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2011-07-11 第177回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年七月十一日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  七月八日     辞任         補欠選任      水岡 俊一君     平山  誠君      渡辺 猛之君     赤石 清美君      竹谷とし子君     渡辺 孝男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         柳田  稔君     理 事                 岡崎トミ子君                 金子 恵美君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 岩城 光英君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 長沢 広明君     委 員                 相原久美子君                 岩本  司君                 加賀谷 健君                 郡司  彰君                 今野  東君                 主濱  了君                 谷岡 郁子君                 平山 幸司君                 平山  誠君                 藤田 幸久君                 増子 輝彦君                 山根 隆治君                 赤石 清美君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 高階恵美子君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 横山 信一君                 渡辺 孝男君                 小熊 慎司君                 松田 公太君                 山下 芳生君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君                 亀井亜紀子君        発議者      佐藤 正久君        発議者      小熊 慎司君    委員以外の議員        発議者      礒崎 陽輔君        発議者      浜田 昌良君        発議者      荒井 広幸君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        内閣府副大臣   山口  壯君        文部科学大臣  笹木 竜三君        経済産業大臣  松下 忠洋君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        和田 隆志君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        古賀 保之君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   西澤 俊夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急  措置に関する法律案佐藤正久君外九名発議)     ─────────────
  2. 柳田稔

    委員長柳田稔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る八日、渡辺猛之君、竹谷とし子君及び水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として赤石清美君、渡辺孝男君及び平山誠君が選任されました。     ─────────────
  3. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案審査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 民主党参議院議員谷岡郁子でございます。よろしくお願いいたします。  この法案のニーズ、そして必要性ということについては、基本的にその精神は、思いは理解できると。しかしながら、この法案の立て付け、そして形、そして現実問題としてどうなるのかという問題に対する疑問に対しては、今から明らかにしてまいりたいと思います。どうぞ、質問に簡潔にお答えいただきますようお願い申し上げます。  この法案の大きな内容を占めておりますものは、いわゆる仮払いと呼ばれるものでございます。仮払いがあるということは本払いがあるという仮定でよろしいのでございましょうか。
  7. 佐藤正久

    佐藤正久君 谷岡委員にお答えいたします。  当然、これ仮払いということですから本払い、これは事故収束をして損害額が確定をして、実際本格的な損害賠償に移るというのが本払いとすれば、今回我々が行おうとするのは、その前に取りあえず被害者早期救済観点から仮払いを行うという認識でおります。  以上です。
  8. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そうしますと、これは機構スキーム、今衆議院側にかかっている法案というものが速やかに成立をして、速やかに、今事故収束というふうに言われましたけれども、年度年度で例えばそれまでの分という形で払出しをすることができれば、その仮払いというものはそれほど大きな必要性は出ないのではないでしょうか。
  9. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  今委員がおっしゃられました賠償スキームというのは、恐らく政府が今提出している原子力損害賠償支援機構法案のことだと思います。ただ、その法案を見ると、実際に仮払いをするという規定はございません。今、法案の中身というのは、支援機構というものを設定をして、それに予算措置をすると。予算措置をした後、それから東京電力の方にそれを支援の流れをするということはうたっておりまして、その目的として、電力の安定供給とか、あるいはその他の原子力の安定、つまり第一原発事故収束とか、そういうものにもその資金が使われるという状況になっております。  この法案は、多くの被災者から東京電力の仮払いが遅い、不十分だという意見を踏まえて、被害者早期救済観点から、応急の対策として国による仮払金支払と基金の創設を法律の形で明文化して早期支払をやろうというものであります。そこが一番大きな違いは、現在の政府が提出しております支援機構法案、これには東電による仮払いという部分が明文化されていないと。要は、現在も民民間で、東京電力の厚意で今やっているという状況でございますので、結果として被災者から見ますと額が少ない、遅いという部分があろうかと思います。
  10. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 それでは、仮払いを行うその対象者あるいは団体はどのくらいの数を想定していらっしゃって、また対象額としてどの程度を見込んでいらっしゃるのでしょうか。
  11. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) 谷岡委員にお答えいたします。  海江田大臣が先週の金曜日の衆議院会議で、今回の原子力事故による損害賠償については数兆円に及ぶと答弁されました。残念ながら、原子力事故自体いまだ収束の見通しが立たず、損害が発生し続けている状態でございます。  我々も、二次補正予算への計上要求ということで、この法案で約五千億円見込みをさせていただいていますが、そのうち仮払金としては一応二千億円をお願いしておりますけれども、本法案が想定する仮払金対象者については、基本的には原子力損害賠償紛争審査会指針で定められた損害を受けられた方でありまして、支払額損害額概算額の十分の五を下回らない額から東京電力による仮払い補償金支払額等を除いたものとお答えせざるを得ません。  また、対象団体数、その数でございますけれども、実際の事務につきましては、東京電力への請求においても、農協また漁協等が様々に取りまとめを行っておりますので、そういう個々の、個別の個人団体の数だけ事務が発生と思っておりませんで、そういうところで取りまとめいただきますので、事務数の数はそういう被害者の数よりもかなり少なくなってくると考えております。
  12. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 どこから少なくなるのかよく分からないんで、その数がはっきりお答え今いただけなかったということだと思うんです。  そうしますと、どのくらいの人数の人が最終的にそのチェックをしなければいけなくて、これ文科大臣に対する申請ということになっておりますけれども、この辺につきましてはどのくらいの人数の人がかかわってくると、またこの業務のためにはどこからその人たちを充てるのかということについてお伺いいたしたいと思います。
  13. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  この法案におきましても、事務につきましては体制考えておりまして、文科大臣だけではございませんで、都道府県知事、また事務を一部委託できる形になっております。委託者においては、例えば各地域農協漁協商工会議所商工会、また個人への被害につきましては東京電力への委託ということも考えております。そういう意味では、現在の東京電力の仮払い補償金事務にかかわっている方々協力をいただければ、それほど混乱なく事務は、体制は組めるものと考えております。
  14. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 でも、最終的なチェック、そして最終的な決定ということには文科大臣手続が必要であり、文科省手続が必要だということで間違いないでしょうか。
  15. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  委員がおっしゃいましたとおり、事務委任条項で書いてございますように、「支払決定を除く。」と書いておりますので、支払金額決定ができるのはいわゆる政府主務大臣は我々は文科大臣を想定しておりますけれども、又は都道府県知事支払決定をする、その二者が額の確認を行うと、そう想定しております。
  16. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 今のお話を伺っておりますと、文科省ということは、地元は教育委員会なのか、払出しの窓口は学校なのかということを考えてしまいますし、はっきり申し上げて、自治体にしか被災証明は出せないわけですけれども、この間我々が新聞で読んでおりますとおり、自治体という限られた機関が出している被災証明ですら非常に厳格にやっていて、放浪をしてしまっているような、難民になってしまっているような被災者も一方ではいる。一方では、たった三時間電気が止まって停電をしたということで出しているような自治体もある。自治体ということに限って見てもばらばらで多様で大きな不平不満があるわけですね。  多くの団体、多くの種類、そして多くの地域人々がかかわればかかわるほど多様で公平にするのは難しくなってばらつきが出てくる。そうしますと、かなり厳密にその辺のルール作りというものをやらなきゃいけないということになると思うんですが、そこら辺はいかがなんでしょうか。
  17. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) 今御質問いただきましたばらつきについてでございますけれども、仮払金支払につきましては何らかの基準が必要と考えております。ただし、スピード感のある早期救済をできるだけ公平さを保って行うためには、この法案におきましては原子力損害賠償紛争審査会指針、これを活用せざるを得ないと思っております。指針が不十分だとの指摘があることは承知しておりますけれども、損害賠償の額が確定していない段階での緊急措置として行う上ではやむを得ないものと考えております。  ただし、今回の仮払金支払は、被害を受けた方の早期救済が重要であると、そういう考えで行うものでございまして、最終的には損害賠償がきちんとなされることにより公平性は十分救済されると考えております。
  18. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 では、重複の問題についてお伺いいたします。  この法案の第五条三項にありますように、例えば、二項、三項にわたっては、死亡した方、解散したところ、あるいは分割されたところ、合併されたところ、そういうところに対してもその支払が認められております。  例えば、あるAさんという方が亡くなられたといたします。そして、二人以上の同等の相続者がいるということで、これをBさんとCさんといたしたいと思います。BさんとCさんが例えば県をまたがって、例えば別の地域申請をなさる。片っ方は機構に本払いということで請求をなさる、片っ方は仮払いということで申請をなさる。場合によったら、両方とも仮払いを別の県等にすることがある。お二方の名前というものは、例えば名字も違ってしまっているというようなケースの場合には、どのような照合がされてこの重複を避けることができるんでしょうか。
  19. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  東京電力からの仮払い補償金と国の仮払金関係につきましては、第九条一項の「これに相当する金銭の支払として政令で定めるもの」、これに東京電力の仮払い補償金が当たると考えておりまして、その分を除いて国の仮払金支払われることになりまして、重複は生じないことになります。  じゃ、実際の事務はどうなるのかという御質問だと思います。これにつきましても、重複が生じないように、第六条におきまして農業協同組合漁業協同組合等に書類の作成等について必要な援助を求めるほか、第七条においては当該原子力事業者、すなわち東京電力にも協力を求めるということにしております。また、第十条においては過払いがあった場合の返還の規定も置いておりますし、悪意で重複受給した場合には、第十一条で不正利得として国税徴収の例により徴収されるということもしておりますので、これらは逆に仮払金法律で定めたことから明確に規定できるものと考えております。
  20. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 そうしますと、例えばある農業団体とある農業団体、それが例えば福島県と茨城県にまたがっていたとしましたら、常に全ての農業組合はほかの農業組合全部を照合しないと重複があるかどうかということは確かめられない、あるいは大本の元請のところで照合しなければならない。例えば、その姓名が違っている場合、住所が違っている場合、同じ案件なのかどうかということを全てやらなければいけない。これ、大変な手間になるわけですよ。  そして、最終的には精算をもちろん行わなければならないわけですけれども、その精算業務というのは、こちらで受け、こちらで受け、払出し払出し。そして同時に、こちらとこちらとで必ず照合してその精算をやると。これは何か所もの、本来、一か所に申請して一か所で払える仕事というものが複雑になって、何倍もの一件一件についての量になってしまうと。最終的に、時間と手間と一件当たりどれだけ掛けるかということを考えますと、事務的にも人員的にも、そして書類的にも費用的にも、こういうふうな複雑な仕組みをつくることによって、長い目で見ればかえって遅れ、長期化するということは言えないんでしょうか。その点についてはどうお考えになっていますか。
  21. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  ただいま共同発議者でございます佐藤議員からも答弁させていただきましたが、我々としては、まず今回の事故に対する仮払いについて国が責任を持って行う、全てを行うと決めた上で、それで体制を組まなければ被災者方々の安心は得られないということでございます。  じゃ、事務手続をどれだけ簡便にするかというのは次の問題でございまして、これについては、例えば東京電力の仮払い補償金においても今御指摘のような問題はあるわけでございまして、ただ実態的には、例えば福島県のどの地域農協かと、各農協ごと地域が決まって、それぞれ東京電力においても仮払い補償金申請がなされております。そういう形のチェックと同じものを行えば、別に国だから、東京電力だから、どちらが事務としておかしくなるということはないと思っております。
  22. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 ただ、東京電力が一括して行う場合は、同じルールで同じ適用で同じ判断によってグループとして行うわけです。しかしながら、それを県がやり、例えば文科省が絡み、いろんな形でやることによって、これ全部判断業務でございますし、私は最初これを、法律を一回読ませていただきましても、ここの法律法案に書いてある内容ですら大変細かくてかなりの判断業務を要するなと、かなり習熟した人を要するなということを感じざるを得ませんでした。そのようなことをきちんと何十万人に対してやり切って、そして精算が滞りなくやるということであれば、その間の連絡業務等、大変な状況になると思います。そして、人々の研修というものも必要になると思います。  以上の点をちゃんと留意して仮払いルールを策定して、場所、人員、能力を確保して準備を行うのにどのくらいの時間が必要だというふうにお考えになっているんでしょうか。
  23. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) 今ほど答弁させていただきましたように、我々といたしましては、農業損害については農協、また漁業損害については漁協、また商工会商工会議所中小企業関係とか、また個人損害については東京電力への事務委託考えておりまして、そういう意味ではそういう方々体制は既にできていると。しかも、既に東京電力についての仮払い補償が始まっている。その考え方をうまく踏襲しながら、最大限我々としては早く対応することがやっぱり被害者のためには重要と思っております。  一応、法律条項におきましては守秘義務規定がございますので、罰則の周知という観点から、法施行後十日後となっておりますけれども、それは我々としては何せ早くしたいという思いでございまして、皆様の御協力、お力をいただきまして早く施行したいと。それは十分今までの体制なり手法を使えばできなくはないと考えております。  先ほど私、答弁少し漏れておりましたですけれども、相続の方のケースはどうなるんだということを御質問ございました。それについては、どなたが被害を受けたのかということで名寄せをすれば別に十分チェックはできますし、また支払決定自身は国又は県が行うと冒頭答弁させていただきましたが、そういうことで十分のチェックができると考えております。  いずれにいたしましても、しっかりとした仮払いを行うという体制はやはり国がつくるということはしっかりとこれはしていかなきゃいけない、これ自身が私は国が果たすべき役割と考えております。
  24. 谷岡郁子

    谷岡郁子君 私の経験からいいまして、たかが修学旅行の途中で帰った者、休んだ者、その集めたお金を返す云々、例えば退学した学生にその授業料を返す云々、そういうことででも大変な手続の煩雑さというものがありまして、これ百件、二百件を処理するというのはそんなに簡単なものじゃないんですね。もっと大きなお金をちゃんとやるということについて、十日でその準備ができるというふうにおっしゃいましたけれども、私は、それをしっかりやっていくということ、そして管理をしていくということ、その連絡を密にやりながら、かつその個人情報等については守秘義務を持たせるということ、その判断を、これどこと連絡するのかしないのかという判断をするだけでもやはり大変な作業になるというふうに思わざるを得ません。  そして、現地の状況考えてみてください。福島県を始めとする自治体方々そして県庁の方々、三月十一日以来、本当に疲れ切っている状況の中で、この暑さの中で闘っておられます。どのくらいの余裕あるというふうに皆さんがお考えになっているのか。私は、もうこれ以上仕事をつくらぬでくれというのが本音ではなかろうかというふうに思わざるを得ません。そして、その新たな混乱というものがそこにおいてできるということになろうと思います。簡単に言えば、東電機構をつくってその機構が仮払いを早くできるようにするというのが一番多くの人を巻き込まないで単純にやる方法論ではないかというふうに考えます。  そして、八月末には機構が立ち上がることになっていますけれども、今お伺いしたことを私は十日間でできるというふうに通常のマネジメントとして考えるわけにはいきません。一か月足らず早くなるために千億単位のお金が使われていって、そして精算がややこしい状況になると、単一の仕事をわざわざ二つに分け、精算という三つ目仕事をつくると、その手間暇を掛けて、その事務費を掛けて、それはやはり多くの無意味さというものにつながる可能性があって、人々を疲れさせるということにもなりかねないと思います。  どこからこれほどの業務をしっかりと確実にこなすことができる人間を、有能な人間を集めることができるのかと、問題なくスピーディーに間違いなく処理できるのかということについて、今人々が疲れ切っており、兵たんがここまで延び切っている状況の中で、私はやはり皆さんが早く早くとおっしゃっていることはある種非現実的ではないかというふうに思わざるを得ません。  被災地域自治体を更に残業させるような残酷さというものもこの中に伴っていないとは言えません。今申し上げたことは全て危惧であります。危惧でありますけれども、そういう可能性というものが私はあるというふうに思っております。  この衆議院にかかっております機構法、これを早く上げていただいて、そして早く仮払い機構自身ができるようにして、機構内で完結して精算もできるようにするということが最終的には一番人々が早く救われる道ではないかということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  25. 小西洋之

    小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。  私の方からは、今、谷岡委員から質問のありましたこの仮払い法案必要性というものを、もう少しその制度を実際に動かしていったときの実務レベルに掘り下げて伺わせていただきたいと思います。  まず初めに、この八条の関係で、この仮払い事務処理都道府県にさせることができるということは規定がございますけれども、その中には当然この度の一番の被害者である福島県も入ってくると解釈上当然思われるわけですけれども、提案者皆様、これは福島県にこうした仮払い事務をさせることを想定しているんでしょうか。
  26. 佐藤正久

    佐藤正久君 小西委員に答弁いたします。  まず、都道府県知事、とりわけ福島県に対する負担でございますけれども、確かに福島県の職員の方が多忙を極めているというのは私も承知しております。ただ、それ以上に、今非常に被災者方々、もう非常に今大変な状況で、なかなかお金が来ない、あるいは足らない。実際に自殺者ももう出ております。九十三歳のおばあちゃんがお墓に避難しますとか、あるいは原発さえなければという形でチョークで壁に書いて亡くなった方もいます。  そういう状況を踏まえますと、やはり被災者の立場に立って早くお金を渡すと同時に、やっぱりその事務手続負担を少しでも減らすというふうなことも考えないといけないということで、事務手続については今、浜田議員の方から御説明がありましたように、今まで使っている仮払いやり方東京電力でやったやり方を最大限使う。ただ、一部的に、個人に対する場合、窓口業務的なものは一部都道府県にお願いすることがあるかもしれません。だからといって、今回被災者のために都道府県の方が汗をかかないというふうなことまでは私は聞いておりませんし、できるだけ事務負担を減らしていただいて、この法案というものについても意義があるというふうに私も承知をしております。  ただ、この際、都道府県事務についても国の方が、文科省だけではなく関係省庁が支援できるという枠組みをつくっております。また、ほかの県もあります。千葉県や群馬県の方が事務をやって福島県がやらないということも、これは非現実的だと思います。当然、そのために必要な人とか予算というものの手当てもできるようにこの法案に書かせていただいておりますので、必要性ということをよく御理解の上、いかにその事務負担を減らすかということで知恵を使っていきたいなというふうに思っております。
  27. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  被害者救済のために、自治体が、東電や、あるいは場合によっては形を変えて、国と、みんなが連携してやっていくことはまさにそのとおりだと思います。ただ、現実的にこの実務を考えてみますと、今東電は千人体制で仮払いをやっております。これからの本払いに向けて三千人体制に拡充していくというふうにしております。  福島県の県の職員の人数は何人でしょうか。一体どれほどの事務がこの福島県に生ずるのか。私は、この事務福島県に委託できるという今の法律の枠組みは、これは実効性という観点で見たときにかえって被害者のためにならない、そうしたおそれが非常に高いと思います。それ、いかがお考えでしょう。福島県にもやらせるということでよろしいんでしょうか。
  28. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  この法案は一応、できる規定になっておりますので、これから本当に政府福島県の方のやり取りの中で、ある程度人を追加で採用してもできないというふうになれば、それは国の方でやることもできます。実態的に本当にできないのかというと、それは、私はできる可能性は十分あると思っております。  まさにその辺については、これ委託することができるという規定で置かせておりますので、どうしても、いろんな手を尽くしてもそれが福島県の方でできないと、福島県の佐藤知事ができないと本当に言うんであれば、それは国の方が引き取って、国の方でそういう部分を行うということもあり得るかというふうに思いますけれども、今の規定で言うと、それほど福島の方に大きな負担が行くわけではなく、今の使っている事務手続、これを最大限利用しようというものでございまして、この法案を読んでいただきますと、大分事務手続を簡潔にするという形で配慮をして規定を置かせてもらっているという状況でございます。
  29. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございます。福島への思いは……。  答弁は是非簡潔に。  この度の、今東電がやっている仮払いのこの仕組みの中で、必ずしも今回の被災に関係のない県の自治体までがみんなで、例えば住民票の確保ですとかみんなで協力し合っている、そうしたこともやっております。ですので、私も、全て自治体ができる限りのことをするべきだということは分かります。  ただ、現実問題に考えて、千人以上の体制、これから三千以上になります。そうしたものを今災害被災者の復旧復興あるいはその保護のために血眼になって頑張っていられる福島県にそれを課すことができるのか。もっと制度の根本的な哲学を申し上げれば、この仮払い法案によってできる新しい仮払いの仕組みというのは、少なくとも現在東電がやっているものよりも、被災者そして福島県に余計な負担を課すもので私はあってはいけないと思います。余計な負担を課すのであれば、今東電がやっている仕組みを、東電が一生懸命千人、これから三千人体制にしようとしているんですから、それをより機能化させるようなやり方考えるのが本来の提案の在り方だと思います。  済みません、ちょっと質問が、時間があれですので次に行かせていただきますけれども。(発言する者あり)はい、失礼しました。私の持ち時間で。  ちょっと今提案者の、佐藤提案者がおっしゃっていただいたできる規定なんですけれども、できる規定とはいえ書いてしまった以上は、福島県は、被害者方々から、福島県できることになっているのになぜやらないんだという、そうした余計な批判を受けることになります。だから、福島県が本当にできるものなのかどうか、また制度そのものの在り方として福島県に今の制度では課していない新たな負担を課すことが正しいのかどうか、そうしたことをきちんと考えて、今後検討をいただきたいと思います。  では、次の質問に移らせていただきます。  先ほど谷岡委員質問の中に答弁がございました。この度の八条に書いてあるこの事務処理東京電力委託させるということをおっしゃっているんです。簡潔にお願いいたします。東京電力委託させることについて、東京電力の経営者に内々の応諾を得ておりますか。
  30. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  まず佐藤委員の答弁の少し補足でございますが、三千名の体制福島県で要るとは思っておりません。と言いますのは、今言いましたように、農協とか漁協とか東京電力、そういう方々の力を得ますので、決して福島県の方々に三千名を用意しろと、そういう法案ではございませんということは一言申し上げたいと思っています。  その上で、今、例えば農業とか漁業とか、そういうものはそういう団体を通じて、個人補償関係については既に東京電力が仮払い補償金で百万、七十五万払っておりますので、そういうインフラは使うことが早期救済につながるだろうということもございまして、それで東京電力事務委託考えております。  これについては、実は支援機構法の関係説明に来られた役員がおられます。その方々には、あっ、そういう考えもありますねということで、それは、法案完全に固まっておりませんので、これについては法案が決まっていない段階で東京電力に具体的な話はできませんけれども、こういうことを考えていること自体については先方にお伝えをして、それについては、あっ、それは確かに、例えば過払い規定とか不正請求の場合とか、そういうものについては東京電力民民間でやるよりはいいかもしれませんねと、権利の保護もできますしと、そういうお話もいただいております。
  31. 小西洋之

    小西洋之君 今東京電力がやっているその千人という数は、東京電力の純然たる社員、あるいは東京電力自ら雇った人数なんですね。三千人もそうです。農協とかそういうものは入っておりません。しかも、それは私自身、今の仮払いが順調に、あるいは被害者の方から見て十分に進んでいるとは全く思っておりません。私自身、今の現状は課題がある、これを何とかしなければいけない、そのために政権与党の我々が出したのが支援機構法案であるんですけれども。  それで、つまり、東電の、今三千人、あるいは千人、三千人というのは物すごい規模なわけですね。これから、今私が申し上げたように、非常に不十分な額をもっと上げていくと、海江田大臣が言ったように数兆円に至る場合があると。そうすると、数兆円に伴うその人員というのは、仮払いに対応する人員というのは物すごい数になりますよ。そうしたものを東電にきちんと確認もせずに政令による委託者だというふうに割り切ってこれを答弁されるというのは、それは本当に、まあこういう言い方はしたくはないんですけれども、制度の実効性、すなわち本当に被災者救済ということを考えられているんでしょうか。
  32. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  確かに事務委託者として、法文上は農協漁協等の特定列挙でございますけれども、実際今言ったところは想定しておりまして、ただ、まだこれやっと実質審議が今日始まりまして、法案としてまだ、固まっているといいますか、案として固まっていますけれども成立がまだ見込めておりませんので、その段階で東京電力また具体的には農協事務委託の話をすることも立法府の軽視にもなりますから、ただ、考え方は伝えていると。その段階でそういうことを、その手続で不十分だというふうには我々は認識しておりません。  我々としては、この法案を早く皆様のお力をいただいて御審議し、また精査していただきながら、並行して、皆様の合意が得られそうであればすぐに東京電力ともまたほかの農協とも話を進めて、早期救済ができるように努力をする決意でございます。
  33. 小西洋之

    小西洋之君 立法府の軽視とおっしゃいましたけれども、本当に実現できるのかどうか。今私が申し上げたように、数千人規模にわたるような事務処理員数が見込まれるその事業にあって、その当事者であると考えておる方から内諾あるいは確約というものを得ないままにその法案の審議に付すと、そのこと自体が私は立法府の軽視ではないかというふうに申し上げさせていただきます。  ただ、また、これもう少し実態的に見ると、この制度というのは、この法律が仮に通れば、今東京電力が自分で行っているその仮払い、それと並んで国が責任を持って行うこの仮払い、この二つの仮払いというものが存在することになるんですけれども、こういう制度をつくると、私、この法律考えるときの一番大事な理念は、さっきも申し上げましたように、今東電がやっている仮払いのスピードを決して落とすことなく、また我々の政権与党が出す支援機構法、そうした法律も含めて東電のスピードを決して落とすことはなく、かつ新たな支援の枠組みによって被害者救済を加速していくと。スピードを落とさずかつ加速する、それが実現できなければ、私は制度としておかしいと思うんですね。  ところが、東電払い、国が払うという二つの制度をつくってしまうと、東電は、これ人間だからそうなると思うんですけれども、国が払ってくれるんだったらちょっと自分の事務を落とそうとか、そういうふうに悩んだりするんじゃないんですか。そこら辺はいかがですか。
  34. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) 御答弁させていただきます。  我々が、東京電力さんがこの法案でサボるかサボらないかというのはなかなか判断しづらい問題でございますけれども、法案としては、我々、国が仮払いをしたとしても東京電力の仮払い補償金を制約するものでは全くないと考えております。それについては、この法案としてはあくまで紛争審査会の事項に基づき仮払いをしますが、それ以外の概念で仮払いをされると、これは歓迎でございます。  例えば、今回、被害者におかれましては世帯当たり百万円、七十五万円というのは、あの発想は紛争審査会の考えじゃございません。ああいう形で、違う形でどんどん東京電力さんが農業者また漁業者、商工業者にも仮払いをされる。一方、我々としては、あくまで紛争審査会の中で事項に基づき仮払いが発生する。両方相まって仮払い合計額が増すということは被害者のプラスでありますし、あと、実務の面で、二つがあるから混乱、そうならないと思っております。実際の窓口は、その地域農協漁協商工会商工会議所、一つでありますので、決してそういう混乱はないと考えております。
  35. 小西洋之

    小西洋之君 東電事務処理を行うことによって混乱がないというのは、先ほど谷岡委員も御質問ありましたように、仮払金決定に至るまで様々な判断事項に関するプロセスがあるはずなんですね。つまり、被害者から見ると、国と東電、両方に請求書を出せるわけですから、その両方受け取った者同士が、これ、うちの方が払っていいのだろうか、あるいはおたくが先に払っているのかどうか、こうしたことを確認すると。東電は、本払いに向けて、構築で数か月掛かるような巨大なシステムを今構築しておりますけれども、そうしたものもやはり国として、そうした過払い重複払いを避けるためにはそうしたシステムを構築しなければいけないと。  私は、被災者の方、被害者の方に決して仮払いの新たな支援のスキームを作るなと言っているのではなくて、これを作ることによって本当に被害者救済になるのかどうか、本当にワークするのかどうか、そこをやはりきちんと詰める必要があろうかと思います。  私なりの見解ですけれども、この制度をちゃんとワークさせるためには、今のように東電と国がそれぞれ被害者に対して全く同等の責任、全く同等の手続を設けるのではなくて、国と東電で一定の役割分担、それを果たす必要があろうかと思います。例えば、簡単に申し上げれば、東電でもすぐに仮払いに応じられるそうした案件については、それはもう東電がすぐ払えばいいわけです。ところが、新しい制度ですと、東電がすぐ払えるものでも国に出すこともできる、東電にも出すこともできる、ごっちゃになるわけですね。  ですので、やはりその制度の原則、具体的には三条の部分ですけれども、国と東電の役割分担、国というのは、東電が直ちに支払うことのできないものについて国がしっかりと手当てをしていく、そうした制度に変える必要があるように思います。  では、次の論点に行かせていただきます。  今申し上げました二つの請求書の問題なんですけれども、これはもう一つ大きな論点を生むものであろうかというふうに私は思います。  それは、具体的には東京電力が将来的には払うことのできない債務、私は、東電これだけの原因を起こしこれだけの被害を起こしたので、真摯に、相当因果関係の範囲内とはいえ真摯にもう最大限の私は賠償を行うべきだと思います。しかし、最後に裁判所に持ち込んだときにやっぱりこれは東電が払うということはやや無理筋であると、そういうふうになる案件というのは、それは間違いなく出ると思います。それは我々の交通事故でもそうですし、いろんな民事紛争で普通によく見られることです。ところが、この制度ですと、この法律ですと、東電が将来負うことのない損害債務についてまでも国が東電は本払いの義務があるとして仮払いを行うことになっております。こうした制度をつくってしまうと、東電の最終的には負うことのない債務ですから、国が東電に立替払をしたことを求償しても、東電から、いやいやそれは我々が払うことのできないものですよ、勘弁してくださいよと、そういうことになってしまうんですね。  だから、私はこの制度をきちんとワークさせるためにも、国が東電に個々のそういう請求案件についてこれはちゃんと求償の対象になりますよねと、そうした確認をするプロセスを置くべきだと思います。置かないと、かえって国の役人というのは、浜田先生も私も元公務員でございますけれども、国の役人というのは非常に慎重に事務を行いますので、将来賠償債務になるかどうか分からないようなグレーゾーンのものについては非常にちゅうちょすると考えます。  ですので、もう一つのこの法律に設けるべき、これも三条関係ですけれども、そのプロセスとして東電が将来求償関係をきちんと応じると、そうしたことを事前に確認するという制度を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  36. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  今の御質問は、国の仮払い東京電力損害賠償の範囲を超えて行われるんじゃないかと、それが国の負担になるんじゃないかという御懸念だと思います。それにつきましては、まずこの法律の第二条におきまして、特定原子力損害という定義の中であくまで東京電力が賠償の責めに任ずべきものという限定をしておりますので、法文上は明確になっております。  あと、実務の問題でございます。これにつきましては、あくまで今回の仮払いする対象は特定原子力損害であって政令で定めるものと書いていまして、この考え方として四条二項で、原子力損害の賠償に関する法律第十八条二項二号の指針に定められた事項と、あくまで紛争審査会の事項だけに限定するということを明言しております。  東京電力が紛争審査会の指針に書いてあることも賠償しないということは、私はなかなか想定しづらいと思いますので、対象の範囲としては、決して東京電力が賠償する範囲外まで国が仮払いすることはないと考えております。  あとは問題としては、計算方法等の問題を懸念されているのかなと、風評被害等があってなかなか計算が、国が過大な計算して過払いするんじゃないかという懸念でございますけれども、これにつきましては、あくまで国が仮払いする率は二分の一を下回らないと書いておりますけれども、かなり確度が高いものについては十分の六、十分の八でありますけれども、確度が低いもの、風評被害等についてはなるべく低い十分の五というふうにしておけば、そういうものがかなり防げる。あわせて、たといこれが過払いがしたとしても、国としてはこの過払い請求というのを条項を設けておりますので、そういった東京電力が求償に応じなくなるということはかなり考えにくいと考えております。
  37. 小西洋之

    小西洋之君 紛争審査会が作る、今、一次指針、第二次指針まで出ていまして、この七月中に中間指針が出されますけれども、私もこれを読んでみましたけれども、例えば倒産があったとき、事業の中断ではなくて倒産があったときの被害をどのように算定するのかといったような、あるいはいわゆる風評ですね、風評被害の外延すらまだ中間指針でも今必死に検討しているところだと思いますけれども、そうした個々の事案によって初めて損害賠償の債務の有無、あるなしが分かる事案というのはそれはたくさん出てくるはずです。そうしたものを国が何ら東電チェックする間もなく国自らがどんどんその仮払いを行う。私自身も申し上げたように、千葉選出の議員ですので、仮払いというのは速やかに十分に行わなければいけないと思います。しかし、その仮払いのその資金というのは、他方、我々国民の貴重な税金ですので、間違っても本来払うべきでないところにまでお支払いするということはあってはならないことだと思います。だから、それを事前に確認するその手続というものをしっかり置くと、そうしたことは必要だというふうに考えております。  また、この事前手続が必要な理由がもう一つございまして、これは先ほどの東京電力がいわゆる事務処理、下請事務委託する約束をしているのかということと裏表の関係でございますけれども、今の制度ですと、東電は、本来自分の債務とはならないものを国がある意味離れたところで決めてしまって、自分のその債務、財務諸表上の債務がどんどんつり上がっていくと、そうした仕事を請け合うことになります。そうしたことを東電は本当にやるんでしょうか。そうしたことまできちんと東電と確認をされてこの法案の審議を進めていただく、そのように強くお願いを申し上げさせていただきます。  今の関係でございますけれども、今度は内閣府の方にお聞きしたいんですけれども、私、この法律を審議するに当たって、今伺わせていただいたような制度の実効性の問題と同時に、我々が、政権与党が出しております本来の支援の在り方の支援機構法との関係、仮払い法と支援機構法の関係を、この制度がワークするのかという、そういう実務面と同時にしっかりと考えていかないとと思っております。  どういうことかといいますと、今申し上げたとおり、この制度、国が先にどんどん仮払いを、立替払をすると、東電の債務、財務諸表上の債務はどんどん上がっていきますので、東電、下手をすると信用不安を起こす可能性もあろうかと思います。  政府として、支援機構法案とこの仮払い法案、私は、そういった意味で、東電に信用不安を起こして東電を倒産させると被害者のための仮払いというのは本当にできなくなってしまうわけですから、私は、この仮払い法案というのは支援機構法案がその前提となる、支援機構法案はまさに仮払い法案の前提であると、そのように考えておりますけれども、政府の見解はいかがでしょうか。
  38. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 内閣府の和田でございます。  この度、七月より海江田大臣の下で、この原子力損害に対する経済被害についてどのように考えるかという分野を担当させていただきます。委員皆様方、よろしくお願いいたします。  小西委員のお問合せ、今衆議院に提出され審議が始まりました支援機構法案と、今般参議院での御審議を今始められました被害救済法案、こちらの二つの法案関係についてでございました。  私どもも先般提出者の方からいただきました法案を拝読いたしまして、被害者の一日も早い必要な資金の獲得、それに向けてとにかく努力したいという思いはみんな共通しているものだというふうに思っています。そうした意味におきましては、この二つの法案は決して矛盾をするものではないというふうには考えています。  しかし、先ほどるる御質疑の中で議論されておりましたように、東電が今まで仮払金で払ってきているもの、そしてこれからもしこれが御審議が進みまして成立した際に国が仮払いさせていただくもの、そうしたものが一体的に世の中の皆様方に、しっかりと賠償が進んでおり、しかも東電が金融不安を起こす要素ではないということをお分かりいただくためには、やはり今御指摘いただいたように、私どもが提出させていただいている支援機構の方もしっかりと設立させていただきまして、全体の東電の資金調達がしっかりと要するに確保されるという環境の中で実行されれば一番よろしいのではないかと考えております。
  39. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  この法律には今伺わせていただいているような問題のほかにも様々な問題があるわけですけれども、今日、文部科学省は副大臣にお越しいただいてございます。  文部科学相が八条でこの仮払い事務を行うということになっておりますけれども、その適正性についてどのようにお考えでしょうか、文科相が主務大臣ということについて。
  40. 笹木竜三

    ○副大臣(笹木竜三君) お答えをします。  今現在、文部科学省ではこの原子力損害賠償の紛争にかかわる事務として、例えば、先ほどからお話のあります指針の策定というのを一つやっています。あるいは、原子力事業者との間の原子力損害賠償補償契約に基づいて、それに基づく補償金の支払、これもやっているわけです。さらに、今後いろんな申請者と東電の間でのその払った額についての紛争が非常に増えてくると思うので、和解の仲介という、この仕事文部科学省がいたします。  今御紹介した三つとも、非常に中立性、公平性が求められるわけですね。ですから、こういう今やっている非常に中立性を求められる業務と、当事者として仮払いをするという業務、この二つの間のことをどう考えるのか、そこら辺はよほどしっかりと審議していただきたいなと、そういう気持ちでおります。
  41. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。非常に貴重な御指摘だったと思います。こうした点もしっかりとこれから審議させていただきたいと思います。  佐藤提案者の方から、これ今、東電払い、厚意で行っているような御指摘がありましたけれども、この東電が仮払いをすることはこの一次指針東電が求められることであると明定されております。つまり、法律に基づいた審査会が作った指針の文書の中で、東電はこれを行い、東電はまたそれに従って今やっているというのが現状でございます。なので、厚意でやっているという答弁は今後是非お控えいただきたいと思います。  いずれにいたしましても、この法律を審議するに当たっては、まず国と東電の役割分担の問題、また実際支払うに当たって国に過度の負担をしないようなそうしたプロセスの問題、あと成立時期の問題、そうしたものをしっかりと検討していく必要があろうかと思います。  ありがとうございました。
  42. 高階恵美子

    高階恵美子君 こんにちは。自由民主党高階恵美子です。  今般の早期救済支援法案、いわゆる早期救済のために国が直接乗り出して、遅れに遅れてきた被害者救済への道筋を開く、この法案が四か月目の今日、ようやく審議されていると、その質問に立たせていただくことを大変光栄に存じます。  今から十二年前、九九年に発生いたしましたジェー・シー・オーの臨界事故の経験から、紛争審査会では、損害範囲の判定の指針、あるいは当事者による解決に資する一般的な指針が定められるようになっております。けれども、補償を得る方法というのは変わりませんで、個人団体が自ら賠償請求をして、合意を取り付けなければならないわけです。  この度の被害者数は数十万件と桁外れ、また事態はいまだ進行中であります。紛争審で示されたこれまでの一次、二次、プラスアルファの指針の範囲にはとどまらず、これからは、恐らく農林水産加工業、観光業、その他の被害を被った多くの事業者の範囲に関東を越えて全国へそれが広がっていくことも考えられるようなそういう事態であります。もはや当事者同士の個別交渉だからと旧来の枠組みを唱えていられる事態ではないと思います。  被害者救済の糸口をしっかりとつかみ取るまでに要する時間と労力、それに掛かる経費、それに伴う精神的な苦痛、そして命の消耗の大きさ、これは計り知れません。とても看過できない状況だと思います。今この時代を共に生きている私たちが知恵を出し合って、十六万人を超える被害住民及び被害を受けた事業者たちのふるさとを思う気持ちを支え、生活の立て直しに向かう意欲を支えていこうではありませんか。  四月十二日の事件を記憶しておられる方もここには多くおられると思います。飯舘村で百二歳の男性が自殺との悲しい報道がありました。家族を地区外に送り出し、たった一人での人生の最期、さぞや無念で悔しい思いをのみ込んでの人生の選択をなさったんだろうと、そう思います。こうした事故を発端とする生命の危機、住民の健康で文化的な暮らしを脅かす危機というのは今なお発生し続けています。この連鎖を確実に止めなければ被害の拡大を止められません。  さて、私たち自民党は、この国難に対し、当初から過去の英知を結集して従来の枠組みを凌駕するぬきんでた対策を実施するようにと事細かく具体的に政府へ進言を申し上げ、また自らも実際にできることを着々と実施しております。この中で、原発事故被害者への早急な救済については、春の彼岸を過ぎたころからでしょうか、ようやくやるやるというお返事をお聞きする機会が出てまいりました。ところが、一月を過ぎても一向に法的基盤整備の片りんも示されませんでした。恐らくこれは、必要性は分かったけれども、どのように政策を立てていけばよいのか分からない、もう手いっぱい、そういうことでこのままでは案がまとめられない可能性が高い、自民党ではそう判断しました。  そこで、四月中には議員立法の方針を固めて法案を作り始めたんです。五月に各党への呼びかけを行い、議論を積み上げて、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革の皆様の賛同を得て、この法案を提出したわけです。  四か月の今日、ようやく審議が行われているわけですけれども、政府にお伺いしたいのは、ここに至って政府はまだ原子力経済被害担当の副大臣席を空席になさっている。ここは本来、総理に政府の責任者としての見解を問うべきところなんですけれども、あろうことか大臣さえも御出席いただけておりません。それでも、このようにお膳立ては整っております。一刻も早くこれを生きた制度に仕上げて、国ができる被害者への救済支援を即刻始めていただきたい。  政務官にはやむを得ず御出席をいただいているんだと思いますけれども、この件について御自分の御見解を是非お答え願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  43. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 誰に。
  44. 高階恵美子

    高階恵美子君 和田政務官、御出席でしょうか。
  45. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 高階議員にお答えいたします。  私自身内閣府の政務官でございまして、ちょっと経済産業省の中の人事につきましてはなかなかコメントする立場にはございませんので、そこはお許しいただければと思います。  私どもが高階先生の方からいただいた御質問の趣旨で考えますと、この提案されている法案が成立した場合に、これが速やかに実施する体制をしっかり整えるべきではないかという問題意識を寄せていただいたものと認識しております。  そこはもうしっかりとやっていくということに尽きるわけでございますが、ただ、そうは申せ、今法案の中身を見ておりますと、実際に法案法律として施行するには政令案として定めなければいけないところがたくさんございまして、そうしたものを定めて、法制局審査、そして他省庁への協議、さらには国民の皆様方に御負担をお願いするということになりかねないものでございますので、パブリックコメントに付すという作業が必要になってまいります。そうした作業を経まして政令として確定するということが作業として必要になるものですから、それ相応の期間はいただかざるを得ないものと認識しております。ただ、急いでやらなければいけないことも認識しております。  以上でございます。
  46. 高階恵美子

    高階恵美子君 特に、経済被害を評価して社会経済活動の悪化を防ぐ、その方策を講じる責任者の配置については、お忘れになっておられると困るので、是非総理にお伝えいただきたいと思います。ただいまお答えをいただきましたとおり、とにかく人の配置をしっかりしていただきたいというふうに私はお願いを申し上げたいと思います。  年齢も幅広いです。職業も様々です。県内はもとより全国各地の避難先に身を寄せておられる、こういう状況ですから、個別の賠償手続のお世話や、あるいは、衣食住を始めとする家計の安定収入の確保、学業の継続、進路の相談など、個人、家族が社会生活を営むために必要な様々な相談支援を行う人材が必要となりますので、あまねくこういったところの人材確保と配置について御検討いただきたいという、そういう希望でございます。  そこで、確認なんですけれども、代理で求償等の事務に当たる人員を配置し、事務体制を整備し、実際に仮払いができる、こういう見通しですけれども、何月何日ごろにはできそうでしょうか。概要でも結構ですので、お答えをいただければと存じます。和田政務官。
  47. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 今の御質問に対しましては、残念ながら、私ども、先ほど申し上げたとおり、作業が政令案の策定等でしっかり掛かってまいりますので、現段階でいつごろということを申し上げることはできない状況でございます。お許しください。
  48. 高階恵美子

    高階恵美子君 是非今日にでも始めていただけるように、早速動いていただきたい、そういう気持ちなんですけれども。  さてさて、次の質問に移らせていただきます。特定避難勧奨地点についてお伺いしたいんです。  原子力対策本部、さきに伊達市の四地区、百十三世帯四百十三名を特定避難勧奨地点の対象世帯と指定をいたしました。山合いの集落でして、住民の六割近くが対象となったところもあったようです。役場に照会を掛けても、個人情報だということで指定の有無を教えてもらえないという状況です。これですと、集落自体が維持できないという悲鳴が聞こえてきています。  政府の見解によれば、これまでの計画的避難区域などとは違うんだと、これまでは面で指定していたんだけれども、今度は点です。しかも、注意喚起だから、避難するかどうかはそれぞれが判断すればいいんですよと、こういったあたかも自由度が高いようなお答えなんですけれども、素朴に私、これは生活実感に欠けた無機質な指示だなというふうに感じるんです。  あなたの家は危ないので出てもいいですよと、こういうふうに書かれた紙を渡されてすぐに家を捨てる、こういった暮らし方をしている住民が果たして実社会に存在するでしょうか。しかも、この地域は山合いの大家族の世帯が多い、そういう地域でございます。  指定に用いられたデータ、各地点一度きりの測定、しかも、それとは別に小さなお子さんのいる家庭の一部は幅広に指定をしたと、そういうふうに伺っています。ところが、現実的には、地区の小学生五十七名中二十名が指定された世帯の子で、三十七名は指定されていない家の子であると。これでは、政府が率先して家族を分断し、子供の気持ちを阻害して、育ちを阻害して、子供たちのコミュニティーまで壊してしまうということになるんじゃないでしょうか。こうした無理を通す理由は何でしょう。政府にそんな権限はないはずだと思うんです。政府が考慮すべきは、子供同士の安定したかかわりを保ちながら、適切な教育の機会を提供することではないかと思うんです。  せめて、文科副大臣にお伺いいたしたいんですけれども、文科省の方から地区単位での指定と見直しを図るように、適正化をするようにと、こういった進言をすべきではないかと思うのですが、御意見いかがでしょうか。
  49. 笹木竜三

    ○副大臣(笹木竜三君) まずお答えするんですが、まず、このいろんな測定値の、文部科学省はそのモニタリングをして、それを提供するという立場ですので、そのことをちょっと詳しく御説明をしますと、月に二回程度、文部科学省と原子力安全委員会原子力安全・保安院、それぞれ共同でこの推計を行って出しているわけです。月二回程度発表しているわけですが、その締切日はその一週間前。その一週間前から三日間ですね、その日を含めた三日間、その平均値の数値で発表していると。そこでホットスポットの地点を出していったと。  これは、大体、今の測定というのは百六十地点でやっています。その中で積算量そのものが出る測定の機械を置いているのは十五地点ですが、百六十地点でやっていると。そこで、ホットスポットがここだということを確認した後で、その後で更に、伊達市の場合ですが、六月三日以降、文部科学省では合計百二十地点ぐらい、あと福島原子力災害現地対策本部で六百四十五地点において、一つずつ細かくそれを世帯ごとで測っていったということです。その結果、今言ったような結果になっている。  こうした非常に細かく測っていったという事情については、地元の市町村とやり取りをした結果、数値も、今までの例えば計画的避難区域とかに比べて非常に数値も低い、二十ミリ行くか行かないか、ぎりぎりのところが多い、そうした事情から非常に緻密に細かく測ってくれと、そういう要望もあってそういう材料を提供したということです。結果、その指定の在り方については、これは文部科学省じゃなくて対策本部で結論を出して出したということです。  あと、事前のお尋ねで、その線量の測定値の正確性はどうかというお尋ねもあったようですが、大体普通のポケット線量計ですと一マイクロシーベルト単位で出てくるわけですが、この文部科学省の測定では二桁違いの精度で〇・〇二とか〇・〇五とか、そうした精度で測っていった、これが事実と経過です。  以上、お答えします。  で、結論で、今こちら、文部科学省からこの設定自体を変えろと言うようなつもりがあるかという質問だったと思いますが、地元ともやり取りして、非常に細かい単位でモニタリングをして、そして対応を考えるという要望があったことを受けてやったということを承知していますので、そういう考えは今のところ持っておりません。
  50. 高階恵美子

    高階恵美子君 希望を受けて、要望を受けて細かく測定をしたと。その後、指定をする前にせめて地区単位でお願いをという要望があったと思います。結局、それが却下されているわけですよね。ところが、説明を求めますと、測定したデータではそれには達していないけれども、子供さんがおられる家庭はなるべくその指定に含められるように緩和しましたと。結果を見れば、五十七人の学校のうち二十は指定で、それ以外、要するに二つに学校の同じところに通う子供たちのそのコミュニティーが分断されてしまっているわけなんですね。このことなんですよ。  私たち大人は大人社会あります。子供には子供たちの社会があるんですね。やっぱりそれを途中で分断していくような、そういうことを主導すべきではないというのがこれ普通の感覚だと思うんですね。地元でもいろんな声が上がっていると思います。  発議者の先生、どなたか、状況を伺っていればお伺いできますでしょうか。
  51. 佐藤正久

    佐藤正久君 高階委員にお答えいたします。  今回の特定避難勧奨地点、これ地元では物すごく不評です。実際指定をされたその翌日から、二百人以上の指定されなかった方々の御父兄とかが中心となって、例えば伊達市の小国小学校の方に集まって、これはできるだけ地域単位で指定してほしいと。実際に私も伊達市長と話した際にも、やっぱりこれは集落単位とかあるいは字単位で指定してほしいと。例えば月舘の相葭地区、全部で十世帯しかないんです。そのうち指定されたのはたった六世帯で、四世帯が指定されない。コミュニティーということを全く分かっていない、校区のつながりが全く分かっていないとやっぱり言わざるを得ないと。お母さん方は泣きながら自民党の小泉議員にも訴えたという話も聞きました。実際、地域で雪かきだって残りの四世帯だけでどうするんでしょうか。いろんな側溝の泥上げもやっぱり地域でやっているんですよ。やっぱり東京の目線だとなかなか分からない。  ましてや、学校で五十七人の児童のうち、二十人が指定されて、三十七人が指定されなかった。じゃ、うちの子供たちがもしも自主避難をしようとしても、その補償なんかないんですよ。大体、校区を分断する、お母さん方にとって、じゃ隣の家は指定されて、うちは指定されない。しかも、測定も、実際にはその家の箇所で測ったのはたった一回なんですよ。指定基準も曖昧、測定も曖昧。今、もう地元の方では署名活動が始まるそうです。小国地区でいいますと、PTAの会長さん含めて、これから署名運動をすると。  また、これ聞くところによると、民主党の部門会議も通っていないというふうに聞いています。民主党議員の中でも、これはおかしい、実際にこれを地域でしてほしいというふうに民主党議員政府の方に呼びかけた人もいるというぐらいですので、これは地域分断、コミュニティー分断、子供分断、こういうふうに言わざるを得ないと思います。  他方、どうしても風評被害ということもありますから、どうせ掛けるんであれば全ての地点、集落単位の全部の地点に指定すると、その代わり、計画的避難区域よりは放射線の方は低いわけだから、その分はお米とかを作っても、あるいは商売をやっても大丈夫ですというセーフティーネットを掛ける。それが本当に大事なことであって、今の政府はやっぱり被災者に寄り添おうという気持ちが非常に欠けている。これが、我々が今回仮払い法案を出させていただいた部分も、もっともっと政府は、国が前面に立って被災者の方に寄り添うという気持ちがやっぱり大事だと。今回の特定避難勧奨地点の指定の仕方も、両方とも同じような政府の態度が見て取れるというふうに思います。
  52. 高階恵美子

    高階恵美子君 重ねてなんですけれども、この点について、本法案に基づく基金ですね、ここで勧奨地点に指定された方についても手厚く対応することをお願いしたいというふうに思うんですけれども、その点はどのように取扱いする方針でしょうか。
  53. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  今回の我々の法案の中で、応急対策基金というのをつくらせていただきました。これは地方自治体が自分たちの事業として必要なものを行うものに国がお金を補助するものです。例えば、福島県や伊達市が特定勧奨地点に指定されなかった子供を自主避難をさせるというふうに決めた場合、その分の費用も基金の方から払うこともできますし、あるいは指定されなかった三十七名の子供の被曝管理あるいは健康管理のためにフィルムバッジを付けるとか、あるいはこれまでの内部被曝の検査をする。国が指定しなかった忘れられた子供たち三十七名に対しても、そういう基金の方から対応できるというような仕組みにしております。
  54. 高階恵美子

    高階恵美子君 是非、一回限りの測定で危険指定するというふうなことだけではなくて、同時に、やらなきゃいけないことをできる限りやっていただきたいということなんです。通学路の除染であるとか、雑草、こういったものを刈取りするとか、それから道路や側溝、排水溝、こういったところを清掃したり洗浄したり、今ほどお話があった子供の送迎、健康相談、情報共有のための意見交換会の設定、そして一人一人への放射線被曝線量測定装置の配布、様々なことが必要なんです。避難するしない、その差に関係なく、地区住民の生活実態に合わせたきめ細かく幅の広い支援を是非実施していただきたいというふうな気持ちなんです。  この点について、でき得ればその辺の御意向を復興担当の副大臣、それから原発収束担当にお伺いしたいというふうに思います。一言ずつでも結構です。
  55. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 高階委員にお答えをいたします。  今の除染、それからフィルムバッジ等の配布、さらには通学路、公園等についての除染作業、さらには県の方で今検討いただいております空調設備の設置等については、今回提出予定の二次補正の中でしっかりと対応していきたいというふうに思いますし、これは福島県とも連絡を取り合いながら対応させていただいています。  また、高階委員が御指摘をいただいた特定避難勧奨地点についてでございますが、我々はコミュニティーの分断は避けたいと思っております。しかしながら、計画的避難区域に例えば面として指定しようとしたら、全員に避難をしていただかなければいけません。しかし、伊達市は、御案内のように、部分的には線量の低いところもたくさんございます。線量の高いところと低いところがあって、線量の低いところにまで面として避難のお願いをすると、それは逆に言うと、我々は低いので、例えば農業をやっているとか、例えばお年寄りが介護等でここで生活をしたい、低い場合にはそこにいたいという御要望もあります。ですから、我々は、それぞれの線量に応じて、伊達市そして住民の皆さんの希望を聞きながら、しっかりとこのことについては対応しているつもりでございます。  一方で、我々が一番重要なのは、やはり線量が年間二十ミリシーベルトに達する可能性があるところはなるべく避難をしていただきたい。それは、健康に問題が起こるのを何としても避けたいからです。二つ目は、その周辺で子供さんや妊婦さんがいらっしゃる御家庭については、多少線量が低くても、そこはお子様と妊婦さんに関しては優先的にそれは若干線量が低くても指定をさせていただきたいということで、今回の特定避難勧奨地点の設定をさせていただきました。  私は飯舘村や川俣町の計画的避難区域に携わらせていただきましたが、やはり避難をするとなると、大変、それぞれの避難地域の確保や避難場所の確保や、そういった一次避難、二次避難の場所も含めて、それこそコミュニティーが分断されるという中で今御苦労をいただいております。伊達市の皆さんにも御苦労をお掛けしているわけですが、とにかく市や住民の皆さんの御意向を尊重しながら我々としてはこの特定避難勧奨地点についての指定を行わせていただいたところで、是非委員におかれましても御理解をいただきたいと思います。
  56. 山口壯

    ○副大臣(山口壯君) お答え申し上げます。  特に福島県については、福島第一原発事故の影響が大きくのしかかっているということで、大臣も任命したり、更に頑張らなければいけないというふうに思っています。  なお、二次補正の予算案の中に、原子力損害賠償関係のもの以外にも、福島県からの要望も踏まえさせていただいて、いろいろ入れさせていただいているつもりです。委員からこの議長さんの紙もいただいているので、若干ちょっと具体的に、ほんの少しの時間いただければ。  健康管理調査事業として七百八十二億円、あるいは学校、公園等の公共施設や通学路等の線量低減事業、この中には子供が現に利用する学校、児童施設等の公共施設を中心に市町村等が実施する表土改善事業支援、あるいは学校施設等における空調設備等の設置支援等が含まれるわけですけれども、それとして百八十億円、あるいは小中高校、幼稚園、保育所、公園等にリアルタイムで監視するシステムとして十七億円、あるいは福島県内の全五十九市町村に六基ずつ、それから隣の県も含めて百三十基、合わせて四百八十四基のモニタリングポストの設置に五十億円、あるいは海にも海洋モニタリングのために八億円等が盛り込まれています。  また、除染技術についていろんな新しい発想の提案もたくさん寄せられているわけですけれども、我々としてあらゆる可能性を探るべきだというふうに思いますので、予備費の八千億円の中でそういうものについても充てられればという議論をさせていただいています。  復興のビジョンについては、先日取りまとめられた復興構想会議の提言の中で原子力災害からの復興に関して特に一章を割かせていただいて、種々施策、提案を盛り込まれています。例えば、特区を活用して産学連携で最先端の医薬品、医療機器の研究開発を実施するというのもあります。これは、福島県がOEMの医療機器の生産額が日本一であるとか、そういうことも背景にあると思います。また、再生可能エネルギー関連産業の集積を支援するというのもあります。  先日、この場でも基本法を審議していただいて、そしてまとめられたそのことに基づいて、先月二十四日に吉田泉財務政務官をトップに福島県にも現地対策本部をきちっと正式に設置されました。こういうところでワンストップとして受け止めさせていただいて、体制も整備されつつあるというふうに認識しています。国からも知恵を出すとともに、地元からの知恵も大事にさせていただいて、希望を持っていただけるビジョンを是非実行していくことが肝要と心得ております。  三次補正で更に特区のことあるいは復興交付金のことも議論になると思いますけれども、先週、復興担当の副大臣を拝命させていただいて、これから全身全霊で更に頑張らせていただきます。よろしくお願いします。
  57. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございます。  今ほど医薬品等の研究開発の予算についても御説明をいただいたところですけれども、本日、経産副大臣に問いをさせていただきたかったのは、個人が生活をしているときに自分自身で常日ごろ簡易な形でモニタリングができるような、そういう放射線線量測定の機器等の開発、普及を是非急ぐべきだというふうな思いがありまして、そこへの研究開発資金の提供、あるいは普及定着ですか、こういったところの支援、是非お願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  58. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 委員の御指摘のことにつきましては、全力を挙げて今取り組んでおります。  第二次補正予算の中でも九百六十二億円ほどのこれに関連する子ども健康基金をつくっておりますし、少なくとも子供さんたち、中学生まで全員、それから妊婦の方たち、合わせて三十二万人ぐらいおられますけれども、全員に付けていただいてしっかりフォローしていきたい、また全員の健康管理、二百二万人、福島県、しっかりとフォローしてやっていきたいと思っています。  私のポケットに今二つのガラスバッジありますけれども、一つはフィルムバッジ、一つはガラスバッジですけれども、これを一人一人に付けてその積算線量をしっかりとチェックしていくと、そういう仕組みをつくっております。  以上でございます。
  59. 高階恵美子

    高階恵美子君 是非これも急いで加速させていただきたいというふうに思うんですけれども、何せ現在の線量測定というのはなかなか統一されておりませんで、様々な方法でそれぞれのところでばらばらに行われていると、無秩序な状態が続いておりますので、示される基準も実証的な指標ではなくてなかなか住民が日常的に抱く不安を解消する材料にはなっていないという状況にございますから、混乱を静め不安を小さくしていくために継続的、網羅的に測定網が配備されるような、そういうシステム整備というのも併せてお進めいただきたいというふうに思います。  ちょっとしつこいようなんですけれども、先ほどの特定避難勧奨地点について、指定をされた世帯の個人が避難する場合の賠償について、次に出される紛争審の指針の中ではカバーされるというふうなことだと思っていてよいでしょうか。
  60. 笹木竜三

    ○副大臣(笹木竜三君) 御指摘のとおり、まだそれについての指針決定していなくて発表まで来ていないわけですが、七月中には全体像を示す中間報告、中間指針を出したいと思っていまして、その中にこの特定避難勧奨地点に係る被害、このことについても是非含んで発表したいと、そう思っております。
  61. 高階恵美子

    高階恵美子君 先ほど福山副官房長官からは、避難のお願いをするのはなかなか忍びないのでというふうなことをお答えいただいたんですけれども、避難するなら支援しますというのでありますから、避難しない場合の方々支援ということも同時並行で是非幅広に考えていくということをお願いを申し上げたいというふうに思います。  それから、本日、お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、御覧いただけますでしょうか。  先週の金曜日です、福島県議会で全会一致でこの意見書が採択されたということで、その六番目のところには、まさしく本日御審議いただいているこの件についてとにかく急いでくれといったようなことが書かれております。この法律、一刻も早く成立をさせていただき、そして救済支援の実施に踏み切っていただくように望みまして、質問を終えたいと思います。
  62. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、略称で原子力被害者早期救済法案でありますけれども、これに関連して質問をさせていただきたいと思います。  東京電力福島第一原子力発電所事故を含む東日本大震災の発生から四か月目を迎えたわけであります。しかし、原子力事故による避難を余儀なくされている国民の悩み、生活苦並びに事業者や雇用への悪影響は甚大であります。特に、被災者の生活維持のための損害賠償の仮払いの拡充と迅速化は緊急の課題であると、そのように考えておるところでありまして、本法案早期成立が求められていると、そのように考えておるところでございます。  まず、この法案関係する今回の原子力事故損害賠償の検討状況や仮払い状況について政府並びに発議者質問をさせていただきたいと思います。  初めに、松下経済産業大臣に伺います。  東京電力株式会福島第一原子力発電所の事故による原子力損害賠償の総額は現時点でどれくらいの規模になると見通しているのか、政府の見解をお伺いをしたいと思います。
  63. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 現在、文部科学省に設置しております原子力損害賠償紛争審査会でこの問題について相当深く議論をしておられます。  その範囲、それからいつまで続くのかというそういう期間の問題もございまして、まだ全容をつかみ切っていないというのが実態でございます。できるだけ原子力の発電所、プラントの収束に向けて全力を挙げていくということからその中身がまた詰まっていくものだと、そう考えておりまして、今のところはまだ見通しが定まっていないということでございます。  以上でございます。
  64. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 報道によりますと数兆円に及ぶのではないかというような試算も出ておるわけでありますけれども、やはり全体像、そういうものがつかめないと今後の対策というものは適切にまた迅速にされないということでありまして、そこはしっかり情報を収集しておおよその見通しというものを積算してほしいと、そのように考えておるところでございます。  次に、東京電力株式会社に対して、今回の原子力事故被害者から損害賠償請求が現時点でどの程度寄せられているのか、その総額並びに避難住民や農林水産業、中小企業者といった分類別の額について、参考人西澤俊夫東京電力株式会社社長にお伺いをしたいと思います。
  65. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) 東京電力西澤でございます。  この度の福島原子力発電所の重大な事故によりまして、発電所周辺の皆様福島県民の皆様、そして広く国民の皆様に多大な御迷惑と御心配をお掛けをしておりますことを心からおわび申し上げたいと思います。  先生からの御質問についてでございますけれども、被害を受けられた皆様からの御請求につきましては、いろいろな形での多数の損害賠償のお申出をいただいておりまして、現在、所定の手続を経て個別に仮払いのお支払いをさせていただいてございます。  なお、農林漁業者の皆様からの御請求のうち、団体ベースでお取りまとめいただきました請求額につきましては総額を把握してございまして、合計三百六十六億円というふうになってございます。  以上でございます。
  66. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 やはり個人情報の保護等のこともありまして、請求額の全体像というのはなかなか外部の者には我々も含めまして総計等を知り得ないということでありまして、今日おいでいただいたわけでありますけれども、やはり、どれくらいの被害請求が来ているのか、それに対して仮払いがどの程度行われているのかというのを我々はやはりある程度知らないと、仮払いそのものがどれくらい遅れているのか、少ないのか、それが分からないということでありまして、できるだけ情報公開等もしっかりやっていただきたいと、そのように思っておるところでございます。  西澤参考人につきましては、その後の質問ございませんので、退席結構でございます。  次に、今回の原子力事故被害者に対する損害賠償の仮払いの現状につきまして、松下経済産業大臣に伺います。
  67. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) お答えいたします。  私ども担当している者としては、仮払いもしっかりと実施していきたいと考えていますけれども、早く本賠償の交渉に入って、しっかりと一人一人、それぞれの業種ごとにしっかりと確定していくことが大事だと、そう思っておりまして、それまでの暮らしをしっかり支えていくという意味で仮払いという仕組みでやっているわけでございまして、是非、そういう意味で、この賠償のスキームをしっかりやっていただくということが大事だなということをまず申し上げた上で、仮払いについてお答えしたいと思います。  今、東電側から話ありましたけれども、避難されて、そして大変厳しい暮らしをされていらっしゃる方、約五万四千世帯、十六万人と私たちはつかんでおります。その人たちに対して、第一回の仮払い、一世帯当たり百万円は、これはもう既に支払を終わっております。約五百億円掛かりました。  その後、審査会の方でいろいろ議論をいただきまして、今度は各世帯当たり約三十万円ほどということですけれども、十万円から三十万円、避難している期間に合わせて対象として仮払いをしていきたい、これは一人ずつにしたいと、こう思っているわけでございまして、これはまた近々そのことについての具体的な動きをしていきたいと思っておりまして、七月中にはこのことの開始をしたいと、こう考えております。  それから、農林漁業関係の出荷制限等で大変御迷惑をお掛けしました。こういう方たちに対しましては、四月二十八日に第一次指針が示されまして、七月の八日までに五つの県の農業団体及び二つの県の漁業団体に対しまして約四十一億円をお支払いしておりまして、これはまた内容が確定次第、またしっかりと対応していきたいと、こう考えております。  以上でございます。
  68. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 今、追加の仮払いについてのお話も少し入っておったわけでありますけれども、これから仮払いの追加予定について、もし情報を得ておるのであれば、松下経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。
  69. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) お答えいたします。  仮払い補償金につきましては今申し上げたとおりでございますけれども、六月二十日に、先ほどちょっと触れましたけれども、審査会の方から精神的損害等に関する考え方が示されました。避難している体育館とか公民館とか、大変不自由されておられますので、そういった方に対する精神的損害等に対する損害補償をしていこうと、この指針も示されて、額も示されました。毎月一人当たり十万円、そしてさらに、体育館等で苦労されている方たちには二万円を上積みして十二万円という形になっておりまして、これは七月中をめどにお支払いを始めたいというふうに考えております。  こういう御意見を踏まえまして、もう一つは、避難されている人たちに対して、先ほど申しましたけれども、原則お一人当たり三十万円の追加支払をしたいと、こう考えています。  また同時に、先ほどもちょっと触れませんでしたけれども、商工業関係者、商店を営んでいる人たち、あるいは小規模の工場を経営している人たち、そういう人に対しても五月の末から仮払いを始めました。これは、まとめていただく商工会議所商工会団体人たちが力を尽くしていただきましてこの中を取りまとめていただいた結果でございます。  以上でございます。
  70. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 私は仮払金支払額についてはまだまだ十分でないという認識を持っておるわけでありますけれども、松下経済産業大臣や本法案発議者方々は、今回の原子力災害の被害者の声を直接、あるいは要望書などを介しまして間接的に聞く機会が多いと思うわけでありますけれども、これまでの仮払金支払に対する被害者の満足度というものはどのようにお考えになっているのか、それぞれ見解を伺いたいと思います。
  71. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) もちろん様々な御意見がございまして、十分満足しているという方たちは少ないと思っています。一世帯ではなくて一人一人という考え方もございますし、まとめて、そして仮払いではなくて毎月毎月の分割払にしてほしいというような意見も聞いております。  しかし、手続も大変煩雑になりますので、やはり一括仮払いをお支払いして、あとは自分たちの責任において、大変失礼な言い方でありましょうけれども、家計の問題とかいろいろな問題、上手に使っていただければ有り難いと、こう思っているわけでございまして、そういう意味でも、早く賠償の本賠償に入るための機構、スキームをしっかりつくってその本交渉に入りたいと思っておりますので、その法案の審議を早く進めていくことが大事だと、これを国会の皆さん方に心からお願い申し上げる次第でございます。
  72. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) 渡辺委員にお答えさせていただきたいと思います。  東京電力の仮払い補償金支払に対する満足度でありますが、非常に低いと聞いております。今、西澤社長から農業関係だけでも三百六十六億円の被害金額をまとめられておきながら、一方、今経産副大臣から七月八日まで支払った金額は四十一億円、約一割というのは余りにも低い。今回の被害者のお声は、この仮払金支払が遅い、対象が狭い、また不明確と、この三点に要約できると思います。  まず遅いという点でございますけれども、避難世帯につきましては四月二十六日から支払が始まりましたが、今言いましたように個人単位でなかったと。しかも、今回やっと精神的損害について支払が発表されましたが、じゃ、その先はどうなるんだ、先が見えない、安定的な仮払いがないと生活設計ができないという声、いただいています。  また、農林漁業につきましては、五月三十一日から進められましたが、風評被害に全く対応していない。出荷制限関係についても、なぜ二分の一という一律に率を縛るのかと。そう縛られると、毎月毎月、逆に二分の一が残っていくんだと、これが積もっていくという、そういう声もいただいています。  また、中小企業に関しましては、六月十日から始まりましたが、この二分の一という率も問題でありますけど、もっと問題なのが一社当たり上限二百五十万というこの限度でございます。これにつきましては、六月一日の日経新聞によりますと、五月三十一日のときには、福島県の商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体中央会がこの上限撤廃をしてほしいと話し合っているさなか、それを一方的にこの上限でやられたと。日経新聞によりますと、憤りをあらわ、遺憾という言葉が躍っておりました。六月三十日現在、払込件数、東京電力にお聞きしますと、中小企業関係二千九十八件でありますけれども、この二百五十万の制限を受けた企業が何と五百五十九社、二七%にも上っております。  さらに、もっと問題なのは観光関係でございます。これにつきましては、五月三十一日の紛争審査会の二次指針福島県内の風評被害が当たると明記されているのにもかかわらず、全く現在も対応はなされておりません。もっと問題なのは、これについて、いわゆる観光庁の担当課長にどうしているんだと聞くと、これは東京電力の問題ですと。政府は何もしていない。まさに東京電力に任せて国は引いているというのがこの今の仮払いの不満でございます。  次に、狭いという問題につきましては、今までもるる発議者から答弁ございましたように、紛争審査会任せというわけでございます。例えば、三十キロ圏外の自主避難者には全く東京電力からの仮払い補償金支払がなく、また圏外の中小企業も困っていると。五月十四日、福島県は自主避難者も賠償の対象にするようにと政府に要望しましたが、対応はなされておりません。さらに、四月二十二日に屋内退避区域の指定が解除されましたけれども、緊急避難準備区域、いわゆる三十キロ圏内に指定された地域で生活され続けている方については、この日以降の精神的苦痛については一切この指針で賠償にのっていないと非常に不満が高まっております。これらは、東京電力がこの紛争審査会任せにしているという点であります。  そして、三点目に不明確という問題、これにつきましては、東京電力による仮払い補償金が全くの民民関係にしているがゆえに、譲渡、担保、差押禁止などの権利保全がされておりません。さらに、不正請求や過払いがあった場合について、逆に、東京電力は、今の民民関係では取り戻すことは事実上不可能じゃないかと逆にこぼしておりまして、それが逆に東京電力の仮払い補償金支払についての姿勢を固くしているのではないかと思っております。  さらには、この補償金が課税されるのか課税されないのか、ある場合はこれをいただくがゆえに生活保護が打ち切られるという問題もございまして、こういう問題についてもこの法案の審議を通じて明確にしていくと、これが重要と思っております。
  73. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 ありがとうございます。  先ほど松下経済産業大臣の方から、仮払い、満足していない人もいると。しかし、その方を指しているのかどうかは分かりませんけれども、自分たちの責任で何とかやりくりしてほしいみたいな発言があって、これは非常に問題発言だというふうに私は思います。今、大変な思い被災者、生活のやりくりしているんですよね。そういうところに対する認識が非常に、政府の担当の方々の認識が乏しいと……
  74. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 委員長、誤解です。
  75. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 はい、じゃ。
  76. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 仮払金を一括でなくて月々に分割してほしいという要請がございました。それは、一括お支払いすることで、その範囲内で申し訳ないけれどもいろんな手当てをしていただきたいというお願いでございまして、分割して月々ということになりますと、これは大変手続が煩雑になりますし、そこまでではなくて、そこまでするのではなくて、そのお支払いした中でしっかりと当面の対応をしていただきたいと。十分であるとは誠に思ってもおりませんし、いろんな不満があることは十分承知しておりますけれども、そういう気持ちで申し上げた次第でございます。  それから、二分の一とか二百五十万円とかありましたけれども、これは仮払いの金額の制限、千二百億円という準備した範囲内で何とかしてあげたいと思ってやっているわけでございまして、やむを得ずやった手当てでございます。早く本賠償に入るための機構法案を通していただいて、そこでしっかり、中身をしっかりと吟味していただいて、そしてそれぞれに満足いただけるような賠償交渉に入り、しっかりとまとめていきたいというのが気持ちでございまして、その本意をしっかりとお伝えしたいということでございます。  以上でございます。
  77. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 先ほど仮払いの額、支払が遅い、対象範囲も狭い、そして責任、また根拠法に関しても不明確であるというお話がありました。それに対して本法案ではどのような対策ができるのか、この法案必要性について再度、まあ一部分はそういうお話もありましたけれども、もう一度明確にお話をいただければと思います。
  78. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  今回の法案被害者をいかに早期救済するかという点でございまして、まず仮払いにつきましては国が責任を持つということでございます。被害者方々、お声を聞きますと、政府はいつも第一義的には東京電力、それしか言わないと。先ほど経産副大臣から、二分の一や二百五十万という限度は東京電力が設けた。じゃ、その設けたことに対して政府は何も言えないのかと。現状では法的には何も言えないと、それが問題と思っております。まず、仮払いをしっかりと法的に位置付けて、法的根拠を持ってしっかり言うと、これが重要と思っています。  第二に、今の被害者救済が紛争審査会任せになっているという点がございます。紛争審査会に漏れている自主避難の方々等々については、結局、東京電力は何もしない。であるならば、基金を設けて、現地の知恵でできるものについては早期に対応し、必要であれば後で東京電力に求償すればいいという考えでございますし、あわせて、先ほど申しましたように、国が仮払いをすれば、先ほど言いました譲渡、担保、差押禁止等の権利の保護、また過払いや不正請求等々の諸規定も置けると。結果として私は、被害者早期救済になるわけでございます。  今、福島におきましては本当に不安だという声がいただいております。警察庁が先般発表いたしましたが、五月の自殺者が全国で二割増えて、福島では何と四割増えたと。そういう意味では、先行きの安心、これを与えるためには東京電力任せにするんではなくて国が前面に立つと、そのための法案でございます。
  79. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 経済産業大臣松下君。
  80. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 いやいや、委員長質問の時間がないんで、委員長質問の時間が短いので私に質問させてください。ちょっと、私の質問をする権利があるんです。
  81. 柳田稔

    委員長柳田稔君) いえ、私が指名をさせてもらいましたので。簡潔に答弁してください。
  82. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 何ですか、委員長質問をしているのは私ですよ。
  83. 柳田稔

    委員長柳田稔君) どうぞ。
  84. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 聞いておりませんよ。質問をするのは私です。
  85. 柳田稔

    委員長柳田稔君) いや、だから、質疑をしたのでどうぞ答弁してください。手短にお願いします。松下君、松下君。(発言する者あり)委員長が指名したからです。
  86. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 現行法の下で千二百億円という支払限度額が現存しておりまして、その範囲内でできるだけ、いろんな被害を受けられた方たちにしっかりと、まず仮払いでも、あるいは出荷制限でも、農林漁業者でも商工業者でも、とにかくお支払いをしていきたいという、限度額そのもので目いっぱい使いたいということでやったわけでございまして、それで二百五十万円あるいは二分の一という制限したわけです。  早く本交渉をやりたいので、早く本機構法案を通してください。お願いいたします。
  87. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 質問、次させていただきますけれども、この法案原子力被害応急対策基金というものを設けた理由についてお伺いをしたいと思います。
  88. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) お答えさせていただきます。  今ほどの松下副大臣の答弁は全く間違っていると思います。あくまで一千二百億円は政府補償の分でありまして、東京電力が無限責任を負っております。無限責任を負っているのであれば千二百億円に限定せずに仮払いをするべきである、それに何も言えないという今の政府の対応が今の答弁に表れていると思っております。  あわせて、基金につきましてでございますが、基金につきましては、先ほど申しましたように、例えば自主避難の方々、また圏外の中小企業の方々、そういう方々から、全く今のでは対応できていない。しかも、今回、補正予算、二次補正予算政府は約一千億円弱の基金を計上されました。しかし、その基金、はっきり言いましてこれも狭くて不明確と。子供の健康、確かに重要でございます。そのための予算はのっておりますけれども、今言った自主避難者への対応はできません、これでは。そうしてまた、いわゆる間接被害の事業者に対する支援もできません。まさに狭い、併せて不明確。  一片の二次補正予算で対応するのではなくて、基金を設けるのであれば明確に法律に位置付けるべきと、そういう観点から法律に書かせていただきました。
  89. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 先ほども特定避難勧奨地点についての質問が他の委員からありました。私も昨日、伊達市の上小国の方に行ってまいりまして、そこでお話を聞いてまいりました。やはり地域のきずなが失われてしまうということがありまして、地域全体で指定をしてほしいと。あと、やっぱり測定の地点が、地点といいますか、回数が非常に少なくて非常に問題があるというお話も聞いてまいりました。  こういう特定避難勧奨地点に対して、なかなか政府の方はきちんと救済をするという、指定をされない方も含めて救済をするという、そういうことになっていないというお話を聞いておりまして、もしこの法案が通ればそういう方々に対しても救済ができるのかどうか、この点だけ簡潔にお伺いをして、質問を終わらせていただきます。
  90. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) 簡潔にお答えいたします。  この勧奨地域の問題につきましては、私は除染が重要と思っております。隣の家が指定されても隣の家が指定されていない、不安が高まっております。そういう除染の費用というのがこの基金でできる。あわせて、自主避難の方、そして風評被害の問題等々につきましてもこの基金で十分対応できると考えております。
  91. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 委員長、最後に。  先ほど上小国と言いましたけれども、失礼しました、下小国でございました。  以上で質問を終わります。
  92. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党、松田公太です。  東日本大震災の発生から今日でちょうど四か月となります。そして、昨年の第二十二回参議院選挙から一年の日でもあります。    〔委員長退席、理事藤原良信君着席〕  私は、昨日、被災地の避難所に行ってまいりましたが、いまだに苦しい生活を強いられている方々に非常に申し訳なく思いました。そして、年ごろのお子様をお二人亡くされた御両親や、旦那様やお子様三人全員を亡くしてしまって一人生き残った奥様のお話を聞いてまいりました。  そのようなお話を聞いて、この四か月、政治は一体何をやってきたんだろうか、私自身は一年間、国会議員として、政治家として何をやってきたんだろうと、本当に自責の念に駆られました。それは私一人でなく、この復興特別委員会委員皆様全員一緒だと思います。そして、国会議員皆様もそう思っているのではないかというふうに信じております。今日から、もう一度被災者の方をしっかり向いて、新たな気持ちでやり直したいと思っております。  さて、そういう意味でも、この原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、これはまさしく困っている方々に救いの手を差し伸べる法案だと私は思っております。その賛成の立場から、確認の意味も含めまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず最初ですが、本法案被災者早期救済する目的のものだと思いますが、この法案東電救済にはならないのか、それを私は非常に危惧しておりまして、これは本当の意味被災者救済になるんでしょうか、これをお聞かせいただければと思います。小熊議員、よろしくお願いいたします。
  93. 小熊慎司

    小熊慎司君 松田委員質問にお答えをいたします。  御指摘の点、東電救済にはなりません。また、一〇〇%被災者のための法案となっております。  御承知のとおり、この法案は、第九条第二項では、国は支払った仮払金の額の限度において、支払を受けた者が有する特定原子力損害の賠償請求権を取得し、同条第三項で、国は速やかに当該損害賠償請求権を行使するものとするとしておりますので、東京電力損害賠償責任が減免されるわけでは決してありません。  そしてまた、この法案規定するものとしては全て被災された方々のためになされる施策で、原子力災害に苦しむ人々早期救済のために国が前面に立ち、国が責任を持って仮払い支払をし、そして応急対策基金への補助を定めているから、一〇〇%被災者のためとなります。
  94. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  本当に一〇〇%被災者の方を向いた法案ということで、すばらしい法案だと思っているんですが。  次の質問に移らせていただきますが、国がまず仮払いをしますと。しかし、仮に東電がそれを支払えなくなってしまった場合はどうなるんでしょうか。その場合、何か罰則のような規定考えていらっしゃるんでしょうか。
  95. 小熊慎司

    小熊慎司君 お答えをいたします。  この法案では、原子力損害の賠償に関する法律規定により東京電力が賠償の責めに任ずべき損害を受けた方への救済として国が仮払金支払等を行うこととしておりますので、原子力損害賠償東京電力が無過失責任を負うものです。そして、東京電力支払を行えるか行えないかは、本法案の問題ではなくて、原子力損害の賠償に関する法律の問題かと存じます。また、特段そうした場合の罰則を本法案では設けてはおりません。
  96. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  今ちょうど十四時四十六分になりますが、本当に亡くなられた方々に御冥福をお祈り申し上げたいとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。  今、小熊議員のお話の中に原子力損害の賠償に関する法律という言葉がありましたが、現在、政府から提出されております原子力損害賠償支援機構法のことをおっしゃっているんだと思いますが、私はこれ非常に多くの問題を抱えた法案だと思っておりますが、いかがでしょうか。
  97. 小熊慎司

    小熊慎司君 委員にお答えをいたします。  もちろん、それぞれの立場、またそれぞれの党の考え方もございますけれども、この法案とはまた別の議論といたしまして、政府から提出されております原子力損害賠償支援機構法案、これに対しては、委員御承知のとおり、我が党では修正案を用意をさせていただいております。その修正案の概要としては、東電の責任を明確化をして、そしてまた、東電自身の資産で賠償がなされるべきであると。そしてまた、東電の破綻処理を行って一時国有化、国営化し、その後に、被害を受けた方の救済が必要であれば別に法律を作って措置を講ずるということを我々は考え、そしてその下に修正案を出そうとしているところであります。  しかし、この修正案、また政府案に関しては、それぞれの立場もございますので別の場で議論をしていかなければならないというふうに思っておりますし、また、この法案とは別に、今回の仮払い法案は、我々野党が一致をして、一日も早く被災者救済しなければならないという一点で一致をさせていただいたところでありますので、委員お尋ねの件はまた別の場で議論をさせていただきたいというふうに思っております。
  98. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  そうしましたら、その同支援機構法案につきましては、この後、政府の方にいろいろ質問をさせていただきたいと思いますが。  もう一点お聞きしたいんですが、既に東電は仮払いの実動部隊があると言われておりますね。これは先ほどももう質問に出ていたと思いますが、この実動部隊に対して、国の方はどのように実動部隊をお考えでいらっしゃるのか、そして、今現状ある東電の部隊と連携しようとしているのかしていないのか、これをお聞かせいただければと思います。
  99. 小熊慎司

    小熊慎司君 お答えいたします。  国がどうするかは政府の方でお答えすると思いますけれども、この法案規定において説明をさせていただきますけれども、これは先ほど来議論されていますとおり、各方面、これはやはり全員野球でやっていかなければなりません。スピードが求められる施策でもございますので、そうした中で、この各方面からの協力を得ながら、国が行うことのほかに、第八条第一項でも規定しております都道府県知事が行うことができる、また、その同第二項で、その事務を行うのにふさわしい者として政令で定める者に事務の一部を委託することができるというなどの規定をさせていただいております。  これはやはり、それぞれの地域、それぞれの被災者によって様々、背景、事情が違いますので、そうした地元、現場のしっかりとしたニーズに応じて事務が適正に執行できるように、全ての総力を挙げてできるような規定となっております。
  100. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  最後になりますが、この三千億円の原子力被害応急対策基金、この基金の趣旨について明確にお答えいただければと思います。  基金、具体的にどのように使われるのかというところが非常に気になるところなんですが、またその使途の決定権限はどこにあるのか、これを教えていただければと思います。
  101. 小熊慎司

    小熊慎司君 お答えをいたします。  先ほど来も議論の中で明らかになっておりますけれども、これはまさに現場の中でしっかりとかゆいところに手が届く、しっかりその地域の実情に応じてなされていくべき施策でもございます。  そういう意味では、地元自治体においてしっかりとその地域の実情に応じた使われ方、先ほど来出ている除染をしていったり、また様々な風評被害対策等、それは国が決めるのではなくて、まさに地域主権、地域主導でやっていくべき、そういった自由度の高い基金となっておるわけであります。
  102. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  本当に、今回のような震災の場合、復興の場合、また復旧の場合、財源がやはり地方自治体にしっかりと移譲される、権限も移譲されるということが非常に大切だと私は思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  引き続きまして、政府に御質問させていただきたいと思います。  この原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、本法案に対する政府の見解を簡潔にお聞かせいただければと思います。
  103. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 松田委員にお答えいたします。この提出された法案に対する政府側の意見を述べよということでございますので、今申し上げます。  まず、先ほど来御質疑の中で答弁させていただいておりますが、私どもが提案した支援機構法案にしましても、今回、今御審議いただいております救済支援法案につきましても、被害者方々の一日も早い必要な資金の確保といった視点からなされているものであることはよくよく私ども承知いたしておりまして、そういった意味におきまして方向性を共有できるものだと考えています。  そして、実際に先ほど来御議論いただいております仮払い法案法律として施行される段になったときに、実際の仮払いを実施していく人たちの確保、こうしたものが非常に必要になってくるものだと思われます。今までには東電が自分自身で仮払いをしておりましたので、それを何百人体制、一千人体制まで増強するというふうに申しておりましたが、実際にそういった人員をどこに置いて実務をさせるのが一番本当に被害者方々に一日でも早く渡るのか、ここのところはもう少し国としてもしっかり検討させていただく余地があるものだと考えています。  そうしたことと兼ねまして、実際にこの法案を拝読させていただきますと、政令案を作って、その中で実際にどういった手続条項を置いていくかといったことを決めていかなければいけませんが、先ほどそこも御答弁申し上げたのですが、案を作り各省協議をしたり法制局の審査を経たりすることに作業が要するだけでなく、一番私どもが大事だと思っておりますのは、国民の皆様方にパブリックコメントに付して御意見をいただく期間が必要だと思っておりますので、そうしたものに掛かる最低限の費用だけはどちらにしてもいただかざるを得ないというふうに考えています。  そうしたことを考え合わせますと、今東電が実際に当事者として仮払いを行っているわけでございますが、その体制をそのまま続けていくのと、定めていただきます法律にのっとってそうした体制を新たに整えてやっていくのと、どの辺がどのように工夫できるのか、それらが本当にこれからの真剣な検討を要するところだと考えています。
  104. 松田公太

    ○松田公太君 先ほど来、本復興特で話を聞かせていただいていますと、どうしても実務の話が出てくるわけですね。実務の話ばっかりをされて大変だ大変だということをおっしゃっていますが、私はオペレーション面はこれはどうとでもなると思っているんですよ、真剣にやろうと思えば。  私は、そもそも本法案民主党さんがさっきからおっしゃっているような原子力損害賠償支援機構法、これを先に通すべきだという話は根本的な部分考え方が違うと思っているんですね。どうしても原子力損害賠償支援機構法というのは、東電救済するため、この法案でしかないというふうに見えてしまうんです。その先の、本当に賠償する、そこまで考えが至ってないんじゃないかなというふうに思うんですね。それに対してこの法案というのは、早急に仮払いしましょう、困っている方々がたくさんいるんだからもう一日でも早くお金を渡してしまいましょうという法案だと思うんですが、それについていかが思われますでしょうか。
  105. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 先ほども御答弁申し上げましたが、一日も早くという御趣旨であることはよくよく私どもも承知いたしております。しかし、実際にその方々にお幾らをお渡しするのか、それを算定するにはやはりいろいろな手続というものが必要ではないかと思っておりまして、それにいろいろと東電自身も今まで随分苦労しながら進めてきているんだと思います。  それから、先ほどおっしゃっていただきました、政府提出の支援機構法案東電救済に当たるのではないかという見え方をしてしまうというようなお話でございましたが、私ども、これはあくまで被害者方々にしっかりとお金を早く届けるための仕組みでもあると考えております。実際には相互扶助に基づいていろんな仕組みを取り入れてまいりますが、そうしたものは将来もあってしかるべきだと考えておりますので、この私どもが提出させていただいた法案が、必ずしも東電救済するために、それを目的として法案提出しているものでないことだけは是非御理解いただければというふうに思います。
  106. 松田公太

    ○松田公太君 東電救済するためのスキームだけではないというふうにおっしゃいましたが、やはりその中身をしっかり読み込んでいきますと、またスキームを見ていますと、どうしてもやはり東電救済ありきだとしか思えないんですね。そのために何となく、これは賠償のために、被災者のためにやるんだという理屈を付けてまず東電救済しようと思っているようにしか思えないんですよ。これは先日のこの復興特でも話をさせていただきましたが、枝野官房長官だったと思いますけれども、本当に言葉一つ取っても、例えば債務超過にさせないという言葉を一つ取っても、これは私、異常な法案じゃないかなというふうに思ってしまうんですね。  もう一度、是非、そこら辺を民主党皆さん政府皆さんでお考え直していただきたいなというふうに思うんです。資本主義からもう完全に私はこれずれてしまっていると思うんですね。もし本当に救済をしたいんであれば、被災者皆さんを、やはり一回国有化するべきだと思うんですよ。会社更生法、法的に整理をして、国がしっかりと責任を持って賠償しますという考え方の方がより明確で正しいんではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  107. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 今、松田委員の御指摘、私どももいろいろと検討をさせていただいてはおります。しかし、先ほどおっしゃっていただいたように、例えば本当に被害者救済しようと思ったら、東電を国有化して、そこから先、国が責任を持って賠償にも、それからこれから先の電力の安定供給にも当たるべきではないかと、こういったこともいろいろ考えてはみました。  しかし、例えば一例で申し上げると、現在国有化するためには一旦東電を、例えば更生法の適用を申請するか、そんな手続が必要になってまいりますが、そうしたことに踏み切ろうと思った瞬間に、いろんな債権債務関係を見渡して、実は例えば社債のように一般担保付社債として発行されているものは優先弁済権を持ってしまうということがございまして、こういったことが実際に法制どおりに実行されてしまいますと、今おっしゃっていただいたような被害者救済のための資金を最優先で確保することができなくなってまいります。  そうしたこともありまして、今私どもが判断したのは、東電にしっかりとした賠償能力もそれから電力の安定供給能力も持たせて、その先しっかりと対応させることが必要であろうと考えたがために今支援機構法案として御提出申し上げたということでございます。
  108. 松田公太

    ○松田公太君 この議論を始めてしまいますと時間がちょっと過ぎてしまいますので、ここで終わりとさせていただきたいと思いますが、私どもは引き続き、やはりそこの法律部分を変えることも含めまして、やはり国でしっかりと、仮払いをしっかり担保した上で国有化できるんじゃないかなというふうに思っておりますので、引き続き議論をさせていただきたいと思います。  松下副大臣に御質問をさせていただきたいと思います。  先日、唐突に出てきました菅総理のストレステスト、これについて簡潔に、ちょっと時間がありませんので、御説明いただければと思います。
  109. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) ストレステストにつきましては、大変御心配掛けました。  先ほど、官房長官とそれから経済産業大臣とそれから原発担当の大臣と三人でいろいろ協議して、それについての考え方をまとめて官房長官が発表されました。  そこに詳しく出ておりますけれども、原子力発電所の安全性については、通常の法令上の確認に加えて、今般の事故を踏まえて、緊急安全対策を講じて安全性のチェックを行ってきたわけであります。しかしながら、国民、住民の方々に十分な理解が得られているとは言い難い状況にあるというのも事実でございまして、こうした状況を踏まえて、政府で、原子力発電所の更なる安全性の向上と安全性についての国民、住民の方々の安心、信頼の確保のために、欧州諸国で導入されているストレステストを参考にして、新たな手続ルールに基づく安全評価を実施するとした旨、本日官房長官から発言がなされました。  具体的には、原子力安全委員会の要求を受けまして安全評価を行うと。このために、原子力安全委員会による確認の下に評価項目や評価実施計画を作りまして、これに沿って事業者が評価を実行して、その結果について原子力安全・保安院が確認する、さらに原子力安全委員会がその妥当性について確認するという、念を入れてやっていくという仕組みを実行しようということで先ほど発表されたところでございますので、あと、細部についての細かい項目はこれから大至急作って実行していくということになります。
  110. 松田公太

    ○松田公太君 松下副大臣は、みんなの党が提出しました原子力発電所等の緊急安全評価等に関する法案、これについては御存じでしょうか。  実は、これは先月辺りからもうずっと私ども発表しておりまして、ストレステストという言葉を菅総理が使われ始めた前の週に記者会見もしているわけですけれども、渡辺代表はこれをスーパーストレステストというふうに言っておりますが、一番今のストレステストの問題点というのは、やはり安全委員会でやっている、保安院が絡んでいるところじゃないかなというふうに思うんですね。どうしても国民は、先ほども被災者、国民の方を向いた政治をしましょうというお話をしましたが、どうしても今の政府の言うことを信じていない。だったとしたら、私どものこの法案で書かれているんですが、国会が関与してしっかりとその検査をしましょうと、自然災害等に関するストレスチェックをしましょうというものになっておりますので、是非これは皆様に、みんなの党の法案というのはつるされることばかりなんですけれども、是非御審議いただければと思って、私の質問とさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  111. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  福島原発事故から四か月がたちました。一日も早く被害者への全面的で速やかな賠償が求められていると思います。ところが、七月六日現在で農林漁業者の損害賠償請求は、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川から合わせて三百六十七億二千万円出されていると。これ、農林省から聞きました。それに対して仮払いは四十一億三千九百万円にとどまっております。僅か九分の一にとどまっているわけであります。  一番の原因は、東京電力原子力損害賠償紛争審査会指針に従って仮払いを行うとして、指針待ちに終始しているということにあるのではないかと思っております。私は、福島原発事故の原因は、事業者である東電と、それから原発開発を国策として推進してきた国が負うべきであって、国は東電に対して全面的な賠償を速やかに行わせなければならないと思っております。その際、以下三点を基本にすべきではないかと考えております。  第一は、審査会の指針に限定することなく全ての損害を賠償の対象とすべきこと、二つ目に、被災者に対する一刻も早い仮払いを実現するために必要な場合は国による支払を行うこと、そして三つ目に、被害者被害業者の請求については全額賠償の対象とすることを基本とすべきであると、賠償の対象とならないことの挙証責任は東電が負うべきであるというふうに考えております。その立場から法案提案者方々質問をさせていただきます。  まず、国による仮払いの問題ですけれども、国が仮払いする対象について、法案では、特定原子力損害であって政令で定めるものを受けた者と三条に書かれてあります。その政令については、原子力損害賠償紛争審査会が定める指針に定められた事項、四条二項にそう定められておりますが、これでは、国による仮払いも現在東電が行っている仮払いと同じで、紛争審査会の指針の範囲に限定されて現状を改善することにならないのではないかという疑問があるんですが、この点、いかがでしょうか。
  112. 佐藤正久

    佐藤正久君 山下委員に答弁させていただきます。  まさに問題意識は多分ほぼ同じだと思います。やっぱり早く被災者の元に十分な仮払金を届けるということが非常に大事だと思っています。そういう意味で今回、法案を提出させていただきました。  しかしながら、国が仮払いを行うという場合には、やっぱり何らかの基準がないと払うことができないということも事実でございます。今回の仮払いというものは、緊急措置として国が行うという観点から、新たな基準を作成しますとやっぱり時間が掛かってしまうということで、やむを得ず、今回の原子力損害賠償審査会の指針に定められた事項に基づいて支払うということにしております。  ただ、今回、支払う際における算定の仕方という部分は政令で定めるという形にしておりますので、今、三百六十七億円のうち四十一億円しか支払われていないという部分は、指針の定め方だけではなく支払の仕方にも原因が一部あるんだろうというふうに考えています。  よって、例えば、この東京電力による仮払い、今、二分の一というものを基準にしたり、あるいは中小企業者に対しては二百五十万という上限も設けております。そういう部分については、全て一律の基準、比率というのを採用するのではなく、過払いのおそれに配慮しつつもできるだけ高い割合で支払う額を増やしていきたいというふうに考えています。  また、今回、指針でどうしてもまだ入っていない部分、先ほど来いろいろ議論がありますけれども、そういうものにつきましては、地方公共団体が設置をします原子力被害応急対策基金というものを活用しながら被災者の元へ、指針には入ってはいないけれども県の方が非常に大事だと思う部分については支払うことができる枠組みとさせていただいております。  我々も、今回の賠償紛争審査会の指針というのが本当にそれで十分かというと、私、個人的にもこれは十分とはやっぱり思っておりませんので、そういう意味支払う比率を上げる、あるいは漏れた部分については基金の方で補助をするという考え方に立っております。
  113. 山下芳生

    ○山下芳生君 実は、しかし、指針から漏れているところがなかなか仮払いがされずに困っている人たちなんですね。私もこの委員会質問しましたけど、操業停止になった漁業者、ようやく幾つか仮払い始まりましたけど、漁業者が捕ってきた魚を全国に出荷する仲買人はこれ指針に入っていませんから、もう四か月たったけど、仮払いもゼロなんですね。これ何とかしてくれという声にどうこたえるのかという点でいいますと、残念ながら、国による仮払いという今度の法案の仕組みでは、これは指針に入っていませんから救われないと。だったら、この指針にとらわれる必要ないんじゃないかと私は思うんですよ。    〔理事藤原良信君退席、委員長着席〕  さっき言いましたように、被害者がこれみんな証拠を付けて、写真とか伝票を付けて請求しているわけですよね、東電に。これはもう全額、被害者請求は、根拠を持って示された場合は認めて賠償をすべきです。仮払いすべきなんですね。そこまで踏み込んで初めて、私はこの被害者救済早期の仮払いということになるんじゃないかなと思っております。  そのことは何も無理な話じゃなくて、この基準を紛争審査会の指針にこだわる必要はないと。これは、紛争審査会の指針というのは、紛争が起こったときの和解の仲介の指針であって、一つの指針であって、根拠があればどんどん積極的に払うべきなんだということは枝野官房長官のこの委員会での答弁ですから、そういうふうにしてこそ私は賠償、仮払い早期に広くやられるんじゃないかと思っております。そこは少しちょっと残念な点なんです。  それから、もう一つ、先ほど佐藤提案者からも、政令で定める計算方法というものが少し言われました。そこで、少し聞きますけれども、国によって仮払いされる金額については、紛争審査会の指針が出された後、一つは被害者が提出すべき資料、二つ目に被害概算額を算定するための簡易な計算方法、そして三つ目にその概算額の十分の五を下回らない割合などについて政令で定めるというふうに四条であります。具体的にどのような内容を想定されているのか、お答えいただけますでしょうか。
  114. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  今回の法律の四条の方に、政令で定めると、まさに山下委員が言われた三項目が記載されております。  今回の一つのポイントは、被害者の方に大きな負担を掛けず算定に時間を要しないということが非常に大事だというふうにも思っておりますので、現在使われている算定方法というもの、あるいは書類等を参考にしながら、概算額の算定方法、提出資料の様式というのを定めていくということが実際的だと思っております。  ただ、ある程度具体的な算定方法が定められている損害というものも一部にあろうかと思います。例えば、個人の精神的な損害については、指針において避難している場所に応じた月単位の計算方法が定められておりますので、概算額の算定に必要な項目は、例えば避難の開始の月日、その間避難していた場所が中心になるというふうに思います。さらに、個人の失業あるいは休業補償については、前年度の収入等を用いて比較的容易に算定方法を定めることができるのではないかというふうに思います。  ただ、山下委員指摘のとおり、非常に今の指針では救えない部分という部分がやっぱりございます。やっぱりそこについては、繰り返しますけれども、やはり福島県の方からも今の指針に入っていない部分ももっともっと救ってほしいという要望があるのも事実です。その部分については、福島県の方からの要望があることでございますから、その辺りは基金というものを十分に運用できればというふうに思っています。  その精神的なものについては、今の指針というものに基づいて精神損害を払ったとしても、福島県の方からはもっと払ってほしいという要望が実際ございます。例えば、県の方からの要望としましては、対象者を避難場所で三区分するのではなく、やっぱり精神的な苦痛は避難場所にかかわらず受けており、損害額を差別すべきではないとか、あるいは期間を三段階に分けて、今、事故発生から七か月以降は二分の一に減額する。これは、事故収束が見通せない段階でこんなふうに六か月で減額するのはおかしいというものがありますから、こういう部分についてはしっかりと基金の方で漏れている部分というものを併せて県側と連携をしながら払っていきたいというふうに思っております。
  115. 山下芳生

    ○山下芳生君 基金のことは最後に聞きたいと思いますが、さらに、この例えば簡易な計算方法についてなんですけれども、私が法案について説明を受けたときには被害の種類ごとに定めることを考えているというふうに聞きました。例えば、漁連の方では今、五中三方式といいまして、過去五年間の漁獲高の中で一番多い年と一番少ない年をカットして、あとの三年間の平均を水揚げとして賠償の請求の根拠にしようということですが、例えばもう少し種類ごとに聞きますと、コウナゴなどはもう一年間でどかっと捕れる年が非常に少ないと。五年に一回あるかないかと。それで残りの年をならしていると。だから、一番大きいところをどんとカットされると、もうほとんど捕れない年になっちゃうので、これは大変なことになるんだという、つらいんだという声も聞きました。  こういう種類ごとの特徴も踏まえた簡易な計算方法が必要となってくると思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。
  116. 浜田昌良

    委員以外の議員浜田昌良君) ただいま算定方法について御質問いただきましたが、これはまさに農協漁協皆様のお知恵をいただきながら、実態的にその皆様被害の実態が反映する方法を早急に決めていただきたいと思っておりますので、今御提案いただきました五中三方式であったりとか、非常にコウナゴ等については数年に一回巨大なということであれば、そういうものを十分加味したような皆様が納得できるような方法をこれから検討してまいりたいと思っております。
  117. 山下芳生

    ○山下芳生君 そうすると、これは相当綿密に算定方法を考える必要があると思っているんです。結構これに時間が掛かるんじゃないかということも心配しておりまして、指針が出てからこの政令を種類ごとに決めるとなると、かえって時間が掛かっちゃうんじゃないかということも心配されております。ここは少し私、疑問点の一つとして挙げておきたいと思います。  それで、もう時間がありませんので、最後に基金について質問させていただきます。  都道府県に設置される基金について、提案者による説明では、紛争審査会の指針で漏れた被害について基金による事業として仮払いできるとしております。その場合、仮払いする対象は誰がどのように決めるんでしょうか。
  118. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  基金の方の運用としましては、指針から漏れた仮払金という性格のものだけではなく、地方自治体が特措法に基づきまして実施しますいろんな事業、除染とかあるいは健康管理にも使えるということをまず御理解いただいた上で、その仮払いという部分についての基準について説明をさせていただきます。  今回、これは基本的に地方自治体が行うというものに補助という形を取らせていただいておりますので、まさに今、福島県の方から指針の策定に向けていろんな要望が来ております。こういうものを入れてほしい、こういうものも入れてほしいというものを、いろいろ入っております。ただ、残念ながら、紛争審査会の指針という中では、県の要望が一〇〇%ではないということが言えます。であれば、その県が要望して今漏れている部分という部分は、県の自主的な判断でこれを被災者の方にこれを仮払金的な形で補填をするということも可能だと思います。  一番大事なことは、本当に被災者方々に早くこのお金を届ける。特に、先ほど来出ていますように、自主避難の方々、あるいは特定勧奨地点から漏れている方という方に対する支援というものもこの基金の方でできるということでございますので、御理解をいただき、御賛同賜れればというふうに思います。
  119. 山下芳生

    ○山下芳生君 そこで、一つ心配なことがあるんです。私は、指針から漏れているものについても東電が払うべきだと、根拠があるものは、そうやって払うべきだと、官房長官の答弁ですが、そうさせるべきだと、国が、思うんですね。それを、都道府県に基金をつくって都道府県判断でやってもらうということになるとどうなるかといいますと、都道府県被害者、賠償請求者の矢面に立たされることになるんじゃないかという心配があるんですね。  本来、都道府県被害者や市町村と一緒になって東電に迅速な全面賠償を迫る役割を果たすべきなのに、都道府県被害者の矢面に立たされるとは非常にまずい。国と東電は高みの見物になっちゃうんじゃないかと。この点、心配するんですが、いかがですか。
  120. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  当然、指針というものに漏れている部分、これについては今、応急的に基金を使って払うという性格のもので、当然、我々国会議員もあるいは福島県の方も、指針の方に、また中間指針ではなく三次指針、四次指針の方に入れてもらうという努力は当然やるということが基本だと思います。  そういう三次指針、四次指針の方に入れば、それは当然、それは地方公共団体から東京電力の方に求償もできるという法律の枠組みにしてございます。
  121. 山下芳生

    ○山下芳生君 都道府県が矢面に立たされるようなことにはならないようにすべきだということを申し上げて、終わります。
  122. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 限られた時間でありますので、端的に質問をさせていただきたいと思います。  まず最初、政府側と申しましょうか、和田内閣府政務官にちょっと基本的なことをお伺いしたいと思います。  今日の委員会は、それぞれの政党の質疑者からいろいろ質問がありました。私も聞いておりまして、基本的に何が違うのかなというのは、余り変わっていないんじゃないかと、考え方の基本ですね。いわゆる原子力賠償支援機構法と今回提出したいわゆる議員提案、我々も提出者の一人なんですけれども、その矛盾点はないと、同じ被災者に対しての一日も早く救済、仮払い制度、そしてまたいろんな基本的な考え方に大きな差はないという答弁でしたよね。  だけれども、私聞いておりますと、どうもそこに政府案の支援機構法と議員立法の我々が提出した法案との間の認識の基本的なずれがやっぱりどうしても解消できないでいるんですよ。それが先ほど浜田発議者の方からの答弁でもありましたように、遅いであるとか、限られた限定的であるとか、いろんなことを言われました。それに対しての答弁もされておりましたけれども、もう一度、基本的に、何が限定的と言われる、あるいは何が遅いと言われてスピード感がないとか、被災者の立場に立っていないとかいろんな質問がありましたけれども、もう一度その点について基本的な考え方をちょっと御答弁いただけますか。
  123. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 藤井委員にお答えいたします。  先ほど来申し上げているところはある程度時間の節約のために省かせていただきますが、被害者の必要な資金を確保するためにどういうルートが一番早いのかということに尽きているのだろうというふうに思います。先ほどおっしゃったように、今までの東電が仮払いをしてきたその日程感、スピード感についてまだまだ遅いという御苦情があるのは私どもはよく存じ上げております。そこをどうやって一日でも早くという仕組みに切り替えていくかということの考え得るルートが、今提出者の皆様方がお考えになったのは、国が仮払いをすることによって後、東電に求償することにすれば、まず最初の支払は早く済むであろうということだろうと考えています。  しかし、法案の中身を私どもが検討させていただいている今の段階で申し上げるべきことは、この提出者の出されている法案の中でも、実際に支払の額とかそういったものを決めていく際には紛争審査会の方がお決めになる指針に基づいて行うことにされていらっしゃいますし、また先ほど申し上げたところですが、かなり詳細の部分にわたっては政令案の方に委ねるということを書かれておられるところから、それをまたいただいて作る国側の責務として考える限り、そこの作業にかなりの日程が要されるということにはなろうかと思っています。  東電が今までどおり仮払いを自分で実施しながら私どもがお願いしております支援機構をつくるということがどのように違うのかということでございますが、実際にその仮払い判断をしていく際に、今までは東電がいろんな資金調達、この賠償資金も当然含みますが、これから先電力の安定供給もしっかりと果たしていただかなきゃいけない、そうしたもろもろの全体で掛かる資金調達をどのように安定的に推移させていくのか、そうしたところが根っこから安心、安全なものになっていなければ、結局金融市場は信頼していただけない。そうした視点に立っておるわけでございまして、そこのところが本当に一番、そういった信頼も含めて、早いのはどのルートになるんだろうかということを今皆様方でお考えいただくべきポイントだろうと考えています。
  124. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 分かりました。なるほど。  考え方、私も基本的に間違ってはいないと思います。ただ、やっぱりその考え方は余りにも固過ぎるというか、ある面では狭過ぎるって、先ほども限定的だという、柔軟性がやっぱりないですよ、幅がない。そこが、いわゆる政治主導というか政府の今度の法案というのは、そういった点が非常に印象的に、被災地の人たちからとっても我々提出者の方からとっても、そこのところが非常に私はやっぱり政務官、ちょっと狭いなという印象をこれ拭い切れません。是非その点は、考えている基本は間違っていないと思いますけれども、その辺の柔軟性というか、そこをもうちょっと考えてもらった方がいいんじゃないかと思います。  そこで、発議者の方に御質問いたしますが、今の政務官の、政府側の答弁に対して、発議者皆さん大勢いらっしゃいますけれども、福島県、被災地のお一人である荒井発議者に、この点についてどう、今の答弁に対してどう意見があるかどうかお聞かせいただければと思います。
  125. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 藤井先生には大所高所から御指導ありがとうございます。  今の政府答弁ですけれども、一言で言いますと、不条理な事態で、今不条理な事態にみんなが置かれていると、簡単に言えば困った人を助けていこうじゃないかと、こういう考え方でございます。これは全ての政党、全ての議員皆さん、一緒だと思います。まさに参議院としてふさわしい審議がスタートしたなと、このように思っている次第ですが、今やることをやるということなのではないかなと思います。そのためには、ひとつ実態に合わせるということだと思います。何か政府やり方は、靴に足を合わせろと言っているんです。それは藤井先生がおっしゃった、まさに柔軟性がない、ある意味で私はちょっと心が足りないかなと。  足に靴を合わせていくというために、今回は自治体に基金を設けていろんな形で、国が主導している原賠審、こういったところの指針が足りなければ自治体が足に合わせていく、こういうことをやる。二つ目は、支払については全く量もスピードも遅いわけですから、早く支払をしていく。そして、こういった議員皆様方の御賛同をいただければ、政府の原賠審に対しても、政府自体にしても、もっと被災者の側に行きなさいって背中を押すことになる、この効果がすごくあるんだろうと思います。  そして、先ほどお話がありました機構のスキーム、政府の案は言ってみればお金をつくるスキームでして、仮払い等に対する、足に靴を合わせるという、そういったものは一つも入っていないんです。お金を工面する、そして今までのやり方のための財源を捻出するんだと言っているんです。これでは何にも変わらないのではないでしょうか。  まずは、お金は国が工面をする、補正予算でも結構でしょう。その後、特に原発の場合は収束がいつかが問題です。除染がいつできるかが問題です。これができない限りは変わらないんです。動いていくんです。本払いに行くと、政府の方言いましたけれども、なかなか難しい。ですから、その後で、確定した段階で東電請求する。東電の責任はもう逃さない、当たり前です、こんなことは。  そして、事務処理の問題、本当に御苦労いただくと思いますけれども、それぞれの国も県も市町村も大変だと思いますけれども、被災者皆さんのためにはもう一つ二つ働いていただけるんではないかと期待しております。
  126. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 それでは、もう一つ質問しますけれども、今答弁にもありましたけれども、靴に足を合わせる、それはそういうことじゃないんだと、足に靴を合わせる、その柔軟性が、幅がない、幾つか政府案に対してそういったことが欠けているという話ですが、じゃ、実際に、もう一度確認しますけど、今度提出した発議者の方からすると、だからこの法案はこういうところでスピード感も、それから被災者の立場に立ってこれが具体的にこうなんだということを、もうちょっと簡潔に分かりやすく、せっかくのこの質疑応答ですから、分かりやすく説明してください。専門的なことを言っているんじゃなくて、そこのところが今一番大事だと思いますので、よろしくお願いします。
  127. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) これは、先ほど来から答弁の発議者からもありましたけれども、例えば、福島県の二十キロ圏以内には七千六百の事業者がおります。そのうち申し込んだのは四千五百の事業者。その四千五百のうち二千三百社にしか対応されていません。しかも、もう三百万、四百万あれば本当に有り難いというところを二百五十万で切っているということがございます。こういうことも分かりやすい例でいえば一例になろうと思います。  こういったことを含めて、様々な点で行き届いていないんです。額もスピードも遅いんです。それで、それをよく知っている農協皆さん皆さんにも手伝ってもらって、そして早く行くようにしましょう、相対でまたできますから親身になって考えていきましょう、それでやっぱり国はおかしいとなったら国に当然言うんですけれども、そんな国待っていられないと。なら基金で、先ほどありましたように、上乗せしていこうということもできますし、五十キロ、六十キロ圏で自主避難している人たちの精神的な苦痛、あるいは、どこかに一時避難をしました、あっ、そうしたら隣が飯舘だった、誰がこれ勝手に避難したと言えるでしょうか。まだら模様になると言ったのは政府の責任です、後になって。そういったものも救済できるように県が基金を持って、その基金は国が対応いたしますけれども、きちんと皆さんの実情に合わせていくというようなことだろうと思います。
  128. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 分かりやすい答弁で、ありがとうございました。  政務官、今の答弁で、これが、質問ということじゃありません、聞いていただきたいんですけれども、いわゆる今回のこの賠償の支援法ですね、この賠償法、これもそうなんですけど、瓦れきの法律もようやくこの間閣議決定したでしょう。これは、私、復興特で遅いと、政治主導というのは何かと、そんなものは環境省に直轄でやらすようにしろと、そして、財務省は嫌がるかもしれないけど、そのことは国難だからしっかりやりなさいよと。そして、環境省はもしそれが直轄で、今度ようやく閣議決定しましたけれども、マンパワー足りないから、それだったら、国交省という大きないろんな組織を持っているところをどんどん使って、そして、そういうことをスピード感を持ってやれば、それが被災者にとっては、あっ、やってくれているなという、それが大事なんですよ。それがスピード感であり、被災者の立場に立った。  今回のことも、結局、四か月になってようやく、今衆議院でこの審議が始まった。我々野党は、我慢できないから瓦れき処理の法案も先に出しましたよ。政府案の方が後から出しているんですよ。今度の法案も結果的に両々相まってきっと修正がなされると思いますけれども、お互いに矛盾してないんだから、いかにこのことをスピード感でもってこれを成立させて、被災者地域、そういったことで、いろんな被害を受けている方々が、ああ、政府もまた国会もみんなやっているなという、それが大事だということを、改めてまた今度総理にも質問する機会はあると思いますが、申し上げておきますが、是非その点の認識を深めていただきたいと思っております。  最後に、そこで、私はこれは自責の念を駆られていると先ほど松田公太委員からもお話がありましたけれども、私のこの気持ちですが、やっぱり私自身も責任、自責の念を駆られています。  というのは、私ももう長い間、この委員の中でも一番古い政治経験を持っていると思いますが、基本的に私は原子力発電を推進してきた政治家の一人ですよ。これはただ原子力が安全だとかどうだとかというんじゃない、やっぱり日本は資源小国であって、そして、昭和三十年を起点にして石炭から石油へ、安い石油をどんどん使うことできた。それからさらに、CO2の問題やいろんな、硫黄の問題とかいろいろありましたけれども、結果的にはそれからは天然ガスに行こうと、水力もやっていこうと。しかし、限界があるから、やっぱり準国産というのは純粋な国産という純じゃなくて、リサイクルもできるし、そういったことでは、原子力がいわゆる何といいますか、資源的にも確保できるし、そして日本の原子力発電という技術は世界一進んでいると。外国にも、総理自身がベトナムに受注したときは大変喜んでいた。  これが、今回の震災、この事故で何かもう天地ひっくり返したような話になっている。これはもう本当に未曽有の、私も予期せぬこの事態が起きてしまった。だからこそ、今度この未曽有の被害をどうやって克服していこうかというのは、やっぱり一方では安定的な資源小国としてのエネルギーの確保をどうしていくかという問題と、そのためには国民に対するいろんな理解をどうやって深めていくか、そして何といっても被災地の皆さん方にどう救いの手を伸べていくかという、いろんなことを一遍にやらなきゃいけないということでありますから、そういう意味では、今残念ながら、今の政府の、今の政権では国家的戦略というのが全く欠けて、場当たり的なそういう発想で事が進めているということが私は非常に残念であり、だからこそ、与党の中でも一分一秒でも早く総理の座を引いた方がいいという、そういう何か液状化現象が与党の中で起きているような話ですからね、残念ながら、我々見ておりますと。  そういうことのないように、この法案を一つのある面では契機として、このことによって被災地の皆さん方が国政に携わっている者も一生懸命我々のためにやってくれているんだなということを、そういう意味では、この法案このまますんなり全部通るとは思いませんけど、これから審議される機構法案も併せて、そういったことを含めて是非一日も早い成立に我々も協力していきたいと思いますので、発議の先生方も頑張っていただきたいと思います。  以上をもちまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  129. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。本日はこの法案に対する一番最初の質疑でございますので、基本的な事項について質問をさせていただきます。  社民党は、原発事故被害者に一刻も早く補償すべきという点で、提案者皆様思いを共有しております。法案をおまとめいただき、また我が党に対して丁寧に対応していただきました佐藤正久議員を始めとする提案者皆様に改めてお礼を申し上げます。  その上で、今回の東電原発事故については、これまで政権党として原発推進政策を取ってきた自民党に責任があるのは明らかであります。谷垣総裁も、原発事故には我々も責任を負っている、検証を徹底的にやらなければならないと言われています。  そこで質問ですが、これまで原発を推進してきた自民党の責任についてどう考え、具体的にどういった点を反省しているのでしょうか。また、反省を踏まえて今後のエネルギー政策、特に原発についてどのように考えておられるのか、お伺いをします。
  130. 礒崎陽輔

    委員以外の議員(礒崎陽輔君) 吉田委員にお答えいたします。  私もこの前まで政権を担ってまいりました自民党政権の一員であった者といたしまして、本当にその原因あるいは責任の所在、もう少し議論をしなきゃなりませんが、いずれにしても極めて痛恨の極みでございます。このことをしっかりと考えていかなきゃなりません。原子力政策、今、藤井先生からもありました。やはり間違いがなければこういうことは起こらなかったわけでありますから、私たちも真摯にそこのところ、反省すべき点は反省をしていかなければならぬと強く思っているところであります。  今後どうするか、これは本当に大きな問題であります。我が党も最近総合エネルギー政策特命委員会というのをつくりまして、今、全国会議員が集まって真剣な議論を続けているところであります。いろんな政党のお考えあると思います。全くゼロにすべきであるという考えもありましょうし、少し減らすべき、あるいは現行を維持すべきという意見もあるでしょうが、少なくとも震災前の現政権の言うように五〇%まで上げるなんということはもうとてもできないわけでありますから、可能な限り原子力への依存度を減らしていくというのは、もうここまで来れば当然であろうと思います。それを、ただ需要との関係でどこまでできるのか、どれくらいの期間を掛けてできるのかということを皆様と共に謙虚に一生懸命考えてまいるべきだと考えております。
  131. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 自民党の皆さんの中にもいろんな考え方があって大変に悩ましい、厳しい議論をされておられるのは承知をしております。  そこで、自民党は独立した事故調査委員会を国会に置く議員立法を作っておられると、そのように聞いておりますけれども、谷垣総裁は徹底的な検証を訴えておられまして、従来の原発推進政策の徹底的な検証も期待をしているところでございます。その法案はいつ提出されるおつもりか、お伺いをいたします。
  132. 礒崎陽輔

    委員以外の議員(礒崎陽輔君) 国会における検証の組織をつくるという法案につきましては、我が党の塩崎議員が中心となりまして、まず自民党案をまとめて、現在他党との協議をしているところでございます。  できますれば国会でしっかりとした議論をして、今先生がおっしゃったようなあらゆる原因をきっちりと検証をしていかなきゃならぬと思いますので、特定の政党が出すというのではなくて、できますれば全会派が一致してそういう組織をつくることに合意をしなきゃならぬと思っておりますので、その協議を今一生懸命進めております。もちろん、できるだけ早い段階で提出できるように頑張ってまいりたいと思います。
  133. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 その委員会につきましては我が党もしっかり参画をさせていただきたいと、そのように考えております。  次の質問に移らせていただきます。  自民党の塩崎恭久議員は、東電はJAL同様に企業再生支援機構の下で法的手続を取るべきと主張され、あるいは河野太郎議員東電の会社更生法適用を論じておられます。私は、いかに国策民営とはいえ、資本主義社会における債務超過の企業には、完全な被害賠償の実施と電力供給には配慮をしつつも、一般的な破綻処理のルールを適用すべきだと思いますが、提案者には東電に対する会社更生法適用も視野にあるのでしょうか。あわせて、内閣提出の原子力損害賠償機構法案についての見解もお聞かせください。
  134. 礒崎陽輔

    委員以外の議員(礒崎陽輔君) まず、東電の処理について、これもまだ自民党の中もいろいろな意見が御指摘のようにあります。確かに、今の経営者の皆さんにはしっかりとこれは責任を取ってもらわなければなりませんが、会社の整理を進めてしまうと会社というその抽象的なものの責任を取らせることはできますけれど、結局その後に残った者はもう何も責任を負わなくていいというふうになってしまう、それでいいのかどうか。もう一つは、じゃ、ずっとこれが、もう四十年も五十年もずっと今の東電に責任を負わせ続けているような会社にするのがいいのか、これも少しいろいろと考えなければならぬところがあるんじゃないかと思います。  だから、いずれにしても、この大事故の責任はその責任を持つ人間に対してしっかりと責任を取ってもらうということを前提としつつ、かつ、やはり一番大切なのは被災者皆さん救済が的確に行われるということでありますから、そこが総合的に矛盾のないように考えていただくことが今後必要であろうと思います。  政府機構法案についての御質問でございます。  これは、基本的には今の東京電力体制を残して、それに政府支援することによって被災者救済をしようというスキームであると思います。  短期的には私はそういう在り方もいいと思いますが、長期的には、先ほども言いましたように、いろんな観点から考えなきゃならぬ。責任問題もしっかりと追及しながら、かつ被災者救済もしっかりとできると、そういうことを、まだ自民党でも先ほどの特命委員会で今検討しておる最中でございますので、今後皆様方と相談していい結論を出していきたいと思っております。
  135. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 私も今答弁をいただきました礒崎議員とこの賠償機構法案については考え方は近いわけでありますけれども、やはりどうしても、先ほども議論がありましたけれども、今の東電体制あるいは電力供給体制そのものを温存している、する、そういうふうに受け止められる法案になっているわけですね。それが、衆議院でもこれから議論されて修正協議もなされますけれども、それがどのようにこれから進めるかというのが最大の私はポイントではないかと、そのように思っています。  次の質問に移ります。  現在のところ、公式には原発事故による死者は認められておりませんが、放射能の被害を苦にして自殺された方も出ております。また、原発事故の避難生活で衰弱して亡くなった方、あるいは捜索が遅れ、救えたはずの命が失われたケースもあるのではないかと言われております。JR西日本の福知山線事故を引くまでもなく、法人としての東電、役員個人が刑事責任を問われる可能性もあると、そのように思っております。  そうした中、本法案により仮払いを進めることによって被害者から東電への損害賠償請求が進まなくなるなど、結果的に東電による本払いが免責されるようなことがあってはならないと考えますが、そういった懸念はないのでしょうか、お伺いします。
  136. 礒崎陽輔

    委員以外の議員(礒崎陽輔君) 仮払い法案の成立によって本払いが遅れる、あるいはその本払いが免除される、そんなことは絶対にあってはならないことでありまして、我々は全くそのようなことは考えておりません。  今回の仮払い法案は、一刻も早く被災者皆さんのところに賠償金の一部が届くようにという気持ちでやっていることでございまして、その最終的な賠償責任というのは、全体の被災が確定した後で、しっかりと求償すべきものは求償し、しっかりと東電に負ってもらわなきゃならぬということは言うまでもないことでございまして、そういう最終スキームとは別に、一刻も早く被災者皆さんに賠償金をお届けするというのが今回の法律の目的でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
  137. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 そこがやはりこの法案の眼目であり、課題ではないか。いかにその本払いをしっかりさせるかということを担保させるかというのが極めて重要な課題ではないかと思います。その点については、また今後議論させていただきたいと思います。  基金でありますけれども、基金による事業は、特定原子力損害であるか否かにかかわらず、グレーなものであっても被害者支援自治体にどんどん行ってもらおうというもので、迅速な補償を目的とする本法案の目玉であると言えると思います。  ただ、この場合、仮に被害者個人自治体東電損害賠償請求をしないと、十四条二項における国の求償権取得が曖昧なままになってしまうおそれがあります。つまり、基金から被害者に補償された場合に、損害賠償請求権が行使をされず、その成否が判明しなければいつまでもグレーな支出のままとなって国の求償権が成立をせず、東電の逃げ得を許すことになりかねません。被害者自治体負担も考慮した上で損害賠償請求権の行使を求めるべきであります。  また、提案者皆さん東電を免責する意図はない、そのように言われておりますけれども、仮払いに関する九条三項では、速やかに損害賠償請求権を行使するものとするとされる一方で、基金に関する十四条二項では、求償することを妨げるものではないと規定をされておられます。前者には政治判断は入らないけれども、後者には政治判断が入る余地があるとも読めるわけでございます。  十四条二項を、求償権を行使するものとするというふうに修正すべきであると考えますが、その点についての見解を求めます。
  138. 礒崎陽輔

    委員以外の議員(礒崎陽輔君) 基金についての御質問をいただきました。そこは非常に重要なところでございます。  最初に、吉田委員の方から、指針でないものにもどんどん補償するという御意見もございましたけれども、私は、地方公共団体東京電力の肩代わりをしては絶対にいけないと、基本はそうであると思っております。そこがやはりこれは重要でありまして、とはいうものの、なかなか賠償すべき範囲と賠償の範囲外は截然とはしておりません。だから、そんなことを議論しておったらいつまでも被災者皆さん救済できないので、そこは難しいことを言わずに、国の指針でない部分も当分の間、地方公共団体の基金の中で救済をまさにすることができるというのがこのスキームであります。  したがいまして、書きぶりが違うのはその思想と少し絡まっておりまして、これは国が補助をするわけではありますが、基金で基本的に肩代わりをする考えはないわけでありますから、損害賠償権を取得するとか行使するとかいう書きぶりではなくて、この基金でやったからといって、後で東電に求償ができないわけではないという書き方をあえてさせていただいたわけでございます。  先生もまさに両方おっしゃいました。まずは、でも、一番大事なのは被災者救済をやるということでありますから、ただし、その一方で、地方公共団体東京電力の肩代わりをしてはいかぬということも大事なことでありまして、その両方の考え方からそのような規定になったというふうに御理解を賜れば有り難いと思います。
  139. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 それでは最後に、政府、和田政務官にお伺いをいたします。  先ほども議論がありましたけれども、政府の意向を受けまして、これは議論はまだないんですけど、与党が提案者との修正協議に入ったと聞いております。政府としてこの法案をどう評価をされ、どのような理由で具体的にどういった修正を求めておられるのか、お伺いをします。
  140. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 吉田委員にお答えいたします。  今委員のお言葉ではございますが、政府の意向を受けて与党が修正協議に入ったというふうにおっしゃられたかと思うんですが、そこは私ども、やっぱり国会、立法府のなさることを最大限尊重すべきと考えておりますので、私どもが何か意向を与党にお伝えして、その意向に基づいて与党が修正協議をなさるという関係では決してないものだと認識しています。あくまで与野党の議員の先生方がどういったものが最善なのかを御協議なさっているものだというふうに受け止めておりますので、そこのところは間違いがないように御理解いただければと思います。  その上で、私どもがいろいろ論点として承っておりますところを幾つか御紹介申し上げれば以下のようになるかと思います。  まず、先ほど来御議論の中にも度々出てまいりますが、原子力政策を推進してきた国の責任をどのようにとらえて今回賠償責任を果たしていく上で具現化するのかどうかという点だと思います。  それから、実際に被害者方々に一日も早くお金を渡すことが、とにかく議員各位におかれても政府においても、そこはもう共通した目的だと思いますので、そのために最短のルートを敷くにはどのような仕組みが最善なのかということについて、今そこの部分は少し、政府が出しております支援機構法案と今提出者の方々がお出しになっておられます法案との間では、方向性はある程度一にできるものだと考えていますけれども、調整が必要であろうというふうに考えています。  具体的には、今まで東電が仮払いを実施してきておりますが、それをどうやって早くするかと、その現状の仕組みをある程度維持、活用しながらどうやって早くさせることができるようにするかというふうに考えているのが政府案でございまして、今提出者の方々がお考えになっているのは、まず仮払いだと、そこから先、求償権を東電との間で国が行使すればよいではないかという点だと思います。  私自身、承っておりまして、非常に真摯な御議論だと思いますが、最終的にはやはり国民の皆様方の御意向を受けて立法府の方でお決めいただくことであろうというふうに考えています。  先ほど来、仮払いやり方について御議論いただいているところでございますが、その方法の中で、やはり最終的に国民の皆様方に御負担をいただかざるを得ないという可能性を持ってやるということであれば、やはり国民の皆様方を我々議員が総勢で納得いただけるような理論構成を立法府において考えるべきなのでありまして、そこのところが、先ほど来申し上げております、今の法案の中だと政令で定めるということがかなりの部分ございますけれども、そこは立法府の御意見をしっかりと踏まえてやらなければいけないと考えておりまして、そういったところについての御協議が調いますれば、政府としてはしっかりそれを具現化する方向に努力するということだろうと考えています。
  141. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 また各論については今後議論させていただきます。  ありがとうございました。
  142. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党の亀井でございます。  今日最後の質問者なので、多少ほかの先生方と質問重複する部分ございますけれども、確認をさせてください。  まず、これは基本的な質問だと思うんですけれども、この法案の位置付けについて教えてください。  今、東京電力によって損害賠償仮払金支払が行われている中で、政府の方は原子力損害賠償支援機構法案衆議院に提出し、一方でこちらの仮払い法案議員立法として出てきたわけですけれども、法案提出者の皆様は、その政府案の対案としてこの法案を作成されましたか、それとも政府案の足らざるところを補完する法案という位置付けでしょうか。
  143. 佐藤正久

    佐藤正久君 亀井委員に答弁させていただきます。  本法案は、政府提出の原子力損害賠償支援機構法案、これが仮に成立した場合、共に存在し得る法案だという認識でございます。ただ、両方の法案を比べた場合、いろんな違いがございまして、政府機構法案、これは東京電力への資金援助を基本としたインプット法案と、我々の早期救済法案被災者早期救済を重視した被災者のためのアウトプット法案という部分が違うというのがございます。  政府機構法案は、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施だけではなく、電気の安定供給とか、あるいは第一原発の今、収束のためにいろいろ努力されてもおられますけれども、そういうふうに、その他の原子炉、柏崎を含めて、その運転にかかわる事業の円滑な運営というものにもその支援機構に入れたお金が使えるというものであって、全てが被災者のためというものではなく、機構にまずお金を入れるという法案でございまして、東京電力による仮払い補償金についての規定はございません。  よって、損害賠償払い支払が行われるまでの間、東京電力がその仮払いを追加して支払うということが法的には担保されておりません。現在も、東京電力による仮払いというのも、これは民民間の、これは厚意でやっているものでございまして、先ほど小西委員の方から、これは指針の方に書いてあるという指摘ございましたけれども、書いてございません。仮払いをしなければならないとは書いてないわけで、これは求められるというだけであって、仮払いはあくまでも厚意による任意の仮払いと、法的な担保は取られていないという認識でございます。
  144. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 私は、政府案と二本、両方とも法律がある状態というのがちょっとイメージできませんで、それで伺ったんですけれども、今の御答弁ですと、補完するものと、完全な対案ではないというような、そのように私は理解いたしました。また、もし間違っているようでしたら訂正してください。  先日、趣旨説明を伺いましたけれども、ポイントは二つだったと思います。一つは政府の対応が遅い、もう一つは救済対象が狭いので拡大をしたい、そのスピードと救済対象の話だと思うんですけれども、この法案政府案に対して具体的にどう優れているんでしょうか。つまり、政府救済が遅い原因は何だと思われますか。そして、それがもし事務処理能力の違いであるとしたら、そのことをこの法案はどのように改善をしているのでしょうか。  事務を行うのにふさわしい者に対して、政令で定める者に委託することができるとありますけれども、この委託されるべき者というのは誰がふさわしいんでしょう。また、政府側の説明ですと、実際には、県職員はパンクしそうなので東電の千人体制でやっていて、彼らは民間の会社でその窓口業務には慣れているので、実際にやらせれば速いんだというようなことを政府側は言うわけですけれども、皆様はどのようにお考えでしょうか。
  145. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  今の東京電力の仮払いが遅い、不十分だというものの一つに、やっぱり東京電力が仮払いをするための法的な担保がないということがございます。よって、東京電力の厚意でやっているものですから、お金が十分でなければやっぱり払う額がどうしても限定される。よって、中小企業に対しても二百五十万円という上限を設けていたり、あるいは支払も二分の一と、農業被害の二分の一という限定がしてあります。  今回の場合、これは国の方が法的に仮払いを担保するというものですから、被災者に対しては安心感をまず与えるとともに、そして、例えば十分の五を下らないということにしておりますので、例えば中小企業で今まで二百五十万円もらった方々に対しても追加の分が補填されることがございます。  例えば一千万円の実損があったとします。これまでの期間一千万円の実損があったときに、今仮払い二百五十万円しかありません。今回、政令でこれが仮に十分の七を支払いますと決めた場合、七百万円の仮払いという形になります。よって、今まで払った二百五十万円に加えて四百五十万円国の方が仮払いするということで、被災者の方には七百万円、支援が、仮払いが行くという部分がございます。  そしてまた、事務処理の方ですけれども、今回我々が考えておりますのは、現在東京電力支払っているスキーム、例えば農業団体であれば農協さん、あるいは漁協さん、あるいは商工会議所と、そういうものを使っているのをそのまま今回も事務処理委託をしようということになっておりますので、形的には払うポケットが今まで東京電力一つであったのが国というポケットもできるというふうな形だと思います。
  146. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 そうですね、これがもし、この法案が対案として出てきていて、それで例えば東電さんなりその事務担当者に委託してということなら分かるんですけれども、何というんでしょう、やはり窓口が二つになるというんでしょうか、二つの法案の下に同じ人のところにその仕事が行く状態というのがちょっと私はやはりまだイメージがつかめておりませんけれども、これはまた後日伺いたいと思います。  もう一つ、救済対象の拡大についてお伺いしたいんですけれども、対象が限定されていると。具体的に、では今の仕組みでは対象外となっている人々、そしてその人たち救済されるべき人々、教えていただけますか。
  147. 佐藤正久

    佐藤正久君 お答えいたします。  先ほどお答えしましたように、例えば中小企業者、これが二百五十万という上限がある。それを上限を取り払って十分の五より高くするということによって救われる中小企業者がまずございます。  それと、例えば今回避難を指定をされた方ではない方、例えば三十キロの外とか、あるいは今回、伊達の小国地区で児童が五十七名いて、二十名の子供は避難勧奨地点と指定されたと。残りの三十七名の子供たちに対する、親がどうしても避難をしたいというときのその費用というものも今回対象というものになります。  実際、小国小学校って一番線量が高いところにございまして、その周りが今回特定避難勧奨地点に指定されました。実際は、そこの小学校に指定されなかった三十七名の子供は通っていくわけなんですよ。本当にお母さん方、心配で心配で仕方がない。うちの方まで指定していただいたら、場合によっては避難をしたいと。場合によってはもう避難をする方もいらっしゃるかもしれません。でも、それは今のままだと、それは対象になっていないんですよ。  やっぱり自主避難の方々に対する支援というのも、我々の法案が成立すれば、自治体判断等でその支援が行き届くということが言えると思います。
  148. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 では、今度は東京電力政府側に伺いたいと思います。  今のような法案提出者からの御指摘があったわけですけれども、今現場で例えば問題になっていること、なぜ救済のスピードが遅いのか、またその対象者判断につきまして、現場からの声を教えていただきたく思います。  まず、東京電力さんからお願いします。
  149. 西澤俊夫

    参考人西澤俊夫君) お答えいたします。  被害を受けられた方々への仮払いの対応につきましては、当社は紛争審査会の指針を踏まえまして、現在、社員を中心に約一千名の規模で福島県を始め各地域におきまして一生懸命取り組んでいるところでございます。これから今後お支払が本格化いたしますと、恐らく四、五千名の規模でというふうに私どもは考えてございます。今後も国の御支援をいただきながら、公正かつ円滑に補償を進めてまいります。  以上でございます。
  150. 和田隆志

    大臣政務官(和田隆志君) 今委員が整理していただいたように、今までやってきたことが遅いという御指摘対象範囲が限定的であるという御指摘、この二点について、どのようなことが原因であり、かつどのように解決していくべきかということを御答弁せよということでした。  まず、遅いというふうな御指摘については、多分、当事者となっている担当の方々はもう誠心誠意やっていただいていると思いますが、やはりその概念として、どの部分に対してどういう算定を行ってお支払をするかという明確な基準が今までないということに尽きているのではないかと思います。  それから、その対象範囲につきましても、どこかでどなたかが責任を持って決めることができれば、それに従って何百人、一千人体制を施せばしっかりとお支払ができるんだと思いますが、やはりそこの決めの問題としてまだ決まっていないということがあろうかと思います。  私どもが今与えられている議論の環境というのは、支援機構法案を出している政府側としては、今までの環境からより早くそれを解決するためには、今までの環境を活用して、それに対してどれだけスピーディーに指針を与えることができるかという視点を持って取り組んでいるつもりでございます。  今提出者の方の方々がお考えなのは、一旦仮払いという概念で、ある限定的な分野を指定して、そこの部分については支払うべきという概念を確立したいという御趣旨ではないかと思うんですが、やはりそこが一番難しいところで、どの範囲であれば本当にお支払いしてよいのかを決める手段として今この法案を拝見する限りは、少なくとも紛争審査会の指針に基づいてお決めになるということになっているだけに、そこら辺については今の段階では余り差異はないのかなというふうに思っています。  実際、対象範囲のことについてお話が及びましたが、農業団体、そういったところを活用しながらという御趣旨がこの提出者の法案には含まれているわけでございますが、現在、東電が仮払いを実施していくスキームの中でも、そういった方々にいろいろと御相談しながら、しかし名義としては東電の名義でお支払いしているということだろうと思いますので、そういった意味においても余り今差はないのかなというふうに拝見いたしておりまして、そこから先、本当にこれが早く、しかも対象範囲がもう少し国民の皆様方の御意思に沿った形で広がった処理ができるようにするためには、その部分をどうやって立法府として意思を明確にしてお決めいただけるかということに懸かっているのではないかと思います。
  151. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 今の御答弁を伺って、結局、基準作りのところなのかしらという気がするんですけれども、法案提出者の方々の、じゃこの仮払い法案で仮払いをするとして、やはり申請した人全てに渡すというわけにもいかないでしょうし、何らかの基準は必要だろうと思うんです。その基準が政府とどう違ってくるのかということも伺ってみたいんですが、例えばこの市の人に全員仮払いしますというようにざっくり決めてしまえばそれは早いとは思いますけれども、例えば、では私がイメージしたのは、風評被害に遭っている人たちに仮払いが行ったとします。その後、本賠償になったときに、その人たちが含まれないで仮払金を例えば返還しなさいとか、そういうような話になったときに、その調停とか紛争処理はどなたが行うんでしょうか。  そういったことも含めて、そのやり方について教えてください。
  152. 佐藤正久

    佐藤正久君 答弁いたします。  政府の方がやっぱり遅いという原因の中に、いろいろ基準が曖昧だ、作るのに時間が掛かるというのは政府から答弁がありましたけれども、我々のこの仮払い部分については、やっぱり何らかの基準がないといけないということで、紛争審査会の賠償指針というものを使っています。それを基準とする。ただ、払う割合をもっと高くすると。さらに、今回指針には入っていない部分、それについては基金の方で対応すると。  例えば、福島県の方からも強い要望がございますのは、精神的な被害という、指針の方では避難場所を三区分で避難所とアパートと仮設住宅と分けているんです。でも、それはやっぱりみんな一律にしてほしい、これは県の要望です。あるいは、期間を三段階に分けて、半年以降は、七か月以降は二分の一にするというふうなことが指針の方でうたわれているんです。ただ、福島県側としては、まだ事故収束していない段階で何で半年以降は二分の一にするのか、そういうことについても根拠が不明確というのがございます。  こういう部分については仮払いではなく基金の方で対応するという形にしておりまして、仮払いの過払いという部分の御懸念がございましたけれども、そういうものについては、今回、相当因果関係がありそうだというふうに認められるという、指針というその範囲内で取りあえず国の仮払いもやっておりますので、その部分については、過払いを多くしてしまうということは、国の紛争審査会の指針を使っている限りはそれは大きな問題にはならないというふうに考えております。
  153. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 では、時間ですので、ここで終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  154. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時八分散会