○西野
委員 自由民主党の
西野あきらでございます。
今次提案をされました
大都市地域における特別区の設置に関する
法律案、そもそもこの法案を提案されたきっかけは、次のことにあると思うんですね。
その最たる理由は、昨年四月の統一
地方選挙、具体的に大阪の例をとりますと、大阪府会
議員選挙で、二重
行政を廃して仮称大阪都構想を標榜した勢力が過半数を制することになりました。続いて、十一月に大阪府知事
選挙と市長
選挙、いわゆるダブル
選挙が実施をされました。このときも、その仮称大阪都構想を唱えた勢力が圧勝いたしたわけであります。いわば
民意がそこにあったということであります。
それを受けまして、私ども自由民主党は、十一月のそのダブル
選挙が終わってから直ちに、党内でこの問題についての検討PTを立ち上げたわけであります。そして、年内、昨年中に骨子だけをまとめました。そして、年が越えましたことしになってから、友党であります公明党さんとも協議をいたしながら、いち早く自公で、いわば
地方自治法の
改正なるものを四月の十八日に実は提案いたしたわけであります。それと相前後いたしまして、各党会派におかれましてもそれに同調をいただきまして、七月に、七会派共同でこの法案が
提出をされるに至ったわけであります。
実は、私ごとでありますけれども、私は、
地方議員の大阪府会
議員に初当選をしましたのが昭和五十年でございます。そのときから、いわばこの二重
行政を廃せという声を上げて取り組んできたわけでありますが、なかなかその
状況には至らなかったことであります。それだけに、今回、七会派が相そろって、これを受け入れるための法案の提案に至ったということは、私にとってもまことに感慨無量のものがあるわけであります。
ところで、この二重
行政なるものの最たる例がさまざまあるわけであります。
大阪の例をとりますならば、大阪市内に、定数、市会
議員としては
議員さんは八十六名いらっしゃいます。同じ大阪市内に、同じ立ち位置の大阪府会
議員が三十三名おります。ともに大阪市のことを
議論いたしておるわけであります。
一方では、その
行政の長として、大阪市を包含した大阪府知事、そして、大阪市を当然
責任を持つ大阪市長、いわば大都市大阪の中に船頭が二人おりまして、片方が右と言うと片方が左と言う、これでは大都市の方向づけがされないわけであります。したがって、そういういわば矛盾が
一つそこにあるということであります。
今お話もありましたとおり、箱物もそうでございまして、図書館だとかあるいは体育館もお互いに大阪市と大阪府は競争して建てておるという
状況。とりわけ、水道事業なんかを見ていますと、同じ淀川河川の中に、取水場も、大阪市はもちろん取水場はつくる、大阪府も別途取水場をつくる、浄水場もつくるというようなことで、大阪市域に対する、大都市に対する実質二重の投資がされておるのも実情ではないかなというふうに思います。
交通関係で見ましたら、例えば、地下鉄でございますけれども、大阪の地下鉄を見ますと、大阪の都市の内部の交通網でございまして、隣接をする市への延伸なんかやっていない、あるいは、私鉄との相互乗り入れもごく一部だけでございまして、ほとんどやっていない。大阪市域だけの利便に供するためのものであるという。交通であれば、当然ながら広域にやるべきである、こういう思いもいたしておったところであります。
バスなんか見ていますと、大阪市と東大阪市の境界がございまして、その境界のところに
一つの商店街があるんですね。アーケードがございまして、そのアーケードで、一方は大阪市、一方は東大阪市、こうなっているわけです。同じ商店街の中に、
行政区が二つになっているわけです。片方は、バスは高齢者になったら無料になっているんです。向かい側の東大阪市は有料なんです。同じ大阪府民として、商店街は同じ、向かい合わせをしているのに、非常に、弊害といいますか問題がそこにも出てきておる。
今こういった二重
行政の弊害的なものをちょっと列挙いたしましたけれども、これらのことは、その
行政に携わる者あるいは経営の形態によって私は
改善をされてくることだろうというふうに思っています。
現に水道なんかは、今、大阪広域水道企業体というものがありまして、大阪市もそこに参画をして、一本化をしていくという方向になっていますし、市バスについてもあるいは地下鉄についても、この際民営化しよう、こういうことを言っているわけでございまして、
行政の努力によって、二重
行政なるものはかなり
改善されていくはずであります。そういう動きが出ておることは大変ありがたいというふうに思っておるわけであります。
それでは、この法案が成立をした場合、この二重
行政解消に、今申し上げたもの以外に一体どんなことが、どんな役割を果たすことができるのか。二重
行政の解消に対してどんなことができるのかという問題が
一つ。それから、平たく言えば、この法案が通ったらどんな
メリットがその
地域住民にあるのか、できれば具体的にお示しをいただきたいし、あるいは、当然ながら、この大都市の特別区ができるためには
議会の同意と
住民投票というプロセスが必要であろうと思いますけれども、それ以外に、やろうとした場合にどういうことをやらなければならない、あるいはできるのかということを、ちょっと具体的に例を挙げてお示しをいただければありがたいと思います。