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2011-05-01 第177回国会 参議院 予算委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月一日(日曜日)    午前八時五十四分開会     ─────────────    委員の異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     吉川 沙織君      外山  斎君     友近 聡朗君      牧山ひろえ君     米長 晴信君      増子 輝彦君     梅村  聡君      佐藤 信秋君     愛知 治郎君      浜田 昌良君     草川 昭三君      小熊 慎司君     桜内 文城君      田村 智子君     大門実紀史君      舛添 要一君     片山虎之助君      吉田 忠智君     福島みずほ君  四月二十八日     辞任         補欠選任      梅村  聡君     大河原雅子君      磯崎 仁彦君     島尻安伊子君      長谷川 岳君     藤井 基之君      山崎  力君     野村 哲郎君      草川 昭三君     木庭健太郎君      大門実紀史君     紙  智子君      福島みずほ君     吉田 忠智君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         前田 武志君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 水戸 将史君                 森 ゆうこ君                 礒崎 陽輔君                 猪口 邦子君                 衛藤 晟一君                 加藤 修一君                 小野 次郎君     委 員                 有田 芳生君                 一川 保夫君                 大河原雅子君                 大野 元裕君                 金子 恵美君                 小見山幸治君                 行田 邦子君                 榛葉賀津也君                 徳永 エリ君                 友近 聡朗君                 中谷 智司君                 西村まさみ君                 安井美沙子君                 吉川 沙織君                 米長 晴信君                 愛知 治郎君                 片山さつき君                 川口 順子君                 佐藤ゆかり君                 島尻安伊子君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 野村 哲郎君                 福岡 資麿君                 藤井 基之君                 丸山 和也君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 石川 博崇君                 木庭健太郎君                 長沢 広明君                 桜内 文城君                 紙  智子君                 片山虎之助君                 吉田 忠智君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地域主        権推進))    片山 善博君        法務大臣        外務大臣臨時代        理        江田 五月君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        厚生労働大臣   細川 律夫君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣        国務大臣     海江田万里君        国土交通大臣        国務大臣     大畠 章宏君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(防災)        )        松本  龍君        防衛大臣     北澤 俊美君        国務大臣        (内閣官房長官)        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  枝野 幸男君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    中野 寛成君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(「新し        い公共」、科学        技術政策))   玄葉光一郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全、        行政刷新))   蓮   舫君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        自見庄三郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策少子化        対策男女共同        参画))     与謝野 馨君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        外務大臣    伴野  豊君        財務大臣    櫻井  充君        厚生労働大臣  大塚 耕平君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       林 久美子君        厚生労働大臣政        務官       小林 正夫君        防衛大臣政務官  広田  一君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        原子力安全委員        会委員長     班目 春樹君        法務省刑事局長  西川 克行君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       高井 康行君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     寺坂 信昭君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   清水 正孝君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)(  内閣提出衆議院送付) ○平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)  (内閣提出衆議院送付) ○平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1  号)(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 前田武志

    委員長前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十三年度補正予算案審査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田武志

    委員長前田武志君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  4. 前田武志

    委員長前田武志君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十三年度補正予算案審査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長清水正孝君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 前田武志

    委員長前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 前田武志

    委員長前田武志君) 平成二十三年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日の質疑総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は百六十八分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会五十八分、自由民主党六十二分、公明党二十分、みんなの党十分、日本共産党六分、たちあがれ日本新党改革六分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  7. 前田武志

    委員長前田武志君) 平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。財務大臣野田佳彦君。
  8. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) おはようございます。  平成二十三年度補正予算大要につきましては、既に本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、改めて御説明申し上げます。  最初に、一般会計予算補正について申し上げます。  歳出面においては、東日本大震災関係経費として四兆百五十三億円を計上し、その内訳は、災害救助等関係経費四千八百二十九億円、災害廃棄物処理事業費三千五百十九億円、災害対応公共事業関係費一兆二千十九億円、施設費災害復旧費等四千百六十億円、災害関連融資関係経費六千四百七億円、地方交付税交付金千二百億円、その他八千十八億円となっております。  これらの東日本大震災関係歳出を賄うため、三兆七千億円余の歳出減額を行うこととしており、その内訳は、子ども手当減額二千八十三億円、高速道路原則無料化社会実験の一時凍結に伴う道路交通円滑化推進費減額千億円、基礎年金国庫負担年金特別会計への繰入れの減額等二兆四千八百九十七億円、周辺地域整備資金活用に伴うエネルギー対策特別会計への繰入れの減額五百億円、政府開発援助等減額五百一億円、議員歳費減額二十二億円、経済危機対応地域活性化予備費減額八千百億円となっております。  なお、平成二十三年度の基礎年金国庫負担割合については、二分の一であることを法律上明記しつつ、二分の一との差額は、税制抜本改革により確保される財源を活用して、年金財政に繰り入れることを併せて法制化することとしております。  また、歳入面においては、高速道路料金割引の見直しに伴う独立行政法人日本高速道路保有債務返済機構からの納付金二千五百億円等、税外収入三千五十一億円を計上しております。  これらの結果、平成二十三年度一般会計補正予算の総額は、一般会計当初予算に対し歳入歳出とも三千五十一億円増加し、九十二兆七千百六十七億円となっております。  特別会計予算については、エネルギー対策特別会計労働保険特別会計など十三特別会計について所要補正を行うこととしております。  政府関係機関予算については、株式会社日本政策金融公庫について、所要補正を行うこととしております。  財政投融資計画については、被災事業者の経営安定や災害復旧等のための資金需要に対応するため、この補正予算において四兆三千二百二十億円を追加することとしております。  以上、平成二十三年度補正予算大要について御説明いたしました。  被災地域の一刻も早い復旧のため、何とぞ、関連法案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
  9. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で平成二十三年度補正予算三案の趣旨説明は終了いたしました。  速記を止めてください。    〔速記中止
  10. 前田武志

    委員長前田武志君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  11. 前田武志

    委員長前田武志君) この際、海江田経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。海江田経済産業大臣
  12. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) おはようございます。  四月十八日の予算委員会での私の答弁について一言申し上げます。  まず、自民党脇雅史委員原子力災害現地本部長を指名したのは一人だけかとの御質問に対し、本部長は一人であり、代理でもう一人の副大臣政務官が行っていると答弁しましたが、正しくは、脇委員に御指摘いただいたとおり、代理との交代ではなく、理事会に提出した一覧表のように、現地本部長は六度にわたり交代をいたしております。頻繁に交代したことは望ましいことではありませんので、現在では池田副大臣を常駐させているところであり、おわびして訂正申し上げます。  また、自民党岩城光英委員の、原子力賠償法では、出荷停止農水産物支払対象となるのか、摂取制限、自粛、また風評被害も相当な因果関係があれば補償対象となるのかとの御質問に対し、幾つかの委員会政務三役がそのような答弁をしていると聞いているが、紛争審査会でしっかりとしたガイドラインを決めることが必要であると答弁しましたが、本来は、原発事故相当因果関係があれば補償対象となり、そのための具体的ガイドラインが原賠法の紛争審査会で策定され、示されることとなるという趣旨を申し上げたかったものであり、御理解をお願いいたします。  さらに、みんなの党の小野次郎委員放射能モニタリングの体制についての御質問については、小野委員に御指摘いただいたとおり、原子力安全・保安院は、東京電力に対しモニタリング強化策の指示を行っておりますが、自らモニタリング調査を実施しているものではありませんので、訂正申し上げます。  以上です。     ─────────────
  13. 前田武志

    委員長前田武志君) それでは、これより質疑に入ります。野村哲郎君。
  14. 野村哲郎

    野村哲郎君 自由民主党野村哲郎でございます。  まず初めに、地震・津波災害でお亡くなりになりました皆様方の御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、また、今も大変困窮されております被災者皆様方にも心からお見舞いを申し上げたいと思います。  私の地元、鹿児島も大変災害の多いところでありまして、一昨年の口蹄疫、そしてまた奄美大島台風災害豪雨災害、そしてまた新燃岳の火山爆発、そしてまた鳥インフルエンザと、次から次へと災害が起こっております。もちろんこの災害の中身は全く違っているわけでありますが、私どもは何でこんなに次から次へといろんな災害が起こるんだろうと思っておりましたが、ただ、今回の東日本のこの災害状況を見ますときに、生きていて良かった、あるいは家があるからいい、まだまだ仕事があるからいい、そういうふうに実は思えるようになったと地元皆さんが言っておられます。  そういう意味では、被災者皆さん方が一日も早く復興される、そして元の生活に戻れる、そういう思いで、このことは私ども政治の役割、国の責任だろうというふうに思いますので、そういう視点から皆様方に御質問をさせていただきたいと思います。  まず、各委員会でも問題になっておりますというよりいろいろ質疑がございました仮設住宅の進捗の状況でございます。  四月二十八日現在、東日本で避難されている方々は十三万人とお伺いしておりますし、現在も体育館での生活が続いておりまして、今日でちょうど五十二日になります。食事も何とか行き届くようになった、しかしあと、是非とも仮設住宅に早く入りたいというのが今被災されている皆様方の大変、血の叫びではないのかというふうに思います。総理も、福島あるいはまた宮城岩手にも御視察に行かれました。こうした皆さん方の悲痛な叫びというのは総理の耳にも届いていると思います。  そこで、先般、四月二十六日の衆議院予算委員会におきまして、我が党の小野寺議員質問に対しまして、総理は、遅くとも盆までには希望者全員に入っていただけるようにできるだけ前倒しをしていきたいと答弁をされました。しかし、その翌日の二十七日に開催された実務者会議では、国交省は九月末時点でも六割程度と説明したと聞いております。  また、大畠大臣は四月二十八日の閣議の後に記者会見で、めどが付いておれば私の方から申し上げると、こういうふうにおっしゃっておられたと思います。そして、なおかつ、我が党の谷議員、四月二十九日の衆議院予算委員会でありましたが、仮設住宅工程表を出してくれということで質問があったときに大臣は、五月末までの三万戸については十日間隔の工程表を作って是非やり遂げたいと、しかしその後については一、二週間待ってくれと、工程表を作成すると、こういうふうに具体的に答弁をされました。  そこで、総理大畠大臣は現時点でも全員が入居できる時期を明言されておりません。にもかかわらず、総理は再三にわたって、予算委員会であり私どもの参議院の本会議でも、いやいや、お盆までには何とかしますということを再三おっしゃっておられます。どういう根拠があって、確たるそういう理由があって答弁されている、おっしゃっておるのか、お答えいただきたいと思います。(発言する者あり)総理の言葉が違うから、委員長、済みません。
  15. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 野村委員おっしゃるように、私も幾つかの避難所を訪れまして、本当にもう一か月半を超えようとしている避難生活の中で大変御苦労いただいております、そういう皆さんの声もたくさん聞かせていただきました。何としても一日も早く仮設住宅あるいはいろいろな住宅に移れるようにということで政府挙げて努力しているところであります。  私としては、やはりこれをきちっとある程度のめどをお示しすることが必要だと考えて、そして、この仮設住宅はもちろん、用地の問題を地元自治体にお願いをする、あるいは国土交通省が中心になって資材を用意する、そういう幾つかのことが組み合わされて実行されるわけですが、私の責任の下、今後まだ細かい予定が決まっていないところも含めて、何としてもお盆までには全ての希望する方が入れるように、私の政権の責任内閣責任として実行すると、このことを申し上げたところであります。(発言する者あり)
  16. 野村哲郎

    野村哲郎君 今、後ろからやじも飛んでおりますけれどもやじじゃない不規則発言もありますが、要は私が総理に聞いたのは、総理はもう本当に確信を持ってお盆までには何とかやりますと、こういうことをずっと言ってこられたんです。それも一回や二回じゃないんです。だから私は、今総理がおっしゃったように目途を示すというのは、それはそのとおりだと思います。しかし、根拠がない数字を、あるいはそういっためどを言われても、今テレビを御覧になっている被災者皆さん方は誰も信じませんよ。こういうことだから八月のお盆までには最低できますということを私は聞いているんで、どういう根拠に基づいてやっておられるんですか。  先ほども言いましたよ、大畠大臣は五月末までは十日置きの工程表を作ってきちっとやりますと、三万戸は。そういうものがない限り、総理思い付きというふうにしか思えないじゃないですか。どうですか。
  17. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 野村議員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。  総理が今御答弁されたように、私も思いは同じでありまして、何とかそういうふうに一日も早く仮設住宅建設完成させたいと思っているところであります。しかし、現実問題、皆様方も御存じのとおり、今回の大震災津波というものを受け、また同じような形で災害が起こったときにその仮設住宅被害を受けることがあってはならないと、こういうことから、そういうことをよく考えた上での土地の選定というものを行っておりまして、各県とも本当に、県もそうでありますし担当自治体もそうでありますが、一生懸命土地を探しておりまして、なかなか土地確保ができていないと、こういうのが実態でございます。  そういう中で、現在、今日時点完成戸数は三千五百二十五戸でありますが、現在建設中のものも一万九千六十二戸。本当に建設に当たっている皆さん全力で頑張っていただいておりまして、まだまだ厳しい状況がございますが、何とか五月末日までには三万戸を達成するようにということで一生懸命に努力をしているところであります。  その後のことについてでございますが、今、岩手県の仮設住宅建設する目標値が一万八千戸でありますが、これは何とか土地めどが付き始めまして、七月末までには完成をさせるという状況に今見ているところでありますが、福島県では二万四千戸を九月末日までに完成させたいと県の方は申しております。宮城県の方はまだ未定としておりまして、そういう状況の中で私どもも、総理の御発言を受けて、各県と一緒に連携を取りながら、できるだけ一日も早く完成するように努力をしているところでございます。  また、土地の問題については、五万一千五百戸が三県で確保されておりますが、更に土地確保が一番大事でありますので、国土交通省から五十九人の係官を派遣して土地確保に向けて努力をしておりますし、また輸入住宅というのを、今二階建てということを想定しながら努力をしているところであります。  いずれにしても、各県と十分に協議、調整して、できるだけ早く、民間のアパートなんかも活用もやっておりますが、一日も早く完成するように全力を挙げているところであります。
  18. 野村哲郎

    野村哲郎君 大畠大臣からは非常に丁寧に、しかも具体的なお話を伺いました。しかし、総理からは一回もそういうお話を聞いておりません。八月のお盆までは、お盆まではということでの答弁しか聞いておりません。私は、やはりこれは国交大臣、現場の担当大臣でありますから、そういうところから積み上がってきた情報を基に総理が八月のお盆までというふうにおっしゃっていたんだろうというふうに受け止めておりました。  しかし、国交大臣大畠大臣のおっしゃることと菅総理のおっしゃることがどうも整合性がない。まだいまだに、大畠大臣は五月まであるいは今後の見通しのこともおっしゃいましたけれども全員が一人残らず入居できる時期は明言されておりません。これは閣内不一致ですよ。是非これを総理、統一して、私は今見ておられる避難所皆様方に正確なメッセージを送っていただきたいと思います。
  19. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) お盆までに私の内閣責任で、全ての人が希望される方は仮設住宅に入れるように、まだ決まっていないところがあるとすれば、それを急がせて必ずやらせます。(発言する者あり)
  20. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。質疑が聞こえません。
  21. 野村哲郎

    野村哲郎君 総理あるいはまた大畠大臣からも思いという話がありました。思いは見えないけれども思いやりは誰にも見えるというのが被災後のコマーシャルで流れました。総理思いは見えないんです。思いやりとは、あなたの思いやりとは仮設住宅を本当に八月までに造る、お盆までに造るというのが思いやりなんですよ。形に現れないことは思いやりじゃないんです。ですから思いだけでは絶対駄目です。  私は、大畠大臣が経産大臣のときに、TPPの問題で担当大臣でありながら大変信念を持っていろんなことを発言されたことを記憶しております。すばらしいこの内閣には大臣がおられるということで感服したことがあります。  そこで、大畠大臣先ほどから総理はやりますということをおっしゃっているんですけれども、そのことを国交大臣としてやり遂げるという決意を述べていただきたいと思います。これはやっぱり総理が八月中旬までと言ったわけでありますから、是非、それを受けた国交大臣として、これはもう死に物狂いで八月、お盆までにはやるということを確約してください。
  22. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御答弁申し上げます。  総理からの強い御指示がございましたので、そのことが実現できるように、この一、二週間の間に全体的な状況の下に、各県あるいは各自治体、あらゆる努力をして一生懸命に努め、その見通しを立てるように全力で頑張っていきたいと思います。
  23. 野村哲郎

    野村哲郎君 総理の言葉の軽さは今に始まったことじゃないんです。私どもはもう何回もそのことを聞いておりまして、今回の八月中旬まではやるというのを再三再四にわたって発言をされている。私は本当に残念でたまりません。むなしくてたまりません。ですから、このことを被災者皆さん方がどう受け止めておられるのか。我々はこういう総理を仰いで本当に情けないと、そういう思いでございます。  時間がありませんので次の質問に移らせていただきますが、是非とも被災者皆さん方が安心できるように、一日も早い取組をお願いを申し上げたいと思います。  次に、自見大臣にお伺いをしたいと思います。  この被災者皆さん方、悶々とした生活の中でお考えをされているのは、私はやっぱり二重債務のことじゃないのかというふうに思います。この二重債務についての質問を中心にお伺いしますが、衆議院や参議院でもこの問題を取り上げられておりますけれども、どうも私どもはフィットする答弁をいただいていないと、こういうふうに思います。  私も現地に入らせていただきましたけれども、漁業者の皆さんやあるいは農業者、そしてまた中小企業者の皆さん方は、農協や漁協や、そしてまた地域の金融機関から金を借り入れて船を造り、あるいは農業機械を造り、あるいは会社の機械や施設を造っておられます。これが全て財産を失いました。残ったのは借金だけですよ、借金だけ。  今回の一次補正予算の中でいろんな、無担保無保証、そういった融資事業が組み立てられました。有り難いことだと思います。感謝申し上げたいと思います。しかし、大臣、この被災された農業者、漁業者、中小企業の皆さんが、幾ら国が新しい資金を、あるいは融資事業を組み立てても、二重債務で返済計画はできません。返済計画を立てて新しい融資を受けるわけですが、今までの借金もありますから返済計画は成り立ちません。新たな資金借入れは私は無理だというふうに思います。これでは生活や事業の再建はできずに、廃業に追い込まれている。事実、阪神・淡路のあの後に、あの地域の中小企業者の多くの皆さん方が倒産に追い込まれていった事実があります。これは、分析した結果もバンクから、いろんなところから出ております。  しかしながら、私は東北と阪神・淡路との大きな違いが一つ二つあると思います。それは何かといいますと、あの地帯は日本でも有数の穀倉地帯です。そしてもう一つは、世界三大漁場の一つと言われる三陸であります。この一次産業を中心にして、二次産業、加工業者の皆さん、そしてまたサービス業が成り立っている。まさしくこの人たちが地域経済を支えている、地域をつくっているということになると思います。ここの人たちがもしもということになれば、私は地域経済がなくなってしまう、社会が壊れてしまうというふうに思います。  そこで、自見大臣、この二重債務をどういうふうにして解消されますか。
  24. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 野村議員にお答えをさせていただきます。  今先生が御指摘のように、二重債務あるいは二重ローンの問題、私も本当に極めて重大な深刻な問題であると認識をさせていただいております。  御存じのように、今回の東日本大震災、三月十一日に始まったわけでございますけれども、その日のうちにそういったことを、いろいろ金融上の問題を予測いたしまして、震災当日でございますけれども日本銀行名と私の名前で、中小企業あるいは住宅ローン、今先生、農林水産業のことも申してございましたが、こういった貸付条件の変更に応じなさいという法律がこの二年ほどございますから、それをしっかり積極的に対応するように金融機関に三回ほど今お願いをさせていただいてきています。  しかしながら、民間の金融機関というのは、先生御存じのように、これ、原資はお人様といいますか、預かった預金でございまして、またケース・バイ・ケースでいろいろございますから、民間の金融機関に債務免除というのを一律にせいということは、もうこれはなかなか金融規律の中で無理でございます。先生お分かりでございます。  しかしながら、トータルでございます、トータルが大事でございまして、民間金融機関でなくて、今先生が言った農林水産業、これには当然政策金融がございますし、中小企業にも政策融資がございますし、それから被災された住宅にもいわゆる住宅金融支援機構がございますし、これは無利子の問題あるいは据置きの問題ございますし、また住宅に関しましては再建支援金でこれは三百万円出ますから、そういったことを組み合わせて、実に政府間としてこの問題を大変重要な問題としてしっかり取り上げていきたいし、また債務免除につきましては、これは個々の金融機関の個々の判断でございますが、これはいろいろ、金融機能強化法を五月中に出させていただいて、できるだけ金融機関も自己資本が増強をして債務免除ができやすいような環境をつくるために、今金融機能強化法の特例を計画しておりますので、またいろいろ知恵があったら、これは各党、党派の問題でございますから、是非御指導いただきたいというふうに思っております。
  25. 野村哲郎

    野村哲郎君 自見大臣の今の答弁、本当にがっかりしています。私は同じ九州で自見大臣には大変期待もしておりますけれども、今の答弁では私はとてもじゃないけど評価するわけにはいかない。私が質問したのは、二重債務をどういうふうな処理をされるんですかという質問であります。  一つは、隣の鹿野大臣の農水省では、漁業者が借りている基金、これが基金協会の保証が付いていたならば、その保証債務の部分は代位弁済をさせましょう、そこには国が金を入れましょうと、こういう処理スキームを作られて、今年の補正予算百四十億付いているんです。こういうことを農水省は今考えているわけですよ。  あなたは今、先ほど個々の金融機関の問題ですと、こういう話をされました。国がスキームを作らないでどうするんですか。それぞれの金融機関に丸投げですか。金融庁がリーダーシップを取って二重債務の処理はこういうふうにやりましょうよ、過去にもあったじゃないですか、そういうやり方が。  ですから、私は今、自見大臣に求めたのは、何かそういったスキームをお考えですか、是非作ってくださいということを申し上げたんです。端的に答えてください。
  26. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 私は民間金融機関が所掌でございますが、各省各省にはそれぞれ公的金融機関、政府系の金融機関がございます。それから、いろんな立法もできるわけですから、そこら辺を組み合わせて、この実質的な二重ローン、二重債務の問題を解決していきたいということを申し上げているわけでございまして、是非そこら辺は、一つの民間機関だけで全部これを解決するということは先生御存じのように無理でございますから、その辺をしっかり政府全体として取り組んでいく必要があるということを申し上げたわけでございます。
  27. 野村哲郎

    野村哲郎君 自見大臣、今までの答弁より一歩踏み込んだ答弁をいただきました。  ただ、それでは根本的な解決にはなりません。やっぱり抜本的な解決策……(発言する者あり)
  28. 前田武志

    委員長前田武志君) 質疑者の質疑が聞こえません。どうかもう少し静かにしてください。
  29. 野村哲郎

    野村哲郎君 二重債務の解消策を私はやはり政治が主導すべきだというふうに思います。  先ほど農水省の予算のことも申し上げました。しかしながら、今、東北の財務局長金融機関を集めて説明した中でも、これ以上の債務を負わすことはもう難しいと、何らかの形で国が抜本的な対策を打ってもらわないと、我々は今回のその金融強化改正法ではなかなか対応できませんよということを金融機関全体で言っておられるわけですよ、これは農協も漁協もみんな一緒です。  ですから、このことを自見大臣是非やっていただきたいと思うんです。私がさっき言いました漁業者の問題のこの代位弁済についても、全ての漁業者の債務のそれでも三分の一にしか達しないんです。あとの三分の二はまだやっぱり債務として残る。ですから、そこを何とかしていかなきゃならない。これはやっぱり政治の仕事ですよ。  ですから、私は、このことを是非とも、これは役人には、今後ろから出ておりますけれども、役人にはできません、政治が必ず主導して、二重債務はきっちりと私どもが処理します、そのスキームを作る気があるのかどうか、総理にお伺いしますし、私ども自民党もそのことを提案いたします。どうですか。やるかやらないかでいいんです、総理
  30. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 金融の範囲だけで対応できない問題があることをよく承知をしております。その場合には、場合によっては出資という形を考えることもできないかと。各県知事からは、これは町ごとに一つの株式会社を首長を中心につくっていろいろな事業をという形でやれないかという提案も既に出てきております。そういういろんな手法も含めて、今ローンを抱えているいろんな事業主が更にローンを積み増すという形ではない形のある意味での救済措置も検討してまいりたいと、こう考えております。
  31. 野村哲郎

    野村哲郎君 今日は、自見担当大臣もそして総理もちょっと分かりづらいところはありましたけれども、何とか政府一体となってそういう二重債務の処理スキームを作ると、私はこう受け止めましたので、私ども自民党もその内容を提言したいと、こういうふうに思っておりますので、与野党一緒にやってまいりたいというふうに思います。  次に、原発事故関連対策についてお伺いをしたいと思います。  総理のリーダーシップでといいましょうか、東電が工程表を出しました。福島原発収束に向けた道筋、こういう工程表を強く求められて、出てきたというふうに私どもは聞いております。そのことについては、総理、評価をいたしたいと思います。  ただ、この工程表は原発のそのものの収束までの工程表だというふうに思います。やはり今避難されている皆さん方が一番関心があるのは、いつになったらあの三月十一日以前の生活に戻れるのかということになると思います。私は、今回のこの工程表、地域の住民の皆さん方のかかわり合いにおいてどういったような目安になっているのかということを、これは是非国でお考えになるべきだというふうに思います。  そこで、総理工程表で示されましたステップ一、三か月程度だということになっておりますが、ステップ二は六か月から九か月、こういう工程表が示されました。しからば具体的にお聞きしますが、この工程表どおりに事が進んだと、いろいろあります、いくとかいかないとかって、工程表どおりいかないというところもありますけれども、仮にこの工程表どおりにいったときに、避難されている住民の方々にどのような関連があるのか、影響があるのか。  具体的に申し上げますと、六月ごろになると一時帰宅も十分やれるようになりますよ、あるいはどういうことになっていくのか私は全く分かりません。どういうような地域の住民の皆様方生活と避難されている皆さん方生活と関連があるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。  そして、ステップ一に到達したとき、国は何をやるのか。東電はステップ一になるまでに一生懸命やるでしょう、これは政府と一緒になって。じゃ、国はそのときに何をやるんですか。お答えいただきたいと思います。
  32. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 野村委員にお答えをいたします。  今幾つか御質問ございましたけれども、一つは、やはり避難を余儀なくされている方々が本当にお宅にお帰りになれる時期はいつだろうかということが一つございました。これにつきましては、今委員お話がございましたけれども、やはり六か月から九か月ですね、第二ステップ、ここが終わりませんとおうちへお帰りになるということはなかなか難しかろうと思います。この六か月から九か月の第二ステップが終わりますと、この放射線が放出が管理をされまして、そして大幅に抑制ということですから、この段階まで待たなければいけないかと思います。  もちろん、その前段階で、私どもとすれば、まずモニタリングをしっかりと継続をして、本当に線量がもう薄くなっているのかどうなのかということを確認をしなければいけない。それから、お帰りになる前にはやはりその地域の除染ということもやらなければいけないということでございますから、まずモニタリング、そして除染をしっかりやって、お帰りになれるような条件づくりを一日も早く整えられるように努力をしたい、そのように思っております。
  33. 野村哲郎

    野村哲郎君 まあ少しお答えが出てきたと思っているんですが、私はやっぱり、東電の方がこの収束までの工程表を作った、それを受けて、それと並行して国が、避難されている皆さん方こうなるんですよ、今、海江田大臣がおっしゃいました。私は、第一ステップでどうなるのかな、第二ステップでどうなるかなと分からなかった。  第二ステップになったならば、これは収束していくわけでありますから、大幅にその放出が抑制された、そうするとモニタリングをしていく、そしてそれが済んだならば、このころになったらお帰りになれますよ、あるいは元の生活に戻れますよ、このことを是非私は示していただきたい。それが来年の一月なのかあるいは二月になるのか分かりません。ただ、そのことが分からないと、目安が分からないと、私は避難されている方は非常に不安でたまらないと思います。  その工程表を作るか作らないか、総理、いかがですか。
  34. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今経産大臣からも答弁いたしましたけれども、二つの要素があります。一つは、原子炉そのものが安定をする、それにはステップツーで冷温停止状態になることが必要であります。それと同時に放射能が、既に放出された放射能とあるいは残っている放射能、これがステップツーでは放射線が大幅に抑えられる、つまり放射線が外に出ること、放射能物質が外に出ることが大幅に抑えられるわけでありますから、新たな放射能物質はほぼ出ない状況を想定しておりますが、そのときにどの程度残っているかという問題はもう一つあります。  その二つの点から、六か月から九か月のステップツーが終わった段階で、モニタリングはもちろん継続してしておりますし、除染作業も進めておりまして、その段階では、どの範囲でどの時期までにどういう形で自宅に戻っていただけるかということは、ステップツーが終了した段階ではかなりの確率でお示しすることができると、またお示ししたいと、こう考えております。
  35. 野村哲郎

    野村哲郎君 今総理の方から、ステップツーが終了した段階である程度の確実なといいますか、方向を示されるのではないかという答弁でありました。  ですから、そういうことを今避難されている皆様方に早く教えていただきたいんですよ。だから、工程表は作った、それで手柄じゃないので、いや、今度は今避難されて生活されている皆さん方にはこうなりますからね、これはなかなか工程表どおりいくかいかないかも分かりません、判断材料が少ないわけでありますから。しかしながら、少なくともそういった、先ほど仮設住宅じゃありませんが、目安なるものを届けてあげれば、ある程度皆さん方の気持ちも変わってくるんだろうと、こういうふうに思いますので、是非これは工程表を作成して、是非ともこの道筋を付けていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。  次に、いろいろまたありましたが、時間がありません。海洋汚染対策について、原発の関連でありますが、今日は伴野副大臣もお見えになっておられるということでありますけれども、済みません、時間の関係上、省かさせていただきます。申し訳ありません、せっかくおいでいただきましたのに。  それで、鹿野大臣にお伺いしたいと思うんですが、要は、この汚染水の放出された海域の漁業操業について、いつから操業していいのか。もう今既に、コウナゴからやっぱり出まして、福島県だとか茨城県は出漁を取りやめておられます。ですから、このところが一番心配になってくるわけでありまして、いつからだったら操業ができるんだろうか。  農水省やあるいはまた試験研究機関において、毎日魚のモニタリング、あるいはまた海水のモニタリングされていることも聞いております。あれを見ていきますと、どうも、もう魚種はコウナゴだけだな、あるいは海水もだんだんだんだん狭まっているのではないかな、こういうふうに、汚染がですね、というふうに認識をしているんです、素人なりで。  ですから、そういう時期に、もう野菜はホウレンソウ中心にして出荷が解除されるようになりました。ですから、海の方も、水産業の方も是非その明確な基準を作っていただいて、あれは野菜の場合は三回基準を下回ったらもういいよという話になっておりますが、海の場合も何かこういった基準を作っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  36. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今、野村委員から言われたことも大変重要な視点に立ったお考えでございまして、私どもも、水産物についても解除の基準を作る必要があるんじゃないかと、こういうふうなことから、コウナゴ等の解除条件につきまして、水揚げ地区ごとに解除という、基本的にはそういう内容になるような考え方に立って解除の基準というふうなものを作っていただくように、厚生労働省の方にも今働きかけをいたしているところでございます。
  37. 野村哲郎

    野村哲郎君 野菜の対応については私は早かったと思います。しかしながら、やはり三陸沖は冒頭申し上げた世界三大漁場の一つです、今漁師の皆さん方と話をすると、真っ青な海がそこに見えているのに出れないという大変悔しい思いをされております。ですから、一日も早く漁に出られるように、ここなら安全だよと、そして消費者皆さん方にもここで捕れた魚は大丈夫ですからということを、是非ともそういう強いメッセージを送っていただくようにお願いを申し上げたいと思います。  それから、最後になってまいりました。総理、一番聞きたくない政治と金の問題であります。  去る四月二十七日、陸山会の政治資金規正法違反事件の第十回の公判におきまして、水谷建設の元社長が陸山会側に一億円の裏金を提供したと証言をされました。公判の証言は、一億円を二回に分けて支払ったという具体的な支払の方法なり、場所や時期も、どこどこホテルでという、そういった場所や時期についても具体的に証言されております。  真相究明のために、そして政治への信頼回復のためにも、是非とも小沢代表に国会で説明責任を果たしてほしいというふうに思うわけでありますが、民主党の代表である菅総理の、どう対応されるのか、お答えをいただきたいと思います。
  38. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 小沢元代表に関して自ら国会において説明責任を果たされるべきだという基本的な考え方は、私、全く変わっておりません。  ただ、今御指摘のあった件について言えば、これは裁判の中で出された証言でありますけれども、個別の案件で、その裁判の中で出された証言について私があれこれコメントすることは必ずしも適切ではない、このように思っております。また、国会における説明も、現在、小沢元代表御自身も公判が進行中であるということは留意をする必要があると、このように考えております。
  39. 野村哲郎

    野村哲郎君 このことにつきましては、あなたの在日外国人からの献金の問題も含めて、また連休明けから私どもは国会で本格的にやりたいと思っております。  以上で質問を終わります。
  40. 前田武志

    委員長前田武志君) 関連質疑を許します。藤井基之君。
  41. 藤井基之

    藤井基之君 自由民主党藤井基之でございます。  まず、今回の東日本大震災によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りしたいと存じます。御遺族に対しても深く哀悼の意を表したいと思います。そして、被災された皆様に対し心よりのお見舞いを申し上げるとともに、被災地で救援活動や復旧活動や、あるいは原発事故の収束に向けて日夜献身的な努力をされている自衛隊、警察、消防を始め、企業、ボランティア等の方々、また、国際社会から寄せられた温かい支援に対しても心から感謝と敬意を表したいと存じます。  さて、今日、時間をちょうだいしまして各大臣に御質問をさせていただきたいと思っておりまして準備をしておりましたら、二十九日に、この第一次補正予算審議の関係に非常に大きな影響を持つと思える合意文書が発表なされました。二十九日、民主党、自民党、公明党の政調会長が合意文書を取り交わしております。お手元にお配りをさせていただいていると存じますが、これに対するサイナーであります、署名をなさいました玄葉大臣、こちらに御出席でございます。  この内容につきまして、そしてこの合意がどのような経緯でなされたのか、御説明いただきたいと存じます。
  42. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 藤井委員から経緯を説明せよというお話でございましたけれども、まず、第一次補正予算、スピーディーな成立が必要だということでございます。  私たちの政府案に対して、自民党そして公明党などから、特に年金の国庫負担の問題についての疑義というか疑問が出されていたところでございます。この歳入関連法案が通らないとまず執行が十分にできないのではないかと、そういうおそれがまず一つあったということであります。  もう一つは、残念ながら本予算関連法案である特例公債法案あるいは税法も通っていない、これは党派を超えて何とかしなければならない。  もう一つは、言うまでもないことでありますが、この震災対応、そして復興に向けて党派を超えて対応していくと、そういったことに対しての認識の共有が必要だということで、それぞれの党はそれぞれの思いがきっとおありだと思いますけれども、何とかこういった文書で合意をさせていただくに至ったということでございます。
  43. 藤井基之

    藤井基之君 これは政党間の政調会長三名の方がサインをなさっているわけでございます。今、玄葉大臣は民主党を代表されてサインをされたわけです。民主党の代表は御案内のとおり菅総理でございます。  総理、これは、このような内容で合意するようにという指示をなされたんですか。
  44. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 事前に玄葉政調会長から経緯を聞き、そしてこういう趣旨でいきたいということの提案があり、私もそれでいいと了承いたしました。
  45. 藤井基之

    藤井基之君 ありがとうございます。  総理の指示で玄葉先生がサインをなさったということでございます。  総理、この内容についてどのような御見解をお持ちですか。全面的にこのとおりだと、こうお考えになってこれにサインをするように指示をされたんですか。
  46. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の三党の政調会長合意については、大変建設的な立場で議論を積み重ねられた結果というふうに受け止めておりまして、私としては大変よく考えていただいた中身だと、そういうふうに評価をいたしております。
  47. 藤井基之

    藤井基之君 各論的な話は後でさせていただきたいと思いますが、総論としてこの合意書につきまして財務大臣はどのような御感想をお持ちですか。
  48. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 三党の政策責任者がそれぞれの党を代表して合意をしたものですので、重く受け止めていきたいというふうに思います。
  49. 藤井基之

    藤井基之君 同様に、この中には子ども手当に対する問題であるとかあるいは年金財源の問題が書かれております。  厚生労働大臣、どのような御感想をお持ちですか。
  50. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 子ども手当、それから年金二分の一に対する財源など、厚生労働省として、この合意に基づいていろいろ議論していただく。とりわけ年金の二分の一につきましては、次の第二次補正予算ということで見直しも含めてということも書かれております。そのことに私は期待をいたしております。
  51. 藤井基之

    藤井基之君 総論的には今各大臣から伺いましたので、各論的には、この後で今の答弁を踏まえたまた御質問をさせていただきたいと存じます。  ここで三月十一日地震が、我々は体験いたしました。総理以下皆さん、閣僚の方々、ここに御出席でした。参議院の決算委員会がこの第一委員会室で開かれておりました。私もそれに出ておりました。二時四十六分ですか、揺れました。このシャンデリアも大きく揺れまして、散り散りばらばら、結局会議は散会になりました。  その三月十一日から私どもはずっと政府の対応を待っていました。第一次補正予算、どうしても財源対策が要るんだと、早く、一日も早く、被災者の方もそうだ、国民みんなが待っていた。出てきたのが四月の二十八日、まさにゴールデンウイーク始まる、突入の寸前にこの第一次補正案が出されました。  ちょっと古い話になりますが、平成七年、我々は阪神・淡路大震災を体験いたしました。その際には、地震は平成七年の一月の十七日、寒いときでした、その日に発生しました。そして、その三十八日後、二月の二十四日には補正予算は国会に提出をなされました。  今回、この阪神・淡路大震災と全く同列に比較することは無理があるかもしれませんが、それと比べてもやはり遅いと思うんです。もっと早く一次補正案提出できなかったんですか。
  52. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 阪神・淡路大震災とやっぱり違うのは、その規模と、そして被害の範囲が広範であったことと、何よりも自治体機能が著しく低下したり自治体そのものが壊滅的であったということもあって、被害の現況をしっかり把握するには、もちろん私どももなるべく急いでということで考えたんですが、阪神・淡路の際は、これはたしか約三十八日後に第一次補正案出しています。それに比べれば若干遅れましたけれども、これは最大限迅速に対応しました。その間に、阪神・淡路大震災の際に予備費を使ったのは二十日後です。でも、私どもは三百二億円、三日後に使いました。六次にわたって千百八十二億円、あの予備費を活用してきておりますので、財政において支障を来したということはないと思います。
  53. 藤井基之

    藤井基之君 補正予算の財源として、私どもは、いわゆる国債を発行する、いわゆる復興債という別勘定で国債を発行したらどうか、それを財源に充てるべきだと、そういうふうに主張してまいりました。第一次補正予算案の編成に当たりまして、国債を発行しなかった理由をもう一度御説明ください。
  54. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 今回の第一次補正予算、約四兆円の規模でございますけれども、追加的に国債を発行せずに財源を確保しながら対応するという形を取らさせていただきました。この震災が発災をする以前から我が国の財政状況、大変厳しい状況でございました。復旧復興は最優先の課題でありますけれども、財政健全化の観点もこれも忘れてはいけないと、そういう思いからこういうスキームとなっているということでございます。
  55. 藤井基之

    藤井基之君 総理総理は四月二十八日の参議院本会議で、この補正予算案の本会議での質疑に、我々の仲間であります自由民主党塚田一郎議員の質問に答えまして、この一次補正に国債を発行しない理由として、国債市場の信認維持の観点を踏まえて追加的な国債発行しないで財源確保を指示したんだと。総理が指示したというふうに答弁されていますが、総理、国債出すと信認の維持の観点から問題があるんですか。
  56. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 御承知のように、我が国は先進国の中でもいわゆる国の借金の比率が極めて突出して高い状況にあるわけであります。そういう中で、本予算についてもぎりぎりの一つのいわゆる財政についての健全化の方向性も示しながら、この一つの段階を踏んで本予算も成立をさせていただいたわけであります。  今回の震災に関しては、復旧復興の段階で、特に復興の段階では相当大規模な財政出動が必要だと考えております。まず第一段階の復旧では、まずは国債に頼らないでこれまでの歳出を削減することによって賄おうと、その後の大きな復興に必要な財源については、これは御党が提案されているような復興債も含めて検討をしていく必要があると、こう考えております。
  57. 藤井基之

    藤井基之君 いや、総理、私は、本会議総理は国債を発行すると信認を失うんだと、そういう趣旨のことを発言されたから聞いているわけですよ。二次の補正になったら国債発行していいんだったら、一次においたって国債発行すればいいじゃないですか。どうしてそこ違いがあるんですか。(発言する者あり)
  58. 前田武志

    委員長前田武志君) まず、野田財務大臣
  59. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 総理が御指摘のとおり、復興においてはまず財政需要は相当なものが出てくるだろうと思いますが、それはきちっとした青写真を作って、そして必要な対策を練って、それに向けて復興財源どうするかという議論があって、その積み上げのプロセスが必要だというふうに思っております。その際に、当然国債というのは選択肢でありますが、三党合意にもあるような考え方もあると思います。そういうことをきちっと作った上で国債発行ということだったらばこれはいいと思うんですが、安易な国債発行だと総理の御心配のような懸念も当然生じる可能性、おそれはあるというふうに思います。
  60. 藤井基之

    藤井基之君 いや、総理、改めて総理の口からまた先ほど質問に対する答えをお願いしたいと思います。
  61. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今財務大臣からお答えがあったとおりでありまして、つまり、この三党合意にも盛り込んでいただきましたけれども、第二次補正、いわゆる復興のときの財政出動はかなり大きなものになるだろうと。この場合には、御党あるいは三党のこの合意にもありますように、従来の国債と区別して管理し、その消化や償還を担保するといったような、こういう考え方も併せて提案することによって国際的な信認も維持していくことができると考えております。そういうことも含めて、一次補正ではまず国債に依存しない形で提案をさせていただいたということであります。
  62. 藤井基之

    藤井基之君 最初にお示ししました三党の合意文書の二番のところにあります「復旧・復興のために必要な財源については、既存歳出の削減とともに、復興のための国債の発行等により賄う。」と、こうなっているわけですね。これ、復旧と復興と言葉の使い分けがあるとはこれ思いにくいんですけど、この合意。総理の指示でこの合意はなされたということですから、総理はここで言葉として、復旧復興と言った場合と復興と言った場合はこれ、言葉として使い分けをしてこの合意文書を作られたんですか。
  63. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほど申し上げましたように、一つの国際的な信認というものは我が国にとって大変重要なことでありまして、言葉の表現でいいますと、この二番目でいいますと、復旧復興のために必要な財源については、既存歳出の削減とともに、復興のための国債発行等により賄うと、復興のための国債発行等により賄うとなっております。そしてさらに、「復興のための国債は、従来の国債と区別して管理し、その消化や償還を担保する。」と。この文章と、現在政府が提案している第一次補正と矛盾するものではないと理解しています。
  64. 藤井基之

    藤井基之君 そうしたら、今審議をしている第一次補正案というのは復旧のためのものだけであって、復興のためのことは何も入っていないんですか。
  65. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 復旧と復興を明確に区分する基準というのは難しいんですが、基本的なところは早期復旧という考えの下で組んでいる、そして今年度中にその事業が見込まれるということの前提で作った第一次補正予算でございます。
  66. 藤井基之

    藤井基之君 やはり私は若干詭弁だという感じがしてなりません。本来これ、財務大臣も言われた、今回のトータルとしての財源規模、財政支援規模というのは阪神・淡路の比ではないという、これは共通認識だと思うんですね。一説には十兆円を超えるんじゃないかとも言われている。そうしたら、当然この種のお金というのは、それは特別な復興債のようなものを出さなければ、これは資金調達できないのは誰が見ても分かっている話なんですよ。なぜ一次補正のときだけ固執して、いや、国債出しませんとこだわるのか、それを聞いているんですよ。  私は、そういった一次補正をやっているさなかに、そのときにこの合意文書を出された。そうして、いやいや、次からは国債出しますよと、こう言われている。おかしくありませんか、財務大臣
  67. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 基本的には、財源づくりというのは歳出歳入の見直しをしながらやっていくという、これがベースだと思います。第一次補正予算もそういう観点から財源を組まさせていただいているということで、今合意文書についてございましたけれども、「復興のための国債の発行等により」と。「等」ということは、これは幅広い話であって、一つのこれ考え方が強く出ていますが、そういうことを踏まえて、まずは復興の青写真を作って、それに伴う必要な対策を練って、そして財源をつくっていく、そういうプロセスだと考えています。
  68. 藤井基之

    藤井基之君 この補正予算の国債の問題、まだ議論をしなければいけないこといっぱい残っていると思いますけれど、当面の財源対策としては、いわゆる国債によらない、そういった財源対策をこの一次補正では出されました。そして、その中には、私どもがばらまきの四Kだということでこれはやめるべきだと言っている、そういったものから実はその資金源を用意されている。例えて言うと、子ども手当の上積み見直しというふうなことが書いてあります。政府は、そういった政策を非常にいろいろな、ある意味で良く言えば幅広く財源を調達して今回の対応をしようとされている。でも、考えたらおかしい話なんだと思っております。  まずお伺いしたいんですけれども、民主党は、平成二十一年度衆議院選、二〇〇九マニフェストで、子ども手当について国民、有権者の方々に民主党はどのようなお約束をなさったんですか。答えてください。
  69. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) そのときのマニフェストでは、中学三年生まで二万六千円を支給すると、こういうことをお約束をいたしました。
  70. 藤井基之

    藤井基之君 その後、実際に政権をお取りになられて、これ実行されたんですか。
  71. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 二十二年度、最初の年は二万六千円の半分、一万三千円と、こういうのがこれはマニフェストで約束をしたことでありまして、二十二年度についてはマニフェストどおりということになったわけでございます。
  72. 藤井基之

    藤井基之君 ここでちょっと用意させてもらって、大臣に毎回答弁していただくのも申し訳ないんで、この後多分答弁しづらいかもしれませんので、こちらから申し上げます。(資料提示)  二十二年度、そう言ったとおり、今厚生労働大臣が御答弁されたとおりでございまして、半額の一万三千円で行われている。二十三年度、政府案を出されました。そして、それに関係しては、子ども手当の支給に対する法律案を用意されました。これは内閣で出された法律です。それによると、三歳未満の方は一人当たり月額二万円だと。これが七千円上乗せという根拠になっているんです。今回、これを財源に使おうとしているところの根っこなんです。そして、三歳以上の方は、今までどおり一万三千円になっている。  ところが、この閣法を出されて審議をまだする前に、あなた方政権与党である民主党は何をしたのか。議員提案をなさった。そして、その議員提案は何かといったら、いわゆる子ども手当のつなぎ法案と言われるものでございまして、平成二十三年の九月まで暫定的に一人当たり月額一万三千円でやるんだと。この法案が通った。  ただ、通ったと言っておきますけれども、参議院本会議では百二十対百二十で同数だったんです。半分の国会議員は反対したんですよ。委員会だってそうです。厚生労働委員会だって十二人が賛成して十二人が反対したんですよ、この法案。  この児童手当の問題、子ども手当から児童手当にというシフトがあるんですが、この子ども手当の法案、マニフェストで約束した状況からどんどんどんどん形が壊れてきている。これ、もうマニフェストを取り下げたらどうですか。
  73. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 総理などからもいろいろとこの間お話をさせていただいているかというふうに思いますが、マニフェストでお約束をした政策については是非マニフェストどおり実施したいという思いである一方で、今回、この東日本大震災という大変大きな震災ということに今我が国は直面をしているわけでありまして、こうした周辺状況の変化、まず我が国にとってこの東日本大震災からの復旧と復興を優先しなければならないという状況を踏まえた中で、進行の順序、段取り、優先順位というものは変わらざるを得ない。そうしたことの中で、今、私たちは早く実施をしたい子ども手当ではございますけれども、そうした状況を踏まえた中で対応をさせていただいているという状況でございます。
  74. 藤井基之

    藤井基之君 四月二十九日の合意文書、一番最初に出てくるんですよ、これ。平成二十三年度第一次補正予算等について、「一、子どもに対する手当の制度的なあり方や」ということで見直しの一番最初に出てくるんですよ、この案件が。  これは今までどおりやります、それが考えですと。本当にそんなことになっているんですか。国民はもうこんなこと信用していないですよ。今の理由でこのような合意文書の構成になるんですか。これ、玄葉大臣、どうなんですか。
  75. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今、藤井委員子ども手当の問題でありますけれども、これはねじれている状況が今あるわけでございます。先ほど委員がおっしゃったとおり、つなぎ法案がぎりぎり通ったという状況なわけで、このままいけば十月に児童手当に逆戻りと、こういうことになるわけです。  したがって、当然、子ども手当について各党間で議論して何とか法律を通していくということは現実的な選択だというふうに思いますし、またもっと申し上げれば、私はちょっとお話を聞いていて、いわゆる元々の約束どおり二万六千円にしろとおっしゃっているのか、それとも児童手当に戻せとおっしゃっているのか、どちらかはっきりさせていただきたいと、そう思います。
  76. 藤井基之

    藤井基之君 玄葉大臣、私は、これ戻せなんて言っていませんよ。やめろと言っているんですよ。
  77. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、ですから、私はそれぞれの各党間で当然合意が得られるような形にしていかなきゃいけないというふうに申し上げているわけです。
  78. 藤井基之

    藤井基之君 子ども手当を、このいわゆるつなぎ法案でいきますと、確かにこの後の下半期、これはどうするかという話がまだ残っている。だけど、それをほっとけば、このままいけば当然のことながら児童手当に戻るわけですよ。児童手当に戻ったら、財源対策に捻出できる金額、増えるんじゃないんですか。財務大臣
  79. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 復興のための財源確保でどうするかという考え方、これはもちろん大事だと思います。一方で、子育て支援をどうやっていくかという理念のすり合わせというのも大事だと思います。だから、ぎりぎりこういう三党間の合意ができたと理解をしています。
  80. 藤井基之

    藤井基之君 まだ議論をしたいんですけれども、多くの議論をさせていただきたいと思っています。  次に、年金の資金問題についてお話をさせていただきたいと存じます。  この合意書の中で、二十三年度第一次補正において財源措置として活用した年金臨時財源については、二十三年度第二次補正予算の編成の際にその見直しを含め検討を行うとなっています。  まず財務大臣にお伺いしたいんですが、ここに書かれている文章は党の総理・総裁の指導の下に出されたものだとするならば、二十三年度に第二次補正予算をこれは上げると、そういうことを意味しているんですね。
  81. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 当然、二十三年度に第二次補正予算は当然やらなきゃいけないと思います。
  82. 藤井基之

    藤井基之君 この年金の問題、二兆五千億円を今回引き剥がして、今年金は、これは厚生労働大臣がいらっしゃるんでお尋ねしたいんですけれども、これちょっと古い段階、平成二十一年度末でいわゆる資金運用されている総額百二十二兆円、この金額は今の時点では足下ではもっと少なくなっているはずです。そして、そのうち見ますと、約七割が国内債券で持っている。そしてポートフォリオに従って国内の株式と外国債券と外国株式、そして短期資金を持っている。  厚生労働大臣、お伺いしたいと思います。この財源規模ではいっているけれども、今回のような二兆五千億の問題もある、そして今までも例えば一般財源に持っていった、返してもらっていないお金もある、そして財源規模はどんどんどんどん小さくなると伺っているんですけれども、資金管理をしているこの財源、これは今どういう状況になっているんですか。
  83. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 委員御心配のことは、この年金の積立金がだんだん取崩しによって心配になるんではないかと、こういうことだろうというふうに思います。それについては、この年金というものは長期的、安定的に運営をして、そして老後の生活をしっかり支えなければいけないということですから、これは大事だと思います。  そこで、積立金については最近取崩しがずっと進んでいるんですけれども平成二十一年に作成をいたしました長期的な年金財政の見通しという、ここで、元々、今の時期は年金の積立金が減っていくと、こういうことで、その予測の中に織り込まれていることでございまして、不安定化になるものではないと。  そこで、今回、二兆五千億円取崩しになっていくような、そういう状況でありますけれども、これも税制の抜本的な改革、この財源を活用いたしまして、そして年金に埋め戻しをすると、こういうことで予定をいたしておりますので、長期的なところで見ればこれは大丈夫だというふうに考えているところでございます。
  84. 藤井基之

    藤井基之君 今、長期的な問題はないんだ、長期的な年金財政の安定については問題ないという厚生労働大臣答弁がありました。同じような答弁が二十八日の菅総理大臣答弁の中にもございます。この年金臨時財源の活用についての質問を受けて、長期的な年金財源の安定を確保し、保険料や年金額への影響を生じさせないことが可能であることを踏まえたものだと、こう言われています。  菅総理にお尋ねします。菅総理は前、厚生労働大臣もなさっていました。この分野のプロであろうと思います。保険料や年金額への影響は生じないと言い切れますね。
  85. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今も委員から御指摘がありましたように、今回、臨時財源約二・五兆円を活用させていただくわけでありますけれども、これについては、税制抜本改革によって確保される財源を活用することにより、長期的な年金財政の安定を確保し、保険料や年金額への影響を生じさせないことが可能であると。つまり、税制の抜本改革によってそういう形を取っていきたい、こう考えております。
  86. 藤井基之

    藤井基之君 合意文書の三番目、このように書かれています。年金財政に対する信頼を確保するためにも、社会保障改革と税制改革の一体的な検討は必須の課題であり、政府・与党は、実行可能な案を可及的速やかにかつ明確に示し、国民の理解を求めると、ここは主体となるものが政府・与党という文章になっております。これ、可及的速やかなという、いつを目途にされているんですか。総理、お願いします、御答弁
  87. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 大震災前からこの問題について議論を進めておりまして、当初は四月中に一つの新しい社会保障の姿を示し、六月末に社会保障と税のまさに一体改革の案を示すということにいたしておりました。若干、大震災によって作業の形が少し変わった部分もありますが、最終的な結論は、ここに書いてありますような、社会保障と税の一体改革については六月末に政府としての考え方をまとめて提示いたしたいと、こう考えております。
  88. 藤井基之

    藤井基之君 是非お願いをしたい。ただ、六月末と言われても、もう今日五月ですよ。来月の話ですよ。  与謝野大臣、大丈夫ですか。
  89. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 大丈夫です。
  90. 藤井基之

    藤井基之君 実際の検討の状況、少なくとも今まで何回の会合をお持ちになったんですか。
  91. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 集中検討会議を合計三回、やっておりましたら震災で中断しましたが、ヒアリングはそのまま続けまして、八回ヒアリングをやって、その結果はきちんとまとめてございます。五月連休明けから具体的な案に着手をしまして、まず最初に出てまいりますのは厚生労働省の作りました改革案でございますが、これはたたき台でございまして、このたたき台を基に各省の意見、国民の御意見、特に中でも国会の御意見を聞きながら最終案へと進んでまいりたいと思っております。
  92. 藤井基之

    藤井基之君 私、政党は違いますけど、個人的には是非この改革の成案を急いで出していただいて、そしてできましたら一緒に議論をさせていただきたいと思っております。  合意の一のところの真ん中に、先ほど申し上げましたが、この補正予算の財源措置として活用した年金臨時財源については、二十三年度第二次補正予算の編成の際にその見直しを含めて検討を行うと、こうなっていますね。今、この年金財源の問題については六月末がめどだと言われた。  そうすると、財務大臣にお尋ねしたいんですけど、第二次補正予算の編成というのはその後になると、こういうタイムテーブルになるんですか。
  93. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 税と社会保障の一体改革の成案を踏まえた対応になると思いますので、その成案の後に作業という形になると思います。
  94. 藤井基之

    藤井基之君 そうすると、今のまま予定をしていて、もしも延長がないとすると、この国会は閉じた後になるんですか。
  95. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 国会閉じる閉じないという御判断はちょっと別の、大所高所からの御判断があると思いますが、タイムスケジュールとしては、さっき申し上げたとおり、社会保障と税の一体改革の成案を踏まえないと第二次補正を作れないと思います。
  96. 藤井基之

    藤井基之君 そうすると、ここで玄葉大臣が署名されたここの、検討を行う、二次補正の編成に際してという、それだったら、これは六月の社会保障と税制一体改革が終わって、それが成案を得てからその後でやるということをこれ合意されたんですか、玄葉大臣
  97. 前田武志

    委員長前田武志君) 玄葉担当大臣質問趣旨はお分かりですか。
  98. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いやいや、ちょっと十分分かってない。もう一回ちょっと済みません、もう一回、できれば。
  99. 前田武志

    委員長前田武志君) 藤井委員、もう一度。
  100. 藤井基之

    藤井基之君 時間がないんであれなんですけど、聞いておいてもらいたいんです。  今、年金の財源の問題を話しているときに、これは社会保障改革と税制改革の一体的な検討は不可避だということ、それを待って、成案を待って二次補正に出すと、こう言われたんですよ。そうすると、時期的に非常に先になるんじゃないですかと。だから、それを踏まえて、それを知っていながら玄葉大臣はこれにサインをされたんですかと聞いたんですよ。
  101. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 国会のいわゆる二次補正の時期というのは、先ほど財務大臣もおっしゃいましたけれども、私が一人で判断できるというものではございません。そういう中で、この文書も含めて、官邸とも相談をしてサインをさせていただいたと、こういうことでございます。
  102. 藤井基之

    藤井基之君 総理、二次補正は大体いつの時期に提出される御予定なんでしょうか。
  103. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、現在、復興構想会議で復興についての基本的な青写真を議論をしていただいております。そこに私から諮問しているのは、六月末までにその復興の青写真を提示してほしいということで提示をいたしております。  そういったことも考え、またこの一次補正の執行状態も考え、二次補正についてどの時点で編成するか、そういうものを念頭に置きながら検討してまいりたいと思っております。
  104. 藤井基之

    藤井基之君 時間がなくなりましたので、次の質問に移らさせていただきたいと思います。  報道によりますとといいますか、これはテレビでもかなり映っておりまして、総理が多分三顧の礼をもって迎えたのでありましょう内閣官房参与が一か月ちょっとの期間で辞表を提出されたというんです。  理由はいろいろと言われているし、そして、この問題については、私はこの委員会是非小佐古参与をお呼びしていろいろ御意見を伺いたいと思っておりました。残念ながら時間的な余裕がありませんでして今日お呼びすることができませんでしたが、是非この委員会参考人としてお呼びすることを御検討いただきたいと思います。
  105. 前田武志

    委員長前田武志君) 理事会において協議させていただきます。
  106. 藤井基之

    藤井基之君 私は、原発の問題でいろいろ言われる、今回の小佐古さんの発言も、言われているのもそうだけど、どうも政府は、この原発の問題が起こってから原発に絡む安全対策がどんどんどんどんないがしろになっているんじゃないかという気がしてならないんですよね。従業員の方あるいは作業者の方々、かなりの方が被曝をされたという報告がなされておりますが、実態どうなっていますか。
  107. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 委員にお答えをいたします。  これまでの作業員の被曝につきましては、三月の二十四日、三号機タービン建屋でケーブル敷設作業を行っていた協力作業員三名について、これは百七十マイクロシーベルト以上の被曝が発生し、作業員は入院しました。しかし、健康には今のところ異常なしでございます。この時点で私ども東京電力に対し、再発防止の観点から直ちに放射線管理を見直し、改善するように口頭で指示をしたところでございます。  それから、四月の二十七日でございますが、東京電力の女性社員一名につきまして、やはり線量が多いということがございました。これは、医師による診断の結果、健康への影響は今のところないことを確認できましたけれども、重なっておりますので、東京電力に対し厳重に注意をしたところでございます。
  108. 藤井基之

    藤井基之君 その後のケースは。
  109. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) それから、あと四月の三十日現在、この外部被曝線量が百ミリシーベルトを超えた作業員は三十名と承知しております。
  110. 藤井基之

    藤井基之君 報道では、限度値の二百五十ミリシーベルトに近い方が、二百ミリシーベルト以上の方が出たというふうにもうちゃんと新聞なんかで報道されてますよ。大臣、改めてお願いしますよ。
  111. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) さっきのはマイクロとミリでございますので、それは訂正をしておきます。百七十ミリでございます。  それから、今のお話で私どもが確認をしましたのは、外部被曝です、ちょっとごめんなさい、三十名でございます。
  112. 藤井基之

    藤井基之君 東電の方がもうホームページで発表しているんですよ、どういう状況だったかということを。大臣、御存じないんですか。
  113. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 東京電力がどういう発表をしたかということをもし、もう少し詳しくお知らせをいただけましたら、お答えできると思います。
  114. 藤井基之

    藤井基之君 厚生労働大臣、この基準値というのを決められていますね、労働安全衛生法で。その基準値は元々これ百ミリだったのが、こういう特殊な緊急的な作業に従事する場合、それは三月のいわゆる原発事故があったその後、十五日にこれを二百五十ミリまで格上げした。つまり、何かといったら、安全対策基準が緩やかになったんですよ。その基準値に近い数字が出たということが新聞発表されていると言っているんですよ。厚生労働大臣じゃなかった、済みません。経産大臣、分かりましたか。
  115. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 二百五十の件でございますが、これは確かにそのような事実ではございます。ただ、私どもは、この二百五十に上げたということについては、特に、先ほどお話をしましたけれども、四月二十七日の時点で女性がそういう大量の被曝を浴びたという事実が分かりましたので、これは本来女性がそういう大量の被曝を浴びるようなところで工事をしてはいけませんので、その際に厳重にこれは放射線量を管理するようにということは申し伝えました。
  116. 藤井基之

    藤井基之君 三十人のケースの中の数値が高い例があるということを私はずっと言っているんですよ。私どもが分かるんですよ、報道等で。全部知れるんですよ。なぜ担当大臣がそのような答弁できないか、不思議でなりません。  もう時間がなくなりましたのでほかのことも聞きたいと思いますが、今回のいわゆる放射線問題、放射能問題については幾つかの問題がありますね。それは、参与が辞任したケースもそうですが、食品の問題、出荷制限あるいは摂取制限を言われた、そういう指示を出された、総理本部長として出された、知事に対して命令した、そのものが違法に流通されていたそうじゃないですか。農林水産大臣、どうでしたっけ。
  117. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今委員から御指摘のとおりでございまして、出荷制限、出荷自粛しておったものが実は出されておったと、こういうようなことでございまして、このことについては誠に残念でございまして遺憾なことでございますけれども、私どもといたしましては、これからも、更に農業者、市場関係者の方に正確なる情報が周知されるように徹底してまいりたいと思っております。
  118. 藤井基之

    藤井基之君 文部科学大臣にお尋ねしたいんですが、三月中に収集した土壌だそうなんですけど、福島県内の土壌や植物から放射性のストロンチウムが発見されたという記事が出ておりました。これ、事実ですか、あるいはその後どういう形になりましたか。
  119. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 藤井委員にお答えをいたします。  事故を受けまして、文部科学省としては総合的なモニタリングをいたしております。その中で特に空間放射線量の高かった箇所について土壌の調査をして、ストロンチウムの濃度を測定し、四月十二日に公表したところでございます。検出されました放射性ストロンチウムの濃度は一・八から二百六十ベクレル、キログラム当たりでありますが、原子力安全委員会の評価によりますと、セシウムの濃度の十分の一をはるかに下回る程度であったと、このように聞いております。  総合的な放射線のモニタリングについては、これからもしっかり進めてまいりたいと思っております。
  120. 藤井基之

    藤井基之君 あと、これもショッキングなんですが、女性の母乳から放射能汚染が分かったというケースが出ておりまして、これについて厚生労働省、大分調査をされたと伺っていますけど、厚生労働大臣、どういうことでした。
  121. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 委員が御心配されているように、母乳から放射性沃素が検出されたという件でありますけれども、これは、四月二十一日に市民団体による調査が発表されまして、そこで私どもの方でも調査をさせていただきました。そのいずれの調査におきましても、牛乳や飲料水の指標値よりは低くて乳児には健康影響はないと、こういうふうな結果でございました。
  122. 藤井基之

    藤井基之君 ありがとうございます。  ただ、本来ないものですよね、ストロンチウムなどもそうだし、あるいは母乳の中にそんなにたくさんあるわけない。  私はこの放射能問題、いわゆる、これについていたずらに騒ぎ立てる必要はないと、冷静に判断をすべきだと政府がよく言われている、私もそのとおりだと思っているんですよ。だから、今日も何も、あえてこれを事例的に言ってみましたけど、だからといって国民が心配しろなんということを言うつもりはない。ただし、その前提がありますよ。これは、こういった調査の結果がちゃんと情報として開示される前提が必要なんですよ。そして、国民に分かりやすく、国民が理解できる言葉で説明しなきゃみんなが心配になるんですよ。当たり前の話なんだ。  これ、原子力問題が収束に向かうのがなかなか進んでいないんでしょう。まだまだこれから続く可能性があるんですよ。是非、そういった情報の提供の在り方、説明の在り方というのに対してやっぱり抜本的な見直しをしてもらいたいと思います。総理、最後にどうですか。
  123. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) おっしゃるとおりだと思っております。私たちがやらなければいけないことは、できるだけ迅速、正確に国民の皆さん、さらには国際社会に対してきちっと事実というかデータを公表して、少なくとも国が発表していることは信用できるんだという、そういう信頼をきちっと維持確保しなければならないと、こう思っております。
  124. 藤井基之

    藤井基之君 終わります。
  125. 前田武志

    委員長前田武志君) 関連質疑を許します。島尻安伊子君。
  126. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 引き続き、関連質問をさせていただきます。自由民主党島尻安伊子でございます。  総理、先日の本会議において我が党の塚田議員から質問がありましたが、改めてお聞きをしたいと思っております。総理原発事故への対応について国民から一定の評価を得ているという御認識のようですが、どういった点で評価を得ていると思っていらっしゃるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
  127. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) たしか本会議でもお答えをいたしたわけですけれども、その前の委員会での私の言葉を引いて塚田委員が御質問をされました。その前の、ちょっと正確に日にちは覚えておりませんが、予算委員会で私が申し上げたのは、必ずしも原発ということではなくてこの震災全体についてでありまして、例えば自衛隊の皆さんが大変頑張っていただいていると、あるいはそういったいろいろな政府の関係者の、警察や消防を含めて関係者の活動について一定の評価をいただいていると、そういう流れの中で申し上げたつもりであります。
  128. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 総理、そのとおりなんですよ。国民が評価をしているのは自衛隊や警察、そして消防ハイパーレスキュー隊、あるいはフクシマフィフティー、この決死の活動であって、総理御自身の対応に評価を与えているということではないんです。  共同通信が二十九、三十日に実施した世論調査によりますと、原発事故への政府対応を評価していないという回答、七〇・六%と前回から一二・四%も増えている。被災地支援への取組に関しては評価していないとする回答が五二・三%と半数を超えていると。さらに、これは前回に比べて一三・一ポイントも増えているということでございます。  総理、この原発事故に関するずさんな初期対応、また仮設住宅、瓦れき撤去などの復興対応の遅さ、問題を挙げたらもう枚挙にいとまがありません。私も、四人の子供の母親といたしましても、総理、今の政府の対応では、とてもじゃありませんけれども任せられません。生活の安心、安全、そしてお年寄りや子供さんたち、そして妊婦さんたちへの対応、先ほどもございました、母乳から放射性物質が検出されたということも聞いておりますし、ただただ不安が募るばかりでございます。  この震災で親を失った子は百三十人を超えるとも聞いておりますけれども、愛する家族を残して旅立たなければならなかった方々のお気持ちを考えたら、総理、今組織ばかりをつくって、いじって、そんな場合じゃないでしょう。もし総理が一生懸命やっているとおっしゃるのであれば、なぜそれが評価されないのか。どうしてだと思いますか。
  129. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 三月十一日に大震災が発生し、津波を受けた直後に原子力事故も発生をいたしました。私は、その直後に法律に基づいて緊急災害対策本部と原子力災害対策本部を立ち上げ、法律に基づいて私自身が本部長となりました。それ以来、震災についても原子力事故についても私の頭から一秒たりとも離れたことはありません。  特に、当初の原子力事故の一つの状況は、本当に刻一刻といろいろな状況が伝わってくる、あるいは必ずしもそれに対する対応が思ったように進まない。そういったことを含めて、私も関係者を集めて、原子力安全委員会や保安院や東電の関係者を集めて、官邸の危機管理センターでその対応を経産大臣等ともちゃんと議論をし、そして指示を大臣ないし私から出してきたところであります。  国民の皆さんからすれば、もちろんそうしたことを含めてもまだまだいろんな面で遅いとか、いろんな面でまだ不安が解消されないとか、そういう思いをお持ちなことは私にもよく理解をできるところであります。  と同時に、政府として対応をやってきたかと言われれば、もちろん全てがある意味初めてのことでありますので、完全とは申し上げませんが、それぞれの立場で全力を挙げて対応してきたと、そのことは申し上げることができる。国民の皆さんにもそこは御理解をいただきたいと思っております。
  130. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、菅さんらしくないですね。今まで、政治は結果責任だとあれだけ強く言っていらした菅総理ではないでしょうか。それが、これが初めてなことだとか、未曽有だとか、これはみんな同じ立場でありますけれども、一国の総理がそんなことを今この場で言うということを恥ずかしいと思わないのでしょうか。  そして、致命的なのは、総理の言葉に血が通っていないというのが本当に多くの国民から聞こえてきてしまうことでございます。  私も、実は仙台の生まれでございます、育ちでございます。三月の二十六日に被災地に入らせていただきました。変わり果てた我がふるさとの姿に言葉が出ないといったことが正直な気持ちでございますが、しかしながら、もう一生懸命頑張っていこうという地元皆さん思いを同じくして、私も一緒に頑張っていこうと決意をしたところでございます。  先日、両陛下が被災地を訪れました。被災者とお会いになりました。皇后陛下がそこでおっしゃったのは、よく助かってくださいました、ありがとうございました、こういった慈愛に満ちたお言葉でございました。感動いたしました。  総理、この声を掛けられて笑顔になった被災地の皆様方の表情、御覧になったでしょうか。あの笑顔を見て、また私たち日本国中がほっとしたり、よし、またみんなと一緒に頑張ろうと、そういう気持ちになるんだと私は確信をしております。  なのに、総理、あなたは、国民を鼓舞するどころか、枝野官房長官の陰に隠れて、国内外への説明責任も果たさず、取り巻きの参与との雑談から、最悪の事態になったら東日本が潰れるというような風評被害をまき散らしているではありませんか。こんな有様では国民が信頼するわけがありません。  しかし一方で、総理先ほどの御答弁にもありました、総理御自身も何とかしたいというふうなお気持ちなんだろうというふうに思いますが、違いますか。御答弁をお願いいたします。
  131. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほども申し上げましたように、私も被災地でいろんな避難されている方とお話をしていて、直接に、本当に大変な避難生活についてもう少し何とかならないかとか、あるいは仮設住宅をもっと急げないかとか、さらに、原発事故の地域では、あれだけ安全だ安全だと言っていたのになぜこんなことになったんだと、国の責任は大きいといったそういう多くの指摘を受け、私もその一つ一つに私なりに共感する部分もありまして、受け止めて責任者として対応していかなければと思っております。  そういう思いの中で、私は、それぞれの、いわゆる震災とそれから原発事故について二つの本部を中心にそれぞれの担当者が全力を挙げてくれていて、私のところにももちろん重要な決定の前には必ず相談が来ております。  そういった意味で、今回の原子力発電所の例えば工程表の指示なども私の方からいたしまして、その工程表が出てきて、ステップワン、ステップツーが予定どおり終了すれば一つの地域の皆さんに対してもそれからの方向性を示すことができる、そこまではやってまいりました。また、仮設住宅等についても不十分だという指摘は確かにありますけれども、何とかお盆までには希望される方に全員が入っていただけるようにということで、今作業を急がせているところであります。  そういった意味で、私個人として頑張っているということだけではなくて、内閣全体として、あるいは自治体皆さんを含めて、あるいは民間の皆さんを含めて全力を挙げて取り組んでいるということは御理解をいただきたいと思います。
  132. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 もう総理のその言い訳じみた答弁、何というんでしょうか、無機質といいますか、こういったところがやはり駄目なんだというふうに思います。是非総理にはもっともっと頑張っていただいて、リーダーシップを発揮していただいて……(発言する者あり)無理だということも今後ろの方から聞こえてまいりますけれども是非御決断をいただきたいというふうに思う次第であります。  さて、今回の震災で政府が信頼をなくしたという原因は、先ほどからありますように、情報発信のまずさ、ずさんさということにあると思っております。原発事故発生以来、各府省庁はそれぞれの所管事項に関する情報発信に終始している、さらに、その内容は具体性に欠けていて、国民の更なる不安を助長しているということでございます。  そこで、私は蓮舫大臣にお聞きをしたいと思っております。  放射性物質が検出された食品について、消費者担当大臣として三月二十日にお出しになったメッセージがありますね。食品衛生法上の暫定規制値を超えた食品を一時的に摂取したとしても、直ちに健康に影響を及ぼすものとは考えられませんというものでございますけれども、この表現、消費者の混乱を招くおそれがあるとはお思いにならなかったのでしょうか。御答弁お願いします。
  133. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) 御答弁申し上げます。  三月二十日、「食品における放射能検出に関するお願い」と題して私の名前で情報は提供させていただきました。  これは官房長官並びに政府としてこの表現で一体的に情報を提供したところでございますが、確かにこの直ちにというのが今すぐなのか、それともどういう意味なのかというのが委員御指摘のように分からないということもございましたので、その後ホームページ等では考え方を新たに追加したところでございます。
  134. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 新たに追加したということでございますけれども、何を追加なさったんでしょうか。
  135. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) 三月の二十一日に同じようにホームページに「食品からの放射能検出に伴う出荷制限について」というものがございましたが、一時的に摂取したとしても健康に影響を及ぼすものとは考えられない。また、そこにおいて、注釈としまして、食品衛生法に基づく放射能の暫定規制値を超えた食品は、出荷停止の扱いとなり、市場に出回らないようにしています。暫定規制値は、食品の放射能濃度が半減期に伴って減っていくことを前提に、このレベルの汚染を受けた食品を飲食し続けても健康影響がないものとして設定されている、この数値は相当の安全を見込んだものでありまして、出荷停止となった食品をそれまでの間飲食していたとしても健康への影響はないと説明をさせていただいております。
  136. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 私の手元に消費者庁のホームページがございます。四月一日付けで、この中の直ちにという文言を削除しましたというふうに書いてありますけれども、この件について大臣は御存じですか。
  137. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) はい。先ほど答弁をさせていただきましたが、誤解を受ける表現でありましたので、先ほど答弁したような説明を載せることによって、直ちにというのは削除をしたところでございます。
  138. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 これ、削除すればいいという話ではないと思いますし、先ほど蓮舫大臣お話をなさった、いろいろと御説明をいただきましたけれども、それで本当に消費者に伝わるというふうにお思いでしょうか。
  139. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) 委員の御指摘、まさしくそのとおりだと思っております。  特に、ホームページだけで情報を提供しますと、そうしたコンピューターを使えない環境にあられる方あるいはコンピューターを使わない方たちには届かないということもありまして、例えば他省庁との連携、農水省が今、食べて応援しようキャンペーンという、野菜を安心なものを食べられるんだという企画をしておりますが、それは一緒に連携を取らせていただいたり、あるいは今、消費者庁の下で食品の安全に関する冊子を作らせていただいております。  これは、全国の消費相談員の皆様方にお配りをさせていただいて活用していただく。あるいはリスクコミュニケーションとして、まさしく五月は消費者月間でございますので、被災地以外でシンポジウム、セミナーを消費者団体とともに行って、こうした冊子も配りながら、食品の安全に対する誤解、間違った情報が届かないように努力をさせていただこうと考えています。
  140. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 結局、納得のいく説明がないということなんだと思います。だから国民の信頼をなくすんだというふうに思っております。何を信じたらいいのかということが、まず国民にはもう分からない状況なんだと思います。直ちにという文言を削除したそのきちんとした説明がないと、やはりここで一度失った信頼というのはなかなか取り戻すのは難しいんだというふうに思っております。  もう一つ分かりづらい事例がございますので、教えていただきたいというふうに思います。  先ほどもちらっとありましたけれども、食品からの放射性物質の検出により野菜や水などの出荷制限が出されました。そして同時に、摂取制限というものも発せられております。  まず、厚生労働省にお聞きをいたします。この制限を発するのは厚労省でしょうか。
  141. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 食品の検査をいたしまして出荷そのものの制限をするのは、厚生労働省ではなくて原子力対策本部の方でこれは決定をして公表するということになっております。
  142. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 厚労省ではないと、原子力対策本部だということでございますけれども、この原子力災害対策本部、調べましたところ、この出荷制限、摂取制限というのは原子力災害対策特別措置法というものに基づくんだということでございますが、この所管は実は経産省だということでございますけれども、この発出までどのような経緯をたどるのか、大臣にお答えいただきたいと思います。
  143. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 島尻委員にお答えをいたします。  先ほど厚生労働大臣からもお答えがございましたけれども、食品の出荷制限や摂取制限については、まず厚生労働省が農産物等に含まれる放射能の濃度の検査結果を分析し、必要と認められる場合には原子力安全委員会の助言を得た上で原子力災害対策本部長である内閣総理大臣が各知事に出荷制限等の要請を行うようになっております。  なお、今回の事故では、経産省としましては、原子力安全・保安院が原子力災害対策本部の事務局として各種の情報を厚生労働省に集約しておるところでございます。
  144. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうすると、経産省は事務的な役割だ、この出荷制限、摂取制限災害対策本部長である総理が出すものだということでございまして、総理、この出荷制限、摂取制限というものがいかなるものか御存じでしたら御答弁をお願いします。
  145. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 出荷制限、摂取制限については、原子力災害対策本部が示しました食品の出荷制限等の設定・解除の考え方において、まず出荷制限については、暫定規制値を超えた品目について生産地域の広がりがあると考えられる場合、地域、品目を対象とし、また摂取制限については、著しい高濃度の値が検出された品目については当該品目のサンプル数にかかわらず速やかに摂取制限を設定すると、このようにいたしております。
  146. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ちゃんと読み上げていただきまして、ありがとうございます。  正直、こんな細かいところまで総理が把握できていなくても仕方がないかなというふうにも思いますけれども、しかし、このプロセス、大変に分かりづらいことだと思います。私もこれを調べようと思って厚労から経産からお聞きしましたけれども、もういわゆるたらい回し状態でございまして、結局は行き着くところは総理だったということでございますけれども。  皆様のお手元にお配りをしております参考資料に目を通していただければというふうに思っております。この資料によると、この摂取制限が出ているのは福島県のみなんですね。出荷制限は福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県というふうに出ているわけでありますけれども、結局、出荷は駄目だけど、摂取、つまり食べてもいいということになるんでしょうか、この福島県のほかの葉野菜等々は。こういったところが大変疑問でございまして、ここはやっぱり消費者庁の出番ではないかと。  蓮舫大臣にお聞きをしたいんですけれども、この出荷制限と摂取制限、御説明をいただきたいと思います。
  147. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) 基本的には先ほど総理からも御答弁がございましたが、出荷制限は暫定基準値を超えたものは市場に出回らない、すなわち消費者がお買い求めいただけるものは安心だと思っております。  そして、島尻委員、今、福島の野菜だけ摂取制限が掛かっているとお話しになりましたが、是非正しく、風評が広がらないようにしていただきたいんですが、福島全域の野菜が摂取制限が掛かっているわけではなくて、地域を細かく指定をして掛かっていて、摂取制限が掛かっていないものもございます。摂取制限というのは、万が一出荷してしまった場合に口にしないでいただきたいと思うものでございます。
  148. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、ですから、こういうことを、今日はせっかくテレビに出て映っているわけですから、私に言うんではなくて、そういうことは国民の皆さんに向かってメッセージを発すると、そういう私は大臣には態度をいただきたいなというふうに思うわけであります。だから分かりにくいんだということをここでお話をさせていただきたいというふうに思っております。  ここで一つ御紹介をさせていただきたいんですけれども、「阪神・淡路大震災 復興十年総括検証・提言報告」というものがございまして、その中で、精神科医の中井久夫さんという先生がおられますが、正確な情報の伝達が市民の精神を安定させる上で最も重要だというふうに述べておられます。これは我々共通認識を取らなければいけないということでございますけれども、この辺しっかりとやっていただかなければなりません。  そして、続きまして、蓮舫大臣消費者教育についてお聞きをしたいというふうに思います。  首都圏を中心に、生活物資や食料、水などの買いだめが起こりました。なぜこういうことが起こるんだと思われますでしょうか。
  149. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。  発災直後から首都圏を中心に、委員御指摘のように、確かに生活関連物資が品薄状態になりました。買い急ぎという傾向が見受けられました。いろいろ考えられることはあると思いますが、いつどこで地震が起きるか分からない、そのために被災地以外の方たちが自分たちも蓄えておこうという予防的観点からお買い求めになられた方もおられると思いますが、政府としましては、また消費者庁としましても、まずは被災地の皆様方に水ですとか食べ物、生活関連物資を優先的にやはり回したい、その部分で購買活動は慎重にしていただきたいとお願いをしたところでございます。
  150. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 慎重にしていただきたいと大臣が声を大きく言うだけでは私は足りないんだというふうに思っております。  「人はなぜ逃げおくれるのか」という本がございまして、今回の買いだめの原因として、増産体制によって何日までに供給されるんだといったような具体的なデータが示されなかったことが原因だと、自己防衛のために取った仕方のない行動だ、責められるべきは政府やメディアにあるのではないかということが書かれてありまして、私もそのとおりだというふうに思います。しかし一方で、このような災害のときに落ち着いた消費行動というのをふだんから消費者というのは心得ておかなければならないのかなというふうにも思っております。  改めて、この消費者教育に関しての蓮舫大臣の御認識をいただきたいと思います。
  151. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、様々なうわさであるとか風評に惑わされず自分から情報をしっかり確認をして正しい冷静な行動を取っていただけるためにも、委員がこれまで力を入れてこられました消費者教育の重要さは私も共有しているところでございます。
  152. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 我々自民党は、三年前に消費者教育に関するワーキングチームとして消費者教育推進法を議員立法すべく法案をまとめまして、公明党さんの協力も得まして民主党に御検討をお願いをしておりました。三年前でございます。しかしながら、民主党の窓口がないということでたらい回しにされまして、その後何の連絡もいただいておりません。  消費者教育というのは、消費者として自らの行動が社会全体にどういう影響をもたらすのかということで、幅広く考えて行動できる消費者を目指すものでございます。大切なのは学校教育の中にきちんと取り入れることだというふうに思っております。  繰り返しになりますけれども、風評に惑わされないように情報をそしゃくできる消費者、こういった教育が必要なんだというふうに思いますけれども、改めて担当大臣から御答弁をお願いします。まず蓮舫大臣から。
  153. 蓮舫

    国務大臣(蓮舫君) 消費者教育の大切さはまさに共有をしているところで、今消費者庁としましては、消費者基本計画、これ昨年の三月に策定をいたしました。その中に委員御指摘のように消費者教育の重要性というのも盛り込ませていただいておりますが、実際に政府の施策がどのように進んでいるのか、この基本計画に盛り込まれたような消費者教育の効果というのが期待されるべき施策なのかどうなのかを評価、監視、毎年行うんですけれども、するために、文部科学省と連携をしまして消費者教育推進会議を開催しています。一回親会議を開催して、その後、分科会で二つ開催して、三月に予定されていたものは地震が発災して延期をしておりますが、すぐこれは開きたいと考えております。  その上で、委員御指摘の自民党御提案の法律ですが、末松副大臣に二月、島尻委員から実際お話がございましたので、そちらは民主党のプロジェクトチームに話を、末松副大臣の方から積極的な対応を取るように話を伝えたところと承知しております。
  154. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 島尻議員にお答えいたします。  消費者教育の重要性は、私が今更言うまでもございません。特に、今回の災害においても風評被害あるいは買占めなどが生じておりまして、極めて遺憾なことでございます。文部科学省といたしましては、新しい学習指導要領によって、特に中学校、高校段階、消費者の主体的な判断ができるように、また倫理観を持って責任ある行動ができるように、そういうものを中心に教えることにしております。  また、これは学校教育を始め社会教育、まさに生涯にわたって重要なことでございまして、また、大学教育においても本年三月に消費者教育の指針を作成をいたしまして周知を図り、そして、おっしゃられましたように消費者庁とも十分連携を取りながら政府全体としてこの問題については取り組んでまいりたいと、このように思っております。
  155. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 遅いんですよね。三年前に我々はもうこの法案をまとめてお出しをしているわけでありますけれども、蓮舫大臣のお答えでは、施策がどのように行われているのか検討中だと。施策がどのようにと言ったって、この消費者教育というのがきちんと学校の中で教えられているとは言えない状況なわけで、これが遅いということをここで御指摘させていただきます。  それから、文科大臣、もう一度御答弁いただきたいんですけれども、文部科学省としてもこれきちんと責任を持って前に進めるということでよろしいんでしょうか。
  156. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 私どもとしまして、責任を持ってきちんと進めてまいりたいと思います。
  157. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大変に前向きな御答弁だというふうに思っております。  これまでは文科の所掌事務から抜けとか、そういうことばかりを言われておりましたので、これは一歩前進なのではないかと思いますけれども、今のお言葉に大臣責任を持って、是非イニシアチブを持って、文科省がイニシアチブを持って前に進めていただきたいというふうに思っております。  それでは、次に移りたいと思います。  国際社会との関連について、今月二十六日からフランスで開催されるドーヴィル・サミットにおいて、日本はこの度の震災に対しての各国への感謝を表すというのと同時に、原発事故に関しての説明責任を果たさなければならないと思っております。  総理にお伺いいたしますけれども、どのように説明をするおつもりでしょうか。お答えをお願いします。
  158. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 五月の末のG8とそれから六月のIAEA閣僚会議、いずれも我が国の原発事故が最大の主要課題となると認識をしております。  既に来日されたサルコジ大統領、このG8の議長国でありますが、冒頭のスピーチといいましょうか報告を私に日本状況を踏まえてしてほしいという、そういう依頼をいただいております。  私としては、まず、日本の今回の大震災あるいは原子力事故に対する世界各国からの支援に心から感謝の意を表すとともに、このようなことが今後二度と起きないためにどういった形で我が国が貢献するのか。まず第一は、事実関係、情報をしっかりと国際社会に伝えていくと。その上で、安全性の問題と、さらにはエネルギー全体としてグリーンなクリーンなエネルギーをより重視していく、そういった姿勢も含めて打ち出していきたいと。いよいよ一か月弱になりましたので、この問題でしっかりとした準備に入りたいと、こう思っております。
  159. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 原発事故に関しての説明責任を果たさなければならないんだと私は思っております。今回、汚染水の処理の仕方や情報発信のまずさから、大変残念でありますけれども日本政府は大うそつきだというようなことも言われてしまっております。つまり、日本の信頼が失墜しているということでございます。これを取り戻すためには、何度も申し上げますが、説明責任をきちんと果たすことだというふうに思っております。  ここでもう失敗は許されません。もちろん、党内で議論してから統一見解をお出しになって、それを総理がメッセージを発するのではないかというふうに思いますけれども、もう一度お聞きいたしますけれども、どのように説明責任を果たすんでしょうか。特にこの原発の事故です。
  160. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 一つは、これからこの原発事故の調査委員会といったものを設ける準備に入りたいと思っております。これはある意味で、国内でもそうですが、海外からも、今回の事故がどういう原因で、日本の独特の問題であるのか、あるいは原発一般にわたる共通の問題であるのか、そういったことも含めてしっかりと事故の調査を行わなければならないと考えております。  今、説明責任ということをおっしゃいましたけれども……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえませんか。(発言する者あり)じゃ、気にしないでやらせていただきますが、説明責任ということを言われましたけれども、この間も、特に当初アメリカとの関係でもいろいろ御指摘をいただきましたが、現在は統合対策本部で全ての情報を共有化し協力をいただいておりますし、フランスからも専門家来ていただいて、情報共有した中で、水の処理などについてもいろいろな知恵をお借りをいたしております。  そういった説明は今もしておりますけれども、改めてサミットの席でもこの間の経緯をしっかりと説明をし、そして今後に向けての方向性を、先ほども申し上げましたように、原子力の安全性をいかにしたら高められるか、さらにはエネルギー政策全体としてどういう方向に向かうべきか、私の考えあるいは内閣としての考えを伝えてまいりたいと思っております。
  161. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 国際社会に対しても、あるいは国内に対しても、是非がっかりさせてほしくないなということを今のうちにお願いをしておきたいというふうに思っております。  最後、沖縄関連について御質問をさせていただきたいと思います。本当は枝野沖縄担当大臣にお聞きをしたかったんですが、記者会見で退席ということでございますので、総理にお聞きをいたします。  あらゆるところで、枝野大臣総理も、あるいはほかの官僚の方々も、沖縄振興等、様々な問題に対して、沖縄の県民の声をしっかり聞きます、大事にしますということを述べておられますけれども、現実はといいますと、一番重要な国会での議論の場が開かれておりません。認識なさっているかどうか分かりませんけれども、衆参に設置されている沖縄北方問題に関する特別委員会、民主党政権になってから、前国会では衆参においてこの質疑に対しての委員会が一度も開催されておりません。今国会も衆議院委員会が開いておりません。参議院は辛うじて理事の協力もあって三月末に二時間ほど開催をさせていただきましたけれども、それも厳密に言うと予算委員会の委嘱審査でございました。  このような状態をどのようにお考えでしょうか。
  162. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 沖縄北方問題の特別委員会が十分に開かれていないという御指摘、大変申し訳なく思っております。  その理由は、私も、政府の多忙さにある部分もあるかもしれませんが、基本的にはやはり国会の運営でありますので国会の中でお決めをいただきたいと、それに対しては政府としてもできる限り対応してまいりたいと、こう思っております。
  163. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 多忙とおっしゃいました。いや、もうこの震災でお忙しいのはよく分かります。  それでは、速やかに沖縄担当大臣を替えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  164. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在……(発言する者あり)
  165. 前田武志

    委員長前田武志君) お静かに願います。お静かに願います。
  166. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 官房長官が沖縄担当大臣を兼任をいたしております。いろいろな課題について現在、内閣法のことを言うといろいろと言われますが、閣僚の数は総理以外で十七名と決まっておりまして、この大震災前でもいろいろな課題について兼任がかなり出て、兼任せざるを得ない状況があります。  今回の大震災の発生によってそれが特に厳しいものですから、是非閣僚や副大臣等の数を内閣法を改正して増やさせていただきたいと、そういうことも与野党の協議の中でお願いをいたしているところです。できるだけ専任といいますか、それに、沖縄北方問題に十分時間的にも対応できる体制を、是非そういう改正も含めて実現できるよう努力したいと思っております。
  167. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今月十一日に沖北委員会が立つ予定でありますけれども、枝野大臣には是非出席をいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。
  168. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で野村哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  169. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、森ゆうこ君の質疑を行います。森ゆうこ君。
  170. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 被災地の一日も早い復興を、そのために資するように、少し辛口になるかもしれませんが、質問をさせていただきたいと存じます。  まず、被災自治体支援と財源確保について防災大臣に伺います。  特別立法が成立いたしますと被災自治体に対する国の支援が強化されます。補助率のかさ上げや対象事業の拡充などどのように強化され、今回の第一次補正予算案にどう反映されているのか、御説明をいただきたいと思います。
  171. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  まず冒頭、昨日、衆議院におきまして補正審議があり、その直後に、この困難に当たって与野党心を合わせてしっかりと速やかに審議をしていただきました。そういう意味では、とりわけ野党の皆さんの御寛容と、そして被災者皆さんに対する気持ちをしっかり受け止めましたので、心からまず感謝を申し上げたいというふうに思っているところであります。  東日本大震災財特法案におきましては、阪神・淡路大震災の際の立法措置と同様の枠組みとしつつも、措置の内容は阪神当時の七十九措置から百四十措置へと相当の拡充を図っております。  具体的には、大津波による被害被災地の地域の特性を考慮をしながら、災害廃棄物処理や被災市町村の臨時庁舎に係る経費等を対象に追加をしております。上水道、集落排水施設等七種類の施設の事業費の合算額に応じて補助率を最大十分の九まで引き上げ、行方不明者の死亡推定による遺族年金の早期支給、農林漁業者への政策金融資金の償還期間の延長など、より手厚く支援をすることとしました。  今回の補正予算によってこれらの施策を執行していくための経費としましては、災害廃棄物処理事業費に三千五百十九億円、社会福祉施設や警察・消防防災施設等を含めた災害復旧費等で四千百六十億円等々計上しているところであります。
  172. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ありがとうございました。  今回のこの予算案が成立をいたしますと、大変大事な補正なんでございますが、全額国庫負担の場合を除いて、いわゆる地方自治体の裏負担が生じます。この第一次補正予算による歳出増に伴う地方負担額の増額とその内訳、また、増額のうちいわゆる特交、特別交付税によって措置されるのは幾らで、そのほかについてはどうするのか、伺いたいと思います。
  173. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今回の補正予算で、地方自治体に関係するものが相当含まれております。自治体に交付されます国費が二兆三千億円ありまして、それに伴います、先ほどの言葉で言いますと裏負担と称するものが七千三百億円程度見込まれております。  内訳は、災害復旧事業に係る地方負担四千四百億円、それから災害等廃棄物処理、瓦れきの処理などでありますけれども、これで五百九十億円、災害弔慰金等支給事業四百九十億円、災害救助事業四百十億円となっております。合計して七千三百億円でありますが、このうちの六千七百億円はいわゆる起債が充当できます。起債の充当できないものもありまして、それがおよそ五百六十億円、これが一般財源でありますので、これが今回の特別交付税の増額の中から支給をされるということになります。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕  起債で当面措置する財源につきましても、これは後年度、元利償還金に対して、事業によっては一〇〇%、場合によっては九五%という非常に手厚い措置が講じられることになっております。
  174. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 皆様に資料をお配りをさせていただいております。  今回、国は国債を発行いたしませんが、その一方で、今総務大臣から御説明のありましたとおり、起債を認める、災害債それから補正予算債、災害対策債ですね、災害復旧事業債ということで今お話がございました。必要があれば六千億近くのということになるんだと思うんですが、国が国債を発行しない、なぜ被災自治体には借金をさせるんでしょうか。被災自治体が起債をちゅうちょすることによって、本来速やかに執行されるべきこの一次補正予算の執行が遅れるのではないかというふうに思いますが、そういう心配がないということを是非しっかりともう一度御答弁いただきたいと思います。
  175. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 一見、国は国債を発行しない、しかし自治体の方はかなりの額の起債を発行することを予定されているということで、何やら国が我さえよければという、そういう予算になっているんではないかという御懸念かもしれませんが、決してそんなことはありません。先ほど申しましたように、国費が相当程度今回地方自治体に交付をされます。今回の補正予算といいますか、その災害対応の一つの基本的な考え方は、できる限り自治体には国費を今投入するということを旨としておりまして、それはかなり国の当局の方も理解を示していただいたところであります。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕  しかし、一定程度の起債が必要となることはこれは確かでありますが、これも、先ほど申しましたように、後年度一〇〇%の元利償還を交付税で算入する、ないし九五%算入するということでありますので、実質的な自治体の負担は非常に極小になるということでありますし、当面の資金も国からのいわゆる政府資金といいますか、財政融資資金を基本的に充てることにしておりますので、借りやすい、低利であるということも付言をしておきたいと思います。
  176. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 財務大臣、なぜ埋蔵金を財源として使わなかったんでしょうか。埋蔵金は幾らあるんでしょうか。
  177. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) いわゆる、ちょっと埋蔵金の定義、これは明らかでありませんけれども、仮にその特別会計等で発生する剰余金等で考えるならば、いわゆる税外収入としては平成二十一年度の決算後で十一・九兆、二十二年度補正後十・六兆、二十三年度当初七・二兆と、可能な限り活用はさせてきていただいているというふうに思います。  今般の補正予算においても、先ほど来議論がございましたけれども、鉄運機構の国庫納付金の一・二兆を含めて臨時財源二・五兆、それから高速道路機構からの二千五百億円の国庫納付など様々な工夫をさせていただいております。  幾らあるかというと、これを先ほどの特会の剰余金として考えるならば、平成二十一年度決算における各特別会計の歳入と歳出の差額である剰余金は、単純に合計した場合は二十九・八兆になりますが、ただ、これは国債整理基金とか外為特会とか使いにくいものがいっぱいあるということは御理解いただきたいと思います。
  178. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 皆様のところに資料をお渡しをいたしました。三月二十三日にこの予算委員会で行いました公聴会において公述人としておいでいただきました菊池英博先生、すばらしい公述でございましたが、そのときに使われた資料でございまして、今財務大臣がおっしゃったように埋蔵金まだまだあるんですね。使うか使わないかはこれは政治の意思なんですよ。なぜ使わないんでしょうか。私は使うべきだと思います。  そして、二次補正に向けて増税論がございますけれども財務大臣、過去十五年間、いや、過去三十年と言ってもいいんですけれども、まあ過去十五年間、増税して景気が回復して財政が好転したことはありますか。
  179. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 二次補正に向けて増税論があるというお話でございましたが、政府として増税ありきで考えているわけではないということは、これは明確に申し上げておきたいと思います。復興に向けての青写真を作った上で、それを実現するための財源というのは歳出歳入両方からしっかりと検討していきたいというふうに思います。  過去十五年、過去三十年の増税して景気回復したことはあるかというお尋ねでありますが、過去の数次にわたる税制改正が経済や財政にどういう影響を与えたかということは、その税制をもってだけでは語れないと、経済の変動はいろんな理由があると思いますので、確定的には申し上げられないというふうに思います。
  180. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 増税して景気が良くなって財政再建したなんてことはないんですよ。そういう間違った政策を絶対取らないでいただきたいと思います。  菊池公述人からも、日本の財政は総借入れから政府が保有している金融資産を引いた純債務できちっと見るべきなんですということで、その次の資料を御覧いただきたいと思いますが、ギリシャとは全く違う日本の財政事情という資料でございまして、是非間違った財政運営をしないでいただきたいというふうに思います。  デフレ、円高を克服するためにも、他党の先生方、また我が党でも今議論が活発になっておりますけれども、日銀国債引受けなどいろんな方法がございますので、是非大胆に財政出動して、東日本を復興すると同時に日本経済を再生させるべき、復活させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  181. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) よく言われるのは、国債を発行して日銀に引き受けさせろと。この説は説として耳を傾けてもいいんですが、こういうことをやりますとやっぱり財政規律に、やっぱり溺れる、麻痺状態が起きてきて癖になる、癖になることはやってはいけないと。それから、お金を印刷するということは、一般の国民が持っている財産を薄めることになるわけですから、そういうやはり野方図な財政運営をやってはいけないと、これはもう当たり前の原則だと私は思っております。
  182. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 野方図な財政運営ではなくて、東日本を復興させるための財源として当然出してもいいというふうに思います。  次に移ります。  原発事故について質問をさせていただきます。  除染のために郡山市は学校のグラウンドの表土を削り取りました。放射線量はどれくらい減少したのでしょうか。  私は新学期前に政府として取り組むべきであったと考えますけれども、今後の対応について文部科学大臣に御答弁をお願いいたします。
  183. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 森委員にお答えをいたします。  郡山市におきましては、御承知のとおり、市独自の判断で、地表から一センチメートルの高さの空間線量率が一定以上の学校において校庭などの表土除去を行ったと聞いております。  文部科学省の調査では、調査対象となっている郡山市内の学校については、表土除去を行った郡山市立の薫小学校では、二十一日三・九マイクロシーベルトであったものが、二十八日には一・〇マイクロシーベルトに下がっておるということでございます。これ以外の表土除去が行われていない学校も、いずれも数値は下がっております。例えば、毎時三・七マイクロシーベルトあったものが二・六マイクロシーベルトになったということも出ております。  文部科学省としては、直ちに土や砂を入れ替えることをしなくても、毎時三・八マイクロシーベルト未満であれば安全に平常時の活動を行うことができ、また毎時三・八マイクロシーベルト以上の場合には、屋外で一定の、一日当たり一時間程度に抑えることによって線量も減りますし、また手洗いやうがいなどの励行に留意をすることによって児童生徒の安全の確保がされると考えております。  一方で、国としては、福島県などとも今後とも十分な連携を取りながら、継続的なモニタリングが重要でございますので、設置者である市町村教育委員会の意向も踏まえながら、児童生徒、保護者の安心のために万全を尽くしていきたいと思っております。  なお、御承知のとおり、このことにつきましては、あくまでも私どもとしましては暫定的な考え方として、原子力安全委員会の助言を得て、そして原子力災害対策本部の見解を踏まえて私の方から当該学校に通知をしたところでございます。なお、これはあくまでも暫定的ということでございまして、当面、夏休みについてはまたそれについての見直しも行うことにいたしております。  以上です。
  184. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 大変残念な御答弁でございます。  ICRPの勧告を理由に、今のは結局、年間二十ミリシーベルトという大変厳しい基準値を子供たちに強いている。私はこれは認められないという立場でございまして、ICRPの勧告には、前提として、政府がきちんとした除染対策というか、いろんなことをやってできるだけ放射線の量を減らしていく、放射線の被害を減らしていく、そういう政府がやるべき大前提があるんですよ。そして、ICRPの勧告の中には、政府が引用した一〇九、一一一、どちらも子供たちに対する配慮をきちんとやるようにということが書いてあるので、大変残念なんですが、ちょっと議論させていただきたいと思います。  文部科学大臣、放射線管理区域とは何ですか。
  185. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 放射線管理区域とは、原子力発電所や放射性同位元素を取り扱う病院などの施設の中で、放射線の線量等が一定以上を超えるおそれのある区域としてその設置者により指定されている区域をいうと、こういうことでございます。
  186. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そこは立入禁止ではありませんか、一般の人は。
  187. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) そういうことになっております。
  188. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 これは文部科学大臣が決めているんですけれども、放射線管理区域は一・三ミリシーベルト、三か月で、三か月でですよ、三か月で一・三ミリシーベルトというふうに規制をされております。この数値の根拠は何ですか。
  189. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) そうですね、放射線量、三か月で一・三ミリシーベルト超えるおそれのある場所と定義されております。(発言する者あり)
  190. 前田武志

    委員長前田武志君) 根拠、その根拠についてのお尋ねです。
  191. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) この根拠につきましては、法令に定めるいわゆる職業人の被曝の限度、これは年間限度を五十ミリシーベルト、こういう十分な余裕を持って管理するために、その十分の一の五ミリシーベルトの相当の線量を三か月ごとに分割をして基準として決めております。
  192. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この度文部科学省が決められましたこの学校安全基準値年間二十ミリシーベルトというのは、今の放射線管理区域、これは年間で見たときにその放射線管理区域の規制値の何倍になりますか。
  193. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) これにつきましては、年間で換算しますと管理区域は五・二ミリシーベルトであります。これは、強力な放射線源の存在という言わば潜在的危険性を前提に管理区域というものを設定をして、注意深く放射線管理を行うことを事業者に課しておるわけでございまして、したがいまして、そもそも強力な放射線源が存在しない学校に関して、この放射線管理区域と比べて何倍だという形で比較することは私は適切ではないと思っております。
  194. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 済みませんが、年間五ミリシーベルトが放射線管理区域の基準値です。その四倍の二十ミリシーベルト、これをなぜ子供たちの学校安全基準値にしているのか。私は、これ絶対認められないと思うんですよ。いかがですか。
  195. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) これは先ほども申し上げました、まず国際的な放射線の専門家で構成された国際放射防護委員会の勧告に基づいたものでございます。いわゆる年間二十ミリシーベルトというのはあくまでも上限でありまして、私たちは一ミリシーベルトを目指してその線量の軽減を図っていく。  最たるものは一日も早く原子力発電所の収束が何よりでございます。しかし、今そういう経過中でございますから、地域の皆様方のコミュニティーあるいは学校教育等々を考えまして、私どもとしては、これをまず出発点として、そして日々重要なのはモニタリングでございます、モニタリングをして、また学校の先生にも線量計を着けていただいて活動を行っていただく、そしてできるだけ屋内で学校教育ができるように配慮もしていく。このことによって私どもとしては、この年間二十ミリシーベルト以下ということについてはあくまでも暫定的な考え方として、できるだけ不安がないように決めさせていただくことでございます。
  196. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 櫻井副大臣、お医者さんですから、私、通告していないんですけれども、ちょっとお医者さんとしての意見を聞かせていただきたいんですが、この年間二十ミリシーベルトというのは、文科省の提出した資料によると、レントゲンを、これ比べるのは余り良くないんですけれども、二百回から四百回といいますか、要するに二日に一回ぐらいは子供たちにレントゲンを受けさせると同じような数値だというふうに思うんですけれども、お医者さんとしてどうお考えになりますか。
  197. 櫻井充

    ○副大臣(櫻井充君) 森委員にお答えしたいと思います。  急な質問なので、ただ私たちは、例えば妊娠している可能性のある女性の方が来られている際には、妊娠しているかどうかの確認を行ってからそういう検査をさせていただいております。ですから、子供さんたちに今のような、基本的に言えば、相当重篤な疾患があって検査を行うことがその子供たちにとって何らかの利点があると考え得ることは仕方なしにそういう行為は行いますが、一般的にこういう行為を行うということはないというふうに認識しております。  我々医療人も実は被曝をしております。これは、カテーテルの検査などを行った際に防護服を着ても結果的に被曝しておりまして、これも今お話があったような線量で規定はされております。五年間で百ミリシーベルトですから年間二十ミリシーベルトということになるんだと思いますが、これとて、これは患者さんの検査を行う、治療を行っていくというある種の利点があるから被曝を覚悟して医療人は行っている行為であって、これを望んでやっているのかというと、必ずしもそうではないということだというふうに我々は思っております。  以上でございます。
  198. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 安全委員会にちょっと伺いたいんですけれども、この二十ミリシーベルトに決めた過程、議論が安全委員会のホームページに載っておりません。議事録がない。一体誰が、いつ、どのように議論をしたんですか。  ICRP、ICRPといいますけれども、ICRPに対する批判として、ECRR、欧州放射線リスク委員会、内部被曝をきちんと重視する、そうしなければならないという、そういうものもあるんですよ。しかも、皆さんが引用されているICRP一一一、一〇九に、どちらにおいても女性と子供、特に子供たちには特に配慮をすべきということも書いてあるじゃないですか。子供たちの配慮はちゃんと入って二十ミリシーベルトなんですか。
  199. 班目春樹

    政府参考人(班目春樹君) この問題につきましては、四月の九日ぐらいだったと思いますけれども、文部科学省の方からいろいろと御提案があって、その後、断続的に安全委員会と文部科学省の方で協議を進めてきております。そして、結局、安全委員会としては子供たちに年間二十ミリシーベルトを浴びさせていいとは回答してございません。あくまでも、これICRPで定めた現存被曝状況である一から二十ミリシーベルト・パー・イヤーを守ることはもちろんのこと、その範囲内で、ALARAといいますけれども、できる限りの努力をして浴びる線量を減らすこと、それを条件に助言をしたということでございます。  したがいまして、文部科学省に対しましては、少なくとも二週間置きには安全委員会の方にモニタリングの結果などを報告し、その結果次第では安全委員会としては更なる助言を行っていくというつもりでございます。
  200. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 議事録がありませんよ。  それで、できるだけの被曝をさせない努力をすると。今おっしゃったとおり、大前提なんです。子供に対する配慮、何も言っていないじゃないですか。しかも、さっきの、文部科学大臣、郡山市長の英断でグラウンドの表土を削り取った、こういうのを努力というんですよ。除染をしていく、できるだけ放射性物質を取り除いて放射線量を減らしていく、そういうことが前提なんですよ。やっていないじゃないですか。  直ちにこの二十ミリシーベルト、撤回をして、きちんと除染を行い、そして必要であれば子供たちの避難、これを支援すべきだと思いますけれども、もう一度答弁を求めます。
  201. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) もう委員御承知のとおり、私どもも放射線のリスク、決して甘く見ていてはいけないと、このように思っております。その上で、子供たちの健康、安全、これは何よりだと、このようにも考えております。  そういう中で、私どもとしましては、国際的な基準、そして原子力安全委員会の助言を踏まえてこのような措置をさせていただいておるものであります。年間で二十ミリシーベルト、毎時三・八マイクロシーベルト、この基準を設定をさせていただいて、そしてそれ以下では安心をしてください、そういうことを言っております。  なお、今安全委員会からも話がありましたように、私どもは毎週モニタリングをしておりますが、安全委員会には二週間ごとにそれを報告することになっております。また、それを踏まえてまた評価がされることになっております。  私どもとしましては、比較的線量の高いものがずっと続くことがあれば、我々としても、福島県などとも連携を取って何らかの措置をしなければならぬと考えておりまして、今後、必要に応じて私たちとしては十分な対応を考えております。  また、表土を取って、その取り方の工法についてもこれも慎重を期さなきゃなりませんし、またそれを持っていくところも十分に検証しておかなければ新たな混乱が出てまいります。こういうことも私どもは今十分内部で検討しておりまして、私たちとしては今後とも必要に応じれば、そういう事態の変化があれば、我々としては最善の対応を図っていく、このようにしております。
  202. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 後でまた聞きますけれども、放射線作業従事者の労災認定についてちょっと伺いたいんですが、認定された被曝量の最低値は何ミリシーベルトでしょうか、副大臣
  203. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) お答え申し上げます。  昭和五十一年度以降で十件の労災認定がございますが、被曝線量の最も低い事例は五・二ミリシーベルトでございます。
  204. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 皆様のお手元に今の放射線影響協会調べ、「放射線被ばくの労災認定について」、これはなかなか厚生労働省出してくださらなかったんですけれども、御提出をいただきました。  白血病で労災認定をされた一番低い被曝量が五・二ミリシーベルト。低線量の被曝、これの晩発性、要するに後になって、直ちに健康に影響はないかもしれないけれども、後になって出てくるもの。例えば、チェルノブイリのときに子供たち、甲状腺、これは四年とか五年たって、それから今、二十年たって、二十五年たっていろんな障害が出てきている方がいらっしゃる。このことに注意をしなければいけないし、繰り返しますけれども、ICRPは特に内部被曝、そして晩発性障害について考慮がないということで批判がある組織なんですよ。きちんと海外のそういう情報等も検証していただきたいというふうに思います。  それで、作業従事者もだんだん厳しい環境に置かれてきております。作業従事者の命を守るためにも造血幹細胞採取、保存を行うべきではないかとこの間厚生労働委員会で提案しましたが、もう一度答弁をお聞かせください。  また、米国やドイツではセシウムやプルトニウムの被曝軽減薬を国として備蓄体制が取られておりますけれども政府におかれましてはどのような体制を今後取るでしょうか。
  205. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 森委員にお答えをいたします。  この問題につきましては、既にお答えもございますが、一時的に大きな線量を被曝することに備えるという観点から、造血幹細胞の事前採取、凍結という手法があることは承知をしております。この対応の一つの選択肢という位置付けに現在はあるところでございます。  そして、本件に関しましては、原子力安全委員会から現時点での復旧作業従事者に対する造血幹細胞の採取は必要ないとの助言も得ているところから、現時点ではこの助言を採用することが適切と考えております。  また、被曝軽減薬の国内備蓄については、原子力安全委員会の指針を踏まえて、広域に影響を与える可能性の高い放射性物質である沃素を主に考慮して、現在は安定沃素剤を備蓄をしております。  一方、セシウム、プルトニウムの被曝軽減薬については、今般の原子力事故に伴う作業の状況を踏まえて、プルシアンブルーとDTPAをそれぞれ約五百名分確保しているところですが、今後の備蓄体制の整備については海外の状況も踏まえて検討してまいります。
  206. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この間、東電の女性社員が法定被曝限度を超えました。女性の場合は法定被曝限度は低くなっているわけでございますけれども、線量計、要するに外部被曝はそんなに高くなかったんですね。しかし、調べてみたら、要は内部被曝がその三倍、四倍、五倍ぐらいあったんでしょうか。さっきも言っているんですけれども、この内部被曝についてICRPは全然重視していないんですよ。だから、別なECRRとか、そういうところをきちんと参考にすべきなんです。  今回のこの二十ミリシーベルト、文部科学大臣、もう一度伺いますが、これ二十ミリシーベルトなんですけれども、ほとんど内部被曝考慮されておりませんよね。それから、これまでの一番被曝が多かったと思われる三月十一日以降の数日間、この部分の積算被曝量も考慮しておりません。線量も考慮しておりません。これはなぜですか。
  207. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) まず、災害発生直後から一年間、これは均等に推移した場合に、年間二十ミリシーベルトに到達する空間放射線量率として毎時三・八マイクロシーベルトということを設定したわけでありまして、実測に基づく推計値を用いて事故発生直後から学校再開まで言わばその学校の線量が計測される状況になったと、これを推計値として積算総量に勘案しております。  しかし、それをしても、放射性物質の減衰がありますこと、また、学校での生活は空間放射線率の低い校舎、園舎の中で過ごす時間が多い、また、学校内外での屋外活動を一定時間抑えれば、いずれの学校においても児童生徒の受ける線量が年間二十ミリシーベルトを超えることはない、こういうふうに私たちは考えております。  そういう形で、なお、このICRPの勧告の参考値、内部被曝の問題については、土壌検査の結果、分析したところ、内部、外部合わせた全体の被曝量の平均二%程度である。このことについては、国際原子力機関、IAEAが土壌検査を行って内部被曝量を推計するために提唱しております信頼性の高い専門的手法を用いたものでございまして、この件についても、私どもは専門家の様々な声を聞いて、このところでは心配ないと、このような判断でございます。
  208. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今後も放射線量は累積するんですよ。原発はまだ止まっていないんです、放射線を出すのを止めていないんです。今毎日、現在も何万ベクレル、何テラベクレルですか、出しているんですよ。  経産大臣、現時点において、今毎日何ベクレルの放射性物質が出ていますか。
  209. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 森委員にお答えをいたします。  今委員が御指摘になりました毎日何テラベクレルも出ているということにつきましては、原子力安全委員会が四月の五日の時点で推計をしております。これが百五十四テラベクレルということでございますが、ただ、これは後で原子力安全委員会からもお聞きいただければよろしいかと思いますが、私どもは、何といいましてもプラントからの放射性物質の放出実態を正確につかみ切れていない状況でございます。ですから、そうなりますと環境中のモニタリングをやはり丹念にやっていくことが肝要かと思いまして、この環境モニタリング、やはり一番炉に近いところの敷地境界線で、過去最高の値を示しました原子力の発電所の正門がございます。この正門付近で四月三十日現在、毎時四十九マイクロシーベルトであり、一番高かったのが三月十五日に記録しました一万一千九百三マイクロシーベルトということでございますから、これよりかなり低減をしているということは確かでございます。
  210. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 百五十四テラベクレル毎日出ているんですよ。だから、止まっていてこれから良くなるというんだったら、さっきの文部科学大臣の、まあ百歩というか一万歩譲って理解できなくはないですけれども、まだまだ放射線が出ている中で、なぜ子供たちの放射線被曝減らす努力をしないんですか。私は、子供たちの未来に責任が持てないと言って、自分の子供をそんなふうにさせたくないと言って泣いてお辞めになった小佐古参与の気持ちがよく分かります。よく、もう一度最後に聞きますから、ちょっと考えておいていただけますか。  それで、農水大臣にお聞きしたいんですけれども、放射線の多い田畑などの作付けはしばらく禁止して、表土を取り去って除染に専念すべきだという専門家の指摘がございます。雨によって浸透する前に直ちに実施すれば回復も早いと。そして、その収入は政府補償すると。そういう方法は考えないんでしょうか。耕したり植物が根を張ることによって土の中に放射性物質が拡散する、それでチェルノブイリは困ったんですね。そしてまた、収穫した後に検査をしますというふうにおっしゃっているんですが、収穫した後にお米、相当放射線が出たら、これは更にイメージダウンにつながってしまうんじゃないんでしょうか。  ここはやはり政治決断なんですよ。政治家じゃなければ英断できないんですよ。そういう大胆なことで回復を早くする、その方が福島県、私も大好きな、もう隣ですから、福島県がきれいになっていく、それが早まると思うんですけれども、いかがでしょうか。
  211. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) この汚染された土壌というふうなものを、これに対してどうするかということでございますけれども、安全な農産物がこれからも再生産されるように、このことを考えたときに、やはり今先生からの御指摘のとおりにどうやって土壌の浄化をやっていくか。  そういう意味で、今日、農林水産省といたしましても、土壌中の放射性物質というふうなものをどうやって低減させるかというような、そういう手法があるのかどうかも含めまして土壌改良に関するもう調査研究に入りました。このようなことによって技術というふうなものの確立が土壌の浄化につながるようにしていきたいと、こんなふうに思っておるところでございます。  当然のことながら、今先生から御指摘のとおりに、作付けができないというふうなことに対しては当然補償がなされるものと思っておりますし、補償がなされないというようなことでありますならば補償がなされるようにあらゆる努力をしていかなきゃならないと思っております。
  212. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 できるだけ放射性物質を取り除いていく、放射線量を減らしていく。そのために、それまでは、もちろん風評被害も困るんですが、しかし私は安易にこの規制値を、もう文科省のは本当に話になりませんけど、規制値を緩和していく、食品についても、これは絶対やめていただきたいと思うんです。  それで、お昼のNHK、そして今日は何か緊急速報の点検の日だそうですので、午前中の質問はこれで終わらせていただきますけれども。  総理、午後に質問させていただこうと思っていたんですが、私は、これだけの被害を起こす原発に安全なんてないんです、一〇〇%。安全なんてないんです。事故が起きたときにはこういう状態になる。地震国日本において、私は新潟県選出でございまして、世界最大の柏崎刈羽原発がございますが、そういう意味で私も、大変この原発の問題、もっとしっかりと検証しなければならなかったということで本当に反省をしているんですけれども、もうこの際、脱原発宣言をすべきではないでしょうか。
  213. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の原発事故が極めて重大であり、その原因はこれから徹底的に究明しなければならないと思っております。また同時に、エネルギー源として化石燃料、さらには太陽や風力といったようなクリーンなエネルギー、そしてこの原子力エネルギー、大きくはこの三つのエネルギーで日本のエネルギー政策を進めて今日まで来ているわけですけれども、これから先、どういう方向で進むべきか。私は、原子力の安全性についてシビアにチェックするということと同時に、太陽やクリーンなエネルギーをもっと重点を置いて進めていく、これはグリーンイノベーションにもつながることでありますので、そういう方向も大変重要だと思っております。  いずれにしても、まずは収束を図り、そして徹底した原因究明を図る中でエネルギー政策全体の方向性の中で議論してまいりたいと、こう思っております。
  214. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 午前中の質疑はこれで終わらせていただきます。
  215. 前田武志

    委員長前田武志君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十二分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  216. 前田武志

    委員長前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十三年度補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。森ゆうこ君。
  217. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 午前に引き続き、質問をさせていただきます。  本日は、東京電力清水社長においでいただいております。脱原発宣言をすべきではないかと午前中、総理に御質問を申し上げました。そして、今回の事故を契機に私も改めていろんなものを調べまして、やはりこの地震国日本において原発を運転していくということ、営業していくこと、これは余りにもリスクが大き過ぎるというふうに思います。そして、非常に安全である、そしてコストが安いというふうに言われてきた原発でございますけれども、本当にそうだったのか。そうではない。今回のこの事故の収拾のために一体どれだけの費用が掛かるのかも分からない。そういう意味で、企業としても経営判断として、むしろ東京電力さんも脱原発、シフトしていくべきではないかと思います。  この安全神話、いかにしてつくられたのか。私は、この「知事抹殺」、佐藤栄佐久前福島県知事、先週日曜日に矢も盾もたまらずといいますか、突然お邪魔をいたしまして、二時間ぐらいでしょうか、お話をいろいろ伺ってきました。この原発、元々は推進派であられた佐藤栄佐久さん、それがこの原発の危険性、そして財官学の連携といいますか、原子力村という言葉もございますけれども、その癒着構造の中で非常にこの原発の安全性がゆがめられてきたという問題に改めて驚愕をいたしておりますし、闘ってきたこの佐藤さんが「知事抹殺」ということで、どう考えてもこの裁判はおかしいんですよ、後で法務大臣に見解を聞きたいと思いますが。  まず、本当に原発は安全だったのか、安全に運行されてきたのかということについて東京電力さんに伺いたいと思うんですけれども、流量計データの不正事件、そして制御棒のひび割れ事件というのがございました。これについてちょっと伺いたいと思いますので、経緯を教えてください。
  218. 清水正孝

    参考人清水正孝君) ただいまの御質問であります制御棒のひび割れ、そして流量計データ不正という問題でございます。お答え申し上げます。  制御棒、もう御存じのとおり、大変原子炉を止める重要な機器でありますが、しかしながら、二〇〇六年に福島第一原子力発電所の三号、五号、六号、そして柏崎刈羽原子力発電所の二号機、六号機におきましてハフニウム板を使いました制御棒にひびが確認されました。なお、ひびの発生した原因は、中性子の照射によってハフニウム板が伸びまして応力腐食割れが進展してきたものだというふうに考えられます。このようなひびを考慮いたしましても、地震時において止める機能に問題はないということは評価、確認されております。  また、本事象に関する調査結果につきましては原子力安全・保安院へ御報告もいたしており、保安院からも安全性に問題がないという評価もいただいております。  その後でありますが、このタイプの制御棒を使用していたいずれのプラント号機も、現在はほかのタイプに制御棒を交換いたしております。  それからもう一点であります原子力の流量計の件でございます。  原子炉の給水流量は、原子炉で発生する熱量を算出するために大変重要なデータということであります。しかしながら、これも二〇〇六年に、原子炉への給水を計測する流量計について、メーカーによる据付け前の流量試験においてデータの不正が確認されました。これに対しまして、当社は、当該流量計の製造記録あるいは過去の運転データを評価し、法令上あるいは安全上は問題ないということを確認いたしまして、原子力安全・保安院へも御報告いたしております。  したがって、当該の流量計は交換いたしておりません。また、当社は不正行為には関与していないということも改めて確認させていただいております。  経過は以上でございます。
  219. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 交換していないんですね。  皆様のところに資料をお付けをいたしました。図解したものを見ていただきますと、総理は大変お詳しいようですけれども、私は完全に文系ですのでよく分からないながらも、このプラント系統図を見ますと、この流量計がいかに重要なものかは素人でも分かります。つまり、原子炉は冷やさなきゃいけないんでしょう。その冷やす水、それをしっかりと規定どおり流されているのか確認するためのこの流量計、これが試験をするときにデータが不正に改ざんをされている。そして、まだ交換もしていない。全部メーカー任せなんです。東芝ですね。そういう不正が行われて、これは内部告発によって発覚をしたということであります。  そして、これだけ重大な問題にもかかわらず、原子力保安院、何で厳重注意、これで終わったんですか。
  220. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。  経緯についてはただいま委員御指摘のとおりでございまして、流量計に関しましては、内部告発から始まって、原子力安全・保安院の方におきまして精密な検査等々、原データに当たるなどの調査をした結果、安全性については問題ないと確認したものでございますけれども、内容に関しましては、今御指摘のように厳重注意ということで、その後、再発防止対策、そういったことを求めまして、その実施を確認していくということで処理をしていったものでございます。
  221. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 経産大臣、お聞きしたいんですけれども、こういう重要な不正、これは厳重注意で終わっている。これについていかが思われますか。
  222. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 特に、内部告白がありながらそれを握り潰していたということは大変大きな事柄でございますので、もちろん今そういうことのないようにしっかり指導をしているところでございますが、そういった厳重注意ということだけでは済まされるものではないと思っております。
  223. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 亡くなられた中川経済産業大臣がこの問題に非常に怒られて、相当詳しく厳しく調べられていたと。しかし、中川大臣が替わられて直後に、時系列を見ますと、この厳重注意でさらっと終わっている。なぜなのかなという気がいたしますし、この制御棒なんですけれども、図を見ていただくと、ぼろぼろなんですよ、これ。まだ図はこういうふうになっていますけれども、このひび割れ事件の報告書には写真も付いておりますが、大丈夫なんですか。制御棒がちゃんと働かないと緊急停止もできないんじゃないんですか。
  224. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。  当時、制御棒のひび割れに関しまして、私どもと専門家との間での様々な意見交換の結果、一定数値、要は中性子の照射時間、制御棒の使用時間、これを超えますとひび割れが発生するという可能性が高いというふうに推定をいたしまして、したがいまして、その一定数値に至るまではともかくといたしまして、それに近づいて超える場合には制御棒をあらかじめ全挿入ということで、完全に挿入をした状態で運転するように指示をし、そのように電力事業者の方でも対応をしてきたところでございます。
  225. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 緊急時に押し込めないわけですよ。なぜかというと、ひびが割れていてめくれていて、突っかかって緊急時に入らないと、そういうことが書いてあります。これが原発の現実でございます。  それで、このひび割れが確認されて、福島第一原発三号機、何本ひび割れが確認されていて、それは交換しましたか。
  226. 前田武志

    委員長前田武志君) どなたかな。
  227. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 東京電力
  228. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 失礼しました。  五本でございます。交換いたしております。
  229. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 交換した。
  230. 清水正孝

    参考人清水正孝君) はい。
  231. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 交換したということですけれども、交換したという報告書、数日前から求めておりますけれども、交換した報告書はどこにあるんですか、原子力安全・保安院
  232. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) 報告書そのものを現に見ているわけではございませんけれども、全てボロンカーバイド方式の制御棒に交換したというふうな報告を受けてございます。
  233. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 なぜ報告書がないんでしょうか。
  234. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) 失礼いたしました。  ちょっと報告書を今確認さしてください。
  235. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 報告書、何日も前からお願いしているんです。そして、返事が来ません。メールが送られてきましたけれども、あちこち探しておりますが見当たりませんということでございます。どうなっているんですか。  東電に伺います。二〇一〇年六月に、つまり去年の六月でございますけれども福島第一原発二号機の電源喪失、水位低下事故について報告をいただきます。
  236. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 御報告申し上げます。  二〇一〇年六月に発生いたしました福島第一原発二号機の事故でございます。  これは、経過を申し上げます。  作業員が誤りまして電源系のリレーに接触して誤動作したことによりまして発電機が停止する、同時に原子炉が停止した、あわせて外部電源が喪失されたと、こういう事象でございます。  原子炉の水位につきましては、蒸気で駆動する冷却装置、これが、運転員が起動させまして適切に確保されております。また、電源につきましては、非常用のディーゼル発電機が自動的に起動をいたしております。その約三十分後になりますが、外部電源の復旧も完了いたしまして、その一時間後には通常の電動駆動のポンプへの切替えも終わり、原子炉に給水していると、こういう経過でございます。
  237. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 三十分も動かなかったんですね。
  238. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 外部電源への切替えが完了するまで三十分掛かったということであります。
  239. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 非常用ディーゼル発電機が三十分近く動かなかったのではないかという報道もございます。非常用発電機が作動するまでに何分掛かりましたか。
  240. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 非常用ディーゼルは正常に作動し、その後、外部電源に切り替わったと、こういうことでございます。
  241. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 切り替わるまでに三十分掛かっているんでしょう。その間、電源がなかったんじゃないんでしょうか。
  242. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 非常用ディーゼルで電源が確保されておりました。
  243. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 しかし、原子炉内の水位は約二メーター低下したというふうな報告も受けておりますけれども、どうなっておりましたでしょうか。
  244. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 一時的に低下しましたが、速やかに復旧してございます。
  245. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 曖昧な表現ですのでよく分かりません。何メーター低下して、何分間そういう状態が続いたんでしょうか。
  246. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 二メーターくらい低下した状態が約三十分でございます。
  247. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今回の事故と同じようなことが起きているわけですよ。あわやメルトダウン、そういう状況が起きかねない。二メーター水位が下がって三十分それが続いた。  原子力保安院、これは確認していますか。
  248. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) 私どもといたしましては、先ほど清水社長がお答えしたラインで、非常用ディーゼル発電機は起動いたしましたけれども、電源切替えに伴います瞬間的な停電が発生したために原子炉内での圧力が上昇して給水停止、それから原子炉の水位の低下という事実があったというふうに確認をしております。そのため、安全弁が開きまして原子炉圧力を下げるとともに、原子炉隔離時冷却系、これが自動起動する前に手動で起動させまして水位を回復、維持をしたというふうに理解をしてございます。
  249. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 清水社長、なぜこの事故を契機に、外部電源喪失時の対応の再点検、そして対策を講じなかったのでしょうか。まさしく今回の地震で起きた外部電源喪失という事態を既に昨年の六月に経験しているではありませんか。
  250. 清水正孝

    参考人清水正孝君) ただいまの事実経過のとおり外部電源が喪失されたということでありますが、運転員の操作により速やかに復旧がなされたという経過もございました。  一方、今回の福島第一原子力発電所の事故は、やはり大地震によって外部電源が喪失する、さらに津波によってディーゼル発電機の機能が喪失してしまったと、このような事象でございます。結果といたしまして今回の事態を引き起こしてしまったということについては深く反省し、大変申し訳ないと思っておるところでございます。  今回の福島の第一事故につきましては、これから外部の有識者の方々も含めた事故調査委員会で調査、検証をしてまいりたいと、このように考えております。
  251. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 答えになっていませんよ。言わば、今回の地震による外部電源喪失という事態を既に昨年の六月に経験しているんです。想定外では済まされないんです。何か衆議院の方で免責ということを大きな声でおっしゃった方がいらっしゃるようですけれども、とんでもない話だと私は思います。外部電源喪失というのは昨年のうちに既に経験していたことであり、それに対する対策を講じなかった、これは明らかに人災ではありませんか。
  252. 前田武志

    委員長前田武志君) どなたに答弁を求めておられますか、森先生。社長ですか。
  253. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 柏崎刈羽の反省という意味では、中越沖地震の経験も踏まえまして、例えば、対策本部を設けております重要免震棟の設置であるとか消防署の設置であるとかという可能な限りの対策は講じてまいりました。
  254. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 外部電源喪失時の事態を経験していながら、それに対する対策を講じなかったんです。  総理、まさしくこれは人災ではありませんか。
  255. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今の指摘を私も注意深く聞いておりましたけれども、外部電源がダウンした、いわゆる遮断された後、いわゆる非常用のディーゼル発電がすぐ起動したけれどもまた停電をしたというようなことを、保安院の説明の中にあったのかなかったのか少し曖昧でありました。  いずれにしても、外部電源が遮断された後、本来なら非常用のディーゼルエンジンがそれに代わって電気を起こして、それでいわゆる冷却機能が維持されると。維持されれば、水位も、普通の常識でいえば、冷却されれば蒸発しませんから、水位が下がるということもないはずであるにもかかわらず、今のやり取りだけの説明では、なぜそうした中で、水位が二メートルというと相当ですから、下がったのかということも、そのお聞きした中だけではよく私には原因が分かりません。  いずれにしても、元々原子力発電所は外部電源がたとえ落ちても緊急のディーゼルエンジンが起動して、そして冷却機能が維持される、結果としては水位が維持されるということを前提としておりますので、そのことが少なくともそうなっていなかったということは、やはり重大な一つの示唆を与える当時の事故であったと。  そういうことも含めて、今、森議員が言われるように、いずれにいたしましても、今回の事故、しっかりした調査委員会をつくって徹底的な原因を究明しなければなりませんが、幾つかの従来からのいろいろな事故や指摘に対して必ずしも万全の対策が講じられていなかった、そういう意味では、これはもちろん東電でもありますけれども、場合によっては政府としても十分な対応ができていなかったということは認めざるを得ないと、こう思っております。
  256. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 原子力発電所の安全というものはつくられたものではなかったのか、その神話はつくられたものではなかったのか。それに気付かれて、元々は、先ほども申し上げました原発推進の立場であった佐藤栄佐久知事の壮絶な闘い、この本、そして、実はそのことに気付かれて、これは福島県で、「あなたはどう考えますか? 日本のエネルギー政策」ということで、福島県エネルギー政策検討会を佐藤前知事が立ち上げられまして、これ今読んでも、今、これから我が国が参考にすべきエネルギーの政策転換、そのすばらしい助言がいっぱい詰まっています。  私は午前中に脱原発宣言しませんかと申し上げました。脱原発宣言するところから私は本当の復興が始まると思います。もちろん、脱原発宣言したからといって、すぐさま明日から全ての原発を止めるということにはならない。しかし、政策の大きな転換をすることによって、その政策転換によって技術が開発され、そしてそこに予算が投じられて、更にどんどんと新しい再生可能エネルギーが開発されていくのではないかと思いますが、環境大臣、環境省におかれましては再生可能エネルギーのポテンシャルを発表されました。いかがですか。
  257. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  環境省は、再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査として、住宅用を除く太陽光発電、風力発電、中小水力発電及び地熱発電について我が国における導入可能性を調査をし、四月二十一日に公表をしたところであります。  その結果は委員御指摘のとおりであり、再生可能エネルギーについて、理論上は現在原子力発電で得られている電力量を上回る可能性があるという試算結果となりました。この試算結果は現在の技術水準などを前提としたものであります。例えば太陽電池の変換効率など、この分野でも技術革新、イノベーションが更に進めば一層大きな導入も考えられるというふうに思っています。  現時点ではまだまだ課題がございますが、今後、分散型で災害に強く、地球温暖化対策としても最も有効な再生可能エネルギーの大量導入を図っていくことが重要であるというふうに思っております。同じく、災害、温暖化対策の両面で有効なガスコージェネレーションや燃料電池などの省エネルギー技術と併せて再生可能エネルギーの普及に強力に取り組んでまいりたいと思います。
  258. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私は、この間の日経新聞に出ました太陽電池、「現在二〇%程度にとどまっている太陽電池の変換効率を、七五%以上にできる構造をコンピューターによる解析で突き止めた。」、この記事にすごく興味をそそられました。日進月歩でどんどん技術は進むわけですから、あとは政策的に、政治の決断で違うエネルギー政策の大転換を今まさに私は宣言すべきであるというふうに思います。  もう一度言いますが、原子力発電所、これ事故が起きたら大変なことになる、言うまでもなく今回のことでもう分かっていると思います。私は、ちょっとパネル出してください。(資料提示)これ、いろんな図があるんですけれども、SPEEDIの図も質問しようと思いましたが、これは、要するに同心円状で避難指示を出しても余り意味がないといいますか、もう一目瞭然だと思うんです。今回の計画避難区域においても、当初からもう既に高い放射線の量が観測をされておりまして、風向きそれから地形によってということなんです。私は、今回の避難指示が適切だったとは思っておりません。  特に子供たち、子供たちの命を守りたい、これ以上被曝をさせたくない、そういう意味で、総理、さっきの私と文部科学大臣の議論を聞かれたと思います。子供の二十ミリシーベルト、これ撤回していただけませんか。労災で、五ミリシーベルトの被曝で白血病、これは労災認定をされております。そして、放射線管理区域の四倍、こんな数字を子供たちに強いている、これは直ちにやめるべきだと思うんですけれども総理の御決断をお願いいたします。
  259. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在、原子力災害特別措置法の下の本部がつくられ、私が法律に基づいて本部長となっていて、いろいろなことの最終的な決定は、私に任されているものや、しかし同時に専門機関でもあります原子力安全委員会の助言を得て判断するものなどいろいろあるわけであります。私も子供たちにとって放射能というものが大人よりも敏感であるということは承知しておりますし、そういったこともいろいろと勘案して子供たちの安全を最も考えなければならないということは全く同感であります。  そういうものも勘案した中で、さらに参与でもあった小佐古氏の議論も含めて、一緒に議論された上で、原子力安全委員会として一定の方向での助言をいただきました。そういった意味で、もちろんこの二十ミリシーベルトは、決してそのままの状態で二十ミリシーベルトの被曝を受けていいという意味ではなくて、これをいかに平常時にまで下げていくかという、言わば原子力事故の途中経過における一つの基準というふうに説明も受けております。  何としても政府としては除染作業を急いで、本来の、正常時の数値にできる限り早く近づけることによって子供たちの安全を更にしっかりと守っていきたいと、こう考えております。
  260. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 是非先ほどの議論を聞いていただければ、二十ミリシーベルトというのがいかに受け入れ難い数字なのかよくお分かりになったと思いますので、是非撤回を早急にしていただきたいと思います。  被災者生活再建支援法について、その拡充のための財政措置等をお聞きしたいと思っておりました。また、復興に向けた地域コミュニティーの維持の重要性について、その地域コミュニティーを維持するために多大な力のある郵便局、この郵政の改革法案の早期成立、これが必要であるということも質問をさせていただきたいと思っておりましたけれども、私の持ち時間が終わりましたので、これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  261. 前田武志

    委員長前田武志君) 関連質疑を許します。川上義博君。
  262. 川上義博

    ○川上義博君 民主党の川上でございます。  被災に遭われた皆様はまだまだ春が遠い。私どもは今春さなかでありますけれども、東北の皆さんはまだまだ春が遠い。できるだけ一日でも早く春が来ることを私たちは頑張って努力しなければいけないと、そのように思っている次第です。  そこで、復興という話が早々と出てまいりました。原発の収束の見通しが、まだまだ見通しがはっきりしていないその中で、復興の何たら会議、構想会議ですか、そういうものを立ち上げる、復興ビジョンを立ち上げる。まだまだ瓦れきの処理がいつ、五年掛かるかもしれないと言われているんですね。その中で復興のビジョンを今議論するということは、まだ原発の処理も収束も分かっていないのに、これはブラックユーモアじゃないかと思ったんですよ。  おかしいんじゃないですか、復興ビジョンを今から出すというのは。まだ行方不明の方が一万人超いらっしゃるんですよ。行方不明の皆さんの上に家建てるんですか。それをしっかりと、要するに、復旧を処理してから復興に取りかかるというのが当たり前なんですよ。それを、増税をするとか復興ビジョンを立ち上げるとか、それは本当におかしいんじゃないかと思うんですけれども菅総理、いかがですか。
  263. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の大震災は本当に未曽有の震災で、まだ行方不明者だけでも一万人を超えているという状況でありますから、救命、そしてそういう皆さんの捜索、さらには瓦れきの処理含めて、そうした復旧を含めた作業がまだまだ必要だということは全く同感であります。と同時に、やはりそういう復旧の過程にあっても、これからの自分たちの町や村をどのようにしていくのかという将来の方向性をやはり持って頑張りたい、そういう思いを強めておられる方もたくさんあります。  そういった意味で、決して復旧や行方不明者の捜索をおろそかにするということではなくて、そうしたこともこれまで同様、これまで以上に全力を挙げながら、同時に、将来に向かってこれからの被災地をどのようにしていくのか、さらには東日本をどのようにしていくのか、そういった復興についての議論を始めるということは、私はそれは許されることではないかと、このように考えております。
  264. 川上義博

    ○川上義博君 将来のビジョンというか、考えるということは必要だと思うんですよ。ただ、今それを声高にやるというのが、被災者の立場から見れば、明日の心を取り戻さなければいけない、そして当該の市町村長さんは、企業がどんどん、もう帰ってこないと言われている、企業が生産基盤もう成り立たない、そのときに復興復興と言われてもそれは困惑するだけだと思いませんか。特に、復興の場合は住民の皆さんの参加が必要でしょう。選挙もできてないじゃないですか。いつ選挙をやるかも分かってないんです。住民の皆さんの参加の下に、住民参加の下に復興ビジョンを作らないといけませんよ。それは、知事だけじゃありません。阪神・淡路大震災でも、二か月後に復興計画を立てるというのでやりかけたら、ごうごうたる非難が沸き上がったんじゃありませんか。  復興ビジョンというのは、少し早いんじゃないかということなんですよ。まだまだ復旧なんです。復旧対策をしっかりするということなんですね。どうですか。
  265. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私も、被災の現場、現地も幾つか訪れました。例えば、石巻などでは海岸沿いのいわゆる水産施設が非常に大きな被害を受けておりました。そこでも水産関係者からは、もちろん瓦れきの問題あるいは打ち上げられた漁船の問題など復旧の作業も急いでもらいたいと言われると同時に、どういうふうにして水産業の再生のための計画を進めるのか、そういった復興にかかわる問題についても是非急いでほしいという、そういう要請も極めて強く受けたところであります。  そういった意味で、先ほども申し上げましたが、決して今おっしゃるように復旧あるいは救命といいましょうか、そうした行方不明者の捜索を含めて、そういうものをおろそかにして次に行くということは許されませんけれども、そのことはそのこととしてしっかり取り組みながら、将来に向かってのビジョンを検討する、議論するということは許されることだと思いますし、各県の知事さんだけではなくて、商工会とかあるいは農協とかそういう皆さんもそういうことをある意味希望されている、期待されているというのが、私がそういう皆さんとお会いしたときに感じていることであります。
  266. 川上義博

    ○川上義博君 今の答弁で、住民参加の下に、基本的には復興というのは住民主体でなければいけない、したがって、これから仮に復興の体制を整える前に、そういった会議だとかいろんなところで地域の皆さんの意見をしっかり取り入れるという、そういったものをおつくりになるということですか。
  267. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  先ほどから復旧のことということを言われるのは、非常に大切な御指摘だというふうに思います。昨日衆議院で議了しました財政特例法等々、これはまさに復旧に向けての様々な努力がこれからされていくというふうに思っております。また、下水道を始めとして、瓦れきの処理、下水道の処理あるいは復旧、そして仮設住宅等々、これもまさに復旧事業だというふうに思っておりますので、そこのところをしっかり、川上委員の言われるように復旧事業も取り込んでいきながら、その中で、やっぱり地域の伝統とか歴史とかを見ていきながら、住民の御意見をそんたくをしながら、復旧そして復興の道筋もやっぱり希望という意味では付けていかなければならないと、同じように考えているところであります。
  268. 川上義博

    ○川上義博君 総理会議の中にそういった住民の皆さんの参加を求めますか。
  269. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 復興構想会議が昨日も行われ、私も、国会が終わった後の時間でありますが、同席をさせていただきました。この会議はこれからの復興の青写真を議論をいただく場でありますけれども、まずは地元の三県の知事にも参加をいただき、また東北地方にゆかりのある方にかなり入っていただいております。また、この連休中には、それらの関係者が被災地にも赴いていろいろな立場の人からお話も伺うということになっております。  そういった意味で、この復興の議論をするときにもそうした地元の意見をしっかりと受け止めると、そういう考え方でこの復興構想会議も現在進められておりますし、これからもそういう形で進めることが必要だと、こう考えております。
  270. 川上義博

    ○川上義博君 次に、今復興構想会議の話がありましたけれども、この構想会議の中で議長が増税のことに触れられましたよね、最初の初回の会合で。総理も増税の議論も触れられたことがありますけれども、よもやこの状況の中で国民に更なる負担を強いるような増税をやろうと、そういうことは更々思っていらっしゃらないんでしょうね、それを確認したいんです。いや、総理に。
  271. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先ほど総理も御説明ございましたとおり、復興に向けては復興の構想会議で今青写真作りをされています。それによって必要な対策の規模が出てくるかと思いますが、そのために、実現するために財源はどうするかという、そういう順番であって、まず財源ありきで政府の中で検討しているわけではございません。財源については歳出歳入それぞれの見直しをしっかりやっていくということが基本だというふうに思います。
  272. 川上義博

    ○川上義博君 いや、例えば増税の中で期限を付けて、報道がよくあるんですよ、期限を付けて、例えば五年であれば五年の間に所得税を上げるとか資産税を上げるとか、そういう議論が新聞紙上の中で出てくるんですよ。誰が言っているのか分かりませんよ。  だから、そういう、今デフレで大変なときに更なる負担をその苦しんでいる人たちに、国民に、期限を付けるというのは、今苦しんでいるのに、そのときに負担しろということじゃないですか。調子良くなったらその期限はやめるということじゃ時間が逆じゃありませんか。経済が良くなって景気が良くなって所得が上がったときにそれは考えることでしょう。国民が公正に負担をし合うことじゃありませんか。今やる時期じゃないと思いますよ。どうですか、総理
  273. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず考えなければならないのは、復興そのものといいますか、復興してどういう町に、どういう地域社会に、あるいは、新たな産業を含めて、そういうものをその地域で再生あるいは新規につくり出していくのか。エネルギーの在り方についても先ほど来御議論もありましたが、どういう形での新たなエネルギーを供給する、例えばクリーンなエネルギーを供給するといったことも含めてやっていくのか。そういうまさにビジョンをきちんと打ち出していくことがまず大前提だと考えております。  その中で、相当程度の財源措置が必要になるということは当然予想されますけれども、まず財源ありきとか財政議論ありきではなくて、まずはどのような社会を目指すかというところでしっかりと御議論をいただきたいと、このように考えております。
  274. 川上義博

    ○川上義博君 実は先ほど、私は、南相馬市長だったと思いますけれども、消費増税をやるというのは論外だと言っているんですよ、増税を今やるというのは全く論外だとおっしゃっているんですよ。だから、今景気がデフレのこの状態で、なおかつ景気を良くしようとしておったじゃありませんか。ところが、この大震災が来た、ますます景気が悪くなる、景気が悪くなったときに増税するというのは、ますます景気悪くなるんじゃありませんか。  先ほど財務大臣が、いろんな経済の要因があって、増税だけじゃないと、要因があって経済の成長あるいは下落が起こるとおっしゃったんですけれども先ほど、午前中おっしゃいましたが、増税をして景気が良くなった例って、じゃ、逆にありますか。私は寡聞に知りませんね。だから、増税して景気が良くなった例って、逆にありますでしょうか。私はないと思います。どうですか。
  275. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、特定の税制を改正をしたことによって、それが経済が良くなったか悪くなったか、それだけではやっぱり判断できないということでございます。
  276. 川上義博

    ○川上義博君 実は、先ほど市長の話をしましたけれども、消費税の増税は困窮した被災者皆さんの傷に塩を塗るようなものだ、行うべきではない、それよりも国債を増発した方がいいんじゃないですか。そう思うんですね。  復興の話と今の増税の話を実は公明党の山口代表がこうおっしゃったんですよ。復興ビジョンを議論する時期ではない、被災者が明日も分からないのに復興ビジョンを示されても困惑するだけだ、復旧復興費を増税で賄うという議論も拙速だとおっしゃっています。私はこの山口代表の発言は当を得ていると思いますね。まさに正論だと思うんですよ。どうですか、総理、山口代表の今の発言に対して。
  277. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私も先ほど来申し上げていますように、まずは復旧あるいは行方不明者の捜索といった、そういうことはもちろんこれからもしっかりやらなければなりませんが、それに加えて、今後の新たな町づくり、新たな地域産業をどうしていくのかという、そういう議論は私は始めることについては多くの人の賛同も得られるものと思っております。  そのときに、まずはどういう将来像を描くか、その将来像、青写真がまず必要であって、財源論ありきの議論ではまさにそれは順番が逆になってしまいますから、まず将来の復興のための青写真作りの議論をしっかりとやってもらいたい、このように構想会議皆さんにもお願いをいたしているところであります。
  278. 川上義博

    ○川上義博君 例えば、関東大震災のときも、当時の国家予算の半分か三分の一ぐらいだったでしょうか、国債費で賄ったんですよね、復興の。したがって、今回も増税か国債かというまあ二者択一、仮に迫られるとすれば、どちらを選択されますか。両方、複合的というかミックスでやるのかということは論外で、増税でやるんですか、国債でやるんですか、あるいは今の積立金を取り崩してやるんですか、どういう選択されるんですか。
  279. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 基本的には歳出歳入、それぞれを全般的にしっかり見直すということでございますし、これまでも活用してきました特別会計の見直しも併せてやっていきたいと思います。できる限りのことをやるということの中で、増税か国債かという、そういう単純な二者択一ではなくて幅広く検討するということになると思いますが、先ほど来申し上げているように、まだ財源論ありきでは進めていませんので、そこまで確定的には、政府として何かを決めていると、順番を決めているというわけではございません。
  280. 川上義博

    ○川上義博君 まあ財源論ありきで進めていないというのは分かりました。もう何度もおっしゃっていますよね。  ところで、国債を発行すれば国債の信認とかあるいは財政の健全化が損なわれるというようなことを再三おっしゃっていますよね。本当にそうなんですか。本当にそう思って、それは財務省はそう思っているんですね、かたくなに思っておるんですよ。ところが、財務大臣は政治家として本当にそのように思っていらっしゃるんですかね。
  281. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先ほど関東大震災の直後の対応についてお話ございましたけれども、あの当時よりもはるかに日本の財政は悪いと。長期の債務残高は間違いなく、対GDP比で今一八〇%ということは、これは主要国の中では最悪でありますし、過去の歴史の中でも最悪でございますので、これは比重が違うと思います。  その意味では、マーケットリスクを考えながら、経済や財政のことをよく勘案しながらもマーケットリスクも考えていくということが政治家としての一つの役割だと考えています。
  282. 川上義博

    ○川上義博君 マーケットというのは実体がないんですよ。マーケットというのはどこにその実体があるんですか。マーケットというのはいろんな要因で動くんじゃありませんか。財政だけでは動きませんよ。そんなの当たり前じゃありませんか。だから、マーケットが例えば反発すれば、財政の健全化が損なわれたから国債が暴落したんだ、そういうことはあり得ないんです。いろんな様々な要因で動くんですね。将来の経済成長の予測だとか、そういったことで動くんじゃありませんか。だから、実体というのはないんですよ。  国債は相当GDP対比で一八〇とか二〇〇とかなっているというんですけれども、それは経済が成長したときに、税収が上がったときに返せばいいんじゃないですか。今は要するに、二〇〇%であっても金利は世界先進国よりも低いじゃありませんか。そうでありゃ、とっくにもう金利上がって国債は暴落していますよ。なぜ金利が低くて、日本の国債は非常に優良国債として皆さんが買いたがっているんですか。そういうことですよ。だから、別に今財政は、国債はGDPに対して相当高いからおかしいという議論にはなっていない、ならないですよ。どうですか。
  283. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 確かに、マーケットの動向はいろんなことによって決まるということは委員の御指摘のとおりでございますけれども、ただ、財政健全化の道筋をたどらずに財政規律を守っていかないというメッセージが伝わったときの妙な影響ということは、これは厳に慎まなければいけないというふうに思っていますし、先般も、事実ではなかったんですけれども政府の中で例えば日銀の国債の直接買取りという話が出たときに、これは間違いなく金利は跳ね上がったりしました。  そういう状況なんかを見ながら、これはやはり私どもは、震災からの復旧復興は大事でありますけれども、加えて財政の健全化ということももう一つ頭の中で押さえておかなければいけないと考えています。
  284. 川上義博

    ○川上義博君 財政の健全化は、それは絶えず目標として持っておかなければいけませんけれども、財政の健全化が我々の目標じゃないんですよ。経済を成長させて所得を上げることが目的なんです。それ間違っているんじゃないですか。  ドーマー条件というのがありますよね。要するに、名目の経済成長率が名目の金利より高くなれば財政は健全化するというドーマー条件というのがあるじゃありませんか。経済をいかに成長させるかということを絞らなければいけないんですよ。健全化じゃありませんよ。  じゃ、大臣、どうですか。
  285. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) だから、言っていることの半分はよく分かるんです。成長は大事です、もちろん。だから昨年の六月に新成長戦略を実現をしたわけです。その新成長戦略と財政運営戦略を両立させるというのが私どもの政権のこれ大命題でございますので、その両立を図っていくということでございます。
  286. 川上義博

    ○川上義博君 この議論は神学論争みたいになりますから、ちょっともう控えますけれども、我々が、要するに目標に立てた財政健全化と経済成長を同時に行うということを言ってきたんでしょう。ところが、それはデフレのときにでさえも難しい話なんです、同時に行うというのは。なかなか難しい。  なおかつ、震災が発生して同じ今のその健全化と経済成長を同時に行うというのは、これは極めて困難ですよ。誰かできるんだったら私は会ってみたいと思うんですけどね。まずは経済成長、復旧して、復興して経済成長ですよ。そのためには国債を発行して、そしてその国債は日銀が市場からどんどん引き受けりゃいいじゃありませんか。何にも問題ないですよ。どこか問題ありますか。
  287. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 先生の言っておられることは竹中平蔵先生が言っておられたことと全く一緒なんですが、長期金利が名目成長率より低いと、そういうことは歴史的にはたまに起きたんですけれども、通常は起こらないと。長期金利というのは、期待成長率プラス期待インフレ率、そしてリスクプレミアムから成っているんで、私はドーマー教授の説は信じておりません。
  288. 川上義博

    ○川上義博君 何かよく分からないんだけど。  これは、皆さん、よく冷静になって、やっぱり国債を発行するしかないんですから、国民は国債を発行してほしいと願うはずです。増税は願っておりませんよ。それは皆さん、要するに閣僚としてはその方を選択された方が私はいいと思います。  それからもう一つは、さっき言ったように、余剰金だとかあるいは積立金の話で、衆議院予算委員会で、私も常々、みんなの党の皆さんは、十兆円の国債整理基金を、これを繰入れをやめた方がいいという話があった、十兆円が出ると。これをやれば、先ほどの国債でも発行が幾分か回避できるわけです。増税もしなくてもいいんです。これをなぜやらないんですか。総理、これはやっていいと思うんですよ。  特に、この減債基金というのは日本だけなんですよね。世界どこにもありません。どこかあるかと財務省に聞いたら、どこもありませんと言いましたね。イギリスは、過去この基金を使って失敗した。なぜ日本だけこれを何とか維持しようとしているんですか。国債の何か信認なんて、ほかの、じゃ、国債が要するに信認がないんですか。基金ありません、ほかの国は。それを是非崩した方がいいと思うんですけど、どうですか。
  289. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) この積立金というのは、要は定率繰入れ等の繰入れによって入れるお金とそれからいわゆる償還のずれから生ずるということで、その一瞬たまっていくお金です。これはあくまで国債の償還に充てるためのお金でございます。  こういう減債制度は日本だけじゃないかという御指摘でございますが、それは、日本がとりわけこういう厳しい財政状況であるから、六十年ルールに基づいてこういう減債制度をつくりながら、安定的に国債償還を図っていくという考え方がベースにあるということでございます。
  290. 川上義博

    ○川上義博君 厳しい状況だからこういう制度、ルール、六十年償還ルールを作ったということじゃないんですよ。昔からあるじゃありませんか、厳しくないときから。これは、赤字国債を出す前に建設国債で六十年ルール作ったんじゃありませんか。そのときは建設国債、そんなにたくさんなかったはずですよね。厳しいときじゃなかったんですね。ところが、昭和五十何年かに赤字国債を発行するようになって、建設国債と赤字国債がもうごちゃ混ぜになって、この六十年ルールというのはまだ生きているんですよ、生きているんです。建設国債のときも、要するに建物の見合いの資産が有効である、多分六十年だろうということでつくった制度じゃありませんか。赤字国債はその後ですよ。それが今、六十年ルールで赤字国債も一緒になっている。こんな基金ですよ。  理屈も何もない、根拠も何にもない基金になってしまっているんじゃありませんか。今からやめてもいいぐらいじゃありませんか。
  291. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 確かに今の経緯はおっしゃるとおりです。ただ、今は赤字国債も建設国債もやっぱり国債として発行する以上は、それは外からの見方は違うと思いますので、同じ六十年償還ルールをしっかり守るということは財政規律を守るという私はメッセージにつながるというふうに思います。
  292. 川上義博

    ○川上義博君 この議論をやっていると延々と、もうやめますけれども、私今、復旧に力を入れるべきだと、このように言いましたけれども、そこで、副首都機能設置という、やるべきであると。東京直下の大地震がこれからも可能性はなきにしもあらず、自然災害、テロの攻撃もあるかもしれない。そのときに、東京に代わる、代替できるバックアップ機能を東京圏以外に設置するべきではないかと、言わば副首都を建設すべきであると、そういう意見が超党派であるわけでありまして、ただ、この首都機能の移転というのは、全て東京のものを全部移転する、首都機能をそのまま全て移転するということではなくて、言わば危機管理の中枢だけを代替できるというか、有事の際はそちらで機能することができるというようなことを議論しているわけでありますけれども、この議論に対しては総理は賛同されますか。
  293. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私も、今回の大震災、そして直後に官邸の危機管理センターに入り、また官邸の中で全体の報告を受けながら指揮を執る中で、万が一官邸も震災の大きな影響を受け、そういう機能が失われたときにどうなるのかということが一瞬頭に浮かびました。もちろん副都心等にもいろいろな、立川等にもいろいろな機能がありますけれども、大型の今回のような地震の場合には同じ地域であれば共に被災することも十分あり得るという大きな体験でありました。  そういった点で、今御指摘の副首都とでも言うんでしょうか、一つの大きな地震がたとえあっても影響されない地域にそうした首都機能が、その中枢機能が途絶することなく生きているあるいは代替できる、こういうことについてはしっかりと考えておかなければならないと思っております。  そういった意味で、今般の東日本大震災の教訓を踏まえて、首都中枢機能の継続性の確保に向けた更なる対策を考えるべきだと、こう思います。
  294. 川上義博

    ○川上義博君 今総理が考えておかなければいけないとおっしゃったんですけれども、そのことについて、今の国会で具体的にやるんだと、本気でやるんだと、そういう意思が、あるいは立法化も含めてそういう意思がおありでしょうか。
  295. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在、大震災のこれからのまさに復旧から復興に向けての大きなやらなければならない事業が、これはまさに国家的な責任でやらなければいけない事業だと思っております。同時に、こういう大震災、更に起きてくる可能性も高いわけでありますから、それも並行的に考えていかなければならないと思っております。  そういった意味で、優先度等の順位はあるかと思いますけれども、並行的に物事を考え、進めていくことが望ましいと思っております。
  296. 川上義博

    ○川上義博君 次に、原発の質問をいたしますが、法律違反を様々東京電力は犯しているんじゃないだろうかと、私はそのように思っているんですね。  原子炉等規制法違反、例えば第一原発の放射能汚染水を太平洋に意図的に放出をしたと。これは六十四条の中の応急処置に当たるのかどうか。そのことによって放出した責任が問われるわけであります。これは刑事罰を科されるわけなんですね。  それから、同じ原子炉等規制法の中で、原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示、この九条の中に、先ほども話がありましたが、濃度限度を超えている状態がずっと続いております。水中にもそうです。空気中にもそうなんですね。このことを違反をしている可能性もある。  さらに、労働安全衛生法違反、これは作業員の、先ほども被曝量が超えているという話がありましたけれども、作業員の線量計の不足、要するに作業員に装着させていなかった、チームの責任者以外の作業員にこの線量計を装着させていなかった、こういうこと。これも八条の三項にあるわけなんですね。これも刑事罰なんです。  こういうおそれがある場合に、これは法務省には通告しているんですけれども法務省刑事局長に特に聞きたいんですけど、国家公安委員長にも、こういう違反のおそれがある場合に、これは当然捜査をするべきだと思うんですよ、いずれにしても。今すぐ捜査をしろということは言っておりませんが、大体落ち着いたら、法令違反で疑いがあるわけでありますから捜査しなければいけないと思います。  その辺りについて、刑事局長、どう思いますか。
  297. 西川克行

    政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。  まず、原子力関係の法律が幾つかございまして、これいずれも法務省の所管ではございませんが、これらの中には罰則規定が設けられているものもあるということは承知をしております。  ただ、犯罪の成否につきましては、もちろんその構成要件を検討いたしまして、収集された証拠に基づき、構成要件該当性があるかどうか、それから故意があるかどうかとか様々な問題について検討した上で答えを出さなければならないということで、今現在お答えいたしかねるわけでございますけど、ただ、一般論として申し上げれば、捜査機関においては刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づいて適切に対処するものと、このように承知をしております。
  298. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) 今法務省刑事局長が答えましたけれども、やはりこれは同じ法律的な責任ということでありますから、その実態をしっかり精査をして、今答弁をいたしましたような対応をしていくものがしかるべきことと思っております。
  299. 川上義博

    ○川上義博君 実は、JRの事故がありまして、尼崎の事故があって、今、西日本JRの歴代の社長は刑事責任を問われているんですね。今回の原発事故は、JRの事故もそれは重大な事故だったんですけれども、それ以上に様々な分野に影響を及ぼしているんです。仮に、そういった東電の犯した、今世間を非常に困窮、困惑させている、このことについて罪に問われなかった場合、これは原子力関係法の不備にあるんじゃないかと思うんですよ。  総理、そこで、先ほど言った法律を一度改正をする、しっかりとその事業者責任を問う、そういった法を整備をする、そういうことはお考えになりませんか。私は考えた方がいいと思うんです。
  300. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 先ほどの原子炉規制法などは私の所管でございますので私から御答弁申し上げますが、今、現在原子炉の事故は進行中でございますので、まずそれを何としてもやはり押しとどめるということが第一義であろうかと思います。しかし、もちろんその中でも法律違反などがあってはいけないわけでございますから、例えば線量計の問題などは私からもしっかりと東電に、全員が必ず着けるようにということを申し渡しをいたしました。  いずれにしても、これから、やっぱりまず事態が収束をしたところから、事故の真相が一体何であったのか、その中でどういうことが具体的に行われたのか、あるいはどういう法律が、違反したのか、あるいは法律そのものが不備であったのかと、こういうことをしっかりと検証をしていきたいと思っております。
  301. 川上義博

    ○川上義博君 次に、玄葉大臣に、我が党の対策本部の総会、十四日ありました。そのときに私が玄葉大臣質問したのは、本当に二十キロ圏で大丈夫なのかと、もっと範囲を拡大しなければいけないし、この円で想定しているということはおかしいんじゃないですかと言ったんです。  そのときに玄葉大臣は、いや、二十キロというのは大丈夫なんだ、元々十キロだったんだと。いやいや、十キロだったと言ったんですよ。十キロで大丈夫であるけれども、念のために二十キロにしているんですよと言ったんですよ。おかしいと言ったんだよ、私は。今、この現状とそのときの答弁。  それからもう一つ、格納容器は守られているとおっしゃったんですよ。今、二号機の格納容器は守られていないんじゃありませんか。要するに、相当の損傷をしているというふうに今言われているんですよ。実際それは認めているんですよ。誰が一体、格納容器は守られている、そんなようなことを断言したんですか。
  302. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 非常に誤解を受けるお話だと思います。  三月十四日、内部の会議で確かに川上委員から聞かれてお答えをしました。そのときの答えは、原子力安全委員会がそういう見解であるというふうに御紹介したはずであります。  もっと申し上げれば、私は対策会議が開かれるたびに、全閣僚御存じだと思いますけれども、毎回毎回警告を発しておりました。二十キロのときも、本当に二十キロで大丈夫かということを総理にまで迫りました。そのときの原子力安全委員会の答えがそうであったと、その見解の紹介をしたわけで、非常にそういう誤解を受けるような発言は控えていただきたいと、そう思います。
  303. 川上義博

    ○川上義博君 玄葉さん、そんなにね、私はそれで大丈夫かと言ったら、大丈夫だと言ったじゃないですか。そういうことはおっしゃらない方がいいと思う。じゃ、安全委員会の誰がそう言ったのかということを言ってくださいよ、そこまで言うのであれば。  素直にやはり間違っていたということをおっしゃった方がいいですよ、それは。
  304. 前田武志

    委員長前田武志君) 玄葉大臣大臣としての御答弁を願います。
  305. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は間違いなく、それは見解であると、私の見解じゃなくて原子力安全委員会の見解であるというふうに申し上げたはずであります。そのときに私は、率直に申し上げれば、それは原子力安全委員会の方々と個人的にも話をしましたし、その対策会議でもそういうお話をいただきました。ですから、そこは間違いないというふうに申し上げたいと思いますし、もっと言えば、私は被災地の出身ですから最も危機感を持っている一人でございますし、今なおそうでございますので、そのことは間違いのないようにしていただきたい。
  306. 川上義博

    ○川上義博君 いや、私もこんなことを言いたくないんですよ、玄葉さん。もうこれでやめようと思ったんです。  じゃ、チェルノブイリの事故とは、絶対に今回の事故はあり得ないという報告を受けていると言ったんです、報告を受けていると。チェルノブイリと同じレベル7になっている。今も百五十テラベクレルですか、毎日放出されている。チェルノブイリ以上になっているんじゃありませんか。そういうことは絶対あり得ないという報告を受けていると。  そのときに、報告誰から受けたんですか。そのときにそういうことを堂々とおっしゃること自体がおかしいじゃないですか。どうなんですか。不明であったと、やはり疑問を起こさなかったのが私の不明であるぐらいのことを言ったらどうですか。
  307. 前田武志

    委員長前田武志君) 玄葉大臣内閣の一員、政治家としての御答弁をお願いいたします。
  308. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いやいや、政治家としてまさに私は毎度毎度そういうことを申し上げてきたんです。そのことは何度も申し上げたいと思います。  その上で、まさにそういう報告を受けたのは事実ですから、内部の会議で、内部の会議でですよ、そういうことを申し上げる、これはなぜいけないんでしょうか。報告を受けたということを申し上げたわけでございます。
  309. 川上義博

    ○川上義博君 今、私はあのときに本当にむかっとしたんですけど、もう自分の見解としておっしゃったんですよ、あのときは。まあ、これはもうやめます。  実は、原子力安全委員会は現地の対策本部に調査委員だとかあるいは安全委員を速やかに派遣するという規定があるんですよ、防災基本計画の中に。ところが、四月十七日に初めて派遣したんですね。すぐ何もしないで、四月十七日に初めて派遣した。  その後、原子力安全委員は現地の対策本部に何回派遣して、今は誰が現地にいるんですか。
  310. 班目春樹

    政府参考人(班目春樹君) 原子力安全委員会としては、事故直後、防災基本計画にのっとって派遣しようとしましたが、交通手段がないためにこれは不可能でございました。  その後、現地対策本部が福島県庁に移る等々で通信手段が非常に良くなくなったので、それから後は東電内に統合本部ができたので、そちらから情報を取ることに専念したということ。それから、防災基本計画自体を超える事態がどんどん発生したためにいろいろな助言要請が殺到したので、それへの対応を優先せざるを得なかったという御事情は是非御理解いただきたいと思います。  なお、四月十七日から二十二日まで小山田委員に行っていただいた後、もう一回小山田委員に行っていただいております。今現在は調査委員の方には行っていただいていますけど、今現在そちらに滞在している安全委員はいないと思います。
  311. 川上義博

    ○川上義博君 じゃ、今、実はテレビでも現場の東電の吉田所長が、様々というか、大変だと、やっておられないみたいな発言をされているんですね。免震棟に保安院は今入っていますか。あるいは安全委員会の関係者が誰かが免震棟に常駐していますか。私は常駐するべきだと思うんですよ、現場に解決策があるんですから、全ての物事は。現場に誰も行かないで、東京の本部からテレビ会議か何かやっているから、現場の所長は、冗談じゃないと、机の上で考えて何が分かるもんかという反論を受けるんじゃありませんか。誰が行っているんですか、今。張り付くべきでしょう。
  312. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) 福島第一原子力発電所の現場には、現在保安院の職員が三名常駐してございます。
  313. 川上義博

    ○川上義博君 三名常駐しているんですね。  その吉田所長の話をもう一回しますけれども、実は、スマトラ沖の地震があって、その後また大地震が三か月後にあった。一、二、三号機の汚水対策が大変心配だというんで、防潮堤を早急に造った方がいいということをおっしゃったらしいんですね。ところが、東電は最初に土のうでいいとか、そのようなことを言ったというんですね、本当かどうか分かりませんけれども。ようやく防潮堤の計画を立てられたんですか。防潮堤、どのくらいの規模で建てられるんですか。
  314. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 御指摘のとおり津波対策は大変重要だということで、現在防潮堤の計画を立てさせていただいております。
  315. 川上義博

    ○川上義博君 いや、どういう規模の防潮堤を建てられるんですかという質問をしているんですよ。
  316. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 恐れ入ります、規模については後ほどちょっとお答えさせていただきたいと思います。御容赦いただきたいと思います。
  317. 川上義博

    ○川上義博君 一つは、収束工程表というのが発表されましたね。そこで、先ほど言った二号機の格納容器の損傷の程度が確定できていないのに工程表どおり進むんでしょうか。私はもう本当に疑問持っているんですね。それも、六か月から九か月の三か月というこの幅を持たしているんですね。この幅を持たしているということは大変疑問に感じるんですけれども、この工程表で本当にしっかりと来年の一月には収束すると、期待表ではないと、こういうことを断言してよろしいんですか、断言できますか。
  318. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 工程表につきましては、これからの収束に向けたまさに道筋という位置付けで検討させていただいたものでございますが、私どもは、一日も早く避難されている方が御帰宅すると、そして安心して生活していただくと、これをもう最大の目的に据えながらやっております。  決して平たんな道のりだけではないと思います。特に放射線を含んだ水の処理の問題等々もございます。しかしながら、まず当面の第一ステップとして、原子炉あるいは燃料プールの冷却、そして放射線を抑制するということについての様々な手だてを加えながら、おおむね三か月を目標にあらゆる手段を講じてまいりたいと。さらにその先には、更なる安定化に向けてのステップとして三か月からさらに六か月というようなことで取り組んでまいりたいと、全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このような覚悟でございます。
  319. 川上義博

    ○川上義博君 社長、物すごく社長は責任あると思いますよ、東電の役員全てですね。これは要するに、日本が初めて放射性物質を含んだ汚染水を流した恥ずべき国になったんですよ。日本の信用を吹き飛ばしたんです。その責任が東電にはあるでしょう。  それから、今も高いレベルの放射性物質を排出している、地下水脈に対する汚染の責任先ほどあったように母乳から放射性物質が出た責任、そういった責任をあなた自身深く感じなきゃいけませんよ。その責任をいずれ取るとおっしゃいましたけれども、それはよく自覚していらっしゃいますか。
  320. 清水正孝

    参考人清水正孝君) ただいま先生のおっしゃいました低レベルの汚染水の放出等々の問題については、緊急避難といいながら、大変行き届かない面があったことを深くおわび申し上げたいと思います。  それで、責任という問題でございますが、現在、何といいましても事態の収束に向けて全力を挙げているということでございますが、いわゆる経営としての責任という意味で、出処進退も含めましていずれはきちんとけじめを付けるべきだろうと考えております。時期につきましては、現時点ではまだ白紙の状態というふうに申し上げておきたいと思います。
  321. 川上義博

    ○川上義博君 それでは、時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
  322. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  323. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
  324. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。  改めて、東日本大震災でお亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈りするとともに、いまだ避難をされている被災者の皆様、心からお見舞いを申し上げるものでございます。  公明党を代表して質問をさせていただきますが、まず総理に冒頭やっぱり申し上げたいことは、今日が五月一日だということです。大震災が起きてからもう既に五十日以上がたっているわけでございます。  私は、この第一次補正にしてみても余りに遅い、少なくともこの連休前ぐらいまでにはこれを是非きちんと成立させるところまで持っていく必要があったと私は思えてならない。先ほど財務大臣は、予備費を使っているから自治体には迷惑を掛けていない、冗談じゃないですよ。本格的な復旧、瓦れきの除去等をやろうと思えば、きちんとした一次補正が出ていなかったら本格的に取り組めないですよ。それを、予備費を出しているから迷惑掛けてないじゃないか、こんな口ぶりは被災者皆さんや当該自治体へのメッセージにはなり得ない。  総理是非、この補正予算の今提出時期の問題、私は、一言、遅くなって申し訳ありません、これぐらいの認識を総理が持っておく必要があると思いますが、いかがですか。
  325. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 三月十一日の大震災発災以来、政府としてできる限りの対応をしようと努力をしてきたつもりであります。しかし、被災者皆さんから見れば、もっと急いでこうしてほしいあるいはこうすべきだと、そういう御指摘をたくさんいただいていることも事実であります。  また、第一次補正予算についても、いろいろ予備費などの活用も確かに行いましたけれども、本格的な復旧のためには、私たちもできるだけ早く一次補正を提出して成立をさせていただきたいと思って努力をしてまいりました。結果として、いろいろな議論が、与野党の議論も含めて時間が経過をし、本日こういう形で第一次補正審議をいただいていること、今御指摘があったように、もっと早い方が望ましかったという意味ではおわびを申し上げたいと思います。
  326. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理、それと、やっぱり国民の目から見て、なぜこうスピード感がないかということについて、何を国民の皆さんが感じているかというと、これももうさんざん議論されています。それは何かというと、何か対策本部、検討会議対策本部、検討会議総理は昨日の本会議で、閣僚がかかわるやつは八つのものがあるとおっしゃいましたが、副大臣とか政務官とかが担当しているものを拾ってみてください、二十はありますよ、二十は。誰が責任を持ってどうやっているかというのが今なかなか分かりにくいんですよ。そこがある意味でこのスピード感のなさとかどうやっているんだという不信感にもつながっている。  もっと言わせてもらうなら、これは総理が任命されたのが参与でしょうが、その参与の方が、ある方は何か十年ぐらい掛かるというようなことをおっしゃってみたり、ある方が突然辞められてみたり、一体どういう団結を持って、政府が一丸となって本当にやっておるのか。誰もそんなことが思えなくなってしまっているという今結果が出ておるわけですよ。  総理に申し上げたいのは、そのことを一々どうのこうのという説明は要りません。でも、是非、そういう意味では、今ある対策本部、検討会議、一回整理していただけませんか。私は、記者会見、この前、東電さんとかばらばらにやっていた。今一本化してやっていますよ。どれだけ分かりやすくなった、これだけで。そういう意味では、総理是非今のこの体制そのものをもう一回見直していただけませんか。そして、国民に分かりやすい体制をつくっていただきたい。どうですか。
  327. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、根本的に、大震災と原子力事故という、これいずれも法律に基づく本部が必要で、それぞれの下にいろいろな事実上のワーキングチームがあったわけですが、確かにおっしゃるように、一般の方から見たり、あるいはそうしたことが分かりにくい、あるいは屋上屋ではないかという御指摘をいただいていることは申し訳ないと思っております。  そういう中で、もう一度、新たな段階に進んできておりますので、連休明けまでには、今の基本的な体制は二本の体制で変わりませんけれども、その下において、例えば名称も、その下にありながらも本部という名前が付いていて並列のように受け止められたようなものもありますので、それらの名称も含めて官房長官を軸にして今整理の準備をしておりますので、連休明けまでには遅くともきちんとした方向性を出したいと思っております。
  328. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 もう一つは、二次補正のことなんですよ。私ども、新聞見てびっくりした。何かといったら、ある新聞です。今国会提出断念と書いてある。今、被災者に対して、地方自治体に対して、日本経済に対して、何をメッセージとして送らなくちゃいけないのか。それは、一次補正成立させますから、これを着実に実行する、これが一つですよ。もう一つは、二次補正をどうやって作っていくんだ、早期編成していくことがメッセージじゃないですか。そのメッセージになるはずの第二次補正が、まさかそんなことはないと思うんですが、何か新聞ではそんなこと書かれる。冗談じゃないと私は思っている。  是非、この二次補正というのは、復興ビジョンの検討いろいろあるかもしれない、でも総理の決意としては、この二次補正というのはこの国会中きちんと出していく、これぐらいの決意を持って、スピード感を持って臨んでいただきたい。これが私は総理として当然のことだと思いますが、いかがですか。
  329. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 第一次のこの復旧予算が遅れたということについて御指摘いただきました。深くおわび申し上げながら、一日も早くこれが円滑に執行できるように頑張っていきたいと思います。  その上で、復興の議論についてもしっかりと議論を進めていかなければなりませんが、御案内のとおり、津波で大きく被災をされたような地域というのは、地域全体の町づくりのビジョンができてそれから個別の施設どう建てていくかという話になると思いますんで、まずは復興の青写真を作って、その上での財源を含めての第二次予算の編成というふうになりますが、これもなるべく急いで対応していきたいと努力をさせていただきたいと思います。
  330. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理、どうですか。
  331. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 御承知のように、今、復興に向けては復興構想会議で、地元の三知事を含めて、どういう復興を目指すべきか青写真作りの議論をお願いいたしております。一応の私の諮問のめどが六月の末ということであります。しかし、もちろんそれよりも早くやらなければならない更なることもあり得るわけで、昨日の会議でも、そういったものは緊急の提言を間にもしようかと、そういう議論もなされておりました。  いずれにしても、今回の第一次補正が成立をさせていただければ、しっかりと復旧にかかわる作業を更にスピードアップをさせるとともに、次の復興に向けての作業、これはできるだけ迅速にやっていきたいと。ただ、今日の時点でまだ、いつこの第二次補正を提出するかということまでは確たることはまだ今日の段階では申し上げる段階には来ておりません。
  332. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 それじゃやっぱりメッセージになりにくいんですよ。本当は、私たち野党が今国会に出せというような、与党としては是非出したいと、今国会ででも是非第二次補正をやってもらいたいと政府がお願いするのが今日の委員会ですよ、本当なら。それを逆、いつになるか分からない、こんなことでは決意として伺えないと思うんですが。  もう一回お尋ねします。是非決意として、今国会中に出す、その決意で今から臨む、その決意があるかどうか、もう一回聞きます。
  333. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 少なくとも復興ということに遅れがないように、それにしっかりと時間的にも間に合う形で出してまいりたいと、こう考えております。
  334. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 午前中に、今の避難している方々の課題の中での仮設住宅の問題が出ました。もう一度大畠国交大臣に、今の仮設住宅どういう現状になっているのか、何人が入居されて今後どうするのか、各県から上がっている状況はこうなんだということをもう一回教えてください。
  335. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 木庭議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。  仮設住宅について現状はどうなっているのかと、この御質問でございました。  現在の状況について御報告を申し上げますが、仮設住宅については、岩手県で一万八千戸の希望があり、宮城県では三万戸の希望があり、福島県では二万四千戸の希望、合わせて七万二千戸の建設の要請がされております。昨日時点、四月三十日時点でございますが、二百七十九の地区で建設に着手したものが二万二千五百八十七戸、現地の方では作業員の方に大変な御苦労をお掛けしていまして、また各自治体皆さんにも本当にお世話になっておりますが、全力建設に当たっていただいておりまして、昨日の夕方時点で三千五百二十五戸が完成をしております。  それから、これからどういう形になるのかという現状について申し上げますと、いろいろと委員会でも御質問を賜りまして、私としては何としても五月末日までに三万戸の建設を目指していこうと、こういうことで、県、自治体、そして建設に当たっている方々にも御協力をいただいているところであります。  その後のことでありますけれども岩手県では七月末までに大体御希望されています一万八千戸を完成し終わりたいと、それから福島県では九月末までに二万四千戸を完成させたいと、このような県からの現状の報告がございます。宮城県では五月末までに一万九十四戸を建設し終わるということですが、その後のことについては、現在、県の方、自治体と調整をしておりまして、まだ報告を受けていないというのが実態でございます。  私どもとしては、先ほど総理からも、お盆を一つの目安としてといいますか、お盆までに希望者が全員入れるようにしなさいと、こういう要請といいますか指示を受けましたので、国土交通省としては全力で一日も早く希望者全員仮設住宅に入れるように努力をしているところであります。  それから、どのくらいの人が入っているのかと、こういう御質問がありました。  昨日時点では、入居戸数、鍵をお渡しして避難者の方にお入りいただくのが千百二十三戸となっておりまして、この五月九日ぐらいまでには約四千戸ぐらいはお渡しできると。それからその後は、今、先ほど申し上げましたように、建設中のものが二万二千五百五十八戸でございますから、急速に完成戸数も上がってくるものと思います。  また、土地の問題について現状を御報告申し上げます。  土地については、今回の対策では非常に苦労をしているところでありますが、電気、上水道などのライフラインが整備されているという状況、それから、もう一度地震や津波が起きたとしてもそこがまた被災するようなことはないと、こういう土地の制約を受けながら探しているものですから大変でありますが、国有地あるいは民有地、農地についても積極的に活用させていただいておりまして、現在、岩手県では一万二千五百戸、宮城県では二万八千戸、それから福島県では一万一千戸分、合計五万一千五百戸分のめどが立っているということであります。  なお、今日もテレビ等で御覧の方がおられると思うんですが、私どもとしては、仮設住宅五戸、一戸当たり三十坪、したがって百五十坪以上の土地があれば、民有地でも農地でも工業団地でもどこでも結構でありますから、是非市町村又は県に御連絡をいただければと考えております。これは土地の確定が鍵でありますので、国土交通省の職員、それから関係者、合計五十九人に増員しまして、土地の確定のための支援をしているところでございます。  以上でございます。
  336. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 大変分かりやすく説明をしていただきました。  失礼な質問になるかもしれませんが、大畠国土交通大臣総理が八月末までという決意でやっていらっしゃったことを今お聞きになったんですか。今お聞きになったんですか、お盆までにやるという話は。
  337. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) お答えを申し上げます。  先日の衆議院予算委員会でございます。
  338. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 それなら、大畠国土交通大臣、自分の姿勢として五月末までに三万戸ということでいろんな段取りをされた。それに基づいて県から報告もいただいた。今日、総理から再度、八月、お盆までという話があった。それなら、もう一回県に対しても、お盆までにどうできるのかという工程表是非引き上げてもらいたい。お約束できますか。
  339. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 私も現場を預かる者として、物づくりの世界で仕事をしてまいりましたが、現場というのは本当に大変なんです。でありますから、特にその関係者、その方々も、よしやろう、そういう気にならなければ物はできません。  そういう意味で、県の関係者、そして自治体の関係者、それから建設に当たっている方々、その方々にもお話を申し上げて、総理がおっしゃったような、お盆のころまでに全員入れるという体制をいかにつくるかと。外国から輸入してもきましょう、二階建ても造りましょうと、そういうことで、今一生懸命に、その総理がおっしゃったことを履行するように全力で今検討を進め、調整をしているところであります。  是非、今日、このテレビを見ている方々におかれましても、私たちも一生懸命頑張ります、そして、何とか総理がおっしゃったことを履行するように全力努力をしておりますということだけ申し上げさせていただきます。
  340. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 私が本当は質問しようと思っていたんですけれども、民有地の問題とかですね。ある意味じゃ今までとは違った形であらゆる層から本当に、国有地だけではなくて、あらゆる層から協力を、もうテレビでおっしゃっていただいたわけですから、広げていただく。二階建ての問題も、普通は基準が決まっている、でもその基準を超えてでもやる、確保する、この決意でやっていただくということをもう是非これは取り組んでいただきたいし、できるならやはり私は、総理の公約ですから、これはもう明確に、政治責任取るような決断をされたんですから、それに向かってのある程度のめどというのは、今すぐというのはなかなかおっしゃるように難しいのかもしれない。でも、早い段階で是非こういう形でできるよということをつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  341. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) お答えを申し上げます。  現在、各県それから各自治体の方にも連絡をしまして、そのことについて確定するように全力を尽くしておりまして、先週もこの一、二週間お待ちいただきたいというお話をしたんですが、目標としては十六日の月曜日には一つの結論が得られるように全力で頑張っているところであります。
  342. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 ところで、この仮設住宅の問題で厚生労働大臣にちょっと一つ聞いておきたいんですが、避難された方の中には、ちょっともう仮設住宅まで待てないものですから民間の賃貸住宅に自分で入るという人が増えておりまして、これは、岩手宮城福島の三県は、この入った方たち、みなし仮設住宅ということにして、国とともに家賃を負担するということを決められて取り組んでいらっしゃるようでございます。  ところが、よくお聞きすると、家賃が六万円までは認めると、家賃が六万円をちょっとでも上がると、これなかなか難しいというようなことをちょっとおっしゃっている。一番大事なのは何かといったら、今劣悪な避難所からとにかく安定した暮らしを得ることが大事なわけでしょう。そこに主眼を当てるならば、これは六万円以上の家賃であっても、みなし住宅ということは認めた上で、ただし補助というか負担するのは例えば六万が上限なんですよというふうな形にこれは柔軟に対応しなければ、もう大畠大臣頑張っているわけですから、サポートしてやらなくちゃいけないじゃないですか。どう考えますか、これ。
  343. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 民間住宅を借り上げて被災者皆さんに提供をされると、これはどんどん進めていただきたいというふうに思っております。  そのときの家賃につきましては、これは一応目安というのを六万というふうにしておりまして、これは借りた民間住宅がどの地域にあるかと、これは相場もあるでしょうし、あるいはまたそこに入られる家族の人数にもよると。だから、そういう意味では我々としてはもう柔軟に対応していきたいと、こう考えております。
  344. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 いい答弁です。  いずれにしても、そのお盆までまだどうしても避難所に残らざるを得ない方たちがいらっしゃるわけですね。総理にこれ是非検討していただきたいことが一つあります。総理避難所に行かれたと思います。その場所場所で条件もいろいろ違います。悩んでいる問題もあります。ただ、共通した悩みというのは何かというと、やっぱり食事の問題、衛生面の問題、プライバシーの確保の問題、これが共通したある一定の悩みなんですよ。それならば、是非国として、やっぱりそういったものを最低限の保障をしてあげるというガイドラインのようなものを政府としてひとつお設けになられて、それへ向かって支援をしていくというような方法もあるのではないか。  これからまだ長引きます。そういった意味ではこのガイドラインを国としても作っていくというようなことを御検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
  345. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) 避難所生活改善というのを一番私は大事な御指摘だというふうに思っております。  発災以来、避難所生活の改善、あるいは自宅におられる方々も含めて医療や介護や福祉、そのことが重要だということで、私どもも四月の初めに悉皆調査をやろうということで千か所の避難所のアンケートを取りました。例えば、食事、下着、洗濯、プライバシー、あるいは医療、薬、入浴、トイレ、ごみ処理等々を項目に分けてアンケートを取りながら劣悪な状況を改善していきたいということで、また岩手宮城福島三県で定点観測もしているところであります。    〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕  そういう意味では、このことはもう発災からずっと言っておりますし、ガイドラインという言い方でいいのかなというふうに思いますけれども避難所の在り方、私も十数市町村見てまいりましたけど、避難所で十五人の方々、そしてお寺におられる方々、何百人おられる方々、いろいろまちまちであります。  ですから、劣悪な状況を改善をするという先生の御指摘は、ずっと続けてまいりますけれども、一様に避難所にそういったガイドラインを設ける、例えば四月の初めにパーテーションもずっと県の要望で送りましたけれども、まだ付けておられない方々もおられます、仲間の顔が見たいとかそういうものもありますので、一様のガイドラインというものはまだ作っておりませんけれども、先生御指摘のとおり、ケアはずっと続けていきたいというふうに思っております。
  346. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 仮設住宅と、もう一つ、避難されていらっしゃる方々の手元に届いてないという問題は、生活資金の方の問題だと思います。  義援金、私ども公明党も全国の皆様に義援金をお呼びかけいたしましたら、総計で公明党だけで七億を超える義援金が寄せられました。三回に分けまして日本赤十字の方にこれを届けさせていただきました。テレビを通じてですが、改めて協力していただいた方々に心から御礼を申し上げたいと思うんです。  ただ、この義援金が今どうなっているのかという問題なんです。配分委員会の問題ありました。厚生労働大臣、今これ、義援金ってどうなっているのが実情なんですか。実際に被災者皆さんに直接届いたものがあるんですか。あるとするならば、どれだけの額で何人ですか、教えてください。
  347. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 早く被災者の方に義援金が届くということ、これは私としても本当に強く思っているところでございます。  四月二十八日現在で、被災三県、岩手宮城福島の七市町村におきましては、計五千六百十九件、約十九億九千百八十八万の義援金が直接個人の方に手渡されております。
  348. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 厚生労働大臣、ただそれは、配分委員会で県の方にはどれぐらい行っているんですか、県の方には。
  349. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 全体では、赤十字、そして共同募金、それからNHKのその大体三者で、大体千八百億以上が集まっております。そのうち第一次として被災県の方には六百五十一億円が送金されまして、それは県の方には届いておりまして、県の方からまた下の自治体、その自治体の方には、宮城県と岩手県では全ての対象市町村のところに下りております。それから、福島県では四十市町村のうち三十九市町村に対して送金をされております。
  350. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そうすると、どこでとどまって、まだ、六百億とかすごいお金なのに、実際届いたのが僅かな額って、これ何でこんな差が出るんですか。
  351. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) これは、やはり被災した市町村によりましてはなかなか事務的能力が低下している、あるいは被災者の方々がその市町村以外のところに避難されているとか、いろいろな事情があると思いますけれども、それでも、先ほど申し上げましたように、手元の方に下りるような段階まで来ておりまして、あしたは気仙沼市では手渡されるということになっております。また、仙台市の方でもこの連休が明けたら徐々に手元に行くような、そういうことも聞いておりまして、もう大体市町村には下りておりますから、まず間違いなく近々それぞれの個人のところに渡っていくものというふうに思っております。
  352. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 厚生労働大臣、私ちょっといろいろ市町村に聞きましたら、これ、やるときにどうしているかというと、ある程度、行方不明、死亡した方に対して三十五万、そんな形ですから、一応基本原則が、それから全壊したところに三十五万というような形になっていますから、市町村はどうしているかというと、ある一定程度調査するわけですよ、一生懸命。確定しないとまだ申請していない。ようやく申請してもらって下りてきている。ところが、これ、また配るときになると戸籍が何のかんのでまた。  でも、少なくとも、求めてもらいたい方は目の前に、避難所は少なくとも特定できるわけですよ。やろうと思えばそれだけできるんです、先に。それを、一律公平性を持って全部分からないとなかなかできないと、こんなことではいつまでもできないんですよ。そういったことは逆に、もう向こう、市町村に投げているからもうこうすればいいんだじゃなくて、渡るようにどうするんだということを指導してくださいよ。
  353. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 木庭委員の言われるとおりだというふうに思います。  その被災が全部確定をしなければ渡せないということでは、余りにも公平性ばかりを考えていたならば渡るのが遅くなりますから、一部でも確定すればその方々には渡すというように指導してまいりたいと思います。
  354. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 もう一つの生活資金になるのが被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給の問題でございます。これは今どういう状況か、防災担当大臣、御説明ください。
  355. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  東日本大震災に係る被災者生活再建支援金の支給につきましては、先月の二十八日から開始されたと支給事務を受託しておられます財団法人都道府県会館から報告を受けております。具体的には、そこに届いた約千五百件の申請のうち、早期に申請のあった方で審査の完了した約二百三十件について今回申請者の口座に振り込まれたとのことであります。  今後とも、被災者の早期生活再建に向けて被災自治体被災者生活再建支援法人であります都道府県会館に対して迅速な支給を働きかけ、私たちもバックアップしていきたいと思います。
  356. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 これもお聞きになったとおりです。まだ本当にほとんど進んでいない。  これ、手続の簡素化とかいろんなことを工夫されたじゃないですか。されたのに、どうしてこんなふうになるんですかね。これもちょっとお聞かせください。
  357. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) 手続の簡素化、迅速化につきましては、新潟県の長岡市の森市長等々と相談をしまして、あるいはもう写真だけでやろうということとかも、委員御承知だと思いますけれども、一か月掛かるところをもう五分で、一日で終わるという状況をつくりました。そこのところの周知徹底もいろいろあろうかと思います。これはどんどんどんどん私どもも周知徹底をしてまいりたいし、様々な意味で簡素化あるいは迅速化を進めてまいりたいというふうに思います。    〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕  基金の配分につきましては、いろんな意味で、四月二十八日まで支給ができなかったということは、そういう状況でありましたのでその御報告しかできませんけれども、これから委員御指摘のようにどんどんどんどんスピードアップをしてまいりたいというふうに思います。
  358. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 どうもこれも現場にちょっとお聞きしたところ、どうなっているかというと、今回は内閣府は、被災者再建支援法に規定する長期避難世帯として取り扱って差し支えない地域、これを長期避難地域として、どこがどうなるかというもう物すごい表ですよね、これを岩手宮城福島の三県に対して既に提示していると。この地域指定さえしてしまえば罹災証明要らないんです、そこに住んでいれば。そういう簡素化できる最も有力なものを三県に提示した。  今この長期避難地域、三県まだ設置されていないでしょう、されていないでしょう。されれば、これ物すごい勢いで進むんですよ。だから今どうなっているかというと、証明できないから罹災証明を求めて長蛇の列ができてみたりですよ。じゃ、それ写真でいいって言われるが、カメラがありますか、避難した人たち、カメラがありますか。現像して写真届ける、そういうところがありますか。ないからなかなかできないんじゃないですか。  だから、まずやるべきことは、国が、せっかくこういう簡素化する手続つくっているんだから、まず三県に対して長期避難地域の指定させろ、これをどう本当、強制的にやっちゃいけないのかもしれませんが、指導もしていただきたいなと。まずこの指定が第一だと思うんだけれども、いかがですか。
  359. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) おっしゃるとおり、積極的に働きかけてまいりたいというふうに思います。
  360. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 それと、これから手続入るわけですが、何万件となっていくでしょう。是非そのときに検討していただきたいのは、もう迅速のためのいろんなことをやっていただきました、手続。ただ、まだ短縮できるところがあると思います。  例えば、今のような長期避難地域みたいなことになれば審査も簡単になりますから、例えば都道府県会館に行ったときは、ある意味じゃ、都道府県から上がってくれば審査を省略してすぐ支給できるというような仕組みを作れば、これでまた二週間ぐらい短縮できますよ。  そんなちょっとより短縮できる仕組みというのを検討してくれませんか。
  361. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) 仕組みも検討しております。三つに分けてちょっと御説明をしたいと思います。  まずは、支援金支給の前提となる住家被害の認定手続について申し上げたいと思いますが、これについては国が基準を定めておりますけれども、今回の災害については特例的に大幅に簡略化した手続を採用し、既に地方公共団体に先ほど申し上げましたように通知をしております。  次の手続としては、県あるいは市町村の申請手続がございます。これについては、県と市町村で重複したチェックをすることのないように県と市町村の合同審査方式を導入することなど、既に要請をしているところであります。また、被災地方公共団体のマンパワーの不足を補うために、過去に被災した経験のある市町村からの応援について国のコーディネート、あるいは必要があれば国からの人的支援などを働きかけているところであります。  最後の手続として、支給原資となります基金を管理しております財団法人都道府県会館による支給手続があります。これについては、財団法人都道府県会館において担当職員の増員を図ることとしております。加えて、ピーク時をにらんで、更なる人員の増強や審査方法の改善を要請をしております。  私ども全力を尽くしていきたいと思います。それぞれの段階を通じて様々な工夫をしながら、今先生おっしゃられましたように、大幅な期間短縮がなされるように努力をしてまいりたいと思います。
  362. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 この被災者生活再建支援法の支給だけの問題でなく、義援金の支給の問題、またさらには災害弔慰金の問題もあるんですが、そういったときに役立つシステムとして、これ阪神大震災を教訓にして西宮市の職員の方が作られた被災者支援システムという一つのソフトです。これを導入することで、実際に阪神大震災のときに、手続が例えば七、八時間掛かったものが一時間で終わってしまった、五回にわたった義援金が次々に来たんだけれどもこれを正確にきちんとスムーズに支給することができたという実例があるのがこのシステムです。三・一一の後にこのシステムを導入した市町村、あるんです。  でも、こういったものがあるならば、是非国としても、全自治体通じてこういったものも利用して、ともかく被災者の手元に全てのものが早急に届くという体制を是非ともつくっていただきたいし、こういったシステムの導入についても大臣から見解を求めておきます。
  363. 松本龍

    国務大臣(松本龍君) お答えいたします。  西宮市の被災者支援システム、私どもも承知をしております。罹災証明等々に関して様々なバックアップ措置があるということで、その点につきましては、財団法人の地方自治情報センターから地方公共団体向けに無償で提供されておりまして、総務省からその旨、被災公共団体等に周知をされていると承知をしております。このシステムの活用について被災市町村に周知徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
  364. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 原発事故の問題の方で何点か伺います。  この原発事故による個人への賠償はもう仮払いが始まっております。そして、一次指針が出て、これからようやく事業者、農業者、漁業者、畜産、中小企業関係、ここにこの仮払金の問題が起こるわけでございます。総理も自ら東電に対してこれを迅速に行えという要請をされたやに伺っております。  私は、総理是非お願いしたいのは、もちろん迅速に行う、このことを促すということも大事なんですが、是非被災者被害に遭った方に寄り添っていただきたい。何を言いたいかというと、この人たちがじゃ、仮払いに対して何を望んでいるのか、それは早く払ってもらいたい、ありますよ、でもそれ以上に、例えば個人の方々と事業者は違うんですよ。請求する金額って物すごい差があるわけですから、これを一律の金額でやられたりしたら、これは全然合わないわけです。つまり、そういったものについては一定の割合でやってもらいたいという強い要望があるわけですよ。さらに、一定期間に例えば分割でやると。もういろんなこの被災者思いがある、それも是非、要請するならば一緒に被災者思いを東電にぶつけていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  365. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) お答えいたします。  事業者に対する経済的な損害の仮払いというのは、確かに委員おっしゃるように、避難された方々に対する仮払いとは大分事情が異なっております。  その意味では、つい先日、四月の二十八日でございますが、第一次指針が出たということは、これはまず第一次の指針でございますが、実際に仮払いが行われる大変大きな後押しになろうかと思います。  ですから、これはあくまでも第一次だという形で御理解をいただいて、そして本当に一日も早く仮払いができるように、政府としても頑張っていきたいと思っております。
  366. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 総理、何かありますか。
  367. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) できるだけ早い仮払いは、担当している海江田大臣を通して東電に指示を出していただいております。  また、今御指摘のように、個人と事業主が違うと。たしかジェー・シー・オーの場合も仮払いが請求のまず五割だったということもお聞きをいたしております。そういうことも参考にしながら、今後、事業主に対する対応についても適切な形、いわゆる画一的ではなくてそれぞれの事情に応じた形で対応できるよう、これも担当大臣、海江田大臣を通してしっかりと指導をしてまいりたいと思っております。
  368. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そして、今避難されている方々の一時帰宅の問題、いよいよ始まるようなところまで来ているんだろうと思います。  この時期についても、国会のいろんな審議の中では、枝野官房長官は連休中にもできますよという、これは記者会見だったかどっちだか分かりません、そういった発言をされております。総理はゴールデンウイークが終わってからと、こうお答えになっていらっしゃいます。もういよいよその大型連休に入っているわけでございますが、枝野官房長官、この一時帰宅、いつから始まりますか。
  369. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) お答えいたします。  住民の皆さんにとっては大変御要望の強いことでございまして、一日でも早くという思いで作業を進めております。  ただ一方で、これについては地元の、当該地域の地理とか、それからコミュニティーの、何というんでしょう、実態等が十分分かっておりませんとなかなか進められないということで、他の業務でも大変厳しい状況にある当該地域の市町村の皆さんに御協力をいただくということで進めております。  現在、自治体皆さんも早くやりたいという思いではいらっしゃるわけですが、そうした皆さんと協議、調整をしているところでございまして、何とか連休中にもという思いを持ちながら、最終的にはそうした調整の結果を踏まえて、どんなに遅くても連休明けそんなに遅くない時期までにはスタートできるという、こういった見通しで今調整が進んでいるところでございます。
  370. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 また、この一時帰宅の問題についても、最初は指針ということで、お一人ですね、二時間、家庭でというようなのがありましたね。これについても地元の要望、帰る方々の要望、つまり家族、家見に行くだけじゃこれは駄目。要するに、せっかく帰るんだったら貴重品なり含めてやっぱり持って帰りたいと思えば、家族一人で行かされたらたまりませんよね、これ。しかも、二時間という時間がどうなのか。もちろん安全性という問題はある。でも、そういったことをやっぱり細かくそれこそ検討する必要があるし、一律にできない。  例えば事業者。自分の家帰るより、それはもし事業所に戻ることができて、従業員の人と一緒になって機械の一部でも持ち運べれば事業ができるんじゃないかという思いのある方もいらっしゃる。そういったことに対して、どうお答えされますか。
  371. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今先生御指摘になったような御要望も承っております。  一つは、事業者については、今個人の世帯でということとは別に、典型的なものは役場等でございますが、同時に事業所についても、立入りができなければ著しく公益を損なうと見込まれる場合という要件で、これは今後も柔軟に対応をしていきたいというふうに思っております。  それから、個人の場合も、いろいろ家財道具を運び出す等のためには一人ではきついとか、それからいろんな貴重品がそれぞれ御家族ごとにどこにあるかという、いろんな御要望はもっともだというふうに思う一方で、大変たくさんの皆さんが避難をいただいている。こうした皆さんに、まずは一度は御自宅に戻っていただいて最低限のものをということで、一応当初の想定、組み立てております。  バス等で移動していただいてということ等も含めて、一世帯の人数増えればどうしても全体の一巡するのが遅くなるのではないかというような考えもございました。この辺についても、住民の皆さんの声や実際の市町村と御相談をしていくオペレーションの組立ての中でどこまで柔軟にできるかということは調整していただいておりますが、まず一巡何とか急いでやると。二巡目以降については、更に柔軟なやり方をということも当初から想定してお話をしているところでございます。
  372. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 この問題では、本当に一番今苦しんでいらっしゃる方々なんだなと。私、これは福島県の今奥土湯に避難していらっしゃる南相馬の工場の事業主なんですけれども、要するに、いつ戻れるかどうなのかという、もう本当にそういうものも全く分からない。事業再開の予定立たない。するとどうなるかというと、顧客が逃げるんですよ。どうすればいいんだという、本当にこういう悩みを持っていらっしゃる。  例えば、その一時帰宅の問題をこの方はどうおっしゃっているかというと、帰してもらえるなら、ちょっとでもいいから時間制約付きで事業を再開させてほしいという、もう強い願いを持っていらっしゃる。本当に、そして補償についても、お金の補償よりも事業を再開する保証をする制度をつくってくれと、冗談じゃないと、こんなことをおっしゃっている。  そして、福山官房副長官にもちょっと聞いておきますけれども、飯舘村の方たち、計画的避難区域と言われながら何が計画的だというのが皆さん思いですよ。やっぱり一番の問題は、どこへ避難するのかというのがいまだに分からないという問題です。  この問題に対して、どう本当に、声があるわけですから、もう福山さんから聞きますわ、あなた行かれたんだから。
  373. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) お答えいたします。  今の委員の御指摘はそのとおりだというふうに思います。現在、飯舘村には国の役所から、飯舘村、川俣町、共に八人職員を派遣をいたしまして、仮設の問題、それから住居の問題、それから農業の土壌の問題、そして医療体制等の問題について、しっかりと寄り添って対応するように指示を出しておりまして、住居についてはなかなかめどが立たないんですけれども仮設住宅を探すこと、県との調整も含めて懸命に今努力をしているところでございますので、一日も早くめどが付くように対応したいと思っております。
  374. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 補正予算の財源問題、本当は総理とやり取りちょっとしたかったんですが、あと一分です。  これだけ申し上げて、是非二次補正のときに検討されるのかどうか聞いておきたいのは、一つは様々なマニフェストの課題ありました。今回、私たちは切り込みが足りないとも正直思っています。こういった問題に二次補正へ向けて取り組むつもりがあるのか。  あと二つあります。一つは公務員の問題ですよ。私は、是非一次補正のときにこの切り込みやってもらう、国会議員だって一応話しながらまとめたじゃないですか。やろうと思えばできたはずなんですよ。これができていない。これにどう公務員の給与の、この復興のためにどうするかという問題を聞いておきたいし、そして、もう一点です。それは法人税の問題ですよ。五%減税という今年の目標がある。これは法案も出ているわけです。ただ、財界も含めて、この問題に対しては是非検討してくれと向こう側も言っている。こういった問題に対しても第二次補正へ向かって取り組む決意があるかどうか、これをお聞きして、私の質問を終わります。
  375. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、マニフェスト、そして公務員の人件費、さらには法人税について、第二次補正、復興の財源として切り込むつもりがあるかと。  しっかりその方向で検討したいと思います。
  376. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 分かりました。  終わります。
  377. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  378. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
  379. 小野次郎

    小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。  まず、今回の東日本大震災で亡くなられた方々に御冥福をお祈りし、また、全ての被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。そしてまた、今日も現地で、そして様々な復旧復興、さらには原発災害対応に当たっておられる自衛隊、警察、その他行政の方々、企業の方々、そしてボランティアの方々、皆様に心から敬意と感謝を申し上げさせていただいて、質問に入らせていただきます。  総理、四月二十九日に小佐古敏荘前内閣参与は辞任されましたけれども、今回の原発災害に対して、特にその政府の対応について厳しく批判しています。総理自身が選任して、総理にアドバイスをもらうために内閣参与に迎えた方が自らの進退を懸けて指摘していることをもっと謙虚に聞くべきではないですか。私は、この小佐古さんの経歴も見ましたけれども、この放射線防護に関しては現在の碩学と言ってもいい人だと思いますよ。  一つ一つ聞いていきます。  まず、放射線防護に関して、政府が法令、指針、マニュアルを遵守していないと言っています。全て遵守していますか、総理、お答えください。
  380. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 小佐古さんは、今、小野議員からもありましたように、この放射線汚染等について大変高い知識を持たれている方と、ある方を通してこういう方がふさわしいんではないかということでお願いをいたしました。  基本的には、参与という形は確かに私にいろいろアドバイスをいただくということでありますが、この問題は主に原子力安全委員会の中で専門家の皆さんがいろいろ議論をされておりますので、小佐古参与にも、その議論に参加をいただく形でその知識を活用させていただいてきたわけであります。その中で、いろいろと専門家の中での議論の中で、必ずしも意見が、まあいろんな意見が出るのは当然でありますけれども、そういうことから、小佐古さんとして、自分としてはこれ以上は参与という立場では対応できないということで、残念ながら辞任をされました。  どの部分がどうであるという御指摘、私も必ずしも、読ませてはいただきましたが、全てが、どの部分がどういうことかということを細かく聞いてはおりませんけれども、少なくとも政府の立場からしますと、原子力安全委員会の助言を得ながらこうした問題は対応してまいっておりますので、その原子力安全委員会のそうした知見をベースにしてやっているという意味で、何か法制上の扱いが間違っているとか、そういうふうには認識はいたしておりません。
  381. 小野次郎

    小野次郎君 私の質問は、行政の長として、またこの事案の最終責任者として、全ての法令、政府がそれまでに定めてきた指針、マニュアルを遵守しているかということを総理にお伺いしているんです。確認してください。
  382. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げましたけれども、私が細かい指針全てを承知をしているわけでも、あるいはその指針がどういう形で執行されているかということを全てを承知しているわけでもありません。しかし、多くの問題は、原子力保安院と、そしてこの問題で一つの基準を作っている原子力安全委員会の助言を得て対応しておりますから、少なくとも、原子力安全委員会の助言をいただく中で、今御指摘のような指針等については当然それを踏まえた形の助言をいただいているものと、このように認識をいたしております。
  383. 小野次郎

    小野次郎君 一例挙げますけれども、前内閣参与はこうも言っています。原発周辺だけでなくて、関東、東北全域について、甲状腺被曝による等価線量を国民に知らせるべきだと言っています。  総理、御存じですか。放射線障害、がん等が発生する確率というのは人シーベルト、つまり、何人の人がどれだけ被曝したかという掛け算に対して一定の係数になっていると言われているんです。だけど、この東北や関東について公表していないから全体の人シーベルトが出せないわけですよ。この点についてはどうですか、総理総理が最終責任者じゃないですか。本部長でしょう、総理は。
  384. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 同じような答弁で恐縮でありますけれども、確かに、原子力災害特別措置法に基づいて私が本部長であり最終責任者であることはもちろんでありますけれども、特にこういう専門的な範囲については、そういう専門的な知見を有している原子力安全委員会を中心に一つの助言をいただいて対応しているわけであります。また、それぞれの作業は保安院であったりあるいは文科省であったり、そういうところが対応いたしておりまして、そういう安全委員会の助言に基づくという意味で、基本的にはそうした法令やあるいは指針に沿って助言が出され、それに沿って対応しているものと理解しております。
  385. 小野次郎

    小野次郎君 福島県の学校の校庭の線量基準を年間二十シーベルト、定めたのは非人道的だとまで言っています。これについては総理、どうお考えですか。(発言する者あり)  いや、総理に聞いていますよ、総理ですよ。福山さんなんか呼んでいませんよ、私は。
  386. 前田武志

    委員長前田武志君) まず、高木文部科学大臣
  387. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 私どもは、地元の学校活動について何らかの考え方を示していただきたいということに沿いまして、国際放射線防護委員会の基準を基に、安全委員会の助言を得て、二十ミリシーベルトと決めさせていただいています。  これはあくまでも出発点で、少なければ少ない方がいいわけでございまして、我々はその努力もしなければならない。したがって、しっかりモニタリングをしていく。それから、安全委員会からは、少なくとも二週間に一度、教師の皆さん方に着けていただいた携帯用の線量計の結果をしっかり報告するように、そのようなことも言われております。  我々としては、万全の注意を払いながら教育活動を進めていきたいと思っております。
  388. 小野次郎

    小野次郎君 私の先ほど質問をちょっと訂正します。二十ミリシーベルトですから、ちょっと単位が違っていましたので、そこは訂正させていただきますが、しかし、この二十ミリシーベルト、時間単位でいうと毎時三・八マイクロシーベルトと言っていますけれども、これだって三百六十五日、二十四時間を掛け合わせていないわけですよね、六割ぐらいしか掛けていないんですよ。子供さんがはだしになって、あるいは砂場で寝っ転がったりするかもしれない、その場所のことを元々六割ぐらいしか計算していないんですから。  さらに、この前内閣参与が例示で挙げています。この二十ミリシーベルトというのは八万四千人いる原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ないと言っている、その数字なんですよ。また、同じようにウラン鉱山の残土処分場の山盛りの中でもなかなか見ることのできないような数値だとまで言っていますよ。  これで本当に高木文科大臣、義務教育、あるいは私学の方もおられると思いますけれども、そういった放射線弱者と言われている子供さんを、あなた、自信持ってそこで存分に遊べって言えるんですか。
  389. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 最近の最新の専門家の知見を集めてこの数字が設定をされてくる。もちろん、福島県の地域の状況、あるいは子供たちの心理的なストレスにつながらないような配慮もしながら、私としては、これで安心をしてください、このように申し上げたいと思います。
  390. 小野次郎

    小野次郎君 スーパーで買物するんじゃないんだから、なるべく安い方がいいとかって、そういう問題じゃないと私は思いますよ。  総理、また別の問題をお伺いします。  総理は、遅くとも三月下旬の時点で、原発からの放射能放出総量が国際基準のレベル7に相当する数万ないし十万テラベクレル以上に達する可能性があるという事実を、原子力安全委員会又はその他の方から聞いて知っていたのではありませんか。
  391. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 本件に関しては、四月の十一日の夜に経産省から説明したいという話がありまして、翌日十二日の朝の閣議終了後に経産大臣から説明を受け、その場で了としたものであります。
  392. 小野次郎

    小野次郎君 おかしいですね。班目委員長ももう既に国会で、三月の時点で数万ベクレルを超えている可能性はあるかもしれないという形でお伝えしたと答弁していますよ。総理、もう一遍答えてください。
  393. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この問題は、たしか安全・保安院原子力安全委員会とそれぞれの段階で資料を収集され、最終的には保安院の方でこういう判断をしようということで私に上がったということが手続だと思います。  私は安全委員会からそういうことを正式に直接聞いた覚えはありませんけれども、いずれにしても、保安院を所管する経産省そして経産大臣からお聞きしたのは、今申し上げました、四月十一日に説明したいということがあり、翌日の午前中に説明を受けたということであります。これが正式な手続のルートでもあると認識をしております。
  394. 小野次郎

    小野次郎君 安全の問題というのは、いわゆる官庁の行政処分とかそういう問題と違うんですよ。もし総理がお聞きになっていなかったとしたら、何のための原子力安全委員会なんですか。安全委員長は三月から知っていたと言っているのに、それをアドバイスすべき総理には四月中旬になるまで報告しなかった。決裁の手続のことを聞いているんじゃないんですよ。安全というのは、情報があるならそれを全部可能性があるか潰すのがトップの責任なんだし、そのことを私は聞いているんです。  次の問いに移りますけれども、原発から同心円状に二十キロの範囲内を一律立入禁止にしている、警戒区域としている合理的根拠を説明いただきたいと思います。(資料提示)
  395. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) まず、事故発生直後の避難指示等は、爆発等により短い時間で大量の放射性物質や放射線等が周辺にまき散らされることを想定して、発電所から一定の距離を確保するために同心円状に行ったところであります。  この区域は、四月二十二日以降は安全性を実効的に確保する観点から災害対策基本法に基づく警戒区域として設定されております。しかし、この区域設定は、放射線量の多さによるものではなく、まだこの原子力発電所の状況が安定していないことを鑑み、安全上の大きなリスクが懸念されるものでありますから、基本的に距離を基準として同心円状に行うことにむしろ合理性があると思っております。
  396. 小野次郎

    小野次郎君 私が聞いていますのは、なぜ積算線量によらずこういう措置をとっているかということです。積算線量はもう既に来年の、一年後の予測値まで出ているわけですよね。海江田大臣、もう一度お答え願います。
  397. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 先ほどの後段のところで述べましたけれども、もちろん当初の三月の十一、十二、十三、十四、十五というあのころと比べますと炉は安定をしておりますが、しかし、まだこの炉は先ほどお話をした不安定な部分がございます。ですから、その意味ではまだ残念ながら、そういった同心円状的に円を描いてそこを避難区域にするということが、警戒区域ですね、この場合は万やむを得ないと思っております。
  398. 小野次郎

    小野次郎君 総理、一九九四年に有名な映画で、ハリソン・フォード主演の映画で「今そこにある危機」という、タイトルぐらいは覚えていらっしゃるんじゃないかと思いますが、原題は「クリア・アンド・プレゼント・デンジャー」と。これ、でも実は、今、江田法務大臣はおられないけれども、枝野官房長官も御存じだと思いますけれども、アメリカの最高裁でも日本の最高裁でも認めている、私権の制限をする場合には明白かつ現在の危険がなきゃいけないということを言っているんですね。  二十キロについて立入りを禁止している、今そこにある危機と言っているわけですよ。それ、何なんですか。今、先ほどの海江田大臣答弁を伺っていると大変大事なことをおっしゃっているように思うんですが、この三月の中旬、二十日過ぎぐらいまでに大量に放出された放射能、その汚染の影響のことを私は議論をしているつもりでいましたけれども大臣お話聞いていると、まだ今後もそういった大量放出があるからこの立入禁止という、私権の制限の中でも最大の厳しい、入るなという処分を国民に課しているのは、そういうことをあなたおっしゃっているんですか。
  399. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 先ほども申し上げましたけれども、炉の状況は、三月十一日以降の、とりわけ十五日でありますとか十六日でありますとか、そのころと比べますと安定をしておりますが、まだステップの第一ステップも終わっていない状況でございますから、まだ一〇〇%というわけにはいかないというのが現状でございます。
  400. 小野次郎

    小野次郎君 九九%安全だったら掛けちゃ駄目なんですよ、そんな規制は。もう一遍大臣、答えてくださいよ。現在その危険があると言っている、なければ、人が入れないという規制は掛けられないでしょう。
  401. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私は何%という数字では申しません。一〇〇%ではないということを申し上げたまでです。
  402. 小野次郎

    小野次郎君 全然答弁になっていないと思います。  もし深刻な状況だとするならば、その辺は今現在、日本の人たちのことをもっと信頼すべきだと思いますよ。情報にしても様々な分析にしても、政府は率先して公開して合理的な行動というのを国民に求めるべきであって、何か、一〇〇%でない、じゃ九九%安全だというのに何でこんな規制掛けるんだって誰だって思う疑問なんですよ。  大臣、もう一遍答えてください。
  403. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 原子力災害対策本部としてこの指示を出しておりますので私から御答弁させていただきますが、原子力発電所の状況、何%となかなか評価のしにくいところでございますが、残念ながら事故等によって冷却等ができていない状況でございます。普通の原子力発電所とは決定的に異なる、万が一の事態によっては大変大きな放射性物質が放出をされる可能性というのは、普通の原発とは比べ物にならないぐらい可能性があるという状況にございます。  そして、御承知のとおり、こうした放射性物質が大量に万が一出た場合における健康に対するリスクの大きさというもの、それから、そうした場合には直ちにできるだけ遠い距離に離れていただかなければならないというこの放射線からの防護の基本ということを考えましたときに、原子力発電所の状況が次の段階まで安定するまでは、この二十キロ圏内という、もし大量の放射性物質がいっときに放出されるという事態に陥った場合健康に影響を与える可能性のある地域からは退出していただくということについては、こうした段取り、手段でお願いをしないと万が一の事態のときに健康を守れないと、こういう判断でございます。
  404. 小野次郎

    小野次郎君 大変何か質問するとかえって恐ろしい話が出てきそうな感じですけれども。  だって、放射線のその積算線量で計画的避難で済んでいる地域があるのに、それ以上に、立入りが一切できないという区域を二十キロの同心円に掛けているということは、今にも、いつでもまた大放出があるということを前提にしていなければ法律的な規制のレベルからいっておかしいと思いませんか、官房長官
  405. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今でも、いつでも、すぐにも起こりそうなということでないと警戒区域が掛けられないのかということの若干意見は違うかなというふうに思っておりまして、原子力発電所は、平常、今健全に動いているところについても、相当厳しい安全規制が掛けられた中で、放射線の漏れ等については許されないという構造の中で周辺住民の皆さんには安全の中で生活をしていただいています。  ただ、この今の福島の原子力発電所の状況というのは、今は三月の十五日ごろと比べれば圧倒的に少ない放射性物質の放出でございますが、これはもう委員も御承知のとおりのような状況の下においては、では、周辺地域に入って普通に生活をしていただく、あるいは、例えば、もし炉の状況が急に悪化した等の場合に、すぐにそのことの情報が伝わらないような状況で中に入っていただくということで、万が一の場合にそうした皆さんの健康を守れないということがあってはいけないということで警戒区域と指定させていただき、また、そうした地域に立ち入っていただく場合には、しっかりと原子力発電所の状況等について、もし異変があればすぐに情報が伝わって、そして退避がしていただけるような状況で一時退避をしていただくということで、万が一原子力発電所の状況が悪化した場合でも健康被害をもたらさないということの対応を取らせていただいているということでございます。
  406. 小野次郎

    小野次郎君 工程表が発表されたので少し明るい方向に向かっているのかなと思ったら、今の官房長官お話は逆だということで、大変私は心配になりました。  次の問いに移りますけれども、この原子炉建屋に注水、放水、続けています。作り出される大量の放射能汚染水。東京電力の措置を政府は容認されてきているわけですから政府の国際的な責任も免れないと思いますけれども、今後はこの大量の汚染水を海洋投棄しないと考えてよろしいかどうか、お伺いします。
  407. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) お答えします。  もちろんそういうことがあってはならないと思っております。そして、そのために、汚染水、低レベルの汚染水については、陸上タンクですね、これ今大量に調達をしております。それから、メガフロートなどを保管場所として確保するようにしております。
  408. 小野次郎

    小野次郎君 原発のエネルギーに関しては、総理にお伺いしますけれども、安全性が保障されない経済効率性なんというのは考えられないと思いますけれども総理の基本認識をお伺いします。
  409. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) おっしゃるとおり、原子力の経済効率性というところでどこまでの範囲をその経済の範囲に考えるのか。例えば最終処分地といったことまで含めて考えるとすれば、必ずしも全部を考えた中でのコスト計算になっていたのか。もちろん、今回のような事故、それに伴う補償といったようなものまで含めて経済合理性と考えていたのか。こういったことを含めて、御指摘のような点は十分に検証されなければならないと思っております。  いずれにしても、そう遠くない時期に徹底した検証のための事故調査委員会等を設けて、今御指摘の点についても今後のエネルギー政策を考える上でもきちんと議論をしなければならないと考えております。
  410. 小野次郎

    小野次郎君 原発の新規の建設計画は白紙と理解してよろしいですか。
  411. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) エネルギー政策そのものを今回の事故によってもう一度白紙から考える必要があると思っておりますので、これまでに決まっているからそのとおりにするということはあり得ないと、そういう意味での白紙という考え方で結構だと思います。
  412. 小野次郎

    小野次郎君 設計年数を超える原発、この延長はすべきじゃないと思うんですね。年限が来たら使用を終了させるということでよろしいですか、総理
  413. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私どもでは、この年数でございますけれども、運転開始後三十年を一つのめどとしてございます。この三十年を経過した原子力発電所については、経年劣化についての予測評価、それから追加点検、部品の取替えなどを内容とする長期保守管理方針の策定を始め、定期検査などを十分行っております。また、高経年化が地震や津波などに対する脆弱性につながっていないかどうかということ、これを今後の事故調査の結果を踏まえ、十分な検討を行っていくところであります。
  414. 小野次郎

    小野次郎君 全然不安が広がる話を聞かせていただきました。  ところで、総理、一か月前に僕、花粉症の話を総理とさせていただいたことがあると思うんです。静岡の花粉が海流とか風向きで東京へ流れてくるんです。細川大臣も一緒に聞いていただいたと思いますが。今、静岡県民だけではなくて首都圏の人、山梨の県民もみんな恐れていることがあります。それは浜岡の原発三号機、中部電力は早速もう夏にも再開する意向だということが伝えられていますが、そんなこと、総理、御存じなんですか。
  415. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 中部電力がたしか株主総会等に備えてそういう方向性を打ち出したということは報道等として聞いております。同時に、地元の知事は、もっと今回の原発事故を踏まえてのしっかりした安全基準といったものが出されて、それが満たされているかどうか、そういうことがきちんとされなければ再開することにはならないだろうという、そういう指摘を地元の知事がされていることも承知をいたしております。
  416. 小野次郎

    小野次郎君 今日、パネルで各エネルギーのコストというのを掲げさせていただきましたけれども、この原発事故、今回の事故を踏まえると、原子炉の安全対策、放射能汚染対策、賠償、補償など莫大な経費を考慮すると、原発はもう安全でもないし採算も取れない実態が明らかになったように思いますけれども総理の御認識をお伺いします。
  417. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほども申し上げましたが、これまでのコスト計算というものがどの範囲までを見通して計算されたものか、改めて今回の事故を踏まえて考える必要があると思います。  と同時に、エネルギーそのもの全体をどのような形で、例えば原子力発電に頼らないとすれば、それに代わるべきものはどういう可能性があるのか。私も、太陽あるいは風力あるいはバイオマスなど、そういうリニューアルな再生可能なエネルギーに私なりに力を入れてきましたけれども、そういう、ある意味、原子力エネルギーというものに相当程度頼ってきたこれまでの日本のエネルギー政策をどうするかということも含めて新たな方向性を出す、その中では今御指摘のコストについてもしっかりと考えていかなければならないと思っております。
  418. 小野次郎

    小野次郎君 恐らくこのパネル、経産省のデータですが、うちで編集しましたけど、原発立地交付金というんですかね、電源の立地交付金なんかも入れてないんだと思うんですね。こういう今、現実を踏まえて考え直すべきだと思いますが、総理がおっしゃった再生可能エネルギー、自然エネルギーになるべく依拠していきたいという立場。  これ、いい記事がありましたので御紹介しますけれども、城南信金が脱原発のための預金、融資、プレミアムでそういう制度を始めます。あと、私が知っている限りでもSRIというんですか、社会的責任投資なんというのもありますから、政府が直接公共事業的にお金をつぎ込む、それで自然エネルギーというのを柱に立てていくという面もありますけれども総理が一度ハンドルを切れば、もしそれが社会的に受け入れられる考え方であれば、があっと民間も財界も経済も、そして私たち個人も動くんですよ。  是非、サミットのときの発言に私も注目させていただきますけれども、脱原発依存、自然エネルギー立国を高らかに打ち上げていただきたいと思いますが、一言だけ、もしコメントがあればいただきたいと思います。
  419. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、個人的には地球を救うのは植物だと思っておりまして、太陽エネルギーを最も地球に、この四十五億年間吸収してきたのは植物だと思っております。  そういう個人的な考え方は考え方としても、今お話がありましたように、これから日本が目指すべき方向は、クリーンで、そしてグリーンイノベーションと呼べる道を世界に先駆けて進むことがエネルギー政策としても成長戦略としても極めて重要だと、このように考えております。
  420. 小野次郎

    小野次郎君 当面の危機管理の重要性と、それから将来に向けての政治的な方針を示していただくことを今、日本のリーダーである菅総理に改めてお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  421. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  422. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
  423. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず初めに、この度の震災で亡くなられた皆さんの御冥福をお祈りすると同時に、被災をされた全ての皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。  その上で、総理、計画的避難区域の問題についてお聞きいたします。  この公表を受けて、住民の皆さんにとってはこの先どうなるのか、戻ることができるのか、大変複雑な気持ちでおります。牛も豚も残したまま自分だけでは行けないと、誰が餌をやるのか。あるいは、家畜も一緒に移動するとしても、百頭だ二百頭だ、そう簡単に、移動するのも大変だと。収入が断たれて、この後どうやって生活していくのか。これは製造業や業者の皆さんもそうだと思いますが、こういう様々な思いがある中で、この方々にこの先の道筋を、具体的にどういう段取りでやるのかということを責任を持って示すべきではないでしょうか。
  424. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 本日もいろいろ議論がありましたように、今回の原子力事故の問題に関して、一つは炉自身がまだまだ完全に安定していないという問題と、もう一つは、いわゆる積算線量とでもいいますか、つまりはどの地域に濃度が相対的に高い線量が蓄積しているかという、そういう二つの要素のある中で計画的避難区域を設定して避難をお願いをいたしているところであります。  今後のことについて、おっしゃることは、私もその皆さんとお会いをいたしまして、いつになったらどういう形で戻れるんだという御心配、本当に身を切られるようなお話をたくさん聞かせていただきました。  このめどを立てるには、やはり現在、東電が私の指示でまとめました工程表でステップツーの状態で放射線量が大幅に抑えられて、そして炉も冷温停止状態として安定をする。もちろんそれまでの間でも除染作業等やるべきことはやっていくわけですけれども、そういう状態になった段階で、モニタリングをしっかりした中で、こういう状況ならばこの範囲についてはこの時期からこういう形で戻っていただく、そういうことが具体的に申し上げられるのは、このステップツーが予定どおり完了した時点であれば申し上げられる状況になり得ると、こう思っております。
  425. 紙智子

    ○紙智子君 農水大臣にお聞きいたします。  飯舘村を始め、川俣町、それから葛尾村、浪江町、南相馬市などの計画的避難区域の設定に伴う、これ農業関係でいいますと、農家数でいいますと八千六百四十八戸、水田は七千六百二十六ヘクタール、肉用牛で一万四千百六十頭、乳用牛で二千七百十頭、豚は三万八千百頭に及ぶわけです。  これらの農家に対する補償の問題と、今言いました、全部足しますと五万五千頭に及ぶ家畜、これらの扱いを含めてどうするのかということを質問させていただいてきたんですが、今の時点で何がどこまで進んでおられるんでしょうか。
  426. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からの御指摘の家畜に係る補償、賠償の件でございますけれども、五万五千頭の家畜につきましては、一次指針、いわゆる損害賠償の紛争審査会におきます一次指針につきまして、いわゆる家畜の計画的避難区域への移動経費、それから家畜の飼養場所の移転費用、そして家畜の保管費用などの追加的費用についても必要かつ合理的な範囲内で損害と認定すると、このような指針が打ち出されているところでございます。それに沿って私どもも対処をしていかなければならないと思っております。
  427. 紙智子

    ○紙智子君 総理にもう一度お聞きします。  四月十八日の予算委員会質問に答えられて、福島原発に関して、三か月後の更に三か月から六か月たった段階で多くの人ができるだけ戻れるようにいろいろな形で努力するのが私の考えですというふうに答えられているんですが、これは確認しますけれども、今もそういうことでございましょうか。
  428. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) その日程が先ほど申し上げた東電が出した工程表のステップワンそしてステップツーの工程の日程でありまして、そのステップツーが完了する、いい形で完了する段階でできるだけ多くの人がどの時期かにきちっと帰れるように、例えば除染の作業とか、例えばそれに伴ういろいろな手だてを同時並行的に尽くしていく、その結果、より多くの人が帰れるようにしていくことが私の責任だと、その考えは今も全く変わっておりません。
  429. 紙智子

    ○紙智子君 抽象的な話では困るわけですよね。  今回の計画避難区域の設定問題というのは深刻な事態があるわけです。今回、文部科学省が発表している土壌の放射線物質のモニタリングの数値ですけれども、一時的とはいえ、チェルノブイリの原発事故の数値の何倍も超えるような、こういう数値が示されているわけです。そういう中で、放射性物質の土壌汚染を取り除いて、どうやって農業を再開して安心して暮らしていけるようになるのか。当面、今現在進行中の事態に対して収束させると、これ最優先ですけれども、しかし、早く戻せるようにしたいというのであれば、こういうことを含めてどうするのかということが問われているわけです。  これ、どのようにしようとお考えなんでしょうか。
  430. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生から申されたことは非常に重要なことでございまして、農林水産省といたしましても、まず営農を早く行うことができるようにするにはどうするかというようなことから、放射性物質の浄化に向けた取組を実施していくことが非常に重要だというようなことで、一つは、この放射性物質をいかにして低減させることができる、そういう手法があるのかどうか、あるいはまた作物への放射性物質の吸収というふうなものを抑制することができるような、そういう資材があるのだろうか、あるいはまた吸収する植物というふうなものの研究というふうなものを、既にその研究に取りかかっておるところでございます。  また、喫緊の課題となっておるところの土壌改良の技術というような、対策技術というふうなことも含めて、チェルノブイリに調査チームを派遣いたしまして関連情報を収集する、あるいはまた職員を直接福島県に出張させまして、被災自治体とも連携を取りながら、この技術というふうなものを、対策技術というものが早急に確立することができるようにもう既に検討を行っているところでございます。
  431. 紙智子

    ○紙智子君 今研究中という話なんですけれども、やはり放射性物質が減少させられるのかどうか、それから環境を回復させることができるのか、また住めるようになることができるのか、こうしたことを含めて、じゃ、どういうことができるのかというのは、もう本当に世界中の知恵を集めながら総力を挙げて対策を追求するということをやらなければいけないと思いますし、何よりも、今移転させられて、そしてこの後どうするかという人たちに対して、本当に希望とか展望とか、そういうものを与えられるように、本当に総力を挙げて示していく必要があると思うんです。  それで、もう一つの質問なんですけれども、損害賠償に対する基本的な立場について、今度は東京電力清水社長、お見えになっていると思いますが、と菅総理にお聞きしたいと思います。  今回の原発事故は、農産物、水産物、工業、商業、観光業と、住民の方々に甚大な被害を及ぼしているわけですけれども、あらゆる被害と損害について東電と政府が全面的な賠償を行うのは当然だと思うんです。そのときに、原発事故がなかったらこれだけの収入があったんだと、それからこれだけ真っ当な生活ができていたんだと、それと今とのこの差ですね、ここをやっぱり全て賠償させる、これが全面補償、賠償ということだと思いますが、これに対して二方から御返事いただきたいと思います。
  432. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 補償の問題についてのお話だと思いますが、大変これから広範囲に、多くの方々への補償という問題になってくると思いますが、今後は原子力損害賠償制度の下で、先ほどお話ございました紛争審査会の指針に基づきまして、公正に迅速に対処していくというのが私どもの基本的な考え方でございます。  よろしくお願いいたします。
  433. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これはいつも申し上げていることでありますけれども、まず第一義的に東京電力がしっかりとその損害賠償に向き合っていただきたいということ、これが第一でございます。それと同時に、やはり東京電力は一都八県に対して電力を供給する義務がございますから、これもしっかり果たせるようにしなければいけない。  そして、私ども政府も、本当にこの被災者の方々、経済的な損害を受けた方々が十分満足のいく補償が得られるように全面的に支援をしていくということでございます。
  434. 前田武志

    委員長前田武志君) 高木文部大臣、答えますか。
  435. 紙智子

    ○紙智子君 総理にも聞いています。本当は二人に聞いたんですよ。
  436. 前田武志

    委員長前田武志君) 高木文部大臣
  437. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 事故が起こっていなければ生じなかったであろう損害についてどうなのかということでございますが、第一次指針においては、社会通念上当該事故から生じるのが合理的かつ相当であると判断される範囲のものであれば原子力損害に含まれるとされておりまして、今回の事故により生ずる損害についても、直接、間接を問わずこの考え方によって適切に判断されるものだと、このように考えております。
  438. 紙智子

    ○紙智子君 全面賠償ということについて聞いているんですよ、総理
  439. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、各担当大臣からお話がありましたように、相当因果関係という言葉で表されているようでありますが、今言われたようなことも含めてその相当因果関係に含まれる部分はあろうかと思っております。その考え方にのっとって、相当因果関係が認められるものは原子力損害賠償法に基づいて適切に賠償が行われると、こういうことであると認識しております。
  440. 紙智子

    ○紙智子君 答えていないんですよ。だから、実際に事故に遭わなかったらちゃんと収入得られた分が減ったと、この分を全部丸々補償するんですねということを聞いたんですよ。どうですか、再度、総理東京電力社長、ちゃんと答えてください。
  441. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この原子力損害賠償紛争審査会というものがまず指針を出して、その範囲にどこまで含まれるかということの中でまずは補償の議論がなされるものと思っております。  いわゆる政治的に更なる支援等々ということが別な意味であるかもしれませんけれども、まずは補償の問題ということでいえば、そういうルールが決まっておりますので、まずルールにのっとって第一義的には東電が補償すると。補償の内容については、今の第一次指針に……
  442. 紙智子

    ○紙智子君 それは全部出すんですか。
  443. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 指針を含めて、今後の指針でその範囲が議論され、決まっていくものと考えております。
  444. 紙智子

    ○紙智子君 全然みんなが思っている関心に答えていないですよ。減った分、差額を全部やるのかということを聞いているわけですよ。社長、もう一回お願いします。具体的にもう少し踏み込んでください。
  445. 清水正孝

    参考人清水正孝君) 繰り返しになりますが、やはり私ども紛争審査会の指針に沿って公正、迅速にやるということを考えていきたいと思っております。
  446. 紙智子

    ○紙智子君 原子力損害賠償紛争審査会のこの一次指針、これ文部大臣にお聞きしますけれども、この指針の中に今回、農業、漁業を含めた風評被害が入っていないわけですけれども、これなぜなんですか。  汚染されていないのに、福島というだけで野菜も牛乳も受取拒否だと。売れないんだったら、いっそ捨てるかと、作らない方がいいのかと。しかし、それをやれば収入が入らないと。ですから、生活が成り立たないわけですよ。どうしたらいいのかという本当に痛切な思いが訴えられているわけです。  今回の指針に入っていれば、すぐに交渉始まって、そして今早く進められると。今言ったように指針待ちになって、全然進まないわけですよ。どうして入っていないんですか。
  447. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) とにかく被害者を可能な限り救済するということから、相当因果関係が明らかなものについて、できるものから順次策定をしていくことになっております。したがって、四月二十八日に出された第一次指針においては、これは政府の指示によって避難を余儀なくされたり、あるいは農産物の出荷停止などにより生じた損害について賠償の考え方を明らかにいたしております。  第一次指針の対象外のいわゆる御指摘の風評被害については、今回の災害、まさに広範囲の産業分野にわたりましてあるいは様々な問題が出ておりますので、これは本事故との相当因果関係のあるものについては、さらに被害状況あるいは今後の事故との関連性の程度に更に詳細な調査が要るものでありますから検討する必要があると、このように検討課題とされたわけでございます。  今後、いずれにいたしましても、風評被害に係る損害についてもできるだけ早く検討を進めていただきたく、私たちとしてはその結果の取りまとめをしたいと思います。
  448. 紙智子

    ○紙智子君 一体どれだけ時間たっていると思うんですか。風評被害というんですけれども出荷停止と同じだけの損害を受けているわけですよ。しかも、一般的じゃないんですよ。やっぱり、農業や漁業については少なくとも雲をつかむような話じゃないんですよ。はっきりしているんですから、現れているんですから、そのことについてはすぐにやっぱり入れるべきだと思うんですよ。  それで、農水大臣にお聞きしますけれども、精魂込めて作った野菜を出荷できないと、それから毎日搾乳して毎日捨てなきゃいけないと、それに加えていろんな支払をしなきゃいけないと、こういうことで追い詰められている中で、実際に大臣自身もお聞きになっていると思いますが、もう待てないというのが現場の声だと思うんです。もうずっと延ばされているんですから、もう先送りしないでほしいと。そういう被害に対して、この賠償の指針にこれ入れさせるべきじゃありませんか、風評被害
  449. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からの御指摘の件につきましては、出荷制限、出荷自粛と同じように、風評被害、相当な因果関係にあって大変困っておる被害者の方々に対しても同じような扱いをしてほしいということを強く求めてきたところでございますけれども、残念ながら一次の指針には盛り込まれませんでしたけれども、検討課題であるというふうなことであるということも承知をいたしておりますので、次の審査会におきまして何としても指針に盛り込まれるように私どもも強く働きかけていきたいと、こんなふうに思っております。
  450. 紙智子

    ○紙智子君 最後に、総理にお聞きします。  今、農水大臣も次の指針に入るようにということです。
  451. 前田武志

    委員長前田武志君) 時間が超過しておりますので、おまとめください。
  452. 紙智子

    ○紙智子君 七月じゃ遅過ぎますから、何としても五月の次の段階で入れてほしいということを、最後に一言、決断お願いします。
  453. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私もできるだけ早い次の段階で入れるべきだと、こう考えております。
  454. 紙智子

    ○紙智子君 終わります。
  455. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  456. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
  457. 片山虎之助

    片山虎之助君 たちあがれ日本片山虎之助でございます。  今日で震災発生から五十二日目でございます。先ほど質問で、一次補正の出し方が遅いと、こういう話がありましたが、もっと遅いのが基本法なんですよ。これは阪神・淡路に比べ相当遅い。こういうものを最初にきちっとやらないから、本部や会議が乱立して訳が分からなくなって司令塔がないなんて言われるんですよね。  ところが、報道によると基本法を出すような話ですが、総理、いつお出しになりますか。その中身のおおよそはどうですか。
  458. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在、各党の御意見も伺いながら政府としても話を詰めていることでありまして、この連休にもう入っておりますけれども、連休が明けるころにはきちんとした方向性を出したいと、こう思っております。
  459. 片山虎之助

    片山虎之助君 大要はどうですか、大体のあれは、中身。
  460. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この復興に向かう一つの考え方と、それに加えて、復興を実際に実行していく上の体制をどのような形でつくっていくのか、そのことが盛り込まれることになります。
  461. 片山虎之助

    片山虎之助君 体制の内容はまだ決まっていないんですか。
  462. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) いろいろな案を検討はいたしております。最終的には、今申し上げましたように、連休明けにはきちんとした形で御提示できると考えております。
  463. 片山虎之助

    片山虎之助君 そこで、その場合に過去の経験から学ばにゃいけませんよね。この百年以内で大きいのは関東大震災と阪神・淡路大震災で、関東大震災のときには帝都復興院というのができたんですよ。これについてはどういうお考えをお持ちですか。
  464. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 関東大震災のときに、時の内務大臣であった後藤新平内相の下に帝都復興院がつくられた。また、阪神・淡路のときは復興対策本部というものがつくられたということは承知をし、それぞれの経過についても物の本なりあるいは関係者のお話を聞いております。  昨日も、復興構想会議、私、国会の関係で最後のところしか出られませんでしたが、この阪神・淡路のときに中心的な役割の一つを担われた石原信雄さんからの話もその場で出されて、その経緯もお聞きをいたしております。
  465. 片山虎之助

    片山虎之助君 帝都復興院というのは五か月だったんですよ。大正十二年の九月の終わりにできて、その次の年の二月の終わりにはなくなるんですよ。後藤新平は内務大臣だったんですよ。だから兼務したんですよ。その後藤新平は、その年の十二月に辞めるんですよ。たった三か月の帝都復興院総裁なんです。五か月で帝都復興院がなくなって、内務省の復興局になるんですよ。これは、基本的には東京市、横浜市の都市計画ですよ、簡単に言うと。だが、これが参考になるかならないかは議論がある。  私は、阪神・淡路大震災のことは聞いてませんよ、総理。もう一遍言ってください。
  466. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 阪神・淡路大震災の折には、まず下河辺さんを中心とする下河辺委員会というもので一つの復興の方向性が議論され、そして、総理がトップでしょうけれども、当時の小里大臣本部長となって、たしか石原信雄さんが言わば事務局長的な官僚の組織の束ね役となって今申し上げました復興本部あるいは復興対策本部がつくられたと承知をいたしております。
  467. 片山虎之助

    片山虎之助君 復興対策本部なんだけれども、これは復興庁をつくろうかという話もあったんですよ。しかし、みんなで議論したら、これは行革の観点からいって、新しい役所をつくれば組織もポストも人も要るんだし、元の役所との切り方が、ようかん切るようなわけにいかないんですよ。そんな簡単にいかない、必ず二重行政になるし。そういうことと、もう一つはやはり地方自治を重視する観点が必要だということで復興対策本部になるんですよ。本部長総理ですよ。二番目に小里さんや官房長官がなるんですよ。何にも、総理、少しは勉強しないと、帝都復興院や、その上で今回何をつくるかということでないと。  それで、どうも伝えられるところによると、復興対策本部をつくって、一年たったら復興庁にすると。その復興庁は、企画と立案と総合調整だと出てましたよ、新聞に。そのとおりですか。
  468. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私も、個別にも、少し前ですが、石原信雄さんから当時のお話を聞かせていただきました。その中で、今も御指摘のとおり、新しい役所のようなものをつくると、元々ある役所との関係で権限の問題が曖昧になりやすくて、二重行政になることは注意しなければならないという御指摘もいただいております。そういう意味で、効果的でスピーディーな復興を実施するためにどういう形が最も望ましいか、そういう皆さんの意見も聞きながら今考え方を煮詰めております。  確かに、最初はそういう本部の形で立ち上げ、それに加えて更に実行体制になる段階で調整をするための復興庁といったものをつくっていったらいいんではないかという、これは他党も含めていろんな御指摘がありまして、そういうことも併せて現在検討中であります。
  469. 片山虎之助

    片山虎之助君 役所をつくるということは、今言いましたように、行革の観点その他もあるんですが、ワークするのに時間が掛かるんです、一つの役所になるのは。それから、全部の役所に協力させた方が得なんですよ、そこだけ頑張るよりも。そこのところのあれがあるんで、本部をつくるのは結構ですよ、今回。しかし、一年たったらそれを復興庁に格上げするなんというのは、時代ギャップも甚だしいと思いますよ。思われませんか。
  470. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、片山議員から御指摘をされている問題も含め、またいろいろな議論が我が党の中でも出ておりますので、あるいは各党からも出ておりますので、そういう議論を含めてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
  471. 片山虎之助

    片山虎之助君 そこで、今回の大震災が阪神・淡路や関東大震災と違うのは、もう何度も議論が出たように、被害が広域で大規模でしょう。しかも、これは地震に津波原発事故に更に風評被害の四重唱ですよ。しかも、根っこになる自治体市町村とコミュニティーが崩壊しているんですよ。したがって、今回は、私は前の二回と違って国がずっと前面に出にゃいかぬと思いますよ。  国がしかし前面に出て全部仕切るようなことになると、東北が国の直轄になる。やっぱり国が前面に出て、もうあらゆる応援をしなきゃなりませんが、私は県を中心に、昨日、前の兵庫県知事が自治体連合と言われたようですけれども、これもなかなか実際のやり方は難しいと思うけど、そこで工夫せにゃいけません。国は、人も出す、金も出す、あらゆる制度についての便宜を図る、情報を与える、技術を与える、現地本部を強化する。しかし、あくまでも中心は私は被災県なり被災市町村。これはばらばらですよ、能力あるかないか、被害状況にもよりますけれども、そういうものを中心の仕組みをつくらなければ二十一世紀のモデルになりませんよ。そこで下の皆さんの意向を吸い上げてそれぞれの自治体を復活させていく、コミュニティーを再生させていく、そういうことが根っこにないと私は本当の復興にならないと思っているんですよ。どうですか。
  472. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 御指摘いただいていることは大変重要な視点だと思っております。  やはり考え方の基本は、やはり地元皆さんの声や希望というものを最大限復興の形に反映させなければならないと。現在復興構想会議にも地元三県の知事にお出ましをいただいておりますけれども、実施体制の中でもそういう地元の声がしっかりと実施体制の中で反映をされるというよりは、逆にそこが中心になっての復興であろうと。それを今御指摘のように財政面あるいは制度面、人材面で支えるのが国の役目であろうと、このように考えております。
  473. 片山虎之助

    片山虎之助君 それからもう一つ、本部を総理おつくりになるんなら、本部長になられても、細かいことを全部総理が自ら仕切ろうというのはおやめになった方がいいですよ。いろんなことが心配でたまらないかもしれませんよ。しかし、それはその次になった方に全面を任せてやっていただくのが阪神・淡路の一つの教訓なんですよ。  それは、帝都復興院は、山本権兵衛なんです、内閣は。後藤新平はその内務大臣で、自分で手を挙げてなったんですよ。彼はその前東京市長だったから、東京市についてのいろんな彼の思いがあったから、都市計画案作るんですよ。それが四十億円だったんです。あのころ政府予算は十六億か十七億ですよ。四十億円の復興プラン作るんです。寄ってたかってやられるんですよ。最後になったのは四億円ですよ、四十億円が。しかし、やってみますと、復興局で六年やるんだから、結局は六億円になるんだけれども、そういう経過があるんですよ。  後藤新平が全部やったわけじゃありませんよ、帝都復興は。むしろ内務省を中心にしたいろんな技術屋の営々たる努力で帝都が復興したんですよ。彼だけが功績の独り占めになっていますけれどもね。私は後藤さんに恨みも何にもあるわけじゃないから言うわけじゃないけど、事実はちゃんと守っていかにゃいけません。  そこで、総理総理が自分で全部やろうというのはやめないと。あなたは君臨すれども統治せずでいいんですよ。じっと座っといてくださいよ、任せなさいよ。それが総理の度量ですよ。いかがですか。
  474. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 片山先生がおっしゃることは、私にもあるべき姿として、しっかりした方を実質的な実行役に据えて全ての省庁が一丸となって協力できる体制をつくって、そうした下に本部長という形で座ると、そういう形ができれば私も理想的だと考えております。
  475. 片山虎之助

    片山虎之助君 私はこの前のここでの質問で、総理にある意味では失礼なことを申し上げたかもしれません。今回の大震災総理のときは私は巡り合わせと言った。運命とは言わなかったような気もしますが、総理はその後運命と言われた。まあ宿命と言ったらあるいはいいのかもしれません。そういうときに巡り合わせたのは幸運であり不運なんですよ。しかし、これは歴史の大きな一こまで総理になられたんだから、これはみんな見ていますよ。こういう巡り合わせ、運命のときに、総理は何をやり、どう身を処するか、進退を含めて、それをしっかりお考えになることが国家国民のためであり、あるいは歴史の審判をしっかり受け入れることだと思います。  御感想があれば。
  476. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 大変な激励というふうに受け止めさせていただきます。ありがとうございました。
  477. 片山虎之助

    片山虎之助君 終わります。
  478. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  479. 前田武志

    委員長前田武志君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
  480. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合吉田忠智でございます。  この度の大震災で亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災をされ困難な生活をされておられる皆さんに心からお見舞いを申し上げます。  まず、総理にお伺いをします。  先ほどお話がございましたが、今回の補正予算は私は被災地の皆さんに対する政府のメッセージだと思います。あしたもし成立をすれば震災から五十余日目、なぜこんなに遅れたのか、そのことの私は反省が必要だと思います。そのことの反省とこれからの決意をまず総理にお伺いしたいと思います。
  481. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 被災された皆さん思い、私もいろいろな被災地あるいは避難所お話を聞いて、いろいろなことをもっと急いでほしい、そういう痛切な声も聞いております。そういう意味で、この復旧を急がなければならないという思いはおっしゃるとおりだと思っております。  と同時に、この間、発災の三日後には一回目の予備費を使用し、既に六度にわたって千百八十二億円の予備費を投じて救援あるいは復旧に携わっているところでありまして、財政的な制約でやるべき復旧ができなかったとか、そういう活動ができなかったということには私は基本的にはなっていないと思っておりまして、そういう中で、もちろん月内にも成立をできるようにとも思いましたけれども、結果として月を越えてしまったことについては申し訳ないと、このように思っております。  いずれにいたしましても、この予算を成立させていただいて、今進んでいる復旧活動を更に加速をさせ、そして次の段階、復興に向けての議論を本格化させ二次補正等につなげてまいりたいと、こう考えております。
  482. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非そうした決意で進めていただきたいと思います。  野田大臣が手を挙げておられましたのでちょっとお伺いしますが、今回の補正予算を編成するに当たってどのようなことに留意をされたのか、お伺いします。
  483. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 何よりも早期復旧に資する、そういう事業を行っていこうということでございまして、仮設住宅建設であるとか、あるいは中小企業者の事業再生、経営安定のための金融支援でありますとか、雇用でありますとか、あるいは地方が自由に使えるお金として地方交付税交付金千二百億であるとか、あるいは先ほど来議論がありましたけれども、瓦れきの撤去、早期復旧で必要な事業で年度内の執行が見込まれるものを中心に約四兆円の規模で歳出を組まさせていただきました。
  484. 吉田忠智

    吉田忠智君 予算規模については、社民党はもう十兆円程度のものを一気にやったらどうですかということは提案をさせていただきました。ただ、歳出の内容については、もう当面の復旧に必要なことということで、この点については問題ありませんが、問題は歳入の部分、財源の問題でございまして、少なくとも野党がやっぱり受け入れられるような財源の内容を早く提示すれば、こんなに時間が掛からなかったんじゃありませんか、財務大臣
  485. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 時間が掛かったか掛からないか、それはいろいろな要因があると思いますが、先ほど総理お話をしたとおり最大限早期に出したつもりでございまして、歳出の、まさに財政需要、これを、まさに広範で大規模な被災であったし、自治体機能が低下している分、その現況把握に時間が掛かったというところが阪神・淡路よりは時間が掛かった理由だと思いますが、財源についても与野党で真摯な御協議を踏まえての対応をさせていただいたと思います。
  486. 吉田忠智

    吉田忠智君 議論がありましたように、第一次補正では国債を出したくないという私は不要なこだわりが時間を要したのではないか、そのように思っておりまして、そのことを反省してこれからの第二次補正予算編成に当たっていただきたいと思います。  そこで、今後の復興財源についてどのように考えておられるのか、財務大臣、お伺いします。
  487. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 復興財源については、まずは復興に向けての青写真を作って、そして必要な対策をどうするかという議論を経た後にそれらを実現をするための財源づくりの議論をしていきたいというふうに思います。歳出歳入両面にわたるしっかりとした対応が必要だと考えています。
  488. 吉田忠智

    吉田忠智君 内々には消費税の増税も検討されているように聞いております。増税そのもの、もちろん問題がありますが、特に消費税については、御案内のとおりの逆進性があることに加えて、これやっぱり被災をされた地域の皆さんにもかかわるわけですね。どなたか言われましたように、戻し税などということは物理的にできるはずもありません。  そういう意味で、私は消費税そのものが極めて問題であると思いますが、そのことについての見解を伺います。
  489. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、財源ありきでまずやっている議論ではありませんし、ましてや、個別の税をどういう形で上げるとか技術的にどうのという、そういう検討をしているということを今政府で行っているわけではございません。
  490. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非消費税を復興財源には使わないということを明言をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  491. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) さっき申し上げたプロセスをたどらなきゃ駄目だと思います。復興をどういう形でするのかという中で、それを実現するための財源はどうするかと。そのときに、例えば税という議論が出たときには政府税調で議論をしてまいりますし各党の御意見も入れますが、与党の税制改正のプロジェクトとも協議をしながらそういうプロセスをたどっていくということでございます。
  492. 吉田忠智

    吉田忠智君 はっきり明言していただかなかったのは残念でありますけれども、いずれにしても復興財源につきましては、るる議論がありましたように、国債整理特別会計や、我が党の又市副党首も先般決算委員会で申しましたが、外為特会などの特別会計、いわゆる埋蔵金、こういう非常事態でありますから、やっぱりそういうことも検討しなければなりませんし、また復興国債というものも国民の皆さんに御理解いただきながら使って進めていく必要があると、そのように考えています。  次に、二重ローンの問題で午前中質疑が行われました。総理は救済措置を講じていくという答弁でございましたが、特別立法も視野に入れているという御理解でよろしいですか。
  493. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私が今日の午前中申し上げたのは、いろいろな形で、金融的な支援ということに加えて、場合によっては出資という形での支援ということも考えられないだろうかと。これは、ある県知事の提案では、各自治体に市長を社長とする事業体をつくって、そういうところが仕事をいろいろと受けて、いろんな人に仕事をやってもらうとか、いろんな案が出されております。  また、水産業などで一部の人たちから、ある事業体をつくって、そこで共同して水産業、漁業を営むような形のときの構造をつくるときに、場合によっては出資という形もあり得るのではないかという御指摘もいただいております。  いずれにしても、今あるローンが、住宅であれば住宅が流されたというような中で、それに重ねてのローンという形ではない仕組みが何かつくれないか、そういうことも検討したいという趣旨で申し上げたところです。
  494. 吉田忠智

    吉田忠智君 そのためにはやっぱり法的な措置が前提じゃありませんか。
  495. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) そういったことを可能にするにはどうしたらいいのか、それを進める場合に法律が必要になるのかならないのかも含めて、いずれにしても、二重ローンというものが大変これからの復興にとって被災者皆さんに極めて重い負担になりますので、できるだけそれを避けるための手だてということで考えていきたい、それを法制も含めて考えていきたいということであります。
  496. 吉田忠智

    吉田忠智君 こういうときに、テレビが入っているわけですから、国民の皆さんや中小企業の皆さん、立ち上がろうとする農業、漁業者の皆さんにメッセージを発していただきたいんですよ。債務免除益課税の回避や金融機関に対する無税償却の容認、公的資金の注入や不良債権の買取り、こうしたことをするためにはやっぱり特別立法が要るんですよね。どなたかが震災徳政令と言われましたけれども、こうしたことを制定すべきと考えますので、是非今後検討いただきたいと思います。  次に、避難所被災地での女性や子供に対する性犯罪、虐待の防止についてですが、阪神大震災のときも、五年、十年にしてようやく痛ましい体験が語られるようになってきました。政府はどのような取組を行っておられるか、伺います。
  497. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) 避難所また被災地での犯罪、特に女性や子供たちが事件に巻き込まれる。特に御関心といいますか、御質問の中で性犯罪や性暴力等の問題についてお尋ねがありますが、警察といたしましては、被災主な三県、八千名警察官がいますが、全国からそれに加えて四千五百名総動員をいたしまして、パトカーで制服を着ていわゆる見える警察の姿勢と、もう一つは覆面パトカーと私服刑事、これが両々相まって犯罪防止のために、治安を守るために今頑張っております。また、避難所等につきましては、百名を超す女性警察官が、しかも臨床心理学を学んで、そして被災者の機微にわたるいろんな心理を読み取ることができますようにという細心の注意も払いつつ御相談に乗らせていただくということなども含めて、鋭意努力をいたしているところでございます。  ちなみに、被災三県におきます事件でございますが、強姦はこの時期、大地震が発生いたしましてから今日までのこの日数で比較をいたしますと、昨年が九件だったのが二件に減っております。それから、強制わいせつは昨年三十二件だったのが今年は十三件に激減をいたしております。しかも、この発生した事件はいずれも被災地や避難所で発生したものではありません。  ということで、避難所におきまして、そのリーダーの皆さんやいろんな方々が、女性そして子供、そういう、またお年寄りや病人の方々に細心の注意を払って避難所運営をやっていただいているということが大変大きな効果を発揮していると思いますし、その皆様方と連携を密にしながら、警察としても、今後とも全力を尽くして安心、安全の環境をつくるために努力をしてまいりたいと思います。
  498. 吉田忠智

    吉田忠智君 警察も自治体も取り組んでいただいていると思いますけれども、手が回らない避難所も多くて、結果的に大きな避難所に支援が偏っていると聞いております。避難所被災地に女性や子供だけの利用スペースを設ける、あるいは風呂やトイレの構造をチェックをする、見回りに複数の女性を必ず入れるなど、工夫できることはまだまだあるはずですので、是非そうしたところも工夫していただきたいと思いますが、いかがですか。
  499. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) いろいろな御提言をいただきました。それらは十分参考にさせていただきながら、いろいろな検討をさせていただきたいと思います。ちょっとこれから長い期間対応していかなければいけないと思います。  また、この二十六日でありますが、政府広報、これちょっと小さく圧縮しておりますが、女性・子育て中の方へのお役立ち情報、又は女性警察官による避難所巡回相談がありますよとか、こういうことをそれぞれのところに張り出させてもいただいておりますし、いろんな工夫をまたさせていただきたいと思います。
  500. 吉田忠智

    吉田忠智君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、被災市町村への人的支援についてでございます。私の友人が、大分県の人ですが、被災市町村に応援に行きまして、是非取り上げてほしいという話でございました。  甚大な被害を受けた市町村は、発災以来、市町村の職員の皆さんは不眠不休で仕事をしておられるのは御案内のとおりでありますが、もう燃え尽きる寸前という話があります。今派遣もなされておるようですが、もう少しこれを充実をしていかないと本当に住民サービスにも影響するという話もございますが、是非その辺の状況と今後の取組について伺います。
  501. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 総務省からも被災地に職員を派遣しておりまして、私も直接その職員からの報告を受けました。  その中で、被災地の自治体の職員の皆さんが非常に疲弊している。特に、自身が家族を失ったり、自身が被災をしている方が、しかし被災された住民の皆さんのためにもう寝ずで働いておられる。しかも、当初の物資の支援にしても、それから例えば休息を取る場所を確保するにしても、どうしても被災した住民の皆さんが第一になりますから職員は二の次になってしまって、本当に気の毒な環境にあるということを伺いました。  そういうこともありまして、既に自治体に対して、職員の皆さんの心身の健康管理には是非気を付けていただきたいということをお願いをしております。これは被災地も、それから応援をして駆け付けた職員のことも含めてであります。  もう一つは、先ほどおっしゃったように、応援体制をしっかりするということで、当初はもう人手、何人ということでやりましたが、これからは、今からは少し計画的に期間も長く、それからそれなりの経験や知見を踏んだ職員をということで、これは今ネットワークをもうつくりまして作動が始まっております。  これからも、それぞれステージが変わってきますので柔軟に要望を伺って、それから全国の自治体から必要な職員の皆さんに派遣の要請をしていきたいと考えております。
  502. 吉田忠智

    吉田忠智君 行った方から、お話のございましたように、もうやっぱりでき得れば一年以上の長期間の派遣にしてもらいたいというお話もございました。出す側の都道府県や市町村もこの間の行革で定数削減が進んでおりまして、厳しい中で出しております。そのことも、出す側のところもフォローもしっかりしていただきたいと思っております。  次に、何回か議論がありました国家公務員の給与の削減の問題ですが、こういうときに、総理、本当に不当に引き下げるようなことを考えているんですか。
  503. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほど総理からも要点が答弁ありましたけれども、既に昨年の十一月の当時の人事院勧告の処理をめぐりまして閣議決定をしております。それによりますと、今国会に国家公務員の給与の引下げに関連する法案を出すということにしております。  震災がありましたので検討が少し遅れておりましたけれども、近く正式に国家公務員の職員団体の皆さんと話合いをして、その上で成案を得て今国会に提案をしたいと考えております。
  504. 吉田忠智

    吉田忠智君 いいですか、一点。  各省庁の職員の皆さんも、この間、不眠不休の仕事をされてこられました。大臣全員皆さんに聞きたいところですが、代表して防衛大臣。  自衛隊の皆さん、今回、史上最大規模の応援を入っていただいて本当に被災地で御苦労されておりますが、この給与を引き下げるということについてどのように思われますか。
  505. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 自衛隊員にお気遣いをいただいて大変有り難いわけでありますが、今、片山大臣から答弁もありましたように、閣議決定をした中で事が進んでおります。防衛省とすれば、一般職の給与も含めて自衛隊員の給与改定については、今の現状も一つの国民感情でもありますので、そういうことも政府の中でしっかり議論をしながら進めてまいりたいというふうに思っています。
  506. 吉田忠智

    吉田忠智君 本当に慎重に検討していただきたいと思います。  もう未曽有の震災に対応する大胆な被災者支援、これを取り組んでいただくように要請をしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  507. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)  明日は午前八時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会