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2011-10-28 第179回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十月二十八日(金曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  十月二十八日     辞任         補欠選任      金子 恵美君     平山  誠君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 岡崎トミ子君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 谷合 正明君     委 員                 池口 修次君                 大久保潔重君                 金子 恵美君                 行田 邦子君                 斎藤 嘉隆君                 田城  郁君                 田中 直紀君                 谷岡 郁子君                 轟木 利治君                 平山 幸司君                 平山  誠君                 広田  一君                 藤原 正司君                 赤石 清美君                 岩城 光英君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 高階恵美子君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 石川 博崇君                 渡辺 孝男君                 小熊 慎司君                 桜内 文城君                 山下 芳生君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君                 亀井亜紀子君    国務大臣        文部科学大臣   中川 正春君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        経済産業大臣   枝野 幸男君        環境大臣        国務大臣     細野 豪志君        国務大臣     平野 達男君    副大臣        経済産業大臣  松下 忠洋君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       藤田 一枝君        農林水産大臣政        務官       森本 哲生君        環境大臣政務官  高山 智司君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        食品安全委員会        事務局長     栗本まさ子君        原子力安全委員        会委員長     班目 春樹君        環境省水・大気        環境局長     鷺坂 長美君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   西澤 俊夫君        浪江町立浪江小        学校PTA会長  朝田 英洋君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興総合的対策に関する調査  (東日本大震災復興総合的対策に関する件)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君及び浪江町立浪江小学校PTA会長朝田英洋君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 おはようございます。民主党新緑風会谷岡郁子でございます。今日はよろしくお願いいたします。  今日私が取り上げたいと思います中心課題は、福島、そしてその福島被災者方々のことでございます。  この特別委員会復興特ということでございますけれども、今の福島現状は明らかに復興以前、復興というところへ行けていないという状態であろうかと思います。これを早く復興に行けるようにするということが政治に課せられた義務であると強く感じております。  最初に、ではその復興以前のもとになっているこの事故、この事故現状というものが我々はどのようにとらえたらいいのかということで幾つ質問細野大臣中心にさせていただきたいと思います。  現在、福島第一の状況冷温停止状態に近づいているということが言われておりますが、冷温停止状態というのは事実上の安全宣言なのでしょうか。大臣、お答えいただきたいと思います。
  8. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 福島皆さんは、依然として事故収束をしていないという状況の中で、なかなか復旧復興に向かって進むことができる状況になっていないということに関しては本当に申し訳なく思います。そういった状態を改める、これを変える意味でも、事故収束というのが本当に重要だというふうに思っておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。  冷温停止状態でございますけれども、この状態幾つ条件を課して定義をしまして、それに向かった現在作業を進めているところでございます。  三つほど私ども条件設定をしておりまして、一つは、圧力容器底部温度がおおむね百度以下になっていること。そして二つ目に、格納容器からの放射性物質放出を管理をし、追加的放出による公衆被曝線量を大幅に抑制をしていること。具体的には、敷地境界において一ミリシーベルト、年間ですね、これ以下にすることを目標としております。現在、この二つについてはこの状況を達成することができておりまして、三つ目条件について現在確認をしているところでございます。それが、今申し上げた二つ条件を維持するために、循環注水冷却システムの中長期的な安全を確保していることと、これであります。つまり、一時的に百度以下になり、一ミリシーベルト以下になったとしても、これが持続しなければ冷温停止状態とは言えないということでこういう条件を課しております。  これをどう解釈するかというのが谷岡委員の御質問だというふうに思いますが、こう考えております。オンサイト事故そのものはこれで収束と。もちろん、その後、廃炉までは様々な作業がありますので、そういった意味では、その作業の中でいうならば、まだ本当に途中段階の中でも初期の段階ということになります。ただ、三月十一日に発災をして、オンサイト事故という意味では、この第二ステップの終了というのが大きな区切りになると考えております。  ただ、私どもがしっかり認識をしておかなければならないのは、オフサイトにおきましては放射性廃棄物の拡散の問題がまだ続いておりまして、オフサイト事故収束にはまだまだやはり時間が掛かる。すなわち、事故の影響をどう取り除いて元の生活にできるだけ近く戻っていただくかと、このことについてはまだ継続しているということを肝に銘じておかなければならないと考えております。
  9. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私の質問に端的にお答えいただきたいと思います。  事実上の安全宣言かどうかということをお聞きいたしました。この事故現場において、安全宣言なのでしょうか。
  10. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 済みません、答弁が冗長になり過ぎました。  現在、その安全な状態かどうかというのを確認作業をしておりまして、それが確認をされた時点で事故としては収束ということでございますので、安全な状態ということを確認をすべく今やっているということであります。
  11. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 事実上の安全宣言というふうに聞こえるわけでございます。  でも、冷温停止という科学的な用語、IAEA等で世界中で使われている定義ではなく、冷温停止状態というふうにおっしゃっている。あえて状態という形を付けなければならないと。これは、うがった見方をすれば冷温停止もどきとも考えられる可能性があるのだと私は思っております。  では、お聞きいたします。現場放射線量ということで、今現在、建屋には自由に作業員は出入りできるのでしょうか。現状把握という意味において、どこにあるのか分からない、先ほど圧力がま底部温度というふうにおっしゃったけれども、そこに果たして大部分燃料があるのかどうかすら分からない。  では、燃料の塊の中心部温度というものは今何度ぐらいあるのでしょうか。その点についてお伺いいたします。
  12. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 確かに、谷岡委員おっしゃるとおり、現在、炉の中の状況及び格納容器を含めた状況がどういったことにあるのかということについては、人が入ることができませんので、見ることはできておりません。ただ、解析はかなり回数、さらにはかなりの種類行っておりまして、おおよその状況把握をできているというふうに考えております。  なぜこの底部温度を測っているのかということについては、そうした解析において一番燃料が堆積をしているのがその場所だろうということでやっておるということであります。  そのほかの場所温度なんですけれども、現在私どもが注目をしておりますのは、出てきてしまっている汚染水、その汚染水温度が上がっているということになると、燃料がそれこそまだ熱を持っているということになるわけです。ですから、この水がどれぐらいの温度なのか、蒸気が上がっていないか、それをできるだけ目視などを通じてしっかりと把握をしたいと思っておりまして、今のところ、そうした水の状況についても落ち着いておりますので、冷却が進んでいるであろうということを推定をしておると、そういうことでございます。
  13. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私は、一番大きな塊の中心部温度把握できているのか、何度なのかということをお聞きいたしました。
  14. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そういう御質問に対して言うならば、圧力容器底部に一番燃料がたまっていると考えておりまして、それが一号機から三号機までおよそ七十度前後のところまで落ち着いてきているということでございます。
  15. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 お答えいただけなかったというふうに言わざるを得ません。  溶け出した燃料というものがジルコニウムなどと一緒になって塊で落ちているということについてはチェルノブイリでも明らかになっておりまして、そして、塊になった場合には表面の温度とそしてその内部温度というものは明らかに水の温度とは違うということは科学的な問題として明らかでございます。そして、それをお答えいただけないということは、分かっていないのだということと解釈せざるを得ません。この問題だけでやっているわけにいきませんので、前へ進ませていただきますが。  では、この状況というものは持続可能なのかと。作業員被曝というものは僅かずつであっても増えてまいります。ベテラン作業員被曝一定程度になれば、交代をせざるを得ないと。よく分かっている人からよく分からない人に行けば、ますますその危険性というのは当然高くなると思います。  また、汚染水処理のことが先ほど出てまいりましたけれども、これまでに十三万トン近くの水が既に処理され、にもかかわらず、まだ七万トン以上の水が残っているというふうに聞いております。そして、それは流入をし続けるような形になって言わばエンドレスであり、それをフィルタリングするために汚泥が出続ける。その汚泥はどこかにためておかなければならないということで場所ふさぎであると。こういうことを、取り出すまでに何十年掛かるかもしれないと言われている状況の中で、持続可能なのかという点についてお聞きをいたしたいと思います。
  16. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この事故の最終的な解決というのは廃炉になるわけですので、恐らくそれには十年を超える月日が必要であろうというふうに思っております。この作業をやるためには、もちろん技術的な様々な開発が必要でございますので、そういった面でも大きなハードルがございます。ただ、それ以上にやはり大きなハードルは、今、谷岡委員指摘のとおり、作業員の安全、そして作業員の数をしっかり確保する、このことにあると考えております。  現在取り組んでおりますのは、特に建屋の中の作業については、事前にこれまでの内部被曝線量推定をいたしましてその作業内容を決定をいたします。それを受けて、これ以上の放射線を浴びないということを決めた上で中に入って作業すると。これまで余り例は少のうございますけれども、万が一それを超えた場合には撤収するということも含めてそういう作業をしております。したがって、それ以下で作業ができた場合には作業を終えて帰ってくるということができているわけであります。  もう一つは、やはり作業員皆様の数の確保です。一人一人の放射線量を下げることも大事ですけれども、やはり一人に被曝線量を集中させないということも極めて重要でございまして、そういう要員をしっかり確保する、これが重要になってくると思っておりまして、もちろん東京電力に最大の責任がありますから、その努力を今東京電力にしてもらっているところでありますけれども政府としてもその作業員確保においてしっかりバックアップをして、その確保状況についてもできるだけ把握をしていくと、そういうことで今やっておるところでございます。
  17. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私は、とりわけ、作業員の量ももちろんのことですけれども、質の確保ということが重要な要件になって、質のいい作業員というものは即座に出てくるものではないというふうに感じます。  と同時に、今も申し上げたように、汚染水を処理する、その汚泥が出てくる、どこかにそれをコンテナに入れてためていくというようなことを起こす。そうすると置場は必要である。外に持っていくことはできない。三百三十万平米という大変広い敷地を持っている福島第一だからこれができているという言い方すらできるような状況だと思います。  私、いろんな発電所を調べてみました。そうしますと、敷地一定程度であっても、実は丘陵地に造られているので、本当に建屋などが込み入ってしまって、もし事故が起きるとほとんど作業スペースがない、緊急車両を止めておく場所がない、そういうような、水の処理装置などを付ける場所もない、そういう場所がたくさんある、そういう発電所が日本中にたくさんあるということを発見いたしました。このままで放置して、例えば再稼働できるのだろうかということにつきまして、いざというときの対策というものが本当に必要で、そして福島第一ですらこれはどんどん、今半年でも、例えば防護服、脱ぎ捨てられたものを積んだままになっているような状況なわけです。これを長い目で見てどう解決していくのかということについては、ただ場所の問題だけではなくて技術的な問題がある。  そのほか、今大臣が御指摘のとおり、実はまだ技術問題としましても、曲がってしまっているプールの中の例えば燃料棒をどういうふうに保管するのか、これまでのキャスクの概念ではできないとか、それから蓋がひっついているかもしれないものをどう開ければいいのかとか、様々な部分において大変な困難な作業があり、資源を見ても、また技術を見ても、新たにどう調達していくのかということが危ぶまれている状態があろうかというふうに思います。  私が与党の議員でありながらかなり今厳しい質問をさせていただいたのには訳があります。それは、この事故が起きたのは安全神話の成立とその結果によるものだというふうに考えるからであります。安全神話というものを言わばつくってしまって国民に信じさせた、その経緯がこれほどの苦しみを生んでいると。今の事故を安易に安全宣言をするというような形で安全神話の第二幕の幕を上げてはならない。安全神話というものをしっかり見直して、その安全神話は二度とつくらないということを前提としなければ、たとえ再稼働するようなことがあっても原子力というものに対しての国民の信頼というもの、また支持というものは絶対にあり得ないということを痛感するからであります。  その意味におきまして、やはり私は完全に安全ではないと、一〇〇%に限りなく近くあっても、これはこの事故についてはそうだったんですよね。一〇〇%に限りなく近い安全だということがその一〇〇%ではなかったがゆえに、福島第一の事故というものは起こりました。したがいまして、安全というものが僅かなところでも問題があって、ここから先不明な点が多くて、そして現状がちゃんと把握できていない、現状が完全に、例えば燃料の位置であり、その中の温度であり、そういうものが把握できていない中で安全宣言的なものを出すということについては強い疑義を感じます。その点について、細野大臣、いかがお考えなんでしょうか。
  18. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 安全宣言という言葉自体は私は今まで余り考えておりませんでした。  むしろ、私どもが目指してきたのは、事故が起こって多くの皆さん避難をしていただいたわけですね。もう本当に大変な事態が起こっているわけです。今でも時々避難をしている皆さんとお会いをすると、こんな理不尽なことはないなと思います。そこで平和に暮らしておられた方が、ある日こういう事故を受けてもう強制的に実質的には動かされて、いまだにその状態に戻れていない、こういう理不尽な状態をできる限り解消していくというのが私の使命だと思っておったんです。  ですから、安全宣言というような高らかに、何といいますか、宣言をするという種のものではなくて、ようやく事故としてはオンサイトについて収束をしたので、今警戒区域計画的避難区域設定をされているものについては変更することができる、そういう前提が整ったと。変更には慎重であるべきだと思います。しっかりと準備をしなければなりませんので大変なことだというふうに思いますけれども、それを変更できる状態になりましたということをしっかりと皆様に説明をさせていただくというのがステップツーの終了という、そういう思いでおります。
  19. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 先ほど私が作業員の量だけではなくて質がいかに大事かということを痛感いたしましたのは、まだ私たちの記憶に新しい、配管の中から濃度六三%の水素が見付かったと、そのときにもし火花を散らしていたら、ひょっとするとその水素が爆発するということがあり得たかもしれないということがあったからです。ベテランの、中のことをよく知っており、そして何が何を意味するのかということが分かっている方々は、当然水素濃度を測りました。そして、その状況を見てすぐに撤退をするということをやりました。何を自分がやっているのか分かっている人というものが次に第二次的な災害を防いだというふうに思っております。  このように、まだたった一か月ほど前でも場合によっては何が起きたか分からない、どの程度になったか分からないというような状況もございました。安全宣言的に受け取られるような、もちろん希望は必要でございますけれども、その安全宣言的なことに受け取られるようなことをするに対しては、先ほど申し上げましたように第二の安全神話に加担するようなことに関しましては是非慎重であっていただきたいということを再度お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 第二の安全神話という意味では、この事故が例えばオンサイトについては一定収束を見たので原発全体がそれこそ何の問題もないんだと、これまでの過ちはもうなくなったんだというような、そういう取られ方は絶対にされるべきではない、そういう表現は慎むべきであると、するべきではないと、私もそう考えます。
  21. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 大臣、ありがとうございました。  そして、今大臣から御指摘がありましたように、本当に理不尽なまでの苦しみに遭われている方々がたくさんいらっしゃるというふうに考えております。そして、この方々ということについては、国策としてやってきたということについて、国としても私たち政治家としても大変大きな責任があるというふうに考えております。  この被災者たちが自らを今どう呼んでいるかと。この間、私は福島幾つかの町に入りましていろんな方々と話をしてまいりました。また、先日は民主党新緑風会の研修ということで福島にも行ってまいりまして、バスを仕立てて、皆様と話をするために、様々な形で分担をしながら話を聞いてまいりました。  そして、この間私が集めてきた意見の中でやはりショックを受けますのは、御自身を今どのように定義しているかということについて、私たち難民だとおっしゃっているんです。仮設住宅生活の中で難民だとおっしゃっている。そして、もっとすごいと思いましたのは、これはあえて、この言葉が適切な言葉かどうかは別として、被害者の口から何度も出ているということで紹介をさせていただきたいのは、私たちは今こじきであるというふうにおっしゃっているということなんです。  都会のハイカラなサラリーマンではないかもしれないけれども、首輪を誰からも着けられることなく、自らが自然とともに大地に足を踏み締めて自由に生きてこられた、自らの判断によって創意工夫をし生活をつくってこられた、そういう方々は私たち以上により自由人であり、自分の時間を、毎日を、そして自分資源自分の自立した判断の下にこれまで行使してこられた。この方々が全てをお願いから始めなければならない。  生活の不便さ、そして冬に対するこれからの暖かさを求める、灯油を買おうと思えば置き場所もない。そういう状況の中で何もかも、置いておくスペースがないんだ、犬を飼いたいんだ、これを置く場所がないんだ。全て、全て、何もかもお願いから始めなきゃいけないと。そのことについて自らにふがいないということで怒りを感じ、自分のやっと口にした言葉というものに対して言葉が返ってこない。そして、私は、何で東電も政府人たちも来ないんだと言われて、いっぱい来ているじゃないですかとお答えをしたときに、こう言われました、ぺこぺこ虫は要らないんだよと。ぺこぺこぺこぺこしていらっしゃるだけで、おじぎをしてとてもいんぎんであり丁寧だけれども、何もこたえてくれない。判断できない人たちというのは要らないんだということを言われて、本当に強く受け止めました。  この難民の宙ぶらりんの生活、一体いつまで続くというふうにお考えなんでしょうか。どういうめどを今立てておられるのでしょうか。これは細野大臣にお聞きすべきなのか、平野大臣にお聞きすべきなのかと思っておりますが。
  22. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 既にもう七か月以上が経過をしておりますので、そういう不安定な状況に長くいらっしゃると、いていただかなければならない状態になっているということに関しては本当に申し訳なく思っております。  私自身も避難をされている方との何度か実は懇談の機会を持ってまいりまして、つい先日もお話をしてまいりました。御意見がやはりどうしても分かれる部分があると感じております。どういうふうに分かれるかというと、やはりできるだけ早く、そしてどうしても戻りたいという方、一方で、早く新天地で生活をしたいという方、やはり時間がたつにつれて新天地でという方が増えているという印象を持っております。  もう一つは、コミュニティー単位で地域でしっかりと戻りたい、若しくは地域で新しい場所でスタートをしたいというコミュニティー単位で物を考える方がいらっしゃいます。一方で、個人でもう新しくスタートをしたいと、そういう方もいらっしゃるわけですね。  ですから、こうした皆さんにある段階でしっかりと選択肢をお示しをするというのは国の責任であるというふうに思っております。それを、やはり避難をされている皆さんがそれこそこちらに対して気兼ねをしながらお願いをするということはあってはならないわけですね。こちらの側からしっかりと選択肢を提示をして、こういうことを考えているんだけれどもどうでしょうかという、こちら側からやはり踏み込む必要があると思っております。  これまでなかなかオンサイト事故収束が見えませんでしたのでなかなかそこに踏み込むことができませんでしたけれども、現在その検討に入っておりまして、まだ明確に時期が申し上げられないのは大変恐縮なんですが、ある時期に、今国として、そうした苦しい思いをしていらっしゃる皆さんに選択肢をお示しをすることができるように現在準備を進めているところでございます。
  23. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ただいまの大臣の御答弁は選択肢という言葉が使われました。それこそが今までの状況の中で一番不足していたものではないかと思います。地面の地図の場所で区切って、あなたはこっち、あなたはこっちといったことがやられてまいりましたけれども、人によって家庭によってその事情も違う中で、もう少しやはり選択肢というものを国民に与えるべきではなかったか。チェルノブイリでも、五ミリ以上のところでは、移住の権利を持ちつつ、しかし帰る権利もそこにいる権利もあるということの中で、それに対して国が何をするかをやってきたと。そういうことが日本ではできていなかったのではないかと思います。  今、一部の方々は、帰宅のたびに線量が上がっていると、帰宅のたびに自分の家が、また庭が荒れ果てていくと、帰りたいけれども戻れないという思いが強まっているということをおっしゃっております。そのような状況の中で、ただいまの大臣の選択肢というものがどういうふうに出てくるのかということを期待したいと思います。  さて、東電の社長にお聞きをいたしたいんですが、東電からの賠償金が、働いている方の収入があればその分が減額されるというような状況になっているという訴えを現地でたくさん聞いております。それは一体どのような理由によって正当化されているのでしょうか。
  24. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) この度の事故によりまして、皆様に本当に多大な御迷惑をお掛けしております。心からおわび申し上げます。  先生の御質問でございますけれども、御指摘の就労不能に伴う損害につきましてでございますけれども、これは、極めて多数の皆様に迅速に公平に賠償を行うという観点から、中立公正な専門家の皆様から決められております紛争審査会の指針に基づきまして、中間指針ですけれども、これを踏まえまして、給与などの減少分を賠償の対象とすることが合理的と考えまして、減少分の算定に当たりましては、就労されている場合はその収入を差し引くことということでさせていただいております。  ただ、この損害につきましては、どの時期まで賠償の対象にするかということにつきまして審査会の方で検討することになってございます。その検討に当たりましては、早期に転職するあるいは臨時でお働きいただいて収入を得るということなどについて特段の努力を行った方が存在することに留意するということがうたわれております。  就労の意欲をそぐといったことに対して疑問の声がいろいろ上がっていることは私どもも十分認識してございます。今後、審査会で議論がなされるというふうに考えてございますので、その結果を踏まえてきちんと対処していきたいというふうに思っております。
  25. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 審査会の結論を待たないでそういう減額をやめるということになったら、それは法律違反になるんですか、そして何かペナルティーでもあるんですか。
  26. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) ちょっと法律的なことは私、明確にちょっとお答えはできませんけれども、指針というのは、いわゆる不特定多数といいますか多くの方々の被害に対して迅速に公平にお支払をしっかりするというために、ガイドラインといいますかスタンダードとして設けられるという形でございますので、それに従ってやるというのが望ましいというふうに考えております。私どもが一義的に何か決めてというのは非常に難しいというふうにちょっと考えてございます。
  27. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私たちは当事者に寄り添うんだと、当事者のお気持ちを酌むんだということを口では言っていますけれども、でも現実は当事者本位には全くなっていないということが今のことで明らかになっているのではないでしょうか。家に引きこもるよりももちろん働きに行く方がいいわけです。そして、自分の好きな仕事、自分の住んでいたい場所を奪われている方々の損失というものは、働きに出たからといって全く少なくはなってはいないのです。それなのに、働きに出て収入があったらその分が減額されると。これは人間の常識に照らして理不尽だと私は思います。そして、今公平ということをおっしゃいましたけれども、明らかに正義に基づいて公正ではないと思いますが、この件につきまして、平野大臣、どうお考えになりますか。
  28. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 谷岡委員の今の質問の同じ内容を私は、県外に避難されて就職している方、仕事をされている方、あるいは福島県内で避難されて仕事をされている方から問題を突き付けられております。  そのときに私が思いましたのは、正直言って答えられませんでした。それは、ある日突然出てくださいと言われて、人によっては七か所、八か所巡って避難所に入る。体がなまるから仕事をしましょうといって仕事を見付けてきて、働かなくちゃならないと思っているから働いているという中で、先ほど東電の社長さんからは、この制度については、例えばこれをいわゆる将来やられるであろう賠償額から全額引かれるということが仕事の意欲がそぐという御指摘もありますけれども、それもそうだと思います。しかし、もう一つ、本当に生身の感情の問題として、私どもはこんなに被害を受けて、働いておいて、何で東電の賠償額を少なくすることに協力しなければならないんですかという、外に向かっては言えない言葉ですが、生の言葉が来るということでもあります。  今、残念ながら避難の時期の工程も明示することができません。それをやるべく今、私らも細野大臣中心に一生懸命になって検討していますが、現段階では避難の、じゃない、帰還の工程すら示すことができない、賠償の全体の姿も示していない。そういう中で、そういう方々の思いというものをどのように評価していくかということについては、いわゆる民法等がどうかというそういう問題ではなくて、また別の問題もあるのかなということは私は感じております。  繰り返しになりますけれども、私はこの問いを答えたときに、民法ではこうなっていますよという答えはできなかったということであります。
  29. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 一流の民法学者が判断なさったと思います。でも、その民法学者の皆様も、これほど状況が長引いて、そしてむしろ苦悩が深まっていくのだということについては多分そのときには予測し得なかったのかもしれないと思います。また、前例があることでもございません。しかし、そうであるならば、私たちは勇気を持って、この審査委員会の審査をもう一度求めるということをやってもいいのではないかと。例えば、苦痛が長引いていて、そしてますます絶望感が、帰れないという思いが深まっているときに、精神的な苦痛が十万円、十二万円であったものが今は五万円に減額されていると、適応したんだろうと言われていると。そんなことも全く私は理不尽だと思うんですね。  その問題につきまして、どうでしょうか、文科大臣
  30. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 現在の仕組み、トータルな仕組みというのは、原子力損害賠償法、これに基づいて執行されているわけですが、前提としては賠償なんですね。だから、専門家がそこで集まって、それでいろいろ議論なされるわけですけれども、どこにこの基準、いわゆる賠償という範疇の中で基準を求めているかというと、既存の例えば交通事故被害者として遭った、それをどう解決していくかというときに、失った利益を賠償をしていくというふうな組立てになっているわけですよね。  一つ、私も感じているのは、そういうことだけで今回の原子力事故というのを律していっていいのかどうかということ。これは、恐らくこの審議会で議論をしておっていただく専門家の皆さんの心の中にも様々にあるんだと思うんです。  それだけに、先ほどの精神的な損害に対して補償をしていく年限についても見直し規定というのが入っていまして、状況に応じては六か月、それから六か月以降ということで金額がこう下がってきているわけですけれども、それについても見直し規定の中で議論をしていくという条項が付いています。そこはそうした意味での難しさが反映されてあるんだろうと思いまして、絶えず現実に即した形で私は審議会は見直してほしいと、それぞれの項目について見直していってほしいと。で、原子力事故ということを前提にした議論を是非していっていただきたいというふうに一つは思っております。そういうことを伝えながら、審議を進めてほしいというふうに思います。それが一つです。  それからもう一つは、この賠償ということとそれから補償ということは違うんだろうというふうに思うんです。最終的にどう決着していくかというときには、もう一つ生活の補償あるいは生活基盤を今苦しんでいる皆さんにどう補償していくかという議論、これをもう一方でやっていく必要があるんじゃないかというふうに思います。  ある意味では、健康被害に対して子供たちのモニターを一生していって医療について補償をしていくと、これも一つの補償という考え方の中でやっていくわけですから、それと同じような形で生活をどう安定させて補償していくかというふうな、もう一方の考え方というのを我々政治として議論をしていく時期が来ているんじゃないかというふうにも思っております。
  31. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 今のある法律、今ある概念というものを変えていかなければならないときがあるからこそ私たち政治家としてここで働いているのだと思います。したがって、ほかの方々が解が作れないのであるならば、政治家に解を作ることが求められているのであるというふうに思います。  復興大臣におかれましては、復興庁ができればほかの大臣に様々な勧告をすることもできるということが書かれる予定になっておると思います。この法律を一日でも早く通していただきたいというふうに私も思っておるわけですけれども、それができた暁には、あるいはその準備も含めて今から、やはりそういう形で減額されざるを得ないのであるならば、例えば厚生労働省等からそれを補償、補填する仕組みがないか、補償をしていくような構造をつくれないかということを含めて、これはただ仕事の意欲がそがれるんではないんですよ、人間の魂が、尊厳が死んでいくという問題なんですよ。被災者たちにそれを負わせるわけにはいかないということなんだと思います。それをやっていただけないでしょうか。  大臣、いかがですか。
  32. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 少なくても、野田内閣の閣僚の一員として、被災者からそういうものを聞かれたときに、今の制度がこうなっていますよということがある程度明確に説明できないと、これについては自分自身がそれを理解していないか、制度自身にやっぱり何らかの問題があるというふうに考えざるを得ないか、この二つなんだろうと思います。  私は、今のところ、どうも後者の部分ではないかというふうに思っていますけれども、そういった点についてはまず私自身がどこまで納得できるかということに、今、谷岡委員から御指摘いただきましたので、自分自身、精査をいたしまして、この結果を例えば中川大臣等々と共有して、どういう対応ができるかということについては真摯に対応してまいりたいというふうに思います。
  33. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そして、もう時間がなくなってまいりましたが、もう一点。  被災者未満である人々がおられます。それは今、本当に、特に子供というような形で、とても二十ミリ以下などというようなところでは安心ができないということで子供を連れて全国に散らばっている人々、この人たちもまた難民でありますが、被災者とすら位置付けてもらえないがために支援を受けることができないでおります。健康への恐怖が一番強い人々が健康診断を受けられないでいるようなケースというのがたくさんございます。  そこで申し上げたいんですけれども、チェルノブイリでは、先ほど申し上げましたように、ある基準以上については、そういう移住の権利もあり、そして仕事も優先的に確保してもらいということがあって、そういうケアがなされたんですね。二十五年前のソ連以下の人権意識を我が政府は持っているとしか思えないような状況が続いております。これを何とかしていただけないかということが強い思いなのでございますが、それについてどなたが答えていただけるんでしょうか。
  34. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、先ほどの選択肢という話について若干補足をさせていただきたいと思います。  今、非常に難しい、どういう選択肢があり得るのかということについて検討を始めておりますが、その前提として二つございます。一つは、徹底して今帰ってきていただけていない区域についても除染をして、帰ってきていただける可能性をできるだけしっかりと模索をしていくという、これが一つ。もう一つは、そうした選択肢をお示しをするとしても、常に地元の市町村の皆様と相談をしながらでないとこれは何事も前に進めることができませんので、市町村の皆さんの意向というのを最大限尊重する形でしっかりとした選択肢をお示しをすべくやっておるということを付け加えさせていただきたいと思います。  今の御質問でございますけれども、県民の健康管理調査というのは、これはそれこそ避難区域から出ておられる方だけではなくて全県民を対象にしておりますので、県外に出ておられる方も含めて対象になるということでございまして、そういう支援をしております。また、災害救助法という法律が適用されておりますので、応急の仮設住宅ども提供されて、健康相談などがしっかり受けられるように自治体に配慮をお願いをしていると、これが現状でございます。  ただ、谷岡委員の御指摘は、そういう通常の災害救助法の適用の範囲をもう既に超えているのではないかと、それ以上の苦痛を皆さんに与えているのではないかという御指摘だと思いますので、さらに、私が先ほど言いました長期的な対応で様々検討する中で、果たして、よりやらなければならない課題はどこにあるのか、どういったところに問題があるのか、そこはしっかりと見極めが必要だというふうに思っております。
  35. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私は、線量は高いけれども指定されていないで自主的に避難されている方々のことも申し上げておるわけでございます。  もう時間がないのでここで今日は終わらせていただきますけれども、本当に多くの方々が、今一番悲痛な思いでいらっしゃるのは、実は被災者とすら認定されてもらえていない、しかし支援が必要な方々でございます。この方々のために、やはりしかるべき、ソ連以上の人権というものを認めるべく今後やっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  36. 田城郁

    田城郁君 民主党新緑風会田城郁です。復興特別委員会では初めての質問になります。どうぞよろしくお願いをいたします。  私からは、復興庁設置法案の基本的な問題意識の確認と、とかく忘れられがちな栃木県の復興への道筋についてお伺いをいたします。よろしくお願いします。  さて、あの三月十一日から七か月半、もうすぐ八か月がたとうとしています。改めて、犠牲者の皆様には哀悼の意を表し、そして被災者皆様へのお見舞いを申し上げるところでございます。  私は、三月十九日から二泊三日で被災した東北各地を見て回りました。現地からも民主党震災対策本部へいろいろと被災者からの要望を発信をし、中でもGPS機能を使って行方不明者を捜す手だてなど、その後解決した問題も幾つかございます。  そして、東京に帰ってきて痛切に感じたのは、早く現地対策本部をつくって、権限を持った責任ある人を配置して、その人の裁量で使える財源をしっかりと付けることが現地にマッチした対策をスピード感を持って打てると、そのように感じ、そして発信もしてまいりました。成果もたくさんあります。  しかし、結果として言われているのは、七か月半後の現時点、平野大臣の所信の発言にもあるように、迅速さに欠け、必要な方々に支援の手が行き届いていないとの御指摘もいただいていると書いてあります。被災者が一番求めているものにこたえ切れていないという現状があります。いろいろと諸事情はある、それは理解いたします。ありますが、この現実をしっかりと認識した上でスタートをしなければ問題の解決にはつながらないと考えております。  そこで、初めに、復興庁設置法案に関する基本的な質問として、復興庁の設置によって、被災者から指摘されている、迅速さに欠け、例えば仮設住宅の断熱材対策が施されていなかった等の必要な方々に手が行き届いていない等の問題は解消されるのでしょうか。そこからお伺いいたします。
  37. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今回の復興というのは、基本的に地域住民とその地域の自治体が主体となって行うことが基本であるというのはずっと私どもの考え方の基本であります。市町村の復興事業を的確に支援するとの観点から復興庁の権限や機能を検討してきたところであります。  具体的には、これから復興庁は、もし設置が認められまして関連する法案が成立いたしますと、復興交付金制度あるいは復興特区制度などを担うことにしておりまして、これらにより、復興に必要な使い勝手の良い資金が確保され、また行政手続の負担を軽減するなどの復興の迅速化を図っていくこととしております。  復興庁は、やはりあくまでも地域のまずニーズというのを的確に把握すると同時に、そのニーズに沿った実施をする、自ら実施するとともに各省の主体的取組を促すということが基本だというふうに思っています。これから復興は加速させなければなりません。その加速させるために復興庁というのは持てる権限をフルに活用して取り組んでいくということになると思います。  ちなみに、仮設住宅の話がございましたけれども、断熱対策等々、冬の対策につきましては、厚生労働省が今各県と連絡取りながらおおむね十二月までには、遅いところでも十二月までには冬対策は終わるというような状況で各県に対応していただいているというところであります。
  38. 田城郁

    田城郁君 中央と地方という関係から生まれる現場との乖離というものが私はあったと思います。中央に置くのか地方に設置するのか、復興庁をです。聞くところによると、大臣は中央に置く方がよいのではないかというお考えをお持ちだというふうに聞いておりますけれども、現地に置く必要はないのでしょうか。  官僚の皆さん、各省庁、各部署ごとには本当に頑張って役人の皆さん仕事をやっておられると思います。しかし、縦割り行政という機構の性格上、あるいは組織の大きさの中で、どうしても起きてしまうスピード感の欠如、あるいは各省庁からの代表の恐らく集合体で復興庁が成り立つんだと思うんですが、そういう縦割りの縮小版みたいなもの、そういう中から、言われている問題が再び起きないだろうかという、危惧されるところですが、そういう観点も含めていかがでしょうか。
  39. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 縦割りということはいろんなところで指摘はされております。されておりますけれども、その一方で、例えば今回の復興特区の法案の中においては、土地利用調整については農水省と国土交通省で分かれていた権限を一本化いたしまして、それで、その計画を認めればワンストップで全ての手続が終了するというようなこれまでにないような方式を取り入れておりますし、例えば公共施設の整備につきましても、海岸等の事業につきましては、これまで港湾の海岸、農地海岸、それから建設海岸等々分かれておりまして、これも今までどちらかというと一本化しようという努力をしてきましたけれども、今回は更にその一本化をしながら海岸事業を進めるという体制もつくっております。こうした各省のばらばらに分かれている権限を、とにかく主体的に取り組んでもらうとともに一体化して取り組んでもらうようにするということのいわゆる調整役、潤滑油役が復興庁だというふうに思っております。  それからもう一つは、委員の中から今御指摘があったのは、各省庁からの寄せ集めでやっているんじゃないかということで、なかなか、寄せ集めというか、失礼しました、各省からいろんな人が来てやりづらいんじゃないかという、そういう御趣旨じゃなかったかと思いますが、正直言って私の苦労のかなりの部分はそこにもあります。ありますが、同時に、各省庁から来ていることによって物すごいやる気のある職員も来ていまして、総体としますと、各省庁から来ているところで、私は今復興庁の方はそれが、彼らの個々人の意欲で動いているなという感じが強くしております。
  40. 田城郁

    田城郁君 復興庁には大いに期待をするところでありますが、指摘される問題が仮に解消しない場合は、より良い組織編成とか、そういう対応を柔軟に変化させる、そのような法的措置なり、あるいは別の手だても含めて、何か方策はあるんでしょうか。
  41. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) いろいろな制度も一回つくった後は地域からのいろんな声を受けながら見直すべきところは見直しております。そうした流れの中で復興庁も、仮に成立して、取りあえずこの形でスタートしたということの中で、不足する点あるいはここは是正しなくちゃならない点ということがありますれば、それは適宜対応していくということについては、これはしっかり対応しなければならないというふうに考えております。
  42. 田城郁

    田城郁君 この復興庁は、ある意味では民主党の進めようとしております地域主権あるいは地方分権などの試金石あるいはケーススタディーにもなるというふうに考えております。是非、必ずや起きてくる問題に柔軟に対応できる組織として育て上げて、成功させていきたいと考えます。大臣には御苦労をお掛けすると思いますが、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、とかく忘れられがちというか、横に置かれがちな栃木県の復興の道筋ということについて、私は比例区の議員なんですが、出身が宇都宮なものですから、栃木県連にも所属をして栃木県の発展のために頑張っているところでありますけれども復興特別区域や復興交付金はどのような範囲を対象としているんでしょうか。例えば、栃木県というものはどのような位置付けになっているんでしょうか、お聞かせください。
  43. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 復興特区あるいは復興交付金がどういうところに適用され得るかということにつきましては、東日本大震災財特法上の特定被災区域等に係る市町村というものを対象にしておりまして、具体的には、栃木県では宇都宮市を始めとして十市七町、栃木県には全二十四市町がございますけれども、宇都宮市を始めとする十市七町が含まれております。  これはあくまでも一定の基準の中で被害が大きかったところというところを特定被災区域というふうに指定しておりまして、その被災区域に適用されているところについては、申請によって特区、それからあるいは交付金が認められるという、そういう考え方に立っているということであります。
  44. 田城郁

    田城郁君 よく分かりました。  復興交付金は自由度の高い、使い勝手の良い交付金だというふうに言われておりますけれども、どのようなイメージなんでしょうか、教えてください。
  45. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) この復興交付金につきましては、二階建ての構成になっているという御説明を申し上げてきました。  まず、下の部分が、地方公共団体が復興に必要となるハード事業を幅広く対象としているところでありまして、これは地域戦略交付金というものが既に走っておりますが、あの地域戦略交付金よりは対象範囲が更に広がっておりまして、学校等々の建設等々、各省にかなり広がった形での事業が対象になっております。  それからもう一つ、このハード事業の中でもう一つ特徴的なものは、地域戦略交付金より手続がワンストップでできるような工夫をしております。詳しくは、今日、もし必要であれば後ほど係員をやって説明もさせますが、この手続の簡略化についても地域戦略交付金よりはかなり簡単になりまして、自治体は各省を相手にする必要がなくて復興庁だけ見ていればいいという、そういう仕組みになっております。  もう一階、もう一つ部分が事業を促進するためのいわゆる交付金でございまして、これにつきましては、かなりの部分自治体の裁量でもって使える。使えるんですが、どうしてもこれは、交付金でありますけれども補助金でありますから、適化法の適用を受けるということもございまして、ある程度一定の制限はございますけれども、それでも従来の補助金に比べますと、かなり私は弾力的な運用ができる形になっているというふうに考えております。
  46. 田城郁

    田城郁君 ありがとうございます。  栃木県あるいは茨城県の瓦屋根の損壊、この修繕が二年先になる、あるいは三年先になるよと言われている現状がございます。また、これは一例ですけれども、修繕作業に一日当たり職人二人で二十四万円掛かったという現状も、つい最近私の友人の家がそのようなことのやり取りをしましたから事実なんですけれども、このような現状があることはお知りでしょうか。
  47. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今回の地震によって瓦が崩れ落ちていると、部分的に、あるいはかなりの部分崩れ落ちているという家々があるということは、これは新幹線で東北地方に行くときでも、あるいは仙台に、福島に行くときでも、いろんなところで見られます。それはブルーシートが掛けてあるところが見れば分かりますし、ブルーシートがなかったとしても、大体何回も現地に行きますと、やっぱり自然、屋根を見てしまう癖ができておりまして、やはりこの家も瓦がかなりやられているなということはよく現地の方で見て、私の方も承知をしております。  それで、今、瓦の生産がなかなか間に合わない、それから職人もなかなか不足しているということで、ある家では二年後あと待たなくちゃならないとか、そういった家も、お話も聞きました。そういう状況でございます。
  48. 田城郁

    田城郁君 このような瓦屋根の状況も含めて、農畜産物への風評被害やら観光への風評被害やら、後から述べる放射能関係の対策も含めて栃木県もかなりの問題を抱えております。できれば、北関東というくくりで茨城、栃木に復興庁の出先機関などを設けるというお考えはございませんか。
  49. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今の法案では復興局というものを岩手、宮城、福島に置いて、さらに沿岸部の被災自治体に近いところに幾つか支所を置くというような構想で考えております。  しかし、これは法律の事項ではなくて政令マターでもありまして、これから様々な国会の議論、皆さん方の御意見を聞きながら、ここの部分をどうするかということについては検討をしてまいりたいというふうに思っております。
  50. 田城郁

    田城郁君 是非、これから言う現実を更にもう少しお話ししますので、是非設置していただければと思いますが。  これはお手元に行っているんでしょうかね、我が郷土の誇る下野新聞二枚、お手元に配られているでしょうか。一枚目は、十月二十六日付け、芳賀というのは栃木県の東部ですけれども、実は震度が七だったということでした。被害も集中しております、東部に。二枚目は、宿泊者数が三五%減という、こういう観光業の悲惨な実態も報告をされております。  一からちょっと言いますと、栃木県の震災被害は死亡四名、重軽傷者が百三十二名、全壊二百六十四棟、半壊二千三百棟、一部損壊、これはほとんど瓦屋根ですが、六万五千三百七十一棟。ちなみに、この一部損壊、茨城県は十六万戸を超えているそうです。  そういう現状の中、もちろん東北三県、被害の大きかった東北三県が最優先されるべきであるということは大前提ではあると思いますけれども、東北三県に比べれば相対的には小さいように見えますけれども、単体としては栃木県の被害も本当に甚大であるというふうに言って間違いはないと思っております。  ここでは、一部損壊の、先ほどもお話しした六万五千三百七十一棟、そのほとんどの瓦屋根の崩落のことにちょっと注目したいと思うんですけれども、愛知県の三州瓦というのが大体北関東、東北も含めて主だそうです。三州瓦の不足、そして瓦職人の不足、修繕には二、三年掛かる、ブルーシートでしのぐしかない、風が吹けば飛ばされる、雨が漏る、更に屋根は傷み、高額な修繕費が更にかさんでいくというこういう実態。先ほどの二十四万円ということも含めた、少し法外な値段を払ってでも早く修繕しちゃおうということにもなっていると思います。あるいは瓦屋根を諦めるしかないと、ほかの材質で修復するということにも随分なっているようです。日本の貴重な文化の一つである瓦屋根の農村風景が失われるということにもなるわけです。これは、東日本大震災の広域災害という特殊性の中で起きている、そういう事象であると考えます。  この状況を知った淡路瓦、淡路島に瓦生産の一大地帯があるということで、その淡路瓦組合が阪神大震災の恩返しをしたいと、皆さんから当時たくさんの支援をいただいた、その恩返しをしたいということで、北関東のこの実態を知って支援に乗り出しました。しかし、滞在費や食費等、費用を上乗せせざるを得ないと。そうすると、通常は二万円から二万五千円の日当が四万円はどうしてももらわないと出張費なり食費なりも含めて合わないと。せめてこの費用の補填を国が何とかしてくれないかというようなことで、当時、もう春の時点ですけれども、私も瓦屋根を、瓦の材料を全国電話しながらいろいろ探していたんですが、こういう淡路の瓦組合さんと出会いましていろいろと進めてまいりましたが、復興交付金ということの中でこれが適用できるのか、こういう使い方がですね。あるいはこのほかにも、町立市貝中学校という、ほぼ使い物にならないくらい校舎が損壊しておりますけれども、これも今までの制度では国の補助は出せないというようなことになっていると。  申入れもされていると思うんですが、このように、震度七に見舞われた栃木県にも復興交付金、是非付けていただきたいというふうにも思うんですが、是非そこら辺のところをよろしくお願いします。
  51. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) まず、復興交付金につきましては、先ほど申し上げましたように、特定被災区域という指定が受けられて、自治体であればそれを使うことができるということであります。  その上で、委員の御質問については、瓦というものについてもその助成対象にできないかという御趣旨だったでしょうか。
  52. 田城郁

    田城郁君 瓦の修繕費までというとかなりのものになると思うんですが、要するに、二万とか二万五千円が四万円になってしまう日当の、宿泊費なり、そういう通常とは別に掛かってしまう、淡路瓦やほかの職人、地域の職人さんでもいいんですが、北関東なり、東北でもいいんですが、そういうところに来たときの余計に掛かる部分の手当というものがそういう交付金でできないだろうかということなんです。
  53. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 住宅の損壊というのは、今の制度の中では被災者生活再建支援制度ということで、個々の住宅の損壊については損害の程度に応じた形で支援をするという形になっていまして、その根底にあるのは、その被災した住宅がそのままにおいては、そのままというか、かなり被害が大きくて自力で再建ができないという住宅を対象として個人に、各個別に支援をするという形になっております。  ですから、その前提である限りにおいて、例えば瓦の修繕、そこに掛かる、人夫あるいは大工さんの手間が余計に掛かるということに対してどれだけの要するに工事費になるのかなということがやっぱり大きな問題になってくるんだろうと思います。そこについては、どこまでの支援ができるかということにつきましては、今の被災者生活再建支援制度の考え方からいきますと、かなり、申し訳ございませんけど、慎重にならざるを得ないのかなというのが今の段階での私の感想であります。
  54. 田城郁

    田城郁君 ちょっと資料、昨日のレクにいただいた資料をちょっと忘れてきてしまったんですが、大枠の箱の下に何とか促進法という……(発言する者あり)そうです、そうです。そちらというのはどうなんでしょうね。お願いします。
  55. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 効果促進事業は、先ほど言いましたように、かなり自治体の使い勝手のいい補助金、交付金になっています。しかし、使い勝手がいいといっても、先ほど申しましたように、補助金適化法の適用は受けてきますよということと、それから補助金であるという意味において、ほかの事業制度との基本的な考え方、例えば個人の資産に対しての助成といったことについては、この効果促進事業につきましても、その適用については、先ほど申しましたように、私はやっぱりどうしても慎重にならざるを得ない、慎重に扱うべきではないかというのが今の段階における感想であります。
  56. 田城郁

    田城郁君 時間がなくなってきましたので、これ以上お話は、別のところに行きますが、是非、慎重に考えた末、いろいろと知恵を出し合いながら解決していきたいと思います。よろしくお願いいたします。  引き続きまして、福島第一原発による放射性物質による汚染被害についてお伺いいたします。  福島県に隣接する栃木県、当然ほかの隣接県も同様ですけれども放射性物質が含まれたごみ焼却灰あるいは浄水発生土及び下水汚泥等の取扱いというものがもう置場がないと、限界だというような声が市長さんや町長さんから本当に悲痛な問題提起として出されています。ある農家の軒先には、軒先といってもしっかり安全、危険のないように保管してありますが、十万ベクレル以上という取扱い範囲に当たります三十三万ベクレルの稲わらというものもまだ保管をされているというような状況です。  こういう現状も含めて、是非、汚泥や焼却灰の置場は満杯になってしまい限界に来ていると、国が何とかしてほしいという市町村の声がございますが、これについて中間保管施設あるいは最終処分場の確保というものを早急にするべきだというふうに考えますが、今の現状あるいはこれからの方向性などについてお聞かせください。
  57. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 今、田城委員から御質問をいただきました。  これから特措法の実施に当たりましては、その放射性を帯びた廃棄物ですとか、そういったものは指定廃棄物という扱いになります。それに対しましては国の責任で処理をしていくということはもう法律上も明記されていますし、その国というのは、中心となるのは環境省が中心でやっていくということになっております。  そういった中で、今お尋ねの中間処理施設ですとかあるいは最終処分場、こういったものは十月中にはきちんとした形でロードマップを示し、いつ中間貯蔵施設はこうなります、仮置場はこうですという形をきちんとお示しをしていくことで、来月から除染のまずモデル事業もできますし、また、一月からの本格的な除染、あるいはそういう指定廃棄物の処理、こういったものが進んでいくというふうに考えております。今それは、関係市町村との御理解を得ながらということで今計画をしている段階でございます。
  58. 田城郁

    田城郁君 十月中に示されるロードマップというのは最終処分場も含めて判断がされるということではないんですか。
  59. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 最終処分場に関しましては、まずどういうふうにこれから減容化していくのか、また放射能を分離していく技術、こういったものの技術革新あるいは研究、こういったものを待たなければいけない部分もありますので、それは今後の検討になりますが、中間貯蔵施設に関しましてはきちんとロードマップの中でお示しをしたいと思っております。
  60. 田城郁

    田城郁君 ありがとうございます。  いずれにしても、もう限界だという中でのこの状況ですから、本当に一刻を争う問題でありますから、是非早急な対策の実施をよろしくお願いをいたします。  次に、十月の十二日に岩手、宮城、福島、栃木の各県知事さんと、そして栃木県の、そのときは東北の三県の知事さんは遠いということで、福田富一知事、栃木県の、と私と石森、民主党の栃木県連代表で、農水省を始めとした各省庁に東日本四県産牛肉の安全宣言等に関する要望書というものの提出をいたしました。  端的に言えば、牛肉の売値が最低だと五割、良くても七割、そのような状況の中でしか肉が売れない。ストップを一時掛けた中で、それを出荷しても大丈夫ですよということも含めて、安全が各県知事さん名で宣言がされてでの話の上でこのような状況になっているということであります。とてもとても牛肉を売って生活をしていくなどということは農家の人はもう夢のまた夢だというような声も聞いております。  そういう中で、できるだけ国として、県知事さんが安全宣言をしてもこのような状態、これを受けてどのような国として対策が打てるのか、そのようなことも含めて、現状と、あと方向性なども含めてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
  61. 森本哲生

    大臣政務官(森本哲生君) 田城委員におかれましては大変熱心に取り組んでいただいておりますことに心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。  私どもでは、やはりこの風評被害、確かに価格が大変下がっております。そして、消費者の信頼を回復するために二つのことを今実行させていただいております。それは、汚染稲わらを給与された牛の肉は全て対象に自主的に全頭検査をやっていくということ。そして、今後出荷される牛肉については、飼養管理の徹底、そして牛肉の検査体制、ここは具体的に時間がなかろうと思いますので申し上げませんが、ここを強化して安全なものしか出荷しない、ここのところをしっかりやっていかなければならないと思っております。  需要期に入ってまいりますので、これからこうしたことをもう少し国の方でもしっかりとPRをして、こうした風評被害、信頼回復に努めていく、そのことをお約束をさせていただきます。ありがとうございます。
  62. 田城郁

    田城郁君 牛肉も、そして野菜も含めて、お米ももちろんですが、出荷する農家の方は自信を持って出荷できる、そして買物をする消費者の皆さんは安心して安全な食品を手に入れられる、そのような状況をしっかりとつくっていきたいと思いますので、是非今後とも努力をよろしくお願いいたします。  私からは、最後に、栃木県もそうですが、茨城県や千葉県も含めて何かちょっと忘れられているなというような声をよくお聞きするので、是非そういうところも含めて、東日本大震災の復旧復興について全力で、大臣始め、私たちももちろんですが、努力をしていくということでよろしくお願いをいたしまして、私からの質問を終わりとさせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  63. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、金子恵美さんが委員を辞任され、その補欠として平山誠君が選任されました。     ─────────────
  64. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。よろしくお願いいたします。  まず、平野大臣、今日は平野大臣としっかりと議論をさせていただきたいと思っていたんですが、先日、所信の一端をお伺いをいたしました。その中でいろんなことをおっしゃっていましたけれども、基本的には被災地の本格的な復興に向けて大きな使命感と責任感を持って取り組んでまいりますということでした。今日はまず、私もこれは避けて通れない問題なんで、大臣の発言等についてもなんですけれども、基本的な姿勢についてお伺いをしたいというふうに思います。  そもそもなんですけれども、平野大臣の前任であります松本大臣が辞任をされて、それで引き継がれて大臣をやられておるんですが、前任の松本大臣、いつ就任をされていつお辞めになったのか、伺いたいと思います。
  65. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 最近はもう前のことより今日のこと、あしたのことで考えるのがいっぱいで、今ちょっとにわかに何日だったかというのは申し上げられませんが、思い出しかねています。
  66. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 分からないのだったら分からないでもいいんですけれども、今の言い方はちょっと問題がありますので、過去のことを踏まえた上で自分の役割というのをしっかり分かっていただきたいということで今あえて申し上げました。  六月の二十七日に復興担当大臣に就任されて、七月の五日に辞任をされています。理由は何だと考えていますか。
  67. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 私は、様々理由があったと思いますが、直接的な引き金は、知事との会談において、その会談の中で大臣の表現として行き過ぎの表現があったということが直接の理由であったのかなというふうに思っております。
  68. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 私もそのように思っております。  では、その具体的な中身ですけれども、どういった発言をされたのか、特に宮城県での発言を中心に、大臣がどういうふうに認識をしておられるか、伺いたいと思います。
  69. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) まあ、いろいろあったかと思います。いろいろというか、何点かあったかと思いますが、とにかく努力しろよと、努力しないところは助けられないぞといった、そういった種類の発言はあったかというふうに思います。
  70. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 ここは私、通告をして、前大臣の発言についてもしっかり問いただすということで、また見解も伺いたいということで通告をしておりますので、はっきりとどういった言葉を言ったのかおっしゃっていただきたいと思います。
  71. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) ちょっと私、松本大臣の発言についてどうのこうのというふうなことの通告は受けているというふうには理解しておりません。申し訳ございません。
  72. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 その点について伺うからというふうには言ったんですが、しようがないですから私から言います。  ただ、そのときの発言は覚えていらっしゃらないということですか。
  73. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 全部は覚えておりません。
  74. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 私から、これは報道ベースでそのまま記事を引用させていただきますけれども幾つかお話ししたいと思います。  まず、県で意見集約をちゃんとやれ、やらなかったらこっちも何もしないということを話していますね。また、これは、今のは村井知事との話なんですけれども、岩手県庁で岩手県知事と話していたときも、知恵を出したところは助けるけれども、知恵を出さないやつは助けないぐらいの気持ちを持ってという発言をされています。あとは、宮城県においてですけれども、村井知事に、お客さんが来るときは自分が入ってから呼べ、しっかりとやれよと厳しくお話をしたということがあるんですけれども。  こういった一連の発言、しっかりと認識をしていただいて、また何が問題であるかということを今日問いただしたい、見解を伺いたいと思ったんですが、今私が言った中で、この発言についてどういった問題があるのか、平野大臣の見解を伺いたいと思います。
  75. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 松本大臣はもう既に辞任をされております。松本大臣が御自身で考えて知事にされた話であります。その話の中身云々については、私は、今ここでこの発言が妥当だったか不適切だったか、そういうことをコメントする必要はないというふうに思っています。
  76. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 全くの勘違いというか問題だと思うんですが、例えば知恵を、今日この問題もちゃんと取り上げたかった、具体的な議論として取り上げたかったんですけれども、知恵を出したところは助けるけれども、知恵を出さないやつは助けないと。  これは大臣も分かっておられると思いますけれども、例えば女川であるとか南三陸の町を御覧になっていますよね。最初に見たときは私も愕然としました。何をしていいのか、どうやっていいのかさっぱり浮かんでこないんですね、茫然自失となって。現地の方もそうだと思いますし、知恵を安易に出せよと言われたところで、どこからどういうふうに手を付けて、復興して、町を立ち上げていけばいいかなんていうのはそう簡単に分かるものじゃないじゃないですか。それで、知恵を出さないやつは助けないと言われたら、それはどうしていいのか分からなくなりますよ。見捨てられたのかと思いますし、だから問題なんですよ。  これからもそうですよ。ちゃんとした、宮城県でも復興への復興計画というのを出していますけれども、それがしっかりと国が支援をしてくれるのかどうか、まだ具体的なやり方なんてめど付いてないんですから、そういった問題についても地元では心配、危惧をしております。だからこそ、前大臣の発言も、そんなことはないということを今の平野大臣は発信をしていかなければいけないと思うんですが、関係ない話じゃないと思いますけれども、いかがでしょうか。
  77. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今回の災害が未曽有の災害で、自治体も傷んで、これから自治体がどういうふうな対応をしなくちゃならないのかということに悩んでいるということについてだけは、松本大臣もあるいは私以上に理解していたと思います。  だからこそ、国の職員も自治体に派遣をして、各市町村にもお願いをして、応援を出してくれないかと動いたのも松本前大臣です。それはなぜかといいますと、自治体が自分で自力で考えるということに対して、だけで考えるというのじゃ余りにも被害が大きいからです。そういう前提も私は知っております。  だから、今委員が言われたそこの言葉の場面をとらえればそういう解釈もあるでしょう。なぜ私がコメントを控えたいというふうに申し上げたのは、私は松本大臣に副大臣のときからずっと仕えております。そういう状況も知っているから、そういう全体で考えるということになりますと、なかなかコメントしづらいということで申し上げました。  ちなみに、私どもも今各省に、国交省、お願いして、職員をどんどんどんどん派遣しています。現地に行きます、現地に行って首長さんには、是非主体的にやってください、自ら知恵も出してくださいということも私も言っているのも事実です。しかし、それは知恵を出さないから助けないとか云々じゃないんです。同じ作業をやっているから共にやりましょうという意味で言っています。  私は、松本大臣がどういうふうな気持ちで言われたかは今ここであえて言いません。ただ、自分に照らし合わせて言いますと、そういうことを自治体の皆さんに私も言うときはありますが、それは、一緒にやっていますよね、一緒にやりましょうねという趣旨だということで、少なくとも被災者を見た人間は大体そういう思いになるというふうに、概して言えば、私は思います。
  78. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 これは民主党政権になってから特にそう私はいろんなところで見ていて思うんですけれども、発言の重みというのを自覚していただきたいと思います。  というのは、気持ちとして幾らそういう気持ちがあって実際に行動していたとしても、この言葉だけ聞くと誤解が生じるんですよ。辞めたからいいという話じゃないんですよ。今の姿勢も、これから、これは前大臣ですけれども、辞めた大臣ですけれども、そういう言い方をして誤解が生じて、これからどうなるんだろうという不安が起きているんですよ。だからこそちゃんと説明をして、そんなことありません、これからこういう姿勢でやっていきますということを後任の大臣はお話をしなければいけないんじゃないですか。
  79. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 政治家の言葉は重いから、だから松本大臣は辞任されたというふうに思っています。大変迷惑掛けたというふうに思ったから辞任されたと思っています。  それから、基本は、あくまでも自治体と国と県と一体でなるということについての考え方については、私もそれは基本だということで取り組んでいるということでありまして、その一緒になる作業の中で、自治体も時にいろんな状況にありますから、言葉のやり取りをやる段階で、そこだけとらえますと非常に厳しい言葉になるということもあると。だけど、総体として見た場合には、私の経験からいいますと、国、県、市町村という一体の中で今取り組んでいるな、姿はあるなということだということだけを先ほど申し上げたということであります。
  80. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 発言の重みというのは何かといえば、今みたいに誤解が生じるということは非常に大きいことで、ここの国会の場でその真意をただしているだけでも課題、山ほどありますよ。私、こんな問題取り上げたくなかったんですよ。  そもそも松本大臣がお辞めになったという、まあそれ以外にも、復旧復興のスピードが遅いであるとか方針が見えないであるとか様々な課題があって、挙げ句の果てにああいう発言があって大変残念だったんです。そして、平野大臣に替わられたときに私は期待もしました。一度リセットして、これで復旧復興が少しでも早く進むんならというふうな思いもしていました。ところが、今回また問題となる発言を平野大臣がされた。そして、この場でそれを取り上げなくてはいけない。看過できる問題ではないですから、取り上げなければいけない、貴重な時間を使わなくちゃいけない。そのことだけでも発言には非常に気を付けてもらわなくちゃ困る。  また、使命の話をしましたけれども、何で私がこういう言い方、前大臣の話から始めたかというと、その大臣の辞任、しかも発言、重く受け止めて辞められた大臣の辞任を受けての、平野大臣、就任されたわけですから、発言にはしっかりと気を付けなくちゃいけない。それもあなたの使命の一つではないですか。だからこそ、私はここであえて使命についても言いましたし、発言の重みについても問いただしているわけなんですけれども、その点についての大臣の見解を伺いたいと思います。
  81. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 委員の、発言に気を付けなくちゃならない、特に閣僚の言葉というのは重いぞという御指摘はそのとおりだと思います。  今回の私の福島県における講演の中の言葉、これはやはり適切さを欠いていたというふうに思っておりまして、結果として不快な思いをされた方、あるいは悲しみを深めた方もおられると思います。そういうことで、私はこれはおわびを申し上げなくちゃならないということでおわびを申し上げました。その上で、言葉に気を付けなくちゃならないということにつきましては、これからも私は心掛けたいと思います。  しかし、これは愛知委員も十分お分かりだと思いますけれども、あの被災の現場を見て自分の気持ちをコントロールできなくなるということも皆さん方共通していると思います。しかし、閣僚は、それを表に出しちゃ駄目だ、ましてや個人的思いを誤解を受けるような表現でやるということについては、これは避けるべきだと思います。  その点において、私は今回の発言についてはやはりこれからきっちり気を付けなくちゃならないなというふうに思っていますし、委員の御指摘された言葉の重み、特にそれがどういうふうに伝わるのか、あるいは活字になったときにどういうふうに伝わるのか、そういったことも併せ併せてやっぱり考えていかなくちゃならないということは、これは閣僚の責任一つだというふうに思っています。
  82. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 正直申し上げますと、冷静に、感情的にならないようにしなくちゃいけない、また発言に気を付けなくちゃいけないということでしたけれども、私ももちろん冷静じゃないときが時々ありますし、特に、七か月もたった状況ではあったんですけれども、平野大臣の発言を、これを報道ベースで聞いたときに、冷静ではいられなかったというのが正直なところであります。稚拙な言い方かもしれないですけれども、一人で怒り狂っていた一人であります。そういう方は大勢いると思います。今日は余りこれ取り上げたくはなかったんですけれども、本当に平野大臣は分かっているのかなと、そのことを自覚しているのかなという思いでちょっと取り上げさせていただきます。  ちょっと写真を配らせていただきました。これはある銀行の支店なんですけれども、私の大変親しい友人の弟さんがこの支店長を務めておりまして、残念ながら被害に遭われて流されてしまいました。実はその方、地震が起きたときは全く違うところにいたんですけれども、ほかの行員の皆さんが心配でわざわざここに戻ってきて、そしてほかの方々はみんな屋上に逃げたんですね。マニュアルではそうなっていたということだったんですけれども。  私、何度も悔しくてここに行きました。この建物を見てきました。写真ではこうありますけれども、現実的に見るとすごい立派な建物なんですよ。二階建てなんですけれども、十数メートルの高さがあって、その上に避難すれば、これは普通は大丈夫だろうなと。しかも、建物はこれだけ丈夫な建物、これ全部流されて水にすっかりつかっているんですけれども、残っているんですよ。それだけしっかりとした建物だった。  いろんな事情を含めても、私は、少なくともベストを尽くして何とか皆さん助けようという思いで屋上に逃げられた、でも流されてしまった、こういう方たちいるんですよ。ずっと悔しくて悔しくて寝れなかったんです。何で命を失わなければいけなかったんだろうと、一生懸命ベストを尽くしてやってきたのに。そういう不条理というのが様々なところである中で、あの発言です。ばかなやつという発言をされたんですよ、逃げなかったばかなやつと。これ、ここではなくて高台に逃げればいいじゃないかということ、言われ方もしていたんですね。  そういういろんな事情はあるんですけれども、やっぱりあの発言だけ聞けば、大変心に大きな大きな痛手を負っている方たち、つらい思いをされたのは間違いないと思います、私ですらあれだけの感情を胸に抱いたわけですから。だからこそ、こんな問題、起こらないように発言には気を付けてほしかった。改めて見解を伺いたいと思います。
  83. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) あの発言を聞いて委員もそのように思われた。たくさんの方が多分そういうふうに思われたと思います。その点についてはやはり反省をしなくちゃならないということについては重ね重ね申し上げなくちゃなりません。  その上で、私の知っている人は、一回山に逃げて、鍵を掛けると言って、それで流されてしまいました。私のさらに知っている人は、お世話になっている人のお姉さんは、たまたまその日、沿岸部の実家のお母さんの、寝たきりの老人です、その日に行って、逃げろと言われたんだけど、おばあさんが動けなくてそのまま二人で流されたと。それを周りの人が目撃しています。  それから、ある町では、ここは避難場所ですよと指定されているんですが、避難場所ですから指定されてそこへ逃げました。三階建ての上です、三階建ての最上の上です。しかし、それは完全に波にのみ込まれました。あるところでは、こういう高台がありまして、ここの高台は過去のところにおいても絶対津波来なかったから大丈夫ですと何十人かそこで避難していました。それものみ込まれました。そういうたくさんの例あります。  消防団に至りましては、消防団は、地震があって津波が来たら必ず門扉を閉めに行かなくちゃならないんです。それが彼らの仕事です。そうして、そうやって行って門扉を閉めて、その後消防車に乗って、避難してくれ、避難してくださいと言って津波にのみ込まれて亡くなられた方、消防団、たくさんいます。あのときは携帯電話も通じません。完全ブラックアウトですから、外からの情報が入ってこないんです。ただ、消防団は、それが使命だと思っているからやっていました。  そういうたくさんの例、三月十二日に現地から入って、まあ別に私はそういうことを言うつもりはございませんが、たくさんたくさん、とにかく行く都度行く都度聞きました。避難所に行ってもいっぱい聞きました。そういう思いをどういうふうに表現すればいいかというのは私には分かりません。分かりませんが、これを怒りと言ったらいいのか、悔しさと言ったらいいのか、よく分かりません。分かりませんが、そういう気持ちは多分、愛知治郎さんも同じ気持ちを持っているんです。あそこに行ったときにそういう気持ちになってしまうんですね。  だから、先ほど、繰り返しになりますが、だからといって、そこの部分についてどうのこうのと言うつもりはありません。ただ、そういう思いの中で、しっかりとしたやっぱり仕事をしていかなくちゃならない、それから発言に気を付けていかなくちゃならない、そういうことだけはしっかり、きちっとこれからもやっていかなくちゃならないというふうに考えております。
  84. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 今いろんなことを言われましたけれども、そういう思いを抱いている人たち山ほどいるんです。だから発言にはと、もちろんそのことを言って、重みのことについて問いただしているわけなんですけれども、改めて、じゃ、大臣、あなた何て言いました。
  85. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 私は、その同級生につきまして、同級会でしのぶ会をやったとき、ばかなやつだと言いました。その雰囲気をそのままあの場に持ってしまったと、そこの部分だけですね。それがああいう形でたくさんの方々に不快な思いを与えてしまった、あるいは悲しみを深めてしまったという結果になったということであります。
  86. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 私の同級生のように逃げなかったばかがいるという発言ですよね。大変な発言だと思いませんか。(発言する者あり)いや、これだけ聞いたら相当ショックを受ける方いると思いますし、私もそうだったと言っているんですが、もう一回、大変な発言だったとは思いませんでしたか。
  87. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) そういう大変な発言だったという言い方につきましては、そのとおり受け止めなくちゃならないというふうに思っています。
  88. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 深刻に受け止めていただきたいと思います。また、今ちょっと場外から問題ないという発言があったんですが、それも私はちょっと価値観が違うのかもしれないんですけれども、全く理解できません。これは本当に大きな問題だということを改めて自覚をしていただきたいと思います。  一度発言してしまったことについてはこれは取り消せないとよく言われるんですけれども言葉は取り消せないですから、それをしっかりと受け止めてやっていかなくてはいけない。ほかの委員会で、これからしっかりと復旧復興を確実に成し遂げていくことが私の使命だ、それを果たしていくことが責任だというふうに言われておりますけれども、発言したこの発言について改めてどういった責任を取られるのか、見解を伺いたいと思います。この発言についてどういった責任を取られるのか、伺いたいと思います。
  89. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 復旧復興にとにかく全身全霊を挙げて取り組むということでございます。あと、言葉につきましては、やはりおわびを申し上げるということでございます。
  90. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 もう一点、国会でも様々な課題があるんだけれども、今日もほかの質問をしたかったんですけれども、こういった失言等、問題発言があると、それに時間を取られなくてはいけない、このことも自覚をしておられますか。改めて伺います。
  91. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) その御指摘も重要な御指摘だと思います。貴重な時間の中でこういう時間を取らせている、これについても申し訳なく思います。
  92. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 これからこういうことが二度とないように、少なくとも私はまだ納得ができていないんですけれども、一個だけ約束してください。こういった問題発言、二度としないでください。そして、今度するようであれば、その時点で、国会でこんなことを一々取り上げたくないですから、しっかりと後任の方に引き継いでもらうということになると思いますが、二度としないということを確約していただきたいと思います。
  93. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 少なくても、その発言によって、先ほど言いましたように、不快な思いをされる、あるいは悲しみを深くされる、そういう発言については、これは厳に慎まなければならないというふうに考えております。
  94. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 この問題、残念ながら私の時間あと二分しかなくなってしまいましたので、違う観点の指摘を何点かしたかったんですが。  まず、集団移転について。  実は、津波の被害を受けた地域から、集団移転をしてくれという、その集団移転の在り方について、先日、地元で私もその被害者皆さんとの懇談をしたときに大変なお怒りをぶつけられました。出ていけと言われて、その先に何もめどが立っていない、補償の在り方も含めてですね。  ちょっと時間がないのではしょりますけれども、基本的には自治体の問題だと思うんですけれども、自治体の判断であると思うんですけれども、国は何もしないのか、どういった支援の仕方があるのか、集団移転について平野大臣の見解を伺いたいと思います。
  95. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 今回の津波、真夜中に来なかったということが不幸中の一つの幸いだったかもしれません。幸いという言葉は適切ではございません。夜中に来たときには逃げたくても逃げられないという中で、これからの家をどこに建てるか。できるだけ津波が来ても家が津波に襲われないような場所、だから高台移転だというふうに言っております。この高台移転は、そもそも自分が住んでいるところを移す、移るという決断自体が大変でありますし、それから高台の移転先でどういうコミュニティーをつくるかということについても様々な問題がございまして、皆さんの総意を結集していかなくちゃなりません。  そういう中で、そういう、私どもはそれを土地利用調整と言っていますけれども、そういった土地利用調整につきましては、自治体が主体ですけれども、そこに対しては専門家も入る、国の職員も入る、一体となって考えて、みんなで考えてやりながらそこの難しい土地利用調整をしっかり固めていきたいというふうに思っております。
  96. 愛知治郎

    ○愛知治郎君 言いたいこと山ほどあったんですけれども、もう時間がなくなってしまったので一つだけ言いますけれども、要はとにかく出ていけと、その場所に住まないで移転をしてくださいということで土地を追われるわけじゃないですか。そこの土地というのは利用価値がない、建築制限も掛かってしまいますから。その出ていく方は収入もないですし、元々持っている土地、価値がなくなれば資産もなくなってしまう。これから将来に向かってどうしていいのか分からない。大変不安な気持ちでいっぱいなんですね。だからこそ、どういったやり方で移転していただくかというのは指針を示していかなければいけないということでお話をしたんですけれども、時間がなくなりましたので同僚に引き継ぎたいと思いますけれども、改めて最後に、しっかりと自覚を持って発言には慎重に、これからもいろんな人の話を聞きながら進めていただきたいというふうに思います。  以上です。ありがとうございました。
  97. 上野通子

    ○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただきまして本当にありがとうございます。早速ですが、質問に入らせていただきたいと思います。  まず、細野原発担当大臣質問させていただきたいと思いますが、本日の細野大臣に対しての質問はほとんどSPEEDIのことになると思うんですが、よろしくお願いいたします。    〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕  なぜ私がSPEEDIのことにこだわるかというと、大きく分けて三つの思いがあります。  一つは、実は今日も浪江町の方がいらっしゃっているということをお聞きしておりますが、このSPEEDIの予測情報というのが正しく情報の公開がなされずに多くの方々が無駄に被曝をしてしまったと。そのことに対して国としては正式な謝罪をまだしていないと。私としては何としても謝罪をしてほしいという思いで、それを認めてほしいという思いでSPEEDIにこだわっております。  二つ目として、このSPEEDIの予測システムは日本が誇るすばらしい科学技術の結集されたものと私は思っています。しかしながら、それがうまく活用できなかったとか、それが最初に問題がいろいろあって全く使えなかったようなことを言われて私はとても納得できませんでした。SPEEDIというシステムの持つその誇りのためにも私はきちんとそれが使うことができたものと認めてほしいという思いです。  三つ目として、この情報を正式に伝えなかった、それは国民がパニックになってしまうことを恐れたという情報もあります。しかしながら、正しい情報を国がきちんと国民に伝え、そして国民がどう判断するか、そのことをきちんと国民がパニックをしないように仕向けることが国の一番の仕事ではないかと思います。ですので、この人的ミスによって国がきちんとした情報を伝えられなかったこと、これを教訓として次世代にきちんと伝えるための記録を残すということも大事だと思います。この三点についてこれからお聞きしたいと思っております。  まず、細野大臣、さきの通常国会の終盤、八月九日付けでアメリカのニューヨーク・タイムズが東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故に関して日本政府の反応ぶりを伝えました。異例ともいう長文のコラムを掲載しましたが、大臣はお読みになっていらっしゃいますか。
  98. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ニューヨーク・タイムズがコラムを出したということについては聞いておりまして、非常に厳しいコメントだったというのは耳にしておりますけれども、記事自体は読んでおりません。
  99. 上野通子

    ○上野通子君 読んでいただけているだけでもうれしいです。  内容について多分覚えていらっしゃると思いますが、このSPEEDIのデータが周辺住民の避難誘導に活用されなかった、しかも、活用しなかったために浪江町などの皆さんが余計な被曝をしてしまった可能性が高いという内容です。あわせて、四月に内閣官房参与としていらっしゃって辞任された小佐古氏が事故直後にSPEEDIのデータ公表を政府に進言したのに、政府には聞き入れられなかったという内容の記事もございました。  このニューヨーク・タイムズの記事は、日本政府のあらゆる報告よりもある意味で信頼され、そして幅広く世界中で購読されているということだと思います。この情報はかなり世界に広まっております。  そして、次にお聞きしたいことは、私は科学技術大国日本の誇るこのシステムが、しかも百二十億円以上の投資をしているというこのシステムが全く機能しなかったはずはないということで、ずっとずっと国に対し又は文部科学大臣に対し、前ですね、高木文部科学大臣に対し、いろいろと資料を集めて質問してまいりました。そして、その中で大臣は、五月一日の、大臣ですね、細野大臣は五月一日の記者会見でSPEEDIの予測データの公表を表明して、それまで公表しなかった理由について、全て公表することで国民がパニックになることを懸念した、きちんと公開すべきだったと発言されました。私はこれを聞いて、政府責任者が何でもっと早くこのことを言ってくれなかったのかと思いました。うれしかったんです。  大臣、記者会見におけるこの発言について、改めて大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  100. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私は事故直後、特に三月の十五日からは政府東京電力との間でつくられました統合対策本部で主にサイトの中の事後対応に当たっておりました。したがいまして、サイトの外にどういう影響があるのかというのは極めて大事なことなんですけれども一定の役割分担が必要ですので、中の収束にどうやって政府として全面的にしっかりとやり切れるかということが最大の仕事だという、そういう役割分担をしておったんです。その中で、三月の二十三日に官邸の方に呼ばれまして、そのときにSPEEDIのデータを初めて目にいたしました。これは公開すべきだろうと私も思いましたし、官房長官も含めてそういう御判断だったと思います。で、その日に公開したという経緯がございます。  その後、そういうSPEEDIというのがあって、機能するのであればもっと有効に使うべきではないかと私も思いました。小佐古先生も、当時参与をされていましたが、同じような意見で、小佐古先生も多分おっしゃっていたんだと思うんですが、それはちょっと私、存じ上げませんが、私も関係者に対してこれを有効に利用する方法はないのかということで再三言っておりました。そうしましたら、単位放出当たりの、まあ天気予報みたいな図なんですけれども、そこのデータが途中で出てきたので、それも公開すべきだと思ったわけです。  だから、四月の二十五日だったと思うんですが、私が、それまではマスコミには一切私は出ないと、一回、済みません、討論会にどうしても出なきゃならないことがありましたので出ましたが、基本的にはメディアの対応はちょっとそういう時間的な余裕がないということで控えてまいりましたけれども、統合対策室で会見をするからにはこのSPEEDIのデータは出すべきだろうと考えましたので、四月の二十五日にこれを発表するということで、実質的にホームページでアップできたのは四月の二十六日という、そういう経緯でございます。  先ほど上野委員の方がお引きになりました会見というのは五月なんですけれども、実はちょっと経緯がございます。  四月の二十五日にSPEEDIのデータを全部出すべきだと私は思ったんです。ですから、もうこれはないなということで確認をして、そのときはないということでしたので、これが全てですということで二十五日に出したわけです。ところが、それから一週間たってまだあるんですと言ってきたものですから、できるだけ冷静に対応したいと思いましたが、一週間前に言ったことが今になって出てきたということに関しては私なりにちょっと思うところがありまして、何で今ごろになって出てきているんだという話をしたわけですね。それに対して、その説明に来た人間がパニックを収めたい面があったのかもしれませんという趣旨の発言をしたので、対外的に説明するときになぜかということは説明しなければなりませんでしたので、そういう部分もあったようですと。これは私の思いということではなくて、私の経緯は今言ったようなことですから、私の思いということではなくて、そういうかかわった人たちの思いとしてそういうところがあったのかもしれないということで、記者会見で質問に対して答えたと、そういう経緯でございます。
  101. 上野通子

    ○上野通子君 真相をありがとうございます。今の大臣の御発言は、私は真実だと思っています。  そこで、併せて御質問させていただきたいのは、先ほどもお話ししましたように、国民がパニックになるからといって、多分どなたかが抑えて抑えて抑えてきた、公表をしなかったという事実があると思いますが、しかしながらやはり国民に正しい情報を伝えるのが国の役目ではないでしょうか。  今日、先ほどちょっと読み間違えましたが、浪江町の方がいらっしゃっています。この方々は情報がないままに、その拡散してしまった、放射性物質が拡散してしまった、放射能がどんどん入ってくる、風で、その方向にどんどん逃げていたわけで、子供たちはその外でおにぎりを食べていたんです。かなりの量の子供たちがいました。  ここで改めて大臣にお聞きします。国としての仕事で、このときにどんなことを言われてもやはり正しい情報を、パニックになるからといって出さないでいるのではなくて、きちんと出すべきであったとお答えいただけますか。
  102. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私もそう思います。  六月にIAEAに報告書を出しておるんですが、そのときにSPEEDIの公開がどうあるべきだったのかというのは政府内部でもかなり議論をいたしました。元々SPEEDIというのは、放出源情報があるということを前提に公開をする仕組みになっているので、正確な放出源情報が得られなかった以上、これはそういうものではないんですという旧来の主張もあったわけですが、それはやはり国民から見たら受け入れられないだろうと、様々な情報があったわけだから、総合的に推測をしてシミュレーションをしていた以上は初めから公開すべきだっただろうということで、言葉を選ばずに申し上げると、私自身が押し切ってこれはしっかり公開すべきだという、そういう報告書をIAEAに提出をしております。
  103. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。今日は浪江町の代表の方が聞いております。とてもうれしく思っていると思います。  それでは、ここできちんと福島皆さん、浪江町の皆さん、無駄な被曝をしてしまった皆さんに正式に国の見解として謝罪をしていただく、そういうことは可能でございましょうか。
  104. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 浪江町の皆さんはもちろんですが、これは福島県民の皆さん国民皆さんに、このSPEEDIのデータが的確にきちっと公開できなかったことについてはおわびを申し上げたいと思います。  一方で、やはりここはきちっと御説明をしなければならないんですが、果たしてこれが健康被害につながったかどうかということについては、これも結果は厳格に検証されなければならないというふうに思っておりまして、今政府の中でも検証委員会が行われておりますが、そこで本当のところのその影響はどうだったのかというのは検証されることを私は期待をしたいというふうに思います。  もう一つは、やはりこれだけ皆さんにいろんな御心配をお掛けをしているわけですから、健康の様々な調査、そして対応、そこに万全を期すのは、これは政府としての最低限の義務だというふうに考えております。
  105. 上野通子

    ○上野通子君 本当にありがとうございます。  続きまして、同じことを昨日、中川大臣にもお聞きしたわけですが、そのときに中川大臣は、仮定条件による試算結果だから公表しなくてよいという判断は誤りだったとやはり指摘していただきました。このこと、間違いではございませんよね。もう一度確認させてください。
  106. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 昨日も本当にいい指摘をしていただいて議論を進めたんですが、御指摘のとおり、元々サイトから出てくる放出量というのがそれぞれサイトの中のメーターで示されて動いていて、それをERSSで集約をして、それがSPEEDIに入ってくると。そのことに基づいてSPEEDIの予測というのがなされるというのがシステムだったわけですが、その一番元のサイトが崩れてしまって、いわゆる電力がダウンをしてしまって機能しなかった。だから、結果としては、生データを取ってくるんじゃなくて推測をして、それをSPEEDIの中に入れて、これまでのデータの蓄積だとか推測という前提の中で予測がされていたということです。  それであっても、そういうものを前提にして活用をする。活用をするところまでしっかりデータとして上げる。最終的には政治的にそれをどう活用するかというのは判断してやるべきだったというふうに思っておりまして、そこのところはそういう機能が果たせなかったということで、申し訳なかったというふうに思っております。
  107. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。  次に、先ほど細野大臣がおっしゃった、六月にウィーンで開かれた国際原子力機関、IAEA総会で日本政府が表明した東日本大震災の報告書についてお伺いしたいと思いますが、この報告書は、東日本大震災や原発事故の被害や政府による対応、様々な教訓を内外に示した公式の報告書であると認識してよろしいのでしょうか。
  108. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) その報告書は、五月ほぼ一か月掛けて、関係者が何度も集まりまして、専門家のアドバイザーの皆さんからも御意見をいただいて書いたものでございます。ですから、今おっしゃったような位置付けで結構です。  ただし、五月の時点ですので、情報が相当限られておりました。限られた情報の中で、その時点で分かったことについてできるだけ正確に、そして、まだ至らない点があるかもしれませんけれども、反省すべきところは反省をして書いたのがその六月の報告書ということでございます。
  109. 上野通子

    ○上野通子君 この報告書の中には、やはりこれまで質問してまいりましたSPEEDIについての多数の記事があります。重要なのは、このSPEEDIはきちんと機能していたのに、人的ミスがあって三月十二日のベントの前に住民の避難誘導に活用できなかったときちんと記し、しかも後世に残すべき貴重な教訓として日本の政府が正式に表明したということだと思います。  この報告書の当初の表現では、SPEEDIによって放射性物質の拡散情報等が得られなかった、ですから、避難行動の参考として活用すべきだったというものであったんですが、これではあたかもSPEEDIが機能不全だったかのような記述でした。  私もこれを読ませていただいて、SPEEDIのシステムの名誉のためにも、納得いかなかったのですが、これに対して森まさこ議員が六月十七日のこの会議で、現に行われていた試算結果は活用されなかったというふうに海江田元担当大臣にお伺いを立ててきちんと直していただいたところです。とてもそこのところはきちんと直していただけたことを有り難く思いました。  細野大臣もこのことについて御存じだと思いますが、この修正について正しい表現だと思いますか、それともちょっと不満を残していらっしゃいますか、お伺いしたいと思います。
  110. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 修正の部分は存じ上げてはおるんですけれども、海江田大臣が答弁をされて、その後、海江田大臣ももちろん最高責任者で、私が実務をやっておりまして、大臣判断でしたので、もちろんそれで結構ですということで受け止めたのを覚えておるのですが、済みません、ちょっと詳しい経緯を今記憶、できないものですからそれ以上お答えができないんですけれども、いずれにしても、技術的な要素と人的な要素があって、SPEEDIについては特に人的な要素で有効活用できなかったという面があったんだろうというふうに思います。    〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕  技術的には、そういった意味ではシミュレーションしていたということであれば、それはしっかり踏まえた政府としての総括と反省、報告というのが必要だというふうに思います。
  111. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。またとてもうれしい答弁をいただきました。  というのは、この報告書の中できちんと間違いを直していない部分もあったんです。後で私も気付いたんですが、それはこの報告書の第五章の原子力災害への対応の三十ページ、後で見ていただきたいんですが、災害事象に係る状況把握と予測等という部分があります。そこの震災発生直後のSPEEDIのデータ活用について、この時期の試算結果については実際のデータに基づく予測とは全く異なるものであったため、無用の混乱を招くことも懸念されたことなどから当初は公表は行われなかったと。  このように、まるでSPEEDIに対して、SPEEDIの名誉を傷つけるようなそのままの書き方で出されてしまった。後で私も気付いて大変残念に思ったんですが、今の細野大臣の発言で、SPEEDIはどちらかというと人的なミスで活用できなかったとはっきりと言っていただきましたので、私はそれで納得させていただきます。  これで私の二つ目のどうしても認めてほしかった、SPEEDIというすばらしい日本の科学技術を結集したシステムはきちんと動いており、そしてそれは活用できたものだという、そのSPEEDIの名誉を守れたということでよろしいんですね。
  112. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) いろんな評価があると思うんですね。ですから、そこであるSPEEDIというシステムを本来は活用できたという意味では上野委員が今御指摘のとおりです。  一方で、ちょっと私がSPEEDIのシステムでこれから変えていった方がいいなと思っていますのは、そもそも事故が起きたら放出源情報が取りにくくなるというのはちょっと考えれば分かることだと思うんですよ。つまり、現場が混乱をして、若しくはモニタリングポストが故障するということは大きな事故が起これば当然あり得るわけですよね。ですから、元々そういうことを想定をしてシステムを本来はつくっておくべきだったんだろうというふうにも思うわけです。ですから、現在あるシステムを活用できなかったというのは人的な要素だと私は思います。ですから、そこは率直に反省が必要だと思います。  一方で、SPEEDIについては、これはシステムとして、より今回の事故を受けて高いレベルのものにしていかなければならないというふうに思います。  御質問にはありませんでしたけれども、もう一つありますのは、SPEEDIは文部科学省が所管をして、原子力安全委員会が使い、保安院も使うという三つの組織が混在しています。これではしっかりとしたそれこそシステムの開発と運用というのはできないというふうに思いますので、新しい原子力安全機関の下で一元化をして、しっかりそこでやるという体制をつくりたいと考えております。
  113. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。  今また大臣のお話の中にこのSPEEDIの所管のことがございましたので、このことについても私は実は三月からずっと文科大臣の方に質問させていただいておりまして、そのとき、もちろん質問主意書としても出させていただいていまして、一元化の事実はないとか一元化したとかいろいろと混乱した中で、いまだにこの解決がなされていないという状況もありますので、是非とも速やかにこの答弁書をもう一度見ていただいて、閣議決定ですか、のやり直しをしていただけたらなとお願いしたいと思います。  それで、もう一つお伺いしたいのは、今大臣の方から出ましたこの機構の改革ですね、SPEEDIをめぐる機構の改革について質問させていただきたいと思います。  原子力安全規制に関する組織ということで、環境省の外局として原子力安全庁を設置する方針を表明されました。現在、内閣官房において組織改革の詳細を検討していると耳にしております。つきまして、SPEEDIの運用を文科省から原子力安全庁に移管されるということも耳にしておりますが、まず中川大臣にお伺いしたいのですが、知っている範囲で構いませんので、この内容をお聞かせください。
  114. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 本年の八月に閣議決定をされております原子力安全規制に関する組織等の改革の基本方針、この中でこの原子力安全庁の設置に関して規定をしています。要は、規制と利用の分離をしていくということで、原子力安全規制業務の一元化ということであります。  具体的には、SPEEDIも含めて、これも原子力安全庁に移管をしていくということになっておりますが、試験研究用の原子炉の規制、それから核燃料物質及び核原料物質の使用の規制、それから環境モニタリングの司令塔の機能、こういうそれぞれの機能を原子力安全庁に移管をされるということ、これを確定をしております。
  115. 上野通子

    ○上野通子君 ということは、中川大臣、今SPEEDIの関係予算はエネルギー特別会計に計上されているんだと思いますが、機構改革の後は関連の予算はエネルギー特別会計の中に残るんですか。それともまた、エネルギー特別の所管は文科省でなくなる、ですからほかのところから予算を出すということになるんでしょうか、この辺のことをお聞きしたいと思います。
  116. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 文部科学省から出すということではなくなります。
  117. 上野通子

    ○上野通子君 分かりました。  中身についてもうちょっと細野大臣にお伺いしたいと思いましたが、もう一度中川大臣、これ、SPEEDIは科学技術ということで文科省に最初あったと思うんですが、別に厄介払いをするとか、そういうことではないですか。
  118. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) このSPEEDIだけではなくて、それぞれの分野の科学技術、これを文科省が担当する場合には研究開発をそこでやっていくということですので、それが完成して実用化をされていく過程で、時と場合によっては民間に移っていったり、あるいは他の省庁にこういう形で移っていったりということでありますので、そこのところは今回もふさわしいことだというふうに思っています。
  119. 上野通子

    ○上野通子君 ありがとうございます。  SPEEDIはすばらしいシステムですので、どうぞ今かかわっている方々のやる気をなくすようなことがないようにきちんと移管させていただきたいと思います。  またちょっと先ほどの質問の続きに戻りたいと思いますが、実はSPEEDIに関する政府の報告が掲載されているのはIAEAの報告書だけではありません。これも昨日、文教科学委員会の方でちょっと質問させていただいたんですが、平成二十三年度の科学技術白書にもSPEEDIに関する記述がございましたが、その中のSPEEDIにかかわるところですね、ここのところがIAEAに報告する前の、修正する前のような書き方がなされているんですが、細野大臣はこれを御覧になっていらっしゃいますか。
  120. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、中川大臣から手渡していただいたんですが、済みません、ちょっと事前にこれを私が確認をしていたかどうか記憶は定かではありませんけれども、はっきりこうして白書そのものについて見るのは初めてでございます。
  121. 上野通子

    ○上野通子君 後でゆっくり読んでいただきたいんですけど、IAEAの報告書におけるSPEEDIの記述のまさにエッセンスというのがこの修正した部分だと私は思います。現に行われていた試算結果は活用されなかったという一文こそがこの報告書の魂だと思われます。そして、その魂を入れたことに対して細野大臣は評価をしてくださいました。同じように是非ともこの科学技術白書にもこの一文を入れて魂を入れていただきたいと思います。  どうか修正していただきたいと思いますが、この科学技術白書というのを修正するのは難しいことなのでしょうか。細野大臣お願いします。
  122. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) この二十三年版の科学技術白書では、IAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書の内容を踏まえて次のように報告しているんですが、SPEEDIは放出源情報の推定推定結果を基にした積算線量の試算など様々な形で活用されたが、活用の体制や公表の在り方に課題を残した点、今後の教訓としてSPEEDIの活用結果を当初から公開することということで、このことを明記をしておりまして、その反省も含めた必要な記述を盛り込んでいるということ、こういうふうに修正をしております。  同時に、前文の方で、IAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書では、SPEEDIなどの活用結果を当初から公開することなど全二十八項目の教訓を取りまとめているということで、前文でこうした説明も併せて修正をして加えてあります。
  123. 上野通子

    ○上野通子君 ちょっと場所が違っているんですが、昨日も質問させていただいたら、思いは同じと、IAEAに報告した思いは同じということなんですが、日本語というのは大変難しく、そのまま、例えばここの九ページの、発揮できなかったというような文章がありますと、いかにもSPEEDIがうまく運用できなかったようにとらえてしまうということで私がお願いしたんですが、分かりました、思いが伝わるということで納得します。  ただし、今後、また報告書に、いろんな様々な報告書というのは本当に大事です、文字としても残るもの、それに対してはきちんと、SPEEDIというすばらしい技術に対しての名誉を毀損するような書き方でないように報告書を作っていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。  時間がなくなってしまいましたが、次に観光業の風評被害に対する賠償についてお伺いします。  これに対しても、昨日、文科委員会の方で中川大臣質問させていただきましたが、十分な時間がありませんで、なかなか最後までお聞きすることはできませんでした。しかしながら、観光業の風評被害というのはまだまだ収まることもなく、大変ひどい厳しいものとなっています。特に、私は栃木県出身ですので、栃木県を含めた北関東三県はまだまだこれからも風評被害が広まる状況にあります。  昨日お話ししましたが、栃木県には観光地として有名な日光があります。この日光の東照宮というのは、ほとんどの方々が日光にいらしたときには行くところですが、参拝されるところですが、昨日もお話ししましたが、一番ひどいときでそこの観光客が九五%減まで行きました。そして、回復してもまだまだ三七%減と、このようにひどい状況になっております。このままでは本当に観光に携わる方々が失業するばかりじゃなく、もう既に老舗のホテルが倒産しているんですが、これからも中小の観光産業の方々の企業も含めて、倒産件数は増えるであろうと私たちは大変懸念しているところでございます。  それに対して、東電の方で二十六日に、私が最初びっくりしたこの減収率というのを二〇%から一〇%に引き下げるというような発表がされました。詳しく言うと、六月以降は賠償の、減少分を全て賠償する対象にすると、また三月から八月の減少率を一律一〇%とする計算方法も選択できるようにするという発表でした。  これについて、西澤社長の方から御答弁いただきたいんですが。
  124. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) この度の事故によりまして、本当に皆様に御迷惑をお掛けしております。心からおわび申し上げます。  先生の御指摘の点につきましては、各所からいろいろ見直しの御要請をいただいておりまして、二十五日に観光庁の方からも統計データが公表されたことを踏まえまして、二十六日に見直しを公表させていただいております。  具体的には、これまで八月三十一日までの間における当社事故以外の要因の売上高の減少率を二〇%としておりましたけれども、今回は二つの選択制を取らせていただきまして、一つは、前半三月から五月を二〇%、後半六月から八月はもうゼロとすると、それから、若しくは六か月間を平均して一〇%にするという二つの選択制を取らせていただくことにいたしました。
  125. 上野通子

    ○上野通子君 お二人ですね、中川大臣西澤社長の両方にお聞きしたいんですが、お二人はこの風評被害で悩んでいる、特に観光業で厳しい状況にある福島を除いた北関東三県を視察されておりますでしょうか。
  126. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 行っていますが、栃木にはまだ足を向けておりません。
  127. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 三県でございますけれども、当社のサービスのエリア内でございますけれども、店所を回るということはしておりますけれども、地元の方とお会いしていろいろお話しするということはちょっとしてございません。
  128. 上野通子

    ○上野通子君 大臣は行かれたということですが、どちらの方に行かれて、どのようなことを視察されたか、お答えいただけますか。
  129. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 周辺に行っているんですが、観光業の皆さんにはまだ直接お話を聞いたことがございませんが、間接的に議員の皆さんやあるいは役所の方からそうした非常に厳しい状況にあるということを報告を受けております。
  130. 上野通子

    ○上野通子君 皆さん、風評被害に遭っている方々が望んでいらっしゃることは、大臣やそして社長や東電の方々が直接現場に行きまして、そして膝を交えて、これをどうしたらいいだろうかというお互いの意見交換をしながら、本当に親身になって相談をさせていただくと、そういう場をつくってほしいというのを一番望んでおります。そしてまた、行くことによって、それぞれの県、それぞれの場所によって風評被害の出方も違うということを御確認していただきたいんです。一律に一〇%とか何%と決めるよりも、まずは基準を決める前に行ってほしかったなというのが私たち国民の、そして栃木県民の思いですが、最後にそのことについてもう一言ずつお二人からお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
  131. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) これからも様々な状況が出てくるんだろうというふうに思います。できるだけ多くの皆さん現場で会って直接話を聞くという努力をさせていただきたいというふうに思います。
  132. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 今回の数字をいろいろ決めさせていただく際には、いろいろな各県の関係者の方々の一応御意見はお伺いして決めさせていただいております。現場へ行っていろいろお話を聞くというのは大臣と同じ気持ちでございます。
  133. 上野通子

    ○上野通子君 よろしくお願いいたします。  本日はどうもありがとうございました。特に細野大臣、本当に謝罪していただきましてありがとうございました。浪江町の皆さん方も喜んでいると思います。  以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  134. 森まさこ

    ○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。  まず、今日は浪江町から浪江町立小学校のPTA会長さんに参考人に来ていただきました。朝田英洋さんです。朝田さんは今避難生活をしておりますので、この陳述書は、朝田さんの陳述を基に、途中朝田さんにも打ってもらってメールでやり取りしたものなんですけれども。  朝田参考人にお尋ねしますが、避難先にはファクスがないということで、そのとき自署をしてファクスをいただくことができなくて、今朝こちらに来ていただいたんですけれども、今日、この資料六に出ている陳述書というのは朝田さんが体験したことを書いたもので、朝田さんの署名をしたということで間違いないですね。まずその確認を、お答えください。
  135. 朝田英洋

    参考人朝田英洋君) こちらは全部間違いありません。よろしくお願いします。
  136. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございました。  それでは、せっかく来ていただきましたので、この陳述書を読んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  137. 朝田英洋

    参考人朝田英洋君) 私は、十二日の朝五時過ぎに十キロ圏外に逃げろと役場職員の方に言われました。そこで、私は、津島の活性化センターに行ってくれと町職員に言われましたので、六時ごろから、浪江小学校に避難をしていた方々に伝えまして、六時ころから移動できるように皆さんと協力して空いている車に皆さんを乗り合わせて移動をさせていました。全て移動を終わったのは大体八時ごろだと思います。  そこで、私は最後に残りまして、浪江町内を一周回りまして、まだ避難している方がいないかどうか、こちらを確認しながらマイクで呼びかけをしまして、四人くらい乗せて津島の活性化センターの方に向かい、十一時ごろ到着をいたしました。その間すごい渋滞でしたが、渋滞が我慢できずに国道をUターンをし、原町、今の現在の南相馬市の方に逃げていった人もいらっしゃいました。津島に着きましたらかなりの人が集まっておりまして、食料も何も余りない状態でいたと思われます。  そして、十二日の二時ごろ、津島から原発の方向を見てみますと、原発自体は山で見えませんが、そこから水蒸気が雲のように上がっているのが見られました。そして、浪江の方に雲が流れているように見えました。そして、浪江上空の方で消えていくのも確認をいたしております。それが定期的に何回も水蒸気のようなものが上がり、私の知人が十キロ圏内の事務所にまだいらっしゃいましたので、まずいと思いまして、ソフトバンクがつながりましたので電話をした記憶がございます。そして、危険ですので移動するようにと伝えました。そして、夕方になりまして浪江高校の分校の方で消防の仲間と何げなくテレビを見ていましたら、ベントのことをやっていましたので、それがベントだと思いました。  そして、私は十二日から消防の方で、避難をして具合が悪くなった人たちを診療所の方に搬送する仕事の手伝いをしておりました。まさか原発が爆発するなどとは思っていませんでしたので、私も含め、あそこにいた方々、誰も逃げようとは思わなかったと思います。そのときに避難指示、避難誘導があれば大変良かったのかなと今思っているところであります。  そして十三日になりますと、警察は防護服、マスク、ゴーグル、そのように完全防備をした状態で津島にいました。しかし、私たちはそのようなマスク等の指示もありませんでしたので、津島は安全だと思い込んでおりました。そして夕方、私の母とやっと電話で連絡が付き、母は避難している場所が一番安全だから皆さんと一緒にいるようにと言っておりました。私が思うに、安全ではないところに町は避難をしないと、私は母がそう思っていたと思います。そして、夜になると、浪江の高校の先生だと思いますが、メルトダウンの話をしていました。私もメルトダウンという話、メルトダウンというのは余り聞いたときなかったのですが、そこで話をし、どういうものかを知りました。そして、先生はもう終わりだと言っていました。そして、夜になりますとかなり寒い、冷え込んできましたので、各避難所にストーブが置いてありまして、灯油がなくなると思いましたので、灯油を入れに行きました。皆さん疲れ切っていましたが、余り眠れないような感じでいらっしゃいました。  そして十四日になりまして、朝になりますと少しずつ避難所を出ていく方が見られました。妻の友達も、当てはないがここにいたら危ないのではないかと言い、出ていきました。妻も、私たちも出ていきたいと、そのときに私に言いました。しばらくすると、ラジオを聞いていましたら、爆発のニュースがラジオでありました。そこで、私、そして妻、子供も心配でしたので、ガソリンがなくなるところまで行くことにして、東京の方に走りました。そして矢吹町でガソリンがなくなりましたので、前日、千葉県の佐倉市に避難していた私の父が矢吹町までガソリンを持ってきてくれました。そして、ガソリンが来る間に矢吹町の避難所でスクリーニングをしてきてくれということで、白河までスクリーニング検査しに連れていってもらいました。検査したときに私は四千と言われ、取りあえず手を洗ってくれということで一度手を洗いましたら、その数字が、若干減ってはいますが、ちょっとまだ高いということで、あと二回ほど手を石けんで洗わされました。妻も娘も同様でありましたが、妻と娘は千八百と言われました。そのときに隣にいた、大熊から来た人がいたのですが、その方は八千と言われていました。娘は当時、小学校六年で十二歳です。私の子供は沃素剤をもらっておりません。そして、飲んでもいません。  夏休みが終わりまして、八月三十日になってようやく東海村でホールボディーカウンターで内部被曝検査をしていただきました。結果は何も出ませんでした。五分の短い検査、そして遅過ぎる検査で、私は何も出ないともう始めから思っていましたが、そのような感じになりました。何で五分なのか私には理解はできませんでした。  先日、テレビでドイツのことをやっていましたが、三十分、四十分ぐらい掛けてホールボディーカウンターを、検査を受ける、そういったような感じのテレビだったので、何で日本は五分なのかな、本当にこの短い間で本当に正確に分かるのかなと私は思っております。  そして、まだ甲状腺の検査をしておりませんが、あさってに福島の方で甲状腺検査をする予定です。そのときもやはり多分何もならないのではないかなと思いますが、十年後、二十年後というのがやはり私にとっては子供が心配で、そのことまでもう毎日のように心配、心配で、妻と一緒にそういうことを話しているところでございます。  以上です。
  138. 森まさこ

    ○森まさこ君 朝田さん、避難生活の中で、また、あしたは娘さんの甲状腺検査で福島まで行かなければならない忙しい日程の中を来ていただきまして、本当にありがとうございました。  皆様のお手元に資料五が、もう一つ陳述書がありますけれども、この志賀さんは同じく浪江町の方ですけれども、今は仕事がやっと見付かったということで、仙台でお仕事をしていて本日来ることがかないませんでしたけれども、陳述書を送っていただきました。  この陳述書に書かれておりますのは、志賀さんの場合は、先日、私が予算委員会指摘をした苅野小学校に、まず十キロ圏の避難指示があったときに十キロより少し外の地点にいたということが書かれておりますが、十キロより外は屋内退避の指示も出ておりませんでしたし、そもそもその政府の指示というのは届いていなかったんですけれども、国や県から浪江町に対して何の指示もなかった、みんな外にいましたということで、外で長机を校庭に出しておにぎりを配った。放射能が降ってきているなんて思わなかったからテントも張らなかった。子供たちも外に出ておにぎりを受け取り、その場で食べている子もいたと。私自身の子供もいたと。  ところが、そのおにぎりを配っていたお昼前後にベントしていたことが後から分かりました。午前十時から午後二時までの四時間のベントです。そしてその直後、午後三時半に爆発をした。私たちは放射能の降り注ぐ中で屋外で過ごしたし、食べ物も口にしてしまったのです。後日のスクリーニングでも高い値が出ています。  爆発したとき、誰も爆発だと気付きませんでしたし、政府の発表も一時間ぐらい遅かったと聞いています。爆発した後の時間も私たちは漫然と屋外にいて被曝をしていたわけです。なぜ教えてくれなかったのかという気持ちでいっぱいですというふうにおっしゃっています。  志賀さんはその後、爆発ということが一時間後の政府の発表で分かり、自分たち判断で津島に移動して、朝田さんたちがいた津島に合流したわけでございますが、そこで十四日の爆発、二回目の爆発も朝田さんたちと一緒に体験をしたということで、朝田さんも志賀さんも二回の爆発を近くで受けておりますので、被曝のおそれというものを大変心配をしているわけでございます。志賀さんも、中学一年生、十二歳の娘さんがいらっしゃるということで、それを大変心配をしています。  志賀さんの陳述書に書いてありますが、現地対策本部長が十五日の正午ごろ大熊町のオフサイトセンターから移動したそうですが、その時点で津島には少なくとも四百人から五百人が残っていました。大熊町のオフサイトセンターから福島県庁へ行くには津島を通って行く道が一番近いですから、そこを通って津島の様子を見てほしかったです。そうすれば、車の中に大勢の人がいることとか、ガソリンがなくて動けない人が多いこととか、十キロの地点で一回目の爆発を受けた子供たちが津島で二回目の爆発を受けたこととか、安定沃素剤を飲んでいないこととか、いろいろなことを対処してもらえたのではないかと思います。現地対策本部長が移動に使った道は線量が低い地域ですから、政府が津島の線量が高いことを知っていて、わざわざ回り道をしたのではないかと勘ぐる人もいます。その当時津島にいた人間は、政府は線量の高い地域を把握していたのか、モニタリングしていたのかを知りたい人間がたくさんいます。結果として、そこにいた子供たちには沃素剤は配布されませんでした。後からも飲んでいませんというふうに述べておられます。  昨日の朝日新聞で、この浪江町の津島地域にモニタリングの職員が行っていることが書かれておりました。文科省の指示によって、浪江町の津島の赤宇木に行けという極めて特定した地点を指定されて行っているということです。SPEEDIの図面によれば、その地域が真っ赤に染まっていることが分かっています。そして、そのSPEEDIの図面は、私がこれまで予算委員会等テレビ入りの質疑で三回にわたって皆様に図面を資料でお示ししました。これは文科省が今もホームページで示している図面です。一回目の爆発の約十時間前には、その図面でこの地域がもし爆発したら真っ赤に染まることが分かっていたんです。それを分かっていたから、文科省は職員さんにモニタリングを指示して行かせたのではないでしょうか。その職員さんが行ったときに、朝田さんも志賀さんも、そして千人に近い方々がそのすぐ近くの活性化センターにいたんですね。  参考人にお伺いしますけど、朝日新聞に書かれていた職員さんが行ったのは、津島の赤宇木に行って測り、それから川俣町の山木屋に行って測ったと言っていますが、朝田さんたちがいた津島の活性化センターはそのちょうど間にある地点ですね。
  139. 朝田英洋

    参考人朝田英洋君) はい、その間にあるところが活性化センターです。
  140. 森まさこ

    ○森まさこ君 朝日新聞によりますと、そのときにモニタリングした値は三百マイクロシーベルト、大変高い値が出たということです。その当時分かっていたのに、なぜそこに避難していた方に教えてくれなかったんでしょうか。現地対策本部長がおいでになった大熊町のオフサイトセンターのホワイトボードには、津島の活性化センターに浪江町民が避難していることが書かれています。私が石破茂自民党前政調会長と一緒に大熊町のオフサイトセンターを視察したときに、そのホワイトボードの記載が残っておりました。写真も撮ってきてあります。  そこで、細野大臣にお伺いをしますが、先日の予算委員会細野大臣は、子供たちを残して政府が何もしなかったということではありませんとおっしゃいました。十二日の夕方の六時には避難指示を出したとおっしゃいました。でも、その指示は爆発のずっと後なんです。爆発したことをテレビで知って、それを知ってみんな逃げているんです。政府避難指示ではないです。爆発したら誰だって逃げるんです。政府避難指示は、爆発する前に指示するから意味があるんです。  文科省は、SPEEDIでそこがもし爆発したら危なくなることを知っていた。ですから、私は、避難指示を早く出していただきたかった。そうでなくても沃素剤を配っていただきたかったということを申し上げたんです。  細野大臣、私は細野大臣を責めているんではないんです。政府がこのときに適切な避難誘導をしなかったということを率直に認めていただきたい。そのことによって、この地域にいた人たち、特に子供たちには国の責任できちっと健康調査をして、将来何か起こるときには本当に早期発見して最先端医療で治療をしていただきたいと思っているからその当時の国の動向を、事実をこの国会で明らかにしたいと思っているんです。  細野大臣、今までの参考人と私のこの質問を聞いて、その当時の状況政府避難指示について適切であったかどうか、いま一度お答えください。
  141. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、朝田さんのお話を聞いて、当時の状況を私も記憶をたどりながら、本当に御苦労、もう大変な思いをされたということに対して申し訳ないなと、そんな思いで聞かせていただきました。  今、森委員の方がおっしゃった、健康にいろんな不安を持っておられるわけですから、それに万全を期して対応するというのはこれはもう政府責任であると、そのことはもう本当に強く我々が認識をしなければならないというふうに思っております。  実は、当時私は、どちらかというとサイトの中のことをやっておりまして、避難をどうするかというそういう議論には余り加わっていなかったことと、加えて、今も、閣僚になりましたけれども避難そのものについて直接担当しているということではないものですから、その部分については担当の大臣に聞いていただければと思うんですが、この間の答弁についてのところについては私からお答えをさせていただきます。  先日、森委員の方からは、十三日の沃素剤の経緯について御質問があって、そのときに政府は何もしなかったではないかというお話であったものですから、それに対しては、十二日の夕方には二十キロに避難を拡大をしていたので、それは水素爆発の状況から万が一への対応としてしておったと、二十キロの避難がとにかく確実に実施をされるように政府としてはやっていたんだということを申し上げたつもりでございました。  ただ、客観的に見たときに十分な対応ができていたのかどうかということについては、これは政府としては厳しく検証をされるべきものというふうに思っておりますので、万全の体制で問題がなかったというふうに私が思っているということではございません。
  142. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございます。  今、国の責任で子供たちの健康を守るということを答弁をしていただきました。  資料の四にありますけれども、これは福島県議会の県会議員の質問の抜粋でございますけれども、この県会議員も三月十二日の夜遅くから津島地区にいたということで、このときに一万人近くの方がいてもう今も泣いている、それを知らないのかというふうに保安院に質問し、保安院は、放射線量の計測はモニタリングチームが行っていたということまでは認めております。  そこで、私は、今後のことを御提案したいんでございますが、枝野大臣が担当かと思いますので御質問をいたしますけれども、子供たちの健康と命を守っていくことが何より大切だと思います。今福島県でされております健康調査、この具体的内容を、私は少し不十分だと思っているんですけれども、その内容を御存じでしたらば教えてください。
  143. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今福島県において、まず皆さん避難状況等について、これ事後的に記憶を喚起していろいろと書いていただくこと自体が大変な御無理をお願いをしているわけですけれども、確かにどの時点でどういうところにおられたという状況によって被曝した可能性のある量が大きく違ってきますので、こうしたことについての調査を行っているところでございます。そして、これをデータベース化して、しっかりと、万が一にも何らかの病気等にということの影響がないかどうかということについては継続してこれは追っかけていくと。  それから、十八歳以下の全ての県民の皆さん、県外に避難をされた方も含めて、甲状腺の超音波検査を行うと。三年程度で対象者全員の状況把握し、その後も定期的に検査をしていくということになっております。  それから、既存の健康診断というものを活用をいたしまして、避難区域等の県民の皆さんに対して、一般的な健康診断の項目に加えて、白血球の分画等の、特にがんのリスクがないかどうかということについて検査をするということが現時点での主な項目でございます。
  144. 森まさこ

    ○森まさこ君 甲状腺の検査とおっしゃいました。安定沃素剤を飲んでいれば甲状腺のがんになるおそれが非常に少なくなるということでございますが、安定沃素剤が配布をされませんでした。  お配りをしております資料三でございますけれども、予算委員会でも指摘をしましたが、原子力安全委員会が、この紙の下に書いてありますように、手書きで直しを入れていますね。子供に対しては安定沃素剤を服用させるようにという、そういうアドバイスをしているんです。しかし、これは一番上の表題のように指示(案)であって、実際にはこの指示は残念ながら出されておりません。葬り去られてしまったわけです。このように国の対応に非常に問題があり、国の責任で子供たちを守っていくべきだと思います。  甲状腺の検査、今の県の検査は、三年で一回回す、それから二年ごとにやっていくという検査です。これでは私は足りないと思っています。また、甲状腺以外の検査については、特に子供たちだけを取り出して検査をするようにはなっておりません。しかし、子供たちというのは放射能に対する感受性が強いということで、被曝によって病気になるおそれが大人よりは高い。そして、発症した場合にはその進行も早いんです。ですから、子供たち、そして子供たちの中でも、朝田さんや志賀さんのお子さんのように、至近距離で爆発を体験した被曝のおそれの非常に高いお子さんについては、もっと頻繁にあらゆる範囲の検査を行っていただきたいと私は思っています。  このことを入れました法案を今作っておりまして、党内で進めておりますけれども、是非超党派の皆さんに賛成をしていただきたいと思いますし、県の検査だけに任せるのではなくて、国が責任を持ってそういったことに取り組んでいただきたいと思うんです。この考え方について、枝野大臣、お考えいかがでしょう。
  145. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、資料でも御提示をいただきました三月十三日〇九時三十分付けの指示(案)について、こうした指示(案)があったにもかかわらず、当時の混乱した状況とはいえ、しっかりとしたこれに対する対応がなされていない、更に加えて、それに対する対応の経緯自体が残念ながら現時点でもまだ明らかになっていないということは、特に近隣地域において被曝をされた皆さんには大変申し訳ないことだというふうに思っているところでございます。そして、そうした皆さんの健康チェックについては、先ほど細野大臣もお答え申し上げましたとおり、国の責任でしっかりと継続的に行っていくと、この姿勢は明確であります。  具体的にどういう検査をするのかということについては、これまでのところは、チェルノブイリでの知見を踏まえると、一般住民の放射線による健康影響が認められたのは小児甲状がんだけであるというのが国際的な科学者の合意を踏まえた見解であるというふうに聞いております。そうしたことから、まずはこの小児甲状腺がんについてのチェックをしっかりと行っていくということで進めているものでございますが、絶対にもうこれしかやらないということではなくて、様々な専門家、医療関係者の皆さんのお声も踏まえながら、また同時に、これは医学的、科学的にどうかということが軸でありますが、同時に、特に被曝をしてしまったのではないかということで不安を感じておられる皆さんのその不安というものにどうおこたえするのかということも大変重要な観点だというふうに思っておりますので、そういったことも含めて今後も柔軟にやっていきたいというふうに思っております。
  146. 森まさこ

    ○森まさこ君 国の責任とおっしゃっていただいて、ありがとうございます。  ただ、一言苦言を申し上げておきますと、昨日、枝野大臣の所管である内閣府の原子力支援チームの方ですか、レクに来ていただきましたけれども、県でやっている健康調査は県に任せてあるからということで、その内容も知らなかった。私の方で資料をお示しして説明したような次第でございます。やはり国が責任を持って、リーダーシップを持ってやっていただくということで、大臣から是非号令を掛けていただきたい。  それから、チェルノブイリについてお触れになりましたけれども、私は先日、チェルノブイリのウクライナの原子力安全問題研究所の所長さんに直接お会いしてお話を聞きましたけれども、やはり子供の場合に大変大人よりも健康障害、問題であるし、沃素だけの問題ではないと。セシウムについては、臨床のやはりそういう研究がなかなかなされていないというだけで、セシウムで病気にならないというわけではないんです。  実は、今日は、特定避難勧奨地点の指定見送りに関する住民の説明会にですね、異議を唱える福島、渡利の地区の皆様が国会の方においでになっておられます。集会を開催するということで来ています。  福島県では、原発の直下の浪江町などの地点以外の地点でも大きく広い地域に放射線が降り注ぎました。この渡利地域も大変高い放射線量が出ているんです。でも、避難したらいいのか、避難しなくても大丈夫なのか、いろんな学者さんやいろんなお医者様がいろんなことを言うんです。大変危険だと言う方もいれば、安全ですと言う方もいる。住民は何が本当か分からないんです。これはやはり、今までの研究結果の蓄積が少ないということから起きている現象だと思うんです。百ミリシーベルト以下については、なかなかその実際のところの研究が、結果が少ないために分からないというのが本当のことだと思います。分からないんであれば、私は特に母親ですけれども、子供のことを考えたら一番リスクが高いということを考えて施策を取っていただきたいと、やはりそう思うんですよ。  渡利地区の方も、自主避難をしている人がたくさんいます。避難地域に指定されていないから、自主避難は自費なんです。お母さんとお子さんだけが遠い地域に行って、週末だけお父さんと会う、そういうようなことをしている方もいます。又は、平日は学校があってお友達がいるから、週末だけいろんなところを転々としている、そういう御家族もいます。避難できるそういう経済的余裕がなくて、とどまっている方もいます。まだ除染も進んでいません。やはり、そういう方々の願いは、子供たちだけは除染が進むまでは安全な場所に行かせたい、一番リスクが高いことを前提にですよ。それで何もなかったら、みんなで良かったねって将来笑えばいいんじゃないですか。  そのことで私は平野大臣にお伺いしたいのは、先日、基金のことを御質問しました。この基金は、そういった自主避難をする方、子供たちが県外に移動する費用、そういうものを県が自由に判断して使えるという基金です。自主避難について紛争審査会で今議論がされていますが、議論を待っていられないんです。私たちは毎日福島生活をし、子供たちは毎日悩んでいるんです。是非、平野大臣、この基金の創設、県が創設して、そして国が三千億の予算を付けるというものについて前向きにお考えになっていただきたいと思います。御答弁お願いします。
  147. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 済みません、所管が複雑に入り組んでおりまして、いわゆる仮払い法に基づく基金については私の所管でございます。  今事務方に指示して福島県の意向、これは県が基金をつくってそこに国がお金を出すというスキームでございますので、県と鋭意相談をしているところでございます。必要があるということで県から御要望をいただけば、それに対しては積極的に対応していかなければならないと思っておりますが、現在、県といろいろと御相談中ということでございますので、県の基金を国が勝手につくりますというわけにはいかないということは御理解ください。
  148. 森まさこ

    ○森まさこ君 基金について、先日、平野大臣もお答えになって、枝野大臣もお答えになって、誰が所管ですかと言ったら、決まっていなかったんですけれども、私が質問した後、つい最近、基金の担当箇所が決まったということをお伺いしました。七月二十九日に通った法律でございます。福島県の、大切な福島県の住民の皆様をお守りする、そういう法律ですから、担当箇所ぐらい早く決めていってほしかったということを苦言を申し上げておきます。  次に、福島県内の病院に対する損害賠償に関して御質問します。  これについて、福島県の国会議員で勉強会を開きまして、担当省庁の方に来ていただきましたら、原子力支援チームの方がこの病院に関する損害賠償については他の分野に先んじて特に話合いが進んでいるから大丈夫ですというようなことで自信満々に報告をなさいましたけれども、現実は全く違っております。そのとき答弁なさったのは経済産業原子力損害対応室長の方ですけれどもね。  南相馬市でも、私がつい最近も出向いて聞いてきましたけれども、資料に出しておりますように、東電は南相馬市の病院との議事録というのをこのように資料二のように作っておりますが、赤字のところはまず削除して作ってくるんです。そして、病院に提示して、これで間違いないですね、署名をさせるんですけれども、病院が主張していること全部赤字ですよ。そして病院側が、違うじゃないかと、自分たちに都合のいいことだけ書いて議事録っておかしいじゃないかと訂正を申し入れて、こんなに赤字が入るんです。  この議事録を厚生労働省とか経産省に上げて、病院と円満に話合いが進んでいますということを報告しているんだと思いますが、資料一のように、南相馬市や、またこの二十キロから三十キロのグループの病院、そしてその周辺のいわき市も含めて、病院は東電にこういう要求しているんですよ。つまり、本補償じゃなくて仮払いにしてください、計算式が余りにも違い過ぎる、そして計算式も紛争審査会の決定に従っていない計算式ではないかと。自分たちの考える計算式も要求したけれども、東電はそれに対して十月十八日に拒否回答をしてきております。  病院は、自分たちの計算式でないとしても、それじゃ暫定の計算式でやって仮払いにしてくれと、残りの争いのある部分はまた話合いなり裁判なりありますけれども、そうしてくれと言っているんですけれども、東電は一切応じない。自分たちの作った都合の良い計算式で、足下を見た低い金額、これを受け取らないんだったら金は払いませんよと。病院はそのお金が欲しいんですね。皆さん避難しちゃってベッドにも人がいない、収入が入ってこないけれども、設備投資のローンはもうあるんです。そして、緊急避難準備区域が解除されましたから、子供たちも、人も戻ってくる、病院を潰すわけにはいかないんですよ。この金を受け取りたかったら自分たちの要求に応じなさいと、こんなやり方をしているんですけれども、昨日のレクでも、担当省庁の方、経産省の方も厚労省の方も、福島県の病院大丈夫です、資料も持ってきて、こういうふうにきちんと厚労省に東電から報告書が上がってきて、東電さん一生懸命やっていますよ、そんな現実と全く違った報告をしてくるんです。私は、病院のことについては、私たちが作った仮払い基金法の仮払いに、観光業の次に政令に入れていただいて、迅速に国がまず仮払いをしていただきたい、そう思いますが、いかがですか。
  149. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 東京電力の賠償に当たっての対応については大変遺憾な点が多いというふうに思っておりまして、以前にも森議員からいろいろ御指摘いただいて対応させていただきましたが、いまだ不十分だと強く思っております。過日も副社長を呼んで指示はいたしましたが、残念ながら徹底がされていないと思っております。  そこで、原子力損害賠償支援機構、つまり東電以外のものがこうした賠償等について直接東京電力の中に入って監視ができるような構造をつくりたいということで進めています。  それから、そもそもが東京電力は加害者側でありますので、東京電力が基準を作って、これでのめとかのまないとかというのは本来あるべき姿ではありません。そのために、しっかりと第三者の立場でこういう線でどうでしょうかということ、つまり、ADRの機能を一刻も早く機能させるということで、これも原子力損害賠償支援機構の下のADRをできるだけ充実したものとして急いでつくった上で、なおかつ、そこでの勧告、和解勧告等については、被害者の側は不服であるという場合には裁判に申し立てることはできるけれども東京電力の側は不満を言うなということを了解させようと、今そのことの詰めをしているところでございまして、抜本的にこの賠償の在り方について今改善をさせているところでございます。
  150. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 森まさこさん、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
  151. 森まさこ

    ○森まさこ君 はい。支援機構の支払は年を越えると思いますので、不満であるということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
  152. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時二分散会