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2011-11-16 第179回国会 参議院 予算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十一月十六日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月十五日     辞任         補欠選任      岩城 光英君     塚田 一郎君      宮沢 洋一君    三原じゅん子君      森 まさこ君     赤石 清美君      草川 昭三君     木庭健太郎君      山本 博司君     山本 香苗君      大門実紀史君     井上 哲士君  十一月十六日     辞任         補欠選任      大塚 耕平君     斎藤 嘉隆君     はた ともこ君     大久保 勉君      米長 晴信君     友近 聡朗君      宇都 隆史君     猪口 邦子君      島尻安伊子君     佐藤ゆかり君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井  一君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 武内 則男君                 徳永 久志君                 有村 治子君                 礒崎 陽輔君                 山本 一太君                 浜田 昌良君                 小野 次郎君     委 員                 相原久美子君                 石橋 通宏君                 江崎  孝君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 金子 洋一君                 小西 洋之君                 斎藤 嘉隆君                 田中 直紀君                 谷岡 郁子君                 外山  斎君                 友近 聡朗君                 林 久美子君                 姫井由美子君                 広田  一君                 牧山ひろえ君                 赤石 清美君                 猪口 邦子君                 片山さつき君                 川口 順子君                 佐藤ゆかり君                 末松 信介君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 丸山 和也君                三原じゅん子君                 山崎  力君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 木庭健太郎君                 竹谷とし子君                 山本 香苗君                 中西 健治君                 井上 哲士君                 片山虎之助君                 吉田 忠智君    国務大臣        内閣総理大臣   野田 佳彦君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、地        域主権推進))  川端 達夫君        法務大臣     平岡 秀夫君        外務大臣     玄葉光一郎君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   中川 正春君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        損害賠償支援機        構))      枝野 幸男君        国土交通大臣        国務大臣     前田 武志君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        行政))     細野 豪志君        防衛大臣     一川 保夫君        国務大臣        (内閣官房長官) 藤村  修君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全)        )        山岡 賢次君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        自見庄三郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策科学技        術政策))    古川 元久君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(「新し        い公共」、少子        化対策男女共        同参画、行政刷        新))      蓮   舫君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        平野 達男君    内閣官房長官        内閣官房長官  長浜 博行君    副大臣        財務大臣    五十嵐文彦君        財務大臣    藤田 幸久君        国土交通大臣  奥田  建君    大臣政務官        法務大臣政務官  谷  博之君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   西澤 俊夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○平成二十三年度一般会計補正予算(第3号)(  内閣提出衆議院送付) ○平成二十三年度特別会計補正予算(特第3号)  (内閣提出衆議院送付) ○平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第2  号)(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 石井一

    委員長石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十三年度第三次補正予算案審査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石井一

    委員長石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 石井一

    委員長石井一君) 平成二十三年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第3号)、平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。  川上義博君の関連質疑を許します。相原久美子さん。
  5. 相原久美子

    相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。  昨日に引き続き、被災地関連に関して質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  昨日は、厚生労働大臣から被災地雇用について、今後の課題、長期的な雇用が必要なんだということでお話をいただきました。そして、農水大臣からは、水産業の立て直し、まさに皆さんが出ていかれるまでの段階を踏みながら、本当に生業を続けていける、そんな政策をこれから打っていっているということもお話しいただきました。  そこで、もう一つ被災地での課題があるんです。実は、被災地では特に女性雇用が厳しいという現実がございます。統計の上でもこの数字が出てきているわけですけれども、報道では、パート受皿であった水産加工業、それから縫製業、ここが壊滅的にやられてしまった。女性も今、地域的な課題もございますけれども、年齢の制限がない、それから時間の制限がないという意味で、こういう受皿がなくなってしまったことによる雇用の喪失というのは非常に大きいのだと思います。  こういうことに関して、女性雇用問題、何か考えていられることがあるのか、お聞きしたいと思います。
  6. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 委員がおっしゃいますように、パート女性労働者などが多かった水産加工業などで非常に大きな被害を受けまして、そのため女性求職者の数が前年度比で非常に増加をしているなど、厳しい状況にあることはよく認識をしています。  それで、「日本はひとつ」しごとプロジェクトフェーズ3、この第三次補正に盛り込んでいますが、産業一体になったこれからずっと働き続けられる仕事をつくると同時に、もう一つは、県に基金は積むんですけれども、市町村使い勝手よく、企業とかNPOなどにも委託できる形で女性を活用する、そうしたものに対してしっかりと支援をしていきたいというふうに思っています。  いつも弱い立場に置かれることが多い女性労働者が、希望するところで一人でも多く働けるようにしっかり取り組んでいきたいと思っています。
  7. 相原久美子

    相原久美子君 ありがとうございます。  一番の問題は、私は、これは大都会では考えられないことだと思うんですけど、地域ぐるみ家族単位で働いてきた、この良さをやはり生かしていくべきなんだろうと思いますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。  それから、十月三十日付けの報道で、被災者雇用開発助成金、それから雇用調整助成金など、国の助成要件が厳し過ぎてなかなか使い勝手が悪い、そのような報道がございました。これを意見として検討していただいたのかどうかと、それから今回、事業復興型雇用創出事業、それから震災等緊急雇用対応事業、これなんかも用意されているようですけれども、この辺についてもこういう懸念がないのか、お伺いしたいと思います。
  8. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) おっしゃるように、被災地雇用支援するための国の助成金としては、休業などによって労働者雇用を維持した事業主を助成する雇用調整助成金、また被災者を雇い入れた事業主を助成する被災者雇用開発助成金などがあります。  おっしゃるように、使いづらいという御指摘も踏まえまして、その被災地ニーズ伺いながら、これまでもできる限りの対応はしてきたつもりでございます。今御紹介したようなフェーズ3の二つの大きな取組につきましても、是非被災地の御意見を伺いながら、少しでも使いやすいように工夫をさせていただきたいと思っています。
  9. 相原久美子

    相原久美子君 是非よろしくお願いしたいと思います。せっかく用意したものが使われないということになると、これは我々としてもいかんともし難い。地元の声を聞くということの姿勢が一番大事だと思いますので、なるたけ柔軟な対応をお願いしたいなと思います。  それから、ちょっと御紹介したいと思います。関西学院大学の山中茂樹教授の論文で、阪神淡路大震災後の災害復興公営住宅で中抜け現象というのがあったようです。これは、復興住宅に入居している家族を対象に、被災前、そして震災直後、現在、この家族構成変化を定量的に調べた結果でございます。六十歳以上と十歳未満階層は増えている、しかしながら二十歳代から五十歳代の働き盛り階層だけが激減していたと、これを中抜け現象というようでございます。変化の理由というのが働く場を求めての別居であったということでございます。  地域の実情は違うかもしれません。しかしながら、ここで私たちは、雇用町づくりというのが一体のものでなきゃならないのだということをある意味思い知らされた、そういう案件だと思います。  ですから、復興基本方針の、全員参加型・世代継承型の先導的な雇用復興、兼業による安定的な就労を通じた所得機会確保等支援は重要であると位置付けされているんですけれども、この具体的なもの、もし今回あればお知らせいただければと思います。
  10. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 御紹介をしているような今回の第三次補正での取組は、復興基本計画基本方針に盛り込まれたものに基づいてつくってございまして、一つは、その地域産業一体になって、農林水産業ですとか製造業、あるいは新しい時代の再生エネルギーですとか、それから地域包括ケア、そうしたようなものを、東京の方でも各省連携して推進会議をつくっていますが、地域の各県ごとにも協議会をつくって、出先機関などともちゃんとやりながら、そういう形の、産業一体になったものをしっかり一つはつくっていく。  それからもう一つが、今おっしゃったような女性や若者、高齢者方々のモデル的な活用をするような事業という、それをそれぞれ使い勝手を良くして、今御紹介もありましたそのモデル創造事業の方は、これ両方合わせて千五百十億円を積んでおりますので、そこで本格的な雇用をしっかりつくって働き続けられる環境をつくり、その中抜け現象などが起こらないようにきめ細かに対応していきたいというふうに考えています。
  11. 相原久美子

    相原久美子君 中抜け現象というこの言葉だけでとらえるとそう大きな問題じゃないように感じるんですけど、要するに家族崩壊なんですね。地域コミュニティー、それから家庭コミュニティーという、まあ家庭の場合はコミュニティーと言わないと思いますけれども、そういうことをやはり大事にしていかなければ将来の町そのものも壊れてしまう、私は本当にここを懸念しています。  少なくとも、この東北三県、今まさに高齢化、この先端を行ってきた、これを何よりも食い止めなきゃならないとすると、世代をしっかりとやはり巻き込んだ形で町づくりをすることが必要なんだと思うんです。それは、申し訳ございません、答弁要りませんけれども、総理大臣、しっかりと認識をしていただきたいんです。厚生労働省雇用だけの場でもつくれない、町づくり全体でこれはいかなければならないことだろうと思います。是非限界集落をこれ以上つくらない、その意味でお願いをしたいと思っております。  それでは、次、被災自治体には限りませんけれども、地方自治体というのは、ずっとこの間、集中改革プランによりまして職員人員を削減してまいりました。今回は本当にそれが大きく影響する状況になりました。なぜなら、被災自治体自治体職員は、自らも被災者でありながら被災方たち対応をしなければならないという状況になりました。  後ほどメンタルのところでも触れますけれども、自治体職員は疲弊しております。公共サービスは、住民皆さん安心、安全のためのこれはライフラインです。今被災地が本当に避難地域たくさん持って、そしてなおかつ、その中でどうしても住民対応をしなければならない、復興計画もこれから大きく出てくる、そんな中で、残念ながら今人員が十分な人員とは言えないだろうと思います。その中にありまして、各自治体から、それから国から応援をいただいている、そのような状況だろうと思います。  この実態と、しかしながら、今後何年掛かるか分からないこの復興事業に実際に自治体職員数をどう考えていかれるのか、具体的なところをお伺いできればと思います。
  12. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) お答えいたします。  先生御指摘のように、被災地域市町村職員さんというのは、大変自らも被災者の方が多くおられますが、大変御苦労な中で、復旧復興、今は計画を作るというのが主な段階ですが、この補正予算が通りますと、いよいよ実施ということでまた膨大な作業が待っているという状況にあると。大変御苦労いただいていることは承知をいたしております。  そういう中で、基本的な市町村職員をどうするかはそれぞれの自治体のお考えになることでありますけれども、やり方としては、新たに採用すること、それから臨時、短期的な仕事に関してはそういう期限付の人を雇用するとかいう対応もありますが、それだけではとても間に合いません。  そういう意味で、現在は、市町村のそれぞれのいわゆる縁故といいますか、防災協定を結んでいる姉妹都市等々に応援を求められるという自助努力と同時に、総務省においては、それではとても足りないから、あるいは専門的にこういう仕事の人が欲しいということに関して、市町村から県を通じて総務省の窓口に言っていただいて、それから全国市町村会を通じてマッチングして手当てをするということで、最大限御希望にかなうように調整をしておりますので、是非ともその部分できめ細かく対応してまいりますので、御活用いただいて支えてまいりたいと思います。
  13. 相原久美子

    相原久美子君 是非よろしくお願いしたいと思います。  今一番懸念されていますのは、いわゆる保健師さんですとか医療関係方たち、こういう分野も非常に少ないという状況の中で、実は住民が離散している中で対応をしなければならない、このような厳しい状況に陥っております。マンパワーの必要な現場にはマンパワーを入れるしかないわけです。その意味で、是非とも地元の御希望を十分に酌み取っていただいた対応をお願いしたいと思います。  そして、関連なんですけれども、地域医療分野人材不足がこれ全国的な課題ではあるわけですけれども、被災地では住民の離散等々によりまして医療機関が、民間の医療機関ですともう経営が成り立たないということで閉鎖すると。結果、そこに働いている方たちは解雇になる。自治体立病院でも、実はやはりいっときは患者さんが増えました。しかしながら、今患者さんが激減しているという状況にございます。  医療機関を、これを潰すわけにはまいりません。そこで住んでいらっしゃる方たちがいる。この安心を担保しなければならないわけですけれども、しかしながら、酷な話ですけれども、医療機関に働いている方たちも先の展望がないということによって退職をしていくというような状況も見受けられるわけです。  医療従事者の流出、これは地域医療崩壊を招くということになります。もちろん全国的な課題ではありますけれども、被災県にとって地域医療体制の維持、これをどう考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  14. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 被災地での医療従事者確保は本当に緊急を要する課題だと思っています。  全国医療関係団体構成をする被災者健康支援連絡協議会、この協力を得まして、医療機関ごとニーズに合わせた医師などの派遣調整をしているというのが一つございます。  それから、都道府県ごと設置する地域医療再生基金について、被災三県に対しまして交付額の上限である百二十億円、これを確保しまして、医師などの派遣に必要な費用ですとか医療機関人材確保支援にも活用できるようにしております。  さらに、福島県内で避難していた方々が帰れることになった地域、そこに厚生労働省の相双地域医療従事者確保支援センター、これを十月七日に設置をいたしまして、現地でのニーズの把握などの活動をこちらから人を出して行っています。こちらも、被災者健康支援連絡協議会協力などを得ながら、福島県内でも人材確保に努めています。  こうした対応に加えまして、三次補正予算で、被災三県の中でも特に津波などによって町全体が被災した地域医療提供体制の再構築のために、地域医療再生基金の積み増しを七百二十億円計上していまして、これで医師看護師などの人材確保、それから人口が減ったことによって経営が悪化した医療機関への支援などができるようにしています。  今後とも、被災地での医療提供体制確保被災県と緊密に連携を取って取り組んでいきたいと思っています。
  15. 相原久美子

    相原久美子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。  それでは次に、被災地のメンタルヘルスの課題について取り上げていきたいと思います。  復興基本方針にあります、「被災者安心して保健医療(心のケアを含む。)」を受けられるようと記述がございます。具体的にどのような被災者惨事ストレス対策を行っているのか、お伺いしたいと思います。
  16. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 大震災発生直後から各都道府県協力をいただきまして、精神科医看護師など四人から五人に成る心のケアチームというのをずっと派遣をしてきました。十一月十一日までの累計で延べ五十七チーム、三千三百五人が活動をしています。  被災者の方の生活の場が仮設住宅ですとか自宅に移る中で、PTSDの症状が長期化をしたり、うつ病ですとか不安障害の方が増加したりすることが考えられます。このため、心のケアに当たる専門職人材、これを確保しまして、仮設住宅などで被災者の傾聴というか、話を聞いたり必要な医療支援を行うこと、またその活動拠点となる心のケアセンター設置をするなど、三次補正予算に盛り込んでいるところです。  大人の方はもちろんのこと、子供の心のケアもまた別の仕組みをつくってやろうとしておりますので、取り組んでいきたいと思っています。
  17. 相原久美子

    相原久美子君 是非よろしくお願いしたいと思いますし、それからあと検討いただければと思うのが、もちろんメンタルになってからの対応というのも必要です。しかしながら、そこへ行くまでの間、これをいかに防ぐかという前段が必要なわけです。その意味では、NPO等々の活動というのは私はすごく有効なんだと思うんですよね。ですから、お話を聞いてあげるという人たち、そして一緒に先を考えるという人たちが近くにいてくださるだけで相当違うだろうと思いますので、そういうことも御検討いただければと思いますので、お願いしたいと思います。  それから、少し実例を挙げてまいりたいと思います。宮城県の石巻市では六月から東北大による自治体職員健康調査が行われました。先ほども申し上げましたように、自身も肉親を失ったり住宅が流されたりの被災者でありますけれども、被災住民対応に追われております。南三陸町では三十六人の職員が死亡いたしました。家族を失った職員もおります。労働組合調査では、震災発生からの四か月半で取得した休日は五日とか、全体でも、一か月間で二日未満の休日しか取れなかった職員が二割にも上っています。  先日、私どもも福島県の浪江町の視察に参りました。浪江町は、まさに自治体現場全てが二本松市にある男女共生センターに移って業務を行っております。行政機能を果たせるんだろうかというような非常に狭い中で業務を行っておりました。  職場環境がこれだけ劣悪な状況があったり、自身被災者であったり、職員が半数近く死亡されたりという、こういう状況の中で、実は国立精神神経医療研究センター吉川武彦さんの講演の中に、阪神淡路大震災の際の神戸市職員自殺を取り上げております。震災発生後、三か月過ぎくらいから職員自殺が頻繁に起きてきたということでございます。まさに今の時期が一番大変な状況になってくるということです。目の前の被災者対応に追われている、そうすると自分自身被災者であるにもかかわらず家族ケアができない、一旦職場から戻ると家族からも責められてしまうという、このような状況の中で職員がどんどんどんどん疲弊していっているわけです。  このような現場がございますことから、自治体職員に関して、財団法人地方公務員安全衛生推進協会に委託して対策が取られているというふうに聞いております。その内容、現段階までの経過、実効性、そしてまた消防職員等はどうなのか、お伺いしたいと思います。
  18. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) 御指摘のように、ほとんど自らが被災者である職員さんが、被災者皆さん対応、それから先ほど、復旧復興仕事の忙しさ、大変な負担の掛かっていることは事実であります。そういう意味で、今委員指摘のように、地方公務員災害補償基金事業として、心の健康ケア対策事業というのを実施しております。それまでに、四月十四日と七月十二日付けの通知で、職員の健康管理、安全衛生対策については基本的にはお願いをしているんですけれども、この基金事業がございます。  これは、被災地自治体に臨床心理士など専門家を派遣して研修あるいは個々の相談等々を実施するものでありまして、八月二十三日から要望のあった自治体から随時実施しておりまして、これまでに十六団体で実施をしております。今若干お触れいただきました例えば浪江町ですと、研修ということで、百名の皆さんに九月二十八日に臨床心理士が一名行ってそういう研修を一日行ったというふうなことをやっております。  一方、消防職団員に関しましては、これはまた別の意味を含めて大変な心の負担の掛かる仕事でございまして、これはまた別の仕組みがございまして、被災地の要請に基づいて消防庁独自に精神科医等の専門家を派遣して、これまでに合計で十一か所で実施をいたしております。さらに、今般の三次補正でも、専門家の派遣を行う経費の増額、あるいは惨事ストレスの対策を広くまとめる相談会の開催経費等々を要求しているところでありまして、これも消防署員、それから消防団員、担当する部署は違いますけれども、仕組みとしては同じような仕組みで、要望、要請があれば実施できるという仕組みになっておりますので、引き続き被災地で十分な活動ができるように適切に対応してまいりたいと思いますし、こうした事業を通じてメンタルヘルスをしっかりとやるように支えてまいりたいと思っております。
  19. 相原久美子

    相原久美子君 私、伺いますと、研修って本当に意味があるんでしょうかと思っちゃうんですよ。実は、今この状況というのは、本当にもう追われて追われてしまってゆとりがなくなっている、そんな状況なんだろうと思うんです。研修も必要だろうとは思いますけれども、実はメンタルにならないためには何が必要なのかといったら、休養が一番なんですね。ところが、休んでしまうとほかの人たちに大きな負担が行ってしまうというジレンマに陥って、結果として皆さんが疲弊していくという状況になっているわけです。ですから、先ほど申し上げましたように、マンパワーの必要なところには何としてもマンパワーを注入していくという、この姿勢が必要なんだろうと思っております。ある意味で、二次被害者を出さないのだと、こういうやっぱり姿勢をしっかりと持っていただくということが必要なんだろうと思っておりますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。  次に、被災地の放射線管理、そして健康管理課題についてお伺いをしたいと思います。  私も、五月の二十五日の災害対策特別委員会で、福島第一原子力発電所の二十キロ圏内で働く労働者について、実は原子炉施設内における健康管理手帳を持っていらっしゃる労働者の方がいらっしゃいまして、そういうような長期的管理ができないかということで質問をさせていただきました。そのときには、通知で、個人線量計を持つこととか、防護服、マスクの使用とか、スクリーニング、そして被曝線量の累積を一か月ごとに通知するというような、そういう対応をしますということでその通知文書を出しますということでございました。しかしながら、ここでも言えることは自治体職員の部分でございます。  八月二十一日の新聞によりますと、自治体職員の被曝管理がなされていないという指摘がございました。もちろん、これは一義的には自治体の首長等々の問題であろうかと思いますけれども、実は被災地に一時立入りをする、住民の方は一日二時間というような規定がございますけれども、先ほど来申し上げているように、人がいない中で結果としてやりくりをしているという状況なものですから、一日いっぱいいるという方が出てきてしまったりとか、そして半日もやはり従事しているというような形が出てきているわけです。ですから、そういう状況を見ながら職員の被曝管理の徹底というのが具体的な形でなされなければならないと思っております。  その点についてどうお考えでしょうか、お願いいたします。
  20. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) 福島県内においての自治体職員の放射線障害の防止という意味でのいわゆる健康管理、それから作業のいろんな基準の指示徹底というのは極めて重要な問題であると我々も認識をしております。  そういう意味で、先ほども若干触れましたけれども、四月十四日と七月十二日の通知で職員の健康管理、安全管理、安全衛生対策についてはしっかりやるようにとお願いしておりますが、さらに五月に厚生労働省が、今委員指摘の部分は、厚生労働省から二十キロ圏内における作業に係る措置に関する通知というのが出されました。一時立入りのリスクの周知や立ち入る際の装備、スクリーニングの実施、あるいは個人線量の計測による適切な被曝の管理等々、細かく書いてあります。  これがしっかり周知徹底をされなければいけないということで、厚生労働省から県に通知はされているのですけれども、念のためでありますが、総務省といたしましては、実際の福島県の職員の健康管理担当部局にじかに徹底するようにと改めて我々からもお願いをいたしました。そして、漏れなく、きめ細かく本当にしなければいけないということが手抜かりがあってはいけませんので、そういう意味で、いろいろと我々も市町村皆さんに実情を日ごろの接触の中でお聞きする中で、実は初めのいろんな多少の混乱があった時期に現場にいた人が検査から漏れていたというふうなことも後で分かりました。それはしっかりするようにというお願いをいたしたりしまして、総務省としても、現地に職員派遣して詳細を見る中で、これはできているのか、これはちゃんとなっているのかということも含めてフォローをする中で、現時点においては福島県がしっかりと職員の健康診断を順次実施しておりますので、現在のところ、その結果として特段の支障があると聞いておりませんけれども、よりきめ細かく、抜かりないようにやれるように我々としてもしっかりと注意喚起、情報提供の徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。
  21. 相原久美子

    相原久美子君 是非よろしくお願いしたいと思います。きめ細かくというのが必要なんだろうと思っております。  これは、二十キロ圏内で作業に当たっていただいている労働者の方というのは自治体職員の方ばかりではありません。様々な形で、本当に命を懸けてということが大げさではないくらい頑張っていただいている、そんな状況だろうと思っています。  二十キロ圏内で作業に当たっている方の部分で、厚生労働省の通知がどうも事業者責任ということが私は大きいような気がするんですね。今回のような想定外と言われる事態に対して、私は、事業者責任だけでよいのだろうかと、そういう疑問を感じるんです。もちろん、この間、厚生労働省の通知文というのは幾つか出ております。私も承知はしておりますけれども、これはあくまでも基準でして、長期的な健康管理と言えるものではないと思うんですね。  ですから、是非長期的な健康管理という視点から御検討をいただきたいと思いますし、昨日でしたか、いわゆる委員会での何か検討の結果が出たというような報道もございましたので、そこもちょっと説明いただければと思います。
  22. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 厚生労働省では、今年八月に原子力災害対策本部が市町村による除染実施ガイドラインというのを定めましたので、それに基づいて今年九月に事業者が労働者の放射線障害防止のために実施すべき事項を定めた通達を出しています。  おっしゃるように、通達出しただけでは駄目なので、福島県主催の除染作業に関する講習会で各事業者に対して厚生労働省の方から講師が行って説明をする、このような対応もさせていただいています。  今御紹介のあったその検討会ですけれども、これは、放射性物質の除染作業とか廃棄物処理などの作業で放射性物質汚染対処特措法によって環境省が作業の基準などを来年一月一日までに定めることになっています。それを踏まえまして、厚生労働省で除染作業での放射線障害防止のための新たな規則、省令を制定する方針で、そのための検討会を行っています。  ここでは、作業場所の線量を把握してそれに応じた被曝線量管理を義務付けることですとか、健康管理の在り方など、今後、長期にわたってしっかり健康管理できるようなこともやっていきますし、それから、当面のそこで対処すべきことについても盛り込みまして、報告書を取りまとめて必要な事項についてしっかりそれを盛り込んでいくと。これも出しただけではなくて、あとフォローをちゃんとしていきたいというふうに思っています。
  23. 相原久美子

    相原久美子君 是非よろしくお願いいたします。  放射線というのは目に見えないだけに気の緩みというのが出てきかねない、こんなものだと思っております。是非ともしっかりとしたフォローをお願いしたいと思います。  次は、私たち福島仮設住宅にお邪魔をいたしましたときに、住民の方から、今後何らかの症状が発生したとき証明のできるような、いわゆる被曝管理手帳のようなものを考えていただきたい、それだけ不安なんだと思いますけれども、そういう声をいただきました。  原子力災害対策本部が五月に決定した原子力被災者への対応に関する当面の取組のロードマップによりますと、地域住民の長期的な健康管理について、調査結果を踏まえ実施方法の具体的な検討を行うとされております。住民の健康管理の前提となる放射線量の推定等々について終了したのか、また、今後について具体的な検討は着手されているのか、お伺いしたいと思います。
  24. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 福島の皆様方の中長期的な健康への不安にしっかりと対処するべく、二次補正予算原子力被災者・子ども健康基金福島県に創設をいたしました。この基金を活用して県民健康管理調査を実施中ということでございまして、基本調査については、浪江町、飯舘村、川俣町の山木屋地区を対象に六月二十七日から先行調査を実施をいたしております。  その結果を踏まえて、八月二十六日からそれ以外の地域福島県民の皆さんに対して質問票の送付を開始し、順次回答がなされている状況でございます。なかなか過去の三月の記憶に基づいて書いていただくということで御苦労、御迷惑をお掛けをしておりますが、できるだけ可能な限り記憶を喚起していただいて、正確な記入をして、そうしていただけば、それがデータベース化されまして、万が一にも将来、健康不安、健康に問題が生じたときに被曝との関係についてしっかりと裏付けができるというためのベース、土台はできております。  これらに加えて、お子さんたち、十八歳以下の皆さんの甲状腺の調査であるとか、それから避難地域の皆様方の中で必要と認められた、つまりたくさんの被曝を受けていると思われる皆さんについては、白血球分画等の検査を含む健康調査などを十月から始めているところでございます。さらに、妊産婦の方を対象とした調査も実施する予定でございます。  こうした形で、総合的にできる体制を取りまして、健康に対する不安を少しでも解消できるよう、更に努力をしてまいりたいと思っております。
  25. 相原久美子

    相原久美子君 是非よろしくお願いいたします。  それでは、被災自治体の財政課題についてお伺いしたいと思います。  被災自治体にありましては、住民の減少ですとか地方税収の落ち込みなどが懸念されます。被災地がこれ以上冷え込むことのないような従前どおりの対応をお願いしたいというような要望が上がっているかと思いますが、いかがでしょうか。
  26. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) 今般御審議をいただいております第三次補正予算では、いわゆる東日本の震災に係る復旧復興事業の実施のための特別の財政需要等を考慮して、震災復興特別交付税、これで一兆六千六百三十五億円増額確保することとしておりますが、御指摘のいわゆる地方税法の一部改正等の施行による地方税の非課税措置等の減収額、いわゆる震災に伴っていろんな部分で減税した部分、それから東日本大震災特別財政援助法第八条に規定する地方税の減免によって生じる財政収入の不足額については、その全額を一般財源である震災復興特別交付税で措置することといたしておりますので、その分で手当てをさせていただきたいと思っております。
  27. 相原久美子

    相原久美子君 ありがとうございます。  とにかく私は思うんですね、復興というのは新たな町をつくるのではなくて、取りあえず今までの状況にやはり戻すということが基本なんだろうと思っているんです。皆さんがまずは安心して今までと同じ生活ができる、そして、その上に立って新たなやはり将来に向けた町づくりをしていく、これが被災方たちの本当の願いではないかと思います。  その意味では、これから様々な計画が立てられていって、これを実行して、そして被災地皆さんにこたえるべくの結果を出さなければならないわけです。その意味では、本当に我々全ての国会議員、そして全国民が一緒になってこの計画を実施していくということが今一番重要なんだろうと思っております。  その意味で、今回の予算案、そしてこれをきちっと保障していく関連の法案、これを私たちは早急に成立をさせ、復興にみんなで全国民が一致して進んでいく、そんな思いを達成していきたい、その思いで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  28. 石井一

    委員長石井一君) これにて相原久美子さんの質疑は終了いたしました。  時間が厳しく押しておりますが、今のはまさに模範質疑であります。相当時間を短縮していただきました。官僚席も簡潔に、しかも適切な答弁をお願い申し上げます。  徳永久志君。
  29. 徳永久志

    ○徳永久志君 民主党の徳永久志でございます。  私は八月いっぱいまで外務大臣政務官を務めさせていただきました。そのときの経験を踏まえて質問をさせていただきたいと思います。  前の内閣では経済外交を推進をしてまいりました。この経済外交を推進するに当たって、ややもすれば、例えば新重商主義とか、そういう言われ方もするわけですけれども、やはりしっかりとした考え方を明確にして持っておかなければいけないというふうにも思いました。  私、滋賀県の出身であります。滋賀県といえば琵琶湖、一方で近江商人が大変有名でございます。しかしながら、世間一般では近江商人が通った後はペンペン草も生えないというような言われ方もしますし、また、テレビの時代劇などでは悪代官に賄賂を渡す悪徳商人は近江屋と相場が決まっております。しかしながら、こういう悪い商人がはびこっていて今の近江商人のあるわけがありません。しっかりと近江商人としてそれぞれの家訓を持って、そしてしっかりとした商売をやっているということは是非申し上げておきたいと思います。  その中で、三方よしという家訓があります。私はこの家訓が大好きでございまして、いわゆる売手よし、買手よし、世間よしということであります。商売をすることによって売手は利益を得、買手はすばらしい製品を手に入れることができ、それが全体が広がって世間一般が良くなるという考え方でもあります。こうした考え方、いわゆる自国の利益だけではなくて相手国もそして世界全体も良くなるという、この三方よしの利点をもって経済外交を是非推進をしていきたいと思いました。  野田内閣においてもこの経済外交を推進していかれるのかどうか、総理にお伺いをいたします。
  30. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 外務大臣政務官をついこの間までやられていたのでもう釈迦に説法かもしれませんが、当然のことながら経済外交を力強く推進をしていきたいと思うんです。特に日本は、ガットの体制の中で自由貿易を推進しながら貿易立国として繁栄をするようになりました。それを次の世代にもつなげていかなければいけないというふうに思います。  あえて言いますと、今欧州の危機の問題、深刻になっています。これは歯止め掛けなければいけませんが、影響は金融を通じた信用不安だけではなくて、私は貿易の面でも影響が出てくるんではないかと思うんです。気を付けなければいけないのは保護主義の台頭です。だからこそ、こういうときこそ、自由貿易を推進をするという意味で日本はイニシアチブを取っていかなければいけないと思います。  その中で、経済連携を強化をしていくということであるとか、あるいは海外の資源であるとか食料が安定的に日本に入るようにすることであるとか、あるいは官民挙げて、内需の喚起も必要でありますけれども、成長著しい分野における例えばインフラ整備等の需要を取り込んでいくとか、そういうことを戦略的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  31. 徳永久志

    ○徳永久志君 そうした中で、経済外交を推進していくというところで、やはり三月の東日本大震災はこの貿易を盛んにするという意味では大変大きな打撃があったところであります。  もちろん、この震災に対しまして百六十を超える国から様々な支援をちょうだいをしました。また、被災地においては、一つのおにぎりを二つ、三つに分け合う、そうした日本人の気高い精神というものが海外メディアを通じて報道をされて世界の称賛を浴びたところでもあります。  ただ、この海外メディアでいうと、その一方におきまして、日本の実情というものを正確に伝えていない、ある意味誤解に基づいた報道も多うございました。私が見た範囲におきましても、例えば、春先、花粉症対策でマスクを掛けている方々ばかりを映して、日本人は放射能対策でみんなマスクをしているんだとか、あるいは計画停電の影響でホームに人があふれ返っている状況をこれでもかと映して、そして日本人は、特に東京の人たちは原発事故の影響で逃げ出そうとしているんだというような報道がなされているわけでありました。  こうした報道があると、どうしてもやはりこれはいわゆる風評被害につながっていくということでもあります。こうした部分については政府として一貫してしっかりとした対策を取っていることも重々承知をしておりますが、そうした中で、貿易面に限りますと、やはり日本から海外に輸出する、そういった産品について様々な輸出規制が掛けられている、このことが大きな問題だと思います。  パネルと資料を御覧をいただきたいと思いますが、(資料提示)例えば輸出全体に関係しますと、一番左の青側のところですけれども、中国の一八・九%を先頭に、以下、米国、韓国、台湾、香港となります。それから、農林水産物に限って言えば、全体の二四・六%が香港、その後、米国、台湾、中国、韓国となります。また、日本に来られる外国人旅行者の数でいきましても、韓国の二八・三%を先頭に、中国、台湾、米国、香港となるわけであります。すなわち、全品目の輸出でいきますとその五割以上、また農林水産物の輸出と外国人観光客の七割以上が、アメリカ、中国、韓国、香港、台湾の五つにもうほぼ絞られてくるわけであります。  したがって、やはり貿易を盛んにするという意味におくとこの五つに絞った取組というものが重要となるということを指摘しておきたいと思いますが、現状、これら五つの地域・国について、この輸出規制はどのようになっておりますでしょうか。玄葉大臣、御説明願います。
  32. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 徳永委員がおっしゃいましたけれども、確かに外国のメディアがマスクをしている人ばかりを映してしまうということによる風評被害というのはあるというふうに思います。  したがって、私もそれぞれの外相会談等で、私の実家が第一原発から四十キロのところにあって、たまたま線量が余り出ておりませんけれども、家族も含めて平穏に暮らしているという話をすると、とても驚いているんですね。ですから、外務省としても、日本に滞在をしたことがある方々をもう一回お招きをして、そして帰ってもらってネットで流してもらうとか、そういったことをさせていただいているということは御存じのとおりであります。  今、現状ということでありますが、一定の成果は出てきています。ただ、まだまだだというふうに思っています。  米国は、これは大体日本とほぼ同じになっています。いわゆる、相手方から見れば輸入規制措置ということになりますけれども、八県について日本が出荷制限を行った品目の輸入禁止措置が課されている、三県、福島、茨城、栃木の、全部じゃなくて牛乳と乳製品と果物及びその加工品と野菜及びその加工品について輸入一時差止めの措置が課されていると、こういう状況であります。  中国が非常に厳しいという状況にございまして、十都県の食品、農産品等について輸入禁止の措置が課されていると。さらに、これら十都県以外の地域の食品、農産品等については、放射線検査証明書及び産地証明書が要求されているというのが現状です。  韓国は、五県について日本が出荷制限を行った品目の輸入禁止措置が課されていると。これら五県からのその他の食品及び八都県の食品については放射線検査証明書が要求されており、これら十三都県以外の食品については産地証明書が要求されている。  香港は、五県の食品、農産品等について輸入禁止の措置が課されている。これら五県の肉類、水産物について放射線検査証明書が要求されている。  最後、台湾でありますけれども、五県の全ての食品について輸入停止の措置が課されており、これら五県以外の食品、農水産品、加工食品等について放射線検査証明書が要求されていると。  これが現状でありますが、おっしゃったとおり、かなりターゲットを絞っていくということはとても大切なことではないかというふうに思っておりまして、働きかけを私としても強めたいと、そう考えております。
  33. 徳永久志

    ○徳永久志君 ありがとうございました。  今、その現状を報告をいただいたわけですけれども、さっき大臣お話にもございました中国の農産品の話であります。  この五月に温家宝首相が来日をされた折にも、この農産品の輸入制限について緩和をしていくのだということを温首相は明言をされたわけですけれども、これいまだに実現をされておりません。パネルをもう一度御覧いただきたいんですが、中国への農林水産物の我が方からの輸出については第四位、四番目でありまして、一一・三%も占めるわけでもあります。  こうした部分について、このAPECにおきまして、野田総理は胡錦濤国家主席と日中首脳会談をやられて、この点についても申入れをされたというふうにお聞きをしておりますが、その辺りをお聞きをしたいと思います。
  34. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) ホノルルAPECの際に日中首脳会談がございました。  その際に、私から胡錦濤主席に対しては、日本産食品等に対する中国の輸入規制措置につき、緩和措置の実施に向け迅速な対応を要請をいたしまして、また一層の緩和、さらには早期の解除を要請をいたしました。これに対して胡錦濤国家主席からは、既に一部緩和を行っているが、今後、科学的見地及び安全性を踏まえて更なる緩和について検討したいとの応答がございました。  また、今週は東南アジア諸国、ASEAN諸国とのいろんな会合がございます。そこで温首相とお会いする機会もございますので、改めて私からもまた更なる働きかけをしたいと思いますが、ついでに、ただしていただいたので、先ほどの資料の中で、農林水産物の日本の輸出相手国、香港なんですね。これ、アメリカよりも倍近く、中国などよりもはるかに日本の農水産物を買ってもらっている国で、このAPECでは香港の首脳も来ていました。香港の首脳には直接お会いをして、是非被災地にたくさんの代表団を連れてきていただいて、現地に行って食べていただいて帰っていただく、そういう約束をさせていただきましたので、それはまさに輸出促進の弾みになるというふうに思っております。
  35. 徳永久志

    ○徳永久志君 そういう形で是非しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  そうした中で、先ほどの玄葉大臣からの輸出規制措置の現状を報告していただきましたが、その中でいわゆる放射能検査の証明を求める国が大変多うございます。ある意味、特に工業製品などは屋内で製造されて厳格な品質管理がされているにもかかわらず、そこに加える形でこの証明を求められるというのはかなりの手間あるいはコストが掛かるわけであります。これについて何とかしてほしいという声も多々寄せられているわけですけれども、この辺り、この放射能検査証明について様々な支援というものがやはり必要なんだろうと思います。  それぞれ国交省、経産省、農水省から、その支援の現状についてお伺いをいたします。
  36. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) お答えします。  委員指摘の件に関して、輸出コンテナ及び船舶の放射線測定のためのまずはガイドラインを策定いたしました。そして、そのガイドラインに基づいて測定結果の証明書を発行すると、こういうことを今やっております。  今、やはり東北関係というのは京浜港で扱うのがほとんどでございますので、京浜港等を中心に港湾管理者等が放射線測定施設を整備する場合の費用の一部を補助するということも第三次補正予算の中に組み入れております。京浜港において、約一万七千本のコンテナに対して既に測定結果の証明書を発行しております。  以上でございます。
  37. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、経産省としましては、一次補正でお認めをいただいた六・七億円の貿易円滑化事業費補助金を用いまして、輸出品に係る放射線量検査について、中小企業については九〇%、大企業についても二分の一という補助の制度をつくっております。これについては、十月現在で、工業品で二千二百件、食品で七千五百件の検査が行われているというふうに報告を受けております。また、生産地における環境放射能水準を宣誓した文書に対して商工会議所がサイン証明を行うという制度をつくりまして、主要商工会議所においてこれまでに九千件以上発給をされております。  また、今御審議いただいております第三次補正予算では、国内放射線量測定等支援事業という予算を一・九億円お願いをしておりまして、これについては、福島県を中心に、民間事業者の皆さんに対して工業製品等の放射線量測定等に関する指導、助言を行う専門家チーム派遣をするという事業を行いたいと思っております。また、被災地域において工業製品等の放射線量測定等を行う拠点の整備、拠点が増えないといけませんので、これについて二分の一以内の定額補助で補助を行うという制度をこの補正予算でお願いをしているところであります。
  38. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 食品に関しましては、我が国の安全性というふうなものを理解してもらうために、あらゆる機会を通してまた規制緩和等々も求めてまいりました。  そういう中で、実は食品を輸出しようとする人たちの大変困っておるという現況から、我が農林水産省に四名の専属でサポートするチームをつくりまして、そしていろいろと各県と相談をいたしながら、民間と連携を取ってやっておりまして、どうも証明書がきつ過ぎるなと、こういうふうなことに対しては、ここはひとつ考え直してくださいよというような働きかけもいたしておるところでございまして、これからもあらゆる努力をしてまいりたいと思います。
  39. 徳永久志

    ○徳永久志君 ありがとうございました。  それぞれ支援措置をとっていただいておるんですけれども、やはり全体としては、例えば我が国の出荷制限より広い制限を取っているような国に対してはしっかりと申入れをしていただかなくてはなりませんし、また、例えば放射能証明を求める国については産地証明によってそれに代わってもらうとか、そういうような要請をやっていかなくちゃいけないというふうに思っておりますけれども、今後の取組について改めて玄葉大臣にお伺いしたいと思います。
  40. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 徳永委員がおっしゃるとおりだと思うんです。  私は、各国の要人と会談をするときに、日本人というのは安全性というものに対して非常に敏感な国民性であると、ですから日本と同じにしてほしいと、そうすれば大丈夫だという話をしています。  そういう意味で、今おっしゃったとおり、ポイントは二つあって、対象地域、品目、これを縮小してもらう、日本と同じにしてもらうということが一つ。もう一つは、いわゆる放射線検査証明書からこれは産地証明書に代替してもらうということを申入れをしていくということが大切だというふうに思っていますので、在外公館もフル活用してしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
  41. 徳永久志

    ○徳永久志君 次に、この風評被害が原因になって一番大打撃を受けているのが観光の分野だというふうに思います。この観光について具体的に質問に入る前に、私も付けさせていただいておりますが、前田大臣も白い横長のバッジを付けていただいておりますけれども、是非国民の皆様にそのバッジのPRをしていただきたいと思います。
  42. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 非常に有り難い御指摘をいただきましたが、ここに付けております。このバッジですね。ジャパン・エンドレス・ディスカバリーと、こう書いてありますが、尽きることのない感動に出会える日本という、そういうイメージで作ったバッジでございまして、二十二年の四月から使用しているということでございます。是非委員長、理事の皆さん方の御許可をいただいて、委員の皆様方に後ほど配らせていただきますので、どうかこれを胸に付けて予算委員会でPRをしていただきたいと、このように思う次第でございます。  ありがとうございます。
  43. 徳永久志

    ○徳永久志君 ありがとうございます。  二〇〇三年にビジット・ジャパン・キャンペーンを開始して以来、順調に日本に訪れる外国人の方増えてまいりました。しかしながら、この東日本大震災、三月には前年同月比でマイナス五〇%、四月はマイナス六二%と大打撃を受けたわけであります。しばらくの間は欧米から日本に来る飛行機の中は日本人ばかりで、ほとんど外国の方は見受けませんでしたし、また、外国人が好んで使う都内のホテルも、震災前と後とでは客室の稼働率が八〇%もダウンしたというような話もございました。  これについては、やはり先ほどの制限措置と同様に、各国が渡航制限を行ったということが一つ大きな要因になっているだろうというふうに思いますけれども、現状はどのようになっているんでしょうか、外務大臣。──どうぞ。
  44. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 後ほど外務大臣からもお答えがあるかと思いますが、一つは、その落ち込みでございますが、委員指摘のとおりでございます。しかし、ある程度順調に回復してきたかなと思います。数字で申し上げますと、発災以降の三月十二日から三十一日の間というのが七三%減です。四月が六三%、九月が二五%、そして直近の十月では、まだ数字は出ておりませんが、かなりその落ち込み幅が回復してきている、一〇%台ぐらい、一〇%半ば後半とか、何かそのくらいまでは回復してきていると、こういうふうに聞いております。  そして、御指摘の韓国、中国、台湾、米国、香港、この五大市場がインバウンドの観光の一番大きなところでございますが、そういったところの市場に対して、海外プロモーション、あるいは国際会議等のキャンセル防止及び需要回復に向けた外国客受入れ環境の整備を盛り込んで、第三次補正予算の中にもその対策を入れているところでございます。
  45. 徳永久志

    ○徳永久志君 これからも、観光庁もできましたし、またオールジャパンで日本に来られる外国人の方を呼び戻すという取組はしていただかなくてはなりません。  そうした中で、一つ、もう一度パネル、資料を見ていただきたいんですが、訪日外国人の旅行者の中で中国が一六・四%で第二番目ということでもあります。そうした中で、関西広域連合が震災後にそれぞれ中国の関係のあるところを訪れまして、是非自分のところに来てほしいという要請をしたところ、確かに中国側としても理解はするけれども、あなたたち日本人も中国に来てくださいよと、日本に来い来いばかりでは駄目でしょうという言い方をされて、ちょっと二の句が継げられなかったということを言っていました。  そこで、一つ提案でありますけれども、日本の四十七都道府県は全て中国のどこかの省、都市と姉妹提携を結んでいます。ですから、ちょうど今年は辛亥革命百年、そして来年は日中国交四十周年という節目の年にも当たりますので、これをとらまえて是非、日本の四十七都道府県ごとと、それから中国の姉妹提携先の省と、それぞれ百人規模ぐらいの使節団をお互い交換し合うということをしてはどうかなと。そうすることによって草の根の交流が広まって戦略的互恵関係の深化にもつながるんだろうというふうに思いますけれども、これは是非外交当局間で合意をしていただきたいなと思うんですけれども、玄葉大臣、御見解をお伺いします。
  46. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほどの渡航制限緩和の話でありますけれども、これは働きかけがかなり功を奏してきたというふうに言ってもよいと思います。例えば、米国なども、もう日本と同じというか、福島第一原発から二十キロまではいかぬけれどもあとは大丈夫だというところまで来ました。最近では、シンガポールとかマレーシアも同じように二十キロとか三十キロというレベルに変えてきました。対前年同月比でたしか二四、五%減と。これは問題は為替ですね。為替の問題も実は大きいということがあろうかと思います。  その上で、今の中国のお話でありますが、おっしゃるとおり、戦略的互恵関係、ウイン・ウインの関係を深化をさせる、国民の感情をお互いに改善をさせる。その上で、おっしゃったような取組をどう具体化させるかというのが来年の日中国交正常化四十周年の大事な課題であるという認識の下で具体策を考えていきたいというふうに考えております。
  47. 徳永久志

    ○徳永久志君 よろしくお願いいたします。  次に、この経済外交の推進に当たっては、やはり海外の成長力というのを取り込まなければいけない。その一つのツールとして、手段として、高いレベルでの経済連携を積極的に進めていくということになろうかと思います。そういう意味におきまして、私は、今回の野田総理がTPPについて決断をされたこと、御英断、心から敬意を表したいと思いますし、大きな拍手を送らさせていただきたいというふうに思います。  これから交渉参加に向けての事前協議を行うことになりますけれども、そうした中で、日本の参加を認められるには様々な手続が必要で、例えばアメリカでは議会の承認に九十日掛かると言われております。そうした中で、この事前協議の段階活動というのが大変私は重要だというふうに思っておりますので、まず、この交渉参加に、具体的にテーブルに着く着かないのところはあると思うんですけれども、それに至るまでのどのような活動が可能なのか、やっておかれるのか。そしてまたスケジュール的な見通しについて外務大臣にお示しいただければと思います。
  48. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと今手元にありませんけれども、おっしゃったとおり、特に米国はTPA法を失効しているんですけれども、元々米国にいわゆる通商権限があったということで、議会の手続を踏んでいます。九十日ということでありますが、大体見通しが付いたところで議会にかけるということになっていますので、協議が要るということになります。ほかの国々は、閣議了解であったり、いわゆる参加国の同意ということについて閣議了解だったり、あるいは主務大臣の了解だったり、何も要らなかったりと、そういう具体的な手続はですね、そういう国々もございます。  それで、全体の見通しということでありますが、例えばオバマ大統領が先般のAPEC首脳会議の際に行われたTPP協定参加国首脳会合で、野心的な目標ではあるが、交渉チームに対し、来年中にTPP協定を完成させるよう指示したと、こういうふうに述べていると承知をしています。つまりは、交渉が合意をするというまでにはやはり最低でも来年いっぱいは掛かるのではないかというふうに私自身は見ているところでございます。
  49. 徳永久志

    ○徳永久志君 そうした中で、私、是非必要だと思うのは、この委員会でもみんなの党の方々から出ましたけれども、日本にはアメリカの通商代表部やあるいは韓国の外交通商省のように、通商交渉を一元的に担う部署というのがないわけであります。過去のEPA交渉などでも、外務省が取りまとめ役となって個別分野はそれぞれの各省庁がやられるということであります。  今回のTPPにつきましては、やはりその様相が異なるわけでありますから、省庁横断型の特命チームのようなものを構成をして、それぞれの分野の、現場の実態が分かっている方も中に入ってもらって、そうした形で事前協議の段階から進めていくことが私は重要だというふうに思うんですけれども、その辺の体制面について、総理、お伺いしたいと思います。
  50. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入るという際に、今、徳永さんの御指摘のとおりに、幅広い分野にかかわってまいります。したがいまして、これはもう前例にとらわれることなく、外交交渉や情報提供をしっかりとやっていくための強力な体制を整備をしていきたいというふうに思います。
  51. 徳永久志

    ○徳永久志君 次に、総理はこの経済連携と農業との両立は図らなければいけないのだと、強い決意を述べられたところであります。  農業の体質強化は待ったなしの状況だと私も思います。そうした中で、この十月に我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針がまとめられているわけであります。これによりますと、いわゆる実質的な規模拡大を図って、平地では二十から三十ヘクタール、中山間地域で十から二十ヘクタールの規模の経営体が大宗を占めるような構造を目指すというふうにされているところであります。  それに加えて、我々、農家への戸別所得補償制度を導入するに当たって皆さん方に御説明をしてきたのは、農家の規模の大小に関係なく、頑張る農家についてはしっかりと御支援をさせていただきますよという訴え方をしてまいりました。  その点と今回まとめられた基本方針との関係について、鹿野大臣、御説明をいただきたいと思います。
  52. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 二十から三十のそういうヘクタールを、経営体を目指していきたいと、こういうふうなこと、これはやはりどのような場合でも生産性の向上というふうなものを、これを目指していかなきゃならないわけです。  戸別所得補償の場合、最初のスタートはいわゆる販売農家を対象といたしました。しかし、そういう中でそれぞれが集約化する、集落営農であるとかあるいは法人化を進めていくとかということでありますならば、それはそれぞれの人が収入が増えるというインセンティブが与えられているんです。ですから、そういうことを生かしながら一体的な形で取り組んでいけば、これは生活そのものも、収入も増えるんですよというようなことを御理解をしていただく中で誘導をしていくということですから、これは整合性が取れているということでございます。
  53. 徳永久志

    ○徳永久志君 今の鹿野大臣の御説明、分かりました。  そうした中で……(発言する者あり)制してください。
  54. 石井一

    委員長石井一君) 静粛にお願いいたします。大変真剣な議論をしておると思いますので、よろしくお願いします。
  55. 徳永久志

    ○徳永久志君 そうした中で、やはり集落ごとにしっかりと話合いをしていただくということが大前提にということだろうというふうに思いますので、是非お願いをしたいというふうに思います。  次に、経済外交に当たっては資源、エネルギーの確保というものが大変重要になってまいります。もう資源の大半を日本は輸入に頼っているということは、もうこれは今更指摘するまでもありません。そうした中で、やはり石油や天然ガスについては特に中東に大きく依存をしているわけでもあります。そうした中で、この中東外交について、玄葉大臣是非重層的な関係をつくり上げるということが大事だと思うんですけれども、玄葉大臣の中東外交の理念をお示し願いたいと思います。
  56. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今おっしゃいましたけど、日本の現状は、石油輸入の九割が中東でありますし、LNGの輸入の二割も中東ということでありますので、死活的に重要な地域ということでありますが、これは徳永外務大臣政務官時代に頻繁に中東に御訪問をいただいたときに先鞭を着けていただいたところもあると思いますし、また我が国は伝統的に中東に対して一定の独自のスタンスを持っているということもあって、やはり政治の対話、経済全般の対話というものを、おっしゃるように重層的に、多層的にしていくということがとても大事だと思います。  また、俗に言うアラブの春というのがあります。この名称を嫌う国々もございますけれども、いわゆる数十年に一度の大変革の時期でありますから、安定的に体制が移行されるように、私たちとしてもその部分についてしっかり後押しをしていくということをしていきたいというふうに考えております。
  57. 徳永久志

    ○徳永久志君 是非、そういった今の大臣のおっしゃったビジョンを中東各国歴訪をしていただいてお示しをいただきたいなと。実は、民主党政権ができてから総理もそして外務大臣も中東は訪問をしていないということでもありますので、是非追求をしていただきたいと思います。  そうした中で、先ほど日本は資源がないということを申し上げましたが、実は隠れた資源があるということも言われています。いわゆる携帯電話、使われなくなった携帯電話は様々な資源的価値のある素材が含まれていて、これが都市鉱山と言われる言われ方をするわけでありますけれども、実は都市油田と言ってもいいものがあるんだろうと思っています。それはプラスチックであります。  御存じのとおり、プラスチックの生産につきましては、原油を精製しているナフサを原料としているわけですけれども、この原油と輸入ナフサ全体では、日本で消費される石油の中では五・六%がこのプラスチックの生産に使われるということでもあります。こうしたプラスチックを作って、そしてそのリサイクルを図ることによってその原油そのものを日本国内にとどめておくという考え方もできるんだろうと思います。  しかしながら、パネルと資料を御覧をいただきたいと思いますけれども、様々なリサイクルの取組が進められておるんですけれども、結果的に、合計で二百十四万トンの素材が出るにもかかわらず、国内で処理されているのは六十三万トン、輸出、海外で処理をされているのが百五十一万トン、特にこの海外というのは中国に持っていかれているようであります。  なぜこういう仕組みになるというか実態になるのかなと思うんですけれども、枝野大臣、御説明いただきたいと思います。
  58. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、中東に総理と外務大臣は行かれておられないわけですけれども、経産大臣は民主党政権になっても何度か行っておりまして、私も就任直後にサウジアラビアとUAEを訪問をして資源外交をしてきております。  その上で、廃プラスチックについては、残念ながら約百五十万トン程度が海外でリサイクルをされているという実態にあります。これについては人件費の問題が大きいのではないだろうかと。リサイクルするに当たっては、プラスチックとして集められているわけですけど、それでも分別等のいわゆる人手の掛かる作業がどうしても必要になると。その人件費のコストを考えたときには、国内でリサイクルをするよりも、海外にその資源として輸出をして、人件費の安い海外でリサイクルがなされて、またそこで作られた製品を輸入するという方が経済コストだけを見れば間違いなく有利であると、こういう実態があるというふうに承知をしています。
  59. 徳永久志

    ○徳永久志君 人件費を含めて経済コストでいくとそうなってしまうということで、特に法的にも問題はないわけでありますけれども、やはりこれ、資源そのもの、都市油田でありますから、これがみすみす海外へ、中国へ行ってしまっているというのはやっぱりいかがかなと、これを何とか国内にとどめ得るということを考えなければいけないのではないかなという、私問題意識を持っているんですけど、今日は具体的にこうせよとは申し上げませんが、是非その辺の問題意識だけは、枝野大臣、共有をしていただきたいんですが。
  60. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、原油の生産が事実上ない日本にとって本当に都市油田と言ってもいいような部分でありますので、対応を考えていかなきゃいけないと。油田についても、日本の国内にはないけれども、地下資源について日本が権益を持ってしっかりとそれを確保するということをやっているようなことも頭の片隅に入れながら、例えば日本の企業が、あるいは日本が所有権を持ちながら海外でリサイクル作業を行って日本に戻ってくるみたいなこととか、いろんなやり方考えられると思いますので、御指摘踏まえて検討を急ぎたいと思います。
  61. 徳永久志

    ○徳永久志君 是非よろしくお願いいたします。  次に、経済外交の推進に当たって、いわゆるジャパン・ブランドの発信というものも大変重要だというふうに思っています。様々な形で付加価値を付けていくという取組が必要なんですけれども、今回、日本の食文化につきましてユネスコの無形文化遺産に登録しようという取組を始められたと聞いております。これは大変いい取組だと思うんですけれども、鹿野大臣、御説明をいただきたいと思います。
  62. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今、世界各国で和食に対する関心が非常に高まっているわけであります。この機を逃してはならないと、こういうふうなことから、正確なる認識をしてもらう必要があるというふうなことで、今おっしゃられたように、ユネスコの無形文化遺産に登録することも一つの方策ではないかということで検討委員会を始めました。有識者の方々にいろいろと御検討をいただきました。そして、この十一月四日に一つの方向性を出していただきましたので、来年の三月末までにユネスコに対して申請するという考え方で取り組んでおるところでございます。
  63. 徳永久志

    ○徳永久志君 ありがとうございました。是非、オールジャパンの体制でこの経済外交を強力に進めていただきますようお願いを申し上げたいと思います。  次に、話題を変えまして、本委員会でも何回か取り上げられております首都機能のバックアップの話についてであります。  もう東京一極集中の弊害というものは数多く語られているわけであります。三権があって様々な機関がこの東京圏に、首都圏に集中をしている。そして、もしこの首都圏直下型の地震が起こった場合一体どうなるのかという部分は大変多くの不安を持っているところであります。是非一度、平野大臣、この首都直下型地震、想定される被害について簡単にお示しください。
  64. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 平成十七年に中央防災会議の専門調査会が検討しております。この検討によりますと、首都直下地震の被害想定では、マグニチュード七・三ということで、東京都心部では震度六強、一都三県に及ぶ範囲で震度六弱の揺れを想定しています。被害額につきましては、建物全壊、焼失家屋が約八十五万棟、死者数が一万一千人、避難所への避難者数が約四百六十万人、帰宅困難者が六百五十万人、また経済被害については、建物被害などが六十七兆円、生産額の低下などの間接被害が六十五兆円で、合わせて百十二兆円というような被害想定になっております。  あわせて、これは比較的発生頻度の高い首都直下型というふうに想定されておりますけれども、いわゆる相模トラフに関連した関東大震災型のいわゆるマグニチュード八クラス、これについては来年にこれを検討したいというふうに思っています。現在、今、東南海の三連動に関してのメカニズムを検討している最中であります。  ちなみに、首都直下型につきましては、帰宅困難者についての検討は今進めております。  以上であります。
  65. 徳永久志

    ○徳永久志君 今ほどのような被害が想定をされているわけですけれども、これを受けまして、この首都機能バックアップについてはこの第三次補正予算でもその予算が盛り込まれているわけであります。国交大臣、その概要を御説明願います。
  66. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 議員御指摘のように、東京直下型という万一の事態に東京のこの中枢機能というものがしっかりバックアップできている、そういう形をつくらにゃいかぬということで、これは超党派で非常に熱心な勉強会があるということも承知しておりまして、予算委員長石井先生がかなり中心になっておられるということもお聞きをしております。  国土交通省としては、内閣官房安全保障・危機管理担当あるいは内閣防災担当、そういったところとも連携しながら国交省内に検討会をこの十二月にも立ち上げる予定をしておりまして、そのための三次補正における予算といったことも要求をしております。そうやって、民間企業や海外の事例の調査等も踏まえて、バックアップすべき業務の範囲、種類あるいは形態、バックアップ先の条件等の基礎的なそういった検討を早急に行ってまいりたいと、このように思っております。
  67. 徳永久志

    ○徳永久志君 既に、先ほど大臣も触れていただきました超党派の危機管理都市推進議員連盟がこの議論を活発に行って提言も提出をしているところであります。  その中で、提言書の中からこういう形で是非バックアップ機能を持つ副首都をつくっていこうということでイメージ図も出されているわけであります。また、このバックアップ機能の整備に関しての法案を議員立法で提出しようという取組も進められているところであります。  こうした流れを受けて、野田総理としてこの事業をどのように進めていこうという思いを持たれているのか、お伺いいたします。
  68. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 大規模地震など緊急事態があったときに、その首都機能の、政府だけではなくて、金融であるとかあるいは通信であるとか、そういう機能が途絶することのないようにするためにどうしたらいいかという中で、この首都のバックアップ機能を有する新たな都市の建設については、これは先ほど調査費も付いたということでございますけれども、しっかり検討しなければいけないと思います。コストや実現可能性など様々な点からの検討が必要だと思いますけれども、今回の調査費踏まえて、諸外国の政府機関、民間企業におけるバックアップ体制の検討、検証、これらの予算を踏まえた対応をまずはやっていくことが必要だというふうに思います。
  69. 徳永久志

    ○徳永久志君 石井委員長も積極的に推進をされている立場でありますので、是非お酌み取りをいただいて積極的に進めていただきたいと思います。  次に、教育問題について移りたいと思います。  この度、文化庁が平成二十二年度国語に関する世論調査を発表いたしました。こうした中で、この結果を、様々な伝えられ方がするわけでありますけれども、私が非常に気になりましたのは慣用句の使い方についてであります。  ここにずっと一、二、三、四、五とパネル、そして資料に出しております。このどちらが正解ですかということを聞くつもりはありません。  ただ、例えば三番目の姑息というところです。よく野党の皆さん方は姑息な手段を使うなと言われるわけですけれども、アとイ、どちらの意味で使われているのでしょうか。(発言する者あり)はい、正解は一時しのぎということであります。こうした形で違う意味で使われている表現が非常に多いということでもあります。これ以外で……(発言する者あり)一般論で申し上げます。この数値を見ていただきましてもほぼ半々ということであります。具体的に正解は全てアが正解となっています。  こういう形で、非常になかなか半数が異なる意味で用いておられるという状況でありますけれども、これ、文科大臣、この結果、どのように受け止められて、そしてやっぱりこれは学校教育の現場で正していく、しっかりと教育を行っていただくということが大事だと思いますけれども、その改善策についてどうやられておるのか、お伺いします。
  70. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 御指摘のとおり、私自身もこのアンケートのそれぞれの言葉をしっかり使っているかどうか、正しく使っているかどうかということになると、これは反省しなければいけないというふうな思いもあります。  言葉は絶えず変化をしていくということでありますが、御指摘の傾向については今後とも注視、注意を図っていきたいというふうに思っておりますし、本来、一方で、言葉の意味やあるいは使い方、これを周知をしつつ、美しく、そして豊かな日本語を広めていく、こういう努力もしていかなければならないというふうに思っております。  その上で、学校の方なんですが、新しい学習指導要領において、特に小学校三年生、四年生において、長い間使われてきたことわざ、あるいは慣用句、故事成語などの意味を知って使うことということを指導事項として新設していくということをしております。  具体的には、低学年で昔話、神話、伝承、これを入れていくということ、あるいは中学年で短歌や俳句の音読、暗唱、あるいはことわざや慣用句、故事成語を入れていくということで、小学校及び中学校の国語の授業の時数を増加させること等を含めてしっかり対応していきたいというふうに思っております。
  71. 徳永久志

    ○徳永久志君 そういう今の結果が、なかなか慣用句が正確に使われていないという言葉の問題があると、これは学校教育でしっかりとやりたいということであります。  しかしながら、この国語というのをしっかりとやっていくという一方で、小学校五年生、六年生にこの四月から英語授業をやっているということでもあります。この辺についてはちょっといかがかなという問題提起を若干させていただきたいと思いますけれども。  まず、小学校で英語を教えることについての今現状どのようになっているのか、そしてその意義、目的について併せて御説明をいただきたいと思います。
  72. 石井一

    委員長石井一君) 中川文科大臣。簡潔にお願いいたします。
  73. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 国際化という流れの中で英語教育も小学校で取り入れていくということで始めたわけであります。まだ一年目ということで試行錯誤の中で今組み立てていくわけでありますが、更にこれを充実させていくということで、二年間を移行期間として準備を整えた上での今の作業に入っております。
  74. 徳永久志

    ○徳永久志君 今おっしゃっていただいたわけですけれども、私はやはり小学校での言葉の教育というのは、日本語、母国語を中心として、言葉の持つ面白さとか美しさというものを体にしみ込ませるということが子供たちの心的成長にとって役立っていくというふうに思うんですね。  国際理解を進めるために外国語に慣れ親しませるということをよく言われるわけですけれども、例えば中川大臣にしても野田総理にしても、のときと今の子供たちの置かれている環境は違うと思うんですね。多分、野田総理が小学校時代というのは、ちまたにある英語というのはジャイアント馬場とかアントニオ猪木とか、そういう感じだったんじゃないかなと。今、我々の子供たちのときというのはAKB48と、もう全て横文字でやられているという部分もあるわけで、外国語が身近にある状況にもあるということでもあるわけなんですね。(発言する者あり)
  75. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  76. 徳永久志

    ○徳永久志君 ですから、そういった部分でいくと、一体その意義、目的という部分とどうなのかなという思いがするわけであります。  もう一度、こういう今の言葉を持つ状況であるのだから、英語をやるというのは分かるけれども、それだったらもっと日本語教育、国語教育に力を入れるべきだという意見があると思うんですけれども、もう一度文科大臣お願いします。
  77. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) この英語教育を小学校に取り入れる時点でそうした様々な御意見があったというふうに私も認識をしております。  しかし、これは本来は二者択一の話じゃなくて、両方しっかりやっていくと、こういう体制をつくっていくということだと思っております。
  78. 徳永久志

    ○徳永久志君 もちろん二者択一ではないというのは十分に承知をしております。  ですから、我々、中学校に入学したときには、英語の教科書をもらって何かわくわくどきどきした感じがありましたよね、新しい勉強が始まるんだと。そういうことが思えるような授業を小学校五年生、六年生でやっておかないといけないということの意味で申し上げたところであります。  是非これお願いしたいんですけれども、この五年生、六年生の英語の授業をやられて、そして中学校入学するその子供たちに、英語についてのアンケートというか、どういう思いを持ったのかという部分をちょっと聞いていただきたいなという思いがするわけでありますけれども、一言だけ今の件についてはお答えください。
  79. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 私たちが受けてきたような入試ということを前提にしたような硬い英語の教育の中身ということではなくて、さっき御指摘のようにしっかり、言葉というのはこんなにすばらしいものなんだと、通じるということがこんな感動を呼ぶものなんだというような、そういうものをしっかりつくっていきたいと思います。  アンケートについてもしっかり受け止めさせていただきます。
  80. 徳永久志

    ○徳永久志君 それでは、これで終わりますけれども、是非野田総理におかれましては、奇をてらうことなくストロングサイドで頑張っていただきたいというふうに思います。  以上で終わります。
  81. 石井一

    委員長石井一君) 以上で川上君以下民主党・新緑風会の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  82. 石井一

    委員長石井一君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
  83. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。  まずは冒頭、やはりTPPの問題。総理が決断されてAPECに臨まれたわけですが、今もこれ、参加するのかしないのか、人によって取りようが全然違う、言わば曖昧。さらに、日米首脳会談の後、アメリカのホワイトハウスのホームページに野田首相が全ての物品やサービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると述べたと掲載をされたわけです。総理は、昨日この委員会で、事実でない、一切言っていないと反論されて、米国も誤りを認めたと言われたけれども、その直後かどうか、時間帯分かりませんが、アメリカの報道官は、訂正する予定はない。これ一体何が本当なのかということとともに、総理がそこまで事実じゃないとおっしゃるのであれば、やはり訂正させるのが当たり前だと思いますよ。  これについて、まず総理からお尋ねしたいと思います。
  84. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回のホノルルAPECにおいて私の考え方の説明をいたしました。  その際に申し上げたことは、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るということを申し上げました。その上で加えたことが、昨年の十一月に閣議決定した包括的な経済連携の基本方針に基づいて高いレベルの経済連携を推進をしていくと、それを申し上げたということであります。  その基本方針は、センシティブ品目に配慮しつつ、今申し上げたような、全ての物品、サービスについて自由化の対象にするということでありますので、そこを切り取って表現していることには問題がありますので、我々はそういうことは言っていないということを申し上げたわけであります。それについてのコメントは、私ども、だから正確にこれは言っていないということを相手方に伝えたということであります。(発言する者あり)
  85. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  86. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 結局、これからアメリカとの事前協議に入るわけですよね。そうすると、訂正しないということをアメリカが、載ったこと、つまりセンシティブ品目という言葉がないわけですよ、ホームページには、全ての物品やから始まるわけですよ。そうすると、一番の基本が、事前協議の一番根本が変わってしまうんですよ。だから私は訂正すべきだと思うし、そして、総理にもう一つ確認したいのは、じゃ、事前協議をどういった姿勢で臨まれるんですか。もしこれがこのまま残れば、全て自由ということで向こうは臨んでくるわけですよ。  総理はそれでいいんですか。そういう形で事前協議されるんですか。守るべきものは守るとおっしゃったじゃないですか。その点を私ははっきりしてもらいたいと思うんです。
  87. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私どもは、あくまで基本方針に基づいて、センシティブ品目については配慮しつつということは、これ閣議決定しているわけですから、それを踏まえて対応すると。また、これは全てのものが入るかどうかということについては、例えば関税についても、即時なくなるのか、あるいは段階的にいくとしてもどれぐらい掛けるのかとか、例外があるのかといった話を今、関係国でもまだ定まっていない状況でございますので、これは前にも申し上げたとおり、守るべきものは守り、勝ち取るべきものは勝ち取るということでございます。  その上で、記述の違いについてのお話ですが……(発言する者あり)
  88. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  89. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は言っていないということを事実確認をした際には、だから訂正をした方がいいということは言っております。言っておりますが、先ほどの、アメリカ側の解釈として、今まで我々の基本方針の解釈で書いているんだからということのやり取りで今とどまっているということであります。
  90. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 私はやっぱり、一国の総理が、載ったものに対してそれが全く事実じゃなかったと、そこまで言う話であれば、やはりここは訂正をさせる、これくらいのことができないで、交渉の場面で本当に国益を守るとか、しっかり守るべきものが守れるだろうかと心配になる。せめてこの訂正だけはやってもらいたいと思う。  もう一度どうぞ。(発言する者あり)
  91. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  92. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) こうした今一連のやり取りについては、私どももホノルルにおいてAPECを取材するマスコミにも発表し、既に内外で報じられています。こうした私どもの基本姿勢については内外にも示しているということでございますので、今回関係国との協議に入っていく際にはこのことを改めてしっかり申し上げていきたいというふうに思います。
  93. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そうではなくて、やっぱりホームページに残ったままというのは私はまずいと思う。少なくともトップがこれはおかしいと言ったことについてそれすら訂正しないということについては、それはいろんな事実関係の中とかいろんな推論をしてそうなんだとおっしゃるかもしれないけど、少なくともあの問題だけは訂正をもう一回求めるようなことはやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  94. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の首脳会談で自分の発言はそのものを引用しているわけではないということはもう確認をされていますので、改めて訂正までは求める必要はないというふうに思います。
  95. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 私はやっぱり、ある意味では、今回総理がそういう決断をしていろんなものに臨んだ、交渉その他含んでも、やっぱり今回の決断そしてやり方は見切り発車であり拙速、国民も理解できないですよ、これでは。  私は、是非これからも国民への説明というのを総理は徹底してやるべきだし、私ども公明党は是非国会でも、衆議院、参議院、このTPPに関する特別委員会をつくって徹底してやるべきだと私は思っておりますが、総理はどうお考えですか。
  96. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) これは関係国との協議に入ることによってより正確な情報、それぞれの参加国がどういうものを求めてくるかが分かってまいります。その情報提供をしっかりさせていただいて十分な議論を、国民的な議論をしていきたいと思います。  そのためにも、かつてやっていた開国フォーラム等々、様々な議論ができる場をつくっていきたいと思いますが、国会での議論の場についてはこれは国会での御判断だというふうに思います。
  97. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理はそういう立場ですから、内閣の立場ですが、もう一方で民主党の代表でもいらっしゃるわけで、やはり国会でこういうものをつくって国民的議論、国会の議論、そういうことも是非総理として民主党の幹部の皆さんに、TPPの特別委員会もつくって徹底した論議ということも提案があると、民主党として乗っていこうと、そういう決意はありますか。
  98. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま御党からそういう御意見があったということを踏まえて、よく協議をさせていただければというふうに思います。
  99. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 話を第三次補正予算案の話にしたいと思います。  東日本大震災発生してからこの十一日で八か月を過ぎたわけです。つまり、発災から八か月を過ぎたと。ようやく復興のための補正予算案、第三次補正予算案が今出されて、参議院でようやく審議できている。このことについて総理はどう認識をされておりますか。
  100. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) これまで一次、二次と六兆円の予算を編成してまいりました、公明党の皆さんにも御賛同をいただきまして。  ただ、三次補正につきましては、今この国会において議論をしていただいております。内外から様々な、遅いではないかという御指摘もありますので、謙虚に受け止めて、そして一日も早く成立を図れるよう御協力を私の方からもお願いを申し上げたいというふうに思っております。
  101. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 一次補正、二次補正、これは皆様の御協力で成立をさしていただきました。それは主に復旧にかかわる予算でございました。本格的な復興予算をつくるためには、復興構想会議で御提起をいただいて、それを踏まえて復興の基本方針をまとめるというプロセスがございました。  そうしたプロセスで七月に基本方針ができましたけれども、その後の復興予算がここまで掛かったと、それについて遅いという御指摘は謙虚に受け止めなければならないと思いますが、これは政治的な空白というよりも、その間には、予備費であるとか、あるいは二次補正でつくっていただいた復興復旧の予備費八千億円などの活用もさせてきたつもりでございますが、なお復興についての遅いという御意見もあることは謙虚に受け止めていきたいと思いますし、そのためにも一日も早い成立に御協力をお願いをしたいというふうに思います。
  102. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理は、総理になってからも現場大震災現場見てこられたようですから、どうですか、総理御自身現場を見て何を今お感じですか。
  103. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 総理になってから、現場それぞれ行かせていただきました。  特にやっぱり必要なのは、被災地皆さんの声をやっぱりできるだけ、可能な限り寄り添って聞いていくということを何度も何度もやらなければいけないということと、加えて、冬が近づいてきていますので、仮設住宅等でもお聞きしましたけれども、寒さの対策とかいろんなお話を聞きました。そういうものをしっかり政治に反映をしていきたいというふうに思っています。
  104. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 私も何回か現場に行かせていただいて、先々週もちょっと現場を回ってきたんですが、感じることは何かと。大震災発生した直後の状況と何が変わったかというと、瓦れきが撤去された、捜索とかいろんなことをされていた自衛隊やボランティアの皆さんが今はいない。現場に立つと何感じるかと、それは財務大臣なんか特に感じているでしょう、何にも進んでいないんですよ、何にも。かえって人がいないから、自衛隊が今引き揚げているから、本当に、復興の足音、何一つないじゃないですか。  私は一人の国会議員ですけれども、あそこに立ったら、本当に被災者皆さんたちに申し訳ないと、その思いだけですよ。なかなか復興のためにいろんなことができない、本当に申し訳ない、そんな思いに私はなりましたよ。  しかも、これ、復興会議で時間が掛かったということをおっしゃったけれども、これ、復興構想会議の五百旗頭さん、あなた方が選んだ議長ですよ、この方がその会議の席上何とおっしゃいましたか。議長ですら率直に言って遅過ぎると言ったんですよ。  私は総理に何をきちんと認識してもらいたいかというと、我々に対していろいろ言わなくたってもいいですよ、被災者に対してまず頭を下げて、遅れて申し訳ありませんと、済みませんと、これから私は必死になって取り組みます、まずは被災者に向かっておわびすることから始めなければ本格的対策なんかできませんよ。私はそう思っている。総理はどうお感じですか。
  105. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私どもも懸命に取組をやってきたつもりでありますが、被災地に、私は、おっしゃったとおり、現地に行くとまだ傷跡、痕跡が残っているということは承知をしています。だからこそ、本当に遅いと言われることについては真剣に受け止めなければいけません。重く謙虚に受け止めなければいけないと思います。だからこそ、早く復興のつち音が聞こえるように、それを加速するように全力を尽くしていくということで是非御理解いただくようにしたいというふうに思います。
  106. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 しっかり、そういったところからスタートしているんだと、総理はそこをきちんと認識是非していただきたいと思います。  さて、被災した中小企業や零細企業に対する二重ローンの問題。二重債務を幅広に救済するこの二重ローン、二重債務の問題、ようやく、前国会で私たち野党が参議院で通過させた議員立法が、与党にも御協力をいただいて、昨日です、衆議院を通過して参議院に戻ってまいりました。  でも、言いたいんです、やっぱり。この法案のときも、私たちは新法を作らないとこういった問題は幅広い救済ができないという立場で臨んだのに対して、当時の民主党政権です、何とおっしゃったかというと、既存の中小企業基盤整備機構を活用すれば早期に救済ができる、新法では時間が掛かり過ぎる、九月には買取りをする、そこまで言い切っていただいて議員立法に反対をなされて、衆議院にたなざらしになりました。  ちょっと聞きたいんですけど、この中小企業の機構を使った二重ローン対策はどうなっているんですか、九月に買取りをしていただいたんですか、お聞かせください。
  107. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 中小企業基盤整備機構を活用した政府の二重債務対策は、中小企業基盤機構が各県ごと設置をされる産業復興機構に八割の出資をするということで二重債務の買取り等を行っていくわけでございます。  岩手県で十月七日から相談センターの相談業務が開始をされ、十一月十一日、産業復興機構が設立をされました。今、茨城、宮城において相談センターが設立されております。こうした県を含めて産業復興機構の設立に向けた作業を急いでいるところでございます。(発言する者あり)
  108. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  109. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) そして、これの実際の買取りについては、残念ながらまだ生じておりません。そう遠くない時期に買取りの第一号が出るものというふうに思っているところでございます。  県や地域金融機関等との調整に時間が掛かったということでございますが、当初想定をしていた、実は議事録よく見てみますと、中小企業庁の当時の長官が何とか九月を目標にしたいと、だから九月にできるとは申し上げてないんですが、できればそうした時期にやりたいという思いのものであったものが十一月までなっているということは、いろんな事情があったにしろ大変申し訳ないというふうに思っておりまして、各県における作業を更に急ぐよう努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  110. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 遅れた理由、理由になってないような気もするんですが。  ところで、ちょっと聞いておきますけど、相談センターが岩手にできたわけですね、既に。この相談センターのトップはどんな方ですか。産業復興機構、ようやく岩手に立ち上がったというお話ですね。この運営はどこがおやりになるんですか。
  111. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 産業復興相談センターの統括責任者については、地域事情に精通した地域金融機関のOBや中小企業診断士が就任をしております。それから、岩手の産業復興機構については、具体名を申しますとルネッサンスキャピタルグループの東北みらいキャピタル株式会社が運営を行うということで、直接地元の金融機関とは利害関係のない、ただ金融の専門家の方に就いていただきます。
  112. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 要するにどうなったかというと、相談センターのトップは、まあ言っちゃうと岩手銀行のOBなんですけど、結局利害絡みの方が相談センターのトップなんですよ。そして、今運営、ルネッサンス何たらという、これ投資集団なんです。つまり、中小企業庁に伺ったら事業再生に精通しているとおっしゃるんですよ。それは精通しているかもしれません。じゃ、何に精通しているのかというと、そういう人たちは。結局、それを再生して投資をリターンさせることを中心に考える人たちが相談センターであり、そして運営側でしょう。  これ、我々が何をやらなくちゃいけないかというと、被災の中小企業の救済であり、その再生のためにやるわけですよ。それが、やろうとしたら民間に、ぼんとそういうところに投げ込んでしまって、本来やっぱり国が幅広く関与してやらなければ救うことはできないと考えるんですが、やっぱりその点はきちんともう一度御検討なさったら、これからまだ宮城とかは、まだこれから始めるところもあるわけですよね。そういったところに関してはこういったところまで細かく国が見てもらいたいですが、どうですか。
  113. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 産業再生機構の設立に当たっての契約においては、利益の獲得を安易に目指すのではなくて被災事業者の再生を進めることが目的であるということ等、契約できちっと決めているところでございます。  そして、実際に被災者皆さん事業の再生を図るということの目的に鑑みましたときには、まさにこの大変厳しい状況の中でどういった再生をすることによって、再生をしてちゃんと事業として軌道に乗っていくことができるのかということについては、金融などの専門的な見地あるいは地域の経済事情について詳細に分かっていらっしゃる方にトップに就いていただくということは一概に間違ったこととは思いません。ただ、今の御指摘いただいたような指摘は、特に被災を受けている事業者の皆さんの立場から見たときに、こういう人たちで大丈夫なのかという不信を、不安を招くおそれがあるということについては、御指摘はしっかりと受け止めなければいけないというふうに思います。  そうした被災者皆さんの心情にも配慮した中で、既にこれ、岩手については県や地元金融機関とも御相談の上でこういう体制でやっておりますので、その体制の中でどういった形で今の御心配に対して対応できるのか、あるいは各県についての今後の御相談に当たってはそういった御心配についてどう受け止めた対応をしていくのかということは真摯に対応してまいりたいと思います。
  114. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 ともかく被災者皆さんは心配されています、本当に、どうなるんだろうかと。  そういう意味では、昨日でございますが、衆議院通過して、ようやくこの与野党合意の二重ローン対策法、東日本大震災事業者再生支援機構法案、もうこの中にもいっぱい携わっていただいてやっていただいた方がいらっしゃいます。ともかく全額国できちんとやれること、十五年のその救済期間がある。ある意味では、これまでの政府が取り組んだものとはある意味では全く違う、本当に救済を主体としたものができ上がったと私は思っているんですが、総理としてもこの再生機構法案、議員立法でできたものではございますが、これについてどうお思いでしょうか。
  115. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 三党による熟議によって策定された本法案、震災の被害により過大な債務を負っている事業者の債務負担を軽減しつつ、その再生を支援することを目的としておりますので、本法案に基づいて設立をされる支援機構が各県の産業復興機構と相互補完することによって債務者に対する支援の拡充が図られるものと思っております。  したがって、政府としても既に支援機構設立準備室を立ち上げるなど準備をさせていただいておりますけれども、修正案が成立をした暁には、政府として速やかに機構設立に向けた手続を進め、被災地事業者の再生支援に最大限努力をしていきたいというふうに思います。
  116. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理、今おっしゃっていただきました。一応法案で見ると三月十一日までにということは付いておりますが、やはりこういった問題ですので、総理が今おっしゃったように準備室までつくっていただいているんであれば、本当に一日でも早く、年明けた早い段階でこの機構が立ち上がるように、その努力を一層していただきたいと思っておりますし、それともう一方で、やはりこれをやり始めれば当然お金の掛かる話です。少なくとも最初は五千億円ぐらい掛かるかな、そんなものになると思うんですが、そういったある意味では財源、こういったものも、必要であれば第四次補正ぐらいしていただいて万全の体制で臨んでいただきたいと思いますが、御答弁をいただいておきたいと思います。
  117. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 今、三次補正を審議していただいているところでございますので、四次補正については今の段階では申し上げられませんけれども、その二重ローン問題については私も、衆議院において政府保証枠の問題が、当初、法律には書いてありませんが、五千億程度というお話もありますので、それに見合ったものについては責任を持って対応していきたいと思っております。
  118. 石井一

    委員長石井一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  119. 石井一

    委員長石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十三年度第三次補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。  一言申し上げます。  午前中の質疑で、NHKのテレビを見ておられる多くの国民の皆様から、なぜこの場内がそれだけ騒々しいのかと、真剣な議論が聞こえないと、委員長として職責を果たせと、こういうような抗議の電話が殺到したようであります。  その覚悟で委員会の運営に臨ませていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  木庭健太郎君。
  120. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 午前中に被災地の中小企業の二重ローンの問題等を取り上げさせていただきましたが、まず、これ被災地だけではなくて、今、中小企業の皆さんにとって本当に一つの正念場になっていると。不況が長引く、円高の問題もある、タイの洪水の問題もある、本当に様々な要因の中で、総理自体も中小企業を回ってこられて実感されていると思うんですが、何が大変かというと、年が越せるのかどうか、ここに本当に皆さん方、必死になって取り組んでいらっしゃる。  その意味で、私ども公明党、資金繰りだけはきちんとさせたいということで、緊急保証や特別貸付けの問題について、是非この拡充をするようにということで要望いたしておりましたが、これ第三次補正予算案の中でどういうふうに取り組まれているのか、具体的にどのような措置を実施されるのかをまずお伺いしたいと思います。
  121. 石井一

    委員長石井一君) 枝野幸男原子力損害賠償支援担当大臣
  122. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 済みません。ここは経産大臣として御答弁申し上げます。  御指摘をいただきました資金繰り対策として、三次補正では六千百九十九億円を計上いたしております。事業規模では十一・六兆円となります。  具体的に申しますと、緊急保証について、事業規模五兆円になりますが、これは上期で五兆円セットしておりました中で実績は一・四兆でございます。しかし、まさに御指摘いただいている年末そして年度末の資金繰りを考えると、ゆとりを持ってやはり五兆必要だろうと。それから、特別貸付けについては、上期二・二五兆の事業規模のところ二・二四兆、想定を上回る実績がございまして、これについても上期の場合、事業規模五兆円をセットしております。さらには、リース支援料として百億円の予算、事業規模一千億円というのを予定しておりまして、年末の資金繰りに十分間に合うように対応したいと思っております。
  123. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 経産大臣、この緊急保証と特別貸付けですけれども、一応、名目というか、頭に東日本と付いているんですよね。東日本の特別になっているわけです。  私、九州で福岡なんです。私の地元の中小企業に聞くと、いや、そんな仕組みなかろうと、災害のそこにはきちんとあるけれども、俺たちのところは何もない。いや、そうじゃないんだと、これは全体使えるんだということを私が説明しなくちゃいけないんです。  是非、そういう意味では、せっかく拡充なさるならそういう周知徹底をやってもらいたいと思うんですよ。そして、そのほかに、是非この資金繰りという問題、万全の措置で取り組んでいただきたいと思うんですが、その点を御確認したいと思います。
  124. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、しっかりとした周知ができませんとお使いいただけないということになってはいけません。成立後速やかに、中小企業団体、政府系金融機関の窓口、地方公共団体、それから中小企業を支援する士業の団体等を通じてチラシ等を配布して幅広く周知を図ってまいりたいというふうに思っておりますが、今御指摘いただいたとおり、これ東日本大震災と付いていることで東北関連地域以外の方が使えないという勘違いをしないように、これ、申し訳ありません、チラシ等、まだゲラとか見ておりませんが、間に合うようでしたらそういったところにもかなりしっかりとした配慮と、それから東北以外の地域の関係機関に対する周知を更に強力に進めたいと思います。  御指摘ありがとうございます。
  125. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 話を東日本大震災の方にちょっと移しますが、今度は、事業主でなくて個人の住宅ローンなど個人の二重ローンに対して、これ八月に個人債務者の私的整理に関するガイドラインというのが設けられて救済が始まりました。ところが、様々な要件が厳しくて、一か月間の間で一千十七件の相談があったけれども、手続が始まったのが僅か六件だったことをこの委員会指摘をさせていただいて、これは委員長からも言っていただいて改善をみたいな話になりまして、改善に取り組んでいただいて多分実績が上がっているんだろうと思いますが、どうなりましたか。御報告をいただきたいと思います。
  126. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 木庭健太郎先生にお答えをさせていただきます。  ガイドライン運営委員会によると、制度に関する一般的な照会を除いた個別の相談件数は十一月十一日現在で九百四十二件でございます。前回、御党から御質問がございまして、当時六件というふうにお答えしたわけでございますけれども、この九百四十二件に対して、既に申出に至ったか、あるいは専門家の弁護士の紹介を受けて申出に向かって準備中のものを含めて合計百八十二件ありまして、これが今現在ガイドラインによる債務免責に向けて手続を進めているところでございます。今後、より多くの方々にガイドラインを活用していただけるよう、十月二十六日、運営委員会において、現在住居費の負担がない仮設住宅等に入居している個人債務者の復興を支援すべくガイドラインの運用の見直しを決定をさせていただきました。  御存じのように、先生、仮設住宅に入っておりますと最大でも二年住居費を払わなくていいですから、それが少し、その点をきちっと、いずれ払わなきゃいけないわけでございますから、その点を見直しをさせていただいたということでございまして、現在、これまで問合せのあった方々には仮設住宅に入っているからそれは駄目だというふうなことを言ったやに聞いておりますので、そういった方にもまたきちっと連絡を取らせていただいて、再度連絡して活用、相談しているところでございます。  金融庁におきましては、テレビ、ラジオによる政府広報を推進しておりますし、また市町村にも、あるいは金融機関、農協、漁協等の各いろいろな機関にも御協力いただいてリーフレット等を営業店に設置するなど、条件変更の申出にガイドラインの仕組みや概要等を紹介しておりまして取組を進めておりまして、今後運用の実績が上がるというふうに思っております。  一点だけ、また先生、この前も申しましたけれども、被災地方々が、これもうよくよく先生御存じのように、地域復興計画が、動向を見極めている方も結構各金融機関の情報ではありまして、これが、承知していますが、できる限り多くの方がガイドラインを利用されるよう関係者と密接な連絡を取っていきたいというふうに思っております。
  127. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 この前の御指摘から、今大臣がおっしゃったとおり仮設住宅方たちもこれが利用できるようになって、この部分では大きな前進があったと思うんです。ただ、現地に行きましてこの問題に取り組んでいらっしゃる弁護士の皆さん方とお話をしたんですが、もちろん使い勝手の問題もいろいろ御意見ございました。  その中で、一つ、例えば地震保険を受け取れる方というのが今回の震災の場合結構いらっしゃるそうです。ところが、地震保険を受け取る人の場合、このガイドラインを使って一つの方法で処理していこうとするとどうなるかというと、この地震保険で出てきた保険金全てがまず返済に取り上げられてしまう、そういう一つの仕組みになってしまっている。被災者皆さんにとってみれば、やっぱり生活を立て直したいという気持ちの中で、地震保険が出れば一部ぐらいはせめて自由財産にして持っておきたいと、これは心情だと思うんですよ。でも、それができないとなると、ある意味ではガイドラインというものに入りにくい。その辺がある意味では大幅にこの問題が増えていかない理由の一つにもなっているような気がいたします。  そういう意味で、救済という観点から考えるならば、こういった地震保険の保険金を自由財産として一部を取り扱う、こういったような柔軟な姿勢も救済という面からは大事だと思いますが、いかがでしょうか。
  128. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生、地震保険のことでございましたが、これはもう御存じのように、損保会社は損保協会でございまして、三月の十一日、発災直後、私と日本銀行総裁で、特別のこういう千年に一遍と言われる地震、災害でございますから、お願いをさせていただいて、たしか私の記憶が正しければ、全額、一兆二千億ぐらいもう実はこの地震保険の支払をしておりまして、宮城県だけで五千億以上ですね、御存じと思いますが、出ささせていただいておるわけでございますが、ガイドラインにおける今先生の御質問でございますけれども、自由財産、債務者の手元に残る財産でございますけれども、範囲は破産法に則した取扱いとされております。  しかし、今般、先生御存じのように、これはもう先生も大変御尽力いただいたんだと思いますけれども、震災における義援金ですね、それから被災者生活再建支援金等については、これはさきの通常国会において破産法上の自由財産とする議員立法が御存じのように成立したことから、ガイドラインにおいても同様の扱いをなされております。  御指摘の地震保険については、既存の法律上、当然には地震保険とはされませんけれども、ただし、破産法の規定によれば、各々の債務者の状況を踏まえて、裁判所の運用により自由財産を拡張することは認めております。先般公表された仙台地裁の裁判官の論文によれば、地震保険金についても一定の場合自由財産として認めることが考えられるというふうにされておりますので、ガイドラインの運用に当たっても、こうした裁判実務の動向を参考にしながら、債務者の実態を踏まえた対応がなされるものというふうに考えております。
  129. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 今おっしゃったとおり、その仙台で出ているんですよね、実際に、そういうのが。それまでは一切駄目だったんですよ、本当に。ある意味では、そういうのが出かかっているわけですから、出たわけですから、判断が、それに基づいてきちんとした考え方を徹底していただきたいと思うんですよ。どうですか。
  130. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生御指摘のとおり、仙台地裁の裁判官の論文にそういうことが、今先生が言われた趣旨のことが私も申し上げましたけれども載っておりますので、そのガイドラインの運用に当たっては、こういった裁判官の実務の動向をしっかり参考にしつつ、債務者の実態を踏まえた対応がなされるものというふうに考えております。
  131. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 瓦れきの処理のことをお尋ねいたします。  震災瓦れきの広域処理、東京がようやく取組をしていただいたということで。ところが、この受入れを協力しようという市町村が四月に調べた段階から激減をしたと。一体どんなふうになっているのかと、また、どうしてこれだけ激減しているのか御説明いただきたい。
  132. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) ただいま木庭委員の方から御指摘をいただいたとおり、受け入れていただける自治体が減少いたしまして、今その対応環境省としてしているという状況でございます。  御説明申し上げます。災害廃棄物の広域処理につきましては四月の時点で調査をしておりまして、全国の四十二都道府県、五百七十二市町村、一部事務組合から当時受入れを表明をしていただきました。しかし、改めて広域処理の状況が整いつつあるこの十月に調査をいたしましたところ、今度は、十月三十一日までに回答のあったものの中で整理をいたしますと、既に受入れを実施をしている又は受入れに向けた検討を行っているという前向きな回答をいただいた自治体全国で五十四の市町村、一部事務組合にとどまっているという状況でございます。  この理由でございますけれども、やはりいざ受け入れるということになってまいりますと、地域住民皆さんの方からそうした廃棄物を受け入れたときに安全が確保できるのかということについて不安の声が上がるというのが、これが理由ということのようであります。  そこで今環境省として、広域処理というのはこれは被災地にとって非常に重要であるということをしっかりとお伝えをする努力をしております。あわせて、きちっと基準を作れば安全に処理をすることができますので、それについてもできるだけ丁寧な説明をしているところでございます。  こういったことを続ける中で、できるだけ被災地の復興に前向きに協力をしてくれる自治体が増えてくるように努力をしてまいりたいと考えております。
  133. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 是非、つまり放射能瓦れきとの混同みたいなことがまだあるということなので、そこの整理をすることも大事ですし、例えば住民から不安が出ているというのであれば、その自治体住民への説明会に環境省さんが直接行かれるのも一つの方法だと思いますよ。  そして、四月の時点で五百七十二あったわけですから、せめてこの自治体に対しては、そういった基準も決めて今環境省としてこうやっているんだと、東京都の事例、お話しされればいいじゃないですか。そういう直接出向く努力が、そして情報を開示する努力が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  134. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 本当におっしゃるとおりだと思います。  東京都で受入れをしていただきました宮古市のこの廃棄物ですけれども、燃やした後の灰で百三十三ベクレル・パー・キログラム程度でございますので、これは本当に全く安全に問題がないレベルに下がるものでございます。そういったこともしっかり御説明をする中で、まずは自治体に御理解をいただきたいと思っております。  私も地元の静岡県の県知事には要請をいたしまして、静岡県はなかなか手が挙がってこなかったんですが、今、不安が払拭をされることなどを条件にして受入れについて協力をするという声明を発表をしていただけました。分かっていただければ確実に動いていただけるということでございますので、機会を設けてできる限りの説明を尽くしてまいりたいと思っております。  そして、実際に市町村で受入れを表明をしていただいたときには、市町村のそれぞれの住民皆さんへの説明が必要であります。そこはまさに我々がもう一度しっかりと御説明をする場面だと思っておりますので、環境省としても全面的にそこには直接かかわるという形で臨んでまいりたいと考えております。
  135. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 八日の日に首都圏の知事や市長が集まる九都市首脳会議というのが開かれたんだそうです。これ、瓦れきの広域処理がテーマになりまして、その際、石原都知事が何と言ったかというと、瓦れきの問題なのになぜ野田総理がここに出てきていないんだと、こう石原都知事は言ったそうでございます。  私はもっともな意見一つだと思いますよ。国として本当に大事な問題で、しかも、もしかして受け入れてくれるかしれないそういう人たちが集まったところにやはり国が積極的にそのお願いをしに行くというのは、これは当然のことだろうと思いますし、私は、官僚任せにするんじゃなくて、環境省任せにするんじゃなくて、総理なり担当大臣、静岡へお願いに行ったらできるようになったわけじゃないですか。そういった意味では、自ら出向いていって、本当に国として一番大事なものの一つなんだ、このぐらいの決意を示していただきたいと思いますが、本当は、総理、出向いていただけるでしょうか。
  136. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 東京都におかれては広域処理に御協力をいただいていること、私としても深く感謝をしていますが、八日のその九都市の首脳会議って衆議院の予算委員会なんです。私も担当大臣も、それは行って御説明すればとは思うんですが、三次補正をやっている審議があったということは、それは是非御理解ください。  その上で、やっぱり廃棄物がたくさん出てきて、それを処理をするということが復興の大前提になります。二十六年の三月末までに処理を終えるという目標でございますけれども、そのためには、被災地だけでは限界がありますので広域処理は必要です。そのための広報であるとか安全性を含めた丁寧な説明を自治体にも住民にもしていきたいというふうに思います。
  137. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 この瓦れき処理の問題と同様というか、それ以上に大変なのが、もうこれもずっと議題になっております除染という問題なんです。  ただ、この除染の問題、環境省は必死になって、人も増やす、それの担当者も付ける、人員も増やす、もう一生懸命やるんだ、それ何回も答弁されているし、それはそれで理解するんですが、何かちょっと違和感を感じるというのは、この除染という問題、例えば農地だったり森林だったら本当はもっと詳しいのは農水省ですよね、いろんなことで。道路の問題とかになればやっぱり国土交通省さんの方がお詳しいような気もするんですよね。だから、これが環境省とともに一体どんな関係でやれているんだろうかと。  指針見ると、指針というか、こう書いてあるんですよね。農用地、森林、道路など、当該土地の利用及び管理に関して知見、情報を有する行政機関と連携して、除染は環境省が行うというふうになっているんですよね。何か環境省に全て投げ込まれて一人もがき苦しんでいるような感じもしないでもないんですが。  言わば国を挙げてやるというその姿勢、じゃ一体、農水省や国土交通省とはどういう関係で環境省はやっているのか、御説明をしておいていただきたいと思います。
  138. 石井一

    委員長石井一君) それでは、順次御答弁を簡潔に願います。  まず、環境大臣細野豪志君
  139. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 環境大臣だけでいいですよ。
  140. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 本当に激励を、叱咤激励をいただいたというふうに思っておりまして、ありがとうございます。  この問題については、総理が先日の閣議の中でも御発言をいただきまして、国としてしっかり取り組むようにという、そういう御指示もございました。近日中、もう本当に近々、関係の閣僚会議も開かれる予定になっておりまして、改めてそこで各省の協力体制を確認をされるものというふうに承知をしております。  実際の除染そのものは、法律上も環境省がやることになっておりますので、福島の方に既に事務所をスタートさせておりまして、今週中には、そこに農水省、そして国土交通省、経済産業省の方から人を出していただいて体制を強化をするということになっております。本省の方にも人を出していただくことによりまして、まさに国家を挙げて除染に取り組む体制を整えて、そして福島皆さんに少しでも安心をしていただけるように努力をしたいと考えております。
  141. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そして、もう環境省というか大臣もお気付きでしょうが、除染というのは手段ですよね。結局、何のために除染するかというと、本当、理不尽にもふるさとに帰れない方たちがいっぱいいるわけですよね。そのふるさとへどう帰還させるかという方が本当は最大のテーマであり、まさにそこに被災者皆さんの関心があるわけです。この前、ちょっと新聞を読んでおりましたら、除染が進めば放射線量が低い地域へ移り、将来本格帰還に備える二段階帰還などを町村によっては検討しているところもあるというような報道もありました。  一体、どんな検討をしているのか知りたいし、何より、これで除染の工程表もでき上がった、次に何が始まるかといえば、それはまさに帰還に向かってどうするかという問題であり、この点については、前国会で総理の方にうちの白浜が申し上げたと思うんです。三宅島のときには全省庁を挙げたプロジェクト帰還チームをつくったよと、是非そんなものも検討する必要があるんじゃないか、そう申し上げて、総理からは検討の必要性はあるねという御答弁もいただいております。  一体、帰還について具体的に何かそういうものが政府の中にプロジェクトができ上がっているのかどうかも含めて、御答弁をいただきたいと思います。
  142. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 帰還に向けては、実際にどういう見通しでどういう段取りでということを含めて、当事者、被害者の皆さん、大変首を長くして見通しが示されることをお待ちだろうというふうに思っております。  今、ステップツーの終結、まずこのことが第一条件でありますが、それと同時に、より詳細なモニタリングの作業、それから、今の除染のモデル事業等によってどれぐらい除染をやればどれぐらい下がるのかといったデータも集めているところでございます。このステップツーの達成の後ぐらいの段階で、一つは除染のチーム、つまり環境省を中心として、いつごろどれぐらいの地域がどう帰れるのか、何年たてば帰れるのかというのをしっかりと整理をすると。その上で、インフラの整備、回復ということをどうやってやっていくのか、これは復興庁、復興本部の皆さんと御相談をしながら、なおかつ地元皆さんの御意見、御要望というもの、新聞報道されておりました二段階論というのも、一部の地元皆さんからこういった声が出ているということは承知をしておりますが、あらゆる可能性を排除せずに地元皆さんの意向を踏まえながら判断をしていかなきゃならないと。  こういったことで、今の段階では実は関係閣僚でそういった段取り等についての相談を始めているところでございまして、どういう形、プロジェクトという名前になるのか本部という名前になるのかは別として、今のモニタリングや除染のモデル事業等、そしてステップツーの終結等を見てみながら、外からも、ああ、ここでやっているんだなということが外からも見えるし、実態的にもしっかりと全省庁挙げた体制が取れる、こうした準備を進めているところでございます。
  143. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そうすると、経産大臣、最終的には総理の下になるのかもしれませんが、当面の間、こういう帰還問題ということについては、いろんなものが今ありましたね。それをまとめながら、まずは経産大臣のところでおまとめになりながら、一つチームでどこにどうなっていくかということになるということですか。
  144. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今実態的にも、被害を受けられている、避難をされている皆さん対応については原子力災害対策本部の被災者生活支援チームが中心になって、また地元皆さんとの御相談等も進めさせていただいていますので、ここは政府としての原子力災害対策本部ですが、総理が本部長で副本部長が経産大臣の私でございます、私が細野大臣や平野大臣などとも御相談をしながら体制を整備をしてまいりたいと思います。
  145. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 是非そういうものが発展していって、総理が中心になってまさに帰還ということに一大取組をするというような体制ができることを期待をしておりますし、是非進めていただきたいと思います。  実は、私ども公明党、障害者団体の皆さんと先日意見交換したとき、十六もの障害者団体に集まっていただいて、来ていただいて、今度の東日本大震災に対して経験と教訓をどう生かすかということで様々な御意見をいただいて、その要望をまとめて、先日、これは藤村官房長官の方に障害者支援ということについてお届けをいたしました。  いろんな意見を聞いた中で、私自身は一番驚いたのは何かというと、これ、今、先ほど申し上げたように八か月以上たっているんですが、災害弱者である障害者の皆さんがどこでどんな被害に遭って、どんなことになったのかというような被害実態、亡くなった方、行方不明になった方、そしてその方たちが避難するときにどういう経路かを含めて、ほとんど何も分からないとおっしゃるんですよ。実態が全くある意味ではつかめていないというような話を聞きまして、これは非常に驚きまして、是非こういった点について早急に調査をして、是非公表もしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  146. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 障害者を含むいわゆる要援護者、この方々被災でどのような状況にあったのか、これにつきましては、障害者福祉施設等々についての箇所数等々については厚労省が調査をしておりますが、委員指摘のように、そもそも被災があったときにどういう情報が入ってきて誰が誘導してどこに逃げたのか、それからなぜ逃げられなかったのか、それから逃げた方々がその後どのような状況でおられるのか、実はこの実態把握というのがまだちょっと進んでおらないというのが正直なところであります。  そこで、二十四年度の概算要求におきましてこの災害時要援護者の避難状況に係る調査費、これを要求しまして、これをしっかりフォローアップしなくちゃならないというふうに考えております。  あわせて、実は先般、新潟、福島の豪雨がございました。そのとき、新潟県はいわゆる要援護者についていち早く対応いたしまして、これがどのような形でどういう情報で誰が動いたのか、こういったことについては私どもで調査をしております。こういった優良事例といいますか、いい事例につきましては集めまして、これを情報発信することをしっかりやっていきたいというふうに思っております。
  147. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 もう一つは安否確認の問題なんですが、こういう障害者と関係する団体が、被災した可能性がある言わば仲間、障害者の氏名をどうなっているのか自治体に問い合わせて聞こうとしたら、個人情報保護法で名前も何も教えられないというんですよ。要するに、その壁に遭ってちっとも安否確認ができないみたいなことも生じて、とにかく最終的に、これだけじゃないんですが、先ほど大臣もおっしゃったように、孤立状態に置かれた方たちが結構多かったようでございます。  是非調査をすると同時に、せめてこの安否確認ができる体制、支援できる体制の再構築の必要があると本当に感じましたが、大臣、いかがでしょうか。
  148. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今、平成十七年三月に制定した災害時要援護者の避難支援ガイドラインというのがございます。ここでは、市町村に対しては、要援護者名簿を作成し、市町村、自主防衛組織等関係者の間で障害者を含む要援護者に係る情報の共有を図り、安否確認に役立てるよう促しているところではあります。  さらに、このガイドラインの中で具体的な手段としましては、視覚障害者には受信メールを読み上げる携帯電話、あるいは肢体不自由者にはフリーハンド用機器を備えた携帯電話等々を例示しまして、こういったものの普及にも努めるようにというふうに促してきたところではございますけれども、二十三年四月一日時点におきまして安否確認の前提となる要援護者名簿の作成の状況というのは五二・六%にとどまっているという状況でございまして、今後、この状況の改善と併せまして、先ほど申し上げました要援護者に係る調査、これを徹底的にやりまして、今回の震災で何が起こったのか、それからあと、逃げた方に対しての情報把握がしっかりできるようにするためにはどうすればいいか、またどういう対応をすればいいか、こういったことについてはしっかりとした対策を構築していきたいというふうに考えております。
  149. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そのほかにも、福祉避難所の設置の問題であってみたり、また、これから取り組んでもらわなくちゃいけない仮設住宅のバリアフリー化の問題であってみたり、これは震災直後に対応していただきましたが、手話や字幕による情報の提供の問題等々、様々な課題を提言をさせております。  是非、実際に取り組んでもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。
  150. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) その前に一つ。今、障害のある方への個人情報の問題なんですが、一つ厚生労働省として、今回、視覚障害者の方について身体障害者手帳などの名簿を管理する県がその責任の下で、視覚障害者への対応に詳しい関係団体とか市町村職員と連携して安否確認などを行う仕組みを整備するように厚生労働省から職員派遣しまして宮城県とともにやった例がございますので、こうしたことも必要に応じてできるようにしていきたいと思っております。  そして、ただいまのお尋ねでございますけれども、東日本大震災でも、介護員とか手話通訳者などが設置される福祉避難所、この積極的な活用ですとか、応急仮設住宅のバリアフリー化、これを図るようにという通知をしてまいりました。また、バリアフリー化がされていない場合には、被災三県に対して災害救助法に基づく追加工事の実施を促しまして、現在、各県でそれを対応しているところです。  また、ハード面の対応に合わせまして、視覚や聴覚に障害のある方々に対して全国から手話通訳者などの派遣を行いました。また、各市町村が行う手話通訳者などの派遣や点字や音声などによる広報などの事業に対しての補助を行っております。  とにかく、一番援護が必要な方に対してしっかり届くように工夫をしてまいりたいと思っております。
  151. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 話題を少し変えるんですが、やっぱりこういう大震災が起きると最も深刻なのは、道路が閉ざされて陸路がなくなる、通信網すらうまく確保できない、もちろん、そういったとき、被災者皆さんを本当に援護していかなくてはいけない医療施設が崩壊する、そういう状況が起きてしまうということで、そういう中で今、世界的に実は注目されている問題が、病院船、若しくは災害時多目的船と言ってもいいですが、そういったものが一つ注目を集めておりまして、私も超党派のそういう議連の一員として、是非この病院船の問題をこの機会に進めていかなければならない、公明党としてもこの問題に是非推進したいということで御要望も随分いたしておったんですが、今回の補正でどう取扱いをされたのか、そしてまた、世界でこの病院船というものが一体どんな取組になっているのか、簡潔で結構ですから教えてください。
  152. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 木庭委員には御提案、本当にありがとうございます。  私も阪神淡路大震災で大阪におりましたときに、神戸に物を運ぶのに大阪港から神戸港と。ああ、そうか、神戸港に病院船が着けば本当にいいなというのは思っていたところでございます。  今回の東日本大震災において医療施設や行政機関の機能も津波によって被害を受けたこと等に鑑みて、広域的被害をもたらす大規模な自然災害への対応を想定して、災害応急対策に必要な機能を有した船舶の在り方や導入の可能性等について検討することとし、この第三次補正予算調査・検討経費を計上しているところでございます。三千万円程度ではございます。  世界のことと今おっしゃったので、米国、中国、ロシア等では、各国の軍が病院船を保有しているというふうには聞いております。これ、今後どのような形でやっていくか、十分に前向きに検討したいと思います。
  153. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 実は、軍が持っている病院船のほかに民間団体が大型の病院船を持っているというようなところもあるんですよ。キリスト教系の団体なんですが、そういったところが取り組んでいるという問題もあるので。  何をしてもう一つ申し上げておきたいかというと、阪神大震災のときです、あのときも実はこの病院船構想というのはちょっとこう浮かび上がったんです。浮かび上がって検討しようかなというような話になった。でも、実際に検討しようかなと思うことで、防衛省とか厚生労働省とかに少し研究させようということになりかかったら、どうなったかというと、じゃ、その船、ふだんのときはどこがどう取り扱うんだと、各省庁それぞれ自分のところの考え方になってくるともう駄目、途中でもう雲散霧消なんです、本当に。  その意味で、今回は是非是非、何を申し上げたいかというと、この病院船構想というのは官僚だけにお任せせずに、この病院船の問題、民間で研究されている方もいっぱいいらっしゃいますから、是非、民間の知恵も借りながら、今度は形にしたいと、この思いでいるんですが、民間の知恵を借りること、防衛庁長官、答弁、まあ一言どうぞ。
  154. 一川保夫

    国務大臣(一川保夫君) 今、それぞれの病院船を有しているところはそこの軍と関係があるということのお話がございました。今、自衛隊は直接その病院機能とか災害に特化したそういう艦艇は保有しておりませんけれども、ただ、実際に手術する機能だとか、あるいはまた患者をそこで寝ていただくベッドを有している、その艦艇は実は十二隻、海上自衛隊は有しております。  そういう面では、常日ごろ、そういう災害のことも考慮に入れながらの訓練はいたしておりますけれども、先生がおっしゃったような、病院に特化したような本当の病院船ということであれば、また今内閣府で検討されるということでございますから、防衛省もしっかりと協力していきたいと、そのように思っております。
  155. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 防衛大臣、知っておいていただきたいんだけれども、海外の本当の病院船とか民間がやっているやつというのは何床ぐらい船室にいわゆる病室があるかというと、千床以上あるんですよ、千床以上、それはちょっと今の防衛省じゃ無理なんですよ。だから、まあとにかく民間の知恵を生かしてやっていただきたいと。今度は官房長官、御答弁。
  156. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) おっしゃるとおり、アメリカのマーシー級の二隻保有されているのでも、これは一千床で六万九千トンぐらいの大きな船でございます。  そういう意味で、今後の検討におきまして、我々の方も、医療機能や災害応急対策活動の司令塔としての機能などどのような機能を持たせていくべきかとか、あるいは実際に運用する際の乗組員や医療関係者等をどう確保するか、それから既存船舶の活用、民間船の借り上げ、新規建造など、費用対効果分析も踏まえて調達方法をどうすべきかというふうなことを検討するとともに、費用負担や管理主体などどうしていくべきか、防衛省もその一つかもしれません、等の観点から、過去の検討を踏まえつつ、災害時多目的船あるいは病院船の在り方や導入可能性について、民間の有識者の意見を今後聞きながら検討していきたいと思います。
  157. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 是非、これは取組を今度こそ形にしたいという強い願いを持っているということを申し上げておきたいと思います。  そこで、少し社会保障の問題で何点かちょっと私の最後にお聞きしたいと思うんですが、一つは年金改革という話、衆議院で民主党の抜本改革の問題についてはうちの石井政調会長が論議をさせていただきましたので、これはこれとして一つの大きな課題としてあるんでしょうが、私ども公明党は、やっぱり年金改革の今最優先事項は何かというと二つあると、とにかく最優先で年金改革をまずやらなくちゃいけないのが二つあると思っています。  一つは何かというと、低所得者の基礎年金を二五%程度上乗せする加算制度を創設し、最低保障機能を充実させる、これが是非必要だと。もう一つは何かというと、やっぱり年金受給資格の二十五年、これではなかなか難しい。是非この二十五年を十年程度に短縮をして無年金者の発生を抑制する、この二つが何よりも最優先事項だと私どもは思っておりますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
  158. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 社会保障と税の一体改革の中の年金の部分につきましては、以前にも委員会でも私からも、今委員がおっしゃった二点についてこれは優先的にやるべき課題というふうに申し上げてございます。低所得者への加算ですとか、それから受給資格期間の短縮、これは現在発生している低年金や無年金問題を解決するためにも必要なことということで対応策も検討項目として挙げられているところです。今、社会保障審議会年金部会で審議をしておりますので、次の通常国会の冒頭にまとめて出す中にこれは入れるように検討を進めていきたいと思っております。
  159. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 もう一回確認しますが、次の通常国会の冒頭にこれはお出しになるんですか。
  160. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 冒頭というと、どこが冒頭か等はあると思いますが、その三月までの間に、この社会保障制度改革については、再三申し上げているように、全体の全体像をお示しをして、まず第一にやるものを取りまとめましてその国会の冒頭の辺りに出したいと。で、そのまた後、その一年後に出すもの、中長期的なものと分けたいと、その一番最初に出すところに入れたいと思っております。
  161. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理にお尋ねしますが、国際公約されたのかどうか分かりませんが、消費税の一〇%の問題、これは来年三月までにこの一〇%に上げる法案をお出しになるわけですか。
  162. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 六月にまとめました社会保障と税の一体改革の成案、それを踏まえて具体化を年内にやっていくということ、社会保障改革があります、それを支える税についてはその抜本改革を行う、抜本改革については政府・与党内でも議論をしながら、野党の御意見も踏まえながら法案化をしていきたいと思っています。法案については、平成二十一年度税制改正法の附則百四条に基づいて、これは年度末までに提出をするということになっていますので、その法律に基づいて対応していきたいというふうに思います。
  163. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 ということは、税と社会保障の一体改革ですから、すなわち五%引き上げなければならない、それは社会保障の様々な面で必要なものだということですから、今、年金については厚生労働大臣の方から、来年の三月末までにきちんと法案を、どれだけ掛かるかというための改革法案お出しになるんでしょう。そうすると、同じように社会保障の中での医療制度改革の法案、さらには介護の法案、これも全部そろって来年三月までにお出しになるということで認識してよろしいでしょうか。
  164. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) その社会保障の改革の中で、年金、医療、介護、それぞれいろいろな問題がございます。その全体像は分かりやすく年末までに取りまとめたいと思っています。その中で、何をそれぞれの分野で最初に一まとめにして出す中に入れるかどうかは今検討しているところでございますので、ちゃんとその工程表も付けて分かりやすくお出しをしたいと思っております。
  165. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 私は、やはり消費税の問題をお願いするんであれば、その前に社会保障、一体これに、介護にどれだけ使う、そのためにこういう制度改革をする、医療にこれだけ使う、こういう制度改革をする、さらに年金ではこう改革をするからお金がこれだけ掛かる、その裏付けとしての消費税を上げさせてもらいたいと。言わば、社会保障制度の具体的な法案があって、それに伴って消費税の問題があるというのが当たり前だと思うんですが、いかがですか。
  166. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 担当大臣としてお答えをさせていただきます。  今厚労大臣からもお話をさせていただきましたように、税の部分につきましては、この附則の百四条というのもございますので、来年の三月末までには法案を出させていただくと。社会保障の部分につきましても、税と社会保障の一体改革成案におきまして、大きな方向付けでこういうことを検討してほしいということは決めております。それに基づいて、今厚労省でも子育ての部分であるとか医療、年金、介護、それぞれ検討が進んでおります。そうしたものについて一つ一つ具体的な形でまとめていくと。ですから、できれば、それは法案で出せるものは早急に出せるように努力はしていきたいと思っております。  しかし、委員から御指摘のあった全てを三月末までに法案で出すかどうかと、これについては、これは作業の日程等もございますが、出せるものは出していくように努力をしていきたいというふうに思っております。
  167. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 我々は納得ができません。やはり消費税のお願いをするんであれば、社会保障制度についてまずこうだというのがある、その上で裏付けとしての消費税の問題をお願いする、これが当然だと私どもは思いますし、是非、本当におやりになりたいならそうしていただきたいし、更に加えて申し上げておきますと、私どもは、消費税を上げる法案をもしお出しになるんであるならば、私たちはやはり、民主党のこの前の選挙のときはそういう話ないわけですから、やはりそういう社会保障制度の法案、さらには消費税の値上げ法案、全部耳をそろえて出していただいて、そして国民に信を問う、これが当然の在り方だと思いますが、総理から一言伺って私の質問は終わりたいと思います。
  168. 石井一

    委員長石井一君) 答弁求めるんですね。野田内閣総理大臣、一言で結構です。
  169. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 年末までに社会保障のまさにこうだというのは全体像としてお示しをすると、それを支えるための消費税を含む抜本改革をやって、年度内に法案を提出をいたします。  で、国民に信を問えというのは、それは重要な御指摘だと思いますが、私どもは、法案を通していただいた後に実施するまでの間に、今はそういう解散をする時期ではないと思っていますので、そう考えております。
  170. 石井一

    委員長石井一君) 木庭健太郎君の関連質疑を許します。山本香苗さん。
  171. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗です。野田総理、よろしくお願い申し上げます。  まず最初に、復興財源についてお伺いいたします。  九日の衆議院の予算委員会で野田総理は、五年間は少なくとも十九兆円という見込みを立てているが、これが増える可能性は十分あると答弁されました。五年間で十九兆円では収まらないという意味でおっしゃったんですか。
  172. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私の発言ですから、私がお答えしますけれども、五年間で十九兆円、復興集中期間で十九兆、そして十年間で二十三兆円というこれ試算は、阪神淡路大震災の被害総額を参考にしながら作った額なんです。それで、国と地方がどれぐらいお金を使ったかということを踏まえて少なくともという形で出していますけれども、ただ、現実問題として、例えば除染をこれから推進をしていくときに、東京電力にそれは求償するんですけれども、例えば中間貯蔵施設の問題とか、いろんなものでまだお金が掛かってくる可能性は私は十分あり得ると、そういう意味で発言をさせていただきました。
  173. 山本香苗

    山本香苗君 現時点で増える可能性があると、十九兆円では収まらないということに言及されながら、じゃ、なぜ今回十九兆円分の財源しか手当てされなかったんでしょうか。
  174. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) これは今、少なくとものまず前提から始まりました。途中で事業の進捗状況を見ながら、どれぐらい更に復興事業が必要なのか、その財源をするかということは、その都度また見直しをしていくということの前提のスタートラインがこの十九兆円であるということであります。
  175. 山本香苗

    山本香苗君 十九兆円を上限と取りあえず定めたと。それは増税を低めに見せるためにやられたんじゃないんですか。
  176. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 増税を低めとか、そういう思いではありません。あくまで試算をした中でどれぐらい事業が必要なのか、そのためには必要な予算措置をやっていかなければいけません。  そういう意味で、まずは前提は、被害総額の違いから、阪神淡路大震災のものを参考にしながらやりましたけれども、更に詳細にこれから各被災自治体復興計画なども出てきますし、そういうものを踏まえながら、事業の進捗状況を見ながら途中でチェックをしていくということでございまして、決して増税の云々という話ではありません。
  177. 山本香苗

    山本香苗君 では、十九兆円を超えた場合、追加増税をしないとはっきりと断言できますでしょうか。
  178. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回のいわゆる十九兆円の中でも、基本的には、スタートとしては、例えば子ども手当の減額等々による歳出削減であるとか、あるいは税外収入の確保、これ最大限をやって、足らざる部分を臨時的な税制措置で対応するという形になりました。同じように、これからさらに十九兆円では足りないというときも同じ姿勢でやっていきたいと思うんです。歳出削減可能なのか、更なる税外収入可能なのか、そういう中での判断をしていきたいというふうに思います。
  179. 山本香苗

    山本香苗君 復興費が十九兆円を超えた場合、追加増税をしない、これは三党幹事長の会談で合意をされ、三党政調会長へ申し送った事項なんです。私が申し上げているのは、この合意を守るかどうか、そのことを伺っているんです。総理、もう一回、はっきりと答弁ください。
  180. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には三党合意を守っていくということが基本中の基本でございまして、そのプロセスが要はそれより超えたときには歳出削減とか税外収入をしっかりやると、そういう意味で申し上げたということであります。
  181. 山本香苗

    山本香苗君 では、追加増税しないということでよろしいですね。
  182. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、財務大臣安住淳君。
  183. 山本香苗

    山本香苗君 総理です。
  184. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 今、総理からもお話ありましたように、安易な増税はしないと。今の増税は時限立法になっておりますので、それが一つのたがになっているというふうに私どもは認識しております。
  185. 山本香苗

    山本香苗君 総理、三党合意をしっかりと守ってください。是非よろしくお願い申し上げます。  復興財源捻出するために、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、五兆円、税外収入と歳出削減で賄うということとなっておりますけれども、具体的に歳出削減の中身を教えてください。
  186. 石井一

    委員長石井一君) 野田内閣総理大臣。──ちょっと、指名したとおりやってくれ。野田内閣総理大臣
  187. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 復興財源として歳出削減で充てるものとしては、子ども手当の見直し等の歳出削減、これがあります。それから、税外収入の方では、東京メトロ株式会社の株の売却、これらを合わせて大体三兆円程度になるという見込みを立てています。その上で、エネルギー対策特別会計の見直し、財融特会の剰余金、JT株式の保有割合の見直し、売却、公務員人件費の見直しの中で更に二兆円程度を捻出をしていくと、そういう形で五兆円という数字を出しております。
  188. 山本香苗

    山本香苗君 歳出削減は何か、税外収入は何か、そういうふうに聞こうと思っていたんですが、一緒に答えられちゃったんですね。  今の御答弁を伺っておりますと、大変失礼な言い方になりますが、結局中身も曖昧で、五兆円確実に出せるかどうかよく分からないんです。税外収入と歳出削減で五兆円出せなかった場合に、まさか追加増税なんてあり得ませんよね。
  189. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) とにかく、五兆円につきましては、今総理もお話がありましたように、様々な努力をいたしましてこの中で確実に捻出をしてまいります。
  190. 山本香苗

    山本香苗君 総理、確実に税外収入と歳出削減で五兆円以上を確保するとお約束していただけますか。総理にお伺いします。
  191. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 確保いたしたいと思います。全力を尽くします。
  192. 山本香苗

    山本香苗君 次に、三次補正の具体的な中身についてお伺いさせていただきます。  二日の参議院本会議で野田総理が、公立学校の耐震化と防災機能強化については公明党の意見も踏まえて三次補正で積み増しをすることとした、二十四年度予算においても更なる対応を検討すると答弁されました。確かに、我が党の要請を受けて六百億円積み増しをしていただいて、そのうちの当初ゼロ回答でありました防災機能強化については百億円が確保されたんです。この点、我が党として一定の評価をしております。しかし総理、実は不十分なんです。  といいますのも、今年度予算において、地方自治体の方から防災機能強化のために予算計上していたのが約二百億円分あったんですね。国の予算が足りなくて不採択になっていたわけなんです。少なくとも、国のせいで執行が止まっているこの二百億円分は今年度中に何とかねじり出してやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  193. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 学校の耐震化については最優先課題一つだということで位置付けまして、御心配をいただいておるようでございますが、一次補正予算でしっかり御党から応援をいただいて三百四十億円の補正を付けました。これと併せてこの三次補正でも百億円。これ二つ併せていきますと、先ほどの全ての要望に対してこたえていけるというふうな体制になっておりますので、お礼を申し上げるとともに、頑張っていきたいというふうに思っています。
  194. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、もう一回確認してください。きちんと、これで足りるというような状況になっていないはずですから、百億円じゃ足りない形になっておりますから、もう一回、今日はいいですから、時間がないので。もう一回、文科省へ戻って、地方の自治体調査をしっかりしていただいて、そしてこの防災機能強化の、耐震化じゃないです、防災機能強化の方の分を補ってくださいということでございます。  今回の震災において、学校の建物そのものに損壊がなくても避難所としての機能が不十分だったということがはっきりしたわけです。例えば、食料があったけれども、それを調理する場がなかったと、暖房設備が不足したとか水洗トイレが使えなかったと、和式が多かったんで高齢者が難儀しただとか、また通信手段が途絶えた、太陽光設備があるから大丈夫かと思っていたらそれも使えなかった、そういうことがあって、もう挙げれば切りがないんです。  そのために、被災地を含めて今全国自治体で、防災機能強化をしよう、学校施設の避難所機能を上げようと、そういう動きがあるんですけれども、現行の国の補助制度って非常に使い勝手が悪いんですね。例えば、太陽光発電設備と蓄電池、これセットにすると災害時も使えるわけなんですよ。なんですけど、セットで新たに入れるところは補助対象に全部なると。しかし、既にもう太陽光設備がある、そういうところに蓄電池を置こうとすると補助対象外になっちゃうんです。かつ、例えば自家発電設備だとか、雨水をためておくタンクありますね、ああいうものを校舎と一緒に整備するときは補助対象。だけれども、タンクとかまたそういう自家発を単発で後付けしようとすると補助対象外になっちゃうわけなんですよ。使い勝手が悪い。何かとセットじゃないとあかんというんじゃなくて、一つ一つ事業が進むような状況で制度の改善を是非、中川大臣、挽回の答弁よろしくお願いします。
  195. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 先ほどの予算付けの話なんですが、これしっかり私調べてきた上で御答弁させていただいていますので、二十三年度の予算の執行の中で百億円捻出ができそうなので、確実にやっていけるという答弁をさせていただきました。これが一つです。  それから、先ほどの御指摘の部分については、確かに御指摘のとおりでありまして、これに対する対応というのを二十四年度の予算付けの中で制度改正をしてやっていきたいというふうに思っております。  ありがとうございます。
  196. 山本香苗

    山本香苗君 二十四年度予算においても更なる対応を検討すると本会議でおっしゃっていただきました。是非総理、一言で結構でありますから、やると言っていただければいいんですけれども、公立学校施設の耐震化と防災機能強化について、地方自治体からの要請に十分こたえられる額を来年度予算で確保していただけますか。お約束していただけますか。総理にお伺いいたします。
  197. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 防災機能の強化はとても大事であると思いますし、さっきちょっと、いろいろ不都合があるということが分かりました、よく。やっぱり今までなかったいろいろな経験をしながら教訓として学んで進めていかなければいけない中の一つの措置だと思いますので、二十四年度の予算でしっかり対応したいというふうに思います。
  198. 山本香苗

    山本香苗君 次に、被災地における雇用について伺います。  東日本大震災被災者雇用した事業主助成金を支給する被災者雇用開発助成金の現在までの利用状況を教えてください。
  199. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) この被災者雇用開発助成金、これは被災者雇用を少しでも増やすために雇い入れた事業主に支払うものです。これは、第一次補正予算によりまして今年五月二日に創設をいたしました。その助成金の対象者を雇い入れてから六か月以降に申請が行われるということになっておりますので、これから増えてくると思いますが、今年度中に支給対象となる可能性があるのは今年の五月から八月の間に雇い入れられた方なんですけれども、その数はおよそ四万八千人になると思われます。
  200. 山本香苗

    山本香苗君 この制度は被災地雇用再生の切り札の一つです。しかし、受給要件が大変厳しい。過去三年間にその事業所で働いた経験のある人を雇用する場合は駄目と。つまり、再雇用は駄目と。また、被災者雇用した日の前後六か月間に従業員を事業主都合で解雇していた場合も駄目と。これらの要件は、高齢者、障害者などの就職が特に困難な者を雇い入れた場合に支給される特定求職者雇用開発助成金という制度がありまして、これは平常時の制度ですね、この制度を参考にしてつくられておりまして、被災地の実態に全く合っていないわけなんです。  この件については国会で何度も何度も質疑がなされまして、七月二十六日から、再雇用の場合は職業訓練の計画を立てたら成長分野人材育成支援事業奨励金を出すという工夫がなされたと伺いました。でも、何でこんなややこしいやり方をしないといけないんですか。何でストレートに再雇用をした場合も助成金出すという形にできないんですか。
  201. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 当初、財源が限られている中で、再雇用のチャンスがある方よりもそうでない方を優先したいという考え方で入れたものですが、今御紹介いただいたように、地元からの声も伺いまして、人材育成、職業訓練を行う場合には、別の仕組みの中で成長分野人材育成支援事業を拡充して、そちらで扱えるようにいたしました。  ただ、委員がおっしゃるとおりだと私も思います。第三次補正予算の中では、今度、産業政策一体になって基金を積む事業復興型雇用創出事業、この中では、再雇用の場合も助成の対象とする、そういう方向で今検討をさせていただいています。
  202. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、おっしゃるとおりとおっしゃっていただいたんですが、本当に被災地に無用な負担を強いているわけなんですよ。  今、お金が足りなかったという話と、厚労省に聞いたときは、助成金欲しさに解雇することを防ぐ目的でこういう要件を課しているという話がありましたけど、被災地は今回の震災でやむなく従業員を解雇したケースが多いわけです。全く状況が違うわけですね。にもかかわらず、平常時と同じような要件を課すというのは本当に酷なことだと思います。  実は、この支給開始、先ほどおっしゃっていただいたように、半年後に本格的に始まってくる、もうちょっとしたら始まってくるわけなんですね。じゃ、どれぐらいが対象になるのかと。厚労省は、実は、実際雇い入れた、先ほど四万八千人とおっしゃいました、そのうちの実は三割ぐらいしか助成金の対象にならないということを見込んでいるんですよ。すなわち、雇い入れた半年後に助成金の申請をしてきても、この助成金を当て込んで雇い入れた事業主の約七割の方は申請の対象にならないということなんですね。これで本当に被災地雇用を再生する制度と言えるんですか。もう一回答弁をお願いします。
  203. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今おっしゃったのは、その四万八千人の中で実際に助成金の支給対象となるのは雇用していた労働者を解雇していないなどの支給要件を満たした場合ということが入っているので、今おっしゃったようなことになるのだと思っています。  それで、先ほど御紹介したように、三次補正の中では、新たな基金を積むものについては当初からその再雇用の方についても対象にしたいと、そのように考えています。
  204. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、大変申し訳ないんですが、今新しく立ち上げていただく事業復興型雇用創出事業のことをおっしゃっていただいて、再雇用も含めて対象となるという話なんですけど、あくまでこの事業は第三次補正予算が成立した後に雇い入れた方が対象であって、それ以前に雇い入れた方は対象にならないんです。  すなわち、今回の助成金に申請できなかった、それで助成金がもらえなかった事業主は対象にならないんです。是非被災者雇用開発助成金にストレートに再雇用も対象と認められるように、今総理、やり取り聞いていただいていたと思いますが、もう一段、もう一回、ここはもう役所に任せていたら絶対決断できません。どうかここを見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  205. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それは、いろいろな制度の中でそれを整合的に運用しなければいけないところもございますので、先ほど申し上げたように、訓練をするとか、幾つかの条件を満たしていただいた中でやらせていただきたい。  再三になって申し訳ありませんが、三次補正の中では、当初からそれが含まれるような、再雇用も含まれるような対応を取りたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  206. 山本香苗

    山本香苗君 総理、新しい事業でもこれは救済できないんです。是非、総理から御答弁いただきたいと思います。
  207. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 多分いろんな制度の整合性のことなんかを考えての御判断が厚労省あったと思うんですけれども、被災者にとって使い勝手の悪い制度ではこれは困りますので、改めて厚生労働省によく検討させたいというふうに思います。
  208. 山本香苗

    山本香苗君 ありがとうございます。  もう一つ実は新しい事業がありまして、被災地女性高齢者、障害者などを積極的に雇用するために、新たに生涯現役・全員参加世代継承雇用創出事業というものを立ち上げると伺っております。  是非そこで小宮山大臣にお願いしたいんですが、初めから仕込みが大事だと思うんですけど、この事業においては、雇用という意味が広い意味での雇用にしていただきたい。つまり、することがある、生きる意欲をつくるという意味での雇用にしていただきたいんです。そして、かつ、今までの事業にないような、自由度の高くて、息長く支援できるような、兵庫県で言っているような、いきいき仕事塾みたいな感じのものを是非お願いしたいんですが、どうでしょうか。
  209. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それは委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。  女性とか高齢者、障害をお持ちの方に使っていただけるこの事業は、県に基金は積みますけれども、市町村使い勝手よくできるようにしたい。これは行政だけではなくて、事業者もそうですし、NPOの皆様になるべく幅広く活用していただきたいと思いますので、そこはおっしゃるとおりだと思いますから、なるべく幅広く活用して、女性が生き生きと働ける、そういう場が少しでも多くできるように努めていきたいというふうに思っています。
  210. 山本香苗

    山本香苗君 もう一つお願いがあるんです。  被災地で来年の春高校を卒業する学生の就職状況が大変厳しゅうございます。被災地の高卒予定者を採用内定した事業主助成金を支給する制度を立ち上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  211. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 確かにおっしゃるとおり、高卒者の就職状況は大変厳しいという認識は持っています。  このため、関係省庁とともに東北新卒者就職応援プランという形で、現地や厚労省でそれぞれの経済団体への求人を要請したり、ハローワークの全国ネットワークを生かした求人開拓をしたり、また被災地での就職面接会も数多く開催をしてまいりました。  こうした取組の成果もあって、来年春の卒業の高校生の求人数が九月末現在で、岩手ではほかの地域で開発したものが生きてきておりまして、前年比二二・四%増、そして宮城で一三・七%増となっています。ただ、福島だけは〇・三%減となっていますけれども、ハローワークと学校と連携した支援などを徹底をして、しっかりとその辺りも今後必要な対策を検討していきたいと考えています。
  212. 山本香苗

    山本香苗君 次に、台風十二号被害について伺います。  先日、奈良県十津川村に行ってまいりました。十津川村、五條市の一部はいまだに土砂ダムの脅威にさらされて、自宅に戻れない状況が続いております。是非、一刻も早く土砂ダムの工事を完了していただきたいと、この点については要望にとどめておきます。  その上で何点か伺いますが、まず一点目として、道路について、十津川村だけでも崩落箇所が百か所以上あると伺いました。この点については九月の予算委員会で我が党の白浜会長の方から、国の一段の支援をと要請して、前田大臣からも、また総理からも力強い答弁をいただいておりましたから、第三次補正予算でちゃんとやっていただいたんでしょうか。
  213. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 御指摘の件でございますが、第三次補正予算において、十二号台風に係る災害復旧関係予算として一千九百七十億円積み増ししております。
  214. 山本香苗

    山本香苗君 やっていただいたということでよろしいですね。  二点目は、五條市の大塔地区の仮設住宅に行ってまいりましたけれども、五條市の大塔地区というのはもう山間へき地でございます。雪が降る、寒いと。そういう中で、仮設住宅は二重窓で寒冷地仕様となっているんですが、実は玄関の扉は薄いアルミサッシ一枚なんです。また、玄関の入口までの階段は鉄板なんです。雪が積もったり雨が降ったりしたら滑るんじゃないか、もう市の担当者も心配していました。  うちの県会議員に言ってすぐに県の方にも要請しましたけど、私、本当に不思議でならないんですよ。過去にいろんな災害もあったし、直近には東日本大震災もあったのに、何で毎回毎回同じ指摘をしなくちゃいけないのか、追加工事をやらなくちゃいけなくなるのかと。もうやっぱり仮設住宅の標準仕様だとか提供の仕方とかを抜本的に見直さないと、延々とこうしたことが続くんじゃないかと思うんですが、厚労大臣、いかがでしょうか。
  215. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) この点も委員がおっしゃるとおりだと私自身も思っています。私も被災地の各仮設住宅に行きまして、多くの御指摘を受けて、同じ思いを持っております。  これまでは各県が仕様を決めて業者に発注をするということなので、その場所場所によってばらばらでありますし、寒冷地の仕様ができていないとか、いろいろな点があるということは十分承知をしております。  ですから、当面、追加で二重サッシとか断熱材とかやれることはやる一方で、これから先の仮設住宅の在り方は、これは政府全体の中でしっかりと対応を改めなければいけないと私自身も思っております。
  216. 山本香苗

    山本香苗君 よろしくお願いいたします。  十津川村でお話をお伺いさせていただいた住民の方のお宅は、土台がもうごっそり流されちゃって、辛うじて数本の突っかい棒だけで保っているような状況で、家財道具、家の中見えるんですけれども、怖くて中にも入れないと、そういう状況でありました。仕事場も被災して仕事もないと。仮設住宅に入ることが決まったけど、二年後どうなるか、そう思うと夜も眠れないと不安を口にされておりました。  長期に避難が続く中で生活資金に困窮する世帯が更に増加する、そういうおそれもございます。和歌山県、三重県、奈良県の三県から既に十月末に要望書が提出されておりますけれども、こうした困窮する世帯に対して、東日本大震災に準じて何らかの対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  217. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 災害援護資金、これは各地方自治体が、そして生活福祉資金は社会福祉協議会がそれぞれ貸付けを実施しています。そのいずれの貸付けも、災害の被害の状況に応じまして、災害援護資金は通常三年の据置期間を五年とすること、また生活福祉資金は通常六か月以内の据置期間を二年以内とすることなど、一定の範囲内で柔軟に取り扱うことができます。  厚労省といたしましても、自治体被災地の社会福祉協議会と相談にしっかり応じながら、対応が柔軟にできるようにしていきたいと考えています。
  218. 山本香苗

    山本香苗君 次に、女性防災ということで、平野大臣にお伺いしたいと思います。  先日の松あきら参議院議員の質問を受けて、早速、国の中央防災会議防災対策推進検討会議、ここには清原桂子兵庫県理事を含む四人の女性を登用していただきました。ありがとうございました。  ふだんから女性をしっかりと防災会議に入れて意見を聞いておく、そして反映させておくと、この日ごろの積み重ねが本当に重要だと思っておりますが、都道府県市町村ではまだまだ進んでいないんですが、この背景には何があるとお感じになっておられますか。
  219. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 地方防災会議のメンバーにつきましては、災害対策基本法の第十五条において、例えば地方行政機関の長、警視総監、道府県警察本部長などの関係機関や団体の長等々に指定がされています。一種の充て職ということになっております。  一方、また市町村防災会議委員については、十六条において、都道府県防災会議の組織の例に従うようにという、そういう規定になっておりまして、この辺りが女性登用の大きな壁になっているのかなという感じはします。ただ、一方で、市は条例では自由に定めるということもできる規定になっていますので、大阪市などにおいては女性の登用を進めていると、そういう例もあります。
  220. 山本香苗

    山本香苗君 おっしゃるとおりなんです。  この一か月間、我が党の全国女性議員が女性の視点からの防災行政総点検というのを行いまして、これに基づいての申入れをまた近々させていただきたいと思っておりますけれども、その中で、今大臣がおっしゃっていただいたようなことが壁になっているということでありました。  今、大阪市とかそういうところは条例改正してやっているという話なんですが、都道府県は条例改正するということはできるんでしょうか。
  221. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) これは基本的には、都道府県の場合は十五条でこういう長にしなさい、先ほどちょっと事例を申しましたけれども、その長が指定をされていますという分だけちょっと難しいかなという状況になっています。
  222. 山本香苗

    山本香苗君 今ちょっと難しいかなという御答弁だったんですが、事前にしっかり詰めたときに、実は現行法の解釈上できないと、そういうことを伺っております。ですので、市町村でできて都道府県でできぬのおかしいやないかという話で、是非ここは、災害対策基本法をしっかりと改正していただいて、都道府県においても女性を登用しやすくする、そういうことをやっていただけませんか。
  223. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今、東日本大震災の教訓等も踏まえまして、これからの災害に強い国土づくりをどうあるべきかという検討を進めています。その中で、災害基本法もこれも検討対象ということになっておりまして、今の委員の御指摘踏まえまして、この十五条、十六条の規定の仕方もしっかり検討していきたいというふうに思っております。
  224. 山本香苗

    山本香苗君 今回の震災を受けて、防災対策女性の視点を生かしていこうと検討し始めた自治体、結構たくさんあります。こうした自治体取組をバックアップするために、是非女性の視点からの防災対策というのはこういうものだと、事例集でもガイドラインでもいいです、そういうものをお示ししていただけないでしょうか。
  225. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 女性の視点、非常に大事でございまして、当初、仮設住宅の建設を急がなくちゃならないということで仮設住宅の建設を急ぎました。その結果として、例えば着替える場所がないとかプライバシーが守れないと、こういったものが出てきたのは後からでございまして、それは女性の視点からということで強い要望が出てきました。  一方で、避難所を回りましても、避難所のケアをしっかりやっているところ、男性の方もいますけれども、女性の方が結構多かったですね、女性の方がそのケアをしっかりやりながら、ボランティア活動方々と連携しながら避難所の経営をしっかりやっていたという例がたくさんございました。  そんなことで、これから地方自治体防災対策女性の視点等を生かしていくことが極めて重要だというふうに考えておりまして、現在見直しを検討中の防災基本計画、この中においても、避難所における女性や子育てニーズへの配慮や、仮設住宅の運営における女性の参画の推進など、男女共同参画の視点を充実させるとともに、今後、女性の視点を含めて避難所の運営の在り方等について十分な検証を行いまして、そこから得られる教訓をマニュアル等々の形で記録しまして、地方自治体に対しても分かりやすく示してまいりたいというふうに考えております。
  226. 山本香苗

    山本香苗君 最後に、TPPについて伺います。  日米首脳会談の前日にアメリカのカーク通商代表との会談の確認作業をしている枝野経済産業大臣の姿がテレビで報道されており、その手元の資料の中には、日本は非関税措置を含め、全ての品目、分野を交渉の対象とする用意がある、交渉の中でしっかり議論していきたいという一文がございました。  先ほど木庭幹事長とのやり取りで、総理は絶対に言っていないとおっしゃって、ホワイトハウスの発表文は事実でないと言われておりましたが、総理がおっしゃっていなくても枝野大臣がおっしゃったんじゃないんですか。
  227. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 私は総理よりも一日早く日本を出発しておりまして、その前段階で国内においてどういう結論になるのか分からない状態でありましたので、いろんな可能性について想定をして資料を事務方に用意をさせておきました。それで、ぱらぱらめくりまして、国内での結論は御承知のとおりになっておりましたので、いずれにしても、私、ここでの答弁でもそうでございますが、国際会議等においても事務方が用意したメモを読み上げるというケースは基本的にございませんので、あそこに書いてあることについてはしゃべってはおりません。
  228. 山本香苗

    山本香苗君 おっしゃってないということでよろしいですね。(発言する者あり)
  229. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  230. 山本香苗

    山本香苗君 おっしゃってないんであったら、とにかく事実でないんだったらやはり訂正を求めるのが筋です。重ねて強く求めておきたいと思います。  野田総理、APEC前の記者会見において、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかねばならないと述べておられましたけれども、しかし、成長するアジアとして、中国もインドも韓国もインドネシアも入っていないと。そういう中で、どういう論理でもってTPPによってアジア太平洋地域の成長力を取り込むということになるのか、御説明ください。
  231. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 現在、加盟国、参加をしている国は九か国でございますけれども、日本は今回こういう形で協議入りを表明をいたしました。加えて、カナダとそれからメキシコも強い関心を示しているということで……(発言する者あり)いや、アジア太平洋地域でありますから、当然かかわりがあります。  その上で、中国にもこれは基本的には開かれた態度であるということであります。タイも、主要貿易相手国の多くが交渉に参加する場合には参加をする可能性もあるということで、広がりがあると同時に、このTPPの動きが加速をすることによって、ASEANプラス3であるとかASEANプラス6の議論もこれも加速する可能性がございますので、ひいてはアジア太平洋地域における自由貿易圏、FTAAPにつながっていくということになると思います。その意味で、アジア太平洋地域の成長力を取り込んでいくという上での大きな契機になる可能性があるというふうに思います。
  232. 山本香苗

    山本香苗君 今カナダとかメキシコとかおっしゃいましたけれども、成長力として重要な中国、インドは入っていないんですよ。その上で、TPP参加国はGDPに輸出の占める割合が高く、そして国内市場が小さい国が非常に多いわけですね。ですから、アジアの成長力を取り込むことが本当にできるのかと。どういう論理なのか、今の御説明聞いてもさっぱり分からないんです。もう一回お願いします。
  233. 石井一

    委員長石井一君) 古川国家戦略大臣、簡潔に願います。
  234. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 総理が何度も申し上げておりますように、我が国としては、FTAAP、アジア太平洋の自由貿易圏をつくっていくという大きなそういう目標の下、二国間であるとかあるいは多国間、ASEANプラス3、ASEANプラス6、そしてこのTPPのようなそうした、あれかこれかではなくて、様々なルートを通して、そしてアジア太平洋全体の自由貿易圏をつくっていく、それを目指していく、まさにそういう中でアジア太平洋の成長を取り込んでいくと。全体で見ているということで御理解をいただきたいと思います。
  235. 山本香苗

    山本香苗君 全く納得できません。TPP参加によって、農業、特に畜産と稲作の分野が壊滅的な打撃を受けるのではないかと懸念されております。  もちろん、私は農業全てが自由化に耐えられないというわけではないと思っています。農地の広さという自然的条件に依存しない果物や野菜の分野では、十分競争力があって日本の方がはるかに質が優れて輸出の可能性の高いものも数多くあります。しかし、自然的条件が大きく違う稲作と畜産は、その差を関税で調整するという戦後国際貿易ルールを適用する以外ないんです。ほかの方法が可能なような気休めを言うべきではないと思います。  そこで、総理に伺いますが、関税以外に農地の広さという自然的条件の違いを調整する対応策として具体的に何があるとお考えですか。
  236. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) もちろん、TPPの問題もありますけれども、日本の農業の再生は待ったなしでございます。その意味で、先般まとめた食と農林漁業の基本方針と行動計画に基づいて、この五年間に着実に国際競争力、いわゆる成長力持っていくようなそういう農業政策をこれからやっていきたいと思いますが、その裏付けとなるのは、例えば今回の自由化交渉、もうこれはどういう形になるかまだ議論の途中でありますけれども、センシティブ品目については配慮をしつつというこの観点から、守り抜くものは守り抜くという姿勢でいきたいというふうに思います。
  237. 山本香苗

    山本香苗君 総理、規模の拡大とか担い手の育成というのは、TPPに関係なく日本の農業のためにやらなきゃいけないことなんです。安くて安全で品質のいい農産物を国民に届けるために必要なものであって、当然やらなくちゃいけないことです。  最後になりますけれども、一問だけ聞いて終わりますが。  TPPはもう本当に国論を二分をする大問題になっています。野田総理は消費税で国民の信を問うと言われました。TPPは、消費税と同様、国民の生活に大きな影響を与えます。消費税で国民の信を問うとおっしゃるのであれば、TPPに参加するかどうかで、これで国民の信を問うという総理の覚悟、決意はございますか。(発言する者あり)
  238. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  239. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) TPPは本当に大きな問題であります。私自身の思いは、これは目の前にある人々にとって重要な困難において、それに立ち向かう決意をしたときには最大の歴史形成の力になるというトインビーの言葉を胸に秘めながら、決意を持っていきたいというふうに思いますが、その際に信を問うかどうかでありますけれども、私は今、国難ともいうべきいろんな課題を抱えているときに、民意を問うという視点は大事でありますけれども、民意をしっかり踏まえた十分な議論をしながら、与野党の合意形成をしていくことがまずは大事だというふうに思います。
  240. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 終わります。
  241. 石井一

    委員長石井一君) 以上で木庭健太郎君、山本香苗さん、公明党の質疑を終了いたします。(拍手)     ─────────────
  242. 石井一

    委員長石井一君) 次に、小野次郎君。
  243. 小野次郎

    ○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。  まず、小宮山厚生労働大臣、お聞きいただきたいんですが、私は十月二十九日、土曜日だったと思いますけれども、山梨県のある社協が窓口になって福島県に冬物衣料をお届けしようということで、ボランティアの力を借りて集めたものを届けた。私は、ささやかですけれどもできるだけの協力はしましたけれども、その後、無事に終わって現地に着いた方から聞いたら、飛ぶようにというか、もう皆さんが必要だというので、冬を迎える前に暖かいものを、着るものとか毛布なんかもあったと思いますけれども、はけたということなんです。  でも、後で私不思議だなと思いましてね、震災直後なら、それはもうありとあらゆる、官も民もなく善意でやるというのは分かりますけれども、八か月もたってなぜ、冬が来ることは誰もが分かっているのに、被災者に対して行政支援しないんですか。
  244. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) これまでも被災者生活再建支援法による支援金ですとか義援金、それから先ほどもお話ししました自治体による災害援護資金などを御活用いただいていると思っていますが、そこがスムーズにいっていない点については、先ほど申し上げたように、これは自治体がやっているところなどもございますので、少しでも必要なところに行くように厚労省としても支援をしていきたいというふうに思います。
  245. 小野次郎

    ○小野次郎君 お金のことを言っているんじゃないんですよ。災害救助法というのは適用できないんですか。
  246. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 仮設住宅に入っていただいた後は、基本的に御自身で買っていただくということになっておりますので、先ほど申し上げたような資金を活用して買っていただくという形に今の法制の中ではなっております。
  247. 小野次郎

    ○小野次郎君 だから、お金の問題じゃないと言っているじゃないですか。  冬が来て、今日のニュースだって、みんなもう北の方から順に雪が降ってきているというときに、毛布が足りないとかセーターがないとかね、元々のお宅にはあったと思うけれども、それを持ち出せなかった人が多いわけでしょう。日本人には善意が、塊ですよ。だけど、行政が一番善意が通じないんじゃないですか。何兆というお金をあなたは動かしているかもしれない。だけど、肝心なところに、欲しい人がいるのになぜ届けられないんですか。災害救助法はなぜ適用できないんですか。
  248. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 災害救助法の適用は、先ほど申し上げたように仮設住宅に入っていただくところまでなんですね、私の方で扱っているのは。私の方というか厚生労働省で扱っておりますのは。ですから、後は、先ほど申し上げたような、自治体で出している災害援護資金ですとか社協で出しているものとか、そうしたものが円滑にいくように支援をしていくということしか今の仕組みの中では、そういう形になっているということです。
  249. 小野次郎

    ○小野次郎君 じゃ、小宮山厚生労働大臣に伺いたいんですけどね、社会には強い人と弱い人、豊かな人と貧しい人がいるけれども、その多くの人が集まって一つの社会をつくっている目的は何ですか。なぜ一つの政府が多くの人を統治する、支配するというのをみんなが受け入れるんだと思いますか、目的、趣旨。
  250. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それは、一人一人の方が憲法に保障されているようなしっかり安心できる生活ができるようにということだというふうに思います。  ですから、それは、おっしゃりたいことはよく分かりますが、今の仕組みの中ではそういう形しかできないと。あとは、御紹介いただいたNPOの皆様の善意とか、いろいろな形で日本全体で支えていくということではないかと思っています。
  251. 小野次郎

    ○小野次郎君 社協というのは厚生労働大臣と関係ないんですか。さっき、僕はヒントを与えているんですよ。
  252. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 先ほど申し上げましたように、社会福祉協議会での資金というものも必要な方のところに行くように、厚生労働省としてもそこはしっかりと目配りをしていきたいと思っております。
  253. 小野次郎

    ○小野次郎君 つまり私が申し上げているのは、あなた自身が閣僚として本当に困っている人のところに、困っていることへ旗振りをしていないでしょうということを言っているんですよ。社協だって、皆さん、どこの地域でもそういう窓口になったりして、ボランティアの力を借りながらやっているわけですよ。その一番頂点にいるのがあなたじゃないですか。そのあなたが、本当に腕まくりをして、冬が来るんだったらそういうものを届けましょうということを国民にも協力をお願いしたりしていないでしょう、あなた自身。あなたは法律と予算と権限のことしか言っていないじゃないですか。  大臣の椅子にそうやって深く座っていればいいというものじゃなくて、僕がなぜさっき抽象的に質問したかといえば、厚生労働省というのはまさにそういう社会をつくっている原点、弱い人に対する互助、共助の塊だからあなたに聞いているんじゃないですか。
  254. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、平野防災担当大臣。まあ女性を余りいじめずにやりましょう。
  255. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 私は、発災直後に被災者生活支援チームというのをつくりまして、政府で物資を調達して都道府県市町村に届ける、そのチームの事務局長をしておりました。  先ほど小宮山大臣からお話がございまして、今の法体制上は、災害救助法では確かに仮設住宅が入るまでと、入った後は原則は自立ですよという形になっています。しかし、その一方で、その後も、厚労省といろいろ連絡取りながら、例えば仮設住宅についての追加の工事、先ほどもいろいろ議論がありました、そういったものに対しての対応をする、それからあと、例えば市民農園的なものに対して世話をしてもらえないかと、そういったことに対応する、そういったことについての対応もしてまいりました。  今の委員お話では、これから冬に向かって、津波の被災者の場合は全てなくしております、全てなくしておられる中での冬物の用意等々についてどういうニーズがあるか、どういう対策ができるか。これは、被災者生活支援チームの機能は今の復興本部が継承しておりますので、今の委員指摘踏まえまして、私どもでもちょっと検討させていただきたいというふうに思います。
  256. 小野次郎

    ○小野次郎君 今の大臣の答弁で、是非しっかり取り組んでいただきたい。本当にもう雪降っているんですから。先ほどの厚生労働大臣みたいに、法律が予算がと言っていて厚労大臣が務まるとは私、思いませんよ。  次に進みますけれども、やっぱり厚労大臣も若干関係あるから、聞いておいてください。  WBC測定、ホール・ボディー・カウンターというんですかね、これが、福島県内で二十キロ圏内におられた方の中で当初一割を目標として測定をしているわけですけれども、福島県外に避難された方々、全然検査呼出しが来ないと言っていますけれども、どうなっているんですか。政府としてこれを改善を図る考えがありますか。枝野さんかもしれない、枝野大臣
  257. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 県外の避難者の方についても、県内に避難をされている方と同様に内部被曝検査の案内を発送するとともに、例えば、特に福島県からの避難者が多い新潟県においては、福島県が新潟県に委託をして、十月二十四日から新潟県放射線検査室において検査を開始したという報告を受けております。  ただ、恐らく県外に避難されている方については把握の状況等そもそもが完全にできていないという状況もございますので、更に県と御相談をして、特に県外に避難をされている、原子力発電所に近い地域で今ホール・ボディー・カウンターによる検査を順次お願いしている地域にいらっしゃった方についての周知を更に徹底してまいりたいと思います。
  258. 小野次郎

    ○小野次郎君 当該地域に二十二万人の方がおられて、一割というと約二万二千人なんですよ、委員長。ところが、三か月間この測定をした調査結果をいただいたのが一枚目、二枚目の資料ですけれども、月間千五百人のペースでしか測定していないんですよ。ということは十五か月ぐらい掛かる。つまり、来年の今ごろまで掛からないとこのWBC測定、一割の目標が達成できない、こんなことじゃらちが明かないんじゃないですか、枝野大臣
  259. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 早期にできるだけたくさんの方にホール・ボディー・カウンターによる検査を受けていただくことが望ましいと私どもも考えております。このために、二次補正予算で用意しました基金を用いまして福島県がホール・ボディー・カウンターの機械の購入をしております。既に十一月十日に一台購入し、二十一日より稼働予定です。また、十二月に三台、一月に一台購入される予定になっております。  いずれにしろ、こうした大型の特殊な機械でございますので、そしてその機械の物理的な、どれぐらいのペースでどれぐらいの方を検査できるのかと、こういったことに制約を受けている、この中でできるだけ早い段階で早くたくさんの機械を用意する、そして早くたくさんの皆さんに受けていただくということに向けて、福島県と相談しながら更に急げることがあるならば急ぎたいと思います。
  260. 小野次郎

    ○小野次郎君 急げるところがなかったらやらないということですか。
  261. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 申し上げておりますとおり、これ、機械の数と、それから機械の回転量ということでございますので、そこに物理的な制約があります。そうしたことの中で、更により早く調達をすることができないかどうかなど、できることがあればやりますと申し上げているんです。
  262. 小野次郎

    ○小野次郎君 だって、原発事故の周辺で働いた会社の方に対してはどんどん呼出し来ていますよ。福岡で受けなさいとかいろいろなところに指示が来て、企業ごとに下請、孫請と連絡が来ているんです。ところが、被災者についてはないんですよ。だから聞いているんじゃないですか。物理的に施設の数が足りないからじゃないですよ、そういう仕組みになっていないから遅いんですよ。
  263. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 次々と呼出しを受けているということについて、どういったことをおっしゃっているのか。もしも原子力発電所のサイトの中で働いておられた方ということであるならば、こうした皆さんも、もちろん今回の事故については政府と東京電力の幹部については大変な大きな責任があるというふうに思っておりますが、特に事故以降、サイトの中で収束作業に向けて危険の中で作業をしていただいていた皆さん、そうした皆さんが、もちろん周辺住民皆さんも御不安だと思いますが、サイトの中で働いておられた皆さんは不安ということを超えて実際高いリスクを持っていらっしゃいますから、そうした皆さんがしっかりとホール・ボディー・カウンターによって検査を受けていただくということと、市民の皆さんと、しっかりやっていただくと。  これは繰り返しになりますが、東京電力の幹部や政府関係者が先にというんだったら問題あると思いますけれども、もしもサイトの中で働いている方ということであるならば、そういったことだということを申し上げておきます。
  264. 小野次郎

    ○小野次郎君 私はサイトの中とは言っていませんよ。原発の事故後に周辺で働いた方も、やはり警戒区域の中なんかで働いている仕事した方にも呼出しが来ているんですよ、会社の方から。  ところが、その住んでいた人の方には、今言ったみたいに一月間に千五百人のペース。これじゃ十七か月掛かるんですよ。年少者と妊婦といったって、妊婦というのはもう間に合いませんよ、十七か月じゃ。どうするんですか。だから聞いているんじゃないですか。
  265. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) その周辺で働いていた方という方について事前に御通告で御報告いただければよく調べておきましたが、ホール・ボディー・カウンターについて、政府そして福島県としてできるだけ早くたくさんの機械を調達して、できるだけ速いペースでやっていただくということについて政府としてはやっております。  政府以外のところでどこかが持っていて、そうした皆さんからその機械を借りられるのか、それとも、その方々の立場上、政府なり福島県なりに優先して使わせろと言うことができる関係であるならば、それは使えということを言いますが、どこの企業のどこの持っている機械であるかを教えていただければ、関係上、原発事故に責任があってということなら私どもの方からお願いをいたしますが、私どものところでは、把握ができて調達できることについては最大限のペースで調達をして、そして検査をしていただこうという努力はしております。
  266. 小野次郎

    ○小野次郎君 私が言っているのは、大臣、よく聞いてください。労働安全衛生の立場から働いた方の方については来るんですよ、雇用したところから、何キロというところで働いた人には、原発事故後に働いた人については。ところが、住んでいた人については、県そして市町村、元住んでいた市町村役場からの連絡を待っているんだけれども、福島県内に残っている人が先にやっているから、県外に出た人にはほとんど来ないんです。それで、連絡来たときには、どこに行くんだといったら、茨城県に行け。全国、北海道から沖縄までいるんですよ、住んでいる人が。どうやってそんなところへ行けるんですか。  ところが、働いた、仕事した人の方については最寄りのところとかいろいろ指定が来るんです、働いた企業から、あそこへ行って検査を受けなさいって。違うんですよ、仕組みが、全然。混同しないでください、大臣。(発言する者あり)
  267. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  268. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) ですから、近隣にお住まいだった皆さんの不安の解消のためにホール・ボディー・カウンターを使って検査をするということについて、これは原子力行政を推進してきた政府とそして東京電力の責任ですから、最大限のペースでやっています。  それと別の仕組みの下において、それぞれの法規なりそれぞれの企業のルールなりの下で個々の企業等がやっていることについて、そうした皆さん……(発言する者あり)元々物理的な機械の数の制約等とか運用についての制約がある中で、政府としては最大限早く機械をそろえて検査していただく努力をしています。それについて、さらに、例えばこういうところに機械があって、こういうところに先に使わせるよりも国から命令したり行政指導したりするなりで先に使わそうということができる相手があるなら、教えていただければそれは善処いたします。
  269. 小野次郎

    ○小野次郎君 教えていただければって、一議員に何なんですか、大臣が。僕が調べられるんですか、それ、どこにあるかというのを。  もう一遍言いますよ。だって、各、五十四基ある原発の、そのそれぞれ今まで働いた方たちは、平常時ですよ、受けるところがあるんですよ、全国に、機械は。ところが、今、今回、元住民だった、元って、失礼、現在も住民の方に、避難された方へのやつは福島県に任せているでしょう。だからこういうことになっているんですよ。九州電力とかほかの電力会社が持っている、関係しているところは使っていないはずですよ。  それで、しかもその連絡を市町村にやらせているでしょう。手いっぱいの市町村が、遠く離れた沖縄だとか北海道にいる人のところに、そのお子さんですよね、十八歳未満とか妊婦の方に、一割を目標にやっているはずなんだけれども、地元に住んでいる人の方が先にはいはいと言うものだから、全然順番が回ってこないんですよ。私の知っている方も、実際、甲状腺に何かちょっと異常があるんじゃないかという所見をもらった人がいるんです。今住んでいるところで至急医療機関に行ってもらいましたけれども。その不安、まあパニクって当然だと思いますよ。  大体誤解解けましたか。そういう問題、どうなんですか、一体
  270. 石井一

    委員長石井一君) 一般の被害者に対してどういう措置があるのかということについてお答えを願いたい。
  271. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) これは原発事故に対する対応全般について言えることでございますが、原子力行政を推進をしてきたのは何十年間にわたって中央政府でやってきたことでありますから、そのことについては本来、一義的にも本来的にも政府が直接被災者、被害者の皆さんに対する対応をすべきであるところでございますが、現実的には様々な地域の事情について把握をされている、あるいは国だけでは直接できないところがあって、例えば除染等についても地方自治体皆さんにも御協力いただいていたりしているところであります。そうしたことの中で、ホール・ボディー・カウンターによる検査については福島県と御相談をさせていただいて、そうしたことの中で政府としても最大限のことをさせていただいているつもりであります。  そうしたことの中で、現実に、例えば御連絡が十分に届いていないとか、あるいは連絡は行ったけれども順番が回ってこないということで御心配を掛けていることについては、最初に申し上げたとおり、大変申し訳なく思っておりますし、それについてはできるだけ早く対応できるように国として更に努力をしてまいります。
  272. 小野次郎

    ○小野次郎君 努力をしてください。月間千五百人のペースでは間に合いません。僕の考えたところでは、やっぱり三倍ぐらいのスピードアップしないと、年度内、来年の三月三十一日までに終わらないですよ、これ。  でも、もう既に現地では一割じゃ納得しないと住民が言っているんですよ、なぜ私は選ばれなかったのかという話をするから。一割に入っていない人も検査を受け始めています。そうなると、ますます母数が増えていくわけですから、とても今のペースでは不安を解消することはできないと思うので、是非、枝野大臣、お力を入れていただきたいと思います。約束していただけますか。
  273. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 実際に原発周辺におられた皆さんの不安は大変大きなものだろうというふうに思っております。それに対して政府としても、できるだけそうした皆さんが少しでも安心していただきたい、そのためにはできるだけ早くホール・ボディー・カウンターによる検査を受けていただきたいという気持ちは私も個人的にも強く持っております。したがいまして、できるだけペースが上がるように更なる努力最大限してまいりたいと思います。
  274. 小野次郎

    ○小野次郎君 話題を変えますが、今度は総理に伺いますけれども、いいですか。  総理は、今月十一日付けで藤村官房長官、それから竹歳官房副長官、処分されましたね。処分の内容と処分の理由をもう一遍話してください。
  275. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 藤村官房長官には厳重注意、竹歳副長官には訓告という形の処分をさせていただきました。  それは、昨日も御議論ございましたけれども、松原国土交通大臣を拉致問題の担当の、いわゆる山岡大臣の補佐という形で閣議で私が要請をしたという形で、官房における混乱があって、その指示のところで国会のいわゆる御審議に御迷惑を掛けたりしたということを踏まえての対応であったということでございます。
  276. 小野次郎

    ○小野次郎君 官房長官、連絡してませんが、ちょっと説明してほしいんですけれども、閣議でって総理おっしゃいましたけれども、閣議ですか、閣僚懇談会の場、どっちの場ですか。それで、閣議決定ですか、それとも閣議了解事項、どっちだったんですか。
  277. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 今の御質問に閣議であるということをお答えしたらいいですか。閣議です。閣議で発言をされたということです。
  278. 小野次郎

    ○小野次郎君 閣議ですか、閣僚懇談会の場ですか。それから、閣議決定ですか、閣議了解事項ですか。
  279. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 閣議での発言であります。
  280. 小野次郎

    ○小野次郎君 竹歳官房副長官、官房副長官は三人いますが、なぜ事務副長官が処分されたんですか。
  281. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 閣議での発言において、松原副大臣について総理からの指示をしたと。本来、過去の例は全て、松原副大臣の上司であります前田国交大臣がその後に発言をしないといけない、そういう手続になっていたと。そういう意味では、手続面で瑕疵があったことは、それは事務方の処分になったんだと思います。
  282. 小野次郎

    ○小野次郎君 私は、総理にもう一遍伺いますけど、この厳重注意自体がなかったんじゃないかと思うんですよ。いつどこで官房長官にどういう形で厳重に注意したんですか。(発言する者あり)
  283. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 金曜日の出発前にそういう方針を固めてお話をいたしました。
  284. 小野次郎

    ○小野次郎君 私は、総理が閣僚を厳重注意する場面を見たことがあります。ちゃんと、ある場所においてきちっと、こういう理由で厳重に注意するということを言い渡すんですよ。ちゃんとしましたか。
  285. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 官邸執務室で行いました。
  286. 小野次郎

    ○小野次郎君 それは証明できますか。
  287. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私と官房長官の間ですので、官房執務室でお話をしてそういう形にしたということであって、証明と言われても困りますが。
  288. 小野次郎

    ○小野次郎君 ないんですね。
  289. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 二人でやっているということです。
  290. 小野次郎

    ○小野次郎君 私は、閣僚を総理大臣がかなり厳しく叱るのも立ち会いました。閣議室の周りに小さい部屋があるでしょう。あれ、愛の説教部屋というんですよ。でも、それは厳重注意処分じゃないんですよ、どんなに怒ったって。厳重注意処分というのは人事上の処分ですからね。それは誰かがきちっと証明しなきゃいけないし、どこかに記録がしっかり残っていなきゃいけない。  藤村さんの方は、それを受領しましたという確認する何かの行為がなきゃいけないんですよ。それがありますかって聞いているんですよ。
  291. 石井一

    委員長石井一君) 藤村官房長官。  受けた方の話を聞いてください。
  292. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 総理が記者会見をされました。その後、夜のあれは多分八時過ぎぐらいかと思いますが、私は総理室に入り、そこで注意をいただいたということで、このことを証明ということよりは、私のその後の会見ではそのように御報告をしたところでございます。
  293. 小野次郎

    ○小野次郎君 それで、私が見ることができたその場面では、閣僚の方からは、厳粛にそれを受け止めるという趣旨の発言と、もう一つは、責任を自覚して閣僚としての給与について、忘れましたけれども、一定の割合を返上するという申出もありました。あなたは、本当にその厳重注意処分を厳粛に受け止めるなら、どういう対応を考えたんですか。
  294. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 参議院の中で様々議論の中でいわゆる給与返納という話も途中段階ではございましたが、最終的に、参議院の方で決めていただいたということでございますので、そのように従ったわけでございます。
  295. 小野次郎

    ○小野次郎君 だから駄目なんですよ、この内閣は。だって、憲法上の内閣って立派な機関なんですよ。あなた、国対の問題でそれやらなくてもいいという話になったからやめましたで済む問題なんですか、閣僚として。あなたはその厳重注意処分をどういうふうに受け止めたんだって聞いているんですよ。(発言する者あり)
  296. 石井一

    委員長石井一君) いやいや、ちょっと静かに願います。
  297. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 手続に瑕疵があったことは私の責任でもございますし、もちろん事務方の責任が一番あったとも思いますので、私は重く受け止めました。
  298. 小野次郎

    ○小野次郎君 同じ文脈で、今度、TPPの、総理の、オバマ大統領の発言、そしてアメリカ側の発表との食い違いの話に行きますが、総理はやっぱり言っているんじゃないんですか。僕は今朝聞いていて、昨日の説明と今日の説明と微妙にあなたは変えていますよ、説明を。昨日は、山本一太議員には、昨年十一月の閣議決定に従ってと言って、交渉参加に向けて関係国との協議を開始するとアメリカ側に伝えたと言いましたけど、今日、徳永議員に対しては、昨年十一月の閣議決定に従って、交渉参加に向けて関係国との協議を開始するとアメリカの大統領に伝えたと言いましたよ。つまり、その閣議決定には入っているんですよ、さっきから話題になっている、全てのものをテーブルにのっけるという話が。だから、それはあなた言ったことと同じになりますよ、それだったら。
  299. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年の十一月の……(発言する者あり)私が申し上げたのは、交渉参加に向けて関係国との協議に入るということと、昨年閣議決定をしている包括的な経済連携協定に基づく基本方針を踏まえて高いレベルの経済連携協定を目指すと、そういうことです。
  300. 小野次郎

    ○小野次郎君 じゃ、その従いというのは、外務大臣、英語で何て訳したんですか、向こうに。
  301. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと、その場に私自身おりませんので、英語で何と言ったかと問われても、正しく……
  302. 小野次郎

    ○小野次郎君 誰に聞けばいいんですか、じゃ。
  303. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 通告していただければしっかり持ってまいりますけど、これは仕方がないと思いますよ。
  304. 小野次郎

    ○小野次郎君 冗談じゃないよ。昨日から、だってこの問題が全て一番大きな問題になっているんでしょう。外務大臣、じゃ、うちで休んでいたんですか、質問が来なければ。そういう問題じゃないじゃないですか。まさにその言った内容とアメリカ側で取り消さないと言っている内容の食い違いが問題になっているんだから。その部分は何と言ったんですか、それは。  だけど、これ、どんな国際会議に総理が行って帰ってきたときも、その説明は総理大臣はしませんよ。外務大臣がしているんですよ、歴代。だから、外務大臣は全部把握してなきゃいけないんですよ。あなたの責任なんですよ。答えてください。
  305. 石井一

    委員長石井一君) ただ、英語の原文を持参していないと言っているんですから、多少それを取り寄せるとかなんとか、それをやらなきゃ、ここでやったって、いささかちょっと難しいと思うんですよね。
  306. 小野次郎

    ○小野次郎君 何で委員長が代弁するんですか、そんなことを。
  307. 石井一

    委員長石井一君) どうですか、後刻それに対して提出するということにしていただいたらいかがでしょうか。  ここの質問事項では、原文の照合まで……
  308. 小野次郎

    ○小野次郎君 もう一度聞きますけれども、じゃ、総理、その総理がさっき説明した話はオバマ大統領に伝えたんですね。閣議決定に従って、基づき、どっちですか。(「基づき」と呼ぶ者あり)と言ったんですね、向こうに。言ったら言ったと同じですよ、だって。
  309. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年十一月に決定した包括的経済連携に関する基本方針に基づき、高いレベルの経済連携を進めていくという趣旨の話をしたということです。
  310. 小野次郎

    ○小野次郎君 その閣議決定の方針は何が書いてあるんですか。
  311. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) センシティブな品目に配慮をしつつ、全ての物品、サービス、自由化の対象にするというような内容の閣議決定でございます。
  312. 小野次郎

    ○小野次郎君 だから、それをアメリカ側は、何か知りません、ホームページか何かにそのまま載っけたということでしょう。全然おかしくないですよ。あなたの方がおかしいですよ。二枚舌ですよ、明らかに。
  313. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) さっき申し上げた基本方針は、「センシティブ品目について配慮を行いつつ、」という言葉が入っているんです。それ以降を抜き出しているというところはやっぱり違うんで、だから我々は基本方針に基づく高いレベルとは違うということであります。
  314. 小野次郎

    ○小野次郎君 じゃ、取り消すんじゃなくて、その配慮しつつというのも追加してくれというお願い、どっちしているんですか、あなた。どっちなんですか。削除なのか、追加なのか。
  315. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 解釈の話じゃなくて、私が言ったことではないと。具体的にその場で、いわゆる全ての品目を自由化交渉の対象にするという言葉を言っていないということを我々は伝えたということです。
  316. 小野次郎

    ○小野次郎君 いや、例えばこの紙、何でもいいですよ、この紙に参照してとか言ったら、それはこの内容まで認めたことになるのは大人だったら分かるじゃないか、そんなもの。契約の条項を全部読み上げなけりゃ駄目だっていうんじゃなくて、書いてあるとおりの、あるいは別紙のとおりと言ったら、別紙も認めたことになりますよ、それは。
  317. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) センシティブ品目に配慮しつつということは、これ、ただのただし書じゃなくて、全ての品目を自由化交渉の対象とするという中の流れの一つの文章ですから、途中で切るのはおかしいんです。そもそもおかしいんです。だから、私はそういうことを具体的に言ってはいないということを言っているんです。
  318. 小野次郎

    ○小野次郎君 だから、私が言っているのは、載せろと言うのなら、じゃ、前段も載っけてくださいよということは言えるけど、昨日言っていた議論の流れは、あなたは言ってないんだからその部分を落とせと言っている話に対して、落としてくれとは言いましたけど向こうは認めてくれないということになっているんでしょう。違うじゃないですか、全然話の構造が。加えてほしいんだけど加わってないって、どっちなんですか。
  319. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 加えてほしいとかじゃなくて、正確に自分が言ったことを書いてほしいということを言っているということであります。
  320. 小野次郎

    ○小野次郎君 だから、引用したらそれは使われたって仕方ないじゃないですか。
  321. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 仮に、だからその基本方針、去年まとめた基本方針で、高いレベル、経済連携と、そういう書き方をしているんなら問題はないんですけれども、その基本方針の中の半分を取り出しているというところがあったので、そこまでだからその中身を詳細に言っているわけではないということを私は申し上げて、それを事務的に伝えているということであります。
  322. 小野次郎

    ○小野次郎君 納得できないけど、言っている意味は分かりますよ。  つまり、じゃ、両方取り上げていれば、センシティブな話も上げていれば、その全てのものをテーブルの上にのせるというのも了解なんですね。そういうことですね、言っているのは。
  323. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) それは、昨年十一月の閣議決定ですから、閣議決定に基づいて対応するのが基本だというふうに思います。
  324. 小野次郎

    ○小野次郎君 それじゃ、言ってないことを載っけているんじゃなくて、言っていたことの半分しか書いていないということでしょう。全然違うじゃない、それ、意味が。(発言する者あり)
  325. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、昨日と同じですよ、だって。言っていることは同じです。基本的に、だから、言ってないことが出たから、それは違うと言ったということであります。
  326. 小野次郎

    ○小野次郎君 賢明なる視聴者の皆さんが見て判断してくれると思いますが、もう一遍、頭の整理のために、総理、伺いますけど、昨日から聞いていて、関係国との協議を開始というのと、交渉参加というのと、まあ私なんかは究極的にはこの経済連携協定に参加と、三つのコンセプトがあると思うんですが、この三つの関係を分かりやすく説明してほしいんです。議論がどうもぐるぐる回っているので分かりにくいと思うので、是非説明してください。
  327. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るというのは、まあこれもう、それ以上でもそれ以下でもないと思うんですが、要は、関係国との協議、すなわち、関係国がどんなことを我々に求めてくるのか含めて、単に一方的に情報を聞くだけではありません。そのお考えはちょっとおかしいですねとか変ですねということのやり取りはもちろんあると思いますが、真に求めるものを把握をしていくということ。そういうことを踏まえて十分な議論をしていくということ。最終的には、あくまで国益の視点に立って結論を出すという、そのプロセスに入ったというのがこの交渉参加に向けての関係国との協議に入るという意味であります。  いわゆる交渉に参加すると……
  328. 小野次郎

    ○小野次郎君 それが交渉参加なんじゃないですか。
  329. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 交渉に参加するというのは、そういう主体的な、そういういろいろ動きはありますけれども、TPP協定交渉中の九か国との協議を経て交渉に加わるということが交渉参加です。それは、今我々の考えているプロセスもありますけれども、参加国が我々を認めるかどうかというのもあるわけですから、そういうのが合わさって交渉参加ということが成り立つわけであります。  経済連携協定に参加すれば、もちろんこれは協定締結をするということではないでしょうか。
  330. 小野次郎

    ○小野次郎君 私たちみんなの党は、日本は貿易立国であり科学技術立国ですから、基本的に市場を開放するということでございます。  ただ、守るべきもの、あるいは日本の方が優れているものをレベルを下げてしまうのにはもちろん反対ですから、二、三の点をお伺いしますけれども、特に多くの国民はTPPの参加の代償として何か大切なものを失うんじゃないかという不安を持っています。例示を挙げますと、食品、牛肉、医薬品について、安全性確保の仕組みをこのTPPに入ることでレベルが下がっちゃうということはあり得ませんね。
  331. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 食品につきましては、TPPの協定交渉では、現在は個別の食品安全基準の緩和というものは議論されていませんが、もし今後、協定交渉の中で提起された場合には、WTOのSPS協定で認められた食品安全に関する措置を実施する権利の行使を妨げる提案、これを受け入れることはありません。  また、牛肉につきましては、これは国内でBSE対策を開始してから十年たちますので、これは新たな科学的知見に基づいて見直すということで、国内での検査体制などのリスク管理の在り方について再評価を行うこと、そして外国産牛肉のリスク評価についても順次海外のリスク管理の詳細なデータなどを入手して再評価を行うということにしておりますので、これはTPPとは別の問題で考えています。  また、医薬品につきましては、TPP協定交渉で行われている議論の詳細は明らかではありませんけれども、国民の生命や健康、これをしっかりと守るように対応をしていきたいというふうに考えています。
  332. 小野次郎

    ○小野次郎君 今日は時間の関係もあって、このTPPの関係は、また次のテーマへ移りますけれども、私たちとしては、みんなの党としては、白地、白紙で賛成だと言っているんじゃなくて、その関係国との協議の状況というのも国会に報告してほしいし、交渉参加、最後の協定ができ上がるまでの交渉の状況についても御報告いただいて、そこで私たち対応というのを決めていきたいと思っていますので、国民への広報、そして国会への報告を是非まめにやっていただきたいと思います。  次の質問に入りますけれども、今日は東京電力の西澤社長にお越しいただきました。おられますか。先日も来ていただきましたが、その際に私の方から、この東電の原発損害賠償手続の改善について御注文を申し上げました。東京電力の方では、速やかに検討していただいて、改善をしたいということを言ってきていただきました。  今日は確認のために項目ごとに説明を求めますから、一個ずつお答えいただきたいと思いますが、まず、当初見ていた合意書の表記、どういう部分が変更になりましたか。
  333. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  合意書の見本の方に記載しておりました、「なお、上記金額の受領以降は、」云々で、「一切の異議・追加の請求を申し立てることはありません。」という表記がありましたけれども、これは先生を始め多くの方々から誤解を招くという記載であるという御批判をいただきましたので、お送りする場合はこの表現はもう削除してございます。
  334. 小野次郎

    ○小野次郎君 誤解じゃなくて、誤解とは思いませんけれども、とにかくそれは削除していただいたということで次へ進みますが、例えば東電が定めた標準金額を超える支払があった場合に、領収書を提出して実費で掛かったという証明ができる場合には賠償支払応じるべきだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
  335. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 原則としまして、領収書等の必要書類を確認させていただきまして、必要と考えられる範囲で実費は賠償させていただいております。
  336. 小野次郎

    ○小野次郎君 状況に応じて、一括で請求が難しい事情のある方っているわけで、一部項目のみの賠償請求も認めるべきだと思いますけれども、西澤社長、いかがでしょうか。
  337. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 先生の御指摘の件ですけれども、一部項目のみについて賠償を進めさせていただいております。
  338. 小野次郎

    ○小野次郎君 同じように、双方合意に全部達すればいいんですけれども、達した部分と達しない部分があるときに、合意に達した部分から賠償支払を先行させるということも認めるべきだと思いますけれども、社長の見解を伺います。
  339. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 合意した項目のみを先行してお支払をさせていただいてございます。その際、合意に至っていない項目がございますけれども、これは改めて協議させていただくという形でさせていただいております。
  340. 小野次郎

    ○小野次郎君 やむを得ない事情があって請求漏れがあったという場合もあります。そういう場合の請求の追加、これも認めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  341. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 合意した後に領収書等が見付かるなど、やむを得ない御事情がある場合につきまして、追加の御請求の相談には応じさせていただいております。
  342. 小野次郎

    ○小野次郎君 改善の取組について私なりに要点をお伺いしましたが、東京電力としては簡単ガイドを配付したり改善を工夫されているようですけれども、その内容についてもしおっしゃりたいことがあれば、どうぞ社長、おっしゃってください。
  343. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 前回に先生からいただいた御指摘も踏まえまして、先ほど先生からもお話ありました簡単ガイド等につきまして、福島県や市町村皆さんから伺った意見を反映して作成させていただいております。  現在、二回目の請求書についても作成中でございますけれども、本件につきましても、県や市町村の皆様からの御意見を伺い、改善するよう努めている最中でございます。  今後とも、これは枝野大臣の方からも指摘され、機構の方からも言われておりますけれども、親身・親切な賠償のための五つのお約束についてしっかりと進めさせていただきたいと思っております。
  344. 小野次郎

    ○小野次郎君 枝野大臣からも厳しく指導していただいたということを聞いていますので、その点も評価をしたいと思います。東電には、引き続き賠償手続が円滑に進むように、親身なサービス提供を私からもまた重ねてお願いしておきたいと思います。  さて、十一月九日付けの新聞に、福島大学が中心になって行った、一万数千世帯からの回答ですからかなりの母数の調査結果が出ています。原発避難戻らぬというのが二七%という見出しになっていまして、特に三十四歳以下、若い世代では半数を超す方が除染が終わっても帰らないということを答えています。低線量と言われても、なかなか生活を元の場所で再びつくることは難しいとお考えの方が大変若い人を中心に多いわけですけれども、この調査結果に表れた住民認識についてどう向き合っていく考えか、原発担当相にお伺いしたいと思います。
  345. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 今回、福島大学の災害復興研究所が行われた調査については、私も全ての項目を拝見をいたしまして、その中で特に若い世代皆さん、そして上の方も含めてそうですけれども、戻ることについていろんなお考えを持っておられると。特に若い方は五二%の方が戻る気がないとお答えになったというのは、大変本当に申し訳ないという思いでいっぱいでございますし、この結果自体は非常に重く受け止めなければならないと思っております。  私どもはまず、そうした皆さんの気持ちにこたえるためにも、ステップツーを一刻も早く達成をする、年内達成をこれはしっかりやっていきたいと思っております。  あわせて、除染を進めることによってできるだけ多くの皆様に現実に帰っていただく、さらには帰っていただく可能性を広げるということについて尽力をしてまいりたいと思っております。  その上で、当然いろんなことをお考えになる方がおられるわけでありますから、そうした皆さんに選択肢をお示しをするということも非常に大事であると考えておるところでございます。そうした検討を既に始めております。
  346. 小野次郎

    ○小野次郎君 細野さんは環境大臣も兼ねておられるんですが、環境省の方の除染の基本方針というのが出ていますね。(資料提示)これは配付資料の四ページ目、五ページ目ですけれども、その中に、年間二十ミリシーベルト以上の地域段階的かつ迅速に縮小すると、その汚染地域を縮小するということだと思いますけれども、そう書いてあります。この段階的かつ迅速にというのは何年をめどに考えているんですか。
  347. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 明確に何年にということで特定の年限を限定をしているわけではございません。ただ、一定のめどといたしましては平成二十六年の三月末までというのを目標にしておりますので、およそ二年少しというこの期間でできる限り除染を進めることによりまして二十ミリシーベルト以上の地域を少なくしていくと、これが当面の目標ということになってまいります。
  348. 小野次郎

    ○小野次郎君 二十ミリシーベルト以上の部分を小さくする、縮小すると、この表現が非常に曖昧なんですよ。だって、一方で同じ除染の基本方針の中に一ミリシーベルト以下を目指すというのがあるのに、今の言い方は二十ミリシーベルトの地域を縮小する。つまり、十九ミリシーベルトとか十八ミリシーベルトになればその言っている趣旨は達せられるんだと思いますが、それでは、このさっき言った十一月九日に出ている調査結果でも、戻る意思のある方にどれぐらい待てますかと聞いたら、三年以内という方が七割ですよ。その三年というのは、七割と言っているのは十九や十八ミリじゃ戻れないですよ。矛盾しているじゃないですか。
  349. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 現在の現存被曝状況において私どもが避難の基準としておりますのが、追加放射線量が年間二十ミリシーベルトに相当する地域ということでございます。  したがいまして、少なくともこの二十ミリを下回ってくれば、現実的に帰っていただくためには、もちろんインフラの整備であるとか行政のしっかりとした体制であるとか医療機関であるとか、そういったことが必要ですので簡単ではありませんけれども、帰っていただくことができる可能性が出てくるという意味で二十ミリを一つの目標としているところでございます。
  350. 小野次郎

    ○小野次郎君 取りあえずそこはおいておいて、同じ文書の次に、ただし、線量が特に高い地域は長期的取組が必要だとも書いてあるんですね、留意すると書いてあります。  特に高い地域って何ミリシーベルト以上のことを言っているんですか。で、どれぐらいの面積になるんですか。
  351. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) こちらで言っております特に高い地域というこの部分についても、特に明確な数字を設定をしているというものではございません。ただ、現実に今モデル事業を実施しておりまして、その中で、元々の放射線量が非常に高い地域について、なかなかその線量が下がらないということもやはり考えなければならないだろうと思っておるわけです。  したがいまして、モデル事業をかなりの箇所を今やっておりますので、それを見極める中で、長期的な計画の下に除染を行わなければならない地域をやはりどうしても特定をしていかなければならないだろうと考えております。
  352. 小野次郎

    ○小野次郎君 報道では、朝日新聞も読売新聞も、このさっきの報道と相前後して、やっぱり十一月九日ぐらいだと思いますけれども、原発二十キロ圏に帰還困難域をつくると。ほかの新聞の方では居住困難地域と書いた新聞もありますけれども、いずれにしても、そういったものを指定して不動産の借り上げ、買上げなどのスキームをつくっていくんだと書いてありますけれども、こうした施策についての検討はどの程度具体化していますか。
  353. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今環境大臣の方から御答弁がありました、今後の除染によってどの程度下がるのか、そしてより詳細なモニタリングもやっております。こうしたところから、どの辺りの地域がどれぐらいの期間でどの程度の数字まで下がっていくのかということの見通しを年内ぐらいには何とか付けたいというふうに思っております。  そして、どれぐらいでどれぐらいの数字になるのかという見通しを片方で持ちながら、地元皆さんの御意見、御要望をしっかりと御相談をさせていただく。そして一方では、放射線量が下がるだけでは戻れません。特に海側のところは、津波による被害も受けているところも含めて、インフラの整備、復旧等の計画も立てる、こうしたことを総合的にやっていくということが、ステップツーが達成された段階からかなり具体的に進んでいくという見通しで、そのための事務的な検討を進めているという状況です。
  354. 小野次郎

    ○小野次郎君 前から指摘していますけど、ステップツーとかステップワンというのは原発の収束の問題ですよ。残存している放射線の影響の問題じゃないじゃないですか。
  355. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 直接的に、いつ戻れるのかという話と直接的な相関関係があるわけではないというのは御指摘のとおりかもしれません。  ただ、例えば、かなり、この間、記者の皆さんも細野大臣に同行してサイトへ行っていただきましたので、もう冷温停止、ステップツー達成に近いということで、周辺地域状況が悪化をするというリスクは相当下がってはいますが、そのリスクがほぼなくなるというのはステップツーの達成でございますので、その段階で初めてあの周辺地域の例えば中長期的なインフラの復旧に向けた具体的な段取りがスタートさせられるということで、そこからのことがいわゆる具体的な動きのスタートになるかと思いますが、何もしていないわけではなくて、まさにそこに向けたより詳細なモニタリングや、あるいは先ほどの除染のモデル事業であるとか、あるいは、率直に申し上げて、いろいろなお帰りいただくプロセスについての様々な選択肢の頭の体操といいますか、選択肢のピックアップのような作業はもちろん既に進めておりまして、地元皆さんとも順次御相談を始めていかなければならないと。  必ずしも、ステップツーの前は何もやらなくて、後から全部やるということではありません。ただ、一つのめどになって作業は進んでいるということです。
  356. 小野次郎

    ○小野次郎君 今日掲げていますパネルは、もう何回も同じものを使っていますけれども、現実に起きた八六年のチェルノブイリ事故、九年後のこのまだら模様になっているのが居住できない地域とされているところの範囲ですから、これだけのことが起きているわけでありまして、住民の意識調査でも、七割の方が三年以内に不安が解消されなければ待てないという答えが出ている。もう帰らないという若い人も五割以上いる。そして、今環境省が出した方針を見ても、二十ミリシーベルト以下に下げるというだけのことで三年、特に高い地域については年限が決められないと言っているんじゃないですか。こんなままで、多くの被災地、特に現地の方々の不安や思いには全くタイムスケジュールで時間の目盛りが合っていないと私は思います。  私の方で議員立法しようとして準備している内容があります。要点だけ申し上げますと、帰還のめどが立たない高度放射能汚染地域については、所有者からの同意や要請を基にして、あくまでも同意、要請をベースにして、土地、家屋、事業資産を一定期間国が借り上げる。そして、集中的な除染を行うとともに、自治体と連携を図りながら、移転先の確保、移転先における生活再建支援などを行う。借り上げた用地、施設については、除染実験、自然エネルギーの事業、さらには植物工場など新たな生産活動に利用する。そして、借り上げ期間満了までに、残存放射能汚染の状況を踏まえて、国、当事者、地方公共団体の間で、返せるのか、借り上げを更新してもう一遍同じことを試みるのか、あるいは買取りをするのか、その三つの方向について今後の処置を当事者間で決めていく。  こうした生活再建と土地利用を支援する法的仕組みを早急につくる必要があると考えますけれども、政府の認識をお伺いしたいと思います。まず原発担当大臣に伺って、もし総理にコメントがあれば総理からも伺いたいと思います。
  357. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 枝野大臣、そして平野大臣とともに、今こういったことについての具体的な検討を始めております。  ここに書かれているものというのは、それぞれ非常に大きな意味のあることでございますし、やるということになると何らかのこうした法的な検討というのも必要だというふうに思いますので、我々も検討しておりますけれども、みんなの党の皆さんの方で検討されているものについてもしっかりと勉強させていただきたいというふうに思います。
  358. 小野次郎

    ○小野次郎君 今担当大臣の方から、枝野大臣、三閣僚の間で検討していただいているということですから今日は総理には答弁求めませんけれども、是非私どもとしても貢献したいと思いますので、何なりと御相談いただければ、知見を、貢献、協力申し上げたいと思います。  最後に一問聞きますけれども、朝霞の公務員宿舎住宅、前回私が指摘して四日後の月曜日に五年凍結というのを、現地見られて、すごい早い動きだなと思っておりますが、みんな心配しているのは、凍結といって、すぐ氷が解けて、大変失礼だけれども、内閣が替わったら、政権が替わったらもう全然、もう造っていますよというふうに今まで繰り返し見てきているからですよ、別に、野田内閣の前からですね。そういうことを経験しているので国民は心配しているんですよ、本当なのかと。五年間は本当に凍結なんですか。
  359. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) さきの臨時国会の予算委員会で小野さんから御指摘をいただきまして、そのとき、なるほどというか、そうだなと思いましたので、現地に行きまして判断させていただきました。  五年間凍結、これはもう本当というか、もうしっかりそうしていきたいと思いますし、今財務省の中で国家公務員宿舎削減のあり方についての検討会を設置をしていますが、この中では中止を含めて検討してもらっているという状況でございますので、速やかに結論を出していきたいというふうに思います。
  360. 小野次郎

    ○小野次郎君 だから駄目なんですよ、総理、見抜けなきゃ。このあり方についての研究会って、名前がもう駄目ですよ、削減すると書いてないんだもの。削減のあり方って、しない方がいいという結論を出す研究会じゃないですか。(発言する者あり)まあ、ちょっと待って。だから、名前自体を役人の言うとおりつくっちゃ駄目ですよ。  もう一つは、これを凍結するときに、今契約していた企業とどういう関係になっていますか。ちゃんとそれを解除してやらないと、凍結しているとまたその企業が待っているわけですよ、その基本設計、実施設計を持っていて。そういう状態じゃ駄目なので、ゼロにちゃんと戻したかということですよ、問題は。答弁されるならしてください。お願いします。
  361. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) ですから、これあり方研究会となっていますけれども、全体の宿舎と併せた朝霞の中止も含めて判断を、多分、これは政治主導でやっていますから、それを見た上で判断していただきたいと思います。手続等はそれを受けてきちっとやってまいります。  ただ、宿舎全体は、先生も鹿児島県警や茨城県警や北海道警にたしかおられて、秘書官時代も宿舎、官舎に住んでいらっしゃったと私は思いますので、そういうことも全般的に考えながら私としては判断していきたいと思います。
  362. 小野次郎

    ○小野次郎君 私は緊急用務がある仕事しかやっていなかったんですよ、申し訳ないけど。その話と混同されていませんか、大臣
  363. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 全体の在り方について私は、ですから議論をして、中止を含めていろいろな対応、思い切ったことをやっていきたいと思っています。
  364. 小野次郎

    ○小野次郎君 以上で終わります。ありがとうございました。
  365. 石井一

    委員長石井一君) 以上で小野次郎君の、みんなの党の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  366. 石井一

    委員長石井一君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
  367. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  総理は、全国の反対の声を聞かず、APEC首脳会議でTPPへの参加方針を表明されました。アメリカ側が、総理が全ての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると発言したと発表して、総理が否定をされておりますが、実際にはどう発言をされたんですか。
  368. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私の発言は、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入っていくということ、そしてまた、昨年十一月に決定した包括的経済連携に関する基本方針に基づき、高いレベルの経済の連携を進めていくというお話をいたしました。
  369. 井上哲士

    井上哲士君 基本方針の中身はどういうことでしょうか。
  370. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) センシティブな品目について配慮をしつつ、全ての物品及びサービスを貿易自由化の交渉のテーブルにのせるという趣旨のものでございます。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
  371. 井上哲士

    井上哲士君 分かりにくいんですが、配慮をしつつというのは具体的にどういうことですか。
  372. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) センシティブな品目を配慮するということは、そのことをしっかり踏まえて対応していくということであります。
  373. 井上哲士

    井上哲士君 じゃ、配慮した結果、交渉対象にしない品目があるということですか。あるんなら挙げてください。総理。総理の発言ですから、総理。総理発言なんだから。
  374. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) センシティブな品目については、まさにセンシティブですから、そういったものに十分に配慮するということであります。
  375. 井上哲士

    井上哲士君 ですから、その結果、交渉対象にしないものがあるんですか。あるんなら挙げてください、総理。
  376. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) センシティブな品目について、基本的にはこれは十年以内に関税を撤廃していくという方針、原則としてというのはありますけれども、それは即時あるいは撤廃なのか、段階的にどれぐらい時間を掛けて撤廃するのか、例外があるのかということも含めて今関係国で協議中というふうに承知をしていますので、そういう議論の中で我々のセンシティブ品目についてどう対応するかということを考えていくということであります。
  377. 井上哲士

    井上哲士君 自由化交渉の対象にしない品目があるんですかと聞いているんです。ちゃんと答えてください。
  378. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 交渉には、当然これ、外交交渉でありますから議論するわけでありますけれども、しかし、センシティブな品目についてはしっかり配慮をして、我が国として、国益としてちゃんと守るべきは守ると、そうしたスタンスで交渉していくということであります。
  379. 井上哲士

    井上哲士君 結局、全てが交渉対象になると。アメリカ側の発表と一緒じゃないですか。違うんですか。
  380. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) さっき言ったように、即時になくしていくもの、段階的になくしていくものと、例外も含めての今議論をしているということでありますから、全てが対象になるかどうかということはまだ決まっていないということであります。
  381. 井上哲士

    井上哲士君 つまり、それは交渉の対象になるということじゃないですか。  ですから、結局アメリカが言っているのと一緒なんですよ。米議会の承認なしに日本はTPPへの参加はできないわけですから、このまま協議を続ければ、まさにアメリカの要求の丸のみが迫られることになるんです。これは本当に日本の経済、地域に壊滅的な影響をもたらしますし、被災地からはTPPは復興の足かせだという悲鳴が上がっているんですから、この参加方針の撤回を強く私は求めます。  そして同時に、今やるべきことはTPPじゃないんです。被災地の願いにこたえることなんですね。  そこで、細野大臣にお聞きしますが、除染の問題であります。  政府は、年間一ミリシーベルト以上の地域について地方自治体が行った除染に財政負担を行うということを表明されました。しかし、国の予算措置への不安もあって、自治体の方は個人住宅も含めた全面的な除染にちゅうちょしているところも少なくないんですね。  これまでに自治体が行った除染も含めて全面的に国が財政負担をする、具体的にどうするのか、お答えください。
  382. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) それぞれの市町村で行っている除染については国の責任でしっかりと財政措置をするという方針でございます。既に予算措置をしてまいりましたけれども、この三次補正、さらには来年度の予算も含めると実質的には一兆円を超える予算の規模を確保しておりますので、そこでしっかりと財政的な支援をしてまいりたいと思っております。  具体的に、これまでは福島県に基金をつくっていただきまして、そこから支出をするという形を取ってまいりました。今後の形をどういった形にするべきなのかというのを今福島県と協議をしておりまして、いずれにしても、市町村がやるものについては国の財政負担の下で着実に実施をするという体制は我々が責任を持ってつくっていかなければならないと考えております。
  383. 井上哲士

    井上哲士君 過去に行ったものも対象ですね。
  384. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 市町村が責任を持ってやったものということに関して言うと、過去も含めてしっかりと対象とするように検討していきたいと思っております。
  385. 井上哲士

    井上哲士君 さらに、個人が行った除染の取扱いがあります。もう国や自治体を待っておられないと、一刻も早く子供の安全を守りたいということで地域住民やPTAなどがやった除染、これも当然対象にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  386. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 既に付けました予算の中で、例えば、地域で除染をやっていただいた場合に実質的な費用がいろいろ掛かってまいります。そういったものについて五十万円という形でお渡しをして、それをしっかりと後押しをするという枠組みがございますので、そういった中で最大限そういったものについてもカバーをできるようにしてまいりたいと考えております。
  387. 井上哲士

    井上哲士君 これは是非、いろんな線引きではなくて、全面的にきちっと負担がされるようにお願いをしたいと思いますが、もう一点、賠償についてお聞きしますが、やはり不当な線引きなしの全面賠償が必要であります。  ところが、原発からの距離三十キロで線引きをされて、その圏外で自主避難をされた人には何も賠償がありません。しかし、自主避難というのは、やはり安全、安心を求めたやむにやまれない行動なんですね。同時に、三十キロ圏外で避難をされなかった方もいろんな負担もあり、精神的な苦痛を被っていると。  いずれも原発災害がなければなかった被害ですから、当然、東電の責任を認めて賠償すべきだと思いますが、東電来ていただいていますが、いかがでしょうか。
  388. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  本件につきましては、非常に多くの方々が対象になっているということがありまして、一つ一つこの件につきまして精査をしていくというのは非常に難しいところがございます。  その点、この自主的に避難された方々、避難されなかった方々に対する賠償の在り方につきましては、現在、紛争審査会の方で議論が、御審議が続いております。この結果を踏まえて迅速に我々としては対処していきたいというふうに思っております。
  389. 井上哲士

    井上哲士君 人ごとみたいなんですよね。  原発事故がなければ起きなかった被害だと、よって責任があると、そういう自覚はあるんですか、ないんですか。
  390. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 当社は、当事者であり、原因者でございます。  重ねて申し上げますけれども、今、審査会の方で議論が進められておりますが、その結果を踏まえてしっかりやってまいりますけれども、もちろん原賠法のといいますか、中間指針に記載されない場合は、これは我々、その被害者の方々とよく御相談して対応させていただくということはきちっと認識してございます。
  391. 井上哲士

    井上哲士君 この点、枝野大臣、どうでしょうか。
  392. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 東京電力においては、今回の原子力発電所事故によって被害を受けられた、損害を受けられた皆さんについては、審査会での結論いかんにかかわらず、指針いかんにかかわらず、相当因果関係のある損害については賠償する責任があるというふうに思っております。  審査会は、一つの類型的な皆さんに対する指針をお示しをすることできますが、それこそ自主避難された方とか、あるいは避難されなかった方で原発に近い方などについて、審査会においてもできるだけ類型化した上で一つの指針を示す努力を今進めていただいているとは承知をしておりますが、東京電力においても主体的にどういうやり方でどういう基準で賠償ができるのかということについてはもっと積極的に対応してもらいたいと思っておりますので、そうした指導を今のやり取りを踏まえてしてまいります。
  393. 井上哲士

    井上哲士君 審査会でも両方ともきちっと賠償するという方向で議論がされていると、それでよろしいですね。
  394. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 先ほどの答弁にもありましたように、審査会で類型化をしていくということでありますが、その類型化でき得ない個別の事象というのもやっぱり出てくるというふうに思います。それは、東電とじかに交渉をしていただく、その上で、紛争処理センターというのができておりますので、そこがADRという形で中に入って処理をしていくと、そういうスキームになっております。
  395. 井上哲士

    井上哲士君 いずれも、これは原発事故がなければなかった災害でありますから、きちっと不当な線引きをせずに東電が責任を持って賠償する、改めて強く求めておきます。  こうした原発災害対策の財源をどうするのかということでありますが、原子力委員会の専門部会が廃炉に向けた課題について最終報告案をまとめておりますが、その中で原子力業界の負担についてどのように述べているでしょうか。
  396. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 原子力委員会では、ステップツー完了以降の使用済燃料の取り出し、さらには放射性廃棄物の管理、廃止措置といった一連の取組について専門部会を設置をしておりまして、その中で検討結果を既にまとめまして、現在パブリックコメントの募集をしているところでございます。  その検討結果案におきましては、過去のスリーマイルアイランド原子力発電所二号機の事故対応時の取組を参考として中長期措置へ反映すべき項目を整理をしておりまして、その中に、燃料デブリ取り出しに係る費用については事業者だけでなく、産業界や国、自治体も含めた原子力業界全体が負担していることとの記載がございます。スリーマイルアイランドのことについて、過去の事例についての記述がそういった形になっております。
  397. 井上哲士

    井上哲士君 原子力委員会も、この原子力業界全体が負担すべきことを中長期的措置に反映すべきと、こうしているわけですね。  そこで、原子力産業協会の主要企業を表にしてみました。(資料提示)原子炉メーカー、大手ゼネコン、鉄鋼、セメントメーカー、大銀行など、原発で大きな利益を上げてきた原発利益共同体ともいうべき企業でありますが、その内部留保の合計は八十兆円になるんですね。社会的な責任もあります。体力もあります。こういう企業に原発災害対策の負担を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか、総理。
  398. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 先ほどの原子力委員会もスリーマイルでの対応について参考にしろということでございますので、スリーマイルで関係業界に本当に具体的にどういう協力を求めたのかということはしっかりと調べてみたいとは思いますが、まず、少なくとも今回の事故によって生じた損害等についての責任は東京電力にあり、あるいはそれは原子力行政を担ってきた政府にあるということが大原則でございます。  そこに挙がってきている企業も原子力産業関連のあったことは間違いないわけでありますが、では今回の事故とどういった因果関係があるのか、それに対する責任があるのかということを考えると、例えば法的に資金拠出ということを求めることができるというのは一般的にはなかなか難しいというふうに思います。もちろん、社会的、道義的に御協力いただけることについては、それぞれの企業の社会的責任として御協力いただければ大変有り難いとは思います。  その上で、原子力委員会指摘もありますので、スリーマイル、日本と同じような資本主義社会でございますので、そうしたことの中で、もし、どういったことができたのかということについては勉強はしてみたいと思います。
  399. 井上哲士

    井上哲士君 日本の原子力業界は、もう安全神話、さんざん電力会社と一緒になって振りまいてきたんですから、特別な責任があるんですね。そして、大きなもうけを上げてきたんです。これは私は当然負担を求めるべきだと思います。  私たちの提案は、電力業界が積み立ててきた原発埋蔵金を国が一括して管理する基金にして、賠償・除染・廃炉基金を創設をして活用する、そこに更にこうした企業からの拠出も求めていくと、こういうことであります。  そこで聞きますが、電力業界が、使用済核燃料の再処理積立金、それから高レベル放射性廃棄物の最終処分積立金、その残高、それから電力各社の原子力発電施設の解体引当金、その合計、この三つについて明らかにしてください。
  400. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 平成二十二年度末の数字でございますが、電力事業十社が積み立てております再処理等積立金の残高は二兆四千四百十六億円であります。高レベル放射性廃棄物等の最終処分積立金の残高は八千三百七十五億円であります。それから、原子力発電施設解体引当金の残高を十社積み上げますと一兆七千五百四億円であります。
  401. 井上哲士

    井上哲士君 もうこれは既に五兆を超えるお金があるわけですね。今後、合計十九兆まで積み立てるという状況でありますが、原資は国民の電力料金であります。  これら積立金は原発とそしていわゆる核燃料サイクルを推進するためのものでありますが、この核燃料サイクルについて、経産大臣、分かりやすく説明してください。
  402. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 原子力発電所で使用した核燃料、使用済みの核燃料、そこに含まれるウランとプルトニウムを分離して回収をします。そして、回収したウランとプルトニウムを燃料に加工してもう一度原子力発電所で利用する。これが核燃料サイクルでございます。
  403. 井上哲士

    井上哲士君 今のを概略パネルにしてみました。この使用済核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して高速増殖炉で燃やしたら、燃やした以上に燃料が出ると、もう夢のエネルギーだということを言われましたけれども、あらゆる工程が今行き詰まっているんですね。  まず、再処理工場ですけれども、使用済核燃料を切断をして溶かしてプルトニウムを取り出すわけでありますが、非常に危険な工程です。青森県の六ケ所村の再処理工場は一九九七年に完成の予定でありましたけれども、いまだ完成をしておりません。何回期日が延期になって、そしてその理由は何か、その結果、建設費用は当初からどれだけ膨れ上がったか、お答えください。
  404. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 六ケ所再処理工場の竣工時期は十八回変更されております。建設費は、平成元年の事業指定申請時に七千六百億円と見込まれておりましたが、現時点では二兆一千九百三十億円と見込まれているところでございます。  この建設費の増加や竣工時期の変更は、当初想定していなかった耐震性や飛来物に対する防護性の強化あるいは核不拡散の強化に必要な設備の増加等によるもの、またさらには、高レベル廃液のガラス固化に係る技術的課題等への対応するためと、こういった理由で竣工が遅れているものであります。
  405. 井上哲士

    井上哲士君 再処理というのは原発以上に危険で未熟な技術で、世界各国の施設でも臨界事故や爆発とか火災事故が度々起こっておりますし、この六ケ所村、一番肝心のこのガラス固化の技術のところで今行き詰まっているわけですね。  しかも、この再処理工場が、じゃ本格稼働したらどうなるかといいますと、高レベルの放射性廃棄物が生じるわけですね。これをガラスで固めて処分をするわけでありますが、人間が触れるほど近づきますと二十秒で死亡するというぐらいの高い放射線量を持っておりますが、この高レベル放射性廃棄物の最終処理はどのようにするんでしょうか。
  406. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) この高濃度の放射性廃棄物の最終処分として、地層処分、地中の奥深くに埋めるということですね、の取組を確実に進めていくということに従来なってきておりますが、最終処分地はまだ決まっておりません。
  407. 井上哲士

    井上哲士君 地下三百メートル以下に埋めるという話でありますが、全国市町村にこの処分地の公募を求めてもう九年になりますけれども、そもそも調査を受け入れた地方自治体はあるんでしょうか。
  408. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) これまで募集に応じ文献調査を開始した市町村はありません。
  409. 井上哲士

    井上哲士君 唯一文献調査に応じたのが高知県の東洋町ですけれども、住民の反対の中で町長選挙になって、町長落選をして受入れを撤回をして、そしてこういうものを受け入れないという条例まで作ったんですね。  ですから、もう東日本大震災で、埋めたら安全という場所があるのかということが問われている中で、およそ私はこういうものを受け入れる市町村はないと思いますが、何らかの展望を持っていらっしゃるんでしょうか。
  410. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 東日本大震災原子力発電所事故を受けて、最終処分地の受入れについて一層困難な状況が高まっているというふうに認識をしております。そうしたことも含めて、エネルギー政策原子力政策全般についてゼロベースで見直しを進めているところでございます。
  411. 井上哲士

    井上哲士君 再処理工場自身が困難、そして動いても高レベルの廃棄物の捨場がないと。じゃ、さらに、動いたときにプルトニウムをどうするかという問題ですが、高速増殖炉がなかなかめどが付かないという中で、政府は、ウランと一緒にして軽水炉で燃やすプルサーマル計画を推進をしてまいりました。これは普通の原発よりも危険性が高いということで大きな反対運動も起こってきたわけですが、この間、原発の説明会やシンポジウムでやらせが大問題になってきました。  このプルサーマルをめぐる各地のシンポジウムではこのやらせがどうだったのか、報告されていると思いますが、どうなっているでしょうか。
  412. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 原子力発電所に係るシンポジウム等においていわゆるやらせのことがあったことは大変遺憾でございまして、第三者調査委員会をつくりまして第三者において調査をいただきました。  その最終報告書においては、泊原子力発電所に係るプルサーマルシンポジウムにおいて、資源エネルギー庁の職員が北海道電力担当者に対し、シンポジウムにおいて推進側の立場から質問させることを要請をしたこと、二つ目に、浜岡原子力発電所に係るプルサーマルシンポジウムにおいて、原子力安全・保安院の職員が中部電力担当者に対し、シンポジウム会場の空席が目立たないよう参加者を集めること、中部電力において質問文案を作成、配付して参加者に質問するよう依頼することを要請したこと、三つ目に、伊方原子力発電所に係るプルサーマルシンポジウムにおいて、原子力安全・保安院の原子力安全広報課長が四国電力担当者に対し、電力関係者を動員すること、電力関係者がシンポジウムへ参加して積極的に賛成意見を述べるよう要請したことが認定をされており、これらはシンポジウムの公平性、透明性を損なうおそれのある不適切なものであるというふうに思っております。  二度とこうした事態を起こさないよう、シンポジウム等の運営に係る行動規範を策定し、さらには外部有識者によるアドバイザリーボードの設置等により再発防止に全力を挙げているところでございます。
  413. 井上哲士

    井上哲士君 ですから、泊、浜岡、伊方、いずれもこのプルサーマルをめぐるシンポジウムでやらせが行われてきた。やらせをやらなければ住民に安全性の説明ができない、そういう代物だということですよ。地元住民自治体も一層今不信を強めておりますけれども、これらの再稼働とか計画を進めると、そういう展望をお持ちですか。
  414. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) いずれの原子力発電所についても、定期検査によって停止した後、検査を厳格に行う、その検査において今回の地震、津波の知見も含めたバックチェックをしっかり行うということに加えて、いわゆるストレステストによって公開性、透明性をより高めた形で、どのくらい様々なストレスに対する裕度があるのかということを住民皆さんにも見ていただくというプロセスを踏みつつありますが、それを踏まえて、それぞれ周辺地域住民皆さんを始めとして国民の皆さんの理解を得られるかどうか。得られなければ再稼働しない、得られたものから稼働するということです。
  415. 井上哲士

    井上哲士君 そのストレステストをやるのがやらせをやった張本人の保安院なわけですから、こんなもの誰が信用するかということですよ。これを動かすなんというのはもうあり得ない話なんですね。  じゃ、もう一つ、この核燃サイクルの中核である高速増殖炉の「もんじゅ」はどうなっているかと。これは運転開始直後の九五年にナトリウム漏れの火災事故を起こしまして、以来、十四年五か月間停止をしておりました。去年の五月に運転再開をしましたけれども、またトラブルが続いて今も止まっておりますが、文科大臣、「もんじゅ」のこれまでの総事業費、それから運転開始以来の運転時間、停止中の一日の維持費は幾らか、会計検査院の指摘も踏まえて御答弁いただきたいと思います。
  416. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 昭和四十六年度から平成二十二年度にかけて、会計検査院の指摘も受けた金額ということになりますと、一兆八百十億円を支出しております。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕  平成七年十二月及び平成二十二年五月から七月にかけて試運転を行いましたが、総運転時間は二百五十日、時間にして五千三百時間四十五分ということになります。そして、維持費は、先ほど申し上げた、あっ現在の維持費ということですか。現在の維持費については、平成八年度から二十一年度の停止期間中の一日当たりに直していきますと、四千万円ということになります。  以上です。
  417. 井上哲士

    井上哲士君 ですから、一兆円以上掛けて十六年余りで運転したのは僅かの二百五十日と。この間の財務省の、仕分のときの財務省は、何ら研究成果を上げていないと、こういうふうに言っておりますが、とてつもない無駄遣いですね。  で、水に触れると爆発的に反応するナトリウムを冷却剤に使うという根本的な危険性があります。だから、技術的にもコスト的にもめどが立たず、世界各国も撤退しているわけです。  「もんじゅ」を運営をする日本原子力研究開発機構の鈴木理事長も、従来路線はなかなか国民には理解してもらえないとの認識を示し、発電の実用化とは別の研究開発に軸足を移す方向性を明言したと報道されました。つまり、十六年間やってきたけれども、もう実用化は無理だと、こういうことなんじゃないですか。これ、総理、どうするんですか。総理、どうです。総理。
  418. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま井上さんの御指摘のとおり、「もんじゅ」についてはいろいろ事故等がございました。その上で、「もんじゅ」を含む核燃料サイクルについては、エネルギー・環境会議において原子力政策の徹底検証を行い新たな姿を追求すると整理をされておりますので、今後の原子力政策の見直しを議論をしていく中で、原子力委員会の新大綱策定会議とも連携をし、しっかりと議論を行ってまいりたいというふうに思います。
  419. 井上哲士

    井上哲士君 そうやって議論しているうちに、一日四千万の維持費が何の研究成果も上げられないで続けられるんですよ。  先ほどから安住大臣うなずいておられますけれども、これは無駄遣いじゃないですか。
  420. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) いや、無駄とはなかなか言い切れない部分もありますけれども、しかし、十九年間やってきたということで、今総理がお話ありましたように、これはいずれ行政刷新等も含めて議論をしっかりして結論を出していかなければならない問題だと思っております。
  421. 井上哲士

    井上哲士君 核燃サイクルのどの工程を見ても、本当に危険であって行き詰まっているわけですね。私はこれ、中止を決断をして、このための積立金は原発事故対策につぎ込むべきだと思います。  総理は党首会談のときに、原発関係のお金については今後エネルギー政策全般を見直す中で洗い出し、洗い出したお金は可能な限り除染や賠償に使っていくと、こう述べられました。これはもう毎日毎日のことです。今目の前にやるべきことがあるんですから、まず決断をして具体化をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  422. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 間もなく始まる行政刷会議における提言型政策仕分の中でも、この原子力回りのお金というものは、あるいは制度というのは仕分の対象でございますので、その際、そうした議論を踏まえた対応をしていきたいというふうに思います。
  423. 井上哲士

    井上哲士君 そう言っているうちに一日四千万の維持費が付くんですからね。私は、今必要なことは、原発災害の賠償や除染のために政治が力を尽くすことだし、そのために財源を加害者である東電とかそして原発で利益を上げてきた原子力業界にしっかり求めると、そのために政治が知恵を尽くすことが大事だと思います。破綻した核燃サイクルにしがみつくのはもうやめて、既に五兆円あるこの原発埋蔵金を被災者のために使うべきだと強く申し上げまして、質問を終わります。
  424. 石井一

    委員長石井一君) 以上で井上哲士君、日本共産党の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  425. 石井一

    委員長石井一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
  426. 片山虎之助

    片山虎之助君 たちあがれ日本の片山虎之助でございます。何点か質問いたしますけれども、答弁は簡潔直截、分かりやすくお願いいたしたい、このように思います。  野田政権も発足以来二か月半でございまして、そろそろマスメディアとのハネムーンも終わる、TPP、消費税という二大関門が待ち受けていると、こういうことでございますけれどもね。  総理は、十月の十二日ですか、中曽根元総理をお訪ねになって、政権運営その他について、激励というんでしょうか、アドバイスをお受けになったそうですが、どういう話ですか。
  427. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 政権運営については、勇往邁進、そして初心断行、こういう気持ちでやるべきであるということで、そのうちいろいろな厳しい決断が迫られるけど、決断するたびに楽しくなるよとおっしゃっていました。その領域にはとても達せないと思いますけれども、加えて、外交については、これは特に首脳間の外交大事で、器の勝負になるから心して掛かれとか、様々な大所高所からのアドバイスをちょうだいをいたしました。
  428. 片山虎之助

    片山虎之助君 野田総理、あなたは大変低姿勢で真面目だから、実直だから長期政権になる可能性があると言われなかったですか。(発言する者あり)
  429. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 真面目にやれという意味で、そういう御激励を含めたそういう御提言はございました。
  430. 片山虎之助

    片山虎之助君 それは、今やじのとおりなんですよ。中曽根さんのよいしょですね。  戦後の長期政権というのは四人なんですよ。佐藤栄作さんが一番長い七年八か月、吉田茂さんが二回やって七年二か月、その次が小泉さんなんですよ、五年五か月。中曽根さんが約五年ですよ、四年十二か月何日ですよ。見てください、低姿勢で妥協ありきで実直な人はおりますか。まあ、そういうことを言っちゃいけませんけれどもね。みんな、傲慢だとか、ワンマンだとか、独断専行だとか、変人だとか、みんな言われたでしょう。しかも、それぞれ彼らはみんな大きな政治イシューを抱えて頑張ったんですよ、沖縄返還だとか、日本を独立させる対日講和条約の締結だとか、郵政民営化だとか、国鉄、電電の大改革だとか、それが要るんですよ。  総理は、九月の所信表明で覚悟と器量ということを盛んにあなたは言われた。どういうことですか、教えてください、覚悟と器量、あなたの言われる覚悟と器量、政治家としての。
  431. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 歴代の長期政権を築いた先輩たちとは間違いなく比べようが私はないというふうに思っています。それぞれ、ちょっと個性はどうだったかは分かりませんが、私は私の持ち味で政権運営をしていきたいというふうに思いますけれども、それぞれの政権で大きなテーマがあったということは間違いないと思います。そのことを掲げた人もいたというふうに思います。  私の場合は、そのテーマを掲げるというよりも、もう既に大きなテーマが来ています、預けられている。それはまさに復興であり、原発事故の収束であり、日本経済の再生です。加えて、その上で、TPPであるとか税と社会保障とか、これ決断をしなければいけないとか、あるいは先送りできないテーマも同時に今来ているということでございます。そういうものをしっかり、大変、そういう局面において政権を担当しなければならないということの覚悟をしっかり持って対応していきたいというふうに思っています。
  432. 片山虎之助

    片山虎之助君 震災復興や原発の収束や経済再生は誰でもやらなきゃいかぬことだと、今のトップリーダーは。それ以外の大きなテーマがあるかないかですよ、覚悟と器量ということは。  そこで、今言われた、総理の言われたTPPですけれども、この私は総理の対応は大変に不満で遺憾ですよ。国論を二分したまま、日本を分裂したまま、いっぱいの問題を残して、懸念や不安が渦巻く中、農業団体死に物狂いで反対の中、態度を表明したんですよ。どう思われますか。
  433. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るという態度を表明をいたしました。国論は本当に様々であります。でも、それは郵政民営化の問題のときもそれぞれのレベルでみんな国論真っ二つというテーマだったと思います。で、そういう中で一つ一つその段階ごとに決断、判断をしていかなければならないというふうに思います。
  434. 片山虎之助

    片山虎之助君 じゃ、あなたは努力されましたか、このTPPでコンセンス形成の、与野党のいろんな意見調整をおやりになったんですか。総理がやったのは、一日延ばしたことと、もう一つは、交渉参加に向かって協議という訳の分からない霞が関でしょっちゅう使うような文言を入れたことだけじゃないですか。どう思いますか。
  435. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 一日延ばしただけと言いましたけれども、党内の闊達な議論を踏まえて慎重に判断をするという御提起を踏まえて熟慮をしたということでございます。  その上で交渉参加に向けて関係国との協議に入るというのは、別に曖昧な表現じゃなくて、先ほど来ずっと議論があったように、あくまでその交渉に向けて関係国が考えていること、日本に求めていることをしっかり情報収集し、それを踏まえて十分な議論をし、国益に沿って結論を得るというそのプロセスに入ったということであって、そのプロセスの中での位置付けは明確だというふうに思います。
  436. 片山虎之助

    片山虎之助君 一日延ばしたのは、衆参の集中審議がありましたから、その後に送ったんじゃないかって憶測されている。悪く言われている。  それから、今の交渉参加に向かって協議に入るというのは、交渉参加が前提ですか、前提でないんですか。どういうことなんですか。この協議によっては入らないんですね。
  437. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 協議に入るわけでありますから、それは自分たちの国益に沿って議論をしていくわけです。それで、最大限にまとまるように努力をしていきます。  でも、これは不利なことがいっぱいあって、国益を損ねてまで無理をして入るという、一〇〇%入らなければいけないとするならばそれは前提という言葉になりますけれども、その意味では前提ではございません。主体的に判断はしなければならないということであります。
  438. 片山虎之助

    片山虎之助君 いやいや、だから協議によっては入らないと、交渉参加しないこともあると。協議は瀬踏みでしょう、こちら側の。入れるか入れぬかは向こうの勝手もあるんですよ。そこのところを大変使い分けられていますよ。  協議に入るというのは最近言い出したことなんですよ。一日延ばしてから言われ出したことなんで。ここはある意味では慎重派を安心させるような、そういう表現ですよね。  前提ですか、前提でないんですか。入らないことあるんですね。
  439. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 前提云々というよりも、さっき申し上げたように、関係各国は日本に求めるものを把握をして、そしてもちろんこちらは、それはおかしいとか、これは対応可能とか駄目だとか、そういう議論はしますよ。その協議の中でそういう出てきたものを、国民的な議論をしながら最終的に国益を踏まえて判断をするという、そのプロセスであります。そのプロセスの中で、国益に沿った判断の中では、それは予断を持って何かを言える状況ではもちろんないわけであります。  おっしゃったように、日本が主体的に判断をして、まさにアジア太平洋地域の成長力を取り込むために前に行こうと判断をするかもしれないけれども、思っても、それは相手国、関係国の同意も必要でございますので、その意味からも予断は許されないということであります。
  440. 片山虎之助

    片山虎之助君 だから、後のスケジュールがよく分からないんですよ。  この間のハワイのAPECの首脳会議で、入れてもらえなかったんだけど、日本は。九か国でしょう、このTPPの関係で。大枠の合意はして、若干残っているのは十二月にやって、来年中にルール化するというんでしょう。日本は簡単に入れませんよ、アメリカの同意が要るんだから。九十日ルールがある、連邦議会の。その前に事前調整がある。場合によっては半年ぐらい掛かる。春以降じゃないですか。来年中にルール化するのに間に合いますか。まあそんなことを言ったら、おまえ、カナダもメキシコもあるじゃないかと言うかもしれませんけれども、どうですか。総理。
  441. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) アメリカの場合は、これはルールとして九十日ルールがあることはそのとおりでありまして、その事前の協議期間があります。  各国はその手続はちょっとまちまちです、その参加国として同意するかどうか。これはまちまちでありますけれども、少なくともアメリカのルールはそれはあるという中で、じゃ、これはいつごろにそういう形でまとまっていくのかというのは、今日午前中で外務大臣の答弁もありましたけれども、大枠を決めた大まかな合意、今回のAPECならAPECでは、オバマ大統領がそれを、まとめるには野心的な目標というような言葉を使っていましたから、それなりのやっぱり時間が掛かっていくということは、多分それは暗示されている言葉なんだろうというふうに思います。  その中で、あの大まかなルールを見ても、基本的な原則の部分でもまだ詰まっていない部分は相当あると思いますので、仮に交渉参加をするならば、そのルールメーキングには私は十分に時間を掛けて交渉できるような余地があるというふうに思います。
  442. 片山虎之助

    片山虎之助君 来年の秋はアメリカの大統領選挙ありますからね。それは再来年になるという意見もありますよ。  そこで、もう昨日から今日から毎回のように質問をお受けになっている、アメリカとの食い違いですよ。アメリカは全部テーブルにのせると、総理はそうじゃないと、こういう、先ほど聞いておりましたら、半分合って半分違っているんですな、アメリカも総理も。こういうのは、うそは言っていないけど本当も言っていないということなんですよ、どちらもですよ。だから、向こうはいい部分だけ取っているんですよ、アメリカは。総理は都合の悪い部分を捨てているんですよ。だから言ったと、こういうことになるんですけれども、これはどういうことなんですか。  言ったって、どうせ例外なき関税撤廃なんてテーブルにのせられるんだからしようがないと。直接は言っていませんよ、あなたは直接言っていない。閣議方針の何かの経済連携が何かということを言っているので、その中には入っているんだけれども、しかし、言ってもどうせ駄目だから、ここでアメリカの気分を損ねたら損だから、だから訂正をきつく言わないんですね、アメリカに。何で言わないんですか。皆さんが言うとおりですよ。間違ったことを正すのは当たり前でしょう。しかも、これだけ国民が関心を持って国論を二分していることについて何にも言わないで、いや、向こうが分かってくれると。自分だけ正しけりゃいいなんて大間違いですよ。どうですか。
  443. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、その関税撤廃で例外なきというところが認められるかどうかという話はまだこれは分かりません。分かりません。それは、関係国間、参加国間の間でもまだ合意形成ができないということでありますので、そのことについてはまだ十分議論の余地は私はあると思うんです。  その上で、今の表現の違いの話でありますけれども、これはおっしゃるとおり、基本方針の全文でいくとアメリカの言っているところは半分入っているんですね。私の言ったことは、でも逆にその詳細は言っていないわけで、基本方針に基づいて高いレベルの経済連携を進めていくということを言っているということでございますので、その私が言っていないという事実についてはアメリカも認めているというわけでございますので、これからの協議の中で議論をさせていただきたいというふうに思います。
  444. 片山虎之助

    片山虎之助君 アメリカは認めながら、私は悪く勘ぐりますよ。悪く考えりゃ、アメリカは既成事実を積み上げている、全ての品目やサービスをテーブルにのせようとしているんですよ。  それに、考えてください。ああいうことをアメリカが発表してあなたが別のことを発表して、あなたが日本の国会で窮地に立つのは目に見えているじゃないですか。そのあなたを、そうしながらアメリカはほうっているわけですよ。どう思いますか。  私は、あなたが九月二十一日にオバマ氏と最初に会ったときに、彼がアイ・キャン・ドゥー・ビジネス・ウィズ・ヒムと言ったんですよ。彼とは組める、彼とは仕事ができる。くみしやすしと思っているんですよ、組めるんじゃなくて。  どう思われますか、今回のあれは。アメリカがこんなに日本の最も信頼する総理が窮地に立たされることを知りながら、わざわざ直さないんですか、自分では違うと分かりながら。どうですか。
  445. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) アイ・キャン・ドゥー・ビジネス・ウィズ・ヒムと言ったかどうかはちょっと私は分かりません。分かりません。そういう報道があったというのは承知をしていますけれども、その解釈はだからあえて申しませんけれども。  あえて私を窮地に追い込むということをアメリカが考えるとは私は思いません。それは、日米が連携をしながら、TPPは交渉参加、まだその以前の問題でありますが、アジア太平洋地域でFTAAPをつくっていくという意味では、これは強力なパートナーになれるはずであります。そのパートナーを最初からの出ばなで潰して、何のメリットもないというふうに思います。(発言する者あり)
  446. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、だからそこを言っているんですよ。なめられているとは、私はそういう言葉は使いませんけれどもね。アメリカと野田さんの、あなたの信頼関係がどうなっているかと、それを壊してもアメリカは構わないと思っているのかどうかと、こういうことについての今総理の心証を聞いたわけでございましてね。  総理、オバマさんと野田首相の信頼関係というのは不変ですか。
  447. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) ニューヨークの国連総会でお会いをし、そしてG20でも、これは短い時間でございますが立ち話をさせていただき、正式な会談という意味では今回のホノルルが二回目でございますが、個人的な信頼関係はだんだん深まってきていると実感をしています。
  448. 片山虎之助

    片山虎之助君 クリントン国務長官は十月十四日にニューヨークの経済団体の講演で、日本が入ってくれるのは大変有り難い、これでTPPの役割が広がると、こう言いながら、何で日本が入るかという、三つあると言っているんですよ。一つは、韓国製品の輸出でアメリカを中心に追い上げられるということ、もう一つは、日本の農業の抵抗力が弱まったと、いろんなこと書いていますけれども、それは確かに問題ですね。もう一つは、尖閣諸島問題を始めとする中国の脅威だと書いているんですよ。全部後ろ向きなんですよ、彼らが、日本がTPPに手を挙げたということについて。私はこれはアメリカの半分ぐらい誤解だと思う。  総理、違いますか、違いませんか。
  449. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 誤解といいますか、考え方としてはそのとおりとは言えないことばかりだと思うんです。  ただ、言えることは、韓国のEPA活用戦略へのおそれという指摘をクリントンさんしていますが、確かに韓国が活発にやっていることについては、これは我々もそれに対してどうするかということは問題意識はやっぱりあります。高いレベルの経済連携をどんどんとライバルの国がやっている中で周回遅れでいいのかどうかという問題意識は、もちろんそれは持っているということであります。  それから、農業団体の抵抗力低下云々なんということは別に考えていません。それをもってTPPではありません。(発言する者あり)クリントンが言っているということ、だから、それに対する私の意見をお聞きだというふうに思いますので。むしろ、TPPとは関係なく農業の再生はやらなければいけないという立場で今臨んでいるということであります。  中国の関係でいえば、これ、中国を脅威論という形ではなくて、胡錦濤主席にも申し上げましたけれども、中国の発展は日本を含めて国際社会にとってのチャンスであると、そういう意識でございまして、このTPPも、中国にも基本的には、中国だけではありませんが、ほかのAPEC加盟のエコノミーに開かれたものでございますので、これは脅威ではありません。  我々は、むしろ、中国も含めた日中韓であるとか、ASEANプラス3とかASEANプラス6なども当然模索をしていきたいというふうに思っています。
  450. 片山虎之助

    片山虎之助君 本当の日米同盟、日米の友好関係のためには、アメリカの要人が正確でないこと、誤解に基づくということは私は正すべきだと思うんですよ。今のその全ての品目、全てのサービスの自由化のテーブルというのも私はそうだと思うんです。  そこで、総理、この委員会であなたは、守るべきものは守る、勝ち取るべきものは勝ち取ると言ったでしょう。何を守って何を勝ち取るんですか。
  451. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 先般の記者会見でも申し上げましたけれども、日本の誇るべき制度であるもの、例えば医療制度等、あるいは美しい農村、日本の伝統文化、こういうものはしっかり守り抜いていくための交渉であるということであります。  その上で、我が国はガットの体制以降、自由貿易を推進しながら貿易立国になってまいりました。今はWTOの時代でありますけれども、残念ながら、ドーハ・ラウンド、絶望はしていませんが、ちょっと失望感が広がってきている中で、それを補っていくために高いレベルの経済連携をマルチでやったりバイでやってということは今あらゆるところで出てきている。その中で、我々はどうやってTPPについて判断をしていくかということだというふうに思っています。
  452. 片山虎之助

    片山虎之助君 保険医療はいやに明快なんですよ。これははっきり守ると。美しい農村を守るって何を守るんですか。米を守るんですか、牛肉を守るんですか、小麦を守るんですか、砂糖を守るんですか、何を守るんですか。コミュニティーを守るんですか。それから、伝統文化ってこんな抽象的なものは何を守るのかという、ここが分からない。大変情緒的な表現ですよ。もう少し具体的に言ってください。
  453. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 品目によって、例えば物品、サービス、そのことによって、交渉結果によって美しい農村とか伝統文化が壊れるということはあってはいけない。それを具体的に一つ一つ、例えばセンシティブ品目一つ一つどう対応するかということは、これは手のうちを示すことであります。今申し上げたように、日本の伝統文化とか、そして美しい農村は守り抜いていくというために個別の交渉をしていくということであります。
  454. 片山虎之助

    片山虎之助君 美しい農村を守る交渉をどうやるんですか。ちょっと分かるように言ってください。国民はみんな分かりませんよ。伝統文化の何をどう守るんですか。それ言ってくださいよ。
  455. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 特定の品目を一生懸命扱って生産をしてきているところがあるとする、それが交渉を通じて影響が出てきた場合に、それに対する対応策を講じなかった場合にコミュニティーが壊れて原風景が壊れていくということは、これは想像できること、そういうことにならないようにするということが美しい農村という言葉とかで表れているということであります。
  456. 片山虎之助

    片山虎之助君 迂遠な話で、しかし、それを交渉する皆さんは、お役所を含めて、私はそんなに外交力、交渉力が強いと思わない、いろんなことを見ていると。そんな今みたいな迂遠な、抽象的な、一般的な、守れるわけがないじゃないですか。どうやるんですか。
  457. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) そういう考え方、理念、魂を持って交渉をするということを私は言いたいわけであります。それを個別品目で一つ一つ落としめていく話じゃありません。まさに考え方のバックグラウンドとしてお話をしているということであります。(発言する者あり)
  458. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  459. 片山虎之助

    片山虎之助君 私は時間がありませんから。もう少し議論をしたいと思いますけれども。  しかし、今まで日本は、日米交渉でも、あるいはWTOの各種の交渉でも農業を守り抜いてきたんですよ、先人が大変な苦労をして、農業、米を中心に。これを捨てるんですね。あなたは、医療制度については極めて明快だけれども、米については一般論なんですよ。(発言する者あり)言わなかった、私は一生懸命聞いていましたけれども。  米は捨てるんですか。──駄目だ、駄目だ、駄目、駄目。時間があればあなたに聞くけど。時間があれば聞く。時間がない。
  460. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、まあちょっと休ませてください。  古川戦略大臣。簡潔に願います。
  461. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 米を始めとする農業の再生、これは食と農業については、これはTPPとかそういうもの、これとは別に関係なく、とにかくこれは再生させなければいけないということで、これは再生の戦略も決めております。それをこれから五年間集中的にやるということですから、この農業については米を始めとしてしっかりと再生をしていく、それをやっていくということであります。
  462. 片山虎之助

    片山虎之助君 総理は、何が何でもTPPにしがみつくわけじゃないと、国益を害するんなら思い切って入らないと、こういうことを言われたんですが、そうですね、もう一遍確認しますけれども。
  463. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 何が何でも、どんな条件の中でも一〇〇%参加するということはあり得ないということであります。
  464. 片山虎之助

    片山虎之助君 私は、十分な理屈があって、堂々と入りませんと、それを国民が支持して、国際的なある程度の理解ができたら、アメリカという国は認めるんですよ。これは民主主義の守り本尊だと自分で思っているんだから。  しかも、きちっと民主的な手続で国会がその意思を表し、国民が支持し、国際的にもある程度の理解があれば、ほかの選択肢もあるでしょう。今言ったASEANの6もある、ASEANプラス3もある、いろんな多元的な選択肢の中で何が一番いいか、何を国益に合致するかということを選択すべきじゃないんですか。がむしゃらにこうやって一直線に進むのが正しいんですか。(発言する者あり)
  465. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  466. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) FTAAPを実現することは皆さんはいいんですよね、合意。(発言する者あり)いや、駄目だというんだったら議論にならないんです。アジア太平洋のまさに垣根を低くして、自由貿易圏つくるということは皆さんはいいんですよね、そこは。(発言する者あり)反対だったらこれはちょっとしようがないんです。(発言する者あり)やじが大きいので。じゃ、いや、片山先生は、じゃそれでいいんですね、FTAAP。  FTAAPを実現するために、今、APECの首脳で認めているのはTPPとASEANプラス3とASEANプラス6なんです。これは全部が共通しているんです。その中で、交渉が動き始めているのがTPPです。ASEANプラス3とASEANプラス6というのは、それぞれの政府内の検討段階であって、交渉以前の段階。ということは、その道筋を歩むときにTPPについて判断をするということは、これは私は必要な判断があるというふうに思います。  その意味で、TPPについて協議に入るということによってカナダも動き出し、メキシコも動き出しということになりました。これは、そのことを踏まえて、ASEANプラス3もASEANプラス6も動き出すということであります。私は、FTAAPを二〇二〇年までに実現をする具体的な動きになってくると。その意味では、アジア太平洋の成長力を取り込むための、そしてルール作りに主体的にかかわれるチャンスはあるというふうに思います。
  467. 片山虎之助

    片山虎之助君 いやいや、よくしゃべられました、熱意を込めて。  論旨がいい悪い、私は賛成か反対かは別ですけれども、総理は外国ではおしゃべりと言われているんですよ。日本ではだんまりと言われているんですよ。あなたが記者会見もしない、ぶら下がりも拒否する、これが国民の八割、九割はおかしいと言っているんですよ。今のような熱意を込めてしゃべるならしゃべってくださいよ。それで国論を闘わせて一番いい道を選択するのが日本の国のためなんですよ。是非そうしてくださいよ。  それから、もう時間がありませんけど、もう一つ。  この三次補正の歳出はいいんですけれども、復興増税で、特に所得税の付加税を二十五年もするのはむちゃじゃないですか。復興債は私は二十五年償還でいいと思いますよ。せめて増税は復興期間が終わる十年間ですよ。それ以降は、所得税の増税をやめてほかの財源を探してくださいよ。日本郵政株もある、いろんな歳出カットもある、国債費は操作の一つでもあるけれども、一兆円ずつ年間余るんですよ、今の、前の計上の仕方なら。そういうことをすべきじゃないですか。二十五年増税をやって、また消費税を上げようというんでしょう。国民がそんなこと納得すると思いますか。国益を守る内閣でなきゃ短命になりますよ。総理、どうですか。
  468. 石井一

    委員長石井一君) それでは、最後に総理の答弁で質疑を終わります。
  469. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うという方針でございました。そのために、まずは十年を基本に置いて与野党協議をさせていただきましたけれども、なるべく国民の御負担はなだらかにした方がいいという御意見もある中で最終的に二十五年になりました。
  470. 片山虎之助

    片山虎之助君 終わります。
  471. 石井一

    委員長石井一君) 以上で片山虎之助君、たちあがれ日本・新党改革の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  472. 石井一

    委員長石井一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田君。
  473. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  第三次補正予算、特に基本姿勢、編成に当たっての基本姿勢について伺います。  先ほども議論がありましたけれども、総理、先ほどはっきり言われませんでしたが、第三次補正予算の提出が遅れたという御認識はありますか。
  474. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 一次、二次と続けてまいりまして、今回のこの補正ということになりました。三次でございます。  まあ、遅れたという批判は本当に私も甘んじて受け入れます。いろいろと反省もありますが、しかし先生御存じのように、地方自治体におけるこの復興というものの計画については、十月の時点でも皆さん本当に苦労をしながら、まだ三割しかできていないような状況ですから、復旧はもう猛烈なスピードでやっておりますけれども、復興についてはこういう時期になってしまったということでございます。
  475. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 総理、総理に質問。
  476. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) もう経緯はいろいろ、先ほど財務大臣の御答弁もありましたけれども、早くしろ、遅い、あるいはまたサービスが行き届いていない、支援が行き届いていないという声もあります。  そういうことを真剣に受け止めておりますので、だからこそ、この三次補正の成立に一日も早く実現をしたいと思いますので、御協力をお願いをいたします。
  477. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 遅れたという見解はいただけませんけれども、私も福島、宮城、岩手、千葉の被災地を何回もお伺いをしました。被災地皆さん被災者皆さんからお叱りも受けました。また、我が党の社民党の自治体議員からも、国会は何をやっているんだ、そういうふうな厳しいお叱りを受けました。  どうして、じゃ、十月二十八日まで第三次補正予算の提出がずれ込んだのか、説明してください。
  478. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) いや、ですから、これは予算の編成の中で地方自治体から積み上がってきた、例えば自治体に対する交付金とかそういうものを積み上げてきて予算は作るわけですから、もちろん、遅くなったということに対して、私先ほどから申し上げているように、我々にも反省しなければいけないところはあります。  一方、国会への提出を、なってから議論が始まるまでも多少時間が掛かったのは、やはりこれは各党間の話合い等もあったからだということは御理解いただきたいと思います。
  479. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 パネルを見ていただきたいと思います。(資料提示)  これは平成二十三年度補正予算、ちょっと字が小さくて申し訳ないんですけど、フレーム、財政需要というのが歳出、財源が歳入のところですね。総額、御案内のとおり十二兆一千二十五億円。確かに、一番の(6)東日本大震災復興交付金、これ、私も復興特別委員会予算委員会で強く要求してきました、自治体使い勝手のいい交付金をつくってください。これ、よく決断をされたと思います。  それから、その上の(5)地方交付税交付金、防災集団移転事業でありますとか土地区画整理事業など、もう補助事業、全ての復興に係る補助事業の補助残、自治体の負担について、これを全額交付税で賄う、即単年度で賄う、そういう内容でありますが、これについても何回も要求して実現したことであります。  そうした点は評価をしますけれども、一方で、右側の歳入、復興債十一兆五千五百億円、ほかの税外収入で賄うわけですが、この復興債の償還財源をどうするか、このことを民主党内部で延々と議論して、私たちは決して望んでおりませんけれども、三党で議論して、それに時間を要したんじゃありませんか。
  480. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 褒めていただいたところは半分ありがとうございました。  本当に、今の制度上の中でこの復興交付金を、そういう使い勝手のいいお金を三兆円近く、特交も含めて出すというのは大変なことでございまして、これは総理の決断でございます。自治体にも大変喜んでいただいておりますので、ある意味で自由に使っていただいて、復興に、それぞれの地域で資すれば私はよろしいというふうに思っております。  なお、その復興財源ということでございますけれども、やはりこの我が国の財政の本当に厳しい状況の中で、できるだけ次世代にツケ回しをしないで、何とかこの国債発行額の増発というものを抑えなければならないという前提に立ってやっぱり議論をいたしました。  そういう中で、いろいろ賛否ありますけれども、所得税と法人税に付加をお願いをしたということでございまして、これの議論が多少時間が掛かったということについての御批判は甘んじて受けますけれども、税をやっぱりお願いするということですから多少やむを得なかったことはあるんではないかということで、御理解をいただきたいと思っております。
  481. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 これは国債整理基金会計の資金繰り実績、ますます小さくて、だから、このピンクのところを見ていただきたいんですが、十一兆五千八百八十七億、これだけの二十三年度年度末基金残高が残るわけですね。例えば、一例ですけど、過去十一回、これ繰り入れたことがあるんですよね。緊急を要しますよ、とにかく。早く編成しなければならない。これを即、十一兆五千五百億円、これを使えばもう予算編成できるじゃない。それなら協議要らなかったじゃないですか、どうですか。
  482. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 過去の十一回は、先生御存じのように、NTTの株で充当ができたり、財政がこれほどやっぱり悪化をしていない状況での決断だったと私は推察していました。  今回の場合は、この十一兆というのは元々減債基金として設けられているものであって、これを使ったときにどうなるかというのは、今度やっぱり国債ですね、日本国債のマーケットのことも十分勘案をしながらやはり対応していかなければならないわけでございまして、本来、これをやっぱり復興に充てるというふうな考えは取らないということで私どもはやっております。
  483. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 千年に一度の大津波、そしてあってはならない原発事故、もう異例のときですから、もちろん借金の先送りであることは間違いないと思います、財政規律も守らなければならないということも分かりますけれども、しかし、やっぱりここは財務省の事務方の皆さんの話を聞くだけじゃなくて、木を見て森を見ずですよ、やっぱりそのときの判断があってしかるべきだ、私は政治家としての、そのように思っています。  そこで、今度、財源確保。今度はちょっと大きいから、さっきよりは見やすいと思うんですけど。これが国税、地方税ですね。国税十・四兆円、地方税〇・八兆円で、十一・二兆円を復興特別所得税、復興特別法人税、たばこ税、控除の見直し、それから地方税、こういう形で賄うということで、これが最初の案で財源確保法案が今提出されて、今修正協議なるものがなされておりますね。それを二十五年償還に延ばすとか、あるいはまた、たばこ税はもうやめようとか、新聞で私は聞いただけですから、何にも直接聞いておりません、いずれにしても、新聞で見ただけです。  それで、これの、例えば、私はそこに一番下にピンクで線を引いていますけど、実は法人税減税九・六兆円、減税率四・五%、これが隠されているんです。これと財源確保法案と抱き合わせで今度通そうとしていますね、皆さん方、通したいと思っている。税制関連法案、法人税率の四・五%引下げ。だから、二・四兆円というのはこの法人税率を引き下げたのをベースにして増税をしますということですから、結局、法人税の九・六兆円減税じゃないですか、話は。国民の皆さんはこれ見て、ああ、何か自分たちは、これは復興だから所得税、住民税、我慢して払おうと思っているんですけど、実際、法人は何ですか、大企業は。九・六兆円の減税じゃないですか、二・四兆円増税と言いながら。そういうことをどう説明しますか。
  484. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 法人課税は法人所得の利益に課する税でございまして、先生、これは、国際的な競争の中で今の国税ベースで三〇%というのがやはり企業の空洞化を生むというぐらい高いという指摘があって、これは、自民党政権下から法人税は段階的に下げようということでやってきた事情があります。そして、この大震災の前からこの引下げの案というのは出ております。  そこで、二五%に今回は一旦下げさせていただきます。下げさせていただきますけれども、しかし、そこから三年間は、今お話しのように、一定割合をこれは付加を掛けて二八%強の課税ということになります。これを三年間続けさせていただくことで復興に企業の利益も資するということで、こうした合意に至って今回法案を出させていただきました。
  485. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 これ以上話しても平行議論でしょうからこの辺でこの議論は終わりますけれども、いずれにしても、今回のこの財源の確保の内容を見ますと、一つは、やっぱりこの際法人税率を引き下げよう、もう一つは、消費税使っていませんから、消費税以外のもので増税して次は消費税ですよと、消費税増税の環境整備ではないかという二つの意図を強く感じます。  いずれにしても、五年間で復興予算として十九兆円ですか、十年間、集中期間、二十三兆円程度を見込んでいますが、到底それでは終わらないと思いますね。除染費用でも三兆円掛かると言われています。また、原発の被害の補償、あるいはまた廃炉の費用、あるいはまた先ほどの交付金、これについてもこれから膨らんできますから、少なくとも総額が不確定な中で、そしてまた二十五年とかそういう議論が起こる中で、やっぱり今財源の確保で議論することがどれほど意味のあることかというふうに思います。そのことを指摘をさせていただきます。  次に、TPPについて。通告はちょっと雇用でしたが、順番を変えましてTPPについて質問させていただきます。  総理の姿勢でありますけれども、このTPPでも、辺野古新基地建設の環境アセスメントについても、また消費税増税についても、国民への説明責任を果たした上で国内で議論して結論を得てから海外に発信するというのではなくて、海外で唐突に発表して言わば国際公約として国内で既成事実化していく、こういった政治手法を意図的に使っているんじゃないかというふうに思えるんですね。極めて国民、国会軽視の、我が党の福島党首も先般ここで怒りましたけれども、非民主的な政治手法であると言わざるを得ませんが、総理、どうですか。
  486. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 確かに福島党首には怒られましたけれども、TPPについては交渉参加に向けて協議に入るんです。(発言する者あり)いや、詭弁じゃなくて、丁寧に何度でも申し上げますけれども、その過程の中で、関係国が何を求めるかについて正確な情報を持ち、そのことの情報は提供をし、国民的な議論をしていくんです。その上で国益に沿って結論を得るんですという段取りに入ったということでございますので、まだ私が国論がいろいろある中で勝手に何かを決めたということではないと、協議に入ることは決めましたということであります。  まさに、消費税のお話もございましたけれども、これは社会保障と税の一体改革を行っていく際に税制の抜本改革もやると、財源として。これは政府・与党で成案として検討本部でまとめまして、その具体化を進めていく。それは所信表明演説でも申し上げましたし、何度もこれは答弁の中でも申し上げてまいりました。国際社会でいきなり言った話ではこれもございません。ということは、ちょっと誤解があるということは是非御理解いただきたいというふうに思います。
  487. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 先般の集中審議のときにあれほど言われながら、総理の考えを一言も述べずにAPECに行ってしまった。これが象徴的ですよ。しっかり国内で議論して、自らの考えを言って、そして手続を経て海外で表明する、そのことをもう一回言ってください。
  488. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 手続を経て海外で表明ということは、それはちょっと違うんじゃないでしょうか。国会での御議論はありました。党内の手続はありました、意思決定の。それを踏まえた対応はいたしましたけれども、基本的には、外交交渉というのは、協議をして、そして参加をしていく中で政府が署名をするとかあるいは国会の承認を得ると。それはその都度大事な段取りはありますけれども、協議するかしないかと表明をするために何か国会で決めていただくということは、これは違うというふうに思います。
  489. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 次に、ISD条項について質問します。極めてTPPにとっては懸念されるところです。  毒素条項として悪名高いと言われます国家と投資家の間の紛争解決手続、いわゆるISD条項の導入が想定をされるわけですね。  ISDとは、ある国家が公共の利益のために制定した政策によって海外の投資家が不利益を被った場合には、世界銀行傘下の第三者機関、国際投資紛争解決センターに訴えることができる制度。センターの数名の仲裁人が審査するが、あくまでも政府の政策が投資家にどれぐらいの被害を与えたか、投資家に対して利益があったかということが考慮されて、その政策公共の利益のために必要なものかどうかが考慮されないわけですね。また、審査は非公開で、判例の拘束を受けず、上訴も許されていないということであります。  既に北米自由貿易協定で導入されて、民主的な手続を経て制定された国内法令の改廃や補償金の支払が求められることについては、海外でも立法権や裁判権の空洞化につながるとの指摘がなされています。  このISD条項は、経済的自由を盾に立法権や裁判権を侵害するもので、我が国の憲法秩序とも相入れないのではないかと思いますが、いかがですか。
  490. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ISD条項につきましては、御存じのように、実はもう通常のEPAとか投資協定の中にこのISDSの条項というのはあるわけであります。日本自体は、今までは、今まではですよ、訴えられたことはないと、これが現時点ですね。  それで、アメリカは、おっしゃるように、NAFTAの中で、アメリカ、カナダなどはお互いに一年に一回くらい確かに投資家とステート、インベスターとステートの紛争解決のための争いがあるということでございまして、まあ紛争があるということでございます。それが実態です。  ただ米国も、最近の傾向は、今おっしゃったように、ちょっと濫用され過ぎているのではないかということを米国自身も考え始めていて、それが例えば米韓のFTAのISDSの条項などに反映されているという傾向にあるということが一つ言えるのではないかと思います。  それと、先ほど、例えば公共の利益という話がありましたけれども、基本的には、このISDSを設けるときには例外規定というものを設けますから、当然国内法との整合性というものをきちっと確保しながらやっていくというのをベースにしていきますから、もしTPP交渉で、何というんですか、そういう例外についてどう考えるのかといったら、やっぱりこれまで日本が投資関連協定とかEPAで結んできた、そういった考え方をベースに、例外として設けるものは設けていくというふうにやはりしていく必要があるだろうというふうに考えております。
  491. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 極めて難しい、厳しい課題であるということを指摘をしておきます。  TPPは、例外なき関税撤廃が原則のネガティブリスト方式ですよね。自由化したくない、留保したい例外分野をリストとして明示をすることになるわけであります。総理は、守るべきものを損なう場合は離脱するとおっしゃっていますが、我が国の主張するネガティブリストが受け入れられなければ離脱するという意味でよろしいんですね。
  492. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これはどこまで、いわゆる交渉の中で、本来、いわゆる勝ち取るものは勝ち取り、守るべきものは守る、ただ一方で、事前の調整の中でそういったこともあり得るだろうというふうに思います。そのときに、おっしゃるように具体をあえて挙げていくのか挙げていかないのかというのは、当然戦略、戦術として考えていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。  先ほど片山委員質疑の中で、何で公的医療保険は言えて、例えば米は言えないのかと、こういう話がありましたけど、基本的に公的医療保険はTPPの交渉対象に極めてなりにくいという状況にあるから、そういうことをはっきり言えるというところだと思うんですね。農産品は、基本的にテーブルにのせて交渉の中で勝ち取るというのがまずベースにあるんだろうというふうに思います。  今おっしゃったとおり、大枠の合意の中でも、ここに、ネガティブリスト方式による交渉を行っていると、特定サービス分野の約束に対する特定例外について交渉することを許容するものであると、これ例外と除外はまた違うんですけれども、事実関係だけ言えば、例えば日本の場合は九千タリフラインあります。例えば米豪のFTAでは一%例外を認めています。一%というと、九千のうち九十ですね。米と、これはまあ事実関係だけ言うと、米と調製品で大体三十四のタリフラインなんですね。  だから、そういうことを具体的にどこまで事前にいろいろ言うのかどうかというのは、これはまさに交渉事じゃないかなというふうに思います。
  493. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 アメリカ通商代表部のカーク代表は、APEC閣僚会議後の会見で、かんぽ生命保険など三分野を日本との事前協議で取り上げる意向を表明しています。  我が国のネガティブリストに、例えば米、砂糖の関税撤廃はしない、国民皆保険を守り混合診療は解禁しない、簡保など公的保険、共済を守って民間と同一ルールは適用しない、地方を含めた公共調達の国際入札範囲の大幅拡大はしない、遺伝子組換え食品の自由化は認めない、ラチェット条項、ISD条項などの毒素条項は受け入れないなどを明記すべきだと思いますが、どうですか。
  494. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) カーク通商代表の御発言を踏まえてですので、カウンターパートである私から御答弁申し上げますが、通商交渉ですから、それぞれ各国とも取り上げてほしいテーマがありますし、そこで絶対勝ち取らなきゃならないテーマもございます。  カーク通商代表はアメリカの立場から三つの品目を記者会見でおっしゃったのは聞いておりますが、これから米国と交渉をしていく上で、どういうやり方、つまり、あらかじめこちらのカード、手のうちを全部示しながら交渉するのが有利であるのか、それとも、もちろん相手は相手でいろいろと想像しているというふうには思いますけれども、しかし、こちらの交渉のやり方については国益をしっかりと確保する観点で、関係省庁と連携して、しっかりと勝ち取るべきものは勝ち取ってまいります。(発言する者あり)
  495. 石井一

    委員長石井一君) 御静粛に願います。
  496. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) ネガティブリストを持って交渉するというやり方が本当に交渉になるかどうかというと、心の中に守るべきもの、そういうものをしっかりやっていくことは当然でありますけれども、リストを持ってこれじゃなきゃ入らないというのは、これは交渉ではないと私は思います。(発言する者あり)
  497. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  498. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 総理、じゃ、ネガティブリストを出す気はないということですか。ネガティブリストの政府案を出す気はないということですか。もう一回お尋ねします。
  499. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今は関係国と協議をして何を求めてくるかなどをやってくるという過程であります。いざ交渉参加したときの交渉の仕方はもちろん万全の体制でやりたいと思いますが、リストを持って云々というやり方が妥当かどうかというのは、私は慎重な検討が必要だと思います。
  500. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ネガティブリスト方式を出せるというのは、これはもう交渉に入ってからなんです。我々、交渉に参加表明していない、いわゆるまさに入る前の今段階、協議の段階だというふうに御理解をいただきたいと思います。
  501. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 だから、入る前の条件としていろいろ言われているじゃないですか。だから言っているんですよ。  委員長是非、ネガティブリストの政府案をこの国会に出していただいて、集中審議をしていただくように是非お願いします。
  502. 石井一

    委員長石井一君) 御要請は理事会で協議しましょう。
  503. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 総理、ショックドクトリンというのを聞いたことありますか、ショックドクトリン。
  504. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 知りません。
  505. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ショックドクトリンというのは、大惨事に付け込んで過激な市場原理主義改革を導入することを言うそうであります。  総理は、財務大臣当時の今年八月、大震災という状況の中で、復興需要をどう満たしていくかという観点からすると、震災復興はまさに千載一遇のチャンスだと発言されました。TPPは、まさに震災という大惨事のショック状況に付け込んで、小泉改革以上の市場原理主義、新自由主義改革を導入するもので、総理の本音はこのショックドクトリンにあるのではないか、そのように思います。  是非、政権交代の原点である国民生活が第一、これに立ち返っていただくように要請して、私の質問を終わります。
  506. 石井一

    委員長石井一君) 以上で吉田忠智君、社会民主党・護憲連合の質疑は終了いたしました。(拍手)  明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会