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高野委員 本当にこれは、どんどんインターネットは進んでおりますし、しっかりとした対応をぜひ求めておきたいというふうに思います。
それから、
自殺に至らなかったといっても、不登校、引きこもりの子
たちというのは実にさまざまなケースがございまして、
本当に一概に言えないわけであります。
下手な
経験が役に立たないこともあるわけでありまして、非常に難しい問題をはらんでおりますけれ
ども、
自殺に至らなかった
子供たち以外の引きこもりの
子供たちにも相当、私の
経験からしますと、やはりきっかけが
いじめであったりとかというケースが非常に多いわけでありまして、隠れたこうした苦しみを持った
子供たちに対する対応というのは
社会問題である、
文科省としてさらに省を挙げて取り組んでいただきたいと私はずっと思っております。
今までも二度ほど
質問させていただいておりますけれ
ども、小
学校で、二十二年度は二万二千四百六十三人、これは不登校ですね。
中学生が九万七千四百二十八名。合わせると十一万九千八百九十一人の不登校
児童がいるわけであります。
こうした問題というのは、まず現場の教師がどう対応していいかわからない、親もどう対応していいかわからない。実は
精神科医も、私、友人の獨協の大森教授であるとかいろいろな方と勉強会をしてきたんですけれ
ども、医者もどう対応していいかわからないという現状があります。
獨協の大森先生に言わせると、
児童生徒のそうした
子供たちを扱うのに、僕のところに連れてこいよと言う医者ほど心配なものはないと名誉教授が言うんですから、つまり、自分の限界、おのれの限界を知っている医者に会わせるならいいけれ
ども、そうじゃないと、下手すると逆の効果になる、非常に難しい問題であります。
私は、これは去年の三月九日だったでしょうか、
質問させていただいたんです。厚生労働省が結構何とかしようといって頑張っているなという印象は受けたんですけれ
ども、ふれあい心の友訪問援助・保護者交流事業というものの中で、
児童相談所の
児童福祉司や、
児童相談所のOBとか、引きこもりの
子供を持っていた親御さん
たち、いわゆるコーディネーターの指導のもとに、
文科省はもちろん承知していると思います、メンタルフレンド、これは学生等のボランティアで構成されているわけですけれ
ども、このメンタルフレンドが引きこもりや
児童の家庭を訪問したり、
児童と触れ合うといった取り組みがされてまいりました。
メンタルフレンドは福祉系の学生が比較的多いということだったんですけれ
ども、教職系の学生も参加しないわけではないんですが、私はもっと積極的に
教育学部の学生さん
たちをこうしたことに参加させるべきであるという話もさせていただきました。
また、親御さんに対する支援も必要でありまして、保護者を対象にしたペアレントトレーニングなどを設けて支援を充実させたり、あわせて自閉症などの発達障害の親御さんをペアレントメンターと呼んで、実際に
経験をされてきた親御さん
たちがペアレントメンターとなって、今問題を抱えている親御さんの心のアドバイザー、相談役になっているという制度もつくってございます。
ペアレントメンターの養成を発達支援事業の推進事業の
一つに厚労省としては明記をして、そうした相談技術を持った
方々、
経験者の
方々を大事な資源として
位置づけてはいるんですね。
そして、もっと不登校の
経験者、親御さん
たちにもぜひボランティアで参加していただいて、そういった
人材づくりのネットワークみたいなものを
現実的対応としてきちっとつくり上げていく必要がある、私はそう思ってそのときも申し上げました。
さらに、二十一年度からはひきこもり対策推進事業というものを厚労省が創設をしまして、各都道府県・指定都市に、引きこもりに特化した第一次相談窓口としての機能を有する、ひきこもり地域支援センター、これは現在三十六カ所と聞いておりますけれ
ども、設置しております。さらに、
平成二十三年度より家庭訪問を中心とするアウトリーチ型の支援も開始しているというふうに聞いております。
こうした厚労省の取り組みの中で、私は、
文科省抜きに、実効性がなかなか伴わないんじゃないか。やはり
学校というのは地域のコミュニティーの中心でもありますし、何とかそこに
文科省も入って、あるいは
文科省がむしろ旗振り役になって、
子供たちは全部
学校に通っているわけでありますから、こうしたことの事業といいますか制度づくりというのをもうちょっと積極的に
文科省にやっていただきたいということを私当時
質問でお願いしまして、去年、一年前のことでありますけれ
ども、政務官の方から前向きに頑張っていきたいというふうな答弁はあったんですけれ
ども、これらの取り組みについてどういうふうに今なっているのか、あるいはどういう考えでおられるのか、御所見といいますか、一年間たっていますので、ちょっと聞かせてください。