断都道府県判断というのがあるわけですけれども、国としてそれぞれの地域にお願いをしたい具体的な中身要請に入りたいというふうに考えているところでございます。
  23. 小見山幸治

    小見山幸治君 いずれにしても、国が責任を持って積極的にこの処理には関与をしていただきたいと思います。  時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。
  24. 中川雅治

    ○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。  まず最初にお聞きいたしますのは、先日の参議院決算委員会で私が野田総理や川端大臣質問いたしました、国の出先機関の広域連合への丸ごと移管についてでございます。  環境省の地方環境事務所の広域連合移管についての今問題が出ているわけでございまして、そのことについてお聞きしていきたいと思います。  国の出先機関改革民主党政権が進める地域主権改革として検討されているものでありまして、基本線は平成二十二年十二月に閣議決定されましたアクション・プランであります。  この改革は私にはもう本当に全く理解できないものでありまして、要するに、関西広域連合のような広域連合ができて、そこが手を挙げて、国の出先機関のうちこれとこれは広域連合にもらいましょうと言えば丸ごと差し上げますと、こういうものなんですね。欲しくない出先機関はそのまま国の出先機関として残ると、こういうものであります。そこには、国と地方の役割分担の見直しとか、あるいは国と地方の二重行政を解消していくという、そういう哲学といいますか基本的な考え方はないと言ってもいいと私は思います。  というのは、関西広域連合、これは奈良県が入っていないということでまだそこに移管するという話が具体化しておりませんけれども、関西広域連合の方は、経済産業局と地方整備局とそれと地方環境事務所、これを欲しいと言っていると。ですから、財務局とか地方厚生局とか農政局とか、そういうところは今のところは要らないと、こういうふうに言っているわけですね。そうしますと、関西広域連合で欲しいと言っているものを移管するという方向で検討して、要らないと言っているところは従来どおり国がやりましょうと。  しかも、今広域連合ができているのは関西広域連合だけですが、九州広域連合もできるというような話があります。それから、四国の広域連合の話も出ているようでありますが、これは一部の人が言っているんでしょうけれども、四国の広域連合は経済産業局だけをもらいます、あとは要らないと言っていると。そうすると、じゃ、経済産業局だけをあげましょう、要らないと言っているところはあげませんと、こういう何かもう全く国としての、国家としての在り方というものはそこにはないような気がいたします。  先日の参議院決算委員会で、このような仕組みで例えば国道の管理はできるのかということを質問いたしました。国道というのは、北海道から沖縄まで一つのネットワークをつくって初めて人流や物流がスムーズにいくわけでありまして、あくまで国家という見地に立って国道を建設して管理をして修理をしていくと、こういうことでなければならないと思います。  現に今そういうことでやっておりまして、限られた予算の中で優先順位を付けて、この地方の国道を造っていこう、管理をして修復していこうというような、そういう国家的見地に立って優先順位を付けて国が管理しているわけですけれども、この地域の国道の管理はこの広域連合にお任せします、ここからここは広域連合がないから国が地方整備局でもって直接管理をしていきますといってぶつ切りにばらばらになっていくということでは国道の管理というものがしっかりできないと、こういうふうに思います。  同じことが国立公園の保護管理についても言えると思うんですね。国立公園の管理につきまして、地方環境事務所が今やっているわけですけれども、特定の広域連合ができて、そこにその広域連合が地方環境事務所を移管してくれと言えば、その部分の国立公園の管理もその広域連合に移管しちゃう、ここからここはまた国が直接地方環境事務所でやるというようなぶつ切りで国立公園の管理をしていくというようなことだと、私は本当にとんでもないことになると思うんですね。  まず自然環境局長にお聞きしますが、国立公園というのはどういうものをいうんでしょうか。
  25. 渡邉綱男

    政府参考人(渡邉綱男君) 国立公園につきましては、我が国を代表するとともに、世界的にも誇り得る傑出した自然の風景地を保護し、国民がその自然と触れ合うことを推進するための制度でございます。自然公園法に基づいて環境大臣が指定をし、自らその保護管理の責任を果たしているものでございます。現在、全国で三十の国立公園が指定をされていて、国土面積の約五・五%を占めております。
  26. 中川雅治

    ○中川雅治君 今答弁がありましたように、国立公園というのは、まさに日本国の誇るすばらしい自然を国民全体の共有財産として国が責任を持って保護管理していこうというものだと思うんですね。世界に対しても、日本のすばらしい自然を日本という国家がこのように大切に保護管理していますよということを示す必要があると思います。ですから、国立公園というのは、その地域の住民だけのものではなくて、まさに国家的見地に立って保護管理すべき全国民のものだというふうに思うんですね。  ですから、日本国内の国立公園について、この国立公園は国が直接保護管理します、この国立公園は広域連合が保護管理をするというふうにばらばらになるというのも、本当にもうどういう考えでそういうことをやろうとしているのか分かりませんし、ましてや、一つの国立公園が部分的に一部広域連合にかかっているということになると、一つの国立公園ですが、ここまでは国が管理します、地方環境事務所が管理します、ここからは広域連合が管理するんだというようなことになると、もうこれはあり得ないことだと思うんですけれども、本当にこんなことになっていいと細野大臣はお考えでしょうか。
  27. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 国立公園の位置付けについては先ほど自然環境局長答弁したとおりでございまして、これは、国がこれまで保護し、国民に対してはもちろんでありますけれども、世界に対してもしっかりと責任を持って守っていくという、そこをこれまでしっかりと維持をしてきたものでございます。  また、もう一つ国立公園の特徴といたしましては、環境省の中にレンジャー職というのがございまして、このレンジャーがこれまで、生物多様性であるとか各種の国立公園でいかにそれを維持していくか、開発の問題とどうしっかりと、言うならば、時に対峙し、時にいかに両立をしていくかという、そういうことをやっていくノウハウを蓄積をしておりまして、それ自体は非常に貴重なものであるというふうに思っております。したがいまして、こうした体制はこれからもしっかりと国で維持していく必要があるというふうに考えておるところでございます。  その一方で、分権そのもの、地域主権という考え方そのものは、積極的にこれは是非進めていきたいというふうに思っておりますので、環境省がやっている業務の中で、どういったものは地方でやっていただくことができるのか、そこは積極的に協議をしていきたいと思っております。その中で、地方環境事務所というものをこれからどのように考えていくのかということも、余り固定的に考えるのではなくて、柔軟な姿勢で臨みたいというふうには思っております。
  28. 中川雅治

    ○中川雅治君 細野大臣の今御答弁を伺いまして、地方環境事務所を丸ごと広域連合に移管するというのは反対だと、こういうふうに私は受け取りました。本当にこの改革をやるということになりますと、もう日本国がまさにばらばらになってしまうので、閣内からしっかりと異議を申し立ててもらいたいと思うんです。  まさに今、細野大臣おっしゃったように、地方環境事務所の事務の中でも地方に任せるものがあるということであれば、これは地方に移管するということを考える、これは全く当然のことだと思うんですね。  地方主権という言葉は、これは全くおかしい言葉で、主権は国、国家主権、国民主権という言葉はありますが、地方に主権があるということはあり得ないと思うんで、地方主権改革という言葉自体、私、非常に疑問を持っているわけでございますが、国と地方の役割分担、こういう事務は地方にお任せしましょうということで移管をする、事務を移管する、それについて人員も移管するということがあってもいいとは思うんですけれども、それはまさに全国一律でやるべきことだと思うんですね。  こういう事務はということであれば、どこの地方も全てそういうふうにすべきであって、この地方だけ同じ事務でも広域連合に移管します、この地域は広域連合がないので従来どおり国がやりますというと、じゃ、こういう事務は地方に移管すべき事務だという、そこの考えというものが全く統一されないわけですね。地域によってばらばらになるわけで、そういうものは改革と呼べない、ただ単に地方にこびているといいますか、そういうふうな対応としか私は思えないわけでありまして、この改革は本当にどこかでストップしないと大変なことになると思います。  民主党の議員の中にも、現に参議院の決算委員会で、問題があると。国家の在り方にかかわってくる、しかも市町村の方はそういうことに対して慎重にすべきだという見解をまとめたというふうなことを言われた議員もおられます。自民党の中には、もう本当にこの改革は国家を滅ぼすものだという反対意見は非常に強いわけでありまして、よくお考えいただきたいと思います。  この国立公園を地方が欲しいと言っているのは、これはもっと開発をして観光を優先にして収入を上げたいという気持ちがあるんじゃないかと思うんですね。国立公園の保護管理というのは、やはりどうしても地方に任せますと、これはもう開発優先、観光優先になってしまうので、国の環境行政機関が開発チェックをしていくということが基本だというように思います。  これは恐らく全世界を見渡してそういうことでやっていると思うんですけれども、ちょっとその辺の諸外国の例を教えていただきたいと思います。つまり、国立公園の管理の主体というのはどこがやっているのか、そしてそれはどういうふうにやっているのか、諸外国の例を教えていただきたいと。  それからもう一つ、広域連合が管理するようなことになったら果たして世界遺産として認められるのかどうか、私は非常に疑問だと思うんですが、その辺のことを環境省から教えていただきたいと思います。
  29. 渡邉綱男

    政府参考人(渡邉綱男君) 国立公園につきましては、国が指定をし、保護をしていくということが国際標準となっております。州の権限が強い連邦制の国でありますアメリカ等におきましても、国立公園は連邦政府の出先機関であります国立公園管理事務所が管理をしているという状況でございます。  また、世界遺産条約におきましては、自国の世界遺産を保護して将来の世代へ伝えることが締約国の義務とされております。そして、このために締約国が最善を尽くすことが求められております。したがいまして、世界自然遺産につきましても、国立公園などの国自ら保護を担う制度によって管理することが必要というふうに考えております。
  30. 中川雅治

    ○中川雅治君 地方環境事務所を広域連合に丸ごと移管するというような改革が行われれば、もうこれは諸外国に例を見ない事態が起こることになりますし、今いろいろなところでまだ世界自然遺産として認められようという、そういう動きもありますけれども、そういったことはもう本当に不可能なことになってしまう。今世界遺産に指定されているところも、そんなことになったらこれからも世界自然遺産としてずっと認められることになるのかどうかも本当にこれは不確定になってまいります。是非、今のそういう改革について、この辺でしっかり歯止めを掛けてもらわないと大変なことになると思うんですね。  それからもう一つ環境省が国立公園を管理している、しかし一方で、何か木を一本切るのも非常に地方環境事務所の担当官、レンジャーがいろいろうるさいことを言ってなかなか認めないというようなことが言われておりまして、それで、今申し上げましたように、地方は自分たちの手で国立公園を管理すればもっと弾力的にいろいろ開発して、しかも観光資源になるんじゃないかと、こう思っているということだと思うんですね。  それは環境省の方にも若干責任があるという見方もございまして、特に今問題になっております例えば地熱発電所、これの建設について、自然環境局のレンジャーの方の考えは本当によく分かるわけです、やはり景観を維持するということの大切さ、もう本当に使命感を持って体を張って守っておられるわけですから。地熱発電所といっても、もう膨大な建物が建つわけですよね。それは景観を大きく破壊すると、こういうことで、今まではもう何としてでも阻止しようと、こういうことでやってきたと思うんです。  しかし、再生可能エネルギーをこれから大幅に拡大していかなければならないというときに、日本は世界の三大地熱のある国だということで、アメリカ、インドネシア、日本ということで、地熱発電というものは潜在的に非常に大きなものを持っているわけであります。この地熱発電を推進しなければならないという要請も一方であるわけですが、環境省の、まあレンジャーの方の壁にぶつかって、ほとんどというか、もう全く進まない。  そこの辺も、やはりほかの要請との兼ね合いで、そちらの再生可能エネルギー、地熱発電の推進というのも物すごく大きな今要請ですから、そこの兼ね合いをもう少し自然環境局の方も考えるべきだと思います。余りかたくなだと、まさに地方が、だから環境省に任せているともう何一つ進まないということで、自分のところに移管しろ移管しろという声がますます強まるということにもなりかねないと思うので、やるべきことはやる必要があると思うんですね。  そこで、地熱発電所の建設につきまして、既に環境省が省内の検討会に基準を示したというニュースが出ておりました。しかし、それは非常に実効性に乏しいものだと。地熱発電所の建設に手を挙げようとしている事業者も、コストとか技術的に今の基準じゃ無理だと、こういうことで断念せざるを得ないというようなことも聞くわけでありますが、昨日、新しい基準を提示されたというふうに伺ったんですけれども、その基準についてお伺いしたいと思います。
  31. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 中川委員指摘のとおり、日本はこれから再生可能エネルギーをどんどん推進していかなければいけないということも事実でございます。ただ、この地熱発電が今まで日本はポテンシャルがありながら進んでこなかったということで、環境省規制が強過ぎたからということも、私、もちろん理由の一つだとは思いますけれども、実際、規制を掛けられている地域以外の部分であっても、この地熱発電が余り進んでこなかったと。  これは、逆にそのイニシャル部分での、導入部分での問題点もあったかと思いますが、再生可能エネルギーがビジネスとしてうまく回っていかなかったということも、実際、今まで進まなかった理由の大きな一つだと思っております。この点に関しては、昨年に再生可能エネルギーの固定価格での買取りということが制度として今動き始めておりますので、そこは随分改善されるのかなというふうに思っております。  また一方、今、中川委員指摘のとおり、環境省規制が厳し過ぎるといった声があったのも事実でございます。実際、ただ、自然の保護といったものをそもそもやっぱりやらなければいけないという本来の仕事もございます。  そこで、委員指摘のとおり、昨年から五回にわたって、地熱発電事業に係る自然環境影響検討会というのを開催をいたしました。これ、今まで通達がちょっと分かりにくい、あと基準がちょっと不明確だというふうな声がありましたので、これらの検討会の意見を踏まえ、環境省としては総合的に検討判断しまして、国立公園内における地熱発電の取扱いに係る新たな通知を今月中に発出することとしております。  その内容でございますけれども、まず国立・国定公園の特別保護区域及び第一種特別区域については開発は認めないということでございます。さらに、第二種、第三種の特別区域につきましては、普通地域や公園区域外からの傾斜掘削については個別判断をして認めていこうということにいたしました。さらに、第二種、第三種特別区域におきましては、自然環境の保全と地熱開発の調和が図られる優良事例を形成し、検証をしようということといたしました。  また、地域エネルギーの地産地消のためなどに計画される小規模な地熱発電、バイナリー発電ですとか、こういったものに関しては第二種及び第三種特別地域においても認めることといたしまして、新たな通知を今月中に出すということで、今までの通知はこれに伴って廃止されるということになりました。
  32. 中川雅治

    ○中川雅治君 新たな通知を出して地熱発電所の建設を、促進までいっていいのかどうか分かりませんが、解禁をしていこうという環境省の姿勢は評価できると思うんですが。  実際、そういった通知は出しました、通達は出しましたといっても、現実に、結局手を挙げる業者がいないとか、優良事例を形成していくとおっしゃいましたが、モデル的な優良事例で終わってしまう、またその次が続かないというようなことにならないようにしなければいけないと思うんですが、現在の見通しといってもなかなか難しいかもしれませんが、本当にこの新しい基準でそういう地熱発電所の建設が進むというふうに考えておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  33. 渡邉綱男

    政府参考人(渡邉綱男君) ただいま政務官から通知の内容について御説明しましたとおり、今回、第二種そして第三種特別地域におきまして、区域の外から傾斜掘削、斜め掘りを認めるということに加えて、自然環境の保全と地熱開発の調和が図られる優良事例の形成の検証をしていく、そのための具体的な案件、具体的な対象地域を選択することとしていきたいというふうに思っています。その対象地域におきましては、保全との調和が図られる場合について垂直掘削や発電所建設を認めていくことができるという取扱いといたしました。  また、こうした発電事業用の地熱開発以外に、地域のエネルギーの地産地消などのために計画される、より小規模な地熱発電であれば第二種、第三種特別地域においても認めていくということで、積極的な推進も図っていこうということに取扱いとしてしたところでございます。  こういった通知を受けまして、新年度に入って、この通知に即した優良事例の形成の検証の取組、そして小規模な地産地消のための地熱発電、こういったものが自然環境の保全に配慮しながら適切に進められるように、しっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
  34. 中川雅治

    ○中川雅治君 地熱発電につきましては、同じ環境省の中でも、地球環境局の方は推進すべき立場にあると思うんですね。自然環境局の方はやはり何としてでも景観を守りたいということがあると思うので、やはり省としてそこのところを調整していく姿勢を取らないと、優良事例の形成で終わってしまう。自然環境との調和ということを今盛んにおっしゃっているわけですけれども、もちろん調和は大切なことですが、その調和のところが非常に一方に偏りますとなかなか進まないということになると思いますので、環境省としてやはりどう対応するのか、調整をしていく必要があるというように思います。  それから次は、先ほど小見山議員も質問されておりましたが、東日本大震災の災害廃棄物処理がなかなか進まない状況についてお伺いしたいと思います。  ちょっと古い数字なんですが、私の手元にありますのが三月五日現在の数字でありまして、岩手県では瓦れき処理、処分割合が八・七%、宮城県は五・八%にしかなっていないということであります。  そこでまずお伺いしますが、岩手県、宮城県ですね、それぞれの瓦れきについて、県内で処理、処分するものと、広域処理に回すものと、計画上それぞれどういう割合になっているんでしょうか。
  35. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の大震災で発生した災害廃棄物の量は非常に多く、岩手県で約四百七十六万トン、宮城県で約千五百七十万トンとなってございます。  このうち、岩手県につきましては、県内で約四百十九万トンを処理し、約五十七万トンを広域処理をすると、こういうことを希望しておるわけでございます。また、宮城県では、一千二百二十六万トンを県内で処理し、三百四十四万トンを広域処理することを希望しております。  両県合わせまして災害廃棄物の量全体の約八割の約千六百万トンについては県内で処理、処分を行い、残り二割の約四百万トンについて広域処理を行うということを希望していると、こういう状況にございます。
  36. 中川雅治

    ○中川雅治君 広域処理は約二割ということなんですね。何か一般の受け止め方といたしましては、岩手県、宮城県の瓦れき処理が進まないのは、今何かとにかく広域処理が全然進まないからだというふうに言われているものですから、もっとその多くの部分を広域処理に回そうという計画じゃないかというふうに受け止めていると思うんですね。だから、瓦れき処理が遅れていてまだ数%だと、こういうことになっているというふうに受け止めていると思います。  しかし、実際には、それぞれの県内で処理するという計画を立てている瓦れきも相当遅れているんじゃないかと。だからそういう本当に数%しかまだ進んでいない、何か全て広域処理、各自治体受入れを拒否しているから宮城、岩手の瓦れき処理が進まないというように思われているんですけれども広域処理に回すのは元々計画上は二割なんですから、あとの八割は県内で処理するという計画を立てているわけですよね。  その県内の処理状況、それは現在どうなっているのか、そしてそれは計画と比べてどうなっているのか、遅れているのか、そこをちょっとお聞きしたいと思います。
  37. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 災害廃棄物処理被災地の復旧復興の大前提でございまして、発災から三年後の平成二十六年三月末までに処理を終えると、こういうことを目標としておるわけでございます。  この災害廃棄物処理、処分に関しまして県内でやるということが大前提になるわけでございますけれども、岩手県の県内処理予定量約四百十九万トンございますが、このうち現在処理を完了しておりますのは四十三万トンでございまして、約一〇・三%の処理率ということでなってございます。宮城県内の処理予定量は千二百二十六万トンでございますが、このうち処理を完了したのは約九十九万トンでございまして、約八・一%の処理率となっているという状況でございます。  なお、岩手県、宮城県では、二十五基の仮設焼却炉設置を進めてございまして、このうち既に五基が稼働しており、残りの焼却炉も順次稼働することになっておりまして、これにより、災害廃棄物処理は大幅に今後促進されていくという状況にあると考えてございます。
  38. 中川雅治

    ○中川雅治君 もちろん、当初は処理場を仮設でも建設しなきゃならないし、分別もしていかなきゃならないということで、実際に処理に入るまでの前段階作業がありますから、相当数字が低いといっても、計画どおり二十六年の三月ですか、末までには終わるということももちろん可能だというふうに思いますが、今のペースでいきますと、どうなんでしょうか、県内処理ですね、広域処理の方はちょっとおきまして、県内処理の方も計画どおりいくというふうにお考えでしょうか。
  39. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 今回、非常に大量の災害廃棄物が発生したということで、この処理、処分を行う上で非常にいろんな困難があったということは事実だと思います。その最大のものは仮置場の設置に時間を要したと、これは一次仮置場、二次仮置場を含めて、この設置がなかなか住民の合意を得ながらやらなきゃいけないということで時間を要したと、こういった事情があったということは否めない事実だと思います。ただ、そういった中で、現在、家屋の解体に伴うものを除きまして、仮置場までの移動はおおむね完了しているということでございます。  こういった中でこの目標を、二十六年三月末までという目標を達成するためには、被災地県内における取組というのを更に促進強化していく必要があるだろうと、こういうふうに考えている次第でございます。
  40. 中川雅治

    ○中川雅治君 まず県内処理をするというのが基本だと。できない部分を広域にお願いするということであるべきは当然だと思いますので、まずその県内処理がきちんと計画どおりいくように、岩手県、宮城県の対応をしっかりフォローして、国として何か支援をすることが、できることがあれば、これはこれからも二十六年三月までにしっかり終わるように積極的に対応していただきたいということをお願いいたします。  そして、広域処理をする予定の分、これは二割ということでありますが、ここに来まして急速に各自治体も受け入れようという動きが広がっているようでありますが、実際には東京都、山形県、青森県において始まっている。東京は石原知事の大変なリーダーシップで五十万トン受け入れるということを決めているわけでありまして、現にもう処分が始まっているわけですけれども、まだなかなか実際の自治体で現に始まっているというところは余りない。しかし、そういう受入れ表明は相次いでいますから、それは大変心強いことだと思います。  しかし、実際に自治体の長としては何としてでも受け入れたい、そしてまた議会の方も、これは受け入れしなきゃ駄目だということで一生懸命そういうプッシュをすると、こういうことでありましても、焼却場や処分場の周辺住民が反対してどうにもならない。実際に首長も役所の担当者説明会を開くともう罵声を浴びて、その御苦労、心痛は大変なものがあるようであります。再生利用するものは百ベクレル以下、焼却灰は八千ベクレル以下という基準を満たせば安全だと幾ら説明しても周辺の住民皆様は納得されないと、こういう状況があるようですね。それは一つは、周辺地域以外から来た方が大変なことになるぞと言ってあおって、周辺住民の方が不安になると、こういうケースも多々あるというふうに聞いております。  島田市の例が新聞に出ておりました。島田市が受入れ表明すると、環境問題の活動家や脱原発を主張する団体が乗り込んできて、子供を持つ母親らに受入れ反対を訴えた。そして、試験焼却の瓦れきが同市に搬入されると、市内外から集まった多数の反対派が市長を出せと過激な行動に出た。こうした場面を目の当たりにし、何かが違うと感じた住民も多くいたとありました。そして、島田市は試験焼却の過程や結果を徹底して情報公開をし、放射能に対する市民の不安除去に努めて事態を前進させたと報道されています。  環境大臣細野大臣も進んで住民説明会出席されているとのことでありますし、先ほど御答弁もありましたように、総理災害廃棄物処理特別措置法に基づく知事と政令指定都市の市長への要請文書で出されたとのことであります。  実際にそういう効果もあって、瓦れき受入れの動きは広がっているようでありますが、環境大臣住民説明会すべてに出席することはできないでしょう。ですから、まずは自治体担当者が徹底した情報公開をし、専門知識を持ってしっかりと説明をしていくというのが基本であり、それしか王道はないと思うんであります。  しかし、説得力ある説明をするということは自治体担当者ではなかなか難しいという声も聞くわけであります。やはり国の専門家に来てもらいたいということで環境省職員などが行くこともあるようですが、そもそも、もう国の言うことは信用できないという、こういう空気がありまして、せっかく環境省職員が行っても十分に納得してもらえないという状況もあると聞いているわけであります。  やっぱり周辺住民に何とかしっかりと納得してもらうにはどうしたらよいのか、なかなか決め手はないと思いますが、環境大臣、何か環境省考えておられることはありますか。
  41. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 広域処理については、なかなか去年からずっといろんな自治体関係者働きかけてきた中で前に進まなかったという、これは本当に我々の力不足の面がやはりあったんだというふうに思っておりまして、申し訳なく思っております。そういった中で、徐々に状況は私はいい方向にはなってきたんではないかと思っております。  その一つは、先ほど中川委員の方からお話がございましたけれども被災地瓦れき処理に大変な苦労をしているということが少しずつ伝わり始めてきたと。これまでは、被災地は何もやっていなくて、それこそ広域処理に丸投げをしているというようなイメージを持っている方も中にはおられたようです。そうではなくて、分別もしているし焼却もしているし再利用もしている、それだけの努力をしてもなおかつ二割ぐらいはやはり広域処理お願いせざるを得ない状況にあるというこの状況が徐々に伝わるようになってきた、これが一点ございます。  もう一点は安全性の問題でございます。これも確かに、島田市へ私も二回参りまして状況をずっと見ておりますので、大変な御苦労をそういった皆さんがされているのも見てまいりましたが、少しずつ変わってまいりました。  ですから、安全性について国が責任を持って一貫をした説明をしていくことはやらなければなりません。私ももちろんですが、横光副大臣も高山大臣政務官説明に足を運んでおりますし、事務方も環境省挙げて今取り組んでおります。専門家の派遣もしております。ですので、一貫をして丁寧に、特に心配をされている方に説明をすることはやりながら、あとは具体的に自治体で直接行動していただくというのがかなり私は効果があるのではないかと思っております。  そういった意味では、島田市が導入をしたような、実際に測る作業を国や市町村がやるだけではなくて、市役所にこれを置いて、市民の皆さんも行ったら測っていただけるような、そういう体制をつくるであるとか、また、現に被災地に行くことで、どういうふうな形で分別をして安全性を確保しているのかを見ていただくであるとか、そういったことが非常に効果があると思っております。  したがって、国も自らやります。加えて、自治体住民皆さんがやられることについても財政的、さらには実務的に全面的にサポートをする中で、安全性について納得をしていただくということが極めて大切ではないかというふうに考えているところでございます。
  42. 中川雅治

    ○中川雅治君 それと、これは私が聞いた話なんですが、西の方のある県、ちょっと名前は伏せますけれども、ある県では、名古屋以北の廃棄物受入れは慎重にすべきだと受け取れるような発言を県の当局者が処理事業者に対してしたということなんですね。それで、そういうこともあってだと思うんですが、東京の産業廃棄物、これはもう震災と全く関係のない通常の産業廃棄物を西の方のある県の処理場でそこまで運搬して処理をしてもらっていたのが受入れ拒否に遭ったということで、東京の産業廃棄物処理が困ってしまっていると。それは似たようなことがほかのところでもあるというようなことも聞きました。  これはちょっと行き過ぎといいますか、とんでもないことですよね。何の根拠もないことを言うと。そして、周辺住民も、そういうことになりますと、名古屋以北の廃棄物だというだけで反対。そこまで行きますともう行き過ぎちゃっているわけですが、事業者としては、県からも言われ、周辺住民も、そういう意向が伝わるともう心配だということになりますから、反対をするということで受入れをしない、これはもう一廃も産廃もということらしいんですけれどもね。  そういう何か行き過ぎたことをやる、そういうところに対してはやっぱり徹底して強く指導をしていただかなきゃならないと思うんですが、いかがでしょうか。
  43. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 委員指摘のように、確かに東日本大震災の被災地から距離的に離れている地域で、我々の説明不足ということもあるかもしれませんが、そのように行政の方が誤解をしているというケースは私も実感しております。  ですが、実際、放射能濃度八千ベクレル以下の廃棄物については、廃棄物処理法に基づく通常の処理方法で適切な管理を行うことで、周辺住民やまた作業者の方の安全性も十分確保できるというようなことは徹底しなければいけないというふうに思っておりまして、一月二十日に地方公共団体あてに適切な対処を行うようにということで改めての通知もさせていただいたところでございますし、ただ、なかなかこれ分かりにくいという声も逆にありますので、そこはもう徹底して我々環境省が丁寧に説明に努めなければならないと思っているところでございます。
  44. 中川雅治

    ○中川雅治君 一方で、広域処理を受け入れる自治体というのは、もちろん住民の説得もそうですし、やはり今までの処理の上に広域処理の処分、処理をしていかなきゃいけないわけですから、本当に大変な苦労があると思うんですね。  何か財政的な面を含めて、自治体が受け入れやすい環境を整備するということも必要だと思うんですが、何か検討されていることがありますか。
  45. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) この広域処理を進めていく上で、これまでも国が実質的に処理費用を全額負担するなどということはやってまいりました。しかし、それに加えまして、今般、広域処理を行う自治体に追加的な支援といたしまして、地域住民の方々への安心確保のため、住民説明会などに要する費用を補助対象に追加する、そして補助の対象となる放射線の測定費用の拡充、また、受入れ自治体が希望する場合には国が直接放射線測定をするなどといったことをまず追加をいたしました。  また、既存施設において災害廃棄物受入れを行っていただく場合に、今後、処理単価に既存施設の減価償却分も含めて、既存処理施設における受入れ量に見合った建設コストの回収を可能とするような支援策も講ずることといたしました。  更に加えまして、受入れ自治体の最終処分場への支援といたしまして、災害廃棄物を埋め立てたことにより減少した処分場の容量に対応するため、それに見合った最終処分場の建設が必要となることに対する支援措置の具体化を今推進しているところでございます。  この広域処理は極めて重要な課題でありますので、受け入れていただく自治体に対しましては、こういった支援措置を通じて御理解を求めていこうというふうに考えております。
  46. 中川雅治

    ○中川雅治君 ありがとうございました。  そういう方向で、また更に何か支援ができないかどうか、引き続き御検討いただきたいと思います。  それで、広域処理を拒否する住民の姿、これは、三・一一の東日本大震災発災直後の国民の救援物資を運ぶ姿とか、あるいは避難所でのお互いに助け合う姿、また、悲しみや苦しみを乗り越えて復興に立ち向かう被災地の方々の姿、これはやっぱり日本人というのは、地域のきずなといいますか、あるいは家族のきずなというものが非常に深いということを世界各国は改めて驚きの声を上げ、そういう報道もたくさんありました。しかし、今回の瓦れき処理受入れ拒否の姿を見て、あのきずなというのは何だったんだろうかと、こういう逆の驚きの声が上がっておりまして、そういう報道も世界でなされているという状況であります。  私が思いますのに、日本人は地域のきずな、家族のきずな、確かにこれは深い。そしてその大切さを再認識したと思うんですが、国家のきずなというものが弱いんじゃないかと。これは今、周辺諸国が日本の領土を狙っていると言っても過言ではない状況の中で、やはり日本人は、自分たちの国は自分たちで守るんだという、そういう気概といいますか、あるいは日本人全体のきずなというものが弱いということも言われているわけであります。  この広域処理瓦れき受入れを拒否する姿というのは地域エゴと言ってもいいわけでありまして、やっぱり日本全体、日本の国家のきずなですね、日本人社会、国という全体を再生しなきゃならない、日本という国全体を復活させる、そういうお互いの意識が非常に弱いんじゃないかというふうに思います。  これは、民主党政権が地域主権改革といって、さっき申し上げましたが、広域連合への丸ごと移管とか、いろいろそのほか決算委員会でも質問をさせていただきましたが、一括交付金を推進したり、とにかく地域主権、地域主権といって地域エゴと紙一重のような改革を進めているということも国民の意識に影を落としていると言ってもいいと思うんですね。  やっぱり大切なことは、国家を守るんだ、国全体を再生していこうという日本人全体のきずなを深める、そういう方向の施策をしていかなければいけないと思うんですが、細野大臣、いかがでしょうか。
  47. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私も報道で、日本のきずなは薄れたというような方向での報道が海外でなされているというのを実際に見まして、これは本当に何とか国全体でやっていかなきゃならないなという思いを強くしたところでございます。  ただ、中川委員、恐らく、仮に今自民党政権であっても、必ず反対をする方というのはいると思うんです。これは、こういう事態ですから心配される方というのはどうしても出てくるわけですね。そういう方には我々はできるだけ丁寧に説明を続けていく、これがもう義務だというふうに思っています。あとは、やはり何としてもこれできるだけ早く処理をしなければならないわけですから、政治の役割だと思っておるんですね。これまで環境省努力をしてまいりましたけれども、結果が出ていないことについては非常に大きな責任を感じております。  あとは、ここから、賛成の方がもう六割、七割、調査によっては八割近くになっていますから、もうこれだけの皆さん思いを寄せていただけているということ自体は、私は逆に日本のきずなはまだ廃れていないと思っておるんです。あとは、心配をされている二割とか三割の方には丁寧に説明をしながら、我々政治家がちゃんと責任を持ってやり切る。  政治家の意味合いというのは、決して国会議員だけではなくて、地方の首長さんも私は政治家だと思うんです。そういった方々にも是非日本全体でという思いを共有していただいて、前に進んでいただけるような環境をつくることでこういう事態を乗り越える、本当の意味で日本のきずなというのがまだしっかりと生きているということを世界に示す必要があるのではないかというふうに感じておるところでございます。
  48. 中川雅治

    ○中川雅治君 大変立派な答弁をいただいたと思うんですが、日本人の国家としてのきずなを弱める弱める、そういう方向の施策を取ろうとしている民主党政権ですから、是非細野大臣、先頭に立ってストップしていただきたいと思います。  じゃ、次に、エネルギー問題と温暖化対策についてお聞きしたいと思うんですが、時間もだんだんなくなってきましたので、まず、原発は定期検査で間もなく全基停止してしまう、そして、再稼働につきましても事業者自身のストレステスト、保安院、安全委員会のチェック、地元の同意と、こうハードルがありまして、それを乗り越えて最後は政治決断ということになるわけですが、今年の夏には全部止まる可能性もあります。そのことについてお聞きしていきたいと思います。  再稼働があっても電力の供給は厳しいものになることは間違いないわけでありまして、本当に今年の夏は大変なことになると思うんですね。しかも、原発停止によって東京電力が四月から企業向け電気料金を引き上げるとのことであります。これも契約期間中でも何か上げられるような誤解があるということで、その辺の説明が丁寧でなかったということで経産大臣の御注意もあったように聞いておりますけれども、いずれにしても企業向けはもう上がっていくと。他の電力会社もいずれ値上げするでしょう。  さらに、家庭向け電気料金についても値上げ申請の動きがあります。認可はいつごろになるのか。そして、今後は電力会社が調達する燃料の価格が上がった場合だけでなく、原発が長期停止して燃料の調達が大幅に増えた場合でも電気料金に反映しやすくする制度を導入する方向が出ているというふうに報道が出ておりました。  そういうことになりますと、この夏はもう電気料金は上がるわ節電を迫られるわということで、大企業だけでなくて中小企業、特に電力をたくさん使う中小企業は今から大変な危機意識を持っております。もう少し具体的にどうなるのか説明していただかないと、なかなか中小企業も夏に向けての対策が取れない。  この電気料金の値上げの問題、節電の問題というのはもう既にこの国会で衆参何度も質問が出ておりますが、強制的な電力使用制限令に至らなくても相当な自主的な節電のお願いで乗り切れる可能性がある、できればそういった見通しが具体的に立てられるように今最大限の努力をしていると、こういった答弁しか出ていないんでありますね。もうちょっと具体的な方向を、この委員会で経産省の方からお示しいただけないものでしょうか。
  49. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) まず、料金でございます。東京電力は、燃料費、それから他社から購入します電力の購入費が増えたことに伴いまして、この四月以降、平均一七%の自由化分野での値上げをする方針を出しております。  これは自由化分野で、あくまで相対の交渉で決定されるものでありますが、それをわきまえた上で、先日、枝野大臣から西澤社長に、中小企業の需要家が利用しやすい料金メニューを工夫するように求めております。  これを踏まえまして、東京電力は、自由化部門の中の小口需要家、比較的小口の方、具体的には五十キロワットから五百キロワットの方でありますが、この需要家に対する三種類の料金割引プランを三月五日に公表をしております。  それから、規制分野、つまり家庭などの規制料金については、現時点では値上げの認可申請は出されておりませんが、仮に認可申請があった場合には厳格に審査をしてまいります。  それから、東京電力以外の電力会社でございますが、やはり同様に、原子力発電所の停止に伴って燃料費の増加が収支を圧迫していることは事実でございます。これは各社が経営の効率化の努力をいたしますとともに、過去に石油価格が値下がりしたり円高差益があったときに生じた利益を積み立てた積立金がございまして、これを取り崩して現在対応しております。東京電力以外の各社においては、自由化部門も含めて、現時点で具体的な料金値上げの意向を表明している会社はないと承知をしております。  ちなみに、東京電力は同様の積立金があったのでございますけれども、中越沖地震のときに柏崎刈羽が止まりまして、そのときに全部積立金は使い切っていたという事情がございます。  それから、電力の需給、この夏の見通しでございますが、この夏の具体的な対策につきましては、電力需給、需要と供給の見通しについてしっかりとレビューを行った上で取りまとめを行いたいと考えております。生産活動ですとか国民生活への影響が極力出ないようにきめ細かな対策をお示ししたいと考えておりまして、そのため、実はあしたまで関西電力の一〇%の節電期間でございますが、この冬の節電実績がどうだったかということをきっちりと検証したいと思っております。  それから、供給面につきましても、各電力会社が行っております供給力が一体どこまで積み上がるのか、それから自家発電につきまして、自家発電をどんどん増やして、最大限増やしていただいて売電をいただくように、自家発電の補助金を第三次補正で措置をいただいておりまして、これの公募も今やっております。この辺りでどれぐらい供給量が積み増せるのか、この辺りも踏まえた上で、需要と供給をきっちりと精査をした上で、極力御負担のないような対策を示したいと考えております。  もちろん、決定の公表の時期について、早ければ早いほど不確定でありますが、逆に遅ければ遅いほど対応が苦しくなるという兼ね合いがございますので、バランスを見ながら適切に判断を申し上げたいと思っております。
  50. 中川雅治

    ○中川雅治君 ちょっと時間がなくなりましたので、最後に一言。  先ほど小見山議員も質問されておりましたが、環境省外局原子力規制庁設置することに対しまして、三条委員会を主張する方がこれはいろんなところでいるわけでございますけれども、一言だけ。  三条委員会を主張する方は、この三条委員会形式でないとIAEA安全基準違反だというのが一つの主な論拠になっているようなんですね。この点について細野大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  51. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) IAEAの国際基準というのがございますけれども、そこにはこのように書かれております。安全関連の意思決定において規制機関が実効的に独立していること、また、不当な影響を及ぼす可能性のある組織と機能面で分離されていること、この二つでございます。したがいまして、三条委員会というのをここで、この基準が求めているというふうには考えておりません。  いろんな御意見があったものですから、先日、三月の六日に、IAEAの調査団で五月から六月にかけまして我が国に来られていました英国のウェイトマン博士、この方、団長をやられた方なんですが、この方とも話をいたしました。IAEAの報告書にもこの独立性について書いてあるんですが、そこはしっかりと連携をできることも大事だというふうに書かれておったものですから、やはりしっかり議論した方がいいだろうと思いまして、かなり時間を掛けて説明をした上で御見解を伺いました。  ウェイトマン博士からは、日本の規制機関についての提案は原子力推進機関や不当な政治的な影響からの構造的な独立性を確保しているという言及がございまして、これはIAEAの調査団の団長の言葉でございますので、IAEA自身のこの基準にも適応しているということを明確に明言をされたものというふうに受け取っております。
  52. 中川雅治

    ○中川雅治君 ありがとうございました。  これで終わります。
  53. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  私は今日、皆さんのお手元に四枚の新聞記事を配付をさせていただいております。  これは東京新聞記事でありますけれども、保安院が反対、それで安全委員会が断念ということが書かれております。二〇〇六年の議論の関係ですね。原発防災区域拡大の関係についての議論があったようでありますし、二枚目、防災強化反対、中立性に反する保安院、安全委員会に対して高圧的態度と、こういうふうな見出しが書かれております。三枚目は、保安院長自ら圧力、安全委員会に寝た子を起こすなと、こういう見出しが出ています。最後は、安全守る立場なのにと、防災強化反対の圧力を広瀬元保安院長がやったというふうに表現されております。院長自身は記憶にない、覚えていないというふうにも報道されておりますが、非常にこの問題が本当だと私は考えておりますが、事実確認をしたいと思います。  IAEAは二〇〇五年に、重大事故時に原発の近くでは住民が直ちに避難する予防防護措置区域、PAZですけれども、その外側に重点的に対策を取る緊急防護措置区域、UPZを新設する案を加盟国に提示したと。もちろん日本も提示されております。これを受けて原子力安委員会は二〇〇六年の三月に作業部会を設け、原発から半径八キロメートルから十キロメートル圏の防災対策重点区域の拡大の検討を始めたと。まあ当然の動きだと思っております。  しかし、圧力があったというのが今の新聞の記事であります。経済産業省原子力安全・保安院の元院長二人を含めた多数が圧力を加えたとされているわけでありますけれども、そういう観点を考えますと、やはり当事者が来ていただいた方がいいということで、私は、審議を進めるために参考人として、二〇〇六年の当事者であります原子力安全・保安院の元院長、これは三代目の広瀬研吉氏と、同様に五代目の寺坂信昭氏、この両人を出席要求いたしました。両人は現在経産省の大臣官房特別顧問でもあります。これは、与党民主党はこの要求を拒否いたしました。根拠薄弱な理由の下で拒否したわけですよね。  この参考人要求は、先ほども議論がありましたように、原子力規制庁法案にも直接関係するものでありまして、すなわち一つには、果たして政治からの独立性等が確保できるかどうか、特に人事の面であります。二つ目には、このような圧力によって政策、指針の見直しが曲げられたと。今後このようなことが決してあってはいけない、いかに合理的な仕組みをつくることができるのか、ここにかかわるものであります。  与党民主党の対応は、そういった意味では逆流するものではなかろうかと私は判断せざるを得ないわけでありますけれども原子力規制庁法案に関係する審議について与党民主党が積極的でないかのような対応については、私は担当大臣に御同情を申し上げます。このような誠意が余り見られないようなことであるがゆえに、審議入りすることを難しくしている状況一つではないかと改めて思った次第であります。改めて参考人要求を拒否したことに強く抗議しておきます。  それでは、事実の確認に入ります。  それで、これ安全委員会の方にお願いしたいんですけれども、経産省の安全・保安院が文書、Eメールを通じて検討の中止要求圧力、これは何の検討かといいますと、防災対策重点区域の拡大ということですね、特に。そういう中止要求圧力を安全委員会に対してなされたと、安全委員会が受けたということでありますけれども、ここを安全委員会の方、ちょっと確認したいと思います。よろしくお願いします。
  54. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) お答えいたします。  平成十八年に原子力安委員会の専門部会におきまして原子力施設の防災対策についての見直しに関する検討を行いました。そのとき、同年四月から五月にかけまして、原子力安全・保安院より原子力安委員会に対して、IAEAの考え方を導入した新たな原子力防災指針の検討を行うことは、社会的混乱を惹起し、原子力安全に対する国民不安を増大するおそれがあるため、検討を凍結していただきたい、あるいは、我が国の防災対策の現状に特に問題点が見出されない状況のため、我が国の防災指針を見直すべきではないとの考えであるなどの意見が出されたと承知しております。
  55. 加藤修一

    ○加藤修一君 検討を凍結せよと言ったんですね、改めて確認しますけれども。    〔政府参考人都筑秀明君「そのように聞いております」と述ぶ〕
  56. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 挙手の上、指名の上に発言してください。
  57. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) はい。  そのように聞いてございます。
  58. 加藤修一

    ○加藤修一君 それじゃ、関係の資料とか文書、Eメール等の提出を求めたいと思いますが、その辺はどうですか。
  59. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 本件につきましては、経緯も含めて原子力安委員会のホームページに既に載せてございます。必要があればお渡しすることは可能でございます。
  60. 加藤修一

    ○加藤修一君 よろしくお願いいたします。  それから、原子力安委員会は、この種の内部資料、今回内部資料を公開したという話でありますけれども、内部資料で公になっていないこと、ほかにあるならば全面的に情報開示を行うべきだと考えておりますけれども、この辺はどうですか。
  61. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) そのように努力してまいりたいと考えております。
  62. 加藤修一

    ○加藤修一君 努力するというのは、まだそういう関係の情報、資料というのがあるという理解でよろしいですか。
  63. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 現在、本件につきましては全て出させていただいております。
  64. 加藤修一

    ○加藤修一君 一切このほかには、我々国会議員を含めて国民の皆さんが知る立場に当然あるわけでありますけれども、そういうものについては一切ないと、そういう理解でよろしいですか。
  65. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 本件に係る文書につきましては、今回全て出させていただいているところでございます。
  66. 加藤修一

    ○加藤修一君 私の質問は、本件にかかわらず、ほかに国民の皆さんに周知徹底あるいは知っていただかなければいけない問題等々、あるいは今後、原子力規制庁の法案の関係含めて、これは日本の統治機構を変える話でありますから、非常に大事な関係だと思っているんですね。それにかかわるような内部資料については是非提出をお願いしたいと、そういう趣旨です。
  67. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) そのようにさせていただきたいと思います。
  68. 加藤修一

    ○加藤修一君 努力させていただきたいという話ですか。(発言する者あり)そのようにさせていただきたいということですか。  じゃ、それは、あえて確認しますけれども、あるのかないのかということは、あるという理解でよろしいんですね。
  69. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 資料は、内部資料といいますか、そういったところは精査をしていかなければいけないと思いますけれども、情報公開に必要なものは出していく所存でございます。
  70. 加藤修一

    ○加藤修一君 情報公開はともかくとして、いずれにしても精査をして是非提出をしていただきたいと思っておりますので、強く要求しておきます。  それで、深野原子力安全・保安院長、現職、現在の院長でありますけれども、これ、久住原子力安委員会委員の発言とか、あるいは今話が出ました内部資料によれば、要するに、経産省の原子力安全・保安院長、トップですよ、内閣府の原子力安委員会に対して、寝た子を起こすなと自ら直接圧力を掛けたとあるわけでありますけれども、これは事実なんですか。どうなんでしょう。
  71. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) まず、当時の状況を御説明させていただきますと、このときに原子力安委員会の方でPAZの導入も含めた指針の見直し作業というのを行っておられたということでございます。それに関連いたしまして原子力安全・保安院の方から累次にわたりまして文書でこの点についての意見を申し述べていたというのは、これは事実でございますし、その文書の中にPAZの導入について凍結すべきであるといった趣旨のことがあったことも事実でございます。そして、この文書以外のいろんなやり取りの中で、伝えられておりますように、昼食会のような、こういう非公式な場でも接触があったこともこれ事実のようでございます。  ただ、そのときに具体的にどういう発言をしたのかということにつきましては、こういったことについての検討は慎重にすべきだということは、そういう趣旨のことは言っておったということでございますけれども、具体的にどういう言い方をしたかといったことについては当事者も詳細には記憶をしていないということでございます。
  72. 加藤修一

    ○加藤修一君 どういう発言をしたかどうか、それはつまびらかに分からないという趣旨の発言だと思うんですね、答弁だと思う。ですから、私は当事者に来てほしいというふうに言ったんです。ですから、二人の参考人ということについては、これはこういう関係の審議というのはやってごく当たり前だと思うんですね、今回の規制庁の法案も出てきている話でありますから。  それと、原子力安全・保安院の行動規範には、強い使命感、科学的、合理的な判断、中立性、公正性、透明性をうたっているわけですけれども、これは、元院長のそういう行動というのは全くこの行動規範に反するんじゃないですか。深野院長はどう判断していますか。
  73. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) 本件の対応につきましては、私は大変に問題があったというふうに考えております。  当時の保安院、今から振り返ってみますと、一つにはこういった、例えば今回の検討の背景にはIAEAの基準の見直し作業というのがあったんでございますが、そういった国際的な動向を迅速に取り入れていく、そういった点に欠けるところがあったというふうに感じておりまして、やはり保安院全体、内向き過ぎたんじゃないかということがございます。  それから、今回のような非常に短時間に事態が進展してしまう、そして過酷事象に至る、そういったことについての思いも至っていなかったということでございまして、そういった点では、科学的な探求といいますか、そういうことが不足していた、そういったこともあると思っておりまして、そういったことを踏まえて考えますと、今回のこの対応につきましては、今から考えると問題があったというふうに私は考えております。
  74. 加藤修一

    ○加藤修一君 何か問題なかった人も過去にいるようでありますけれども、そういうふうに考えている人をやはりここの委員会に呼んでしっかりと審議すべきだと私は考えております。  改めてまた要求しておきます。委員長に要求しておきますけれども、二人の参考人を是非次の委員会で呼ぶようにしていただきたいと思いますので、お願いいたします。
  75. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまの件につきましては、後刻改めて理事会で協議をいたします。
  76. 加藤修一

    ○加藤修一君 それで、原子力安委員会の課長にお願いしますけれども、結局、原子力安委員会は原発事故に備えた防災重点区域の拡大という強化策、この検討を最終的に断念したというふうに書かれておりますけれども、これは圧力に屈した、いかなる妨害があったか、より具体的な内容をあなた自身はどのようにとらえていますか。
  77. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 平成十八年の当時におきましては、防災行政に責任を有する原子力安全・保安院の御理解が得られなかったということで、当時は平成十九年にPAZの有効性についての記述を追加をしたということでございます。しかしながら、原子力安委員会におきましては、その後も平成二十一年度にPAZに関する委託調査を行うなど、その後の検討を進めております。そして、一昨年の平成二十二年の十二月に「原子力安委員会の当面の施策の基本方針について」という文書をまとめておりますが、その中でPAZの導入を含めた防災指針の見直しということを掲げてございます。  そういったやさきに今般の事故が起こりまして、その後、昨年の六月に原子力防災指針の見直しの開始を行いまして、今般、三月の九日に防災指針検討ワーキンググループにおきまして、PAZそれからUPZ、PAZについては五キロメートル、それからUPZについては三十キロメートルという中間取りまとめを取りまとめたところでございます。
  78. 加藤修一

    ○加藤修一君 これは昼食会という話になっておりますけれども、参加メンバーはどなたになるんですか、安全委員会の。
  79. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 済みません、詳細は承知しておりませんが、原子力安委員会委員の全員と、それから保安院の幹部と聞いてございます。
  80. 加藤修一

    ○加藤修一君 深野院長、どうとらえていますか。
  81. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) ちょっと具体的にどこまで出ていたかというのは、私も今手元にございませんのであれですけれども、当時の院長、そして当時の次長、それから関連する審議官等は出ていたんじゃないかと思います。
  82. 加藤修一

    ○加藤修一君 当日の参加メンバーのリストを提出してください。お願いします。よろしいですか。
  83. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) そのようにさせていただきます。
  84. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ誰が呼びかけたんですか。
  85. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) どちらが呼びかけ人になって始まったのかというのは、これもちょっと今ございませんので、ちょっと調べさせていただきたいと思います。
  86. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ、先ほど安全委員会の方からは、今般取りまとめができたという話がありました。これ、圧力がなかったならばもっと早くできていたことだと私は理解しておりますけれども、この防災指針の改定、すなわち原発防災重点区域検討を、圧力がなければ進めていたと思われるんですね。これ、今回の原子力事故災害による避難をより円滑にできたことも想定し得ると、もしちゃんとやっていたならばですね、あるいは被害を軽減するようにできたかもしれない、そういうことが想定、当然されるわけでありますけれども、これは原子力安委員会の専門部会の主査である本間さんですか、日本原子力研究開発機構センター長は、文書による圧力などの実態にあきれ返っている、円滑な住民の避難ができたのではないかと嘆息していると。これ院長、どう思いますか。
  87. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) 今回の事故におきまして、緊急事態宣言が発令されましたのが十九時ぐらいでございます。実際に避難に入りましたのが、二十一時二十分過ぎにこの原子力発電所、第一原子力発電所から半径三キロ圏内の住民に対する避難指示ということでございましたので、この間に二時間あったわけでございます。  今のPAZという制度は、もし今回の十五条のようなことがあれば直ちに避難に入るということで、そこはほとんど自動的に避難をするという考え方でございますので、これがもしうまく機能していれば、この時間が短縮された可能性はあると思っております。
  88. 加藤修一

    ○加藤修一君 そういう意味では、拡大区域がある場合、ウィズプロジェクトとかウィズアウトプロジェクトと言いますよね。だから、拡大区域がある場合と、ウィズアウト、つまり、ない場合について比較分析をするということが大事だと思うんですね。日本の今回の大事故の関係については世界が注目している話ですから、そういう検証的な比較分析を是非私はすべきだと考えておりますけれども、院長はどういうお考えですか。
  89. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) いずれにしても、今回の事故の中で反省すべき点は多々あるわけでございまして、一つには、事前のこういう事故に対する備えができていなかったと。そして、事後の対応についても円滑を欠いて、いろんな指揮命令系統も一部に混乱が見られたということでございまして、こういったこと全体を反省した上で新しい防災体制を組み立てていかなければいけないということでございます。そういった中で、今御指摘いただいた点についてもよく考えてみたいと思います。
  90. 加藤修一

    ○加藤修一君 報道によると、広瀬元院長は原発の安全神話を語っていたということなんですけれども、これは現院長、そういう認識をお持ちですか。
  91. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) ちょっと、広瀬院長が院長在任していた間にどういう発言をしていたかということについては詳細を承知しておりませんけれども、今回のこの事故対応では大変貢献をされた方でございまして、例えば、今回の事故の中でのいろんな教訓をIAEAに対するレポートとしてまとめる、そういった作業もかなり実務的にやっていただきましたし、いろんな形で過去の知見を貸していただいたという、そういう方でございまして、決して安全神話を語っていたというふうに私は感じてはおりません。
  92. 加藤修一

    ○加藤修一君 当人がいないとなかなか質問がしづらいんですけれども。  それで、原子力安委員会の方に確認ですけれども、この二枚目の新聞記事ですね、右下の一番下の列に、結果的に遅れたことを反省しなければならないというふうに書いてあるんですよね。この遅れたというのは、二〇〇六年から今年まで遅れたということに私は理解していますけれども、そういう意味ではほぼ六年遅れたということになりますね。
  93. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) 二〇〇六年以降、検討が遅れたというふうに考えております。
  94. 加藤修一

    ○加藤修一君 最後の記事の方ですけれども、ここに安全委員会の、一番下の行ですね、安全委員会職員の人事権を握っているのは出向元の経産省と文部科学省。安全委員会が何かをしようと思っても、意に沿わなければ、人事権をちらつかせて省側が止めようと思えば止められる構造になっていたと問題の背景を語ったと、こういうふうに報道されています。  さらに、最後の方ですけれども、人事権の問題を克服し、独立性を担保しなければ、六年前と同じことが再び繰り返されるおそれがあると、このように報道はされておりますけれども、これはそういうふうにお話しした内容なんですか、事実なんですか、どうでしょう。
  95. 都筑秀明

    政府参考人(都筑秀明君) お答えいたします。  原子力安委員会の事務局職員のほとんどは、文部科学省経済産業省などの出向者から構成をされております。原子力安委員会事務局に長期間在職するわけではなく、定期的な人事異動で出向元に戻ることが通例となっております。  このような状況の中で原子力安委員会事務局職員が出向元の意に反する活動を行うということは、戻った際に人事上の不利益な扱いを招くのではないかと考えてしまう可能性があると思われます。また、仮に実効的な人事権を有する幹部などから要請を受けた場合には、それを断ることは大変難しい場合があるのではないかと考えます。基本的には、国家公務員は出向先でも与えられた職責を果たすことが第一であるというふうに考えておりますけれども、人事権を含めた規制機関独立性の確保が重要であると考えております。こういった趣旨のことを新聞社にお伝えをいたしました。
  96. 加藤修一

    ○加藤修一君 じゃ、まさに報道になされているようなことなんですね。そういう意味では、人事の関係を含めて、大臣に、時間がないからもう答弁を求めませんが、そういう意味では、非常に政府からの独立性の関係については極めて厳しい状況にあると私は判断せざるを得ないというふうに申し上げたいと思います。  ただ、この問題というのは非常に大事な問題ですから、先ほど三条委員会の話もありました。いずれにしても、統治組織を大きく変える話でありますので、今後深い議論、長い議論をせざるを得ないと、そういうふうに考えておりますので、本委員会にかかった場合については相当時間を取ってやるべきだと、このように主張して、私の質問を終わります。
  97. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  98. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政基本施策に関する件及び公害等調整委員会業務等に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  99. 水野賢一

    ○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  まず、大きな問題になっている東日本大震災による津波などを中心とする震災廃棄物といいましょうか、瓦れき処理の問題、この問題について伺いますけれども環境省がパンフレットを出していますね。この「津波被害による岩手県・宮城県の災害廃棄物の受け入れについて」というパンフレットですけれども皆様方のところにもお手元にその表紙だけ資料としてお配りをさせていただいていますが、これ、政府参考人で結構ですけど、何部ぐらいお作りになられたんですか。
  100. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のパンフレットにつきましては、第一版から第三版まで合計十四万部これまでに作成しているところでございます。
  101. 水野賢一

    ○水野賢一君 活用方法というのは、どういうふうに活用されたんでしょうか。
  102. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 昨年十二月にパンフレットが完成した際に全国の地方自治体に送付し、説明会の場などを通じた周知をお願いしているところでございます。その後も要望があれば追加で送付をしております。加えて、関係団体への送付や各種会議、イベントの場などを通じ、広く一般の方にも配布しており、これまで約十万部を配布済みでございます。  このように、災害廃棄物広域処理必要性安全性を周知し、広域処理への理解を深めていただくためにこのパンフレットを活用しているところでございます。
  103. 水野賢一

    ○水野賢一君 広域処理必要性理解してもらうということ自体はそれを否定するものでも何でもないんですけれども、これ中身を見ますと、岩手県は十一年分の災害廃棄物が発生している、宮城県は十九年分が発生しているというふうにありますよね。普通に思うのは、これは福島県のことは書いてないんですけれども、福島県はよろしいんでしょうか。大臣、どうなんですか。
  104. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私も、福島は原発の問題がありますからしばしば訪れておりますので、これに福島県を入れることができないというのは本当に福島の皆さんに申し訳ないという思いを持っております。  ただ、そこはやはり放射性物質の拡散の問題がありますので、県内で処理をさせていただきたい。そして、大量に発生をしている岩手県、宮城県のものに限って広域処理をということを申し上げなければ、逆に受け止める側が放射性物質の問題について心配をされて進まないということがありましたので、明確にここで書かせていただいたというところであります。  ただ、新聞広告などを入れるときは、そこは最大限のやはり配慮が必要ではないかというふうに思いましたものですから、福島県は外して、そのほかの被災地以外のところで新聞広告を打つなど、福島の皆さんに対する配慮はできる限りしていかなければならないというふうに思っているところでございます。
  105. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、今大臣の御答弁にもあったように、福島県には当然福島第一原発事故があるわけですから、その多くの津波に襲われた地域の廃棄物というのが放射能汚染をされているという可能性は非常に高い、これは分かりますよ。  しかし、これ、県で区別をするといっても、放射性物質というのは基本的に県を越えて拡散するわけですから、ですから、例えばチェルノブイリ原発だって、当時の、ソ連時代の事故とはいえ、これは今でいうウクライナ共和国の中にあるわけですよね。しかし、その被害というのは、ウクライナ共和国だけでなくてベラルーシでもかなり大きい被害があるという実態がありますよね。そういう、当然拡散して県境関係ないわけですから、そう考えると、逆に福島県でも例えば会津若松の方とかそちらの方はさほど被害がないという問題がある中で、県で、岩手県、宮城県という形で頼むというのがどれだけ妥当性があるのかというのは、私はちょっと疑問に思うんですが、要するに、放射性物質を帯びている、放射能を帯びているから、それはさすがにいろんな地域に受入れを求めるといったって無理だよねと、ここまでは分かりますよ。それならば、例えば何ベクレル未満のものは受け入れてくださいとか、何ベクレル未満の方が、これは安全なんだからそれは広域処理頼みますよというのは、それだったら科学的だけれども、県で、宮城県と岩手県は受け入れてください、福島県は県内処理しますというのは余り科学的な根拠がないような気がしますけれども、いかがですか。
  106. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは確かに非常に悩ましいところなんですが、やはりできる限り分かりやすく受入れをしていただきやすいようにということで、表紙ではこういう形で書かせていただいております。ただ、中を見ていただきますと、灰にして八千ベクレル以下と。すなわち、廃棄物そのものでいうと二百四十から四百八十以下という形で提示をさせていただいております。  ですから、実際にはそれよりはるかに低い濃度のものばかりなんですけれども、そこを数字として基準は作らせていただいて、それ以下のものについて宮城県、岩手県内のものを受け入れていただいているというのが、これがこれまでの経緯でございます。  確かに福島県内も、浜通りと比較をすると中通り、さらには会津ということでレベルは低くなってくるわけですけれども、現実問題としては、福島県内で瓦れきが大量に発生をしているのは浜通りでございまして、中通りは地震で一部ありますけれども、会津については瓦れきはほとんど出ていないという状況でございます。  したがいまして、それなりにこの廃棄物放射性物質の量とそのエリアというのが比較的符合するということも含めて、表紙ではこういう宮城、岩手という形で書かせていただいているということでございます。
  107. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、ちょっとデリカシーにやっぱり欠けると思うんですよね。この表紙を見ると、「東北の一日も早い復興のために」というふうに言っていて、まさに大きい問題である福島県のことは外してこの岩手県、宮城県の話だけしても、もちろん岩手、宮城の状況も深刻だと思いますよ。しかし、これ福島県のことはあえて外して、中央省庁である環境省が、若しくは大臣が岩手と宮城だけを特別に頼むというような形というのは、やっぱり福島の方々からすればそれはデリカシーに欠ける、しかもさっき申し上げたように、放射能レベルでいうんであれば科学的根拠はあるかもしれないけれども。  それで、今大臣お話のように、中には確かに二百四十から四百八十ベクレル、キログラム当たり以下のものを頼むというふうに言っているわけですよね。いや、それならば、県を限定せずに、どこの県であろうと二百四十から四百八十ベクレル、キログラム当たりというので頼んだって結局同じことなわけですよ。その結果として福島県のものはそれを超えちゃっているものが多いよねという、これはあり得ると思いますよ。だから、それは、それを超えているから対象外と、結果としてはそうだということはあり得るでしょうけれども最初から県をこうやって限定するということ自体が、もう福島イコール汚染地域みたいな、ほかの地域は大丈夫みたいな、何か風評被害というか、そういうものにつながる危険性というか、可能性というか、そう考えませんか。
  108. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは随分悩んだんです。悩んだ中で、このパンフレットは引き受ける側の皆さんにどうやったら納得をしていただけるかということに焦点を絞って作らせていただいたという経緯なんです。  ですから、こういった形で宮城、岩手については広域処理お願いをして、国がしっかりと対応するということでございますが、それ以上に、福島県内のものは国の責任が重うございます。したがって、今、浜通りを中心に仮設の焼却施設を直接国が造らせていただきたいということで地元の御了解をいただきたいと。さらには、最終処分場についても国が直接やります。これはまた違う意味で国の関与が非常に大事になってきているということでございますので、この二県のものとはまた違う形で福島に対する責任を果たしてまいりたいと思っております。  もう一つ付け加えさせていただきますと、二千二百万トンという数字を言っておりますが、これには福島は入っております。宮城県と岩手県と比べると、福島は更に処理が遅れております、それは警戒区域があるからなんですが。これを取り除いた方がいいのではないかという意見もあったんですが、それは国の責任なので、被災三県ということで二千二百万トンと書かせていただいているんです。  ですから、逃げずにそこはしっかりと国が責任を果たす中で、広域処理ということのみに関して言うと、宮城県、岩手県のものに限定をさせていただきたいということで、是非理解を賜りたいというふうに思っております。
  109. 水野賢一

    ○水野賢一君 いみじくも今大臣がおっしゃられたように、これ広域処理受入れ手に向けてのものなわけですから、だからそういうふうにしたということなんでしょうけれども、やっぱりまさにデリカシーというか、被災を受けた福島県の立場というものも配慮したような形で、つまり広域処理は大切なことなんですから、それはそれでそのこと自体に異論を唱えているわけでもないし、大臣努力されていらっしゃることも十分に理解した上で、しかし、大切なことだからこそ丁寧にそういう心情にもおもんぱかりながらやっていただきたいということをお願いを申し上げたいと思いますが。  次の、その話にも関係いたしますけれども、実は、津波の被害というのは、つまり震災廃棄物が出たところというのは、宮城、岩手若しくは福島のみならず、例えば青森県とか、関東地方でも茨城県とか千葉県とかもありますよね。  ちょっとまず、じゃ、廃リ部長に伺いますけれども、例えば千葉県、私も千葉県選出ですけれども、旭市なんというのは非常に大きい津波被害を受けたんですね。旭市だけで十名以上の方が亡くなってもいるわけですが、この旭市なんかの場合も当然震災廃棄物出ているでしょうけど、これどのぐらいの、年数にしてですよ、何年分ぐらいのが出ていますか。
  110. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 旭市につきましては、四・二年分の災害廃棄物が発生したというふうに承知しております。
  111. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、誰でも結構なんですけど、じゃ、政務官、目が合ったのでお伺いしますけど、政務官に伺いますが、これ災害廃棄物って、つまり災害廃棄物、震災廃棄物って、別に元々廃棄物処理法に入っているわけじゃ、そういう言葉があるわけじゃないわけですから、廃棄物処理法は産廃と一廃、産業廃棄物一般廃棄物に分かれていますけど、災害廃棄物、震災廃棄物と言われているのというのは、これ産廃ですか、一廃ですか。
  112. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) これは一般廃棄物になります。
  113. 水野賢一

    ○水野賢一君 ということは、一般廃棄物というのは原則的には市町村処理するわけですよね。市町村処理するとなると、これは千葉県全体で見たら、それは十何年分とか、今言った四年分とかということにはならないでしょうけれども、旭市だけにとってみたら四年分の廃棄物が一気に出てきて、それを原則的には旭市が処理をするわけですから、一般廃棄物である以上。  という中で、別に千葉県だけじゃなくて、茨城県でも青森県などでも同じようなことって起こっているでしょうけど、こういう問題については広域処理は要らないんでしょうか。どなたでも結構です。政治レベルで、政務三役。
  114. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 御指摘のとおり、一般廃棄物処理というのは、これは自治事務でございますので、それぞれの市でというのが原則ですけれども、今御指摘の、例えば旭市の場合であれば、千葉県内の既存の産廃施設などを利用することで三年以内の処理ということができる見込みですので、今回、他県へのお願いということをしなかったということで、これは、ちなみにですけれども、福島県も、岩手県、宮城県に比べますと、三年分ということで非常に量は少ないということも背景にはございます。
  115. 水野賢一

    ○水野賢一君 次の話題に移りたいというふうに思いますけれども、ホットスポットと言われるような、いわゆる汚染が問題になっている地域が多くありますよね。これ、じゃ、汚染が問題になっている地域で、よく学校の校庭が汚染されている、若しくは公園が汚染されているというような問題がありますけど、そこの土が汚染されているような場合、除染した場合、除染して取り除いた場合、表面の土を、これは、出てくる土というのは廃棄物に当たるんでしょうか。
  116. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 廃棄物処理法第二条第一項で廃棄物の定義を行っておりまして、そこでは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの」と定義されております。  土砂等につきましては、港湾、河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの、あるいは土砂及び専ら土地造成の目的となる土砂に準ずるものは廃棄物処理法の対象となる廃棄物としては扱ってこなかったということでございます。  また、放射性物質対処特措法の第二条第二項でも廃棄物の定義がされてございますが、ここでは「土壌を除く。」とされているところでございます。  したがって、除染に伴って発生した土についても廃棄物には該当しないということで取り扱ってございます。
  117. 水野賢一

    ○水野賢一君 そういう土の場合、除染に伴って出てきた土は廃棄物じゃないということですが、じゃ、側溝、道路の側溝なんかですね、そこを除染したときに出てくる汚泥なんかの場合は、これはどうなんでしょうか。
  118. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 道路の側溝等の堆積物を除去したものであって、除去したものが土砂としてとらえられるものではなく、総体として泥状を呈しているような場合には廃棄物に該当するというふうに考えております。その際、道路の管理者である自治体等が道路の維持管理業務として側溝から除去した泥状物については、事業活動に伴って生じたものであることから産業廃棄物である汚泥に該当すると、こういうふうになっております。
  119. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、側溝を除染したときに出てくる汚泥、俗に言う汚泥なんかの場合だと、これは産業廃棄物だということですよね。  普通、産業廃棄物というと、工場などから出てくるものを一般的には産業廃棄物というふうにイメージしますけれども、そうするとちょっと俗に言う産廃とは違うような感じもしないでもないけれども、そうすると、こういうのは何か一般廃棄物のような気もしないでもないけれども、これは一般廃棄物と解釈することは難しいんですか。
  120. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 道路の側溝の堆積物を除去したものが廃棄物である場合に、その当該除去物が事業活動であるところの道路の維持管理業務により発生したもの、こういうものである場合には、住民等が日常的に排出する廃棄物とは異なると。したがいまして、産業廃棄物である汚泥に該当するということでございまして、一般廃棄物ととらえることは困難でございます。  一方、こうした事業活動に伴って発生したものではない泥状物、例えば、住民が側溝を清掃した際に発生した泥状物が廃棄物である場合には一般廃棄物に該当すると、こういうことでございます。
  121. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、何でこの質問をするかというと、要は、側溝からの汚泥というのは基本的には産廃だという話ですよね、今の答弁は。そうすると、産廃というのは処理をするときになかなか厳しいわけですよね。これは、一方で理由は当然あるというのは分かっています。私も初当選してから十数年、環境のことにも多少なりとも携わらさせていただいていますけれども、その中でも、今まで産廃を中間処理と称して、ところが、中間処理本当にするんじゃなくて、ただ単に野積みしているような形になっていて、事実上不法投棄されているということが多くあったから、だからこそ、いろいろ廃棄物処理法なんかを再三再四にわたって改正して、最終処分場までちゃんと行方が決まっていないと中間処理はなかなかできないというか、そういうことをマニフェストなんかでしっかり追っていくというような、そうやって厳しくしてきたんですよね。  それはそれで理由があると思っていますけれども、そうすると、ところがこの場合、問題は、そういうホットスポットと言われている市町村などで側溝を清掃しました、汚泥出ましたと。ところが、これは産廃だから、産廃だとすると、最終処分場まで全部決まっていないと中間処理までできないという問題が起こってくる。ところが、最終処分場というのは、誰も、つまり放射性物質を含んでいる以上、最終処分場を受け入れるのが嫌だということでなかなか決まらないわけですよね。そうすると、中間処理さえできないと。  中間処理は普通はした方がいいわけですよね。汚泥のままよりは、水を抜いたりした方が汚水の問題とかそういうことも起きませんから、中間処理ぐらいはせめてした方がいいわけなんだけれども、そうしたこともできないで、そうすると、元々の除染さえなかなか手に付かなくなっちゃう。なぜならば、除染した後出てきた汚泥は、中間処理もできない、どこにも置いておけないみたいな問題になっちゃうということで。  この問題は、千葉県内でもそういう話は、ホットスポットと言われているところは結構ありますが、私も聞くんですが、大臣、ほかの政務三役でもいいですけれども、こういう話って伺うことありますか。
  122. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ここへ来て、自治体からこの側溝の問題が非常に声としてあちこちから出てきているということは承知をしております。  この産廃をそういった形で最終処分までしっかり道筋を付けないと中間的な場所に移せないというのは、先ほど水野委員がおっしゃったような趣旨でできたものでございまして、それ自体は私は適切だというふうに思っております。  ただ、側溝からできるだけ早く取り除いた方がいいし、安定的に保管をした方がいいというのはこの事情を考えれば明らかですので、これは法令の運用方法をしっかり検討して、自治体に任せるのではなくて、環境省として、しっかりとどうやったら動かせるのかということについて方針をできるだけ早く示したいというふうに思っております。
  123. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、私もこれを昔のように逆行させるような形、これは厳しくしてきた経緯は経緯としてあるわけだから、それを否定するわけではないんだけれども、さはさりながら、非常時で、なおかつ側溝にそのまま残っているというのを放置するのがいいわけでもないわけですから、ここは、今大臣もおっしゃられましたけれども、現行の法制度の中でもいろんな運用などで知恵を出していく必要があるというふうに思いますけれども、いま一度どうですか。
  124. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) もう御指摘のとおりだと思います。  これ自体は安易な産廃のそれこそ処理の仕方が非常にいいかげんになされるということを防ぐという意味で必要な制度だというふうに思っておりますが、特に原発の問題があり、そして、側溝の除染というのは、これは今、それこそかなりのエリアで非常に大きな懸念事項となっております。したがって、こういうものであるからこそ、国としてしっかりと方針を出さなければならないというふうに思いますので、できるだけ早く方向性を出したいというふうに思っております。
  125. 水野賢一

    ○水野賢一君 経済産業省側にお伺いしたいと思いますけれども、原発事故の話でありますが、福島第一原発がレベル7ということは、これはもう誰もが知っていることでしょうけれども、福島第二原発もそのときに事故を起こしたわけですよね。これはレベル幾つだったんでしょうか。
  126. 中根康浩

    大臣政務官(中根康浩君) 水野委員にお答えを申し上げます。  原子力安全・保安院は、平成二十三年三月十八日及び八月十二日に福島第二原子力発電所の事故に対して、INES、国際原子力・放射線事象評価尺度の暫定評価を公表しているところでございます。  具体的には、福島第二原子力発電所第一号機、第二号機及び第四号機については、津波により残留熱除去系の海水ポンプが動作不能となり、崩壊熱を海へ輸送することができなくなったため、レベル3と評価し、第三号機については、津波により一部の非常用機器冷却系のポンプが起動できない状態となったが、残留熱除去系は使用可能であったことから、レベル1と評価しているところでございます。  以上です。
  127. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、今レベル3の事故というと、これだって普通でいったら大変なことなわけですよね。片方がレベル7だから、それよりはましだというだけな話であって。  そうした中で、地元福島県も第二原発も廃炉を要望しているわけですけれども、これ、経済産業省としては廃炉についてどう考えますか。
  128. 中根康浩

    大臣政務官(中根康浩君) 第二原発の廃炉についてどのように考えるかという御質問でございますけれども、昨年十二月、福島県が国及び原子力発電事業者に対して、県内の原子力発電所については全てを廃炉にすることを求める旨を示した復興計画を決定、公表していることを承知をしておるところでございます。政府としては、地元の意向は重く受け止める必要があると考えているところでございます。  まずは、東京電力が、立地市町村も含めた地元の様々な意見や経営状況等も総合的に勘案しながら、適切に判断するべきものと考えているところでございます。
  129. 水野賢一

    ○水野賢一君 じゃ、伺いますけれども、今、保安院、四月一日から規制庁になることは絶望的で、まあ私たちはそれで、この原子力規制庁を賛成しておるわけじゃないから、それでいい、いいというか、保安院がいいと言っているわけでもないんですけれどもね。  その保安院は、何かそろそろ終わりそうなのを駆け込みでいろんなものを認可している、例えば大間原発だとか工事計画の変更とか、そういうようなものを駆け込み認可しているという話がありますけれども、何かそういう動きがあるんですか。
  130. 深野弘行

    政府参考人(深野弘行君) 私ども、スケジュールを意識して許認可を行っているということではございません。  大間につきましては、既に一回工事計画認可のあったものにつきまして若干その工事の内容が変更になるということで来たものでございますけれども、そういう形で上がってまいりましたものは、法令上の要件を満たすかどうかということを見て、淡々と処理をしているということでございます。
  131. 水野賢一

    ○水野賢一君 時間ですので最後の質問にいたしますけれども大臣にお伺いをしますけれども。  これ今、原子力規制庁に移っていくとなると、原子力規制庁が必要な許認可等々は行うような形になるわけですが、どうもその前に、今の保安院長答弁は、別に駆け込み認可しているわけじゃないんだという答弁ではありましたけれども、世間的にそう見られている面もある。それが正しいかどうかはまた今後の議論だと思いますが、そういう中で、大臣、この辺も、駆け込み認可と疑われるような話が出ていることに対して、何か感想はありますか。
  132. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 時間を過ぎておりますので、簡潔に御答弁ください。
  133. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 駆け込みでいろんな認可がなされるようなことがあってはこれはならないだろうというふうに思います。  一方で、大間も含めてそうなんですけれども、去年の三・一一より前にいろいろあったものがこの一年間ほぼ空白だったということもあるでしょうから、そこはしっかりと、今現在許認可権を持っている保安院として、駆け込みという形ではない形で行政をしっかりとやっていただきたいというふうに考えております。
  134. 水野賢一

    ○水野賢一君 時間ですので終わりますけれども、これだけの大きい原発事故後に、原則としては新たな許認可は避けるべきではないかというふうに考えていることを申し上げて、私の質問を終わります。
  135. 市田忠義

    ○市田忠義君 今日は水俣病の被害者の救済問題について質問をします。  細野大臣は、二月三日の記者会見で、水俣病被害者救済特措法に基づく申請受付、七月三十一日で締め切ると発表されました。患者団体や現地皆さんから、実情が分かっていない、なぜ幕引きを急ぐのか、切捨てだなどの強い怒りの声が上がっています。  そこで、まず基本的な事柄をお尋ねしますが、特措法による申請受付は二〇一〇年の五月から開始されました。現在までの申請件数の合計は何人でしょうか。
  136. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。  水俣病特措法に基づきます救済措置の申請者数についてのお尋ねでございますが、熊本、鹿児島、新潟各県の集計によりますと、平成二十四年の二月末現在で合計五万一千五百十一人となっております。
  137. 市田忠義

    ○市田忠義君 では、この半年間の月ごとの申請者数の推移をお述べください。
  138. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。  この直近半年間の救済措置申請者数でございますが、平成二十三年の九月が六百四十二人、十月が六百八十四人、十一月が六百九人、十二月が八百四十五人、それから平成二十四年に参りまして、一月が五百二十四人、二月が一千三百五十一人となっております。
  139. 市田忠義

    ○市田忠義君 水俣病が公式確認されてから半世紀以上がたちました。いわゆる公健法で約三千人の水俣病患者が認定をされ、九五年の政治解決では約一万一千人が救済されました。にもかかわらず、特措法に基づく申請が今答弁があったように五万人を超えて、申請者は今も増え続けていると。  大臣にお聞きしますが、こういう実態になっているのはどうしてだとお思いでしょうか。
  140. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 特措法に基づく、あたう限りの救済というのにまだ十分届いていないということを示しているというふうに考えております。  二月が一千三百五十一人ということで、前月よりも倍以上の数字になっておりますことは、これは恐らく期限が七月末だということで、これはいろいろと確かに厳しい御意見もいただいておりますが、そこまでに救済を政府としてかなり大々的に呼びかけました。その効果だというふうに思っております。したがいまして、七月末までにあたう限りの救済というのを実現すべく、最大限の広報に努めてまいりたいと考えております。
  141. 市田忠義

    ○市田忠義君 やっぱり潜在的な被害者がまだまだいっぱいたくさんおられるということを示していると思うんですよ。本来ならもっと早く救済されるべきだったと。  問題の根本には、水俣病公式確認から半世紀以上たっているのに、不知火海沿岸の住民健康調査など、被害の全容解明のための実態調査を実施してこなかったと、ここに原因があるんじゃないですか。大臣、いかがですか。この点はいかがですか。周知徹底したからちょっと増えたと、とりわけ二月は。根本原因として全容調査をやっぱりやってこなかったと。で、ようやく今ちょっと手を挙げ始めたと。まだまだこれが足りないということに根本原因があるんじゃないかと、その点はいかがでしょう。
  142. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 申請を迷われている方がしっかりと御自身の健康についてチェックをされて、確認をした上で申請をしていただくということが極めて大事であると思っております。したがいまして、今、熊本県であるとか新潟県とも相談をしながら、どういった形でそうした確認はしていただけるのかというか、やり方については更に一歩踏み出してやっていきたいというふうに考えているところでございます。
  143. 市田忠義

    ○市田忠義君 被害の全容解明のための実態調査について、民主党の政策集、インデックス二〇〇九にこの問題についてどう書かれているか。細かな文言まではいいです、趣旨としてどういうことをおっしゃっていたか覚えておられたら、大臣、お答えください。覚えておられなかったら結構です。
  144. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 水俣病について記述があることは、インデックスの中にですね、それは私も作成にかかわりましたので承知をしておりますが、今、済みません、手元にございませんので、詳しい文面については承知をしておりません。申し訳ございません。
  145. 市田忠義

    ○市田忠義君 まあ通告していなかったのでそれはやむを得ないと思いますが、どう書かれているか紹介しておきます。「被害の全容解明の実態調査、研究等も盛り込み、潜在患者に対しても必要な措置を講じる」と、これが民主党のインデックスなんです。やっぱり不知火海沿岸の四十七万人の健康・環境調査など、被害の実態調査は不可欠だということを指摘しておきたいと思うんです。  私、改めて現地に行ってまいりました。申請者の人たちから話を聞いてきました。まず、対象地域になっていない熊本県芦北町の黒岩地区です。不知火海から直線距離にして約六キロ、標高五百メートル前後の山合いにある集落ですが、水俣病とは無関係の地域だと住民みんな思っていた、しかし、事実は違ったと。行商人が海沿いの旧田浦町から魚の入ったかごを背負って黒岩、上原、そして山を下った大岩辺りまで運んでいました。部落の人はみんな魚を食べていた、そして多くの人は数十年前から手足のしびれなどがあったと。  昨年の十月、被害者は誰もいないと思っていた山間部に不知火患者会や民間の医療機関などが入って一斉検診をやりました。住民の半数が受診しましたが、その九五%の人に手足の先ほど感覚が鈍くなる、いわゆる水俣病の特徴的な症状が認められたと。黒岩という対象地域外にこれだけ多くの人が手を挙げている、大臣は、こういう事実を御存じでしょうか。御存じかどうかだけ。
  146. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 申請をされている方の中に、旧来の対象の沿岸区域というか、そのエリアの外の方も申請をされているという事実は承知をしております。したがって、そういう方々も申請をしていただけるのであるということをパンフレットに書きました。すなわち、区域の中だけしか駄目だと思っている方がおられてはいけませんので、そこははっきりと我々も皆さんにお知らせをして申請をしていただくという、そういうチラシを配ったりはしております。ですから、そういう問題意識は持ってしっかりと申請を受け付けていく必要があるというふうに考えております。
  147. 市田忠義

    ○市田忠義君 対象地域外でも可能なんだったらどうして線引きをやるんですか。その線引きは事実上破綻しているということじゃないですか。そこはいかがですか。
  148. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 特措法ということでいうならば、そこは線引きはしておりません。線引きはしていないけれども、具体的にその区域外に住んでいる方々について、どういう条件ならば認められるかということは閣議の中で文書でしっかりと確認をしておりますので、その条件に基づいて申請について受付の判断をしていくと。受付はもちろんいたしますけれども、それが該当するかどうかということについては判断をしておるということでございます。
  149. 市田忠義

    ○市田忠義君 現地へ行って調べてきましたけれども、私、被害者の実態を余り大臣御存じないと思うんですよ。たとえ広報などで周知徹底されたとしても、その広報には水俣病に見られる自覚症状書かれていないんですよ。だから被害者は気付かないと。やっぱり地域的なそういう線引きせずに、さきに述べた黒岩地区のように掘り起こしや検診を進めることが、あたう限りの救済、全ての被害者の救済にとって私は不可欠だと思うんです。  天草市にも行ってきました。天草市の新和町大多尾地区、ここは不知火海に面した沿岸部の町です。ところが、天草市は御所浦以外、公健法の指定地域、特措法の対象地域ではありません。しかし、大多尾地区の人たちは御所浦と同じように魚を食べていた、数十年前から症状はあった。ところが、対象地域外ということもあって、病院に行っても原因が分からずに、年のせいだろうと思っておられたそうです。  ここでも、水俣病と分かったのは、患者会と医療機関による検診によってであります。一月二十二日の大検診、これは熊本、鹿児島の六会場で行われましたが、三百九十六人が受診をしたと。その九割に当たる三百五十六人に水俣病に特有の症状があった。黒岩もそうですが、指定地域外、対象地域外の人たちは、テレビで見るようなああいう劇症患者又は胎児性の患者だけが水俣病だと思っていて、自分の症状が水俣病とは思わなかった、検診を受けて初めて自分も水俣病だと気付いたと。  大臣に改めてお聞きしたいんですが、天草市の対象地域で三百人を超える被害者が手を挙げたと、こういう実態は御存じでしょうか。
  150. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 様々な御要請に熊本県の関係者の方、さらには新潟県の関係者の方が来られますので、そういった御要請については私も見ております。そういう中で、今、市田委員が御指摘のようなことも含めて、様々な今事実が、事実、若しくは事実かどうかは確認がまだされていないけれどもそういう疑いがあるということが出てきているというのは承知をしております。  そういったことも踏まえて、今街頭で私どもがお配りをしておりますチラシ、目の前に持ってまいりましたけれども、こういう形で書かせていただいております。かつて水俣湾などの汚染された魚などをたくさん食べた方であれば、今お住まいの住所に限らず申請できます、区域に限定をされませんということを一番表の部分で書かせていただいております。  したがいまして、こうした広報というのはしっかりしていかなければなりませんし、それは熊本県とか鹿児島県とか新潟県に限定されず全国に、引っ越された方もおられる可能性がありますので、そうした皆さんにもどうやったら届けることができるのかということについては更に工夫が必要であるというふうに考えております。
  151. 市田忠義

    ○市田忠義君 水俣病の申請の在り方も大変な差別があるんですよ。大臣言われましたけれども、特措法の対象地域内の人であれば、居住歴などの書類と公的診断を受ければ審査されるんです。ところが、対象地域外の人はそれ以外にヒアリングが必要だと、漁協の組合員証、乗組員証など水俣周辺の魚を食べた証明できるものが必要だと、大変高いハードルがいっぱいあるわけです。先ほど紹介した黒岩地区でも、水俣病から五十年たっているわけですから、資料が紛失していたり当時の関係者が亡くなっていたり、その証拠を探すのに大変苦労されているんです。それでもまだ証明されればいい方ですけれども、できなければ諦めざるを得ないと。  大臣対象地域外でもそういう救済の可能性があると言われるんだったら、こんな申請手続の差別はきっぱりおやめになったらどうですか。この辺はいかがですか。
  152. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この特措法ができた経緯の中で、あたう限りの救済というのはどういったものなのかということについて、政府内でも国会でも様々な議論があったというふうに承知をしております。その中で閣議決定をされたこの条件というのが、先ほど市田委員の方が御指摘をされた、そういったものでございました。  我々としては、この方針に基づいてあたう限りの救済をいかにすれば実現ができるのかということで取り組んでまいりましたし、これからもできる限り多くの皆さんがしっかりと申請をしていただいて、そしてそういう被害があったという方についてはしっかりとそれを受け付けることができるような運用に心掛けてまいりたいというふうに考えております。
  153. 市田忠義

    ○市田忠義君 幾ら言葉であたう限りの救済とおっしゃっても、実際に、線引きされた対象地域外からも検診をやれば水俣病特有の症状が現れている人がいっぱい生まれている、やっぱりこういう事実に真正面から私は向き合うべきだと思うんです。  水俣市からもお話を聞いてきました。ここはチッソの城下町であります。チッソの影響もある上に、水俣市内が対象地域内と外に線引きされているために、差別や偏見も大変根深くて、ほかの近隣地域と比べても申請が少ないと水俣市の当局者が言っておられました。芦北町、天草市でもそうですが、対象地域であるかないか線引きしたことによって、これが救済の大きな妨げになっていると。  大臣、チッソのお膝元の水俣市で申請が低い、これ異常なことだと思うんですけど、こういう事実は把握しておられますか。水俣市が申請者が非常に少ない、近隣地域と比べて、これについてはどうお考えですか。
  154. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 現状では、地元自治体とも協議の上、現時点では自治体別の申請者数等は公表していない状況にあります。
  155. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、そういう話がございましたが、公表はなかなかそれぞれの地域の皆さんのお考えがありますので、これは相談をしながら慎重に進めるべきものだというふうに思いますが、私自身で数は確認をしたいと思います。  万々が一にもチッソに遠慮して申請が出てこないということが、もうこれはあってはなりません。私もその問題意識は強く持っておりまして、チッソの経営者を呼びまして、チッソ自らしっかりと申請を呼びかけるようにということを私の方から強く要請をいたしました。それは、従来のように例えば企業の関係者とか社員とかいうことだけではなくて、取引先の企業であるとか地域の団体にもチッソが自ら足を運んで呼びかけるようにということを申し上げました。  といいますのは、水俣においてはやはりチッソが非常に強い影響力を持ってきたという経緯がございます。ですから、そういったところに遠慮をして申請がなされないということがあっては絶対ならないというふうに思いますので、再度そこは私自身の方で確認をしたいというふうに思います。
  156. 市田忠義

    ○市田忠義君 先ほど公表しないとおっしゃいました。これは後でその件については質問をしますが、公表はしないけど、つかんではいるんですね。
  157. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 先ほど公表しないと申しましたけれども、各自治体においては、こういう数字がある程度の予断、予見を持ってはいけないということで、そもそも把握もしていないし、また公表もしていないということで理解をしております。
  158. 市田忠義

    ○市田忠義君 把握していないんですか。
  159. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 少なくとも国としては把握しておりませんし、もしかすると自治体で把握しているというところはあるかもしれませんけど、少なくとも私どものところでは把握しているとは聞いておりません。
  160. 市田忠義

    ○市田忠義君 それはけしからぬ答弁ですよ、あなた。あたう限りの救済をやるのに、水俣で申請している人が何人か私どもとしては少なくともつかんでおりませんと。じゃ、つかまずにどうしてやるんですか。
  161. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 申請に当たってどの地域が多いとか、どういう年齢層あるいはどういう性別がということが、結果的には差別や偏見の中で手を挙げたいという方に対して一種の予断のようなものを与えてはいけないということから、自治体も含めて把握もしていないし、現時点では公表もしていないというふうに理解をしております。
  162. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 改めてちょっと確認をしてみたいと思います、どういった形で市町村が把握をしていて、どういった整理ができるのかという部分ですね。公表については、これはやはりそれぞれの皆さんの心情がありますから、そのことについては配慮が必要だというふうに思います。  ただ、実態としてどういう数字であるのかということについては、どういったデータがしっかり整理できるのかも含めて、再度私の方で直接確認をしたいというふうに思います。
  163. 市田忠義

    ○市田忠義君 対象地域以外の方々からも手を挙げている人はいっぱいおられるし、検診の結果、水俣病患者と思われる人がいっぱい増えている、やっぱりそういう事実があるわけですから、こういう不当な線引きは私はこの際やめるべきだと。事実上、線引きは、芦北の例からもそうですし、黒岩の例からも破綻しているわけですから、やっぱりそういう不当な線引きをやめて全ての被害者を救済すべきだということを指摘しておきたいと。  公表問題、聞いていない前からおっしゃったんであれですが、改めて聞きたいと思うんですけれども、五万人以上の人が申請しているのに、どの地域からどのぐらいの申請があってどれくらいの人が認められたのか、そして何が認められ、認められなかった理由は何か、これ全く分からないと。改めて、なぜ情報公開をしないのか教えてください。
  164. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 先ほども答弁の中でお話しいたしましたとおり、現在、差別とか偏見とかがある中で、申請の方の地域やその構成、詳細な構成等々について公表することでかえって手を挙げにくくなる方がおられるのではないかということで、地方自治体ともある程度相談をした上でこういう状況になっていると承知しております。
  165. 市田忠義

    ○市田忠義君 情報公開しなかったら、線引きにしても運用の実態にしても、それが正しいのかどうか検証もできないんじゃないですか。住民の意識を喚起して地元自治体の力を引き出すことだって、情報公開しなかったらできないんじゃないですか。  情報公開すればどういう不都合が生じるんですか。何か予断を与えると言うけれども、申請者に予断を与えるというのはどういう意味をおっしゃっているんですか。
  166. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 個々の市町村によってどういう予断があるかというのは難しいところかと思いますけれども、やっぱりこの地域では手を挙げにくい地域なんだろうかとか、そういうようなこともありましょうし、そういった差別や偏見が根強く残っている中で、こういう判断になり、対応になっていると承知しております。
  167. 市田忠義

    ○市田忠義君 違うんですよ。対象地域外でもこれだけの申請者がいると、ああ、うちもそういう症状があれば手を挙げれば申請できるんだなということで、かえって住民の意識を喚起することになるわけで、これは日弁連も去年の十二月にたしか環境省要請書を出しておられると思うんですよ。  そこには、症状のある人は、地区外、生年外、生まれた年の規定がありますけれども、それ以外でも大勢おるわけですから、情報提供のためにも、どういった要件で認められるのか説明をして救済の道を示すべきだと、日弁連もそういう指摘をしています。私は、全ての潜在被害者が手を挙げられるように情報公開をすべきだということを改めて指摘しておきたいと思います。  さらに、被害者の出生年についても、私、問題があると思うんです。一九九〇年の熊本県の水俣湾水銀調査でも、国の定める水銀の基準値を超える魚がいたことがはっきりしました。そして、水俣病に詳しい専門の医師らによる二〇一一年の慢性水俣病の臨床疫学的研究、ここでは一九六九年十二月以降の出生者にもメチル水銀の影響は出ていると報告されています。  これは大臣、こういう事実は御存じでしょうか。
  168. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 幅広い年代にそういう影響があるのではないかという見解が示されたことがあることは承知をしております。
  169. 市田忠義

    ○市田忠義君 九一年の中公審答申を根拠に六九年十二月以降の出生者は問題ないというふうにされているわけですが、水俣湾のしゅんせつが本格化する八五年までは海底に水銀がたまったままだったということは、これはもう明らかにされているとおりであります。また、さきに紹介した専門の医師による新たな事実も示されているわけで、六九年十二月以降の出生者からメチル水銀の影響が出ていることはもはや明らかであります。  私は大臣に聞きたいと思う。出生年による線引きはやめるべきだと思いますが、いかがですか。
  170. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。  出生年における差別というお話でございましたが、これはこれまでに、例えば水銀の水俣湾への排出があったかどうか、それから、それに応じて対策が取られたかどうかに応じてこういう出生年の区切りといいますか、こういうものが示されているものと承知しております。
  171. 市田忠義

    ○市田忠義君 全然答えになっていないんですよ。決められている出生年以降に生まれた人だっていろんな水俣病の障害は出ているということはもう科学的に明らかにされているじゃないかと。だから、そんな出生年による線引きはこの際やめるべきじゃないかと。大臣、これはもう政治家の判断ですよ。いかがですか。
  172. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 時間を過ぎておりますので、簡潔に御答弁ください。
  173. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先ほど市田委員の方から御紹介をいただいたような見解もあることは承知をしております。ただ、特措法というこの議論の経緯の中であたう限りの救済の一つの条件として、出生年も含めて、これまでここがあたう限りの救済の範囲だということで政府としての見解を示してきたというふうに承知をしております。  したがいまして、この判断の基準に基づいてできる限りのしっかりとした対応をしていくということで臨んでまいります。
  174. 市田忠義

    ○市田忠義君 あたう限りの被害者を救済すると言いながら、被害者を地域と出生年によって線引きする、被害の全容解明の実態調査も行われていない、かつ七月末で申請を打ち切ると。こういうやっぱりやり方は事実上の幕引きであって、私はこの申請締切りを撤回するということを強く求めて、時間ないとおっしゃいましたけれども、私ストップウオッチ押してまして、あと十秒あるんですよ、申請締切り七月末というのを大臣、こういう実態の下であくまで固執されるんですか。  例えば新潟の泉田知事が、これは罪の上塗りだと、こんなことはやめるべきだという知事の声も出ているわけで、そういう決断をされるべきじゃありませんか。
  175. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 七月末までにしっかりと告知をして、あたう限りの救済を実現したいと考えております。
  176. 市田忠義

    ○市田忠義君 もうこれは時間が来たので終わりますが、七月末以後に手を挙げた人もきちんと救済できるようにしないとあたう限りの救済にはならないということを指摘して、終わります。
  177. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 まず初めに、瓦れき広域処理についてお伺いをいたします。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕  瓦れきの総量についてなんですけれども、阪神・淡路大震災の瓦れきは約二千万トン、今回の岩手、宮城、福島の三県からの瓦れきの総量は二千二百万トン、実は瓦れきの総量に余り大差はありません。  そこで、過去についてお伺いしたいんですが、阪神・淡路大震災のときは瓦れきの約半分が土地造成などに利用されたと聞くんですけれども広域処理もあのとき行われたのでしょうか。これは参考人の方で結構です。  また、阪神・淡路大震災と比較したときに、東日本大震災の瓦れき処理の難しさというのは何でしょうか。そして二千二百万トンのうち、四百万トンについて広域処理が必要と算出した根拠は何でしょうか。  そして、ここからは数字なのでまた政府参考人の方で構いませんが、残り千八百万トンのうち福島県内の瓦れきは何トンでしょうか。そして、この四百万トンを被災県から搬出できれば、その目標である二十六年三月までの瓦れき処理の達成は可能なのでしょうか、お伺いいたします。  なぜ四百万トンだけ切り分けたのかということと、今回の瓦れき処理の難しさについては大臣にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
  178. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 阪神・淡路大震災の際には約二千万トンの災害廃棄物が発生いたしましたが、そのうち可燃物は約二百九十万トンでございました。このうちの約一四%に当たる四十万トンにつきましては民間事業者や周辺都市等における広域処理で焼却をされていると、こういう状況でございます。
  179. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 今亀井委員から御指摘ありましたように、阪神・淡路のときと比べて今回と違いはというようなお話もありましたが、まず阪神・淡路のときは、実際、海面埋立て用材ですとか路盤のかさ上げ材ですとか、そういったことの用途に一千万トンの不燃物が使われたと、二千万トンのうちの一千万トンが使われたということがまずございます。  それと、あと阪神・淡路の際には、近傍の大阪湾に広域の海面埋立場、フェニックスと呼ばれるところなんですけれども、最終処分場が十分な容量が確保されていたということもございました。それに比べて今回の東日本大震災の場合には、津波により広範な地域がまず被害を受けたということと、そして、その津波の結果、海水をかぶってしまった家屋や自動車、船舶、こういったものが非常に多かったということ、また、あと津波堆積物ですね、ヘドロのようなものなどなど、多種多様な今廃棄物が出てしまっているということが非常に最終処理を困難にしているということがございます。  また、その上、県内の焼却施設もかなりが止まってしまっていたんです。十八基が止まってしまっていて、今そのうち十五基は既存のものを稼働しましたけれども、まだまだその焼却施設も足りない。そしてまた、最終処分場も阪神・淡路のときに比べて、それぞれの県での最終処分場の面積が今逼迫しているというようなことがまず遅れの原因と考えられております。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  そして、今たくさんの御質問をいただきましたので、ちょっと漏れがあるとあれなんですけれども、今被災地におきましても、まず、二千二百万トンのうちそのほとんどを被災地において処分をしようということで、先ほど言いました既存の焼却施設に加えて、新たなものを二十五基今造っております。そのうち今五基しか稼働しておりませんけれども、残りが順次稼働していくことで、非常に県内処理も進んでくるものというふうに考えております。  それに加えて、四百万トンの広域処理を今全国にお願いしておりますけれども、これが活用されていくことで、今被災地には最終処分場がもういっぱいいっぱいでございますので、全国にある既存の最終処分場を使わせていただきながら進めることで、何とか目標の三年内に瓦れき処理を終われるのではないかというふうに考えております。
  180. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) それから、広域処理の四百万トンの根拠について御説明申し上げます。  目標期間内に災害廃棄物処理を完了するためには、岩手県内は四百七十六万トンのうちの四百十九万トンを県内でやろうとしております。残りの五十七万トンを県外で。宮城県につきましては、千五百六十九万トンのうち千二百二十五万トンを県内で、残りの三百四十四万トンを県外で処理する必要があるということで、合計約四百万トンの広域処理が必要であると、こういうふうに見込んでおるわけでございます。これは、県内での最大限の処理を行ってもなお被災地における処理能力や最終処分場の能力が不足している量ということで、岩手県及び宮城県によって算出された量でございます。  また、福島県内で発生した災害廃棄物につきましては、広域処理を行わず県内で処理を進めることとしており、その量は約二百八万トンと推計しているところでございます。
  181. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 なぜこのような質問をしたかといいますと、私は、他県が受け入れることを、助け合うことを否定するわけではありませんけれども、もちろん、被災地に近いところで処理ができればそれにこしたことはないですよね、費用の面でも。また、その瓦れきが再利用できれば一番いいわけで、瓦れきの総量だけを見たときには阪神・淡路のときとそれほど大きく変わらないのに、どうして今回に限って全国に受入れお願いしなければならないのかというところが一番疑問だったんです。  仮にその四百万トンを全国に受け入れていただいたとして、復興が進むか進まないかというのは、残りの千八百万トン、そこから福島の、今二百六万トンですか、それを引いた、その残りの瓦れき処理の進み具合が復興を左右するんだろうと思うんですね。ですので伺ったんですが。  では、宮城、岩手に残る瓦れき、これの行き先といいますか、最終処分までの道筋というのは立っているのでしょうか。そして、二十五基ですか、焼却炉、今そのうち五基は稼働しているということですけれども、これは大体残りのものはいつごろまでにできて、どのような、最終処分まで全部この二県の中で行われるという理解でよろしいですか。
  182. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 今、宮城、岩手の両県で県内処分を想定しているところは、まずはリサイクルできるものはリサイクルする、基本的には県内あるいはその近傍でリサイクルあるいはいろんな原料として使っていこうということを考えております。  また、仮設焼却炉、この春から夏にかけて二十五基のうち相当部分が稼働し始めると思いますが、そこで焼却した焼却灰についても基本的には域内で処理していくことを基本として考えているところでございます。
  183. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 先日、参議院の調査会で被災地の視察に一泊二日で行ってまいりました。そのときに陸前高田市ですとか釜石、大船渡に入りました。  陸前高田市、私も初めてあのときに行ったんですけれども、見事に全て流されてしまって、本当に何もない状態の町でした。陸前高田の市長にお会いしたときに要望書を調査会として渡されたんですけれども、その中に国営の防災メモリアル公園の整備というものがございました。陸前高田の市長は、例えば震災瓦れきを土地のかさ上げですとか高台の整備ですとか、そういう再利用ができればいいと。また、できれば地元焼却炉でも造ってどんどん処理させてほしいという、そういうお考えを持っているようなんですけれども、そのような利用方法、瓦れき利用したかさ上げですとか、復興公園を造る。これ、過去の事例としては関東大震災の瓦れきで横浜の山下公園を造成したという例もございますけれども、この陸前高田市の案については国としてどのようにお考えでしょうか。
  184. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 阪神・淡路と比較がありました。ちょっと一言だけ申し上げると、阪神・淡路大震災も瓦れき処理が終了したのは発災後三年二か月だったんだそうです。ですから、三年の目標を立てたのは、この二千二百万トンということを考えれば、目標としては蓋然性の高い数字としてやむを得なかったと思うんですが、私は実はもう一つ目標を立てていまして、それは、できるだけ早く被災者の目から瓦れきが見えない状況にしたいんです。それは、域内で処理をすることももちろんプラスに働くんですけれども広域処理が進めば目の前からなくなりますよね。それは物すごく私は大きいと感じておるんです。  ですから、広域処理も一生懸命やる、中でも千八百万という大量の処理ができると。お互いが加速をし出せば全体の量が減ってきますから、もうできるだけ早く処理が進むという、これを目指していきたいというふうに思っておりますので、是非皆さんにそういった意味でお力を貸していただければと思います。  今おっしゃった、瓦れきを埋めてその上に土をかぶせて公園を造るというような考え方是非実現をしていきたいと思っております。国が直轄でできるのが防災林でして、これを仙台平野に造ろうということで今準備を進めております。今御指摘の、それぞれの町ごとに公園を造る場合は土地の買収をしなければなりません。それがいつできて、どの段階で埋められるのかというのは、ちょっとまだめどが立っていない地域が多うございまして、めどが立たないと瓦れきも移動しようがないものですから、そこはそれぞれの地域で相談をしながら進めていく必要があるというふうに考えておりますので、いましばらくちょっと時間が掛かるというのが現状でございます。
  185. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 釜石と陸前高田に行きましたけれども、釜石の場合は外側の建物がかなり残っている、町が残っている状態で、建物が壊れて人がいない。けれども、陸前高田の場合には本当にきれいに流されてしまっているので、恐らく土地の買収といってもどこからどこまでが誰の土地だか分からないぐらいの状態ですから、やはり復興計画の進み具合ですとか、町によって違うと思います。  ですので、陸前高田などはやはり復興、かなりきれいな市のプランができていましたから、あとは国が後押しをしてあげればいいのではないかなという感想を持っているので、よろしくお願いいたします。  また、震災瓦れきの再利用についてですが、これを燃料として使用はできませんか。震災瓦れきをバイオ燃料として使用するためのその費用について、復興交付金を始めとして国のメニューで何か当てはまるものがあったら教えてください。
  186. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 亀井委員指摘のとおり、この災害廃棄物のうち、特に可燃物や木くず、こういったものはボイラーの燃料として活用が可能です。これまでも実際の災害廃棄物の処分の実績として、宮城県で約二万三千トンが燃料として利用されております。さらに、災害廃棄物の再生利用を促進させるために、木くず等の廃棄物をバイオマスのボイラー燃料として使用し得る製紙業界等にも協力を今求めているところでございます。  また、今委員指摘のように、災害廃棄物分別したり破砕して燃料に調製するなど、災害廃棄物処理に必要な様々な費用は災害等廃棄物処理事業補助金の対象となっておりまして、今実質全額国庫負担ということでやらせていただいております。
  187. 上田健

    政府参考人(上田健君) 復興交付金について御答弁申し上げます。  復興交付金でございますけれども、五省庁四十の事業を束ねておりますが、その中に木質バイオマス施設等緊急整備事業という事業が含まれております。この事業につきましては、震災で大量発生いたしました木質系廃棄物利用いたします発電施設、それから熱供給施設、こういうものの整備を財政的に支援する、こういうメニューが含まれておりますので、御活用いただければなというふうに考えております。  以上でございます。
  188. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 ありがとうございました。  そういう情報を積極的に被災地の方にも流していただきたいと思います。  それでは、質問の内容を移ります。次は、福島原発行動隊についてお伺いをいたします。  この福島原発行動隊というのは退役した原発の技術者がつくった団体でして、十二月二十三日の報道によりますと六百五十人が加盟をしているそうです。参加資格は六十歳以上の現場作業に耐え得る体力と経験のある者ということです。私は、この福島原発行動隊に登録をした方と私の地元島根県でお会いしました。といいますのは、島根県にも原発ありますから、作業員、当然多くいらっしゃるわけです。  この方の御意見ですが、まず原発を推進してきたことは自分たちも責任がある、そのおかげで食べてきたし、事故に関しても経験も技術も持っているので現場に行きたい、若い者は引っ込んでいなさいと言うんですね、家族もいるし。だから、自分たちが前面に立って、ボルトでも何でも締めてくるから、とにかく現場に行かせてほしいということでした。ところが、なかなか現場に送ってもらえないという話を聞きまして、私、東京に戻ってきて、経産省に問合せをしました。  そうしましたら、原発の作業員というのはやはり東電が手配をするもので、その東電がこの人を作業員として雇いますよという申請がないと、危険区域内に入る許可を与えられないということだったんですね。それで、東電は、作業員が足りているのか、将来的な心配がないのか、分かりませんけれども、とにかくその人たちを中に入れたがらないので、自分が行ってボルトを締めてきたいんだという、その人たちが全然活用されていないんですね。  私は、国がもう少し前面に立って、今後この原発の収束に向ける作業というのはもう長年続くわけですから、もう少し作業員の調整などにも積極的にかかわっていただきたいと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
  189. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私も原発行動隊の皆さんとは何度か話をしておりまして、可能性を探ったんです。現実に何人かの方、代表の方にサイトの中にも行っていただいて、何か作業はできないかと東電の皆さんとも打合せもしていただいた経緯があるんです。ただ、全面マスクでの作業環境ですし、ある程度の年齢以上の方というのは、その当時は相当シビアな状況で、現実的になかなかこの作業をということにならなかったという経緯があるんですね。  もちろん、原発の作業というのはそれぞれかなり共通するところもあるんだと思うんですが、やはり福島第一原発という特徴もある程度把握をしていただかないとなかなかできないというようなことも含めて、なかなか難しい判断が、東京電力ももちろん難しい判断だったし、本当に希望されている方々も、実際どうかということになるとなかなか難しい判断だったというのがございます。  今はどうかということになりますと、作業員はしっかり数は確保できておりますし、随分逆に環境は良くなりました。ですから、今は作業員の数、質共に安定的に確保できているという状況でございまして、今でも原発行動隊の皆さんが何かしたいというふうにお考えになるようであれば、私も機会があればお会いをして、今の時点でどういったことをやっていただける可能性があるのか、もし何かあり得るのであれば、そこは是非相談をさせていただきたいというふうに思っております。
  190. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 知識と経験のある、そして意欲もある人は是非活用をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、次は公害等調整委員会に対して質問をいたします。  今回委員会に提出された資料の中に私の地元の案件を見付けましたので、調べてみました。これは、島根県吉賀町におけるトンネル工事によるヒ素汚染漁業被害原因裁定申請事件という案件でして、平成二十二年の五月十七日に申請受付されて、約一年後、昨年の五月の二十六日に取り下げられております。  この背景について調べたんですけれども、まずこの川は、高津川という川があります、島根県の吉賀町、津和野町、益田市を流れる川で、ダムがありません。清流日本一を獲得したことがあり、昨年の十二月に総合特区にも指定をされました。非常に水のきれいな川でして、今、広域でこの川を中心とした町おこしといいますか、森里海循環の構想を立てております。  この川のいわゆる高津川漁協が、近くのトンネル工事から出た砒素が適切に処理されていないのではないかということで申請をしましたけれども、この後、この漁協の組合長が解任をされたんですね、内紛がありまして。そして、その後の組合長というのが元の県職員で、県の土木所長だった人なんですね。この方になって申請が取り下げられたんです。そして、さらにまた理事長が替わりまして、これが昨年の秋なんですが、現理事長は現職の県議です。土建屋さんからも支援を受けている県議がこの漁協の組合長になったという、そういう背景がありました。  私は、砒素が出ているのか出ていないのかという、そのことだけが興味の対象で、漁協の中のことはどうでもいいんですけれども、取り下げられたわけですが、もし、これ地元住民、気にしている人もおりまして、調査をしていただきたいというときに、どのような手続が必要なのか教えていただきたく思います。これ、資料を拝見すると、住民一人から申請をしておりますし、今までの経緯では、初めに漁協が申し立てたときに県知事が問題はないというような意見照会の過程があって国が受け付けているわけですけれども、どのような手続を経て申請できるものなのでしょうか。
  191. 大内捷司

    政府特別補佐人(大内捷司君) 公害紛争処理制度につき御理解いただきまして、誠にありがとうございます。  委員指摘の島根県吉賀町におけるトンネル工事によるヒ素汚染漁業被害原因裁定事件につきましては、お話しのように、平成二十二年五月に申請がなされて、翌二十三年五月に申請が取り下げられております。  取り下げられた事件と同種の案件に対する再度の申請につきましては、法律上、特別な条件の定めはございません。したがいまして、公害に係る被害について生じた紛争の当事者であれば、過去の事件と同じ当事者であれ、また同種の被害を主張するほかの者であれ、再度申請することは可能であります。  因果関係の証明につきましては、事件処理の一般論で申し上げれば、当事者による主張、立証を基本とするものではありますが、必要に応じて事実認定のための職権による調査を行うことを検討しながら手続を進めていくことになるわけでございます。  よろしくお願いしたいと思います。
  192. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 ありがとうございます。  それでは、最後の質問に移ります。  環境税についてですけれども、一般会計ではなくて特別会計にする理由はなぜでしょうか。これは私、別に特別会計に反対しているわけではありませんで、一般会計にしたら細かい財務省の査定を受けますから、今の状況で目的にきちんと使われるかという、そういう心配もございますから、特別会計に特に反対しているというわけではないんですが、一応お伺いをいたします。  そして、このままですと今度CO2の吸収源である森林整備には使えないようになっているんですけれども、林野庁所管の森林整備などにも使えるようにすべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  193. 横光克彦

    ○副大臣(横光克彦君) お答えいたします。  まず、この環境税、地球温暖化対策のための税でございますが、衆議院を通過いたしまして今参議院の財金で御審議いただいているところでございます。一日も早い成立をお願いしたいと思います。  これなぜ特別会計かという御質問でございますが、この税は、広範な分野にわたりエネルギー起源CO2抑制、これが、このCO2の削減を図るというのがこの目的なんですね。そういった意味で、全化石燃料を課税ベースとする現行の石油石炭税にCO2排出量に応じた税率を上乗せする法律でございます。税率でございます。その税収は、今お話がございましたように、再生可能エネルギーの推進や省エネ対策の強化などに確実に充てる、つまりこの目的でありますCO2排出抑制対策、このことに確実に充てるということが必要であるということから、エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定で管理することとしているわけでございます。  そして、林野庁のもうちょっと森林対策でどうかというお話でございますが、バイオマス利活用やあるいは森林吸収源対策などの農林水産分野における地球温暖化対策の観点に貢献してくれているわけでございます。そういった意味から、平成二十四年度からは地球温暖化対策のための税、この税収も活用する、そして環境省と農林省が連携して、再生可能エネルギーの導入推進のための事業ならばちゃんと実施するという予定でございます。
  194. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 終わります。
  195. 平山誠

    ○平山誠君 新党大地の平山誠です。新党大地・真民主として初めて質問をさせていただきます。  私は、さきの三・一一の災害の際、経済産業委員会の理事をしておりまして、そして災害特の委員をしておりました。今出ていかれましたけれども、羽田国対の方から、与党はなるべく質問をするなということで質問の機会が少なく、ただいま新党大地をつくりまして、こちらに参りまして、矛盾しているんですが、発言の機会をいただきまして、筆頭、ありがとうございます。  私は、もう既に皆さんがいろいろと広範囲な、そして高レベルな質問もなされていましたので、私は一部に特化した質問をさせていただきます。聡明な細野大臣のことですから皮膚感覚でお話をさせていただければと。私は政治家を目指したことではありませんので、政治用語は分かりませんので、普通の会話で話させていただきます。  先日、私の友人から、沖縄の友人から電話が掛かってまいりまして、今、沖縄はウイークリーマンション、マンスリーマンションがほぼないと。そして、これから夏の観光客を迎えるときに、ペンションとかホテル、今まではウイークリーマンション、マンスリーマンションが相当観光の受入れも担っていたんですが、今はほとんど空いていない、それはなぜかと。これは、やはり被災地皆さんが沖縄に多く自主避難若しくは移住しているということで、そういうことだろうと友達に言いましたら、いや、違うんだと。そのウイークリーマンション、マンスリーマンションのいっぱいの原因は、首都圏の方がかなりの多くの方が自主避難でお借りになっていると。  どうしてそういうことになるか、大臣、お考えありましたら。
  196. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まあ、こうして今東京国会やっているわけですから、事故から一年少しが経過をして落ち着きを取り戻しつつあると、日本全体としてはですね、そう考えております。もちろん、東京安全性については全く問題がありませんし、そう思って生活をされている方が本当にもうほとんどの皆さんだというふうに確信をしております。  その一方で、原発の事故がありましたので、放射性物質の懸念を持っておられる方が日本の中にいらっしゃることも事実で、そういった方々の中で、沖縄というのが一番南になりますから、もっと南もありますけれども、島として沖縄には住宅もたくさんあるということで、そういったことでそこにお住まいになっている方もいらっしゃるということでしょうか。
  197. 平山誠

    ○平山誠君 まさしくそういうことなんですけれども、多くの方が東京に、首都圏に暮らしているわけですよ。しかしながら、心配でならないという人たちもかなり多くいるため、沖縄に移住していくと。それは何かというと、これも一部の方の考えかもしれませんけれども政府の発表若しくは保安院の発表若しくはマスコミを通じての情報が信用ならない、不安でしようがないという人たちが多いと。  なぜ信用ならないかということでいいますと、やはり最初の保安院の説明やらまた政府説明で不安な点が多くあったんじゃないかと、一転、二転、三転した情報を流したんではないかと。  朝、民主党の筆頭の方の質問がありましたけれども規制庁が一日から発足しないという情報がマスコミに出ていたということですけれども、私は、規制庁発足は四月一日からでもいいと思うんですよ。でも、やはり、インフラを整備してPRとか広報活動を十分練られて、それが保安院から若しくは文科から、若しくは安全委員会から引き継いで十分に機能してから、インフラ整備して機能してからバトンタッチをするんです。その間は並行して保安院とあるというような形で、やはり安心というものをいち早く国民に取り戻すというのが規制庁一つの役目ではないかと思うんですが、その辺、規制庁の在り方についてどうでしょうか。
  198. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、平山委員が御指摘をされたように、どれぐらいを過渡期と見るかというのはいろいろ判断は分かれますけれども、常にしっかりと次へ備えてレベルの高い組織をつくっていかなければならないという意味では、私もそういったやり方を是非取っていきたいというふうに思っております。  ただ、現状どうかということになると、経済産業省の下に保安院があるというのは、これはいかにもやはりまずいんですね。ですから、今、枝野大臣がエネルギーの安定供給という物すごく大きな課題を抱えながら原子力安全規制をやっているわけです。ここに最大の矛盾があるというふうに思います。  午前中も質問で保安院と安全委員会の役割についても出ておりましたけれども、なぜ保安院がああいう形になってしまったかというと、やはり原発を動かさなければならないと思っているから、防災のエリアについてということになってくると、なかなかそれはどうなのかという議論になったわけですよね。ですから、そこはできるだけ早くまずは離すということが重要であるというように思っておりまして、御理解をいただきたいというふうに思っております。
  199. 平山誠

    ○平山誠君 私は、そういう意味じゃなくて、保安院とバトンタッチしたら、若しくはバトンタッチするまで十分時間を置いて、安心した情報を流せる規制庁になってから十分稼働してくださいということを言っているので。  今大臣の発言を、別にけんかをするわけではないですけれども経済産業省という原発を推進するというところに保安院は置いてはいけないということがありましたが、幾つかの細野大臣のマスコミのインタビューとかニュースを見ますと、再稼働ありきというようなことが報じられていますが、やっぱり規制庁を管轄する大臣最初から原発の再稼働ありきというような新聞報道とかインタビュー記事が載らないような形で、何というんでしょうか、取り組んでほしいということを言っておきます。  そして、さきのニュースでありまして、千葉県の御夫婦の方が沖縄で、もう御主人は職業を捨てられて沖縄で新しい生活を踏むと。その理由をそのニュースで言っていたそうなんですけれども、それはお母さんがどうしても母乳で育てたいと。母乳からセシウムが出たというニュースを聞いて、もう怖くなってしまったと。これは一部過剰な方かもしれませんけれども、やはり親としたら安心なミルクで育ててあげたい、母乳で育ててあげたい、これが親の責任だと思いますが、どうして母乳からセシウムが出てくるようになってしまったんでしょうか。
  200. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先ほど、済みません、十分質問意味を酌み取らずに答弁しまして、大変失礼しました。  御指摘のとおり、情報の出し方とか国民の皆さんとの対話の仕方ということに関しては、非常に大きな課題を残してきたと思っております。  したがって、新しい規制機関が誕生するしないということにかかわらず、国民の皆さんにどうすれば分かっていただきやすい情報発信ができるのか、さらには、国民の皆さんの声をどうやってしっかりと聞くことができるのか、そこはもう本当に相当考え方を変えて取り組まなければいけないなというふうに思っておるところでございます。  再稼働についてでございますが、私は再稼働ありきで発言したことは一回もないんですね。ただ、原発を今すぐ全部廃止をできるかといえば、それはきちっと安全性確認をした上で判断をしなければならないということを言っただけでございまして、見出しにちょっといろいろ出てしまったことはあるんですが、そういう、自分の中で再稼働ありきで動かさなけりゃならないという中で規制をしようとは全く思っておりませんので、貴重な御指摘としてしっかり肝に据えてやってまいりたいと思います。  母乳からセシウムという話なんですけれども、特に福島県内でそういったニュースが流れて、実はもうその母乳から出ているということ自体、健康影響というレベルとは全く違うレベルで、数字として出ているというレベルに、極めて限定的なレベルにとどまっているんですが、それでもそういうニュースが流れることによってそういう不安を持たれる方がたくさんおられるということは、非常にこの事故を起こした責任を改めて感じます。  その一方で、東京で子育てをして安全にしっかりと過ごしていただくということに関しては、これはもう全く問題は本当はないんですね。あとは、それをどう皆さんに落ち着いて受け止めていただけるかというところでございますので、恐らく、そういう方がおられるということは、まだ十分じゃないんだと思います。正確な情報を分かりやすくお伝えをするという努力が更に必要ではないかというふうに感じたところでございます。
  201. 平山誠

    ○平山誠君 ありがとうございます。よろしくお願いします。  どうしてやはりセシウムが微量でも検出されてしまったかというのは、先日行われた福島県内の残留物質の検査でも、特に県内の野菜を多く取っていた方とかは県外の物を食していた方よりも残留濃度が高かったという検査結果が新聞に出ておりました。やはり何らかの形で放射性物質が付着したものを摂取して体外へ出されたのではないかと私は思っているんですけれども。  私が心配しているのは、もちろん中の人たち、もちろん大人の人たちは気を付ければいいですけれども、野生の動物やら鳥は、チェルノブイリの問題でも二十六年たった今でも鳥の追跡調査をしていて、まだ残留濃度が高い部分が、物質が出てくるときもあるということで、野生生物に詳しい東京大学の樋口教授が、鳥は放射性物質を、沈殿した水の中や土の中から餌を取るのでやはり影響があるだろうと。ましてや、それが人間が、その鳥が被災地を通過してきた鳥であるかないかまた分からない部分もありますので、そういうものを食すということもありますが。  規制庁ができた場合、私が思うのは、それは厚生労働省、それは文科、それは経済産業省とかと今まで分けてきたものを、やはり規制庁というものは、原発に対する安全、放射線に対する安全を全てカバーできるような省庁であってほしいと思うんですが、今後、野生の鳥とか野生の動物の検査というようなのはどのような形で進めていくのでしょうか。
  202. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) モニタリングについては、司令塔機能をしっかりとこの規制庁の下に置いて、その下でいろんなものをしっかりと調べていくという考え方を取ります。特に野生生物の場合には元々環境省で調べてまいりましたので、規制庁環境省外局ということで設置をできれば、そこの連携は極めてスムーズに行くというふうに思っております。  この野生生物の場合は、どのような今状態にあるのかということを正確にやはり知っていただく必要があるというふうに思っていますので、かなり調べておりまして、その中身については局長の方から答弁させたいというふうに思います。
  203. 平山誠

    ○平山誠君 詳しくはまた次の機会も質問時間をいただけるということで、今日は御挨拶代わりということで目次だけを質問しておきます。  そういうようなことで、省庁横断的な意味規制庁が守ってほしいという私の願いなんですが、もう一つは、やはり未来を担う子供たちの安全をどう確保していくかということで、校庭の除染は速やかにしていただいたということですが、これからは雪解けで里山の雪解け水が下に下りてくると、それがまた下水にたまりとかということで、濃度の高い残土が校庭にもまた再度戻るかもしれないというようなことがありますので、校庭はもう一度といわず何度も除染していただくということで、教室内の除染の具合はどうなのかということと、通学路の除染はどうなのかというのを簡単に聞かせてほしいんですが、主観で結構ですから。それか、方向性で結構です、規制庁をやる。
  204. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおり、子供の生活環境をとにかく優先して除染をするというのは重要なことでございます。実際、国よりもむしろ前に自治体が非常に危機感を持ってそれぞれ取組をされました。そういう御判断をされた首長の皆さんには心より敬意を表したいと思いますし、そこでやはり国が若干出遅れた感がありましたので、その後の対応も含めて、しっかりと本当にやらなければならないというふうに思っております。  学校などの場合は、除染は通学路も関係ありますし、学校のグラウンドありますし、中も気になるところではあるんですけれども、基本的に室内ということに関していうと、環境は、いろんな測定はしておりますけれども、問題ない状況にあるというふうに思っております。  ただ、水でセシウムが大量に学校にまた流れ込んでくるというようなことは、これはちょっとセシウムの性格からいうとあり得ないことではあるんですが、絶えずチェックをして、客観的な数字を皆さんにお知らせをすることで安心をしていただくということは極めて大切なことであると考えております。
  205. 平山誠

    ○平山誠君 本当に未来を担う子供たちですので、念には念を、やってもやっても十分ということはないと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。  その辺で、実は他省庁に文句を言うわけではないですけれども規制庁が全てをお願いしたいということで、私の願いでお聞きするんですが、これは先日、品川にお住まいの私の知人が、子供がこんなのを持ってきたよと、小学校二年生の子がこんなのを持ってきたよといって、「小学生のための放射線副読本」、資料をお配りしていると思うんですが、持ってきました。  放射線について学ぶということは非常にいいことだと思います。どんなものが放射線で、どんなことがどうなのか。一枚目に、その資料にもありますが、スイセンから、なぜスイセンなのか分からないですが、スイセンからも放射線が出ているよと。そのページをめくっていきますと、地球上には放射線が出るものがいっぱいあるんだよ、光とか花も。放射線はレントゲンとかいろんなものに使われているんだよと。  その中で、そのページを行きますと、放射線を測ってみようというページがありまして、この計器のことをはかるくんと言っているんですね。これは非常に軽視した言葉ですね。ガイガーカウンターのような放射線を測る機械を、はかるくんで測ってみようという、そういうページがあるんですよ。  それで、そこでもういきなり「放射線から身を守るには」。地球上には放射線がこんなにいっぱいあるんだよ、若しくはこんなにいい利用ができるんだよ、放射線って怖くないのかもしれないねというような内容があって、いきなり「放射線から身を守るには」ということですね。その中に、どういう放射線が危ないのかという部分が書いていないにもかかわらず、放射線から身を守る方法、空気を直接吸い込まない。何ですか、これは。  これは、なぜ私が取り上げたかといいますと、この僕の友達の子供が、花屋さんにもう行かないというんですよ。お母さん、花屋さん危ないよ、放射線いっぱい出ているから、だから花屋さんの人はマスクしているんだよと。そうですかね。  そんなような誤解を与えるような情報誌若しくは副読本、これは一部だけかもしれません、若しくは違う目的で作られたのかもしれません。しかし、放射線の、放射性物質の危険性を多く知っている規制庁発足するとするならば、このような部分においても適切なアドバイスをするようなデリカシーというんですか、優しさ、未来の子供たちに対する優しさをさっきから言うとおり横断的に守ってほしいと。  この内容云々は他省庁の文句になりますので大臣にはお聞きしませんけれども皆さんも文科省のホームページ若しくは文科省に言えば、インターネットでも取れますし、これは中学、高校編とありまして、中学、高校編になると確かにいろんなことが書いてあるんですよ。しかし、一番心が育つときの大切な時期に、空気を吸わないというのはちょっと難しいと思います。あと放射線に当たったものは食べてはいけないって、だって、放射線は食べ物からも出ていると書いてあるのに、放射線が出ているものを食べてはいけないというのはこれちょっと無理があるというか、本当に子供たちの心を傷つけるものだと思います。  そして、身を守るというところから、いろいろと大臣も御苦労なさっていると思いますけれども除染した残土とか物を仮置場から中間貯蔵にというところで、これ資料にもお配りしましたが、一月の十一日の福島民報の新聞の部分に、この処理は国の一〇〇%出資会社である株式会社日本環境安全事業が建設と運営を行うという記事が載っているんですが、この記事大臣、どう思われますでしょうか。
  206. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、中間貯蔵施設について、福島県内で除染を進めるためにどうしてもお願いせざるを得ないということに関しては、繰り返し、福島の皆さんに申し訳ないという思いを持ちながら要請をさせていただいている、お願いをさせていただいているということでございます。具体的に三月十日に考え方をお示しをしましたので、しっかりそこから協議に応じていただけるように、具体的な中身に入ることができるように今努力をしているということでございます。  御指摘の日本環境安全事業株式会社でございますが、いわゆる我々はJESCOと呼んでおりまして、これはPCB廃棄物処理にかかわる事業などを経営することを目的とする株式会社でございます。所有する全国五か所の施設において、廃棄物処理及び清掃に関する法律の規定に基づき、PCBの廃棄物処理を行っております。  こうしたPCBという危険性のある物質について扱いをして実際に経験を有しておりますので、ここを使うことによって、実質的に国が全て経営に携わっておりますので、国の責任で、環境省の責任で現実的に中間貯蔵施設を運営をしていくという意味で、この会社にやらせるのが一番いいのではないかというふうに考えているところでございます。
  207. 平山誠

    ○平山誠君 PCBと放射性物質とは全然違うものでありますし、今おっしゃった支店の五社というのは東北圏内にないというようなことも聞いております。  安易に一〇〇%国の会社であるからこの会社に決めるというのは、これはどなたがお決めになったんでしょうか。
  208. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) これは関係者環境省を含めて関係者でいろいろと話をする中で、ここにやらせるのがいいのではないかという判断に至ったものでございます。  考え方として、例えば民間の会社に委託をするというようなことももちろん考えられなくはないんですけれども、やはり、例えば三十年以内とはいっても、相当長い期間この中間貯蔵施設はやっていかなければならないわけですね。ですから、その間、しっかりと国が当事者として責任を持ってやっていくという意味では、こういう国が直接関与している会社ということ以外の選択肢はちょっと見出しにくいのではないかというふうに考えた経緯がございます。
  209. 平山誠

    ○平山誠君 私が心配しているのは、これがまた天下りの巣になり、三十年、四十年、先ほどもおっしゃったとおり、しっかり見守ってくれなきゃいけないところなので、規制庁まず第一号の天下り先ということに国民から見られないよう注意していただきたいということで、今回質問をさせていただきました。  今後、また詳しい質問を副大臣、政務官にもさせていただきますが、もしも福島が大分だったら、もしも福島が埼玉、東京だったら、もしも静岡だったらということで、本当に私たちは福島の事故を自分の身をもって感じなければいけないことと、そしてまずは本当に子供たちの安全という、未来を担う子供たち、これから生まれる生命、これを守ることに規制庁は十分発揮してほしいと思います。  ありがとうございました。
  210. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十三分散会