運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2011-08-01 第177回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年八月一日(月曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月二十九日     辞任         補欠選任      上野 通子君     水落 敏栄君      長谷川 岳君     橋本 聖子君      山下 芳生君     紙  智子君      吉田 忠智君     福島みずほ君  八月一日     辞任         補欠選任      轟木 利治君     加賀谷 健君      藤田 幸久君     難波 奨二君      山根 隆治君     大野 元裕君      佐藤 正久君     古川 俊治君      横山 信一君     浜田 昌良君      藤井 孝男君     片山虎之助君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         柳田  稔君     理 事                 岡崎トミ子君                 金子 恵美君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 岩城 光英君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 長沢 広明君     委 員                 相原久美子君                 岩本  司君                 大野 元裕君                 加賀谷 健君                 神本美恵子君                 郡司  彰君                 今野  東君                 主濱  了君                 難波 奨二君                 平山 幸司君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 山根 隆治君                 愛知 治郎君                 赤石 清美君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 高階恵美子君                 橋本 聖子君                 古川 俊治君                 牧野たかお君                 水落 敏栄君                 山田 俊男君                 竹谷とし子君                 浜田 昌良君                 小熊 慎司君                 松田 公太君                 紙  智子君                 片山虎之助君                 福島みずほ君                 亀井亜紀子君    衆議院議員        修正案提出者   柿沼 正明君        修正案提出者   後藤  斎君        修正案提出者   西村 康稔君        修正案提出者   佐藤 茂樹君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        総務大臣     片山 善博君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        厚生労働大臣   細川 律夫君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣        国務大臣     海江田万里君        国土交通大臣   大畠 章宏君        環境大臣     江田 五月君        国務大臣     玄葉光一郎君        国務大臣     細野 豪志君        国務大臣     平野 達男君    副大臣        厚生労働大臣  大塚 耕平君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        山田  宏君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        内閣官房原子力        発電所事故によ        る経済被害対応        室長       北川 慎介君        内閣法制局長官  梶田信一郎君        原子力安全委員        会委員長     班目 春樹君        資源エネルギー        庁長官      細野 哲弘君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      横尾 英博君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   西澤 俊夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○原子力損害賠償支援機構法案内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 柳田稔

    委員長柳田稔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る七月二十九日、山下芳生君、上野通子君、長谷川岳君及び吉田忠智君が委員辞任され、その補欠として紙智子君、水落敏栄君、橋本聖子君及び福島みずほ君が選任されました。  また、本日、藤田幸久君、轟木利治君、佐藤正久君、横山信一君及び藤井孝男君が委員辞任され、その補欠として難波奨二君、加賀谷健君、古川俊治君、浜田昌良君及び片山虎之助君が選任されました。     ─────────────
  3. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力損害賠償支援機構法案審査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力損害賠償支援機構法案審査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  7. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 原子力損害賠償支援機構法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 金子恵美

    金子恵美君 おはようございます。  民主党・新緑風会の金子恵美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  冒頭、この度、新潟、福島の記録的な豪雨によって被災された皆様方にお見舞い申し上げます。そしてまた、亡くなられた皆様方の御冥福を心よりお祈り申し上げる次第でございます。さらに、昨日は福島県沖を震源といたします大きな地震も発生いたしました。けがをなさった方々もおいででございました。一日も早い回復をお祈り申し上げたいと思います。  改めて、自然の力そして自然災害の恐ろしさというものを見ることになりました。どんなことが起ころうとも国民皆様の生命とそして生活を守っていくというのが国がなすべき仕事でございますが、土砂災害そして河川のはんらんにより甚大な被害を受けた地域早期復旧に向けて、国もしっかりと取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。  本日は、原子力損害賠償支援機構法案質問に立たせていただいております。三・一一から四か月とそして三週間が過ぎました。被災地皆様方に少しでも明るい復興への光、希望の光が当てられることを望んでやみませんが、しかしながら、私のふるさと福島県の皆様方原発の収束を見るまでこの希望への光を見ることもできない、そのように訴えていらっしゃいます。  地震、津波、あるいは今回のような豪雨、これは自然災害、天災でございます。しかし原発の問題は人災ではないかと、そういう言葉が多く聞かれております。国民を守るためにやるべきことは全て成し遂げたのだろうか、この答えはいまだ出ておりません。  福島避難されている皆様方県内各地そしてまた県外に、四十六都道府県、散り散りばらばら避難しておられます。そして今、夏休みではありますけれども、子供たちも自由にそして安心して外で遊べる地域を求めて県内あるいは県外でサマーキャンプなどにも参加して過ごしております。それぞれの方々ふるさとを思わぬ日は一日たりともないと思っております。特に子供たちの心と体を守るために最善を尽くさなければならないことは言うまでもございません。  そして、全国皆様には我々県民のその思いを受け止めていただきまして、避難されている方々受入れ子供たち受入れ、本当にたくさんの御支援をいただいてまいりました。この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。  福島県やまたあるいは原発影響を受けた近隣県皆さん、必ずふるさとを再生させるのだということで頑張ってこられました。そのやさき、汚染した稲わらを食べた牛の問題が発生し、それが全国に広がってしまっております。全ての産業で、そして福島県だけではなく様々な分野においても、この原発事故影響は拡大し続けているのではないかと思います。  そこで、まず総理にお伺いさせていただきます。  原発事故から放射性物質影響がこのように広がってしまっていることについて、どのような御認識をお持ちでしょうか。そしてまた、国民の命と健康を守るという観点からも、今に至るまで原発のこの問題についてどのような思い取り組んでこられたか、御答弁をお願いいたします。
  9. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 金子議員地元福島でこの問題、本当に身近にいろいろな関係者と接触をして取り組んでおられることにまず敬意を表したいと思います。  私も、この原発事故については二つの大きな面があると思っております。一つは、原子炉そのものがメルトダウンあるいは水素爆発等事故を起こして、それをいかに収束させていくかというその問題と、そして既に放出されてしまった放射能あるいは放射性物質によるいろいろな影響被害というものを、どのようにそれを少なくし、そして最終的にはその被害をなくしていくかという、この二つの課題があろうと思っております。前者の問題はある程度のめどがだんだん付きつつありますけれども、後者の問題では新たな問題が更に次々と発生している、稲わらによる牛の問題等発生しております。  金子議員地元伊達市でも、特定避難勧奨地点の問題で市長住民方々に大変多大な御心配を掛けております。先日は伊達市長が官邸に来られて、地元の問題についても御説明をいただいたとの報告も受けているところであります。  何としても、生活をしている皆さんが安心して安全に生活を続けられるよう、除染を中心にして、政府として自治体とともに全力を挙げて取り組んでいかなければならない、取り組んでいく覚悟であることを申し上げておきたいと思います。
  10. 金子恵美

    金子恵美君 総理言葉を信じて辛抱強く待ち続けている人たちも実は限界に来ていると思います。避難所からそして仮設住宅に移られても、仮払いだけでは生活ができない、全てを失った人たちは訴え続けています。農林水産業方々も、中小企業方々も、小さいお子さんをお持ちの親御さんたちも、高齢者方々も、全ての方々のその言葉をどうか受け止め続けていただきたいというふうに思います。  今ほど、菅総理の方から私の地元伊達市のことについて触れていただきました。特定避難勧奨地点というその地点に指定された世帯が百十三世帯でございます。その中から、やはり是非この伊達市を美しいふるさとに戻してほしいという、そういう声も上げ続けておられまして、そして伊達市独自でこの除染活動をされてこられてきてもおります。  実は、私は先日、計画的避難区域になっている葛尾村の皆さんお話をさせていただく機会もいただきました。そのときに、村長や議員皆様が口々に自らおっしゃられた言葉というのは、とにかく元の美しい村に戻してほしい、子供たちが戻って安心して生活ができる美しい村に戻してほしいということでした。そして、そこでもやはり除染をしっかりと進めていただきたいという言葉が告げられたところでございます。  県民皆様の安全、安心の確保がまず第一であったということから、安全確保のための一つ方法として避難をしていただくということがございました。しかし、ずっと家族と共にふるさとで暮らし続けたいという、そういう願いは薄れることはありません。私は、県民としては、福島県を丸洗いして元の美しいふるさとに戻してほしい、それを是非国を挙げてやってほしいというふうに感じております。  そこで、改めて除染について具体的にお伺いしてまいりたいと思いますが、先ほども申し上げましたいわゆるホットスポットである特定避難勧奨地点等に指定されたその地区、もしもこの除染早期に的確に行われていたのであれば、もしかすると生ずることがなかったのではないかとも考えられます。この除染必要性についてどのように認識しておられるのか、細野大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
  11. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 金子委員におかれましては、本当に地元福島県民皆さんと寄り添ってやってこられておるのは承知しておりまして、心より敬意を表したいと思います。  先日、伊達市の富成小学校でしたね、お父様がおつくりになった小学校ということで、一緒に除染作業も私やらせていただきまして、その重要性については本当によく承知をしております。  週末、私、若いお母さんたち、幼稚園とか小学校の若いお母さん方と話をする機会があったんですけれども、そこでも何とかきれいな福島に戻してほしい、普通に生活をしたいという、そういう切実な要望がございました。これは、政府の本当に大きな責任であると感じております。  御質問があった特定避難勧奨地点なんですけれども、確かに指摘をする前に除染をしていれば必要がなかったのではないかという御意見もあるのは承知しておるんですけど、やはり除染をどういう方法でやるのか、さらには誰がやるのかということも含めてかなり悩ましい問題がたくさんございまして、まずは一義的に安全を確保するという意味でホットスポット皆さんには避難していただくことを優先をいたしました。  その一方で、一刻も早く帰ってきていただくというのが基本でございますので、今回の補正予算でも付けております百八十億円の除染予算、これを使って、御町内皆さんにももちろん手伝っていただきたいですが、事業者皆さんにもしっかり仕事を発注をして、国として責任を持って除染をやっていくという、県と自治体と協力をしながらそういう体制を今整えて、既に始めているところでございます。
  12. 金子恵美

    金子恵美君 ボードを見ていただきたいと思いますが、(資料提示)これは地域住民ボランティアによる除染活動ということでございまして、上の写真伊達市の、今おっしゃっていただきました富成小学校様子でございます。細野大臣も自らこの小学校を御視察いただきまして、そしてまた実際に除染活動にも参加をしていただきました。地域皆様や、そしてまたPTAの方々ボランティア方々一つになってこの敷地内ののり面の草を剥ぎ取り、土壌を剥ぎ取りという作業をしております。  そしてまた、下の写真でございますけれども、今特定避難勧奨地点と指定されている下小国地区でございます。ここも地域皆様方と、そしてまたボランティア方々一つになりまして、民家の門口から、そしてまた子供たち安全確保を目指すということで通学路等除染活動をしている様子でございます。  実際にこの自治体住民皆さんが自ら除染に積極的に参加しているわけですが、このような取組には国が財政面、そして技術面、そして人的な面で積極的に支援を行っていくということが重要になっていると思います。この点について、総括的な総理の御所見をお伺いしたいと思います。  そしてまた、子供影響を与えやすい公共空間で重点的に行われているわけですけれども、これにつきましても引き続き重要ではありますが、同時に、今申し上げたように民家農地等の私有地や生活空間において大規模な除染が必要となってくると思います。所有者任せではなく、しっかりと自治体や国がその除染を望む住民要望に積極的にこたえていく必要があると思いますが、総理認識を併せてお伺いしたいと思います。
  13. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほども申し上げましたが、原子炉そのものからの新たな放射性物質の放出というのは、もう事実上ほとんど、極めて少なくなっておりますが、かつて初期の段階で放出されたものがいろいろな形で地域に残っている。そこでやらなければいけないのは、まさに御指摘のように、除染活動を全面的に、場合によっては広範に徹底的にやらなければならないという認識を持っております。  除染活動について一刻も早く進めるべきでありまして、今、伊達市の例をお挙げいただきましたけれども、自治体住民が行われる除染に対して国も財政的な支援を行ってまいります。またあわせて、技術的支援のために専門家派遣についても実施する方向で検討をしてまいります。例えば、伊達市では市内全域を対象とした除染活動を市独自のイニシアチブによって実施されていると聞いておりますが、こうした取組を国としても支援できるよう、第二次補正予算に必要な予算を既に盛り込んでいるところであります。
  14. 金子恵美

    金子恵美君 次のボードを見ていただきたいんですが、まず今回の二次補正予算の方では福島県の原子力被災者子ども健康基金というものを出していただきました。九百六十二億円でございまして、この中では、福島県民健康管理事業とそれから特別緊急除染事業、大きく二つに分かれるわけでございますけれども、県民の二百二万人のための健康調査もしていくということでございまして、これは本当に福島県民としても待ちに待っていたものでございまして、そしてこの二つ目の部分の特別緊急除染事業でございますが、今も、あるいは先ほど細野大臣の方からもありました、これ百八十億円となっております。  次のボードをお願いいたします。  この仕組みなんですが、いずれにしましても福島県に基金を設けられまして、そしてそこに予算が、国の予算が入っていって、そしてまた最終的には、この基金を財源として、実施計画に基づきまして除染事業をする市町村やあるいは自治会等に財政的な支援が行くというような仕組みになっております。福島県において、現に子供住民等が利用している学校、公園、そして通学路公民館等公共施設において、放射能による健康被害から子供たち住民の健康を守るということを目的としております。  我々、伊達市で行われているような、こういう実際に行われている除染作業についても、恐らくこの基金を通して支援をしていただけることだと思っておりますし、福島市や近くの自治体においても、やはり地域皆様方がそれぞれの取組をしておりますので、それに対しての財政的な支援もしていただけるものだというふうに理解をしておりますが、その除染の結果というものが今度は除染ガイドライン作成等に反映されるということですので、しっかりとこれから注視していきたいというふうに思っているところでございます。  そこで、実際に、今申し上げたように、この基金の使われ方ですけれども、公の場あるいは公共施設等除染作業をした場合にこの基金を使うことができるというように理解をすることはできますが、しかし自治会等では既に、例えば放射性物質が大変高い数値を示しているところでは民家方々除染活動もしたいという、そういう願いもあるようでございます。  この基金を今後どのように活用していくのでしょうか。その民家等生活空間などの除染についても基金などを通して積極的に使われることが望まれてくると思いますが、海江田大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
  15. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 金子委員にお答えをいたします。  今お話のありました百八十億円の中では、これは線量低減化活動支援事業というのがございまして、これが六十一億円積んでございますが、これはまさに自治会町内会など、これおよそ福島県内六千団体認識をしております、特に除染作業が必要なところが。この六千団体で使っていただいて、特に通学路などの除染活動にお使いいただければ、これは国が全額支援をするということでございます。それから、そのほかにも都市公園環境緊急改良事業というのもございます。それから、環境緊急改善事業というのもございます。こうした様々ないわゆる除染作業にかかわるお金を国がやっぱりしっかりと後押しをしようということでございますので、実際に動いていただく方々は今お話をした自治会の方あるいは町内会の方ということになろうかと思いますが、やはりそれに対する資金の支援はしっかりと国がやらなければいけないと思っております。  また、先ほどこのガイドラインお話もございましたけれども、既に七月の十五日の段階でございますけれども、生活圏清掃活動除染)に関する基本的な考え方というのを、これを福島県と相談をしまして、そして決めております。今ここに持ってきておりますが、ここでやっぱり注意することもございます。やはり手袋など、しかもできたらゴム手袋でありますとか綿の手袋でありますとか、そういうことをやった方がいいとか、あるいはやはりマスクもやった方がいいとか、そういう除染作業をする上での注意することごとも細かく書いてございますが、こういう清掃活動ガイドラインに沿ってやっていただきまして、そしてしっかりとしたガイドラインを作り上げていくということでございます。
  16. 金子恵美

    金子恵美君 今、ガイドラインのこともおっしゃっていただきまして、七月の十五日には既に原子力安全・保安院の方からある一定の形での基本的な考え方についてということでお出しいただいております。同日、実は県の災害対策本部も独自に生活空間における放射線量低減化対策に係る手引きというものを出しておりまして、実は各自治体に対しても説明をされております。また、私の地元伊達市においては、実際にその除染活動を指導してくださっています除染アドバイザーでもいらっしゃいます元原子力委員会委員長代理である田中俊一先生や、JAEA、日本原子力研究開発機構専門家皆様方によって説明会等住民の方にしておりまして、しっかりとその安全確保をしていかなくてはいけないということも徹底しているところでございます。  今後、やはりこの除染方法については、もちろん留意事項等しっかりと周知徹底していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  そしてまた、この件については、やはりこの除染活動、私も先ほど申し上げましたけれども、県を丸洗いしてほしい、あるいは国を丸洗いしてほしいという思いがあります。ということであれば、やはり人材の育成というものは急務であろうと思います。そしてまた、人材派遣というものも是非していただきたいと思いますが、この点についてのお取組はどのようになさっていかれるおつもりでしょうか。具体的に、海江田大臣、お答えいただきたいと思います。
  17. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 今委員からもお話ございましたけれども、JAEA、日本原子力研究開発機構というものがございますので、ここはやはり原子力の専門家方々がいらっしゃいますので、今そのうちの何人かが講師という形で現地に赴いているというお話もございましたけれども、今後は、組織的にやはりこの方々を中心になって、そして除染についての専門的な知識を住民皆様方にしっかりと周知徹底をしていただきたいと思っております。  それから、先ほどお話をしました除染ガイドライン、これも大変大切でございますので、このガイドライン専門家派遣ということで除染の徹底を図っていきたいと、こう考えております。
  18. 金子恵美

    金子恵美君 是非しっかりと人材育成を図っていただきたいと思いますが、先ほど申し上げました田中俊一先生は県の除染アドバイザー、そして伊達市の除染アドバイザーでもおられます。そしてまた、伊達市においては伊達除染対策PTというのを立ち上げまして、本当に市を挙げてとにかくしっかりと取り組んでいるところです。多分こういう自治体はこれから増えていくのではないかと思いますし、その自治体をしっかりと支えていく仕組みというのをおつくりいただきたいと思いますし、また、先ほど申し上げましたように、私有地、民家等も含めまして、そういう土地をどのように除染をしていくか、そしてまたその除染をいかに、除染活動をいかに拡大していくかということをまずは前提にしていただいた形で国の支援の構築というのをしていただきたいというふうに思っております。  除染自体も大変重要なんですが、除染をすれば廃棄物も出ます。そして、汚泥も出ます。この処理は大変大きな問題になっていると思います。  先ほど写真を見ていただきました小学校では、実は廃棄物は学校の裏手にまとめて保管されております。もちろん遮蔽されて安全な状態で保管されておりますが、移動することができません。そしてまた、民家の場合も、先ほど写真を見ていただきましたけれども、下小国の民家除染をした後も、その除染後に出た廃棄物というのは敷地内に保管された状態になっています。  保管場所の確保についてもやはり国がしっかりと方針を決めていただきまして、そしてまたこれについても支援をしていただきたいと思いますが、どのような御見解をお持ちでしょうか。江田環境大臣、お願いいたします。
  19. 江田五月

    国務大臣(江田五月君) 先ほど委員が御指摘の七月十五日の清掃作業についての基本的な考え方、これは原子力安全・保安院とそして環境省とでいろいろ検討をして原子力災害対策本部の方から考え方として出させていただいたものでございまして、その中にいろいろと書いてございますが、私も先日、伊達市に伺いまして、委員も御一緒していただきましたが、これは除染作業の場所ではありませんでしたが、焼却場あるいはごみの保管場所など、伊達市の有名な桃も拝見をしたりいたしました。地域皆さんがそうやって一生懸命に除染活動に当たっておられるのは、本当に涙が出るほどうれしいことでございます。  そして、その中でいろいろな廃棄物が出てくるものはこれは当然でありまして、今、基本的な考え方の中で、除染により生ずる廃棄物等を市町村等が一時保管あるいは処理する場合、地域コミュニティー等で一時的に保管する場合の取扱い、さらに廃棄物等を一時保管する場合の留意事項、あるいは一時保管後の対応等、これをお示しさせていただいたところでございます。  以前、六月二十三日に出したものと基本的に関連しておるんですが、八千ベクレル以下であればこれは通常の処理をしていただいて差し支えないと、もっとも、その埋め立てた上を居住用に使っていただくことはちょっと遠慮していただいた方がいいかなと。それから、八千ベクレルから十万ベクレルまで、これは管理をして一時保管をしておいてくださいと。その後の処理についてはこれから今、関係省庁と連絡を取りながらしっかりとした指針を出していかなきゃいけないと検討を進めているところですが、これが余り遅くなるということは決して良くないので、鋭意努力していきたいと思います。  いずれにせよ、そういう仮置場であるとか最終の処分先であるとか、こういうものを確保するということは非常に重要なことで、私も先日、IAEAの天野事務局長ともお話をいたしましたが、居住地であるのか商業施設であるのか工場であるのか、あるいは除染をした後どういう使い方をするのかなどによっていろいろと違いがあるようで、これはこれから最大限の努力を傾けていくつもりでおります。
  20. 金子恵美

    金子恵美君 八千ベクレルまではというようなことでルールは作っていただいているんですけれども、それでもやはり放射性物質に汚染されたものを受け入れる土地があるのかという問題であったり様々な問題を抱えているわけでございまして、多分その数値の問題ではないということはもう御存じのとおりだと思います。  汚泥の問題についてちょっと、下水処理場の汚泥から高濃度の放射性汚泥が検出され、保管場所の問題もこれ深刻化しているということがありまして、福島市の下水処理施設の仮置場の問題も浮上してきておりますが、これ半年で満杯になるということが言われておりまして、実は、細野大臣が七月の二日にこの処理場を視察してくださいまして、その折に福島県知事に対して、放射性物質に汚染された災害廃棄物や汚泥の処理について、国の責任でしっかり処理する体制をつくりたいという御発言をなさっておられます。  その具体的な内容、そしてまたその検討状況について御説明願いたいと思います。
  21. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 福島市の方に私伺いまして、恐らく一番町中にある下水処理場だったと思うんですけれども、大変な汚泥がたまっていて、年内にはいっぱいになるというお話をされていたことはよく記憶をしておりまして、もう少し前かもしれませんね、大変切迫した状況が近づいているというふうに承知をしております。  先ほど江田環境大臣の方からも御説明がありましたけれども、八千ベクレルという基準を作って既に一定の基準は示しておるんです。ただ、残念ながら、例えば処分場などにおいて、浜通りにおいて、特にですね、福島市もそうですけれども、なかなか受け入れていただいていないという、こういう状況になっています。それは処分場の皆さんの不安であるとか、さらには地域住民皆さんの不安があって、無理からぬところがあると思っております。  そこで、今、環境省が全面的に江田大臣のイニシアチブの下で取り組んでおりまして、例えば現地対策本部に環境省から、私の方からも依頼をいたしまして、職員で四名、さらには専門家を一名、それを間もなく三名という形で送り込む形になっております。何をするかと申し上げますと、これまではやり方を示し、自治体に御説明をしていたわけですが、それでは十分ではないと。例えば、処分場の皆さんであるとか地域住民皆さんに国が直接御説明をして、そして処理を始めるという、これが大変重要になってきているというふうに思っております。  八月の七日にはいわき市の方でそういう説明会もあると聞いておりますので、まずは一つでも例をつくりたいと。例をつくれば、後は言うならば、それに続く形で次の例が出てくるのではないかというふうに思っておりまして、国の責任はそういう意味では極めて重いというふうに承知しております。
  22. 金子恵美

    金子恵美君 しっかりと早く方針を示していただきたいという思いでおります。とにかく汚泥はどんどんたまる、除染をしてくださいと、そういう動きがあるわけですけれども、除染をすればまたそこから廃棄物がどんどん増えていくわけでございますので、住民皆さんの本当の意味での安心の確保のためにしっかりと動いていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、農地の除染も、これも喫緊の課題でございまして、新たな除染方法としてはヒマワリとかアマランサス等の植物による除染も有望とされていると存じております。鹿野大臣におかれましては、飯舘村で実証実験のための農地にヒマワリの種をまいてくださいました。植物を使ったこの除染の手法を確立し、農地等除染を国を挙げて行う必要があると考えております。  この点について政府取組をお伺いするとともに、また、セシウムが移行したこのヒマワリ等の処分をどのようにしていくのか、これも問題になってございますので、鹿野大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  23. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今、金子委員からの御指摘のとおりに、農地におけるところの放射性物質の除去の技術ということにつきましては政府挙げて今取り組んでおるところでございますけれども、八月を目途に除染技術の効果というものを実証いたしまして、効果が確認されたという場合におきましては着実に現場に導入を図っていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。  また、除染に用いたところの植物体の処分というものにつきましては、試験結果がどう出るか、こういうことを踏まえて適切に対処してまいりたいと思っております。
  24. 金子恵美

    金子恵美君 ふるさとへの帰還に向けた取組という、そういうテーマで農水省ではこの農地土壌除染技術開発を行っておられますので、是非期待をしたいと思います。  しかし、一方で、繰り返しになりますが、どうしても、放射性物質を含んだ廃棄物等の処理についてはしっかりとした協議をして、そして明確な方針を早く出していただきたいと思っております。  私も、今回この質問の通告をさせていただいて、それぞれの省庁の皆様方お話をさせていただいた折に、やはり例えば、民家除染で出た廃棄物や瓦れきは環境省、学校の校庭の表土は文科省で、そしてまた下水の汚泥は国交省、出荷制限をしてそれで捨てた作物は農水省、それぞれいろんなところに問いかけをしていかなければ答えが出ないというそういう状況でございましたので、しっかりと省庁横断的な協議を重ねて、そして国としての一つの方針を出していただきたいと心からお願い申し上げたいと思います。議員立法でこの特別措置法の制定というのも目指しているというふうにも聞いてはおりますけれども、しかしまず国が前面に出ていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、稲わらの問題、ちょっと一つだけ質問させていただきたいと思います。  稲わらが広範に汚染されたという事例でございますけれども、もう広範なその稲わらの汚染に対する認識の甘さというのは、もしかすると土壌汚染にも共通する問題ではないかというふうに思っております。今後このような問題が生じないように、土壌あるいは飼料等の広範囲な調査を徹底すべきだというふうにも思いますが、鹿野大臣の御認識をお伺いします。
  25. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今御指摘の件につきましては非常に重要な問題であるというとらえ方をしておりまして、今後この問題にも、農林水産省といたしましても、全体のどういう状況にあるかというふうなことの調査も含めて取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
  26. 金子恵美

    金子恵美君 土壌の問題もそうですが、まず調査をしっかりとやっていくということだと思いますけれども、ここで食の安全確保、このための検査体制について御質問させていただきたいと思いますが、牛の問題だけではなく、野菜、魚介類、特用林産物の汚染等、また飼料の汚染、最近では腐葉土の汚染というものも、これも顕在化しているところでございまして、私はこれは実態が判明してきているんだというふうに理解をしております。  実は、放射能検査機器とそしてまた検査員が、全国で今の段階ででき得ることをフルで稼働していると、できることをやっていただいているというふうにも理解しております。以前よりも改善されているこの検査体制ではありますが、しかし検査機器も人員もまだまだ十分ではないという状況だと思います。補正予算の中では、一次にも二次にも検査体制充実のための予算措置が講じられているというふうには思いますが、今後どのような、検査体制の強化のために何をしていくのか、お答えいただきたいと思います。  厚生労働省は、二十九日でしょうか、牛の方については全頭検査に簡易測定機器を使うことを容認したということを伺っております。しかし、牛の全頭検査の体制ですので、簡易測定機器を使わなければ進めることができない状況にあるというのは理解はしておりますが、これだけで足り得るのかということ、そしてまた今後、私は国の責任で一台でも多くのゲルマニウム半導体検出器を入手して、そしてしっかりとした検査体制を構築し、そしてまた国民皆さんの懸念というものをしっかりと払拭していただきたいという思いがありますが、この件について、国民皆さんの懸念を払拭していただけるような御答弁をお願いしたいと思います。
  27. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 金子委員にお答えを申し上げます。  まず、事実関係から少し御報告をさせていただきたいんですが、厚生労働省所管の委託先検査機関では、今、ゲルマニウム半導体検出器は百十六台保有をしております。七月の十三日現在で、事故発災以降七千件以上の食品の検査をさせていただいております。さらに、文科省は所管の研究機関等で百二十五台のゲルマニウム半導体検出器を持っておりまして、この一部を当然食品の方に回していただくというような調整も進めております。また、民間企業が保有しているものについては、調査をしたところ、現状分かっているのは三十七台ということでございます。  いずれにいたしましても、国内にありますゲルマニウム半導体検出器をできる限り総動員して食品の安全のために検査をしてまいる所存でございます。  その上で、今御指摘のありました、先週末に発表いたしました牛肉についての基本的対応方針、この中では、簡易測定機器を導入して検査の能力を高めたいということも打ち出させていただきました。さらには、過日成立をさせていただいた二次補正予算では、政府全体で百九十二億円のモニタリング強化のための予算を計上させていただきました。  今委員指摘のとおり、可能な限り、簡易検出器のみならずゲルマニウム半導体検出器の台数を増やしてしっかりと対応していくということでありますが、後々、経産大臣とも御相談をさせていただくことだと思いますが、このゲルマニウム半導体検出器、今アメリカの企業が生産をしているということでありますが、こういう事故が起きた我が国でございますので、我が国で生産できる体制も整えていくべきだというふうに考えております。
  28. 金子恵美

    金子恵美君 国内での生産ということもおっしゃっていただきました。まずは国際的な協力をしっかりと仰ぐことも重要ではないかと思いますので、検査体制の強化、しっかりとやっていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは、ここからは法案と損害の賠償についてお伺いしていきたいと思います。  先ほど申し上げていた除染作業というものも原発事故がなければ生じなかったということでございますが、この点に関連してお伺いしていきたいと思います。  原発事故がなければ生じなかった様々な課題に対応するためにそれぞれの自治体が懸命に頑張っていらっしゃるところ、茨城県の高萩市では、原発事故に起因する人件費の増加分などについて東電に対して賠償として請求したというふうに伺っております。先ほど申し上げました伊達市の取組なども、自治体が独自で行った除染活動というものもあります。  それに掛かった経費等についても東電による賠償の支払の対象とすることが必要ではないかというふうに考えますが、自治体の損害賠償請求について政府の御認識を高木文科大臣にお伺いします。
  29. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 金子委員にお答えをいたします。  今、損害賠償紛争審査会におきましては、被災者をできるだけ早く救済するために、相当因果関係が明らかになったものから逐次損害賠償の範囲の判定の指針を作成しておるところでありまして、この審査会においては、これまで公立学校の除染あるいはまたそれに掛かる人件費などについて、地方公共団体の財産に係る被害については本件事故との相当因果関係が認められるものであれば賠償の対象になるのではないかと、こういう議論がなされております。それ以外の地方公共団体に係る被害については様々なものが考えられておりますけれども、これまでの指針で対処されていない被害についても紛争審査会では早急な検討を進めておりまして、損害の範囲の全体像を示した中間指針、これをできるだけ早く取りまとめていただくようにお願いをしております。
  30. 金子恵美

    金子恵美君 福島県のように基金を通して国が除染活動に対しての財政的支援をした場合、実施された除染に掛かる費用が賠償の対象となるということであるならば、最終的に国が東電に求償できるということでよろしいでしょうか。福島県には基金ができます。そして、それを通して自治体除染活動支援いたします。そして、その掛かった、最終的に掛かった費用は東電に求償できる、これでよろしいでしょうか。
  31. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 今御審議をいただいております平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律においては、地方公共団体は、その設ける原子力被害応急対策基金によって、除染活動など原子力事故被害防止、緩和、回復のために行う緊急対策に対して費用を支弁することができるとされております。この基金から支弁した費用が原賠法に規定される原子力損害に該当するものでありましたならば、基金に対して国が補助した額の範囲で国が東京電力に求償することは妨げられないと、こういうことになっております。
  32. 金子恵美

    金子恵美君 妨げられないわけで、求償できるんだと思いますが。福島県のように、繰り返しになりますが、基金をいただける場合は大変有り難いことでもあります。ほかの原発事故影響を受けた地方公共団体の中でも、ホットスポットに悩まされていたり、住民皆様の声にこたえるために独自の対策を講じるために予算措置をしているところもあります。その同じ悩みを抱えているのに、国の財政支援もなければ賠償の対象に最終的にならないということであれば不公平ということにもなりますので、例えば、これは繰り返しになりますが、除染についてですが、全国的に実施することになるとこれから思いますが、国として取り組む覚悟なのか、そしてまた賠償の範囲と考えるのか、この点についても明確にしていくことが必要ではないかと思いますし、また国民放射性物質に対する不安感を取り除くために除染を必要と考えるなら、国としてどのように進めるのか、もう一度ちょっと見解をお伺いしたいと思います。文科大臣、お答えいただけますでしょうか。
  33. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 御指摘の点については紛争審査会でもしっかり審査をしておられると、私はそのように期待をいたしておりまして、これらの原子力被害に遭われた皆さん方、特に地方自治体関係についてはしっかり対応ができるのでないかと、このように私は考えております。
  34. 金子恵美

    金子恵美君 一日も早く、とにかくその地域地域でのニーズに対応できるようなその仕組みというのをまずは構築していただきたいということと、本当にこれ以上待つことができない、いろんな不安を抱えている方々がたくさんいらっしゃいます。その声をしっかりと受け止めていただきたいと思いますし、早くその紛争審査会の中間取りまとめ、出していただきたいと期待をしているところでございます。  そしてまた、この本法案、一刻も早く成立させて機構を設立して、損害賠償を支払うための仕組みというものも構築しなければなりません。本法案の施行日は公布の日とされております。その後直ちに機構を設立し、そして損害賠償の支払に切れ目のないような形で進めていかなくてはいけませんが、法成立後のスケジュールについてお伺いさせていただきたいと思います。
  35. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) まず、一日も早く本法案を成立をさせていただきたいということでございますが、法案の成立、お許しをいただければ、早ければ八月中、遅くとも九月中にまず機構を立ち上げなければいけませんから、この九月もなるべく早い時期、できたら八月中と思っておりますが、まず機構を立ち上げます。立ち上げる際は、やはり、これは六月にスタートいたしましたけれども、東京電力に関する経営・財務調査委員会がございますので、これがまさにこの東京電力の経営、財務の調査を行いました。この調査の結果を踏まえまして、そしてこの東京電力の資産に関する厳正かつ客観的な評価及び経営内容の徹底的な見直しを行います。そして、その上で東京電力と立ち上がりました機構が共同で特別事業計画を定め、そしてそこから資金援助が行われることになろうかと思います。
  36. 金子恵美

    金子恵美君 この機構については、損害賠償の支払が円滑に実施されるための重要な役割を果たさなければならないわけでございますので、万が一にも天下り機関との批判を受けるようなことがあってはならないと思います。是非、その機構の発起人や役員そして運営委員会委員について、もう既に大臣の頭の中、あるいはそれぞれの皆さんの中でメンバー構成をどうしていくのかというそういう構想もあるのかもしれませんけれども、そこも含めてしっかりと、何のための機構なのかということをしっかりと考えながら進めていただきたいと思っております。  ここで、本法案の修正についてお伺いしたいと思います。  衆議院においては、賠償についての国の責任の在り方、この責任の在り方が大きな議論となりました。政府は既に法案の国会提出に先立つ閣議において原子力政策を推進してきた社会的責務を認識としていたところでありますが、今回、法案の第二条に国の責務を明記したことの意義についてお伺いしたいと思います。  そしてまた、この二条にある社会的責任とはいかなる責任を指すのでしょうか。いわゆる法的責任とも道義的責任とも異なる社会的責任を定めるこの条文、具体的に国に対してどのような責務を負わせると理解すべきでしょうか。海江田大臣から御説明をお願いいたします。
  37. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) この点はまさに、この法案の条文に国の社会的責任ということが入ったことが私は大切だと思っておりますので、一つはこうした機構をしっかりと設立をしていく、それから原子力事業者に対する資金援助を通じて原子力の事故により損害を受けられた方々に対する賠償を、国がまさに責任を持ってこれを遅延なく行っていくということ、それからあともう一つ、私どものこの政府が出しました機構の法案ではまさに二条において国の責任ということで記載してございますが、これは、具体的な中身は提出者にお聞きいただいた方がよろしいかと思いますが、いわゆる参議院が最初にこの議論をしていただきまして、そしてこの仮払い法が衆議院においてこれも修正をして成立をしたところでございますから、この仮払い法の中にはまさに国が更に一歩出るということの具体的な記述がございますので、私どもの政府が出しました機構法と、それからこの参議院を中心に、そして衆議院で修正、成立いたしましたいわゆる仮払い法と、これが相まってまさに国の責任が全うされるものだと、このように考えております。
  38. 金子恵美

    金子恵美君 私、いただいた時間がそろそろ終わりでございますので一言だけ申し上げさせていただきますが、この支援機構法案が東電を単に支援するのではないと、被災者の皆様のその立場に立ちながらできる機構であるということをまずは確認をさせていただきたいというふうに思っております。そして、被災者の皆様方にしっかり政府皆様に寄り添っていただきまして、被害者の皆様に少しでも早く賠償が支払われる、そして希望を持って生活ができるように全力で取り組んでいただきたくお願いを申し上げます。  私自身もふるさと皆様を命を懸けてお守りすることをお誓い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
  39. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 金子恵美君の関連質疑を許します。郡司彰君。
  40. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。残りの時間、同じように復興の関連につきまして御質問をさせていただきたいと思っております。  御存じのように、今日から八月でございます。中旬のお盆の時期には震災から六か月目を迎えることになりますし、また基本法が成立をしてから既に四十日が経過をしております。  この間、総理におかれましては、六月の二十五日に「復興への提言 悲惨のなかの希望」を構想会議から受け取り、そして先週二十九日にはそれに基づく基本方針を決定をしたと、このような流れになっているんだというふうに思っております。そして、それを六月の二十日に成立をした東日本大震災復興基本法が法的な裏付けをするというふうに思いますけれども、この法案の目的には、復興のための資金の確保あるいは復興特別区域制度の整備等を定めるとともに、東日本復興対策本部の設置及び復興庁の設置に関する基本方針を定めると、このようになっているわけであります。先ほど、この委員会に付託をされておりますスキーム法について海江田大臣の方からは、成立の暁には八月中にも立ち上げる、こんなお話がございました。  一方、この基本法に基づく復興庁の関係でございますけれども、なかなか具体的に検討されているというような話が伝わってまいりません。やはり国の本気度というものは、いろいろなところで遅れが目立つのではないか、そんな御指摘もございますけれども、この復興庁を早期に立ち上げるということも大きな仕事ではないかなというふうに思っております。しかし、残念ながら、二十九日に決定をされたこの基本方針の最後のところには、これから検討を速やかにするための事務局を立ち上げると、こういう文言なんですね。  やはり、これでは本当に被災者の皆さん、あるいは国民が望んでいる本気度というものにつながらないのではないかという気がしておりますけれども、その点について総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  41. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 復興庁の設置についての御質問でございますけれども、御案内のとおり、復興庁の設置につきましては、復興基本法の策定の際の与野党の協議を受けまして、政府において一日も早く復興庁の業務の全体像を示せるよう協議を進め、年内に成案を得て速やかに設置法案を国会に提出すべき旨合意されたところでございます。このことは、先般決定した復興基本方針にも明記されております。  郡司委員の御指摘は、復興庁の設置、急ぐべきではないかという、そういう趣旨であったと思いますが、私どももできるだけ早くその法案を作成して一日も早く国会に提出したいというふうに考えております。  その一方で、足下の問題として、復興特区構想の具体化、あるいは交付金の具体化、様々な課題がございまして、これらを並行しながらやっていると、そのことも是非とも御理解をいただきたいというふうに思います。
  42. 郡司彰

    ○郡司彰君 分かるんであります。そして、例えば、これまでに新しく消費者庁を立ち上げたときにはこんな準備でこのぐらい掛かったというようなこともあるんでありましょう。しかし、平時ではないという感覚からすれば、まさに遅いという指摘を受けても仕方がないような状況だ、まだ国会が延長されて残り一か月間というものがあるんだ、それについては、もっと努力をするというような姿勢をやはり見せていくことが必要なんではないかなというふうに思っております。  また、その設置場所についても、被災地の県からは東北に設置をすべきではないか、こういうような御指摘も既になされているというふうには思っております。私も、実務的にそのことが必要かどうかということになれば、それは別問題としてあるだろう、しかし先ほどから申し上げておるように今の状況の中を考えると別な見方をすることの必要もあるんではないかなというふうに思っております。  先ほど申し上げましたこの建議の中には、国民皆様方はなかなか全部読む機会というものがないんだろうというふうに思います。福島のことを主に置きながらの言葉にはなりますけれども、このような言葉がございます。  パンドラの箱が開いたときに、人類の上にありとあらゆる不幸が訪れたのと類似の事態が思い浮かぶ、しかし、パンドラの箱には、たった一つの誤ってしまわれていたものがあった、それは何か、希望であった、それから人類はあらゆる不幸のただ中にあって、この希望をよりどころにしてやってきたんだと、こういう文言がございます。  過日のなでしこジャパンの活躍も希望を与えてくれました。しかし、そのこととは別に、政治が象徴的なこの問題について訴える力を持たなければ、やはり人心は集まってこないのではないか、このように思っておりまして、この復興庁の設置と同時に、復興庁をどこにするんだということについても何か具体的に検討されているんでしょうか。それとも、そのこと自体検討の素材には上がっていないということでしょうか、お話を聞かせてください。
  43. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 復興庁については、やはり二つの機能があるんだろうと思います。これから復旧復興をやっていくときにあらゆる政策を動員しなければなりません。その政策の立案、そして企画調整、こういった機能、これはどちらかといいますと中央においてなされる役割かというふうにも思います。その一方で、現地の声を吸い上げなければならない、復興構想会議の提案、基本方針でも、主体は自治体地域自治体だということをはっきり言っております。そういった地域との連携を深めるという意味において、現地の役割というのも非常に大きいと思います。この二つの役割を考えながら、どこに置くかということについてはこれは決定すべきものだというふうに考えております。  今、様々な角度から検討しているということで、是非とも御理解をいただきたいというふうに思います。
  44. 郡司彰

    ○郡司彰君 一言付言をすれば、昨日、担当大臣は大雨の大変な被害の視察にも行かれたようであります。今の状況でありますと、持てる能力はあるんだということはよく分かっておりますけれども、午前中は例えば防災の方を見たり、午後からはまた場所を変わって復興の担当になったり、大変な仕事の量だろうというふうに思っているんです。今の本部の体制も今のままで十分かという議論はありますけれども、私は、もっと問題にすべきは、現地の充実を図らなければいけないんではないかなというふうに思っているのであります。  そのことについて、二十九日に基本方針が定まりましたけれども、現地から見て合点がいかない、あるいは判然としないというような部分の指摘もされております。例えば、要望の強かった一括交付金、具体的な内容が示されていないのではないか、あるいはまた、総理がよく口にされておりましたけれども、高台移転の財政支援策、一方で、特区制度の創設はされるものの、自治体の個別要望、どこが受けるんだ、どこが実践をするんだ、こういういろいろなことが紙上でもって指摘をされ、また現地からもその声が届いているというふうに思っております。  そのような中で、現地の対策本部の体制という表がございまして、それを見させていただいておりますけれども、それぞれ副大臣、政務官が本部長として詰める、事務局として常駐並びに非常駐十九人、これは三県横並びでそのような体制がされております。そのような中で、現地の対策本部長が上京をして、もっと充実をしてもらわなければ困るんだという要請をなさったとも聞いております。人、物、金、権限含めてやはりその充実をさせるということが、この基本法あるいは基本方針にも書かれていることを具現化することではないかなというふうに思っております。  この体制図を見ると、事務局十九名となっておりますけれども、本部員十八名のうち十四名は各局、各県とも同じ方ですね。東北何々局長という者が横並びで兼務で名前を連ねている、こういう体制なんであります。これで本当にいいんだろうか、今後どのようにこの充実をさせる考えなのかをお伺いをしたいというふうに思いますけれども、あわせて、関係七省庁等で連絡調整会議等も現地の実際の復興のためにはやっていらっしゃいます。私は、この中にも書いておるように、国は本気でやるんだということになれば、特別区域に指定をする市町村というのは、数えてみればやっぱり六十幾つぐらいになるんだろうと思うんですよ。だとすると、国交省であるとか農林水産省であるとか、二、三の省の方々からその市町村に数に合った方が全部出向いただいて、何年間かきちんとその現地で取り組むような形を取っても、それでも全体から見れば二百人弱の方々が本気で国が取り組むということになる数字なんだというふうに思っているんですよ。  そのような国の体制の在り方、それから現地のその充実についてお話を聞かせていただきたい。これ、総理にお聞かせをいただきたいと思いますが。
  45. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 平野復興担当大臣、簡潔にお願いします。
  46. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 私の方からは現状の点だけちょっとお話しさせていただきますが、まず、被災市町村で特に大きな被災を受けた市町村には、各省の、例えばこれから復興計画を作るに当たってのそういった都市計画あるいは土地利用計画等々の専門家を各市町村に一応割当てをしております。一市町村大体七、八名ぐらいが一チームになりまして、そのチームが定期的にその市町村に行って復旧復興計画を策定するに当たっての様々な意見交換あるいはアドバイズをする。そのとき、そこには市町村も入ってもらいます。それから、必要に応じて専門家も入っていただきます。そういった体制をつくりながら、現地市町村でのしっかりとした復旧復興計画作りをする体制を今つくっているところであります。  あわせて、今委員から御指摘のあった現地対策本部につきましては、これからそこに常駐する職員を随時拡充していく予定であります。あわせて、現地の例えば地方整備局、農政局、こういったところの連携も不可欠でございますから、こういったところの連携強化についてもこれから引き続き取り組んでいくということでございます。
  47. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 郡司委員からの御指摘いただきましたように、六月の二十日に基本法がこれは野党の皆さんとも共同提案で成立をし、そして本部が立ち上がり、六月二十五日に復興構想会議の提言をいただき、そして七月二十九日にはそれに基づく基本方針が決まりました。そういった意味では、この間、復興に向けての体制づくり、あるいは内容的にもかなり前進してきたと思います。  そういった中で、復興庁の設置がこの基本法にももちろん盛り込まれておりますし、それを急がなければならないという御指摘は、基本的にはそのとおりだと思っております。この法律にも書かれておりますように、できるだけ年内に成案を得て速やかに設置法を国会に提出すると、こういう方向性で取り組ませていただきたいと思っております。  そういった中で、本部として今日やらなければならない、現状は今その段階ではないかと、そしてその段階でも、今御指摘がありましたように、現地の対策本部というのが大変重要であると。そこが大きな機能を発揮するということがあって、そしてそれが更に次の段階復興庁につながっていくと。  率直に申し上げて、いわゆる中央の縦割り的な構造を復興庁という形で横断した体制にして機能させるためには、相当大きなある意味での政治力が必要であると思っておりますが、やはりそのベースはそれぞれの現地の声がしっかりと復興庁に集まって実行されるという、それに向けて、現在は本部段階でありますが、その作業を進めてまいらなければならない、このように考えております。
  48. 郡司彰

    ○郡司彰君 今総理からお話をいただきまして、私の思うところを少し述べさせていただければ、やはり現地の方といかに国と、それから実際に復興を行うのはもっと市町村ということになるわけであります。  例えば、全体像がまだこれからという部分がございますけれども、資金の確保につきましても全体で二十三兆円なんだと。それから、一次、二次を除くと十九兆円ぐらいが必要で、最初の集中的な期間ではこのぐらいが掛かるんだということの方針が出されましたですね。ところが、例えば宮城県の知事からすれば、十年間で宮城県では十二・八兆円掛かるんですよというような話になってきております。その辺のところは、これはどちらがどうのこうのということではなくて、少なくてもこれまで、実際のすり合わせが、そして復興へのビジョンへのかかわりというものが別々に進んできているということのある意味での証左になるかもしれないと思っているんですよ。  私は、このような形が進むことは好ましくない、だから、やはり現地に行って、知事の方々が何かの用で東京に来るのは仕方ありません、しかし物事を決めるときには地元では駄目なんだ、東京に行ってやらなければ駄目なんだ、こういう形でこれまでのような陳情、要請ということではなくて、まさに一体になって取り組むようなことをすべきではないか、このようなことで申し上げたということでございます。  それから、総務大臣にお越しをいただいておりますけれども、震災のこと、誰もが忘れないで復興まで見届けようという気持ちは、誰も今お持ちだというふうに思っております。ところが、私自身恥ずかしい思いをいたしましたけれども、つい先日、中国の四川大震災から三年のそのメモリアルのニュースを見させていただきました。十数万人の方が亡くなって、大変な私どもも支援をして、これからやはりあの隣の国の復興というものをというような思いは三年前にはあっただろうというふうに思っています。しかし、そのニュースを見るまで一日たりとも忘れたことがなかったのかといえば、そんなことよりももっとひどい状態で忘れているような状態がございました。  だとすると、やはり公共団体もそれぞれが連携をしてやろうということになるけれども、なかなか人の心というものはそううまくいくものではないのかなというふうに思っております。今現在、総務省の方で、それぞれの被災地とそれぞれの地方公共団体が連携をしているというような事例等があれば教えていただければというふうに思います。
  49. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これまでの復旧もそうでありますし、それからこれからの復興の過程でもそうでありますけれども、被災された自治体支援といいますか自治体の機能を回復するためには、どうしても国でありますとか県だけではなくて全国の市町村の協力が必要であります。  そこで、全国の市町村と協力をいたしまして、被災された自治体がこれからどういう職種の人をどれぐらいの期間、何人必要かという、そういう要望を聞きまして、一方では、全国自治体に声を掛けて、それに該当する職員というものを派遣する余裕がどれほどあるかというものを調査をいたしまして、そのマッチングをやっております。もう相当数の職員が今そのマッチングシステムを通じて現地に派遣をされております。  例えば名古屋市の場合には、陸前高田市に相当の人数を、現地に事務所を置いたりされまして、相当の人数をそれぞれの分野で職員を派遣しておりますし、それから、いち早くこの問題に取り組まれたのは関西広域連合で、大阪でありますとかそれから兵庫でありますとか、そういうところがそれぞれ、関西広域連合の加盟された府県がそれぞれ被災県の割当てをしまして重点的にそこに職員を投入していこうと、こういうことをやっておりますし、最近の例でいいますと、選挙の事務執行というものがこれから急がれるわけでありますけれども、被災されたところに、例えば川崎市の選挙管理委員会の核となる職員、非常に選挙事務に精通した職員を派遣をしてそこで現地で執務に当たっているとか、いろんな事例があります。  これからも、復興のステージに応じましてニーズが変わってまいりますので、それを的確にとらまえながら全国から応援をして派遣をする仕組みを続けていきたいと思っております。
  50. 郡司彰

    ○郡司彰君 総理、そこで御提案なんであります。  今のような事例はあるにしても、先ほど言いましたように、特別区域に指定をすれば六十数市町村だと思うんですよ。そして、今のような形だけではなくて、やはり全国民復興まできちんとかかわりをするような形をつくるべきだろうと思うんです。  例えば都道府県、被災をされていない都道府県たくさんございます。そこで、何県の何市というような形で、きちんとこの県はこの市と連携をするんだ、そしてそこに人も出すんだ、それからソフト面でも、例えば子供さんが行くときにはそこに補助もするかもしれない、いろんな意味で、例えば鳥取県にいても山口県にいても、岩手県あるいは宮城県、福島県の何々市のことがいつでもそこの県の人たちにつながって復興をきちんと一緒に行えるような、そんなことを国の力としてやるべきではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
  51. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、郡司委員の言われたことは、一方ではかなり自発的な形で行われているという今報告も総務大臣からありました。それを更に制度とか法律という形でやるということも含んでおられるのかというふうにもお聞きしましたけれども、確かに、いろいろな新たな状況になったときに、三年、五年あるいは十年という長さの中で復興を果たしていく上で、ある意味での責任を持つ、国が持つことは当然でありますけれども、自治体同士がそういう関係性をより強めるということは現実にも行われていることでありますが、それを更に推し進めるという今の郡司委員の提案は、私は大変重要な提案だとお聞きをいたしました。  これが制度化といった形があり得るのかあるいはなじむのか、こういったところについては総務大臣是非検討をしていただきたいと、このように思います。
  52. 郡司彰

    ○郡司彰君 それから、被災をされた東北三県について現地対策本部を設ける等は、私はまさに必要なことだろうというふうに思っているのであります。  そして、私は茨城の人間でございますけれども、それ以外の被災地というものも大変な被害を被ったところがございます。長野県は局所的であるけれども大きな被害を受けた、あるいは千葉県の液状化の問題、青森などがございますけれども、残念ながら、その対策の復興本部の中にそうした三県以外のところを管轄をする担当の副大臣、政務官等が配置をされておりません。そして、これはこれまでも総理の方にもそうした県の意見を聞くような定期的な協議の場というものを設けてほしい、このような要望もしてきたところでありますけれども、いまだなかなかそのような形になっておりません。  例えば、茨城県でいえば、住宅の全半壊は一番多いんですよ。二万五千件を超えるような最終的な数字になろうというようなことになっております。それから、同じように漁港の被害も受けました。しかし、その三県と同じ、例えば水産加工業の共同利用施設を直そうとすると補助率が違うんです。片一方は十分の八で、片一方は、私どもの県は三分の二ということになる。同じように、港の中の瓦れきを処理をするために人件費の補助をしましょう、一万二千円出しましょうということにもなりましたけれども、これも三県とは違うような形なんです。  私は、財務大臣にあえてお聞きをするということはいたしませんけれども、どれほどの国庫に対しての違いが出てくるのかということよりも、やはり復興への意欲を萎えさせるようなことをあえてする必要があるんだろうか、こういう思いでございますので、復興大臣、決めていただくなり、あるいは定期的な協議の場を確約いただけますでしょうか。
  53. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 被害の大きさから、今までは岩手、宮城、福島に、どうしても私どもの関心もそっちに集中しがちでございました。しかし一方で、今、郡司委員からも御指摘ございましたけれども、茨城県でも大変な被害が出ております。漁港の問題、家の全壊、半壊の問題、あるいは亡くなられた方も多いというのも茨城県でございますし、千葉県でも同様な状況になっております。  今の委員の御指摘を踏まえまして、これも復興本部の仕事でございます。三県のみならず、こういった各県とも定期的にあるいは必要に応じて意見交換の場をつくる、あるいは協議の場をつくる、これはこれからしっかりやっていきたいというふうに思います。
  54. 郡司彰

    ○郡司彰君 次に、放射性セシウム汚染をされました肉牛の関係等についてお尋ねをしたいと思います。  まず、厚労大臣にお尋ねをしたいと思いますが、先ほど金子委員からもございましたように、二十九日、全頭検査をできるような体制を国としても指示をしたということでございました。検査の簡略化を認めるというふうなことで報道をされておりますけれども、簡潔に御内容をお話しいただいて、その簡易の検査器というのはいわゆるシンチレーションサーベイメーターというようなことなのか、それ以外の機器についても実験、臨床等を行っているのか、あるいはまた血液というようなものを使った検査の簡易的なものについても御検討をいただいているのか、分かる範囲で御答弁を願います。
  55. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 牛肉の汚染の問題でありますけれども、これは稲わらを給与された牛の生産県におきまして出荷される牛、これについて全頭検査及びまた全戸検査が検討されているところでございます。  これらを踏まえまして、厚生労働省といたしましては、七月の二十九日、都道府県に対しまして牛肉の放射性物質に係る検査計画及び出荷計画の策定に当たって基本的な対応方針というのを示しまして、必要な検査体制の確保を図る簡易測定器の技術的ないろいろな要件を定めたところでございます。具体的に細かい点については、申し上げていたら時間がないと思いますけれども、この簡易測定器でできるだけ検査をして全頭検査ができるようにしたいと、こういう趣旨でございます。ただしかし、それによって不正確な形での検査がされてはこれは駄目でありますから、そこは基準というものを設定して、それに合う簡易測定器で検査をすると、その要件を定めたところでございます。  そのことによりまして、私どもとしたら、検査をした牛の肉が市場に回るように全頭検査と全戸検査を計画的にしっかり検査をしていくと、こういうことで方針を定めたところでございます。
  56. 郡司彰

    ○郡司彰君 全頭検査ということができるようなことを国としては決めた、それを実際に行っているのは、ほとんどが県単で行っている、いろいろな団体が行っていると、こういうことになるんだろうというふうに思っております。  そのことに対して、例えば今の簡易の検査の機器についても国が支援をするというようなことを言っておられますけれども、この支援の形というのはこれまでのように賠償請求をするというような形なんでしょうか、それとも違う形をお考えでしょうか。(発言する者あり)
  57. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 郡司君、再度質問をお願いします。
  58. 郡司彰

    ○郡司彰君 国が全頭検査をやるようなことを決めた、そしてそれに対しては簡易の検査でもいいんだ、だとすると簡易の検査の機器もそれぞれが新たに購入をするようなところも出てくる、そこに対しては支援をしましょう、こういうようなことが言われていたかと思います。その支援という方法はこれまでと違った枠組みで、例えば国がきちんと払うんですよとか、そういう違った形になっているんでしょうか。
  59. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 検査機器につきましては、これは第二次補正予算でも政府全体としてモニタリングの検査等の機器の費用といたしまして百九十二億円の予算を計上いたしまして、そちらの方でしっかり対応したいと思いますけれども、更に必要があればそれは予備費でも対応するようにして、これは私どもとしては、国はもう全面的にしっかり対応していきたいと、このように考えております。
  60. 郡司彰

    ○郡司彰君 先ほど来から出されておりますけれども、仮払い法案が参議院の野党の方々からの提案で成立をいたしました。私は必要な法案であったろうというふうに思いますし、提出をされた皆さんには敬意を表したいと思いますが、しかし、これまで国の方が言ってきたやり方で原賠法に基づく補償をというような形を取ると、今日八月一日でございますから、ちょうど四月の末にまとめた三月分のいわゆる風評被害がようやく今日、団体に支払われるということなんですよ。三月分が今、初めて今日支払われるということなんです。  ですから、畜産その他のことを考えれば、遅いとか早いとかという問題以前に、もう畜産農家そのものがもたないんだと、こういう状況の中で動いているということを御認識をいただきたいと思いますが。  次に、農林水産大臣にお尋ねをしたいと思います。  七月の二十六日に緊急対応策ということでの発表がございました。しかし、このことにつきましても国の責任が明確に見えてこない。あるいは、福島その他のところで全頭検査をやった、そしてそこによって黒白分けられたりした牛がどういうふうになるんだ、それからまた出荷の適齢の時期になっている牛が出せないというような状況の中でそれはどうするんだ、いろいろな評価が届いているかというふうに思っております。  この段階でその七月二十六日の内容について見直しのお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
  61. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 七月の二十六日にいわゆる緊急対策を講じたところでございますけれども、このような対策につきましていろいろと御意見等もその後お伺いをいたしております。それぞれの政党からも、また各団体からも御要望なりをお聞きしておるわけでございまして、対策の発表後におきまして、宮城県に対しての出荷制限の指示がなされる、また福島県が独自で出荷適期を超えた肥育牛の買上げを行うと、この新たな動きも出ているところでございます。  そのことを考えたときに、肉用牛の肥育農家の支援体制というふうなものにつきましては、新たにどのような対応ができるかというようなことにつきまして鋭意今詰めておるところでございます。
  62. 郡司彰

    ○郡司彰君 もう少しより具体的な形で改善策を出すということが必要ではないかなというふうに思っております。  例えば、これまでのように、先ほどの話と同じでありますけれども、結局はまとめて請求をしてというような形、これではもう駄目なんだという声が多いんです。ですから、国が直接責任を持って仮払いをするなりをきちんと決めるべきだ、こういうような声が多いというふうに思っておりますけれども、そうなると今までの枠組みとは違うような形になる。例えば予備費の流用というようなことも考えなければいけないというふうに思うんでありますけれども、そうしたことについて財務大臣の方は柔軟なお考えはおありでしょうか。
  63. 野田佳彦

    国務大臣(野田佳彦君) 先ほど鹿野農水大臣から、七月二十六日の緊急対応策を踏まえて更にまた御検討いただいているというお話でございました。その御検討の状況については、現在、筒井農水副大臣から私どもの櫻井副大臣に御説明をいただいているところでございます。  基本は東電による賠償が前提かもしれませんけれども、これによって十分対応ができないということのないように、郡司委員の御指摘のとおり、予備費の活用も含めて必要な対応を行っていきたいと思います。
  64. 郡司彰

    ○郡司彰君 今、財務大臣から予備費の活用もあり得ると、こういうようなことでございます。  したがって、現行の対策が事業実施主体が資金を銀行から借り入れるんだと、そしてそのことが結果としては機動性、即効性に欠けている。それを国がしかるべき、例えばALICでも何でも結構でございますけれども、そういうところが機敏に対応するような形ですることができるんだと思いますが、農水大臣、改めてどうでしょうか。
  65. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今、郡司委員から御指摘のようなこと、こういうふうなことがどういう形で行っていくことが可能かというふうなことも含めて、今、財務大臣からも具体的ないわゆる考え方も示されているところでございますけれども、今詰めさせていただいているところでございます。
  66. 郡司彰

    ○郡司彰君 大分ここのところ、稲わらを、汚染されているのを食べたという県がはっきりしてきた、そしてそのうちの十四県が市場に出回っているような形になってきた、そのうち三千頭弱のうち三十一頭がまさに基準値を超えるような形になってきた、これはもう完全に国が買い上げるような形を取らざるを得ないと思うんです。  残っているそれ以外のところの問題ですけれども、これはやはり安心ということを行う、安全と別な意味でのプラスをしての安心を行うということからすれば、一時やはり市場から隔離をするなり、そういう形で行っていくということが必要だというふうに思いますし、一方では、先ほど厚労大臣の方で、これからは全頭検査をするための国が指示をしてできるような形を取りました。だとすれば、これからは市場に出た段階で黒か白かがはっきりする。そして、黒の場合にはどうするんだ、白の場合はどうするんだというようなことを幾つかの形によって明確にお決めをいただくということは可能であるというふうに思いますし、その中でこの前の対策を変えていくということも十分に行えるというようなことで理解をして早急な対策を取っていただくようにお願いをしたいなというふうに思っております。  それから、食品の安全性ということに関してでありますけれども、消費者の方には相当根強い不安があります。例えば、三千頭調べて三十一頭じゃないかというような見方もあるいはできるのかもしれません。でも、思い起こしていただきますと、BSEのときは、いまだに発生をしてから四十頭に多分行かない頭数ですよ。一頭が出て、二頭が出て、これを子供たちが食べたらば将来何か起こるかもしれないという、そういう消費者の皆さん方が全頭検査へとこの国の仕組みを持っていったんだと思うんです。だから今回も、稲わらが回っていたのはあそこの県だけなんだ、それから頭数はこのぐらいなんだ、だからそれでよしとするのではなくて、今後のことを見据えてどのような体制を取るかということをやっていかなければいけないんだろうというふうに思っています。  その中で、厚労大臣にちょっとお尋ねをしたいと思いますけれども、この安心というものがどうしたことによって得られるのか、これは大変難しいと思うんです。緒方貞子さんが夕刊に出されておりました、政治に対して、例えば、決定それから徹底、説明、これが一番大事なんだというような記事がございましたけれども、決定をして徹底をされて、例えば、農水省には大変恐縮でございますけれども、三月十九日のものは徹底がよくされていなかったということがあったのかもしれませんし、各農家に対する説明というものも不十分だったかもしれない。今度の食の安心の場合も、やはりその点について何度も繰り返してやらなければいけないということと同時に、幾つかのことについてはやはり明確にしておく必要があるのではないかなというふうに思っております。  例えばこれまで、これは分かっていればで結構でございますけれども、通常の年、昨年のときに、お米であるとかお肉であるとか、その時点で放射性物質が食品に含まれているというような検査は今まで国としてなさったことはありましたでしょうか。分かればお答えをいただきたいと思います。  それから、五百に対して二百五十とか、いろんな簡易の検査の部分がございますけれども、皆さんが思っているのは、五百は危ないけれども三十は安全なのか、それを食べ続けていいのかということに対して、それも答えていますということが多分これまでの経過からすれば出てくるんでありましょう。しかし、そのことが不安なんです。そして、だからこそ、今市民の皆さん方がもっと簡便な安い機械を買って自分たちで数値を出すような形になってきているんですよ。こういうようなときに、そのことが悪いのではなくて、やはり国がきちんとその辺のところを周知をする、理解をしてもらう、そのための努力をすべきだと思いますけれども、厚労大臣のお答えをお聞きしたい。
  67. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) これまでに、例えば昨年、食品に放射能があるかどうかというようなことについて検査をしたことはございませんでした。  今回、この原発事故が起こりまして、それで食品に放射能が、放射能物質が付いているんではないかと、こういうことで規制をすると、こういうことになったわけでありますけれども、これは原子力安全委員会が定めた指標を、今回の食品衛生法上、暫定規制値として設けたわけでございます。  そこで、この原子力安全委員会の定めた指標につきましては、これは国際放射線防護委員会、ICRPが勧告した基準を基に、一年間で許容ができる線量、そして我が国の食品の摂取量を考慮して定めたものだというふうに承知をしております。こうして定められた現在のこの水準というものは、これは関係機関からも評価をされておりまして、また放射線医学の専門家からは健康へは影響がないというふうに一般的には評価されているところでございますが、いずれにいたしましても、放射線の影響はゼロに近い方が望ましいことは間違いございませんので、引き続き厚生労働省としてはそういう方向に向けて最大限の努力をしてまいりたいと、このように考えております。
  68. 郡司彰

    ○郡司彰君 この問題に関しては、一つは、循環型の農業というものを推進をしてきたけれども、それが壊れる危険性があるということがあります。  例えば、牛は堆肥を出します、ふん尿が出るわけであります。今回は、通達の中では、豚ぷんについては構わないというようなこともありますけれども、実は豚も敷料としてはわらを使ったりしているんです。それから、同じような木の皮、樹皮を使ったりもしているんです。ですから、こういうような形で流れているものが本当に安全なのか。  それから、畜産三法といって、これは堆肥やふん尿の関係を、堆肥盤を造るということで、このことによって畜産をやめた方々もたくさんいた法律なんです。しかし、今回は止めておけと言う。止められなかった場合にはその近くに置けと言う。これは畜産三法に違反をしてもいいというようなことになるのかもしれないというような危惧を抱いています。  それから、秋の作物についてはもう堆肥をやっているんですよ。やったやつについてはどうなんだということも決まっていない。そもそも堆肥の基準が決まっていないんです。  ですから、もう答弁は要りませんけれども、私どもは、そうしたものを田んぼ、畑用とか一定のもので移行係数というものをきちんと調べて、だったらばこのぐらいのところの面積でこれぐらいは大丈夫なんだ、皆さん方、よく政府としても答弁をいただけるようにお願いをしたいなというふうに思っております。  終わります。
  69. 橋本聖子

    橋本聖子君 自由民主党の橋本聖子でございます。  まず初めに、先週末、新潟県そして福島におきまして大変な豪雨災害が発生をいたしました。多くの尊い命を亡くされた皆様方、そして豪雨災害に遭われた皆様に改めて心からの哀悼の意と、そしてお見舞いを申し上げたいと思います。  原発で被災を受けそして避難をしている、その避難場所が、さらに今回の水害によってまた避難場所を変えなければいけない、大変な心労があるというふうに思っております。そういったこともやはりしっかりと魂のこもった対策をいち早くやっていく、安心と安全の対策をしっかりとやっていく、このことをまずお願いをさせていただきたいというふうに思います。  もう少しで震災そして原発から五か月がたとうとしております。今子供たちは夏休みに入っております。本来ですと、地元子供たちは楽しい夏休みを過ごしているはずであったというふうに思いますけれども、今この現状は、まだマスクを着けて、そして長袖を着て、そして暑い中、家に閉じこもり、運動すらできない。不安を抱えながら、子供たちはこの目に見えない恐怖と闘いをしているわけであります。  そういう中で、今各自治体が一生懸命に、その子供たちのためにということで、自治体やあるいはNPOそしてボランティア団体、そういったところがそれぞれの地域の特性を生かして、子供たちを招いてこの夏休み過ごしていただこうという活動をしていただいていることには本当に頭が下がる思いであります。  私の地元北海道も、ちょうど福島の楽しい北の夏ということで、マスクを外して祭りや林間学校で楽しんでもらうという記事が一昨日登載されておりますけれども、札幌市や、あるいは蘭越町、小樽、七飯、士別、それぞれの地域でのお祭りですとかあるいは水遊び、その中で、今までマスクを外すことがなかった小さな子供がバスを降りて、そしてマスクを外して、そして水遊びができるといった瞬間に、空気がおいしいということを初めてお母さんに言ったそうなんですね。それを聞いた親御さんは本当に涙を流して喜んでいたというニュースも地元の方から聞きました。  こういう中で、今、稲わらの汚染が問題になっているところでありますけれども、先ほども農林大臣に対しまして、稲わらの、汚染された、食した牛、その肉についてどのような措置をするか、るる今までの質問の中にありましたので、是非、そういった本当に大事な食の安心、安全、農家の方たちのためにしっかりと一日も早い対応を国がやっていただきたい、そう思うわけでありますけれども。  私は、その中でもう一つ子供たちの健康の不安ということに、この稲わらの問題にちょっと遡って考えていただきたいというふうに思うわけなんですけれども、この稲わらが汚染をされて、そして外に放置されてあった。高濃度に汚染されているということは、当然それ以外の土や草木や町全体に同じ濃度が放射線量が降り注いだというふうに判断ができるんではないのかなというふうに思いますけれども、そういったことはしっかりと検証をしてきたのかどうかということと、そして稲わらが汚染されたところでは、稲わらだけでなくて同じように汚染をされていたというふうに考えていいのかどうか、このことについて、総理、どのようにお考えですか。
  70. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 橋本委員にお答えいたします。  この稲わらの汚染につきましては、地面の上に横たわっておる稲わら、これは、ある意味じゃ生育しておる牧草などと比べまして放射性降下物を受け止める表面積が大きいわけでありまして、それを集めて飼料にすれば当然にしてその放射線量は高くなるということと考えております。したがって、私どもとしましては、土壌の放射線汚染の範囲についてしっかりモニタリングをしなきゃならぬと思っております。  そういう意味では、これまで発電所から百二十キロ圏内、宮城県あるいは栃木県について地表一メートルの空間線量率、そしてまた土壌の放射性セシウムのチェックをしてまいりました。そしてまた、公表しているところであります。  その結果によれば、発電所からかなり離れた場所でも一定の放射性セシウム、これの蓄積が認められておりまして、今後、私どもとしましては、この百二十キロ圏内に限らず、ある意味では東日本全体、具体的に言いますと、もう青森から愛知県ぐらいまで、そういったところまで航空機のモニタリングをやって、これをしっかり皆様方に公表する体制をつくると、このように考えております。
  71. 橋本聖子

    橋本聖子君 今、この福島県内だけでなく東日本全体にモニタリングをという話がありましたけれども、では、稲わらが汚染されたところで、稲わらの近くでその当時遊んでいた子供たちの健康というものに対しては全く問題がないというふうに断言できますか。
  72. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 放射線については、できるだけ当たらないように私どもとしては線量を低くする努力を今しております。  この事故住民皆さんにおきましては、この健康影響という不安が一番多いわけでありまして、個人ごとの被曝線量はそれぞれまちまちでございます。そういう意味で、今回、福島県が主体となって行われます県民健康管理調査において、これは全県民を対象としたものでございまして、これをすることがある意味では不安解消の大きなツールになろうと思っております。  したがいまして、国といたしましても、平成二十三年度第二次補正予算におきまして住民健康確保のための中長期的に実施するための基金、これを計上したところでございまして、これからも引き続き、いわゆる放射線医療総合研究所、あるいは大学病院等の専門家皆さん方の知見を参考にしながら、あるいは連携を取って子供たちの健康管理についても十分注意をしてまいりたいと思っています。
  73. 橋本聖子

    橋本聖子君 初期の対策が間違うとこれだけ長い時間が掛かるということだと思うんです。  今大臣がいろいろお話をしていただきましたけれども、本当にそれができていないから親御さんたちは不安に思い、そして県外に出ざるを得ない状況が続いているということを是非把握していただきたいというふうに思うんです。  何を基準に、何を根拠に、そしてこれからどのように明確にしていくかということ、これをモニタリングをしながら公表していくというふうに言っておりますけれども、いつどのような形でしっかりと公表するのか、是非総理、お答えいただきたいと思います。
  74. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 先ほど申し上げましたとおり、これまでも言わばモニタリングについてはそれぞれのきめ細かいところをやっておりまして、それは逐次公表しております。  これからは、もっと広い地域で、きめ細かなものと同時に、東日本全体の線量の計測、これをしっかりやっていくことにしております。
  75. 橋本聖子

    橋本聖子君 何回も同じことを申し上げるのはつらいものがあるんですけれども、振り返ってみますと、やはり原発事故に伴う避難や放射線の汚染の対策というものに対しては国は本当に場当たり的なものだったというふうに思うんですね。例えば、校庭の放射線量の上限値を年間二十ミリシーベルトにするというふうに言いました。そして、不安が高まると、一ミリシーベルト以下を目指すということで変更するなどして混乱をいたしました。これでは、やはり親御さんたちは不安が拭い去られたんではなくて、より一層の不安が結局募るだけになってしまったというようなことなんです。  やはりこういうような中で、人ごとではなくて、風評被害というものを防ぐためにも、データだけではなく判断材料まで併せて丁寧に政府はしっかりとこたえていくべきではないかなというふうに思いますが。  まず、一つ提案ですけれども、この放射線量の影響をいろいろ考えた中で、リスクコミュニケーションというのはとても大切なものだというふうに思っております。そういったことをしっかりと知識を持つ有能な人材を特別補佐官として例えば登用して、現在官房長官が行っている記者会見で補佐をさせるとか、そういった親御さんたちが本当に安心できるようなデータというものを出してもらうということ、それはどうでしょうか。
  76. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 子供たちに対するこの放射線の影響を非常に親御さんたちが心配されている、そのことは私も多くの方からもお伺いしておりますし、直接の話も聞いております。そういった意味で、大変その点については私自身もそういう危険性を少しでもなくすることに全力を挙げなければならないと思っております。  そして、今、リスクコミュニケーションのことについてお話がありました。東京電力福島第一原子力発電所の事故に関して、官房長官の記者会見等において放射線の影響やそのリスクをできるだけ国民皆様に分かりやすくお伝えすることは重要だと考えております。このために、放射線影響や被曝医療などの八人の専門家による原子力災害専門家グループから官房長官会見の際などには助言をいただいていると、このように承知をいたしております。  引き続き、そうした専門家の協力も得つつ、政府としてはできる限り分かりやすい情報の提供に取り組んでまいりたいと、こう考えております。
  77. 橋本聖子

    橋本聖子君 それだけの専門家の指示を、あるいはアドバイスをいただきながら対応しているとおっしゃっていますけれども、やっぱり私はリスクというものはしっかりと共有しなければいけないものなんだというふうに思います。そこにやはり安心感が生まれていくんだというふうに思います。  通知ですとかお知らせのようなものではなくて、やはり知識も備えた相談員がいたり、あるいはそういった問合せ先の窓口をしっかりと拡充していくですとか、そういうようなことの具体的な対策というのがどのようにお考えになられているかというのをお聞きしたいと思います。
  78. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 放射線のリスクは決して甘く見てはならないと常々思っておりまして、私どもとしましては、国としても、そして今は地方自治体、多くの関係者が少しでも線量を低くするような御努力を地域でやっていただいておりますことについては心から敬意を表したいと思っております。まさに、私たちは的確な情報をお伝えをして、そして同時に分かりやすい説明をすること、これは委員指摘のとおりでございます。  今、文部科学省としましては、原子力研究開発機構あるいは放射線医学総合研究所と連携を取りまして健康相談窓口を設置をしております。また、日本小児心身医学会の協力もいただいて、教育現場の先生あるいは保護者の皆さん方に向けて放射線を正しく理解をするための資料作成、あるいは配布をいたしております。  また、今後とも、我々は多くの専門家の参画をいただきまして、できるだけこの放射線のリスクを低減するためのいろんな方策を取り組んでおるところでございまして、今後とも、そういう皆さん方の協力とともに、我々としてもしっかりした責任の中で取組を進めていかなきゃならぬ、このように決意もしております。
  79. 橋本聖子

    橋本聖子君 先週金曜日に復興基本方針に対する──午前中の時間となりましたので、引き続いて、この点につきましてまた午後一時から質問をさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  80. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  81. 柳田稔

    委員長柳田稔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、原子力損害賠償支援機構法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  82. 橋本聖子

    橋本聖子君 自民党の橋本聖子でございます。  午前中は子供たちの健康不安について質疑をさせていただきましたけれども、午後も引き続いて学校現場等の話をさせていただきたいというふうに思います。  先週の金曜日でありますけれども、政府復興基本方針を発表いたしました。どれもとても重要なことではありますけれども、当初政府原案にあった財源確保のための約十兆円の臨時増税と五年から十年としていた復興債の償還期間というのは、民主党内の反発で明記を見送っております。増税の表現を税制上の措置と変えまして、増税額ですとかあるいは償還期間も削除したというような状況にあります。そのため具体的なスピード感に欠けるという批判もありますし、また、心配なのは、財源確保に向けた方向性が曖昧なために八月以降に政府税調で本格化する増税議論が難航されるのではないかと、そういう心配があります。  もう一つ、この基本方針の中で私が総理に対して指摘をしておきたいことがあるわけですけれども、そこは、将来の子供たちについての精神的な部分がしっかりと明記されていないということに大変不安を感じるところであります。  長いスタンスで腰を据えた対策を明確に打ち出して、そして安心をさせていただきたいというふうに思うんですが、総理、これについてしっかりとこの方針を打ち出していただくと約束していただけますでしょうか。
  83. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先日、基本方針を決めることができました。  幾つか御指摘はありますけれども、財政的な面では、やはりこの復興に当たって国民皆さんがそれぞれの立場で復興のためにある程度負担をしていく、現在、実際に社会で活動している世代がそれを賄っていくという、そういう基本的な考え方は元々の基本法の中でも述べられておりますので、そうした方向で考えていくべきものと思っております。  今、子供の将来の安心ということをおっしゃいました。私はこの復興というものを考えたときに、やはりこの地域で若い人たちが学び、そして新たな仕事に就き、そしてその地域で更に元気よくいろいろな社会活動が営んでいける、そういう社会に復興していくことが大変重要だと思っております。  午前中の福島における放射能被害の問題といったことも極めて重大でありますが、そういったものをしっかりと対策を練ると同時に、今御指摘がありましたように、子供たちの将来ということを考えた夢のある復興にしていかなければならないと、今、橋本議員が言われたとおりだと思っております。
  84. 橋本聖子

    橋本聖子君 安心と安全はもちろんですけれども、やはり子供たちふるさとを愛しています。その子供たち是非帰れる場所をしっかりと確保してあげたいと思いますし、この被災地におきまして、子供たちは将来の礎になるわけでありますから、是非、お金の問題ではないところにしっかりと、総理、魂を入れていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、学校の現場を具体的にどのように何をすべきかということについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。  被曝の心配によりまして、親御さんたちがガイガーカウンターを自ら購入して、そしてそれを計測を行っているという話もお伺いしております。幼い子供たちであれば親御さんが行く先々でしっかりと心配をしてあげるということはできますけれども、大きくなった小学生になりますと、その範囲が広まっておりますから、親御さんがいつも付いていくわけにはいかないというふうに思います。  そういう中で、今後、放射線や被曝の危険性などを学校教育でしっかりと教えていくべきではないか、こういったことも必要だというふうに思います。必ずしも学校現場の教師たちはこの被曝について十分な知識を持ち得ていない可能性もありますので、こういったことについて今文科省では副読本が用意されているというふうにお聞きしておりますけれども、その進捗状況をまずはお聞かせいただきたいということと、是非放射性物質のたまりやすい場所ですとか、なぜたまりやすいのかといったようなことをしっかりと教えて、主体的に判断ができるような教育をこれから学校現場でしっかりとやっていくべきではないかというふうに思いますが、文科大臣、どのようにお考えですか。
  85. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 副読本につきましては、今回の原子力発電所の事故を受けまして、これをしっかり検証する中で、また大きな津波もありました。これまでの副読本を見直して立派なものにしていこうと、こういうことを今準備を進めておるところでございます。できれば早く、二学期でも使用できるように最大の努力をしてまいりたいと思っています。  また、政府全体としては、福島県の原子力被災者子ども健康基金、これは仮称でありますけれども、に要する経費を計上しておりますし、また校庭や園庭の除染事業、改良事業、また学校以外の通学路除染事業、こういったところについても財政支援を、これには含まれております。  そして、学校としましては、福島県においては、特に子供向けの放射線対策パンフレットを作りまして、放射性物質がたまりやすい側溝とかあるいは水たまり、こういったところにはできるだけ近づかないようにと、こういうふうな内容を盛り込んだそういうパンフレットも作成をしております。  文部科学省としましては、今後とも、専門家とも連携を取りまして、また一方で相談窓口なども設置をしまして、委員指摘のように、不安ができるだけ少なくなるような対応をしてまいりたいと思っております。
  86. 橋本聖子

    橋本聖子君 今文科大臣からお示しいただきましたけれども、現場では必ずしもそういったことが実際に行われているかというと、まだまだ行われていない部分がありまして、不安を抱えております。いま一度しっかりと副読本のことも含めまして是非早急な対応をしていただきたいというふうに思います。  被災地におきましては、転校した幼稚園あるいは小中高などの児童生徒らは計二万二千人に近いとなっております。このうち福島県では、県外に約一万人、県内に約五千五百人に上っているという報告が出されておりますけれども、こうした状況を受けまして、特に私立幼稚園の運営問題というものに非常に困難な状況に陥っているという連絡を受けております。  この福島県の、全国の私立幼稚園、福島県の会長でありますけれども、関理事長によりますと、福島県の私立幼稚園一万九千人のうち、県外への避難が相次ぐなどして二千三百人が減ったということでありました。七月二十六日に、東京電力に対して、経営に支障が出ている私立幼稚園に対する補償や園庭からの除染した土を運び出す場所の確保などを要望をしたというふうにも聞いておりますけれども、文部科学省は、公立学校に対しまして土壌の除染や放射線測定器の購入費の三分の二を補助しておりますけれども、こういったことについては私立学校に対しては二分の一にとどまっているという現状でありますけれども、この補助率というのは、やはり私立学校や専修学校、各種学校、こういったことにつきましても公立学校と同等に是非予算を三分の二なりに引き上げていただくことは考えていらっしゃいますでしょうか。
  87. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 御指摘の私立幼稚園などの私立学校の今回の線量などを少なくする、あるいは除染対策、こういったことにつきましては、施設災害復旧費の補助、そしてまた教育研究活動の復旧のための補助、これに加えまして、日本私立学校振興・共済事業団の無利子、長期低利の融資、こういったことを利用することがこれは可能になっております。これらを合わせれば、公立学校と同様、実質的には設置者負担分は相当程度軽減されるものと考えております。  また、専修学校では、これは私立の、先ほど申し上げましたものと違いまして、施設災害復旧費の補助、あるいは日本私立学校振興・共済事業団、こういった無利子、長期の低利の融資、こういったことがこれも可能になっておりまして、実質的には相当な負担軽減に役立っておると、このように承知をいたしております。  なお、福島県内の全ての学校、これは公私問いませんけれども、積算線量計を配付をしてその対策の一助にしております。
  88. 橋本聖子

    橋本聖子君 現在、自民党は、東日本大震災に対処するための私立学校などの用に供される建物等の災害復旧等に関する特別助成措置等、この法案の成立を目指して今提案をさせていただこうという準備をしているところでありますけれども、いわゆるかさ上げ法案でありますが、これは衆議院の文教科学委員会におきまして準備が進められていたというふうに聞いておるんですけれども、民主党内でもこれは部会では了承を得たということでありましたけれども、衆議院の民主党国対でストップが掛かったというふうに今なっているということであります。  是非これは、今子供たちができれば、できればというよりも必ずこの夏休み中にしっかりと学校を建て直して、そして帰ってくる場所をつくってあげたいんだというふうに思います。私立学校ももちろん公立学校も同じであるというふうに思います。同じ災害でありますから、是非、専修学校、各種学校も、このかさ上げ法案ということに対して、この審議に速やかに入れるように大臣からも是非働きかけをしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  89. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 私立学校、専修学校に対しての支援の法案を出すということは聞いております。ただ、今まだ国会に提出をされておりませんので特にコメントは差し控えたいと思いますけれども、我々としては、子供たちの教育環境の改善のためには全力を、取り組まなきゃならぬ一つのテーマだと思っております。
  90. 橋本聖子

    橋本聖子君 テーマといいますか、これはもうすぐにでもやっていかなければいけない喫緊の課題でありますので、是非この対策について働きかけもよろしくお願いをしたいというふうに思います。  先ほど東電に対して福島県の幼稚園協会が陳情に伺ったという話をしましたけれども、この支払対象の事業者中小企業に限定して、学校法人や社会福祉法人、医療法人は法律上中小企業に相当しないため支払を拒否したということでありましたけれども、文部科学省は今後、賠償や仮払いが迅速に行われるように東電に対して何か働きかけをするというようなことは予定ありますでしょうか。
  91. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 今御指摘の、文部科学省においては、原子力損害賠償審査会を設置をして今この損害の範囲の判定の指針を順次作成をしておるところでございまして、この策定の都度、東京電力に対しましては、指針の内容を踏まえてしっかり円滑な合意形成に努めていただくようにそれぞれ要請をしてきたところです。東京電力はこの指針を踏まえて仮払いを順次実施しているところであると承知をいたしておりまして、学校法人や社会福祉法人あるいは医療法人等に対しても、先週七月二十九日に仮払いを開始することを決定、公表したと承知をいたしております。  私どもは、今後とも引き続き東京電力に対して被害者の仮払い等円滑な対応を指導してまいりたいと思っております。
  92. 橋本聖子

    橋本聖子君 やっとの動きだったんだというふうに思います。やはり国がしっかりとそこはリーダーシップを取って、東電の動きを促すようなやはり責任ある行動を取っていただかなければいけないんだというふうに思いますので、是非引き続いてお願いをしたいというふうに思います。  次には体育施設の方について質問させていただきたいと思いますけれども、震災後、オリンピック委員会あるいは各種団体が医療チームを被災地派遣をしまして、心身の健康に対しての管理を支援してきました。大変な好評をいただいたという結果が送られてきております。  特に重篤状態の患者さんが多い病院におきましては、軽度なということに対してどうしても治療が先送りされてしまう、そういうような患者さんに対してマッサージを施したり、はりやおきゅうをしたり、あるいは心身のケアが必要な方には心のケアの相談をしたり、一人一人の患者さんに合った対応をしたということが、いわゆる統合医療をした結果が大変な好評があったということでありまして、そして、スポーツをする子供たちの環境が今もなお整備されていないという状況にあります。  こういう中で、子供たちの運動というのは成長に対して非常に重要な一部であるということも国は認識をしていただきたいというふうに思うんですけれども、現在も避難所や瓦れきの片付けのために体育施設や運動場が使えないという状況がありますけれども、現在、この使用できなくなっている運動場や体育施設というのは実際に今の段階でどのぐらいの数があるのか、統計がありますでしょうか。
  93. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 今回の大震災では、全国で千三百十五もの社会体育施設が被害を受けております。このうち多くの施設については復旧に向けて災害復旧費補助金の手続を進めていると、そういうところでございまして、現在まだ使用できていないものもたくさんございます。また、直接の被災の有無にかかわらず、御指摘のように、避難所とかあるいは瓦れき置場などに使われておることが多数ありまして、使用できない運動場も相当に上っております。  例えば、宮城県では十四、福島県では十一の運動場等が瓦れきの置場として使われて、結果的に運動ができないと、こういう状況。さらに、岩手県、宮城県、福島県のホームページで公開されておる避難所の一覧から判断しても、各県ともおよそ十施設前後の体育館が現在も避難所として使用されておると、こういう状況でございます。  その他にも、仮設住宅の建設のために運動場などが使用できないものも、岩手県では三十八校、宮城県では三十六となっておりまして、依然厳しい状況が続いておりますが、委員指摘のとおり、一日も早く正常な環境を整えるために、我々としても引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
  94. 橋本聖子

    橋本聖子君 もう五か月がたとうとしているわけでありますから、子供たちから運動を奪うということは子供たちの大事な仕事を奪うのと一緒でありますので、是非認識を新たにしていただきたいと思うんです。  子供の場合は、特に成長ホルモンというのは、寝てからの数時間と、そして運動しているときにしか分泌はされないというふうにも解明をされているところでありますので、やはりこういったホルモンの分泌というのは、骨が作られ、身長が伸びて、そして臓器が発達されるという、これは睡眠と、もちろん栄養も大切ですけれども、運動というもの、幼児に対してはお遊戯ですとか体操ですとか、そういうような動きがあって初めて成長を促していくということになりますので、是非この環境というものを整備してあげていただきたいと思うんです。  そしてもう一つは、やはり悲惨な状況を目の当たりにして、そして子供たちは心のストレスが大変たまっております。そういう子供たちは、運動をする、スポーツをする、そして自分たちが自由に動き回って何か集中をする物事があるということがそのいっとき悪夢を忘れさせてもらえるんですね。この忘れる時間というのが大変重要なんです。阪神・淡路大震災のときもありましたけれども、心的外傷後ストレス障害、PTSD、これにかかりやすくなる、あるいはかかってしまう子供たちが多くありました。そういうことがやはりないように、これは運動というのは予防医学であり治療医学でもありますし、また精神的な安らぎやそして活力にもなっていくことでありますので、是非このことは、大臣、よろしくお願いをしたいと思います。  そしてもう一点、体育施設ですけれども、市や県の所有しているものであれば国の補助が出るようにはなっておりますけれども、例えば体育協会が所有するものというのは今助成ができない状況になっております。  福島県は自転車王国でもありまして、泉崎サイクリングスタジアム、これは大変すばらしいオリンピック選手を輩出した場所でもあるんですけれども、これが補修工事をしようと思っても予算がない。そこで、自転車振興会、そしてオートの主管であるJKAに対して是非助成をしてほしいというふうに申し述べたところ、これが何とJKAは、そういうところは仕分に遭ってしまっているんですね。それで予算確保できないで困っているというような状況であります。この仕分について、功罪があるというふうに思いますけれども、これは明らかに負のものであるんだというふうに思います。  ふだんからやはりこういった努力をする子供たちへのサポート体制もやっていくこと、政府は、一番じゃ駄目なんですか、二番でもいいと言った政府でありますので、内閣でありますから、ここのところは何とも言い難いものが総理にもあるかもしれませんけれども、是非、これからのスポーツ施設等についても、これは市やあるいは県だけではなくて、民間の持ち得ているものに対しても速やかに対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  95. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) ただいま橋本委員から具体的なものを含めて提起がございました。  いわゆる泉崎の国際サイクルスタジアムを始め、スポーツ施設の被災ということ、これからいち早く復旧することが極めて重要でございます。  先ほど子供の健康のこともございましたから、体を動かすこと、これは非常に成長にとっても大事なことです。ただ、今回の事故によって子供たちが不自由な環境を強いられておると、このことについて私も非常に心を痛めております。  そういう意味で、今後とも、スポーツ施設の復旧につきましては、国の補助制度、これに加えましてスポーツ振興のくじの助成金の活用などもしながら、スポーツ施設の早期の復旧に取り組んでまいる決意でございます。
  96. 橋本聖子

    橋本聖子君 是非その気持ちを実際の行動に移していただきたいというふうに思います。  被災後、原発後、すぐに被災地に立ち上がったのはやはり文化人やアスリートたちだったんだろうというふうに思います。それは、スポーツ力やあるいは文化力がどれだけ偉大なものであるかということが知っているからすぐその行動に移した表れだというふうに私は思っております。  そのスポーツも、先般百周年を迎えました。七月の十六日には、日本体育協会そしてオリンピック委員会が、百周年の記念式典が行われまして、天皇皇后両陛下の御臨席を賜り、IOC、オリンピック委員会のジャック・ロゲ会長、各国のIOCメンバーにもお越しをいただいて盛大な式典を開催させていただくことができたというのはスポーツにとって本当に有り難いことであったというふうに思いますけれども、この大事な式典に総理は、いらっしゃったのにもかかわらず欠席をしたということですが、これは総理の御自身の判断でしょうか。
  97. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、天皇陛下あるいは両陛下が出席される会で総理が出るべきものについては、これまでもできるだけ出席をしてきたところであります。  今回のことについては、当日の午後に福島に視察に行くことにいたしておりまして、その準備を含めて対応をしておりました。また、国際オリンピックのロゲ会長には、その先日に多くの委員とともに官邸に来られて、いろいろと意見交換をいたしました。  そういったことで、福山官房副長官に出席をしていただき、また高木文科大臣にも出席をされたものと承知をいたしております。最終的には、私の行動について、最終的には私自身、判断をさせていただきました。
  98. 橋本聖子

    橋本聖子君 総理の判断、それは震災ももちろん大事でありますけれども、大変国民との距離感を感じる判断でなかったかなというふうに思います。  官邸にIOCロゲ会長を始めメンバーがお邪魔をいたしました。その後、私はメンバーの皆さんに会いました。総理がスポーツに関心のない方なんですかと聞かれまして、このメンバーというのは、今度の二〇二〇年の東京オリンピック招致に対して一票を投じていただく方たちばかりでありますから、大切な方であるので、総理が関心がないんではないかと言われたときに、私は一生懸命に総理に対してフォローをしたんですね。総理はそんな方じゃありませんというふうにフォローをしたんでありますけれども、ですが、その後、そのIOCのメンバーからは、いや、そうではなかった、総理からの情熱は一つも感じることができなかったというふうにおっしゃいました。  私は非常に残念でならないんですね。スポーツの持つ文化力あるいは外交力というものを是非総理には利用していただきたかったというふうに思っているんです。海外は、文化を通じた外交、そしてスポーツを通じた外交というのは大変重要視しておりますので、総理もそういった認識を新たにしていただきたいというふうに思います。  二〇二〇年は、東京、石原知事が手を挙げてくださいました。復興オリンピックと称して、私たち、全力でこの二年間の招致活動に命を懸けていきたいというふうに今思っているところであります。例えばですけれども、仙台で開会式をやるですとか、あるいは自転車のロードレースは男子は二百キロ以上走ります。女子も百キロ以上。この被災から復興した姿を海外の皆さんに見ていただくには、三陸海岸を走る姿、あるいは子供たちがトーチをつなぐ聖火ランナー、そういう夢のある政策というものを国がしっかりと見据えてあげる、これも国の責務ではないかというふうに思うわけですけれども、総理はオリンピックの価値についてどう思われますでしょうか。
  99. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、橋本委員の方からオリンピック委員会皆さんとそうした話があったということをお聞きしたのは本当に残念に思っております。  私自身、同席をしてはおられませんでしたけれども、多くの方が同席をした中で、ロゲ会長とは、たしか翌日かに迫っていたなでしこジャパンのサッカーのお話もいたしましたし、また日本のオリンピック委員会委員長、かつて乗馬といいますか、そういう選手であったことなど、いろいろな方の種目についてもお話がありまして、また、これまでオリンピックを主催した国の中で、冬季を含めてたしか日本は三回行われていると、もっと行われるといいですねということを私からも申し上げました。そういった会話があったことを私も覚えておりますので、決して何か話が弾まなかったということではありません。  また、今、オリンピックの意義についてお話がありました。私も、オリンピックを始めとするスポーツの持つ意味というのは非常にいろいろな意味で大きいと思っております。一つは、もちろん直接的にそのことによって精神的にも肉体的にも健康な人たちが育っていくことであり、そしてまたそのことを通してそれぞれの国のある種の一体感が維持され、そして意欲が生まれてくる、そういう意味では極めて大きな意味を持っていると、このように考えております。
  100. 橋本聖子

    橋本聖子君 総理、申し訳ないんですけれども、本当に情熱が伝わってこないと思います。  今、総理から、なでしこジャパンの活躍についてお話がありました。これは本当に有り難いお話だというふうに思いますけれども、このなでしこジャパンが最後まで諦めないということに対して、それになぞらえて私も諦めないと総理は発言をされましたけれども、その意味合いというのはもう百八十度違うんではないかなというふうに思います。夢と希望とそして努力が結実した結果が諦めない姿なんですね。人々はその姿を見て勇気と希望を享受する、それが日本国民の本来思っている諦めないという言葉ではないかというふうに思います。総理の諦めないのとではちょっと違うんではないかというふうに思いますが、これは、決して私はそれを嫌みで言っているんではないんです。一国の総理が違った形でとらえて諦めないということを言うということは、これからの教育に影響があるんではないかという懸念をするところであります。  なでしこジャパンが一人一人の力をそれ以上に発揮するためには、チームワークという力を使って、この名誉あるワールドカップ優勝ということになりました。本当にすばらしいというふうに思います。私は、そういう快挙を成し遂げたなでしこジャパンのようなチームワークを、是非次の内閣にしっかりとつくり上げていただきたいと思います。夢と、そしてまた希望のある、勇気ある、それを国民に与えられる内閣をしっかりつくり上げていただきたい、そのことをお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  101. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 橋本聖子君の関連質疑を許します。水落敏栄君。
  102. 水落敏栄

    水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。  この度の国難というべき災害で、具体的に申し上げれば、七月十四日現在までに一万五千六百四十二人もの方々がお亡くなりになって、五千一人の方々が行方不明、避難者は九万一千五百五十二人に上り、いまだ不自由な避難所生活を余儀なくされております。まさに国難であります。  そうした中で、この度の震災で孤児になった子供さんや児童生徒のことを大変心配しております。さきの大戦では三百十万人の方々が亡くなりました。私も父を戦争で失って母子家庭となって、暮らしは壮絶を極めました。さきの大戦では二万八千人の戦争孤児が生じました。そして、阪神・淡路大震災では六十八人の震災孤児が生じましたが、今度の巨大地震、巨大津波は児童生徒が下校する前で、大津波に飲まれた親と死別したケースも多くて、震災で両親を亡くした子供は七月六日現在で二百十九人、今後調査が進めば更に増えると見込まれております。  そこで、震災から四か月半が過ぎて、学校も再開されておりますけれども、両親を失った子供は何人になるのか、その中で保護者のいないいわゆる孤児に該当する子供は何人になるのか、また父親か母親のどちらかを失った子供は何人になるのか、厚生労働大臣に伺います。
  103. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 今度の震災でたくさんの子供が親を亡くしました。私もそのこと、子供のことを思いますと胸が痛くなります。  そこで、今回の震災によりまして両親が死亡又は行方不明となった子供や一人親の家庭でその一人親が死亡又は行方不明となった子供の数は、七月二十九日現在で二百九十九名となっております。また、震災によりまして一人親となった子供の数につきましては、七月二十九日現在で千二百九十五人となっております。
  104. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 数字に間違いがあったようですので、少々訂正してください。
  105. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 大変失礼いたしました。  七月二十九日現在、二百二十九名ということであります。
  106. 水落敏栄

    水落敏栄君 大変な多くの方々が孤児になったりあるいは片親を亡くしているわけですけれども、この震災孤児たちへの支援が最も早急に手を差し伸べなきゃならない支援であると思っております。  支援については、あしなが育英会や、建築家の安藤忠雄さん、それからノーベル賞科学者の小柴先生が発起人となった桃・柿育英会東日本大震災遺児育英資金など、民間の支援が先行しておりまして、政府の対応は遅いと言わざるを得ない。  現在、遺児を引き取った親族自身が被災者であったり、無職や高齢の祖父母が引き取る事例が多いと思われますけれども、こうした家庭には早急に現金支給などの支援が必要と考えます。また、子供自身にも心のケアや教育面での配慮などの多くの課題があって、総合的な救済策が必要になると思います。  厚生労働大臣文部科学大臣の見解をお尋ねします。
  107. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) まず、今回の震災で両親を亡くした子供の経済的な支援でありますけれども、これは両親が亡くなったりしておりますので遺族年金の制度があり、年金がもらえるということになります。また、子ども手当なども活用されるということでございます。更に手厚い支援をするために、親族に引き取られている子供について、これはその子供生活費も支給ができる親族里親制度というのができておりまして、これの制度を積極的に活用していただきながら経済的支援をして継続的に応援をしていきたいと、こういうふうに思っております。  また、一人親の場合につきましては、もちろん遺族年金のほかに、これはその片親が就職ができるように、仕事ができるように、これの積極的な応援をしていきたい、そういうことで、ハローワークなど、そういうところで積極的に応援をさせていただいております。
  108. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 水落委員にお答えをいたします。  まさに震災によって親を失った家庭、子供たちが経済的に就学が困難、学校に行けない、そういうことがないように私たち支援をしなきゃならぬと考えております。  まず、第一次補正予算においては、被災児童生徒就学支援等の臨時特例交付金というものを創設をいたしました。そして、学用品とかあるいはまた奨学金事業などに必要な経費を措置をしておりますし、大学生等につきましては緊急採用奨学金あるいは授業料減免の拡充によって支援を行っているところであります。  これに加えまして、先ほども御指摘ありましたように、地方公共団体あるいは民間団体が主体となっておる奨学金事業、こういったことについてもこれは積極的に活用できますように関連の情報を収集をしてお知らせをすることにいたしております。  また、何といいましても親を失った子供たちの心のケア、これが非常にこれから特に重要になってまいります。したがいまして、この充実のためには、これまた第一次補正予算において緊急スクールカウンセラー等派遣事業、こういうことを措置をしたところでございます。  今後とも、厚生労働省と連携を取りまして、子供の親族などの希望あるいは自治体要望などを受けまして、我々としても適切な対応をしてまいりたいと、このように思います。
  109. 水落敏栄

    水落敏栄君 戦争で父を亡くした私自身の体験を思い返しても、人生の節目節目において父を思うことがございます。還暦を過ぎた現在でもその気持ちは心の底にあります。そうしたことを踏まえても、今回、親、兄弟、まして両親を失った子供たちの心を思うと胸が締め付けられる思いがいたします。  震災から四か月間を経て、教科書や学用品など物的支援がある程度行き渡ったといたしましても、地震を、あるいは津波を体験した恐怖や両親を失った悲しみをどうケアしていくのか、心のケアが不可欠であると思います。身寄りのない孤児となった子供たちに、あるいは片親となった子供たちに立派な大人になってほしい、切に思うものであります。  厚生労働大臣文部科学大臣からそれぞれ支援についてお答えをいただきました。ここで総理からも、震災孤児や片親となった子供生活や学習についてしっかりと取り組むと、こうした一言コメントがいただきたいと思います。総理、お願いします。
  110. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 水落議員御自身の体験も含めて、今回の震災で両親あるいは片親を亡くされた子供について本当に真摯な姿勢で御質問をいただきまして、ありがとうございます。  今両大臣からありましたように、いろいろな形で、年金の支給、あるいは里親となった親族に対して子供生活費を支給するなどの経済的な支援、さらには教育面での支援として学用品や奨学金等の就学援助を行うなど、スクールカウンセラーの派遣といったことも含めて、ケアの充実を図ってまいりたいと、このように思っております。  それに加えて、先ほどあしなが育英会のことも言われましたけれども、私もかつてこのあしなが育英会の寮などにも訪れたことがありますが、やはりそうした子供たちに対して、直接の里親だけではなくて、社会全体が温かく見守るあるいは支えるという、そういう姿勢が特に必要ではないかと、そのようにお話を聞きながら感じたところであります。
  111. 水落敏栄

    水落敏栄君 総理、一言、しっかりとやると言っていただければよかったんです。  三月十一日から今日で四か月と二十日、あと十日たつと五か月になります。しかしながら、ヘドロの処理はほとんどされておらず、瓦れきの処理は仮置場への処理率が七月五日現在三四%。総理がお盆までに避難された方々が入れるようにすると言われた仮設住宅の建設予定四万九千戸に対して完成は三万八千戸で、七月八日現在、入居率六二%。そして、いまだ避難所である体育館等で不自由な生活を余儀なくされている方々およそ一万八千人。暑さ厳しい毎日で、体力的にも精神的にももう限界です。加えて、水産加工工場の冷凍庫から流れ出た魚が腐敗したり大量のヘドロで排水溝が詰まったりして、ハエや蚊が大量発生して伝染病が蔓延すると、そうした危険性もあって、衛生面での最悪の状況になっています。被災地の首長さん始め関係者方々、そして避難されている方々も、それぞれが努力して我慢して早く元の生活に戻れるよう頑張っていますが、大震災四か月半たってのこの現状はまさに政治の責任と言わざるを得ません。  総理総理は五月二日の参議院予算委員会で、我が党の林芳正議員が被災者の仮設住宅入居完了目標を八月中旬とした方針について十分に協議したのかとの指摘に、総理は、人を増やすなりいろんな手当てを含めてやれば達成できるとの私の判断だと述べて、大畠国交相らと十分に調整した上での発言ではなかったことが分かりました。さらに、私が強く指示すれば実現できるとの見通しの下で言ったと、いかにも指導力を発揮したかのようにおっしゃっています。  ところが、約束まで一か月を切った七月二十二日の参議院予算委員会では、なかなか難しいと言い、見通しが甘かったといえば私の責任と白々しく答弁しています。総理が私が強く指示すればお盆までに入居できると言った言葉を信じて、我慢に我慢を重ねて苦しい避難生活をされている被災者の皆さんとの約束をほごにされたんです。避難されている方々の気持ち、期待を裏切ったんです。  総理、見通しが甘かったといえば私の責任、これで被災者の方々は納得するんでしょうか。どのような形での責任をお取りになるつもりですか、総理、お答えください。(発言する者あり)現状は後でいいです。(発言する者あり)現状については短くお願いします。
  112. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 水落議員からの御質問に、現状についてだけ的を絞って御報告を申し上げます。  御指摘のように、私どもとしても、避難所生活をされている方が一日も早く御自分の将来を考えるために、仮設住宅等安心して将来を考えることができるように一生懸命努力をしてきたところでありますが、御指摘のように、七月の十四日までは目標五万五百八十六戸、そしてそのときに着工の見通しが立ったものが四万九千三百九十七戸と、こういう状況でありましたが、そこに加えて七月の十五日、福島県で二千戸の仮設住宅の増強という要求がございました。それから七月の二十日、このときに岩手県から百五十戸、そして宮城県からは八十一戸の追加の要請がございました。  したがって、現時点での必要戸数というのは五万二千八百十四戸でございまして、着工確定戸数が五万六百十七戸、着工済みが四万九千二百九十七戸、完成した戸数が四万三千三百九十戸と、こういう状況になったわけであります。  石巻、女川、気仙沼等々、用地が確保が大変難しいところがございますが、各自治体皆さんの御努力をいただいて、現在、二階建て住宅を準備する、あるいはこの地域方々の御了解いただいてできるだけ前倒しで完成させる、そういう努力をしておりますが、さらに最近ではグループホームを造りたいと、こういう新たな御要請も出てきておるところであります。  したがいまして、国土交通省としては、御指摘を踏まえて、できるだけ最大限の努力をして仮設住宅の建設に取り組んでいるところでございます。
  113. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) ただいま国土交通大臣から実情については御報告がありました。  私として、できるだけお盆までに希望される方全員が仮設住宅に入れるようにと。当時はたしか七万戸ぐらいが必要とされておりましたが、その後のいろいろな経緯の中で、いわゆる一般の住宅といいましょうか、公営住宅等に入られる方もあって多少変化がありました。また、完成しても別の理由で入られない方があるといったこともあります。そういういろんな変化の中で、私は、国土交通省には本当に精いっぱいの努力を今もしていただいておりますし、八月のお盆に向けて更なる努力をお願いをいたしているところであります。(発言する者あり)  確かに、追加のものを含めて、完全にできなかったとすれば、それは私が、そうした追加まで含めての見通しということでいえば、残念ながらそこまでの見通しは持ち得なかったということで申し訳なく思っております。
  114. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 答弁が聞こえませんので、傍聴者の先生方は静粛にお願いをいたします。
  115. 水落敏栄

    水落敏栄君 総理は、見通しが甘かったといえば私の責任と、こうおっしゃったんです。私はどんな形で責任を取るおつもりか御返答いただきたかったんですけれども、総理は記者会見がお得意でございますから、私は、近々に総理被災地に参りまして、被災地で本当に皆さんに申し訳なかったと、約束守れなかったと、おわび申し上げると、このように言うのが適当だと、こう思います。  被災された方々のお立場とか苦しさ、無念さ、政府は何もやってくれないという憤りを考えますと、今大切なのはやはりスピード感だと思います。阪神・淡路大震災のときは即、復興担当大臣を任命して権限を移譲して大震災の対応をいたしましたけれども、総理は震災発生後三か月以上たった六月二十七日にようやく復興担当大臣を任命しました。今までの予算委員会でも同僚議員や他の野党の皆さんから御指摘があったように、初期対応の遅れ、情報の混乱あるいは命令系統の不統一等々で復旧が進んでおりません。これは、組織を動かさない総理責任です。菅総理は組織のトップです。組織の長というものは、俺が責任を持つ、だから思い切ってやれと、こう言わないと組織は動かないんです。  総理は、この四か月半の間、俺が責任を持つ、だから思い切ってやれ、こう言ったことはありますか。総理、端的にお答えください。
  116. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、現在の緊急災害の法で法律的に私が本部長になり、また原発の問題でも特措法で私が本部長になった、これは法律上そのとおりであり、私の責任だと考えております。(発言する者あり)ちょっとうるさいなあ。
  117. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 答弁が聞こえませんので、傍聴席の議員皆様、静粛にお願いをいたします。これで二度目の注意ですから、よろしくお願いします。
  118. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私がそうした全体の責任者であることは法律的にそのとおりでありますが、その下に設けられた対策チームについてはそれぞれ担当大臣に実質的な権限を全てお任せをし、全力でやってほしいと、私の方からそのことをお願い申し上げました。また、他の場面でも、そうした形でそれぞれの大臣、それぞれの担当の方に権限をお与えして、全力を挙げてやってきたつもりであります。  いろいろと遅れているとかという御指摘があることは承知しておりますけれども、確かに被災者の皆さんからすればもっと早くということはあると思いますが、私は内閣全体としてはできる限りの努力を全力を挙げてやってきていると、このように見ているところであります。
  119. 水落敏栄

    水落敏栄君 平野担当大臣、お聞きします。  平野担当大臣大臣になられて、先月末ようやくに復興基本方針が出されました。我が党は政府に先駆けて十七兆円という予算を示しましたけれども、一方、第二次補正は成立しましたが、僅か二兆円で、中途半端であります。これでは思い切った復興復旧はできないと思います。  平野大臣総理から、俺が責任を持つ、思い切ってやれという言葉ございましたか。
  120. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 私が復興と防災担当大臣を拝命するときに、その趣旨の指示はいただきました。特に、どんどんやれということについては事あるごとに、機会があるごとに総理から言われていることであります。
  121. 水落敏栄

    水落敏栄君 やはり俺が責任を持つからしっかりやれという言葉は多分なかったんだと私は思います。やはり本当に先行きは不安でありまして、やはり菅内閣にはこの復旧復興を任せられない、このように申し上げさせていただきます。  そして、七月二十七日の全国議長会総会で、岩手、宮城、福島三県の県議会議長は、菅総理の退陣を求める緊急動議を発議して採択されました。総理総理は既に被災地での信頼を失っているんです。被災地は、あなたでは復旧復興はできないと意思表示したんです。  そればかりではありません。総理経験者である村山元総理や鳩山元総理も退陣すべきだと言っておりますし、西岡参議院議長も強く退陣すべきと発言しています。さらに、民主党の最大支持団体代表である連合の古賀会長でさえ、お辞めになるべきだと言っているんです。一議員としてのあなたを支持する方はいるかもしれませんが、もはや総理としての菅直人を支持する者はおりません。早く総理の座から退いていただいて、新しいトップリーダーの下で復旧復興を進めていただきたいと強く申し上げます。  そして、私が心配しているのは、東電の福島第一原発放射能汚染により、警戒区域、緊急時避難準備区域、計画的避難区域避難を余儀なくされている方々のことであります。政府と東電は七月十九日、福島第一原発事故収束に向けた工程表の最初の三か月、ステップワンがほぼ達成できたとして次の段階に移行する工程を、新工程を発表しました。そして、これから三か月から六か月の間、つまり来年の一月中旬ごろまでに原子炉のより安定的な冷却、すなわち冷温停止状態に持っていくとしています。こうした政府、東電の方針の中で、約四万人が自主避難している緊急時避難準備区域の人たちがいつ我が家に帰れるのか、そういうことであります。  細野原発担当大臣は、地元自治体と協議をして早ければ八月中に解除時期を判断すると、こう言っておられますけれども、帰宅時期、いつごろになるんでしょう。
  122. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 避難をされている皆さんの現状というのは、政府、本当に厳しく認識をしておりまして、できるだけ早い段階で帰ってきていただけるようにという、そういう思いで頑張ってまいりました。また、現場の作業員の皆さんの驚異的な頑張りは、やはりそういう避難をされている皆さんの気持ちにこたえたいという、そういったことがあったというふうに考えております。  御質問の緊急時避難準備区域でございますけれども、これはやはり慎重な判断が求められるというふうに考えておりまして、まずは原子力安全・保安院の方で安全性の評価をいたしまして、それを原子力安全委員会の方でしっかりと確認をするという作業を現在しておりまして、それほど時間を置かずに原子炉の二十キロから三十キロにおける安全性は確認をできるのではないかと考えております。そして、それを前提といたしまして、緊急時避難準備区域を解除するためには、やはりしっかりとしたモニタリング、特に学校や病院という放射線の問題と非常にかかわる大事な施設でございますので、しっかりやる必要がありますので、そのモニタリング、さらには、果たしてインフラがどの程度復旧してきているのか、その状況を確認する必要がございます。そうした協議をまさに自治体と行う中で、最終的な時期については判断をしていきたいと考えております。
  123. 水落敏栄

    水落敏栄君 親戚に身を寄せたり、アパートを借りたり、本当に不自由な生活を強いられている方々であります。政府は、放射線量が少なくなることを前提に、水道やあるいは生活インフラの除染等々しっかりやって、避難者が一日も早く長年住んだ自分の家に帰れるように努力すべきだと思います。  そして、より心配しているのが、先ほどお話がございました計画的避難区域、警戒区域の方々であります。これらの区域の方々、約八万八千人と伺っておりますけれども、いつ自宅に帰れるのか。  担当大臣細野大臣は、ステップツーの終了後に解除を検討すると言っておられますけれども、避難されている方々には本当にお気の毒ですが、私はいたずらに期待を持たせるようなことを言ってはいけないと思います。仮に放射能の放出が止まったとしても、大気や河川や湖沼や地下水、そして海水、土壌等々が汚染されています。一番困るのは土壌と言われておりますが、二十キロ圏内の土の表土を五センチ削るというのは相当の年月が掛かるし、その汚染された土をどこに持っていくのか、どう除染するか、大問題です。  今日は時間がなくて私は一問しか質問できませんが、原子力損害賠償支援機構法案をしっかりと審議して成立させて、そして仮払い法も成立しましたから、被害者への迅速かつ確実な賠償を行って早く生活支援をする方が先ではないでしょうか。  その原子力損害賠償支援機構法案ですが、我が党の意見が大いに取り入れられて、与野党協議が決着してよかったと思っています。政府の当初案であれば、東電と株主を守って、結局は国民にツケが回ってくる法案だと思っていましたけれども、東電の責任や国の責任を明記されました。私は何といっても、申し上げたように、まず被害者の皆様への賠償を迅速かつ確実に行うことが大切であって、そして東電管内の人々の生活や経済を維持していくためにも、電気の供給というものは必要でありますから、早くこの原賠法を成立させなくてはならないと思っています。  そこで、詳しい内容については同僚議員にお願いしますけれども、お聞きしたいのは賠償の仕方です。風評被害を広く認め、被害を受けた企業との取引で生じた間接被害も対象とするとなると非常に賠償範囲の線引きが難しいのではないかと思います。しかも、この線引きの範囲が決まらないと、賠償総額もどのぐらい膨らむか見通せない。そういたしますと、避難されている十万人に上る方々生活支援がますます遅れてしまう。そのためには仮払い法の成立が不可欠だったわけですが、避難者の皆さんへの具体的な賠償、最も優先すべき課題だと思いますが、これをどうしていくのか、海江田大臣、お願いします。
  124. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 水落委員にお答えをいたします。  やはり私どもは、この原子力の事故との相当因果関係というものは非常に一つの基本としてあろうかと思います。この相当因果関係の中にもちろんこれは風評被害も入るわけでございますが、この風評被害について、これまでどちらかというと東電の仮払いが遅れておりました。私もずっとそれは気になっておりましたけれども、ちょうど今日、農林漁業関係の風評被害、これは茨城と栃木のJAでございますが、ここで始まったということで、一般的に申し上げますと、やっぱりまず、着のみ着のままでこれは避難を余儀なくされた方々に対する支払というものを優先させました。最初は一世帯当たりでございましたけれども、今度は七月の末から個人個人についてこれも支払がスタートいたしました。  それから、今お話のありました農林漁業、これははっきり申し上げましてかなり遅れておりましたけれども、こういう形でまた充実するようになってきた。それから、中小企業の関係、それから先ほど橋本委員からのお話ありましたけれども、例えば中小企業ということでいいますと、医療関係でありますとかあるいは学校法人でありますとか、こういうところが払われなかったわけでございますが、これは地元方々の本当に陳情を私も受けましたけれども、そういうものによって動いておりますので。  私は、まず原子力損害賠償法、そして今、間もなく皆様方のお力添えによりまして通していただきます機構法、それから先ほどお話ししました、確かに私は今度の仮払い法ができて良かったと思っております、言わば多重な支払というものができるようになったわけでございますから。ですから、これも活用をしまして、そして一刻も早く本当に被害に遭われた方々に対する賠償を十全にしていきたいと思っております。
  125. 水落敏栄

    水落敏栄君 やはり被害者の皆さんへの賠償、しっかりとやっていただきたいと思います。  そして、被災地皆さん、本当に苦しい生活をしながら復旧復興に向けて立ち上がろうとしております。それは悲しみの中にも、何くそ負けてたまるか、こうした被災地の人々の力、そして私は天皇陛下の励ましのお言葉が大きな力になったと思っています。  生活支援には、当たり前のことですけれども、お金が掛かります。当座の現金が必要なんです。今でも現金収入は得られません。国民皆さんや台湾を始め諸外国から拠出していただいた三千五十三億円もの義援金がいまだ三二%しか被災者の方々に行き渡っていない、これは大問題です。  手続面の問題などいろいろございましょうが、それこそ民主党が言っている政治主導で被災者の各県に二百億円、三百億円と配分して、各県は市町村に配分して、超法規的に大人から子供まで一人十万円を当座の生活費として配る、そうした政治的英断、配慮が必要ではないかと思っています。そして、被災者の皆さん生活のために役立ててほしいと拠出した善意のお金が届かない、義援金を出した方々の気持ちも届かない、大変悲しいことだと思います。是非スピード感を持って被災者の皆さんに届けてほしい、強く要望します。  七月一日から電気事業法第二十七条に基づく電気使用制限令が東京電力と東北電力の管内で発動されました。これについて、故意による使用制限違反は百万円以下の罰金となることから学校現場から不安の声が寄せられています。使用制限については、一定の要件を満たす病院などの施設は適用除外あるいは制限緩和の対象となるとされておりますが、学校が適用除外の対象にならなかったのは大きな問題だと考えます。日中に長時間にわたって児童生徒が過ごす学校は、その安全や健康の維持のために適用除外、規制緩和の対象となるべきと考えます。  特に、福島第一原発事故影響における地域においては放射性物質の濃度が高く、換気ができない状況であります。例えば、福島大学では原発事故影響により放射性濃度が平均値より四十倍ほど高い数値となっておりまして、放射性物質が室内に入ってくることを防ぐために窓の開閉により室内温度の調整を図ることが困難で、かつ震災により授業を八月に行わざるを得ない状況であります。こうしたことから、弁明書を提出して電気使用制限の例外とすることを求めましたが、認められませんでした。  弁明書への資源エネルギー庁の回答では、使用制限は大口需要家の方々の自主的な節電の取組を尊重し、需要抑制の実効性及び需要家間の公平性を担保するため補完的な措置として実施するものであり、貴大学の厳しい状況は十分認識しているが、例外とすることは認められないとしています。  被災地に対する配慮が全く感じられない回答であって、窓の開閉が困難、かつ八月にも授業を行わざるを得ないという状況を鑑みれば、使用制限の例外としても需要家間の公平性を損なうことにはならないと考えています。  是非学校を適用除外とするようにしていただきたいと思いますし、さらに、被災地の特別の事情があったにもかかわらず一定の使用制限を課した理由を文部科学大臣及び経産大臣にお尋ねします。
  126. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) いわゆる節電ですけれども、私どもとしましては、この節電についての政府としての取組の中で、大学附属病院については電力使用の制限の緩和を要望してまいりました。したがって、一定のこれは制限緩和措置が講じられております。  制限緩和につきましては、これは極めて例外的な取扱いでありまして、まさに生命、身体の安全確保に不可欠な需要設備などのうちに、使用電力のデータに基づいて一五%の節電が可能なところから制限緩和の対象とされてはおりません。  今御指摘のとおり、一般的な学校におきましては、教室の窓側あるいは廊下側の照明を部分的に消灯すれば、それは一五%の節電は達成可能と言われておりまして、これは制限緩和の対象とされておりません。  私どもとしましては、具体的な節電対策を示す一方で、独自の説明会を開催することなどをもって、教育効果を損なわない、そういう立場からしっかりこのことについてもとらえてまいりたいと思っております。
  127. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) このエネルギーの安定供給は私どもの責任でございますので、今委員からお話のあった点、それから、これ私もいろんな声をお聞きをしておりますが、例えば、やはり工場など、せっかくやる気を起こしている、そのやる気を起こしている工場が電力の不足によってそのやる気を損なわれることがあるというようなお話も承りまして、今、資源エネルギー庁にきちっとお話をしまして、例えば東北、被害に遭った県全体に今一五%を掛けておりますが、この一五%を緩和することができるのか、それとも今委員の御指摘のありましたような、例えばその中の福島県ということになるのか、あるいはその一五%を削減する形になるのか、あるいは例外的な措置にするのかということも含めまして今検討させておりますので、そう遅くない時期にその検討の結果、また御報告ができようかと思います。
  128. 水落敏栄

    水落敏栄君 是非とも学校は適用除外とするように強く要望いたしたいと思います。  平野防災担当大臣、大畠国交大臣始め関係の大臣にお願いをしたいと思います。  七月三十日の記録的な豪雨で、私のふるさとであります新潟県十日町市や長岡とか三条等々、そして福島県でも人的な被害が発生するなど大変な被害が生じております。道路の寸断や橋の流失、そして家の全壊、全半壊、さらには床上、床下浸水等々であります。大事に大事に育ててきた稲が流されて、農家の方々はもう途方に暮れています。  大震災から四か月半余り、被災地のみならず、地方自治体は本当に疲弊しているんです。特に市町村はお金がありません。そうしたときにこうした豪雨災害でございますから、このようなときこそ強い政治の力が必要であると私は思います。  どうか迅速で手厚い支援をお願いする次第でありますけれども、これは通告しておりませんが、昨日、新潟県を視察していただきました平野大臣、このことについて見解をお願いします。
  129. 平野達男

    国務大臣(平野達男君) 昨日、新潟県に入らせていただきまして、泉田知事あるいは国定三条市長さんを始め御一緒させていただきまして、現地を見させていただきました。大変なやっぱり被害でございまして、特に今委員指摘あったように、農業被害が大きいなというふうに感じました。また、特に上流側では小規模な土石流もあちこちにあることが状況から確認されました。  この被害状況を一日も早くしっかり把握しまして、泉田知事は査定前の着工を急ぎたいということで早期の復旧復興に強い意欲を示されておりましたので、国としてもそれを全面的にバックアップしたいというふうに思っております。
  130. 水落敏栄

    水落敏栄君 大畠国交大臣、何かコメントございますか。
  131. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。  国土交通省といたしましても、北陸地方整備局を中心として今全力で対応をしているところでありまして、特に橋あるいは鉄橋等が川で落ちておりますので、そこには技術者を送りまして、どのような状況にあるのか、そして一日も早くこれを復旧するためにはどのような手段が必要なのか現在調査をさせているところでありまして、これについては、国土交通省としても全力でバックアップしながら復旧に取り組んでまいりたいと思います。
  132. 水落敏栄

    水落敏栄君 どうぞ、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  最後に菅総理に申し上げたいと思います。  総理は、自分のお立場を良くしようと突拍子もない発言をされる。七月六日に表明した全原発へのストレステストの実施や、十三日の脱原発依存社会についての会見であります。  そして、私は、とんでもない発言が五月二十五日にフランスで開催されたOECD五十周年記念行事における総理のスピーチだと思っています。総理はそこで、二〇二〇年までに我が国の設置可能な一千万戸にソーラーパネルを取り付けると言い、さらに、発電電力量に占める自然エネルギーの割合を二〇二〇年のできるだけ早い時期に二〇%を超える水準にするようにと言っておられます。私は、とても無理な目標と言わざるを得ないと思っています。我が国で言うのならあなただけの恥で済むかもしれませんが、国際社会での公式発言は、達成できない場合、我が国の恥どころか国際社会での信用を落とすんです。  既に国民皆様から信頼されていない菅総理で、したがいまして総理の任期も残り少ないと思います。残り少ない任期でございますが、どうか思い付きや人気取りでなくて、閣僚や官僚と十分議論を重ねて国民が納得する方向性を示す発言をするよう強く要望して、私の質問を終わります。
  133. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今の御質問にお答えをいたします。(発言する者あり)いや、だってちゃんと指名を受けたんですから。今指名を受けましたので。  ストレステストについて、私は国民的に見て、決してこれが必要がないものだとは思っておりません。また、OECDにおける私の発言は二〇三〇年を十年間前倒しするという方向での提案でありまして、それは内閣の中でも基本的には了解をいただいていたものであります。そういった意味で、決して、何かレッテル張りで思い付きと言われることは私はちょっと違っているんではないかと思っております。(発言する者あり)
  134. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 三度目の注意をいたします。お静かにお願いをいたします。  次、注意する場合には退室を命ずる場合もありますので、よろしくお願いをいたします。  橋本聖子君の関連質疑を許します。古川俊治君。
  135. 古川俊治

    古川俊治君 続きまして、自由民主党古川俊治の方から質問をさせていただきます。  質問に先立ちまして、先週末の豪雨で亡くなられました福島、そして新潟の皆様方に心からお悔やみを申し上げます。  今回は原子力損害賠償の問題をこれから議論するわけですけれども、その中で私は一番懸念されるのがやはり住民方々の健康の問題でございます。今日はまずそのことからお聞きをしたいと思っております。  先週の金曜日ですけれども、政府が六月三十日に設定した特定避難勧奨地点ですね、すなわち年間二十ミリシーベルトの被曝線量に達するおそれのある世帯方々が初めて避難をされました。震災発生から既に四か月半経過をしているわけであります。先日、実際にこの特定避難勧奨地点に該当された方々から御意見を伺う機会がございましたけれども、今除染のできている玄関とか庭先だけで測っているんですね。実はそうじゃないところがたくさんあって大変不安であると、こういう御意見がございました。  事故後、政府は差し当たり健康に問題はないと繰り返してきたわけですけれども、現在になってこうやって健康に懸念がある可能性があるので避難をしてくださいと言っているわけですね。今まで被曝したのは何だったんだと、これはみんな当然思うことだと思っております。事故直後に比べれば、もう四か月半たっていますから放射線量はずっと低いはずなんですよ。何で今更避難をしなきゃいけないんだと考えるのが私は当然だと思います。  先週の水曜日の衆議院の厚生労働委員会参考人質疑で、東京大学のアイソトープ総合センター長の児玉教授という方が、事故後、政府が差し当たり健康に余り問題はないと繰り返していた時点で既に実際にこれは大変なことになると思っていたと言われております。  実際、事故当初、政府はずっと、差し当たり健康に余り問題はないと繰り返しテレビの前でも言ってきたわけですけれども、この根拠について御説明いただきたいと思います。菅総理大臣、お願いします。
  136. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、避難区域の二十キロということをまず決めたわけであります。政府としては、避難区域の設定に当たっては、住民方々安全確保を最優先に各時点で得られた情報の下で最大限の対応を図ってきました。  今おっしゃっていることについては、この避難区域を半径二十キロ圏内に設定した後、文科省を中心に環境モニタリングが行われて、その結果について原子力安全委員会が評価を行って、その評価に基づいて直ちに健康に影響を及ぼすものではないという、たしか官房長官の方からのそういう認識が示されたものと、そういうふうに理解をいたしております。
  137. 古川俊治

    古川俊治君 私は、なぜ差し当たり健康に問題はないと言ったのか、その根拠についてお聞きしているんです。お答えください。
  138. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今申し上げましたけれども、私が理解しているのは、この二十キロ圏という、あるいは十キロ圏、二十キロ圏というのは古川議員もお分かりだと思いますが、水素爆発などで急激に何か起きたときに逃げていくときに、どのくらいまであらかじめ逃げておくことが必要かということで判断しております。  それに対して、この健康の問題については、先ほど申し上げましたように、文科省の環境モニタリングなどの評価に基づいて原子力安全委員会が評価をして、官房長官がこういう今指摘のような趣旨の判断の下に表現をされたと、そう理解しております。
  139. 古川俊治

    古川俊治君 私、まず今政府のこの対応で一番問題となるのが二点あるんですね。  そのうちの第一点は、これ一点のモニタリングデータを根拠として広い範囲のことを考えているんですが、常にそうです。どこまでを区域を指定するのか、あるいはそういった役人としての作業ばっかり考えていて、現実に被災民の皆様方がどういう被曝をしていらっしゃるかということをこれ全然考えていないんですね。今、菅総理はおっしゃいましたよね。どのぐらい飛ぶかということで半径何キロ以内というふうに設定したんだと、今そういう御説明でございましたけれども、放射線の実態というのは、これ粒子なんですね。ですから、決して同心円状に広がらないんですよ。まだらになっていきます。だから、発電所から何キロというふうに区域を区切ったところで、粒子は全然関係なく分布するんですね。今までも、ある小学校地点で測って、校庭が何ミリシーベルトという形で規制をされていますけれども、この児玉参考人という方の御報告では、同じ小学校の校庭でも、一か所で毎時二マイクロシーベルトだったけれども、違う場所では三十三マイクロシーベルトだったと言っているんですね。  ですから、この放射能の分布が、今言いました何キロ以内、同心円状の広がりで仮定をしている、あるいは一か所のモニタリングで全部考えてモニタリングしているとおっしゃいましたけれども、これ全然実態に合っていないわけですよ。  政府は、こういうことについて今まで考慮してきましたか。御回答お願いします。
  140. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 古川委員の御指摘のとおり、学校の校庭においてもあるいは学校内の敷地においても、線量の高いところがあれば低いところもある。私たちとしては、一般的な校庭を測っておりますが、例えば屋根の上のといの中とかあるいは草むら、校庭の中の草むら、あるいは排水の堰、こういったところは水はけが悪いために線量が高い、こういう状況がモニタリングとして掌握をしております。
  141. 古川俊治

    古川俊治君 そうして高い場所があるのに、なぜ二十ミリシーベルト、一律の基準でいいんですか。それをお聞きしているんですけれども。今そのことについてお聞きしているんですよ。  どうして、じゃ政府は、高い場所がある、そういうことを御存じながら、一律の基点で安全だということを言っているんですか。
  142. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 今私どもは、いわゆるICRP、いわゆる国際的な科学者の合意というものの勧告を受けまして、そして原子力対策本部として原子力安全委員会の評価もいただきながら、いわゆる三・八マイクロシーベルト以上であればいわゆる土壌の改良等を取っております。既に土壌の改良等によりまして、ほとんどの学校で毎時一マイクロシーベルト以下という現実があります。ただ、高いところにおきましては、そういうものについては取り除く、そういうこともやっておりまして、これについては国として財政的な支援をやっていく、こういう方針でございます。
  143. 古川俊治

    古川俊治君 今大臣がくしくもおっしゃいましたけど、このICRPの基準と言うんですね、常に政府はこれに超えるか超えないかというだけで判断するんですね。それは実際に福島住民皆さんの健康に影響があるかどうかとは、基準を超えるかどうかという問題は全くこれ別問題にすり替えられているんですよ。  いいですか、そもそも平時は年間一ミリシーベルト以下ということになっているわけですね。それから、突然二十ミリシーベルトまで上がって、それでも許容されるといって、二十倍も違って健康への影響はないんだ、これ説明になっていますか。普通そう思うんですよ、この話は。  菅総理、これね、菅総理、これサイエンスの話なんでおっしゃっていただきたいんですが、是非。現在、政府は年間二十ミリシーベルトを基準としているんですね。じゃ、一体この十九・九ミリシーベルトの場合と二十・一ミリシーベルトの場合とで健康への影響はどのように違うんでしょうか。
  144. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) こういった問題を私は常に原災本部長として判断するときには、保安院原子力安全委員会、場合によっては他の専門家皆さん意見をお聞きしながらやってまいりました。  今、文科大臣から説明がありましたように、国際的な基準が一定のものがあり、そしてそれを踏まえて原子力安全委員会がそうした判断を行われたということを前提にしてこういった基準を定めたものでありまして、私自身がいろいろな、何といいましょうか、実験をやったり何とかをしているわけではありませんので、やはりそうした専門家意見、特に原子力安全委員会の助言を受けて判断したということであります。
  145. 古川俊治

    古川俊治君 サイエンスからいえば、十九・九と二十・一はほとんど差がないと答えるんですよ。この差がないものを全然違う規制でやっている、これが実態なんですね。それは明らかにおかしいわけですよ。  もっとこれ、二十が基準、このICRPの基準が引っかかっているのはいいですよ。じゃ、十九・九はどうなんだと、こういう問題について、しっかりやっぱりこれは国民説明すべきじゃないですか。そういった説明が全然ないんですね、今までの対応で。もう政府のホームページ見ても全部そうですよ。なぜ今活動していいか、特定避難勧奨地点の方の、書いてあります。別にそこに住んでいてもいい。なぜか。二十ミリシーベルトに達するおそれが少ないからだと書いてある、理由として。じゃ、十九・九なら大丈夫なんですね、当然こういうことになるじゃないですか。これはおかしいですよ、明らかに。  これ、先ほどの問題ですけれども、まだらになっている、こういう場所を考えるときには放射線の検出器というのがあるんですね。これはもう御存じのとおり、今日もゲルマニウム半導体の検出器についてお話がございましたけれども、食品関係で。私は医学で放射性同位元素を使って実験をやっていましたので、これは汚染をされたかどうかすぐに分かるんです、その場合はですね。これが今だったら、今日もインターネットで、先ほども、売っていますよ、ずうっと。四万円ぐらいで安いのは買えるんですね。  ところが、児玉参考人の報告で、五月下旬に行ったときに、このシンチレーションカウンターが何と南相馬で一台しかなかったというんですね。本当は米軍が二十台貸してくれていたけれども、それ、説明書が読めなくて使えなかったというんですね。いいですか、これが本当に自治体の実態なんですよ。  政府は今まで、本当に簡易にどこが汚染をされているか分かるこの放射線検出器、こういったものを震災後、自治体に配ってきましたか、あるいはこれを行うために何かやってきましたか、御説明をお願いします。
  146. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 古川委員は医師の資格も持っておられて、大変この方面にお詳しいと聞いておりますが、私どもが、委員からの御質問がありましたので調べました。  今委員はシンチレーションカウンターというお話でございましたけれども、私どもは、シンチレーションカウンターのほかにガイガーカウンターというんですけど、ガイガー・ミュラー・カウンター、そういったものも含めてでございますが、福島県に対して少なくとも二百五十台は貸与をしてございます、貸してございます。少なくともというお話は、二百五十何台なのかということはちょっとまだまとまりが、統計が上がってきておりませんので、二百五十台以上を貸与していると、こういう状況でございます。
  147. 古川俊治

    古川俊治君 二百五十台じゃ全然少ないですよね。これ、一台四万円ぐらいで売っているんですよ。それはやはり物すごい数をどんどん配付をして、実際、今現実にこの被曝を避ける手段はそれしかないんですね。  ずうっと今日、第二次補正で個人の累積線量計付けたと言っていますけど、あれは一定期間たたないと分からないでしょう。三か月ぐらい掛かるんですよ、評価するまでに。その場でどこが危ないか分かる機械があったら、みんながそれで現実に被曝を避けられるじゃないですか。基準だけ考えていないで、そうやって現実に人がどう被曝をされているのか、そういうことを考えてくださいよ。いいですか、これ、三次補正で絶対付けていただきたいんですけど、どういったものでも結構です、放射線検出器、これを各家庭に配っていく、そこまでの、もう御意向伺いたいんですけど、海江田大臣、お願いします。
  148. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 第三次の補正で付けるべく、私からも意見を具申をいたします。
  149. 古川俊治

    古川俊治君 やっぱりこれ、是非お約束をさせていただきたい。これしか現実に皆さんが被曝を避ける方法はないんですね。これは、何で今まで本当に政府はやってこなかった。この怠慢は、児玉参考人、すごく怒っていますよね。ずっと言っておられました。  今日ちょっと議員皆さんにはお配りした資料を見ていただきたいんですが、この二十ミリシーベルトで今ずうっと、年間二十ミリシーベルトを問題にしてきたんですね。これがなぜ今百ミリシーベルト以下の、いわゆる低い線量の被曝というものにリスクがよくはっきりしないかというのは、今まで実際、ICRPも含めて全然データがないんですよ。実際、長崎、広島、あの原爆の問題、その後、チェルノブイリが一回あっただけです。当時、すごく、もう六十年前ですね、原爆の話は。そうすると、そのころの科学的な知見というのは十分でなかった。チェルノブイリでは、あの状況もありましてなかなかモニタリングができなかった。そういうことになりますと、実際にこうした原子力の事故が起こったということは、ほとんど世界にデータがないんです。まさにこの福島はそういう中で起こっているという認識を持っていただきたい。何も分かっていないのが現状なんですよ。  そういった長期の被曝、これから、被災民の皆さんは長期に低線量を被曝したわけですけれども、これについていろんな調査がございまして、これは主にやっているのはどういうところでやっているかというと、原子力発電所の従業者の皆さんを調べていくんですね。彼らは長期に被曝をするわけです。各国でやられています。それでデータを取ろうとするんですね。この方法によりましてなかなか評価が定まらないのは、原子力発電所で働いていた方々がどこかへ行っちゃうんですね。フォローができないって問題なんですよ。そういう機構が整っているのは、日本が一番いいわけです、戸籍制度がしっかりしていますんで。  日本には、実を言うと、二十七万七千人ばかりを調査した立派な調査があります、文部省の予算を使ってやっているんですけれども。これにおきまして、今ここに出してきましたけれども、放射線従業者の方々、この方々は長期被曝しておられます、方々を一般の方々と比べた場合、がんのリスクは一・〇四倍になります。明らかに偶然では説明できない差をもって放射線従業者の方ががんがたくさん発生しているんですね、この黄色が付いているところですけれども。これは、すなわち、この放射線従業者の方々の平均の被曝線量は累積で十三・三です。いいですか。二十ミリ以下ですね、ずっと。累積ですよ、年間じゃないです、累積です。  もう一つ載せていますけれども、この内部比較というのは、放射線の従業者の中の方々でどのぐらい被曝をしているとどのぐらい増えていったか、そういう影響を調べているんですね。被曝する放射線量が増えれば増えるほど、どんどんがんの発生が増えていくというのがいろんながんで認めているんですね。こういうデータが既に日本ではあります。いいですか。  どのぐらいから増えてくるかというと、累積、あるいは十、二十というところから明らかに増えているんですね。ここにも書きましたけれども、これはほかの、例えばたばこや飲酒による危険性というのも十分がんに寄与する可能性があって、それも考えられるんですけれども、放射線従業者の方々の中では決してほかに心筋梗塞とか消化性潰瘍などたばこによる影響の疾患というのは増えていないんですよ。まさにがんだけが増えているんですね。そして、飲酒によって増えるものも、別にそういう傾向もない。すなわち、この放射線の長期被曝によって、これは累積二十や十、そういうレベルですよ、それでも障害が起こっているんですね。  文部科学大臣、お聞きしますけれども、このデータについて検討したことありましたか、今まで。
  150. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 文部科学省といたしましては、今言われました放射線影響協会の原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査、これにおきまして、未解明の部分が多いいわゆるまさに低線量域の放射線の健康影響について科学的知見を得ることを目的としてこの協会に委託をしておるところです。本調査の結果においては、累積線量が二十ミリシーベルト以下の場合も含めた低線量域の放射線に関して、低線量域の放射線ががんの死亡率に影響を及ぼしている明確な証拠は認められなかったと、こういうことが言えるという総合評価がなされております。
  151. 古川俊治

    古川俊治君 この結果、ここに出ているように明らかにがんが増えているんですね。これは、そういう総合評価をしたって、これ委員会がほとんど業界の人なんですよ。調べてみましたか、これみんな業界の人ですよ。たばこや飲酒との関連性が否定できないというレベルで、これを全部結局ないという話にしているんですね。これは検討していないということですよ、今大臣がおっしゃっているのは。字面だけ見ているんじゃないですか。これは明らかに差が出ていますよ。  放射線による障害、今まで百ミリシーベルトで問題になってきている。こういうことを言っていますけれども、実際これ確率的障害、これは皆さんが金科玉条のごとく言っているICRPも確率的障害を認めているんですね。この前提に立っていますよ。ということは、二十ミリシーベルトであれば二十ミリシーベルト相応のがん化のリスクは出るということなんですね。これは科学的な結論であります。  報道によれば、過去にがんを発症して労災認定された方、原子力発電所の労働者の方々が、それは十人いて、最も少ない人は約五ミリシーベルトの被曝だったんですよ。いいですか。五ミリシーベルト以上の被曝と被曝後一年以降の白血病の発症があれば、これは労災認定されるわけですね。これは政府がある意味で因果関係を認めているわけです、被曝との。  現在、政府は校庭の利用の許容限度、年間被曝二十ミリシーベルトにしているんですね。そうしたら、この基準でいったら、今後、一年経過後に白血病が出てくる、これ生徒の皆さん、みんな補償することになりますよ、これ。こういうことでいいんですか。少なくとも政府は今まで二十ミリシーベルト以下は問題ないということで対応してきたじゃないですか。これはどう説明するんでしょうか。
  152. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) これは、ただいま御指摘があった約五ミリシーベルト、いわゆるこれは、厚生労働省が放射線被曝に係る白血病の労災認定要件の一つには、相当量、これは五ミリシーベルト掛ける従事年数でありますが、この放射線に被曝した事実があることとあります。  これは、五ミリシーベルトの放射線被曝と白血病との因果関係は証明をされておりませんものの、労働者への補償に欠けることがないよう幅広く救済するという観点から設定されたものであって、これは財団法人の放射線影響協会の疫学調査の結果と矛盾するものではないだろうと思っております。
  153. 古川俊治

    古川俊治君 これ、広く救済するということでありますから、是非、今被災民の皆様方、ある意味で後手後手に回った政府の対応によって被災されているわけですから、これ十分にこの補償をしていただきたいと、こう思います。  最も考えられるのは、がんの発生の問題であります。一番やっぱり問題なのは、このSPEEDIのデータが遅れたことなんですね。この公表が遅れたことでありまして、データは三月十一日、震災直後から得られていたのにそれを隠し続けた、五月二日になって公表すると明らかにしたんですね。  この問題は、もう既に被曝を起こしているから、幾ら菅さんが今遺憾だ遺憾だと言う、繰り返す、責任感じると言っても、もう被曝したものは戻ってこないんですよ。一番問題なのは、細野当時、今大臣ですけれども、首相補佐官であった方が、細野さんが、パニックになることが懸念されたと言っているんですね。まさに故意なんですよ、これは。今後、パニックになることが分かっていたけど、これはそれで隠したという話ですからね。そう報道されていますよ。  そういうことになってみると、故意でやった。これ私は、このSPEEDIのデータの発表が遅れたことでどれだけの皆さんが実質的に被曝を受けたかというのは今後検証すべきものだと思っていますけれども、もしこのSPEEDIの発表が遅れて被曝を受けることでがんによって人が死亡するということを思い至らなかったとしたら、これは無能な内閣ですよ、本当に。ただし、もし、いいですか、これ死亡するということが分かっていたとしたらもっと問題ですよ。いいですか。これ、本当に刑事についても問われるべきような問題だと思っています。国家賠償の問題はこれは国の責任になりますけど、刑事の問題は個人の責任ですからね。いいですか、これ。  それで、今実際二十ミリシーベルトを超える被曝が起こっちゃっている人はたくさんいるんだ。これも、この間の参考人質疑でそういう御発言ございましたけれども、同じことを言っている専門家たくさんいます。私のうちにも、毎日メールが来ますよ。  国立がんセンターの発表によれば、百ミリシーベルトの被曝によってがんのリスクは一・〇八倍になるというんですね。避難地域住民皆さんは約二十万人です。その三割はがんで亡くなりますから、約六万人の方が亡くなるわけですね。これが一・〇八倍になりますと、がんで亡くなる方も約四千八百人増えるわけですね。そうすると、確率的影響の観点から考えますと、二十ミリシーベルトの被曝なら約九百六十人、いいですか、十ミリシーベルトの確率なら約四百八十人ががんで余計に死ななきゃいけないんですよ。いいですか。  私は、これから、政府のこのSPEEDIのデータを隠していた、このことによってどのぐらいやっぱり被曝が起こったか、これは本当に分かりませんけれども、それが仮に五ミリシーベルトだとしたら二百四十人、二ミリシーベルトだとしても約百人ですよ。これがやっぱり政府の怠慢によって、あるいは故意によって多く亡くならなきゃいけないんですよ。私、この責任、菅さんが、菅総理大臣、今日辞められるとしても、辞任されたとしても、あるいは献金問題で菅さん辞職されたとしても、ずっと残る問題だと思うんですね。  今後どうやって、この福島県でがんを発症してくる方たちにどういうお考えでいらっしゃるんですか、その御発言を聞きたいと思っています。菅総理大臣、お願いします。
  154. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今の御指摘は、SPEEDIの情報を隠していたという前提でおっしゃっておりますけれども、少なくとも、今日はそういう御指摘を用意しておりませんが、もう何度もいろいろなところでお答えしておりますけれども、少なくとも、例えば三月十一日あるいは十二日、そういうデータが私にももちろん来ませんでしたし、私が知る限り、同席していた政務の者に来てはおりませんでした。いろいろと経緯があったようでありますが、決して政府として隠したということではありません。
  155. 古川俊治

    古川俊治君 いいですか、それで本当に福島県の皆さんが納得するかどうか。あなたの責任感というのは口だけなんですね、全く。もうこれ以上のやっぱり被害は本当、速やかに辞めていただいて、これ以上被害が広がらないようにしてください。  先ほどおっしゃいましたけれども、文部大臣、くしくもおっしゃいましたが、広くこれから認定していかなきゃいけない、そういうつもりで、労災の場合はそれでやっていらっしゃると先ほど言いましたね。  これからの被災の皆さんの健康障害をどう救済していくかの問題ですけれども、今、福島県で全県的にこの調査をやるという話になっています。それで恐らく一番問題になってくるのは、将来のがん化の話だと思います。これは今までの理論から考えても、データから考えても当然そうなんですが、ところが、この福島県におけるがんの調査の結論が出るのは数十年後です。皆さんが、がんが多かったか少なかったかによって因果関係を判定するわけですから。ただし、その数十年でその結果が分かるまでにがんで亡くなる人はたくさんいるんですよ。  この間の因果関係の考え方はどうされますか。これは海江田大臣ですか、よろしくお願いします。
  156. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 委員の本当にお話を承りまして、線量の増加による確率的影響による晩発障害と難しい言葉で言うようでございますが、要するにがんの確率が増えるということはあろうかと思います。ですから、それに対してやはり健康管理をしっかりと行うべきものだということで、福島県においてはまさに二十万の皆様方についてしっかりとそうした健康管理をやっていただくため、政府としてもできるだけの支援を行わなければいけないと、こう考えております。
  157. 古川俊治

    古川俊治君 私は補償の問題について言っているんです。それはどうでしょうか。今は健康管理だけの話ですね。だから、補償の問題について話してください。
  158. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 今の県民の健康診断、健康調査ですね、これはやはり線量と疾病の発生との関係について疫学的な評価を行うことを目的の一つにしてございます。ですから、そこで相当因果関係の有無の判断の一つとしてこれはなり得る可能性があろうかと思っております。
  159. 古川俊治

    古川俊治君 だから、その基本的なデータが出る前にがんで亡くなる方がいるから、その場合に因果関係の判定をどうすると考えているのかと聞いているんです。お願いします。
  160. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) ですから、先ほどお話をしましたけれども、まず県民の健康診断、健康調査をしっかりと受けていただいて、その中で相当因果関係があれば、当然のことながらそうした判断材料の一つになろうかと思います。
  161. 古川俊治

    古川俊治君 分かっていないんですよ、大臣、三十年たたないとそのデータが出てこないから、相当因果関係の判定が難しいと言っているんです。三十年待たなきゃ出てこないんです、因果関係があるかどうかという、その基本調査のデータが。だけれども、十年たってがんで亡くなる人はいるから、そのときどうするんだってお聞きしているんですね。それ、どうなんですか。
  162. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) それは、十年なら十年でもその方の、少なくとも福島にいらっしゃったということ、それからその方の行動の記録なども残っているはずでございますから、その意味ではそうした損害賠償のことを起こしていただければよろしいかと思います。
  163. 古川俊治

    古川俊治君 この調査の内容についてもうこれ以上申し上げませんが、福島県がやっているお話ですけれども、どこにいたか、こういうアンケート調査方式でやっているんですね。ところが、その記憶も不正確ですし、あるいはそれを被曝量を当てはめる、それも先ほども言いましたけれども、まだら状になっていますから、被曝が正確に取れるわけでもないんですよ。そういうことから考えると、極めてこれはあやふやな調査ですし、あれが将来の因果関係の訴訟の問題になったときに、これは正直に申し上げておきますけれども、因果関係の判定においてどれほどの意味を持つのか。意味のない調査をやってもしようがないですからね、その点をしっかり監視をして続けていただきたいと思います。  もう一つ福島県の南相馬市で開業されている方々からメールをいただいていますけれども、現在物流も悪くて、この地域住民が激減しているけれども、残った方がいるんでどうしても医療を続けなきゃいけないと、そういう気持ちで頑張られているわけですね。住民が減っていますから、当然経営は成り立たないんです。特に、子供がいなくなっちゃっている、妊婦もいなくなっちゃっているから産科と小児科は大変に苦しいんです。  ようやく先週の金曜日に東電が仮払いの対象にしたという今報道に触れましたけれども、これは医療機関としてはすぐにこれお金がなくなっちゃう。それも、上限が二百五十万ということ今決まっているみたいですね。そうすると、経営がとても成り立たないんですね。そうすると、これは今地域にいる人も困ってしまいますし、もうこの方々、今医師不足ですから、どこかに行っちゃいますよ。そうしたら、もう二度とこの地域地域医療復活できないですね。これは、今後の対応について、海江田大臣、どうされますか。
  164. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) まず、今委員指摘のように七月の二十九日に東京電力が発表したということで、私も先ほどお話をしました、中小企業というその定義を四角四面に適用していたわけでございますから、それはいけないということを私も直接東電の役員に伝えたところであります。その意味では、これが七月二十九日にこれから仮払いをするというお話でございますが、いつまで掛かるか分かりませんから、これをなるべく早くするようにということはひとつ私から申し上げます。  それから、やはりこの機構の法律と、それから先ほどお話のありましたこの仮払いの法律をしっかりと通させていただいて、そして東京電力の支払のスピードなども見ながらより迅速にすべく努力をするつもりでおります。
  165. 古川俊治

    古川俊治君 より迅速な賠償をもう早期にやっていただきたいんですね。  もう一つ伺っておきますけれども、これも被災地の、被災地全体についてですけれども、やっぱり民間の医療機関、特にこれ診療所への支援が弱くて、もうみんな今の被災地では診療を諦めるしかないと、こういうやっぱり意見が多いんですね。どんどんどんどん医師がいなくなってしまう。これ、地元方々はとても不安に思っています。  先日、菅総理大臣予算委員会で、民間の医療機関についてもこれもう猶予のならない問題なので第三次補正で前向きに考慮するという御発言ありましたけれども、細川大臣、その後どういう前向きな検討がなされましたでしょうか。
  166. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 民間の医療機関につきましては、これは私どもといたしましては、まず、今、地域医療再生基金、これは被災三県それぞれ百二十億円確保いたしておりまして、ここは民間の医療機関への支援もその基金の中でお使いをいただけたらというふうに思っております。さらに、一次とそれから二次の補正予算の中では、これは福祉医療機構の融資におきまして、これは五年間無利息とかあるいは支払期間の猶予とかあるいは支払の延長とか、そういう対応を図ったところでございます。  そのほか、民間の医療機関に対しての第三次の補正予算でこれを何とかしたいということで、できたら基金のようなものをつくって、その基金を自由に使えるようなもので民間もこの応援ができるというようなことも今検討中でございます。
  167. 古川俊治

    古川俊治君 これ是非、第三次補正で進めていただかないともう本当に地域医療は崩壊しますので、是非ともお願いします。まあ前向きな検討がうそではなかったという今のお話なんで、多少はほっとしました。  これから、残された時間で一つだけ、この原子力損害賠償機構法、支援法ですね、この機構法についてちょっと疑問がある点についてただしたいんですけれども。  今、この原子力損害賠償法の三条一項ただし書、いわゆる異常に巨大な天災地変、今回の地震がこれに当たるかどうかということが一時問題になりました。政府の方はこれに当たることはないという処理で今まで来ておりまして、東京電力もその前提で今まで対応してきておりますけれども、立法当時、これは実を言うと、関東大震災の三倍ぐらいを想定しているというお話もございました。今回の地震はエネルギーで関東大震災の約百倍と言われておりますから、そうすると、この三条一項ただし書、免責事由ですね、東電の、この場合に当たってくるわけですね。今後、裁判、後日例えば東電の株主の方から裁判を起こされて裁判所で審議をされて、やっぱりこの三条一項ただし書の場合に当たる、異常に巨大な天災地変に該当すると、こういう判断が下る可能性も私はあると思っております。  その上でお聞きしますけれども、今回の実際震災でこういった原発事故が起こった、この問題について国民が本当にもう怒っているのは、実を言うと、地震はとっても大きかった、これは認めながらも、東電はすなわち対応が全然できてなかったじゃないか、津波に対する対応もなかった、あるいは地震に対する備えも十分じゃなかったと、こういうことは分かっているわけですね。そこには東電の過失があるんじゃないか。  私は、この地震による無過失責任というよりも、実は東電の過失を問うているような気がするんですね。この三条一項ただし書と民法上の過失責任が競合した場合について、これはどういう解釈になるんでしょうか。文部科学大臣、お願いします。
  168. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 今御指摘の点は、原賠法によって、三条第一のただし書では、異常に巨大な天災地変が発生をしたときに、それによって原子力事故が起こった場合には原子力事業者が免責をされることになっております。  原子力事業者は常時法令を遵守をして原子力施設の安全のために万全な対策を講じることが義務付けられておりますことから、異常に巨大な天災地変が発生した状況下において、併せて事故の発生に関係するような何らかの、何らかの不法行為を行っているという状況は一般には想定されておりません。強いて言えば、事故発生時において原子力事業者が行っていた行為に過失があり、それが天災地変による影響と合わさって事故が発生した場合で、いずれか一方の要因だけでは事故に至らなかった、あるいは事故の規模が小さくなったというような場合がありますが、そのような場合には、最終的にはこれは裁判所の判断によりますが、原賠法上も民法上も賠償責任を問われる可能性があると考えております。
  169. 古川俊治

    古川俊治君 これ、今長々と御説明いただきましたけど、実はこれ、法律学的に極めて難しい問題です。私、一時間前に、もう質問通告をしてずっとたって、一時間前にどうなったって聞いたら、答えられないと言うんですね。まだ決めていないんで、恐らくそういう仮定の場合をつくって答弁するだろうと思いましたけれども。これは解決できない問題なんですが、実際それが起こっちゃったんですね。本来であれば過失責任はこれは排除されるって当時の科学技術庁の原子力局のあれに書いてあります、本に。四条一項というあれがありますけれども、条文がありますが、そこにはこの損害を誰も負わないって書いてあるんですね、そこに。過失責任を明らかに排除しているんです。  ところが、これ、両方の関係、今の御答弁で過失責任を負うということになりますと、これから福島県でボランティア活動をやって、そこで過失を起こして、その結果何か被害を広げてしまったということがあったら、このボランティア方々責任が問われちゃうんですよ。
  170. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  171. 古川俊治

    古川俊治君 いいですか、もう時間だからやめますけれども、菅さんが先ほど総理大臣先ほど要らない話をしたからです。(発言する者あり)そうです、そうですよ。だから、それはですね……
  172. 柳田稔

    委員長柳田稔君) おまとめください。
  173. 古川俊治

    古川俊治君 いいですか、じゃ、そのことで申し上げますと、この法律はやはり問題があるんで、今後検討していただきたいと思います。  以上で私の質問を終えます。
  174. 浜田昌良

    浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日からこの原子力損害賠償支援機構法案についての参議院での委員会審議が始まりましたが、この法案は東京電力にどのように資金をつぎ込むかというお金の入口の法案でございます。しかし、幾ら東京電力にお金をつぎ込んでも、それで被害者への賠償や仮払い、つまりお金の出口が早く、幅広く、明確になるとは限らないと、そういう問題意識から、私も発議者の一人といたしまして、東京電力の賠償責任は厳しく追及しつつも、国が前面に立って仮払い救済を行う仮払い早期救済法を野党五党で議員立法を行い、先週の金曜日に成立させていただきました。    〔委員長退席、理事藤原良信君着席〕  今日はこの復興特で質問側に立っておりますが、二週間前はこの委員会で答弁側に立っておりました。当時は与党から本当に厳しい追及、国の責任をなるべく減じようという追及をいただきましたが、何とか友党の御声援いただきましてその精神を貫くことができました。皆様に厚く御礼を申し上げたいと思います。  そこで、まず総理質問したいと思っております。  東京電力による今般事故に対する仮払いの現状、個人や農林水産業中小企業等々ありますが、それはどうなっているんでしょうか、そのスピードは総理として評価されているんでしょうか。また、今回議員立法で成立いたしました仮払い早期救済法を内閣としてどのように評価いただいているのか、御答弁いただきたいと思います。総理からお願いしたいと思います。
  175. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 委員長の御指名でございますので、私からお話をさせていただきます。  まず、仮払いの状況でございますが、一つ避難を余儀なくされた方々への支払でございます。これは四月のたしか二十六日にスタートいたしましたけれども、世帯当たりでございますが、約五万五千件請求がございまして、仮払いはほとんど全世帯に行われております。掛かりました費用がこの賠償金、仮払いの金額が五百五十一億円でございます。  そして、七月五日に発表いたしました、これは個人単位の仮払いでございますが、これは請求状況がおよそ四万九千名、今の時点でございますけれども、このうちの三千名、約七億円、支払が既に行われております。これ七月二十九日の時点でございます。  それから、農林漁業でございますけれども、まず、おおむね六月末までの出荷制限、出漁制限分、これが八団体から百四十四億円請求が行われておりまして、このうち既に八団体、約六十七億円支払われています。そして、おおむね六月末までの風評被害分でございますが、これは先ほど委員会で御答弁申し上げましたけれども、八月一日、本日でございますが、二団体に対しておよそ十一億円の支払が行われております。  それから、中小企業分としましては、これは避難区域等における営業損害でおよそ六千百社から請求が来ておりますが、そのうち仮払いが終わっておりますのは五千二百社、約六十三億円と、こういう数字になっております。  それから、私からのこの議員立法の評価でございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、議員皆様方の御努力によりましてこの法律ができたことによりまして、私どもの機構法と相まってこの被害者の方々に対する賠償が迅速に確実にできるものになろうかと思っております。
  176. 浜田昌良

    浜田昌良君 総理に答弁いただけなかったのは残念でございますけれども、今、海江田大臣からこの仮払い法案については被害者の早期救済につながるという御答弁をいただきました。  立法府としてはこの法案を成立させましたが、それでおしまいというわけではありません。今後、行政府にその執行をお願いするわけでありますが、仏作って魂入れずというか、法律作って魂が入ってなきゃしようがありませんので、そういう意味では、そうならないように、本日は行政府の長たる菅内閣の閣僚に、この仮払い早期救済の魂をしっかり引き継ぐ観点からまず質問させていただきたいと思っております。  まず、文科大臣にお聞きしたいと思っておりますが、この仮払い早期救済法は七月二十九日に成立いたしまして、法施行は、当初我々は十日といたしました、十日後。といいますのは、現地の方々が一日も早く仮払いしてほしいと、特にお盆が近いと、これまでにも、全部はできなくても一部分でも結構なんですという声をいただいてこうしておりましたが、与野党の協議の中で四十五日以内といたしました。  四十五日ありますけれども、一日も早いこの準備をお願いしたいんですが、その準備状況、例えば担当部局はもう決めていただいたんでしょうか。主務大臣も、文科大臣だけじゃなくてその他の事業所管大臣も追加できるようにいたしました。その検討状況についてまず御答弁いただきたいと思います。
  177. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 浜田委員にお答えをいたします。  先ほどの御指摘でございますが、委員におかれても、この件についてのいろいろな御議論、本当に、また修正協議等々について御尽力いただきました。敬意を表したいと思っております。  その上で、この今回の事故における損害賠償というのは極めて広い範囲にわたっておりまして、私のほかに損害を受けた事業者を所管する大臣等が幅広くおられます。したがいまして、これは政令で定めることになっております主務大臣について、これは早急に確定しなきゃなりません。したがいまして、円滑な賠償が進むためにも、政府部内の協力体制、これをしっかり構築していくことが不可欠でございます。今、既に関係省庁間で必要な打合せ、調整を始めておりまして、できるだけ早く仮払いの体制が可能になるように最善の努力をしているところでございます。
  178. 浜田昌良

    浜田昌良君 今、文科大臣から御答弁いただいたんですが、関係省庁間で打合せをしている暇はもうないんですよ。もう被害に遭われている方は、本当に一日も早くと、そういう思いなんです。この法案自身も成立は先週の金曜日ですけれども、衆議院段階では七月二十五日には合意しているわけですから、もう目に見えていたわけです。一週間たっているんです。この一週間、何をしていたんでしょうか。  まず、文科大臣にお聞きしたい。  三・一一で震災があって、特に福島原発、損害賠償の被害については、これは文科大臣の所掌事務というのは明確に書いてある。この福島の現地に今まで何回行っていただいたんでしょうか。
  179. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 国会等の日程もございますが、私として福島に赴いたのは三月二十七日、福島県知事あるいは教育長、そしていわゆるサイトの作業員が働いておる、そういう被曝医療の福島県立医科大学、あるいは被災を受けた福島大学等々に行ってまいりました。
  180. 浜田昌良

    浜田昌良君 今、三月二十七日という、震災直後に一回行っただけ、その後被害が本当に広がって、この仮払いが、本当に早くしてほしいという声が今高まっているんですよ。そういう意味では、今回仮払い法案の主務大臣になったわけですから、早くもう一度訪問していただいて現地の窮状を直接大臣に聞いていただきたい、それをお願いしたいと思っております。  次に、この法案で、与野党協議で最後までもめましたのは国と東京電力の役割分担の問題でございました。与党は東京電力に仮払いを任せた方が迅速になると言い張った、本当でしょうか。先ほども同僚議員から質問ございましたように、三十キロ圏内の中小企業は不十分ながらも仮払いは開始いたしましたが、四か月以上がたつのに、学校法人、社会福祉法人、医療法人の仮払いは放置されていた。この役割分担については法律の三条の政令で書き分けると。つまり、東京電力の速やかにかつ高い比率での仮払いが期待できる分野は東京電力に任せようと、それ以外は国が全部責任を持ちますと、こういうことで与野党協議がまとまったわけでございます。  そこで、主務大臣たる文科大臣にお聞きしますが、じゃどういう分野が東京電力の速やかかつ高い比率での仮払いが期待できない、つまり国が仮払いを早く準備すると、そうしなきゃいけない分野だと認識されているんでしょうか。
  181. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 今委員御承知のとおり、いわゆる仮払いとともに、いわゆる損害の範囲の判定の指針を作るべく、鋭意審査会では議論をしていただいておりまして、早くこれもまとめていただかなきゃなりません。それといわゆる並行した形で東京電力は、審査会が定めた指針を踏まえて、まずは避難住民方々、そして農林漁業者の方々あるいは中小企業方々に対して仮払いを進めております。今後も東京電力が今回の経緯も踏まえて広範な損害賠償を行うことを私は期待をしております。  しかし、国といたしましても、そのような仮払いの状況を十分見守りながら、東京電力による仮払いが進まない範囲、これを早くチェックをし、見出さなきゃならぬと思っております。そのような範囲については、いわゆる法律の第三条の趣旨も踏まえまして適切な支払ができるように、まさに御指摘のとおり被災者の方は日々の問題でございます、我々、そのことを念頭に置きながら責任を持って仮払いが行われるような体制の確立、そして必要な政令の制定についても早く行う予定でございます。
  182. 浜田昌良

    浜田昌良君 全く答弁が抽象的ですよ。それはなぜかというと、現地をやっぱり訪問していないからですよ。現地に行って皆様の声を聞いていただきたい。  こういう声もいただきました。私の地元、神奈川の大和市の御婦人の声ですけれども、プラントメーカー社員として東京電力福島原発に勤務されていた御主人が亡くなりまして、大学生の娘さんと中学三年生の息子さんの教育費に充てていた原発七キロ圏内の双葉町にあるアパートの家賃収入がゼロになったと。それで、東京電力に対して不動産からの入金を証明する通帳のコピーや確定申告の写しを添付して東京電力に損害賠償申請をしたけれども、何と言ったか、東京電力は。お住まいになっている神奈川県大和市は三十キロ圏外であるために支払できませんと言ったんですよ。これが実態なんですよ。  こういう結果として迅速な仮払いが行われていない場合についても国が責任を持って二分の一以上を仮払いすると明確に御答弁いただきたいと思います。
  183. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 制定されました仮払い法案の趣旨を踏まえて、これは責任を持って、政令によって算出される原子力損害の概算額の二分の一以上の仮払いを行うことになります。
  184. 浜田昌良

    浜田昌良君 具体論に移りたいと思います。  今、福島の観光地が悲鳴が上がっています。本年四月から六月までの会津若松の修学旅行生、前年比僅か百分の一ですよ、九九%減。会津若松というと、白虎隊の史跡があり、野口英世記念館があって、裏磐梯の自然があると。まさに高校生の憧れの地だった。それが今回の風評被害で厳しい状況。福島のサクランボ狩りも例年の一割、つまり九割減という状況でございます。福島県の旅館ホテル同業組合六百三十施設だけで六月末までのキャンセルが六十八万人、七十四億円に上っていると。廃業した旅館も出ております。組合に加盟していない施設もこれ以外に千七百施設もあると。  そこで、ホテル、旅館、観光施設を始め観光事業を所管されている国土交通大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、福島県の観光業の風評被害の仮払いはどうなっているんでしょうか。この紛争審査会の指針、五月三十一日に出ました二次指針では福島の観光は風評被害に当たると明確になって、もう二か月以上たっているわけですよ。一体仮払いがなぜできてないのか。今まで国土交通省、観光庁はそれを促進するためにどういう役割を果たしてきたんでしょうか。明確に答弁いただきたいと思います。
  185. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 浜田議員からの御質問にお答えを申し上げます。  ただいまの御指摘でございますが、私たちも観光業の方々が大変な状況にあるということは、東北のおかみさん会等のお話を直接伺いながらも把握しているところであります。  そこで、この被害に対する風評被害は、今御指摘のように、五月三十一日の原子力損害賠償紛争審査会でこの風評被害も原子力損害賠償の対象になると、こういうことが示されましたので、関係の方々と話をしながらこの風評被害の要求を出すと、こういうことで今まで準備をしてまいりました。そこで、今回、法律が制定されまして、私ども国土交通省の所管は国土交通大臣責任を持ってやると、こういうことになりましたので、現在、観光庁を中心としてその状況の把握に努めながら、できるだけ早く仮払いができるようにしたいと思います。  なお、被災された方々仮設住宅ができるまでの間旅館等で過ごしていただきたいと、こういうことをお願いしまして、これは厚生労働省の方で認可いただきまして、旅館等にもお願いをして引き受けていただいているところでありますが、さらに、今回の長引く風評被害対策のために、国土交通省としても、被害を受けている旅館あるいは地域の観光の方々お話をいただきながらこの被害額をまとめて、そしてできるだけ早く、その今仕組みをつくっているということでありますけれども、それにのせるように全力で当たってまいりたいと思います。
  186. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。  大畠大臣は働く人の気持ちが分かる大臣と期待しておりますので、是非、観光全てが大変だと思いますけれども、旅館、ホテルという、まず限定的に、もう一番困っている方から始めて、最終的には国が責任持っているんですから、そういう五月雨で結構でございます、迅速な対応をお願いしたいと思っております。  次に、セシウム汚染肉牛の問題でございます。これにつきましては、公明党として七月二十七日に大臣に申入れさせていただきました。そしてその際、全頭検査とお願いいたしまして、検査方法も少し工夫していただいて全頭検査体制つくっていただいた、これは厚く御礼申し上げたいと思っております。  あわせて、この全頭買上げの問題でございます。これについては、なかなか政府が動かないという中にあって、もう福島県が待ち切れないということで、既に二十八日にこの全頭買上げの措置を決定いたしました。  是非、国としてこの全頭買上げを早く決めてほしい。そして無理であるならば、もう県が始めておりますので、これに対応するために今回の仮払い早期救済法案というのが、県が行ったものに対する基金があるんですよ。この基金予算をもう多く、財務大臣が予備費で対応するとおっしゃっていますから、この県の費用は今回合わせて約二十七億円掛かっているんですね。これを含め、今後の費用等については予備費で農水大臣財務大臣に請求していただいて、閣議決定すればすぐ県に出せますので、この決定をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。    〔理事藤原良信君退席、委員長着席〕
  187. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今先生がお触れになりました福島県でございますけれども、いわゆる出荷の時期を逸した、すなわち出荷の適期を超過した肉牛につきまして買上げをするという措置を講じたわけでございますけれども、私どもといたしまして、この福島県の考え方に沿ってどういう支援ができるかと今詰めさせていただいているところでございます。  そしてまた、いわゆる全頭・全戸検査のことにつきましては、そういう計画が出れば出荷制限の解除というようなことにもつながるわけでありますので、そういう体制ができるように、これからも私どもとしてはできるだけの努力をしてまいりたいと思っております。
  188. 浜田昌良

    浜田昌良君 できるだけ努力では済まない状況になっていまして、これは七月二十八日の福島地元紙、福島民友の社説なんですね。どう書いてあるかというと、そもそもこの問題はほかの農林水産物の汚染とは事情が異なる、福島第一原発事故後、農水省は事故前に刈り取り、屋内で保管していた飼料を使うよう関係県に通知したが、その際に、稲わらの扱いを明記しなかったことが混乱を招いた、対応策はいずれも業界団体が実施し、掛かった費用は最終的に東京電力に賠償請求するというが、これでは東電への丸投げではないかという批判が出るのは当然と言えようと、こう言っているんですよ。  そこで、この肉牛の問題は、もはや福島県にとどまっておりません。風評被害を含めて全国に広がっている。肉牛のこの暴落の状況を見てみましたが、岩手県ではキロ千八百七十円が最大五百五十四円の七〇%下落と、宮城県は六六%等々続いておりまして、今回セシウム汚染稲わらが流通していなかった千葉県でも五〇%下がっているんですよ。  しかし、今言いましたように、国の関与もあったということで、なかなか東京電力の、じゃ仮払いすぐされるのかという懸念もあるわけでございまして、そういうことから、国の責任又は東京電力の責任と言う前に、もはや国自身が仮払いをしていただいて、このセシウム汚染牛の風評被害については、必要なものは後から東京電力に求償すればいいんですから、そういう対応を是非願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  189. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 二十九日の日でございますけれども、審査会に対しまして今日の状況につきまして、私、農林水産省の方から説明の方をさせていただいたところでございますけれども、今先生御指摘のとおりに、今後、仮払い法も踏まえ、生産者等への損害賠償が早急に適切に行われるようにこれからもあらゆる努力をしてまいりたいと思っております。
  190. 浜田昌良

    浜田昌良君 是非、せっかく作った法律で、執行が任されておりますので、その活用を早期救済という観点からお願いしたいと思っております。  以上で仮払い関係は終わりますので、ここで農水大臣国土交通大臣は御退席いただいて結構でございます。  次に、福島特別立法について総理にお聞きしたいと思っておりますが、これにつきましては、五月十四日、福島県知事から、原子力損害賠償法の範囲には限界がある、原子力被害からの復興を図るために特別法をという要請に対しまして、総理は特別立法で国が責任を持って行うと明言したことが各紙で報道されております。  じゃ、どのような特別立法を考えておられるのでしょうか。それとも、今この委員会で審議されておりますこの原子力の損害賠償の支援機構が総理のおっしゃる特別立法なんでしょうか。明快に御答弁いただきたいと思います。
  191. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今般の事故に伴う損害賠償については、原子力損害賠償法の枠組みだけでは対応できない問題があると認識をしております。このために、今御審議いただいている新たなこの原子力損害賠償支援機構法の制定をお願いをいたしているところです。委員指摘の特別立法はこの支援機構法という形で形作られたと、こう認識しております。
  192. 浜田昌良

    浜田昌良君 この支援機構法は福島県知事が言っている特別立法じゃないですよ。なぜかというと、この支援機構法というのはあくまで原賠法の指針の中の範囲なんですよ。それじゃできないと、原賠法じゃ狭いと言って特別立法をお願いしているのに、それじゃ全く答えになっていないんですよ。  なぜ今特別立法が必要なのか。大きな人口移動が起きています。福島県から県外への避難者は七月十四日現在四万六千人、県の人口のもう二・三%ですよ。厳しいのが子供たち県外移転でございます。事故以降、福島県から幼稚園、小中高の県外流出は五月一日現在で九千九百九十八人と、県内の転校五千四百七十三名の二倍なんですよ。これは非常に異常な状況で、ほかの岩手や宮城の場合は県外よりも県内が多いんですよ。県外は二分の一以下。福島の場合はそれが二倍以上。特に転出が著しいのは乳幼児でありまして、最近のデータでは、原発から六十キロ離れた福島市でも保育園児の三・七%が転出しているということでございます。  一方、福島県は子供たちの健康を重視している県でございまして、現状でも中学卒業まで医療費無料化となっている市町村が四分の三以上なんですね。全国平均の三割弱を大幅に上回っています。例えば、大玉村というんでしょうか、ここでは高卒まで無料化しようという動きもあるくらいと。しかし、原発被害を受けたこの市町村、税収がどんどん落ち込んでいる。医療費無料化にする財源もなくなってきている。  そこで、本当に国としては、厚労大臣にお願いしたいと思うんですけれども、この支援をお願いしたいと。もうこれは答弁いいですよ。大した財源じゃないんです。福島県の中学生の医療費無料化する費用というのは四十四億円でできるんですよ。高校生まで上げたって十数億円足せばいいと、その程度の予算なんですよ。子供たちの安心のためです。  あわせて、福島県からの県外流出は子供たちだけじゃなくて新規就職者にも起きようとしております。  七月八日に公表されました来年三月の高校新卒の求人状況、全国は九%減に対しまして、何と福島県は四一%減でございます。昨年は高卒就職者五千一名中約八割の三千八百八十七名が県内就職できましたけれども、このままでは福島復興を担うべき人材の多くが県外流出してしまう、何とか対策取れないかと、こういう声を地元の県会議員からいただきました。  そこで、こういう案があるんです。厚労大臣が担当されています求職者支援制度、これは、実は、元々は訓練・生活給付金と言っていまして、自公政権のときに公明党が提案したものなんですね。つまり、雇用保険に入っていない若者でも訓練を受けながら生活費月十万円いただけると。この制度をつくりました。政権交代ありまして、当初、民主党政権、この予算を半減しましたけれども、効果があるということでこれ延長して今回恒久化されました。この努力は多としたいと思っていますが、その結果、今までに三十万人が利用して、七割の就職につながっているんですよ。  それで、この福島県高校新卒四千名の就職希望者、県内に求人がないなら県内で一年間スキルアップしてもらおう、月十万もらいながらということで、この求職者支援制度の福島枠をつくってほしいという、こういう声なんですよ。  しかし、障害があるんです。何かというと、この支給要件に世帯の金融資産要件というのがありまして、三百万円の貯金があったらこれ受けられないんですよ。しかし、震災時ですから、そんな貯金関係ないじゃないですか。また、世帯の月収要件も二十五万円以上あったら駄目と。そういう要件を取っ払って、是非特例的に福島県内の高校生の人たちがこの制度を弾力的に使えるように、厚労大臣の明快な答弁いただきたいと思います。
  193. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 福島の来年春の高校生の就職というのが大変厳しいということを私どもも心配をいたしておりまして、今月から被災地の就職の求人の方のあれで各企業に要請をいたしております。また、私と文科大臣で企業の方に、これ二百五十七の経済団体に、例えば首都圏で企業があれば、その支店とか工場とかそういうのが福島にあるという、そういう方には是非その募集をしてほしいというような趣旨の要請もいたしました。そしてまた、政務官も、厚労と文科の政務官が直接出向くというようなことで、高校生の来年の春の就職ができるだけ地元でできるようにということで私どもも努力をいたしております。  そこで、この求職者支援法の弾力的な運用ということの御意見でございます。現在も不動産の所有などについて、これは弾力的に運用をいたしておりまして、これは求職者制度、十月からの制度についても同じように弾力的に適用しようというふうに思って、したがって来年もこれはやっていこうというふうに思っております。  いろいろ先ほどの二十五万の世帯の収入とか、なかなか収入があるところでこれを、更にお金を出してということができるかどうかという問題、これいろいろ問題もございますけれども、しかし、私どもは来年春の高校生が就職ができるように、就職できないときにはいろんな形で就職のできるような職業訓練とか、そういうところにできるだけ配慮した積極的な対応をしてまいりたいと、このように考えております。
  194. 浜田昌良

    浜田昌良君 是非、その弾力的対応を早く決めていただきたい。高校生の卒業生はこの九月ぐらいから就職活動を決めなきゃいけない。県内になければ県外に探すというんじゃなくて、県内にとどまっても一年間しっかりスキルアップできると、そういう要件も緩和されるということの発表を是非九月までにお願いしたいと思います。  次に、福島県は有数の農業県でもあります。そういう意味では、農業高校が八校ありまして、その卒業生が九百名おられるんですね。農業高校の卒業生に急にITだ、また介護といってもそういう分野に転出できないし、また作付け制限という問題もあると。よって、この卒業生をどうするかという問題があるんですが、地域地域ですばらしい今取組が進んでおります。  これ、山梨県なんですが、山梨県が東日本大震災被災者支援事業というのを検討しております。これ何かというと、山梨県の北杜市で農業生産法人を設立している菅原文太さんと、俳優の、また子供たちの再スタートを支援している夜回り先生水谷修さん、高校の同級生なんですが、この二人と連携して、福島子供たちに有機農業のトライアルや山梨県立農業学校への受入れなどをしようと、こういう地域地域取組があるんですね。こういう動きを、まず総理は御存じでしょうか。  あわせて、岩手や宮城というのは同じように農業高校も多いですし、水産高校もあります。ここの子供たちを農業、水産業のインターンシップとして、国としても、県の取組だけじゃなくてしっかりと拡大支援すべきと思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
  195. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 浜田議員から御質問をいただくということになりまして、少し状況を聞いてまいりました。おっしゃるように、菅原文太さん、水谷修さんたちが今御指摘のような活動をされていると、そのときに改めて承知したわけです。  私も以前、たしか篠原農林副大臣から、フランスにおいて若い人を、たしか三年ないし五年間研修を受けて、その人たちが非常に定着をして、農業人口の中で若者の占める割合が非常に高くなったと、是非日本でもそれをやろうじゃないかという提案をいただきました。そういったことも含めて、大変有意義な活動であり、有意義な提案だと考えております。
  196. 浜田昌良

    浜田昌良君 有意義と御評価いただくだけじゃなくて、国としての支援もしっかりお願いしたいと思っております。こういう地域の知恵、重要と思っておりますが、その知恵を発揮するためにも地域の財源が必要なんですね。  そこで、この財源論に移りたいと思っておりますが、福島県には今まで電源立地交付金が毎年約百四十億円交付されておりました。これがどうなるんだろうという不安があるわけです。同額を今後とも長期的に保証してほしい、恒久化してほしいと、こういう声があります。またあわせて、それにとどまらず、福島県が独自の知恵で、賠償だけじゃなくて今後復興していく上でいろんな事業をしていきたい、そのためにそれに数倍する財源を是非、今回この支援機構法でも原子力損害賠償支援勘定、せっかくできるわけでございますから、そういうものを使って毎年福島の長期復興のために保証すべきではないかと思いますが、海江田大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  197. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 浜田委員にお答えをいたします。  浜田委員からは二点お尋ねありましたが、まず後段のお話でございますが、これは今般新設されます原子力損害賠償支援勘定、これは残念ながら福島復興のためのお金には使えないような仕組みになっております、あくまでも賠償を支援をするということでございますので。  最初の電源立地交付金でございます。これ福島県に百四十億円ということでございますが、これの今後ということにつきましては、今ちょうどエネルギー政策、原子力を含む今後のエネルギー政策について議論が始まったところでございますので、この中で考えていこうということでございます。予断なく考えてまいります。
  198. 浜田昌良

    浜田昌良君 是非、電源立地交付金の恒久化とともに、確かに現状の原子力損害賠償支援勘定というのは二兆円の交付国債を返すための勘定でありますけれども、今後、電源開発促進税、税法を変えていけば勘定はそこにできるわけですから、福島復興に使えるので、そういう観点からの御検討をいただきたいと思っておりますし、じゃ、その財源はどうするんだという観点で次の質問に移りたいと思いますが、それは、この電源開発促進税の財源、年間三千億あるんですが、その大きな使途が今、いわゆる高速増殖炉「もんじゅ」に使われております。これにつきましては、七月十五日の高木大臣の記者会見での発言、また総理の七月二十五日の予算委員会での答弁によりまして、これを見直そうという声も出てきているわけです。これについては、毎年四百億円以上、独立法人日本原子力研究開発機構の運営交付金としても一千億以上掛けているんですね、毎年。これをかなり縮小すれば大きな財源が出るわけです。  しかし、確かに研究を中断していいのかという声もあります。これは国際協力すればいいんですね。高速増殖炉については、フランスも中国もインドも研究しております。今後はODA予算を使いながら一般会計で研究、協力すればいいですし、地元経済については、廃炉に二千億円掛かるという話もあります。であるならば、二十年掛けて毎年百億でやっていけばいいと、そういう声もありますので、この財源を使う、福島復興に使うと、そういうことを検討してはいかがかと思いますが、総理の御見解をお聞きしたいと思います。総理、お願いします。
  199. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 高速増殖炉サイクルの話が出ましたので、私からまずは答えてまいります。  このエネルギーの資源の乏しい我が国、今のウラニウム資源をできるだけ効率的に使って、そしてしかも高レベル、低レベルも含めて廃棄物を少なくすると、こういうある意味では夢のような研究がこの高速増殖炉サイクルだと私は認識をしております。  しかし、この高速増殖炉サイクルの在り方については、今回、こういう原子力発電所の事故もありました。これを踏まえて、私たちとしては、今、政府としてエネルギー・環境会議ということで革新的エネルギーの環境戦略というものを中間的な整理をしました。それには、まず今回の事故の徹底的な検証、そしてエネルギーをめぐる我が国の状況あるいは再生可能エネルギーの普及状況、また諸外国の取組状況、今も共同開発の話がございましたが、厳しい国際交渉であります。  私たちとしては、そういうものを含めて、総合的にエネルギーのベストミックスの検討を進める中で、しっかり地元理解、協力もいただいておりますが、こういうことも配慮しながらしっかり議論を行っていくべきものだと思っております。
  200. 浜田昌良

    浜田昌良君 議論を行っていくって、はっきりとどうするかって答えていただきたいと思いますね。  なかなか総理にお答えいただけないので、次に総理にお聞きしたいと思いますが。  つまり、今までの話は福島特別立法を作ってはどうかという私の提案なんです。つまり、財源を明確にしようと。これだけ子供たちが流出するのを防ぐためには単年度予算じゃ駄目だと、長期の方針が要る。財源を明確化すると。二番目には、長期的な包括的な政策をする。住民支援、医療費の無料化、長期健康管理、雇用保険の特例、また奨学金の特例、そして産業支援としては特区による研究産業支援や事業創造、そして移転抑制、立地促進税、そして国と地方の協議の場をつくっていく。定期協議による規制緩和や立法をしていくと。これは沖縄振興法の例もありますように、復興協議会や十年計画、審議会というものでございます。  この福島特別立法につきましては、実はこの復興構想会議の基本方針が先週金曜日に出ました。実は、その原案一週間前までにはこの特別立法の言葉はなかったんですよ。おかしいということで、我が党は先週の木曜日、前日二十八日に政調会長から復興担当大臣に申入れをいたしまして、一行こういう表現が入りました。国は、地域再生、損害賠償を始め復興に向けた十分な対策を講じるために法的措置を含めた検討を行い、早急に結論を得る、この法的措置を含めた検討を行いという表現は一週間前はありませんでした。我が党が強硬に申し入れて入りました。  そういう意味では、菅総理にもう一度お聞きします。この福島特別立法については、こういう曖昧な表現じゃなくて作ると、作れと是非明言いただきたい。もう一度答弁お願いします。
  201. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 先ほどのときの議論は、過去の議論も含めて原賠法に関係しましたが、今御指摘がありました基本方針では、そうした文言が御党の強い主張も含めて盛り込まれたところで、私は大変盛り込まれてよかったと思っております。  つまりは、この原子力事故が起きた福島については、いずれにしても改めてきちんとした議論の場をつくることになっておりますし、そのときに検討すべきこととしては、今提案がありました法的な措置も含めて、どのようにしてこの福島を、地震、津波ばかりではなく、この原子力事故の問題からいかに再生させていくか。それには特別な法的措置も必要になることは十分考えられます。そういった意味では、御提案のことについては積極的に受け止めさせていただきたいと、このように思っております。
  202. 浜田昌良

    浜田昌良君 積極的に受け止めさせていただくという前向きな答弁をいただきましたので、是非願いしたいと思っております。  我が党といたしましては、この特別立法プロジェクトチームを先週二十八日につくりまして、第一回目を八月八日、現地の郡山で行います。担当国会議員が八名現地に集まりまして、そして地元の県会議員福島市の市会議員、郡山の市会議員、そして先ほど議論しました会津若松の本当に観光とかで苦労している市会議員も集まって、地元の知恵で法律を作ろう、この今、震災の異常時に一番必要なのはネットワークの力です。地元の声をいかに早く国会に届けるか、まさに我が党の底力だと思っております。そういう意味では、この特別立法につきましては各党各派の今後の御協力お願いいたしまして、次にこの支援機構法案の方に移りたいと思います。  まず、今回の支援機構法案、衆議院段階で協議をしていただいて、すばらしく修正いただきました。今回の修正の趣旨というのは、一つは国の責任を明確化する、あわせて、東京電力の経営者、また株主、そして債権者の責任を明確化すると、そういう点でございます。そして、それがどのように条文に盛り込まれたのか、そして盛り込まれた条文に対して今後立法府から行政府にどのような期待をするのか、この点につきまして修正案の発議者から明快な答弁をいただきたいと思います。
  203. 佐藤茂樹

    衆議院議員佐藤茂樹君) 御質問いただき、ありがとうございます。  修正案、今まさに浜田委員におっしゃっていただきましたように、国の責任の明確化、また東電の経営者の責任の明確化、さらには株主を始めとした利害関係者責任の明確化ということをより明らかにしようということで、我々は修正をさせていただきました。  まず第一に、国の責任の明確化につきましては、修正第二条におきまして国の責務を追加いたしまして、国にはこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的責任があることを明記し、賠償支援スキームに関し国が万全の措置を講ずるものと規定をいたしました。  さらには、修正第五十一条においては、この社会的責任に鑑み、原子力損害の賠償に関し国として一定の負担を負うべく、機構に対する資金の交付の規定を設けました。  さらに、修正附則第六条におきまして、原子力損害の賠償に係る制度における国の責任の在り方等について、原子力損害賠償法の改正も含め抜本的に見直すこととし、その旨を検討条項において規定しているところでございます。  第二に、経営者の責任の明確化について、東電の経営責任ですね。原案においても特別事業計画の記載事項とされているところですけれども、さらに、修正附則第三条第二項において明確に、法施行前に生じた原子力損害に関し資金援助を機構に申し込む原子力事業者、これは東京電力のことですが、この東京電力に対し経営の合理化及び経営責任の明確化を徹底して行うことを求める規定を設けさせていただきました。  第三に、株主、債権者の責任の明確化につきましては、三段階ございまして、まず修正第四十五条第三項において、特別事業計画作成の際、原子力事業者による関係者に対する協力の要請が適切かつ十分なものであるかどうかを機構が確認する旨の規定を設けさせていただきました。  第二段階としては、修正附則第三条第二項において、法施行前に生じた原子力損害に関し資金援助を機構に申し込む原子力事業者は、株主その他の利害関係者に対し必要な協力を求めなければならない旨の規定を設けさせていただきました。  第三に、附則第六条第二項において、政府は、この法律の施行後早期に、株主その他の利害関係者の負担の在り方等を含め、国民負担を最小化する観点からこの法律の施行状況について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする規定を設けさせていただきました。  この東電の徹底した合理化と経営責任を求めていくことはもちろんでございますが、株主や金融機関など利害関係者の負担の在り方も、国民負担の最小化を図るという観点から、今後、立法府としても十分な監視と追及が必要であると、そのように私どもは考えております。  政府に対しては、このような立法者の意思を尊重していただいて、それぞれの今申し上げました修正案の趣旨を十分に理解し、国の社会的責任を果たすべく、誠実な法律の施行を望んでまいりたいと、そのように考えております。
  204. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。  国の責任、そして東京電力の経営者や株主、そして債権者の責任、そして、一番重要なのはやはり国民負担をいかに縮小していくか、この精神がしっかりと条文修正という形で盛り込まれた、このことを高く評価したいと思っております。  あわせて、参議院段階で幾つか確認したい点がございます。  一つは、この六条一項、六条二項でいわゆる見直し規定があるわけですが、この六条一項で原賠法、原子力損害賠償法を見直すというときに、今回我々が議員立法で仮払い法を作らなきゃいけなかった、この仮払いという仕組みをしっかりと原賠法の中で盛り込むということはいかがかという点が一点。  もう一点は、この附則六条二項において、附則六条一項の検討は一年を目途というのが附帯決議で確認されている。六条二項というのは、全体の国の責任を含めた負担関係をもう一遍見直しをするということについては期限が附帯決議でも決まっていない。これについても二年を目途にやるべきじゃないかと。  この二点について、それぞれ文科大臣と経産大臣に御答弁いただきたいと思います。簡潔にお願いします。
  205. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 高木文部科学大臣、簡潔にお願いいたします。
  206. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 仮払いの法定化でございますけれども、原賠法の見直しについては、まずは事態の収束あるいは被害者救済に全力を挙げる、これがまず第一である。その後、修正後の原子力損害賠償支援機構法案の附則第六条の一項に記載されておりますように、今般の原子力事故の原因の検証など、しっかり国の責任の在り方について検討することが必要と考えておりまして、原賠法の中での仮払いの法定化というのもその中でしっかり検討してまいりたいと思っています。
  207. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 御提案の件はしかと受け止めさせていただきます。
  208. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。  まさに今回の仮払い法案、またこの支援機構法の改正というのは、私はこのねじれ国会の効用だと思っております。ねじれ国会というのは決して物事を遅らせるんじゃなくて、与党がなかなか、内閣法制局であったり、また役所中の役所である財務省のくびきから出れないというのであれば、そこから距離を置いた野党が条文修正を提案し、また議員立法を提案し、そしてそれを通していくと。そういう意味では、これからの国会、ねじれ国会の効用をしっかり発揮していく、そのことをお誓いしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  209. 柳田稔

    委員長柳田稔君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、山根隆治君が委員辞任され、その補欠として大野元裕君が選任されました。     ─────────────
  210. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太です。  原子力損害賠償支援機構法案、閣議決定された六月十四日の翌日、十五日、私は国会議員として初めて国会で本法案について質問させていただきました。たしかそのときは、まだ本院で復興基本法案について話し合われたときだったと思うんですけれども、なぜその基本法案を通り越してまでこの原子力損害賠償支援機構法案、これについて質疑をせざるを得なかったか。それは、この法案の中身を読んだ瞬間に、私は本当に背筋が凍るような恐怖心を感じてしまったからでございます。こんな法案、絶対に通しちゃいけない、このように私は思いました。  私は、多くの例えば経営者仲間、この国は資本主義の法治国家だと信じて必死にそのルールに従って、リスクを自分たちで取って起業したり会社を経営したりしてきたりしているわけです。それが覆されてしまうんじゃないかなと私は思ってしまいました。こんな状況が続いたら、菅総理、将来的には日本にはまともな経営者が残らなくなってしまうと私は思っております。  つまり、これは単純に東電の救済スキームという側面だけではなくて、今後の日本の在り方を間違った方向へ誘導してしまうような、そういう法案じゃないかなというふうに私は感じております。是非それを皆さんにも共有していただければと思います。  さて、海江田大臣は覚えていらっしゃると思いますが、この法案を話し合うに当たって、私、何回かT君というお話をさせていただきました。覚えていらっしゃいますか。この損害賠償機構法案がどんな法案なのか分からない国民皆さんも多いと思いますので、本日はもう一度そのT君を例に出してお話菅総理ともさせていただきたいと思います。これはあくまでもイメージですけれども、今日はパネルも作りましたので、是非国民の皆さんにも御覧になっていただければと思います。(資料提示)  菅総理、想像してください。想像だけで結構です。菅総理、頭のいい方ですから全部分かると思います。  ある町にT君という方がいると想像してください。そのT君は、周りから危険だ、危険かもしれないよと言われている車にずっと乗っていました。同乗者もいました。助手席にも後ろの後部座席にも同乗者がいて、もしかしたらこの車危険かもしれないなと思いながらも、それについてあえて何も言わなかった。T君と一緒に車をいつも飛ばしていました。ところが、ある日、T君がやはり大事故を起こしてしまうんです。住宅街に突っ込んでいってしまい、多くの家を壊してしまい、けが人も出してしまいました。  さあ、T君は困りました。賠償金を払わなくてはいけません。しかし、T君は最初の方から、もう私にはそんな賠償金を払うお金がないですと言い始めました。そんなところへ町の偉い人が突然ふっと出てきまして、よし分かった、T君、じゃこうしよう、ほかの町に住んでいてT君と同じような車に乗っているK君とかC君とかS君、そういう人たちにお金を出してもらいましょう、それを賠償金に充てましょうと言い出します。  もうそれだけでもおかしいなというふうに思いますよね。最初から保険に入っていて積立てがあって、それを使うというんだったら分かりますけれども、事故が起こった後にそういうことを言い出す。  そして、二つ目におかしなことをまた言い出します、その町の偉い人は。T君と一緒に乗っていた仲間、助手席に乗っていた人、後部座席に乗っていた人、ある意味では経営者であったり、場合によっては利権絡みの政治家かもしれません、こういう人たちも守ろうと言い出します。  そして、また三つ目におかしいことを言い出します。それは、T君がその車を買うに当たってお金を出したり貸したりしていた人たちがいる、そういう人たちのそのお金も守ってあげましょうと言うわけです。  そして、さらにさらに、今度、T君が実は資産家だったんです。お金をたくさん持っていました。財産をたくさん隠し持っていました。それも賠償金に充てなくていいと言い出す。  そして、最終的には、ほかの町の住民も含めて全員でT君を守ろうよとその偉い人は言い出して、これが一番変な話だと私は思うんですが、実際被害に遭った方々、けがをした人たち、その人たちも自分たちで自分たちの賠償金を払っているような形になってしまう、そういうスキームになってしまった。つまり、電力料金値上げや増税、交付国債、これによって自分たちが、やっぱりちょっとずつ住民が、自分たちが払ってもらう賠償金、被害者がそれを払ってもらう、ほかの町の人たちもそれを払わなくちゃいけない、これが私はこの法案じゃないかなというふうに感じております。  こんなばかな法案、私は通してしまってよいわけはないというふうに思っております。(発言する者あり)あくまでもイメージだという話をしました。正直言って、こんなむちゃくちゃな法案は、自民党やほかの政党も一緒になって私は反対してくれるものだというふうに信じておりました。しかし、残念ながら、衆議院ではその自民党と公明党も民主党と一緒になってこの法案を通してしまった。非常に残念です。しかし、この良識の府参議院では、この法案の危険性に気付き、私どもみんなの党が提出する修正案、これに御賛同いただける国会議員方々もいると信じて、質問に入らせていただきます。  政府・民主党、自民党の修正案の提出者である元経産省官僚の西村議員、まず西村議員にお聞きします。  元々の政府案でたしか閣議決定されたものでも、債務超過にさせないという言葉があったと思いますが、これがまた明確に表示されたと思うんですが、この修正案によって、東電は債務超過になることもあり得る、若しくは破綻処理もあり得ると、こういうことになったというふうに御認識でいらっしゃいますでしょうか。お答えいただければと思います。はいかいいえでお答えいただければと思います。
  211. 西村康稔

    衆議院議員(西村康稔君) 松田委員にお答えをいたします。  現時点では東京電力が債務超過に陥ることは想定をしておりません。これは、第一に賠償を優先して進める、迅速に確実に賠償をまず進めるという観点から東電には頑張っていただくと。先ほどの例でいいますと、偉い人が誰かはよく分かりませんけれども、Tさんも含めて、偉い人も含めて、これはけがをした人たちにまず賠償を最大限早く確実に進めるということを優先をしたいと思います。  ただ、将来、その賠償額、今の段階ではまだ福島第一も冷温停止しておりませんし、つまり何らかの形で被害がまだ拡大をする可能性もありますので、冷温停止をし、そして賠償額のおおよそも見えてくる、あるいはその賠償の実施の状況も分かってくる、そうしたことが分かってきた段階で、それでは、これまで一応ほかの町からもお金を一旦使ったとしても、あるいは偉い人がお金を出したとしても、その負担をどう分かち合うかはその時点で判断しましょう、したがって、その車に乗っている同乗者であったり、Tさん自身が財産を持っている、これはもう今の段階からそれは徹底的にTさんには払ってもらいますけれども、あるいは貸している方々含めて、その段階国民負担、つまり被災者も含めて国民の負担が最小になるように最も適切な解をその段階で考えましょうと、今は賠償を優先しようというのが今回の修正案であります。
  212. 松田公太

    ○松田公太君 今のお話では、現時点ではない、しかし将来的にはそれも債務超過で破綻処理もあり得るというお話だったと思うんですが、ちょっとそれはおかしいなと思うのは、実は先日、本会議で我が党の中西議員質問に対して菅総理は、この枠組みでは債務超過になることはあり得ないと、陥ることはあり得ないというふうに答弁されたと思います。いかがでしょうか、菅総理
  213. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 松田委員にお答えいたします。  現時点ではこれは債務超過にしないということでありまして、それは今の例がいいかどうかは別ですけれども、やっぱり事故が、まだ原子力の事故というのは完全に収束をしていないわけですね。ですから、本当に現場で、もう本当に命を懸けてと申しますか、一生懸命働いている方、これは東電の社員の方だけじゃありませんで、ゼネコンでありますとか、いろんな全国から集まっている方たちがいます。やっぱりこういう人たちにしっかりとそうした賃金が払われるということも大事でございますし、それから、やっぱり何といいましても、先ほど来ずっと今日議論しておりましたように、原子力の事故により損害賠償の当然の権利がある方々、そしてその方々も、それこそ避難が長引けば長引くほど、あるいは出荷停止などの措置が長引けば長引くほどやっぱり経済的に大いに痛むわけですから、その人に対してまずとにかくしっかりとした賠償を行うということがこれはやっぱり政治の責任ではなかろうかと考えております。
  214. 松田公太

    ○松田公太君 ちょっと今の答弁が分からなかったんですけれども、現時点ではないということをまたおっしゃいましたが、やはり将来的にはあり得るということだと思いますね。そして、現時点ではないということは、今おっしゃったのは賠償を優先したいということだと思うんですが、破綻処理しても賠償ってしっかり私は行うことができるんじゃないかなというふうに思っています。  ちょっと次に進みたいと思いますが、先日我が党の柿澤議員指摘したことで明るみに出ました。官僚が作ったことが間違いないんじゃないかというふうに言われておりますこの名なしの権兵衛ペーパーですね、これ自民党の根回しに使われたというふうに私は聞いておりますが、西村議員は多分見覚えがあるんじゃないかなというふうに思いますけれども、本院の皆さんにもこのペーパーをお配りしましたが、修正するべきポイントと修正が絶対に許されないポイントという二枚の紙があるんですね。  これは是非御覧いただきたいんですけれども、このパネルにも修正が許されないポイントというところを一部抜粋しておりますが、この中には、東京電力に対する支援について勘定区分を設ける場合、会計上、東京電力への支援と認められなくなってしまい、債務超過と認定されてしまい、破綻してしまうというふうに書いてあるんです。書いてありますね。つまり、これはほかの電力会社から入ってきたお金、これは通常の会計処理をしてしまえば借入れと認定されてしまう、計上されてしまうので、債務超過を認めざるを得なくなってしまう。つまり、わざわざ会計処理の部分、ここの部分を細工までして債務超過を隠し通しましょうと、債務超過を絶対認めないんだと言っているのがここにある文書じゃないかなというふうに思っております。  非常に不思議なのは、やはりこの時点で、もう既に債務超過と認定されてしまうというふうに書いてあるわけですから、実はもう政府が、東電は債務超過状態なんだということを明確に表していることなんじゃないかなというふうに思います。しかし、外ではやはり、まだ現状は債務超過じゃないんだということを繰り返される。  これは本当に私、どっちなんだと毎回その話を聞くたびに思ってしまうんですが、是非菅総理、債務超過、これを正直に認めて、普通の資本主義、法治国家のように会社更生法で破綻処理、これをしてしまった方がいいんじゃないかなと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
  215. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 一年ほど前からJALのいろんなことに私もかかわっておりました。一般の会社の場合、経営がうまくいかなくて破綻処理するということはあるし、それは資本主義のルールに基づいてやるのが原則だと私も思っております。  ただ、今回の場合は、この大事故によるその問題で、その事故そのものがまだ終わっていない、そういう中で、また一般の方に対する巨額の賠償も必要だと。そういった点では、まず被害者に対する賠償がきちんと責任を持って行われる体制をつくらなきゃいけない。そして、事故処理に当たって、何か破綻処理といったようなことがもし先行した場合に、それじゃもう下請、孫請の方もとてもそんな仕事はできないなんということになって、事故処理そのもの、収束そのものに大きなマイナスが出てはこれは絶対にいけない。こういう基本的な考え方から、私は今回の支援機構の法案を政府として出させていただいたと。  先ほど他の提案者からも話がありましたが、将来の東京電力のどうあるべきかということは、必ずしもこれで一〇〇%固定化されたというふうには見ておりません。
  216. 西村康稔

    衆議院議員(西村康稔君) 先般、柿澤委員質問にもお答えをしましたけれども、私、この文書を正直言って今初めて見ました。これはうそではありません、柿澤さんに欲しいと言ってもくれませんでしたので。ただ、この下に書いてある、東京プレスクラブに、こういうウエブページに何か出ているということは今朝聞きましたけれども、文書自体見たのは私初めてであります。  これは経産省、あるいは民主党の経産委員会の筆頭理事であり復興特の理事でもある、そこにおられます、共同提案者でありますけれども、後藤さんにも申し上げていますが、経産省が勝手に私たち立法者の意思に反してこういう行動をしているとすれば、これはもう一切今後経産委員会の審議であるとかそうしたことに応じるつもりはありませんので、このことは強く申し上げたいと思います。  一点だけ、区分経理、我々強く求めてまいりまして、いろいろ議論をさせていただきました。その結果、御案内のとおり五十八条で、各社の負担金については各社ごとに計数管理をするということにいたしました。そして、御案内のとおり附則の六条二項ですね、先ほど来議論になっている、一定の時期が来た、賠償の全体を見たときにその負担をどう分かち合うのか。私ども立法者の意思としては、各社の負担は一時的に仮に賠償を優先してそのために使うことがあっても、見直しの時点でそれはしっかり返してもらうということが私たち立法者の意思であります。つまり、区分経理をしてしっかり返してもらうような措置をこの法律上しっかりとったということであります。
  217. 松田公太

    ○松田公太君 今総理と西村議員からちょっと違うことが話が同時にあってしまったので、まずこれ菅総理お話をしたいと思うんですけれども。  破綻処理できない理由として、大体皆さんにお聞きすると同じような答えが返ってくるんですね、毎回。例えば破綻処理、これが大変になってしまうとか、事後処理が大変になってしまう、賠償資金が払えなくなってしまう、劣後するんだと、例えば担保付社債ですね。そういったことというのは、実は会社更生法を通してやっていけば、ちゃんと透明性のある箱の中で処理一つ一つできるんですよ、これは。会社更生法という名前のごとく、これは潰してしまってなくしてしまうという話じゃないですから。もう一度生き返らせようと、こういう法案ですからね。  そして、例えば原賠法にもありますように、ちゃんと会社更生法の部分で、例えばじゃ劣後する部分があったと、賠償金をですね、その部分はしっかりと国が負担しましょうと、カバーしましょうという文書も明確にあるわけですから、そういった理由が破綻処理できないという、そういう言い訳にはならないんじゃないかなというふうに思うんですね。  いかがでしょうか、海江田大臣、何かすごく言いたそうな感じがしますので。
  218. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これはもう委員会で何度も、経産委員会の方でお話をしてきましたけれども、今お話のありましたこの社債の、電力債の保有者などの権利が守られてしまうと。  それで、さっき菅総理からもお話がありましたけれども、現場で働いている方々の債権の方が後回しにされるとか、そういうものがありますから、やっぱりそういうことに対する議論もこれはしっかりやって、そしてそういう法律的な手だてですとか、そういうことはやっぱりやらなければいけませんから、今私どもはやっぱり何よりも、もう先ほど来、今日も朝からの議論の中で、事故が起きたのが三月十一日、最初の避難を余儀なくされた方への仮払いがスタートしたのが四月の二十六日、それから風評被害についても、これはたしか五月の三十一日ぐらいでお話ありましたけれども、やっとこの八月一日ということで、大変遅れに遅れております。  そして、今東京電力も千人の体制で一生懸命、これについてはできるだけ多くの皆さん方のそうした、これは当然の権利でございますから、そうした賠償に当たろうということで今一生懸命になってやっておりますので、まずやっぱりこの枠組み、これはまだ機構法が通っておりませんから、機構法が通ることによって、これ一番はやっぱり資金繰りが付くということでありますから、資金繰りが付かなくなることから賠償金に対するこの支払ができなくなることを、まずそれをストップをさせようということでありますので、そこの点は是非これは御理解をいただきたいと思います。
  219. 松田公太

    ○松田公太君 海江田大臣の言い分は今しかと聞きましたけれども、やはり私は、破綻処理するのが一番透明性があって、これが何ら問題なく物事を進める一番いい手段じゃないかなというふうに思っておりますので、それだけを繰り返させていただければと思います。  そして、西村議員に、ちょっと一回戻りますけれども、ちょっとこれ是非お聞きしたいんですけれども、もし仮に一年後ですね、一年後、もし債務超過、やっぱり破綻処理しないという決断に立ったとき、そういう結論が出てしまったとき、本来であれば、東電とか株主とか、若しくは銀行、ここが負担しなくちゃいけなかった部分が国民の負担になってしまった、こういうことが発生してしまった場合、私は、やはり日本のちょっと政治家のまずいところというのは、自分たちが作った法案とかに対して責任を取らないということだと思うんですね。  西村議員はどのような責任を取られますか。
  220. 西村康稔

    衆議院議員(西村康稔君) 現時点で賠償額がどのぐらいの金額になるのか、あるいは廃炉の費用を含めて東電がどのぐらい負担をしなきゃいけないのか、まだ見えておりません。  したがって、現時点で将来のことをどうこう言うのは今の時点では適切じゃないと思いますけれども、この六条二項の見直しは、もうよく読まれていると思いますけれども、最終的にその賠償額のおおよそが見えてきた段階でそれをどう負担を分かち合うのかという条文でありますし、そこに書いてあるのが、国民負担を最小化する観点から検討を加えて必要な措置を講じるということでありますので、私はその時点で国民負担が最小になるベストの解がおのずから見えてくるというふうに思います。
  221. 松田公太

    ○松田公太君 それに関して最後にちょっと申し上げたいのは、一回この賠償支援機構法案が、このスキームが回り始めたら、絶対それはもう無理になってしまうと思いますよ、そのような考え方というのは。だって、交付国債が発行される、お金が一般負担金としてどんどん入ってくる、回り始めるわけですから、このスキームが。その段階で、やっぱりやめよう、ちょっと待てよ、もう一度見直そうと、これをもう一度見直して違う形で処理をしようということは、私は絶対あり得ないんじゃないかなというふうに思ってしまいます。  この件についてはここまでとさせていただきまして、菅総理に最後にちょっとお話をさせていただきたいんですけれども、菅総理が先週金曜日に行った記者会見、この中で、発送電分離を含めた望ましい電力事業形態の実現を一つのミッションとされていましたよね。この資料の中に、パネルの中にもございますけれども、その根本的な目的、これは何なんでしょうか。その発送電分離をする目的、これだけちょっと最後に教えていただければと思います。
  222. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 発送電についても予断なく議論をしようという趣旨のことを申し上げたつもりです。  発送電の必要性を唱えられる人、私もその意見にかなり近いところもありますけれども、例えば今回の再生可能エネルギーというのは分散型のエネルギーでありますので、今までのように大規模な発電所を持って、そして送電施設を持っているところが地域独占をするというのでは、そういう小さい発電をする事業者のある意味では権利がきちんと守られないと。そういう意味では、送電と発電を分けて、場合によっては発電の中身も、小規模なもの、あるいは原発をどうするかというもの、他のもの、それらを含めた根本的な議論がこれから必要だという、そういう趣旨で申し上げました。
  223. 松田公太

    ○松田公太君 発送電分離が目的になるということはあり得ないわけですから、これはあくまでも一つの目標というわけで、発送電分離の先にあるのはやはり自由化、電力自由化ということですよね。それを示唆しているんだと私は思います。  菅総理、これ最後に本当に申し上げますが、この原子力賠償支援機構法案、これを通してしまったら、私、そっちの方向にこの日本を引っ張っていくことは無理になると思いますよ。もう完全にこのスキームで東電もその他の電力会社もがんじがらめになってしまって、総理がお考えになっているような再生可能エネルギー若しくは脱原発、そういったことは全て夢のまた夢になってしまうと思います。是非そういう意味でも再検討していただければと思います。  これを最後に申し上げて、私の質問を終わりにさせていただきまして、小熊議員にバトンタッチしたいと思います。
  224. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 松田公太君の関連質疑を許します。小熊慎司君。
  225. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 関連の質問をさせていただきます。  私は会津に在住をしております。もう記憶が飛んでおりますけれども、昨年の暮れ、今年の年明けにかけては大雪に見舞われ、そして三月十一日、さらには先週末の豪雨、私も土曜日の早朝に南会津の方に赴きましたけれども、ひどいこの豪雨のつめ跡が残っておりました。  そうした中でも、しっかりとこの復興に向けてやっていかなきゃいけないという思い地元の人も汗をしているところでもあるわけでありますけれども、これまでも議論のありました風評被害先ほど公明党の浜田議員も会津を高校生の憧れの聖地と言っていただきましたが、小学校も中学校も数多くの修学旅行生来ていただいておりますし、児童生徒だけではなくて、全ての人に本当に憧れの地であったわけでありますが、今では町中でも観光バスをほぼ見ないわけでありますし、地元の観光業者は、送り出しのお客さんもいない、迎え入れのお客さんもいないということで、過日、会社を、従業員を半分にしてしまったという観光業の方々もいます。  こうした中で、今、政府においては、この損害がどれほどあるかということで専門委を設けて調査をしておられますけれども、多岐にわたって調査をされていますが、七十数名で全国を調査しています。観光業においては五、六名でやっております。実際、それだけでは足りないというふうに思います。  過日お話をした私の地元の例えば豆腐屋さんにおいても、旅館、ホテルに納めている豆腐屋さんと町場の人だけに売っている豆腐屋さんでは、これまたその風評被害の度合いも変わってくるんですね。それだけ個々において違う。個々においての売上げの増減も違う、影響も違うという中で、相当の因果関係は補償しますという言葉がこれまでも出てきましたけれども、具体的に相当の因果関係というのはどういったものを示すのか、お示しをください。
  226. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 小熊議員にお答えをいたします。  風評被害に関しましては、賠償紛争審査会が取りまとめた第二次指針において、必ずしも科学的に明確でない放射性物質による汚染の危険を回避するための市場の拒絶反応による損害であって、そのような回避行動が合理的と言える場合は、相当因果関係があるとして損害賠償の対象になるとしております。  具体的には、例えば観光業については、少なくとも福島県に営業の拠点を置く観光業については、事故後に解約とか、あるいは予約の取消しとか、又は予約控え等などがございまして減収が生じておる事実が認められれば、それは原則、損害賠償の対象と認められております。  また、その他の風評被害におきましては、先ほども御指摘がありましたような専門委員によって詳細な調査をしております。この調査の結果を踏まえて、先ほど申し上げました相当因果関係が認められるものについては、全体像の中で中間指針等を示すようにしておりまして、私はそれを急いでいただくようにお願いをしております。
  227. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 私の手元にはその報告書の概要版があります。三十九ページにわたります。正式なやつは一千ページを超えるというふうにも聞いておりますけれども、この概要版だけ見ても、やっぱり福島県全体が風評被害であえいでいるわけでありますから、そういう意味ではなかなか救えない部分もあります。全てを補償しろと言ってもそれも夢物語です、はっきり言えば。そういった意味では、私も発議者の一人となりましたけれども、いわゆる仮払い法案と言われていますが、実際は仮払い・基金法案であります。こういった基金の中でしっかりとそういう経済再生を図っていこうという趣旨でありました。  国においても、これはもちろん賠償は徹底的にしなければなりませんけれども、それでやっぱり全ては救えないんです。今、地元の経済も非常にあえいでいる。恐らく、相当の因果関係と言えないものもある。例えが正しいかどうか分かりませんけれども、ベニスの商人にあるように、一ポンド肉を切るのに一滴の血も流しちゃいけないという、その相当の因果関係ってそういうことなのかもしれないんですよ。  そして、多重的に多層的に経済というのは動いているいろんな影響下もありますから、しかしながら、賠償だけでやるのではなくて、やはり風評被害に対策を取っていくという意味では、経済対策や地域再生の対策をやっていかなければいけません。  私も福島県議会議員を経験させていただいています。二〇〇三年の東電の事故隠しの後、二〇〇四年、二〇〇五年と当時の社長の勝俣さんが福島県議会に来られて、もう二度とこうした不祥事は起こさない、原子力を安全なものに運用していきますという、そういう説明を県議会を通し県民に向かって発信をされました。その中でも、信頼を回復するために地域共生そして地域振興を図っていくということも当時の勝俣社長はおっしゃっています。そういう意味では、国もそうですけれども、やはり今回の一義的な原因である東電においても、東電自身が数年前に言っているわけですから、地域貢献しますよって。しかしながら、これまでも社長に私聞いたことがありますけれども、この場で、賠償制度の範囲内でやっていきますとしか言っていません。やっぱりこれは国がしっかりと東電においても地域貢献しろ、そしてまた国においても風評被害、賠償だけではなくてやっぱり経済対策としてやっていくという視点をやらない限り、仕方ない、その風評被害はなくならない。  あと、これは確認していますけれども、風評被害の賠償は一回で終わりですよ。今後、二年も三年も、この後、福島県のイメージがどうなるのか、風評被害がなくなるのかなくならないのか、これは今後経過を見なければ分かりませんけれども、これだけ広範囲で、そしてまだ収束していない原発事故を考えれば長期にわたると思います。そういう意味では、賠償だけではなくて、しっかりとしたそうした経済対策、国においても、そして大臣からもこれは東電にしっかりと要請を図っていただくことをお願いしたいと思いますが、大臣の見解を求めます。
  228. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) まさに経済対策をしっかりやって、特に原子力事故、被災した地域の経済を活性化するということはもう言うまでもございません。  それからあと、やっぱり今回のことでジャパン・ブランドが大きく傷つきましたので、これは私も率先して心掛けていたことでございますが、やっぱり海外から要人が見えたとき、これは菅総理も日中韓の首脳会談のところではっきりお話ありました、それからフランスのサルコジ大統領のときもお話ありました。そういう意味では、外国からそういうお客様が見えたとき、それから私どもが海外に出ていったとき、それから、経産省の関係ではジェトロなどの各地に散っております組織もございますから、そういうところを利用しまして、やっぱりそうした風評被害が本当に科学的な根拠に基づかないものであるのは、これはやはりもうやめていただきたいということを繰り返し繰り返し述べてきました。  今後もこうしたことは続けていきたいと思っております。
  229. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 時間でございますので、よろしくお願いします。
  230. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 大臣、泣いてもいいですけれども、是非頑張ってください。  終わります。
  231. 紙智子

    紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  最初に、総理に伺います。  放射性セシウムに汚染された稲わらが牛に給与され、牛肉から暫定基準値を上回る放射性セシウムが検出され、疑いのあるものを含めて四十六都道府県まで流通した問題というのは国民に大きな不安を与えています。内部被曝を恐れてスーパーで牛肉を買い控える、あるいは焼き肉店のお客が減るなど、その影響は深刻です。  福島県浅川町では、三月、四月には酪農の原乳が停止となりました。今度は七月になって肉牛の出荷停止になったわけです。それからまた、百キロメートル以上離れたところで、よもや給与した稲わらがセシウムに汚染されているというふうには思いも寄らなかった生産者のショックというのは、これは本当に大変なものです。  これからどうしていったらいいのか、新たな苦しみを与えている事態に対して、菅総理認識を伺います。──菅総理総理から、総理です。
  232. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 総理がお答えになる前に私の方から申させていただきますと、今回、この稲わら問題につきまして緊急措置という形で、とにかく安全なものだけが出回ると、こういうような体制を築くという意味におきまして、既に出荷されておるところのこの牛肉につきましては、暫定値を超えたものについては買い取る等々、あるいはまた非常に値が下がっておるというようなこと等々から新マル緊事業、すなわち肥育経営の安定特別対策事業等々に対する運用改善等々、あるいは具体的な形でお金が入らないと、このようなことから一頭当たり一定額の交付というようなこと等々、あるいは非常に稲わらの問題で飼料が不足している人たちに対する現物を支給する等々、こういうふうなことの施策をまず講じさせていただいているところでございます。  これからも、各県の状況というふうなものを踏まえさせていただきながら、できるだけの対策を講じてまいりたいと思っております。
  233. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) おっしゃるように、セシウムで稲わらから牛肉が汚染されたという問題は、消費者の皆さん、さらには生産者の皆さんに本当に深刻なある意味での心配あるいは打撃を与えたと思っております。こうなったことを止められなかったという意味では責任を痛感をいたしております。  これから、とにかく、今農水大臣も言われましたように、市場に出回っているものは安心だということをきちっと言えるような体制をつくって、出荷停止すべきものは出荷停止し、検査すべきものは検査をしっかりしていきたい、こう考えております。
  234. 紙智子

    紙智子君 時間が短いので、聞かないものに答えないでください。  汚染された肉が食卓に上がらないようにしてほしいと、全頭検査をしてほしい、消費者団体からの要請も上がっています。生産者からも、牛肉の安全、安心の確保のために全頭検査が必要だといって、既に宮城県、それから秋田県、山形県を始め十一県が独自に自主的に全頭検査を始めています。しかし、この検査機器は不足していると。そして、検査料も、これ一件二万円以上の検査料が掛かるんですね。ですから、この検査の基準も様々で、統一してほしいという声も出ているわけで、総理、これらの不安と問題を解消するためにも、全頭検査を国の責任で行うべきではありませんか。
  235. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 現在、各県においてそういう体制が取られております。また、出荷停止などは国の責任で指示を出しているところであります。  基本的には、最終的な責任はやはり国がしっかり持たなければならないと。ただ、実際に行うのは、最も効果的、効率的になるように、場合によれば自治体にやっていただくのを国が支援する、あるいは直接に一部は国がやれるものがあるとすればやる、そこは一番効果的な在り方をしっかりと協議をして見出してまいりたいと思います。
  236. 紙智子

    紙智子君 今の答弁の中で、要するに検査機器や検査料について国が責任を持つということでよろしいですね、確認します。うなずいていらっしゃいますから、そうだと思います。  次に、生産者の被害、これも深刻だと。福島、宮城の出荷停止になった肉用牛は、福島で七万八千二百頭、宮城で九万六千百頭が今飼育されているわけです。たった今、速報で岩手県産の肉牛も出荷停止になったということが流れました。農家数でいえば、福島で四千三百戸、宮城で五千七百二十戸、合わせて一万戸です。  四十年間肥育農業をやってきた農家の方は、牛は三十か月間、最高の状態になるように丹念に調整をして育てている、出荷を延ばせば肉の価値が下がって毎日の餌代だけ持ち出しになると言うんです。震災前は一キログラム当たり二千百円だった肉牛が事故後は千円になったと、稲わらのセシウム汚染後はたった百円に下がっていると言うんですよ。二十八日の東京食肉市場の和牛の取引頭数は平年の半分です。それから、価格も一時的にはBSE発生時を下回る低迷もありました。影響全国にも波及をして、子牛の価格も下がっていると。どうしてこんな目に遭わなきゃならないのかと、こんな悔しい思いはないと、こういうふうにおっしゃっているわけですよ。  農水大臣、これどういうふうに対応されますか。
  237. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) まさしくこのような、今先生からおっしゃられたような状況でございまして、そういう意味で、私ども農林水産省といたしましては緊急対策を講じさせていただきました。そういう中で、具体的に各県におきましてもそれぞれ取組の中で出荷制限を行う等々、こういう判断をなされておるわけでありますけれども、私どもも、厚生労働省と連携を取りながら、全頭・全戸体制をしいて、そして、そういうことの中で一体的に出荷制限の解除というふうなものも、これも取り組んでいかなきゃならない。そういうふうなことにつきましてこれからもしっかりと取り組みながら、基本的にはとにかく安全なものだけが出回るという体制を築いていくと、こういうことに万全を期していかなきゃならないと思っております。
  238. 紙智子

    紙智子君 今、農水大臣の答弁の中で、この間発表したスキームについておっしゃらなかったですね。簡単に言ってください。
  239. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) この全頭検査等々につきましては、厚生労働省としても、御承知のとおりに、簡易検査器もこれを導入すると、こういうようなこと等で検査体制の強化というふうなものが求められる中で、どういう方式を取ってこの全頭検査、全戸検査を行ったらいいかということにつきましては、当然県とも連携を取りながら、今厚生労働省と打合せをさせていただきながら取り組んでいるところでございます。
  240. 紙智子

    紙智子君 全頭検査の話、もう終わっているんですよ。ちゃんと聞いたことに答えてください。  政府が発表したスキーム、三つあるんですけれども、そのうちの一つがこれです。(資料提示)信頼回復のための対策スキームというふうになっていまして、これは要するに、スキームそのものを私たちは全てよしとしておりません。不十分な点たくさんありますし、それは全面賠償に向けて万全を尽くしていただきたいと思います。  その上で、この三つのスキームの中のここに出しました汚染牛の買上げなんですけれども、これ食肉流通団体が汚染牛を買い上げる、汚染されていない牛肉保管をして、その賠償請求は東京電力にまとめて行う、東京電力がこれ損害賠償するということになっていますけれども、総理、このスキームを発表している以上、当然これは東京電力に賠償させるということでよろしいですね。総理ね、総理
  241. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これは当然のことだろうと思います。東京電力に対しても、この牛の問題は早く処理するようにということを私からお話ししてございます。
  242. 紙智子

    紙智子君 では、東京電力の社長に今日おいでいただいています。西澤社長に伺います。  それで、今の確認の前に、まずこの問題ですね、放射性セシウムによる汚染の被害の問題について、当然これ東電の賠償責任あると思いますけれども、それについて御認識を伺いたいと思います。
  243. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 先生の御質問にお答えいたします。  福島第一原子力発電所の事故によりまして今回の事態が発生し、畜産農家の皆様、そして広く国民皆様に大変な御迷惑と御心配をお掛けしております。心からおわび申し上げます。  今回の事態につきましては、現在、国や自治体におきましていろいろな実態の調査、それからいろんな検討がなされてございます。補償につきましては、これらの検討結果や、それから紛争審査会の指針等を踏まえましてきちんと対応してまいりたいと思います。  以上でございます。
  244. 紙智子

    紙智子君 賠償審査会云々ということじゃなくて、今このスキームが、国が発表したわけですよ、このスキームの中で言われているように、請求されたものは東電が支払をするということでよろしいんですね。そのことについてお答えください。
  245. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 今のスキームにつきましては、農水省の方ともきちんと話合いさせていただいております。  以上でございます。
  246. 紙智子

    紙智子君 話合いをしているということは、受け入れたというふうに理解してよろしいんですか。
  247. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 今、現在お話合いをさせていただいておりまして、審査会の方でもその指針が出るというふうに聞いておりますので、それを踏まえてきちっとしっかり対応してまいりたいというふうに思います。
  248. 紙智子

    紙智子君 謝罪をされているわけですからね、これ本来、この事故が起こらなかったら起きない問題だったわけですよ。本当に責任があるわけです。  それで私、今話を聞いていておかしいと思うんですけれども、結局、国としてはまだ今話合い途中だと。話合いも決まらないうちから発表されたということなんですか。そんなことがあるんですか。総理、どうですか。
  249. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 二十九日の日に審査会に対しましても説明をさせていただきましたし、また当然、今回の問題につきましては東京電力が基本的にこの賠償の責任を担っていただくというようなことになると思うわけでありますので、これは当然、私どもとしては賠償していただくことができるというようなことの中で基本的な考え方を打ち出させていただいたということでございます。
  250. 紙智子

    紙智子君 そういただけると思って出しているということ自体が私はおかしいと思うんですよ。発表したのは二十六日でしょう。その時点でどうしてちゃんと合意できていないんですか。ここのところがしっかり確認しなければ、本当に請求されたもの全部行くのかということが宙に浮いちゃうじゃないですか。そうなったら、この受入れをやろうという食肉流通団体は、そんな不確かなことは受け入れられなくなっちゃいますよ。ここのところはどうなんですか。本当にしっかりさせるんですか。
  251. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 今東電の社長からも申されたとおりに、今回の件につきましては、この原発事故によるというようなことでありますという受け止め方をされているということでございますから、当然のことながら、今回のこの稲わら問題につきましては東電としてその責任を果たしていただけるものと私どもは確信をいたしているところでございます。
  252. 紙智子

    紙智子君 いただけるものというふうにおっしゃいましたけれども、じゃ、もう一度社長に伺います。これ、請求されたものについては全額賠償支払をするということでよろしいですか。
  253. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 指針等の、紛争審査会の方でもきちっと議論されると思いますので、それを踏まえましてきちっと対応させていただきます。農水省のスキームについても十分吟味し、きちっとそれについては対応させていただきたいと思っております。
  254. 紙智子

    紙智子君 これ聞いていて納得しないと思いますよ。審査会がどうこうという問題じゃないんですよ。今ここに現に社長がいらっしゃるんですから、社長が決断して、全部、全面的にこたえますと、こういう場としてここ設定されているんじゃないですか。もっとはっきりとおっしゃってください。全面賠償いたしますか。
  255. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 繰り返しになって誠に申し訳ございませんけれども、今回の事故の要因は福島第一原子力発電所の事故にあることは確かでございます。それに基づきまして、きちっと請求されたものにつきましては我々の方できちっと対応させていただきたいというふうに思います。
  256. 紙智子

    紙智子君 総理、最後にお聞きしますけれども、これ、やはり国が、信頼回復のスキームということで国が発表したわけです。そうである以上、東電に賠償責任を果たさせるということでは明言していただけますか。
  257. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これは、政府としてあるいは農林水産省として責任を持ってこういうスキームでやっていこうということを提起しているわけですから、国としても責任を持たなければならないと、こう考えております。
  258. 紙智子

    紙智子君 今明言をしていただけたものと思います。  やはりこの間、本当に、今回だけじゃないですね、口蹄疫の問題があり、様々なそういう不利益を得ながら……(発言する者あり)時間ですか、なっているわけですけれども、やはり何よりも国民の食の安全、安心のためにも、そして生産者の苦しみを打開するためにも、やはり国の責任でここはしっかり払わせると。そして、やっぱりもしもの事態に備えて、国はどんなことがあっても必ず迷惑を掛けないということで、最後にそのことを訴えまして、私の質問といたします。  ありがとうございました。
  259. 片山虎之助

    片山虎之助君 たちあがれ日本の片山虎之助でございます。時間の関係がありますから、早速質問に入ります。  今回の原賠支援機構法案、趣旨やスキームはそれなりに理解されますけれども、いろんな複雑な問題がありまして、いや、私はこれはどうなるのかと、こういうことでございましたけれども、衆議院で与野党の皆さんが大変精力的に協議をしていただいて、まあ前進しましたよね。例えば国の責任、東電の責任については具体的になった。そういうことはあるんですけど、ほとんどまだ大きな問題は残っている。どうするのかと思いましたら、全部見直し条項の附則の六条に持っていったんですね、一項、二項、三項と。この附則がよくできているんですよ、この法律は一番、ある意味では。是非これをしっかり、今度は政府の番になりますから、政府が好きなところも嫌いなところもあると思いますけれども、好きなところだけじゃなくて、全部をしっかりとこれから受け止めていただくことを条件というか期待しまして、我が党はこの法案に賛成いたしたいと、こういうように思っております。  思っておりますが、何点かやっぱり私個人を含めて気になるところがあるんです。国は国策で原発をやったから社会的責任を書くということで法案に書いたんだけれども、私は、社会的責任だけだろうかと、こう思いますよ。東電を別に、東電がいいわけじゃないんだけれども、社長いなくなったけれども、東電は国策に従い、国の安全基準を守って、しかも今回の事故では、まあ人災的なところもありますけれども、国の指示どおりやってきているんですよ。しかも、免責条項を幾らか期待したのかもしれぬけれども、それも問題にならないというので外されて、私は、国と東電は、まあ経産省になるのかもしれませんが、二人三脚、運命共同体と言ったら言い過ぎかもしれぬけれども、私は国に連帯責任があると思いますよ。いかがでしょうか、総理
  260. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 原子力政策、御承知のように、長い間歴代政府が基本的には積極的にかかわり、積極的に進めてまいりました。そういった意味で、今委員がおっしゃるように、国の責任も極めて大きいと。まあ二人三脚という表現がいいかどうかは別として、そういう事業者事業者としていろいろやられたことに対して国が、今回のケースでいえば結果的にはあれだけの事故を止めることができなかったということも含めて、そして一方で、この原子力政策を、そうした安全性を結果としては十分でなかったにもかかわらず大きく進めてきたということを含めて、それは私は国の責任は決して小さくはない、こう考えております。
  261. 片山虎之助

    片山虎之助君 はい、分かりました。ひとつ端的な答弁をお願いいたしたい。突っ込んだ国の責任というものを大いにこれから議論してください。それをお願いします。  それから、その次なんですよ。東電の損害賠償をほかの電力会社にも一般負担金で背負わせようということなんですよ。何だと言ったら、いや、これは相互扶助のシステムですと、相互扶助のシステム。今までこの関係で相互扶助って聞いたことがない。原子炉規制法にも電気事業法にも原子力賠償法にも、どこにも書いていない。電力の広域融通みたいなことはありますよ。突如出てきているんですよ。しかも、これは後追いでしょう。遡って東電のために充てることを狙って、過去に充てるためにできたもので、こんなものは通りませんよ。ほかの電力会社の株主や消費者はみんな怒る。電力料金に上乗せされるかどうかはともかくとして、こんな、本当にばたばたみたいなことは私はおかしいと思いますが、いかがですか、今度は経産大臣
  262. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) この相互扶助ということについては御理解いただけようかと思います。これは、やはり一つの会社だけでは、こうした大きな事故が起きた場合、これはもちろん今後あってはいけないことでありますけれども、万々が一起きたときのこともございます。  それから、本来でしたらもっと早くからこういうまさに相互扶助の組織はつくっておくべきだったということで、それは遅れたことにやはり責任はありますが、ただ、株主代表訴訟などについては、そういう御懸念もありましたから、これは法律の附則第三条に、この法律の施行前に生じた原子力損害についても適用するという項目を設けましたので、それはこの法律によって担保されようかと思います。
  263. 片山虎之助

    片山虎之助君 それなら早くやりなさいよ。泥縄で事が起こって困って、お金にも。格好も付けなきゃいかぬからやっているんでしょう。いや、本当ですよ。今回何でやるかという私は説明が付かないと思う。  それで見ると、これも見直し条項のところにあるんだけれども、何か計数管理は別にあって、将来は返すんですね。──いやいや、まあいいです。簡潔にひとつ。
  264. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) はい。返していただくということでございます。
  265. 片山虎之助

    片山虎之助君 それから、何点かあるんだけれども、今回の機構は全く預金保険機構の引き写しなんですよ。運営委員会みたいなの八人おる、理事も四人、監事もいる、理事長もいる。本当にそれだけの事務量を考えてそういう組織にしたとは思えない。丸写しにしたんですよ、時間の関係もあって。こんなことをやるとまた天下りのポストがいるんだと思われますよ。もっとスリムにしてください、必要最小限度に。これは誰に言えばいいのかな、頼みます。
  266. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) それはもう最大限スリムにはいたします。
  267. 片山虎之助

    片山虎之助君 それから、この法律を見て驚いたのは、主務大臣が政令なんですよ。国の責任、国の責任、国の責任ある大臣の名前を何で書けないんですか。国会の関与を外すことに意味があるんですか、とまでは疑わないけれども、それは主務大臣がいっぱいおるから大変なんだと。分かりますよ、そんな法律は山のようにある。法律の中に付表をつくって主務大臣を書いてある法律もあるので。これはおかしいですよ。いかがですか。これは誰になるのかな、これも。
  268. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私も主務大臣の一人でございますが、高木文科大臣も主務大臣でございますが、これはやはり今までの法律の立て付けでそれぞれの問題が分かれておりましたのでそうなっておりますが、政令でしっかりと、ここについては誰々だということははっきりさせますので、責任体制は明確になろうかと思います。
  269. 片山虎之助

    片山虎之助君 私が言ったのは、政令は国会の関与なく決まるから、内閣だけで。国会で決めてもらわな駄目だと言っているんですよ。誰が責任者で、我々は責任が追及できないじゃないですか。しょっちゅう主務大臣を入れ替えるなんということはしないと思うけれども、それはちょっと慎重に是非考えていただきたいと、こういうふうに思います。  そこで、総理復興実施方針が決まりました。ですが、遅いわね。復興構想会議が提言をしたのが六月二十五日ですよ。それが何で七月の終わりですか、復興実施方針が。役所なんというのははしっこいから、復興構想会議がどんどんどんどん検討をしている間に幾らでも作りますよ、実施方針は。これがもう全体のスピード感がない今回の震災処理の本当に典型だと私は思っておるんですが。  何で二十三兆ですか、十年。何で五年間で十九兆なんですか。自民党が十七兆か何か出したから、対抗じゃないんだろうと思うけれども、もっとこの額面の説明を私はしっかりしてもらわないかぬと思いますよ。そして、その十九兆のうちに六兆あるから十三兆で、十三兆のうち十兆は震災債、残りは財産を売り払ったり株を売り払ったり何をするのか知りませんが、これは十兆でやると。震災債は結構ですよ。ところが、震災債の償還財源が決まらない。このままでいったら、総理、赤字国債ですよ。赤字国債でやるんですね。
  270. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず、三月十一日の発災以来、一次補正、二次補正、その途中では予備費を使ったこともあります。もう細々は申しませんが、私は、六月二十五日に復興構想会議の提言をいただいて、そして、今回は単に文書を作ったというよりも、もうその中にいろいろな自治体からの要請等も相当程度踏まえた中で基本方針を固めましたので、私は決して、遅い遅いといろんな方が言われますけれども、それなりのタイミングでこの基本方針まで来たと思っております。  今、金額等のことを言われました。そして、基本的には、たしか法の中でも、基本的に復興債を出して、それについては一定の償還を別個に行うと、別区分で行うということになっておりますので、それは従来の建設国債、赤字国債とは別枠の復興債という扱いになると、こう認識しております。
  271. 片山虎之助

    片山虎之助君 まあ三次補正ですからね、菅さんが総理じゃないかもしれませんので余りあれですけれども、その点を一つしたんですが。  菅総理、もう一つ、今、ばらまきを見直すということをやっていますよ、マニフェストを含めて、岡田幹事長が謝罪をしたり。それで、ばらまきはやめてもらわないけません、復興の財源、その他の財源を出すために。それと同時に、菅首相以下民主党が言われている、たくさんあるんですよ、公約が。例えば、議員定数をカットする、国の地方出先機関は全廃する、国家公務員の給与は一割カットする、これはどうするんですか。同じでしょう。こういう震災に財源が要る、社会保障にも財源が要る。今まで堂々とマニフェストその他で総理以下が言われたことの切る方はどうするんですか。ばらまきの方はおやめになる、結構です。切る方はもうやらないんですね、言っただけで。
  272. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) マニフェストについては今、民主党と自民、公明党等々でいろいろ話合いをいたしておりますけれども、少なくとも、マニフェストに盛り込んだものの中でも、今回復興の方が優先すべきだ、あるいは当初予定していた財源が十分に捻出できなかったものについては見直しをするということで私からも答弁をいたしているところであります。  それから、今後の無駄な経費の削減はやらないのかと言われましたが、そうではありません。例えば、国家公務員の経費の全体としての二割削減についても、総務大臣の方で一定の方向性を出していただきまして今作業に入っていただいております。  そういったことで、無駄といいますか、それから定数等についても我が党としても議論をしております。ただ、これは率直に申し上げて、議員のことにかかわりますから各党のしっかりした議論がなければなかなか進めない問題だとも思っております。  いずれにしても、無駄なものは徹底的に削減して、そして思い切って復興財源に振り向けていく、そのことが必要だと思っております。
  273. 片山虎之助

    片山虎之助君 時間がありませんから次のことに行きますけれども、脱原発依存、それは今、減原発になったようで、私は、方向としては国民も支持しているし、私個人もその方が正しいと思いますが、私は原発がゼロにできないと思います。原子力を選択肢から外すべきでないと思います。組合せはどう、割合はどうするかは別にして、ベストミックスということが今回の、我が国の原子力政策の基本だと、総理思いますけれども、いかがですか。
  274. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 七月の二十九日に、エネルギー・環境会議におきまして革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けた中間的整理というものをまとめて、決定し、発表いたしました。この中では、今、減原発という言葉も言われましたが、責任者である玄葉担当大臣が、原子力を減らすという意味での減原発、あるいは原子力依存を低減していくと、そういう方向性やいろいろな課題について予断を持たないで徹底的に議論しようと。  ですから、今、片山先生が言われたような、いろんな幅でベストミックスというものを考えていこうと、こういうことでありますので、まさに今おっしゃったようなことも今後の議論の中で詰めていくことになると思っております。
  275. 片山虎之助

    片山虎之助君 日本の周辺の中国や韓国やロシアのことは言ってはいけませんが、原発はやめませんよ。原発をどんどん増やしていく。そういうことになると、放射能を含めていろんな汚染が日本に及ぶ可能性も、そんなことは言ってはいけませんが、可能性としてはある。ここで日本が原子力を手を放したら、急速に科学や技術の分野で、先端科学や先端技術の部分で日本の力が失われていくんですよ。日本国民の安全を私は守れなくなると思いますよ。  そういう意味で、どうやっていくかなんですよ。どうやってなだらかに原発を減らしていくかなんです。どの辺で自然エネルギーとセットしながら全体をうまくしていくか、そのために案を示していただいて、国民のコンセンサスを是非得ていただきたいと思います。  そこで、日本の電気料金は世界で一番高いところなんですよ。イタリアの次なんですよ。アメリカの二・三倍だという。韓国よりずっと高いですよ。これが火力に変わればもっと高くなる。自然エネルギーに変わるともっと高くなる。私は、この高料金体質を直さないと、そのためには、附則六条にありますように、例えば今のエネルギーの基本、あるいは電力会社の基本のところをもう一遍見直す必要が絶対あると思いますね。  いいところありますよ。安定供給する、質のいい電気を安定的に供給していただくのは電力会社のこれは努力なんだけれども、しかし同時に、これからどんどんどんどんエネルギーはグローバル化して、料金も私、平準化していくと思う。その中で日本が生きていくためには、是非この体質を直すべきだと思いますが、総理、いかがですか。
  276. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 時間でございますので、申し訳ありません。(発言する者あり)訂正。では、海江田経済大臣。訂正があるそうです。
  277. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) ちょっと先ほどの訂正で、区分管理といいますか計数管理を、そのまま返すのかという、あれは返しませんから。賠償に使いますから。それだけ。はい、済みません。
  278. 片山虎之助

    片山虎之助君 終わります。
  279. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  総理、第三者が経済産業省のデータをきちっと試算できるよう、条件設定を始め電力需給に関するデータを開示すべきだと考えますが、いかがですか。──いや、総理
  280. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) その点につきましては、もう既に行っております。全てこれは経産省のホームページの上にも出してございますし、総理にお出しをした資料というのは全部公表しておりますので、どうぞそれを御覧いただければよろしいかと思います。
  281. 福島みずほ

    福島みずほ君 それで足りないというふうに考えております。  総理、きちっと開示していただくということでよろしいですね。
  282. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今経産大臣からもお話がありましたように、やはり必要な情報はきちんと開示すべきだと思いますし、政府としては開示していきたいと考えております。
  283. 福島みずほ

    福島みずほ君 エネルギー・環境会議についてお聞きをいたします。  七月二十五日の予算委員会で、玄葉大臣から、エネルギー・環境会議の情報公開の在り方について検討したい旨の答弁をいただきました。エネルギー・環境会議については、幹事会も含め、議事録や資料、会議そのものを公開すべきと思いますが、総理、公開をお願いします。
  284. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先日、福島委員からそういうお話をいただいて、先般のエネルギー・環境会議の資料も全て公表をさせていただきました。  今後、やはり国民的な議論を展開する上で大切なのは正確かつ客観的なデータを公開するということだと思いますので、例えばコスト検証なども聖域なく行うんですけれども、結果だけじゃなくて、その積算根拠となるデータなども公開をして国民的な合意を得るためのベースにしていきたいと、そう考えております。
  285. 福島みずほ

    福島みずほ君 私は、会議と資料と議事録の公開と言いました。それもしていただくということでよろしいですね。
  286. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 本体の会議は検討してみたいと思いますけど、幹事会は、例えば使っているデータもまだ言わばしっかり詰められていないデータを使っているケースもございます。また、調整中だということもありますので、その辺りはかえって混乱を招く危険性もありますから、できるだけ公開を資料についてはさせていただきますけれども、その辺りはよく考えさせていただきたいと、そう考えております。
  287. 福島みずほ

    福島みずほ君 総理、昨日、みんなのエネルギー・環境会議で、私も同席しておりましたが、できるだけ会議は同席、つまり今まで合意なき国策として原発推進策があった、できるだけ国民皆さんにいろんな議論を見せた方がいいんですよ。なぜならば、エネルギー・環境会議は、元の親会議より幹事会の方を頻繁に開いていらっしゃいますよね。どういう議論をしているか、それはやっぱり国民的な議論を巻き起こさないと、結論だけ出ても国民は分からないんですよ。  その意味でも、総理、これは元とそれから幹事会と会議の公開をする、よろしくお願いします。
  288. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 会議そのものを玄葉大臣責任者として進めていただいております。今お話がありましたように、結果はきちっと報告をする必要があると思っております。この議事の進め方については、いろんな判断をその責任者である玄葉大臣にお任せをいたしております。
  289. 福島みずほ

    福島みずほ君 玄葉さん、お願いです。今、審議会で公開していないことなんてないんですよ。エネルギー問題、とっても大事でしょう。結論だけ聞かされたって駄目なんです。どんな議論を国が本当に重要なところでしているか、公開してくださいよ。
  290. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 本当に幹事会は、本当に調整している打合せなんというような議論だったりもするものですから、間違いなくいわゆるデータを隠したり私はするつもりは全くありませんので、これは多くの皆さんに正確な議論をしていただくために精いっぱいの公開をあらゆる面でいたします。  間違った公開をしちゃうとかえって混乱する可能性がありますから、その辺りだけはお考えをいただきたいと、そのことだけ申し上げているということです。
  291. 福島みずほ

    福島みずほ君 間違った公開なんてないですよ。エネルギー問題に関して政府が、経済産業省が、官邸がどういう議論をしているか、それを公開をしてくださるようこれからも強く求めてまいります。  社民党は、原子力損害賠償支援機構法案に反対です。福島人たちは、本当に東電にだまされたという声もたくさん聞きました。東電のこれは存続の策になっている。東電の役員報酬は総額で八億六千三百万円。東電の人件費、退職金、年金、役員報酬などに切り込んでおりません。株主や金融債権者の責任も問われていません。現有資産の売却もなされていません。十三兆円あると東電の社長は資産を言いました。  今回の賠償スキームが、東電の現有資産によってではなく長期的な事業コストで賄っていく、事業をやりながら毎月払っていくという仕組みになっています。中長期的に国民の電力料金負担による賠償債務を負担する枠組みになるのではないか。電力料金は、事業コストに一定の収益を上乗せした料金に設定することが認められています。総括原価方式です。つまり、掛かったものを全部電気料金に加算をすることができる。国民は電気料金で賠償することになるんではないか、東電の責任の所在が曖昧となってしまうという問題点があります。  そこで、お聞きをいたします。  従業員の給料、退職金、年金、取締役の報酬、金融債権者の権利に切り込んでいくということでよろしいですね。
  292. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) まず、今のお尋ねの前に、ずっと一方的にお話しされましたけど、あの中にも事実と違うことがたくさんございます。例えば、東京電力は資産の売却をやらないじゃないかと、やらないとおっしゃって、断定的におっしゃっていまして、これはやっております。もちろん、それが十分か不十分かということはいろいろございますが、それにつきましても、ちゃんとしました第三者委員会がそれをしっかりと査定をいたします。  料金に全部上乗せするんじゃないだろうかというお話ありましたけれども、今度のこの今私どもが準備しております法律は、一つは特別負担金、それからもう一つは一般負担金。特別負担金というのは、まさに今お話がありました、後段でお話がありましたリストラも含めて、それから資産の売却も含めて徹底的にやってもらいまして、そこをまずこの賠償金にあてがう。そして、それ以外の、ほかの電力事業会社にもお願いをいたします。原子力を持っているところにお願いします。これは一般負担金でありまして、こちらの方は電力の料金に上乗せになることもありますが、そこは、やはり電力の料金に上乗せをするという場合は、当然のことながら、どういう根拠でこういう料金になるのかということをしっかりと、これは経産大臣のところに資料が参りますので、それを一つ一つをしっかりこれは厳しくチェックをしていく、そういうことを通じて、できるだけ国民皆様方に負担を掛けないようにするというのが狙いでございます。
  293. 福島みずほ

    福島みずほ君 東電が有する保養所等の資産は六千億円、東電の最大のまとまった譲渡価値のある資産は送配電事業、簿価で五兆円あります。国が買い、公共財として使い、東電は利用料を払うとすべきではないでしょうか。
  294. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これも先ほど来の議論で、この発送電の分離というものを、これは聖域ではないというお話ございましたけれども、ただ、これは先ほど片山委員からのお話の中で出て、私もなるほどなと思いましたけれども、やはりこれから電力料金を安くしていかなければいけないと。それは、もちろん国民に対する負担の問題もございます。それから、経済界にとっても日本の電力料金というのは高いというようなこともございますから、日本の産業にしっかり日本にいていただくためにも電気料金を安くしなければいけない。電気料金を安くするためにはやっぱり競争の原理を導入するということが大切でございますから、その意味で競争の原理をどうやってこの世界に持ち込んだらいいのかというところからそういう議論も出てくるかと思っております。
  295. 福島みずほ

    福島みずほ君 今の経済産業大臣の答弁は前向きだったんですが、発送電の分離に関して、競争、つまり今の地域独占、発送電を独占していたら実は競争がないわけで、競争があった方がいいという考え方は発送電分離について前向きということでよろしいですね。
  296. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私はいつも前向きでございます。
  297. 福島みずほ

    福島みずほ君 経済合理性のない核燃料サイクルはやめて、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが積み立てている再処理積立金二兆七千三百五十七億円は、今こそ原発事故の賠償あるいはさっきの送配電の購入費用に充てるべきではないでしょうか。
  298. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これはなかなか難しい点がございまして、再処理積立金の二兆七千三百五十七億円のことでございますね。これは、やはり高レベル放射性廃棄物もかなり我が国にはたまっておりますので、これの減量化というか、これを少なくするということにも貢献をしておりますので、そういう形で本来の目的に使わせていただきたいと思っております。
  299. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、「もんじゅ」も再処理もこけているじゃないですか。うまくいっていないんですよ。だとしたら、少なくともこの核燃料サイクル、再処理はやめて、この金額を今こそ賠償に充てるべきだと。六ケ所村のバックエンドの再処理の費用は十八兆円以上あると試算がされています。そういうことを将来払うの無駄なんですよ。今こそこれを賠償に充ててくださいよ、福島人たち困っているわけですから。よろしくお願いします。  将来、有限責任、無限責任、電気事業者が有限責任になったら駄目だと思うんですね。将来にわたって有限責任になることはないということでよろしいですね。
  300. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 福島委員にお答えいたします。  いわゆる原賠法の見直しについては、既に今日もかなりの御議論があっておりまして、いわゆる修正原子力損害賠償支援機構法案の附則にあるとおり、原子力の事故の原因等の検証や原子力損害の賠償の状況等を踏まえて、国の責任の在り方、あるいはこれまでも遅い遅いという議論がございますが、適切、迅速に解決をするための組織の整備、こういったものについて検討を加えて、その結果に基づき必要な措置を講ずると、こういうことになっておりますので、今御指摘の無限責任あるいは無過失責任の原則は責任の集中とともに原賠法の根幹であります。そういう根幹でありますが、今後行われる原賠法の見直しの中でその取扱いについても十分検討されていかなきゃなりませんし、またこの結果に基づいて必要な措置を講ずることにいたします。
  301. 福島みずほ

    福島みずほ君 これ、有限責任にしたら本当に駄目だと思います。原発事故が起きても事業者は将来も有限責任だとしたら、責任は軽くなるというか、原発事故を起こしても電力会社は維持できるとなったら、これは原発事故を起こしても大丈夫、原発の安全性のチェックが甘くなるかもしれない、あるいはモラルハザードになるかもしれない、有限責任となれば国民の税金の負担等が増えるかもしれないんですよ。国民は電気料金のかさ上げで払い、税金で払い、放射性物質が降ってくるというもうさんざんな結果になりますので、絶対に、これは原発事故を起こしたら事業者は絶対に有限責任であってはならないんです。  今日は、もうとにかく有限責任は根幹だとさっきおっしゃいましたので、これが揺らぐことはないと思いますが、私はこれ有限責任を堅持しますと言ってもらわないと帰れない思いでいるんです。高木さん、どうですか。(発言する者あり)間違えました。
  302. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) まさしく、いわゆる原賠法の見直しの中で、この問題についても重要な案件であります、しっかり議論をされるものだと思っておりまして、私どもとしましてはその議論の結果を踏まえて必要なことを措置していきたいと思います。
  303. 福島みずほ

    福島みずほ君 思いが余って反対を言ってしまいました。  総理、これ有限責任にしたら駄目ですよ。原発事故を起こしたら有限となったら、今回東電を温存するように安定になるじゃないですか。原発事故を起こしたらもうその損害はちゃんと見てもらう、そうでなければ原発やっちゃいけないと思います。総理、これ、有限責任にしない、無限責任を堅持するということでよろしいですね。総理
  304. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、この原子力の問題は、一つの会社の在り方というのを超えて、つまりは原子力政策そのものを現在でも最終処分の問題からいわゆる核燃料サイクルの問題から、実は完全に誰が責任を持って将来を見通しているかと、そこから議論が必要だということで、今回のエネルギー・環境会議でもそういうことについて全てを土俵にのせて議論しようとしているわけです。  そういう意味で、この法律における無限責任、無過失責任の原則は私は極めて重要だと思っております。ただ、この法案の在り方も含めて、そこも含めて議論するという仕組みになっているということは申し上げておかなきゃいけないと思います。
  305. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 福島君、時間でございますので。
  306. 福島みずほ

    福島みずほ君 これは有限責任にしたら駄目だ、それはでもさっき総理文部科学大臣も重要なことだとおっしゃったので、維持されるということを言っていただいたと思いますので、終わります。帰ります。
  307. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党の亀井でございます。  まず初めに、この週末の集中豪雨で新潟県、福島県で被災された方々に心からお見舞いを、そして犠牲になられた方へ御冥福をお祈りいたします。  集中豪雨がございましたので、初めに汚染水に関する質問から始めたいと思います。  この週末、実は東京電力福島原発、大丈夫だろうかと、汚染水があふれ出したりしないだろうかと私は非常に不安に思っておりました。最近余り汚染水の報道がないんですけれども、四月の四日に突然海水に汚染水を流出させて、国際社会から非難を受けました。もう一度こういうことがあったら、本当に日本は信用をなくすと思います。  あの汚染水があふれ出ていたときに、その対策として、初めセメントを流し込んで固まらなかった。その次は高分子ポリマー。ここまではよかったんですけれども、おがくず、新聞紙ときたときには、この国は大丈夫だろうかと私は心配しました。専門家が集まっているはずなのにどうしたんだろうと思っておりましたら、水ガラスというものが出てきて、これで止まってやれやれと思いましたけれども、その後、フランスがやってきて、そして汚染水の浄化処理システムを設置するということが決まりました。少しは良くなるのかしらと思ったんですけれども、動き出したらば、初日、五時間で停止しました。この一か月の平均稼働率六三%、そして七月の二十日から二十六日まで稼働率が五八%ということです。  フランスはひどい機械を造ったものだと思ったんですけれども、その後、これは週刊誌報道のベースですけれども、実はフランスの機械だけではなくて、フランス、アメリカの企業など四社が分割受注しているという報道がありました。これは事実でしょうか。事実であるならば、なぜそんな仕組みにしたのでしょうか。私は日本企業が英知を結集した方が良いものができるのではないかと思ったんですけれども、なぜこのような仕組みになったのか。そして、契約総額は幾らか。最後に、これから台風シーズンに入りますけれども、汚染水があふれ出るという心配はないのでしょうか。これを東京電力に対してお伺いいたします。
  308. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 先生の質問にお答えいたします。  まず、汚染水の処理のシステムでございます。  これにつきましては、複数の企業に発注したことは事実でございます。フランスのアレバ社、米国のキュリオン社、あと日本のメーカー、東芝さんと日立さんでございます。この四社で発注してございます。ですから、四つの装置を各々組み合わせたという形になっております。  このような複数の企業に発注しましたのは、放射線量が高い滞留水を確実に処理できるシステムを迅速に早く構築する、つくり上げるということによりまして、それぞれの機能で最も実績のある会社のシステムを組み合わせてやるのが最も早く迅速にこの水処理システムをつくり上げるということが大事だということで、四つのシステムを組み合わせた形とさせていただきました。もちろん、全体をきちっと統括してやる、安全も含めてきちっとやるというのは事前にきちっと検討して、このシステムを採用した次第でございます。  それから、費用の関係でございますけれども、この装置の設置の費用でございますけれども、もちろん今後精査する必要がございますけど、概算で約五百三十億でございます。  以上でございます。
  309. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 今日は細野大臣に急遽おいでいただきました。対応していただき、ありがとうございます。  大変不安に思っておりますので、この汚染水があふれ出したり、地下水にしみ出したり、またもう一度海に放出されたりという心配がないのかどうか。工程表というのは順調に、不測の事態がなかった場合の工程表だと思いますので、現状どんな状態ですか、お伺いいたします。
  310. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 汚染水の問題は、本当に国会の皆さんにも、また国民皆さんにも、さらには国際社会にも御心配をお掛けをしておりますので、二度とそういう状況が起こることがないように全力を尽くしているところでございます。  率直に申し上げると、梅雨に入る前にかなり水位が上がってまいりまして、大変心配をいたしました。その後、この汚染の水を処理するシステムができまして、確かに稼働率は当初予想していたのと比較すると低くとどまっていますのでそこは改善の余地がありますが、動き出したことによって水位自体は下がっておりますので、以前のような、それこそ上から出てくるんじゃないかという心配をしなければならないような状態は脱したと思っております。それと同時に、現場の作業がその当時と比較すると随分進捗をいたしました。例えば、建屋から出そうな、そういう、例えばサブドレーンのようなところを埋めたり、出そうなところについてそういう手当てができるようになってまいりました。  したがいまして、現状においては対応としては相当進んだというふうに思っておりまして、それこそ梅雨のシーズンで水がたまって流れ出るというような状況ではないというふうに考えております。
  311. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 全力を尽くしていただきたいとお願い申し上げます。やはりあふれてしまったときにこの原子力の損害賠償の範囲はまたもっと広がると思いますので、是非そんなことのないように重ねてお願いいたします。  それでは次に、日本の電力料金はなぜ高いのかという観点から質問をさせていただきます。  今回の原子力損害賠償支援機構法、これは被災者の救済を急ぐという意味では必要だと思いますけれども、一方で、東電に対する追及が甘いのではないかという声が聞こえてまいります。  そこで、電力料金についての質問なんですけれども、三つまとめて質問いたします。総括原価方式、ヤードスティック方式、燃料費調整制度です。  まず総括原価方式ですが、これは、先ほどほかの議員の御指摘にもありましたけれども、発電、送電、電力販売にかかわる全ての費用を総括原価としてコストに反映させ、更にその上に一定の報酬率、つまり利益率を上乗せした金額が電気の販売収入に等しくなるように電気料金を決めるやり方です。これが電気事業法で保証されておりまして、言い換えれば、どんなにコストを掛けようとも必ずもうけが保証されている、決して赤字にならないシステムです。  さすがにこれでは資本主義ではないということで電力の事業の部分的自由化が始まりまして、一九九六年にヤードスティック方式が採用されました。これは、電気事業者間の継続的かつ自律的な効率化競争を促すために、総括原価方式の枠組みを維持しつつ、事業者間の効率化の度合いを共通の尺度、つまりヤードスティックで相対評価し査定を格付する制度だそうです。  けれども、これが導入されたときに、同時に燃料費調整制度というのが入っています。これは、経営効率化の成果を明確にするため事業者の努力とは無関係な要因による変動リスクを外部化する必要があるということで、使用電力に対して一定の割合で燃料費調整額というのを加算しています。これは毎月、今改定をされています。  この全体の制度についてですけれども、日本の高い高い電力料金と大いに関係をしていると思います。  経済産業省に伺います。  この制度を見直す必要があると思いますけれど、いかがでしょうか。また、ヤードスティック方式においてこの査定、電力会社の経営効率化について査定をしているのは誰でしょうか、お答えください。
  312. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) まず、このヤードスティック方式に基づいて電気料金の査定を行うのは経済産業大臣でございます。ヤードスティック方式って私も最初分からなかった。要するに物差しでございますので、効率のいいところに高い方を合わせるということでございまして、今の料金体系は、まさに今お話のありました総括原価方式に始まりましてこの三つの制度で成り立っておりますので。  そういう中で、特に電気料金、この間下がってきたことは事実であります。その意味では国際的な価格の差が縮まってきたことは事実でありますが、ただ、こうした方式に守られて下がり方が少なかったんじゃないだろうかという議論もこれはあろうかと思います。  今後これから上げていく場合は、まさに経済産業大臣がしっかりとその中身のチェックを行うわけでありますから、まずそこで今度の料金の上げが、これはまだ、なるべくそういうことにならないようにということでお願いをしていますが、もし上がるとすると、それだったらその上がる幅が妥当なのかどうなのかということをチェックをするということは、まずこれ第一。  それから、やはり行く行くは、先ほどお話ありましたように、電気料金を下げていくため、これはもう日本の産業政策の上からも必要でございますから、どういう方式がよろしいのかということを議論も同時に行っていくべきだと、こう考えております。
  313. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 経済産業省は日本の産業を引っ張る役割の役所ですから、もうこの機会に日本の電力事業を見直していただきたいと思います。  次に、株主の責任についてお伺いをいたします。  私は、やはり株主の責任というのもあると思います。ちなみに、大株主ですけれども、これは参議院の経済産業委員会調査室の資料によりますと、十社大株主が書いてあります。一番から、株が割合が多い順番から申し上げますけれども、日本トラスティ・サービス信託銀行。二番、第一生命。三番、日本生命。四番、日本マスタートラスト信託銀行。五位、東京都。六、三井住友銀行。七、東京電力従業員持株会。八、SSBT・OD05・オムニバス・アカウント、これ常任代理人が香港上海銀行東京支店です。九がみずほコーポレート銀行。十がチェース・マンハッタン・バンク・エヌエイ・ロンドン・エス・エル・オムニバス・アカウント。つまり、金融機関ですとか生命保険会社が多いんです。  それで、こういう大株主がおりますが、株主の責任についてどのようにお考えでしょうか。また、この東京電力福島原発事故の後で株を売却した人の割合というのはどのぐらいなんでしょうか。東京電力にお伺いいたします。
  314. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) まず、株の売却の方についてお答えいたします。  今回の事故後に当社の株式を売却された株主の割合についてという御質問ですけれども、お答えから申し上げますと、把握することは今、現時点でできておりません。当社に限らず、上場会社の株式は、証券保管振替機構が一括で管理してございます。株主名簿の締切りは原則として決算期など決まった時期でございます。当社の場合ですと九月末と三月末ということでございますので、そのために、地震の発生あるいは現時点の株主名簿の状況を現時点で確認することはできませんので、事故後売却された株主の割合とかも含めて現時点ではちょっと把握できていないというところでございます。  それから、株主の云々につきましては、現在本当に株価が低迷してございまして、その面でも本当に株主の皆様に多大な御迷惑をお掛けしているというふうに思っております。
  315. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 そんなに株式市場の情報が分からないものなのかどうかというのは私よく分かりませんけれども、なぜこの質問をしたかといいますと、先ほど申し上げたとおり、やはり電力料金に利益を加算できるシステムになっています、燃料費の調整も含めて。ですので、やはり大株主からしてみれば、持ち続けている、案外心配せずに持ち続けているんじゃないかという気がいたしまして、やはり個人株主よりも意外と企業が多いんじゃないかと思いますので、それでお伺いいたしました。また調べていきたいと思います。  次に、最後の質問になりますけれども、埋蔵電力についてお伺いいたします。  総理は、埋蔵電力について経産省に再調査もお願いして随分調べておられました。経済産業大臣の御答弁で百六十二万キロワットという数字がありました。これは原発一基分ということで、ですので、報道などでは、やはり原発は止めるわけにはいかないと、一基分しかないではないかということなんですけれども、ただ、実際にどの程度埋蔵電力があるのか、実際原発がなかったらどのぐらい電力が足りないのかというのは国民みんなも疑問に思っているところです。  一部の報道、専門家意見では、火力と水力を全部稼働させれば足りなくならないという試算もございます。ですので伺いたいんですけれども、今、埋蔵電力を来年の夏に向けて全て稼働させましょう、例えば夏のピーク時二時から五時までに全部埋蔵電力を稼働させましょうという法律を作ったとして、反対する人いないと思うんですよね。ですので、再生可能エネルギーの買取りも結構ですが、これは十年掛かる話ですので、取りあえず来年の夏に向けてそういうことをお考えになる予定はありませんでしょうか。総理にこれは御質問いたします。
  316. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 海江田経済産業大臣、簡潔に御答弁をお願いいたします。
  317. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) もっと細かいお尋ねがあるかと思いまして資源エネルギー庁長官を呼んでおりましたが、私へということでございますので。  これは法律で、ピーク時にこの自家発電設備をフル稼働させるということを法律で義務付けるということでございますが、基本的には自家発電はまさに自家用に使うということもございます。それから、やっぱり燃料などの費用もかなり高いときも安いときもあって、やっぱりそういう判断はそれぞれのこの自家発電のまさに設備を有するところに判断をしていただかなければならないという考え方もありますので、その意味では、法律を作って強制的にその稼働を義務付けるというのはなかなか難しいかと思っております。
  318. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 では、時間ですのでここで終わります。  ありがとうございました。
  319. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十一分散会