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2011-12-22 第179回国会 参議院 環境委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十二月二十二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十二月二十一日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     徳永 エリ君      徳永 久志君    はた ともこ君  十二月二十二日     辞任         補欠選任      徳永 エリ君     小西 洋之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松村 祥史君     理 事                 小見山幸治君                 広田  一君                 川口 順子君                北川イッセイ君     委 員                 小西 洋之君                 輿石  東君                 谷岡 郁子君             ツルネン マルテイ君                 徳永 エリ君                はた ともこ君                 平山  誠君                 舟山 康江君                 小坂 憲次君                 鈴木 政二君                 谷川 秀善君                 中川 雅治君                 加藤 修一君                 水野 賢一君                 市田 忠義君    国務大臣        環境大臣     細野 豪志君    副大臣        環境大臣    横光 克彦君    大臣政務官        外務大臣政務官  中野  譲君        経済産業大臣政        務官       北神 圭朗君        環境大臣政務官  高山 智司君    事務局側        常任委員会専門        員        山下 孝久君    政府参考人        外務大臣官房地        球規模課題審議        官        平松 賢司君        林野庁長官    皆川 芳嗣君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       新原 浩朗君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      糟谷 敏秀君        環境大臣官房長  谷津龍太郎君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君        環境省地球環境        局長       鈴木 正規君        環境省自然環境        局長       渡邉 綱男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境及び公害問題に関する調査  (気候変動に関する国際連合枠組条約第十七回  締約国会議及び京都議定書第七回締約国会合に  関する件)  (COP17の成果及び京都議定書第二約束期間  への不参加に関する件)  (出先機関改革における環境省地方環境事務所  の事務・権限の在り方に関する件)  (今後の気候変動枠組交渉における我が国の基  本的戦略と取組方針に関する件)  (地球温暖化対策基本法案への対応に関する件  )  (フロンガス削減による効果的な地球温暖化対  策の推進に関する件)  (再生可能エネルギー普及拡大への取組に関  する件)     ─────────────
  2. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、小西洋之君及び徳永久志君が委員辞任され、その補欠として徳永エリ君及びはたともこ君が選任されました。     ─────────────
  3. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房地球規模課題審議官平松賢司君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。  この際、気候変動に関する国際連合枠組条約第十七回締約国会議及び京都議定書第七回締約国会合に関する件について、細野環境大臣から報告を聴取いたします。細野環境大臣
  6. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) おはようございます。  十一月二十八日から十二月十一日までの間、気候変動に関する国際連合枠組条約第十七回締約国会議及び京都議定書第七回締約国会合南アフリカダーバンで開催され、私、中野外務大臣政務官北神経済産業大臣政務官及び仲野農林水産大臣政務官出席してまいりました。この会議の結果について御報告いたします。  今年も、世界各地気候変動影響を想起させる異常気象と記録的な災害が頻発しております。我々に残された時間は少なく、地球規模での行動が緊急に必要です。私は、今回の会議で、全ての主要国参加をする公平かつ実効性のある国際的枠組み構築に向けた道筋を明らかにし、前進を図らなければならないという決意を持って会議に臨みました。  具体的には、カンクン合意の着実な実施に加え、将来の枠組みをできるだけ早急に成立させることが必要であり、こうした枠組み議論する場として、ダーバンで新たな作業部会を設立すべきであると訴えてまいりました。また、京都議定書気候変動への対処の第一歩として大きな役割を持っているが、世界排出量の四分の一しかカバーしておらず、第二約束期間やそれと同等の措置は、将来の包括的な枠組み構築には資さないことから、それらには加わらないことなどを主張しました。  あわせて、地球益を考えて行動している我が国の着実な排出削減努力途上国支援といった貢献についても主張しました。具体的には、第一約束期間の六%削減目標については引き続き最大限取り組んでいくこと、今夏に東京・東北電力管内で昨年比で一五%を超える節電を行ったことを始めとして、地球温暖化対策に積極的に取り組むという我が国の姿勢は震災後も変わらないこと、途上国、とりわけ脆弱国に対する資金支援は二〇一三年以降も切れ目なく着実に実施していくことなどです。  さらに、議長国南アフリカを始め、アメリカ、イギリス、豪州、ロシアといった先進国、更に中国、インド、韓国や来年議長国のカタールなど様々な国々と二国間会談を行いました。会談では、交渉の鍵を握る各国の閣僚に、全ての主要国参加をする公平かつ実効性のある将来枠組み構築するために、新たな議論の場を設立すべきという我が国主張を丁寧に説明理解を求めました。また、会談した国々方々からは、東日本大震災という国難にもかかわらず復興に向けて全力で立ち向かう国民に対して、温かい励ましの言葉も多くいただきました。  最終的に今回の会議では、こうした対話の積み重ねのかいもあり、全ての国に適用される将来の法的枠組み構築に向けた道筋への合意を始めとする締約国会議決定が採択され、全ての主要国参加をする公平かつ実効性のある枠組み構築という我が国最終目標に向けた大きな成果を得ることができました。具体的には、強化された行動のためのダーバンプラットフォーム特別作業部会を新たに設置し、来年から議論を開始した上で、二〇一五年までのできるだけ早期に合意を採択し、二〇二〇年に発効させることに合意しました。こうした決定は、我が国が目指す枠組みの実現に向けた大きな一歩であると考えております。また、緑の気候基金基本設計への合意等カンクン合意実施のための仕組みにも合意しました。なお、京都議定書第二約束期間設定に向けた合意も採択されましたが、我が国は第二約束期間参加しないことを明らかにし、そのような立場合意文書にも反映をされました。  我が国は、今回の成果を踏まえ、排出削減、適応、途上国支援に一層積極的に取り組むとともに、各国と協力して公平かつ実効性ある枠組み構築に向けた国際交渉貢献してまいります。他方、国内においても、省エネルギーの一層の徹底、再生可能エネルギーの大胆な推進政府一体で取り組み、京都議定書第一約束期間目標達成を確実にするよう努めてまいります。
  7. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 以上で報告の聴取は終わりました。     ─────────────
  8. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 次に、環境及び公害問題に関する調査について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 舟山康江

    舟山康江君 おはようございます。民主党舟山康江でございます。  大臣におかれましては、COP17等への出席大変御苦労さまでございました。  本題の質問に入ります前に、先ほど聞いた話で一点確認したいことがございますので、冒頭、通告はしていないんですけれども、御答弁いただきたいと思います。  原発事故に関しまして、年間被曝影響ですね、低線量被ばくリスク管理に関するワーキンググループの取りまとめが近々出ると聞いておりますけれども、聞くところによりますと、年間被曝限度量二十ミリシーベルト以下は居住できる方向で検討していると聞いておりますけれども、この事実関係を教えてください。
  10. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今御指摘ワーキンググループは、十一月から八回にわたりまして、それぞれ二時間前後、私も基本的には全ての時間参加をいたしまして議論を積み重ねてまいりました。八回目は先週終了しておるんですけれども最後会合でもそれぞれの皆さんから前向きなお話もございましたので、最終文案については座長に一任をされる形で、まだここに至って出していないという状況であります。昨日まででほぼ調整が終わりましたので、今日の午後に、そのまとまったものを私も一緒に記者会見で公表する予定になっております。  その中では、二十ミリシーベルトというのが基準として妥当であるという、そういう部分も含めた非常に多くの内容を含んでおりますので、それを踏まえた上でいろんな政策対応も書かれておるわけですけれども、そういった形で公表する予定をしております。
  11. 舟山康江

    舟山康江君 この低線量被曝に関しては様々な議論がありまして、リニアで、比例する形で、幾ら低線量でも影響は非常にあるということが言われております。  また、ICRP基準におきましても、緊急時においては二十から百ということが言われていますけれども、通常時はもう二十以下、できるだけ一ミリに近づけるということになっておりまして、後ほどまた触れますけれども、一応の収束宣言が出された今、緊急時は脱しているんだという認識だと思います。  そうなると、この上限である二十ミリ以下は大丈夫だというメッセージというのは私は大変危険ではないかと思っておりますし、とりわけ妊産婦、それから子供への影響を考えると、この二十ミリという数字、二十ミリ以下は居住できるんだ、大丈夫なんですと言うことは私は非常に危険ではないかと思っておりますので、是非そこは、そこも含めて今後の対策しっかりと、より安全な方向で御検討いただきたいというふうに思っておりますので、一言お願いします。
  12. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 二十ミリが大丈夫なんです、安全なんですという、そういう報告書にはなっておりません。  百ミリ以上については、疫学的な影響が、成人ですと〇・五%ぐらいがん発生率が上がるということについてはもう既に出ております。それ以下については、他のがんの様々な要因に隠れる形で疫学的には結果が出ていないということを明確にした上で、しかし、やはり今御指摘のように、比例する形で上がっていくだろうという仮定を置いて様々な対応をすべきだと、これがICRPの言うところなわけですね。  その中で、二十ミリシーベルト以下については、そこに居住をしたいという方もいらっしゃるわけですから、そういう方のやはり権利は認めていくべきだろうと私は思っております。ただ、決して二十ミリというのが好ましいわけではありませんので、線量を実際にしっかりと制限をしていくということは大事ですね。  具体的に計測をしますと、我々が保守的に二十ミリということで設定をしている地域で生活されている方が実際に受ける放射線量というのは、大体四分の一から五分の一。ですから、年間換算すると四ミリから五ミリぐらいということになります。ただ、それでもやはり低い方がいいということですから、そういう二十ミリのところを優先的に除染をするという考え方を取りたいと考えております。  当面は、参考値として、参考レベルとして十ミリというのを設定をしたいと考えておりますので、二年以内には十ミリに下げていくと。十ミリに下げれば、その後は五ミリを目標にします。そうしますと、またそれが半分になっていくと。そうしたことをすることによって、高い放射線量のところで、低線量とはいっても相対的に高いところで生活している方の数をできるだけ減らしていくという、このことを考え方として採用するというものであります。  さらに、舟山委員の方からは子供について御懸念表明をされました。  現在、福島県内では、一時間当たりで一マイクロシーベルト以上の放射線量のところでは学校は開かれておりません。そこまで下げてから学校をやっております。この考え方は継続的に採用すべきではないかということも併せてここで言っておりまして、そうしますと、子供については、学校にいる時間は年間で一ミリシーベルト上限になってくるわけです。ですから、二十ミリのところで、今設定をしている二十ミリという線で居住はこれは可能というか、居住してもいいですよという形にしますが、子供学校ということになると更に相当厳しい基準にしますから、そういった面での子供に対する様々な対応というのは十分やり得るものというふうに思っております。  一例、今子供学校のことだけ申し上げましたけれども、そのほか食べ物であるとか医療の体制であるとか、そこは政策を総動員をして福島皆さんの健康の問題に向き合うというそういう提案になっておりますので、是非皆さんにも当然読んでいただけるような状況になっていますので、全体を御覧をいただいて、これが適切なのかどうかということについては御議論をいただきたいと考えております。
  13. 舟山康江

    舟山康江君 二十ミリシーベルトという数字は私は決して小さくないと思っています。  繰り返しになりますけれども、平常時においてはできるだけ低く一ミリを目指していくという方向にもなっておりますので、その中で自主的判断に任せるというのは、ある意味で聞こえはいいわけですけれども、非常に無責任にもなってしまうんではないかと私は大変懸念しております。自分で判断しろと言われた場合には、仕事の関係、それから様々な今後の生活の不安を考えると、本当は移動したいけれども移動できないという方も私はいるんじゃないかと思います。  そういう中で、我々、私は民主党の中の原発事故影響対策プロジェクトチーム事務局をずっとやってきておりますけれども、この中で今年の八月、やはり線量の高い地域については国有化をしてしっかりと補償するべきだということを申し上げました。私は除染努力は大変重要だと思いますけれども、全部除染するというよりも、極めて高いところはやはり一定、国有化をして別の方策を考えていくということもやっていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。  そういう中で、二十ミリという線引きについては大変疑問があるということで、是非、今後の対策については、特に子供、若い方々妊産婦、そういった人たちに対しての声がきちんと届くような対策をしっかりとしていただきたいということをお願い申し上げます。  それでは、本題に移らせていただきます。  まず、COP17それから京都議定書締約国会議についてですけれども、この今回の会議の中で、将来の枠組みへの道筋、それから京都議定書第二約束期間に向けた合意、緑の気候基金カンクン合意実施のための一連の決定、大きく言えばこの四つの大きな成果が上がったのかなと思っております。  大変国によって意見の隔たりが多い中でこういう合意ができたというのは非常に大きな成果だなとは思っております。とりわけ、全ての主要排出国参加する公平かつ実効性のある国際枠組み構築すべきと、こういった、日本も含めてですけれども、そういう主張合意されまして、将来枠組みのためのダーバンプラットフォーム特別作業部会が設置されたのは非常によかったなと思っています。  一方で、これは二〇二〇年以降の枠組みでありまして、第一約束期間が切れる二〇一三年以降については日本参加しないということを、今の報告にもありましたけれども表明をしております。  そこで、まず冒頭ですけれども、この四つの大きな決定がなされたという成果への大臣評価、それから京都議定書、この第二約束期間参加しないということを決めたことに対する率直な御見解をまず冒頭お伺いしたいと思います。
  14. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、舟山委員が御指摘をされたように、この四つ成果というのが今回の南アフリカでの、ダーバンでの会議の中心的なものになるというふうに考えております。中でも、私ども日本政府として強く目指した新たな枠組みについての道筋が示されたということは非常に大きな意味があるというふうに考えております。  九七年の京都議定書の採択というのは非常に大きかったというふうに思いますし、その中で、京都議定書に基づいて特に先進国に義務が課されたということ自体も、当時の成果としては私は非常に高く評価をされるべきものがあったというふうに考えております。  ただ、それから十四年が経過をし、そして世界環境というのはもう大きく変わっているわけですね。どういうふうに変わったかというと、これはもう言うまでもありませんけれども途上国存在感が経済的にも非常に大きくなってきたと。その中で、京都議定書に関しては、米国がその枠組みに結局は入らなかったということもあって、全体のカバレッジが非常に下がってきたわけです。現在、大体足下で二六%ぐらいということになっておりますが、そういう状況ですから、本当の意味気候変動を最小限にとどめるためには、やはり全ての主要国が入る枠組みをできるだけ早くつくるべきだというのが、これが最も効果があるというのは、これはもう非常に明らかなことなわけです。  だからこそ、この新しい作業部会をつくるということについて私ども日本政府が一番初めに提案をして、それが実際につくられることになったというのは非常に大きなことであるというふうに思っております。  もちろん、二〇二〇年よりも少しでも前にということで私ども繰り返し主張したわけですが、そこは各国立場があって、二〇二〇年からということになりました。ただ、合意自身は二〇一五年にはつくるということですから、実質的にはそこから様々な取組がスタートできるような努力というのはやり得るのではないかというふうに思っておりまして、そういった意味で、そういった動きを加速させるために日本としては貢献をしていきたいというふうに思っております。  一方で、京都議定書の第二約束期間に入らなかったことについての評価でありますが、これは我が国が、去年のカンクンはもちろんですけれども、その前の年のコペンハーゲンのときから主張をしてきた一貫した主張なんですね。ですから、そこは他国の理解は私は得られている、得られていたと会議の中でも感じておりました。  その中で、二〇一三年以降の我が国は、自らが自らを律して、そして、しっかりと排出量削減に取り組んでいかなければなりません。そこは国内でしっかりと、こうした本当に多くのこの問題に対して関心を持っておられる委員皆さんにも御支援をいただいて、確実に日本として削減をしていくという努力を継続していくことで国際的な責任も果たしていく必要があると考えております。
  15. 舟山康江

    舟山康江君 今大臣からありましたけれども、やはりこの温暖化への取組気候変動への取組というのは全ての主要排出国参加することに大きな意味があるんだと思っています。  そういう意味では、二〇二〇年以降の枠組みがそのような形で一応決まったというのは本当に大きな前進だと思いますけれども、やはりそこに対して、そういう中で、その間、いわゆる空く期間ですね、第二約束期間ですけれども、その空いた期間については自ら律するというお話もありましたが、一方で法的枠組みも第二約束期間というものができたと。そこに入らないということは、いろいろな日本発言力影響力というものがさてこれからどうなるんだろうかという懸念もありますし、もう一つは、今回参加しないということで、日本温暖化対策への取組が後退するのではないか、もう法的な拘束力がないから国内では縛りが緩くなったということになるのではないかという懸念もあるんですけれども、この参加しないことで温暖化対策への取組はどう変わるのか、何を目標とするんでしょうか。
  16. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今御指摘のように、国内対策が緩むことがあっては私は絶対にならないというふうに思います。  会議の中でも、私の方からは、特に二国間の取組の中でできるだけ丁寧に説明をしてきたんですけれども我が国国内ではこの気候変動の問題に対してしっかりとやっていくというコンセンサスができているというふうに思っております。その一つの表れが、今年の夏、電力不足というのが非常に大きかったわけですけれども、それこそ国民的な努力によって東電と東北電力管内では一五%の節電に成功しているわけですね。さらには、ちょうど私がダーバンに行っている間でしたけれども、税調での議論もあり、また国会のそれぞれの各党の御賛同もいただいて、来年度には温対税についても、これも導入を目指して法案の提出もできる状況が近づいてきた、これも非常に大きな前向きな動きだというふうに考えております。そういったことをしっかりと御説明をすることで、日本はこの問題に継続して取り組んでいるということは十分諸外国の理解を得ることができたというふうに思っております。  あとは、国内でしっかりと、一歩一歩着実に進んでいく必要がありますから、温対税はもちろんでありますけれども、様々な、例えばエネルギー環境会議での枠組みであるとか、また、私どもがいろんな議論をお願いをしている審議会であるとか、そういったところを通じて、具体的にどういう方法で更に削減努力を積み上げていくのかということについて、来年の夏までに徹底的に議論をして政策をしっかりとつくっていく必要もあるというふうに考えております。
  17. 舟山康江

    舟山康江君 実際に温暖化への取組は今まで同様しっかりとやっていくということであれば、私は、この第二約束期間目標値がどうなるかといういろんな議論はあるかもしれませんけれども、今後の将来枠組みへのいろんな発言力影響力、そのいろんなルールを決める議論での影響力ということを考えると、ここを離脱したことの影響は本当にないんだろうかというのがちょっと懸念するところなんですね。  新たな枠組みという、新たな枠組みに向けてのルール作りはこれから始まると思いますけれども、この議定書への離脱というか、第二約束期間参加しないということの影響というのはないんでしょうか。
  18. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、最後に言っていただきましたけれども、我々は離脱はしておりませんで、京都議定書の中には締約国としてきちっと入っております。一方で、第二約束期間については、これは参加をしないということを言っているわけでございまして、そこはまた別だというふうに考えております。  今御懸念の国際的な日本交渉力であるとか存在感ということに関しては、今回の会議の中においてはそういったことを感じるということはございませんでした。これからということになってまいりますと、やはり先進国としてこの問題にこれまで非常に真面目に取り組んできた我が国が継続をしてしっかりと目標を果たすことが大事ではないかと、そう考えております。  EUの幾つかの国ともバイで会談をしたり、若干立ち話をしたりしてきたんですけれども、EUの側にも、日本京都議定書の第二約束期間に入らないということに関しては、もう会議の中で理解が広がっておりました。EUは参加をするわけですけれども日本立場が違うにもかかわらず理解はされていたというふうに感じております。彼らもやはり共通して言うのは、日本はしっかりとこれまで気候変動の問題に取り組んできたんだから、これからも継続してしっかりやってもらいたいという、そういう話はございました。そこは私も、しっかりとその役割を果たして、これからも貢献をしていきたいということを申し上げたところであります。  したがって、これからの日本国内対策、さらには世界への貢献というのがまさに問われておりまして、それをしっかりと継続をすることで御懸念のようなことにならないように努めることが重要ではないかというふうに考えております。
  19. 舟山康江

    舟山康江君 離脱ではないということでありますけれども、ここで、何というんでしょうか、いわゆる正式に決まった第二約束期間に入らないということは、やはり世界の共通の仕組み、ルールから日本は少し外れたという印象はこれ間違いなく世界に与えてしまったんではないのかなと思っています。  そういう中で、是非、今大臣から御発言ありましたけれども、今後のルール作り、多分自らを律してしっかりと、いわゆる自主的な目標であるカンクン合意実施、そちらの方をしっかりと見える形で取り組んでいくことで、本当にそこの穴を埋めるというんでしょうか、そういう諸外国の理解もきちんと得ていく努力をこれからしっかりと今まで以上にやっていく必要があるんではないかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  こういう中で、このCOP17におきましては、森林吸収量の算定ルールにつきまして、日本主張が反映された形の参照レベル方式というものが採用されました。日本は参照レベルがゼロとなりましたので、今までとほとんど同じ形式で森林吸収量、森林による吸収と認められることになりました。温室効果ガスの削減に対してこの森林吸収の果たす役割というのは引き続き大変大きいのではないかと思っています。  このような中で、ただ、今申しましたとおり、森林吸収量算定ルールは第二約束期間での取組、第二約束期間の中でのルールということになっておりまして、これに日本は不参加だということになっています。そうなると、今後、日本は、この森林吸収源対策、林野庁を中心として今までもやってきていますけれども、この間、二〇一三年以降の森林吸収源対策はどうなるんでしょうか。入らないということでこういった取組がまた後退するのかどうなのか。そこはまず林野庁の方から、決意というかこれからの方向性をお聞かせいただきたいと思います。
  20. 皆川芳嗣

    政府参考人(皆川芳嗣君) 御答弁申し上げます。  吸収源対策についても、排出削減と同様に間断なく取り組むという姿勢でございます。それをしっかりやっていきたいと思っております。  今委員指摘のように、今回のCOPで、森林吸収源につきまして我が国はこれまでと同様の吸収源の算定ができるといったことが国際的に理解をされました。そういった意味は非常に大きいと思っております。それを間断なくやっていくということにつきましては、これまでもかなり無理に無理を重ねましたけれども、これまでの第一約束期間の義務はしっかりと果たしてきておりますので、今後もそういった継続的な取組が大事だというふうに思っております。また、今回そういった国際的な理解も得られたということでございますので、この活用ということも大事でございます。そういった意味で今後ともしっかり果たしていきたいと。  なお、その際に、私どもとしては、ここ十年来、いわゆる環境税というものができた場合には森林吸収源というものが使途として位置付けられるべきというふうな主張をしておりました。なかなかそれは実現されておりませんが、鹿野大臣もそれについては折に触れて述べておられます。この一日も早い実現ということについても我々は切望しておりますし、また働きかけていきたいというふうに思っております。
  21. 舟山康江

    舟山康江君 それでは、環境大臣にもお聞きしたいんですけれども、第一約束期間においては六%削減の約束をしております。このうち何と半分以上、三・八%は森林吸収源の確保によるものであります。今後のCO2削減への取組の中におけるこの森林吸収源対策の位置付けに対して、環境大臣はどうお考えでしょうか。
  22. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この森林吸収源の問題というのは、実はこのCOP17の会議の中で隠れた非常に重要な論点でございまして、林野庁もずっとこの問題にかかわっている優秀な担当者の方がずっと参加をして交渉をやっていまして、しっかりと日本立場主張してこうしたものを守った、理解を得たというのは非常に大きかったというふうに思っております。私も、最終局面いろいろ議論があったものですから、このことについてもやはりしっかりと日本立場というものを主張した人間の一人でございますので、そこは非常に大きかったというふうに感じております。  今御質問の森林吸収源対策につきましては、温暖化対策推進をする上で非常に重要な要素であるというふうに考えております。もちろん、森林吸収源の問題だけではなくて、産業部門、家庭部門、それぞれ様々あるわけですけれども、その中の非常に重要な要素としてこれからもしっかりと様々な対策が求められていると考えております。
  23. 舟山康江

    舟山康江君 先ほどの皆川長官の答弁の中にもありましたけれども温暖化対策税が今議論されています。元々、温暖化防止のために何をしていくのかということですけれども温暖化防止というのは排出削減と恐らくきちんと吸収をしていくということの両輪だと思うんですね。  そういう中で、お配りした資料を御覧いただきたいと思いますけれども、この資料の一番下、参考のところに特別会計に関する法律とあります。これエネルギー特会の部分ですけれどもエネルギー特会でのいわゆるこの考え方というのは、エネルギー起源二酸化炭素の排出の抑制のために取られる施策で経済産業大臣又は環境大臣が行うものに関する云々とあります。排出の抑制という縛りがあるという、恐らくそういう理由の中で森林吸収源対策がこの中に位置付けられておりません。今申しましたとおり、温室効果ガスの増加を抑えていく、排出を抑制していくというのは当然これ吸収も増やしていくと今大臣からもありましたけれども、そういう意味では森林吸収源対策もこれは立派な温暖化対策だと思うんです。  そういう中で、これは今後、温暖化対策の税の議論の中でしっかりと森林吸収源対策を位置付けるべきだと考えておりますけれども、これに対して環境大臣としてのお考えをお聞かせください。
  24. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先ほど申し上げましたとおり、森林吸収源対策というのは極めて重要な政策であるというふうに考えております。  平成二十四年度の税制改正大綱においては以下のような書きぶりになっております。温室効果ガスの削減に係る国際約束の達成等を図る観点から、平成二十五年以降の地球温暖化対策国内対策の策定に向けて検討する中で、国全体として財源確保を引き続き検討すると。これは関係省庁でいろいろとこの間調整をした中でこういう書き方になっておりまして、さっき林野庁長官が、なかなか実現がこれまでできてこなかったんだというお話がございましたが、まさにこの書きぶりの中で、私は環境省と林野庁というのはこれまで非常にいい関係で来たというふうに思っておりますので、連携をして、どういったやり方がいいのかということについてはしっかりと議論をしていきたいと考えております。
  25. 舟山康江

    舟山康江君 このエネルギー特会のエネルギー需給構造高度化対策の中に、エネルギー由来CO2削減という政策目標で様々な施策を取っていくということが書かれております。  もう一度お配りしてあります資料を御覧いただきたいと思いますけれども、これ実は昨年の行政刷新会議事業仕分の中で、エネルギー由来CO2削減という政策目的に即した事業に対し、これ経済産業省と環境省が行うものと縛りがあるんですけれども、それ以外の府省にも使えるようにすべきだという提言がなされております。それに対して経済産業省からは、一点目、各省枠のような固定枠を設けないという、これ国土交通省などが枠を持っていたんですけれども、この枠はどうも廃止、ここでの説明のとおり廃止されたようであります。  一方で、この下の丸ですね、真ん中の四角の下の丸、経済産業省、環境省の政務三役や有識者で構成される、まず一点、事業選定会議を新たに設置するということ、それから、二十四年度概算要求前にエネルギー起源CO2排出抑制対策に係る他省庁からの要望について精査、選定するというふうになっておりますけれども、これに対して経済産業省、実行しておられるでしょうか。
  26. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) 今、舟山委員がおっしゃったこの事業選定会議については、今の体制の前の話なんですが、去年の十月の行政刷新会議指摘を受けて検討しておったんですが、御案内のとおり、三・一一の震災対策に専念するとか、それと福島のやっぱり事故を受けてエネルギー政策全体を検討しないといけない、エネルギー政策を検討するということは当然温暖化対策も非常に密接に関連をしているということで、残念ながら見送ることになったということでございます。  ただ、今後については、これは枝野経済産業大臣を中心に今検討している最中なんですが、来年の概算要求の前に、平成二十五年度の予算の概算要求の前に、何らかの形で、この指摘を受けて、そういう各省庁もふさわしいような事業についてはちゃんと検討するような、そういった体制を今検討しているところでございます。
  27. 舟山康江

    舟山康江君 この政策目的が、今エネ特全体がいろんな見直しの議論がされているわけでありますけれども、この政策目的がエネルギー由来CO2削減だということであるからには、例えば森林吸収源もそうですし、それからこの経産、環境の事業だけではなくて、例えば農林水産省も、いろいろバイオマス発電ですとか小水力の取組とか、様々このCO2削減に向けた新しいエネルギー供給の取組をしているわけなんですね。やはりそういうところにしっかりと使えるようにすべきだと考えるんですけれども、恐らくこれは特別会計の法律改正にもつながっていくと思います。こういった方向で御検討是非いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  28. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) 委員おっしゃったように、当然、経済産業省、環境省は、法律では大臣が所管するということになっておりますが、採択される事業については既に各省庁が対象になっておりまして、例えば今年度中も省エネの補助金というものがありまして、これについても、例えば農林水産省だったら農業関係者、省エネにつながるような設備投資に対して補助をするとか、あるいは医業ですね、医療の関係についても対象になっております。  ですから、そういったところでは柔軟に対応しているつもりですが、先ほど申し上げたように、来年の概算要求の前にそういうちゃんとした仕組みを、場を設定したいと。これは政務レベルで、今までは事務的にやっていたんですが、政務レベルでやりたいと思っております。  特別会計の話ですが、これについても、現時点で改正するという具体的な話はないんですが、これも当然、エネルギー環境会議の中で、エネルギー政策の見直し、そして温暖化対策の見直し、こういった中で当然その見直しの検討をすることになるというふうに思っております。
  29. 舟山康江

    舟山康江君 時間となりましたので、残余の質問はまた次回に譲らせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  30. 小見山幸治

    小見山幸治君 前回の委員会に続きまして質問をさせていただきます。  今、政府・与党内において地域主権改革の議論が盛んに行われているわけでありますが、私も地域主権調査会の方に、環境部門会議を代表して副会長としてその議論参加をしております。その中で今、出先機関の改革について議論が大詰めを迎えております。年内に意見集約を図るということですので、そのことについて今日は質問をしていきたい、そう思います。  現在、関西広域連合と九州地方知事会が、数ある出先機関の中から三つ、地方整備局、経済産業局、そして環境省の地方環境事務所の三つを権限移譲したいということで手を挙げております。そこでまず、その対象となっている環境省の地方環境事務所について、どのような体制でどういった規模でいつごろから業務を行っているのかということにつきまして、環境省の方から説明を求めたいと思います。
  31. 谷津龍太郎

    政府参考人谷津龍太郎君) 御説明申し上げます。  地方環境事務所でございますが、地域の実情に応じた機動的かつきめ細かな環境政策の展開ということを目的にいたしまして、平成十七年の十月に環境省の地方支分部局として全国七か所に設置をしてございます。また、その管下、全国九十一か所に自然保護官事務所等も設けておりまして、現場の職員として自然保護官、いわゆるレンジャーでございますけれども、これを配置して、自然公園法に基づく様々な業務を展開しているということでございます。  規模というお尋ねでございます。まず、定員でございますが、平成二十三年度末、三百九十九名のうち二百六十一名がこういう自然保護関係、六五%でございます。また、予算でありますが、平成二十三年度五十四億円でございます。そのうち、政策事業費が十六億円、残余は人件費などでございますけれども、この十六億円のうち十四億七千万、率にしまして九〇%が自然保護関係の業務ということになってございます。
  32. 小見山幸治

    小見山幸治君 ありがとうございます。  今説明がありましたとおり、環境事務所は国立公園の保護管理が中核であるということが分かりました。我が国の国土の五・五%しかない保護区において、それが地方自治体に移管されるということは大変危険なことではないかと、私はそう思っています。  先週も環境部門会議で、日本を代表する自然保護団体であるWWFジャパンとか日本野鳥の会とか日本自然保護協会が非常に強い危機感を示しておられました。また、地域主権調査会においても、九州知事会の代表の方がこの間ヒアリングを行いましたけれども、そこでおっしゃったことには、九州の地域活性化の観点から国立公園での観光振興のため地方環境事務所の移譲を求めたと発言をしておられます。それから、関西広域連合においては鳥取県が強くその移譲を求めておられまして、幾つかその移譲を求める分野の中で、観光振興の分野には鳥取県は入っておりますけれども環境保全の分野には鳥取県は参加をしておりません。このようなことから、地方の側からは観光開発のための権限移譲を求める発言が目立ちまして、環境を保護する、保全をするということについての意識が全く感じられておりません。  そこで、更に環境省に伺います。  国立公園において地方自治体が開発をしようとして、環境省がそれを止めたり計画を変更させたという事例があると思いますが、代表的なものを幾つかお聞かせいただけないでしょうか。
  33. 渡邉綱男

    政府参考人(渡邉綱男君) 二つの国立公園の例を説明申し上げます。  平成七年に東京都が小笠原国立公園内の兄島に空港の建設を計画いたしました。兄島は世界的にも貴重な生態系を有していることから、環境庁が都に対して、兄島以外の島において建設予定地を選定するように指導をし、その結果、兄島での空港建設は中止となりました。  また、屋久島では、平成六年に鹿児島県が世界自然遺産の核心地域を通過する車道の拡幅を計画いたしました。環境庁から拡幅工事が自然環境に及ぼす問題点を指摘したことを受け、この拡幅計画は中止となりました。  このように、全国の国立公園では、環境省が地方自治体等の開発計画に対して、必要な場合には変更や中止を求めることによって貴重な自然環境の保全を図ってきたところでございます。
  34. 小見山幸治

    小見山幸治君 今御説明がありましたように、専ら環境保全に責任を持ち開発利益から離れた立場環境省だから、こうした開発に対して厳しいチェックができるんだと思っています。今回の原子力発電所の事故を受け、規制と利用の分離の観点から、開発推進の経済産業省から原子力安全行政を分離させ、環境省に移管することにしたのも同じような発想ではないかと思っています。  特に、自然は一度破壊をしてしまえば、五十年、百年という長い年月を掛けて、それでも回復ができないのではないかと私は思っているわけでありますけれども、そういった国の貴重な自然の国立公園の管理を地方自治体に任せてしまうということは非常に危険なことでありますし、一度任せてそれに失敗したからといって取り戻せるものでもないと、私はそう思っています。そういう意味では、他の省庁の事務権限の移譲とは議論の次元を異にすることであると私は思っていますし、また、広域連合という受皿自身にも問題があります。  それはともかく、大臣はこの国立公園を地方へ権限移譲することについてどのようにお考えか。仮にそういった場合に、そういった自然保護に対する悪影響が出ると私は思いますが、大臣のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。
  35. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、小見山委員には、この地方支分部局の様々な改革の議論の中で、環境省のこれまでやってきたことを積極的に御評価をいただいて、私ども考え方を御理解をいただいた上で様々アドバイスをいただいていることに心より感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。  国立公園につきましては、これまで長年にわたりまして国が保護をしてきたという、そういう実績がございます。私も、環境大臣になりまして、除染、廃棄物、さらには原発の問題もありましたので、そちらにかなりの時間を費やしてきたという面があるわけですが、一方で、やはりこの環境省の原点が国立公園にあるということも承知をしておりましたので、幾つかの国立公園を直接訪問をいたしまして現場を見てまいりました。非常に印象に残っておりますのは、レンジャーが大体二百六十名ぐらいいるわけでありますけれども、非常に強い使命感を持って国立公園をしっかり守っていると。時には、様々な地元の、それこそ開発という、関係者の皆さんともそれこそ激しいいろんな議論もしながらそれぞれの国立公園を守ってきた。これは非常に私は大きな役割を果たしてきたというふうに考えております。そうした経緯からいっても、やはり国立公園については、しっかりと国が、世界に対してもしっかりとこれを守っていく、国民はもちろんですが、そういう姿勢をこれからも維持をすべきではないかというふうに考えております。  一方で、やはり分権の流れというのは、非常にこれは日本のあるべき方向として目指していかなければなりませんので、果たして地方の環境事務所がやっている業務の中で実際に地方にやっていただけるものはどこなのかということについては、予断を持って判断するのではなくて、様々な議論をする中でこれはというものについてはしっかりと地方にやっていただくということもやっていく必要があると、そのように考えているところでございます。
  36. 小見山幸治

    小見山幸治君 ありがとうございました。大臣も私と同じ思いであるということを認識いたしました。  これについては、これから政府内で厳しい調整が行われると思います。自然保護を守るという観点から、大臣始め政務三役の皆さんにおかれましてはきちっとした対応をしていただきますよう、日本の自然を守るという観点からも是非いろんなところでそういった主張をしていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  37. 川口順子

    ○川口順子君 自由民主党の川口順子でございます。  まず、細野大臣を始め、交渉参加された経産省、そして環境省や外務省の政務の方々及び事務方の方には大変にお疲れさまでございました。交渉の内幕といいますか、一端を経験した人間にとって大変な交渉であったかというふうに思います。おねぎらい申し上げます。  これは、COP17についての今日は議論でございますが、その前に、先般十六日に野田総理が原発の冷温停止状態について発言をなさいましたので、私、実は大変に違和感を覚えた発言でございますので、余り時間を取るつもりはございませんが、お話を若干申し上げたいと思います。  野田総理は、この発言で、原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束に至ったと判断をされるとの確認を行いました。これは原子力災害対策本部がそういう確認を行いましたということです。これによって、事故収束に向けた道筋のステップ2が完了したことをここに宣言いたしますというのが、これが文章、官邸のホームページから取ったものです。  まず、原子炉が冷温停止状態に達したという判断を一体どういうことでやったのか。これは経産省のホームページに報告書が若干出ておりましたので、私、この分野、素人ではございますが、インフォームされた素人として読ませていただきました。  それによりますと、冷温、百度以下になったというのは二、三か月。しかも、最近一部の炉では温度が上昇した部分もあるという状況です。それから、どれぐらいの場所で計測をしたかというと、たった五か所か六か所か、とにかくそれぐらいの数であります。あの大きな原子炉でそういったことだけで冷温停止状態に達したという判断をしたわけがないと思うんですが、読む文章上はそういうことになっています。あとは、放射線が外にどれぐらい出るかということも書いてありましたけれども、それで一体本当に言えるんだろうかという疑問です。  それから二番目に、それを理由として発電所の事故そのものは収束に至ったと判断をされるというふうに言っているわけですが、この事故そのものの収束、実は官邸の記者会見で質問にも出ていて、その質問の答えを途中で広報官が封じてしまって答えも出ていないんですが、燃料棒はどこにあるか分からない、恐らくもう下におっこっていますし、コンクリートも侵食されているという状況で、それが第二番目の判断である事故そのものは収束に至った、これも判断の根拠が全く明確ではない。事故そのものの収束の定義もない。新聞にいろいろ書いてありますが、避難の方も大勢いらっしゃる、除染もしていない、汚染水は海に漏れている、そういうことでどうしてそういう収束という判断があり得たのか。  それから、もっとよく分からないのは、これによって道筋のステップ2が完了した。そもそも、一番最初に発表したメルクマールの道程の表では、ステップ2というのは十ぐらいの要素、もっとあったかもしれませんが、が関連をしている。それであるにもかかわらず、これによって事故収束に向けた道筋のステップ2が完了した、これもどうして言えるか分からない。こういうことを冒頭におっしゃって、それで会見を始められるというのは政府の姿勢としてはいかがなものかというふうに思っております。  今の野田内閣が、皆さん努力をしていらっしゃるということは私はそのとおりだと思いますが、国民の不信感が非常に政府に対して高まっている。それを認識して、それをほぐそう、それをなくそうという立場に立っての会見では全くないとこれは言わざるを得ないと思います。  例えば、科学者の方が、じゃ官邸でその後どれぐらい丁寧に説明をするという、例えばそういう場の設定もなかった、経産省ではその後やったようですが、ということもありません。それから、例えばイギリスなんかで総理大臣に対する科学者のアドバイスのボードというのがありまして、これの議論の内容というのはネットで公表されているというオープンさがイギリスにはある。そういうことも全くなくて、原子力災害対策本部、これのメンバーはというと閣僚だけで、閣僚は勉強はしていらっしゃると思いますが、恐らく私同様この問題については素人でいらっしゃる方がほとんどというふうに思います。  ですから、その個々の問題もさることながら、そういった政府の、この問題の厳しさ、国民の目の厳しさ、その不信を解こうという姿勢のなさ、これに私は多少、少なめに言って、抑えめに言って残念ですし、一体どういう姿勢で行政をやろうとしているのかというふうに思わざるを得ないということを冒頭まず申し上げたいと思いますが、言いっ放しで次に移るのは失礼かと思いますので、もしコメントがあればどうぞおっしゃってください。
  38. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この原発事故については非常に大きな責任が、というよりは最大の責任は政府にあるというふうに思っておりますし、そのことによって国民の皆さん、そして国会の皆さんにも本当にいろいろ御心配をお掛けをしていることについては申し訳なく思っております。そういった皆さんの思いというものにしっかりこたえるべくやってきたつもりでございますので、今、川口委員からそういう御指摘をいただいたところは、私どもの至らない点が多々あるというふうにも考えます。  今いろいろと具体的に御指摘をいただきましたので、少し説明をさせていただきたいというふうに思います。  まず、当日の記者会見なんですけれども、総理は、三十分から四十分ぐらい、できるだけ質問にはお答えになったと私は思いました。ただ、もちろんそれだけでは十分説明が尽きたとは思っておりませんので、私、七時から統合対策室を置いております東京電力の方で一時間十五分ほどでしょうか、記者会見でできる限り丁寧に説明をさせていただいて、それは全てネットで中継をされております。私だけでは十分ではありませんので、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東京電力、文部科学省、そして私と一緒にやってくれている園田大臣政務官、このメンバーは、川口委員、十一時まで残って記者会見をやったんです。全てこれはネットで公開されています。  ですから、説明を途中でそれこそ遮って、何かもうそれで終わりにしたというのは、実はちょっと事実とは異なるものですから、そのことは是非理解をいただきたい。  それまでも含めて、記者会見もあらゆる機会に各省がやってきましたし、私も当初は毎日五、六時間、途中からは園田大臣政務官にかなり任せる形になってしまいましたけれども、週に二回は園田大臣政務官が常にやってきているという、あらゆる疑問に答えよう、あらゆる御質問にしっかりと答えていこうという努力は、これは我々のかなりのエネルギーを使ってやってきているということは、是非ここは御理解をいただきたいというふうに思います。  中身でございますけれども、四月十七日にロードマップを作りました。そのときに、事故の収束への道筋という形でその時点で冷温停止状態というのを目標に掲げたんです。もちろんほかにも幾つか要素がありましたけれども、そのほかの要素は比較的早く達成しているものが多かったものですから、最後まで残ったのがこの冷温停止状態だったわけです。ただ、冷温停止状態というのは普通の原子炉とは違うのでしっかり定義をすべきだという話が確かにいろいろ厳しく出てまいりましたので、その後、関係者と協議をして、やはりしっかりと百度以下ということは確認をでき、しかも外に放射性物質が出ていないというところまで確認をできなければならないだろうという定義をしたわけであります。その定義が達成できたので冷温停止状態ということを、これを皆さんに御報告をしたのであって、そこでにわかに作ってそういった形でやったということではないということを是非ここは御理解をいただきたいというふうに思います。  計測地点についても、今幾つか御指摘がございましたけれども、四月から七月辺りまではやはり原子炉を測ろうということであらゆる手段を使って温度を測っておったんですが、炉の中だけでは十分ではなくて格納容器も測るべきだろうという、そういう議論が出てまいりました。これは燃料の場所の問題ですね。そこで、格納容器についても測る努力をいたしました。さらに、格納容器の下に落ちている可能性もあるということですので、当然その燃料が落ちている場所に水も落ちておりますから、その水の温度についても様々な定性的なデータも含めて集めて冷却できているということを確認をできております。  ですから、私もこの問題にかかわっておりますので、本当に万々が一にも再び、それこそ近隣の皆さんに避難をしていただくような状況にならないようにやってきたわけですね。そこが私なりに得心がいかなければ、それこそ冷温停止状態という形で皆さんに御報告をするとか、事故としてはもう皆さんに御迷惑をお掛けをしませんよ、直接的に避難をしていただくことはないですよということを申し上げることはできなかったというふうに思っています。その期間として、九月の終わりから十二月の頭ぐらいまで二か月ちょっとにわたりまして、大丈夫か、本当にもう再び近隣の皆さんに御迷惑をお掛けすることがないかということを確認をして皆様に報告をさせていただいているんです。  以上が経緯なんですが、そういったことも含めて、トータルに言ってまだ政府が言っていることが信用されない、さらにはやってきたことが本当に正しかったのかということについていろいろ厳しい御意見があることはよく承知をしております。ですから、私も海外の、この間もIAEAの事務局長にも米国のNRCの委員長にも説明をさせていただいて、このお二人からはいいのではないかという、そういう皆さんの方から見解をいただきましたけれども、国民の皆さんが一番大事ですから、繰り返しあらゆる機会を見付けて現状を説明をさせていただいて、そしてこれからももちろんいろいろ課題がありますから、そのことについてもできるだけ丁寧に御説明をする中で御理解を賜ることができるように努力をしたいというふうに思っております。  恐らく、この問題は近道はないと思うんです。繰り返し繰り返しできるだけ丁寧に御説明をして御批判に対してしっかりと答えるということしかないというふうに思っておりますので、それがまさにこれからの私の大きな役割になってくるというふうに考えているところでございます。
  39. 川口順子

    ○川口順子君 御丁寧な御説明をありがとうございました。  細野大臣のお気持ちあるいは姿勢はよく理解をいたしますし、それからお話をいただいて理解が進んだところもありますが、進まなかったところもございます。これは今日ここで議論をする時間がありませんので後日に譲りたいと思いますが、いずれにしても、これ十二月二十日、たった二日前ですけれども、朝日新聞の川柳欄を見ましたら、「収束と言われ不安が増す不思議」というのがあったりいたしますので、説明はおっしゃるように十分に、特に一般の国民の方に向けてやっていただきたいと私は思っております。  それで、COP17に参りたいと思います。  大変に御苦労をなさったCOP17ですが、先ほどお話をこの報告で聞かせていただきましたので、時間の観点から重複避けたいと思いますけれども、一部で日本抜きで時計は動いたというような話も出ておりますが、いらした大臣と、それから中野務官北神務官お二人から、順番に大臣からまず感想をお伺いをしたいと思います。
  40. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 川口委員はこの分野のもう本当に牽引役をずっとやってこられた方でございますので、私はまさにこの分野は今回のこの会議初めてということでございますので、本当にいろいろと皆さんのこれまでの努力を無駄にすることがないようにと、これが一番の私の率直に言って思いでございました。  感想というと一言ではなかなか意を尽くせないところがあるわけですけれども、率直な感想としては、あれだけの多くの国々が一堂に会して、しかもコンセンサス方式で物を決めるという非常に大変な会議であるなという、そういう印象がございました。さらには、あの会議は国だけではなくてNGOの皆さんや産業界の皆さんも数多く参加されておりますので、そういった皆さんの意見も非常に大きな影響力を持っているという、そういう印象も強うございました。  ただ、そういう中で非常に長時間を掛けて、もう一年準備をして、その会議自体も二週間にわたって延々とやる中でコンセンサスをつくるという大変なエネルギーが掛かるわけですね。そのエネルギーの中から、やはりいろいろ立場は違うけれども新しい気候変動枠組みをつくろうというその熱意は共通をしていたという意味で、私は何とか最後合意にたどり着くことができて非常によかったなというふうに思っております。  あとは、現実に二〇一五年までに合意をつくるのはまた大きな山があるというふうに思っておりますので、ここはまさにスタートでございまして、これから我が国としてもしっかりと貢献をできるようにしていかなければならないという、そういう思いを新たにしているところでございます。
  41. 中野譲

    大臣政務官中野譲君) 今環境大臣からお話ありましたけれども、まさにCOP3、京都で行われた後に、委員環境庁長官、そして環境大臣としてマラケシュ合意などにも携われてきたというふうに伺っておりますが、やはり長年の日本環境に対する思いというものをしっかりと今回のCOP17でも誠意を持って各国に伝えていく中で、これは日本に限らず、今環境大臣からもお話ありましたけれども各国がやはりこの流れを閉ざしてはいけない、この流れを止めてはいけないという思いが最後一つにまとまって、あのような形でのコンセンサスが取れたのだと思っております。会議自体は非常に大変な会議であったというふうな私の実感でございます。
  42. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) そうですね、もう二人がおっしゃったとおりだと思いますが、我々経済産業省としては、最後相当紛糾をしていたのでまとまるのかなと心配しておりましたが、無事まとまったこともよかったと思いますし、我々としては日本主張がかなり反映をされたと。例えば、主要な排出国が対象になる包括的な枠組みというものをやっぱり具体的に議論を進めないといけないとか、そういった点については大きな成果を得ることはできたというふうに思っております。  あと、産業界ともちゃんと現地でも連携をしたこともできたし、今後その産業界としっかり、緩まないようにこの環境問題についても取り組んでいきたいというふうに思っています。
  43. 川口順子

    ○川口順子君 私も先ほど御報告を伺いまして、かなり日本が取りたいと思ったところは結果的に取れた会合ではないかというふうに評価をさせていただいておりますが、大事なことは、みんながいろいろ議論をする中で日本がどういう役割を果たせたかということであると私は思います。  それで、外務省にお尋ねをいたしますけれども、例えば一連交渉がいろいろあった中で交渉の流れに大きく影響を与えるような、あるいは変えるような、そういうようなポジティブな役割、提案、そういうものをなさったか、どういうものをなさったか、お伺いをしたいと思います。  これは、じゃ外務省にお伺いをいたします。
  44. 中野譲

    大臣政務官中野譲君) これは、とにかく事務方を中心に、先ほど申し上げたとおり誠意を持って各国にいろんな形でお伝えをしてきた中でやはり一番大きなものは、まず全ての主要国参加をするという枠組みをつくらないといけない、その中でやはり公正でかつ実効性のある新たな枠組みをしっかりとつくらないといけないという提案をいろいろな形でその会合中に行わせていただきました。その流れがこの法的文書を作成するための新しい作業部会を立ち上げるというふうな形の大きな成果につながったんだというふうに理解をしております。
  45. 川口順子

    ○川口順子君 それは、新しい枠組みをつくろうということで動くというのは非常に大事なことだったと思いますが、日本が一体どういう役割を果たしたかということに対する評価というのは、ほかの国が日本に対して何をどう評価をしたか、特に議長国である南アがどのような評価をしているかということですけれども、この点について、じゃこれは外務省の事務方からお伺いをいたしますが、こういう役割だった、こう評価されたというのはありますか。
  46. 平松賢司

    政府参考人平松賢司君) この点につきましては、日本といたしましては、先ほどから御議論があるとおり、新しい枠組みをつくるということで、特にこれを目指していたEU諸国と一緒になりながら、いかなる文言が可能かということについて具体的な提案を行っておりました。特に議論が相当混迷をしていたこともございまして、そういう中で、実際、こういう表現ならまとまるだろうということも実際のその議論の中で具体的な提案をいたしました。それが一つ大きな流れをつくって、最終的な議長の提案につながったというふうに我々は思っております。  そういった我々の役割に対しまして、南アフリカ議長国からは、常々日本に対して是非いろんな異なる意見、まとまるような役割を果たしてほしいということを言われておりましたので、南アフリカ政府からは、日本交渉姿勢というのは率直であり、正直であり、それから極めて一貫したものであって、こういった日本の役割が今回の合意に大きな役割を果たしたという評価をいただいております。  実際のそのまとまった文書を見ても、我々がそのいろんな途中で提案をした文章あるいはその表現がかなり盛り込まれておりまして、実際上の合意の下地をつくったという役割を果たしたということは関係者はよく分かっていただいていると私は思っております。
  47. 川口順子

    ○川口順子君 京都議定書の第二約束期間参加をしないという、全体の流れから見ると非常にネガティブなことを言わざるを得なかった、この結論については私もやむを得ないと思っておりますけれども、中でどういうポジティブな役割をその会議の流れを前に推し進めるために果たしていくかということは大事なことで、今の平松審議官のお話で多少安心をいたしたところでありますが、良く言えば、日本はその会議、今後の枠組みという箱をつくるに当たってのその箱のベースといいますか、いろんな題材をつなぎ合わせるような役割を果たしてくれたのかなと、ちょっと褒め過ぎかもしれませんが、と思わないでもありません。今後も大事な交渉があるので、皆様にはポジティブにやっていただきたいというふうに思います。  そこで、大事なことはもう一つありまして、日本がその交渉評価をされるということの一つの大事な要素というのは、まさに今、平松審議官がおっしゃったことでありますけれども日本がきちんとやるべきことはやる、そしてぶれないということであると思います。正直であるということも大事だと思います。その中で日本が過去やるべきことをやってきた、省エネで進めてきた、それから京都議定書も、今度原発の事故があって非常に危ぶまれるところではありますが、それでもやろうとしているということが大事でして、今後二〇一三年以降我が国がどうするのかというのは、この国際社会の評価を維持できるかどうかということで、クルーシャルなと英語で言ってしまいますが、役割を、意味を持つというふうに思います。  そこで大事なのは削減目標二五%、条件付でありますけれども、ということですが、中国、主要国参加等ということが今のところ果たされていないわけですから、それで二〇二〇年まではそれが多分動かないわけですから、二五%の目標というのはこれは論理的に撤回をせざるを得ないというふうに思いますが、いかがでしょうか。大臣、お願いします。
  48. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 川口委員から今回の会議において私ども交渉の姿勢について非常に前向きに御評価をいただきまして、ありがとうございます。  今回、日本は確かに京都議定書の第二約束期間に入らないという意味ではいろんな、確かにそれに対しては評価はあったというふうに承知をしています。その一方で、一番その新しい枠組みについて積極的な立場を取ったのも日本であったというのも、私が会議参加をした、これはもう強い、私どもの強い自負だったわけです。あとはEUの主張とアメリカの主張、中国の主張途上国主張、それぞれありましたので、そのそれぞれと交渉しながら、できるだけ全体がコンセンサスに向かうように間を取り持つ役は日本としては今回はできたのではないかというふうに感じております。  先ほど平松審議官が答弁をいたしました日本の文言が反映をされたというのは、なかなかそれぞれの主張が明確で、それが全て反映をできないという国々が多かったですから、その間を取り持って、具体的にこの辺であれば落としどころになるのではないかという提案をいたしましたので、それが採用された部分があったのではないかと、そのようにも感じております。  御質問にお答えをいたします。  日本はきちっと言ったことはやるということが重要だというのは、本当に川口委員を始め皆さんがこれまで培ってこられた信頼だというふうに思っております。そこで、そのためにまず我々がこれから必死に取り組まなければならないのは、やはり第一約束期間目標は達成する、まずこのことではないかと思っております。既に二〇一〇年辺りまでについてはおおよその姿が明らかになっておりますが、二〇一一年、今年と二〇一二年、ここをいかにして削減努力を継続をして乗り切るか、これがまず当面最も重要であるというふうに思っております。  原発の事故がありましたので、環境は極めて厳しいことは認めざるを得ませんけれども、そこは国民的な努力もして、その目標達成に向けて最後まで努力を継続をするということ、そして、できれば目標を達成するということに向かって努力をしていきたいというふうに思っております。  御質問の二〇一三年以降でございますけれども、これについては具体的なまだ目標というものは設定をしておりませんので、これを早急にしっかりと設定をしなければなりません。そのために、現在、エネルギー環境会議設定をいたしまして、来春には選択肢を提示をし、そして国民的な議論を経て、来夏には一三年以降の具体的な目標について設定をするという、そういう今ことを目指して鋭意検討しているという状況でございます。  御質問の二〇二〇年はどうなのかということに関しては、これは二〇二〇年で前提条件付の二五%という目標自体は現在も維持はしております。ただ、その前提条件というものが今回のことで満たされるのかどうかということについては、これはこれからの交渉や具体的な中身によって様々な議論があり得るところだというふうに思っておりますので、それ自体について今断定的にここで申し上げることはやはりちょっと無理があるかなと、そのようにも思っております。  したがって、その目標も含めて、二〇二〇年の目標も含めて、来年のこの春から夏の議論の中で様々な判断をしていくということになろうかと思います。
  49. 川口順子

    ○川口順子君 二五%については、たまたま今朝の東京新聞に、温室効果ガス、政府二五%目標見直しへ、基本法案から削除するというふうに出ておりました。多分伺っても新聞記事だと言われるかもしれませんので、本当ですかというふうな質問はいたしませんが、こういう記事が出るということは、火のないところに煙は立たない、こういうことも政府としてきっちり検討をしていらっしゃるということだと思いますし、またしなければ、政府として政府の役割を果たしていないというふうに申し上げざるを得ません。  そこで、来春選択肢を提示してこれから国民的な議論をやるとおっしゃっていただいて、それはいいというふうに思いますが、この間のCOP17で決まったこととは別なんですが、来年の三月五日、先進国は現在のプレッジの明確化、基準年とか対象の範囲とか数値等を所定の様式に沿って提出しなければならないということになっていると理解をしております。ですから、これはもう今政府が議論していらっしゃることを三月五日までに決めなければ間に合わないということになると思いますが、この点についてはどうですか。もしあれでしたら、じゃ、局長、どうぞ。
  50. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 御指摘のとおり、今回のCOPでそのような提出の要請が出ているわけですけれども日本としてはその時点での検討状況を踏まえてどういう内容のものにするか、その時点でまた判断したいと思っておりますが、先ほど大臣からもお話がありましたように、今のスケジューリングは来春に選択肢を示して国民的な御議論をいただいた上で夏に出すということでございますので、その結果を踏まえて最終的に出すという方向になるのではないかと思っておりますけれども、いずれにしましても、三月五日の時点でどうするかについてはこれからよく検討したいというふうに思っております。
  51. 川口順子

    ○川口順子君 三月五日までには間に合わないというのが今局長の御答弁でありましたけれども、それであれば、日本は最初に出す数字というのは二五%で出すんですか。
  52. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) これまでも、我が国についてはこうしたスケジューリングで検討しているということは対外的にも御説明しているところでございますので、どのようなもので三月五日出すかについては、そういう説明との関係も含めてその時点でよく考えたいというふうに思います。
  53. 川口順子

    ○川口順子君 態度をはっきりしてほしいですね。二五%と国際的に言っている。であれば、整合性からいえば当然に二五%とほかの数字がない限り言わなければならないということだと思うんですね。そこで日本は言えない、あるいは新しい数字が出せないというのは、私は検討が遅いと言わざるを得ないというふうに思います。これはもっと、ほかの要素からいっても、それはこれから質問しますが、そんなにいいかげんなことを言っていたんでは日本の国際的な評価が落ちると言わざるを得ないと思います。  それで、削減目標のその決め方ですが、先ほど国民的討議をすると大臣がおっしゃいましたので、それを十分にやっていただきたい。ゆめゆめ、鳩山総理が突然に二五%、まあ条件付ですが、というような発言を全く関係者の議論なしに言うというようなことはやってほしくないと思います。麻生総理が中期目標を発表したときには、実は国民的な議論を、意見交換を六か所でいたしました、日本の各地でいたしました。それから、奥田委員会、福井小委員会つくりまして議論をしたということでありますので、それにも劣るようなやり方で次の中期目標を決めて国民を縛るというようなことはしていただきたくないというふうに申し上げておきます。  それで、一三年以降、日本は今の地球温対法というのはなくなるわけでございますから、これは京都議定書の、守るためのものでございますから、その後何か法的な枠組みをつくらなければいけないということですが、当然に新法を考えていらっしゃると思いますが、いかがですか、大臣
  54. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 法律のそれこそあるなしにかかわらず、しっかり目標を掲げることは大事だというふうに思っておりますが、当然その目標をしっかりと国民の皆さんに守っていただいて、そして一緒に努力をしていただくという意味では法律があることが望ましいというふうに考えているところでございます。  現在、国会で継続審議となっております地球温暖化対策基本法というのは、我が国が積極的かつ計画的に温暖化対策を講じるという基本的な考え方を明確にするものでありまして、こういった基本法の重要性は、与野党、共通認識をいただいているのではないかというふうに思っております。その中で、現在まで継続審議が続いておりまして、その中で皆さんの御議論というのもしっかりと承って、これからどういう法的な対応というのが望ましいのかということは検討していかなければならないと考えているところでございます。
  55. 川口順子

    ○川口順子君 もう少し丁寧に御質問しますと、今の温対法、これは、その目的は京都議定書の目的を守るためである。したがって、この数字自体は第一約束期間が終わったときにもう全部消えてしまうということですね。他方で、基本法だけではとても間に合わない。というのは、基本法はあくまで基本法ですから、例えば、今のその基本法を眺めてみますと、施策について書いてあるところは必ずしも十分ではない。算定排出量報告、公表、これについても十分ではない。それから、例えば事業活動に伴う排出抑制、いろんな政府や地方の実行計画についても十分ではない。今の基本法に書いていなくて、実際に細かくやろうと思ったら温対法の継続が必要だということはたくさんあるんですね、今ちょっと時間がないので細かく言いませんが。  ですから、基本法を作るということは私も重要だと思っていますけれども、基本法ができても温対法を継続しなければ、あるいはそれに類似する法律を継続しなければ、枠組みとしては法的にはできない。ですから、法的にきちんとその次なる目標を作るというふうにおっしゃったと私は理解をしていますので、その目標を守るための法的枠組みは基本法プラスアルファということでつくらざるを得ないと思うんですが、それについての確認をお願いをいたします。
  56. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) まず、今の基本法の御提案している内容をちょっと技術的に御説明いたしますと、基本法の附則のところで温対法を改正をしておりまして、新たな、二〇一三年以降についてもこの温対法の仕組みを必要なものについては継続するという仕組みになっております。そういう意味で、今御提案しているものは、先生が御指摘のとおり、基本法と温対法を併存させて、全体として温暖化対策を進めていこうという仕組みを御提案しているということでございます。
  57. 川口順子

    ○川口順子君 目標を作られて、要するに大事な目玉は目標の数値なんですね。それを基本法に書くというのは今の姿であります。それから、基本法はないけれども温対法に書いてある、温対法で書いてあって目達計画まで作るというのが今の姿であります。  ですから、どういう形、いろいろな形はあると思いますけれども、数値は必ず入る、そういう法律でなければいけない、どこかで入っているということだと私は思っておりまして、これ、今の数値を入れた目達計画、手段まで書いた、やり方まで書いた部分というのが、第一約束期間が終わった後については数値の部分についてはかかわらないことになりますので、その部分を含めて次の通常国会、というのは恐らくこれは予算が終わった後、来年の初夏辺りに議論されることになると思いますから、で通さないと、その次の年の二〇一三年になってからのその枠組みを法的に担保をするということはできないんですね。  ですから、そこまでに法律を作るという用意がおありかどうか。ということは、来年の夏だといってもたもたと数値を検討していたんじゃ間に合わないんです、どういう形の法律でそれを決めるにせよ。ということですが、それについてどうお考えでしょうか。
  58. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今年から来年にかけて行うこの温暖化の問題に対する様々な議論というのは、エネルギーと表裏一体の議論になると考えております。  つまり、再生可能エネルギーについては、加速化をさせていくというのはこれはもう国民的な合意だというふうに思いますが、その一方で化石燃料についてどのように考えるのか、原発についてまさに国民的な議論が一方で必要なわけですね。その議論というのは、もちろん早くやるということも重要だというふうに思うんですけれども、まさに国民的な議論が必要で、それは川口委員が先ほど御指摘をされたとおりです。そういった議論も踏まえて、やはり国民の皆さんにも理解をしていただいて一緒に本当に行動していただかないと、このエネルギー問題、乗り越えられないぐらい重要だというふうに考えております。  したがって、やはりこの気候変動温暖化の問題についても、これはもう表裏一体で一緒に議論をしなければならないことですので、来年の夏まではやはり集中的にしっかりと議論をする時間として確保する必要があるのではないかというふうに考えます。  それを踏まえて、法的なところでどのような対応をしていくのか。もちろん並行して議論をしていいというふうに思うんですけれども、その前に法律だけ何か大きくまた考え直すということにはやはり議論の経緯からいってなじみにくいのではないかというふうに考えております。それを踏まえて、どこの時期から、じゃその目標をどういった形で立てられるのかということについて、できるだけその間が空かないようにするという努力はもちろんやっていかなければならないと考えております。
  59. 川口順子

    ○川口順子君 いや、なかなか難しいということは分かるんですが、これ自体、こういったスケジュール感、少なくとも国内の法律についてはこれはもうずっと前から分かっていた話なんですね。ですから、今になって間に合わないとおっしゃられても、政府の立場としてはこれを十分に両方ともやっていただかなければならない。それができなければ、国際社会で日本が真面目にやっているという評価を落とさざるを得ない、それも選択肢かもしれませんが、ということだと私は思っておりますので、国民の理解を得ながら、なおかつ時間、スピーディーに効率性を上げて、次どうするかということを考えていただかなければなりませんし、実はそのときに、環境税とか排出量取引とか、様々な自主規制とか、産業のですね、自主取組とか、伺いたいことたくさんあるんですが、ちょっと時間が押してまいりましたのでそういった質問は後に回しまして一つだけ、経産省として企業に対してどのような形で次の期以降削減目標を守らせようとしていらっしゃるか、それだけお伺いをします。
  60. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) COP17の結果を受けてでも引き続きやっぱり削減努力は進めていかないといけないというふうに当然考えております。  産業界の方は、今まで御案内のとおり自主行動計画というものでずっとやってきて、それなりに削減貢献をしているというふうに我々は認識しております。経団連の方で低炭素社会実行計画というものを今策定中でありまして、引き続きそういう自主行動計画みたいなものを作っている、我々もしっかりそれを注視していきたいというふうに思っています。  最終的に、具体的にどういう温暖化対策をやるかということについては、細野大臣が今言ったように、エネルギー環境会議の中で、どういうエネルギー政策にベストミックスになっていくのか、そういったことも踏まえて具体的に検討していきたいというふうに思います。
  61. 川口順子

    ○川口順子君 二五%にせよ、あるいはほかの数字にせよ、二〇五〇年には八〇%という数字は引き続き残っていると思いますから、尋常なことでは削減できない。  先ほどの舟山委員の御質問に対して環境大臣がお答えになったところで若干残念でありましたのは、節電とかいろんな話をなさった、それだけで、要するに今までどおりやっていてできる話では全くないんですよね。二五%と本当に思われるのであれば全くそうではない。そういう質的に転換を対策についてしなければいけないという問題意識、あるいはそれへの姿勢というのが全くあのときは御答弁の中でお伺いできませんでした。とてもそれではやっていけない、是非そこは一段の強化を考えていただくということが必要だ、しかもそれを経済、これも成長していくということが非常に今特に重要度が増していますので、それと両立をする格好でちゃんとやっていただきたいというふうに御注文を申し上げたいと思います。  時間が押してまいりましたので、今後の国際交渉に移りたいと思います。  今回、新しい枠組みをつくろうというところがスケジュールも含めて決まったということについては、先ほど申し上げましたように非常に評価をしておりますし、日本がこの点については一番積極的に動いたと細野大臣もおっしゃっていらっしゃいました。それは非常に結構なことだと思います。  ただ問題は、言い換えてみますと、バリ合意の前に戻った、要するに振出しに戻ったということに尽きるというふうに私は思います。ですから、そこから日本が積極的に発言をしたのであればなお、今後責任を持って新しい枠組みをどうしていくかということについて知恵を出さなければいけないし、それが国際社会からも期待されていることであるというふうに思います。  それで、国内対策をしっかりするということも当然としまして、その知恵を出していくことについての国際交渉の戦略、どのようにそれを進めていこうと考えられるかということについてお伺いをしたいと思います。
  62. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおり、新しい枠組みについては、作業部会の設置も日本提案をしたものでありますし、できるだけ早くそれをつくるべきであるというのも主張してまいりましたので、そういった意味では、それだけのことを主張した以上は、それに対して大きな貢献が求められるというのは、本当に我々は責任を自覚をしなければならないというふうに思っております。  基本的な考え方としては、やはり二つの原則はしっかりと我々としては踏まえたものにしていきたいというふうに思っております。一つは、将来の新たな枠組みは、再三言っていることですが、全ての国に適用されるものであるということ。やはり、これはもうスタートとしてしっかり主張しなければならないと。もう一つは、議定書、法的文書又は法的効力を有する合意によること。やはり、これが将来に向かってしっかりと各国が義務を果たしていく上で重要だというふうに考えております。  こういった中身は、我々もこれまでも主張してきたわけですが、COP17の会議の中でということになると、各国立場が非常に微妙なものがありましたので、全てこれを言い切ってこれでいこうというところまでは言えなかったという、そういう環境もあったわけですね。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕  というのは、具体的に国名を挙げるのは控えたいというふうに思いますけれども、来年政治的に大きな動きがございます。各国、それこそ政権が新たに誕生するということも含めいろんなプロセスに入るわけですね。その前にはなかなか各国踏み出しにくいという事情も率直にございました。いよいよ来年、一年を掛けて各国がいろんな形で新しい政治の動きになってまいりますので、そうなってくるタイミングが一つの私はチャンスではないかというふうにとらえております。  そして、新しい政権といろんな交渉をする中で、今私が申し上げた二つの原則というのをしっかりと踏まえた合意を二〇一五年までにつくっていくと。そのためには、COP18も極めて重要でありますし、19も重要であります。毎年一つ一つ積み上げて、これまでの各国主張をどう、これをそれこそ合意点を見出して、そして最終的な枠組みにつなげていくのか、その中でしっかりと我が国としての貢献をしてまいりたいと考えているところでございます。
  63. 川口順子

    ○川口順子君 基本的な戦略、今獲得目標についてはお伺いをしましたし、そのとおりだというふうに思います。それは日本がずっと言ってきたことを繰り返していただいたということだと思いますが、この点、その戦略をどうするかということがよりもうちょっと具体的にお考えを伺いたいんですが、その点について、まずじゃ外務政務官、お願いします。
  64. 中野譲

    大臣政務官中野譲君) 具体的なというとなかなかちょっとお答え難しいかと思うんですが、今環境大臣からお話がありましたとおり、やはり今回、新しい枠組みをしっかりとつくっていくという提案日本がしっかりとさせていただきました。ただ、その枠組みをどうするかとか、じゃ、実際にその作業部会をどのような形でつくってどのようにリードしていくかということについては、今後やはり関係国を含めて、日本がそこの部分は積極的に提案をして、中身についても具体的な議論をしていくようなことはしていかないといけないということは、これは先ほどの各国からの評価も含めて期待をされている部分であると思いますので、そこの部分は積極的にやっていくということはお答えできると思いますが、その先、具体的にどのような形をつくっていくかという戦略については、また今後検討を是非させていただきたいというふうに考えております。
  65. 川口順子

    ○川口順子君 北神務官にも来ていただいていますので、今後の進め方の戦略について、御所見ありましたら伺います。
  66. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) この全体の政府としての戦略については、当然、環境大臣、外務大臣、経済産業大臣、この辺がしっかり練らないといけないことだというふうに思っております。  現時点で申し上げられることは、包括的な枠組み、公平で実効性のあるこの枠組みというものを具体的に日本提案をしてこれが受け入れられたわけですから、当然、この分野においていかに早く実現するか、これを積極的に日本も取り組んでいかないといけないと、これが一つ。もう一つは、国内対策だけじゃなくて、やっぱり発展途上国地球規模の中でどこまで削減できるか。その分野において、日本というものも優れた低炭素技術を持っているわけですから、これを普及していくと。経済産業省としては、この二正面で進めていきたいというふうに思っています。  具体的に戦略、もっと多分個別具体的に細かい話を聞かれたいというふうに思うんですが、これも当然、エネルギー政策がどうなるか、日本がどのぐらいの余裕を持てるか、こういうことにも深くかかわってきますので、恐らくそういったことを含めて検討しないといけないというふうに思います。
  67. 川口順子

    ○川口順子君 お三方ともお伺いをして、日本がやっていかなければいけないという自覚と意識は十分にお持ちであるというふうに感じましたけれども、中身については今の時点で言えることは何もないということかなと思います。無理な注文かもしれませんが、これから来年は政権がおっしゃったように替わりますので、実際は来年はほとんど使えない。それぞれの政権で議論が、進める状況にはなっていませんから、中身について議論ができるのは二〇一三年以降というふうになると思いますが、十分にそれまでに練り上げて、それから、トップのレベルだけではなくていろんな各層で議論をしていただいて、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  私はより具体的な提案を持っておりまして、一つ、これをまとめる二〇一五年、遅くとも五年のそのCOP、これは招致を日本にすべきであるというふうに思っております。京都議定書、新たな京都議定書2をここで作り上げるという意欲を持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大臣に。
  68. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ちょっと戦略について、もう本当に一言だけ。  まだ会議が終わったところですので、戦略について三省でしっかりとすり合わせをして、来年はこういう年にしていこうというところまで煮詰める形にはなっていないのは事実でございます。ただ、一方でこのCOP17を通じて一つのアプローチは見えてきたのではないかというふうに思っておりまして、例えば、我が国は長年にわたりましてアジアといろんな関係でつくってきた二国間オフセット・クレジット、これを前向きに評価をする国は随分増えてまいりました。なおかつ日本は、それこそ中国を含めた近隣諸国の中で排出削減余力の非常に大きいところがあるわけですね。ですから、新しいルールができるまでの間、まさに実質的に削減をしていく、そういう関係を強化をして、その関係の中で新たな枠組みというものに、それを積極的に貢献をさせるというアプローチは私はあるのではないかというふうに思っております。  ちょっと例えが適切かどうか若干あれですけれども、WTOという枠組みもなかなか今難しくなっていますが、一方でFTAが補完的にあって自由貿易というのは進んでいるという面がありますね。それとやや似ていると思うんですね。ですから、全体としてはもちろん目標を掲げて進むべきだし、それに我が国は最大の貢献をするんだけれども、それがなかなかまだ十分な成熟した状況にないというときには、そういう二国間なり、若しくは何らかの地域的なつながりの中で進めていくということが非常に重要な役割を果たす時期もあると考えております。そういうことは、実はもう既にいろいろ我々なりに手を打っておりまして、来年ということでも十分できますので、夏を待たずにでもいろんな形で仕掛けをして、そしてそういう枠組みを実質的に動かしていくという形で私は進めていくべきではないか、そんなことを考えております。  御提案の二〇一五年のCOP21の議長ということでありますが、今回改めて会議出席をして……
  69. 川口順子

    ○川口順子君 場所です、今言ったのは。
  70. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 失礼しました、場所ですね。場所を日本でということに関しては、非常に前向きな御提案ということで承りたいというふうに思います。  もちろん、まだ全くそれに向けての検討はしておりませんし、どういう形で二〇一五年まで持っていくのかということについてはまだ議論をしておりませんので、これからしっかりとそういった戦略を立てる中で、どういった形で二〇一五年を迎えるべきなのか検討してまいりたいというふうに考えております。
  71. 中野譲

    大臣政務官中野譲君) 今環境大臣から二〇一五年についてのお話がありましたけれども、これは委員重々御承知だと思うんですけれどもCOPがどの国で行われるかというのは、国連の下での五つの地域グループがローテーションでやっているわけでございまして、今年はその中でアフリカ、南アフリカということでした。次がアジアなんですね。ですから、来年のCOP18はプレを韓国でやって、そしてカタールのドーハでCOP18をやるということでございます。その次が東欧に行きまして、それから今度は中南米及びカリブ諸国に行きまして、そして西欧に行ってまたアフリカに戻ってくるという形でございまして、委員の御提案の二〇一五年というのは残念ながらアジアのローテーションの年ではないということの中で、私たちも先ほど申し上げたとおり積極的にかかわっていくというふうな気持ちは十分持っておりますので、そことの整合性も含めて、どのような形で私たちが二〇一五年に向けて日本立場をしっかりと示していくことができるかというふうなことで検討をさせていただきたいと思っております。
  72. 川口順子

    ○川口順子君 ローテーションの話は当然にありますが、ルールルールでありまして、日本の熱意は熱意であると私は思っています。ですから、このルールだからこの年にはできないと最初から決めてしまわないで、日本はとにかく何でもやってまとめるんだ、ルールいかんを問わずこの年は日本でまとめるんだぐらいの熱意で取り組んでいただきたいというふうに思います。  それから、細野大臣のおっしゃったFTAのようなもの、WTOに対する、というのは私も非常に興味深い提案であるというふうに思っていまして、一、二年前の予算委員会のときに、主要国だけで、要するに全部が集まってコンセンサスで決めるというと大変ですから、主要国が集まって決めれば、たしか上位で考えて八番目ぐらいまで入れると、今の先進国とBRICsとそれからVISTAの国々ぐらいまで入れると七、八割ぐらいのカバーをします。ですから、そういった中でやるというのも一案であるということを申し上げたことがあります。そういうことも含めて御議論をいただきたいというふうに思います。  それから、さっきちょっと大臣がおっしゃろうとなさったもう一つの私の提案は、議長を取るべきだということです。これは、せっかく日本主張で新しい枠組みをつくるということになったわけですから、これをやっていく責任を日本が持つべきだというのが私の意見です。これは、何も目立ちたい、日本がリーダーシップを取っているということを見せるということが中心ではありませんで、国際会議で議長の力というのは非常に強い。ですから、日本日本の思うような枠組みをつくろうと思ったら、一番早道は議長になることなんですね。ですから、それも御提案をさせていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
  73. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおり、議長というのはまさにその会議のイニシアティブを取るわけですから、非常に大きな役割だということは、今回も南アのマシャバネ議長を見ていましても、本当に大変でしたけれども、本当に頑張っておられる姿を見て、我々もそれを何とか助けようというムードも出てきて合意に至ったという経緯も含めて、いや本当に議長というのは重い役割だということは感じたところでございます。  今初めて御提案を聞かせていただきましたので、中野大臣政務官の方からも開催国としてはいろんなこれまでの慣例もあるということの中で、どういった考え方を取るべきなのか、一旦少なくともそういうお話をいただきましたので、今日はしっかりと承ったということで御理解いただければと思います。
  74. 川口順子

    ○川口順子君 申し上げたのは、COP21の議長を取るということではありませんで、これはもしCOP21を日本でやれば、京都でやれば当然に議長は日本がやることになります。申し上げたのは、今度つくることになった新たな枠組みをつくるための特別作業部会、これの議長を取って数年間COP21まで日本がやるべきだということで、大変ではありますけれども日本がいいと思う形の枠組みをつくる一番の早道であるということでございます。もう一度。
  75. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 済みません。勘違いいたしまして大変失礼いたしました。  作業部会の議長もそれぞれ大変重い役割を果たしておりますし、その御提案は改めてしっかり、先ほど申し上げたような形で承らせていただきました。大変失礼いたしました。
  76. 川口順子

    ○川口順子君 大臣としてはどう思っていらっしゃいますか。
  77. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まずは承らせていただきました。
  78. 川口順子

    ○川口順子君 この問題については、また別な場で聞かせていただきたいというふうに思います。  いずれにしても、我が国が自分の国内の体制を早くつくるということが大事で、先ほども申しましたけれども、夏では遅い、もうできるだけ早く、少なくとも三月ぐらいまでにはきちんとつくってそれから動くということが重要であるということを御指摘申しまして、この点については総理にも十分に頭づくりをしていただくように細野大臣から働きかけていただいて、時間になりましたので、質問は終わります。  ありがとうございました。     ─────────────
  79. 松村祥史

    委員長松村祥史君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、徳永エリ君が委員辞任され、その補欠として小西洋之君が選任されました。     ─────────────
  80. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  細野大臣大変御苦労さまでございました。  まず、質疑に入る前に、同僚の委員からも話がありましたが、冷温停止状況関係、あるいはこれは仮称の原子力安全庁の関係について一言申し上げたいと思っております。  冷温停止といわゆる冷温停止状態、この違いが不明確だということですね。これは学術的な用語でもありますし、状況、状態というのはちょっと違った意味合いに使われている、そういった意味では不明確であるなと思います。それから、原子力災害対策特別措置法の第十五条、これは緊急事態宣言を今回五回出されておりまして、それはまだ解除をされていない段階でありますので、そういう意味では、こういう宣言をしたということは非常に心外だと私は思っております。本当に正しいやり方であったのか、宣言の仕方であったのか。私は、被災者、国民の信頼を損ねるものであったというふうに指摘をしておきたいと思います。  それから、COP17の関係でありますけれども、内容を極めてシンプルに言うならば、日本排出削減の規制措置、これがなくなったということだと私は思います。規制官庁である環境省自らが日本の排出規制をなくすことに、それを進めたようなことになっているなと、少なくともそう受け止められている部分もあると。  私は、またこれは原子力安全庁の関係になってくるわけでありますけれども、言うまでもなく原子力に対する規制組織であるわけでありますので、国民の、あるいは被災者、今後の原子力規制そのものを政府は国民本位に立ち返って厳正、堅実に進めてくれるのであろうか、そういう懸念を持っていると私はとらえております。  公明党は、政府から独立した独立行政委員会にすべきだと言っているわけでありますが、私は、原子力規制の環境省外局構想ということについては、今のままであるならばその中身に懸念を感じざるを得ない。  例えば廃棄物、これは環境省の規制対象になっているわけでありますけれども、いわゆる放射性物質の廃棄物の処理、処分の規制については全く触れていないと。これは世代間の倫理あるいは世代間の公平性等に、大きな問題にかかわってくる話でありますので。それから、政府が宇宙航空研究開発機構法、この改正を行うやに聞いておりますが、安全保障面の強化ということを示唆しているように私はとらえておりますし、そういう指摘もあります。これはプルトニウム政策との関係性が国際的にますます懸念されかねない、そういうことも十分考えられるわけなんでありますので。さらに、こういう方もいらっしゃいますけれども、原子力基本法の制定に力を尽くして三年前に亡くなった伏見康治博士が、晩年、長男の伏見譲博士に、もう自分は原発の安全性を保証できないと言ったとされますけれども、これはまだまだそういった意味で、規制という関係を考えると、原子力安全庁の構想の中身についてはやはり私はしっかりと議論しなければいけないと。  先ほど理事会で一月中に法律案が出されるという話でありますけれども、事故収束宣言、これも拙速でありますけれども、組織構築関係についても私は拙速ではないかなと、改めて私は政府は説明責任を十分果たすべきであると、このように指摘だけしておきたいと思います。答弁は、私、二十分程度の時間でございますので、別の機会にいただきたいと思っておりますが。  それでは質疑に入りますが、大臣からも報告がありました。日本政府COP17において大筋何を得ることができたか、何が明確になったととらえているか、改めて伺いたいわけでありますけれども、特に国内への波及効果、これはメリット、デメリット、その両面があると思いますが、どのような整理をしておりますか、その辺について御答弁をいただきたいと思います。
  81. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 冒頭いろいろ御発言がありまして、私も御説明をさせていただきたいことがございますけれども、この場では控えさせていただいて、またしっかり御議論させていただきたいというふうに思います。  COP17の評価でございますけれども、先ほど冒頭でも御説明申し上げたような幾つかの具体的な成果というのがございます。中でも最も大きな成果は、全ての排出国が入る枠組みについての道筋ができた、二〇一五年までにその枠組みをつくり二〇二〇年からは適用する、ここが最大の成果であるというふうに思っております。  先ほど冒頭で、環境省は自らが削減義務を課す枠組みから離脱をするという、そういう御趣旨の御発言がございましたけれども、それは前向きに新しい枠組みをつくることに最大の貢献をしようというのが環境省の中での、もう相当の議論をした中での我々のスタンスなんです。ですから、日本がその義務、足下で課される課されないという、そういうことを乗り越えてでもやはり新しい枠組みをみんなでつくっていくんだ、そのことに最大限のエネルギーを費やしたということを加藤委員には、ずっと環境政策をやっていただいておりますので、ここは是非分かっていただきたいなと切に申し上げます。  それが国内でどういう波及効果があるのかということなんですけれども、当然新しい枠組みに向けて我が国としては最大限の国際貢献をしていかなければなりません。そして、その前提は国内でしっかりと対策をするということでございますので、そこが我々がしっかりとこれからやらなければならない最大の課題であると考えているところでございます。
  82. 加藤修一

    ○加藤修一君 基本法の十条の第一項とか第二項、これがどうなるかと。いわゆる二〇二〇年から発効するという話になれば、先ほど同僚の委員からもこの点については話がありました、質問がありました。この点について考えていくと、これ形骸化しているというふうに言いようがないように私は理解しておりますけれども、ここはどうされる予定ですか。  先ほどこういう話もありました。東京新聞では、その面については、たしか政府二五%目標見直しへということでありますけれども、これが本当なのかどうなのかよく分かりませんが、いずれにしても、十条の第一項、第二項というのは意味をなくしてしまうという理解が真っ当な理解の仕方だと私は思っていますけど、どうですか。
  83. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 二〇二〇年というところで私ども設定をしております前提条件というのがございます。その前提条件と今回の合意との関係がどのようなものになっていくのかということについては、まさにこれからの交渉の中で様々変わり得るものだというふうに思っておりますので、現段階で断定的に前提条件が崩れたか崩れていないかということについて申し上げるのは必ずしも適切ではないと考えております。
  84. 加藤修一

    ○加藤修一君 それで、国内に対する波及の関係で、それはメリット、デメリット当然ありますけれども、先ほど、これは二国間の話でありますけれども、クレジットの話が当然出てくる。これは、国内においても森林の関係のクレジットとか、あるいは大企業と中小企業の間で発生するクレジットの関係等含めてあるわけですよね。これが本当に機能するような状態になってくるのかどうなのか、この辺はどうなんですか。
  85. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ちょっと加藤委員の御質問の御趣旨、もう少し、ごめんなさい、御説明いただけると幸いなんですけれども、確かに、排出権取引という意味ではまだ制度が実験的な段階で十分に確立をしておりませんので、そういった面では、それこそ制度構築自体に少し時間が掛かっているというのは事実だというふうに思います。  一方で、京都メカニズムの中にはCDMに代表されるような国との間での様々なお互いに協力をしていく枠組みというのは存在をしているわけですね。それを更に我々は様々な経済的な活動も含めて積極的に生かすということで今回主張いたしまして、一定の理解を得られたものであるというふうに考えておりまして、それをこれからしっかりと活用しなければならないという趣旨で先ほど答弁をさせていただきました。
  86. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ、CDMの関係について言いますと、これは京都メカニズムの関係になりますけれども、これは本当に使えるという話になるんですか。あえて確認しますけれども
  87. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 我々は京都議定書の第二約束期間には入っておりませんので、そういった意味で直接的なその部分で義務は課される形にはならないわけであります。一方で、京都議定書締約国ではありますので、このCDMを始めとした枠組みについては、これはこれからもコミットできる形にはなるわけですね。  大事なことは、義務を課されませんから、それをどう活用するのかということが具体的に何か目標影響するということではなくて、この京都メカニズムというのは、間違いなく次の、主要国が、全ての排出国が入る枠組みにおいても生かされるべきものだろうというふうに考えるわけです。ですから、そこはしっかりと我々としては、これからも拡大をするという観点の中で積極的に活用するという観点で臨んでまいりたいと思っております。
  88. 加藤修一

    ○加藤修一君 いや、そこはまだ固まっている話じゃないですよね。どう理解していいか分からないですね。それは、要するに、生じたクレジットをどこかで処理しなければ意味がない話ですからね。しかも、それは制約が掛かっていて初めてクレジットが非常に増大する等々含めて、要するにそれが低炭素社会の移行に効果があるという話になるわけですよね。
  89. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 実は、CDMの取扱いを第二約束期間について、会議の前にはプレッジした国だけに制限してはどうかという御意見があったわけですけれども、今回のCOPでは、第二約束期間のCDMの取扱いについては新たな決定はなかったということでございます。  したがいまして、一三年以降の京都メカニズムについては、私どもの考えとしては、新たな決定がないということは、要するに京都議定書枠組みに入っている国は活用が可能ではないかというふうなことで、今大臣が申し上げたようなことで、そういうことで活用できるのであれば日本としては活用していきたいというふうに考えておりますが、そういう意味で、今委員がおっしゃられたように、何か新たに使っていいということも前向きに決まったというわけでもなく、逆に使ってはいけないということも決まっていないという状況が今の状況でございまして、今後更にそこについては新たな決定があり得るということではあると思いますけれども、現段階では、使ってはいけないという決定がない以上使えるのではないかと我々は考えているということでございます。
  90. 加藤修一

    ○加藤修一君 いや、そういう不安定な状態で企業が経営計画の中でそういった面についての押し出しをすることができるかどうかというのは、私は非常に疑問だと思うんですよね。やはり五年とか十年先を目指して経営計画は立てるわけでありますから、それはインセンティブが私は湧かないと思いますよ、そういう不確かな答弁じゃ。それはどういう、要は困っている人がたくさん出始めてきているんですよ、そういった面について。どうなんですか、心配だ、このまま進んでいいんですかという話なんですよ。
  91. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 京都議定書の第二約束期間の中身につきましても、COP18までにいろいろな、今は期間も決まっておりませんし数値も決まっておりません。そういう詳細なところはCOP18までに決めるということでございますので、早急に委員が御指摘の点についても明らかになっていくようになるんではないかというふうに我々も期待しておりますし、そういうふうに努めたいというふうに思っております。
  92. 加藤修一

    ○加藤修一君 我が国の方針の関係で、対処方針でありますけれども最終目標は、全ての主要国参加する公平かつ実効性のある国際枠組み構築する新しい一つの包括的な法的文書の早急な採択であると。  今回道筋はできた、二〇一五年までには少なくとも合意をしましょう、それは発効は二〇二〇年からということでありますけれども、これは今言ったクレジットの関係含めて、これは、その前に効果が出るように考えるということを特に考えていくならば、私はやはり第二約束期間に戻ることだってできるわけですよね。五月一日までに数値も含めて報告することによって、要するにそういったことについてもやることはできるわけですから、その辺についてはどうお考えですか。
  93. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) CDMについて、いろんなこれから企業にそれこそ混乱が出ないような様々な情報交換は私どもとしてもしていかなければならないというふうに思っております。一方で、そのCDMから更にこれを発展をさせて、いろんな諸外国との経済活動の中で積極的に貢献をしていこうという前向きな動きがあるのもまたこれ事実であるというふうに考えております。ですから、そこは、必ずしもそれがあるから負担になって企業が困るということでなくて、前向きにそれをどう生かしていこうかという観点で議論をすることが非常に重要ではないかということを申し上げておきたいと思います。  その上で、京都議定書の第二約束期間なんですけれども、私どもは、もう少なくともコペンハーゲン以降は、第二約束期間は入らないということを世界にそれこそお伝えをしながら今回の交渉を迎えました。したがって、その交渉の中で、実際に交渉文書の中でもそのことが確認をされるような書き方になっております。したがって、我々は我々としてしっかりと努力は継続をしつつ、京都議定書の第二約束期間にはこれは入らないという姿勢は貫いていくべきではないかと考えているところでございます。
  94. 加藤修一

    ○加藤修一君 私は、あえて言うと、先ほど政府の最終目標を紹介いたしましたけれども、これはほぼ基本的にはクリアできる方向になってきている、それは非常に進歩した内容だと私は理解しておりますけれども。そういった中で、これは戻ることについても、第二約束期間についてしっかりと考える、それを計画の中に入れる、そういうことも一つ再考すべきだと思うんですよ。先ほどいろいろ話がありましたけれども、要するに、我が国は将来の包括的な枠組み構築に資さない場合については第二約束期間については考えないという話なわけですよね。しかし、相当の程度でこれはクリアができているということでありますから、私は戻ることも含めて、それはもちろん規制をしっかり強化しなければいけない、担保しなければいけないということが当然出てくるわけでありますから、そういうことを通してやはり低炭素社会に強力な在り方を示すべきだと、そういうふうに考えておりますけれども、その辺はどうですか。
  95. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そういった御議論があることは私も理解をいたします。ただ、その一方で、新しい枠組み道筋ができたということで御報告をしながらも、それが確たるものになるかどうかというのは相当しっかりと見ていかなければ、簡単な道筋ではないというのも一方で事実なわけです。そういったことを考えると、京都議定書の第二約束期間が、それこそ多くの国がどんどんまた参加をして固まることで、それこそ先進国がまず義務を課すという枠組みが中心だということになるのもむしろ新しい合意をつくりにくくなるという面があるというのを、私は今回の交渉を通じても感じたところがございました。  したがって、その枠組みをとにかく新しくつくっていく、新しい枠組みをつくりそれを確実なものにしていくということに最大限のエネルギー我が国は投じるべきではないかと考えております。
  96. 加藤修一

    ○加藤修一君 今、基本法が、審議している最中でありますけれども、これ早期にやはり成立させなければいけないと思っているわけですけれども大臣の気持ちは当然早期にというふうに考えているでしょうが、その辺の見通しはどう考えていますか。それと、これは修正協議とかそういったことになる可能性も十分考えられると。二度Cの持つ意味というのも非常に大きいわけでありますので、それを含めて大臣の答弁を伺いたいと思います。
  97. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私どもが出させていただいている基本法については、非常に重要なものでありますので、是非御審議をお願いをしたいというふうに思っております。その一方で、各党様々な御意見があるというところももう既に伺っておりますので、様々なそういう御議論を踏まえて、対応すべきところがあれば柔軟に対応していきたいと考えております。
  98. 加藤修一

    ○加藤修一君 時間が参りましたので終わりますけれども、またこういった面について時間をいただいて議論を深めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  99. 水野賢一

    ○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  温暖化対策の大きな柱というのが、再生可能エネルギーの普及ですよね。今年の八月に再生可能エネルギーの買取り法というのができたわけですけれども、そうすると次に焦点になるのは、じゃ幾らで買い取るのか。  というのは、高く買えば買うほど普及はしやすくなるわけですからこのことが焦点になるわけですけれども、これは法案審議の過程で、政府も国会答弁などで幾らで買い取りたいというふうな水準を示してきましたよね。ただ、その後審議の途中で国会でこれは修正されていますから、修正されて調達価格等算定委員会というところが価格を決めるんだというふうになったんですね。正式に言うと、政府は買取り価格を決めるに当たって調達価格等算定委員会の意見を聴かなきゃいけなくて、聴いてそれを尊重するというのが正しい表現かもしれませんけれども、いずれにせよその調達価格等算定委員会が事実上決めていくようになったわけですが。  そうすると、伺いたいのは、政府は今まで国会答弁などでいろんな水準、このぐらいの価格で買いたいというふうな水準を言っていたのは、もう今は調達価格等算定委員会が決めるんだから、言わば今まで政府が言っていた答弁というのは無効になったのか、それとも、言わば何か最低ラインとしてこの水準は維持するんだという、何かそういう最低ラインなのか、今どういう状況なんでしょうか。
  100. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。  買取り制度の価格設定については、国会に提出した当初、政府は太陽光以外の電源について一律の価格設定を想定しておりました。それとの関係で、具体的には、太陽光発電は、買取り価格について住宅は三十円台後半、事業用の設備はこれを参考に特殊性等を勘案して定める、買取り期間については住宅は十年、事業用は十五年というのを軸に。また、太陽光発電以外の電源については一律ということで、買取り価格は十五円から二十円の幅の中で二十円に近い水準、買取り期間は十五年を軸にということを想定しまして、御指摘のとおり国会でも答弁をいたしておりました。  ただ、この答弁の後、御指摘のとおり政府案は修正をされておりまして、大きく三つぐらいの点で修正をされております。一つは、再生可能エネルギーの発電設備の区分、設置形態及び規模ごとに買取り価格と期間設定を行うこと。それから二つ目が、買取り価格については、通常要する費用に加えて供給者が受けるべき適正な利潤等を勘案して定めること。そして三つ目は、委員指摘のこの調達価格等算定委員会の意見を尊重しなければならないことという形で成立をいたしております。  したがいまして、政府としては、これは修正の上成立した法律を遵守して施行を行うということはもう当然でございまして、当初、政府案提出時に政府が答弁していた考え方は当然に修正が必要であるというふうに考えております。  調達価格等算定委員会委員に対しましても、決まった場合には、この成立した法律の趣旨と国会審議での御議論をしっかりと踏まえていただいて審議をいただくようにお願いをする予定でございます。
  101. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、ますますこの調達価格等算定委員会での議論というのが重要になってくるわけなんですけれども、この五人の委員の人選というのは、十一月に政府が、経済産業省が提示をしてきたんですね、国会同意人事ですから、これは。で、これはいろんな問題点が指摘をされて実は採決に至らずに、これは法案と違って継続審議にはできないから、こういう同意人事の人事案は、だから廃案みたいな形になったわけですけれども。  さあそこで、この人選というのは、今いろんな問題点が指摘されたと言ったものの大きい一つは、プロセス、手続だったんですね。つまり、同意人事というのは本来政府が提示するのかと思いきや、プロセスにおいてはどうも先に民自公の三党にどういう人がいいですかというお伺いを立てて、その推薦してきた人を政府が追認する形で提示してきたと。これはやらせとか自作自演じゃないかという批判もあって、だからこそこれは採決に至らなかったんだけれども。  さて、通常国会で新たにこれはまた提示せざるを得ませんわね。そのときに、これは同じ人を提示するということも論理的には、これは技術的には可能なんだけれども、まさかよもやそんなことはしませんよね。
  102. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) 委員がおっしゃる調達価格等算定委員会、これについては、もう御案内のとおり、その買取り制度の法案のときに民主、自民、そして公明党が合同で法案の修正をしたと。それに基づいて合意文書というものができたと。その合意文書には、その算定委員会の人選についてはお互い相談するということも明記されて……
  103. 水野賢一

    ○水野賢一君 そんなことは書いていないんですよ、合意文書には。そんなことは書いていない。人選の相談をするなんて書いていませんよ。事実と違う答弁しちゃいけませんよ。
  104. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) いえ、人選の相談……
  105. 水野賢一

    ○水野賢一君 相談なんて書いていないですよ。
  106. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) 人選に当たり協力するということは書いてあります。協力をするということが書いてあります。それで、そういうことで、我々としては、異例ですこれは、明らかに、おっしゃるとおり、同意人事については人事の性格上あるいは情報管理上好ましくないと。しかし、こういう経緯を踏まえて我々も各党に推薦をお願いしてそれを参考にしたというところでございます。
  107. 水野賢一

    ○水野賢一君 今答弁にもあったように、好ましくない、異例だという話があったわけだから、それで、そういうふうに認めてるわけだから、政府も。だから、何もこの五人を全部、全員取っ替えるかどうか、これは話は別ですよ。だけれども、よもやおかしい、つまり異例の手続、好ましくない手続だったと認めている以上、それをそのまま同じことを出すということはしませんよねというのが質問です。
  108. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) 今後の対応については、正直、今検討中でありますが、先生の今おっしゃった選定過程の指摘とかもちゃんと踏まえて今後しっかりと対応していきたいと思います。
  109. 水野賢一

    ○水野賢一君 だから、政府自身が異例で好ましくないという手続だったと言っている以上、それをそのまま同じことを出したら、これは事実上それを正当化しちゃうわけですから、そういうことはしないようにしてもらいたいということを言いますが。  これ、手続以外にもう一つの論点になったのが、人選が非常に再生可能エネルギーの普及促進に慎重派、否定派が多いじゃないかという、NGOなんかに言わせれば五人のうち三人、過半数が慎重派で占められていて、この人選も問題だという声もあったんですね。  これは、私は一般論として言えば、審議会とかを何も推進派だけで固めるとか反対派だけで固めるって、これは余り、結論先にありきの審議会になっちゃうから、それは両方バランス、両方の方から人選するということ、このことは別に否定しませんけれども、しかし、再生可能エネルギーの普及促進を図るという中で、否定派、慎重派が過半数を占めるというのは、やっぱりいかに何でもどうかというふうに思いますけれども、この辺の人選、どう思いますか。
  110. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) この人選の要件については、御案内のとおり、この法律の三十三条で、電気事業、経済等に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから選任するという考え方で書かれております。  そういう観点から、政府としては、消費者の意見、あるいは、これ御議論が出ているわけでありますが、サーチャージが課される側の産業界の意見、それから、これも御議論が出ているわけですが、電気事業の専門家の意見、それから経済学者の意見、無論、再生可能エネルギーの専門家の方の意見、こういう多方面の知識と経験を有する者の構成が必要と考えて今般の人選をさせていただいたものでございます。  ただ、これについていろんな御意見があるのは十分承知しておりますので、先ほど政務官からお答え申し上げましたように、政府としてそういうことも、いろんな御意見がありますので、本当に多角的な御意見をきちんと配慮して、今後どうしていくかを検討させていただきたいと思っております。
  111. 水野賢一

    ○水野賢一君 これはちょっと通告なくて申し訳ないですけれども、この委員の任期って政務官、何年だか御存じですか。もしあれだったら事務方でも結構です。
  112. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 済みません、三年だったと記憶しております。済みません。
  113. 水野賢一

    ○水野賢一君 三年なんですよ。一方で、この法律、再生可能エネルギーの買取り法というのは、附則第七条にどう書いているかというと、今後三年間再生可能エネルギーの集中導入期間であって、だから、漫然とと言ってはなんだけれども、のんべんだらりんと再生可能エネルギーの普及というのじゃなくて、最初の三年は特に集中導入期間と書いてあるんですよ。つまり、この今後選ばれる人たち五人の任期というのがちょうどその集中導入期間に当たっているわけですよ。であれば、特にその導入派というか推進派というのを、少なくともそれが少数派になるというような人選は法律の趣旨に反するんじゃないかというふうに政務官に伺います。  人選に当たって、法律の趣旨を普通に考えたら、しかもこれは国会修正で加わったところですよ、今の集中導入期間、附則第七条は。だから、これは法律の趣旨にのっとれば、やっぱり推進派を多く、なるべくそういうような方にやっていくというのは、法律の趣旨にのっとる人選にすべきじゃないですか。どうですか。
  114. 北神圭朗

    大臣政務官北神圭朗君) 通告がなかったので条文とかちょっと見ていなくて答弁をさせていただきますが、導入期間年間だと、したがって、おっしゃるのは再生可能エネルギーを導入するために専門家をもっと多く入れるべきだという話でありますが、元々の我々の考えは、再生可能エネルギー反対派という位置付けは全くなくて、消費者の立場とか経済、やっぱり実体の経済を分かっている人たちとか電気事業の専門家とか経済学者とか、そういったことをちゃんと分かっている人たちが入ると。それは、やっぱり再生可能エネルギー導入といっても、これはいろんな、経済にも当然影響するものですし、電気料金の上昇によって消費者にも負担になることですから、我々としては公正な、できるだけバランスの取れたものを出すべきだというふうに考えております。  ですから、導入期間だから必ずしも再生可能エネルギー人たちをたくさん入れるということではないと私は思いますね。
  115. 水野賢一

    ○水野賢一君 それは、そもそもこれは再生可能エネルギーを普及させるための法律で、しかもその法律の中の最初の三年間は集中実施期間というふうに、それは国会修正で附則第七条で加わっているんですよ。あなたのその答弁というのはそれを根本的に無視しているというふうに思いますが。そもそもこれはだからしっかりと政府が来年出すんだから、そのときに私の今の言ったことなどを踏まえてしっかりとした人選を国会に提示をしてもらえればと思いますが。  ちょっと次の質問に入りますけれども、夏に電力使用制限令というので、一五%、東京とか東北ですね、ここに関しては使用制限令というのが大口需要家には掛かったわけですけれども、これ違反すると百万円以下の罰金ですよね、電気事業法二十七条によって。この前もちょっと聞いたんですが、これを超えちゃって電気を使った事業者というのがあるわけですね。この数というのを、この前は中間集計段階みたいな数だったですが、あれ、今最新の状況では何社ぐらいがこのリミットを超えちゃったんでしょうか。
  116. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 電気事業法第二十七条に基づく電力使用制限でございますが、七月一日から計平日五十日間、一日十一時間、合計五十日で十一時間でございますから五百五十時間行わせていただきました。この対象となる事業者の数は全体で一万八千八百五十九件ございます。このうち、五百五十時間において一時間でも超過実績のあった需要家を使用実績報告書又は電気事業者から聴取したデータで確認をいたしましたところ、合計八百三十一件、全体の四・四%でございます。これは全数を確認した上での数値でございます。
  117. 水野賢一

    ○水野賢一君 八百三十一社がそれを超えてしまったというわけですが、その中には程度のひどいというか悪質というか、そういうものからちょっとだけ一瞬超えちゃったというのといろいろあると思うんですが、今五百五十時間、五百五十コマあるとすれば、そのうち一番最悪に超えちゃった会社というのは、何回ぐらい超えちゃったというのは分かりますか。
  118. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 一番多く超えられたところは四百三十七コマでございます。これはテナントビルでございまして、去年の夏の段階では四分の一が空き室でありましたのが、今年の夏の段階でほとんど埋まったことによって必然的に電気使用が増えたというふうに聞いております。このテナントビルとしても、何もしなかったわけではなくて、節電の協力要請を行ったり、それからエレベーターの運転停止など共用部の節電は行ったわけですけれども、入居者が増えたために結果として五百五十分の四百三十七コマ超えたということでございます。
  119. 水野賢一

    ○水野賢一君 だから、ちょっとの時間うっかり超えてしまったというのと、やっぱり五百五十時間中の四百三十七時間超えていたというのは余りよろしゅうないですよね、これ罰則掛かっているわけですけれども。これ多分いろんな言い分はあるんだと思いますよね、そういう今のテナントの話なんかで。  それはそうなんでしょうけれども、これは最終的には罰則も掛かっているんだけれども、この電気事業法という法律はちょっと古いのか、何にも問題なしか若しくは罰則掛けるかというしかないわけですよね。普通よくこういう法律でも勧告とか公表とか措置命令とかいろいろあったりとかするんでしょうけれども、ここら辺、今後改正するに当たって、こういうような柔軟な、それは問題がある企業名は公表するとかという、何かそういうようなことを検討する価値はありませんか。どうですか。
  120. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) おっしゃるように、電気事業法、これ違反した場合に罰則ということだけで担保をしております。そのことによって、我々も非常に苦労しながら、一体どうしたものかという、どう運用するかということを考えて、今ほとんど全ての事業者からどういう事情で超えたのかということを、事情を聴取をほぼし終えたところでございますけれども、おっしゃるような論点、今後の改正に当たっての大事な検討の視点だと考えております。
  121. 水野賢一

    ○水野賢一君 温暖化対策に話を進めたいというふうに思いますけれども温暖化というのは二酸化炭素がもちろん一番有名な温室効果ガスですけれども、二酸化炭素以外にも例えばフロンなんかも極めて強力な温室効果ガスですよね。これはオゾン層も破壊するという問題もあるけれども、同時に極めて強力な温室効果ガスなわけですが、これ全世界でフロンガスというのがどのぐらい排出されているのか、そのデータ、どうですか。
  122. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) IPCC等によります特別報告書によりますと、二〇〇二年の段階でございますけれども、CFCの排出量が十六億五千二百万トン、HCFCの排出量は四億四千八百万トンということで、合わせますと二十億トンを超えるということでございます。
  123. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、これは今のはCO2換算ですよね、今言っている数というのは。となると、日本の一国のCO2の排出量が十二、三億トンぐらいですから、それよりもはるかに多いフロンが温室効果ガスとして全世界で出ているのが実態なわけですけれども。  じゃ、ちょっと事実関係伺いますが、これ、HFCは京都議定書の対象ガスですよね。ですから、海外のHFCを、日本がそれを回収、破壊などに貢献すればこれはCDMの対象になるけれども、一方で、今十六億トン出ていると言ったCFC、若しくはHCFC、これは温室効果ガスだけれども六ガスの対象じゃないから、どんなに海外でこれを回収、破壊したりしてもCDMの対象になりませんよね。ちょっと確認です。
  124. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) おっしゃるとおりでございます。
  125. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、要は、少なくとも今の京都議定書、私は京都議定書は極めて大きい歴史的な役割を持っていると思いますし、私はこれは重要なことだというふうに思っていますが、京都議定書の中では、CFCなんかを、これだけ出ているにもかかわらず、これはCDMの対象にならないから、つまり回収、破壊のインセンティブが働かないわけですよね。  これは大臣、やっぱり今後いろいろやっていくに当たって、ここら辺とかというのは、例えば日本が国際貢献ということなんかでも、CFCとかHCFCの回収、破壊を日本企業なんかももっとやっていきたくなるというような経済的インセンティブとか研究してみる余地はありませんかね。
  126. 横光克彦

    ○副大臣(横光克彦君) 今お話しのように、CFCやHCFC、これはオゾン層破壊物質であると同時に、今お話しのように大変な温室効果ガスでもあるわけですね。ですから、それを破壊することは極めて効果的な温暖化対策であるということでは認識は一致いたしております。  そのためにいろいろ我が国も取り組んではおるんですが、今言われたインセンティブの件ですが、これは、いわゆるモントリオール議定書に基づく生産、消費の、破壊にかかわる取組ですね、これを様々な面で着実に推進していると認識しておるんですが、我が国としてもこのインセンティブのことと別にまずやるべきことは、人材の育成とか、あるいは技術協力を通じた途上国におけるフロン対策にかかわる基盤整備、こういったものが重要だと考えておりますので、この分野で我々は支援してまいりたい、このように考えております。
  127. 水野賢一

    ○水野賢一君 今後いろいろと研究していただければというふうに思いますが。  排出量取引について伺いますが、排出量取引は、民主党のマニフェストなんかでも、これはキャップ・アンド・トレードによる国内排出量取引市場を創設するとかとあるんだけれども、去年十二月の閣僚委員会では、慎重に検討を行うとかと随分トーンダウンしているように見えるんですよね。  民主党がマニフェストに掲げてそれをほごにするというのは別にたくさんあるから余り今に始まったことじゃないんだけれども、創設する気があるのかどうか、これ大臣に伺いたいと。これで最後の質問にしたいというふうに思います。
  128. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) こうした取組、この気候変動の問題に対応する三本柱というふうによく言っておりまして、一つは税ですね。もう一つ再生可能エネルギー。水野委員、非常に熱心に取り組んでおられますので、これは実現に向けてかなり大きな一歩をもう既に踏み出しております。  この国内排出量取引につきましては、地球温暖化対策の柱であるという認識は持っておるんですけれども、一方で、産業に対する負担をどう考えるのか、さらにはどういった制度が果たして望ましいのかということについていろいろ議論がありましたので、そこで慎重に検討するとしたものであります。  ですから、断念をしているということではないんですけれども、その辺りもう少ししっかりと議論をした中で、どういったものが望ましいのかということについての結論を得ていきたいと考えておるところでございます。
  129. 水野賢一

    ○水野賢一君 終わります。
  130. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。  COP17が地球温暖化防止のための法的拘束力のある唯一の国際条約である京都議定書の第二約束期間設定したこと、また、それ以降の新しい国際協定を二〇一五年までに採択すると、こういう点で合意したことは国際的な取組にとって一歩前進だと我が党は評価しています。ところが、日本政府は第二約束期間への不参加表明されました。  細野大臣にお聞きしたいんですけれども、先ほども若干議論がありましたが、日本が第二約束期間参加しないということは、形式上はともかくとして、京都議定書から事実上離脱するということになるんでしょうか。いかがですか。
  131. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) このことはCOP17の会議でも明確に申し上げておりますけれども、第二約束期間には我が国は入らないという主張は一貫をしておりますが、一方で、京都議定書締約国であり続けるという意思は表明をしておりますので、そこはしっかりとこれからも継続をしていきたい。そのことによって、京都メカニズムを更に新しいこの枠組みの中にどう反映をしていくのかということにも直接つながるというふうに考えているところでございます。
  132. 市田忠義

    ○市田忠義君 今いろいろ言われましたけれども京都議定書の第二約束期間には参加しないということは、この枠組条約で合意された先進国途上国の間の共通だが差異ある責任の原則に基づく役割を放棄するものだと私は思います。  細野大臣は、COP17の合意は歴史的に非常に大きな第一歩だと、そう評価されています。今の答弁で、議定書から離脱したわけではないと。そう言うんだったら、第二約束期間参加して、その後の新しい国際協定の合意に力を尽くすと、これが先進国としての当然の責任を果たすことになるんじゃないですか。改めていかがですか。
  133. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは少し、市田委員のお考えと私が若干そこに温度差があるなということを感じております。  九七年の京都議定書議論の経緯、こういう会議参加をするわけですから、過去の経緯は全部しっかり調べにゃいかぬと思ってかなり克明に見たんですが、その時点でもまさに途上国先進国の役割分担の議論があったわけですね。途上国も入る枠組みをつくるべきだという先進国の意見もあった中で、いや、まずは先進国がやるべきだということになって、京都議定書のあの約束というのができたという経緯がございます。  それからもうそれこそ十数年たっている中で、全く同じ議論がまた今度はダーバンで行われているということに関しては、私はこの十数年間は本来はもっと前に進むべきであったのが進むことができなかった期間というふうに考えております。  それは、なぜここにとどまったのかというと、結局は先進国がまず約束をしてそこが固定化をすると。途上国からすれば先進国がやればいいという、この枠組みが残れば残るほど、むしろ途上国はそれを外からそれこそ、努力はするんだけれども、義務という意味では外から見ているということになりかねないわけです。ですから、ここを固定化するのではなくて、むしろ途上国も入る枠組みをしっかりつくろうということに我々は最大のエネルギーを使ってきたし、これからも使っていきたいということでございます。
  134. 市田忠義

    ○市田忠義君 共通だが差異ある責任、これについては正しかったと。間違ったという認識ですか、そうではないですね。
  135. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そうではありません。やはり先進国がこれまで温室効果ガスを出してきましたから、まず先進国努力をするというこの考え方には私は異存はございません。
  136. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本政府は第二約束期間参加しないで自主的な削減努力する、こういう姿勢だろうと思うんですけれども、私は自主的な削減だけで果たしてカンクン合意で示された産業革命以前からの世界の気温上昇を二度未満に抑えるということは果たしてできるんだろうかと。  そこで聞きたいんですけれども、国連環境計画の報告書では、二〇二〇年までに二度以内に抑える、この国際目標を達成するためには百二十億トンの削減が必要だというふうに言われています。そこでお聞きしたいのは、コペンハーゲン合意で条約事務局に提出された世界各国削減目標削減行動による削減量は何億トンになっているか。これは事務方で結構です。
  137. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 二度C目標を達成するための二〇二〇年の総排出量については四百四十億トン未満にする必要があるということに一方で言っておりまして、他方で、カンクンで出されました削減目標を積み上げて総排出量を計算いたしますと五百億トンから五百五十億トンということになりますので、今申されましたところから、削減が百億トン強から数十億トンというところにとどまっているということで、四百四十億トンという目標、二度C以下にするために必要なものとの間には六十億トンから百十億トンのギャップがまだあると。六十億トン、六ギガトンといいますか、六十億トンから百十億トンのギャップがあるという形になっているということでございます。
  138. 市田忠義

    ○市田忠義君 最大でも六十億トンでしょう、最大で、そうでしょう。もし対策が進まない場合は十億トンにとどまるということも言われています。自主的な取組では二度以内の目標を実現できないというのは、この数字からも私は明らかだと思うんですよ。第二約束期間でも削減義務をやっぱり課して積極的に取り組むことが先進国の歴史的な責任だということを指摘しておきたいと思います。  これも先ほど議論になったんですが、第二約束期間参加しない日本京都議定書の義務と活用はどうなるのか。一三年以降は、削減義務は果たさないけれども京都メカニズムは活用するということになるのか。先ほどの答弁だと、使ってはいけないと合意されたわけではないので使えるんだという意味のことをおっしゃいましたが、そういうことですか。
  139. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) まず、カンクン合意についての、どういうふうに実施していくかという話については、まだ未確定の部分がございますけれども、基本的にはルールを使って、各国できるだけ共通のルールを使いましょうということで、ルールについては京都議定書ルールしか今のところはございませんので、基本は京都議定書ルールを使えれば使いたいというふうに考えております。  そういう意味で、さっき御指摘お話がありますけれども、CDMについても使えるものなら使いたいというのが日本立場でございまして、今回、禁止する決定がない以上、使えるのではないかと考えているというところでございます。
  140. 市田忠義

    ○市田忠義君 使えるものなら使いたいと、そんな虫のいい話は国際的に私は通用しないと思うんですよ。マスメディアでも報道がありましたけれども、EUや途上国から、削減義務を負わなければCDMの利用は認められないという意見が出されたということもいろいろ報じられていました。  日本政府提案した世界低炭素成長ビジョンを読みますと、途上国への低炭素技術の普及促進、新たな市場メカニズムの構築で、京都議定書におけるCDMの更なる改善を目指すほか、二国間オフセット・クレジットを更に推進していくということが書かれています。  このCDMでは原子力の活用は認められていないが、間違いありませんね。このCDMでは原子力の活用は認められないということだと思います。これは間違いありませんね。
  141. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 先ほども申し上げましたように、第一約束期間のCDMのルールしか今のところございません。その中でのルールにつきましては、原子力については利用を控えるというふうになっているということでございます。
  142. 市田忠義

    ○市田忠義君 利用を控えるということになっているんですね。  一三年からの運用開始を目指している二国間オフセット・クレジット制度、ここでも原子力の活用は認めないということですか。これはどうですか。
  143. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 二国間オフセット・クレジットの仕組みにつきましては、まだこれから各国、二国間での話合いを踏まえながらつくっていくという段階でございますので、その点はまだ確定しているということではございません。
  144. 市田忠義

    ○市田忠義君 CDMでは原発の活用は控えると書いてあると。二国間オフセット・クレジット制度での原発の活用はこれから検討だということは、これを活用することはあり得るということですね。
  145. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) その辺は何も決まっていないということでございます。
  146. 市田忠義

    ○市田忠義君 原子力の活用は排除しないということですね。
  147. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、基本的なお話として是非私の考えを申し上げたいんですけれども、CDMというのは、もちろん削減をするという意味先進国にカウントされますから、先進国にもメリットがある制度です。それは事実です。一方で、CDMというのは、途上国にまさにいろんな技術移転もして、そこで環境問題にしっかり取組ができるという途上国にもメリットのある制度なんですね。それと、市田委員冒頭で御発言されました二度目標を達成をするためには、もちろん我が国努力をしなければなりません。それは結果を出さなきゃならない。と同時に、これだけの削減をしなきゃならないのは、途上国でも結果を出さなければなりませんので、その意味で前向きな制度であるということを是非理解をいただきたいと思っております。  原発のCDM、さらには二国間オフセットですけれども環境省としては、これを今日本が積極的に活用して、これを我が国のカウントをしていくというような姿勢は持っておりません。
  148. 市田忠義

    ○市田忠義君 京都議定書の第二約束期間参加すれば、削減目標設定ということもありますけれども、京都メカニズムの規定で原子力の活用は控えるということになっていると先ほど御答弁がありました。しかし、第二約束期間に不参加であれば二国間で原子力を活用することは必ずしも排除されていない、これからの話合いだということを言われました。すなわち、新たな国際協定でも原子力は活用できるようにすると。  京都議定書から事実上離脱するという政府の大きな理由の一つ、全てとは言いませんが、その一つに、京都議定書では原子力の活用がやりにくいということも要因の一つ、原因の一つというお考えでしょうか。そうではないと言い切れますか。
  149. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そういった要因はございません。
  150. 市田忠義

    ○市田忠義君 一切ないですか。
  151. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) はい、ありません。それは、むしろ新しい枠組みをつくることにしっかりと注力をした方がトータルに排出量が減るという、その一点のみにおいてこういうことを提案をしたということであります。
  152. 市田忠義

    ○市田忠義君 じゃ、大臣、排除はされていないだけではなくて、二国間オフセット・クレジットで原発の活用を大いにやるという姿勢には立っていないということを確認していいんですね。今の答弁はそういうことですね。
  153. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 二国間オフセット・クレジットというのは、先ほどの局長の答弁にもありましたけれども、まだ国際的に確立をされた制度ではないんですね。ですから、我が国はいろんな努力をしていますけれども、それ自体も二国間では大変高く評価をされているものの、相手国には、国際的には何かカウントされているというものではありません。ですから、今の時点で、それを二国間でやったから何かこれでカウントしてくれというようなことを世界に対しても言う状況にはないということでございます。
  154. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本経団連が、日本政府京都議定書延長論にくみしなかったということを大変高く評価しています。また、電気事業連合会など九団体も京都議定書の延長に反対をして、二国間オフセット・メカニズム、この事業に産業界が積極的に関与していくことを提言をしていると。私、原発輸出に固執するそういう勢力がやっぱりそこを狙っているわけですから、あの福島原発の教訓を踏まえて、やっぱり原発の安全神話が崩れた今こそ原発重視政策も抜本的に見直して事故の教訓を世界に生かす、これが日本の責任だということを指摘しておきたいと思います。  産業界の提言で、二〇二〇年までに九〇年比で二五%削減という中期目標の見直しは不可欠だというふうに主張しています。これは東京新聞の報道ではありません。産業界の提言では明確にそううたっています。しかし、この中期目標日本の国際公約で、何よりもIPCCの科学的な要請に基づいた先進国の責任目標となっていると。  私は、日本はこの中期目標を堅持をして第二約束期間に一刻も早く参加すべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  155. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、第二約束期間については、政府内でも相当の議論を積み上げて国際的にも説明をしてまいりましたので、そこは今の姿勢を堅持をしていくべきであると考えております。  一方で、二五%でございますが、前提条件を付けた上で非常に大きな目標を立てたということの意味は私は非常に大きかったというふうに思っておりますし、この重みは今の我々もしっかりと受け止めなければならないというふうに思っております。その上で、現実を直視をしなければならないのも、これもまさに我々の置かれている状況でありまして、来年の春に選択肢を提示をして、そして夏には国民の皆さんに具体的な提案をするということについての議論を行う中でどう判断をしていくのかという、非常に難しい判断を迫られているものというふうに考えております。
  156. 市田忠義

    ○市田忠義君 ちょっと曖昧だったと思うんですけれども、二五%を掲げたことは積極的だったが現実を直視すると難しい問題があると。で、どうするんですか、結局。言われていることがよく分からないんですが。積極的だけれども現実を直視したらなかなか難しいということは、二五%をもう取り下げると、まさかそんなことをおっしゃるつもりではないでしょうね。川口委員から取り下げるのかという質問に対しても曖昧でしたが、いかがですか。我が党は取り下げるべきでないという主張なんですよ、主張なんだけど、いかがですか。
  157. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御主張はよく承知をしております。承知をした上で、もちろん環境委員会皆さんというのは、これは党派を超えてこの気候変動の問題にはしっかり向き合っていこうという方が私は集まっておられるというふうに承知をしています。  ですから、できるだけ高い目標を掲げるべきだし、掲げたいというふうに思いながらも、状況がいろいろと変わっているのもこれもまた事実でありますから、この状況の変化にどう対応し、そしてどういう努力が実際にやり得るのかということを見極めた上で、最終的には来年、できるだけ早い段階で判断をしていきたいと考えているところでございます。
  158. 市田忠義

    ○市田忠義君 多分大臣もお読みになっていると思うんですけれども、専門の科学者も参加しているCASA、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議が、福島原発が起こった後の六月に、二〇三〇年には全ての原子炉を廃炉するという前提で二〇二〇年二五%削減が可能かどうかということを検討した試算結果を公表しています。その結論は、LNGや再生可能エネルギーなどへのエネルギー源の転換と導入可能な省エネ技術の導入で、原発に頼らなくても二〇二〇年に二五・二%のCO2排出量削減が可能であると、そういう試算を発表しています。  私は、このCASAの試算を見ても、福島原発事故を理由にして、ちょっと現実を直視してというのは恐らく細野大臣の頭の中にそういうこともあると思うんですけれども原発事故を理由に国際公約である二〇二〇年二五%削減目標を取り下げるということはやるべきでないと思うんですが、改めていかがですか。
  159. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) CASAの提案は具体的なものとしては早い段階で出ていましたので、私も見てはおります。  別に変化というのは原発の事故だけではないと思っていまして、前向きな変化もあるわけですね。それは、温対税もそうですし、再生可能エネルギーの導入の動きが加速化しているということもあるし、節電に対する国民の思いが非常に強くなっているというのも、これも前向きな動きとして私は評価をできるだろうというふうに思っています。  その上で、やはり大規模な削減をするためには、先ほど川口委員指摘をされましたけれども、相当の技術革新が必要ですね。それをどれぐらい、じゃ今の時点で見極め切れるかというのも一方として問題がある、もう非常に難しいと考えております。ですから、そういうことも総合的に考えて、来年の判断ということになろうかというふうに思います。  同じような答弁で何度も恐縮ですが、現段階で申し上げられるのはこういったことだということで御理解を賜れれば幸いでございます。
  160. 市田忠義

    ○市田忠義君 この問題は引き続き別の機会に議論したいと思いますが。  ちょっと別の問題で、原発からは撤退して再生可能エネルギーの導入を飛躍的に発展させる問題について、時間限られていますから、一、二聞きたいと思うんですけれども。  先日、私、鉄の町と言われる岩手県釜石市で、再生可能エネルギーを増やして災害時にも活用できる町づくりについて聞いてきました、話を。さきの大震災のときに、風車には全く被害がなかったが、送電を再開したのは約一か月後と。釜石市の野田市長、こうおっしゃっているんです。市内にある風車や火力発電施設を非常時に活用できなかったのは大変もどかしかったと、そう振り返っておられました。  災害時は水や食事も大事ですが、明かりがともっているというのは市民を安心させるという点でも大変大事なことだと思うんですけれども、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを率先して導入している自治体、企業では、大震災の教訓からも再生可能エネルギー出力安定化のためには蓄電池の導入が不可欠ではないかということだと思うんです。この点について環境省、事務方で結構ですが、蓄電池の導入の必要性について、もう時間が来ていますから簡潔に。
  161. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 御指摘のとおり、災害時の対策本部とかあるいは避難所等を含めまして、そういう非常電源の必要なところについて再生可能エネルギーを利用するというのは非常に大きな可能性があると思っておりまして、そのためには今御指摘いただいたように蓄電池が不可欠になるということで、そうした取組については補正も含めまして国としても支援をしたいということで、仕組みをつくったところでございます。
  162. 市田忠義

    ○市田忠義君 もう時間が来たので終わりますが、支援のための対策も取ったと言われましたが、見てみましたら、環境省の蓄電池導入促進事業、僅か二期分で二十億六千五百万円にすぎないんですよ。余りにも脆弱だと。  大臣最後一言、余りにもこれは蓄電池が必要だと言いながら脆弱過ぎないかと、いかがですか。
  163. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 大臣、時間ですので、お答えは簡潔にお願いいたします。
  164. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 電気に対する考え方を変えないかぬと思うんですね。地産地消型の小規模でも地元でつくれるという状況に変えなきゃならないと思っていますので、蓄電は鍵です。  今御指摘の予算は限られていますが、グリーンニューディール基金というのもありまして、そこでできるだけしっかりやっていこうと。環境省、予算は小そうございますが、それをできるだけしっかり確保してやろうという姿勢は持っておりますので、引き続いて御支援をいただけますようにお願いを申し上げます。  ありがとうございました。
  165. 市田忠義

    ○市田忠義君 終わります。
  166. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時五十一分散会