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2011-05-02 第177回国会 参議院 農林水産委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月二日(月曜日)    午後零時三十三分開会     ─────────────    委員の異動  四月十八日     辞任         補欠選任      金子 恵美君     川合 孝典君      徳永 エリ君     平野 達男君  四月十九日     辞任         補欠選任      川合 孝典君     金子 恵美君      外山  斎君     江田 五月君      平野 達男君     徳永 エリ君  四月二十日     辞任         補欠選任      江田 五月君     外山  斎君  四月二十一日     辞任         補欠選任      青木 一彦君     丸川 珠代君  四月二十二日     辞任         補欠選任      丸川 珠代君     青木 一彦君  四月二十六日     辞任         補欠選任      外山  斎君     平田 健二君      徳永 エリ君     江田 五月君  四月二十七日     辞任         補欠選任      江田 五月君     徳永 エリ君      平田 健二君     外山  斎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         主濱  了君     理 事                 岩本  司君                 大河原雅子君                 野村 哲郎君                 山田 俊男君     委 員                 一川 保夫君                 金子 恵美君                 郡司  彰君                 外山  斎君                 徳永 エリ君                 松浦 大悟君                 青木 一彦君                 加治屋義人君                 鶴保 庸介君                 長谷川 岳君                 福岡 資麿君                 横山 信一君                 渡辺 孝男君                 柴田  巧君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   鹿野 道彦君    副大臣        農林水産大臣  筒井 信隆君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        和田 隆志君        農林水産大臣政        務官       吉田 公一君    事務局側        常任委員会専門        員        稲熊 利和君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      長谷川彰一君        文部科学省研究        開発局長     藤木 完治君        環境大臣官房審        議官       加藤由起夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○農林水産に関する調査  (派遣委員報告) ○政府参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災に対処するための土地改良法の特  例に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農  業委員会委員選挙臨時特例に関する法律  案(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 主濱了

    委員長(主濱了君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産に関する調査議題といたします。  去る四月二十六日に行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。岩本司君。
  3. 岩本司

    岩本司君 報告に先立ち、ここに、今回の震災により犠牲となられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  委員派遣の御報告を申し上げます。  去る四月二十六日、主濱委員長大河原理事野村理事山田理事横山委員柴田委員紙委員及び私、岩本の八名は、宮城県におきまして、東日本大震災による農山漁村及び農林水産業被害状況等に関する実情調査を行いました。  去る三月十一日に発生した三陸沖を震源とする巨大地震により、東日本太平洋沿岸を中心とする広範な地域において大津波等で未曾有の被害が生じておりますことは御案内のとおりであります。死者、行方不明者は二万五千人以上、また、現在もなお避難生活を続けられている方が約十三万人おられます。  今回視察いたしました宮城県は、農林水産業基幹産業とする日本有数食料生産基地でありますが、震災により県内の農林水産業に甚大な被害が発生いたしました。  この宮城県にあって、耕地面積の約半分が冠水した東松島市と漁港及び関連施設壊滅的被害を受けた女川町を視察し、現地関係者との意見交換を通じて、被災した農山漁村農林水産業早期再建復興に向けた本委員会の取組に資することが今回の調査の目的であります。  以下、その概要について申し上げます。  まず、東松島市に赴き、大曲地区被災農地を視察するとともに、市及び農業関係者との意見交換を行いました。  大曲地区は海岸から約五百メートルの距離にあり、約七メートルの津波が打ち寄せて河川の堤防が決壊するなど、一帯が冠水しました。これにより排水機場の大部分が損壊したため、排水が困難となりました。国の支援により応急の排水対策が講じられ、一週間ほど前にようやく水が引き始めたとのことですが、農地に残存した膨大な量の瓦れきを撤去する時期は未定であります。  意見交換の場では、初めに阿部市長から、同市では堤防の決壊、一メートル前後の地盤沈下及び大潮による浸水で、水田から容易に海水が引かない状況にある、今後、瓦れき撤去塩害対策を講じていかなければならないが、来年以降の作付け白紙状態で、ハード、ソフト併せてどう対応していくのか懸念がある、また、今回の震災は、従来の激甚災害対応の枠組みにとどまらず、今までにない国の対応が必要である旨の発言がありました。  次に、いしまき農業協同組合齋藤組合長から、排水機場損壊の問題は、東松島市にとどまらず、石巻市の圃場にも影響するため、早期排水機場復旧する必要がある、瓦れきを撤去し除塩作業開始する必要があるが、休耕すれば農地の復元に相当の労力と時間を要するため、稲の作付けをしながら水を流して塩分を除去していくべきである旨、河南矢本土地改良区の佐藤理事長から、今回、十八機ある排水機場のうち十四機が稼働不能となり、現在、国及び県の協力により五〇%の稼働を目指して修理中である、また、農業農村整備事業償還金残額全額免除を願いたい旨、鳴瀬土地改良区の横山理事長から、津波により各集落が根こそぎ流され、改良区の六百五十ヘクタールの農地のうち約二百ヘクタールが海になってしまっている、人手や資金が不足する中、国の支援を是非ともお願いしたい旨、石巻地方農業共済組合亀山組合長から、地震の発生が水稲の共済責任期間開始前で現行法では救済されないため、営農再開までの国による特別な支援をお願いしたい、また、被災農家資金不足により共済加入が困難とならないよう十分な支援をお願いしたい旨の発言がありました。  なお、いしまき農業協同組合から生産基盤早期復旧等について、また、河南矢本土地改良区から農業用施設農地災害復旧事業全額国庫負担等について、それぞれ要望書が提出されました。  派遣委員からは、排水機場等について国営県営等設置者が異なる場合の一括整備在り方震災対応のための二十三年度第一次補正予算内容に対する農業関係者の認識、農業農村整備事業償還金残額震災後の畜産飼料確保状況被災農地の利用に向けた農家の思い、国や県に対する具体的要望等について質疑が行われました。  次に、女川町に赴き、女川漁港を視察するとともに、町及び水産業関係者意見交換を行いました。  女川漁港は、漁業と養殖業合わせて年間八万二千トン、約八十億円の水揚げがあります。今回の大津波は約二十メートルの高さに達し、漁港関連施設をことごとく押し流してしまったため、今後、瓦れきの処理や防波堤、護岸のかさ上げ工事実施とともに、漁港としての再建復興をどのように行っていくかが女川町において課題となっております。このため、高台に住居を移すとともに、五つくらいの漁港を一つに集約し、そこに集中的に投資していく方策が検討されております。また、漁業再開には二、三年掛かると思われるため、水産業関係者の仕事をいかにつないでいくかが重要とのことであります。  意見交換の場では、初めに、安住町長から、女川水産の町であり、国と協力し、漁業共済加入促進に向けた仕組みづくりに取り組んできたが、今回の災害共済に加入していれば救済されるというものではない、被災地を見た上で今後の日本漁業在り方について示唆をお願いしたい旨の発言がありました。  次に、女川魚市場買受人協組合高橋理事長から、現状は大変厳しいが、漁師が獲った魚を出荷して消費者に食べてもらうことが一番の望みである、漁港施設等復旧も早急に願いたい旨、宮城漁業協同組合女川町支所の阿部運営委員長から、浜の瓦れきは自衛隊と組合員で撤去したが、漁場の瓦れきは手付かずの状態であるため、早急に対応してほしい旨の発言がありました。  派遣委員からは、今後の漁船の確保方策水産業を一時国営化するとの提案に対する見解、漁協による漁業者雇用対策への期待、福島第一原子力発電所事故によるサンマ等消費への影響に関し、水産物の原産地表示水揚げ港が属する都道府県名ではなく、漁獲した水域名とすることの必要性水産加工流通業も含めた水産業の一体的な復興対策を進めることの重要性等について質疑が行われました。  以上が調査概要でありますが、いしまき農業協同組合及び河南矢本土地改良区から提出されました要望書につきましては、本日の会議録末尾に掲載していただきますよう委員長のお取り計らいをお願い申し上げます。  最後になりましたが、東松島市及び女川町を始め被災地の一日も早い再建復興委員一同全力を尽くしますことをお誓い申し上げますとともに、今回の調査に当たり、御多忙を極める中、御協力いただきました現地皆様方に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。
  4. 主濱了

    委員長(主濱了君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  なお、ただいまの報告にありました現地からの要望書につきましては、本日の会議録末尾に掲載することといたします。     ─────────────
  5. 主濱了

    委員長(主濱了君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案及び東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会委員選挙臨時特例に関する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣大臣官房審議官長谷川彰一君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 主濱了

    委員長(主濱了君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 主濱了

    委員長(主濱了君) 東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会委員選挙臨時特例に関する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。鹿野農林水産大臣
  8. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案及び東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会委員選挙臨時特例に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  まず、東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  東日本大震災により被災した農業地域においては、被災農家意欲を絶やすことなく、早期営農再開できるようにするため、災害復旧の速やかな実施が求められています。とりわけ、津波により壊滅的な被害を受けた地域においては、海水浸入による塩害に対処するための除塩を含め、災害復旧について国等が緊急に取り組む必要があります。また、これらの壊滅的な被害を受けた地域においては、災害復旧と併せて農用地再編整備土地改良施設改良等対策を講じることが地域農業の再生を目指す上で効果的であり、これらの事業について国又は都道府県が迅速に対処できるようにする必要があります。これらの措置実施するのに必要な土地改良事業特例措置を講ずるため、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、この法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、津波による海水浸入のために農用地が受けた塩害を除去するために行う除塩事業について、国、都道府県市町村又は土地改良区が災害復旧土地改良事業として行うことができることとしております。  第二に、国又は都道府県農家等からの申請によらずに災害復旧と併せて土地改良施設の変更や区画整理事業を行うことができることとするなど、事業実施の手続を見直すこととしております。  第三に、津波による災害に対処するために行うこれらの事業について、国営事業に関する国庫負担かさ上げ及び都道府県営事業等に対する国の補助のかさ上げ措置を講ずるものであります。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。  次に、東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会委員選挙臨時特例に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、東日本大震災影響のため、海区漁業調整委員会及び農業委員会委員選挙を適正に行うことが困難と認められる県及び市町村について、委員選挙期日選挙人名簿調製等に関する特例措置を講ずるものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、海区漁業調整委員会委員選挙を適正に行うことが困難と認められる県として農林水産大臣が指定する県の海区漁業調整委員会委員補欠選挙について、当該補欠選挙を行うべき事由委員任期満了による選挙期日の前日までに生じたときには、当該補欠選挙は行わないこととしております。  第二に、農業委員会委員選挙を適正に行うことが困難と認められる市町村として農林水産大臣が指定する市町村農業委員会委員任期満了による選挙期日について、平成二十四年七月三十一日までの間で農林水産大臣が指定する期日とし、当該委員任期当該期日の前日までとするとともに、当該期日の前日までに補欠選挙を行う事由が生じた場合であっても、当該補欠選挙は行わないこととしております。  第三に、選挙を適正に行うことが困難と認められる選挙管理委員会においては、選挙人名簿調製に関する期日等当該選挙管理委員会が定めてあらかじめ告示する期日等とすることとしております。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  9. 主濱了

    委員長(主濱了君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 金子恵美

    金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。  今こうしている間にも、多くの被災者皆様復旧復興に向けての希望を持てずに苦しんでおられます。これまで我が国の第一次産業を支えてきた農業者、そして漁業者皆様方も同じです。どうか被災者人たち希望の光を当てることができるように、一刻も早く支援対策を更にしっかりと進めていただきますようお願い申し上げます。  法案についての質問に入る前に、原発災害補償についてお伺いします。  四月二十八日、原子力損害賠償紛争審査会が第一次指針を公表いたしました。残念なことではございますが、この第一次指針の中では風評被害は今後検討すると整理されているだけでございました。私が懸念しておりますのは、この一次指針の中で今後検討するということだけで、ただでさえ遅れている補償が更に遅れるのではないかということでございます。  鹿野大臣、改めて風評被害補償を早急に指針に盛り込むべきだと思います。一刻も早い補償開始をお願いしたいと思います。大臣の御決意をどうぞよろしくお願いいたします。
  11. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) この度の原発事故におきまして、大変苦しんでおられる農業者漁業者の今の状況というふうなものからいたしまして、とにかく出荷停止出荷自粛、そしてそれに伴ってこの原発事故と相当な因果関係があるものと、このように認定される可能性の高い風評被害については、同様の扱いをしてもらいたいというようなことで強く私ども働きかけをしてきたところでございますが、残念ながらこの審査会の第一次指針には盛り込まれなかったわけでありますけれども、いわゆる検討というふうなことのようでございますので、私どもとしては、次の審査会におきまして、何としてもこの風評被害についても取り上げられる、盛り込まれるようにこれからも強く求め、また働きかけをしてまいりたいと思います。
  12. 金子恵美

    金子恵美君 是非よろしくお願いいたします。  それでは、土地改良法特例法案について御質問をさせていただきますが、まず、この法案の対象となっております土地改良区の運営体制現状どこまで回復されているのか、お伺いさせていただきます。
  13. 吉田公一

    大臣政務官吉田公一君) 今回の震災におきまして、事務所等が被災した土地改良区は六県に及びまして、全体で六十三地区でございます。そのうち、施設点検等を行いました結果、業務を執行できるまで運営体制が回復したものは五十九地区ございます。事務所などが流失等いたしまして事務所機能を喪失し、業務再開できないものは四地区でございます。  また、福島原子力発電所事故に伴います立入り制限によりまして、その範囲の中にあります事務所が、八土地改良区のうち五地区業務を執行できない状況にございます。
  14. 金子恵美

    金子恵美君 今、多くのところは業務継続あるいは再開というところまで行っているというような御報告ではあったんですが、実際に、業務継続あるいは再開ということになっていましても、実際には事務所自体がもうなくなってしまっている、ほかの土地改良区の事務所のスペースをお借りした形で再開しているというところも現状としてあります。そしてまた、その土地改良区の職員自身が、皆様避難所生活をしており、そこからその事務所に通っているというような状況もあるということをまずは確認をしておきたいと思います。そしてまた、今やっている業務の中では、もちろん組合員安否確認ということもあると伺っております。  そこで、土地改良区の運営支援についてお伺いしていきたいと思いますが、繰り返しになりますが、今回の大震災、そして避難区域等の設定で土地改良区の運営が危機に瀕しているわけでございます。多くの農家方々被害に遭い、そしてまた避難する中、そもそも賦課金の徴収も困難で、その運営は壊滅的な状況にあるということでございます。そこで、こうした土地改良区の運営支援のため、農家賦課金改良区の負担金減免等、抜本的な措置を講じる必要があると思います。農水省としてどのような措置を講じようとしているのか、お伺いさせていただきたいと思います。
  15. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) 先生が今おっしゃられました賦課金に関しては、まさにこれはもうおっしゃるとおり、支払うことが極めて困難な状況になっている、こういうことでございますので、それに関しては支払を猶予する、そして最大三年間は利子の助成をする、これを決めているところでございます。  そして、土地改良自体に対しても、金融機関資金の円滑な融通、融資を図ってほしい、この要請を強くしているところでございます。  さらには、三つ目でございますが、土地改良区の職員、特に技術職員等をこの災害復旧事業においていろんな形で雇用等をして活用を図っていきたい、その報酬を支払うということも支援の中身になるかと思っております。
  16. 金子恵美

    金子恵美君 是非しっかりとした支援をお願いしたいと思います。  それでは、続きまして、除塩ということについて御質問させていただきたいと思いますが、今回の法案では、除塩事業が位置付けられているということでございます。この除塩には三年ぐらい掛かるというようなことと伺っておりますが、営農再開されるまでのこの三年間、農家の収入は途絶えてしまいます。やる気が失われてしまえば取り返しの付かないことにももちろんなります。そして、政府は既に瓦れき除去等農業者を雇用するというようなことも進めておられますけれども農業に懸ける意欲やこれまで積み上げられた農業知見というものを維持する観点からも、この間の農業者支援をどういうふうに、どんな形で進めていかれるお考えでしょうか、お伺いさせていただきたいと思います。
  17. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) これに関してもほぼ二段階に分けて支援し、農家皆さん所得確保を図っていきたいというふうに考えております。  最初は瓦れき撤去除塩も含めての作業、これらに農家皆さん作業に従事していただいて、それに対する対価を支払うという形でございます。  さらに、それらの作業が終わった段階でまだ経営再開が、耕作がまだまだできないという状況も考えられるわけでございまして、それが二段階目でございますが、経営再開支援事業というのをこの一次補正の中で今出しておりました。これに基づいて経営再開に至るまでのいろんな農業上の準備活動、あぜ道の整備とか、あるいはさらに水はけ等に関するいろんな作業、これらに従事していただくことによってこの対価も支払うというのが二段階目でございまして、これらによって経営再開ができるまでの間の所得確保を図っていただくと、こう対応をしているところでございます。
  18. 金子恵美

    金子恵美君 農業者方々農業をやりたい、漁業方々は漁に行きたい、そんな思いもありますので、そういった観点からの支援もお願いします。  そして、私の地元の福島県では、農地塩害を受けただけではなく放射能に汚染されています。放射能汚染によって米の作付け制限となりました。放射能で汚染された農地復旧方法知見はまだ不十分でございます。  今日は篠原大臣はおいでではないんですが、篠原大臣が四月二十一日にウクライナのキエフで開催されたチェルノブイリ二十五周年祈念国際科学会議出席されたと伺っております。その中で、様々な点について、この放射能汚染農地復旧在り方について意見交換をされたというふうに聞いております。農水省としては、そこで得られた知見放射能汚染農地復旧にどのように生かしていかれるのか、まずお伺いします。  そしてまた、併せてお伺いしますが、放射能で汚染された地域で活躍されていた農業者、もちろん農業の大切な担い手であり、日本の宝でございます。今後どのような形で支援をしていかれるのか。他地域への営農を含め、農業者方々が一日も早く農業再開するための道筋というものを検討していくべきだと思いますが、お伺いさせていただきたいと思います。大臣の方からお願いします。
  19. 主濱了

    委員長(主濱了君) 鹿野農林水産大臣、簡潔に御答弁お願いいたします。
  20. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) はい。  とにかく今回、農業者が一日も早く営農再開するということが非常に大事でありまして、農林水産省といたしましても、この点を含めて、チェルノブイリには篠原大臣だけではなしに職員も派遣をして、その後意見交換をしながら、いろんな面で勉強し、参考になることは取り入れていきたいと、こんなようなことも含めて、当然のことながら、福島県にも職員を出張させまして、そして新しい技術の開発等々も含めて、何とか一刻も早く営農できるような形にする方策がないものかということのもう検討に入ったところでございます。  なお、この避難区域等の設定によりまして、避難費用や研修等の農業者等の損害については、今回の審査会におきましても明確に一次指針に認められたところでございまして、そのようなことで東京電力に対して、もう早急に賠償金が支払われることも私どもは大変重要なことだと思っております。  そういう意味で、これからも、この避難地域方々あるいは計画的避難区域の方々が本当に営農できないような状況にあるということに対して、引き続きできるだけの国としての政策を結び付けていきたいと、このように考えておるところでございます。
  21. 金子恵美

    金子恵美君 終わります。ありがとうございます。
  22. 山田俊男

    山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  本日は、東日本大震災等を中心にしながら、どうぞ大臣の所見、お聞きしたいというふうに思います。  まず、今回の大震災でお亡くなりになった方、さらには大変、避難所も含めまして御苦労されておられる皆さんに対してお見舞いを申し上げる次第であります。  さて、今、当委員会におきまして、我々の派遣委員によります調査報告がありました。そこで、宮城県の東松島市の阿部市長さん、阿部市長さんは平成十五年に一度宮城地震を被災されている、そしてまた今回の大震災を被災されたわけでありまして、二度の震災被災の経験の中で大変示唆に富んだお話もいただいた次第であります。  その際、被災者が一番困っていることは、まず最初の三日間は安否だそうであります。それから、その次は食の確保の問題、その次は避難所ではなくて仮設住宅も含めまして住まいの問題、その次はお金だったり、それから仕事のことであって、そして最後はこれからのこと、将来のこと、ビジョン、これをお考えになるというんです。  ところで、大臣、たくさんの人がまだ行方不明であるということでありますから、安否の問題については十分片付いているわけではなくて、大変これも皆さんに御苦労を掛けている、不安を掛けている、悲しみを掛けているということは事実であります。しかし、食の問題は、大臣農林水産省が相当一生懸命に頑張ってこられた、それからJAグループもそうでありますし、その他の団体等も一生懸命にやって相当の努力をしたというふうに思います。  しかし、それ以降が進んでいないわけであります。結局は、今私は、東日本大震災と、それと阪神大震災、この両方の比較の表を出しておりますけれども被害の弔慰金の受付の開始ももうこんなに遅れている。さらには、義援金の配付申請も遅れている。ましてや、仮設住宅の完成の程度も大変遅れているわけであります。  東松島市では、最初の二週間目にともかく被災者に対して市の社会福祉協議会から十万円お出しするということをおやりになったようであります。しかし、それ以外に、五十日たちますが、それまでにともかく被災者に届いたお金はただそれだけだというんですよね。これは本当に期待にこたえたことになっていないというふうに思います。  それから、仮設住宅は、入るのはいいんですって。ところが、どうしても出なきゃいかぬようになったときに、やはり出る場所を確保できない。とすると、仮設住宅を造るときに、もう少し長くちゃんとおれる場所に仮設住宅をどんなふうに準備するか、その場所を定めるということ、そのことが大変課題であるというふうにおっしゃっておられたところであります。  阪神と比べまして、かくのごとく遅れている。どうしてこんなふうに遅れたのか。内閣府は長谷川大臣官房審議官がお見えでありますが、どうしてこんなに遅れているんですか、率直に意見をお聞きします。
  23. 長谷川彰一

    政府参考人長谷川彰一君) お答えいたします。  この度の大震災におきましては、総理を本部長とします緊急災害対策本部を、これは災対法制定以来初めて設置いたしまして、その上で政府一丸となって対応には取り組んできたところでございます。また、私事ですが、私自身も発災当日に防災担当の東副大臣とともに宮城入りいたしまして、現地で一生懸命努力してきたというところでございます。  その上で、この度の大震災でございますけれども、国内観測史上最大のマグニチュード九・〇の巨大地震、それから大津波ということで、非常に広範な範囲で膨大な被害が発生したという状況でございます。そういった意味で、阪神・淡路大震災と比べましてもその被害の態様とか状況が非常に異なっておるというふうに認識しておりまして、そういう意味で、政府対応につきまして一概にどうのこうのと言うのはなかなか言いにくいのかなというふうに考えるところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、ただいま委員御指摘ございましたような点を含めまして様々な御指摘いただいているところでございまして、私どもとしましては今後とも全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  24. 山田俊男

    山田俊男君 鹿野大臣、これは予算委員会でも相当議論があって、大臣じっと聞いておられる様子を、私も大臣を見ておりましたが、閣僚として、また緊急災害対策本部の副本部長等をされて、一体これどこに原因があるというふうにお考えですか。もちろん、これからも早く一生懸命やらなきゃいかぬことはいっぱいあるんですよ。一体、大臣のお考えをお聞きします。
  25. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) どこに原因があるかというようなこと等々につきましては、それぞれこの本部といたしまして、当然、今日までのいろんな御批判というものを真摯に受け止めていく、真正面からそういう批判を受け止めていくというようなこと、そういうことを考えたときに、内閣が一丸となってこの対策に取り組んでいくということがまず一番大事なことだと思っております。  そういう意味で、今までの遅れを取り戻すというような決意の下に、内閣が心を一つにして、被災地方々のために、復興復旧のために頑張るというこの決意が一番大切なことだと思っております。
  26. 山田俊男

    山田俊男君 東松島市の現地では、先ほども委員派遣報告の中で触れておりますが、ともかくあそこは堤防が決壊したこともあります。そして、津波が押し寄せた。いまだに一面の湖のようになっていたところを、国交省の排水対策で何とか水が引いた。水が引いた途端に、ともかく瓦れきがもう山のように水田を埋めているわけであります。まず必要なのは、堤防の修復が必要です。そして、満ち潮になってもちゃんと水がつかないという対策を何とか準備しなきゃいかぬのですね。同時に、そうなったところは、あとは瓦れきを撤去する。そうした取組が必要になっていて、今度の事業土地改良の法改正の中で実施できます除塩事業、そういう手順になっていくわけですね。  農業者は、こう見ていまして、天気はいいですよ、それからもう作物をそれぞれ植えなきゃいかぬ、もう農作業をしなきゃいかぬ時期でありますから、避難所にいてもういらいらしておられるわけです。早く自分たちに手伝うことはないのか、自分たちは瓦れきの除去について仕事ができないのか、土地改良事業ができないのかと、みんなそう思っておられるわけであります。  今まで予算がないから手が着かなかったのか、それとも、今度予算が付いたから、補正予算決まったから何とかようやくできるということなのかどうか。一体、この関係省庁の連携はちゃんとできているんですかと、これを鹿野大臣にお聞きします。
  27. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今まで、今、山田委員からの御指摘のとおりに、災害応急のポンプを集中的に投入いたしまして排水に努めてまいりました。そして、梅雨期の地域排水対策として、排水路の機能回復を行うための瓦れき撤去排水ポンプの応急の復旧に着手をいたしてきたところでございまして、東松島地域では四月の十四日に着手をいたしました。そして、定川の河口では、宮城県土木部が河川堤防の仮締切りを実施しておるところでございまして、そして国土交通省が浸水区域のポンプによるところの排水作業継続をいたしてきておるところでございます。  こういう中、こういう状況を踏まえて、この地区復旧を更に進めるということを考えたときに、河川堤防排水機場を一体的に復旧する必要があると、こういうふうな考え方に立っておりまして、今、山田委員が御指摘のとおりに、関係機関が連携して対応すること、こういうふうなことが非常に重要なポイントであると、このようなことから、国土交通省の河川局、水産庁及び農村振興局の間で連絡調整会議を開催するとともに、現地では東北農政局、宮城県の土木部及び農林水産部、関係市町村、関係土地改良区が一堂に会して対応策を協議する協議会をこの四月の二十六日に立ち上げ、準備すべく二十六日には協議会の準備会の会合も実施しておるところでございます。
  28. 山田俊男

    山田俊男君 その協議会は、大臣、その東松島市につくられているんですか、それとも東京にあるんですか。
  29. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) この協議会というふうなものは、当然現地でございます。
  30. 山田俊男

    山田俊男君 大臣、要は現地地域の実態に応じて、今大臣おっしゃった関係部局が自分の縄張その他関係なく、もうみんな地域の実態に応じて、例えば東松島市は、大臣おっしゃいましたように、まずは堤防だと、その次は排水だと、それから復旧含めた瓦れきの撤去をどういう分担でやるかと、それぞれが言っていちゃもう何にもならないわけですね。ですから、その協議会をしっかり動かすということに全力を挙げてもらいたいと、これはまず思います。  それから二つ目は、県、市町村との連携が大事で、一体この計画は県、市町村が作るのかどうか。これは一番近い市町村が計画して、そしてその市町村が具体的な事業実施を分担すると。例えば、同じ地域がありまして、排水といいましても、もうちょっと、例えば東松島であれば、ずっと国道に近い方に行けば、それはもうもはや水のつき具合も少ないわけですから、とすると、そこから順番に復旧対策をやってくる、瓦れきの撤去をやってくるという作業手順もできるわけですよね。まさに、地域においた手順をつくって、その手順に従った取組をやるということが一番大事だと思いますが、市町村、県、それから今おっしゃいました協議会との連携はしっかりできているというふうに見ていいんですか。
  31. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今、山田委員から言われたことは非常に大事なことでありまして、それぞれが別々にというふうなことでは後れを取ってしまいます。そういう意味で、実質的に現地におきまして、東北の農政局そして県のいわゆる土木部、そして農林水産部、そして関係の市町村、そして土地改良区と一体となって今後の対応について協議をしていくと、こういうふうなことによってできるだけ早くこの事業を進めることにしていかなきゃならないと思っておるところでございます。
  32. 山田俊男

    山田俊男君 その場合、今度被災に遭った市町村地域、そんなにもう大きくあるわけじゃないんです。青森それから岩手、宮城福島、ずっと市町村、こうして並んでおりますけれども、そこへ霞が関のそれぞれの担当部署の役人を固定して配置してその仕事に当たるという段取りぐらいは十分できるはずなんです。是非そのことをやはりやってもらいたいというふうに思います。  同時に、私、是非お願いしたいのは、今もありましたが、市町村等が柔軟性を持ってこの仕事に取り組めるということにしておかなきゃいかぬのですよ。協議会で決まらなかったら市町村が手が出せないんだということじゃなくて、市町村がもう申請して、これでこうやりたいんだという中で仕事が進んでいく。  同時に、もう一つは、これ是非、先ほども申し上げましたが、お願いしたいのは、被災者にどう働いてもらうか、被災者をどう雇用するかということをその仕組みの中にしっかりはめ込んでいかなきゃいけないんだというふうに思います。  大臣、そこはどんなふうになっていますか。
  33. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今御指摘の点も非常に私どもとしては重要なことだと思っておりまして、当面、この半年の間において災害復旧事業が速やかに終了し、本事業に取り組める農地、それから、被害の程度が比較的軽微で、災害復旧事業を必要とせず、すぐに本事業に取り組める農地、これを対象といたしまして、そこでこの農業者方々にいろいろと直接かかわっていただくと、こういうふうなことで予算も計上いたしているところでございまして、これからもこの復旧事業というふうなものを、数年要するというところもあるいはあるというふうなことも考えながら、災害復旧事業の進捗状況というものを踏まえて、この被災農家経営再開支援事業というふうなものを含めて対応してまいりたいと思っております。
  34. 山田俊男

    山田俊男君 今大臣の方から話がありました、除塩事業も含めて、そして経営再開支援事業、この取組については複数年も含めて取り組めるんだよということをおっしゃいましたが、まさに私も確認したかったんですけれども、この補正で盛り込まれたこの事業でありますけれども除塩事業なんかも、一年だけで除塩ができるというわけではないんだと思うんですよ。これも実態にあって異なるんだというふうに思いますけれども、複数年掛けて除塩しなきゃいかぬという事態もあるというふうに思うんですよね。とすると、そういう複数年のことを当然計画した事業なんですね。これ、確認したいんですけれども
  35. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 当然、一か月や半年で終わるとは考えておりません。少なくともこの事業においてはある程度複数年というふうなものを想定して、そしてやっていかなきゃならないと、こういうふうな考え方であります。  ですから、この支援事業というふうなものをこれからどうしていくかというふうなことも、これは当然のことながら、今後の事業の進捗状況というふうなものを踏まえて検討していかなきゃならない大切なことだと思っております。
  36. 山田俊男

    山田俊男君 さて、先ほどのこれは委員派遣報告と関連して、いただきましたそれぞれ土地改良事業の改善や、改善といいますか、負担が大変重くなるわけでありますから、それの軽減の話、さらには農業共済組合運営のことについてもそれぞれ要望があったわけでありますが、この除塩も含めました復旧事業を取り組みますというときに、土地改良事業を実際としては復旧事業を含めて新しくやることになるわけですね。そうすると、今までの優良な数年前に実施した土地改良負担金をそのまま抱えながら、今度またこの復旧に伴います土地改良事業に取り組むということに相なるわけですから、これはもう、負担金負担金を重ねるようなことは到底できないぞということがあるわけであります。その関係は今度の補正予算についても当然配慮してあるということでいいんですね。
  37. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今回の補正予算の中に盛り込まれておるところでございます。
  38. 山田俊男

    山田俊男君 もう一つは、共済組合運営に関してなんですけれども共済組合運営に関しまして、除塩事業実施するというときに、除塩の取組をやっている限りは、それは何も作付けないで、ともかく、まあ休耕になっているか、水張ってあるか、ないしは水の入替えを何度かやっているかという取組だけじゃなくて、今農業者の間にもいろいろ議論があるんですけれども、思い切ってもう塩があってもそこは作付けちゃうと、作付けることによって場合によったら除塩にも役立つかもしれないと、こういう意見があります。その際、当然予想できるのは、場合によったら収量が低かったり、それから作物が十分育たなかったりという問題が生ずる可能性があります。その際、共済には実は入れないと、その取組をやっても、植えても共済には入れないということであれば、これはやっぱり大変な苦労を掛けることになるわけですから、是非、除塩のことを念頭に置きつつも、こうした作付けでその対策を講じようという取組についても農業共済への加入をちゃんと認めていくという仕組みが私は必要だというふうに考えるわけですが、この取組はいかがなっていますか。
  39. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) 主食としての米の作付けをしたところが塩の関係で収穫が大きく低減したり、あるいは難しくなったりした場合には農業共済の対象になることは当然かと思います。  しかし、農業共済除塩作業のための作付けを予定しているものではありませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。
  40. 山田俊男

    山田俊男君 副大臣、わざわざこれは除塩のために作付けしましたなんということはおっしゃらないと思うんですよね。ちゃんと一生懸命に作付けしながら、ちゃんとした取組を、栽培の取組をやりながら、しかし、そのことがひいては除塩に結び付くと、結果としてね、ということを想定しながら、まあ痛いような気持ちで取り組むんでしょうから、そうしたことで区別付かないと思うんですよ。  それはもう、ちゃんと作付けするんだということで取り組むというふうに思いますので、そういう区別を置かないでちゃんとやれるようにしてもらいたいというふうに思いますが、いかがですか。
  41. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) 今の山田先生のおっしゃる意味は、主食米としての作付けをしたという場合には全て共済の対象にすべきである、塩の影響で収穫が大幅に減ったり、難しくなった場合に対象にすべきだという趣旨として理解をしますれば、先生のおっしゃるとおりでございます。
  42. 山田俊男

    山田俊男君 副大臣、塩トマトというのを私食べたことがあるんですが、塩分の多いところで作ったトマトなんですよ。これまた格別甘いんですよ。それで銘柄でちゃんと売れるわけですから、場合によったらいろんな方法がありますよ。是非、いろんな知見、工夫が生かされるという取組をちゃんとやれれば私はいいというふうに思いますので、是非工夫してもらいたいというふうに思います。  さて、この宮城県の南部の被災地域ですね、イチゴを中心にして大変若い農業者が立派な経営やっているんですよ。あそこは、一帯は、それこそ仙台、それから名取、それから亘理、岩沼もあります、山元、この一帯の地域はそれこそ東日本最大のイチゴ産地ですよ。立派な経営やっていたんです。若い皆さんが、驚くくらい若いみんながやっております。そこがともかく被災で全部失いました。全部失った。  ところで、こうした若い皆さんが、五十日たって、今年のクリスマスにはイチゴを出荷したいと。そして、被災に遭わなかった地域があるんです、ごく僅か、四ヘクタールぐらい残っているというんです、圃場で。その四ヘクタールの圃場のイチゴの苗、これの、こうして芽が出てきますから、こう出てくるこの芽が、一つ一つがこの次の苗になっていくわけですから、これを生かす取組を何とかしたいと、大事に育ててきたこの苗も大事にしていきたいと、こういうことでいます。  こうした取組をやるためには、それこそ言うまでもなくて、今、水につかった農地をすぐ使えるかというのはなかなか難しいかもしらぬ。とすると、今年は遊休地だったり耕作放棄地があるとすれば、そこをどんなふうに活用できるか。それから、当然、ハウスが全部壊れましたから、ハウスの団地化含めてハウスの取組が必要、共同で使える作業場も必要、それから選果場も、JAの選果場も必要になっていくわけであります。  そうなると、ここをどうコーディネートするかという取組が何としても必要なんだから、これも先ほど言いましたように、普及所ももちろんです、農協もそうです、市町村もそう、県もそう、それから農林水産省のコーディネートできる担当者を配置して、全体で三百八十戸もいるんですから、若い青年が。そういう地域を支えて、クリスマスまでにイチゴを作ると、この希望をかなえさせるような取組を、私はモデル的でもいいからちゃんと実施していくということが必要になると思うんですが、この点について対策が今度の補正で準備されていますか。
  43. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今委員から言われた地域は、まさしく東北を代表するイチゴ産地というふうなことで、すばらしいイチゴを供給してこられたところでございまして、その約百ヘクタールが本当に被災に遭ってしまったというふうなことでございます。  そういう状況の中でも、何とか今年のクリスマスまでにはこのイチゴを生産して間に合わせたいという、こういう農家人たちの意気込みというふうなものを踏まえて、農協におきましても、JAみやぎ亘理がイチゴの復興プロジェクト会議を設立すると、このようなことも承知をさせていただいておるわけでありまして、このためには、農林水産省といたしましても、先週の四月の二十八日でございますけれども、東北農政局担当官が現地に出向きまして、現状や具体的な要望等についてJA等の関係者から、また自主的に営農をやっておる方々から聞き取りを実施いたしております。今後、東北農政局の関係部局による支援チームを設置いたしまして、営農再開に向けた指導、助言を行うとともに、東日本大震災農業生産対策交付金等によりまして、普及指導センター等が行う営農相談、指導や栽培施設及び選果場の導入等について支援を検討をしてまいりたいと思っております。  そういう中で、この百ヘクタールのうち九ヘクタールくらいはハウスの骨組みが残っているということであります。そういうふうなことを考えたときに、この骨組みが残っている、このところを少なくとも復旧のシンボルにしていきたいというのが私どもの基本的な考え方であります。
  44. 山田俊男

    山田俊男君 いや、いい話聞きました。是非、復旧のシンボル、復興のシンボル、そういう観点で、そこの地域に、農林水産省は担当の方もおいででしょうから、まさに全力を挙げてやってもらいたいというふうに思います。  それで、ちょっと心配な話は、大臣、こういう立派な産地はしっかりした苗も持っている、技術も持っている。もう苗を持って来てくれないかという声が掛かってきているというんだよ。国内ならまだいいよ。場合によったら国外かもしらぬからね、その話は。こういうことにこの際やっぱり委ねることになってしまったら、この国の名折れですよ。徹底して対策を行ってほしいというふうに思います。  さて、その取組をやるに際してどうしてでも必要になることがあるんです。何かといいましたら、大臣、この地域は、大臣がおっしゃったように、栽培面積百ヘクタールあるわけです。担い手農家は三百八十戸ですよ。一戸当たり二十五アール、四十億円の販売を持っています。一戸当たり一千万円を超える販売高、誇っていますよ。平均で一千万円を超える。ところで、ともかく全部失いました。被災農家は三百八十戸のうち三百五十六戸ですよ。被害面積はもう九五%、ほとんど全部消滅しました。  さて、個別の事例で言います。父親と長男が中心で、家族六人、大型のビニールハウス二棟、三十五アール、米を二ヘクタールやっています、合わせてね。年間販売高は二千三百万円の農家です。それこそ農業機械、農地、ハウス、育苗施設作業所、自宅の全てを失っています。借金の残高は一千万円を超えています、優に超えています。  さて、この新しい経営をやって、そしてクリスマスまでにそのイチゴが売れるようにしたいというときに、これまでの借金を抱えたまま新たに新しいハウスの借金を抱え込むということは到底無理なわけです。農林水産省は、金融対策も今度の補正予算の中にお入れになって、無利子、無担保、無保証人ということをおっしゃっているけど、借金のかさ上げになったんでは、これはもう農家は踏み出せないというわけです。一方、貸す方も、前の借金は、一千万円を超える前の借金は一体返ってくるのかどうか。それじゃ、返ってこないとすれば、これは不良債権になりますから、その貸す方の経営にも影響してくるわけですから、新しく一体貸せるのか貸せないのかと。無利子、無担保、無保証人ですよ。それでも貸せるのか貸せないのかという大変な心配をしているわけです。  これに早くこたえてやらなきゃいかぬのですよ。これまでの借金を、要は、棚上げするか、国が買い取るか、これをやらないと新しい挑戦をスタートさせることにはならないわけで、これは今イチゴ農家の話をしましたが、しかしこれはそうでなくて、これはもう全部、岩手の漁業の関係者も、それからそれぞれの、宮城県やそれぞれの中小企業の関係者も、そして貸す方からいうと地方銀行も信金も信組も農協もそれから信漁連も、みんな同じだというふうに思います。  金融庁にお聞きしますが、和田政務官、おいでであります。一体、こうしたことに対応する検討を行っておられますね。いかがですか。
  45. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 山田委員にお答え申し上げます。  まず最初に、先ほど来お伺いしておりましたお話、私自身も感銘を覚えました。十二月には、是非そのイチゴ農家方々が作られたイチゴの乗ったクリスマスケーキを自分で進んで買い求めたいというふうに思っております。  さて、お問合せでございますが、現在の被災地域における農業漁業を営んでいらっしゃる方々始め製造業中心の中小企業の方々、おっしゃるとおり既往の債務に大変苦しんでいらっしゃいます。そうしたところをどうやって対応しているか、まず御説明させていただきたいと思いますが、まず、被災直後から金融庁は各レベルの金融機関の方に要請いたしまして、この事態において債務の返済猶予など金融円滑化法の趣旨にのっとって最大限債務者に資するような対応を取っていただきたいというふうに申し上げてまいりました。各金融機関におかれてもその趣旨を非常に重く踏まえていただきまして、現在では、どの業種につきましても、既往債務の債務返済についてはほぼ全面的に猶予していただいている実情でございます。  実態上、三か月とか六か月とかの猶予になっているものが多いのでございますが、今まで国会の審議の中でこの期間をもっと長期化できないかというような御議論もございました。実は、この点につきましては、いろいろ私ども金融機関と相談をしながらまいっておりますが、債務企業、債務者の方々におかれましても、事態の推移が進んでいくときに、例えば一年なり二年なりの債務返済猶予期間を設定したとすれば、そこから先、事態がもし思わしく進まないときには、それよりもっと要するに具体的に踏み込んだ債務の返済猶予、それから若しくは一部には債務免除、そうしたものも考えていかなくてはいけないだろうということで、やはりそこは状況を見極めながら判断していこうということが、債務企業と金融機関の側との間でそういった方がよいというような意向が働いているようでございます。これが今の債務返済猶予の状況でございます。  また、実質的に皆様方からよくお話しいただくんでございますが、それぞれ既往の債務を抱えた状態では次の事業に進んでいけないというようなことをよくおっしゃっていただきます。確かに非常に大変な中でございます。それがあるがゆえに、各金融機関も一件一件個別に、この企業については、この事業者については債務免除をせざるを得ないという判断を行っていくものと思われます。  私どもは、現在私どもの持っております法制で金融機能強化法というのがございますが、この法律は、危なくなった金融機関を助けるための法律というよりは、むしろ健全な間にも地域経済や中小企業の方々の企業経営を助ける意味で、地域経済に資する意味で、積極的に金融機関が取り組んでいただけるのであれば、そこは国としても進んで資本注入を検討していくという枠組みでございます。現在、十二兆円の政府保証枠がありまして、幸いなことにまだ使われているのは三千五百億円程度でございますので、この枠をより積極的に皆様方にも提唱し、そして各金融機関にも使っていただければというふうに思っています。  こういったことを今取り組んでおるわけでございますが、更にどういった工夫ができるか、財政やまた政策金融、そして各金融機関の民間金融、これらを政策総動員いたしまして対応していきたいと考えておりますので、また御提言ございましたら是非いただければというふうに思います。  以上でございます。
  46. 山田俊男

    山田俊男君 今、るるお話がありましたが、ちょっとその枠組みでは負債を積み上げるだけになってしまうんじゃないのかと。そして、おっしゃいますように、金融機能強化法の運用も含めて、金融機関による債務の免除も考え得るんだと、将来的にはねというふうにおっしゃっている。そんな悠長なことでは、おっしゃいます、政務官、クリスマスにイチゴ食べられないですよ。それはね、間に合わないんですよ。だから、ここはしっかりと、既往の債務はもう免除する、ないしは、しかるべく仕組みをつくってこれを買い上げるか、棚上げするか、それこそ塩漬けしてしまうという取組の中で新しいことをやりますよというふうにしない限りこの問題は片付かないんです。  この点は、昨日の予算委員会野村委員から、隣の野村委員から総理に対して大分激しいやり取りがありまして、総理は最終的には、債務を抱えている事業主が更に債務を積み増すという形でない救済策も検討していきたいと答弁しているんです。これ、金融庁の方へちゃんと下りてきていませんか。総理は往々にして、予算委員会や国会で答弁されているんだけれども、それが下へ下りていないという心配があるんだけれども、これは下りていないんですか、どうですか。
  47. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 決して官邸の方から御意向が下りてきていないということではなくて、もう既にかなり前から、いわゆる二重ローンというふうに世の中では称しておるようでございますが、この問題にどんな対応が可能かということは鋭意検討させていただいているところでございます。  しかし、今まで検討している中ではまだ妙案が見付かっておらず、是非皆様方にもお知恵をお貸しいただきたいと思いますが、この問題を国民の皆様方に御理解いただけるように解決していくためには、今までの債務を抱えていらっしゃった方が大変なことは皆様方多分国民の合意、同意が取り付けられるものだと思いますが、さりとて、債務があった方となかった方についてどういうふうな仕切りを付けるかということも国民の皆様方に御説明する必要がございますし、それから、これから先、次の事業をされるのか、もう事業はされないでほかのところに取り組まれるのか、そういったところによって様々のニーズがあるかというふうに思っておりまして、それらをどのように類型立てて御支援申し上げるべきかというところに今頭を悩ませている次第でございます。
  48. 山田俊男

    山田俊男君 この点も昨日の予算委員会で大分激しいやり取りがありましたが、御案内のとおり、もう御存じだと思うんですよ。阪神・淡路のときに中小の多くの企業に対しておっしゃいますような形での債務の猶予期間を設けて、そしてやったと。しかし、債務猶予期間過ぎたらもうみんな倒産ないしは撤退したんじゃないですか。そうでしょう。多くの企業がそうしたんですよ。  今この地域において債務の猶予期間を置いたって、置いた後それは続かないもの。みんなこの時点でもう出ていっちゃいますよ。苗持ってどこかへ行っちゃいますよ。海渡るかもしれない。こんなことしていちゃ駄目でしょうが。  だから、今持っておられる債務も、それじゃ努力不足だったですか。そうじゃないでしょう。一生懸命やってきて、自分の責任ですか。そうじゃないです、この大災害じゃないですか、大津波じゃないですか。防ぎようがなかったですよ。ましてや、家族みんなそろっている方はいいんですよ。あそこの地域は千二百名亡くなったんだよ、そして六百名行方不明という実情を、だんだん少なくなっているようでありますけれども、しかしまだ四百名と、我々が伺ったときにそうおっしゃっていた。  そんな事態の中で将来の将来像を描いてあげなきゃいかぬ、ビジョンを示さなきゃいかぬ。そのときに、一体、既往の債務があるじゃないか、国民的な理解は得られないかもしらぬ、経営に就くのか就かないのか見通しが立たないじゃないかといって、霞が関にいて、ここに永田町にいて話していたんじゃ駄目なんだと思うんだよ。やっぱり現地に行って、彼らにイチゴを作ってもらうために何するんだと、そのために必要な対策をやろうじゃないかと、そしてそのために必要な特別立法を作ろうじゃないかと、そのための枠組みつくろうじゃないかと。十年でも二十年でも掛かってもいいじゃないですか。それを管理して、そして運営していく仕組みつくれるはずですよ、今まで何度も経験しているんだから。そういう特別立法が私は何としてでも必要だというふうに思いますから、どうぞそのことをやっていただきたい。  大臣、もう大臣は予算委員会にも出ておられて、今の御議論もお聞きですから、一体何が必要か。まさに、大臣、モデル事業として新しい復興の絵をそこに見ようというふうにおっしゃるのであれば、二重債務の問題についてきちっと整理していくということを考えなきゃいかぬわけで、断固それをやっていただきたいというふうにお願いしますが、意見聞きます。
  49. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 既往債務の負担軽減というふうなものにつきましては、今委員からのお話のとおりに、昨日の予算委員会におきまして総理大臣自らが検討していくと、こういうような発言もございました。そういう意味では、総合的に対応していくというふうなことが大事だと思っております。  もう一つは、この負担軽減というのと同時に、やはりその現地におけるところの農協等の金融機関の機能が発揮できるようにするというようなことも大事なことだと思っておりますので、金融庁と、あるいは関係省庁とも連携を取って今後対応していかなきゃならないと思っておるところでございます。
  50. 山田俊男

    山田俊男君 まさに大臣がおっしゃるとおりなんですよ。この仕事どこの仕事なんだと、対策本部もいっぱいあるから、対策本部のうちのどことどこだというふうに言っているうちに何か月も掛かっちゃうみたいな話になりかねないわけだから、ここはおっしゃるように担当部署はもうはっきりしているわけですよ。金融庁はどうしますか、農林水産省はどうしますか、それから経済産業省はどうしますか、財務省はどうしますかとしっかり決まっているわけだから、そのしっかり決まっているところで体制を組んで、そして、農協だけの話じゃない、漁協だけの話じゃないね。信金も信組も銀行、地方銀行もみんな同じ課題抱えているんですから、その地域の。だから、是非、その連携をつくっていただいてこの問題の解決に当たっていただきたいというふうに是非是非お願いするところであります。  もう一つ、このことと関連して、漁船の津波によります破壊の問題があります。これは、私のふるさとは富山県なんですが、その富山県からも何と八そうの船が気仙沼へ行って、気仙沼でそしてイワシの漁をやって、富山県の需要の三割は、イワシの三割はもう気仙沼から来ているということでありますから、海は一つですね。本当にそう思います。そして、あそこで、今休漁期ですから、それの補修も含めて行っていて、そして修理していて被災してもうほとんど使い物にならないということのようです。  船一そう七億から八億掛かるんですか、漁具も入れたら、一億ないし二億、トータルでいうとやっぱり十億ぐらい掛かるんですね、一つの船ね。これ、それは大変ですよ。是非、これらの船の問題について、ちゃんと新しい船が造れると、それから同時に、今までの船の、壊れた船の、ないしは始末してしまわざるを得ない船の負債をそのまま積み上げていたのでは、これはもう新しい船は造れませんから、是非この点についても対策を考えてほしいんですが、今回の補正予算の中でこの点の取組はどうなっていますか。
  51. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 漁船の建造につきましては、激甚法に基づきまして五トン以下の漁船対策といたしましては漁協が行う、漁協が所有するということでございますけれども、共同利用小型船の建造については国が三分の一、都道府県が三分の一の助成を行うというようなことであります。  そしてさらに、今回は激甚災害法のスキームでカバーされない被災地域の漁船や五トン以上の漁船につきましては、激甚災害法の措置並みとなる新たな支援策を盛り込んだところでございますので、基本的に今お話のありました気仙沼で被災した富山県の漁船も対象となると、こういうふうなことでございます。
  52. 山田俊男

    山田俊男君 先ほど金子委員の方から、金子委員のふるさとで原発の大きな被害に遭っておられるわけで、本当にお見舞い申し上げるところでありますけれども、ともかく、原発問題で損害賠償紛争審査会、これ、風評被害指針が出なかったと、風評被害補償に関する指針が先送りされたというのは大変残念なんです。  微妙な言いぶりになってはいるんですけれども、この問題を今後どう扱うのか、文科省から来ていただいておりますので、この扱いについて見解をお聞きします。しっかり答えてください。
  53. 藤木完治

    政府参考人(藤木完治君) お答え申し上げます。  原子力損害賠償紛争審査会、四月二十八日に第一次指針を作成させていただきました。これは原子力損害の範囲の判定等の指針ということでありまして、これは被害者を可能な限り早期に救済していこうということで、相当因果関係が明らかなものから順次策定していくと。全部そろって一回で出そうという考え方ではなくて、できるものからどんどん策定していくということとしております。先日出されました第一次指針におきましては、このような考え方に基づきまして、政府の指示等がありました避難、農作物の出荷停止等々により生じました損害に関する賠償の考え方を明らかにしたところでございます。  委員御指摘のとおり、この第一次指針ではいわゆる風評被害は対象外となっております。これは、審査会でも議論がございましたが、その被害が非常に広範囲な産業分野にわたっている、また被害の形態も多種多様であるということがありますので、それらについて今回の原子力発電所の事故との相当因果関係について明らかにしていくというためには、被害の実態あるいは事故との関連性の程度、そういったものについて更に詳細に調査検討していく必要があるということで、今後の検討課題とはなっております。  しかしながら、こうした風評被害にかかわる損害につきましても、この第一指針の中では今後検討する旨が明確に記述されております。今後、この風評被害に関しましてもできるだけ早く検討を進めまして、その結果を次の段階指針に反映させてまいりたい、そういうふうに考えております。
  54. 山田俊男

    山田俊男君 今後の検討課題として明記されております。私も承知しています。ちゃんとやるというふうにおっしゃいますので、次の指針にはちゃんと盛り込んでください。そうじゃないと、みんな物すごく不安を抱いていますから、よろしくお願いします。  さて、最後に、大臣、先ほどと関連しますが、要は、やっぱり被災された皆さん、将来この地域はどうなるんだろうかということをそれぞれみんな考えておられるわけです。その中で、自分はどういう農業をやろうか、水産業をやろうか、そしてまたどういう生き方をしようかと本当に深刻に考えておられますよ。それにやっぱり、大臣、こたえなきゃいかぬというふうに思います。その復興計画、将来像を一体どんなふうにおまとめになるのか、関係方面の意見もちゃんと聞きながら絵を早く描いていかなきゃいかぬというふうに思います。  なお、そのことと関連して、大臣、米の先物取引の試験上場申請の問題が出ているわけです。何か新聞の報道で見てびっくりしたんですけれども、今度の東穀の理事長、申請している東穀の理事長は、震災による影響は軽微だと、試験上場は必要だというふうな我田引水の何か会見か発表をされて、もうびっくりしました。これ、東北の皆さん、物すごく怒っていますよ。一体、こんな事態にあるのに、我々の米の生産もひっくるめて苦しんでいるときに、どこへ持っていこうとしているんだという不安であります。国がしっかり、我が国の米はこんなふうに国が管理するよという仕組みの根幹を崩させちゃ駄目なんですよ。是非、そのことを。  それからもう一つは、これはもうどこに行っても言われる。震災対策があるから、大臣もまずこの復興対策が第一だと考えているから、TPPの問題は念頭にないというふうに大臣明言されているんだけど、しかし、地方へ行くと、そうじゃないというふうにおっしゃるんだよ。地方に行くと、いや、何で新聞であんなふうに書かれるんだと、何であんなふうに経団連が、TPP促進だと、震災だからこそTPPだというふうに言うのかと。一体何だという議論ですよ。  大臣、こんなことを、ちゃんと、放置したまま将来像を描こうといっても駄目です。どうぞ、大臣、重大な決意を持って、本当の困難ですよ、この困難を我々は乗り切っていかなきゃいかぬというふうに思いますので、大臣の決意をお聞きします。
  55. 主濱了

    委員長(主濱了君) 鹿野農林水産大臣、簡潔にお答えください。
  56. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) この被災地を新しい食料基地として復興させるということにつきましては、当然のことながら、地域方々都道府県なり市町村なり関係の方々と、御意見を聞きながらこの組立てをしていかなきゃならない。そういう意味では、復興構想会議においても議論されているところでございますけれども農林水産省の考え方がそういう中で取り組まれるようにこれからも積極的に対応してまいりたいと思っております。  TPPに関しましては、これは大きな変化があったわけです。我が国において大きな変化があったんです。大きな変化があった限りは、まさしく今後TPPに参加するかしないかのことについても新たなる検討が必要であるものと思っております。
  57. 山田俊男

    山田俊男君 先物はいかがですか。
  58. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) これは、先生おっしゃるとおり、東京と関西の商品取引所から試験上場の申請がありまして、三月二十五日に官報に公示をいたしました。三か月間を経て、その後一か月以内に決定をするということになっております。ただし、その決定の際には、試験上場でございますから、二つの要件、これ今時間がないというんで省略いたしますが、二つの要件に該当しなければ試験上場を認めなければならないという規定になっております。  さらに、今、米の需給の方の話がありましたが、今度の震災で十四万トン、生産数量目標の配分に宮城県、福島県が応ずることができないということで、県内調整、県間調整をやってまいりましたが、その結果、十二万トンがそこで手当てが付くことになりました。一部、備蓄米が津波に被災した点もございますが、これら二つの点を併せても米の需給関係に大きな支障は生じないというふうに農水省としては考えております。
  59. 山田俊男

    山田俊男君 ありがとうございました。終わります。
  60. 横山信一

    横山信一君 公明党の横山信一でございます。  まず、土地改良法特例に関する法律案についてでございますが、被災地では瓦れきを撤去しても営農困難な農地が発生をしております。今回の特例によりまして、除塩及び災害復旧事業を行う場合には、申請によらずに土地改良施設の変更や区画整理等の事業を行うことができるということになります。こうした手続の簡素化によっていろいろな効果が期待されるわけでありますけれども農業の集約化についてはどうなのか、まず伺います。
  61. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今回の大震災で被災した農家の方につきましては、その営農の規模なりあるいは形態なり被害の程度に応じまして、今後の営農をどうするかというふうなことについては様々な考え方があるものと思っております。  そういう中で、今後の地域農業というものをどういう方向に持っていくかというようなことにおきましては、当然規模拡大を志向する農家、あるいは縮小を考えるとするところの農家の意向というものをどうまとめていくかというようなことが大事なことでありまして、話合いは当然行われていかなければならないと思っております。  特に、地域によっては、除塩と単なる原形復旧のみを行うものではなく、農地区画整理も併せて行いたいと、こういうようなことで農地の集約につなげていきたいという考え方もあることも承知をいたしておるところでございます。  そういう意味で、今御審議をいただいております土地改良法特例法案は、このような地域のニーズというふうなものに応じまして、そして高い国庫負担というふうなもので事業が行われるというふうなことでございますので、そういうものを踏まえて今後取り組んでいかなきゃならないことだと思っております。
  62. 横山信一

    横山信一君 分かりました。  次に、漁業についてお尋ねをしてまいりますが、最初に共同利用小型漁船建造事業のことについて伺います。  激甚法の共同利用漁船建造に対する補助は、無動力船又は総トン数五トン以下が対象になっております。このため、被災した漁船では五トンを超えるものについては漁船保険等制度資金を使って建造することができるわけですが、船齢が高い場合あるいは保険金だけでは建造費を賄うというのは不十分な場合があります。また、融資を受けるにも今の漁業経営が非常に厳しいという現実もあります。  そういう中で、特にこの東北地方、三陸から常磐にかけてのこの地域というのは、十九・九トン型のカツオ・マグロ漁船が多く、先ほど富山の漁船も来ているという話がありましたが、漁船が多く営漁している地域でもあります。そういう意味では、この激甚法の対象漁船の拡大を望む声というのが多く聞かれます。  今回の被災に関しては、漁業団体からも、小型漁船のトン数要件の緩和の要請が来ております。この要件の見直しについて大臣に伺いたいんですが、こういう機会だからというか、多くの漁船が失われたこういう機会だからこそ要件緩和に是非踏み込んでいただきたいと思うわけでありますけれども、御答弁をお願いいたします。
  63. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) 先ほど大臣が答弁されましたが、激甚法の対象のもの五トン未満についての支援事業もある。それから、その激甚法の対象にならない、ならない五トン未満もありますし、ならない五トン以上もあるわけでございまして、この激甚法の対象にならないものについても、先ほど大臣が答弁されたようにきちんと今度の補正予算の中で対処をしているところでございます。
  64. 横山信一

    横山信一君 新しいことは分かります。今回の補正の中に盛られている共同利用漁船等復旧支援対策事業のことであります。そこは評価をしているんでありますけれども、これも漁業団体からも要望があった部分についてしっかりとカバーをしていただいているということで、そこは分かっているんですが、それはそれとして、激甚法の中の共同利用小型漁船建造事業のことです。これは、今、従来どおりであれば五トン以下に限られてしまうわけで、この五トンを二十トン未満までにこの際拡大をすべきではないかということですが、その点について再度伺います。
  65. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今先生の御指摘につきましては、今後勉強させていただきたいと思っております。
  66. 横山信一

    横山信一君 次に、被災漁業者の多くというのは、住宅等の生活基盤のほかに、漁船、それから漁具と言われる養殖施設を含めて生産基盤も失っている方が多いわけです。こうした方々漁業再開ができるまでには、生産基盤を失っているわけですから、当然のことながら漁業再開できるまでの間、生活支援をしていかなければいけないわけです。  昨日、私は一関におりまして、気仙沼それから一関の、森は海の恋人運動というのがあるんですけれども、そこのシンポジウムがありまして、そこに出ておったんですが、その気仙沼のカキ漁師で畠山重篤さんという有名な方がいらっしゃいますけれども、この畠山さんが挨拶をされたのが、非常に印象に残った挨拶をされまして、家も失いましたし船も失いましたし、そしてまた自分の養殖施設も全て流されてしまったんですが、会場に来られたときも本当に着るものも全部流されたのでということで、まさに着のみ着のままというか、そういう状態のままで来られて、そして、そこで挨拶された内容というのは、海に恨みはないということをおっしゃられたんですね。  漁業関係者もそこにはおられたので、皆さん一様に感動というか、まあ何というか、海に生きる男の覚悟というか、そういったものが皆さんに共有されて本当に不思議な会場になったんですけれども生活の糧をもたらすその豊穣の海に船を浮かべて生きていきたいというのが、これはもう漁師のやっぱり本質的な願望であります。そういう意味では、水産関係団体から、被災地漁業就労条件が整備されるまでの間、他県の漁協とかあるいは漁業団体で雇用できるように国があっせんしてくれという、こういう要請が来ております。  そこで、こうした要望に対する見解を伺います。
  67. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今先生からの御指摘の、漁業再開までの間、就業機会をどのように確保するかというふうなことは大変重要な課題であります。今回も補正予算では、漁業者方々に漁協なりあるいは漁場の再生などの復興に向けて直接かかわっていただくというようなことの予算も盛り込んでおるわけでございますけれども、一方、被災地域の漁業復興するまでの間、他の地域漁業に従事したいという希望もあるということも承知をいたしておるところでございます。  現在までに、他の地域からは三百五名分の求人情報が寄せられておるというふうなことでございまして、そのようなことから、今後、まさしくこれからの取組といたしましては、これらの情報というものは被災地に所在するところのハローワークにおいて既に提供もされているということでございますので、引き続いて、この就業機会をどのように確保するかというふうなことについて、重要な課題であるというふうなことで取り組んでいきたいと思っております。
  68. 横山信一

    横山信一君 分かりました。  ハローワークですから農水省マターではないということになるんですけれども、基本的には、こういう漁業者のことですから、関心を払い、ただ情報を集めているということだけではなくて、やはり水産庁がしっかりとイニシアチブを取ってここはやっていただきたいということであります。  それから、原発災害についても伺っておきたいと思いますが、東電及び政府は、相当因果関係にある損害を補償するというふうに述べてあるわけであります。漁業の場合、何をもってこの相当因果とするのかということが浜には伝わってきていないわけでありまして、福島県漁連、先日伺ったんですが、福島県漁連は三月十五日から既に休漁しているわけです、一か月以上。この分はちゃんと補償されるのか。あるいはまた、福島県漁連の漁師たちは現在はもう今までの蓄えで生活しているわけです、生活の収入がないですから。生活補償は何もないわけでありまして、こうした補償の範囲、それからその内容はどうなるのか、伺います。
  69. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) この度の一次の審査会におきまして、この審査会の中におきましては、福島県の漁業について、政府によるところの航行危険区域の設定により操業を断念したことによる漁業者の減収や、政府によるところの出荷制限指示や県の漁連によるところの操業自粛要請にかかわる漁業者の減収などについても賠償の対象となる損害と認められるとされたところでありまして、このことにつきましては、今後直ちに仮払い等の支払がなされるよう求めていきたいと思っております。
  70. 横山信一

    横山信一君 補償されるということだというふうに確認をさせていただきます。  次に、漁船処理の問題について伺ってまいりますが、先日視察をさせていただいた女川町支所で、先ほどの報告にもございましたけれども、漁場の瓦れきは手付かずの状態であるために早急に対応してほしいと、こういう要請があったわけであります。  漁師にとって漁業再開は切実な問題でありますけれども漁業再開するに当たって、やはり陸上部分というのは目に見える形でどんどん処理がされていくわけです、まあ遅いとはいってもですね。ところが、海に関して、特に港湾、そして漁場、そしてさらには航路というのは目に見えない、そこの部分の処理がなかなか目に見えた形で進んでいきません。さらに、船舶の処理というのも、これが大きいということもあるんでしょうけれども、目立ちますし、なかなか処理が進んでいるようには見受けられないわけです。  国交省と農水省でガイドラインを作成をされております、この船舶処理に関してですね。陸上に打ち上げられた漁船はガイドラインに基づいて処理をしているわけですけれども、まずは陸上に打ち上げられた漁船というのは何隻あるか把握をされているかということでございます。漁船保険に加入されている分ということになるのかもしれませんけれども、お答えをいただきたいと思います。また、そのうち処理できているのは何隻分なのか、また、沈没船の引揚げについてはどうされるのか、併せて伺います。
  71. 吉田公一

    大臣政務官吉田公一君) お答えいたします。  ただいま先生がおっしゃったように、既に陸に上がった漁船でございますし、また沈没、座礁していると、その処理を早急に進めることは御指摘のとおりでございまして、漁船保険中央会によりますと、陸揚げ漁船が四十一隻でございます。座礁船が三十七隻、計七十八隻という状況でございまして、三十二隻の漁船については、移動や引揚げ作業がもう既に開始をされておりまして、引揚げが完了した漁船が現在十九隻となっております。それも早急に取り除きをしていっている最中でございます。
  72. 横山信一

    横山信一君 七十八隻と聞いて、そんなに少ないのかなというふうにやはり思うわけでありますが、これはやはり漁船保険中央会の把握分ということでありますから、実際には漁船保険に加入していない漁船はかなりあるわけであります。  こうした漁船についてはどうなるかというと、基本的には船主が自主的にやるということになるんですが、その船主がいない場合もありますし、放置される場合もあるわけです。そうした場合は廃掃法に基づいて市町村が代行するということになるんでしょうけれども、七十八隻については見通しが立っているわけでありますが、残りの漁船というのは、かなりの数の漁船というのは、はっきり言ってまだ見通しは立たないというか市町村任せになっていると言ってもいいかもしれません。  そういう意味では、漁業再開するためにはこうした被災漁船の処理というのは早くやってしまわなきゃいけないことなので、自治体に任せるのではなくて、是非連携を深めて処理を急いでいただきたい。自治体がやることだからということで、そこでそのままにしておいてはこういうのは進まないわけでありますので、是非連携を続けてやっていただきたいということです。  また、こうした連携ということに関して言えば、今日の予算委員会でも質問があったかもしれませんが、漁港機能を回復するに当たっては、これはもう船舶だけを確保すればいいということではなくて、荷さばき所であり、あるいは冷凍冷蔵庫であり、製氷施設であり、あるいは水産加工場と、こういったものが一体的に漁港に完備されていなければ漁業再開というのは難しいわけであります。そういう意味では、これ、あとは漁港関連道ですね、道路も確保されなきゃいけません。全て所管が異なるわけです。全て所管が異なっている、しかも漁港は県が管理することが多いわけでありますから、県か市町村です。  そういう意味では、全部違うという中にあって、農水省がどういうふうにこういったところに、漁港機能を回復するためにかかわっていくのかということについて伺います。
  73. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) 今先生がおっしゃったように、漁港は規模等によって市町村が管理したり県が管理している。その管理者が原則としてそこの整備を行う、漁場に関しては県が原則として行うという形になっておりますが、御存じのとおり、二十八日ですか、その代行に関する法律も成立いたしましたので、国が県を代行する、あるいは県が市町村を代行する、そしてそれぞれの必要な事業を行うということも可能になったわけでございますから、各市町村あるいは県の実態に応じて代行制度も活用しながら統一的なことをやっていかなければいけないというふうに思います。  同時に、もう一点の統一的、一体的な取組としては、これも先生がおっしゃいましたが、漁船だけではなくて製氷所や荷さばき所やあるいは水産加工施設等の整備、これまさに一体として行わなければならないと。特に、私も現地を視察いたしましたが、漁船があれば直ちに漁に出られるかというと、まず製氷施設がなければ一切それは不可能であるとか、みんな関連するわけでございまして、それらの施設等も一体として復旧復興をしていかなければいけないというふうに考えております。
  74. 横山信一

    横山信一君 漁場の瓦れき処理のことも伺っておきたいんですが、今言った港湾とか航路については見えるわけであります。あるいは、漁港内についても実施主体が明らかなんですが、漁場にある瓦れきの撤去というのは誰が責任を持って行うのかということであります。陸上の瓦れき処理は市町村、漁場の瓦れき処理ですね、これは誰が行うのかということをまずお答え願います。  あわせて、補正予算の中の漁場復旧対策支援事業、これ百二十三億円計上されておりますが、この中で、漁業者グループ等の瓦れきの撤去作業、私も質問で取り上げさせていただいて、これが盛り込まれているのは大変に感謝を申し上げたいんですが、漁業者による撤去作業支援するということで、これは、これの事業実施主体はどこなのかという、またどのように行われるのかということも併せて伺います。
  75. 筒井信隆

    ○副大臣筒井信隆君) 先ほどちょっと申し上げましたが、漁場に関しては都道府県事業主体になる、ただし、それについての国庫補助等は極めて高率なものに今度したわけでございますから、国もきちんとそれに関与し対応していくということでございます。
  76. 横山信一

    横山信一君 漁場復旧対策支援事業は。
  77. 吉田公一

    大臣政務官吉田公一君) 委員がおっしゃいました漁場復旧対策支援事業、百二十三億円の予算を計上しておりまして、まずは漁場に、漁港に堆積している瓦れきの回収処理を行う前に、まず水中探査機で海底調査実施いたしました後に、農林水産省としても、海上保安庁等とそれぞれ協力をいたしまして、さらには県に対しまして漁場の状況について情報提供を行っている状況でございます。
  78. 横山信一

    横山信一君 漁業者グループの復旧対策支援事業、これの実施主体はどこなのか、ちょっとお答え願いたいんですが、ちょっと時間がないので併せて答弁いただきたいんですが、今日は環境省の方にも来ていただいておりますので環境省の方にも答えていただきたいんですけれども、海上に漂流する瓦れきについてです。  震災が原因で発生した海上に漂流する瓦れき、これは海上保安庁が回収をすることになっておりまして、これは、回収したものは自治体に引き渡すということになっているようであります。しかし、目に見える大きな部分はそれができるんでしょうけれども、かなりの瓦れきが相当数漂流しているということを考えますと、どういうふうに対応していくのかということなんですが、これまで日本政府というのは、海岸漂着物に関して、海を守るためにごみを出さないようにということで、関係国に、まあ日本の近隣国にですね、要請をしてきた、申入れをしてきたという経緯がございます。
  79. 主濱了

    委員長(主濱了君) 横山委員、時間が来ましたので、簡潔におまとめ願います。
  80. 横山信一

    横山信一君 はい、分かりました。  その震災の漂流物を放置すると、こうした日本の活動に支障を来すことになるわけであります。  そこで、今後政府はどのように対応されるのか、伺います。
  81. 主濱了

    委員長(主濱了君) 環境省加藤審議官、簡潔に御答弁願います。
  82. 加藤由起夫

    政府参考人加藤由起夫君) はい。  先生御指摘のとおり、外国から我が国に漂着するごみにつきましては、関係国に対しまして、外交ルートを通じて発生源対策の徹底をお願いしてきたところでございます。  したがいまして、このような中で、今回の震災に伴い発生いたしました海域の瓦れき処理、これにつきましては、関係省庁によりまして港湾、漁港復旧事業や漁場復旧観点からの支援等を検討されているものと伺っておりますが、環境省といたしましても、地方自治体が必要として行います海域瓦れきの処理、海域の瓦れきの処理、これにつきましては支援、助成、こういうものを完璧にしていきたいというふうに思っております。それから、環境省は、漂流物の量あるいは漂流経路につきまして概況の把握にも努めているところでございます。  これらによりまして、関係省庁と連携し、できる限り漂流物が外洋へ出ないように取り組んでまいりたいというように考えてございます。  以上でございます。
  83. 柴田巧

    柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  私も、先般、この委員会派遣で現地を視察をしてまいりましたが、三月にも二十二日の日に、それは福島でございましたが、視察をさせていただいたときは、まだ十一日目、二日目ということで、こんなものかなと思ったんですが、今回、場所はもちろん異なりますが、先般、宮城東松島あるいは女川等を見まして、一か月半たってもまだこういう状況かということに正直驚いたというか、三月十一日で時が止まってしまっているような感がありまして、本当に復旧復興に向けては大変な時間と労力が要するということを感じると同時に、一日も早くとにかく再建すべく我々も努力をしていかなきゃならぬと改めて感じ取ったところであります。  そういう中で、今日は第一次補正予算も成立するということであり、この委員会では土地改良法特例に関する法律案等々の審議をされるわけでありますが、とにもかくにも事は急いでやっていかなきゃならぬことが多々あるというふうに認識をしております。  そのうち、この前見た東松島もそうでしたが、海抜ゼロメートルになったところが今度の地震でかなり多いわけですね。これまでの五・三倍ぐらいそうなってしまったと聞いておりますが、したがって、東松島の現場なども大潮の際には再び冠水をしていると、あるいは川の堤防が決壊しているというのも影響をしているわけですが、そういった状況にあります。  したがって、これから除塩作業をしていくためにも、いろんな復旧をしていくためにも、そういった再び冠水しないような措置を急いでやっていかなきゃならぬというのはまず求められると思いますし、また、これから、何といってももう今日から、今日は五月二日で、梅雨時期を迎えてまいります。したがって、この排水機場などの農業用施設復旧というのは早急にやっていく必要があると思いますが、この第一次補正予算の成立を受けてどのようにこういったことを急いでやっていかれるおつもりか、お尋ねをしたいと思います。
  84. 吉田公一

    大臣政務官吉田公一君) 津波によります農地の推計被災面積は約二万四千ヘクタールでございます。特に、お尋ねの東松島地域などでは地盤沈下も多く、現在、災害応急ポンプを集中投入いたしまして排水に努めるとともに、梅雨期の地域排水対策として排水路の機能回復を行うため、地域排水対策として今後も応急に対応してまいりたいと。もう既に復旧に着手をいたしておりますが、県内の他の地区では津波によりまして破損した海岸堤防などの仮締め切り工事などに取り組むことになっております。  補正予算では、今期の作付け可能な地区や二次災害に防止するため、必要な箇所を中心に農地農業用施設等の復旧予算を計上いたしておりまして、御審議いただいています土地改良法特例法案によりましても対応していきたいと思っております。
  85. 柴田巧

    柴田巧君 是非緊急的な事業を迅速にやっていただきたい。でなければ、その被害が更に拡大するというおそれも多分にあると思いますので、是非お願いをしておきたいと思います。  さて、その除塩事業を実際円滑に行っていく上で、先ほどもいろいろお話ありましたが、瓦れきの撤去もしていかなきゃなりません。また、台風や高波なんかとまた違って、海底のヘドロなんかも掛かっているものもありますし、車やあるいは漁船の油が漏れているところもあろうかと思います。  さらに、この除塩にはいろんな方法があるわけですけれども、真水を掛け流していくという方式などもかなり恐らく用いられる方法だと思われますが、だとすると真水の確保をどうするかといったこと、また、今ほど申し上げたこの農業用施設復旧をどうやっていくかということも大事でしょうし、具体的な除塩方法、場所によって異なってきますので、先ほどもありましたが、関係機関と連携をしっかり取ってやっていくということが何よりも大事だろうと思います。  したがって、そういったことも含め非常に広範囲にわたって甚大な津波被害があるわけですので、国としてもしっかりマスタープランを、基本計画をやっぱり作ると。また、それに基づいて、農地ごとになるのか、地域ごとになるのか分かりませんが、工程表というのをやっぱり示していくということが大事だろうと思いますけれども、そしてその上でより効果的な手法を取っていくということが肝要かと思いますが、どのような考えでどのように進めていかれるか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
  86. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 除塩事業あるいは今後の区画整理事業等を進める上において大変重要な指摘をいただいたわけであります。  除塩は、対象地域塩害状況に応じまして、土壌中の塩分を洗い流す、石灰等の施用、客土等を単独又は組合せで行う、そして塩分除去を確実に実施していくというふうなことが必要でございます。また、津波被害が甚大な地区におきましては、除塩作業の前に瓦れきの除去、泥、ヘドロの処理、除塩に必要な水の確保、排水施設復旧というふうなことが大事なことでありまして、今御指摘をいただいたとおりでございます。  これらの対応につきましては、地域の意向というものをよく直接お聞きをしながら、関係機関、県、市町村等、そして土地改良区というような関係者とも十分連携をしながら、計画的に復旧事業を進めていかなければならないと思っております。
  87. 柴田巧

    柴田巧君 それでは、計画的に進めるということであれば、先ほどもちょっと申し上げましたが、そういうマスタープランとか工程表とかってお作りになるつもりかどうか、また、作るとしたらどういう時期までにお示しになるというお考えでしょうか。
  88. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 当然のことながら、今後の工程表なり、マスタープランなり工程表というふうなものは、御承知のとおりに、今後、関係の県なりあるいは市町村そして関係者の方々、十分地域方々の意見を踏まえてこれから計画を立てていかなきゃならないと思っております。
  89. 柴田巧

    柴田巧君 是非、被災された関係の皆さんに対する一つの安心のメッセージにもなってくると思いますので、関係の機関とも連携をしながら、できるだけ早急に示していただければというふうに思っております。  さて、今日は十分しかありませんのでちょっと割愛をさせていただいて、放射能の物質で汚染された農地の除染や土壌の改良のことについてお尋ねをしたいと思いますけれども。  御案内のように、先ほどもお話、質問出ておりましたが、放射能物質で汚染された農地の除染あるいは土壌改良、これから大きな課題になってくると思います。もちろん、まだ収束をしていませんので全容がまだまだつかめないというところはあるわけですが、しかし、今からその準備をしていくということはまず肝心なことだろうと思います。  そのためにも、農水省の中にも既に、省内の中に対応研究チームですかね、おつくりになったとお聞きをしております。また、関連の独法の中にもそういうものをおつくりになったとお聞きをしておりますが、その農水省関係はもとより、やっぱり他の省庁の研究機関あるいは大学、地方自治体等々と連携をしながら農地の除染や土壌改良調査研究、またその実践をやっぱりしていかなきゃならぬと思いますし、チェルノブイリのいろんな経験やあれを基にしなきゃならぬとは思いますが、基にできるところも、参考になるところもあると思いますが、土壌も違いますし、地質も違いますし、いろんな条件も異なりますので、やはり独自のやり方を模索をしていかなきゃならぬ部分があると思っておりますが、いずれにしても、その調査研究の実践あるいは将来の農業再開に向けた作業を国家プロジェクト的なものに位置付けていくということが大事だろうと。  それで、日本のまさに総力を挙げて、技術力を最大限に活用して、これを農水省を中心に進めていくべきだと思っておりますが、大臣の御所見を是非お伺いをしたいと思います。
  90. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) まさに総力を挙げて土壌改良等々に取り組んでいくというようなことは私どもも本当に大事なことだと思っております。  そういう意味で、まず農林水産省が自らもう検討に入ったというふうなことでございまして、同時に、今後は当然地元の福島県、市町村とも連携を取りながら、さらに他の省庁とも連携を取り、もちろん専門家あるいはいろんな方々の、おられるわけでありますから、そういう方々の考え方も参考にしながら、まさしく政府全体として取り組んでいかなければならないと思っております。
  91. 柴田巧

    柴田巧君 本当に、それこそ現地に研究所を、国の研究機関をつくるぐらいの、拠点をつくるぐらいの意気込みでやらなきゃならぬと思いますし、既に大学、東大なんかは、これは農地だけじゃないようですが、土壌の調査をもう始めました。土壌汚染地図というような、まず作らないと、どういうふうに対処すればいいかというのは分からないわけで、こういったものなども十分活用、連携していけるものだと思っておりますが、いずれにしても、しっかり他の機関とも連携をして、この問題にも取り組んでいただきたいと思っております。  先ほど、いろいろお話が出ておりますように、いろんな事業再開復旧に向けての事業も遅れぎみでありますし、債務の問題を聞いていても、想定外のことが起きているのに想定内で対処しておられるという感が正直あります。千年に一度と言われている、あるいは想定外と言うからには、これまでのやり方を言わば大きく超えるような、そういう考えで、思いで是非復旧に当たっていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  92. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  この度のこの土地改良法特例に関する法律案については、土地改良除塩事業を創設をして早期営農再開できるとするものということで、賛成できます。それから、海区漁業調整委員会及び農業委員会等の選挙特例法についても、この大震災による甚大な被害の下で当然のことであり、これも賛成です。  その上で、二、三、現地調査をして寄せられている問題などで質問をしたいと思います。  この間、宮城県の、私自身も名取市、それから亘理、それから山元町に調査に行きましたし、それから先日、当委員会皆さんと一緒に東松島女川にも行ったわけです。その中で、やっぱりいろんなことを考えさせられたんですけれども、本当に失うものが大きかったということもあり、被災地避難所におられる皆さんはできるだけ早くやっぱり体を動かして仕事したいと。農地を作って野菜作っていた人は、早く野菜作りをどこかで農地が確保できればやりたいということですとか、先ほども話があったように、イチゴをとにかくまたすぐやりたいんだという声なんかも含めて、そういうやっぱり仕事の場を、本当に生活の糧となるということでつくっていかなきゃいけないんだろうと思うんです。  それで、共通する話ではあるんですけれども瓦れきの撤去と除塩の問題、やっぱり進まない理由のその一つに、そもそも海抜が低いのに更に下がってなかなか水が引いていかないということがあり、やっぱり急がれるということで、先ほども出ていたように排水機場の修繕という問題がありました。それで、私行った名取市の閖上のところを見たんですけれども、近場に四機あるんですけれども、全部駄目になっているわけですよね。それで、低くなっているものですからやっぱり排水できなくて、まだ遺体も捜し出せていないという状況なわけです。  そういう中で、少なくとも国直轄のかん排事業を直ちにやってほしいと。それも、間もなく梅雨入りに入るので、その前にやってほしいと。簡易のやつは今造っているんですけれども、下がっているものですから吸い上げる力がないわけですよね。だから、能力もアップしないといけないという話なんです。しかも梅雨入りと、それから台風の季節になってきて、更に大潮だとかと重なってきますと、せっかく土壌がちゃんとなってきてもまた同じようなことの繰り返しになりかねないということで、そこをやっぱり早くやってほしいというのがすごく強く出されていたんですけれども、完成する予定というか見通しといいますか、それをいつまでに、どういうふうにできるのかということについて伺います。
  93. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 何とか、一刻も早く、早急に除塩なり、あるいは排水対策等について総合的な取組が必要だと思っております。  そういう意味で、まず災害応急ポンプの集中的投入ということで排水路の瓦れき除去を実施いたしております。加えて、お話のとおりに、現在梅雨どきの二次災害の防止に向けて、四機場十六台の排水ポンプのうち各機場一台ずつ、計四台について機能回復のための緊急応急工事を実施し、遅くとも六月中に工事を完了する予定でございます。残る十二台の排水ポンプにつきましても、今回の補正予算成立後速やかに応急復旧工事に着手し、地域排水対策にできるだけの努力をしていきたいと思っております。
  94. 紙智子

    ○紙智子君 能力アップということも言われているんですけれども、その辺も考慮されていますでしょうか。
  95. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) そういうことで取り組んでいきたいと思います。
  96. 紙智子

    ○紙智子君 それから、除塩作業を進めるためには上流で水を流すことができないということで、本当でいえば作付けできるのに、そこをあえてやらずに、その除塩作業を進めるために協力する地域があるんですね。  これもちょっと地図をもらって見てきたんですけど、こちらが海なんですけど、この赤で囲ったところが津波をかぶって塩害のところなんですよ。この青いところでくくってあるのが、今耕作できる土地なんです。この黄色いところが、向こうではイエローゾーンと言っているんですけど、要するに水流さないために作らない、自主的に自粛している地域なんです。そうすると、ここは収入がなくなってしまう、何とかならないかという話が出ていたんですけど、これに対しての対応策、ないんでしょうか、やっていただきたいということなんですけれども
  97. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今、紙先生からの御指摘の点については、実際に見ていただいて御要請もいただいたことだと思います。  そういう意味で、私どもとしては、お尋ねのこの地域に対してどのような支援ができるかということについては、現地農家や関係者の意見というものを伺いながら、それを受けて対応を検討してまいりたいと思っております。
  98. 紙智子

    ○紙智子君 私は、できたらこの対策の中で被災者農家経営再開支援事業の中に、要するに農業者地域で行う復旧とか取組、土を作ったりとか、そういった作業をする際に支援できると、十アール当たり三万五千円出るというのがあるというふうに聞いているんですけど、これに含めていただいたら随分助かるんじゃないかなというふうに思ったわけです。  何かちょっと最初にお聞きしていたら、麦とか大豆作ればいいじゃないかと、麦とか大豆に切り替えたらいいんだという話あったんだけど、今まで水田を作ってきたところで、そう簡単にできるかどうかということはありますし、それで取れない場合とか、それから機械も違うわけですよね、水田と畑とは。ですから、そういったことも考えると、いや、麦、大豆作ればいいという話はちょっとどうかなというふうにも思いまして、できればこういう対象にしてもらうと助かるんじゃないのかなということを考えました。  それは地元の皆さんの要望を聞いてということなので、是非ちょっとそのことを踏まえて検討していただきたいということです。ちょっともう一言お願いします。
  99. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) 今、先生からの地元のお考えの方々のお話でございますけれども、なかなか困難な状況にあるものと思っております。しかしながら、私どもとすれば、まあお願いというようなことで他の作物を作っていただくようなことも是非御検討していただけないかなと、こんな思いもいたすわけでありますけれども地域方々ともまたお話を伺っていきたいと思っております。
  100. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと時間がもうなくなるので、あともう一つ、これも先ほど山田先生がお話しになっていて、私もそこに行ってきて、それでイチゴのブランドをやっていて、本当においしくてもう一つ食べたくなるので「もういっこ」という名付けをして、そういう品種ということで頑張って作ってきたということで、やっぱりイチゴを作りたいというふうに言うんですよね、本当に若い人たちもいる中でもう一回やっぱりやりたいということで。  先ほどのそのプロジェクトという話があって、それに含まれているかどうかというのはよく分からなかったんですけれども、要するに今すぐやるということになると、津波でもってもう土はがちんがちんになっていて、これを掘り起こしてまたやるかとなるとすごく大変だというのがあって、時間が掛かると。そういう中で、今すぐにやれるとすると、水耕栽培方式で高く立てて地面から離れたところでやっていく仕組みで、施設にお金は掛かるんだけど、これに支援をもらえると何人か協力し合いながらすぐやれるんじゃないか、そういうことできないかと、それに対する支援できないかということを要望を出されたんですけど、これについてはいかがでしょうか。
  101. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) このイチゴ農家の被災に遭われた方々は、もう一度、一刻も早く作りたいと、先ほど山田委員からもお話がありましたとおりに、クリスマスまでに間に合わせたいと。こういうふうな強い思いというふうなものにどうこたえていくか、非常に農林水産省としても大事なことだと思っております。  そういう意味で、今後、東北の農政局の関係部局による支援チームを設置いたしまして、営農再開に向けた指導、助言を行うとともに、水耕栽培、今先生からお話がありました水耕栽培施設の導入等につきまして、関係者と連携を取りながら支援を検討してまいりたいと思っております。
  102. 主濱了

    委員長(主濱了君) 紙智子君、時間が迫っておりますので、簡潔におまとめ願います。
  103. 紙智子

    ○紙智子君 ありがとうございます。はい、終わりました。  ありがとうございます。
  104. 主濱了

    委員長(主濱了君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。──他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより両案の採決に入ります。  まず、東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  105. 主濱了

    委員長(主濱了君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、野村君から発言を求められておりますので、これを許します。野村哲郎君。
  106. 野村哲郎

    野村哲郎君 私は、ただいま可決されました東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     東日本大震災に対処するための土地改良法特例に関する法律案に対する附帯決議(案)   東日本大震災により、農林水産業及び農山漁村は未曾有の大被害を受けている。一日も早い復興のために全力を尽くすことが喫緊の課題である。また、東京電力福島第一原子力発電所事故に係る放射性物質の被害除去については、東京電力と国が責任をもって対応する必要がある。   よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努めるべきである。  一 被災地域の復旧復興に当たっては、我が国農林漁業における食料基地としての重要性に鑑み、復旧復興へのマスタープランと工程表を示し、スピード感をもって対応すること。特に、本法に基づく措置と他の復興再生措置との一体的推進を図り、万全な農林漁業経営対策を講ずること。  二 除塩事業の円滑かつ効果的な実施を図るため、除塩に関する技術の開発・普及に努めること。また、今般の津波による海水浸入のために農用地が受けた塩害を除去するために行う除塩事業土地改良事業とみなすこととしている特例措置について、恒久措置とすることを検討すること。さらに、その実施に当たっては、農業者意欲に鑑み、地域の実態に応じた柔軟な事業開始が可能となるようにすること。  三 東日本大震災に対処するための農地農業用施設災害復旧事業については、数年にわたる展開が必要な場合も予想されることから、国と地方公共団体が連携して、必要な予算等の措置を講ずるとともに、農業者の負担が生じないようにすること。また、油、汚泥等の除去、車等のがれきの排除が早急に進むよう、関係省庁の枠を超えた一体的な取組を進めるとともに、事業実施に当たっては、被災者の雇用を優先すること。  四 土地改良事業の同意徴集手続の特例の運用については、地域の意向を十分に踏まえて行うこと。  五 除塩を始めとする農地農業用施設災害復旧に係る工事期間中、休業状態となる農業者生活・経営の再建に向けた支援策を講ずること。  六 被災により償還が困難となった土地改良事業負担金について、支払猶予、無利子化措置を講ずること。  七 土地改良事業を円滑に実施し、土地改良施設の適切な維持管理を図るため、組合員が被災したため経常賦課金の徴収が困難となった土地改良区や賦課台帳を逸失する等事務所機能に損傷を受けている土地改良区等に対して支援を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  107. 主濱了

    委員長(主濱了君) ただいま野村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  108. 主濱了

    委員長(主濱了君) 全会一致と認めます。よって、野村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鹿野農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鹿野農林水産大臣
  109. 鹿野道彦

    国務大臣鹿野道彦君) ただいまは法案を可決いただきまして、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、東日本大震災による農林水産業及び農山漁村状況を踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと存じます。
  110. 主濱了

    委員長(主濱了君) 次に、東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会委員選挙臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  111. 主濱了

    委員長(主濱了君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 主濱了

    委員長(主濱了君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十一分散会