運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2011-12-01 第179回国会 参議院 国土交通委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十二月一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十八日     辞任         補欠選任      渡辺 猛之君     溝手 顕正君  十一月二十九日     辞任         補欠選任      溝手 顕正君     渡辺 猛之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岡田 直樹君     理 事                 池口 修次君                 友近 聡朗君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 谷合 正明君     委 員                 植松恵美子君                 大河原雅子君                 白  眞勲君                 平山 幸司君                 藤本 祐司君                 藤原 良信君                 前田 武志君                 室井 邦彦君                 米長 晴信君                 岩井 茂樹君                 大江 康弘君                 小泉 昭男君                 伊達 忠一君                 中原 八一君                 渡辺 猛之君                 長沢 広明君                 上野ひろし君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   前田 武志君    副大臣        内閣府副大臣   後藤  斎君        国土交通大臣  奥田  建君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       津島 恭一君        国土交通大臣政        務官       室井 邦彦君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        経済産業大臣官        房審議官     黒田 篤郎君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        関  克己君        国土交通省鉄道        局長       久保 成人君        国土交通省自動        車局長      中田  徹君        観光庁長官    溝畑  宏君        海上保安庁次長  桝野 龍二君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (派遣委員報告)  (東日本大震災の教訓を踏まえた今後の社会資  本整備に関する件)  (大規模災害等緊急時の対応を踏まえた国の出  先機関改革必要性に関する件)  (ジオパークの普及促進を通じた観光振興に関  する件)  (八ッ場ダム建設事業の再検証作業現状と今  後の見通しに関する件)  (尖閣諸島の灯台の機能強化必要性に関する  件)  (被災したバス事業者への支援制度必要性に  関する件) ○津波防災地域づくりに関する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う  関係法律整備等に関する法律案内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  皆様既に御承知のとおり、本院議長西岡武夫君は、去る十一月五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。  ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  4. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会経済産業大臣官房審議官黒田篤郎君、国土交通省水管理国土保全局長関克己君、国土交通省鉄道局長久保成人君、国土交通省自動車局長中田徹君、観光庁長官溝畑宏君及び海上保安庁次長桝野龍二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 国土整備交通政策推進等に関する調査を議題といたします。  先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。池口修次君。
  7. 池口修次

    池口修次君 まず、調査につきまして、非常に日程的に厳しいタイトな時間の中で委員の皆さんには参加していただきまして、大変ありがとうございます。  私の方から報告をさせていただきたいというふうに思います。  十一月十日、岩手県において、東日本大震災により被害を受けた社会資本復旧復興状況等の実情を調査してまいりました。  参加者は、岡田直樹委員長、友近聡朗理事佐藤信秋理事吉田博美理事谷合正明理事大河原雅子委員白眞勲委員藤本祐司委員藤原良信委員岩井茂樹委員吉田忠智委員及び私、池口修次の十二名であります。  現地調査概要を御報告いたします。  平成二十三年東北地方太平洋沖地震は、岩手沿岸南部内陸北部内陸南部震度六弱、沿岸北部震度五強の激しい揺れをもたらしました。また、地震発生した大津波により、宮古市で最大波八・五メートル以上、大船渡市で最大波八・〇メートル以上、釜石市で最大波四・二メートル以上を記録したほか、県内全体で津波による浸水面積が五十八平方キロメートルに及ぶなど、甚大な被害が生じました。  この度の東日本大震災により、岩手県では、判明しているだけで死者・行方不明者数が六千百名、全壊、半壊の住家被害が二万五千棟、公共土木施設被害額は二千六百億円に上っております。  現地におきましては、まず、車中において、徳山東北地方整備局長及び清谷東北運輸局長から被害状況概要について説明を聴取いたしました。  その後、陸前高田市の国道四十五号気仙大橋復旧状況を視察いたしました。気仙大橋は、地震後の津波により、橋梁上部工が流出しましたが、流失した橋梁下流側に仮橋を設置する工事が、予定を二か月以上も前倒しされ七月に開通し、地域住民に強いられていた広域迂回が解消されたとのことであります。  次いで、陸前高田市役所仮庁舎において、戸羽市長から、三陸縦貫自動車道沿岸内陸を結ぶ国道主要地方道を始めとする災害に強い道路網構築津波に強い防潮堤等整備促進及び消防団員の安全を確保するための水門の遠隔操作化国営防災メモリアル公園整備JR大船渡線早期復旧並びに防災集団移転促進事業拡充被災市街地復興土地区画整理事業拡充災害公営住宅整備促進及び現行制度を利用しないで高台移転する者への支援制度の創設についての要望を伺うとともに、見舞金を手交いたしました。また、中村岩手沿岸広域振興局長より、岩手県の東日本大震災津波に関する要望書を受領いたしました。  派遣委員との間では、高台移転等現状復興計画策定における課題移転跡地の買取り価格の設定の在り方都市計画事業認可等の県による各種手続迅速化必要性などについて意見が交わされました。  続いて訪問した大船渡市役所において、戸田市長から、北里大学海洋生命科学部三陸キャンパス早期再開への支援地域の基幹的な企業が所有する岸壁や倉庫及び大船渡港で被災した荷役機械等復旧に対する財政支援三陸縦貫自動車道整備促進、想定を超える大津波が来ても崩壊しないような大船渡湾口防波堤防潮堤等早期復旧に向けた十分な予算措置などについての要望を伺い、次いで、市民生活復興産業経済復興都市基盤復興及び防災まちづくりの四つを柱とした大船渡復興計画について説明を聴取するとともに、見舞金を手交いたしました。  次に、大船渡港の被災状況を視察いたしました。大船渡港は、防潮堤岸壁の損傷、臨港道路剥離等のほか、湾口防波堤が倒壊するなどの多大なる被害が生じており、湾口防波堤はおおむね五年、被災した岸壁等港湾施設はおおむね二年以内を目途に港湾機能本格復旧を目指すとのことであります。なお、十一月より、大船渡港における主要企業である太平洋セメントが工場での生産を再開したことで、復興に向けた一歩を踏み出しているとのことであります。  続いて、釜石市に入り、三陸鉄道株式会社望月代表取締役社長より説明を受けながら、三陸鉄道南リアス線荒川橋梁被災状況を視察いたしました。三陸鉄道施設は、津波により橋梁桁が流出したほか、線路や駅舎などに大きな被害が生じたとのことであります。しかし、線路の盛土が二線堤の役割を果たすなど防災面でも評価されており、原状復旧を考えているとのことでありました。なお、三陸鉄道全線運転再開は、平成二十六年四月ごろの見込みとなるとのことであります。  最後に、車中から、三陸縦貫自動車道釜石山田道路釜石両石—釜石北間を視察いたしました。釜石両石—釜石北間地震発生六日前の三月五日に供用開始された区間であり、地震直後、釜石山田道路避難してきた児童生徒たちが孤立することなく避難所まで移動できたことや、地震後において避難所までの救援物資を運ぶ道路となったことなど、まさに命をつなぐ道としての機能を果たしたとのことでございます。  以上が調査概要であります。  今回、調査を行った地域は、地震後の津波により甚大な被害が生じた地域であります。こうした地域に対し、効率的、効果的な復旧復興に向けた対策をいかに講じていくかが今後の大きな課題であります。陸前高田市や大船渡市を始めとする被災地では、復興計画に基づき、将来にわたって安心して暮らせる町づくりを目指すこととなりますが、被災者生活再建地域産業復興支援に取り組みつつ防災減災町づくり実現するには、政府の果たす役割が重大であります。  とりわけ、道路鉄道港湾を始めとする社会資本については、今後、地域住民の重要な交通手段であるJR大船渡線三陸鉄道早期全面復旧地域経済基盤である大船渡港を始めとする港湾津波被害から町を守る防波堤防潮堤早期復旧等に対し、更なる国の支援が不可欠であることを痛感するとともに、救急救命活動緊急物資輸送路など命の道としての役割を担う幹線道路網整備など、災害に強い国土構築のため、国としてあらゆる施策を講じる重要性認識した次第であります。  最後に、復旧作業等でお忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。
  8. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 自由民主党岩井茂樹でございます。本日は、前田大臣並びに室井政務官、どうかよろしくお願いいたします。  早速質問に入らせていただきます。  まずは、一般質疑ということで、伊豆縦貫自動車道を始めとした平成二十四年度に国直轄新規整備する高速道路について質問をさせていただきます。  お手元資料一を御覧ください。  平成二十三年十一月十一日付けの静岡新聞の記事によりますと、国土交通省社会資本整備審議会の部会は、十一月の十六日、二〇一二年度の国直轄新規整備する高速道路として国交省が選んだ伊豆縦貫自動車道河津下田道路二期工事など、十三区間着手を了承したとのことでございます。  さて、この高速道路新規整備について質問する前に、前提として、民主党政権公共事業に対する認識についてお伺いをいたします。  民主党は、平成二十一年の衆議院選挙に際して、コンクリートから人へというキャッチコピーを掲げておりました。しかし、その後、東日本大震災発生し、かけがえのない国民生命とそして財産を多数失うという悲劇が起こりました。この東日本大震災を受けまして、今年の、平成二十三年五月二十六日、参議院国土交通委員会質疑の中で、岡田直樹議員、ただいま参議院国土交通委員会委員長を務められておりますけれども、の質問に対して、大畠大臣がこう答えられております。今回の大震災の中ではコンクリートが人の命を救ったというところがたくさん見られます、このように述べられました。  そこで、前田大臣、お伺いいたします。  東日本大震災の後、政府として社会資本又は公共事業に対する認識は変わりましたでしょうか、その辺りの見解をお聞かせください。
  10. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 岩井議員お答えをいたします。  社会資本あるいは公共施設在り方論ですね。冒頭ちょっと御指摘コンクリートから人へというのは、確かに二十一年の選挙のときの一つの民主党の目指す人間中心政策という意味で、象徴的な意味キャッチコピーとして使ったんだろうと思います。そのことに関しては、大畠大臣の三・一一の結果を踏まえての反省の中からそういう御答弁もあったかなと思います。私も理念としては、今までのコンクリートというと何か人間生活からはちょっと離れた巨大なというようなイメージを象徴させていて、そして生活が第一という方を人にという言い方をしたんだろうと思うんですね。  しかし、この三・一一の結果というのは、先ほど池口理事が代表して当委員会三陸岩手の御報告がありました。あそこで幾つか現場の視察を踏まえて重要な御指摘がされていた、そのとおりだと思うんですね。例えば、命の道、これは三・一一の前にもそういう言い方はされていたと思うんですが、三・一一以降は、もうまさしく国民意識の中にそういった命の道というものの重要性、特に沿岸部方々三陸でなくとも海岸部方々はこの命の道というものの重要性というのを痛烈に認識をされていると思います。そういった結果を踏まえて社会資本整備在り方ということを考えていかなければならないと思います。  私が赴任以来申し上げているのは、とにかくつなごうじゃないかと、命の道なんだから。高速道路等はレベルの高い規格で、例えば交通量等からいって四車線、そんなのを何十年も掛けて完成させるという、もちろんそれは目標としてきちっと工程を持ってやっていかにゃいかぬわけですが、その前に、重要なところは、今の御報告にあった三陸の、釜石ですか、まさしくあの被災の直前に開通した区間が命の道の機能を発揮したということの御報告もあったと思いますけれども、そういった重要なところはまず完成させる、区間は。そこに今ある現道なんかで使えるものをつないでいくというようなことで、とにかく早くつなぐということが重要ではないかと、こう思います。  いずれにしろ、国民安心、安全というものが社会資本整備の最も重要な使命であるということを再確認されました。更に申し上げれば、その釜石道路のケース、多分、この道路を造ったときには、まさかあれだけの劇的な人命救助、命の道の機能を発揮するとは設計にかかわった方々が想像もされていなかったんじゃないのかなと思うんですね。これは鉄道であっても港湾であっても同じようにそういう機能を発揮し得るということで、これから公共施設社会資本整備していくときには、その辺までやはり掘り下げて、幅を広げて、地域の中で本当にこれが安心と、そしていざとなったときには安全装置になるんだと思っていただけるようなそういう考え方整備をしていく必要があるなということをつくづく感じているところであります。
  11. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ただいま大臣のお言葉の中から、命の道、国民意識が変わったというお話ありました。是非とも、本当の国民目線ということで必要な社会資本整備、続けていただきたいと思っております。  次の質問に移ります。  また、私は以前から、今までのBバイC考え方だけでは社会資本の全ての効用を表現できないのではないかと、こういうふうに言ってまいりました。そこで、質問いたします。社会資本整備に対して、東日本大震災の経験を踏まえて、事業評価を行う際に何か変わったこと、又は新しく何か取り入れた方法などがありましたら、教えていただければと思います。
  12. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) 岩井茂樹先生の御質問お答えをさせていただきます。  まず、社会資本整備、今回の東日本大震災で何が変わったのか、何が新しく変わったのか、そういう手法になったのかという御質問であったと思います。  まず、もちろん道路についてでありますが、震災のときの対応、今大臣もおっしゃいましたこの命の道としての救急搬送、また地域活動地域活性化についても多岐に道路はわたっております。この東日本大震災、また、もとより九月に台風十二号に伴う豪雨についても、現在開通している道路救急搬送、そしてまた救急物資、そういう搬送に非常に効果が、役に立たせていただいたと。そういう面に大きく貢献したということに対して、今後、防災面効果現行の三便益BバイCだけでは十分に評価ができない、こう考えております。  今後、道路事業の目的、効果に見合った多様な評価手法を更に追加をして評価実施をしていかなくてはいけない、このように考えております。まさに三陸沿岸道路等新規事業への評価を適用をさせていただきました。今後とも、評価手法の充実を更に図っていきたい、このように考えております。
  13. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ただいまのお言葉の中、要約すると、防災面での効果評価に入れていこうというようなお話かと思います。  そこで、先ほど述べました平成二十四年度の新規事業概算要求の中で直轄十三事業、この着手を了承した件について、具体的に何らか震災から学んだ知見、これは評価に入れられているんでしょうか。
  14. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) お答えをいたします。  今回の震災、また高速道路が果たした役割をいろいろと踏まえて、地域のまず孤立化を防ぐ、これは非常に重要なことであり、さらに、ネットワーク多重性確保をしていくためにはさらにこのミッシングリンクの解消、大臣もおっしゃいましたけれども、強い幹線道路ネットワーク整備することが改めて必要である、このようなことを認識をいたしました。  さらに、この平成二十四年度の予算要求に係る新規事業化、その候補地でありますが、これまでは渋滞とか交通事故等状況判断をしたところが非常に強いところでありますが、この度は津波又は浸水地域の有無、さらには代替路状況などをしっかりと判断をしながら、災害面にも着目した必要性の高い評価箇所として選定をしていきたい、このように考えております。
  15. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 防災面の指標をしっかりと入れていくということで、是非ともその考え方で今後もやっていただきたいと思っております。  さて、今のお話関係しますけれども、この十三事業のうち、私の地元の静岡県、伊豆縦貫自動車道について少しお尋ねしたいと思います。  震災前より、伊豆縦貫自動車道必要性地域住民方々から訴えられてまいりました。この道路沼津市や三島市、伊豆地域と東名及び新東名高速道路を連結することにより伊豆地方高速サービスを提供し、海、山などの自然環境や温泉などの観光資源に恵まれた伊豆地域の発展に大きな役割を果たすとともに、地域医療を支え快適な観光実現安心して生活できる環境実現に資する道路であります。  現在、静岡県は東海東南海南海連動型地震発生が予測され、さらに伊豆半島国道全体の三分の一が雨量等通行規制区間であり、東海地震時には緊急輸送路である国道百三十五号、百三十六号が津波により浸水し、迅速な救援活動に支障が出るおそれがございます。伊豆縦貫自動車道整備により、雨量等通行規制区間東海地震による津波浸水区域等を回避し、災害時における安全性信頼性確保することができます。  にもかかわらず、現在、伊豆半島における高規格幹線道路伊豆縦貫道の一九%しか供用されておりません。このような状況において、いざ災害発生した場合、住民方々そして観光客、どうやって避難すればよいのでしょうか。災害時には交通多重性があり、避難救援物資運搬観点からも道路は必要であります。  ここで伊豆半島をほかの半島と比較して説明しますと、お手元資料二のとおり、伊豆半島道路供用率がほかの二つ半島に比べてはるかに低いにもかかわらず、ほかの二つ半島以上の観光客を誘致しており、道路供用率が上昇することによる便益はかなり高いことが予想されます。また、医療面でも伊豆南部地域には救急救命を担う第三次医療施設がないため、伊豆南部地域には当該施設まで六十分で到達できない地域が広く存在しております。伊豆縦貫自動車道整備により、全整備時には伊豆半島全域が六十分圏域となり、人命救助観点からも非常に重要となります。伊豆縦貫自動車道はこのような重要な意義を有する道路であり、その迅速な建設を強く要望いたします。  それらを踏まえ、前田大臣に重ねて確認いたします。ただいまの十三事業について、これは実施されますよね。確認いたします。
  16. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 社会資本整備審議会のこの結論を踏まえて、十三事業については省を挙げて予算要求を今やっておるところでございます。  委員指摘の、この伊豆縦貫というものの重要性というものも、この三・一一の被災を踏まえると非常に緊急性とそして重要性が高いと、このように思っております。
  17. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ただいまの言葉を聞いて、本当に力強く感じました。是非よろしくお願いいたします。  さて次に、今まで述べた観点から、今度は静岡沼津市の公共投資について質問させていただきます。  沼津市は、東海地震の際、津波の高さが最大十・四メートルと想定されております。このような災害発生した場合、避難路確保災害後の救助物資運搬などが喫緊の課題となります。  そこで質問をいたします。  現在、沼津周辺エリアでは東名高速道路スマートインターチェンジ要望が本格的となっております。お手元資料三を御覧ください。沼津市と中日本高速道路国土交通省中部地方整備局静岡県などは、十一月十七日に地区協議会を設立したと、こう書かれておりました。スマートインターチェンジは、簡易な料金所の設置で済み、料金徴収員が不要なため、従来のインターチェンジに比べて低コストで導入され、また、従来のインターチェンジに比べて混雑しにくいなどのメリットがございます。  それらを踏まえて質問をいたします。このようなスマートインターチェンジ観光面だけでなく防災面で見ても早期の着工が望ましく、今後の手続を考えますと、地方公共団体から国へ連結許可申請が行われますが、国としては早期連結許可を行うということでよろしいでしょうか、お尋ねいたします。
  18. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) お答えをいたします。  このスマートインターチェンジ整備箇所の決定については、国による連結許可とともに、日本高速道路保有債務返済機構高速道路会社との間で協定変更がまず必要になります。したがいまして、全国の個別呼称の検討の熟度、さらには料金等を含めた協定変更のタイミング、さらには年一回程度まとめて実施会議をさせていただいております。  この連結許可の時期については、引き続き、箇所箇所の検討熟度、更に検討期間等、情報を交換しながら前向きに積極的に調整をしていきたい、このように考えております。
  19. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 今、政務官から検討の熟度又はタイミングというお話がありました。ただ、災害は待ってくれません。是非とも早急な着工というか、お願いをいたしたいと思います。  さて、最後質問になります。運送業界の運賃制度についてお尋ねをいたします。お手元資料五を御覧ください。  お手元資料にございますように、国土交通省の認める基準料金と、その料金を遵守させるためのタクシーメーターのような基準運賃料金算出半固定式メーターの普及を国土交通省へ働きかけているというものでございます。  この二点を推進するかどうか、国交省の見解をお伺いいたします。
  20. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) お答えいたします。  トラック運賃についてはこれまで以前ですと免許を許可制に変えたりしながら規制緩和をしてまいりました。その規制緩和を進めてから、現在の料金については事後届出制というふうに規制緩和をされております。  適正な運賃の収受のための取組等に関して昨年の秋から関係者の皆さん方に集まっていただき、ワーキンググループを設置をさせていただき更に検討を進めさせていただいております。この中で、トラック輸送の実態調査等を踏まえ、適切な運賃の収受に関してどのような施策、方法が必要であるのか更に検討を深めて進めてまいりたい、このように考えているところであります。
  21. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 本当に運送業界、厳しい労働環境又は低賃金という中で多くの方々が大変な思いをされておりますので、その辺りも、時間もタイミングも早くしっかりとした対応是非ともよろしくお願いいたします。  本日は、公共事業、その災害を考慮した検討、必要かというお話をしました。地元のお話をしましたが、これは全国に共通する話題でございます。是非とも、是非とも真摯な対応でこれからも検討、そして実行を行っていただきたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。
  22. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 自由民主党・無所属の会の佐藤信秋でございます。  一月ほど前に大臣の所信に対して質問をさせていただきました。そのときに時間がなくて伺えなかった件と、それから、もう少し念押しをしておきたいなと、その後の状況の変化で、というような問題がありますので、改めて質問に立たせていただきました。  最初に、この前も大臣にもお伺いしましたけれども、一括交付金の問題が、最近の新聞を見ていますと、また更に二十三年度よりも増やすと、そして政令市等にまで拡大しようというようなことが、これは新聞の情報ですが、見させていただいています。これ実は、知事さんたちも、私の知っている限りでは公共事業費を削って一括交付金にしてくださいなんて誰も言っていない。むしろ、従前の公共事業費、インフラ投資を確保しながら一括交付金というような形で地方の単独事業を少し手当てができるようなと、こういう思いが大きかったというふうに私自身は知事さんたちからは聞いています。  そういう意味で、表の一に出させていただきました、このように出させていただきましたが、二十三年度は公共投資という面で見れば、二十二年度に対して三千億削られて、なおかつ一括交付金を含めても三千億削られていると、こういう状態で、実は私、いろんな首長さんたちともお話をしたりしていますが、いや、そんなことになったら世も末ですよねみたいなお話があらかじめありました。公共投資五・八兆、これは民主党のマニフェストで一・三兆お切りになると。これが一年間でお切りになられて、さらにそれを削った上で一括交付金五千億、世も末ですねというような感想をいただいている知事さんもいました。これは、政策目的をきちっと発揮しているか、こういう面からいくと甚だ疑問のところがあるなと。資料の二に細かい内訳等も出させていただいていますが。  例えば、今度、津波法案なんかも出していただいておりますが、ある種事業をしようとすると、最盛期にはその地域と時期に随分偏りが出て、順調に防災対策、津波対策をやろうというようなことになってくると一時期の財政需要というのは非常に大きい。そうした点を考慮しながら、内容をどういうふうに、どういう水準で政策目的を達成していくかと、こんなふうなことが必要なので、これを公共投資、既存の投資、公共投資切りながらというのは問題だろうと、つくづくそう思っています。  後藤副大臣、せっかく来ていただきました。この一括交付金というのは、政策目的をちゃんと達成しているというような形に使えているかどうかと。これは、実は今年始まったばかりで、県でもいろいろ困ったりしながらまだ十分な執行ができていない状態だとは思います。思いますが、政策目的と、こういう関係からいっていかがなものかという点についてお尋ね申し上げます。
  23. 後藤斎

    ○副大臣(後藤斎君) 先生御指摘のように、都道府県、市町村含めていろんな御意見があるのは十分承知しております。  先生おっしゃるとおり、政策目的を達成しているかというお尋ねでありますが、これはもう何度も私以外の担当者からも先生に御説明をしているように、この一括交付金化というのは、地方自治体の自由度を拡大をし、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決められるようにする、地域主権改革における大きな課題だというふうに思っております。  せんだって、十一月の十一日から一週間掛けて、今年度からスタートをしました地域自主戦略交付金に関する都道府県アンケートというのを実施いたしました。その中でも、大いに評価またある程度評価という回答をいただいた自治体が約七割、そしてあわせて、より自由度の拡大が図られるよう事業メニューの拡大を図ってほしいということと、先生が問題意識を持たれているように総額確保是非拡充をしてくれというふうなことで、アンケートの結果がまとまっているところであります。  また個別にも先生のところに御報告に行きたいと思っておりますが、いずれにしましても、この流れというものはこの評価を受けながら、また今、地域主権戦略会議や国と地方の協議の場も含めていろんな議論をさせていただいております。  その中で、市町村分についても平成二十四年度からスタートをするというふうな検討をすべきだという閣議決定も昨年実施をされておりますが、これについては、まず都道府県に一番権能、そして規模も似通っている政令市をまず二十四年度はスタートをしようということで、先生の御懸念というのは十分に理解をする部分もございますけれども、やはり地域ができるだけ責任を持って決められるという流れはできるだけ加速をしながら、あわせて先生の御懸念が少しでも払拭できるように、今予算編成過程に向けて関係省庁とも、また地方自治体とも十分議論しながら最終的に決定をしていきたいというふうに考えております。
  24. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 そこで、マニフェストとの整合性で申し上げれば、七・一兆のインフラ整備を一・三兆切った五・八兆と。この五・八兆に一括交付金を上乗せする、これなら分かりますけれどもね、これなら分かります。五・八兆プラス一括交付金幾らか、五千億か八千億か一兆円かですね、そこにプラスする。是非、そういうことでお願い申し上げたいなと、こういうふうに思っています。  市町村長たちなんかと話していますと、社会資本整備一括交付金と、こういう形である程度慣れてきた。あるいはまた、補助金そのものは、やはりこれをしっかりやらなくちゃというようなことについては補助金でという形でやってほしいという声も非常に強いんですね。  ですから、総額は増やすということと、これはもう要望です、総額を増やすということと、それから市町村長たちの意見も十分聞きながら、プロセスを経てどうしていくかということをお考えいただきたいというのをつくづくお願い申し上げたいと思いますが、いかがでしょう。
  25. 後藤斎

    ○副大臣(後藤斎君) まず、後者の市町村の意見も十分聞きながらという点につきましては、この間も市長会、町村会、また議長会も含めていろんな議論はさせていただいております。特に、一括交付金は、やはり年度間事業変動が大きいということで、できるだけ慎重にという特に町村会の意見はございます。ただし、中核市や政令市などは逆に言えば積極的な部分ございます。これを総合的に判断して、先ほどもお話ししたように、まず二十四年度は、権能また事業規模も都道府県に準じているという政令市をまず二十四年度からスタートさせようというふうに思っておりますし、またこれからも、先生御指摘のとおり繰り返しになりますが、地域主権戦略会議や、また国と地方の協議の場、また私たちも直接市長さん、町長さんにお会いになって、できるだけきめ細かに、また現場のニーズというものも十分把握しながら対処していきたいというふうに考えております。
  26. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 是非、総額増やしながら一括交付金の分を上乗せする。だから、五・八兆円に上乗せする、こういうような形でおやりいただきたいと思いますし、また制度設計の方は市町村長の意見を十分聞きながら。私は、一括交付金、地域自主戦略交付金やって一年目ですが、本音のところは、ちょっと緊急対応といいますか、ピーク時への対応という点について十分対応し切れないなというような意見が強いということを申し上げておきます。直した方がいいんじゃないかと思いますけれども。  そこでもう一つ、せっかく後藤副大臣おいでいただいているので、同様に、地方出先機関の問題を少しお伺いしたいと思います。  特に、整備局を広域連合に移譲するかどうかと、こういうような御議論もあると聞いております。広域連合は、関西広域連合が一応形としては存在はしていると。大阪の場合には、大阪府知事が市長におなりになられて、府と大阪市がどういう関係になるか。大阪都というような構想もおやりになる中で、関西広域連合ということがどういう形でまとまっていくのかというような問題もこれから出てこようかと思います。  そういう中で、整備局だけではもちろんないんですが、やっぱり国が根幹的な施設整備、管理、運営、こういう形でやっていかないと、危機管理はもちろんですけれども、危機管理はもちろんなんですが、国の機能といいますか、あるいは国際的な競争力とか、そういう面でいくと、しっかりと持つべきものは持っておくべきだろうと。実は多少抽象論かなと、こんなところはありますが、しかしネットワークの根幹というのはそういうものなのであって、どこの国でも国がしっかりとやっていきましょうという部分は当然持っているわけであります。  今度の大震災や台風災害、水害もそうですが、でやっぱり整備局、随分大活躍をしていただきました。人数でいいますと、ちょっと調べていただいたら、東日本大震災ではテックフォース、この中にリエゾンも入っていて、市町村にリエゾン、連絡役が行く。この人たちが衛星携帯電話なんかも持っていったりして、随分お役に立っていた。やっぱり市町村長、随分と感謝しておられて、この人たちがマックス一日当たり最大で五百五十人ぐらい出ておられて、全体としては延べでいくと一万八千人、大震災では。それから、台風十二号、十五号でいくと一日最大二百七十五人で、総人数で五千人を超えると。  これはいざというときだけの問題ではありますが、平常時にきちんとした管理しながら、いざというときに動くと、これがまた大原則だと思うんですね。いきなり危機管理だけというか、そのときだけ行きましょうとか、そういうことにはなりません。特に、市町村長や地元に詳しいと。あるいは東日本大震災の場合には、発災した三月十一日の翌日に九州からも車で東北に入っているんですね。そういう機動力の問題、危機管理の問題、それから現場を知っている、あるいは市町村長や知事あるいは行政担当とつながっていると、ふだんのそうしたことがいざというときに生きると、こういう問題があります。  市町村長たちが大変今心配していまして、整備局等を広域連合に移譲と、こういうような議論だけ進められると本当に困るんだと、これはほかの出先機関ももちろんそうなんですね。きちっと評価しながらどうしたものだろうという、きめの細かい議論をしていかないと、いたずらに不安を招く。不安を招くだけならいいんですが、市町村長たちがお集まりになられると最近そういうお話を随分聞くものですから、これは報道だけかもしれませんが、ちょっと走り過ぎかなと。やっぱり、一歩一歩固めていく。地方と、市町村、基礎自治体、それから都道府県、ブロックの何らかの在り方、そして国。そうした役割分担、受皿なんかも併せて議論しながら、先行き道州制ですよというなら、道州制の姿形というのをきちっとして、その中でブロックとしての機能というのはどういうふうに持たせるか、持つのか、都道府県はどうかと、こういう役割分担の議論をしっかりしながらやっていかないと、いたずらに不安を招いて、だからこそ市町村長たち始め大変心配だなと、こういうお話を顔を見るたびに私もされるんで、それはまあちょっと伺ってみようと、こういうので、済みません、後藤副大臣改めておいでいただいたんですが。  私自身は、拙速に出先機関を廃止あるいは移譲、これはやるべきではないと。全体の姿形をどうするか、国や地方の役割分担の形をどうするか、基礎自治体をどうするか、こういう議論を踏まえながら、ステップ・バイ・ステップでいくべき議論だし、本来、危機管理というような機能を持っている整備局を廃止や移譲というのはとても考えられないな、やってはいけないなと、こんなふうに思いながら御質問申し上げるわけですが、特に市町村長たちが大変に心配しているというのも実態でありますので、その辺よくよく意見聞きながら、ステップ・バイ・ステップでやっていくんだということを是非お答えいただきたいと思いますが。
  27. 後藤斎

    ○副大臣(後藤斎君) 先生おっしゃるとおり、国と地方、地方の中でも都道府県、基礎自治体というふうに当然今機能分化、役割分担がされているというふうに思っておりますし、私たちもいたずらに地方の皆さん方の不安を惹起をして進めるということは毛頭考えておりません。  ただし、先生も御案内のとおり、過去いろんな議論が出先機関を含めてございました。いろんな議論がある中で、やはり国と地方の役割分担をまさに先生おっしゃるようにどうしていくのか、そして、住民に近い部分でやはり意思決定をした方がいいだろうという意見もたくさんございました。そういう中で、私どもは現在、昨年末の閣議決定をされたアクション・プランに基づいて、その方向感を地方また関係省庁とも議論をしながら取りまとめているところであります。  先生がお尋ねのような関西広域連合は、法的には広域連合として認められている部分であります。そういう意味で、関西並びにそれに準じた形で九州広域連合的なものがございますが、そこの二つの大きな固まりからは、先生御案内のとおり、経済産業局、地方整備局、地方環境事務所の三事業、三省庁の出先の部分を移譲をして自分たちの広域連合でやりたいという発意は既にいただいております。  そういう中で、これからまさに政府の中でも関係省庁とも議論をさせていただいておりますが、先生お尋ねのように一番多分課題として大きなものの一つは、緊急時、本当に大きな災害のときのオペレーションをどうするのかと。先生おっしゃっておられるように、平時からその積み重ねをしないと、緊急事態になったときだけにその機能が発揮をできないという御指摘も当然議論をする中でも大きな視点として出ているものであります。  それをどう適切にオペレーションがまず運営主体としてできるかということは、これから年末また来年に向けていろんな議論を政府の関係省庁とも十分議論をいたしますし、また市町村長を始め地方の皆さん方ともその部分については、先ほど一括交付金の部分もそうですが、地域主権戦略会議、また国と地方の協議の場、いろんな多様な意見がございますので、そういう部分と十分協議をしながら、先生がおっしゃるように、地方の皆さん方が不安の中で突入をするのではなくて、地方の皆さん方にも理解をしながら前に向けて進めていくというのが私どもの役割だというふうに思っていますので、先生の御指摘は十分承って、これから政府の中、また地方とも協議をしてまいりたいというふうに考えております。
  28. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 この問題ばっかりで時間が大分過ぎてしまいましたが。  広域連合というのは、選挙で選ばれた首長さんがおられるわけではない、選挙で選ばれた議会があるわけではない、予算として独立したものを持っているわけではない、歳入歳出、そういう中での議論ですから、まあちょっと乱暴過ぎるなということを申し上げながら、後藤副大臣十分お分かりだと思いますが、申し上げながら次の質問に入りたいと思います。  大臣、八ツ場ダム、これだけの大震災以来、今の御議論もそうですが、大震災以来といいますか、やっぱり危機管理というのは大事なことなんだなと、想定外とは言いながら想定できる範囲というのがまあかなり広々、広めに考えなきゃいかんなと、これが行政、政治の責務だと思いますが。  そういう意味で、八ツ場ダム、地元の皆さん、それから一都五県の知事さんたち、大変、一日千秋の思いで早く決めてくださいと、着手を決めてくださいと、こういうように待っておられると思いますが、一言だけで結構ですが、御決意をお願い申し上げたいと思います。
  29. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 一番の専門家であられる佐藤議員からの、全てを、経緯もお分かりの上での御指摘でございます。  十月二十七日の国交委員会でも、このことの進捗具合ということで御質問がございました。あれから一月以上たつわけでございますが、おとつい、関東地方整備局において、事業評価監視委員会ですか、それが開催されて、その結果を踏まえて、昨日でしょうか、関東地方整備局での事業継続という結論が妥当だということを、外部の有識者が入ったこの検証委員会の結果を踏まえて、国交省の本省にその報告が上がってきていると、このように承知をしております。それを受けて、今日の夕刻ですね、有識者委員会が開かれます。その有識者委員会というのは必ずしも一回ということではなしに複数回行われると承知しておりますが、その結果を踏まえて、大臣において予断なき検証を終えた上で決断をさせていただくというふうに思っております。
  30. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 早急に事業再開と、こういうふうに多分おやりいただけるものというふうに勝手に解釈しまして、次に参りたいと思います。  時間がありませんので、資料を用意しました。スーパー堤防の議論ですが、資料の四を御覧いただくと、東京都民あるいは、特にこれは江戸川の例を出していますが、実はゼロメートル地帯というよりはマイナス五メートル地帯、こういうところが結構あるんですね。万一浸水する場合には、例えば学校でさえも一階が水没八十校、二階が水没五校、大変な被害が出る。六十八万人の江戸川の人口で三十七万人が何とか収容できるかと、こういうことですから、そうすると二、三十万人が、三十万人ぐらいですね、どこに避難できるかという議論になる。だからこそスーパー堤防というのは、もちろん堤防強化、治水の問題もちろんですが、ある区間できたって意味ないじゃないのかと、こういう議論ではなくて、それこそ安全な高台、避難所を造ると、こういう効用を持たせながらやっていく、こういう議論だと思います。  時間がございませんので、勝手に私の方でこう申し上げて、あと二分なものですから、済みません。  そこで要望です、次。さっき、ミッシングリンクの話がありました。命の道。事業化して、これ多分十年とか十五年掛かると。先ほど十三区間事業着手と、こういうお話ありましたが、十年か十五年ぐらいは掛かるだろうなと、早くてもですね、ということでありますから、ミッシングリンク全体をいつごろまでに解消しようというか、そんな目標を是非お作りいただきながらやっていっていただければと思います。  私自身、二十年ちょっと前ですが、高規格幹線道路網の計画なんかを作るのに多少携わらせていただいた。そのころは、二十一世紀初頭というのがですね、今ごろには概成できるかなという目標を立てて、残念ながら随分遅れ遅れで恐縮です、いつも私は外に向かっておわび申し上げているんですけど、是非あと十年、十五年というような目標をお作りいただきながらやっていただきたいと思います。  時間がありませんので、せっかく用意した資料、ちょっと御覧いただいて、鉄道・運輸機構の利益剰余金の問題であります。資料の五に、一兆二千億円の特例業務勘定の活用をすると、その代わりにJR北海道、四国、九州、貨物、あるいはまた整備新幹線の着実な整備や並行在来線の支援、こういうことでやっていこうということになっております。整備新幹線三区間について是非早く着工の決定をと、こういうふうにもお願い申し上げたいと思います。  時間が参りました。あと一言だけ、今度の大震災と水害で、JR関係随分やられています。伺いますと、東北だけでも三千億とか、只見線入れたら三千五百億とか、オーダー的にはそういうようなオーダーの災害復旧費が必要だということでもありますので、そういう部分もお考えいただきながら、JRに対する支援といいますか、約束事でもありますから、そこに更に復旧等に差し支えがないような支援ということも是非国交省の方でもお考えいただきたいということをお願い申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わります。  ありがとうございました。
  31. 谷合正明

    谷合正明君 公明党の谷合正明です。  前回の質疑では、私は瀬戸内海について取り上げさせていただきました。前回質問通告はしていたんですが時間がなかったものですから、今日は瀬戸内海に続いて今度はジオパークについてまず最初に取り上げたいというふうに思っております。  皆様にお手元に配付させていただいておりますが、ジオパーク、世界遺産の地質版と言われておりますが、現在日本ジオパークで十五地域、赤い点ですね、さらに世界ジオパークとして認定されているのが五地域ございます。私も山陰海岸とか行かせていただいて、非常に面白い、これから可能性を感じる、世界遺産とは違うまた可能性を感じさせるパークでございました。  そこで、ジオパークとは何なのかと。私も、初めて聞く人、初めての人になかなかうまく説明できないものですから、今日はせっかく観光庁長官に来ていただいていますので、観光庁長官に、ジオパークとは何なのかと、初めて聞いた人が訪れたくなるような、そういうようなちょっと説明をまずできたらお願いしたいなと。可能な範囲で結構ですが、よろしくお願いします。
  32. 溝畑宏

    政府参考人溝畑宏君) 先生御指摘のジオパークでございますけれども、これ経済産業省の解説によりますと、解説でございますけど、そこから始まって私が分かりやすく申し上げますので。  これは、例えば日本の中でいえば、昔ながらのそういった地球の例えば隆起でございますとか、火山が活動して例えば断層を起こしているとか、噴火をしてそういったものが残っているもの、そういういわゆる大地の、日本のこの地質にかかわりますそういった歴史というものをきっちりと残したものを称してジオパークと呼んでおりまして、分かりやすく言いますと、大地のいわゆる自然遺産の公園ということで表しております。  今、世界ジオパークというものの認定がございまして、今議員御指摘のこの二十か所、今、日本がジオパークございますが、五か所が世界ジオパークという形で御認定いただいておりまして、そのジオパーク五か所は洞爺湖有珠山、糸魚川、山陰海岸、室戸、島原半島でございます。  分かりやすく少し申し上げますと、私、先日洞爺湖の有珠山に行ってまいりました。ここは百年の間に四回噴火をしておりまして、町民の方が常に噴火の歴史とともに共生をされております。二十年前の噴火のときの歴史、避難したときの様子、そして、その後の残された噴火口からの、こういうガイドのツアーとか博物館とか教育、文化、そういった意味での観光として非常に今人気を博しておりまして、そういう意味では、そういう文化そして歴史、そしてまた、そういう登山とかを含めた観光、こういった多面的な観光としての資源を有している極めて観光としての価値の高いジオパークであるということでございます。
  33. 谷合正明

    谷合正明君 先ほど通告したにもかかわらず、すぐに答弁していただきまして、本当にありがとうございます。  そこで、ジオパークはどこが所管しているんだと。役所の中でどこが所管しているのかということで、いろいろ聞いて回りますと、先ほど冒頭に経済産業省という話が出ましたが、経済産業省が所管しているのかと聞いたら、いや、そうじゃありませんと、いや、恐らく共同で所管しているんでしょうと、共管でしょうと。各役所に聞いても、なかなか自分のところだとは言わないものですから、ちょっとジオパークの位置付けというのが結構曖昧になっているんじゃないかなと私は思っております。  まず、観光としての資源ということで、長官、今言われました。観光庁として、このジオパークをどのようにとらえているのか、ちょっと先ほどとかぶるかもしれませんが、改めて確認させていただきたいと思います。
  34. 溝畑宏

    政府参考人溝畑宏君) 先生御指摘のとおり、このジオパークということにつきましては、いわゆる自然遺産、いわゆる文化遺産ということでございますので、保全、保護という面もございます。また、教育という様々、多面的な面を有しておりますが、我々観光庁といたしまして、非常にこれは、先ほど申し上げました観光として非常に意義のある施設であると、スポットであると思っておりますので、関係省庁、そしてまた、それがございます自治体と連携を取りながら、一つの観光の魅力ある資源として我々積極的に活用していきたいというふうに考えています。
  35. 谷合正明

    谷合正明君 そこで、世界遺産とジオパークの違いは何かということで申し上げれば、世界遺産というのは基本的には保護をする目的だと思うんですけれども、ジオパークの場合はそれにとどまらず、地域活性化のために大いに活用していいんだと、観光のために使っていいんだという代物なんですね。  ただ、課題がありまして、大きく二つ指摘されています。まず一つが知名度の不足。もう一つは広域連携という課題です。  知名度がないものですから、観光に大いに利用したいと思っても、初めて聞く人がジオパークといっても何だかよく分からなくて、ジオパークに行ってみようということにならないということで、ジオパークに認定されている地域では、政府に対しても要望されておるわけですが、国内外の誘客を図るため、ジオパークの知名度を上げる戦略を図ってほしいと、そういうような要望も入っております。また、ジオパークは広域、市町村越えたり、都道府県越えたりするエリアで成っておりまして、都道府県、市町村の広域連携を支援するような仕組みというのもないだろうかというような要望もあるわけですね。  この知名度と広域連携についての観光庁としての取組を聞かせていただきたいと思います。
  36. 溝畑宏

    政府参考人溝畑宏君) お答えいたします。  まず、これは地域、やはりジオパーク自体が地域の方にとって非常にブランド性のある観光資源であるという御認識をしていただく必要があると考えておりまして、これにつきましては、我々、その県境をまたいだそれぞれの市町村が連携をするような形での観光資源をつくったり、あるいはネットワークをつくる、プラットホームの形成という事業の中で応援していきたいというふうに考えておりますし、また今後、海外に向けてもやはりジオパークというものの持っている、PRするために、ビジット・ジャパンの地方連携事業というもので、これ国が二分の一の補助ということを行うことになっておりますが、地元自治体と連携を取りながら、海外に向けてのそういう広報というところでも強化してまいりたいと。  また、ニューツーリズムという観点から、やはり今この五か所、非常に熱心にこのジオパークをアピールされておりますので、そういう観点からも、観光庁としても一つの貴重な観光資源として積極的にアピールしていきたいというふうに考えております。
  37. 谷合正明

    谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。  それでは、公園ということに関連するわけではないですが、別の角度から質問をいたします。それは、まあがらりと変わるわけですが、この震災の後の公園造りと。  実は、関東大震災の後に復興事業ということで復興公園というものが造られております。例えば、東京の隅田公園、それから浜町公園、錦糸公園、これは三大公園ということでございます。また横浜でも、国が復興公園ということで山下公園などを整備してきたわけでございます。これは大きな公園です。さらに、小さい公園ということで、東京市が小学校に隣接するような形で小公園というのを造ってきた。  これは、震災の教訓として、火災の、これを防いでいくという目的で造られてきたというふうに聞いておりますが、震災後の復興事業で、東京の公園のストックというのは飛躍的に向上したと。むしろ、下町における緑地公園というのは、それ以降、追加的に公園というのは増えてないと。ですから、関東大震災後に造られたこの復興公園が基盤になっている。  それから、小学校と公園をセットにする、防災拠点とする方式は、ここで初めて取り入れられたわけですけれども、名古屋とか神戸にも広がっていったわけですね。神戸で阪神・淡路大震災が起きたときも、まさにこの防災拠点としての意義が再確認されてきているわけです。  この復興公園は、大正の大震災のときに、受けて造っているわけですけれども、公園の先進国、アメリカの視察団が訪れたときも、この復興公園の建設の規模とかスピードについては極めて優れたものだと称賛しているわけですね。そういうような歴史もございます。改めて、今回の東日本大震災で、震災後に公園を造りたいといういろんな各地からの話も聞いております。  先般成立しました三次補正予算におきまして、国交省の予算にメモリアル公園等の在り方検討調査というのがあり、これは五千万円計上されております。五千万円のこの調査というのは、一体これはどういうものを、今回三次補正予算では何を狙いとしてどういうものを調査、具体的な詳細というのは何なのかというのをまず明らかにしていただきたいと思います。
  38. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) 先生がお考えのとおり、この東日本大震災を後世にしっかりと残し、また次世代に伝えていくということが非常に大切なことだと思っております。  そういう中で、今の御質問でございますが、東日本大震災からの復興の基本方針にも掲げております地元の発意による鎮魂と復興の象徴となる丘、森、施設整備を検討するとの方針がこの復興基本方針の中に含まれておりまして、また被災地の自治体からもこのメモリアル公園の整備を国において行ってほしい、このような要望が今現在出ているところであります。  このため、今先生がおっしゃいましたこの第三次補正予算において、東日本大震災の記録を残していくために、教訓と、次世代に伝承するとともに、復興の象徴となるメモリアル公園等の在り方を検討していき、そしてその五千万円の調査費を計上させていただいておりまして、この機能、規模、内容等について、被災以降、自治体の御意見を十分にお伺いをしながら年度内を目標に検討していきたい、このような考えをさせていただいております。
  39. 谷合正明

    谷合正明君 そういうことということであれば、どういう調査を行うとか、例えば検討会をつくるとか有識者検討会つくるのか、あるいはコンサルタントに何か丸投げするのか、様々ちょっとよく見えないところもあるんですが、それも含めて年度内に詳細を決めていくということなんでしょうか。  もう少しちょっとこの五千万円の使い方を分かる範囲で教えていただきたいんですけど。
  40. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) お答えを申し上げます。  今、この希望を出されているのは岩手県と茨城県ということでありまして、陸前高田からなども、複数の自治体からも国において行うようにというような希望、要望がなされておりますが、今現在国と地方の役割についても更に検討を加えたい、このように考えておりますが、事業手法、また管理主体等についてもさらに被災自治体の希望、要望、さらに関係者の御意見を更に踏まえて検討したい、そういうことで今進めておりますが、専門家によっての、御意見を聞くということは今現在進めておりませんが、いずれそのような専門家の御意見も聞きながら早急に対応していかなくてはいけない、このようには思っております。
  41. 谷合正明

    谷合正明君 そのメモリアル公園というものが国営なのか県営なのか市営なのか、管理運営を誰がするのかということもまだ決まっていないということだという答弁だと思います。  陸前高田市からは、私も今回、現地委員会視察で行きましたけれども、国営防災公園という希望をされているんですけれども、まさに、何というんでしょうね、この五千万円というのは、陸前高田市の要望されている国営防災公園のこの設置を念頭にした予算だということでよろしいんでしょうか。
  42. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) 陸前高田の御要望だけの調査費ではありません。さらに、岩手、宮城県からも希望出ておりますが、陸前高田市の希望のみでこの予算計上ということではありません。
  43. 谷合正明

    谷合正明君 私は、陸前高田市を始めとした公園の構想というんですかね、これ自体はすごいすばらしいことだと思います。ただ、三次補正で五千万円ですね、これは十数兆の全体の中の僅かな予算かもしれませんけれども、何か具体的に、じゃ、どうなっているんだと聞いてみると、なかなか何か具体性のものが出てこないものですから、本当にこれは有効に使えるかどうかというのをちょっと疑問に思いました。これ年度内に計画されるということですから、しっかり詳細を詰めていただきたいというふうに申し上げたいと思います。  それでもう一つ、今回の視察で要望が強かったのが鉄道のインフラ復旧でございます。  時間がありませんので、ちょっとはしょりますけれども、私が聞いているのは、三陸鉄道の二路線、それからJRの七路線で全体で三百九十キロほどがいまだ不通状態であるというふうに聞いております。  まず、三次補正予算で第三セクター旅客鉄道復旧支援のための費用として六十六億円が計上されておりますが、具体的にどことかいうのが聞こえてこないんですが、これどのような鉄道会社を支援の対象としているんですか。これ三陸鉄道のことということで理解してよろしいんでしょうか。
  44. 久保成人

    政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のように、東日本の大震災で多くの鉄道被災をいたしましたが、今回の三次補正予算で新たな支援制度の創設を盛り込んでおります。これは、具体的には復旧費が鉄道の年間収入を上回るといったような大きな被害を受けて、そもそも経営が従前から赤字基調であるというような鉄道については、復旧に際して自治体さんが鉄道事業者に代わって施設を保有すると、すなわち地域の足を維持するんだという姿勢を明確にされた場合には国と自治体の補助率を二分の一に引き上げると、そういった内容でございます。  これの対象ということでありますけれども、今言ったような要件に合致する鉄道は、今のところ、三陸鉄道、仙台空港アクセス鉄道、茨城のひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道の四鉄道というふうに考えております。
  45. 谷合正明

    谷合正明君 分かりました。  それで、もう一つJRの方ですが、もう時間がありません、JRもやはり七路線、これ不通。ただこれ、むしろJRの方、復旧の時期すら明示されていない路線が多いわけですね。JRとしては国の支援というのを求めているんですけれども、国としては黒字企業に対する支援はしないという板挟みの中で、結局被災地被災者にとって復旧が遅れてしまうんじゃないかという懸念があると私は思っているんですが、国として、国交省として、町づくりと一体的に復旧を行う中でどのような形でこのJR東日本の復旧事業支援しようと検討しているんでしょうか。
  46. 久保成人

    政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のJR東日本の路線でありますけれども、七路線という御指摘のうち一路線、これ八戸線ですけれども、これ復旧期間を明示しておりますが、御指摘のように六路線については町づくりと一体となった復旧を検討する必要があると、こういう状況であります。  これら六路線につきましては、既に地元の自治体さん、当事者のJR東日本会社、そして私どもの出先の機関であります東北の地方整備局、東北運輸局から成ります復興調整会議というものを立ち上げまして、場合によってはこのルートの変更も含めた復旧の検討を進めております。  これらの路線については、原則はJRさん自らの責任で復旧するものと考えておりますけれども、そうはいいましても、鉄道が移転する場合の用地確保等については、これは町づくり計画の具体化を図る過程において事業の実施者と鉄道事業者との調整により必要な措置がきちんとなされるよう私どもとしても検討してまいる所存であります。
  47. 谷合正明

    谷合正明君 時間が来ましたので終わりますが、鉄道復旧については全体的なスケジュール、目標をしっかり明確にしていただいて、早期復旧復興を望みまして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  48. 上野ひろし

    上野ひろし君 上野ひろしでございます。よろしくお願いします。  度々の質問になりますけれども、まず八ツ場についてお伺いしたいと思います。  八ツ場ダムにつきましては、前田大臣はこれまで、平成二十四年度政府予算案に反映できる時期までに結論を得る、それから年を越えることはないという旨の発言をされております。もう既に十二月に入りまして、大変時間も限られているということだと思います。今後どのようなスケジュールで検討を進めていくのかということをまずお伺いをしたいと思います。  その際に、大臣は記者会見におきまして、「今後の日程については、非常にタイトなスケジュールだが、あらあら決まっている」とお答えをされております。地元の不安感、不信感を払拭するという意味でも、是非そのスケジュールを具体的にお示しをいただきたいと思います。  また、同じ場面で、「知事さんたちがお入りになる最終的な結論を再確認する検討の場がある」というふうにもお話をされております。こういった一都五県の知事が入る場面でまた議論をするということが今後あり得るのかどうか、併せてお伺いいたします。
  49. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 先ほどもちょっと御指摘しましたように、事業評価監視委員会というところで関東地方整備局に設けられた検討の場の作業が終わって、そこに一都五県の御意見も承って、その結果をその評価委員会で見ていただいて関東地整としての結論を出したというところまで来ております。  そして、それが昨日、本省といいますか河川局に上がってきているというふうに承知しておりまして、今晩に有識者委員会を第一回開いて、そこで、その有識者委員会で検証をしていただく。そして、多分一度で終わらずに、もう一度有識者委員会を開いていただき、それでこの中間報告に示されたスキームはほぼ完了するということになるかと思います。その上で国交大臣において判断をする、このようになると、こう思います。
  50. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。是非早期結論、早期着工、早期完成をお願いをしたいと思います。  その上で、もう一点だけ八ツ場についてお伺いをしたいと思います。  民主党の中でも八ツ場ダム分科会という場で建設継続の可否について議論が行われるというふうに承知をしております。一方で、今大臣からお話がありましたとおり、そのプロセスは現在定められている再検証の手順の中には規定をされていないということだと思います。  また、民主党の輿石幹事長は、前田大臣を中心にきちんと手続を踏んでそうした結論を出した、これは関東地整の結論ですけれども、それに対して党が一つ一つ異議を申し上げたりする話ではない、ともコメントされているというふうに聞いています。  そういった中で、今後、前田大臣が最終判断をするに当たりまして、民主党に対してその議論の内容、党での議論の結果を確認をされる、大臣が党に対して確認をするといった予定があるのかどうか、また大臣の最終判断に、その党での議論というのがどう影響するのかということについてお聞きをしたいと思います。
  51. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 今、党の方で、部門の方ですね、部門会議の方で検討されている、議論をされているということは承知をしております。当然、与党の部門会議でございますから、我々も重要視して、それを、慎重に議論の行方をしっかり見守っていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
  52. 上野ひろし

    上野ひろし君 分かりました。私の方からは、定められた手順に基づいて議論がこれまで進められてきたわけですので、是非そういう経緯を尊重して御判断いただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。  次に、住宅についてお伺いをしたいと思います。  住宅につきましては、生活基盤であるということと同時に、関連産業が非常に多くありまして、経済を支えるという意味でも非常に大きな存在であると思います。一方で、足下の数字を見ますと、新規住宅着工戸数は八十一・九万戸ということで、大変低い水準が続いているということではないかと思います。そういう中で、第三次補正予算におきまして、住宅エコポイント制度、またフラット35の金利引下げの措置というのが手当てをされたということだと思います。  これまで同じく住宅を下支えをしてきたということでいいますと、住宅取得資金に関する生前贈与の非課税措置というのがございます。これは、良質な住宅の供給を促進をするという意味、それからまた高齢者の方々の資産の有効活用という意味からも大変大きな意義があったのではないかというふうに思いますけれども、これまでのこの制度の評価についてお伺いをしたいということと、是非平成二十四年度以降もこの事業を、これまでの経緯も踏まえまして継続、拡充をするべきではないかと思いますけれども、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。
  53. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) お答えいたします。  上野委員とお考えは、まさに国土交通省といたしましても同じ方向で進めていきたいというような考え方を持っております。  更に細かく申し上げますと、今の質問にもありましたけれども、高齢者の保有する眠れる金融資産というものが大きなものがございまして、若年世代等の住宅需要を喚起することがこれによって必要だ、このように国土交通省も思っているところであります。さらに、こうした観点から、住宅の取得資金に関する贈与税の非課税措置、二十二年度は一千五百万、そして二十三年度は一千万に設定されましたけれども、二十四年度はもう一度一千五百万という方向で我々は進めていっております。  ところで、その成果というものは非常に大きなものがありまして、申し上げさせていただきますと、贈与者数は約四万から七万にもう倍増になりました。贈与額は三千七百億円から約七千七百億円に大きく膨れ上がりまして、約二倍増加したところでありまして、さらに生前贈与や住宅取得の促進に大きく寄与したというふうに我々はそう判断をしておりますけれども、経済的波及効果は一兆円程度あったと、このように考えております。このため、更にこの政策を強力的に推進を進めていきたい、このように思っております。
  54. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。是非しっかりと御対応いただければと思います。  時間が余りないので、最後質問になりますけれども、先般、災害対策特別委員会でありますけれども、私の方からいわゆるスマートハウス、また究極的にはゼロエネルギーハウスのようなものを是非推進すべきではないかという話を国土交通省の方にさせていただきました。その話の中で、例えば太陽光発電設備、それから省エネ家電、省エネ住宅設備、それに加えて電気自動車の蓄電池を利用した充放電システムも活用していくべきではないかという指摘をさせていただきました。  そもそも、地球環境問題という意味からも、電気自動車の普及促進というのは大変重要な話なんだと思うんですけれども、その中で、新車の電気自動車だけではなくて、いわゆるコンバージョンEV、中古自動車を改造した電気自動車の普及促進を図るということも、これは中古自動車の流通の促進を図るという意味からも、また自動車整備業界の方々が持っている大変高い技術を有効に活用するといった意味からも大変重要なのではないかと思っています。  そういう意味で、まずは国土交通省の方に、規制という面から、このコンバージョンEVの普及促進といった観点から何か手当てができないか。それから、自動車産業を所管をしているという立場から、今日、経産省の黒田審議官にお越しいただいておりますけれども、こういったコンバージョンEVの普及促進について、特に電気自動車は、今新車については購入支援があるんだと思うんですけれども、そういったものも適用できないのかということも含めて、普及促進策について検討いただきたいということをお伺いをしたいと思います。
  55. 室井邦彦

    大臣政務官室井邦彦君) 国交省考え方としてどう取り組んでいるかということを御報告したいと思います。  まず、改造電気自動車、これはやはり安全性、そしてまたそういう安全性にかかわる信頼性確保をしていかなくちゃいけないという点から、いろいろと学識経験者また改造事業者の皆さん方に御意見を聞きながらその対策をまとめました。それもう先生御承知かと思いますけれども、改造電気自動車のガイドライン、今年の四月に制定をいたしたところであります。このガイドラインの周知徹底を更に国土交通省としては図っていきながらこの事業を進めていきたい、このように考えておるところであります。このような改造自動車を更に将来において進めていきたい、このように考えております。
  56. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 時間が参っておりますので、簡潔に願います。
  57. 黒田篤郎

    政府参考人黒田篤郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、経済産業省では電気自動車の購入費用の一部の補助の事業をしております。この事業は、初期需要を創出し、量産効果のある価格低減を促進することを目的としております。このため、ベンチャー企業の改造EVを含め、現在、一定の仕様に基づき量産される電気自動車を支援の対象としております。  なお、既存中古車を個別に改造するとの量産型ではない改造EVにつきましては、その性能、安全性、コスト等の課題を踏まえた今後の市場ニーズを見極めながら、引き続き対応を検討してまいりたいと思います。
  58. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございました。  安全性確保はもちろん大前提であると思いますけれども、是非このコンバージョンEVは大変可能性がある話だと思いますので、引き続き検討をお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。
  59. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 私は、前回、十月二十七日の当委員会での質問は、海上保安庁の海上警察権の強化について質問をさせていただきました。政府の方も、また国土交通省も、昨年からこの海上保安庁の警察権の強化については積極的に取り組んでいただいて、これが一月に基本方針をまとめ、八月にはいわゆる中間取りまとめが行われたということでした。そこで、私の方から、これは早く法整備をして、是非提出し、成立すべきであるという質問をいたしましたところ、前田大臣あるいは松原副大臣から、来年の通常国会を目指して提出するつもりであると、大変心強い答弁をいただきました。誠に有り難かったわけであります。  領海警備の、要するに海上警察権の強化というのは、まあ当然のことなんですけれども、昨年の中国漁船のああいう事件、領海侵犯ということから端を発して、本当に日本のこの広い領海をどうやって守っていくかと。それには、海上保安庁法にも、自衛隊法もそうだと思うんですけれども、領海警備という言葉がないんですね、法律に。これ非常に不思議なことなんですけれども、領海警備というのは自衛隊法にもないんですよ。ですから、あれ、じゃ、どういうふうに、じゃ、領海警備していないのかというと、あれは調査研究ということを拡大解釈した形の中で海上自衛隊も警備行動をしているということなので、非常にこういった意味では法整備が遅れているということですが、いずれにしましても、そういうことで強化をしていくという前向きな答弁があったので、私は是非評価をいたしたいと思っています。  そこで、今日は時間がありませんので、尖閣諸島のことについて質問をさせていただきたいと思いますが。  まず、尖閣諸島の灯台が今設置されていますね。これは小さな民間企業が、民間人が設置したということで、しかし、たしかこれは管理監督は海上保安庁で管理していると思うんですけれども、この今、まず最初にといいますか、簡単に、灯台が機能をしているのか、それからこの整備については定期的に上陸して点検していくのか、それからまた、今後この灯台をもっとしっかりしたものに強化、整備、能力を含めて、機能を含めて、そういうつもりがあるのか、この点についてお答えをいただければと思っております。
  60. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 今先生御指摘のように、私ども海上保安庁が魚釣島にございます灯台を管理いたしております。大体年間一回ぐらい数人で上陸いたしまして、電球は切れていないかとか土台が揺らいでいないかとか電気がついているかとかというのを点検をいたしまして、所要の整備をしているところでございます。
  61. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 まあ最低限のことをやっているということですよね。  しかし、この灯台の能力というのは大体十キロメートルぐらいしか届かない。ですから、日本の漁船が操業しようとしても、非常にあそこは波の高いところでありまして、非常に台風の到来も多いということですから、今現在の灯台の能力をただ維持管理しているだけでは、これはとてもじゃないけれども安全操業、我が国の、そういうことに対応できないんじゃないかと。これを、大臣、強化する、こういうおつもりはありませんか。
  62. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 藤井委員のこの前の御指摘もそうでした。ちょうど一年前、尖閣問題があって、ちょうど私、そのころ参議院の予算委員長をやっておったわけなんですけれども、この問題で、予算委員会はもうほとんどこの問題一色だったという記憶があります。あの当時の議論のことを思い浮かべながら、今、藤井委員の御質疑の含意といいますか、そういったことを察するに、委員の危機感というのはよく分かるわけであります。  しかし、今のところ、要するに、非常に、日本の領土であるということで一切どうこう、他国との関係というものはないわけでございますが、その後こうやってまあまあ落ち着いた環境の中で我が国の領海というものの警備を海上保安庁が一生懸命やっている中で、この灯台の機能はまあ何とか果たせているものというふうに考えておりますが、委員の御指摘というものもよく分かりますので、今後こういった面での強化ということについても慎重に検討をしてまいりたいと思います。
  63. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 前回の答弁と大分違ってトーンが下がっているような答弁で、余り心もとないような答弁で、残念でなりません。  というのは、竹島の問題もありますけれども、実効支配というものを、我が国はちゃんとした固有の領土であるという立場ですから、我が国は、そのために、灯台一つとっても、本当に心もとない灯台をただ管理しているというだけ。  今後についても、領海警備、警察権を強化するということは非常に結構なことですけれども、実際あそこで漁業したいという漁民も大勢いらっしゃるわけですよね。そういった人たちの安全操業、ということは、ここは気象予報もされていないんですね、この尖閣諸島は。そういう意味では、やっぱり漁船が、漁民が漁業を行うについては気象情報とか、あるいは灯台、安全航行、それからできれば、今日は質問する時間がもうないんでまた次回に譲りますけれども、そのために避難港をつくってほしいとか、最低限そういったことをしっかりと明確にして方針を出すことによって、あの石垣島あるいは宮古島、そういった人たち、与那国島の人たちが尖閣の、豊富な漁場ですから、そういった安心、少しでもできるように、ああ、日本はちゃんと法律的にも、また、いわゆる設備においても、あるいは気象情報においてもやっぱりしっかりやってくれているんだなという安心感を与える、これが結果的には実効支配につながっていくものだと思います。  何もあそこ、自衛隊を、海上保安庁を上陸させてどうのこうのという、そういうとげとげしい話をいきなりするんじゃなくて、やっぱり漁業の安全、そして気象情報の的確な情報を提供する、そして、そのことによって漁民の皆さん方が少しでも豊富な漁場に行って操業ができるような、こういったことが結果的には領海を守る、そして領土をやっぱりしっかりとした形の中で目に見えるようにしなきゃいけないと思っています。  あのときは、今、前田大臣も話がありましたように、予算委員会はほとんどこの問題で費やされたと思いますけど、東日本大震災、原発事故が起きまして、何かこの問題がだんだんだんだん遠いかなたに追いやられるような私は危機感を持っているものですから、あえてこの委員会でこのことについて発言をさせていただきまして、もし大臣から何か一言あればよろしくお願いします。
  64. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 藤井委員の御指摘も踏まえまして、まずは海上保安庁法の改正ということになりますか、この強化ということを是非通常国会においてまずやり遂げて、一歩一歩前進をしていきたいと、このように思います。
  65. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 そのことはもうお約束いただいたということで心強く思っていますし、我が党もそういったことについては積極的に賛同いたしたいと思います。  いずれにしましても、一歩一歩でありますけれども、着実に我が国の領土であるということを国民の皆さん方、あの地域の皆さん方に示せるように頑張っていただきたいと思います。  以上で終わります。
  66. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  東日本大震災被災地のバス路線の復旧支援について伺います。  自らも被災をしながら、被災地住民の皆さんの足を守ろうと懸命に努力されてこられたバス事業者、また従業員の皆さんに敬意を表したいと思います。  私も八月に仙台に伺いました。視察をした際に、宮城県のバスの被災状況を伺う機会がございました。宮城交通では、気仙沼営業所が津波とその後の火災で全壊、焼失。岡田、石巻各営業所は津波による被害、バス、自家用車ともに被害。古川営業所は震災により大きく破損し、建て替えの必要があるとのことであります。また、岩手交通では、大船渡営業所、高田バスターミナルが全壊するなどの被害がございました。  バス路線の復旧については、特に学校関係者から子供たちの足を確保したいという強い要望がございまして、仮設営業所等で早期に再開したという経緯もあるとのことでございます。何とか借地に仮設営業所を建てて路線を運行しているわけでありますが、借地料が経営を圧迫している、またバス車両については全国各地から支援を受けたそうであります。これからの季節、暖房設備や燃料の凍結防止など寒冷地仕様に改造する費用が一台当たり百万円程度掛かる、しかし現地からはなかなか支援が受けられないんだという声も寄せられております。  そこでお尋ねをしますが、この度成立をした三次補正にはそうした支援メニューが盛り込まれているのでしょうか。
  67. 中田徹

    政府参考人中田徹君) 今、委員指摘のように、今回の震災ではバスについても大変な損害が発生してございます。被災地におきましては、仮設住宅の設置等、被災によりまして人の移動ニーズが大幅に変化したということ等によりましてバスの輸送人員が激減をいたしまして、一日一定以上の輸送量であるということ等、補助要件を満たせなくなるような事態も発生したところでございます。  そのため、私どもとしては、これに対応するために、補助要件の緩和等、地域公共交通確保維持改善事業被災地特例を講じたところでございます。これに伴いまして補助金交付見込額が増加いたしまして、それに対応するために今般の二十三年度三次補正予算において同事業に約八億一千万円追加計上いたしたところでございます。  今、委員指摘のございました仮設営業所の設置等の件でございますけれども、この地域公共交通確保維持改善事業におきましては、従来より国庫補助系統に係る経常欠損を補助対象といたしておりまして、営業所に関しても、これに伴う経常的な費用は算定の対象になってございます。  このため、今般、仮設でいろいろ対応していただいておるということでございますが、そういう仮設のものでございましても、営業所の借地料については同様に国庫補助系統に係るものについて補助の対象でございます。  また、今般、他の事業者から支援ということで車両の提供をいただいてございますが、それに要する改造の費用につきましては、今般措置いたしました被災地特例によりまして、国庫補助系統の運行の用に供する車両であれば、車両購入費又は車両減価償却費として国庫補助の対象でございます。  いずれにいたしましても、国庫補助系統に係る委員指摘の費用、追加的な費用につきまして補助対象というふうにしてございます。
  68. 吉田忠智

    吉田忠智君 借地料については入るということでありますが、先ほど私が申し上げた車両の改造費については入るということで理解してよろしいんでしょうか。
  69. 中田徹

    政府参考人中田徹君) 車両の購入だけでなくて、車両を改造する費用につきましても、その改造した分について補助の対象といたしてございます。
  70. 吉田忠智

    吉田忠智君 サバイバルの補助が活用できるということが被災地事業者、自治体に周知されていないのではないかと、そのように思われます。早急に対策を求めたいと思います。  しかしながら、そもそもこのサバイバル戦略は、通常時の地域公共交通の維持改善が目的であります。災害などの緊急時を想定したものではありません。予算規模が限られる中、全国のローカルな生活交通へのしわ寄せも懸念をされるところであります。  鉄道については、不十分ながら災害復旧を目的とした鉄道軌道整備法が支援メニューとして存在をしています。大震災ではなくても、さきの台風十二号、十五号の規模のものはこれからまた頻発をすることが想定されるわけでありますが、国民生命、財産を守り移動を保障するという上で、バス路線についても鉄道軌道法に相当するような法的な災害復旧支援のスキームを早急に整備すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
  71. 中田徹

    政府参考人中田徹君) 災害復旧についての対応のお尋ねでございます。  今、委員指摘のように、鉄道につきましては、鉄道軌道整備法に基づきまして災害復旧事業が行われる鉄道線路やトンネルのような土木構造物を多く保有しているということに鑑みて法律が制定され、特別な補助がされているというふうに理解してございますが、一方、路線バスにつきましては、保有している資産が車両や営業所の建物等に限られておりまして、その復旧に要する費用は鉄道等に比べると非常に少ないというふうに考えてございます。このため、バス路線につきましては、インフラの整備ということではなくて、先ほども御説明いたしましたように、従来から運行に伴う経常的な欠損、赤字に対して補助をすると。これは予算措置でございますが、補助をするということを行ってまいりました。  今般の大震災におきましても、被災状況被災地のニーズ、いろんな今回の震災対応したニーズに柔軟に対応するということで、被災地の変化、生活の変化に対応して生活交通確保津波等で失われた車両の回復を図るために、先ほど御説明したような特例措置を講じたところでございます。  今後も災害復旧の必要が生じた場合につきましては、今回の経験を生かしまして、被災地のニーズに柔軟に対応するという意味で、予算措置を講じるという形で今後もバス路線の復旧にしっかりと取り組んでまいりたいと、こういう考え方でございます。
  72. 吉田忠智

    吉田忠智君 今回、三陸鉄道あるいはJRの地方路線が被災を受けた際には、代替バス路線というものもつくられて、そういう形で対応もしているわけでございます。  大臣是非そうしたスキームを検討するというお言葉をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  73. 前田武志

    国務大臣前田武志君) 被災地においては復興の過程で新しい町づくりということになるわけですが、当然のことながら、高齢化が格段と進むでしょうし、そしてまた、生徒さんと今までの学校等との距離がまた変わったりということで、交通弱者が随分多くなると思いますね。そういった意味では、委員指摘のようなことが非常に重要な観点だと思います。  そして、これは、何も東北のみならず全国において急激に高齢化が進む中で、一つの公共交通在り方としては重要な視点として受け止めてやってまいりたいと、こう思っております。
  74. 吉田忠智

    吉田忠智君 検討するというお言葉はいただけませんでしたが、是非これから前向きに研究、検討をしていただきたいと思います。  当面する被災地でのバス事業者への支援について、制度の周知徹底を含め、国交省としても是非知恵を絞っていただきたい、そのことを要請をしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  75. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  午後一時四十五分に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時四十五分開会
  76. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。前田国土交通大臣
  77. 前田武志

    国務大臣前田武志君) ただいま議題となりました津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  まず、津波防災地域づくりに関する法律案につきまして申し上げます。  本年三月の我が国観測史上最大地震及びこれに伴う大津波により、東北地方及び関東地方の太平洋沿岸を中心に甚大な被害発生したところであります。  これまでの津波対策は、主に海岸堤防などのハード整備を中心に行ってまいりましたが、今回のような大規模な津波に備えていくためには、災害には上限がないことを教訓に、何としても人命を守るため、ハードとソフトの施策を組み合わせた多重防御による津波防災地域づくりを進めていく必要があります。このような地域づくりは、被災地復興において推進することはもちろん、全国においても行うことが求められていることから、津波防災地域づくりのための一般的な制度を創設することが必要であります。  このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案概要について説明申し上げます。  第一に、国土交通大臣は、津波防災地域づくりに関する基本指針を定めなければならないこととしております。  第二に、都道府県知事は、基本指針に基づき、津波浸水想定を設定することとしております。  第三に、市町村は、津波防災地域づくりを総合的に推進するための計画を作成することができることとし、当該計画の区域において、土地区画整理事業に関する特例、津波からの避難に資する建築物の容積率規制の特例等について措置することとしております。  第四に、一団地の津波防災拠点市街地形成施設に関する都市計画について定めることとしております。  第五に、都道府県知事又は市町村長は、津波による人的災害を防止し、又は軽減する盛土構造物、閘門等の津波防護施設の管理等を行うこととしております。  第六に、都道府県知事は、警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域を津波災害警戒区域として指定することができることとするとともに、一定の開発行為及び建築を制限すべき土地の区域を津波災害特別警戒区域として指定することができることとしております。  次に、津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案につきまして申し上げます。  この法律案は、津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴い、水防法、土地収用法、都市計画法その他の関係法律について必要な規定の整備を行うものであります。  次に、この法律案概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、水防法の目的等の規定において、「津波」を明確化することとしております。  第二に、水防計画について、津波発生時の水防活動など、危険を伴う活動に従事する者の安全の確保に配慮することとしております。  第三に、洪水、津波又は高潮による著しく激甚な災害発生した場合に、国土交通大臣が浸入した水の排除等の水防活動を緊急に行うことができることとしております。  第四に、津波防護施設に関する事業を、土地を収用し、又は使用することができる事業とすることとしております。  そのほか、関係法律につきまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案を提案する理由であります。  これらの法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
  78. 岡田直樹

    委員長岡田直樹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十分散会