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田中参考人 まず、
事故原因の究明でございますが、今の
状況は、一般論で言いますと、完全に収束した状態でないということは確かであります。
今後、解体し、あそこをきちっと整理していく上では、いろいろなリスクを伴いますので、それについては、
安全規制当局としましては、その際の
事故がないようにする、さらなる
事故が起こらないようにする。
特に、今後大事なことは、あそこで二千人から三千人の方が毎日働いておりますので、その
方たちの被曝を防ぐという点も大変大事だと思っていますので、そういった点も含めまして、きちっと、実際の解体計画とか幾つか出ておりますけれども、それについては精査させていただきたいと
思います。
それから、
事故調査をどうするかということですが、これについては、実際に中が見られるようにだんだんなってきましたら、できるだけ早急に、それをきちっと
調査して、そこから教訓を学び取らないといけないというふうに
思いますので、それは、やっていきたいというふうに思っています。
どういうやり方をするのが適当かは、今後
皆さんと御相談させていただきたいと
思います。
それから、安全神話はなぜつくられたかということなんですが、これは以前、昨年、朝日
新聞の「耕論」にもお書きしましたけれども、安全神話というのは、結局、
原子力に対する非常に強い反対
意見とか地元の了解を得ることの難しい中、できたんじゃないかというようなことを私は書いたように
思います、無理にそういうことを言ったんではないかと。やはり、そこに無理があったと私は
思います。
ですから、そのことについては、今後はそういったことをないようにする。特に、
規制庁というのはそういうことにとらわれてはいけませんから、そこについては、安全神話があるようでしたら
規制庁の場合は不要になりますので、安全神話ということは
規制庁にとっては禁句に近いというふうに思っています。
それから、報酬については、いただいたことはありません。
事業者からの報酬というのはありません。
昨年、あちこちで
除染についての講演を頼まれたときに、幾つか財団からいただいた、数万円いただいたことがございます。それは大体、非常にうれしいことに、私、年金生活者ですので、
福島へ行っていろいろなお手伝いをするときの資金に使わせていただきました。
それから、
原発の輸出計画ですけれども、これについては、私
個人の
意見をここで申し上げるのは適当ではなくて、今後、国全体としてどうあるべきか、あるいは世界、国際的な中で、多分、政策的に
判断されていくべきものと
思います。
それから、再
稼働については、先ほどもちょっと申し上げましたとおりであります。きちっと厳しく安全
指針とか
規制を見直していきたいというふうに
思います。
燃料サイクルが破綻しているという御
指摘ですが、これについても、ここで、
規制委員長になるかもしれない
立場としては、それをそうだこうだということは、
個人的
意見は申し上げるべきではないと
思います。
ただし、再
処理工場にしろ、「もんじゅ」にしろ、非常に重要な、重い
原子力施設です、安全上も。ですから、そういったものの
稼働に伴う安全の問題については、これはまた軽水炉と全く違う
側面がございますので、そういう点で、きちっと見させていただくということは、お約束したいと
思います。
それから、自主避難についてですが、これも、賠償審査会での、私、
発言したという事実はありますけれども、なぜかということにつきまして少し御説明したいと
思います。
現在、
福島県だけで大体二百万人弱ですけれども、住民の方が、いわゆる現存被曝
状況、一ミリシーベルトから二十ミリシーベルトの範囲と言われているところに住んでおります。その中に、大部分の人はそこに住んでおられます。一部の方は、自主的避難しております。ですから、自主避難している人だけをもし補償した場合には、残りの人たちの
気持ちがおさまらない。これは、私も実際に
福島に行っていろいろな方にお聞きしました。やはり、補償するなら全員やってほしい、同じようにやってほしいと。
ということになりますと、そういう議論ではなかったものですから、自主避難については、
指針というのはこれは半ば義務みたいなあれで、ここに書かれたことは最低補償をするんだという趣旨ですから、そういうことになりますので、自主避難の方でどうしても賠償をお求めになるのであれば、賠償紛争センターとかそういうところを通して請求をしていただくということについては、私は合意しました。
そのことについては、何ら、それをどうこう言ったことはありませんので、そういったことで御理解いただければと
思います。
以上です。(佐々木(憲)
委員「百ミリシーベルトについて」と呼ぶ)
百ミリシーベルトについては、私の
判断ではなくて、百ミリシーベルト以下では、国連科学
委員会等からのデータで、一応、有為な
影響は出ていないと言われています。そういう資料を御提出しました、これは客観的なデータとして。私
自身が、百ミリシーベルト以上で
影響があって、以下で
影響がないと言うほど
専門家ではございませんので。
地元でもいろいろ御説明しているんですが、私
自身の
判断は、健康
管理、健康
影響については、余り自分
自身の
判断としては御説明しないようにしているんです。客観的データとしてこういうことがあります、原爆
調査の追跡
調査でこうなっています、国連科学
委員会のデータはこうなっています、ICRPはそれに基づいてこんな
考え方をしていますと、そういう説明をさせていただいています。