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2011-10-27 第179回国会 参議院 外交防衛委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十月二十七日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 榛葉賀津也君                 谷岡 郁子君                 猪口 邦子君                 佐藤 正久君                 山本 香苗君     委 員                 一川 保夫君                 加藤 敏幸君                 風間 直樹君                 北澤 俊美君                 佐藤 公治君                 山根 隆治君                 宇都 隆史君                 岸  信夫君                 山本 一太君                 山本 順三君                 山口那津男君                 小熊 慎司君                 舛添 要一君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     玄葉光一郎君        防衛大臣     一川 保夫君    副大臣        外務大臣    山根 隆治君        防衛大臣    渡辺  周君    大臣政務官        外務大臣政務官  加藤 敏幸君        防衛大臣政務官  下条 みつ君        防衛大臣政務官  神風 英男君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        内閣法制局長官  梶田信一郎君        外務大臣官房参        事官       宮島 昭夫君        外務省領事局長  沼田 幹男君        防衛省運用企画        局長       松本隆太郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (文民統制に関する件)  (環太平洋連携協定に関する件)  (原子力政策に関する件)  (南スーダンPKOへの自衛隊部隊派遣に関す  る件)  (在沖縄米軍基地問題に関する件)  (国際平和協力法における武器使用基準の緩和  に関する件)  (日韓関係に関する件)  (F15の燃料タンク落下事故に関する件)  (国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条  約に関する件)  (東日本大震災による被害への対応に関する件  )     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣法制局長官梶田信一郎君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 おはようございます。民主党谷岡郁子でございます。  今日は、僣越ながら、我が会派を代表して、両大臣の御就任、それに対しまして御挨拶をさせていただきます。  この大変な困難なときに、あえて祝意というものを出すということはふさわしからぬ思いでございます。本当に大きな重荷を肩に背負われるということに対しまして、我ら一同、本当に皆様を支えるために頑張っていきたいということを今念じております。  外務大臣におかれましては、TPPまた普天間交渉、本当に重い仕事をしていただけると思っております。私は、玄葉大臣のこれまで御一緒させていただいたその良識、そして開かれた心というものを外交にふさわしいと信じておりますので、是非それを糧に頑張っていただきたいというふうに考えております。  一川大臣一川大臣におかれましては、この間、言ってみれば素人発言ということが出てまいりまして、様々にいろいろなことが言われてきたというふうに思います。  私も外交については本当に素人でございます。また、議員としても本当に素人に近いのではないかと思います。そして、それが国民を代表するということでもないかというふうにも思ってまいりました。その拙い外交防衛の経験の中で、特に防衛という言葉に対しては多少の違和感を感じてもまいった私が、この歴代のお付き合いをさせていただいた防衛大臣たち、その真摯さ、誠実さ、そして国民を思う心ということの中で、それを本当に考えを変えてきたということでございます。  私が最初の一年生のときに委員長であらせられた北澤先生以来、本当に多くの方に教えていただいたと思っております。そういう思いの中で、でも、格別な私は大臣がお一人いらっしゃるというふうに思っておりまして、それは石破茂大臣でございます。石破さんの持っている識見、人間としての厚さ、そして国民を思う心というものに、本当に毎回目からうろこが落ちる思いで私は教えていただいたと思います。  その石破茂先生、「軍事を知らずして平和を語るな」という御著書がございます。その中の一文に、四ページなんですけれども、こういうことが書いてあります。軍事マニア軍事オタクとやゆされる私ではあるが、しょせん素人にすぎない。しかし、また、素人である政治家軍事コントロールするのが民主的文民統制の根幹なのである。これは今そのままお読みしたんです。  その思いというのは、この文民コントロールというものがいかに大事であって、軍人でない、しょせんは分かったつもりになっても軍人世界のことは素人であるという、分かったつもりにならない、その謙虚さの戒めを持って文民コントロールにしっかり当たりたいという思い、これが実は一川大臣がおっしゃった思いではなかったかと思うのですが、一川大臣、それはいかがなのでしょうか。
  6. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) ありがとうございました。  私は、確かに問題になった発言、私の発言が正確に報道されているわけではありませんけれども、その言葉素人という言葉を含めた発言をしたことは間違いないわけでございます。  ただ、今先生がおっしゃったように、石破先生著書を読んで私が発言したわけでも何でもありません。ただ、私自身政治家になった折、国会議員になった折から、やはり国会議員である以上、外交とか安全保障にしっかりと関心を持ちたいという気持ちは常々思っておりましたし、ただ一方では、やはりそういう政策は国内的な政策とやや異なる面もございますから、しっかりと国民に分かりやすくやはり政策内容を説明する努力が必要だというふうにかねがね思っておりました。  そういう面で、国民の目線に立って、今回防衛大臣として安全保障政策なり、また防衛政策についてはできるだけ国民方々理解していただいて、その上で、多くの国民のお支えの中でこういう政策が実行できればいいなという思い発言をさせていただきました。文民統制という言葉もありますように、常にそういう気持ちで、謙虚な気持ち大臣職責任を持って務め上げていきたいと、そのように思っております。  ありがとうございました。
  7. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございました。しっかりとしたお言葉、しかと受け止めさせていただきます。  さて、今本当に、三月十一日の大震災以来、多くの国の、そして国民の温かい気持ち、そして物心両面で私たちは受け取ってきたわけですけれども、その国が今度はまた被災国となるという状況があります。それはタイの水害であり、またトルコの地震であると思います。まして、タイには多くの日本企業も進出しているということで、これは早くタイ国民皆様、私たち友人を助けなければいけないというふうに思っておりますが、この政府対応について外務大臣にまずお尋ねをしたいと思いますが。
  8. 山根隆治

    ○副大臣山根隆治君) タイ洪水被害につきまして、まず冒頭被災された皆さん、そして命も落とされた方、御家族の皆さん、そしてタイ国民に心より哀悼の意を表させていただきたいというふうに思っております。  現在、バンコクを含めて非常に警戒すべき状況にあるというふうに認識をいたしているところでございます。このよう状況の中で、総理の指示を踏まえまして、政府全体として対応をさせていただいております。  今、谷岡委員お話ありましたように、まず私たち、三月十一日の大震災による被災タイ皆さんからも温かい励ましのメッセージをいただいたり、あるいはまた国王からも丁重なお見舞いのお言葉をいただき、そしてまた多くの国民皆さんからも破格のということが相当するような額の支援もいただいてきたと、こんなふうなこともありますので、今回はその恩義にも報いる必要があるだろうというふうに思っているところであります。  また、災害対応防災分野での国際貢献として、日系企業集積地たるタイ進出日系企業を支えていきたいと、またタイ経済ASEAN経済全体も支えるべく、今後も復旧等も含めてしっかり対応させていただきたいというふうに思っております。  実は、先日、タイの駐日大使とお目にかかりました折に意外なことをむしろ大使の方からお声を掛けていただいたのは、日系企業が七千社もあるわけでございますけれども、これらの企業から逆にタイに対して、自分企業被災しているにもかかわらず、タイに対して温かな支援、財政的な面での支援等もいただいていることに感謝したいと、こういう表明もいただいてきたところでもございます。  我が国といたしましては、自国の企業に対しても、今後は資金調達円滑化生産体制の再構築など、企業活動の継続、再開に向けた支援を積極的に実施させていただきたいというふうに思っているところでございます。  既に、浄水器等緊急援助物資として五千五百万円相当を供与させていただき、国際緊急援助隊として防水対策専門家チームを既に派遣をさせていただいているところであります。二十六日には、地下鉄関係者地下鉄を向こうで工事に実際当たられた東京メトロの社員でありますけれども、二名、そしてまた今日、大阪の広域水道企業団から二名、この専門家チームとして派遣をさせていただくと、こういうことになっているわけであります。  また、タイ側のニーズに応じて無償資金協力も実施させていただく、そういう予定になっております。  以上でございます。
  9. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございました。  それでは、玄葉大臣、私は、与党の一つの役割ということの中には、時に本当に政府歴史の検証に対して堪えないと思った場合にはずばずば言うことでもあるということであるというふうに思っております。そこについて本当に苦言を呈すこともあるかと思いますが、どうぞ御容赦いただきたいと思います。  それで、パレスチナの承認問題について伺いたいというふうに思っております。  日本政府はこれまで、ある意味米国政府との補完関係と言ったらおかしな言い方になるかもしれませんが、バランスを取るという考えもある下に、パレスチナそしてアラブの皆様方は、本当に信頼を得る、仲介役になり得るようなそういうポジションというものをつくってきたと思います。しかしながら、パレスチナが承認を国連に対して今求めているという状況の中で大変言わば難しい立場に立たされていると思うんですが、この問題について今後どのように取り扱われていくのかというお考えをお聞きしたいと思います。
  10. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) まず、冒頭、御激励をいただきましてありがとうございました。お世辞を申し上げるわけじゃありませんが、谷岡議員は私が政調担当責任者だったときに副会長をやっていただいて、本当にバランスと見識のある発言敬意を表したいと思います。特に、いや、これは民主党はよくまとまりがないとかいろんなことを多くの方々がおっしゃるんですけれども、みんなの前で、リーダーシップよりフォロワーシップだって最初に言われたのは谷岡議員でありまして、本当にその勇気と適切な発言に心から敬意を表したいと思います。  その上で、今のパレスチナの話でありますが、我々は日本国政府としてパレスチナ国家樹立悲願というものを理解をしております。  私自身も、当選一回のときでありましたけれども、当時、外務大臣になられる前の小渕先生が団長で、アラファト議長最初選挙選挙監視団の一員で行ったことがあります。そのときに、投票所を歩くんですね。投票所をずっと歩くものですから、徒歩で移動する、そういう機会が何度かあって、一般市民皆さんと会話をするなどということも多々ございました。そのときに、今、谷岡議員が言われたように、一般市民にまで実はかなりの感謝を我々されました。それはどういうことだったかといいますと、日本は独特の支援、独自の支援というのを私たちにしてくれていると。そういう言葉をあちこちでいただいたということを記憶をしています。ですから、パレスチナ国家建設への悲願というのは私も皮膚感覚でも理解をしています。  同時に、やはりイスラエルとパレスチナ平和裏に共存する、二国家解決という言葉を使っていますけれども、二国家解決ということを支持をしていると。ですから、直接交渉早期再開というのがまず基本であるというふうに考えております。  併せて申し上げるならば、パレスチナの、先ほど申し上げた独立国家樹立を含む民族の自決権というものを支持し、その究極の目的である国家樹立に向けたパレスチナ人努力政治経済面から支援をしてきているということでありますが、この間の国連でのアッバス議長の演説で多くの国々が言わば立って拍手をされていました。私自身もそれを目の前で見ておりました。米国との関係云々もともかく、いずれにしても、どういう形、どういう道筋が先ほど申し上げたようパレスチナ国家、その樹立悲願理解し、同時に二国家解決に向かうのか、そのことを考えながら、様々な決議案に対する対応というものを内容をよく見ながらしっかりと検討していくということが大事だというのが基本的な姿勢であります。
  11. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 実は、この七ページ、玄葉大臣所信挨拶に書かれました、私は黄色のラインを引いたところが二国家解決の実現という言葉でございました。ここに本当にせめぎ合いながら厳しい姿勢で臨むと。そして、それは日本国益であり、何よりも国民益と。国民国民との友情ということの橋渡しとしての外務大臣の御決意だろうというふうに思っております。したがいまして、その姿勢を保っていただくということ。  そして、今、TPPにつきましては、特にそこだと思います。  かつて、日米交渉などで、経済産業省外務省には侍と言われた交渉人たちがいました。そして、その方々が、とにかく日本国益のために、国民のためにぎりぎりの思いで、命懸けで交渉をなさった。その振る舞い、姿勢というものを国民は信じたというふうに思っております。  ところが、ある意味で、この萎縮してきた二十年の中で、日本外務省や経産省もそこが少し変わってきたところがあるのではないかということを私は思っております。この間結ばれてきたEPA、FTAの交渉について、ともすれば、ある意味で今年は何か国締結できたとか、そういうノルマ的なことが優先された嫌いがあったようにも見えるところがございます。  去年、玄葉政調会長に命じられましてPTができました。そして、中国の人たち土地を買っているという問題等につきまして検討がありました。私もその中に入っておりました。その中で驚愕をいたしましたのは、相手保有をしている土地の不動産に対する国としての防壁というものを実は日本がほとんど取っ払っていて、その問題からいえば手の打ちようがないという状況に私たちがあるという思いでございました。  ある意味で、その保有のものがどの程度されているのかというようなこと、相手国問題等についてチェックをしてこなかった私たち国会の不作為であるかもしれないということも反省しつつ、やはりぎりぎりの交渉というものを相手としっかりとやると。交渉というものが、時には期限付であったり様々な思いというものはあろうと思います。政治的な圧力もあろうと思います。しかし、これほどTPPに対して慎重論があるというのはなぜかといえば、はっきり言って交渉の能力に対して、そしてそれ以上に魂、そして日本を守るんだという思いに対して、その真摯さというものが、政府が信じられない国民が多いということが今の状況、また、それを信じられない議員が多いということが今の状況を私はつくっているのではないかと思います。  したがいまして、私が何よりもお願いをしたいのは、玄葉大臣のお覚悟、そして絶対に国民益を、国民の将来を守りますというその決意を持って外交使節団を率いていただくということなのではないかと思いますが、その点いかがでございましょうか。
  12. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) まさに所信でも申し上げましたけれども、やはり外交目的というのは国益を守る、それはもっと言うと最大化する、それは国民益でもあるし、もっと言うと国際公益との重ね合わせというのを常に行いながら国益をしっかり守っていく、最大化する、それが私は外交にとって一番大切だというふうに思っています。  TPP交渉について、まだ参加するとも参加しないとも言っていないわけでありますから、一般論として申し上げれば、侍という話がありましたけれども、いずれの交渉においても、確かに交渉力というのが問われるし、同時に覚悟というのが問われるんだろうというふうに思いますので、それは外務省だけじゃないかもしれません、おっしゃるように、経産省も含めてになるのかもしれませんし、農林水産省もそうかもしれません。そういった、いわゆる経済交渉を行うときの覚悟というのをしっかり持って様々な交渉に、経済連携については臨んでいきたいというふうに考えております。
  13. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私は、米国という国、本当にそこから多くを私自身が育てていただいたという思いを持っておりますし、友人も一番たくさんおります。それと同時に、すごい国だとも思います。そして、その交渉というものは、このTPPの中では何といってもやはり米国との交渉というものが鍵になろうと思っております。それについて、頼りにならないんじゃないかという思いというのが国民が本当に今思っている思いなんだと率直に申し上げたいと思います。  やはり、私たちはタブーをつくってはならないと思います。例えば、ここに一川大臣いらっしゃいますけれども、F15、我が故郷の小松で起きた事件ではございますけれども、エンジンが爆発して落ちているというよう状況考えられるわけでございます。これまでにもいろいろ問題ございました。  そして、GEマークⅠ、私ここに持っておりますけれども、この福島の事故マークⅠというのは、国会での証言も、四月十二日に公聴人がされておる中に書かれているということとして、四十年来、GEマークⅠについては様々なことが言われてきたではないかと、そして、かつて三十五年前には実際に建設に、設計に当たった技師たち自身が辞めていて、その後もNRCの長官になった方を含めて、マークⅠについてはもうやめた方がいいんではないか、認可しない方がいいんじゃないかとまで言われてきた。しかしながら、我々は今、じゃそれに対する製造責任を何らかでも提起することができるような法的な条件にあるかといえば、ございません。そして、それはアメリカ交渉力がすごいんだと思っておりますし、日本のこれまでの経済外交歴史の中の実は私たちの弱さであり、もっと精進すべき分野ではなかろうかと思います。だからといって、アメリカを敵視する必要もないと思いますし、まああっぱれといえばあっぱれなんだと思います。その一方で、私たち交渉力のなさということのためにどれだけ多くの人々が、また、そして東電が一方的に責任を負うというような形になっているのか、ここに一人の人間としての理不尽さもまた感じるわけでございます。  したがいまして、この交渉の中で、やはり厳しい交渉を本当に大先輩米国に対してしていくのだということにつきましては、ぎりぎりの国益を守るということでやっていただきたいということを是非お願いしておきたいと思います。そして、それは同時に普天間問題ということでも同様だということだと思います。沖縄理解を求めるということの中で、私は、短い間ではありましたけれども、議員になって以来この問題とはずっと付き合ってまいりました。そして、ここに至らざるを得ないようなことがもしあるとしても、やりようがあったというふうに思っております。私自身は、この辺野古案というのははっきり申し上げて、率直に申し上げましていいと思っておりません。個人的に申し上げると反対でございますが、だからといって、それしかないというこれまでの苦渋の変遷というものもよく理解しております。  そこで、お願いをしたいことがあります。沖縄方々というものは、ただこの基地がどこに行くかという問題を求められているのではない。むしろ、長い歴史の中での占領下における二級市民主権者ではないという人間の尊厳にとってとても大切な問題というものが置き去りにされ、そして主権者になれるんだと思って七二年に復帰をし、それでも実は地位協定というものの存在の中で、自らの地で起こした犯罪に対する裁判権を持たないということの中で主権者として扱われてこなかった。この問題は、野党の皆さん方からもう再々に、去年、そしてこの二年間の国会の中でも言われてきたことであります。そしてまた、我が民主党のマニフェストにも書いてあることでもございます。  もしも、どうしてもこの辺野古というものを今後前へ進めるプランニングをお持ちであるならば、もう一方の魂の問題でありますこの問題、これに対して扉を開ける決意をしていただけないかということが私の問いでございます。いかがでございましょうか。
  14. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 外務大臣ですか。
  15. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 外務大臣です。
  16. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 日米関係を強固にするということが日本外交にとっての重要な基軸であることはもう言うまでもございません。  その中で、今の普天間の問題の関連の中で申し上げれば、やはりそういった問題の進展状況とかを鑑みながら、私はこういう問題もタイミングというのが重要だというふうに思っています。日米地位協定そのものに対しても強い問題意識を私自身も持っております。ですから、そういった問題について問題意識を改めて自分なりにしっかりと整理をしながら、タイミング、それと地位協定そのものの、協定そのものの見直しというよりは運用でできる部分というのも多々ありますから、やはり可能な限り、言葉だけではなくて、具体的に一つ一つ結果が出ないと、私は沖縄に改めて、外務大臣になってからは初めてだったんですけれども行ってみて、信頼されないですね、一つ一つ結果が出ないと、ということを感じます。  ですから、やっぱり一つ一つ結果を出していくということが大切だというふうに考えて、そういう思いでしっかりと取り組みたいというふうに思っています。
  17. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 最後に、玄葉大臣にもう一問、一川大臣、その後お聞きしたいことがございます。それは、原子力政策に関する世界各国の動向、この問題について外務省調査情報体制というものの強化をお願いできないかということでございます。  この間ずっと原発の問題に様々な形でかかわってまいりまして、世界は今、本当にウラン・プルトニウム路線から、そして再処理の路線から大きく動いてきていると。米国はユッカマウンテンからの退却ということ、もちろんございますし、アレバがソ連や中国と動き回って、また、チェコ、北欧というようなところがトリウムあるいは溶融塩炉、あるいはコンパクトな地下の小型の使い捨て原子炉というふうに、様々なオプションというものが盛んに研究されていると。しかるに、我が国の動向というものは、一九六〇年代にできたプラントというもの一辺倒であり、冷戦構造の中でつくられてきたウラン・プルトニウム路線というものに偏っているという感じがしております。  今、世界では様々なことが本当に起きていると。今、一番、原子力エネルギー、あるいはエネルギー政策そのものというものを日本で改めてゼロからつくっていかなければならない時代に、海外からの動きの情報というものは大変大事だと思っております。それにつきましては、外務省挙げて各国の情報を収集し、そして政府の決断、また我々の議論に資していただけないかというお願いでございますが、いかがでしょうか。
  18. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 原子力に関する情報という場合に、プラント、いわゆる原子炉そのものの情報、あるいは核燃サイクル、あるいは、例えばいわゆる黎明期の第一世代から、今は第四世代というふうに言うんでしょうか、そういった議論から様々ございます。IAEAに基本的には集約をしていくという問題でもあろうかとも思います。  また、いわゆる放射能に対する知見というのが実は定まっていないんですね。ですから、先般も国連の会合で私自身も提案したんですけれども、やはり脈絡なくいろんな国際機関が放射能に関する知見を出すということで、より混乱してしまうという状況があります。ですから、できるだけその声をワンボイスにして出すようにしようではないかという発言をして、それ自身も全体のメッセージになりましたけれども。  いずれにしても、そういったことも含めて、せっかくのというか、谷岡議員がこの間プロジェクトチームを実質的に主導されてすごく強く感じておられるということだろうと思いますので、外務省の方に改めて私の方から、そういった原子力に関する情報収集、そして意見交換、そして様々な連携ということについてしっかりと行うようにということを指示をしたいというふうに考えております。
  19. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 科学技術、特に私たちは動脈としてのエネルギー、発電ということは考えてまいりましたが、その使用済燃料の処理の問題、バックエンドと言われる問題、廃炉の問題、また除染、そして放射能の防護の問題等、静脈の部分が本当に弱い。これが今国民が大変大きく必要としているものだと思いますので、特にその点についてお願いしたいと思います。  さて、最後の質問でございますが、一川大臣に御質問したいと思います。  今、南スーダンのPKO、いろいろな形で取りざたをされております。それは何のためであるのかということと同時に、地球の裏側の大変遠いところ、日本がこういう状況にあるときに今なぜと。タイへ自衛隊を派遣するのなら分かるが、なぜなんだという思い、これに対しての御説明をお願いしたいことと、気象、地理的にも、また疾病対策等についても大変困難な状況があろうやと思いますが、どういう形で隊員を守られるのかということについてのお考えを伺いたいと思います。
  20. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) お答えしたいと思います。  今話題の南スーダンに関する問題でございますけれども、八月の八日、九日にかけて国連の事務総長が来日された折に、当時の総理大臣外務大臣、それからここにいらっしゃいます北澤当時の防衛大臣に対して、是非施設部隊を派遣してほしいという要請を受けたというふうに私たちも承知いたしております。  それを受けまして、野田政権になってから、九月の二十二日、国連事務総長との会談、それから国連の総会の一般討論演説におきまして、野田総理の方からそういう、この南スーダンのPKO問題については日本も十分関心を持って対応したいという旨の一応の意思表示をさせていただいております。  そういう中で、私たちは、今ほどの話題のように、南スーダンというのは大変遠い国でありますし……
  21. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめください。
  22. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) はい、分かりました。  そういうことで、九月の二十四日からと、それから二回目の追加調査では十月の八日、二回にわたって現地の調査をさせていただきました。そういう中で、私たちもその調査の報告も先日受けました。  政府全体としてこの南スーダンのPKOに対してどう対応するかという問題は、大変重要な案件でございますのでまだ結論は出しておりませんけれども、私たちは、その現地調査の成果も踏まえながら、今ほどお話しのように、なぜ我が国がこの南スーダンの国づくりに関与するかというその意義をしっかりと整理した上で、やはり新しい国のスタートに当たっての新規ミッションでありますから非常に国際的にも注目されていることは間違いないわけでございますので、我が国らしい役割をしっかりと、もし果たせるところがあるとすれば積極的な対応ということも考えられると私は思いますけれども、まだ政府としては決めておりませんけれども、今委員御指摘の観点にも十分留意しながら間違いのない対応をしてまいりたいと、そのように思っております。
  23. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ありがとうございました。  終わります。
  24. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  玄葉外務大臣は同じ福島県の出身、一川防衛大臣議員会館の部屋が隣というふうな関係でございますけれども、両大臣とも、大臣として日本国益、主権、国柄を守るために一生懸命努力していただきたいというふうに心から思います。  ただ、あの鳩山政権そして菅政権のツケが野田政権の方に来ているため、野田政権の外交・安保政策が議論が生煮えのまま、もう見切り発車的に進んでいるというものがTPPを始め多く見受けられるような気がします。この普天間の評価書の年内の沖縄への提出、これもやっぱり沖縄理解が不十分なままの見切り発車、あるいは南スーダン、これの派遣の検討も非常に前のめりで急ぎ過ぎていると、非常に何か焦っているような感じがしないでもない。やっぱり焦って見切り発車の外交・安保政策というのはいい結果を生まない場合が多いと思います。  例えば普天間辺野古移設、私も日米同盟は極めて大事だと思っておりますし、辺野古移設というのが私は最良の案だと思っております。ただ、米側の圧力を受けての見切り発車、これは良い結果を生まないと思っていますし、できるものもできなくなってしまう、沖縄の人から見たら極めて違和感があるというふうに思います。  まずは普天間辺野古移設について質疑をしたいと思います。  防衛大臣辺野古崎の埋立て、この工事を開始するためには、環境影響評価の手続だけではなく、その後に埋立申請をして知事から許可をもらわないといけないという状況です。すなわち、環境影響評価の手続を幾ら取っても、知事が許可を出さなければ工事はできないんですよ。これはアメリカ議会のウェッブ上院議員もこのことは知っています。よって、評価書を年内に出したからといって、米上院がそれで目に見える進展だというふうに評価をするかどうかは分からないわけです。実際、仲井眞知事は県外、国外を公約として選挙で戦い、勝利し、そして県議会も、名護の市長も、名護の市議会もみんな辺野古移設反対という状況です。  一川大臣、知事が埋立許可、これで首を縦に振らなかった場合、その権限を取り上げる特措法、これを制定する考え覚悟はございますか。
  25. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私も先日沖縄県を訪問いたしまして、仲井眞知事ともお話をさせていただきました。今、佐藤委員御指摘のお話、もちろん、実際に工事に着手する前のいろんな法手続が当然ございます。私たちは、今最も、当面の手続としては環境影響評価法に基づく手続をまず優先すべきだということで、さきの、今年に入ってからの2プラス2でアメリカ側と合意した内容で、移転先の位置あるいはその形状について基本的に確認されたということもございます。  それから、その前に、この環境影響評価書の準備書が提出された折に、それに対する意見書というのが知事から、政権交代した直後だったと思いますけれども、提出されております。  そういうこともございますので、その知事の意見書なり、また今回米国で確認されたことを踏まえて、環境影響評価をしっかりと提出できる準備をさせていただくということを先般知事にお伝えしました。その後の手続について何ら期限を切ったお話はしておりません。
  26. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、時間がないので質問に直接答えてください。  私の質問は、知事が首を縦に振らない場合、知事の権限を取り上げる特措法まで使うという覚悟考えはありますかという質問です。
  27. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、今の時点でそんな全然気持ちを持っておりません。
  28. 佐藤正久

    佐藤正久君 玄葉外務大臣はいかがですか。
  29. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと冒頭、少しプライベートなことも触れていただいたので、私も同じ福島県出身として、除染の問題も含めて、放射能からの復興も含めて共に頑張らせていただきたいと思いますし、個人的なことを申し上げれば、私は野党のときに、サマワの部隊で行かれるときに、私自身、法案に反対の党だったんですけれども、それとこれは別だと言って激励にお邪魔させていただいたことを覚えております。  質問に端的に答えますと、そういった特措法の制定について準備をしているという事実は全くありません。
  30. 佐藤正久

    佐藤正久君 ありがとうございます。  両大臣とも特措法を行う考えは今持っていないということでしたけれども、となると、やっぱり沖縄県知事の理解を得ないといけないということになります。  ただ、民主党の場合、鳩山政権で迷走して辺野古に戻り、菅政権でほとんど無策、ツケは全部今、野田政権に来ているという状況だと思います。沖縄理解が全く得られていない、このタイミングでなぜ、じゃ年内にこの評価書を出すということになったのか。何で一月ではなくて年内なのか。これについて防衛大臣、この理由は何でしょうか。米側の圧力ですか。
  31. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 米側の圧力ということは私は特に意識しておりませんけれども、基本的には、先ほどの経過の中で、環境影響評価書なるものをしっかりと作成をしていつでも提出できる準備はしておきたいと。その間、知事にもこの前お話ししましたけれども、しっかりと事務的には丁寧に説明をしてまいりたいと、そのことを伝えてございます。
  32. 佐藤正久

    佐藤正久君 誰も多分、今の大臣の答弁に納得している国民はいないし沖縄県民もいないと思いますよ。アメリカからの強い要求、要望というものが背中を押したに決まっているんですよ、実際そういうことも要求していますし。一月ではなくて年内、なぜ年内か、これも非常に不明確でしょう。なぜ一月ではなく年内か。これはアメリカのやっぱり都合なんですよ。  大臣だってもう、外務大臣も承知のとおり、そういう、はっきり言わないから物事が進まない部分もあるんですよ。沖縄県民と交渉するときに、やっぱりうそを言ったって駄目ですから、はっきり。これはアメリカの影響があるともうどこの新聞も書いているし、アメリカだって要求している。これは否定できないはずなんですよ。だから、実際にアメリカの方も普天間の固定化というものを避けるためには現行案とはっきり言っているんですから。実際、2プラス2の文書でもそこまで今回踏み込んで、イエスかノーかみたいな強圧的な態度を取って沖縄の方に言っているわけですから、そこは事実として、アメリカ側の圧力、要求があったとこれは認めるべきだと思います。そうじゃないと、やっぱり交渉というのはうまくいかないというふうに思います。  配付資料、これを見てください。(資料提示)上の方に米側の動きを書いています。これはアメリカのスーパーコミッティーで今、債務の削減、赤字削減の協議になっています。十一月二十三日までに案が決まらなければ最大九千五百億ドルの削減、十二月二十三日までに議会がその案を採決しなければ九千五百億ドルの削減と、これ自動的になってしまう。そういう圧力の中で、今グアムの予算をどうするかという両院協議会が十二月に開かれる。まずこのスーパーコミッティーの方が決まらなければ両院協議会開かれないんだと、全体の削減案が分からないから。そういう中で十二月、十二月と、こう来ているんですよ。これはみんな知っていますから。だから、その前に目に見える進展ということを米政府は米議会から求められているんですよ。その一つが、多分評価書の提出なんです。そういうことをはっきり言わなくて、米側を意識しない、そんなのうそですよ。  さらに、民主党の前原政調会長が先日アメリカを訪米して、来年六月には沖縄の県議会選挙があるんだと、だから来年六月までは沖縄は動かないよと、これをアメリカ政府や議会の関係者に言って回ったと。これは、米議会から目に見える進展を求められている米政府としてはたまったものじゃないと、何でこんなことをわざわざ言いに来たんだと。二〇一三年度の予算審議も来年の春から始まると、そういうときに何でそんなことをわざわざ言うんだと。  実際に、更なる具体的な進展の一つに埋立申請があるんです。それを来年の六月までに行うためには、逆算していくとやっぱり年内に評価書を出さないと間に合わないと、こんなのはみんな分かっているんですよ。ただ、実際に県議選があるから六月の前に埋立申請をするかどうか分かりませんよ。ただ、米政府としては六月の前にもこういう埋立申請をできるという可能性はあるということは議会に説明できるんですよ。  そういうことがあって十二月の評価書提出、年内の評価書提出、違いますか、防衛大臣。こういうのを真面目に言わないと、沖縄の人にうそ言ったってどうしようもないですよ。いかがですか。
  33. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) いや、私は何もそんなうそを言っているという気持ちは何もございません。それは、できるだけ早期にという話は、それは聞いております。それと、我が国においても当然来年度予算案の政府原案の作成中、日程も当然ございますから、そういういろんなことを考えれば、今年中というのは一つのやはり節目であることは間違いないというふうに私は思います。  で、アメリカ側のいろんなこのスケジュールめいたものも、我々も念頭にはあることは当然ありますけれども、先般のパネッタ長官との話合いの中でも、そういう具体的な中で期限を切った言い方というのは特にアメリカ側からはございませんでした。
  34. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこの部分をはっきりしないと、沖縄の方からすると、何で今まで、菅政権のときはある程度沖縄との協議というのを重視しながら評価書の提出待っていたのに、いきなり今ここに来たんだと。なかなか、交渉のときにそこの部分をしっかり覚悟を持ってやらないと、やっぱりうその上塗りになってしまったら交渉がうまくいかないんですよ。  ここは事実としてアメリカ状況というのを説明しながら、普天間の固定化を避けるためにはやっぱり協力をお願いしたいと、ここは正直に言わないと私はいけないと思います。外務大臣、いかがでしょうか。
  35. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう率直にこれも申し上げますと、今お話がございましたけれども、元々議会は、歳出の法案と授権の法案とございますけれども、上院がグアム移転予算の削減理由について、グアムにおける軍事建設の必要性を認めた上で、グアム基地整備の経費見積りやマスタープラン等が示されていないことと併せ、普天間飛行場移設に関する具体的な進展が示されていないということを挙げているということだと思います。  ですから、下院は御存じのように承認されて、この間アメリカ行かれたと思いますけれども、承認されているんですけれども、上院がそういう状況であるということでありますので、それはもうそういう状況の中でそういった今回の環境影響評価書のスケジュールというものになっている。お互いにそれぞれ事情を抱えているというのが率直なところだというふうに思います。
  36. 佐藤正久

    佐藤正久君 外務大臣、率直な答弁ありがとうございました。そこを本当率直に言わないと、もうアメリカも正念場だし、やっぱり日本も正念場なんですよ。  ただ、どうしても沖縄の目からすると分からないのは、今回アメリカの議会が言っているように、一番最新の海兵隊の戦力構成、そしてグアムのその再編の経費、あるいはそのスケジュールのマスタープラン、これが分からない。これが分からないのに沖縄の方に説明できないでしょう、防衛大臣。普通は、海兵隊の新しいやつはこうなんです、グアムの再編の、グアムのマスタープランはこうなっています、だからこのぐらいの沖縄の海兵隊が減るんですよということを説明しなかったら、沖縄の人、納得しませんよ。  防衛大臣、その議会が求めている海兵隊の最新の戦力構成とか、あるいはグアムの再編のマスタープラン、承知していますか。
  37. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) その問題については、この問題、グアムへ移転する規模というのは、海兵隊約八千あるいはその家族は九千という数字は当初あります。私たちはその後、これはアメリカ側からのいろんな動きということも含めて、グアムに移転する構成部隊が若干見直されるんではないかというような情報も若干ございます。ですから、この前パネッタ長官にはその辺りをしっかりと早く固めたものを連絡していただきたいということは申し伝えてございますし、それからまた、グアムにおけるいろんなインフラを中心とした基盤的な整備というものは、我々はいろんな予算措置は手当ていたしておりますけれども、米国でそれをしっかりとまだ執行されていないということについても、アメリカ側にその状況を確認しながらしっかりと促進していただきたいと、アメリカのその本気の度合いが分からないということも伝えさせていただいております。
  38. 佐藤正久

    佐藤正久君 ありがとうございます。  前、北澤大臣に質問しても、幾ら質問しても答えてくれなかった今大事な情報を言ってもらいました。グアムの構成部隊を見直すという情報がアメリカからもたらされているという、これは非常に沖縄の人々に大きな情報なんですよ。であれば、十二月にアメリカ側はこのマスタープランとか戦力構成を出すわけでしょう。だから、それを待って評価書を提出してもいいわけですよ。そうでしょう。そうでしょう。沖縄の人から見たら、やっぱりその全体が分からない、どのぐらい部隊が行くか分からないのに、それで評価書。これ、グアムの移転と辺野古移転、パッケージですから、言われているように。  だから、だったら防衛大臣、この十二月のその上院に出されるマスタープランあるいは戦力構成というものを提出を見て確認してから評価書を沖縄の方に提出すると、こういう丁寧さがあってもいいんじゃないですか。
  39. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今、環境影響評価書に影響を与えるような問題は常にしっかりと把握するというのは大前提だというふうに私も思います。そういうものがはっきりしないまま評価書を提出しても、それは信用していただけないということになりますから、そこはしっかりとチェックしていきたいと、そのように思っております。
  40. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常に前向きな答弁、ありがとうございました。  やはり、これを沖縄に説明するには、パッケージと言っている以上は、どういう戦力構成が変わるのかという部分がないと実際どのぐらいの部隊が辺野古に行くのか分からないんですよ。アメリカは十二月の両院協議会までに求められているわけですから、多分出しますよ。だから、それをやっぱり待って説明しなければ、本当、沖縄の方からすると一方的にアメリカの圧力に負けている、頭越しだとなると思いますよ。  これは非常に大きな情報なんですよ。我々も知らないし、外務省の方もこのマスタープラン知らない、我々も知りたいぐらいだと。日本がお金だけは出しておいて、そして実際に真水のプロジェクトはもう凍結されている、みんな分かっていますから。非常に大きなデータですので、今大臣言われたように、この情報を待って、しっかりそれと合わせて評価書を提出するときに説明するということをやっていただきたい。前向きな答弁、ありがとうございました。  それと、一川防衛大臣大臣所信の中に沖縄理解を求めながらこの普天間移設をやると。これは玄葉外務大臣も述べられています、沖縄理解を求めながらやるんだと。じゃ、その一川防衛大臣が言われる沖縄理解って何ですか。地元の理解って何ですか。知事の同意ですか、それとも県議会の同意ですか。名護市長の同意ですか、名護市議会の同意ですか。この地元の理解とか沖縄理解、この定義を教えてください。
  41. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 沖縄県民を代表する、そういう立場にある人が知事さんであることは間違いないと思います。  私は、沖縄県民の皆さん方に御理解を求めるという中には、当然いろんな段階段階で、いろんなレベルレベルでの説明の仕方の中で、その反応を見極めながら我々は誠心誠意努力するということに尽きると思いますが、私自身も、沖縄県の知事選挙とか名護の市長選挙とかあるいは国政選挙というのが昨年ございました。そういう中で大変厳しい状態にあるというのは重々承知いたしておりますし、そういう中で私たちは誠意を込めて、県民の皆さん方というか、県知事さんなり名護の市長さんを中心とした責任者の皆さん方にまずしっかりと説明した上で理解を求めていくというのが先決ではないかなというふうに思っております。
  42. 佐藤正久

    佐藤正久君 ここの部分は非常に大事で、一応二元代表制でしょう、地方自治というのは。地方の政治、行政もそうです。だったら、市長さんだけではなくやっぱり議会というものも大事なんですよ。それで、地元対応責任は所掌事務からいって防衛省ですから。防衛省設置法の第四条第十九号に、これは米軍の地元対応防衛省と書いてあるわけですから。  であれば、やっぱり首長だけではなく議会というものも必要だと思いますよ。じゃなかったら、沖縄理解といってもそれは収まらないですよ。であれば、たとえ仮に知事が埋立ての許可をしたとしても、やっぱり名護市長とか県議会あるいはその名護の議会が反対したら、そんな工事なんかうまくいかないでしょう。違いますか、防衛大臣
  43. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 当然、その地域の方々を始め、今お話しのように議会の皆さん方も含めて理解がない限りは、現地においてそういう具体的な工事を進めるということは私も不可能だというふうに思っております。
  44. 佐藤正久

    佐藤正久君 極めて真っ当な答弁をありがとうございます。  やはり幾ら知事が首を縦に振って埋立ての許可をしても、やっぱりそれなりの地元の代表という方が理解しないと、工事強行するって、これは大変だと思いますよ。そこは今大臣から約束をしていただいたと、真摯なお答えをありがとうございます。  ただ、注意していただきたいのは、民主党の場合は言っていることが人によって違うと、今までも。  特に今回は、前原政調会長が来年の六月まで沖縄は動かないとアメリカの方に一応一方で言っておきながら、片や沖縄の方には例の環境影響評価、これを出すと。動かないと思っておきながら出すというのは変なんですよ。だって、そうでしょう。沖縄は動かないというふうに、本当に知事が動かないというふうに思っているなら、それで評価書を出して知事の意見を求めるって、これは変な話であって。だから、しっかりとその辺りは調整してやらないと。今まで全部そうなんですよ、この普天間問題。山本委員もずっとここでやってきましたけれども、言っていることが人によって違う。これは党の方で、これは答弁求めませんけれども、党の方でしっかりやってもらわないと、今本当に大事な時期なんですから、そこはしっかりと民主党の幹部と大臣の方ですり合わせをしてやっていただきたいと思います。  ただ、そういう上において、やっぱり汗をかく努力ってもっとしないといけないと思うんです。なぜかというと、民主党の方が当てもなく県外、国外と言ったわけですよ。そして、いろいろ迷走して沖縄県民の気持ちというものを高めた。でも、結局辺野古。でも、それを言った張本人の鳩山前首相は辞めてから一度も沖縄に謝罪に行っていないんですよ。怒っていますよ、みんな。全然辞めてから謝罪に一回も来ないと。  しかも、民主党沖縄県連は移設反対派の名護市長を擁立し、当選させた。名護の市議会も、民主党沖縄県連が応援して議会の多数を取ったわけですよ。こういう状況と、しかも沖縄民主党国会議員、県外、国外を訴えて当選したわけでしょう。今もその持論を変えていないんですよ。それで幾ら民主党政権が現行案をお願いしますと言ったって全然説得力ないですよ、民主党県連も違うわけですから。  実際に沖縄県議会、民主党と社民党系を合わせて多数ですよ、今。だったら、やっぱり渡辺防衛大臣ぐらいをもう沖縄に常駐させて、まず沖縄民主党県連、これを説得をする。これはやっぱり防衛省が一応地元対応の所掌なんですから、防衛省設置法からいって。外務省じゃないんです、外務省設置法にはそれは書いていませんから。であれば、やっぱり副大臣クラスがずっと常駐して、県議会、市議会、名護市長、沖縄県の人、それを説得しないと。週末に大臣がちょっと行ったって、そんな甘いものじゃないですよ。  先ほど谷岡委員言われたように、本当に覚悟、心の問題だと思いますよ。防衛大臣、いかがですか。防衛大臣が決心したら、大臣なり政務官、常駐できるんですよ。我々福島の方でも、ずっと経済産業省の政務官来られていますよ。  やっぱり覚悟の問題なんです、本当に。そのぐらい大臣が決心すればできるんですよ。いかがでしょうか。
  45. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今先生いろいろと御指摘になっていることは、我々も政治的には大変苦しい感じを持っております。しかし、そういう政権交代後のいろんな事実関係というのはしっかりと頭の中に入れて、私たちもそういう状況の中でしっかりと努力をしてまいりたいとは思っております。  今先生お話しのように、防衛省も覚悟を決めてやれということは当然のことだというふうに我々も認識いたしておりますので、当然責任を持って防衛省もこの問題にはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思いますし、先生の今お話しになったようなことも、一つの我々の検討の案としては当然検討もしていかなきゃならないことだろうというふうに思っております。
  46. 佐藤正久

    佐藤正久君 実は、本当にアメリカも正念場なんですよ。本当に今予算削減削減で、下手したら予算の縛りに遭ってアメリカ政府から違う提案も出てこないとも限らないよう状況なんですよ。軍事的な合理性は後でくっついてくる。まさに本当にお互いが正念場。  であれば、政治主導というんであれば、やっぱり政治家を現地に張り付けて説得をする。とりわけ、民主党沖縄県連、民主党沖縄国会議員、彼らを現行案に持ってこなかったら話にならないですよ。私は本当にそう思いますよ。本当に両方とも今大事な時期だと思っています。  そういうこともありますので、委員長、この普天間問題に関する集中審議、これを求めます。
  47. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 理事会で協議をいたします。
  48. 佐藤正久

    佐藤正久君 次の議題、南スーダンへのPKO派遣についてお伺いします。  どうしても見ていて、野田政権、前のめりし過ぎる。すごく急いでいるような、もう派遣ありきの調査団。あのよう調査団の規模、あるいはこの一か月半の間に三つの調査団が南スーダンに入る、普通じゃないです。  ただ、一川大臣、あなたは自衛隊の指揮官なんです。自衛隊の指揮官なんです。隊員の命を直接預かる立場にあって、そこはやっぱり外務省やあるいは内閣府の大臣とは違う。絶対に検討不十分での見切り発車、事態が起きてからこれは想定外だということは絶対言っちゃいけない立場です、命を預かる立場ですから。  実際に、一川大臣は当委員会で二十一年の六月十一日、自衛隊の海外派遣については、シビリアンコントロールという観点から、文民統制の主体である国会をしっかりとクリアしていくことが非常に重要だというふうに自ら述べておられます。その考えは今でも変わりありませんか。
  49. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) はい、私はもう当然そういうふうな考え方で、国会の議論の中でしっかりと審議をしていただき、そこで合意を求めていくというのは大事なことだというふうに思っております。
  50. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、であれば、大臣自身が自衛隊の指揮官としてPKOを理解し、スーダンの派遣の意義とかあるいは自衛隊の活動内容、あるいは安全確保した国についてこれは大丈夫だという得心がなければ、当たり前ですけれども、派遣決定してはいけないんですよ。大臣がやっぱり納得しなければ、絶対大丈夫だと。これは、私がイラク派遣のときも石破当時の長官と直談判でいろいろしました。  やっぱり大臣が最終的に、これで絶対安全確保、こういう場合はどうなんだと、想定外をなくすということをやらなければ、やっぱり派遣できないんですよ。それは外務大臣とも内閣府の担当の大臣とも違う。やっぱり自衛隊の指揮官の防衛大臣が言わないといけないことなんです。だから、北澤大臣も、いろいろヘリコプターの派遣があったときもずっと踏みとどまったと。それはそれで私は評価していますよ。そこは防衛大臣としてやっぱり違うところがあるんです。隊員の命を預かり、国益を全うする。  であれば、やはりしっかりとこの国会大臣がそういう安全を確保した国についての説明しないまま派遣というのは絶対あってはいけないというふうに思います。もう一度お願いします。
  51. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今、佐藤委員御心配のことは私も全く同感でございますし、特に南スーダンという国の置かれている場所等々を考えれば、また、海岸線からもう二千キロ近い距離が離れているということも承知いたしております。  そういう中で、私たちは第一回目の調査団は派遣させていただきました。その結果を聞いた中で、十分まだその段階では判断できる材料が全部整っていないという感じは受けました。そういうこともあって、追加的な調査を、しっかりと防衛省が中心となった調査団を派遣ようということで派遣させていただきました。  今、先生御心配のようなことを我々なりにしっかりとチェックをして、それで、今政府として最終的にはどういう方向で臨むかということを詰めさせていただきたいというのが現段階の状況でございます。
  52. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは当然だと思います。ただ、今回の派遣の前提となるPKO協力法、これはどちらかというと国連憲章六章半ということを前提とした法案なんです、法律なんです。七章型のPKOというのを意識して作った元々の法案じゃないんですよ。六章半型なんですよ。  六章半のPKOと七章型のPKOは何が違うか、これは軍事的強制措置がとれるんです。自己防衛だけではなくて強制措置ができるのが七章型なんです。今回のUNMISSも七章型なんです。だから、自己防衛以外のこともできるというのがこのUNMISSなんですよ。  大臣武器使用基準、UNMISSの武器使用基準とPKO協力法に基づく武器使用基準、これ違いますよね。今、野田総理は、今までの会見等では、現行法のPKOの武器使用の基準のまま派遣考えていると言っておりましたけれども、UNMISSとは多分それは違う。このギャップをどうやって埋めようというふうに、もしも今派遣する場合は考えておられるか、御答弁をお願いします。
  53. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) そういう問題も含めて、現地の治安状況等々についてしっかりと確認しておこうということでもございます。ただ、今は内閣としましては、この南スーダンにもし派遣する場合は、今のPKOに関する五原則の考え方は、基本的に見直しを掛けて派遣するという考え方は今のところ持っておりません。
  54. 佐藤正久

    佐藤正久君 榛葉筆頭もおられますけれども、民主党の方でもやっぱりこの武器使用についてはいろいろ議論を今始めていると。どう考えても、やっぱり国連の基準、私もそうでしたけれども、つらいんですよ、現場。国連の基準と現場の基準と自衛隊、かなり離れている。だから、いろんなことを考えたら、今ある既存のちっちゃい靴に無理やり足を合わせているんですよ。南スーダンPKOの自衛隊派遣という足をまずつくって、やっぱりそれに少し余裕を持たせた靴を履かせないと、みんな現場に行くんですよ。  例えば、宿営地警備やっていますよね、警備やっている。三十人ぐらいが武器を持たずにだあっと押しかけてきた、そういうときに武器を使って威嚇射撃できますか。できないんですよ、正当防衛、緊急避難以外。でも、しかも武器を使っていなければ警察比例の原則で使えない、羽交い締めするしかないんですから。任務遂行の武器使用が認められていないからできないんですよ。誰かが来た、撃った、撃ったら撃ち返すことできます。でも、その人間が逃げた、逃げたら、それを捕まえるために追いかけていって武器は使えないんですよ。そうしたら、何回も撃って逃げられればいいんですから。これが現場なんですよ。  特に今回は非常に物取り、この前のいろんなルワンダの教訓もありますけど、強盗とか物取りが非常に多い可能性がある。宝の山ですから、自衛隊の宿営地。物資輸送、コンボイ、宝の山ですから。実際に我々、イラクのときも、クウェートとイラクの国境地点、アリババいっぱいなんですよ。実際、捕らえたこともあるんです、ほかの軍隊が。そのときに、武器を向こう持っていなければ取られ放題なんですよ、数負けますから、任務遂行の武器使用がないから。  それで、もうみんな囲まれて、隊員がもう連れていかれようとしますよね、どこかに連れていかれた。救出のために武器を使えますか、大臣。隊員が何かの形で連れ去られた、そのときに救出に行く、そのときに武器使えますか、大臣。いかがですか。使えると思います。
  55. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 俗に言う正当防衛という範疇の中では対応は可能だと思いますが、私は、今先生おっしゃったお話は、先生の体験に基づく貴重な御意見だというふうに思っておりますので、今回の南スーダンの問題については、そういうことはしっかりと今回調査に行った皆さん方にも、調査団にも、そういった観点からもしっかりとチェックするようにと。日本はこういう要件が満たないとなかなか派遣は困難ですよということを念頭にしっかりと調査してほしいということは調査団に指示してございました。
  56. 佐藤正久

    佐藤正久君 正当防衛の話じゃないんですよ。隊員、自分の隊員でも、部下隊員が拉致されたとしますよね。ほかの軍隊じゃないんですよ、自分の隊員が拉致されたと。そういうとき、救出するために武器は使えないんですよ、正当防衛じゃないから。そうでしょう。  例えば、あの三百メーター先に日本の記者がいる、日本の記者が襲われている、助けを求められた。でも、これも駆け付け警護だから駄目なんですよ、自己の管理下に入っていないから。違いますか、大臣。  じゃ、玄葉大臣、何かありますか。
  57. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いわゆる駆け付け警護でありますから、現在のところ認められていないということだと思います。  まさに自己保存のための武器、そして武器の防護のための武器使用、そしていわゆる自己の管理下の下にある場合の武器使用、あるいは自己とともに現場に所在する、そういったものに対する武器使用は認められていますけど、今おっしゃったようないわゆる駆け付け警護は残念ながら、まあ残念と言ってしまうといろいろ価値観が入るんですが、認められていないというのが現状だと思います。
  58. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから、大臣、想定外は駄目なんですよ。想定外をなくして、やっぱりそこは、我々も派遣の意義は認めます。でも、派遣する以上は兵たん体制とか武器使用体制をしっかり取って。強盗、本当あるんですから。本当怖いんですよ。  じゃ、もう一つ質問しますけれども、じゃ今PKOを派遣する場合、小銃やロケット砲で武装した民間軍事会社、これを自衛隊が役務調達することは可能でしょうか。もう一回言います。このPKO派遣において小銃やロケット砲で武装した民間の軍事会社、これを自衛隊が役務調達することは可能でしょうか。
  59. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) どなたですか。
  60. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣です。
  61. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私たちはそこまでのことを想定してのまだ検討はしておりませんけれども、今先生御指摘のことについて我々としてはどう対応すべきかということも含めてしっかりとチェックはしておきたいとは思いますけれども、大変ちょっと難しい課題だなという感じはしておりますけれども。
  62. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは一般論としても大事な話なんですよ。やっぱり自衛隊ができないところは民間の軍事会社を使うという選択肢は法的にはありだと思います、法的には。ただ、実際にやるかどうかは別ですよ。自衛隊がほかの傭兵みたいなものに物資を運んでもらうというのがありかどうか。これはいろんな議論があると思いますけれども、私はそこは法的にという観点からすると、それは可能性はあると思っています。  だから、一番大事なことは、いかにPKO、南スーダンのPKO決まった場合、その足をしっかり指を伸ばして余裕を持って靴を履かせる。  自民党は、武器使用については、衆議院の方に今法案出しているように、任務遂行の武器使用とか警護での武器使用、これは総務会まで通してオーケーですから。民主党が仮にオーケーしたら、多分それは武器使用という部分も改正は可能だと思います。自民党はもうそこまで総務会通していますから。法案、衆議院に出していますから。是非とも現場が困らないよう対応していただきたい。  最後にもう一点。PKO協力法で、国際平和協力隊員、上限が二千名とあるんですよ。二千名の上限ということが数字が載っているんだ、法律に。これは場合によっては物すごく現場を縛ってしまうかもしれない。  今、ハイチの方に約三百五十名、交代要員を入れると七百名になります。ゴラン高原に約五十名弱、交代要員で百名、だから八百名になる。残り千二百名しかない。そういうぎゅうぎゅうの中で検討するのではなくて、やっぱりあるべき姿というものをまずつくって、三百五十名では多分足らないと思っていますよ、警備とか兵たん考えたら。実際に海上自衛隊、航空自衛隊の艦船、輸送機を使っていくとなると、中継地点も隊員が必要になる。みんな平和協力隊員にしないと歩哨とか何かで困りますから。考えると、本当に残り千二百で足りるかという部分もあるんですよ。  やっぱり、初めからこの枠を決めるんじゃなくて、やっぱりあるべき機能というのを洗い出していただいて、大臣がしっかりこれで大丈夫だという体制を取っていただいて派遣を決定していただきたい。いかがでしょう。
  63. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今いろいろと御指摘になったことについては我々もしっかりとまた検討させていただきたいと思いますが、そのPKOに関する武器の扱いの問題については、これからの課題としては先生がおっしゃったようなことがいろいろとあろうかと思うんです。私たちもこれまでいろいろな派遣してきた実績がありますし、実際に先生ように現地に赴いた隊員もたくさんいらっしゃいます。ですから、そういった皆さん方のまた御意見を集約をしながら、これからのPKOにおいての武器の扱いということについてはしっかりと議論をして方向性を出していきたいと、そのように思っております。
  64. 佐藤正久

    佐藤正久君 是非お願いします。現場ぎりぎりでやってきていますから。今までがよかったから今度も大丈夫だというんじゃなくて、しっかりとした対応を取って検討を進めていただきたいと思います。  以上で終わります。
  65. 山本一太

    山本一太君 今日は久しぶりに参議院の外交防衛委員会の質問に立たせていただきました。山本一太でございます。  今国会から参議院自民党の予算委員会の筆頭理事になりました。今の国会のいろんな状況から考えて、今国会政策議論の中心は参議院になると、参議院が主戦場になるということは間違いないと思います。その中で予算委員会が大変重要な表舞台を果たすということは間違いないと思いますが、予算委員会外交防衛委員会と違って毎週二回やるわけじゃありません。  玄葉大臣一川防衛大臣にまずちょっと申し上げておきたいんですが、私はもうずっとこの外交防衛委員会におります。参議院改革の一環として外交関係と防衛関係を合体させてつくったのが外交防衛委員会で、外務大臣防衛大臣が常時出席をするということで、ある意味でいうと私は常任委員会の中でここが最も大事な委員会だと思っています。予算委員会より大事だと思っています。ですから、外交防衛委員長も一番大事な委員長ですから、メンバーも前防衛大臣、元厚労大臣委員長経験者四人、それから政党の代表までいるので、予算委員会以上の緊張感を持ってしっかりお答えをいただきたいと思います。毎回立てるかどうか分かりませんが、できるだけ質問に立っていきたいと思いますけれども、真剣勝負でいきますから、是非お二人とも真剣に御答弁をいただければというふうに思います。  まず私の質問に入る前に、さっき同僚の佐藤委員の方から質問のあった沖縄普天間の問題について気になることがあるので、ちょっと防衛大臣一つ確認をさせていただきたいと思うんですね。  十月二十五日にアメリカのパネッタ国防長官が来たと。総理に会い、外務大臣に会い、防衛大臣に会った。新聞報道によれば、そのとき、さっき話題になった例の環境アセスの話です。この環境アセスの話を一川防衛大臣が年末までに出すと、こういうことをアメリカ側に確約したというふうに報道されているんですね。さっき御答弁聞いていたら、何となく、いや、アメリカ側は何か期限を切っていないという話があったり、あるいは佐藤委員の質問で、やはり戦力構成とかマスタープラン、こういうものがしっかりと分かっていないといけないんじゃないかと、これについては十分情報を得てから環境アセスの問題に行くべきだという話もあって、防衛大臣の方からそれについて理解を示されるような答弁がありました。  まずお聞きしたいと思うんですが、年末までにこの環境アセスについての報告書を出すと、これはアメリカ側と確約されたんでしょうか。
  66. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、パネッタ長官にお話ししたときの内容は、年内にこの環境影響評価書を提出をする準備を整えたいということをお話ししました。それは、沖縄県知事にもそれと同じことをお話しさせております。ですから、年末にはいつでも提出できる、そういう状況に持ち込みたいということを説明させていただいておりますので。で、知事さんには、それまでの間で事務的に丁寧にいろいろと説明をさせていただきたいというお話をしております。  ですから、アメリカの方に対しては年末に確実にその環境影響評価書を提出するという言い方をしたわけではありません。
  67. 山本一太

    山本一太君 今の大臣、答弁すごく大事だと思うんですね。アメリカ側には確約していないということですね。できるだけ環境アセスの報告書を出すための準備を整えたいと、こういうふうにパネッタ国防長官に言ったということですね。  これ、アメリカ側は日本側が約束したと取っている可能性はないんでしょうか。
  68. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) そういうことで日本側の努力を期待したいというようなことがあったと思いますが、じゃいつまでに出してほしいと、その後のスケジュールも含めて、アメリカ側から日本側に対して何かスケジュールについて注文があったかといったら、そのことについてはございませんでした。
  69. 山本一太

    山本一太君 アメリカ側からスケジュールについての注文がなかったというお話を今防衛大臣から確認をさせていただきましたが、もう一つ、じゃそれに関連して質問をさせていただきたいと思います。  先ほど佐藤委員の方からあった件ですけれども、評価書を提出すると仲井眞知事の方で、滑走路は四十五日以内でしょうか、埋立てがたしか八十日、九十日でしたっけ、以内に今度は知事の方から意見書を出すことになっていると。それを踏まえて防衛省の方で埋立ての許可の申請ができるということになるわけですよね。  その申請をして、例えば仲井眞知事がいろんな理由でこれを受け入れなかったときにどうするのかという議論がありましたけれども、基本的に二つ方法があって、例えば県が手続を怠ったとみなせば、ここに書いてありますが、地方自治法に基づく裁判を起こすということもあるし、あるいは県が従わない場合には防衛省が知事に代わって承認する、特措法みたいな話もあるわけですが、これについては一切考えていないと、そこまでやって沖縄方々の頭ごなしに、反対があるのに埋立ての工事みたいなものに行くと、こういうつもりはないということでよろしいんですね。
  70. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 先ほど佐藤委員に対しては私は、現場でそういう反対的な実力行使的なものを伴うようなことも含めて、大変強烈な反対活動があるとすれば、そこはそれを乗り越えてやると言うべき問題ではないだろうということをお話しさせていただきました。  ただ、私たちは、今そういう公有水面埋立法の手続の以前に、環境影響評価法の手続を着実に進めておきたいというのが今現時点の考え方でございますので、沖縄県の知事さんとかアメリカに対しては、環境影響評価法の提出、それ以降のことについては説明いたしておりません。
  71. 山本一太

    山本一太君 玄葉外務大臣、今防衛大臣の方から、ある意味でいうと沖縄県の反対を押し切ってまでの実力行使みたいなものは考えていないと、つまり特措法はやらないということだと思いますが、外務大臣もそういうお考えですか。
  72. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 特措法の制定をしているという、あるいは準備をしているという事実は全く今ございません。
  73. 山本一太

    山本一太君 準備をしているかどうか聞いているんじゃないんです。そういう事態に陥ったときに、政府として特措法をやる可能性があるかどうかと聞いているんです。外務大臣のお考えをお聞かせください。
  74. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 菅内閣のときに、ここにいらっしゃる北澤防衛大臣、そして菅総理大臣のたしか答弁があったかというふうに記憶しております。その特措法に関する答弁を変更を今しているというような、そういうことはございません。
  75. 山本一太

    山本一太君 もう一回だけ聞きます。もうここずっとスタックしてもしようがないんで。  特措法をやる可能性はないということなんでしょうか。防衛大臣、もう一度お聞かせください。
  76. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、そういう特措法でということは全然念頭にございません。  ただ、その前段の、環境影響評価書の提出ということについて、しっかりと誠意を持って沖縄県知事の方に説明をし、了解を得るべく最大限の努力をしていきたいということでございますので、こういう大きなプロジェクトを進めるということであれば、どんなプロジェクトでもそうだと思いますが、やっぱりステップ、ステップ、段階を踏んでいくということが非常に今日の世の中では特に大事ではないかなと、そのように思っております。
  77. 山本一太

    山本一太君 ちょっとよく分からないんですけど、そういうお気持ちはないと、そういうお考えはないということなんだと思いますが、何でこの話をちょっと聞いたかというと、さっき佐藤委員の方からもありましたけれども、アメリカはこの普天間基地移設問題について、一年以内にめどを付けてくれというふうに言ってきていると。これ、さっき佐藤委員の方からいろいろ説明ありましたけれども、アメリカ議会のもちろん圧力もあると、玄葉外務大臣の方からありましたけれども、下院はオーケーしたけど上院はオーケーしていないと。軍事委員会なんか全額削除という決定をしたりして、そこは嘉手納の話なんかも絡んでいるのかもしれませんが、上下両院の調整もあるし、さっき佐藤委員がるる説明をされたような事情でタイムスケジュールというのはある程度限られてくると、一年以内の進展を求めているわけですから。そうだとすると、もし仲井眞知事が反対をされて、特措法ももちろんやらないということであれば、この問題の決着付かない。  さらに、御存じのとおり、上院の歳出委員会で、ダニエル・イノウエ委員長でしょうか、今。上院の歳出委員会の方でも、普天間とそれからグアム移転の状況の報告を五月ぐらいにしなきゃいけないということになっていると。そうだとすると、残された選択肢は沖縄理解を得るしかないじゃないですか。  ここで沖縄理解を得られなくて、さらに二年連続で予算が付かなかったら、普天間基地固定化という最悪のシナリオになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか、防衛大臣
  78. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) ですから、我々もそういう事態にならないように最大限努力していきたいという気持ちでございます。  先般もパネッタ長官には、沖縄県民に対して我々は最大限の努力はいたしますと、アメリカの方も努力をしていただきたいというお話をさせていただきました。その中には、さっきちょっと話題に出ましたように、普天間飛行場の移転先は辺野古でございますけれども、今海兵隊を移転するグアムにおけるアメリカ側の責任でやるべきことが余り進展していないじゃないですかというお話もございますので、我が国は必要な予算の措置は厳しい財政事情の中でしっかりと予算措置をしてきておりますと、それをしっかりとアメリカ側も現場でそれを執行していただきたいということはこの前の会談でも要請をしました。それは長官も最大限努力したいというお話はしておりましたけれども。  そういうことも含めて、私は日米合意というのは、当然アメリカ側も日本側もお互いの責任があるというふうに思いますので、そういう観点で、我が国は我が国のことについては最大限努力させてもらいますけれども、アメリカ側の責任でやるべき分野についてはしっかりとアメリカ側も努力していただきたいということはお願いしてきました。
  79. 山本一太

    山本一太君 大臣、私、この普天間問題、迷走しているときに岡田外務大臣に何度かお聞きしたんですよ、まさか普天間固定化に向かうようなシナリオはあり得ませんねと。そのときは鳩山元総理が何か急に腹案と言い出したり、もう毎日言うことがころころ変わってどこに行くのかも分からないという状況の中だったので、岡田外務大臣に、とにかく普天間固定化という最悪のシナリオだけは何があってもないんですねというふうに確かめたんですね。  でね、できるだけ努力するじゃないんですよ。この問題をこれだけのことにしたのはやっぱり民主党政権なんだから。一回は県外、最低でも県外と言ったんだから。だからここで言ってください。これ、政治生命を懸けて固定化を回避すると、ここで今言ってください、防衛大臣
  80. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私も、先日沖縄を訪問した折にちょっと時間をつくって、その普天間飛行場の周辺地域を少しそこを調査をし、住民の方々に話を聞きました。
  81. 山本一太

    山本一太君 そういうことはいいです。決意だけ聞かせていただけますか。
  82. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) いや、もちろん、私は、だからああいう状態をこのまま残してはいけないというふうに思いますので、しっかりと移転すべきだというふうに思っております。
  83. 山本一太

    山本一太君 外務大臣、さっき覚悟TPPの件で覚悟という言葉を使われましたけれども、外務大臣としてはっきりここで言ってください、外務大臣になられたんですから。普天間固定化というもう最悪のシナリオは何としても回避するとここで言ってください。政治生命を懸けてやると言ってください。
  84. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃるとおり、普天間の危険性の除去というのがある意味スタート、もっと言えばその前の年の少女暴行事件が様々な意味でのスタートだというふうに思います。  この普天間の危険性の除去について、今回おっしゃるとおりだと思うところは、最低でも県外という発言から複雑化したということについては私もおわびを申し上げなければならないというふうに思っています。  その上で、何としてもこの固定化について何とか避けなきゃいけないと、(発言する者あり)避けなきゃいけないと。そのために、今回の案が今考え得る日米の案、そして沖縄皆さんに今誠心誠意、精いっぱいしっかり形にできるように、一つ一つ結果を出せるようにして理解を求めていくということについてぎりぎりの努力をこれから精いっぱいやっていきたいというふうに思っています。
  85. 山本一太

    山本一太君 別に玄葉大臣のことも一川大臣のことも個人的に嫌いなわけじゃないんですけれども、全然二人に迫力がない、本当の覚悟なんか伝わってこない。北澤防衛大臣といろいろやり取りをやりましたけれども、腹据わっていましたよ、やっぱり。もっと迫力ありましたよ。本当に覚悟を持って取り組んでください。普天間の固定化はちゃんと回避すると、政治生命を懸けてやると、そのくらいの覚悟を是非見せていただきたいというふうに思います。  今日初めての遭遇なんで、これからお二人とどのぐらいの時間を過ごすことになるか分かりませんが、最初なんでちょっとエールを送っておきますけれども、いろんな見方あるかもしれませんけれども、私、民主党外交、本当にひどかったと思いますよ。鳩山外交は最悪だったと思いますよ。もうトラスト・ミーとか言ってできないし、腹案だと言って腹案ないし、ウルトラCもDも出てこないし、領土問題でもどんどん付け込まれちゃって、菅総理も、前総理もやりたいことあったのかもしれないけれども、党内四面楚歌で全く外交のリーダーシップもできなくて、悪いけど尖閣は外交敗北だったと。とにかくこういう状況の中で外交を立て直してもらわなきゃいけないので、そこは玄葉大臣、ぱっと見てネアカな感じは悪くないと私も思いますが、そこは玄葉大臣、本当に真剣にこの状況を変えてもらいたいと思います。  そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、所信表明のときに、外交目的国益を最大化することだというふうにおっしゃいました。領土を守るということは国益を最大化することでしょうか。イエスかノーかだけで結構です。
  86. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もちろん領土の問題は主権にかかわる話でありますから、それはそれで当然極めて重要なことであると。ただ、もちろん国益をというふうに私が言葉を使うときには、様々な広い意味で使わせていただいているということでございます。
  87. 山本一太

    山本一太君 じゃ、何で大臣所信の中に領土問題が一言も入っていないんでしょうか。
  88. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ある意味、言わずもがななことなのかなと、そういう思いでおります。
  89. 山本一太

    山本一太君 言わずもがななんということがありますか。国益の一番大事な部分じゃないですか、領土を守るということは。もう一回答えてください。何で入っていないんですか。
  90. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 何で入っていないかと言われると、私自身の中では、領土問題というのはある意味、言わずもがなという表現が適切ではなかったということで再度質問であったというふうに思いますけれども、ある意味前提となる話だと、そういう認識だということであります。
  91. 山本一太

    山本一太君 いや、ちょっとやっぱり日本の領土問題について取り組むという外務大臣から覚悟を感じられないのは残念なんですが。  玄葉大臣、私、一つの象徴的な例として、外務大臣が替わるたびにこの質問をしているので、これ、改めて大臣にお聞きしたいと思うんですね。竹島は日本の領土でしょうか。もちろん日本の領土ですよね。
  92. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もちろん我が国固有の領土であります。
  93. 山本一太

    山本一太君 これ、以前の予算委員会で質問したことで、余りしつこくやりません。ただ、一言だけさらっと触れます。  外務省の公式ホームページに「竹島の領有権に関する我が国の一貫した立場」とある。竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国の固有の領土だと。当然だと思います。二番に、韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠であり、韓国がこのような不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではないと書いてあるんですね。竹島は韓国によって不法占拠されていると、こういうことでよろしいですか。
  94. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) このことは、これまでの、岡田外務大臣時代からのそれぞれのやり取りについて承知をしています。  私も、ホームページに不法占拠と書いてあって、そして外務大臣の答弁で法的根拠のない形で占拠されているという答弁をしていて、そこに法的解釈が変更されたわけではないと、こういう答弁をとにかく繰り返すということをこの間やってきているということを十二分に承知をしております。  改めて、もう一度野田内閣としてそこは整理をしたいというふうに思っているんです。ただ、だからといって変わるかといえば、変わらない可能性が高いと思いますけれども、もう一回ちょっと関係閣僚で、やはり内閣替わったわけですから、整理をしたいというふうに思っています。
  95. 山本一太

    山本一太君 もう十分やったんで今日は余り繰り返しませんが、前原前外務大臣も、法的根拠がない形で支配されていると。これ不法占拠ですから、これ、象徴的だと思うんですね。  私、民主党外交の中で欠如しているものはいろいろあるんですけど、戦略性の欠如とかね。要は、不必要な譲歩、一方的な配慮。これ、玄葉大臣、ちょっと、聡明な玄葉大臣にお聞きしたいんです。  ある日、岡田外務大臣が急に不法占拠って言わないようにしようって言いました。外務省の公式ホームページに載っているんだけど言わないようにしようと。これ、自民党時代、途中から不法占拠って言っていました。別にそれで日韓関係は物すごく悪くなったわけじゃありません。その当時、別に韓国の閣僚とか国会議員がどんどん竹島に行っていたわけでもありません。ましてや韓国の国会議員が北方領土に行くなんということもありませんでした。特にそのときに物すごく外交関係がこの件で悪化したんだったら、何かあるかもしれませんよ。それがないのに、外交上の立場って、もう釈迦に説法ですけど、微妙ですからね、何でそういう理由がないのに前より後退するんですか。  玄葉大臣、もうこれ以上やりませんが、最後に、もし、もしですよ、法的根拠がない形で支配されていると言うんだったら、この公式ページのところを変えてくださいよ、そういうふうに。不法占拠っていう言葉を変えてくださいよ、それなら。
  96. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ホームページ自体を私は変えるつもりはありません。  それで、岡田外務大臣は岡田外務大臣として様々なことを勘案されたんだろうというふうに推測いたします。ただ、基本的な認識というのを申し上げると、領土の問題というのはやっぱり本当に一歩譲るということがすごくいろんな意味で問題が出てくると、これ一般論として。一般論としてですよ、一般論として。だから、そういう基本的な認識を持ちながら私としてはこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  97. 山本一太

    山本一太君 極めて曖昧な力のない答弁だと思いますけど。やっぱり私だって外務大臣、韓国大事だと思いますよ。ずっと議員交流もやってきたし、価値観を共有する大事な戦略的パートナーだと思いますよね。でも、一方的な譲歩とか、もう本当に過敏な配慮。私は、日韓併合百年のその菅総理の、前総理の談話、これもずっと村山談話を踏襲しているんだから、わざわざあんなところでやる必要はないと思っていました。玄葉大臣も当時政調会長で、もっと前から相談してほしかったと言ったのを私よく覚えていますが、やっぱりそこからの一歩を踏み出すためにも、別にここに書いてあるんですから、それはやっぱり不法に占拠されていますということで玄葉大臣に是非一歩を踏み出していただきたいと、このことをお願いしたいと思います。  何でここから入ったかというと、今申し上げた、特にどの国に対してもそうなんですけれども、同盟国であろうと何だろうと、外交はまさに国益を懸けたぎりぎりのせめぎ合いですからね。ギブ・アンド・テークだし、やっぱり何か譲ったら何かしっかりこっちも成果を取らなきゃいけないということだと思うんですね。  日韓首脳会談がありました。玄葉大臣、国際会議以外で初めてバイの国としての訪問先を韓国にしました。野田大臣も初めてのマルチの訪問先を韓国にしました。(発言する者あり)あっ、バイの、ごめんなさい、バイの訪問先を韓国にしたと。これは恐らく、中曽根元総理から始まって、宮澤元総理もやっていたし、鳩山前総理も行きましたかね、だから四人目だと思いますが、総理と外務大臣が両方ともやっぱり最初のバイの訪問国として韓国を選んだということは多分ないと思いますよ。そのくらいラブコールするんだったら、それだけの戦略がなきゃいけないわけでしょう。  一つお聞きしますが、この日韓首脳会談で、例の通貨スワップ、この枠が大体日本円にすると一兆円から五兆三千億から四千億ぐらいまで広がりました。これはどういう目的でやったんでしょうか。
  98. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと今手元に資料ありませんけれども、枠のたしか五倍にしたということだと思います。あれは、いわゆる金融危機のときなどの急激なウォン安、そういったものに対する言わば保険のようなものだということだと思います。それは、韓国でたしか過去二回そういうことがあって、それが結果として、結果として韓国のみならず日本に対してもやはり不利益になっていくだろうと、そういう意味ではお互いのためになるのではないかということでこのスワップの話が出てきたと。しかも、もっと言えば、かねてから、かねてから財政当局間同士でずっと議論されてきていたというふうに承知をしております。
  99. 山本一太

    山本一太君 これはどちらが持ちかけたんでしょうか、どっちの政府から。  いや、大事なことですよ、外務大臣なんだから。
  100. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これ、首脳会談での話ですよね。実は外相会談では出ておりません、この話はですね。  率直に申し上げると、財政当局間でずっと進んできた話が仕上がってきたということが一つ大きかったということであります。ですから、そういう意味では、どちらか一方というよりは両国間でこれが仕上がってきたので、やはりひとつここで、このタイミングで合意していくのがよいのではないかという判断をしたというふうに認識をしております。
  101. 山本一太

    山本一太君 それは、私が財務当局とかいろんなところから、誰にどうのということは言いませんけれども、お聞きしているところで言うと、韓国側からやっぱり持ちかけてきたというふうにお聞きしています。八月ぐらいにやっぱり欧州の債務危機があってウォンが落ち始めて、そこら辺から多分かなり水面下で議論をして九月ぐらいに提案がまとまってきたというふうに聞いていますが、今大臣がおっしゃったように、確かに日韓の経済、すごく関係深いし、もちろん韓国経済、ウォンが暴落したりしておかしくなったらもちろん日本の不利益になると思うんですよ。  ただ、この今回のスワップは、やはり一番の目的は、大臣もちょっと言っていましたけれども、やはり新興国から、あの九七年のあの金融危機のときのように新興国から短期とか中期のお金がばんばんと流れちゃって、ウォン安になるところを日本がある意味でいうと支援したということだと思うんですね。  これ、もちろん韓国は日本にとってとても大事だと思いますが、これについては、例えば外務当局とかそこら辺から日本に対する感謝みたいなお話は聞いたことありますか。
  102. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) その後、首脳会談の後、私自身が直接韓国の方と、韓国の外務当局と直接接触しているわけではありません。ただ、言わば今回のその合意が、それはお互いこれは良い合意であったというふうに認識しているというふうに思います。
  103. 山本一太

    山本一太君 財務当局の辺りに聞くと、財務関係の人たちはとてもやはりこの件については感謝をしているということをおっしゃったそうです、韓国側からね。つまり、やはり韓国にとって今このスワップの枠を広げるということはすごく大事だったと。実際、この協定というか通貨交換枠が広がった当日、翌日、たしか前日に比べてウォン高へ、ドル安になっていますからね。基本的に、やっぱり何か緊急事態があったときに日本からドルを供給できる仕組みをつくるというのがメーンだったんですよね。  これは、もう一回言いますが、もちろん日本のためにもなると思いますけれども、韓国側から言ってきて、私の理解では、やっぱり韓国側に大きなメリットがあったんです。だから、これについて、もちろん韓国に対してこういう提案をして、韓国当局は金融市場の安定のために有り難いと。李明博大統領もそれは外には、いや、日本の協力に感謝しているとは言わずに、いや、日韓両国の経済発展のために金融市場が安定すればいいですというふうに言ったんですけど、でも内情はやっぱり日本が手を差し伸べたんですよ。そうだとすると、ほかの分野交渉でもある程度日本が思っていることをきちっとして成果として出さなきゃいけない。こういうことがやっぱりずっと民主党政権の外交でできないんです。  これ、EPAについて何か進展はあったんでしょうか。
  104. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) EPAについては、もう御存じのように、発表そのものについては事務レベルの協議を加速化させるということになっています。  それで、韓国にとって、山本議員はもうずっと外交をやっているんで今回のこともよく御存じでしょうけれども、韓国にとっては、米国がまずFTAの相手先としてこの間ずっと集中して米国とのFTAをやってきたと。さあ、これから、アメリカと終わりましたから、締結交渉自体が、批准も含めて。だから、例えば中国とやるのか、日本とやるのかとか、様々な、今ある意味選択肢を持っているという状況の中で、やはり今回外相会談や首脳会談を重ねる中で、やはり日韓の重要性というものは、私は韓国はかつてよりもかなり重要視するようになってきたというふうに思います。  それは、ただ、現実にEPAは、御存じだと思いますけれども、金星煥外交通商部代表というよりは、むしろ、その方も大事ですけれども、外務大臣も大事ですが、むしろ外交通商部の本部長の方が非常に、これも金さんという方でありますけれども、実権を握っています。その方がこれからどういうふうに外交等含めて判断していくかという状況にあるわけですけれども、そういうその重要性というのはかなり増してきていると思います。
  105. 山本一太

    山本一太君 そんな、相手国政府の誰が実権握っているとかいう茶飲み話じゃないんですよ、外務大臣。  要は、日韓のこの通貨のスワップ、これはもちろん両国のためになるけれども、日本が協力したわけでしょう。日本は韓国とのEPAについて前向きなわけでしょう。これについて韓国は、昨日もちょっと韓国の関係者と電話で話しましたけれども、やっぱり慎重だったじゃないですか。李明博大統領も会見でウイン・ウインの関係にならなきゃいけないと。これ、ニューヨークの首脳会談のときとほとんど変わっていませんよ。  それはもう、大臣がおっしゃったように背景分かっていますよ。ヨーロッパとはもう発効したし、アメリカとの話も、多分来年の一月か二月に批准を目指して奔走しているわけですから、韓国政府は。要は、はっきり言ってEPAについてはつれなくされた。だって、本交渉始まっていないじゃないですか、これ。これ何か、実務者協議を加速するって、実務者協議を加速するって、別に本交渉のめども何も立っていないでしょう。  つまり、スワップ協定で、もちろん両国のためになるとは思いますが、スワップ協定でかなり日本が、ある意味でいうと韓国をサポートする側に回ったのに、このEPAについてはほとんど色よい返事がもらえなかったということですよ。それは、もちろん背景は分かりますけれども、このぐらいのところ、ちゃんともっと私は決めていただきたかったんですね。  じゃ、日本がずっと求めている李明博大統領の国賓としての訪日、これについての日程、決まったんでしょうか。
  106. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 具体的に今問いがあったわけでありますけれども、正式に何かが決まったということではございません。
  107. 山本一太

    山本一太君 これも李明博大統領に冷たくあしらわれたということですよ、もう随分前から求めているんですから。  シャトル外交でいえば、今回、野田総理と外務大臣が韓国を最初の訪問先に選んだということについては私、異論はありません。それはそれで、ある程度戦略的な判断があったんだと思うけれども、シャトル外交からいけば今度は向こうが来る番なんだから、その日本側が求めていた訪日の日程さえ決められないわけじゃないですか。EPAについては本交渉のめども立たない。  もう一つちょっとお聞きしたいと思うんですね。朝鮮王朝儀軌の一部を渡して友好ムードを盛り上げた。これ、自民党は、やっぱり日韓関係は大事だけれども、向こうが持っている図書もあるから、対馬宗家の書とかね。やっぱり片務じゃいけないから、もうちょっと慎重にやるべきだと言ったのを、そちらはもうとにかくこれ通して持っていったわけですよね。これについて、野田総理は日本側のことについて何か言及されたんでしょうか。
  108. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) このことは外相会談でも対馬宗家文書の話はしております。そして、野田総理もアクセス改善の話はされたというふうに承知をしております。
  109. 山本一太

    山本一太君 アクセス改善じゃないでしょう。アクセス改善って何ですか。  やっぱりこちら側から外交の中で言うのは、この対馬宗家の文書も含めて日本への返還を求めればいいじゃないですか。これ何ですか、アクセスの便宜を図るように要請すると。これも私は非常に外交として弱いと思いますよ。  いろいろお聞きしていると、特に難しい歴史問題とか領土問題というのは今回は棚上げにして、李明博大統領は、玄葉大臣御存じのとおり、確かに歴史問題についてはロープロファイルをずっと保っておられて、歴史問題を問題化しないようにしようとした大統領だし、実利的だから、どっちかといえば北朝鮮に対する安保とか日韓の経済関係とかを重んじてきた人だから大事にしなきゃいけないと思いますけど、やっぱり今の竹島周辺の動きを考えると、一言も言わなかったというのは本当にどうだったのかなというふうに思います。外交のデビューということだったんですが、まあ、かなり李明博大統領の方に結構いいようにいいようにというか、格下に扱われたと、私はそういう印象を持ちました。  ドジョウ鍋食べるのも大事だと思いますけど、そういう暇があったら、やっぱりEPAとかほかの問題でもっと私は目に見える成果を出してほしかったと思いますが。  李明博大統領といえば、訪米のときに破格の待遇を受けたと。ああいうシーン、ちょっと米韓の大統領の間では見たことなかったので、まあ、これもいろいろ国際情勢の変化の中の一こまかなとは思いますが、野田総理の訪米、これは外務大臣、どういうふうになっているんでしょうか。
  110. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど、まず李明博大統領の訪日の話がありましたけど、基本的にやはりシャトル外交をやっていこうということで一致していますので、その文脈の中で結論がおのずから出てくるというふうに申し上げたいと思います。  そして、訪米について今何か総理について決まっているということはございません。
  111. 山本一太

    山本一太君 いや、今、米韓これだけの蜜月になって、米韓のFTAのあのアピールもあって、オバマ大統領がわざわざ韓国の李明博大統領が出した情という言葉に言及したりして、まあ、米韓が良くなることはもちろん歓迎すべきことだと思うんですね。やっぱり盧武鉉大統領のときは非常に不幸でしたから、米韓。  それにしても、やっぱり日本がどんどんどんどんこういう中で私は埋没していくという感じがしてならないんですよね。向こうはあれだけの蜜月をアピールしているのにもかかわらず、こっちは訪米の日程さえ決まっていないということなので、こういう外交をしっかり立て直してもらわなきゃいけないということを今日は申し上げたかったんです。  ちょっと時間がなくなってきたので、TPPの話をお聞きしたいと思うんですね。  さっきも覚悟という話がありました。谷岡委員の方からもありましたし、佐藤委員の方からもありました。TPPをめぐる議論がいよいよ民主党でもかなり、政府・与党でも盛り上がってきたと。こういう中で、これもマスコミ報道ですが、野田総理は極めてこのTPPについては前向きだという報道がなされ、報道ですよね、十一月のAPECのときにはこれは正式参加表明するんじゃないかというふうに言われていますが、内閣の主要閣僚であり、なおかつTPPにも非常に関係がある外務大臣として、そこら辺は事実なんでしょうか。野田総理はTPPに参加することに前向きなんでしょうか。ちょっと改めてお聞きします。
  112. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは、総理としては、しっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出すということをおっしゃっているということだと思います。  同時に、私自身の認識は、やはり基本的な観点として、我が国がこれから、昨日の新聞にも出ておりましたけれども、人口が一億二千五百万、一億二千八百万という、外国人入れた場合のこともありますけれども、普通にいけば、つまり出生率が余り上がらなければ二〇四六年には一億人を切るという状況の中で、どうやって次世代に豊かさを引き継ぐのかという観点で私は判断をしていかなきゃいけないというふうに思っています。
  113. 山本一太

    山本一太君 外務大臣、いろいろ今ごちゃごちゃおっしゃっているんですが、要は、野田総理は今できるだけ結論を出したいじゃなくて、TPPに参加するべきだと思われているんですね、野田総理は。それだけちょっとお答えください。
  114. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私の考え方ならいろいろ申し上げられますけど、ちょっと野田……
  115. 山本一太

    山本一太君 分からないんですね、じゃ。
  116. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私としては申し上げる立場にないというふうに思っています。
  117. 山本一太

    山本一太君 総理の近くにいる外務大臣が、報道ベースではあれだけ言われていても、野田総理が本当にTPP参加に前向きなのかどうかということは言えないと、これ外交防衛委員会で言ってほしくなかったですけど、そのくらいもうはっきりさせていただければいいと思うんですが、じゃ、もう一度玄葉大臣にお聞きします。  大臣、たしか前の大臣だったときに、いっぱい何か昨今大臣やっておられるのでどの大臣かよく覚えていないんですけど、政調会長やったりもう重職を歴任されているのでどれがどれだかもよく覚えていませんが、たしかTPPについて、地方公聴会か何かをホストされていたときがあったと思うんですね。あのときも、一生懸命新聞記事見て、この玄葉大臣何か開明的だとおっしゃっているけど、TPPについてどう思うんだろうと思うけど、何言っているかよく分からなくて、何かTPPについてのことについて。  玄葉大臣は、TPP日本は参加すべきだと思っているのかどうか、それだけちょっとはっきり言ってください。
  118. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私の考え方は、残念ながら、今関係閣僚間で調整しているものですから、率直に申し上げてイエスかノーかでは言いにくいんです。ただ、基本的な考え方は申し上げますから、推測していただければもう分かると思います。(発言する者あり)それで、ただ、ただ、先ほど開国フォーラムのときに読んでも分からなかったとおっしゃいましたけど、確かにあのときは私は言わばまとめ役だったわけです。ちょうど中間にいてまとめる立場にあったものですから、ニュートラルに話をしていたのは事実でございます。  その上で私の考え方を若干でも申し上げれば、先ほど申し上げたことに加えて、やはり世界の人口がこういった人口減少時代の中で七十億になる、その中でアジア太平洋地域が四十億人いる、そして中間層がどんどん増えていく。そういう中で私たちが豊かさを引き継ぐためには、やはり外に目を見開いて大きな判断というか大局的な判断をするべきだと、同時に、この機会に農業についてもしっかりと強化策を打ち出すべきだというのが基本的な考え方であります。
  119. 山本一太

    山本一太君 何言っているかよく分からない。  今の、じゃ類推してくださいと言うんだったら、今のだったら外務大臣はやはりTPPに参加すべきだと思っているということでしょう。何でそんなことが言えないんですか。これは日本にとっては非常に大事な、それは関係閣僚とか関係ありません、あなた外務大臣でしょう。  TPPに前向きなのか、賛成なのか、反対なのか言ってくださいよ、ちゃんと。
  120. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、前向きだということはもう申し上げられます。
  121. 山本一太

    山本一太君 今、前向きだということ、それをちゃんといただければ、それはそれでもう一つ考え方でいいんです。  私、TPPについていろんな考え方があると思うんですが、もちろんTPPをやることによって自動車産業とかあるいは製造業とか輸出産業、これには恐らくブーストになるかもしれない。片や、今ちょっと玄葉大臣が農業の問題を言いましたけれども、農業を含めた国内産業にはやっぱりダメージがあるかもしれないと、そういうところであるんですが、やはりこれも、そちらの党でもうちの党でも出ていますが、情報が、さっき谷岡さんもちょっとおっしゃっていた覚えがありますけど、情報がよく分からないと。これからどういう分野が本当に問題になっていくのかとよく分からないと。  ちょっとざっと調べてみたけど、やっぱり非関税障壁撤廃すれば、医療とか公共事業とか食品安全の分野とか金融サービスとか労働市場とか、いろんなことが議論になるかもしれない。外務省とかそこら辺は、いやいや、これは議論になっていませんと言うけど、分からないですからね。だから、そこを私は十二分に慎重に議論するべきだと思うし、私は、さっき佐藤委員が非常にポイントをおっしゃいましたけれども、何か対米アピールしなきゃいけない。ああ、日米大事ですよ、野田総理がパネッタさんにも言っていましたけど、日米安全保障条約は基軸だと、日米外交基軸だと言ったことはそれは正しいと思いますが、対米アピールをしたいがために、一生懸命何かAPECに向けて玉を探す。  今度の普天間もそうだし、あるいは今度のスーダンもそうだし、何かBSEのアメリカの牛肉の輸入問題もそうだし、あと例の国際結婚したカップルが離婚したときのいろんなハーグ条約の話とか、こういうのを何かとにかくAPECの玉の材料をそろえたいからみたいな感じでやっていくのは私は良くないと思うので、私はそんな簡単に野田総理が、情報もよく分からないのにですよ、いや、もうAPECで参加するんだと。まあこれ分かりません、報道ベースで、外務大臣も知らないんだから、知らないんだから。報道ベースでいうと、周りの人たちに、いや、やるしかないんですよと。これは私は拙速だと思いますよ。  その点については、外務大臣、どう思います。
  122. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 情報がどのくらい出ているかということでありますけれども、外務省として情報収集体制を強化して、私自身TPP交渉参加国の外務大臣にはもう、会ったときにはその都度とにかく情報をくれと、ドラフトくれないかと言っているんです。ただ、ドラフトって途中でしょう。途中って簡単に出しません、率直に申し上げて。猪口先生なんか大使やられていたから御存じかもしれないけど、出さない。もっと言うと、九か国で出さないと申合せしているようなところがあります。だけど、精いっぱいの情報収集しています。隠すようなこといたしません。精いっぱい出します。  先ほど、例えば医療はどうなんだとか政府調達どうなんだというお話がありましたけれども、そういったことも、もう現状はこうで、こうなる見込みである、例えば政府調達だったら、今中央政府の議論をされていて、地方政府もまだされていないけれども行くだろうと、地方政府の議論もされるだろうとか、もう正直にそこは全部申し上げたいと思っています。
  123. 山本一太

    山本一太君 情報を開示していただくのは当たり前だと思います、日本国益が懸かっているんだから。  要は、その結果、情報を開示して、いろんなこれから情報が入ってくるのも分からないうちに、APECでもう参加するみたいなことばっかり先に行かないようにということを申し上げて、もう終了しますが、最後に一川大臣に申し上げます。  今日はもう一々言いませんが、一川大臣のあのシビリアンコントロール発言は、私は言語道断だと思いますよ。どんな状況であっても、自分素人だとか、防衛大臣になってから絶対に言っていただきたくないと思いますから反省してください。  さっきの答弁聞くと、何か私の発言が誤解されたみたいに言われていますけれども、あれ言っただけで北朝鮮にも中国にもそして盟友の韓国にもアメリカにも間違った情報が行きますから、そのことだけはっきり申し上げ、引き続きまたこの問題は予算委員会でやっていきますから、それだけ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  124. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時一分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  125. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会再開いたします。  休憩前に引き続き、外交防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  126. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  本日は、外務大臣、そして防衛大臣所信に関する質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、外務大臣、早速ですが、お話を伺いたいんですが、大臣所信の中で冒頭に出てまいりました、外交目的国益を最大にすることである、このような文言が出てまいりました。私も、これそのとおりだと思います。  そこで、まず外務大臣にお聞きしたいのは、この国益という言葉、これ主観的な価値基準でしょうか、それとも客観的な価値基準であるべきでしょうか、どのようにお考えですか。
  127. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 主観か客観かという宇都議員の問いでありますけれども、私なりの定義を申し上げれば、やはり我が国の国民の幸福、幸せというものを実現をして、平和と繁栄、そういったものを実現をしていくと、一言で言えばそういうことだというふうに思っています。
  128. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 私は、この国益という国家の戦略を語る上でも非常に大事な価値基準でございますから、客観的判断基準であるべきだと思うんです。  もう少し具体的に言いますと、時々の大臣が替わることによってこの国益がころころ変わる、あるいは、そのときの大臣のお考え一つ国益を、どちらを取るかというのが変わる、こういうことがあってはやっぱりならないと思うんです。その国々によって国益というのは一緒である、普遍的である必要はないんですけれども、そのときの政権の中では、まず政治の中ではしっかりとコンセンサスが取れている、その上で国民に対してもある程度コンセンサスが取れるようなものでなくてはならないと思うんです。  これは民主党の政権の中での問題点というより、ある意味、この近代国家になってから日本の中で戦略的な議論をずっとしてこなかったからにおける政治の一番問題点だと思います。  例えば、その国益という話でいったときに、時間的な国益というのもあると思います。短期的に答えが出るような短期的な利益、中期的、長期的。あるいはこれ、重要度によっても分けられるんじゃないでしょうか。例えば、国家の存続に直接的にかかわってくるような死活的な利益もありますでしょうし、あるいは国民の生命であったり財産に間接的にかかわってくるような、あるいはそれを脅かすような可能性が非常に高いような絶対的な利益。あるいは、最近中国辺りはこういうような表現使っていますけれども、自国のいろいろな経済発展であったりそういう国家目標を実現するためにはどうしてもこれは避けて通れない核心的利益などという言葉を使っていますけれども、こういうのを国家で、一番最高機関である国会でしっかりと議論をして、それを分けていきながらそれに基づいた国家戦略を立てていくべきだと思うんです。  そこで、私、外務省にお聞きしたいんです。外務省としての国益の定義というのがあるんでしょうか。大臣個人のお考えではなくて、外務省としてこれ定義立てしているんでしょうか。
  129. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 外務省としてこれまで、今おっしゃったように、何というんですか、ある意味、今の問題だというよりもこれまで戦略的な議論が欠けてきたというかなり根本的な話をしていただきましたけれども、じゃ外務省としてこれまでずっと国益というものをきちっと定義してきたかと言われれば、私はその国益の定義について触れたという記憶は外務大臣になってございません。
  130. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 それに更に付け加えて御質問しますけれども、国益という定義が定まっていないんであれば、どうして外交青書の中で開かれた国益という言葉を使えるんでしょうか。  国益というものが明確に定まった中で、ここの部分を海外とシェアするんだ、あるいは共に共有するんだというのなら分かるんですけれども、国益そのものが非常に主観的、曖昧に使っている中で開かれた国益、そういう言葉を使われると、やはり国民も、そして野党である我々も、非常に国家の重要な部分、そこを見えていないんではないかという疑惑を感じます。この開かれた国益について御説明できますか。
  131. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど国益の議論を若干最初の午前中にさせていただいたときに、私、国益国民益国際公益国際公益国益というのをある意味重ね合わせながら考えていかなきゃいけないところというのはあるのではないかと、そういう言い方を私自身いたしました。  先ほど、開かれた国益というのが外交青書にあるという話でありますけれども、基本的には、自国の利益、つまり我が国であれば我が国の利益というものを追求しながら国際社会との共生というものを実現をしていくと、そういう意味で使っているというふうに考えてよいのではないかというふうに思います。
  132. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 非常にそこのところがやはり、外務省としてだけではなく国家として、これは我々の政権時代の責任でももちろんあります、日本全体としてのやはり問題点だと、このよう思います。  大臣所信の中で、この国益を最大化すると言った後にちゃんと順序立てているんですね。第一に国及び日本国民の安全を確保、これがもう最重要だと。その第二に国の成長、これは経済、産業の話にかかわってくるんでしょう。そして、先ほど言った国際公益というのは第三だと。ということは、国際公益よりもまず我が国の国益を重要視するということだと思うんです。  大臣は、外務大臣に就任される前、国家戦略担当大臣に就任されていました。まさにこれ、国家戦略担当大臣時代に政府として議論をしっかりして国全体の戦略のベースにすべきだったことだと思います。まあ、当時やっていなかったということを批判するわけではなくて、是非これ、外務大臣としても、今後この民主党政権の中でやはり国益というのをしっかり定義付けていこうと、こういうことをやっていただけませんでしょうか。
  133. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 本質的な話だというふうに思います。それは常に意識をしていきたいというふうに思います。
  134. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 もう一つ踏み込んで、是非閣僚会議等を開きながら、国会の中で議論をすることでも構いません。そういう国益に対してきっちりとした定義付けを国家として行うということをやっていただきたいと思います。これは、今後どういう政党が政権取っていく中でも非常に重要なことになると思います。  国益といっても、場合によっては、一つ外交的な選択をしなければならないときに、どちらも取りたい国益があると、そのときにどちらを優先しなきゃいけないのかというところは必ず出てきます。去年、まさにそれが現実化して出てきたのが尖閣諸島の問題でした。我が国の主権と領土を守らなきゃいけない、これは非常に重要な国の国益です。しかしながら、レアアース等を止められて、日本の経済的なメリット、これを失っていいのか、これも重要な国益ですし、フジタの社員四名が拘束されました。国民の生命を守らなくていいのか、これも重要な国益です。その時々で何を優先していくのか、このことを決めるためにも是非真剣に御議論をいただきたいと、我々も協力させていただきたいと思います。  その国益の話をした上で、この後でちょっと具体的な、国益を最大化させるための外交になっているのかという話を周辺情勢認識も踏まえながら質問させていただきます。  まず、先日、外務大臣、野田首相とともに韓国へ参りました。この韓国に行ったときに、国益を最大化するため、あるいは国益を得るために我々としてそれなりの外交カードを持っていったわけです。その一つが、朝鮮王朝儀軌に代表される日韓図書協定の条約で向こうに返還をするという約束をした図書であり、あるいは今回急遽出てきたこの通貨スワップもその外交カードとして利用したのかもしれません。ただし、我々野党から見てもあるいは国民から見ても、そのカードに見合った国益を本当に最大化することが、あるいは得ることができたのかというのが非常に見えないんです。  そこで、それ以外の何点かについてお聞きしたいんですけれども、前回、鬱陵島の竹島記念館に我が自民党から三名の国会議員が、本委員でもある佐藤正久委員も含めて参りましたけれども、正規の渡航ルートを使って視察をしたにもかかわらず、向こうから正式な拒否する理由の説明もなく入国を拒否された。その回答を、外務省からなぜ入国を拒否したか理由を述べよということを向こうに伝えてあると思うんですが、その回答は来たのかということを教えてください。
  135. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう端的にお答えすると、回答を求めていますが、来ていないというのが率直なところであります。  ちなみに、もう重々承知でいろいろ聞いていただいているというふうに思っていますが、私は、やはり韓国というのは、アジア太平洋地域の中で特に民主主義的な価値に支えられた、豊かで安定した秩序をつくるということに私自身非常に重きを置いております。そういう意味で、まさに韓国が大事であるということは先ほど山本委員からの話もありましたけれども、そのことをまず大前提に様々なことを、バイラテラルなことを考えなきゃいけないということは重々承知で聞いていただいているというふうに思いますが、そのことを前提にいろいろ議論させていただければと思います。
  136. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 非常に、韓国が隣国であり、我が国にとって重要な国であるということは理解をしているんです。ただ、外交事ですから、午前中の質疑の中でもありました、非常にお互いにしのぎを削りながらぎりぎりのところで折衝しているわけですね。であるとすれば、野田総理とそれから玄葉外務大臣が我が方から訪韓するというのは、非常にこれ大きなカードなんですよね。このカードを使うときに、やっぱりそれなりの国益を引き出してほしかった。前回からの返答が来ないのであれば、訪韓する前にまずこの返答をよこせと、それがなければ行くことができないんだと、例えばそういうカードを切るとかをやっていただきたかったとこれは思います。これはもう終わってしまったことですから。  では、向こうに行ったときに、野田総理が首相会談やりました。玄葉大臣も外相会談やりました。その中で、今問題になっております、ソウルの在韓日本大使館前に建立されようとしている従軍慰安婦の碑、これが、民間団体が設置したいと、その許可を韓国当局が与えているわけですけれども、これが外相交渉あるいは首相間の交渉の中でどのような議論をなされたのか、我々にも全く聞こえてきません。この説明をしてくださいませんか。
  137. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これも結論から申し上げますと、正式な会談の中で取り上げられたという事実はございません。  ただ、言うまでもないことでありますけれども、本件が日本と韓国のいわゆる関係に悪影響を与えないようにということについては、様々な形でと言うと語弊があるかもしれませんけれども、韓国側に伝えてございます。
  138. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 今の外務大臣がおっしゃった言葉、そのまま向こうで、向こうの外相会談の中で使われたというのは報道にも出ておりましたので、私も確認しました。しかし、もう少しやはり言葉を駆使して強いメッセージを与えていただきたいんだと思うんです。決して日本として許容できないと言うだけではなくて、我が国の外国公館なわけですから、ある意味、韓国の中にある日本の顔です、その前にわざわざ神経をとがらせるようなものを造るということに関しては、これは我が国の国益だけではなくて、韓国側の国益にもこれは利するものではないということをやっぱり強く訴えていただきたい。  この慰安婦の碑に関しては、もちろん玄葉大臣も賛成はされない、反対の意思だとは思われていますけれども、これを絶対にさせないと、そのための努力を全力で行うということをここで明言してくださいませんか。
  139. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これはもう、全てこれも御存じで聞いておられると思います。  これはもう率直に言って、韓国側で例えば外交当局者がどこまでそのことについてコントロールできるかという問題も様々ございますから、私が今こういう場でそのことについて断言するというようなことはやはり申し上げるべきじゃないんだろうと。つまり、断言するというのはやはりそれは約束するということですから、そこは申し上げられませんが、引き続き、先ほど申し上げたような懸念について、悪影響を及ぼさないようにということについてしっかり伝えていくということだと思います。
  140. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 私は、前の外務大臣でございます松本前外務大臣対応等々には非常に失望をしておりました。是非、外務大臣、現外務大臣である玄葉大臣は、強いメッセージを常に発信をしながら、このもう所信のとおりです、我が国の国益の最大化を図ることに全力を尽くしていただきたいと思います。  それと同時に、是非実行していただきたいことがございまして、是非外務省の改革というのを必死になってやっていただきたい。  外務省の官僚等と話をしていると、非常に外務省外交能力の稚拙さというものを感じます。これはある意味仕方がない面もあるのかなと思います。といいますのも、各国の外交というのはそれなりのカードを使ってきます。その外交カードのもう主たるものは、まず情報力ですね。そして経済力です。そして、まあ軍事力とも言いますか、政治力とも言ってもいいかもしれません。背景にある軍事的なカードもちらつかせながら、いろんなカードを使いながら外交を駆使するわけですけれども、我が国としては、経済力といってももうかなり苦しい国家財政になってきた。ODAはあるといっても、これは先進諸国に使えるものでもありません。あるいは、情報量といえば非常に寂しいものがありますし、軍事力という意味でいえばもう御存じのとおりです。その中で、何とか一つのカードをひねり出そう、ひねり出そうとして、今回も様々な、TPPもそうかもしれません、手土産外交をするのが今の外務省一つのもう外交上の慣習になっているんじゃないかなという気がするんです。  しかしながら、今言ったカードがなくても、是非知恵を使いながらいろんなことをやっていただきたい。民主党先生方で幕末が大好きな先生方が非常に多いですけれども、あの幕末、近代国家になった日本が円という通貨をつくり出したときに、なぜ外国語表記でYをわざわざ入れてYENにしたかという、これ一説の、本当じゃないという説もあるんですけれども、その話をお聞きになったことがございますか。当時、各列強等が中国というマーケットにむしばみながら、その中で経済活動をしていたわけなんですけれども、そこの中で、できるだけ現地の中国人に使っていただきたい、流通させるような貨幣を造ろうということでわざわざ中国の発音に近いYENを使ったと、あるいはその貨幣の裏には中国人に最もなじみの近い竜の紋章を使ったという、これ分かりません、ただの都市伝説かもしれませんけれども、そう言われるぐらい恐らく知恵は使っていたんだと思うんです。  当時、考えてみてください。軍事力もないんです、経済力もないんです、情報力だってないんです、あるものは知恵だけです。それをもう一度外務省が取り戻していただきたいと、これは切に願いますので、外務省改革を一生懸命行うということを約束していただけませんか。
  141. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私、外務大臣になってみて改めて感じることは、外務省改革云々も確かにいろいろ感じるところはあるんですけれども、言うまでもないことですけれども、外交のバックグラウンドはやっぱりまず全体の国力ですよね。経済力、軍事力、まあ防衛力と言ってもいいのかもしれない、日本の場合はですね、軍事力、そして政治力。だから、今おっしゃった知恵というのは一つの構想力というか、そういう構想力をどこまで持てるのか。  その場合に、御指摘のとおりだと思いますし、私も日本が本当に克服しなきゃいけないのはインテリジェンスだと思います。ですから、情報の保全も含めて、私、野党時代に、当時、前の民主党だったんで、すごくリベラルな政党だと言われながら、むしろこの法律を作るべきだという質問をしたことがあります。まだ自民党からも余り出ていなかったころでありますけれども、それはプライバシーの問題だとかいろんなことがあって、だけどやっぱり作るべきだと思うんですね。それがなければインテリジェンスというのは成り立たないと思います。  だから、このインテリジェンス機能をどうやって高めるのかと。今、外務省の中のインテリジェンス機能はまたすごく大事なんですけれども、外務省だけじゃないですよね、警察、防衛省、様々ありますけれども、そのインテリジェンス機能が回らないし、上がらないしということが起きているわけです。ですから、そのことについての問題意識は私はとても強く持っています。それがないと本当の交渉にならないということがあります。分析能力も含めてです。ですから、そういう意味で、そういうことも含めてしっかりと鍛え上げていくというか、制度的な面だけじゃなくて、鍛え上げていくということが大変重要だというふうに思います。  それと同時に、私は政と官の役割というのは、でも、やっぱりあると思うんです。やっぱり何というのか、私は若干の履き違えというのが民主党政権になってこの間あって、やっぱり政治というのは基本的にいわゆる政策の大綱を決めていく、主要な政策というものをやはりリードする、専門的、技術的、中立的な執行の部分というのはやっぱり官僚がきちっとやる。そういうところ、本来官がやるべきのような領域にちょっと政治が入り込み過ぎたというのが私はこれまでだったんじゃないかというふうに、反省も込めてですよ、思っているんです。  ですから、そこの領域をきちっと分担しながら、使うところは大いに使って、そしておっしゃるように、鍛え上げるところは私も含めてですけれどもやっぱり鍛え上げていくということが大切だというふうに思います。
  142. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 熟議をしたいので簡潔にお願いしたいと思うんですが、是非そのような形でよろしくお願いします。  ただし、今大臣が言われた国家としての情報的な部分を集めますというのは時間も掛かることですし、これ組織もつくらねばならないから財源もやはり掛かってきます。やりながら、もちろんやりながら意識改革、いかにして知恵を使っていくかという、こういう部分はやはり官僚任せだけではなくて大臣としてしっかりとした政治主導、リーダーシップを図っていっていただきたいと、このよう思います。  さて、我が国を取り巻く周辺諸国、この情勢等についてお伺いしてまいります。防衛大臣、よろしいですか。  防衛大臣はこの所信の中で、北朝鮮に関する記述です、これで、軍事的挑発行動を繰り返していると、このように述べられました。具体的にこの北朝鮮が繰り返している軍事的兆候とは何でしょうか。
  143. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 北朝鮮の近年の我が国にかかわるようなことでの挑発行為と思われる現象、幾つかあったというふうに思います。  〇九年の我が国上空を越えるミサイルの発射問題とかあるいは核実験の実施の発表等もございましたし、また昨年、韓国哨戒艦沈没事故というものも発生しましたし、延坪島の砲撃事件というものも昨年ございました。そういう一連のいろんな動きを見て、我々は決してそういうことを軽視しないでしっかりと警戒監視すべきだという意味合いで、そういう表現を使わせていただきました。
  144. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 つまり、北朝鮮というのは非常に予測ができない行動をする国家だと思いますので、我が国の防衛省としても引き続き予断を許さぬ対応をしていかなければならない、そういう認識でよろしいんですね。
  145. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) はい、そのとおりです。
  146. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 そこで、私は非常に不可解といいますか、もう一度現野田内閣で考えていただきたいこと、これに関しては言わずもがなですけど、朝鮮学校高校授業料無償化の再開に関してなんです。  これは、もちろん担当としては文科省の話ですけれども、これは文科省の話だけではないんですね。我が国政府として、済みません、その前提に、この再開手続の基準は、国会の審議において、国際的、国内的な状況が砲撃事件以前に戻ることという条件を付けたんです。ということは、これ再開を、もう一度やり始めたということは、我が国として、政府として、今の朝鮮半島情勢が十一月以前の状況に戻っているんだということを、これは国内問題だけじゃないんですよ、国外に対してもそういうメッセージを発するということと同等なんです。  そこでお伺いしたいんです。外務大臣、この半島情勢、砲撃以前の状況に戻ったというふうに外務省はこれ認識をちゃんとしているんですか。
  147. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は、朝鮮半島の情勢というのは予断を許さないと、依然として予断を許さないという状況でありますし、北朝鮮のそもそも行動について確定的に予測するということは適当じゃないというふうに思っています。
  148. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 ですから、これは様々な力がもちろん政治ですから働いていると思うんですけれども、やはりこの手続の再開ありきで、その後にこの情勢認識というのを後追いさせているというようにしか見えないわけなんです。国民の多くもそのように感じています。そこで、やはりもう一度政府の中で御議論いただいて、本当に情勢認識が十一月前に戻っているのかどうなのかというのを判断していただきたいと思うんです。  これは我が国だけの問題ではありません。防衛省もこれ考えていただきたいんですけれども、防衛省が十一月以前の状況に戻っているという認識を示しているということは、ちゃんとそれは韓国側、いわゆる韓国軍ですね、軍と認識の共有がすり合わせられているのか。実際に延坪島の砲撃とか、あるいは哨戒艦を撃沈されている国は韓国なわけですから、韓国がそう思ってもいないのに我が国が一方的にそう思うということはあってはならぬことなわけです。あるいは、日米同盟の対象国である米国が在韓基地を置いております。何かあったら朝鮮有事に対して実際に血を流す国家です。その国が、いや我々もそのように思っているよという認識がなければ、これ、おかしなことになるわけです。  防衛大臣にお聞きしたいんですけれども、この件に関して、韓国軍あるいは米軍、それぞれの認識共有は防衛省としてなされていますか。
  149. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私たちは、日米韓のそういう連絡体制をしっかり保ちながら、今ほどの話題のようなことについてはお互いに情報を共有してしっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。
  150. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 それは当然のことなんです。日米韓で同じ共有に基づいて行動していくと、すり合わせしていくというのは当然なんですけれども、我々に入ってきている情報では、韓国、米国がどのように思っているかが分からない中で、日本政府のみが明確な議論あるいは根拠も示さずに十一月以前の状況に戻っているという判断をしているわけなんです。これは国内問題だけじゃないんです。国外に対してそういうメッセージが発出されているんです、現時点でですよ。  ですから、米国軍と韓国軍とそういうすり合わせが防衛省としてされているんですかという質問です。
  151. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう、一言で言うと共有できていると思うんです。それで、ちょっと一つ考えなきゃいけないことがあると思うのは、私自身もこの問題というのはいろんな意味で厳正にやらなきゃいけないというふうに思っているんですよ。  それで、先ほど朝鮮半島情勢について触れました。十一月の下旬ですよね、いわゆる延坪島の砲撃っていうのは。十一月の初めの時期にウラン濃縮計画を公表しているんですよね。つまり、それ、延坪島の攻撃以前の話なんです。それで、もう言わずもがなですけど、三月だったと思いますけど、天安号のいわゆる哨戒艦の沈没事件があったと、これもまた一方の事実なんですね。  ですから、以前の状態というのも、かなりそういう意味ではまさに予断を許さない状況にあったというのもこれまた一方の現実だということは踏まえなきゃいけないんだろうというふうに思います。
  152. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 やはりこれは国民理解を得られません。もう一度やっぱり再考していただくことを是非お願いしたいと思うんです。  なぜこれが国民にとっても非常に大きな関心事になっているかというと、もちろん、我が国の税金が朝鮮学校に使われる、その中の教育が我が国の文科省が出している指針にのっとっていないということもあるんですけど、それ以上に拉致の問題はどうなったんだと。これやはり、北朝鮮が拉致という国際的な犯罪行為をやっておきながら、いや非常に改心していると、十一月の前の状態に、非常に良好な状態に戻っているというメッセージを発信するということで、日本国政府は拉致の解決に対して本気じゃないなというメッセージをやっぱり与えてしまうんです。これは、そういう意図があるなしにかかわらずですね。  ですから、これ、拉致被害者の家族の気持ち考え、この解決に全力を尽くすというのであれば、是非やはり再考を考えていただきたいと思います。  今、日米の話になりましたので、日米関係についての話をさせていただきます。  外務大臣、この所信の中で、日米同盟は我が国の外交安全保障の基軸であるということをおっしゃいました。一層深化させると。防衛大臣も同様です。大きな柱の一つで、更に強固なものにしていくという発言されました。ただし、具体的に何をやっていくかということはこの中には書いていないんです。それから、これまでの発言の中でも具体的にこれをやるということは言われておりません。  私は、やはり日米同盟を深化、それからもっと強固なものにするためには、この条約の片務性を解消すること、これにもう尽きると思うんです。つまり、集団的自衛権、この解釈変更をしていくと。別に法改正も何も必要ないんです。現政権が集団的自衛権の解釈をするということを方針として打ち出してやっていけばいいだけの話です。  一川大臣は、二〇〇一年、構想日本のアンケートで、この集団的自衛権の見直しに賛成ですかというアンケートに対しては、見直し賛成と、そして日本国憲法も改正すべきであるというふうに答えています。これ、インターネットでも今でも出ています。二〇〇一年の構想日本のアンケートで答えられているんです、一川大臣がですね。帰って御確認されてください、分からないようでしたら。集団的自衛権ですね。  玄葉大臣は、二〇〇九年、つまり政権交代のときの直前のアンケートで、同じように集団的自衛権については賛成だと、そして憲法も改正して明記すべきだと答えているんです。  今、大臣になられたわけです。しかも、前政権、前々政権の鳩山総理、菅総理とは違います。非常に安全保障に関しても理解を示し、その認識も高い野田総理の下の閣僚なわけです。しかも、最大野党である我々自民党は、それを今までのもう最も成し遂げたいこととしてやってきているわけですから、両大臣がやると言ってくれれば、これはもう実現する話なんです。  是非、今、もう一度認識をお伺いしたいんです。防衛大臣から集団的自衛権の改正、これについてはやるということをここで明言していただけませんか。
  153. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) ちょっと今、私がそういうことの意思表示したというのはもう一回確かめてもきますけれども、私は、今の野田政権の閣僚としましては、今この時点で集団的自衛権に対する見解を変えるという気持ちは今のところありません。
  154. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 問題意識を共有しています。ただ、現時点では、集団的自衛権の解釈を変えないという、変えていないというのが野田政権の現在の態度であるというふうに申し上げたいと思います。
  155. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 両大臣にもう非常に失望いたしました。何のために大臣になるのか、何のために政権を取るのかということをやはり考えていただきたいんです。恐らく、党内のいろんな意見集約もそれは難しいでしょう。ただし、私、そのことで民主党政権が別になくなってもいいんじゃないかと思うんです。我々が本当にやるべきことは政党を残すことじゃないですよ。この集団的自衛権の解釈を本当に実現することができたら、私は民主党という党は歴史に名前を残すと思いますよ。是非やっていただきたいんです。  玄葉大臣は私の政経塾の先輩でもありますから、あえて玄葉さんとしてこれお願いしたいんですけれども。我々、政経塾で学びました。政経塾のあの寮の中に銅像があります。政経塾の幸之助さんが手をついているあの石碑の横には何て書いてあったか覚えていらっしゃいますか。「いまやらねばいつできる わしがやらねばだれがやる」と書いているんですよ。今やらねばいつやるんですか。あなた、今外務大臣なんですから、しかもこの最大のチャンスのときにやはりそこに先鞭を着けていただくというのが、私は玄葉大臣大臣になった最大の使命だと、このよう思います。  時間もございませんので、所信に関する質問でやりたかった部分はこれで終わらせていただきまして、防衛大臣に対して、小松で起こりましたF15のタンク落下の事故についてお話をさせていただきます。  これ、十月七日の午前中に発生した事故です。谷岡議員、破裂したのはエンジンではなくタンクでございます。このタンクの破裂、小松の地元に破片をばらまいたことで多大な御迷惑を掛けたわけですが、防衛大臣、これ、事故後の地元の基地の対応というのは適切だったんですか、それとも遅かったんでしょうか。端的に。
  156. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 端的に申し上げれば、私は、この小松基地は、地元に生活している人間ですからその実態はよく分かっておりますし、また、今回大変なことが起こったということでは地元に対してはやはり申し訳なかったというふうに心からおわび申し上げたいと思っていますが。  この事故発生直後に連絡は受けておりますけれども、この落下物がどの地点に落下してどういう被害が発生したかということを確認しながら、私なりにこちらにいて指示をしたつもりでございますけれども、現地の基地を中心とした皆さん方対応が一〇〇%良かったかということを考えてみた場合に、対地元住民に対する説明が若干時間が遅れたということに対しては反省すべき点があったんではないかなという感じはしております。ただ、その事実関係なり原因究明をしっかりとやるというのもこれは一方では大変大事なことですから、並行してできることはしっかりと対応すべきであったと、そのように思っております。
  157. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 地元に対する説明が若干遅かったというのは、具体的なことがなかなか分からない中で非常に難しい判断だと思うんですね。だから、それに対して批判を受けるのは、これは防衛省としては仕方がない面もあるかとは思うんですが、やはりこれを、現地にそういうミスがあったというだけではなくて大臣自らもやはり反省をしていただきたい。  この対応の遅さを言うなら、大臣が現地に入られたのは何月何日ですか。事故が起こったのは十月の七日です。現地に入られた、現地のいろいろな視察をされたのは何日ですか。
  158. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、二十二日の土曜日です、現地に入ったのは。
  159. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 十五日間掛かっているわけですね。その間、いろいろなこともありましたでしょう。こちらの中央の方でいろいろな公務もあったかと思います。しかしながら、十五日後ではなくて、その前ですよ、大臣は十月の十五日に石川県の民主党のパーティーに出席しているじゃないですか、金沢まで行って。であれば、何で小松までちょっと寄る、あるいは地元の御迷惑掛けた方々に一言でもそこで顔を見せる。大臣自体の対応も悪いじゃないですか。これ現地だけの話じゃないんですよ。  大臣自体が、やはりこれは自分責任だということをとらえて、自分自らが汗をかく、頭を下げる、そういうことをやはりやっていただきたかったと思うんです。くしくも、大臣民主党の県連のパーティーに参加された、この夕方ですよ。  この十五日というのは、午前中、防衛省市ケ谷において殉職隊員の追悼式があったんです。大臣、参加されましたよね。私もおりました。その追悼式で大臣、何と言われたか。不幸な事故を再び起こさないよう今後とも最善を尽くすと、殉職事故に対する防止を誓ったばっかりなんですよ。  今回のタンク事故だって、確かに地元の住民の皆さんにも迷惑掛けたかもしれない。でも、一歩間違えれば隊員が死んでいたかもしれないんですよ。あなたはまず地元に行って、隊員大丈夫だったのかと。それからですよ、指示を出すあるいは指導する、厳しいことを言うのは。まず、よく助かった、良かったなと。でも、すぐまず事故原因をしろと。そして、地元に頭を下げるのはあなたがすべきことじゃないですか。県連パーティーなんかで県連の皆さんに対しておわびを述べている場合じゃないんです。まず、そこのことをできなかったことに対して猛省を求めたいと思います。  そして、二十二日、現地に行かれたときに、小松基地前でのぶら下がりの記者からの質問で、地元からの大臣の視察が遅いという声がありますが、これに関してはどう思いますかと言ったときに、大臣は、いや、東京でやるべき仕事があるんだと、国全体から考えたらということで答弁なさっています。私ももちろん、これは間違っていない答弁だと思っていますし、当然のことだと思っています。  ただ、東京で何をやっていたのかが私は非常に知りたい。大臣が金沢に行かれた五日前、十月十日です、体育の日です、祝日です、お休みの日です。大臣は、この日は公務の予定は入っておりません。東京から出たということも私の情報収集では入ってきておりません。この日、東京で何をやられていたんですか。
  160. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 十月十日、体育の日ですが、私は、あの日は議員宿舎で、いろんな資料がたまっておりますから、そういう資料に目を通し、また午後は議員会館で、これまたいろいろな資料がたまっておりますから、そういうものに目を通しながら、私のこの十日前後の公務というのはいろんなものが重なっておりましたので、そういうものをそれなりに自分なりに整理をし、また小松の問題は、小松基地のいろんな現状は逐一、いろんな情報は、自分自身が小松に家もありますし事務所もございます。  そういう面では、地域住民のいろんな声は直接私の方に電話も入っておりますし、そういう面では自分なりに、地域の住民に甘えたといえば甘えたところがあると思いますが、逆にいろいろと、激励を受けながら、しっかりやってほしいという声だったというふうに思います。
  161. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 この十月十日というのは非常に重要な日だったんですよ。私にとってもそうですし、防衛省にとっては非常に重要な日だったんです。そうですね、神風政務官。十月十日に沖縄で何があったか御存じですか。七月に訓練中に亡くなったF15のパイロットの葬送式を沖縄でやっているんです。神風政務官が代理出席しているんですよ。  あなた、十五日に言っていることと違うじゃないですか、不幸な事故を再び起こさないようと。この国を守るために一生懸命訓練をして、不幸にもその訓練の最中に亡くなった隊員に対して、なぜ防衛大臣が哀悼の意を表するために沖縄に行けないのか。その日は公務もないんですよ。  私は是非大臣に来ていただきたかった。私は行ったんです、航空自衛隊出身の議員として。政務官が来てくれたことを非常にうれしく思いました。しかし、大臣がそこでいなかったのを見て、ああ、大臣は小松で忙しいんだなと私は思ったんです。でも、よくよく聞いてみたら、あなたは小松にも行っていなかった。そういう姿勢がやはり隊員たちに伝わるんです。隊員たちにとってみたら、あなたは指揮官なんです。管理する立場ではなく、あなたは命令を下す立場なんです。やはり隊員の一人一人のことを考えた行動をしていただきたい。  十月十日に葬送式をやった、この亡くなった隊員の名前が言えますか、大臣
  162. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) その方は、実は私の地元の方でございます。ですから、川久保さんというのは知っておりますし、その遺族の方も今現在、私の地元の石川県小松市に在住です。ですから、私はそのことは常に念頭にありましたけれども、十月の四日の日だったと思いますけれども、まあ防衛省の中にちゃんと慰霊碑もございますし、また、私は十七日に沖縄へ訪問する計画を持っておりましたので、沖縄の那覇基地でしっかりと慰霊碑でお参りをさせていただくというようなことも含めて念頭にございましたから、それなりに自分なりには納得した行動を取っているというふうに思っております。
  163. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 亡くなった隊員の名前を覚えていただいてありがとうございました。しかも、これは小松に家を持っている隊員なんですね。当日は、小松から奥様も小学校の息子さんも来ていたんですよ、沖縄に。やっぱり大臣に来てほしかったと私は思います。  時間もありませんので、最後に一つだけ。
  164. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 宇都君、時間が過ぎております。
  165. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 はい。もう七日からF15飛んでおりません、訓練やっておりません。訓練をやっていないということは、稼働率が落ちるとか能力が落ちるとかその前に、パイロットの実任務をする上での安全係数が下がることなんです。だから、同じ事故を起こさないようにも、できるだけ早い訓練の再開と、隊員のことを考え大臣としてのお言葉、それからふだんからの行動をお願いしたいと思いまして、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  166. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) もう時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめください。
  167. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) はい、じゃ簡潔にお答えさせていただきます。  今いろんな御指摘いただきましたので、またいろいろと勉強させていただきますけれども、私はこのF15のこの機外の燃料タンクの落下事故というのは今まで例のない事故であったというふうに思いますし、大変重大な問題だというふうに思っておりますので、しっかりと原因を究明して、なおかつ再発防止ということが非常に大事でございますから、そういうことを早急に追求してまいりたいと思いますし、その間で、今のパイロットのいろんな技量を低下させないと、また安全度を確保するにはどうしたらいいかという面では、これからしっかりとまたその対応策を早急に練り上げたいと、そういうふうに思っております。
  168. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 自民党の猪口邦子でございます。  両大臣におかれましては、大臣御就任、心からお祝い申し上げます。また、我々自民党から佐藤正久先生、そして山本一太先生、そして今の宇都先生、鋭く的確な質疑がなされ、また両大臣も自ら考えを巡らすような感じで誠実にお答えしてくださっていると感じております。  私からは、類似のテーマにつきましては補足的に、また幾つか新しいテーマもお伺いしながら議論を深めてまいりたいと考えております。  まず、防衛大臣なんですけれども、十月二十五日にパネッタ・アメリカの国防長官と会談されまして、その中で、午前中の山本一太先生からのお話にもありましたけれども、普天間飛行場移設問題につきまして、年内には環境影響評価書を提出できるよう準備を進めていると、これはできるよう準備を進めていると、大臣は幾度かこの表現を使われております。ですから、これを提出することを約束したのではないということは、午前中、アメリカに伝えたのではないということをおっしゃったと思いますけれども、アメリカに対してこの年内に評価書を提出できるよう準備は進めているんだけれども、提出するとはっきりと言ったというわけではないという理解でよろしいんでしょうか。
  169. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) はい、そういうことでよろしいと思うんです。  私は、十二月中に提出できる準備をちゃんとしっかりとやらせていただきますと、なお併せまして事務的にいろんな説明も並行してやらしていただきますと、そのことを説明いたしました。
  170. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 これは本当に提出するんですか、出せるんですか。そして、もし出すんであれば、年内というのは非常に漠然とした時間の考え方ですので、どういうお考えなのか、もう少しきちっと教えていただきたいと思います。  振り返ってみますと、この評価書というのは突然出てくるものではなく、まず方法書があって、方法書に沿った調査等の対応があって、それで準備書があって、そして評価書と。それで、自民党政権下でももう大変な努力をして、決して一気にとはいかなかったですけれども、必ず少しずつ進歩を見ていたんですけれども、午前中、大臣御答弁もされましたけれども、平成二十一年十月十三日のこの準備書に対する知事意見の提出以来何の進展もないということが事実でありまして、そしてここに来て、それでは年内に提出できるよう準備をするという表現なんですけれども、出すんですね。それで、出すんだったら、もう今日十月二十七日ですから、いつ出すのか、ちょっと教えてください。
  171. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) そういういつ幾日出すということはもちろん言明いたしておりませんが、先ほどのお話のように、二十一年十月に知事から準備書に対する意見というものは出されております。それから、今年の六月、アメリカの首脳部、2プラス2、日本側との合意の中で、現段階では最終的に普天間の移転先の辺野古地域での飛行場の位置とその形状がそこで確認されたということでございますので、それに基づいて環境影響評価書を最終的に見直すところは見直しを掛けてその準備を進めているということでございますので、それを十二月に提出できるように持っていきますよということを知事にお話をさせていただいたと。それを、パネッタさんにもそういうお話をしました。  そういうことでございますので、いつ幾日、十二月のいつ幾日に出すということは、別にまだ決めてはおりません。
  172. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 では、十二月に出てくるという御答弁であったと思います。  それで、大臣よく御存じのとおりなんですけれども、アメリカ側の方はいわゆるGAOですね、ガバメント・アカウンティング・オフィス、アメリカの会計検査院がグアム移転事業、これは普天間辺野古崎移転とセットであるわけですけれども、この事業が非常に費用が莫大になるという認識を示しましたことから、上院の軍事委員会におきまして、一定の条件が満たされない場合には新たな予算を認めないということを言っているわけですね。  その一定の条件というのは、例えば、これは佐藤先生からも午前中ありましたとおり、新たな兵力構成を示す、それから普天間進展があると、それからコストを削減したそのようなマスタープランが出てくるというようなことであるわけですけれども、新たな予算を認めないという場合に、我が方は二十三年度の資金移転は実施するんですか。
  173. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) そのことも我々も非常に関心のある部分でございますから、この前のパネッタ長官が来たときにも、我々は、グアムに移転するその移転先のいろんな整備状況というものが順調に進んでいないんではないかということが非常に危惧されると。我々日本側は、大変財政が厳しい中でもそれなりに責任を持って予算を用意して、予算の移転まで二十一年、二十二年とやっていると。にもかかわらず十分執行されていないというところは指摘させていただきました。ですから、それをしっかりと促進していただきたいと。そうしないと、本当にアメリカが真剣に本気になって辺野古の海兵隊をグアムに移転するということがだんだん疑いが出てくると、我々も対沖縄に対して理解を求めるのがだんだんやりづらくなるということをお話しさせていただきましたし、我々は今、今年度の予算までちゃんと予算措置はさせていただいております。  まだアメリカにその予算の移転はしておりませんけれども、今年度分は。全部トータルすれば一千億近い、そういう予算措置になろうかというふうに思っております。
  174. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 そうすると、アメリカの方はこれから両院の協議会とかいろんなプロセスがございますけれども、あちらがその新しい予算を認めないという場合においても我が国は二十三年度の資金移転は行うと。  その二十一年度と二十二年度の資金はどこに今あるんですか。
  175. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) それは今アメリカ側に移転しておりますから、アメリカの方にあるといえばアメリカ側にあるわけですけれども、向こうの予算の執行の仕方が若干日本と異なる面もございますけれども、もし万一それが使われないというようなことがあれば日本に返ってくる、そういうものだというふうに私は思っておりますけれども。また、そのグアムの移転事業というのは、本当に今アメリカ政府において議会側といろいろと御苦労されていると、議会側からいろんなプレッシャーが掛かっているということを言っていましたけれども、それは、しかし間違いなく日米合意に基づいてしっかりと取り組んでいただけますねということは確認をさせていただいております。
  176. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 そうですか。その資金が、もしその資金移転を行わないという場合に、その二十三年度の資金は大臣はどうなると考えていらっしゃいますか。
  177. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 我が方が今用意している二十三年度の予算を移転するかしないかというところは、まだ最終的に結論は出しておりませんけれども、それを今この時点でこういう方向だということはちょっと今申し上げられませんけれども、極力アメリカ側がそういう執行していただけるような体制に持ち込むよう努力していただけるように、我々もこれからもちゃんと監視していきたいと、そのように思っております。
  178. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 アメリカがその努力をしても議会を説得できない場合には大変なことになりますね。我が方も、このまま資金移転を続けるのかとか、それを実施しない場合にはその資金はどうなるのか、国庫に返納しなきゃならないのかとか、いろんなことが出てきますから、日本としては、アメリカ側もその予算を確保してくれるというためにきちっと努力をするという必要がありますね。そのために普天間移転を進展させなければならないと。これはグアムの移転と全く別の海兵隊でございますよ、普天間から辺野古の方に移ってくるのはですね。  ですから、先ほど、午前中にちょっとおっしゃったような環境影響評価を、この決定を待ってとかそういうことじゃなくて、これは我が方の計画としてきちっとなさればいいというふうに御理解いただきたいと思います。  そこで、それでは普天間の問題を進展させるためにどうしたらいいのかと。政府の方は誠実に沖縄理解を求めるということしかおっしゃらないんですけれども、誠実に理解を求める方法についてちょっと議論させていただきます。  まず、これは佐藤先生からも山本先生からもあったんですけれども、この県外、国外発言、これは現政府は完全に否定するわけですよね。ですから、これをきちっと謝罪したかと、そして撤回したのかということを外務大臣に伺いたいと思います。たしか二つのことを謝るというような、どこかで記者会見を拝見したことがありますけれども、もう少しちょっと、きちっと謝ったのかということを教えてください。
  179. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 猪口先生が言われたとおり、二つのことのおわびをいたしました。一つは、〇・六%の面積である沖縄に七四%もの米軍専用基地が集中をしているということについて、もう一つは、今先生がおっしゃった最低でも県外というふうに総選挙のときに我が党の代表が発言をし、期待値を高めて結果として回帰をした、そのことに対して私から沖縄県においておわびを申し上げましたし、やはりこの場でもおわびを申し上げなければならないというふうに思っております。
  180. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 それは大変立派なことなんでございますけれども、しかしこれを、二つのことを同時に言ったということで現に問題となっており、そして民主党の政権の責任として、起こってしまったことに真っ正面から向き合うというところがちょっと薄らいでしまう危険性があります。  それから、発言は撤回したんですか。もちろん、これは総理大臣発言ですから、後の外務大臣として撤回するということは難しいのかもしれないけれども、であれば、現在の総理大臣に、二代前の総理大臣発言を撤回し、謝罪しますという行動を取るべきであると、この意見具申を玄葉外務大臣からなさいましたか。
  181. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そこまで具体的に、撤回しろとか、いわゆる野田総理がかつての総理の発言について撤回しろということは、これも率直に申し上げると申し上げていません。ただ、沖縄にやはり総理も行くべきであるということは私自身から申し上げた経緯はあります。
  182. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 行くべきだということをですね。
  183. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) はい。
  184. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 ありがとうございます。  正直におっしゃってくださって、そのような意見具申はやることは難しいわけですね、きっと。しかし、考えてみれば、野田総理をこの分野で支えるのは外務大臣のまずもって重要な仕事でありまして、この全てが滞っているその原点に立ち直って、そこにフォーカスして集中的に誠実な対応を示す。  私は、九月二十八日の予算委員会で、なぜ沖縄にすぐ行かなかったんですかということを全閣僚出席の総括質疑で申し上げました。玄葉大臣一川大臣も聞いていてくださったんだと思いますけれども、私が言った御本人である野田総理は行っていないんですが、聞いていたほかの大臣皆さんこぞって行かれたということなんですが、この発言を撤回できる唯一の方は野田総理であると思いますね。そして、それを意見具申できる重要な立場にある玄葉大臣ですので、直ちにこの意見具申をされて、そして撤回、謝罪。総理動かずでは何も始まらない。  ですから、冒頭に戻って普天間の進展。進展のあかしがなければ、なかなか両国で共同してグアム移転のことも含めてやることは難しくなってくるので、これをやる決意をここで固めてもらえませんかね。私、これだけの時間使って説明しましたので、野田総理に、鳩山総理の国外、県外の発言を撤回しなければ沖縄気持ちを回復することはそもそもノンスターターで始まらないし、撤回し、きちっと謝罪する旅に出なさいという意見具申をする勇気がありますか。きっと玄葉大臣できると思います。
  185. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今の先生のアドバイスはしっかり受け止めたいというふうに思います。率直に野田総理とのこの問題に関する意見交換の中で、こういう提起もあるし、私自身も総理が行かれたときにどういうふうな発言をされるかということは大切なことだというふうに思っておりますので、そういったことを踏まえる方が私自身は良いというふうに思っています。
  186. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 そのほか、この普天間を進展させるためには負担軽減のパッケージというのがございまして、このパッケージを実施することがまずは大事でしょう。ところが、玄葉大臣は、パネッタ国防長官との会談において、これ私は見当違いだと思いますけれども、負担軽減のパッケージをつくることが必要であると。もうできているんですね。その項目は御存じのとおりでございますけれども、これは何かのミスで、既に合意しているパッケージを推進するという理解でよろしいですか。
  187. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 結論から申し上げると、今かなり個々具体的に沖縄の負担軽減について細部を詰めています。それで、いわゆるパッケージというのは俗にグアム移転と普天間の移設と嘉手納以南の返還ということでありますけれども、例えば、例えばですね、より個々具体に環境の問題であるとか、あるいは、いわゆる例えば訓練の移転の問題、でき得る訓練の移転の問題とかを個々具体的に今詰めているものですから、私の方から、そういったことに対して最大限の協力をしてくれ、抑止力を減じない形でそれができる限りのところまでやっていくということが大事だということを申し上げたということです。
  188. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 私の理解しているところでは、負担軽減策のパッケージ、これは嘉手納以南の土地の返還、それからHH、ホテル・ホテル訓練区域の一部解除、それからグアムへの訓練移転、これの実施、それから環境、事件・事故、飲酒運転に関する合意、それから嘉手納の騒音。これはもうパッケージですから、これを推進することがこの普天間の問題を一歩でも進めるような、沖縄方々気持ちの改善、これにつながることかもしれないと。余りにも傷が深いのでそうすぐはいかないかもしれないけど、でもこれをやらなければ何もならないというふうに思います。  そこで、この負担パッケージに含まれています事件・事故、飲酒運転に関することなんですけれども、この問題、これ玄葉大臣御存じのとおり、公務の範囲の決定に関する日米合同委員会合意というのがありまして、これは細かく言うと時間もないんですけれども、合衆国の軍隊構成員や軍属が、その出席を要求されている公務の催事における場合を除き、飲酒したときは、その往復の行為は、公務たる性格を失うものであると決めているので、この文言上では、その公務の催事における場合を除きですから、こういう合意文書なんですけれども、御存じのとおり、この合意文書というのはいつ採択されたかといいますと、まあ本当に昔なんですよ。もしかして大臣がまだお生まれになっていないときかもしれませんで、一九五六年三月二十八日。これを改定して、是非、その出席の要求されている公務の催事における場合を除きというこのフレーズを取るだけで、まずは一歩前進ということになります。もちろん、アメリカが具体的にこれを盾に、裁判権を行使する第一義的な権利はアメリカにありということを主張したことは私が調べたところないと思いますけれども、であれば一層、玄葉大臣こそこれを改正する人になってほしいというのが私の期待でございます。  と申しますのも、私は少子化大臣を務めていましたときに、同時に交通対策本部長を務めておりまして、その自分大臣職の最後のときなんですけれども、二〇〇六年の八月二十五日、福岡におきます四歳、三歳、一歳の子供が飲酒運転の車に追突されて亡くなってしまうという、本当に国民の記憶にある悲劇、これが起きました。そして、私はそのとき、まあ自分の残り時間も少なかったんですけれども、一気に官邸会議を招集し、飲酒運転の罰則強化とか、あと道路交通法改正、こういうことをばっと並べまして、それで、当時は官僚さんもその言葉は駄目と言ったんですけれども、結果的には飲酒運転の根絶についてという政府決定を行っております。  そこからやっぱりカルチャーは変わってきたと思いますので、この流れを思いますと、これが私が大臣として最後にやった仕事でございまして、玄葉大臣がやる最初大臣としての仕事に今度はこの日米合意のこの部分につきましての改定をやっていただければ、まずは一歩、しかも一歩前進です。なぜかというと、負担軽減策の中にわざわざ事件・事故、飲酒運転と入っていますので、是非やっていただきたいんですが、決意を伺いたいです。
  189. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先生がいろいろ先鞭を着けられて、私はやっぱりこの一九五六年のこの公の催事における場合を除きというのは、これはやっぱり、そのときに公務だというのはやっぱりおかしいと思います。だから、これは強い決意を持って、しっかりとここはやはり変えるというふうにしたいという思いで。  やっぱり一つ一つ、さっきも申し上げましたけど、結果出さないと信頼されないなということを沖縄に行って強く感じました。ですから、一つ一つ結果を出したいという思いのまず最初にしたいという思いであります。
  190. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 いや、玄葉大臣、それすばらしいです。今おっしゃったとおり、やっぱり外交というのは地味でも人の命にかかわる大事なこと、そのことを一つ一つやる。それから、玄葉大臣チームというのがきっとおありでしょう。自信が付きます、一つでも具体的に進めることができれば。その自信こそが宝になりますから、そうすると積み上げて、本当に大きなこと。でも、これをやれば本当に歴史的な仕事ですから、是非おやりいただきたいと思います。  では、お約束いただいたということで、来週からでもその作業に入っていただくというふうに私は理解しております。  次なんですけれども、国家戦略会議について実は玄葉大臣にお伺いしたいんですけれども、前にはこの国家戦略担当の大臣ではなかったかなというふうに思います。それで、この骨格ができてきまして、十月二十一日、閣議決定がされました。そしてメンバーにつきまして、何と外務大臣が入っていて防衛大臣が入っていないという誠に不可解な設計となっている。こういうちょっと中途半端な感じの設計になるのも、経済財政諮問会議と違って、法律に基づかないこういう会議を林立させるという非常にあしき、何といいますか、もう今となっては習慣になってしまったのか、民主党の政権の中でちょっとよく目に付く、そして改善していただければ非常に有り難いと思う問題があります。  まず、玄葉大臣、今の話を聞いていただきましたので、一川大臣に、防衛大臣として、外務大臣が入る国家戦略会議に自らは構成員として入っていないと。これは総理が議長で、副議長は担当の国家戦略担当大臣ですね、あと官房長官ですかね、そういう会議体ですけれども、どう感じますか。やはりこれは外務大臣も入っている。経済財政諮問会議は、それは外務大臣も入っていなかったと思いますね。違いましたっけ、そうですよね。  ですから、外務大臣が入って防衛大臣が入らないというよう考え方というのは、いかが思いますか。
  191. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) この国家戦略会議の構成メンバーに防衛大臣が入るか入らないかという話は、私は当初からこの議論には参画しておりませんけれども、取りあえずこのメンバーでスタートをするといったときに、国家戦略担当大臣の方からは、当面は我が国の税財政の基本的な骨格、あるいはまた経済運営の基本的な方針についてここで議論したいと。ついては、防衛大臣は、また必要なテーマが生じた場合に参画してもらうということがあるかもしれないから、またそのときはよろしくお願いしたいというような趣旨のお話がございました。  取りあえずは経済問題を中心にこの戦略会議で議論してまいりたいというようなお話でございましたので、私は、このメンバーに取りあえず入っていないということについては、別に問題ないんではないかなという感じは受けましたけれども。
  192. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 後で武器輸出三原則の議論をさせていただきたいと思っておりまして、そして、日本防衛産業の国際競争力を維持することなどは、我が国の中核的な国益に直結する経済的な側面の強い問題であるということもありますよね。  ですから、そういうことを考えますと、もう少し、防衛大臣としては、外務大臣が参加する以上は自分も同等の立場として、もちろん要求大臣が入ってくるというのは経済財政諮問会議も同じだったんですけれども、そこをもっと主張していただいて、自分からも経済財政について、予算の獲得だって防衛省のために、自衛隊のためにしなければならないじゃないですか。そして、震災対応など特別な働きがあるときのいろんな対応もあると思います。そのような追求といいますか要求をと思います。老婆心なんですけれども、是非自分も参加すべきではないかと、私からの指摘を受けてちょっと考えていただけないかと思います。  そして、玄葉大臣に伺いたいのは、これも予算委員会で議論何度もしているんですけれども、国家安全保障会議、何といいますか、日本型のNSCと言う方もいますけれども、私が提案しているのは六者で、ここは外務防衛も両方入る、国土まで、海保が入りますから、入りますね。六者で、そして定例で常設で、できれば閣議の前後などで毎週二、三回開くような、先ほどインテリジェンスのお話しされましたけれども、まさにそれにつながるようなもので、防衛大綱の中にきちっとその方向性が出ているわけで、その検討チームがつくられたというのも知っていますけれども、それで震災になったので半年間ちょっと休眠したみたいで、予算委員会でも取り上げさせていただきまして、そしてまた再開されたと。  この場合、国家戦略会議とこの国家安全保障会議の役割の分け方ですね。そして、外務大臣は両方の重要閣僚というようなこと、そっちでは国家安全保障はやらないんだというような申合せ。しかし、それも国家戦略の方は法律に基づいていないので、よくちょっとはっきりしないと。  ですから、法律に基づく会議をつくればこういう混乱って起きにくいわけですね。是非、前国家戦略大臣としてこういうことをちょっと考えて、今からでも、内閣の一員として、例えば経済財政諮問会議を復活させて、大急ぎで、そして自分たちのエネルギーを集中して国家安全保障会議をつくると、何としても国家安全保障会議をさっさとつくると、こういうサイバーテロのこととかいろいろあるわけですから、そういうふうにきちっと整理した方法というのはどうでしょうね。  そして、国家安全保障会議は法律に基づくものにする考えで前大臣でいらしたんですか。そして、現大臣としてはその中核メンバーなので、お答えいただければと思います。
  193. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先生が言われるように、民主党の中でも経済財政諮問会議の当時の在り方論については様々な議論が実はあります。私は、経済財政諮問会議というのは、一つのやっぱり法律に基づいた在り方というのは私は有力な選択肢の一つだというふうに実は思っていましたし、まだ思っているところあるんです、実は。  それで、私、国家戦略担当大臣のときに二つの方法があると。一つは、まさにおっしゃった、既にもう法律あるんだから、もう休眠状態になっているだけなんだから、もうこれを使っちゃおうというのが一つだと。もう一つは、我々一方で国家戦略局をつくりますと、こういう約束をしたわけですね。残念ながら法律ができないんですよ。それは、本当は我々の意思で撤回したというよりは、それはもう一緒により良い法律を作りたいという意思で一回撤回しているんですけれども、それはもう今の国家戦略担当大臣の判断でまさに二つあるんだと思います、私も、在り方としては。それの恐らく後者の方を今選んでいるんだろうというのが私のこれはもう推測であります。でも、有力な選択肢だというのは私の認識です。  それと、ここは安全保障、基本的にはやらないと。ただ、外務大臣は、例えば先ほど武器輸出三原則の話があってなるほどとも思いましたが、パッケージ型インフラ展開とか様々あるし、国際的な観点で経済、財政、税制も議論しなきゃいけないということで入ってほしいと、こう言われたわけでありますけれども、NSC、日本版NSC、日本版NSCと言っていいのかどうか分かりませんけれども、そういったものについては、私が政調を担当していたときも、民主党外交・安保調査会にもそのことを言って、党の中でもだんだん熟してきています。  ですから、これはこれとして、自民党の中でもかなりの議論がされているというふうに聞いていますので、このNSC的な会議体というものをつくっていくという方向性についてやはり議論を深めていって、何とか、しかもすみ分けをきちっとしながらやっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。
  194. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 非常にブリリアントな答弁だったと私は思いますね。ちゃんと考えればその結論になるんですよ。  だから、法律に基づく、一つは経済財政諮問のようなところ、それからもう一つ外交防衛、国家安全保障、こういうところをつくれば、そして必要に応じてまた乗り入れたり合同をやったりとか、非常にきれいに整理されてくる。そして、それが国家戦略、どっちみち、室でやって局に向かうような内閣府の設置法改正などは今できないわけですから、そうであれば、別にそういうふわっとした、ちょっと意見交換の場のようなものを維持したっていいわけですよ。とにかくそういう理解皆さんがそれに参加していれば、本当の決定事項はこちらでやると。  そして、やっぱり内閣は法律に基づいて仕事をする、国家は法律に基づいて運営するんだと。官僚さんだって、法律があれば官僚同士で闘うときだってそれできちっと闘えると。それでこそ、切磋琢磨して良いものになっていくというふうに思いますので、予算委員会でも総理にお伝えしよう努力したことですけれども、今両大臣しっかり聞いてくださいましたので。  そして、NSCは早めにやらないとまずいと思います。もう一年以上たっていますし、防衛大綱に書いてからもうこのまま放置しておくのは、やっぱり閣議決定なる内容とは何かということになってしまいます。玄葉大臣は先ほど一つの約束をしてくれました。このNSCの事実上の、何といいますか、創設者の黒子となっていくと、外務大臣だけでできることではないですから。そうであれば、まさに大きな歴史的な仕事、今後の日本安全保障、平和、東アジア全体に対する大きな安心感の源となるようなそういう仕事を、せっかく外務大臣になっていらっしゃるんですからやっていただきたいなと。私もこの審議を通じて、どういう方向でやってもらいたいかということは野党筆頭として率直にお伝え申し上げたいと思っております。  それで、この間、日仏首脳会談、首相同士の会談がありまして、首脳会談で、原子力安全に関することで興味深い合意、合意といいますか、共同宣言ですかね、これが出ています。これは十分のようでちょっと十分じゃないんですね。  これは、大臣御存じのとおり、IAEAの行動計画、これに基づいて人材育成とか原子力安全について、そういうのをフランスと一緒にやりましょうというバイのもので、まあバイのはバイの会談だからそれでよしと、いいスタートであると。ところが、このIAEAの行動計画は、いろいろ野心的でないという批判もあるんだけれども、実は上手に書いてある。それは、さすが我が国から出ている事務局長の下でやっている、事務総長の下でやっているものだと思いますよ。  それで、その中に、行動計画は国際的な法的な枠組みについてきちっと言及しているんですよ。ですから、そういうものをつくる方向にしてくださいということを予算委員会で、玄葉大臣一川大臣も聞いていてくださったと思います。私の主張は、チェルノブイリの後でも早期通報条約のようなものができたんだから、ポスト福島において我が国が国際法とか国際政治の観点から今後の対応のよきを得るために貢献できることとしては、その両条約が不十分なので改定するか、あるいは新たなそういう国際法のアーキテクチャーをつくるということだと思います。  それで、この日仏の共同宣言にあります人材育成のセンターなどの考えは、要は一対のものの片方ですね、そういうものができて、そして専門家が養成されていくと。同時に、万が一、そういうことは起こってほしくないけれども、これから、日本の原発は私たちがこの後決定していくことだけれども、世界各地でそれを導入する国が多いですね。ですから、一国安全主義というのはなくて、結局こういう人材を必要なときにはディスパッチできるような国際制度、例えば、先ほど国連憲章七章の話がありましたけれども、例えば特別協定のよう考え方を持って人材をプールしておいたり、万が一のときには我々が助けに行くと、誰でもというわけにはいかないですね、事前に分かっている人じゃなきゃ困るし、そういうことをやっておくと。こういう国際法のアーキテクチャーをつくって、一対のものとして訓練した人たちはまた貢献することができるということになるんですよ。  そういうことを展望しながらこういう会談はまとめていかなければならない。もちろんこれは首脳会談ですけれども、当然ながら外務大臣外務省からの強いサポートの下なされたことなんです。フランスはこの人材育成に非常に熱心で、そういう人たちも多いし、たくさんのそこでは役割があるだろう。我が国としては、ポスト福島の国際法制度あるいは国際制度、ここを念頭に置いているんだけれども、そういうことを視野に置いているんだけれども、今すぐは答えられないでしょうけれども、日本が旗を上げたときにはフランスこそがコースポンサーになってそういう条約の採択をIAEAの例えば総会でやろうとか、条約ができたらそこにデポジットしてもいいしとか、何かそういうもっとマルチで方向性の強いものを本来は日本から打ち出すべきだった、そしてその意見具申をしておくべきだったと。  今度そういうチャンスがあったときには、そういう日本イニシアティブを日本の方からの提案で、それは必ず我が国の国益に資することですからやってもらいたいなと思って、日仏についてはやって良かったと思うのと、まあ成果としては十分ではないという私の評価なんですけれども、外務大臣としてはいかがでしょうか。
  195. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私が、ややプライベートですけれども、授業を受けた先生の提案を予算委員会でお聞きをして、日仏の方も、人材育成だけではなくて、最高の安全性の確保とか規制当局の独立性とか、そういうこともうたったんです。それと、先般、予算委員会、先ほども話がございましたけれども、まさに日本のイニシアティブで、先ほど特別協定方式という話がございましたけれども、そういった提案も含めて、きちっと省内で検討するようにということで指示を出しておりますので、それはどこまで結実化するか、正直今この場で断言はできませんけれども、この間のせっかく極めて建設的な御提案を先生からいただきましたので、そのことは申し上げているということはこの場で申し上げます。
  196. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 最後の質問です、時間も押していますので。  FXにつきましてなんですけれども、いろいろと私、御努力を拝見させていただきますところ、例えばその評価基準について、防衛省改革、これは、まず石破大臣、先ほど谷岡理事がおっしゃってくださった石破大臣、それから浜田靖一大臣などの、やはり省改革をしなければという思いが十分に反映されているプロセスであるということを期待したいと思います。  他方で、今後やはり非常に単価の高い買物をするということとなりますので、そのような単価のコスト高から量的な拡大はしにくい。それで、時間もないんですけれども、やっぱり抑止は質と量の両方なんですね。  ですから、今後完成品を買うという方法、これは防衛産業の国際競争力の維持及びそれを発展させるということを言うほかにも、この完成品を非常に高いコストで買わなきゃならないという今回の結果、そのFXの選定の結果いかんにかかわらず、これはやっぱり国益を損ねることになるので、そういう意味では、これも予算委員会で提案した……
  197. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 猪口君、質疑時間が終わっておりますので、おまとめください。
  198. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 はい、分かりました。まとめます。  例えば武器範疇ごとに閣議決定で国際共同開発参加への原則緩和を行うとか、歯止めを明確にしながら、そして武器輸出三原則の精神を堅持する、そういう範疇ごとの閣議決定でというようなことを提案させていただいておりますので、防衛大臣におかれましては積極検討をよろしくお願いしたいと思っております。何かお答え、一言あれば、よろしいですか。
  199. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) いや、もう質疑時間が終わっておりますので。おまとめください。よろしいですか。
  200. 猪口邦子

    ○猪口邦子君 では、そのよう決意を一言いただいて、それで私は終わります。
  201. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今ほどお話ししていただきましたことにつきましては、我々もまたしっかりと参考にさせていただいて、間違いのない方向で頑張ってまいりたいというふうに思っております。
  202. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。  一川防衛大臣また玄葉大臣、よろしくお願い申し上げます。  まず最初に、通告をいたしました質問に入る前に一点確認をさせていただきたいと思います。  先ほど来の山本一太先生佐藤先生の御質問の中で、沖縄の問題について年内に環境影響評価書を出す準備をしていると、出すとは確約してないんだと、両大臣、明言をしていただきました。しかし、本日、野田総理は官邸で仲井眞知事にお会いされて、そのときに、年内に提出する方針だ、そのことを表明されたと報道されております。年内に出すと、年内に出すと約束してないと、これはどっちが野田政権としての正式な見解なんですか。
  203. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、先ほど来ちょっと御説明していますように、年内に提出できる準備をしっかりとやらさせていただくと。それは、いつ幾日ぽっと出すということではなくて、それまでの間、事務的にはちゃんと丁寧に説明させていただくということは知事にも申し伝えてございます。  ですから、これは法律に基づく手続として粛々とやるということにはなると思いますけれども、まあ、その知事さんのいろんなまたその段階での御判断というのは一方ではあるんではないかとは思いますけれども、私たちはできるだけ、できるだけ納得していただける形でしっかりと提出したいという思いはございますけれども。
  204. 山本香苗

    山本香苗君 質問にお答えになっておられません。総理のおっしゃったことと両大臣がおっしゃった答弁とが整合性が取れない、どっちが正しいんですかと伺っているんです。
  205. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) それは、いつ幾日提出するということでの約束ということは私はしておりません。  ただ、先ほど言いましたように、今年中に提出できる準備をしっかりと進めさせていただいておりますということでございます。
  206. 山本香苗

    山本香苗君 いずれにせよ、確認してください。午前中あれだけ明確に両大臣が、確約していませんと、区切ってませんと、準備しているだけ、準備はしておりますけれども、約束はしていませんと、そういうことをおっしゃったわけです。仮にもし野田総理の発言の方が正しいとすれば、両大臣は知らなかったということになるわけです。また、これまた違った別の問題なんですね。  とにかく、この沖縄の問題については、もう政権を挙げて一丸となって取り組んでいただかないと解決できない問題なんです。ばらばらだとできない話ですよね。しっかりとやっていただきたいということを申し上げまして、通告いたしました質問の方に入らせていただきたいと思います。  まず最初に、トルコで二十三日に起きました地震でお亡くなりになられた方々、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  トルコは私にとりまして第二のふるさととも言える国でございまして、昨日は在京トルコ大使館の方に二階日土議連の会長以下役員で行ってまいりました。大使が急遽、情報組織の副長官になられたということで、臨時代理大使対応してくださったんですけれども、その際に、地震発生直後に日本政府からすぐに支援の申し出をいただいたということ、また野田総理の方からもエルドアン首相に対してお見舞いの書簡をいただいたことにつきまして感謝の言葉を述べておられました。本当にありがとうございます。  一昨日の現地時間の七時、十九時ですね、においては、四百五十九人もの方がお亡くなりになっているということが確認されておりましたけれども、まず最初に、最新の被害状況について、確認できる、今把握されている限りで結構でございますので、お答え願えますでしょうか。
  207. 山根隆治

    ○副大臣山根隆治君) 先生におかれましてはトルコのイスタンブール大学で学ばれたということでの経過もこれあり、非常に多くの友、知人がおられる中での今回の震災の思い、様々な思いがおありだろうというふうに思っております。  さて、今お話ありました、二十三日、トルコ時間の午後、トルコ・ワン県においてマグニチュード七・二の地震が発生をいたしました。二十六日時点のトルコ政府の対策局の発表によりますと、現在の被害状況に関しては死者が四百六十一名というふうにされております。  また、邦人については、トルコ警察、現地の病院、ワン県内宿泊施設、日本人会、緊急連絡網、主要旅行代理店十二社等に問い合わせた結果、現時点では邦人の被害情報というものはないということでございます。在トルコ日本大使館には、同県を在留地とする居留届は提出をされていないという状況でございます。  以上です。
  208. 山本香苗

    山本香苗君 地震発生直後には、トルコ政府日本を含めて海外からの支援というものを断っていたわけなんですけれども、二十五日、テントと仮設住宅といった物資の支援について受け入れるということを表明いたしました。今回の地震のありましたワンというのは、もうアンカラから千キロ以上離れていて、非常に山岳地帯で今寒いと、もうとにかくもっとこれから寒くなるという状況でありますので、臨時代理大使の方からバルンマ、すなわち避難先ですね、それをとにかく確保してお願いしたいというお話がございましたが、既にトルコに対して具体的な支援に着手してくださっているやに伺っておりますけれども、具体的にどれだけ進めていただいているんでしょうか。
  209. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 山本委員から早い対応をありがとうというお話をいただきましたけれども、私も第一報をもらって、とにかく三・一一に対する感謝もございますし、親日国で、もうすぐ、すぐ対応するようにと、緊援隊も含めてですね、そういう指示を出したところでございました。  ただ、おっしゃったとおり、実はトルコ側がまだ外国からの支援は受け入れるというお話がなかったものですから、なかなか十分なことができたかと言われれば十分ではなかったかもしれません。ただ、最大限努力をしております。  今の御質問でありますけれども、二十五日にトルコ政府からテントの供与につき要請がございました。JICAを通じて三千万円を上限としてテント等の緊急援助物資の供与を直ちに決定をいたしました。さらに、仮設住宅に係るものも含めて更なる支援について今トルコ政府と緊密に協議をしているという最中でございまして、いずれにしても、被災地のニーズに合うような形でできる限りの支援を行っていきたいというふうに考えております。
  210. 山本香苗

    山本香苗君 一九九九年のトルコの北西部で起きましたマルマラ地震におきましては、阪神・淡路大震災のときに使用しました仮設住宅を兵庫県が無償提供してくれまして、それを海上自衛隊の輸送艦等を通じて供与したという実績もありまして、その際の経験もあると思います。山岳地帯ですので前回とはちょっと違うわけですけれども、ただ、ワンの空港もちゃんと正常に機能しているということでございますので、とにかくテントを早く送っていただきたいなと、今現地で取り合いみたいな形になっているというような話もあります。是非、緊急な支援をしていただきたいと思います。  今、玄葉大臣の方からおっしゃったように、トルコは、三月十一日の東日本大震災が起きた直後に、とにかく日本で大変なことが起きたということで、すぐに緊急援助隊、救急、救助隊員を送ろうという形でいったんですけれども、なかなか入れなくて、三月二十日の日に入ってきまして、それから四月八日まで長期にわたり、一番長くいたんですよ、一番長くいて、主にいわゆる行方不明者の方々の捜索に当たってくれました。また、トルコの友人に聞きますと、金曜の礼拝って特別なわけですよね。そのときにトルコ全土で日本のために祈りをささげた、そういうことも伺いました。本当に親日的な、これほど親日的な国はないと私は思っております。  とにかく、トルコも日本も地震の多い国でありまして、今までも地震や防災の分野でいろんな協力をしてきたわけであります、支援をしてきたわけでありますが、これからもこの分野で我が国の技術や経験を生かしたような効果的な支援を引き続き行っていただきたいと思いますが、大臣、どうでしょうか。
  211. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 親日国であるということを今いろいろと具体的に御説明をいただきました。しかも、私はトルコというのは今後の日本にとってますます、こういう言い方も何ですが、戦略的に重要な国になっていくというふうに思っていますので、これは、今おっしゃったように、できる限りの支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
  212. 山本香苗

    山本香苗君 十二月の初旬に、もう外務省の方にも連絡が入っていると思いますが、トルコの副首相が来日する予定となっておりまして、三月十一日以降、初めてトルコの閣僚級の人が来るということでございます。是非、今具体的なお話ありませんでしたけれども、その際には具体的な協力関係を結べるような玉を用意していただきたいと思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げます。  続きまして、がらりとテーマを変えまして、武器使用基準のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。  九月七日の日に前原民主党政調会長がワシントンで開かれました日米同盟に関するシンポジウムで講演をされて、自衛隊の国際平和維持活動、PKOを拡充するために、行動を共にする他国の軍隊が攻撃を受けた際に武器を使用して反撃できるよう武器使用基準を緩和すべきだ、そういう考えを表明されました。いわゆる、午前中から話になっておりますが、駆け付け警護を認めるべきだということなんですが、そこで防衛省の方にお伺いしますが、実際、前原政調会長が言うように、他国の軍隊が攻撃を受けた際に駆け付けて武器使用する場面というのはどれぐらいあるんでしょうか、どれぐらい現場でニーズがあるんでしょうか。防衛省としての見解を伺います。
  213. 松本隆太郎

    政府参考人松本隆太郎君) 事実関係を申し上げたいというふうに思います。  今御指摘のものでございますけれども、自衛隊は、国連のPKOに参加するに当たりましては、私ども、我が国の法令等で認められた業務及び権限の範囲内で活動することが前提でございまして、この点について、通常、事前に国連側に説明して認識を共有しているところでございます。  このため、今御指摘のような要請、これを受けること自体が基本的には想定されないというふうに考えておりまして、これまで自衛隊が実施した活動において、御指摘のような他国の軍隊が攻撃を受け、自衛隊に対して救援等の要請があったというような実例はございません。
  214. 山本香苗

    山本香苗君 次に、外務省にお伺いいたしますが、国連や他国から駆け付け警護ができるよう武器使用基準を見直してもらいたい、そういった要請を過去に受けたことがありますか。
  215. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) お答えいたします。  我が国の武器使用基準一般国連の武器使用の慣行とは差があるということは認識しておりますが、国連又は他国からいわゆる駆け付け警護ができるよう武器使用基準を見直してほしいというような具体的な要請があったとは承知しておりません。
  216. 山本香苗

    山本香苗君 次に、内閣法制局長官に来ていただいておりますのでちょっと伺いますが、他国の軍隊が攻撃を受けた際に武器を使用して反撃をするいわゆる駆け付け警護について、従来どのような憲法解釈がなされてきたのか、どういう解釈で憲法上問題があるとされてきたのか、お答えいただけますか。
  217. 梶田信一郎

    政府参考人梶田信一郎君) お答えします。  お尋ねのいわゆる駆け付け警護における武器使用の問題につきましては、少し長くなりまして恐縮でございますけれども、憲法第九条に関係する武力の行使とか国際的な武力紛争などといったその概念についての議論と関係いたします。これらの言葉意味を御説明しながらお答えをいたしたいと思います。  まず、憲法第九条第一項の武力の行使といいますのは、基本的には、我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうと。ここでいいます国際的な武力紛争といいますのは、国又は国に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いをいうと、こういうふうに考えてきております。  憲法九条の下におきましては、こうした武力の行使はいわゆる自衛権発動の三要件が満たされる場合、これ以外の場合は禁じられているというふうに解釈をしてきておるところでございます。この武力の行使という概念、これは武器の使用を含みます実力の行使に係る概念でございます。  我が国の公務員がいわゆる自衛権発動の三要件が満たされる場合以外において武器の使用をすること、これが全て憲法第九条が禁ずる武力の行使に該当するかどうかというと、そういうわけではございませんで、武器使用の相手方が先ほど言いました国又は国に準ずる組織であった場合でありましても、憲法上の問題が生じないという武器使用の類型があるというふうにお答えをしてきているところでございます。  その一つタイプが、いわゆる自己保存のためのもの、これはPKO法の二十四条等に規定されているところでございます。それから、二つ目のタイプといたしまして、自衛隊法第九十五条に規定する武器等を防護するためのもの、この二つのタイプがございまして、この武器使用は憲法上禁じられているものではないというふうに整理をしてきているところでございます。  このうちの前者のタイプの武器使用でございますが、これは、不測の事態に対しまして、自己又は自己とともに現場に所在する我が国要員や自己の管理下にある者等の生命又は身体を防護するものでありまして、言わば自己保存のための自然権的権利というべきものでありますから、そのために必要な必要最小限の武器使用というのは、その相手方が国又は国に準ずる組織である場合でありましても、この憲法第九条の禁ずる武力の行使には当たらないというふうに解釈をしてきているところでございます。  それで、お尋ねの駆け付け警護における武器使用についてでございますけれども、その具体的な内容が明らかではございませんけれども、自己の生命、身体の危険がない場合にあえて駆け付けて武器を使用するということでありますれば、先ほど申し上げました言わば自己保存のための自然権的権利というべきものの範囲を超えるというものであると考えられます。  したがいまして、こうした駆け付け警護における武器使用につきましては、これは国又は国に準ずる組織に対して行うという場合には憲法第九条の禁ずる武力の行使に当たるおそれがあると、こういう問題があるというふうにお答えをしてきているところでございます。
  218. 山本香苗

    山本香苗君 丁寧な御答弁、ありがとうございます。最後のところが大事なわけ、肝なわけなんですよね。  それで、長官、もう一つ更問いしますが、すなわち我が国の自衛隊が、国又は国に準ずる組織から他国の軍隊が攻撃を受けた際に武器を使用する、使用して反撃することができるとするならば、従来の憲法解釈の変更が必要ということでよろしいですね。
  219. 梶田信一郎

    政府参考人梶田信一郎君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、駆け付け警護における武器使用、これが自己の生命、身体の危険がない場合にあえて駆け付けて武器を使用するということであれば、今申し上げましたように、言わば自己保存のための自然権的権利というべきものの範囲を超えるものでありまして、こうした武器使用を国等に対して認めることは憲法九条の禁ずる武力の行使に当たるおそれがある、解釈上難しい問題があるというふうに考えております。
  220. 山本香苗

    山本香苗君 答弁を繰り返されても困るんですよ。変更が必要だということでよろしいですね。
  221. 梶田信一郎

    政府参考人梶田信一郎君) 憲法解釈の変更ということにつきまして私ども考えておるわけではございませんので、解釈変更の必要があるということは立場上申しにくいところでありまして、今申し上げましたように、解釈上問題があるというふうにお答えしたところでございます。
  222. 山本香苗

    山本香苗君 解釈の変更を、言いにくいじゃなくて、必要かどうかと、従来のものと変える必要、変えないでできるものではないということですよね。
  223. 梶田信一郎

    政府参考人梶田信一郎君) 従来の憲法解釈を前提にする限り、今申し上げました駆け付け警護というものは認めることについては問題があるということでございます。
  224. 山本香苗

    山本香苗君 そうすんなり言ってほしかったんですよ。  武器使用基準をめぐっては、PKO法の制定過程においてもこれまでも国会の議論の中でもうさんざん議論されてきたわけです。PKOの在り方に関する懇談会でも議論されて、この七月に中間取りまとめ出ておりますけれども、ここにおいても明確な方向性というのは示されていない、極めてセンシティブな重要な問題なわけですね。にもかかわらず、党内で、民主党さんは何か榛葉先生中心に議論をスタートされたそうですけれども、党内できちんと議論をする前に、持論だとはいえ、憲法解釈の変更を要するようなことを与党の政策責任者が海外で発信するというのはいかがなものかと。外国に誤ったメッセージを与えることになるんじゃないかと。こうした軽はずみな安易な発言というのを許していていいと思いますか。  一川防衛大臣、どうですか。
  225. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、先ほど佐藤先生のときにもちょっとお話ししましたけれども、PKOにおける武器使用の扱いというのは、今の時代のいろんな環境の中でしっかりと、やはり今まである程度実績がございますから、PKOの、そういう人たちの意見を聞きながらその辺りを詰めていきたいというふうに言わせていただいたように、検討すること自体は私は別に悪くないと思っておりますので、検討させていただきたいというふうに思っております。
  226. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、十四日の記者会見では、具体的にどうするという方向を決めたわけではない、部門会議の意見を踏まえて政府でしっかり議論して方向性を出した方がいいとおっしゃっていたんですよ。今の答弁、後退しちゃっているんですね。私は、大臣が記者会見で言われた方が正しいと思いますよ。党内でしっかり議論された上で、政府としてしっかり調整した上で方向性出していくというのが正しいやり方だと思うんですよ。ちょっと待ってください、質問しているんですから。  個人的な発言じゃ済まない問題だと思うんです。というのも、野田政権になってから、政府民主党の三役会議というのがつくられたんですよね。それで、政調で議論されて政調会長が了解したものについて政府が連帯して責任を担うと、持つということになったと。つまり、今までの鳩山政権、菅政権のときよりも党の政調というのが重要な役割を担うと。政調の権限が強化されたということだと思うんですね。なのに、与党の政策責任者である政調会長政府に全く事前に相談もしないで唐突に発言するのはやっぱりおかしい。(発言する者あり)ですよね。閣内だったら、閣僚だったら、もし前原さんが閣僚だったら閣内不一致ですよ。罷免ものですよ。  玄葉外務大臣は、前原政調会長の前任者だったですよね。どう思われますか。
  227. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 一つだけ事実関係で申し上げると、私は確かに政調会長でした。これは極めて珍しいケースですけれども、閣僚を兼任をしていたわけです。  今回、前原政調会長になって新しい政調がつくられたわけですが、閣僚を兼任していないと。ただし、政調会長の了解が必要であると。その結果をもって、政調会が極めて大きな権力を持っていると、よく報道があります。  ただ、実は私、別に私に権限があったなんて言いたくて申し上げるわけじゃないんですが、政調会長という立場で閣僚になっていました。そうすると、閣僚の中でサインしないと、私がサインするということはある意味政調会が了解したということなので、必ずしも大幅に権限が拡大したかというと必ずしもそうとは言えないんですよ、論理的に考えても。ただ、非常に、何というんですか、政調会の議論というのにもう少し重きを置こうじゃないかという党内の空気があるということは事実でありまして、その点は一応誤解のないようにしていただければというふうに思います。
  228. 山本香苗

    山本香苗君 済みません、全く質問にお答えいただいていないんですけれども。
  229. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは党内で当然しっかり議論しなきゃいけないし、あと政府の中でも、私は率直に言うと問題意識持っています、強くこの問題は。午前中も申し上げましたけれども、この駆け付け警護はですね。ただ、東懇という懇談会がありますよね。あそこでも問題提起なされていると思うんです。東さんが今安保の委員長なんですよ。私、昨日聞いたんです。どこまで深く議論されましたっていう話を実は聞きました。いや、かなり深くやったんだって御本人はおっしゃっていましたけれども、どこまで公表されたものが深いかどうかという議論はあるかもしれませんけれども。  ですから、やはり政府の中でも私はこの問題はもっと真剣に議論をしていくべきだというふうに考えています。
  230. 山本香苗

    山本香苗君 私は、何もこの武器使用基準の見直しをめぐって、見直しを一切すべきじゃないとか議論すべきじゃないとか、そういうことを言っているわけじゃないんです。そこは御認識いただいていると思うんです。  やり方が問題ですと言っているんです。きちんと党内の議論も経ないで、政府に事前の根回しもしないで、調整もしないで、憲法解釈の変更を要するような重要なことを海外であたかもすぐできるかのよう発言すると。何かどこかで見たなと。鳩山さんにしたって菅さんにしたって、これで失敗したんじゃなかったんですか。  何か野田総理は、できないことは言わない、派手なことはしない、突出しないという何か三原則を出されたという報道がありましたけれども、この原則そのものがどうかという話もありますが、トップがこういう原則出しているときに、真っ向から反するようなことを野田政権を支えるべき立場にある与党の政調会長がやっていると。なのに、野田総理以下、玄葉大臣一川防衛大臣もこのことをとがめられましたか。とがめたような形跡がないんですよ。何でですか。
  231. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) どちらへの質問ですか。
  232. 山本香苗

    山本香苗君 外務大臣お願いいたします。
  233. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 本当に私がどうのこうのと、何といいますか、少なくとも表で申し上げるような話ではないというふうに思っていまして、もちろん政府・与党の中で当然、内々しっかりと連携を取るということは非常に大切なことだというふうに考えております。
  234. 山本香苗

    山本香苗君 この問題に限らないんです。別に前原政調会長に個人的に何かあるわけじゃないんですけれども、このほかにも従軍慰安婦の問題についても二元外交と言われるようなことをやっていると。外交というのは内閣の専権事項です。議員外交というのはあくまでそれを補うものであって、それに取って代わるものじゃありません。ましてや、与党の政策責任者である政調会長が、玄葉大臣が言ったこと、政府見解と違うようなことを相手国の閣僚なんかに対して言うような二元外交というものをこのまま放置していたら大変なことになります。  大臣は、所信国益の拡大と言われました。まさに国益を害しているんです、二元外交というのは。このまま放置されますか。
  235. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 一言で申し上げれば、二元外交というのは良くないと思います。  それで一方、例えば自民党も公明党もそうだと思うんですけど、党間交流のようなものというのは当然あっていいし、あるべきだというところもあると思うんですね。ですから、ある意味二元外交は良くなくて、外交は一元化されているけれども、党の外交というのは政府を補完をしていくというものであるようにするために、私としてもそこはきちっと緊密に連携を取っていきたいというふうに考えております。
  236. 山本香苗

    山本香苗君 別に議員外交を否定しているものではないんです。この点について前原さんとお話し合いになられましたか。
  237. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ええ。そこは前原政調会長もきちっと認識を、少なくとも、少なくとも認識をしているはずでございます。
  238. 山本香苗

    山本香苗君 何となく苦しい答弁じゃないかという感じがいたしますが、とにかく両大臣お願いいたしたいのは、鳩山政権、菅政権と二代に続いたこの不透明な外交・安保政策から脱却しなくちゃいけないんです。そして、明確な国家観を持って、そして国益を守るための外交・安保政策というものを是非推進をしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  一川防衛大臣大臣の御発言についてお伺いしたいと思うんですが、大臣は、安全保障に関しては素人だが、これが本当の意味でのシビリアンコントロールだというふうなことを発言されましたよね。そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、一川防衛大臣はシビリアンコントロールの本質というのを何だとお考えですか。
  239. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私の発言は、報道で正確に報道されていないということをまず前提として言わせていただきたいと思いますけれども。私が素人という言葉を使ったことは間違いないんだけれども、ただ、その前後のことがちょっと抜けていますけれども、ただ、この前衆議院の安保委員会においても、その素人という言葉が非常にいろいろと報道が独り歩きしているということもあって、今後そういったことの発言については注意したいということを言わせていただきました。  ただ、私自身は、シビリアンコントロールというのは、政治国民の代表である政治家が最終的にその判断を、安全保障なり防衛政策について責任を持って判断するという、そのことが非常に大事だというふうに思っておりますし、また、制度的にもそういったことが担保されていると、我が国は。  そういうことで、常にこういった文民統制、シビリアンコントロールというのはしっかりと心得てやるべきでありますけれども、こういった制度を維持するために、国民一人一人の深い理解の下に不断の努力をしていかないと私はまずいなというふうに常に思っておりますので、ですから、国民の目線で安全保障なり防衛政策というものをしっかりと説明できるようにしておきたいということを心掛けていきたいというのを、そういう趣旨で私は発言させていただきました。
  240. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、申し訳ありません。私、発言の趣旨をお伺いしたわけではありません。シビリアンコントロールの本質というものを大臣はどうお考えですかと伺ったんです。
  241. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今ちょっとお話ししましたけれども、政治軍事に優先してしっかりと判断をしていくということにあるというふうに私は考えておりますので、それは今、先ほどもちょっと触れたと思いますけれども、民主主義国家であり、我が国の今の制度上、それが自衛隊の最高指揮監督権というのは文民である総理大臣が有しているわけでございますし、その下で我々がしっかりと自衛隊という組織をコントロールしていくということでございますので、それがまさしくシビリアンコントロールだというふうに思っております。
  242. 山本香苗

    山本香苗君 安全保障に関して素人だが、これが本当の意味でのシビリアンコントロールだと。今大臣はシビリアンコントロールというものを御説明されました。私は、何か大変失礼なことを申し上げるようでございますけれども、シビリアンコントロールの本質というものを大臣は正しく理解しておられないんじゃないかなと思うんです。  シビリアンコントロールというのは、今政治軍事に優先する云々という話をされましたけど、要するに政治の決定に軍事が従うということです。我が国の憲法を基本とした法体系においていえば、内閣の決定と国会の承認に従う、自衛隊が従うということです。つまり、内閣とか防衛大臣素人かどうかという問題じゃないということです。政治の決定に自衛隊が従うと、ここにシビリアンコントロールの本質というものがあるんです。  素人だからシビリアンコントロール国民目線だからシビリアンコントロール、これは明らかにシビリアンコントロールというものの本質を正しく理解していない、本質を、申し訳ないんですけど、失礼な言い方しますが、履き違えていらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  243. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) いや、私は先生と全く同感なんですよ。素人というのは、今後余りこういう言葉は使いたくないですけれども、私は軍事の専門家でもありませんし、また、装備品を直接それを操作したこともございませんので、そういう面では素人だというふうに思いますけれども、常に国民の一員であり、国民を代表する政治家ですから、そういう感覚でこれからの安全保障なり防衛政策というものをしっかりとチェックしながら自分なりの職務を全うしてまいりたいというふうに思っておりますので、そこのところは是非御理解を願いたいと思いますが。  先生おっしゃったように、我々政治家がしっかりと軍事に、軍事というか、そういう安全保障にかかわる又は防衛にかかわる専門的な方々がたくさん自衛隊におられますから、そういう人たちの最終的な行動をコントロールするのは我々政治家であるというふうに思っておりますので、我々国会議員、また文民の方向に従って自衛隊の皆さん方がしっかりと任務を果たしていただくということだろうというふうに思っております。
  244. 山本香苗

    山本香苗君 今の防衛大臣の御発言からしますと、じゃ素人だからシビリアンコントロールといった、そういった趣旨の発言というのは不適切だったとお認めになられたということでしょうか。
  245. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私が、発言がそういうふうにいろいろと先生よう理解されているんであれば非常に遺憾でございますし、また素人という発言も、だから今後余りそういうことでは使いたくないということをこの前、衆議院の安保委員会の席上で答弁させていただきました。
  246. 山本香苗

    山本香苗君 なんですけれども、衆議院で木村太郎先生の御質問に対してたしかそういうふうにおっしゃって、素人という言葉を今後は使わないようにしたいと言われた後段のところで、でも私が言ったことは間違っていなかったということを言っていらっしゃったので、私はおかしいんじゃないかなと思って、あの発言というのは不適切だったとお認めになられた方がいいんじゃないですかと。素人というところだけ切り取って言っているわけじゃないんです。全体を言っているんです。
  247. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私は、その素人という表現が皆さんに誤解を与えたというふうに思いましたので、そこのところは今後使わないようにしますと。  今日、午前中の谷岡先生の中にありましたように、石破先生でも、自分の明確な著書の中でそういうふうな趣旨のことをお話しされておりますけれども、私はやはりそういう国民目線でしっかりと、いろんなこういう安全保障防衛政策というのはしっかりと判断をし、またそれを理解を求める努力をしなきゃならないわけでございますし、また国民皆さん方のそういう御理解と支持があってこそ、こういう安全保障政策防衛政策というものがしっかりと力強いものとして働くだろうというふうに考えておりますし、自衛隊の皆さん方もそこから士気が高揚するだろうというふうに私は思っております。
  248. 山本香苗

    山本香苗君 何かちょっと議論がかみ合わない感じがして申し訳ないんですけれども、大臣が言っていらっしゃる論理でいったら、素人国民目線を持っていたらシビリアンコントロールというふうな形になっちゃうと。  じゃ、以前に防大出身で元自衛官で中谷防衛長官っておられましたよね。そうなったらシビリアンコントロールじゃないということだったんですか。
  249. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) それは中谷先生も当然政治家でございますし、ちゃんと国民の代表として選挙を経て国会議員でございますから、私はそういう先生のどうこうということを言っているわけじゃございません。ですから、国民を代表する我々国会議員は、常に国民のそういうサイドに立って、その目線で物事を判断すべきだと、そのように思っておるわけでございます。
  250. 山本香苗

    山本香苗君 時間がもったいないので、もうやめたいと思いますが、先ほどシビリアンコントロール素人かどうかは関係ないと申し上げましたが、決して防衛大臣素人であっちゃ困るわけでありますので、その点はしっかり頑張っていただかなくてはならないと。  本当に我が国をめぐる安全保障環境は厳しいです。安全保障素人じゃ乗り切れないわけです。役所の書いた答弁書では到底切り抜けられないようなことが次から次へと出てくる可能性というのは否定できないわけです。是非またじっくり防衛大臣とは議論させていただきたいと思いますが、本当に緊張感を持ってやっていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  残りの時間を、先ほどもお話がありましたハーグ条約についてお伺いしたいと思います。  外務省は、この条約締結に反対する方々、また子供を日本に命からがら連れて帰って不安に思っておられる方々に対して、条約を締結しても締結前の連れ去り事案には遡及しませんよ、大丈夫ですと、そう言ってきたはずです。説明してきたはずなんです。にもかかわらず、最近になって、子の返還については条約締結前の事案に遡及適用しないけれども、面会交流のところについては条約発効前の連れ去り事案であっても中央当局に援助申請できると、遡及するんだと言い始めたわけです。  ハーグ条約の第三十五条では、この条約は、締約国の間において、この条約が当該締約国について効力を生じた後に行われた不法な連れ去り又は留置についてのみ規定するとなっています。それにもう一つ、条約というものは批准して初めて効力が発生するんです。なぜ急に条約発効前の連れ去り事案においても面会交流のところは遡及すると言い出したのか、根拠は一体何なのか、丁寧に御説明していただけますか。
  251. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) ありがとうございます。御説明させていただきます。  ハーグ条約には、委員御存じのとおり、子の返還に係る規定と面会交流に係る規定がございます。それぞれ規定されておりまして、子の返還に係る援助につきましては、既に生じてしまった子の不法な連れ去り又は留置についての原状回復を図ることが目的と。子の接触に係る援助については、接触の権利の効果的な尊重ということが条約に書いてありまして、その二つの援助は、その保護しようとする利益がそれぞれ若干異なっているというふうなことが条約上に明らかでございます。  それで、先ほどの子の返還に係る規定が我が国について効力が条約に生じた後についてのみ適用するという、この条約第三十五条でございますけれども、そこの中ではまさに、この条約は、締約国の間において、この条約が当該締約国について効力を生じた後に行われた不法な連れ去り又は留置についてのみ適用するというふうに明示的に書いていることを踏まえたわけでございます。すなわち、子供の返還に係る義務は、その連れ去り又は留置が不法であるときに生ずる、これは十二条に書いてありますが。三十五条では、その条約発効後のみが適用されるということが条約上非常に明らかに書いてございますので、先ほど御説明ありましたけれども、まさに子の返還につきましては発効後ということを言っております。確認のために申し上げさせていただいております。  これに対しまして、接触の権利の侵害につきましては、事柄の性格上、その障害が条約発効後の時点で存在していれば条約が適用されると。要するに、先ほど申し上げたように、三十五条のように、子の返還のときのように除外するような規定が入っていないということでございますので、条約の発効前から継続してそのような権利の侵害が起きている場合も含まれるという規定でございます。  先ほど申し上げましたとおり、私どもとしましては、子の面会交流、子との接触につきましては、条約発効前に行われたものであっても、その条約の発効の後でそのような権利の侵害が起きておりましたらば、その子の接触を求める者は中央当局に援助の申請を求めることができると解釈できると考えておりまして、そのような趣旨に従ってパブリックコメントを現在求めさせていただいているところでございます。
  252. 山本香苗

    山本香苗君 今の答弁長かったですけれども、要約しますと、要するに、(発言する者あり)いいんですよ、きちんと丁寧に言ってくださいと申し上げたので。要するに二十一条のところ、接触の権利のところが遡及しないって書いていないからということなんですよね。  でも、先ほど申し上げたように、条約というものは批准して初めて効力が発生するわけです。だったら、条約発効後に新たに生じた接触の権利侵害に限定されるというのが普通の解釈じゃないのかと。遡及するという説明自体が誤解を招いていると思うんです。この点、きちんと明確に答弁していただけませんか。
  253. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) 若干繰り返しになってしまうのかもしれませんけれども、まさに、条約はもちろん条約が発効した後にその効力が発生するわけですけれども、子供の接触ができないというふうな状態については、その原因が条約の発効前に起きていることもあり得るわけですね。そのような場合についても、やはりお子さんに会えないというふうな人については手当てすべきだというのがこの条約の精神であって、一方、逆に、子の返還につきましては、不法な子供が置かれた場合の返還状況につきましては、明示的に条約の中でそこの部分だけ除外するような書き方がしてあるということでございますので、そこは入らないという整理で御説明を申し上げたつもりでございます。
  254. 山本香苗

    山本香苗君 とにかく、ここは非常に不満を持っています。しっかりとこの条約の運用状況も、他国の状況も調べて、本当にこういうやり方をやっているのかどうかというのは調べてください。  そして、中央当局は接触の権利の内容を定めることになっています。その接触の権利の内容、具体的には何を指すのか、また接触の権利の侵害があったかどうかの判断基準、何をもって判断するのか、お答えください。
  255. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) 先ほどの説明が十分明確でないという点とか、私どものこれまでの説明が子供の返還に係るものに中心になっていて、この部分について十分御説明をこれまでできてなかったと、接触、交流、そういう面があった部分はあったかと思いますので、今後ともその辺について誤解がもしもあったようであれば正していきたいと思います。  それで、今の御質問のことでございますけれども、接触の権利とは具体的に何を指すのか、どのように基準、判断基準は何かということでございますが、子供とやはり直接面会することが含まれることは私どもは明らかだと思っておりますが、各国の事項も調べております。電話や手紙での媒体を通じて子供と連絡することも入っているというふうなことだと思います。  そういうことを踏まえますと、子供の権利の行使として、子との面会等を求める地位にあるにもかかわらず、実際に連絡が拒絶されているような事情で子供との面会等ができないというような場合はその接触の権利の侵害に該当するというふうに考えております。  いずれにしましても、今パブリックコメントを求めておりますけれども、各国の実例ですとかいろんなものについては引き続きじっくり調べまして、そこの部分について大き過ぎず小さ過ぎず、そういうことがないようにしっかりやりたいと思っております。
  256. 山本香苗

    山本香苗君 そして、不法な連れ去りがあった場合に限定されるのか、それともそういう連れ去りがなくても適用されるのか、どっちでしょうか。
  257. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) 条約には、接触の権利の侵害につきましては、不法な子供の連れ去りによって限定するというふうな文言もございませんので、条約の解釈といたしましてはそのような限定は掛かっていないということだと私どもは解釈しております。  他方、実際にどういうような援助を実施するのがその場合に適当かということについては、先ほども申し上げましたが、各国の運用を調べ、それからあと、今中央当局の在り方について懇談会やらしていただいておりますけれども、パブリックコメント、そういうところでも出された意見を踏まえて検討していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  258. 山本香苗

    山本香苗君 次の質問の答えまで言っていただいた感じがするんですが、援助内容のところまでですね。  要するに、懇談会でやりました、二回やりました、二回です。その懇談会の中でやって、パブコメに今かけているわけです。議論しなくちゃいけない点たくさんあります。  子の接触の権利のところだけでも懸念すべきことがたくさんございます。特に、援助申請者に対して子の特定に関する情報が中央当局を通じて、例えばそれがDV被害者の御家庭であったりとかしたら大変なことになるわけですよ。こういう点も懸念されている、きちんとそういうことが防護できている形になっているのかと。パブコメのところでは具体的な検討はこれからという形になっています。しっかり大臣、この点認識をしていただきたいと思います。  ほかにもいっぱいあるんですが、ちょっとせっかく沼田局長に来ていただいているので。ハーグ条約に加盟するに当たって、在外公館における支援って物すごく重要なんです。現段階でどのよう支援を行うことを想定していらっしゃいますか。
  259. 沼田幹男

    政府参考人(沼田幹男君) ありがとうございます。お答えいたします。  私も二年ほど前までニューヨーク総領事館で領事を担当しておりました。その関係で、ニューヨークでは割とこのDV、ドメスティック・バイオレンス被害あるいは児童の虐待、それで離婚につながって親権問題が起きているという相談が寄せられてきました。  そうした場合に、私どもがとりました措置として、その国の保護・救済制度、これをまず説明をさせていただいておりました。あわせて、地元のよくそういう問題を承知している弁護士さん、あるいはケースワーカー、あるいは住むところがないんだということでシェルターの紹介というようなことをやってきたわけでございます。  いずれにいたしましても、我が国がハーグ条約締結に向けて準備を進めるに当たりまして、今までやってきたことをより以上深化させなければいけません。少なくとも欧州、アメリカでは州によって法律が違う、規則が違う、制度が違うということもございます。そうしたことをまず調査を更にさせなきゃいけない。  もう一つは、現地のケースワーカーとか弁護士、いい弁護士、ケースワーカー、そういう人たち等のリストアップというものもやっていかなきゃいけない。あわせて、先生御指摘のあったとおりでございまして、領事窓口、これの業務、丁寧に、しかもできるだけ迅速にということが求められておりますので、そうした領事担当官の研修といったことも力を入れていかなきゃいかぬと思っております。  予算要求もさせていただきたいと思っておりますので、よろしく御指導をお願いいたします。
  260. 山本香苗

    山本香苗君 おっしゃったとおり、大臣、聞いていていただいて分かりますように、今からやらなきゃいけないこと、たくさんあるんですよ。  APECで簡単に、もしですね、言ったとしても、外国にぱっと近日中に何かやるというようなことを言ったとしても、やらなきゃいけないことはたくさんあって、そうそう簡単にすぐに条約を締結するなんという段階にならないんですよ。その認識、ぐっと持っていていただきたいんです。  あと一分でございますので、最後にお願いして終わりますが、この在外公館で、今局長の答弁にはなかったことなんですけれども、やっていただきたいことがある。  それは何かといいますと、在外公館に我が国の国内における配偶者暴力相談支援センターと同様の交渉機能を持たせてもらいたいんです。  どういうことかと具体的に申し上げますが、在外公館で在留邦人の方がDVの相談を受けた、その場合に、現地での被害支援の実績のある団体と連携して適切な支援が受けられるようにまずしてあげると。それと同時に、その被害の事実や内容被害支援団体等から聞き取って、その記録を在外公館にきちんと保存すると。そして、返還審理の際なんかに、本人若しくは日本の裁判所の求めに応じてその記録をきちんと提出すると。そういう仕組みをつくっていただきたいんです。在外公館の助けなくして到底無理です。DVの海外であったことを立証するのはもう至難の業です。是非、在外公館業務の在留邦人保護という観点からも取り組んでいただきたいと。これ、法務省とよくやってください。法務省、内閣府と連携してやっていただきたいと。  昨日の段階ではすぐ答弁できませんという話ですが、大臣、今日はずっといい答弁されておりますので、前向きな答弁をして終わってください。
  261. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今、ハーグ条約の様々な問題点の、現場に即した指摘というか、いろいろお聞かせいただいて大変参考になりました。  結局、アメリカとかフランスとかカナダで、特に父親なんかが連れ戻したいというふうに思っていると。逆に、最近、もう私よりも御存じだと思いますけれども、逆に連れ戻さなきゃいけないというケースも多々出てきているというのが私の、認識間違っていたらまたどこかで御指摘いただきたいんですが、そういう認識なんです。  原則があって例外があると。例外がまさに今おっしゃったようなDVなどの話だと。今、沼田局長からいろんな、例えば領事館などでは相談を受けているんだということがありましたから、やっぱり在外公館でしっかりその記録をきちっと残すというのがまず大事だと思うんです。やっぱりきちっと記録を残してその在外公館が提出することは可能だというふうに、そこはそう聞いています。それが一つです。  今の御提案は、これはおっしゃるように、今、都道府県に一種のDVセンターというか、これ何というんですかね、配偶者暴力相談支援センターというのがあるんですよね。これと全く同等の機能を持てるかどうかとなると、これ恐らく国内法、まさに法務省とよく連携取れというのはそういうことだと思いますけど、国内法をしっかり担保しないと駄目だということだと思うんですね。ですから、そういう面でそう簡単ではないというふうに思っています。  ただ、今おっしゃったような、いろんな検討しなきゃいけない課題というものをできるだけ丁寧にしっかりフォローしながら、この問題について当たっていきたいというふうに考えております。
  262. 山本香苗

    山本香苗君 終わります。
  263. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。    〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕  久しぶりの外交防衛委員会、若干メンバーも替わりましたけれども、能力、人格共にすばらしい委員の皆さんの下で、午前中に山本議員も、党の代表がいる、また委員長経験者、閣僚経験者もいる、そういう予算委員会以上に重要な委員会であるという認識を披露されましたけれども、そういう中で、私はビルの谷間の雑草みたいな立場ではありますけれども、しっかりと議論を尽くしてまいりたいというふうに思いますし、大臣も松下政経塾、宇都議員も松下政経塾、私はそろばん塾か河合塾ぐらいしか出ておりませんけれども、とにかくこの三月十一日以来、大変な局面にあるわけでありますし、この間これだけ重要な委員会であるにもかかわらず、国会全体の問題ではありますけれども、外交問題も山積をしている、国防上の問題も山積をしているにもかかわらず、これだけ長い時間この委員会が開かれなかったということは大変じくじたる思いであることをまず申し上げて、質問に移りたいというふうに思います。  初めに、防衛大臣にお伺いをいたします。  これまでもありましたけれども、大臣発言云々ということもありました。佐藤委員の隣だということで、私も同じフロアですから挨拶が遅れたことは大変おわび申し上げますけれども、これまでの間、大臣発言、また立ち居振る舞い、つぶさに拝見をさせていただくと、朴訥で真面目なんだろうなと、その分誤解されやすい部分もあるんじゃないかなというところがありますが、やはり一国の大臣、そして重要な防衛大臣ということであれば、しっかりとした認識の下でやっていただかなければなりません。  これは、その素人発言も氷山の一角だと思いますけれども、今回の大臣所信においても、これ、大臣が直接書いたんじゃなくてチェックされたんでしょうけれども、東日本大震災とあと台風十二号のことには言及してあるんですけれども、新潟・福島豪雨でも亡くなられた方、行方不明の方はいますし、台風十五号でもあります。両方ともしっかりと自衛隊の皆さんが災害活動に出動されている。何でこういうふうに抜けるのかなと。そこは脇が甘いというか抜けているというか、本来的じゃないんでしょうけれども、こういう注意しなきゃいけない部分が、年下の私が言うのは本当におこがましいんですけれども、あるというふうに思っています。    〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕  質問に通告をさせていただいていました武器輸出三原則の件についても、これも政党の方と政府の方の違いというのはそれはあるというのは私も認識はしていますが、しかしながら、やはり同じ党である、政権与党であるということを考えれば、例えば寝耳に水とかいうことも、これ幾ら政党の役職者と大臣との違いはあるとはいえ、これは国内外から見ても、これは政治の信頼というものは失ってしまいかねない発言になると思います。実際聞いていなかった話だとしても、そこは大臣、やっぱり大人になって、まあいろいろ議論があると思いますぐらいにとどめておけばよかったのかなと思うんですけれども、正直者だから言っちゃったと思うんですけれども。その大臣の正直さ、朴訥さが逆に不利益を被る瞬間もあるわけです。ですから、そこはしっかりとしていただかなければならないというふうに思っています。  議論を前に進めますが、この武器輸出三原則に関してはしっかりと議論、これ賛否あったとしてもやっていかなければいけないというふうに思っています。そういう中で、御党の中では、本当は榛葉さんに聞きたいところではあるんですけれども、榛葉さんが座長となって政調の段階で政府に議論の要請をしたというふうになっておりますけれども、大臣としてこの議論をどのような形で進めていくのかという見解をお伺いしたいと思います。
  264. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 一川防衛大臣。指名をいたしましたので、申し訳ありません、まず一川防衛大臣お願いします。
  265. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今ほど話題に出ております武器輸出三原則に対しての私の考え方でございますけれども、この問題は民主党の中でもいろんな議論がされ、勉強もされているというのは事実でございますし、我々もどういうことが議論されているかということもお聞きいたしております。  そういう中で、我々政府といたしましては、現在の武器輸出三原則の問題をどういう方向でどう見直すかという結論は出しておりませんけれども、いろいろ検討する必要があるという問題意識は持っております。  先生も御案内のとおり、最近のいろんな防衛装備品を取り巻く環境というのが大分変わってきていると思うんですね。いろんな性能もアップしてきているわけでしょうし、また、各国のいろんな共同開発、共同生産的な流れも先進国を中心にあるわけでございますし、また一方では、各国とも財政事情が非常に厳しいという中で、そのコストがだんだん上がるであろうこういう装備品をどう対応していくかということも大変これからの課題になってくるんではないかというふうに思っております。また一方では、先ほど来話題に出ておりますPKO活動等で携行しているいろんな装備品が、そのまま現地に供与すればいいじゃないかとか、あるいはまた別のことで活用してもいいじゃないかということがいろいろあった場合に、この武器輸出三原則の問題がちょっと抵触するというようなお話も聞いております。  そういうことを、いろんなことを、今装備品を取り巻くいろんな環境のことを考えれば、この従来の武器輸出三原則、いろんな例外は設けてきてはおりますけれども、これからの新しい時代にふさわしいまた取組方を検討する必要があるというふうに私は思っております。  ただ、一方では、我が国はそういった平和国家としての基本的な理念を持っておりますから、世界の平和のためにまたどういう尽くし方があるかということ、また我が国の安全保障のためには何がいいかということは常に心して、その問題をしっかりとした方向で方向性が出せればいいなというふうに、私自身は今のところそう考えております。
  266. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 非常にいい答弁だったと、まあやればできると言うと変な、高飛車になっちゃうんでそれは言いませんけれども、あっ、言っちゃっているんだけれども。  本当にこの武器輸出三原則、これはもう東西冷戦のときにしっかりと固まったもので、今大臣言われたとおり、国際情勢も大きく変わりましたし、あくまでも日本はしっかりと平和に貢献していくという立場はこれは絶対堅持をしていかなければなりませんし、武器はどこまで行っても武器ではありますけれども、これはやはり現状に合った形で、これしっかりと日本の役割を果たすためには議論をして見直すべきは見直していったらいいと思います。そういう意味では、大ざっぱに原則そのものを大きく変換するという事態には、私、今場面ではないというふうに思っておりますが、丁寧に一つ一つやっていかなければならないというふうに思っております。  そこで、一つの私の提案に対して御見解を求めたいんですけれども、まずは平和構築とか人道目的といった装備品ですね、とはいえそれは武器は武器なんですけれども、そういったものに取りあえず限定をしながら、少しずつその見直しを掛けていくといった方法に関してはどのような見解をお持ちか、お聞きいたします。
  267. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今先生が取り上げられました平和目的とか人道上プラスになるというような判断の中で見直しを掛けてもよろしいんではないかということについては、私たちも大体そういう方向が一つの検討の方向に出てくるんではないかなという感じはいたしております。  そういう意味では、ただ、どういうしっかりとした管理なり歯止めなりというものを掛けていくかというところはこれからの課題としては残っているだろうというふうに思っております。
  268. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 その線に沿ってしっかりと議論を、国会でも尽くしていきますけれども、防衛省におかれましても検討をしていただくことをお願い申し上げまして、次に移りたいというふうに思います。  玄葉大臣玄葉大臣とは公私共に古くから御指導をいただいておるところでありますし、同じ福島県、また県議会の大先輩でもありますし、また、これはもう党派を超えて、会津が生み、そして福島、日本が生み出した偉大なる伊東正義先生の流れをくむ政治家として私も以前から御尊敬を申し上げてきた次第でありますし、大臣が初当選、無所属でされたときに、私は伊東正義先生のもう一人の後継である斎藤文昭先生の秘書として、大臣が自民党本部に挨拶をされに行くときに、実は私は運転をしていて、斎藤文昭先生が乗れと言うんで乗られて、本当は、それは秘書ですから、これは墓場に持っていかなきゃいけない話ですけれども、自民党の入党はお断りをしてさきがけに入るというその場面でありました。  そのときに、斎藤先生、これからはやっぱり政策中心の政治じゃなきゃ駄目なんだということを爽やかに発言されていたのを思い出しておりますし、また県内の新聞では、当時二十七歳の県会議員時代に伊東正義先生にお手紙を出されたのがこれまで県内の新聞では紹介をされていましたけれども、日本全体の国益外交手段によって生まれるということを弱冠二十七歳の青年が伊東正義先生に提言をされていた。この二十年間、その思いは変わっていないということも、私もそばにいて思っている次第でありますけれども。  それで、戦後最年少の外務大臣になられ、これから本当に活躍をしていただかねばなりませんけれども、まず初めにODAの部分に関して御質問させていただきますが、このODAの、補正予算で削減がされました。その際、ODAの特別委員会の委員が中心となりまして、政府にその削減反対の提言をさせていただきました。でもそのとき、様々な国内から、委員長を始めその提言した委員には反対の言葉も数多くいただいたところであります。  これは、ODAの役割というのがしっかりとまだ国民皆さん理解をされていないその一端であるというふうに思います。日本が大変だから海外にお金を出すというのはどうなんだというのは一見すれば分かりやすい論理ではあるんですけれども、やはり、世界の中で日本が生きている、共に生きているということを考えれば、そういう簡単な論理では終わらないはずなんですけれども。  そういう論理を誘導してしまうのが、の一端が大臣所信でもあったんですけれども、これまで貢献してきたからこの震災のときに世界各国から支援が集まったという論理は私は決して認めるべきじゃないと思いますし、大臣発言すべき問題じゃありません。これを認めてしまえば、じゃ、日本が大変なんだから外に出すことないでしょうという論理になるんですよ。それは関係ないんです。やったから恩返しされるという問題ではないし。じゃ、そういう国際貢献ができない国というのは何かあったときに支援受けないのかと、こういう論理、ロジックを大臣が言うということは、まさに日本が大変なときは外に出すことはないというロジックにつながってしまいます。そこは是非改めていただかなければ、今後の国民理解の下のODA事業というのは推進されないと思います。  大臣、そこを是非訂正を踏まえた上で見解をお願いいたします。
  269. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) まず最初に、小熊委員とこうして国会で一緒に活動できるということを本当に喜んでおります。本当にお互いに良識を持って頑張りたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  確かに、今後ろから出てきましたけど、我が国がこれまで、要は平和と発展のために努力してきた結果、こういうふうに支援を受けたんだと、確かにこういうふうに申し上げたわけでありまして、ただ、そのODAのロジックというのは分かるんですけど、ただやっぱり、私は日本外交というのを外務大臣になって改めてずっと見てきて、やっぱり一定の信頼が、一定の信頼と言うと語弊があるかもしれませんけど、つまり他の国よりも信頼がある面というのがあるんですよ。その面は何かというと、あからさまに野心を持ってぎらぎらしていないという、いや、これは私あると思います。  ですから、そういったこともある意味込めてこう言ってきているというところがあるのは理解をしていただきたいというふうに思うんです。ですから、そういう面である意味使わせていただいた言葉であると。もっと言えば、先人の方々に対する、努力に対する敬意というものも込めて申し上げたというふうに理解していただければというふうに思います。
  270. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 実態としてこういうことがあるというのは私も否定はしませんけれども、これをだから声高に言っていくと、そういう大変なときは出すことないでしょうというロジックにつながると思いますし、先日も緒方理事長とお話をさせていただきましたし、私の家内も青年海外協力隊の元隊員であって、今OB会の会長もやっていますけれども、本当に、それぞれ日本の青年たち、また優秀な能力を持った方々世界各国で頑張っておられるということが、まあある意味私も自責の念を込めて、下手な政治家が海外に行くよりは十分な外交戦略になっているというふうに思いますから、その間違った国民の認識が持たれないような説明の仕方が必要であると。決して貢献してきていないという話じゃないんですよ。このロジックは、だからその、そういうロジックを持ち出される、誘導されるということで指摘をさせていただいたということで、あと、次に移ります。  こういった中で、大臣も福島県ですから、実害もあれば風評被害もある。そういう中で、外務省、観光庁が主催をしている元英語教師のJETのプログラムの参加者に対して、東北の被災地を招待するプログラムが実行されています。その成果について、まだレポートは、報告書がまとめられていないというのはお聞きしていますけれども、今のところの成果、途中経過でもいいですから、まとまった部分に関してちょっと開陳をしていただきたいと思います。
  271. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃるように、これは元JET、つまりは、JETというのはもうここにいらっしゃる皆さんは御存じだと思いますけれども、いわゆる外国語の教師の助手になられたりスポーツ交流をやられたり、そういったことで我々は招聘して、日本にいてくださった方々に改めて要請をして、希望を募って日本に来てもらって、二十名なんですけれども、私のところには一定のリポートが来ているんですが、まだ正式なリポートとしてまとまっていませんけれども、そういった方々が福島、岩手、宮城においでいただいて、実態を見てもらって、正確にそれぞれの国に戻って発信をしてもらう。それは、例えばブログであったりユーチューブであったりフェースブックであったり、現実にそういうことを今やっていただいているということなんです。ですから、私は一定の効果があるというふうに思っています。  いろんな外相会談でも、私も輸入規制措置の緩和を、あるいは撤廃を要請するんですね。同じ福島県なので申し上げると、私の実家も第一原発の事故から四十キロのところです。まあ、たまたま線量が出ていない、そんなには出ていないので、ということもありますけど、両親も私の弟夫妻も子供たち三人も平穏に暮らしていると言うと、みんなびっくりするわけですよ。普通に食べているよ、物をって、みんなびっくりするわけです。一斉にわっと関心が集まるというか、顔色が変わるというか。  だから、今も各国に対して輸入規制措置の緩和を強く働きかけていまして、こういうJET、元JETの方々も含めて、ありとあらゆる方々を通じて、しかも科学的根拠を示しながらそういった取組をしていきたいというふうに思っています。
  272. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 このプログラム、もちろん成果が上がっている部分もありますし、もう既に来ていただいた元先生方が、今言われたブログとかツイッターとかフェースブック等で一定の効果が上がっているんですけれども、影の部分もあるんですね。おまえだけ日本に行っていろとか、広めるなとか。  私は、福島県内といえど百キロ離れた会津なんですけれども、子供三人、会津にいますけれども、それでさえなじられるときあるんですよ、親としてひどいと。  そういう、いろんな意見があります。多分、その報告書はいい成果の部分しか上がってこないと思いますが、実際はその影の部分もあって、その影の部分にどうやって対応していくかということが、真の風評被害であったり、情報発信であるというふうに思っています。  ですから、是非、いい話だけじゃなくて、その負の部分を是非吸い上げて、何でそういう誤解が生じているのか、批判が生じるのか、これをしっかりと実態を踏まえて対応を取っていくことが必要だというふうに思います。  あわせて、これはこれまでも猪口議員も非常に応援していただいていますけれども、やっぱり福島県内で政府がどういう旗頭を上げるかということがこの信頼にもつながってきます。フランス政府は革命記念日を郡山でやっていただきました。日本政府主催の支援をしているイベントとか会合等々ありますけれども、日本政府そのものが主催をする会議やイベントというのは、まだ福島県内で私は聞いたことがありません。  それで、大臣所信にもありましたけれども、様々な国際会議を誘致すると言っていましたけれども、東京に誘致してもしようがないんですよ、まあそれはそれで効果はありますけれども。福島に誘致すれば、もう全部が大丈夫だということが明らかになるはずです、一点突破全面展開で。であれば、これ、でも、海外とかほかの団体の人に、政府が行ってないくせに何で人行かせるんだということになりますよ。  我が党はもう三月の時点から、臨時の国会を開催、福島県でしないかとか、せめて大臣、臨時閣議、福島で開いた、そういうことをやった上で国際会議来てくれ、イベント来てくれとやらないと、自分たちが行ってないのに来てくださいというのは、それは何だとなりますよ、信頼がない。  是非、その国際会議誘致と併せて日本政府そのものの旗を福島県に立てなきゃいけないという、この意見に関して大臣の見解をお伺いいたします。
  273. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これも率直に申し上げますけれども、私、菅内閣のときに、閣議での発言は外に出してはいけないんですけれども、そういう提案をいたしました。残念ながら実現していません。  それで、一方、民主党のたしか参議院議員の全体の研修会は福島県でもうやると決めてやったと、衆議院もそうしなさいと、こういうふうに今言われているということも聞いております。  同時に、国際会議も、福島とは限りません、いわゆる被災地で、一つは防災に対するハイレベルな国際会議を開きたいということと、来年ですよ、あと、来年後半にIAEAとハイレベルの国際会議を開く。何らかの形でやはり被災地に波及効果が出るような形にしたいと。ちょっと細かい話なんですけれども、そういうことを常に実は意識をしています。意識しているんですけれども、例えば首脳が集まれば集まるほど、本当に細かい話なんですが、スイートルームの数だとかそういういろんな問題が出てきて、テクニカルな話はいろいろございますが、いずれにしても、そういったことを意識しながら会議の開催というのを考えていきたいというふうに思います。
  274. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 玄葉大臣が臨時閣議を福島県でと言っていたというのは私も漏れ伝わる情報で知っておりましたし、ただ、そこに反対する大臣がいたというのは非常にじくじたる思いでありましたけれども、政府の発表する数字が信頼されないからこうした原発事故の安全、安心につながってこないということもありますよ。  やっぱり、信なくば立たず、伊東先生政治もそうでした。総理と当時外務大臣だった伊東先生言葉が違うだけで、伊東先生外務大臣辞めたんですよ。鈴木善幸総理のときですね。そのぐらい本当は政治言葉は重いんですよ、政治家言葉というのは。  ですから、やはりその政治言葉に信頼を与えるためには、これはやっぱり大臣も結果を出さなきゃいけない、やっぱり行動ですよ。それがなければ幾らいい美辞麗句を重ねたとしても、それは何にも結果を生み出しませんので、是非、政府として行動、説明ではなくて行動と結果を出していただきたいというふうに御期待を申し上げます。  そういう中で、大臣が総理とともにニューヨークに行っているときに、実は私もニューヨークに行っていて、それは議員としてではなくて、商工会議所の青年部の活動として行っていました。被災地に、岩手、宮城、福島に対して外務省支援で海外の物産展を開催する場合の支援の事業がありますけれども、宮城と岩手は県が主催してやりますが、福島県は商工会議所の青年部の連合会が主体となってやることとなっております。十二月にニューヨークで行われます。その打合せで私も九月、ちょうど大臣国連総会に赴いているとき、私もあのときニューヨークにいたんですけれども、ニューヨーク領事館廣木大使以下、国連総会の直前にもかかわらず、しっかりとした対応を取っていただきましたし、またその後、実行に向けて外務省本省においても特段の御支援をいただいているところであります。  ただ、行って思ったのは、打合せをしていて思ったのは、やはりなかなか風化をしていくなというふうに思いました。そういう中で、やはり絶えずこれを継続してこの風評被害対策やっていかなければいけませんから、海外のこうした物産展等への支援といったものも長いスパンで取り組む必要があるというふうに思います。  そういった長期的な視野においてどう支援していくのかお伺いしますとともに、あと、これまでも議論がありましたけれども、TPPの問題、我が党は御承知のとおり、TPPは賛成派であります。ただ、無条件というわけではなくて、しっかりと、原則例外なしとは言っていても、米をどうするかとか、これはしっかり議論をしなきゃいけないし、TPPやるやらないにかかわらず、この農業の問題は存在しますから、農政を強化していくということもやっていかなければいけない。  その中で、規制が掛かっています、この原発事故において、この参加国の中にも。それぞればらばらです。TPP交渉参加国の中のこの原発事故による輸入規制というのはばらばらで、これも論理にかなった合理的な措置をしている国もあれば、はっきり言って全然大丈夫なものまで、冤罪と言われるような、言葉が適正かどうか分かりませんが、対応を取っている。やっぱりこれは条件整備をする一つの問題だというふうに思っています。  TPPの議論もしていかなければなりませんけれども、こうした影の部分もしっかりと条件整備をしなければ国民皆さん理解されないというふうに思っていますので、この二点、この輸入規制、いわれのない輸入規制に対して外務省としてどう対応していくのか、そして長期的な海外物産等への支援、これを併せてお聞きいたします。
  275. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ニューヨークでの海外物産展、オール福島でやるに当たって、本当に小熊委員がリーダーシップ取ってもらってというか、まとめ役になってもらってやっていただいたことに、まだ正式にこれからなんですけれども、感謝を申し上げたいというふうに思います。  ですから、そういう例を積み重ねてより良くなっていくと思うんですよ。ですから、そういった例をしっかりと参考にしながら、どこでやることが効果的なのかということもあります。ですから、本来は、ニューヨークというのは恐らく野口英世先生、博士との関係とかいろんなことがあったと思いますけれども、日本の食のことを、あるいは輸出などを考えると、例えば、できるんだったら本当は中国とかいろんな、あるいは香港とかそういった国々等も考えていけばいいと私は思うんですよ。ですから、そういうことは例をきちっと重ねながら考えていきたいというふうに思っています。  それと、TPP参加国の輸入規制措置というのは確かにそれぞればらばらなんです。おっしゃるとおり、すごく合理的にやっている国もあるんですよ。だけど全く、何といいますか、科学的根拠は一切関係ないということで、あえて言えば、中には外交ツールにしている国もあるというふうに申し上げてもいいかもしれない、そういう状況です。ですから、先ほど申し上げたように、私から各国の外務大臣には、かなり撤廃しているところでも更に、本当に本当に撤廃してくれと、少なくとも日本の国内と全く同じにしてくれという言い方をしているんです。  ですから、だんだんだんだん、徐々に徐々に緩和はされてきていますので、と同時に、あえて申し上げると、やっぱり国内の中で風評被害というのが現実にあるわけですよ。大阪の事例がありましたけれども、大阪の方々にはちょっと申し訳ないけれども、要はあれは橋か何かの材料だったかと思いますけど、ああいう事例はもう本当に寂しい限りというか、もうああいうことがあると、なかなか海外に対して私も非常に言いにくくなるんです。ですから、もうああいうことをまず国内でなくすということがとても大事です。  そのことがまず本当に大事だなということをつくづく思いますし、もう一方で、科学的根拠で物を考える。科学的根拠プラス安心というものがあるんですけれども、実際のところは。科学的根拠で物を考えるということを日本自身もやっぱり一定程度もっとしていかないと説得力持たないんですよね、この問題というのは。感じます、率直に言ってこれも。  ですから、そこはやっぱりきちっとバランスを取りながら進めていくということが大切ではないかなというふうに思います。
  276. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 問題意識は共有していると思いますので、その信頼のためにやはり政治が変わらなければなりません。大臣も二十七歳のときに伊東先生の手紙の中の一つに、現在の地に落ちた政治家の倫理観や古い政治システムのまま新しい国際秩序の波に本格的にのみ込まれたら日本はどうなるんでしょうかというふうに投げかけています。この言葉は今でも投げかけなければならない言葉だというふうに思っています。共に国家国民のために努力していきたいというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。  ありがとうございます。
  277. 山内徳信

    ○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。  今日は初めて私三十分の時間いただいております。それでも時間切れになってはいけませんから、最後の質問通告の、沖縄の軍用地主会からの要請が本省には既に届いて内部検討は進んでおると思っておりますが、沖縄の軍用地主の数は約四万と言われております。したがいまして、契約更新を控えておりまして、是非、新しい防衛大臣、この問題につきましては誠心誠意検討をしていただきたいと、こういうことをこの場でも私からもお願いを申し上げておきたいと思います。  地主会との話合いが円満に進みませんと、米軍基地の中に空白地帯が生じていくと、不法状態が続くということでございます。過去にもそういうことが二回ほどありましたから、是非気を付けられまして、誠心誠意検討しておると、こういうふうに地主会にも見えるようにしていただきたいと思います。  詳しい説明は全く要りません。真剣に検討しますというだけで結構でございます。よろしくお願いします。
  278. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 私も先日沖縄を訪問した十月の十六日の日に、沖縄県の軍用地等の地主会連合会、俗に言う土地連と申しておりますけれども、そこの組織の役員の方々とお会いさせていただきました。先生の今御指摘のように、土地連の役員の方々は我々の要望をしっかりと受け止めてほしいという強い要請をされましたので、我々と今予算要求している額とちょっと相当開きはありますけれども、こういう問題をお互いに話し合って何とか話が円満にいくようにしたいなというふうに私自身考えております。  来年この契約が切れるという、来年の四月ですか、三月いっぱいですか、切れるという時期を迎えておりますので、誠心誠意対応してまいりたいと、そのように思っております。
  279. 山内徳信

    ○山内徳信君 ありがとうございました。  質問通告の一番の方に戻っていきます。  沖縄にある米軍基地問題解決の阻害要因は一体何だろうかとずうっと考え続けてまいりました。そこで、これは政府の意識の問題ではないのかと、こういうふうに思い至りました。  そこで、お伺いいたしますが、本当に唐突な質問で失礼かと思いますが、これも防衛大臣から最初お答えを簡単にお願いいたします。外務大臣も簡単で結構でございます。沖縄県民は日本国民でありますかという質問でございます。
  280. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 当然、日本国民であるというふうに私は思います。
  281. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もちろんです。
  282. 山内徳信

    ○山内徳信君 日本国民であり、もちろん日本国民であるという御答弁をいただいております。ありがとうございました。  そこで、通告の一番目は、沖縄県民は憲法第十四条の法の下の平等の対象として国策の上で反映されておりますか。沖縄の実態はアメリカ軍事的な植民地状態であります。同時に、差別的構造が依然として続いておるわけでございます。こういう実態について現状認識をされるのか、それは違うんじゃないか山内君と、そういうお気持ちなのか、これも簡単にお答えをしていただきたいと思います。どうぞ。
  283. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 憲法第十四条に法の下の平等という規定がございます。そういうことを受けての先生の御指摘だと思いますが、今日も外務大臣からの発言の中にも含まれておりましたけれども、人口が全人口の一%、それから面積にすると〇・六%という沖縄に米軍基地の七四%が存在しているという状況は確かに大変な御負担を沖縄にお掛けしているわけでございますから、私はやはりこの状況を少しでも改善していく努力を我々日本政府はしなければならないと、負担軽減を少しでも和らげていくという努力が今日我々に課せられた大きな課題ではないかというふうに認識をいたしております。
  284. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) もう、一言で申し上げれば、大変な御負担をお掛けをしているというふうに思っています。より日本全体で負担を分かち合うべきだというふうにも思います。  同時に、可能な限り負担を軽減するときに、残念ながら日本の厳しい安全保障環境というのが存在をして、また、こんなことを言うと何だと、こういうふうに言われるかもしれませんけれども、沖縄の地理的な有利性、地政学的な位置というものがなかなか簡単に代替性が利かないということについても、そういうことにも思いを巡らしながら、本当に御負担をお掛けをしているというふうに、心からそう思っております。
  285. 山内徳信

    ○山内徳信君 確認をしておきますが、沖縄の実態は差別状態であると、こういう御認識であると受け止めてよろしゅうございますか。
  286. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 先ほど私はちょっとああいう数字を挙げて触れましたけれども、確かにトータルとしてそういう数字を眺めたときに、余りにも偏り過ぎているという感じは当然私も持っておりますし、そういう面では、戦後六十六年経過をし、我が国に復帰するという節目からは来年で四十年ですか、そういう長きにわたって沖縄県に大変な御負担をお掛けしてきたということの認識は十分抱いております。そういう面では、この状態を一日も早く少しでも緩和すべきだという気持ちでいっぱいでございます。
  287. 山内徳信

    ○山内徳信君 外務大臣もこの差別状態を解消したいと、こういう御認識であるというふうに受け止めておきたいと思いますが、よろしゅうございますね。差別状態。
  288. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと差別という言葉が……
  289. 山内徳信

    ○山内徳信君 長い説明は要りませんから。
  290. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ええ、ちょっと適切かどうかというのは少し留保したいというふうに思います。  ただ、これは私自身も、その沖縄というまさに日本全体の中で唯一の地上戦を経験し、その後、一九七二年のたしか五月十五日まで米国の施政下にあって、さらには、確かに民有地がどんどん米軍基地になってきたという歴史などを本当に振り返っていくときに、本当に御負担をお掛けしているという強い強い思いを持っているということは御理解いただければと思います。
  291. 山内徳信

    ○山内徳信君 差別状態という認識に立たなければ、これは解決をしていこうとかアメリカ政府交渉ようという決意が生まれてこないんであります。したがって、それを地理的優位性とかというふうに置き換えていかれることは、これは沖縄問題から更に逃げていくということにつながるんです。だから、地政学と言ったり地理的優位性と言ったり、こういう安全保障のためにそこは必要だという発想は、また後日論議を深めていきたいと思っております。  そして、憲法十四条をあえて出しましたのは、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と十四条はうたわれておるわけであります。こういう認識に両大臣立つと同時に、両省の職員もこういう認識に立たなければ、地位協定の改正とか、そして人がひき殺されていても公務中であったというふうに沖縄で米軍は逃げていくと、こういうことではいかぬのです。一つ一つ具体的に誠意を持って解決をしていきたいと大臣はおっしゃったわけですが、その気持ちに立つには、この十四条の精神に立てなければ解決はできぬということを指摘を申し上げまして、次に進めていきたいと思います。是非そういう姿勢を堅持をしていただきたいと思います。  既に数字としては出ておりますが、沖縄県民は全人口の一%です。県土面積は全国の〇・六%です。その沖縄に米軍基地の七四%、過重負担をずっと強いてきたわけですね。九九%の日本本土に住んでいらっしゃる人々の基地負担は二六%です。これこそ最大の差別であると、私はあるいは沖縄県民は指摘をしておるわけです。ですから、知事さんも、もう新しい基地は要りませんと、外に持っていってくださいと、県議会も一本にまとまったわけです。名護市長も名護市議会も、今日はずっと最初の質問からそういう点が指摘をされておるわけでございます。  したがいまして、この憲法違反の状態、憲法違反の状態、憲法違反のこの実態をやはり許してはいけないと、これは一日も早く改善せぬといかぬ、改革せぬといかぬ、あるいは日本全体で対応しなければいかぬとか、あるいはアメリカに引き取ってもらわぬといかぬという、そういう決意がやはり必要なんです。私は、一川大臣にはそれをやっていく気概があると見ておるんです。そして、外務大臣も是非新しい政治家としてアメリカの国防長官とも、政治家とも対応していけるような、そういう強い気概のある外務大臣になっていただきたいと思います。  どうですか、一川大臣、気概のほどをおっしゃってください。
  292. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 常に先生にはいろんな面で御指導をいただいておりますけれども、私は、前に若いときの仕事の関係で沖縄へ復帰直後に何回も行ったことがございますけれども、沖縄の置かれて、戦後ずっとのいろんな経過の中で大変な御負担をお掛けしてきたということは先ほど来述べさせていただいたとおりです。  ただ、私は、今日こういう普天間問題を中心にいろんな課題がある中で、我々政府なり国会議員としましては、やはりもう一度ここで沖縄県のこれまでの大変な負担を委ねてきたというこの実態を、全国民全体がしっかりとそういう沖縄の負担というものの実態を把握しながら、それを全国民で担っていくんだというような意識を持つべきだという感じを持っております。  そういう中で、沖縄県における米軍基地の負担というものをこれからしっかりと軽減させるという面では、今この短時間でそれは物事が全て解決するわけじゃありません。常に我々政治家に課せられた大きな宿題であるという認識で取り組んでいかなければならないというふうに思っております。先般、沖縄を訪問した折にも普天間基地の周辺をちょっと調査いたしてきましたけれども、あの実態を見たときに、やはりしっかりと早く普天間飛行場を移転して軽減を図る必要があるということを認識いたしました。
  293. 山内徳信

    ○山内徳信君 アメリカ政府の高位高官も日本政府の高位高官も偉い人であります。そういう日米の政府が新しい基地を造るというのに、その場所になっておる沖縄県側の意向を無視して日米だけが合意すれば何でもできるという発想は、戦前の軍国主義時代の発想であります。そういう時代じゃなくて、今は民主主義の時代であるわけであります。したがいまして、関係団体といえばアメリカ日本政府とそして沖縄側なんです。この三つの団体が完全に合意をしたときにこういう大きな事業は進んでいくわけでございます。しかし、今はそういう状態にはなっていないわけでございます。  完全合意なしでも防衛大臣外務大臣も強行をするとおっしゃるのか。するしないをここで一言ずつおっしゃってください。
  294. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) そういう強行するという事態が発生しないように私たちは最大限努力しなきゃならないという気持ちでいっぱいでございますので、その辺りは是非御理解お願いしたいというふうに思います。
  295. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 確かに、沖縄県民の方々の声に対して厳しいというふうに私自身も思っています。そして、もうこれもパネッタ国防長官にもそのことは伝えました。その上で、その上ででありますけれども、やはり理解を求める努力を全力でやるということを今この場で申し上げたいと思います。
  296. 山内徳信

    ○山内徳信君 次に進めてまいりますが、この度訪日されましたパネッタ国防長官は、一川防衛大臣に対しまして環境影響評価書の早期提出を求めたと新聞、テレビは報道しておりますし、一川防衛大臣は年内に沖縄県に提出するということを約束をしたと新聞は書いております。これは本気なんですか。本気だった、本気でないと、これも一言でおっしゃってください。次に質問がありますから。
  297. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) これは、環境影響評価書を提出できるように準備を進めていくということを言わせていただきましたので、全く本気でございます。
  298. 山内徳信

    ○山内徳信君 それでは、次第次第に各論に入っていきます。  防衛省が進めてきた一連の環境影響評価のいわゆるアセスメントの方法書、次は準備書というのがあります。この二つの方法書と準備書に、オスプレイの配備についてはひた隠しに隠して全く触れられておりません。当然予想されるものでありましたから、項目としては記載されていなければいかぬわけであります。  ところが、ここに来て、防衛省は最近になって、来年の十月ごろ配備予定であるとアメリカから連絡が入りましたと、ファクス一枚で沖縄県内の自治体に連絡がされたと。沖縄県民は、各自治体は怒っておるわけであります。沖縄側においては、このアセスは欠陥アセス、不法、不当アセスであると今裁判所に提訴されておることも、一川大臣は報告を受けて知っていらっしゃると思います。  このようなずさんな評価書を沖縄県知事に提出できるのか。政府が誠心誠意という姿勢であるならば、このような評価書の提出はやめるべきであります。仕切り直しをすべきであると思います。これ以上、沖縄県民を愚弄し、ばかにするような、そういう行為はやってはいかぬのです。やはり、政府という立場にあるわけでございます。  したがいまして、防衛大臣としては初めてこのことはお聞きになっていらっしゃるのかもしれませんが、そういうふうに重要であるべきはずのオスプレイについて全く触れていなかったと、これが今の防衛大臣外務大臣責任じゃないんです。これは過去の、遡っていくと随分遡るんです。そういうふうに積み重ねが不信のもとになる、そういう行為が積み重ねられてきたわけであります。  したがいまして、これは仕切り直しをしてほしい、又はこれは検討してやはり年内提出は思いとどまると、そういう決意がやはり必要であります。どうですか。
  299. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 今ほどの、そのオスプレイの配備ということについては、確かに、これについては本年に入ってから我々が米国から知らされ、それを各自治体に連絡をいたしました。  ただ、先生おっしゃったように、その方法書なるものは平成十九年の八月からスタートした作業でございます。それからまた、準備書は二十一年の四月から開始されました。その段階ではまだオスプレイの配備ということが決まってはおりませんです。  そういうこともありまして、私たちはこの前、沖縄県にもお話ししましたけれども、今回の環境影響評価書の提出、提出というか、提出できる準備を進めていくに当たっては、そのオスプレイの配備というものを織り込んだ中で環境影響評価をしてまいりたいということを伝えております。
  300. 山内徳信

    ○山内徳信君 裁判所に行きますと、証言台に立ちますと、包み隠さず、うそをつかず真実の証言をしますという、そういうふうな誓いをいたしますね。  公の立場の政府は、やはり予想されることについては、それに向けての対応をすべきであって、オスプレイをずっと隠してきたのが防衛省の中にいたわけです。そのことは既に今までの委員会で私から指摘申し上げております。そういうふうな、いろんなその不信感を招くようなことが過去にございました。  そこで進めてまいりますが、アメリカ議会の関係者も、辺野古の新基地建設は不可能であると言っております。昨日、今日の新聞にもそれがまた出ておりますが、沖縄県内においてももうこれはお断りと。七四%も六十六年、戦後ですともっと多かったわけです。嘉手納町の町域に占める米軍基地は八三%というのを御存じですか、八三%。皆さんの住んでいらっしゃる市の八割も米軍基地と。読谷は七三%でした、私が村長に就任したころは。そういう七割も米軍基地に接収されていて、都市計画一つ思うようにやれない、事故、事件は次々と起こる、沖縄の人の人権を何と心得ているのかと、こういうふうに怒るのが当たり前であります。  したがいまして、パネッタ国防長官のあの圧力といいますか恫喝といいますか、大臣にはそういう露骨なことはおっしゃらなくても、官僚には言っているはずです、大使館を通して。メアという外交官もいたじゃないですか。私は今の沖縄のグリーンにも言っていますよ、メアみたいになったらいかぬぞと、日米関係に傷を付けてしまうぞと、今までの領事たちは立派な人がいっぱいいたと、こういうふうに若い彼にそういうふうに言っておるわけでございます。  したがいまして、アメリカに言われて自然環境を破壊するような基地の建設はあってはいかぬというのが沖縄の人々の思いであります。どうして沖縄の仲井眞知事さんがああいうふうに変わっていったかということもよくよくやはり調べて勉強されて、理解をされてほしいと思います。その問題によって名護の市長が、比嘉さんも政治生命を自ら失っていった。岸本建男さんは余りの苦しさに病気にかかって亡くなっていったわけですね。島袋吉和さんもにっちもさっちもいかない。そして、基地問題が起こってから今の稲嶺市長は四代目になるんです。ああいう円満な人が、もう基地は要らない、海にも陸にも要らないと、こういうふうにおっしゃっておることをよく酌み取っていただきたいと思います。  そして、こういうふうにアメリカからも不可能と言われている、沖縄からももう要らないと拒否されておる基地を日本政府だけで強引に押してアメリカとのメンツを維持しようとするならば、その後に何が残るのか、何が起こるのかということを防衛大臣外務大臣は御存じですか。どうぞ一言ずつおっしゃってください、時間があと三分しかありませんから。
  301. 一川保夫

    国務大臣一川保夫君) 先ほど来お話しさせていただいておりますように、この問題は、我々は沖縄知事を始め県民の皆様方にしっかりと丁寧に説明をし理解を求めながら着実に手続を踏んでいきたいという気持ちでございますので、何か強引に事を進めていくという気持ちは持っておりませんし、沖縄県の現状を考えれば、少しでも普天間飛行場の抱える負担を早く軽減したいと、沖縄全体としての負担をしっかりと着実に軽減したいということを先般のアメリカの国防長官にもその旨伝えてございますし、沖縄の実態もしっかりと説明させていただいております。
  302. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 全く理解をしていただけないまま進めたときに起きることというのは、これは非常に大変なことが起きると、あえて言葉にいたしませんけれども、そう思っております。
  303. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、この間の世界のウチナーンチュ大会が一週間ぐらい沖縄で続きました。アメリカ国会議員だった人や、ハワイからも州知事も来られたんです。私が五回アメリカ政府に要請に行ったときに力を貸してくれた、そういう国会議員とかもいらっしゃいましたから、私は心を込めて感謝状を贈呈をしておきました。読谷村長名でも感謝状を差し上げておきました。はるばるあんな遠いアメリカから読谷飛行場を見に来られたから、私は、二階ぐらいのやぐらを造って、その上から飛行場、演習場全体を見てもらったんです。  そういうふうに、アメリカ国会議員アメリカの第七艦隊の司令官でさえもこう理解を示して分かったと言ってくださったのに、どうして六十六年たっても今のような状態が、しかも新政権になって、民主党という、それさえも普天間一つ動かせないというのは、これは政権の機能がもうぼろぼろになっておるということですよ。是非、両大臣はそのことを肝に銘じて、普天間を動かしてほしい。  そして、最後に、私が懸念しておりますのは、やはり世界は、今やアラブの風が吹きました。四十四、五年で独裁政治をやったあの独裁者も倒れていきました。世界の文化がさん然と輝いていたあのギリシャでも、経済破綻をもとにして国民がああいうギリシャの風を吹かせました。ウォール街にもアメリカ国民市民や労働者が集まった。アメリカの富は一%で、九九%はやはり格差社会で苦しんでおるのがアメリカだと言っておるわけですね。そういうふうにアメリカ、ウォール街の風も吹いたわけです。  私がここで懸念しますのは、普天間の風を吹かせてはいかぬのです。沖縄の風を吹かせたら日米関係は更に更に悪化いたします。取戻しの付かない。どういうのが普天間の風かといいますと、これは、沖縄県民はこれだけ訴えても、六十六年基地を背負ってきても、なお新しい基地をつくれ、それができるまでは普天間を動かさぬとか、こういうふうな理不尽な要求は沖縄県民の前には通らないわけです。  したがいまして、沖縄県民の怒りの風、普天間を撤去せよという、そういう撤去の風が荒れ狂うことがあってはいかぬのです。そのことを私は領事にも言っていますよ。
  304. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 山内君、時間が過ぎております。
  305. 山内徳信

    ○山内徳信君 ああ、済みません。
  306. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) おまとめください。
  307. 山内徳信

    ○山内徳信君 はい。  そういうことでございますから、そのことをやはりあらかじめ両大臣を始め関係者にも警告を発しておきたいと思います。  そういうことにならないように、ひとつ全力を尽くして、沖縄の人々の願いを裏切ることがない、そして今同じ立場に立っておるのが福島を中心としておる東北の被災者の皆さん方、苦しんでおる方々、こういうふうな人々が政府に対する期待は本当に大きいわけでございます。真心込めて福島、東北にも沖縄にも対応をしていただきますことを、山内、心からお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  308. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十四分散会