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2011-12-02 第179回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十二月二日(金曜日)    午前十時二十分開会     ─────────────    委員異動  十二月一日     辞任         補欠選任      礒崎 陽輔君     山田 俊男君      小熊 慎司君     寺田 典城君      山下 芳生君     紙  智子君  十二月二日     辞任         補欠選任      植松恵美子君     行田 邦子君      大久保潔重君     西村まさみ君      平山 幸司君    はた ともこ君      岩城 光英君     渡辺 猛之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 岡崎トミ子君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 谷合 正明君     委 員                 池口 修次君                 金子 恵美君                 行田 邦子君                 斎藤 嘉隆君                 田城  郁君                 田中 直紀君                 谷岡 郁子君                 轟木 利治君                 西村まさみ君                はた ともこ君                 平山 幸司君                 広田  一君                 藤原 正司君                 赤石 清美君                 岩城 光英君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 高階恵美子君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 渡辺 猛之君                 石川 博崇君                 渡辺 孝男君                 桜内 文城君                 寺田 典城君                 紙  智子君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君                 亀井亜紀子君    衆議院議員        修正案提出者   階   猛君        修正案提出者   谷  公一君        修正案提出者   高木美智代君    国務大臣        総務大臣     川端 達夫君        文部科学大臣   中川 正春君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        国土交通大臣   前田 武志君        環境大臣     細野 豪志君        国務大臣     平野 達男君    副大臣        内閣府副大臣   後藤  斎君        厚生労働大臣  牧  義夫君        経済産業大臣  松下 忠洋君        国土交通大臣  松原  仁君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        郡  和子君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        水産庁長官    佐藤 正典君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   西澤 俊夫君        雇用促進住宅桜        台宿舎避難者自        治組織桜会」        代表       宍戸 隆子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興特別区域法案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、礒崎陽輔君小熊慎司君及び山下芳生君が委員辞任され、その補欠として山田俊男君、寺田典城君及び紙智子さんが選任されました。  また、本日、植松恵美子さん及び大久保潔重君が委員辞任され、その補欠として行田邦子さん及び西村まさみさんが選任されました。     ─────────────
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興特別区域法案の審査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君及び雇用促進住宅桜台宿舎避難者自治組織桜会代表宍戸隆子さんを参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 東日本大震災復興特別区域法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  6. 岡田広

    岡田広君 自由民主党の岡田広です。  質問通告していませんが、まず平野担当大臣一つお尋ねをしたいんですが、被災地方公共団体指定でありますが、二百二十二市町村指定をされています。まだこれに指定をされていない市町村もあるわけでありますけれども、本県では四十四の市町村のうち三十三が既に指定を受けまして、それぞれ復興計画等を作りながら一生懸命復旧復興に全力を尽くしているところでありますけれども、茨城県の結城市というところについては、残念ながら、この特定被災地方公共団体指定基準を上回っているにもかかわらず、まだ指定がされておりません。災害査定が終わって額の確定もしたところでありまして、市町村財政能力等を総合判断して年度末に指定をするというような話でありますが、この結城市においても、体育館あるいは市民情報センターなど、社会教育施設に甚大な被害発生をいたしました。  東日本震災財特法では、一部学校施設災害復旧費を除き、施設復旧費市単独事業対応するということでありますけれども、財政基盤が非常に弱い市でありますから、これ一日も早く指定お願いをしたい、早くここを総合的に判断をして指定を決めていただきたいと思うんですが、この点についてお尋ねをいたします。
  7. 平野達男

    国務大臣平野達男君) もし委員の御指摘のように、もしというのは失礼な言い方になりますけれども、指定基準を上回っているということでありますれば、これはもうできるだけ早期指定をしなければならないと考えています。事実関係をちょっと調査しまして対応したいと思います。
  8. 岡田広

    岡田広君 指定基準、上回っています。是非調査をされまして早急な指定を、三月末とかいうことではなくて、やはり新年度予算も組まなければなりませんので、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは、今日、川端大臣に来ていただいておりますので、先に、順序を変えまして質問をしたいと思います。  今回の大震災によって行政庁舎、そして公共施設に大きな被害が出ました。茨城県でも、後で今日は液状化について質問をさせていただきたいと思うんですけれども、私の住んでいる水戸市でも、行政庁舎、市庁舎本庁舎あるいは隣にある水道庁舎、全て、液状化等もあったんだろうと思いますが、やられまして今使えません。  そういうことで、今、市の窓口が十六か所もあるということで、私も何がどこにあるのか全く分かりませんけれども、これを一か所にしよう、まあ一か所にはならないんですけれども、仮庁舎を造るということで、仮庁舎は三分の二の補助をもらってこれを今進めているわけで、来年、年始めから新しい仮庁舎に移るということになるわけですけれども、この行政庁舎等についての補助、これについては前にも質問をさせていただきましたけれども、おかげさまで、二十四年度概算要求本庁舎本格復旧支援するために四・六億円が計上されて二分の一を国庫補助していただけるということでありますけれども、これは出先庁舎あるいは行政関連施設も含むのかどうか、そして、今回の津波被害では甚大だった大槌町役場なども補助率は同じなのかどうか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
  9. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) お答えいたします。  水戸の市役所も大変な被害を受けて御苦労いただいているということは承知をいたしておりまして、先生御指摘のとおり、早急に機能を回復しなければならないという意味で仮庁舎部分は、一次補正で三十七億、今般の三次では補助額二十一億ということでの仮庁舎の建設の応急的な復旧に係る経費として国庫補助制度をつくったことは御案内のとおりでございます。本格的な復旧に関しては、いわゆる東日本大震災からの復興基本計画においてこういうふうに書かれております。市町村復興の段階では新しいまちづくりと併せ、市町村復興の司令塔となる市町村庁舎機能の本格的な復旧の円滑な推進を図るというのが、これが基本方針でございます。  したがいまして、今御紹介いただきましたように、来年度予算として本庁舎の建て替えに関する早期事業着工可能性を見据えて要求を立てましたところでありますが、実は、個別具体にこういうことで建て替えるからという計画が決まって動き出しているところがまだありません。そういう意味で、実際の部分に関しては関係市町村と緊密にお話を伺いながら、そこの部分に、基本方針は支障のないようにちゃんとやるというのが大方針でありますので、それに沿ってしっかりできるようにということで対応していきたいというふうに思っていますが、今お尋ね部分でいいますと、今現在考えられているのは本庁舎という整理になっていますので、ただ個別具体には、まだ具体化は一切していませんので、そういう中でしっかり御相談をさせていただきたいとは思っております。
  10. 岡田広

    岡田広君 本庁舎ということで今御答弁ありましたが、やはりすぐ隣にある水道庁舎あるいは別な場所にある消防庁舎も全部やられているんです。そういうことで、是非今後の検討の中で、本庁舎のみならず行政庁舎について、関連施設などの本格的な復旧経費については是非今後検討していただきたいと思います。  そして、仮庁舎を造って、そして何年か後に本庁舎を造るという場合にはこういう適用がされるんでしょうか。
  11. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) 詳細な制度設計はこれからの部分でありますけれども、当然ながら仮は仮でありますので、仮に応急的な処置としてやるという部分でお手伝いをさせていただく。それからあと、新しい町の、市の計画として本庁舎をこうしたいということは当然必ず起こることでありますので、それをしっかりと視野に入れた制度設計をちゃんとしていきたいと思いますし、今お尋ねのいろんな出先関係機関を含めては、やはり町づくりの中での部分として検討することをさせていただきたいと思っております。
  12. 岡田広

    岡田広君 是非、将来にわたってこの検討お願いをしたいと思います。  川端総務大臣、結構です。  それでは、復興特区法案の中に盛り込まれました復興交付金についてお尋ねをしたいと思います。  国費ベースで一兆五千億ということでありますけれども、今回のこの復興交付金事業の五省四十事業の中に市街地液状化対策事業が入りました。これにつきましては、十月の三十一日に関東の八十一市町村、現在は八十六になったようです、東日本大震災液状化対策自治体首長連絡会議が設立されまして、会長は茨城県の潮来市の松田市長が就任をしたわけであります。特にこの液状化被害が多かった潮来市の日の出地区というところがありますけれども、世帯数二千四百、そして液状化被害は二千三百六十棟に及んでいるわけです。  この市街地液状化対策事業については、民地の地盤改良に対しては個人負担発生するわけです。これ、被災者生活再建支援法によって、全壊には基礎支援金百万円、加算支援金で補修が百万円、そして購入は二百万円となっていますが、そうすると、購入を入れますと三百万円という数字になるわけですけれども、これは新しく購入をした場合に三百万円が出るということになるわけで、この潮来市の日の出地区、ほかの地区調べたわけではありませんけれども、ここに限って言えば新しく購入するこの三百万円をもらうというところは現在のところはゼロだという、こういうことなんです。  そういうことで、半壊についても、半壊一千百七十八戸あったんですけれども、この点については茨城県からは見舞金が三万円を出されたということです。そのほかについては、この当該潮来市から義援金が配分をされました。全壊について二万円、半壊が一万円ということでありますけれども、この被害者生活支援法を拡充して半壊にも支援できるようにならないのかということを一つお尋ねをしたいと思います。  そしてこれ、行政一体地盤改良となればたくさんのお金が掛かります。これ、工法にもよりますけれども、工法については昨日も質問がありました。この工法についてはまた後ほど伺いたいと思いますけれども、個人には負担を掛けないで国が全額見てやるということにならないか。昨日の質問の中でも、住宅私有財産を増やすという、それとともに失われた生活基盤の回復だという質問もありました。やっぱり、衣食住という言葉がありますが、着ること、食べること、住まいのことというのは人間が生活する上で最低のものだろうと、私はそういうふうに思っています。  そういう中で国がもう少し、公有地地盤改良するときに私有地まで公有地一体の場合は支援ができるような、そんな話も聞くわけですけれども、この点についてお尋ねをしたいと思います。
  13. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 質問が二点あったかと思います。  まず、被災者生活再建支援法の拡充という御質問であったかと思いますけれども、被災者生活再建支援法、まず被災した世帯に対して百万円、そして新規購入した場合、新築した場合には三百万を限度に支給するという制度でございます。  この制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対しまして、自立した生活再建支援し、被災地の速やかな復興に資することを目的とした制度でありまして、全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯対象としているところでございます。  このような制度の趣旨からすれば、半壊世帯まで支援対象とするというのは制度の根幹にかかわるということで、なかなかこれは慎重な対応が必要だというふうに思っています。  なお、住家被害認定に関しましては、今回の地盤液状化による住家被害の実態に即した被害認定が実施できるようにその運用を見直しまして五月二日付け地方公共団体に通知したところでございまして、今回の液状化につきましては、大規模半壊等と認定される住家範囲は拡大したというふうに認識をしております。  なお、住宅半壊被害を受けた被害者に対しましては、災害救助法に基づく応急修理災害被害住宅融資制度による貸付け、税の減免等支援があるということについては御承知のとおりでございます。
  14. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございます。  しかし、やっぱり現場は大変だと思うんです。そういうことで、やはりこれは後でお願いをしたいと思いますが、復興基金という基金を設けましたので、こういう基金積み増し等をしていただきまして、やはりこういうものにも充てていくということがとても大事なんだろうと、私はそういうふうに思っています。  この液状化対策についてでありますが、都市防災推進事業ということで、この区域内の宅地について、所有権借地権を有する全ての方の三分の二以上の同意が得られなければいけないという補助要件があります。この市街地液状化対策推進事業補助要件というのが五項目あるわけですけれども、その中の四番目にあります。この三分の二以上の同意が得られるということになると、これ工法もまだ確定していません。それぞれの地域によって違うんだろうと思います。五十種類ぐらいの工法があるということですけれども、地下水を下げただけでは宅地地盤沈下するとか。どういう工法をやるかもまだ決まっていないわけですけれども、この三分の二という、ここが一つの私は同意を取るためのネックになるんではないかなというふうに考えているんです。浦安なんかにしても、これは宅地面積五十坪ぐらい、平均です。大変土地いっぱいに建物が建っているという中で、なかなか合意形成が厳しいという、そういうことになるんではないかと思うんですけれども、そういう点についての、これ政策は私はすばらしいと思うんです。しかし、現実に三分の二の同意合意形成というのは、それぞれの地域で大変私は苦労をするのではないか、果たして絵にかいたもちにならなければいいんだろうというふうに思っているんですけれども、こういうこの要件についての緩和については、大臣はどう考えているんでしょうか。
  15. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 議員指摘のこの制度について想定しているところを少し申し上げますと、大体この街区、何軒かあるその周りというのは、市道であったり県道であったりそういうので囲まれていると思うんですね。その公共施設について液状化対策をやる。具体的には多分幾つかの工法があるんでしょうが、一般的にはセメントミルクなんかを注入して地盤を固める。そのときに、その街区の何軒か何十軒か、そういう、まあ十軒とかそのぐらいの程度でしょうか、広げて注入すれば、ほぼ地盤対策にはなるんだろうと思うんですね。そのときの要件として、そこにお住まいの三分の二以上の、三分の二の合意が得られておれば、要するに市道の幅を広げて注入、まあそういうものですから当然広がるわけですから、できるし、それから、中には自分で特に対策をしたいというときには、そこは公共側の施工のときに合わせてもう発注業務から何から受けてやるということになりますから、その辺は運用かなりのところまでできると思うんですね。  そうかといって、全くそこに、三分の二ということにしておりますが、そういう合意がないということになれば、そこはまだなかなかそういう必要はないよということになってしまうと、公共範囲を限定してやらざるを得なくなるかも分かりません。  そういう意味では、具体的に動き始めれば、まあまあ理解をされてくれば私は有効な対策になり得ると、このように思っております。
  16. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございました。  今の前田大臣答弁の中で、公有道路を守るための私有地に対する補助というのは出すんですね。これは補助率はどのぐらいともう確定をしているんでしょうか。
  17. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 特に具体的なケースについて今想定しているわけじゃないんですが、それぞれ市道であるか県道であるかによっていろいろ補助の体系は違ってくると思いますが、最大限対応はするということになります。
  18. 岡田広

    岡田広君 是非、これからの検討の中で最大限対応をしていただくとともに、なかなかやはり個人負担発生をするということになると、同意を取り付ける、現場はやっぱりここで考えているのとは私は違うと思います。絵にかいたもちにならないようにしっかりと地元ともよく協議をされて、連携を図っていただきたいと思います。  これは平野担当大臣お尋ねしたいんですけれども、この液状化対策推進事業については、今回の五省四十事業、さらには二階建てにして効果促進事業ということもありますけれども、この液状化対策復興特区制度の中に取り込むことはできるでしょうか。
  19. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 五省四十事業基幹事業としては入っております。  復興特区制度の中にという意味は、制度として取り組むということですね。今の復興交付金の中にはもう入っているということでございます。
  20. 岡田広

    岡田広君 分かりました。  この液状化対策については、昨日の質問にも出ましたけれども、やはり液状化対策のこの工法、これをスピード感をもってやっぱり国がしっかり復旧復興に向けたガイドラインを示すべきだと思っていますが、これはどういう状況でしょうか。
  21. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 液状化の具体的な対策手法みたいなものですね。  いろんな手法があると思いますが、先ほど申し上げたように、一般的にはやっぱり地盤を固めるということになりますので、セメントミルクを注入するというのが一般的じゃないかなと思いますね。そのセメントミルクというのは、液状化するような砂質の地質であればそこはどんどんどんどん、そのやり方によっては拡大して注入できるわけですから、そういう意味において、公道液状化対策ということを通じて、公道で囲んでいる街区の地盤周辺部を固めるということになれば、これはもう専門的にちょっと評価していただかないと分からぬのですが、あえて全部やる必要はないと思うんですね。ボックスみたいな格好になればその中はもう安定すると。  だから、専門的な工法によって私はかなりのところまで対応ができるのではないかというふうに思っております。
  22. 岡田広

    岡田広君 前田大臣話された今のような工法についても、やっぱりしっかり幾つかの工法というのはあると思うんです。それを関係市町村にはやっぱりしっかりと指導をしてもらいたいと思います。そうじゃなければ要望の中で国が早く、早期ガイドラインを作ってくれなんていう要望は出てくるはずがないわけですから、是非よろしくお願いしたいと思います。  これ、最後に、いずれにしてもこれからのことでありますけれども、公有地私有地と、これは問題があるわけですけれども、しっかり、本県では百四十億円いただいた復興基金の中で、これは七十億は県内市町村四十四に配分をする。均等配分というわけには、均等配分だったらもう金額はおのずと出てくるわけですけれども、やっぱりこういうところに手厚く配分をしていくというのが当然でありますけれども、やっぱり基金を、第四次補正もやる、新年度予算の中でこういう基金を増やしていくということをやっていかないと、現場は本当なかなかこの復旧復興はできないと私は思いますよ。是非平野担当大臣がやったと言われるようなやっぱり意気込みで答弁お願いしたいと思います。
  23. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興基金は、委員承知のように特別交付税を財源として設置するものであります。その一方で、今回復興交付金効果促進事業等々もございまして、これは全体の額としては五千億用意させていただいているということでございます。この二つを上手に使っていただくということが基本かというふうに思います。  まず、今回の三次補正、それから復興基金、こういったものを自治体で効率的に使っていただきまして、その状況を見ながら今後の対応は適切にしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
  24. 岡田広

    岡田広君 済みません。時間がもうなくなりましたので、次の質問に移ります。  企業誘致についての交付金についてでありますけれども、企業誘致風評被害対策としてこの復興交付金は使えるんでしょうか。
  25. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今、茨城県でも原発の事故によって様々な分野で風評被害が出ているというふうに承知しております。  効果促進事業につきましては、建前上は、基本的な考え方としては基幹事業との関連性が説明できる、その上でできるだけ幅広くということで考えておりまして、例えば企業立地を促進するための一般的な風評被害対策、こういったことについては、私は十分この効果促進事業対象にはなり得るというふうに考えております。
  26. 岡田広

    岡田広君 それでは、企業立地についても、まあ本県はずうっと立地面積では全国一位だったんですけれども、昨年の数字申し上げますと百九十ヘクタール、二番は多分愛知、八十六だと思います。去年上半期は八十六ヘクタールという面積です。今年は六・七ということで、九二%も減ってしまいました。当然、企業立地に対する交付金等のようなものを要望しているわけですけれども、先月の二十一日に、これは茨城、栃木、群馬、宮城の四県の知事が原子力災害の影響による厳しい現状を訴えながら復興対策について要望平野大臣にも行っています。  こういうことについて今後どういうふうな形で取り組んでいくのか、お尋ねしたいと思います。
  27. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 御要望の趣旨につきましては、福島県において企業立地の基金が設置されたということを受けて、やはり同じような考え方で、いわゆる原子力災害によって風評被害を受けている地域の企業立地を促進するための基金を設けていただきたいという、こういう御趣旨ではなかったかというふうに思います。  そのほか、様々な御意見をいただいております、御要望いただいておりますけれども、その御要望を踏まえまして今各省において検討お願いしているところでございまして、間もなくその検討結果を各省からお聞きして、復興本部としてどのように判断するかを決めていきたいというふうに思っております。
  28. 岡田広

    岡田広君 是非この対応を前向きにお願いをしたいと思います。  茨城県を始めとした今の四県についてでありますけれども、原発事故の風評被害対策もちろんですけれども、農林水産業あるいは観光、製造業、風評被害の解消のため、あるいは今話しました企業などの立地促進、そして何よりもイメージの改善などの取組に対する財政支援是非要望しておきたいと思います。  一例を挙げたいと思いますが、イメージの払拭ということで茨城県でも加工、これは千葉県でも福島県でも東京電力に要望しておりますが、加工組合、これが風評被害要望しています。しかし、今の文部科学省の紛争審査会の指針では、茨城の港あるいは銚子港、日本の国内、国内というか国内で水揚げした魚を半分以上加工に使わなければこれは出ないというのが紛争審査会の指針ですけれども、ほかの県は調べていませんが、本県の加工組合の加工屋さんは全て、タコは例えばアフリカのモーリタニアとか、イワシ、サバはノルウェーとか、全て海外から輸入をしています。三・五から七%の関税を払っても、そうして輸入して、加工して売っているんです。そういうところが全く東京電力まだ出ていない。この損害賠償請求と支払の状況も、十一月十五日現在来ていますが、水産加工品は全くまだ支払がされていません。  こういう点についても、これは平野大臣でいいんでしょうかね、是非善処方お願いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  29. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今の御質問は、風評被害に対する対応とそれから実際に被害を受けているという方々に対してのいわゆる賠償という問題と二つあるというふうに理解をさせていただきました。  いずれ風評被害につきましては様々な形で、三次補正予算の中にも風評被害対策ということで予算を計上させていただいておりますし、いろんな形での支援はしなければならないというふうに考えております。  一方の賠償の問題につきましては、これは今の御意見、委員の御意見も踏まえながら、経産省それから賠償支援機構等々にも私の方からも働きかけをしていきたいというふうに思っています。
  30. 岡田広

    岡田広君 今日は東京電力さんも呼んでおりませんけれども、経産大臣も呼んでいませんけれども、この復興交付金事業計画に基づく交付金の中で、国は原子力損害賠償法により原子力事業者が賠償すべき損害に係るものについても復興交付金を交付できるという項目が書かれています。  これは東電との支払の関係等いろいろありますが、もう時間がありませんからこれ質疑できませんけれども、これはこういう、東京電力がなかなか支払が決まらない、要するに文科省の紛争審査会の指針に基づいてということであればいつになっても決まらない。私は十月の委員会で、枝野経産大臣、東京電力の西澤社長も来ていただいて、やっぱり東京電力で自主的に判断して支払できるものはという質問をしました。枝野経産大臣は、指針に基づかないで東京電力で支払えるものはどんどんやってもらいたいという、そういう答弁を枝野大臣はしていましたけれども、この原子力事業者が賠償すべき損害に係るものについても復興交付金を交付できると書かれてありますけれども、こういう被害に対しても支払うことはできるんでしょうか。
  31. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 効果促進事業につきましては、繰り返しで申し訳ございませんけれども、基幹事業が実施されることを前提に、それと関連する復興のための事業であれば、地方の特性に即して自主的かつ主体的に実施される事業に幅広く対応したいというふうに考えております。  他方、原子力事故による風評被害被害者に対して補償を行うことについては、これは一義的に事業者において対応されるものと理解をしておりまして、基本的にこちらの方で対応すべきものだというふうに考えております。そうした対応を待たずに効果促進事業によりその対象地域被害者のみに対して補償を行うことは他の地域被害者との公平性の問題も生じると認識しており、現時点でこれをやるということについてはなかなか難しいのではないかというふうに私どもは今考えております。  いずれにせよ、こういった要望についてあれば個々具体の中で相談してまいりたいとは考えておりますが、この補償という問題については、繰り返しで恐縮ですけれども、事業者によって対応するのが本来の姿でありますから、そちらの方でできるだけ早急に行われるよう私どもも関係機関には強く働きかけていきたいというふうに思っております。
  32. 岡田広

    岡田広君 時間が来ましたので、是非、やはり政治主導ですから、今回はもう事業者、国の責務も十分あるわけですから、しっかりと連携を取って指導をしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  33. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 自由民主党、北海道の長谷川岳です。  福島県民の方々の自主的避難者数ですが、震災半年後の九月二十二日の段階で、県内の避難者総数十五万八百三十七人のうち、三分の一に当たる五万三百二十七人もの方々が自主的に避難をされています。そして、この自主避難されている約半数の二万六千七百七十六人が県外に避難をしております。私どもの北海道にも避難をされてきております。しかしながら、今審議されている復興特区法案には自主避難に対する支援等が含まれておりません。  そこで、本日は、札幌で自主的に避難された雇用促進住宅の自治会「桜会」の代表宍戸さんにお越しをいただいて、しっかりとお話を伺いたいというふうに思います。宍戸さん、よろしくお願いいたします。  まず一つ、今の北海道における避難状況をお教えをいただきたいと思います。
  34. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) よろしくお願いします。  私が現在住んでいる厚別の雇用促進住宅には百六十世帯前後の自主避難家族がおります。北海道は早い段階から自主避難者の受入れを表明してくださいました。そして、今も手厚く援助をしてくださっています。ですから、避難指示圏からの避難者よりも自主避難者の割合が高いです。そして、今も僅かずつですが北海道に避難してきている人たちがいます。
  35. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 三月十一日からどのような状況の中でこの自主避難というものを判断されたのか、お教えをいただきたいと思います。
  36. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) 当初、福島では停電の影響などもあり、何が起きているのかを知るすべが全くありませんでした。停電が解消されてからも、報道から流れてくる情報は安全を強調したものが多く、また多くの事実が後出しでした。私たちはみんな必死でネットなどで情報を収集しました。そこにあった情報はテレビなんかとは本当に違ったもので、その情報の乖離にみんなが不安を感じておりました。  私自身が避難を決断したのは、文部科学省のホームページに一歳児の甲状腺の被曝量換算のSPEEDIの予測データがあったんですが、それを見たことです。
  37. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 そのような中で、最終的な避難を判断したというのが文部科学省のホームページだということなんですが、もう少し詳しく教えていただけますか。
  38. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) 私は文科省のホームページのデータを見て避難を決めました。もうその一歳児の甲状腺被曝のラインがちょうど私が住んでいたところの端っこに引っかかっていたんですね。それで避難を決めました。  北海道に避難している方たちといろいろ話をしまして、その中で、例えば鼻血なんですけれども、そういうような症状を訴えていたお子さんが非常に多かったです。
  39. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 今の避難者の方々、北海道に移られている方々の経済状況についてお聞かせをいただくことができればというふうに思います。
  40. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) 福島では子供が生まれたら家を建てるという家庭が割と多いんです。小さなお子さんとお母さんを避難させて、お父さんは福島で住宅ローンと生活費のために働いている。ですが、二つかまどというのは想像以上にお金が掛かります。経済的に苦しい中、避難を決めた母子家庭がいます。最近は家族そろっての避難が増えてきました。お父さんもお母さんも仕事を辞めて新しい生活を北海道で一から始める、そういう家庭が多いです。
  41. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 放射線の危険性というものはどういうものなのか、そのことについては専門家の間で必ずしも意見が一致しておらず、そのような中で個々人が判断をしなくてはいけないというところに今回本質があると思いますが、その点について伺いたいと思います。
  42. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) 本当のことは何にも分からないんです。  国は安全だと言う。これぐらいの低線量では身体的な影響は出ないと言います。私も初めはそう思っていました。自分の娘も鼻血を出したりしたんですが、それでもそれを被曝のせいだと私は初め考えておりませんでしたし、今でも疑っているのも事実です。  ですが、聞き取りをしてその考えを少し改めています。目の前で今まで出したことのないような鼻血を出している子供たちがいたら、皆さんどうしますか。偉い学者さんがどんなに安全だと言っても今起きているその事象を優先しませんか。本当に、お手元に資料配られていると思うんですが、みんな目の前で起こったことを、それを見て避難を決めている方もたくさんいらっしゃいます。
  43. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 少し聞きづらいことをお聞かせいただかないといけないと思います。例えば、こういう自主避難に関して、当然ながら家族やあるいは親族の皆さん、特に地域等の皆さんとのあつれきというものが起きてくるかというふうに思いますが、その点についてお話を伺えたらというふうに思います。
  44. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) 私たちは自主避難者です。国の指示を待たず、自分たちの意思で避難を決めました。それは地縁、血縁の強い福島ではとても勇気の要ることです。おじいちゃん、おばあちゃんの理解がまず得られません。お父さんとけんかをした人もたくさんいます。国が安全だと言うのにそれを聞けないのか、もっと強い言葉でなじられている人もたくさんいます。自分が安全な場所に避難しておいて、除染してきれいになった福島に帰ってくるつもりなのか、そういう言葉も投げかけられました。いいよね、あなたたちは逃げられて、そういうふうにも言われます。  私たちは、今福島に残っている人たちのことを本当に心配しています。でも、その思いは届きません。私たちと福島に残る人たちの間には大きな溝があります。その状況はこの原発事故で引き起こされたものです。
  45. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 最後に伺いますけれども、最も今望んでいることは何か、特に自主避難の権利も含めてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  46. 宍戸隆子

    参考人宍戸隆子君) 私は、元々政治不信でした。失礼ながら、政治家なんてろくなもんじゃないとずっと思って今まで生きてきました。でも今は違います。このような状況になって、北海道で自治会なんか立ち上げてしまったものですから、党派を超えてたくさんの方が声を掛けてくださいました。何ができるのか、何をしなければいけないのかを必死で考えて動いてくれている人たちがたくさんいることに気付きました。だから、私は政治に期待します。  選択的避難の権利を国に認めてほしい。子供の、人間の命を守ることを最優先に考えた方策を考えてください。自主避難者への補償は、その権利を国が認めてくれることです。きちんとした補償が出る。あえてこの言葉を使います、国が逃げてもいいと言ってくれたなら、本当に避難したい人はたくさんいるんです。福島の復興のために力を尽くす、福島を守り立てていく、それも大事だと思います。それと同時に、避難を考えている人の権利も認めてほしい。  今の福島にいて何の不安もないと思いますか。避難している人も福島で頑張っている人も、みんな苦しんでいます。今ここにいる皆さんに、福島の人は見えていますか、私が見えていますか。どうか、福島で苦しんでいる人、その人たちのために最大限の御配慮をお願いします。
  47. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 本当にありがとうございます。  九か月たつのに、こういう自主的避難について方針が決定せず、一銭も支払われない。もうすぐクリスマスで、自分も二人の子供いますが、正月で子供たちに何か買ってあげたい、そういうのが人の心だと思います。  中川大臣、やっぱりなぜ、こういうのが、支払が遅れているのか。
  48. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 先ほど、宍戸参考人から非常に貴重な証言をいただきました。  私自身も、でき得る限り早くこうした対応について結論を得ていくという努力をさせていただきたいというふうに思っているんですが、それが遅れているということ、これに対してはおわびを申し上げたいというふうに思います。  その上で、原子力損害賠償紛争審査会が今行われておりまして、もう既に五回に上る審議をして、インターネット上でもこれ議論そのものがオープンになっていますので、皆さんとともに問題点の整理をしておっていただくという状況があります。  二十五日、前回の審査会では、中間指針追補のイメージということで案が示されました。その中では、賠償の対象区域対象者をどのように設定をしていくかということ、それから損害項目また損害額の算定、これをどういう基準で考えていくかということ、それから指針の対象の期間、これをどのように設定をしていくかという、そういうことについて議論が行われておりまして、次回十二月の六日を予定しているんですが、ここではしっかりとした結論を出していきたいというふうに思っております。具体的ないわゆる市町村名あるいは金額について、この六日にはしっかりとした結論が得られるということ、これを是非お願いをしたいということで、委員の皆さんには今お願いをしているところでございます。
  49. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 平野復興大臣に伺いますけれども、復興基本法の基本理念において、私、六月二十日の復興特別委員会質問を枝野官房長官にさせていただきました。計画的避難区域等の指定地域に限らず、原子力事故による被害を受けた地域地域、言わば福島県全域をしっかりと含むということを当時の枝野官房長官が定義をしました。だから、今回の復興特区法案において、復興交付金による自主的避難者への支援というのは本当は市町村でするべきではないかと私は思いますが、いかがですか。
  50. 平野達男

    国務大臣平野達男君) その前に、福島県の、特に在住のお子さん方が日々放射線におびえながら暮らしている、二十四時間こういう計測器を付けながら暮らしていく、その中での様々な心理的な問題も出ている。それから、あと、私は新潟県等々に、これは自主避難ではございませんけれども、二十キロ圏内からの方々、特に小さなお子さんの方々とも何回か会っているということで、何回かじゃなくて、新潟県にお邪魔しましていろいろ御意見も聞きました。先ほどの話の中で、同じような思いというのについて大変な思いをされているということについては、また認識を新たにしたということだけちょっと申し上げさせていただきたいと思います。  その上で、復興交付金、特に効果促進事業でございますけれども、先ほどの答弁でもございますが、まずこれがもう一義的に賠償という形で出されるのが、これが一番いいというふうに思っています。  今、文科大臣も自主避難者の対象については、どういう基準で支払するかということについて検討を重ねているということでございますから、それを鋭意進めていただきたいというふうに思っていますし、私どももその方向で進める中で後押しをするということを是非やっていきたいというふうに思っております。
  51. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 もう年末なんですよ、一番今やっぱり年末年始、皆さんそれぞれ新しい気持ちで新しい年を迎えたいという思いのときに、例えば今の話が時間が掛かるんであれば、なぜ野党が中心に出した仮払い基金法において、自主的避難について、特に三十キロ圏外、基金を創設し支援が可能であるにもかかわらず、この法律を活用しないのか、これについて伺いたいと思います。  一部の報道ではやるという情報も入っておりますが、この点について経済産業大臣に伺いたいというふうに思います。
  52. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 御指摘基金は、長谷川先生おっしゃるとおりに、原子力災害に対して広く応急対策を実施し得る基金として規定されておりまして、地方公共団体がこの基金を設ける場合には、国がその財源の全部又は一部を補助できることが定められております。  地方公共団体からこの基金の設置についての具体的な要望がありました場合には、他の手段、これは現在、予算措置をいろいろしているわけですけれども、その対応状況等を踏まえながら県、市町村ともしっかり相談して、基金の設置も含めて、原子力被災者に必要な新たな支援措置を検討してまいりたいと考えています。  それで、先月の末に佐藤福島県知事さんとうちの経済産業枝野大臣との話合いがございまして、知事さんからこの基金について、今後具体的な使途等を詰めた上で相談したいという話しかけがございました。それに対しまして、枝野大臣からも、基金について要望があれば相談していただきたいと、真摯に対応するということでございますので、そういう形でやっていきたいと、そう考えています。
  53. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 副大臣、これ進めるという認識でよろしいですか。もう一度伺いたいと思います。
  54. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 相談いただきました上で真摯に対応するということは、進めていくということだと、そう思っています。
  55. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 今日は東京電力の西澤社長にも参考人として来ていただいておりますが、この自主避難の方々の思いをしっかり今聞いていただいたと思いますし、この東電による賠償は自主避難に限らず非常に遅れていると聞いております。  支払の状況、どうなっていますか。伺いたいと思います。
  56. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) ただいまの宍戸様の御心痛、御苦労についてはきちんと受け止めまして、しっかり賠償等を含めやっていかなければと思った次第でございます。本当に御迷惑、御心痛をお掛けしております。おわび申し上げます。  現在の賠償の状況でございますけれども、御存じのように、個人、法人に十月の初めから本賠償という形で、本格的な賠償という形で、個人で七万件、それから個人事業主、法人の方で一万件、発送をさせていただいております。非常にちょっと分厚いとかという形で申し訳なかったわけですけれども、いろいろ改善の手を尽くしまして、五つの約束という形で今やっております。  その結果でございますけれども、今、十二月一日現在ですけれども、個人の方は二万二千八百件、約二万三千件程度でございます。それから、法人・個人の方は九千二百件の方が今戻ってきてございます。  現在、一日千件を目指して今処理をしてございますけれども、現在、合意した形で送付してございますのが、個人で七千百件、法人・個人で二千百件でございます。約三割、二割が今合意の形で処理して送付をさせていただいております。現在時点で、個人が二千五十件、それから法人、個人事業主でいきますと一千三十件が合意をして本賠償の支払の手続に移っているという状況でございます。
  57. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 私たちもいろんな団体から聞きますが、要望額の一割、二割に行っていない団体がほとんどです。早急にその支払を進めていただくように強く申し上げます。  もう一度文科大臣に戻りますが、子供と家族を守るというのは、父親、母親として当然の権利。特に自主避難については、もちろん福島県に住んでいらっしゃる方々への補償はもちろんのことですが、やはり二重の生活費、実費は非常に掛かっているわけです。今お金が、非常にお金が掛かっています。一か月に一回北海道に会いに来たり、そういう父親の方々の交通費も掛かっています。そういう二重の生活費や実費は私は支払されて当然のことだと思いますが、文部科学大臣、どういうふうに対処する方針ですか。
  58. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 紛争審査会の方でそれぞれ聴き取りをしながら、そうした問題についてもしんしゃくをしっかりして基準を作るということで今頑張っておっていただいていますので、そちらの方での結論を待ちたいというふうに思います。
  59. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 つまり、この自主避難の方々も含めて、最も大事なのは損害賠償紛争審査会だと私は思います。しかし、皆さんに今日お配りの資料三をちょっと御覧になっていただきたいと思います。原子力損害賠償紛争審査会、中川大臣が所管している審査会について伺います。  この資料は、四月十五日から十一月二十五日までの第十七回、審査会が開かれている、この出席状況であります。被害者の方々への賠償が適切かつ迅速に行われるためにも、この審査会は極めて大きな役割であるというふうに思います。  そこで、文部科学省に政務三役の出席状況を確認しました。しかしながら、文部科学省の答えは、途中退席などは記録で残っていないため、途中入退室があった場合も出席としているという回答が返ってきたんです。私、独自でうちの事務所で全部議事録を取って調べました。そうすると、今まで丸を打っていたところ、全部これ遅れて出席、あるいは途中退席、本当短い間の途中退席だけなんですよ。  これ、大臣、見てください、大臣ほとんど出席していない。今、口では紛争審査会は大事だ、文部科学省全力で挙げている、そんなことをおっしゃっていましたが、この一番、紛争審査会、二時間や三時間で済む、しかも文部科学省の中でやっている紛争審査会をこのような出席率であるということが判明したんです。  そこで、大臣、まずは、これ後でもう少し聞きますけれども、本来、紛争審査会で行われる中間指針の対象者数あるいは予算規模、この賠償の規模ですね、それ、どれぐらいだと認識していますか。
  60. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 委員も御存じだと思うんですが、この紛争審査会というのはインターネットあるいは議事録で全てオープンにされておりまして、私の役割というのはここに、議論に参加するということじゃなくて、ここで何が議論されているかということを把握をするという役割になっております。そういう意味で、確かに私自身が出席をするという回数は本当に節目節目だけになっております。  しかし、中の問題についてはしっかりと把握をしなければならない、また、ここでこたえていかなければならないというふうに思っておりまして、鋭意その部分についても対応はしていきたいというふうに思います。  ただ、ほとんど国会審議やそれから公務が重なっておりまして、そこのところ、この審議会だけじゃないんですが、あらゆる審議会で実はこういう状況になっているということも御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
  61. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 大臣、紛争審査会で今のような宍戸さんも出席しているんですよ、かつて。宍戸さんのような現場で苦労されている方が思いを伝えにわざわざ文部科学省に来ているんですよ。そういう脈絡をちゃんと知った上で、大臣や副大臣が政府の在り方を判断するのが普通じゃないですか。にもかかわらず、国会が入っている、あるいはたかだか二時間、三時間、一日の中でこれだけは絶対出よう、大臣の意思があればこれは出れるじゃないですか。いかがですか。
  62. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) それぞれの分野で皆さん一生懸命、今震災対応をしておっていただいています。いかに線量を下げるかというふうな除染の対応であるとか、あるいはこの自主的避難だけではなくて、将来の福島の全体としての対応をどうしていくかというような議論だとか、国会も含めて様々にそれぞれの分野で皆さん頑張っておっていただいています。それをできる限り私も一つ一つしっかりとコミットをしてやっていきたいというふうに思っているんです。しかし、物理的なといいますか時間的な限界というのは、是非また政権取っていただいた暁には大臣やっていただきたいと思うんですが、そんな中での配分というのは非常に厳しいものがあるということ、これも御理解をいただければ有り難いと思います。精いっぱい私もやっていきます。
  63. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 中川大臣お答えになりませんから、これ松下副大臣に伺いますけれども、紛争審査会における中間指針の対象者数、あるいは紛争審査会における支払われる金額、どれぐらい、総額どれぐらいと見込まれていますか。予想で結構でございます。
  64. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 様々なマクロの推計数字を使ってやっているんですけれども、金額といたしまして約四・五兆円、それから対象人数として、その対象地域の避難者、それから今自主避難の人たちも含めてですけれども、十六万を超えているというふうに認識しております。
  65. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 文科大臣、このように四・六兆なんですよ。これは文科省の全体の予算を上回っていますよね。そういう、つまり紛争審査会の決定事項というのは、被災者の皆さんは一体いつから賠償が始まるのか、それから審査会での審査の内容をみんな固唾をのんで見守っているんですよ。この審査会には大臣は欠席、副大臣は途中から欠席、あるいは途中から退席、ほとんど。しかも四・六兆と言われる国費が投入される。  皆さん政府の中で事業仕分等をやっておりますけれども、こういった一番大きな、肝心要の決定をするというところになぜ大臣や副大臣が同席をしていないのか、これ全くおかしい話じゃありませんか。
  66. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 法律の建前でいきますと、この原子力損害賠償紛争審査会というのは第三者機関でありまして、ここで決定されることに対して、政治的にそれに対して影響力を及ぼすということができないといいますか、しないという前提の中のこの審査会なんです。だから、さっき申し上げたように、私がこの紛争審査会の中に入って議論をするという、そういう前提ではないんですということを御理解をいただきたいというふうに思います。
  67. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 そうであれば、副大臣、政務官、一回もいないときありますよ。どういうことですか、これは。こんなことあっていいんですか。
  68. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) そこは、御指摘のように、でき得る限り私たちも出席をして、そこで議論をされていることというものについては理解をしていく、その前提に立って政策を立案をしていくということ、これは大事だというふうに思います。
  69. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 これはもう完全に被災者の方々への冒涜です。それともう一つは、税金投入、国費投入の認識が全く欠如していると言わざるを得ません。  平野大臣、あなたは連日のように答弁で、政府は連日全力を尽くしていると言っております。しかしながら、このような肝心要の賠償の規模を決める、賠償の人数を決めるという重要な会議にやはり寄り添って、被災者の皆さんに寄り添ってきちっと大臣や副大臣が参加する、そういったことが政府の姿勢としては大事ではありませんか。まさにこの政府の緩みを変えていく努力をしていかなければなりません。そのように思いませんか。
  70. 平野達男

    国務大臣平野達男君) そういった審査会、検討会、出席をすべきということについては、できるだけやっぱり出席すべきだというふうに私は思います。しかし、その一方で、文科大臣が申されているように、あらゆるいろんなスケジュールの中でどうしても出なくちゃならないものがあると、そちらを優先させる。それから、審査会は、これは専門家が集まっております。閣僚の役割というのは、そういう審査を聞くというのと同時に、その審査会から出てきた結論、これをしっかり判断をして、それから関係者にしっかり伝える、こちらの仕事の方が私は大きい役割だというふうに思っています。  いずれ、そういった中で、文科大臣も私は出るべく努力されているというふうに理解しておりますし、今のお話を聞きまして、この議論を踏まえまして、これからも的確に対応されるのではないかというふうに思います。
  71. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 現場の声をやはり大事にしてください。  これで質問を終わります。ありがとうございました。
  72. 熊谷大

    ○熊谷大君 自由民主党の熊谷大です。  十二月に入り、東日本大震災からもうそろそろ九か月がたとうとしております。地元ではあの日と同じように雪が舞い散り始めました。当時、雪がまだまだ降る状況、道路状況も悪いにもかかわらず全国から支援に来てくださった方々、とても助かったなと今振り返っても思います。  今言ったように、今回、道路の役割というのが非常に大きく出てきたなと。よく郊外に行けば命の道であるというスローガンが掲げられております。道路整備の大切さの理解がこの大震災をきっかけに浸透したなと、まさに命の道の結果になったなというふうに思います。  被災直後、東北整備局は、くしの歯作戦を展開して、南北をつなぐ道路が寸断されたために、沿岸部を助けるために東西の道路を活用して被災地支援に大きな成果を上げました。この活躍は、当時、大畠国交大臣も本会議場で東北地方整備局の徳山局長の名を挙げて称賛されました。これは大変異例なことだと思っております。  この評価は、総理が替わったとしても、国交大臣が替わったとしても変化ありませんね、国交大臣
  73. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 熊谷委員からもそうやって大きな評価をいただいて、面映ゆいところもあるんですが、本当に有り難いことです。  あの東北大震災において、東北地方整備局、徳山局長を始め一心不乱に取り組んで、南北の道路網を一日にして開通させ、そしていわゆるくしの歯作戦と言われる、それに対して東西、三陸の被害地に至る道路をたしか十四本、十五本、これは四日、五日のうちに啓開させたと。こういう整備局の持っている現場力といいますかね、総合的な現場力、そしてまた、実は東北整備局だけではありませんでして、オールジャパンの各整備局が挙げて応援に入ったわけですね。こういう統合力。  特に整備局の場合には、ふだんから、河川であれ道路であれダムであれ、豪雨があった何だということで言わば危機管理を、常に危機管理の体制を取っていると言っても過言じゃないところがありまして、そういう意味では、本当にそうやって、まあどちらかというと縁の下の力持ち的な存在なんですが、大きく評価をしていただいたということは非常に有り難いと、こう思っております。
  74. 熊谷大

    ○熊谷大君 その、今大臣もおっしゃったような功績を上げた整備局を野田総理は広域連合に移譲をしようという発言があったりして、それはやっぱり地元の気持ち、又は大きな仕事をしていただいた方々の感情を考えていくといかがかなというふうに思っております。  地方公共団体機能不全に陥ったときに、テックフォースを始めポンプ車も配置又は配車していただきました。各地の整備局の仕事を正当に評価していただきたいというふうに思っておりますし、東北の東西をつなぐ道路、例えば山形—宮城間の百十三号線であるとか、福島—山形県を結ぶ三百九十九号線、又は秋田—岩手間といった国道や橋梁の整備、これも補助もしっかり含めて行っていただきたいなというふうに思っております。  さらに、宮城県内でよく言われることでございますが、最近、瓦れき処理に関しまして、トラクター又はダンプカー、瓦れきを積んだ積載車が多く通っております。町道、市道県道、国道を関係なくそれは通りますので、非常に町道、アスファルト構造が弱い、構造的にも弱い町道、市道なんかを通りますと非常に道路の傷みが激しくなる、そういったことをしっかりと補助をしてきめ細やかな対応をしていっていただきたいなというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  75. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 出先機関改革のお話もありましたが、これは元々自民党政権時代の丹羽地方分権改革委員会ですか、あの当時から地方分権、地方の疲弊に対してもっと地方自治というものが大きな役割、そして力強くなっていかにゃいかぬということで始まったことでございまして、今に至って閣議決定もされ法制化するというアクションプログラムがあるわけですね。  それにのっとって検討が始まっているわけでございますが、私自身は、委員が心配されるようなことにならないように、この地方整備局の持っている現場力、統合力というものが十二分に発揮されるような形で、大きなブロックごとに自治という形で力が発揮できれば、自治というのは経営体でございますから、整備局に更に民と連携する、そういう幅広い可能性も出てくるということで、そういう理想的な方向に行くなら私はそういう方向に是非行ってほしいなというふうには思っているわけでございます。  そういう中で、今御指摘のようなことは確実に対応してまいりたいと、こう思っております。
  76. 熊谷大

    ○熊谷大君 次の質問に移らせていただきたいと思います。  先ほどもありましたが、復興のスピードが非常に遅いなというふうに思っております。さらに、そのスピードの遅さに輪を掛けて、政府・政権与党の姿勢が非常になかなか被災地から受け入れられるような態度ではないなというふうに思っております。  ちょっと振り返ってみたいと思うんですが、六月二十七日、月曜日なんですけれども、この日に宮城県議会、市長会、議長会そして町村議会議長会、総勢百名近く宮城県から陳情団又は要望団がやってまいりました。総理、当時は菅前総理でしたが、総理始め各大臣出席そして要望して、当時被災県である宮城県がどのような状況であるか、とにかくヒアリング、聞いてもらおうということでやってまいりました。  しかし、残念ながら、総理は出席されず、各要求していた大臣も来ず、政務官又は副大臣クラスの方たちが来て話を聞く、そして説明をする。その説明も、官僚が用意したペーパーをただ読むだけというこの態度に、非常に被災県の各代表である県議会議員又は市会議員、市長、そういった方々ががっかりしたというふうなことをおっしゃっております。  その態度、姿勢、そしてスピード感の遅さ、今九か月をたとうとして被災地がどうなっているか、これをちょっとお話ししたいと思います。  今、地域が非常に真っ二つと言っていいほどに割れております。集団移転に関することを例にして話をしたいと思います。  被災当時は、やはりもうここに住めないんじゃないか、住みたくても住めないんじゃないかという思いを持った人、なので、九割近くがほかに、安全な場所に移転したいという思いを持っていました。  しかし、夏が過ぎ、秋の落ち葉を見ると、そしてなかなか仮設住宅にいて先行き見通しが立たない。やっぱり被災した自分の家を片付けに行こう、何とか様子を見に行こうとしているたびに、庭木、自分の世話していた庭木にツツジの花が咲いている、スイセンが咲いていると。やっぱりそういうところを見ると、帰りたいな、やっぱり先祖伝来の守ってきた土地、自分が生涯を懸けて一生懸命お金を稼いで建てた家に帰りたいなと思うんですよね。思う一方で、こういった残りたい、帰りたいと思う人は、どちらかといえばお年を召した方が多いように思います。  一方で、子育て世代の方々は、やはり集団移転したい、津波に遭ったところには戻れない、戻りたくないという方々多くなっております。特に子育て世代、その子供は津波を、あの巨大な破壊力を持った津波のすごさを見ています。そうした子供を持つ世代が被災した家に片付けになんか行くと、子供たちは泣いてもう車の中から出られないといいます。そうした中で、やはりここで戻って生活再建はできないというような立場の人たちがいます。  そうした二つの立場、これまず、もう真っ二つに今割れております。  まずは話合いを持つ、話合いの場を持つ機会というのが非常に重要であるんですけれども、被災したから沿岸部はもちろん災害危険区域として規制が掛けられております。防災集団移転がありそうだというふうなことを聞いて、もう戻れないな、家が中途半端に残っていても駄目だから解体をした人もいる。その中で、急に計画案が出てきて、やっぱりここは災害危険区域から外しますなんというふうな決定がされてしまっております。戻る家がない、どうしたらいいのか分からない。災害危険区域指定の枠に入らなければ政府からのなかなか補助が受けられないということで、途方に暮れておる人もいます。  やっぱりこれは、政府からしっかりとした対応スピード感のある対応がなかったためではないかなというふうにがっかりしておりますが、この前、国交省の役人の方からレクを受けたら、十分柔軟な対応ができるようなことをこの法案に盛り込んでいますというふうに言っておりましたが、平野担当大臣、今の話も含めてどのようにお考えか、聞かせてください。
  77. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の震災を受けて、特に津波被害を受けた地域復興ということに関しましては、私も何回か申し上げさせていただきましたけれども、その被災した地域の場所に家を建てられるとは限らない。むしろ、今回の津波の経験の大きな教訓の一つは、海岸堤防、海岸保全施設に全面的に依存した防災対策には限界があるということでありまして、その海岸保全施設にある一定の津波についてはそれを防ぐというふうな考え方をする一方で、それ以上の津波が来るという前提での防災対策を考えなければならない。  特に、津波に関しましては、例えば夜来た場合にどうなるかということを考えた場合に、今回の地震、津波についてもそうでしたけれども、地震即停電でございました。情報が一切入らない、テレビも見られない、ラジオに電池が入った方はラジオを聞いておりました。そういう中で情報遮断、これが真夜中でありますと街灯も消えてしまいます。そういう中で本当の避難ができるんだろうかということも考えなければならないという中で、でき得ればやはり高台移転、高いところに住んでいくような計画がいいんじゃないかということで、復興構想会議からもそういう提案をいただきました。  問題は、もうまさに熊谷委員が今御指摘されましたように、この高台移転をするときに、まず、その場所から去るという決断をすること自体が大変な決断だと思います。そして、その家の中でお父さんとお母さん、あるいは若い夫婦の中で割れているという事例も多々ございます。しかし、やっぱりこれは本当にここの部分が本当に大変なところで、つらいところでありまして、今回の復興の中の一番の要というのは、新しい町づくりをどういう形でつくっていくのか、ここにおける住民合意形成をどのようにやっていくかということが一番の鍵じゃないかというふうに思っています。  このときに、例えば国がこういうところに、あるいは国や県がここに住みなさいというふうな形で言える類いの話ではありません。大変つらい話ですけれども、これは住民の中、住民の皆さん方で決断をしていただかなくちゃならない。ただし、決断をしていただくために、こういう場合にはこういう制度があります、例えば家もこういうタイプがあります、こういった様々な情報を提供して、住民の方々が判断できるような、判断しやすくできるような環境づくりをすると同時に、様々なアドバイスもさせていただくということで、今も国交省を始め何人かの職員が定期的にお邪魔してそういった話合いの中にも加わっております。  これからこの復興計画を作るときに、あるいは土地利用計画を作るときに、いよいよもって多分住民のかなりの話合いというのが、頻度も高くなりますし、様々な思いが出てきます。  ちょっと話がそれますけれども、海岸堤防の高さを決めるときもそうでした。片っ方では、これは高い、そんなもの造られたら海が見えなくなるじゃないかと、けんけんがくがくの議論がありました。何とか収まろうとしていますが、まだ収まっていないところもあります。しかし、最後はどこかのところで決断をして、その計画を作って実行に移さなければならない。  ここは大変つらい仕事でありますけれども、大変、大変な仕事であります。首長さんは、もうこれだけで寝られないという方もたくさんおられます。しかし、そういうところに対してもできるだけの支援をして、それでいい計画を作って一日も早く実行するような、そういう状況を国もつくらなくちゃならないと思いますし、そういった意味でのマンパワーの指摘もされています。こういったものに対しても、できるだけのことをやっていきたいというふうに考えております。
  78. 熊谷大

    ○熊谷大君 その割れた地域、住民の合意を形成していく、それは本当にそのとおりだと思うんですけれども、やっぱりそれでも漏れてしまう人もいる。やっぱり選択的なその移転というものをしっかりと担保していただくようにしていただきたい。  というのは、災害危険区域指定される前に、先行きの見通しが、やっぱり復興策がなかなか出てこなかったものですから、リフォームをして、自分で修繕をしてもうそこに住んでいる人たち、例えば仙台市でも石巻市でも非常に多い今数になっております。それはどういうことを意味するかというと、自治体の方々にとっても、非常に苦労されます、話合いをしていくことに苦労しています。例えば、自治体でも、建物の移転補償費、これ出せるのか出せないのか、これ非常に迷うところだと思います。  しっかりと国が方向性を出して、建物の移転補償費もしっかりと面倒を見ますと、そういうことを言ってもらえれば自治体も次の事業に向けて前向きに頑張れる、こういう点もしっかりと国が方針を示してもらう、それをしっかりと答弁をしていただきたいと思います。
  79. 平野達男

    国務大臣平野達男君) そういった指針を示すべく、これまでもいろんな形で指針、あるいは家のタイプとかですね、こういったものを国交省を中心に出してきたつもりであります。いずれそういう、こういった基準が欲しい、国の方で決めてもらいたいというようなことがあれば、そういったものについては真摯に対応しなくちゃならないというふうに思っています。  いろんなケースがあります。いろんなケースがありますので、基準ができるものとできないものがあるかと思いますが、いずれ、地域の方々が決断しやすいように、それからいろんな話合いの中で話合いがまとまっていけるような、そういう必要な方策についてはできるだけ前向きに、そして声を聞きながら取り組んでいく姿勢は大事だというふうに思っております。
  80. 熊谷大

    ○熊谷大君 本当に非常にこれ重要になってきます。もう九か月たっています。九か月たったということのその責任の重さ、いわゆる時間の経過というのが人心を離してしまった、そして政治不信の種をかなり強く植えてしまったということを是非自覚していただいて、真摯に被災地そして被災者に寄り添って、向かっていただきたいというふうに思っております。  次、ちょっと文科大臣にお聞きしたいんですけれども、こうして悩み多い地域でありますが、復興特区には皆本当に期待しているところが大でございます。二十一世紀のモデルという文言は復興構想会議でも復興に当たっての原則としてありました。その中で、東北の復興、知の拠点形成プロジェクトという、東日本大震災復興科学技術基金の設置、つまり、新産業について、二十一世紀型の研究に対する例えばエネルギー政策、再生可能エネルギーの研究拠点の形成が実施事業として打ち出されています。  これは非常に夢のある政策だというふうに思っております。沿岸部では、とても希望を持てる研究だというふうに期待があります。仙台市でも、筑波大学と東北大学が藻類から、藻の一種から石油を精製するという、この壮大な夢の研究をやろうということを決定いたしました。しかし、仙台市も余りお金がありません。研究費でやっぱりかなり持ってもらわないとというふうなことがあります。  是非被災地、被災者に夢を与えるという意味でも、中川大臣から積極的な答弁があればというふうに思っております。御見解をお伺いします。
  81. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 私も、この東北大学、筑波大学から出てきました新しいその藻類バイオマス、これに期待をしておりまして、仙台の方で下水道の事業と併せてこれを事業化をしていくということを企画をしていただきました。来年度予算に向けてしっかりこれ入れ込んで頑張っていきたいというふうに思います。
  82. 熊谷大

    ○熊谷大君 中川大臣、済みません、今、藻類のバイオマスエネルギーにだけ言及してしまいましたが、リニアコライダーというものの研究もあるし、東北メディカルバンクという、いわゆる被災地、沿岸部で非常に高齢化も進んで、医師不足また無医村が多いところでした。この東北メディカルバンク等々に懸ける思い、又は、福島だけではなく宮城県の県南も、放射性物質の風評被害を始め、実害につながってくるかもしれないというおそれが非常に、非常に高くある、深くあるということをちょっと認識していただいて、是非その研究又はメディカル研究の拠点についても積極的な答弁をよろしくお願いします。
  83. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) もう御指摘のとおりでありまして、それぞれのプロジェクトがただ構想として出てくるだけじゃなくて、しっかり一つ一つ実現をしていけるというところまで引っ張っていきたいというふうに思っております。
  84. 熊谷大

    ○熊谷大君 是非とも継続的な研究費の積み上げ、そして予算計上をよろしくお願いしたいというふうに最後はお願いを申し上げさせていただきまして、私からの質問を終わります。  ありがとうございました。
  85. 石川博崇

    ○石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。本日、質問の時間をいただきましたことにまず感謝を申し上げます。  今日、ようやくこの復興特区法案、最終盤に参りまして、成立間近を迎えておりますこと、非常に感慨深く思っております。  私ども公明党、発災直後から被災現場の各市町村の首長さんあるいは被災地の同僚地方議員の方々と様々協議してくる中で、被災の状況もそれぞれ市町村によって全く違う、それから復興に向けた体力もそれぞれの市町村で全く違う、さらには復興を目指した将来の絵姿、将来の希望、そして描く町づくりの形式も全く違う中で、やはり全国一律の法制度あるいは税制で縛っている状況の中ではとても復興を迅速に進めることができないということから、当初からこの復興特区の実現ということを訴えてまいりました。  六月に成立しました復興基本法にも盛り込んでいただき、そして、政府におきましてもこの復興特区法案、私も役人をしていた人間として、よくここまで、ある意味大胆な、柔軟な法律ができたものだということを政府の側にも、平野大臣を始め、この御努力には評価を申し上げたいと思いますし、また衆議院でも大幅な修正がなされました。その修正協議に当たられた委員の先生方にも心より感謝を申し上げたいと思います。  まず冒頭、平野大臣、この復興特区を設ける意義、そして衆議院でも修正がなされましたが、この修正案に対してどのような評価をなさっているか、所感をお聞かせいただければと思います。
  86. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興特区制度につきましては、まず何よりも被災地域の復興を加速するために、被災した地方公共団体負担軽減を図りつつ地域の創意工夫による取組を支援するものということで、そういうふうに考えております。  中身につきましては、もう御案内のとおり、企業立地等々の促進をするための税制の特例、それからこれから様々な復興事業をやるための土地利用の調整のための様々な手続の簡素化、それから規制緩和等々、それからあと、復興交付金が中に入っておりますけれども、こういったもので構成されております。  一方、衆議院においては修正がなされました。衆議院においては、地方公共団体からの提案を実現しやすくすることにより地域における創意工夫をより一層後押しするとともに、復興交付金制度についてより使い勝手の良いものにすることであるというふうに受け止めております。  参議院においても修正案が可決、成立した場合には、修正案の趣旨を踏まえ、地域の創意工夫を生かした迅速な復興が成し遂げられるよう、政府として引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
  87. 石川博崇

    ○石川博崇君 今回このようなかなり思い切ったこれまでにない復興特区法案ができたことによりまして、迅速に各被災地におきましてこの復興特区制度を活用した形での復興が進むことを期待するわけでございますが、なかなかこれまでにない法案ということもあり、現場での混乱というものも懸念されます。  そういう観点から、本日はそれぞれの中身について、今後地方がこの復興特区制度を進める上で混乱をできるだけ避けるようにという趣旨から幾つか具体的に質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、今回、復興特区対象となった区域災害救助法の適用対象になっております二百二十二市町村でございますが、地域町づくりとかあるいは復興地域的に、ある意味、中規模、広域で進めていくような場合には近隣の市町村との連携というものが不可欠になってまいります。今回の復興特区制度、共同でこの特区制度を進めていくということも可能になっておりますが、仮にこの二百二十二市町村以外、適用対象以外になっている市町村が近隣にあった場合、その適用対象外の近隣市町村とも共同で例えば復興推進計画復興整備計画を作成していくことが可能かどうか、その点確認させていただきたいと思います。
  88. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 特定地方公共団体につきましては、復興推進計画の策定に当たり設置することができる地域協議会において、計画の実施に関し密接な関係を有する者や当該地方公共団体が認める者を地域協議会の構成員として加えることができることという、そういう規定になっております。  このため、二百二十二市町村に隣接する地域自治体や民間事業者についても、計画を作成する特定地方公共団体が必要と認めれば、地域協議会への参加を通じて計画の作成に参画することが可能であるということで、可能だということでございます。
  89. 石川博崇

    ○石川博崇君 また、近隣の地方自治体に所在するような事業者とかNGO、さらにはボランティアの方々なんかも参加できるように柔軟な配慮を是非お願いできればというふうに思っております。  また、さらに、今回この復興特区法案の中には大きく復興推進計画復興整備計画、そして復興交付金事業計画という三つの異なる計画を各特区を希望する自治体が作成していくことになっておりますが、政府のこれまでの委員会での質問に対する答弁なんかによりますと、これを一緒にすることもできますと、また地方によっては希望によって別々にすることもできますと。非常に柔軟性は示されておりますが、そういった柔軟性の中で、じゃ、どうすればいいんだということをかなり困られる地方自治体もあるのではないかというふうに想像いたします。  全体的に、政府として、これからこの復興計画を実際に作成していこうという地方自治体をどのように支援しようという思いなのか、その辺をお聞かせいただければと思います。
  90. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興特区法の施行後速やかに、まず自治体にこの法律が規定する計画を策定していただくことが肝要だというふうに思っていまして、まず法律の理解、それからあと、どのように作成すればいいかといった等々も含めて国は最大限支援をすることが重要だと考えています。  具体的には、まず現地での説明会の実施、これは当然のことでございますけれども、あと、計画策定に向けた、御提案申し上げている復興復興局によるワンストップでの支援、これは復興庁ができるという前提でのお話でございますが、それと県とも連携した職員派遣や技術的な助言、これをできるだけきめ細かくやってまいりたいというふうに思っております。
  91. 石川博崇

    ○石川博崇君 そこで、是非、これまでも質問なんかにも出ておりましたけれども、各自治体計画を作成するために、どのような例があるかとか、そういったガイドライン是非示していただければというふうに思いますし、また、復興計画を作成するスピードというのは今後各地方自治体によって違ってくるものというふうに思います。いい前例が出てきたときに、それをほかの自治体にも紹介をして、こういう例も、使い方もありますというようなことを広く被災自治体に示していただければというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。
  92. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興特区法の施行後において自治体が必要な計画をできるだけ簡便に策定できるように、国として最大限の工夫をしてまいりたいというふうに考えています。そのために、復興特区制度活用のためのガイドライン、技術的指針の作成、公表、それから交付金に関する取扱要領等の作成等々、こういった被災自治体の立場に立った様々な計画作りを支援してまいりたいというふうに考えております。  それで、一方、ちょっと私もここまで来て、答弁しながら、先ほどの熊谷委員との御議論の中でいろいろ御議論させていただいたことなんでありますが、この復興特区制度というのは魔法のつえではございません。例えば、これから復興事業を進めるに当たっての例えば土地利用の権利調整、これはこの復興特区制度を使ったからといってすぐに土地利用調整が進むというものではありません。あくまでもそれは個人の、いろんな方の、地域の様々な利害調整が絡むものでありまして、ここの利害の調整の部分については、どうしても現地の中で、つらい作業でありますけれども、大変な作業でありますけれども、現地の中で鋭意努力していただかなければならない。  そういった合意形成計画作りには国も支援します。しかし、その計画ができた後に、例えば従来であれば農地法、農振法の手続が別途取る必要があった、都市計画法については国交省で手続が取る必要があった。それは、もう一括でワンストップで簡単にやれるようにしましょうという、そういう趣旨であります。  ですから、その前段としての計画作りということにつきましては、国は支援をしますけど、ガイドライン等も出します。しかし、それを出したからといって計画作りが超特急に進むということではなくて、実は本当の本当の大変さというのは、今からもう始まっていると思いますけれども、そういったその大変さを克服するためには、地域の主体性、それに対しての県の支援、国の支援、専門家の支援、こういったことが必要だということも、ちょっと蛇足で申し訳ありませんけれども、申し上げさせていただきたいというふうに思います。
  93. 石川博崇

    ○石川博崇君 まさにそうだと思います。今回は制度、枠組みができた、方向性ができた、そして第三次補正を含め予算の方向付けもできた。これからが本当に大変な現場での作業、そして住民の方々の合意形成というものが必要になってくると思います。  私もイラクのサマーワで戦後復興に自衛隊の方々と一緒に携わらせていただいた経験がございますが、あのときも、最初は制度を築くこと、前例のないことばかりでございました。また、予算を取ることも大変な困難な状況でございました。しかし、いざ制度ができて予算も付いてくると、その後がまさに本当に大変になってくる。専門性も必要でございます。また、人員面のマンパワーも必要でございます。まさに雪だるまのように作業が現場では大変になってくるということを生身で経験させていただいた、僅かでございますが経験を踏まえて、やはり現場ではこれから本当に大変になってくることになると思います。  そういう意味で、今、被災地に行かせていただきますと、特に心配されていますのが、人員面そして体制面での今後の強化というものを非常に不安を感じておられております。先日も、ある首長の方がおっしゃっておられました。これから災害住宅を大規模に造っていく、これまで経験がない中でどうやって進めていけばいいのか。例えば、URとか、そういった公団の専門性を持った集団がそのまま入ってきていただいて支援をしていただくような、そういう人員面の支援というものも是非積極的に考えてほしいという御意見もございました。  そうした人員面、政府としても検討されていると思いますが、改めて力強い御決意をお願いいたします。
  94. 平野達男

    国務大臣平野達男君) そういった人的支援については二つの観点がやっぱり必要だと思います。  一つは、これから復興を始めるに当たりまして、今まで自治体が経験したことのない、例えば土地区画整理とか換地とか、そういったことをやらなければならない自治体がありまして、まず専門性を有する職員が求められております。それからあと、自治体によっては、年間予算八十億のところに復興全体の総額が百億を超えるような予算が必要だというところがありまして、これを三年、四年でやるということになりますと、絶対的なマンパワーの不足ということも問題になってきまして、この二つの観点から、できるだけのことをやっていかなくちゃならないというふうに思っています。  その中で、URさんの活用、例えば岩手県ではあと、鉄道機構の活用、こういったこともやっております。使えるものはとにかく何でも使うということと、あと、各自治体にもいろいろ働きかけを行いながら、できるだけの支援をすることは不可欠だというふうに思っております。
  95. 石川博崇

    ○石川博崇君 是非とも、発災直後からいろんな形で、総務省を中心に各地方自治体の人員派遣、あるいは市長会、町村会の協力も仰ぎながらやってきておりましたが、こうやって制度できた後が本当に大変なんだという前提で、これまで以上の人員派遣、体制強化に取り組んでいただければというふうに思います。  続きまして、今回この復興特区法案の中で税制上の特例措置をかなり思い切って盛り込んでいただきました。機械装置、建物の特別償却、税額控除、また被災者給与に対する税額控除、そして新規立地の促進のために五年間無税にすると、新聞、メディア等でもかなり取り上げられておりますが、こうしたメニューを盛り込んでいただきましたけれども、このメニューを取り上げられた理由、根拠というものと、このメニューに限られるのかという点について確認させていただければと思います。
  96. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 税制も含めて、今回の復興特区制度につきましては、被災地等の意見も伺いましたし、またいろんな方々の専門家の御意見も聞いたつもりでございます。その中で、被災地における投資や雇用等を促進する観点から、様々な税制上の特例措置を講ずることにしているということであります。  中身は、もう委員承知のとおりかと思いますけれども、まず、企業の新規立地を促進するための新設企業の法人税を五年間無税とする特例、これは画期的な制度だというふうに、自画自賛でございますが、というふうに思っております。それから投資に対する即時償却、これもこれまでになかった制度でございます。それから即時償却を含む特別償却又は税額控除の特例、それから労働集約型産業、既存企業のための被災者の雇用に係る税額控除の特例、それから研究開発投資を促進するための研究開発税制の特例などなどでございますけれども、これに加えて、地方税についても、いわゆる事業税、不動産取得税又は固定資産税の課税免除又は不均一課税の減免による減収に対する地方交付税による補填措置という、この措置も講ずることにしております。  これに限定されるかということでございますけれども、まずは、これだけの税制措置を、特例を取った法律というのはほかにないのではないかというふうに思っています。まずは、これを決めるに当たっては、申し遅れましたけれども、公明党さんからも様々な御提案をいただきまして、それも踏まえさせていただきました。まずはこの措置を使っていただきまして、その実施状況を見ながら、その上で何かということがあれば、これはその段階で考えていくことになるかと思います。
  97. 石川博崇

    ○石川博崇君 私も、今回この税制上の特例措置、かなり思い切った内容を入れていただいたというふうに評価はしております。しかし、今後、各被災地復興計画を進めていく上で様々な意見が出てくることはあり得ると思います。また、それぞれの地域地域でもう少しこういった面で税制の優遇措置をとってもらえればいいんじゃないかというような声が出てきた場合にどう対応するかということをこの委員会であらかじめちょっと議論させていただければと思って先ほどお聞かせさせていただいたわけでございます。  公明党としまして、今回のこの復興特区法案への修正協議の中で特に強く主張させていただきましたのは、今後、こうした被災地から新たな課題、そして希望、要望というものができてきたときにどうそれを対応していくのか、基本的には国会が唯一の立法権を持つ最高機関ということでございますが、地方自治体のその思いをどれだけ最大限、全面的に受け止められるような制度にしていくのかということがまさにこの復興特区制度をつくる上での肝だったというふうに思います。  私ども公明党としまして、地方自治体で今後被災地が条例を制定したときに、国会が制定したこの立法措置、この法律を更に上書きできるようなぐらいの、まさに地方自治体を前面に出して被災地復旧復興を進めるぐらいの制度にしなければいけないのではないかということを強く主張させていただきました。  衆議院での修正協議におきまして、この私ども公明党の主張してきました条例の上書き権、そのままの形ではございませんが、今回の修正案に盛り込まれているというふうに認識をしております。修正案の提出者から是非その点の御説明をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
  98. 高木美智代

    衆議院議員高木美智代君) お答えいたします。  衆議院での修正におきましては、一つは、国と地方の協議会における協議結果についての国会報告、また二つ目に、認定地方公共団体等の国会に対する復興特別意見書の提出等についての規定が追加されるとともに、国会は、これらの報告又は提出を受けた場合に、必要があると認めるときは所要の法制上の措置を講ずることといたしております。これによりまして、国会を通じて、例えば個別の法律の改正により規制事項を条例に委任するなど、被災地域の要望最大限反映した法整備を早急に行うことが可能となるものと考えております。  今回の修正で追加された規定と、また石川委員指摘の条例による法律の上書き権は、制定された条例に関する国の関与が事前か事後かという点で違いはありますが、どちらも被災地域の要望最大限反映するための法制上の措置を講ずるための手段を整備するものであるという点で共通するものであります。したがいまして、今回の修正で追加された規定によりまして、条例による法律の上書き権の趣旨は十分に実現することができるものと考えております。  私どもは、国会議員といたしまして、被災地域の要望を実現するための法制化について責任ある関与をしてまいる所存でございます。
  99. 石川博崇

    ○石川博崇君 ありがとうございます。  今後、様々な要望、この税制に限らず、制度の面からも被災地から出てくることが想定されるわけでございますが、こうした被災地の具体的な要望に対して、与野党を問わず国会がしっかり関与してこれを支えていく、そのことを是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  続きまして、復興交付金について御質問させていただきたいと思います。  今回、第三次補正におきましては、基幹事業、五省四十事業の一兆四千億円、そして効果促進事業五千億円が盛り込まれているわけでございますが、今後、この復興交付金を各被災自治体へどういうふうに配分をしていくのかという配分計画を、各被災自治体も関心が強くございます。順次提出することも可能だと、後から提出することも可能だということを政府がおっしゃられておりますが、そうやって、被災自治体によってはかなりマンパワー的にも差がありますので、後から出てきたものも正当に評価されるのか、あるいは先出ししたものが先に優先してもらえるような、そういったことでは後から遅れて出した自治体が困ってしまうといったこともございますので、こうした配分計画をどのようにお考えか、対応されるのか、御説明いただけますでしょうか。
  100. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 交付金配分計画につきましては、市町村等から提出された復興交付金事業計画、これは法案に入っている計画でございますけれども、この計画に基づきまして内閣府が決めることにしております。その際、復興交付金に必要な予算については、今回の第三次補正予算で少なくとも当面は十分な額が確保されているというふうに思っています。  一方で、今委員から御指摘がございましたように、自治体間で若干そのスピード感が、スピード感というか、事業計画を出す時期がずれてくるのではないかという御指摘がございました。できるだけそういうずれが生じないように、事業計画の策定については内閣府がきちんと支援してまいりたいと考えておりますけれども、仮にそういったずれが生じたとしても、遅れたからといって予算付けないとか、そういったことはないというふうに考えております。
  101. 石川博崇

    ○石川博崇君 差がかなり出てくると思いますので、その点は是非よろしくお願いできればと思います。  最後、残り時間を使いまして、この復興特区法案をめぐっては、特に漁業関係者の方々から様々な懸念が出ておりました。この点について、鹿野農林水産大臣にお越しいただいておりますので、少し議論をさせていただければというふうに思います。  海における水面の利用というものは、これまで漁協を中心に様々な意見、漁業者の方からすると我慢の状況の中で、そうした漁協の調整に従って水利権の調整が行われてきたという経緯がございます。そうした漁協の方々は、今回、特区によって、養殖業の再開が困難な方に対して特区制度が利用された場合、これまでのこうした、ある意味、海の上での自治というものが崩壊してしまうのではないかという非常に大きな懸念がございます。  今回の法案でそうしたことがないということを是非確認させていただきたいと思いますが、まず、この第十四条に盛り込まれております漁業権の特例について、適用区域を、今後、地元の漁業者のみでは養殖業の再開が困難な区域という限定した形になっております。しかしながら、この養殖業の再開が困難かどうかを判断するのは県の事務ということになっておりますが、実際どうやって、養殖業再開が困難かどうかと判断するのは非常に難しいのではないかというふうに思います。一部再開している、同じ浜でも、一部の部分の養殖は再開しているようなところで残りの部分は再開していないようなところもあったりもするかと思いますが、その具体的な判断基準、どのような浜であれば養殖業の再開が困難な区域と認めることができるのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  102. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からもお触れいただきました判断基準ということでございますけれども、まず養殖生産に必要な生けすやいかだの物的被害状況がどうなのか、あるいはまた養殖業者の人的被害状況というふうなことがどういう状況にあるのかと、こういうことについていろいろと具体的に県におきまして漁業者との話合いの中で総合的に判断されていく、こういうふうなことであるわけでございます。  そして、これもお触れになりました今回の特区制度の趣旨というものは、まさしく、なかなか養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難だという区域に限定しているわけでございますけれども、この趣旨に鑑みまして、現に養殖業を再開している漁業者を排除するような特区設定というものは認められないというふうに私どもは考えているところでございます。
  103. 石川博崇

    ○石川博崇君 今、総合的に判断するという非常に曖昧な御説明で、今後県が具体的に判断するのが非常に困難を極めるのではないかというふうに思います。  県が作成をして復興推進計画に仮にこの漁業権の特例を盛り込んだ場合、総理が認定し、農林水産大臣同意を与えるということが必要になってくるわけでございます。その時点で、農林水産大臣として、どのようにこの計画の趣旨、具体的な必要性、地域の設定範囲の妥当性というものを確認されるのか、説明をいただけますでしょうか。
  104. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 漁業区の特例につきまして、同意というふうなことでございますけれども、いわゆる浜、対象区域における養殖施設の復旧状況、あるいは担い手の確保の状況、その区域の漁業に参入しようとする法人の見込みというふうなもの、そういうふうなものを私どもとしてはきちっと受け止めて、そして地元漁業者のみでは養殖業の再開が困難であり、外部の企業とともに復興を進める必要があるというふうなことを客観的に確認をさせていただくと、こんなふうに考えているところでございます。
  105. 石川博崇

    ○石川博崇君 大臣がそのように確認しっかりしていただくことを強く求めたいと思いますが、それを仮にしっかり確認された上で県知事が免許を付与するという手続になるわけですけれども、そのときに免許を付与する審査項目というものが今回の法案では盛り込まれております。その中にも、法文上、地元漁民の生業の維持、あるいは他の漁業との協調、あるいは水面の利用について支障を及ぼさないということが明記されているわけですけれども、果たしてこれが実際に担保されるのかということに対する強い不安、懸念の声があると思います。  国として、今回、法律を制定してこうした特区を、特例を認めるというからには、しっかり国としてもこの地元漁民の生業の維持、それから他の漁業との協調、そして水面の利用については、本当に地元で様々な苦労をされながら調整をされているわけでございます。そうした利用に支障を及ぼさないということを国として一体どのように担保をされるのか、どういうお考えか、お聞かせいただければと思います。
  106. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 大変大事なことでございまして、いわゆる法人の免許審査に当たりましては、いわゆる法定基準を設けているわけでございますけれども、具体的には、地域で漁業を行ってきた方々ができるだけ漁業を継続できるようにすること、そして周辺水域のいわゆるルールに従って、過剰な餌の投与というふうなこととか、あるいは薬品の使用を避けるなどということをやはり確認することが大事なことだと思っております。  具体的な運用については、今申し上げたようなことで、漁業者の話合いの中でいわゆる免許権者の知事がきちっと適切になされるものと思っておるところでございます。
  107. 石川博崇

    ○石川博崇君 知事の自治事務ではございますが、是非ここは国がしっかりと責任を持って漁業者の方々の不安を払拭するという姿勢を今後とも強くお願いしておきたいと思います。  特に、冒頭申し上げましたけれども、仮にこうした特例措置を使って企業が漁協に属することなく海面の利用に参入した場合、本来、元々漁協のルールの中で非常に厳しいルールを自ら課して、ある意味自治を行っている、また同じ漁業者同士のトラブルも様々ございます。そうしたトラブルの回避をされている、また、資源の永続的な利用という観点からも、ずっと組まれてきた、日本の誇るべきと言っていいと思います、こうした体制がこうした特例によって崩壊してしまうんではないかという懸念がございます。  衆議院では、今回の修正案の採決の際に附帯決議が付けられまして、国が浜全体の資源、そして漁場の管理に責任を持つことという附帯決議も付けられております。是非とも、参議院の附帯決議にもこうした同様の趣旨を盛り込むべきというふうに考えておりますが、こうした附帯決議に対して国としてどのように取り組まれるのか、対応されるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  108. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) いわゆる附帯決議につきましては、国といたしましても、必要な場合におきましては報告を求める、あるいはまた必要な措置を講ずることを求めるというようなことで適切に対処してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  109. 石川博崇

    ○石川博崇君 時間が参りましたので終わりますが、今回の復興特区法案の成立を受けまして、今後とも被災地現場に寄り添って闘ってまいりたいということをお約束しまして、質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  110. 寺田典城

    寺田典城君 みんなの党の寺田典城でございます。皆様、ひとつよろしくお願いいたします。三月十一日のこの震災をお見舞いしつつ、質問させていただきたいと思います。  平野大臣始め復旧復興にかかわっている方々、それから法案を作成している方々に対しましては、それこそ深夜まで及ぶお仕事に対して心から敬意を表させていただきたいと思いますし、ひとつ健康には留意して、家庭を壊さずに努力していただきたいと、そう思います。  その復旧についてなんですが、私思いますのは、この特区法案というのは、今大臣、自画自賛しておりましたけれども、私、地方自治体の経験者から見れば、やはり上からの目線というか、中央集権的な法案だなと、率直にそう思います。そして、やはり縦割りのというか、行政の中で物を、法律を進めているという形ですね。  各省庁は、もう各局がそれこそ地方局とか自治体に、まあマーカー付けとは言わないけれども、何というか、縦割り行政の中で早くこれをやれと指示を出すわけです。これが、地方自治体とか局がいかにそれを、受皿が苦労しているかと、こういうこともどの程度御理解、それを分かっていらっしゃるか、その辺もやっぱり考えていただきたい。  私にも、耳にもよく入ってくるんです、大変だって、地方、そうやって上からぽこぽこ。今はインターネットです。ですから、何というか、そういうことをしたという証拠というんですか、エビデンスというか、そういうものをしているような感じがするんです、今、ある面では。ですから、批判しているんじゃないんです。その辺、大臣が、基本的な姿勢、その復旧復興事業に向けた、開始に向けた決意を聞きたいんです。  私は、地方自治体経験の中でいろいろな震災も受けたことありますし、被害も受けたし、規模は小さいんですけれども、そのときは、私が責任取るから全部中央省庁の話なんか聞く必要ないと、その場で結論出していくということできた経験があります。そのことも含めてひとつ大臣の決意というか、そのことを聞きたいんですが。
  111. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 私はかつて農水省の職員でございまして、二十四年間仕事をさせていただきました。  農水省には何万人という職員がいます。本庁にも何千人という職員がいます。しかし、自治体の一市町村に行きますと、農林課という課がありまして、四人か五人で仕事をするわけです。何千人で考えた様々な政策を一市町村の中で四、五人でこなすという、これはもうアクロバット的な話だということで、よく霞が関と地方の関係はこういう三角形でかかれますけれども、実際に仕事量といいますか、仕事のあれからすると逆三角形になっていまして、様々な、一省庁から少ない人数のところに様々な仕事が落ちてくると。このことを理解して中央の方は仕事をしないと、いいものだと思ってやっていることが全部押し付けになってしまうと。この観点は私は非常に大事だと思っています。    〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕  特に、今回の場合、被災につきましては、大きな被災が出ました。今回、今まで以上にいろんなことをやらなければなりません。そのときに、ワンストップということを簡単に言ってしまっていますけれども、ワンストップというものをどうやって実現していくか。その自治体が、とにかくできるだけ、既にマンパワーもう目いっぱいでフルの状態になっていて、そこに更に新たな仕事が加わりますので、そこをどうやって軽減していくかということについては、マンパワーの人の人的支援というだけにかかわらず、いろんな観点からこれは考えていく必要があるというふうに思っていまして、手続の簡素化は今まで以上にもっと徹底的に進めたいと思っていますし、例えば、発注方式についてももっといい方法がないかとか、こういったことを例えば国交省にも投げて検討していただいておりますけれども、いろんなことをやっぱり考えていきながらできるだけの負担軽減をするということと、最後はやっぱり自治体の判断を尊重するという姿勢もできるだけ持ちたいというふうに思っております。
  112. 寺田典城

    寺田典城君 この復興特区法案、私はこう名付けました、日暮れて道遠しという法案、要するに、事がすぐでき上がらない法案だなと。  今度本論に入りますけれども、私は条例による法律の上書き権というものを知事時代から、市長時代からよくお願いしてきました、中央省庁と打ち合わせてきました。地方都市が、地方街区が空洞化するというのは二十年も三十年も前、もちろん私も経験したその市でもそうなんです。そこに、何ていうんですか、無公害型の工場を造りたいと、そうしたら、これ法律で駄目なんだと、都市計画法で駄目なんですね。平成十九年にはそれは、何ていうんですか、規制は緩和されたんですね。  それから、岩手県もそうなんでしょうけれども、あの広い公園みたいな、地方に行くと、それでも一応都市公園とかってなっているんですが、そこに学校造りたいとか病院造りたいといっても、これは政令でも駄目になっているんです。ところが、平成十五年に自治体の条例でこれは決定することができるって、私それは相当突っ込んで造ったことがある、病院を造ったことがあるんですけれども、そういうことなんです。  簡単に言うと、これは今衆議院で修正した案が出てきています。特別意見書という、国と地方の協議等に新たな規定を盛り込むことということで、条例による上書き権を、高木さんにお聞きしたいんですが、実現したと考えているのか。ところが、手続するのに、先ほども高木議員がおっしゃっておりましたけれども、要するに地方と国が、まず一つは地方が意見書を出さなきゃならぬ。そして、今度協議しなきゃならぬ。そのほかに、それをどうするかって国会で法制上の問題通さなきゃならぬと。そして、それを速やかにやれと。これ四つも踏んで、これであったらやっぱり日暮れ法案、日暮れてしまう法案だと思うんです、私から見ると。それで、五年間だって。だけれども、こんなことやっておったら進まないですよ。  だから、大臣、この法律は法律でしようがない、修正できないから、ここまで、よく衆議院もこれ通したものだと思います。だけど、参議院で今変えるわけにいかないし、まずこれはこれで活用するしかないと思うんで、早くやっていけるようにすることがやっぱり大事だと思うんですが、その辺、高木、法案の修正提案者にお聞きしたいと思います。
  113. 高木美智代

    衆議院議員高木美智代君) お答えをいたします。  今御指摘いただきましたように、衆議院で修正をいたしましたのは、一つは、国と地方の協議会における協議結果について国会報告を受ける、そしてまた、認定地方公共団体等の国会に対する復興特別意見書の提出をすることができるといった内容でございます。またあわせて、国会はそれらの報告又は提出を受けた場合に、必要があると認めるときは、国会独自の所要の法制上の措置を講ずるものとしております。これは、ただいま委員から御指摘ありましたとおり、全く問題意識を共有しております。  私どもは、今回、この修正で追加された規定とそれから委員指摘の条例の上書き権に、法律の上書き権は、制定された条例に関する国会の関与が、事前か事後かという差はありますけれども、どちらも被災地域の要望最大限反映するための法制上の措置を講ずるための手段を整備するものであるという点で共通するものと考えております。十分これで条例の上書き権の、被災地におけるいわゆる非常時の対応につきましては十分に実現できるものと考えております。  実は、このように考えましたのは、例えば復興特別意見書、これは……
  114. 寺田典城

    寺田典城君 そんなことはいいですから、あとは。時間がない。
  115. 高木美智代

    衆議院議員高木美智代君) はい。これはあくまでも政府の取組を、政府に任せるだけではなく、国会が関与することによって地方からの意見が入りやすくする、そしてそれを実現しやすくするためのものでございます。
  116. 寺田典城

    寺田典城君 私は、一括して、まあ憲法違反だって言われるけれども、これは災害事故です、未曽有の。条例をもって定めるということで協議してやっていけば、こんなことはもっと早いんですよ。省庁がみんな夜中の遅くまでがあっとやってみて、やっぱり効率的なんです、タイム・イズ・マネーなんです、タイム・イズ・命なんですよ。  ちょっと大臣、少し頭の体操してみましょう。  十二月一日から、昨日、高速道路無料化になりましたね。そこに佐藤さん、いらっしゃるから思い出したんですが、そこでちょっと気が付いて。今、岩手県なんか高速道路造る場合、キロ三十億とか五十億なんですよ。事前通告していないです。だけど、頭の体操、お互いにしてみましょう、どう考えていらっしゃるか、三十億。ところが、第二東名造るのにキロ三百億なんですよ。それを同じ料金なんですよ、それ。三十億、五十億で造った高速道路も、キロ百億、二百億当たり前に掛かりますよ、それぐらい掛かっている。それをもう同じ料金というのは、それをどう思います。
  117. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 何かいいアイデアがあれば、何か解決法があればいいのかなという感じもしますが、今の制度の中では、全体の中でのプール制といいますか、そういうものがあるということなのかなということでありますが。
  118. 寺田典城

    寺田典城君 どうも大臣、戸惑っている。  だから、それが、やっぱり行政機関と同じようにあれして発想が変えられないという、政治もそこが今大きな問題になっていると思うんですよ。そして、罵詈雑言で足を引っ張り、民主党の中は、申し訳ない、悪口言うつもりないけれども、もめっ放し。これ、国益に反するんです、こういうのは。やっぱり物進まないんです、それでは。ですから、そういうことでいえば、日本の国家は私はもう四、五年先にはIMFのお世話にならなきゃならないんじゃないかというぐらい心配していますよ、私は。  それで、元に、質問に戻りますけれども、規制の特例措置を実現したいってその自治体が、被災自治体が思った場合、実現までに要する、見込まれる標準的な時間、それから規制根拠が法律、政令以下で、それの場合はどうなるのかということを問いたいと思います。
  119. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、被災自治体から新たな規制の特例措置の提案があった場合には国と地方の協議会での協議及び対応方針の決定、基本方針の変更及び必要な法令の改正といった手続が必要であります。さらに、法律の改正を行う場合には直近の国会で審議をしていただくということになります。実現までに要する期間というのは、提案の内容等によってやっぱり異なるために、一概には言えませんが、法律の問題に関して言えば、国会の審議がかかるということで一つの大きな手続が加わります。  ただ、全体として、これ今回は復興特区制度でございますから、被災地域の円滑かつ迅速な復興推進するという特区制度の趣旨を踏まえまして、とにかくできるだけ迅速にやるということに心掛けるということに尽きるかなというふうに思います。
  120. 寺田典城

    寺田典城君 できるだけ迅速というのは、それこそ三か月も五か月も掛けて結論を出すことじゃないんですよ。できるだけ迅速というのは、一般常識でいうと三日とか一週間の範囲なんですね。だけれども、マンパワーの問題とかいろいろあると、国会の手続しなきゃならない、議決もしなきゃならないと。それはそれで法律の中で進めることも大事だと思うんだけれども、これは緊急的です。そしてこれをいろんなことで、何というんですか、このことを、今特区法案成って、地方自治体がこういうことだったら地方にやらせた方がいいというのだって出てくると思います。ですから、そういうことを含めて、大臣はそれこそ腹据えて頑張っていただきたいなと思います。    〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕  それと、新たな規制の特例措置の可否を、何というか、検討し判断する体制、それから規制の所管省庁と復興庁、復興局とのそれぞれの役割ですね、恐らく相当摩擦あると思いますよ。省あって国家なしの国ですから、中央集権っていかにあれだかというのは、その辺もわきまえて話していただければ。
  121. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、今回の復興特区法案を作るに当たりましては、できるだけ規制緩和できるものは規制緩和してもらいたい。手続が簡略できるものは簡略しろということで、法律、政令、省令で今から盛り込めるものについてはできるだけ盛り込む努力をしたということでございます。  そのほかにそれに載っていないものについては、もう御案内のとおり、国と地方の協議会で議論をするということになると思いますが、例えば手続にしても規制にしても、もうこれは緊急時でございますけれども、それらがあるということについてはそれなりの理由がございます。そういった理由で規制所管官庁はまず反対という立場で言ってくるんだろうと思います。  一方で、復興庁はやはり基本的には被災自治体の立場に立つということを基本にしたいというふうに思っています。その上で、被災自治体の意見を聞きながら、最終的にはその規制の緩和をするときのメリット、デメリットというのは当然あるんだろうと思うんですが、そういったものを被災自治体ともきっちり議論しながら、しかし、できるだけその自治体の立場に立って、まあ何というんでしょうかね、身代わりみたいな形で各省庁とやるのが復興庁の役割だというふうに私は認識をしております。
  122. 寺田典城

    寺田典城君 法律ですから、絶対的なこれは手続をしなきゃならぬというのもよく分かるんですが、やはり何というか、この災害、何回もくどいんですが、やはり手続より早く復旧復興に向くことの行動ができるようなことが先であって、法律が先じゃないと思うんですよ、こういう場合は。どこかがおかしいんですよ。  ですから、その辺をわきまえて、後から法律作ったっていいと思うんだから。これは法律違反起きる、だけど、そのくらいの覚悟でやってもらわなければ、私はほとんどそういう災害の起きた場合は事後承諾でした。もういいからやれということなんですよ。そういうことで一つ、地方はいかにそういう点で苦労しているかということもお考えになっていただきたい。  もう一つは、最後、事業者から新たな規制の特例措置の提案ということ出ています。これ被災自治体のみ要請を受け付けることができるということになりました。これは復興大臣、どういうわけなんですか。
  123. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 申すまでもなく、復興の円滑かつ迅速な推進のためには、やっぱり民間の知恵、活力、これを取り入れることも重要でございます。また、民間事業者は、復興推進事業の実施主体の一つとして地域復興に重要な役割を担うということが当然のことながら期待されておりますし、現にそういうことで今動いております。  一方、民間事業者からの新たな規制の特例措置の提案を復興推進計画に位置付けるに当たりましては、地域住民の意向や地域の特性を踏まえて様々な関係者のニーズを調整していく必要もあるんだろうというふうに思っておりまして、こういった観点から、地域全体の復興の責任を持って推進する立場にある地方公共団体に対してまずは行ってもらうという、こういう流れにしたということでございます。
  124. 寺田典城

    寺田典城君 自治体は、さっき大臣、マンパワーが少ないって、四、五人でしなきゃならぬという、そのとおりなんですよ。だから、円滑に、迅速にしなきゃならぬと言ったんです。そうしたら、国家公務員を三分の一に、まあ臨時に地方公務員に渡すぐらいにした方がいいと思うし、そのぐらいのことをしなけりゃ進まないと思うし。  それで、あれでしょう、先ほどお聞きしましたら、二百二十四市町村って言ったんですか、これ聞き間違えればちょっとあれなんですが、被災を受けていると。北海道からそれこそ東京近くまでみんなずっとなっていますね。多数県にまたがるときだってあるでしょう。だったら局で受けるか、そうでしょう、数県にまたがることだってある。それを全部自治体に取れって、そして自治体は人がいないというのを分かっておいてこんな法律作ること自体がおかしいんですよ。だから、常識外れているんですよ、こういうこと、もう。だから、局で受けれるものを、数県にまたがるんだったら、東北整備局でも関東整備局でも受けるとか、東北農政局で受けるとか、そういう受皿づくりにもう少し考え方を変えていかなきゃ駄目だと思うんです。いかがですか。
  125. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 考え方の基本としては、まずその復興の主体である自治体というのがやっぱり前面に立つというのが考え方の基本だろうというふうに思います。  その上で、じゃ、すべからく、例えば民間の事業者が地方公共団体に行かないで復興局にそういう案を持ってきたからといって、それを、まず自治体に行かなければ聞きませんよというふうな形で対応するかといえば、まずは私は復興局には持ってきたものは聞けと、聞いた上で、要するに自治体の中で、逆に復興局から自治体に働きかけるといったやり方もあると思います。そういったことにつきましては弾力的なやっぱり対応をしていくということにこれはしていくと、これを徹底したいと思います。
  126. 寺田典城

    寺田典城君 時間でございます。どうもありがとうございました。  速やかな復興復旧、そのことを願います。できたら私自身お手伝いにも行きたいぐらいの、何というんですか、進み具合だと思います。本当に頑張ってください。  以上でございます。ありがとうございました。
  127. 紙智子

    紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  復興特区法案の、特に漁業法の特例の問題で質問いたします。  漁業法についてですけれども、漁業管理制度意味と必要性と、特定区画漁業権の優先順位の第一位が漁協に免許されている理由について最初に御説明を願います。
  128. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 通常、カキやワカメなどの養殖業を行うことを希望し実際にこれを行える漁業者というのはもう多数存在しているわけであります。このような漁業者間の調整が非常に重要でございます。そういう意味で、この養殖業を行うための特定区画漁業権については、地元漁業者の大多数が組員となっている漁協が優先的に免許を受けまして漁場を管理する仕組みとなっているところでございます。
  129. 紙智子

    紙智子君 そこで、漁業権が設定されている海域というのは浜から何キロまでのところですか。御説明願います。
  130. 佐藤正典

    政府参考人佐藤正典君) 御説明をいたします。  漁業権は、全国的に岸から二、三キロメートルあるいは五キロメートルの沖合までの海域に設定されていることが多くなっております。例えば、被災地の宮城県の牡鹿半島におきましては、サケ対象の定置網で岸から一キロメートルから二キロメートル、カキ、ホタテ対象の区画漁業権で二キロメートル、アワビ、ウニ対象の共同漁業権で二キロメートル程度の沖合まで設定しているところでございます。  以上でございます。
  131. 紙智子

    紙智子君 いろいろ凸凹はあるけれども、大体押しなべて三キロ程度のところの区域ということだと思います。そこを超えて、その先になると、これは許可漁業の海域になると思います。  今回の被害では二万隻以上の船の被害が出たわけですけれども、言わば地先三キロエリアで二万隻もの船が操業していたということになるわけです。  それで、地先漁業の管理と利用調整についてまたお聞きしたいんですけれども、明治時代ですね、明治時代に一時期、直接国が管理していたことがあるというふうに聞いているわけです。なぜ、国がこの地先漁業の漁場の管理と利用調整を直接行わずに漁協等に委ねているんでしょうか。
  132. 佐藤正典

    政府参考人佐藤正典君) 御説明をいたします。  我が国の漁業は、古くから漁業慣行を尊重いたしまして漁業調整が行われてきた経緯がございます。  御指摘の明治八年、我が国で海面を政府の所有といたしまして、漁業を行う場合には政府に海面を借りることを定めたということが行われました。このことによりまして旧来の漁業慣行が壊れまして、現場に混乱が生じ、紛争が起こりましたことから、これを一年で解消いたしまして、旧来の漁業慣行に戻したという経緯がございました。  なお、明治十九年には省令を公布いたしまして、各漁村に現在の漁業協同組合の前身となります漁業組合を組織させまして漁業調整の役割を担わせまして、その後、明治三十四年に漁業法が制定されまして、漁業組合を中心とする漁業権制度が創設されたところでございます。
  133. 紙智子

    紙智子君 実際の調整を図るということでいうと、そういう公的責任を、非常になかなか大変であるということだと思うんですが、コストや人手が掛かるということもありますよね。
  134. 佐藤正典

    政府参考人佐藤正典君) 実際には、先ほど大臣から話ございましたように、多くの方々の権利を調整するということになりますので、現場での労力といいますか、コストもいろいろ掛かることにはなろうと思っております。
  135. 紙智子

    紙智子君 そうですね。人手が掛かり、それに関してのコストも含めて掛かるし、公的に見ても、やはり具体的にそういう詳しいことを含めてよく現場が分かっている漁協がやることがより合理的ということでそういうふうになったんだと思います。国が、そういう意味では、本来やればいいところをそういう形で漁協が担って公的役割を果たしてきたということでもあると思うので、そういう意味では、本当に、もっと支援をしていくということが必要なんだろうというふうに思います。  ところが、今回の漁業法の特区でどうなるかということなんですが、特区法の対象地域では、これは漁業権は漁業法より特例の方が優先されると、優先をすることが可能になるということなわけですね。  ちょっとお配りしました資料を見ていただきたいんですが、青い字の方の資料です。これ、現行法では漁業権の第一順位というのは地元漁協というふうになっています。第二の順位は地元漁民の七割以上を含む法人、第三位は地元漁民の七人以上で構成される法人、あと四位、五位というふうにあるんですけれども、これが特例になりますと、知事の免許の基準をクリアした法人がある場合には現行法の二位と三位のところが優先されて第一順位になると、地元漁協はその次になるということなわけです。  漁協が行政に代わって公的役割を果たしてきたということでいうのであれば、この順位を変える必要はないんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  136. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) このことは重ねて申し上げますけれども、今回、地元漁業者のみでは養殖業の再建が困難であるという区域でありまして、そういうところに特例措置の適用区域というものを設けるということでございまして、こうした区域ではなかなか従来の地元漁協の下での復興は困難だというふうなことに限って、限定した地域ということになるわけであります。  すなわち、自主的にもう漁業を再開するという、そういう状況がなかなか機能しにくくなっているというふうなことに対して、その地域に対して一つの選択肢として特区を設けると、こういうふうなことでございまして、その区域復興を円滑かつ迅速に推進するのにふさわしい第二順位、第三順位の法人に限り免許を付与するということになるわけでありますから、一般的にはこれらの法人を地元漁協より優遇するというものではないという考え方に立つわけでございます。
  137. 紙智子

    紙智子君 一般的には優位するものじゃないというんですけれども、しかし枠としてはそういう可能性をつくるということになるわけですよね。  私、今の説明を聞いていても理解できないんですけれども、現行法をもう一回見てほしいんです。現行法十八条がありますけれども、この現行法十八条では、漁協から申請がない場合には、漁業権は二位の順位に与えられるわけですよね。わざわざ特例を作る必要がないわけですよ。つまり、この表で見ても、一位の順位はこうなっているけれども、しかし、この一番目のところが手を挙げない場合は二位、三位が自動的に上に上がっていってというか順位が変わるという、それを止めないようになっているわけですね。今の現行の下でもできるというふうになっているわけですよ。  そういうふうになっているのにわざわざ、やっぱり何のためにするのかというのは非常に疑問ですし、それから、ましてや深刻な被害でもって地元漁業者のみではできない困難さということを言われるんですけれども、その困難の中身ということでいうと、船が流されてしまったとか地盤が沈下しているとかいろいろあると思うんですね、資金が足りないとか。そういう自分だけではできない困難さがあるのであれば、やっぱり政府が万全の支援をすることがまず先じゃないのかというふうにも思うわけなんですよ。この点、どうですか。
  138. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 基本的には、被災地をどうやって漁業の在り方を一刻も早く復興していくかというふうなことの中で、復興構想会議におきましてもこれを迅速に進めるというふうな中で特区というふうな考え方を盛り込まれたわけでありまして、それを受けて、宮城県の知事からも自主的に八月の段階で特区の創設というふうなものを要望も公文書におきまして私どもにも出されているわけであります。  そういう意味では、当然、なかなか今日のこの被災を受けて人的にもまた資金的にも困難だというふうなことの中で、やはり当然のことでございますけれども、地元漁業者との話合いの中で、よし、企業におきましても、俺が、自分たちが少しでも復興に協力していこうじゃないかというふうな法人も出てくるというふうなことも想定しながら、そういう民間業あるいは地元漁業者の間の中で、協力体制の中で一刻も早く復興ができるということならば、限定した形でやはりきちっとした復興というふうなものが行われるようにすることも一つの選択肢ではないかというふうなことから、私どもとしてはこのような特例措置を設けるということにいたしたところでございます。
  139. 紙智子

    紙智子君 知事がそういうふうに強力に言っているというのはあるんですけれども、漁業者は求めていないということもあるわけですよね。そういうところは非常に、なかなか納得しかねるということであります。  次に、漁業権を設定する流れ、手続についてなんですけれども、知事は、漁業法の十一条の一項の規定で、漁場を決めてその地元地区が属するところに免許を与えることになっています。つまり、漁場一つ一つの免許があって、その免許を受けるのが、今は漁協なんですけれども、特例が入るとどうなるかということで、漁業権漁場と書いた次の資料を見ていただきたいと思います。  例えばこの区画漁業権、網掛けのところで、区画漁業権ということは養殖ですよね。それで、その上の方から順に行って、まず、その一つ目の漁場は適切な人がいるから法人にしようと、下の二番目のところは適切な人がいるから法人にしようと、三番目のところはいないから漁協にしようと、四番目は法人という形で免許が与えられるというふうな形でいくわけですよね。  今、岩手と宮城だけでもこういう漁場が八百あるわけですよね、八百。狭いエリアの中に法人と漁協がこれ混在することになると。今の管理に従いたくないという人が、もしこの法人をつくって知事がこれを許可すれば、誰がこの地先漁業の管理と利用調整にリーダーシップを発揮するのか、これ混乱することになるんじゃないかと。ましてや、漁協の組合員だった人がこの法人をつくって免許を取るとなると、これまでまとまってやってきた漁協の中に亀裂が入っていくということになるんじゃないかと、こういう心配があるんですけど、いかがですか。
  140. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今回のこの特例措置におきましては、いわゆる知事が直接免許を付与できる地元漁業者主体の法人の要件といたしまして、他の漁業者との協調に支障が生じない等の基準を設けております。そして、免許を付与される法人は、資源管理や漁場利用の点で協調した行動が取れるというふうに、私どもはそういう中で考えておるところでございまして、今回の特区計画におきましては、当然、県が策定するわけでありますけれども、地元漁業者の話合いの中できちっと漁場の管理等々についても適切なる措置が講ぜられると思っておるところでございます。
  141. 紙智子

    紙智子君 浜が混乱しないように漁協の同意を得るということをやりますか。
  142. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 当然、いろんな形で漁業者の間において話合いが行われるというふうなことの中で、この免許権者である知事が判断されるものと思っております。
  143. 紙智子

    紙智子君 漁協の確認も得るということでよろしいですか。
  144. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 当然、今日のこの特例の措置というものが行われる中で、協議会も求められれば当然それは設置されていろいろと話合いが行われるわけでありますし、また知事が免許を与える枠においては五つの要件がそこに設けられているわけでありますから、当然そこは地元漁業者の間においていろいろと話合いがなされるというふうなことになろうと思います。
  145. 紙智子

    紙智子君 漁協も含めてというふうに思われているというふうに受け止めてよろしいですよね。  それで、加えてなんですけれども、この漁業権を法人が取得した場合に、今まで漁業権を取得していた漁協がどうなるかということや、それから漁業権を得て漁をしていた漁業者が職を失うんじゃないかという心配の声も出ているわけです。これについて、どうですか。
  146. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生が心配されているところの雇用の問題等々、こういうふうなことにつきましては、当然、知事が免許権を付与する要件の中にも、地元漁民の生業の維持、あるいは地元雇用の創出というふうなものを基準としてきちっと設けておるわけでありますので、地元漁業者主体の法人以外の漁業者の漁業の継続についても配慮をした上で免許が付与されるというふうなことになるものと思っておるところでございます。
  147. 紙智子

    紙智子君 知事が最終的に決断を出せば、決まってしまうわけですよ、いろいろな意見を聞いたとしてもね。知事の判断でやるということになりますと、中には雇用できない、失業してしまうという人も生まれかねないという可能性は否定できないというふうに思うんですね。  私は、最後になりますけれども、やはりこの特区法の中で、漁業以外にですね、この漁業法の特例というのは異質なものだというふうに思います。歴史的に培われてきた漁場の秩序を乱し、漁協の分断を図り……
  148. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 紙さん、時間が過ぎております。結論をお急ぎください。
  149. 紙智子

    紙智子君 離職者を生む可能性もあるということでは、私はこの条文は削除すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
  150. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 平野大臣、連日御苦労さまでございます。  今日は、ちょっと角度を変えて質問をしたいと思います。  たしか一昨日、本会議において質疑が行われましたね。たしか自由民主党の山田俊男議員からの質問の中に、復興特区内の土地の利用に対する歯止めについて質問があったわけですね。大臣は、その答弁として、復興整備計画は各市町村が策定するので無秩序な開発利用などは想定し得ないと、そういう趣旨の発言がありましたが、山田議員質問、もう一つ言っておられたのは外資規制、いわゆる外国の資本が入ってくることについて何らかの歯止め、そういったことも質問されたんですが、このことについては大臣直接答えておられなかったんで、ここでもう一度確認をしておきたいと思いますが、いかがですか。
  151. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 一般的に外資の参入ということについては、今回の復興を進めるに当たっては、国の内外を問わずといいますか、いろんな知恵とあるいは資金、こういったものを集めてやる必要があるというふうに思っていまして、事業実施に当たりましては熱意と能力ある主体が選ばれるものというふうに思料していまして、その中には外資も排除するものではありません。  ただ、そのときに、外資が入ってきたことによって、どういう問題が起きるかは分かりませんけれども、何か地域が混乱をするというようなことはないように、そうした運用はやっぱり十分留意していく必要があるというふうに考えます。
  152. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 そこなんです、今最後におっしゃったところなんですよね。  たしか復興基本方針には、今大臣が答えられたように、外国資本、そういった投資を歓迎するというような、受け入れるというようなことをうたっているというふうに一昨日の答弁でもやっていらっしゃる。このこと自体は私も、基本的にそれは私は了承するものですけれども、ただ、実は今現在、日本の各地において、例えば水源地である森林だとか、あるいは東京都もそうなんですけれども、重要な土地、あるいは地方都市でも結構外資によって土地が買収されている。さらには、安全保障の面でも、例えば対馬、自衛隊の用地がありますが、そこに隣接する土地を韓国資本によって買い占められているとか、いろいろそういった水源地を押さえられたり、いわゆる安全保障上の都市部の中心を押さえられている。  こうなると、長期的に見て、やはり私は、歓迎ムードの中で、そして自治体復興計画復興特区を決めていくに当たっても事業についても提出をするわけですけれども、提案をするわけですけれども、そのところにそうした日本のやっぱり秩序、安全保障面からの、かつて実は外国人土地法というのが戦前はあったんですけれども、今はそういうものはないわけですから、そういう意味において私は、ある程度の外国人に対する外資規制というものも必要だと、法的に必要だと私は個人的には思っていますけれども、そういった外資規制というそういう認識が大臣自身におありかどうか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
  153. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 外資規制ということについてどういうことをやればということについては、どこまで必要かということについて、私、この場できちっとした見解を述べるまでの準備はちょっとできておりませんが、ただ、先ほど、例えば森林法、例えば山について水源林が一部外国資本に買われているというような報道もあります。  ありますが、それはやはりいろんな法律の網をくぐって、今の、網というよりは法律の運用の中で今やられているということなんだろうと思いますが、今回の復興整備計画につきましては、これは地域がよく全体が見えますし、それにいろんな土地利用計画、それを踏まえた復興整備計画を作るに当たりましては関係省庁の長も関与するという意味において、この地域においてどういう土地利用が望ましいかということについてはある意味皆さんオープンの場で議論されてその計画が策定されますから、例えば悪意を持った外資が入ってきてその土地を買うとか、あるいは土地利用するとか、そういったものはおのずとほかの土地の場合よりも排除しやすいのではないかというふうな、そういう印象というか考え方を私は持っております。
  154. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 大臣が直接この問題について法的にどうのこうのというのを私は求めているつもりはありません。  私が聞きたかったのは、認識を持ってもらいたいということなんですよ。要するに、歓迎ムード、復興に名を借りて、結局、長期的に見たらこれは一体何だったのかということにならないように、そういった認識を大臣の頭の中にも持っていただきたい、これを申し上げておきたいと思います。  というのは、実は、こういう言葉が適切かどうか分からないんですけれども、今言ったように、日本の土地、水源地、あるいは今度の復興に関しても、外国資本あるいは投資を歓迎するという、このこと自体は間違っていないということを先ほど申し上げましたけれども、ある面、安全保障というか、日本の国土、領海、領土というものももちろん含むわけですが、日本人のこれは最後には生命、財産を守るということにつながるわけですから、そういったときに、こうした一つのいわゆる外資系のダミー会社、一見見るとほとんど分からないんですよ、日本人の名前だし、日本の会社だし。しかし、実際は出資元は外資であったり、中国資本であったり、韓国資本であったり。そういったことが、結果的には間接支配という言葉が言われてきているんです。  そういう意味で、じわじわじわじわ、あるいは法には違反していないし、ある面ではそれは網をくぐった中での結果的には重要なポイント、重要な土地、あるいは森林、水源地、そういったものが結果的に支配されてしまったときにはこれは大変なことになるのではないかということを、私自身の思いから大臣にそういう認識を是非持ってもらいたいというふうに思うわけでございます。  そこで、この問題はこの辺でおいておきますが、実はこの今度の法案ですね、大臣、参議院で全野党賛成で成立して、衆議院に送って、それをまた受ける形で今度政府の方がいわゆるこの特区法案を出してきたわけですね。それで、言ってみれば参議院での議員提案した復興臨時交付金法案というのは、この今政府案、それから修正も出てまいりましたけれども、特区法に一元化されたわけですよね。ということは、今衆議院に送られている参議院の我々が提出したあの法案というのはつるしの状態になっているんですかね。そういうことになるんじゃないですか。そうすると、これは一体、そのままこれが成立すると廃案になるという形になると思うんですけれども、しかし、やっぱり大臣の口から、この法案を成立させるためには野党の、野党ということをあえて言わすつもりはありませんが、参議院で野党の全会一致で通した法案に対して、やっぱりこれがあったからこそ今度の特区法案ができたんだという、そういう言葉を是非いただきたいなと、言えるかどうか分かりませんが、その点いかがですか。
  155. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いずれ、今回の復興特区制度の中の大きな柱である復興交付金、これを制度設計するに当たりましては、これは自民党さんからも様々なこれまでの要望をいただいている。とにかく使い勝手のいいといった制度を用意しなくちゃならない、こういった要望。  それからあと、災害臨時交付金法案の内容、これも参考にさせていただきました。この考え方については、いろいろこれを見た上で、横目でにらみながら、できるだけ反映させるように努めたつもりでもございます。ちなみに、総額も、たまたま一致したというよりは、五千億という強い要望を受けておりましたので、そこに一応五千億という数字も、たまたま一致したというよりも、それも意識して予算を一応計上をさせたというのも事実でございます。  特区法案は衆議院の審議において、三党合意に基づきまして、こういった法案の趣旨も踏まえた上での修正がなされたということでございまして、いずれ、この法案が可決いただければ、できた法案の趣旨を十分生かせるような運用をしなければならないというふうに考えています。  ちなみに、衆議院に送られた法案を、いわゆる災害臨時交付金をどのように処理するかということにつきましては、これは大変恐縮ですけれども、釈迦に説法のような言い方で申し訳ありませんが、国会で決めていただきたいというふうに思います。
  156. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 まさに、釈迦に説法というお言葉を使われましたけれども、私も十分承知しておりますけれども、ただ、これも一つの、特に、昨日も質問しましたけれども、要するに全野党賛成で送った法案、あのとき民主党、政府も全部反対したわけですよ。結局、皆さんから復興がまた遅れた一つの原因じゃないかということがありましたから、我々は何も、野党だから、一致したから、政府・与党は賛成しろと、ねじれ現象を悪用するつもり全くありませんけれども、やっぱり復興のためにはどうあるべきか、優先順位はどうあるべきかということの中で今あえてお聞きしたということでありますから、どうぞ今後ともそういったことを踏まえながら復興に努力していただきたいと思っています。  それで、今日は松原副大臣、先ほどほかの政党からも道路の問題、特に、昨日私もちょっと触れましたけれども、東北整備局は、徳山局長の名前も今日出まして、先ほど前田大臣も、大変評価をしていただき有り難いという話がありましたけれども、くしの歯作戦というのが非常に急速に展開して、まさにこれ、専門用語になりますが、啓開が大変短い期間で行われたということは私も評価する一人であります。しかし、また一方では、それによってどういうことが起きているかといいますと、結局道路のネットワーク、高速道路を含めたネットワークがしっかりしていなければ効力を発揮しない、効率的な、効果的な、こういう災害に対しても対応できないということが明らかになってきているわけですね。  実は、数日前、日比谷公会堂で、命の道路と先ほどどなたかもおっしゃっていましたけれども、道路関係四団体による大会がありました、道路の、全国大会。そのときも、要するに、各市町村長たくさん出ていらっしゃいましたけれども、この席に一人も官僚が、役人がいないのは一体どういうことかと、民主党の議員もいらっしゃって、かなり会場からそういう質問がありました。  そういうことによって、官民一体、あるいは民間の活用もそうなんですけど、やはりこの道路というものは、何をやるにしても、今後の復興を進めるに当たってもやっぱり一番肝心なことなんで、その辺の認識を持ってもらいたいということが一つ。  それから、今度の災害は大変な大災害ですが、先日、私の地元の岐阜県のことを話して恐縮なんですけれども、台風十五号で道路が寸断されました、集中豪雨で。飛騨地域の方です。私も視察へ行きましたら、ある部落が、その部落というのは温泉地なんですが、完全に孤立しちゃったんですよ。道路がないんです、県道が一本あっただけで、全く孤立してしまった。そうすると、途絶えてしまうわけです。  何が命を救ったかといったら、道路がないので車も通れない、物資も運べないという山の中ですから、そうしましたら、たまたま、観光用なんでしょうかスポーツ用なんでしょうか、林の中にサイクリング道路があったんですよ。軽自動車が一台は通れる。それがあったんで、それを今度バイパスにしまして、結局孤立の部落が助かった。物資の輸送、病人の輸送に大きく役立った。  ですから、何も高速道路と国道、県道市町村道に限らず、まさにサイクリング道路も一つのネットワークの中に入るぐらいの、やっぱりそのぐらい日本というのは山間地が多いですから、そういう意味では本当にきめ細かなネットワークというものが必要だと私は思うんです。  そういう意味で、今日は松原副大臣来ておられますので、そのミッシングリンクあるいは道路のネットワークの重要性について、改めてここでその認識をお伺いしたいと思います。
  157. 松原仁

    ○副大臣(松原仁君) 御質問いただきました東日本大震災においては、住民の避難場所や救援救助活動、物資の輸送、防潮堤としての副次的効果など、災害時に高速道路ネットワーク等が果たす役割が再認識をされました。おっしゃるとおりであります。  我が国では、世界の大地震の約二割が集中するという地震国であるほか、狭く急峻な国土に雪害、風水害、土砂災害、火山災害等の多様な災害が頻発する厳しい国土条件にあり、災害に強い国土づくりを行っていくことが特に重要であります。高速道路のあり方検討有識者委員会においても、まずは機能としてのネットワークをつなげることが大事との御意見をいただいており、災害面からの弱点を点検し、その克服に向けて高速道路のミッシングリンクの解消等による道路ネットワークの強化に取り組んでまいりたいと思います。  簡単に言えば、例えばBバイCの議論がありますが、そこに従来の便益のほかにこうした災害に対応するバックアップ的な機能の便益等も加味できることができるのではないかと、こんな議論も進めてまいりたいと思っております。  ありがとうございます。
  158. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 時間が参りましたから終わりますけど、松原副大臣、もう一つあなた、言い忘れたことがある。あなたと私、いろんなところで議論しますけれども、安全保障の面からも、我が国の生命、財産を守る安全保障の面からも、この道路は、ネットワークは大事だということを是非、その認識も持っていると思いますが、よろしくお願いいたします。  私の質問を終わります。ありがとうございました。
  159. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  今日は大きく二点質問をさせていただきます。  まず、漁業法の特例、いわゆる水産特区についてでございますが、我が党はこの特区法案については被災地優先という立場で賛成させていただきますが、かなり踏み込んだ判断をされて評価できる点もございますが、やっぱり一番懸念されるのはこの水産特区の問題でございます。  私はさきの予算委員会でショックドクトリンという話をさせていただきました。いわゆる未曽有の大災害や出来事を契機として政策が大きく変わること、例えば市場原理主義的な政策がずっと台頭していくこと、そのことがやっぱり懸念をされるわけでありまして、是非そうした懸念を払拭できるような答弁を今日はしていただきたい、そのように思います。  担い手の高齢化や資源管理の問題など、水産業に様々な構造問題が存在していることは十分認識をしております。しかしながら、漁業の改革については漁業者の皆さんの意見を最大限にくみ上げて丁寧に議論していくべきだろう、そのように思っています。  復興基本法にはこうした文言があります。復興事業は二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべきと書かれているわけであります。水産特区をモデルとして、これを突破口にこうした水産業分野での規制緩和を全国に広げていくのではないかと懸念する意見も多く聞かれますし、社民党にもそうした声が寄せられております。水産特区はあくまでもこの復興に限定すべきだと考えますが、その点について農林水産大臣の見解を伺います。
  160. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 先生からの御指摘のとおりでございまして、今般の漁業権に係る特例というものはあくまで復興のための例外措置でございまして、これにより直ちに現行制度の見直しにつながるものではございませんということを申させていただきたいと思います。
  161. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 まず、そうした立場でしっかりやっていただくように確認をさせていただいた上で、先ほども議論がありましたが、衆議院で附帯決議が可決をされています。この後に参議院でも同様の趣旨で附帯決議が行われますけれども、この内容は、水産業の復興に当たっては、地域の漁業者などが一体となった取組に国が十分な支援策を講ずることが基本であることを踏まえた上で、漁業法の特例の導入に際しては、国は浜全体の資源、漁場の管理に責任を持ち、万全を期した措置を講ずることという趣旨でございます。  そこで、大臣はこの趣旨をどのように認識されておられるのか、また、今後どのように実現を図っていかれるのか、先ほどの答弁よりも是非具体的にもっと話をしていただきたいと思います。
  162. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) いわゆる今先生が触れられた衆議院の附帯決議ということでございますけれども、この法案におきましては、国は特区計画を認定した地方公共団体に対して、特区計画が円滑かつ確実に実施されているか把握するため報告を求めることができると、こういうことが一つございます。それから、必要に応じて特区計画の適正な実施のため必要な措置を求めることができると、こういうような旨の規定もされているわけでございます。  それを受けて、私どもといたしましては、国としても必要な場合には報告の徴収やあるいは措置の要求を行うなど、きちっと適切に対応していきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  163. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 その上で、被災県の知事の中には、まあ大体どこの知事か想像が付くと思うんですけど、漁業権を地元漁協の頭越しに民間企業に与えるのではないか、これまでのルールを大きく変更して浜の秩序を崩壊させるのではないかと危惧する声があります。こういう事態にならないと理解してよろしいのでしょうか。そして、そのための手当てはどういったものになるかということなんですね。昨日の私の質疑を踏まえて、こういう手当てがあるから大丈夫だということを是非総括的にお答えいただきたいと思います。
  164. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 昨日も吉田先生からいろいろお考えもお聞かせいただきました。そういう中で、知事が免許を付与する法人というのは、他の漁業者と協調すること、そして経理的基礎を有すること、こういうふうないわゆるきちっとした基礎を持っていると、こういうふうなことになるわけでありますけれども、そういう法定基準を満たした者とするということでございまして、資源管理や漁場利用の点で協調した行動が取れ、かつ撤退によって地元の漁業生産に支障を来さないようにするという、こういう仕組みになっておるわけであります。  そういう意味で、仮に不適切な漁場利用をした場合等々は、漁業調整委員会が必要な指示を行い、免許権者であるところの知事が、それに従うよう命令ができるというふうなことにもなっているわけでございまして、今回の特例には漁業権特区に対する漁業者の懸念にこたえるべく様々な規定を設けておりまして、地元漁業者主体によるところの養殖業の再開と地域復興に資するというふうなことを基本として考えておるところでございます。
  165. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 それでは、この水産特区の問題、最後に、鹿野農林水産大臣是非、この水産特区の問題について心配しておられる漁協や漁業者の皆さんに、皆さんの心配がないようにしっかり取り組んでいくという是非メッセージを決意として出していただきたいと思います。
  166. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今回の特例措置というものは、まさしく被災地の漁業、水産業、一刻も早く復興に向けて取り組んでいきたいと、このようなことから、漁業者の方々との話合いの中で、地元の方々との話合いの中で、まさしくいろんな規定を設けながら知事に対してその免許権を与えるということでございますので、この点はひとつ、地元の方々も安心して取り組んでいただくというふうなことが私どもはできるものと思っておるところでございます。
  167. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 ありがとうございました。  次に、大きく二点目、被災自治体への職員派遣について質問をします。これは復興担当大臣質問します。  これまでも多くの国家公務員、地方公務員の皆さんが被災自治体に派遣をされまして、被災者への対応公共サービスの再建に大変な御尽力をされました。この間の御尽力に心から敬意を表します。  今後、特区制度が開始をされまして被災市町村復興計画が策定されますと、より長期の派遣、また専門的な派遣が行われるということになります。被災自治体への職員派遣の質、量共に一層の拡充が求められることが十分に予想されるわけでありますが、現状では、被災自治体の職員の身分を得て働く長期派遣職員の人件費は派遣受入先の自治体負担をして、うち八割は国が特別交付税で補填をしているという現状であります。しかし、被災地では、財政力が極めて弱い小規模自治体が多くて、派遣の受入れ増に伴ってこの二割の自己負担が財政面で大きな懸念材料になっているわけでございます。  それで、平野大臣は、十一月二十日、宮城県の南三陸町の視察後、派遣受入先自治体の人件費負担について、受入れ人数が何十人にもなり、しかも長期になるとかなり財政負担が重くなる、総務省などと対応を詰めたいと御発言されたと報道されています。  派遣受入先自治体の二割の人件費自己負担分を更に軽減したいという御意見については私も賛成でございます。是非早期に実現をしていただきたいと考えますが、大臣の見解と決意を伺います。
  168. 平野達男

    国務大臣平野達男君) こういう災害のときは自治体間で人の融通というか派遣をし合うと、派遣をするということで従来からずっと対応してきていまして、災害当初の、期間が短いときは派遣元の市町村負担することもあると聞いております。しかし、やはりある程度の長期になりますと、受入先がそれを負担をするということでありまして、委員指摘のように、今の制度では八割、特別交付税で措置するという仕組みになっております。  一方、今委員からも御指摘ございましたけれども、今回の災害復興、災害を受けた復興復旧、大変な労力が伴います。専門家の派遣、それから絶対的マンパワーを補うための人の派遣、これを今以上に各自治体にも、また国も工夫していかなくちゃなりませんけれども、各自治体お願いしなくちゃならないと思います。  いみじくも、今、南三陸町での私の発言を引いていただきましたけれども、三、四人ぐらいでしたらまだ何とかなるということなんですが、何十人単位に多分なるんだろうと思います。しかも長期になるんだろうと思います。これを今の特別交付税八割ということで負担をするというのは、まさに、そうでなくても財政力の弱い自治体が多い中では大変な負担になるということで、このことは総務大臣にも伝えてございまして、今総務省において、この取扱いについて鋭意検討中であるというふうに伺っております。
  169. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 是非、しっかり成果が上がるようにお願いしたいと思います。  以上で終わります。     ─────────────
  170. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、岩城光英君及び平山幸司君が委員辞任され、その補欠として渡辺猛之君及びはたともこさんが選任されました。     ─────────────
  171. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について紙さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。紙智子さん。
  172. 紙智子

    紙智子君 私は、日本共産党を代表して、東日本大震災復興特別区域法案に対する修正の動議を提出します。  日本共産党は、復興は被災者が主役であり、暮らしとなりわいの再建こそその土台であると主張してきました。今回の大震災では、地震、津波、原子力災害という甚大かつ深刻な被害が広範囲に及んでおり、そうした被災地状況を踏まえれば、既存制度の枠を超えた特例措置や財政支援が当然必要であり、被災自治体からはそのための特区制度が強く要望されてきました。  国庫負担を大幅に増やし自治体負担を軽減させる措置は、被災地早期復興に資するものであり、賛成するものです。ただし、県知事の判断で地元漁協の頭越しに民間企業に漁業権を与えることができるとしている漁業法の特例措置については、長年にわたって沿岸漁業海域での紛争回避と資源管理のために漁場を利用する漁業関係者がみんなで管理するという歴史的に作られてきたルールを突き崩すものです。民間企業等が養殖漁業を営もうとすれば現行の漁業法の下でも可能であり、また法案でも必要な提案を行うことができるとされているので、あえて特例措置を設ける必要はありません。よって、修正案は、漁業法の特例措置に関する規定を削除するものです。  修正案の内容は、お手元に配付されております案文のとおり、法案から漁業法の特例を認めた第十四条を削除し、それに伴い、別表の修正を行うものです。  以上、本修正案を提出する理由及びその内容です。  委員各位の御賛同をお願いし、趣旨説明を終わります。
  173. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに東日本大震災復興特別区域法案について採決に入ります。  まず、紙さん提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  174. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 少数と認めます。よって、紙さん提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  175. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、森さんから発言を求められておりますので、これを許します。森まさこさん。
  176. 森まさこ

    ○森まさこ君 私は、ただいま可決されました東日本大震災復興特別区域法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党、日本共産党、たちあがれ日本・新党改革、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     東日本大震災復興特別区域法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、水産業の復興に当たっては、地域の漁業者などが一体となった取組に国が十分な支援策を講ずることが基本であることを踏まえ、本法の施行により漁業法の特例措置を導入するに際し、国は、被災地の水産業の健全な発展のために、浜全体の資源・漁場の管理に責任を持ち、その整備につき万全を期した措置を講ずること。  二、復興推進計画の認定申請に当たり、復興推進事業及びこれに関連する事業に係る条例の制定に関連する法令の規定の解釈を求められた場合は、速やかに当該法令の規定の解釈に係る資料の交付を行い、回答を行うに当たっては、復興特別区域に係る制度の趣旨及び目的並びに地方公共団体の自主性及び自立性に十分配慮すること。新たな規制の特例措置等に関する提案に復興推進事業及びこれに関連する事業に係る条例に関する事項が含まれる場合も、同様とすること。  三、新たな規制の特例措置に関する提案がされた場合に、新たな措置を講ずる必要がないと認めるときに行う通知においては、その根拠をできるだけ詳細に記載した資料を添付するものとし、かつ、国と地方の協議会の経過及び内容についての国会報告の際、当該資料を国会に提出するとともに、インターネットで公表すること。    また、復興推進計画の認定申請に当たり確認を求められた法令の規定の解釈が、復興推進事業及びこれに関連する事業に係る条例の制定の可否に関係するものである場合は、確認を求めた特定地方公共団体への回答に当たり、その根拠をできるだけ詳細に記載した資料を交付するとともに、当該資料を遅滞なく国会に提出し、インターネットで公表すること。  四、地方公共団体事務政令等規制事業について条例で規制の特例措置を適用するための政省令を定めようとする場合には、当該政省令の案について、当該事業の創設を提案した特定地方公共団体に協議を行うこと。  五、本法第一条の目的及び本法第三章に規定する規制の特例措置の趣旨に鑑み、本法に規定されていないものであっても、特例措置を講じることにより事務手続が簡素化され、特定地方公共団体にとって有益であると判断されるものについては、速やかに法的措置を講ずること。  六、復興特別区域基本方針を定めるに当たっては、二から五までの項目を具体的に盛り込むこと。  七、国会に対する復興特別意見書の提出等に係る規定や国と地方の協議会における協議結果の国会報告等に係る規定が新設されることに鑑み、地方自治体に対する制度の趣旨や内容の周知を図ること等をはじめとして復興庁が極力地方自治体の立場に立った対応につとめる等により、これらの規定が活用されるよう努めること。  八、特定地方公共団体における復興推進計画の策定に当たっては、必要に応じ、地域の実情を考慮した適切な方法で、住民の意見を反映させるための必要な措置を講じることができることを助言すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  177. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいま森さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  178. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 全会一致と認めます。よって、森さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対して、平野国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平野国務大臣
  179. 平野達男

    国務大臣平野達男君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
  180. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十分散会