運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2011-10-06 第178回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十月六日(木曜日)    午前十時三十分開会     ─────────────    委員異動  十月五日     辞任         補欠選任      藤原 正司君     小林 正夫君      石川 博崇君     竹谷とし子君      松田 公太君     水野 賢一君      山下 芳生君     大門実紀史君      藤井 孝男君     荒井 広幸君  十月六日     辞任         補欠選任      池口 修次君     今野  東君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 岡崎トミ子君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 米長 晴信君                 岩城 光英君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 谷合 正明君     委 員                 池口 修次君                 大久保潔重君                 金子 恵美君                 小林 正夫君                 行田 邦子君                 今野  東君                 斎藤 嘉隆君                 田城  郁君                 田中 直紀君                 谷岡 郁子君                 轟木 利治君                 平山 幸司君                 広田  一君                 愛知 治郎君                 赤石 清美君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 高階恵美子君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 竹谷とし子君                 渡辺 孝男君                 小熊 慎司君                 水野 賢一君                 大門実紀史君                 荒井 広幸君                 吉田 忠智君                 亀井亜紀子君    国務大臣        内閣総理大臣   野田 佳彦君        総務大臣     川端 達夫君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   中川 正春君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣   枝野 幸男君        国土交通大臣   前田 武志君        環境大臣        国務大臣     細野 豪志君        防衛大臣     一川 保夫君        国務大臣        (内閣官房長官) 藤村  修君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    山岡 賢次君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画))    蓮   舫君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(防災)        )        平野 達男君    副大臣        財務大臣    藤田 幸久君        厚生労働大臣  牧  義夫君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        消防庁長官    久保 信保君        財務大臣官房審        議官       宮内  豊君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       三浦 公嗣君        観光庁長官    溝畑  宏君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   西澤 俊夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興総合的対策に関する調査  (東日本大震災後の復旧復興進捗状況と今後  の課題に関する件)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、石川博崇君、山下芳生君、藤原正司君、松田公太君及び藤井孝男君が委員辞任され、その補欠として竹谷とし子さん、大門実紀史君、小林正夫君、水野賢一君及び荒井広幸君が選任されました。     ─────────────
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  7. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、東日本大震災後の復旧復興進捗状況と今後の課題に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 おはようございます。民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。  昨日に続きまして復興特のこの集中審議皆さん、本当御苦労さまでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  八月の下旬に民主党には仮設住宅等生活支援対策チームというのを設置いたしまして、その座長といたしまして被災地宮城福島岩手を視察をしてまいりました。  この目的は、それぞれの自治体がどんな取組を行っているのか、また、住宅に入っていらっしゃる皆さんたちがどんな要望を持っていらっしゃるのか、その生活支援を適切に実現をしていくために、県にあります復興対策本部と、そして政府自治体級議員皆さんたち連携して進んでいくということと、政府設置されましたプロジェクトチーム、これは厚生労働省大塚耕平厚生労働大臣座長で立ち上がりましたものでありますが、もちろんこれは平野復興担当大臣政府のリーダーシップを発揮して設置をしなさいというふうになさったものだというふうに伺っておりますけれども、これを立ち上げたということでございますが、この応急仮設住宅居住環境に関するプロジェクトチーム、こことも連携して行っていきたいというふうに考えているところでございます。  この政府に置かれますプロジェクトチームにつきましては、縦割りではなく関係省庁連携して総合的に取り組んでいくということと、各自治体が取り組んでいく中で、国が何とかしてその枠の中でしっかり支援をしていくというその前向きな役割というものを私は感じ取ったわけでございますけれども、この政府PT目的、それから最初、座長として、アンケート是非行っていくべきだというふうに大塚耕平座長が言っておりましたけれども、その目的について是非お教えいただきたいというふうに思います。
  9. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) 岡崎委員におかれましては、党の立場で先頭に立って対策に取り組んでいただいておりますことを、まずは御礼を申し上げたいと思います。  プロジェクトチーム目的についてのお尋ねでございますけれども、御存じのように、この応急仮設住宅入居が順次進む中でいろんな方面、もちろん党の方でもいろいろ調査をしていただきました。そういう中からいろんな御指摘を受け、そして実際の入居者の声にももう少しきっちり耳を傾けるべきではないかということから、各自治体との連携はもちろんのことでありますけれども、よりきめ細やかに入居者ニーズを拾い上げていくという観点で、そういう目的立ち上げたということでございます。
  10. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 続いて、アンケートについての目的をお願いします。
  11. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) アンケートについての目的でございますか。  寒さ対策等を含めていろいろと御指摘がございます。住民ニーズ、例えば買物がまだまだ不便であるとか、こういった住民の足の問題も含めて、それから東北のこれからの冬の寒さ、これは大変厳しいものが予想されますので、そういった観点から、様々な観点からアンケート調査を行って、その結果を取りまとめたところであります。
  12. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 今おっしゃってくださいましたそういう内容、私たちそれぞれの応急仮設住宅に入っていらっしゃる皆さんたちから要望をたくさんいただいてまいりました。そして、昨日の集中審議におきましても各党から大変関心を持っておりました、また地元の新聞でももうトップに掲げられておりましたのが寒さ対策でございました。  まず、エアコンについては、これは追加的に設置されるということが決まっておりますけれども、昨日、厚生労働大臣の方から言われましたのは、ホットカーペットとこたつとストーブ、このことについても検討するということでございましたけれども、寒さがもう迫っている、岩手はもう氷点下を記録している、そういう意味では、もう既に買った方などもいて一刻も早くその支援をしていただかなければいけないということを含めますと、是非検討ではなく、災害救助法にのっとって是非これを決断していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  13. 平野達男

    国務大臣平野達男君) これから岩手宮城福島もそうですけれども、冬を迎えます。冬の寒さ対策につきましては、今委員から御指摘のあったカーペット等、この供給、様々要望出ておりますけれども、今の枠組み災害救助法枠組みをできるだけ活用して、地域ニーズにこたえるよう厚生労働大臣とも調整を図っていきたいというふうに思っております。  あわせて、特に気になるのは仮設住宅の外の水回りであります。特に岩手は冬季は凍結する場合がございますので、そういった凍結防止についても万全を期すよう自治体にもしっかり働きかけてまいりたいと考えております。
  14. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 もう検討の段階は過ぎたので、決断をこの委員会でしていただきたいという趣旨で私は質問をさせていただきました。  もう氷点下になっているんです。冬が来て、何か今、秋が来てまた冬と、こういう順序になると思いますけれども、今本当に厳しい寒さの中で、そのことが報道されておりまして、現地ではそういう状況を送っているということですから、これは早急にそういうことにしていただきたいと思いますけれども、再度ちょっと念を押したいと思います。どうですか。
  15. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 災害救助法枠組みで、できるだけ仮設住宅に住んでおられる方々の要望にこたえるように私も努力をしたいというふうに思います。
  16. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。  パネルをお願いいたします。(資料提示)  今、災害救助法国庫補助対象となっておりますのが示されておりますけれども、例えば、壁ですと五センチを十センチにする、天井、床下の断熱材、これを追加、補強するということで、さらに、すき間風の防止用シート追加、補強、窓の二重サッシ化複層ガラス化居室への畳の設置玄関先への風除室整備、この間の台風のときには雨風が吹き込んできて大変だという、その後でももう一回、私、女川の方に参りましたけれども、大変厳しい状況のようでございました。附帯設備の方では、エアコンはもう既に決まりました。トイレの暖房便座化、それから換気扇、換気口追加整備、そして合併浄化槽凍結防止などなど、このように挙げられているわけでございますけれども。  この寒さ対策通知なんですけれども、十分に生かされるためにはこの内容が、自治体担当者はもちろん、入居者支援者自治体職員の方に知っていただくことが必要だというふうに思っておりまして、意外とこれが分かっていなくて、住んでいる方が役場の方に言っても実はそれはできないというふうに断られてしまった、そういう経緯もございました。どう工夫したらいいとお思いでしょうか。
  17. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、各自治体に対する周知徹底というのはもう大変重要なことで、この三県の中においても、ややそこら辺の徹底ぶりにおいての温度差があったことも正直事実でございますけれども、今後、原局の局長も現地へ出向くなど、まず県、そして各市町村自治体との連携をより一層緊密にしてまいりたいと思っております。  宮城県におかれましても、もう既に県知事から各市町村首長あて通知も出しておりますので、そこら辺、今後も更に徹底を図ってまいりたいと思います。
  18. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 多分通知を出したり、こんなことだということについてはなさるんだろうと思いますけれども、定期的に点検して、どこまで行きましたか、どうですかというようなことを確かめていただくことがすごく重要だと思っておりますので、そういうような工夫も更に加えていただきたいというふうに思います。  この応急仮設住宅入居者データベースを構築するということ、それから入居者政府プロジェクトチームとのネットワークを構築していくということ、これはしっかり進めていただきたいというふうに思っております。大塚耕平座長もこの提案をされておりました。これについてはいかがでしょうか。
  19. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) データベース化についても前向きに検討を今いたしているところであります。入居者情報、そしてまたそれぞれ団地ごとニーズというものもまたいろいろそれぞれ違ったものもあろうかと思いますので、そこら辺については的確に把握をしなければならないと思います。  関係の各県ともいろいろ相談しながら、使い勝手のいいデータベースを作らなきゃ何の意味もありませんので、そこら辺のところを今鋭意検討しているところでございます。
  20. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 仮設住宅コミュニティーをつくっていくためにも、このデータベースというのは物すごく大事なんですね。  私がちょうど参りましたときには、例えばインターホン、これをお宅は付けたのって、私は一万二千円のを付けたけれども、あなたは五千円のだったのねという情報交換が行われたり、それはちょっと親しい感じにならないとなかなかできなくて、私が訪ねていったときに、それは初めて人のお宅にお邪魔したという感じでしたし、窓のシートを張っていたその模様についても、どこで買ったのなんていう、そういうようなことなんですけれども。  それがみんなを仲よくしていく、そういうものでコミュニティー重要性というのを感じてまいりましたが、その不便を克服していらっしゃる皆さんたちは知恵の交換をしっかりすると、コミュニティーがそういう意味で重要な役割を果たしているというふうに思っております。  それから、行政の対応にしましても、自治会是非つくって、こういう要望をしたということは割と早く進むというようなこともございました。要望について促進させるためにも必要性感じております。政府要望をまとめてもらえばというようなことを思っていらっしゃるのではないかと思いますけれども、孤立性あるいは孤独死を防ぐという意味におきましてもこの点は重要だというふうに思っております。心の問題のために重要なのはもちろんだというふうに思います。  訪ねた仮設住宅の中には、自治会がもう既にできたところもあれば、班長さんだけできていて間もなくできるだろうというような話を聞かされましたり、まだまだ見通しが立たないというところもございました。  そこで、このコミュニティー形成重要性についての認識自治会組織立ち上げについて、どんなふうに把握をしていらっしゃるか、その状況についてお伝えいただきたいと思います。
  21. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) おっしゃるとおり、地域コミュニティーというものは大変重要なわけで、そこら辺の認識はしっかりいたしているつもりであります。  現在、今日現在の速報値でございますけれども、八百九十のそれぞれの団地がありますけれども、約四百二十、四百十八でしたかね、の自治会が既に形成をされております。その他につきましても、まだまだちょっと各県でばらつきがありますけれども、それぞれ自治体と相談しながら自治会組織化に向けて取組を進めてまいりたいと思っております。
  22. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 その点、よろしくお願いいたします。  もう一つは、集会所なんですね。相談を外でやる。雨が降ってはできないですけれども、もちろん晴れている日は外で立ち話でやる、こんなような状況ですから、アンケートを見ましても、集会所談話室仮設住宅団地入居者からこれが欲しいというような要望がございました。自由に使わせてほしいという要望もございました。  私が訪ねました女川第一小学校の仮設住宅では、鍵を時間を決めていつも開放していて、一角ミシンを置いて五人の女性たちミシンを踏んでいる。ティッシュペーパーボックスを北海道のNGOが引き受けてくださったので、これをたくさん作って送るんだという、そういう話がありました。その脇には、芝浦工大の学生さんたち六人が子供たちを集めて、竹とんぼならぬ紙とんぼを作って子供たちを楽しませていた。そしてもう一角では、乳飲み子を抱えたお母さんがあやしている姿があった。もう一人、インターネットが得意な男性は、みんなからの情報をすぐその場でたたいて、そして知らせるというような、大変すばらしい空間をつくっていたというのを見ましても、このような集会所あるいは談話室が欲しいという要望にこたえていっていただきたいというふうに思いますけれども、集会所がない仮設団地について、あるいは小規模の団地でも追加集会所をつくることができるのかどうか、確認をしたいと思います。
  23. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) 集会所必要性については十分認識をさせていただいております。この未整備のところがまだ四〇%ぐらい残っておりますので、できるだけ速やかに整備を急いでまいりたいと思います。  また、空き状況等を見ながらでありますけれども、空いている居室があればそこを集会所に使っていただくということも一つの考え方かと思っておりますし、この未整備のところの今後の整備についても、これは災害救助法の適用ということで国庫補助において整備を進めてまいりたいと思っております。
  24. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 是非、入っていないところの仮設住宅ですと、その有効活用なども促進していただきたいというふうに思います。それを是非周知徹底をしていただきたいと思います。  公営住宅の場合にも、やはり用地があれば建設をするとか、あるいは民間賃貸の場合には、近所の仮設団地の専用の集会所が建てることができるとか共用で使わせてもらうということも考えられるのではないかと思いますので、是非検討をお願いしたいと思います。  それから、サポートセンター前回質問のときにもこれについては触れました。子供女性障害を持っている方や高齢者皆さんたちに対して、殊に障害の場合には精神障害、そして知的障害身体障害皆さんたちにこたえられるような、そういうサポートセンターをつくることができる予算もきちんと取ってあるということでございましたけれども、このサポートセンター集会所設置することができるか。例えば、集会所を二階建てにしてサポート拠点をつくることができるかどうか。もしできるとすると、そういうことについて周知をしていただきたいと思いますし、ケアマネジャー保健師が足りないという要望もございました。この必要としている人たちに対しても、是非こたえていただきたいと思います。いかがでしょうか。
  25. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) サポートセンターについての御質問でございましたけれども、まず仮設住宅集会所活用設置することが可能であるかどうか、これは可能でございます。  そして、現在、約、三県で八十六か所サポートセンターができておりますけれども、各県のそれぞれのニーズをしっかり的確に把握しながら整備を進めてまいりたい、そのための基金の積み増しも、三次補正の積み増しも要求いたしておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
  26. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 宮城県の場合は岩沼に一か所で、あと四十四か所ということになっておりまして、これができるんだということについて周知徹底をお願いをしたいというふうに思っております。  それから、ちょっと次のパネルをお願いしたいと思いますが、御覧いただきますと、これ大震災からの復旧復興進捗状況と書いてありますが、(2)のところを見ていただきたいと思います。  仮設住宅等状況について、②に民間住宅への入居というのが五万八千百二十七戸ございますが、仮設住宅は五万八百三十四戸ということでありまして、これ圧倒的に宮城福島におきましては民間アパートに入っている方が多いということなんですね。仙台はまた非常に顕著でありまして、プレハブ千三百一戸に対して民間アパートは八千二百七十一世帯公務員住宅の方には四百二十四世帯ということになっております。この皆さんたちは実はばらばらになっているということでございますので、情報提供が非常にないというふうなことが私の方にいっているということと、支援在り方について何にもないというような声も届いておりますが、この点について、民間アパートにいる方についていかがでしょうか、考えていただきたいと思います。
  27. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) 委員指摘のとおり、いまだ完全に掌握されていないというのが残念ながら現状であります。  それぞれ借り上げ住宅に入っていただいたときの経緯等々、いろんな事情があろうかと思います。県の方からここをあてがって、ここに入居してくださいというような形であればそれは把握ができているんでしょうけれども、当初のあの混乱の中でそれぞれ皆さんが御自分で見付けて、それを今度契約をまた県に変えたりとかいろんな順序がございますので、今鋭意そこら辺の、元の住民票のあるところの自治体との連携ですね、これは健康保険やら介護保険等々の問題もありますので、そこら辺の把握に向けて今鋭意努力しているところと聞いております。
  28. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 仙台の場合にはアンケートを、どんな要望がありますかということで、民間アパートの方に対しても全てに網羅してやっているという状況もありますので、是非、その辺の支援在り方について漏れなく情報も提供されるようにお願いしたいというふうに思います。  それから、仮設のことについてお伺いいたしましたけれども、実は在宅で、自分のうちで二階が住めるのであればそこに住んでほしいということについて、割と強制的にというか、仕方なくそこに住まざるを得ないという方たちもありまして、この辺は全く手付かずではないかというふうに思いますので、いずれ私たちも努力をしていきたいと思いますけれども、行政の支援が得られない人々がいるということについての御認識を持っていただきたいというふうに思っております。  それから、もう次、いよいよ時間がないので、もうここで総理に、生活支援全体について是非、総理の御決意を伺いたいというふうに思います。
  29. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今まで、仮設住宅で生活をされている被災者の皆様への生活支援在り方を中心に大変実態を踏まえた御質問をいただきまして、ありがとうございました。特に、寒さ対策どうするか、それから孤立化を防ぐためのコミュニティー形成どうするか、とても重要な観点だというふうに思います。  先ほど来、政府の答弁で、例えば寒さ対策については前向きに検討しつつあるという状況にはなってきたかと思うんです。ただ、今回の事案というのは東北地方という大変元々寒い地域で大きな震災が発生をしたわけでありますので、そのことを考えますと、野田内閣の使命というのは復旧復興の事業を加速化するということでありますので、もう前向きな検討は早くやめて早期に結論を出すように私としても全力を尽くしていきたいというふうに思いますし、コミュニティー形成についても同様のことを申し上げたいというふうに思います。
  30. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 どうぞよろしくお願いいたします。  次のパネルをお願いいたします。  宮城県の有効求職者数と有効求人数でございます。線が引っ張ってありますところが東日本大震災が起きたときでございます。リーマン・ショックは平成二十年の九月のことでございますので、一番その小さな山のところからだんだん回復をしていくという、そういう状況にございました。  確かに、リーマン・ショックの後、六万四千三百七十九人の有効求職者という方がいらっしゃいましたけれども、だんだん良くなっていった。そういうさなかにこの震災が起きたということでございまして、リーマン・ショック以上の影響を受けているということがこの図の中で示されているというふうに思います。  そこで、ずっと政府の方では雇用創出基金について震災対応事業の拡充と延長を是非していただきたいという要望が次々ございました。殊に三県からその要望を強く受けているところでございます。現実にはまだ枠を使い切っていないという状況がございます。今後のことを考えますと拡充、延長が必要だというふうに思いますので、その認識と対応方針についてお願いしたいと思います。
  31. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) 震災対応の復旧復興事業をきちっと被災地における雇用に結び付けていく、そのためのまず一次補正で基金の積み増しを行ったところでございますけれども、今後の長期雇用に向けて、あるいは地域で活性化に向けて、その政策と一体となった雇用政策に向けて、要件の緩和も含め、そして基金の更なる積み増し、三次補正でもこの点についてだけ申し上げても二千億の要求を行っているところでございます。
  32. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 この震災の後は七万五百十九人の求職者数がありましたけれども、今、八月になりましてから六万五千九百七十三と、少し回復をしたという状況でもございますが、このことを考えますと、より安定的な雇用をつくり出すことと女性障害を持つ方々が活躍できる雇用支援、これを是非行っていただきたいということで、厚生労働省としても第三次補正に向けてそのような趣旨を要望していると理解をいたしておりますけれども、その問題意識と対応方針について教えていただきたいと思います。
  33. 牧義夫

    ○副大臣牧義夫君) 女性障害者も含めた対応ということでございましたけれども、女性障害者、そしてもちろん高齢者の方も含めて全員参加型の社会をこれからつくっていくんだと、この東北がまさにそのモデル地域になるような、そんな政策を打ってまいりたいと思っております。  もとより、この国全体、もう労働力人口は減少に転じておりますから、そのことがこの経済の負のスパイラルに至ったという原因でもありましょうから、この東北からまさにそういった全員参加型の雇用の形態というものをモデル事業としてしっかり打ち出していければと考えております。
  34. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いしたいと思います。  仮設住宅を訪ねますと、大抵の方は希望を語りません。非常に不安である、先々どうなるかということについて言われますが、その中で、展望が開けない中で、昨日も取り上げられておりました高台移転の問題でございます。自治体の負担と国の負担の在り方について、総理大臣そして平野復興担当大臣から前向きな発言が続いておりますが、交付金で自治体の負担を小さくする、その意欲を見せていただきました。  同時に考えていただきたいのは、移転元の土地を買い取るという、その単価の設定の仕方についてでございます。暮らしが立つようにしていただきたい、老後の不安がないようにしていただきたい、こういう声にどうこたえていくかというふうに思っておりまして、現在の制度を持っている国土交通省としてどのように考えていらっしゃるか。買上げの単価設定について、また被災された方の暮らしが立つようにということにするためにはどうするか、是非この点御理解をいただいて、御答弁を明確にしていただきたいと思います。
  35. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 岡崎委員にお答えいたします。  移転元の土地の買い取る場合の単価の設定についてのお尋ねでございますが、災害の発生するおそれのある危険地域であることを勘案して算定した価格と、こういうふうにされておりまして、不動産鑑定評価などを参考に市町村が適切に判断するという、こういうことになっております。これは制度上の問題でありまして、岡崎委員のおっしゃるのは、それでは随分安い単価じゃないかと、こういう御心配だと思います。  今までも実績がありまして、法律の趣旨に照らしてやっているわけですが、本来、その移転元の土地にまた町が戻ってきたときの土地の価格を想定して、そして割り戻してというような仕組みになっております。この仕組みそのものを大幅に変えるというのは、これはもう今までもずっとやってきているものですからなかなか難しゅうございますが、実は東北の震災については、とにかくあらゆる制度を組み合わせてやるわけですから、高台に移転した場合の町づくりの計画、区画整理であったりいろいろ、公営住宅であったり、いろんな町づくりの手法を駆使してやるわけですから、その中で、跡地利用のことも含めまして何とか負担を最小限にできるようなそういう形にしたいと、こう思っております。
  36. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 その点、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、多重防御、避難経路の整備が必要だというふうに思いますが、これは水が堤防を越えてきましても浸水の拡大を防ぐためには、非常に堤防を高くして、道路を高くして堤防のような形で第二、第三の堤防の整備というふうになるようなことで避難路を造ったり避難場所を造るということになっておりますけれども、さらにハード、ソフトの対策を総合的に取ることが不可欠だというふうに思っております。こうした整備のための国の役割ですね、自治体の費用負担についてはどのように考えているのか。  それから、財政破綻をさせてはいけないというふうに強調されましたので、昨日そのような答弁もございました。当然、財源に合わせて不十分な整備しかできなかったということであってはなりません。是非大きな考え方を示していただきたいと思います。  平野大臣、いかがでしょうか。
  37. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の東日本大震災の津波による教訓の一つ、これは構造物に依存した防災計画には限界があるということであります。しかし、さはさりながら、ある一定の高さのところまでは、これは発生頻度の確率が低くなりますから、何十年間に一遍来るような津波あるいは高潮、これはやっぱり構造物で制御しなくちゃならない、それも一つの施設ではなくて、できれば多重だというようなことで、その発想は大事だと思います。  しかし、併せて同時に、しかしその多重防御の施設であっても、低い確率になりますが高い津波が来るかもしれない、その前提での対策も練っておかなくちゃならない、これはソフトが中心になると思います。避難路の整備、これはハードでありますけれども、避難計画の整備、それから意識の徹底、こういったことが大事になってくると思います。  それから、あと、今委員の御質問の中で、自治体の負担ということでございますけれども、自治体の負担につきましては、これは特別交付税等々の仕組みを活用して、財政力が非常に弱い自治体の中でそれなりの投資をしなくちゃならない、自治体の負担には限界がございますので、そのことを念頭に置いて、総務省とも連携して、しっかりとした制度設計をしたいというふうに考えております。
  38. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 そこで、財務大臣にお伺いしたいと思いますが、今財政力の弱い自治体でもというお話がございました。将来に向けては住民の安心と、そして町の再生ということに向けて万全の取組ができるように、是非政府全体として対応していただきたいということも含めて、財務大臣、御答弁をお願いしたいと思います。
  39. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 今、平野大臣からもありましたように、震災の後は岩手県でも宮城県の自治体も本当にお金がなくて、ですから特別交付税を随分、緊急の仕送りという形でやらせていただきました。  例えば、具体的に言えば、陸前高田市は去年四億だったのを今までで三十三億、私の地元の石巻市でも昨年十八億だったのが既にもう八十五億ですね。一兆大体六千億ぐらいに今特別交付税積んでおりますので、この先、三次補正等でも自治体に満遍なく財政支援ができるような万全の措置は講じてまいりたいというふうに思っております。
  40. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。  続きまして、平野大臣要望にこたえて復興基本方針の中に、東日本大震災復興対策本部、それから現地対策本部の事務局に復興過程における男女共同参画を推進する体制を設けるということについて書き込んでいただきました。大変歓迎をいたしております。実際に事務局の中に男女共同参画のために部署が設置されまして、その役割を与えられた女性皆さんたちには活躍をしていただきたい、成果を上げていただきたいということを思っておりますのと、みんなが喜んでいるということについてお伝えしたいというふうに思っております。  そこで、復興構想会議の女性のメンバー、これはどのぐらいに今検討されているのかということについて一つと、中央防災会議でもっと女性の参画を得るために、災害対策基本法の法律の方を改正しないとなかなか女性が出てくることができない。そういう意味で、これは総理に御答弁をいただきたいと思います。  菅総理にもこのことについて質問をいたしましたときに、復興庁ができる際にはそういうふうになっていくのかなということと前向きの御答弁をいただきましたが、総理大臣の事務手続というときにこういう話は出ないでしょうからね、是非これは前向きに取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  41. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回、東日本大震災のやっぱり一つの反省として、女性の視点に立った防災対策を十分練っていなかったことがあったなと。例えば、避難所での運営で、例えば洗濯物の干し方、干す場所とか、そういうところに配慮が足りなかったなどという話は随分私も聞いております。したがって、防災政策、防災対策を今後練っていく際に、しっかりとやっぱり女性の視点をもっと入れていく工夫をしていかなければいけないだろうというふうに思っております。  これまでも、防災会議における女性委員の登用については、男女共同参画基本計画等に基づいて国も地方もそれぞれ努力はされてきたんだろうと思いますけれども、例えば数字で申し上げますと、都道府県の防災会議メンバー二千四百二十九人中女性百人で、これ比率四・一%です。中央防災会議、これは御指摘がありましたけど、二十六人中三人で、パーセンテージは上がって一一・五%でありますが、まだまだこれは努力する余地があると思いますので、委員の御指摘も踏まえて更なる努力をさせていただきたいというふうに思います。
  42. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 テレビを見てみんな喜んでいるだろうというふうに思っております。前向きな御答弁ありがとうございました。  この男女共同参画局の職員、現地で緊急対策本部をつくるときに派遣をしていただきました。そして、女性の悩みですとか暴力相談窓口を開いていただきますとか、相談員によります避難所での、あるいは仮設住宅での訪問をして取組をされてきたわけなんですけれども、今後はこれをどういうふうに生かしていかれるのか。男女共同参画をしっかりと根付かせる、拡充していくというためにはこれを是非生かしていただきたいと思いますけれども、蓮舫大臣、いかがでしょうか。
  43. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) 震災の発災直後に、委員指摘のとおり、男女共同参画局の職員を継続的に現地対策本部に派遣をしまして、女性の声であるとか需要であるとかそういったものを丹念に把握をして、例えば避難所の運営に反映させるための努力は行ってまいりました。現在はもう少し細やかな対応をさせていただいております。被災地の地方自治体ですとかあるいは女性団体と協力をしまして、電話相談、窓口相談、あるいは避難所、仮設住宅へ訪問相談をさせていただいているところでございます。  寄せられた相談は多岐にわたるんですけれども、例えば、配偶者からの暴力という本当にその大変困っておられる声に対しては、自治体の配偶者暴力相談支援センターにつなぎまして具体的な解決を図らせていただく、あるいはそのほかには、家族関係ですとか人間関係の悩み、病気に関する悩み、生活再建に向けた不安というものは、まずは相談でしっかりその不安の声を取り除いてあげることを行った上で、更に具体的な取組が必要なものは自治体の様々な取り組んでいる事業につないであげるというような作業はさせていただいております。  また、宮城県においては女性だけではなくて男性の声も聞いておりまして、例えば、人前で弱みを見せられないですとか、あるいは感情からの不満や悩みというものが訴えられることが多いという報告も聞いております。女性の声ももちろんなんですが、こうした男性の声もしっかりと聞いて、男女共同参画に資するための取組をこれからも行っていこうと考えています。
  44. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 是非よろしくお願いしたいと思います。  先ほど総理も、洗濯物の干すところがなくて大変だったというようなことをきちんととらえてくださっていて、ああ、よく分かってくださっているなと思いましたけれども、そのことで、洗濯のネットを立ち上げて、ボランティアで引き受けて洗濯をして返すということを始めてくれた人が、NPO法人、仙台のイコールネットという代表理事をしている宗片惠美子さんなんですが、この方が政府の広報誌の巻頭言のところにこんなふうに書いております。男性の領域と考えられがちな防災や災害復興に女性の視点を位置付けていくためには、女性の主体的な参画が求められる、それは、災害時取り残される人々を救うから、災害時困難を抱える人々を生み出さない社会への発想の転換につながっているということでございました。この方が実は、二〇〇八年から仙台市内の女性を対象にしまして災害時における女性ニーズ調査というのを行っております。  これからも是非、その参画の視点の重要性必要性調査検証の結果を記録をしてマニュアル化をする、次に災害が起きたときにはそれがしっかりと生かされていく。でないと、阪神・淡路大震災、中越地震、今回の東日本大震災と、全く一から立ち上げるということで、なかなか教訓がつながっていかない。それはマニュアルを整備するということだというふうに考えておりますので、平野大臣、この点についていかがでしょうか。
  45. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 避難所を回っておりましたところ、その避難所の運営に女性がリーダーシップを発揮してしっかりとした運営をされている避難所、幾つか見させていただきました。  そういった細やかな配慮ということにつきましては、もう女性の視点というのが大事だなということは今回の震災のその後の様々なケアといいますか、支援の段階で私もしっかり感じさせていただきました。あわせて、津波、地震が起こった場合に、避難のときに女性がどういう働きをしたのか、女性の視点、そういった観点からの検証も必要だというふうに思っています。  いずれ、東日本大震災の教訓、これをしっかり伝えるということが私どもの仕事の、大きな仕事だと思っております、一つだと思っておりますけれども、その中で、特に女性の視点、特に避難所のその運営の仕方等々も含めてしっかりとした検証を行いまして、これをマニュアル化できるものはマニュアル化する、記録として残して後世に伝えるものは伝える、これをしっかりやっていきたいというふうに思っております。
  46. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。  それから、障害を持つ方々に対してなんですけれども、これは各自治体で災害時要援護者、この把握必要性についていろいろな要望がございました。私自身も障害を持つ人たちの安否確認のためにNGOの皆さんたちと歩きましたけれども、残念ながら、たどったところは全く違った住所であったり、そこには全く住んでいなかったりして住所が分かりませんでした。  この災害時要援護者、高齢者障害者、乳幼児、妊婦さん、こうした方々を把握することになっておりますけれども、消防庁としては各自治体把握状況、これについては把握しているようなんですが、本当は国としてきちんと正確な状況把握しておきませんと、各自治体の指導ということができにくいわけなんですね。  普通、地方分権というふうに言いますけれども、この点に関しては、地方を平等に指導していくという意味では、各自治体の消防の皆さんたちは要援護者についての数を把握すること、特に緊急時には支援が必要となりますので障害者の数を把握しておくべきだと考えております。  消防庁、このことについて取り組んでいただけますでしょうか。
  47. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 御指摘のように、災害時におけます要援護者対策、とりわけその基礎となります要援護者の数を把握をするということ、私ども極めて重要な課題であると考えております。  私どもにおきまして、内閣府を中心に平成十八年の三月に災害時要援護者の避難支援ガイドラインというのを作っておりまして、これを踏まえて、要援護者の対象範囲でありますとか取組方針、そういったものを明記をした全体計画、そして、一番大事になりますけれども、要援護者の名簿、そしてその個別計画といったものを各市区町村に早急に策定していただくように要請をしております。  数を恐縮でございますけれども申し上げますと、昨年の三月末日時点で調査した結果では、要援護者名簿を整備中と回答した市区町村の割合、これは全国で八八・七%となっております。震災直後の本年四月現在では、これ三県は調査できませんでしたが、この四月現在では、要援護者名簿につきまして、全体の名簿を整備し更新中又は整備途中と回答した市区町村の割合が九四・一%に上っております。整備済みと回答した市区町村のうち九一・四%の団体が、御指摘がございましたが、災害時におきまして民生委員とか自主防災組織等に名簿を提供すると、そして情報を共有したいと、こういうふうに言っております。  私ども、今後ともこういった対策、積極的に推進してまいりたいと考えております。
  48. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。  ところで、福島第一原子力発電所の事故を受けまして、全く住み慣れたふるさと、住宅を離れて暮らしている皆さんがいる、甲状腺の被曝を受けた子供たちがいる、そして稲わらの汚染、あるいは畜産業にかかわる皆さんたちが日々放射能汚染と闘っている、そのほか本当に限りがないほどこの問題についてたくさんのたくさんの問題がございます。そして、廃棄物の処理などを考えますと、危険だけではなくて大変高額な、高過ぎる原発というようなことについても語られるようになっております。  安全な社会を構築していくためには、何といっても脱原発社会を早急につくっていくべきだというふうに、実現すべきだというふうに考えておりますが、総理、原発依存を抜け出すためには省エネルギーを推進して再生可能エネルギーを促進させるということが重要だというふうに思いますけれども、この原発に代わるこれらのエネルギーに関しまして、実は本当に煩雑な手続があって、そして被災地人たちなんかはとても挑戦するということについては大変だろうなというふうな思いもございますので、是非、まずエネルギーの拡大について、総理のお考えについて御決意を伺いたいというふうに思います。
  49. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、原子力発電については、中長期的に原発への依存度を可能な限り引き下げていくというのが基本的な方向性だというふうに考えております。その際に、岡崎さんが御指摘のとおり、省エネ社会を実現をするための取組一つあると。もう一つは、例えば今後創設する固定買取り価格制度の活用などを含めて、再生可能エネルギーの開発普及を一段と強力に推進をしていく、それのボトルネックになるような規制等についてはやっぱりしっかり見直しをしていくということになるだろうという、まあなるだろうじゃなくて、そうしなければいけないというふうに思っています。  こうしたいろんな考え方を織り交ぜて、国民が安心できる不安のないエネルギーのベストミックスを来年の夏までに基本計画として取りまとめていきたいと思いますので、是非またその際にはお知恵をお貸しいただきたいというふうに思います。
  50. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 できるだけ早く促進していただきたいという願いでございます。  このエネルギーに関しまして、日本全国には河川、用水路がたくさんあるわけでございまして、その流れを使って発電をしていけばエネルギーの地産地消、あるいは限界集落でも一戸でもこれに取り組んで自産自消という農家の方もいらっしゃいまして、ああ、本当にいろいろな取組ができていくんだなというふうに思いました。  そこで、安定した電源として使われる再生可能エネルギーとして小水力発電、注目をしておりますので、これに挑戦をする場合、比較的コストが高いということがございます。小水力発電につきましては、買取り価格の上乗せと買取り期間の延長、これを是非お願いしたいと思います。殊に被災三県ではお願いをしたいというふうに思いますけれども、経産大臣、いかがでしょうか。
  51. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 固定価格買取り制度における買取り価格や期間については、これは法律に基づいて新たに設けられる調達価格等算定委員会の意見を尊重して決定をするということになっておりますので、まずはこの委員会を早期に立ち上げて御議論をいただきたいというふうに思っております。  ただ、御指摘のとおり、新エネルギーの中でも小水力発電というのは、地産地消、地域の振興にもつながっていく、あるいは安定的であると、様々な利点があるというふうに思っておりまして、三次補正において再生可能エネルギーの被災地における設備導入支援のための予算措置を検討しておりますが、こうした措置等を組み合わせることによって、小水力発電の導入に向けた、あるいは普及に向けた努力を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  52. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ちょっと飛びます、済みません。  お願いとして、手続が煩雑であるということと、被災地は、経産省に行って国土交通省に行って農林水産省に行くというようなことを、是非、手続のワンストップ化、平野大臣にお願いしたいということと、経産大臣にも全国的にもそうした手続の簡素化、規制の合理化を進めていただきたいと思います。  そこで、農林水産大臣につきましては、今こそ農村力発電ということで小水力も既に応援をしてくださっておりますけれども、この小水力発電について認識と御決意をお願いしたいと思います。
  53. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 再生可能エネルギーに対する関心は日々高まっておるわけでありまして、そういう中で、農林水産省といたしましても、農山漁村には未利用の再生可能エネルギーにつながる豊富な資源があるわけでありますので、活用していきたいと、こういう考え方であります。  そういう中で、今先生から御指摘のいわゆる小水力につきましては、この施設等々というふうなものを利用したことをこれからも進めていかなきゃならないわけでありますけれども、いわゆる電気事業法あるいは河川法に基づく手続が必要だと。このようなことから、導入可能性の調査や、あるいは発電施設の設計、それから行政手続に必要とする資料の作成等を支援する事業というふうなことで、平成二十四年度予算におきましても要求をさせていただいているところでございまして、これからも農林水産省といたしましては、当然、各種手続の更なる円滑化というふうなものを意識しながら、農林水産業の振興と再生可能エネルギーの一体的な取組をしてまいりたいと思っております。
  54. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。  最後に、特区制度についてもこれから取り組んでいくことになるわけですけれども、そのことについては大変期待をしております風力発電、しかし健康被害ですとか環境の影響ですとかいろいろなことを言われております。こうしたものを現実に行っていくときには環境アセスというものをしっかりと踏まえていただきたい、踏まえられるべきだというふうに思っておりますので、この環境アセスの必要性について、環境大臣に最後、お伺いしたいと思います。
  55. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 岡崎委員指摘のとおり、再生可能エネルギーの中でも風力発電というのは非常に可能性が高いわけですが、その一方で、例えば騒音問題、さらにはバードストライクという、鳥がそこで死んでしまうとか、そういう問題が指摘をされておりますので、環境影響評価は必要だというふうに考えております。  既に、昨年二月に中央環境審議会の方において環境アセスの対象とすべしという提案も出ておりまして、できるだけ早くしっかりとしたアセスの手続をできるようにしたいと思っております。これを余り長期間掛かるものにしてしまうと、逆に再生可能エネルギーが広がらないということにもなりかねませんので、そこはしっかりとしたものをできるだけ早くつくりたいと考えております。
  56. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございました。終わります。
  57. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 岡崎トミ子さんの関連質疑を許します。米長晴信君。
  58. 米長晴信

    ○米長晴信君 民主党の米長晴信です。よく野田総理に似ていると言われます。  復興に向けては莫大な予算が今後必要とされると、そんな予算を野田総理はできるだけ後世に残したくないという決意をお述べになりました。そんな中で、公務員宿舎の問題というのが昨今報道もされていますし、委員会の中でも取り上げられております。過日、総理自身が朝霞住宅を御視察されて、一時凍結するという英断をされましたけれども、そのときの経緯等についてお話しいただければと思います。
  59. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 大変よく似ている方からの御質問をいただきまして恐縮でございますが、ちょっと私の方が今すり減ってきているというふうに思います。  その上で、朝霞の公務員住宅、公務員宿舎についてのお尋ねでございますけれども、昨年の十二月に公務員宿舎全体方針の中で、朝霞については独身及び中堅、若手向けの宿舎という位置付けの中で事業再開の判断をさせていただきましたけれども、三月十一日に発災した東日本大震災、これによってやっぱり政策順位を変えていかなければいけないという、そういう判断が今回の根底にあります。  今回、復旧復興に向けて様々な事業を行う際に、いろいろと今予算の積み上げの議論をしていますが、それを支える財源として臨時的な税制措置もお願いを国民にするという中で、今回、特にこの国会を通じまして、あるいは先般の臨時国会を通じまして野党の皆さんからも、こういう批判の強い事業については見直しをした方がいいんではないかという、そういう御提起もたくさんございました。  そういうことを踏まえて、国民感情、特に被災地皆さんの感情を考えますと、これは再考すべきかどうかということで現地に行って判断をさせていただいたんですが、九月から着工が始まってはおりましたけれども、建物本体の工事は始まっていないという、そういう状況なんかも勘案をしまして、五年間、少なくとも五年間、というのはこれは復興の集中期間であります、この間については事業を凍結すべきであるというふうに政治判断をし、そうした判断の下に財務大臣に指示をさせていただいたというのが経緯でございます。
  60. 米長晴信

    ○米長晴信君 ありがとうございます。  五年間凍結ということですけれども、凍結ということは氷が解けたらまた同じ中身で再開するのかという問題がありますけれども、その辺は財務大臣、いかがですか。
  61. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 五年の後どうなるのかということについては、中止を含めて様々なことを勘案しながら最終的には決めたいと思います。  ちょっといい機会ですから公務員の宿舎の全体のことを少しお話ししますが、二十一万強の宿舎というのが全国にあるんです。しかし、そのうちの十五万戸というのは実は自衛官の皆さんや、それから海上保安庁、国税局、そして法務省の刑務官なんですね。こういう方々で七割を占めているんです。ですから、私は、国民の皆さん是非そこは分かっていただいて、そして老朽化がやっぱり進んでいて、築四十年以上を迎える宿舎だけでもう五年後には六万軒を超すんですね。そういうことがあって、そういう全体の中でやっぱり冷静に考えていただいて、私はやっぱり自衛官を含めて必要なものは必要だと思います。必要でないものはきちっと整理をしてやるということで、朝霞は総理に御決断をいただきました。  今後、このありようについては、乱暴に全部なくしてしまえというのもありますけれども、ここは今後の在り方について朝霞や方南町を含めて藤田副大臣のところで検討会をつくらせていただいて、早急に結論を出して、必要なものは必要、必要でないものについてはどうするかということを国民の皆さんに分かる過程で議論をして結論を出したいと思っております。
  62. 米長晴信

    ○米長晴信君 その必要なものは必要、不要なものは無駄として排除するということを、事業仕分の後の段階でそういう結論が出たにもかかわらず、朝霞が私は中途半端な形で復活したものですから、だから国民の皆さんの目には無駄に見えてしまうというふうに思うんです。  例えば、でも何が必要で何が必要でないかという議論は、数字だけじゃないんですよ。この一連の政府の方の答弁聞いていますと、例えば一五%削ったからそれで浮いた分で十分賄えるとか、その数字の話をされてもなかなか国民感情的にはぴんとこないと。何が必要で何が必要でないかという本質的な議論を是非政治主導でやっていただきたいと。  そういう意味では、国会議員も、我々も宿舎に住まわせていただいております。地方出身の議員、特にですね、地元から出てきて野宿するわけにはいきませんから、やっぱり公務を執行するためにこちらで宿舎が必要となっております。ただし、私は、単身用の本当に質素な、もう寝泊まりできればいいというような広さのものがあれば十分であるというふうに考えております。そういう意味では、参議院はどちらかというと質素なんですけれども、衆議院の方は赤坂宿舎という豪邸みたいなものが建って、いっとき批判の集中となりました。その流れで公務員宿舎、やっぱり無駄だという話になっているんですけれども。  ちょっとパネルを提示させていただきますけれども、(資料提示)その事業仕分の後に単身用を中心に見直すというふうに言ったにもかかわらず、戸数でいいますと、これは朝霞住宅の間取りの戸数なんですけれども、独身用が三百、単身用が二百、世帯用が三百五十と、数は三百五十と少ないんですけれども、当然のことながら面積で考えると世帯用が面積を大きく占めると。  さっき申し上げましたように、国会議員は地元から東京に出てきて、そこで住まいが必要という本質的な部分がありますけれども、公務員の皆さんはどちらかというと逆の部分がありまして、東京で就職をしたにもかかわらず仕事の関係で国内あるいは海外に余儀なく異動すると。しかも、その異動が急にやってくる、もう家を探す暇もないと。そういうときに単身用の宿舎があるということは、私はその部分は必要であるというふうに思っておりますが、家族の拠点が例えば東京にあって、それで単身で行くには、私はこういった宿舎を充実させて、できるだけ一生懸命働いていただいた方がいいと思うんですけれども、家族ごと拠点を宿舎に求めるならば、例えば家族用の家賃の部分はやっぱり民間と同じぐらいのベースにするですとか、今公務員宿舎は大体民間の半額と言われておりますけれども、じゃ家族用で世帯ごと移動させるような場合の負担についてとか、そういう本質的な、何が必要か、あるいは何を負担していただくかと、そういう議論を是非、藤田副大臣には今後検討会の中でしていただきたいと思うんですけれども、決意をお願いいたします。
  63. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 米長委員にお答えをいたします。  先ほど来、総理の御決断、そして安住大臣の方から具体的に、千代田区、中央区、港区は危機管理用以外はできるだけ廃止をするというような方針、それから幹部用の宿舎は造らないと、そういった御指示の下で、新たにこの削減のための検討会を私が座長で始めるようにという御指示をいただいてスタートをするところでございます。まさに米長委員が今御指摘されましたように、数字ではなくて国民感情、特に被災地皆さんの考え方を生かすというのが非常に重要だろうと思っております。  それからもう一つは、刷新会議あるいは去年の委員会でできたことは三月十一日前のことでございます。やはり、三月十一日以降は国民の皆さんの見方も変わっておりますし、逆に言いますと、今大臣が申し上げましたような、現場で働く警察官やあるいは自衛隊の皆さんの貢献ぶりは国民の皆さんによく分かっておるわけですから、そういった中で必要なもの、必要でないもの、本質的な議論をして、そして国民の皆さんに分かるような結論を十一月末まで出すようにしてまいりたいと思いますので、議員の皆さんからも是非お知恵をいただきたいと思います。
  64. 米長晴信

    ○米長晴信君 ありがとうございます。  財務省の関係質問はこれで終わりですので、委員長の許可があれば御退席いただいて結構でございます。
  65. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) どうぞ御退席ください。
  66. 米長晴信

    ○米長晴信君 続きまして、原子力発電所の問題について取り上げていきたいと思います。  急な通告で、今朝通告させていただいて、非常に、中川文科大臣、申し訳ないんですけれども、今日、昨日から今日にかけての報道で、文科省所管の放射線審議会というところが、今国際基準でもあり、年間被曝の限度量一ミリシーベルトというものについて、これを、その上限を上げるなんということが検討されているというような報道がされておりますけれども、これについて事実関係をお願いします。
  67. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 御指摘のような報道がされているようでありますが、この放射線審議会が平常時の一般公衆の線量限度の年間一ミリシーベルトを達成することは当面困難と判断したというふうな報道なんですけれども、こういう内容については、審議会としては判断をした事実はございません。  それで、今何を審議会で議論をしようとしているかということなんですが、これから先、食品関係の安全基準の放射線防護のいわゆる技術的基準というのがそちらの方で提案をされて、それでこの放射線審議会基本部会に諮問されてきます。そのことを前提にして今この基本部会では、国際放射線防護委員会、これはICRPですが、ここで枠組みをつくっているわけですが、いわゆる前提条件を類型化してつくっているんですけれども、そのICRPの類型化の中のこの現存被曝状況というのは、もっと言えば計画被曝状況、緊急時の被曝状況、それから現存被曝状況、平常時とそれから事が起こった最中の話とそれからいわゆる復興期に入っていくフェーズと、この三つあるんですが、この復興期に入っていくフェーズ、現存被曝状況において考えるべきか、それとももっと別な議論をしていくべきかというその枠組みを議論を始めているということでありまして、また結論をそこで出していくということについては時間が掛かりますし、中身について慎重に議論が進んでいくというふうに思っております。
  68. 米長晴信

    ○米長晴信君 今大臣が答弁されたのは、報道の中で一ミリシーベルトだと対処が困難だという報道がありまして、そこについては否定をされたんですけれども、上限を一ミリシーベルトを前提にそういった食品の暫定基準をきちんと、暫定じゃない基準を作るとか、一ミリが前提でそういったほかの食品等に関する基準を決めるという話なのか、一ミリを、これに一から二十という数値がありますけれども、この間でどこか定めるということも検討しているのか、そこは答弁いただきたいと思います。
  69. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) そのことも含めて、そのことも含めて今枠組みを、どれにするかということじゃなくて、どの枠組みの中でやっていくのかということ、そしてまた、その枠組みを使うのか使わないのかということについて議論を始めているということであります。だから、一ミリについて上げるのか下げるのかというような話も、断定的な話じゃなくて、そういうことも含めて議論が始まったというところであります。
  70. 米長晴信

    ○米長晴信君 これ、ICRP、国際放射線防護委員会におきましては一ミリと、年間の限度被曝量一ミリシーベルトということが定められていますけれども、じゃ、それを飛び越えて、我が国では一よりも上の安全基準というものがあり得ると、そういうことですか。
  71. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 私、放射性物質の汚染対策室という、内閣官房の方につくっております全体のことを見る担当大臣もやっておりますので、お答えを申し上げます。  先ほど中川大臣の方からありました現存被曝状況、事故が起こった後の対象時期というか移行期の状況というのは、これはまさにICRPのこの基準の中に入っておる言葉なんです。ですから、国際的に見てもこの現存被曝状況に我が国があるというのは恐らく余り疑いのないところだというふうに思われます。  今放射線審議会の方で様々御議論をいただいているのは、そういう状況の中で現状をどうするのか、将来的にどういう方向に持っていくのか、そういったことを幅広に御議論いただくのが放射線審議会の役割でございますので、その議論が始まったところだというふうに承知をしております。
  72. 米長晴信

    ○米長晴信君 だから、その議論の中身が、前提が、一ミリシーベルトというものに対して食品だとか学校の校庭の線量だとかそういうものをじゃ決めていきましょうという話なのか、一ミリというベースの国際的な基準、これ自体をやっぱりもうちょっと上に設定するということも含まれていると、そういう答弁でよろしいんですか。
  73. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 細野豪志国務大臣。──代わりますか。中川正春文科大臣
  74. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 直接的には私の方の担当になっていくものですからお話をしたいと思いますが、いずれにしても、さっき申し上げたそのICRPの三つの類型の中で、この計画被曝状況、いわゆる平常時の状況の中では年間一ミリシーベルトということ、これが決められているということですね。それと違う類型で緊急時の被曝状況とそれからもう一つは現存被曝状況というのがあって、緊急時の被曝状況というのはそもそも事故が起こったときの被曝状況、これが二十から百ミリシーベルトということになっていて、もう一つ、現存被曝状況の中では年間一ミリから二十ミリシーベルトということですね。  今回適用するとすれば、この現存被曝状況、年間一ミリから二十ミリシーベルトの中で議論をするというのがこのICRPが勧告している話なんですが、それを取り入れるか入れないかということも含めて、そういう枠組みでやるのかやらないかということも含めてこの審議会の中で議論が始まっているということです。
  75. 米長晴信

    ○米長晴信君 当委員会東日本大震災から復興するということを議論する委員会でありまして、国際的な機関が年間の平常時の被曝線量の限度としているのが一ミリシーベルトですから、それ以下の範囲内でこれから日本国民、生活していきましょうというところを追求しないと、これ復興とは言えないんじゃないですか。  もう一度、一ミリシーベルト、これ譲れない線だと思うんですけれども、もう一度お願いします。
  76. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) もちろん目標はこの平常時の一ミリシーベルトということになるんです、それは。しかし、その過程の中で、現状の中のさっきの類型がありますから、その類型を当てはめていくのか、それともそれとは違う形で枠組みをつくっていくのかということについて、部会で今議論が始まっているということで、まだ結論を得ているというわけではありません。大いにそういうことを政治のサイドからも議員のサイドからも議論を高めていただきたいというふうに思っています。
  77. 米長晴信

    ○米長晴信君 ここで個人的に、中川大臣、今日急に振った質問でもありますから、今度総理に。  総理、今のお話聞いて、一ミリシーベルト、これ国際基準、これに向かってあくまでも全ての基準を設定するという方針であるべきだと私は思うんですけれども、総理としていかがお考えでしょうか。
  78. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 一ミリシーベルトという目標の下にこれまでの対策ずっと組んできたというふうに承知をしています。
  79. 米長晴信

    ○米長晴信君 今の答弁ですと、総理は、一ミリということで、それを基準に進めているということですから、万が一その文科省の管轄の審議会がそれ以上のことも検討するということがあれば、是非大臣として歯止めを掛けていただきたい。いかがでしょうか。
  80. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 何回も申し上げますが、一ミリシーベルト以下に状況をつくり上げていくと、これはもう私たちの揺るがざる目標であります。それに至る過程でどういう設定をしていくかということを専門家の間で議論をしてもらうということでありますから、この一ミリシーベルトがその中で崩れるということではないというふうに私も理解をしています。
  81. 米長晴信

    ○米長晴信君 取りあえず一定の、一ミリを超えることはないと、崩れることはないという答弁いただきましたので、あくまでも政府は、一ミリを基準としたらこの分野はじゃ何ベクレルが相当なんだということを是非審議会の方で審議していただいて、審議会が一ミリ以上のものを設定するなんということがくれぐれもないようにお願いをして、次に参ります。  続きまして、放射線の量というのが、数字が、いろいろ発生当初、当時の枝野官房長官が毎日のように原発の情報を発信していろいろ出てきましたけれども、これまでの大気中に放出された放射線の量の総量といいますかグロスの数、これは何ベクレルなんでしょうか。
  82. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 放出された放射性物質なんですけれども、主に当初四日間そこで放出をされておりまして、その中で換算をしている数字を申し上げます。  これは核種ごとに数字が違いますので、それぞれ出しておりますと大変多くの数字になりますので、人体に非常に大きな影響を及ぼすことが考えられる二つの核種について御説明申し上げたいと思います。  まず沃素の131でございますが、これは甲状腺被曝などで非常に心配をされる物質なわけですが、こちらが約十六万テラベクレルであります。一方で、セシウム137、こちらは逆に半減期が非常に長うございまして、今それぞれの地域で非常に心配をされている物質でございますが、こちらの放出量が約一・五万テラベクレルでございます。これらを沃素換算で合計をした総量というのも出しておりまして、こちらが約七十七万テラベクレルとなっております。
  83. 米長晴信

    ○米長晴信君 委員の皆様のお手元の資料二というのがまさにそれに当たりまして、数字の右下の部分が今御答弁いただいたところなんですけれども。  これ、ちょっとぴんとこないんですけれども、七十七万テラベクレルというと、これは兆の七十七万倍ということですか、日本語の億、千、万、十万というのに換算をしますと。
  84. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) どうします。──後ほど換算して報告します。
  85. 米長晴信

    ○米長晴信君 済みません、大丈夫です。  私が何か計算したら、兆の七十七万倍かそれぐらいだと思うんですけれども、とにかく莫大な量の放射線が出ていまして、これ、でも出典はIAEAの閣僚会議に日本国が提出した資料、この中の一部でありまして、これが皆さんのお手元の資料三にその基となるような数字が出ていまして、事故発生当初これだけのものが出ていると。その一部が沃素とセシウムの量を今御答弁いただいたと思うんですけど、これ、この表にPuと書いてあるんですけど、これ、プルトニウムも出ているということですか。
  86. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) こちらの表はそれぞれの核種ごとの放出量でございますので、プルトニウムについてもこれだけの数字が出ていると、中にあるものが出ている推計をしておるということでございます。
  87. 米長晴信

    ○米長晴信君 これ、IAEAには報告で提出されましたけれども、国内では、例えばこのプルトニウムがこれだけ出ているとか、そういった記者発表というのはもうされましたか。
  88. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) IAEAには二度報告をしておりまして、二度とも私が取りまとめをしております。こちらで出しておる資料は、基本的にまず国内で公表して国際社会に説明するということをやっておりますので、これももちろん国内でも公表した数字であります。
  89. 米長晴信

    ○米長晴信君 この量のプルトニウムがどれだけ危険かというのは私、今すぐには分からないものですから、ただ、やっぱりプルトニウムが出ているということを知るとやっぱりどきっとするわけで、なかなか、でもそれは一般国民、プルトニウムが出ていたんだと一部報道では見ているものの、はっきりとは政府のメッセージとして表に余り出ていないと。こういうことをきっちりどんどん情報を出していただいて、かつ、それが安全なのか危険なのかという情報をしっかり発信していただきたいと。  午前中の残りの時間でもう一つ。  それでは、今の議論は事故発生当初の量というのがこの表であって、そのまとめですけれども、今なお冷却作業中の一号機から三号機、ここから放射性物質が漏れていると、大気中に出ていると思うんですけれども、それはどのぐらいの量でしょうか。
  90. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 現状においては、東京電力の福島第一原発は、三月の当初、さらには四月、五月と比較をしても随分と落ち着いた状況になっておりまして、放出をされている放射性物質というのは極めて限定されていると考えております。  かなり計測が進みまして、それぞれの一号機、二号機、三号機からどれぐらい出ているのかという計測もした中で、今私どもが数字として皆さんにお示しをしておりますのは、仮に三月に出ているものがなかったと仮定をして、これが限界的にこれから一年間で続いた場合に、これから今の状態が一年間続いた場合にどれぐらいの放射線量かということについて測ったところ、〇・四ミリシーベルト・パー・年、敷地境界でですね、それぐらいの放射線量が今出ているという数字になっております。〇・四といってもなかなかお分かりいただけないと思いますので、通常の原子力発電所において法定の上限とされているのが一ミリシーベルトでございますので、それを下回るところまでは何とか来たということであります。  ただ、三月に出たものがありますので、それが地表に付いていて、それが被曝のもとになっているという面で、現状でそういう状況が客観的に達成されているということではなくて、これから一年間現状が続いた場合にという仮定の下に基づいた数字が〇・四ミリシーベルトと、そういう状況でございます。
  91. 米長晴信

    ○米長晴信君 今積算の放射線量のミリシーベルトという単位で御答弁いただきましたけれども、資料の四に、これはまさにいわゆる工程表の進捗状況のポイントというまとめがありまして、赤線、右の方に引いてあります。これ、同じことをベクレルで、もう文字になっているわけですけれども、放射線量、まあいろいろこれ推測というか計算上の問題もありまして正確じゃないという前提はあろうかと思いますけれども、一号機から三号機で最大毎時二億ベクレルと。今の〇・四ミリシーベルト換算はベクレルでいうと二億、毎一時間一時間二億ずつ出ていると、こういうことでよろしいんでしょうか。
  92. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) はい、ここで書いておりますこの工程表に基づいて計算をしておりますのが、この二億ベクレル毎時が一年間出て、敷地境界ということで測ると〇・四ミリシーベルト・パー・年になるということでございます。
  93. 米長晴信

    ○米長晴信君 もう一回確認で。二億ベクレル出ているのは、この一、二、三号機から二億出ているのは一時間ごとの、毎時と書いてありますけれども、これ確認でよろしいでしょうか。
  94. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) はい、毎時間当たりということです。
  95. 米長晴信

    ○米長晴信君 厚生労働大臣に、あっ、大臣はいらっしゃらない、政府参考人の方に伺いますけれども、例えば食品の暫定基準というのがあると思いますけれども、放射線量の、これを超えたら出荷停止というような量があると思いますけど、それ、御答弁いただけますでしょうか。
  96. 三浦公嗣

    政府参考人(三浦公嗣君) お尋ねいただきました食品中の放射性物質に関する暫定規制値でございますが、この値につきましては、今回の原発事故を受けまして、原子力安全委員会が定めておりました指標を食品衛生法上の暫定規制値としたものでございます。  この原子力安全委員会の指標でございますが、先ほど来出ておりますICRPの勧告を基に、原子力安全委員会が一年間に許容できる線量、それと日本の食品の摂取量を考慮して定めたということになっております。
  97. 米長晴信

    ○米長晴信君 お手元の資料五、これが現段階で食品の取扱いということで暫定規制値ですけれども、例えばよく言われる野菜ですね、これは一キロ当たり五百、五百ベクレルで一キロ当たり、それで規制されるわけですよ、出荷停止になると。五百で出荷停止になるものが、毎時あの三施設から二億出ていて、それは薄くなるかもしれない、それは人体への影響と、直接的な影響ということであれば、それは大臣のおっしゃったように、それは〇・四、一を下回っていると、安全だともしかしたら言えるかもしれない。  しかし、例えばこういった食品に散布されたり、あるいは、今瓦れき処理の問題では瓦れき自体に放射線がある、それの灰がキロ当たりやっぱり八千を超えたらもう焼却炉自体が使えないとか、そういう数百とか八千とか、そういう単位のものが今ちまたでは人体への影響以外に問題になっているところに、二億ずつ出ているのにこれ大丈夫ですよというような印象を持つような私は答弁は、これはミスリードするんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。
  98. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) できるだけ正確にお伝えをする必要があるというふうに思いますので、米長委員のアドバイスをできるだけ受け止めた上で御説明を申し上げたいと思います。  まず廃棄物ですが、八千から十万のものについてももちろん焼却はできますし、しっかりと安全な方法を私どもからお示しをしておりますので、そのやり方をやっていただければこれはしっかりと安全が確保できて処理ができると考えております。  それと、二億ベクレルの話なんですけれども、今私どもが分析をしておりますのは、この発電所の中が常に二億ベクレル出しているということではなくて、それぞれの一号機から三号機の場合には爆発的事象、二号機の爆発がどういったものであったのか今様々な論争があるんですが、特に一号機、三号機は上が飛ぶ形での水素爆発をしておりますので、それでそれぞれの原子炉のその発電所の中に相当の汚れた状態にあるわけですね。それが空中にある程度出てくることによって流れている部分もあります。ですから、厳密に原子炉からどれぐらい出ているのかというのは、これはかなり限定されてきているのではないかと、温度が下がっていることからしてもですね、そういうふうに見ております。  ですから、そういう総合的な、これまでの三月以降のものも受けて、現状においても確かに二億ベクレル出ているということは間違いありませんけれども、それはもう随分と落ち着いてきた中での結果なんだということを是非御理解をいただきたいというふうに思います。  それと、敷地境界で一ミリシーベルトの被曝にとどめるというのは、これはまさに平時の基準です。平時の基準を約六割下回るところまで来たというのは、これは当初の状況を想定をすれば現場の大変な努力があっての結果だと思いますので、そこは是非皆さんに前向きに受け止めていただきたいというふうに考えております。
  99. 米長晴信

    ○米長晴信君 午後もう少しこの問題続けまして、午前中はこれぐらいにしたいと思います。
  100. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  101. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、池口修次君が委員辞任され、その補欠として今野東君が選任されました。     ─────────────
  102. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 休憩前に引き続き、東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、東日本大震災後の復旧復興進捗状況と今後の課題に関する件について質疑を行います。  岡崎トミ子さんの関連質疑を許します。米長晴信君。
  103. 米長晴信

    ○米長晴信君 午前中に引き続き、冒頭は原発の関係質問させていただきます。  午前中の質問の中では、例えば最初の爆発時にどれぐらいの総量の放射性物質が出たのかというような質問、七十七万テラベクレルが出たと。テラというのは、普通、国の国家予算が兆ですから、それよりもずっと上の単位だということで、日本語に直すと何だろうというような話が出ましたし、今なお最大で原発第一号機から第三号機まで二億ベクレル・パー・アワー、一時間に二億ベクレル出ている可能性もあるというような答弁をいただきましたけれども、それについてもう一度御答弁をお願いします。
  104. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) まず、七十七万テラベクレルの方でございましたけれども、午前中、済みません、大変失礼いたしました。テラというのは十の十二乗という、結構ちょっとこの間で使い慣れてしまって、十二乗というのが何に当たるのかというのがすぐ出てこなかったものですから、大変失礼いたしました。  テラというのは兆になります。したがって、七十七万テラベクレルですので、兆の一万倍ということだと京ですね。ですから、七十七京ベクレルという、言い換えるとそういう数字になります。大変失礼いたしました。  それと、二億ベクレル・パー・時の考え方なんですけれども、この単位と、先ほど米長委員の方で五百ベクレルと比較をしてというお話がございましたが、これはかなり実は単位が異なりますので、そこは是非、余り混同せずにお使いをいただけると有り難いと思っております。  つまり、原発の方の値というのは一時間当たり二億ベクレルと。ということは、二十四時間でいうと四十八億ベクレル・パー・日になるわけですけれども、そういう数字なわけですけれども、一方で、五百ベクレルの方はキログラム当たりですので、食べ物は。そのキログラム当たりどれぐらい含まれているかという量ですので、これは随分単位が違いまして、キログラム当たりというのは相当のこれは濃度でないとそういう数字は出ませんので、そこは是非分けて考えていただきたいというふうに思っております。  つまり、原子力発電所の炉から出ているものは極めて限定をされているわけですけれども、建屋全体には相当の汚染が広がっていて、そこも含めてそういう数字になっているということでございますので、それそのものが、食べ物にそれこそ直接何か影響を及ぼしているという状況ではもうなくなっているということを是非御理解をいただきたいというふうに思っております。
  105. 米長晴信

    ○米長晴信君 今出ている量がパー・アワーで二億というのと、食品の安全基準の五百だとか二千だとかそういうものと、もちろん単位と基準が違うというのも分かりますけれども、でも、これ量の話していますから、ベクレルって量の話ですから。  その二億出るものがそのまま固まりで特定の農作物に行くということはないと、大体薄くなると。薄けりゃ良くて濃いと危ないという話なのかもしれないんですけれども、それは、理論上、あるまとまった二億のうちの固まりが特定のところに付着するという可能性ゼロじゃないと思うんですけれども、その辺いかがですか。
  106. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) そこは、量か濃度かというところは是非ちょっと分けて考えていただきたいんですね。  といいますのは、例えば、ちょっと余り例は良くないかもしれません、あえて分かりやすくするために車のことで申し上げたいと思います。  車も、例えばNOx、SOxと言われるような一定の発がん性のある物質を含みますし、大変少量ではございますけれども、不完全燃焼を一部でもすればベンゼンが出たり一酸化炭素が出たりするわけですね。ただ、これは濃度ではっきり規制をされていますから、ある一定以上のそれこそ排気をするような車は走らないということになっているので、そういう薄い量であればまあ大丈夫だということでよしとされているわけです。  ただ、その車が大変長い距離を走れば量としてはたくさん出ます。更に言うならば、台数でいえば我が国だけで数千万台車がありますから、それを全部足せば、致死量で言えば大変な量に恐らくなると思います。  ただ、これがなぜ問題にならないかといえば、例えば、それぞれの単位当たりでいうならば非常に低い量で抑えられているので、人体には直接影響がないということで低い値に抑えられているので大丈夫ということになっているわけですね。もちろん、車と原発はそれぞれ性質が違いますし、放射能の量がこれだけ出たということ自体は問題ですので、そのことを否定することは全く考えておりませんけれども、濃度と量でいうならば、どちらがよりしっかりと考えていかなければならないものかといえば、それは量ではなくてまさに濃度であって、その基準は我が国の場合にはしっかり設けていると。つまり、敷地境界でいうならば一ミリシーベルトでしっかり決めているし、食べ物についてもそれぞれ濃度についてしっかり規制をしていると、そこは是非御理解をいただきたいと思います。
  107. 米長晴信

    ○米長晴信君 私も、いたずらに不安をあおるような、二億だから危ないという、必ずしもそういう話ではなくて、ただ、これが年の被曝量の換算だから、〇・四ミリシーベルトだから、だから大丈夫だというような肯定的な説明は私はやっぱり違和感を感じるんですよ。  この配付した資料四、これに二億ベクレルと、これ換算すると〇・四ミリシーベルト・パー・年と、ここでも〇・四という数字、確かに御提示いただいていますけれども、私は、この赤線で書いた直後の「事故時に比べ約四百万分の一」という注釈がありますけれども、こういう表現は、元が七十七京ベクレルと、元がとんでもない量なわけですから、こういうところに括弧書きで四百万分の一だと、すごい抑えられているから大丈夫かのような注釈というのは無意味だと。これは、無意味と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、大分当初に比べたら抑えられているという意味で客観的に書かれたかもしれないんですけれども、これは私、やっぱりある意味ミスリードと、こんな注釈なくてもいいわけですから。当初に比べると大分抑えられていますよと言いつつ、〇・四ミリシーベルトは、被曝する量は出ているわけですから。  そもそもシーベルトという単位、当初ですよ、当初、我々がこの問題に直面したときに最初マイクロだったじゃないですか。マイクロシーベルトの世界でずっと発表されていたものが、いつの間にか今ミリシーベルトというのが何か標準になってしまっていると。これ、やっぱり私は、当初の事故前の感覚から麻痺して、余りに莫大な量が出ている。その中で命懸けで事故に対処している皆さんおられる。二次被害、風評被害、いろんな形で日本全国が今影響を受けている中で、やっぱり安全なんだというような気休めよりも、むしろどれだけ危険性があるのかという部分を適切に発表を今後していただきたいという思いがあってこういう質問を取り上げたんですけれども、改めて、大臣
  108. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 私も米長委員と全く思いは同じでして、できるだけ現状を正確に、そしてできるだけ念のため大きめの数字を常に出すということを心掛けてきたつもりでございまして、そういった意味では、例えば一ミリシーベルト・パー・年という数字があるわけですけれども、〇・四まで下がりました。ただ、〇・四というのも、法律の限度以下にはなっているけれども、通常の原発というのは日本の場合にはもっと低いところで日ごろは運用しているんですね。ですから、もうとにかく下げていくことが大事だという問題意識は持っています。  なぜ何百万分の一という数字を書いたかというと、そこは福島皆さんと話していますと、それを教えてくれというそういうニーズもあるんですね。つまり、三月に出ていたでしょう、その状況から比べてどうなのかと。その状況と同じなんじゃないかという、そういう非常に厳しい見方をされる方もおられて、そことの比較も教えてくれという話が実はあるんですよ。  ですから、平時からの比較はもちろん大事で、そういった意味ではまだまだそれこそ完璧な状況には程遠い状況です、それは認める。しっかり認めた上で、ただ、一番厳しかったときと比べると、ここまで来たんだということもこれはしっかりとお示しをしないと、それこそ福島皆さんが本当にずっと不安を持って生きておられるので、そういった皆さんにもしっかりとお伝えをしなければならないという、そういう事情があったことを是非御理解をいただきたいと思います。
  109. 米長晴信

    ○米長晴信君 答弁の間にパネルを立てさせていただきましたけれども、今、地元の住民皆さんに立入禁止を含む措置、これの地図であります。この紫色の緊急時避難準備区域というのは九月三十日にようやく解除をされたということだと思います。警戒区域というこの赤でくくっている二十キロ、同心円で縛っている部分、これは万一何か起きたときのためにということで恐らく円で区切っていると。この計画的避難区域というのは、黄色の部分ですけれども、これは年間の被曝量が限度量を超えるために一か月以内に出てくださいと。その一か月の部分が計画的というだけで、実際には汚染されているかどうかというのが判断基準で設けられている区域だと思うんです。  つまり、この表現自体が何だか誤解を受けるといいますか、計画的避難区域というのではなくて、汚染地域というような表現でした方がいいんではないのかと。(発言する者あり)ただ、イメージが悪いかどうかという問題ではなくて、これはどういう物差しでこの区域を制限しているかということがもっと言葉で分かりやすくしないと、やっぱり、戻りたいけどいつ戻れるんだというような心配を皆さんされておられますけれども、そういう人たちにしっかりとした情報として、今後どういった形で住民皆さんの移動を政府として判断するのか、この辺の判断を御答弁いただきたいと思います。
  110. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) それぞれ区域ごとにどういう命名をするのかというのはなかなか難しゅうございまして、例えば計画的避難区域の設定のときなどは、飯舘村の皆さんなんかとは随分といろんな協議をして、時間を掛けてでもいいので安全のために二十ミリを年間で超えるところについては避難をしていただきたいということで、まさに計画的に、地域皆さんは大変もう本当にお気の毒だったんですけれども、御協力をいただいて計画的にやらせていただいたということで、こういう名前を付けさせていただきました。  ただ、この区域の、計画的避難区域がどういうふうに設定をされているかというのは明確な理由がございまして、年間の被曝線量が二十ミリを超えてくる可能性があるというところについては、やはり生活をしていただくにはこれはしばらくはそぐわないだろうということで、こういう区域で設定をさせていただいております。  ですから、名前でそうやって単に付けるだけではなくて、中身をしっかりと皆さんに御説明をすることは、これはもうしっかりやっていかなければならないというふうに考えております。
  111. 米長晴信

    ○米長晴信君 まさに同じことを答弁されましたけれども、要するに計画的に、二十ミリを超えた部分については理路整然とできるだけパニックのないように出ていただくという、その移動の時期とか方法とか手段とか、そういう部分が計画的というこの文字で表されているわけで、ただ、その中身を見てみると、やはり年間二十ミリシーベルトを超える地域というのがその前提ですから、計画的というのはその表現になっていないわけですから、そういう、今後、もう警戒区域、これステップツーが終わったらこの警戒区域どうするのかとか、今後は、形だけの、移動したときの状況で計画的という単語が付いていますけれども、しっかりと、まずは徐々に帰ってきていただける人、あるいはまだちょっと待っていただく方、そういう人が分かりやすいように、しっかりと基準とかあるいはその線引きをしっかりとしていただきたいんですけれども、最後にもう一回お願いします。
  112. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) ステップツーが終了した時点、これは何としても年内にと思っておりますが、それが達成をした時点から、警戒区域についてもどう考えるのか、さらには計画的避難区域について現状はどうなのかということについて再度検討しなければならないというふうに思っております。  そのときにどういった名前にするのが一番分かりやすいのか、どういった説明をするのが一番皆さんに御理解をいただけるのか、変更する場合に、そこは様々地元の皆さんともしっかり協議をしながら慎重な判断をしていきたいと思っております。
  113. 米長晴信

    ○米長晴信君 時間が残り少なくなってまいりましたので、原発の議題はこれぐらいにいたしまして、復興でやっぱり欠かせないのが地元の産業の復興であります。  今、二重ローンの問題というのが非常に深刻な状況で、それに対して政府では産業復興相談センターというものを順次つくって対処に当たっているということです。あした岩手のセンターがオープンするということですけれども、この概要を御説明いただきたいと思います。
  114. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、岩手県では産業復興相談センターが先月設立され、明日から相談業務が開始をされます。こちらでは二重債務問題に関するワンストップの相談窓口となりまして、個人事業者や小規模企業者を含む中小企業はもとより、農林漁業者、医療法人などの幅広い事業者からの相談に対応をしてまいります。  相談の結果、相談センターが岩手県産業復興機構による債権買取りが必要かつ適当であると判断した場合には、債権者の調整なども行いまして、機構の方へ債権買取りの要請等を行うということになっております。こうした業務を行ってまいります。
  115. 米長晴信

    ○米長晴信君 お手元の資料八というところにその概要と発表された紙がありますけれども、そこで赤く線を引いてあるところ、この相談対象事業者、どういう人が相談の対象になるのかというところに関して、メーン金融機関等が新規融資によってその再生を支援することが見込まれるものと。新規の融資を受けたい人が相談に行くのに、それが見込まれるものが対象というのは、ここの説明をちょっとお願いします。
  116. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 最終的に、産業復興機構への債権買取りの要請を行うに際しては、事業者が再生に向けた意欲を持ち、かつメーン金融機関等も新規融資により再生を支援する意向のあるものが対象になるということで、この資料は岩手県が作成したものでございますが、そうした趣旨で書かれているものと思います。  ただ、当然事業者の皆さんはメーンバンクとのお話、交渉を含めてなかなか自力でそういったことができないということでこのセンターがつくられておりますので、最終的にそうした場合には買取りになりますという趣旨でありますので、当然どうなるんだろうかということを含めて幅広く御相談に来ていただきたいと、こういう趣旨であると思っております。
  117. 米長晴信

    ○米長晴信君 あとは細かいことで、例えば最終的に融資を受けれるんだろうかどうかという相談の前に、例えば事業計画を作って、あるいは買取り価格なんというのもチェックしてと、そういうのを持ち込んで相談するということだと思いますけれども、そもそもやっぱり地元の小さな産業の皆さんでそこまでも余力がない、持ち込んだものをチェックしてもらう以前に持ち込むための材料をかき集める、そういうところも手を貸してほしいという人が多いと思うんですけれども、それについてはいかがですか。
  118. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) センターそのものは県の方でやっていただいているわけでありますが、当然この趣旨から鑑みれば、今のような御相談からきちっと乗っていただいて、そして必要な書類、こういったもの要るんですよとか、それのお手伝いを含めてやっていただくことがないと実際の二重ローン問題の解決につながってまいりませんので、当然県の方としてもそういう御意向と準備をされているというふうに思いますが、そこについては国会でも御指摘いただいたということで、よろしくお願いしたいということを確認したいというふうに思います。
  119. 米長晴信

    ○米長晴信君 あとは融資の部分ですけれども、買取りが前提で融資と、その融資の部分がまたこれが銀行がある程度リスクをしょうと思うんですけれども、この部分は保証というのはどうなっていますでしょうか。
  120. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、旧債務の買取りの問題と新規の融資がなければそもそも二重債務にならないわけでございますし、復興につながりません。したがいまして、一次補正予算を活用し、直接、間接に被害を受けた中小企業者を対象として保証限度額を過去最大規模に拡大した東日本大震災復興緊急保証を新設をしたところでございます。この制度は二重債務問題に苦しむ事業者に対しても有効に活用され得るものでございますので、三次補正においても引き続き万全に実施すべく必要な予算を確保してまいりたいというふうに考えております。
  121. 米長晴信

    ○米長晴信君 最後、もう時間が極めて限られたので、農水大臣お呼びしておりますので、最後。  養殖業は、例えばカキとかは三年ぐらい掛かると。その空白の二年とかについての再建、こういった支援策を教えていただければと思います。
  122. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 山梨県出身の米長先生に漁業問題に関心を持っていただいて、ありがとうございます。  いわゆる養殖業は、今委員からの御指摘のとおりに、この再生に向けてはやはり二年、三年掛かるわけでございまして、この間の生活支援等々もやはりしっかりとやっていかなきゃならないと。このようなことから、今日、漁船に対してもうかる漁業支援というふうな事業をやっておるわけでございまして、すなわち、この間、この返済をするというふうなことにおいては、もし赤字ならばこれは国が一部補填しますよと、こういうふうな形で安心して養殖業にもかかわっていただくという、そういう事業方式を養殖業にも取り入れてまいりたいと、こんなことを考えておるところでございます。
  123. 米長晴信

    ○米長晴信君 終わります。
  124. 岩城光英

    ○岩城光英君 復興にかかわる質問に入る前に、一点だけ野田総理の御見解をお示し願います。  今日午前、民主党小沢元代表の初公判が行われました。総理は、小沢氏をめぐる政治と金の問題についてどのような認識をお持ちでしょうか。そして、民主党の代表としてこの問題にどのように対処するお考えなのか、お示しを願います。
  125. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 内閣総理大臣として個別の司法にかかわることについてコメントすることは控えたいと思いますけれども、党所属議員が強制起訴されたということは極めて遺憾であったというふうに思います。  その上で、説明責任をこれから果たすということでありますけれども、今日から公判が始まりましたので、裁判を通じてしっかりと説明責任を果たしていただきたいというふうに考えております。
  126. 岩城光英

    ○岩城光英君 国民の皆様方が納得できるようなお答えではなかったように思いますし、これから我々、前からも求めてまいりましたけれども、国会での説明責任をきっちりと果たしていただくよう強く求めてまいります。  さて、着のみ着のままで避難された多くの方々が今なお不自由な生活を送られています。毎日の生活が大変だ、将来どうしたらいいか分からない、そういった悲痛な声を連日のように私どもお伺いしております。  九月三十日に緊急時避難準備区域が解除になりました。しかしながら、すぐ帰宅できるわけではありません。この問題につきましては後ほど触れさせていただきます。そして、警戒区域はもとより、全国のあらゆるところに避難されている皆様方の思いは、一体いつになったらふるさとに戻れるのか、それを早く明示してほしい、一年なのか、二年なのか、三年なのか、それがはっきりしていただかないと、自分の生活の設計、将来への夢、そういったものが持てない、生活設計も立てられない、そういう思いであります。  総理は、この問題、いつごろどう判断されて、そしてお示しされようとしているのか、伺います。
  127. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 岩城委員におかれましては、福島県選出で、しかも浜通りに拠点を持っておられるということで、地元の皆さんに大変御迷惑をお掛けをしていることに関しては、政府関係者として心よりおわびを申し上げたいというふうに思います。できるだけ早く帰っていただくというのが我々の大きな目標でございまして、そのためにこれまでもやってまいりましたし、これからもやってまいります。  ただ、残念ながら放射線量の非常に高いところがございまして、既に避難の考え方としてお示しをしているところではあるんですけれども、一定の時間が掛かることは、これはもう認めざるを得ないというふうに考えております。  自然減衰、すなわち除染をしないということを前提で申し上げると、五十ミリシーベルトのところが二十ミリになるまでには約五年、百ミリシーベルトのところが二十ミリになるまでには約十年の月日が掛かります。ただ、これを放置をすることはいたしませんので、それを何年ぐらい前倒しをできるのか、これに今挑戦をしておりまして、そういうモデル事業をやる中で、それぞれの放射線量のところに応じて大体これぐらいが目安になるという数字が出てまいりますので、改めてお示しをしなければならないというふうに思っております。
  128. 岩城光英

    ○岩城光英君 私は事前に、総理にこの問題についてはお答えいただくよう通告しておりましたけれども、お答えないのは残念であります。大変大事な問題でありますだけに、非常に残念に思っております。  でも、今お答えありましたように、この帰還に向けたロードマップ、これを早く示してやりませんと、避難されている方々はどうするんですか、一体。毎日毎日お仕事もなくて、ただ生活を送っている、こんな残念なことはありませんよ。国の責任で一刻も早く明確にお示しいただきたいと再度お願いをしておきます。  さて、緊急時避難準備区域、これが解除になりましたけれども、ある町長さんがこうおっしゃっていますね。除染して帰れるようになってから、それから指定解除をすべきだったと、順序が逆じゃないかと。そして、除染のほかにもライフラインとか教育、医療、福祉施設とか道路といったインフラの整備、そして補償の問題、これも大前提であります。補償の問題につきましては、これは後ほど同僚議員から質問がありますが、まず除染の問題ですね。  先ほどもちょっと細野大臣触れられましたけれども、環境省は五ミリシーベルト以上の地域を国の除染対象とするという方針を示されましたけれども、地元の自治体の反対があって、細野大臣は一ミリから五ミリシーベルト、年間ですね、その地域についても国が責任を持って除染に取り組むとお示しされました。そして、その経緯の中で、表記の仕方とかお話の仕方が適切でなかったと昨日衆議院の委員会でおわびをされておりましたけれども、間違いなく大臣がおっしゃったとおりこれから進めますね。
  129. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 政府としての除染の目標は一ミリシーベルト以下にすると、年間、これが目標でございますので、それに向けて国が除染をしてまいります。
  130. 岩城光英

    ○岩城光英君 それから、今回のこの緊急事業ですけれども、市町村が除染計画を策定し、必要な費用を基金から拠出することになっていますが、例えば当初計画に盛り込めなかったものや追加的に必要が生じたもの、そういったものへの対応など、地元が自由に使える予算はこれらに含まれているのかどうか、お伺いいたします。
  131. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 除染の費用は、基金に今計上しておるものは二次補正の予備費でございますけれども、三次補正、さらには来年度の予算、そしてその次の年の予算についてもできるだけ前倒しでということで、一兆円以上の予算をもう既に確保すべく準備を進めております。  そういった中で、当初の除染の計画に入っていなかったけれどもここもこういうやり方でやりたいという御要望があれば、もちろんそれは国として責任を持ってしっかりと財政的な負担をしてまいります。
  132. 岩城光英

    ○岩城光英君 市町村長さんのお話聞きますと、国や県の対応が遅いから、もう自分たちで自主的にこの除染に取り組まなければいけない、そういう決意を持って責任を持ってやっていらっしゃいますね。早め早めに指示、対応していただきたいと思います。  なおかつ、実施事業が多い割には計上した経費が少なく、緊急事業というより全てがテスト事業のように思われても仕方がない部分があります。最優先の課題に対処するために実施事業を絞るか、予算規模を拡大すべきであるか、そういった意見もありますけど、これらについてはどうお思いでしょうか。
  133. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 確かに、当初は、二千二百億円の大きな予算の中でいうと、かなり市町村皆さんにお願いする部分が多くて、国が直接モデル事業でやる部分はこれは限定をされておったというのが実情でございます。ただ、これからは、特に警戒区域などは国が主体として当然やっていかなければなりませんので、国が実施をする事業の予算が多くなってまいります。  したがいまして、支出の面でもより強化をしていかなければなりませんし、予算の規模もしっかり直接やれる事業費の方に充てていかなければなりませんので、岩城委員指摘の方向でしっかりとやってまいりたいというふうに考えております。
  134. 岩城光英

    ○岩城光英君 次の質問こそ総理にお答えいただきたいと思っております。  除染を進めましても、その汚染された土、これを処分する、そういった処分する場所の確保、これが大きな問題となっていますね。本来ならば、最終処分施設の場所、それから建設時期を明示して、それができるまでに中間貯蔵施設、これを整備しなければいけない、あるいは自治体にお願いしなければいけない、これが本来の順序であると思いますけれども、これらの点については全く明確に方針が示されておりませんね。  この問題について、これができなければ除染を進めても結局困ってしまう、また次の段階に行き詰まってしまうということになりますが、この辺につきまして、総理、どうお考えでしょうか。
  135. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 詳細な補足は、じゃ細野大臣にしていただくとして、委員指摘のとおり、これどういう工程でやっていくのかということがとても大事だと思います。除染を進める際にも、じゃ、その仮置場はいつまでの期間設けるのか、中間貯蔵施設、これはきちっと造れるのかどうか。  最終処分場、これは本当に大きな課題だと思うんですけれども、今取り組むことは、大きな課題だというのは認識しつつも、今できる範囲で見通しを付けるとするならば、当面必要な仮置場の確保にまずは注力をするとともに、加えて中間貯蔵施設について今後行うべきことと、これと必要な時間的な目途を検討した上で、今月中にそうしたことを含んだロードマップをまとめていきたいというふうに考えております。
  136. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 御指摘の最終処分場は、国がもちろんしっかりと責任を持ってやっていかなければならないところであると考えております。  ただ、各国これには非常に苦しんでおりまして、我が国も低レベルの廃棄物の最終処理場については青森県の方にお願いしている、極めて低レベルのものですね、状況でございますけれども、これほどの大量の低レベルの廃棄物が出ることは想定をしておりませんので、そういった意味ではこれから本当に真剣に検討していかなければならないという、そういう状況でございます。  したがいまして、今総理がおっしゃったように、まずは仮置場、中間貯蔵施設については、大変申し訳ないんですけれども、福島県内で何とか、是非御理解を賜れないだろうかと。その中で、福島県を最終処分の場所にはしないというのが菅政権のときからの方針でございますので、その方針は私は堅持をすべきだというふうに思っておりまして、その方針の下で、まず十月を目途に、しっかりと御説明できるところから皆さんにお話をさせていただきたいと、御説明をさせていただきたいと、そのように考えております。
  137. 岩城光英

    ○岩城光英君 今のお話は大事な話でありまして、最終処分場は福島県に持っていかない、私の思い、細野大臣の思いだけじゃなくて政府の思いと受け止めさせていただきました。  さて、いわき市のある学校の六年生数多くからメッセージをいただきました。一つだけ読んでみます。  僕たち六年生は、楽しみだった行事がほとんどなくなりました。楽しみだったプール、外での体育、陸上大会、運動会、遠足、いろんなことができなくなりました。地震のときはとても怖かったです。忘れたときなんてありません。ある日、テレビをつけてみると、福島県の花火を愛知県の人々が打ち上げるなと放送しており、とても心に傷が付きました。時々風評被害という言葉を聞くと、何でこんなことをするんだろう、別に自分たちが好きでこんなことをしているわけでもないのにと思ったり、福島県と同じことになったら同じ気持ちになると心でいつもしゃべっていますという内容です。  そして、今朝の新聞を見ますと、この花火の話だけでなくて、大阪で福島の業者が受注した橋桁工事、これが住民の要請を受けて中断してしまっていると。大変悲しい話が続いております。  こんな話も伺いました。福島県の生徒が関西方面に修学旅行に行きました。お土産屋でお店の方から、福島県から来たの、かわいそうだね、気の毒だね、大変だね、頑張ってね、こう言われた。でも、その際、防護服を着て生活しているんでしょうと、こういったニュアンスの話があったということです。極端な話かも分かりませんけれども、被災地の生活実態が国民からどんな理解をされているのか、地元の人間としては非常に心配になっております。  政府には、まず国内外に対する原発事故、これの正しい発信と、放射線の健康への影響、安全基準について責任ある周知徹底、これを早急にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  138. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 私、中学生のときの修学旅行が福島県で、会津に行って白虎隊の演舞なんかを見たことを今も鮮明に覚えているんですが、先般、福島で観光業を営んでいる皆さんとお会いする機会がありました。会津も含めて全体ですが、もうお客さんが激減をしているし、修学旅行も来ないというお話でございました。  私、今まで国際会議に出るたびに、科学的知見に基づいて冷静な対応をと国際社会に呼びかけておりましたけれども、国内できちっと周知徹底することを改めて痛感をしております。  委員指摘のとおり、いわゆる風評被害、全く科学的知見から離れたところでの被害というのは相当多いというふうに思いますので、政府としてその辺はきちっと周知徹底をしなければいけないというふうに思います。万全を期していきたいというふうに思います。
  139. 岩城光英

    ○岩城光英君 このことについても全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。  さて、浜通り、福島県の浜通りですが、北から南まで約百六十キロにわたります。間に警戒区域が今ございますね。したがいまして、道路が寸断されております。六号国道、これは四十キロにわたって通行止めになっております。常磐道は、二十三年度、今年度ですね、富岡から相馬まで開通する予定でありましたけれども、原町から相馬までの開通に終わるわけであります。途中が寸断されているものですから、以前ならいわきから相馬まで二時間ちょっとで行けたものを、もちろん高速道路、途中まで開通していましたから、二時間ちょっとで行けたものを、今迂回して回って三時間ちょっと掛かるんですね。この経済活動に与える影響というのはすごく大きいものがございます。  そこで、この高速道路も富岡―浪江間は七九%の進捗率、浪江―原町間は八四%の進捗率、もう一歩なんですね。何とか工夫することができないのか。あるいは、国道六号線を通行できるような工夫をできないものか。また、それが無理であれば迂回路の整備を行うことなどのお考えを、今、国土交通省としてされているのかどうか、お示し願います。
  140. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) お答えします。  岩城委員におかれましては、この社会インフラの復旧について随分と今までも叱咤激励してくださっておりまして、今御指摘の問題点、我々もまさしく共有をしております。  もう御承知のとおりでございますが、常磐富岡から原町の間ですね、私、ここにも地図持っているわけなんですが、ここを除く区間については既に再開してやっておりますが、どうしても警戒区域ということで、今すぐというわけにはなかなかここはまいりません。  そこで、六号線についても応急復旧工事を進めておりまして、八月三十一日までには通行可能になっております。  さらに、委員指摘のお話は、国道三百九十九号なんかを並行して走る、ああいうものをもっと使いやすく整備して何とか迂回路を確保していくということだと思いまして、こういう利便性の高い迂回ルートについてなるべく早く確保していくように今まさしくそういった策を講じているところでございます。
  141. 岩城光英

    ○岩城光英君 警戒区域が早急に解除になればさほど問題はないわけでありますけれども、万が一この解除が長引く、そうなった場合に備えまして国交省として是非お考えいただきたいのは、今大臣がお話しされました三百九十九号の改良、これを急ピッチで進めるとか、規格の高い道路にするとか、あるいは浜通りから阿武隈山系を横断して中通りに結ぶ規格の高い道路、これの建設を検討するとか、そういった検討に着手していただきたい、こうお願いをいたします。その点についてお考えどうでしょうか。
  142. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 私も、大臣就任以来、特に東北の復興については早くつなぐと、規格のいい完全な高速道路を四車線で完成させるというのも、これはもう大きな目標ではございますが、とにかく早くつないでいく。現道でも現国道なんかで使えるものがあればそういったものも活用しながらつないでいくということを早期に完成させるという考え方で対応をしております。  今委員指摘のお話、多分、相馬インターチェンジから伊達市等につながっていくような、こういった、それではないんですか、もちろん三百九十九号、これであったり、そのほか、そうですね、(発言する者あり)そうですか。とにかく、この辺の迂回路をつなげていくようなことを早急に対応させます。
  143. 岩城光英

    ○岩城光英君 三百九十九号と、それから双葉郡と中通りの中央を結ぶ阿武隈横断道路と、こういった内容のお話でありますので、御検討願います。  復興庁の設置法案の概要が明らかになりました。この復興庁について、野田総理は、九月二十七日の衆議院予算委員会で、現地において復興の後押しをやっていく、こう答えていますけれども、この設置法案の概要ですと、復興庁は東京に置き、また被災三県に出先機関として復興局、沿岸部に支所を置くと、こうされておりますが、野田総理、これはどういう関係でこうなったんでしょうか。
  144. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 先般の、九月二十七日の衆議院の予算委員会で、たしか現地に復興庁、庁と言ったんですね、復興庁を置いて後押しをしっかりやっていくと発言をいたしました。  この趣旨は、現地要望をしっかりお聞きして、ワンストップで行えるように現地にもきちっと機能を持たせるという意味でありまして、正確にはその後、平野大臣がお話をされたとおり、復興庁を東京に置いて局を被災三県に置くと、そういうやり方でございます。
  145. 岩城光英

    ○岩城光英君 それは総理の答弁の認識が違ったということですか、その衆議院の話。  ちょっと統一をしていただかないと、総理の答弁の内容ですと、復興庁を現地に置くというお話の答弁をされていらっしゃいます。
  146. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いろいろな制度設計をするような仕組みを、機能を持つ復興庁、これは今東京に置くのがいいというふうに思っています。  制度設計ができましたときに、あるいは予算ができた場合にそれをいかに執行するか。それは、現地に権限を持たせて被災の市町村連携してやる、これが復興局の役割だというふうに思っておりまして、その復興局は被災県に置くと、そういう発想に立っているということであります。
  147. 岩城光英

    ○岩城光英君 総理と担当大臣認識が違ったことは間違いないことだと思います。私どもはそう受け止めさせていただきます。政府の中で統一した見解を出して、この問題だけじゃなくて、ほかにいっぱいあるんです。この点は気を付けていただきたいと思います。  最後の質問に移ります。原子力災害対策現地本部、これも私は何度も、できるだけ災害現場に近いところにとおっしゃっておりましたけれども、やはりまだ福島市に置いたままですね。これも、今、復興庁の問題と同じなんですよ。やっぱり現場に近いところに責任と権限の持てる、そういった省庁を置くということを、留意していただきたいと思います。  そして最後の質問は、この委員会で以前に申し上げました、復興庁ができる際には原発災害に対応する部局、この創設も当然なされると思いますが、その本部は福島県に置くのが適当だろうという質問を当時の官房長官にいたしましたが、このことにつきましては、平野復興大臣、どうお考えでしょうか。
  148. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興庁が設立されますと、復興基本法には当然のことながら福島原発の対応ということも入っております。恐らく、私の制度設計の中では、復興庁の役割とすれば、基本的には被災者支援、避難者に対する支援、あるいは様々な産業振興、そういったことが基本になると思います。  一方、除染等々についてはこれは細野大臣が主導でやっていくことになると思いまして、それらが相まって、セットになって仕事を進めていくということになると思います。その本部、実際の活動期の拠点、それは基本的には私は福島だというふうに思っております。
  149. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 岩城光英君の関連質疑を許します。佐藤信秋君。
  150. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 自由民主党佐藤信秋でございます。  限られた時間ですので早速質問に入りたいと思いますが、総理、覚えておられますかね。三月の二十二日、予算委員会が開かれました。そのときに、財政が原因になって復旧復興の手が止まっちゃいけない、遅れてはいけない、こういう御答弁をいただきました。  ところが、もう七か月たちます。実際問題としては、現地では、地方の負担の分、これがとても付いていけません。だから思うように動けない、こういう問題あります。これは多分、平野大臣、よくよく御存じだと思います。  そこで、一次補正のとき幾ら地方が負担しなければいけなかったか、これ資料一で出さしていただいています。(資料提示)総額三兆円の復旧復興事業費と言えばいいんでしょうかね、救助費も含めてですね。これに対して国費が二兆三千、地方費が七千三百億。この地方費は、大部分がやっぱり被災三県、そのほか、もちろん千葉、茨城、新潟、長野、青森、まあ秋田も山形もという広い範囲ではありますけど、この被災した三県、主たる三県は総額幾らぐらいの税収があるか。年間でですよ、年間、幾らだと思われます、地方税収、地方の税収。全部合計しても五千億ありません、二十二年度の見込みで。それじゃ、二十三年度幾らになるか。実は、幾らになるか見通しも付かないわ、現地、そう言っています、地元は。半額以下になるだろう、多分。  この七千三百億というような負担ができるわけがない。ただでさえ、こうして挙げた事業以外にやらなきゃいけないのが山のようにあります。山のようにあるのに、三兆円の一次補正に対して七千三百億地元で負担しなさい、無理に決まっているんです、これ。やれもしないことをやれと言って地元が動けない、これがこの七か月の実態じゃないかな。実はそこなんです。  だから、瓦れきの処理、これが市町村の負担なんですね、市町村負担。それで、自民党は野党共同して、全額国で持ちなさい、せめて瓦れきぐらいはと、こういう法案を出さしてもらいました。それで、九九%を国の方で負担しましょうと、特別交付税も入れてですね、着地は。だけど、一%負担の分は残って、それではというと、いや、これは額面が決まっているわけじゃないですよ。だけど、一%負担でも、例えば石巻でこの前、瓦れき処理出したのが千九百億円。一%であったとしても、仮にですよ、十九億。持てるわけがないんですよ、これ。  だから、これからの議論としても、この補助率、負担率というのは上げなきゃ駄目なんです。三次補正をおやりになるんだとすれば、ほぼ十割国で持つと、そういうような改正をしなきゃ駄目です、これ。総理、どうですか。総理に伺っているんです。
  151. 平野達男

    国務大臣平野達男君) これはもう委員が一番御承知かと思いますけれども、災害復旧費につきましては基本補助率がありまして、そこで激甚災が、激甚が指定されますとかさ上げがされる。それで、補助残については通常一〇〇%起債ということで、その元利償還金については地方交付税措置をするというのが今までの災害復旧のパターンでありました。  ところが、今回は、もう委員の御指摘のとおり、被害額が余りにも大き過ぎるということがあります。それから、被害の内容もかなり多岐にわたっておりまして、やらなくちゃならない仕事も多岐にわたっているということもございまして、一件一件そういったものを起債措置してやるということについてはなかなかこれは仕事上にも問題があるというふうに思っております。  そこで今、様々、総務省、自治体ともいろいろ意見交換してまいりましたけれども、今回は補助率を上げるということも考えられる措置でございますけれども、むしろ基本補助率は従来のままにしておいて、そこに当然、激甚災としてのかさ上げが上がりますけれども、補助分につきましては、むしろ起債というよりは、基本は特交を充当する、つまり国費からお金も行く、特別交付税からもお金が行くという形で措置をした方が早いし、これは自治体にとっても仕事のする上でもいいんじゃないかということで、今その前提で制度設計を進めております。  じゃ、しからば、その特別交付税を何%措置するか。これは、私は今、最終的には、補助残は基本的には特交で全部措置するということで考えたいとは思っています。ただ、ということは全額国費負担ということになります。もちろん、家の再建でありますとか個人的な土地の造成でありますとか、私有財産にかかわるものについては、これは補助をするということについては限定があるということは申し上げなければなりません。  今申し上げたいのは、全額国費ということになりますと、いよいよもってそれだけに自治体にもコスト意識を持っていただかなくちゃならないということでありまして、これとセットで各自治体にこれをしっかり説明していくことが大事だというふうに思っております。いずれ、今の委員の問題の意識はそのとおりでございまして、そういった観点で国と地方の考え方をきちっと御説明を、三次補正の編成に合わせて説明をしたいというふうに思っております。そして、その上で自治体にも説明して、先ほど申し上げたとおりでありますが、あわせて、一〇〇%に近いような負担が出る以上は徹底してコスト意識を持ってもらいたいということをセットで各自治体に申し上げていくことも大事なことだと、申し上げていきたいというふうに考えておるところであります。
  152. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 私は補助率そのものも十分の十に近づけてくださいよと、こう申し上げているわけで、一つの問題として、特別交付税、何に幾ら来たかが分かりませんと、これが何度も聞いた答えでした。だから、今回はそれでしっかりとやるというのであれば、それはそれでやっていただきたいと。ただ、あくまでも、基本はやっぱり、国が補助するからにはその補助の割合を限りなく十割に近づけると、この心構えでやっていただきたいとつくづく思います。いいです、いいです、それで、復興担当大臣ですから。  総理、よろしいですねということを総理、一言。
  153. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) これまでも、激甚災害、たしか発災して二日目に指定をするなど、そしてまた補助率のかさ上げ、御党の御提起などもありまして工夫をしてきたつもりです。特別交付税についても、これ一次補正と二次補正でたしか五千八百億積んだりしました。  さらに、今回は補助率のかさ上げを工夫をしながら、努力をしながら、今大臣から御説明あったとおり、一次補正で地方債で対応していただいたものを更に特交でしっかりと対応するというようなことも含んだ第三次補正予算とさせていただきますので、是非、今、今日、幹事長が協議の呼びかけをさせていただいておりますが、御理解をいただき、早急な成立をお願いをさせていただきたいというふうに思います。
  154. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 今大事なお話いただきました。一次補正のこの地方の負担分、これに対しても特別交付税措置を遡ってやる、こう理解してよろしいですね。七千三百億もあるんですが、今おっしゃったのはそういうことなんです。一次補正の負担分も含めて、こういうことだと理解してよろしいですね。
  155. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 第一次補正で地方債で対応したものも含めて今回の三次補正で対応させていただきます。
  156. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 約束どおりしっかりとやっていただきたいと思います。  それと、東日本大震災はもちろんですけれども、その後、新潟・福島豪雨災害、それから台風十二号、十五号、全国で大変な災害が続いています。そのそれぞれに対しても地方財政に対する手当てを同じようにしっかりやってくださいということを一言、これは復興大臣お願いします。
  157. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 先ほど申し上げましたように、東日本大震災につきましては、被災地域における被害額が物すごく大変な額に上っています。そして、委員が正しく御指摘されましたように、一つの事業をやるだけでも、一%の負担であっても、その自治体がなかなか負担し切れないぐらいの負担になってしまうということであります。  他方、十二号、十五号、あるいは先般の新潟・福島豪雨、これも大変大きな被害が出ました。これについては、局甚がもう指定されておりましてかなりのかさ上げがされております。その枠組みの中でまずは動いていただくのが基本ではないかというふうに思います。(発言する者あり)局激でしたね、ちょっと間違えました。
  158. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 新潟も福島も東日本の大震災も受けているわけですから、激甚災害、多分取扱いを一緒にしてと、こういうことにしていただけるものだと思いますが、思いますが、併せて台風十二号、十五号、これも広範な災害ですから、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。国土交通大臣、うんと言っていますから、奈良ですからね。
  159. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 私の地元のことまで御考慮をいただいてありがとうございます。大変な全国的に被害であるわけでございますが、とにかく最大限の手当てをするということで対応いたします。
  160. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 そこでなんですね、私も三月の二十日以来、最初に行けたのが三月の二十日でした、相馬、南相馬へ行ってまいりました。それ以来、大体三十回ぐらいになるでしょうか、現地へ行っています。  みんなが言うのは、自分たちは頑張るから全国が元気になってくれと、こういう話なんです。これは、復興大臣、一番お分かりかもしれません。自分たちはやるよと頑張っているんですね。周りで元気になってくれと。だから、今予算の五%留保なんてまだやっています。これはやめなきゃ駄目です。いつまでやるんですか、こんなことを。それと、第三次補正をやるとすれば、大規模に日本の経済を興していく、そういう気概でやらなきゃ駄目です。  これ、自民党は七月に十七兆円の補正を組むべしと、こういう提案をしました。いろんな手当てが必要です。是非、日本全体を元気にする、五%留保はやめますというお返事を、総理、一言お願いしたいんです。
  161. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 四月一日以来、大震災の影響があって、ここを除いてあとは、安心、安全の部分を除けば、今先生御指摘のように、五・九兆のうちの五%ですから約三千億、止まっておりました。まあ第三次補正の編成もおおむねめども付きましたし、今先生御指摘のように、ただでさえ非常に急激に公共事業を減らして地方の隅々の経済にも影響があるという御指摘もありますので、私としては近々今週にも、この留保のことは先生からも御指摘がありましたので、何とか解除するように努力をしたいと思っております。
  162. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 大変結構なお答えでした。そのとおりにやっていただきたいと思います。今週中と、こう伺いました。今週中、あした、あしたね、財務大臣、よろしく。  そこでなんですね、全国の緊急防災も必要ですし、第三次補正をしっかりしたもので組んでいただいて、これはお願いをしておくわけですが、二重ローン対策、これは昨日も議論になりました、衆議院で。今日もまた議論になっています。  これは、今の政府の案ですと、岩手現地、あしたからですか、相談センター。だけど実際全然進んでいませんよね。これ進まないですよ、規模が小さ過ぎる。だから、どうやっても自分で立っていられるような、要するに、傘の要らないような人には傘差してあげますよという話に近いんですね。本当に傘の必要な人たちには傘貸さない、これが政府の案です。  それで、これは二重ローン対処法案、参議院は通していただきました。衆議院でこれからまた修正協議するということになっています。安住大臣が国対委員長のときに、この臨時国会で通しましょうというお話でしたよね、あのころ、約束した。しかし臨時国会は終わっちゃった。これは駄目でしょう。大急ぎで成立させるという約束を一言、財務大臣、その国対委員長の覚書を結んだ本人としても、これは言わなきゃ駄目です。どうぞ。
  163. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) いや本当に、証文を書いたのは私でございまして、私としての気持ちは、当院の、例えば参議院の片山先生も含めて大変熱心に取り組んでこられましたし、私の身近な人にも随分いろいろ働きかけをしていただきましたけれども、私も、そういう意味では我が党が今政府で進めている、動き出しております岩手県や宮城県の地銀を含めたスキームに、これは自民党、公明党さんがオーバーランするところ、かなりありますので、できるだけ合意を得るように、(発言する者あり)オーバーラップね、失礼しました、オーバーランじゃないです。オーバーランだと切っちゃいますから。  よく分かっておりますが、昨日も実は衆議院で私おわび申し上げたんですけど、確かに臨時会でということでやったんですが、次の臨時会では是非合意を得られるように、もうかなり三党協議で煮詰まってきたということは分かっておりますので、是非、私の気持ちとしては三党で合意をしていただければというふうに思っております。
  164. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 我が党はといいますか、野党の提案としては二兆円の政府保証やりながらというんで、中小企業に対して、あるいはまたリース、リースの問題も現地でたしか五千五百億ぐらいあって、そのうちの一〇%ぐらいが毀損していると、あと五百五、六十億ということも含めて対応してあげないと現地では動けません。だから半年も掛かっているんですね。これは、財務大臣もお地元ですからよくお分かりと思います。いかにこの政府の手の打ちようが遅かったかという二つ目の例ですね、これ。たくさんあるんですけれどもね。  是非、臨時国会冒頭、臨時国会冒頭ですぐ上げる、こういうことにしていただきたいと思います。これはもう大体今までオーケー、オーケーと、こういうお話だったと思います。  次に、実は放射性物質の除染カタログ、除染カタログという問題が、これがたしか原子力災害対策本部、除染に関する緊急実施方針、八月二十六日に出されています。  これ、除染技術カタログというのは今できているんですか、できていないんですか、どっちでしょう。
  165. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 八月二十六日にこの除染に関する考え方と基本方針、緊急実施基本方針を決めております。それと併せて除染実施ガイドラインというのを出しておりまして、その中では、例えば生活圏の除染の在り方ですとか、学校や保育所、公園などの除染の在り方ですとか、道路についてであったり、それぞれおよその考え方を提示をしております。  ただ、まだこれでは具体的ではないと、より具体的な、今カタログと先生おっしゃいましたけれども、そういったものを示すべきだというお考えの方たくさんいらっしゃいまして、できるだけ分かりやすいものを作りたいと考えております。
  166. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 いやいや、私が言っているんじゃなくて、この緊急実施方針に継続的に、除染技術カタログを継続的に提供しますと、こうあるから私は聞いている。  それで、ガイドライン、実はガイドラインなるものがどれだけの意味があるか。現地じゃ余り使えません。この技術カタログで言っているのは、どういうやり方なら費用がどのぐらい掛かって効果がどのぐらいかというようなことを含めて技術カタログを出しますよ、こう言っているんですね。だから早く出してくださいとこう言っているわけで、ガイドラインで済むという話じゃ全然ありません。  もう一遍、もう一回御答弁を。
  167. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 二十キロ圏内については国がやりますので、そこは国の責任で完結をするわけですけれども、生活をされている空間ではどうしても地域の皆様にもやはり本当に力を貸していただかなければならない、そういう状況でございます。  したがいまして、できるだけ分かりやすいものをできるだけ早くお作りをしてしっかりお示しをしてまいります。
  168. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 というので、誰がどこまで何に責任を持っているのかというのが実は私はよく分からない、何回聞いても。  例えば、昨日も議論になっていました、例えば下水道の汚泥、これは誰がどういう除染方法を確かめようとしているか。国土交通省はやっていないでしょう。あるいは、稲わらをどう除染するかですよ、除染。除染そのものは難しいですよね、切る分は切ってどこかに置くにしてもですよ。そうすると、今度は中間処理も含めて、それから最終処理と、この道筋をどういうふうにこの除染技術カタログなんかで出していくか、まとめていくか、これが大事なことになるんですね。ところが今ばらばらです、全体として。  そうすると、本当にこれなら除染ができますよ、最終処理はサリー使ってなのかもしれませんが、こういうやり方というのが考えられますというところを、実は死に物狂いで努力せにゃいかぬのです、政府が。政府がそれをしている姿が見えない、ここが問題なんです。  今、伊達市で除染のモデル事業をやっていると。モデル事業になっていますか、最終処分まで含めて。お答えください。
  169. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 責任体制ということから申し上げますと、それは環境省であり環境大臣である私の責任だというふうに思っております。まだ必死な姿が見えていないということであれば、それは全て私の責任であると考えております。  もちろん、稲わらの扱いについては農水省がどういった扱いをするべきなのかというのをいろいろもちろん考えていただかなきゃなりませんので、かかわっていただくことになります。下水については国土交通省にしっかりかかわっていただくことになります。ただ、最終的にそれをどう処理するのかというのは縦割りでは話になりませんので、それは環境省の仕事だというふうにお考えをいただいて結構でございます。ですから、そこはやらせていただきます。  そこで、最終的な姿が全部出ているのかという佐藤先生の御質問でございますが、そこは今月中に少なくともロードマップをお示しをすると、まずは、そのことはお約束を申し上げます。
  170. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 実はこれは大臣、大変なことをおっしゃっているんで、今のロードマップなるものが最終処分の方法も含めてお出しになるというふうに今お約束をされたんだと思いますが、物すごく難しいのは難しいと思います。  だから、どんなやり方があり得るかということをやってみなきゃいけないんですね、政府自ら。これは県や市町村でやってみろと言われても無理ですよね。その努力が見えない、こういうことを申し上げているんで、今のロードマップが、おっしゃっている今月中にというのが、そういうことも含めて、最終処分も含めて方法論はこういうことだというふうにお出しになれると私はとても思いませんが、いま一度、ちゃんとやるというお答えをください。
  171. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) このロードマップで一番しっかり書かなければならないと思っておりますのは、仮置場の考え方、やり方、そして中間貯蔵についてでございます。逆に言いますと、中間貯蔵についての考え方がしっかり示されなければ仮置きができません。仮置きができないと、地域の方がなかなか受け入れていただけないということになると除染が進まないという状況がございますので、そのことが最も重要であると思っております。  御質問の中核である最終処分につきましては、ここでどういった表現ができるのか、今検討中であります。大変難しい問題でございまして、主体をどこにするのか。例えば六ケ所のように、あそこは日本原燃がやっているんです、日本原燃は民間です。今度考える最終処分というのは、これはやはり国がある程度前面に出るべきだというふうに思いますので、在り方も含めて、なかなか今月中というのは難しいかとは思いますが、しっかり検討してお示しをしなければならないものであるというふうに考えております。
  172. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 悪戦苦闘といいますか、本当に一生懸命やっているんだという姿を国民に示さなきゃ駄目です、だと思います。そんな簡単に今月中に最終処分の方法も含めてみたいなことは私は無理だと思いますが、ただ、そうおっしゃるんですから、是非しっかりとやっていただきたいと思います。  そこでなんですね、次に、除染に絡みましてといいますか、特定避難勧奨地点といって特別に地点だけ指定したりしたことがありましたね、しています。これは、海江田大臣に地点で指定するというのはおかしいじゃないですかと言ったら、コミュニティーが壊れないように最大限努力しますと。小学生が、五十七人が二十人と三十七人に分かれて、避難勧奨される子供とそうでない子供と分かれるのはおかしいですねと、結果、そうなってごめんなさいと、こう言っています。地点数を増やして何とかコミュニティーを維持したいと。  これは時間もありませんので、枝野大臣、お願いだけです、そうしてください、お願いだけです。  あともう一つ。実は、地震が起きて津波が起きて原発事故が起きてと、この時間の関係といいますか、記録がなかなかないですね、ありません。そこで、せっかく委員会がつくられましたから時間関係しっかりしていただこうという意味で、はっきりしたのだけ、これ私、出していますが、こういう中に、この前、海江田大臣に伺ったら、ベントの指示したのは十二日の午前の一時半だと、こういうお話ありました、前にですね。総理もそうだと、こうおっしゃいましたが、一時半ごろにベント指示したら、避難ができていないのにどうするんですかと、こういう議論があります。逆にまた、東電の方で一時半にはベントしますという通知を出したと、こういう話もあります。  委員会の中で、国会にせっかく設置されましたから、委員会の中でこういう事実関係をしっかりと確認しながらやっていただきたい、メモがありませんから、記録がありませんから。それで、これはこういうことで、お願いだけにしておきます、時間がありません。  最後に、高台移転といいますか、集団移転の話。  これは方法論をきちっとしないと、予算と方法論、きちっとしないとできません。四月の初めですか、菅総理が高台移転というようなことを言いました、エコタウンと。やり方の方法論がないから半年動けていません。  何が大事か。何が大事かといいますと、もちろん予算もそうですよ、それと実は集団防災移転、あたかもすぐに使えるかのようにおっしゃっていますが、できないんです、すぐには。  それで、何が大事かというと、例えば移転元の移転促進区域、ここで、今のこれ規則ですよね、法律でも何でもないんです、全ての農地及び宅地を買い取る、こうなっているんです。こんなものできっこありません。それぞれの市町村長はこれを全部買うなんていったってとても無理よと、またそういう必要もないだろうと。  例えば、一定の宅地を私、移転したいという人の分の宅地は、じゃ買いましょう、建築制限も掛けましょう、これならやれる、やり得る。それで、出ていった先、出ていく先は、実は半分以上出ていってくれればいいですと、防災移転の対象としては。ですから、百戸移るとしておれば、一戸当たりが今一千六百万ぐらいになっていますかね。それで五十戸だけ防災移転事業に入ってくれれば一戸当たりは実は倍になるんですね。  そんな運用も含めて、国土交通大臣是非実効性のあるものに変えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  173. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 大専門家でございます。この絵を見させていただいておりますが、いろんな事業手法も組み合わせて、今言われた上限も撤廃するという方向で今やらせていただきたいと、こう思っております。
  174. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 ありがとうございました。
  175. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 引き続き、岩城光英君の関連質疑を許します。岡田広君。
  176. 岡田広

    ○岡田広君 自由民主党の岡田広でございます。  質問に入る前に、野田総理に一点お尋ねをしたいと思います。  今朝の新聞報道でありますが、民主党はマニフェストに国の出先機関の原則廃止を明記しております。しかし、新年度予算の概算要求の中に、凍結していた地方合同庁舎の建設について一部再開するための予算が盛り込まれたということでありますが、十二月の予算編成に向けて、朝霞の公務員宿舎建設の凍結と同じに、同様にこれらの予算について凍結される考え方がないのかどうか、お尋ねをいたします。  また、小宮山厚生労働大臣が昨日のパーティーの席上、三党合意で事実上の廃止が決まった子ども手当について、ちょっと姿は変えたが継続したと述べたという報道がされております。子ども手当をめぐっては、三党合意後に民主党が存続をアピールする広報ビラを作成し、配布をしました。御承知のとおりです。岡田前幹事長が謝罪をしたことも御承知のとおりだろうと思います。  第三次補正について三党の意見交換が行われるという大変重要な時期に一番大事な予算の協議に水を差すものではないか、そういうふうに思うわけでありますが、野田総理の考え方をお尋ねをいたします。
  177. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) まず最初の部分だけ、私の方から先生の方に御報告をさせていただきますが、朝霞の問題はもうくどくど申しませんが、執行停止をさせていただきまして、今後のことについてはまた協議をしていくということになります。  また、全国のこの施設、国の出先機関等の、これについては二十二か所の停止を行いましたが、条件を厳しく付けまして、今後もしそういう地方に対しての移管が、地方の権限の移管があったとしても、その施設を十分そこで使い得るというような条件を満たしたもので、もうかなり老朽化をしたものを厳選をいたしまして、先生御存じのとおり、工事着工にゴーサインを出したということでございます。  来年に向けては、三か所、それを指定しまして、もう一つ大震災仙台の合同庁舎が一つかなりひどくなったということなので、その四か所をピックアップして、今、予算の概算に盛り込まれているというところでございますけれども、今後これについては十分国民の皆さんの声も聞きながら対応していきたいと思っております。
  178. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 国の出先機関、その地方庁舎の件は、今、安住大臣がお答えしたとおりですが、これは、その庁舎を造るに当たっては基準を二つ設けてまいりました。それに基づいて要求を出してきていただいているということで、なお、こういう今まさに東日本大震災が発災をしてから政策の優先順位を変えていかなければいけないというふうにかねがね申し上げておりますので、そういう視点から予算編成プロセスにおいてしっかり精査をしていきたいというふうに思います。  加えて、小宮山大臣発言についてでございますけれども、これはもうあくまで三党合意に基づけば、児童手当法に所要の改正を行うことを基本として法制上の措置を講ずることを規定をしているということが基本的な認識でございますので、この三党合意に基づいて十分に今後協議をしながら、来年度予算編成に間に合うような具体的な制度を取りまとめていきたいというふうに考えております。
  179. 岡田広

    ○岡田広君 是非、今の公務員宿舎の建設については、十二月の予算編成の過程の中で十分今の震災復興の状況も踏まえて検討、対応していただきたいというふうに思っています。  やはり小宮山大臣の問題につきましては、総理が今答弁されましたけれども、しっかりと内閣の中でやっぱり意思疎通を、一つになるように是非、野田総理の強いリーダーシップをお願いをしたいと思っております。  それでは、質問時間限られておりますので、答弁は簡潔に分かりやすくお願いをしたいと思います。  初めに、原発事故における東京電力の損害賠償についてでありますが、今日は参考人で東京電力の西澤社長に、おいででありますので、西澤社長にお伺いをいたします。  まず、一番国民の皆さんの願いは原発の収束、安定が第一でありますが、これは工程どおりいっているのかどうか。この点について、今日はテレビが入っておりますので、国民の皆さんに東京電力の西澤社長からお答えをいただきたいと思います。
  180. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  事故の収束に向けましては、現在第二ステップの段階に入ってございます。毎月進捗状況を御説明しておりますけれども、先月御説明した中で、第二ステップの目標につきましては年内を目途に是非達成したいと。具体的には、冷温停止の状況に持っていく、それから放射性物質の線量を本当に大幅に下げて、人体に影響を与えないレベルまで下げていくというのを目標に、年内を目途に今頑張っておるところでございます。
  181. 岡田広

    ○岡田広君 年内を目途にということで西澤社長から御答弁がありました。細野大臣からも先ほどの質問の中でお話がありましたが、是非この年内ということをしっかりと踏まえまして対応をしていただきたいというふうに思っています。  そして、東京電力の資産査定、経営実態を調査する政府の第三者委員会の報告書が三日の日に野田総理に提出をされました。今回の原発事故で東電が負担する賠償金額は、今後二年間で四兆五千四百二億円との試算が出ました。その後も、年九千億規模で継続する可能性も指摘をしています。推計には、自主避難した被災者への賠償は想定がされておりません。更に額が膨らむ可能性があるわけであります。  これに対して、総額三兆二千五百億円を人件費削減や保有不動産の売却、あるいは企業年金の減額、関連会社の取引の見直しなどで捻出すべきというものでありますが、東電は十年間で一兆一千八百五十三億円のコスト削減を提案をされていますが、その倍に当たるわけであります。  報告書でのリストラ案が原賠機構による資金援助の最低の条件かということかと思いますけれども、私、心配しているのは、特にこの人件費削減については、社員の一四%に当たる七千五百人をリストラするというものであります。一方で、損害賠償の相談窓口を、当初千人でありました、五千人体制、そして今月から六千五百人、年度内には九千人体制にするということでありますが、この原発収束にも五千人規模の人員確保が必要だということが報道されております。  電力の供給がおろそかになりはしないか、人材の流出がないのか、顧客サービスが低下しないのか、大変ここも心配をしているところでありますが、東京電力は今月末までに特別事業計画を作って経済産業大臣に提出をするということでありますが、この報告書を受けての感想と特別事業計画についての考え方を西澤社長にお尋ねをしたいと思います。
  182. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  報告書は当社にとって大変厳しいものと認識しております。その内容は真摯に受け止めまして、今後、先生おっしゃいましたように、原子力損害賠償の支援機構と共同で特別事業計画を作成しまして、御認可を得たいというふうに思っております。  先ほどいろいろ御説明ございましたけれども、人員の削減で七千四百名というのは、報告書の中ではグループ企業全体でという形でございます。  それから、賠償関係で今体制を強化しておりまして、今六千八百人で考えてございます。そのうち社員は三千人以上をあてがいまして、その他につきましてはグループ企業それから委託の方々等を含めて、六千八百人で迅速な賠償の対応に当たりたいと思っております。  以上でございます。
  183. 岡田広

    ○岡田広君 是非しっかりと、電力の安定供給というのは基本でありますので、ここもしっかり守りながら対応していただきたいと思います。  枝野経産大臣にお尋ねをいたします。  この報告書では、金融機関への債権放棄要請については否定をしています。枝野大臣は債権放棄を求めているということでありますが、この報告書についてどう考えるか、これが第一点です。  そして、この報告書によると、過去十年間の電気料金が六千億円過大に見積もられているとの指摘もありますけれども、あるいはこれだけの経費削減をしても電力の安定供給ができるんだということであれば、この機会にほかの電力会社の資産査定や経営実態の調査をされ、電気料金の決定が適正かどうかの判断をすべきではないかと思いますが、この二点についてお尋ねをいたします。
  184. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、私は債権放棄を求めたことはありません。様々な可能性、選択肢の中として、ステークホルダーに御協力を求める、その中の可能性としては否定されるものではないと私は今も思っておりますし、今回の報告書も三月三十一日時点の財務状況等を踏まえて御報告いただいておりますので、それについてはその報告書に基づいて対応していただきたいと思っておりますが、ただ、この報告書で示されている東京電力の経営状況については、最低限これぐらいはやっていただきたいという趣旨のものだと私は受け止めております。いろいろなところから、東京電力の内部からも非公式に非常に甘い査定であるというような声、意見も私は承っているところでございますので、まずはスタートラインだというふうに思っているところでございます。  それから、他の電力会社についてでございますが、今回の調査の中には、東京電力固有の問題にとどまらず、電力料金含めて各電力会社に共通していると思われる部分が少なからずあります。まずは、各電力会社においてこの東京電力の経営、財務調査の報告書を熟読していただいて、まずは自ら率先して対応していただきたいというふうに思っておりますし、それから、経済産業省としては、まず短期的には、今回の報告書で指摘をされている電力料金の問題点について第一段階として早急に改善を図りたいと思っておりますし、さらに、そもそも総括原価方式含めた抜本的な電力料金の在り方についても、これは中期的な課題として検討してまいりたいと思っております。
  185. 岡田広

    ○岡田広君 今、枝野大臣からこの報告書における東京電力の削減の額についても最低限というお話がありましたので、西澤社長、これも踏まえてしっかりと対応をしていただきたいと思っています。  次に、仮払い、本払いについてお尋ねをいたします。  九月の三十日に出荷制限や風評被害を受けたJAグループなどでつくる損害賠償対策協議会が東電に対し新たに第六次請求をしました。今回のものは、仮払いではなくして東電が全額を支払う本払いと報道されています。個人の損害については今月中に支払へ、本払いへ移行するということでありますが、法人、個人事業主についてはいつからが本払いになるのか、また、一次請求からの仮払いの残金についての支払完了の時期も併せて東京電力にお尋ねをしたいと思います。
  186. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  先生お尋ねの本賠償は、法人、個人企業向けは既に資料等は御配付を既に終えてございます。今回の本賠償は、既にお支払をしました仮払いの補償金がございますけれども、これも全部精算も含めまして、三月から八月までの原子力損害を全額賠償させていただくというものでございます。この本払いをできるだけ早期にしっかり実施してまいります。  従来しておりました仮払いにつきましては、法人向けにつきましては九月二十六日受付のものをもって終了という形で、あとそれ以降は全部本払いの形で対処させていただければというふうに思っております。  以上でございます。
  187. 岡田広

    ○岡田広君 是非、本格的に本払いが始まるわけですから体制もしっかり整えられるということで、やはり被災者の皆さんに一日も早い、やっぱり遅いです、そして金額も足りなかった。スピード感、そして金額の問題、紛争審査会の指針もなかなか明確になっていませんけれども、これは後ほどまた質問をいたします。まさに被災者の方々からは、請求書の複雑さ、これが指摘をされていますので、手続の簡素化についても併せて検討していただきたいと思っています。  もう一点だけお尋ねいたします。  九月に茨城県の宅地建物取引業協会が、福島第一原発事故による風評被害で受けた不動産関連の損害について東京電力に要望書を提出をいたしました。一例を挙げますと、つくばエクスプレスの開通によって転居者が増加の一途をたどっていた茨城県の南、県南の守谷市では、事故があった福島原発から約二百キロ離れています。しかし、比較的高い空間放射線量が検出されたことで土地が動かなくなりました。売上げが半減をしたということです。  不動産についての損害は、紛争審査会の指針には入っていません。中間指針報告書によると、風評被害についてはという中で製造業、サービス業等の項目がありますけれども、この不動産関係の損害についてはこのサービス業等に含まれているのか。ここで拾えるんではないかと私は思うんでありますけれども、いずれにしても、東電は因果関係が認められれば支払うとしているわけでありますが、この中間指針を超えて東電の自主的な基準を設けて広く賠償を行うべきと考えますけれども、これは、東京電力、まずお答えください。
  188. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  先生御指摘のように、不動産にかかわる風評被害につきましては類型化はされてございません。中間の指針で定められていない類型の損害につきましても、御被害のお申出に対しまして個別に御事情を伺いまして、当社事故との相当の因果関係が認められるときはきちんと対応してまいりたいというふうに思っております。  農林業、製造業、サービス業等いろいろ類型化されておりますけれども、これにつきましては、その指針を踏まえました賠償基準に基づきまして迅速に実施してまいりたいというふうに思っております。
  189. 岡田広

    ○岡田広君 やはり東京電力側にお願いをしたいのは、紛争審査会の指針に基づいて支払をするわけで、これは当然のことでありますけれども、やっぱり個別具体の案件というのはたくさん出てくるわけであります。そういう中で、東電側から紛争審査会へ、こういう問題が、個別具体の問題があるということで補償対象としてほしいというような提言をするということも大事なことであると思いますけれども、これは、経産大臣、お考えをお聞かせください。
  190. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 紛争審査会は、紛争審査会がなければ賠償をしないとかできないという性格のものではなくて、本来、自主的にといいますか、積極的に東京電力において賠償をしていただくのが本来でありますが、大規模、広範ということを踏まえると、類型化して基準をお示しをすることで迅速な賠償に充てるということが目的でございます。  したがいまして、文部科学省において、賠償審査会もできるだけ柔軟かつ迅速な対応をしていただくよう私からも改めてお願いをいたしたいと思いますが、東京電力においても、当然、指針が出ていない分野についても、様々な賠償についての声を踏まえて類型化できるものについては類型化して、個別の立証を要することなく迅速な賠償をしていただきたいと思いますし、それが当事者間でなかなか進まない場合には、むしろ積極的に東京電力からもこの手の種類のことについて指針を出してほしいということをお申出をいただきたいというふうに思っております。
  191. 岡田広

    ○岡田広君 今、枝野大臣から答弁があったとおりであります。  私は、是非東京電力側にお願いをしたいのは、これから個別具体の問題というのはたくさん出てくると思います。やはり、東京電力で自主的な基準を設けて、できるだけ広く賠償を行うという考え方の下でこの賠償に対応していただきたいという要望をしておきたいと思います。  西澤社長、御退席いただいて結構です。委員長、どうぞ。
  192. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) どうぞ、西澤参考人、御退席ください。
  193. 岡田広

    ○岡田広君 それでは、復興基金、復興交付金などについてお尋ねをいたします。  住宅の再建支援や福祉・医療機関支援など復興に必要な事業を柔軟に実施していくためには、国の復興基本方針に位置付けられた復興基金を活用することが有効であります。被災県ごとに取崩し型基金を設置すべきと考えますが、平野大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  あわせて、復興交付金についても、これは使い勝手の良い自由度の高い交付金を創設し、復興に必要となる補助事業、市街地や農漁村整備、道路、学校等を幅広く一括化するなどとされておりますけれども、補助率のかさ上げと併せまして、被災自治体が提案する事業を幅広く採択すべきと考えますが、この取崩し基金の設置の件と併せて、平野大臣からお尋ねをいたします。
  194. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、質問の順番と逆になりますけれども、復興交付金から簡単にかいつまんでお答えさせていただきたいと思います。  今、復興交付金につきましては制度設計を進めておりますが、二つのパーツから成り立つかなというふうに考えております。一つは、既存の各種補助金の束ね、統合的な補助金という仕組みでございます。それからもう一つ、全体の事業を進めるために、自治体が様々な予算が必要になってまいります。創意工夫を生かすために必要な予算、これを使い勝手のいい予算にするために、推進費という形で今制度設計をしております。できるだけ制約を加えない、しかし国の交付金でございますから、やはり一定の制約は加わるということについては御了解をいただきたいと思います。  一方で、基金につきましては、もう既にこれは様々な、地域医療基金、地域医療再生交付金等々を始めとして、様々な基金がもう用意されておりますが、あわせて、今総務省の方におかれましては、特別交付税を使った基金の設立ということも今検討をしていただいているというふうに聞いております。  なお、今までの基金につきましては、どちらかといいますと、交付税を使った、阪神大震災、中越地震もそうでございましたけれども、そういった基金でございまして、それはもう委員の御指摘のとおり、取崩しではなくて運用益でやってきたということでございまして、今回の場合、運用益は余り期待できませんので、どうしてもやっぱり取崩しになってくるのではないかというふうに思っています。
  195. 岡田広

    ○岡田広君 これ、早くやるというのが一番大切なことで、だからやっぱり国会を閉じてはいけなかったと私は思うんです。  この原子力災害対策予算として、福島県で五千億、少なくともそのうち三千五百億円を復興基金に充てるということで平野大臣佐藤知事に説明、報告をされました。宮城県では県独自で、国の対応が遅いということで、県独自で一般からの寄附六十億円を含めて百六十億の基金をつくっているんです。今開会中の県議会で五十八億円、また追加予算で計上している。これ、特別交付税を当てにしているんです。しかし、宮城県の関係者に聞いてみますと、国の対応が遅くていつになるのか。だから、国会は閉じてはいけなかったんですよ。  しっかりやっぱり継続、野田総理が最も言っていることは、復旧復興第一ではないですか。だから、どんどんどんどんこれ遅れてしまう。大変、第三次補正で特別交付税一兆六千億が組まれているようでありますけれども、やっぱり一日も早く国会を召集をして、この補正予算を提案をして成立をさせていくということがとても大切だと思うんですが、野田総理、お考えをお聞かせください。
  196. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 第三次補正予算、今与野党協議のお願いもしながら、大詰めでございます。加えて、ただいま御議論があった復興交付金あるいは基金、こうした制度設計も、これも詰めの段階でございますので、速やかにこれらを国会に提出すべく、そのためにも臨時国会は、それとの見合いになりますけれども、なるべく早い時期に開催をさせて、一日も早く復興の事業が進めるように全力を尽くしていきたいというふうに思いますし、御協力のほどお願いをいたします。
  197. 岡田広

    ○岡田広君 是非、できるだけ早くこの臨時国会召集して、第三次補正予算を国会へ提案をしていただきたいというふうに思います。  それで、資料を配付をしていますが、資料を御覧ください。(資料提示)  その中で、資料の五番でありますけれども、これは福島原発事故による旅行意向に係る意識調査結果であります。福島県が一番旅行を敬遠されています。その次は茨城ということになります。これが資料の五です。  そして、これは資料の六でありますけれども、原子力災害に伴う損害賠償請求の状況であります。福島県についてはまだ観光被害等明確になっていませんから、ぐんとこれが被害額が上がるんであろうと思いますが、八月三十一日現在はこういう状況であります。  まさに今回の東日本大震災被災地は、東北三県ではなくして茨城県も入る被災四県ということで是非もう一度御認識をいただきたいというふうに思っています。  そういう中で、茨城県では過去にジェー・シー・オー事故を経験をいたしました。事故当時は梶山静六官房長官で、即座に政治決断で百億円の原子力交付金をつくってもらいまして、これを県民の健康対策や風評被害対策等に使ったわけであります。その経験を踏まえますと、風評被害等につきましては当然息の長い取組になるわけであります。  東京電力からの賠償金とは別に、原発事故による影響を払拭するためにも風評被害対策地域振興対策等活用できる使途の自由な原子力交付金を是非創設していただきたいということで、茨城県では野田総理にも平野大臣にも細野大臣にも要望をしているわけでありますが、この点について平野大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  198. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、基金につきましては、先ほど申し上げましたように、特別交付税、これを前提にした基金の創設、これは被災地、被災県を中心に創設されると聞いておりますが、これを今準備しているということでございます。  ちなみに、この特別交付税につきましては、三次補正ではなくて二次補正で措置されたものから出すということになっておりまして、この基金の活用、今委員の御指摘の中では原子力交付金と基金というようなお話がございましたけれども、そういった方面にも十分活用できるというふうに理解をしております。
  199. 岡田広

    ○岡田広君 是非、原発事故の風評被害については、観光サービス産業ばかりではなくして企業誘致にも影響しています。  茨城県は、工場立地については面積については昨年度全国実績は第一位で百九十ヘクタール。二位は愛知八十六ヘクタールですから、数字でお分かりになると思いますけれども、しかし、この震災が起きて原発の風評被害というんでしょうか、食品関係産業が全く茨城県の立地を様子見になっています。是非、こういう対応をするためにもこの原子力交付金、特別交付税等で措置をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  もう一点これは要望を、質問はしません。この防災拠点等への自家発電装置など自立分散型エネルギーを導入し、災害に強い地域づくりに取り組んでいく必要があることから、地域グリーンニューディール基金の拡充に当たっては、これをやるということでありますが、是非東北以外の被災県も対象にしていただきたいというふうに考えておりますが、これは細野大臣、答弁がありましたらお願いします。
  200. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) この再生可能エネルギー、これをしっかりと広げていくためには、グリーンニューディール基金は非常に大きな役割を果たすと考えております。この予算を三次補正でもしっかり確保し、来年度の予算でもしっかり確保するということで、予算を取っておるところであります。  そこで、茨城県でございますが、この間、岡田委員も含めて超党派で御要望に来ていただきまして、改めて直接御要望をいただきました。東北ももちろん大きな被害を受けていますが、茨城の皆さんも被害を受けておられるので、そこは柔軟にしっかりと様々な皆さん取組に応ずることができるようにやってまいりたいというふうに思っております。
  201. 岡田広

    ○岡田広君 是非、しっかりとした対応をお願いをしたいと思います。  被災鉄道の復旧支援について国土交通大臣にお尋ねをいたします。  大震災によってJR常磐線を含む太平洋沿岸のJRの七線区、鉄道施設等などに大きな被害が出ました。今回の復旧に当たっては地域全体の復興や町づくりの計画策定と一体となって進めていく必要があるわけでありますけれども、鉄道のルートを内陸部に変更する場合には当然用地の確保が必要になってくる。復旧に当たっては新線建設と同様の、同等の大規模工事が必要となります。莫大な費用が掛かるということであります。  しかし、第三次補正にはこれについての予算は盛り込まれていないと思います。二十四年度予算の概算要求の中でも被災鉄道の復旧支援の対象にこのJR東日本は含まれていないようでありますけれども、復旧費について国交大臣の考え方をお尋ねしたいと思います。
  202. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 委員指摘の点でございますが、各線区ごとに地元自治体それから国交省の出先の地方整備局、運輸局、もちろんJR東日本入って復興調整会議を立ち上げております。そこでもう何度も今まで線区ごとに復興に向けての議論をしておりまして、要は、議員御指摘のように、新しい町づくりをやります。当然JRの駅というものがその町づくりの中心にもなるわけですから、新しい町づくり計画の中で受け止めていくと、区画整理事業であったりですね、そういった中で実質的に受け止めていくという方向で今最大限の努力をさせていただいているところでございます。
  203. 岡田広

    ○岡田広君 被災に遭われました三セク鉄道って今回五社ありましたけれども、この復旧費については四月の参議院の決算委員会で私は質問をさせていただきまして、これは補助率のかさ上げで復旧費の大半は国が負担をするということになったようであります。大変感謝をしております。  鉄道軌道整備法は財政基盤の脆弱な鉄道会社を対象としているわけでありますが、阪神・淡路大震災のときには例外なケースとして阪神あるいは阪急電車にもこれは適用されました。鉄道軌道整備法の助成の対象とする鉄道という中の第三条の第四項、読みませんけれども、これは今回のJR東日本にも当てはまるのではないかと私は思うわけでありますが、再度国土交通大臣の答弁を求めたいと思います。
  204. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 阪神・淡路大震災のときには、たしか国税措置等も含めてかなりの支援をしたと思います。そのケースよりも手厚い、地方交付税措置等も含めて対応できないか、今検討中でございます。そしてまた、鉄道事業者の負担の割合につきましても、何とかかさ上げできないかというようなことも検討中でございます。
  205. 岡田広

    ○岡田広君 是非、今回の東日本大震災は、全くもう超特例、超法規的なという考え方で様々の課題、問題、今日は質問を残してしまいましたが、また次の機会にさせていただきたいと思います。  野田総理始めしっかりとした対応をお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  206. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 岩城光英君の関連質疑を許します。佐藤正久君。
  207. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党、元自衛官、福島県出身の佐藤正久です。  まず、原発被害者への国の仮払い法、これについてお伺いします。  資料一をまず見てください。(資料提示)野田総理、これはあなたが決めた観光業への国の仮払い、この仕組みです。私は野田総理に正直言って裏切られたと、そういう思いがあります。  この資料を見ると、例えば昨年の三月から八月までの半年間、この売上げが約五百万。今年、この同じ半年間、二百万円の場合、損失が三百万ありますけれども、国は六十万しか払わない、被害の二割しか払わない。これは野田総理、あなたが決めたんですよ、野田内閣で。これ、本当に福島の旅館とかあるいは観光農園等がやっていけると思いますか。  これは総理、この早期救済法の法の趣旨、これは国が東電に成り代わって早期の救済をやるんだ、国が前面に出て助けるんだと、これが趣旨でしょう。この三百万に対して六十万、これで本当に法の趣旨ができると、総理、思われますか。
  208. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) この観光業に対しての国の仮払いについての基準の議論でありますが、これは、この震災の基準を一般的に、観光業だけじゃなくて、これまでの本払いも含めた一般的に決めていく議論の中で審査会が決めた基準で行っているということであります。  その上で、この表があるんですけれども、これ実はちょっと実際の算定基準と違っているところがありますので、改めてちょっと御説明をさせてもらいたいんですけれども、前年度の売上高、これが基準になって六〇%を掛けていくんじゃなくて、基は前年度半年間の売上総利益ということになっています。売上総利益に対してどんな率を掛けていくかというと、そのときに、前年度の売上高に対して今年度の売上高の減収の割合、ここでいう六〇%、これはいいんですが、この六〇%を掛ける対象というのが丸々三百万ということではなくて、これは前年度の確定申告あるいは損益計算書に記載されている売上総利益の額、これに掛けていくということ、そういう仕組みになっておりまして、そこのところを一つ確認をいただきたいというふうに思います。
  209. 佐藤正久

    佐藤正久君 今ここに国の仮払いの例がありますけれども、二百万も二百二十万も同じですよ。ほぼ三百万に対して掛けているんですよ。約二割しか行かないんですよ。実際計算したら分かりますよ。  野田総理、これは野田総理が決めたんですよ、内閣で、政令で、このやり方を。何で自分で決めたやつなのに自分で答弁しないんですか。冬ごもり早過ぎますよ、幾ら何でも。自分が決めたなら自分でやっぱり答える、これが基本だと。野田内閣、これ非常に大事な国の仮払い、これは東京電力でも何でもなくて、国が仮払いをすると。まさに野田内閣の意思が表れている法律ですよ。野田総理、やっぱり言葉が幾らきれいでも、実際結果が出なければ心がない。外づら総理と言われますよ。  福島の方々はやっぱり結果を求めているんですよ。この例を見ても、二百二十万、五百万、結局来ているのは百八万、これの二分の一、五十四万なんだよ、国の仮払いは。この六十万よりも低いんですよ。これは、東京電力が仮払い遅い、足らない、漏れがあると、非常に不評だということで私が主務者となり野党共同で法案を提出し、与党の方々の賛同も得て、これを国がやるんだと、国が前面に出るんだと、そして成立させた法律ですよ。立法府が作った法律を、内閣が骨抜きどころか魂を入れていない。物すごく、観光業の方、すごく今怒っていますよ。これで福島の再生なくして日本の再生なし、よく言えたものだと、こういう声も出ていますよ。これは東京電力ではなくて、野田総理、国が決めたやり方ですよ。いいですか。  野田総理、これは本当にこのやり方を見直さないと、私は、野田総理の言っていることが全然伝わらない、ほかの方にも悪影響が出ると思いますよ。だって、約二割の仮払い、これでは運転資金にもならないですよ。経営を知っている人間はみんな言っていますよ。  総理、原発さえなければと黒板にチョークで書いて自殺した福島の方もいるんですよ。この福島で、五月、六月、約百二十名の方が自殺しているんですよ。これが現実なんですよ。  この旅館業を所掌している小宮山大臣、この所管大臣として、本当にこんな二割で顔向けできますか。旅館業は厚生労働省ですよ。小宮山大臣、担当大臣として野田総理に、旅館業がどういうふうに言っているか、福島の旅館業がどう言っているか、教えてやってください。(発言する者あり)所掌は、旅館は厚生労働省でしょう。厚生労働省ですよ。観光じゃないですよ。(発言する者あり)何言っているんですか。
  210. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 指名しました。
  211. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 旅館業は観光業でございますので、国交省の担当でございます。
  212. 佐藤正久

    佐藤正久君 間違っていますよ。観光業、国交省の所掌しているのは旅行業者であって、旅館、ホテル、これは厚生労働省ですよ。何言っているんですか。  総理、本当、それでいいんですか。旅館の所掌は国交省ですか、総理。
  213. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) それぞれの業界から現状がこうなっているという話については私どももしっかりお話を聞かせていただいておりまして、それについてはこれから政治的な立場として十分に議論をしていかなければいけないということだと思うんですが、ただ、この基準というのは総理が決めたわけじゃなくて、元々原賠法で、だから、昔からということは前政権から続いている原子力賠償法で決められた手続によってやっているんです。どこが決めているかというのは原子力損害賠償紛争審査会、ここで専門家によってこれまでの基準というのを参考にしながら賠償基準というのを決めて、その上で運営しているということですから、それをどうこれから判断していくかということになっていくというふうに思います。
  214. 佐藤正久

    佐藤正久君 いいですか、審査会はあくまでもガイドラインを決めるだけであって、これは国が仮払いのやり方を政令で決めたんでしょう。何言っているんですか。完璧に主務大臣も勘違いしている。そもそも委員長が指名していないのに何で答えるんですか、そもそも。
  215. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 指名しましたよ。指名しましたよ。
  216. 佐藤正久

    佐藤正久君 所掌大臣も分かっていない。観光業は、小宮山大臣、いろいろあるんですよ。その中で、旅館、ホテルは厚生労働省の所管なんですよ。そういうそもそもの根拠すら分かっていない。だからこそ、小宮山大臣、話聞いてください、こっちの方。八月四日の三党合意、これもほとんど分かっていないから、昨日パーティーであんな発言したんですか。子ども手当はちょっと形を変えて継続している、名は残ったままだと。  何ですか、これ。形を変えたまま残るんですか。あるいは名前は残るんですか。これはどういう意味ですか。本当に三党合意見ているんですか。この子ども手当、ちょっと怪しくなりましたよ。あなたの、本当根拠を押さえているかどうか。  今日、三党協議が始まっている。子ども手当、ちょっと形を変えて継続するんですか。名前が残るんですか。どういう意味でしょうか。
  217. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) その前に、先ほどの旅館についてですが、先ほど私が答弁しましたように、観光業としては国交の担当でございます。ただ、今回の原子力の損害賠償法の中では衛生の面からということで厚労が担当になっております。そこは訂正をしたいというふうに思います。  それから、子ども手当のことで御質問をいただきましたが、私が申し上げましたのは、何度も予算委員会でも答弁をしているように、九月までの子ども手当は事実上廃止になっております。そして、四月からの三党合意に基づく児童手当法の仕組みに乗せた形での新たなものについては、これはその具体的な支給額、所得制限世帯、所得制限、それから税制改正、法制上の措置などを三党で合意をいただくものと思っております。  私が昨日申し上げましたのは、この三月までの今の子供に対する手当の仕組みは、これはまだ児童手当にものっとっておりませんし、それに乗せ替えておりませんし、子ども手当でもない中間的な形でございますので、姿を変えて継続をしていると、そのままのものが存続をしているとは申し上げておりませんので、これまで予算委員会などで答弁をしたとおりのことを申し上げたのでございます。
  218. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、非常にこういう誤解を与えやすい、前回も、子ども手当存続するというビラで、チラシで岡田幹事長が謝罪をし、玄葉戦略担当大臣も謝罪しているんですよ。そして、今三党協議がまた始まる、この段階でまたこういう同じようなことを言う。  総理、しっかりと事情を聞いて注意すべきじゃないですか。大事な時期ですよ。どうでしょう。
  219. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほども御質問いただきましたけれども、あの三党合意に基づけば、これもまさにこの文書のとおりに解釈すべきだと思いますけれども、児童手当法に所要の改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずることを規定する、こういうことに尽きると思いますし、その合意を踏まえて、来年度の予算編成に間に合うように制度設計をしていきたいと思います。
  220. 佐藤正久

    佐藤正久君 小宮山担当大臣に対する、しっかり事情を聞いて注意するかと聞いているんです。どうでしょう。
  221. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今申し上げた私の、文書の、三党合意、よく御理解いただいているというふうに思います。  まあ、今までの子ども手当に思い入れもあるし、もちろん理念を大事にしていきたいという思いの表れであって、この三党合意の精神は守っていくという思いは大臣も当然共有しているというふうに思います。
  222. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、非常に、さっきからあるように、十分法的な根拠を押さえながら、合意文書をしっかり押さえながら、大臣というのは答えないといけないんですよ。自分の所掌も分からないとか、誤解を与えるような三党合意の文書を曲解するとか、これは駄目なんですよ。  中川文科大臣も全然分かっていない。紛争審査会はあくまでも基準であって、これ作ったのは野田内閣なんですよ。しかも、総理、この二百万円の売上高の中にも実は災害救助法等でもう一泊一人当たり五千円の宿泊費が補助が出ているんですよ。それも入っているんですよ。実際、宿泊ではなく、泊まっているわけですから、水道代もトイレットペーパー代もすごく掛かるんですよ。実際、この二百万円の中でも、本当の利益、非常に少ない。委員長もいっぱい陳情を受けているように、非常に少ないんですよ。そういう中で、しかも、この二〇%、これを地震、津波の影響で引く、これでは本当つらいと思いますよ。  実際に、避難者が旅館から出たということで、私の実家の近くの温泉、土湯温泉の方では先月四軒廃業ですよ。これから秋の観光シーズン、紅葉シーズン、本当にお客さんが来なければとても冬なんか越せない。これが現状ですよ。そういうときに、二〇%を引いて、更に十分の五。余りにも冷たくないですか。  総理、総理が決めたこの二〇%、地震、津波の二〇%、この根拠のデータ、文書、総理自身、御覧になっていますか。
  223. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 中川正春文科大臣
  224. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、総理に。総理は見たかって聞いているんですよ。総理は見たかって聞いているんですよ。
  225. 中川正春

    国務大臣(中川正春君) 先ほどのお話のように、この二〇%というのは、阪神・淡路大震災以後一年間の観光消費額の減少率というものが、兵庫県が二二%、京都府が一七%ということであったものを踏まえて、簡易的な方法として二〇%ということで、これは政令で決めました。ここの部分は政令なんです。ほかのところの、いわゆる方程式自体は審査会なんです。  そういうところがありますので、この根拠というのは先ほどのようなところで決めているということであります。
  226. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう総理はまともに見ていないんですよ、この二〇%の根拠を。二〇%を政令で決めましたけれども、ほかの部分は東京電力の本払いを使っているだけなんですよ。東京電力の本払いのやつを準用しているだけなんですよ。全然言っていることが違うんですから。  それで、この資料二を見てください。これはJTBが調べた東北三県の四月から六月までの宿泊客の推移です。地震、津波で大きな被害を受けた宮城とか岩手の方は、もう六月で一〇〇パーを超えているんですよ。福島は、まだ一〇〇パーも行っていない。それで何で地震、津波で二〇パーというふうに言えるんですか。どういうデータを持ってやっているのかと。阪神・淡路のデータと今回福島のデータ、何で同じなんですか。だからみんな怒っているんですよ。全然、これで救えますか。実際この生データを見てやっているのかと、みんな怒っていますよ。福島だけですよ、下がっているの。  そういう部分、総理、これを見て、実際実態を考えてもう一度これを見直すと言ってくださいよ。どうですか、総理。
  227. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 野田内閣になって、法律、政令含めて全て決めたことは全部私の責任だと思います。ただし、それ一つ一つ全部数字を見て自分が判断をしたかというと、そうでないものもあります。  そういう中で、今の仮払い法のいわゆる法の精神、趣旨からすると、私は今委員の言っていること、一理あると思っています。したがって、何ができるかを検討させてください。
  228. 佐藤正久

    佐藤正久君 ありがとうございます。  この写真を見てください。これは、福島県の原発の三十キロ圏内で、まさに野田総理のお父さんが勤務した習志野の隊員が行方不明者の捜索をやっている写真ですよ。自衛官というのは、自分を犠牲にしてでも国民を救うんだという宣誓をして活動をしている。まさに福島県民を救おうとしているのに、野田内閣が決めた仮払い二〇%を更に引いて、しかも十分の八とか十分の九ではなくて十分の五を掛けている。そうしたら少なくなるに決まっているでしょう。この精神はやっぱり、野田総理、誰が見ても野田内閣福島をいじめている、いじめにしか見えないんですよ。国が前面に出てやっと救われると思う人はいっぱいいたんですよ。  特に、観光業の風評被害というのはなかなか算定が難しい。だからこそ国が前面に出て取りあえず当座の運転資金をやろうとしているのに、実態知っていますか。役人の方々が観光業者を回って、東電の二〇%の本払い、この部分をのめば早くお金が行きますよ、二〇%をのめとずっと言っているんです、自分で仕事をしたくないから、国が払いたくないから。実際、役人の方はそう言い回っているんですよ、やりたくないから。  それが本当に野田総理の真意だと私は思いたくないし、みんな、福島が一生懸命まさに頑張ってみんなで助けようと言っているときに、せっかくの法律を骨抜きにしている。是非ともこれはもう一度実態に合わすような形で見直して、取りあえずお金を届ける、これが大事だと思います。  総理、本当に二〇%、もう一回実態に照らして、聞いてください。山岡大臣、山岡大臣も栃木ですよね。栃木の観光業、何と言っているか、この二〇%に。総理に教えてやってください。
  229. 山岡賢次

    国務大臣(山岡賢次君) 栃木県の観光業はまさに福島県と隣接地域にあるわけでございまして、皆さんのお声は本当に委員の先生のおっしゃっていることと全く同じでございます。
  230. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、そうなんですよ。この秋のシーズン乗り越えなかったら、冬は観光客が少ないんですよ、もう全部終わっちゃうんですよ。まさに今大事で、もう実際に避難者がいなくなったら四軒廃業ですよ。すごく重たいですよ、これ。実際、今まで避難者がいるから頑張ってやってきた人がいるけれども、もう無理だ、これが実態なんです。だから仮払いというのが、国の仮払い、これが大事なんです。是非ともお願いしたいと思います。  次に、資料の四を御覧ください。安住財務大臣、これ、何か分かりますか。この写真、何か分かりますか。
  231. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 建物が破損されている状況は分かりますけれども、それ以外はちょっとこれだけ見ると分かりません。
  232. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、大臣の選挙区の女川原発、これのオフサイトセンターです。津波被害に遭って、職員も犠牲になっているんですよ。要は、津波対策を立地条件に考えてこなかったんです、オフサイトセンターの。これが原因です。第一原発の事故、これについては、事故発生後の対応、これは民主党政権に責任もかなりあると思います。ただし、事前に、原発関係の施設の安全性とか住民の避難マニュアルの不備、これは自民党政権にもやっぱり責任があると素直に思っています。福島県民としても、あるいは元自衛官としても、原発関係の災害、二度と起こしてはいけない、強い思いがあります。  細野大臣、資料五の写真を見てください。これは大熊町にある第一原発のオフサイトセンターの写真です。事故が発生したときに実際に指揮を執るのがこのオフサイトセンターです。ところが、もぬけの殻です。  これは、何で今オフサイトセンターが機能していないか。細野大臣、簡潔にその理由をお答えください。
  233. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 東京電力福島第一原発のオフサイトセンターは私も行っております。まだ事故から余り日がたっていない時期でしたので地震の被害も色濃く残っておりましたし、また放射線量がこの地域は上がっておりましたので、事故後数日でもう誰もここで働くことはできなくなった、そして福島の県庁の方に移動したという、そういう経緯でございます。
  234. 佐藤正久

    佐藤正久君 これはやっぱり距離が近いんですよ、五キロですから。全然実際大きな災害にはオフサイトになっていないんです。実際上は、予備のオフサイトセンターは原町の計画でした。それも近過ぎて駄目だと。で、実際の避難計画、これとも合っていないんです。福島県のあらかじめ避難計画は三キロ、五キロ、十キロでした。でも、十キロの中に、五キロにオフサイトセンターがある。うまく機能しない。当たり前ですよ。  この資料六見てください。これは一部ですけれども、主要な原子力発電所とオフサイトセンターとの距離です。浜岡や六ケ所、泊原発は何と二キロですよ。オフサイトというよりも、ほとんどオンサイトですよ。熊取は何と四百五十メーター。実際調べてみると、三十四か所のオフサイトセンターのうち、三キロ未満が八か所、五キロ未満が十二か所、十キロ未満が二十四か所。現在、二十キロ以内、警戒区域出ていけと言っていますけれども、二十キロ以上のオフサイトセンターはゼロです。  これについては、やっぱりもう二度とこういう事故を起こさない、しかも、しっかりと住民を避難を含めて対応をするということを考えたら、この立地条件についても、この原発の再稼働を含めるというときに、もう二度とあってはいけないわけですから、やっぱり、オフサイトセンターの位置、これをもう一度再稼働を併せて見直すべきだと、細野大臣、思いませんか。
  235. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) オフサイトセンターの最終的な様々な規制の在り方については経済産業大臣でございますけれども、現在、原子力安全委員会の方で防災指針を作っておりまして、その中でいわゆるEPZについても方向性を出すことになっておりますので、当然オフサイトセンターも大きくかかわってくるというふうに考えます。  私も気になりましたのでちょっと経緯をそれぞれ個別に調べてみたんですけれども、実はこういう話をする人がいました。オフサイトセンターが二キロとか五キロとかいうのは近過ぎるんではないかという議論も一部であったようなんですけれども、一方で、では、ここが危ないんだったら例えば役場はどうなんだとかそういう話になって、いや、安全だと言わないとなかなかこういう原発を置けなかったという事情もあったようなんです。  ですから、一つの私は、オフサイトセンターのこの場所がこれだけ近いというのは安全神話の私は負の部分だったと思っています。そういう意味では、もうそういった間違った安全神話ということにのっとるのではなくて、事故があったときにどう対応するのかという危機管理の観点から見直しが必要であるというふうに考えます。
  236. 佐藤正久

    佐藤正久君 全くそのとおりなんですよ。  実は私も、自衛隊でよく防災訓練なんか原発でやろうとしても、来るなと言われますから、自衛隊が来ると危ないと思われるからと。これがやっぱり実態なんです。だから、自民党も反省をしないといけないところがいっぱいあるんですよ。だけど、今もう、総理、二度とこういう事故対応で失敗はできないんです。だから、浜岡もそうですけれども、二キロですから、再稼働の前にはオフサイトセンターの位置もしっかり考えないと私は駄目だと思います。  住民はこういう福島のような悪夢はもう絶対見たくないし、私も福島の出身として絶対あってはいけないと思います。やはり、これから原発の再稼働ということを考えた場合、原発関連施設の安全点検と住民の避難対処マニュアル、これはゼロベースで見直すべきだというふうに思いますけれども、総理のお考えをお聞かせください。
  237. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 二度とこのような悲しくて切ないことが起こってはいけないというふうに思います。そのために、委員の御指摘のとおり、あらゆる面でゼロベースで見直していくということが基本だというふうに認識をしています。
  238. 佐藤正久

    佐藤正久君 やっぱり総理、もう想定外という言葉は使えないんですよ。それは、上に立つ者が、政治家とか経営者が言い訳のときに使う言葉ですから。  しかし、危機管理というのは、考えられないことを考える、考えにくいことを考えるのが危機管理です。つまり、想定内をいかに増やすかということなんです。やっぱりそれが基本。もうこういう分かっているような、オフサイト、これは絶対見直さなきゃいけませんし、避難マニュアルも絶対これは見直さないといけない。  ちょっと観点を変えます。  私、今、口ひげを生やしています。陸上自衛隊ではこの鼻ひげはオーケーですけれども、顎ひげは駄目です。一川防衛大臣、その理由分かりますか。
  239. 一川保夫

    国務大臣(一川保夫君) 私はまだそこまでちょっと勉強しておりませんけれども、できたらその辺りをしっかりと教えていただければ、自衛隊の皆さん方にも徹底をしてまいりたいと思っております。
  240. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、実は、防護マスクかぶりますよね。今、原発の方でも本当、笑えない状態なんですよ。マスクをかぶる、顎ひげがあるとそこからガスが入ってくる可能性があるから毎日ひげをそらないといけないんです。今の原発のJヴィレッジへ行ったらめちゃくちゃですから。眼鏡を掛けて曇っていたり、ひげをしている、いっぱいですよ、経産大臣。でたらめですよ、そういう指導が。本当は入ってきたらいけないのに、もう曇っていますから、ガラス。  現場では実は敬礼も禁止なんです、作戦においては。なぜかというと、敬礼をしたら誰が上司か分かるでしょう。そうしたら、上司がスナイパー、狙撃手に狙われるんです。だから、危機管理というのはそういうふうにいろいろ考えないといけないんです。  だから、そういう意味において、今回の民主党政権が、再稼働において今度は安全点検、施設点検やった後、ストレステストをやると言いましたよね。でも、そのストレステストにテロが入っていないんです。これは多くの住民が知らないんです。  総理、なぜ今回ストレステストにテロを入れないんでしょうか。
  241. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 原発の安全性を確保する上で、いわゆるテロなどに対する対応ということも重要である、必要であるということは十分に認識をいたしております。  ただ、ストレステストということになりますと、これは、ストレステストはそのテストのプロセス含めて、そして実際に、例えばこういうストレスに対してどれぐらいの安全度があるのだということを公開をして、そしてそれによって安全と安心を確認をしていただくということでございますので、これテロに対する対応ということに少なくとも限っては、こういうテロに対する対応ができておりますということの手のうちをさらすわけにいきません。そういった性格がありますので、少なくともストレステストとは別枠でやらないといけないと。  ただ、これについて、現時点で十分なのかという御指摘であれば、これについては更にしっかりとした対応をしていかなければならないと思っております。
  242. 佐藤正久

    佐藤正久君 先ほど言ったように、住民はもう想定外という言葉を聞きたくないんですよ。実際に、米国は日本の原発警備に懸念を有している、これは大臣も承知のとおりです。  実際、今回の福島原発の事故の影響で、もう原子炉建屋ではなくても外部電源が一日以上来なければメルトダウンとかスルーする可能性がある、もう全世界が分かりました。そうしたときに、例えば国内の飛行場から、よく言われるように、セスナが飛んだ、原発の方に向かっている、山岡国家公安委員長、それが外部電源の方に向かっている、警察で対応できますか。
  243. 山岡賢次

    国務大臣(山岡賢次君) 委員御存じのとおり、警察は、定められているルールはまず国内の治安維持と、こういう立場でございますので、警察で直ちに対応することは非常に難しいと思います。
  244. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、米国では、国内の飛行場から飛び立った航空機が原発の方に向かう、これはスクランブルの対象なんですよ、多分総理も御存じだと思いますけれども。でも、もう外部電源が弱いというのはみんな分かったわけですよ。  今、経産大臣は建物のことも言いました、ストレステスト。でも、それは原子炉建屋だけではなくて、ほかの施設のストレステスト、外部電源、非常に弱いですよ、外部電源建屋。あるいは、九八年の香川の坂出発電所、鉄塔倒れましたよね。ボルトを外せば倒れるんですよ、あのときもありましたけれども。  そういうふうに、やっぱり本当に想定外ということをなくしてやらないといけない、そう思います。  実際、今、自衛隊は、テロに対しては警護出動が掛かれば米軍基地は警護できます。原発は警護できないんです。だけど、テロによって原発が攻撃されたら、住民の避難は、自衛隊、できるんです。自衛隊は、原発の警備できないけれども、やられた後の住民避難はできる。やっぱりおかしいですよ。  こういう部分については、総理、やっぱり与野党を超えて話し合わないといけない。自民党は、この原発警備について提言をまとめました。与野党でこれを話し合う、そういう総理の考えはございませんか。
  245. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の原発の事故の教訓受けて、例えば再稼働に向けての取組、いろいろプロセスがあります。それはさっき大臣がお話しになったとおりであって、一方で、まさに今回の脆弱性の問題、外部電源の問題も出てまいりました。  委員指摘のとおり、津波や地震に対する対策だけではなくて、この脆弱性をどうやって克服していくか。テロの問題もございました。警察が何ができるのか、自衛隊が何ができるのか、その連携はどうするのか、すき間は何があるのか、そういうことを含めて、胸襟を開いて国民のために議論をしていきたいというふうに思います。
  246. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常に前向きな答弁をいただきました。是非とも与野党協議やるように各大臣に命令していただきたいと思います。  今、非常に福島原発、もう誰でも入れるんですよ。だから、泥棒も入っているし、三月の下旬には街宣車が第二発電所をもう走り回っており、今の警備体制も、それでも本当にいいのかということも含めて、これは喫緊の課題ですから、是非ともよろしくお願いします。  以上で私の質問を終わります。
  247. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合正明です。  公明党は、復興財源の確保に関しまして、国民負担の議論の前に徹底した歳出の見直しをということを再三申し上げてまいりました。朝霞の国家公務員宿舎の凍結、これは当然の判断であると私どもは考えております。    〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕  その上で、まず総理に、具体的に質問通告はしていなかったわけでありますが、徹底的に歳出を見直していくんだという観点から、国の地方合同庁舎の問題についてまず伺いたいと思います。  これは、政権交代して、三十五か所中二十二か所を凍結すると。昨年六月には出先機関の原則廃止を閣議決定までしてきたと。そうした中で、今年度予算、また来年度の概算要求にも予算計上されて、総工費は六百億円だということでございます。  国民の皆様にとっては分かりづらい、納得し難い話でございまして、私は、本当にこれが今必要なのかということを再度精査すると、凍結あり得るという前提で検討していただきたいと、凍結すべきであると、総理の判断を求めたいと思います。
  248. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 復旧復興に向けて様々な事業をやろうというときに、その財源の確保、今ぎりぎりのところの詰めをやってまいりました。  もちろん、御党も御指摘されているように、徹底した歳出削減、あるいは税外収入の確保をしながら、足らざるところを国民に御負担をお願いをすると、そういうやり方を基本的に考えて、今、与野党協議を呼びかけておりますけれども、その中で朝霞の公務員宿舎については、先般の予算委員会においても、御党の白浜先生からも御指摘をいただきました。各党からもいろいろ御意見いただきました。そういうことを踏まえて、やっぱり国民感情、被災者の感情を考えたときに、凍結という判断をさせていただいた次第です。  ただいま御指摘いただいた国の地方庁舎の件でも、御指摘いただいたとおり、基準を作ったんです、政権交代後に。それは、整備の緊急性が真に高いこと、耐震性基準を満たしているかどうかとか、いろいろ無駄を生じさせない方法があるかどうかとか、そういう基準の中で、三十五の要求のうち二十二か所は整備を見送りましたけれども、これは震災が起こる前に作っている基準でございますので、その基準に基づいて今回要求出てまいりました。ということは、政策の優先順位が変わってきていることは間違いないと思いますので、要求は出てまいりましたけれども、予算編成のプロセスでしっかりと精査をさせていただきたいというふうに思います。
  249. 谷合正明

    ○谷合正明君 もう一点、昨日、会計検査院が原発交付金の積立金について指摘をしました。今残っている積立金のうち六百五十七億円は当面不要であるということでございまして、復興財源にこれを回すべきではないかという指摘でございました。  総理にまず、この点についてもお伺いしたいんですが、一次補正で五百億円をこの積立金から取り崩したということでありますが、今回の指摘はそれを上回る金額を復興財源に回すべきではないかという指摘でございます。会計検査院に従ってこの判断をされるということでございますでしょうか。総理の御所見を伺います。
  250. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 積立金については国会でもいろいろ御議論いただいておりますが、その中で、御案内のとおり一次補正で一つの財源とさせていただきました。  会計検査院の指摘の額がもっと多いということでございますので、これもよく精査させていただいて、その上で、もちろん使えるものは使っていきたいというふうに考えております。
  251. 谷合正明

    ○谷合正明君 精査していただきたいと思うんです。切り込む余地はまだまだあるんだと私は思っておりまして、大胆なこの歳出の見直しということをもう一度再検討していただきたいということをまず冒頭に申し上げたいと思います。  次に、被災者の暮らし、特に仮設住宅の冬場に対する備えについて平野復興担当大臣にお伺いいたします。  私、先日台風十五号が東北地方にも襲ったときにちょうど岩手県におりました。そのときに台風被害を受けた仮設住宅もございまして、まず仮設住宅の台風被害からの復旧というものをしっかりやっていただきたいと、精神的なケアも含めて。これは小宮山厚生労働大臣、御要望いたします。  もう一つは、冬場に対する寒さの備えであります。  応急仮設住宅居住環境に関するプロジェクトチーム設置されました。その中で、仮設住宅で風雨を、雨風を避ける風よけ措置や室温保持のための断熱材の挿入等の改良工事、これは急ピッチで進めなければならない喫緊の課題であるということが浮き彫りになっているわけであります。また、アンケート調査では、具体的に仮設住宅の中の風呂場の追いだき機能のある風呂場が欲しい、そうした具体的な御要望もたくさんいただいております。  九月三十日にプロジェクトチームの会合において平野復興大臣は、しかしながら、この寒さ対策が被災県にばらつきがあって、遅れている県に対してなぜ動かないのか、仮設住宅の環境整備は国の施策じゃないと語気を荒げる場面もあったと聞いております。国としてアンケートを取って終わるという話でないと思います。国としての対応、支援策を講じるべきではないかと思いますが、いかがでございますでしょうか。
  252. 平野達男

    国務大臣平野達男君) どういう言い方をしたかというのは正確に覚えておりませんが、いずれ、仮設住宅設置した環境整備、これは最も近いところにいる市町村、県、これがまず主体的にやってやるべきだということはかなり強い口調で言ったということは記憶しております。  県によってかなりその対応にばらつきがございまして、県によっては断熱材あるいは二重サッシ、こういったものの整備をもうほとんど終わっているところもございました、それから、始めているところもございました、実態すら把握していないところもございました。こういった問題については、もっともっと自治体で主体性を持っていただきたいということを、そういう趣旨で申し上げました。  ちなみに、あえて申し上げさせていただきますと、この被災者に対しての様々な支援仮設住宅の建設、住環境の整備、物資の提供等々も含めて、これは当たり前の話かもしれませんが、国が被災者生活支援チームを設けまして現地に行って様々の支援をやってきたということについては、まだまだ不十分だという御指摘がございますけれども、これまでの災害にはなかった取組でございます。それだけ今回の災害が大きかったということでございまして、これは当然のことながら国の施策であるという意識でやってきたつもりでございます。
  253. 谷合正明

    ○谷合正明君 もう少し具体的に、同じアンケートの中で居住者の約四割が生活不便を感じておられます。近くに病院、商店がない、生活が不便と感じている方が全体の約四割を占めております。仮設住宅の中には高台に位置して、高齢者の方で車を持っていらっしゃらない方はタクシーを使って移動して、この交通費の負担も大変なものでございまして、日々の買物や通院、政府においても何らかの対策を講じるべきではないかというのが一点と、もう一つは、仮設住宅の暮らしが長期化いたしますと、懸念されるのは孤立化また精神的な疾患ということだと思っております。その意味では、仮設住宅におけるきずなでありますとか、周囲とのきずな、連帯感というのが必要になってまいりますが、コミュニティー形成が不可欠だと考えます。  この二点について併せて対応を求めたいと思います。
  254. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 当初、私は仮設住宅を造るときは、特に今回の被害は三陸地方が大きな、甚大な被害が出まして、そこは用地がありません、土地がない。土地がないから、近隣の市町村仮設住宅を造ったらどうかということを盛んに推奨いたしました。  しかし、被災者の方々は、自分のところを離れるわけにはいかないんだということで、首長さんも自分のその市町村の中で、狭い地域の中で仮設住宅の用地を探さざるを得なかったということが背景がございます。その結果として、近隣には病院もない、病院自体が被災しているところもございましたので、あるいはコンビニもない、そういったところが出てきているというのも事実でございます。  そういったところにつきましては、これは後で必要があれば小宮山大臣にも補足願いたいと思いますが、緊急雇用創出基金の活用でありますとか、あるいは中小企業庁でも様々な制度を用意しております。そういったものの活用をお願いしておりますし、その他、非常に、このアンケート調査を踏まえまして、何ができるか、何をしなければならないか、これは牧厚生労働大臣が今中心になって進めておりますが、今の災害救助法の枠をできるだけ広げて読むような工夫をしながら支援をしてまいりたいというふうに考えています。
  255. 谷合正明

    ○谷合正明君 とにかく本格的な冬の到来はもう間近でございまして、それはもう地元の大臣が重々承知のことだと思いますが、本当に被災者の思いに立って対応していただきたいということを要望させていただきます。  今、私は党の宅地被害対策プロジェクトチームで仕事をさせていただいております。その中で、宅地の基盤の被害についていろいろ調べてまいりますと、こうした事業のやはり地方負担、これを本当になくしていくということと、もう一つは使い勝手のいい事業にしていかなければならないということの二点が極めて重要ではないかと思っているわけであります。  具体的な宅地被害の事業の話に入る前に、こうした本格的な災害復旧、インフラ、ハードの設備に対して、総理にまず明言していただきたいんですが、地方負担がゼロになると事業費に歯止めがなくなる、利かなくなると、そういった懸念の中から地方負担を本当にゼロにしていいのかどうかという議論というのはずっとあったわけです。しかしながら、先ほど来ありますが、被害額が大き過ぎて一%の負担でも本当に大変なんだと。  そうした中で、こうした災害復旧事業については地方負担はゼロにするということで、総理からも明言していただきたいと思います。いかがですか。
  256. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回、大変被害の規模が大きい、その上で、従来の災害対策枠組み等では対応できないというのは、やっぱりその自治体の財政力が元々弱いところもあると、そういうこともございまして、できるだけ国がこの負担を担っていくというような取組をしてまいりました。補助率のかさ上げであるとか、あるいは地方負担という形であっても実態は地方債でするとか特交を入れるとかという形でやってまいりましたけれども、御指摘のいろいろな様々な事業についても、もっとその工夫、事実上、地方負担、地元の負担がなくなるような取組努力をさせていただきたいというふうに思います。
  257. 谷合正明

    ○谷合正明君 宅地被害についてですが、これは全国、今回の東日本大震災で五千四百六十七戸、数が今報告が上がっております。岩手県二百九十三、宮城県二千七百六十一、福島県九百七、茨城県九百六十三件等、続いております。この宅地被害への面的な支援のスキームとして、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業とか、あるいは防災集団移転促進事業も使えるということでございます。  ところが、仙台におきまして、宅地被害、二千件以上あるわけですが、現行制度では今の基準だと四割しか支援対象とならない、過去の地震時における特例措置を適用しても七割までしか広がらないと指摘されているわけです。  そこで、先ほど自治体負担をなくしていくとともに、使い勝手の良い制度にしていくということが求められているわけであります。  防災集団移転促進事業については、一戸当たりの上限、これを撤廃していくということ。ほかにもあります。例えば、住宅団地の用地取得ということに限定されておりますが、住宅のみならず、学校、病院、役場などの用地取得も入れるべきではないかと。あるいは、要件も十戸以上の移転が対象でありますが、これを引き下げるべきではないかという話もあります。  大規模盛土の造成地の滑動崩落対策については、例えばこの補助率だけの問題ではありません。適用要件として、その地域が避難路に被害のあるおそれだけじゃなくて、これに加えて、例えば市町村道に対する被害のおそれ、こうしたことも適用要件に入れるべきではないかという具体的な話もあります。  崖崩れ対策についても自然斜面だけじゃなくて人工斜面を加えてほしい、小規模住宅地区改良事業についてもこの不良住宅の戸数要件を引き下げてほしいと、様々な声が上がっておりますが、こうした被災自治体からの要望に対しては、国土交通大臣、しっかりと検討すると、しっかりと実現するということでよろしいでしょうか。
  258. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) 谷合委員は宅地崩壊問題のPTのお世話役をされているというふうに伺っておりまして、今御提案の個々の施策についての具体的な御提案、そういったことを含めて、私どももできるだけ復興に支障のないように取り組んでいきたいと思っております。  申し上げれば、上限の撤廃であるとか条件の緩和であるだとか、そういったことを実現してまいりたいと、このように思っております。
  259. 谷合正明

    ○谷合正明君 今日はお答えできる具体的な部分というのは限られているのかもしれませんが、実現していただくというふうに受け止めさせていただきました。  ただ、ここで一点指摘しておきたいのは、例えば崖崩れ対策なんかは特例通知措置というのは過去の地震のときにも行っております。  昨日の衆議院の委員会の中でも我が党の石田議員からも指摘がありましたが、この特例措置の通知というのは、地震発災から、例えば阪神・淡路大震災、芸予地震、中越地震、中越沖地震、それぞれ二か月、三か月、あるいはないし五か月で特例通知は出しているんです。  しかし、今回の東日本大震災においては、七か月たとうとしているのに特例通知は出されていないわけであります。この遅れは何なのかと。これは本格的な復興予算である今回の三次補正予算の遅れそのものでございまして、財源の措置がないからこの特例措置ができないんですという説明なんですね。このことは非常に私は問題であると厳しく指摘させていただきたいと思っております。  次に、もう一つ被災地において今大変に住宅に加えて問題になっておりますのは、雇用の問題であります、仕事の問題でございます。  何といいましても、明日の、今日の生活がどうなるのか、そして将来設計がどうなるのか、ここが見通せない限り、本当にこの不安にさいなまれる毎日なんですね。今、政府は失業給付の延長、雇調金、雇用調整助成金の拡充等をやっておりますが、これはあくまでも雇用に向けたつなぎの措置であります。最終的には被災者の多くの方が望んでいる被災地、地元での雇用に結び付かなければならないわけでございます。  公明党は、この本格的な復興予算に際しまして、既に提言させていただいておりますが、例えば、重点分野の雇用創造事業、緊急雇用創出事業、ふるさと雇用再生基金、これは被災地だけじゃありませんけれども、全国的な話かもしれませんが、こうした雇用に関する基金は延長し、積み増すべきであると、そして、短期だけの雇用だけではなくて、中長期的な雇用につながる、そういう予算措置をとるべきであるというふうに訴えてまいりました。  この点について小宮山厚生労働大臣に伺います。
  260. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 委員がおっしゃいますように、復旧復興に向けてはとにかく仕事をつくり出していくということが一番重要な点だというふうに思っております。  そのために、一次補正予算で重点分野雇用創造事業に五百億円積み増しまして、現在実現しているのは被災三県で一万六千七百人余り雇用されておりまして、計画が三万二千人ほどというふうになっております。三次補正では、緊急雇用創出事業とほぼ同じ目的の当面の雇用機会を創出する事業といたしまして、重点分野雇用創造事業に二千億円の積み増しを今要求をしているところでございます。  そして、今後復興の段階では、やはりおっしゃったように、被災地の地元で安定的な雇用をつくるということが大変重要なことだと思っていますので、三次補正では、度々申し上げているように、地元の産業政策と結び付いた観点から雇用面での支援を行う事業、また御高齢な方が多いので、そういう方から技を伝承するようなことですとか、女性障害をお持ちの方も活用できるような雇用モデルを創造するための事業、こうしたふるさと雇用再生特別基金事業とほぼ同じ目的の本格的な雇用を創出するための事業の創設に千五百十億円を要求をしております。    〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕  こうした基金事業を中心にしまして、しっかりとこれから復興に向けても仕事をつくっていきたいというふうに考えております。
  261. 谷合正明

    ○谷合正明君 地元の求人はまだまだ圧倒的に不足しているというのが現実でありますが、しかしながら、求人を出してもなかなか人が、技術者であるとか専門家がいないという問題もあるわけですね。実際、私も久慈市に行って建設会社の方から話を聞きました。復興案件、公共工事あるんだけれども、技術者がいないから受注しようがないと、これ以上受注しようがないという話なんで、結局は中央の大手の建設会社が受注して地元の雇用に結び付かないといった問題もあると。  この十月から失業保険、雇用保険に加入していない方も対象の求職者支援制度、職業訓練制度もございます。職業訓練制度のこの有効性が引き続き大きな課題となる中で、被災地においてもこの職業訓練と実際の雇用とのミスマッチをできる限り少なくしていくことが大事でありますが、被災地においてこの職業訓練の実施状況、また今後の実施予定含めて説明願うとともに、職業訓練というのは、職業訓練することが目的ではなくて、職業訓練終わって就職に結び付かないと意味がないわけであります。なかなか職業訓練しても就職先がない、正社員先がないとか。  私、やはりこの就職あっせんまでしっかり一貫したフォローが必要であると思っているんですね。この点について小宮山大臣の御見解を伺います。
  262. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) おっしゃるとおり、特に復旧事業の中では建設関係ニーズが多いということで、四月の五日から公共職業訓練の特別訓練コースの設定を県知事に対して要請をしておりまして、また五月には基金訓練の特別訓練コースの設定を中央職業能力開発協会にあてて要請をしているところです。  これまでも建設重機の運転を中心にコースを増やしておりまして、建設関連分野、被災三県でおよそそれまでの倍増をしているんですが、まだまだそれでも追い付かない状況ということは承知をしております。  そして、ハローワークが中心になって日本が一つになって仕事をつくっていこうというプロジェクトの中で「日本はひとつ」しごと協議会というものを各県につくっておりまして、その中でなるべく被災者の皆様に仕事を結び付けていく、そういうような機能も使いまして、こうした職業訓練を受けた方がしっかりと仕事に就けるように努力をしていきたいというふうに思っております。
  263. 谷合正明

    ○谷合正明君 厚労省に聞くと大体、これもやっています、あれもやっています、これもやりますという話になるんですけれども、実際にやはり現場の感覚というのは本当に厳しいんだと私は思っております、雇用に関して。  特に、ハローワークに依存し過ぎた政策ではないかなと。いや、ハローワークに依存し過ぎというのは、ハローワークもしっかり使う、しかしながら民間の力もしっかり使わなきゃいけないと、特にこの職業訓練から再就職に行く過程の中で本当に総力を挙げてやらなきゃいけないと思っております。  このことを指摘させていただいて、次の最後の質問に移らせていただきます。  今回の地震で改めて、きずなとか支え合いあるいは共助、こういった価値観が再確認されました。実は、公明党としましても、今本格的な復興予算に際しまして、仮称でありますが、青年復興協力隊というものを創設を提言をさせていただいております。これは、海外青年協力隊という事業ありますけれども、その国内版あるいは復興地版と思っていただければと思っておりますが、宮城県の震災復興計画の最終案の中にも、こうした復興の担い手育成のための仕組みづくりというものが提言をされております。  私は、今ボランティアの方が一日あるいは一週間単位で入っていらっしゃいますけれども、しかしながら、二年間とかある程度のまとまった期間の中で、そしてもう少し生活保障をする中で町づくり、あるいはコミュニティー、IT、あるいはボランティアコーディネート、様々な職種、被災自治体からの要請のある職種というのはあると思うんですね。こうした仕組みづくりをすべきではないかということを提言させていただきたい。  今、総務省の中に地域おこし協力隊という事業があります。詳細は省きますけれども、こうした制度を参考にしてつくっていただきたいと思いますが、まず総務大臣に御見解を伺います。
  264. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 大変御貴重な御提案、ありがとうございます。せんだって御提言をいただいた中にこのことが書いてありまして、我々としてもいろいろ検討してまいりました。  おっしゃるように、コミュニティーの再生というのはもう復興の一番メーンになることでありますし、今先生言われたように、いろんな幅広い部分で人材が必要であるということであります。東日本大震災復興の基本方針においても、こうした活動に幅広く従事する復興支援員の配置を進めることというふうに記載をされております。これは先生おっしゃった御趣旨だというふうに思います。  御指摘のように、総務省には、地域おこし協力隊ということで、地方自治体が三大都市圏等から都市住民を受け入れ、地域おこし協力隊として委嘱し、一定期間、おおむね一年以上三年以下、各種の地域おこし活動に従事し、この取組に関して特別交付税措置をするということで、二十二年度では二百五十七人が活動をしておるという実績があります。  そういう意味で、被災地に住み込んで住民の見守りやケア、集落での地域おこし活動に積極的に取り組む人材を各地域から派遣するということは極めて重要な施策であるというふうに考えておりまして、地域おこし協力隊の人材を送り出している元は都市部というのを中心にしていますが、それを拡大して被災地域内も含めて人材が派遣できるように、そして期間ももう少し長くもできるんではないかということも含めて、地域おこし協力隊をベースにしながら、復興支援員という今名前でありますけれども、制度を拡大することで検討してまいりたいと思っております。
  265. 谷合正明

    ○谷合正明君 最後に、時間がありませんので、総理に私の提言について前向きな答弁をお願いしたいと思います。
  266. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 前向きに受け止めます。
  267. 谷合正明

    ○谷合正明君 終わります。
  268. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 谷合正明君の関連質疑を許します。渡辺孝男君。
  269. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  東日本大震災と、そしてまたその復興に関連をしまして、質問をさせていただきたいと思います。  まず、東日本大震災でも活躍をしたドクターヘリの活動支援について質問をさせていただきたいと思います。  去る九月二十日に、ドクターヘリ事業開始十周年、安全運航五万回達成の記念式典が催されました。私も出席して祝辞を述べたわけでございますが、無事故で五万回ドクターヘリが飛んで傷病者の救命に活躍したと、大変すばらしいことだと、そのように思っております。  ドクターヘリは、今回の大震災でも活躍をしたわけでありますが、ふだんは日常で救急をやっておるわけでございます。今回、東日本大震災では十八機のドクターヘリが救援に活躍し、総数百六十二名の傷病者の治療、搬送に当たったわけであります。今後の被災地地域医療の再生でも救急医療などに重要な役割を果たすと、そのように期待をしておるところでございます。  しかし、日本航空医療学会の調査、今回の検証により、解決すべき課題も浮かび上がってきておるわけであります。その中の一つが航空法上の規制の問題です。  今回、被災地以外の基地から出動したドクターヘリは、厚生労働省のDMAT事務局の要請にこたえたものですけれども、参考資料に示しましたとおり、航空法や航空法施行規則では、ドクターヘリは消防機関等からの依頼、通報に基づかないと飛行場以外の場所において離着陸できないことになっております。今回は、当初、消防機関等からの直接の依頼、通報はなく、厳密に言えば航空法違反に問われかねない、そういう状況でありました。  今後の災害時にドクターヘリが人命救助のために特例として、場合によっては消防機関からの依頼、通報を待つことなく迅速に出動できるように、航空法施行規則第百七十六条を改正し、消防防災ヘリなどと同様に必要に応じて空港以外の場所でも離着陸できるようにすべきと考えます。  前田国土交通大臣並びにドクターヘリを所管している小宮山厚生労働大臣に答弁を求めます。
  270. 前田武志

    国務大臣(前田武志君) お答えいたします。  渡辺委員は、ドクターヘリを支援する超党派の議員の勉強会がございますね、その言わばお世話役として中心になって活躍されているというふうに存じておりまして、今御指摘のこと、今回の場合には災害の対策本部が、緊急災害対策本部が設置されたものですから、この災害対策本部の依頼という形で、今までとは違うような形でやっていただいてもそれはオーケーという形になったわけですが、個々のケースについてもう少し、ほかの消防だとか他の機関ですね、公的機関と同じような扱いにならないかという趣旨のことだと思うんですね。  確かに、ドクターヘリが今まで無事故で大変大きな救命、救出に活躍をされてきた実績があります。ただ、その安全面の問題等があるものですからなかなかそこまで踏み込めずに来たわけですが、御指摘のこの百七十六条の第二号というところ、この辺はこれからもう少し使いやすいような制度にするために、ドクターヘリが活躍してもらえる制度にするために前向きに検討をさせていただきます。
  271. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今、渡辺委員からもございましたように、今回の災害の際には厚生労働省のDMAT事務局から要請をいたしまして、それが、おっしゃるようにこの百七十六条の中には厚生労働省がございませんが、今、前田大臣御答弁のように、緊急災害対策本部の中に厚生労働大臣も入っているということで、それで航空法上問題はないというふうに解釈を示しているということでございますので、おっしゃるような問題点があることは認識をしております。  それで、ただ、機動性の確保と併せてその運航の安全の確保、今、降りるときにどこが安全かということは地上の、消防の地上部隊と安全を確認しながらやっているというような事情もございますので、関係機関と意見交換を行って検討をしていきたいと思っておりまして、昨日もその検討を行ったところでございます。  その結果を踏まえまして、御指摘の航空法施行規則第百七十六条の在り方について、航空法を所管している国交省とも相談をしながら、より良い方向にできるよう検討を進めていきたいと思っております。
  272. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 例えばこの施行規則百七十六条でありますけれども、その第一号に厚生労働省が所管をするドクターヘリは格上げをすれば余り問題は起きずにいくということでありますので、これは五万回安全運航をしたというそういう実績も踏まえまして早急に改正を図ってもらいたいと、そのように要望をさせていただきたいと思います。  次に、ドクターヘリの更なる活躍のためには診療報酬上での評価も大変重要と、そのように考えておるところであります。  平成十八年にドクターヘリの法案が成立をしまして、そのドクターヘリの法案では、施行後三年を目途として健康保険等の給付について検討すると、そのようになっておったわけであります。ドクターヘリ事業は定額補助でありまして、どんどんどんどん活躍をして出動回数が増えていけばいくほど経営的には赤字になってしまうという、そういう課題指摘をされておるところでございます。  そういう意味では、活動実績を評価する意味でも、来年度の診療報酬改定のときに、例えば救急搬送診療というのがありますけれども、これにドクターヘリを加算をする、あるいはドクターカーにも加算をすると、そういう対応をしていただければ、診療報酬上からもそういう収入があるということでありますので大変有り難いわけでありますけれども、この点に関して小宮山厚生労働大臣の見解を伺います。
  273. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 診療報酬では、今お話ありましたように、ドクターカーとかドクターヘリ、患者を病院に搬送する際に診療上の必要性から医師が同乗して診療を行うことにつきましては、救急搬送診療料として評価を行っているところでございます。おっしゃいましたように、導入されて以来、この救急搬送診療料、平成二十年にはおよそ二倍に点数を引き上げておりまして、平成二十二年には新生児や乳幼児への加算を手厚くするといったような対応をしております。  ただ、これでもやはりまだ足りないということは分かっておりますので、中医協での議論なども聞きながら、これはしっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。
  274. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 是非ともそういう加算を実現をしてもらいたいと、そのように思います。  次に、ドクターヘリは、現在、二十三道府県、二十七機体制となったわけであります。東北では、現在、福島県、そして青森県で二機が運航しておりますが、今後二年間で、秋田、岩手、そして山形でドクターヘリが運航を開始する予定となっております。被災を受けました宮城県を含めて早く全国的に配備を進めるべきと、そのように考えておりますけれども、野田総理大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
  275. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 大変ドクターヘリに渡辺委員は力を入れていらっしゃいますけれども、先ほどもちょっと御議論の中にありましたけれども、今回の東日本大震災の際にも大変活躍をいたしました。  御指摘のように、現在、二十三道府県で二十八機導入されていますが、国としては、これドクターヘリ導入促進事業という形で毎年予算を付けております。たしか平成二十三年度が二十九億ぐらいで、前年度よりは二億ぐらい増やしていると思います。こういう形で、着実に財政支援も含めて取り組んでいきたいというふうに思います。
  276. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 しっかり、もう何年後には全国配備をするというような目標を立てて、しっかり予算を確保して推進を図っていただきたいと、そのように思います。  次に、今回の災害に関連をするんですけれども、実は去る十月四日、別の方の参議院の災害対策特別委員会で、台風十二号と十五号の被災地の和歌山、三重、両県を視察をさせていただきました。一日のみの行程でしたので自衛隊の大型ヘリを使わせていただいたわけでありますけれども、そのときに、東紀州広域防災拠点施設のヘリポートを使用しました。  この施設には備蓄倉庫も整備をされておりまして、大型ヘリコプターも複数機利用できるぐらいの広いスペースがありました。私は、このような広いスペースを持ち、夜間照明設備も整えた多目的のヘリポートをやはり三陸沿岸には整備しておく必要があるんじゃないかというふうに思います。これはいろんな災害に対応できる、あるいは救急医療にも対応できるということでありまして、これは地域医療再生にも資するものと考えております。  平野担当大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
  277. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 災害が起こりますと、道路が寸断される、あるいは港が破壊されて船の着岸もできない、そういう状況の中でヘリコプターの果たす役割というのは非常に重要でございまして、東日本大震災においても、その後の各台風においても、ヘリコプターには助けられた地域が多かったかというふうに認識をしております。  ヘリポートの整備につきましては、各県の復興計画において位置付けられるべく検討が進められているというふうに理解をしております。防災機能やドクターヘリ運航の観点からも重要なものでありまして、今後、自治体整備していく過程で求めがあれば支援について検討してまいりたいと考えております。  なお、あわせて、これから首都直下型地震あるいは東南海の南海トラフに端を発すると想定される三連動、四連動の東南海地震につきましても各自治体、今準備を進めていまして、首長さんからは是非とも災害拠点としてのヘリポートの整備を進めてもらいたいという強い要望も受けているということも御紹介しておきたいというふうに思います。
  278. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 やはり、救急医療だけでなくて、様々な本当に迅速に届けなければいけないような物資とかそういうものをやはりヘリコプター等で対応しなければいけない、そういうことが、三陸のああいうリアス式海岸で余り降りる場所が少ないというようなときには、やはりそういうところにはきちんとそういう少し広めの多目的のヘリポートを造っておくべきではないかと、そのように考えております。  それから、次の質問でございますけれども、東日本大震災では介護従事者も被災をした中で、要介護者の避難や遠方の避難地での介護サービスを継続するというようなことで大変な状況でありましたけれども、本当に従事者の方々が頑張ってくれたわけでございます。しかし、被災地やあるいは避難地での介護従事者の不足というものが大変大問題となりました。  私は、三月二十二日の予算委員会で、災害時に緊急に被災地外から派遣する災害派遣介護支援チームの創設をしたらどうかということで厚生労働省質問をしましたところ、検討するということでありましたが、その後の検討状況を小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  279. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 三月二十二日に予算委員会で御質問をいただいて、当時の大塚副大臣から検討するとお答えをした点だというふうに思います。  DMATに並んでDCATになるのかという御提言があったというふうに承知をしておりますけれども、この災害時の介護職員の派遣につきましては、調査研究事業、これを活用しまして被災地の学識経験者、事業者等の有識者で構成する検討会を八月にスタートさせました。また、今年七月に設置をいたしました災害医療等のあり方に関する検討会では、慢性期医療の中では中長期的な医療救護班の派遣調整だけでなく、医療とともに介護との連携が必要になるということから、災害時の医療と介護の共通課題などの大枠について議論を行っている、その両方で行っているということでございます。  今後、こうした検討の結果も踏まえまして、災害時の介護支援の具体策、しっかりと策定をしていきたいと考えています。
  280. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今回は、DMATは七十二時間、まずは救命をしなければならない重症なけがの方々等を救っていくわけでありますけれども、介護の方は少し長めになるわけでありまして、今回やはりスタッフが希望されて派遣にこたえていきましょうという方は大勢いらっしゃったんですが、実際にはこれが実現をしなかったと、希望者の二割程度ですかね、実際に一割か二割程度しか派遣できなかったということでありますので、そういうシステムをふだんからきちんと訓練もしながら整えていくことが大事だと、そのように思っております。  次に、福島県ではやはり浜通り地方から原発事故も絡みまして会津地方に避難をされている方が大勢いらっしゃいます。そういう中で、厚生労働省の管轄の雇用促進住宅仮設住宅として入居をされておられる方がいらっしゃいます。  会津も本当に寒さが日に日に増してまいりまして、やはりそういう雇用促進住宅で生活をされている方々も、やはり湯沸器欲しいなと、やっぱりこれからもっと寒くなったら本当に大変だというお話がありまして、普通の仮設住宅にはこれがもう調っておると、雇用促進住宅の方は元々そういう設計でなかったので付いていないということでありまして、これを是非とも付けてほしいという、そういう会津の方からの要望がございました。  これに対してどのように対応するのか、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  281. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 雇用促進住宅、被災された方々が入所されているものについては、その居住環境を改善するためにエアコン設置をまず進めてまいりました。その結果、被災三県で十月三日現在九九・二%、おおむねこのエアコン設置が完了いたしました。  そして、給湯器につきましては、防寒対策のため、これは被災者の方が入居している雇用促進住宅に早急に設置されますように、これを管轄しております独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に対しまして、昨日、十月五日付けで付けるようにという通知を出しました。これが早急に速やかに付けられますようにしっかりと努めていきたいというふうに思っております。
  282. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 会津の話題になりましたので会津の話をもう少しさしていただきますけれども、会津は大変、猪苗代湖、磐梯山、そして鶴ケ城と、大変すばらしい、美しいところでございます。  NHKの大河ドラマで今度、平成二十五年ですか、この会津出身の新島八重さん、さんと言っちゃっていいのかどうかですけれども、同志社大学の基を築きました新島襄夫人でもございます。この方の波乱万丈の生涯を描いた、そういう「八重の桜」というドラマになるということでありまして、これからますます会津への関心が高まり、観光客も多く来ていただけるのかなと期待をするわけでありますけれども、残念ながら今回の大震災で大変な観光風評被害で、また農産物等も影響を受けて出荷が減ったということであります。  こういう風評被害対策を更にすると同時に、東電任せの賠償だけではなくて、政府としてしっかり観光対策、振興とか、総合的な対策をやはりしてもらいたい、そういう要望現地では多くあるわけであります。  総理にこの点しっかり、そういう被災を受けた地域に対する総合的な対策、そういうものをしていただきたい、その旨御答弁をいただきたいと思います。
  283. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 午前中もちょっと触れたんですが、私が中学のときの修学旅行はまさに会津で、猪苗代湖、磐梯山、そして白虎隊の演舞で感動するというコースでございました。大変楽しい思い出として記憶に残っています。  残念ながら、今、修学旅行も会津の地域、減っていると聞いております。これはきちっと科学的知見に基づいた対応を国内でも求めていかなければいけないなと、きちっと、これまで修学旅行していたところは行けるように、安全であるということを周知徹底しなければいけないというふうに思いますし、国内のお客さん戻すだけではなくて、世界もそうだと思います。せんだって、UNWTO、世界観光機関の事務局長、それから、これは民間でありますけれども世界旅行観光協会、WTTC会長とお会いしまして、どんどんと日本に来てくださいとお願いをすると同時に、総会でアピールしてもらうようにお願いもしました。  そうした観光振興とともに、今被害が出ているところに対する賠償についても、今いろんな議論がありますが、適切な対応をしていきたいというふうに思います。
  284. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 今話題となりました福島県会津出身の小熊慎司であります。会津を話題にしていただきまして、本当にありがとうございます。  さはさりながら、この福島県、東日本、考えてみれば、今年は豪雪で年が明け、そして三月十一日、そして七月の末には新潟・福島豪雨、そして先日の台風と、大変な自然災害、状況に陥っているところであります。私も会津若松市に在住をしておりますけれども、これは一日も早く復興に向けて取り組んでいかなければならない、まさに政治の真価が問われているところであります。  そこで質問させていただきますが、今日も種々質問が出て重なる部分もありますので、少し整理をして質問させていただきます。  復興庁、復興局の話が出ました。やはり私も、超党派の派遣でアメリカのカトリーナ災害の復興の現状を研修してまいったり、また、あのインド洋の津波のときの復興の状況というものも勉強させていただきましたけれども、やはり現場にその権限と財源がしっかりとあって、現場の声、即決できる、そういう体制がなければならないというふうに学ばさせていただきました。  そういう観点からすれば、やはり復興庁そのものが現地にあって即決をしていくということが大事だというふうに思いますし、ワンストップでやるといっても、うがった見方をすれば、復興局でワンストップで話を聞いて、結局は東京の復興庁にお伺いを立てます、聞いておきますということになりかねない、そういう危惧が生じてまいります。  そこで、実際、これです、今の仮定の、まだコンクリートされたものではないと思いますが、復興庁と復興局の権限や財源の在り方というものを今時点で示せるものをお教えください。
  285. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、復興の主体は地域、具体的には市町村という前提で私どもは復興庁の位置付けも決めていきたいというふうに思っています。そのためには何が必要かといいますと、権限も予算もできるだけ市町村に預けるということで、そのための仕組みとして特区構想、特区という制度があります。それから、予算につきましても、各省庁様々な支援措置を用意しておりますけれども、それと併せて復興交付金あるいは特別交付税を使った基金の創設等々を用意しておりまして、特に復興交付金あるいは特別交付税を使った基金につきましては、これの主体はあくまでも市町村あるいは県ということが使いやすいという前提で制度設計をしているということであります。  その上で、この復興庁、復興局なんでありますが、そういう制度設計はやはり国の中で各省庁とのいろんな調整をしなければなりません。復興特区法案につきましても、各省庁との調整をやりながら今最終の詰めをしております。その上で、そういったものができたときにそれをどういうふうに実行するかというのは、先ほど言いましたように、少なくとも復興特区、それからあと復興交付金あるいは様々な基金については地域が主体になって使うということでございますから、それを支援するのが復興局であって、それは今の構想の中では被災県、それがさらにでき得れば市町村に近い出先ということも置くこともあってもいいのかなと、そういうことで今制度設計を進めているということでございます。
  286. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 細かいことはここでは議論しませんけれども、その制度設計、しっかり注視をしていきたいとは思いますが、現時点で言えるのは、ちょっとほかのときの話題にも触れますが、今、例えば先週、会津坂下町の町長さんから相談がありまして、一部報道でもありますけれども、原乳の規制の問題ですね。  原発災害が起きたときに、福島県一帯的に原乳の規制が掛かったわけです。その後は原乳農家のしっかりとした調査に基づいて外していったんですけれども、それは市町村ごとに外していきましたから、原乳農家がいない、生産者がいないところは外れないままになっているわけですね。ところが、そこには加工業者がいて、その加工している牛乳はオーケーではあるんです。ちゃんと調査して検査をしてオーケーではあるんですけれども、イメージとしては原乳が駄目で加工乳がオーケーというのは消費者からすると分かりにくいんで、風評被害になっちゃっているんです。これ、一日一日対応が遅れることによって売上げがどんどんどんどん下がっていく、そして、牛乳だけではなくてその農産物さえも、そこの地域の、当該地域の農産物も同じなんじゃないかという状況になってくる。  これは私、この質問でやるつもりはなかったんですけれども、この会津坂下町町長の要請を受けて厚労省、農水省の職員の方を呼びましたが、説明を受けました。結局は、いや、今解除しても、新たな業者さんが、事業者がそこの町に入ってきたときに規制ができないので外していないんです、仮定の話、イフの話をするわけですよ。もし今日、じゃ会津坂下町に原乳を作りにいこうと決めたって、あしたできるわけじゃないわけですから、その間に規制でも検査でもできるわけですよ。簡単なことですよ。それが、説明聞くと、なかなか難しいとかですね。大きな法律の根幹にかかわる話じゃないですよね。もしかすると省令、政令でやれる話かもしれない。それができない、県と調整を図っている。こんな細かな話でさえこの霞が関、永田町で決められないというこの一つを取ってみても、復興庁がこの東京に置いてしまうということは同じことが起きるんじゃないかということを心配している、今もその問題が起きているわけですから。  まずこの原乳の問題はどうなりますか、大臣
  287. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 御承知のように、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限の解除につきましては、福島県知事からの申請に基づいて原子力災害対策本部から指示をされます。おっしゃったように、酪農家がいるところの解除は六月八日に行われておりますけれども、現地に乳業会社がある場合にそれが外れていないということがございます。  御指摘の点につきまして、原乳の放射性物質の管理のために、新規の酪農家の把握、適正な飼養管理の指導、事前の放射性物質の検査を行う仕組みを構築すること、こうしたことを農林水産省と厚生労働省で話をしまして、昨日その事前調整が済みました。ですから、福島県知事から原子力災害対策本部長あてに申請があれば原子力災害対策本部で速やかに解除の手続が進められると、この点につきましてはそういうことになっております。
  288. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 これまでの経過では、先週私が町長から電話を受けて、今週お役所に来ていただいて説明を受けて、いつこれはどうなるんだと言ったら、分かりませんと言ったんですよ。結局もう調整付いたわけですよね。こんな簡単なことできるじゃないですか。これはやっぱり現場に近くないからこうなっちゃうんですよ。事はだから六月に起きていてこうなっているわけですよ。この間にも様々な風評被害の影響があったと思います。こんな細かいことでさえ決められないんですよ。  被災地に寄り添う、寄り添っていない。福島の復興なくして日本の復興なし、どこがそれが実現しているのか。大きな話になればもっといっぱいありますよ。それを考えればこんな小さなこと、まあその対象になっている人には大きな話、人生懸けた話ですから。だけれども、ちょっとやればすぐ調整付く話を決められないというこの状況で、私はやはり現地にしっかりとした復興庁ができなければ同じことが繰り返されるということを危惧しているわけです。これはしっかりと肝に銘じて、今後の制度設計の中で、本当にワンストップで済むのか、現場の声がしっかりと生かされるのかをしっかり制度設計の中で織り込んでいただきたいと思います。  次の質問に移ります。  そういう中でも、復興に向けて今大事なことは、福島県もこれは浜通りから会津まで大変広い地域であります。福島県は頑張っていると、何とかそういうのを全国民の皆さんに、そして全世界に発信したい、そういう思いもある。一方で、本当に安全なのか、この地域は大丈夫なのかと心配しなければいけない地域もあります。  私も福島県に在住をしていて、本当に自分自身もいろんな自分がいます。一つでは割り切れない状況下でもあります。それでもやはりこの福島に残ってしっかりと生活をしていく。補償はしっかり被害者にはしていただかなければなりませんけれども、本来的にはやはり自分の力で家族を守り、自分の力で地域を守っていく、ちゃんとした仕事をしたい、普通の生活をしたいというのが県民の願いです。  しかしながら、先ほども茨城県の例もありましたけれども、やはり風評被害又は危険だというそういう大ざっぱなイメージで、企業も来ない、出ていってしまっている。やはり職がなければいけません。しかし、これはほかの地域の工場誘致や企業誘致とは条件がだから違うわけです。これは特段の優遇をしていただかなければなりません。それは特別法の中にもしっかり入れていかなければいけない。  我が党は増税なき復興を言っています。野田総理の下では増税に走っていますけれども、それならせめて、我が党も第三次補正予算というのを示させていただきました。(資料提示)資料でもお配りをさせていただいていますけれども、その中にも時限的に法人税をゼロにする、被災地においては、そういった案も示させていただいています。  こういう企業、職業をつくる、その優遇策の一つとして、こうした税制上の優遇措置というのは検討しておられるのかどうか、大臣にお伺いします。
  289. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 被災地向けの税制面での優遇措置については、次の臨時国会に出させていただきたいと思っております。  事業者の皆さんに対しては、雇用等をする被災者に対する給与等支給額の一〇%を税額控除できる制度とか、事業用設備の即時償却等、それから研究開発税制等で特例を講ずるというようなことはやっています。  ですから、広い意味では福島県も入るんですが、委員から御指摘のように、福島の場合は、福島県の方から何度か来年度以降の税制について特例措置を原子力に関しても大きな被害があったんでやってくれという要望を承っておりますので、今後、二十四年度の、来年度の税制改正に向けて具体的にできるものはしっかりやっていきたいというふうに思っております。
  290. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 今この二十年にわたるデフレ、そして円高、こうした厳しいそれらの状況の中で福島県に企業を誘致するということは生半可なことではありませんから、これは通り一遍の制度ではなくて、これは思い切った優遇策を、税制の制度を是非検討いただきたいというふうに思います。  先ほど来触れました風評被害の対策でありますけれども、これはやはり冷静に考えれば、あっという間に忘れていつしか福島県というのを危険視しない状況が生まれるのか、それとも十年も二十年もやはりこの風評被害というのが続くのかということが、これはやはり続くというふうに思わざるを得ません。であれば、この風評被害対策もしっかりと状況把握していかなければならないというふうに思います。  先ほど佐藤委員のありましたとおり、しっかりと補償はされないんですね。まして、私が聞いているのは、いわゆる例えば旅館業とかの納入業者です、八百屋さんです。百万円へこんでいる、でもシミュレーションしてみたら二千円しか補償されない、だったら、手間暇掛けて申請するよりは、これは逆に働いて何とか取り返していこうとなっている、そんな状況です。  今まで、これまでのこの国会の答弁によれば、相当の因果関係があれば補償しますと言っていますけれども、相当の因果関係なんて何ですか、それ。それはベニスの商人じゃありませんけれども、肉一ポンド切り取るのに血を流さないで取って証明しろというのと一緒ですよ。それは全てが原発事故の風評被害じゃないかもしれませんけれども、確実に三月十一日と、それ以前とそれ以降では確実に変わっているわけですよ。  これは、徹底した補償制度の見直しを図るとともに、それでも、それでもやはり線引きをするわけですから、漏れていく人がいる、影響を受けている人がいるわけです。この認識は共有できると思います。じゃ、その場合にどうしていくかということであれば、やはりこれは経済対策でやる、地域経済対策でやっていくしかないんですよ。これは企業誘致の話とも連動してきますけれども、それも生半可じゃないんですよ。  この点について、だからしっかり長期にわたってこの状況把握していくということと、そして今後の三次補正含めこの制度で補償、恐らくこれから拡大したりもっと深化させたりしたとしても救い切れない、影になってしまう部分をどう対処していくのかというのをそれぞれの大臣にお伺いします。
  291. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず賠償についてでございますが、御指摘いただいたように、例えば旅館業者にとどまらず、そこに関連している業者の皆さんも今回の事故による風評でお客さんが減ってということで被害を受けていらっしゃいます。こうした皆さんの損害もしっかりと賠償ができるように、手続含めて更に改善を要すると私も認識をしております。  できるだけ現場の実態に適した形で適切な賠償が行われるように、これも更に努力をしてまいりたいと思っておりますし、それから、残念ながら長期にわたって風評の影響はあるだろうと思います。これは、まさにそれについてもしっかりと長期にわたってフォローをし続けていく必要があると思っております。と同時に、確かに御指摘いただいているこの風評というのはどこまでが風評かというのは難しい線引きがありますので、そうしたところを十分以上に補えるような経済政策としての地域振興をしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。
  292. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 そういう中で、今日、観光庁長官お呼びしていますけれども、過日、会津若松市主催の鶴ケ城マラソンに十キロコース参加をしていただいて、率先垂範してこの観光業の復興に向けて努力をしていただいたところでありますけれども、本当は、本来はこの鶴ケ城マラソンにビッグネームを呼ぶというふうに観光庁長官は言っていただいていたんですね。  ところが、観光庁に予算がない、紹介をするというだけで終わってしまった、これは非常に残念だったというふうに思います。もちろん、観光庁長官もビッグネームではありますが、お友達のレディー・ガガとかですね、そういうのを呼んでいただいたり、長官も御承知のとおり、九月には日本青年会議所の方々が中心となって、また関係者が中心となって福島県で「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」というイベントが県内六か所で行われました。その際、郡山には、委員長御地元郡山には福山雅治さんが来られ、また御当地のスーパースターである西田敏行さんが来られて「あの街に生まれて」というすばらしい歌を歌っていただきましたけれども、これはやっぱり、もちろんしっかりと復興に向けてやっていくという反面、やはり風評被害に対してはそれなりのパフォーマンス、いい意味でのパフォーマンスをしていかなければならないというふうに思っています。  そういう意味では、観光庁長官も十分役割を果たしたと思うんですが、今回の風評被害考えれば、もっとやはり大きな取組をしていかなければなりませんし、フランスは国を挙げて郡山市で革命記念日をやったんですよ。我が党も様々な国のいろんな会議や国際会議、移転国会等を福島県でやってくれと言っているにもかかわらず、フランスは国のイベントを福島でやった、日本政府は、日本政府が前面に立ったイベントはまだ福島県で開催されているとは思えない、そういう中においても、やはりこういうイベントとか会議とかの支援をしっかりしていくことで情報発信をやっぱりしていかなきゃいけないというふうに思っています。  そういう意味では、観光庁長官、予算ないですよね。これ、しっかり長官として、現場を見て歩いて分かっておられるわけですから、この三次補正にどういう予算付けを獲得して実行していくのかというのを今の現時点で分かる範囲でお示しください。
  293. 溝畑宏

    政府参考人溝畑宏君) 今回の震災におきまして直接的な被害、風評被害で国内観光、そしてまた訪日外客、大変大きなダメージを受けました。国内観光につきましては、官民一体となってメディアの皆さん連携を取り、やはり旅をすることで日本を元気にしようということでキャンペーンなどを展開させていただきました。  訪日外客については、メディア、旅行会社の招聘、また皆さん連携を取り、ほかの省庁も連携を取り情報発信を行ったり、あるいは先ほどお話がありましたレディー・ガガでありますとかジャスティン・ビーバー、有名人からもメッセージをいただいたり、そしてまた留学生からそういう声を上げていただいたり、様々な手を打たせていただいております。  ただ、結果といたしましては、国内観光、一部の地域で回復が見られるものの、まだまだ厳しい現状であると認識しております。訪日外客もマイナス幅は減少しておりますが、まだまだ本格回復に至っていないということでございます。議員御指摘のとおり、まだまだ厳しい現況にあるというふうに考えております。  私も、実は四月から十回、福島に足を運ばせていただきました。イベントへの協力、キャンペーンの実施、メディアの皆さんから発信していただく努力はしております。ただ、まだまだ努力が足りないと思っております。そういう意味から、今後更に本格的に需要を回復すべく、三次補正におきましては、まず国内観光につきましては引き続き官民一体となったキャンペーン、それからやはり現場のニーズに合ったモニターツアーの造成、こういうことを積極的に実施していきたいと思っております。  特に東北につきましては、東北六県、魅力ある観光商品を連携を取りながら集客ある仕掛けをしていきたいというふうに考えております。それから、特に観光業では東北被災三県、そしてまた、そこに群馬、茨城、栃木、この北関東も大きな打撃を被っております。こういったところの観光業の支援も行っていきたいというふうに考えております。  訪日外客も引き続きキャンペーンを実施したいというふうに考えておりまして、これから秋、冬を迎えまして、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、イベントへの協力、そしてキャンペーンの実施、今まで以上にてこ入れいたしまして、特にこれから冬は大変観光需要、厳しい時期を迎えます。精いっぱい関係省庁連携をし、自治体民間一体となって、私ども、福島、会津、起き上がりこぼしのこのバッジをいつも付けてアピールに努めさせていただいております。今日も、先生、これ持って皆さんに配っております。  できる限り頑張っていきたいと思います。皆さんの多くの力を借りて頑張っていきたいと思いますので、何とぞまた御指導、御鞭撻、よろしくお願いいたしたいと思います。
  294. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 私も持っていますけれども。  とにかくへこたれずにやっていかなきゃいけないというふうに思いますし、やっぱりいつまでもビッグネームが、溝畑長官が来ればビッグネームが通用するというふうには思わずにしっかりとやっていただきたい。  また、例えば修学旅行、大臣の方から、総理の方からもありましたけれども、この間猪苗代の方に行きましたら、教育旅行は、教育の修学旅行、スキーとかの体験旅行は、修学旅行は、キャンセルされると三年先、五年先というスパンでキャンセルされちゃって、戻すのにそれだけ掛かるんですね。仙台の小学生は来年恐らく会津若松に戻ってきますけれども、このスキーの体験学習の修学旅行は、これはもう長いスパンで戻ってこないんですね。そういうことを考えると、しっかりとやっぱり取り組んでいかなければならないということであります。  これは、やはりその風評被害というのは、以前この委員会でも、総理には質問していませんけれども、あえてここで総理に質問させていただきますが、やっぱり政府への信頼が揺らいでいるということで、幾ら数字を出してもそれを安全と思えないわけですよ。現状がどうだと言っているより、その大丈夫ですと言っている人のことが信頼できないから避けられているというのが風評被害の一つの要因であります。  そのきっかけの一つとなったのが、細野大臣に一回質問させていただきましたけれども、SPEEDIの公表の遅れですよね。これ私も福島県会議員をさせていただいて、ちょうど今の東電の会長が社長のときにいろんな不祥事があって、全員協議会を開いて東電の謝罪を受けたわけでありますけれども、これも、これまでの議会でも何回も言っていますが、そのとき当時の社長の勝俣さん、今の会長は、情報徹底的に開示していきます、今後、企業として、隠すことはもちろん駄目です、もちろん駄目ですけれども、遅れることでさえ罪だと言っているんですよね。  この罪ということに関して、これ政府のSPEEDIの遅れもそうです。こういうことでその後のいろんな政府への不信、政治への不信が続いているわけですが、これは法律でどこに何の罪だなんて書いていませんけれども、道義的な罪だと思いますけれども、それを総理としてはどう認識していますか。そして、その罪に対してどう償っていくのか、対処していくのかということをお尋ねいたします。
  295. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の原発事故の後を受けて、基本的には政府は記者会見とかあるいはホームページ等で適時情報の公開をやってきたつもりですが、先ほど御指摘のSPEEDIのこの公表の遅れというのは、相当に多くの皆様から不信感を招いた結果になったと思います。そういうことも含めて、一つでも二つでも同じようなことが起こるとまさに信頼されなくなるというふうに思います。  特に、でも今回の事故のようなことで我々が今得ている知見であるとか経験であるとか、今起こっていることであるとか、どういう取組をしているかということは、これは国内だけではなくて国際社会も我が事として注目をしているわけでございますので、国内外にわたってきちっと迅速に正確な情報を流すことが一番の改革だと思います。改革の第一歩だと思いますので、しっかり反省も込めて、強い戒めも込めまして対応していきたいというふうに思います。
  296. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 東電の社長も来ておられますので、これも何回も聞いてきましたけれども、明確にはこれまでは聞いてこなかった。その罪の意識というのはしっかりと認識していますか。情報の公開の遅れすらも罪だと言ったんです。あれは勝俣さん個人の意見ですか。東電の正式なコメントだと思いますよ、当時県議会で説明されたわけですから。  会社としてその罪というのをどういうふうに認識しているのか、お伺いいたします。
  297. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 先生御質問の点につきましては、情報の発信の遅れ、それから情報の公開、これはもう包み隠さず出すというのが前回の不祥事のときにお約束したことでございます。  今回、情報の発信等が初期のときに、いろいろ厳しい条件ありますけれども遅れたということにつきましては、結果として非常に申し訳なく思っております。これはもう謙虚に受け止めまして、情報の遅れがないように今後しっかりやっていかなきゃいけないという形で、その原因も含めてしっかり突き詰めまして、対処していきたいと思っております。
  298. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 今の話は、私は県議会のときに何回も何回も聞いていて、同じ答弁なんですよ。結局、何にもなってこなかったということを考えれば、我が党が言うとおり、やはり東電は解体してこれはやっていくしかないなというふうに思っています。  また、この中で、さらに次に移りますけれども、先ほども除染の話が出ました。除染をどんどんどんどん進めているわけでありますけれども、出口が決まっていない。さっき、細野大臣、中間処理施設が決まらなければ仮置場も決まらないという、それはまた違う、多分言い間違いだと思いますけれども、今既に除染が進んでいますから仮置場があちこち出ているわけですよね、寄せ集めて埋めておいたり、又は重ねておいてブルーシートになっていたり。汚泥の問題に関して言えば、下水処理場の汚泥の問題に関して言えば、福島県だけじゃなくてあちこちにある。最終処分場は県外だと、中間処理施設は県内だと。でも、よくよくいろいろ調べてみれば、この関東でも、東北、ほかのところでも出ているものは、その県のものはその県で中間貯蔵施設を造るという私は認識で言ったんですけれども、それは間違いないですか。
  299. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 小熊委員にも本当に、何度か議論をさせていただきましたけれども、本当にいろいろ御心配引き続いてお掛けをしておりまして、その点については改めて本当に重ねておわびを申し上げたいと思います。  実は、中間貯蔵の話をしたのは、あれは言い間違いではなくて、これまでなかなか仮置場ができなかった原因が、中間貯蔵についての考え方がなかなか提示できなかったということにあると考えておるんです。つまり、仮置場を置くということになると、特に、例えば近隣の方にとっては、じゃ何年この仮置場は廃棄物が置かれるのかということについて聞かれるケースが多いんですね。ですから、そのときに何年ですと言えなければなかなか受け入れられないというところが多かったものですから、そこでやはり中間貯蔵についても考え方を示すべきだろうということでこれまでいろんな検討を重ねてきたという、そういう経緯で申し上げました。  御質問は、福島県以外の放射性廃棄物なんですけれども、私はそこは福島県の状況と他の県の状況というのはかなり違うと思っています。大変申し訳ないことなんですが、福島には非常に多くの廃棄物があり、特に除染をするということになると大量の土がやはり発生します。これは、かなりしっかりとした中間貯蔵の在り方を示さなければならないし、かなり大きな施設もやはりどうしても必要になってきます。  一方で、他の都道府県に関しましては、確かに一部放射性廃棄物ございますし、除染も必要になってまいりますので廃棄物は出るんですけれども、福島のような大きな施設が必要だというふうには考えておりませんので、それはそれぞれの地域でどうすれば安全に保管できるのか、そういう考え方を地元と協議をしながら国として示していきたいと、そのように考えております。
  300. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 時間がないので、最後に総理に。  昨日、相馬市の市長とお話ししたんですけれども、今子供たちが外で遊べない、これ小児成人病になりかねない。また、自分たち子供を産めるんだろうかと、毎日そんなことを考えている、もう精神的にも参ってしまう。私も子供いますけれども、人間の風評被害ということを考えれば、今私、ここに寝ている、子供三人並べていて、結婚するときどうなるんだろうと思います。  そういう中で、とにかく今、福島には本当の空があったというふうに智恵子抄でも歌われましたけれども、これがしっかり本当に、本当の空が戻って子供たちがしっかりとお嫁に行き、そして好きな人と結婚していくということがなれるように、徹底したこの放射線の教育と対策と併せてやっぱりやっていかなきゃいけないというふうに思います。  この心意気について、最後に総理に一言お願いします。
  301. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 所信表明演説で福島の高校生の演劇における言葉を述べたように、やっぱり子供たち福島に生まれて良かったと思えて、そしてそこで育って、子供を産んで、そしてひ孫まで見て、そして最期を終えるというようなことができるようなことをするためにも、まず炉の安定とそして除染を含めて不安をなくしていくことと、そしてもろもろのもっと元気になる施策もやっていくと同時に、それまでの間の精神的なケアも含めての万全な体制をつくっていきたいというふうに思います。
  302. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ありがとうございました。
  303. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。  いわゆる復興増税について、総理と財務省に質問をいたします。  国民の皆さんの中には被災地支援したいという強い思いはあるわけですが、この間の世論調査では、復興増税に反対という意見が半分を超えております。調査の中身を見ますと、もっと歳出の削減をしろという声もたくさんありますが、それだけではございません。そもそも、復興財源というのは国民みんなで負担し合う、分かち合うと言いながら、本当に公平な負担になっているのか、そういう疑問の声も上がっております。実際どうなっているのか、財務省に計算をしていただきました。(資料提示パネルにいたしましたけれども、政府・与党の提案でございます。これから十年、全体としてどういう負担になるのかを示したものです。  サラリーマン、自営業者の方々は、この十年で約八・八兆円の増税になります。内訳は、パネルに示してございますとおり、所得税の増税、所得控除などの見直し、個人住民税の均等割の引上げ、たばこ増税で合計八・八兆円もの増税となります。  一方、法人税の方は、あたかもこの間二兆少し増税するかのように報道あるいは宣伝されておりますが、まあそれは言わばトリックのようなものでございまして、実際は、結論を先に言いますと、十年間で十一・六兆円の減税になります。法人税は、中小企業は赤字がほとんどでございますから、恩恵を被るのは主に大企業でございますし、実際、経団連が強く法人税減税を要望しまして、税率を四・五%引き下げる、ただ、三年間だけは二%の減税で我慢してもらいたいと、その分を復興財源に充てるというようなことですが、これは何のことはございません、最初の三年間は二%減税してあげて、それ以降は四・五%減税してあげると。つまり、段階的にただ減税するだけの話でございまして、それだけの話でございまして、増税でも何でもなくて減税でございます。今より減税でございます。  もう一つは、財務省のためにも言っておきますけれども、一応提案している中に課税ベースの拡大というのがございます。これは幾つかの今までやってきた減税措置を見直すと、つまり増税になるわけですけれども、これはまだ法案が通っておりませんし、自民党の皆さんも大変反対をされているところがあります。仮にこれが全て実施されたとしても、やっぱり差引き五・六兆円の減税になるということでございます。  一応、財務省の数字ではありますけれども財務省に確認しますが、この数字、間違いないですか。時間がないんで、もうそのとおりと一言で。
  304. 宮内豊

    政府参考人(宮内豊君) まず、資料の上の方の時限的な税制措置でございますが、個人所得課税とたばこへの税、合わせまして一番上の数字八・八兆円、そのとおりでございます。  それから、下の方の法人課税につきましては、これそもそも大企業向けに限るものではございませんが、恒久的措置である二十三年度改正の法人税減収が平年度で〇・八兆円、十倍すれば八兆円。一方で、今回の復興のための時限的税制措置からの税収は三年分で全体で二・四兆円になります。この恒久措置分八兆円と復興のための時限措置分二・四兆円の単純な差額を計算すれば、この資料の一番下の五・六兆円ということになるのかなというふうに存じます。
  305. 大門実紀史

    大門実紀史君 とにかくこの数字ということでございます。  要するに、復興増税の本当の姿というのは、最初、大企業含めてみんなで負担を分かち合うという話でございましたけれども、実際には、何のことはない、サラリーマン、自営業者には増税で、主に大企業には減税するということでございます。ちょっと話が違うんじゃないかと思います。  やっぱり、こういうときですから、大企業減税するんじゃなくて、大企業にも応分の負担をしてもらうべきだと思いますが、総理はいかがですか。
  306. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、今回の復旧復興のための財源確保は、税外収入と歳出削減、これに懸命に取り組むという前提の上で、そして足らざる部分を、これは何回も申し上げてまいりましたけれども、将来世代に負担を先送りするんではなくて、今を生きる世代で連帯して分かち合うという意味で時限的な税制措置をとっていくということであります。  その時限的な税制措置と、今ちょっと多少出ていましたけれども、全体的な、経済財政全体を考えた上での恒久的な税制措置はこれちょっと分けて考えるべきと思うんですが、いわゆる計算をすると数字はこういうふうになります。ただ、考え方は、復興のためのと全体の税制がちょっと混じっているなという感じはあります。  その上ででありますが、復興のその理念は今申し上げましたけれども、個人にも企業にも時限的に御負担をお願いするというのが今回の復旧復興のための時限的な税制措置であって、企業については、さっき申し上げたとおり、法人税としては三年間で約二・四兆円の御負担をいただくことを政府・与党として取りまとめているということであります。  所得税付加税については、個人の所得や各種の軽減措置など個々の納税者の事情を反映した結果である所得税額に対して一定の付加税を課すものでありますので、被災した方であるとかあるいは所得の低い層には課税されないか負担が軽くなるような仕組みとなっています。  法人税については、これはもう元々税調でも、あるいは国会の中でも御議論がございましたけれども、企業の国際競争力の確保、強化、維持、産業空洞化防止等の観点、あるいは雇用を確保するという観点から、将来の法人税率引下げの実施を確保することで企業の予測可能性を担保すること、企業経営にとって過大な負担とならぬよう配慮をすることとして、平成二十三年度の税制改正における実効税率の引下げと課税ベースの拡大を実施した上で付加税を課すということとさせていただいたということであります。  済みません、時間が掛かりまして。
  307. 大門実紀史

    大門実紀史君 総理が前段で言われたような宣伝がされていますが、実際はこうですよということでわざわざ資料をお示ししたわけですから、そう長々説明は要らないんです。  申し上げたいことは、いろいろあれこれじゃないんです。この十年間みんなで負担してくれと言いながら、数字の上だけ二・四兆大企業に負担してもらうと言いながら、実際にはこうなっていますよということでございますので。  それと、経済、もう口開けば、何ですか、成長戦略とかそういう話をされるわけですけれども、大企業だけ成長しても日本経済は良くなりません。やっぱりこういう皆さんに負担を掛けるということも含めて成長の問題は考えなければいけないというふうに思いますし、我が党は別に大企業を目の敵にしているわけではないんです。もう大企業も頑張ってもらわなきゃいけないんです。ただ、みんなが負担するときに、やっぱり大企業だって雇用の責任とか税の応分の負担は、特にこういうときでしょう、すべきじゃないかという当たり前の提案をしているわけでございまして、みんなで負担を分かち合うと言いながら、こういうものはもう到底納得されるものではありませんので、やっぱり法人税についても大企業に、特に大企業には負担を求めるということを、今からでも遅くないですから、強く求めておきたいというふうに思います。  もう一つは、こういう庶民増税を言う前にやるべきことがあります。これは証券優遇税制でございまして、証券優遇税制というのは私も国会で何度も何度もこの数年間取り上げてまいりましたが、要するに株の取引とか配当に係る税金が本来二〇%のところを一〇%でおまけしてきたわけですね。勤労者の方々の、普通に働いている方々が一生懸命貯金した利息には二〇%掛けておいて、株で一もうけしたら一〇%ですよ。こんな不公平な税制はないわけでございます。  これは一時、財務省も本当はもうやめようということを検討されましたし、去年の政府の税調でもこれはもうやめるべきだという意見がかなり多かったわけですね。そこで大震災が起きたわけです。当然、復興財源で何とかしようというときならば真っ先にこういう、高額所得者は特に優遇になりますから、これはもう国会で私、パネルで示しましたけど、一億円以上の人の方が負担率下がるんですよね、これ、証券優遇税制のために。そういう高額所得者、お金持ち優遇の税制ですから、真っ先にこういう復興財源を考えるときに廃止をすべき、延長をすべきじゃないと思いましたけれども、どういうわけか今年の六月に延長されてしまったわけでございます。  今どんな異常な事態になっているかということで、新しい資料をお示しいたしました。これも財務省の提出資料ですけれども、つまり株を売って一億円以上もうけた場合の実効税率です。日本とアメリカ、イギリス、フランス、ドイツを比べましたけれども、見てお分かりのとおり、一目で分かるとおり、アメリカでさえこういう額に汗をしない不労所得については厳しい課税をしているわけですね。日本だけですよ、一〇%なんて今どきやっているのは。異常です、世界でも。ですから、世界でも日本はお金持ち天国と言われているわけでございます。  これを、この証券優遇税制を延長をやめれば、年間大体五兆円程度の財源が入ってまいります。まさに復興財源、みんなで支えようというんならば、まずこういうお金持ちの優遇税制を真っ先にやめるべきだと思います。今からでも遅くありませんから、これは中止されたらいかがでしょうか。
  308. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 上場株式の配当、譲渡益等に係る軽減税率については、金融庁からの延長要望を踏まえまして昨年の税制調査会において様々な議論が行われました。御指摘のとおり、公平性や金融商品間の中立性等の観点から、二〇%本則税率に戻すべきとの議論も行われたところでありますけれども、最終的には、景気回復に万全を期すため、二年延長することにいたしました。なお、この二十六年一月からの本則税率化については、二十三年度税制改正大綱において、経済金融情勢が急変しない限り、確実に実施することとしております。  今、震災が起こったからというお話、御提起がございましたけれども、現在の景気状況を見れば、景気回復に万全を期すという昨年十二月時点の判断を変えるべき状況にはないものと考えております。
  309. 大門実紀史

    大門実紀史君 まあちょっと残念ですね。野田さん、せっかく総理になったんだから、もうそういう細かいのを読まないで、もっと大きな政治判断として問うているわけだから、ちゃんと総理としてもっと大きな答えをしてくださいよ。そんなの前から知っていますよ。  これは景気とは何の関係もございません、証券優遇税制について言えば。これは株がもうかった人の結果の話でございますから、全然関係ないです、株価とか経済全体とは。もうそんな議論は何度もしてきて、みんなで負担をするときに当然やめるべきじゃないかという大きな議論をしているわけですから、真っすぐにお答えいただきたいと思います。  総理は、大体この世界の流れというのを御存じなんでしょうか。資料を事前にお渡しいたしましたけれども、今欧米では大金持ちの人たちが私たちに増税してくれと、減税じゃないですよ、増税してくれということを次々と発言をされております。  これは海外のマスコミでは相当な話題になっておりまして、例えばアメリカの著名な投資家でございます、投資の神様と言われておりますウォーレン・バフェットさんですね。もう有名ですね、今。この方は、マイクロソフトのビル・ゲイツさんと一緒に、もっと資本主義というのは人間を大事にすべきだという本も書かれているような方でございます。そのバフェットさんが八月十五日のニューヨーク・タイムズで、私たち億万長者は税制の面で甘やかされてきたと、自分たちにもっと増税してほしいと、こういうことをおっしゃっているわけですね。バフェットさんの発言に呼応して、アメリカの企業経営者グループ、あとフランス、ドイツ、あとイタリアなどのお金持ちからも、自分たちも税金を払いたいという賛同の声が上がっているわけでございます。黙っているのは日本のお金持ちぐらいなものでございまして、今世界ではそういう声がむしろ上がっているわけですね。  九月十八日のニューヨーク・タイムズでは、オバマ大統領がこのバフェットさんの発言をとらえて、これは、大金持ちに課税というのはバフェット・ルールという呼び方をして、実際、オバマ大統領はその前の九月八日のアメリカの議会の演説で、約三十五兆円の雇用対策の財源を主にこういう資産家への課税で賄う考えを表明しましたし、そもそも、御存じのとおり、オバマさんの税制改革、例の百兆円を超えるというやつですけれども、この財源の捻出は主に富裕層への課税というのが中心でございます。是非、野田さんも、構造改革とかなんとか変なことばっかりアメリカから学ばないで、こういうことこそは今判断してアメリカに学ぶべきだというふうに率直に申し上げたいと思います。  で、もう十月ですよね。考えてみれば、もう十月でございます。今すぐというのがあれでしたら、もうすぐ来年度の税制改正が参ります。その中では、もう絶対にこんな世界でも恥ずかしいお金持ち優遇税制はやめるべきだと、そういう決断をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  310. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) もう財金でいろいろやってきたので御理解いただいていると思いますが、平成二十二年度と平成二十三年度の税制改正は、所得税についても相続税についても、所得再分配、再分配の機能強化の方向でやってきたんです。いろんな考えがありますけれども、世界の流れ、今御指摘いただきましたけれども、日本としても、むしろお金持っていただいている方の方に御負担をお願いをして中間層の厚みを増すという政策を、私、理念を持っていますが、そちらの方向に移行しつつある今税制改正であります。そこは全然流れと、世界の流れと間違っていないと思います。  私は、時代時代によって、自由主義という右足を踏み出すときと、流れによっては平等主義という左足を踏み出すときと、二足歩行だと思っています。私は、今どちらかというと平等主義の路線で税制改正やっていくべきだと思いますし、平成二十四年度の改正もそういう心積もりで対応していきたいと思います。
  311. 大門実紀史

    大門実紀史君 これはどうするんですか、これ、証券優遇税制。
  312. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 証券優遇税制はさっきのお話なんですね。
  313. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 時間が過ぎております。
  314. 大門実紀史

    大門実紀史君 はい、時間が参りました。  私、税の問題というのは一番政党の真価が問われると思います。これでは、もう自民党政権と何が変わったのかと言われるようになってしまうというふうに思います。
  315. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 大門委員、時間が過ぎております。
  316. 大門実紀史

    大門実紀史君 こういう庶民増税路線に断固反対するということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  317. 荒井広幸

    荒井広幸君 野田総理の就任を、厳しい中でありますけれども、喜んでいる一人であります。エールに代えて、厳しい提案と質問になると思いますが、エールに代える気持ちです。しっかりやっていただきたいと思います。  まず、先ほど与野党幹事長会談に出席をしてまいりました。三次補正を含めて協議をしたいと、こういうことでございますが、密室談合的なものはいかがかと。輿石幹事長によれば、基本方針が固まったと。であるならば、早期に国会に提出をして、この国会の委員会の場で我々、舛添代表、新党改革は提案をし、そしていいものはいいとやっていきますので、以下、具体的な提案をしてまいりたいと思います。実行に移します。  まず、小沢議員の問題です。  総理、八〇%の国民は国会で説明責任を果たすべきだと言っています。また、政治と金の問題でこの十数年、小選挙区導入に至る経緯は小沢議員の役割が非常に大きかった。特別な議員なんです。常に不祥事が起きるたびに政治改革を言ってきた。その陰で四億円、一億円という別な裁判での認定があったわけです。天の声という声もあった。これらにけじめを付けなければ、定数是正も、小選挙区制度を含めた衆参の政治改革、選挙制度改革も手が付けられないはずではありませんか。  党首として、総理として、小沢一郎議員の国会招致をするべきだと改めて問いますが、御見解を聞きます。
  318. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 政治家として説明責任を果たさなければならないという御意見、これはよく分かります。ただし、今日から公判が始まりました。これはしばらく続くと思います。私は、こういう法廷の場でしっかりと説明責任を果たしていただくということに今は尽きるんだろうと思うし、その推移を見守っていきたいというふうに思います。  そのことと、政治資金にかかわる問題と、違憲と言われている今の一票の格差の問題を含めた対応は、これは私は別ではないか。それはそれで、一票の格差是正含めてあるいは選挙制度の問題も含めて、各党間でこれはもう議論し始めていかなければいけないのではないかというふうに思います。
  319. 荒井広幸

    荒井広幸君 選挙制度改革、もちろんそういうことです。しかし、この二十年は全て小沢一郎さんという議員の下に制度改革にいって、結局、法廷ではまだ裁かれませんけれども、このように国民は不信感を持っている。八〇%の国民は国会で説明責任を果たすべきだと言っています。  総理、国民目線の民主党、国民八〇%の声を取るか、党内融和で政権延命を取るか、どちらですか。改めて聞きます。
  320. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 今申し上げていることで私の政権の延命が図れるとは思いません。そのこととは全く別であって、司法の動きが今起こっている、今日から始まっているときに証人喚問というやり方が妥当なのかどうか。それについては、どなたがこういう事案にかかわるとしても私は慎重に考えるべきではないかと思います。
  321. 荒井広幸

    荒井広幸君 国民の皆さんがどう審判されるでしょうか。マニフェストでできないものをできると言ってやってきた。数々の、皆様方は国民の皆さんに、まあある意味においては期待外れなことをやってきたわけです。三人目の総理になりました。国民目線、どこに行ってしまったのかなと、私は残念に思います。  原子力事故被害に係る緊急措置法に係るいわゆるここ一週間、衆参で大変にもめています。福島県の原子力災害にかかわる基金というものについてお話をさせていただきます。  議員の皆様方に、お手元、資料のBというのが行っていると思います。これは、福島県の福島民報という新聞の九月二十八日です。議員立法いたしました県の基金創設見送り、国庫補助なく制度生かせず。裏を御覧ください。解説ですが、見出しだけ読みます。県民の苦しみ忘れたか、政争の具と批判、こういう見出しがございます。これが今日の一つのテーマです。  まず、こうしたことが福島県としてどう考えているのかなということで、福島県の副知事あるいは代理の方にこの席に来て、議員立法によるこの基金、緊急の基金でありますが、これは要らないのか要るのかお尋ねをしたいと思ったら、今県議会もやっております、代理の方も出れないということで、お越しをいただけないのは大変残念でした。県民の皆さんの気持ちを県が代弁してもらいたかったわけでありますが。  そこで、経産大臣に聞きます。  この基金を、何ゆえに予算を入れないで福島県に基金ができない結果になったか、御説明ください。
  322. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 除染や健康管理調査等については、御承知のとおり、この本法に基づく基金ではない基金が設けられているところでございます。それでは不十分な部分があるという御指摘だろうというふうに思いますし、もしそういう部分があり、本法に基づく基金が必要であるとすれば、これは県の方としっかりと御相談をさせていただいて、県の方の御要望を踏まえて、必要であるとすれば基金を創設したいと思います。
  323. 荒井広幸

    荒井広幸君 やっと今までの議員の先生方の、野党の先生方の苦労が実ったと思います。内容が分かってきたんです。政府が作った法律じゃないから内容が乏しかった。じゃ、足りないところは何でしょう。  今日は東電社長に来ていただいています。社長にお尋ねします。三十キロ圏外、自主避難者、そして避難したくても親戚がいないからどこにも行かなかった、精神的な被害もあります。賠償するつもりはありますか、簡潔にお答えください。
  324. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  三十キロ圏外の皆さんの自主的に避難された方々、それからまた避難されなくて残っていらっしゃる方の賠償につきましては、先月も賠償審査会の方で議論が行われております。その結論を踏まえてしっかり対応していきたいと思っております。
  325. 荒井広幸

    荒井広幸君 しっかり対応というのは、やるんですか、やらないんですか。
  326. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 紛争審査会の方で結論が出ると思いますので、それはきちっと踏まえさせていただきます。
  327. 荒井広幸

    荒井広幸君 どのような結論が出るか分かりません。  総理、そして大臣関係大臣皆さん、カラーのものを御覧ください。(資料提示福島県には今二つの基金が大きく存在するんです。健康基金、これは子供たちの線量計を配布するとか除染です。これを平野さんは一生懸命言っておられたわけです。そしてもう一つは、復旧の基金です。つまり、企業をつくったり、そういうものですね。医療の集積の機関をつくるとか雇用をつくる。この二つがあるんです。  ところが、今の部分の復興基金とはまた別で、この健康基金ですね、これがやれるものがあるか。そして、先ほどの復興基金というのは、これはハード面が多いんです。全く対応できないのが、そちらに書いてありますように、国の指針、賠償対象から外れたもの、今のような自主避難です。  二つ目はこれです。福島県の人工透析をしていらっしゃる方々、特にいわきの皆さんは、断水、透析は水が命です、やむなく千人の方がバスなどを使って東京、新潟で透析を受けられた。命綱です。その方々に対しての賠償はありません。  そういうものを、福島県が実態に合わせて、被災者の皆さんの気持ちを酌み取って、国とは関係なくやりなさい、これを野党が言い出して、そして民主党政府も乗ってやったんじゃないですか。ところが、予算を入れないと言った。こういう問題ですから、今、大臣から福島県が必要であればまたやると、こういうことをおっしゃったわけですから、総理も改めて、福島県、福島県とだけやったんじゃ駄目なんです、被災者の皆さんとやることなんですから、市町村と県とそして被災者の皆さんと相談して、必ずこの対策は必要になりますから、三次補正に盛り込んでください。そういうプロセスを踏んで必要だとなったら、福島県にこの基金をつくって、そして被災者の皆さんを救う、そのための予算を入れてください。総理、お願いいたします。
  328. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、今御指摘いただいた透析のような患者さん、これは賠償されなければいけない、東京電力によって賠償されなければいけないと思っています。  それから、自主避難者についても、指針が出る出ないにかかわらず、明らかに自主避難によって被害を受けている、自主避難をすることが当然であると思われるような皆さんにとっては東京電力において賠償がなされるべきである、これが制度であります。  ただ、そこについて東京電力による賠償が遅れる場合に備えた仮払いの制度については、これは予算措置をとっています。十分ではないという御指摘はしっかりと受け止めなければならないというふうに思っております。  今後、仮払いの範囲について、それは基金の有無にかかわらずしっかりと受け止めて対応していきたいと思っております。その上で、県としっかりと御相談をした上で、基金についての対応は必要があれば対応させていただきます。
  329. 荒井広幸

    荒井広幸君 平野さんは県が必要だと言っていないということを言った。大問題なんですよ。  そして、今の話は、最初はやるのかと思ったら、今度やらない。理解していないの。仮払いじゃないんですよ。皆さん、いいですか。仮払いの対象にならなくても、福島県が必要だと、被災者に寄り添って必要だと思ったら、三千億は原賠法に基づかなくて一般会計で支払うというものですよ。全く理解が違う。  総理、とにかく法律をもう一回勉強して、被災者の実態をよく見て、必要があったら三次補正にこの議員立法の基金、お金を入れて、福島県がつくると言ったらつくるという基本方針でよろしいですか。
  330. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 平野達男復興担当大臣
  331. 荒井広幸

    荒井広幸君 はいかノーかで総理、答えるぐらいじゃないと駄目でしょう、こういう問題。(発言する者あり)
  332. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 委員長が指名しました。御静粛に。
  333. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、私は仮払い法についての基金は福島県は要らないと言ったなどということは一度も発言しておりません。  それから、私が、基金ということについて、これは福島県とずっと詰めをやってまいりました。そして、三次補正には三千五百億円の基金を積みます。この項目につきましては、一項目ずつ事務的にも福島県とずっと詰めてきた基金でありまして、先般、佐藤知事ともこの基金について了解をしたという御了解をいただいています。  それから、そのときにもう一つ福島県知事と私の中で……(発言する者あり)いや、話をしたのは、この基金はスタートであるということを申し上げました。そして、もし今委員の言われるようなそういう基金がどうしても必要だ、是非必要だというふうに福島県が要請をすれば、その意向に沿って私どもはそれを検討しなければならないというふうに思っています。  それから、仮払い基金の基本法の第十四条、これは県が創設するものに対して国が補助をするという、そういう規定だったというふうに理解をしております。
  334. 荒井広幸

    荒井広幸君 あなたは分かっていて確信犯で言っているんですよね。ですから、今日は私時間がないから言いませんが、総理、いいですか、被災者のことなんです。県がどうこうじゃないんです。政府がどうこうじゃないんです。被災者が、今の実態で遅い、原賠審でやろうがやるまいが必要であったら一番手の届くところの基金で対応をする、こういう基金ですから、どうぞやり直しをする、話し直しをする、これを約束してください。──いや、あなたならば要りません。
  335. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 平野達男復興担当大臣
  336. 荒井広幸

    荒井広幸君 委員長、それなら要りません。時間がありません。
  337. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 荒井君、指名しました。
  338. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 確信犯とかそういう根拠のない言葉で言うのはやめていただきたい。  いいですか、例えばこの基金の中には五百億円ということで、特別交付税の基金も用意してございます。この特別交付税の基金というのは何かといえば、県が自由に何に使ってもいい基金であります。こういった基金についても用意しているということです。  それから、仮払いについての遅れているという問題意識については、私どもも何回も共有しております。ですから、今回についても、先ほど経済産業大臣から御紹介ございましたけれども、次の予算の中で一定の額を計上しておるんです。それでもなおかつ必要だと、ここが足りないということであれば、そういったことについては真摯に受け止めて、それで対応するという、そういうつもりで申し上げたということであります。
  339. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 荒井君、時間が過ぎております。簡略にお願いします。
  340. 荒井広幸

    荒井広幸君 簡略にはしますが、今すごく重要なところですね。この問題はもう一回やりますが、我々の政治の問題じゃないんです。被災者が足りないと言ったら、この基金で対応できるものがあるかどうか聞いてください、被災者に。そして、総理はそれを監督する責任があるんじゃないですか。  我々福島県は……
  341. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 荒井君、時間が過ぎております。
  342. 荒井広幸

    荒井広幸君 政治家も信用されない、やるべきことを裏付け、これを法律にすることを望んでいるんです、長期の闘いだから。そして、それを政府が法律を作る……
  343. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 荒井君、ほかの委員の時間もあります。
  344. 荒井広幸

    荒井広幸君 そういうことをどうぞ総理分かってください。  時間なくなりましたから、次回やらせていただきます。
  345. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 吉田委員、早くお座りください。
  346. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  野田総理は、二年前の政権交代以降、三人目の総理大臣であります。最初の政権発足のときに社民党もかかわりまして、国民生活の再建を始めとする十分類三十三項目の政策合意を取り結びました。私は、これが原点であり、国民の皆さんへの約束だ、そのように考えています。野田総理には、是非このことを、この政策合意を片時も忘れることなく仕事をしていただきますように強く要請をして、質問に入ります。  まず、大震災被害者個人及び被災自治体の負担軽減について質問をいたします。  防災集団移転促進事業につきましては、昨日来から議論がなされておりまして、総理、そして復興大臣平野大臣からも前向きな答弁が行われております。補助限度額を撤廃し、造成費を補助して個人の負担も低く抑える、補助率を工夫して自治体負担をゼロに近づけるなどの前向きな検討をされておられる、そのように受け止めておりまして、このことについては評価をしております。  ところが、現在検討中の復興交付金はこの移転事業も対象事業となりますが、各事業の要件や自治体負担率がまちまちであっては、とても復興基本方針がうたう使い勝手が良く自由度の高い交付金とは言えません。  住宅復興を取り上げますと、防災集団移転促進事業以外に、例えば、地域によっては、地域の実情が全然違いますから、区画整理事業でありますとか、そしてまた、公営住宅に頼るところも当然あるだろうと思います。そうした手法が使われるわけでありますけれども、復興交付金の他のメニューについても是非防災集団移転並みに要件を緩和をしていただいて、被災者個人の負担を軽減をし、あるいはまた、財政的に厳しい自治体が大半でありますから、被災自治体の負担をゼロにする方向で改善すべきと考えますが、いかがですか。
  347. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 復興交付金については言わば二階建ての体系になるのかなというふうに考えておりまして、その下は、もう既に出発している一括交付金という考え方で各種の補助制度を束ねるという形での交付金を考えています。その中に防災集団移転事業も入れたいというふうに考えています。  今、この要件につきまして、この委員会あるいは前の委員会、予算委員会でも様々な御意見がございまして、前田国交大臣の方で先頭に立ちましてこの制度の拡充等について今進めておりまして、間もなくその答えが出るのではないかというふうに思っています。かなり使い勝手の、メニューの範囲も今回の震災に合わせたメニューの拡充等々が、明確化というのができてくるのではないかというふうに思っています。  あわせて、財政負担ということでありますけれども、自治体の負担につきましては、これは何回も申し上げましたけれども、今回の被害額が余りにも多いために、地方自治体の負担が多くなってしまいます。特に、財政力の弱い自治体が多いということもありまして、この自治体の負担についてはもう余り実質掛けないようにする、そうしないと自治体がもたないということを念頭に置きながら制度を考えていきたいというふうに思っております。  ただし、個人の例えば財産にかかわるような住宅の問題あるいは土地の造成の問題、これにつきましては、これはやはり一定の負担はお願いしなくちゃならない。ただし、それについても、様々な制度を用意して、被災者の負担の過重にならないような配慮は十分にしたいというふうに考えております。
  348. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 もう被災自治体も財政が厳しい、そして、るる議論がありますように非常に負担が重くなるわけですよね。それで、一方で、個人につきましても、未曽有の大津波、そして地盤沈下もあるわけですから、そういうことも考えると、やっぱり個人の負担も大変だ、いろいろ言われている、もう話もあっていると思いますが。ですから、各自治体においても復興計画がなかなか進まない、国からのこうしますというなかなかメッセージが発せられないものですから、そういう点もあるんですね。  是非、総理、被災された皆さん、被災自治体皆さんに、負担が少なくなるようにしっかりこれから詰めていきます、取り組みます、是非メッセージを発してください。
  349. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 被災者に寄り添って、そして万全の対策を取っていくということは基本の姿勢でございますので、委員の御指摘も踏まえて対応していきたいというふうに思います。
  350. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 もう一つ心がこもっていないような気がしますけれども、次に行きます。  次に、食品の全量放射能検査とベクレル表示に向けた体制整備について伺います。  一次産業の再生なくして復興はあり得ません。しかし、広島型原爆百六十八個分のセシウムがまき散らされ、放射能汚染による東日本産品の買い控えが深刻な問題になっているのは御案内のとおりでございます。  チェルノブイリのありますウクライナの主食、パンの規制値は二十ベクレル、日本の米は五百ベクレルという緩過ぎる暫定規制値の問題、また、検査体制自体も、機材と人員の絶対的不足からごく少数のサンプル調査にとどまるという問題もあります。  市場に出ているものは規制値以下といっても、一体どの程度の汚染なのか分からなければ、安全、安心を求める消費者の信頼はこたえられません。稲わらを原因とする肉牛汚染も新米のセシウム汚染もメカニズムが判明していません。だからこそ、全量検査、全量表示が必要であります。BSE騒動も、全頭検査の体制が確立して鎮静化をしました。技術的にも、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は、イメージング技術の応用で非破壊型の全量検査は可能だと、そのようにも言われております。  東日本、特に東北被災県の一次産業の再生には、全ての食品を放射線量を測定し、ベクレルを表示する体制を確立するしかないと考えますが、総理の認識を伺います。
  351. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 東北は食の本当に大産地でございますので、現状は極めて本当に深刻だし、それに対して対応していかなければならないと思っております。  吉田委員指摘のとおり、調べられれば全部調べて、例えばそこにシールなどを張るというようなことをやれればやりたいんです。ただ、破壊型ではない方法というのは、随分と検討したんですけれども実際にはなかなかやっぱり難しいということで、こういう形のサンプル検査にしておるんですね。  ただ、サンプル検査といっても、単に取れるところを取るというのではなくて、米のように、もうしっかり網を張ってどうなのかという検査をしたり、牛肉もそういう検査をしました。さらに、今確かに技術がいろんな形で、こういう問題が出てきていますので、様々な新しい技術が出てきておりますので、常にもっといい方法はないのかということは検討しながら、よりレベルの高い食品検査に努めてまいりたいというふうに思っております。
  352. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 セシウム137は半減期が三十年ですね。ほぼなくなるまで三百年掛かります。今、機材と人員を整備しても決して無駄にはなりません。問題を直視して、放射能とともに生きるための体制整備をやっぱり是非急がなければならない、そのように考えています。  大分検討したと言われますけれども、私どもは技術的に可能だという見解も伺っております。特に、厚労省、農水省の検査機器の整備あるいは文科省の学校給食検査補助、それから消費者庁の計測器貸与などの事業は予算規模も小粒で、政府全体の位置付けもこういう状況を見ると極めて低いのではないか、そのように思います。大幅に拡充する必要があると、そのように思いますけれども、やっぱりここは、そういう一次産品のもちろん生産者のこともありますが、やっぱり内部被曝をしっかりこれを最小限にとどめる。そして、お母さん方は子供さんへの放射能汚染の影響を本当に心配されているんですね。そういうことも考えるのならば、やっぱり政治決断が私は必要だと思いますよ。しっかりこれを関係省庁に指示をする。総理、いかがですか。総理、できるかできないか検討されるか。
  353. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 御指摘のとおり、政府としてどういう体制がいいのかという、常に考えながらやっておりますので、更にレベルアップを図っていきます。  ただ、もう一つ是非視点として御理解をいただきたいのは、誰が測るかというのも大変大事でございまして、私が消費者庁の担当大臣をやっていたときに自治体にできるだけ渡そうとしたのは、住民に近いところの例えば行政であるとか、場合によってはNPOでもいいと思うんですね。そういった皆さんが測ることで、ああ、安心なんだというのを手触り感がある形で感じていただくというのもこれも大変大事なことなんです。  ですから、ばらばらにやっているというわけではなくて、国としては責任を持ってやります。あとは、それぞれの地域皆さんが具体的に測れるような最大限の対応をしていくという、そういう重層的な構えでまいりたいというふうに思っておりまして、是非御理解を賜れれば幸いでございます。
  354. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 言い方は重層的と言われるんですけど、国がしっかりやらないから自治体やNPOがもうやっているんですよ、やむなく。そういう点は是非御理解をいただきたいと思いますし、しっかり検討をいただきたいと思います。  次に、審議会等における専門家の選任について質問させていただきます。  八月に示された除染に関する緊急実施基本方針も認めるとおり、物理的減衰とウェザリング効果について、放射線量は二年で六〇%まで減ります。細野大臣の言われる二年で五〇%、子供は六〇%減というのは、どう見ても野心的とは言えない目標だ、そのように思います。  こういった方針に沿って除染方法を検討しておられるわけですが、環境省の環境回復検討会でありますけれども、除染の専門家が入っておりません。逆に、委員の半数近くがいわゆる原子力村出身者が占めています。保安院、安全委員会に代わって来年四月には環境省の外局として原子力安全庁が発足をしますが、事務局も片道切符の異動、専門家もこれまでの原子力村から決別した公正中立な方でなければならない、そのように考えます。  既に除染や放射性廃棄物処理など、多くの課題が環境省に持ち込まれています。安全庁の前段階で国民の信頼を得られるか、まさに試金石となりますが、環境省に放射能の知見がないことを幸いに、原子力村出身者がノーチェックで入ってきています。環境省に原子力村から決別した専門家を人選する知見がないのであれば、国会、国民の関与の下、人選のための審議会を設置をして、その審議会が委員を公募して、さらに正式に選任する前に公告をしてパブリックコメントを求める、国民の皆さんに意見を求める、そうしたことをするなど、プロセスを徹底的に透明化して人選の正当性を確保すべきではないかと考えますが、いかがですか。
  355. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 吉田委員指摘のとおり、できるだけこれまでの原子力村にいない人をそういったところでしっかりと活躍をしていただけるようにするという、そういう流れは私も是非つくっていきたいと思っております。  ただ、除染についてだけ申し上げますと、これは原子力村の人も含めて、大変なことが起こったと、何とかしなければならないという、そういうみんなスピリットを持ってやっておりまして、そこは原子力村か村ではないかということで必ずしも区別をする必要はなくて、まさに専門家を選ぶのがいいのではないかというふうに思っております。  放射性物質の様々な拡散だけではなくて、これから規制の専門家も選んでいかなければなりませんので、できるだけ国会でもオープンに御議論いただけるような、そういう人選をしていきたいというふうに思っておりますので、貴重な御提案をいただいたのをしっかり今日は受け止めたいというふうに思っております。
  356. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 安全庁設置に向けて顧問会議というのを設置されていますよね。このメンバーを見ますと、確かに原発についてはこの間、否定的な方々も入っておりまして、かなり検討された形跡は見られます。この点は評価をします。ただ、この顧問会議も安全庁が設置するまででありますから、やっぱりその設置した以降の重要政策とか方針の決定とか審議会の設置委員の選任などをチェックしていただく、そうした第三者機関、この点についても是非しっかり検討していただきますように要請をしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  357. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。  震災復興に与党も野党もありませんから、私は今日、一人の国会議員としておかしいと思っていることをストレートに質問いたします。  振り返ってみますと、三月十一日に震災があって、そして三月十三日に私はNHKの日曜討論に出ておりました。そのときに、一次補正の規模はどの程度がふさわしいかという質問があって、国民新党は十兆だと言いました。最低限あの震災の規模を見たら十兆は必要だと思いました。ほかの政党もそういう雰囲気でした。そして、復興債はこれは出さなければいけないよねという意識はもう共有されていました。  ところが、この日の、三月十三日の夜に、菅総理と谷垣総裁が復興増税で合意したという報道がありました。真相は分かりませんけれども、まず、ここの時点で復興増税という言葉が出てきています。そして、四月の十四日、復興構想会議の五百旗頭議長が最初に復興税発言をまたされました。  つまり、私こういうことを言いたくないですけれども、財務省はこの震災を利用して増税をしようと、そういう方針で今まで突っ走ってきています。私は民主党の名誉のために言いますけれども、民主党は初めに増税ありきじゃないんです。玄葉政調会長と私は、最初から復興債を出して救うべきだと思っていました。ところが、当時の総理と財務大臣と官房長官と経済財政担当大臣、みんなが復興債を出そうとしなかった、まず増税が先だと考えてしまった、これが復興が遅れてきた最大の原因だと私は思います。  例えるならば、溺れている人がいて、それを医者が見付かりませんからと言って助けようとしないんです。だけれども、まず最初に手を差し伸べなきゃいけないんじゃないでしょうか。借金をしてでも助ける、何年掛かってでも借金は返すからとにかく助けるんだという、そういうトップリーダーとしての姿勢が大事なのに、今に至ってもまず復興税から入る、その姿勢、政府の姿勢というのはどうなっているんでしょうか。  総理の一言を伺いたいと思います。
  358. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 少し、ちょっと今の発言に反論するわけじゃございませんけれども、一次補正、二次補正は別に増税したわけではございません。ですから、最初に増税ありきという言葉では全く事実関係が違いますから、これは三党含めて、財源を捻出をして出させてもらったと。  次に、この区分管理ということを総理も御発言を始めて、私どももそうだなと思っているのは、やっぱり、今の日本の財政状況の中で、できるだけ次の世代に、また赤字国債を出してというよりは、ここは今頑張っている現役世代のみんなでこの復興について何とか賄って財源をやっていこうということで、区分管理という考え方でスタートをしたということであって、まず増税ありきなんということを、まして財務省の主導だなんていう話は全く事実と関係ありません。
  359. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 五百旗頭さんが復興構想会議で冒頭で増税と言ったというのは記憶はあります。ただ、三月十三日の時点で菅総理と谷垣総裁の間で増税の話をしたかどうかというのはちょっと私は分かりませんが、三月十三日の段階から増税ありきという路線が敷かれているはずはないと思います、基本的に。  やっぱり復興のために何をするか。その中で、今、安住大臣からお話があったとおり、一次補正も二次補正もこれは国債を発行しないで対応しましたけれども、だからといって、当時から申し上げていましたが、財政が制約になって復興の妨げになってはいけないという気持ちはみんな強く持っておりました。  復興債のお話を三月のもう発災の直後にしていたというお話ですが、じゃ復興債というものをさっきの話があったように一般の公債と分けるのか分けないのか、あるいは償還の財源の見通し付けるかどうかというのは、まさに復興基本法ができた辺りにかなり整理されてきた議論だと思います。その議論を踏まえて今三次の本格復興へ向けての予算編成をしているということでございますので、最初から増税ありきというそのお話は私も当たらないと思います。
  360. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 一次補正はどうしても国債を刷りたくないということで、国民新党の亀井静香代表が、だったら決算剰余金を使えと言ったんです。もう三月過ぎていたので、それを使ってでももっと予算を膨らませるべきだと言ったんですけれども、決算剰余金は使えない使えないと財務省が言って絶対出してこなかったんですね。それが二次補正に少しだけ出てきたというのが実際です。  次の質問ですが、私以外の議員も指摘していますけれども、なぜ復興国債、無利子国債を出してそれを日銀に引き受けさせないんでしょうか。今年の引受けの枠が三十兆あって、十二兆しか使っていないのでまだ十八兆残っているんです。今増税よりまず先にやらなければいけないのは円高対策だと思います。  地元の例を申し上げます。松江に農機具の会社があります。東北での売上げが一五%、拠点は多賀城市にあって壊滅的な被害です。それから、売上げの一〇%がアメリカ、新型トラクターが好調なんですが、円高のせいで、これ売れば売るほど赤字になります。ですから大変なんです。大変なのは東北だけじゃないんです。  ですから、今無利子国債を発行して日銀が買い入れれば、今円高になるということは、円を買いたがる人が多くて円が希少価値になるわけですから、円を増やせば、市場に供給すれば少しは良くなるはずなんです。ですから、一石二鳥の政策であるのに、なぜこれをやろうとされないんでしょうか。
  361. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 決算剰余金は三月の時点では幾らになるか分からなかったはずですから、使え使えと言っても、確定をしたのはその後なんで二次で使わせてもらったということだと思います。  それから、財政規律の問題は、再三総理もおっしゃっているように、私どもとしては日銀の引受けも含めて禁じ手だと思っておりますので、財政規律のことに関しては見解の相違がどうも残念ながらあるというふうに思っております。
  362. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 確かに見解の相違なんです。財務省にこれ言いますと、そういった国債を出したり日銀が引き受けたりすると日本は財政危機だと思われるからそんなことはできないと言うんです。それで、それだったら増税は言わなければいいのにと言うと、いえいえと言って、とにかく全く国民新党とかみ合わないんですけれども。対外的には財政危機ではない、日本は大丈夫だ、国債は順調に償還されていると言い、国民に対しては増税だと言っているのが今の財務省です。これ事実です。  次、朝霞の公務員宿舎のことに行きます。  私はあの事業の仕分人でした。凍結が解除されたときは知りませんでした。そして、今年の震災の後にホームページにメールが来まして、凍結解除になっていると知りました。その後、財務省の理財局を二回呼びました。凍結すべきだとかやめるべきだと言ったんです。ところが、その後、朝霞市長が飛び込んできまして、もうさんざん調整した後だからもうこれ以上ひっくり返すのはやめてほしいと言われました。その理由として、公務員宿舎というのは税収を生み出しますから、税収が欲しいというのもありますけれども、児童館とか夜間診療所、それから女性センターを宿舎を受け入れる交換条件として財務省が造ると言ったので、それまでひっくり返されると困るので、もうこれ以上かき回すのはやめてくれと言われたんですね。それから、財務省の方は、今更もう一回凍結をしたらばもう違約金だけで大変なことになるから絶対できないと言って、あの時点で私はこの一度凍結解除されたものをもう一度ひっくり返すのは厳しいと思いました。  けれども、今回、総理がそのような御決断をされたのであれば、これは凍結じゃなくて中止だと思います。そうしないと朝霞市も困るんですよ。  これから五年間、この児童館とか夜間診療所とか、そういう計画も進まないので、これはもう中止と言うべきじゃないでしょうか。
  363. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年の十二月にこれ事業再開を進めた、決断をしたのは私でございまして、そのときは独身者向け、中堅、若手向けの公務員宿舎であるということと、今委員指摘のあったとおり、児童館を造ったり女性センターを造ったり保育所を併設したり、町づくりにも資するという地元の強い御要請もあって総合的な判断をしたわけであります。ただし、今回の地震の大発災、発災後、各党から御意見もいただき、現場に見に行ったときに、余り建設本体は進んでいませんでしたので、ここで凍結をするということが妥当な判断だろうと。  ということで決断をして、その上で財務大臣に指示をいたしましたけれども、この国会で野党からもいろいろと御意見いただきましたけれども、三次補正の骨格を決めた与党党首会談で凍結をしろと強く御要請あったのは、御党の亀井代表でございました。その御進言を十分踏まえて対応しております。
  364. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 凍結というか、中止というか、やめろという意味で代表は強く言ったはずであります。  最後の質問です。  増税を言う前に、やはり私は、今まで経済政策を失敗してきた、その結果として国債残高を増やしてしまったということを国民に対して政府は謝るべきだろうと思います。  この指摘を前したんですね、税制調査会で。そうしましたら、財務省は、イザナギ景気以来の景気拡大ということについて言っているんですが、これは財務省が言ったんじゃありません、内閣府が言ったんですと言いました。それで、内閣府の役人をつかまえて、財務省がそう言っていると、イザナギ景気以来の景気拡大なんてなかったと言っているんだから、もうこれは謝ったらどうですかと言ったら、今度は、これは閣議決定をされているんだから財務省だって認めているんですと言って、どちらも罪のなすりつけ合いみたいな感じで責任を認めないんですけれども、普通に考えて、国民も景気回復を感じない、戦後最長の好景気があって、気が付いたら国債残高膨らんでいましたというのは、どう考えてもおかしいですよね。  ですので、やっぱり経済の発表を間違えたときには国民に謝っていただきたいんですけど、どのようにお考えでしょうか。
  365. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 安住淳財務大臣、時間が過ぎております。簡潔にお願いします。
  366. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 公共事業等をやって、それがなかなか波及効果が出なくて低成長になってしまったということは確かにあるかもしれませんが、ただ、雇用統計等を見ますと、やはり不良債権を片付けた後の二〇〇五年以降、順調な回復を続けてきたことは事実でございます。その間に少しずつ税収も上がってきたことは事実でございますが、それが好景気だったかと言われれば、私はそうでないというふうな見方を個人的にはしております。
  367. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時三十八分散会