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2012-07-26 第180回国会 参議院 外交防衛委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年七月二十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月二十五日     辞任         補欠選任         佐藤 公治君    はた ともこ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 風間 直樹君                 広田  一君                 佐藤 正久君                 島尻安伊子君                 山本 香苗君     委 員                 石井  一君                 北澤 俊美君                 榛葉賀津也君                 山根 隆治君                 猪口 邦子君                 岸  信夫君                 山本 一太君                 山本 順三君                 山口那津男君                はた ともこ君                 小熊 慎司君                 山内 徳信君                 舛添 要一君    国務大臣        外務大臣     玄葉光一郎君        防衛大臣     森本  敏君    副大臣        外務大臣    山根 隆治君        防衛大臣    渡辺  周君    大臣政務官        防衛大臣政務官  神風 英男君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      武川 恵子君        外務大臣官房審        議官       五嶋 賢二君        外務省アジア大        洋州局長     杉山 晋輔君        農林水産省消費        ・安全局長    高橋  博君        農林水産省食料        産業局長     針原 寿朗君        国土交通省航空        局安全部長    高橋 和弘君        環境自然環境        局長       渡邉 綱男君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (在日米軍基地へのMV22配備に関する件)  (農林水産物等中国輸出促進協議会事業に関  する件)  (北方領土問題に関する件)  (尖閣諸島をめぐる問題に関する件)  (太平洋・島サミットに関する件) ○欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾  について承認を求めるの件(内閣提出) ○偽造品の取引の防止に関する協定締結につい  て承認を求めるの件(内閣提出) ○二千六年の海上の労働に関する条約締結につ  いて承認を求めるの件(内閣提出) ○千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協  定の譲許表第三十八表(日本国譲許表)の修  正及び訂正に関する確認書締結について承認  を求めるの件(内閣提出)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、佐藤公治君が委員を辞任され、その補欠としてはたともこ君が選任されました。     ─────────────
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣大臣官房審議官武川恵子君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 猪口邦子

    猪口邦子君 ありがとうございます。  委員長理事の皆様には、本日の質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げます。  また、森本防衛大臣には、大臣御就任につき、お祝い申し上げます。  本日は、外務大臣を中心に四つの事項につき質問いたします。  第一に、対中国農産物不正輸出疑惑。第二に、北方領土と、玄葉大臣、明日から訪ロされますが、そのことについて。第三に、七月中旬のASEAN関連外相会談。そして第四に、今週のオスプレイ岩国陸揚げについてでございます。  まず、在日中国大使館李春光一等書記官がかかわり、野田内閣鹿野農水大臣筒井前副大臣が絡む対中国農産物輸出事業疑惑、このことに関して機密文書が漏えいしていたとする中間報告が出ました。大臣、副大臣の関与を示唆しつつ、特定には至らず、内部調査の限界が明らかにもなっているのですが、本日は、外交的な側面からこの問題のやみを更に追及したいと思っております。  問題の本質は、検疫を受けずに米などを中国輸出できるとして、李春光書記官署名がされた文書で、我が国農水大臣あて文書、これが副大臣を通じて農水省に手交され、これを根拠文書として輸出現場で実施されたと、そして、中国検疫当局からは検疫免除はないと言われ、結局中国側指示全量廃棄となったというものでございます。  そもそも、我が国大臣あて在京大使館一等書記官から文書が発出されることは、主権平等原則に基づく外交プロトコール上、日本が不当に低くなることでありまして、この種の文書日本政府が受理したことは過ち認識していますけれども外務大臣認識はいかがですか。
  7. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ただいまの御指摘につきましては、結論から申し上げれば不自然であるというふうに思っています。  この文書につきまして、通常、こういった正式の文書というのは公印とかあるいは通し番号、こういったものが入っているわけであります。先方の大使館から、そして日本国外務省にあてると、大体こういう形式なわけでありますけれども、今回、公印もなければ通し番号がないと。  そして、おっしゃったとおりのところがあるんですが、いわゆる当該一等書記官から農林水産大臣あてということでありますから、確かに外交上のやり取り通常行われるものとはこれは形式が違うというふうに、ここはやはり言わざるを得ないと。残念ながら、我々、事後的に承知したわけですけれども、このことは不自然だというふうにこれは申し上げざるを得ないというふうに思います。
  8. 猪口邦子

    猪口邦子君 不自然ということではなくて、これは受理したことが過ちであるという認識を持たないと、主権平等の原則に照らして、やはり我が国の名誉を維持することができないと思うんです。おっしゃるとおり、公印もなく通し番号もなく、大使の、だから署名がないわけですから。これは任国の大臣に対して出す大使館側からの文書大使によってのみ可能であるというのが外交上の常識、そしてプロトコールの方法であると思っております。  では、どうして当該文書はそもそも作成されたのか、どのような経緯で作成されたかを検証しなければならないんです。この検証をする中で、この文書が僅か数時間のうちに急ごしらえされたことが明らかになります。問題の日は二月二十四日。既に八百キロを超えるお米が成田税関に積み上がっていました。成田税関からは、これはさっきの中間報告に出ているんですけれども植物検疫証明書薫蒸処理済み証明書が必要との連絡農水省側にありました。これは恐らく地方農政局から入っているんだと思いますけれども、この連絡本省に入ったのは何時でしょうか。
  9. 高橋博

    政府参考人高橋博君) お尋ねの二月の二十四日の米等中国輸出の件でございますけれども、今先生の御指摘ありましたように、二月二十四日の午前中に成田税関輸出申告がなされました。その際、税関におきましては、米の輸出については届出あるいは薫蒸が要るということで、この関係届出の書類が、私ども出先機関関東農政局に昼ごろに成田税関から確認連絡ございました。  私ども本省にはその後に関東農政局から報告がございまして、これは米の担当部局に入りまして、私ども検疫部局の方に連絡が入ったのは同日の夕刻でございます。
  10. 猪口邦子

    猪口邦子君 私がいたしました調査では、高橋局長のところに大体二時ごろに入ったのではないかと思っております。  そして、結論から申し上げますと、農水省現場現場はきちっと仕事をしたということですね。つまり、ちゃんと文書がなければこれは困るのだということを発見して、成田税関も含めてですよ、それできちっと仕事をして、本省にその文書が本当にあるんでしょうねと。それで、局長においてもちゃんと仕事はされて、それではその文書はあるんでしょうねと副大臣にお尋ねしたと、これが大体午後だったと思います。それで、副大臣文書があるというふうに発言していますね。それまでは電話でそういう検疫はなくて大丈夫なんだという発言をしているということですが。  この文書、副大臣があるよと言って、ではその文書を下さいと局長は恐らくおっしゃって、これが局長に手交されたのは何時ですか。
  11. 高橋博

    政府参考人高橋博君) 御指摘の経過を踏まえまして、私が文書を手交されましたのは同日の夜の十時ごろでございます。
  12. 猪口邦子

    猪口邦子君 そうでしょう。ですから、大体五時ごろに大変だと、この文書が本当にあるのかと、ちゃんと出してくださいよと局長から副大臣に言い、副大臣はこの四、五時間の時間の中でその文書中国大使館から入手したということです。  この結果、この文書根拠輸出はされるんですけれども、結局、政府現場は、実際の輸出現場は、この文書があるから輸出検疫は不要と判断したんです。だから、輸出が行われたんです。それで、四月十九日になって、中国質検総局より、二月二十四日輸出された米等展示品については、これは北京常設展示館に展示されるものなんですけれども、それは中国法令違反で返送を要求すると来たでしょう。ところが、その事務をちゃんとやらなかったと思いますが、五月二十五日になって廃棄処分ということになったという公電がこちらに接到しているという、こういうことなんです。  つまり、一枚のこの紙、文書によって、日本政府は、まさに政務が何らかこしらえたこの文書によって農政現場は翻弄され、これに基づいて間違った実施をしたと。つまり、だまされてしまったと。一つの省内の中で政務現場の本当にきちっと仕事をしようとしている行政担当者たちをだますような根拠文書となるものを作成したということではないかと思います。  誰でも普通は分かる外交文書としてのまずさがあるわけですから、もし外務省に聞けば直ちに分かることだったので、これがなされていなかったということが、もし農水省落ち度があるとすれば、つまり事務方落ち度があるとすれば、そうなんですね。実際には、この偽りの文書、これは政務によって作られたものであるということになってくるんですね。なぜかというと、その文書が必要だということは現場は気が付いていたということです。  ですから、現場が失敗したのは、えせ文書、偽の文書をつかまされているということに気付かなかったということ、そして外務省に相談しなかったということ。他方で、外務省の側は、窓口をやってやろう、何とかしてやろう、そういう気迫も気力もなかったということ。この両方の問題があるということです。  つまり、推測ですけれども、二月二十四日五時から九時ないし十時の間に、高橋局長がその文書提出を強く求めたので、副大臣から李春光書記官に書いてもらうということが推測されるわけです。  今私が述べたことを明確に国会で否定することが局長はできますか。できるかどうか分かりませんが、今答えてもらいます。もしどうしてもできないんだったら前副大臣を呼ぶしかないんですけれども、今となっては、このように国の重大事項ですから、現在の農水大臣、現在の外務大臣が、この文書がこの日、局長事態の重大さに気付いて副大臣にそのことを伝え、副大臣からの依頼で急遽中国側が作ったということなのかどうなのか、これは調べてもらいたいんですね。  だから、道理で大使署名なんかないわけですよ。だから、大使署名がない。大使署名がないというただ一つのことから、これだけ推論していくことがこの中間報告を見ればできるんですけれども、本日提出してあります最初のページの資料がそれでございます。これは中間報告からのコピーでございます。  では、今私が述べたこと、局長は否定できますか。
  13. 高橋博

    政府参考人高橋博君) 今御指摘の事実関係については、おおむね御指摘のとおりでございます。時間等の推移等についても同様でございます。  ただ、この輸出検疫と申しますのは、海外から国内に入ってくるものの検疫とは異なりまして、相手国の要請に応じて要不要が決まるものでございます。特に今回の場合につきましては、いわゆる米の貿易一般に対する制度的な対応を行うというものではなくて、特定の、個々の荷口についての要否と、こういったものにつきましては、過去におきましても一般貿易とは別に特別の取扱いを行うというようなことも行われておりました。  今委員指摘のとおり、確かに外務大臣からもお話ございましたとおり、様式として一等書記官名大臣あてという、非常に通常文書とは異なるような扱いではございますが、ただ、一等書記官名のもので例えば私ども検疫所長あて等文書であったとしても、これについては中国側意向確認という形で受け取ったというふうに考えております。
  14. 猪口邦子

    猪口邦子君 この文書は、我が国認証官あて一等書記官からの文書でございます。それが常軌を逸していると申し上げているんです。  そのセンシティビティーを持つのは、今のお答えを伺うとやっぱり外務省なのかなと思いますから、今後は外務省に様々なことをきちっと相談してもらいたいし、そのような指示総理から行政各部に出すべきであると思いますので、外務大臣意見具申をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  15. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃる御指摘はもっともだというふうに思うんです。  つまり、対外関係が言わば全体的に整合的であるようにするのは外務省役割でありますので、そういう意味で、総括を行う立場から適切な役割を果たしていけるようにしたいというふうに思います。  そういう意味で、総理大臣にということですか。
  16. 猪口邦子

    猪口邦子君 そうです。
  17. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そういうことは、官邸も含めて共有したいというふうに思います。
  18. 猪口邦子

    猪口邦子君 お願いします。  例を挙げれば枚挙にいとまがないんですけれども、次の二つの資料もちょっと見ていただければいいことなんですけれども、これは、まず我が国の、二〇一〇年十二月には前副大臣名で覚書が相手国に発出されていますけれども、その相手国営企業社長というものですね。それで、同じ相手に今度は大臣からの署名で翌年の二月四日に声明が出されています。  ですから、こういうことを見れば、もう我が国国務大臣を非常にプロトコール上過小評価しているんですよ。同じ相手に副大臣大臣と出しませんから。しかも、大臣相手というのは農業部長なんですね。これが中国のその大臣に相当する人なんです。それで、国営企業とはいえ、董事長という社長級の人とやり取りをするのであれば、そのようなマンデートを中国側が与えているという通告を日本側にするというのが本当は普通のやり方だと思いますので。  そのようなことも含めて私が申し上げたいのは、このように国の対外行為として極端に外交常識プロトコールから外れたことが民主党政権で横行するようになっています。日本の名誉が保たれません。また、国としての対外能力不足海外に知らせることになりますので、危険であります。  ですから、今申し上げたように外務大臣はしっかりと、とりわけ認証官文書の授受を含むことにつきましては、行政各部対外行為につき外務省に相談するよう、ちゃんと総理にそれを意見具申して、総理からそのような指示を出してもらいたいということなんですけれども、お願いいたします。やってくれるというお話を今いただきました。  そして、その総理なんですけれども、まず、今回、薫蒸なしで輸出した米について民間事業者被害を被っているわけです、とにかく全量廃棄となったわけですから。本来政府民間事業者被害を防ぐ責任があります。外務省農水省民間人被害が発生することをなぜ事前に防ぐような行動を取らなかったのかと、そういうこと自体が政府として能力不足ということなんです。  しかも、その二か月前に野田総理大臣は現地を視察。ですから、野田総理大臣にも民間人被害を防ぐことができなかったというこの責任が残るんです。つまり、この十二月二十五日、野田総理直前総理日程を変更して、これは筒井大臣にお願いされたと文書では出ていますけれども、この北京常設展示館に立ち寄りますけれども、そしてさらに日中首脳会談でも、それを根拠輸出促進のお願いを中国側にしているんですけれども、この展示会に向けて輸出した、二か月後に輸出した事業者が莫大な被害を受けているんですね。ですから、被害発生の助長した責任が発生していると思います。  これは総理も、総理大臣、今いらっしゃらないので、外務大臣を通じて、こういうことの責任、重大であるという認識を伝えておいてほしいし、また政府全体としてやはり深刻に受け止めなければ駄目ですよということです。大臣、何とか分かってください。  それで、総理は、しかも総理日程を今申し上げたように直前に変更している。この時点では中国政府側から、つまり質検総局からは、展示品検疫については特別扱いはしないという回答があったんです。ですから、異常事態がもう既に発生している。だから、このとき鹿野大臣は、総理に同行することを模索していましたけど、直ちに諦めたんです、御自身は。それで副大臣が同行していたんです。で、副大臣はその直前勉強のレクの場で、立ち寄ってください、お願いして、総理は何と総理日程を変えて立ち寄ったんです。  こういうことを軽々に行うという政府の体質。しかも、外務大臣総理日程詰めにおいてきちっと総理を守れたのかと。こういうことについて意見具申すべきです。そんなこと、自民党政府であれば、総理日程直前にこのような案件で変わることは考えられないんですよ。そういうことをきちっと意見具申できたのかと。そして、肝心な北京大使館はどのような意見具申をこの総理日程変更について寄せてきたのか。その辺はどうですか、外務大臣
  19. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これ、総理のこの立ち寄りですか、総理の御答弁では道すがらだったということでございますけれども、おっしゃったとおり、訪中直前勉強会でそういうお話があったということでございます。私、この場におりませんでしたけど。  ただ、おっしゃるとおり、最終的な責任というのはもちろん外務省にもあるわけでございまして、そこは甘受したいというふうに思いますけれども、そういう意味で、それが察知できれば私としてもそのことについて意見具申できたのかなというふうには思いますが、ただ、総理としてはあくまで、総理自身答弁にございますように、その当時、この問題についてまさに特段問題があるという認識を有しておらず、何か空港からのまさに道すがらだったという答弁をされておられますので、全くそういう感覚だったのではないか、それで本当に日本農産物輸出というものが進めばよいと、恐らく詳細は存じ上げなかったのではないかというふうに思います。
  20. 猪口邦子

    猪口邦子君 ですから、そのインテリジェンスといいますか情報といいますか、その全てが破綻しているとしか考えられないんです。なぜかというと、この中間報告を読めば、もう詳細にその時点異常事態政府の中で発生してる認識はあったんですから、それが官邸に上がっていない。  そして、大臣は今後、総理日程について、非常にやかましく、きちっと詰め自分の目で確認して行うと。そういうやっぱり一歩一歩の改善をしていかないと、もうこれは与野党を超えて、我が国のメンツが保てないということなんです。軽々総理日程、こんなふうにしないでください。  では、北方領土、あしたからロシアに向かうということですので、お伺いします。  まず、法と正義原則を基礎とする解決により平和条約を早期に締結するよう交渉を継続すると、この歴史的な文言、これは誰によって起草されたかといいますと、細川総理大臣です。これは、一九九三年十月十三日、エリツィン大統領署名した東京宣言、この文書で初めて法と正義に基づいてということが、平和条約締結に向けて、もちろん北方四島の帰属明確化に絡んで使われた言葉であります。  元々、最初言葉としてこの文脈で使われましたのは、自民党中山太郎外務大臣によって第四十六回国連演説においてです。国連演説は、しかし一方的でございますので、それで細川内閣において東京宣言の形で両国の考えとして確立できたと。  では、玄葉大臣もよくこの法と正義に基づきという言葉を使われますが、法と正義に基づくという具体的な内容はどう理解されていますか。
  21. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) まず、やや抽象的に申し上げれば、法と正義の法というのは、国際法の遵守ということだと思います。そして、正義というのは、言わば客観的事実に基づく普遍的正義ということだと思います。  それをもっと具体的に言うということになれば、法の内容としては、軍事占領した他国領土を一方的に自国領土に編入することは認めないという、例えばそういった一般国際法等々、あるいは様々な条約、そういったものを指すというふうに考えております。
  22. 猪口邦子

    猪口邦子君 今おっしゃった、軍事占領したところを一方的に自分領土に組み込まないということは、北方領土について当たると思っていますか。
  23. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 当たると思っています。
  24. 猪口邦子

    猪口邦子君 それは、ソ連軍が一方的に占拠した、その領土ということですね。それを一方的に彼らが自分領土とすることは、法と正義に反するというふうに理解されているんですね。
  25. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そういう理解です。
  26. 猪口邦子

    猪口邦子君 この四島は、まず日本の固有のものなんですね。日本他国から奪ったものではまずないという根本の理解。つまり、略取した地域ではないという言葉カイロ宣言で使われていますけれども、こういう範疇のものです。ですから、日本が戦争を通じて奪ったとか、そういうものではないということですね。  私は、この五月にビザなし渡航で択捉島に上陸してきましたけれども択捉島ソ連軍が進軍するのは、日本が降伏の意図を明確にして終戦してからか、それともその前なのか、どちらですか。
  27. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ごめんなさい、終戦してからなのか、その前なのか。
  28. 猪口邦子

    猪口邦子君 そうです。
  29. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 択捉にソ連軍が上陸したのは、これ、我が国ポツダム宣言を受諾したのは八月十四日でありますけれども、その後の八月二十八日というふうに思います。
  30. 猪口邦子

    猪口邦子君 そのとおりでありまして、ソ連軍は、八月十八日からカムチャッカ半島から占守島にずっと下りてきます。それで、私が今回行った択捉島、ここにソ連軍が到達したのは一九四五年八月二十八日からです。  今回、私は紗那というところに行ったんですけれども、そこには日本郵便局が廃墟となっています。その八月二十八日午前十一時、この郵便局と隣の留別局との交信が不通となりました。回線が不通となったんですね。それで、午後の五時ごろ、聞き慣れない言葉が入ってくると、郵便局員は二人いたんですけれども、これはアメリカ軍が進駐したのかなと勘違いするぐらいだったんです。それで、夜十時になって、択捉全土がソ連軍に完全占拠されていることが分かって、その郵便局から最後の連絡が本土に入っています。中立条約違反のみでなく、降伏し、終戦して武装解除しているところへの進軍であるんですよ。  ですから、スターリン・ソビエトのその歴史を、法と正義を追求するプーチン・ロシアは超克すべきなんです。法と正義に反する過去からの脱却姿勢を明確にすべきなんです。そう伝えていただけませんか。そうすれば、両国は、日本とロシアは法と正義に支えられた大国同士の二十一世紀を築けるはずです。私は玄葉大臣にビッグピクチャーとこの間も言いましたけれども、それをラブロフ外相と共有すべきです。どうですか。
  31. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 法と正義についての定まった言わば定義を日ロの間で現実に具体的に置いている、あるいは置けている、そういう状況では現在はないわけです。まさにそういう議論も含めてこれから外相間等々で行っていくということになるだろうと。ただ、余り具体的なことをこの場で申し上げるのは適切じゃないというふうに思っておりますけれども、もちろんロシアはロシアで我が国と立場が異なりますから、ロシア側はロシア側の主張をしてきます。この間も部分的にございましたけれども、これからそういう議論を外相間でも行っていきたいというふうに考えております。
  32. 猪口邦子

    猪口邦子君 ロシアが参戦しましたのは八月九日ですけれども択捉島に達したのが八月二十八日ということですので、それは完全に日本が武装解除している段階だということにおいて、法と正義との観点からこれを両国の共通理解とするというのがまず一つのことで、私たちは択捉島日本帰属を断固として求めていると、択捉島までのですね、そういうことなんです。  で、ラブロフ外相ですね。ラブロフ外相は、国連大使、非常に立派な大使だったんです。私は二〇〇二年からジュネーブの軍縮大使を務めましたけれども、ジュネーブにはスコトニコフという大変立派な大使がいました。しかし、我が国は核廃絶決議案というのを国連総会で担いでいて、国連本部の方に行って、そしてラブロフ大使ともいろいろ交渉を行うことがありましたけれども、そのときを思い出しますけれども、圧倒的多数の国、そして核保有国五か国の過半数を取れというのが私に対する訓令でした。それで、いろいろ苦労しましたけれども、ロシアはそのとき、今までの立場を変えて日本の核廃絶決議案に賛成票を投じたんです。  つまり、ラブロフ外務大臣玄葉大臣のカウンターパートですけれども、法と正義の絶対分かる方だと私は思いますので、そういうしっかりとした交渉をする今がチャンスなんですね。それで、どういう場合にロシアは、この四島帰属は日本のものであると確定したときにどういうことが一番の懸念事項なのか、これを聞き出してもらいたいんですね。  それで、大臣は既にラブロフ外相と何度か会っているんですね。どのぐらいですかね。六回だった、ちょっと。
  33. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 二国間の外相会談という意味では四、五回ございますし、それ以外にもG8外相会合とか様々な、マルチの場面で言葉を交わしたり、一緒に夕食を取ったりなどしております。
  34. 猪口邦子

    猪口邦子君 私は、玄葉大臣は、九月の初めに外務大臣に就任されたと思います。この短い一年の時間の中で非常に集中的にこのラブロフ外務大臣と接触を図っています。そこは非常に狙いが正しい、非常に集中力があると思います。それを生かせるかどうかなんですよ。これからが本舞台なので、ロシアの懸念事項を聞き出すことです。それは、相手玄葉大臣を信頼してくれるかどうかに懸かっていますから、そういう信頼を獲得して、何が不安なのか、例えば太平洋側に出ることができなくなるというのが不安なのか、一体何なのかということをいろいろと聞いてきてもらいたいと。そのような本勝負、私は、細川総理の時代に総理としてできたんだと思いますから、玄葉大臣も、ここが勝負なんだということで、この領土交渉、領土の帰属にかかわる外相交渉をやってもらいたいと思います。  それで、私の希望は、この交渉の結果につきアメリカに丁寧に説明すべきなんです。アメリカの大使通じてでもいい、これは正式の外交ルートですよ、外務大臣大使というのはね。あるいは、ヒラリー・クリントンさんに直接でもいい。北方領土日本帰属を確定するために、ハワイ生まれのアメリカの大統領、オバマ大統領の尽力を求める、そういう意見具申玄葉大臣総理に行うべきなんです。  択捉島とハワイ島、両島を結ぶ歴史の悲しみですね、これをやっぱり見詰めて、オバマ大統領の助けを借りなければならないと、私は最終的にこの問題を解決していくときにそこが要となると思いますので、是非この交渉の結果を丁寧に誠実に、そしてあなたの助けが必要なんだということをアメリカに言うことだと思います。それをちょっとお願いしておきます。  それから、メドベージェフ首相がこの間、国後島に上陸しました。以前も二〇一〇年に行っています。それで、択捉島には行かなかったんですね。天候の理由、あそこの天寧の飛行場は着陸が非常に危ないところで発進基地なんですね。新しい飛行場が建設されているというふうに聞いておりますけれども外交では、何をやったか、何をやっていないかという両方が大事ですね。国後島には行ったけれども択捉島には行かなかったということは、訪問の範囲は広げなかったということですね、二〇一〇年から。それももしかしてシグナルかもしれないんです。  そういうことも含めて、外務大臣は、ある程度情勢が整ってきているので、ここで本当に本勝負をやってもらいたい、やる責任があると、その席に座っているということはその責任があるということをお伝えします。  北朝鮮の体制内の最近の変化、これについての考えもロシア側とすり合わせるべきだと思いますけれども、ちょっともう時間もなくなりましたので、それはお願いしておくだけにいたします。  あと、ASEAN関連外相会議に積極的に出席されました。来年は日本・ASEAN四十周年。報道によりますと、特別首脳会議、開催する合意を取り付けたと聞いておりますけれども、その取組準備、どのようにお考えですか。これは非常に評価ができる局面です。
  35. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は、もうASEANというのはこれから日本外交にとって極めて大事な地域であるというふうに思っております。  二〇一五年にASEANの共同体構築というものを目指してASEANが動いておりますので、その取組をしっかり後押しをしたいというふうに思っていますし、日本とASEANの協力関係が始まって四十年ということでもありますので、ASEANの首脳の皆さんに日本においでをいただいて、日本とASEANの関係、これ二〇一三年に行うということで事実上決定をしたわけでありますから、連結性の強化、域内の格差是正、防災協力、様々な交流のみならず、今回のARFなどでも特に話題の中心は海洋の問題でございました。やはりそういった問題についての連携というものを深めていくということは私は不可欠であるというふうに考えております。
  36. 猪口邦子

    猪口邦子君 今外務大臣がおっしゃいましたとおり、今回のASEAN外相会議の特徴は、ASEAN側の会議ですね、ここは共同声明が議長国カンボジアにおいて調整し切れなかったということで、これはASEAN諸国の中国との外交的距離感の複雑さ、これを象徴していると。しかし、フォローアップして何とか形整えたということがありますけれども我が国はシーレーンの関係でも非常に南シナ海のところは大事でありますし、中国との様々な距離感のことというのはやはりいろいろと考えなければならない、そういうことについてASEANの国と日本がしっかりとした協議をするのが来年の首脳会議の場ということと期待しております。  添付資料に後半付けておりましたのが、大部のものがあって恐縮なんですけれども、東アジア大臣会合、これは男女共同参画担当大臣会合というもので、私が大臣のときに初めてこの東アジアにおいて開催し、ジョイントコミュニケが満場一致で採択され、一回限りの会議と思いましたが、全員がこれを続けるべきだと言って隔年に続いてきたものでございまして、一部、今後ASEANでも女性大臣会合が推進されると、この度、クリントン国務長官も熱心な動きをしたと。  今日は武川審議官に来てもらっていますので、この東アジア女性大臣会合、プロセスを是非強化して発展させてもらいたいと思い、また玄葉大臣にはこのようなことがありますということをちょっと勉強していただいて、両者協力して発展させていただきたい。やっぱりアジア的な文化の中で、男女共同参画、苦労している国々が手を取り合って前進していくという意図ですが、武川審議官、一言どうぞ。
  37. 武川恵子

    政府参考人武川恵子君) 内閣府といたしましても、男女共同参画に関しまして共通する文化的、社会的背景を有する東アジアにおきまして、閣僚レベルの方々が一堂に会しまして共通の課題や今後の政策につきまして意見交換や好事例を共有していくということは大変意義のあることだと考えております。  第五回の開催国がまだ決まっておりませんけれども、こうした会議が続けられるように引き続き働きかけを行ってまいりたいと思います。
  38. 猪口邦子

    猪口邦子君 是非、国会からもお願いしておりますので、しっかりと内閣府と外務省、手を取り合ってお願いいたします。  それでは、森本防衛大臣も含めて、MV22オスプレイについてお伺いいたします。  岩国市そして山口県、この両自治体は従来から日本の安全保障について非常に深い理解、そういうものがあるところなんですね。にもかかわらず、オスプレイ搬入をめぐり安全保障に不可欠な社会的な信頼、その合意、これがここまで崩れた責任、これは非常に重大であると私は指摘せざるを得ないんですね。  福田良彦市長、私と二〇〇五年当選同期の仲間です。国政で未来を志した、だけれども、安全保障の要の岩国市、自分の故郷でもあると思います、ここに思いを致して、市長としてこの議場を去ったんですね。私は今でもその決断をしたときの光景を思い出しますけれども、強い安全保障への思いですよ。その福田市長がここまで怒るのはよほどのこと、よほどのシグナル。  つまり、私が感じますのは、両大臣とも情熱ある訴えを行ったんですかということなんです。オスプレイの導入、これが海兵隊の機能を格段と強化すること。これはそもそも戦闘機じゃないでしょう、輸送機でしょう。そして、今までのCH46、これヘリコプターだからもう大きな限界が来ていて、例えば積む貨物の量も四倍になるとか速度も二倍、二倍で逃げる、二倍で到達できる、救援も二倍、四倍でできる、そういう説明をやったのかどうかということなんです。  そして、理事の先生の御許可を得てこの本を示したいと思います。(資料提示)これはマックス・ウェーバーの「職業としての政治」という本であります。職業としての政治。民間大臣でいらしても職業としての政治に今かかわって森本先生いらっしゃいます、大臣いらっしゃいます。マックス・ウェーバーは、政治家にとって大事なことは三つあるんだと言っているんですね。その最初に来るのが情熱なんですよ。情熱、責任感、そして判断力の三つの資質が特に重要であると。この岩波文庫の七十七ページ、もし時間があったら是非読んでください。ここで情熱とは、事柄に即するという意味、そのザッヘへの情熱的献身。例えば、与党であるから大変な面もあると思います。でも、導入しなければならない、その説明。その効果、その重要性、本当に火の玉となって説明し得たのかということなんですね。  そういうことへの情熱、これが十分であったかどうかについてちょっとお伺いします。森本大臣、お願いします。
  39. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 全く先生御指摘のように、従来、山口県及び岩国市というのは、在日米軍のみならず、自衛隊が安定的にあの地域に運用される、運用するということについて、大変前向きで積極的な役割を果たしていただき、我々としても、政府としても、本当に日夜この地元の御努力、地元の寛容な態度は有り難いと思って今までやってきております。今でもその点は変わらないと思います。  今回のオスプレイの配備については……
  40. 猪口邦子

    猪口邦子君 時間がもうないので。
  41. 森本敏

    国務大臣森本敏君) はい。岩国に陸揚げしたのですが、二つの事故の原因が調査され、我が方に通報され、安全が確認されるまで一切の飛行を行わないということについて、地元に行って説明もいたしましたし、昨日も山口県知事及び岩国市長が東京においでになって、丁寧に政策については説明し、これを今後とも続けていきたいと、このように考えております。
  42. 猪口邦子

    猪口邦子君 御答弁ありがとうございました。  やはり、情熱持って推進しなければならない政策について説明する、そしてその情熱が相手に伝わるように、そういう仕事をするんだということだと思います。  それで、私も少子化大臣のときに、議員になってからですけれども、議員になって本当に間もない数週間で大臣になったんです。そのときの本当に大事なことは、関連大臣が二倍、三倍の情熱を持って仕事をしてくれるということなので、玄葉外務大臣、まさに玄葉外務大臣がここを頑張って、どうしてこの新機種が必要なのか、我が国の安全保障にとってどういう重要性があるのか、火の玉になって二倍、三倍の仕事が必要なんですよ。私にとっては、当時の厚労大臣の川崎二郎大臣、文科大臣の小坂憲次大臣、そして官邸では官房副長官の長勢甚遠副長官ですね、こういう方たちが三倍の情熱で新米の大臣だった私を支えたんだから、玄葉大臣、頑張ってください。
  43. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今いただいたアドバイスあるいは対ロ外交を含めたアドバイス、しっかり肝に銘じたいと思います。ありがとうございます。
  44. 猪口邦子

    猪口邦子君 終わります。
  45. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党佐藤正久です。  玄葉大臣、先日ある女性から言われました。店頭で福島の大根と広島の大根があったら広島の大根を買ってしまうと。なぜなら、政府が幾ら安全と言っても政府を信用できないからだと。どう思われますか。
  46. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は逆に、福島県の農産品は最もよく検査をしているので福島県の農産品は安全であると、そういうふうに言っておりますが、今、佐藤委員、ふるさとは一緒でありますけれども、広島の方がそう言われたということについて、重く受け止めるというか、現実にブロッコリーにしてもアスパラガスにしてもそうなんですけど、値段が下がっているというのはそういう事象からだというふうに思っています。
  47. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは広島の方じゃなく、広島産のものを買ってしまうと言っただけで、要は、政府が幾ら安全だと言っても、政府を信用していないから安心できないんですよ。  これは尖閣諸島も同じ。政府は国有化を検討しておりますけれども、その地権者の親族の方は、これは国ではなく東京都の方に購入していただきたいと、その理由は民主党政権を信用していないからだと。オスプレイ反対も同じなんですよ。山口県知事も政府不信、これを主張しています。民主党政権への不信がやっぱり渦巻いているんですよ。放射能の問題もしかり。尖閣もオスプレイも不信、不信、不信。民主党政権への不信のオンパレードなんです。オスプレイの反対派の中には、そのオスプレイの有用性は理解しつつも、やっぱり政府の地元対応に不信感を持って反対している方も多いです。まさにスケジュールありきの岩国揚陸。だから、今回の事故調査も、機体の構造上の問題はないとの結論ありき、アリバイづくりだろうというふうに思っている方も多い。  玄葉大臣、これは民主党政権の再稼働ありきの大飯原発と似ていると思いませんか。
  48. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は、このオスプレイについて、初めにスケジュールありきではないというふうに思っていますので、安全性が確認されるまでは飛ばさないということが大切、ただし、力の空白を生じさせないというのが大前提だというふうに思っています。
  49. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから分かっていないんですよ。安全というのと安心は違うんです。幾ら玄葉大臣が安全だと言っても、受ける方が安心してもらわないと、それは理解は得られないんです。そこがずれている。安全と安心は違うんです。  だから、大飯原発だってそうなんです。初めから大飯原発の再稼働ありきで、住民避難計画も作っていない、免震重要棟も整備をしていない、フィルターも整備をしていない。安全だと幾ら政府が言っても不十分なんです。だから、やっぱり滋賀県の方も福井の方も京都の方もみんな安心はできていない。だから、今度は安全対策よりも高浜原発再稼働だというふうに本音を言ってしまう。  オスプレイも同じなんですよ。玄葉大臣が幾ら安全だと言っても、一〇〇%の安全というのはないんです、一〇〇%は。どうせ配備ありきだ、政府不信がある限り、不安というのはなかなか国民から拭い去ることができないんです。  ただ、防衛大臣、オスプレイの沖縄での運用、これ十月を目標という方針ですけれども、これは日米で既にすり合わせており、あくまでも前提事項が変わらなければの話ですけれども、ぶれては駄目だと思います。日本の都合で運用を遅らせてくれということは、日米の信頼関係上も、安全保障上も私は大きな問題だと考えています。周りの国も日本の対応を見ていると思います。大臣、ぶれないと約束できますか。
  50. 森本敏

    国務大臣森本敏君) オスプレイを今後沖縄に配備するというのは、本来はアメリカ側のグローバルな配備計画に基づいて、この地域、特に日本のいわゆる南西方面の地域の安定を維持するためにアメリカに必要な抑止力をどうやって維持するかというアメリカの安全保障上の全体目的と、今先生の御指摘のように、地元の方々の安心をどうやって確保するのか、この二つをどのようにして政策として調和するのかというのが我々の説明責任であり、我々が今後取り組むべき大きな仕事一つだというふうに考えております。
  51. 佐藤正久

    佐藤正久君 十月の配備、これは前提事項が変わらなければ予定どおりか、日本政府はそれを受け入れるか、それだけ聞いているんです。ぶれるかぶれないかを聞いているだけです。
  52. 森本敏

    国務大臣森本敏君) この問題は、今申し上げましたけれども、アメリカの全体の配備計画というのを我々としてどう受け止めるか、まず二つの事故というものの原因をきちっと究明させて、その安全性を確認することを地元の方々に理解をしていただく努力をして、そこから我々はどうやってアメリカ側とこれからいろいろな協議をしていくかということであって、今先生の御指摘のように、全体の計画がきちっと決まっているのかということについては、今後の事故の調査と安全性の確認をどのようにして我々として進めていくかということの次第に懸かっていると思います。
  53. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、ぶれるということです。前提事項が変わらなければ私はぶれる必要がないというふうに言っているにもかかわらず、じゃ、これは安全確認というのがもう取れない、であれば、十月の配備も当然遅れるということですか。
  54. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 繰り返しになりますけれども、アメリカが二つの事故の調査をやっていて、これで原因をきちっと究明してくれるということが前提ですが、その前提に立って我が方が独自に分析チームを送り、我が方としても安全を確認して、それから、つまり、それまでは岩国で一切の飛行をしないということを日米間で約束しているわけです。  そこから後は、アメリカは、さっき申し上げたように、この地域の力の空白といいますか、抑止力というものを穴を空けたくないと考えているので、我が方としてどのようにすれば日米の抑止機能をきちっと補完して、お互いにこの地域の安定を果たしていけるか。それはまさに前提が幾つも重なってあるわけですけれども、その前提が全て予定どおりにいけば、当初アメリカが言っているように、十月に部隊が配備されるといいますか、機能を発揮するということはあり得ると思います。前提条件が全てそろえばの話です。
  55. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、全然分かっていないですよ。安全と安心は違うんですよ。その有用性というのはみんな分かっているんですよ。いかにその安心感を取るか。幾ら政府が安全と言ったって、それは通用しない部分もあるんですよ。でも、そのためにはやっぱり一つずつ詰めていって、日米の約束守るという意思がなければ絶対動くわけないですよ。  この十月からの運用開始、これはアメリカが今まで公表しているスケジュールです。ただ、これは、今年の後半というのは昨年の六月からスケジュールはもう公表しているんですよ、アメリカは、玄葉大臣、承知のとおり。本年の後半からそれは展開しますと、これを日本政府も容認していたわけですよ、今まで。米国からすれば、何を今更というふうに思っている部分もあると思います。  ただ、去年の六月からこう言っている割には、日本政府の地元説明が極めて遅かったと。今手元に防衛省が作った資料があります、地元説明資料。これも六月なんです。岩国や沖縄への説明も六月。去年の六月から今年の六月、一年間余り動いていないんですよ。防衛大臣、何でこんなに遅れたんですか。
  56. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 確かに、御指摘のとおり、アメリカが日本にこのオスプレイを配備するということを正式に通報してきたのは昨年六月のことです。そのときの状態というのは、我が方としてはこれをどう受け止めるかと、そしてそれをどうやって国内に説明するかということを部内でも協議をして、アメリカ側からいろんな基礎的なデータを取り寄せ、我が方としてどのように日本語にしたらきちっと説明できるか、このパンフレットを作るのに相当時間が掛かって、できたのは……(発言する者あり)そういう理由によるものだと私は理解しています。
  57. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、一年間掛かりませんよ、こんな資料を作るのに。防衛省、そんな省じゃないですよ、すぐ作ります、作ろうと思ったら。要は、一川大臣や田中大臣が本問題を避けてきたんですよ。まさに野田総理の大チョンボ、人事のミスが今全部ここに来ているんですよ。  六月のこの防衛省作成資料の中も、MV22の事故事例はあっても、CV22は一つも書いていない。B、Cクラスの事故例も何にも書いていない。これは情報隠しというふうに取られたって仕方ないんです、書いていないんですから。  さらに、飛行訓練のルート、これも今年の四月に米国が公表しました。公表されたら、この訓練ルート、どうなるかというリアクションを外務省防衛省も全く考えていなかった。想定力がないんですよ。結果、これが、説明が後手後手後手になる。もう全国知事会でも、これは反対決議。恐らく全国の議長会、もうすぐ始まりますけれども、これでも議題になるでしょう。沖縄県や山口県だけではなく、敵をどんどん増やしている。戦線を広げているんですよ。もう民主党政権は、だから素人だと言われるんです。オスプレイについては非常に拒否反応が高い、もう分かっていて、この一年間何にもやってこなかったんですよ。それが今こうなっている。  私もオスプレイの有用性は認めています。そんなの、いっぱいあるんですよ。幾ら有用性説明したって、今この不信感というのはなかなか拭えない。情報不足だし、広報のやり方もいまいちだし、地元対応のずさんさ、これは最たるものです。これが混乱、反乱に拍車を掛けているというふうに思います。米国もあきれていると思いますよ。  防衛省の方では、施設庁がなくなって、基地対策が弱くなっている。正論だけでは通りません。今まで、大きな演習をやったり、飛行機が低空飛行したら、馬が急に走り出してそして骨折をしたとか、豚が死んだとか、牛の乳が出なくなった、ひよこが死んだ、そういうのに全部細かく対応してきたのが防衛省じゃないですか。何でこの一年間オスプレイについて何にもやってこなかったのか、全然理解できません。  私は、基地対策の陣立て、これも強化すべきだし、米軍がやっているようにミッションサポートチームというものもつくるべきだと。我々は、イラクでも、別にミッションサポートチームつくって、安心あるいは理解という部分、別なチームとしてやりました。幾ら正論を言ったって通らないんですから。安全と安心は違う。  大臣、そういうミッションサポートチームとか基地対策、強化すべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。
  58. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 幾つか重要な御指摘をいただき、大変ありがとうございます。  ただ、最初にこのオスプレイMV22だけを説明したパンフレットを作ったのは、今の時点でまだ空軍のCV22が日本に配備されるかどうかということを全くアメリカ側からは通報を受けていませんので、したがってMVというか、海兵隊に配備されるオスプレイの資料だけを最初に作ったということでございます。少し言い訳がましいですが。  それから、今の飛行ルートの件も、エグゼクティブサマリーといういわゆる環境のレビューの報告書をアメリカ側から提供され、日本語にしてお配りしたのは、あくまでこのMV22を日本の中で運用する場合、環境に与える潜在的な影響をきちっと説明しようとして配付したのであって、このとおりに飛行計画ができているということではないと説明しています。  今、随分と何かやっていないというお言葉で、我々は真摯に受け止めますけれども、少なくともこのいわゆるオスプレイをどうやって地元に説明するかということについては、防衛省として別途の組織をつくって今オペレーションをやっているというところでございます。
  59. 佐藤正久

    佐藤正久君 やっぱり劣化しているんですよ。四月にこれは出ている。しかも、これ飛行ルートは、今飛んでいる飛行ルートと同じですよ。それに対する対応はやってこなかった。やっぱり、あのオスプレイが市街地を飛ぶというときの下にいる人の感情、これを一番分かるのが防衛省の、昔で言えば施設局の人間のはずなんですよ。自衛官のはずなんですよ。市ケ谷だけにいたら分からないかもしれない。その反応力、想定力が極めて落ちている。だから、例えば沖縄の田中防衛局長の発言もしかり、環境影響評価書の夜間搬入もしかり、今回のオスプレイの地元説明も、四月、六月に事故が起きているわけで、しかも岩国は六月に説明に行っているわけですよ。だったら、そのときから動いていれば、今回の搬入の時期ももっと違うこともできたかもしれない。  全てが後手後手後手、これは大臣責任じゃなくて、やっぱり前の大臣責任もしっかり私はあると思いますよ。だから、想定外ということはもう許されませんから、全体の絵をかいて潰していかないといけない。  防衛大臣、二〇〇四年の沖縄国際大学へのCH53Dの墜落事件、原因は何だったか覚えていますか。
  60. 森本敏

    国務大臣森本敏君) あの事件は沖縄にとって非常に大きな事件だったわけですが、あの事故調査の結果としてアメリカが公に言ったのは、航空機そのもののシステムのミスといいますか、整備ミスといいますか、だと理解しております。
  61. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、システムのミスじゃないんですよ、整備ミスなんです。  だから、今回、幾らオスプレイの事故調査で構造上に問題がないといっても、整備の部分もしっかり担保しなければ意味ないんですよ。構造上の問題と整備ミスは、事故原因、別ですから。操縦者の技量もあるでしょう。そういう全部一個ずつ詰めていかないと地元なんか安心できないんです。今回、オスプレイが整備ミスで墜落する、そして国民に被害が出る、これは絶対あってはいけないことだと。そこは重く受け止めないといけないんです。これは沖縄で実際整備ミスで落ちているわけですから。  だから、今回、私は提案したいのは、自衛隊の航空機整備の基準同様、厳しいやっぱり基準というものをしっかり定めてもらって、それも、今回せっかくつくった評価分析チームでそれを確認をして、それが納得し、そして合同委員会でもそれをしっかり担保を取って沖縄に説明しなければ誰も安心しませんよ。大臣、いかがですか。
  62. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 確かにおっしゃるとおり、航空機というのは、全体のシステム、それからメンテナンス、それからオペレーションするパイロット、それから全体としての施設、インフラ、航空交通管制、全てがトータルでなければ航空機の安全運用というのはできないというのは誠に先生の御指摘のとおりです。  整備については、今、オスプレイの全体の整備のシステムについてはアメリカに問いただしているというところでありますけれども、運用については、今回、外務省が主宰になって、中心になって、日米合同委員会で安全な飛行運用をできるように日米間で協議を始めていただいていると、このように理解しております。
  63. 佐藤正久

    佐藤正久君 玄葉大臣、今聞いて分かるように、遅いんですよ。一年前からこれは来るって分かっているんですよ。何で今ごろ整備のやつを確認しているんですか。こんなの沖縄の人聞いたら、ふざけるなと言いますよ、岩国の人聞いたら。  整備というのが非常に大事なのは決まっている、航空機ですから。どういう整備基準かも分からない、こんなんで何で受け入れるんですか。それは全然、だから素人だというきつい言い方しましたけれども、当たり前のことなんですよ。やってきていないんです、今ごろ確認しているんですから。  じゃ、大臣、今回揚陸された十二機、これは飛行時間が何千キロと飛行実績が十分ある航空機でしょうか、それとも、一部にでもまだ数百キロしか飛んでいないというような新品同様の飛行実績が少ない航空機も含まれているんでしょうか。
  64. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 今回搬入された十二機のそれぞれの個々の飛行実績については、まだ確認していません。これは軍用機の性格にもよるものなので、個々の飛行機がどういう経歴を持っているかということは我々としてこれから聞いて、どれだけ使ってきたかということより、むしろこれを運用する整備員とかパイロットの資質がどういうものであるかということに我々は大きな関心を持っています。
  65. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、間違っています。整備というのは飛行時間ごとにやるんですよ、基本的に。どれだけ今まで飛行時間があるか、これによって整備の段階が変わってくるんですから、そうでしょう。あるいは飛行時間がどれだけか。  だって、今回の自衛隊のヘリコプターだって、定期修理、これだって五百時間だったかな、その時間があればもう整備始まるんです。例えばCH47、三年めどに定期修理、どのぐらい飛んだかを含めて、耐用年数は五千五百時間、決まっているんですよ。それによって整備の仕方はみんな変わってくる。  今から確認する、それはやっぱり遅いですよ。それは大臣じゃなくて、支えている防衛省の方が、ちょっとやっぱり脇が甘いと思います。外務省の方も、受け入れる以上は、その細部の運用を聞いているんじゃないんですから、どのぐらい飛行時間があったかで整備はみんな変わってくるんですよ、それが分かっていない。どうやって安心するんですか。実際、整備ミスで落ちているんですよ。そういう詰めが、当たり前のことをやっていないんです。それでは全然無理だと思います。  じゃ、防衛大臣、定期修理って、これは航空機の安全上、非常に大事ですよね、定期修理。これは、ばらばらにする大掛かりな修理です。でも、これは安全確保上、極めて大事な修理。でも、これもまだ、アメリカからこれについてまだ回答は来ていないという認識でよろしいですか。イエスかノーかでお答えください。
  66. 森本敏

    国務大臣森本敏君) トータルな整備のシステムについて、まだアメリカ側から説明を受けていません。
  67. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは早めに受けてください。じゃないと、みんな安心できませんから。  これはまさに、評価分析チームは、機体の構造だけの問題ではなくて、パイロットの練度をどういうふうに管理するか、あるいは整備基準をどうやってやるかということをトータルで、事故原因の究明と安全対策、両方やって初めて地元に自信を持って説明できるんですから。  さらに、この二〇〇四年の場合、事故の後、沖縄県警は事故の全容を解明しようとしたんですよ。ところが、地位協定に阻まれて全容解明に至らなかった。乗員四名を書類送検はしたものの、検察庁は全員不起訴処分にせざるを得なかったんです。オスプレイだって一〇〇%事故が起きないとは誰も言えないんですよ。仮に墜落事故が起きても、また地位協定の壁に阻まれて、二〇〇四年同様、日本の警察は手を出せない、事故原因が究明できない。  こういう状況にまだ今もなっているんですか。外務大臣、地位協定上、どうなんでしょうか。
  68. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今おっしゃった点は現状も変わっていないというふうに承知しています。
  69. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、このとおり、変わっていないんですよ、まだ。これで安心してくださいと言えますか。だから、安全と安心って違うんですよ。安心対策というのは、これでもかとやってもなかなか難しいんですよ。だから、農産物を出したのは風評被害対策、これは小熊先生も何回も言っています。これでもかとやってもなかなか安心感というのは難しいんですよ。だから、全体の絵をかいて全部潰さないといけない。今回沖縄の方にオスプレイを配備する、みんなに御理解をいただくというんだったら、少なくとも合同委員会でこの事故が起きた場合の運用改善ぐらいはやらないといけないと私は思いますよ。それで配備はお願いします。  あの普天間の市街地の上をオスプレイが飛ぶとき、下にいてどういうふうに思うか。実際に普天間第二小学校も、みんな避難訓練は航空機が落ちた場合の避難訓練をやっているんですから。我々のような火災が起きたときの避難訓練やっているんじゃないんですよ。そういうことも、オスプレイを配備する、やっぱり相手の立場になって全部潰していかないと。パイロットの練度管理も、あるいはその整備もこれだけ完璧にやるんです、整備ミスはありません、しかも、万が一事故が起きたときもこういうふうにやって原因究明やります、いろんなことを考えなければ誰も安心しませんよ。そういうことをしっかりやらないといけないと私は思います。  そして、今回、岩国から沖縄に行くときにはどこかで空中給油やらないと無理ですよね。今回、岩国での試験飛行の中に、空中での給油訓練、これもやることを、当然入っていますよね、防衛大臣
  70. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 航続距離から見れば、確かに空中給油を一回やらないといけないのですが、ペイロードによると思います。全く誰も乗せないで、乗員も乗せないで装備も載せないで空で行った場合には、空中給油機を横に付けて行きますけれども、空中給油機なしでぎりぎり届くと思います。
  71. 佐藤正久

    佐藤正久君 そんな机上の空論を言っているわけじゃないんですよ。今現実問題として、防衛大臣、分かっていますか。今度、飛んでいくわけですよ。今度、飛行試験を岩国の海上の上でやるわけですよ。そこで空中給油機の訓練もやるかどうか、これは非常に岩国は関心が高いですよ。それをやる場合もあるしやる場合もないとか、机上の空論をやったって意味なくて、これは早急にやっぱり確認してくださいよ。そして、しっかり確認をして、大丈夫だ、安全確認を含めて地元に説明する、これだけ約束してください、お願いします。
  72. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 先ほどの先生の御質問中で非常に大事な点があったんですが、米軍機が日本の中で事故を起こしたらどうなるかということについては、私はかつて外務省安全保障課に勤務していたときに事故が起きて、航空事故調査に関する日米合同委員会というのが自民党時代にできていまして、私もメンバーで横浜、ファントムの事故の事故調査に入りましたが、確かに日米で事故調査については合同委員会合意というのができていまして、これは日米で一緒に公務執行中の作為、不作為による事故については事故調査を行って、これを明らかにし、同種の事故が起きないように再発防止をするという手続が日米間で約束されています。  今回日米でやろうとしているのは、そういう事故調査ではなくて、これを沖縄に持っていったときに、より安全な飛行運用をするためにどのような飛行ルート等を運用できるのかという協議を今始めたところで、先生御指摘のようにそれは遅いと言われれば確かに遅いのかもしれないんですけれども、二つの大きな事故が起きたためにその事故の原因をよく反省材料として新しい日米の事故調査というか、飛行運用の安全を図るための合同委員会をまさに始めようとしているところであって、私は少し去年の今ごろと状況は変わっているのではないかというふうに思います。
  73. 佐藤正久

    佐藤正久君 私が言いたいことは、大臣の周りのサポート体制が弱いと思っているんですよ。大臣は本当に一生懸命やっていると思う、孤軍奮闘されて。だけど、普通に考えて、詰めないといけないところが事前に詰まっていないんですよ。玄葉大臣、実際こういう状況で。早急に詰めなければ、誰も安心感できないんです。  だから、私はさっき言ったように、評価分析チームは事故原因の究明とかあるいは整備基準とかパイロットの練度管理、どういう段階でパイロットの練度管理やる、それをやる。と同時に、それは安全対策の方なんです。安心対策はまた違うチームでやらないといけないんです。いかにその安心感を取るか。  例えば、我々がイラクに行ってやったときも、当然民生支援一生懸命やるグループ、それは一緒にやりますよ。でもそれが、例えばミッションサポートチームというのは、じゃどういうふうにそれが住民に評価されているか、細かい調査やりますよ、安全に関係する。どういうふうにそれが受けているか、みんな細かい、事業のスポットごと細かくやり、同時に、あとは当然、情報発信、これは広報とあるいはいろんな要人の発言、当然それに従うように部内広報を、本当細かい部内広報をやる。こんな一冊じゃ無理ですよ、場所場所違うんです。岩国には岩国用の広報資料を作ったし、沖縄では沖縄の広報資料を作る。また、大臣、副大臣、あるいは政務官、広島の地方防衛局の発言は、誰がどこに行って、どういう発言、全部作りますよ。それがミッションサポートチームなんです。両方やらなければ評価分析チームはできませんよ。現場はみんなやっていますから。やっていないのは大臣の周りの人だけかもしれない。それを作らないと絶対無理ですよ。それだけは言っておきます。  時間の関係で、次に、尖閣の方にもちょっと入りますけれども、尖閣諸島、この防衛警備では、オスプレイ、私は重要だと思います。有用だと思います。防衛大臣の所見をお伺いします。
  74. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 確かに、オスプレイの持っておる航続距離、その搭載能力、それから行動半径、飛行高度及び速度等を考えれば、この飛行機を導入することによって、尖閣を含む南西方面全体に対する海兵隊の活動が格段に拡大すると、このように考えています。
  75. 佐藤正久

    佐藤正久君 そうなんですよ。オスプレイの航続距離って物すごく魅力なんですよね、南西諸島を考えた場合。沖縄本島から尖閣諸島まで四百数十キロ、これは自衛隊の今持っているヘリコプター、この航続距離から考えると、沖縄本島の基地から行って帰ってこれないんですね。オスプレイだと、これが往復できる。これ、全然違います。  また、例えば護衛艦の「ひゅうが」クラスにオスプレイを載せて運用することは物理的に可能でしょうか。防衛大臣、いかがですか。
  76. 森本敏

    国務大臣森本敏君) まだそういう運用をするという考え方はもちろんありませんし、我が国は持っておりませんけれども、論理的に言うと、今の「ひゅうが」にオスプレイを離着艦できるという構造になっていると思います。
  77. 佐藤正久

    佐藤正久君 そのとおりなんです。このオスプレイの運用というのは、導入ということは、南西諸島の防衛のみならず、あるいは朝鮮半島の在外邦人の輸送を考えても物すごく多分今までと違った効果がいろいろ出る。それは当然、そういう広報もしてもらう分野は必要なんですけれども、これは実際、運用場面でも、余り細部はもうこれ以上言いませんけれども、非常に私は重要だと。  でも、これって、逆に言うと中国は物すごく嫌がっていると思います、逆に言うと。海兵隊がオスプレイ導入を沖縄にする、非常に中国は嫌がっていると私は思います。そういう意味で、私は、このオスプレイなんかは実は自衛隊も沖縄に配備をしてもいいんじゃないかとぐらい思っています、本当に安全でいい飛行機であれば。全然違いますから、南西諸島防衛。  防衛大臣、今、与那国島ありますよね、一番西の島、これは沖縄本島からもう五百キロ以上離れていますよね。緊急患者空輸等いろいろあっても、やっぱりこれがオスプレイとCH47、全然違うと、沖縄県民の命を守るという観点でも全然違うと思われませんか。
  78. 森本敏

    国務大臣森本敏君) まだ我が国はオスプレイを導入するというのを検討しておりませんけど、確かに先生御指摘のように、オスプレイぐらいの航続距離がある航空機が導入されれば、離島の安全、災害救助、その他に大変役立つということは御指摘のとおりだと思います。
  79. 佐藤正久

    佐藤正久君 そういう部分も、沖縄の配備のときにやっぱりいろんな面で、プラスの面もうまくさっき言ったミッションサポートチームの方でやっぱりやらないといけないし、そのためにはミッションサポートチームも、やっぱり向こう、人間関係大事ですから、ただ知っている知らないよりは一緒に食事をする仲の方がやっぱり人間関係はできますし、一緒に食事をする仲よりも一緒に風呂に入る仲の方が絶対にいいに決まっていますから。いろんな面でやっぱり非常に人間関係というのをうまく使いながら、このミッションサポートチームというのは物すごく大事なんです、安心対策という観点では。  もう一つ、尖閣諸島、これについて野田政権は国有化を検討を表明しています。  でも、国有化というのは目的ではなくて手段なんですよね。手段なんです。目的は、いかにその管理を強化するかにあると私は思っています。避難港の整備、これも石垣市長は言われていますけれども、私はちょっとまた違う意見を持っているんですけれども防衛大臣、これ、尖閣諸島の避難港の整備、これは防衛警備上の観点からどのように評価をされていますか。
  80. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 尖閣諸島そのものに自衛隊を配備するということは考えてもいませんし、その必要は今はないと思います。あの地域全体を日本防衛でできればよいと思いますが、確かに港がそういうために利用できるということは有用だと思います。
  81. 佐藤正久

    佐藤正久君 避難港というのは、これは自衛隊用の港じゃないんですよ。これは漁船とかがしけのときに避難してくる港が避難港というんです。  防衛警備上、私はちょっと慎重な立場です。なぜかというと、例えば、長崎県五島に男女群島というのがあります。無人島です。時折、中国の領海侵犯もあります。そこに避難港を造る、結局駄目になり、やめました。理由は、しけを理由に中国の漁船が入ってきたら、もうそこから動かない可能性があると。だから、無人のままの避難港というのは非常に危険だということで長崎県はやめたんです。実際にこの前も、五島の福江港に九十隻ぐらいの漁船がしけでここへ来たと。物すごい数です。  実際に、ウスリー川のところで珍宝島事件というのがありましたよね。まさに、農民保護の目的のためにそこに、国境紛争の島に中国軍が乗り込んでいって、結局、その珍宝島はもう中国のものになりました。  だから、避難港というのは防衛警備の観点からも、やっぱり防衛省もいろんな意見具申をすべき立場だと思いますけれども、最後に防衛大臣の所見をお伺いします。
  82. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いずれにしろ、先生御指摘のとおり、我が国の固有の領土である尖閣というのを、日本の各機関緊密に連携して、きちっとその領有権を確実に有効に支配しているという実績を見せること、これが周りの地域、国に対する大変重要な抑止の機能を果たしていると思っておりまして、そのように日夜対応しているところでございます。
  83. 佐藤正久

    佐藤正久君 終わります。
  84. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。  森本大臣大臣はフロリダでのオスプレイの事故の後、オスプレイ配備の手続は米空軍の事故調査の結果を見てからでないと配備を進めるとも遅らせるとも言えないという答弁をなさっておりました。  今現在、岩国にオスプレイが陸揚げをされております。これは普天間に配備する準備だというふうにとらえてよろしいんでしょうか。
  85. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、岩国に陸揚げをしたのは、安定的に沖縄にオスプレイを動かすために同じ海兵隊の部隊で、しかも陸揚げをする施設を持っていて、しかも飛行場の機能を持っているところに選定をして岩国に置き、そこで確実に二つの事故の調査の結果を踏まえて、飛行の安全を確認して、更にオスプレイそのものの飛行運用を確認をした後に沖縄に持ってくるということで、準備というのは、それは広い意味では準備でありますが、あくまで安定的に沖縄の部隊配備を進めるためにやったプロセスでございます。
  86. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 先ほど佐藤委員の方からもいろいろお話がございまして、私も何が必要って、やっぱりこのオスプレイの安全性の確保だというふうに、私も大臣と同じ気持ちなんですけれども、じゃ、どうやってその安全性の確保、これを担保するのかということが問題なんだろうというふうに思っております。  今回、このアメリカの事故調査の結果を分析評価をするチームが組織をされたようでございます。昨日初会合があったということ、先ほど大臣の方からもありましたけれども、それでは、この人選についてどのように行われて、この分析チームの分析結果で、今注目されている安全性はどう担保されるのか、お答えいただきたいと思います。
  87. 森本敏

    国務大臣森本敏君) オスプレイはアメリカが新しく開発した航空機であり、このティルトローター機を我が国は持っておりませんので、このアメリカが独自に行った事故調査を科学的に、専門的に分析評価できる専門な知識と知見を持っている人をできるだけ集めたいということで、まず防衛省の中では、ヘリコプターのパイロットとして知見を持っている人、それから戦闘機そのものの知見を持っている人、実際のパイロットです、それからさらに、ヘリコプターの技術及び飛行安全事故調査、これの専門家を集め、それだけではなくて、国土交通省にもお願いをして、航空事故調査の専門の方々及び部外といいますか、の専門家としてヘリコプターの開発研究に従事した技術者及びこの専門の知識を持っておられる方々をトータルでお集めして分析チームを組んだわけであります。  それでも、恐らくアメリカ側から受けた事故調査内容を一二〇%我々として確認できるかどうかというのはこれからの事故調査内容次第でございますけれども、できるだけ日本の持っておる知識で、アメリカが開発した航空機の二つの事故、全く性格が違う、部隊としても、海兵隊が使った航空機、空軍の使った航空機、任務も事故の様子も違うと思いますが、その二つを独自に分析をして、我が方として独自の評価ができるようにチームを組み、派遣をしようと、このように考えております。
  88. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 それがずっと大臣おっしゃっている主体的な安全性の確保ということなのかなというふうにも思うんですけれども、そうしますと、もし仮に調査に不備や、このチームの不満といいますか、この辺はもう少し詰めた方がいいということが出てきた場合、当然この普天間への配備計画には変更があるということでよろしいんですね。
  89. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 調査の中身がまだ進行していまして、その調査の結果を受ける場合に、我が方としてどのような技術的な問題に注目しているかという項目はあらかじめアメリカ側に通報してありますし、また、行って説明を受けたときに専門的な質問を十分できるようなチームの陣容を組んでおります。そのときに、ここが不十分だとか、あるいはここについてはまだ解明されていないとかということが十分に意見交換できるようにしようと考えています。  その全てのプロセスが終わるまでは、少なくとも岩国での飛行は行わないということを日米間で約束していますけれども、それが全て済んで飛行の安全が確認できるということになった場合、実際にオスプレイを安全に運航できる準備のためのフライトというのは岩国で十分に行うと。そのタイムフレームは、まだちょっと私としては見通すことができない状態であります。
  90. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、大臣、やはり私も沖縄県選出なんですね。地元の感情というのはやはりあるわけですよね。今大臣おっしゃったような、あらかじめ相手に関心事項はここだということを先に伝えてあると、つまりすり合わせをしているということですよね。ですから、そういうことがやはり誤解を招くんじゃないかと思うんです。  私も、何もその言葉じりをつかんで揺さぶるような、そういうことで言っているのではなくて、先ほど佐藤委員からもありましたけれども、やはりどう安心していただくのかと。地元の皆さん、あるいは今回もういろいろなルートが示されているわけでありまして、これは何も岩国と沖縄の問題ではなくなっているわけですよ。そういう中にあって、じゃ何のためにこの分析チームをつくったのかと言われかねないわけであります。それは、多分副大臣が、渡辺副大臣も心配なさっているすり合わせという言葉なのではないかというふうに思うんですけど、副大臣、いかがですか。  今の、こういう、そうじゃないとは思ってはいるんですけど、そう私も言いたいんですけれども、でもその誤解を招くところに多分副大臣も、これまでいろいろなところでの発言があるのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  91. 渡辺周

    ○副大臣(渡辺周君) 先日、民放の番組の中で、すり合わせをという言葉を質問されたものですから、すり合わせという言葉の印象が何となく落としどころを探っているみたいなイメージで取られるから余りいい言葉ではないんじゃないかというような趣旨で申し上げました。  ですから、私は、すり合わせというよりも、こちらからあらかじめ質問項目を出すことによって、相手はこちら側の関心がどこにあるかと、そしてその回答が満足なものでなければまた更に質問をすると。限られた時間の中で調査をするときに、その質問については答えを用意していないとか、あるいはこの質問に関しては十分な資料がないとかいうことを理由に答えがちゃんと聞けないよりは、私はやっぱり事前に質問を投げかけていくことが当然効率的な協議の入口になるんだと思います。  そういう意味で私は申し上げたのでございまして、決して私は、そのすり合わせという言葉の、何となく政治用語として、あるいは役所用語として余りいいイメージがないという、ちょっと感覚的な問題で私はあの番組の中で申し上げたわけでございまして、そんなに他意はございません。
  92. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 他意はないということなんだろうと思うんですけれども、いわゆる副大臣のおっしゃること、それから大臣がおっしゃることの中で、何かそごがあるような、そういうイメージはやっぱり駄目なんだと思うんですね。じゃ、何をどう進めていくのかということを考えたときに、やはり、これ党内というところを私は余り言いたくありませんけれども、やはり物事を前に進めるときに、せめて大臣、副大臣の中でいろいろな、それこそすり合わせはやらなければならないことなのではないかなと思っております。老婆心ながら申し上げさせていただきますけれども、是非この点は大臣、副大臣の中できちんとやっていただかなければならないことだというふうに思っております。  今日、日米合同委員会、これから行われるのでありましょうか、もう開かれているのでありましょうか、余りこの内容についても明らかにされない合同委員会でありますけれども防衛大臣、普天間のこの飛行ルートについて、オスプレイの飛行ルートについて協議が行われるかのように報道には出ているわけですけれども、こういう、安全性の確保が第一だと言いつつも、この普天間の飛行ルートについて合同委員会で議題に上がるということは、普天間配備ありきととらえられても当然なのではないかと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
  93. 森本敏

    国務大臣森本敏君) これは全然性格の違う問題で、まず、今、日米合同委員会でおやりいただこうとしているテーマというのは、いかにして飛行の安全を確保するかということを、実際に航空機を運用する側から見ての安全性の確認のために日米間でどういう意見交換ができる、どういう合意ができるか、これを今からやっていただいているということです。  それは普天間ありきじゃないかというお話ですが、私はそういうことではなくて、普天間そのものについては、これはかねてより総理お話しになっておられるように、現在の普天間飛行場の固定化を何としても避ける、このために我々としては努力をするということであって、最初に申し上げた日米合同委員会がやろうとしているテーマと後の問題とは直接な関係はないと、つまり日米合同委員会で普天間の問題を直接お話しするとか、そういう、タームズ・オブ・レファレンスといいますか、マンデートにはなっていないということだと思います。
  94. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大臣一つ申し上げておきますけれども、この飛行ルートの件、あるいは、是非、それこそ普天間は住宅街密集地にあるわけで、その辺は配慮して云々ということをおっしゃるんだろうというふうに、それを配慮なさっているんだろうというふうには思いますけれども、しかしながら、地元の感情、意見、考えとしては、米軍はこれまでルートあるいは夜間飛行訓練の時間的なルールとか、様々なルールをきっちり守ったことがないと、つまりあってないようなルールだというのが地元の意見なんですね。  この事実は御存じだというふうに思いますけれども、いろいろな合同委員会あるいは今後、防衛大臣、訪米もなさるようでありますけれども、そこでいろいろなルールというものをお作りになりたいということを進言なさる場面もあるとは思うんですけれども、ルールを作るのであれば、それをきちっと検証する場所が必要だと私は思いますし、違反したときの罰則がないと意味がないわけでありまして、この辺のことをきっちりやっていただきたいと思いますけれども、これは防衛大臣と、それから外務大臣にもお聞きをしたいと思います。これまでも、外務大臣、耳になさっていると思います。いろいろなルール、地元で米軍が守ったことがないということはいろいろな場面でお聞きになっていると思いますけれども、それに対しての今後の対応についてお聞きをいたしたいと思います。
  95. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 島尻委員がおっしゃるように、十分これまで合意をされたことについて遵守できていないのではないかという御批判あるいは意見というのがあることは十二分に承知をしております。  私としても、そのことを受けて、在日米軍の責任者に対して、そのことにつき何度か私の方から述べているということがございます。私は少しずつ改善をしているというふうに思っておりますけれども、このことが徹底されていくということは、確かにおっしゃるように重要なことでございますので、それがより徹底できるように努力をしていきたいというふうに考えております。
  96. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 日米間で日米安保条約及び地位協定の運用についていろいろな約束事をし、これを双方がきちっと守るということが、これは同盟の信頼性につながっているわけですから、お互いにいろんな事情があってできないときには、こういう理由でできないと、あるいは非常に実施が困難だということを率直に申し述べる、そういう非常に円熟した現在日米同盟関係にあると思いますので、約束したことはお互いにきちっと守るということが同盟の信頼性につながる、これを確認しながら、今後とも飛行の安全を確保するために努力をしてまいりたいと、このように思います。
  97. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 もう大前提はそうなんですけれども、でも事実、現状は全く違うんですよ。その辺の認識をきちんと持っていただかなければならないと思っております。そこは是非しっかりやってください。もうそんな、そんな答弁では、あるいはそんなお二人の大臣の言いようではもう地元は納得できませんし、むしろそういったことを聞けば聞くほどがっかりしますので、きちんと、であれば、現状の改善に向けて何をするのか、そして何をやってきたのかということをきちんと報告をしていただきたいと今後は思っておりますので、よろしくお願いいたします。  今回、安全に関する信憑性ということが問題だというふうに申し上げさせていただいておりますけれども、今回、分析チーム、このベースにあるのはあくまでも米国の事故調査だということでございます。これは決して森本大臣が言っている主体性のある安全の確認ではないということは申し上げさせていただかなければならないと思っております。  かなり前ですけれども、これ、玄葉大臣には、枯れ葉剤の問題があったときにも私、進言させていただいておりますけれども、なぜ合同の調査チームができないのか、日米の、ということを申し上げさせていただいておりますけれども、今回もまさに日米合同での調査チームがなぜできないのか、つくるべきではないのかというふうに思います。  いろいろな中で、百歩譲って、合同ができないという中で、ということであれば、是非オブザーバー参加でもいいから、大臣が言う日本側の専門の人を是非入れていただきたいと思うんですけれども、簡潔に、防衛大臣そして外務大臣に御答弁をいただきたいと思います。
  98. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 日米安保条約、日米地位協定に基づいて、日本の施設の中で起きたアメリカ側の事故について日本側のメンバーがアメリカのメンバーと一緒になって合同調査をやるというのは、これは合同委員会の合意にもありますし、我が国の主権を行使するためにこれは当然の行為だと思います。  今回の事故は、アメリカ軍が運用している航空機を、モロッコとアメリカの本土で起こした事故で、それぞれ空軍と海兵隊が別途独自の事故調査委員会を設け、アメリカでさえその委員会調査の中にはタッチできないぐらい厳密に中立性を維持しながら科学的に調査をしているので、通常、私の経験では、この事故の調査を全部を公表するということは余り例がないことだと思います。  今度、この二つの事故についてどの程度日本側にリリースといいますか発表するかということは、今後の日米交渉の次第によると思いますが、できるだけアメリカのやった事故の調査をバックグラウンドブリーフィングといいますか、背景を含めて詳細に日本側としてこれを持ち帰り、我々として分析し、これを公表できるようにして安全性を皆さんに理解をしていただく努力をしたいと思っておりますので、先生の御指摘はよく分かりますけれども、アメリカが既に進めている事故の調査に我が方としてメンバーを送って合同で調査をするということは、少しアメリカの法律上の手続から見て無理があるのではないかと、このように考えております。
  99. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 多分短くということでしょうから、率直に申し上げて、これは国外で起きている事故でございますので、今回、事故調査報告、全ての調査を出す前にこうして事故情報を提供しているということもかなり異例だと思うんですが、これは国外のことなので、完全に合同というわけにはなかなか難しいのではないかと。  だからこそ、森本大臣が今答弁されたような形で、日本国として主体的に安全性を確認する方法というものを今まさに行おうとしているということだと思います。
  100. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今日配付させていただきました、外務省が出しております昭和四十八年七月十一日に航空機事故共同調査委員会の手続、この共同調査委員会ということが合意されたと、しかも昭和二十七年六月。何で合意された日よりも、ペーパーになったのが四十八年と、かなり長い時間たったというのは大変疑問なんですけれども、まあ今日はその質問はいたしませんけれども。  しかも、これは地位協定の十七条の関連のところで出ている、合意されている委員会なんですね。十七条というと、刑事事件、刑事裁判につながるような大変重要なところなんですけれども、その中でもこの共同調査委員会というものが設置されると、それに合意がされているわけです。先ほど佐藤委員からもありましたけれども、沖縄国際大学のヘリ墜落のときには、地位協定の二十五条に関するところの合意で事故分科委員会というものが設置されたわけであります。  つまり、何が言いたいかといいますと、その十七条関係という大変ストリクトな、厳しいですね、の中でもこの共同調査委員会というのができるわけです。なので、是非今回も、二十五条に関する日米合同委員会合意に私は当てはまるというふうに思いますけれども、この安全性の確保のための調査委員会というものを是非日米合同委員会の下部に設置すべきだというふうに思っておりますが、両大臣の御見解をいただきたいと思います。
  101. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 島尻委員がおっしゃるように、これ、今配っていただいたこの昭和二十七年の合意ですね、おっしゃるとおり、この合意はございます。ただ、これは、米軍機の事故等の調査を行った事例は残念ながらこの間、実はないというのが実態でございます。  ただ、今、一つの御提案ということでございましたけれども、日米合同委員会で何をどう、安全性を確認をしていく、また今日は、先ほど安心という話もございましたけれども、そういったものをできる限り担保していく、あるいは低空飛行、これは初めにスケジュールありきという意味じゃございませんので、そういう意味で日米合同委員会、今日第一回行って、我々の方から幾つかの点について提起をしていきたいというふうに思っていますけれども、国外で起きた事故について一緒にやるというのはなかなか大変なことじゃないかと、率直に言うとですね、そう思っています。
  102. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いえ、事故調査に対して共同でやれではないんです。安全性の確保のための調査委員会をつくるべきではないかということです。  自民党の部会でも私何度も発言させていただいていますけれども、沖縄の例えば気象というのは、海洋性気候あるいは島嶼性気候という大変特異な気象なんですね。なので、そういった専門家を入れてこういった合同の調査委員会を持つべきではないかという御提案です。
  103. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと今の御意見については、どういうふうに活用することができるか、生かすことができるかということは、ちょっと考えさせていただけますか。検討させてください。
  104. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 森本防衛大臣は御答弁いただけますか。
  105. 森本敏

    国務大臣森本敏君) この合意というのは、二十七年の六月にどうしてできたか経緯は分かりませんが、多分このころ米軍機が日本で事故を起こし、これについて日本が主権を行使するために、いわゆる刑事事件の裁判管轄権の下で、日米間でこの合同委員会といいますか共同調査委員会というのを設置したんだろうと思います。  つまり、十七条における裁判管轄権、つまり事故が起きて、何かしら日本人に被害その他が起こったときの裁判管轄権のための合同調査であって、先生の御指摘のように飛行の安全、事故というと、インベスティゲーションというと非常にリーガルな側面を持っておる委員会ですが、飛行の安全のための合同委員会というのはこれとは性格が違うんだろうと思います。それは、外務大臣の御答弁のように我々として検討する必要があると思います。  繰り返しになるが、この合同委員会は、あくまで刑事事件の裁判管轄権をどうするか、どこまでどちらに責任があるのかということを、損害賠償、刑事補償を突き詰めるために行われた、設置された委員会という趣旨を持っているので、したがって、日米の地位協定の下で日本の施政下の中における在日米軍の起こした事故についての委員会だと思います。日本の施政外の事故というのは、この委員会にはなじまないというふうに思います。
  106. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 例えば、アフガニスタンでのこのオスプレイの事故、これホームページから持ってきましたけれども、あっ、済みません、これ許可得ていなくて。例えばブラウンアウトといって砂煙が起こって、結局、操縦をしている人がどこを向いているのか分からなくなって墜落をしたということもあるわけで、その地域地域においていろいろな不安要因があるわけですよね。  なので、その前提ということはいろいろあるかというふうに思うんですけれども、例えば私が御提案をさせていただいているのは、何度も繰り返しになりますけれども、この安全性確保のための調査委員会というものを、日米共同でこの委員会を立ち上げるべきではないかということであります。それが、先ほどから話題に上っている、地元あるいは日本国民全体だというふうに思いますけれども、その安心につながるんだというふうに思うわけでございます。  じゃ、最後、もう一度この点について森本防衛大臣からの御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
  107. 森本敏

    国務大臣森本敏君) ともかく、オスプレイというのを日本に導入するプロセスの中で国民の皆様の不安感というのが大変大きいということを我々は本当に重く受け止めておりますので、この二つの事故について、事故の原因究明そして安全策というものについてどのように皆さんに理解していただくか、今後ともこれは最大限の努力を払って我々として事務を進めていきたい、このように考えております。
  108. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 終わります。
  109. 山本香苗

    山本香苗君 お疲れさまでございます。  この間、大分、間が空きました。前回の委員会、六月十九日だったんですけれども、六月十九日の当委員会におきまして、森本大臣は、周辺事態法の別表に記載している公海上の米艦船に対する海上輸送について、輸送できる物品から武器弾薬が除外されており、武器弾薬を除外しないと武力行使との一体化の問題が生ずるというふうに御答弁をされたんですが、これ、よくよく精査してみますと、従来の政府見解と違うと思うんですが、どうなんでしょうか。
  110. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 六月十九日の当参議院外交防衛委員会で私の答弁について一言申し上げます。  山本委員の御質問に対し、周辺事態法の別表に記載している公海上の米艦船に対する海上輸送というものについて、輸送できる物品から武器弾薬が除外されており、武器弾薬を除外しないと武力の行使との一体化の問題が生ずるという答弁をいたしました。  いささかこの答弁には、先生今御指摘のとおり、私の未熟の上に説明不足の点がありましたので、改めてこの趣旨を御説明させていただきます。  まず、周辺事態における後方地域支援として自衛隊から米軍への補給は我が国領域に限られており、公海上で実施することはできません。一方、輸送については、後方地域であれば武器弾薬についても公海上において実施することができます。この点について、先日の委員会で輸送と補給を混合して説明をいたしましたことは全く私のミスでございます。  改めて説明を申し上げますと、現在の周辺事態法においては、自衛隊は、公海上であっても後方地域であれば武器弾薬も含め米軍の物品を輸送することができます。この公海上の米艦船に対する武器弾薬の輸送については、周辺事態法の審議に際して武力行使の一体化の問題があるのではないかという疑問もありましたけれども、後方地域において実施されるものである限り一体化の問題はないというふうに結論付けられております。  一方、自衛隊が実施する米軍への補給については、周辺事態法の別表において我が国領域において行われるものとされており、公海上の米艦船に対して実施することはできません。公海上での補給については、当時は基本的に想定し難いと整理されていましたけれども、現在の安全保障環境に照らして、その前提が妥当であるかどうかという、憲法論の枠内で実施できる余地がないのかなどについて今後議論していきたいと考えております。  誠に失礼いたしました。
  111. 山本香苗

    山本香苗君 確認ですが、今大臣が議論したいとおっしゃっている公海上での補給というのは、後方地域における武器弾薬の補給ということでよろしいですね。
  112. 森本敏

    国務大臣森本敏君) そのとおりでございます。
  113. 山本香苗

    山本香苗君 公海上での補給については基本的に想定し難いというふうに整理されてきたということなんですが、なぜそのように整理されてきたんでしょうか。
  114. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 詳細に覚えていませんが、これはたしか当時の与党三党の合意によって作られ、最初政府提出の法案を後に与党三党の議員修正を行って成立をさせた法案だったと思います。そのときの三党の政策協議の中でこういう判断が行われたと私は覚えていると。覚えているというのは、当時、参考人質疑で衆参両院で出た私の記憶がもし正しければそういうことではないかと思いますが、詳細には正直申し上げて覚えておりません。
  115. 山本香苗

    山本香苗君 たしか実需がないと、実際そういうニーズがないという整理だったと思うんですが、ちょっとそこは確認をしていただければと思うんですけれども。  その基本的に想定し難い、そういう形の前提というものが妥当か否かというところに大臣は疑義を感じていらっしゃるということなんですが、それは何でですか。現在の安全保障環境に照らしてともおっしゃいましたけれども、じゃ、当時と現在、どう違っていて、それが、それによって前提の妥当性というものを否定するようなことが具体的に今あるんでしょうか。
  116. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、具体的に何かあるということではなくて、やはり東アジアの安全保障環境の将来を考えた場合、公海上での補給というのは、当時の安全保障環境と比べて、現在及びこれから将来のことを考えた場合に、日米同盟の下で公海上における我が方の同盟協力というものは今までよりもリクワイアメントが出てくる、つまり要請がこれから出てくる、こういう環境の変化が起こっているということではないかと思います。
  117. 山本香苗

    山本香苗君 公海上での補給と言っちゃうと何か広い感じがするので、私は、一番最初確認したのは、後方地域でのということなんですね。そうした場合に、やはりなかなか想定しにくいのかなということを考えていたんですが、現在において具体的にそういう事象があるわけではないと、ただそれを議論したいということなわけですね。
  118. 森本敏

    国務大臣森本敏君) あくまで、この周辺事態法というのは周辺事態が発令されている場合の後方地域支援に限ってのことでございます。平時のことをこの法律で規定しているということではありません。
  119. 山本香苗

    山本香苗君 今までは、その公海上で、かつ、後方地域における米艦船への武器弾薬の補給については武力行使との一体化との問題があるかどうかと、今日まで結論を出さないで来ているわけですね。  この問題について、先ほど大臣は、憲法論の枠内でと、枠内で実施できる余地がないのかなどについて議論したいとおっしゃったわけです。憲法論の枠内でというのはどういう意味ですか。従来の憲法解釈の範囲内でと同義でいいんですか。
  120. 森本敏

    国務大臣森本敏君) そのとおりです。あくまで、現在の憲法の解釈の枠の外で考えるというのではなくて、この枠の中でもう少しいろんなことがこの安全保障環境の変化に応じてできるのではないか、もしできるのであればどのような内容なのか、それは今後の日米同盟深化のための方法、手段として考えていきたい、こういう趣旨で申し上げたわけです。
  121. 山本香苗

    山本香苗君 本件につきましては、また別途しっかり議論させていただきますので、今日はオスプレイのことも、先ほど来よりありますが、なるべく重ならないように質問していきたいと思いますけれども。  二十三日に岩国にオスプレイが陸揚げをされたと。先ほどの答弁を聞いていますと、スケジュールありきではありませんということでございましたけれども、だったら何で陸揚げする前に調査というものを終えて安全性を確認した上でということをやられなかったんでしょうか。
  122. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 率直に申し上げると、そういうことも政府の中では随分検討しました。これはアメリカにきちっと一回言おうということも考え、随分とアメリカと厳しいやり取りをしました。アメリカとしては、やっぱりグローバルなオスプレイの部隊配備というのを、彼らは議会との関係もありますので、計画どおり進めたいということをかなり主張してきて、我が方には、二つの大きな事故があって、これに対して地元の方々の大変大きな心配が広がっており、そのとおりという、アメリカが計画しているとはいえアメリカの計画どおりということはとにかく何とか検討してもらえないかと随分押し返して、長いやり取りをやって、結局、こういう言葉は良くないですけれども、お互いにぎりぎりのところを受け入れる痛み分けをやって岩国に陸揚げをする。  しかし、今まさに岩国でやっているように、システムのチェックをしたりエンジンを動かしたりして、コリジョンコントロールというか、三週間にもわたって海を渡ってきた塩を全部取るというような飛行に必要な準備を行うが、一切の飛行機は飛行は行わない。これはもうグローバルに見て、アメリカがオスプレイの飛行を行わないというのは岩国だけで起こっているもう例外的なアメリカの措置であります。そういうぎりぎりのところでお互いに痛み分けをして今のような方法になったということは御理解いただきたいと思います。
  123. 山本香苗

    山本香苗君 ようやく昨日になって、いわゆるオスプレイの墜落事故に関する専門家チームが設置されたということでございますが、今後どういう方法で調査をされるんでしょうか。いつごろその調査報告というのはまとめられる。二つの事故があって、一つの方は八月末ぐらいに調査結果が出てくる、アメリカから出てくるという話ですけれども、それまでには出てこないということでよろしいんでしょうか。
  124. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 我が方でつくった分析チームは、まず、アメリカの事故調査、二つの別々の事故の調査が進行していると理解していますけれども、その一つ目の事故調査の結果がアメリカ側から日本に説明できる準備が整ったと言ったら我が方から分析チームのメンバーを送ろうと思っています。全部ということではなくて、その中から必要な人を選んで送ろうと思っています。  その前に、我が方として、一体この事故というのはどういうものなのか、これ、オスプレイというのはどういう機能を持っているのかを独自に我々として基本的な知識というのをお互いに共有して、実際のパイロットもその中に多数含まれていますので、それをお互いにシェアしながら、行ってブリーフィングを受け、必要な質問もし、それを持って帰った後、我が方として独自にこれをもう一度分析し直して、分かりにくい専門的な言葉などをどのようにかみ砕いて説明できるかという、日本側にきちっと技術的に説明できる説明内容を、それを二つの事故について別々に繰り返すということです。  したがって、アメリカ側が準備ができたと言ってくれないと我が方は送ることができませんので、今その必要な我が方の体制を整えているというプロセスが進んでいるということです。二つの事故調査のプロセスが終わったら、改めて我が方として二つの事故を見て、共通点は何であり、飛行の安全を確認するために、アメリカが確認したと言っても我が方が確認をしたとどのようにして言えるのかということを別途我が方として独自に分析をし、それを説明する、そのプロセスを全部終わるまで、繰り返しになるが、アメリカは岩国での飛行は一切行わない、こういう日米間の約束ができているという次第でございます。
  125. 山本香苗

    山本香苗君 要するに、調査結果いかんによっては、また調査結果が出てくるタイミングによっては十月の配備延期、中止を要請するということもあり得るということでしょうか。配備の延期。
  126. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 今申し上げたように、二つの事故の調査というのがどういうタイミングになるのかということによりますので、今の段階で私は日程というものがなかなかお示しできない状態にあると思います。
  127. 山本香苗

    山本香苗君 日程だけじゃなく、日程のいかんによって、その十月のオスプレイの配備の延期若しくは中止ということを日本政府側から要請することもあるんですかと伺ったんです。
  128. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、繰り返しになりますけれども、まず我々は一番大事だと思っているのは、二つの事故の事故原因をきちっと究明をして飛行の安全を確認するというプロセスを何よりも重視しておりまして、その後どういうプロセスにするのかということは、まだその二つのプロセスが全部終わるまで確定できることをお話しできる段階ではないということであります。
  129. 山本香苗

    山本香苗君 先ほど来より安全性を確認しない限り飛行運用はさせないんだ、そう言われるんですけれども、今の説明を聞けば聞くほどもう配備ありきという感じに感じてしまいます。  ちょっと角度を変えますが、大臣総理の言われる安全とは何なんでしょうか。何をもって安全と言われるんですか。
  130. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 安全というのはまさに、これは科学技術のシステムですから、科学技術のシステムというのがどのような構造でできていて、どのようにすれば安全なシステムとして機能するのか、どこに原因があったのかということをまず航空機のシステムとして究明をし、それから、先ほど佐藤先生の御指摘のように、メンテナンスというか、どういう整備を行い、どういう経歴を持っている航空機なのかと。過去に何かしらの故障が起きた経歴があるのかという経歴管理というのが飛行機には全部付いているので、それを克明に、丹念に説明を受けながら、何時間飛んで、どのような修理が行われて今日に至っているかということを説明を受け、さらにそれだけではなくて、それをオペレーションしたパイロットが飛行マニュアルどおりにしたのか、マニュアルにしても不可避の、つまり不可抗力のある状態というのが起きたのか、パイロットにはミスがなかったのか、そのミスはマニュアルどおりにやってミスが起きたのか、マニュアルに問題があってミスが起きたのか、いろんなケースがあると思います。トータルでそれを探求をして、それを技術的に、科学的に証明できないと、一般の人は同様の事故が起きるかもしれないという不安感を持つと思うんです。  それを、今申し上げたように、システム、システムをオペレーションする人、それをメンテナンスする人、トータルの飛行機というものの安全管理をどのように説明できるか。その説明できるか、それをどこまでお分かりいただけるか、そこに私は飛行の安全というのは懸かっているんではないかと思います。
  131. 山本香苗

    山本香苗君 おっしゃるように、一〇〇%安全なんてないわけですよ。ここでちゃんと決めておいて示しておかないと、結局、安全性ありきだとか配備ありきの調査だった、アリバイづくりだったという批判は免れ得ないわけで、そこのところが、安全性という言葉がその場しのぎになっている感じが否めません。  我が国調査を終えて安全確認したと再度アメリカに改めて通告しない限り、飛行運用は絶対になされない、見切り発車はないということを確認いたします。
  132. 森本敏

    国務大臣森本敏君) アメリカは日米間の約束をきちっと守ってくれると思います。
  133. 山本香苗

    山本香苗君 オスプレイ十月配備、ここが一つの区切りのように言われているわけですが、これが遅れた場合、我が国防衛にどういう影響が出ますか。
  134. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 我が国防衛よりも、むしろアメリカが現在使っているCH46というのはもういずれは用途廃止をするという状態になるので、新しい型式の飛行機を持ってきてCH46をリタイアさせていく、場合によってはそこに飛行機の運用の穴が空く、それはトータルで海兵隊の抑止機能をその分だけ下げる、そういうことにつながる可能性はあると思います。
  135. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、その説明の仕方が問題だと思うんですよ。  我が国防衛にとってどういうことであってという説明があった上でその後継機の話だったらいいんですが、いつも何か逆な感じがするわけなんです。そういう説明の仕方をされると、幾ら調査報告書がまとまって出てきても国民に説明ができません。どうやられますか。
  136. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、これは、ちょっとお待ちください。トータルでいうと我が国の安全保障なんです。  我が国の安全保障はどうやって維持されているかというと、我が国防衛力をもって行う我が国防衛防衛体制がその基礎ですけれども、それと在日米軍が持っている抑止の機能というものをアソシエート、トータルで運用しながら日本の安全保障を維持しているわけで、アメリカの海兵隊もオスプレイだけではなくてその他の航空機も若干使っているので今部分的にと申し上げたんですけれども、なかったら全部、海兵隊が全部戦力がゼロになる、そういうことを申し上げているのではなく、在日米軍の抑止機能がその分だけ少なくなって、トータルでいうと日米の防衛協力、安全保障協力のアメリカの部分の抑止力が減って、それはトータルで日本の安全保障に影響を与えるということです。  日本防衛という、その防衛というのをどういう、何といいますか、定義にするかですが、トータルで日本の安全保障は、さっき申し上げたように、日本防衛力と在日米軍の抑止力というものとが密接に連携してできているので、そのアメリカ側の装備の変更によってどういう問題が起こるかということを今説明申し上げたわけです。
  137. 山本香苗

    山本香苗君 なかなか難しい説明の仕方だと思います。  オスプレイ配備について一生懸命頑張って孤軍奮闘されているお姿は分かるんですけれども、私は本当に、こういったことについて中身を、先ほども島尻理事の方からもちょっとありましたけど、民主党の幹部の方々が公然と異を唱えていらっしゃるというのは本当に理解し難いというか、理解できません。もう前原政調会長に至っては、民主党の総意だといってルース大使のところに行って配備の延期を申し入れたりして、政府と与党がばらばらなわけです。ただでさえ理解を得ることが難しい問題なのに、政府を支える与党がこんなていたらくで国民の理解なんか得られるわけがありません。  森本大臣、率直なお考えを。
  138. 森本敏

    国務大臣森本敏君) オスプレイのような、非常に安全保障の問題であり、同時に国内にいろいろ御心配、御不安が広がっているわけですから、日本の重要な政治問題であることは当然だと思います。  このような重要な問題というのは、政府・与党が一体となって同じ考え方で進めていくというのは何よりも重要で、その意味で、しかしながら、党には党、政党というものの特色というのがあって、政党としての一味違うカラーというのを政党として出すというのは、やっぱり政党の持っている一つの大きな、何といいますか、特徴というものだと思います。  そこで、我々は政府の人間、メンバーなので、政策を丁寧に丁寧に党に説明する努力というのを今までも続けてきましたし、今後ともこれを進めていきたいと、このように考えております。
  139. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、言うべきときはもう言っちゃった方がいいと思いますよ。別に大臣を守るというわけじゃなくて、日本が悪い方向に行っちゃいけないわけですから、言うべきときは言った方がいいと思いますよ。  本来は、こういう国民の批判の矢面に立つのは政治家ですよ。玄葉大臣、横にいらっしゃって大変申し訳ないんですけど、本来は、玄葉大臣、田中大臣のときやっていらっしゃったじゃないですか。防衛大臣が本来答えるようなところも答えていらっしゃったじゃないですか。あれぐらいやられたらどうですか。
  140. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 答弁はともかく、森本大臣が的確にいろいろ答弁されておられると思うんですけれども、政治家という立場で、言わば国民の皆様の今の感覚、そして不安とか、そういったものをより敏感に感じる立場として、より説明責任を果たしていかなければならないというのは先ほど猪口先生からも御指摘があったとおりだと、私もそう思っています。  それと、政府・与党の問題というのは、この間も、ずっと自民党政権時代も、よくこれは二元論とかいろんなことを言われたと思うんですね。でも、言われたと思うんですけれども、この類い、この種の問題について、やはり政府・与党が一体となってしっかりと意思疎通を行って対応できるように私として最大限の努力をいたします。
  141. 山本香苗

    山本香苗君 言葉だけで終わらないでくださいね。ちゃんとやってくださいね。  本日、日米合同委員会が開催されているそうですが、何を協議しているんですか。協議内容を教えてください。外務大臣にお伺いします。
  142. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今日は第一回目なんで、率直に言うと、こちら側から、まずとにかく現状の問題、認識をきちっと共有するということが大事だというふうに思っているんです。やはり安全性の問題、あるいは低空飛行の問題とか、そういった問題についてやはり提起して今いるというふうに思っています。まだ報告を聞いていませんので、その点について詳細について今申し上げるという状況にございません。
  143. 山本香苗

    山本香苗君 日米合同委員会で、万が一事故が起こった際の手続についてもアメリカ側と協議をするというお考えはございますか。
  144. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 日米合同委員会がそういったことについて議論することが最もふさわしい委員会なのかどうなのかということが……(発言する者あり)いやいや、例えばですね、いやいや、そこしかないということではなくて、例えば今だって外務防衛局長間で協議を今しようとしているわけです、日米で。ですから、様々なレベルで行って、どこが最もそういった議論にふさわしいかといったことで協議をしていくべきだというふうに思います。
  145. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、日米合同委員会しかないんですよ。  基地外の米軍機の事故に関するガイドライン、二〇〇四年の沖縄国際大学の海兵隊ヘリ墜落事故後に作られたわけです。さっき外務大臣、御答弁の中で、その事故後、そうそれほど現状は変わっていないとおっしゃったように、このガイドライン、必ずしも十分じゃないわけなんです。万が一事故があった場合に、我が国がもっと関与できるような仕組みをしっかりこれを契機につくっておくということも大事なことなんですよ。是非この合同委員会で俎上に上げていただいて検討していただけませんか。
  146. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、それは御提言として承ります。
  147. 山本香苗

    山本香苗君 いや、提言として承るじゃなくて、やらなきゃいけないことだと私は思います。  二十三日の、森本大臣、テレビ番組に出られていろいろしゃべっていらっしゃいましたが、普天間飛行場が市街地に位置していることに触れ、できるだけ海上を飛んで離着陸するルートについて、日米間の新しい枠組みで協議できないか、外務省がアメリカと協議していると言われていましたよね。具体的にそういった協議、外務省されているんですか。
  148. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 運用ルールを話しているかという話ですか。まさに運用ルールについて日米合同委員会で協議をしたいと思っています。
  149. 山本香苗

    山本香苗君 日米間の新しい枠組みでとおっしゃっていたんですけど、それは日米合同委員会でやるということでいいんですか。
  150. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そのとおりです。
  151. 山本香苗

    山本香苗君 分かりました。  さっき、低空飛行の訓練についてもお話がありましたけれども、私は最低高度が五百フィート、つまり百五十メーターと聞いていたんですが、今年四月に米軍が出した環境レビューの附属書のCのところに、二百フィートの高さで訓練を行う場合を想定した記述があります。二百フィートというのは約六十メーター、物すごい低空なわけですが、この低空飛行訓練も実施されることがあり得るんでしょうか。あり得ないんだったらあり得ないとはっきり言っていただければと思います。
  152. 森本敏

    国務大臣森本敏君) この環境レビューに記載されているオスプレイの飛行高度が高度二百フィートだということが書いてある記述は、これは仮にそういう高度で飛行した場合でも環境に大きな問題を引き起こさないということを環境レビューの中で述べているわけであって、この環境レビューというのは、あくまでそういう訓練を行った場合に環境上どういう影響を与えるかということをレビューして報告書を出したものであって、このとおりに飛ぶということを言っているのではありません。あくまで飛行訓練計画というのは、この環境レビューとは違って、飛行訓練計画として設定されているものであって、実際に二百フィートで飛行するということをこの環境レビューの中で言っているのではないというふうに理解をしています。
  153. 山本香苗

    山本香苗君 ということは、あり得ないということでよろしいんですね。
  154. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、あり得るとかあり得ないとかということをこのレビューの中で言っているわけではないと。繰り返しになるが、どういう環境影響評価を与えるかということを述べたので、二百フィートで飛んでも環境上大きな問題を与えないということを言っているだけであります。  今の御質問だと、それでは一体飛ぶ可能性があるのかないのかということですが、さっき申し上げたように、それは飛行訓練計画によるということであって、飛ぶ場合もあると思いますし、飛ばない場合もあると思います。
  155. 山本香苗

    山本香苗君 もう、ちょっと時間が来たので、余り。それは、今の御答弁はちょっと非常に不十分だと思います。  先ほど来より民意を重視したいと、重く受け止めますというお話なんですけれども野田総理がテレビ番組で、その配備自体はアメリカ政府の方針で、どうしろこうしろという話ではないと言って、山内先生の御質問のときに、言葉足らずだったというふうに答弁されていたんですが、私はこの発言に今の政府の考えが如実に表れているように思うんです。言葉の上で民意を重く受け止めたいと繰り返されても、こういう意識でやっていらっしゃる限り、何をやっても理解を得ることはできないと申し上げて、一分残して終わりたいと思います。  以上です。
  156. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後四時まで休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ─────・─────    午後四時開会
  157. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、外交防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  158. はたともこ

    ○はたともこ君 国民の生活が第一のはたともこでございます。国民の生活としては初めての質問でございます。  米軍海兵隊の日本へのオスプレイ配備について質問をさせていただきます。  まず、資料の①、②を御覧ください。私は、今年の四月に米国のウェッブ上院議員が来日された際、ウェッブ議員に直接お渡しした意見書にも書いておりますように、米軍海兵隊の通常の訓練は、人口が密集し市街地化した沖縄はもとより、我が国日本国において既に不適当であると思っております。今や辺野古の新基地建設は不可能と考えるのが当然だと思います。沖縄にはローテーション基地としてキャンプ・ハンセンのみを残し、普天間だけでなく、キャンプ・シュワブ、北部訓練場などの海兵隊施設の返還を求めて、その代わりとして、北マリアナのグアム、テニアンの基地と訓練場建設費用を辺野古基地建設費用相当額日本政府が負担する、さらに、在沖縄海兵隊に対する駐留経費負担相当額を新たな形で今後とも日本政府が負担するという提案を私はウェッブ上院議員に対してしたわけでございます。  このような立場に立つ私は、今回の日本へのオスプレイの配備及びオスプレイの低空飛行訓練に対しては、時代に合わないものとして反対でございます。  現在の航空法特例法、正式名称を申し上げますと、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律、昭和二十七年の制定でございまして、ちょうど六十年も前の法律でございます。この航空法特例法を改正して米軍機を自衛隊機と同様の適用とすべきであるというのが私の意見でございます。  そこで、国交省に伺います。お手元の資料③、④にありますように、航空法特例法によって米軍機は、自衛隊に適用される例えば飛行の禁止区域であるとか粗暴な操縦の禁止なども含めて、航空法の適用除外となっております。日米安全保障条約、日米地位協定を踏まえて、航空法特例法の改正が可能であるかについて、国交省、説明してください。
  159. 高橋和弘

    政府参考人高橋和弘君) お答え申し上げます。  日米地位協定の実施に伴う航空法の特例法によりまして、米軍機に対しては、航空法の規定のうち、航空機の耐空証明、操縦士等の技能証明、さらには外国航空機として必要となる航行許可等の規定の適用が除外されております。  航空法特例法に基づきますこのような航空法の適用除外は、日米地位協定に基づきまして米軍が我が国において活動することが認められていることに鑑み、定められたものでございます。米軍機に適用される基準を見直すことにつきましては、米国側の同意なしに行い得る性格のものではないと考えております。
  160. はたともこ

    ○はたともこ君 日米両政府が合意すれば、この航空法の特例法改正は当然可能だと思っております。  そこで、外務大臣に伺います。私は、オスプレイ配備を機に航空法特例法改正について協議を提起すべきであると思っておりますが、低空飛行訓練からの日本国民の安全という観点から、この問題について米国と協議する意思はおありでしょうか、外務大臣のお考えをお聞かせください。
  161. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう率直に申し上げると、現時点においても航空法のいわゆる、何といいますか、大幅な改正をするということについて協議をするということは考えておりません。  むしろそれよりも、今まさに大きな懸念になっている事象について、具体的にその運用についてしっかりとその安全面に配慮が行われるように日米合同委員会などで協議を行って結果を得ていくということの方が私は現実的ではないかというふうに思っております。
  162. はたともこ

    ○はたともこ君 同じ質問を防衛大臣にもさせていただきます。  航空法特例法改正について米国に協議を提起する意思はおありでしょうか。
  163. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 今のお二方の御説明のように、そもそもその航空法特例法に基づく航空法の適用除外というのは、日米地位協定に基づいて米軍が我が国で活動するということを認められているということを前提にした適用除外でありますので、米軍が日本で活動することによってその任務を果たすということと、それから、今後オスプレイの安全性をどうやって確認、確保していくかということと併せて、日米合同委員会ができましたので、外務省と相談をしながらやっていこうと思いますが、趣旨は、やっぱりオスプレイの安全性をどのように今後確認していくかということを重視してこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  164. はたともこ

    ○はたともこ君 更に防衛大臣に伺います。  昨日の担当者の説明では、オスプレイの低空飛行訓練ルートについて、ピンク、グリーン、ブルー、オレンジ、イエロー、パープルの六ルートあるということを今年の四月に米国の環境レビューの報告書で防衛省は初めて知ったということでございますが、それは本当でしょうか。
  165. 森本敏

    国務大臣森本敏君) はい。御指摘の六つのルートが、名前の付いたルートがああいうふうに地域で設定されているということを、我々、以前はそういう飛行が行われているということを地域の方々から連絡をしたりして断片的には聞いていましたが、あのような名前の付いたカラーのルートがあるということを初めて知りました。
  166. はたともこ

    ○はたともこ君 更に続けて防衛大臣に伺います。  報道では、もう一つ、七つ目の低空飛行訓練ルートが中国地方の山間部にあるということでございます。本委員会委員の、国民の生活が第一の佐藤公治議員の地元は広島県でございます。また、私も広島県と岡山県が地元でございます。岩国基地も大変近くて、このブラウンルートなるものには重大な関心を持っているわけでございます。  防衛大臣、この第七のルート、ブラウンルートは存在するのでしょうか。
  167. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 環境レビューの報告書の中には、御指摘のブラウンルートというのが具体的にどこにあるのかということが書かれていないわけです。地図には書かれていないのです、言葉には出てくるわけですが。したがって、そのカラーで一体今の御指摘のルートが具体的にどこにあるのかということはあの環境レビューの中に明記されていない限りよく分からないので、これは今後アメリカ側に聞いてみようと思いますが、しかし、今の御指摘のように、今までこの中国地方で各種の訓練をやって、そのことが通報されてきたということが事実なので、何らかのルートがあるということですが、繰り返しになるが、それがその御指摘のブラウンルートであるのかどうかということがあの環境レビューの中には明記されていないということは事実でございます。
  168. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、あるやなしやと問題となっておりますオートローテーション機能について伺いたいと思います。  政府の見解ではMV22オスプレイにはオートローテーション機能があるということですが、民間のヘリの場合は航空法第十一条に規定された有効な耐空証明が必要で、航空法施行規則、省令で、「回転翼航空機は、全発動機が不作動である状態で、自動回転飛行により安全に進入し及び着陸することができるものでなければならない。」と想定されているオートローテーション機能がなければなりません。自衛隊のヘリについては法律の規定はないが、オートローテーション機能はあるということでございます。  そこで、国交省に確認をいたします。  民間のヘリについてはオートローテーション機能による有効な耐空証明がなければ飛行できない、これが航空法第十一条の規定であるということでよろしいでしょうか。
  169. 高橋和弘

    政府参考人高橋和弘君) お答え申し上げます。  民間のヘリコプター、回転翼航空機につきましては、国際民間航空条約の附属書の国際標準を踏まえまして、耐空証明の安全基準の一つとして、航空法施行規則の規定により、先生御指摘のとおり、全発動機が不作動である状態で、自動回転飛行、いわゆるオートローテーションにより安全に進入し及び着陸することができるものであることを求めております。
  170. はたともこ

    ○はたともこ君 昨日、オスプレイの事故調査日本政府として独自に検証するため、政府の分析評価チームが設置されました。このチームには国交省も参加されるということでございます。  モロッコとフロリダの事故機に有効なオートローテーション機能があったのか、国交省としても確認するということでよろしいでしょうか。国交省に伺います。
  171. 高橋和弘

    政府参考人高橋和弘君) オスプレイのような軍用機につきましては、先ほども申し上げましたとおり、航空法の耐空証明が不要ということになっております。しかしながら、私ども国土交通省といたしましては、防衛省から民間航空機の安全性に関する知見を生かした助言を受けたいとの要請がございましたので、防衛省の分析評価チームに対し助言を行う有識者として私どもの担当課長を参加させるなど、可能な限り協力をしてまいりたいと考えております。
  172. はたともこ

    ○はたともこ君 外務大臣に伺います。  私は、岩国基地に到着した十二機、さらに今後配備される予定のプラス十二機についても、この有効なオートローテーション機能が備わっているかどうかについて、我が国の航空法の所管庁である国交省も確認する必要があると思っております。政府として、米軍に対してその点に関して要請するおつもりがおありでしょうか。防衛、どちらでも、はい、お願いします。
  173. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは防衛大臣だと思うんですけど、国交省の方もこの専門家チームの中に入るということで、そういったことを担保していくということではないかと思っています。
  174. はたともこ

    ○はたともこ君 防衛大臣、いかがでしょうか。
  175. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 国交省から航空事故調査に関する専門家に今回加わっていただいて、アメリカ側から通報される二つの事故の事故調査について専門的な知見を活用させていただくということで、これは政府全体として取り組む姿勢を示すためにも非常に大事だし、また、いわゆる航空事故調査の専門家が入っていただくということで専門性が高まるものと考えております。  先生の御指摘のオートローテーションについては、そもそもこの飛行機はティルトローター機なので回転翼ではありませんが、二つのエンジンが同時に止まった場合には、ナセルの角度によって固定翼として緊急に着陸する場合と、それからナセルの角度が六十度以上になると、これは回転翼としてオートローテーションの機能を使って、ただそれだけで下に落ちるというのではなくて、前進をしながら降下率を緩和しつつオートローテーションの機能を使って降りていくという、この訓練を、パイロットは九十日ごとにアメリカでシミュレーションのシステムの中に入って訓練を受けているという説明を今まで受けてきましたので、それを我々として確認をしたいというふうに考えております。
  176. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、環境省に伺います。  テレビなどでは、オスプレイが樹木の大きな枝をなぎ倒す映像が流されておるところでございます。沖縄のやんばる地域や全国の低空飛行訓練ルートには、国立公園や世界自然遺産、あるいは貴重な動物、植物などがたくさん存在すると思います。これらの貴重な自然がオスプレイ等によって破壊されることのないよう環境省としても重大な関心を持つべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  177. 渡邉綱男

    政府参考人(渡邉綱男君) 本年六月十二日付けの防衛大臣によりますMV22オスプレイ配備についての回答によりますと、米海兵隊が実施した環境レビューにおきまして、オスプレイの下降気流が自然環境に影響を与える可能性、そしてその影響を軽減する措置が記述をされているところでございます。  環境省といたしましても、野生生物や植生などの自然環境に対する影響について関心を持って注視してまいりたいと思います。
  178. はたともこ

    ○はたともこ君 オスプレイ等の米軍機には日本の上空での飛行禁止区域が事実上ないわけですが、人口密集の市街地や原発サイトの上空などは米軍機といえども飛行禁止にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  179. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは平成十一年だったと思いますけれども、日米合同委員会合意がございますので、これはやはり原発の上空を低空飛行するということは回避するということで合意していますから、これらは想定されていないというふうに考えていただければと思います。
  180. はたともこ

    ○はたともこ君 考慮を払うという書き方になっているかと思いますので、私は是非禁止すべきだと思っております。  本日の質疑でも明らかになりましたように、多くの国民の皆さんが不安に思い、理不尽に思っているオスプレイの配備や米軍機の低空飛行訓練に対して、日本国の法律である航空法による規制を自衛隊機と同様の扱いにすることの協議すら、米国に物も言えない現政権の対応は私は全くおかしいと思っております。  小沢一郎代表の国民の生活が第一が政権を担当する場合には、自立と共生、国民の生活が第一の理念の下、米国に対して積極的に問題を提起して、必ず問題解決していくことをお約束を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  181. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。  大分委員会開かれなかったので大分たまっているんですけれども、ちょっと短いので。オスプレイはもうずっと続いて、また山内先生がいつもやるので。  外務大臣にお伺いをいたします。五月に行われました第六回島サミット、沖縄キズナ宣言を採択して、その後、この島々の国々の国家元首の方とかと会う機会があっていろんな感想をお聞きしましたけれども、一定程度の成功を収めた形になったというふうに思いますし、また、いろんな波及効果もあったのではないかなと思っています。  個人的には、いわゆる海底資源、海洋資源といったものに関しても、この太平洋地域で日本のプレゼンスが上がったことによって、ほかの国ではなくてやはり日本がそういうことをしっかり開発協力していくんだということにもつながっていく道筋も付けたのかなというふうに思っている次第であります。  その採択された宣言の五本柱に従って三年間協力をしていくということでもありますけれども、ちょっと冒頭でありますので、今回の親善大使に、大臣佐藤正久議員、私の地元の福島県のフラガールが大使に選ばれて、また大きな役割を担ったというふうに思いますが、次回開催も沖縄でということもあるかとは思いますが、福島も島でございますし、島尻先生とも、私はフクシマンチュと言ってシマンチュつながりだということもこの間お話をさせていただいたので。この沖縄キズナ宣言にも自然災害とかそういったことも言及されていますから、やっぱり東北の震災の知見を生かすという意味においても、こうした被災地での開催、とりわけ、できればやはりこの福島県での開催といったものもやることは、単に表面的な話ではなくて、この沖縄キズナ宣言に沿った形のものもやれるのではないかと思います。  三年後、玄葉大臣がまだ外務大臣を続けているかどうかは分かりませんが、三年後、そうした可能性について御見解をお聞きいたします。
  182. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 太平洋・島サミット、小熊議員にもいろいろと御協力いただいて、党派を超えて感謝を申し上げたいと思います。一定の成功を私も収めたというふうに思っています。五本柱とおっしゃっていただきましたが、特に海洋などに関する協力も含めて、まさにきずなは深まったというふうに考えています。  今、開催地の話をお尋ねいただいたのでありますけれども、今決まっておりません。結論から申し上げると、来年後半に予定される島サミットの中間閣僚会合において発表したいということなんですが、今まで実は過去六回開かれていまして、東京、宮崎、沖縄、沖縄、北海道、沖縄なんです。ですから、六回のうち三回は沖縄なんですね。あと東京と、あと地方都市と、こういうことでありまして、ただ、私は余り、地元なのでちょっと言いにくいんですけれども、率直に申し上げて、言いにくいですけど、やはり被災地を含めた各自治体の希望、やっぱりこういったものを聞きながら、また島嶼国、太平洋島嶼国の意向、こういったものも留意をしながら検討をしたいなというふうに思っています。  沖縄も是非定期的にやってくれと、こういう御要望がございます。ですから、先ほど申し上げたように、六回のうち三回を沖縄ということだったわけでありますけれども、その辺りを留意をしながら決めていくべきだろうというふうに思っています。
  183. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 是非、大臣で地元ということでやりにくい、大臣辞めたら是非その先頭に立って誘致運動に協力をいただきたいというふうに思っています。  それで、これは島サミットの直後に、もう本当にアジア大洋州局の皆さんはそういった中でも御努力されて、この南太平洋の島のサモアという国の五十周年の事業がありまして、記念式典があって、私も日本・サモア友好議員連盟の幹事としてその式典に参加をさせていただきました。  本来、周年事業政務三役出ないことが多いんですけれども、これは特に衆議院の自民党の議運の方々の御理解の下に中野政務官を派遣していただいて、一緒に参加をしてきた次第でありますけれども、その際、単に記念式典に出るだけではなくて、少しいろいろ視察もしようということで、私、いわゆるSPREPという機関の事務所に訪問させていただき、いろんな話を聞きました。  日本は正式メンバーにはなっていないんですが、ほかのこのメンバーになっているアメリカとかニュージーランドとかオーストラリアも頑張ってはいますけれども日本はオブザーバーでありながら様々な技術協力、また人材支援といったものをしていて、二年前にはこのサモアから是非正式メンバーになってくれという要請を受けているところです。日本は検討しますというところで二年間過ごしているんですけれども、これ決まった会費とかあるわけではなくて、参加している国がこれだけ今年は出しますというぐらいで正式メンバーになれるというふうにサモアの大使からも私レクチャーを受けましたし、実際ほかの国がどのぐらい出しているかといったら、もう数百、年によっては一千万、二千万だったり、年によっては数百万単位ぐらいしか出していないんですね。  日本は正式メンバーになっていないから、実際はすごい協力しているのに、実際正式な発言の機会を与えられていないということがあります。今回の沖縄キズナ宣言でもこの自然災害への対応とか気候変動といったことがありますから、これはこの際、この島サミットの成功を受けて、この宣言にも従ってSPREPに正式に加入して、しっかり太平洋地域での日本のプレゼンスを上げていくということが必要だと思うんですけれども、この正式加入の可能性についてお伺いいたします。
  184. 山根隆治

    ○副大臣山根隆治君) サモアの五十周年の記念式典に先生御出席をいただいて、そこでシェパード事務局長等々とも細かないろいろなお話をされたというふうに承知をいたしております。今お話ございましたように、中野譲政務官が出席をいたしまして、いろいろな意見交換をさせていただいてきたところでございます。  この正式加盟ということにつきましては、我が国も正式加盟を今現在いたしてはおりませんけれども、先生御承知のように、訓練・教育センター、これの建設ということを日本としてもやらせていただいたり、あるいは人材派遣、技術協力、そういったことで非常に様々な事業で協力を惜しみなくさせていただいてきた、そのことを非常に高く先生御承知のように評価されているんだろうと思います。  ですから、二十五か国のメンバーだったかと思いますけれども、その参加国に比べても決して遜色がないといいますか、勝るとも劣らない貢献はさせていただいていると、こういう自負はあるんでございますけれども、ただ、やはり様々な事情等も勘案いたしまして、地理的な問題等々勘案して、今日まで加盟というものにはちゅうちょをいたしているわけでございます。  せっかく先生の御提言でもございますので、更にその加盟の問題については検討を引き続きさせていただきたいと思います。
  185. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 二年間検討して数百万の金が出ないというのは、なかなかそれはどうかなというふうに思いますし、今回、震災を受けて、この自然災害とか気候変動とか、日本は本当に大きな経験をしたわけですよ。それを踏まえても、検討というよりもう決断の時期だというふうに思いますし、何億円とか何十億という事業でもなくて、本当に、まあ一円たりとも無駄にはできないんですが、簡単な形で大きな成果が得られると思いますし、あとこれ、また更に要請掛けて、気候変動センターをあそこに建設の計画があって日本に要請が掛かっているというふうに、ODAでやってくれってあると思いますけれども、あれまた話聞いてきたら、当初日本にお願いしたときはただ箱物みたいなことだったんですけれども、いろいろ聞いたら、いろんなソフト的なところが重視をされるということですから、これはやっぱりやっておく必要があると、その気候変動センター建設もですね。  これに絡めて言うと、五月の連休に石井日本・フィリピン友好議員連盟会長と一緒にフィリピンに行って、また自民党の先生方と一緒に向こうの防災大臣とか会って、日本の地デジ化がヨーロッパ方式にうっちゃられそうだったので、これをきちっとくさびを打ってきたときに、やっぱり災害のときに日本の地デジ方式いいというのが、皆さん食い付いていただいて、SPREPへ行ったときも、これ、アジア大洋州局からも安易に造るなんて言ってこないでくださいよと受けていたんで言いませんでしたけれども、ただ、この日本の地デジ化にしっかり賛意を示してくれるんであれば私は応援しますよと言ってきたんですよ。それはそうですよ、情報通信もしっかりしないと気候変動センターなんて動くわけないんですから。  だから、ああいう太平洋の国々が日本の地デジ化、これをしっかり採用するとなれば、またそういう波及効果もあるわけですよ。そういう意味において、ちっちゃな投資で大きな成果が得られるわけですよ。あと、また海底資源の、今いろんな、ガスとかいろんなこともまた話題になっていましたから、当時。こういうことも、こうした環境を守るという意味で、日本に優先的に調査に入っていただきたいという要望もあるとまで言っていただいているんですよ。なのに、数百万の金出せなくて、こういうチャンスをみすみす振ってやってしまうという状況なんです、今。  二年間掛けて何百万出せないんであれば、今後も出せないし、外務省でも言われましたよ、今は縮小傾向ですからなかなか厳しいんですと、新たな国際機関に入るのはと。だったら、政治家要らないんですよ。縮小で全部の事業が何割カットというんだったら、政治要らないんですよ、誰だってできるんですから、一律一割カットといったら。政治が介在すると、そこに優劣を付ける、政治決断をする、これは大臣も副大臣もこのぐらいの決断できると思いますし、これ、この沖縄宣言にまた戻りますけれども、この三年間で様々な骨子に従って、五本柱に従って五億ドル出していくわけですよね。少し、ちょっと鉛筆なめて数百万ぐらい出せないんですかね、これ。  これやっておかないと、私も、五十周年のときにはほかの国々の政治家が行っていたのは少なかったです、本当。だから、日本はそういう意味では評価もされましたけれども、ほかの国がもうやりますよとまで言われているんですよ。でも、SPREPの国々は日本を待っているんですよ。これ待たしておくって、大臣お願いします、答弁
  186. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これ、率直に申し上げて、このSPREPの地域環境計画について私は小熊議員ほど詳しくありません。今こういうことで御提言いただいていますから、ちょっと私の方で、私自身も含めてよく調べて、費用対効果含めて、そういう意味でしっかりと、引き続き検討したいっていうんじゃなくて、しっかりと私なりの視点から検討したいというふうに思います。
  187. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 是非この島サミット、成功したというのは、何をやるか、形に残さなきゃいけないわけです。宣言だけで終わってはしようがないんですよ。その具体的実行としても、これは合致するというふうに思いますし、大きな予算でなくてできる話ですし、それは単なるこの災害、こういった島との連携だけではなくて、そういった海底資源調査とか、そういういろんな波及効果があるということですから、是非お願いしたいと思いますし、あと、これ二年前に言われていて、検討しますでその後何にもなかったということは、これは大きな問題だというふうに思いますよ。  やっぱりそういう、人口が少なくたって一か国は一か国ですよ。国連の一票は一票ですよ。こうした国とどう付き合うかということが見られているんですよ。最初、五十周年ので、中野政務官出せないと言った、ほかの国も出してませんからと。ほかの国出さないから、日本が出せば目立つんですよ。恩義に感じるんですよ。そういう心をやっていかないと外交なんてできるわけないですし、しっかりと、これは無理なお願いというか提言じゃないと思いますから、大臣の手元で、検討ではなくて決断を、やるかやらないかです、もう。やらないならやらないではっきり言ってあげたらいいんですよ。決断をしていただきたいと思いますし、大臣、辞めたら是非一緒にフクシマンチュのいわき誘致活動をよろしくお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  188. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、通告をしてあります前に、一言、森本防衛大臣に是非言っておかなければいけないのがありますから、申し上げます。  私は、国民の期待を担って登場した民主党政権の参議院出身の防衛大臣をずっと見てまいりました。そして、外交防衛委員会における答弁、あるいはその心の中もよく読み取れたと思っております。国会議員出身の防衛大臣は、本当に苦しい思いで答弁もしていました。したがって、今の防衛大臣のように立て板に水を流すような答弁はできないところはありました。それが人間くさくて、私はいいと思ったんです。  ところが、防衛大臣、オスプレイの配備については、地元合意は前提でないとあなたはおっしゃった。言わなかったとは言わせませんから。それは二十四日の閣議後の記者会見でございます。地元合意が前提でないならば、ブルドーザーでもいいよ、銃剣でもいいよ、アメリカ軍と同じように、敗戦直後のあのアメリカ軍と同じようにどんどんどんどん普天間にも高江にも武力を持っていって基地を造って、そしてオスプレイを配備したらどうか、そういうふうに思います。  しかし、今は民主主義の社会ですよ。少なくとも日本も民主主義社会の政治なんですよ。そういう住民の理解とか協力が必要でないのに、どうしてあなたは沖縄を出入りして知事に頭下げたり宜野湾市長に頭下げたりするんですか。それは県民から見ると非常に形式的、心のない、これだけ大きな問題になったら、国民や県民に心が通じ合うような、そういう担当大臣でないといかぬのじゃないですか。  山口県知事は何とおっしゃいましたか。岩国の市長は何とおっしゃいましたか。沖縄の知事は何と言われましたか。日米安保以前の問題だろうと、こう言ったでしょうが。強引に普天間に押し付けるならば、沖縄にある全ての基地は機能麻痺しますよと、ああいう温厚な知事がそういうことを言われたんです。  私は、その後、さっきの衆議院のあの本会議の答弁も全部聞いてまいりましたが、そういうことで日米関係が大事大事だと言って、そこを大事にする分だけ日本国民に犠牲を容赦なく押し付ける、そういう森本防衛大臣という印象を強くしております。  そういうことを申し上げた上で、私は質問に入りたいと思います。  これは、確かに確かめた上での質問であります。  二〇一〇年の二月、ヘリパッド、着陸帯の工事建設の住民説明会のときに、地域の人から、結果的にはそれはオスプレイが使うようになるんだろうと、こういう指摘をされたときに、次の説明は局長が替わりまして、もしそういうふうなオスプレイの使用という前提があるならば改めて住民説明会をしますということを言ったと。住民も言っておりますし、私は局長にも、そういうことを言われましたねということを電話で確かめてあります。  したがって、普天間に二百億を掛けて滑走路を改修する、ところが、表では固定化は絶対に避けたいと、今日もおっしゃっていました、総理大臣も含めて。結果的には、滑走路を修復して、普天間の、固定化させない、させないと言いながら、十月からオスプレイの運用を開始するとおっしゃっておるじゃないですか。それと同じようなものですよ、高江のヘリパッドも。しかも、従来、戦後六十年以上も使ってきたヘリパッドを拡張して着陸帯を四十五メートルにする、その周囲、安全地帯として七十五メートルを確保すると。それが今の工事なんですよ。  そして、申し上げておきます。  森本大臣、返還する、すると言って、復帰の目玉は那覇軍港を返すということでした。これに条件が付いたんです、代わりの軍港を造れと。普天間返しましょうと言った、代わりに辺野古を造れと言った。那覇軍港は四十年、辺野古は十六年たってもできません。そして、高江はSACO合意のときのものだと、過半の基地を返すから新しいのを造れと。アメリカはそのころからオスプレイの世界的な配備を検討していたじゃないですか。あなたは評論家でしたから、軍事の専門家として、そしてあなたは、大臣になる前はオスプレイは欠陥機であるということさえもあなたも認めていたじゃないですか。  そういうことを私は指摘をしながら、高江におけるヘリパッドの拡張工事は住民と今対峙をしております。私は、その現場で血を流すようなことがあってはいけないと、逮捕者を出すようなことがあったら沖縄中から支援団体が高江に集まりますよということを関係者に申し上げました。このことは森本大臣の耳にも伝わっておると思います。そういうふうに必死に慎重に現場で最悪の事態を迎えないように努力をしておるのに、あなたの発言は、地元合意を前提にしないと、こういうことを県民、国民に言うということは、どういう気持ちで言っておるんですか。  したがって、そういうことを指摘をしながら、高江のヘリパッドの工事はひとまず見合わすと。見合わすという心のゆとりが大きい仕事をしようというときに、国家的な仕事をするときに、何でも強引に押し付ければ、強行すればいいということにはならぬのです。  したがって、山内徳信の今日の質問を通しての第一の質問は、ヘリパッド拡張工事はやめてほしいと。今まで容認の立場に立っていた東村の村長は、このオスプレイの問題が表に出てくるようになってから、それは前提が違うと、村長も前提が違うと反対するとおっしゃっておるんです。  そういう状況の中で、本当に心を通わす、理解を求めながらというならば、具体的にひとまずその工事を中止をしてほしい。中止をするとおっしゃってください。現場は落ち着きますよ。どうぞ。
  189. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 民間から大臣になりますと、やっぱり議員でないために、選挙区を持っていない分だけやっぱり日本語が下手というか、答弁がまずくて、皆さんになかなかお気持ちがうまく伝わらないことをもどかしく思っていますが、まさに先生の御指摘の点は自ら反省し、自ら顧みるところが多い気持ちでいっぱいでございます。  ただ、御質問の工事でありますけれども、あの移設工事については、北部訓練場の過半の早期返還を実現するために……    〔山内徳信君「異議あり、異議あり」と述ぶ〕
  190. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、ちょっとまあ最後まで……    〔山内徳信君「その事務方が書いたのを繰り返し繰り返し、そんなのを読むような状況じゃないでしょう」と述ぶ〕
  191. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 繰り返していません。
  192. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 山内議員、答弁中ですので、不規則発言はお慎みください。
  193. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 繰り返してはいません。私、初めて今この問題は答弁しているんですが、この工事については今まで地元の御理解をいただくためにいろんな努力をしてきましたけれども、一昨年二月に地元に対する説明会を行ってきて、その後、オスプレイが入ってくる、この二年前の二月には、オスプレイが沖縄に配備するという計画は、正直なところ、アメリカ側から日本側に通知されていなかったと私は思います。  改めて、オスプレイが配備されるという前提に立ってこの移設工事を考えた場合に、オスプレイの配備というものと移設工事というのは直接の必ずしも関係なく、この工事そのものがオスプレイの配備のために工事を行っているということではないのですが、しかし、地元の方々に丁寧に説明する機会というのは、地元の方々と相談して、今後、適切な時期に行ってまいりたいと、このように考えております。
  194. 山内徳信

    ○山内徳信君 今の答弁は私は納得はしませんがね。大臣クラスになったら、二十年先ぐらいは想像しながらお仕事をやってくださいよ。現地におる人からすると、オスプレイと無関係とは思いませんよ。普天間の滑走路の修復工事を見れば、オスプレイの準備に入っておると、こういうふうに受け取りますよ。  私は、もう一つは、海兵隊のオスプレイの訓練に当たってのマニュアルというのがあるわけです。それを防衛大臣は御覧になって、読まれたことはありますか。
  195. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 御指摘の訓練マニュアルについては、アメリカから直接提供を受けていませんが、これはいろんなネットその他で手に入りますので、入手をして読んでおります。
  196. 山内徳信

    ○山内徳信君 それには、安全な分離が指定されている区域というのが義務付けられていますね。それ、御承知ですか。おっしゃってください。
  197. 森本敏

    国務大臣森本敏君) いや、細かく安全が保障されている区域というのはどこだということは、必ずしもそのマニュアルの中にどう書かれていたかということは覚えていませんが、全体として、手に入れたマニュアルというのは総じて全部目を通しています。
  198. 山内徳信

    ○山内徳信君 アメリカは、アメリカ国内では見事ですよ。訓練に参加しない人たちからの安全な分離が指定されている区域と、こういうふうになっていますね。要するに、これは英訳をした日本語ですから聞く方は意味がよく分からないんですが、理解しにくいんですが、やはり安全が確保できるようなところでしかできませんよと。だから、アメリカのニューメキシコ州のキャノン空港ではこれが適用されて、CV22のオスプレイの低空飛行については地域住民が反発をして、夜間訓練等もありますからね。そうしたら、アメリカ軍はそれを延期した、訓練を。さらに計画を見直すと言っているわけですよ。  なぜそういうのがアメリカでは通るのに、岩国では通らぬのですか。なぜ、宜野湾市の普天間飛行場のところは九万以上も人がおる、たしか岩国は十五万ぐらいおるんじゃないでしょうか。そういうものの安全確保がどうなるかぐらいは事前に防衛省としてチェックをするぐらいのきめ細かい作業がなければいかぬのに、マニュアルを読んでおるんでしたら、それはもう当然分かる話じゃないですか、実務をする人々も。私ぐらいでも気付くんですから。  しかも、日本は六つのルートで低空飛行あるいは夜間訓練やるという、そういうこともこのアメリカのマニュアルに立って、どういうふうに防衛省はこれから考えていくのか、私は非常に注目しております。  そして、時間ほぼなくなっておると思いますから、最後に、なぜ七番目のルートを明らかにしないのか。普通の六つと同じぐらいの地形とか環境のところならば、七つのルートが、最初から明らかにされておるのに、なぜ一つのルートだけを伏せられておるのか。私の考えているのが杞憂で、あるいは間違っておる方が一番いいんですが、一番重要なところ、これを明らかにしたら日本中が更に大きく反発をするだろうと思われるところだろうと私はにらんでおるんです。  沖縄返還のときの密約、そして辺野古を造るといったときのあの環境影響の方法書から準備書に全く出してこなかったオスプレイのこと、それを防衛省の、大臣が就任する前の防衛省の幹部がアメリカと口裏を合わせてこれは直前に発表しようといって、そういう文書も出していたわけです。この場で私は指摘してあります。その人は沖縄におけるジュゴン裁判の証人として法廷に出廷をせざるを得なくなりました。  そういうこともありますから、七番目のルート、一番重要なところだろうと私はにらんでおるんです。それをアメリカに問合せをして、どういう場所であろうが、国民に向かって明らかにすべきではないですか。この一点をお伺いして、終わります。
  199. 森本敏

    国務大臣森本敏君) 確かにあのルートの中で、六つがルートとして地形的に明記されており、七番目は名前が出てくるが場所が分からないというのは事実であります。それがどういう背景理由によるものか、我々はよく分かっていません。単にアメリカのミスマネジメントだったのか、手続が十分でなかったのか。ただ、アメリカが意図して隠したとか、我が方がアメリカ側とつるんで隠したとかという、そういう事実はありません。これははっきり申し上げておこうと思います。アメリカ側が何か手続がうっかりしていたか落としたか、そういう割合技術的な手続事項の欠陥であのルートが地図の中から漏れていたのではないかと考えられますが、それは単なる憶測で、ここはアメリカ側と確認をする必要があると思います。  いずれにせよ、何かしらの理由があって……
  200. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 大臣、時間となっておりますので、短めによろしくお願いいたします。
  201. 森本敏

    国務大臣森本敏君) はい。理由があって、どのような理由でこのようにルートが一つだけ欠けているか、我々は事実を承知しておりません。
  202. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  203. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 次に、欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件、偽造品の取引の防止に関する協定締結について承認を求めるの件、二千六年の海上の労働に関する条約締結について承認を求めるの件及び千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国譲許表)の修正及び訂正に関する確認書締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。玄葉外務大臣
  204. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ただいま議題となりました欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この改正は、平成二十三年九月に欧州復興開発銀行の総務会において承認されたものであります。  この改正は、欧州復興開発銀行の業務の地理的範囲を地中海の南部及び東部の諸国に拡大すること等について定めるものであります。  我が国がこの改正を受諾することは、民主化及び市場指向型経済への移行を進める地中海の南部及び東部の諸国に対する国際協力を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。  次に、偽造品の取引の防止に関する協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、平成二十年六月以来、この協定の交渉を行ってまいりました。その結果、平成二十三年十月一日に東京において、私を始め関係国の代表により、この協定署名が行われた次第であります。  この協定は、知的財産権を侵害する物品の拡散を防止するため、知的財産権に関する効果的な執行の枠組み等について定めるものであります。  我が国がこの協定締結することは、知的財産権に関する執行について、国内でより効果的に実施するとともに、国際協力の強化に寄与するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第であります。  次に、二千六年の海上の労働に関する条約締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成十八年二月にジュネーブで開催された国際労働機関の総会において採択されたものであります。  この条約は、国際労働機関において採択された船員に関する既存の条約等を統合し、国際的に広く受け入れられるべき労働基準を設定するとともに、その実効性を高めるため、寄港国検査等の措置について定めるものであります。  我が国がこの条約締結することは、国際海運の分野において平等な競争条件を確保しつつ船員の労働環境を改善することに資するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約締結について御承認を求める次第であります。  最後に、千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表の修正及び訂正に関する確認書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この確認書は、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定に含まれている我が国譲許表に関し、医薬品関連の関税撤廃の対象産品の見直しに伴う修正及び訂正を確認するためのものであります。  我が国がこの確認書締結することは、国際貿易を促進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この確認書締結について御承認を求める次第であります。  以上四件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようにお願いいたします。  以上です。
  205. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  四件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十四分散会