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政府特別補佐人(大内
捷司君)
公害等調整委員会が
平成二十三年中に行った公害紛争の
処理に関する業務及び鉱業等に係る土地
利用の
調整に関する業務について御
説明申し上げます。
まず、公害紛争の
処理に関する業務についてでございます。
第一に、
平成二十三年に当
委員会に係属した公害紛争事件は、合計六十三件でございます。
平成二十一年は四十七件、二十二年は五十三件でしたので、係属事件数は引き続き増加しております。
主な事件といたしましては、井戸水の汚染が養豚場等からのし尿によるものかどうかの判断を求める島原市における養豚場等からのし尿による水質汚濁
被害原因裁定申請事件、鉄橋や高速道路の高架のために鉄道騒音が増幅し
健康被害が生じたなどとして損害賠償を求める
名古屋市における鉄道等からの騒音
被害責任裁定申請事件、地下水くみ上げの差止めをめぐる民事訴訟が係属中のさいたま
地方裁判所から嘱託された加須市における地下水くみ上げによる地盤沈下
被害原因裁定嘱託事件などがございます。特に、この加須市の事件は、裁判所が当
委員会の専門性や中立性を信頼し、因果関係についての当
委員会の判断を求めてきた案件として、大きな意義を持つものであります。
また、
平成二十三年中に終結した事件といたしましては、所有地の汚染が隣接地での
事業活動によるものかどうかなどの判断を求めた仙台市における
土壌汚染・水質汚濁
被害原因裁定申請事件など二十三件でございます。終結事件数も、係属事件数と同様に引き続き増加しております。
以上のほか、
水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に症状の変化が生じたとして慰藉料額等の変更を求める申請が七件係属し、うち五件について手続が終了しております。
当
委員会では、公害紛争の迅速、適正な
解決に向け、多様化、複雑化する公害紛争への着実な
対応と公害紛争
処理制度の
利用の
促進を図ってまいりました。
具体的には、
地方に在住する当事者の負担を軽減するため、
被害発生地などの現地で審問期日等を積極的に開催すること、事実関係を明らかにする事件
調査の充実を図ること、
国民や関係機関に本
制度を積極的に周知することなどに努めてまいりました。その結果、係属事件数が引き続き増加するなど
成果を上げておりますので、今後もこうした
取組を一層進めてまいります。
第二に、
平成二十三年に都道府県公害審査会等に係属した公害紛争事件は七十件でございます。公害の種類別では、騒音に関する事件が多くなっております。これらのうち、同年中に終結した事件は三十三件でございます。
第三に、全国の
地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情につきまして、
平成二十二年度の実態を
調査いたしました。公害苦情の総件数は、前年度から僅かに減少して約八万件となっております。これを苦情の種類別に見ますと、
大気汚染、水質汚濁、騒音、悪臭などいわゆる典型七公害に関する苦情は約五万五千件、それ以外の苦情は約二万五千件となっております。
当
委員会といたしましては、
住民に身近な場で公害紛争や公害苦情の
処理を担う
地方公共団体との情報交換などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。
続きまして、鉱業等に係る土地
利用の
調整に関する業務について御
説明申し上げます。
第一に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する業務についてでございます。
鉱業法に基づく特定の許認可などの処分に不服がある者は、一般公益や他の産業との
調整を図るため、当
委員会に不服の裁定を申請できるものとされております。
平成二十三年に当
委員会に係属した事件は、青森県下北郡東通村地内の砂利採取計画不認可処分に対する取消裁定申請事件など三件でございます。このうち、本件を含め二件は、同年中に終結いたしました。
第二に、土地収用法に基づく意見の申出等に関する業務についてでございます。
土地収用法に基づく不服申立てに対して国土交通
大臣が裁決を行おうとする場合には、当
委員会の意見を求めるなどとされております。
平成二十三年に当
委員会に係属した事案は、土地収用法に基づく意見の申出二十二件であり、そのうち、同年中に
処理した事案は十六件でございます。
以上が
平成二十三年中に行った公害紛争の
処理に関する業務及び鉱業等に係る土地
利用の
調整に関する業務の
概要でございます。
続きまして、
平成二十四年度
公害等調整委員会の歳出予算要求額について御
説明申し上げます。
当
委員会の歳出予算要求額は五億二千六百万円となっております。
要求に当たっては、厳しい財政
状況の中、公害紛争の迅速、適正な
解決に資するよう、第一に、
地方に在住する当事者の負担を軽減するため、現地で審問期日等を開催する
経費として千四百万円、第二に、事実関係を明らかにする事件
調査の
実施経費として三千百万円をそれぞれ計上しております。
以上が
平成二十四年度
公害等調整委員会の歳出予算要求額の
概要でございます。
公害等調整委員会といたしましては、今後とも、これらの業務を迅速、適正に
処理するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。