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2011-12-08 第179回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十二月八日(木曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  十二月八日     辞任         補欠選任      池口 修次君     大河原雅子君      大久保潔重君     梅村  聡君      広田  一君     友近 聡朗君      岩城 光英君     宮沢 洋一君      渡辺 孝男君     竹谷とし子君      山下 芳生君     紙  智子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 岡崎トミ子君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 谷合 正明君     委 員                 池口 修次君                 梅村  聡君                 大河原雅子君                 大久保潔重君                 金子 恵美君                 行田 邦子君                 斎藤 嘉隆君                 田城  郁君                 田中 直紀君                 谷岡 郁子君                 轟木 利治君                 友近 聡朗君                 平山 幸司君                 広田  一君                 藤原 正司君                 赤石 清美君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 高階恵美子君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 宮沢 洋一君                 山田 俊男君                 石川 博崇君                 竹谷とし子君                 渡辺 孝男君                 小熊 慎司君                 桜内 文城君                 紙  智子君                 山下 芳生君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君                 亀井亜紀子君    衆議院議員        修正案提出者   近藤 洋介君        修正案提出者   加藤 勝信君        修正案提出者   谷  公一君        修正案提出者   石田 祝稔君    国務大臣        内閣総理大臣   野田 佳彦君        総務大臣     川端 達夫君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   中川 正春君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣   枝野 幸男君        国土交通大臣   前田 武志君        国務大臣        (内閣官房長官) 藤村  修君        国務大臣     平野 達男君    副大臣        内閣府副大臣   後藤  斎君        財務大臣    藤田 幸久君        経済産業大臣  松下 忠洋君        国土交通大臣  松原  仁君        環境大臣    横光 克彦君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        郡  和子君        環境大臣政務官  高山 智司君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        財務大臣官房審        議官       鷲見 周久君        厚生労働大臣官        房審議官     唐澤  剛君        環境大臣官房審        議官       小林 正明君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○復興庁設置法案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  復興庁設置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務大臣官房審議官鷲見周久君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 復興庁設置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 赤石清美

    赤石清美君 皆さん、おはようございます。自由民主党の赤石清美と申します。よろしくどうぞお願いいたします。  今日は復興庁設置法案質疑ということで、まずその前に、私は先週と先々週、青森県と岩手県の沿岸沿いに行ってまいりました。そこでいろんな方の話も聞きました。そして、平野大臣岩手県の北上の出身ということで、この南部藩が生んだ有名な宮沢賢治という方がいらっしゃいますけれども、この人が詩を書いています。「雨ニモマケズ」という詩を書いていますけれども、まず最初に、平野大臣はこの詩を御存じでしょうか。
  6. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 存じ上げております。
  7. 赤石清美

    赤石清美君 ありがとうございました。  実は私、私は臨床検査技師でありまして、東北地区臨床検査技師が二名亡くなりました。つい先日、その追悼式をやったときにこの詩を朗読して、みんなで頑張ろうという誓いをしました。この詩は非常に感動的な詩でありまして、私は、復興特皆さん是非頭出しぐらいは理解していただきたいと思いまして、朗読させていただきたいと思います。  宮沢賢治、「雨ニモマケズ」。「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 欲ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラツテイル 一日ニ玄米四合ト 味噌トシノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ」云々とあります。  まさに、被災地方たちはこのような気持ちで毎日を過ごしていると思います。私たちは、このような気持ち被災地に寄り添って被災地震災復旧復興に当たらなければならないということをまず申し上げておきたいと思います。  そして、続いて質問に入りたいと思いますが、まずこの復興庁設置法案内容についてでありますけれども、復興庁組織体制について、本庁を一つ置いて、それから被災三県に復興局を置いて、そしてその更に下に支所体制をしくというふうになっておりますけれども、これは被災三県についてははっきりと明示されておりますけれども、私の出身地である青森県、それから岡田先生出身地である茨城県、それから栃木県等被災三県以外の県でも大きな被災を受けているわけでありまして、ここに対する復興庁対応する体制はどのようになっているのかということを最初にお伺いしたいと思います。
  8. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興局が置かれる岩手宮城福島以外の被災地につきましても、被災自治体に対する支援等現地でしっかり行うことができるよう、これは必要な体制は構築しなければならないというふうに考えております。  具体的には、例えば、現地被災状況被災自治体意見を踏まえまして、支所設置担当窓口明確化を図るほか、復興庁中心となって関係機関による合同支援チームを派遣するなど、被災自治体の負担とならないよう支援を行ってまいりたいと考えております。  じゃ、支所被災三県以外のどこに設置するかということについては、今地域の実情等々も踏まえながら検討中でございまして、申し訳ございませんが、現段階で明確なことをちょっと申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  9. 赤石清美

    赤石清美君 いや、是非私のふるさと八戸にも支所をつくっていただきたいと思っていますので、どうかよろしく検討のほどお願いしたいと思います。  では、続きまして、復興庁役割原発事故収束関係についてでありますけれども、特に福島県でありますけれども、福島県はこの震災復興という問題と原発収束という問題、両方抱えているわけでありまして、復興庁のする役割とその原発収束させる役割と、この役割分担復興庁の中でどのようになっているのか、また福島県の復興局においてはどのような連携でそれをしていくのかについてお伺いしたいと思います。
  10. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 津波地震地域、これは被害が非常に大きいということで、現地本当に大変でございますけれども、様々な遅いという批判はこれ真摯に受け止めなければなりませんが、復興に向けて着実に歩き始めているという、そういう感じは私は持っています。  一方で、福島は、特に警戒区域計画的避難準備区域を始めとして、まだいつ帰れるかというめども立っていないという、それから福島全体としては風評被害等、これ非常に大きな問題にも直面しております。  原子力災害からの復旧復興のうち、除染避難区域の見直し、放射性廃棄物の処理など、直接被害に関する事項につきましては、原子力災害に関する専門機関である原子力災害対策本部が担当しております。これから本格化させなければならない福島復興のうちの、避難者自治体支援インフラ充実産業振興などは復興被災者支援に知見を有する復興対策本部が今担当しておりまして、今様々な準備を進めております。復興庁はこの復興対策本部機能を引き継ぐこととしておりまして、復興局はこの機能現地で発揮することになると思います。その上で、何らかの問題が生じた場合には、復興庁原子力災害対策本部連携して被災地域の要望を踏まえながら対応していくということになると、現段階でもそうやっていますけれども、今後ともそういう体制になるということでございます。
  11. 赤石清美

    赤石清美君 特に除染活動の問題と復旧復興の問題と、その辺はそごのないようにお互い役割分担をしっかりして現地で混乱が起きないようにやっていただきたいというふうに思いますので、是非検討のほどお願いしたいと思っています。  続いて、この復興計画の作成に関する復興庁市町村への支援についてでありますけれども、これから復興計画いろいろ作っていくわけですけれども、各市町村単独ではなかなか復興計画というのを作っても非効率的でありますし、もっと広域的に復興計画を作る、例えば水道であるとか下水道であるとか道路であるとかいろんなエネルギーであるとか、そういうインフラも含めて、広範囲なエリアで復興計画を作る必要があると思うんですね。そういう意味での指導を是非復興庁にやっていただきたいと思っています。そうでないと、各首長さんは自分の村とか町とか市だけで検討してしまう。それは決して効率的ではないし、本当の意味での復興にならないというふうに思いますので、この広域的な復興計画支援について復興庁はどのように考えておるのか、お伺いしたいと思います。
  12. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復旧復興の主体はまずもって被災地域市町村であると、またその地域住民であるという、このことは繰り返し申し上げさせていただきました。  現在、市町村において復興計画策定が鋭意進められております。国交省の職員を中心としまして、各市町村に頻繁に出向きながら計画策定支援しているところであります。また、復興の基盤となる広域的な道路港湾等については、復旧復興に向けた基本的な考え方や目標を示した事業計画及び工程表を国自ら作成し、率先して復旧復興に取り組んでいるところでございます。ちなみに、この工程表については先般公表させていただいたところであります。さらに、復興庁設置後も、復興計画策定実施支援ワンストップで行うこととしておりますけれども、御指摘のように、例えば被災自治体が共同して特区法に基づく復興推進計画策定することを希望する場合には、そのニーズに沿った広域的な支援を行うなど、被災地復興支援してまいる所存であります。  こういった復興計画策定だけではなくて、今度は、実施の場合に当たっても相当の事業量被災地域市町村に、事業実施被災市町村の肩に懸かってまいります。そういったことに対する支援も併せて行う必要があるというふうに考えております。
  13. 赤石清美

    赤石清美君 その辺は復興庁で、やっぱり地方自治体もそんなに計画作りにたけているわけじゃありませんので、復興庁の優秀なスタッフをですね、是非支援して計画を一緒に作ってあげるという、そういう姿勢で是非臨んでいただきたいというふうに思います。  続いて修正案提出者にお伺いしたいと思いますけれども、この第八条第五項の後段に、「この場合において、関係行政機関の長は、当該勧告を十分に尊重しなければならない。」という一文を加えておりますけれども、この一文を加えた思いについてちょっとお伺いしたいと思います。
  14. 加藤勝信

    衆議院議員加藤勝信君) 赤石委員にお答えしたいと思います、思いをということでございますので。  そもそも復興基本法案においては、復興庁機能として総合調整復興事業に関する実施と、この二本柱を私どもは想定をしておりました。しかし、残念ながら、政府案ではこの復興事業実施ということが非常に限られた形になっておりまして、御承知のように、三党間で調整をして修正案を出させていただきましたが、予算の部分については一元化をいたしましたけれども、最後の執行のところは各関係省庁にお任せをするということでございましたので、その分を言わば総合調整機能のところをしっかり充実をしていきたい。  その総合調整機能一つとして、今御指摘がございました復興大臣関係行政機関に対する勧告権というのがございまして、その実効性をよりはっきりさせていくために尊重義務という規定を修正の中で取り入れさせていただきました。  内閣設置法で既に特命担当大臣には勧告権というのがございます。しかし、これまでそれが行使されたことがございません。そういうことで、復興大臣におかれましては、この勧告権を必要に応じ駆使していただいて、被災地復興の迅速な、そして円滑な推進国側のリーダーシップとして大いにその力を発揮していただきたい、こういうことでございます。
  15. 赤石清美

    赤石清美君 ありがとうございました。  それでは、大臣、この思いをしっかり受け継いで実施していただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。  続きまして、私、先週、実は岩手県の久慈市というところに行ってまいりまして、命を守るリアスハイウエー早期実現、そして八戸久慈自動車道早期実現ということの決起大会に行ってきました。久慈市の文化会館というところでやられたんですけれども、もうほとんどいっぱいでして、私本当に、被災地で別に飲食があるわけではないのにこんなにいっぱいの人が集まって、本当に熱い思いだなということを感じました。いかに早くこの三陸インフラ整備してほしいかという熱い気持ちを感じてきました。平野大臣は公務で忙しかったらしく秘書の方が来ておりましたけれども、あとはほとんど代理がなくて、本当に皆さん、各首長さん、出席しておりました。  そこで、この三陸、命を守るリアスハイウエー早期実現とこの八戸久慈自動車道について、早期実現政府は考えていると言っていますけれども、具体的に今後どのようなマスタープランでその実施をしていくのか、これは国交省にお伺いしたいと思います。
  16. 松原仁

    ○副大臣松原仁君) お答えいたします。  今回の震災高速道路が果たした役割を踏まえると、地域孤立化を防ぎ、ネットワーク重要性を確保するためには、ミッシングリンクを解消し、災害に強い幹線道路ネットワーク整備することが改めて必要と認識しております。  三陸沿岸道路については、災害時における緊急輸送路の確保など防災面のみならず、地域産業観光振興沿岸市町村拠点都市相互連携強化に大きな役割を担い、地域の期待も非常に大きいものと認識しており、復興道路として第三次補正で新規事業化をいたしました。  国土交通省といたしましては、早期につなぐことが重要であると考えており、現国道も活用しながら全体としての機能早期に発揮されるよう、引き続き復興リーディングプロジェクトとして三陸沿岸道路整備に全力で取り組んでまいる所存であります。よろしくお願いします。
  17. 赤石清美

    赤石清美君 ありがとうございました。  今、副大臣おっしゃられたように、現道の利用も含めて早期にライフラインを立ち上げるということが重要だと思いますので、しっかりとスピード感を持って実施していただきたいと思っています。  とにかく現地では、今日は持ってこれなかったんですけれども、こういうバッジを作りまして、「つなげよう命の道 三陸の奇跡」と書いたバッジを作ってまで必死になってやっておりますので、どうか政府の厚い支援をお願いしたいというふうに思います。  それからもう一つ、これはどちらかというと被災地、特に三陸地方人たちに夢を与えるものなんですけれども、この新三陸復興国立公園、これは青森県の蕪島、有名なウミネコのいる蕪島から宮城県の松島まで一帯を国立公園にしようという計画が練られているというふうに聞いておりますけれども、この計画は非常に被災地に私は夢を与えるものだと思います。そこで、この計画進捗状況について御報告を、これは環境大臣にお願いしたいと思います。
  18. 横光克彦

    ○副大臣横光克彦君) お答えいたします。  三陸復興国立公園は、東日本大震災からの復興に向けて、三陸各地のすばらしい自然、風景、そしてまた地域、こういった観光資源を生かした地域振興推進するため、環境省として構想したものでございます。  今委員、夢を与えるというお話でございましたが、まさに東北復興のシンボルとなるような、そういった公園を目指しているわけでございますが、具体的には、地域の主産業であります水産業との連携、これまでの国立公園と違っていろんな形で新しい国立公園を目指しております。水産業との連携、そしてまた津波の経験の継承といった視点も含めた新たな国立公園への再編成、さらには防災上の配慮を重視した公園施設及び長距離自然歩道整備などを検討いたしております。  現在、関係県市町村地域方々の御意見を伺いながら、中央環境審議会における審議を行っております。今年度中に三陸復興国立公園に関するビジョン策定をして、そして復興に向けた具体的な取組を進めてまいりたい、このように考えております。
  19. 赤石清美

    赤石清美君 ありがとうございました。  是非、今年度中にビジョンを示していただいて、そのビジョンを示すことが本当に被災地皆さんの大きな希望になると思っておりますので、よろしくどうぞお願いいたしたいと思います。  続いて、原発事故関連に移りたいと思いますけれども、現在、原発事故周辺住民健康管理については福島県が独自にやっていると聞いておりますけれども、周辺住民及び三・一一以降原発周辺にいた方々が現在遠く離れて暮らしているわけですけれども、その方たちの継続的な健康管理についてどのように今行っているのか。そしてまた、現在はこれは特に法律に基づいて健康管理実施をしているわけではないと思いますので、これを今後法律的にどのように設定していくのかについて、経産副大臣にお願いしたいと思います。
  20. 松下忠洋

    ○副大臣松下忠洋君) お答え申し上げます。  福島県民、今二百二万人と、こう言われています。県外に約六万人の方が住んでおられる、山形県の一万二千人を筆頭にしてですね。この方たちに対する健康管理、これは県外、県内問わずに公平に同じようにしっかりと継続して、そして長期的にしっかりやっていきたいというふうに考えていまして、九百億円を超える今予算措置もして、今内容も固めながらしっかり実行しておるところでございます。  これは長期にもわたりますので、お尋ねの現在の予算措置での対応だけではなくてもっとしっかりした対応、例えば法制化も含めてどうかという御質問でございますけれども、これは県とも市町村とも十分相談しながら、しっかりと長期にわたり継続的にわたるように、そういう問題も含めて十分検討していく価値があると、こう思っていまして、努力していきたいと思っています。
  21. 赤石清美

    赤石清美君 是非、これはもうかなり長期にわたった健康ケアをしていかなきゃいけないわけでありまして、そのためにはやっぱりちゃんとした、今、放射線障害防止法という法律しかないわけでありまして、これはいわゆる病院のアイソトープの管理区域とか原発管理区域の中の健康を管理する法律しかありません。それ以外は想定していなかったわけでありまして、新しい法律をやっぱり作らなきゃいけないと思うので、その辺も含めて是非検討をお願いしたいというふうに思っております。  次に、食の安全、安心についてでありますけれども、米についてはしょっちゅうどこで出たとか出ないとか、規制するとかしないとかということがよく出てくるわけですけれども、時々、米以外で、つい先日も粉末ミルクに出ているとかお茶に出てくるとか、そういうことが単発的に情報がマスコミから出てくるということで、国民は非常に不安に思っているわけですね。このやはり食の安全と安心について、一元的に情報をきちっと管理をしてやはり国民に知らせるべきだと思うんです。特に子供を持つお母さんは、学校の給食の問題にしても非常に不安に思っていますので、これの情報発信について、しっかり一元化して的確な発信をお願いしたいと思いますが、厚労大臣にお伺いしたいと思います。
  22. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) おっしゃるとおりで、食品中の放射性物質については、厚生労働省が定めましたガイドラインに基づいて、食品の特性ですとか環境モニタリングの結果も考慮して各地方自治体で効率的、効果的にモニタリング検査実施をしています。その検査結果につきましては、放射性物質が検出されればもちろんその検出値を公表しますし、検出されなかった場合でも検出下限値を公表することにしていまして、これは毎日厚生労働省で取りまとめて、迅速に公表しています。  今年三月以降、これまでに七万件を超える検査実施していまして、一千件弱が暫定規制値を超過をいたしました。また、御承知のように、今、暫定規制値に代わる新しい規制値を設定することにしていまして、年内にはその取りまとめをしますので、その際にはまた各地説明会を開くなど、分かりやすく情報発信ができるように努めていきたいと思っています。
  23. 赤石清美

    赤石清美君 来年からはしっかりとした枠組みでやるというふうに私も聞いておりますけれども、情報発信について、いつもマスコミが何か先行して情報が出てくるという、これはやっぱり国民にとって非常に不安なことだと思うんですね。マスコミが出る前に国がきちっと情報を流す、そういう仕組みに是非やっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、放射性物質を含んだ瓦れき、汚泥の処理についてでありますけれども、これも今は法的な枠組みがないままに処理されて、暫定基準値で産廃として処理するもの、据え置くものとしてされているわけですけれども、これがこれから、来年の一月一日から放射性物質汚染対処特措法によってある一定レベル以上については国が直接処理をするというふうに言われていますけれども、この辺の進行状況、遂行状況についてお伺いしたいと。環境大臣、お願いいたします。
  24. 横光克彦

    ○副大臣横光克彦君) お答えいたします。  今委員おっしゃられましたように、この放射性物質により汚染された災害廃棄物は、これまでの法制度では、事故により原子力発電所施設、この外に放射性物質が飛散をして、そしてまたこれが一般環境中に発生する、汚染された廃棄物がですね、そういったことは想定されておりませんでした。つまり、こういった事態に対処する法制度がなかったわけでございます。  そこで、環境省といたしましては、災害廃棄物安全評価検討会、これを開催いたしまして、専門家の皆様方の御意見を伺いながら、今、放射性物質により汚染された廃棄物の適切な処分方法についてお示しをしてきたところでございます。  今委員お話しのように、本年八月に成立いたしましたこの放射性物質汚染対処特措法に基づいて、二十四年の一月一日以降は警戒区域そしてまた計画避難区域を汚染廃棄物対策地域に指定をいたしまして、同地域内の廃棄物を国が責任を持って直轄で処理をしていく、こういうことになっております。また、その他の地域でも、今言われましたように、一キログラム当たり放射性セシウムが八千ベクレル以上超えたものは、やはりこれも国が責任を持って処理することといたしておりますので、来年一月から施行されます新しい制度の下で汚染廃棄物の迅速な処理に向けて政府一体となって取り組んでまいりたい、このように考えております。
  25. 赤石清美

    赤石清美君 もう是非、来年一月からそういうことでスピーディーに取り組んで、できるだけ早く処理をしていただきたいということと、最終処分場の設定も早めに決定をお願いしたいというふうに思っております。  時間がなくなりましたので、最後に、先般、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水処理施設から約百五十リットルの汚染水が出たということで、読売新聞に出ておりますけれども、これは何と放射性物質の総量が約二百六十億ベクレルで、年間の放出基準値の一二%に当たる汚染水が流出したわけですけれども、これについての原因と今後の対策について松下大臣にお伺いしたいと思います。
  26. 松下忠洋

    ○副大臣松下忠洋君) 今委員が御指摘いただいたそういう事実が、大変残念で遺憾でございますけれども、発生いたしました。十二月四日でございますけれども、約百五十リットルが漏水したということです。  これは、原子力発電所のたまっている滞留水、それを約一日一千トン循環しながら、そしてその途中に淡水化装置を徹底して実施して、淡水化した水を一千トンですけれども、これを回してやっていると。そのうち約六百トンが原子炉の中の冷却水に使われていると。あと四百トンは、きちっと淡水化した後、塩分が残っていますので、それは滞留水として保管するという形になっています。その淡水化する装置の中の一つのところに擁壁がきちっとありまして、そこで、もう淡水化されているんですけれども、塩分が濃い部分がある。そこに小さな堰が、堰というか擁壁がありまして、そこにクラックが入って、そこから漏れていたということで報告を受けました。  今、それ以上の詳細は今調査しておりまして、これは決してないように、応急修復はいたしましたけれども、しっかり原因究明して、しっかり対応していきたいと、こう思っています。心配掛けたことに大変残念に、遺憾に思っております。
  27. 赤石清美

    赤石清美君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  28. 森まさこ

    ○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。  今の答弁を聞いても、本当に福島県民が不安になってきてしまうわけでございますが、福島県においては、こういった政府情報の後出し状況もありまして、放射能への恐怖から次から次へとたくさんの方々が自主避難を行っています。真実が見えないという恐怖からたくさんの方々が故郷を後にして、泣く泣く避難生活を送っています。慣れない土地で故郷を思いながら、様々な事情を抱えて生活をしているんです。  一昨日の原子力損害賠償紛争審査会において指針が示されました。妊婦、子供、一人四十万円、大人一人八万円、浜通りと中通りの一部の地域限定。いいかげんにしていただきたい、これが県民の声なんです。範囲は全県民にしていただきたい。  総理が、たしかこの臨時国会の最初の所信表明、代表質問に対する答弁で、福島県、県民に対する慰謝料はもう紛争審査会の中でやりましたから、そういうふうに簡単に答弁されて、私は強く抗議をしました。警戒区域方々にほんの僅かの慰謝料が支払われただけだったんです。そして、その後、私たち質問を受けて、審査会で自主避難を議論するからということでした。しかし、結論がこの有様です。塙町や白河市もどこが違うんだ、怒っています。会津地域の人だって、福島県というだけで半端じゃない風評被害を受けて苦しんでいるんです。  範囲だけではありません、金額も、未曽有の大事故が引き起こした悲劇によって避難をしている方々の実費も賠償されない。この金額は警戒区域方々の月たった十万円のこの金額を超えてはいけないというところからスタートしたと。逆なんです、発想が。警戒区域の方の慰謝料が少な過ぎるんですよ。そこに合わせて、だから実費まで届かないんじゃないですか。  実費は当然に賠償されるべきですが、枝野大臣が決算委員会で実費までの賠償を指示されるとおっしゃいましたけれども、枝野大臣がこれまでいろいろなことを東電に指示をされるとおっしゃいましたけれども、結論として実現されていないんです。  あの電話帳のような賠償請求書が問題になった、だけれども、あれに対してはマニュアルを四ページにしただけで、請求書そのものは全然変わっていないじゃないですか。しかも、相談所に行って、御高齢の方に東電の社員が、私、新入社員なのでよく分かりません、そうやって追い返したり、皆さんが足りないというと、足りない書類はそろえてから来てくださいね、それから話が始まります、書類がないんですよ。みんな泣く泣く請求を諦めています。南相馬市やいわき市の病院も、結局、ここでも本当に、枝野大臣にも平野大臣にも、もう誰に言ったらいいか分からない、所掌が分からない、大臣にも訴えましたけれども、病院も結局足下を見られた、低い金額を提供されて、そして、それで本払いに合意しないと年内に払えませんと言われて、次々に泣く泣く判こを押している実態じゃないですか。私は、枝野大臣の指示では不十分だと思います。指針を直さないと東電は払いませんよ。  指針を直すかどうか、範囲について、そして最後に時期について、時期が、これを東電はもっと時間が掛かると言っています。これも早くさせなければいけません。この三点について文科大臣にお伺いします。
  29. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 六日にこの審査会の中間指針補足が策定をされたわけでありますが、事故を起こした発電所からの距離、あるいは放射線量に関する情報、その区域における自主的避難の状況と、こういうことを総合的に勘案しながら一つの線引きをされたというふうなことであります。  これはいつも申し上げておりますように、一つの類型化でありまして、これを前提にして東電が実質的に損害のあるところを賠償をしていくということが前提になっています。だから、いつも枝野大臣が言われておりますように、東電にとっては一つ一つ丁寧に個別的な損害というのをしっかり聞き取って、その中で判断しながら、実際に損害を与えた部分については賠償をしていくということ、これが第一義的なことでありまして、我々もそのようにしっかりと指導をしていきたいと思います。その上で、そこでもなかなか満足のいくものが得られないということで、その次の段階としてADRで紛争解決センターというのが開かれておりまして、ここで仲介をしていくというようなプロセスもあります。それを一つ一つ丁寧に迅速にやっていくということで対処していきたいというふうに思っております。
  30. 森まさこ

    ○森まさこ君 もう全く誠意のない答弁でがっかりしました。  今まで東電が紛争審査会の指針を超えて個別的に事情をくみ上げて多く払った例が一例でもあるんですか。全て値切っているじゃないですか。毎週毎週住民説明会に出て、私今週末も行きますけれども、全部値切っているじゃないですか。本当に私はがっかりしました。このために賠償審査会があって、きちっとそこで枠組みつくっていかないと、企業行動としては減額していくのはもう本当に目に見えているんですよ。国が守ってあげないと。被害者の方が何でこんなに苦労して説明会に出かけていって値切られて、そしてまたそれで不満なら紛争審査会に出かけていって、それでも駄目だったら弁護士さんに弁護士費用を払って頼まなきゃいけないんですか。おかしい、本当におかしいんですが、もう時間がないので次に行きますけれども。  こういうときのために我々がつくった基金というのがあるんです。通称仮払い基金法、これ私、原案を書いたのが四月です。そして、この参議院では反対されましたけれども、民主党さんに、衆議院に行ってやっと七月に成立をして施行されております。これにお金を入れてくれ、そうしたら福島県に基金が入って、そしてこういう自主避難の足りない方にも東電の賠償が遅い、狭い、漏れがある部分にきちっときめ細かい配慮ができるということでやってきましたけれども、この法案の審査にずっと出ておられた平野大臣からは、何回国会で答弁してもそれをやるという答弁がいただけない。その後に、担当が枝野大臣に変わりました。そういうことで枝野大臣に言っても、福島県から話がない、そんなことをおっしゃっておられましたが、先日ようやく福島県知事が来て、紙に書いて、福島県に、この法律に基金を入れてくださいというのを持ってきました。  枝野大臣、どうですか、いつ、幾ら入れていただけるんですか。
  31. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) これは、福島県に基金をつくる、そして、そこに国がお金を入れるという仕組みでございます。今、福島県と、具体的にどういった御要望でどういった内容の基金をつくられる御要望なのかということについて、今実務的な詰めをしております。そこで、具体的な御要望に基づいて必要があれば対応するということでございますので、今の段階で時期を明示することはできませんが、今、現に実務的には県と御相談をしているのは間違いありません。
  32. 森まさこ

    ○森まさこ君 今詰めをしているなんて、大変遅いということを申し上げておきます。  お配りした資料を御覧ください。  小さな赤ちゃんが寝ているところの放射線量は〇・二六マイクロシーベルトです。お母さんが子供に申し訳なくて泣きながら撮った写真だそうです。私、この家に行ってまいりましたが、この家の中で最も放射線が低い場所が〇・二六なんです。〇・二六ということは、文科省のこの低減率考慮をしても年間一ミリシーベルト超えるんです。これが家の中で最も低い場所、台所の中です。そこに寝ているんです、一日中。子供部屋は、上にあるような、もう本当に一マイクロシーベルトという非常に高い放射線量があります。これは福島市の渡利地区又はその近くの大波地区などではもっと高いところもあるんです。  次の資料を御覧ください。  この家の子供が付けているガラスバッジの値が資料三でございます。何と九月の一か月だけで〇・六ミリシーベルトですよ。十月と合わせたら、たった二か月で一・一ミリシーベルトを超えているんです。平時の基準は年間一ミリシーベルトですから、これで不安になるなと言う方がおかしいんですよ。だから自主避難をしているんじゃないですか。  しかし、先ほどのように、金額も足りない、十二月までの金額で、一月からはどうなるか分からない。除染もいつ始まるかも分かりません。この近くの大波地区でも、実際にやった放射線のこの除染除染をやっても二割しか下がらない、雨が降ったらまた戻っちゃったという話もあります。そして、大波地区も先月末で二十戸足らずしか進んでおりません。ここから今度、渡利の何千戸というのが終わるのはいつですか。終わるまでの間にですよ、この地域方々、毎週毎週末は会津やいろんなところに自主避難して、そして旅館に泊まってお金掛けているんです。その費用も出すべきですけれども。私は、政府の施策として、子供のいる家庭は、除染が終わるまで一時的に避難をさせるということがあっていいと思います。  この地域住民の方から政府に陳情書が出ていると思います。すぐ近くの土湯温泉に行って泊まらせていただければ、コミュニティーも壊れない、お父さんたちもそこから仕事に通えるんですよ。  この陳情書に対する回答をいただきたいと思います。
  33. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 渡利地区の住民の方から要望書が来ているのではないかという御指摘だと思うんですが、住民説明会などで住民皆さんとの意見交換で御要望は承っておりますが、要望書という形では受け取っていないと聞いております。  ただ、御指摘のとおり、それぞれの御家庭の事情等によって大変強い不安をお持ちの方が少なからずいらっしゃると。そして、今日お配りをいただいた資料三は、私、今日初めて拝見をいたしましたが、実際にお子さんが付けている線量バッジで一か月に一ミリシーベルトを超えているということは、普通に考えれば年間で十二を超えるような話の値になっているわけでありまして、これまで外の、建物の外の放射線量を測って、それで一年間でどれぐらいになりそうかということでやってきているわけでありますが、こうした実際に、バッジ等で実際にお子さんが受けている放射線量がこうやって見えているということの中では、こうしたことも参考にしながら避難等のことについて考えなければいけないと思っております。これについては、引き取らせていただいて、検討させていただきます。  その上で、結局は、自主避難、避難指示区域以外の皆さんの避難について、先ほどのお話のとおり、紛争審査会での指針は最低限の共通の網羅的な話でございまして、具体的にお子さんがいらっしゃって、そのお子さんのために遠くに逃げていらっしゃるとか、週末動いていらっしゃるとかという実費については、これは当然東京電力が賠償すべき対象だと思っておりますが、これについて東京電力が実際の賠償が大変遅いということは御指摘のとおりでございまして、今日、明日にも、更に体制を強化して迅速に対応できるようにということについても、エネルギー庁長官の方から今具体的に指示、対応をさせています。  とにかく、できるだけ具体的に早急に東京電力から、そうしたやむなくお子さんの安全、安心のために避難をされている皆さんの特に実費等について賠償がなされるよう、更に強く促してまいります。
  34. 森まさこ

    ○森まさこ君 毎回この委員会で積極的な答弁をいただいても、実現しないので本当にむなしい気持ちになるんですが。  枝野大臣、枝野大臣の部下の方が昨日私のところに質問レク取りに来まして、一時的な避難、この渡利地区の要望にこたえない理由を言ったんですよ。もう大変な、びっくりした、実務を知らない答弁をしたんです。御存じですか、何と官僚が。何で渡利地区の人を、子供たちのいる地点を土湯温泉に一時的に避難させないか。要望はいただいていますが、これこれこういう理由でできません。何と言ったか、御存じですか。
  35. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 聞いておりませんので、御指摘いただければと思います。
  36. 森まさこ

    ○森まさこ君 全くとんちんかんな理由なんです。民間住宅の借り上げができるので、すればいいじゃないかと、それから、今回の賠償指針で金額が出るようになったから、それを使えばいいんじゃないかと、この二点を言ったんです。  ひどい話です。借り上げ住宅、もう双葉郡の人たちが来ていっぱいじゃないですか。アパート、どこ借りるんですか。どこか線量の低いところにアパートがあるんですか。私は、土湯温泉のところがちょうど低くて近いから、そこに行ったらどうかと言ったんですよ。それを政府の施策でやってくださいと言ったら、借り上げ住宅行ってください。それから、賠償指針でお金が出るからって、これ、いつ払われるんですか。東電は、まだまだこれ準備が時間掛かると言っている。しかも、これは十二月までに彼らが出費したものの補填なんですよ。四十万では全く足りないですからね。毎週毎週、会津とか栃木とかいろんなところに行っているんですよ。それから、ずっと親子で二つに分かれて、二つかまどで生活している方もいらっしゃる。そして、一月からの賠償金額は出るか出ないかも分からないんです。  枝野大臣の部下が、原子力支援チームですか、の方がそういうことを私のところに言って、昨日の時点で言っている。つまり、東京にいて机の上で鉛筆で書いているだけでは現場が分からないということなんです。  ここからが、私、この復興庁法案で一番言いたい質問ですけれども、復興庁の本部は被災地に置くべきですよ。東京なんかに置いては今のこの状態が全く変わらない。もっと悪くなるだけです。福島県をもっと苦しめて、県民をずっと待たせるだけです。復興庁の本部は被災地に置くべきです。どうお考えですか。
  37. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今の発言が事実とすれば、それはもう東京にいるとか福島にいるとかという問題ではなくて、十分に法の趣旨や今の実態ということを踏まえない発言だというふうに思いますので、厳しく省内、指導いたします。
  38. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今、枝野大臣からもお答えがありましたけれども、まず現場をしっかりとらえるということが復興庁のやっぱり職員の大きな仕事だと思います。で、その場所を本庁か地元か、様々な意見がございますけれども、私自身は、様々な調整が必要だという意味では東京がいいのではないかというふうに考えております。  しかし、委員の趣旨は、現地をよく見ろと、現地を踏まえた上で対応しろという趣旨だと思います。その趣旨は重く受け止めなければならないというふうに考えております。
  39. 森まさこ

    ○森まさこ君 申し訳ないですけど、東京にいたって調整できませんよ。給食の四十ベクレル、あれ何ですか。あれだって、文科省と厚労省の間で調整できなくて大混乱しているじゃないですか。調整できないのはあなたたちの政治能力の問題なんですよ。  そうじゃなくて、被災地をしっかり見ていただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  40. 高階恵美子

    高階恵美子君 よろしくお願いいたします。高階恵美子です。  何とか今国会でこの法案が成立しそうな見通しが立ち、本当にうれしいなという気持ちであります。修正協議に御尽力くださいました先生方にまずは感謝を申し上げたいと思います。  それで、さきの衆議院での審議の中で、総理が、今国会で法案成立の上は、三月十一日より前に発足できるよう準備しますと高らかに宣言をなさいました。暦で確認いたしますと、この日、来年の三月十一日は日曜日です。それで、総理は遅くてもその前の金曜日、九日までに復興庁を動かすんだと、発足するんだと、こういう含意を持って発言をなさったものと存じます。  それで、僅か一月ぐらいではありますけれども、今年度内に動く、仕事が動いていくということになりますから、この認識で間違いないかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
  41. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今国会で復興庁法案、衆議院においても、また参議院でも今議論していただいておりますが、様々な御提案もいただきました。この法案が成立しましたら、できるだけ早くとにかく発足させたいというふうに思っておりまして、私は三月十一日が一つのまず大きな節目になるんじゃないかという認識を持っておりますけれども、いずれ、できるだけ一日も早くこの復興庁を発足させたいというふうにも思っております。  一方で、実際の仕事は、もう復興本部でやらなければならないことはたくさんありまして、それも同時並行的に進めているということであります。
  42. 高階恵美子

    高階恵美子君 発足時の人員配置とか組織体制整備、それから各々の役割とか所掌事務分担の明確化、そういったものを動かしていくための経費が生じてまいります、一月分とはいえ。その手当てができているのかどうか。それから、四月以降の本格稼働に向けた組織体制、人員確保、配置、それから次年度特別会計等の予算要求、あるいは自治体からの特区申請の審査、受理、それから資金配分、こういった実務の大まかなスケジュール感、フローについて現在準備が進んでいるものと思いますが、少しだけ情報提供をお願いできますでしょうか。
  43. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁設置に必要な予算につきましては、内閣官房に計上されている復興対策本部の経費や内閣府に計上されている復興交付金等の予算を、予算総則十二条の規定により復興庁に移し替えることでこれ対応が可能でございます。その方向で対応したいというふうに思っております。  一方で、特別会計、どのように組み立てるか。こういったことについては今財務省等とも鋭意検討中でございます。特別会計については制度設計をして、二十四年度予算、少なくとも二十四年度予算にはその枠組みで編成をすることになるというふうに思っております。
  44. 高階恵美子

    高階恵美子君 是非よろしくお願いしたいと思います。  十年間の計画といっても、もう既に一年が経過した後でこの事業が動き出すということになりますもので、法案が通ってから詳細を詰めるということでは、さっきの総理の決意も発言も信憑性を失ってくるのかなというふうに思われますので、担当大臣からも是非プッシュをしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。  それから、修正協議の過程で、実質的な復興推進機能が持たされていない形骸官庁としての位置付けだった当初の提出法案から随分肉付けがされたというか、魂が込められた、そういう修正が加えられた思いがしているんですけれども、実は梅雨どきぐらいから、地元はもう元に戻ったでしょうとか、あるいは当初の危機意識も薄れて何か遠くのことに感じるようになっちゃいましたよといったような言葉を掛けられることが出てきまして、非常にむなしい気持ちに陥ることがしばしばありました。現地ではそのころ、いよいよ蒸し暑さが増してきて、そしてみんな扇風機も掛けないで節電に努めて、首にタオルを巻いて水筒を下げて、全身あせもだらけで一生懸命暮らしていたんですね。その段階で心が離れていってしまっているという、そういう状況をお聞きするのは非常に私もつらかったんです。  人災ともやゆされるほどに、効果的な復興支援策が推進されない、この現実を見てまいりますと、その要因というのはひとえに実践力とか現実感の乏しさに由来しているのではないかなと、そういう気がいたします。地域内に入り込んで、そしてそこで暮らしを営むための何が失われて何を補っていかねばならないのか、こういったことを共に考えて、悩んで、方向性を吟味する機動力が必要だと思うんです。  それを進めていくときの国、県や自治体、それから地域住民県外方々国民参加、あるいは企業、団体の取組、こういったようなことを地元の方々と協議をし情報収集する、それと大所高所からの分析や判断を加えていく、そして一日も早くふるさとを取り戻していくための方策を打つ、その大きな流れをつくっていく仕組みがどうしても必要だと思います。  修正協議に当たられた谷先生に是非お伺いしたいなと思うんですけれども、自治体が主体的に取りまとめていく復興計画の提出を待つことだけではなくて、国としても十年間をしっかり見越した形で、いつごろまでにどういう部分について何を進めていくのか、こういったような国家的なアクションプランというのが必要ではないかと思いますし、それを進めていくときに様々なこれまでの災害復興のアイデアも生かす必要があるんじゃないかなというふうに思います。何かこの点に関しましてお考えはございますでしょうか。
  45. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) 高階委員にお答えいたします。  復興を進めるに当たって、目標を明確にして、そして工程表を作って住民なり国民に明らかにするということは大変大切なことだと思っております。  政府においては、七月二十九日に東日本大震災からの復興の基本方針というのを定め、そして復興施策に関する国の事業計画及び工程表を八月二十六日に作り、十一月二十九日に見直したと承知しておりますが、恐らく私も全て見たことはありません。余りにも膨大です。余りにも抽象的です。例えば復興住宅、仮設住宅はほぼ終わりました。じゃ、住まいの復興復興住宅はいつ建つんですか、いつごろまでに何戸建てるんですか、それは今工程表でも明らかにされておりません。  言われるように、はっきりした明確な目標、時期、そういったものを、地元の自治体はもちろんですけれども、国の方ももう少ししっかりと骨太のリーダーシップを持ったアクションプランと申しますか、工程表といいますか、そういうものが私個人としては必要だと思っていますし、是非そのことを政府に強く期待をしたいと思います。
  46. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございます。  平野大臣は、この点、どんな感想をお持ちでしょうか。
  47. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今、谷法案修正者から、提出者から御指摘がございましたように、例えば海岸とか港湾とか漁港とか、あるいは学校施設とか、こういった施設、ハードについてはかなり私どもなりにしっかりとした工程表は示したつもりでございます。  しかし、復興の鍵となる、例えば新しい復興住宅をどこに造るかということについては残念ながらまだ工程表を示すことができませんでした。ここの部分につきましては、今被災地域が、被災者との様々な対話を通じて今計画を作るべく鋭意取り組んでいるところであります。私どもとしても、この取組、しっかり引き続き支援してまいりまして、できるだけ早い段階地域の住宅の再建計画ということもしっかり示すようにしたいというふうに思っております。
  48. 高階恵美子

    高階恵美子君 そうですね、おっしゃるとおりだと思います。やっぱり生活再建をしていくためには、住まいが確定されて、そこで職を得ていく、収入の道を得ていくということも大事ですし、地域内で安全に暮らすことができる、安心して暮らせる、こういう環境を確保することが大事だと思います。  それで、先ほどの森議員の質問の中にも少し含まれておりましたけれども、今回の修正内閣官房とともに内閣を助ける実務を担うという修正がなされておりますので、位置付けは内閣官房と並列のポジションになった、あるいはそれに近い形になるんだろうと、そういうふうに理解します。  そうしますと、復興推進会議は国務大臣が当たられますし、トップは総理ですから、組織構成を少し考えてみますと、復興庁の官房機能というのは内閣官房の近くに部署を設置すればいいんではないかと思います。復興庁本体は、岩手宮城福島のうちいずれかに置くことが望ましいのではないかと思いますし、また復興局は、復興庁による各省庁間の総合調整に基づいて事務権限を分掌して各省庁の出先機関の統制も行う、こういう位置付けですから、重みのある局長をそれぞれのところに配置をする、しかも常時常勤でお仕事をしていただく体制を確保願いたいと思います。さらに、全ての被災県の県庁内に、あるいはふさわしい場所に、当該自治体復興に関する事務を取り扱う支所、あるいはそのチームを配置していただきたいと、こういうふうに思います。  しばしば、全体の会議をどこで持つのか、それから細かな調整が必要なので東京という話が出てまいりますけれども、必ずしも会議、一堂に会することだけが効率的とは言えないことも多いのではないかと思います。例えば岩手被災地の場合は、三陸リアス式海岸のところですから、非常に地形が入り組んでいて交通の便が不便、こういったところのリアルタイムな情報を取ろうとしましたら、テレビ会議を導入するとか、今私たちが取り得る手段を有効活用していく、こういう仕組みを導入することも必要だと思うんです。  こういった点について是非検討願いたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  49. 平野達男

    国務大臣平野達男君) これから復興局を置く被災三県以外の支援をどうするか、それから支所体制をどうするか、支所をどこに置くか、これは地域の実情等、それから意向等を再度くみ上げてきちっと制度設計をしたいというふうに思っております。  その場合に特に、今委員から御指摘がございましたけれども、非常に三陸地域というのは地形が入り組んでおりまして、その出先出先にこう、出先出先というか、場所場所に小さな集落があります。そういったところにもちゃんと目が届くような、そういった配置には十分心掛けていかなくちゃならないというふうに思いますし、また、遠隔地とのいろんな様々の会議をやるために、例えばテレビ電話を活用したそういった会議等々の御提案もいただきました。そういったことも含めてちょっと検討をしていきたいというふうに思います。
  50. 高階恵美子

    高階恵美子君 それから、復興推進委員会についてなんですけれども、知事以外の委員のうち少なくとも四名を常勤の委員として本庁と各三局に配置していただくことが有効ではないかというふうに考えます。その下に実動チームを編成して、復興計画を効果的に推進するための技術的助言とか支援を行う機能とか、あるいは計画の進捗管理機能計画実施方法とか、予算が妥当かどうかといったような検証作業を行う機能、こういうものを持たせるようにして、実際に動くチームをそれらのところに配置すること。  それから、地域内に目を通していきますと、自治体ごとあるいは地区町内会ごとにニーズ把握や計画推進のための小さなグループ、これが設置されるような仕組みを御検討いただければと思うんですけれども、これ、私、実は地域保健とか公衆衛生の方を専門にしておりまして、かつてはハエ、蚊対策で日本脳炎を撲滅したという歴史が日本にはありますし、地域の中の母子保健推進員さんとか生活改良普及員さんとか、こういった、今この時代にこのみちのく再生のために必要な人員を配置する仕組みというのも工夫したらどうかという思いからなんです。  例えば、みちのく復興推進委員さんを任命していくとか、こういった民間の参加と、もう一つ地域外から呼び込んでこなければならない人材があると思うんです。専門家を手厚く配置しますというお話もなさっておられますけれども、例えば、若手研究者の活用ですとかポスドク活用ですとか、特別必要な専門分野に精通する方を外部から呼び込んでくるような、そういう工夫が必要だと思うんです。  これは、各自治体内で完結してくださいといっても、なかなか配置や確保、それから身分保障、こういったものが難しいと思うので、時限が限られた中であっても、是非、広域的に国が率先してこういったところを支援することをお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  51. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、支所等の職員につきましては、専門性を有する職員等と併せて、地域の実情を知る地元の職員もできるだけこれは採用しなければならないというふうに考えています。あわせて、復興推進委員会というのがございまして、ここで全体的なこれから復興に向けての様々な御提言をいただくということを今考えております。  それで、この復興推進委員会ですが、様々な分野、様々な観点からの議論が必要だというふうに思っておりまして、これから、今委員からも御指摘、様々な観点からの御指摘いただきました。御指摘も踏まえまして、どういう専門家が必要かということについても考えながら、この委員会の制度設計もやってまいりたいというふうに考えております。
  52. 高階恵美子

    高階恵美子君 ただいまの大臣からの御答弁の中で、必要になりそうな専門家の専門性について言及がありましたけれども、例えば、谷修正提案者にお伺いしたいんですけれども、神戸の、阪神・淡路の復興のときと今回のように広大な地域にわたる場合のところの復興では必要となるプロの範囲が、バックグラウンドが多少違うんじゃないかというふうに思いますが、こういったところを加える必要があるんじゃないかといったような、何かお気付きになっていらっしゃる点とかございますでしょうか。この際、お伺いできればと思いますが。
  53. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) 神戸の震災は十六年前でございました。神戸の震災に比べて大変地震そのものの規模が大きかった、とてつもなく大きかった。被害を受けたエリアも大変広い。そしてまた、神戸の場合は人口百五十万の神戸市を中心とするエリアでございましたが、今回は三陸宮城岩手、それぞれどちらかというと中小の自治体が多かった。加えて、原発被害、そういったものもございます。ですから、時間的な問題もございますし、そういうエリア、そういうことを踏まえた対応というのは的確にやらないと大変大きな過ちを起こすと思っております。  例えば、震災の初期の段階でガソリンが足りませんでした、燃料が。これは十六年前の神戸の経験をしている人には思い付かないものでありましたが、しかし、被災地に行った方はすぐその必要性に気付き、私も何度も政府に申し入れたところでございますので、ですから、そういう違いを踏まえたしっかりとした対応、神戸の震災のときをはるかに、それを勝るお金の面もあるいは人的な支援も必要ではないかと、そのように認識しています。
  54. 高階恵美子

    高階恵美子君 大きな震災は非常に悲しいことではありましたけれども、やっぱりそこを乗り越えていく、その経験から学ぶということも必要だと思いますし、英知を結集して支援策を進めていく必要があると思います。  その中で、私がいろいろ医療の現場の方々の声をお聞きする中で常々訴えられることがあるんですね。被災地からの人口流出のことをしばしば言われます。特に、医療提供を行っている現場からは、専門職がいない、募集を掛けてもゼロだと、こういうことが言われます。  厚生労働大臣、今別の委員会にお出かけになっておられますけれども、可能であれば政府参考人の方からでもよろしいんですが、次期医療計画を飛び越える形で被災地の医療従事者の確保、あるいはこういうヒューマンケアの担い手たちへの支援策というのを講じてほしいというふうに思うんですけれども、省内を超えて復興庁に期待する点があるとするならば、何かそういったところをお答え願えないでしょうか。
  55. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
  56. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) はい、簡潔にお話し申し上げます。  御指摘がございましたように、被災後の地域の医療提供体制をどういうビジョンでつくるかということが非常に重要なことでございます。そういう意味では、医療計画若しくは県独自の計画というものを一体となって御議論をいただくことが重要でございますけれども、これは復興庁で各地域のニーズというものを十分受け止めていただいて、私どももそのお声をよくお聞きをして、そして地域の医療提供体制、医療従事者の確保に努めてまいりたいと考えております。
  57. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございました。
  58. 石川博崇

    ○石川博崇君 皆様、おはようございます。公明党の石川博崇でございます。本日は質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。  国会も最終盤に差し迫ってまいりました。今国会も、この国会が延長されるのかどうか非常に最後の最後まで分からないという混乱が続いた中、この終盤を迎えているわけでございます。  思いますれば、民主党に政権交代してから、このような国会運営のどたばたが余りにも続いているなという印象を持っております。前国会、野田政権が誕生した直後の臨時国会もそうでございました。四日間という最初の指定から果たして延長するのかどうかということが最後の最後まで決まらず、直前になって延長されたわけでございますし、また本年度の通常国会におきましても、六月末、菅前政権下でございましたが、延長幅が七十日になるのか三十日になるのか、はたまたということで、直前になって五十日に決まったと。もう恒例行事のようになってしまっているこの状況を私は大変に残念に思っているところでございます。  そういう意味で、今回は復興庁という新しい大きな官庁をつくる上でやはり民主党政権のマネジメント能力というものが問われるこの新しい試みに果たして今の政権が堪えられるのかということを私、個人的には大変に不安を感じております。  今回の復興庁の法案の成立に向けては、平野大臣の下、復興対策本部の皆様は大変な御尽力をされたというふうに私は評価をしておりますし、また衆議院におきましても、修正協議に当たられた先生方、本当に現地の声を受けて、非常に力強い実施権限も含めたこの復興庁設置法案になったものと高く評価をしているところでございますが、しかし残念なのは、この復興庁の法案の提出時期が大変に遅れたなということを感じております。  私、個人的になぜこんなに遅れてしまったのだろうかということを考えておりまして、いろいろ資料を見させていただいておりますと、この復興庁設置法案を作成する事務局となる復興庁設置準備室というものが復興対策本部内に設置されておりますが、この設置された時期が八月二十五日でございました。復興基本法、この復興庁設置すべしという基本方針を決めた復興基本法が成立したのが六月二十四日ということを考えますと、そこから二か月もたってから復興庁設置する準備室が立ち上がった。これが結局今の復興庁設置法案の提出の遅れにつながったのではないかというふうに考えておりますが、この点、平野大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  59. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興本部が行ったことでございますけれども、まず、復興基本法成立後一か月で復興の基本方針を策定いたしました。そして、この復興基本方針に基づきまして、復興特区、復興交付金の仕組みについての検討を急ぎまして、併せて復興庁設置法案についても直ちに検討に着手をしております。その上で、復興庁設置について法制面、予算面、人事面等の準備を一体的かつ集中的に行うために、委員指摘のように八月二十五日に復興庁設置準備室を設置したものでありまして、この準備室の設置と法案の提出時期というのは直接の関係はないというふうに、私ども、一つのスケジュールにのっとってやってきたつもりでもございます。  いずれにせよ、本国会において法案を成立させていただけますれば速やかに復興庁が発足できるように、今ももう準備を進めておりますが、引き続き鋭意準備を進めてまいりたいというふうに思っております。
  60. 石川博崇

    ○石川博崇君 いや、大臣、衆議院の御答弁においても、この復興庁設置法案の提出が遅れたんではないかということに対して、今おっしゃったとおり、特区の準備あるいは復興基本方針の策定、また復興交付金ですか、そういったことで時間が掛かったんだということをおっしゃっていますが、これはやっぱり根本的に違うと思うんです。  復興特区とか復興特別交付税とか、これは政策マターであって、復興庁をつくるということは官房マターなんですね。どこに事務所を構えて、どこにどれだけ人員を配置して、どういうふうにその組織体制を構築していく。この官房マターと政策マターは全く違うことで、同時並行に進められる話ですし、また、その政策マターを考える人たちとまた官房マターを考える人たち、それぞれ専門分野も違いますから、それはやはり言い訳にならないというふうに私は思います。  今思えば、先ほど申しました六月二十四日に復興基本法が成立してから八月二十五日に復興庁設置準備室が設置された間どういう状況であったかというふうに思いますと、菅前政権の下で、いわゆる偽装退陣といいますか、第二次補正予算、そしてまた再生可能エネルギー関連法案などを人質に取って、一定のめどが付くまではということで政局、国内はもう大混乱をしておりまして、ほかのことに政府・与党内も全く手が着かない状況であったということがこの復興庁設置準備室の設置の遅れにもつながったんではないかというふうに考えております。この辺もしっかり反省を促しておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それから、今回の復興庁設置法案内閣から出てきた法案に対して衆議院における修正協議の中で最大の議論になりましたのが、所掌事務が、元々この復興基本法に掲げられていた実施事務を十分に入れていないという点でございました。復興基本法の第二十四条三の二に明確に復興に関する事務を実施するというふうに書かれているにもかかわらず、今回の復興庁設置法案にはそこをぼかした形で明確に明記をされていなかった、十分に反映していなかった。これは国会に対する、ある意味、行政府の挑戦というふうに取られかねない話かというふうに思います。立法府に対する軽視というふうに取られてもおかしくないと思いますが、この点、大臣の御所見はいかがでしょうか。
  61. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、どういう組織体制にすれば復旧復興が迅速にかつ効率的に進められるか、私どもも私らなりに検討を重ねてきたつもりであります。  被災者支援本部、その後の復興本部、現在の本部でありますけれども、その中の業務は、各省の主体的な取組、これは鋭意やっていただいておりますけれども、今回の被災の大きさに鑑みまして対策は総合的に講じなくちゃならないという観点から、やっぱり各省庁調整といったことが盛んに、何回も何回も必要な局面がございました。これからも必要だというふうに思います。  そのために、まず、調整権を含む総合調整権限をまず与えていただくということと、あわせて実施の問題としては、復興交付金、これは今回の復興の、災害復旧と併せて大きな核になる事業制度になると思います。復興交付金、それから復興特区などの実施権限を与えていただくという、そういう法律案を提出させていただいたところであります。  しかし、やっぱり更に、今回、国会の審議を通じまして、更に復興庁については権限を与えるべきだということでございまして、各府省の復興事業に係る予算を一括して要求するとともに各府省に予算配分し執行させるなど、新たな強力な権限を担うことになるというような法案が、修正案が併せて今この委員会で議論をしていただいているということでございます。
  62. 石川博崇

    ○石川博崇君 実施事務が十分じゃないんではないかという指摘いつも受けられて、その答弁におっしゃるのが、この復興交付金事業そして復興特区の事業復興庁の権限として実施事務として入れているんだということを御説明なさるんですが、やはりそれは議論のすり替えだと私は思います。  というのは、復興特区につきましても、これは各市町村から出てきた様々な、各省の持っている基準あるいは規制というものを外していくというもので、ある意味各省との調整義務を超えないものだと私は認識しておりますし、さらに、復興交付金については、その主な事業が五省四十事業と、各省の持っている事業を進めていく、これを推し進めていくという、これもやはり総合調整機能の枠を超えないんではないかというふうに思うんです。  我々はやはり、これをもって復興庁実施する事務を持っているんだといってもそれは納得がいきませんし、詭弁だと言われてもしようがないと思いますが、大臣、いかがですか。
  63. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いろんな見方があるかと思いますけれども、例えば復興交付金制度につきましては、これは確かに二階建てになっていまして、一階部分については各省の持っている事業を束ねたものであります。ただし、この束ねた事業をどのように使うかということについては自治体が判断をいたします。その自治体を判断するに当たって様々なアドバイスをするとか調整を行うとか、これは復興庁の大きな仕事になってくるというふうに思っています。  さらに、復興特区制度につきましては、これは制度が、立て付け上様々な計画が盛られていたり、法律上若干複雑な面もあったりするという面も御指摘もいただいております。こういった観点から、被災自治体等に分かりやすく説明する、それから計画策定支援をする、こういったことについての復興庁役割も大きなものがあるというふうに私は認識をしております。
  64. 石川博崇

    ○石川博崇君 いつも感じますけれども、やはりこうやってしっかり立法府で、復興基本法案もさんざん、けんけんがくがくの議論をして、この復興庁にはやはり、ワンストップということはもちろんのこと、現場の復旧復興をとにかく大車輪で迅速に、スピード感を持って現場に寄り添って進めていくという観点から、実施権限も強力に持たせるという基本的な与野党間の協議、合意の下で作られたものでございます。それを受けて出てきたこの復興庁設置法案が、その基本的な立法府の意思というものをないがしろにした形で出てきたことは大変に遺憾でございます。  その点、衆議院において更に修正を加えていただいて、今大臣がおっしゃっていただいたような強力な権限を持ったということは、修正協議に当たられた先生方に高く感謝とまた敬意を表するものでございます。  続きまして、復興施策を今後実施するに当たって、この八か月間というものも、各省間におけるある意味消極的権限争いといいますか、例えば放射性物質による汚染を受けた瓦れきの問題、また瓦れきの撤去に関する問題もそうでございました。各省の間でのはざまに落ちる問題というものが、どこが主管をするのか、瓦れきを一体的に進める官庁をどこにするのかということも相当時間が掛かりました。  私も役所におりましたので、この思考回路というものは少し分かるところもあります。役所は本当に大変です。毎日毎日深夜まで働いて、もう体力的にも、もう自分の部下もどんどん倒れていっている。そういう状況の中で、人員も手当てしてもらえないのに仕事だけが降ってくるようなことは是非避けたいという思考が働くのは、まあある意味当然という部分も多少あるかと思います。  そういう中にあって、これからも、五年、十年という復興期間の中で、新たな課題、新しい課題というものが次々と出てくることが十分想定される中で、各省庁の所管外のすき間事業というものは、これは復興庁が全面的に、主体的に背負ってやっていくんだという意思がおありかどうか、大臣の御見解をお伺いいたします。
  65. 平野達男

    国務大臣平野達男君) そういった、すき間が生じないようにするということについては、もう委員指摘のように復興庁の大きな役割だというふうに思っています。  ちなみに、例えば瓦れきの処理一つにしましても、被災者支援本部ができた段階から、例えばこちらにあった家の持ち物がほかの人の土地の中に行った場合に、その扱いをどうするんだといったことは、これは法務省的な、いわゆる法務の観点からの検討が必要でございました。そういった瓦れきの処理に当たっての、法務省と例えば環境省との共同チームの設定とか、その中での指針の策定、そういった、すき間に落ちないように、各省の縦割りに落ちないようなそういう仕組みにつきましては、被災者生活支援本部の段階から私どもなりに努力をしてきたつもりであります。  これから本格的な復旧復興が始まる中で、様々な制度が今回用意させていただきましたけれども、その制度の運用の中でまたやっぱりいろんな問題が出てくると思います。そういった問題が出てきた段階で、被災自治体に大きな負担にならないように、できるだけその負担を軽減する、それから効率的に復旧復興を進める、こういった仕事に復興庁は鋭意努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  66. 石川博崇

    ○石川博崇君 是非ともお願いしたいと思います。  特に今回は勧告権というものを盛り込んでいただいておりますし、また衆議院による修正におきましても、それを尊重するということもしっかりと明記されております。残念ながら、これまで内閣府の持つこの勧告権というものは実施された経緯というものはない、前例のない話でございますが、これもひるむことなく、必要なときには是非、この勧告権を使って各省庁を束ねて動かすという決意、この勧告権を使う決意というものもしっかりと認識していただいて取り組んでいただければというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。  それから、今回、第三次補正が成立をいたしましたが、ここでは当然ながら、復興庁まだ成立しておりませんので、この設置に関する費用というものは盛り込まれておりません。これは今後、具体的にどこにどの建物を構えるのか、どこに復興局を置くのか、どれだけの数の支所を置くのかによっても変わってくるものだと思いますし、また衆議院の修正によりまして大幅に実施権限も増えましたので、その分の人員の手当ても増やさなければいけないと思いますから、具体的にどの程度予算が掛かるかというのはこれからの話かと思いますが、四次補正の話が今ちらほら出てきておりますけれども、四次補正で対応されるという御認識かどうか、お伺いしたいと思います。
  67. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁設置された場合には、先ほども、高階委員質問だったと思いますけれどもお答えしたかと思いますが、まず内閣官房に計上されている復興対策本部の経費や内閣府に計上されている復興交付金等の予算予算総則十二条の規定によって復興庁に移し替えることでこれは対応ができるというふうに思っています。その上で、なおかつ、仮に不足が生じるということであれば、予備費等々の活用もありますので、そちらで対応することを考えていきたいというふうに思っています。
  68. 石川博崇

    ○石川博崇君 済みません、確認ですが、今のは建物の借り上げ賃とか、あるいは人員の手当て、オフィスの設置、そういった官房的な予算も含めてということですか。
  69. 平野達男

    国務大臣平野達男君) そうであります。
  70. 石川博崇

    ○石川博崇君 分かりました。  そこで、今日は衆議院の修正案提出者にも来ていただいておりますが、私ども公明党としまして、今回の復興庁設置に当たって、先週成立した復興特区の、済みません、おとといですね、参議院で成立しました復興特区の修正法案のときにもそうでございましたが、やはり国会の関与というものはこうした復興を進めていく上で不可欠だというふうに主張してまいったところ、今回、修正案においては、復興進捗状況など、復興庁から国会に定期的に報告を受けるという修正が盛り込まれております。  この修正の趣旨についてお伺いしたいと思います。
  71. 石田祝稔

    衆議院議員(石田祝稔君) お答え申し上げたいと思います。  御指摘いただきましたように、今回の修正で、「政府は、復興庁が廃止されるまでの間毎年、国会に、東日本大震災からの復興の状況を報告しなければならない。」と、こういう附則第八条、ここで基本的には書いておりますけれども、この中身は、東日本大震災復興基本法を改正をする、第十条に第十条の二を付け加えて、国会に報告をしていただくと、こういうことに修正をいたしました。  これはやはり、私たちは唯一の立法機関として国会で法律を成立をさせると、こういうことで今全力を尽くしているわけでありますけれども、やはりこれは、法律が通った後、実際にそれがどのように実施をされているかと、こういうことはやはり立法者として、その立法府の意思がちゃんと実行されるかと、行政によって執行されるかどうかということも、これは私たち法律を作った責任者として当然国会も長いスパンの復興に対して関与していかなきゃならないと、こういう思いもございました。  それと同時に、また各府省、取組に対する監視、いろいろと、監視というと語弊がありますけれども、先ほど申し上げたように、どのように進んでいっているかと、このことは私たちはしっかりと見ていかなきゃならない。こういう意味で、毎年国会に報告をしていただいて、その進捗状況、足りないところがあればまた新しく議員立法等やっていくとか、いろいろと努めてまいりたいと思っております。
  72. 石川博崇

    ○石川博崇君 ありがとうございました。  先ほど、同僚の議員の質疑の中でも復興大臣の方から、復興庁をどこに置くかは別にして、現場の思いを踏まえて、現場の状況をきちんと復興庁が把握をして、肌身に感じて頑張るんだという決意の御表明がございましたが、今後、こうした修正が入ったことによって、国会へのそうした現場の状況も踏まえた御報告もいただけるものというふうに思っております。  また、私ども国会議員も、今後も被災地被災地へという思いで現場に入り、そして現場のお声を伺いながら復興の状況、しっかりとチェックをさせていただき、そして進めるべきところは進め、また遅れているところは更に遅れないように、今後、緊張感を持って行政府と立法府、協力をしながら復興は全速力で進めていくという関係を進めてまいりたいと思います。  この修正について復興大臣、もし何か御感想があればお願いいたします。
  73. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 修正を踏まえた成案がなされますれば、いずれその修正の趣旨をしっかり踏まえて対応しなければならないというふうに思っております。
  74. 石川博崇

    ○石川博崇君 ありがとうございます。  時間も少なくなってきましたので、次の課題に移させていただきたいと思います。  週末、宮城県の東松島市の我が党の同僚の地方議員、市議から電話が入りました。私は宮城県の東松島市と隣の石巻市そして女川町を我が党内で担当をさせていただいておりまして、現場に何度か行かせていただいております。そこで、その東松島市の市議おっしゃるに、現地のある農家の方が所有していらっしゃる農地が津波をかぶって、ヘドロをかぶって、そしていつ一体復旧されることになるのか全く見通しが付かない、果たして自分はこの地に残って営農を再開できるんでしょうかという、本当に途方に暮れた、悲しみに似た訴えがあったそうでございます。一体どうなっているんですかという市議からのお問合せでございました。  今、農水省では今後の農地の復旧復興に向けたマスタープラン等を策定されているというふうにお伺いしておりますが、簡単に今の状況、今後の取組について御説明いただければと思います。
  75. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 石川先生からは、現地に足を運んでいただきまして、直接農家の人たちのお話を聞いていただきましてありがとうございました。  農林水産省といたしまして今の取組について申させていただきますと、この津波による被災農地のうち、ヘドロ除去を含む災害復旧が必要な農地面積は二万一千四百八十ヘクタールと、こういうことでございます。これを何とか、おおむねでございますけれども、三年以内に復旧をしたいと、こういうふうな取組をいたしまして、農業・農村の復興マスタープラン、工程表も出させていただきました。  基本的な考えといたしましては、今後、県なりあるいは市町村ともよく打合せをいたしまして、除塩とこのヘドロ除去というふうなものを一体的に取り組んでまいりたいと、そういうふうなことで、特に技術的なことにつきましては積極的に農林水産省が相談に乗りながら、今後のこの三年以内にという、おおむねこの目標に向かって進んでいきたいと思っております。
  76. 石川博崇

    ○石川博崇君 農水省におかれては、三年以内に、この津波をかぶった農地、ヘドロをどれぐらいかぶったかによっても随分違うと思います、あるいは用水路も含めて破壊されたのかどうかによっても復旧のスピードが変わってくるものというふうに思いますので、現地市町村とも、復興計画にどのように盛り込んでいくか、丁寧に今後詰めていっていただければというふうに思いますが、そういうマスタープランを組んで三年以内に復興に向けて取り組んでいくんだというふうに示されているにもかかわらず、冒頭申し上げましたとおり、現地の実際の農家の方はもう途方に暮れているんです。自分のこの持っていた、長年手に汗をかいて育ててきた田んぼが果たして復興できるのかどうか分からないという状況で、もう移転しなければいけないのかどうかも分からない、どうなっていくのかも分からない。だから、今マスタープランを作られているかもしれませんけど、その状況が実際の農家の方々に伝わっていない、それが現実なんだというふうに思います。  様々な手段で広報等にも努められているかと思います。JAや関連機関を通じての説明会なども今後やっていただけるんだというふうには思いますが、是非こうした、本当に途方に暮れている、津波をかぶって、特にヘドロを多くかぶってしまった、東松島も本当にヘドロが多かった、もう津波も真っ黒の津波が押し寄せてきたと現地の方はいつもおっしゃいます。そうした大量にヘドロをかぶったところというのは、油分も含んでおりますので、雨水を掛けても塩分というものは除かれません。上に水がたまるだけでヘドロを浸透することがないという状況にございますので、是非そうした農家の方々お一人お一人に丁寧な説明に心掛けていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  77. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からの御指摘の点は、農家の人たちの生の声としてしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。  これまでも、報告会等々、市町村とも連携を取ってマスタープランにつきましての考え方につきましてやってまいりましたが、さらにこれからも、具体的な形で進める上におきまして、地元の方々によくお分かりいただけるようにあらゆる努力をしてまいりたい。改めて私自身、出先機関に対しましても指示を出し、またさらに人を派遣する等々、今後、県なりあるいは市町村連携を取りながら具体的な施策が実現できるようにしてまいりたいと思っております。
  78. 石川博崇

    ○石川博崇君 ありがとうございました。  大臣是非どんどん現場にもっと行っていただいて、直接御説明するような機会も持っていただければというふうに思います。  以上で終わります。どうもありがとうございました。
  79. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。復興庁設置法案に対しまして質問させていただきます。    〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕  我が党は、これは衆議院の方では反対という立場でありました。復興そのもの、復興庁そのものに対してどうこうするということではなくて、やはり、今もう九か月になろうとしているところで進んでいないところも多々あって、また、進んでいたとしても、この被災者被災地思いに十分には残念ながらこたえられていないという厳しい現状もあるわけであります。  この復興庁ワンストップであるというふうになっているわけですが、我が党の見解としては、これまでも質疑の中でもありましたけれども、これやはり、修正案においてもかなり努力の跡は見られるわけでありますけれども、事業実施権限といったところがどこにあるのかということが一つのポイントとなるわけでありますし、まだ明確にはなっていませんけど、復興庁がどこにあるのかということも非常に大事な点であります。  その中で、まず初めに、復興庁が置かれる職の設置、我々は、その次官級ポストは、これ焼け太りになるということでその点も反対なんでありますけれども、こうした復興庁の職を置く場合に、行政改革を推進する観点でこれは配置をしていかなければいけないというふうに考えますが、所見をお伺いいたします。
  80. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁設置に当たりましては、小熊委員指摘のように、行政改革の観点、特に肥大化それから焼け太り、こういったことがないように十分留意して全体の組織を構築するということは大事なことだと思います。しかし、同時に、これから五年間で十兆以上の事業費、これを被災自治体に使っていただきながら復旧復興を進めなくちゃならない。大変な事業量でございます。  今、私どもとすれば、その行革のという観点も大事でありますけれども、どうやったら効率的そして効果的、迅速にその復旧復興を進めるか、そのために必要な体制はどうあるか、まずこちらのことを優先させるということも大事ではないかというふうに思っております。
  81. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 今大臣の言われたとおり、まさに量ではなくて質の問題が一番大事なところであります。そういう意味で、復興庁に関して、これはしっかりとした質を高めるという意味においては、我々もその量の問題を云々するつもりはありません。  そこで、そういう観点からいえば、この復興庁に関しては、民間の人材や各市町村や県、様々な、とにかく国民を挙げて、また世界の英知を集めて復興していくという意味では、人材のその登用に関しては、省庁ということ、国家公務員ということに限らず、これは有機的に人材登用していかなければいけないというふうに思っておりますが、そうした観点に関しての所見をお伺いいたします。
  82. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、人材は本当に重要だというふうに思っております。その人材を確保するに当たっては、どうしても各省からの出向者が中心になるというふうに思っておりますけれども、その場合に、専門知識と併せて熱意というのが一番大事だと思っています。特に、支所に派遣される、支所というか出先に派遣される職員というのは、ひょっとしたら初めての、何というんでしょうか、東京から以外の勤務になるという職員もおられると思います。三陸なんかで暮らすというのは、東京の生活に比べれば結構厳しい状況になると思います。それでも仕事をやるという、そういう職員をまず派遣しなくちゃならない。  それから、あわせて、やっぱり民間や自治体からの様々なアイデアを持った方々、有為な人材の方々、こういったこともできるだけこれは確保したいというふうに思っております。
  83. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 いい答弁なんですけれども、ただ、ちょっと気になるのは、官僚というのは公僕、役人というのは公僕ですから、全ての職員がこれ熱意持ってなきゃいけなくて、でも確かに熱意持っていない職員もいますよ、残念ながら、はっきり言えば。全ての官僚が日の丸官僚でなければならないのにそうでないというところが問題で、我が党も脱官僚と、こう言っていましたけれども、まあそれは全ての官僚を否定するわけではないんですが、やはり熱意のない職員もいるというのも事実であって、これまでの質疑の中でも、いわゆる私も発議者になりましたけれども、仮払い基金法案のその後の経過の情報交換会を各省庁と発議者とで一か月以上前にやったんですが、現地の調査をする上で、電話をしたけどその観光協会に人がいなかったんでまだ実態がつかめていませんとか、あと、例えば観光業の小売業、福島県内どうなっているか調べましたと。ところが、飯坂温泉と土湯温泉、ここは単体の小売業というのはありませんから、実態が明確に把握できませんでしたけどもなんてはっきり言うんですけれども、これ福島県全県見れば小売業なんていっぱいありますし、何を言いたいかといえば、結局、ちゃんと本当にどうしようか、実態を把握しようとすれば、そのぐらいのことでやりましたとか言っていられないんですよね。まして、これ、復興庁の場所の問題もありますけれども、これ、東京でやっているからそんなことになるんですよ。電話一本で済まそうとしたり、ちょっと福島に行って、時間がないからといってある程度さらっとやって、調べてきましたなんて、実態把握してきましたなんていうのを簡単に言っちゃうんですよね。  前にちょっと福島県知事とお話しする機会があったんですけれども、私もそこは共感した部分が一点ありまして、やっぱり時間の経過とともに、あと知事も陳情に月に一回ぐらいはこの東京にお越しになると。その中で、福島から新幹線に乗って、郡山そして宇都宮、大宮と来る段階において、自分自身も、福島にいれば、もうこれはすごい状況の中で仕事をされていますから、緊張感ある中なんですけれども、やっぱり新幹線で上京してくると自分自身がこう何か変わってしまう。それは大臣も同じ東北として、まあなかなか地元には行けないんでしょうけれども、あと現地に入られたりしてまたこの東京に来る際に、余りにもそのギャップで、その心理的な変化ってあるというふうに思います。私も地元、行き来している中で、福島県内にいるときの自分のこの精神的な部分、気分的な部分とこっちに上京してきている部分とではやはりその心理的な変化というのはやっぱりあります。  それは意外と大事なことで、やはり被災者に寄り添うというのであれば、仕事をしていくという意味では、もしワンストップでやっていくという意味では、やっぱりこのワンストップの場所の問題もあると思いますし、今ほどこの基金法案の部分での調査の仕方を見ても、やっぱりこれは熱が入らない、熱がある人間でも東京にいたんでは熱が入らないというふうに思っています。  そういった観点から、このワンストップワンストップっていっても、結局市町村方々、また県の方々、陳情に来られています、大臣のところも多いと思いますけれども。復興庁がもし東京にあったらどうですかと言ったら、結局復興局にまず行って、復興庁にも行って、事業実施権限のある各省庁にもお願いに行きますと、こう言っているんですね。実際になってみて動いてみたら変わる部分もあるかもしれませんけれども、やっぱり大事なのはそこの本当のワンストップである事業実施権限のところだというふうに思っています。  我々もそれが復興庁にちゃんとなっていない、権限、財源がしっかり復興庁に置いていないという点から反対に転じたわけでありますけれども、本来のワンストップというのはそこにありますし、あと場所の問題も大きいと思いますが、この件に関して大臣、見解お願いします。
  84. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 現地の状況をしっかり踏まえるということは、いずれのどんな仕事においてもこれは大事なことでありますけれども、今回のこうした大震災復旧復興に当たっては最も基本なことだというふうに思います。  私も被災者生活支援本部の時代から各職員に言っているのは、とにかく現地に行けと、行って歩いて自分の目で見てこいということは繰り返し繰り返し言って、現に行かせております。そして、行ってその現地を見るだけではなくて、できれば被災者の方の話も聞くということについてもこれからも徹底してやっていきたいというふうに思っています。  その上で、場所の問題でありますけれども、これはやっぱり私どもいろんな観点から議論したやっぱり結論というのは、これだけの復旧復興を総合的な仕事でやっていかなくちゃならないという中での、先ほど来から議論出ていますけれども、すき間が出てはならないということ。それで、各省は今各省で主体的な取組をしておりますけれども、その中でどうしても縦割りの弊害はやっぱり出てくるということも懸念されるということの中で、中央省庁における調整というのはやっぱり大事だというふうに思います。そして、できるだけ復興局にできるだけの権限を預けて、現地で判断しているものは判断させたいというふうに思っております。  あとは復興局なり復興庁が、ああしっかり仕事しているなというような姿勢を見せれば、地元からの要するに要請活動もどちらかというと復興局復興庁中心になってくるんじゃないかなというふうに思っていますし、その方向に持っていくことがやっぱり大事だというふうに思っております。それを姿勢として示しながら、地元が復興局復興庁を頼ればいいんだというような状況に何とかして一日も早く持っていきたいというふうに考えております。
  85. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 いい答弁なんですけれども、もう一歩ですね。させたいじゃなくて、しますと言わなきゃいけないと思いますが、もう一度お願いします。
  86. 平野達男

    国務大臣平野達男君) やります。
  87. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 大臣もいろいろ現場に行っておられる、また、この原発事故とか大震災だけではなくてもう水害の現場にも行っておられて、私の地元の奥会津にも早い段階で入っていただいて、その後私、差し替えで災害対策特別委員会でも行って、各省庁の方々とも行ったんですけれども、やっぱりその現場を見るということは非常に大事で、やはり大局観を持って対処することもありながら、やっぱり現場の目、ですから鳥瞰、虫瞰、鳥の目、虫の目で当たらなければならないというふうに思っています。  しかし、その災害対策特別委員会のとき行ったとき、現地で地元の町長さん、副町長さんの説明を聞いているときに、何人かの職員がポケットに手を突っ込んで聞いていたり、そういう態度が一人二人じゃなかったんですよ。私ちょっと注意させていただきましたけれども、年下ながら。そういうところって信じられないんですよね。官僚としてどうかとかじゃなくて、もう人間としてどうかと思いましたよ。全然、こんな小学校の学級会みたいな話、この大事な質疑でするつもりはないんですが、結局その程度かと思いました。    〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕  さらには、そのとき、只見町に行って各被災地の町長さんたちとの意見交換の際も、これ大臣にもお伝えして何回かあれしていますけれども、あそこは雪が降る、また人手も足りない中で、三年間の激甚災害のところでも延長せざるを得ない、これに対してどう支援をしてくれるんだという話を只見町長がしたときに、役所側の答弁は、町村の、自治体の取組の中で自主的に伸ばした芽は伸ばしていいですよなんて答弁するんですよね。一日も早く復旧したいのに、そういう趣旨で言っているのに、その独自性を発揮して伸ばしたいのは自由にどうぞみたいなとんちんかんな答えをしていて、只見の町長は怒っていましたけれども、私もそのときは、ふだんはやじは言わないんですが、そこはさすがに何言っているんだと脇から口挟んでしまいましたが、そんな感覚なんですよ。  一事が万事で、まあ一生懸命やっている職員もいますけれども、もうそんな状況の中でワンストップでやっていく、被災者に寄り添うといっても、到底、今の、これまでの対応の中でも、到底私はちょっとできそうもないなというふうに思っています。  そういう意味では、これはもうこの法案が成立した上では最善の努力をしていただかなければなりませんけれども、先ほど言ったマインド的な、精神的な問題ですね。これはやっぱりそこに、現場に行ったからいいんではなくて、やっぱり住んでみないと駄目ですよ。これは、そこに住んでいるのと、一日行った、二日行った、出張で行ったというのは全然違います。これは大臣も東北に住んでおられるから分かると思いますよ。  これは、そういう意味では場所の問題って意外と大事で、それは、調整の話は役所側の論理ですよ、現地の論理ではないですよ、被災地の論理ではないんです。この権限もさることながら、場所の問題というのはまさに象徴するんです。大臣が言われたとおり、これはやる気を見せなきゃいけないという意味ではやっぱり現場に置かなければいけないというふうに思いますよ。そこがなければ、もし復興庁被災地以外のところに置かれた場合、これはその姿勢が見られますし、結局、いろんな陳情団がワンストップで止まらないというふうに分かって、各省庁を巡って二重三重の手間が掛かるだけになってしまうと思います。  この点について、もう一度お伺いいたします。
  88. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、職員のお話がございました。私もそういう職員が中にいるということは私自身も感じておりまして、私もどちらかというと瞬間湯沸器のところがございますから、机けっ飛ばして怒ったこともあります。と同時に、やっぱり政務三役が必死になっている姿というのを見せるということも大事だというふうに思います。そういったことで、引き続き、まず政務三役が率先して一生懸命やっている姿を見せるということを通じて、職員もそういった姿勢で臨んでくれるんじゃないかというふうに思います。ちなみに、今復興本部にいる職員は、まあ全員、全員というわけにもいきませんけれども、皆さん一生懸命やっているということだけは申し上げさせていただきたいと思います。  それから、場所の問題、再三御指摘がございますけれども、私、支所復興局、この職員がとにかく被災自治体の立場に立つということで、鋭意、まず日常歩いていただいてもらって声をくみ上げるということについて、このことは徹底させたいというふうに思います。その上で、それを踏まえた上で復興庁が仕事をするということでありまして、その中での連携をしっかりやることで地域支所復興局復興庁、一体となった形での取組を是非実現させたいというふうに思っています。
  89. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 この点についても法案提出者も努力はされていたわけでありますけれども、ワンストップになり切らないという懸念についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
  90. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) お答えいたします。  修正案についての一定の評価をいただいたことに感謝を申し上げます。  完全ではないではないか、やはり各省に執行が残るではないか、おっしゃるとおりです。しかし現実に、復興庁政府の提案がああいう時期だった、そしてもう来年の三月には一年を迎える、そういう時期的なものも考えて、そして現実的に復興庁がどういう権限を持てば通常の省庁以上の強い力で持つことができるかということを考えた結果が現在の修正案でございます。仮に、執行機関まで復興庁ということになれば、私個人としては、あと数か月の遅れでは済まない。  また、事務的な分掌だけではなくて、本当にそれでしっかりした体制がつくり得るか。それぞれの各省は長い歴史と、またそれぞれの各省で採用されている職員でございますので、そういったことも併せ考え、ベストではないかも分かりませんけれども、しかし被災地方々に相当満足していただける修正内容ではないかと我々は考えているところであります。
  91. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ベストじゃないけど今対応できる最善の努力をされたという、その件に関しては否定するものではありません。今まさにスピードを上げてやっていかなければなりません。ただ、やっぱり、この法案が成立したとしても、今後、ベストを目指して、改めることはばかるなかれ、まさにこの復興に向けてやりながら、最終的にはやっぱり権限、財源をどおんと復興庁に与えて、しっかりもうそこでやり切るということも今後努力をしていく必要があると思います。そこの点については、我が党もこれは一致協力してやっていきたいと思いますので、ベストを目指してまさにやりながら変えていこうということも是非お願いをしたいというふうに思っております。  そういう意味で、実際は関係省庁調整があるんであれば、復興庁現地復興局が東京にあって調整していけばいいということを併せて指摘をさせていただきます。  最後に、復興庁法案とはちょっと離れますが、今、現地においては瓦れきの処理が大変困っております。福島県内だけではなくて東日本全体です。広域的な処理の段階で、やはりこの放射性物質における国民的理解がないところで広い処理ができないというところにありますが、そうした点についての今後の対応をお伺いいたします。
  92. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 今、小熊議員から御指摘いただきましたこの瓦れきの広域処理ですけれども、今、非常に困難になっております。  環境省では、八月に広域処理に関するガイドラインを取りまとめました。関係都道府県にはこれを通知させていただき、この中では、仮置場における災害廃棄物の放射線濃度の測定の方法や、また県外に搬出する際の空間線量の測定の在り方をお示しをしております。また十月、十一月にも必要な改定を行い、再利用における安全性の考え方や新たなデータを追加するなど、広域処理に当たって安全性の確認方法についてお示ししているところです。  これらの内容を踏まえる形で東京都による広域処理が今始まっておりまして、十一月には岩手県宮古市の災害廃棄物の処理が開始されました。また昨日、十二月七日には、宮城県の女川町から災害廃棄物の試験のための運搬が始まったということでございます。  実際、広域処理の対象となる災害廃棄物は、放射能不検出のもの若しくは放射能濃度が低く受入れ側で安全に処理できるものに限っておりますが、やはり依然として放射能による汚染に対する心配の声も当然ございます。また、こういう風評被害を生じさせることのないように、受入れ側の自治体住民に限らず広く国民皆さんに理解を広げていく必要があるというふうに考えております。  環境省といたしましては、住民説明会に職員や専門家を派遣するとともに、受入れ側の理解を求めていくために一般の方向けのパンフレットやまた広報体制を強化して今努めているところでございます。
  93. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ありがとうございました。
  94. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  今日は、被災地復興計画と鉄道の復旧について質問をしたいと思います。  まず国土交通大臣に、町づくりと一体になった鉄道復旧の重要性について、基本認識を伺いたいと思います。
  95. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) お答えいたします。  今般の東日本大震災により東北地方中心として大きな被害が生じ、特にJR東日本の六路線については、鉄道のみならず周辺の町も大きく被災をしている状況でございます。このため、鉄道の復旧に当たっては、列車の運行の安全確保と利用者の利便に配慮しつつ、町づくりと一体となった復旧計画策定する必要があると考えております。  特に、JR東日本の場合には、原則的には自己の実力で、自己負担でという原則があるわけですけれども、実際には町づくりの中心に鉄道があり、また駅があるわけですから、その新しい町づくりの中核の施設として一体としてやっていく。したがって、関係、JRも含めて、自治体も国も一緒になって協議会というのを持っておりますが、そういうところで町づくり計画を作り、そういう中で一番いい形を見出していきたいと、こう思っております。
  96. 山下芳生

    山下芳生君 大事な御認識だと思います。  JR東日本の清野智社長も、四月の五日ですから、まだ一か月たたない間に記者会見をされまして、津波で大きな被害を受けた路線について責任を持って復旧させると明言をされました。当時は、被災地からはこのまま廃線になるのではという心配の声が出ておりましたので、これは、大変きっぱりと明言されたことは歓迎されたわけです。  JR東日本によりますと、津波を受けたのは七路線ですね。被害は少なくとも千七百か所に上り、二十三の駅が流失し、線路が約六十キロにわたって流されるなどしました。清野社長も、今大臣がおっしゃったとおり、町が津波の来ないところに移るという話もある、そうなると、元の場所に鉄道を復旧しても需要に合わないので、県や町と相談したい、検討したいとおっしゃっています。この姿勢がやはり鉄道事業者にとっても非常に大事だと思います。  そこで、今実際どうなっているかということを現地自治体の担当者の方にいろいろお話を伺いました。二つ例を紹介したいと思います。  一つは、岩手県の陸前高田市であります。  ここでは、以前からJRに対して、安全なルートによる復旧を考えてJRとしての提案を示してほしいとしていたようですが、そして自治体は、高田ももう大打撃を受けていますからなかなか新たな負担できませんので、できればJRの方で事業として負担もしてもらいたいという要望もされていたようです。最近、JRの方から現在の海岸線近くのルートから山側へのルートに変更する提案があって、それは市としてもJRの提案を前提に町の復興計画を具体化を進めていきたいと今考えておられます。  ただ、具体的な経費等になりますと、地元の負担がどうなるのか、非常に頭が痛い。今後、復興計画の中で、ルート変更だけではなくて地盤のかさ上げということにもなってきますと、当然、線路の用地も確保しなければならないし、かさ上げもしてもらわなければならない。そのときの負担どうするのかというのは、まだこれ具体的に高田の場合は見えてきていませんので、今はとにかく海岸線のルートを内陸部へ持っていこう、そういう形で町をつくっていこうねということで合意されていますから、費用負担については一緒に、市もJRも国や県に要請もしていきながら解決しようということになっているようです。  もう一つ岩手県大船渡市。ここは更にもうちょっと町づくりの計画が具体化しつつあるんですね。  そこで、大船渡では復興計画として、津波でここも大きな浸水被害を受けたわけですが、それを踏まえて、現在より内陸側で町を復興することを計画されています。現在のJR大船渡線も内陸側を通るルートに変更してもらって、それを五メートルかさ上げして、二線堤と言われる新たな防波堤としてこの線路を活用したいと。その二線堤より内側を市街地として、住宅や学校、商店など、新たな町づくりを進めたいと、こう市の方では考えているわけですね。  ところが、JRの反応が今のところ非常に消極的だというふうに私は聞きました。駅の移動、ルート変更、それからルートのかさ上げの場合、その経費をJRが負担するのは困難だというふうにおっしゃっているようです。ルートをかさ上げして二線堤の上を走らせる場合に強風にさらされる危険性もあるんじゃないかとか、それから、大船渡市の計画では踏切が増えることになって費用が膨らむということも心配されているようです。したがって、今JRとしては、元のままの場所で原状復旧したい、ルートも今のままで復旧させたいというふうに言っておられるようです。  ただ、これは市の側からすれば、踏切が多くなるのは、線路をかさ上げして防波堤にするわけですから、そうしますと、アンダーパスというふうにしちゃうと穴が空くわけで、そうすると防波堤の役になりませんから、やっぱり道路も線路まで傾斜して高くして、そこで踏切としてこの防波堤を越えてもらうようにしないと、アンダーパスではこれ津波の対策にならないという事情があるわけです。  それから、もし、このルート変更、かさ上げ、二線堤という計画ができないなら、大船渡市の復興計画は根本から成り立たないということになると。現在でも満潮時には海水が浸水をして、今の線路の下をくぐっているアンダーパスは浸水するところもあってそうなるわけですけれども、ルートの変更と駅の移動をしていただかなければ、駅を町の玄関口にして新しい町づくりをやろうという計画自身がもう土台から成り立たなくなるというのも市としてはあるわけですね。  したがって、私は、これは国土交通大臣是非お答えいただきたいんですけれども、これは聞いていまして、JRの態度はこれいかがなものかなと率直に言って思いました。新しい町づくりが実現できるように一緒に努力しようじゃないかという姿勢にちょっと欠けるんじゃないかと、話を聞いていて感じました。まあJRにはJRの言い分があるんだと思うんですけどね。  そこで、私は、国土交通大臣に、やっぱり国がここはどうすれば解決できるのかという解決策を見出せる調整役をやる必要があると、これが一つです。それから二つ目に、JRに対しても、被災自治体復興計画が実現できるように誠意と積極性を持って協力するように、これは働きかけるべきじゃないかと。この二つ、いかがでしょうか。
  97. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 委員も御存じのように、復興調整会議というのが各市町村ごとにあるわけですね。もちろん大船渡市においてもこの復興調整会議というのがありまして、これは線区ごとにあるわけですが、東北地方整備局、それから東北地方運輸局が加わっております。  そこで、委員の言われたこの大船渡、私も何度か上空から見たりあるいは現場を歩いたりして多少は現場を承知をしておるわけなんですが、元々水産加工場だとかあるいは工場もあるわけですから、その業務系のところは、特に工場なんというのは移すというのはなかなか大変なことで、多分浸水区域であったとしても、防波堤は造るわけですから残るんだろうと思うんですね。住居系というのは集団移転等で高台に上がるかも分かりません。  そういうところで、JRをどういうラインにするかということを今この復興調整会議等に諮って議論をしているところだと思うので、まだ余り先を、結論を先取りするようなことはちょっと言えないわけですけれども、必ずいい解決策を見出してくれるものと思いますし、それから委員が御指摘のように、もっと国交省、指導力を発揮せいということでございますから、それはしっかりやらせます。専門家もそういうところに派遣をして、相談に乗れるようにもいたします。  結果としては、元々あった工場であったり、たしか太平洋セメントだったかな、何かの工場があったと思うんですね、そういう工場だとか水産加工場だとかいうのがやっぱりそこに立地をしていただくということが地域のこれからの持続可能な発展につながるわけですから、そういったことも重点に置きながら、鉄道というのが……
  98. 山下芳生

    山下芳生君 JRの姿勢。
  99. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) JR自体が、いわゆる二線堤といいますか防護的な機能を発揮するようにということになれば、そこに国といいますか公共的な関与というのもあり得るわけですから、その辺はしっかり調整をさせていきます。
  100. 山下芳生

    山下芳生君 しっかり調整していくということですので、これ調整となりますと、JRにちゃんと協力姿勢を求めなければ調整になりませんので、そこのところポイントではないかなと、(発言する者あり)おっしゃるとおりとおっしゃいましたので、よろしくお願いしたいと思います。  復興担当大臣に、平野大臣に伺いますけれども、JRは今黒字、東日本は黒字企業ですので、国の現在の鉄道復旧補助事業ではこれは支援対象になりません。自力で復旧するというのが原則になっております。しかし、これ復興計画と一体的な鉄道復旧をさせる場合、原状復旧ではない場合も出てくると思いますので、やはり大きな事業費になるかもしれません。  復興庁がこれはできますと、復興庁の権限で企画立案、予算確保ができるようになりますので、仮にJR東日本の体力を超えるような復興計画になって、そういう線路の復旧、駅舎の移転などが必要になった場合、支援制度、新たな制度の検討が必要になると思いますが、こういうことも検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  101. 平野達男

    国務大臣平野達男君) JR線の復旧に当たりまして、委員指摘のように、現地では高台移転等々の計画がありまして、それと併せて駅舎の移転等々もやっぱり考えなくちゃならないということで、鉄道と地域の復旧計画を一体として今計画が進められている地域があります。  その中で、JRとすれば、本来であれば、JRの役割とすれば、まず原況復旧が基本だというのがJRの主張だというふうに思います。例えば、その上で二線堤の役割を負わすということになりますと、その間で例えば掛かり増し経費というのは当然出てきまして、これがJRさんに負担していただけるかどうかということがまず問題になってくるんだろうというふうに思います。  その問題については、その二線堤がそもそも本当に必要なのかどうか、こういったことについては今復興協議会、地域の中でもいろんな鋭意話合いを進められておりまして、私どもにすれば、できるだけ地域の意向は酌みたいというふうに思っておりますが、前にも申し上げましたけれども、一方ではやっぱりコスト等々の問題も無視するわけにはいかないと、しかしやっぱり安全優先で考えなくちゃならないという観点で今鋭意議論しております。  その結果として、負担を負わすことができるかできないか。できないとすれば、これは国と自治体自治体といっても、これは自治体も負担もなかなか難しいと思いますけれども、国が負担するという仕組みもあるいは必要になってくるかもしれません。それはそういう中で、その状況に応じながら復興庁関係省庁連携取りながら検討してまいることになると思います。
  102. 山下芳生

    山下芳生君 検討するということでした。  最後に、修正案提案者の方に、もう時間ありませんので、もう一問だけにしたいと思いますが。  今度、大臣と副大臣二名を増員させることになるわけですが、何のために増員するのかという目的と、それから、法案では新設となる復興大臣が必ずしも専任とすることを求めておりません。このことによって復興対策とは直接関係のない任務を担当する大臣を増やしたりすることも可能かと思われますが、どのようにお考えか。お願いします。
  103. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) お答えいたします。  大臣の増員の件でございますが、様々な意見があったことは事実であります。しかし、復興庁実施する事務が当初より増えたということ、あるいは全力で復旧復興に当たっていただく、そういう体制をしっかりと、少なくとも十年間はつくる、そういう思い大臣の増員ということを合意したところでございます。  復興大臣の任命というのは総理の専決事項でございますので、法律上、御指摘のとおり復興大臣を専任の大臣としなければならない旨規定しているわけではありません。しかし、なぜ大臣を増員したのか、そういうことを考えるならば、修正案提案者といたしましては復興大臣を専任の大臣とすることを強く求めたいと思いますし、それ以外の選択は許されない、そういうふうに提案者としては思っております。
  104. 山下芳生

    山下芳生君 終わります。
  105. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 限られた時間でありますけれども、平野担当大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  今度の復興庁設置法案ですね、今、谷修正提案者もいらっしゃいますけれども、我が党たちあがれ日本も共同いたしまして提出をされて、本院に送られてきたわけであります。それを含めて質問をさせていただきたいと思います。  もう既にほかの委員の方からも質問がありました。いろいろな質問がありましたけれども、まず、復興庁には大変大きな権限が与えられましたね、これ。そして、その中でまた、復興事業については地方公共団体からの要望にワンストップ対応するというのが修正案の中に盛り込まれて、そして、これから成立をし、来年春の設置に向けていろいろ動いていくわけですが、しかし、これよく言われるように、組織をつくっても魂が入らなければ、そしてまた、結局それが、前のほかの委員の方の質問にもありましたけれども、いかに効率的な、機能的に、また効果的にこれを実施していくかということになるわけであります。そして、そのためには、やっぱり復興庁というのは大変大きな権限を持ちますけれども、チェックというものをしっかり、チェック機関、機能というものですね。  というのは、自治体、先ほど大臣から何度も、寄り添う、地元の声を反映させる、そして、それをどううまく効率的、効果的に実施していくと。そして、現場を見なさいと、自分も行くけれども、そういう指示を与えている。これは、当然それはもう大事なことなんですけれども、やっぱりそういった中で総合的に判断するときにチェックというのは、そうしたことが結局は業務を円滑に進めるということに大変大事なポイントになるんだろうと思うんです。  そこで、また改めて、この担当大臣として復興庁の権限を効率的に発揮するためには、いかなる、先ほど答弁もありましたけれども、もう一度その基本的な姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
  106. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁の、それは復興局支所も含めてでありますけれども、まず一番大事な役割というのは自治体の立場に立つ、それから被災地地域の立場に立って様々な仕事を進めていくということが基本だというふうに思います。  その上で、今回、設置法案につきましては、自民党、公明党、民主党の三党におきまして精力的にこの修正に向けて協議がなされてまいりました。その結果として、復興庁実施事務の大幅な強化、大臣等政務三役の増員数の見直し等の内容が盛り込まれるとともに、被災自治体からの要望にワンストップ対応する点が明確化され、党派を超えて復興推進するための組織づくりに取り組んでいただいたということでございまして、このことについては改めて感謝を申し上げたいと、申し上げなければならないというふうに思っています。  この修正協議の結果を受けまして、この法案が成立したならば、復興庁設置を一日も急ぎたいと思っておりますし、その復興庁設置をした上で、先ほど申し上げましたように、被災自治体の立場に立った復旧復興を進めると、その先頭に立っていくのが復興庁であるというふうに認識をしております。
  107. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 認識としてはよく分かりました。  そこで、これもほかの委員からも質問があったわけなんですが、例えば、地元に、どこにこの復興庁設置するか、支所と支局とそして本庁ということになるわけですけれども、そうしたときに、これまでもう既に地方整備局、農政局含めて、この三月十一日の発災以来大変な努力をされて、ノウハウを駆使して、大臣も副大臣当時から非常にいろんな意味現地を視察され、出先機関ともいろんな接触、それから被災者皆さん方とも接触をされているわけです。  しかし、一方、政府としては、アクション・プランというのを見ますと、こうした地方整備局や農政局を原則廃止するというふうにうたっているんですね。しかし、私もいろんな大会、また地方の町村長、首長さんとお話しすると、出先機関はほぼ一〇〇%廃止しないでくれという意見が圧倒的に多いというか、一〇〇%、特に被災を受けたこの東北三県中心にそういう意見が非常に強い。しかし、これは被災を受けなかった全国の市町村でも、この今ある出先機関というのが必要であると。  これはなぜかといいますと、これ政府のアクション・プランでは、こういう無駄だとか縦割りの行政をやめろとか、二重行政だとか地方自立だとかといろいろうたっていますけれども、平時でいくと非常にこれ無駄なように見えちゃうときがあるんですよ。効率的でないとかしっかりしろとか、もっと現場を見ろとか、だからこれはもう統合しろとか廃止しろとかということになるんですが。今度の災害が起きたら、やはりまず、長期的な復旧復興も大事だけれども、先ほども質問にありましたように、まず住宅を、住むところをまずどうしてくれるんだと。そして仮設住宅、そしてまた更に一歩進んだ住居というもの、こういうものがなければ先の復旧復興もプランが立たないではないかということが出てきているわけです。  ということはどういうことかといいますと、ここは議論の分かれるところなんですが、一方では民間の活力だとかあるいは地元の被災地意見をよく聞けとか、寄り添うと、これ非常に大事なことなんです。ところが、大災害になりますと、もう一つ大事なことは、逆に規制をする、そして国、あるいはそうした今度復興庁というのが大きな権限を持つ、そういうところがある面ではこれは中心的になって指導していかなきゃいけない、このリーダーシップというのを問われている。ここのバランスが非常に難しいんですよ。  ですから、前に私大臣にも質問しましたように、リーダーシップと同時にバランス感覚を持たなきゃいけませんよというのは、単に地元に耳を傾ける、これも地元目線、そういうよく我々政治家で使うんですよ、市民目線とか。それ確かにそのとおりなんだけれども、一方では、政治として、特にいわゆる政権を持っている政党として、そしてその一番の復興担当大臣防災担当大臣としてのそういうものをどうやって守っていくかということが必要なわけです。  ですから、そういう意味では、これからの、一方では縦割り行政とか二重行政と言われながらも、そういう中で担当大臣としてどう取り組んでいくのか、どういうことを目指していくのか、またそういう角度からも御意見を伺えればと思っていますが。
  108. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 藤井議員御指摘のように、政府は出先機関改革のアクション・プランにおいて国の出先機関の原則廃止をうたっております。しかし、その一方で、東日本大震災、台風十二号あるいは新潟・福島大豪雨もそうでございましたけれども、発災直後いち早く現場に駆け付けることができてその対応ができたのは、やっぱり整備局、農政局、これがあったおかげだということは、これは事実だと思います。  そしてまた、これから東日本大震災被災地域、ほかの台風被害被災地域もそうなんでありますけれども、復旧復興を進めていくに当たって、これは非常に大きな大量の、かなりの仕事が出てまいります。そして、中には高度な専門技術、それから経験が必要なものもございまして、被災自治体だけでは対応できないものも出てまいりまして、これはやっぱり特に東日本大震災については、支所復興局、それから出先の機関、それから復興庁、そして霞が関にある各省庁、そして県、これがやっぱり一体になって取り組む必要があるなというふうに思っています。  その一方で、じゃ、国の出先機関の原則廃止とどうやって両立させるのか。これは、私は今、これに対してこうこうこうだという、大変申し訳ありませんが、答えは今用意できておりません。実は私、副大臣のときにはこの出先機関の廃止ということを進める立場にもありました。ただ、現段階、今復興を進めるという段階においては、今の体制をとにかくどうやって有効にフル活用させていくかということが今頭にいっぱいでございまして、答弁をちょっと回避するわけではございませんけれども、それ以上の答弁はちょっと勘弁をさせていただきたいと思います。
  109. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 大変正直な答弁で結構だと思います。というのは、やっぱり平時のときと災害起きたときと。そうすると、平時のときは無駄な、縦割り行政だとか、こういうのはもっと効率、効果的にするには一つに統合しろとか、そういうのがよく優先されるんですけれども、こういう非常時になってまいりますと、やっぱり国の権限、そして担当官庁というものが、今度は復興庁というのが設置される、そのリーダーシップ、それによって被災地人たちも非常に期待しているわけなんですね。  もちろん、もうこれは膨大な事業ですし、そしてもうあらゆる、河川から港から鉄道から道路から、本当に大変な、広範囲な復興事業、復旧事業になるわけですから、そういう意味においては非常に、何度も申し上げて、大臣もいつも決意を述べていただきますけれども、いよいよこれは設置されるわけです。先般も復興特区法案も成立いたしましたよね。こうしたことと併せて、それとまた、今申し上げた地方整備局、そういったまた自治体皆さん方の経験、伝統文化、ノウハウというものも含めてやっぱりこれに当たってもらいたいなと。  そういう意味で、修正提案した議員の皆さん方に敬意を表しますけれども、そういった中でお互いが両々相まって、私は、この復興事業、そして復興庁機能的、効果的に運営できる、また実行できるように心から期待をいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  110. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。連日、大変お疲れさまです。  その上で、六月二十四日に復興基本法が施行されました。約二か月後の八月二十五日に復興庁設置検討する復興庁設置準備室が設置をされて、そして、そのまた約二か月後の十一月一日にようやく復興庁設置法案が提出をされました。実に遅いと言わざるを得ません。もう先ほども議論がございました、もうあえて答弁は求めませんけれども、是非政府そして与党には猛省を求めたいと思いますし、その上で何点か質問させていただきます。  もう質問も一番最後になりますと重複する課題もありますが、確認の意味もありますし、また角度を変えまして質問をさせていただきたいと思います。  まず一点目が復興庁の任務についてでございます。  設置法の第三条で、復興庁は東京電力福島第一原子力発電所の事故による災害からの復興も任務とされているわけであります。現状では、原子力災害対策本部、原子力被災者生活支援チーム、環境省が福島復興にかかわって活動しております。国の機関が一元化されておらず、問合せや要望のたらい回しは日常茶飯事で、被災地にも混乱をもたらしている、そのように言われております。  そこで、既存の原子力災害対策本部、原子力被災者生活支援チーム、環境省などとの役割分担はどのようになるのでしょう。復興庁とそれぞれの府省との連携は具体的にどのように実現するのか、お伺いをいたします。
  111. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁設置法案第三条第一項においては、復興庁原子力災害からの復興に関する事務を幅広く担う旨、これが明記されております。今のところ、今、一方で原子力対策特別措置法というのがございまして、原子力災害対策本部が置かれている間は、同法の趣旨に基づきまして、原子力災害対応について専門性が求められる事務については、同本部が一体的に担うことが効率的、効果的であるというふうに思っております。  現在、原子力災害対策本部は、避難区域の見直し、除染放射性廃棄物の処理など直接被害に関する事項を担当し、環境省もその一環として除染中心に事務を担当しております。  復興対策本部は、避難者自治体支援、これは総務省さんとも連携を取りながらやっておるわけでありますが、さらに、各省との連携の下でのインフラ充実、それから整備、さらに、原子力災害からの復興福島復興の基本的な方針の企画、推進などを担当しておりまして、復興庁復興対策本部機能を引き継ぐことになるというふうに思います。  特に、これから、そんなに遠くない将来、これは早くやらなくちゃなりませんけれども、警戒区域の見直し、あるいは避難準備区域、計画避難区域の見直し等々をやらなくちゃなりませんし、今その準備を進めております。結果として、それに付随するものとして、いつ帰れるか、そしてそのためにはどういうことが必要か、こういった仕事、大変大きな仕事があります。こういったことも、私は復興庁中心的な役割を担うというふうに考えております。
  112. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 いまだ収束が見通せない原発事故の影響により、福島県の復興は多くの困難に直面をしております。  避難区域などは詳細な調査が行えないということで、インフラ被害なども明らかになっておりません。被災三県の中でも特に福島に対してはより一層きめ細かい支援が必要であることは言うまでもないわけでありますが、現在、政府において福島復興特別措置法の検討がなされていると報じられておりますが、検討状況や法案の内容はどのようなものになるのでしょうか、また、所管は復興庁が担当するということでよろしいのでしょうか、お伺いします。
  113. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、今の避難区域に帰っていただくためにはまずは除染ということが基本になりますけれども、除染だけではございません。上水道をどうするのか、下水道をどうするのか。特に上水に関しては、非常に放射線の高い地域を水源としているところもあるというふうに聞いています。これは農業用水についてもそうです。そういったことの実態をきちっと調べて、復興のこれに対する対応も必要でございます。こういったことについては、先ほど申し上げましたように、復興庁中心になって各省と連携取りながらやっていきたいというふうに思っています。  お尋ねの福島再生特別法でございますけれども、これにつきましては、成立させていただきました復興特区法、これを基本にしまして、さらに福島の特殊性に鑑みた、例えば税制の問題あるいは規制の緩和の問題等々を今幅広く議論しているところでございまして、県とも、原子力災害からの福島再生協議会等と、この協議の場も活用しながら議論を進めさせていただきまして、次の通常国会に復興庁の法案として出したいというふうに思っております。
  114. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 通常国会に提出をされるということを明言をいただきました。是非しっかりしたものを出していただいて、福島皆さん是非安心感を与えていただきたい、そのように思います。  次に、先ほども議論が何人かの方から行われましたが、復興庁の組織についてでございます。  第十二条に関連をして、復興庁の本庁をどこに置くか、いまだ結論が出ていないようでありますが、どのような点に配慮して設置場所を決定をするのか、現状、どのような方向性で検討されておられるのか、お伺いします。
  115. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁の本庁という御質問だと思います。  本庁につきましては、各府省に対する総合調整や立法府への対応、衆議院における修正で盛り込まれた復興事業に係る予算の一括要求など、その果たすべき任務にふさわしい立地であることが必要であるというふうに考えていまして、私としては東京に置くのが一番効率的ではないかというふうに考えています。  これまでも被災地意見につきましては、復興庁設置法案の国会提出前に説明を行う中で伺ってまいりました。一方で、国会等の場において復興庁の本庁を被災地設置すべきという御意見も、今日もたくさんいただいております。今後、政府部内において検討を進めまして、復興庁設置までに最終的な判断をしたいというふうに考えております。
  116. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 私も、先ほど御意見ありましたが、やっぱり政府の姿勢を示すためにも、そしてまた縦割りの弊害を排するためにも私は現地に置くべきだ、そのように思います。どこの県に置くかというのもなかなか難しい調整もあろうかと思いますけれども、そういうことも検討の中に入っていなかったのかどうかを含めて再度お伺いしたいと思います。
  117. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 場所の設置については政府内でも様々な意見がございます。そういう中で、私なりに、あるいは復興本部なりで判断したのが、まず復興庁はやっぱり東京が望ましいのかなというのが今のところのスタンスでありますが、先ほど申し上げましたように、復興庁設置の時期までは時間がございますので、そのときまでに結論を出したいというふうに思います。
  118. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 今日の委員会でそういう強い意見があったということは是非受け止めていただきたいと思います。  次に、復興特区と復興庁関係について質問します。  昨日、復興特区法が成立をいたしました。被災自治体により使い勝手の良い制度がようやく少しずつ整ってきたわけでありますけれども、被災地からは、特区の立ち上げに間に合わないのなら何のための復興庁かとの強い批判もあったところでございます。特区申請に伴う復興推進計画復興交付金の事業計画などの計画策定は、ただでさえ膨大な業務を抱える被災地には大きな負担となるわけであります。  復興庁として、被災自治体の特区関連の計画策定などをどのように支援していかれるのでしょうか。具体的にどういった支援をするのか、また政府の御決意も含めてお聞かせをいただきたいと思います。
  119. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、制度をしっかり説明するという観点から、これはできるだけきめ細かく説明会等々の開催はしなければならないと思っています。その上で、実際に様々な計画策定する上では、被災自治体、今も大変な仕事をやっておりますので、その煩雑さを防ぐためにできるだけ簡略をすると同時に、いろんなアドバイスをして、でき得れば、各自治体回りながらその策定自体を支援するようなこともやらなければならないというふうに考えております。
  120. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 自治体を所管する今日は川端大臣もお見えでございますが、大臣の立場で、そういう自治体にどういう形で支援ができるのか、お答えいただきたいと思います。
  121. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 派遣先において費用が発生する分を八割、現在特別交付税で見させていただいて、一回目は処置したんですが、この委員会でもいろいろと御意見もございます。平野大臣からもしっかり検討するようにという御指示もいただいておりまして、現在、今のところは八割を見るということになっていますが、現在、最終的に十二月分の特別交付税の詰めの段階をしておりますので、そういう御議論や復興大臣からの御要請も含めて、最終的に最後の今調整段階に入っております。
  122. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 被災自治体はもう大変厳しい財政事情の中にあるわけでありまして、是非ここは私は十割を見るべきだと、そのように思いますけれども、その点について、総務大臣、いかがでしょうか。
  123. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) そういう御要望も強くいただいている、復興大臣からも前向きに検討してほしいということも含めて今最終詰めの段階でありますので、そういう重い御意見があることは承っておきたいというふうに思います。
  124. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 どうもありがとうございました。
  125. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  126. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、岩城光英君、山下芳生君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として宮沢洋一君、紙智子さん及び竹谷とし子さんが選任されました。     ─────────────
  127. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 休憩前に引き続き、復興庁設置法案を議題とし、午後は復興体制等について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  128. 行田邦子

    ○行田邦子君 民主党の行田邦子です。よろしくお願いいたします。  昨日、復興特区法案が成立いたしました。そして、今日こうして復興庁設置法案審議を行っております。私自身は埼玉県選出の議員でございますけれども、生まれは岩手県で、被災地に多くの親戚、知人が今でも住んでおります。今回の復興庁設置が、こうした被災されている皆さん、そしてまた日々復興のために御尽力をされている皆様にとって希望が持てるものとなるように、このような思い質問をさせていただきます。  まず初めに、民主党の法案提出者に対して質問いたします。  今回の復興庁設置法案は、政府から提出された閣法を国会において、衆議院において修正をされました。与党の立場でどのように修正に臨んだのか、そしてまた今回の修正でどこが改善されたのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  129. 近藤洋介

    衆議院議員(近藤洋介君) 行田議員にお答えをいたします。  民主党はかねてから、震災が起きてから、我々は復興ビジョンチーム、直嶋正行座長の下につくってまいりました。そして、その後は櫻井議員の下でプロジェクトチームをつくってこの復興政策に当たってきたわけでございます。行田委員におかれても、復興ビジョンチームの役員として、特に復興特区法について様々な提言、そしてアイデアを出していただいてきたわけであります。  また、我々は増子委員長を始め多くの被災地議員を擁しているわけでありまして、そういう中でこの閣法を受け止めたわけでありますが、もちろん政府・与党一体でありますから閣法が百点だという気持ちで臨みました。しかしながら、現場ではまだまだ足りないところがあるという意見もあったのも事実でございます。そうした中で野党の皆さんから提案があり、すばらしい提案が幾つかございました。政府の立場からはなかなか受け止められないというものも当初ありましたけれども、やはりより良いものをつくりたいという意思で、野党の先生方と真摯に向き合ったわけであります。  最も大事にしたのはスピード感であります。やはり復旧復興が遅れているという指摘がございました。スピード感を重視した組織をつくらなければいけないということで臨んだわけでございます。その結果、大きな点で二つの改善点があったかと思います。  一つは、復興にかかわる予算について、復興庁が地元の自治体の要望の窓口になり、財務省に対して要求をする、そして、予算のいわゆる箇所付けということも行う権限を復興庁に持ってもらうようにいたしました。これにより、いわゆるばらばら感のあった仕事が統一感を持った仕事ができるようになったと、このように思います。  また、あわせて、復興事業全体を総括して監理するという規定を置きました。これにより、復興庁が他の省庁よりもより一段高い立場からの指揮監督が行われるようになったかと思います。  こうした内容について、政府側も平野復興担当大臣中心にしっかり受け止めていただき、そしてこの修正協議が相調ったと、このように思います。より良いものが議会において修正されるということは、議会としては正しいことだと思いますし、今後も政府を我々としては後押しをしていきたいと、このように思っております。
  130. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございます。  閣法が提出されて、それをより良いものへと変えていくために立法府において与党と野党で協議をして修正がなされたということです。今回の修正協議をされた与党の議員だけではなく、野党の議員の皆様にも敬意を表したいと思います。  それでは、液状化対策について伺います。  私の埼玉県でも、久喜市や加須市で液状化が発生しました。久喜市においては家屋の被害による罹災証明が五百五十六件、そのうち液状化によるものが百七十件というふうになっております。それゆえ、今回の復興特区でも久喜市は対象になっています。そしてまた、今回の復興特区の中では、交付金事業の中に液状化対策推進事業を設けてくださいました。  大変有り難いことなんですが、一方、液状化が起きている、被災している自治体においては、液状化の対策について十分な情報がなかったり、また知見や経験が不足していると。それゆえに、どのような技術また工法が有効なのか、そしてどのぐらいの費用が掛かるのか、特に宅地部分、個人の負担がどのぐらい掛かるのかといったことの計画が立てられないという声をよく聞きます。また、例えば個人で、一戸単独で薬液注入といった対処をするとすると、一戸当たり一千数百万も掛かってしまうというようなことも聞かれています。個人の負担が多いために住民の同意も得られないのじゃないか、それゆえ、せっかく特区で用意してくださった液状化対策推進事業も使えないのではないか、こうした声も聞かれています。  前田大臣に伺います。この液状化対策推進事業について御説明いただけますでしょうか。
  131. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 行田委員にお答えいたします。  行田委員は今、久喜市等、埼玉県の例を申されました。有名なのは、千葉県の浦安なんかもそうです。それから、茨城県もまさしく潮来を始め、霞ケ浦沿川ですね。これは要するに、関東平野の利根川、荒川、鬼怒川等が乱流していた、その跡地みたいなところが大体砂層でありますから液状化するんですね。久喜市なんというのも、恐らく元の利根川なんかが乱流していたところだと思います。したがって、東日本震災、東北ではないんですが、関東において、実は人口が随分多いそういう住宅地において液状化ということで、今回の新しい対策事業ということになったわけでございます。  そこで、まだ具体的なこの制度をどういうふうに使っていったらいいかということが地元の自治体等においても、それはもうもちろん初めての経験でありますし、届いておりません。したがって、ここは、制度設計とともに、実は自治体のやる公共事業にこの制度を適用するわけなんですが、その公共事業というのは何かといいますと、これは多分、住宅地の場合には、周りを市道であったり県道であったり、そういう道路で囲まれていると思いますね。そこに下水道であったり上水道であったり入っているわけなんですが、その道路自体も陥没したりしている。そこを強化しようとして、先ほど言われた、薬液注入と言われましたが、多分これはセメントミルクのようなものを注入するんだろうと思うんですね。これで地盤を強固にするわけです。  そうすると、一つの街区の周りに大体道路が巡っておりますから、ここにセメントを注入していきますと、その自治体において多少多めに、個人の住宅の方にも砂層でありますからどんどんそのミルクが入っていくということで、このブロック全体をある意味升でがっちり囲むような、ちょっとこれは専門家に聞いた話でございますが、具体的に言うとそんなイメージで強固にしていきます。  個人の方々は、もちろんこれ、傾いたりというようなものもそのときに直していかにゃいけません。もちろん、ある一定の規模以上の被害の場合には市のお金も出るでしょうし、保険を掛けているところもあるでしょう。しかし、この公共事業で発注するときに、そういう事業も一体に出すというコーディネートもやることになっております。そういうことをうまく使っていきますと、個人の負担というのは極力低減できます。そして、余り動いていないようなことで、あえて個人的にそんな地盤までやる必要のないぐらいのところもあり得ると思いますので、その場合には余り負担がなしということにもなるかと思います。  その辺はきめ細かく、自治体が進めるに当たって、自治体においても専門的な知識がそれほどあるわけじゃありませんから、そこに専門家もちゃんと入っての委員会といいますか、そういったものをつくらせるように指導をしておりますから、そういう意味では、発注のコーディネーションも含めまして、個人の負担がなるべく掛からないような、そういう支援をしてまいりたい、このように思う次第です。
  132. 行田邦子

    ○行田邦子君 具体的な御説明ありがとうございました。液状化の被害はそれぞれの地域ごとに異なると思いますので、それぞれの地域に対してきめ細かな助言をお願いしたいと思います。  総理に伺います。  今回、全国で二万六千九百十四件の液状化が発生しました。かつてない規模の被害であります。また、液状化についてはその発生のメカニズムが明らかになっていないという面もあります。今後、このような液状化の再発抑制のために国としても全力で取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。
  133. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の大きな地震によって広範囲に液状化が発生をいたしました。それは、行田委員の御地元の埼玉県もありますし、私、千葉県ですけれども、東京湾岸、浦安、習志野、地元の船橋、千葉市、それから利根川流域の旭であるとか香取であるとか我孫子、茨城まで行きました。九都県で八十九町村でございますので、大変広範な範囲で被害が出たというふうに思います。  当面の対策は、今、前田大臣がお話ししたとおりであって、液状化対策推進事業、これ三次補正で措置させていただきました。大事なことは、これは復興交付金と交付税で対応しますので、実質的には地方の負担はゼロであるということは、これは強調させていただきたいと思います。  その上で、今後のこともございますけれども、これ年内に中央防災会議において液状化対策の観点も含めて防災基本計画を見直しをすることとしておりますので、今回発生した液状化に対する対応と、今後のことも考えて全国的に液状化対策の充実を図るための取組を進めてまいりたいと考えております。
  134. 行田邦子

    ○行田邦子君 今回の対応とそして今後の取組といったことも御答弁いただきました。  三・一一東日本大震災が発災してから、私自身は、その直後から民主党の地震対策本部におきまして被災地皆さんの様々な要望やそして支援を求める声を聞く窓口を務めておりました。そうした中で、被災地皆さんから評価、感謝の言葉をいただくのは、それは自衛隊の活動、そしてまた、さらには国土交通省の出先機関である東北地方整備局の迅速な対応でありました。  とにかく搬送ルートを確保しなければいけない、救援ルートを確保しなければいけないということで、一車線でも道を造るといったことで瓦れきの撤去をする、またあるいは道路の応急処置をする。そして、今回の被害が少なかった内陸の国道四号線とそれから沿岸部の四十五号線、この間、間をつなぐ、くし形状につないでとにかく道を造っていくといったこと、これを一週間でほぼ完成させました。私は、様々な御意見もありますが、国民の皆様には是非ともこういった点、評価をしていただきたいというふうに思っております。  そして、それだけではなくて、復興においても迅速に速やかに対応している点がございます。それが三陸沿岸道路でございます。この事業化について、前田大臣、御説明いただけますでしょうか。
  135. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 地方整備局の活躍といいますか、活動を評価をしていただきましてありがとうございます。必ずしも東北地方整備局だけではありませんでして、全国の地方整備局からそれぞれの専門家が結集してテックフォースというような部隊をつくって、そして的確に現地被害等を調べた上で、その対策も直ちに樹立して対応してまいったというようなところがございます。  三陸沿岸道路のお話でございますが、太平洋沿岸軸の緊急整備を重点に進めるべきというふうに復興構想会議の提言がありました。それを受けて、七月一日にルートの具体化に向けた作業に着手し、地域の皆様方の御意見も踏まえて、八月三十日に全く白地にルートを決定するというような、そこまで持っていったわけです。社会資本整備審議道路分科会の事業評価部会の審議を経て、第三次補正予算において新規事業化をしたところでございます。  三陸沿岸部の道路については、御指摘のように緊急輸送路の確保、あるいは防災面のみならず地域産業観光振興沿岸市町村拠点都市相互間の連携強化ということに大きな役割を担い、地域の期待も非常に大きいわけでございます。  私自身も大臣着任以来申し上げているのは、この三陸沿岸道路重要性に鑑みて、とにかく早くつなぐということを指示をしております。もちろん、四車線の立派な道路が完成する、これは理想でありますが、それはもう非常に時間が、財政的にいっても時間が掛かる話でございますが、重要な、しかしこの三陸沿岸道なしにはというようなところは直ちに着工し、四十五号線なんかで使えるところはそれにつなぎ、そして、なるべく早くとにかく機能としてつながるようにするという考えで早期にこれをつないでまいりたい、このように思っております。
  136. 行田邦子

    ○行田邦子君 復興道路である三陸沿岸道路の建設が進んでいるといったことが目に見えるというのは、これは被災地皆さんにとっても希望が持てることだと思います。そしてまた、こうした幹線道路ができることによって、その幹線道路を軸に様々な町づくりや復興事業計画が立てられるといった効果もあるかと思います。  平野大臣に伺いたいんですが、この三陸沿岸道路は国直轄の事業として行っています。この事業を主体的に行っているのが東北地方整備局、出先機関です。このほかにも、東北には農政局とか経済産業局とか様々な出先機関が今現在も実務を行っています。  一方、今回復興庁設置されると、東北三県には復興局が置かれて、そしてこの復興局被災地ワンストップの窓口になるということになっておりますが、この復興局と、それから既にある出先機関との役割分担をどのように考えていますでしょうか。
  137. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 例えば東北整備局、先ほどの三陸沿岸道路などの施工を担っております。あるいは東北農政局、これから代行制度としての圃場整備等々の復興も担ってまいります。こういった実施官庁としての各局、それからあと各自治体からの様々な要望を受けながら、その要望を各局に伝える、あるいは本庁に伝える、あるいは自ら決断しながら自分で決断するものは決断して自治体にそれを伝える、そういう役割復興局が担っていくということになると思います。  いずれ自治体からは様々な要望が出てまいりますので、復興局はすき間ができないように、そして各局は自らの仕事を主体的にやっていくように、そういった環境づくりをするのが復興局役割だというふうに感じております。
  138. 行田邦子

    ○行田邦子君 三陸沿岸道路のような複数県にわたる広域的な事業については、やはりこれは国直轄で行うことが事業を速やかに行うベストな方策だと思っております。しかしながら、このような幹線道路を軸とした地域地域の様々な事業が行われることになると思いますけれども、そうしたときには、復興庁がそのすき間を埋めていく、うまく調整をして連携を図っていくといった役割を果たしていただくことを期待いたします。  それでは、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。  地元の要望を受けてから箇所付け、予算の配分が行われるまでのプロセスについて示されております。これまでは、それぞれの各省で地元の要望を受けて、企画立案をして、予算要求をして、予算の計上をして、そして執行していくといったプロセスになっておりますけれども、今回復興庁ができると、地元の要望を受けてから予算の配分まで、これをもう復興庁が全部やるというふうに理解をしております。  ここで復興庁が行う実務の確認をさせていただきたいと思いますが、まず、この図に示されている予算要求と予算計上の間に、ここには書いてありませんけれども、ここに財務省の査定というものがあるわけです。通常の予算においても、差戻しがあったり様々な修正があって何度もやり取りをするといった作業が発生します。地元の要望を受けてから予算の配分までのこのプロセスをいかに円滑にするかというのは、予算の要求をする手前の企画立案でいかに精度の高いものをつくっていくのかということ、そして、いかに厳しい財務省の査定に堪え得るものをつくっているのかといったことが重要になるかと思いますけれども、この企画立案については、これも復興庁が行うんでしょうか。
  139. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁の長は内閣総理大臣でございます。その内閣総理大臣の委任を受けた復興大臣がこの企画立案を行うことになると思っています。
  140. 行田邦子

    ○行田邦子君 復興庁の長の内閣総理大臣が行うということでございます。  もう一点、確認でございます。予算の配分について、箇所付けという言い方もされますけれども、例えば今回の三次補正では一・九兆円の復興交付金が付けられました。これの箇所付け、予算の配分というのは莫大な作業になるかと思います。この予算配分についても復興庁が行うんでしょうか。
  141. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 基本的にはそのとおりでございます。  そのときに、例えば復興交付金につきましては、あらかじめ配分基準を決めて配分をするということではなくて、基本的には、被災自治体が今復興計画を作っています、そういった復興計画に沿った形で、できるだけその進度を早めてもらうようなことを進めながら予算を付けるという形になると思います。  ほかの災害復旧事業等々についても、あるいは三陸沿岸道路につきましても、今回、衆議院の修正でもって一括して復興庁予算を計上して要求するという形になっておりますので、これについても現地の状況を見ながら箇所付けの予算を決めていくという形、流れになるというふうに思っています。
  142. 行田邦子

    ○行田邦子君 予算の配分のその配分基準についても、公平性の高いものにしていただきたいと思います。  それにしても大変な実務が発生すると思います。野田総理に伺いたいと思います。復興庁は、復興の司令塔として一段高いところで強力な権限も持つというだけではなくて、今答弁にもありましたような様々な相当なボリュームの実務も担うことになると思います。総理が描いている復興庁という組織のあるべき姿、ありようについてお話をいただけますでしょうか。
  143. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、復興の仕事は復興対策本部というところがやっておりますけれども、ワンストップ対応するとか、あるいは今回の修正を踏まえて大幅に実施事務が増えると思いますので、今の復興対策本部を相当に大幅に拡充する体制にしていかなければいけないだろうというふうに思っております。  特に、これ、各府省の制度や復興策に詳しくて、何よりも熱意ある人材を確保したいと考えております。具体的には、各府省からの出向者とともに自治体や民間など幅広く人材を確保して、その体制を固めていきたいと考えております。
  144. 行田邦子

    ○行田邦子君 総理が長となる復興庁ですので、しっかりと人材もそろえていただきたいと思います。  また、組織の大幅拡充ということになるかと思いますけれども、郡政務官に伺います。現在の復興対策本部は全体で、本部と現地対策本部合わせて二百人という陣容ですけれども、これが相当程度増えまして、組織も強化されることになります。この人件費等の事務費については、いつ、どこの予算で計上されるんでしょうか。
  145. 郡和子

    大臣政務官(郡和子君) お答えいたします。  復興庁にかかわる事務費等につきましては、内閣官房に計上されている復興対策本部予算、これを予算総則十二条の規定によりまして復興庁に移し替えるということで対応してまいりたいと思います。
  146. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございます。  もう一点、予算について伺いたいと思います。今回の第三次補正予算で、東日本大震災復興に関する費用というのは、これは復興庁が担うものだけではなく、直接に持つ予算だけではなく、約九兆円という金額になっております。これ、年度内に使い切れないという可能性があると思いますけれども、年度またぎをするのでしょうか、その場合にどのような会計処理をするのでしょうか、副大臣に伺います。
  147. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。  厳しい査定を担当しております副大臣の藤田でございますが、その予算計上に当たりましては、地元の御意向をしっかり受けた予算編成にしておりますが、その予算を編成した後で、いろんな天候の変化があったり、それから地元の用地が取得できないというようなことで人材とか資材が調達できないというような場合がございますが、そのときには繰越明許費という扱いがございまして、これは予算を計上した段階で既に認定を、国会で議決を得ておりますので、それから十分次年度に繰り越して使っていただくというふうに万全の体制を取っております。
  148. 行田邦子

    ○行田邦子君 厳しい査定だけではなく、その付けられた予算がしっかりと執行されているかどうかといったことも、やはりこれだけの金額ですので、財務省の方でチェックをしていただきたいと思います。  国として予算が付けられました。そして、規制緩和の特例や税制の特例といったことが復興特区で行われます。そして、復興庁設置されます。それでもなお、まだやはり被災した自治体市町村においてはやることが山ほどあります。たくさんやらなければいけない業務があります。  今現在も全国各地からの、自治体からの被災自治体への人的支援というものを行っているかと思いますけれども、この人的支援に係る費用なんですが、これが八割は特別交付税措置されています。けれども、残る二割というのは被災自治体が負担をしています。私はこれはおかしいんではないかというふうに思います。  今回被災をした自治体というのは大変財政基盤が脆弱で、それゆえ国がしっかりと財政支援もしなければ復興が進まないということで、今回、政府はあえて様々な復興事業については基本的には全て被災自治体が負担をしない、ゼロ負担と、国が全部見るといった措置をとりました。にもかかわらず、こうした人的支援については二割の費用負担が残ってしまっている。これは早急に変えるべきと思いますけれども。そしてまた、昨日、私たち民主党の方から緊急提言としてこのような内容の提言をさせていただいております。川端大臣、いかがでしょうか。
  149. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 現行の仕組みでは、受入れ自治体の判断で規模、期間含めてやられるということの性格上、現在、一回目手当てしたのは、八割を特別交付税で手当てするということでやらせていただきました。  午前中の御議論でもありました。そして、いろんな各方面からもいろんな御意見をいただいておりますし、党からも御指摘のように強い要望をいただきました。現在、十二月に手当てする特別交付税のやり方について鋭意検討しているところでありますけれども、これまで八割を処置していた派遣職員の受入れ経費につきましては、そういう背景も踏まえまして、御要望も踏まえて、被災団体に実質的に負担が生じないように全額処置をできる方向で最終の調整を行っているところでございます。
  150. 行田邦子

    ○行田邦子君 全額処置ということで、速やかに対応していただきたいと思います。前向きな御答弁をありがとうございました。  被災している市町村においては、例えばこれまで全く行ったことがないような事業、土地区画整理事業など、全く行ったことがないような事業も大量にこれから発生します。ですから、これから更に、むしろこれから中長期的な人的支援といったものが必要になってくると思いますので、是非対応をお願いします。  そして、この人的支援なんですけれども、全国各地市町村からの支援だけではなくて、国の職員の支援ということも私は必要だと思っております。外から助言をしたり、あるいは出張ベースで定期的に訪ねていって様子を見る、手伝うということだけではなくて、国の職員が被災した自治体に、その中に入り込んでいって、市町村の職員と一緒になって汗をかいて地域復興を果たしていく、このような体制を整うべきと思いますけれども、平野大臣、いかがでしょうか。
  151. 平野達男

    国務大臣平野達男君) これまでも、例えば復興計画策定に向けては、国交省の職員を中心とした合同チームを各自治体に派遣しまして様々な支援を行ってまいりました。また、現地対策本部、それから復興本部も現地回りまして、様々な意見を伺うと同時に、様々なアドバイスもさせていただきました。  今後、この復興庁ができましたらば、復興局、場合によってはその出先の支局も含めて、大幅なやっぱり拡充を図る必要があると考えています。そして、この職員が常時自治体を回ると同時に、自治体においては絶対的にマンパワーが不足して、特に国の職員を欲しいという自治体もあります。そういった自治体にも、できる限りという言葉がどうしても付いてしまいますが、派遣するよう努力したいというふうに思います。  あわせて、例えばURさんの活用、それから鉄道機構の活用、それからOBさんの活用等々についても今鋭意検討を進めておるところでございます。
  152. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございます。  是非、全国各地自治体からの派遣だけではなくて、国の職員の派遣といったことも前向きに検討していただきたいというふうに思っております。  ここでちょっと一点確認をさせていただきたいんですけれども、今回、復興局が東北三県に設置されることになります。岩手宮城福島にはそれぞれ復興局設置されます。けれども、例えば私の埼玉県でもやはり被災をしている地域もありますけれども、東北三県以外には復興局設置されません。こうした、埼玉も含めた千葉やあるいは茨城、栃木といった地域についてはどこが窓口になるのでしょうか。
  153. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 基本的には復興庁が窓口になりますけれども、その窓口が誰かということについては、現在でも例えば茨城県等々については担当者を置いております。これからも各県ごとに、各県ごとになるか、何県についてはまとまるか、まとめさせていただくかもしれませんが、窓口ははっきり設置したいというふうに思います。  その上で、必要に応じて合同チーム、派遣チーム、チームをつくって、三県以外の地域にもどんどん人を出したいというふうに思っております。
  154. 行田邦子

    ○行田邦子君 先ほど申し上げた液状化対策もそうですけれども、やはり現地においてしっかりと対応していただける、そのような体制を整えていただきたいというふうに思います。  お手元の資料に戻っていただきたいんですけれども、この手元の資料の左側に地元の要望というふうに書いてあります。地元の要望を受けて、そして予算を要求して計上して予算配分をするという、この一番最初の地元の要望というところなんですが、この地元というのはどこを指すのか、誰を指すのか。それは被災している自治体であることは、これはもう明らかです。  それでは地元の民間企業の要望については誰が窓口になるのか、この点について伺いたいんですけれども、現状は、水産加工業者であれば水産庁、そしてまた、それ以外の中小企業であれば中小企業庁が実質窓口を担っています。そしてまた、二重ローンの問題については金融庁そして中小企業庁が担当しています。また、様々な補助金といったものがありますけれども、厚生労働省や農水省、また国交省といったそれぞれの省庁が担当しています。また、税については財務省です。  このような体制に今なっていますけれども、それが復興庁設置されるとどのように変わるのでしょうか。
  155. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 基本的には、もう復旧復興の主体は被災市町村、そして地元であると。そして、それを各省が自分たちの持っている施策で主体的に支援をするというのが基本だと思います。  その上で、しかしどうしても今回の災害復旧復興を進めるに当たって既存の制度の中では対応できない、あるいは縦割り行政どうしても出てきますからそのすき間に陥りやすいと、そういったものが出てまいりますので、そういったことについては復興庁がきちんとチェックしながら、自治体の要望も見ながらすき間ができないようにしっかり対応していくということが一つと。  それから、先ほども申し上げましたけれども、今回、衆議院の修正で、各省の復旧復興に係る予算については一括してまず復興庁で要求して、箇所付け等々についても復興庁が行うという権限が付与されるという法案で今御審議をいただいています。この予算の一括計上ということが、権限が出てきますと、全体の予算のスケジュール管理、それから復旧復興のスケジュール管理も、今までは復興局、スケジュールは作っていましたけれども実施は各省にお願いしますよという形になっておりましたけれども、それをセットで見れるようにもなります。  そういった意味で、迅速なそして効率的な復旧復興ができるのではないかというふうに考えております。
  156. 行田邦子

    ○行田邦子君 とかく行政が考える地元、地域というと自治体というふうになりがちなんですけれども、民間、地元の民間の要望についてもしっかりと復興庁対応していただきたいと思っています。その点いかがでしょうか。
  157. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 失礼しました、民間についての答弁が落ちてしまいました。  復旧復興における、民間から今様々なアイデアをいただいています。また、実際に地域の中では民間主体で様々な復旧復興への取組がされています。こういった方々の要望それからアイデア、これは基本的には被災自治体をというふうには思っておりますけれども、復興庁にあるいは復興局にダイレクトに来るものについても私どもは窓口を設けて聞いておりますし、これからもできるだけ聞いていきたいというふうに思っております。
  158. 行田邦子

    ○行田邦子君 民間の要望を受ける窓口、体制をどうするのかというのは、私はこれは大変重要な大切な問題だというふうに思っております。  先ほども道路の話がありましたけれども、この復興作業について、事業について、国の直轄事業というのは、これもいろんな御意見がありますけれども、これは進んでいます、進んでいると私は思っております。そして、市町村が担う様々な事業について、これも被災地被災状況によってまちまちではありますけれども、いろんな、国としても支援をして、また復興特区をつくったり、そしてこの復興庁をつくったりという支援をして、また人的支援をして、それでようやく復興の状況、姿というものが見えつつあるというふうに思っております。けれども、残念ながら一番復興の姿が見えていない、遅れているのが民間の部分だというふうに私は思っておりまして、民間企業の再建といったことをしっかりと取り組んでいって、そして民間の企業が再建することによって初めて本当の意味復興がなされるというふうに思っております。なぜならば、民間企業が再建することによって産業が再生される、そしてそこに雇用が、長期的な雇用が生まれてくるからなんです。  今回の三次補正で予算が付きました。そして、これからさらに行政が主体となる公共事業、様々なものがなされるかと思います。そのことによって、短中期的な、また一時的な仕事は確かにこれは発生すると思います。でも、それだけでは駄目なんだと思います。地域に根を張った民間企業の再建がなされて、そしてそこで産業が再生されて、そして雇用を生み出していかなければいけないというふうに思っております。  ここで総理に伺いたいんですけれども、民間企業をしっかりと再建をさせる、そして産業の再生を果たす、また雇用を創出していく、これはなかなか、復興の主体は地域だ、地方自治体だといっても地域だけではやはりやり切れない部分があると思います。ここは国がしっかりと一歩も二歩も三歩も前に出て、政策を打ち出して、そして後押しをする体制を整えるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  159. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 行田委員の御指摘のとおり、被災地における産業の再生と安定して働ける雇用の場を確保するという意味においては、中小企業も含めて民間部門の復旧復興を加速をさせるという観点はとても大事だというふうに思います。そういう観点に立って、そのリード役となり得るような中小企業等グループの施設設備の復旧整備に対する総額千五百億円規模の支援や千七百億円から成る福島向け企業立地補助、また新規立地企業を五年間無税とするなどの多様な復興特区税制や事業資金の融資に対する利子補給などの支援策を総合的に講じていきたいと考えております。  また、今後、「日本はひとつ」しごとプロジェクト、フェーズ3に基づいて、こうした企業立地補助などの産業政策と一体となった雇用面での支援や、若者、女性、高齢者、障害を持っていらっしゃる方々の雇用機会の創出にも取り組んでまいりたいと考えております。
  160. 行田邦子

    ○行田邦子君 もう既に様々な民間企業の再建といったことで支援のメニューを整えていただいているというふうに今御答弁いただきましたけれども、これからさらに民間企業の再建のためには様々な状況が発生し、また問題も発生してくるかと思います。そうした実際の地元の民間企業の声をこれから復興庁がしっかりと吸い上げていただきたいというふうに思います。  私の親戚の大槌に住んでいた親戚は四人とも流されてしまいました。家だけでなく命も流されてしまいました。商売を営んでいたんですけれども、これはもう恐らく再建は無理だと思います。というのは、もう家族全員流されてしまいましたから。けれども、一方で釜石に住んでいる遠縁の親戚なんですけれども、家ごと全部流されましたけれども、でも命は助かりました。生きています。そして、安定的な仕事を得たいというふうに言っております。  千年に一度とも言われるこの大震災が発生してもなおまだ命をつないでいる方々がしっかりとその地域で根差して、また生計を立てて、また仕事をして、そして生活をしていけるような、そのような姿がはっきりと見えてくることこそ復興だと思っておりますので、そういった意味復興庁の果たす役割というのは大変大きいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  このほかにも、復興というのは地域が主体で行っていくということかと思いますけれども、地域復興というのは確かにそうです。けれども、やはり雇用の再生、産業の再生、それからエネルギー戦略の見直し、再生可能エネルギーの件、様々な、国がやはり主体となって政策を打ち出して行っていかなければいけない復興政策事業というのは様々なものたくさんあるかと思いますので、これから国においてもしっかりと方針を打ち出していっていただきたいと思います。  そして、最後に福島について伺います。今回、復興特区制度が施行されることになります。そしてまた、復興庁ができることになります。それでもまだ、福島には特別の対応が必要だと私は思っております。  原発災害については原子力対策本部が担っていますけれども、この復興庁原子力災害対策本部役割分担というのは、今後どうなるのでしょうか。
  161. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁法案では、原子力災害からの復旧復興支援、これについても役割を担うということになっております。  現在は、除染避難区域の見直し、放射性廃棄物の処理などの直接被害に関する事項は、これは原子力災害対策本部が担当しております。復興のための避難者自治体支援インフラ充実産業振興などは復興対策本部が担当しております。復興庁はこの復興対策本部役割を引き継ぐこととしておりまして、復興局はこの役割現地で行うことになるというふうに思っております。  特に、これから、午前中の議論でも申し上げましたけれども、できるだけ早い段階警戒区域、それから計画避難区域の見直しを行わなければならないというふうに考えております。その結果としてどういうことが起こってくるかといいますと、できるだけ早く帰還できるような環境づくり、これは除染が基本でございますけれども、除染だけではなくて上水道の整備、下水道の整備、こういったことも必要になってまいります。こういった支援につきましては、復興庁中心役割を果たすことになるというふうに考えております。
  162. 行田邦子

    ○行田邦子君 福島の地元、現地でたまに聞くこととして、原子力対策本部があって、そしてまた復興対策本部があって、この二つの組織があるんだけれども、どうもその間で抜け落ちてしまう業務があると。どっちも対応してくれないこともあるというような意見も聞かれます。是非今回、復興対策本部から復興庁になるわけですので、こうした抜け落ちる仕事がないように、そのすき間を埋めるようなことも是非復興庁としてはやっていただきたいと思います。
  163. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 大事なことを申し上げませんでした。そういったすき間が出ないようにするというのも現地復興局、そして復興庁の大切な仕事であります。
  164. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございます。  総理に質問させていただきます。  復興事業を行う、それから町づくりを行う、生活の場そして仕事の場を取り戻すといっても、やはり福島においてはいつ除染が終わるのか、そしてまた放射性廃棄物がいつ除去されるのか、また、いつ戻れるのかということが分からない限りは、やはり復興計画というのは立てられないわけであります。  そこで総理に伺いたいんですが、今回復興庁設置されることによって、福島復興のために復興庁がどういう役割を果たすんでしょうか。何が変わるんでしょうか。
  165. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、御指摘のとおり、何といっても事故の収束が大前提だと思いますので、冷温停止状態に向けて年内にそれが実現できるように頑張りたいと思いますし、先ほど平野大臣がおっしゃったとおり、除染を含めて、ふるさとに早く帰れるような環境整備に努めていきたいと思います。  その上で、復興庁ができたことによって福島復興にどういう見通しが出てくるかというお尋ねでございますけれども、復興庁設置法案第三条第一項におきまして、復興庁原子力災害からの復興に関する事務を幅広く担う旨、明記をしてございます。復興庁では、出先機関である復興局市町村からの要望を一括して受け付け、決してたらい回しにせず、自ら各省の出先機関等に対し総合調整を行い、可能な限り現地ワンストップでの対応を行うということとしており、福島においてもこうした復興庁復興局機能が発揮されて、被災自治体復興事業が円滑かつ迅速に進んでいくものと考えております。  さらに、福島再生のための特別法の制定について、現在、原子力災害からの福島復興再生協議会において福島県と協議を行い、検討を行っているところでございまして、同法は復興庁が所管する方向で検討させていただいています。復興庁関係省庁とが一体となった取組によって福島復興再生を力強く進めてまいりたいと考えております。
  166. 行田邦子

    ○行田邦子君 ありがとうございました。  やはり福島には特別な対応が必要だと思いますので、今特別法の検討ということも御答弁いただきましたけれども、私ども民主党からもそうした要望を出させていただいておりますので、是非これは前向きに、そしてできるだけ早く実現していただきたいと思います。  今回、与野党の協議によりまして修正されましたこの復興庁設置法案でございますが、これを速やかに成立をさせて、そして復興庁が十二分にその役割を果たすことによって、被災地復興、そしてそれが日本の再生につながることを期待を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  167. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。  本日は、復興庁設置法案、私は発災直後から自民党の復興に関する特命委員会の座長ということでかかわってまいりました、その立場から質問をさせていただきます。  今回は設置法審議でございますけれども、その前にその基となる基本法、復興の基本法というものの審議もございました。正直申し上げて、この復興基本法、また今回の復興庁設置法、ともかく政府・与党の対応が遅い、そして中身がない、このもう二点に尽きるわけであります。  復興基本法につきましてもいろいろございました、後でも述べます。また、復興庁設置法につきましても、正直言って、復興基本法に法律違反ではないかと思われるようなものが四か月もたって出てくる。正直言いまして、民主党政権の実力の限界はこの程度ということとなればしようがないわけですけれども、本当に被災地の方にとっても残念だなと、かわいそうだなという思いばかりでございます。  まず総理に伺いますけれども、今回、先ほど民主党の提案者、閣法一〇〇%のもの、しかし今回で随分改善されたと、こういう御答弁を聞いておりましたけれども、修正案が百点としたときに元々の閣法は何点ぐらいだったと思われます。
  168. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 復興基本法に私どもは基づいて、復興庁については、例えば復興交付金、復興特区等々を実質的にやっていくということと、総合調整権限も含めてしっかり復興のために資する組織として御提案をしたつもりでございましたけれども、宮沢委員中心となっていただいて今回修正をまとめていただきましたが、そのことによって実施権限においても総合調整権限においてもバージョンアップをすることができたというふうに思っていまして、ちょっと点数で評価するのは難しいんですが、少なくともバージョンアップしていただいたことに心から感謝申し上げたいというふうに思います。
  169. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 私は正直言って十点もないような法案だったと思っているんです。もう落第点もいいところと。完全に赤点ですよ。  復興基本法の方の話に少し戻らせていただきますけれども、復興基本法、私は実は発災直後もう一週間もたたないところで当時の石破政調会長に呼ばれて、復興基本法というものを作らなきゃいけない、よく見通されて、政府の出してくるのは大したことないだろうから自民党でしっかりしたものを作ろうということで、もうそれから四、五日後には骨格をまとめて、政調会長に御相談して、大体まとめたものを、もう四月の初めには自民党党内手続がある程度、骨格というか基本的考え方ということで、いつでも法案になるような形にまとめておりました。  基本法、実は出てきたのは連休明けだったと思います、政府の案が。正直、見たときはびっくりしました。阪神・淡路大震災のときの基本法の焼き直しそのもの。しかも、阪神・淡路のときは発災後一か月ちょっとで成立しているわけです。それが二か月たって出てきたものは、恐らく気の利いた内閣官房の役人であれば発災後一週間で恐らく用意していましたよ、あの程度。それが、党内議論もされたんだと思いますけれども、二か月たって出てきたというのには正直言ってびっくりいたしました。  当然のことながら、阪神・淡路も大きな震災ではありましたけれども、今回とはいろんな意味で、その規模、また大きさ、また原子力災害等々といった意味で違います。違うからこそ、我々は十年間という時限、もう時間を区切って強力な役所をつくる、スーパーエージェンシーをつくって、そこでもう一手に引き受けて全てを片付ける、短期間で片付けるというような復興庁をつくるとか、また復興債を発行する等々、財源もこれ今大変なときですから、財源についても触れる、また、特区というものも必要だということで、特区も当然書き込ませていただいた。  そういう案を用意していたわけですけれども、五月の初めに政府案が出てきて、一か月ちょっと修正協議をいたしました。その修正協議、藤村官房長官が当時与党の筆頭理事ということで参加をされて、余り具体的な中身のところは御指摘でなかったけれども、恐らく全部フォローをされていたわけですね。その結果、復興庁をつくるということになった。  復興庁は、当初の復興本部が持っていた企画立案とか、また総合調整という事務だけではなくて、二つ目の大きな柱として施策の実施というものを入れた、強力なまさに復興庁ができることになった。それに参加を藤村長官はされていて、一方で今回復興庁設置法をまとめるときには官房長官という役割で閣議に参加されているわけですけれども、私は藤村長官の責任、この十点しかない法案が出てきた責任は大変大きいと思うんです。ちょうど、まさに復興基本法の修正に参加をされて、平野大臣がまとめられた今回の設置法を見たとき相当びっくりされたと思われたんですが、どうですか。
  170. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 宮沢委員、今御案内いただきましたとおり、復興基本法の審議におきましては、私は衆議院の側の復興特の筆頭理事ということで、自民党筆頭理事は額賀先生でございました。そして、その修正を行うということで、参議院からは宮沢委員にも御参加をいただいて非常に熱心に議論をいただいたということにまた改めて感謝を申し上げたいと存じます。  そして、その基本法のところで、今回復興庁法案の今審議ですが、復興庁というものについても様々議論をされておりまして、その後の復興特、衆議院の中でもスーパー官庁という言い方もよくこの委員会でもされておりました。私も、そういう意識というのは強く持っていたところでございました。  出てきたものがとおっしゃったんでちょっと申し上げますと、スーパー官庁をつくるというのは、口では易しいんですがやっぱりなかなかこれ大変なことだなという一つ思いと、それから何よりやっぱり、先ほども出てくるのが遅いとお叱りを受けましたが、これやっぱり相当急いでやらないといけない。議論の中では年内に本当に復興庁をつくるぐらいの勢いの議論でございましたんで、その両者をかみ合わせて、やれるところを一生懸命役所にはしりをたたいてやっていただきながら、その間にもいわゆる特区法とか、これ復興特区法案を先に国会に出すなどもございましたんで、それら両方をてんびんに掛けながら出てきたのが、今十点とおっしゃったんで、私はまあ今回修正をいただくということで、それを百点としたら、総理はもうバージョンアップという言い方をしておりましたが、少なくとも私の気持ちとしては本当によくここまで百点に仕上げていただいたなという気持ちがいっぱいでございますが、そういうちょっと複雑な気持ちの中で政府の原案といいますか、は出させていただいたということは是非御理解を願いたいと存じます。
  171. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 修正協議というのも、正直言いまして、我々野党の修正協議者が民主党の方と交渉するというよりは、嫌がる役所のしりをたたいて実はまとめたものが今回の修正案なわけですけれども、平野大臣、元々の政府案、基本法にある施策の実施と言えるものは何が入っていたんですか。
  172. 平野達男

    国務大臣平野達男君) この復興庁の組織を考えるに当たって、実施権限をどこまで持ってくるかということについては私なりにもいろいろ考えました。  その中で、前の委員会の御答弁でも申し上げましたけれども、各事業を所管をするということは、これは所管できたら権限の一元化になりますからいいという面がある一方で、二重行政になってしまうという可能性があるということ。それから二つ目は、発注権限まで、例えば直轄なんかは復興庁でやることになるんだろうと思います。そうしますと、そのための部局をつくらなければならない。それから、補助金を支出するということになりますと、そのための部局をまた新たにつくるということになりまして、今、霞が関全体も様々な仕事に取り組んでいる中で、その人を割いてそこに部局をつくるということは、私は行政コストの面からいってもかなり割高なものになってしまうんではないかという、そういう感じを持っていますし、今でも持っております。むしろ、各省の様々持っている力、能力、要するにスタッフ、これを使いながら事業実施を進めていくということの方が効率的ではないかという前提で今回の復興庁の法案を出させていただきました。  ただ、実施の面につきましては、最終的には復興特区とそれから復興交付金制度については復興庁中心となりますが、ほかの例えば災害復旧事業それから直轄事業につきましては予算一括計上という、これはちょっと私も想像していなかった新しい案を出されまして、私も正直言ってこれはびっくりしました。こういうやり方あるのかなということで。  こういう権限をやっていただきましたので、全体のコーディネートはしますが、実施そのものについてはやっぱり各省の今、力を借りると。各省の自主的な取組を借りながら取組を後押しするという形になっておりまして、そこの部分は当初の考え方どおりになっているという面もあるということもちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
  173. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 政府の当初案では、よく読むと、まさに復興庁が持っている権限、実施権限というのは実は五十億しかないんですよ、本当は。まさに平野大臣のポケットマネーみたいなものですけれども、調整費という何でも使えるお金五十億、これだけです。  交付金、おっしゃった特区に関係して一兆五千億幾ら積んでありますけれども、交付金も実は各省に戻して使うような話ですから、実際に復興庁のものと言えるかどうかというのは怪しいところがあるわけです。しかも、これ、例えば来年度、二十四年度交付金って要求されていますか。
  174. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今のところ事項要求という形になっております。今回はかなりの額、一兆五千億というかなりの額を計上しておりますから、まずはこれを今年から来年にかけて、来年にかけてというのはまだ、今言うのは、結論は早いんですけれども、しっかり使っていただくということがまず基本になるかというふうに思っております。
  175. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 そうなんですよ。交付金も恐らく来年度はない、ゼロに近いような額だろうと私も想像しています。  ともかく、この政府案というのは、いみじくも大臣もおっしゃいましたけれども、つかさつかさというか各省に仕事してもらうというふうになっている。逆に言えば、これ役所が、ともかく役所間の調整を最も少なくする、波風を立てない、そうして作り上げるとこういう復興庁になるという案だと私はもう思っております。  今、こういうアイデアがあったとは思わなかったと。もう私どもは最初から予算というのが一番大事な権限で、これはしっかり握らなきゃいけない、しかも予算が素通りしちゃいけないと。配分しなきゃいけない。ここはしっかり復興庁が持ってなきゃいけない。  一方で、契約をするとか発注するとか、トンカチで造る、これはほかの今ある例えば整備局を使えばいいんであって、その使い方はいろいろあるかもしれないけれども、使えばいいんである。予算はしっかりと、こういうことを実は最初から申し上げてきているんですが、この復興庁設置法案を作るときに、大臣、それなりに指示はされたんですか、下に。役所に言われるがままだったんじゃないんですか。
  176. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 私も農水省で二十四年間仕事をさせていただきまして、専門が土地改良でありました。ですから、どういう形で災害復旧するのか、復興するのか、組織でやればいいかについては私なりの考え方も持っていたつもりであります。  そのときにやっぱり思ったのは、総合調整機能が大事だということであります。阪神・淡路の例がさっき出されましたけれども、例えば阪神・淡路の港、港湾の整備は、当初三年を、亀井国民新党代表常々おっしゃいますけれども、私の一言で二年にしたんだということは頭に入っておりました。  ですから、当初、私、復興支援本部に入ったときも、まずは大事なことは道路の復旧、それから港湾、特に港湾の場合はもう物流の拠点でありますから、これが大事だということで、この計画策定を急いだらどうでしょうかということで当時の大畠大臣に申し上げましたよ。大畠大臣もそのとおりだということで、港湾については、仙台港の一部を除いて二年間で大体機能を復旧させるという計画になって、今その方向で進んでいます。  そういったことについては各省がもう主体的に主体的にやってきていますので、この主体性をやっぱり生かすということも大事でありまして、これをやっちゃうと縦割り行政が出てしまうんじゃないかという懸念も出てきますが、確かに自分のところだけ見ていますと、どうしてもすき間ができます。だから、このすき間は復興庁復興本部がきちっとふさぐということで、今でも復興本部の大きな仕事は、このすき間をどうやって埋めるかということになっているというふうになっておりますけれども、このことは復興庁になっても引き続きしっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。  質問に対する答弁になったか、ちょっとあれですが。
  177. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 私は復興庁設置法作るに当たってどういう政治主導、指示をされたかという質問をしたんですが、まあそれは結構でございます。  元々の政府案ですと、まさに今も大臣おっしゃったんですけれども、例えば復興のための道路を造るというときに、復興庁にも少し顔を出すかもしれないけれども、国交省道路局に各市町村さん、自治体の長は陳情に行かなきゃいけない。まさに二重行政そのものでありまして、先ほどすき間を埋めるとおっしゃったけれども、要するにすき間をつくらないようにするためにはどうするかというのが復興庁設置の意義そのものでありまして、本当に何とか修正が合意できて良かったなと思っています。  民主党の議員の方と個人的にいろいろ話をすると、基本法についても、今回の設置法についても我々の考え方に近い、自分もそう思っているんだという方がたくさんいらっしゃるんです。ですから、恐らくそういう議論をされていたにもかかわらず、政府・与党でまとめて出てくると、本当に先ほど申し上げたように遅い、中身がない、本当に残念で仕方がありません。  ちょっと時間も限られているものですから、提案者、自民党の提案者の方に少し修正案の中身だけ確認をさせていただきたいと思っております。  四条の第二項、第一項ですか、行政各部の事業を統括し及び監理することと、復興庁に大変強い権限を任せたはずでございますけれども、そういうことでよろしいのか、答弁いただきたいと思います。
  178. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) 法律に詳しい宮沢委員中心になって作られた修正案でございますので。  この趣旨でございますけれども、統括し監理するということの意味合いは、復興庁が各府省より一段高い立場から復興に関する事務を総合的に締めくくり、これを指導、統制すると、そういうことでございますので、言わば復興の全プロセスを総合監理する、そういうことを意味するものと受け止めております。
  179. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 それでは、同じ四条第二項の三号に関して質問いたしますが、イのところに、まず復興に関する事業のうち政令で定める事業に必要な予算を一括して要求し、確保することと、こう書かれているわけでありまして、中身は実は政令に委任されておりますが、復興に関する予算はほぼ全て政令で書き込むと、こういうことでよろしいわけですか。
  180. 加藤勝信

    衆議院議員加藤勝信君) 宮沢委員にお答えいたします。  今るる御議論があったように、そもそも復興基本法では総合調整とそして実施権限と、ところが設置法案には出てこなかったということで、いろいろ調整した結果、予算の部分については復興庁でということになったわけでありまして、ただ、その予算の部分は政令で定めると、こういうことになっておりまして、例えば第三次の補正予算、これはまだ復興庁がありませんから実際は復興庁予算になっておりませんが、それを前例に言いますと、例えば松島基地で壊れてしまったF2戦闘機、これの修理費などはこれはなかなか復興庁の事務になじまないであろうと。それから被災地以外で全国で展開される防災事業、こういったものも除外されるのではないかと思いますが、それ以外のものについて、例えば交通網を整備するとか、あるいは地盤の沈下、液状対策といったいわゆる公共インフラ、ハード物、それから地域における暮らしの再生とか、あるいは地域経済活動の再生に関するソフト事業など幅広いものが、これが具体的に政令に列挙していくということになると思いますし、また、当初政令にあるもの、また更にどんどんどんどんいろんな要求が出てくると思います。それを追加的にしっかりと政令に追加をしていただきまして、基本的には復興に関する事業を漏れなく復興庁予算が担当できる、こういうふうになっていくものと考えております。
  181. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 ロの方には、イはこれ予算を一括して要求し確保することでありますけれども、ロの方では公共事業その他の政令で定める事業実施に関する計画を定めることということで、いわゆる公共事業とか学校などの施設費系については箇所付けという作業が予算の場合あって、予算の額が決まっても場所をどこにするかということがその後決まってくる。逆にこれは大変大きな権限になってくるわけですけれども、これも実は政令で定めるということで、法律ができた後、ある意味で役所が作るということになっていますけれども、この政令で定める範囲というのは、被災地に関する全ての公共事業、また施設費といったものが被災地に関しては全て入ってくるというふうに解釈してよろしいのかどうか。
  182. 加藤勝信

    衆議院議員加藤勝信君) 先ほど復興庁の所掌する言わば予算の範囲を申し上げましたけれども、その範囲の中で、いわゆる財政法上、支出負担行為の計画を作らなきゃいけない、これがここで政令で定めることに、こういうふうになるというふうに思っております。  更に申し上げますと、実施計画を作らない予算もございます。そういったものについては、復興庁において、例えばAという町、Bという市について幾らずつ配るということまで決めた上で担当する省庁に予算を配分する、こういうことになろうかと思います。
  183. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 テレビを見られている方は随分細かい質問をしているなと思われるかもしれませんが、実は政令で定めるということは行政府にお任せするということでありまして、時々役所の組織というのはずるをしまして、大体全部定めると説明しながら実は余り定まっていなかったりするものですから、やはりこのまさに提案者の意思というものをしっかり政府が受け止めて、そして政令を作っていただく。その確認を平野大臣にいたします。
  184. 平野達男

    国務大臣平野達男君) おっしゃいますように、政令は政府に委ねるということになりますが、今回のこの政令は法案修正によってできた政令でもございます。この政令を定めるときに当たりましては、少なくても修正案提出者等々のお考え、こういったこともしっかり踏まえた上で政令を定める必要があるというふうに考えております。
  185. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 それでは、次の質問に入らせていただきます。  実は、復興本部ができてもう既に五か月以上たつわけですけれども、実は私、一つ大変不満を持っていることがございます。それは、基本方針が政府で七月末ですか、定められた、また今回三次補正予算が出てきた。それぞれ復旧を中心として手当てをされたり、基本方針に書かれたりしているわけですけれども、実は、基本法に戻りますと、基本法の一条の目的のところには、「復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的とする。」ということ、まさに復興推進と活力ある日本の再生を図ると、こういうことを目的とすると書かせていただいております。また、その第二条の基本理念のところにも、復興のための施策の実施により、途中省略しますが、「二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべき」であること、復興の施策は二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべきことと。まさに東北の復興がなければ日本の再生はない、日本の再生がなければ東北の復興はない、この復興を日本の再生につなげていくという意気込みがこの基本法に書かれているわけですけれども、残念ながら、今までの仕事ぶりを見ていますと、復旧ということはそれなりに着実にやられているわけですけれども、こういう夢を持ったビジョンといったものが正直言って全く感じられないわけです。  今までのまさに基本方針、これは前の菅内閣でつくられたわけですが、総理は重要閣僚でいらした。そして、三次補正は総理として出された。正直、今までの基本方針なりから日本の未来って見えてきますか、総理。どう思われていますか。
  186. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本の未来、あるべき姿もありますし、予想される姿もあると思うんです。予想される姿は、一つは、少子高齢化が進行して人口減少社会になっていくという中で、やっぱり高齢化を前提した一つのコミュニティーをつくっていこうということを考えて、被災地のいろんな復興計画もありますけれども、そういうものはこれから推進することができると思います。  それから、やっぱり、エネルギー事情がだんだん厳しくなっていくという中で、これは省エネとそして持続可能な再生エネルギーに向けてのシフトをしていくということ、そういう取組も今回は被災地でどんどん先進的に取り入れていただく等々は、私は今の法律の精神に基づいて、復興の基本方針に基づいた動きとして注目をしているところです。エコタウンの動き等々もございます。  あわせて、一つは、地域主権という言葉を使うと御党からよく怒られますけれども、地域主権戦略大綱というのを私ども持っている中で、地域主権、地域のことは地域で決めていくという中で、今回の復興交付金であるとか復興特区とか、先駆けとなる制度も大いに今回取り入れて復興のための道具立てになっているということは、これからの国の姿、あるべき姿も踏まえた私は対応になっていると思っております。
  187. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 少子高齢化の進展等々といっても、私は、二十一世紀半ばの日本のあるべき姿という、正直言って夢を政権に語っていただきたかった。日本が三十年後、四十年後、どうやって生きていくのか、こういうことなら生きていけるんだというものをやはり少し示していただいて、それをやはり東北で実践してほしかった。ただ、残念ながらそういうわけにいっていないというのが正直な印象であります。  例えば東北一つ取っても、私には、あの基本方針を読んでも、東北地方というのが全体としてこういう地域になるんだという姿が見えてこないんです。それぞれ被災地市町村というのは千年、二千年の歴史の中で出てきた集落から始まっているわけですけれども、一方で、戦後、東北新幹線というものも走り、また東北自動車道というのもできたりということで、交通網だけ取っても非常にこの五十年で大きく変わってきている。そういう中で、じゃ一番すばらしい交通ネットワークは何なのかという発想が私はあって当然だと思っていたんですけれども、そういうものが実は全く見えてこないというのが、発災後もう八か月、九か月というときの今の状況だと思っています。  今の基本方針、また三次補正を経て、例えば岩手県の未来、東北の未来が見えてきたと思われていますか、平野大臣
  188. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、復興に向けては二つの側面があると思います。一つは、将来を見据えたビジョンをどう描くか。その中では、私も、一つはやっぱり高齢化社会に対応したコミュニティーづくり、これは大きなテーマだと思いますし、先ほど総理が申されましたように、再生可能エネルギー、あるいはエコタウン、こういった構想も大事だと思います。  しかし、その一方で、自分たちの町をどうやってつくっていくか、そのことをずっと煎じ詰めていきますと、町づくりをどういうふうにするか、そしてさらにその背後にあるのは、自分が今まで住んでいたところをある程度捨ててといいますか、住めないというふうに覚悟して新たな場所に住んでいくという、これは高台移転という言葉で総称されるわけですけれども、これは現地人たちにとってみますと、例えばエコタウンとか再生可能エネルギーとかそういう問題以前に、自分の生活をどういう、これから変えていかなくちゃならないか、どういうふうに変えていくかという、本当に、何というんでしょうか、生の問題という言葉が適切かどうか分かりません、本当にある意味で希望に燃えると同時に、厳しい判断をしなくちゃならないという、そういう面もございます。今、地元の方では、どちらかといいますと、そちらの方にかなりのエネルギーが割かれているというふうに思います。  これがある程度進みますと、じゃ次のステップとしてどういう町づくりを将来に向けてやっていくかという発想が必ず出てくると思います。そのためのいろんなアイデアもいただいております。しかし、その以前に、自分たちの住宅をどうするか、それから行田委員から御指摘がありました働く場をどうするか、この基盤をまず固めるということに今地元の人たちの、地元というか、かなりのエネルギーが割かれているということも是非御理解をいただきたいというふうに思います。
  189. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 ですから、そこが残念なんですよ。町づくりしか見えてこないんですよ、大臣のお話聞いていると。要するに町と町との関係、また幾つかの大きな地域市町村含めた、地域地域関係、また県境を越えた関係、そういうものをやはりしっかりと復興庁としてやっていくということは私は大変大事なことだと思っておりまして、それが全く見えてこないということが、発災後もう八か月たつのにということで大変残念に思っておりまして、そこはしっかりやっていただかなきゃいけないことだと思っております。  そろそろ時間も終わりになってまいりましたけれども、私は、平野大臣、大変すばらしいお人柄、いい人だと思っているんです。また、実務家としての能力も大変私は評価をしています。ただ、正直に申し上げて、復旧には向いておられるんですよ、復旧には。しかし、復興ということになりますと、これ余りお人が良過ぎて、これは向いていないんじゃないのかと。  後藤新平という方が帝都復興院を関東大震災の後発案してということですけれども、まあ大風呂敷と言われたりしていますけれども、後藤新平さんという方は、ちょっといろいろ調べてみますと、決していい人と言われるような方ではなかったようでありまして、私は、本当にこれからのことを考えると、平野大臣の今までのやり方では私は復興はできないんじゃないかと思っているんです。  大臣はまさに平時の方です、大変な実務家です。しかし、今は非常事態であります。今までになかったような復興を成し遂げていかなければならないというときに、余りにも人が良過ぎるのではないのかなという実は心配をしております。  野田内閣にはいろんな問題の閣僚がいらっしゃいました。お辞めになった方もいれば、マルチと大変仲のいいと言われている大臣もいらっしゃるし、素人の防衛の大臣もいて、もうこういう方は当然問責に値するわけで、平野大臣は問責に値するような大臣じゃないことは全く分かっているんですが、一方で、じゃこれから復興庁ができる、復興大臣というものが置かれる。野田総理は、ですから、余り人を見る目がある総理だと私は思っていないものですから大変心配しているんですが、平野大臣復興大臣に私は横滑りさせない方がいいんだろうと思うんです。平野大臣は有能な方ですから、一人閣僚枠増えるならそれをやっていただければいいんで、私は、平野大臣以外で適任の方は恐らくいらっしゃるんでしょう、やはり復興というものができる方。もっと言えば、平野大臣被災地の御出身であるということが逆にある意味では制約になっている部分が間違いなくあるんだろうと思います。細かいことが見え過ぎてしまう。かなり大局的な判断を復興についてはしていかなければいけないはずでありまして、そういう意味で、平野大臣以外の復興大臣を任命する気はありませんか。
  190. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) この法案が成立をさせていただいた暁、そして復興庁が本当に立ち上がるときに正式に判断をしたいと思いますけれども、私は平野大臣の評価は、私は、真面目であることにこしたことはないということと加えて、何よりも被災地皆さんと、あるいは被災自治体皆さんと本当に意見交換をたくさんやっています。そういう聞く耳を持ちながら対応しているという意味で、私は評価は高くしているということでございます。
  191. 宮沢洋一

    宮沢洋一君 総理に是非大局的な御判断をお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
  192. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 関連質疑を許します。佐藤信秋君。
  193. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。宮沢洋一議員の関連で質問させていただくという機会をいただいて、ありがとうございます。  最初に、三月十一日に大震災が発生して、津波原発事故、それ以来、日本の国民の皆様もいろいろ危機管理とかいろんな面で意識がお変わりになったというふうなこともあろうかと思います。そうしたことを踏まえながら御質問させていただきたいと思うんですが。  自民党は発災後すぐに、今、宮沢議員が申し上げたように、復興基本法もう、再生基本法ですね、すぐ準備しました。そして、何よりも国が責任も費用も持つと、この姿勢でいきましょうということをさんざん呼びかけて、行動もしました。私自身も、三月の二十二日でしたか、当時、野田総理、財務大臣でいらっしゃいました。先ほどおっしゃった、地方に費用負担をさせようたって無理なんです、地方の負担をゼロにしましょう、三月二十二日に申し上げました。なかなかうまくいきませんでした。ずうっと断られ続けましたが、今度の三次補正で、内容的には地方の負担はゼロにしようと。これ、実は七か月掛かっているんですね。遅過ぎる。遅過ぎる。もっと早くそういうことを明確にしておけば、地方市町村長や知事がもっと早く動けるんですね。  私、ずっと週に一回ぐらいの割合で被災地に行かせていただいています。もう三十回を超えました。市町村長や知事と大体会って、いろんな相談をします。そこが言っていたんですね、税金が入りませんよと。地方税入るわけじゃないですよね、被災地は、三県特に。予算がありません、動きようがありません、それぞれの役所の、役場の財務から言われるんですね。動けないんです。そこで一つ遅れが出てきた、随分。七か月遅かったと、こういうふうに申し上げておきたいと思います。  ただ、その後、先ほどの基本法じゃないですけど、野党が一生懸命汗かかせていただきながら、議員提案、たくさん出させていただきました。実は質問の順番、資料が四になっているんですけど、一番後ろ。資料四をちょっと御覧いただいた方がいいと思います。(資料提示)  これ、野党が主になって、自民、公明、その他野党が主になって議員立法を提案して、そして成立したもの、十一本挙げさせていただいています。今回のこの復興庁の法案ももちろんそうですが、おととい成立した特区もそうです。再生基本法の中に野党提案で入れてあるんですね。そのほか、見てください、原子力損害賠償仮払い、あるいは瓦れき処理、あるいは二重ローン救済法、全部野党が提案させていただいて、で、委員長提案としてまとめていただいた。  こういうことで、要は、やっぱり復旧復興という面でいえば、制度、仕組み、予算体制、こういうことをそろえていかないかぬので、これだけはすぐにというので大急ぎで野党が用意して、そして与党も最終的には乗っかっていただいてというので、この十二本。要望しておきますが、このうちの一本、私学助成の災害復旧、私立のですね、ここだけ参議院通過したけどまだ通っていません。残りは全部通っています。  そこで、総理、やっぱりこういう制度、仕組み、法律復旧復興に向けて変えていく、これが議員立法で、議員提案で随分進んだ、結果としては。全体の速度は物すごく遅いですけど、こうした議員提案がベースになって進んだ。このことについての評価を、総理、一つ最初に伺います。
  194. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 佐藤先生御指摘のとおり、例えば議員立法では、これは復興基本法、瓦れき処理法、二重ローン等々ございました。それから、議員修正という形で復興財源確保法、復興特区法、そして今御審議いただいているこの復興庁設置法案と、などなどですね。野党の皆様の御協力もいただいて復興のための道具立ての制度設計、大変すばらしいものを作っていただいていることを感謝申し上げたいと思いますし、加えて、予算も、一次、二次、これ復旧でした。そして、今般の三次、本格的な復興予算、これらの中身についても様々な御提起をいただきました。それの実現をほとんどできているものもあると思いますし、また次の予算に反映しなきゃいけないものもありますが、たくさんの御提言をいただきました。それから、三月二十二日の御審議の御紹介もございましたけれども、実質的に地方の負担をゼロにする工夫もお知恵をお借りしながらやらさせていただきました。  復旧復興という、我が国にとってのまさに国難とも言うこの状況において、党派を超えてみんなが力を合わせていただいている、そのことには深く感謝を申し上げたいと思いますし、これからも御提起をいただければと思います。
  195. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 ということで、これからもと。引き続きですね。  これ、「前へ」という本、御覧になったことはありますかね。副大臣は。平野大臣は。  これ、自衛隊とか整備局、それから現場の、現地の建設会社などなどが、先ほど行田委員の、五日間ぐらいで全部道路を切り開いていった、自衛隊が大変苦労しながらいろいろ救出活動をやってくれた、そういうことが書いてあります。後ほどお贈りしますが、キーワードは前へだと思うんですね、今は。  したがって、これから必要な法律なんかも閣法でどんどん出してください、閣法で。このぐらい議員立法に頼った復旧復興というのは私は恐らく歴史に残ると思います。出てこないんですから、内閣から。是非これから前へと、頼みます。  そこでなんですね、修正案の自民党の提出者に伺いたいんですけど、さっき申し上げましたけど、今回のこの復興庁の法案と、それからおととい成立した復興特区、これいずれも、これだけはやろうというんで復興再生基本法の中に野党提案で入っていたと、その内容を具体化しようとしたらこうなってきたと、大きくとらえればこういうことだと思いますが、いかがですか。
  196. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) 委員指摘のとおり、元々、復興基本法案政府の原案には復興特区もありませんでしたし、事業実施の権限を持った復興庁、そういう考え方もありませんでしたが、与野党協議を経て、それらを組み入れて委員長提案の議員立法として成立したのが東日本の震災復興基本法でありました。したがって、その基本法を受けて特区法案そして今回の復興庁修正法案、これができたものと考えているところであります。  基本法どおりの理念で出していただければ我々修正者もここまで苦労せずにもっとスムーズに法案が通ったのではないかと、そう思っているところでございます。
  197. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 ありがとうございます。  という意味で、今度はこの復興庁の方の修正の基本的な考え方、先ほども議論ありましたから、あとポイント、例えば二点、三点、是非簡潔にお願いします。
  198. 加藤勝信

    衆議院議員加藤勝信君) 佐藤委員にお答えいたします。  大きく言うと三つあるんではないかと思います。  一つは、今これ議論がありましたように、復興に関する予算について一元的に復興庁で監理をするということでございます。それからもう一点は、復興庁がいわゆる統括、監理ということで、普通の関係省庁より一段高い立場から指導監督をし、復興事業全体に係るプロセスを監理をしていくと。もう一つ挙げますと、復興庁の勧告について関係行政機関の長がその尊重義務を付加するということで、総合調整機能を行う権限をより高めると、こういう形でまさに復興庁そのものが復興全体の中で国の中核として対応できると。  それだけではなくて、更に言えば、復興局とか支所が設けられると思いますから、そういった組織がそれぞれの被災地域においてその機能を十二分に発揮できるように修正させていただいたと、こういうことでございます。
  199. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 ということで、是非、成立した暁には、総理及び復興庁大臣、まあ先ほど来のお話でどなたがおなりになられるか分かりませんが、有効にこれをしっかりと、この復興庁という組織、仕組みを使っていくというのが大事だと思います。  総理、一言評価をお願いします。
  200. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 修正の中身は今加藤先生お話しのとおりだと思います。実施権限が相当強まったこと、総合調整権限も、今勧告権のお話がございましたけれども、これもより実効性が担保されたこと、それからもう一つは、やっぱり大臣、副大臣、副大臣は二人でありますけれども、行政改革の観点もあるでしょうけれども、大幅な実務が増える分、そういう形の拡充もお許しをいただいたことであります。  そうした修正の趣旨を踏まえて、早急に復興庁を立ち上げて、本当に力強く復興ができるように頑張っていきたいというふうに思います。
  201. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 そこでなんですね、今、体制、仕組みというか、誰がどういう、さっきの事業実施の話もありました、誰が事業実施するか、仕事をやっていくか、予算配分していくか。これは復興庁で強力に調整していただけるということで安心していますけれども、実はちょっと現地で困っているのが除染なんですね。困っていることたくさんありますよ、たくさんありますが、除染の問題でいきますと、警戒区域それから計画避難区域、これ、国が直轄でやることになっていますね、国が除染を。これは、それこそまたこれも議員提案で放射性物質の汚染に対して特措法を作って、そういうことにしましょうと、こうやりましたが、復興庁と、ができたときですよ、環境省とどっちが直轄の除染の主体になるんだろうな。一つ最初にこれをちょっと伺いたいんです。
  202. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 佐藤委員にお答えいたします。  除染については国の責任でもう全力で取り組んでいくというものであり、具体的には、関係省庁から人材面も含めて協力を得ながら、環境省が中心となって必要な措置を講じていくということになっております。
  203. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 環境省がしっかりやっていただくと。  そうすると、ちょっとワンストップのサービス図を。(資料提示)  これまだいろいろ議論あるとは思いますが、環境省が本当に地方の出先をしっかりと形成しながら直営でやっていくというか直轄でやっていく、それはそれで一つのやり方だろうとは思います。  次に、それ以外の部分は、いや、これもたくさん問題あるんですよ、実際やっていこうとすると。ただ、それ以外の、今既に、大急ぎで今やらなきゃいけないと、こういう問題を市町村長や知事は抱えているんですね。ほかは、さっきの警戒区域計画避難区域以外は、まず市町村長さんやってくださいですよね、今は。それで国が代行することもできるのはできる。ただ、何分大急ぎですから、今実際住んでいるんですから。それから、警戒区域避難区域も大急ぎで戻れるようにせないかぬ。今でもすぐ手を付けるべきではあるんですね。  問題は、これちょっと、せっかく総理に対する御質問なのでちょっと聞いておいていただきたいんですけれども、どうやったら市町村長は除染を、国もそうなんですけれども、本当は。除染をどんなやり方で、幾らぐらい費用を掛けたらどのぐらい効果があって、これがどうやって判断できるか、今、市町村長がですよ、判断できるかどうか。ちょっと教えてください。
  204. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 佐藤議員にお答えいたします。  現在では、除染の方法でこれが一番いいというふうに確立されたものはまだ残念ながらございません。今、内閣府の予算ではございますけれども、モデル実証事業というのをやっております。その中で、どういう方法でやればどうやって下がっていくのかという今モデル実証実験を、今までは非常に小さい範囲での除染でしたけれども、初めて広い大きな面的な範囲での除染を行うことになりました。また、今月中には環境省から除染のやり方のガイドラインにつきましても県やあるいは市町村に対してきちんとお示しをさせていただきたいと思っております。
  205. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 せっかくお答えいただいたんですけど、多分ガイドラインも実際使えません、現地では。それは市町村長、実際やる立場になっている人の言うことをよく聞いてもらわないと。どのぐらい費用が掛かってどういう効果があってというある程度の目安、あるいは実証的、実験的にやるんだからどんどんやってくださいと、市町村長が、国も一緒にやりますと、先頭に立って一緒になってやりますと言っていろんなことをやってみないと、これガイドライン作ったら終わるというものじゃありません。何度も作っているんですから、ガイドラインはね。それで、除染技術カタログというのもあるんですよ。どうやったらいいと定性的なことが書いてあるだけですから、これ市町村長がやれるかといったら、全部、いや、これでやれといったって無理だわなと、こういう話になっている。  だから、市町村はもちろんどんどんやってもらう。国も一緒になってどんどんやって、いろんなデータベース蓄積していく、今はその時期だ。九か月もたって、遅過ぎる。国が先頭になって、みんなと一緒になって、あなたたちはじゃこういうことをやってみてください、こういうことを我々はやりましょうと言ってどんどんと実証を重ねていかないと、これ多分、このままだとあと半年たったってどうやってやったらいいか、出てきません。総理、決意を。
  206. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) この委員会に入る前にちょっと委員長ともこの件については意見交換をしていました、除染の問題について。現地をよく御存じなので。  そこで、もう本格的にこれからやっぱり除染を国が前面に出てやっていかなければいけないんですが、まだそのやり方、知見がまだ十分出てきていません。ということは、もっと実証をやらなければなりません。ということが一つある。これはもう委員の御指摘のとおりです。  それをやっぱりデータベース化して、今もやり方はホームページなんかで公表していますけれども、これは現地ですぐ判断何かできる状況では私もないと思いますので、御指摘のとおり、今回は三次補正でも実証分ちゃんと入れていますが、もっと実証を増やすということ、データ化すること、あとはまだやっぱり人手不足の問題等もいろいろあるようでございますので、何としてもこれは除染を進めなければなりませんので、今御指摘のような課題克服に向けて努力をしていきたいと思います。
  207. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 ということなんですよね。市町村長の立場でいきますと、みんなとしゃべっていますけれども、あそこの校庭とあるいはこの農地と全部やろうと思ったらどうやって誰に頼んだらいいんだべと。それで、オーバースペックだとか言って、環境省が言っているかどうかは別ですよ、いやそこまでやることはないじゃないのと言われたりすると。  今はそうじゃなくて、まずやってみると、データを重ねていくと。幾ら掛かるか分からない。それは幾ら掛かるか分かるわけないですよね、初めてやるんですから。そこをデータベース蓄積していく、そのための今時期だと。だから、百億だ、二百億だというんじゃなくて、とにかくやってみようというんで責任持ってやってくださいと、国も責任持って一緒にやるからというふうにやっていかないと無理です、これ。そこをお願い申し上げておきます。  そこで、先ほど来、国の出先機関なんかの議論がありましたが、平野大臣、今回は実施はそれぞれの事業実施官庁、さっき環境省にも伺いましたけど、やりながらすき間を復興庁がきちっと埋めていくと、こういうふうにした、調整した。これは大変、宮沢議員からも、元々このぐらいやっていって当たり前じゃないかと、こういう議論ありましたけど、うまく使っていくということを是非しっかりとお約束はいただきたいと。  それからもう一つ、これに関連して、先ほど行田委員の話がありました。地方整備局や農政局、国の出先機関を今広域連合に移譲するとか、こういう議論があるんですかね、あるいは廃止するとか。これだけは総理に、これはいろいろ議論しても時間がもったいないですから、きつくきつくお願いしておきます。やっちゃいけません、今。きつくきつくお願い申し上げておきます。  そこでなんですね、これ復興庁、済みません、行ったり来たりで。ワンストップ予算一括してやる。そうすると、その予算の配分というのは、先ほど来もありましたけど、実は最初地方の要望ありき、要望というよりは私は今は意欲だと思います、意欲、意欲と準備。そして、汗と労力かきながらこういうことだけはやりたいと、こういうふうにして、ああ、ここまで到達してきたよと、その実施計画、例えば市町村でいえば、実施計画がこのぐらいまでやれるようになってきた。さっきの高台移転だって簡単じゃないですからね、物すごく難しいですよ。大汗かいています、みんな、市町村長は。それから、自治会の会長なんかとも一緒になって汗かいても、その話がすぐにまとまると限りません。  そうだとすると、そういうものを踏まえながら重点的にしっかりとした予算の配分、一括計上というのをやっていくと、こういうことが今回のこの復興庁の大きな機能一つだと思いますが、この基本方針、配分の、予算配分ということを、是非市町村長さんや知事さん、どうなるんだべなと思っていますから、教えてください。
  208. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復旧復興と通常の例えば公共事業予算の違いは何かといいますと、必ずしもこう言い切れるかどうかというのは若干意見はあるかもと思いますが、復旧復興は限られた期間の中にやらなくちゃならないことが見えています。見えていますから、復旧のスケジュールを立てようと思ったらできるんです。ですから、今回改定をしまして、災害復旧も含めて学校も含めてできるだけ細かい工程表を作ってもらって公表させました。  そうしますと、あとこれから必要なことは、さらにこの工程表のさらに具体化です。そして、このしりが決まりますと、これは今度はできるだけ前倒しにするということで、それに必要な予算を付けていくということが基本になります。ですから、箇所付けというのは、何か権限を行使するということではないというふうに私は思っています。むしろその計画をしっかり作る、あとはその計画に沿った復旧復興をどうやって進めるかということが、地域にとっても、また県にとっても、国にとっても大事だというふうに思っています。  私、復興庁のこれからの仕事というのは、まずこの復旧復興計画災害復旧も含めて直轄、県でやるもの、市町村も含めてやるもの、これを全部しっかり監理していきます。そして、できるだけ前倒しさせます。今回の工程表の作成でできなかったのは、実は高台移転でした。これはやっぱりまだまだ、まだ時間が掛かります。これはこういうふうに計画作れと言ってもなかなかできないものですから、ここは抜けていますが、しかしここの部分についても急がせて、そしてできるだけ早い段階で、この段階でここまでは復興住宅できる、復旧住宅できるというような工程表も早い段階で示したいと思っています。そのそういった工程管理をしながら必要な予算を付けていくというのが今回の役割ではないかというふうに思っていました。と同時に、その過程の中で、繰り返しになるんですけれども、すき間が出てきますから、すき間が出ないようにするということも復興庁の大きな役割だというふうに考えております。
  209. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 今、高台移転の話が出ました。随分柔軟な仕組みに、これはさんざん私らもお願いして変えてきました。変えてきていただきましたですよね。  それで、国土交通大臣おられますから、それで先日、津波防災地域づくり法案というのも通していただきました。先ほど宮沢議員の議論にもありましたけど、日本の再生、復興というのは、これ全国の復興をにらみながら東北からまずしっかりやってもらう。しかし、一方で全国もというので、今度、津波防災地域づくり法案というのを国土交通大臣に通していただいて、全国、実は俺のところへ来たらどうしようと、地震が、物すごく不安がっています。首都圏直下型地震ももちろんそうですけど、三連動。  実は、日本海側も、秋田沖の津波であるとかですね、地震の、十勝もそうですよ、十勝じゃなくてあれ、積丹もですね。それから、私、高校生のころに新潟地震で、私も津波で避難所生活を一月ほどしました。どこでも全国の復興のためにと、こういう論で行きますと、津波防災地域づくりを始めとして緊急の災害対策、防災対策というのが実は山のようにやらなきゃいけないと、みんなそう思っているんですね。  そこで、国土交通大臣にこの防災対策の緊急性について、せっかく津波の法案までお作りいただいた、この観点から決意のほどをひとつお願いを申し上げたいと思います。
  210. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 昨日、津波防災地域づくり法案を通していただきました。その法案の御審議に随分と熱心に加わっていただいて、あそこで考えているとおりでございます。  委員指摘のように、確かに三連動もあれば直下型もある、日本海側もある。昨日のたしか衆議院の災害対策特別委員会かどこかで火山学者のお話で、ああいうプレートが動いた非常に大きな地震の後には、これは多分、地球物理的な連動があるという趣旨でしょうか、火山爆発なんかも大いにこれから起こり得る時代に、時期に入るだろうというようなことまで言われているんですね。  したがって、とにかく、多重防災といいますか、災害には上限がない、そして命が第一ということで、外力というものについては確かに上限を考えるというようなことはなかなかできないだろうと思います。何が起こるか分かりません。しかし、起こった災害をとにかく極限まで災害を小さくする、減災といいますか、そういう意味で、多重防災的な考え方でしっかりと津波対策もやれば、あるいは実際に災害が起きたときの減災という意味ではこのミッシングリンクをつないでおくということが非常に重要であるということも今回経験をしたわけです。さらには、多重防御という意味で、あの仙台東道路のような道路が、当初の機能には想定していなかったような防災津波を防ぐ、そういう機能も発揮したわけでありますから、とにかくミッシングリンクをつなぐということ。更に申せば、持続可能な地域づくり、国づくりをやっていく、そのモデルを東北につくるということで、よく言われるスマートシティーと先ほど議題になっておりましたが、こういったことも地域で回る。  今、私自身は、省内で申し上げているのは、医食住だと。医というのは、医療の医で代表されるヒューマンケアの方ですね、福祉、介護まで含めて。食は、もちろん食べ物、農林漁業、そしてまた、六次産業化と言いますが、それと職業の職も兼ねて、地域で町づくり自体の中から職が生まれてくる、継続的な雇用が出てくる。そして住、これは町づくりです。そういったものを関連させた持続可能な地域づくりというモデルを東北につくる。そのインフラ部分というのが国交省役割ですから、そういう面に向けて大いに頑張ってまいりたいと、このように思います。
  211. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 インフラというお話が出ましたので、これまた総理に要望ですけど。  民主党政権になってから、コンクリートから人へと、もうおっしゃらなくなりましたけれども。公共投資、インフラ整備、これ、年度の当初の話なんです。年度当初で、そして補正をどうするかというふうに予算を普通組んでいきますよね。それで、年度の当初で、二十一年度当初七・一兆円あったインフラ整備それから公共事業費、今五兆円なんですね。二兆一千億減っているんです。  これは、今のお話のように、全国の再生あるいはデフレの脱却、こういうことを考えると、このインフラ整備の部分、公共事業費というのは七・一兆円に戻す、これが二十四年度当初の、少なくともそこまで戻さないといろんな防災対策ができないんじゃないでしょうかということを総理、是非お答えいただきたいと思います。
  212. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど前田大臣もお話があったと思いますが、少なくともミッシングリンクの解消などはやらなければいけないと思いますし、全国の防災・減災事業防災機能の強化という観点からも、これはまさに命を守るということだと思いますので、そういうものはしっかりと位置付けて予算付けをしていかなければいけないと思いますが、規模の問題はこれからまさに予算編成過程の中でしっかり議論していきたいというふうに思います。
  213. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 強く強くこれも要望しますけど、七・一兆に戻しましょうということをですね、インフラ整備、公共事業費。  そこで、修正案提出者に最後に伺いたいと思います。  今まで復興庁どこに置くかと、こういう議論の中で、平野大臣は、まあどちらかといえば東京かというニュアンスを強くお持ちだと。これはここから先の話、こういうことですから。修正案の提出者としては、それぞれ御意見があろうかと思いますが、考え方として、修正案の提出者としての御意見としてはどうかということを伺いたいと思います。
  214. 谷公一

    衆議院議員(谷公一君) 復興庁の本庁をどこに置くかということでございますが、今日は民主、自民、公明、三党の修正案提出者が来させていただいておりますが、与党と我々とでは違いがあります。少なくとも私個人は、先ほどの議論もございましたが、被災地の強い思い、要望、そして今までにない災害にしっかりと現地に即して対応するということに重きを置いた方がいいのではないかと思いますけれども、それは私個人としての考えでございます。  修正案提出者全体としては、衆議院の附帯決議にございますように、両方記しておりますけれども、どちらかというと被災地思いをしっかり受け止めて、十分踏まえて政府対応してほしいと、そういうニュアンスで附帯決議を付けさせていただいているところであります。
  215. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 時間が参りましたので終わりますが、総理、ひとつ、今申し上げたこと、それから宮沢議員が申し上げたこと、是非是非しっかり心におとどめいただいて頑張っていただきたいと思います。そのとおりにやれば一番いいと、こういうことでありますので、よろしく。
  216. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合正明です。  昨日、復興特区法案が参議院で成立をいたしました。復興庁設置法案につきましては、今この本委員会審議をしておりまして、今日採決という運びとなっております。  ただ一方で、私は、被災地を歩き回っておりますと、復興はおろか復旧すらままならない状況にいまだ直面するわけであります。先日も石巻市の雄勝町を私、訪れていました。その際に、ある主婦の方からこう言われました。仮設住宅に住んでいるんだと、追加の暖房器具を申請したのはもう一か月以上前なんだと、でもまだ届かないんだと、どうなっているんだと。  私は、十月六日、この本委員会で、仮設住宅の冬の備えをということで、早急に取り組むように平野大臣質問をさせていただきまして、そのとき大臣からも、強い口調で現場に指示を出しているとの答弁がございました。  ところが、つい先日、十二月二日時点での調査ですけれども、仮設住宅における暖房器具の追加状況、私は厚生労働省から資料をいただきましたが、まだまだ暖房器具が届いていないんですね。岩手県では四九・一%しか届いていない、福島県では二〇・三%しか届いていない、宮城県では二・三%しか届いていないんですね。同じ文書には十二月中には配布を完了する予定と書いてあるんですけれども、なぜこれが進まないのか。これ本当に、もう冬ですけれども、年内に配布を完了していただけるのか。まず、平野大臣に再度伺わさせていただきたいと思います。
  217. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 十月六日の復興特委において谷合委員から御質問がございました。  ちょっと一点だけ、ちょっと申し上げさせていただきたいのは、あのときの寒さ対策というのは、二重サッシ、それから断熱材、そういった仮設住宅のいわゆる本来あるべきものについての不足している部分についてある県がまだ対策が遅れているということで、その県に対して何をやっているんですかみたいな、そういった形で、官で急がなくちゃ駄目だという意味での指示を出したということでございまして、こちらのいわゆる寒さ対策についてはおおむね十二月いっぱい、中旬ぐらいをめどに大体終わるものだというふうに報告を受けております。  その後、こういった暖房器具の設置の必要性が出てきまして、これについては、現在こういう状況にあるということについては私どもも認識しております。こういった暖房器具メーカーについて在庫がなかったといったようなことも遅れている理由だというふうに聞いておりますけれども、いずれ、これからもう本格的な冬を迎えるというか、もう入りつつありますので、いま一段の御努力を各県にお願いしたいというふうに思っております。
  218. 谷合正明

    ○谷合正明君 どこが実施主体かというのは私も知っているんです。ただし、大臣自身も国の施策であるという意識でやってきたとおっしゃっているとおりでございまして、年内にやるということを約束していただけますか。
  219. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 在庫等々の問題という絶対的な制約があるというふうにも聞いております。ただ、いずれ本当に、先ほど申し上げましたように、これから寒さ、もう入りつつある中で暖房器具もないというような状況というのはこれは大変厳しい状況でございますので、一日も早くそういったものが普及するように、特段のまた督促を、後押しをしたいというふうに思います。
  220. 谷合正明

    ○谷合正明君 私はほかにも言いたいことあるんですね。  仮設住宅だけではなくて、実際にその集落に、直接的に津波被害を受けていなくても、集落に取り残された方もまた今大変苦しんでいらっしゃると。  陸前高田市のある集落では、仮設住宅の申請を高齢者の方になるべく優先して申請していただこうということで、現役世帯の方は遠慮されたこともあったそうですね。今、結果的に半壊世帯の家に住んでいたりとか、あるいは全壊世帯の二階の部分に住んでいたりとか。ただし、同じ被災者なんだけれども、なかなか支援が、情報が来ない、支援がなかなか行き届かないとか、被災者としての存在を忘れられているんじゃないかといった声も今出てきているわけです。  私は、復興特区、復興庁、今後、この組織、また制度ですけれども、そういう被災者一人一人のこの声を、声なき声までも聞いていくという姿勢がなければ、この制度、また組織というのは現実から遊離してしまうんじゃないかということを申し上げたいと思います。  まず、もう一つ総理に法案の中身に行く前に確認させていただきたいのは、国家公務員給与の削減についてでございます。  これは復興財源に充てるということで、約六千億円の財源を捻出する、できるわけでありますが、明日、会期末でございます。この給与削減法の成立を総理は諦めたのか、あるいはこの件について民主党の中にどのような指示を出されているのか、まずお聞かせいただければと思います。
  221. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) この臨時国会で、これは復興の財源の一翼を担うものでありますけれども、臨時異例の措置として公務員の、国家公務員の給与をマイナス七・八%、減額する法案を提出をさせていただいております。それについては、昨日、御党と自民党から人勧を実施した上で給与削減をするという内容の法案が提出をされたと承知をしています。  政党間のぎりぎりの今協議をしていただいていると思いますが、是非これ、合意形成をして前へ進めていきたいという思いを強く持っていますし、ちょうど今からでしょうか、この三時から幹事長レベルの会談もありますし、この扱いが大きな柱になると思います。合意形成ができることを強く期待をしながら今審議に出ているという状況でございます。
  222. 谷合正明

    ○谷合正明君 総理には、強く期待するという言葉じゃなくて、党内をどうまとめるのかというそのリーダーシップの姿を見せていただきたい。私は、総理がこの国家公務員給与削減について、いろいろなところの答弁で、基本的に法案の成立に万全を期したいとか、当面は全力を尽くしたいと、様々出るんですけれども、本当にその汗を流している姿というのを見せていただきたい、そのことを申し上げたいと思います。  それでは、復興庁設置法案について、中身について質問をいたします。  この復興庁ですが、政府原案の復興庁におきましては、復興対策本部と大きな相違がございませんでしたという指摘もあるぐらい、私自身もそう思っておりました。ただ、衆議院におきまして、野党側の提案による修正によりまして、復興庁復興を強力に推進することのできる組織となったと私は考えておりますが、まずこの点、総理の認識を伺いたいと思います。
  223. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の修正を経て実施権限が大変大幅に拡充をされました。ワンストップ被災者の、被災地の要望を受け止めて、予算の一括計上それから配分に至るまでという、そういう意味での実施権限が大変強まったことと、総合調整権限についても、元々勧告権入れておりましたけれども、その実効性を担保するというそういう措置も入れていただいたこと、それから、これ大変実務が増えますけれども、そのための大臣と副大臣の増員を認めていただいたこと、大変復興に向けて力強い組織になっていけると思いますので、この修正を適切に踏まえて、一日も早く復興庁の立ち上げを実現をしていきたいと考えております。
  224. 谷合正明

    ○谷合正明君 修正案提出者に伺いますが、この法案の第四条第二項第三号に、復興庁予算を一括して要求し、確保し、関係行政機関に配分する事務が追加されました。これによりまして、公共事業の箇所付けから事業実施内容まで実質的に復興庁が決めることができるようになりました。しかし一方で、第二項の第三号イには「政令で定める事業に必要な予算」とありまして、実際にどのような予算を一括要求できるのかが明確となっておりません。  政令で定める事業とは何を想定しているのか、また、財務省の予算査定機能との屋上屋を重ねる、そのような懸念はないのか。まず、修正案提出者に伺いたいと思います。
  225. 石田祝稔

    衆議院議員(石田祝稔君) お答えいたします。  本法案の修正協議につきまして、私ども野党は、これは復興基本法の元々の考え方、いわゆる企画立案、総合調整そして実施の事務、こういうものに沿って復興庁はつくられるべきであると、このように思っておりまして、残念ながら当初の政府案にはこの実施の事務、こういうものが欠けておりましたので、今回のような修正にしたわけでございます。  それで、委員今お尋ねの、じゃ具体的にどういうことができるのかと、これも修正の協議の過程も教えてほしいということでしたので少々申し上げたいと思いますが、じゃこの復興に対して、私たちは、ある意味ではネガティブリスト、これは駄目だよというもの以外は全部やれるようにしたらどうかと、こういう議論もいたしましたが、全体の範囲がこれは分かりにくいと、分からない中でネガティブリストは作りようがないということで、それだったらもう極力この復興事業としてやれるようにリストアップしてもらおうと、こういうことになりました。そして、さらに現時点で考えられるこの中身、政令ですね、しかし、現実に復興が進んでまいりますと、作業が進んでまいりますと、実は政令にはないけれどもこういう事業もこれは是非やりたいと、そういうものについては是非これは政府で迅速に地域の要望を受け止めていただいて政令を是非作ってもらいたいと、このように思っております。  それで、財務省との査定の問題でありますけれども、財務省は基本的には査定をして切っていくと、こういうものが、まあ本能というんでしょうか、そういうものがあると思いますけれども、復興に関しては、逆に必要なものはしっかりと付けていくと、ある意味でいえば、減額ではなくて増額するぐらいの気持ちでこれは私はやってもらいたい、このように思っております。
  226. 谷合正明

    ○谷合正明君 今の修正案提出者のこの意向を受けて、この修正の趣旨を反映した政令とすることが求められておりますけれども、この点について見解を伺いたいと思います。
  227. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の法案修正では、復興庁復旧復興に必要な予算、一括計上するということになっております。その政令の中身につきましては、今、石田修正案提出者の考え方等々も含めまして、これからしっかりと制度設計をやっていきたいというふうに思います。
  228. 谷合正明

    ○谷合正明君 次に、復興庁の組織、人員について伺います。  復興庁に強力な権限を持たせたとしても、組織の在り方によってうまく機能できるかどうかが変わってまいります。  まず、復興庁の人材についてでありますが、復興庁には官、民、そして国、地方を問わず人材を集めると聞いております。民間や、またNPO、地方自治体出身の職員、こうした方々復興庁においてどのような場で活躍することが想定されているのか。そして、復興庁のこの人員に関してですが、総定員法、定員合理化計画との整合性は取られていくのか。総理に伺いたいと思います。
  229. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、復興庁の職員でありますけれども、被災自治体支援するため、各府省の制度やあるいは復興施策に詳しく、何よりもこれらの事務を推進するに当たって熱意のある人材を確保するということが肝要だと思います。  また、被災地と密着する復興局などでは、国家公務員だけではなくて、御指摘がありましたけれども、地元の実情に詳しい民間や自治体などからも幅広く人材を確保したいと考えております。そうした人材の知見やノウハウも活用しながら、被災地復興を支えてまいりたいというふうに思います。  また、今回は、衆議院における修正では、行政改革などの観点から政務三役の数の縮減が行われたところでございますので、この観点からすると、復興庁の他の職員の数についても、このような考え方を踏まえて行政組織の肥大化を招かないということを留意しながらも、一方で、復興庁の業務が適切に遂行できるような体制整備をしてまいりたいというふうに考えております。
  230. 谷合正明

    ○谷合正明君 復興庁におきましては、各省から熱意のある人材を結集していくわけでありますが、その人材が実際どれだけ現場に入り込んで、その中に入り込んでいるのかというのが重要だと思っております。  例えば、短期間ですぐに異動してしまうようでは、これはやっぱり地元との信頼関係という意味では、これ大きく損なうわけでございます。そういった意味では、私自身は、こうした期間の問題とかいうことを含めて、しっかりと現場に根差す、そういう人員の配置の在り方が、人材の活用の仕方が非常に重要ではないかと思いますが、こうした点を配慮する必要性について総理の見解を伺いたいと思います。
  231. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の御指摘、大変大事な観点だと思います。復興庁における職員の人事、広い意味での人事に当たりましては、任命権者として、職員の意向や被災自治体との信頼関係にも配慮しながら、しかも各職員が高いモチベーションや熱意を持ってその能力を適切に発揮することができるように意を用いてまいりたいと考えております。
  232. 谷合正明

    ○谷合正明君 その組織、人員につきましては以上でございますが、特に、私自身もNPOの出身の人間でありますが、現地に行ったNPOだけじゃなくて、地元で生まれたNPOも、現地組織も結構今たくさん誕生しておりまして、そうした声も本当にしっかり拾い上げていただきたいということと、人材として活用していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、修正事項について再び修正案提出者に伺います。  衆議院の修正におきまして、附則第二条に本法律の施行の状況についての検討規定が設けられました。この三年の見直しということでありますけれども、この趣旨についてまず伺いたいと思います。
  233. 石田祝稔

    衆議院議員(石田祝稔君) 谷合委員にお答えしたいと思います。  今回、附則第二条で三年後の検討、見直しと、こういうものを盛り込むことになりました。これは政府原案には全くなかった規定でございまして、これは、なぜ三年かということもあるんですが、やはり復興集中期間、五年ということになっておりますので、やはり途中で、このままの進度でいいのか、進み具合でいいのかとかいろんなことを私は検討すべきだと、その意味検討して見直しをすべきではないかと、こういう規定を追加をいたしました。  この法律復興庁設置されまして、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進を図ると、こういう国の体制が整うことになりますけれども、復興には長い時間も要します。集中期間といっても五年間でありますから、やはりそこでいろいろな変化も出てくる。やはり、被災地の要望もいろいろとまた新たなものも出てくると思います。そういうものも含めまして、この復興庁設置法案が通ったから私たちの仕事が終わりと、こういうことではありませんので、やはり被災地に国会としても寄り添っていろいろと頑張っていくと、こういう姿勢を表したものでもあります。  以上です。
  234. 谷合正明

    ○谷合正明君 今お答えしていただいたところと関連するわけでありますが、国会への報告規定もこの度新設されました。復興庁設置法案だけでなくて先般成立した復興特区の法律におきましても、これは政府任せにせず国会の関与を強めるというところが私は今回の二つの法案の修正の肝ではないかなと思っているわけです。  そこで、国会はこの報告、いわゆる国会への報告規定、こういう新たな新設された規定があるんですが、この報告に対してどのような対応を取ることがイメージされているのか、修正案提出者に伺います。
  235. 石田祝稔

    衆議院議員(石田祝稔君) お答えいたします。  この附則第八条も政府原案には全くなかった考え方でございまして、やはり私は、先ほど申し上げましたように、法律を作って終わりと、こういうことではなくて、国権の最高機関として、唯一の立法機関としての国会の務めはこれは法律を作ると、こういうことになりますけれども、やはり作った法律がどのように執行されていくのかと、こういう点も私たちはしっかりと、被災地復興からしっかりと元の生活に戻れるその日までやはり寄り添っていくという考え方が大事だと思います。  その意味で、国会に報告をしていただいて、そして必要であれば新しい議員立法、また、政令等についても政府にしっかりと取組をいただく、こういう観点からこの国会への報告と、こういうものを盛り込んだところでございます。
  236. 谷合正明

    ○谷合正明君 総理に伺います。  質問は、既に同じ趣旨の質問が出ている部分もあるんですが、復興庁のこの設置費用についてでございます。  これ、来年三月十一日までに復興庁設置できるように今準備を進めていくということで答弁されておりますけれども、二十三年度の予算設置に係る費用というものは計上されておりません。この法案成立後、設置に係る費用をどう措置するのか。速やかに復興庁体制を整えるためにも十分な予算を充てていただくということでよろしいんでしょうか。まず、総理の方にお伺いします。
  237. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 復興庁設置された際には、現在内閣官房に計上している復興対策本部の経費や内閣府に計上している復興交付金等の予算を、予算総則十二条の規定により復興庁に移し替えることで対応できると考えておりますし、なお予算の不足が見込まれる場合には適切に対処してまいりたいと思います。
  238. 谷合正明

    ○谷合正明君 時間になりましたので、私の方から最後に一言。  私は、ある自治体首長さんからこう言われました。復興庁というのは、役所の立場に立つのではなくて被災者の側に寄り添う、そういう新しい役所になっていただきたいというふうに言われました。私自身、公明党の議員として、これからも被災者の心に寄り添う、その活動をこれからもしっかりとさせていただくということを決意申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございます。     ─────────────
  239. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、広田一君及び池口修次君が委員を辞任され、その補欠として友近聡朗君及び大河原雅子さんが選任されました。     ─────────────
  240. 桜内文城

    ○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。  本日は、原発事故の収束に関する質問を主にさせていただきます。  残念ながら、今日は細野大臣原発事故の収束及び再発防止担当大臣が外国に出張されておりますので、主に総理にお尋ねいたします。  元々こんなことになるとも予想していなかったわけですけれども、なぜ総理に質問しなくちゃいけないかというと、これは、今申しました細野担当大臣の所管の在り方というものが、いわゆる内閣法三条二項に基づく無任所大臣としての原発事故の収束をこれで担当するという発令を総理がされております。しかし、残念ながら、無任所大臣というものは基本的には予算というものが付かない立場の国務大臣ということになります。  しかし、こちら、(資料提示)フリップも用意しましたけれども、福島第一原発の敷地内、オンサイトの部分ですけれども、例えばここにありますような循環注水冷却のための装置の設置ですとか、あるいは、今まだ測量やボーリング調査が始まったばかりと聞きますけれども、海洋への汚染拡大の防止対策としてこういった遮水壁というものを建設していかなくちゃいけないと。  ところが、私はこれまでも予算委員会なりこの委員会でも何度もお尋ねしておりますけれども、残念ながら、今年の一次補正から三次補正に至るまで、こういった原発の敷地内、オンサイトのこういった公共工事的なものに対する予算措置が一円たりとも付いていない。この点は、前回の十一月七日のこの委員会でも枝野経産大臣にお尋ねいたしまして、実際、枝野大臣の御答弁としては、御指摘のとおり、オンサイトでの事故収束に向けた直接的な予算ということは出てきておりませんというふうにお認めになっております。  私、これやっぱりおかしいと思うんです。国家の総力を挙げてこの原発事故の収束に当たると口では言いながら、一円たりともこういった、急を要するこういった事業予算が一円たりとも付いていない。何でだと。やはりこの原発事故の収束を担当する細野大臣が無任所大臣だからと。なぜならば、財政法二十三条、財務大臣長くされて、予算も何回も作られた総理ならお分かりだと思うんですけれども、付けられないんですよ、予算が基本的に。財政法二十三条、お分かりですか。
  241. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと、今の一連の細野大臣の問題とそれからオンサイトの予算にかかわるお話を、ちょっとまとめて御指摘ありましたのでお話しさせていただきたいと思いますけれども。  まず、原発事故の収束については、これ複数省庁にまたがりますので、取組に当たり、イニシアチブを発揮し、総合調整を行うための大臣が必要であります。このために細野大臣原発事故収束及び再発防止担当に任命をして、関係大臣と緊密に連携しながら事故の収束を可能な限り早期にできるように全力で取り組んでもらっています。  原発事故収束のための各種事業予算については、いわゆるロードマップ等に沿って所掌事務を直接担当している省庁が確保して適切に執行しています。また、原発事故の再発防止に向けては、内閣官房に原子力安全規制組織等改革準備室を置き、原子力安全規制に関する組織制度の見直しを進めているところでございます。  そこで、今、オンサイトの予算でありますけれども、これ基本的には、東京電力福島第一原子力発電所における汚染水の循環装置や遮蔽壁の設置などオンサイトに係る費用については、発電所の設置者である東京電力が負担することが原則でございます。他方、政府としても、住民の一刻も早い帰還の実現に向けて、廃炉等の中長期的な取組を着実に支援していくことが重要な責務でございます。このため、事故収束に係る技術開発に必要な費用を平成二十三年度第三次補正予算において計上するとともに、平成二十四年度予算においても必要な要求をしていると承知をしているところでございます。
  242. 桜内文城

    ○桜内文城君 東京電力がまず自分でやれという御答弁です。実際、前回のこの復興特で枝野経産大臣も、現状までは東京電力が自らの責任、つまり自らのお金でその対応をしていくという言い方をされておりますが、これだけの国際的なレベル7の大事故ですよ。本来であれば、政府がこの敷地を収用してでもこういった施設をきちんと造っていく、そういった姿勢が必要なんじゃないですか。私は、やるべき仕事をやっていない、そういう内閣だと言わざるを得ないと考えております。  次のフリップ、よろしいでしょうか。  その前に、先ほど私、財政法二十三条についても触れました。財政法二十三条というのは、「歳入歳出予算は、その収入又は支出に関係のある部局等の組織の別に区分し、」とあるわけですよ。そうじゃないと予算が付けられないんです、今の財政法上は。もしこういった制度を前提とするならば、細野大臣の下に原発事故収束のための組織をきちんとぶら下げる、そういった法的措置をとる。立法府にいるんじゃないですか、我々は。それを全くやろうともせずに、一円たりともこの事故の収束のための予算を付けない、そういった政府の姿勢が全世界から見られるわけですよ。やる気あるんですか。
  243. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 福島第一原発の事故の収束に向けてやらなければならないことについてしっかりとやっていく、このことについては、今統合本部、統合室をつくって、政府がしっかりとコミットした上でやらなければならないことをしっかりと東京電力にやらせています。そのお金を誰が出すかという話で、基本的に発電所の設置者である東京電力が出すということ、国民の負担ではなくてまずは東京電力の責任でやるということは、私は基本だと思います。  もし、東京電力がお金がないせいで何かできないとか遅れているとかということがあれば、そのことについては、機構法もできておりますから、国として出資をしたり資金拠出をしたりをするという枠組みはできていますが、東京電力が金がないということで今できていないとか遅れているということは、少なくともこの事故の収束に向けてはありません。あれば、必ずしっかりと政府として対応いたします。
  244. 桜内文城

    ○桜内文城君 私は、今の枝野大臣の御答弁、全く納得いきません。  既に東京電力は一兆円の支援の要請をしているわけですよ。実質的な破綻企業ですよ。そこに全てを丸投げする、その政府の姿勢がいいのかどうかと尋ねているんです。全く枝野大臣の御答弁、納得いくものではありません。  むしろ、ちょっと順番違いますけれども、枝野大臣にもう一つお尋ねいたします。  枝野大臣は、官房長官当時、四月十九日の記者会見でメルトダウンについて尋ねられて、この冷却を継続できれば、そういったこと、メルトダウンのことですね、とはならないでいくだろうと受け止めているというふうにおっしゃいました。  これ、フリップ、四枚目のフリップ出していただけますか。  こちらにあるとおり、この十一月三十日に東京電力が解析結果を、推定結果を公表しております。一号機においては、燃料が全て下に落ちているんですよ。圧力容器の中には一切ないと。下の図にあるとおり、燃料がコンクリートにめり込んでいるんですよ。もう僅か三十七センチで鋼板にまで達する、そういった状況が明らかになっているんですが、枝野大臣、以前このように、メルトダウンは起きていないというふうに記者会見でおっしゃったこと、この訂正と謝罪を国民にするつもりはおありですか。
  245. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 四月十九日の記者会見では、私は、従来から燃料の一部が損傷している可能性があるというか高いというか、そういうことは申し上げてきたところでございますということを述べた上で、今後、冷却を継続できれば再び燃料が損傷していくことはないだろうということを申し上げました。そして、これは結果的に、その当時、私どもが把握をできていた情報が十分なものでなくて、その後全体として溶けていたということが分かりましたが、その都度その都度の時点において把握をしている状況の中で、可能性についても含めて御説明をしてまいりました。その結果が、その後時間を掛けて検証した結果と異なっていたということについては大変申し訳ないというふうに思っております。
  246. 桜内文城

    ○桜内文城君 二枚目のフリップ出してもらえますか。  こちら、今現在の東京電力福島第一原子力発電所内の仮防潮堤の写真です。二枚あります。これで本当に、再びあのような大きな地震、あのような大きな津波が来て耐えられると本当に思っているんですか。これ一円も政府はお金出していないんですよ。どういうことですか、総理。
  247. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) この防波堤、仮設防潮堤については、本年三月十一日の地震の際のプレートの動きを踏まえ、今後発生する可能性のある地震から想定される津波の高さを勘案して設置されたものでございます。想定される津波の高さに応じた高さで設置をされております。また、想定される波力、波の力に対しても耐えられる構造といたしております。  またさらに、念のため、万が一電源設備が浸水した場合、つまり、今回の津波によって生じたような事態が生じた場合であっても引き続き電源が確保されるよう、非常用ディーゼル発電機や電源車などの非常用電源、非常用注水ポンプを高台に配備しているところでございます。  さらに、今後余震により想定される津波の高さや津波対策の妥当性に関しては、地震・津波に関する意見聴取会においてシミュレーション解析を用いて更なる検証も行っていく予定でございます。
  248. 桜内文城

    ○桜内文城君 日本が、これ戦前であれば一等国あるいは三等国という言い方をしていました。今であれば先進国、後進国、そういう言い方があると思うんですけど、九か月たってこれですよ。国家の総力を挙げてと皆さんおっしゃいますけれども、本当にちゃんとやっているんですか。笑われますよ、これ。是非、今日はこれ中継ですので全国の皆さんにこの状況を見ていただきたいんですけれども、これで本当にしっかり事故の収束に努力していると、一円たりともサイト内に予算も付けずに、私はとても言えないと思っております。  次の、三つ目のパネル、お願いします。  これは現在の四号機の状況であります。見てのとおり傾いております。もう一度地震が来たら、四号機にある使用済燃料プールが本当に壊れるんじゃないか。大変な数の使用済燃料がこの中にあるわけですよ、そこに対しても、補強工事のためのお金も一円たりとも政府は付けていない。一体何のために皆さんこうやって政権の座にあるんですか。  総理にお尋ねしますけれども、政権というのは、憲法上の文言の言い方をしますと、主権者たる国民から、その生命、自由、財産を預かり信託されているわけですよ。ですから、皆さん政府として受託者責任、受託者としての責任を負っているわけですよ。ちゃんとこの責任を果たしていると本当にお思いですか。この写真見て、感想をお願いします。
  249. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 繰り返し申し上げますが、もちろん原子力政策を推進をしてきたという政府の責任ございますし、国民の生命、財産を守るという責任ございます。  ですから、政府としてしっかりと、例えば先ほどのオンサイトにおける様々な対応であるとか、それからその建屋等が壊れないだろうか、余震によってということについて、しっかりと確認をし確保するという責任はしっかりと負っているつもりでございますが、そのお金を誰が負担するのかということについては、現に東京電力は内部留保も残っております、資産超過の今状況であります。それからキャッシュフローも今のところあります。その状況のときに、まずはその発電所の設置者である東京電力が責任を持ってお金を出させるというのが、国民皆さんの税金をお預かりをしている政府の立場としては私は当然だと思います。その結果として、東京電力が金を出さないせいで何かが遅れているということを具体的に御指摘いただければ、それについてはやらなければいけないと思っています。  それから、四号機の建屋については、もちろんこういう状況でありますので、余震等が起こった場合の危険についてはしっかりと評価を行い、また四号機の使用済燃料プールの底の部分のところについては補強工事を行っております。具体的にこれでは足りないということを、科学的、具体的にこういうところが足りないんじゃないかという御指摘いただければ、それは真摯に受け止めてそういうことがないかどうかというチェックをいたしますが、見た目の問題じゃなくて……(発言する者あり)
  250. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 御静粛にお願いします。
  251. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) しっかりと補強工事をして、補強工事をした上でなおかつその強度についてチェックを受けて、その上で大丈夫だということの専門家の評価を受けているということを申し上げたいと思います。
  252. 桜内文城

    ○桜内文城君 全く政府としての責任を回避しようとする、東電に全ての責任を丸投げしようとするその姿勢は私は許し難いものだと思います。  もちろん東電に出させるのは当たり前です。しかし、東電は、先ほど言いましたように、既に実質的には破綻している企業なんですよ。一兆円の支援要請、既にしているじゃないですか、政府に対して。  そのことを申し上げて、この質問を終わります。ありがとうございました。
  253. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  野田総理にお伺いします。  福島で、安全宣言を出してから一か月を経て暫定規制値を超える放射性セシウムに汚染された玄米が発見されたということで、現地は大変なショックを受けています。国と県の指示どおりにやったのに涙が出ると、そして、最初から綿密な検査をしていればこのようなことにならなかったんじゃないかと肩を落としているわけです。福島県産米は安全ですということで強調して宣言を出した、その後でこういう事態になるということは、やはり本当に信頼を更に失わせることになっているわけです。  それで、一連のチェックが機能しなかった理由について、福島県の担当課は、もっと検査をしようにも機器が足りなかったと、国が検査体制を整えてくれればよかったと言っているわけです。総理、ホットスポットというのはまだらに存在しているということが分かっているわけですけれども、国が指示した検査が粗かったと、これはやっぱり国の不手際だと思うわけです。  こういう苦しみを再びまた与えているということに対して、総理はどのように責任を取るおつもりでしょうか。
  254. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) まず、私から最初に申させていただきます。  基本的に、四十年のデータというふうなものも踏まえて作付け制限、そしてまた、基本的に収穫前あるいは収穫後、予備調査、本調査というふうな形で検査体制をやってきたつもりでございますけれども、現実、今先生からお話しのとおりに、いわゆる暫定規制値を超えるお米が検出されたということをやっぱり真摯に受け止めていかなきゃならない。  そういう意味で、これから、今、福島県とも連携を取って人を派遣してやっておりますけれども、土壌がどうなのか、あるいはまたその周囲の状況はどうなのか、そういうような等々を詳細に検査、調査をしながら、それを受けて、福島県ともしっかりと連携を取って検査体制というふうなものをきちっとつくり上げていきたいと思っているところでございます。
  255. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今農水大臣の御説明のとおり、収穫前と後で検査をしてきたにもかかわらず一部地域において暫定規制値を上回るセシウムが出てきたということは、これはその事実を重く受け止めなければいけないというふうに考えております。  現在、福島県は消費者の不安を払拭すべく緊急調査を実施をしているところでございますけれども、国としても、早期に調査結果が得られるように積極的な協力を行って国民の皆様の安心につなげてまいりたいと思いますし、二十四年産米の作付けの考え方や調査等の在り方についても関係府省に早急に検討させていきたいと考えております。
  256. 紙智子

    ○紙智子君 三月十一日の前までは、これ日本は原発の安全神話に基づいていますから、事故は起こらないと、これが前提になっていたわけですよ。それで結局、食の安全基準も作っていなかったですし、放射性物質検査体制も、それから食品検査機器もなかった。事故が起きてから急遽、これは研究用のものだとか大学にあるものとか、総動員でこれやってきたけれども、絶対量は不足しているわけですよ。だから検査も十五ヘクタールに一か所というような粗い検査になったんじゃありませんか、農水大臣
  257. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 確かに先生おっしゃるとおりに、検査体制については限界があったと、検査の能力については限界があったと。そういう状況の中でできるだけの検査を行うというような考え方に立ったわけでありますけれども、現実を見た場合に、やはりそういうふうな検査能力に限界があったということは間違いございません。  そういう意味で、検査の機器の体制整備、そういうこと、それから、国としてもできるだけ御協力をさせていただくというふうな体制の下に今日取り組まさせていただいているところでございます。
  258. 紙智子

    ○紙智子君 今、限界があったということをお認めになりましたけれども、この間、農水省として増やしてきたのはゲルマニウム半導体のこの検出器で、国内用で二十二台、輸出用で十九台ですよ。そしてそれも、国内の体制も不十分なのにもかかわらず輸出に重きを掛けて、それで国際部のこの部長通達では、輸出用の検出器を使って検査をするときに、国内のものについては、この輸出用を終わった後、余裕があるときでなきゃ使っちゃいけないと、国内の方を少なくしなさいと、こんなことを指示するような通達まで出していて、これは本当におかしいと思うわけですよ。国内で国民の口に入る農産物が、これは検査して安全であることが証明されて、危険なものは一切流通していませんと、こうなってこそ信用問題としても外国に向けて出せるわけですから、まずここを力入れるのが本当だというふうに思うんですよ。これは質問しません。答えは要らないです。  それで、もう一つ、総理。JA福島では、これ、出荷できなかった米をどうしたらいいのか、来年米が作付けできるんだろうかと、こういう不安が広がっているわけです。それで、放射性セシウムは半減期が三十年ですね。ですからこれ、二十年、三十年というふうに掛かる。今年だけの話じゃないんですよ。そういう中で、当然国は、これ、出荷できなかった米は全量買い上げる、あるいは今回のことによる損害賠償は東電にきちんと賠償させると、これは当然だと思いますけれども、おやりになりますか。
  259. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) まさに今先生おっしゃったとおりに、今回のこの暫定規制値を超えた米につきましては販売ができないわけでございますので、東京電力が早期に賠償すべきだと、こういう考え方であります。そのために私どもとしては賠償の早期実現を後押しをしてまいりたいと、こう考えておるところでございます。
  260. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと、総理、総理もお願いします。
  261. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 紙智子さん。紙智子さん、時間ありませんので。  じゃ、総理、野田総理。
  262. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の農水大臣のお答えであって、第一義的にはこれは東京電力が賠償するということでございますので、その早期実現を全力を尽くして行うということであります。
  263. 紙智子

    ○紙智子君 私は、国がちゃんと買い上げるべきだと思いますよ。そこをやっぱりやって、国が東京電力に出してもらうということをやるべきですよ。それと、生産者には何の責任もないんですから、これは絶対に負担させることはあってはならないということを強く申し上げたいと思います。  それからもう一つですけれども、今後長期にわたることも見通して、これ、検査体制についても確立しなければならないと思います。それで、米は主食ですから、これ、検査体制は万全でなければならないわけで、これまで十五ヘクタールに一か所ということになってきたわけですけど、これは結局、その中でホットスポットとなりますと、濃いところと薄いところと出てくるわけですよ。で、広いわけですよね。  ですから、こういう在り方も、もっと一戸一戸の農家で検査できるようにするとか、もっと狭めていくということでやるべきだというふうに思いますし、それから、ほかの食品や学校給食の食材なんかも含めてこれはきちっとやっていくということでは、各都道府県に放射線検査センターなんかも設置して、機器もそろえて、ゲルマニウム半導体ですか、そろえて、それでこれからの体制を先を見通してやっていくべきだというふうに思いますけれども、これ総理、最後にお願いします。
  264. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 基本的に、検査能力の強化というふうなものに対しては、私どもも補正予算あるいは当初予算におきましても対応させていただいているところでございます。  そして、基本的に、今、米の問題につきましては、福島県としっかりと連携を取って、福島県とともに検査計画というふうなものに対して取組をさせていただいておるわけでありまして、消費者の方々にも安心していただくことができるようにこれからも万全の検査体制を確立をしていきたいと思っております。
  265. 紙智子

    ○紙智子君 狭めるようにということを言いましたけれども、やるんですか。そのことについて、ちょっと、最後は総理にちゃんと答えていただきたいと。  検査体制については、広くて擦り抜けたということがあるわけですから、これはちゃんと狭めてやるということや、きちっとした万全の体制を取るということはされるんですか。農水大臣じゃなくて、総理大臣
  266. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 最初に鹿野農水大臣、その後に野田総理に答えていただきます。
  267. 紙智子

    ○紙智子君 いえいえ、最後、総理で結構です。
  268. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 各県、地域方々とも連携を取りながら対処してまいりたいと思っております。
  269. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 担当大臣の御答弁以上のことはございませんが、検査体制の強化に努めていく方向でございます。
  270. 紙智子

    ○紙智子君 終わります。
  271. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 野田総理、大変失礼ながら、質問通告をしておりませんけれども、あえてお聞きをいたしたいと思います。  本日、十二月八日は何の日か、御存じだと思いますが、あえて質問をさせていただきたいと思います。
  272. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 最近クイズ形式の質問が多いみたいですけれども、この日は多くの国民がお分かりだと思います。一九四一年十二月八日、我が国が真珠湾の攻撃をした日でございます。
  273. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 そのとおりでございまして、これはクイズ形式というよりは認識の問題でありまして、まさか一川防衛大臣のようなよく分からない、詳細が分からないような答弁があるとは思っておりません。ですから、あえて失礼ながらという質問をさせていただいたところであります。  そこで、復興特ですね、今日も特別委員会、今日は集中審議なんですが、私もう何度も復興大臣中心質問をさせていただきました。しかし、もうずっと今日まで、また、各党の今日の質問も、昨日も復興特開いたんですが、この対応の遅さといいますか、これがずっと今日まで続いているんですよ。  あえて振り返りますと、先ほど、今日は日米開戦、不幸にして開戦の日であると。尊い人命が失われた、本当に我々は苦い国難を味わった。それからちょうど七十年目ですね。そして、七十年目の三月十一日、大震災が発災した。そして、かつては広島、長崎に原発が二発も投下された、大変な尊い犠牲が失われた。しかし、今度は原発事故という人災ともいうべき災害が発生したわけですね、自然災害とともに。  ということは、戦後六十七年の年に当たりますけれども、私はまさに国難に今我々はぶつかっているんじゃないかと思うんですよ。確かにいろんな問題ありますけれども、残念ながら対応が遅いというのは、前菅内閣のことをまた話して残念なんですけれども、話をしなきゃならないのは、発生当時以降の菅前総理がやられたことというのは、本当にこれが震災に対して、あるいはこの大災害に対して、この非常事態という認識がないままに今日に来てしまった、私はそう言っても過言ではないと思いますよ。  と申しますのは、その間にまたいろんなことがありましたけれども、ようやく野田内閣になって、第三次補正であるとかあるいはいろんな法律案が出てきた、このことは私認めます。しかし、これまでの、もう九か月になろうというこの間の対応の遅さが、東北を中心とした被災地域皆さん方にいかに期待を外させた民主党政権であるか、政府であるということを植え付けてしまったんですよ。これを復活する、また野田内閣支持率のことは言いませんけれども、これを復活させるのは大変なこれまた努力が必要であると思うんですね。  ですが、そういう中で、もう本当に口が開いてふさがらない事件も民主党内で起きましたよね。今や元総理ですけれども、鳩山元総理と前菅直人総理が、官邸ですか公邸ですか、二人で辞める辞めないといって、翌日の衆議院の代議士会ですか、民主党さんの、辞める辞めないといってどうなったんですか。前内閣とそのときの現内閣が辞めると言った言わないというような、こんな国内外に、大震災の非常事態という事態に、このようなことで何か月も無駄な時間を費やしてしまった。  こういう思いの中で野田政権が誕生したわけでありますから、こうした中で、今度の災害というのは、東北三県を中心とした大災害でありますけれども、これはオールジャパンという観点から私は見ていかないと、復旧復興していかないと、結果的に被災を受けなかった私の地元岐阜県でありますけれども、岐阜県に限らず、関西あるいは九州、四国も、日本全体としてのやっぱり復興復旧、それを復興基本法案にはそういうことをうたっているわけですよね。そのことに対して、先ほど某党の委員から、ちっともそれ、復興大臣に対しても、そういう復興に対するビジョンが見えないと、民主党政権の。  そういう中での今度のこの災害に対する総理の基本的な、我が国のリーダーとしてのまず基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  274. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 藤井先生御指摘のとおり、まさにこの問題は国難とも言うべき状況だというふうに思います。したがって、野田内閣の最大の使命は、この大震災からの復旧復興と、それから原発事故の一日も早い収束、これを最優先の課題とさせていただいております。  これまでの取組についての厳しい評価はいただきました。私どもも政府を挙げて、仮設住宅の建設とか被災者の生活支援等、一次、二次補正を通じて万全の復旧をやってきたつもりでございますが、残念ながら、先生からの厳しい御指摘も含めて、遅いであるとか、あるいはきちっと支援が行き届いていないというお話をいただいていることは事実でございます。  今回、第三次補正という形で本格的な復興に向けた予算と財源をお認めいただきましたし、今御審議をいただいている復興庁であるとか復興交付金、復興特区、まさに復興のための道具立てを与野党の御協力で知恵を出していただいてその武器が整ってきたというふうに思いますので、最大限活用してこれから復興に向けての加速化を図っていきたいというふうに思っております。
  275. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 まさに不退転の決意と私は受け止めましたけれども。  昨日、総理、母校の早稲田で講演されたそうですね。何か、税制、年金、そういった問題といろんなことで講演されたと聞いています。TPPの問題とか様々な問題点について、これからの、特に年金、社会保障と税の一体改革について多分言及されたと思うんですけれども、常におっしゃっていますね、不退転の決意で臨むと。  年金問題は、昨日、何か私はニュースで見たんですけれども、総理は、プロ野球の優勝したチームが監督を万歳、胴上げする、大勢の人数で支える、それが今騎馬戦の形になって三人で一人の高齢者を支える、それがいずれ一人が一人のお年寄りを支える、こういう分かりやすい表現でやっていました。まさに人口構成ががらりと変わってしまった。日本の平均寿命が五十歳を超えたのは戦後ですからね。  それからもう一つは、この支える少子化と超高齢化のこのアンバランスが大問題だけれども、もう一つやっぱり、この二十年間の間でも、これは大変うれしいことなんですけれども、長寿社会になったんですよ。多分五歳ぐらい平均寿命が延びている。これが結局、年金の支給も社会保障も医療費も、結局ここが自然増、そこが大きな負担になっている。ですから、この一体改革というのは、私はある面では消費税というのは避けて通れない。これはむしろ、私も我が党も、真っ正面からこの消費税というものに対して堂々と私は論陣を張っていくべきだということ、そういう姿勢については私もある面では理解をしている一人でありますし、我が党もそのつもりでおります。  ただ、その間に、やっぱり地方は疲弊しているんですよ、企業も。そうすると、景気対策という問題をやらなきゃいけない、雇用。単に被災地だけではない。そういう意味では、私は一つの案として、財源、一つはやっぱり建設国債というものをむしろ集中的に三か年なら三か年間発行して、そして人と物と金が動くような、そういうやっぱり発信をしませんと、先ほどどなたかが言いましたように、発信力が全く見えない、どういう国をつくろうとするか見えないというところに大きな問題がある。  そういったことで、建設国債といういかにも借金を増やすことは良くないというような発言を、後世にツケを送るという、そういったことは良くないというふうに総理はよく発言されていますけれども、これはやっぱり、二世帯住宅を親が造ったときにそのローンのツケを子供たちに多少は背負ってもらうというのは、これツケ回しじゃないんですよ。やっぱり親が子供のためにそういう家を造るのと同じように、将来の子や孫たち安心と安全を届けるためには、この際やはり、被災地はもとよりですけれども、全国的に建設国債を発行するぐらいのそういった発想を発信してもらう方がよほど野田内閣にとっては発信力が具体的に出てくると、私はそう思いますけれども、最後、この点についての総理のお考え方をお聞きいたしたいと思います。
  276. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 去年の六月に財政健全化戦略と新成長戦略を同時に閣議決定したように、成長と財政再建の両立を図っていくということを私どもの基本的な姿勢であるということで、また先生からもいろいろアドバイスをちょうだいしたいというふうに思います。
  277. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。
  278. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  復興庁設置法案については午前中質問をさせていただきました。この時間は限られた時間でありますので、原発賠償、原発事故にかかわる賠償について、それに限って質問をさせていただきます。  今回の巨大地震、巨大津波、そしてあってはならない原発事故によって、私は、被災者皆さん原発事故はこれは人災ですから、被害者と言ってもいいと思いますが、被害者の皆さんは大きく三つの不安にさいなまれている、そのように思います。一つは健康不安、二つ目は生活不安、三つ目は将来不安であります。この不安を解消するのが私は政府の責任であり国会の責任である、そのように考えています。  ところが、こうした不安を更に増すようなそうした決定がこの間なされてまいりました、政府によって。具体的には、原子力安全委員会が年間二十ミリシーベルト以上は避難と決定して以来、二十ミリ未満の地域住民は放置されてきました。その後、社民党を始め多くの批判を受け、一ミリから二十ミリの地域についても対策を取る。具体的には、除染の対象とする方向に改善をされました。政府に言わせますと、一から二十ミリシーベルトは避難は必要ないが、そうはいっても、一ミリシーベルト以下が望ましいから除染をするということであります。しかし、除染によって放射線量が十分に下がるまでの間、多くの住民はその間の被曝に対する不安と恐怖を抱えて住み続けなければなりません。被災地での調査からは、住民の多くが避難を希望しながら、経済的な不安から避難したくてもできないという実態が明らかになっています。  そこで、総理、除染が効果を発揮して十分に線量が低くなるまでの一定の期間、一定の地域を指定をして、希望する方の避難を経済的、社会的に補償すべきと考えますが、いかがですか。
  279. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 現在、政府から避難指示が出ている地域以外の方も被曝、放射線に対する様々な不安の中で大変御苦労をお掛けをしていることは大変申し訳なく思っております。  そうした皆さんについても、御承知のとおり、紛争審査会で定型的、一律の賠償については指針を出したところでありますが、これは私から何度も申し上げておりますとおり、こうした地域の方で、例えば自主避難に当たって様々な経費が掛かっている皆さんに対しては、東京電力においてしっかりと賠償するべきであるという立場で東京電力に対して引き続き指導をしっかりしてまいりたいと思っております。  ただ、現実に今避難指示をしている地域皆さんに対する本賠償についても事務処理が非常に滞っておりまして、急いでやれということでその体制の強化を指示しているところでございまして、こうした皆さんも含めてできるだけ迅速に、少なくとも経済的な面については対応ができるように更に努力をしてまいりたいと思っております。
  280. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 私が言っているのは違うんですよ。確かに、今回の未曽有の原発事故ですから、試行錯誤のこともあったと思います。しかし、一定期間経過をして、まだ本当に現地にとどまって不安な思いで過ごされておられる方がいるわけですね。これまでの経験を踏まえて、やっぱり政府対応は私が申し上げたような形であってしかるべきではないのか。東電に賠償しろとかいうことは、後から私がまた質問するんです、そのことは。どうですか、総理、しっかり検討すると言ってください、そういうことを。私が言っていること分かるだろう。
  281. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 現在、そのそれぞれの地域の放射線量をしっかりとモニタリングをしながら、地域の広がりとして二十ミリシーベルトを超えるということの皆さんについては、もう地域全体として、産業活動、社会活動ぐるみでそこを離れていただきたいということで指示をお願いをしております。指示を受けて離れていらっしゃる方も大変苦しい、厳しい状況にあろうかと思っています。  それ以外の地域については、しっかりときめ細かく放射線量を把握をして、そして、例えばこの地域のこの周辺のところだけ高いというようなところについては、御承知のとおり、特定避難勧奨地域ということで指定をして避難をお願いをしているところでございますが、面的にその地域全体がということになっておりませんので、今そういった対応をさせていただいております。  ただ、そうした皆さんも、そうした不安の中で自主的に避難をされるというような対応については、最大限国としても支援をしてまいりたいと思っております。
  282. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ポイントの外れた答弁をされたら困るんですよ、時間が足りませんから。総理、やっぱりこういうことは決断が必要なんですよ。いかがですか。
  283. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 六日に審査会が行われて、そして今その図にも出ておりますけれども、一定の地域、それから対象者、額等の、これ一つのやっぱり目安だと思います。これは迅速に対応するための私は目安であって、そこから離れている人たちについては個別具体的に相当因果関係があるかどうかを判断をしていくと、これが基本的な今のところ姿勢だというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
  284. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 繰り返しませんけれども、私が先ほど申し上げた提起、是非検討していただきたいと思います。  私が質問する前に、先に損害賠償のお話ししていますから、パネル、次のこのパネルでありますが、(資料提示)もう総理が今言われましたように、十二月六日の原子力損害賠償紛争審査会で、ここに、パネルに書いてありますような方針が示されました。これは大変遅かったと、そのように思います。  社民党は、自主避難者皆さんとともに、この間一貫して補償を訴えてまいりました。その点では半歩くらいは前進したと、そのように思います。しかし、支援団体の調査によれば、次のパネルを御覧いただきたいと思いますが、自主避難者の避難に掛かった費用は、引っ越し代、家賃、交通費など、平均で七十二万円に上っています。  総理、一律ではなくて、自主避難者にせめて支出した実費は補償し、対象地域も限定されていますよ、会津、県南、そして福島県外。関東圏にもホットスポットと言われる濃いところが随分あります。関東圏については何にも対象になっていないじゃないかという、そうした御指摘もいただいております。そうした地域を拡大すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
  285. 増子輝彦

  286. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 時間がないんだから。
  287. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) その後に総理。
  288. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今回は、定型的にある地域を決めて、ここにいらっしゃった方については、そういった個別の事情を、例えばこれだけ実費掛かったんですとかというような話がなくても、あるいは避難された方もされなかった方も全ての方一律にということで、もう無条件でお出しをしてくださいということを審査会で決めていただきました。当然のことながら、この地域の方が自主的に避難をしていれば、もう定型的にでもお金が出るということは、避難をされることについて相当因果関係があるということも逆に裏付けられています。  したがって、個別に、このたくさんの実費が掛かっていらっしゃる方について賠償の対象にいたします。それから、この地域以外の方でも、相当因果関係があって自主的に避難をされている方の実費等については、これは当然賠償の対象になると思っておりますので、そうしたことができるだけ早くできるように、更に指導してまいりたいと思っております。
  289. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 この復興特委員会というのは、成果が上がらなければ意味がありません。指導したけれども駄目だったじゃ困るんですよ。  是非、対処方針をしっかりこの委員会に提出していただきたい、その内容を。具体的に実効が上がるように、この実費補償ができるように、そのことを強く要望したいと思いますが、いかがですか、経産大臣
  290. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今の御指摘を踏まえて、どういう対応ができるか、前向きに検討させていただきたいと思います。
  291. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 総理も。
  292. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) おととい出された方向性というのは、今大臣からも御説明ありましたけれども、一つの目安、基準、類型化だと思います。ですから、本当に掛かった実費については、因果関係があれば認める、外れている地域であっても相当因果関係があれば認める、これが原則でございますので、それに基づいたきちっとした運用をすべきだと考えております。
  293. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 その実費賠償がしっかりできるように、その対処方針をこの委員会に提出をしていただきたいと思います。その取り計らいを委員長、お願いします。
  294. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 後刻理事会でお諮りいたします。
  295. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 以上、終わります。     ─────────────
  296. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君が選任されました。     ─────────────
  297. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。今日は財源と財政に絞って質問させていただきます。  初めに、復興財源についてです。  うわさでは明日国会が閉まるということで、国民新党は延長すべきだと主張しております。もし明日国会が閉まった場合に、復興に関して増税の部分だけが決まって、税外収入ですとか歳出削減の部分は決まらずに終わることになります。これでは国民の理解を私は得られないだろうと思います。  具体的に申し上げますと、一つは公務員給与削減法案です。これをやらないで閉めてしまうとやはり国民の理解を得られないでしょうし、また今年も、今、予算編成やっておりますが、文部科学省から三十五人学級というのが出てきております。  これは去年非常に話題になって、ただでさえ少子化で自然に、特に地方では三十五人どころかもっと少なくなって学校の統廃合が行われているのに、国が旗を振って三十五人学級にして教職員の数だけ増やすのはいかがなものかと。教員の数を増やして公務員の給与を減らさず数も減らさなければ支出は増えるわけですから、これは理解は得られないだろうということで、去年は小学校一年生だけ三十五人にしましょうということで落ち着きました。これは、一年生で席にきちんと座っていられない子が多いので担任が大変だということで認めたわけですけれども、そこで話が終わったかと思いましたら、今年また二年生も三十五人学級ということで出てきております。  ですので、これは国民新党としても認められないと申し上げておりますが、このように、公務員の削減の努力をせず、給与削減もせずということはやはり国民感情からも認められないだろうと思います。  また、郵政の改革法案についても、これは復興の財源にかかわることですし、また、被災地において郵便局の建て替えを行うにも、会社の形態が今後どうなるか分からないので設計図が書けなかったり、いろいろと支障がございます。分社化したことの支障もございます。  ですので、決着していただきたいんですけれども、明日もし国会を閉じられるのだとしたら、国民にどのように説明をされるのでしょうか。総理にお伺いいたします。
  298. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、税外収入の確保の面では、子ども手当の見直しとか東京メトロ株式の見直しとか、いろいろ方向性は出しています。ただ、その中の一つの柱として公務員給与の問題がございまして、今回マイナス七・八%の削減という、異例でありますけれども、臨時の法案を提出をしております。一方で、自民党、公明党からも今御提案をいただいておりまして、今実務者の協議を通じて、今日は幹事長レベルの協議になっています。これをどう判断するかというのが大きいです。まだ会期を延ばすとか延ばさないとか決めている段階ではありませんし、元々これは国会で決めることでございますので、まだ仮定のお話だと思います。  郵政については、これは私も所信表明演説でも申し上げましたし、今委員指摘のような問題意識は共有をしていますので、是非、この法案の成立も目指しております。  ちょうどこの審議が終わった後には御党の亀井代表とも意見交換をすることになっておりますが、郵政もこういった公務員の法案も本当はこの会期内に成立を目指してきておりますので、何としても最後まで諦めずに、どういう合意形成ができるか、最後まで模索をしていきたいというふうに思います。
  299. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 最後までの努力をお願いいたします。  それでは次の質問ですが、財源の方法として無利子非課税国債をずっと訴えてまいりました。そして、財務省がなかなか、やはり主税局が固くて、無利子というのは相続税が減るから嫌だと、あともう一つの理由としては、海外に無利子の国債を出したら財政危機だと思われるから嫌だという、二つの理由がございます。  今年は震災があったので無利子の国債を出しても構わないのではないかとずっと主張いたしましたら、無利子非課税ではないけれども、ほかのタイプの個人向け国債が出ることになりました。  私はいろいろな提案をしまして、例えば、じゃ、無利子で非課税じゃなければ、くじ付き国債はどうかと。宝くじのように当たりが出て、基本的には無利子だけれども当たりの人はお金がもらえますよというようなのだったら喜んで買うかもしれないと言いましたら、財務省は、番号の管理のためにシステム開発をしなければいけないので一年は掛かりますと、すぐに出せませんということだったので、じゃ、もうあれもできないこれもできないではなくて財務省何か考えてくださいと言いましたら、無利子の復興債が出ることになりました。  実際には〇・〇五%ということで、〇・〇〇の金利を入れるとどうもエラーができて国債が発行できないらしいんですが、その新しい国債の仕組みについて財務大臣に御説明いただけますか。  担当者の方、お願いいたします。
  300. 鷲見周久

    政府参考人鷲見周久君) 趣旨と概要につきまして御説明させていただきます。  東日本大震災からの復旧復興国民の相互扶助と連携の精神に基づく国民的な事業でございますので、その施策のために必要な資金につきましても国民の皆様から幅広く寄せていただけることが望ましいというふうに考えております。こういう趣旨で、先生御指摘のように、本年度、個人向けの復興国債を一兆五千億円発行を見込ませていただきました。先月末に復興財源確保法が成立いたしましたので、今週の月曜日、今月五日からまずは現行の商品性のものを三種類募集を開始いたしました。  先生の御指摘のものでございますけれども、これに加えまして、来年の三月から、復興を更にもう一段応援する観点から、復興事業のために当初の三年間通常よりもかなり低い金利で資金を提供していただける方を募るという、復興応援国債の募集を行う旨、先日公表をさせていただきました。  この復興応援国債は、復興事業に三年間にわたりまして先生御指摘のように個人向け国債の下限金利でございます年〇・〇五%の金利で資金を提供いただいた方々には、そのお礼の意味を込めまして、三年後の保有残高に応じて、一千万円ごとに純金の記念金貨を一枚、百万円ごとに純銀の記念銀貨を一枚贈呈いたすというものでございます。  以上、趣旨と概要を御説明させていただきました。
  301. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 無利子非課税国債に向かってまだ主税局とは闘いたいと思いますけれども、今回理財局の方が少し努力をされまして、無利子記念硬貨付き国債が出ますので、国民の方にも御協力いただきたいと思います。  最後、TPPに関する質問です。  私は、TPPについて財源面から今回質問したいと思います。  関税を撤廃するとどの程度の税収が失われるのか調べましたら、約八千億です。これを何で見合い財源をつくるのか。総理はずっと財務大臣のころから、ペイ・アズ・ユー・ゴー、減税をするならば見合い財源を見付けなさいという論理でいらっしゃいます。  そうであるならば、片側で八千億が失われる。この国家財政にその穴を開けて外国企業を喜ばせるわけです。けれども、何のためにやるかといえば、このことによって日本でメリットを受けるのは輸出産業です。輸出産業が海外で物が売れるようにこういった措置をする。そうであるならば、海外で稼いできたその利益から法人が税金を納めるというなら分かるんです。ところが、法人税も五%減税をするとなると、これも約八千億です。足して一兆六千億の税収の穴が出ます。  こちら側に基幹税は所得税と消費税しかありません。その中で、消費税を社会保障に充てたらば所得税しか残りません。所得税、消費税合わせても一兆六千億はとてもとてもつくれないと思いますけれども、見合い財源を何とお考えでしょうか。
  302. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 安住財務大臣、時間がありますので、終わってください、短めに。
  303. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) はい、簡単に事実関係だけ。  関税収入は全世界からの関税収入でありまして、委員指摘の仮にTPPの関係各国だけで統計を出せば二千億ということになります。
  304. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 それにしても、二千億足す八千億で一兆円ぐらいは税収が減になるので、その見合いを何にするかという議論は今後必要だと思います。  以上です。
  305. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 野田内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。  他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  復興庁設置法案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  306. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、森さんから発言を求められておりますので、これを許します。森まさこさん。
  307. 森まさこ

    ○森まさこ君 私は、ただいま可決されました復興庁設置法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     復興庁設置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について万全を期すべきである。  一、復興庁被災地のニーズにワンストップ対応できるよう権限強化を図る修正が行われた趣旨に鑑み、復興に関する事業については、基本的に復興庁が、予算の要求、計上、配分などを一元的に行うとともに、事業の統括、監理を積極的に実施すること。  二、復興に関する事業のうち、復興庁が一括して要求する事業として政令で定めるものの範囲については、関係地方公共団体の要望に的確に応えられるよう、被災地被災者に直接役立つ事業を幅広く対象とすること。  三、復興庁の本庁の所在地については、復興庁には、関係行政機関との調整、立法府への対応なども考慮しなければならない一方、被災自治体から被災地設置するよう強い要望があるとともに、復興庁被災地において被災自治体被災者と身近に向き合う機能が求められていることを十分踏まえて検討すること。  四、復興の主体である市町村復興事業を円滑かつ迅速に行えるよう支援するため、復興局に相応の権限を付与するとともに、被災市町村からの要望を一元的に受理させ、責任を持ってワンストップ対応させること。  五、復興局は、市町村の意向を踏まえ、各府省が持つ人材、ノウハウを総合的に活用し、県とも密接に連携して、必要な措置を講じることにより、復興の主体である市町村を強力に支援すること。  六、沿岸部で甚大な被害を被った市町村が所在し、復興局から距離が遠いなどの事情を有する地域については、支所設置し、支所においては、現地の相談や要望に適切に対応すること。  七、復興大臣勧告権について各府省の尊重義務が明記されたことを踏まえ、復興大臣は、勧告権を背景とした強力な総合調整を行い、縦割りの弊害を打破し、迅速かつ円滑に復興推進すること。  八、岩手県、宮城県及び福島県以外の被災地域についても、被災自治体に対する支援等を確実に行えるよう、被災自治体意見を聞きながら、十分な体制を構築すること。  九、地域復興は、市町村のみならず、地域住民、農業者、漁業者、企業、NPO等の多様な主体が協働して行うことが必要であることから、復興庁復興局及び支所は、被災地被災者のニーズを的確に把握するとともに、現地において国、地方公共団体、民間事業者その他の多様な復興推進主体が意見交換し、具体的な復興事業に結び付けていくことができる場などを柔軟に構成するなど、復興事業を迅速かつ円滑に推進できる十分な体制を構築すること。  十、被災自治体が行う復興計画策定・実行への助言や被災自治体のニーズへのワンストップ対応等を実現するため、復興庁及び復興局の職員には、各府省の制度や復興施策に詳しく情熱ある人材を確保すること。また、自治体職員、定年退職者や民間からの人材も活用すること。  十一、縦割りを排除し、復興局中心に迅速かつ円滑に復興推進していくため、必要に応じて国の関係地方行政機関の職員等を復興局の職員に併任することを検討すること。  十二、復興推進委員会委員の人選に際しては、地域、年齢、性別などを考慮し、多様な意見を反映できるように検討すること。  十三、復興の前提となる災害廃棄物の処理、除染及び事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理については、住民等への情報提供を的確に行うとともに、専門家の知見及びモデル事業を通じた新たな知見を最大限活用して速やかに進めることとし、復興庁は、原子力災害対策本部連携して必要な調整及び事業推進を図ること。  十四、復興庁設置法成立後、速やかに所要の準備を進め、遅くとも平成二十四年三月十一日までには復興庁を発足させること。  十五、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律原発事故による被害者の権利を擁護するための法律を遅滞なく執行すること。特に、東京電力株式会社による賠償の遅滞又は不足に対しては、国の仮払いを積極的に検討するとともに、賠償の対象から漏れた者に基金の活用を検討すること。  十六、子供や妊婦への詳細な健康診断等の原発事故による被害者に対する施策を迅速に推進すること。  十七、復興の状況を毎年国会に報告する規定が新設された趣旨に鑑み、復興の状況を国民に周知することを通じて、重要課題である復興を強力に推進すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  308. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいま森さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  309. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 全会一致と認めます。よって、森さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対して、平野国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平野国務大臣
  310. 平野達男

    国務大臣平野達男君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。
  311. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  312. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十六分散会