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2012-07-27 第180回国会 衆議院 厚生労働委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十四年七月二十七日(金曜日) 午前九時
開議
出席委員
委員長
池田
元久君
理事
岡本
充功
君
理事
長尾 敬君
理事
長妻 昭君
理事
柚木 道義君
理事
加藤
勝信君
理事
田村
憲久
君
理事
岡本
英子君
理事
古屋 範子君 石森 久嗣君 稲富 修二君
江端
貴子
君 大西 健介君 工藤 仁美君
桑原
功君 斉藤 進君
阪口
直人
君 白石 洋一君
田中美絵子
君
高井
崇志
君 竹田 光明君 橘
秀徳
君 玉木 朝子君
西村智奈美
君 樋口 俊一君
藤田
一枝
君 宮崎 岳志君
山崎
摩耶君 吉田
統彦君
鴨下 一郎君
菅原
一秀
君 棚橋 泰文君 谷畑 孝君 永岡 桂子君 松浪 健太君 松本 純君 青木 愛君
大山
昌宏
君
加藤
学君
笠原
多見子君
小林
正枝君
玉城デニー
君
中野渡詔子
君 坂口 力君
高橋千鶴子
君 阿部 知子君
柿澤
未途君 …………………………………
厚生労働大臣
小宮山洋子
君
厚生労働
副
大臣
西村智奈美
君
厚生労働大臣政務官
藤田
一枝
君
厚生労働大臣政務官
津田弥太郎
君
政府参考人
(
厚生労働省医薬食品局長
) 木倉
敬之
君
政府参考人
(
厚生労働省職業安定局高齢
・
障害者雇用対策部長
)
中沖
剛君
政府参考人
(
厚生労働省社会
・
援護局長
)
山崎
史郎
君
政府参考人
(
国土交通省大臣官房審議官
)
渡延
忠君
厚生労働委員会専門員
佐藤 治君
—————————————
委員
の異動 七月二十七日
辞任
補欠選任
仁木
博文
君
阪口
直人
君
山口
和之
君 橘
秀徳
君
和田
隆志
君
江端
貴子
君
石井
章君
加藤
学君
三宅
雪子
君
中野渡詔子
君
江田
憲司
君
柿澤
未途君 同日
辞任
補欠選任
江端
貴子
君
和田
隆志
君
阪口
直人
君
高井
崇志
君 橘
秀徳
君
桑原
功君
加藤
学君
石井
章君
中野渡詔子
君
大山
昌宏
君
柿澤
未途君
江田
憲司
君 同日
辞任
補欠選任
桑原
功君
山口
和之
君
高井
崇志
君
仁木
博文
君
大山
昌宏
君
笠原
多見子君 同日
辞任
補欠選任
笠原
多見子君
三宅
雪子
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件 高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第六五号) ————◇—————
池田元久
1
○
池田委員長
これより
会議
を開きます。
内閣提出
、高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 この際、本案に対し、
岡本充功
君外二名から、
民主党
・
無所属クラブ
、
自由民主党
・
無所属
の会及び
公明党
の三派
共同提案
による
修正案
が提出されております。
提出者
より
趣旨
の
説明
を聴取いたします。
岡本充功
君。
—————————————
高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に対する
修正案
〔
本号末尾
に掲載〕
—————————————
岡本充功
2
○
岡本
(充)
委員
ただいま
議題
となりました高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に対する
修正案
につきまして、
民主党
・
無所属クラブ
、
自由民主党
・
無所属
の会及び
公明党
を代表して、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
修正
の要旨は、
厚生労働大臣
は、
心身
の
故障
のため
業務
の
遂行
にたえない
者等
の
継続雇用制度
における
取り扱い
を含めた
事業主
が講ずべき高
年齢者雇用確保措置
の
実施
及び
運用
に関する
指針
を定めるものとすることであります。 何とぞ
委員各位
の御賛同をよろしくお願いいたします。
池田元久
3
○
池田委員長
以上で
修正案
の
趣旨
の
説明
は終わりました。
—————————————
池田元久
4
○
池田委員長
この際、お諮りいたします。
原案
及び
修正案審査
のため、本日、
政府参考人
として
厚生労働省医薬食品局長木倉敬之
君、
職業安定局高齢
・
障害者雇用対策部長中沖剛
君、
社会
・
援護局長山崎史郎
君、
国土交通省大臣官房審議官渡延忠君
の
出席
を求め、
説明
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
池田元久
5
○
池田委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
池田元久
6
○
池田委員長
これより
原案
及び
修正案
を一括して
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
菅原一秀
君。
菅原一秀
7
○
菅原委員
おはようございます。
自民党
の
菅原一秀
でございます。 きょうは、この
高齢者雇用安定法
並びに
修正案
について
質問
をさせていただきます。 まず
冒頭
、
大臣
に、通告していないんですが、今現在、
日本国内
で百歳以上の方、どれくらいいるか
御存じ
ですか。
日本国内
で百歳以上の方が何人いらっしゃるか、大体で。
小宮山洋子
8
○
小宮山国務大臣
済みません。今正確な
数字
はわかりません。
菅原一秀
9
○
菅原委員
三年前の国勢調査によりますと、四万三百九十九人。昔は
泉重千代
さんしかいなかったんですが、
平成
に入って一万人を突破して、今四万人を超えて、これは
住民基本台帳
上の数であります。
追跡調査
をすれば半分強なのかな、こういうような
数字
が浮かび上がってくるんですが、中でも男性が五千名、
女性
が三万五千人、七倍いらっしゃる。そのことをきょうはただすわけじゃないんですが、こういうふうに、
日本
の
社会
全体が
長寿社会
という中で、超
高齢社会
に既になっているという
状況
、こうした中で、私はまず、六十を超えて、あるいは六十五を超えて働ける方が働くということは、
医療費
の
抑制等
を含めて、これから大変重要なことではないかな、こういう認識を
基本
的に持っているわけであります。 そうした中で、去年の
高齢者白書
によりますと、今一億二千八百六万人の
人口
に対して、六十五歳以上が二千九百五十八万人、二三・一%を占めるわけであります。また、
総務省
の
労働調査
によりますと、六十歳から六十四歳が五七・三%の
就業
、六十五歳以上が一九・三%働いている。こういう
就業率
が
数字
として示されているわけであります。 こうした中で、
平成
十六年、
高齢法
の
改正
によって、それまでの
定年
の引き上げ、あるいは六十五歳までの段階的な
雇用確保措置
を
事業主側
に義務づけたわけでありますけれ
ども
、
先般厚労省
が発表した
雇用状況
によりますと、
雇用確保措置
を
導入
している
企業
は全体で九五・七%、中でも、
継続雇用制度
を
導入
している
企業
が最も多くて八二・六%。一方で、それでは、
希望者全員
が六十五歳まで働いている
企業
はどれだけあるかというと、四七・九%と半分にも満ちていない
現状
があるわけですね。 これをさらに、
継続雇用制度
の
導入
の
企業
の中で、
労使協定
で
対象者
となる
基準
を定めている、いわゆる
基準
ですけれ
ども
、これが、
企業
の
割合
で六割弱、五六・八%、
基準
を定めていない
企業
が四三・二%。言ってみれば、
基準
を定めずに
雇用
を促進しているという
部分
が四割ちょっとでございますけれ
ども
、
対象
を限定している
企業
の方が数が多い、こういう
現状
の中での今回の
改正
なんだろうな、こういうふうに捉えております。 こうして
基準
を廃止して、六十五歳まで
希望者全員
が働く、その
雇用
を確保するという、この義務づけという
法案
の
趣旨
なんだと思いますが、今
冒頭
申し上げたように、こうした
高齢社会
の中で、これからの展開、これからどういうようなことを想定して、イメージして、この
法案
の根底にある
目的
というものがどういうものなのか、まず
冒頭
、
お尋ね
をしたいと思います。
小宮山洋子
10
○
小宮山国務大臣
おはようございます。 御
承知
のように、
先ほど
長寿社会
になっていることを御紹介いただきましたが、超
少子高齢社会
の中で、
高齢者
もですが、あとは
女性
も
若者
も
障害
をお持ちの方も、全ての方が働けるときは
能力
を発揮して働くような
全員参加
型の
社会
、これをつくる必要があるというふうに思っています。 今回の
改正
の
目的
としては、やはり、
平成
二十五年度以降、
厚生年金
の
支給開始年齢
が、
定額部分
は六十五歳になりますし、
報酬比例部分
は、現在の六十歳から六十五歳へと、三年
ごと
に一歳ずつ段階的に引き上げられます。 今
数字
をいろいろ御紹介いただきましたけれ
ども
、
現行制度
のままですと、来年度から、六十歳の
定年
以降に希望しても仕事が継続できずに無
年金
、無
収入
になる人が生じる
可能性
がありますので、これを回避するために、
雇用
と
年金
はちゃんと接続をする、六十五歳まで
希望者全員
の
雇用
を確保する必要があるということで、今回、
継続雇用制度
の
対象者
を限定できる仕組みを廃止するなどの
法案
を提出しているところです。
菅原一秀
11
○
菅原委員
その
法案
の
説明
はよくわかるんです。また、
平成
十六年のときは私
ども自民党
の
政権
でありましたから、当然、その先、今、昨今ですね、こういう
状況
になることは予測もし得たんですが、いわば、これからこうして六十五歳までの
雇用
を確保するということの
目的
、根本的な、
基本
的な理念というのは、これは
政権
がかわっているわけですから、
民主党政権
の中でどういうふうにお
考え
なのか、そこをちょっとただしておきたいと思うんです。
小宮山洋子
12
○
小宮山国務大臣
御
質問
の
趣旨
に合うかどうかわかりませんけれ
ども
、
先ほど
おっしゃったように、本当に
寿命
が延びている中で、六十五歳まではまだ十分力を発揮して働ける
能力
を持っていらっしゃる方がたくさんある。これからやはり働ける
人口
も減っていく中で、最初に申し上げたように、
高齢
な方も働ける間はきちんと
能力
を発揮して働ける
環境
をつくる必要があると思っていますし、それとあわせて、これが
若年者
の
雇用
にはね返るのではないかという御
懸念
もありますので、
若年者
の方も、これは数は全体が減ってきているわけですけれ
ども
、その就職の
支援
ですとか、今フリーターになっている方の
支援
とか、そちらもやりますし、それから、
女性
ももっと活躍した方がいい、そういう働ける方
たち
がいろいろ働ける
環境
を整備する一環だというふうに
考え
ています。
菅原一秀
13
○
菅原委員
ということなのかなというふうに今承りました。 例えば、六十代で
会社
をやめて創業する人、昨今、いわゆる
シルバー創業
なんて言い方をするんですが、大体、
年間
で六千社を超えているんですね。これは、言ってみれば、それまで
会社
に勤めて、
経験
あるいはキャリア、そうしたものを、例えば仲間と一緒に五人から十人で
会社
をつくって創業して
研究開発
やら新しい製品を生み出す。今、どこのとは言いませんけれ
ども
、
洗濯機
でも
掃除機
でもいわゆる
ソーラーパネル
でも、次々と新しい
研究開発
、これは意外と大手の
企業
だけじゃなくて、そうした
中小零細企業
で生み出す、そういうパワーがあるのではないかと思うんです。 なかなかその辺は
資金面
やら
税制面
でまだまだ
措置
が足りない
状況
の中で、たまたま私、今、
自民党
の経産
部会長
なんですが、
成長戦略
、
民主党
は
日本再生戦略
をお出しになりましたが、私
ども
もきっちりそうした
成長戦略
を形にしていきたいな、そういう中で、一つの傾向として六十代の
シルバー創業
が出てきている、こういうことで、バックアップをしていく、そういう覚悟を持っているわけであります。 本題に戻りますけれ
ども
、そういう中で、
高齢化
で、働ける方あるいは
能力
のある方を
幾つ
になっても生かす、このことの
趣旨
は理解できるんですが、では一方で、雇う側の
立場
になってみろよ、こういう論議がある中で、いろいろと
報告
を聞いておりますと、
使用者団体
の方は、この
基準制度
を廃止にする、そして
希望者
全体の
高齢者
の
雇用
を義務づける、このことによって、やはり、
競争力
の低下だとか
人件費
の膨張だとか、こういう現実的な壁にぶち当たるわけですね。
労働政策審議会
の
建議書
の中で、
代表委員
の方がこう言っているんです。
現行法
の第九条第二項に基づく
継続雇用
の
対象者基準
は、
労使自治
の観点から妥当な
制度
であって、
企業
の現場で安定的に
運用
されていることや、
基準
をなくした場合、
先ほどお話
があったように、
若年者雇用
に大きな
影響
を及ぼす
懸念
があることから、引き続きこの
基準制度
を維持する必要がある、こういう
意見
を付しているわけなんですね。 そもそも、
高齢
になればなるほど、当然、一人の人間としての
能力
の差やら、あるいは
体力面
でも、格差といいましょうか、現実的な開きが出てくる。そうした就労の
可能性
、よくもあしくもその
可能性
をよく吟味、検討せずに、
希望者
全体の
雇用確保措置
を講ずるんだという、ある
意味
ではかぶせるような
法律
の
内容
になっているわけですけれ
ども
、そういう
意味
では、憲法の二十二条あるいは二十九条の
採用
の自由だとか、あるいは
労働契約法
の三条、
労働契約
の
合意原則
、つまり、雇う側と
労働者側
のお互いの実情や
環境
やこれから起こり得るさまざまなことを想定した中で
合意形成
を図るという
労働契約法
の
基本
があるとするならば、こういったことにも抵触しかねないのではないかな、こういう
懸念
を私は持っているわけなんです。 そこで、
平成
三十七年までの
経過措置
をおとりになる、こういう
法案
の
趣旨
なのでございますが、
先ほどお話
あったように、
老齢厚生年金
、
報酬比例部分
が始まる、その
受給開始年齢
に達した以降においては従来の
基準
を適用することを認めるというようなことで、
平成
三十七年までの
経過措置
というふうになっているんですが、これは実際問題、ややもすれば、
政権
がかわって、
雇い主側
というか
事業者側
よりも、
労働者側
の
立場
、
労働組合
といいましょうか、そういう色彩が強くなってきている
状況
がないのかな、こんな思いも率直に抱くわけなんですね。 この辺、この
激変緩和策
、本当に
事業主
、
使用者側
にとって、果たしてどうなんだろうか。もし
大臣
が
会社
を経営していれば、どういう感覚でこの
法案
に取り組みますか。
小宮山洋子
14
○
小宮山国務大臣
それは、私が経営することはないだろうと思いますけれ
ども
、そういうことを仮定いたしましても、無理がないようにということで、今言われたように、その
支給開始年齢
が三年
ごと
に上がるのに合わせて、それまでにやりましょうということで、十二
年間
の
経過措置
もとっていますし、そういう
意味
では、過重な
負担
が
企業
に行かないように、今回、
継続雇用
で
雇用
される
企業
の範囲を
グループ企業
まで広げていますし、また、
グループ企業
以外への
労働移動
を
支援
する
助成金
の新設といったような
措置
もとろうと思っています。 そういう
意味
で、
企業
の方にも
負担
が行かないような配慮もしながら、かといって、それが実現していかないと、
先ほど
申し上げたように、無
年金
、無
収入
が間でできてしまっては困るので、そことの兼ね合いをしっかりと
現状
を見ながら
対応
していきたいというふうに思っています。
菅原一秀
15
○
菅原委員
いろいろやりとりをしておりまして私が感じますのは、今、あくまでも、
自民党
だから
使用者側
の
立場
だとか、
民主党
だから
労働組合
だとか
労働者側
、そういういわば二極論で論ずる問題ではないと思うんです。
先ほど
、
冒頭
申し上げた、あえて百歳以上は何人いるか
御存じ
ですかと聞いたのは、
日本
のこの
社会構造自体
が、やはり
平均寿命
なりあるいは全体の
平均年齢
なりが大きく移行してきている中で、ましてや、
少子化対策
は万全を期さなければならないと思っております。今までのようにお金をばらまくやり方よりも、私は、
年少扶養控除
をもとに戻していただいて、
控除
から
手当
よりも、
手当
で現金をばらまくよりは、やはり
所得
に応じた
控除制度
によってサラリーマンあるいはOLの可
処分所得
をふやす方がよっぽどいいということは、駅に立っていると言われますよ。 そういうことも含めて、こういう
高齢社会
の中で、
生産人口
、
労働者人口
、
若年層
の
人口
が減りつつある。とするならば、やはり
日本
は、世界最
長寿
の国になった、年をとっても
幾つ
になっても頑張れる方が頑張る、そういう国なんだというモデルケースを
国家
としてつくっていく、そういう
基本
に立ってこれは論ずるべきではないかな。いわゆる
雇用
問題だとか労働問題だとか、あるいは、繰り返しになりますが、
使用者
あるいは
労働者側
、そういう
論点
のみならず、
日本
の
国家モデル
をどういうふうにつくっていくのか、こういう視点がこれから大事ではないかな、このことを申し添えておきたいと思っております。 そこで、
先ほど
大臣
から
お話
がありました
若年者
の
雇用
の問題、ここに今回の
雇用確保措置
というものが響くのではないか、
影響
があるのではないか、こういう
懸念
がやはり聞こえてくるわけであります。 去年の六月の
高齢者雇用
にかかわる
研究会報告書
、この中では、専門的な
職業経験
のある
高齢者
と
基本
的にそのような
経験
を持たない
若年者
とでは
労働力
としてその質が異なるという
企業側
の
意見
が発表、紹介をされているわけなんですね。あわせまして、実際問題、
中小企業
ではこうした
若年層
の
雇用確保
に苦労している、こういう
現状
。一方で、この
若年者
の
雇用
問題の解決のためには、求人と求職のやはり
ミスマッチ
の解消ということをきっちり促進していく、こういう
指摘
があるんです。 言ってみれば、これからうかがい知れるのは、
高齢者雇用
と
若年者雇用
の
対応策
は
手法
が違うんだ、違うんだから、
高齢者
の
雇用
を確保するということは、
若者
の、
若年者
の
雇用
には
影響
がないんだというふうに論じているんです。果たしてどうかな。
先ほど
大臣
が、
会社
を経営したことはない、これからもすることはないかもしれないと。しかし、今、四百三十万が四百十万に減っている
中小企業
、
零細企業
、もちろん大
企業
も含めて、全体でこの
人件費
というものは、やはり毎年そう変わらないんだと思うんですね、
年間
の予算の中で。そういう
意味
においては、
高齢者
の
雇用
と
若年者
の
雇用
がトレードオフの
関係
にならないという見方があるとするならば、一方で、
人件費
の総額が変わらないということは、結局は、非常にシビアな言い方をすると、この
高齢者
の
雇用確保
によって、
若年者
のいわゆる
採用
の縮小になってしまう。 事実、岡田副総理は、今般、
霞が関
の
新規職員
を減らしましたよね。公務員の数を減らすんだ、中堅以上の、悪いけれ
ども
出先機関
の
人たち
を削らないで、新しい血液や酸素を
霞が関
に入れるということを縮小してしまった。 私は、その点は今後もっと
議論
しなきゃいかぬのかなと思いますが、そういうことになりかねないのではないか。つまり、
高齢者雇用
と
若年者雇用
の二律背反というこの
現状
について、今後どういうふうに
考え
ていかなければいけないのか、あるいは今
大臣
がどうお
考え
なのか、この点を
お尋ね
したいと思います。
小宮山洋子
16
○
小宮山国務大臣
多くのことをおっしゃいましたが、前段の
部分
の、党派を超えてきちんと
対応
しなきゃいけないということは、そのとおりだと思います。今回も三党で
合意
をさせていただいたので、
雇用
問題についても、それぞれの
考え方
で違うところはありますが、しっかりとそこは話をしていかなきゃいけないと思っています。 それで、今
お尋ね
の件ですけれ
ども
、マクロ的に見れば、大量の団塊の世代が
退職
をする、
若年者
も減るということで、そんなに
影響
が出ないというふうなことが言えますけれ
ども
、私自身もやはり
若年者
への
影響
ということを一番今回の中で気にかけていました。そういう
意味
で、
影響
が出る
部分
もあると思います。 その中では、やはり今、
若年者
の
雇用
について相当、ここ一、二年
対応
をとってまいりまして、例えば、
原則
三カ月の
トライアル雇用
後に正規
雇用
する
企業
に
奨励金
を出す
事業
などは非常に効果を上げていると思いますので、今回もまた、
若者
の
雇用戦略
をつくりましたが、それは、おっしゃるように、違った
手法
で
若者
の方にもしっかりと力を入れていくべきだというふうに
考え
ています。
菅原一秀
17
○
菅原委員
時間が来たようですけれ
ども
、最後に一点だけ、
修正案
の方について
大臣
の見解を
お尋ね
したいんです。 九条の三項に基づく
指針
が出されていますね。これは、
心身
の
故障
のために
業務
の
遂行
にたえない
者等
の
継続雇用制度
における
取り扱い
が含まれているということなんですが、
解雇事由
だとか
退職事由
に該当する者を
継続雇用
の
対象外
とするということも明確に規定するのかどうか、この点だけ確認をして、
質問
を終わります。
小宮山洋子
18
○
小宮山国務大臣
今回提出された
修正案
の
内容
は、
大臣
が、
高齢者雇用確保措置
の
実施
、
運用
に関して
事業主
が留意すべき事項を独立した
指針
で定めるということ、その際、
関係行政機関
との協議や
労働政策審議会
の
意見聴取
を行うことなどと
承知
をしています。
高齢者雇用確保措置
に関する
留意点
としては、
労働政策審議会
の
建議
でも
考え方
が示されています。
修正案
を盛り込んだ
改正法
が成立いたしましたら、
建議
の
内容
や国会での御
議論
に基づいて、この
指針
をしっかりと策定していきたいと
考え
ています。
菅原一秀
19
○
菅原委員
きょうは
通過点
として、また
法案
は
法案
として、
先ほど
来の
幾つ
かの
論点
、
議論
を深めさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
池田元久
20
○
池田委員長
次に、
小林正枝
さん。
小林正枝
21
○
小林
(正)
委員
国民の生活が第一・新党き
づなの小林正枝
でございます。
質問
に入ります前に、熊本県、福岡県における
豪雨災害
によってとうとい命をなくされた御遺族の皆様、また、
災害
に見舞われた
方々
に対し、心よりお見舞いを申し上げます。 本日
議題
となりました高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
及び
修正案
につきまして、
質問
させていただきます。 まず、
数字
についての
お尋ね
をいたします。 高
年齢者雇用確保措置導入
の
割合
は九五・七%であります。昨年一
年間
の
定年到達者
約四十三万五千人のうち、九条二項の
基準
に該当せず離職した
方々
という
割合
は一・八%、約七千六百人でした。この
数字
を見まして、
厚生労働省
は、
基準
非
該当者
の
採用
は可能だと判断されたのだと思います。 しかし、残念なことに、経団連などを初めとする
経営者側
はこれに反発し、直ちに
基準
を撤廃し、
希望者全員
を再
雇用
する道が完全に開かれたとは言えない
状況
が現実です。
高齢者
がふえれば
企業
の新陳代謝がなくなるとか、ミクロ的には
新規採用
が減るとか、そういう
懸念
がわからないわけではありません。しかし、一方で、
労使協定
によって、
体力
や
能力
、あるいは
勤務評価
によって選別された
高齢
の
労働者
が結構いるのではないかと私は思っています。 まず、
厚生労働省
は、
基準
に該当しない人が全体の一・八%、約七千六百人であるという
数字
をどのようにごらんになっているのでしょうか。お伺いいたします。
中沖剛
22
○
中沖政府参考人
お答えを申し上げます。 先生御
指摘
のとおり、離職した方の数、七千六百人でございまして、
定年到達者
四十三万五千人のうちの一・八%でございます。こうした
数字
の背景としては、やはり、
基準該当者
を
継続雇用
するといった
制度
を
導入
している
企業
の中で、過去一
年間
に
継続雇用
を希望する者がいた
企業
、三万六千社ございますが、そのうち実は九三%の
企業
、三万四千社では、
基準
に該当せず離職した方がゼロという
状況
になっております。したがって、実質的に見ますと、相当多数の
企業
が実態として
希望者
の方
全員
を
雇用
するような形になっているわけでございます。 前回の高
年齢者雇用安定法
の
改正
によりまして
雇用確保措置
が義務化されて五年経過したわけでございますが、一・八%、七千六百人という
数字
、まあ、それほど大きい
数字
ではないわけでございまして、やはり各
企業
の方でかなり御努力をいただいている、前向きな動きになっているというふうに
考え
てはおりますが、ただ、来年度以降、ごく少数ではございましても、当然、無
年金
、無
収入
の方が出てくる
可能性
があるわけでございます。 こうした問題は大変深刻な問題でございますので、私
ども
としては、やはり、
制度
的に
雇用
と
年金
をつなぐ必要がある、穴があくことはまずいのではないかというふうに
考え
ております。
小林正枝
23
○
小林
(正)
委員
おっしゃられることは理解しますけれ
ども
、実際、九三%が該当せず離職者はゼロであったという
数字
は、非常に私は疑問に感じます。 と申しますのは、やはり、それはもう既に希望として再就職を希望しないという形で、でも、しかしながら、それは本当にその人の意思であったかどうかというのは、私、そこまでしっかりしたデータを持っているわけではありませんけれ
ども
、その九三%が該当せず離職者ゼロとおっしゃられた回答に対しては、私は疑問を感じるところです。 昨年度、
基準
に該当しないで
雇用
が継続されなかった一・八%、約七千六百人という
方々
についてお伺いいたします。 これらの
労働者
が働いていた
企業
を大
企業
や
中小企業
という分類分けをしますと、大まかに言ってどのような比率になるのか、教えていただけますか。
中沖剛
24
○
中沖政府参考人
お答え申し上げます。
先ほど
、離職した数、七千六百二十三人というのが原数でございますが、大
企業
、
中小企業
別に見てまいりますと、三百一人以上の規模の
企業
では五千八十三人、三百人以下の
中小企業
では二千五百四十人となっております。したがって、
割合
で見ますと、大
企業
が六七%、
中小企業
が三三%でございまして、
基準
に該当しないことにより離職した方全体の三分の二を大
企業
が占めております。 次に、
基準
に該当しないことによりまして離職した方が、それでは
定年
退職
者の中でどのぐらいを占めているのかということを規模別に見てまいりますと、大
企業
の
定年到達者
は約二十四万人でございまして、
基準
に該当しないことによる離職者の
割合
は二・一%でございます。また、
中小企業
の
定年到達者
は十九万五千人でございまして、
基準
に該当しないことによる
割合
は一・三%となっております。 こうした
数字
を見てまいりますと、
中小企業
の方が
高齢者雇用
により積極的に取り組んでいるということは言えると思います。
小林正枝
25
○
小林
(正)
委員
今御答弁をいただきましたが、そのことを踏まえまして、次に、
基準制度
を存続させる
経過措置
について
質問
いたします。 このたびの
改正
案では、
厚生年金
報酬比例部分
の
受給開始年齢
に到達した以降の者を
対象
に、
基準
を引き続き利用できる十二年の
経過措置
を設けるとされております。
現状
、
老齢厚生年金
は、受給し得る
年金
の一部にしかすぎず、それだけで生活ができるだけの十分なものではないと思います。 私は、
先ほど
中沖政府参考人
もおっしゃられた、
雇用
と
年金
の接続をさらに進めるべきではないかと思います。
厚生労働省
として、そういう前向きな姿勢で今後も進めていただくことを期待しておるわけですが、
厚生労働省
としての御見解をお聞かせください。
小宮山洋子
26
○
小宮山国務大臣
高齢者
の
雇用
制度
につきましては、これまでも、
高齢
期の働き方のことと
年金
の
支給開始年齢
の
関係
などから
制度
改正
を重ねてきています。具体的には、
平成
十六年に、
厚生年金
の
定額部分
の引き上げに合わせて、
雇用確保措置
を
原則
義務化しています。 でも、
先ほど
も申し上げたように、
現行制度
のままですと、例外
措置
として
継続雇用
の
対象者
となる
高齢者
に係る
基準
を定めることができるとされていますので、このままだと、来年四月以降、無
年金
、無
収入
の人が生まれる
可能性
がありますので、この
制度
を廃止して、
雇用
と
年金
を確実に接続させることにしています。 また、
厚生年金
の
報酬比例部分
の
受給開始年齢
に達した人に対しては、
継続雇用
の
対象者
を定める
基準
を引き続き利用できる
経過措置
を設けることにしていますけれ
ども
、可能な限り
希望者全員
を
対象
とする
制度
とすることを検討するように、公共職業安定所の訪問などによって啓発指導などを
実施
して、
委員
が言われるように、なるべく働ける
環境
をつくっていきたいというふうに
考え
ています。
小林正枝
27
○
小林
(正)
委員
ありがとうございます。 少し時間をさかのぼりまして、私は、本年三月七日の
厚生労働
委員
会におきまして、この
法案
に関連する
質問
をさせていただきました。そのとき、私は、全ての働く人々に対し、平等に
継続雇用
の機会が与えられるよう
企業
に義務づけるべきだと思うという
意見
を申し上げました。
企業
の恣意的な選択で
継続雇用
が妨げられることがないと
考え
てよろしいですかという問いに対し、それに対し答弁に立たれた、今こちらにいらっしゃる
中沖政府参考人
は、
企業
の
負担
軽減を認める
経過措置
についての
説明
をされた後、
年金
支給年齢までは
希望者全員
の
継続雇用
が担保されるわけでございまして、
年金
と
雇用
が確実に接続するような
内容
になっているわけでございますと述べられました。 今、この答弁を振り返ってみますと、
企業
の
負担
軽減を認めるいわゆる
経過措置
があることと、
希望者全員
の
継続雇用制度
の担保は、やはり矛盾するのではないかと
考え
ます。この点についてどのようにお
考え
でしょうか。
中沖剛
28
○
中沖政府参考人
お答えを申し上げます。 今回の
法案
では、先般も御
説明
いたしましたとおり、
老齢厚生年金
の
報酬比例部分
、この
支給開始年齢
の段階的な引き上げを勘案しまして、
雇用
と
年金
が接続する年齢、
支給開始年齢
に達した後は
継続雇用
の
対象者基準
を利用できる特例を認める
経過措置
を設けているわけでございまして、先般の答弁はこの
措置
について御
説明
を申し上げたものでございます。 この
経過措置
でございますが、やはり、今後、
年金
を受給できる年齢が引き上がってまいりますと、どうしても
継続雇用
の
希望者
がふえると見込まれております。また、今回の
改正
で、
希望者全員
、
継続雇用
ということになりますと、
企業
によってはこれまで以上の
対応
を求められる場合がございます。
企業
内の
制度
を丁寧に整備していただく必要があると
考え
られることから、相当程度の準備期間を設けることが適当であることを考慮いたしまして、
雇用
と
年金
が接続していることを前提とした形で
経過措置
を設けたものでございますので、御理解を賜りたいと思います。
小林正枝
29
○
小林
(正)
委員
あわせてお伺いいたします。 政府の意思としては、あくまで
希望者全員
の
継続雇用
が
原則
であるということでよろしいのでしょうか。その点を確認させてください。
西村智奈美
30
○西村副
大臣
今回の
法案
では、
希望者全員
の
継続雇用制度
、これを
基本
としております。
雇用
と
年金
の接続という
法案
の
趣旨
を曲げない範囲で、しかしながら、
企業
内で丁寧な整備をしていただくこともございますので、
企業
の
負担
を
考え
て、
老齢厚生年金
の
報酬比例部分
の段階的引き上げを勘案した
経過措置
を設けているということになっております。 また、ここからは
大臣
の
先ほど
の答弁とも重なりますが、
経過措置
は設けることにしておりますけれ
ども
、可能な限り
希望者全員
を
対象
とする
制度
とすることを検討するよう、公共職業安定所の訪問等によって啓発指導等を行ってまいりたいと
考え
ております。
小林正枝
31
○
小林
(正)
委員
ありがとうございます。 今、
厚生労働省
としての意思を確認できましたので、
対象者基準
の
現状
について少し
お話
をさせていただきたいと思います。 労働現場を見ますと、
継続雇用制度
の
対象
とならない者の範囲が広過ぎたり、あるいは
定年
を迎える前のちょっとした失敗などによって
継続雇用
の
対象外
とされてしまう例などが残念ながら見受けられます。高年齢者の生活を
考え
るのであれば、
継続雇用
の例外は、
会社
にとってはかり知れない大きなダメージをもたらしたとか、あるいは完全に働けないような健康状態であるといった、極めて限定的でなければならないと思います。 昨日提出されました
民主党
、
自民党
、
公明党
による三党の
修正案
では、
厚生労働省
が高年齢者
雇用
全体に関するガイドラインを定めることになっているようでありますが、
継続雇用
の
対象外
とされる範囲は、著しい
心身
の
故障
など、限定的でなければ、一生懸命働いている勤労者にとっては安心できないと思います。そのあたりは
厚生労働省
も
修正案
の
提出者
も共通した認識を持たれていることと思いますが、まずは
提出者
から、私の心配は当たらないというぜひ前向きな御答弁をいただけますでしょうか。
岡本充功
32
○
岡本
(充)
委員
御
質問
いただきました
修正案
の
趣旨
は、
原案
の
継続雇用制度
、
希望者全員
を
対象
とする、こういったものを
基本
とするというものは変わっていません。その中で、
定年
に至る前であっても
就業
規則の解雇、
退職事由
に該当する者については離職をさせるということができることから、
定年
後もこういった離職をさせるということができる、例外的ですが、できるというふうに解しています。
修正案
では、こういったことを労使双方にわかりやすく示すために現場での
取り扱い
を
指針
として定めるということにしたものでありまして、あくまで
継続雇用制度
の例外は限定的なものだ、こういうふうに理解していただいて結構だと思います。
小林正枝
33
○
小林
(正)
委員
あわせて政府にもお伺いいたします。 ただいま
提出者
の答弁と同様の認識を持たれているかと思いますが、改めて確認させていただきたいと思います。
小宮山洋子
34
○
小宮山国務大臣
労働政策審議会
の
建議
では「
就業
規則における
解雇事由
又は
退職事由
に該当する者について
継続雇用
の
対象外
とすることもできる」としていまして、「この場合、客観的合理性・
社会
的相当性が求められる」旨、示されています。
厚生労働省
としましては、高
年齢者雇用確保措置
に関する
留意点
としては、
労働政策審議会
の
建議
ですとか国会での御
議論
を考慮しながら、所定のプロセスを経て策定をしていきたいと
考え
ています。
小林正枝
35
○
小林
(正)
委員
今の御答弁を伺いまして、私は、本当にそうなのかなというふうに感じました。 繰り返しになりますけれ
ども
、本来、私は
改正
される
法律
の中にも
経過措置
が残されていることは余り感心いたしません。しかし、それは百歩譲って認められたとしても、少なくとも今働いている
方々
のマイナスになるような
法律
であってはならないと思うのです。 具体的に申し上げますと、例えば、現在、ことし五十五歳の人が、今の段階で
継続雇用
の
基準
を満たしていない、六十歳になった時点で
継続雇用
になりませんと、まだ五年も時間を残しているのに言われてしまうようでは、働く側の意欲というものは非常にそがれてしまうのではないかと
考え
るわけです。そういうことがないように、
企業側
をよく指導していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
小宮山洋子
36
○
小宮山国務大臣
今、
修正案
提出者
と私から答弁させていただいたとおり、これは、やはり
企業
の方の経営実態も見なければいけないわけですから、要は、
年金
も、それから
収入
もなくなるということがないように、そこを配慮しながら
経過措置
をしていますので、御
懸念
は当たらないというふうに思います。 それで、今の御
質問
ですけれ
ども
、このたびの
改正
では、
継続雇用制度
の
対象者
を限定できる仕組みを廃止することにしています。これによって、
年金
の
受給開始年齢
以前に
基準
を使って
対象者
を限定することがなくなりまして、
労働者
の不安が解消できると
考え
ています。 このほか、このたびの法
改正
では、勧告に従わなかった
企業
名を公表することができる規定を設けていますので、これも活用しながら、高
年齢者雇用確保措置
の未
実施
企業
の指導などを確実に行っていきたいと思っています。 また、再
雇用
を拒否された
労働者
については、現在、各労働局の総合労働相談コーナーで相談を受け付け、労働局の助言、指導またはあっせんなどによって救済を図っています。 引き続き、
労働者
の不安が解消されるようにしっかりと対策を講じていきたいと
考え
ています。
小林正枝
37
○
小林
(正)
委員
今
大臣
が述べられた答弁というものは、勤労者の方にとっては非常に希望を持たれる御答弁であったと思います。それが
制度
として本当に施行されることを私は心から願っています。 最後の
質問
になりますけれ
ども
、
体力
的な問題あるいは仕事上のささいなトラブルといって再
雇用
されない
方々
が、そういう不安が、今
大臣
の答弁で払拭されたということを私は願っているわけですが、そういう方
たち
にもしっかりと思いをはせていただき、そして、この高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
というものが、しっかりと
雇用
者にとっていい
法律
になった、そういう
法律
であることを私は願いまして、
質問
の時間を少々残しておりますが、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
池田元久
38
○
池田委員長
次に、
高橋千鶴子
さん。
高橋千鶴子
39
○高橋(千)
委員
日本
共産党の
高橋千鶴子
です。 この高
年齢者雇用安定法
については、私、国会でも何度も
質問
をしてまいりました。この間、
基準
が削除をされるということ、
雇用
の継続は必ず必要であるという観点から、非常に待たれているという声も聞こえています。しかし、同時に、非常に心配されていることもある、手放しでは喜べない
状況
があるのではないか、このように思っております。 それで、最初に伺いたいのは、
継続雇用制度
の
対象者
を限定できる
基準
、これを削除した理由について。これが、要するに、まず、どの程度
基準
というものが
採用
されていて、それにどういう問題があったと
考え
ているのか、認識を伺いたいと思います。
西村智奈美
40
○西村副
大臣
お答えいたします。
継続雇用制度
ですけれ
ども
、これの
導入
によって、高
年齢者雇用確保措置
を講じている
企業
のうち約六万二千社、率にいたしますと五六・八%が
継続雇用
対象者
についての
基準
を設定しております。 この
基準
は
労使協定
で定めることとされておりますので、双方の協議を経て適切に設けられていると
厚生労働省
としては
考え
ております。 しかしながら、来年四月から
老齢厚生年金
の
支給開始年齢
が引き上げられるため、
現行制度
のままでは、
平成
二十五年度において、
継続雇用
を希望しても六十歳の
定年
以降に
雇用
が継続されない、そして無
年金
、無
収入
になる方が生じるという
可能性
があります。 このため、今回の
改正
で
継続雇用制度
の
対象者
を限定できる仕組みを廃止いたしまして、
雇用
と
年金
を確実に接続させることといたしました。
高橋千鶴子
41
○高橋(千)
委員
要するに、確実につながなければならないので
基準
を廃止したと言った。そうすると、その
基準
が、やはりつながない役割を果たしていたということになるわけです。しかし、
現状
は一・八%しかいないのだと言っているわけですよね、
基準
によって離職をした
人たち
が。 それから、
現状
は、そもそも
原則
希望する者
全員
は再
雇用
できるというふうになっているはずでありますが、違いますか。
西村智奈美
42
○西村副
大臣
継続雇用制度
につきましては、
委員
御
指摘
のとおり、
基準
が設定されていたところでございますけれ
ども
、この
基準
については
労使協定
で定められるものでありますので、双方の協議を経て適切に設けられているものというふうに
考え
ております。
高橋千鶴子
43
○高橋(千)
委員
ですから、
基準
によって合理的な理由があればという条件つきであるけれ
ども
、
原則
希望する方は再
雇用
が認められるというのが
現行制度
でもあったと思いますが、間違いありませんね。
西村智奈美
44
○西村副
大臣
それは、
希望者
の方を
対象
とするということで、そのとおりでございます。
高橋千鶴子
45
○高橋(千)
委員
まず、そこが大事なんです。
原則
希望する人は
全員
なんだと。だから、何か
基準
で、
経過措置
をとってまでつながなきゃいけないということは、逆に言うと、その
基準
の持っている
意味
が、労使双方云々とおっしゃいましたけれ
ども
、恣意的に
労働者
を選別する役割を実は果たしてきたんだということなんです。この問題意識があるかということが言いたいわけです。 私、この問題、何度も取り上げています。その
基準
といっても、とても合理的なものとは言えないもの、例えば、欠勤が一日でもあったらだめだとか、ラジオ体操に毎回出ているだとか、花粉症がないこととか、眼鏡をかけていないこととか、これは誰でも外せるんじゃないのというような要件を
幾つ
も並べて、それが、いずれかではなく、かつという、要するに全部満たしていなければ合格しませんよというような
基準
もありました。 それは極端な例かもしれません。でも、そういう例が
幾つ
もあったということをこの場で紹介して、ハローワークがきちんとして、それが恣意的に
労働者
を選別するものであってはならないということで答えてきたのではなかったかなと思うんです。 ですから、そういう問題意識を持っていますかということを聞いています。
小宮山洋子
46
○
小宮山国務大臣
それは、そういう問題意識はございます。
労働政策審議会
の
建議
の中でも、その例外、
対象外
とするのは、客観的合理性、
社会
的相当性が求められるということを示していますので、今
委員
がおっしゃったようなことは、そういう
社会
的相当性に当たらないものもあるというふうに思いますので、そこはしっかりと
対応
しなければいけないと
考え
ています。
高橋千鶴子
47
○高橋(千)
委員
基準
は残るわけですから、今も
経過措置
として。ですから、ここはきちんと確認をしておかなければならないと思うんです。恣意的に
対象者
を選別することがあってはならないのだということを重ねて
指摘
をしたいと思います。 同時に、
継続雇用制度
を
採用
している
企業
は八割強だと。要するに、三つの選択肢があるんだけれ
ども
、圧倒的に、多くは
継続雇用制度
ということを
採用
しているんですね。 ただ、問題は、その再
雇用
後の処遇についての規定がございません。ですから、再
雇用
を条件に、大幅な賃金引き下げ、あるいはパートという非正規化、あるいは、NTTが代表的でありましたけれ
ども
、今回見直しをしましたが、
定年
を早める。もう五十歳が
定年
だ、そこから先は再
雇用
ということがございました。つまり、再
雇用
制度
を使うことで、逆に労働条件引き下げのツールにしていた、こういう問題があったわけですね。
定年
の問題については、この
法律
の世界では、なかなかこれは言えませんということが当時の見解でありました。 こういうことについて、つまり、処遇については何にも書いていないんだけれ
ども
、どういうふうに
考え
ていらっしゃいますか。
小宮山洋子
48
○
小宮山国務大臣
継続雇用制度
で
労働者
を
定年
後に再
雇用
する場合は、新たな
労働契約
を締結することになりまして、勤務場所ですとか勤務
内容
などの条件は労使の
合意
で決まります。 その際に、
事業主
が提示する労働条件については、
高齢者
の
雇用
の安定というこの法の
趣旨
に合致してあるものが当然必要だと
考え
ます。 裁判例でも、具体的
状況
に照らして極めて過酷で、勤務する意思をそがせるようなものは高
年齢者雇用安定法
の
目的
に反するとしているものもあります。
厚生労働省
としましては、高
年齢者雇用確保措置
を
実施
する上での留意事項を
大臣
告示で示して、この
措置
が各
企業
で十分な労使協議のもとに適切に有効に
実施
されるように指導を行っていきたいと
考え
ています。
高橋千鶴子
49
○高橋(千)
委員
やはり、国が
年金
の
支給開始年齢
を
法律
で段階的に引き上げたわけですけれ
ども
、
企業
に言わせれば、国が勝手に
法律
を決めて、俺
たち
に押しつけるのか、そういう論理があるわけですよ。それを非常に強く言われた、批判もしてきた。だから、国としても強く言えない、こういう
関係
ではうまくないわけですね。 これを逆に逆手にとって、
定年
を早めるチャンスだとか、もともと仕事はずっと必要だし、人手も必要なんだ。だって、団塊世代が今大量に
定年
を迎える時期でもありますから、圧倒的に人手は必要なわけですよね。その必要な人手を、ベテランを安上がりに使うということで逆に使っているということも現実としてはあるわけですから、今、
大臣
告示ということをおっしゃいましたけれ
ども
、今の精神がきっちりと入るように
指摘
をしていきたいと思います。
先ほど
の
質問
の中で
経過措置
のことを言いましたので、ちょっとここは飛ばして、次に進みたいと思います。 それで、九条の二項に新設された特殊
関係
事業主
、グループ
会社
のことをいうと思うんですが、この
事業主
との
関係
が具体的にどういうものを
意味
するのでありましょうか。 これは、資料の三枚目に、
継続雇用制度
の
雇用
先の特例ということで出されています。今回、グループ
会社
にもその
継続雇用
先として
対象
範囲を広げたわけであります。 それで、私は、二〇〇六年の十二月十二日、これも資料につけてございます、最後のページを見ていただきたいと思うんですけれ
ども
、
質問
主意書を出しています。 それで、この問題について、このように
質問
しているんですね。「子
会社
に再
雇用
させる場合、本社内に
雇用確保措置
を設けず、一〇〇%丸投げ方式でもよいのか。また、日常的に資本
関係
が希薄な関連
会社
や無
関係
な一般
会社
でもよいものか。」こういう
質問
をいたしました。 それに対して、「実際の
企業
における具体的な事案に基づき個別に判断する必要があると
考え
るが、子
会社
等で
雇用
しようとする場合に親
会社
として高
年齢者雇用確保措置
を講じたとみなされるためには、
定年
まで高年齢者が
雇用
されていた
企業
と当該子
会社
との間に、両者が一体として一つの
企業
と
考え
られる程度の密接な
関係
があり、当該子
会社
において
継続雇用
を行うことが担保されていることが必要であると
考え
る。」このような答弁がございました。 これは大変重要な答弁だと思います。「両者が一体として一つの
企業
と
考え
られる程度」、これは、やはり大きな
企業
になればなるほど、グループ
会社
のパートナー
会社
ですとかそういう形で、
関係
企業
というともう切りがなくなってしまうわけです。でも、そういうときに、こういう表現があったということで、これは大きな歯どめになったと思います。 実は、いろいろな
企業
の問題を取り上げていたんですが、このときはJRを念頭に置いて
質問
いたしました。JRはこの後、エルダー
制度
ということで、直接JRが
雇用
関係
を継続するという形で再
雇用
するという
制度
に切りかえたわけであります。 それで、今回、グループ
会社
ということでくくるとどこまで広がるのか、その
基準
をまず聞きたい。それから、今度の法
改正
では、私が同じ
質問
をしたとすれば、ここの
部分
、「一体として一つの
企業
と
考え
られる」、ここの
部分
がどういう表現ぶりになるのでしょうか。
小宮山洋子
50
○
小宮山国務大臣
この
改正法
案によりまして
継続雇用制度
の
対象者
が
雇用
される
企業
の範囲を拡大する場合であっても、
定年
後の安定した
雇用
を確保するために
事業主
が責任を果たしたと言える範囲で定める必要があると
考え
ています。 この範囲については、ほかの法令のいわゆるグループ
会社
のように、意思決定を支配し、または重要な
影響
を与えられる
関係
にある範囲を想定しています。
建議
に示されましたとおり、一つは親
会社
、そして子
会社
、また同一の親
会社
を持つ子
会社
間、関連
会社
などにすることが
考え
られます。ここにもありますように、子
会社
については議決権五〇%超、関連
会社
については議決権二〇%以上などです。 また、
改正法
案では、
継続雇用
する
企業
の範囲を拡大する場合に、
事業主
間で引き続いて
雇用
することを約束する契約の締結、これを要件として求めています。
継続雇用
の担保が今までよりは明確になるというふうに
考え
ています。
高橋千鶴子
51
○高橋(千)
委員
議決権二〇%以上ということでグループ
会社
は広げるという、資料にも書いているけれ
ども
、それ以外の要件というのはありますか。 何でそう聞くかといいますと、親
会社
の責任がどこまであるのかということなんです。さっき言ったように、一つのものと見られるという答弁を受けてできたJRのエルダー
制度
、これでさえも、現実はなかなかそうはなっていないわけなんですね。 出向扱いとはなっているんですけれ
ども
、
御存じ
のように、JRというのは大変幅広く関連
会社
を持っておりまして、ホテルとか広告
会社
までいろいろやっている。賃金が十万ちょっとであるとか、ロッカーもないとか、仕事
内容
がわからない、誰も教えてくれない、一度あっせんを断ると何にも、これでチャンスはないですよという形で、結局、再
雇用
のチャンスが奪われる。要するに、自分がやったこともない仕事を、あなたにあっせんしましたよと言われて、それは無理ですと言ったら、もう義務は果たしましたということになっては困るわけですよね。 そういう
意味
で、やはり親
会社
が本人の希望をちゃんと聞いて責任を果たす、そのくらいのことがなければ、幾ら何でもこれは広げ過ぎよということになる。つまり、事実上の、それは無理ですということが、イコールやめざるを得ないのかなということになりかねないわけですが、いかがでしょうか。
津田弥太郎
52
○津田
大臣
政務官 高橋
委員
にお答えを申し上げます。 御
指摘
をいただきました点でございますが、今回の
改正
によりまして、
継続雇用制度
対象者
は拡大するわけであります。同一の
企業
の中だけで
雇用
を確保するには限界がある、そういう
企業
も出てくるだろうということを想定いたしております。 このため、グループ内で
雇用
の機会を確保できるよう、
労働政策審議会
での
建議
を受け、他の法令に倣い、
事業主
の責任を果たしていると言える範囲、二〇%ということもございましたが、
継続雇用制度
で
雇用
される
企業
の範囲を拡大することにしているわけでございます。 当然さまざまな問題点も出てくるだろうというふうに思っております。例えば、再
雇用
を拒否された
労働者
、そういう場合には、現在各労働局に開設をいたしております総合労働相談コーナーで相談を受け付け、労働局の助言、指導またはあっせんなどによりしっかりした救済を図ってまいりたい、そのように
考え
ております。
高橋千鶴子
53
○高橋(千)
委員
それは、要するに親
会社
が再
雇用
を結果としてきちんと担保しましたよということで、責任が持てる範囲という
意味
ですよね。 そうすると、今の、要するに、事が起こってからハローワークに行って、救済、何とか訴えますということではなくて、そこを未然に防ぐ、やはり本人の希望がきちんと聞かれること、とてもじゃないが現実的でない条件、つまり、余りにも広域な配転だとか、やってきた仕事と極端に違うものですとか、そういうことをあらかじめ決めておく必要があると思いますが、いかがですか。
津田弥太郎
54
○津田
大臣
政務官
先ほど
の
大臣
答弁の中でもございましたが、
大臣
告示の中で、今申されたようなことについて、例えば処遇あるいは配置先についての問題については、やはり常識的な範囲の中で、
労働者
の
意見
もしっかり酌み上げた中で判断していくようにしていこうというようなこと、高年齢者の希望に応じた勤務、こういうものもしっかり配慮するようになっておるところでございます。
高橋千鶴子
55
○高橋(千)
委員
今おっしゃった
労働者
の
意見
をきちんと配慮するということ、しっかりとこれは確認をさせていただきたいと思います。 時間があればもう少しこの続きをやりたいと思うんですが、次は、
修正案
の
提出者
の方に
質問
させていただきたいと思います。 それで、今の
法律
のつくりは、高
年齢者等
職業安定対策
基本
方針というものがもともと第六条にあるわけですけれ
ども
、その「定める事項」の中に「必要な
指針
となるべき事項」を書くというふうなつくりになっております。それを、「
指針
を定めるものとする。」ということで、
指針
というものの位置づけが明確になったのではないか、特出しされたと思うんですが、その意図をぜひお願いいたします。
加藤勝信
56
○
加藤
(勝)
委員
今の御
指摘
がありますように、もともとは高
年齢者等
職業安定対策
基本
方針の中に盛り込むというものが、いわば、まさにおっしゃるように、特出しされて、独立した
指針
として、今回、
法律
の中に定めさせていただいた。 その
趣旨
は、労政審の
建議
等もありますので、労使ともにわかりやすい、そういう形にしていくためには、そして、いろいろなものと一緒ということではなくて、特出ししてしっかり示した方がいいだろうということで
修正
をさせていただいた、こういう経緯でございます。
高橋千鶴子
57
○高橋(千)
委員
確かに労政審の
建議
の中にわかりやすいということは書いてあります。ただ、こういうものを
指針
にすべきだということは、具体的に、今
修正案
に盛り込まれていることは書かれてはいないわけですね。わかりやすいという表現しかしておりません。ですから、この
指針
がどちらの方向を向いているのか、非常に重要な中身になるのかと思うんです。今まで
議論
してきたような、つまり、恣意的な選別にならないこととか、そういうことをなるべく具体的に書いていくというのが私は大事だと思うんです。 ところが、この
指針
、九条の三項に書いていますのは、「第一項の
事業主
が講ずべき高
年齢者雇用確保措置
の
実施
及び
運用
」という中で、括弧して「(
心身
の
故障
のため
業務
の
遂行
に堪えない
者等
の
継続雇用制度
における取扱いを含む。)」というふうに書いております。これ、ちょっと非常に具体的になってくるわけですけれ
ども
、
心身
の
故障
云々というこの表現の
意味
と、なぜ書かれたのか、伺います。
加藤勝信
58
○
加藤
(勝)
委員
先ほど
申し上げた労政審の中で、今回、
継続雇用制度
の
対象
となる高年齢者に係る
基準
は廃止することが適当だということと同時に、
就業
規則における
解雇事由
または
退職事由
に該当する者について
継続雇用
の
対象外
とすることもできるとすることが適当だ、こういう
建議
があるわけでございまして、具体的な
就業
規則の中で一つ出てきておりますのが、
心身
の
故障
云々というのが、例えばモデル的な
就業
規則の中に盛り込まれている。また、一般的に法令的にも
心身
の
故障
という言葉を使っておりますので、それを一つの代表的な事例として書かせていただいている、こういうことでございます。
高橋千鶴子
59
○高橋(千)
委員
そうすると、今の答弁の中に
解雇事由
、
退職事由
云々ということがありましたけれ
ども
、「取扱い」という言葉、この「取扱い」という言葉は、まさしく今の解雇ですとか
退職
のことを
意味
しているんですか。
加藤勝信
60
○
加藤
(勝)
委員
ですから、通常、
雇用
関係
が、
定年
以前の場合においても、
雇用
解雇規則に反すれば当然解雇される、こういうことでございまして、それが再
雇用
の場合にも、同じような事情があれば、適用され得ることもあり得るよ、そういうことでございます。
高橋千鶴子
61
○高橋(千)
委員
では、この「
業務
の
遂行
に堪えない
者等
」の「等」の
部分
は何が入っていますか。
加藤勝信
62
○
加藤
(勝)
委員
これは、例えばモデル
就業
規則というのが
厚生労働省
の労働
基準
局等から示されておりますが、例えば、その中で、「勤務
状況
が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないとき。」等々いろいろな事由が出てきておるわけでございまして、そういったものがその中に入ってくるだろう。 それを踏まえながら合理的なものかどうかということを最終的には判断していただく、こういうことになろうかと思います。
高橋千鶴子
63
○高橋(千)
委員
私は、やはりこの条文は非常に重要というか重大だと思っています。
先ほど
来
議論
してきましたように、やはり、
原則
、本人が希望すればという法のたてつけではあるんだけれ
ども
、恣意的に選別ができる
基準
がこれまで許されていた、もちろん、労使の
合意
という条件はあるんだけれ
ども
。しかし、労使といっても、なかなかそれが対等ではなかったり、代表する者がわずかしかなかったり、さまざまな職場の実態がある中で、実際には
基準
が押しつけられてきたという実態もあった。それを取るかわりに、これが出てきたわけです。そういうことになるわけですよね。経団連などはその
基準
は維持してほしいという要望を出していたわけですから、これが成りかわることにならないのかという
懸念
を持っています。 そこで、具体的に伺いますが、
障害
者差別にならないか、あるいは
心身
の
故障
の解釈、これがちょっと極端に広がって、うつ病などで休業している人が
退職
に追い込まれたり、そもそも、うつ病かもしれないということを申し出しにくい、そういうことになりかねないのではないでしょうか。お願いします。
古屋範子
64
○古屋(範)
委員
御
指摘
の「
心身
の
故障
のため
業務
の
遂行
に堪えない者」、これは通常働けない場合を例示したものでありまして、他の
法律
にも例がございます。立法者として、
障害
者を差別する意図も、
心身
の不調があることをもって直ちに
退職
に追い込む意図も毛頭ございません。 付言すれば、
業務
の
遂行
にたえない場合、
継続雇用
しないことについては、通常の解雇と同様に、客観的に合理的な理由があり、
社会
通念上相当であることが求められており、単に
障害
者であるとか
心身
の不調があるという理由だけで直ちに
継続雇用
されなくなるというものではありません。 議員、うつという例示を挙げられましたけれ
ども
、御
懸念
のある点は全く理解できないわけではありませんけれ
ども
、
法律
が成立した後、
修正
した条文が正しく解釈されるよう、
指針
そのものに注意事項を盛り込むなど、きめ細かな配慮をすることが必要だと
考え
ます。 うつ病、今百万人の時代と言われておりますけれ
ども
、誰しも、あるいは家族があすうつになる
可能性
があります。そうしたときに、ちゅうちょなく
使用者側
に申し出をして、そして、適切な治療を受け早期に
社会
復帰ができるような、そういう体制整備をしていくことが必要かと
考え
ております。
高橋千鶴子
65
○高橋(千)
委員
この問題では繰り返し
委員
会で御
質問
もされ、こころの健康議連もやっていらっしゃった古屋
委員
が答弁をしていただいたわけですけれ
ども
、本来、本人が職の
遂行
にたえられなければ、
数字
ももう出ているように、離職を希望することだってできるわけですから、当然、休業もすることもできる。あるいは、仕事をあえてしないような、サボるような、何か特別なものに対してはきちんと懲戒という
制度
が労契法にございます。ですから、労契法というのは全ての世界に生きるわけですから、何もここに書く必要はないわけです。ここにあえてこれを書くということで、今まで以上の意図がやはり生まれてくるのではないかと
考え
るのは当然でございます。 そして、
先ほど
「等」とは何かという
質問
をしましたけれ
ども
、「等」の中で、結局、
定年
になる前にこれに該当する人がいた場合に再
雇用
しなくてもよいというふうな解釈になるわけですよね。 ですから、再
雇用
しないということをもって、結局これは事実上の解雇と等しくならないか、これはやはり解雇権濫用につながるおそれがあるのではないかと思います。しかも、それを労使協議ではなく国が
指針
で定めるということは、やはり潜脱している、私はこのように思いますが、いかがでしょうか。
加藤勝信
66
○
加藤
(勝)
委員
今の御
質問
の中の、そもそも
就業
規則における解雇等を決めた事象に基づいてという
お話
でございますから、そこから何か一歩踏み出すという話ではまずないということを申し上げておきたいと思います。 それから、今の労使協議云々というか、むしろ、労使協議ではなくて
原則
適用する、そうすると、その
原則
の適用に当たってどう
考え
ていくべきか、それをきちっと労使双方がわかりやすいようにしていこうというのが今回の
趣旨
だ、こういうことでございます。
高橋千鶴子
67
○高橋(千)
委員
逆に、労使という
部分
が
法律
からなくなっているわけですよね。要するに、
基準
のところで労使が出てくるわけですから、そこが今とれて、
指針
ということになった。そうすると、逆に、労使の
議論
の中でしっかりと
雇用
の確保、いわゆる逸脱して解雇強要になるんじゃないかとか、そういうことを争う権利を持っていたものが、
指針
という形で、こういう規則にあるんだからこういうときはとなってはならないということが、非常に危機感を持っているわけです。つまり、選別
基準
を廃止するという踏み込んだ
改正
を提出する一方で、新たな選別のルールを持ち込んだことにならないかという危機感を持っています。 与党の
提出者
と
大臣
に最後に一言ずつ聞いて、終わります。
岡本充功
68
○
岡本
(充)
委員
先ほど
も答弁させていただきましたけれ
ども
、
基本
は、
継続雇用
をして、
年金
と
雇用
が接続するということをしっかり確保していこう、こういう中で、これまでいわゆる現場で行われてきた
解雇事由
に相当するものについて、今回、
定年
後も
解雇事由
に相当するような方については残念ながら離職していただく
可能性
があるということを私は
先ほど
も述べたわけでありまして、決して、新たな選別
基準
をつくろう、こういうことでこの
修正案
を出しているわけではないということを
お話
をしておきたいと思います。
小宮山洋子
69
○
小宮山国務大臣
今、
修正案
提出者
が述べたとおりでございますので、御
懸念
がないように
対応
していきたいと思います。
高橋千鶴子
70
○高橋(千)
委員
選別の
可能性
を残した、解雇の
可能性
を残したということで、非常に問題があると思います。 この点については、実は
修正案
はきのう出されたわけですので、もっと十分な審議が必要だということを
指摘
して、
質問
を終わります。
池田元久
71
○
池田委員長
次に、
柿澤
未途君。
柿澤未途
72
○
柿澤
委員
みんなの党の
柿澤
未途でございます。 きょうのこの
質疑
に当たっては、いろいろ、
質問
の順番あるいは時間等の御配慮をいただきました。
委員長
初め
理事
会の皆さんの御配慮に感謝を申し上げたいというふうに思います。 高
年齢者雇用安定法
の
改正
案ということで、言ってしまえば、またしても
雇用
に関する規制強化の
法案
であるわけですよね。こういうことをやって
高齢者
を含めたより多くの人に安定
雇用
がもたらされる、こういうふうに思っていらっしゃるんでしょうか。 これまで何度も、つい先日もですけれ
ども
、エビデンスに基づいた政策立案になっているのかということを問うてまいりました。 関西経済連合会は、二〇一三年に
希望者全員
の六十五歳までの
雇用
を義務づける法
改正
がなされた場合、
日本
企業
全体の賃金、
社会
保険料の
負担
増は三・六兆円になって、
企業
の営業純益を二一%押し下げる、こんな試算も公表しているところであります。 これが正しい試算であるかどうかはわかりませんが、では、政府は、今回の法
改正
による
企業
の
負担
増、つまりは、賃金、
社会
保険料の増をどのぐらいになるというふうに見積もっておられるんでしょうか。お伺いをしたいと思います。
中沖剛
73
○
中沖政府参考人
お答え申し上げます。 今回の
基準制度
の廃止によりまして新たに
継続雇用制度
の
対象
とする必要がある
定年
退職
予定者でございますが、
先ほど
来私
ども
の方で答弁しております現在離職した方の数、一・八%、七千六百人という
数字
をもとにした場合、大体、毎年、最小で約一万、最大で五・五万人程度と見込んでいるところでございます。 ただ、その一方で、団塊の世代、これは一つの年齢に二百二十万という大変多くの方がいらっしゃる世代があるわけでございますが、この世代が今後数
年間
で六十五歳を超えてまいります。したがって、当然、大量
退職
というふうな事態があるわけでございます。こうしたことを前提にいたしますと、今後十
年間
、二〇一〇年から二〇二〇年の間に、六十歳から六十四歳層は約百五十万という非常に大きな数が減少するわけでございまして、
社会
全体、マクロで見ると、
先ほど
言ったような
数字
が相殺されまして、
影響
は限定的ではないかというふうに
考え
ております。 なお、具体的な
負担
増でございますが、やはり、
雇用確保措置
の具体的な中身、これは各
企業
がそれぞれ自由に決める形になっております。しかも、
高齢者
の方は、個人差が大変大きくなって、健康状態、
体力
もいろいろ多様になってまいりますし、また、
就業
のニーズも多様化してまいりますので、どの程度の数の
高齢者
が
雇用
されることになるか、なかなか難しいものもございます。 また、
雇用
の形態、処遇も個人
ごと
に異なっておりまして多様であるため、
人件費
等の
負担
も一様ではないということもございます。 さらに、
高齢者
の
雇用
、単にコストということではなくて、貴重な戦力として利用するという
部分
もございますので、労働の利益もあることでございますので、なかなか定量的に示すことは困難だということでございます。
柿澤未途
74
○
柿澤
委員
労働契約法
のときもそうだったんですが、定量的に示すことは困難だ、こういう話になってしまうわけであります。
高齢者
の皆さんも、
継続雇用
された場合、それは一概にコストがふえるという側面ばかりを強調することはできない。確かに、貴重な戦力として、これまで培ったキャリアを生かして働き続けていただくということは非常に大事だというふうに思います。思いますが、厳しい経営
環境
にある
中小企業
などでは、高度な技術を有する高年齢者はともかく、
希望者全員
の
雇用確保措置
を講ずることは、これは本来非常に困難ではないかというふうにも思います。 これは、
希望者全員
を
継続雇用
するというこの法
改正
の
対象
を例えば一定規模の
企業
に限定する、例えばパートの
社会
保険の問題でいえばそうした
対応
もとられているわけですので、こうしたことを
考え
る余地がないのかどうか、お伺いをしたいと思います。
小宮山洋子
75
○
小宮山国務大臣
来年の四月から
厚生年金
の
報酬比例部分
の
支給開始年齢
は六十五歳へ引き上げが始まって、まず六十一歳になるわけです。パートの場合は、今働いている
人たち
の処遇というか、
社会
保険の適用を拡大して安定させようということですが、今回の場合はちょっとケースが違って、これを
企業
の規模別にしますと、どうしても、そこで途切れてしまうと全くの
収入
がなくなる、無
年金
になる、そういう人が出てきてしまいますので、これを規模別でやるということは適当ではないというふうに思います。 確かに、
事業
者の方の
負担
ということもございますので、高年齢者に適した作業施設の改善、職域の拡大、配置、処遇の考慮、勤務時間
制度
の弾力化などをお願いしていますので、こうした取り組みに対する
助成金
の支給ですとか、
高齢者
の
雇用
アドバイザーの派遣などの援助を行っていきたいというふうに
考え
ています。
先ほど
おっしゃっていただいたように、
企業
にとっても、やはりこれから働く人数が少なくなっていく中で、
高齢者
の方に働き続けてもらうメリットもあるわけですから、その
負担
とメリットで、過剰な
負担
にならないように、こうした
助成金
などの仕組みも使って、
支援
はしっかりとしていきたいというふうに
考え
ています。
柿澤未途
76
○
柿澤
委員
そもそも、
希望者全員
を
継続雇用
しなさい、こういうふうに義務づけるということについては、憲法二十二条及び二十九条を根拠とする、判例上認められた
企業
の
採用
の自由に抵触をするのではないか、こういうふうに言われている
部分
もあります。 こうした点について、そうした抵触の
懸念
についてはどのように御見解をお持ちになられているか、
お尋ね
をしたいと思います。
津田弥太郎
77
○津田
大臣
政務官
柿澤
委員
にお答え申し上げます。 昭和四十八年十二月十二日最高裁判決、三菱樹脂事件で、自己の営業のために
労働者
を
雇用
するに当たり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件で雇うかについて、
法律
その他による特別の制限がない限り、
原則
として自由にこれを決定することができる旨、判示をされておるわけでございます。 今般の
高齢法
改正
について見ますと、一般的な
労働者
の
採用
の場面と異なり、これまで
雇用
してきた
労働者
のうち引き続き
雇用
する場面でございます。
使用者
に完全な選別の自由が与えられているという
状況
ではないというふうに
考え
るわけでございます。 また、高
年齢者雇用安定法
は、個々の
労働者
を雇い入れる義務を課しているわけではなく、
定年
の引き上げ、
継続雇用制度
の確保等の
措置
を講じることを義務づけているものである。 さらには、これまでも、六十五歳までの
雇用
の確保は
原則
として各
企業
の義務というふうになっておりまして、既に
社会
のルールの一部であったわけでございますが、このたび、その例外である
基準制度
を廃止することによって、さらに
社会
のルールとして定着をし、それに応じて
事業主
の裁量の幅も限定されることになるというふうに
考え
ることであります。 こういうことから、今般の
基準制度
の廃止につきましては、
事業主
の
採用
の自由との
関係
で問題となるものではないというふうに
考え
られるわけでございます。
柿澤未途
78
○
柿澤
委員
朗々と御答弁をいただきました。 私は、この
措置
そのものが大変問題だという
立場
に立って御
質問
申し上げているわけでは必ずしもありません。一般的に、この
政権
になってから、いろいろな形で
雇用
保護、
労働者
保護、そうしたことに関する政策が推進をされている、このことがマクロ的に与える
影響
は果たしてどうなんだろうか、こういう観点に立って
お尋ね
をさせていただいているつもりであります。 そういう観点でいうと、このような
雇用
維持に関する規制強化ばかりを行っていると、
企業
経営の硬直化を招くだけではないかというふうにも思うんです。 一方で、労働市場の流動性を高める、こうした政策が必要になってくるのではないかというふうに思います。そうしないと、結果的に、
高齢者
の
雇用
を維持する一方で、
先ほど
も
議論
でありましたけれ
ども
、
若年者
の
雇用
にしわ寄せが行く、こういうことになりかねません。 ただでさえ、
日本
はOECD加盟先進国の中で正社員の解雇が最もしにくい国である、こういうふうにも言われているわけです。正社員で入社すれば
定年
まで安泰、
希望者全員
が
継続雇用
、しかし、そこから外れると、途中からその生涯安心コースに入っていくことは非常に難しい。結果的に非常に不平等、不公正な
雇用
慣行になっている、そうも言えるのではないかと思うんです。 そうした中で、労働市場の流動化という点で申し上げると、今までさまざまに提起をされてきた課題として、正社員の解雇ルールの明定、こういうことがあります。 例えば金銭解雇、こういうことが言われてきたわけですけれ
ども
、こうした解雇ルールの明定等を行って、新卒
採用
時点で、入り口で人を選別する、新卒一括
採用
、年功賃金、終身
雇用
、こういった
雇用
慣行の見直しを同時に進めていく。
企業
は、そういう
意味
では、安定的な
雇用
を維持する責任を負いつつ、しかし、一方で、
企業
のそのときそのときの経営の必要性に応じて人材の入退室を行えるようにする、こうした見直しを同時に進めていかなければいけない。そうでなければ、私は、既得権益を持つ中高年の正社員が得をするだけだ、こういうことになってしまうのではないかと思いますが、この点、御見解をお願いいたしたいと思います。
小宮山洋子
79
○
小宮山国務大臣
柿澤
委員
がおっしゃる御
意見
、一部ごもっともだというふうに私は思います。 というのは、もっといろいろな
環境
を整備した上で流動性を図っていくということは、私もそれは方向性としてよいことだと思うんですけれ
ども
、いろいろな
状況
が整わない中で、バブル崩壊後、新卒の
採用
抑制をしたり、成果主義型の賃金を
導入
してそれがなかなかうまくいかなかったり、何より、非正規
雇用
の
労働者
がふえている、こういうような実態の中で、逆に今、新卒の一括
採用
とか年功賃金とか、長期
雇用
の慣行が見直されている
部分
も実はあるのではないか。 ですから、
労働者
が安心して働いて技術もスキルアップしていくということは
企業
にとってもメリットがあるわけですよね。ただ、いろいろ転職をしたいという
労働者
については、そういう
環境
をちゃんと整えた上で、そういう形もできるようにする必要があると思います。 ただ、例えば、今、
年金
のポータビリティーがないだとか、これは私
ども
が言っているように、一つの
年金
制度
にすれば解決するということもございますが、いろいろな形で、転職の市場を含めて
環境
が整っていない中で、そちらばかりが先行すると、今度は安定性が失われていくというところの時点に今あるんじゃないか。 ただ、このままで、ずっと長期安定
雇用
ということだけを志向していいとは私も思いませんので、それはいろいろな
状況
の中で、これは労使がしっかり話し合う、また、政府としても
環境
を整えていく、そういうことが合わさって、徐々に進めていくべきことなのではないかと私は
考え
ています。
柿澤未途
80
○
柿澤
委員
徐々に進めていく、
環境
整備をしながら、こういう話でありますけれ
ども
、とかく、この永田町かいわい、
霞が関
かいわいで中長期的な課題だというふうに位置づけられたものというのは、やるというような
基本
的な姿勢を見せつつ一向に着手をされない、こういうことになる場合があります。
環境
整備が必要だ、こういう点については私はそれは一概に否定的な態度をとるつもりはありませんけれ
ども
、しかし、一方で、今現在存在をしているこの
雇用
労働に関する問題というのは、一方で非常に守られている正社員の皆さんの存在があって、その外側に、そこに入れていない非正規
雇用
の皆さん、あるいは、そもそも職についていない皆さん、そうした
方々
の存在がある、そこのギャップが余りにも大き過ぎる、ここなのではないかと思うんです。 その点でいうと、皆さんの政策の方向性というのは、非正規
雇用
の
人たち
が、格差があるので、正規
雇用
になっていくようにどんどん促していこう、そして、
企業
にはそれを行うように、ある種、規制を強化して義務づけていこう、こういう方向ではないかというふうに思います。 それをやっていくと、
先ほど
冒頭
に申し上げたとおり、
企業
の経営の自由度と言ったら、人材にかかわる問題ですから、余り適当な言葉ではないかもしれませんけれ
ども
、これはどんどん狭まっていってしまう。一方で、今、いずれ行わなければいけないと言っているような労働市場そのもののあり方の見直しということも、やはり同時並行で
考え
、
議論
し、実行していく必要があるのではないかと思います。 その点、将来そういうことも見据えているという
お話
は、私もそうなのかというふうに思ったところなんですけれ
ども
、方向性として、具体的にこの
議論
をどういうふうに進めていくつもりがあるのか、あるいはないのか、小宮山
大臣
に重ねてお伺いをしたいと思います。
小宮山洋子
81
○
小宮山国務大臣
先ほど
私は徐々に進めていくと言ったので、中長期的な先の話で今は一切やらないということではありません。ただ、一気に進めるのは
環境
整備も含めてなかなか難しいだろうということを申し上げたわけです。 だから、そういう
意味
で、私
ども
がしているのは必ずしも
企業
にとってマイナスになることばかりをしているということではなくて、やはり
企業
の側も働く側も、それぞれ双方がいろいろな形でよりよい形を、これは労使で話し合うことも含めてやっていかないと、これだけの超
少子高齢社会
で内側向きだけをやっていたのではとても国際的にもやっていけないわけですから、今、政府としては、全体としていろいろな、これから成長していく分野に投資をするということも
考え
ていますし、規制だけを
企業
に強化するというのではなくて、そういう方向で努力をしているところにはインセンティブとしていろいろな助成をするとか、そうしたことも含めて、これは私は中長期的なものだから今はやらないと言っているのではなくて、徐々にいろいろ
環境
も整えながらやっていく必要があるということを申し上げています。
柿澤未途
82
○
柿澤
委員
先ほど
私が申し上げている間、いろいろ首をかしげておられたんですけれ
ども
、改めて申し上げると、やはりこの
政権
になってからの政策というのは、
基本
的に非正規
雇用
の
方々
を正社員化する、こうしたことを
企業
に求めていく、こうした政策であったというふうに思います。そして、正社員と非正規
雇用
の皆さんとの間の格差そのものを両面から見直していこうという話には必ずしもなってこなかったのではないかというふうに思っています。 一例を挙げたいと思います。
日本
郵政グループです。
日本
郵政グループの郵便
事業
会社
、一昨年、亀井郵政改革担当
大臣
、何となく、すごい昔に感じますけれ
ども
、鶴の一声ならぬ亀の一声で、
希望者全員
正社員にすると言ったんですよ。非正規社員、郵便
事業
会社
で六千五百人、全体で八千四百人、正社員化した。ところが、
平成
二十三年には業績を悪化させて、何と四万人規模の雇いどめをして、なおかつ、
平成
二十四年度には新卒
採用
を中止せざるを得なくなってしまったんですよね。結局、一部の非正規社員の
方々
を正社員に登用する、こういうことをやった結果、何倍もの非正規社員に雇いどめのしわ寄せが行って、しかも、
若年者
に対する新卒
雇用
の門戸を閉ざす結果ともなってしまった。 経営
状況
を無視してコスト増につながるような規制をかけると、結局、
雇用
全体も減少させてしまう。そして、結果として、利益を享受するのは正社員に登用された既得権益を持つそうした
方々
だけ、こういうことになってしまった。私はこれは典型的なケースではないかと思います。しかも、政府の亀の一声がこうしたことをもたらしている。 こうした現実を
大臣
はどういうふうに
考え
ておられるんですか。
小宮山洋子
83
○
小宮山国務大臣
それは確かにうまくいかなかったケースだと思います。そういうことも含めて、
先ほど
から私は、やはり
環境
整備をして、現実的な形で一歩ずつ進めていかなければいけないということを申し上げているんですね。
先ほど
、全部正社員にするのが今の
政権
の方向じゃないかと言われましたが、必ずしもそういうことではなくて、もちろん、短時間働いても、その時間に見合った労働にちゃんと対価が支払われる、均等・均衡待遇と言っていますけれ
ども
、私はできれば均等待遇と言いたいところなんですけれ
ども
、諸外国などでも、長時間で働いても短時間で働いても、一時間当たり同じ価値の労働をすれば同じ報酬がある、国際的にはそういうやり方でなっている中で、
日本
が余りにも正規か非正規かで処遇が違い過ぎる、そのことが問題だと言っているので、全てを必ずしも正社員にしようとしているわけではないということもつけ加えたいと思います。
柿澤未途
84
○
柿澤
委員
その答弁には、私、全く賛成なんです。同一労働同一賃金、極めて大切だと思います。しかし、現実の方向として行われていることがおっしゃったことに合致しているのかどうかは、私自身は一〇〇%は同意はできないと思います。 話をかえますが、本
改正
案の背景となった労政審
建議
、「今後の高年齢者
雇用
対策について」では、産業
雇用
安定センターや有料職業紹介
事業
者を通じた高年齢者の円滑な
労働移動
の
支援
を強化すべき、こういうふうにされています。これは、要するに、産業
雇用
安定センターの
事業
の拡充を行っていくんですか。 産業
雇用
安定センターがどのように言われているか
御存じ
でしょう。ハローワーク以上に役に立たない、存在意義が全くわからない、天下りのためだけの団体ではないか、
事業
仕分けでもやり玉に上がって、運営費補助の廃止が一旦言われたにもかかわらず、連合も入った
雇用戦略
対話でひっくり返された、こういう経過があります。この産業
雇用
安定センターを拡充するんですか。お伺いしたいと思います。
小宮山洋子
85
○
小宮山国務大臣
この
改正法
案に伴いまして、おっしゃった産業
雇用
安定センターの
事業
自体を拡充するわけではありません。この
改正法
案に伴う
企業
への
支援
のための一環として、
定年
前の高年齢者のほかの
企業
への再就職を
支援
する
助成金
を設けて
雇用
の機会を確保しやすくすることにしています。 具体的には、産業
雇用
安定センターや有料職業紹介
事業
者の紹介によって、
定年
の一年前から
定年
までの間に、失業することなく
労働者
を受け入れた
事業主
に対する
助成金
を新設する。また、
中小企業
の
事業主
が
労働者
の再就職
支援
について有料職業紹介
事業
者に委託した場合にその費用を助成する
措置
を拡充している。そのような形で
考え
ているので、このセンターの
事業
を拡充するということは
考え
ていません。
柿澤未途
86
○
柿澤
委員
結果として、この労政審
建議
は、産業
雇用
安定センターという、
事業
仕分けでその
事業
の必要性というものがある
意味
では非常に疑問にさらされたそうした団体、法人を、ある
意味
では意義を再確認して頑張ってもらおう、こういう
内容
になってしまっているんではないかと思うんです。 同じ労政審
建議
でジョブカードのことについても書かれています。求職活動
支援
書やジョブカードの作成、交付について周知徹底が必要である、こういうふうにされているわけですけれ
ども
、これについてもやはりさらに推進していく、こういう姿勢であるわけですね。
お尋ね
したいと思います。
小宮山洋子
87
○
小宮山国務大臣
委員
がおっしゃりたいのは、
平成
二十二年度のジョブカード関連
事業
の仕分けで、ジョブカード
制度
の政策
目的
自体、これはここで仕分けされたのにということが
委員
の御
指摘
にあるのかと思いますが、ここの仕分けの中でも、政策
目的
自体は極めて重要だと認められています。
事業
の問題点について
指摘
がされましたので、そのために、
指摘
に基づいて必要な見直しを行った上で、しっかり役立つ
制度
としてジョブカード
制度
は進めていきたい。
労働政策審議会
の
建議
では、求職活動
支援
書として活用するジョブカードの作成、交付、これを周知徹底する必要があるとされていますので、引き続き着実に
実施
をしていきたいと
考え
ています。
柿澤未途
88
○
柿澤
委員
このところ
数字
はふえているというわけなんですけれ
ども
、しかし、昨年四月から、公的職業訓練を受ける場合、ジョブカードの取得そのものを
基本
的に求めるということにもなって、これだと取得者数がふえるのは当たり前だと思うんです。ジョブカードも、求職活動
支援
書と同じように、現実の就労にどれだけ役立っているか、こういうことがあるから普及が進んでこなかった、それを
考え
ないで取得者数だけをふやそうという政策を行っても、私は
意味
がないと思います。 そういう
意味
で、私も、政策目標そのものでいえば、さっきの同一労働同一賃金じゃないですけれ
ども
、反対じゃないんですよ。イギリスのNVQみたいなもので、本当に生かすことができればいいと思います。
現状
、そうなっているのか、なっていないんじゃないか、こういうふうに私は思えます。 次に、シルバー人材センターについて、何だか仕分けの弁護人みたいになって何度も何度も恐縮なんですが、
高齢者
の就労に関してシルバー人材センターが果たしている役割は私は大変重要だと思います。しかし、やはり、
事業
仕分けで言われたように、全国シルバー人材センター
事業
協会及び都道府県連合会については、これは、こういうふうに広域に束ねる団体が存在意義があるのかないのか、私ははっきり言って疑問だと思います。 全国シルバー人材センター
事業
協会は大半の
事業
はもう廃止されているわけですし、都道府県連合会も、今申し上げたように、都道府県単位でシルバー人材センターの
業務
を統括する、こういう
意味
があると思えません。
事業
仕分けでも、廃止に向けて検討すべきだ、こういうふうな
指摘
があったはずでありますけれ
ども
、その後の検討結果というのはどうなっているか、お伺いしたいと思います。
津田弥太郎
89
○津田
大臣
政務官
柿澤
委員
にお答えを申し上げます。
平成
二十一年に行われました行政刷新
会議
事業
仕分け第一弾終了後、当時の
大臣
の指示により、
厚生労働省
内に、仕分け
対象
の
事業
の実態を把握し、見直しを検討する、実態把握プロジェクトチームが設置をされました。 この当該プロジェクトチームが実態調査をした結果、全国シルバー人材センター
事業
協会については、全国組織の連絡調整、情報収集、提供を行う
事業
は今後とも必要であるが、都道府県連合会の
事業
との重複は排除すべきとの評価を受けたわけでございます。 その評価の
対応
方針として、全国シルバー人材センター
事業
協会の
事業
のうち、都道府県連合会と重複している
事業
、例えば啓発活動
事業
、職員への研修
事業
及びワークプラザ奨励
事業
等を廃止したわけでございます。 さらに、補助金の予算額については、仕分け評価結果の三分の一削減を大きく上回る約七割を削減、役員についても、厚労省OBを全廃し、公募に切りかえたところでございます。ちなみに、全国シルバー
事業
協会への補助金額は、
平成
二十一年度が三億三千八百万円に対し、
平成
二十二年度は一億四百万円に低下をいたしております。 また、都道府県連合会につきましては、
事業
仕分け第三弾の取りまとめコメントで、廃止ではなく、間接コストの削減努力を求められたため、
平成
二十三年度において、都道府県連合会に対する補助金を半減し、経費の効率化を求めたわけでございます。
平成
二十二年度は千六百八十万円に対し、
平成
二十三年度は八百九十万円になったわけでございます。
柿澤未途
90
○
柿澤
委員
厚労省の天下りをなくした、こういう話を初めとしていろいろ御
説明
をいただきましたが、公募にしたと言うんですけれ
ども
、全国シルバー人材センター
事業
協会の今のトップは東京都の局長
経験
者だったと思いますし、また専務
理事
も東京都の幹部から来ている。しかも、都の
関係
の天下りポストに重複してついている人がやっているわけですよ。 シルバー人材センターの管理部門についても、シルバーの会員
高齢者
が時給七百円で働いているのに管理部門が二倍以上の
収入
で管理しているのは
高齢者
いじめではないか、こんなふうに
指摘
をされています。私、もっともだと思います。こうした管理部門も会員
高齢者
になってもらえれば、
人件費
は相当圧縮できる。 管理部門における会員
高齢者
の比率は、こういう
指摘
を受けて、この三
年間
、どういうふうに上がってきたのか、お伺いをしたいと思います。
中沖剛
91
○
中沖政府参考人
シルバー人材センター
事業
につきましては、先生よく御
承知
のとおり、
事業
仕分けの中で予算が大幅に削減されたわけでございまして、運営の効率化が求められております。こうした中、それぞれ各シルバー人材センターにつきましては、管理部門についても創意工夫をお願いしているところでございます。 ただ、シルバー人材センターそれぞれは独立した法人格を持っておりまして、運営についてはそれぞれのセンターが主体的に決定いたしております。したがって、それぞれ実情に応じた形でそういった予算削減を
実施
するための効率的な体制を行っており、その方法もさまざまであるというふうに
承知
しております。 こうしたことから、管理部門で実際、会員の
高齢者
をどのぐらい使っているかについては、私
ども
として具体的に把握しておりません。 ただ、そうはいいましても、先生御
指摘
の方法につきましては、
高齢者
の
就業
機会を確保するものでございます。また、シルバー人材センターの運営の効率化につながるものでもございますので、従来から、全国のシルバー人材センター連合の事務局長が集まる
会議
等の場におきましては、私
ども
、積極的にこういった形を
採用
するようにお願いをしているところでございます。 また、本日先生からも御
指摘
ございましたので、今後は、その具体的な活用方法、例えば、新規の会員を勧誘する、あるいはセンター自身の周知、広報を行う、また、実際に仕事をとってくる、営業活動を行うといったような具体的な会員の活用方法も示しながら、こういった会員
高齢者
の方を管理部門で活用していくことをお願いしてまいりたいと
考え
ております。
柿澤未途
92
○
柿澤
委員
最後はよい答弁をいただきました。 時間も参りましたので、終わります。ありがとうございました。
池田元久
93
○
池田委員長
次に、大西健介君。
大西健介
94
○大西(健)
委員
民主党
の大西健介でございます。 本日、七月二十七日、
日本
時間ではあすの早朝ということになりますけれ
ども
、いよいよロンドン・オリンピックでございます。
日本
選手団の活躍をお祈り申し上げまして、時間もないので、早速
質問
に入らせていただきたいというふうに思います。 さて、政務三役を初め、
厚生労働省
の皆様におかれましては、参議院での
社会
保障と税の一体改革の
法案
審議、連日大変お疲れさまでございます。よく、
社会
保障と税の一体改革の
議論
におきまして、支える側と支えられる側という
議論
が行われます。 皆さんのお手元にちょっと資料を一枚お配りさせていただいておりますけれ
ども
、ごらんをいただきたいと思います。 真ん中に、
高齢者
一人を支える現役世代の人数という図があります。これはよく騎馬戦型から肩車型と言われるような図でございますけれ
ども
、しかし、実際には、単純に現役世代と
高齢
世代の
人口
比率を見るのではなくて、その下の方の図、むしろ
社会
保障の支え手である
就業
者一人が何人の非
就業
者を支えているのか、こちらの方が重要ではないか、こういう御
指摘
もございます。 非
就業
者は
高齢
世代とは限りませんし、
高齢
世代でも
就業
している人というのはもちろんいます。つまり、
高齢者
も就労することで
社会
保障の支え手になる、これが
社会
保障の持続
可能性
を維持していく上でも私は大変重要であるんじゃないかな、このように思います。 そして、何より、
先ほど
来
お話
が出ておりますけれ
ども
、来年四月から
年金
支給年齢が段階的に引き上げられるということで、それがもう目前に迫っている。
定年
後に給料も
年金
も受け取れずに無
収入
になる状態を防いで、
年金
と
雇用
を確実に接続をする、今回の法
改正
はまさに喫緊の課題だと
考え
ますが、まず、今回の
改正
の意義について簡潔に、再度お答えをいただきたいと思います。
西村智奈美
95
○西村副
大臣
大西
委員
がお示しくださった、
就業
者一人が支える非
就業
者の人数というのは、大変興味深い資料と思って拝見しておりました。 今回の法
改正
の
趣旨
、意義ということでございますけれ
ども
、
現行制度
のままですと、
平成
二十五年度には、
継続雇用
を希望しても六十歳の
定年
以降に
雇用
が継続されないと、
年金
も支給されずに無
収入
になる者が生じる
可能性
がございます。 このような事態を回避するために、
雇用
と
年金
を確実に接続させるということ、そして、六十五歳までの
希望者全員
の
雇用
を確保する必要があるというふうに
考え
ております。 また、ここからですけれ
ども
、やはり少子
高齢化
が急速に進展する中で、若い
人たち
、
女性
、
高齢者
、
障害
者などの就労促進を図って、働くことができる人全てが
社会
を支える
全員参加
型
社会
の実現、これは
厚生労働省
としても、また政府全体としても目指していることでありますけれ
ども
、このたびの法
改正
で
継続雇用制度
の
対象者
を限定できる仕組みを廃止するということにしているものでございます。
大西健介
96
○大西(健)
委員
今御答弁いただいたような意義を
事業主
の皆さんにもしっかりと御理解をいただいて、
社会
的な要請に応えていただかなければならないというふうに私も思っております。 ただし、一方で、円高を初めとする六重苦と言われるような
状況
の中で、我が国の製造業、大変厳しい
状況
に置かれております。国内産業の空洞化に拍車がかかっている、こういう中で、皆さんからは、このままでは現役世代の
雇用
さえ維持ができないというような悲痛な叫びも聞こえております。
先ほど
大臣
も引用されておりましたけれ
ども
、
労働政策審議会
の
建議
の中では、「
就業
規則における
解雇事由
又は
退職事由
に該当する者について
継続雇用
の
対象外
とすることもできるとすることが適当である(この場合、客観的合理性・
社会
的相当性が求められると
考え
られる)。」との記載があります。 私の地元では、自動車産業が盛んな地域でありますけれ
ども
、例えばラインでの作業、これは、非常に正確さとスピード性を求められる作業を、一定時間にわたってかなりの集中力を持ってやらなければいけない。なおかつ、夜勤のような交代制勤務というのも求められます。そういう中で、非常に肉体的な
負担
も大きいという
業務
になります。 もちろん、その代替できる部署であったりとか関連
会社
が見つかればいいんですけれ
ども
、そういうものもなかなか見つけられない場合に、
体力
的にこういった交代制勤務になかなかたえられないというような判断がされた
労働者
に対して、やむを得ず解雇という判断を迫られる
可能性
も私は
考え
られるんではないかなというふうに思っております。 ちなみに、
先ほどお話
の中にも出ていましたけれ
ども
、モデル
就業
規則では、
解雇事由
に該当する者として、
心身
故障
のため
業務
の
遂行
にたえない者、また成績、勤務態度が著しく不良な者などが挙げられておりますけれ
ども
、私が今述べましたような交代制勤務困難者、これが
解雇事由
に当たって
継続雇用
の
対象外
となる場合があり得るのかどうなのかということについて、お答えをいただきたいと思います。
西村智奈美
97
○西村副
大臣
お尋ね
のケースについてでございますけれ
ども
、健康上の理由で働けないなど、個別の
状況
が
就業
規則に定める
解雇事由
に該当すると判断された場合には、
建議
でも示されたとおり、
継続雇用
しないことも認められるというふうに
考え
ております。 ただし、
継続雇用
しなかったこと自体については、
建議
の中でも示されているとおり、客観的合理性と
社会
的相当性が求められると
考え
られますので、裁判で争いになった場合には、その適否は個別の
状況
に応じて具体的に判断されると
考え
ております。 なお、健康上の問題がありながら
労働者
が就労を希望するなど、
お尋ね
のケースにおきまして、希望どおりにすることが必ずしも本人の利益にかなわないこともあるというふうに
考え
られますので、まずは当事者同士で十分に話し合って、
事業主
そして
労働者
双方の利益にかなう結論を導いていただくことが望ましいと
考え
ています。
大西健介
98
○大西(健)
委員
先ほど
来、この
委員
会での審議でも、恣意的な
運用
はいけないという
お話
もありました。でも、今御答弁いただいたみたいに、
社会
的な合理性があるか、客観的合理性があるかというところだというふうに思いますけれ
ども
、
高齢者
の
雇用状況
については、業界、また
企業
によっても、事情というのは私はかなり異なっているんじゃないかなというふうに思いますので、そうした点にも配慮をしてぜひ進めていく必要があるんではないかなというふうに思います。 さて、次にもう一つ、具体的なケースについてお伺いしたいと思います。 例えば、
定年
前、国内勤務をしていたのに、
定年
後に、海外拠点の立ち上げをするのでその要員として海外に行ってくれというようなことを言われたような場合、それが、
継続雇用
を希望している本人が承諾するのが難しいような条件を、あえてというか、提示をした場合に、これでも
事業主
は義務を果たしたことになるのかどうなのか。もし、これがまさに恣意的に
運用
されれば、
継続雇用
を希望しても、結果的に解職に追い込まれるケースが出てくるんではないかなというふうに私は
懸念
をします。 この点、
先ほど
高橋
委員
の
質疑
の中にもありましたけれ
ども
、職務
内容
の提示というのは、あくまで本人の
能力
や希望などを考慮して、合理的な配置転換であったり労働時間であるべきだというふうに
考え
ますけれ
ども
、この点、いかがでしょうか。
津田弥太郎
99
○津田
大臣
政務官 大西
委員
にお答えを申し上げます。
継続雇用制度
で
労働者
を
定年
後に再
雇用
する場合、新たな
労働契約
を締結することになるため、勤務場所や勤務
内容
などの条件は労使の
合意
で決まるわけでございます。
継続雇用
する場合に
事業主
が提示する労働条件については、
労働者
が納得するようなものまでは求められておりませんが、法の
趣旨
を踏まえた合理的な裁量の範囲内のものであることが必要であるというふうに
考え
られるわけでございます。 具体的
状況
に照らして極めて過酷で、勤務する意思をそがせるようなものは高
年齢者雇用安定法
の
目的
に反するとする裁判例もございます。 厚労省としては、
大臣
告示で高
年齢者雇用確保措置
を
実施
する上での留意事項を示しております。これは、職業
能力
を評価する仕組みの整備とその有効な活用を通じ、高年齢者の意欲及び
能力
に応じた適正な配置及び処遇の実現に努めることという
大臣
告示でございます。この
措置
が各
企業
で労使の十分な協議のもとに適切かつ有効に
実施
されるよう、指導を行ってまいりたいと
考え
ております。
大西健介
100
○大西(健)
委員
今政務官から、
希望者
が納得するところまでは求められないけれ
ども
、やめてくれと言うに等しいようなそういう条件の提示は、さすがにこれは、告示と照らしても、法の
趣旨
に反するという御答弁だったというふうに思います。 次に、配付資料の裏面の資料二というのをごらんいただきたいんですけれ
ども
、これは、
厚生労働省
が
平成
二十三年六月一日に
報告
をした高
年齢者雇用確保措置
済みの
企業
ということですけれ
ども
、調査をしたところ、
企業
の全体の九五・七%は
実施
をしている。未
実施
が四・三%。 ただ、これは、実際には、調査
対象
全体の中で、私が厚労省からもらった資料だと、六・四%が
報告
書を出していないというところもあります。それから、三十人以下の
企業
というのは、これは調査
対象
に、ここには出ていないわけですけれ
ども
、サンプル調査というのをやっているんですけれ
ども
、サンプル調査では、やはり三十人以下になると、三十一人以上よりも八・二ポイント、
実施
済みというところが低くなってしまっています。 つまり、
報告
書未提出だとか、あるいは三十人以下の
零細企業
まで含めると、未
実施
企業
の
割合
は実際にはもっと大きいのではないかなということが予想されるというふうに言えると思います。 せっかく法
改正
をしても、こうした未
実施
企業
が残っている限りは法の
趣旨
を徹底させることにはなりません。この点、
先ほど
も
大臣
の答弁の中にもありましたけれ
ども
、未
実施
の
企業
に対しては
企業
名の公表というのが今回
法案
の中にも含まれているということですけれ
ども
、ただ、小さいところだと、
企業
名を公表されても、そんなものは痛くもかゆくもないというところも私はあるんじゃないかなというふうに思います。 その
意味
では、例えば、さまざまな
助成金
だとか補助金みたいなものをとめるとか、そういったもっと実効性のある
措置
をすべきではないかというふうに思いますが、この点、いかがでしょうか。
西村智奈美
101
○西村副
大臣
御
指摘
のとおり、未
実施
の
企業
を解消していくということは大変重要なことだと
考え
ています。 今回の法
改正
によりまして、勧告に従わない
企業
の
企業
名を公表するということも見据えて指導していきたいというふうに
考え
ているところなんですけれ
ども
、その実効性についてですが、
企業
名の公表については、例えば、
障害
者
雇用
促進法の
雇用
率達成指導の場合にも行っております。ここを見てみますと、
企業
に対する一連の指導の中で、公表に至る前に改善が図られるケースというのが大多数でありまして、公表された
企業
も、多くは公表後に改善をしているということがありますことから、
企業
名の公表を前提とする指導には一定の効果があるというふうに私
ども
では
考え
ております。 また、
措置
未
実施
の
企業
に対してですけれ
ども
、ハローワークで訪問などによる指導を繰り返し
実施
してきております。これにもかかわらず何ら具体的な取り組みを行わない
企業
には勧告書を発出いたしまして、その
企業
に対しては公共職業安定所での求人の不受理、そして紹介の保留、また、
助成金
の不支給などの
措置
を講じております。 こういった取り組み、また、
企業
名公表その他の
手法
を効果的に組み合わせて指導を行ってまいりたいと
考え
ています。
大西健介
102
○大西(健)
委員
企業
名の公表というのは意外に効果があるんだという
お話
でしたけれ
ども
、私は、お金をもらえないとかハローワークを使えないとかの方がやはり痛いんじゃないかなというふうに思いますので、そういうことも含めて実効性ある
措置
をぜひ講じていただきたいと思います。
先ほど
、
柿澤
委員
の話で、
民主党
はどちらかというと、今まで、非正規
雇用
の正社員化を図る、こういう政策を力を入れて進めてきたんじゃないかという話がありましたけれ
ども
、今回の法
改正
、これは正社員で
定年
に達する人を前提にした法
改正
でありまして、
雇用
と
年金
との接続という点においては、非正規
労働者
として六十歳を迎える人についても同じ課題というのが私は残っているというふうに思います。
民主党
はこれまで非正規
雇用
の待遇改善にさまざまな形で取り組んでまいりましたけれ
ども
、非正規
労働者
が全
労働者
のうち三割を占めていると言われる中で、非正規
労働者
の
雇用
と
年金
の接続についても、これは国を挙げて取り組んでいく課題ではないかというふうに私は思いますけれ
ども
、副
大臣
の御見解をお願いいたします。
西村智奈美
103
○西村副
大臣
定年
制を前提とする高
年齢者雇用確保措置
は、有期
労働契約
の非正規
労働者
には直ちには適用されないといったことがあります。しかし、契約が反復更新され、実質的に
定年
制の
対象
となる
労働者
と同等と
考え
られる場合は、この
対象
となり得るために、この
趣旨
を周知しているところでございます。 いろいろな御
議論
はありますけれ
ども
、やはり、そもそも非正規
雇用
の
労働者
については、できる限り正規
雇用
につなげていくことが重要であると
考え
ておりますし、ハローワークの就職
支援
、そして各種
助成金
の支給などで正社員としての就職
支援
を進めているところでございます。 また、有期契約
労働者
に対してですけれ
ども
、この有期
労働契約
が長期間反復更新された場合について、その濫用的な利用を抑制し、
雇用
の安定を図るため、
労働者
の申し込みにより、期間の定めのない
労働契約
に転換することを盛り込んだ
労働契約法
の
改正
案、先日、この衆議院
厚生労働
委員
会でも通していただきましたけれ
ども
、国会に提出をいたしております。
雇用
される人の全てが少なくとも六十五歳まで働けるようにすることは重要であると
考え
ておりますので、有期契約
労働者
も含め、離職する
労働者
に対しては再就職のための
支援
を進めることが必要であると
考え
ています。
大西健介
104
○大西(健)
委員
時間がなくなってまいりましたけれ
ども
、本
法律
が施行されても、最終的には、
定年
時に
解雇事由
に当たって、結果的に
継続雇用
の
対象
にならない者というのは残念ながら必ず出てまいります。こうした者に対して、何らかの
社会
的なセーフティーネットが必要ではないか。 具体的には、
定年
退職
の場合、
雇用
保険は最長で百五十日支給をされるということになっておりますけれ
ども
、倒産や解雇による六十歳以上六十五歳未満の離職者については、最長二百四十日の支給ということになっております。
継続雇用
にならなかった者に対する
社会
的セーフティーネットとして、
雇用
保険の支給日数の拡充等、これは検討できないのかということについてお答えをいただきたいと思います。
津田弥太郎
105
○津田
大臣
政務官 大西
委員
にお答えします。 そのとおりでございます。 この
高齢法
改正
案が成立をし、
基準制度
が廃止をされ、例外なく
高齢者
の
雇用確保措置
が義務づけられた後は、本人が
継続雇用
を希望しているにもかかわらず、
解雇事由
に相当する者として離職を余儀なくされた者については、倒産、解雇等による離職者として取り扱われることになります。倒産、解雇等による離職者として取り扱われれば、給付日数は最大九十日延長されることになるわけでございます。 〔
委員長
退席、柚木
委員長
代理着席〕
大西健介
106
○大西(健)
委員
ありがとうございます。前向きな御答弁をいただきました。 最後に、ちょっと
質問
の時間がなくなってしまったので、
意見
として申し上げたいと思いますが、本
法案
の主眼は、
定年
と
年金
受給までの間に無
収入
の状態をつくらないということにあります。しかし、
体力
的な問題であったり、家庭の事情であったりで、あえて
定年
後は働かないという選択をされる方も私はいらっしゃると思います。その場合でも、
年金
以外に老後の生活資金を得る何らかの方法があれば、これは就労しないということも一つの選択肢だというふうに思います。 我が国では、個人資産の六割以上を
高齢者
が所有しているというふうに言われております。また、相続の
平均年齢
、これも
高齢化
をしております。そういう中で、例えば八十何歳の方が亡くなって、六十代前半の方が相続するみたいな、老老相続、こういうのもふえてきております。
高齢者
の中には不動産のような個人資産を持っておられる方もいらっしゃいます。私は、自宅や土地など不動産を担保にして、住みなれた自宅に住みながら、
年金
のような形で老後の生活資金を受け取れるリバースモーゲージ、これを我が国でもっともっと活用すべきじゃないかというふうに思いますが、残念ながら、金融機関によっても、商品を取りそろえてはいるんですけれ
ども
、欧米のようになかなか普及は進んでおりません。国交省にこのことをお聞きしようと思いましたが、ぜひこれは進めていただきたいというふうに思います。 最後に、先日、
厚生労働省
は、二〇三〇年には
就業
者数が八百五十万人減るという推計を発表されました。
先ほど
西村副
大臣
の御答弁にありましたけれ
ども
、
女性
や
高齢者
に働き手としてもっともっと活躍をしていただくというのがこれからますます非常に重要になってくるのではないかなというふうに思います。この点、蓄積された知識や技術を持って、労働意欲の高い
高齢者
というのは、我が国にとって財産と言ってもいいというふうに思います。そのことを申し上げて、私の
質問
を終わります。 ありがとうございました。
柚木道義
107
○柚木
委員長
代理 次に、
田中美絵子
さん。
田中美絵子
108
○田中(美)
委員
民主党
・
無所属クラブ
の
田中美絵子
でございます。 本日は、
長寿
を誰もが喜び合える
社会
を目指し、
雇用
環境
の整備を図るという、我が国の将来にとって大変重要な
法案
であります高
年齢者雇用安定法
改正
案の
質疑
に立たせていただきまして、ありがとうございます。 私が生まれました昭和五十年の
平均寿命
は、男性七十一歳、
女性
七十七歳でしたが、
平成
二十二年には、男性七十九歳、
女性
八十六歳と、大変大きく変わりました。世の中も大きく変化しておりますが、私の周りも本当に大変元気な御
高齢
の方がふえておりまして、大変うれしく思っているところでございます。また、お元気なだけでなくて、
定年
を迎えた後もまだ働ける、働きたいという
方々
が本当に多くいらっしゃるということも実感をしているところでございます。 さて、我が国は、世界に例を見ない速さで少子
高齢化
が進展をいたしております。このたびの高
年齢者雇用安定法
改正法
案の提案理由の御
説明
でも、少子
高齢化
が急速に進展する中、
労働力
人口
の減少をはね返し、経済と
社会
を発展させるため、
全員参加
型
社会
の実現が必要と述べられましたが、私も、我が国の
人口
推移の見通しなどに鑑みますと、おっしゃったとおりだというふうに思っております。 ここで、このたびの
法案
の前提となる
状況
を確認したいのですが、
就業
者数は今後どのようになる見込みでしょうか。
中沖剛
109
○
中沖政府参考人
お答え申し上げます。 二〇一〇年と二〇二〇年を比較いたしますと、今後数年で団塊の世代が大量に
退職
するといった要因がございまして、六十歳から六十四歳の
就業
者数は百五十万人減少します。また、
若年者
につきましても、二十歳から三十四歳の
就業
者数、二百五十万人減少すると推計されております。全
就業
者数で見ますと、四百万人減少という推計でございます。
田中美絵子
110
○田中(美)
委員
ありがとうございました。
就業
者数が減少していくとのことですが、一方で、
高齢化
により
高齢者
数はふえていくわけでございます。このことを
考え
れば、我が国の経済成長率を維持向上するためには、高年齢者の
方々
に御活躍いただくことが大変重要だというふうに
考え
ております。 そこで
お尋ね
いたしますが、現在、政府では、高年齢者の
就業
促進を図るためにどのような施策を
実施
することを
考え
ておられるんでしょうか。
西村智奈美
111
○西村副
大臣
委員
御
指摘
のとおりだと思います。やはり、高い
就業
意欲を持つ
高齢者
が可能な限り
社会
の支え手として活躍できるように、年齢にかかわりなく働ける
全員参加
型
社会
を実現するための
環境
整備を進めることが必要であります。 具体的な施策といたしまして、一つには、
定年
の引き上げ、
継続雇用制度
の
導入
などによる高年齢者の安定した
雇用
の確保の推進、二つ目には、ハローワークでのきめ細やかな職業相談など中高年齢者の再就職の援助、促進、そして、三つ目としてシルバー人材センター
事業
の推進など、高年齢者の多様な
就業
、
社会
参加の促進を行ってきております。 こうした施策を着実に
実施
することを通じて、引き続きこの
高齢者
の
就業
を促進してまいりたいと
考え
ています。
田中美絵子
112
○田中(美)
委員
ありがとうございました。 高年齢者の
雇用
就業
対策としてさまざまな施策を推進されているとのことでございましたが、このたびの高
年齢者雇用安定法
の
改正
もその一環であると受けとめております。 そこで、改めて
お尋ね
いたしますが、この
法案
の
趣旨
についてお聞かせください。
西村智奈美
113
○西村副
大臣
ここは
先ほど
の大西
委員
への答弁とも重なるんですけれ
ども
、やはり、少子
高齢化
が急速に進展している中で、
全員参加
型
社会
をつくっていくということが求められております。 また、
平成
二十五年度以降、
厚生年金
の
支給開始年齢
が段階的に引き上げられる。すなわち、
定額部分
は六十五歳になって、
報酬比例部分
は、現在の六十歳から六十五歳へと、三年
ごと
に一歳ずつ段階的に引き上げられて、
平成
二十五年度からの三
年間
が六十一歳となり、これは
平成
三十七年度に六十五歳への引き上げが完了するという形になっています。 このため、
現行制度
のままですと、
平成
二十五年度には、
継続雇用
を希望しても六十歳の
定年
以降に
雇用
が継続されず、
年金
も支給されないという無
収入
になる者が生じるおそれがあります。こうした事態を回避するために、
雇用
と
年金
を確実に接続させ、六十五歳までの
希望者全員
の
雇用
を確保する必要があるということから、今回の提案となっております。
田中美絵子
114
○田中(美)
委員
ありがとうございました。 高年齢者の
方々
の生活の安定のために、
年金
を受け取れるようになるまでは
雇用
が確保されている、そういう
制度
になっているということは、若いころから安心して働くために大変重要なことであるというふうに思います。 しかしながら、このような
制度
があっても、その履行が確保されないと
意味
がないと思います。高
年齢者雇用確保措置
の実効性を高めるために、政府はどのように取り組まれるおつもりでしょうか。特に、ハローワークにおける体制の充実をどう
考え
ておられるんでしょうか。
西村智奈美
115
○西村副
大臣
この高
年齢者雇用確保措置
の
導入
状況
についてでありますけれ
ども
、
事業主
から提出される高年齢者
雇用状況
報告
や
労働者
からの相談などを通じまして、義務違反の
企業
を把握してきております。
平成
二十三年六月一日の時点で、この
措置
を未
実施
の
企業
は約六千社でありまして、集計
対象
企業
の四・三%ということになっています。 こうした
企業
に対しては、公共職業安定所で訪問などによる指導を繰り返し
実施
しているところでございますけれ
ども
、そうした繰り返しの指導にもかかわらず、何ら具体的な取り組みを行わない
企業
には勧告書を発出いたしまして、公共職業安定所での求人の不受理、紹介の保留、そして
助成金
の不支給などの
措置
をそういった
企業
に対しては講じているところでございます。 今回の法
改正
におきまして、勧告に従わなかった
企業
名を公表することにしておりますけれ
ども
、全国の公共職業安定所における指導体制がやはり何といっても大事な基盤であると
考え
ておりますので、引き続き強化を図っていきたいと
考え
ております。
田中美絵子
116
○田中(美)
委員
ありがとうございました。 各
企業
で高
年齢者雇用確保措置
がしっかりと講じられ、誰もが安心して働けるよう、ハローワークの体制充実も図りながら、しっかり指導して行っていただきたいというふうに思います。 一方で、
雇用確保
のためには、ただ
企業
への義務を強化するだけでなく、
企業
にとって
雇用確保措置
を講じやすくするという観点も必要かと思いますが、この点、このたびの
改正
に伴ってどのような
対応
をされる予定でしょうか。
中沖剛
117
○
中沖政府参考人
お答え申し上げます。 今回の
改正法
案では、
老齢厚生年金
報酬比例部分
の
支給開始年齢
の引き上げに合わせて
基準
の利用をさらに認めます十二
年間
の
経過措置
、あるいは
継続雇用制度
の
対象
となります
企業
の範囲を
グループ企業
まで拡大するといった、
企業
の
負担
を軽減する
措置
を講じているところでございます。 また、
企業
に対する
支援
策としても、今年度から、
グループ企業
以外への
労働移動
を
支援
いたします
助成金
を新設する、あるいは
中小企業
の
事業主
が再就職
支援
をする場合、費用がかかりますので、そうしたことを有料職業紹介
事業
者に委託した場合の助成率のかさ上げ等も行ったところでございます。 こうした
支援
を通じて、
企業
の理解を得ながら、円滑な施行に努めてまいりたいと
考え
ております。
田中美絵子
118
○田中(美)
委員
ありがとうございました。 ただいま御
説明
のあった点に加え、
企業
が今後さらに高年齢者
雇用
を進めていくためには、高年齢者の職域の拡大や高年齢者のニーズや特性にマッチした
雇用
管理
制度
の構築などの取り組みを進めていくことが重要であるというふうに
考え
ます。 そこで、このような取り組みを行う
企業
に対して政府として
支援
を行っていくべきだというふうに
考え
ますが、政府としてはどのような
対応
を
考え
ておられるんでしょうか。
西村智奈美
119
○西村副
大臣
御
指摘
のとおり、
企業
において高年齢者の職域拡大また
雇用
管理
制度
の構築の取り組みを進めていくためには、政府としても
支援
を行っていくことが重要であるというふうに思っております。 具体的には、
高齢
・
障害
・求職者
雇用
支援
機構におきまして
企業
に対する
高齢者雇用
に関するアドバイスを行っておりますほか、高年齢者の職域の拡大に取り組む
企業
に対して
助成金
の支給を行っております。こうした
支援
を一層充実していけるように検討してまいりたいと
考え
ております。
田中美絵子
120
○田中(美)
委員
ありがとうございました。 さて、
全員参加
型
社会
を実現するためには、高年齢者の
雇用
の促進とあわせて、
雇用
の
状況
が大変厳しい
若年者
についても就職
支援
を強化していく必要があるというふうに思います。
若年者雇用
の
現状
と政府の
実施
している
若年者
の
雇用
対策の取り組みについてお聞かせください。
西村智奈美
121
○西村副
大臣
大臣
も答弁されておりましたけれ
ども
、やはり、
高齢者
の就労機会の確保といったこととあわせて、
若年者
への
雇用
促進といったことも、これまた大事なことだと思っております。 実際どうなっているかということについてでございますが、ことしの春卒業の新卒者の就職内定率は、高校、大学ともに前年同期を上回る水準にはなっております。ただし、フリーターの数が百七十六万人となりまして、依然として
若者
を取り巻く就職
環境
は非常に厳しいと言えると思います。 こうしたことに対して、全国の新卒応援ハローワークなどで、新卒
者等
に対するジョブサポーターによるきめ細やかな職業相談、職業紹介を
実施
しておりまして、特に年度末には、文科省と経産省との連携による、内定がまだ出ていない人のための卒業前最後の集中
支援
に取り組みまして、これによって、大学生については約四ポイントの内定率押し上げ効果があったというふうに
考え
ております。 また、フリーター等に対しては、ハローワークできめ細やかな就職
支援
や
トライアル雇用
の活用によって、正規
雇用
に向けた
支援
を
実施
しております。 今後は、学校とハローワークの連携を強化していきたいと
考え
ています。大学などへのジョブサポーターによる相談窓口の設置、そして出張相談の強化に取り組むとともに、
中小企業
と
若者
のマッチングを一層進めるために、
若者
の
採用
に積極的な
中小企業
による
若者
応援
企業
宣言を
実施
するなど、これは
若者
雇用戦略
に盛り込まれている
内容
なんですけれ
ども
、こうした新たな施策の実行に向けて鋭意取り組んでまいりたいと
考え
ています。
田中美絵子
122
○田中(美)
委員
ありがとうございます。
若年者雇用
対策にもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 さて、
全員参加
型
社会
を実現するために
高齢者
の
就業
促進が必要でございますが、
高齢
期になると、健康面で個人差が大きくなり、また、介護など家庭の事情を抱える方も多くなります。必ずしも、
全員
が
企業
でフルタイムで
雇用
されることを希望されているわけではございません。地域において、その多様な
就業
ニーズに応じた
就業
機会の確保、提供を行うことが重要になってくると
考え
ます。 そのような中で、今回の高
年齢者雇用安定法
に基づいて政策が推進されておりますシルバー人材センターが果たす役割は大変大きいと
考え
ておりますが、シルバー人材センターの
現状
について
お尋ね
します。
中沖剛
123
○
中沖政府参考人
高齢者
につきましては、先生もよくおわかりのとおり、健康、
体力
等、個人差が大変大きくなってまいります。シルバー人材センターは、こうした多様な
就業
ニーズに対して非常に大きな役割を果たしているわけでございます。
現状
について、昨年度の実績で申し上げますと、団体数では千二百九十四団体、会員数で七十六万三千人、
就業
延べ人員数は約七千万人日、受注件数は約三百五十万件となっているところでございます。
田中美絵子
124
○田中(美)
委員
ありがとうございます。 ことしから団塊の世代の
方々
が六十五歳に達していくわけでございますが、これらの
方々
の中には、生きがいを求めて、また
社会
に貢献するため、何らかの形で働きたいと
考え
る方がふえていくと
考え
られます。 こうした
状況
を踏まえますと、現行のシルバー人材センターをより積極的に活用していく必要があると
考え
ますが、政府の取り組みについてお聞かせください。
西村智奈美
125
○西村副
大臣
シルバー人材センターにつきましては、
定年
退職
者その他の高年齢
退職
者に臨時的かつ短期的な
就業
その他の軽易な
業務
に関する
就業
の機会を確保するため、またそれを提供することによって、高年齢者の福祉の増進に資するものと
考え
ております。
厚生労働省
としては、シルバー人材センターが地方公共団体などの
関係
機関との連携を図りながら、高年齢
退職
者の就労
支援
策としてシルバー人材センターをより一層活用していきたいと
考え
ております。
田中美絵子
126
○田中(美)
委員
前向きな御答弁、ありがとうございました。 私の地元でも、元気な
高齢者
の方がたくさんいらっしゃいます。今回の高
年齢者雇用安定法
の
改正
により、六十五歳までの
雇用確保
が図られることとなりますが、今回はゴールではなく、一つの
通過点
であろうというふうに思っております。 今後は、年齢にかかわりなく働ける生涯現役
社会
に向けて
高齢者雇用
対策を展開すべきというふうに
考え
ますが、御見解をお聞かせください。
西村智奈美
127
○西村副
大臣
やはり生涯現役という言葉がぴったりの
高齢者
の方も大変ふえているという
社会
状況
ですので、
委員
の御
指摘
、大変重要なことだと思っております。
希望者全員
の六十五歳までの
雇用確保措置
などを主な
内容
といたします高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
が成立した場合には、六十五歳までの
雇用確保
が図られることになります。 これまでの
高齢者雇用
対策は、六十五歳までの
雇用確保措置
を主眼に置いた
支援
策に努めてまいりましたけれ
ども
、御
指摘
のとおり、今後は、六十五歳までの
雇用確保
を基盤として、年齢にかかわりなく働くことのできる生涯現役
社会
の実現に向けた
環境
整備を進める必要があると
考え
ております。 今後、こうした観点を踏まえまして、高年齢者の職域拡大の
支援
や再就職
支援
を強化するなど、
高齢者雇用
対策を推進してまいりたいと
考え
ております。
田中美絵子
128
○田中(美)
委員
ありがとうございました。
全員参加
型の
社会
、そして生涯現役
社会
というのは、我が国の将来、子供
たち
の未来にとって大変重要なテーマであろうというふうに思っております。 また、
日本
は、長年、物づくりで世界をリードしてまいりました。その物づくりの現場で培った技術が、
高齢
の技術者とともに海外に流出してしまうといったケースも増加をいたしております。安心して
日本
で働ける仕組みをつくるためにも、高年齢者の
雇用
は大変重要であるというふうに
考え
ております。 引き続き、
厚生労働省
の皆様にはその実現への御尽力をお願いいたしまして、私の
質問
を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
柚木道義
129
○柚木
委員長
代理 次に、吉田
統彦君
。
吉田統彦
130
○吉田(統)
委員
民主党
の吉田統彦でございます。 貴重なお時間ですので、早速
質問
に入りたいと思います。 本日
議題
となっております高
年齢者等
の
雇用
の
安定等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に関して
質問
をさせていただきます。 まずは、特殊
関係
事業主
での再
雇用
に際する
労働者
の意思の確認についてお伺いをいたします。
改正
案の
高齢法
第九条第二項には、親
会社
である
事業主
と関連
会社
である特殊
関係
事業主
との間において、その
定年
後に当該特殊
関係
事業主
が引き続いて
雇用
することを約する契約を締結するとの記載があり、
事業主
と特殊
関係
事業主
の受け入れに関する契約にしか触れていません。
対象
となるのは生身の
労働者
であり、
定年
後に
雇用
されることを希望する
高齢者
を特殊
関係
事業主
が
雇用
する際には、民法六百二十五条を準用して、契約の
対象
となる
労働者
の意思をしっかり確認すべきと
考え
、その旨を行政として
事業主
に対して指導すべきと
考え
ますが、
厚生労働省
の御存念を簡潔に力強くお聞かせください。
中沖剛
131
○
中沖政府参考人
このたびの
法案
では、
グループ企業
で
雇用
する仕組みを
導入
することにいたしておりますが、
継続雇用制度
そのもの、定義そのものにつきましては、「高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその
定年
後も引き続いて
雇用
する
制度
」という文言を全く変えておりません。 このように、
継続雇用制度
は、
労働者
の希望を確認することが前提となっておりまして、
改正
後もその点は変わらないため、
事業主
が
制度
を
運用
する上で、
労働者
の意思が確認されることになると
考え
ております。
厚生労働省
といたしましては、
大臣
告示で、
雇用確保措置
を
実施
する上での留意事項を示すことにいたしております。
措置
が各
企業
で労使の十分な協議のもと適切かつ有効に
実施
されるよう、指導を行ってまいりたいと
考え
ております。
吉田統彦
132
○吉田(統)
委員
大変力強くお答えいただきまして、ありがとうございます。 次に、
改正法
の施行日前後の
取り扱い
、重要な問題でありますので、
お尋ね
をいたします。
改正法
の施行日以降は、現行の
高齢法
第九条第二項による
継続雇用制度
の
基準
が法的効力を失うことになります。
改正法
の施行日前において、
定年
前の
労働者
が
継続雇用制度
の
基準
に該当している場合、例えば、人事考課の成績が三年連続マイナスの者は
対象
としないなど、
定年
前の勤務成績が
継続雇用制度
の
基準
となっており、これに該当したため
継続雇用制度
の
対象
とされていない場合でも、六十歳
定年
に到達した時点が
改正法
の施行日以降である場合は、
継続雇用制度
の
基準
が法的効力を失っているため、
就業
規則の
解雇事由
または
退職事由
に該当しない限り、
継続雇用
の
対象
とされると理解してよろしいのでしょうか。
厚生労働省
の御存念を明確に簡潔にお願いをいたします。 〔柚木
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
中沖剛
133
○
中沖政府参考人
改正法
施行後におきましても
継続雇用制度
の
対象者
を
労使協定
で定めます
基準
により限定する仕組みを設けまして選別しているような場合には、
雇用確保措置
を適法に講じていないと判断されます。 したがいまして、
労働者
からの相談等によりましてこうした事態を把握した場合には、適切な
対応
をするよう、十分に指導していきたいと
考え
ております。
吉田統彦
134
○吉田(統)
委員
ありがとうございます。 私が本
法案
に対して準備した
質問
は、田中
委員
、大西
委員
によって、その
趣旨
に沿った
質問
が既に完了しておりますので、せっかくのお時間ですので、昨日の決算行政監視
委員
会で
議論
させていただきました、有望かつ
日本
再生に必須な成長産業である医療イノベーションに関して引き続き
質問
をさせていただきます。 本
内容
は、
高齢者
から
若者
まで、
日本
の
雇用
全体をふやすためのリーサルウエポンであります。
厚生労働省
に対しては昨日からの繰り返しになりますが、高額で、かつ生命の維持に必要という観点で重要な医療機器であるペースメーカーや心臓の人工弁は、国産の医療機器、製品は存在しません。これは、外交上の問題が勃発したときに極めて重要な問題であるだけでなく、現在、医薬品、医療機器分野はマイナス三兆円も輸入超過です。そして、毎年毎年数千億円ずつふえる
医療費
。それは、本来は
日本
が手にするべき富であります。しかし、これが海外に流出している
現状
、大変ゆゆしき状態であると私は
考え
ております。 私の地元、名古屋、愛知も物づくりの町であり、多くの医療機器産業、医療機器メーカーを抱えております。こういった本来世界に誇る医療技術、すばらしい技術を持つメーカーは、
日本
未発売の重要かつユビキタスに使用されている医療機器を開発する意向を持っています。 しかし、医療機器メーカーは、製薬メーカーと比べて小さな
会社
が多くて、
体力
に乏しいんです。ですから、やみくもにやれやれと言われても、そんな冒険はできないと尻込みをしている
企業
も少なくありません。やはり、先行きの見通しがなければなかなか踏み込めないのが
現状
であります。当然、厳格な審査は必要でありますが、しかし、全ての重要かつユビキタスな医療機器は、
日本
製品を生み出して、そして国内及び国外で売っていかなければ、
雇用
は絶対ふえないんです。つまり、その後押し、いわゆる承認という出口までのロードマップをしっかりと敷いて国産医療機器メーカーを勇気づけることこそ、
国家
戦略としても医療イノベーションをうたっております政府の言葉にうそ偽りがないのであれば必要であると
考え
ます。 昨日に引き続いて
藤田
政務官に
お尋ね
をいたします。きのうは余り医療機器メーカーを勇気づけられませんでした。本日は、国内の医療機器メーカー、そして医療従事者を勇気づける心からの御答弁をお願いいたします。
藤田一枝
135
○
藤田
大臣
政務官
委員
からは、昨日に引き続いての御
質問
を頂戴いたしました。
委員
の御
指摘
のように、ペースメーカーであるとか人工心臓弁などの医療機器、本当に国内での開発であるとか生産は重要なポイントだというふうに
考え
ています。 今回のこの医療イノベーション五カ年戦略というのは、日の丸印の医療機器というものを創出して医療機器産業を発展させて、そして
雇用
の確保を含めて
日本
を元気にしていく、こういうことで策定されたものだと認識をいたしております。 厚労省としても、この医療イノベーション五カ年戦略をしっかり踏まえて、これからさらに力強く進んでいくわけですけれ
ども
、
委員
が御
指摘
になられましたようなこと、これらを克服していくためには、いろいろな課題がございます。それで、これもきのう申し上げましたけれ
ども
、こうした課題を克服していく厚労省の姿勢をしっかりさせていくためにも、厚労省内に医療イノベーション推進本部を設置したところでございますので、この気概はぜひ御理解をいただきたいところでございます。 そして、こうした推進本部というものをしっかりと位置づけながら、五カ年戦略に基づいて、
研究開発
段階から積極的にかかわっていくということがやはり必要なんだと思います。厚労省としては、承認であるとか、いろいろな保険の適用であるとか、そういったところに対するノウハウをたくさん持っておりますけれ
ども
、そのノウハウを持って
研究開発
段階からしっかりかかわるということが生産者の皆さんを激励することにもなるだろう、このように
考え
ておりまして、そうしたことをもって産学官一体となって医療機器産業を育成することで、
日本
での開発、生産が進み、そして世界一の医療機器創出国となるように頑張ってまいりたいと思います。
吉田統彦
136
○吉田(統)
委員
大分踏み込んだしっかりとした御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 では、さらにちょっと勇気づけてください。医師を初めとした医療従事者、難病に苦しむ患者さん
たち
、そして医薬品、医療機器メーカーに力強いメッセージをいただきたいんです。 現在、PMDA、医薬品医療機器総合機構は、その百億の運営費のうち、六億円しか国庫から支出がされていません。アメリカのFDAは、実にその運営費の六割以上が連邦政府から支出されております。
日本
のPMDAも、FDA並みの予算を投入して、審査体制の充実、そして、多くの国内外の医薬品、医療機器メーカーが、すばらしい革新的医薬品、医療機器、よりよい改良医療機器、後発医療機器を国民に届けるための申請がしやすくなるように、審査料の大幅な減免をお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。 そして、これは実際、本当に喫緊の課題であります国際市場における画期的新薬創出。一九八〇年代は、アメリカ三四・五%に対して二八・八%と、
日本
は世界で互角にトップクラスで戦ってきたんです。しかし、何と、一九九〇年から二〇〇二年、アメリカ五三・三%に対して
日本
はわずか八・六%と極めて凋落傾向が厳しいのであります。 二〇一〇年問題と言われる問題で、こういった一九八〇年代のすばらしい医薬品、特許はどんどん切れていっております。こういった
状況
、待ったなしの
状況
を踏まえて、今の私の訴えに対しての御答弁をどおんとお願いします。
木倉敬之
137
○木倉
政府参考人
お答え申し上げます。 今先生御
指摘
のように、
研究開発
段階から応援をする、そして、本当にその段階から薬事戦略相談等で方向づけをし、ともに、安全性を確保しながら適切に迅速に承認をし、市場に送り出す、これは大事なことだと思っております。 そのために、このPMDA、総合機構の審査というものにつきましての体制強化、これは従来から進めさせていただいておりますが、今回の医療イノベーション五カ年戦略におきましても、その審査員、安全対策要員の増員、専門性向上の記述もいただきましたが、さらに、今御
指摘
の、
事業
者からの手数料や拠出金に頼る、大宗を占めておるような仕組みを改めて、PMDAの役割にふさわしい財政基盤について検討を行い、必要な
措置
を講ずるということもこの中に盛り込ませていただいているところでございます。 まさに、このような体制整備についての国からの
支援
もともに整備をしていく中で、しっかりと世界に革新的な医療機器を送り出していきたい、そういうふうに
考え
ております。
吉田統彦
138
○吉田(統)
委員
ありがとうございます。大変力強いお言葉で、きっとFDA並みの予算がおりてくると私は期待をいたしております。 でも、これは実際、本日
議題
になっている
法律
にも極めて密接にかかわるところであります。こういった産業を創出することが、この
法律
を裏づけるバックグラウンドになるのはもう間違いございません。ぜひやっていきたいと思います。 ちょっと時間がなくなってきましたので、次、通告の順番をちょっと変えさせていただきます。 コンタクトレンズというものはありふれた医療機器でございます。しかし、高度医療機器、クラス3に実は分類をされているのは皆さん
御存じ
でしょうか。 私自身、将来ある
若者
の角膜が不適切なコンタクトレンズ使用で
障害
されたという症例をたくさん診察しております。中には、角膜移植が必要な、不可逆な
障害
を受けるといった症例も存在します。こういった不適切な使用は、やはり、メーカーによる啓発、行政による啓発、そして医師による適切な診察及び指導によって防ぐ必要があると思います。 また、コンタクトレンズは、実は、
委員
の皆さんもお使いになられている方、役所の皆さんもいらっしゃると思いますが、適切に使用していても、角膜の内皮細胞という透明性を維持する細胞に
影響
を与えるんです。しかも、この内皮細胞は、一度
障害
を受けたらもう二度と戻りません。こういった内皮細胞の
障害
が原因で、壮年期から
高齢
期で白内障手術ができなくなってしまうケースがあるんです。つまり、
若者
だけでなく
高齢者
の視力も奪い、
雇用
の機会を奪っていく
可能性
があります。 しかしながら、
若者
を中心とした
日本
のコンタクトユーザーは、四割、インターネットによる通信販売でコンタクトレンズを購入して、医師の診察や指導は受けない。そういった
現状
には、私は大変危機感を覚えます。そのような中、お隣の韓国では、コンタクトレンズの通信販売は禁止になりました。
日本
でも、
厚生労働省医薬食品局長
の御英断で、ことし七月十八日、各都道府県に対し、「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について」という通知が出されました。大変な進歩であったと確信をいたしておりますが、この通知の有効性を確認していくフォローが重要であり、また、現在の、インターネットを介して容易にコンタクトレンズを入手し、医療の介在がない、こういった危険な状態に対して、各種インターネット販売の場を提供するポータルサイトに対して、安全性担保の協力体制の構築など、今後どのような姿勢で臨まれるのか、
厚生労働省
の御存念をお聞かせください。
木倉敬之
139
○木倉
政府参考人
お答え申し上げます。 御
指摘
のように、コンタクトレンズは、薬事法上、その適切な管理が必要な高度管理医療機器としての規制を受けております。 従来から、販売する場合におきましては、
使用者
に適切な使用の情報提供をするということが義務づけられておるわけでございますけれ
ども
、眼科医会等の調査によりますと、インターネット販売もふえている中で、使用方法にやはり適切さが見られない、問題がある、あるいは、眼科医さんのちゃんとした処方を受ける、定期的に検査を受けることをしないで間違った使用を続けていらっしゃる、こういうことで非常に重篤な目の
障害
を生じている例が見られます。 そこで、今般の通知といたしましては、従来からの対策に加えて、販売時におきまして、購入者への
対応
として、医療機関を受診していらっしゃるかどうか確認してもらう、受診していらっしゃらなければ受診を勧めていただく、それから、医療機関名の記録を残していただいて、健康被害の相談等があればその医療機関にも情報を提供していくというようなことの徹底を図っていただきたいということを、指導する各都道府県、あるいはコンタクトレンズ協会の方にお願い申し上げております。 これにつきまして、さらに、今のようにインターネットによります販売等がふえている中におきましては、
日本
コンタクトレンズ協会の方からも、このショッピングサイト等を運営されておりますような開設者に対しまして、製造販売業者の皆さんがそれを利用されているわけですが、そういうサイト全体としても、受診確認等、そういうふうな注意を促すようなホームページの改善をお願いしたいということを要請するとともに、
厚生労働省
といたしましても、こういうような方法によりまして、販売を行っていらっしゃいます販売業者に対して、安全性確保にさらに努めるように指導してまいりたいというふうに
考え
ております。
吉田統彦
140
○吉田(統)
委員
厚生労働省
の、国民の目を守りたいという意思が十分に私に伝わってまいりました。ありがとうございます。 次に、全国百四十四病院を運営する独立行政法人国立病院機構は、今国会でなされている独法改革の中で、独法通則法から外れ、国立病院機構法ともいうべき個別法によって、その位置づけ、権能、
運用
などの法的根拠を持つことになりそうであります。 それによって今の
状況
から何が変わっていくのか、おぼろげなイメージしかありませんが、
国家
公務員型の身分の見直し、総定員制への切り込み、給与体系の見直し、そして、今まで全く顧みられていなかった、不規則な生活をしている看護師さんや医師のような医療従事者への宿舎の優先配分といったところにも期待を持たせる改革であると思います。
国家
戦略として、医療崩壊を食いとめる、地域医療を守る、また、具体的には、
平成
二十二年度及び二十四年度診療報酬改定において、病院勤務医やその他医療従事者の待遇改善という観点で、そういった診療報酬改定が行われました。そこと整合性を持った法体系になるのかどうか、
厚生労働省
の責任ある答弁をお願いいたします。
藤田一枝
141
○
藤田
大臣
政務官 まず、国立病院機構でございますけれ
ども
、
委員
の方からも今るる
お話
がございました。これは、固有の根拠法に基づき設立される法人とされることになっておりまして、これを踏まえて、政策医療を担う国立病院にふさわしい法人
制度
というものをどのように構築していくのか、いろいろな問題がございます。 そこで、本年三月から新たに検討会を設けまして、現在、検討を行っているところでございます。この検討に当たっては、そしてまた改革に当たっては、しっかりと現場の声を聞きながら、病院
事業
という特性を考慮して、法人
制度
のあり方ということを検討してまいりたいと思っております。 それから、地域医療の
お話
もございました。こちらについても、
年金
・健康保険福祉施設整理機構、RFOについて、今般、地域医療機能推進機構へ移行することになっておりまして、この移行についても、法人のあり方について検討するようにしております。これも検討会を秋ごろから設けたいと思っておりまして、
委員
が今御
指摘
になられましたようなことをしっかり踏まえながら検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
吉田統彦
142
○吉田(統)
委員
ありがとうございました。 時間がもう余りないんですが、今、私の
質問
を予想したかのように、RFOの後継の地域医療機能推進機構の
お話
も出ましたが、これはまだ固有法になるかどうかも決まっていない
状況
であると理解しています。 しかし、これはいずれも、地域医療にとって重要な病院であります。ですから、その職員が公務員型に近いような身分になるなど、硬直した、改悪といったような
状況
を招くことなく、例えば院長のガバナンスをしっかり強める、現場の
意見
を最大限取り入れ、現場の医師を初めとした医療従事者、そして事務職の
方々
が誇りを持って、やりがいを失わず医療現場に立ち続けることができるといったことを最優先課題として、その方向性を決めていただきたいと思います。 もう時間が参りますので、いかがでしょうか、ここに対して、彼らに勇気を与えるような御答弁をいただけたら、それで私は
質問
を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
藤田一枝
143
○
藤田
大臣
政務官 地域医療というのは極めて大事でございます。そういう
意味
で、この皆様方が担う役割は大変重要ですので、そういう皆様方が働きやすい、そういう
環境
をつくるべく頑張っていきたいと思います。
吉田統彦
144
○吉田(統)
委員
ありがとうございました。
質問
を終わりたいと思います。ありがとうございます。
池田元久
145
○
池田委員長
次回は、来る八月一日水曜日
委員
会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十五分散会