○田中(康)
委員 英語にメンタリティーという言葉とか、態度のアティテュードという単語がございますが、私は、法律が生きたものになる上でこれがとても大事だと思うんですね、その構成要員の。
釈迦に説法のような話でございます。
先ほど、旧京王帝都、京王電鉄が、非常にコンシューマー・イン、利用者の側に立った取り組みを従来からしているので雪のときにも定時運行ができるという
お話をいたしましたが、一般的に鉄道というのは、敷くときにはほとんど税金を使うわけでございます。今は、商売というのは、かつて丸井という会社がクレジット機能を入れたときに、欲しいものは今、お支払いは後でという言い方をしたわけですね。つまり、ゲット・ナウ、ペイ・レーターと。
ところが、
鉄道事業者というのはそういう支払いのサイトと逆なんですね。今は大分違う、例外も出てきているかもしれませんが、基本的には、百貨店やホテルを
鉄道事業者が経営してもなかなかうまくいかないのは、鉄道というのは税金を使ってほとんど敷いて、そして日銭が入るという世界でございます。ですから郊外に遊園地や
野球場をつくるわけでございまして、通勤客がいないときには、逆に都心から日銭を使って行ってくれる方もいる。沿線住民の方というのは、今、クレジットカードもいっぱい使えばマイレージがたくさんついたりポイントがついてくるというのが常でございますけれども、定期券の方は逆に前払いでお支払いをいただくわけでございますから、これは、支払いのサイトという点で商習慣がほかの業種と逆なんですね。
同時に、
駅前に自分の土地がございますから、
駅前の、まさにおばあちゃんたちを相手にしていた市場(いちば)という感じの商店ではなく、駅の
ビルの中に全部組み込んでいってしまうわけでございますから、これは、ともすれば私どもが政権を交代するときに、本来は、今いささか忘れがちでございますが、新自由主義的な顔の見えない数値至上主義ではなくて、顔や体温の見える社会、市場(しじょう)ではなく市場(いちば)という点でいうと、ちょうど
鉄道事業者というのは、個々の働いている方は立派な職人の方、マイスターがいらっしゃっても、経営としてはともすれば市場(しじょう)になりがちなのでございます。少なくとも私はそう思っております。
そして、駅の中で全部オール・イン・ワンで囲い込んでしまうという、半ば囲い込み運動のような形になって
地域の集落というものが減退していくものでありますから、ぜひここは、
鉄道事業者の
方々の災害に関する
意識を一緒に変えていく。それが、暗黙知の水面下の中で、先般、駅が
混乱すると大変だから、事故が起きる。それは、ホームにいっぱい人が来ればそうかもしれません。しかしそれは、ふだんの朝の通勤時も、ホームから人が落ちないようにきちんと
誘導していくということがプロフェッショナルだったわけでありますから、平時のみならず、そうした一旦緩急の際にもそれができる。
そのためにも、今回の
協議会の中に積極的に入っていただき、同時に、一緒に店舗として入られている
方々と同じような
意識の、プロダクト・アウト、供給側の都合でなく、コンシューマー・イン、消費側の希望ということに根差した活動ができるように、ぜひそれは、私たちは、上から目線なのではなくて、同じ
国民として、同じ人間として、同じ思いを、忘れかけていたものを呼び覚ますということが大事ではなかろうかと思っております。
同時に、もう一点お伺いいたしますが、駅なりで滞留をしていただく場合にどのような
備蓄をするのか。
日本は、災害があっても店舗を焼き討ちにするなどということが絶えてないという、よい
意味で慎み深い
国民性ではありますが、しかし、一方でそれは、サプライ、御存じのように、
日本は、あの戦争も、実は戦闘行為で亡くなられた方よりも栄養失調という中で亡くなられた方が六割とか七割いらっしゃるわけで、これはロジスティクスというものが欠けていた。
今回もロジスティクスがどうだったかということが多くの方から論評されているわけですから、この
協議会をつくる、またこの法案を行う上において、
備蓄倉庫の
整備であったり、あるいは必要な物資のロジスティクス、供給、まさに兵たんというものをどのようにしていくのかという点に関しては、かなり綿密な、机上の空論でないものを行う必要があろうかと思いますが、この点に関しても、現時点での見解をお聞かせいただきたいと思います。