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2011-05-20 第177回国会 参議院 予算委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月二十日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  五月十三日     辞任         補欠選任      今野  東君     米長 晴信君      武内 則男君     梅村  聡君      徳永 エリ君     大久保 勉君      山本 順三君     山崎  力君      山本 博司君     草川 昭三君      藤井 孝男君     片山虎之助君  五月十六日     辞任         補欠選任      大久保 勉君     徳永 エリ君      中西 健治君     桜内 文城君  五月十八日     辞任         補欠選任      塚田 一郎君     石井みどり君      福岡 資麿君     牧野たかお君      山崎  力君     佐藤 正久君  五月十九日     辞任         補欠選任      草川 昭三君     魚住裕一郎君      大門実紀史君     田村 智子君      福島みずほ君     吉田 忠智君  五月二十日     辞任         補欠選任      有田 芳生君     江崎  孝君      友近 聡朗君     平山 幸司君      中谷 智司君     金子 洋一君      桜内 文城君     水野 賢一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         前田 武志君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 水戸 将史君                 森 ゆうこ君                 礒崎 陽輔君                 猪口 邦子君                 衛藤 晟一君                 加藤 修一君                 小野 次郎君     委 員                 有田 芳生君                 一川 保夫君                 梅村  聡君                 江崎  孝君                 大野 元裕君                 金子 恵美君                 金子 洋一君                 小見山幸治君                 行田 邦子君                 榛葉賀津也君                 徳永 エリ君                 西村まさみ君                 平山 幸司君                 安井美沙子君                 吉川 沙織君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 石井みどり君                 磯崎 仁彦君                 片山さつき君                 川口 順子君                 佐藤 正久君                 佐藤ゆかり君                 西田 昌司君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 丸山 和也君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 石川 博崇君                 魚住裕一郎君                 長沢 広明君                 水野 賢一君                 田村 智子君                 片山虎之助君                 吉田 忠智君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地域主        権推進))    片山 善博君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        厚生労働大臣   細川 律夫君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣        国務大臣     海江田万里君        国土交通大臣        国務大臣     大畠 章宏君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(防災)        )        松本  龍君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    中野 寛成君    副大臣        財務大臣    五十嵐文彦君        財務大臣    櫻井  充君    大臣政務官        財務大臣政務官  吉田  泉君        経済産業大臣政        務官       田嶋  要君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長  武藤  栄君        中部電力株式会        社代表取締役社        長社長執行役員  水野 明久君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○予算執行状況に関する調査  (東日本大震災原発事故等に関する件)     ─────────────
  2. 前田武志

    委員長前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算執行状況に関する調査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長武藤栄君及び中部電力株式会社代表取締役社長社長執行役員水野明久君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田武志

    委員長前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 前田武志

    委員長前田武志君) 予算執行状況に関する調査を議題とし、東日本大震災原発事故等に関する集中審議を行います。  質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  これより質疑を行います。平山幸司君。
  5. 平山幸司

    平山幸司君 民主党、青森県、被災地出身平山幸司です。  震災から二か月少し、まずは、この度の震災によりお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災地皆様と関係する全ての皆様にお見舞いを申し上げます。  被災関連、特にこれから極めて重要な、未来希望が持てる復旧復興政策という観点から、菅総理質問をいたします。  菅総理、現在、被災地はもとより、被災地以外の東北地方は、広範囲にわたって今回の震災経済活動の根幹である人、物、金の動き萎縮状態にあります。これまで、がんばろう日本、がんばろう東北掛け声で何とか乗り切ってきたわけでございますが、東北地方の人々の暮らしは極めて深刻、厳しい状況でございます。また、国民及び被災地現場では、復旧復興に関する政府対応迅速かつ目に見えた形で現れてこないという、非常に残念な声があるのもこれまた事実でございます。  そこで、菅総理から、掛け声だけではなく、今後の東北地方全体の復旧復興及び活力創出に向けた具体的かつ大胆な政策提言が今強く求められております。是非東北地方皆さんが夢と希望を持てる復興に向けた菅総理のこの胸のうちにある復興目玉政策を御提言をお願いいたします。
  6. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今日で震災発生から七十日を数えております。この間まずやらなければならなかったのは救命であり、そして復旧でありました。まだ福島においては原子力事故の収束はできておりませんので、そうしたことも当然急がなければなりません。しかし、その中で、これから未来に向かって夢のある社会をこの復興を通してどうつくっていくのか、まさに今それが問われていると思います。  私は、東北地方、いろいろな要素があると思います。一つは、言うまでもありません、一次産業としての農業、そして特に漁業、また林業も大きな可能性を持っております。また、サプライチェーンとしてのいろいろな高い技術を持った企業も存在しております。  そういう中で、先日あるグラフ、表を見ることができました。それは太陽光と風力に関するこの日本立地条件でありました。特に、太陽光については太平洋側中心にした東北、そして風については日本海も含めた東北地方が大変それに適していると、このようなデータが出ておりました。  私は、いろいろな課題があります、福祉の問題あるいは高齢者の問題もありますけれども、幾つかの中の一つとして、まさにエネルギー基本計画白紙から見直すということを私申し上げておりますが、そういう中においてこの東北地方が新たな自然エネルギーの供給するそういう大きな場になるという、こういった夢も私はこれからの復興の中で是非取り組んでいただき、そして政府としても取組を進めていきたいと、このように思っているところであります。
  7. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  農林漁業東北地方大変重要でございますが、今やはり原発の問題で非常に厳しいことも、これ事実であります。また、菅総理の方から、自然エネルギー、これを利用して復興に向けていこうということで、これも非常に重要であるかと思いますけれども、今目の前で、やっぱりあしたの生活、これを非常に生きていくという意味被災者皆さんを始め厳しい状況にあるというところにやっぱり希望が実質的に見れるような、そういった政策提案が必要だと思うんです。  私の方から三点、次に菅総理の方に提案したいと思いますので、是非前向きな御答弁をお願いしたいと、このように思います。パネルを御覧ください。(資料提示)  まず一点目でございます。  これは、平成二十三年度に実施予定でありました高速道路無料化に関する社会実験実施概要図になります。東北地方を見ますと、大動脈である東北自動車道は、その多くが物流の増進を図る目的で大型車両夜間無料化広範囲にわたり計画をされておりました。パネルでも分かると思います。しかしながら、今回の震災を受け計画白紙となったわけでございます。  先ほども述べましたとおり、東北地方は、人、物、金の動き萎縮状態にあり、経済状況、特に観光業を始め農林漁業、多くの産業が大打撃を受けているわけでございます。そこで、物流その他の経済活動を活性化させ、震災復興の大きな目玉政策として、東北地方大動脈東北自動車道及び東北地方高速道路無料化を、総理是非ここは明言をいただきたいと思いますが、総理、いかがですか。
  8. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これからの東北復興に向けて、観光においてもまたいろいろな物流においても高速道路の持つ意味は大変大きいと思っております。そういった意味で、この東北自動車道中心とする東北地方高速道路について、復興一つの大きな手掛かりとしてそれを無料化していくということの提案、今、平山議員からもいただきましたし、他党の議員からもいただいております。私は大変有力な政策一つだと思っております。  もちろん、それに見合う財政的な措置が必要でありますが、是非そうした有力な一つ提案として受け止めて、政府として、あるいは党として、あるいは与野党を超えて検討をお願いをいたしたいと、このように考えております。
  9. 平山幸司

    平山幸司君 菅総理、ここが大切であります。菅総理、受け止めるだけでは駄目なんですよ、これ、実行が必要であります。大変申し訳ありませんけれども、何とか、これは野党からも与党からももう既にやろうということで国土交通委員会でも各委員会でも先週の議論でもありました。東北被災地三県、十九人もの議員による復興実施協議会の中でも、もう軒並みやろうということで提言されているわけであります。議論はもう煮詰まっている、皆さん、そう思いませんか。  菅総理是非ここは、東北皆さん、そしてテレビの向こうの皆さんが期待しているわけであります。是非ここは明言を、もう一度お願いいたします。
  10. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、この高速道路については従来から、アメリカの高速道路などを見るといわゆるインターチェンジが三キロ置きにある、日本は十三キロ置きにしかないと。そして、従来のフリーウエーと言われるところは、ドイツでもそうでありますけれども、一般道からちょっと入ってまた降りていく、そういう一般道としての利用も十分可能なわけですけれども、日本の場合は、比較的高額の高速道路料のために、高速道路というものが一般道とは切り離されていろいろと議論されあるいは使われてきた経緯があります。そういった意味で、私は、民主党のこのマニフェストに掲げた高速道路無料化ということについては本当に重要な政策だと考えております。  しかし、そういう中で、今回の大震災を受けて、優先度ということを考えた中では、全般的な無料化ということは残念ながらこの段階では難しいであろうと。しかし、今、平山議員からのお話がありましたように、東北復興ということとまさに重ね合わせた形での政策として私は大変有効な手だてだと、こう考えておりまして、私としても積極的に取り組んでいきたい、こう考えております。
  11. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  菅総理、済みません、しつこいようですが、これ、財源の問題も確かにあると思うんです。渋滞の問題も確かにあると思うんです。ただ、これは私、被災地そして被災地以外の東北皆さんを背負って、今回確約をいただくと固い決意で臨ませていただいておりますので、何とか菅総理、もう一度答弁をお願いいたします。
  12. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 平山議員のその本当に熱意というものが私は東北皆さんにも伝わるのではないかと。その熱意を私も全面的に受け止めて前向きに検討してまいりたいと、こう思っております。
  13. 平山幸司

    平山幸司君 次に参ります。  同時に、資料の二と三を添付しております。御覧ください。これは同僚議員の方からも提案しております。JR、私鉄、バス等公共交通機関運賃被災者証明提示によって免除、費用の全額を国庫負担し、被災者一定期間無料にすると。そういった考えは、総理、ございませんか。いかがでしょうか。
  14. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 平山議員からの御質問で、公共交通機関に関するものでありますから、先に私の方から基本的な考え方等について御答弁をさせていただきます。  今御指摘新聞記事等も読ませていただきました。地元の方でもこのようなことをやってほしいという御要望があるというのは承知しているところであります。しかし、公共交通機関については、基本的には交通事業者運賃を収受するという前提で運行しているところであります。しかし、御指摘のように、この被災地復興のために一つ考え方としてはあり得るのではないかと考えておりまして、被災地に対する様々な支援在り方あるいは地方自治体の意向等を十分踏まえて検討を行っていく課題だと現在のところは受け止めております。
  15. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  これは同僚議員の方から既にいろいろなところに提案等々があると思いますので、是非これは前向きに御検討をいただきたいと強く要望したいと思います。  次に、二つ目提案でございます。被災地東北子ども手当の拡充の要望でございます。ボードを御覧ください。  この表からも分かるように、東北地方所得水準は全国でも低水準に位置しております。さらには、今回の震災復興には長期の時間と労力を必要といたします。よって、現在東北地方生活する子供も、これから生まれてくる新しい命も、東北復興を強いて言えば背負っているわけでございます。また、被災で両親を亡くした子や避難所で小さい赤子と厳しい生活を強いられている母親の姿も何度となく被災地を訪れた際、目にしております。  ここは、子ども手当の見直しの議論はありますけれども、逆に今だからこそ、菅総理先ほど申し上げました、我々が未来希望が持てると信じて民主党マニフェストで掲げた、所得水準の低い東北地方に対して是非二万六千円の子ども手当を大胆に実行復興を後押ししていくべきだと、このように強く思います。総理、いかがですか。
  16. 細川律夫

    国務大臣細川律夫君) 私の方からお答えをさせていただきます。  子ども手当というのは大変重要な政策だというふうに思っております。この子ども手当につきましては、三月の末にいわゆるつなぎ法案、これが成立をいたしまして、六か月間二十二年度の子ども手当が施行されると、こういうことになっております。  十月以降の子ども手当についてはこれから検討するところでありますが、せんだって、四月の二十九日でありますけれども、民主党、自民党、公明党、この三党の政調会長によりまして合意がなされたその文書の中で、子ども手当に対する手当の制度的な在り方につきまして各党で早急に検討を進めると、こういう合意がなされまして、今各党議論をされていると思いますが、今、平山議員がおっしゃられたように、子ども手当、大変重要なあれでありますし、是非平山議員考え民主党のその子ども手当の中に反映できるように平山委員に頑張っていただきたいと、こう思っております。
  17. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  これ、新聞報道等々で見ますと、どうも今一万三千円がどうやら一万円というような議論になっているわけでありますが、やっぱり被災地東北というところに限定して考えますと、極めてこれは有効な手だてであると私は思いますので、是非検討のほど、これは逆にお願いしたいと、このように思います。  次に行きます。三点目の提案でございますけれども、現在、政府においてはいろいろな予算措置を講じ、支援しているものと思います。しかしながら、瓦れきの処理や仮設住宅などを国の負担としながらも、それ以外の多くは、予算使途が限られたもの若しくはいろいろな予算を組み合わせながら政策実行するような既存の積み上げ型の形だと理解します。これは事務手続が複雑かつ融通が利かない、結果として被災地及び打撃を受けている東北地方住民ニーズ即座対応できず、政策実行スピード感が失われます。さらには、被災地はどこも財政力が低く、壊滅的な被害を受けた自治体など、これまでの予算配分地元負担金復旧復興の大きな足かせになることも、これもう既にあると思います。  そこで、大打撃を受けた東北地方活力創出という観点から、使途に全く制限のない大胆かつ大規模災害復興一括交付金若しくは交付税を創設し、地元を一番よく知る自治体権限財源を行使、住民ニーズ即座にこたえるというふうにするべきだと私は思います。  これは、現場地方自治をよく知る総務大臣、専門的な立場からの御見解をお願いいたします。
  18. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 被災された自治体に国が財政支援をするということは非常に重要なことだと思います。その際に、既存各省縦割り事業補助金を用意をして、それを言わば補助率をかさ上げするなどして手厚い助成をするという方法もあります。これは今までのやり方でありますが、今般の被災地からは、今おっしゃったような事情もありまして、是非、そういう今までのやり方ではなくて、自由度の高い言わば一括化された交付金ないし補助金あるいは基金のようなもので財政支援をしてもらいたいという、そういう強い願いが来ております。  これもお触れになっておられましたけれども、例えば各省にいろんな手続を、煩瑣な手続をするということが被災地にとっては非常に困難であるということ、それから被災地自主性是非尊重してもらいたいということがあるので自由度を増してもらいたいと、これは私は非常によく理解できます。  ただ、現状においてこういう制度はまだありませんので、これから政府内においてよく検討しなければいけないと思います。復興構想会議の中でもこの種の問題については議論が出ると思いますので、それと並行しながらできるだけ早くこの問題を私としては政府内で検討を終えて方針を出すべきだと考えております。(発言する者あり)
  19. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  今、後ろの方からも出ましたが、復興構想会議、確かに大切だと思います。しかし、国民が求めているのは政治家決断です。政治家決断しなければ、政治は何をやっているんだと、このことが言われるわけでございまして、総理、今のこの三つ提言、特に財源のこの一括交付金に関して総理政治決断、この決意をお願いいたします。
  20. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 一括交付金という考え方そのものをさきの今年度予算の中に盛り込んで、それを認めていただきました。今御提案の話は、復興において特にこの仕組みを大胆に活用したらどうかという御指摘であります。  そういう点で、私もこれから、それぞれの被災地の特徴がかなりそれぞれ事情が違っている中で、画一的に物事を進めるのではなくて、それぞれの地域にしっかりと合った形の復興が望ましいと思っておりまして、そのときに財源措置としてそういった今の提案のような形がより有効なのかどうか、一つの大きな課題として検討していきたいと思いますし、特区という考え方もこの構想会議でも出されておりまして、そういう特区とそういう財源措置と併せて有効な復興が進めるような、そういう形を取っていきたいと、こう考えております。
  21. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  復旧復興という意味で、やはりその現地のニーズに合った権限財源が直接、一番地元のことを分かっている首長さんたちが行使できるということが一番大切です。あしたの使うお金もない人たちもたくさんいるわけでありますね。これを権限財源を与えることによってそういった人たちが光がすぐ見えてくるわけでありますので、是非これはやっていただきたい、強く要望いたします。  次に、第二次補正予算の提出時期に関しましてお伺いをいたします。  今述べました三つ復興政策を含め、いろいろなことに関しまして、もちろん財源裏付け等政府内での議論は必要だと思いますが、被災地のことを真剣に思えば思うほど、例えば先ほども言いました復興構想会議の結論を待ったというような悠長な事の対応ではなく、是非総理のリーダーシップと政治決断早期復興を力強く推し進める、この補正予算、これを早期に提出していただきたい、このように望んでいるわけであります。総理、いかがでしょうか。
  22. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) まずは、五月二日に約四兆円規模補正予算成立をさせていただきました。その中身として、瓦れきの撤去であるとか仮設住宅の建設であるとかライフラインの復旧が入っています。これらを着実に実行することが復興の基盤をつくるというふうに思います。  それを見極めながら、加えて、委員指摘のとおり、復興構想会議で青写真を作るという今動きがございます。あるいは被災地においても復興計画を作られております。これらを踏まえて対応するということが基本だと思いますけれども、当面は第一次補正予算執行に全力で取り組みますが、その上で二次補正予算については、講ずべき施策の必要性あるいは緊要性など、その中身は時期を見極めつつ検討していきたいというふうに思います。
  23. 平山幸司

    平山幸司君 これ、総理の方から今の三つの点も含めまして、やはり私、しつこいようでありますけど、やっぱり被災者皆さんのことを考えますと、復旧復興政策というのはもう喫緊の、目の前、あしたのことなんですよ。もうすぐにでも、また新しいのをすぐ作成して今国会に是非提出していただきたい、その思いでありますが、菅総理決意をお願いいたします。
  24. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、今の平山議員の、本当に被災者皆さんのことを思ってできるだけ早く物事を進めるべきだと、その上で、それには第二次補正も急ぐべきだという、そのお気持ちと考え方は決して私は間違っているとは思っておりません。そのとおりだと思っております。  ただ、申し上げたいのは、例えば瓦れきの処理にしても相当の予算を組んでおりますが、実際にそれを処理する上では、これは県、自治体が今一生懸命頑張ってくれていますけれども、ある程度の時間が掛かるということはこれは御理解いただけると思うんです。あるいは、あるところでは地面が下がっております。この下がった地面をどういう形で改めて漁港にしていくのか、そういう場合にはそれとしての都市計画をそれぞれの町で立てていく必要があります。  そういったことも含めて、そういうことも含めて、お金が間に合わないから物事が進まないと、そういう在り方があっては決してならない、そう考えておりまして、今財務大臣からもお話がありましたけれども、どういう政策をするのにいつごろまでにはこれだけの金が要るではないか、こういうことを明確に検討して、それに間に合うような形できちんと第二次補正、必要であれば更に第三次補正、第四次補正も作ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
  25. 平山幸司

    平山幸司君 歴史が、時代が、世界が日本に注視しております。是非とも菅総理のリーダーシップを発揮していただきたいと、このように要望いたします。  次に参ります。  震災に関する現在の問題点に関して幾つか質問をさせていただきます。  まず一点目でございますけれども、災害弔慰金について厚生労働省は、五月二日、各都道府県に対し、国の予算措置後速やかに概算交付を行うと通知し、言わば見込みでの交付を行う扱いとしましたが、実際には交付が遅れていると、このように聞いております。  先日も被災地の名取市を災害対策特別委員会で訪れた際、名取市長から、今回の甚大な被害では、実施主体の市町村が県や国の負担分、これ、名取市の場合二十五億円程度だそうでありますが、立て替えて支給する余裕はほとんどないという極めて厳しい状況であるというお話をいただきました。  国庫負担の交付が遅れるということは対象者への支給がその分遅れるということを意味します。震災から二か月以上が経過し、残された家族が速やかに生活を立て直すために災害弔慰金の早期の支給が求められますが、現時点での国庫負担金の交付状況と今後の対応について、これ、厚労大臣にお願いいたします。
  26. 細川律夫

    国務大臣細川律夫君) 今回の震災で亡くなられたその遺族の方に弔慰金が一刻も早く到着するということが、これは大変大事なことだというふうに思っております。そういうことで、この災害弔慰金の国庫負担分につきましては、五月二日に成立をいたしました第一次補正予算で四百八十五億円計上をいたしたところでございます。  そこで、この国庫負担金につきましてはもう概算交付をすると、こういうことで、五月の十七日には、この国庫負担金につきまして、岩手県、宮城県、福島県、茨城県などの被災県には既に交付いたしているところでございます。
  27. 平山幸司

    平山幸司君 これ、苦言になりますが、対応が遅いんですよね、もう二か月以上もたっているわけですので。  まあ交付、五月の十七日にしたということでありますけれども、昨日、おとといですか、電話でも現地で話しましたが、やっぱり実際に交付をする窓口にいる人たち対応でもう遅いということで大変な思いをしておりますので、是非今後、同じような、違う形のものもあると思いますけれども、早急な対応を求めたいと思います。  次に参ります。  幼い子供を連れて避難所に避難した母親は、ただでさえ育児の負担があるのに加え、子供が泣いたり走り回ったりすることに対する周囲への遠慮で精神的にも疲れ果てている姿を目にします。特に、将来を担う子供が元気に育たなければいけないという観点から、例えば優先的に仮設住居に入居させるなど、安心して育児ができる環境を整えることが喫緊の課題だと思います。  こうした幼い子供を持つ世帯について、各県の対応について国はどのように把握しているか。また、この点に関し早期対応が必要であると考えますが、国はどのような方針を持っているか。これも厚労大臣に簡潔にお願いいたします。
  28. 細川律夫

    国務大臣細川律夫君) 小さなお子さんをお持ちの家族に対してのいろんな対応でありますけれども、特に仮設住宅、この住宅などに入居する際、そういう方を優先的にと、こういうこと、これにつきましては、厚生労働省といたしましても、厚生労働省の考え方として四月の十五日に考え方を市町村にも出しているところでございます。  それは、ただ画一的に抽せんでするのではなくて、やはり優先度の高いといいますか、避難生活で大変お困りのお年寄りであるとか障害者であるとか、そういう小さなお子さんであるとか、そういう方についてはその状況に応じて優先的に入居をするようにというような考え方を厚生労働省の方として通知をさせていただいて、それによって優先的に入居できるような取り計らいをするようにいたしております。  また、そういう小さなお子さんをお持ちの方については、民間の自分に合うような賃貸住宅をお借りをして、それを自治体が借り上げることによってそこで仮の生活をしていただくと、こういうことも政策として取っておりますので、そういうこともまた利用していただくということで進めているところでございます。
  29. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  是非この辺もしっかりと、やっぱり子供たちというのは未来を担う人材でありますので、しっかりと厚労大臣の方も見ていただいて、指導していただいて進めていただきたいと、このように思います。  次に、観光業に関しまして質問をいたします。  今回は、震災からの復興を願い、青森でも、「がんばろう日本!がんばろう東北!」をテーマとして、地元では、青森から東北を元気にしたい、観光の力で日本を明るくしたいという思いを展開しております。どうか全国の皆さんに青森を始め東北地方を旅していただきたい。まあ本当は、高速道路無料化総理明言いただければ更に良しでありましたけれども、旅行に出かけ日本全体を元気にしていただきたいと、このように願うわけであります。  しかしながら、今観光産業が危機を迎えております。我が国はビジット・ジャパン・キャンペーンを推進してきましたが、海外で訪日外国客を送り込む旅行会社の方の話によれば、ここ数年、日本を訪問する観光客は順調に増加し続けてきましたけれども、三月十一日を境にほとんどゼロと言ってよい状況まで落ち込んでしまったということです。昨日、ちなみに前年度比の四月分が出ましたけれども、半分以下の、四月は六二・五%減と非常に厳しい数字が出ております。最大の理由はもちろん福島原発の事故であります。  この問題を解決し、再び多くの外国人旅行客を呼び込むことは決して容易ではないと思います。しかしながら、我が国の成長戦略の大きな柱として観光産業を力強く推進するため、総理には是非、全国、そして全世界に向けたメッセージを発信していただくとともに、今後の訪日外国人客回復への決意と、これまでのキャンセル等によって発生した損失に対する賠償、これに関する考えをお願いいたします。
  30. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 観光に関する現状と対策ということで御質問をいただきましたので、私の方からまず現状と対策について御答弁申し上げたいと思います。  今御質問にありましたように、四月の外国人の方々の旅行者数は確かに六二・五%減少、約三十万人ということになりました。ゴールデンウイークに、五月に入りましてから少し戻ってきているわけでありますけれども、大変厳しい状況が続いているのはそのとおりであります。  じゃ、どうするかということでありますが、観光庁を中心として、中国、韓国、世界に対して現在の事実関係を正確にお伝えをするという行動をしてまいりました。また、マスメディアの方々あるいは観光キャンペーンをする外国の方々をお招きをして、日本の実態を知っていただくということもやってまいりました。  そういうことから、本日、中国から初めての、第一弾でありますが、人数は三十人ということでありますが観光団が参りまして、それからまた中国の方にもいろいろ御協力をお願いしているところであります。また、五月の二十八、二十九に観光大臣会合というのがございまして、この中でも韓国や中国の関係者の皆さん日本の現実の状況というものを正確にお伝えをする努力をしてまいります。  また、後半のところで、この観光面で深刻な影響を及ぼしている状況について観光関連産業にどのような形で対応するのかと、こういうことでありますが、このことについては原子力損害賠償制度において適切に扱われるだろうと考えておりますが、いずれにしても非常に深刻な状況でありますから、私どもとしても、事実関係を把握して、経済産業省とも連携を取りながらこの企業の支援に努めてまいりたいと考えているところであります。
  31. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  是非、国内の観光業者もそうでありますが、国外からもたくさん外国人をお送りする企業たちがあるわけでありまして、そういった部分も含めしっかりと補償もしていただき、是非成長産業を活性化させていただきたいと思います。  次に行きます。  総理の肝煎りの復興構想会議のメンバーでございますけれども、女性が今一人のみとなっております。これ、女性の視点からいいますと、女性を重視するという観点からもっと女性メンバーを登用した方がよいと思いますけれども、この点に関して、菅総理、お願いいたします。
  32. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) お答えする前に、一つ前の御質問の中で、実は明日、あさってと日中韓のサミットが行われまして、明日は、温家宝中国首相、そして李明博韓国大統領が被災地にお見舞いに入っていただきます。福島においでをいただく予定で、私も福島でお迎えをすることにいたしております。そういう形で、中国や韓国からの来日される観光客の皆さんにも是非日本の安全性ということをアピールするある意味で大変いい機会だと、このように思っていることを申し上げておきたいと思います。  今、復興構想会議議員に女性が少ない、現在お一人しか入っていないということであります。東北ゆかりの方を軸にいろいろな方をお願いをいたしたわけですが、結果として女性が少なかったことは申し訳ないと思っております。  これから更に女性の視点が復興においても重要だと考えておりますので、今後のいろいろな議論の中でそうした女性の視点がしっかりと受け止められるように、この復興会議の方にもそうした運営をお願いをしてまいりたいと、こう思っております。
  33. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  原発の関連に関して質問をいたします。パネルを御覧ください。  まずは、食品の放射能汚染状況及び国の施策についてお伺いをいたします。  震災発生から二か月を迎えた五月十一日、神奈川県西部のお茶から食品衛生法の暫定基準を超えるセシウムが検出されるなど、国民の食品に対する放射能汚染に対する不安が広がっております。また、既に出荷制限が総理指示があった関東近郊を始め農作物の価格下落は深刻、甚大な風評被害は収束をしていません。私の地元青森県は世界でも有数のリンゴの産地です。地元の農家、リンゴ等への放射能汚染や風評被害への懸念は日に日に高まっております。  よって、原発災害という未曽有の非常時に際し、次の二点、具体的な対応をお伺いいたします。  まず一点目ですが、厚労大臣にこれ簡潔にお願いいたします。食品検査の徹底など食品の安全確保についての政府対応をお願いいたします。
  34. 細川律夫

    国務大臣細川律夫君) 厚生労働省では、食品衛生法に基づきまして、食品中の放射性物質に関する検査につきまして、省が定めましたガイドラインに基づきまして関係自治体が検査計画を策定して実施をしております。その関係自治体が行った検査結果につきまして、暫定規制値を超えなかったものも含めて取りまとめて公表をいたしております。  暫定規制値を超えた場合におきましては、食品衛生法に基づきます措置と、そして必要に応じて原子力災害対策本部によりまして出荷制限等の指示等適切な対応が行われているところでございます。
  35. 平山幸司

    平山幸司君 風評被害を食い止めるためにも、検査の徹底というのは是非行っていただきたいと思います。  次の風評被害の未然防止についてでありますけれども、例えば、原発の収束が、収まるまで、時限的かつ非常時対応として検査済マークの導入等の情報開示策を検討することも一つ考えだと思います。政府の情報開示と風評被害を止めるための政策について、これ、農水大臣の方からお願いいたします。
  36. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) まず、今委員からの御指摘の風評被害を防止するということにつきましては、まず何といっても国民皆様方に正確なる情報を提供すると、こういうことだと思います。  そういう意味で、私どもといたしましては、やはり調査の強化、調査体制の強化をしなきゃならない、そのことによって、品目を多くしていく、そしてまた地域の数を増やしていって、そして調査をしっかりやる、そのことによって、そのことを正確に国民の人に提供をすると。そして、市場に出回っている食料というものは安全なんですというふうなことを御理解をいただく。  そのことによって消費者の方々からも冷静に御判断をしていただくことができるということでありますから、まず基本的に私どもとしては、農林水産省といたしましても、きちっとその検査体制を強化するということで検査機の補充等々予算案についても求めたところでございまして、これからも更に情報をしっかりと国民の人に提供するためにも、特にこれから、秋になりますと収穫の時期でございますので、そのことを意識しながら、検査体制の強化によって検査の品目を多くして、そして地域数も増やしながらしっかりと安全体制をつくるということに対して努めてまいりたいと思っております。
  37. 平山幸司

    平山幸司君 是非ともよろしくお願いいたします。  次に、資料の六、お配りしておりますが、新聞記事を御覧ください。SPEEDIについては、放出源情報が得られなかったため、莫大な資金を投入したシステムは本来想定した運用が残念ながらできなかったわけでございます。しかしながら、事故発生当日、三月十一日の午後六時から一時間ごとに三時間先までの予測計算が行われ、これは総理は利用していたんだなというふうに認識いたしております。  ここは文科大臣にお伺いをいたします。  五月十七日の文科委員会において、この予測計算の結果について県には伝えられていたものの公表はされなかったとの報道についてその事実関係がただされていますが、改めて確認したい、このように答弁いたしております。  新聞報道によると、この情報は、記事の下線が引いてある部分ですけれども、この部分がもし事実だとすれば、万が一事実だとすれば、県の誰が、いつ、国の誰に提供を求め、誰がファクスを送り、誰が受け取ったのか。国が県に情報を開示しないようもし何らかの指示をするということが万一あったとすれば、これは情報開示という点で極めて大きな問題でありますので、その事実関係も含め御答弁をお願いいたします。
  38. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 平山委員にお答えをいたします。  三月十三日に政府の原子力対策本部から福島県の災害対策本部に対してSPEEDIの計算結果がファクシミリで送信されていることを確認をいたしました。このときに送付されたSPEEDIの計算結果が五月七日付けの福島民報で報じられたものであると思われております。  なお、福島県に対してデータを公表しないよう指示についてなんですけれども、現時点で調べた限り、文部科学省から福島県に対しデータを公表しないよう指示したという事実はありません。
  39. 平山幸司

    平山幸司君 ありませんということで、これでよろしいんですか、本当に。──はい、分かりました。じゃ、そのことをしっかり受け止めますけれども。  情報開示という観点からもう一点お伺いいたします。  これ、菅総理にお伺いしたいと思いますが、政府として、いろいろな放射線物質が検出されているという報道はありますけれども、政府としてプルトニウムが検出されたという情報を把握しているということは、総理、ございませんか。総理にお願いします。
  40. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 文部科学省では、福島第一原子力発電所の事故を受けて環境モニタリングをやっております。  その中で特に空間放射線量の高かった箇所等の土壌試料についてプルトニウムの濃度を測定をいたしました。三月二十一日から二十三日の採取で七試料、四月二十九日から五月一日までの採取で四試料、この十一の試料のうち四試料からプルトニウムが検出されたものです。しかし、いずれも過去の大気圏内核実験に由来するものと考えられるものであります。
  41. 平山幸司

    平山幸司君 経産大臣にもお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
  42. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 平山委員にお答えをいたします。  東京電力は原子力発電所の敷地内でモニタリングをやっております。これは、一番最新の測定結果では、四月二十八日に採取しましたサイト内土壌からもプルトニウムが観測されております。その後、敷地内の土壌モニタリングを継続して行っておりまして、その結果について注視してまいりたいと思っております。このプルトニウムの濃度は、先ほど文科大臣答弁がありましたものと同程度だと承知しております。
  43. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  もう一点、原発関連に関してお伺いいたします。事故対策と今後の運転及び開発再開の見通しについてお伺いいたします。  私の地元では、今回の事故発生により、東京電力東通原子力発電所及び電源開発大間原子力発電所の工事を見合わせることとなりました。  政府としては、今後、開発再開の条件としてどのような考えを持っておりますでしょうか。例えば大間でいうと、海沿いに道路が一本しかないわけでありますが、避難道を必ず通すということや、更に高い安全基準を設けるなどが再開条件となるでしょうか。経産大臣にお伺いしたいと思います。
  44. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私どもの今回の東京電力福島第一発電所の事故を受けての安全基準でございますが、まず三月三十日に緊急安全対策を出しました。これはあくまでも緊急の対策でございますから、電源をしっかり確保するようにと、あるいはポンプをしっかり稼働させるようにという対策でございます。そしてその後、四月、五月に入りまして、二次にわたりまして追加的な対策を講ずるようにということを指示をしたところであります。  今委員指摘のありました東京電力東通原子力発電所及び電源開発大間の原子力発電所、これは御指摘のありましたようにいずれも建設中でございますが、今お話をしましたこの安全対策をしっかりと実行するようにということは私どもの方から指示をしてございます。それで、特に六ケ所の再処理に関しましては、これは五月一日に別途電源系の確保などの緊急安全対策を講じるよう求めたところでございます。  いずれにしましても、こうした私どもが出しました安全対策が守られることが、これが稼働の条件でございます。
  45. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  もう一点、節電ということが今随分と注目を浴びております。節電に関しましてお伺いいたします。  節電対策の盲点でございますけれども、電力の使用を抑制するということは予期せぬ大規模停電を防ぐため避けられませんけれども、一方で心配もあるわけであります。昨年は猛暑により熱中症で倒れる方が多数出ました。今年の夏、例えば節電を呼びかけることで真面目なお年寄りが冷房をつけることは迷惑になると考え、必要以上に我慢し体調を悪くし、もし命を落とすと、こういった事態があってはならないと思います。  この点で、節電の周知を図る際には十分な配慮が必要だと思いますが、どのような対策を講ずるか、これも経産大臣にお願いいたします。
  46. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 平山委員指摘のとおり、この節電、これはもう大いに努めていただかなければならないわけでございますが、酷暑の折の熱中症ということには留意しなければいけないということで、私どもは、五月十三日、電力需要緊急対策本部を開きまして、そこにおいて夏期の電力需要対策についてという幾つかの視点を取りまとめをいたしましたけれども、その中で、家庭の節電対策メニューの中で、特にエアコンの控え過ぎによる熱中症等に気を付けるようと、これは明記してございます。ですから、その意味では、これからも熱暑の場合はエアコンの控え過ぎによる熱中症等にお気を付けいただきたいと思います。
  47. 平山幸司

    平山幸司君 そこの部分を何かに書いたからといっていいというわけにはいかないと思いますので、その部分を十分に考慮した上で節電対策、これ大事だと思いますけれども、進めていただきたいと、このようにお願いを申し上げます。  最後の質問に入らせていただきます。  未曽有の震災に対する与野党間の協力体制について、これ菅総理質問をいたします。  国民からは、未曽有の震災に対し、与野党に関係なく政治家が一丸となって事態に対応してもらいたいという切実な声が届きます。そこで、菅総理は現在、震災に関し、野党各党から十分な協力が得られていると感じておられますか。
  48. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 三月十一日の発災のとき、ちょうどこの委員会室で参議院の決算委員会の真っただ中でありました。その折にも委員長が早速休憩を宣していただきまして、それ以来、国会の運営においても、野党の皆さんもこの大震災対応するという活動を考慮されていろいろと御協力をいただいてきたと、このように思っております。  また、さきの五月二日の第一次補正についても、いろいろ御意見はいただきましたけれども、やはり第一次補正の緊急性ということを御理解をいただいて全ての党派が賛成をいただいた、大変御協力をいただいたと感謝をいたしております。  今後のことについても、政府として、あるいは与党としても、野党の皆さん是非いろいろとお話をしながら、次の補正予算在り方あるいは復興復旧在り方についても御議論をいただき、そしてできるだけ一緒になって物事を進めてまいりたいと、私自身も、私の内閣もそういう姿勢で臨んでまいりたいと思っております。  野党の中からいろいろな御意見があることは私も承知をいたしておりますが、その中で私自身の不徳の致すところに原因があることも多々あることは承知をいたしております。しかし、こういうこの大震災という中において、私はその責任を放棄するわけにはまいりませんので、是非とも野党の皆さんにも、この震災のまさに未曽有の国難であるというそのことを御理解をいただき、国民の立場に立って是非考えて行動を、御協力をいただければと重ねてお願いを申し上げたいと、このように思っております。
  49. 平山幸司

    平山幸司君 野党各党からのこの未曽有の震災に対しまして協力を得るということは、やっぱり国民が、政治家が一丸となってやっていくという視点から強く望んでいることだと思いますし、これは総理の大きな力量にももちろん懸かっているわけであります。  そこで、私は、野党の協力を得るためには、やはり何といってもまず自分の足下である我々の与党内をしっかりと固めなければいけない、各党から協力を得るのは固めなければ難しいと、このように感じるわけでもございます。残念ながら、少なくとも国民の目には、与党内ががっちりと一枚岩になって震災対応しているというようには映っていないと聞いております。地元を歩いても多くの支持者から、この震災是非被災地選出、日本国内外で政治経験豊富な小沢元代表の政治手腕に大きく期待する声も数多くいただくのも、これ事実でございます。  総理、ここは是非、いま一度心を入れ替えて、党内へも協力要請の呼びかけをし、がっちりと一枚岩で震災に臨む体制を再構築するよう強く願うわけでございますけれども、総理考えをお願いいたします。
  50. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 大震災が発生した後、民主党の代表経験者の皆さんに、現在幹事長をやっておられる岡田さん以外の経験者の皆さんにお集まりをいただきまして御協力をお願いをいたしました。その中で、こういうときであるからしっかり協力するからという言葉もいただきました。そういう意味で、今おっしゃっていることは、私もまずは与党民主党がしっかりと協力体制をつくらなければならないと、このように思っております。  そういう中で、今、小沢先生の名前も出ましたけれども、御承知のように、小沢先生について、この間の経緯の中で、現在、党員資格を停止という形になっていることもあります。そういうことについてもしっかりと、この間の議論を重ねてきたことでありますので、そういう立場におられるわけでありますが、是非とも、この大震災というまさに未曽有の問題においては、これまでも御協力はいただいたと思いますが、一層の御協力がいただければ有り難いと、このように思っているところであります。
  51. 平山幸司

    平山幸司君 具体的な協力要請を、今後、小沢元代表にするというような菅総理考えはございますか。(発言する者あり)
  52. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げましたように、私としては、歴代代表経験者の皆さんにこれまでも協力要請をし、また、そういう姿勢を示していただいていると思っております。(発言する者あり)
  53. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑が聞こえなくなりますので、もう少しお静かに。
  54. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) そういう意味で、今申し上げましたように、党の中でどういう役割を担って、どういう形を取っていくことが望ましいかというのは、党の方でも御議論をいただきたいと、このように思っているところであります。
  55. 平山幸司

    平山幸司君 是非とも、これ、野党さんからも協力をいただくという意味合いにおいては、やっぱり党内一致結束してというのが国民の願いであります。そして、野党さんからもしっかりと御協力をいただいてこの未曽有の震災対応していくと、このことが今大切であると思いますので、是非菅総理に力量を発揮していただきたいと、このようにお願いを申し上げます。  時間が少しありますので、通告をしておりませんけれども、もう一点お伺いをいたします。  陛下が未曽有の震災に対しまして非常に一生懸命に被災地の方に足を運ばれているわけでございます。その陛下のことを思いますと我々も全力以上の力で頑張らなければいけないと、このように思います。  その陛下に、今回の震災に関しまして、情報開示という意味、特に福島の原発のこと等々のことをしっかりと政府の方から何らかの説明をしているというようなことはあるんでしょうか。お願いいたします。
  56. 前田武志

    委員長前田武志君) これはどなたに答弁を求めておられますか。
  57. 平山幸司

    平山幸司君 総理の方にお願いをいたします。
  58. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 一つの形として、陛下の方から、いろいろな機会にいろいろな立場の人に対していろいろなことを報告といいましょうか、内奏という形でお話をするということが行われております。私もそういう形のあるときには必ず出席といいましょうか出させていただいている、そのことだけ申し上げておきます。
  59. 平山幸司

    平山幸司君 以上をもちまして私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  60. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で平山幸司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  61. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、牧野たかお君の質疑を行います。牧野たかお君。
  62. 牧野たかお

    牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。  まず、質問の前に冒頭、菅総理に私の方から申し上げたいと思います。  私の自宅は浜岡原発から二十キロ余りのところにあります。ですから、三月十一日の福島第一原発の事故以来、私のところに不安や心配の声を訴える住民の皆さんがいっぱいいらっしゃいました。ですから、結果として浜岡原発の停止は、住民の皆さんの気持ちや県民の皆さんの気持ちを考えた場合、受け入れざるを得ないと私は思っております。しかし、この停止に至るまでの手法については極めて乱暴であり、そして責任の在り方、そして安心の担保という面で私は多くの問題があると思います。  そういう視点から質問に入ります。(資料提示)  まず、この浜岡原発の停止までの経過でございますが、五月六日に菅総理は、十九時十分、記者会見を行いました。この停止要請の最終判断というのをいつされたんでしょうか。
  63. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の福島原発事故が起きまして、浜岡については従来からいろいろな指摘もあったわけですが、改めて我が国のいろいろな地震の起きる可能性等のいろいろな議論もあり、また資料もあり、またいろいろな皆さんからのお話を聞きました。  そういう中で、海江田経産大臣から、前日の五日に浜岡原発を見た中で、私に相談という形でお話がありました。その間も私なりに考えておりましたが、海江田大臣の方から、やはりいろいろなことを考えた中で停止要請をすべきではないかというお話もあり、私自身もいろいろ議論をした中でそのことが適切だと考えて、その二人の議論を含めてその段階で要請をすることを決めた次第であります。(発言する者あり)  ですから、今申し上げたように……
  64. 前田武志

    委員長前田武志君) 立って御質疑を願います。
  65. 牧野たかお

    牧野たかお君 いや、私は、五月六日の要するに記者会見をする前の時間、いつ最終判断をされたのかということを伺っております。
  66. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 海江田大臣が六日に官邸に来られて、そしてお話をして、その場で最終的に判断をいたしました。
  67. 牧野たかお

    牧野たかお君 海江田大臣に確認しますけど、私、十七日の経済産業委員会で海江田大臣に、この最終判断というのはいつお決めになったんですかという質問をしました。どうして私はその六日の日、十九時十分に記者会見をされたのかと申し上げました。それは後で申し上げますけれども、要は、地元にも事前連絡というのがなく、本当に十九時十分の四十分前に地元の市長、そして当事者の中部電の社長、そして県知事には十九時前、そして十九時十分に記者会見をするのは余りにもちょっとおかしいじゃないかということで、何で記者会見をされたのかということを大臣に聞いたところ、大臣答弁は、菅総理がとにかく七時十分から記者会見をやるということをおっしゃったわけでありますというふうに答弁されております。  要するに、強引に記者会見をしてしまったんではないかと私は思いますけれども、ですから、五月六日の日にどなたと何時から何時間掛けて協議をされて最終決断をされたかということを私は総理に伺っております。
  68. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 五月の六日午後でございます。一時過ぎからだろうと思いますが、総理官邸にお邪魔をいたしまして、詳しい時間はちょっと今手元にございませんが、よく私がその前日の御報告をいたしまして、今、菅総理から答弁がありましたけれども、私の意見を聞かれましたので、私はこういう意見だということを申し上げまして、そしてそのほかに、官房長官は中に一緒でございました。そのほか補佐官などもいたと思いますが、そこで改めて総理からは需給の問題などについてのお尋ねもありました。需給などにつきましては私の方で事前に幾つか調べておきましたので、そういうことで最終的な結論を出しました。  それから、あと一つだけ事実で、前回の委員会でもお伝えをしましたが、私が中部電力の水野社長にお電話をしましたのは半ではありませんで、これは記録がございますので、午後六時十分となっておりますので、向こうからいただいたのが半ということでございますので。
  69. 牧野たかお

    牧野たかお君 ですから、私はさっきから、本当に時間がなくなっちゃいますけれども、どの時間掛けて協議をして最終的にお決めになったのかというのを今聞いているんですが、それだけでもう六分いっていますので早くお答えをしていただきたいと思います。
  70. 前田武志

    委員長前田武志君) まず、海江田担当大臣。(発言する者あり)付け加えることありますか。
  71. 牧野たかお

    牧野たかお君 総理、私は総理に聞いています。
  72. 前田武志

    委員長前田武志君) 海江田担当大臣の次に総理に。
  73. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) ですから、後で記録を精査していただければよろしいかと思いますが、およそ本当に各方面から、もちろん法律的な根拠の問題ですとか、それから需給の問題ですとか、数時間にわたって総理と御相談をいたしました。
  74. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) こういう重大な物事の判断でありますので、私としてはいろいろな方の話も時間を掛けて聞いております。そういうことも踏まえて最終的な段階のことを言えということであれば、今、海江田大臣が言われたように、六日の午後に海江田大臣が官邸に来られて、前日の視察を踏まえての一つの報告、考え方をお話しになり、私も私なりにそれまでいろいろなことを考えてまいりましたので、そこで協議をいたしまして最終的に判断をさせていただいたと、こういうことであります。
  75. 牧野たかお

    牧野たかお君 時間的に。
  76. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げましたように、午後早い時間に官邸に来られて、その中で何時間かにわたって最終的な協議をして判断をしたということであります。
  77. 牧野たかお

    牧野たかお君 どうも最終的な判断をされた協議の結果の時間がおっしゃりたくないものですから、こういうふうにお答えになっていると思います。  それで、今総理がおっしゃいましたけれども、海江田大臣が前の日、浜岡原発に視察をされました。そして、その後、県知事や御前崎市長、周辺の市長と一緒に意見交換会ということを行いました、僅か二十分でありましたけれども。その後、マスコミに対して海江田大臣は、国が一方的な方針を出すのではなく、地元の声をよく聞いて進めていくと答えております。これは静岡新聞の五月六日の夕刊にちゃんと載っております。  そういうふうにおっしゃっておきながら、翌日、突然、停止要請を行いました。その間、全く地元の意見は聞いておりませんけれども、これで本当に地元の声をよく聞いて進めていくということになるんでしょうか。まず、大臣に伺います。
  78. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) この点につきましては、私は三月の三十日の安全基準を出すころからずっと考えておりましたので、その間いろんな地元の方の意見もお聞きをしております。  それから、前回の委員会でも、私が僅か二十分ということでしたけれども、そして記者に一時間。これは全然違う。私なりに時間、鉄道のあれが一本遅れて帰ったわけでございますから、私としては時間を掛けて聞いたつもりでございます。  その中で、川勝知事からは、はっきりと原子力発電についてはこれは止めてくれという意見がございましたし、それからあと、知事以外に議長もいらっしゃいましたけれども、それらの方々は大変悩み深い意見を聞かせていただきました。
  79. 牧野たかお

    牧野たかお君 二十分というのは、出た方にも、私は市長にも聞きました。その二十分のうち最初のうちは名刺交換をして時間を潰したということですから、そんなに長い時間じゃ、二十分も掛かっていないと思いますよ。  それで、川勝知事が今おっしゃったというのも私も県に確認しましたけれども、知事は大体、というよりも、元々、その懇談会、意見交換会というのは四号機、五号機の話なんか一切出ていないじゃないですか。四号機、五号機は運転中で、それを止めるなんという話はもちろん出ていないし、四号機、五号機に関する話は一切その意見交換会で出ていないはずじゃないですか。だから、そこで川勝知事が原発を止めてくださいと言うはずがないんですよ。  現に、記者会見で川勝知事は、私は四号機、五号機まで止めるとは思っていなかった、そういうふうに記者会見していますよ。だから、全くこの四号機、五号機も含めた全面停止をするという話は一切地元とはしていないんですよ。  それを、翌日の七時十分に総理が記者会見をされましたけれども、そのことの内容を伝えたのは、当事者の中部電力でさえ、たとえ六時十分と言ってもいいですが、中部電力は、私は何回も確認しましたけれども、その後も、六時三十分と言っていますが、まあ三十分でも十分でもいいですよ、だけど、一時間以内に相手に、中部電力に、県知事に、そして地元の首長に連絡をして、もう国民皆様と言って総理は会見をしたんですよ。どこが地元の意見を聞いているんですか。それについて、総理、どう思いますか。
  80. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この浜岡原発の牧野議員は比較的近いところに住んでおられるということで、冒頭にいろんな方からも心配の声が上がっていると、そういう話をされました。私も多くの方から、それは地元地元でないをかかわらず多くの方から心配の声をいろんな形でお聞きをいたしておりました。そして、まさに想定をはるかに超えた福島原発の事故が起きた中で、国民の安全と安心を考えた中でどうすべきかということを考えました。  そして、これまでも申し上げましたように、あの地域はいわゆる想定東海地震のそうした震源地の中に含まれている、ある意味で他の原発とは違った特殊なところに存在をする、いわゆるそういう可能性の極めて高いところに存在する。(発言する者あり)
  81. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。
  82. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) そういう意味で、地元に住んでおられる皆さんからもいろんな意見をお聞きをいたしておりました中で、最終的に海江田大臣が前日の視察を踏まえてそうした要請をすべきだという考え方を示され、そして私も、最終的にはそうした要請を行うべきだと、こういう判断をいたしたわけであります。  私は、国民皆さんにとって安心、安全のために、地元皆さんにとっても安全、安心のために私は適切な要請であったと、このように考えております。(発言する者あり)
  83. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑者委員長の指示に従ってください。  菅総理に申し上げますが、質疑者は、再度、地元の意見を聞いておるかどうかを質疑にしておりますので、その点に関し的確にお答えを願います。
  84. 牧野たかお

    牧野たかお君 もう何回聞いてもまともな答えが返ってこないから、私ももう残念でなりません。  それで……(発言する者あり)じゃ、もう一度聞きますよ。五月六日までに地元の首長から四号機、五号機を止めるということについての意見聴取等、またいろんなことの協議をしましたか。どちらでもいいですけれども、お答えください。
  85. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) ですから、私は五月の五日に行きまして、何号機、何号機というお話はいたしません。ただ、それは、いいですか、私は全部見てまいりましたから、はっきり申し上げまして、現場をその前に二時間以上掛けて見てまいりましたから、一つ一つ、何号機についてこれは止めた方がいいですかとか止めない方が、そんなことは聞きません。浜岡原子力発電所全体の問題についてしっかりと聞きまして、私どもが決意を固めたわけでございます。
  86. 牧野たかお

    牧野たかお君 本当に私は思いますけれども、五月五日の日のその視察と要するに意見交換会、地元の首長さんたちとの意見交換会、これもうアリバイ工作以外の何物でもないですよ。  一つ総理に聞きます。五月十日の読売新聞の朝刊です。この記事を要約しますと、総理が浜岡原発全面停止の検討を指示したのは四月初め、震災対応の不備で批判を浴びていた首相にとって浜岡原発停止は政権浮揚にもってこいのテーマと思えたと、こういうふうに書かれてあります。要するに、支持率を上げるために十分な検討もしないで強引な手法を取ったということが書かれているわけですけれども、総理、この記事についてどう受け止めますか。
  87. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 全く私の考えとは異なっております。
  88. 牧野たかお

    牧野たかお君 それで、今回の要請について私はもう一度検証したいと思いますけれども、これは大臣答弁を経産委員会でされていますけれども、法律に基づかない要請である、これはお願いであると大臣答弁されました。これは先週の予算委員会山本順三議員指摘しましたけれども、要するに法律に基づかない要請というならば、私は、当事者の中部電力に事前に申し入れて、そして当事者である中部電力がそれを受諾した段階で記者会見すればよかったんじゃないですか。総理、どうですか。
  89. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 御承知のように、今回の福島原発も従来の基準等には適していたわけでありますが、予想以上のまさに想定を超えた地震、津波によってああした事故に立ち至ったわけであります。そういうことを踏まえて、他の原発についてもいろいろと経産大臣が緊急の措置を指示する、あるいは命じていただいておりますけれども、そういう中でも、文科省所管の地震の予知をしている本部が、極めて高い可能性で三十年以内に切迫しているという、そういうことをはっきりと示されている。それは私は、これほどの切迫した形ではっきりと言われている原発はまさに浜岡原発だけであると、こう認識しております。  そして、この参議院の予算委員会でも何人かの議員皆さんから、委員皆さんからもそうした指摘をいただいたわけであります。そして、地元の関係者も、私も何人かの方とは意見交換をいたしておりまして、そういった意味で……(発言する者あり)いや、今申し上げましたように、そうした立場で判断したということであります。
  90. 牧野たかお

    牧野たかお君 いや、私が聞いているのは……(発言する者あり)止めてください。
  91. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  92. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を起こしてください。  もう一度御質疑、端的に。
  93. 牧野たかお

    牧野たかお君 ですから、もう何回も何回も質問をやり直さなければいけないというのは本当に私は残念です。  先ほど申し上げたみたいに、これはあくまでも法律に基づかない要請ですから、要請というならば、事前に中部電力に停止の申入れをして、相手が受諾した段階で記者会見をすればよかったんじゃないですか。それについてどう思いますかと私は聞いているんです。
  94. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) いろいろとこういう問題の扱いについては形があると思います。  私は、記者会見のときにも申し上げましたし、また大臣からもお話がありますように、確かに、今の現行法の幾つかに基づくその規定あるいは安全基準、そのことからいえば、命令をしたり指示をするという形には法律上なっておりません。  しかし、私は、まさに諸般のいろいろな状況考えた中で、これは要請をすべきだと。それは、あらかじめ何か要請した後で了解を取ってから発表すればよかったという見方もあります。しかし、その場合に御了解いただけるかどうかは分かりませんけれども、そういうやり方もあります。  しかし、私としては、国民皆様の心配と安心と安全のためには、要請をするというところまでは私の政治的な責任でやるべきだと、そう考えて行ったわけであります。
  95. 牧野たかお

    牧野たかお君 五月六日は金曜日です、五月六日は金曜日。だから、金曜日の日に大臣が、こっそりでも何でもいいですけれども、当事者のところに行って申入れをして、そして土日考えてもらって返答を受けてから、月曜日にその受諾を受けた段階で記者会見すればいいじゃないですか。  だから、要するに記者会見も、さっき読売新聞のことを言ったみたいに、要するに自分のための記者会見なんですよ。それがもうみんな分かっているんですよ。だから、私はこのやり方については非常に乱暴だと思っております。  それと、その時点で、私も中部電力に確認しましたけれども、三百六十万キロワットの原発の電力がなくなって、じゃ、これから夏場に向けて電力確保できるかというと、今現在も実はめども立っておりません。そして、仮に大規模停電があって、企業の工場がその停電によって製品が壊れたりいろんな損害を受けたときに、今回のやり方だったら誰がその経済的損失を補償するんですか。政府がするんですか、中部電力がするんですか。
  96. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私も、実はこの判断をするに当たってその電力の需給の問題が一番気になりました。そこで、内々に資源エネルギー庁にも需給は平気なのかということを尋ねました。また、今度こうした判断を中部電力が受入れをしてくれてからも、幾つかの条件と申しますか、要望がございました。その要望一つにそういう問題が入っておりますので、これは誠実にこたえていきたいと思っております。(発言する者あり)
  97. 前田武志

    委員長前田武志君) 立ってもう一度御質疑ください。
  98. 牧野たかお

    牧野たかお君 何回も何回も同じ質問しなきゃいけないじゃないですか、答弁がちゃんと答えてくれないから。  誰が要するにそういった不測の事態のときの経済的損失の責任を取るんですか、補償をするんですかと私は聞いているんです。(発言する者あり)
  99. 前田武志

    委員長前田武志君) 海江田経済産業大臣、ただいまの質疑に対して的確にお答えください。
  100. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 経済的な面は、これはいろんな都合もあろうかと思います。これはちゃんと法律にのっとってやっていただかなければいけないと思いますが、政治的な責任は私が取ります。
  101. 牧野たかお

    牧野たかお君 要するに法的な手続を取ってない、法律に基づかない、だから誰も責任を取らないような状況が生まれちゃうんですよ。本当だったら、停止をするんだったら、このもう福島第一原発の事故から二か月たっているわけですよ、その間に原子炉規制法を改正して安全基準を設けて、この安全基準に達しない場合は停止を命じたり、指示をして止めてやればいいんですよ。そしたら政府もちゃんと責任を取る、そういう立場になるんですが、今回のやり方だと誰も責任を取らない状況が生まれちゃうんですよ。  じゃ、一つ例を挙げますよ。実は、この浜岡原発の温水を使って、静岡県の沿岸漁業というのはそこでアワビとかタイとかヒラメとか全部で九百五十万の稚魚、種苗を生産をして、それを駿河湾や遠州灘に放流して、それを漁業資源にしているわけですよ。もう原発が止まりましたので、結局その養殖ができなくなってしまった。ところが、これをできなくなったのを、これから何年も先続きますけど、じゃ、誰が責任取るんですか。これはもう中電に実は漁連が、漁業組合連合会が話ししましたけど、そこまでは中電はできないですよ。それを、じゃ、誰が責任取るかというときに、政府は法的な手続取っていないから、政府が補償することも法律上はしなくてもいいことになっているんですよ。  だから、こうしたことが起きてはいけないというか、そういうことも想定した上で、政府は止めるなら止めなきゃいけなかったんですよ。だから、何も考えずにただ止めるだけのことを要するに自分たちの政権の浮揚のためにもしやったとしたら、これは大変な問題だと思います。まずそのことについて、責任はどこに行くのか、総理、答えてくださいよ。
  102. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほども申し上げましたが、まずは国民の安全と安心を考え、そして、万一あの地域原子力事故が起きた場合の経済に与える重大な影響も一つの判断材料にさせていただいたということは、これまでも申し上げました。  その上で、先ほど電力の供給の面についても、私もそれは気になりましたので経産大臣にもお聞きしまして、関電など他の地域の電力会社の協力も得れば需給に対しては十分供給できるという見通しもありまして、そういう形で最終的な判断をいたしました。  責任という問題に関して言えば、最終的に、それは政治家としての、総理としての責任は私自身にあることは当然であります。
  103. 牧野たかお

    牧野たかお君 まともな答えになっていません。もう時間がないので最後の質問に入ります。(発言する者あり)
  104. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。討論が聞こえません。
  105. 牧野たかお

    牧野たかお君 原発の停止のこともありますが、実は今、総理が言った言葉によって大変な事態が起きています。総理が原発を停止した理由、海江田大臣の談話でも使っておりますけれども、要するにマグニチュード八・〇の地震や震度六強の地震が起きる、これを切迫するという言葉を使っています。この切迫するというのは、海外のメディアはイミネントアースクエークという、明日起きる地震という、そういう直訳で流しております。  それで、今何が起きているかというと、静岡県に進出しようとしている企業は全部それ取りやめています。中には撤退を考えているところも出ています。そして、来月から静岡県では、世界中の劇団を集めて舞台芸術の祭典というのを計画しておりますけれども、もう海外から参加する団体のキャンセルが相次いでいます。そして、県内の各都市、それは海外の都市と姉妹提携を結んでおりますが、毎年毎年静岡県の各市町村に来ている姉妹都市の交流団、みんな取りやめちゃいましたよ、今年。だって、あした地震が起きるかもしれないという切迫という言葉を使って、総理がこれを理由に原発の停止を国民に発表したんですから。  この切迫という意味は、総理、どういう意味かお分かりですか。切迫という意味総理に伺います。
  106. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) もう、一番よく御存じだと思いますけれども、このことを私が申し上げたのは、文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によって、これから三十年以内にマグニチュード八程度の想定東海地震が発生する可能性が八七%ということが発表されているわけです。  つまり、三十年間という間に八七%の確率で起きるということの意味は、それは一般的に言えば、もちろん百年間起きない可能性もあると同時に、間近に起きる可能性もあるということを、私は誰もがこの表現を聞けばそういうふうに理解するものと、そう思います。
  107. 牧野たかお

    牧野たかお君 もう時間になりましたので、これで終わりますが、切迫というのはもう非常に迫っている、間近に迫っているという意味です。もし停止を要請するんだったら、万が一に備えてとかそういう配慮が欲しかった。総理は言葉の重みが分かっていないと思います。  私は、最後に切迫という言葉を使わせてもらいます。東海地震よりも何よりも、私は、切迫しているのは、もう場当たり的なことを繰り返している菅政権の崩壊の日が切迫していると申し上げて、私の質問を終わります。
  108. 前田武志

    委員長前田武志君) 関連質疑を許します。佐藤正久君。
  109. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党佐藤正久です。  原発関連の質問に入る前に、韓国国会議員が北方領土を視察する、この問題について質問いたします。  報道によりますと、韓国の議員三名が二十二日から北方領土の国後を訪問すると、こう伝えられております。明日、総理は韓国の大統領と会われます。絶対これは許してはいけないことです。総理から直接抗議をし、これを取りやめさせる、当たり前だと思います。  総理決意をお伺いします。
  110. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 韓国の国会議員が北方領土を訪問するということについて、報道があったことは承知をいたしております。現在、事実関係を確認中であります。
  111. 佐藤正久

    佐藤正久君 また逃げですね。もしもこれが事実であったら、しっかりと抗議をする、テレビの前で国民明言してください。
  112. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) こういう国際的な問題は、まずは事実を確認するということが当然でありまして、事実が確認された場合には、そのときにきちっとした対応を取りたいと思っております。
  113. 佐藤正久

    佐藤正久君 当たり前じゃないですか。主権を守るのは総理大臣、あなたが一番背負ってやらないといけない仕事なんですよ。当たり前のことをやらない総理大臣、そんな総理大臣要りませんよ。あしたまでにしっかり事実関係を確認をして、そして明日申し入れる、強く求めます。  それでは、原発関連の質問に移ります。  私は福島県の出身です。我々は、今回の原発事故、人災であり、その人災はまだ続いていると、そう思っています。その人災の中心にいるのが、総理、あなたです。十二日の原発事故対応、もう最悪ですよ。あなたの視察のおかげで余計な負担現場に押し付けて、そして一号機のベント開放にも支障を来した。  実は、それだけではありません。二号機も同じです。資料一を見てください。(資料提示)  一号機、三号機、水素爆発しました。次に二号機が危ないというのが三月十四日午後の状況総理自身も実際に吉田所長と話をし、やばいと思っていました。十四日十三時二十五分、二号機原子炉への注水が完全に停止。その後、どんどんどんどん水位が下がり、十六時には三十センチ。十八時二十二分には燃料棒が完全に露出。そのため、圧力容器の圧を下げるために弁を開いて、水蒸気を圧力抑制室に逃がしました。しかし、翌十五日の朝六時十分にその圧力抑制室で爆発が起こりました。  総理、その二号機の爆発はいつどこで知りましたか。
  114. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、佐藤議員、何号機とおっしゃいましたか。(発言する者あり)  二号機は、私は、三号機が十一時一分に、十四日に爆発していますが、二号はどうでしたか、ちょっと、私の思い違いでなければ、それ、違いませんか。二号機ですか、本当に。
  115. 前田武志

    委員長前田武志君) 菅総理、確認してからお答えください。
  116. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 確認をいたします。事実関係を確認します。
  117. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、それは十五日、あなたが東電にいたときなんですよ。あなたが東電本店で職員に対して爆発しているときに二号機が爆発したんですよ。しかも、四号機も火災。何をやっているんですか。一番大事なときに東電を潰すぞと脅している。指揮官は部下を、士気を上げないといけないときに士気を下げている。しかも、一番大事なときに邪魔をしている。  一号機や三号機の例を見たら分かるように、燃料棒が完全に露出をして半日後ぐらいに水素爆発しているんですよ。実際に二号機の爆発も、それから燃料棒が露出して約半日後の十五日の朝六時ごろ、一番危ない、まさに一番危ないときにあなたは東電に行って爆発している。反省しませんか。
  118. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今確認をいたしましたけれども、二号機での水素爆発は起きていないはずであります。二号機で起きたのは、あくまで圧力制御室で何らかの大きな音がしたということで、今水素爆発と言われましたけれども、建屋も現在二号機は大部分は残っております。ですから、若干、言って……(発言する者あり)いや、さっき言われました、言われました。  ですから、そういう事実関係をきちんと言っていただいて話をしていただければ、私もきちんと答えます。
  119. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然聞いていないんですよ。私は、二号機は水素爆発、言っていませんよ。一、三が水素爆発です。二号機は圧力抑制室で爆発したと言っているんですよ。  それも自分が東電本店にいるときに分かっていない。だから、人災なんですよ。自称専門家だったら、爆発を待つのではなくて、完全に燃料棒が露出をして、それから注水がうまくいかなくなったという段階で予令として退避の準備を指示をするとか、そして数時間後に危ないと思ったら退避を命ずる。ところが、実際、一、三号機の教訓を全く生かしていないんですよ。それでは学習効果がない専門家じゃないですか。  実際に起きたのは露出してから半日後の朝の六時なんですよ。それから五時間後の十一時に退避指示ですよ、いきなり。爆発するまでの間、何もやっていないんですよ、あなたは。爆発をしてから五時間後にいきなり退避指示。現場は大変慌てたそうですよ。  次に、この資料二を見てください。これは十五日の十一時の総理の記者会見の抜粋です。  あなたは、ここでは一、三、四号機には触れていますけれども、一番濃い放射性物質が漏れた可能性がある二号機には一切触れていないんですよ。それはなぜですか。
  120. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の事故は、特に一号機から四号機までがそれぞれ交差していろんなことが起きていますので、率直に申し上げて、しっかり資料を見ないと、号機によってのいろんな形が違っております。  今、後になって急に避難指示をされたと言われますけれども、既に、三月十一日ですよ、発災の日の二十一時三十分にまず三キロ圏内の避難を指示しております。そして、翌日の十二日の五時二十四分には十キロ圏内の避難を指示しております。その後、一号機において水素爆発が十二日の十五時三十六分に発生し、十八時二十五分に避難区域を二十キロ圏に拡大をいたしました。つまりは、一号機も二号機もほぼ同じところにあるわけでありますから、つまり、今、佐藤議員が言われた、爆発という言い方をされましたけれども、その事象が起きた時点では既に避難をもうかなりの範囲で行っていたわけであります。  それから、私が何もしていないということを言われますけれども、私は、十四日の段階で、いわゆる統合対策本部を設けて、その一回目の会議を、福島のサイトと直接画像がつながっている本店に出かけてその第一回目の会議を行っていたわけでありまして、私はその中で、どういう状況にあるのか、サイトの情報も聞いておりました。その後、ある段階からは海江田大臣と細野補佐官に事務局長として後の対応を任せ、その後は報告を順次受けているわけでありまして、何もしていないという御指摘は全く当たっておりません。
  121. 佐藤正久

    佐藤正久君 私が言ったのは、十四日の午後から十五の朝について何もやっていないと言っているんですよ。今言っているのは二号機の話を言っているんですよ。二号機の爆発を受けて、それから五時間後に、十一時にやったんじゃないんですか。──邪魔するな、本当に、事務方。質問を聞けないじゃないか、総理が。何やっているんだ、おまえは。出ていけ。ふざけるな。
  122. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑者はもう少し冷静になってください。
  123. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、しっかり聞いてくださいよ。  十五日の朝、あなたが東電にいるときに爆発音がしたんでしょう、それを知らなかったんですか。だから、それから五時間後の十一時に避難区域を広げたんじゃないですか。退避を、待機を避難に変えて、二十から三十に拡大したのが十一時ですよ。全く分かっていない。その一番大事な二号機を触れていないんですよ。記者から問われて初めて、ええっといった感じで。で、まともに答えていない。枝野官房長官も、十一時の記者会見は四号機に対する記者会見であって、二号機は僅かにしか触れていないんですよ。  だから、まさにこれは人災なんですよ。いいですか。だって、圧力容器から濃い水蒸気を圧力抑制室に移して、それがぼんといったんですよ。濃いのが漏れるのは当たり前じゃないですか。だから、非常に今回、福島県民が今苦しんでいるんですよ。  いいですか、総理、十五日の九時の段階で第一原発の正門で今までにないような十二ミリシーベルトを超える高い放射線量が出たんですよ。だから、今回十一時の段階で避難区域を三十まで広げたんじゃないですか。そのことも忘れている。  では、総理、なぜそのときに風向きを言わなかったんですか。  資料三を見てください。いいですか、十五、十六の風下の北西方向に汚染が拡大したんですよ。総理、あなたは同心円状で避難を呼びかけたんですよ。結果、浴びなくてもいい放射線を多くの方が浴びてしまったんですよ。まさに人災ですよ。県民の命を軽んじている。  総理、なぜ退避指示のときに同心円だけで風向きを言わなかったんですか。
  124. 前田武志

    委員長前田武志君) まずは海江田担当大臣
  125. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これは佐藤委員是非御理解をいただきたいわけでありますけれども、二号については先ほどもお話はありました。それまでの一号や三号、それから四号もそうです。水素爆発というのは上に上がりますから、まさに建屋が吹き飛んで、外から見ましてもすぐ爆発があったなということが分かるわけでありますが、二号爆発については、その意味では建屋も健全でございますので、ただ、腹に響くようなずしんという音があったということは、これは私どもも聞いております。これは総理も聞いているかと思います。  そういう状況がございまして、今委員は、二号の爆発がその意味ではその後の高濃度の、特にサイトの出口のところですね、あそこが非常に上がっているということがありますが、あれが果たして本当に二号かどうなのかというのはもう少し時間を掛けてやはり見てみなければいけないだろうというふうに思っております。  風向きについてでございますが、(発言する者あり)今からお答えをいたします。風向きについては、残念ながら私どもは、今どちらから風が吹いているということは、気にはしておりましたけれども、その命令を出すといいますか、退避の指示をするときにすぐに手元にデータがございませんでしたから、取りあえず同心円でやるのがその時点ではベストだと思っておりました。
  126. 佐藤正久

    佐藤正久君 考えられませんよ。  いいですか、風向きというのは普通イロハのイですよ。自衛隊だって当たり前ですよ。ミサイルが落ちたら、すぐ装面をして風下方向に行かない。当たり前ですよ。それは核弾頭か化学弾頭か分かりません。風下に行かないと。当たり前ですよ。  そのおかげで、あなたたちが同心円でやったために、相馬や南相馬の方々は飯舘村やあるいは川俣町、浪江の津島の方に一万人以上の方が避難したんですよ。浴びなくていい放射線を浴びてしまったんですよ。だから人災だって言っているんですよ。あのときは雪が降って寒かった。お年寄りに対して、少しでも体を温めたいと思ってみんな水道水を温めてお湯を飲ませた。ずっとやっていましたよ。その水がまた放射能で汚染されていた。風向き一つ言っておけば全然違うんですよ。これはイロハのイですよ。しかもSPEEDI、これだって実際、あれは地形と風向きが分かるわけでしょう。実際一ベクレルで流しているんですよ。  総理、三月十五日のSPEEDI、御覧になりましたか。
  127. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 安全・保安院から上がってきていると聞いておりますが、私が直接そういうものを、私のところまでは直接には上がってきておりません。
  128. 佐藤正久

    佐藤正久君 あなた本当、本部長なんですよ。ただ口だけ本部長じゃないか、そうしたら。  一番大事なことは、国民の命を守る、風下方向には行かない。当たり前のことですよ、イロハのイですよ、それは。あなたは応用物理なんでしょう、当たり前じゃない、そんなこと。実際、それで浴びなくていい方がいっぱい浴びてしまった。それが放射能が高いって分かったらみんな避難したんですよ。今、二か月たっても、これから計画的避難区域、避難するんですよ。本当これは人災ですよ。  SPEEDI、先ほど文科大臣は虚偽答弁しましたよ。福島県の方には三月の十三日から出している。昨日私が文科省からいただいたペーパー、三月十一日の二十三時四十九分から送っているじゃないですか。官邸の方にも届けている。そんなことをやっているから安全守れないんですよ。本当に今回のやつは間違いなく人災なんですよ、あなたたちの。その人災が更に続いている、そう思います。  それで、また今回の政府の関係では、賠償についてもみんな不安を持っているんですよ。今回の賠償スキーム、東電の賠償スキーム、これについては、今朝の官房長官の記者会見でも、この賠償スキームに銀行等の東電に関する債務放棄も入っているというふうに発言しています。  これは内閣としての総意でしょうか。総理、いかがですか。
  129. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 賠償についての仕組みの図が、私どもは決定をしましたけれども、その仕組みの図というのはどういう形でお金が流れていくかということですから、そのスキームそのものには今お話のあった点は入っておりません。  しかし、それと同時に、東京電力と私どもとの間で何度かやり取りをしましたけれども、その中で、しっかりとリストラをやってください、しっかりと冗費を節約してください、分かりました、やりますというやり取りはございました。それから、そのほかのあらゆるステークホルダー、利益の関係がある人たちはその影響を受けるということについても、これは確認をしてございます。
  130. 佐藤正久

    佐藤正久君 閣内で全然ばらばらなんですよ、これが。ただ、与謝野大臣はまたこう言っているんですよ。公益性を持った事業で貸し手責任が発生することはあり得ないと。全然、閣内で言っていることが違うじゃないですか。みんな福島県民は不安で仕方がない。まさに人災なんですよ。ここまで後手後手に回っていて、そしてまた内閣の方針も決まっていない。  次の人災についてまた確認します。  今月十四日朝の六時五十分に福島第一原発で作業員が倒れました。経産大臣、そのときに医師や看護師は第一原発にいましたか。いたかいないかだけお答えください。
  131. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) そのときに、医師は第二の方にいました。
  132. 佐藤正久

    佐藤正久君 いなかったんですよ。第一と第二、十キロ離れているんですよ。いないんですよ。総理、聞いてください。総理、いなかったんですよ、そのときに。  いいですか。これまでの第一原発の医療体制は、医師一名が朝の十時から夕方の四時まで。それ以外はいないんですよ。看護師や救急車はゼロですよ。AEDも、あの広いところにたった二つ。結局、作業員は医師がいないときに倒れて、二時間後に病院に運ばれ、お亡くなりになりました。なぜ二時間掛かったか。それは、医師や救急車がいないために、現場の方が作業車でJヴィレッジまで、二十キロ離れたところまで運んで、そこで医師に見せて、それから病院に運んでいるんですよ。最初からその現場にお医者さんがいたら、救急車があったら、そのまま処置をしながら病院に行けたんですよ。これはやっぱり人災ですよ。  首相、いいですか。第一原発には今、昼間一千人以上の方がいるんですよ。夜間でも二百人は泊まり込み状態ですよ。医師が二十四時間いない、絶対おかしいですよ。あなたは統合本部長でしょう。そして、事故対応当たっている。にもかかわらず、しっかりと体制を取っていない。しっかり反省をし、医療体制を構築すべきだと思いますけれども、総理の見解を、本部長としての見解をお伺いします。
  133. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) おっしゃるように、作業員の方が倒れられ、亡くなられたことは大変本当に申し訳ないといいましょうか、遺憾に思っております。今御指摘のように、その時間帯に第一原発の方に医師が詰めていなかった、あるいはそういう勤務体制になっていたということで、これも十分な体制でなかったと反省をいたしております。  今後について、今、医師の駐在時間を拡大すると同時に、第一原発内へ患者搬送車を配置すると、こういう処置を東京電力としてとったと、このように承知をいたしております。
  134. 佐藤正久

    佐藤正久君 総理、まだ医師は二十四時間じゃないんですよ。ただ単に急患者を運んだだけですから、全然体制が取ってないんですよ。しっかりと反省をし、確認してくださいよ。  食事もそうですよ。もう七十日たったのに、第一原発はいまだにレトルトかカップラーメンですよ。七十日たってもですよ。その理由を東電の方に聞いたら、内部被曝が怖いからと。全く理解ができません。そんなの、普通、弁当でもラッピングをして密封して、そういう密封容器持っていったら、カップラーメンと全く同じですよ。野菜が食べたいと言っていますよ。  また、Jヴィレッジの宿泊もそうです。客室に作業員の方が泊まるようになったのは約二か月過ぎた四月末ですよ。その理由を聞いたら、被災者の方が体育館に寝ているから作業員も床で寝かせる。全く間違っていますよ。作業員の方々も被災者の方もいて、体育館から来ている人もいるんですよ。大事なことは、原発の安全化をすることであって、作業員を疲れさせることではないんですよ。全く間違っていますよ。そういうことを何で指導しないのか。全く心がない。  いいですか。東京電力は電力会社ですよ。電力会社にまさに総理が言われるような非常時の約二千名を超える兵たん運用は無理ですよ。何かあったときにもう終わりですよ。これから暑くなり、梅雨になったら湿度も高くなる。そういう状況で、今のままで絶対いいと私は思いません。防衛大臣も、統合本部から依頼があったらそういう兵たん運用にたけた自衛隊がマネジメントしてもいいと、そこまで言われているんですよ。東電では絶対無理ですよ、電力会社ですから、やったことがありませんから。  緊急事態です。命を守るために福島県民もいっぱい働いているんですよ。体制を改善する、必要があれば自衛隊の方にマネジメントをお願いする。総理考えをお伺いします。
  135. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 佐藤委員先ほどからお話をされておりますことは、私どもとしても、まさに政府の役割、とりわけ、今までは統合本部、今は連絡室でございますが、そこに行っている私の役目だと思いましたから、再三再四そのことは伝えました。  そして、ただそのとき、これまでやらなかったことの一つの理由は、今さっき佐藤委員が言ったとおりであります。しかし、そういうときではありませんから是非やってくださいということで、今着々と、いわゆる飯場もつくるようになりました、これJヴィレッジの中に。それから、食料も、確かに内部被曝の問題ありますけど、直すようになりました。今着々とやっております。それから、それをやるのは私どもの役割だと思っております。
  136. 佐藤正久

    佐藤正久君 やっていないんですよ、やるやると言って。実際、第一原発のサイトの方では全然食事の改善やる予定ないですよ。やっていません。サイトですよ。あれは第二の方に行ってやるだけであって、第一サイトに残る二百名に対しての食事はやっていないんですよ。後で確認してください。あなた絶対間違っていますから。絶対間違っていますよ。私も目で確認し、何回も裏取っていますから。第一サイトの二百名に対する食事はレトルトのままです。総理、いいですか。絶対……(発言する者あり)
  137. 前田武志

    委員長前田武志君) 質問者も答弁者も委員長の指示に従ってください。
  138. 佐藤正久

    佐藤正久君 また、もう一つ、自衛隊の例、もう一個だけ。  今回、自衛隊員の給与もあるいは復興支援財源として削減されるという方向のようですけれども、これは総理が、自民党の塩崎議員に対する答弁とは何か違うような感じです。あのときは、総理は別で考えると言われました。総理は、自衛官とか海上保安庁の方々の給与、これも削減するというお考えでしょうか。
  139. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在、国家公務員の給与について政府として議論をいたしております。それは、一般職の公務員ということでありまして、自衛隊員はこの一般職には入りません。私の方からは、今回の震災で大変御苦労を現在までいただいている自衛官の皆さんに対してどのような形を取るのか、防衛大臣と十分に協議をしていただきたいと。だから、これは区分してお話をさせていただくことにしております。
  140. 佐藤正久

    佐藤正久君 国土交通省の方は一般職も頑張っているんですよ、現場で。被災した地方公務員の方もいる。実際、現場にいる自衛官だけではなくて、後ろで自分の留守部隊で支えている方もいっぱいいるんですよ。全体として今回災害派遣やっている、そういうことを最高指揮官として考えていただきたいと思います。  最後に、計画的避難区域に対する補償、これについて伺います。  今まで本当に政府がやっているのは遅い、足らない、これでも困るんですけれども、実際はいつになるか、出るか出ないかも分からない。こんな状態では避難できないという声も多いんですよ。避難を命じているのは、総理、あなたなんですよ。あなたが言わないといけないのは、政府が補償を含めて責任を持ちますから安心して避難してください、その一言ですよ。余計なことは言わなくていいんですよ。いいですか、政府が補償を含めて責任を持つから安心して避難してください、その一言だけでいいんですよ。取りあえず、必要があれば国が仮払いを早めにやって、その後で東電に求償してもいいじゃないですか。今本当、現場は困っているんですよ。  例えば川俣辺りでも、一か月に一千万円の餌代が掛かる酪農家もあります。原乳出荷停止で収入が入らない、放牧も駄目だから草も食べさせられない、餌代が上がる、借入金もある、このままではやっていけない、秋の仮払いまで待てない、二分の一来たって維持費にもならない、もうこのまま倒産か自殺だ。実際に自殺や夜逃げももう起きているんですよ、実際に。  あなたが国民の生命やあるいは生活を保障しなかったら、我々が議員立法でそういう部分をカバーしますよ。そんな情けない政府でいいんですか。政府がやらないんだったら、私たち政府の仮払いの促進とかあるいは基金をつくって、しっかりと国民生活や命を守り切りますよ。総理、こんなこと言われて情けなくないんですか。しっかりとその分守り切ると、その一言を、責任は政府が持ちますと言ってください。
  141. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 計画的避難区域から他の地域に移っていただく、それはもちろんそういう皆さんの安全を考えてのことではありますけれども、国の方針としてお願いをしているわけですから、おっしゃるように、補償を含めて最終的にはきちんと政府が、国が責任を持ちますので、その点は安心して移っていただきたいと思います。
  142. 佐藤正久

    佐藤正久君 いや、今の言葉、信じます。お願いします。  総理、いいですか、生まれ育った土地を離れる、土地が汚染される、農家にとっては死ですよ。土が汚染されたら農業できないんですから。是非早急にそういう避難区域の現場の方に行っていただいて、肌で痛みを感じて、今の言葉を村民の前で言ってください。  以上で質問を終わります。ありがとうございます。
  143. 前田武志

    委員長前田武志君) 関連質疑を許します。石井みどり君。
  144. 石井みどり

    石井みどり君 自由民主党石井みどりでございます。  先ほど総理は、被災地でもう七十日がたったとおっしゃいました。しかし、七十日たっても被災地の方々はまだ震災の真っただ中におられます。私は、毎日自分が暖かいベッドで眠れてお風呂やシャワーが使えること、そしてこのように自分の働くちゃんと職場があるということに感謝をしながら、今日も質問に立たせていただきます。  私の仲間が随分、被災発生後、多くの仲間がすぐに遺体の確認に出動いたしました。四年前まで歯科医師として働いておりましたので、総理も御存じだと思います、身元の確認というのはDNA鑑定あるいは歯型の鑑定ということが有効でございます。そこで、私はやはり、被災地において相当初期から遺体の検案に当たられた私の仲間、歯科医、そして地域医療の復興が、復旧がなかなか進まない中、自分たち被災しながらもその厳しい環境の中で献身的に任務を遂行した医療関係者の皆様にまず感謝の気持ちと敬意を表して、質問に入らせていただきます。  今回、出動するに当たって、これは警察の方から遺体の検案への要請を受けて歯科医師は出ます。私は広島の出身でありますが、広島県ではもう昭和五十年代から警察と歯科医師会で警察歯科医会という組織をつくって、常日ごろから身元不明の遺体が出たときにはその検案に出ております。  そして、皆様の御記憶にも新たなところだと思いますが、御巣鷹山でありましたJALの〇一二三便、このときも近隣の歯科医師会から随分出て遺体の検案に当たりました。そういう経験を随分持っておりますので、システム的に歯科医師を派遣するということが、各歯科大学、歯学部、あるいは各県の歯科医師会がそういう仕組みを持っております。  今回も多くの、全国から早期に随分多くの仲間が手を挙げて、駆け付けよう、そして、被災された地元の県の歯科医師会の皆さんもいち早く検案に参りました。ところが、その要請を受けたにもかかわらず、現地に行くに当たりまして、緊急通行車両の確認の標章がこの発給事務でかなりの混乱があったというふうに聞いています。そのために、遺体の検案に行く、そこへ赴くために相当な苦労があったという報告を聞いております。  これは災害対策基本法の範囲だと思いますが、災害対応のために必要な人員の確保と物資の円滑な供給のために緊急の通行車両制度がある、にもかかわらず、必要な人員の派遣をストップするような結果が生じたのは本末転倒であると考えます。これはどのようにお考えでございますか。
  145. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。  被災地においては、先生おっしゃられましたように、多数の御遺体の身元確認が困難を極める中で、特に今回は溺死の方々が多うございますので御遺体の傷みも激しいということもございます。そういう意味で、多くの歯科医師の先生方に警察による身元確認に御協力をいただいておりまして、これは日本歯科医師会のホームページでも御紹介されておりますが、三月十四日から五月十九日まで、昨日までの間で延べ二千人以上の先生方に御協力をいただいております。心から警察としても感謝を申し上げるわけであります。  また同時に、後ほどまた、もしかしたら先生から御質問があるのかもしれませんけれども、被災者の方々に直接歯科保健、歯科医療を提供するために、これは警察からの御依頼申し上げたというよりも、むしろ率先して先生方の方から、そのような活動に御参加いただいている先生方もいらっしゃいまして、このことも併せて敬意を表したいというふうに思うところでございます。  ただ、この緊急車両のことにつきましては、まず、交通規制をいたしましたけれども、ただ、それは何のためにかというと、必要な車両を滞りなく通すためでございますので、そういう意味では、とりわけその重要性の中に、政府地方自治体の緊急車両はもちろんでありますが、その次の二番目に医療機材等の運搬、そして十三日には医師、歯科医師の先生方の緊急車両としての指定、これらのことについて最優先をするようにという通達をそれぞれ都道府県警察にも通達をいたしまして、つつがない措置が講じられるようにという努力をしたところでございます。
  146. 石井みどり

    石井みどり君 今、必要度の高い、重要度の高いとおっしゃったんですが、この出務した歯科医師たちは、まさに自分が被災してまだライフラインも復旧していない中に、自分が行かなければこの遺体を御家族に戻せないという、そういう思いから行ったんですよ。そして、当初は、結局全国から行った人たちもその寝泊まりするところもなかったんです。だから、遺体を安置したその安置所の横で、御遺体のそばで寝袋で寝たんですよ。それは本当に、日本ですからやっぱり遺体の一片でも返してほしい、そうしないと死を受容できないんですよ、家族は。  だから行っているのに、今の御答弁何ですか。重要度と必要度が低いということですか。出務だけ要請しておいて、その体制を十分整えなくて、そんな、それでしたら、今後本当に大災害が起こっても協力は非常に難しくなると思いますが、いかがでしょうか。
  147. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) 申し上げ方が悪かったのかもしれませんが、政府地方自治体の緊急車両と同じように、より一層重要度が一番高い位置付けをして対応をさせていただいたと先ほどお答えしたつもりでございます。
  148. 石井みどり

    石井みどり君 そういうお答えではなかったと思いますが、もうこればっかりやっていても時間がありませんので、では、スムーズに検案に行けるように今後はお取り計らいいただけるということを確認して。  本来であれば、平素からこういうことができるように体制を整備しておかなけりゃいけなかったんじゃないんでしょうか。その辺はいかがお考えですか。しかも、これだけの広域災害ですよ。
  149. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。  先生御出身の広島における例を先ほど申されましたが、私の地元の大阪でも、やはり警察と歯科医師会との関係、今おっしゃられたような協定を結んでやっておりますが、これ、全国大でやはりそのようなことがあるべきであろうというふうに思いますので、先生の御指摘のことを肝に銘じて、今後、より一層努力をしてまいりたいと思います。
  150. 石井みどり

    石井みどり君 是非肝に銘じて取り組んでいただきたいと思います。  今回、この緊急通行車両のみならず、非常に問題が起こったのは災害時の優先通信の問題であります。これは、災害時において緊急連絡を確保する手段として非常に有効であるわけですが、今回の震災でもこの優先通信というのが非常に有用であったというふうに理解をしています。  現行法上は、優先電話の割当ての可能な災害救助機関というのが大臣告示によって一覧が出ております、列記されています。その中に医療法上の診療所というのがございます。ですから、制度上は歯科の診療所に対する割当ては可能であるというふうに認識しておりますが、まず、そのことを総務大臣に確認をさせていただきたいと思います。
  151. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 総務省の告示で幾つかの機関を指定しておりますが、その中に病院、診療所は入っておりますので、歯科の医院であっても指定しておりますから、したがって実際の割当ては可能であります。
  152. 石井みどり

    石井みどり君 通信回線には限度があるということは十分理解をしておりますが、今回の震災でも非常に歯科医師に対してはこの割当てをいただいていないという現実がございます。ですから、先ほど申し上げた遺体の検案、これに出務するに当たっても大変な困難があったと全国から聞いております。御遺体の検案やあるいは避難所辺りに出向くにしても、本来であれば、この災害時優先通信があれば大変行きやすかったということは、ホームページにもそしてメールでも随分御意見をいただきました。あるいは無線等ということも今後の課題だろうというふうに思いますが。  ただ、これがなぜ私は出務する歯科医師に割り当てられなかったのかと思いますと、これが先ほど申し上げました災害救助機関の中に、医師会は、社団法人日本医師会あるいは都道府県医師会、郡市区医師会、これが明記されています。ところが、歯科医師会が組織として明記されていない。先ほど答弁ありましたように、大阪でもそう、全国でこれは警察歯科医という協議会を持って研究もしたり発表もされています。警察と常時研修をやったり、連絡というところでも非常に密に連携を取らせていただいているんですが、しかしながら、歯科医師会が入っていないためにこれはどうもいただけなかったんではないかというふうに思うんですが。  これは、今回の震災の歯科医師の貢献を考えても、是非私は加えていただいてもいいんではないかというふうに認識しておりますが、この点、総務大臣、いかがお考えでしょうか。
  153. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 一定の回線数をどこに優先させて使うかということでありまして、現状は、幾つかの団体を指定しまして、その中で今度は通信事業者が割当てを行うということをやっております。割当てをたくさんしますと今度は一般の方の制約になるという、こういう、どういうんでしょうか、トレードオフの関係にありますので、限定的に運用しているということであります。  したがって、このふくそう、ふくそうといいますけれども、ふくそうが生じますのは地震が発生した直後が一番多くて、被災地への電話とかそれから帰宅困難者が掛けるということで、そこのところに特に制限がずっと掛かります。その後はかなりだんだんだんだんと制限が緩やかになってくると。したがって、初期のときにどこが一番緊急かということの吟味が必要であります。  せっかくの御指摘でありますので、よく今回の震災時の状況を調べてみたいと思います。医師会と歯科医師会、確かに取扱いが違いますので、その取扱いの違いに合理性があるかどうかなどにつきましてよく調べてみたいと思います。
  154. 石井みどり

    石井みどり君 調べるだけでなく、ちゃんとこれを、歯科医師会を明記する、これ大臣告示ですから、大臣がやると言えば即できることであります。いかがですか。
  155. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 他にもいろいろありますので、是非これは本当に調べてみて、合理性があれば指定をしたいと思います。
  156. 石井みどり

    石井みどり君 合理性がないというような、言わんばかりのような御答弁でありますので、是非先ほど来申し上げたことを鑑みてこれは取り組んでいただきたいと思います。  そして、先ほど来、遺体検案に出向いた歯科医師から随分そのときの状況等を御報告いただいているんですが、その後も大変だそうであります。  通常、検案に出ますと本当にもう食事が喉を通らないとか、もうベテランであれば多少はそういうところもスキルが高いんだと思うんですが、それでも今回、膨大な数、一人でもう本当に百体以上検案された方もいらして、しかも、涙ぐましいお話を聞いたのは、自分はもう、その先生七十近い御高齢なんですが、息子を行かすわけにいかない、自分は被曝をしても先がもう見えているから自分が行くと言って連日出られたんですね。しかも、連日出られ、そして最初に出たチームはガソリンがなかったものですから一週間行きっきりだったんですね。一週間交代で帰ったものですから、通常の遺体の検案の場合は一日出たらもう次のチームと交代するんですが、非常につらいんですね。  あと、本当に夜も眠れなかったとか、本当にその後が非常にPTSDのような症状が出てしまったということであります。睡眠導入剤飲んでも本当に眠れない日々が続いているという痛ましいメール等をいただいています。こういう厳しい環境の中で任務に従事した歯科医師のいわゆるPTSDといいますか、ストレスが相当なものでありますので、ここについてお聞きをしたいと思います。  震災対応に従事した警察官に対しては先般心のケアの措置がとられることになったと聞きましたが、県警の要請に対して出務した歯科医師に対して同様にこれはとられるべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか、国家公安委員長。
  157. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) 心理的に大変な御負担をお掛けしたことはよく私どもも承知をいたしております。できるだけ、警察車両による送迎であるとかいろんなことは、外面的なことは不行き届きではありましたが、不十分ではあったと思いますが、できるだけのことはしてきたつもりでありますが、今後なお一層努力をしたいと思います。  昨日段階でも、医師が八人、歯科医師が十一名御苦労をいただいております。歯科医師の方が多いわけでありますが、心理的なサポート、これにつきましては十分歯科医師会とも御相談を申し上げ、そういう該当の方は是非教えていただき、またこちらからも問合せをいたしておりますが、ございました場合には警察としてもできる限りのことをサポートをさせていただきたいというふうに思っております。
  158. 石井みどり

    石井みどり君 是非前向きにお願いをしたいと存じます。  ちょっとこれは国家公安委員長に、通告していないのでお願いとして聞いていただきたいと思います。  先ほど来の身元確認作業ですが、これは遺体の安置所の体制によって随分作業の精度とか効率、能率が違うんですね。非常にそこで随分差が出てまいりますので、是非お願いをしたいのはポータブルのデジタルのレントゲン、これが不可欠なんですが、ところが、各県警本部の対応によっては機器の配備に非常に差があるんですね。ですから、これを不足しているところはやはり充当していただくように、そしてまた迅速に他の県警からも貸与できるというような、そういう体制をお取りいただきたい。  それから、今回の津波で身元確認しようにも歯科医院が全部流されてしまって、カルテから模型から、いわゆる歯型ですね、全てないんですね。そうすると、生前データの照合というのが非常に困難になりますので、これ今、宮城県と岩手県の方で検索ソフトをこれを試行されているというふうに聞いております。非常にこれが有効であったということでありますので、是非この身元の検索ソフトの開発と、そしてこれを全国統一化をしていただきたい。  今後、別に震災が起こったら困るんでありますが、リスクに対してどれだけやっぱりマネジメントの一環として準備をするということ、今言われています東海あるいは東南海、南海、非常にこれからこれが起こると大変な状況が起こると思います。その辺りを是非お願いをしたいと思います。  そして、続いて……(発言する者あり)それじゃ、総理にもお願いします、是非。(発言する者あり)いやいや、今の、国家公安委員長にお願いしましたので。
  159. 前田武志

    委員長前田武志君) 石井みどり君、ちゃんと質疑応答を。
  160. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。  今回の大震災の対策は全国警察が一丸となってやっておりますので、他の警察にありますものはフル動員をするとか、また今回の貴重な教訓、また先生の今の御指摘等を受けまして、これから用意すべきこと、整えるべきこと、精いっぱい努力をしてまいりたいと思います。
  161. 石井みどり

    石井みどり君 ありがとうございます。  続いて、被災地における医療の支援・提供体制についてお伺いをしたいと思います。  何度も申し上げますが、既に震災から七十日が経過しています。今現在も避難所生活をされている方々が、避難生活避難所のみならず民間の建物等、それを含めて避難されている方が十一万弱であります。その方々の本当にストレスを考えましたら胸が痛くなりますが、この震災の影響で、せっかく命からがら逃げおおせて命を長らえた方々が、この二次災害で命を落とした方が五百人を超えるということがございます。これは五月十三日の時点で五百人を超えたということで、これからまだ今後増える可能性がございます。これはまさに二次災害であり、そして医療の支援体制、提供体制が不備なための人災であるということをまず御指摘をさせていただきたいと思います。  そもそも政府というのはきちんと被災地状況を把握をされていたんでしょうか。緊急災害対策本部というのは、これは総理が本部長でありますね。そこは、被災地の医療機関、これは入院患者さん、各科の診療所がございます、その状況、それから避難所、これも日々状況が変わってまいります、日々刻々と変わっています、この状況を把握した上で対策をお取りになったんでしょうか。機能不全に陥っていたのではないかということを非常に懸念をしておりますので、その点、総理、いかがでしょうか。
  162. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 緊急災害対策本部は、法律に基づいて当日本部を立ち上げ、全閣僚が参加した中でこの震災に関するあらゆる問題について対応をするという立場になっております。  確かに、震災から二か月以上たった今日でもまだ多くの皆様が困難な状況にあり、中でも医療関係については大変な御苦労をいただいてきましたし、現在もいただいていると思っております。そういった意味で、この広域災害時の医療の確保について、防災基本計画や都道府県の定める医療計画に基づいて自治体や災害拠点病院が中心となって対応をしてきたところであります。  同時に、そうした、行政だけではなくて、医師会など自発的にそうした状況を把握して行動され、また、歯科医師会におかれましても、先ほど来のような作業といいましょうか仕事に携わっていただいてきたところであります。  まあ十分であったとは言えないかもしれませんが、状況の把握にはできるだけ努めて対応してきたつもりであります。
  163. 石井みどり

    石井みどり君 先ほど来同僚が随分言いました、まず、遅い、スピード感がない、足らない。医療に関してもこれに尽きるかと思います。ですから、本当に必要な手当てができなかった。医療ニーズがどこにあって、どういうことを必要としているか、そこができてないからこそ、人災ともいうべき二次災害で多くの方が亡くなられたんじゃないんでしょうか。  そのリスクをできるだけ回避していくということに対してお聞きしたいのは、四月二十二日に医療関係七団体、これが被災者健康支援連絡協議会というのをお立ち上げになっておられますが、これこそまさに被災地における医療確保の遅れの証左じゃないでしょうか。  本来、DMATというのは、これは阪神・淡路大震災の経験を受けてこういう医療チームを救命、救出ということで立ち上げた。ところが、これだけ避難生活が長引いたりして、いろんな、まさにもう急性期ではない、慢性期医療、慢性期の疾患あるいは一般医療ですね、あれだけ粉じんが舞う中で、いわゆる震災肺炎だけではなく、ゴーグルなんかありませんから眼疾患も発症しているというような、そういう状況があります。  そういうまさに必要なことができなかった、これで、遅きに失したんですけれども、更に医療支援チームを確保して、そして地域で医療確保のためにということでこういう協議会を立ち上げられた。これこそがまさに、きちんとリスクマネジメント、医療に関するリスクマネジメントを政府が取れなかったことの証左ではないかと思います。そこを総理、いかがお考えですか。
  164. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほどDMATのことも触れていただきました。今回の東日本大震災に際しても、発災直後の対応として、防災基本計画で位置付けられております災害急性期、つまりは発災後四十八時間以内に活動できる機動性を持った、そしてトレーニングを受けた災害派遣医療チーム、DMATを派遣をしたところであります。ピーク時、三月の十三日には百九十三のチームが全国から参集し、病院支援活動や広域医療搬送などの救命活動を実施していただいたところであります。  また、今もおっしゃっているとおり、長期にわたる被災地域の医療支援としては、日本医師会や病院団体等の関係団体に対して被災県の要請に基づいて医師等の派遣に協力するよう依頼し、現在も把握している範囲で約千名の医療従事者が被災地で活動をされていただいております。一方で、災害医療の中核となる災害拠点病院については、広域的な連携を行うために必要となる通信手段の確保等に努めているところであります。  今、こういう団体ができたのは不十分だったからではないかという御指摘でありますが、このDMATはかなりの皆さんの参加をいただいてかなりの仕事をしていただいた上で、先ほども申し上げましたように、日本医師会や歯科医師会など、いろいろな関係者が更にボランティアで参加をいただいてかなりの成果を上げていただいていると、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
  165. 石井みどり

    石井みどり君 結局、民間が頑張ったということではないでしょうか、それは。民間が頑張っているわけですよ。DMATというのは本来ならば救命、救出ですが、それがまさに災害慢性期医療とか一般医療まで担っているわけですね。  しかも、先ほど来長々と御答弁いただきましたけど、この被災者生活支援チームというのが、これ元々は三月十七日には被災者生活支援特別対策本部。たくさん本部を立ち上げられた中の一つが、今度、五月九日には、余りにも多くて指揮系統がはっきりしないということで被災者生活支援チームということになったと聞いておりますが、この被災者生活支援チームのチーム長というのは松本防災大臣だそうですが、なぜここに厚生労働大臣がお入りじゃないんでしょうか。そこをちょっとお聞かせください。被災者生活支援する上で医療というのは非常に重要ですよ。ましてや高齢者がたくさんいらっしゃる。是非お答えください。
  166. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほども申し上げましたように、震災が発生した即日に法律に基づいて緊急災害対策本部を設けました。この中には厚生労働大臣ももちろんメンバーとして入っておられます。そして、被災者生活、現在は支援チームという形になっておりますが、本部と言った時代から位置付けはこの緊急災害対策本部の下にあったわけでありまして、必要なことについては、この生活支援チームが各省庁の大臣はもとより事務次官等も集めて、例えば仮設住宅瓦れき処理はもとより、今おっしゃったような医療関係についてもこのチームがそうした形で取り組んできたわけでありまして、本体に入っているということで御理解をいただきたいと、大臣は本体に入っていたということで御理解をいただきたいと思います。
  167. 石井みどり

    石井みどり君 もう時間がありませんので、最後に一つ申し上げます。(発言する者あり)はい、時間ないので。  三権の長である参議院西岡議長がおっしゃっているんですが、医療体制の整備が急務である、これが菅総理には欠けているとおっしゃっていますので、よくそこを受け止めてお取り組みいただきたいと思います。  ありがとうございました。
  168. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で牧野たかお君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  169. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
  170. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  発災から七十日が経過をいたしました。私も、先週五月十二日に本院の総務委員会の一員として、仙台から東松島、石巻、そして女川町というふうに視察をさせていただいたところでございますけれども、本当にあの瓦れきの山、大変な状況だなと。その中で、この石巻の日和山から見たら愕然としました、本当に敗戦後の焼け野原のような感じでございましたし。ただ、この石巻の中で、降りていったら「がんばろう!石巻」という立て看板があった。涙出ましたね、あれは。被災された方がその中でも雄々しく立ち上がって、本当にやらなきゃいけないな、頑張ろうという意志が本当に出ておりました。  また、これは福島にボランティアに入った方がおっしゃっておりましたけれども、本当に今回の津波、地震、そしてまた原子力、話をしている中で、心が折れてしまう、こういう表現されていました、被災に遭った方が。だからどうやって、励まそうにも声が出てこない。やっぱりそこに、二か月たってもそういう状況なのか、やっぱり政治の場にいる者としてそういう人々にどういう希望と勇気を送るか、これが一番大事だと思うんですね、総理。だから、今いる場所で、私は国会議員総理総理と、最大限の仕事をして職責を果たしていくということが一番大事だというふうに思っております。  だからこそ、この第一次補正もゴールデンウイーク潰して質疑をさせていただいて、そうして成立をさせました、衆議院も参議院も。そのぐらい真剣に皆さんやっていただいているところでございますが、この通常国会、あと一か月ですよ。今日は五月二十日、六月二十二日に終わるわけですね。総理、来週サミットに行きますよね。そうしたら、実際、総理日本にいてしっかり指揮を執っていただけるというのはあと三週間半ぐらいしかないんじゃありませんか。だから、今、先ほど与党からもお話ございましたけれども、切れ目のない生活支援復旧復興に手を尽くしていく、これが今一番大事じゃありませんか。だから、あと数週間の中で補正予算、第二次あるいは第三次、出せるんですか。  また、いろんな支援スキームを作る、そういうときに、必要な法律も出てきますよね。これをいつ出すんですか。こんな、国会を閉じる、まさか閉じないと私は思っておりますけれども、その辺の会期との関係において総理の認識といいますか、会期延長も含めてコメントをしていただきたいと思います。
  171. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 魚住議員がおっしゃいますように、被災された皆さんは本当にまだ御苦労の真っただ中にあるわけでありまして、そういう意味で、私たち国会議員もあるいは国会にいる全員がそういう皆さんのために今何をしなければならないか、そのことを考えて行動しなければならないという、そういう御指摘と受け止めさせていただきましたが、私はそれは一〇〇%そのとおりだと思っております。  その中で、本当に異例中の異例ともいうべきゴールデンウイークを使ってといいましょうか、御審議をいただきまして、五月二日に現在の一次補正を成立をさせていただきました。そして、これによって、まずやらなければいけない瓦れき処理、仮設住宅、ライフラインの復旧など、まずはこれらを迅速かつ着実に実行していくことが必要だと考えております。  これからの進め方については、一つ復興構想会議復興在り方について青写真を議論をいただいております。また、各自治体などにおいても、それぞれ復興在り方について議論をしていただいております。  こういう中で、私たちは決して、何か、国会を休んでしまって何もしないというふうなことでもし何か誤解といいましょうか、そういうふうに受け止められているとしたら、そうではありません。次にやるべきことの中身とその政策のつまりは必要性、緊急性などをしっかりと議論した中で、やらなければならないことについては遅れないように対応をしていきたいと、このように考えております。
  172. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 総理、まだ十一万人の避難生活者がいるんですよ、これは。あるいは、原発で避難されている方が、牛も殺されて、高齢者を抱えて、子供を抱えながら次へと次へと避難しなきゃいけないという状況で、何が青写真ですか。総理決断としてこうやりましょうと、そこで会期足りないから延長しましょうと、こういう話になってくるんじゃないですか、普通は。私は、そこのところを、本当にちょっと逆さまになっているなということを言わざるを得ないところでございます。  次に、先般、東京電力福島第一発電所のメルトダウンというのがありました、また炉心溶融ですか。我々の感覚だとちょっと違ったなと、今までの政府が説明してきたことと。ええっ、人によってはやっぱりなと思うかもしれない。要するに、もう発災直後から溶融が始まっていたんじゃありませんか。何か、本当は知っていたんじゃないですか。それを隠して、小出しにして、あの汚染水も海に放出したときに事後報告だったということで各国から非難を受けましたけれども、情報をきちっと海外やあるいは国民に伝えるという意味では、何か我々国民は本当に知らされていないなということを感じるんですよ。そういう政府を信じろと言うんですか。  これについて答弁いただきたいと思います、総理
  173. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、メルトダウンということについてでありますけれども、私も、三月十一日の発災以来、いろいろな意見を内外から、内外というのは政府内あるいは外からもお聞きをいたしております。そういう中において、たしか五月の十五日の東電の発表までは、第一号機において燃料棒の三分の二程度が水に浸っている状態にあると思われると、そういうことが東電から言われておりまして、それを前提として物事を考え、対策が練られてきたわけであります。しかし、それが、電源回復後、中に作業員が入って水位を改めてきちんと測れるようにしたところ、そういう想定が根本から崩れて、早い段階で燃料棒が溶融して下の方にたまった状態になっていたということに想定そのものがといいましょうか、大きく変えられたわけであります。  ただ、これは、幸いにしてという言葉は気を付けなければいけませんけれども、いずれの場合も注水によって温度を下げておくと、たとえ燃料棒が多少水につかっていようとも、あるいはメルトダウンの状況にあろうとも、とにかく水を注入して温度を下げておくという作業が必須だということにおいては変わっていなかったことで、それを今日まで続けてきたところであります。  そういった意味で、私も、国民皆様に従来こうであろうと言ったことについて根本的に違っていたことについては、政府そのものが隠したということでは決してありませんけれども、少なくとも東電等を含めた見通し、推測が大きく違っていたことがきちっと政府においても対応できなかったという意味では大変申し訳ないと、こう思っております。
  174. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 こういう災害のときはやっぱり最悪を前提にしてきちっと対策を打たなきゃいけないわけですよね。これはもう鉄則ですよ。だから、そこのところもできていなかったと、本当に情けないなという思いでございます。  ともかく、事実関係が違ってきたということがございますけれども、ここで提案なんですけれども、総理が先般、記者会見また衆議院でも答弁でおっしゃったと思いますけれども、原発事故の調査委員会、これをしっかりしたものをつくらなきゃいけないなと私は思っておりまして、これは何もこの原子力村だけではなく、科学者だけではなくして、それは人文あるいは社会も含めて、これはまた対象も東電の体質やあるいは官邸の検証まで含めて、事故の調査委員会、これをしっかり検証していく必要があると思うんですね。運輸の安全委員会のように、事情聴取をしたり、あるいは事務所の立入りとか書類の検査等も、そういう法的な権限を持ったそういうような調査委員会を、政府じゃなくして国会に私は置くべきだと思いますね。これを御提案をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  175. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の事故に関しては、今おっしゃるように、いろいろな技術上の問題点の解明はもちろん必要であります。と同時に、そうした事故を防げなかったこれまでの原子力行政の在り方、あるいは法制度、いろいろな組織の在り方、そしてもちろん初動対応を含めた現内閣在り方も含めて全てを徹底的に検証する必要があると、こう考えております。    〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕  そういう意味で私どもは、三つの原則、つまりは従来の原子力行政からの独立性、そして国民や国際社会に対する公開性、そして技術分野に限らないという意味で包括性の三つを原則として委員会を発足させたいと考えております。その発足の在り方について、政府としてはまず政府の責任で、どなたが見ても独立性が保たれると、そういうメンバーをしっかりとお願いをして、そう時間を置かないでつくっていきたいと思っております。  なお、国会にそうした検証を行うものをつくりたいというそういう御意見については、それはそれとして理解ができるところでありますが、それは国会の方で御議論をいただきたいと、こう思っております。
  176. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 そういうお言葉でございますけれども、各会派相談して進めていきたいというふうに思っております。  次に、原子力損害の賠償に関する政府支援の枠組みについてという関係閣僚会合の決定に関連してお聞きをしていきたいと思います。  これ、いろんなスキームを考えているようでございますが、なかなかこのスキームができないと、今現実に損害を被って大変な思いをしている、塗炭の苦しみを被っている人たちに救済になるのかというような思いがいたします。  私は、まずこれ、もちろん東京電力の責任もありますけれども、国の責任もはっきり明確化していくことが必要ではないのかなと、こう思うんですね。この原賠法、原子力損害賠償法は、取りあえず原子力事業者を一義的に、そして支援をするというスキームになっている。しかし、先ほどの先行委員質問にありますように、これ人災だと、人によっては菅災だと言う人もいて、そういうような中でこれは国の責任というのが当然出てくるなと私は思っておりまして、そうすると、原子力事業者、また国、法律用語では不真正連帯でしっかり被災者に対して救済をしていく、これが一番大事だというふうに思うんですね。  川で溺れている人間を救い上げることが大事なんですよ、総理。どっちがどれほど負担するかなんて後の話なんであって、まずその川で溺れている人間を救い上げる、そういう枠組みをまずつくるべきだと思うんですね。  だから、まずは、先ほどもありました、国が立て替えてという表現があった、しかしそれは、国がしっかり賠償する、あとは内部関係で求償関係とか話合いで決めていく、こういうようなスキームをつくるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
  177. 森ゆうこ

    ○理事(森ゆうこ君) 菅内閣総理大臣。(発言する者あり)済みません、指名をいたしましたので。
  178. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今の御指摘は、私も、原子力政策を国策として進めてきた政府、国として責任を免れるものではないと思っております。  しかし、まずは直接的な事業者は東京電力でありまして、法律の仕組みからいっても、まず第一義的には東京電力が賠償の責任を負うと。そしてそれが、被災者にとって適切な賠償が受けられるように、そのことをきちっと担保するといいましょうか保証するような形で国がかかわるべきだと、このように考えております。  決して被災者をおろそかにしようということではなくて、逆に言えば、東電にもきちっとした責任を取ってもらわないといけないということを前提として、最終的には政府も同じような責任を負っていくという、そういうスキームを考え提案をいたしているところであります。
  179. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 総理、法的な意味でどちらが最優先で責任を負うべきかという問題と、今現実に生じている損害をどちらがきちっと責任持って救済をしていく、あとはもう、支払ったお互いの中で、じゃ、こちらが先、優先的に負担してくださいねという話じゃないんですか。その後の精算の話を今起きている損害の賠償に、論理がちょっと違うと思うんですがね。  もう一回その部分をちょっと考えていただけませんか。どうぞ。
  180. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 決して政府が何か責任を逃げようということではありません。逆に言えば、じゃ、政府が全て肩代わりをして東電に責任がないということにはならないわけでありますから、そういう意味で、仮払いを含めて今指針の、第一次の指針も出していただきまして、これから農業、漁業あるいは風評被害等の、それに対してもどのような形で賠償をするか、仮払いをするか、そして必要な費用についてはどういう形で資金的な手当てをするか、そういうものを全て含めて、政府としても、必ず被害者の皆さんにきちんとした補償がなされるように責任を持って東電に対しての、何といいましょうか、支援なりあるいはフォローをしていくと、こういう考えであります。  スピードについては、私たちもできるだけ急いで、いろいろな分野の賠償請求に対して例えばある割合を仮払いでお支払を急いでするといったようなことも含めて、今具体的に検討を進めているところであります。(発言する者あり)
  181. 森ゆうこ

    ○理事(森ゆうこ君) 御静粛に願います。
  182. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 これ本当に、他の会派とよく協力しながら被災者救援を最優先に法的枠組みを検討をしていきたいと思っております。  次に、この政府支援の枠組みの中で、いわゆる奉加帳方式というんですかね、東電以外の電力各社が負担金を支払うというふうな、負担するというふうになっているわけでございますが、電気事業連合会からもこれはどういう理由なんだということでございますが、これ、どういうことなんですか、本当に。
  183. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 今回の仕組みでございますが、二つ意味がございます。  一つは、これは、各原子力事業を行っております電力会社がここに一定の割合で拠出をすることによって将来のそうした原子力の事故に備えるということ、これが一つ。それからもう一つは、やはり、本来でしたらこの制度、もっと早い段階でスタートをさせていなければいけなかったわけでございますが、それがなかったということで、よく足らず前という言葉が使われますけれども、共同して積み立ててしかるべきだったその足らず前に相当する部分を全事業者が負担することにより、結果として今回の事業に伴う損害を賠償する、東京電力を始めとした全事業者が支援する相互扶助の仕組みということでございまして、過去にアメリカにもプライス・アンダーソン法という法がやはり同じような形で作られたという経緯もございます。
  184. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 共済的な、足らず前というふうなお話がございますけれども、しかしそれはやっぱり得心できませんね、これ。  それで、これ、これから先だったらいいですよ。これから先こういう事故があって、そのために備えが必要だなというんだったら分かるんですけれども、でも、もうこの時点で過去の事故でしょう、現在進行形ではありますけれども。どうして過去の、法律的に言えば法律の遡及といいますか、あるいは事後法の禁止というふうになりますよ。逆に言えば、法律作ってこれ強制的に出させたら財産権の侵害じゃありませんか。憲法違反になるんですよ、これ。  だから、総理の今までやってきたのも法的根拠なかなか分からないこといっぱいあるわけでございますけれども、いよいよ憲法まで無視し始めているのかというふうに思わざるを得ないんですが、もう一度そこのところ。
  185. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 今の相互扶助の考え方でございますけれども、この負担金の支払は、他の電力会社が東京電力の損害賠償の支払のためだけに行うものでなく、電力事業者がまさに相互扶助の観点から、本来あるべき原子力発電のコストを負担するという考え方でございます。
  186. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 やっぱり答えになっていないですよ。要するに、事後法の禁止について全然答弁になっていませんよ、これは。  相互扶助的な、お互いさまだからということで出し合うんだったらいいけれども、この電事連の質問にまるで答えていないなというふうに言わざるを得ないということを言っていきたいと思っておりまして、例えばJALが事故を起こした、ANAにも負担させろという話でしょう、これ。あるいはJR西日本が事故を起こした、そうしたら東日本、東海にも九州にもみんな奉加帳を持って損害賠償の負担してくださいねと、早い話そういうことですよ、これ。それはおかしいでしょう。  もう一回得心いく答弁をお願いしたいんですがね。
  187. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 一部先ほどのお答えと重複するかもしれませんが、本来でしたら、過去においてもこういう形での相互扶助の仕組みをつくっておくべきだったというふうに考えております。  これは、何となれば、飛行機事故などと違いまして、これだけ大きな原子力事故が発生をしますと、その賠償についても一事業者だけでは賄い切れないものがありますから、その意味では、全ての原子力事業をやっております事業者が一つの相互扶助の組織をつくって、そしてその中でこういったシステムを、こういった制度を運用していくべきだったと考えておりますが、それがこれまでできていなかったものですから、その意味で新たに今度つくって、その過去の分についても相互扶助の観点から御負担をお願いをするということになります。アメリカにおいても同じようなことが事後につくられたというようなこともございます。(発言する者あり)
  188. 森ゆうこ

    ○理事(森ゆうこ君) 御静粛に願います。
  189. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 同じ答弁になってまいりました。  いずれにしても、これ、憲法訴訟を起こされたら負けますよ。そのことをきちっと申し上げておきたいと思っております。  こればっかりやってもあれなので、次に浜岡についてお聞きしたいと思います。  総理が突然要請をしたという形になって、中部電力さんも本当に苦渋の選択だろうというふうに思います。これはもう、しかも命令だったらまだ分かりますけれども、命令じゃなくて要請ですか。責任がどこにあるんですか、これは。しかも、根拠が、法的根拠もない、科学的な根拠といっても、何かこう、八七%とか八四%とかいろいろ言われているけど、それは全国のも、停止せぬといかぬねとなってくるわけで、どう考えても政治的パフォーマンスというふうに言わざるを得ないところでございますが。  今日は、中部電力さん、お見えいただいておりますので、突然のあの総理の記者会見からの要請だと、もちろんその前に、電話が三十分ぐらい前にあったかもしれませんけれども、それにおこたえしたということで、私は苦渋の選択をされた中部電力に本当に心から敬意を表したいと思っておりますが、この停止に踏み切った、踏み切れたこの根拠、理由について御説明をいただきたいと思います。    〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
  190. 水野明久

    参考人水野明久君) 浜岡の安全対策につきましては、法令、技術基準などに基づき適切に実施されており、安全性は確保されております。  しかしながら、今回、福島第一の重大事故を契機としまして、社会全体に原子力発電に対する新たな不安が広がる中、内閣総理大臣からの要請は事実上国の指示、命令と同義と重く受け止めまして、地域社会皆様の信頼を得ていくことが最優先であると考えました。また、当社が停止要請を受け入れるに当たっては、国から最大限支援をいただくことや浜岡の再開条件を明確にすることを国に確認し、海江田大臣からはこれらについて文書にて確約をいただきました。  こうした点を踏まえまして、今回の停止要請を受け入れることが、長い目で見れば原子力発電を安全かつ安定的に継続する礎となり、お客様や株主の皆様の利益につながると判断した次第でございます。
  191. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 原子力発電所を停止をして、今まで停止状態にあった火力発電所を修繕しながら何とか電力の需給バランスを保っていこうということでございますけれども、今、確認事項というふうにおっしゃいましたけれども、最大限の支援をされると海江田大臣の話があったということでございますけれども、これは、そういうことをやるとどのぐらいの追加の費用があるんですか。例えば一年間幾らぐらい掛かりますみたいな、余分にですよ。どうぞ。
  192. 水野明久

    参考人水野明久君) 浜岡停止に伴いまして、当社の総発電電力量の約二割を原子力発電から火力発電へ振り替えることが必要となりますが、現在、電力の需給バランス確保に向けた取組を進めているところでありまして、現時点ではまだ具体的に増分コストを示す等は困難ではありますが、仮に浜岡停止分を全て私どものLNG火力のたき増しで対応すると仮定して試算した場合におきましては、今年度の収支への影響額はおよそ二千五百億円程度となる見込みであります。
  193. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 そうすると、二年、三年掛けて再開できるようになるまで、例えば二年だったら五千億と、そういうような試算、試みの計算だというふうに思いますが、総理、これ支援しないとまずいでしょう、それは。これ、例えばそのままほうっておいたら、憲法二十九条、これ最大限努力していただいても、これは国としてきちっと補償せぬと大問題になりますよ。だって、株主さんにどうやって説明するんですか。どうぞ、総理から。
  194. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 中部電力の水野社長と経産大臣たる私との間で五項目の確認をいたしました。その中には、今お話のありましたそうした負担についても何らかの形で援助が欲しいということでございますので、その援助も具体的なお話が来たところで応じさせていただくということをお答えをしております。
  195. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 総理、それは具体的な請求書が来てからという話だと思いますけれども、しかし、株主総会を目の前にして、総理からあるいは大臣からきちっとしたそういうお言葉をちょうだいしますって説明できないじゃありませんか、これは。やっぱり、先ほどあったように、いや、きちっと全部補償しますよと言ってもらわなきゃいけないと思いますがね。答弁、お願いします。
  196. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、中部電力におかれて、私なり経産大臣の運転停止要請を受け入れていただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。  私は、この問題で常に申し上げておりますように、国民皆様の安全と安心という観点から、特にこの地域が地震が起きる可能性が高いということが突出している中で判断をさせていただきました。そういう意味で、今回の福島原発における事故というものは、やはりそういうことを考えなければならないぐらいの重大な事故であると思いますし、私は多くの国民皆さんもそういう大きな心配を持たれていたと思います。  そういう中で受け止めていただいたことを本当に感謝いたしますと同時に、どういう形で支援をすることが可能かを含め、これからそういう要請があることも含めて、しっかりと経産大臣検討してまいりたいと、このように思っております。
  197. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 お話伺うと、後先考えずに何か言ったなという感じがするんですよ。  総理、GDP下がったという形で御発表になりましたけれども、本来、東北で頑張ってきたものを全日本考えて、経済良くして、そういう中で東日本復興を図っていこう、そう皆さん思っていると思います。私もそう思いました。だから、例えば東日本にある工場も、じゃ、中部の方へ持っていこうか、関西の方へ持っていこうかと、そういうような企業もあるかもしれません。しかし、こういうような、もうかつかつの中部電力の中でできるのか。逆に節電をしなきゃいけないということになってくれば、本来元気が出せるところが出せなくなってしまうというふうに思うんですよ。こういう日本経済全体を考えた上での判断なのか。  それからもう一つ、今LNGという話がありました。マスコミ等で、聞けば、中電の会長がカタールまで行った。ホルムズ海峡を通ってきますよね。海賊出てそこの部分で通れなかったら、これは中部は大停電を起こしかねないですよ、いろんな仕組みとかあるかもしれないけれども。  そういうことまで考えていただいてこれは要請を決定したんですか。御答弁いただきたい。
  198. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 電力需給に関してこの判断をするに当たって、経産大臣ともいろいろとお話をいたしました。そういう中で、他の電力会社の協力もいただくことができればそうした需給に対しても何とかクリアできるのではないかと、もちろん場合によっては需要者の皆さんへの節電のお願いもいたさなければならないところも出るかもしれません。  そういうことの判断も含めて、いろいろ御苦労はいただきますけれども、電力需要に対してはきちっと対応ができるという見通しの中で最終的な判断をさせていただきました。
  199. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 この原子力についてはまた引き続きしっかり追及をしていきたいと思います。  だんだん時間なくなってきましたけれども、ちょっと生活支援について。  防災担当大臣、五月一日の我が党の木庭幹事長からの質問で、今日もある新聞に罹災証明の発行率が出ておりましたけれども、長期避難地域の指定があれば、罹災証明書なくても生活再建支援基金を申請できるという話がございました。しっかり大臣は、「おっしゃるとおり、積極的に働きかけてまいりたい」というふうに御答弁されました。三週間近くたっていますが、今の進捗状況をお知らせください。
  200. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  被災者生活再建支援法の長期避難世帯の認定については、津波による住宅浸水率がおおむね一〇〇%であり、かつ津波により電気、水道などのライフラインが失われたことによって居住することが著しく困難な状態が長期にわたり継続することが見込まれる区域等を長期避難世帯として取り扱うよう、四月の十二日に三県にお示しをしたところであります。その際、長期避難世帯として取り扱うことが適当な区域一覧を参考として三県に送付したほか、長期避難世帯の認定を今促しているところであります。  これを受けまして、現在、宮城県においては、気仙沼市で約四千五百世帯、多賀城市で約五千世帯、女川町で約二百五十世帯の合わせて約一万世帯が長期避難世帯に認定をされており、今後岩手県などでも順次認定をされる見込みであります。今後も、引き続き県などに対して助言を行うなど、長期避難世帯の認定について働きかけてまいりたいと思います。
  201. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 これ、もういっときでも早く支援の手をという形でお願いをしてきたわけでございますが、一方、支援金であれ、あるいは義援金にしても、配分が遅れているということが指摘がずっとあります。  それで、行政側のマンパワーが不足していると。いろんな部門で、知事会を通して各県から応援が入るという形でやっていただいているわけでございますが、もう集中的にこの部門とか、やっぱりそうやって応援して一つ一つクリアをしていった方がいいと思いますけれども、総務大臣に御見解をお伺いをいたします。
  202. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 自治体は今いろんな分野で人手を必要としておりまして、特定の分野に集中してということももちろん有効かもしれませんけれども、そういうのが幾つもありますので、必要なところを言ってくださいと言っておりまして、今いろんな専門分野で何人、いつからいつまで欲しいというのをいただいております。最初に六百数十人の必要の人数いただいたんですが、今現時点で八百五十人ほどの派遣がもう決まっております。  これからも遠慮なく、是非必要なところは声を掛けてください、全国にお願いをしてということを言っておりますので、そのスキームを使いながら必要な人数はこれから手配をしていきたいと思います。  ただ、こうやってやっているんですけれども、いろんなところから、今もそうなんですけれども、足らないという声も聞こえてきますので、実際に県を通して話をするだけじゃなくて、現地に総務省のマッチングを行うその担当の職員も派遣をしまして、これはと思うところはちょっと実情を見て、もしもっと濃密な手配の仕方が必要であれば、それはそれでやっていきたいと思っております。
  203. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 要請を待っているだけじゃなくて、今おっしゃったような形で、どしどしこちら側から、国から押しかけていくぐらいの、ポイントは被災者をどう御支援するかという観点是非やっていただきたいと思っております。  だんだん時間がなくなりましたけれども、次に、避難されている方の生活保護と地方負担ということでお聞きしたいんですが、市を越えて、県越えて避難されますね。この避難先の支援給付の実施機関は現在地において支援給付をすると。つまり、国が四分の三、自治体が、各地方が四分の一負担しますよね。あと、その部分については普通交付税措置をすると。しかし、実際この普通交付税措置足りないんですよ、大体は。  それでなかなかこの申請、生活保護が受けられないというような実は状況がありまして、やっぱり一定期間だけでも今回の東日本大震災にかかわる避難者の生活保護については全額国庫補助というふうにすれば、どんどん取りあえずの生活資金はいけるんじゃないですかね。厚生労働大臣、いかがですか。
  204. 細川律夫

    国務大臣細川律夫君) この四分の一の負担につきましては、これは委員が言われるように、地方交付税措置で最終的には国が負担ということで、年度途中で増えた場合も翌年の交付税措置対応すると、こういうことになっております。  国としては、そういう生活保護に至らない、そのために金銭面の援助とか、あるいは生活、住居をきちっとするとか、あるいはまた仕事を用意をさせてあげるとか、そういうことのいろんな支援生活保護に至らないためにしっかり頑張らせていただいているところでございます。
  205. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。ありがとうございました。
  206. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  207. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
  208. 水野賢一

    水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  東京電力の原発事故によって電力不足が懸念されるようになりました。さて、そうした中で、これはもちろん節電も大切なわけですけれども、一方では電力供給を増やすということも考えなければいけないというふうに思います。  かといって、安易に原発を運転再開することも難しいということになると、新たな発電設備を造る必要が出てくるわけですが、そのときに、火力発電などの場合ですと、造るときに必ず十五万キロワット以上であれば環境アセスを受けなきゃいけないわけですね、法律上。ところが、こういう場合にアセスの手続をやっていると年月が掛かる。それで、そんなに待っていられないということで、今回政府は、東京電力が発電所を造るときはこのアセスを免除するということを決めましたよね。法令で言うと、環境アセス法五十二条二項のアセス適用除外を発動したわけですけれども。  ここで経済産業大臣に伺いますが、本来ならば必ず十五万キロワット以上の火力発電所であればアセスを受けなきゃいけないんですけれども、この適用除外になるような十五万キロワット以上の火力発電所、今東電がどのぐらい計画していますでしょうか。
  209. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これは第一種事業に該当する火力発電所でございますが、現在四基でございます。
  210. 水野賢一

    水野賢一君 その四基は、本来であればアセスの手続を受けなければいけないけれども、今回それをしなくていいということになったわけですが、環境大臣に伺いますが、確認しますけど、このつまりアセスの適用除外というのは、アセス法ができて以来、この五十二条二項というのは、この発動は初めてですよね。
  211. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  平成十一年に環境影響評価法が施行されて以降、環境アセスメントの義務規定が適用除外となった例はないと承知をしております。
  212. 水野賢一

    水野賢一君 これ、昔ならば、関東エリアで電力事業を営むというのはもう東京電力だけというふうに決まっていたんですけれども、今は、少しずつではあるけれども電力が自由化されていますから、電気事業というのは、例えば東京電力とか関西電力というような一般電気事業者以外にも新規参入の事業者というのは全国で四十社以上ぐらいはあるわけですよね。  じゃ、電力不足の場合は、こういうところであっても発電能力は持っているわけですから、こういう電力事業者にも大いに発電してもらえばいいんじゃないかというふうに思いますが、じゃ、東京電力以外がこの十五万キロワット以上の火力発電所を造るときは、このアセスの適用除外、免除、これ発動されるんでしょうか。
  213. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  災害対策基本法におきましては、東京電力など電気の供給に責任を負う者を指定公共機関として指定をし、これらの電気事業者が行う災害復旧事業については環境アセスメントの義務規定を適用をしませんが、それ以外の事業者が行う十五万キロワット以上の火力発電所設置事業については、同様の適用除外の対象ではなく、環境影響評価法に基づく環境アセスメント手続を行っていただくことになっております。
  214. 水野賢一

    水野賢一君 非常に不平等じゃないですか。つまり、東京電力だけが新しい発電所を造るときはアセスを免除されて、じゃ、今後、新しい発電所を東京電力が造るときは周辺の大気環境には窒素酸化物とか硫黄酸化物とかまき散らしていいと、そんなわけはないでしょう。一方で、じゃ、新しい電気事業者が何か発電所を造ろうとしたときはこれはアセスはしなきゃいけないと。まあしなきゃいけないということ自体は当然かもしれないけれども、この不平等が問題だというふうに思いますけれども。  これ、当然、東京電力が造るときでも、正式なアセスはやらないけれども、そうはいってもしっかり環境には配慮してもらうんだと恐らく言うんでしょう。言うんでしょうけど、それだったらほかの電気事業者も同じことであって、同じ条件で同じ基準で物事を認めるべきだというふうに、東電だけ特別扱いするのはおかしいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  215. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  東電だけに有利ではないかという御指摘でありますけれども、環境影響評価法におきましては、災害対策基本法に基づき指定公共機関が実施をする災害復旧事業について環境アセスメントの義務規定を適用しないこととされています。  これは、災害対策基本法におきまして、指定公共機関等が防災上の観点から緊急に実施する必要のある事業について災害復旧の実質的責任を負っている、すなわち東京電力の場合には、管内に電気を供給しなければならないという義務がある、それらのことによるものであります。
  216. 水野賢一

    水野賢一君 全く理解できないですね。管内に電力を供給する義務があるといっても、それを果たしていないのが東京電力なんですから、ますますもって理解できない。  この問題、いろんな考え方があり得ると思いますよ。例えば、一つ考え方としては、災害時で非常時だから環境アセスはふだんよりも簡素な手続でいいという、こういう考え方一つ考えでしょう。その逆に、こういう非常時だからといって、やっぱりしっかりやるべきアセスはやるべきだと、こういう考え方もあるでしょう。私はどちらかというと後者の考え方に立ちますけれども。  いろんな考え方あるだろうけれども、総理、今の質疑聞いてちょっと感想を伺いますけれども、どっちの考え方に立つにしても、何で東京電力とその他の電力会社に差別的な扱いをするのか。もっと言えば、東京電力だけ一方的な優遇をして、排ガスを、若しくは硫黄酸化物、窒素酸化物をまき散らすというようなことがあってもいいというふうに、東電だけそれが許されるのか。総理、おかしいと思いませんか、この初めての発動の中で。
  217. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私も原則的には公平に扱うべきだと思います。  ただ、この法律、私も今の話を聞いておりまして、震災復旧のために例えば急いである程度火力発電所を新規に造ろうとしたときに、これまで電力を供給していた、あるいは、さらにはする責任を持っている立場にあるところに、それを緩和するというのか、そういう特別の扱いとしてこういう形が取られているんだとすれば、その不公平さと、緊急のそうした復旧のための電力需要を増やすためという、そのバランスであろうと。原則は私は公平にすべきだと、そのように今の議論を聞いておりました。
  218. 水野賢一

    水野賢一君 災害復旧のために電力供給を緊急に必要だというのであれば、さっき申し上げたように、昔は確かに東京電力しかその能力はなかったんですよ、しかし今は、先ほど申し上げたように四十以上もの新しい新規参入事業者もあって、そういうところだって発電能力は持っているんですから平等に扱うようにするのは当然でしょうということですが。  要は、結局、こうした細かい法律、例えばアセス法の五十二条二項なんというのは、なかなか余り政治家も一般的には関心払わないようなそういう細かいところ、若しくは、今回のこのことも行政指導でいろいろと細部は詰めているんですよね。だから、こういう細かいところで実は既存の大企業に有利なような仕組みがいろいろとちりばめられているんですね。だからこそ業界は、所管官庁とのコネクションを持ちたくて天下りを受け入れているんじゃないかというふうに私たちみんなの党は強く主張しているんですけれども、今年も元旦早々にとんでもない驚くべきことが起こりました。去年の八月まで資源エネルギー庁の長官だった人が何と今年の元旦付けで東京電力に天下ったんですね。  これ、自民党よりひどいですよ。自民党政権時代は曲がりなりにも二年間は民間企業に原則天下れなかったんですから。まあ抜け道がいろいろあった、それは問題があるんだけれども。しかし、民主党政権は、これは天下り根絶、全面廃止というふうに言っていたにもかかわらず、二年はおろかたったの四か月で、所管業界ど真ん中ですよ、資源エネルギー庁の長官だった人が東京電力ですから。こんなことが許されるのかというふうに、言行不一致そのものだというふうに思いますが。  では、東京電力にお伺いしますけれども、この天下り官僚の石田徹氏、在職中、東京電力でどのぐらいの報酬受け取っていたんでしょうか。
  219. 武藤栄

    参考人武藤栄君) まずは、福島第一原子力発電所の事故によりまして、多くの方々に大変に御苦労、御不便をお掛けし、また皆様方に大変な御迷惑、御心配をお掛けいたしましておりますことを深くおわびを申し上げたいと思います。申し訳ございません。  御質問の件でございますけれども、報酬につきましては月額百二十万円程度をお支払いしておりました。賞与は支給しておりません。
  220. 水野賢一

    水野賢一君 この石田さんという方は、余りにも世間の批判が強かったんで、結局、元旦に天下って四月末で退職することになりましたけれども、まさか退職金とか、それに準ずるお金とか、そのお約束なんかはなかったというふうに思いますけれども、東京電力に確認します。
  221. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 退職金若しくはそれに準ずる金銭の供与はございません。
  222. 水野賢一

    水野賢一君 この天下り問題に関しては、実は国家公務員法上は天下りの監視機関として再就職等監視委員会というものが法律上規定されているんですね。規定されているにもかかわらず、民主党政権がその委員を選任しないから、法律上形はあるけれども実質上全然動いてこなかったという状態が長らく続いてまいりました。  総理は、三月七日の予算委員会質疑震災の直前です、そのときには、今まで選任してこなかったということへの、それに対する反省を踏まえて近々選任するんだというようなことをおっしゃられたところであります。  これ、国会同意人事ですから、まず最初は人事案を国会に提示をするというそのプロセスがあるのかと思いきや、いまだにないんですけれども、総理、有言実行内閣として旗印に掲げていながら、この提示はいつされるんでしょうか。
  223. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 大震災という、こういう状況がありまして、やや当初考えていたよりも遅れたことは申し訳ないと思っております。  この国会中に提出をすると言っておりましたが、改めてそう遠くない時期に国会同意人事案件を国会に提出をさせていただきたい。もちろん、この会期内でもありますし、そう遅くならないうちに出したいと、こう思っております。
  224. 水野賢一

    水野賢一君 先日、海江田大臣が東電の報酬に関して、会長、社長は半減、五〇%減しても三千六百万円もあって、これは問題だというようなことをおっしゃっていましたね。それは普通の感覚だというふうに思いますが、これ普通に聞くと、会長、社長の報酬というのは逆算すると年間七千二百万円なのかという計算になりますが、東京電力に伺います。  社長、会長の報酬、これまで幾らだったんでしょうか。
  225. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 会長、社長の年間報酬の基準額でございますけれども、七千三百万円でございまして、これは社外委員中心といたしました報酬委員会によりまして御審議をいただきまして決めたものでございます。  ただ、平成十九年の中越沖地震の後に二〇%の減額を行いまして、年額五千八百万円となっております。さらに、今月からは、福島第一原子力発電所の事故によりまして社会皆様方に大変な御迷惑、御心配をお掛けしていることに鑑みまして、報酬の全額を返上いたしております。
  226. 水野賢一

    水野賢一君 あんまり人の財布の中身をあれこれせんさくしたくはないですが、ここは公的資金を今から入れるという話になっているわけですから、徹底した情報開示を求めるのも当然のことだと思います。  さて、東京電力が損害賠償するのは当然なんですね。損害賠償するのは当然なんですが、それに加えて刑事責任の話、これも当然あり得るわけですね。  これは本当は社長に聞きたいところなんですが、今日、社長がお見えじゃないので参考人に伺いますが、例えばJRの福知山線の脱線事故では歴代社長などが業務上過失致死で起訴されたりしていますよね。東電の場合もいろいろな刑事責任も問われるということも当然念頭に置いていますでしょうけれども、これ、刑事責任、しっかりと引き受ける覚悟を持ってますでしょうか。
  227. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 私ども、これまで原子力発電所の運転に際しましては安全の確保を最優先に取り組んできたわけでございますけれども、今回は、未曽有の津波によりまして結果としてかように大きな原子力事故を引き起こしましたことにつきましては、誠に申し訳なく、深くおわびを申し上げたいと思います。  今回の事故に対しましても、その収束に向けまして、これまでと同様、安全確保を最優先に最善の努力を払いながら対処をしてきたつもりでございまして、現時点では刑事責任はないものというふうに考えておりますが、捜査機関が捜査を始められた場合には、これは当然のことながら真摯に協力をしてまいりたいというふうに思っております。
  228. 水野賢一

    水野賢一君 何とか自分の責任を回避しようという姿勢は、どうも今の与党と似たような感じを感じますけれども。  私も実は以前、自民党の衆議院議員を務めていたこともあるんで、以前のことを記憶しているところもあるんですが。当時、与党だったんですね、自民党。そのとき、党内でいろんな、例えばエネルギー調査会とか環境部会とか経済産業部会とか、そういうふうな会合へ行くと、後ろに、秘書さんたちが座っているような席のところに東京電力の人たちが座っていて、別に不法に入っていたとは言いませんよ、通行証とか持っていたんでしょうけど、そこでメモをしていたりとか、聞き耳立てていたりとかいろいろやって、マスコミの人たちというのは部屋の外に出されて、壁耳というか、こういう形で聞いているんですが、何で業界の人がずっと中に入っているのかと思っていたんですが、あれ、一体何やっていたんですか。要するに、何か東電にとって不都合な発言する議員とかをブラックリストでも作っていたんですか。何やっていたんですか、あれ。
  229. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 許可をいただきました上でそうした会議を傍聴させていただいたこともございます。これは、エネルギーあるいは環境政策、あるいは税制などなど、私どもの事業運営に関連いたしますいろいろな政策を勉強させていただくということで傍聴させていただいたということでございます。御指摘のようなブラックリストを作成しているといったような事実は全くございません。
  230. 水野賢一

    水野賢一君 今、民主党が与党になったわけですけど、民主党政権の下でも同じことをやっているんですか。
  231. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 許可をいただいた上で傍聴をさせていただくこともございます。
  232. 水野賢一

    水野賢一君 計画停電ですけど、あれ、もう無計画停電という批判も非常に強かったんですが、こういうようなこと、例えばこういう事態に備えてシミュレーションとか訓練とかって、事前に東京電力やっていたことがあるんでしょうか。
  233. 武藤栄

    参考人武藤栄君) これまで、大変大規模な電源の喪失によりますブラックアウトなどを、広範囲にわたる大規模停電を想定をいたしました訓練は毎年三回実施をしております。それから、福島の原子力発電所が全停となった場合を想定をいたしましたシミュレーションなども実施をしてまいりました。
  234. 水野賢一

    水野賢一君 この点、問題にせざるを得ないのは、特に被災地でさえ、被災地でさえ計画停電の対象になったところがあるんですよね。例えば、私は千葉県の選出ですけれども、旭市なんというのは津波で十三人の方もう亡くなっている、若しくは浦安市は八五%が液状化した。そうしたところまで計画停電の対象になったということに強い怒りと抗議を申し上げたいと思います。  最後に菅総理に伺いますけれども、今これだけ批判をいろいろと受けられていらっしゃるし、特に最近は参議院議長まで強い批判を総理に対してされていらっしゃいますけれども、御自身振り返ってみて、政権を取るのがどうも早過ぎたんじゃないかとか、若しくはもっと取る前に準備をしっかりしておくべきだったんじゃないかとか、そういうように今振り返られることはありませんか。  終わります。
  235. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私もこの国会の場に長くいて、例えば自社さ政権といったときには内閣にも入った経験も持っております。  もちろん、今回のように民主党中心とした本格的な政権交代の中で、当初考えたとおりに全てが進んだとは思っておりません。しかし、政権交代というものが持つやはり大きな意味は私はあったし、現在もしっかりとそれを実行することで、次の機会に改めてちゃんと選挙でその間の三年間なり四年間の政権運営を国民皆さんに判断していただく、それが政権交代のあるそういう民主主義という意味で私は意味があると、こう思っております。
  236. 水野賢一

    水野賢一君 終わりますけれども、解散をして信を問う、そのことをしていただきたいというふうに思います。  終わります。
  237. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  238. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、田村智子君の質疑を行います。田村智子君。
  239. 田村智子

    田村智子君 日本共産党の田村智子です。  東京電力福島第一原発は、二か月以上がたっても深刻な放射能漏れが続いており、一刻も早い事態の収束が福島県民、国民全体の切なる願いです。同時に、作業員の皆さんの命と健康がないがしろにされるようなことがあってはなりません。  三月十一日から今日まで、事故の収束活動に当たった方は総数で六千人に上ると聞いています。この作業員の皆さんはどれだけ放射線を浴びたか、それは線量計を身に着けて測定をしているはずですが、これでは、どれだけ放射性物質を吸い込んだのかという内部被曝、これ分かりません。  武藤社長にお聞きします。六千人のうち、内部被曝について計測をしたのは何人で、内部被曝量が判明したのは何人ですか。
  240. 武藤栄

    参考人武藤栄君) お答えいたします。  五月十六日現在で、福島第一原子力発電所で線量管理を行っております作業員の方、合計七千四百人いらっしゃいます。このうち、同日時点で内部被曝の測定が終わっております方が約千四百名でございます。それから、内部被曝の評価が確定している方は四十名でございます。
  241. 田村智子

    田村智子君 内部被曝量の判明は、たった四十人なんですよ。驚きます。内部被曝量というのは専門的な検討が必要で、ホール・ボディー・カウンターで測っただけでは分からないというんですね。それでは一体、全員の内部被曝の判明というのはいつまで掛かるんですか。
  242. 武藤栄

    参考人武藤栄君) ホール・ボディー・カウンターで、残り六千名ほどいらっしゃるわけですが、この測定を行うのに約二か月程度を要するというふうに考えております。測定が終わりましたらば順次評価をいたしまして、結果を確定をしてまいりたいというふうに思っております。  なお、放射性物質を取り込んだ時期を決めるためにそれぞれの方がどういうふうに行動されたかということを確認をする必要がございますために、確定までに時間が幾らか掛かっているということでございます。
  243. 田村智子

    田村智子君 私、これ前に厚生労働委員会で取り上げたときには、一か月間の中で必ず測るという、そういう内規取り決めたということも聞いていたんですね。これ全然遅過ぎますよ。  しかも、重大なことに、この七千四百人ですか、このうち東京電力の社員というのは三分の一以下だと思いますよ。それ以外の人の中には、派遣労働者もいます、臨時雇いの方もいます。既に現場からいなくなっている方が多数に上っていると思うんですね。昨日も私、東電本社に事故処理にかかわった事業者は末端の下請まで含めて何社あるかとお聞きしたんですけれども、それさえ全く分からない状態なんです。これで七千四百人全員どうやって内部被曝の測定をするんでしょうか。もう一度お答えください。
  244. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 作業されました方につきましては作業員名簿というのを作っておりますので、それに基づきまして個人を特定をいたしまして、順次測定を実施してまいりたいというふうに思っております。
  245. 田村智子

    田村智子君 名前が分かっても、もうどこにいるかも分からないような状態になっている方がいらっしゃると思うんですね。これ、本当に作業が遅れているんです。  作業員の皆さんの不安というのも本当に大変なもので、例えば、休憩時間にはマスクを外していた、自分は大丈夫なのか、食事取っていた場所が後からそこは放射能汚染されていたんだと聞かされた、自分も内部被曝しているんじゃないかと思うんだけれども、検査について何も声が掛からない、こういう不安の声は何人もの方々から寄せられているんです。  私、本当に重大だと思うのは、最初の水素爆発は三月十二日、このときから大量の放射性物質を吸い込む危険性に現場皆さんはさらされていたはずなんですね。そこから考えて既に二か月以上が経過をしています。二か月以上経過してなお全員の内部被曝線量を把握する体制がつくられていないということなんですよ。これは余りにも無責任ではないのかと思いますが、武藤社長、もう一度お願いいたします。
  246. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 現場で作業をされる方々の労働安全を確保するのは大変重要なことでございまして、私どもの最優先課題だというふうに思っております。  内部被曝の測定につきましては、震災によりまして福島第一、第二、両発電所の測定装置が使用できない状態になりました。このために、車載型の測定装置を借り受けて測定をしてまいりましたけれども、福島第二にございますものを復帰させ、それから柏崎刈羽にございますものも併用しながら現在測定に取り組んでいるところでございます。  さらに、新しいものの整備も今手配を行っておりまして、更に四台以上追加をいたしまして、十二台以上の測定装置を七月以降配備をして、できるだけ早く測定をしてまいりたいというふうに思っております。
  247. 田村智子

    田村智子君 十四台、これから用意するんですね。  じゃ、ちょっとお聞きしたいんですけれども、これまで測定した千四百人という方は一体何台のホール・ボディー・カウンターで測定をされていたんですか。
  248. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 車載型の測定装置二台を借り受けまして、これを使い、それから柏崎刈羽に四台ございますので、これを利用いたしまして測定をしてまいりました。
  249. 田村智子

    田村智子君 柏崎刈羽まで行くというのは本当に時間が掛かるんですね、物理的にこれ難しいです。だから、事実上、小名浜にある二台でしか内部被曝を測定するという体制が取られていなかったということだと思うんですよ。遅れるのは当たり前なんです。  こうした無責任なやり方というのが、私は東電がこういうことをやっているから下請の業者の中にも広がっているんじゃないかと今本当に危惧しているんです。例えば、派遣労働者が被曝承諾書なるものを、今後白血病などの健康被害が起きても責任を問わないという、そういう内容の文書にサインをさせられたと、こういう報道がされています。これ事実だとすれば法律に反する重大な事態です。こんなことは認められないし、健康被害が不幸にして起きた場合は東京電力責任持つ、これちゃんと明言すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  250. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 御指摘の、報道にありますような被曝についての承諾書につきまして我々は把握をしておりませんし、そうしたことをもちろん指示するようなことも当然ございません。もしも協力企業の中で今御指摘のような承諾書を取るといったような行為があるとすれば、これは大変に遺憾でございまして、法令抵触あるいは公序良俗に反するような行為があるようであれば、我々も厳正に対処をしていきたいというふうに思っております。それから、これまでも厳正な放射線管理を実施をして協力企業にも呼びかけを行ってまいりましたけれども、今後ともこうした活動を続けてまいりたいと思います。  それから、万一、これは作業管理については当然労働安全を最優先に行いますけれども、被曝によります損害が発生したような場合には、これは原子力損害賠償制度等に基づきまして誠実に対応してまいりたいと思います。
  251. 田村智子

    田村智子君 そうやって口で約束しますって言うんですけれども、私本当に危惧するのは、さっき名前つかみますって言ったけど、つかみますであって、つかんでないでしょう。協力企業についても、これは元請は分かるかもしれませんよ、何十社。その後どこに仕事が行ったのか、どれだけの企業がかかわったのかと、これ何度聞いても東京電力から明確な答えがないんですよ。  これ、絶対、一番末端の事業者まで責任持って東電は資料を出す、このことをお願いしたいと思いますし、委員長にもこれを理事会で協議していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  252. 前田武志

    委員長前田武志君) 理事会において協議いたします。
  253. 田村智子

    田村智子君 これは副社長にも是非、末端の事業所までちゃんと資料として出す、お約束いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  254. 武藤栄

    参考人武藤栄君) 御指摘のように、末端で作業をされている方々の一人一人の安全を確保ができますように、これは元請の会社ともよく相談をさせていただいてしっかりと対処をしてまいりたいというふうに思います。
  255. 田村智子

    田村智子君 総理、お聞きいたします。  こういう状態に作業員の皆さんは置かれているんですね。私、まず驚いたのは、自分が内部被曝どれだけしているかと分かったのが四十人しかいないんですよ、四十人しかいない。それで、どんどん現場からいなくなっている。これは、やっぱりしっかり政府が作業員の皆さんの命と健康を守る、これ約束していただかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
  256. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在、前の統合対策本部を統合連絡室という形でしっかりと東電とも統合した形で物事を進めておりますので、今の御指摘は、その統合対策本部の、現対策室の責任者としてもしっかり把握をして国会に資料を出すように指導してまいりたいと、こう思っております。
  257. 田村智子

    田村智子君 終わります。
  258. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で田村智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  259. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
  260. 片山虎之助

    片山虎之助君 片山虎之助でございます。  持ち時間が短うございますので、是非答弁の方は簡潔で率直で明快にお願いいたします。  今日も何度かお話がありましたが、私も委員派遣で被災地に行ってまいりましたが、石巻から女川を見てまいりまして、やっぱり百聞は一見にしかずで、行ってみなきゃ分からぬことがあるなと、こう思いました。なかなか大変ですね。特に瓦れきは山で、進んでいますけれども進んでいませんね、簡単に言うと。これは大変な人手と私は金が掛かるに違いないと、こういうふうに思いましたしね。仮設住宅はよく言われるように適地がありません。結局は学校関係の用地を潰すようなことになっている。  それから、避難所は本当にお気の毒です。プライバシーその他を含めて、もう一日も早く避難所におられる方々をちゃんとした生活に返っていただきたいと、こういうように思いました。  ただ、一つ救いがあったのは、会った何人かの方が大変明るかったこと、それからリーダーである町長さんを始め皆さんが元気だったこと。私は、やっぱりしっかりと我々が応援すればこれは復興できるなと、こういうふうに思いました。  そういうことの中で、いろいろ話した中で、やっぱり国会が頼りだ、皆さん頑張ってほしいと、こういうお話、励ましを、我々が励ましを受けまして、大変私はうれしくなりました。もう今これを緩めちゃいけません。これからどんどんどんどん救援、支援、応援の手を強くしていく、大きくしていくということがこれからの課題だと思いますよ。  国会は、そのためのある意味では国民皆さんのよりどころであり安全弁ですから、国会開かれてなきゃいかぬと思いますよ。何か聞くところによると、政府・与党の一部で、会期が来たら国会を閉めよう、臨時国会を何か月か後にやろうと。こういう非常時に国会を閉めて、国民皆さんの期待や頼りや安全弁をなくするというのは私はおかしいと思いますよ。総理、どうですか。
  261. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 国民皆さんが国会に期待をすると、そういうふうに言っていただけるのは大変うれしいといいましょうか、そのように思っております。  予算に関して言えば、五月二日に一次補正を全党派で成立させていただきましたので、まずやらなければならない瓦れきの処理等についてはその予算の中で進めます。しかし、それから先必要なものについては、その必要性と緊急性をしっかりと判断して、それが緊急に必要であるということであればもちろん国会を開く中でそれを進めてまいりたいと、こう思っております。
  262. 片山虎之助

    片山虎之助君 二次補正ができないから延ばすんだなんということは私は理由にならないと思う。できないじゃなくて、しないんですよ。  やり方なんですよ。税と社会保障の一体改革と関係はないとは言わぬけれども、関係はかなり薄い。あれは安定した制度をつくり、安定した財源が要るんですから。震災の方は、臨時的な特別のそういう財源を、特別の需要のための財源考えればいいんで。それからまた、復興ビジョンと。ビジョン即補正予算じゃありませんよ。ビジョンがプランになり施策や事業になって予算になるんですから、いろんな過程があるんで、やり方がいっぱいあるんですよ。知恵さえ出せば、知恵者は大勢おりますから、私はその復興ビジョンが仮にできる前からでもやれると思う。  そういう意味では、是非この国会に二次補正を出してくださいよ。出さないんなら会期延長してください。約束してください、総理
  263. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 各自治体からもいろいろな要望をいただいております。二次補正を急ぐようにという要望もいただいております。各党からもいただいております。それらも含めてしっかりと検討させていただいて、そういう中から必要だという判断をすればその適切な時期に出させていただこうと思っております。
  264. 片山虎之助

    片山虎之助君 先ほどもちょっと話がありましたが、一年九か月前の政権交代は大変我が国の政治史では大きな出来事ですよね。私もある種の関心や期待を持ちました。しかし、私は、政権交代がやっぱり、先ほどの話じゃありませんが、早かったと思っている。この一年九か月の民主党政権を見るときに、私は、権力に対する謙虚さ、権力行使に対する節度あるいは恐れ、そういうものが割に希薄なんじゃないかと、そういう気がしてしようがない。(発言する者あり)割にじゃないという意見がありましたが、そこは少し割り引いて言っているんですが、本当にそこが違う。  今日の話でも、浜岡原発の決め方、私は個人的には一つ決断と思いますけれども、あのやり方はいけません。それから、ここでもうどれだけ議論になりましたか、福島原発の初動の在り方、東電との関係、それから、その前は、TPPの参加表明でも、普天間だって、尖閣諸島だって、元々皆さんの一番お得意な政治主導だって、これは全く私は、権力や権力行使に対する考え方がおかしいと思いますよ。総理、いかがですか。
  265. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これは片山先生の一つの見方かもしれませんが、私は、特に参議院の選挙で大きく民主党が敗北をした後、ねじれ状態という形に国会がなっておりますので、そういう意味では、少なくともそうした野党の皆さんの意見をしっかり受け止めようと、少なくとも私たち政権といいましょうか、政府としてはそういう姿勢を取ってきたつもりであります。  もちろん、物事によっては政府として決めなければならないこともありますけれども、そういう意味で私自身は、必ずしも権力を濫用したというよりも、野党の皆さんの御意見をしっかり聞こうという努力をしてきたけれども、必ずしもそれが私どもの不十分さもあってうまくは十分にはいかなかったと、このことは反省をいたしております。
  266. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、総理周辺の少人数でいつの間にやら物が決まっている。手続を無視し、衆議を凝らさずに、いつの間にやら事が決まっている。これはもう、私は自民党に長らくおりまして、自民党で亡くなられた方だけを言いますけれども、私が知っている少なくとも竹下先生や後藤田先生や宮澤先生は、権力に対する恐れや権力行使に対する謙虚さや節度がありました。  皆さん民主党政権は筒いっぱい使うんですよ。ゆとりがないんです、権力に。人事や組織でも、おもちゃにするとは言いませんよ、いじりまくる。その結果、全く効果がないことになる。そういう反省がないと私は国民の信頼、信任は得られないと思いますよ、総理。いかがですか。
  267. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 長い長い政治経験を持たれている片山先生のお言葉ですので、御指摘をされた何人かの方は、私も多少の教えをいただいたりした方であります。そういう意味では、自由民主党の政権は一つのそういったノウハウをお持ちであった、そのことはいい面もあると同時に、場合によっては政官業の癒着といったようなものを生み出した面も私はあっただろうと思っております。  そういう意味で、確かに、民主党中心の政権が先生から見れば未熟さがあるということはそのとおりかと思いますけれども、しかし私は、そうした政権交代、一年九か月になろうとしておりますけれども、やはり一定の期間政権を担当させていただいて、その後また国民に選択していただく、そのことが二大政党、政権交代のある民主主義にしていく私は一つのステップだと、このように考えております。
  268. 片山虎之助

    片山虎之助君 去年、総理は、あれ六月でしたか、総理に就任されたときの所信表明演説で、国会内閣制と言われましたよね。まあ議院内閣制というのは、衆参ありますので、あるいは国会内閣制の方が正しいかもしれませんが、それの新しい言葉を使われたのには、私は総理自身のお考えが、ほかのもので読んだりほかの答弁をあれしますと、総理は、議会制民主主義というのはある一定のレベルで独裁を認めることなんだ、選挙に勝ったんだから、多数を得たんだから、仮に四年間なら四年間何をやってもいいんだ、それが議会制民主主義だと、そういうことを答弁されていますよ、去年の三月の参議院の内閣委員会の中で。  そういうお考えでは私は間違いだと思うんです。私は、議会制民主主義というのは、何度も同じことを言いますけれども、手続を踏み、総理の言葉で言えば熟議を凝らして、その上で無理なく合意形成の努力をすることなんですよ。衆参がずっとねじれになりましたよね。ねじれを直すにはそういう地道な努力を常に心掛けていかないと。私は、それが総理には欠けると思う。  総理、今の大変な難局を打開するには心を持って身を捨ててやってください。そうでなきゃ、国家、国民が浮かばれません。  終わります。
  269. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  270. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
  271. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  福島第一原発、一号機だけでなく二号機、三号機も地震直後にメルトダウンしていた可能性が明らかになりまして、東京電力は五月十七日に新たに工程表を出し直しました。東京電力に対する信頼はまたも大きく裏切られたと、そのように言わざるを得ません。  新工程表では、冠水ではなく循環注水冷却方式を取るとのことでありますが、総理、旧工程表の際にも私は、たしか四月二十五日でしたかね、予算委員会で強く求めましたけれども、早急に新工程表の全てのバックデータ、それから科学的、客観的根拠を政府が入手をして公開すべきだ、そのように考えます。そのことが新工程表の信頼性を高め、今後の事故調査の信頼性を高めることにつながる、そのように考えますが、いかがですか。
  272. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) この新しい道筋、まあ道筋の修正版でございますが、それに伴う工事につきましては、原子炉規制法等に基づきまして保安院が報告の徴収をしております。そして、その報告の徴収をして返ってきました報告につきましては、しっかりと公開をしております。  それから、今、冠水から今度は循環注水冷却へというお話がございました。これは、どうしてそういうことになったかということにつきましては、パラメーター、各種の計器のデータなどでございますが、これは、東京電力と政府の統合対策室で毎日記者会見をやっておりますが、その中で全部公開をしております。
  273. 吉田忠智

    吉田忠智君 当初、水棺化と言っておりましたが、そういうことを言っておりましたので、メルトダウンをしていたとは、そのことを把握していなかったとは思いますけれども、いずれにしてもキーワードは私は信頼性だと、そのように思います。この原発によって避難をされている方々あるいは風評被害を受けている方々、そしてこの原発の動向を固唾をのんで見守っておられる日本国内の方々そして世界中の方々に安心のメッセージを与えるために、私は、あらゆるデータをしっかり公開して皆さん議論していただく、そのことが極めて大事だと、そのように思っております。  次の質問に移ります。  菅総理の浜岡原発停止の決断、そして一昨日の原子力行政の根本見直し、保安院独立、特に発送電分離の検討に踏み込んだことは、このことは高く評価をいたします。  その一方で、先日決定をされた原子力損害賠償に関する政府支援の枠組み、いわゆる東電救済スキームは、賠償終了まで地域独占と発送電一体という東京電力の経営形態を想定しているわけですね。全ての被害者への補償と電力の地域独占廃止、発送電分離は両立できる、そのように考えています。東電救済スキームの撤回を強く求めたいと思います。  いずれにせよ、菅総理自然エネルギー重視の姿勢は評価しますが、その第一歩として、くしくも三月十一日、震災が発生した日に閣議決定をされた新エネルギーの全量固定買取り法案等のいわゆる自然エネルギー促進法案が今国会に提出されているわけであります。社民党も、十年以上前から自然エネルギー促進法の制定を求めてきました。また、近々、脱原発・自然エネルギーアクションプログラムを公表することとしております。  そこで総理に伺いますが、これらの法案の成立に向けての決意をお伺いします。
  274. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これまで日本のエネルギー政策は、化石燃料、原子力という二つの柱がありました。それに加えて、私は、自然エネルギー、省エネという更なる二つの柱をもって構成すべきで、特にこの自然エネルギーと省エネルギーの柱はもっと力を注いで進めなければならないと思っております。  今御指摘の全量固定価格買取り法案は、そういった意味では自然エネルギーを拡大する上で極めて有効でもあり、またこの法案は、この法案が出されたことによって従来の自然エネルギーを促進する補助金等が廃止をされるというようなことも出ておりますので、何としてもこの国会で成立をさせていただきたい、是非、社民党を含めて全ての党にそのことを心からお願い申し上げたいと思います。
  275. 吉田忠智

    吉田忠智君 総理から力強い決意のお言葉をいただきましたが、この法案を成立させることが、私は脱原発、エネルギー政策の転換、総理自身の強い決意を内外に伝えることになる、そのように思いますし、是非現場皆さん総理から強く要請してください。  次に、地方交付税削減の動きについて質問させていただきます。  五月十三日、地方新聞におきまして、恐らくは共同通信の配信だと思いますが、こういう記事が載っておりました。財務省が東日本大震災関連の復興財源を捻出するため、国家公務員の給与引下げに合わせ、地方公務員の給与に充てる地方交付税も最大一〇%削減する方針を固めた、国費ベースで最大六千億円を二〇一一年度第二次補正予算に充当すると報じられています。何の権限があって、しかも地域主権改革を標榜する菅内閣がそのようなことをするのか理解できません。四月二十八日の日に参議院本会議で、名称は変わりましたけれども、地方の自主性、自立性を高める関連三法案、成立したばっかりじゃありませんか。  これまでほとんどの地方自治体は、行財政改革の年次計画を作って、乾いたタオルを絞るような歳出削減努力をしてまいりました。私も県会議員をしておりましたので、よく一連の経過を知っております。こうした中で、ほとんどの自治体が独自の給与カットを行っています。国家公務員の給与の削減も、こういうときにあるいはデフレ不況のときに問題ですけれども、こうした形で、従来どおりの手法で地方公務員の給与削減を行おうとするのは極めて問題である、そのことを指摘させていただきますが、総務大臣、どのように対応されますか。
  276. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 現在取り組んでおりますのは国家公務員の給与の問題でありまして、今いろんな作業をしておりますけれども、それをまとめまして今国会に必要な法案を提出したいと思っております。  一方、地方公務員の給与はそれぞれの自治体の議会が条例で決めることになっておりますから、これを国が決めるという筋合いのものではありません。  おっしゃいましたように、現在、既に自治体では国に先行して給与の削減などやっているところもあります。言わばまちまちでありまして、それを、現状を無視して一律に国と同じように一〇%なりなんなり下げろというのは、それは合理性がないと私は思います。また、財源を絞り込むことによって地方公務員の給与を何らか追い込むようなことも、これも、地方分権といいますか地域主権の時代にあってそういうことはなすべきではないと総務大臣としては考えております。
  277. 吉田忠智

    吉田忠智君 総理に伺いますが、権限のないことをこうした形でマスコミにリークをして、そして世論操作をして既成事実化したのは、これまで財務省は何回もこういうことをやっているんですよ。このような時代遅れのようなことをしないようにしっかり財務省を指導していただきたいと思いますが、総理、いかがですか。
  278. 前田武志

    委員長前田武志君) 野田担当大臣。(発言する者あり)
  279. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) ちょっと事実関係がありますので。  御指摘の報道に対しては、私が同日の記者会見で、その事実関係についてはまだ復興財源議論を具体的にしているわけではないと否定をさせていただいております。基本的には、公的部門全体でどうやって財源をつくるかという視点は大事だとは申し上げておりますが、具体的にそういう検討はしていません。  あわせて、総務大臣とよく連携をしながら対応をしていきたいとも申し上げておりますので、よく連携をしながら、今後の二次補正予算とか来年度の予算編成に当たっていきたいというふうに思います。
  280. 吉田忠智

    吉田忠智君 じゃ、そういう形で交付税の削減を行わないということで確認してよろしいですね。
  281. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 交付税どうするかについては、予算編成とか財政運営戦略に基づいて適切に対応します。
  282. 吉田忠智

    吉田忠智君 今も、先般の予算委員会でも私質問させていただきましたが、全国の自治体被災自治体の応援を一生懸命やっています。厳しい定数事情の中でもうひねり出して、それでそれに必要な財源もしっかりそれぞれ生み出して努力しております。  東北自然エネルギーの宝庫であります。自然エネルギーの促進は、被災地東北復興に直結するばかりでなく、地域分散型で地方の活性化にもつながります。
  283. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  284. 吉田忠智

    吉田忠智君 先ほど質問も併せてですが、菅総理自然エネルギーを促進していこうとするなら、地方の活力、創造力をそぐような、先ほどの給与の問題も含めて、そういうことは絶対取るべきではない、そのことを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  285. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて東日本大震災原発事故等に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会