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政府参考人(
石井淳子君) 財産管理ですね。
まず、分かりやすい方から。財産管理につきましては言わば管理権でございまして、
監護、
教育、
懲戒の対象から除外をされますものですから、そもそも
児童福祉法の中で授権されていないものでございますから、それは対象外ということになります。
若干微妙になってきますのが携帯電話とかあるいはアルバイトというところだと思います。
実際問題、携帯電話の契約については非常にトラブルが報じられております。
親権者のいる入所
児童等につきましての
施設長の権限は身上
監護に関するものでございまして、携帯電話の契約となりますと、契約の同意といったような財産管理権の問題に刺さってくるわけでございます。ここは、その
施設長等の権限にはぎりぎり申しますと含まれてこないわけでございまして、契約の同意や取消し権は
親権者にあると解されております。
しかしながら、
監護していく上でこうした問題、出会いますし、非常に重要な位置
関係もあるわけでございまして、この問題をもし
対応しようとすると
施設長等に法的な権限を持たせる必要がある。そうなりますと、今回
改正で盛り込もうとしております
親権の停止とかあるいは管理権の喪失というものをやることによって安定的な
関係をつくるということになりますが、ただ、実態上、
施設等の現場におきましては、
施設長の同意で契約を認める携帯会社がございますのでそういうところと契約をするとか、あるいは
施設や
施設長名義で契約を行って
児童に貸与する形で使用させるといったような形で
施設入所中の
児童が携帯電話を使えるようにしているというふうに承知をいたしているところでございます。
それから、アルバイトの問題でございますが、アルバイトも
子供の
教育の延長線上でとらえることも可能かと思いますが、やはりその契約という行為、特に雇用契約になってきますと、契約というものは、これは
児童の、
施設長等には授権されておりませんので、その限りにおきましては
施設長がやはりこれを単独で行うことには、いろいろ、その取消し権が行使された場合どうなるかといったような問題が伴うわけでございますから、やはり最終的には法的な権限を持たせるための
対応が出てこようかというふうに思います。
それから、口座の開設の
関係でございますが、これも財産管理の問題に属するのではないかなと思いますが、ただ、
子ども手当のときにも問題になったわけでございますが、やはりこれは、そもそも
政府が提出いたしました二十三年度の
子ども手当に関する法律の中では
施設の設置者に
子ども手当を支給するようにしようとしたわけでございますけれども、そのときの整理としまして、やはり
施設の設置者が
子供に対してそのお金を与えると、それは直接に与えるという形での意思表示をした場合には
子供の財産として管理されることになるという
関係はございます。
そして、もう一つちょっと補足をさせていただきたいんでございますが、銀行口座の開設の
関係は実は幾つか法律がございまして、まず一つは犯罪による収益の移転
防止に関する法律というのがございまして、金融機関において口座を開設する者の本人
確認、これが必要になってまいります。具体的には住民票とか健康保険証等の書類の提示が求められてくるわけでございますけれども、これらの書類が
親権者の意向でやはり提示できない場合でありましても、これは
児童相談所が発行する
措置証明書等の書類によって入所中の
児童の本人
確認書類とすることが認められております。
あと、もう一つの法体系としまして、今度は金融機関の方でございます。金融機関におきましては、未成年者の銀行口座の開設について、やはり通常、法定代理人であります
親権者の同意を求めております、やはり管理権を持っているということであるわけでございますが。そういうことでございますけれども、ただ、現実の運用としましては、
施設入所中の
児童の場合につきましては個々の金融機関の判断とはなりますけれども、
施設長の申出によって銀行口座の開設は可能としているというふうに承知をいたしております。