運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2012-04-17 第180回国会 参議院 外交防衛委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年四月十七日(火曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員異動  三月二十八日     辞任         補欠選任         宇都 隆史君     中曽根弘文君  三月二十九日     辞任         補欠選任         中曽根弘文君     宇都 隆史君  四月十六日     辞任         補欠選任         山口那津男君     石川 博崇君      小熊 慎司君     桜内 文城君  四月十七日     辞任         補欠選任         猪口 邦子君    三原じゅん子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 風間 直樹君                 広田  一君                 佐藤 正久君                 山本 香苗君     委 員                 加藤 敏幸君                 北澤 俊美君                 佐藤 公治君                 榛葉賀津也君                 田中 直紀君                 山根 隆治君                 猪口 邦子君                 宇都 隆史君                 岸  信夫君                三原じゅん子君                 山本 一太君                 山本 順三君                 石川 博崇君                 桜内 文城君                 山内 徳信君                 舛添 要一君    国務大臣        外務大臣     玄葉光一郎君        防衛大臣     田中 直紀君    内閣官房長官        内閣官房長官  長浜 博行君    副大臣        外務大臣    山根 隆治君        防衛大臣    渡辺  周君    大臣政務官        外務大臣政務官  加藤 敏幸君        防衛大臣政務官  神風 英男君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       市橋 保彦君        内閣官房内閣審        議官       種谷 良二君        外務大臣官房審        議官       宮島 昭夫君        防衛省防衛政策        局長       西  正典君        防衛省運用企画        局長       松本隆太郎君        防衛省地方協力        局長       山内 正和君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (北朝鮮によるミサイル発射事案我が国の外  交防衛政策等に関する件)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、山口那津男君及び小熊慎司君が委員辞任され、その補欠として石川博崇君及び桜内文城君が選任されました。     ─────────────
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官市橋保彦君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 外交防衛等に関する調査のうち、北朝鮮によるミサイル発射事案我が国外交防衛政策等に関する件を議題といたします。  まず、政府から報告を聴取いたします。田中防衛大臣
  6. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射について御報告申し上げます。  北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射に対しては、防衛省自衛隊としては、万が一落下に備えるため先月三十日に私から破壊措置命令発出し、SM3搭載のイージス艦日本海及び東シナ海へ、PAC3部隊を予想飛翔経路下周辺の沖縄県及び首都機能のある首都圏に展開させ、また、万が一落下による被害に迅速に対処し得る態勢を取るなど必要な対応を取ることとし、四月九日に態勢を整えたところです。  北朝鮮の通告する発射期日を迎えた四月十二日、私以下省内の関係幹部が集まり、情報の集約、共有等を行うとともに、私から、引き続き緊張感を持って二十四時間万全の態勢を維持するよう指示をしておりました。  次に、発射当日の防衛省対応について御説明申し上げます。  四月十三日七時四十分ごろ、早期警戒情報受信確認いたしました。この早期警戒情報受信直後、私以下主要幹部が直ちに中央指揮所に移動して緊急幹部会議を開催し、私からは、その場で、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集、分析に全力を挙げるよう指示いたしました。  その後、各種情報を踏まえ検討した結果、北朝鮮から人工衛星と称するミサイル発射された可能性がある程度高まったと判断されたことから、記者会見において、何らかの飛翔体発射されたこと及び我が国の領域への影響は一切ない旨発表いたしました。  我が国を含む関係各国北朝鮮に対し自制を強く求めてきたにもかかわらず、今回北朝鮮発射を強行したことは、我が国を含む地域の平和と安定を損なう安全保障上の重大な挑発行為であり、極めて遺憾であると考えております。
  7. 福山哲郎

  8. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 参議院外交防衛委員会の開催に当たり、四月十三日の北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射に関して御報告いたします。  我が国を含む関係各国北朝鮮に対し発射自制を強く求めてきたにもかかわらず、今回北朝鮮発射を強行したことは、我が国を含む地域の平和と安定を損なう安全保障上の重大な挑発行為と言わざるを得ません。また、今回の発射は、弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も行わないことを北朝鮮に義務付けた国連安保理決議第一八七四号を始め、第一六九五号及び第一七一八号といった累次の安保理決議に違反するものであり、日朝平壌宣言にも違反し、かつ、二〇〇五年九月の六者会合共同声明の趣旨にも反するものです。さらに、国際社会において見られていた北朝鮮との対話を通じた問題解決に向けた動きにも逆行するものです。このような観点から、今回の発射我が国として容認できるものではなく、北朝鮮に対して厳重に抗議し、遺憾の意を表明します。  我が国としては、四月十六日に国連安保理が今回のミサイル発射を強く非難する議長声明発出したことを歓迎します。現在、我が国安保理理事国ではありませんが、今回の発射前から、米国韓国、中国及びロシアを始めとする関係国とあらゆるレベルで重層的な連携と協力を行い、不断の努力を重ねた結果として、我が国の考えが多く反映される形で今回の議長声明発出に至ったものと認識します。  また、この機会に改めて北朝鮮に対し、この議長声明を重く受け止め、関連する国連安保理決議の即時かつ完全な履行を求めるとともに、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向け具体的な行動を取るよう強く求めます。我が国の主権にかかわる重大な問題であり、基本的人権の侵害という普遍的な問題である拉致問題の解決に向けて、引き続き粘り強い努力を行います。  福山委員長を始め、本委員会の皆様の御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。  以上です。
  9. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 風間直樹

    風間直樹君 おはようございます。よろしくお願いします。  昨日ですか、今日未明になりますでしょうか、国連安保理安全保障理事会北朝鮮非難声明が採択をされました。今朝の朝刊にこの内容が出ておりますけれども、この内容について外務省としての評価をまず伺いたいと思います。特に、この声明の中で、今後、北朝鮮ミサイル発射核実験など新たな挑発行為をしないよう要求し、もし実施をした場合は安保理として更なる対応を取ると警告をしております。  特にこの点についての評価を含めてお伺いいたします。
  11. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 風間委員から今回の安保理議長声明に対する評価という問いをいただきましたけれども、この議長声明北朝鮮発射を強く非難するとともに、深刻な決議違反と明記をし、制裁委員会制裁の着実な実施のための具体的な作業を期限付で指示し、北朝鮮にこれまでの安保理決議の義務を直ちにかつ完全に遵守することを要求し、更なる発射又は核実験の場合には安保理がこれに応じて行動を取る決意を明確に表明をしており、私は北朝鮮に対して極めて強いメッセージとなっているというふうに思っています。  また、発射後、迅速に、かつ安保理メンバー全員の一致した賛同の下に議長声明発出をされたことからも、北朝鮮に対する確固たるメッセージになっているというふうに考えます。  日本政府としては、このような極めて強い安保理の意思が表明されるよう、関係各国と緊密に連携し、精力的に働きかけてきたところであります。今回の議長声明評価しており、歓迎をしています。  特に、先ほど風間委員指摘をされたのは、この更なる発射又は核実験の場合には安保理がこれに応じて行動を取る決意を明確に表明しているところについて特にどう思うかということでございますけれども、私はかねがね、これは表でも言っておりましたけれども、大切なメッセージは、やはり更なる挑発行為、ここでは更なる発射及び核実験というふうに記していますけれども、更なる挑発行為を抑止をするために安保理としてどうするかと、そのことが安保理としての適切な対応の中に含まれるべきだということをこの間一貫して主張してきましたので、そういう意味で私は評価できる内容であるというふうに思っています。
  12. 風間直樹

    風間直樹君 この間の外務大臣始め、外務省、そして現地の国連代表部、相当御努力をいただいたことと思います。その御努力につきまして評価をさせていただきたいと、このように考えております。  続いて、防衛省お尋ねをします。  今回の一連のミサイル発射で様々な報道がなされておりますが、この報道を見るにつけ、今回、発射に際して各国でまず何が起きたのか、そして各国がどのようにこの発射情報探知をし、それが各国の内部でどのように連絡され、国民に伝えられたのか。この詳細な経過と事実をまず確認をすることが非常に大事ではないかという印象を私は持ちました。  そこで、最初にお尋ねをいたしますが、今回のミサイル発射をまず探知をしたのはアメリカの早期警戒衛星であります。SEWと呼ばれていますが、実はこのSEWのもたらした情報というものが何だったのか、何をこの衛星がとらえて、その精度がいかなるものなのかということについての報道が実は余りなされておりません。そこで、そもそもSEW情報とは何かにつきまして防衛省の見解をお尋ねしたいと、このように思いますが、松本局長、御答弁をお願いできますでしょうか。
  13. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) お答え申し上げます。  SEW情報についての御質問でございますが、弾道ミサイル等発射があった場合には、米国がまずこれを探知いたしまして、SEW情報早期警戒情報というふうにも申し上げますが、そういった形で防衛省の方に伝達されます。その内容には、通常、発射場所発射方向発射時刻発射弾数落下予想地域等が含まれております。  しかしながら、このSEW情報というのは、例えば短距離ミサイルでありますとかあるいはロケットの燃焼試験をも監視するものでございますので、その精度の限界というのを考慮しなきゃいけないというふうに私どもは思っております。
  14. 風間直樹

    風間直樹君 つまり、こういうことですね。そのSEW情報というのは、発射されたミサイル熱源、ブースターから出る火ということだと思いますが、この熱を感知をする、これがSEW情報だという理解でよろしいでしょうか。
  15. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) 基本的にはそういう御理解でよろしいかというふうに思います。
  16. 風間直樹

    風間直樹君 それと、熱の温度を衛星赤外線感知をするということだと思いますので、今局長の御答弁の中に、実際この発射されたものがミサイルであっても、長距離ミサイルなのかあるいは短距離なのか、さらにはそもそもミサイル以外のものなのか、まさか北朝鮮のあの発射現場付近で例えば仮に大規模なたき火をしていて、それが感知をされるということは、これ余りないのかなというふうに推察をするんですけれども、いずれにしても、そういった高温の火、これを感知するのがSEWであり、その情報になるということでよろしいということですね。  そうしますと、今回、このSEW情報防衛省受信したのが発射当日の朝七時四十分ごろと、こういうことであります。このSEW情報日本米国から受け取って、局長の御答弁にあったように、それがどの程度の確かなものなのか、どの程度精度が高いものなのか、まずこれを判断する必要に迫られるということだろうと思います。実は、この辺が報道を通して余り国民には周知をされていないと思います。  このSEW情報、この感知精度というものは、過去の経験に照らして防衛省としてはどの程度精度だというふうに認識をされているんでしょうか。局長、お願いします。
  17. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) 先ほど申し上げましたとおり、SEW情報精度には若干問題があるというふうには思いますが、やはりミサイル発射の兆候をとらえるというのはこれは唯一のものでございますので、そういった観点からすると、弾道ミサイル防衛を考える上では有用、有益なものだというふうに考えております。
  18. 風間直樹

    風間直樹君 そうしますと、SEW赤外線によって何らかの熱源感知したと、そこには精度の問題もあるので、何かが感知されたということをまず米国あるいは日本として探知をするわけですね。そこから先なんですが、もしこれが長距離ミサイルだった場合、当然その高度を上げて上空に上っていきます。そこで、今度は各国レーダーにこの航跡が引っかかってくると、こういう順序になるんだろうと思います。  このレーダーなんですが、我が国レーダーによるミサイル航跡捕捉についてお尋ねをいたします。  我が国ではどこに配備されたレーダーでこの航跡捕捉する予定だったのか、そして今回、ミサイル航跡我が国レーダーはとらえたのかどうか、以上の二点を局長、御答弁いただけますでしょうか。
  19. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) お答え申し上げます。  まず、レーダーによるミサイル情報収集体制でございますが、自衛隊では平素より四か所に設置したFPSレーダー、それから七か所に設置いたしましたFPS改レーダーにより、弾道ミサイル探知する体制を整えております。今回の場合には破壊措置命令発出されておりまして、そういった関係から、破壊措置実施するため、東シナ海に二隻それから日本海に一隻のイージス艦を配備していたところでございます。  しかしながら、今回の事案については、破壊措置に適した位置に配置しておりました自衛隊イージス艦でありますとか国内の先ほど申し上げました固定のレーダーサイト当該ミサイル落下位置等から遠く離れていたこともありまして、いわゆる自衛隊レーダー見通し線圏外となっておりまして、自衛隊レーダーでは探知していないという状況でございます。
  20. 風間直樹

    風間直樹君 今御答弁いただいた内容整理すると、まず国内レーダー基地、これ合計、四か所と七か所ですから計十一か所ということになると思いますが、ここで捕捉をする予定だったと、同時にイージス艦計三隻で捕捉をする予定だったということになると思います。レーダーの数でいうと、十一プラス三で十四ということでしょう。ただ、そこにミサイル航跡は引っかかってこなかったと、高度百二十キロ付近で爆発したということですから、そもそも日本レーダー網には入ってこなかったということであります。  今日、お手元に資料を配付させていただきましたが、今の質疑のやり取りを概念図としてまとめている表です。  日本レーダーレーダー網にはミサイルの高度が足りず入ってこない。しかし、これ例として韓国レーダーをかかせていただきましたが、今回韓国が同国のレーダー航跡把握しているかどうかは分かりませんけれども、一応概念図として書かせていただきました。これ、米軍イージス艦と置き換えていただいても結構でありますが、米韓レーダーでは地理的な関係からこの航跡をとらえたということであります。  さてそこで、次に進みたいと思うんですけれども、そもそもSEW情報赤外線による熱源探知をした、しかしそれは精度が確かでないので、本当にミサイル日本に向かってきているかどうか、あるいは上空に上がってきているかどうかはまだそこでは一〇〇%断定はできない、これを断定するためには我が国の計十一基のレーダー航跡捕捉する必要があるんだけれども、そこに航跡は引っかかって今回こなかったと、こういう整理でいいと思います。  そこから先なんですが、防衛省から、このミサイル航跡レーダー把握した場合、把握した場合ですね、内閣官房に対して連絡を入れるということになっているわけです。この連絡を受けて内閣官房、つまり官邸の地下に設置された危機管理センターですが、ここからJアラートと呼ばれる自治体への情報連絡システムを通してミサイルに関しての連絡が行くと、こういうステップになっております。今回報道されている様々な課題のほとんどは、私はこの過程で起きたんだろうというふうに理解をしております。  そこで、お尋ねをしますが、防衛省から内閣官房への連絡について、規則事前の取決めが何らかの形であったのかどうかというお尋ねです。つまり、自衛隊レーダーで、防衛省レーダー航跡把握できた場合は、これは当然何らかの連絡Jアラートを通して行くわけですね。もし、この航跡把握できない、つまり日本レーダーに掛かるような範囲にこのミサイルが来ないということはそもそも日本落下する危険がないということになりますので、その辺の連絡について何らかの規則事前の取決めがあったのかどうか、お尋ねをしたいと思います。これは答弁者はどなたになりますでしょうか。じゃ、渡辺大臣
  21. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) 今御指摘のように、そもそも早期警戒情報をもたらす、熱源をとらえる、早期警戒衛星熱源をとらえるわけでございまして、その熱源の点が線になっていけばこれは弾道ミサイルであろうと。ただ、かつては、このSEWの基となる早期警戒衛星は、例えばですが、火山爆発ですとか、これが面に広がっていけばこれは何らかの火山爆発のようなことがあったんだろうと、あるいは大型爆撃機探知等にも使われていました。ですから、非常に情報精度としては粗いものがございますので、今御指摘のようにレーダーで複数の目でとらえたこと、とらえた時点でこれは我々として情報を、飛翔体発射されたと、それによって宇宙の目と地上あるいは洋上からの目で確認をしたところで私どもとしては伝える、正確を期すために伝えることとしておりました。  ただ、今申し上げた自衛隊レーダーによる情報が入手できなかったために、今回は正確を期すために、その時点ではまだミサイル発射とは断定できなかった、あるいはミサイル発射失敗とまでは確信が持てなかったということでございました。ただ、事前の取決めといいましょうか、このような手はずでやろうということは、迎撃が不要な場合、迎撃が必要な場合という形で幾通りかに分けて、それはパターンは考えておりました。
  22. 風間直樹

    風間直樹君 そうしますと、副大臣の御答弁理解しますと、防衛省から内閣本部連絡する場合には、我が国レーダーミサイル航跡をとらえたときに、そのとらえたという事実と、それからそのミサイルに対して我が国がどういう対処をするか、したかと、この点を伝えることになっていたという理解でよろしいでしょうか。
  23. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) 今申し上げたように、SEW情報レーダー探知両方発射確認するということにして、その発射確認を電話で速報するとともに、更に詳しいことが分かればファクスで送信するということにしておりましたので、まさに御指摘のように、SEW情報レーダー情報両方確認をできたところで我々としては情報を出すということにしておりました。
  24. 風間直樹

    風間直樹君 そうしますと、もし両方で今回仮にとらえた場合は、当然、防衛省から内閣官房連絡が行って、官邸危機管理センターから全国自治体Jアラート連絡が行ったと、こういうことになると思いますが、ミサイル発射失敗した結果、レーダーには掛かってこなかった、その結果、Jアラートの発動には至らなかったと、こういう整理でよろしいかと思います。  そうしますと、課題として浮かび上がるのは、私の理解では、ミサイル我が国に向かってくる場合は、これは把握ができるわけですから、レーダーで、当然Jアラート全国自治体連絡が行くと。向かってこなかった場合、今回のように失敗した場合に、どういった連絡をどのタイミングでJアラートを通して全国自治体に行うかという、この部分に関する課題だろうと思いますが、ここは渡辺大臣、どんなふうに整理をされていらっしゃいますでしょうか。
  25. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) 御指摘の点でございますけれども、今いろいろと検証が必要なことについて様々御指摘をいただいております。  正直、正確を期すか速さを期すかということで、両方できればいいわけでありますけれども、そもそも今回、申し上げた熱源が線となって飛んできてレーダーでとらえて我が国に向かうということになれば、これは当然、我々としても情報を早急に提供して、その上で官邸Jアラート等で御判断をされた、政府全体として判断したことになろうと思いますけれども、今回はそもそもの、その飛翔体が途中で確認できなくなったと、それよりも、それ以前に我が国レーダーでは把握をしていないということで、その確認に正確を期したわけでありますけれども、もしこれがレーダーでとらえていれば、当然、早急に国民に対して、発射されてこちらに向かっているということについては必要な情報を早急に出すことができたと、そのように確信をしております。
  26. 風間直樹

    風間直樹君 最後にちょっとまとめたいと思うんですけれども、今、北朝鮮はICBMを開発しているとも伝えられております。今回は幸い失敗に終わりましたけれども、今後我が国への脅威がなくなるわけではありません。そうすると、日本政府として今後こういう事態に直面する頻度が恐らく上がってくるのだろうと思います。  今回このような形になりましたけれども政府として今後二点の対応が必要になるのではないかなと感じております。一つは、やはり全国自治体に対して、このJアラートシステムというものの簡単な仕組みをある程度お伝えをしておく必要があるんではないかと。もし我が国レーダーに掛かってこない場合にはJアラートは作動しないということ、これをお伝えしておく必要はあるのではないかと。もう一点は、今回ミサイル発射失敗に終わった段階で、それが確認できないまでも何らかの情報を早期にJアラートを通して自治体に伝える必要があったのではないかと。この二点を感じておりますが、副大臣いかがでしょうか。
  27. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) まさに御指摘のような、未確認だけれどもこのような一報があると、現在調査中とかあるいは確認中という形で、発射されたものがあったと、それを探知されたという事態を、そのものを例えば一報を出していくべきだったかどうかということについても今検証がされていると思いますが、今後どのようにして必要な情報を、ただし、いたずらに不安を引き起こすようなことなく、どのような文言で発していくかということについては、今後、今回の件を一つのやっぱりケースとして考えなければいけないだろうというふうに思っています。  それから、もう一つの御指摘がありましたが、情報収集ということについて、余り、運用面ですので、我々のレーダーが、どこだったらとらえ切れてどこからだったらとらえられないということはなかなか言うことができませんけれども、ただ、その点について、そういう場合ならば、じゃ例えばどのようにオペレーションをするのか、ほかの国とどのようにして連携するのかということについても、これはしっかりと連携を含めて、今後の、まさに御指摘のような、今後またミサイル発射のような事案を、これは我々捨て切れませんので、当然そうしたことを念頭に対応を今回のことを踏まえてしていかなければいけないと考えております。
  28. 風間直樹

    風間直樹君 ありがとうございました。  以上で終わります。
  29. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  まず防衛大臣、今回北朝鮮ミサイル発射情報政府発表が発射から四十六分と大きく遅れ、沖縄県民だけではなく多くの国民が野田政権の危機管理に不安あるいは不満を呈しています。例えば、宮古島の中学校、テレビの発表を見てから慌てて校内放送を流して外での活動をしている生徒を校舎の方に入れ込む、これは普通じゃないですよ。  防衛大臣、責任者の一人として、今回発表が大きく遅れたことに対しての反省のコメント、何かありませんか。
  30. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 御指摘の点でございますけれども、当然反省をするところでございます。  今回の事案につきましては、第一に正確さというものを重視しての対応であったわけでございまして、確かにSEW情報というものが全てではなかったというような状況の中で伝達が遅れたということでございまして、それが情報伝達、防衛省等と、あるいは内閣官房との連携、あるいはシステムの中で私は大変皆さん方にいら立ちの思いを与えてしまったと、不安を与えてしまったことに対しては大変反省をいたしておりまして、私を中心として今この検証を始めたいと思っておるところでございます。
  31. 佐藤正久

    佐藤正久君 反省したら、やっぱりそれなりの責任というものが生ずるんですよ。当たり前ですよ、危機管理ですから。これが本当にミサイルだったら四十六分、あり得ませんよ。着弾してから被害はありませんでしたと、こんなことになったら絶対いけないわけで、今回北朝鮮ミサイル失敗したと言われていますけれども、野田内閣の危機管理も大失敗ですよ。多くの国民はそう思っていますよ。  防衛大臣、今回情報伝達が遅れた、今反省をしていると言われました。それは官邸の連携もあるといろいろ言われました。これ理由、一つだけ挙げるとしたら、これが一番今回の問題だと大臣が思っている要因は何でしょうか。
  32. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私は、SEW感知があって報告がありますとすぐ中央指揮所に入りまして、まずは正確さを重視をいたしまして、この時間の経過の中で適切に対応し、そして発表をさせていただいたわけでありますが、しかしその間のやはり情報伝達というものはもう一つ工夫があってしかるべきであったと思います。  そういう中で、これからそういう面では、早さという面について更なる改善を図っていくということは大事だと思いますが、正確さについては私は責任を持って対処できたんではないかと、適切であったと思っています。
  33. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然、何かこれが一番問題だということを明確にも言えない、まだ頭の整理ができていないんですよ、大臣が。官邸との連携、あるいはその正確さを期したと、いろいろありますけれども、また一番の問題は、田中大臣と藤村官房長官の判断力のなさ、あるいは危機管理能力のなさだと、私はそう確信しておりますよ。  今お配りしました資料一を御覧ください。これで、八時二十四分に田中大臣が初めて政府として、我が国として、七時四十分ごろ飛翔体発射されたという情報を持っているということを初めて発表されました。これは、防衛省の事務方の説明だと、大臣の強い意向でこれがなされたと昨日説明がありました。これは、大臣のリーダーシップでこの時間に、やっぱり情報開示が遅れている、そういう思いからこれをなされたんでしょうか。
  34. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) この時間帯の記者会見は、このマニュアルで当初から対応をするということになっておったわけでありまして、したがいまして、防衛省におきまして中央指揮所で私は指揮を執ってきたわけでありますが、その結果がこの情報ということで、官邸にもそういう面では連絡をして、そして私がこの発表をしたということでございます。
  35. 佐藤正久

    佐藤正久君 官房副長官、官房長官は、この当初の最初の第一報は官房長官がやるはずだったということを自民党の政調会長にも、あるいは記者の方にも述べています。これ事前官邸の方は、この記者会見をやるということを説明を受けていたんでしょうか。
  36. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 内閣官房防衛省との間では、大変緊迫した状況の中での情報交換が今委員の御質問の中にありますように行われていたというふうにも承知をしております。  御質問の事案については、政府全体としては、一元的には御指摘のとおり官房長官が会見を行うという認識でございましたけれども、今大臣防衛大臣の御答弁にもありますように、早く国民に何かを知らせなければいけないという思いだったと思いますが、防衛省の所掌の範囲の中で防衛大臣記者会見が官房長官に先立って行われたというふうに認識をしているところでございます。
  37. 佐藤正久

    佐藤正久君 いや、副長官、実は官房長が非常にろうばいしていたんですよ、この件で。うちの政調会長がこの申入れに行ったら、参ったと、何かの手違いがあったか分からないけれども、先にやられてしまった。これは、防衛大臣のこれは暴走なんですよ。  先ほどマニュアルと言われました。マニュアルについて、この当委員会の方に提出を求めたいと思います。
  38. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 後刻理事会で協議をいたします。
  39. 佐藤正久

    佐藤正久君 それで、この大臣官邸との連携がないままのこの記者会見、これが今回の情報発信を更に迷走させているんですよ。今、官房副長官が言われたように、情報というのは危機管理のときはやっぱり一元的に発信しないと、混乱しちゃうんですよ。防衛省だけで今回済む問題ではなくて、各自治体あるいは消防、警察、海上保安庁、みんな関係しているんですから。当然、前回もそうです、三年前も。官邸の方が一元的にやる、これはイロハのイですよ。それも分からずにやっている。事務方も困っていて、大臣の強い意向でやったと昨日明言しているんですよ。  だから、八時三分のエムネットと八時二十四分の大臣の発言、違うんですよ。八時三分では我が国としては確認していないと言っているのを、大臣が、官邸とは違った形で、発射確認されたと言っているんです。ところが、次の八時三十分のまた官邸発のエムネット、引き続きまだ発射確認中であると言っているんですよ。防衛大臣発射確認したと言っているのに、官邸の方は、その記者会見の七分後でもまだ確認中ですよ。それはみんな混乱しますよ、現場は、自治体も。大臣がそう言っているのに、エムネットで来るのは、まだ確認中だ。官邸確認したと言ったのは三十六分のエムネットの三番ですよ。大臣が発表してから十二分後ですよ。その間にナンバーツーがやっている。これはまさに混乱の極みなんですよ。  大臣、この混乱、市町村長、非常に困ったと、どういうふうに思われますか。
  40. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 防衛省内閣官房のやり取りの中に、私が発表する前に公表ぶりということで連絡をいたしております。その中身は、七時四十分ごろ、北朝鮮から何らかの飛翔体発射されたとの情報を得ていると、飛翔体は一分以上飛行し、落下した模様ということで、詳細は分析中、我が国安全保障への影響はあるとは考えていないと、こういう公表ぶりのファクスを入れさせていただいておりまして、そういう面で、私、防衛省の所掌の範囲内でこの内容を公表をしたところでございます。  情報伝達等の関係というものは、当初申し上げましたように、更なる検討、改善が必要だと思います。
  41. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然反省がないですね。  公表ぶりというものを八時十六分に出したという話でしょう、ファクスで。だけれども、八時十六分に出しても、八時三十分にはまだエムネットでまだ全然違う内容なんですよ。責任の押し付け合いなんですよ。だから、危機管理のときは官邸の方が一元的にやらないとおかしくなっちゃうんですよ。大臣の所掌事務でも何でもないんですよ、それ。こんなことで危機管理、本番のときなんか絶対できませんよ。だから、私は田中大臣の危機管理能力がないと言っているんですよ。  しかも、このエムネット③、これがまさに官邸が一番最後に出したものなんですよ。官邸として初めて発射確認した、これが八時三十六分のものなんですよ。それは、この資料二、これを見てください。これがそのエムネットで各市町村長に配られた手書きのものですよ。これは防衛省から送られたものです。これ見てびっくりしました。最初、八時十分に起案しているんですよ。次にそれを消して十六分、それを消して二十四分。大臣記者会見を待って出しているんですよ。何ですか、これは。防衛省がこれを官邸の方に送り、これがエムネット③で全部の市町村長に配られたんですよ、これが、手書きのやつが。何で八時十分のをすぐに出さずに、大臣記者会見を待ってこんなの出したんですか。  防衛大臣、この内容確認していますよね。何でこの二十四分になったんですか。答えてください。
  42. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) この内容につきましては、やはり時々刻々とこの確認の必要性というものを私は発信する防衛省としての担当者が肌で感じたところではないかと思っておりまして、そしてこの内容について確認をして、我々関係幹部の者がいたわけでありますから、それで了承をして、そしてファクスをしたということでありますから、私は非常に緊急性のある、そしてまた緊張感のあるものであったと思います。  そういう面で、やはりこの内容につきまして、確かに書きなぐったような状況でありますけれども、私は非常にその緊張感の中でのやり取りだと思っています。
  43. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然意味がないですよ。担当の思いでやられちゃ困るんですよ、危機管理は。  しかも、これ見ると、後ろの二行は後で付け加えているんですよ。筆跡が違う。だから、当初の八時十分のときは上の三つはあったんですよ。八時十分のときに三つ出せばいいじゃないですか。それを、ずっと大臣の発表の二十三分の後まで待って、二つを入れて出しているんですよ。これ早く官邸の方に送ればいいじゃないですか。  これで第二報になっている。だから、第一報は何か。調べたら、次の資料三ですよ。これが第一報ですよ、防衛省から官邸にあった。読めますか、大臣、これ。これが、防衛省官邸の方に一番最初に届けたという八時十六分の第一報ですよ。これが第一報なんですよ。これが防衛省の危機管理ですか、これが。びっくりしますよ。読めませんよ。だから、実際に、このクロノロジー、資料の五の、八時十六分に防衛省内閣官房がしっかり出した資料ありますよ。写し間違っているんですから、この字と。これをそのまま写さないといけないのに、余りにも字が汚いから写し間違っているんだよ、この資料が、我々に配られた資料が。何やっているんですか、これ。  これが、官邸防衛省が一番最初に出した第一報ですよ、八時十六分の。大臣、これ、確認をして、防衛省が責任持って官邸の方に出した、事前大臣確認していますか。
  44. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) その前段のことにつきましては、私が発表するからと、記者会見をするからということでそういうものになったということは違いますので、それは訂正をしていただきたいと思います。  この問題につきましては、公表ぶりということで私に相談というか、決裁を求められました。したがいまして、確かに手書きでありましたけれども、やはり最新の情報であるということで、私も真剣にこの内容を読みまして、そして了解をして官邸内閣官房の方に送ったということであります。したがいまして、私がこの内容については承認をしたということであります。
  45. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、言っているのがでたらめなんです、言っていることが。これは、急いでこれを出した、だったら、こちらの二報の方は八時十分のを出せばいいじゃないですか。さっき、自分でいろいろ状況の変化を待って出した、言っていることが全然違うじゃないですか。第一報は急いだ、第二報は状況の変化を待った、言っていることが全く支離滅裂ですよ。八時十分の段階のこの上の三行を出せばいいじゃないですか。全然、エムネット、変わりましたよ。何やっているんですか、これ。あきれて物が言えませんよ、このやり方。  今日は本当にNHKとかのテレビが入らなくてよかったですよ。こんなの、多くの人見たらがっかりしますよ、防衛省の。だから、この空白の四十六分、まさに大臣が勇み足で記者会見をやってエムネットの関係では非常に混乱を来した。しかも、エムネットの内容防衛省から行ったやつも、手書きで、しかも拙速、大臣記者会見を待ったかのような印象も与えかねない、そういうものになっている。結果として、官房長官は、さっきから話題になっているダブルチェックで発表に時間が掛かってしまった。アメリカの情報自衛隊情報両方ともしっかり取ってから発表したい、それでずるずるずる行ってしまった。官房長官発射記者会見発射から約一時間後ですからね。この確認に手間取ったから、官邸が。  じゃ、この場合、アメリカの情報が取れて自衛隊情報は取れなかった場合、どうやってこれ発表しようと、防衛大臣、考えていたんでしょうか。
  46. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) マニュアルにこの二つのケースがあるわけでありますが、前回の場合は三分後に感知したと、しかしその内容が不明確であったということでありまして、我が自衛隊レーダーではとらえられなかったという状況でございました。  私は、その状況の中で、やはりこの前回の例から、やはり十分の間に情報を提供があればということでありましたけれども、その中で、話がありましたように、いわゆる米軍から、飛翔体探知したが目標をロスト、見失ったと、こういう報告が、中央指揮所報告があったわけでありまして、そういう面で、こういう事態であれば、私自身がやはり官房長官連絡をすることが大事であるという事態であるということで、その後、二回、私は官房長官に直接連絡をしてその状況を連絡をしたところでございまして、決して私は、正確さを期すという中にあって適切な対処であったと私は思っております。
  47. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然質問を、頭の整理大臣、全然できていないですよ。今回、ダブルチェックで両方、アメリカの、自衛隊の、両方情報を取ってやろうというのが基本であった。でも、想定の中で、当然のごとくアメリカの情報が取れても日本情報が取れない場合がある。この部分を想定していないから、官房長官が認めているように、想定外だったとなっているんです。危機管理ができていないんですよ。自衛隊情報が取れなかった場合どうする。前回、四分後にはエムネットで発表しているんですよ。四分後、六分後、そして八分後と、かなり詳しくやっていますよ、これも早期警戒情報だけでも。だから、そういう部分が非常にできていないんです。  警報というのは早くやらないといけない。官房長官連絡した、八時三分じゃないですか。発射されてから二十四分後ですよ。ミサイルなんか本番だったらもう既に日本に着弾していますよ。何を偉そうに、官房長官連絡を取りました、八時三分じゃないですか。意味ないですよ。十分以内に情報を出そうと思う、十分前にミサイル、九州だったら届いていますよ、もう。全く大臣の危機管理能力はない、今の一言で分かってしまいましたよ。  しかも、SEW、先ほどから風間委員も言っていましたけれども、この資料五を見てください、資料五。これが防衛省の資料ですよ、早期警戒に関する資料、資料五です。(発言する者あり)資料四ですか。資料四、これ見てください。それを見ると、いろいろ書いてある。早期警戒情報発射地域発射時刻落下予想地域とか、そういうものが伝達されるんですよ。これは防衛省の資料ですから。そして、これは弾道ミサイル等に関する言わば第一報として有益な情報であると。やっぱり有益なんですよ、これに基づいてみんな動いているわけですから。  実際、あるように、米軍から統幕と航空総隊の方に行く、これがこのクロノロジーだと七時四十分なんです。ところが、官邸あるいは内閣官房関係省庁に行ったのは、文書ではこの読めない手書きの八時十六分の第一報。実際に松本局長が管理監に説明したのは八時から八時五分ごろ。だけど、この防衛省の各部隊には七時四十分ごろに行っているんですよ、もう。この流れ図の中で自衛隊の部隊だけは七時四十分ごろに行っていて官邸の方には行っていない。何ですか、それ。早期警戒情報を流す仕組みになっているんでしょう。自衛隊の中だけ流していて、この官邸とか官房の方に流していないんですよ。  だから、宮古島で信号弾を上げて隊員は慌てて退避したでしょう。あれは、迎撃態勢を取ったから、発射したときに落下物があるかもしれない、あるいは発射するときにいろいろガスが出ますから退避のためにみんな逃げなさい、信号弾を上げたり赤色灯を回しているんですよ。ところが、石垣市の市役所とかあるいは宮古島市の市役所にはそれが届いていないために、エムネットが来ていないために、みんな、おかしいおかしい。自衛隊だけが情報伝わっていて、市役所へ伝わっていない。防衛大臣、これどう思いますか。
  48. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 先ほどのいわゆる自衛隊でのレーダー確認し切れなかったということの対処は、私が官房長官に直接連絡をするということで対処をしたということでございます。  それから、この早期警戒情報についてでございますが、確かにこの文書で対応してきているわけでありまして、この情報の流れの中では、委員指摘のとおり航空総隊には行っているわけでありますが、しかしこの中央指揮所から官邸あるいはその他の内閣官房関係省庁においてはダブルチェックをして正確さを今回は最優先にすると、こういうことでございました。  したがいまして、この中央指揮所からは確認が全てできたわけではありません。発射あるいは飛行、そしてまた落下、それぞれの、そして特にどこの場所に落下するかということが確認をされなければこれは正式に連絡はできないわけでありますので、そういう面では、この図と違った対処方針が今回取られたということでございます。
  49. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、全然質問にも答えていないし、全く分かっていない。落下位置確認されなかったらSEW流さないんですか、そんなおかしいことはないですよ。だって、発射情報でまず一報流しているんじゃないですか。落下地点をね、前回も、落下地点が決まってから流す、そんなのないですよ。三年前見てください、全然違いますよ。落下地点が分かってから、そんなのうそです。しかも、部隊だけが、展開する部隊だけが情報が流れていて市町村長に流れていない、これ、誰が考えたっておかしいですよ。  じゃ、それぞれ大臣の、それぞれの状況判断についてこのクロノロジーというものを、資料五に基づいていろいろチェックしていきます。全然大臣分かっていません。  この内閣官房防衛省が出したこの文書、文書要務上、文書審査、普通通りませんよ、こんないいかげんな文書。何ですか、これ。長浜官房副長官、これ、「〇七四〇頃」と、読めますか、一番上に、四月十三日金曜日「〇七四〇頃」、読めますか、副長官。資料五です。
  50. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 資料というのは理事会に配付されたクロノロジーですか。ああ、失礼しました、資料五、はい。〇七四〇ごろですか、はい。
  51. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは普通使わないでしょう、こんなこと。七時四十分でしょう。これ、マルナナヨンマルと言うんですよ、自衛隊の方では。これはみんな自衛隊のやつなんですよ。普通、こんな文書要務やりませんよ、官房で。伝わりますか、これ。恐らく玄葉大臣も分からないと思いますよ、これ、全部。  しかも、途中で七時四十分というふうに書いたり、〇七四〇発射と、こんなことを、防衛大臣が官房長官に〇七四〇なんか言いませんよ。例えば、この二ページ、〇八〇三ごろ防衛大臣から官房長官へ電話連絡。何ですか、〇七四〇って。こんなの〇七四〇というふうに大臣が官房長官に言うわけないじゃないですか、八時三分。何ですか、この文書要務。極めていいかげん。しかも、かぎ括弧、これはそういう文書を読み上げたんですかというと、いや、発言をまとめたものだと。だったら、旨というものもないし。極めて、内閣官房防衛省というクレジットが付いているのに、非常にお粗末。  中身に入ります。  これは七時四十分ごろにこのSEW情報受信したんですよね、防衛省が。発射場所北朝鮮の西岸、発射方向南、発射数不明、ここまで来ているんですよ。で、七時四十一分ごろ、防衛大臣、副大臣は自分の四階の執務室から地下に移った。何ですか、これ。全然緊張感持って対応していないじゃないですか。何で発射予告の時間のときに詰めていないんですか。三年前は防衛省の政務三役、しっかり指揮所へ詰めていましたよ。  肝心なときにいなかった。防衛大臣、反省ありませんか。
  52. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私は七時前から登庁しておりましたし、大臣室におりました。そして、その報告を受け、すぐ中央指揮所に行きましたけれども、一分でありましたから、これはもうすぐに私はこの状況の中で判断をする環境にあったわけであります。
  53. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然、自分が言っている緊張感が一番ないのが大臣じゃないですか。大臣室にいた、こんなの普通恥ずかしくて言えないんですよ。国民の安全を守らないといけない、現場の隊員たちが、自治体の方々がどんな思いで対応していたか。指揮所にいるのが当たり前でしょう。態勢みんな取っていたんですから。だから、三年前も政務三役、みんな指揮所に初めからいたんですよ。停電とか何かトラブルあったらエレベーター使えませんよ。  しかも、そこで、それで、JADGEシステムの画面を注視して状況を確認したとありますよね、状況を確認した。これは、要はアメリカのイージスの情報を画面に、渡辺大臣もテレビで言われましたけれども、アメリカのイージス艦情報が画面に映って、これがずうっと来て、航跡があって、一分ぐらいしてから消えたんでしょう。  防衛大臣、それを見るのには間に合ったんでしょう、大臣
  54. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 当然間に合っておりますし、そしてまた、ちょっと訂正があればと思いますが、前回は大臣はずっと大臣室におられたということでありますが、私は何回もエレベーターを使って、一分以内に中央指揮所に行けるということで参りました。そして、今のお話でありますが、私が着いたときには、そのJADGEという画面には映り出されておりましたのを私は確認をしております。
  55. 佐藤正久

    佐藤正久君 今、大臣、じゃ、その三年前はもう一度私も確認しますが、この、大臣今言ったのは、認めたんですよ、米軍イージス艦情報が、軌跡があると見ているんですよ、画面で、画面で見せているんですよ。実際そういう情報が、北朝鮮西岸、発射方向南、こういうのがあって、航跡も見ている、大臣自身が。そして、これは米軍のイージス情報ですよ。それが一分後に消えたということを大臣自身が見ているんですよ。今まで言っていませんけれども、今初めて認めましたけれども、実際、担当の事務方も説明、そういうふうに受けました、渡辺大臣もテレビでも言っていました。  だから、一分間は少なくとも、着いてから一分間、初めからいたら二分間見れたと思いますよ、航跡、で、途中で消えてしまったと。そこまで確認しているんですよ、大臣。そういうことを普通見ていたら、あっ、これは、普通、これは途中で消えたんだな、米軍情報ですから、そこまで見ているんですよ、大臣自身が。それなのに判断ができない。  大体その決定打は七時五十分ですよ。統幕長から、米軍飛翔体探知したが目標をロストしたということを大臣報告した。この七時五十分はこれは決定打ですよ。実際そういうSEWがあって航跡を見ている。米軍がしっかりとそれは米軍の、飛翔体探知して、それが途中でなくなった。これはまさに発射したということなんですよ。だから、この七時五十分の状況を受けてアメリカや韓国は一斉に発信しているんですよ。これは普通、自衛隊の人間ならみんな分かりますよ、これ、制服自衛官なら。七時五十分が決定打なんですよ。それを大臣が全然分かっていない。アメリカや韓国はこれを基づいてこう発表しているんですよ。  だから、それで統幕副長が、大臣が全然動かないから、八時ごろにもう一回、何らかの飛翔体発射して洋上に落下した模様、当該飛翔体については日本には影響なし、ここまでもう一回念を押しているんです、大臣が動かないから。普通、七時五十分のこの決定打のときに、これですぐ大臣が動いて官房長官連絡しなかったらおかしいですよ。何でこの七時五十分、どういうふうに大臣評価したんですか。
  56. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) その放物線の、このことでありますが、もう、すぐに消えました、確かにですね。しかし、中央指揮所ではSEWレーダー確認をしなければいけないわけでありますし、前回は三分で確かに日本レーダーはとらえたわけでありますが、大きな時間的な流れでは、三分後に、そういう面では新たなレーダー感知がなかったわけでありますから、それで私は、その次の情報というものを何とか早く取れないかということで迎えたのが七時五十分でありまして、その原因が、結局米軍においても見失ってしまったということであります。  したがいまして、ではそれが実際に何の飛翔体であるかということの確認に入ったわけでありまして、この時点で、これはSEW情報だけでは、これはダブルチェックをしなきゃいけないわけでありますから、そこで間違えてしまったらこれは正確さを欠くわけでありますので、これは、私は当然ここで再確認をするということは間違いはなかったと思います。皆さん方も、関係幹部もその状況を見守ったわけであります。
  57. 佐藤正久

    佐藤正久君 結局ダブルチェックできなかったんじゃない、最後まで。最後までダブルチェックしていないんですよ。できなかったんですよ、最後まで。自衛隊レーダーに映っていないんですから。最後まで探知できないんです、映っていないんだから。だからこそ、さっき言ったように、自衛隊レーダーで映らなかった場合の想定がやっていないんですよ。だから、アメリカとか韓国の方はこの七時五十分の、向こうの国防長官は七時五十分のこの情報に基づいて判断しているんです。今回、初めから分かっているんですよ、打つ場所も、打つ時間も大体。それをずっと見ているんですよ。それで、そこから、東倉里から飛んで、途中で弾道が低くて消えた。普通に見れば、これは七時五十分段階で普通分かりますよ、軍事的な知識を持っている普通の人であれば。だから統幕長は、わざわざ大臣にこれを報告したんですよ。ほかの韓国は、アメリカはこれに基づいて発表しているんですよ。そこは日本とほかの国との大きな違い。  外務省の人間は非常にいらいらしたと思いますよ。アメリカや韓国がどんどん発表しているのに、日本は全然発表していない。自分でも航跡確認している。初めから下にいれば、二分間もっと見れたんです。しかも、それは録画していますから何回も繰り返して見ることもできるんですよ、大臣。これをもって、動かない、これがまさに私は、防衛大臣の危機管理能力のなさだと断言してもおかしくないという部分だと思っています。  さらに、統幕副長から念押しで八時に受けましたよね。官房長官に電話するまでに、何で三分も掛かるんですか。すぐ電話しないといけないじゃない。一分、二分を争う状況なんですよ、普通であれば。その三分の間隔が分からない。  次に、八時六分に更に統幕長から、飛翔体は一分以上飛行し数個の物体となって落下したと八時六分ごろ報告を受けて、電話しているのが今度は八時十三分じゃないですか。七分間も空いている。全然、大臣弾道ミサイルというのは一分一秒を争うんですよ。緊張感を持って官房長官連絡すると言っておきながら、一番最初の肝心な情報を七時五十分のときに電話しなかった。八時に副長からもう一回念押しをされて、それから三分後ですよ、電話したのは。すぐ電話すればいいのに。何も難しい内容じゃないですよ。八時六分にまた更に詳しい報告を受けた。七分空いてから官房長官に電話しているんですよ。これはもっと早くやっていたら、エムネットの内容だって全然変わったはずですよ。  官房副長官防衛省からのこの連絡、普通、国会議員でも普通考えますよね、今回は一分、二分が大事だと。早く正確な情報官邸は市町村に届けたいと思っていますよね。この七時五十分から、そして八時三分、十三分のタイムラグ、八時六分から八時十三分の七分のタイムラグ、これをどのように思われますか。
  58. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 御専門家の先生の御質問と防衛大臣質疑を隣でも拝聴させていただいておりました。私どもの認識では、先生が何回も強調された早期警戒情報受信をしたこの七時四十分ごろからの流れの中において、北朝鮮から何らかの飛翔体発射をされたという旨の連絡があった、これの八時十六分、この間の経緯について今先生がるるお話をされたんだというふうに思います。  私は先生ほどの御専門家ではございませんが、SEW情報には通常は発射場所発射方向発射弾数発射推定時刻、落下予想地域等が含まれているわけでありますが、この四月十三日の七時四十分に防衛省が得たSEW情報では発射弾数落下予想地域等が不明であったと、こういう状況であります。  そして、その後、先ほど先生も御質問の中で御指摘をされたように、レーダーからの失探等の関連情報、こういったことを総合的に勘案をした結果に発射された物体による我が国領域や国民の生命、財産に対する影響はないものと判断はしましたけれども北朝鮮による人工衛星と称するミサイル、それが先生が言っておられる本体のあの、委員の皆様も画像で見られたあのミサイルだと思いますが、このものではなくて別の短距離ミサイルが複数発射された可能性もこの時点の中には排除ができなかったところであり、あるいは、仮にそういうミサイルであったとすれば、本体は、画像が見えないわけでありますから、本体がまたいつ飛んでくるか分からないという、この時間帯に相当していたという部分で防衛大臣が様々判断をされたんだというふうに認識をいたしております。
  59. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然答えていませんよ。  普通の人間ならば、八時に受けたら少なくとも八時一分か二分には電話しますし、八時六分に受けたら八時七分、八分にやりますよ。そういうことも民主党の国会議員の方は分からないんですか。今、副長官、答えませんよね。  そんな一分、二分、実際、今回一発ですよ。でも、実際、有事のときは複合事態があるんですよ。複合事態のときにいつもSEW全部取れないかもしれないし、日本レーダーじゃ取れないかもしれない。だけど警報を出すのは官邸の仕事なんですよ、そういう早期警戒情報が出たら。警報というのは空振りでもいいんですよ。落ちてからでは遅いんですよ。危機管理というのはそういうものなんですよ。なのに全くそういう意識が、官邸の方にも緊張感全く考えられない。今の答弁で非常にがっかりしましたよ。  もう少し官邸の方は緊張感持って、普通に常識持っているかと思ったら、それも言わない。びっくりしました、はっきり言って。それが日本の危機管理を担っている官邸の副長官なんですか。これも驚きですよ。私は、官房長官防衛大臣の責任能力あるいは危機管理能力のなさだけかと思ったら、副長官もそんなレベルなんですか。普通、電話受けたらすぐ、即応ですよ。ホウレンソウの基本ですよ、これは。びっくりしました。  それでは防衛大臣、この八時十三分に官房長官に再度電話連絡していますよね。このときは、八時三分のエムネット、この内容確認してこの電話をしていたんでしょうか。確認せずに電話をしたんでしょうか。
  60. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 最後のお話は、私は確認をいたしておりません。  それから、この時間の差については、最初のこの八時の情報でありますが、これは最後の、日本に影響ないんだということについて統幕副長からあったわけですね。それについて私は再確認をしておったということで、若干時間が遅れたということでございます。  それから、次の内容につきましては、当然その日本に影響がないということに対するまた詳細な情報が入ったわけでありますので、そしてこれを官房長官に御連絡を申し上げました。たしか、ちょっと官房長官は移動されておりましたので、二、三回この電話がなかなかつながらなかったということで時間が経過したというのが、私は非常にそういう面では、日ごろから連絡を密にしているわけでありますけれども中央指揮所から電話をしたということでございまして、これ携帯電話が使えないわけでありますから、そういう環境の中で最善を尽くしたということで御理解をいただきたいと思います。
  61. 佐藤正久

    佐藤正久君 携帯電話がなくたって普通の電話はありますよ。そんないろんな、ずうっと言い訳ばっかりなんですよ、聞いているのが。  でも、実際、今認められたのは、八時十三分の官房長官連絡したときは、八時三分のエムネット、これを承知していなかったと。これどういうことですか。防衛省の方にはエムネット入ってこないんですか。
  62. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) Jアラートについては防衛省としては連携がある。これは、いわゆる飛翔体日本上空を通過する。しかし、エムネットにつきましては、それをもっと詳細に自治体の方に説明をされると、こういうことでありますので、直接、防衛省としては、私自身は当然その連携は取っておりませんでした。
  63. 佐藤正久

    佐藤正久君 そんなことを堂々と言っていいんですか。エムネットは連携取っていない、防衛省の方にはエムネットの端末ないんですか。運用企画局長、どうですか。
  64. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) 事実関係、ちょっと済みません、確認に時間掛かりましたが、エムネットの接続はないそうでございます。ただ、事後にエムネットでこういった内容が送られたという連絡はあったというふうに聞いております。
  65. 佐藤正久

    佐藤正久君 これ、エムネットの端末がない。外務省もないんですか、外務大臣
  66. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ございます。
  67. 佐藤正久

    佐藤正久君 えっ、あるでしょう。
  68. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ございます。
  69. 佐藤正久

    佐藤正久君 官房副長官外務省にあって防衛省にない、どういうことですか、これ。
  70. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 指定公共機関にはございます。
  71. 佐藤正久

    佐藤正久君 何ですか、それ。防衛省の方にないと。防衛大臣はエムネットを見ずに、そして十三分に官房長官に電話をしている。これで記者会見なんかやられたらたまったもんじゃないですよ。おかしいでしょう。エムネットの内容をしっかり見て普通は記者会見しないといけなかったら、全然整合性取れないじゃないですか。大臣は、全然そのエムネットを確認していないと、今明言されました。
  72. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 運用局長、手を挙げていますが、よろしいですか。
  73. 佐藤正久

    佐藤正久君 訂正されますか、防衛大臣
  74. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 局長、御答弁されますか。
  75. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) 済みません。先ほどの答弁、私の答弁は間違いがございました。エムネットの端末は防衛省内にあるそうでございます。失礼いたしました。
  76. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、端末がある、なぜ防衛大臣確認しないんですか。八時三分に全国に出したんでしょう。それは防衛大臣は承知をしていない。これは誰が防衛大臣にそのエムネットの内容を伝達することになっているんですか。  局長、お願いします。
  77. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) 済みません、ちょっと事実関係調査させていただいてから答弁させていただきたいというふうに思います。済みません。
  78. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、運用企画局長がエムネットの端末があるかどうか分からない、エムネットの情報を誰が責任持って防衛大臣、政務三役に伝えるか、これも分からない。  だから、自民党のときに運用企画局と統幕、運用の一元化というんであれば、それは省改革をやるべきだと言ったんです。三年前のこのミサイル発射事案のときも、運用企画局とその統幕の間でやっぱりそごがあったんですよ。誤射と言ってしまったのも、誤報を出したのも実は事務官なんですよ、当時、三年前。  だから、そういう面でいうと、いろんな面でこの省改革、これはもう一回運用について、渡辺大臣、これやっぱり今回いろいろ見て、この省改革、今回の事案をずっと見ていて、やっぱり運用部分、運用企画局と統幕、これについて組織を見直すべきだと副大臣は思いませんか。副大臣、副大臣です、副大臣
  79. 渡辺周

    ○副大臣渡辺周君) 御指名でございますが、今回のことは検証して、それを今、三年前のことについても、我々、なぜそういうことがあったかということで、今回は遺漏なきにしようということで対応いたしました。三年前の出来事の検証、そしてまた今回のことも含めまして、これがシステム的な仕組み的なことであるならば、どのような形で意思疎通なり様々な意思決定がスムーズにできるかということについては、当然検討すべきことだと思っております。
  80. 佐藤正久

    佐藤正久君 是非検討してください。  これは、本当にやっぱり実際現場の運用を分かっている人間が政治家に説明した方が早い部分はいっぱいあるんですよ。官邸の方もそうです。やっぱり、現場の運用を分かっている人から直接政治家は聞きたい。私もそう思いますよ。これは当然、事務官とかの人も勉強されているし、法律も詳しい。でも、それでもやっぱり両方、いい面をうまく使いながら政治家は判断しないといけませんから、今回運用企画局長がエムネットのことも知らない、これはやっぱり大きな問題だと思いますよ、正直言って。  だから、大臣記者会見したとき、八時二十三分、このときもエムネットの、八時三分のエムネットの内容、これを承知せずにこの記者会見やったんでしょう。いかがですか。
  81. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 当然に見ておりませんでした、エムネットについてはですね。  私は、中央指揮所からこの最終的な状況の確認をして、そしてそのまま記者会見場に臨みましてこの内容を発表いたしましたので、残念ながらその連携は取れておりません。今回の事案を契機に、やはり防衛省といたしましても非常に組織が大きいわけでありますし、そしてまたその中でいろいろと運用があるわけでありますから、しっかりと検証をして正すべきところはこれから正して生かしていきたいと思っております。
  82. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、当然見ていない、そういう表現はおかしいと思いますよ。危機管理を担当する自衛隊の指揮官ですよ、防衛大臣は。当然見ていない、自衛隊は組織が大きいから勘弁してほしい、そういう話じゃないですよ。  じゃ、官房副長官、この大臣記者会見内容、これは官房長官はいつごろ知ったんでしょうか。
  83. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 記者会見内容というのは、記者会見が終わった後で伝達をされたところでございます。
  84. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは何時ごろですか。
  85. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) よろしいですか、副長官
  86. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 資料の、また呼び方が問題あるかもしれませんが、〇八一三ごろ、防衛大臣から官房長官に再度電話連絡というところでございます。
  87. 佐藤正久

    佐藤正久君 おかしいじゃないですか。記者会見が二十三分ですよ。何で二十三分に記者会見やったのに、さっきは記者会見の後、報告受けたと言っておいて、今八時十三分なんですか。おかしいじゃないですか。記者会見の前じゃないじゃないですか。
  88. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 官房副長官、よろしいですか。長浜内閣官房長官。副長官答弁をお願いいたします。
  89. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 失礼しました。  時間が正確に今分からなかったもので手間取りまして恐縮でございますが、会見後に連絡があったということでございます。失礼しました。
  90. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、会見後いつか、今分からなければ後で報告をお願いします。  もう一つ、今回、エムネット、この中身について、あるいはこの発出の仕方について、実は内閣危機管理監に聞きたかったんですよ。  これは、官房長官も官房副長官もエムネットの発する内容発出の時期、全く関与していないんです。これは内閣危機管理監以下で、約四人ぐらいで話し合って決めるということなんですけれども、一番最初の発出が八時三分。そのとき、危機管理監は実は松本運用企画局長から説明を受けている最中でした。昨日、役人の方から説明受けたら、この八時から八時五分の間に、危機管理監に局長が説明している間に、そのときに八時三分のこの内容について一応危機管理監に説明をして、それで承認をもらって出したということなんですよ。ということは、運用企画局長、実際に説明している間にこのエムネットの内容、これについて危機管理監、実際に担当の方から説明受けていましたか。
  91. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) エムネットの内容、あるいは出すことについては御説明がなかったように記憶しております。
  92. 佐藤正久

    佐藤正久君 昨日の説明では、八時三分に出すというとき、危機管理監は局長から説明を受けていた、でもその間、割って入ってこれを許可をもらったと言っているんですよ。種谷審議官、これ、どっちが正しいんですか。
  93. 種谷良二

    政府参考人(種谷良二君) お答えをいたします。  昨日の説明がそのような形であったとしたら若干ちょっと違いまして、松本局長がセンターに御説明に見える前に、もうエムネットでこのような形で、今回出したような形で出そうということを危機管理監以下で相談をしておりました。まだそれを最終的に送信する前に、松本局長が下りてこられて危機管理監に御説明をされたと。それを聞いた危機管理監は、先ほど話し合ったエムネットの内容で問題ないと判断し、止めることはしませんでした。したがって、その前に決めていたエムネットの内容を八時三分に我々が送信をしたという手順でございます。
  94. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから、ここが多分、危機管理の大きな問題なんですよ。実際に発出する前に一応打合せをしていた。だけど、実際、松本企画局長からSEW情報を得ているんですよ、もう。得ているのであれば、この内容を修正すべきなんですよ。全然合っていませんからね。ここでは、この内容というのは、我が国としては発射確認していませんと、アメリカとかイギリスの報道を否定するような印象を持ってしまうんですよ。でも、実際には、実際にはSEW情報事前に持っていたし、また危機管理監、もう局長から説明を受けているんですよ。  この辺りについては、もう私の持ち時間なくなりましたので、自後の質問者あるいはあしたの予算委員会に譲りますけれども、この八時三分のエムネットの内容、これは余りにもひどい。これは官房長官も認めていますけれども、これは違うやり方もあったし、もっと中身も変えるべきだと、ましてや防衛省から説明を受けているわけですから、私はそう思います。  以上で質問を終わります。
  95. 山本一太

    山本一太君 今日は随分テレビカメラがこの委員会室に来ています。これは、理由は多分こういうことだと思うんですね。恐らくといいますか、もしかすると田中防衛大臣にとって大臣としての最後の答弁になるかもしれないと、恐らくそう思ってマスコミの方も来られているんじゃないかと思います。  私は、恐らくこの委員会で、あるいは予算委員会田中防衛大臣質疑を交わすのはこれが最後の機会になると思います。本来であれば余り厳しいことは申し上げたくないんですけれども、先ほどの……(発言する者あり)本来では厳しいことを言いたくないんです、はい、前大臣。今、やはり同僚の佐藤委員との質疑をお聞きをすると、やはり大臣には最後まで厳しくいろんなことをただしていかざるを得ないと、こう思っています。  まず、一つ私の感想を申し上げますが、佐藤委員から提出されたこの資料、資料の二と三、防衛省からのこの手書きのメモを見たら、大臣国民は物すごく不安になると思いますよ。これについてはどう思われますか、一言。何でこんなの出すんですか。思うでしょう、副大臣経験者も。
  96. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 中央指揮所での情報収集の中で、非常に緊迫した中でのやり取りだと思っております。  したがいまして、そこでは何も、一々タイプに打ち直すというようなことは今までもされておらないということでありますし、そしてまた、緊迫した中での情報でありますから、私は精いっぱい担当の皆さん方はやっていただいていると思いますし、先ほど時間の修正もあったと思いますが、これも再確認をして、そして連絡をするということで、私は非常に真剣に使命感を持ってやっていただいておるということであると認識をいたしておりますし、私もこのメモを見ました。しかし、一字一句見て、そして了解をしたということを御理解をいただきたいと思います。
  97. 山本一太

    山本一太君 だって、このメモ、読みにくくて、間違って写されているぐらいですからね。今の御答弁、非常におかしいと思います。それに、この中身、こういう手書きのものを出すというのもおかしいし、これが外に出るということ自体もおかしいと。北澤前防衛大臣と榛葉前副大臣も、これは本当におかしいと、徹底調査すべきだというふうに今おっしゃっていますので、それだけは申し上げておきたいと思います。  それでは、防衛大臣佐藤委員から、沖縄の宮古島だったでしょうか、小学校の生徒たちがテレビのニュースを見て避難をしたと、これはおかしいと思いませんかという質問に対して、田中大臣が、いや、それは反省しているというふうにおっしゃいました。あっさりこうおっしゃいました。内閣と官邸の連携あるいはシステム内の連携みたいなものについて、これについていら立ち、不安を国民に与えたことを反省しますと。こんなにあっさり言っちゃっていいんですか。しかも、これは検証する必要があると。これ、今回は着弾しなかったからいいですけれども、これ本当に何らかの理由で日本に飛んできていたら大変なことになるわけですよ。  大臣、この発言も極めてとぼけた余りにものんびりした対応だと思いますけれども、どう思われますか。
  98. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) いや、そういうことはないと思います。  今回は正確さというものを最優先に取り組んできたわけでございます。前回の反省もあったわけでありますから、防衛省といたしましては、その状況の把握というものは正確さで対応し、私の防衛省としての所掌の範囲で発表をし、そして責任を持って対処してきたわけでありまして、しかし、本当に国民の皆さん方がこの事案について大変地域地域でそういう面では御心配をされておるということでありますので、私は中央指揮所から指示をし、そしてまた発表したわけでありますけれども、もっとそういう面では防衛省全体としての対応というものも連携をしながらやっていくということが大事であるということをこの後認識をいたしました。  したがいまして、やはりまず速さ、あるいは皆さん方の生活にいかに影響を少なくしていくかということをこれからしっかりと検証して、そして対処していこうということで申し上げた次第でございます。
  99. 山本一太

    山本一太君 防衛大臣がもうあっさりと、今回のミサイル発射対応については、官邸防衛省の連携が良くなくて国民に不安を与えたと言い、そしてこれからいろいろとその理由を検証すると。まあこういう防衛大臣にはとても日本の危機管理は、申し訳ないんですけれども私はできないと思います。  さて、今回の対応で、さっき佐藤委員の方からもお話がありましたけれども、一番の問題は、後でまた詳しくやりますが、この記者会見だと思うんですね。八時二十三分ですか、大臣が、官房長官がやるべき記者会見を御自分で、御自分の判断で開かれて発信をされたと。私、もうこれも大臣の暴走だと思いますが、ひとつ大臣、訂正していただきたいと思うんですね。  最初の答弁の中で、大臣としての記者会見をやるときに、官房長官にも一応了解を取ったというようなことをおっしゃいましたけれども、これは事実じゃないですよね。訂正してください。
  100. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) この公表ぶりというファクスを送っております。  したがいまして、この内容については防衛省として公表させていただくということでございますから、私は官房長官の了解を直接は得ておりませんが、これは了解を、二回連絡を取り合っておるところでございますので、私はこのことは防衛省の職掌の範囲内で発表をさせていただきましたので、そういう面では私は了解をしていただけると、いただいておると思っております。
  101. 山本一太

    山本一太君 防衛大臣がそんな思い込みで危機管理のプロセス進めたら困るんですよ。うちの外交部会長も政調会長も官邸に行って官房長官に会ったんですよ。そのときに、藤村官房長官が、何で田中防衛大臣記者会見なんかしちゃったのかなと、理由がよく分からないと言っているんですよ。それなのに、どうしてあなたは記者会見をする前に官房長官に了解を取ったはずだなんということを軽々に言えるんでしょうか。  もう一度はっきり答えてください。そして訂正してくださいよ。そんな不正確なこと言っちゃ駄目ですよ。確認取ってないって言ってくださいよ、ちゃんと。
  102. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) この事情につきましては、事後、官房長官にもお話を申し上げました。そして、手続上は、公表ぶりということで、こちらの方で公表することについて了解を取っておるという認識でございましたから、したがいまして、私は、私の職掌の範囲内で発表させていただきましたことについては、官房長官も、そういう事情であれば分かったということを了解をしていただいたわけでございます。
  103. 山本一太

    山本一太君 今の答弁田中大臣の欠陥の全てが凝縮されているんですよ。  さっきは、記者会見を開くに当たって官房長官の了解を取ったとはっきり言ったんですよ。官房長官は、なぜ田中大臣記者会見を開いているのかよく分からないと言っているんですよ。ちゃんと訂正してください、さっきのニュアンスと違っていますから。  事後に了解を取ったんですね。じゃ、事前には了解を取らなかったということですね。事務的に答えてくれればいいんですよ。
  104. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 事務的には、防衛省内閣官房とは公表ぶりという、こういうやり取りの中でこちらで発表させていただくことは了解をいただいているわけでありますが、その事情について、官房長官からお話もありましたし、私からもお話をして、そして、この内容については私の判断で、そして職掌、防衛省のその範囲内で公表させていただいた、それでは分かったということで御了解をいただいたわけでありまして……(発言する者あり)このやり取りについても、あるわけでありますから、そういう面で、私は、今の段階で御了解をいただいておるということは間違いないと思います。
  105. 山本一太

    山本一太君 大臣、答えていないですよ。答えていないです。  もう一回言いますね。事前には了解を取っていないんですね。今のは事後なんですね。それだけ言ってください。こういうところに田中防衛大臣の欠陥の全てが凝縮されているんですよ。はっきり言ってください。
  106. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 当然、二人の中での了解は事後でありますが……(発言する者あり)事後であります、事後でございます。当然じゃ、当然ではございません。事後でございます。しかし……
  107. 山本一太

    山本一太君 じゃ、訂正してください、さっきの言葉。
  108. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) いや、ですが、事前にこういう手続を踏んでおるということも御了解をいただいているわけであります。
  109. 山本一太

    山本一太君 ちゃんと答えていないよ。いや、答えてもらってください。おかしいですよ。
  110. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) いや、今、事後と、事後と答えられましたので。
  111. 山本一太

    山本一太君 大臣、こういうときのやっぱり表現、きちっとやってほしいんです。まさにクロノロジー、とても大事ですから、これからのミサイル発射に備えるいろんな検証をする意味でも。事前に了解を取っていないものを了解取っているかのように言って、結局事後だと言い換える。ずっとあなたの答弁はこの繰り返しなんですよ。そのことだけ申し上げて、もうらちが明きませんから、そのことだけ繰り返しておきます。  それから、私はこの記者会見について非常に問題だと思うのは、この記者会見、通常であればやっぱり官房長官がやるべきなんですよ。内閣官房長官も自分がやるべきだと思っていたんですよ。それをあなたが記者会見をしたんですね。これは、あなたの個人の判断で記者会見をしたということなんですね。
  112. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 当然、当然というか、私の判断で記者会見をいたしました。  しかし、この対処方針の中で官房長官記者会見もあると思います。そして私の防衛省としての記者会見もあるわけでありますが、それは時間差を取っての計画になっておったわけでありますが、こういう緊急事態でありましたので、私の方が結果的に先に記者会見の状況になってしまったと、こういうことでございます。
  113. 山本一太

    山本一太君 金曜日の自民党の外交・国防部会に、防衛省、そして外務省、それから内閣官房の役人が来ました。防衛省大臣議官だと思いますが、この記者会見は、特に大臣が事務方から相談を受けたわけでもなくて、御自分でやったというようなお話がありました。  大臣、こういう危機管理のときというのは、さっき佐藤委員からもありましたけれども、誰がいつどういう情報を出すかということが決定的に大事なんですよ。私も、一応これでも政務次官と副大臣の経験があります。やはり、今、いろんな情勢を事務方から報告を受けて、その意見を踏まえて大臣が、今発表するのがいいのか、それとも官房長官に一元的にやってもらったらいいのかということをきちっと判断するというのが大臣の仕事なんですよ。今のままだったら、もう田中大臣の気分のままにやったみたいな、まさに付け焼き刃の間違った政治主導じゃないですか。  何で大臣、ここで自分で記者会見を決めるんですか。全く事務方から情報取らずに、何でやったんでしょうか。
  114. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 内容から私は日本に影響がないということを確認をして、そしてその内容を私は記者会見で申し上げたことが真意でございます。  したがいまして、確かにマニュアルからいえば、官房長官は三十分に記者会見をする、そして三十分後に記者会見をする、そしてまた私は四十五分に記者会見をするという時間の差はあったわけでありますが、大変、この今回の事案については、こういう状況下の中にあったわけであります。  したがいまして、私は、防衛省といたしまして、日本に影響があるかないかということ、私はこれはこの時間の中で何回も再確認をして、そしてこの内容を発表させていただきました。そういう面で、私は適切に対応したと今も思っております。
  115. 山本一太

    山本一太君 これは適切な対応ではありません。  やはりこの内閣の一番の問題は、危機管理に当たって内閣、各省がばらばらだということなんですよ。さっき大臣もおっしゃったじゃないですか。防衛省官邸のこの連絡についても反省すると、これについても検証するとおっしゃったでしょう。官房長官は不快感を示しているんですよ。何で防衛大臣がやったのか分からないって言っているんですよ。  あなたは答弁のたびに、まあ特に佐藤委員が出ると佐藤シフトというのがしかれるのか分かりませんけど、十人ぐらいの官僚が集まって、副大臣もすぐ横に付いて、外務大臣までアドバイスして、一言一言みんなから紙をもらって答弁をしているあなたが、何でこんな大事なときに官僚の情報も周りの情報も聞かないで自ら判断するのかというのは、私は全くよく分かりません。間違っています。  もう一つ言います。  私が、実は、金曜日の前の外交・国防部会等々で防衛省からクロノロジーについて報告を受けたとき、最初の報告はもうめちゃめちゃでしたよ、大臣防衛省内閣官房の言うことが完全に食い違っていたんですね。  例えば、当初は、七時四十分ごろ、これは防衛省SEW情報がもたらされたと、それについては八時十六分まで防衛省から官邸には通じていなかったということになっていたんです、八時十六分まで。で、防衛省の役人は、大臣議官ですよ、大臣官房審議官が、いや、防衛省からは内閣官房連絡をしましたと、で、内閣官房の審議官は、連絡を受けていませんと。最初、めちゃくちゃ食い違っていたんですね。それが今度、先週の金曜日の外交・国防部会でこの新しいクロノロジーが出てきたら、何かもう政府に全く瑕疵がないかのようにまとめられていると。小野寺部会長が、これは田中防衛大臣を守るために口裏を合わせたんじゃないかという気がするというふうにおっしゃいましたけど、私も、前の部会で政府からの説明を聞いたときのことと比べると、本当にそういう印象を持ちました。  そこで一番、一番のポイントは、八時十六分まで、最初は防衛省から官邸に対して連絡があったのかどうかということについて、官邸とそれから防衛省の主張が違っていたところについて、新しいクロノロジーだと八時三分に防衛大臣から官房長官に電話連絡というのが出てくるんですね。つまり、新しいクロノロジーでは、もう防衛省は的確に内閣官房に、官邸連絡をしていたということになっているんですけれども。  防衛大臣、これ官房長官に電話連絡をされたとき、近くに大臣官房の審議官がおられたというのは覚えていらっしゃいますか。
  116. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私が電話したのは中央指揮所からでございますし、集まりましたのは防衛省関係幹部会議に参加しておる方々でございまして、それ、いらっしゃったかどうかはちょっと私も確認はいたしておりませんが、私は知りません。
  117. 山本一太

    山本一太君 伊藤大臣官房審議官がいたんですよ。  最初の説明では、防衛大臣が官房長官に電話したという情報は一切なかったので、この新しいクロノロジーの中で初めてそれが出てきたから、外交・国防部会に出席をしたこの伊藤大臣官房審議官に聞いたんです。で、審議官が何と言ったかというと、いや、大臣が二回官房長官に電話されたことは知っていると、だけど、中身について何を言ったのかは知らないと。これはどういうことなんですか。  大臣官房の審議官が、大臣の近くにいて二回電話をしたのを見ていると。官房長官に電話をしたのは知っているけれども大臣が何を話したかというのは知らなかったと。これ、物すごくおかしいと思うんですけど、大臣、どういうことなんでしょうか。
  118. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) これは中央指揮所の中のことでありますから、余り公表するわけにはいきませんが、当然、私がおりまして、政務三役がいて、そしてまた周りに幹部の方々がいらっしゃって、その中で私は電話をいたしておりますから、聞こえる範囲内の方々は内容は聞いておると思います。しかし、聞こえないところにいらっしゃったのかもしれません。それはそれぞれ聞いていただけたと思いますが、私もそんなに小さな声で話したわけではありませんから、私の内容は、関係幹部会議の皆さん方の了解の下に官房長官にも電話をしているわけでありますから、内容は多くの方が聞いていただいておると思います。
  119. 山本一太

    山本一太君 いや、それは、近くにいた大臣官房の審議官が、防衛大臣がこういう状況の中で官房長官に電話している中身が全然分からないなんということ自体おかしいですよ。組織として機能していませんよ。中央指揮所にいるフロアの人たちがやっぱりきちっと情報を共有するというのが私は普通だと思いますよ。  では、お聞きします。大臣、電話をされるときには、どういう情報に基づいて電話をされたんでしょうか。さっき委員から、佐藤委員の方から、エムネットのことも知らずに電話をしたということなんですが、これは何か事務方から、こういう状況ですから官房長官に電話してくださいと、こういう提案があったんでしょうか。
  120. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) この情報は統幕長からがほとんどです。一回だけ統幕副長から連絡がございました。中央指揮所把握した内容につきましては、統幕長から私にじかに連絡をいただいて、そして私はその内容確認をしながら、どういう状況であるかということを判断をして積み重ねてきたところでございます。  その結果がこの状況の中での対応だというふうに御理解いただきたいと思います。
  121. 山本一太

    山本一太君 電話をする前に、官房長官防衛大臣が電話をする前に、周りの官僚、防衛省の役人でも誰でもいいですけれども、ここでこのタイミングで電話をしてくださいと、こう言われて電話をされたんでしょうか、大臣は。
  122. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私は、このスタートをした後、三分後には私はレーダーに映ってくるということでありましたけれども、その後それを見失ったという環境になったわけでありまして、しかし、その中で、やはり新たな状況が私の方に報告はされましたので、私はその状況を、特に二回、日本に影響はないというこの情報を基に、これは官房長官にすぐに連絡をしなきゃいかぬということで、私が判断をして、それで官房長官に出ていただいて御連絡を申し上げたということでございます。
  123. 山本一太

    山本一太君 何で私がこのことを今日お聞きしたかというと、田中防衛大臣は、はっきり言って、この委員会質疑では、ほとんど官僚の言うとおりの答弁しかしない、ペーパーがずうっと後ろの方から回ってくるから、違う質問に対する答えを読むということがよくありました。  その田中大臣が、今回の危機管理対応、特にさっき佐藤委員の方からも出ていましたけれども、きちっと内閣が一体になって、特に防衛省官邸がきちっと協力を取りながら一元化をして対応しなきゃいけないこのプロセスで、何か急に記者会見やったり、官房長官が何で田中大臣記者会見したのかよく分からないというようなことをやっていると。どうもよく分からないんですよ。もしかすると、何か勘違いの政治主導をここで発揮されているのかという懸念を持たざるを得ないというふうに思うんですが、もう一つちょっとお聞きしたいと思います。  昨日の部会でも実は外務省防衛省に資料を求めたんですが、北朝鮮ミサイル発射を予告していた四月十二日から十六日までの外務防衛両省の政務三役の行動のクロノロジーが知りたいんですけれども、教えていただけますか。
  124. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私始め政務三役の提出の要請がありました。それは努力しておるというふうに聞いております。作成について努力をしておるということで……(発言する者あり)はい。それは、出すことで政務三役も了解をしておるというふうに思っています。
  125. 山本一太

    山本一太君 昨日の部会で外務省防衛省に、今朝までに、この質問までにきちっと示せるようにしてくれというふうに言いましたし、ちゃんと質問通告にも書いてありますから、今分かる範囲だけでも、大臣、ちょっと言っていただけますか。
  126. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) じゃ、私の方から報告をさせていただきます。  政務三役は、いずれも六時四十分から七時の間に登庁しておりました。七時四十一分ごろ統合幕僚長からSEW情報確認連絡を受けて移動をしたと、こういうことでありますから、それをスタートとして、この政務三役の行動につきましては、今作ったという報告を、作成しましたという報告を受けましたので、提出をするということを指示をしたいと思います。
  127. 山本一太

    山本一太君 これは十二日から十六日まで、これ北朝鮮ミサイル発射を予告していた期日なので、これは細かいクロノロジーを、後で結構ですから是非提出をしていただきたいと思います。  大臣、私は、今日恐らく最後の質疑になると思うので申し上げますが、これまでずっとあなたのことを不適格だと、防衛大臣として不適格だというふうに申し上げてきました。私は、大臣に意地悪するつもりもありませんし、大臣をいじめるつもりもありません。もう真剣勝負で、真剣勝負でやってきたんです。あなたに一刻も早く辞めていただくことが国益だと信じてやってきました。でも、あなたがこの委員会答弁の中で、私の疑念、私の懸念を払拭してくれるのであれば、防衛大臣としてふさわしいと、ふさわしい能力と知識と覚悟と当事者意識があると、そういうことを証明していただければいいと思ってきました。でも、もう一々ここに書いたことを言いませんけれども、予算委員会二十回以上止まり、外交防衛委員会も三回の審議で、福山委員長苦労されていますけれども、十回以上止まったと。今度のミサイル発射対応も、とても危機管理を任されるような、申し訳ないんですけれども大臣ではないと思っています。  今日、参議院の国対委員長としっかり話をしてきました。もちろん、各野党の皆さんの御協力も得なきゃいけませんけれども、あなたに対する問責決議案、参議院自民党は必ず出します。私、予算委員会の筆頭理事で現場の部隊長をやっていますが、あしたの集中審議の後、参議院自民党はあなたへの問責決議案を必ず出しますから、その問責が可決される前にお辞めになったらいかがでしょうか。野田総理が例えば今あなたを更迭しても、あるいは問責を受けて、もうこの委員会であなたと会うことはできませんから、あなたを替えたとしても、もちろん任命責任を問われます。あなたが自発的にここで辞めても任命責任を問われますが、まだあなたがここで自発的に辞めた方が野田内閣へのダメージは少ないと思います。  防衛大臣、国益を考えて、もうこの場で、恐らくここ、最後のチャンスですから、御自分で身を引くと言っていただけないでしょうか。
  128. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私は職責を果たしてまいりたいと思いますし、一日一日全力を尽くしておるところでございます。
  129. 山本一太

    山本一太君 先週末、渡辺周大臣がテレビ番組に出まくっておられました。物すごいペースでした。私の仲間は、もう次期防衛大臣に向けての猛烈なアピールだと、こう言っていました。渡辺大臣は能力もあるからそう言われてもいいと思いますけれども、もう永田町では次の防衛大臣に当確だと言われている。六回ですよ、二日間で。こんな大事なときに一回もあなたに声が掛からない。防衛大臣自身が何の発信もしない。そのことについて恥ずかしいと思いませんか、大臣
  130. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私は、この今回の事案を責任持って対処してきた責任者であります。したがいまして、まずはこの判断が適切であったかどうかと、こういうことを、私自身で対応してきたわけでありまして、この判断は私は適切であったということを確認をこの仕事の後してきたわけでありますから、したがいまして、テレビのお誘いもなきにしもあらずでありますが、しかし私はこの一つの私自身の職責を、職務をしっかりと確認をし、そしてまた新たな対策も考えなきゃいかぬと、こういうことで来たわけでございます。
  131. 山本一太

    山本一太君 渡辺大臣がフジテレビの番組で、北朝鮮や中国の脅威が隣にあって日米両国で役割分担する際、集団的自衛権は避けて通れない議論になるというふうに発言をいたしました。私個人としては非常に考え方は近いんですけれども、これは大臣政府の見解ですね、大臣の意見と同じなんですね。それだけ、イエスかノーかでお答えください。
  132. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) そのときの発言は私も聞いておりませんので、どういう前提があったかは分かりませんが、今の野田内閣では集団的自衛権は行使しないということでございます。
  133. 山本一太

    山本一太君 こんな大事な発言を聞いていない。しかも、今の野田内閣では行使しないと言っている。副大臣がテレビで発言したんですよ。大臣、やっぱりあなたには一刻も早く辞めていただきたいということと、最後にもう時間ありませんから玄葉大臣に、寝そうになっていますから。寝ちゃいけませんよ、玄葉大臣、この間、寝ていたのを見ていましたから。  一言言います。鳩山元総理がもう一回イランに行きたいと言っているんですけれども、今度は羽交い締めにして止めてくださいね。それだけお聞きしたいと思います。
  134. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今、意思疎通をしっかりするようにしております。
  135. 山本一太

    山本一太君 次は止めてくれますね。  以上です。     ─────────────
  136. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、猪口邦子君が委員辞任され、その補欠として三原じゅん子君が選任されました。     ─────────────
  137. 山本香苗

    山本香苗君 本日は北朝鮮ミサイル発射事案をめぐる政府対応について伺いたいと思いますが、その前に一言申し上げたいと思います。  といいますのも、本日の委員会に官房長官と危機管理監の御出席を要請いたしました。広田筆頭理事にはいろいろと御尽力をいただきましたけれども、結局応じていただけませんでした。特に、危機管理監については理由すら分かりません。大変遺憾に思っております。  今日は、お二人の分の答弁をしっかりしていただくということで、長浜副長官にお越しいただきました。官邸を代表して責任のある御答弁をしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  質問に入ります。  北朝鮮から我が国に向けてミサイル発射された場合、着弾まで十分と掛かりません。今回の事案というのは、我が国ミサイル防衛の能力が試された局面、場面だったわけです。今回のように発射から、先ほど来よりお話があるように、四十分以上たって確認する、確認に手間取る。これ実戦だったら、我が国壊滅状態ですよ。こういう緊張感が果たして官邸にあったのか。  私は、今回の政府対応は極めて稚拙で、我が国防衛の脆弱性というものを自ら暴露したようなものだと思っています。今回の失態、失敗を深く深刻に受け止めて反省しておられるのかどうか、長浜副長官、そして田中防衛大臣、そして外務大臣、それぞれ御答弁いただけますでしょうか。
  138. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 冒頭、広田理事のお話を出していただきながら、私ども出席について御許可をいただき、どうもありがとうございました。  今の御質問に関してでございますが、今般のミサイル発射情報伝達について、政府としては、国民の生命、財産の安全確保を最優先するとともに、誤った情報の発信により無用の混乱を生じさせない、こういう考え方の下で、国民への迅速かつ正確な情報の、行うこととしていたわけでございます。具体的には、短距離ミサイル発射等にも感知をしてしまう場合があるSEW情報精度の限界を考慮し、SEW情報に併せ、自衛隊等のレーダーによって飛翔経路が捕捉され、これが我が国の領域に向かっていることを確認した上で内閣官房を通じて国民に伝達するところとしていたところです。  今回の事案では、何らかの物体が短時間飛翔したとのSEW情報を得た一方で、レーダーでは発射確認を行うことができなかったと。そのため、その後入手した情報も踏まえ検討した結果として、直ちに国民に伝達することにならなかったということでございます。これは先生の御指摘の時間が掛かったというところだと思います。  なお、一般に、ミサイル我が国に向けて発射された場合にあっては直ちに適切な情報伝達を行うことができるものと考えておりまして、今回の政府対応が厳しい御指摘のような、我が国ミサイル防衛の脆弱性を示すものとは認識をしていないところでございます。  先生の御指摘のみならず、佐藤先生始め先ほど来御審議をいただいていること、私ども官邸では一つ一つ重く受け止めまして、あっ、失礼しました、山本先生御指摘をいただいたこと、風間先生の御指摘も、北朝鮮ミサイル発射事案に係る政府危機管理対応検証チーム、こういうものを官房長官記者会見で昨日発表いたしましたが、しっかり検証して、危機管理に更に万全を努めていきたいと思っております。
  139. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 先生の御指摘のあります、ミサイル防衛の脆弱性についての御質問でございます。  今回の事案につきまして、防衛省といたしましては、自衛隊の運用、そしてまた能力、そしてまた情報伝達と、こういうことを防衛省あるいは自衛隊とともに対応してきたところでありますが、運用につきましてもあるいは能力につきましても、今回のことはSEW情報だけでは対応できなかったと、自らのレーダーあるいはその運用で把握をできなかったというのは、大変私は脆弱性の問題ではないかと思っています。  更なる問題につきましては、情報伝達ということがございます。正確さの中に安全がありますけれども、不安を与えてはいけないと、そういうことは当然国民の皆さん方に対する責務であると思っておりますので、正確さに加えて速い情報伝達、そしてまた不安を持たれないような対応をしていくことがやはり脆弱性の対策ではないかと認識をいたしておるところでございます。
  140. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今のお話はミサイル防衛の脆弱性と、こういう問いになりますと、やはり今回は、イージス艦、PAC3あるいは様々なレーダー我が国にあって、SEW情報をもらうという中で、まず我が国に対しての安全ということへの確認はできているというふうに思います。ですから、その点からいうと、イコールそのミサイル防衛に関する脆弱性を発揮したとは言えないというふうに思います。  ただ、安全保障は、もう言うまでもないことですが、常に最悪の事態に備えながら、そのために万全を期すために不断に努力していかなければならない課題でありますので、そういう意味では、今回のことも、その後のことも含めてよくよく検証をしていくということで、先ほど副長官から御答弁がありましたから、しっかり検証して更なる万全の措置がとれるように努力をしていかなければならないと、そう考えております。
  141. 山本香苗

    山本香苗君 この程度の認識ですか。失敗だという認識も反省もないんですか。  まとめて官房副長官、御答弁ください。
  142. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 今申し上げましたとおりでございますが、懸念される部分においては検証委員会で誠実に対応していきたいと思っております。
  143. 山本香苗

    山本香苗君 まずその認識なくして効果的な検証なんかできっこないんですよ。ミサイルを撃ち落とすということは一分一秒を争うそういう任務ですよね、速さが勝負ですよね。なぜアメリカの早期警戒衛星情報SEWを、そのままつかんだ時点で発表しなかったんですか。
  144. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) どなたへの質問ですか。
  145. 山本香苗

    山本香苗君 官房です。
  146. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 先ほど来の質疑にもございますとおり、アメリカのSEW情報受信をしたと、その状況の後の中においても、大変恐縮でありますが、前の質問者のときにも答弁を申し上げましたように、完璧な形での情報提供がなされなかったわけでもありますし、仮に完璧な情報SEW情報であったとしても、それが誤報であるという可能性もあったという中においてのチェックに時間が掛かったということでございます。
  147. 山本香苗

    山本香苗君 先ほどの佐藤理事とのやり取りの中でもありましたけれども防衛省においては、SEW精度等に限度があることは否定はできないが、我が国の方向へ発射される弾道ミサイル等に関する第一報として有益な情報としているわけです。  それで、よく前回の二〇〇九年の例が出されますけれども、誤報だとかいろんなのがあったと。あのときの早とちりというのはSEWのせいじゃないわけです。SEWになかった自衛隊レーダー情報で誤って情報を流してしまったので、SEWのせいじゃないんです。こういう、何というか、キャッチした情報をどう受け止めて分析して評価をするかというのは受け手の能力の問題なんですよ。  先ほどもお話に出ていましたが、沖縄の宮古島基地ではSEWを受けた途端にすぐに信号弾撃ったと、そして発射情報を隊員に伝えて迎撃に必要な態勢というものを取っていたということなんです。つまり、現場はしっかり対応しているんですよ。何で官邸にこの感度がないんですか。
  148. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 大変緊張感を持ってあの日の情景の中においては業務にいそしんでいたところでございますが、今申し上げた観点から、SEW第一報についての対応ということでは同じようなお答えになってしまうと思います。
  149. 山本香苗

    山本香苗君 いや、言葉だけ緊張感があると言っても何にもならないんですよ。現場の方がしっかりしているじゃないですか。官邸が、肝心要の官邸が一番感度が鈍いんですよ。こんなていたらくで有事どうするんですか。  藤村官房長官が、先ほど来よりも質疑の中でありましたけれども、今回の対処方針は必ずダブルチェックするんだと。ダブルチェックで確認して、レーダーその他の情報手段で確認することだったということを言って、ダブルチェックに手間取ったから情報発表が遅れたんだと、そういうことを理由として説明しておられました。  しかし、八時三分にエムネットで、ミサイル発射したとの一部報道があるが、我が国として発射確認していませんという情報を流されていますよね。これは、政府からの最初の情報発表で間違いありませんよね、副長官
  150. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 先生からのエムネット八時三分の送信についての……
  151. 山本香苗

    山本香苗君 いや、間違いないかと聞いているだけです。
  152. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 間違いございません。はい。
  153. 山本香苗

    山本香苗君 そうなんです、間違いないんですよ。官房長官はダブルチェックに手間取ったと言いながらも、ダブルチェックで確認する前に現に情報発表されているんじゃないですか、ですよね。ダブルチェックに手間取ったから発表が遅れたんだ、これは言い訳にならないと思うんですよ。
  154. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 先ほど来御答弁申し上げましているとおり、正確性と迅速性という、こういう観点とともに、国民の安心、安全という観点を無視することはできないというふうに思っております。  つまり、その時点で、何らかの飛翔体発射があり、それが我が国に向けて飛来していないということは把握をしておりましたけれども、その七時四十分に発射された飛翔体が、先ほども申し上げましたが、短距離ミサイルである可能性や、あるいは今後更に当該ミサイルが、衛星と言われている当該ミサイル発射される可能性が排除できないということから、危険が去ったとのメッセージと受け取られないように、我が国として発射確認していない旨のエムネットをその時点で送信をしたわけでございます。緊張感があるゆえに……
  155. 山本香苗

    山本香苗君 そんなことは聞いておりませんし、現に、混乱を起こさないようにと言いながら、混乱を起こしているんじゃないですか。現に、情報はダブルチェックする前にもう政府から発表されているんです。だから、ダブルチェックに手間取ったというのは言い訳にならない、取って付けた言い訳にしかならないと、そういう認識持ってください。おかしいですよ。  我が国としてその発射確認していないという内容情報は、もう一回聞きます、先ほど佐藤先生の質問でもありました、官邸、どういう手順踏んで、誰のどういう判断で八時三分に出すことになったんですか。
  156. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 危機管理監の判断で発出をしたわけでございます。
  157. 山本香苗

    山本香苗君 官房長官や副長官は一切御存じなかったんですか。
  158. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 八時三分のエムネットの状況の中においては、現場の危機管理監の対応ということで、質問にダイレクトに答えろということであれば、そのことは承知をしておりませんでした。
  159. 山本香苗

    山本香苗君 つまり、八時三分時点で、官房長官や副長官と危機管理監との間では連携が取れていなかったということですか。
  160. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 連携は取れていたと思いますが、そのエムネットの発信に関してということであれば、エムネットの発信には関与していなかったということでございます。
  161. 山本香苗

    山本香苗君 連携が取れていたと言いながら、何でエムネットのことで何にも事前に知らないということになるんですか。事前に、エムネットを出すときには官房長官とかは知らなくていいと、官房副長官にも知らせなくていいと、危機管理監で、役人だけでやっていいと、そういうふうになっているんですか。
  162. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 実際、エムネットあるいはJアラート等の運用の中においての現場責任者であるところの、現場責任者、下の現場責任者であるところの危機管理監の権限で発信するという方針自体は認識をしておりました。
  163. 山本香苗

    山本香苗君 じゃ、今回、元々、官房長官だとか副長官は知らなくてよかったということですか。
  164. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) エムネットあるいはJアラートの仕組みの中において発信するというその時折に何かの、どう言ったらいいんでしょう、一つ一つの許可を取るというシステムには従前よりなっていないというふうに思います。
  165. 山本香苗

    山本香苗君 思いますじゃなくて、事実関係はそうなんですか。
  166. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) さようでございます。
  167. 山本香苗

    山本香苗君 今回、このエムネットの第一報が出たことによって非常に混乱したわけです。この点は是非改善していただきたいと思いますし、危機管理監と官房長官というのは危機管理の要ですよね。連携取れていると言いながら、連携取れていないような、こういうざまをさらすようなことはあってはいけないと思うんですよ。もう極めて、官邸の中ですら連携が取れていないというような事態になって、危機管理上非常に問題だと思います。  先ほど来の政府部内での連携体制について、今度は防衛省に伺いますけれども、昨日の理事会で、先ほども佐藤理事の質問の中で資料五として出ておりましたが、クロノロジーですね、ここには、八時十三分、田中大臣が官房長官に電話したと。八時十六分、防衛省はペーパーで官邸発射したことを確認した報告を上げておられます。  防衛省発射したことを確認した情報は何ですか。裏付け情報は何ですか。そして、それはいつの時点で入手されましたか。
  168. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) この経過の中で若干……
  169. 山本香苗

    山本香苗君 質問だけに答えてください。
  170. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) はい。  最終的には、この八時十六分の、七時四十分ごろ、北朝鮮から何らかの飛翔体発射されたとの情報を得ている、飛翔体は一分以上飛行し、洋上に落下した模様、詳細は分析中、我が国安全保障への影響があるとは考えていないと、これが確認を、八時……
  171. 山本香苗

    山本香苗君 いや、質問に答えていません。違います。
  172. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 山本香苗君、もう一度質問をしていただけますでしょうか。
  173. 山本香苗

    山本香苗君 それは、大臣、読み上げただけです。じゃなくて、ここに、それまでは、八時十三分、十六分までは、発射の模様とか発射した模様と言っていたのに、十三分、十六分になったところで発射したと、発射をしたというふうにおっしゃっている。ですから、それは何の情報に基づいて言っていらっしゃるんですかと、それはいつ入手されたんですかと聞いているんです。
  174. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 私が得ておる情報をちょっと振り返りますと、これは高度の問題があったと思います。しかし、それは落下する前の高度ですね、ということが私は記憶に残っております。したがいまして、それは当然、落下した、あるいはどこに落下したかということも、日本以外の、日本の領域以外のところに落下したと、こういうこともあったわけでございますので、当然ここに表現はされておらない面もあるわけでありますが、これは情報の元の問題もございますので、大変、私の記憶だけで、大変、申し上げて、申し上げて……(発言する者あり)
  175. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 田中防衛大臣、質問に的確にお答えいただきますようにお願いいたします。時間を止めて整理をしても結構ですが、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
  176. 山本香苗

    山本香苗君 もう時間がないので早くしてください。止めるんだったら止めてください。
  177. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 入手した情報を総合的に踏まえて、そして、それには当然米側から得た情報もございますが、この内容を最終的に確認をしたと、これは中央指揮所の中の幹部も含めてそれを認識をしたということをここに表現をしておるところでございます。
  178. 山本香苗

    山本香苗君 いつの時点ですか。
  179. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) これは、私から官房長官に再度電話連絡をいたしておりますから、その直前だと思います。
  180. 山本香苗

    山本香苗君 このことは、四月十三日の我が党の会合でもこの裏付け情報は何だということを問合せして、持ち帰っていただいて、その後きちんとした情報がないんですよ。  今、大臣米軍情報等とおっしゃいましたけれども、そして今電話する直前だという話でありましたが、先ほどの佐藤理事とのやり取りの中で出てきた七時五十分の米軍情報、これじゃないんですか。
  181. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 七時五十分では、総合的な、この内容的なことからいいますと、全てではございません。この八時十三分の直前だと私は認識をいたしております。
  182. 山本香苗

    山本香苗君 もう時間がないので、要するに、八時十三分と八時十六分の時点で、既に防衛省としては精度の高い情報を得たと、SEW以外にも。だから、ダブルチェックを完了したと、発射確認したという認識に立っていたということですよね。そうじゃなければ、八時二十三分に防衛大臣記者会見して飛翔体発射されたなんて発表しませんよね。そういうことですね。
  183. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) そういうことでございます。
  184. 山本香苗

    山本香苗君 副長官にお伺いしますが、今防衛大臣は、八時十六分の段階でダブルチェックできていたと、発射確認していたと言うんですけれども、同じ認識ですか。
  185. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 官邸危機管理センターとしては、当該情報及び防衛省との間のやり取りによる内容確認を通じて、いまだ確定的でないものの北朝鮮人工衛星と称するミサイル発射された可能性が高いことを認識をしたところでございます。
  186. 山本香苗

    山本香苗君 じゃ、違うと言うんだったら、いつの時点でダブルチェック完了して発射確認したんですか、政府として。
  187. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) このお配りをいただいたのでよろしいんでしょうか、このクロノロジーで、十一時、確定をしたということからすれば、十一時ごろ、政府として様々な情報を統合した結果、発射された飛翔体は、北朝鮮人工衛星と称するミサイルであることを確認というところでございます。
  188. 山本香苗

    山本香苗君 これだけ違うわけですよ。防衛省は八時十六分の段階で、今大臣、ダブルチェックやって、そこで発射確認したと言っているんですよ。官房副長官は十一時ごろと言うんですよ。これだけ防衛省官邸との間で全く、この発射確認されたかどうかという基本的な認識のところ自体でも違うんですね。極めて政府部内の情報共有の在り方自体も根底から見直していただきたい、そう思います。  あともう時間が刻々と迫っておりますが、今回、Jアラートを使われませんでした。藤村官房長官は、領土内に入ることはないと確認したので発しなかったと説明されておりましたが、これも言い訳にすぎません。なぜJアラートを使わなかったのか、明確な御答弁を求めます。
  189. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 官房長官も申し上げているとおりだというふうには思いますが、我が国の安全上何らかの影響がある場合に迅速かつ的確に情報を提供する手段としてJアラートを考えておりました関係上、我が国の安全上何らかの影響がある場合でないので、今回は国民への直接の警告、アラートの意味合いを持つJアラートを用いることをしなかったわけでございます。
  190. 山本香苗

    山本香苗君 理由聞いているんです。  三月三十日の官房長官のコメントありますね。あそこでは、北朝鮮発射した場合にJアラートとエムネットを使って速やかに必要な情報を伝えるとされていたんです。領土内に入るか入らないか、つまり危険性があるかないか、そんなことにかかわらず、発射した場合には情報を発表すると、そう自治体に説明してきたんじゃないんですか。
  191. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 自治体への説明におきましても、我が国の安全上何らかの影響がある場合という形で自治体への文書等を発信をしております。
  192. 山本香苗

    山本香苗君 じゃ、コメントと違うんですか、官房長官の。
  193. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 今手元にその官房長官のコメントの原本がありませんが、私は違っていないと、同じ認識だというふうに思っております。
  194. 山本香苗

    山本香苗君 じゃ、地方自治体の方が理解していなかったということですか。
  195. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 私が見た記憶のある文書は、たしか三月三十日と四月九日に内閣審議官の名前で事務連絡で各都道府県知事あてに出したところでございますが、予告どおり沖縄上空を通過する場合や異常飛翔が発生した場合に国民へのアラートとしてJアラートを使用するということで事前に通知をしたところでございます。
  196. 山本香苗

    山本香苗君 いや、今聞いたのは、地方自治体の方の理解が浅かったということを言っているんですかと聞いているんです。自分たちはこのように言っていたけれども、その間に理解に差があったということを言っているわけですか。
  197. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 今、山本先生がおっしゃられたその地方自治体理解という部分が、ちょっと私、今この場にいて分からないわけでありますが、多分、こういった形での伝達は行われていたので、若干そこにそごがあったかもしれませんが、先ほど一番冒頭で申し上げました検証委員会の中においても今の御指摘は検証対象に加えたいというふうに思います。
  198. 山本香苗

    山本香苗君 エムネットは今回使われたけれどもJアラートは使われなかった。両方とも弾道ミサイル等の重要情報を地方自治体に伝える仕組みなんですね。何で片方使って片方使わなかったのかと。この使い分け、この差は何なんですか。
  199. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 使い分けと、確かに、いいますか、先生おっしゃられたような形でのエムネットは使いました。Jアラートという意味での警告の意味合いではなくて、地方公共団体や報道機関等に対する文字情報情報提供の手段のエムネットを使った理由は、大変情報が錯綜しておりましたので、国民に対して安心感を提供するという必要性からエムネットを使って、時間的には遅れたわけでありますが、情報発信を行うことが適切であるという判断をしたところでございます。
  200. 山本香苗

    山本香苗君 いや、今全く答弁になっていないと思いますよ。同じ仕組みなのに片方使って片方使わないと。よく分かりません。  もう時間が来ましたので、最後に一点聞きますけど、テロ対策などに詳しい日大の福田教授という方が、危機管理論の専門の方ですが、発射後すぐに情報発信できなければ住民も避難行動ができない、報道後に情報を流すこと自体、政府の危機管理として問題だ、このように指摘された上で、東日本大震災の東京電力福島第一原発事故で放射性物質の拡散を予測する国のあのSPEEDIの公表が遅れた問題を挙げて、危機管理の甘さは全く同じ構図だ、このように指摘されておりました。  副長官、この指摘をどう受け止められますか。
  201. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 様々な見方があると思いますので、そういった点も含めて検証委員会の中において議題になってくると思います。
  202. 山本香苗

    山本香苗君 最後に申し上げておきますが、検証チーム立ち上げられて昨日会合を開かれたようですが、齋藤副長官がチーム長で、その下に危機管理監。検証調査対象に官房長官もなるかもしれないと。危機管理監だって検証調査対象になるんじゃないですか。お手盛りの調査にならないように、検証にならないように申し上げまして、質問を終わります。
  203. 桜内文城

    桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。  時間が短いので質問を早速始めます。  まず事実関係について、政府対応の事実関係について、防衛省と、それから外務省に、それから内閣官房お尋ねいたします。  本日、いろいろと質疑の中でお答えになっているところなんですが、まず、発射直後に防衛大臣中央指揮所に移動されて、先ほどの御答弁の中では、レーダー情報といいますか、そういう航跡を当初は見られたということだったんですが、それは米軍イージス艦なりのレーダー情報だったんでしょうか。確認させてください。
  204. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) SEW情報だと思っております。
  205. 桜内文城

    桜内文城君 SEW情報としてすぐ消えたということでよろしいんですか。ちょっとそれも確認させてください。
  206. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) アメリカのレーダーでございます。
  207. 桜内文城

    桜内文城君 ちょっと混乱されたと思うんですが、要は、SEW情報だけじゃなくて、アメリカのレーダー情報をそのとき、最初のときから見られたということですよね。それであれば、先ほどから何度も、SEW情報というのは、その信頼性ですとかあるいは誤認の可能性もあるということでダブルチェックできなかったということをるるおっしゃられていますけれども、最初の段階から、これは米軍であるけれどもレーダー情報を実際大臣御自身が御覧になっていたということですよね。
  208. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 今回のいわゆる手続は、SEWのこの感知と、そしてまたレーダーの状況というものによって連絡をするという事務的な対応があったわけでございますので、そういう面でそのルールに従ったということでございます。
  209. 桜内文城

    桜内文城君 いや、確認したいのは、要は単にSEW情報米軍から得ただけでなくて米軍からはレーダー情報も得ていたと、その確認です。もう一度、しっかりとお答えください。
  210. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 当然そうでございます。  ただ、日本に向かってそれが発射されたということは認識をしておらなかったところでございますので、そういう条件ですぐに連絡が行かなかったというふうに報告を受けております。
  211. 桜内文城

    桜内文城君 何でこういう事実確認したかったかといいますと、要は相当早い段階から、単にSEW情報だけじゃなくて米軍からとはいえレーダー情報も来ていたと。それでありながら、実際にそれが官邸に伝わるタイミングですとか、あるいは防衛省の方で、分析にももちろん時間掛かるんでしょうけれども、先ほどのお答えで言えば八時十六分とかですか、そこまで時間掛かったということも、大変タイミングとして遅いと思うんですけれども。  先ほどから大臣は、正確性であるとかダブルチェックであるとかというものを重視されたとるるおっしゃっていますけれども、しかし、もう二千年も前から兵は拙速を尊ぶと、これ兵法の基本ですよ。(発言する者あり)まさに孫子の兵法ですけれども。正確性とスピードとどっちを尊ぶのか、もうこれは分かり切った話であって、それからそのスピードを持ってきちんと内閣官房情報を伝えていれば、後で訂正することも可能ですし、かつ内閣官房の方も、SEW情報だけでは不完全だと分かっていたとしてもですよ、それからレーダー情報としてはこういうのがありますと素直に伝えればいいじゃないですか。なぜそれしなかったんですか。
  212. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 対処要領によりまして、そういう自動的に連絡をするという対処にはなっておらなかった状況でございます。そういう状況下の中で、いわゆる人的な連絡と、こういうこともそれは判断の内容でありますが、それ以上の人としての判断をして連絡をするということも控えたという状況であったわけでございます。
  213. 桜内文城

    桜内文城君 次に、副長官お尋ねしたいんですけれども、このクロノロジーによれば、これも比較的早い段階、七時四十二分に何らかの飛翔体発射された模様、現在確認中との情報を総理、官房長官、危機管理監は入手したとありますけれども、これはどこからどういった情報が来たんでしょうか。これ、単にSEW情報が来ただけなのか、あるいは先ほど防衛大臣がおっしゃったようにアメリカのレーダー情報も含まれていたのか、そこについてお尋ねいたします。
  214. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) この七時四十二分の時点ですね、総理大臣、官房長官あるいは危機管理監、何らかの飛翔体発射された、現在確認中との情報を入手ということが書いてありますが、この段階での入手先、入手経路等は、様々インテリジェンス等の関係もあり、答弁が控えさせていただきたいと思います。
  215. 桜内文城

    桜内文城君 別に今日ここでじゃなくてもいいんですが、これは非常に重要な部分ですので、是非しっかり整理して出していただきたいと思います。  次に、もう一つ副長官にお伺いいたします。エムネット、これ二回ですかね、八時三分と八時三十分。
  216. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 三回です。
  217. 桜内文城

    桜内文城君 三回ですか。八時三十分の分が三回目ですか、二回目ですか。
  218. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 三十分が二回目です。
  219. 桜内文城

    桜内文城君 二回目ですか。まあ、とにかくその最初の二回についてお尋ねいたします。  八時三分の段階で、北朝鮮が、人工衛星と称するミサイル発射したとの一部報道があるが、我が国としては、発射確認していませんと、このくだり、大変問題があると言われておりますし、私も問題あると思っております。単にこれ、一部報道だけじゃなくてですよ、少なくともSEW情報は持っていたわけですよね、官邸防衛省も。かつ防衛省に至っては、少なくともレーダー情報ももう最初から持っていた。それであるのに、一部報道があるが、我が国としては、発射確認していませんと、これこそ誤報じゃないですか。  こういった危機管理監、このままほっといていいんですか。責任問わなくていいんですか。  それから、二回目の八時三十分の内容も、これ大変問題だと私は思っております。北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射については、確認中であるが、既にですよ、防衛大臣記者会見も終わって、発射確認は終わっているんですよ。何ですか、これ。  ちょっとその辺、危機管理監のこのエムネットの内容についての責任についてお尋ねいたします。
  220. 長浜博行

    内閣官房長官(長浜博行君) 第一回目の八時三分の時点では、一部情報といいますか、かなりあの時点では、テレビ、ラジオ等々も含めて、今先生が御指摘にあったとおり各国からの情報等が交錯をしておりました。それから、この質疑中何度も出たところでありますが、SEW情報の正確性、あるいは、まあダブルチェックという言葉を使っていいのかどうか分かりませんが、日本側での情報収集の過程でありましたものですから、そういった状況の中で、仮にもう飛んでしまって日本には影響がないというような、これもまた誤解につながるところもありますものですから、ある意味では正確に日本政府としては情報把握をしていないということで出させていただいたところでございます。
  221. 桜内文城

    桜内文城君 いやいや、正確じゃないからこうやって指摘しているんですよ。発射確認していませんというのが、これ正確じゃないでしょう。  で、今日、私自身は危機管理監お呼びしていませんけれども、来ない理由が、与党によれば、官邸にずっといなくちゃいけないと。これ、あり得ない話でありまして、三百六十五日二十四時間、危機管理監ずっと官邸にいるわけでもありませんし、そういうふうに危機管理監がずっと官邸にいなきゃいけないような危機管理体制こそおかしいわけですよ。  そういう意味でいえば、今回こういった内容を、エムネットの内容を作成した危機管理監、今日でなくてもいいんですけれども、是非この委員会あるいは予算委員会等に呼んでいただきたいと思うんですが、委員長
  222. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 後刻理事会で協議いたします。
  223. 桜内文城

    桜内文城君 まず、こういった形で事実の確認をさせていただきました。大変、防衛省それから官邸の責任は重いということを指摘しておきます。  先ほど、冒頭、外務大臣から報告いただきました。ありがとうございます。明確に、これまでの国連安保理決議に違反するというふうな評価を示されております。高く評価いたします。  国連安保理決議に違反するということの我が国外交方針に対する影響ということなんですけれども、今、安全保障理事国ではないとしても、やはりこういった安保理決議に違反する、それによって行動を共にしていくという意味でいえば集団的自衛権の話は避けて通れないと考えるわけですけれども、従来どおり集団的自衛権は行使するつもりがないのか、その点について確認させてください。
  224. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) この北朝鮮によるミサイル発射については、もう最初から日本政府安保理決議違反であるということをずっと主張してまいりましたし、結果として安保理でもそのような認定がなされて、強い非難並びに要求さらには更なる核実験あるいは更なる発射が行われた場合に安保理として行動を取ると、そういう決意があるということまで入った私は強いメッセージが出せたというふうに思っています。  今の桜内さんのお話は、集団的自衛権について、そろそろこういった事態も受けてもっと考えていくべきなのではないかと、こういう御議論だというふうに思います。私は、この集団的自衛権の議論というのは、大いに議論しなきゃいけないし、どこかの段階で乗り越えるべきは乗り越えなければいけない課題の一つだというふうに思っておりますが、今、野田政権としては、現時点でこの集団的自衛権の解釈を変えるつもりはないと、こういう立場でございます。
  225. 桜内文城

    桜内文城君 これで終わりますけれども、集団的自衛権もそうなんですが、今回、まさに自衛隊迎撃用の部隊を配備したとか、もう個別的自衛権の発動の要件にもしかするとかかわってきたかもしれない事案です。是非、我が国防衛力それから抑止力というものをきちんと高めていっていただきたい。それは外務省防衛省共に努力していただきたいということを申し上げまして、質疑を終わります。  ありがとうございました。
  226. 山内徳信

    山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。  外務大臣にお伺いいたしますが、長い説明は全く要りませんから、結論だけおっしゃってください。  在沖米海兵隊は、四月十三日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への配備を今年の九月ごろと見通しを示しました。普天間飛行場は世界一危険な飛行場と言われております。県民の反対を押し切って九月配備をすることに沖縄県民は危機感を持っております。沖縄県民の意向をアメリカ政府米軍当局に伝える考えがあるかないか、外務大臣にお伺いいたします。
  227. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 結論だけ言いなさいということでございますので。  米側にはとにかく情報提供を求めて、それをきちっと沖縄にお伝えをしていくということだと思っています。
  228. 山内徳信

    山内徳信君 そういう御努力をお願いしたいと思います。  同じく、在沖米海兵隊は、オスプレイが配備されることを考えまして、事前にキャンペーンを張っておるなと思っております。キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ、北部訓練場、そして海を渡って伊江島補助飛行場でも訓練したいと。緊急事態が発生したときには嘉手納飛行場に飛来することも明らかにしております。  重ねて、オスプレイ配備について県民は反対しておりますし、県民を代表して、国民を代表して私はこの場におります。したがいまして、オスプレイ配備はあってはならないということをこの場できちっと表明しておきます。  沖縄県民を、米軍基地の自由使用の結果、どれほど今日まで犠牲を強いてきたか。餌食になったような感じさえいたします。基地を提供しておる責任は日本政府にあるんです。防衛大臣はしっかりそこら辺を認識しておらぬといかぬと、こういうふうに思っております。真心込めて訴えても聞き入れられないならば、あとはどういう事態になるか考えたことがありますでしょうか。これも外務大臣にお伺いしておきます。どうぞ。  沖縄県民の意向が聞き入れられないような事態が発生したときに、要するに、真心込めて訴えて訴えても聞き入れられないような事態になったときに、あとには何が残るのかと。どういう事態が発生するのかということを考えたことがありますかと質問をしておるんです。これも簡単にお願いします。
  229. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 沖縄の問題、大変重要な問題でありますので、私としては様々な思いを巡らせております。また、想像力も発揮しているつもりでございます。
  230. 山内徳信

    山内徳信君 四月十一日にオスプレイはモロッコで訓練中に墜落しました。二人の米兵が死亡して、二人が重傷を負っております。そのことが沖縄県民に更に大きな不安と恐怖を与えております。  欠陥飛行場と言われておるそういう飛行場。宜野湾市には八万三千名の市民が生活をしております。今日までずっと市民生活を脅かしてきたのが普天間飛行場であります。とりわけ、防衛大臣も行かれて、ここは余りヘリコプター日ごろは飛ばぬだろうとおっしゃった防衛大臣のあの言葉は大変悪名高い発言として残っております。その普天間第二小学校の児童生徒たちを脅かせておるのもこの飛行場でございます。十六年もたって、なおその危険性の除去も全く進んでおりません。  これについても外務大臣にお伺いしたいと思います。こういう恐怖をいつまでもさらす状態に置いていいのかということなんです。一言おっしゃってください。これを取り除くためにどうして辺野古だけなのかと、日本全体で考える必要があるだろうと、これが今、民主党の中でもアメリカの方でも指摘されておることなんです。どうなさいますか。
  231. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 普天間につきましては、固定化は絶対あってはならないということでございます。したがって、その移設先につきまして、様々な検討の結果、現在唯一考えられる方策は辺野古であるというのが御存じのような日米両政府のコミットであるということで、私の立場からこの場で申し上げられるのはそういったことでございます。
  232. 山内徳信

    山内徳信君 北朝鮮ミサイル発射問題でPAC3を配備された沖縄県、関係自治体関係地域の住民は、数週間にわたって振り回され、非日常下に追い込まれておりました。私は、国際社会の自粛要求を無視した北朝鮮ミサイル発射にも抗議をしております。そして、歯には歯、目には目、武力には武力の対応しか具体化しなかった日本政府に対しても、今後のためにも抗議をし、反省を求めておきたいと思います。  今日はずっとこのミサイル問題が最初から続いております。いつもと違いまして、防衛大臣は何か自信ありげに胸を張って答弁しておるのを見ておると、私は非常に違和感を感ずるんです。  そこで、お伺いします。防衛大臣にです。結論だけおっしゃってください。一つ、朝鮮のミサイルは武力と考えて対応したのか、おっしゃってください。武力なのか違うのかということです。
  233. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 違うと思います。
  234. 山内徳信

    山内徳信君 ああ、武力じゃないということですね。
  235. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 武力ではございません。
  236. 山内徳信

    山内徳信君 武力じゃなくて何ですか。武力じゃなくて、ちょっとおかしいんじゃないんですか。であるのに、破壊措置命令をあなた出したのか。何でPAC3を出したりイージス艦出したんですか。
  237. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 人工衛星と称するミサイルという認識の下に破壊命令を出しました。そしてまた、被害が生じるというようなことに対しては、生命と財産を守るため、災害派遣の要請があれば対処するということでございます。
  238. 山内徳信

    山内徳信君 もう長い説明要らない。  日本政府はあの北朝鮮発射したのは武器ではないという認識を持っていたと。それに対してイージス艦を出したりPAC3を出したりしておるのはどういう意味ですか。ちょっとおかしいんじゃないですか。
  239. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 山内徳信君、御着席ください。
  240. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 我が国の領域に落下した場合に我が国国民の生命と財産が脅かされると、こういう危険があったわけでございまして、そういう破壊命令を出したわけでございます。それに伴って配備をしたということでございます。
  241. 山内徳信

    山内徳信君 我が国の生命、財産云々を言うということは、それが危険な武器と想定していたからではないんですかと私は聞いておるんです。副大臣、何かおっしゃりたいことあるんですか。  じゃ、日本の今回の措置として大臣が措置命令を出したイージス艦、PAC3は、これは武器なんですか、何ですか。おっしゃってください。こんなの簡単でしょう。
  242. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 防衛省の装備品でありますから、武器でございます。
  243. 山内徳信

    山内徳信君 今おっしゃったのは、防衛省の装備品であるから武器であると、こういう認識ですか。──うなずいていますが、はっきりおっしゃってください。
  244. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) そのとおりでございます。
  245. 山内徳信

    山内徳信君 はい、皆さんお聞きのとおり、イージス艦とかPAC3は武器であると。そして、相手のものは武器ということを、ちょっと言いにくそうなことをおっしゃっていましたが。  大臣、今後のために申し上げておきますが、日本の憲法の、憲法九条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と。  私は、外務大臣国際社会の一員として、北朝鮮に自粛を要求して国際社会で動いていらっしゃることは承知しています。そこが日本の基本姿勢でなければいかぬのに、防衛大臣はPAC3とかイージス艦を出して、そこら辺まで来たら、最初から日本の領空、領土内には落ちぬというのははっきりしていたじゃないですか、ね。想定されていたじゃないですか、フィリピンの近くに落下するというのを。それを、華々しく、こんな大きなお金を掛けて造ったイージス艦、こんなPAC3もありますよといって北と張り合う必要はないですよ。北と張り合う必要じゃない。そういう時間と予算があったら、外務省を通して外交、平和外交でこの問題の解決の方向付けをしていくべきではないかという指摘を私はしておるんです。  防衛大臣が言われた、これは武器であるというのは、憲法九条に言われている武器の行使に該当するんです。あなたは、あなた方がやったのは、基本的には憲法の九条に抵触するおそれがあるんですよ。防衛大臣はそれでいいんですか。  以上、指摘をしっかりしておきますから、そういう有事になったり戦争状態になったときにいつでもその犠牲を強いられてきたのは、日本国内では沖縄が、そういう沖縄の体験から私は基本的な指摘を今申し上げておるんです。  以上、申し上げまして、質問を終わります。
  246. 舛添要一

    ○舛添要一君 まず、今日の同僚の皆さん方の御質問をお伺いしていて、これは是非政府に申し上げたいことは、やっぱり危機管理の失敗であるということは明白だと思います、今回について言うと。そうすると、危機管理の要の役人というのは危機管理監。我々は国権の最高機関です。この場に出てこないという理由はありませんよ。私は予算委員会でも、あした、この同じことを総理に直接申し上げたいと思いますけれども。じゃ、田中防衛大臣、何か今、攻めてきたら防衛出動を下令する、日本自衛隊を動かす最高責任者、あなただってここにいれない、二十四時間中央指揮所にいないといけないことになりますよ。  ですから、私は、国民の代表がここに集って、いろんな問題点を国民の生命と財産を守るために議論しているんですから、これは今日、外務大臣に申し上げておきますけれども、是非政府として、そういうことで出てこないということは理由にならないと思います。ですから、私は新型インフルエンザのときに危機管理担当しましたけれども、いろんな問題点がある。だから、是非今回、失敗したらそれ反省して正していかないと、今後のことがありますから、是非そこはまず、同僚の皆さん方の御質問をお伺いしながら思いましたので、申し上げたいと思います。  それから、まず外務大臣にお伺いしたいんですけれども、私、今回一番注目していたのは中国の情報なんです。もちろん、イージス艦レーダー含めて、そういう情報を取る方法は最新鋭の機器を使ってやるのはありますけれども、このインテリジェンスが非常に弱い。そのために、ヒューマンインテリジェンスというのも一つの大きな柱なんですけれども、中国はやっぱり北朝鮮の兄貴分というか、相当情報が入っていると思います。私は、ですからそういう全体的な、総合的な判断をする。  ちょっと具体的に言うと、いつ撃つか、それは気象条件にもよりけりだけれども、金曜日の朝撃ったというのはほぼ中国が見ていたとおりですね。ですから、こういうことの情報を、中国大使館から外務大臣あてに毎日公電が山ほど来ているでしょうから、少しちょっと、今、税と社会保障の一体改革や何かで忙しいかもしれないけれども外交能力が非常に今、日本政府は落ちているような気がしてならないんです。是非、先般、予算委員会で申し上げましたけれども、戦略的互恵関係って言葉言うのは簡単なんだけれども、まさにこういうところで中国との間の情報分析、こういう連携を取っていただきたいと思います。  たまたま今度、安保理について言うと、議長声明、これは中国側も日本と足並みをそろえてくれましたけれども、そうじゃない場合もあると思いますので、是非、対中外交について玄葉外務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  247. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今回、安保理に関しては、今おっしゃっていただきましたように、最終的に中国は、中国の主張は実はありましたけれども、かなり足並みをそろえたというふうに申し上げても過言ではない。これは、中国側自身ももう発表しているとおり、これは国際社会の共通認識であるというふうに発表しました。  この間、日本外交としても、日中韓の外相会談、そして日中のバイラテラルな外相会談でも相当、しかも具体的に話を、また働きかけをいたしましたし、内々、米中ですり合わせをしていくちょうどよい直前のタイミングでも日中の外相の電話会談を行いまして、かなりこれも詳細にわたった議論をいたしました。私は、日本なりの働きかけは実った部分はあるというふうに確信をしています。  その上で対中外交と、こういう話でありますけれども、まず我々は、もう舛添先生に申し上げるのは釈迦に説法ですけれども、それはやはり同盟国というのがまずありますねと、米国というですね。これは基本的な黄金律だと私は思いますけれども、まず同盟国というのがあって、その上でこの中国との関係というのを、おっしゃるとおり、戦略的な互恵というのはやや誰もが使う言葉になって、一体中身は何なんだと、こういう御議論はあるわけでありますけれども、より深い、例えば人的な関係あるいは情報を取る関係といったことも含めて、確かに関係深化は必要なんだろうというふうに思いますが、何といいますか、まずやっぱり米国との関係というのがきちっと軸にないと、逆に私は中国との関係というのはなかなかうまくいかないといった側面は率直に言ってあると思います。  それと、もう一つは、先ほどヒューミントの話をされましたけれども、インテリジェンスはインテリジェンスでおっしゃるとおり極めて重要で、これは外務省だけの話ではないんですが、さっきの危機管理監の話ではありませんが、エリントも含めて全体としてインテリジェンスの能力を高めていくというのは、これはもうかつての政権も含めて反省をしながら、これから日本が抱える最重要課題の一つだというふうに考えて事に当たらなければならないと、そう考えております。
  248. 舛添要一

    ○舛添要一君 次に、田中防衛大臣に質問をいたします。  先般、私は予算委員会で、動的防衛力構想というのは何なんだということを野田総理に御質問しましたら、これは民主党の幹部の間で相当詰めて練り出した考えだということを御答弁いただきました。  今回、幸い一分間で弾道ミサイルおっこっちゃったんですけれども、今回のこの迎撃態勢を構築するに当たって、動的防衛力構想ってどのように活用されたんでしょうか。
  249. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 動的防衛力構想の中に南西地域防衛力の強化というものがございます。確かにこの今回の事案は南西諸島にも影響があるということでございますが、その中でこれを活用したということではございませんけれども自衛隊としての認識も深まったというふうに思っております。  また、日米の情報共有という中にありまして、やはり我が国も広範囲ないわゆるいろいろな機動性、即応性というものが求められるということでありますけれども、アメリカの方もアジア太平洋重視の中で動的な対応というものも考えられておるようでございまして、私もアメリカの方とお話をする中で、日本も動的な運用をしていきたい、しかしアメリカのことも我々も理解をしていきたいと、こんなことの連携が私自身の中ではできつつあるというふうに認識をいたしております。
  250. 舛添要一

    ○舛添要一君 何度も防衛白書を読みましたけれども、動的防衛力構想の中に日米同盟との関係はほとんど書かれていないんです。そして、書いてあるのは、先ほどの戦略的互恵関係と同じだけど、言葉を作っちゃうと、動的防衛力。これは私は総理にも申し上げましたけど、動的の反対は静的、スタティック。ダイナミック、どこ、どう違うんですかと。それで、その説明を読むと即応性、機動性、柔軟性、多目的性と書いてあるんです。これも言葉だけなんだけど、当たり前のことなんです。  田中防衛大臣は、今、その防衛白書に書いている即応性、機動性、柔軟性、多目的性のうち、どれが一番今の自衛隊の力に欠けていると思われますか。
  251. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 自衛隊の今回の運用あるいは性能、そして当然情報伝達というような側面があると思いますが、実態的には、やはり運用もございますが、やはり今回の性能、自衛隊の性能の面もやはり強化していく必要があるというふうに認識をいたしました。  そういう中で、やはり即応性、機動性ということが具体的にこれから考えていく必要性を感じたところでございます。
  252. 舛添要一

    ○舛添要一君 動的防衛力構想というのは、これまでの基盤的防衛力構想に代わるんですけど、そこで脅威対抗しないと書いてあるんですね。しかし、要するに、大臣が自分の防衛力構想するときに何を考えるか。北朝鮮がこういう武器を持ったらそれに対抗しないといけないですから、それ考えるというのは能力と意図なんです。意図を見たって、それは北朝鮮の言うことを聞くと、我々は人工衛星で、平和目的にしか使用しない。絶対言いませんよ、侵略するなんてことは。  だから、やっぱり防衛力整備の基本というのはキャパシティー、相手の能力に応じてやるべきだというふうに思いますけれども、今回、PAC3を配備した、イージス艦を配備した。そして、イージス艦を今度六隻に増やしますね。それから、要するに迎撃態勢だって十一個のチームに変えますね。何のためにそういうことをやっているんですか。これは脅威対抗じゃないんですか。
  253. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) 我が国は専守防衛でございます。そしてまた、当然必要最小限の整備をしていくということでありますが、やはり国際的な流れの中でいわゆるパワーバランスを見てみますと、やはりそういう整備をしていくことによってこの抑止力というものができてくるわけでありますから、私は、非常に身近に感じておりますのは、北朝鮮もどこまで開発ができるのか、能力があるのかということをまず認識をしないと今後の我が国の当面のこの整備というものも決まっていかないんではないか。しかし、それをやらなきゃいけないことは私は事実だと思っておりますので、今回の事案をしっかりと検証をして、そして動的防衛力につなげたいと、こういうふうに思います。
  254. 舛添要一

    ○舛添要一君 言葉だけじゃなくて、やっぱり基本的には脅威対抗なんですよ。だから、脅威をしっかり見極める必要があると思います。  さあそこで、金日成生誕百周年のパレードの中でICBM的なものが出てきました。大臣、御覧になっていて、これ何だと思われますか。それから、この性能諸元をどういうふうに防衛省として分析なさっていますか。
  255. 田中直紀

    国務大臣田中直紀君) パレードのテレビを見ておりました。その中での、北朝鮮がここまで保有しているよと、こういうことでありますし、それが完成しますと当然アメリカまで届くようなミサイルになるということでございますから、私は、我が国のみならず、同盟国でありますアメリカの考え方も含めて北朝鮮に対する対応をしていかなきゃいけないと思いますが、実態は注意深く防衛省としても検証していくということが、情報を分析していくということがまず大事だと思っております。
  256. 舛添要一

    ○舛添要一君 当初、すぐおっこっちゃったんで、短距離ミサイルだったかななんて情報防衛省に流れたということも聞きましたけれども、やはりどういう、例えばムスダンが飛んできたらどうするのか、そういうことを含めて。  それから、もう一つ重要なことは、イランとの間で非常な軍事技術の供与を含めて協力していますから、もちろん日本国民を守るために落下物について注意しないといけないのは当然ですけれども防衛大臣の最大の仕事というのは、きちんと、どういう武器をもって、どういう方向で飛んできて、どういうことをやろうとしているのかということをしっかり検証して、それに対応できる防衛力を行使し、自国のみでできなければ日米協力を緊密にすると、それが基本だと思いますので、是非心してそういうことをやっていただきたいと思いますけれども、私は、この数日間の対応を見ていると非常に危ういなということを思っていますので、これは政府に猛省を促した上で、質問を終わります。  ありがとうございました。
  257. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後一時八分散会