○
福岡資麿君 私は、
民主党・新緑風会、自由
民主党、公明党及びみんなの党の各派共同提案による
原発事故による
牛肉からの
放射性セシウムの
検出に関する決議案を
提出いたします。
案文を朗読いたします。
原発事故による
牛肉からの
放射性セシウムの
検出に関する決議(案)
東京電力株式会社の
原発事故により汚染された
稲わらが原因で
牛肉から暫定規制値を超える
放射性セシウムが
検出されている件については、
地域的な拡大とともに消費者の食の安心を揺るがす一方、風評
被害による枝肉価格の暴落、出荷
制限や出荷自粛、
牛肉消費の減退等の
影響により、肉用牛農家が計り知れない経済的損失と精神的苦痛を被っていることはもちろんのこと、食肉流通業、外食産業等にまで大きな
影響を及ぼしている。
他方、畜産業者等の損害賠償請求に対する東京電力株式会社の仮払いは遅滞し、支払額も少額に留まり、本払いの見通しも立っておらず、
被害者の早期救済に向けた目途が全く立っていない
状況にある。
このような事情の下で、食の安全・安心を確保するとともに、畜産業に携わる方々が安心して経営できる
環境を整えるため、
政府は、
稲わら等の利用
制限についての周知徹底が十分でなかったことにより
被害が拡大したことを重く受けとめ、また、様々な
影響が生じていることにかんがみ、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一 消費者の信頼
回復に向けた安全管理体制を確立するため、汚染された
牛肉を出荷した県については、国の主導により速やかに全頭検査を行い、安全証明書を発行すること。その際、検査基準を明示するとともに、検査機器や検査要員の確保、検査費用等について国による財政
支援を行うこと。
二 今回の
原発事故により
被害を受けた生産者、流通業者等の早期救済を図るため、出荷
制限以外の
牛肉で市場価格の下落等により
被害を受けた生産者、流通業者等への
被害の賠償につき、適切に指針に位置付けるよう原子力損害賠償紛争審査会に働きかけ、早期の仮払いが実現され、全損害額の賠償が早急かつ適切になされるようにすること。
三 二による賠償の支払いに当たっては、
平成二十三年原子力事故による
被害に係る緊急
措置に関する
法律及び原子力損害賠償
支援機構法に基づき、速やかに仮払いを行うこと。
四 三に加え、
牛肉から暫定規制値を超える
放射性セシウムが
検出されている件については、先般
農林水産省が公表した
緊急対策を国による主体的な
取組としてさらに充実・
強化し、農家等に対して早急に立替払いをすること。特に、出荷遅延
対策として立替払いの増額など肉用牛農家等に対する経営
支援の一層の充実や、汚染された
稲わらを給与された牛の肉については、すべて国の責任によって、市場から隔離すること、加えて、出荷
制限の指示が出された県については、出荷適期にある肉用牛についても農家の意向を踏まえ全頭を買い上げること等買上対象の範囲の拡大を図ること。
さらに、汚染された
牛肉を出荷したすべての県については、肉用牛肥育経営安定特別
対策事業(新マルキン)の運用
改善を適用するとともに、
平成十三年のBSE
発生時に講じた「BSEマルキン」を参考に、物財費をすべてまかなうことを前提として、生産者の負担を求めず、毎月補てん金を支払うこと。また、出荷
制限・出荷自粛について、解除のルールを明確にすること。
五 「
稲わら等の緊急供給
支援対策」では、
稲わらについて、当面の必要数量と供給可能数量及び供給
方法を早急に明示し、農家の不安の解消に努めるとともに、今後生産される
稲わら等の自給粗飼料について放射性物質の検査を
実施し、
安全性の確認と万全の流通
対策を行うこと。
六
政府は、早急に実態
調査を行った上で、金融機関に対して、再度、資金の円滑な融通、既貸付金償還猶予について強く要請を行うとともに、飼料メーカーに対する飼料代の支払い猶予のさらなる要請に加え、その経営に支障を来たさないよう、
対策を講じること。
また、汚染された
牛肉を出荷した県や農協等が、独自に生産者や関連産業に融資を行った場合、国は
支援を行うこと。
七 農地土壌の汚染拡大を防止し、食品衛生上問題がない農産物の生産を確保するため、早急に堆肥等の
放射性セシウムの基準を設定するとともに、基準を超えるものの取扱いについて、
政府全体としての方針を明確にすること。
八 汚染
牛肉については、市場隔離を徹底するとともに、早急に処理
方法について
検討し実行すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をお願い申し上げます。