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柿澤委員 みんなの党の
柿澤未途でございます。時間も押しておりますので、スピーディーに進めたいと思います。
まず、雑損控除についてお伺いをいたしたいと思います。
五十嵐副
大臣、大変御多忙な中、御
出席をいただきまして、ありがとうございます。
所得税法は、七十二条において、居住者またはその者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する資産について、
災害、盗難、もしくは横領による損失が生じた場合、その損失相当金額の一定
部分を、居住者の総所得、退職所得、または山林所得の金額から控除する、こういうふうに雑損控除を定めております。
その者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものということについては、
所得税基本通達七十二—四において、生計を一にする親族であるかどうかは「それぞれ次に掲げる日の現況により判定する。」ということになっておりまして、資産そのものについて生じた損失について居住者が雑損控除の適用を受けようとする場合は「当該損失が生じた日」、こういうことになっているわけです。ここについてお伺いをしたいというふうに思うんです。
当該損失が生じた日、こういうことを
基準時点とすることの何が問題かということであります。
通常、生計を一にする親族、扶養親族の場合は、扶養親族に該当するかどうかというのは十二月三十一日時点の現況によるわけです。例えば十二月三十一日生まれの赤ちゃんがいたとして、十二月三十一日時点の現況ということになっていますから、その年の扶養親族に一年分当たるということにみなされるわけですね。ところが、親の雑損控除を例えば子供や配偶者が引き継ぐ、こういう場合では、十二月三十一日の現況ではなくて、先ほど申し上げたような、当該損失が生じた日の現況で
判断してください、こういうことになっているのがこの
所得税基本通達七十二—四の規定なわけです。
つまりは、今回、
震災が三月十一日十四時四十六分に発生をしました。この
震災で
被災をして、家も財産も失って、ことしの収入がゼロになった方がいらっしゃるとする。しかし、ことしの一月一日から三月十一日の
地震発生までの間、子供の世話にならないで自立して事業を営んでいたという場合、仮にその後、
震災避難で例えば子供のところに逃げて、子供と生計を一にすることになったとしても、三月十一日の
震災発生前の時点で生計を一にする親族になっていなかったということで、この子供は雑損控除の適用の
対象とならない、こういう問題があります。
地震で資力を喪失して、三月十一日の
地震発生後から子供の援助によって生計を立てて、これで十二月三十一日現在の総所得金額が三十八万円以下であれば扶養親族にはその年分該当するわけですけれども、扶養親族には該当しても、雑損控除を引き継ぐことのできる生計を一にする親族には該当しないということになる。
今回、この雑損控除についても、例えば繰越期間が、控除し切れない場合は三年から五年に延長される、こういう
特例的な見直しが行われています。そのことはそのことで
評価をしたいと思います。しかし、資力を喪失して今後の収入も当分期待をできないという
被災した年老いた親御さんにとって、本人がこの延長の適用を受けたとしても、それほど
意味があるものというふうには思えません。
であるならば、独立している子供の援助を受けて、収入のない親御さん、こういう
方々の雑損控除を子供に引き継がせて、子供が税金の還付を受けて、その金額を
被災した親御さんの生活に充てる、こういうことができるようにすべきではないかというふうに思います。
要するに、今回の
震災被災者に関しては、生計を一にする親族であるかどうかという
基準時点を三月十一日時点の現況というものに置くのではなくて、
通常の扶養親族に該当するかどうかの
判断の
基準日である十二月三十一日、こういうことにすることが、私は、
被災者あるいは
被災した世帯、生計を一にする親族というのを含めて、こうした
方々の生活の再建また
復興に資することになるのではないかというふうに思います。
こうした御
指摘を知人の税理士さんから受けました。この点についてぜひお取り組みをいただきたいというふうに思いますが、御見解をお願いいたします。