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2011-11-14 第179回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十一月十四日(月曜日)    午後二時七分開会     ─────────────    委員異動  十月二十八日     辞任         補欠選任         川合 孝典君     柳田  稔君  十一月十四日     辞任         補欠選任         風間 直樹君     安井美沙子君      榛葉賀津也君    はた ともこ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         大塚 耕平君     理 事                 有田 芳生君                 広野ただし君                 塚田 一郎君                 山谷えり子君     委 員                 大野 元裕君                 加賀谷 健君                 風間 直樹君                 徳永 久志君                はた ともこ君                 安井美沙子君                 柳田  稔君                 横峯 良郎君                 石井 浩郎君                 衛藤 晟一君                 関口 昌一君                三原じゅん子君                 浜田 昌良君                 柴田  巧君                 中山 恭子君    国務大臣        外務大臣     玄葉光一郎君        国務大臣     山岡 賢次君    副大臣        文部科学大臣  奥村 展三君        国土交通大臣  松原  仁君    大臣政務官        外務大臣政務官  加藤 敏幸君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       河内  隆君        内閣官房内閣審        議官       三谷 秀史君        内閣法制局第一        部長       横畠 裕介君        警察庁警備局長  西村 泰彦君        文部科学大臣官        房審議官     徳久 治彦君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        長        布村 幸彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に  関する調査  (北朝鮮への渡航自粛要請邦人保護に関する  件)  (拉致被害者安否情報に関する件)  (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件  )  (副大臣による拉致問題担当大臣の補佐に関す  る件)  (特定失踪者問題に関する件)  (日朝交渉に関する件)  (拉致問題に対する認識に関する件)     ─────────────
  2. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  本院議長西岡武夫君は、去る十一月五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。  ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。  どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  4. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 委員異動について御報告いたします。  本日までに、川合孝典君及び榛葉賀津也君委員辞任され、その補欠として柳田稔君及びはたともこ君が選任されました。     ─────────────
  5. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) この際、山岡国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山岡国務大臣
  6. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 去る十月二十八日開会された本委員会において、松原大臣に係る答弁で誤解混乱を招いたことについて、この場をお借りして、大塚委員長を始め、理事委員皆様に深くおわびを申し上げます。  山谷委員から松原大臣内閣府の発令があったか否かとの質問があり、これに対して正真正銘の拉致担当大臣と答弁したことについて改めて答弁いたします。  平成二十三年九月六日の閣議において、内閣の首長である野田総理大臣より、松原国土交通大臣に対して、前田国土交通大臣の了解を得て、内閣担当大臣として拉致問題を担当する私、山岡を事実上補佐するよう依頼されたものであり、内閣設置法に基づき内閣府副大臣に任命されたものではありません。  不適切な表現により誤解混乱を招いたことについて重ねて陳謝申し上げますとともに、今後このようなことがないよう十分意を用いてまいります。     ─────────────
  7. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官河内隆君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 有田芳生

    有田芳生君 民主党の有田芳生です。  一九七七年、昭和五十二年、日本では福田赳夫内閣でした。日本の世相でいえば、巨人軍の王貞治選手がホームランの世界記録を打ち立てて、そしてちまたではピンクレディーが物すごく人気を誇っておりました。  その一九七七年の十一月十四日、横田滋さんが四十五歳の誕生日をお迎えになりました。新潟で日銀のお仕事をなさっていた横田さんは、朝お勤めに行き、そして夜早めに御自宅に戻ってまいりまして、早紀江さんそして横田めぐみさんなどと誕生会を開かれました。そのとき、横田めぐみさん当時十三歳は、お父さん、おしゃれにもっと気を付けてねということを伝えながら、ソフトケースに入った茶色のくしをプレゼントいたしました。  その翌日が十一月十五日、いつものように寄居中学校に通った横田めぐみさん、授業が終わった後にバドミントン部友達たちと練習をして、夜の六時を過ぎたころに二人の友達とともに自宅に戻っていきました。そして、一人目と別れ、二人目と別れ、そして自宅まで角を曲がってあと数百メートルというところで姿を消してしまった。それが北朝鮮による拉致事件でした。  その十一月十五日、横田めぐみさんが拉致をされてからあしたでちょうど三十四年になります。その前日に、私たちがこのように拉致特別委員会で超党派で党派を超えて拉致問題を解決しようと前向きに議論をすることはとても意義のあることだと私は考えております。  その十一月十五日、皆さん承知のように、平壌では、ワールドカップブラジル大会アジア三次予選が一九八九年六月二十五日から何と二十二年ぶりに開かれます。日本からは、オフィシャルツアーで七十名、その他のツアーで八十名、合計百五十名が平壌に向かいますが、この邦人保護についてまずお聞きをしたいと思いますが、外務省、どのような体制邦人保護に努められるのか、御説明をいただきます。
  11. 加藤敏幸

    大臣政務官加藤敏幸君) お答えをいたします。  委員御指摘のとおり、十一月十五日、ワールドカップアジア第三次予選日本北朝鮮戦という形で開催されます。北朝鮮に渡航する選手団サポーターに不測の事態が発生する可能性を最小化する観点から、現地に担当職員派遣をしているということでございます。  具体的には、十一月十二日から十六日の日程で、外務省領事局の課長をヘッドとして、危機管理邦人保護等の知見を有する外務省職員十二名及び日本サッカー協会を所管する文科省職員一名を平壌派遣中であり、危機管理邦人援護のための体制を構築をしております。  また、オフィシャルツアー参加者安全確保につきましては、文科省が同ツアーをあっせんしているJFAに対して一般的な要請を行っているものと私ども承知しておりますが、外務省としても、同ツアー参加者安全対策のために十分な措置をとるよう改めてJFA要請を行いました。  具体的には、単独行動写真ビデオ撮影等に関する注意喚起を伝達した上で、これをオフィシャルツアー参加者周知徹底するよう要請をいたしましたし、また、外務省海外安全ホームページにも、重要なお知らせとして、単独行動写真ビデオ撮影にかかわる注意等サポーター向け注意喚起を掲載し、周知徹底を図っているところでございます。  以上です。
  12. 有田芳生

    有田芳生君 私は、今のことを前提にしまして、今日の質疑では、北朝鮮金正日国防委員長日米外交認識変化と、そして横田めぐみさん生存情報について、その二つに絞ってこれからお聞きをしたいというふうに思います。  先回のこの特別委員会で私は、北朝鮮外交に小さな春のようなものが芽生えているのではないか、もしそれが事実であるならば、日本外交もそこを活用して拉致問題の解決に大きく力を注がなければいけない、そのような趣旨で質問を行いました。  韓国報道でも明らかなように、今年の八月に北朝鮮側が、南北首脳会談を何とか開くことができないかということで、元国家元首などの国際グループ北朝鮮韓国との間の仲介を取ってくれないかと、そのような動きがあって、来年の一月にもスウェーデンで南北高官級会談が行われる可能性があると、そのように判断がされておりますけれども。  そもそも、北朝鮮外交の小さな変化があるのかどうかという認識をめぐって、実は十月十三日に、金正日国防委員長が八月にロシアを訪問しましたけれども、その感謝の気持ちということで、イタル・タス通信書面インタビューを掲載しております。その内容については認識されていますでしょうか。どういう内容でしょうか。外務省にお願いします。
  13. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 当然その報道については承知をしています。それぞれ申し上げる必要があるでしょうか、この場で。
  14. 有田芳生

    有田芳生君 ちょっと簡単に。
  15. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 基本的に、日本との関係ということでよろしいですか、それとも六者会談ということでよろしいでしょうか。
  16. 有田芳生

    有田芳生君 日本との関係で。
  17. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) はい。  日本との関係で述べているのは、何よりも日本がかつて我が国と我が民族に及ぼした罪をきれいに清算することだ、日本が勇断を下して不幸な過去を清算し、我々に対する敵視政策をやめれば朝日関係も正常化するというふうにイタル・タス通信インタビューに答えているということは承知しています。
  18. 有田芳生

    有田芳生君 今、玄葉大臣から御説明があったように、このイタル・タス通信への金正日国防委員長書面インタビューというのは今年の八月にロシアを訪問したことに対する感謝インタビューなんですが、その中に、アメリカに対して、そして日本外交についても言及をしている。これは実は今回初めてではなくて、二〇〇一年の七月にも、イタル・タス通信への書面インタビューアメリカ外交、そして日本との外交についても触れられている。それは御認識されていますでしょうか。
  19. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今、手元にそういった文書を持ち合わせているわけではありませんけれども、いわゆる二〇〇二年の日朝平壌宣言の前の年の動きということについては一定程度存じ上げており、知っております。
  20. 有田芳生

    有田芳生君 二〇〇一年の七月の段階で金正日国防委員長ロシア紙に答えている中でも日朝関係について触れられている。そのことを受けて、金正日国防委員長発言というのは、皆さん承知のように、北朝鮮においては法律よりも重いものという認識がされてしまいますから、外交においても変化が出てきて、そして、今、玄葉大臣が語ってくださったように、日朝間でも水面下交渉が始まりました。そのことも私は前回御質問させていただきましたけれども、小泉訪朝の一年前から、外務省田中均当時アジア大洋局長などが、中国の大連を始めとして東南アジア諸国で、仕事が終わってから、週末の時間を利用しながら、北朝鮮当局水面下交渉を何と二十五回行い、そしてこれが日朝交渉が実現をして拉致被害者の五人が帰国をした後に、当時の小泉首相もよく最後まで情報が漏れなかったねと田中均さんにお礼を言っている。ウイスキーもお贈りされたわけですけれども。それだけ情報を表に出ることなく日朝交渉をすることができたと、そういう動きがあったわけですが。  ですから、今回もロシア紙への書面インタビューの中でそのような認識北朝鮮金正日国防委員長が語っているならば、やはり日本外交にとっても大きな一つチャンスだと理解すべきだと思いますが、今振り返ってみて、小泉訪朝の前の一年間の外務省の大変な努力、それをどのように具体的に総括されていますでしょうか。外務大臣、お願いいたします。
  21. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) あえて一般論で申し上げますけれども、そういったまさに交渉というか、そういったものは、まさにそれぞれの状況に応じてタイミングなども含めて総合的に勘案して行われるものだろうというふうに思います。そういう認識の下で田中均さんによる外交交渉も行われたというふうに私自身認識しています。
  22. 有田芳生

    有田芳生君 もし北朝鮮外交に小さな春というものが生まれているとするならば、これから日朝交渉をするときの原則とは一体何なのかということについて、外務大臣、どのように理解されていますでしょうか。日朝交渉をこれから進めていくならば、何が原則なのかということを、ちょっと一般的にでもよろしいので、お聞きしたいと思います。
  23. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) あえて一般原則ということでおっしゃっておられるので、やや繰り返しになりますけれども、やはりその状況とかタイミングというのを総合的に判断をして物事を進めていくということが極めて大切なことだというふうに思います。  ただ、私は有田委員がこの間大変な御努力をこの拉致問題についてされてきたことを一定程度承知をしております。私自身がこういう公の場で例えば北朝鮮の意図などを確定的に申し上げる、確定的に述べるということはやはり私は控えなきゃいけないんだろうというふうに思っていますので、そのことは御理解をいただければというふうに思います。
  24. 有田芳生

    有田芳生君 二〇〇二年九・一七小泉訪朝が実現して以降、田中均さんに私もお話を伺いましたけれども、やはり総理大臣あるいは外務大臣政府権限がある者に指示をして、そして情報が漏れることなく北朝鮮側ときっちりと原則に基づいて交渉していくことが大事なんだと、そのように教えられました。それが一つ原則であろうかと思いますが、玄葉大臣、いかがでしょうか。
  25. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これもちょっとあえて少し回りくどい言い方をさせていただきますけど、やはり方法とかタイミング方法も含めていろいろあると。その中で最も効果的な方法を取ると。ただ、この間、中山先生がいみじくも何であの二〇〇八年八月の再調査は駄目になったんだというふうに質問されて、なるほどと思って私聞いていたんですけれども、権限の問題だと、権限こそが大事なんだという話は私も全くそのとおりだというふうに思いました。  そういう意味で、今述べられたことも様々な意味でしっかり含みながら、我々として最も効果的な方法を考えていくということではないかと思います。
  26. 有田芳生

    有田芳生君 繰り返しますが、もし仮に北朝鮮外交に小さな春が生まれつつあるとするならば、やはりそのチャンスを利用して拉致問題の全面的解決に向けて、玄葉大臣を先頭にして、そして山岡大臣も頑張っていただいて、拉致問題の解決に是非とも進んでいただきたいということをお伝えをしまして、外交問題については、直接的な外交問題についてはこれで終わりにして、横田めぐみさんの生存情報について具体的にお聞きをしたいというふうに思います。  まず最初に、これも外務省にお聞きをしたいんですが、脱北者問題の絡みでお聞きをしたいのは、耀徳収容所というところ、一体どのようなものか、少し説明をお願いいたします。
  27. 加藤敏幸

    大臣政務官加藤敏幸君) 御質問に対しましては、まず最初に、北朝鮮自身は極めて閉鎖的な体制を取っているということでございまして、耀徳収容所がいかなる施設であるかということの点を含めまして、内部情報を正確に把握するということはある意味困難な点もあるということはまず御理解をしていただきたいというふうに思います。  その上で、韓国統一部外郭団体である統一研究院が作成をいたしました人権白書、これにおきまして、北朝鮮における各収容所の規模は五十から二百五十平方キロメートル程度であること及び耀徳収容所からは被収容者が生きて社会に復帰し得るといった脱北者証言がある旨の記述があると、こういう内容について承知はしております。  いずれにせよ、政府といたしましては、引き続き全ての拉致被害者の一日も早い帰国を目指して情報収集を含めて努力を行っていくという考えであります。
  28. 有田芳生

    有田芳生君 耀徳収容所と聞きますと、恐らく皆様方収容所というと、政治犯がそこに捕らえられているんだけれども、何か刑務所みたいな印象でどうしても日本ではとらえられてしまうんですが、耀徳収容所というのは、正確に言うと第十五号管理所、これは東西二十キロ、南北三十四キロ、そういう収容所なんですよね。しかも、革命地域完全統制地域というところに二つに分かれております。  実は、先日、横田めぐみさんが二〇〇四年から二〇〇五年に生存しているんではないかという報道韓国から流れました。日本ではどうしても、何でそんな政治犯収容所のある一部のところからめぐみさんが生存しているという情報が出てくるんだと、まさかそんなことはないだろうという声もありました。私も実は最初、懐疑的でした。しかし、韓国にこの間、風間議員と行きましていろいろ調べてきたことで分かったことは、この耀徳収容所というのは革命地域完全統制地域に分かれていて、完全統制地域に入れられた人たちはもう生きて戻れないんですよ。しかし、革命地域に入れられた人たちというのは、再教育の現場ですから、努力をするならば生きて戻る可能性があるんです。  ところが、御承知のように、これはもうほかの収容所でも同じですけれども、食料というのはもう最低限のものしか与えられない。だから、それぞれの収容者自給自足なんですよね。自給自足で、本当に木の根やネズミからいろんなものを、とにかく生きるために努力をしなければいけない。その革命地域、つまり努力をすれば生きて帰れるかも分からないところに、実はこの間、韓国イ・ヨンスという、仮名ですけれども、四十幾つの脱北された方が証言したのは、その革命地域労働党作戦部人物がいた。実は、作戦部人物ですからかなりの地位なんですよ。で、もう一回再教育をしてこいというふうに命じられてやむなくそこで暮らしているんだけれども、しかし、そこで一生懸命努力をしていても、例えば出てくることができたとしても、体重が八十キロだった人たちが四十キロぐらいになってしまうような大変な状況ですから、自分たちでいろんな木の芽を取ったり、もうネズミから蛇から、それを捕って食べるんだけども、それだけでは多くの人が生きていけない。  だから、何があるかというと、革命地域に行った自分お父さんたちのために、平壌なんかにいる最高幹部の一人なんかは、お父さんを助けるためにこの耀徳収容所に行くんですよ。そして、行って、先ほど言いました証言をしたイ・ヨンスという仮名人物ですけれども、その人はアヒルとか鶏を共同飼育しているところで働いている。だから、その人にお金を渡して、お父さんに何とか肉を渡してくれというようなことで、そしてお父さんアヒルとか鶏の肉が与えられて、そして生き延びているという現状がある。  そこで労働党作戦部お父さん会話をする条件ができたんです。そこで、韓国から出てきた情報なんですよ。その労働党作戦部、その人が会話を長くしているときに、実は横田めぐみさんという人がいるんだという。だから、私は一般的にもうあっちこっちで横田めぐみさんの話が出たのかと思えば、そうではなかった。そういう経過の中で、横田めぐみさん、二〇〇四年から五年、生存情報というものが出てきているんですよね。だから、そう考えたときに、日本政府は一体何をしなければならないのか。  この耀徳収容所めぐみさん生存情報日本報道をされたときに、政府はこの脱北者に会う努力をするというふうに語ったとマスコミでは伝えられておりましたけれども、その後どのような対応を取られていますでしょうか。
  29. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 有田委員のおっしゃるとおり、拉致被害者安否に係る情報についてはふだんから我が当局においてはもう全力、総力を挙げて取り組んでいるところでございまして、今回の情報についてもそういう点においては非常に重視をしております。  ただ、委員も御理解いただけますとおり、今後の情報収集や御本人の安全等々を考えて、私ども当局としてはこれ以上のコメントをできないことを御理解いただきたいと思います。  ただ、おっしゃるとおり、更なる情報収集等を行った上で、必要に応じて朴議員情報を提供した脱北者とされる人物から事情聴取をすることを検討しております。
  30. 有田芳生

    有田芳生君 このイ・ヨンスという仮名の四十を過ぎた脱北者は、横田めぐみさんについての情報については、先ほどお話をしましたように、労働党作戦部だと思われる男性から生存情報を聞いているんですが、同時に大事なのは、めぐみさん情報間接情報でありますけれども、直接自分の目で見た情報も入っているんですよね。  それは、療養所というところがあって、それはなぜ療養所があるかというと、先ほど言ったような大変厳しい状況ですから、倒れていく人がいっぱいいる。そこで療養をする人たちが出てくるために療養所で働く人たちもいらっしゃる。  そして、この脱北者が言っているのは、日本おばさんという五十代の人がそこで働いていたという。私は何で日本人だと分かったのかと思いましたけれども、実は食事をトレーで持ってくる、トレーで持ってくるときに、きちんと正座をして対応をしてくれるので、これはどこの方かなと思ったら、日本おばさんということだった。  大事なのは、それ、目撃情報だということなんですよね。しかも、これは日本報道では出ておりませんけれども、その耀徳収容所、第十五管理所の旧邑里という場所に療養所があるんですけれども、そこには実は日本人四人いるというんですよ。だから、この脱北者によれば、ここは日本からの帰国者帰国事業で戻った人たち、それにひょっとすれば拉致された人も入っているんではないかというのがこの脱北者証言なんですよ。  ですから、山岡大臣今御説明いただいたように、この脱北者からもやはりきっちりと直接に話を聞くという努力をしていただきたいんですが、残念ながら、これまで新聞報道でも、政府はこの脱北者からも話を聞くという報道が出てからまだ私の認識では直接会うことができていないんですが、是非その努力をしていただきたいということをもう一度確認をしておきたいです。
  31. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 委員のおっしゃる意味はよく心得ております。そういうことで、いろんな事情を考慮をしながら先生のおっしゃっている方向に向けて今努力をしているところでございます。
  32. 有田芳生

    有田芳生君 もう一つ横田めぐみさん生存情報、これは日本でも大きく報道されましたから皆さん承知だと思いますが、週刊朝鮮という週刊誌、先日、風間議員と編集部を訪れました。平壌市民二百十万以上、十七歳以上ですけれども、十七歳以上の二百十万人を超える平壌市民の身上資料、身の上資料ですよね、名前から住所から血液型から婚姻関係から職場から、様々な資料が北朝鮮の中枢部から恐らく去年の夏ごろに流出をしておりますけれども、この二百十万人を超える平壌市民身上資料の信憑性について、まず外務省、どのように認識されていますでしょうか。
  33. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 有田委員風間委員がそのことで行かれて、そういう行動もされたということも含めて承知をしております。  今信憑性の評価ということでありますが、我々は我々の分析を当然ながらするにしても、率直に申し上げて、内容についてこの場で申し上げるというのは適切じゃないと思います。その信憑性について一言で言えば、やはり確たることを申し上げるということは控えたいというふうに思っています。
  34. 有田芳生

    有田芳生君 私は、この北朝鮮の中枢部であろうと思われるところから流出した二百十万人以上の平壌市民の身上資料、おおむね本物だろうというふうに理解をしております。  これはもうコンピューターに入っておりますけれども、二百十万人以上の人たちの住所から名前から血液型から婚姻関係からふるさとから、多くの事項が二百十万人以上の人たち、記されている。こういうものを捏造するのは恐らく困難であろうというだけではありません。  その中には、これを作ったと思われている北朝鮮の国家安全保衛部、そこの職員たちの名前も入っている。あるいは、金正日国防委員長の息子であり後継者であるとも言われている金正恩氏の結婚相手の名前も入っている。あるいは、ジェンキンスさん、曽我ひとみさんの名前も、そして、曽我ひとみさんが新潟出身なんですが、ナイガタという表現で資料には入っておりますけれども、そういうことまで書かれている。あるいは、寺越武志さんのお名前も入っている。  だけど、全体的にいえば、血液型が違っていたり、寺越さんの出身地が日本ではなくて北朝鮮の田舎の方になっているとか、いろんな間違いがあるんだけれども、全体としては恐らく正しいものではないかというふうに判断しております。  北朝鮮でコンピューターの処理がなされるようになったのが二〇〇二年の暮れぐらいからですから、これが二〇〇四年から二〇〇五年の資料であるだろうということは週刊朝鮮含めて私は正しいものだというふうに思っておりますが、その上で大事なのは横田めぐみさんの生存情報です。  皆さん承知のように、横田めぐみさんかもしれないという人の名前が出てくる。どのような作業でこれが調べられたかというと、横田めぐみさんの娘さんであるということが明らかであるキム・ウンギョンさん、キム・ウンギョンさんは二〇〇四年段階で金日成総合大学に学んでおりました。これをコンピューターで照合すると、キム・ウンギョンという名前、そして金日成総合大学で学んでいるという、二人しか出てこないんですよ。で、そのうちの一人が、一緒に暮らしているお母さんがハン・ソネさん、そしてお父さんが金英男さん、ソンエあるいはソネとハングルでは読むそうですけれども、そしてそのハン・ソネさんの誕生日が一九六四年十月五日、横田めぐみさんの誕生日なんですよね。そして、めぐみさんが北朝鮮で結婚した金英男さんも出てくる。一緒のところに、日本人居住地域に暮らしているということはその住所も出てくる。そうすると、このハン・ソネさんという人はめぐみさんではないかという、そういう重大な情報が出てきた。しかし、残念ながら血液型が違う。  あるいは、キム・ウンギョンさんの生年月日も一九八七年の十月二十五日になっている。もう一人キム・ウンギョンさんが出てきて、その誕生日は一九八七年九月十四日。これは、北朝鮮政府が主張をし、日本政府も確認をし、そしてキム・ウンギョンさんが日本のマスコミにも答えた誕生日九月十三日。しかし、このウンギョンさんは一人で、しかも平壌の外れの方に暮らしている。そうすると、これは一体どうなのかなと。決定打としてはならないんですよね。  だからこそ、これからは議員の努力ではなく日本政府が本気になってこの情報の確認をしていただきたいというふうに思うんです。  私は、週刊朝鮮の社長にも話を聞きまして、最後の方で、もしかしたら、全体的には正しい資料でも、誰かの作為、手が加えられていることはありませんかという質問をしました。そうすると、週刊朝鮮の社長さんは、全体としては正しいという判断をして、このハン・ソネさんについても、めぐみさんだという思いはあるけれども、手を加えられている可能性は十分にあるという、そういう表現をされた。そうなると、週刊朝鮮が入手をして、韓国政府が今でも欲しいと言っているこの資料の基のところをたどって、手が加わっているのかどうかという、これはもう政府にやっていただくしかないんですよね。そういう努力をしていただきたいんですが、山岡大臣、いかがでしょうか。
  35. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 私がお答えするまでもなく、このような、御説明を申し上げようと思っていることはもう全て有田先生がおっしゃっているとおりでございます。  そこで、今こちらとしては、一つ日本人の国籍のある八十五名について今徹底的に分析をしていることと、また、その週刊朝鮮というところ、またそれに関連する会社等々にいろいろとその基資料を入手できるよう最善の努力はしております。しかし、いずれにしても、例えば血液型が合わないということも、もしかしたら間違えて書いたんじゃないかという逆の見方もこれありますから、いずれにしても、そのことを確定をしていく、我々の立場からいえばしっかりとした確定をしたものにしていかなきゃならないわけでございまして、一つ一つの詳しいことは立場上申し上げられませんが、先生は御想像いただけると思いますので、こういう分析、追求については全力を挙げて取り組んでまいりますので、これからもいろいろと情報や御指導をいただきたいと思います。
  36. 有田芳生

    有田芳生君 今、山岡大臣が触れてくださいましたように、二百十万人を超える平壌の市民のこの資料の中には日本国籍を持つ人たち八十五人の名簿も入っている。風間議員とそれを入手いたしました。  そして、それを見ますと、八十五人のうち七十一人が女性、そして平均年齢六十三歳、大体工場で働いていらっしゃるんです。中には日本名も記されておりますけれども、大抵が一九五九年の十二月から始まった帰国事業、八〇年代の初めまで続きましたけれども、その八十五人の日本国籍の人たちの中には一九七〇年代に生まれた人たちが十二人、八〇年代に生まれた人たちが七人いらっしゃる。だから、これは帰国者の子供さんであろうという理解をするのが素朴な判断だというふうに思いますが、しかし、中にはどうも気になる人もいらっしゃる。  大抵、工場労働者なんかで働かなければいけない。曽我ひとみさんはジェンキンスさんと結婚されてから、資料を見れば分かるように、扶養ということで働いていなかった。だけど、若い世代であるにもかかわらず扶養となっている日本人がこの八十五人の中にはいらっしゃる。じゃ、これは一体誰なんだろうか、そういう疑問がまだ解けてはおりません。  三谷審議官、この問題について資料なども分析されているというふうに思いますが、そういった重要な疑問点というのがこの資料の中にはあると判断をしておりますけれども、いかがでしょうか。
  37. 三谷秀史

    政府参考人(三谷秀史君) 有田先生には風間先生と一緒にわざわざソウルまでお出かけいただきまして、当該資料を入手いただきまして、ありがとうございました。  お答えしようと思っていたことを既に先生がかなり言っていただきました。そのような分析を繰り返しております。ただ一方で、曽我ひとみさんがなぜ載っているんだと。曽我ひとみさんは既にあの時点は帰国されているわけです。その方がなぜ載っているのか、なぜ曽我ひとみさんだけ載せているのかという疑問がございます。  それから、今御指摘のとおり、かなりの方が女性でかつ高齢者、すなわち、いわゆる日本人妻ではないかとも思われます。しかし、それには明らかに該当しない方も載っておられる。この方たちは一体どなたなんだというようなこと、これを今一つ一つ潰しております。  既に、例えば、当初これは八十六人リストと言われておりました。先般の委員会でも先生自身が八十六人のリストとおっしゃった。うち一人は明らかに重複であるということで今八十五人リストと呼んでおりますが、現時点、その程度の詰めでございます。  何よりも疑問なのは、仮に二百十万人の方が信憑性が高いものだとして、その中に果たして拉致被害者を載せるのかという疑問はどうしても解けない部分でございます。したがいまして、私どもは今、二百十万人が何とか欲しい、そしてそれを徹底分析したいという思いでございます。
  38. 有田芳生

    有田芳生君 二〇〇四年から二〇〇五年の段階の資料にもう既に日本帰国しているジェンキンスさんと曽我さんのお名前が入っているというのは果たして何なのか。しかも、結婚の日付も実際のものとは違う。更に言えば、蓮池さん、地村さん、どうなっているんだ。あのお二人、あの御家族はもう帰ってきたから載っていないんだという言い方、評価もできるでしょうけれども、じゃ田口八重子さんや市川さんや増元さん、有本さん、どうなっているんだと、そういう大きな疑問がある。だけど、めぐみさんと同じ誕生日の人も出てきた、ウンギョンさんも出てきた。そうなれば、今、三谷審議官からお話があったように、日本人国籍を持っている人たちの間でも十分最後まで追跡をしなければいけない。ひょっとすれば新たな被害者かも分からない方もいらっしゃる。だからこそ、この資料の大本に立ち戻りつつ、いろんな形での日朝の交渉というのを玄葉大臣の指揮の下で責任ある人が進めていっていただきたいというふうに思うんですよ。  来年、御承知のように、金日成生誕百周年、そして強盛大国というようなことをうたっている、うたわざるを得ない経済的な苦難の状況にある北朝鮮のシグナルが出ているとすれば、やはりそこを活用をして拉致問題の解決のために私たち超党派で、みんなで力を合わせて進んでいかなければいけないというふうに思います。ですから、取りあえずそのきっかけとなる、先ほどお話をした脱北者証言、それから平壌市民の身上資料について、その信憑性の確認について、政府が本気になって韓国へ担当者を派遣をされて、十分な分析、調査、そしてこれからの行動をなさっていっていただきたい、そのように思います。  最後に、玄葉大臣の決意をお聞きしたいと思います。
  39. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど来から出ているリストの話というのは、その信憑性については様々な情報があるわけですけれども、本当に様々なんですね、その信憑性については。ですから、あえて確たることは言いません。ただ、重視をしているということだけは申し上げようというふうに思います。  対話については、あえてやはり一般論で申し上げますけれども、成果を生むものでなきゃいけないということだと思うんですね。そういうことをしっかりと踏まえながら私としては対応していきたいというふうに考えております。
  40. 有田芳生

    有田芳生君 終わります。
  41. 大野元裕

    ○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会に加えていただきまして初めての質問になります。我が国にとって国家全体としてしっかりと取り組む必要がある極めて重要な委員会委員でございますから、中身のある質問をさせていただきたいと、このように思っておりますところ、よろしくお願い申し上げます。  さて、この件につきましては、同僚の有田議員から二国間の外交拉致問題についての質問がありました。私といたしましては、もちろんバイの働きかけ、北朝鮮に対するバイの働きかけも重要ではありますが、北朝鮮という国の特殊さ、あるいは拉致問題ということが有している政治性に鑑みれば、北朝鮮に対する国際的な圧力、これをいかに構成するかを含めた国際的な環境の整備、対処、こういったものが重要と考えて、本件について質問をさせていただきたいと思っております。時間の限りはありますが、よろしくお願いいたします。  さて、アジア地域に目をやりますと、先般、玄葉大臣も御出張、御苦労さまでございました。今、APECあるいはEAS、こういったアジアに世界中の目が向く時期だと私は理解をしております。このような中でも、様々な会議、さらにはその会議本体のみならずそのサイドラインで開催をされますバイ若しくはマルチ、こういった席においては様々な機会をとらえて本件拉致問題について我が方として働きかけを行っていくべきと考えますが、どのような対処をされているか、まずは御説明を賜りたいと思います。
  42. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 全くおっしゃるとおりでありまして、特に大切なのは日米韓の連携ということであります。  先日のクリントン国務長官との会談でも、第二回の米朝対話について拉致の問題にしっかりと言及をしていただいたということについて感謝を申し上げつつ、今後ともこの問題について、それは拉致の問題だけではありません、核、ミサイルの問題も含めてでありますけれども、しっかりと日米韓で連携をしようということを強く申し上げたところであります。  あわせて、韓国も同じでございますし、同時に中国など、そういった国々に対しても、もちろん温度差はあります、温度差はありますけれども、私として働きかけをしています。  あわせて、いわゆる国際社会全体からのプレッシャーというのも大事だと思います。つまりは、北朝鮮に関する人権状況決議というものが、この間、私も外務大臣になってから、ほとんど、つまり賛成していただけない国々に対して、バイのいわゆる外相会談を行ったときに働きかけをしてまいりました。先般の北朝鮮の人権状況決議ではこれまでにない一番多い賛成票であったということを申し上げたいと思いますし、先日も、例えばタイと外相会談を行ったときにも、タイにも一人いらっしゃるんですね、拉致被害者が。ですから、それぞれのやはり外相会談でしっかりとこの問題を取り上げていくということは大変大切なことだというふうに考えております。
  43. 大野元裕

    ○大野元裕君 ありがとうございます。  バイ、マルチの働きかけ、確かに重要だと思います。他方で、大臣が言及された国際社会全体に対する働きかけとしては、私は広報努力も忘れてはならないと思います。  聞くところによりますと、昨年の横浜で開催されましたAPECの折には、北朝鮮による拉致問題の解決に向けた広報紙あるいは様々な展示がなされたと、このようなことも伺っております。具体的にはどのようなことをなされたのか、説明をしてください。
  44. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 昨年のAPECは、これは我が方の主催でございますと、そういう地の利もありましたので、資料を展示して拉致問題の啓発に努めるのに大変な努力を傾注してまいりました。  具体的には、この拉致問題に関する年表だとか事案の説明とか啓発用パネルとか、英語版でそういうものを展示したり、アニメの「めぐみ」の上映を行ったり、各種パンフレット等々の配布を行って、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事にも紹介をされたと、そういう経緯があります。
  45. 大野元裕

    ○大野元裕君 ありがとうございます。  おっしゃるとおり、これが大臣のおっしゃる恐らくパンフレットで、様々な各国の言語でパンフレットが作成され、あるいは掲示物に関して一覧で見せていただくと、若干文字は多いものの、私はとても見やすい、とてもいい掲示だったと思います。  他方で、先ほど有田理事が指摘されたように、とうとう多くの年月をもはや数える拉致問題について、私はこういった努力は本年のAPECにおいても前例があるわけですから行うべきではなかったかと思いますけれども、本年、こういった同様の努力若しくはその継続への働きかけというものがなされたのかどうか、あるいはなされなかったとすればなぜなされなかったのかについて御説明をしてください。
  46. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 先ほど申し上げましたが、前回は日本が主催であったということが大きな地の利であったわけでございますが、今回は日本の主催ではないということと、経済関係の事柄にかなり限定されている会になっていると、こういうこともありますが、しかし、啓発資料の継続的な配布をこれはもう今お願いを申し上げておりますし、様々な国際会議にでも、現実に外へ行かれるのは総理とか外務大臣でいらっしゃいますが、閣議等においても、このバッジを着用していただきたいとか、あるいは各国の皆様に積極的に拉致の協力を御要請をしていただきたいとか、私の立場としてはそういうことで、頼まれなくてもやっていただいていることではございますが、そういうことで、御案内のとおり、総理自身もこのバッジを必ず付けて出ていただいていると。  そういうことで外国に向けても一生懸命やっておりますし、また、私自身がこの間ASEANプラス3の犯罪担当大臣会議に行ったときも、テーマはサイバーテロであったんですが、わざわざ要請として、私は拉致担当大臣でもあるので、各国の協力をお願いを申し上げたいと。また、アメリカの大使も数日前においでになりましたが、あしたからのめぐみさんの展示会に是非出ていただきたいと。残念ながら御帰国をされるそうで、代理の方と、こういうことですが、自分もあの「めぐみ」は家族共々見させていただきましたと。イギリス大使にも中国大使にも、またモンゴルからの北朝鮮に在住大使も、それはもう私のレベルで一つのそういう国際的なチャンネルというのか、を広げるように拉致担当部署としても全力で努力をしているところでございます。
  47. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 別に通告受けていなかったんですけれども、広報という意味で、山谷理事の御提案もあったと私聞いたんですけれども、この「めぐみ」という映画をやはり各国の在京大使に見てもらうということは大変いいことだということで、こちらとして企画をしようというふうに今考えているところで、調整をしているということをこの場で申し上げたいと思います。
  48. 大野元裕

    ○大野元裕君 両大臣、ありがとうございます。  私は、その一方、地道な活動を続ける一方で、私は外交には波というものがあって、どうしても上げ潮のとき、下げ潮のときというのがあると思います。  三週間ほど前に私はワシントンに行ってきて、政府関係者、議会関係者、研究者、こういった方々とお会いしたときに痛切に感じたのは、今アジアに目が向いているというタイミングであります。ハワイで行われるこういった会議において、各国の目をちょうどアジアに向ける、その中でも拉致問題にも決して忘れないでいただきたいというメッセージを続けていくということは私はとても大事だと思いますし、特に来年、各国が選挙を始めとして内政に目が向くときで、その前に盛り上げていくという努力は是非お願いをさせていただきたいと思っております。  また、今大臣の方から広報の努力がありましたが、翻って北朝鮮の方を見ますと、どうも最近インターネットを使った北朝鮮の広報努力というものが目立っているというふうな報道があります。韓国においては、報道ですけれども、国家保安法に基づいて、親北朝鮮サイトと言われるサイトがこの五年間で二百件以上閉鎖された、そしてそのうち日本にも同様のサイトが七件あった、こういう報道がありました。その経緯について御承知でしょうか。もし御承知であるとすれば、どのような対処を我が方は取っているのでしょうか。
  49. 西村泰彦

    政府参考人(西村泰彦君) お尋ねの件につきましては、韓国治安当局日本を含めた海外に設置されている北朝鮮を称賛するサイトの存在を確認し、大統領直属機関の放送通信委員会韓国国内法令に基づいて当該サイトを韓国内で閲覧できないようにするため遮断措置を講じたものであると承知しております。
  50. 大野元裕

    ○大野元裕君 とすると、日本側のサイトというのも韓国側で措置をしたものであると、要するに我が国としてやったことではないということでよろしいですか。
  51. 西村泰彦

    政府参考人(西村泰彦君) そのとおりでございまして、今申し上げましたとおり、韓国内で日本のサイトを見れないような措置をとったということでございます。
  52. 大野元裕

    ○大野元裕君 北朝鮮側のこれまでのインターネットの利用というのは、情報収集だとか、あるいは極めて単純な広報手段、こういったものが私は多かったと思いますけれども、最近では様々な北朝鮮を称賛するようなプロパガンダの手法というものが私は強化をされていると理解をしております。北朝鮮動きあるいは姿勢、そしてもちろん彼らの誤ったプロパガンダ、こういったものを阻止していくためにも、インターネットをモニターしていくという必要はあると思いますし、また韓国側との連携というものも極めて私は重要であるというふうに考えております。  その韓国との連携でございますが、大臣にお伺いいたしますけれども、韓国の私は姿勢というものが若干変わってきているのではないかという危惧を抱いております。例えば、最近におきましては、過去において禁じられていた宗教・文化関係者らの訪朝ですとか、開城の工業団地に対する限定的投資の解禁、あるいは北朝鮮への立場、これらの変更というのは、私の見るところでは、統一部の長官であります柳佑益長官の就任を契機として行われている。あるいは、つい最近では、常々北朝鮮との窓口として知られてきたミスターK、金千植さんが統一部の次官に任命をされて、こういった拉致問題についてもしかすると誤ったシグナルを与えかねない、このような動きがあるというふうにも懸念をされるところでございます。  拉致問題の解決に資するべく、我が方としては、先ほど玄葉大臣からも御指摘があったとおり、米日韓、なかんずく韓国との関係というもの、これは極めて重要だと思いますが、韓国側に対する改めての働きかけがこういった状況を踏まえて必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  53. 加藤敏幸

    大臣政務官加藤敏幸君) 御質問に対しまして、まず私、事実関係を踏まえてまず御答弁をしたいというふうに思います。  委員御指摘のことにつきましては、特に最近韓国の宗教関係者や文化関係者が訪朝する等、韓国が一部の南北間の交流を認めていることにつきましては私ども承知をいたしております。  他方、韓国政府は、二〇一〇年五月に南北間交流や協力を中断するとした五・二四措置を継続しており、このような交流はその目的や趣旨等を慎重に検討して限定的に承認されたものと理解をしております。  また加えて、韓国政府は、北朝鮮との実質的な対話を進めるためには、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動や、昨年の哨戒艦沈没事件及び延坪島砲撃事件といった挑発行為に対する責任ある措置をとる必要があるとの立場を明確にしております。したがいまして、南北間での一部の交流が北朝鮮に対し誤ったシグナルを送ることになるとは私どもは考えていないということでございます。  いずれにせよ、北朝鮮拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けて誠意を持って具体的な行動を取るよう、日韓米、大臣答弁いたしましたとおり、緊密に連携しつつ、引き続き強く求めていく考えであることを改めて表明したいと思います。  以上です。
  54. 大野元裕

    ○大野元裕君 政務官、ありがとうございます。  様々なマルチの場というものは、時にバイの力の行使よりも様々な外交的懸案を解決する場合がございます。私も独裁者と付き合ってきた歴史が長うございまして、中東において、例えばリビアにおいては、パンナムのときのようなああいったアメリカの力のバイの関係よりも、実は、例えばサダム・フセインのUNSCOMやUNMOVIC、こういったときの再受入れのようなマルチでの働きかけの方がよく効果を上げたという実例もございます。  そんな中で韓国は、インフラ、さらには失業、格差、そして学費の問題、こういった、あるいは金融政策、大きな問題を抱えたまま来年には選挙戦に突入していきます。そんな中で、韓国の選挙、内政事情だけが先行して誤ったメッセージを与えるのではなく、仮にそれが北風の政策であるにせよ太陽の政策であるにせよ、日米韓を始めとした国際社会がしっかりとした連携を図っているということは最低限メッセージとして与えなければならないということを、選挙戦に入る前の段階で是非とも改めて言っていただきたいということを最後にお願いを申し上げたいと思います。
  55. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう言うまでもないことですけれども、韓国も拉北者の問題がございますので、非常にこの問題については理解と協力があります。当然のことでございます。そのアプローチにそごが生じないようにしっかりやります。  それで、南北対話と米朝対話とそれぞれあるわけでありますけれども、この日米韓の連携を事務レベルでも政治家レベルでもしっかりとやります。そのことだけ申し上げたいと思います。
  56. 大野元裕

    ○大野元裕君 しっかりとしたお言葉、ありがとうございます。是非とも御期待させていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  57. 山谷えり子

    山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。山岡拉致問題担当大臣、玄葉外務大臣、御苦労さまでございます。  玄葉大臣が、先ほど、アニメ「めぐみ」や映画など、各大使に説明しながら、御覧いただきながら広報していきたいということをおっしゃってくださいました。是非、国際連携につながりますように働きかけていただきたいと思います。  冒頭では、山岡拉致問題担当大臣から誤解混乱を招いたと。すなわち、十月二十八日の参議院のこの北朝鮮拉致問題に関する特別委員会、この委員会で、山岡拉致問題担当大臣が、松原国土交通大臣のことを正真正銘の拉致問題担当の副大臣でございますとおっしゃられました。また、松原さんも、拉致問題担当副大臣としての発令をいただいているというふうに答弁なさいました。しかしながら、調べた結果、内閣府の発令はなかったと。したがって、法的根拠のないままに委員会で答弁なさったということで陳謝なさったわけでございますけれども、十一月十一日、先週の金曜日には野田総理が藤村官房長官に対して、法的根拠なく答弁させたことに対して官房長官を厳重注意なさいまして、また今日、官房長官は議運の場で陳謝なさったと聞いております。  山岡大臣は、なぜ正真正銘の拉致問題担当、内閣府の担当副大臣でありますというふうにあのとき答弁なさったんでしょうか。
  58. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 冒頭で陳謝申し上げたとおり、内閣府の発令ではないと、ありませんということは申し上げたとおりでございますが、あの当時は、私が総理にお願いを申し上げたのは、是非、この家族のことなぞ考えるとと、また、七か月で替わっていると、これはもう厳然たる事実ですから、それは政府を挙げてやるといっても、家族の気持ちなぞをおもんぱかって、是非とも議連の事務局長松原さんを私の下での副大臣でお願いを申し上げたいと、こういうふうに総理や官房長官にお願いをしていた経緯があったものですから、私はそういうふうにしていただいたとあのときには思っておりました。  しかし、先生の御指摘があって、さっき陳謝申し上げたように、それは間違いであったということが分かりましたので、今後十分気を付けてまいりたいと思います。
  59. 山谷えり子

    山谷えり子君 法治国家としてあるべきではない暴走をしたということで、なぜこんなことが起きたのか、二度と起きないように本当に確かめたいと思うんです。  なぜ内閣府の拉致問題担当副大臣として発令しなかったのか、できなかったのか、お分かりでございましょうか。
  60. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) それはよく今は理解をしております。  拉致担当と、あるいは国土交通大臣というのは内閣府の立場ではございませんから、それを任命するにはこれはその発令はできないと、こういうことだと思います。
  61. 山谷えり子

    山谷えり子君 どういう法律に反するから発令できないんでしょうか。今の答弁ではちょっと答えになっていません。
  62. 河内隆

    政府参考人河内隆君) お答え申し上げます。  松原国土交通大臣に対しましては、拉致問題担当副大臣としての任命は行われておりません。この点につきましては、これまでから当委員会でも触れられていると思いますが、拉致問題につきまして、まず、九月六日の閣議の場におきまして、内閣の首長たる内閣総理大臣が、松原国土交通大臣に対し、前田国土交通大臣の御了解を得て国会対応を含め事実上の補佐をお願いをしたところでございます。  内閣担当大臣につきましては、その時々の政策課題に応じまして内閣総理大臣判断により任命されるものであるため、副大臣、政務官等の補佐体制は制度上措置されておりません。しかしながら、内閣担当大臣に命じられた事務がより円滑に進むように、総理が関係する各省の副大臣等に対しまして、所属する省の大臣の命令の下、調整事務等につきまして当該省の所掌事務に関連して事実上の補佐を依頼することは、内閣法及び国家行政組織法等に必ずしも反するものではないわけです。  しかしながら、今回、様々な御指摘、そして九月六日の総理の発言の趣旨が十分徹底されなかったため、十月二十八日の当委員会での審議において混乱を生ずることになったこと、そしてまた、総理の発言に基づき事実上の補佐を依頼することについて、政権交代以前から手続上不適切な点があったにもかかわらず、これを改めてこなかったことについて、御指摘……
  63. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 答弁者は、答弁を手短に、簡潔にお願いします。
  64. 山谷えり子

    山谷えり子君 私の時間は限られております。今の、審議妨害だと思います。  私は、山岡大臣に、何の法律違反だから内閣府の特命担当副大臣に任命できなかったとお思いですかと聞いているんです。
  65. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 何の法律違反かと言われると、あえて申し上げる必要もないと思うんですが、法律違反という、法律違反という形にはなっていないと思っております。
  66. 山谷えり子

    山谷えり子君 内閣設置法十三条には、「内閣府に、副大臣三人を置く。」という条文がございます。このとき既に内閣府には副大臣三人任命されて、天皇陛下から認証されておりました。ですから、四人目の内閣府の拉致問題担当副大臣松原さんを任命することはできなかったんです。  それを、山岡拉致問題担当大臣が、それは家族の思いを酌んでくださった、私も拉致議連で一緒に働いてきた仲間ですから、松原さんに拉致問題やってほしいです。けれども、法令違反だから内閣府副大臣はできないんです。その認識まだないんですか、今日も。
  67. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) そういう認識を持っておりますので冒頭に謝罪をさせていただいたわけでございますが、おっしゃるとおり、内閣設置法十三条で副大臣三人を置くと、置くことができると、こう書いてありますが、その範囲の中でなかったということで、申し訳ありません。
  68. 山谷えり子

    山谷えり子君 今の今までその法令違反の根拠法を御存じなかったということが分かりました。  こんな形で、山岡大臣、やっぱりもう松原さんを切るという形ではなく、拉致問題として、担当として引き続き任用はできるんですよ。ただ、副大臣だけはできないと。だったら、拉致問題にかかわるポストをおつくりになったらいいじゃないですか。
  69. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) おっしゃるとおりでございまして、私も国対をやっておりますが、かつては国会内でいろいろな応用もありましたが、厳密に御指摘をいただければおっしゃるとおりでございますのでそのようにさせていただきましたが、しかし、私の松原さんへの気持ちとか、また松原議員の役割については、実質上意図したとおりになるように取り計らっていくように今しているところでございます。
  70. 山谷えり子

    山谷えり子君 九月六日の閣議の後に藤村官房長官は、松原さんに内閣府特命の副大臣ということで拉致担当をさせると、これ全く間違いの記者会見をしているんですね。そして、山岡大臣も、異例だが役所のルールよりも御家族の意見、意思を優先すべきと思うと。これ、役所のルール違反ではないんです、法律違反だから任命、発令できなかったということなんですね。  野田総理も十一月十一日に藤村官房長官に厳重注意なさったんですが、実は野田総理の閣議発言にも問題があるんです。九月六日、拉致問題については松原国土交通大臣山岡大臣の補佐を国会対応を含めお願いすることといたしますと。この閣議発言は適切だと思われますか。
  71. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 法的に的確かと言われれば、今日おわびを申し上げたように、的確ではないと思っております。
  72. 山谷えり子

    山谷えり子君 この野田総理の発言は、内閣設置法違反というよりも、国家行政組織法に違反しているんですね。つまり、総理というのは大臣を任命することはできますが、副大臣というのは各役所の大臣が任命するものですから、野田総理の閣議の発言は越権行為なんです。つまり、前田国土交通大臣松原大臣にいろいろな仕事を任じられるということでありまして、民主党政権というのは法治国家としてのわきまえがなさ過ぎるんです。  自民党政権でしたら、法律に余り詳しくない部分でうっかりミスというのがある場合も、未然に、事前に役人が、いや、これはこの法律違反です、こっちはこれは法律違反です、閣議のこの発言は不適切です、全部アドバイスするはずなんですが、こんなに暴走がここまで許されてしまったという、これは民主党政権の未熟というよりも、私は法治国家としてのわきまえがない、あるいはそのようなものはどうでもいいというふうに思っていらっしゃるんだと思うんです。  冒頭で陳謝いただきましたけれども、その部分に関する思いは全く感じられませんでした。今私が指摘しました内閣設置法違反、国家行政組織法の違反、これについて今、山岡大臣はどのような思いでございますか。
  73. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) あえてこれ以上申し上げたくはないんでございますけれども、こういうケースは、これは自民党さんのときも民主党のときも、今までは慣例に従って行われていた経緯はあるわけでございますが、先生のそういう御指摘を受けて、これを正確に対応していけばおっしゃるとおりでございますので、撤回をして謝罪を申し上げているところでございます。
  74. 山谷えり子

    山谷えり子君 まだ分かっていないということがよく分かりました。  自民党のときは、関連があるところで任務をお願いするということはあります。例えば国土交通大臣松原さんに内閣府の海洋政策を担当させる、これはいいんです。しかし、関連が薄いということとともに、内閣府の設置法、今一生懸命耳打ちしている、官僚、ちゃんと教えてあげてください、内閣設置法違反なんです。三人までしか副大臣を任命できないのに四人目を任命させようとして、それができなかった。その説明も何も分からないまま、正真正銘の拉致問題担当副大臣でございますと国会で答弁している。法的根拠なく暴走している。そして、それを指摘されてもまだ理解できない。担当大臣として不適格だと思います。  今理解なさいましたか、今で。いいです。もういいです。大臣に聞いています。
  75. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) その点については理解をしているつもりでございます。  拉致は、これは内閣に属しておりますから、内閣府ではありませんので、内閣の属している副大臣内閣府で任用するというのは、先生のおっしゃるとおり、これは正しくないと、こういうふうに理解をしております。
  76. 山谷えり子

    山谷えり子君 法律の本当理解をしていただきたいことと、役所のルールを無視してもいい、あるいは法律のルールを無視してもいい、こういうことでは全くないというその自覚を、責任をお持ちいただきたいと思います。  普通は、ここまでひどい暴走をした場合、大臣は自ら辞任なさるのが普通ではないかなと思いますが、その辺いかがですか。
  77. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) あくまでも私の真意は、拉致担当大臣として拉致問題を解決をしていきたいと。しかし、その大きな前提の中に、拉致家族の皆様のお気持ちをおもんぱかれば、これは察して余りあるものがあると、皆様ともう全く同じだと思いますが。  そして、そういうことを思うがゆえに、七か月で替わっているという御指摘は、またそれももっともな御指摘でございまして、したがって、ここは拉致の被害者の家族の皆様と長いお付き合いがあり、信頼もあり、そういう松原さんに副大臣になっていただいてそのことをケアをしていただきたいと、こういう思いからのことでございますので、そういう手続に対してミスを生じましたことはおわびを申し上げますが、真意を是非御理解をいただきたいと思います。
  78. 山谷えり子

    山谷えり子君 法治国家ですから思いだけでは全くいけないわけでございまして、引き続き拉致問題の担当を松原さんにやっていただくようなポスト、法令違反ではないポストを御用意いただきたいというふうに思います。  それで、山岡委員長が財務委員長、民主党のをやっていらした平成十九年、二十年、二十一年、この間に民主党の国会議員、地方議員あるいは民主党の都連、組織として、拉致問題、拉致の実行犯として国際指名手配されている犯人、それとずぶずぶの関係の団体に二億円以上のお金が渡っているんです。そして、今もその関係団体から民主党の国会議員たちは秘書を送ってもらっています。  七月二十一日に、私は菅総理にこの問題ただしました。菅総理は明確に答えられませんでした。十月二十八日、この委員会で私は山岡大臣に、拉致問題解決を願うならば、これを経理の問題、そして、何しろ拉致実行犯と深い関係のある人たちのところにお金行っているわけですから、その人たちから情報を得ればいいわけですから、聞き取り調査などなさいましたか。
  79. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) まず、私が財務委員長という役割のときは、まあ一言で言えば金庫番というのが分かりやすいところでございまして、一定の指示の下に一定の規定の出費をして領収書をきちっと通して経理的に処理をしていたという立場でございますので、そこから先のことについては、財務委員長としては承知をしておりませんでした。  また、今御指摘の点についても、これは拉致問題と先生は結び付けて、関連はあるといえばそうかもしれませんが、直接担当大臣としてそこに対応するということはしておりません。
  80. 山谷えり子

    山谷えり子君 その関係団体は、拉致の実行犯、国際指名手配されているその犯人から平壌からの原稿をもらったり、もうすごい関係なんですよ。そして、今秘書さんが民主党の国会議員のところで働いているんです。聞き取り調査ぐらい簡単なことじゃないですか。ありとあらゆることをやっぱり情報収集して取り組まなければいけないんです。  ですから、そんな怠慢なこと言わないで、是非聞き取り調査、お金の流れ、人の流れ、そして秘書さんからの情報収集なさってください。
  81. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) また、その点については検討させていただきます。
  82. 山谷えり子

    山谷えり子君 拉致問題担当大臣でいらっしゃいますから、是非そのことは行っていただきたいと思います。  といいますのも、政府認定の拉致被害者十七名、五名御帰国くださいましたけれども、まだまだ民間の調べで、拉致の疑いが濃厚あるいは拉致されたんじゃないかという問合せ、特定失踪者問題調査会というところに四百七十人の問合せがあります、リストがあります。そのうち七十三名は非常に拉致の疑いが濃厚だと言われております。  私、今月に入ってからも、十一月五日、特定失踪者福井の集会に出ました。山下貢さん、山下春夫さん、宮内和也さん、河合美智愛さん等々、平成九年とか十年とか、そういう割合最近になっても不思議な形で失踪しているんです。もう家族からの訴えを聞きました。  そして、この十一月九日には、特定失踪者問題調査会は民間でやっていますからお金がないんです、それを全国で支援しようじゃないかという全国組織が立ち上がりました。  そして、十一月十日にはこの「拉致報告書」という本が出版されたんですが、チャック・ダウンズさんという方が編集していらっしゃる。この方は国防総省の元北朝鮮交渉担当官なんですね。これを読めば、そんな人数じゃない、物すごい人数の拉致があったに違いないということでありまして、シンポジウムを十一日に行われたところでございます。  政府のこの「北朝鮮による日本人拉致問題」、特定失踪者問題調査会の問合せ場所とか何にも書いていないんですね。もちろん政府自らが特定失踪者問題調査会と連携しながらきちんとやってくださるのはもう当然のことなんですが、それがなかなか進まないんです。家族の皆様はこうやって自分でパンフレット、「特定失踪者にも光を」、作っていらっしゃるんですね。  来年の概算要求に情報収集・分析、書いてあります。ここに特定失踪者問題調査会との連携、あるいはこうした問合せの御家族、政府には九百人ぐらいの問合せあると思いますよ。丁寧に丁寧にありとあらゆることに当たっていただきたいと思いますが、その辺、いかがでしょうか。
  83. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 委員のおっしゃるように、いわゆる特定失踪者、拉致可能性が排除できない事案ということについては、御指摘のとおり、情報収集とか分析等について、これは対策事務局、また警察挙げて徹底をして調査をしているところでございます。  また、先生のおっしゃる、委員のおっしゃる、警察の方では九百件と、こういう数字を挙げておりまして、調査会では四百七十人と、こういうことを一応は数字が出ておりますが、この九百件以上のところについても、平成二十一年秋以降、二十五人が国内で新たに発見をされました。調査会の四百七十人の中ですと十五人でございますが、そういうところで、この拉致の認定に行くというところはなかなか確定できないので特定失踪者ということになっているわけでございますが、その中でも国内で発見をされたという方についてはこのぐらいの数で今出てきているわけでございます。  いずれにしても、調査会の皆様と全面的に協力をして、この特定失踪者についての対応にも全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
  84. 山谷えり子

    山谷えり子君 来年度の概算要求、されておりますが、そこの情報調査というところにしっかりと特定失踪者問題、これを位置付けていただきたいというふうに思います。そして、法令違反、こうしたことを明確に自覚なさって責任の重さというものを感じていただきたいと思います。  終わります。
  85. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。よろしくお願いいたします。  先ほどからの山岡大臣お話を聞いていて、私は納得がいかないです。本当に今回のこの松原大臣に関する任命についての問題を、御自身が、謝罪をされたとおっしゃいますけれども、問題の本質自体、なぜこういうことが起こったかということについての御自身の自覚が私はないんじゃないかと思います。  そもそも、なぜ拉致担当大臣に任命をされた時点で、こうした問題が起きない形できちっとした副大臣の任命ができる対応を取られなかったんですか。山岡大臣、そのことについて教えてください。
  86. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 拉致担当大臣でありますから、とにかく全力を挙げて拉致被害者皆様の救出に向けて、またそういう所在の確認について、このことについても全力を挙げて取り組んでおりますが、もう一つ、御家族の皆様の御心情というのも、これも極めて重大なことでございますので、そういうケアをしていかなければならないと、そういう使命感を持って臨んでいたことは事実でございますが、そういうことから、この問題は総理に対しても総理自身の問題として対応していただきたいと、こういうことで、私が就任してから二回総理御自身が御家族に会っていただいたりしているわけでございます。  そういう本筋のことと言ってはなんですが、やるべきことにもうとにかく頭が行っていた、そういう中から、御家族の皆様のことを考えたらそれは御家族の御指摘はもっともでいらっしゃる、何とか対応していただきたいと、私はそういう趣旨でお願いを申し上げて、分かりました、こうなりましたというふうに承ったものですから、そうであったとばかり思っていたというのが率直なところ本当でございまして、そこをこれが法的にどうなってどうなってどうなっているかというところの分析まではしていなかったことは事実でございます。
  87. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 そうすると、山岡大臣、総理にお願いをしてそういうふうになるだろうと思っていたということであれば、このことが問題だと、つまり、内閣府の副大臣は三名まで、四人は任命できない、松原さんは副大臣になれないということを御存じなかったということだと思うんですが、それについて役所から何の説明もなかったんですか。いつこのことを理解をされたんですか。
  88. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 率直に言って、そこまで調べてもいませんし、気も回っておりませんでしたし、そういうことであるということは当時は理解をしておりませんでした。いつと言われますと、そういう山谷先生からの御指摘があって、どうなっているのかと、こういうことを実務レベルに問い合わせたりいろいろと調査をした結果、そういうことだということを理解したというのが率直なところでございます。
  89. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 もうこれをこれ以上やっても時間の無駄だと思いますが、結果として今回のことは拉致問題の解決には決してプラスにならないですよ。こういうことが起きたということ自体がやはり政府にとっての大きなミスであると同時に、山岡大臣担当大臣としての資格が私はない、もうまさに山岡さんには辞めていただくしかないと、そういう思いを強く今日はいたしました。  次の質問をさせていただきます。  ちょうどあしたの今ごろ、北朝鮮平壌ワールドカップサッカー・ブラジル大会のアジア第三次予選が、日本北朝鮮戦が行われる予定であります。これについては前回の委員会でも指摘がありまして、政府の御答弁として、仮にサポーター北朝鮮に渡航することになろうとも、我が国がとっている制裁措置の効果を損なうことがないよう十分注意していただく必要があると考えております。また、個々の行動について厳格に対処していただきたいと思っており、日本北朝鮮に対する制裁措置につき誤ったメッセージが諸外国に伝わることのないよう厳格に対処をしていただきたいと、このように思っておりますという答弁を政府はされていらっしゃいます。  その後、今日は御出席をいただいております文科副大臣、奥村副大臣から私あてにも内容の御説明の文書をちょうだいをしております。今日の資料の一枚目であります。この中にも、「渡航者の安全確保とともに、各種制裁がしっかり守られるよう関係省庁が連携し、拉致被害者の思いを大切にしつつ、対応していきたいのでご理解賜りますようお願い申し上げます。」と書いてありまして、私も、さすがに前衆議院拉致問題対策特別委員長だけあって大変いろいろなことを考えていただいているんだなと安心をしておりました。  ところが、十日の日になって、家族会、救う会からの要請文を見て愕然といたしました。そこは、二枚目の資料、資料二に書いてありますとおりでありますが、大事なところだけ読み上げます。しかし、サポーター渡航のため日本サッカー協会が指定した旅行社の資料を見て驚嘆せざるを得なかった、そこには、サッカー試合観戦以外に、独裁者金日成をたたえる施設である主体思想塔、凱旋門、金日成広場への観光が入っていたからだ、あくまでも政府予選観戦に限って自粛対象から外したはずだから観光は当然自粛対象だ、政府とサッカー協会は早急にサッカー観戦以外の観光日程を外すよう旅行社に求めるべきだ、ここに強く要請するという内容であります。  私自身も調べてみました。資料三枚目、オフィシャルサポーターツアー内容であります。  そして、四枚目の資料を御覧ください。これは、実際に旅行社の日程の二日目のところ、十五日火曜日、確かに午前中の日程でその今申し上げたようなまさに北朝鮮の思想を啓蒙するかのごとき施設への観光が含まれている。極めて不適切だと言わざるを得ない。  これについて、今日はまず、文科副大臣に来ていただきましたので、文科省として、奥村副大臣、どのような対応を取られたんですか。
  90. 奥村展三

    ○副大臣(奥村展三君) 塚田委員には、スポーツ振興等につきましていろいろ御尽力、御指導いただいておりますこと、まずもってお礼を申し上げる次第でございます。  今御指摘をいただきました私の文書は、十一月一日にお手元に行ったと思います。その午後に官房長官の方から今回のワールドサッカーのオフィシャルツアーにつきまして正式なコメントを出されるということもございましたので、いち早く各スポーツ議連の先生方にこのことを御理解をいただけるようにと思って出させていただきました。  ただいま御指摘をいただきましたように、本当に今回のこのオフィシャルツアーにつきまして、応援に行っていただくのはいいわけなんですが、今御指摘をいただきましたように、参加者のそうした、ある意味では旅行の中身の話が公になって、家族会の皆さんから私も抗議をいただきました。本当に残念なことだと思っております。  結果的には本当に、今御指摘をいただきましたように、配慮が足りなかったということは痛切に感じているところでございますが、ちょうど今、この時間帯でございますが、北京から北朝鮮の方に向かっている最中だと思います、行かれた方々が。そうした流れの中で、出発前に北京の方でしっかりと日本サッカー協会、そして旅行業者に対しまして文書をもって注意喚起をさすように指示をいたしまして、そのことを徹底するように行ったところでございます。  ただ、今御指摘をいただきましたように、実は、明日の朝、午前中三時間の余裕があるわけですね、朝食を終えてから。キックオフが御案内のとおり四時からでございます。いろいろ会場へ行って、競技場へ行ってのそれはある程度制約はできるんですが、その午前中をどうするかということで旅行社がこういうようなことをやってしまったということで、できるだけホテルに自粛して滞在をするようにということを徹底するように指示をいたしましたので、ある意味では御理解いただければというように思っているところでございます。
  91. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) このことは、拉致担当としては当初から、この渡航自粛ということが我が国の方針であり、私どもはそれを打ち出しているので、そのことは十分しんしゃくをしていただかなければ困りますと。  国の方で、こういうスポーツだからということで別の部署で判断をされるというところまでを制約はしませんが、しかし、このことについては、もうスタートのときから文部大臣とよく話し合い、外務大臣はたまたま、しょっちゅう外国に行かれてお留守なものですから、この西岡さんや飯塚さんからのこれもいただいて、全くおっしゃるとおりだと、こういうことですぐ閣議の席で直接文部大臣にこの紙をお渡しをして、これを善処方お願いをしたいと。官房長官にも、これは拉致担当として承知した覚えの範囲外ですと、こういうことを申し入れて、早速、外務大臣はいらっしゃいませんでしたけれども、外務大臣にもお伝えくださいと、そういうことで対処をしますと、こういう今流れになっておりますので、御指摘のことがないように全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
  92. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 山岡さん、ちゃんと発言もしているとおっしゃるんですが、それではお伺いしますが、公式ツアー以外の旅行に対して文科省としては何らかのアプローチをされていますか。
  93. 奥村展三

    ○副大臣(奥村展三君) 一般の旅行者、これにつきましては我々制約することができません。  ある意味では、今回のこのツアーにつきましては、北朝鮮のサッカー協会、そして日本サッカー協会と十分連携を取るようにということで最初から申し上げておりました。当初は拒否されるだろうというように思っておりましたので、それならサポーターもある意味では募集しなくても済むということで、報道関係はどうするんだというようなことも出ておりまして、いろいろと省内で検討をしておって、ある意味では日本サッカー協会に委ねておりました。その関係で、ぎりぎりになって、先月の末になって北朝鮮のサッカー協会の方から返事が来まして、ある意味では報道陣とそしてサポーターと。もう少しサポーターも数があるだろうと思っておったんですが、七十名以内で今のところ収まっていっていただいたというようなことでございます。  ですから、今御指摘をいただいた、お話のありましたように、しっかりとそこの点は協会を通じて進めてきた経過がございます。
  94. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 その協会を通じてというのは、あくまでも公式ツアーのところだと思うんですね。  五枚目の資料を見てください。これは公式ツアーではない、別の旅行社が主催をしている今回の観戦ツアーの日程表です。同じく十一月十五日の火曜日、先ほどと同じような観光コースがやはり書かれているんです。しかも、驚くべきことに、その次の十六日の水曜日には板門店、停戦調印場、そして、まさに軍事境界線といった地域まで観光の日程に含まれているわけですよ。これは非常に私は問題が大きいと思うんですね。公式ツアーでないからそのままに放置しておくということではないと思います。  政府としてこれについてどういう対応をお取りになるつもりなのか、そこを明確にお答えください。
  95. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう御存じだと思いますけれども、今回、オフィシャルツアー組についてはいわゆる特例的に渡航自粛の例外にしたと。おっしゃるとおり、大変残念なんですけれども、いわゆるオフィシャルツアー以外の方々がどうも渡航すると。これは、率直に申し上げて渡航自粛要請です。だけれども、行ってしまっているという現実があるという状況が今です。  それで、当然、今回、外務省の職員、文科省一人いますけれども、外務省の職員も十二人、既にもう到着しています、十二日だったと思いますけれども。当然、様々な事態を想定しながら、これは本当、万が一のことのないように対応していくということに尽きるというふうに思っていまして、様々なシミュレーションをするようにということで私の方から指示をしています。
  96. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 玄葉外務大臣、これは重大問題だと思いますよ。そもそもこのコースそのものにこういった場所が含まれていることも問題だし、邦人保護の観点からきちっとできるのかということの問題がもう一つあるわけです。  先ほど加藤外務政務官のお話、答弁を聞いていて私びっくりしたんですが、オフィシャルツアー参加者安全対策とおっしゃったと思うんですね、先ほどの質疑を聞いていると。じゃ、オフィシャルツアーじゃない人の邦人安全対策はどうなっているんですか。ここの十六日の日程ですよ、公式じゃないものの。さっき申し上げたとおり、軍事境界線に観光で行くって言っているんですよ。休戦状態にある地域の最前線まで邦人が行って、万が一のことがあったらどう政府は責任取るんですか。それを外務省の十二人プラス文科省の一人で完全に把握をして、邦人に対して安全確保ができると玄葉大臣言い切れるんですか。
  97. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) それはもう、そういうことのないように全力を尽くします。
  98. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ですから、そもそもこういうことが、やはり渡航自粛先に対して、こうした例外を設けるんであれば、事前にそういうことをきちっと政府として、オフィシャルツアーであれ、そうでないであれ、やはり管理をしていくということの段取りを取っておくべきだったんじゃないですか。  現にもうスタートをしてしまって、こういう状況になったときに、もちろん邦人に何かがあっては大変なことですが、個々のツアーの行動が監視できないようなことにもしなったときに、本当に何かが起きたら、これは、玄葉大臣政府もそうですが、外務大臣としての責任が問われることになりますよ。そのことの自覚をしっかりと持って、まだこれからこのツアーは今も続行中なわけですから、現場に十分な指示は出していただいて対応していただかないと、私は大変なことになっては困るということを再度強く要請をさせていただきたいというふうに思います。  それでは、時間ももう限られてきましたので、次の論点でありますが、玄葉大臣の対北朝鮮外交の基本的な考え方、この間の質疑を聞いていて、私にはいま一つ明確に分からないところがあります。  具体的にお伺いをします。  いずれ六者協議という舞台に北朝鮮も含めて議論が移る可能性もあるでしょう。しかし、例えば米朝あるいは南北にしても、それぞれバイで今対話をやっているわけですね。日本としては、日朝の、つまり二国間の交渉ということは除外をすることはないのか、要するにそれも一つの選択肢として考えているのか、あるいは六者協議という場で初めて様々な懸案事項の解決を議論するのか、どちらの方向を考えられているんですか。
  99. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私はここは、塚田委員、申し上げているつもりなんですけれども、当然、先ほども申し上げましたけれども、様々な選択肢がある中で最も効果的な方法を選択をするということが基本になるわけであります。  対話については拒むものではありません。ただし、成果を生まなければならないということでございます。そして、いわゆる南北対話も米朝対話も、これはこれで当然その成果を見極めながら、いわゆる拉致、核、ミサイル、包括的に解決をするんだというのが基本的な方針でありますので、その中で、そのラインの中で最も最善の方法、最も良いタイミングの中で選択をしていくということになります。
  100. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 そうすると、二国間の対話はもちろん考え得ると、一つの選択肢だという理解でよろしいんですね。それは除外しないと、二国間交渉もあり得るということでよろしいんですね。
  101. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 拒むものではございませんが、成果を生まなければならないと、そう考えております。
  102. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 分かりました。  もちろん成果を生んでいただかなければなりません。その場合は、二〇〇八年の実務者協議のベースを基準にその交渉を行うということでよろしいんですか。それとも新しい議論のベースをまた別に考えておられる、どちらか教えてください。
  103. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今、塚田委員がおっしゃったとおり、やはり二〇〇八年の八月、あれが少なくとも足掛かりであるというふうに私自身認識しています。
  104. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 そうすると、二国間協議も決してそれは選択肢としては除外をしない、成果がある交渉ならば行うと、二〇〇八年は一つのベースと考えているということは理解できました。  そして、日本がこの二国間を交渉するということについて、例えば日米韓の三か国の中で合意というか了解はあるんですか。  つまり、この六者協議に向かう過程でまず南北が必要ですと。そして、それから米朝についても協議を行うということは、ある程度この三国間の中ですり合わせを行っている前提で今物事は進んでいると思うんですが、日本自体がつまりバイで日朝をやるということについても、いわゆる同盟国等、日米韓、特にこういった国との連携で理解を得ていると、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  105. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど申し上げたように、対話を拒むつもりはない、ただ成果を生む対話でなければならない、このことも含めて当然ながら日米韓で連携をしているというふうに理解していただいて結構でございます。
  106. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 それでは、ちょっと時間が来たので最後の質問になるかもしれませんが、日米の連携についてお伺いをします。  先ほど、クリントン国務長官ともお会いになって拉致の問題の言及があったことについて感謝の意を表明されたというお話がありました。それは結構なことです。我々拉致議連で、家族会の皆さん、救う会の皆さんと七月に訪米をしております。大きな目的の一つは、アメリカが今行おうとしている対北朝鮮での食糧支援について、これは日本にとっては、非常にこうした状況の中で食糧支援が行われることについては懸念をしていると。つまり、日本の三つの懸案事項も含め、対北朝鮮でのこうしたことが進まない中で安易に食糧支援を行うべきじゃないということを申し上げておりました。  そのことについて、まだアメリカとしての今後の動きが出てくると思いますが、クリントン長官等との大臣の会談の中で、日本はこういう立場だと、つまり北朝鮮へのアメリカの食糧支援は行うべきでないということは言及されていますか。
  107. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど申し上げたように、拉致の問題について引き続き支持と協力、米朝対話での発言等について私の方から申し上げましたが、それ以上のところは、先方のこともございますから差し控えたいというふうに思っています。
  108. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 単に協力要請じゃなくて、具体的なことを言わなきゃ駄目なんです。例えばテロ支援国家指定が解除されたことを再度復活するようなこともそうですし、今回の食糧支援も、具体的に日本はこうしてほしいということを明確に言っていただきたいということを再度お願いをさせていただきます。  さらにもう一点、ブルーリボンについてですが、これは是非、海外に行くときもブルーリボンを付けていただきたい。なぜかといえば、このブルーリボンが日本外務大臣がこの拉致問題を国家の最優先課題として海外に向けてアピールすることの大きな象徴になるわけですから、そのことを是非御理解をいただいて、海外に行かれるときもブルーリボンを付けていただきたい。これは御要望として最後に申し上げて、今日の質問を終わります。  ありがとうございました。     ─────────────
  109. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、風間直樹君が委員辞任され、その補欠として安井美沙子君が選任されました。     ─────────────
  110. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会内閣法制局第一部長横畠裕介君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  112. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日、急遽、拉致特となりました。その理由は、先ほど山谷委員からもございましたように、前回、十月二十八日でのこの委員会松原大臣拉致担当ではなかったということの問題について、先ほど山岡大臣から陳謝の発言もございました。正真正銘の拉致担当大臣というのは間違いだったというわけでございますが、実は山岡大臣、もう一つ、前回の委員会で問題発言されているんですね。  お手元に資料を配らせていただきました。これは、中山委員質問されました内容北朝鮮拉致問題、なぜ起きたのかという質問に対しまして、山岡大臣は何と答えられたのか。一番下の欄でございます。やはり北朝鮮は現実大変で、独裁体制を取って、これは潜在的な国民の不満は大きいですから、それは日本から、言うなれば日本北朝鮮の生命、財産が向こうに言わせれば拉致されているからだと、こういう思いを多分持っていて、いずれそれは日本にそのことをというような思いがあるのかもしれないんですねという発言があったんですよ。これは看過できない発言だと思いますよ。拉致ということをなぜ日本がしたんだと、どういう事実があるんだと、しかもその報復でやられているということが言っていいのかと。拉致担当大臣発言ですよ。  これ最初に、まず内閣法制局からお答えいただきたいんですが、この拉致の定義なんですけれども、拉致関係の法律は二本ありまして、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害への対処に関する法律、平成十八年、また、北朝鮮当局によって拉致された被害者の支援に関する法律、平成十四年とあるんですが、共にこの法律では拉致という定義がございません。つまり、ということは、拉致というのは、日本国内によって一定の法概念があるからその法概念をそのまま引用すればいいということだと思うんですが、日本国内では拉致というのはどういう定義だと考えられているんでしょうか、お答えください。
  113. 横畠裕介

    政府参考人横畠裕介君) 御指摘のとおり、現行法において拉致という言葉を定義した規定はございません。ただ、一般的に、拉致という言葉の用いられ方でございますけれども、日本語の拉致という言葉の意味としては、無理に連れていくことを意味するものと承知しております。
  114. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今ございました無理に連れていくことというのが、果たして日本北朝鮮にどういうことをやったんでしょうか。まず、こういう拉致担当大臣認識が、拉致対策本部として皆様お持ちなのか。拉致本部の事務局次長にまずお答えいただきたいと思います。
  115. 三谷秀史

    政府参考人(三谷秀史君) 事務局長代理の三谷でございます。  突然のお尋ねではございますが、いわゆる日本拉致をしたというような事実は、過去の法的事実としてはないと存じ上げております。
  116. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 外務大臣には通告していなかったんですけれども、聞いてもいいですかね。こういう国際的な関係で、今の山岡大臣のこの発言なんですが、言わば日本北朝鮮の生命、財産が向こうに言わせれば拉致されているというような事実があるんでしょうか。また、外務大臣もそういう認識でおられるんですか。
  117. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そういう認識ではございません。
  118. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 じゃ、山岡大臣にお聞きしますよ。どういう歴史的事実があって、時系列に言っていただいて、こういうことがあるから北朝鮮人たちが生命、財産が日本から拉致されていると山岡大臣は御判断されたのでしょうか。その根拠を御答弁いただけますか。
  119. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 拉致担当大臣として、やるべきことは三つあると私は思っております。一つは、御家族のケアを十分していかなきゃいけないと。もう一つは、真相の究明と、それから拉致被害者皆さんの所在等々を、これを確かめていかなきゃならないと。しかし、やるべきことは何かといったら、その皆様の救済をすることがこの本丸というか、そのために私どもはあると、こういうふうに思っております。  そうすると、これは中山先生とのやり取りの中の話で、それから有田先生とも質問の中でのやり取りもありましたけれども、結局、救済をするということになりますと、今の北朝鮮の特殊性を考えたら、金日成との接点を直接持たないとこれは全く進まないと。失礼、金正日ね、息子の。進まないと、正日のですね、それが一つと、それからまた、その金正日総書記というのが一体何を考えているのかと、そういうことを考えていかないと解決に結び付かないと。  そういうことから、いろいろと交渉するに当たっても、向こうはそういう思いを多分持っているのではないかと、こういうことを申し上げているのであって、何をもって私が特定をしてこうだということを言っているんじゃなくて、多分、金正日というのはそういう思いを持っているから、それに対してどう対応をしていかなきゃならないかということを考えていかなければいけないと、こういうつもりで申し上げたわけです。
  120. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 全くもって問題発言だと思いますね。金正日がどういう妄想を抱いたとしても、その妄想に対して根拠がなければ、それは否定するのが当然じゃないですか。それを、拉致担当大臣として、さもそれが一つの考えのように受け取られて、しかもその報復でというそういう考え方を一つの、金正日が持ってもいいということをあなたは認めるんですか。  私はこういう発言すること自体が思慮に欠いた、拉致被害者の方々の、またその御家族の思いはどう思われます。拉致担当大臣が、たとえ金正日がこう思っているかもしれないと思っても、国会の場でこういう発言することに、その人たちの思いを踏みにじっているという反省はないんですか。不適切だと思いませんか。
  121. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 御指摘のようなことがあるかもしれないと、今先生から言われてそういうふうに直感的に思いました。だから、そのことについては確かに申し訳ないと、こう思っております。  ただ、あえて言えば、私もどうやってこの解決をして取り返していかなきゃならないかと。今、ある意味では、先ほども小さな春ということを有田先生からの御指摘もありましたけれども、本筋はそこのところにどう対処していくかということをいつもいつも考えているものですから、そういう質問のやり取りの中で言葉が出たということで、もしそのことでそういうお気持ちを与えるということであるならば、これは申し訳ないと思っております。
  122. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 私は、御家族の方々は、拉致担当大臣が国会の中でこういう発言すること自体が、私、やっぱりその思いをないがしろにすると思うんですよ。  そういう意味では、是非大臣はこの発言を取り消してほしいんですよ。それは、議事録修正という方法もあります。中山委員の了解も要りますけれども、是非そういう手続を取るべきだと思いますが、いかがですか。
  123. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 中山委員にお許しをいただければ、後ほどお願いを申し上げますが、取り消させていただきたいと思います。
  124. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 山岡大臣が今取り消していただけるという発言いただいたんですが、これは政府としての方針なのかという問題なんですよ。  なぜかというと、実は、この件については、さすがにこれは問題発言だと思いましたので、私も山谷委員も、二人ともこ質問主意書を出しているんですよ。これが本当に政府の見解なのか、どういう経緯があるんだと。こういう発言する拉致担当大臣は資格がないんじゃないか、任命責任はどうなんだと野田総理のことも聞きました。それに対する政府の回答は、これが思慮を欠いた不適切な発言との指摘は必ずしも当たらないと考えるという閣議決定しているんですよ。これが問題なんですよ。今、山岡大臣発言取り消すと言ったじゃないですか。なのに、内閣はこのままでいいと思っている。こんな内閣拉致問題を解決する意思があるんでしょうか。  是非ここは、言葉って大事なんですよ。確かに、野党が追及するから与党は突っぱねるという問題だけじゃなくて、おかしかったらおかしいと取り消せばいいじゃない。それをもう閣議決定までしているというところに、じゃこの閣議決定ももう一度やり直すという決意を、山岡大臣言ってくださいよ。
  125. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) それは閣議決定でございますから、私一人の力でそれを変えるということはどうか分かりませんが、私は、今委員から、家族がこの言葉を聞いてどう思うかと、こうおっしゃられたものですから、それはなるほどと今直感をしたわけで、その趣旨がどうあろうと、お気持ちを逆なでするような言葉はこれは取り消した方がいいと、こういうことで今そのことをお願いをしようと思っているところです。
  126. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 直感だけでいろんな発言をする、また拉致の被害者の方々、またその御家族の方々の心情が本当に一瞬一瞬にもないということに、私は山岡大臣のこの拉致担当としての適性を疑います。  そのことを申し上げさせていただいて、また、本当に済みません、松原大臣には今日は能登沖の不審船の問題のことを聞こうと思っていました。済みません、この任命問題じゃありません。  先ほども有田委員からもありましたのは、脱北者を通じての情報をいかに取るかが重要となっているんですが、いわゆる海保と拉致本部との連携関係がちゃんといっているのかと。実はこういう、いつもこれを、そういう人たちを押し返すだけなんですけれども、一つ情報ルートではありますし、今後増えるかもしれません。その関係をお聞きしたいと思うんですが、もう質問時間がないので──聞いてもいいですかね。
  127. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 時間が参っておりますので。
  128. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 じゃ、済みません、申し訳ございませんが、次回、その辺取り組んでいただきたいことをお願いしまして、私の質問を終えさせていただきます。
  129. 柴田巧

    ○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  私からも、先ほどから出ておりますが、北朝鮮平壌でのサッカーの観戦の件についてお聞きをしたいと思います。  それぞれ、先ほど有田先生、塚田先生からもございましたが、答弁を聞いていて、一言で言うと、何て緊張感が足りないんだろうなというのが正直なところでありまして、言うまでもありませんが、外交・領事関係のないところに行くわけです、しかも大量の人が。そして、ましてや制裁措置を科している国に行くわけで、何が起きても不思議ではない。特に、多数の人が行くということは分かっているわけであって、したがって念には念をしっかり入れるということが何よりも大事なことなんだろうと思います。  そこで、まずお聞きをしたいと思います。安全対策安全確保策については先ほどもありましたので、同じ答えは結構ですので。  結局、外務省としてJFAに対してこの注意喚起等々をまずお願いをしたということでありますが、それはどういうふうにしっかり実際行かれるサポーター関係者の人に伝わっているのか、理解をしてもらっているのか。あるいは、それを現地でどういうふうに最終的にチェックをするというか、改めてこの注意の喚起等々を図ろうとしているのか。この点をまず、これは外務省ですか、いいですか。じゃ、お聞きしたいと思います。
  130. 布村幸彦

    政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。  政府におきましては、国際サッカー連盟規約の事情を勘案して、ワールドカップ予選のための日本サッカー協会オフィシャルツアーの参加者に限り特例的に北朝鮮への渡航の自粛を要請しないということといたしております。  このため、文部科学省では、十一月十一日にこのツアーの主催者である日本サッカー協会に対しまして、参加者はツアーの趣旨を踏まえ行動を慎んでいただきたい旨を口頭で要請をしたところでございます。  これを受け、日本サッカー協会ではその旨を旅行会社に伝達したと聞いておりますし、また本日、随行しておる日本サッカー協会の職員から平壌への出発前に北京空港においてツアー参加者全員に直接資料を配付をいたしまして、特に観光につきましては強制ではなくて任意であり、また政府の方針を踏まえて慎重な対応を行うよう注意喚起を行う予定と聞いているところでございます。
  131. 柴田巧

    ○柴田巧君 それでは、外務省の方ではいかがなんでしょう。さっき政務官もお答えになっておられましたが、先ほど私もお聞きしたそのチェック体制、しっかりちゃんとツアー関係者に行き渡っているのかどうか。そこら辺、どういうふうにチェックされていますか。
  132. 加藤敏幸

    大臣政務官加藤敏幸君) お答えをいたします。  ツアーの参加者につきましては、いわゆるこの日本サッカー協会JFA自身にその旨をして、主体的にはオフィシャルツアーということですから、JFAの方はそういうことで対応はできているというふうに思っております。なお、注意喚起事項につきましては、先ほど文科省の方からお話がありましたように、それぞれ対応をしているということでございます。  なお、御質問の範囲がオフィシャルツアー以外の参加者についてということでありますならば、そのことについては、自粛対象ということであって、オフィシャルツアーについては外すという特別の措置をとりましたけれども、その他については私どもは自粛をしてほしいと、この姿勢で対応しているというのが現状でございます。
  133. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど御指摘もあったんですけれども、これ、オフィシャルツアー以外のいわゆる渡航自粛の対象の方々が行っているという事実があるので、しっかり、旅行会社でああやってツアー組んでいるということですから、きちっとこれは私の方からまた、もう先ほど指示出しましたけど、しっかりこのことについて自粛をするようにと、観光の面とかですね、そういったことを私の方から改めて指示出します。出しましたけど、そのことを御紹介申し上げます。
  134. 柴田巧

    ○柴田巧君 先ほどのその観光も含めて、結局、政府側からいろいろあれをしていても、旅行会社もそういったところはお構いなしのところがあったりするわけですね。ましてやサポーター人たちは正直サッカーのことで頭がいっぱいだと思います。どれだけ事前に注意喚起等々もしても、大変興奮状態の中にある意味ではおられる人もあると思いますので、そこら辺は現地で、文部省、外務省から派遣をしているわけですから、不測の事態などに遭わないように、またそういったことに巻き込まれないように、やっぱり念には念を入れた体制を取ってもらいたいと思いますし、近隣公館に後方支援も体制を充実をするというふうに聞いていますので、場合によれば、非公式で行っておられる人たちもいますから、安全を確保するためには近隣の公館から今からでもスタッフを増強して万全の体制を取るということもあってもしかるべきじゃないかと思いますが、そこら辺はいかがでしょうか。お聞きをしたいと思います。
  135. 加藤敏幸

    大臣政務官加藤敏幸君) 今御質問の点に関しまして、外務省といたしましては、十二名の職員が行っておりまして、その任務内訳は、危機管理担当、邦人保護、語学、医務、会計処理等の知見を有する職員ということで、御指摘のことにつきましては陣容的にも我々はある確信を持ってこれで対応したいということで行っておりますので、御理解いただきたいというふうに思います。
  136. 柴田巧

    ○柴田巧君 いずれにしても、多数の日本人が、サポーター報道関係、サッカー協会を含め行っているわけですから、いろんな形で、先ほども申し上げましたが、しっかりとした万全の体制を取ってもらうということと、あわせて、今回のこの観光等々によって、あるいはサポーターの受入れをあっちがしたということなどによって制裁が緩和されていくような、なし崩しになっていかないように、そのことは十分にしっかりやっていただきたいと思います。これは要望ということにさせていただきたいと思います。  さて、このサポーターというか、その試合の前に、御案内のようにこの日朝国交推進議連の皆さんが訪朝するという話がございました。これは各方面からの反対によって今回は断念をされたようですが、場合によれば、衛藤副議長が、会長なんでしょうかね、によれば、国会閉会した後に計画をしたい、調整をしたいということを述べておられて、早ければ十二月の上旬にも場合によればそういうことがあり得るということかと思っておりますが、この拉致問題、核、ミサイルについて何ら進展していない中で、一般のサポーター人たちが、等々が行くこともこれほど大きな、場合によっては誤ったメッセージを発信しかねないという中で、国会の幹部の皆さんがこういう段階で行かれるということは、それこそ北朝鮮のみならず諸外国に日本の方針は変わったのかということを送りかねない、サインを送りかねないと危惧するところでありまして、もちろん今のところ現実になっているわけではありませんが、どうもそういう計画をいまだにお持ちだということであります。  この件について、外務大臣拉致担当大臣、それぞれの御見解をまずお聞きをしたいと思います。
  137. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 本件は、委員のおっしゃるとおり、議連の活動に関するものでありますから、政府としては直接関与しているものではありませんけれども、政府としては、重大な主権侵害であり、かつ人権侵害であると、この拉致問題を理由として一連の北朝鮮に対する措置を行っているところでございます。御案内のとおりです。したがって、国会議員についても北朝鮮への渡航は自粛をしていただきたいと、こういう思いでございます。  また、政府は、拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はないと、こういう方針を堅持しているわけでございますから、委員のおっしゃるように、万が一でも政府の立場と異なる考え方が相手方に誤ったメッセージとして伝わるようなことがないようにしなきゃいけないと、全くおっしゃるとおりだと思っております。
  138. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 報道もされたんですけれども、最初にそういうお話があったときに、これは国会は国会、院は院という部分がございましてなかなか申し上げにくいところはあるわけでありますけれども、私の方からは慎重に対応していただきたいということを最初に申し上げたところであります。  また同時に、本格的に十五日に向けて行かれるという、そういうお話報道があったときには、いわゆる渡航自粛要請というものを外務省の方から改めてさせていただいた。それについて、副議長でございますから、聞きおくと、こういうお話、そういう感じだったというふうに承知しています。
  139. 柴田巧

    ○柴田巧君 とにかく、主権と人権の侵害を受けている被害国である我が国の国会幹部が言わば制裁を破って平壌へ行くというのは、やはりこれは我々としてもこれ厳しく見守っていかなきゃ、対応していかなきゃならぬと思いますが、両大臣にもしっかり毅然たる対応をしていただきたいと、このことは強く申し上げておきたいと思います。  時間がなくなってきたので、ちょっとまとめてそれぞれお聞きをしたいと思うんですが、最後に、先ほども出ましたが、特定失踪者の問題をお聞きをしたいと思います。  先ほど山谷先生からも御指摘があったように、一言で言うとどうも本気度を余り感じられないと、この特定失踪者の問題に対する政府対応がですね。もっと国がその解決のためにしっかりと姿勢を示すべきだと、そう思います。  先般も、福井でありましたが、福井の失踪者の家族の会長さんの話によると、政府と正式な対面もまださせてもらっていないんだと。あるいは、あの会にも政府関係者は来ておられなかったんですが、こういうことを含め、もっとそういった会合に出席をしてもらうとか、オブザーバーで拉致家族の皆さんの会合に出席をしてもらうという配慮があってしかるべきだと思いますが、いずれにしても、この失踪者の家族、あるいはその特定失踪者の問題に一生懸命取り組んでいる調査会への支援をしっかりやっていただきたい。  これは拉致担当大臣にお聞きをしたいと思いますし、外務省のパンフレット、ホームページを見ていると、この拉致問題については言及がありますが、特定失踪者については言及されていないというのが現実であって、これは場合によったらそれは存在しないんだと外国の人も受け取りかねないという危惧の念を持つところでありまして、したがって、外務省としてもしっかり各国にそういったことを知らしめるように努力を、また改善を求めたいと思いますが、この点は外務大臣にお聞きをしたいと思います。
  140. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 時間が参っておりますので、簡潔に御答弁いただければと思います。
  141. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 端的に申し上げて、この特定失踪者の問題については、これはちょっと表現はしにくいんですが、具体的にああなっています、こうなっていますと申し上げられないというのが我々の立場なものでございますから、そういう点で表に余り出てきていないで熱心じゃないんじゃないかという感じをお与えすることはあるのかもしれませんが、先ほども申し上げたように、警察が認識している九百人のうち、この一、二年で二十五人、二十五人の新たな結論を出しておりますし、また特定失踪者についての調査会という皆さんの数の中でも十五人新たに出しております。警察の調査が二十名で、御家族から五名の申出があったと。  そういうことで、今こういう数字は初めて申し上げますが、数字だからよろしいだろうと思って言っているんですが、具体的なことは申し上げませんが、全力を挙げて取り組んでおりますし、調査会の皆さんとも一層の連携を図っていきたいと、こういうふうに思っております。
  142. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃったように、特定失踪者の話は、二〇〇八年八月の再調査の対象は全ての拉致被害者ということになっていますから、それは含まれるというふうに考えていただいていいと思います。全ての拉致被害者。ですから、当然ながらこのことも非常に重要な問題である。  同時に、ほかの国々、つまり、平壌に在外公館を置いているというのが二十四か国あると思いますけれども、それらの国々との連携も邦人保護という観点では非常に大事だと、重要だというふうに認識しています。
  143. 中山恭子

    中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。  今日、多くの委員の御発言の中で非常に重要な問題がたくさん議論されたかと思っております。浜田委員の、いらっしゃいませんが、山岡大臣の御発言はみんなが心配している点であったんだろうと思っています。それは、やはり向こうの気持ちを分かるということは大事でございますが、日本として、やはりこの問題は犯罪行為、戦時ではありませんので、無辜の人々が勝手に連れていかれた犯罪問題であるということをもう一度しっかり認識していただいて解決に向かっていただきたいという多くの人々の思いがあると思いますので、十分これからもお気を付けいただきたいと思っております。  北朝鮮交渉するとき、軸足を向こうに置いてしまっているのではないかと思われる動きがこれまでずっと続いてきておりますので、必ずこの拉致問題については日本側に軸足を置いた上で北朝鮮を説得する、又はいろんな戦術を取るということが拉致問題の解決に向けては非常に重要な、またそれが北朝鮮にとっても良い方向へ向かうものだと思っておりますので、軸足をしっかり日本側に置いて交渉を、交渉外務省かもしれませんが、対応していただきたいと考えております。  今日はもう一つの問題で、先日、ちょっと古くなりますが、原敕晁さんの拉致を行った辛光洙が韓国で供述した問題で、北朝鮮対外情報調査部の姜海龍元副部長について、逮捕状を取り、国際手配すべきであると考えておりますが、この点についていかがお考えでしょうか。
  144. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) どちらでしょうか。どちらが御答弁されますか。
  145. 中山恭子

    中山恭子君 拉致担当大臣です。
  146. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) お尋ねの事件については、平成十八年四月、主犯である北朝鮮の工作員辛光洙及び共犯者の金吉旭と言うんですか、に対する逮捕状の発付をもって国際手配を行って、現在も捜査を推進しているところでございますが、お尋ねの者に対する国際手配は行ってはおりません。  詳細については、個別の捜査の内容に関することなので差し控えさせていただきますが、そういう状況でございます。
  147. 中山恭子

    中山恭子君 辛光洙が、辛光洙というのは、もちろん皆様御存じと思いますが、韓国で逮捕され、死刑宣告を受けた人物です。日本側の国会議員の何人かの方が入った署名、嘆願署名があって、その後解放され、北朝鮮では今、英雄という称号を与えられて非常に高いポストに就いておりますが、この辛光洙という拉致実行犯が韓国での証言の中で、姜海龍元副部長から日本人拉致するようにという指示を得たという証言がありまして、これがその国際手配をする根拠になるのではないかと考えられているわけでございます。  この拉致実行犯について日本側が、日本政府がどう考えるかという問題にもかかわってくると思います。  前の拉致担当大臣のときでございますが、自民党政権のときには、北朝鮮に対する主要な要望として、全ての拉致被害者安全確保と速やかな帰国、さらに真相究明、そして拉致被疑者、これは拉致実行犯と考えられる人々の引渡しという、これを北朝鮮に要求するという三項目を立てておりました。ところが、民主党政権になりましてから、これは二〇一〇年であったと思いますが、この取組の重点項目を生存者の即時帰国に向けた施策と安否不明の拉致被害者に関する真相究明の二項目だけに、今大臣お持ちのこれにはこの二つの項目が掲げられております。先ほど大野委員がお持ちになったこちらには、どうでしょう、三項目載っているかと思いますが、もしや古いもので、一番後ろの、二項目ですかね。二項目。以前は三項目ありました中で、二〇一〇年にこの拉致被疑者、実行犯等の引渡しというものを北朝鮮に要求しないという方針が出されております。  これについて、大臣、いかがお考えでしょうか。
  148. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 先生御指摘のその問題について、確かに上の丸ポツ二つが今ありますけれども、昔は、昔と言っちゃあれですが、以前は三つであったわけですが、昨年の十一月の拉致問題対策本部第四回会合でこの八項目の本部長指示というのがなされたわけですが、この中の、下の方の五番目の、まあ先生十分御存じと思いますが、項目の中に拉致実行犯に係る国際捜査を含む捜査等の継続と、こういうふうに挙げていて、場所は違いますが中身はそういう趣旨で、私はその後を引き継いだわけですが、どこにあろうとこれはもう同じものだと思って全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
  149. 中山恭子

    中山恭子君 やはり日本から北朝鮮への要求という項目の中に実行犯引渡しを具体化できるかどうかというのはもちろんもう最終段階での判断だと思いますが、今の段階で、現段階で拉致実行犯の引渡しを落とすということは、国際社会から見ても、日本の国の、何というんでしょう、いわゆる法治国家としての日本に対する信頼というのが揺らぐテーマであろうと考えております。ここはもう一度しっかり元に戻して、北朝鮮への三項目という要求にしておくのがよろしいと思っています。もう一度御検討いただけたら有り難いことだと思っています。政府の中の方針八項目というもののどこかに入っていますというのではなくて、北朝鮮にしっかり引渡しも要求しますよということをやはり示しておく、最後の交渉は別ですが、最初からこれを降りてしまうというのは必要ないことだと考えております。  それからもう一点、国交正常化をすれば情報も入ってくるようになるし拉致被害者帰国できるではないかという考え方というのは日本の中に相当根強くあると考えています。この問題について両大臣のお考えを、担当大臣、それから外務大臣も、もしお願いできればお答えいただきたい。どのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。
  150. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現する。拉致、核、ミサイル、包括的に解決をする。冒頭、有田委員質問にもお答えを申し上げましたけれども、まさに状況タイミング、いわゆる個別の、それぞれの状況方法、そういったことについては、最も適切な方法とは何かということを常に考えて私は最終的に判断していくというのが良いのではないかというふうに考えております。
  151. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 私は外務大臣ではありませんし、公式に外交の場で話し合うという立場じゃありませんが、今までも中国にも何回か行って要人と非常に腹を割った話をしておりますし、アメリカ皆さんもイギリスも含めて常に必ず申し上げているのは、あちらの皆さんはとにかくそういうおっしゃるような物言いをするんですね、まず六か国協議をやってその中に入れるのが先だと。そして、核、ミサイルというのは、露骨なあちらの言い方をすれば、一番危険があるのは日本なんだからと、こういうことを言われますが、私はそのたびに、いかにそういうことがあっても、日本においてはこの拉致問題の解決をなくして一歩も進みませんから、必ずそのことを念頭に置いてそこから進めていかないと、それは現実的解決にはなりませんよと。皆様には皆様の論理があるかもしれないが、拉致をされているのは我が国民なんですから、そのことを解決なくして国交だの平和条約だの全くあり得ないということは、その都度もう徹底して分かっていただくように私は申し上げております。
  152. 中山恭子

    中山恭子君 おっしゃるとおり、国交正常化をした場合というのは、北朝鮮が必要としている支援が北朝鮮の中に入るということですから、その後で拉致被害者を、それではいましたよと出してくるということはあり得ないことだと思っております。その場合には、日本国内の、何というんでしょう、考え、感情といったものは到底抑えられることはできないと思いますし、国際社会からも、日本自分の国民を拉致されたまま、それを放置したまま国交正常化をする国なんだと思われた場合には日本に対する信頼というのは急落する、失墜してしまうという問題だと思っておりますので、この拉致問題を最初に置く、入口の前に置いておくということが日本の信頼を得るためにも必要だと、信頼されるんだということをしっかり御認識いただいて拉致問題に対応していただけたらと思っています。  また、場合によっては総理が、やはりこの問題、一国を代表する、かかわる問題でございますので、総理からその都度その都度北朝鮮に対してメッセージを出していただきたいと思っておりますので、その辺りも閣内で御議論いただけたら有り難いことでございます。  終わります。
  153. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
  154. 山岡賢次

    国務大臣山岡賢次君) 総理は、御家族の前でも我々に対しても、そういう思いを非常に強く思っております。そういう点では、外務大臣も隣にいらっしゃいますが、内閣を挙げてこの問題の解決に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
  155. 大塚耕平

    委員長大塚耕平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十七分散会