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2011-06-20 第177回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年六月二十日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  六月十七日     辞任         補欠選任      西田 実仁君     横山 信一君      舛添 要一君     藤井 孝男君      福島みずほ君     吉田 忠智君  六月二十日     辞任         補欠選任      斎藤 嘉隆君     神本美恵子君      佐藤 正久君     若林 健太君      紙  智子君     山下 芳生君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         柳田  稔君     理 事                 岡崎トミ子君                 金子 恵美君                 小西 洋之君                 藤原 良信君                 岩城 光英君                 佐藤 信秋君                 森 まさこ君                 長沢 広明君     委 員                 相原久美子君                 岩本  司君                 加賀谷 健君                 神本美恵子君                 郡司  彰君                 今野  東君                 主濱  了君                 平山 幸司君                 藤田 幸久君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 山根 隆治君                 愛知 治郎君                 赤石 清美君                 上野 通子君                 岡田  広君                 川口 順子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 高階恵美子君                 長谷川 岳君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 若林 健太君                 竹谷とし子君                 横山 信一君                 小熊 慎司君                 松田 公太君                 山下 芳生君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君                 亀井亜紀子君    衆議院議員        東日本大震災復        興特別委員長   黄川田 徹君        東日本大震災復        興特別委員長代        理        後藤 祐一君        東日本大震災復        興特別委員長代        理        山口  壯君        東日本大震災復        興特別委員長代        理        加藤 勝信君        東日本大震災復        興特別委員長代        理        谷  公一君        東日本大震災復        興特別委員長代        理        石田 祝稔君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  直人君        外務大臣臨時代        理        国務大臣        (内閣官房長官) 枝野 幸男君        財務大臣     野田 佳彦君        文部科学大臣   高木 義明君        厚生労働大臣   細川 律夫君        国土交通大臣   大畠 章宏君        環境大臣     松本  龍君        防衛大臣臨時代        理        中野 寛成君    副大臣        外務大臣    高橋 千秋君        防衛大臣    小川 勝也君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    参考人        東京電力株式会        社取締役社長   清水 正孝君     ─────────────   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興基本法案衆議院提出) ○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき  、現地対策本部設置に関し承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 柳田稔

    委員長柳田稔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十七日、西田実仁君、舛添要一君及び福島みずほ君が委員辞任され、その補欠として横山信一君、藤井孝男君及び吉田忠智君が選任されました。  また、本日、紙智子君及び斎藤嘉隆君が委員辞任され、その補欠として山下芳生君及び神本美恵子君が選任されました。     ─────────────
  3. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興基本法案地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、現地対策本部設置に関し承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会東京電力株式会社取締役社長清水正孝君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 東日本大震災復興基本法案地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、現地対策本部設置に関し承認を求めるの件、以上両案件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小西洋之

    小西洋之君 おはようございます。民主党・新緑風会の小西洋之でございます。  まず、去る十八日、総理千葉習志野市また浦安市等への御視察を踏まえまして、総理液状化被害を改めて目の当たりに御覧いただいたわけでございますけれども、その中で、液状化は従来の考えでは被災者をしっかり救済できない、新しい都市型の災害である、それゆえ法律による措置あるいは二次補正、三次補正での対応を進めるとの御発言をいただいておりますけれども、改めまして、こうした液状化被害救済に対する更なる総合的な対策に向けての決意をよろしくお願い申し上げます。総理
  7. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 小西議員千葉の選出でありますが、先日、土曜日、森田知事浦安松崎市長、そして習志野宮本市長、そして千葉熊谷市長皆さんに同行いただきまして、液状化被害現状についていろいろと視察をしてまいりました。  一見、家が大きく傾くとか、そういうところは少なかったんですけれども、よく話を聞き、あるいは見てみると、極めて大きな被害があちらこちらにあると。大きいところでいいますと、マンション群が多いわけでありますが、マンションそのものは、ガラスも割れていない、何も異常がなさそうに見えるけれども、逆に言うとマンションの建っているところが液状化して、五十センチ、一メートル下がってしまっている。そうすると、上下水道とかガス管とかが全部切断されて、仮設のものを今入れておられました。また、学校も、ガラス一枚割れていないけれども、校庭が五十センチ、一メートル近く下がっている。さらに、海岸沿いにおいても大きな防波堤が二メートルぐらい海の方に出ている。こういう、元々海の砂をポンプでくみ上げて埋立てに使った極めて粒子の小さい砂が液状化したときの怖さというものを私も改めて目にしたわけであります。  これらについては、県においても市においても全力を挙げておられますけれども、例えば個人住宅などについては今までのやり方ではなかなか支援の枠組みが難しかったわけですが、場合によっては道路そのもの液状化していろいろな問題が起きている、その道路補修と相まって個人住宅についても何らかの補修ができないだろうか。そういったことを含めて、液状化に対する災害対策の手だてを、必要な場合には制度の問題も含めて考えていかなければならない。  さらに言えば、将来、起きてはほしくありませんが、首都直下型の地震などを考えますと、予防的に液状化が起きないことをどうすればいいのか、そういう研究体制も、千葉大学の先生に同行していただきましたけれども、国としてもしっかり取り組む必要があるだろうと。二次補正の中に盛り込めるものは盛り込み、そして、その後の本格的復興の三次補正の中でもまた必要なものはその段階で考えていただこうと、このことを現地でも申し上げたところであります。
  8. 小西洋之

    小西洋之君 基本法成立後の対策本部本部長総理液状化被害現状を目の当たりに御覧いただいたということは本当に意義深いことだと存じます。今御指摘ありましたように、マンションについては個別住宅のような補償制度がない、あるいは個別の住宅についても更なる制度の拡充、そうしたものなどに是非政権を挙げて取り組んでいただきたい、そのように強くお願いを申し上げます。  では、これからは、震災復興特区基本法第十条に盛り込まれた震災復興特区について質問をさせていただきます。  この復興特区千葉県を含む全被災地を対象とすることでございますけれども、これを東北被災地について議論をさせていただきますと、全国で最も高齢化の進んだ地域、そうした所与の条件あるいは津波の悲惨さ、そうしたものを考えたときに、この復興特区というものは、被災地にとって真に復興に役立つ、そうしたものでなければならない、そのように考える次第でございます。この委員会答弁にもございました被災地が望むことが可能となるような様々な規制特例、あるいは税財政特例金融特例、そうしたものを盛り込んだ強力な特区制度、そうしたものをつくることが必要であるというふうに考えております。  実は今この被災自治体、申し上げたような様々な特例措置、具体的にどうしたものが盛り込まれるか分からないままで御自分たちの中で必死に取組を進めております。今日、八市町村、県の復興プランを持ってまいりましたけれども、大切なことは、こうしたもう被災地が待ち切れずに取り組んでいる、こうした状況にあって、この十条に規定するこの復興特区法律成立後直ちに時間を置かずに実現するために復興特区法案を直ちに国会提出する、それが内閣の責務であるように考える次第でございます。  こうした観点で、提案者の方から、この復興特区をすぐつくらなければならない、その時期について、具体的なものも含め、明快な答弁、簡潔な答弁お願いいたします。
  9. 後藤祐一

    衆議院議員後藤祐一君) お答えいたします。  小西委員おっしゃるとおり、この復興特区に対する被災地期待、そして与野党問わず各議員先生方期待、大変大きなものがあります。ですから、この復興基本法成立しましたら直ちに復興本部が立ち上がりますけれども、この復興本部方々被災地にすぐ飛んでいっていただいて、どんなニーズがあるのか、そしてもうフルサポート部隊として東北中駆け巡っていただくと。そのためにもこの復興特区法はまさにおっしゃるように直ちに政府には提出していただきたいと、このように思っております。
  10. 小西洋之

    小西洋之君 明快かつ力強い答弁をありがとうございました。  今、提案者後藤衆議院議員お話の中にもありました、この復興を具体的に前に進めるためには、被災自治体が、例えばこの復興特区について、これから規制特例規制緩和について焦点を絞って議論をさせていただきたいんですけれども、復興を着実に進めるためには、その被災地が実際に自分たち復興プランを作ってそれを動かしたときにどういう国の規制の壁が、邪魔があるか、そうしたことが分からないままではいつまでたっても具体的な歩みが始められないわけですね。つまり、復興を進めるためには、今、後藤議員が御指摘があったように、実際、霞が関役人が各被災地に行ってその被災地自治体方々復興の手助け、サポートをする、そうした体制を組織的に組む必要がございます。  実は、今そうした取組がこの六月前後から進んでおりまして、お手元の国土交通省プレスリリースを御覧いただきたいと存じますけれども、大畠大臣いらしていますけれども時間がありませんので私が御説明を申し上げさせていただきますけれども、上から三ページ目をめくっていただきまして、右肩資料二と書いた資料でございますけれども、これは、東北地方千葉も入っておりますけれども、各被災地、六十二の市町村に対して国交省職員を各町、各地域ごと担当を張り付けて、そして一週間に一度、二週間に一度、実際被災地に行って、今まずは被災状況調査、そして将来的には復興プランの策定のサポート、そうしたものをするという取組でございます。まさに国が被災自治体サポートしながら取り組んでいく非常に意義のある政策だと思います。国交大臣敬意を表させていただきます。  ただ、残念ながら、政府全体の取組で見た場合にこれには大きな課題が二つございます。  まず一つ目でございますけれども、その次のページを御覧いただきまして、右肩資料三と書いてあるページでございますけれども、一つ目でございますが、これは真ん中の事務局、この事務局国交省に置かれている。すなわち、国交省単独施策であるわけですね。なので、国交省の各役所とその連携の仕組みをつくっているんでございますけれども、この右に並んでいる、各役所の名前が並んでございます。この中に例えば被災地の雇用や産業創出でしっかりと役割を果たすべき経済産業省は入っておりません。なぜなら、これは国土交通省に責任があるわけではなくて、国交省は土地に関する取組を進めていくことがメーンという観点だと思うんですけれども、つまりそうしたワンストップの形がつくられていない、これが一つ課題。  二つ目課題、これが一番大事な課題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、復興を進める中に、現地被災地自治体方々と、国の役人サポートしながら将来のプランを作っていく、そのときの議論の中で出てきた国の様々な障害となる規制、その規制をしっかりと受け止めて、それを規制を所管している国交省あるいは文科省あるいは農水省、そうした規制を持っている省庁と交渉していく、その役割を担う大臣がこの図の中にはいないわけでございます。  つまり、一言で申し上げますと、基本法成立した後に復興対策本部にこの業務の全てを持ってくる必要はありません。それは、国交省しか手足がないというようなこともあろうかと思いますし、東北整備局、とても局長を先頭に大臣の御指導の下、頑張ってございますので、そうした実質的な機能を損なわずに、ただ規制をしっかりと緩和していく。そうしたことを考えたときに、この権限を復興対策本部担当大臣の下に置いて、担当大臣が各役所大臣としっかりと話合いをしながら必要な規制をこれから作る復興特区法案の中に一つ一つ入れていくと、そうした作業をしなければ具体的な復興取組というのはもう絶対進まない。  では、こうした観点で、内閣調整機能担当されます官房長官、時間がありませんので明快に簡潔に、復興対策本部にこの機能を持ってくるということについて答弁お願いします。
  11. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 大変貴重な御指摘だというふうに思っております。国土交通省において大変有意義業務を始めていただいておりますので、これ自体を直接移すというのは、予算の移管とか職員移管とかいろいろ面倒なことがあって、かえって遅れる可能性がありますが、ここでいろいろと聞いてきていただいたことをしっかりと復興本部の下で、復興担当大臣の下で省庁横断的に生かしていけるような仕組みはしっかりつくってまいりたいというふうに思います。
  12. 小西洋之

    小西洋之君 明快な答弁をありがとうございました。  では、この規制特例につきまして、もう一つの大きな課題について議論をさせていただきたいと思います。  今申し上げましたように、被災地の実情に基づいた一つ一つ課題規制特例を洗い出していく、この作業を早急に進めていく必要があります。ただし、それでも絶対に拾い切れない数々の規制が、規制の壁が実際の復興プランを進める段階で出てまいります。つまり、事前に一つ一つ規制について措置するだけではなくて、復興を進める中で新たに出てくる、これたくさん出てくると思います、そうした規制を、その出てきた段階で一定の民主的なプロセスに基づいて、民主的な手続に基づいて一時的にそこを規制緩和して、復興歩みを止めない、復興をたくましく進めていく、そうしたそのための特例制度が必要であろうかと存じます。  具体的に議論をさせていただくために、一番最後資料をおめくりいただきまして、この図でございますけれども、これは、現在日本にあります特区制度の中で一番強力な特区制度、今内閣委員会審議されております総合特区法案に置かれております規制特例制度、それをまとめたものでございます。  簡単にイメージをしていただくために、この左の箱の総合特区法案という中のこの赤文字でございます、赤い文字の部分が、場合によっては被災地あるいはその地域が、自らの思いあるいは自らの創意工夫が、まあ国もそれは本意ではないのかもしれませんけれども、国の規制が邪魔となって進められない可能性が起こり得ると、そうした場合でございます。こうした総合特区法案でまだ足りないところを、この右の箱、復興特区における規制の包括的な特例措置においては、思い切って大胆に、まあ本来あるべき姿だと思いますけれども、規制緩和を講じるべきではないかというのが私の見解でございます。  具体的には、我々、国、法律による規制被災地条例あるいはスーパー官庁復興庁政令で一時的に規制緩和して、事後的に国会承認、我々の国会委員会でしっかりと承認をさせていただく。こうした手続は、我が国の現在の法律災害対策基本法あるいはイギリスやフランスの諸外国の法律にはあるところでございます。あるいは、霞が関皆さんが作る政省令規制については、これはもうスーパー官庁復興庁ができるわけですから、復興庁政省令でしっかりと変えられるように仕組みを講じておく。こうした包括的な仕組みを講じておかなければ、大変残念なことですけれども、必ずや被災地復興歩みを止めてしまう、そのように私は危惧する次第でございます。  では、これを官房長官総理にお聞きしたいんでございますけれども、被災地復興を確実に進めるために、我々は特区をつくるという条文をこの法律に入れております。しかし、本当の特区機能を発現させるためには、こうした政策論まで議論しなければそれは実現しないということでございます。こうした大胆な取組を通じることについて、官房長官総理の明快な答弁お願いを申し上げます。
  13. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) できるだけ柔軟に規制特定地域について緩和することが望ましいと思っておりますので、憲法四十一条に抵触しない範囲内で最大限の包括的な規定を設けたいというふうに思っております。
  14. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 御指摘大変説得力のある提案だと思っております。復興重要性に鑑みて復興特区制度の積極的な活用を図っていくべきと考えており、旧来の発想にとらわれることなく、被災地域が真に求める規制改革などを省庁縦割りを超えて強力に推進すべきと考えております。  今月末に取りまとめられる復興構想会議の提言を踏まえて、今言われました復興庁政令あるいは各自治体条例、こういうもので対応できることについてどこまでやれるのか、今の官房長官憲法上との問題もきちんとしながら前向きに進めてまいりたいと、こう考えております。
  15. 小西洋之

    小西洋之君 簡潔に……
  16. 柳田稔

    委員長柳田稔君) いやいや、もう時間ですからまとめてください、最後に。
  17. 小西洋之

    小西洋之君 官房長官総理の方から、憲法四十一条に反しない限りと伺いました。  聞いたところでは、内閣法制局長官被災地には公務では行っていないそうでございます。被災地の惨状、被害者方々の表情、そして被災地のああしたにおい、ああしたものを五感で感じていない、その法制局長官、これは公務でないのでしようがないんですけれども、是非政治家がリーダーシップを取って改革をしていただきたいと思います。  どうも失礼いたしました。提案いただいた公明党様などと協力して頑張りたいと思います。  ありがとうございました。
  18. 岡田広

    岡田広君 自由民主党岡田広でございます。  東日本大震災は、私たち生き方、ライフスタイルを、生き方を考え直せ、見詰め直せということで様々なことを教えられたような、そんな気がいたします。  お米一粒作るのも天地人の三徳という言葉があります。天は太陽の光、地は水、人の力でお米一粒ができる。そういうことを考えると、今回の大震災は、水の恐ろしさ、水の脅威、そして水の重要性必要性を再認識させられた。太陽必要性も十分感じたんだろうと思います。今日は、限られた時間でありますが、太陽と水ということについてお尋ねをしたいと思います。  先週の金曜日、十七日に津波対策推進法全会一致参議院で可決をいたしました。一方で、大震災を受けてこの津波対策の見直しを行っている中央防災会議専門調査会も、昨日、中間報告の骨子をまとめました。一日も早く報告書をまとめていただいて、津波対策の一層の推進期待をしているところであります。  この法案は、昨年の通常国会で自民党と公明党議員立法提案をいたしましたが、一度も審議をされないで継続審議になっていました。今回の大震災津波被害がなかったらこの法案はまた審議をされないで継続案件になっていたのかと考えると、私は空恐ろしい気がしてなりません。  残念だったことは、これは松本大臣にも委員会質問をいたしましたけれども、大変私は、菅総理、残念だったこと、昨年の国会審議をして、民主党の考え方もここに取り入れてしっかりとこの法案成立をしていれば今回の被害はもっと少なくすることができたのではなかったか、これを考えると、私は大変残念でなりませんでした。個別のことは時間がないから申し上げませんけれども、津波ハザードマップの作成一つ取りましても、沿岸市町村は六百五十三ありますけれども、五三%、半分です。遅いです。  まさに、菅総理にまずお尋ねしたいのは、昨年この法案が、重要法案だと思います、だから継続になっていたんだろうと思いますけれども、審議をして成立をしていればという思い、私は今も本当に残念でならないんです。反省を踏まえて、菅総理、ちょっとコメントがありましたら、御答弁お願いいたします。
  19. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今回の東日本大震災は、マグニチュード九・〇という地震と、実際にはそれに伴った津波による被害が極めて甚大であったということは、もちろん皆さん承知のとおりであります。岡田議員始め与野党の議員皆さん津波対策推進に関する法律案提出をし、十七日に参議院全会一致成立したということは、大変本当に敬意を持って受け止めているところであります。  今お話がありましたように、この法案がもっと早い段階成立していれば今回の被害を少なくとも軽減させることにつながったんではないかと、こういう御指摘、私もそのように思います。いろいろな訓練とかそういったものがもっと行き届いておれば、もっと多くの方が人命を失わないで済んだんではないかと、そういう点では、私も含め、政府としても責任を感じております。
  20. 岡田広

    岡田広君 是非、そういう反省も踏まえて、この津波対策については一層の推進お願いをしたいと思っています。やっぱりスピード感を持ってやる。政治主導というのは、やっぱり国民の意見を聞いて、官僚の優秀な知見も聞き取って適切な判断をするということではないかと。私も水戸で長を三期やらせていただきました。そういう経験からいっても、官僚を排除したのが政治主導ではないんだと。  そこで、もう一つ。三月十一日、東日本大震災の日に私は菅総理質問に立っておりましたけれども、そのときに、不正経理防止法、そして会計検査院法の改正法案質問をいたしました。既に四回提案をしておりますが、これはその都度廃案になっています。審議をされません。今回、提案をされたら審議をしてもらう、大変前向きな法案だと理解をさせていただきましたということで、菅総理、野田大臣の後に答弁をされておりますけれども、先週のこれも十七日の金曜日に、自民、公明の議員立法、私も発議議員の一人でありますが、参議院提案をいたしました。是非総理民主党の代表としての強いリーダーシップを持ちまして、この法案を今回は審議をしていただく、このことをお約束をしていただけませんでしょうか。
  21. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) ちょうど大震災発災の日に、この不正経理防止法案について岡田議員から質問いただいたことを今思い出しておりました。そのときにも申し上げたと思いますけれども、大変この法律の趣旨は重要な趣旨だと考えております。予算執行の適正化、会計事務手続における職務の分担による相互牽制や監査の徹底、職員への研修、指導などにより、不正経理の是正と防止を努めていくということを今もやっておりますが、まだまだ不十分な点があります。  国会での審議、私からも国会の関係者にお話をして是非議論の場に乗るように、私からも指示をしたいと、このように思っております。
  22. 岡田広

    岡田広君 是非、今国会は廃案にしないで、民主党に対案がありましたらしっかりと出していただいて、この法案成立をさせていただきたい、そのことをお願いをしておきたいと思います。  それでは、太陽質問に移りたいと思います。  菅総理太陽の表面温度というのは何度かお分かりでしょうか。
  23. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 太陽は核融合で熱を出しておりますので、普通は核融合の温度は何億度という単位でありますが、表面はそれに比べれば少し低いのかなと、何千万度という程度ではないかと、確かな記憶ではありませんが、そのように理解しております。
  24. 岡田広

    岡田広君 太陽の表面温度は、広辞苑によると、六千度なんです。六千度Cという温度で自分を燃やしながら地球に、私たちに光や熱エネルギーを与えてくれる。雨が降る、風が吹く、雪が降る、地球上の自然現象は全て太陽によって引き起こされていると、私はそういうことだと理解をしています。そういうことから考えると、私たちは生きているということよりもむしろ太陽の恩恵、恵みによって生かされているという、そういう言葉の方が適当ではないかと、私はそういうふうに思うんです。だから、一週間の曜日も日曜日から始まります。太陽の日、今日は月曜日、月明かり、火曜日は火ということだろうと思いますが、人間が生きるための自然の摂理も一週間の七曜表に表れているという、そういうことではないかと思いますけれども、だから明るいというのは太陽と月ということなんだろうと思いますが、是非菅総理には、前、私は、言辞施という無財の七施の教えを話をしたことがあります。今日は捨身施という教えを、これは、お月様にウサギがいてもちをついて食べさせてあげるという話が日本昔話の中にあります。これは捨身施という教えだそうです。捨は捨てるという漢字、身は身体の身、施は施すという漢字です。身を捨てて国民のために施しをしているかという、そういうことではないかと、私はそう思っています。是非少し頭の片隅にも入れていただければと思います。  菅総理、G8サミットで、我が国のエネルギー政策の見直しと国家の総力を挙げた新たな四つの挑戦を行うと演説をされました。この四つの挑戦の中の一つが、太陽光パネルを一千万戸の屋根に設置を目指すとされました。これは、二〇〇八年に福田総理が、低炭素社会・日本をめざしてというスピーチの中で、太陽光発電の世界一の座を奪還するために、二〇二〇年までに現状の十倍、二〇三〇年には四十倍に引き上げたいという目標を述べられました。その後、翌年、麻生総理も、二〇二〇年までに現状の二十倍、そして五百三十万戸に付けるという、そういう目標を掲げられたわけでありますが、今回、菅総理はその倍にも等しい一千万戸という、この数字の根拠、そしてこれに至るには当然、今の太陽光パネルを付けるときの買取り料金、国で出しています。都道府県でも、まあ出していない県もあります。私の茨城県は残念ながら今年からゼロになりました。財政が厳しいという理由です。水戸市でも出しています。しかし、昨年より今年、財政が厳しい中で、この太陽光の設置費用補助というのは毎年減っています。  ですから、この一千万戸を目指す、私はこれは大賛成な考え方でありますが、でも、しかし国の補助金やあるいは東京電力の買取りの料金、そのほか様々あるんだろうと思いますが、これの考え方についてお尋ねをしたいと思います。
  25. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) まず太陽については、私も、地球上のエネルギーのうち、直接の太陽光パネルはもとよりですが、例えば水力も太陽の熱で海の水が蒸発して水力発電になり、風も太陽によって吹く、そして植物も太陽と水によって育ってバイオマス、そういう意味では、原子力と地熱以外のエネルギーは基本は太陽から受け止めていると、そういう意味で、おっしゃるように、極めて根源的なエネルギーだと思っております。  その中で、太陽光パネルについて、従来の政権でも積極的な姿勢を示されたわけでありますが、今回の事故を受けて、私は、化石燃料、原子力に加えて自然エネルギー、さらには省エネルギーということを申し上げてきました。  具体的に私がOECDなどで申し上げた太陽光パネル一千万戸についての根拠もお聞きになったわけでありますけれども、実は現行のエネルギー基本計画では、二〇三〇年においてこの自然エネルギーを二〇%にするというのが従来の中から決まっております。この計画を私は関係大臣等と話をして、十年前倒し、二〇二〇年代初頭にということを申し上げました。ですから、二〇二〇年代初頭に従来の計画の二〇三〇年に実現できるものを実行しようと。  実は、二〇三〇年の計画の中に、細かい数字はありますけれども、五千三百万キロワットの電力を太陽光から生み出そうと。それを四キロワット程度を一世帯ずつやり、住宅によっては設置不可能なところもありますので、七割の方が設置をされるという、これはかなり意欲的な計画ですが、そうすると約一千万戸になると。ですから、この数字は、私の段階でつくり出したというよりは、元々の二〇三〇年の計画の見通しを前倒しにすると、経産省を中心としたところの提案を私も採用させていただいたということであります。
  26. 岡田広

    岡田広君 分かりました。  そこでお尋ねしたいんですが、この一千万戸達成前倒しという考え方は分かりましたけれども、先ほど話をしました設置費の補助とか、あるいは東京電力の余剰電力の買取りとか、これも、東京電力の買取りも四十八円からこの四月から四十二円と下がっています。例えば、東京電力一つ取りますと、今原発の損害、風評被害に対する損害賠償とか大変なお金が掛かる上で、この買取り料金、例えば今十年ですが、これも延長してくれという要望も出ているわけですけれども、大変なお金が掛かるということになるわけですけれども、そういう電力料金が上がるということになると、これは、今一千万世帯という話がありましたけれども、日本の民家二千七百五十万ぐらいあるんだと思いますけれども、ここ、付けない家庭は電気料金が上がるということになると不公平になるという、そういう問題も出てくるわけですけれども、この考え方、お金、財源とか、どうこの一千万世帯に太陽パネルを付けるという中のどういう国は支援策を講じていくのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
  27. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) これはまさに、現在国会に出しております全量買取り制度、いわゆる再生エネルギー促進法が成立することが極めて大きな促進剤になると考えております。つまりは、そのパネルで生まれる電力料金がこれまでのコスト計算でいう原子力とかあるいは化石燃料に比べれば、現在は割高です、将来は分かりません。しかし、その割高なものを国民がお互いにシェアして負担しようと。ドイツはその制度を入れたことによって、本当に、十年間でたしか百七十倍でしたか、大変な大きな伸びを示しました。ですから、私は、この負担をいただくことはこういう自然エネルギーを将来に向かって伸ばすある意味での投資として国民の皆さんに理解をいただけるんじゃないかと、こう考えております。
  28. 岡田広

    岡田広君 それでは、今、原子力の損害賠償の話をしましたので。  紛争審査会で指針が第二次指針まで出されています。七月に中間取りまとめが出されるというようなことも伺っておりますけれども、これやっぱり、時間がありませんから申し上げませんけど、遅いです。そして足りない。漏れていることがたくさんある。これから個別具体の問題になると、やっぱり東京電力と当事者間に任せているだけではとても、本当に裁判問題、十年戦争になると思いますから、しっかり国が責任を明確にして、この負担についてもしっかりと明確にしていくべきだと考えていますけれども、私聞きたいのは、自治体が初めて請求をいたしました。今回、紛争審査会の指針の中には自治体の損害は入っていません。高萩市というところが十六日に水道水の放射性物質測定などに要した経費など約二百五万円、これからも毎月原発事故にかかわる経費は請求をしていくということで東京電力に請求をされました。福島市でも線量計配付一億六千万、伊達市でも三千万とか、最終的には東京電力に請求をするということをそれぞれの長が話をされていますが、一方で、昨日、福島の知事さんが来られまして、児童生徒の放射線対策を二次補正に盛り込んでもらいたいと要望をされて、菅総理も、これは大事だということで、盛り込めるような発言がマスコミに報道されておりますけれども、そうなると、この自治体の原発に関する経費というのは国が見ることになるのか、あるいは国が払って、求償権、東京電力持つということになるのか、ここのところだけ簡潔にお答えいただきたいと思います。
  29. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 岡田委員にお答えをいたします。  今、原子力損害賠償審査会については、四月以降七回の会合を開きまして、これも計り知れない大きな課題でございます。したがって、二次が既に出されておりますが、今後、三次、いわゆる風評被害も、これから詳細な調査の上に指針を出していくことにいたしております。  御指摘のいわゆる公的機関、自治体などの損害についても、今後これについては審査会の中で議題として論じられると、このように思っています。  いずれにいたしましても、やはり私たちは、この被害ということに対してできるだけ早く適切な損害賠償が行われるように国としてもしっかり取り組んでいかなきゃならぬと、このように思っております。
  30. 岡田広

    岡田広君 時間が来ましたので、野田大臣、大畠大臣質問枝野大臣にも通告していましたが、大変申し訳ございません。  最後に、先ほど捨身施という話をしましたが、もう一つだけ菅総理に送りたい、無財の七施の一つでありますが、床座施という教えがあります。  床座施というのは、どんなに疲れていても電車やバスの中で高齢者や子供さんがいたら椅子を譲るという、そういうことで、これはポストを譲るということにもつながるんだろうと思います。国益ということを考えたら、そこをひとつ是非再認識をしていただきまして、この復興基本法成立しますと復興担当大臣を任命をするということになっていますが、これは何か内閣改造ということもいろいろ取りざたされていますが、これについて最後菅総理にお尋ねをして、終わりたいと思います。
  31. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) この基本法成立は大変大きな、復旧から復興へ向かう大きな新しいステージに向かうことになると思います。それにふさわしい方ということですが、まだ具体的なことは、法律が正式に成立してから考えたいと思っております。
  32. 岡田広

    岡田広君 終わります。
  33. 上野通子

    ○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。今日は初めて菅総理に御質問させていただきます。  時間がありませんので、まず最初に、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、SPEEDIについて質問をさせていただきます。  このSPEEDIについては、先週、森まさこ議員がかなり激しく、厳しく質問をされておりましたが、私も実はずっとこのSPEEDIの情報がなかなか公開されなかったことについて疑問を抱いておりました。なぜなら、震災でまさにSPEEDIが力を発揮すべきときであったにもかかわらず、そして、仮定値による計算は震災当日から行われていたのに、その試算結果が福島県の原発周辺の皆さんに何も生かされなかった、避難に何も生かされなかったからです。だから、本日は総理にお聞きしたいと思います。  先日、私もSPEEDIのシステムを実際に運用しております原子力安全技術センターに二度ほどお伺いし、数土理事長から、震災後、センターからSPEEDIの予測図を用いての試算図を保安院、文科省、そして安全委員会の方へ送っていたとの事実も確認しました。そして、そのSPEEDIの仮定値で示した拡散予想図は、震災からしばらくたった後に飛行機で実測したものとほとんど同じ、ほとんど変わらない図形を示していたことも分かりました。つまり、SPEEDIのデータは信頼できる予想図であって、十分に避難に利用できたんです。総理、なのに、なぜSPEEDIの予測図を公表しなかったのですか。どうして福島県の人が避難するのに教えなかったのですか。  今まで私は、ずっと文教科学委員会の方で文科大臣に何度もお尋ねしました。しかしながら、文科大臣ははっきりした御答弁を一度もしてくださいませんでした。細野総理補佐官が、国民がパニックになるから正しい情報を伝えなかったとおっしゃいましたが、それは間違っています。  先週の森まさこ議員指摘のように、原子力災害対策基本法により定められた国の防災基本計画の指針には、事故発生直後の初期段階においては現地の放出源情報を把握することは困難であるため、単位放出量又はあらかじめ設定した値による計算を行うと規定されているんです。ですから、法治国家です、ここは、日本は。日本で定められている法令や指針に従わないということは、それを国が従わないということは、法律違反をしているということは、これは重大な責任問題だと私は思います。  政治は結果責任だと思います。総理、このことについて、予測情報を公表しなかったこと、法律に違反していること、多くの方々を被曝させてしまったことに対し、この震災の最高責任者として、また日本のトップリーダーとして、被曝させてしまった多くの方々にまずきちんと謝罪をしていただきたいと思います。  そして、既に被曝してしまった方々に対しての健康被害へのチェックを一日でも早く早急に実行してください。また、今もまだ収束していない、依然として危険な状態と言える原発からの放射性物質の拡散におびえながら日々の生活を送っている地元の皆さんが、これ以上被害を受けることのないように素早い対応をお願いします。特に、放射能の影響を受けやすいという子供たちの命を守るために、国として一日も早い対応をお願いします。ただ考えているだけでは困るんです。すぐに実行に移すと約束してください。例えば、他県への国内留学や学校ごとの集団移動などで、でき得る限りのことをすぐに行動に移してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。  そして、もう一つ答弁いただきたいことがございます。先週、森まさこ議員が御指摘された原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府報告書の中で、事実と違った部分の文面の訂正を要望した件です。  早速、経産省が事実に基づいた文面に正しく訂正した報告書を作成されたようです。訂正内容の文書をこちらにいただいております。修正内容の文書をこちらにいただいておりますので、ちょっと読んでみます。  SPEEDIにより放射性物質の拡散傾向等を推測し、避難行動の参考として本来活用すべきであったがという文章に続けて、現に行われた試算結果は活用されなかったという一文が加わっております。  そこで、総理にお尋ねしますが、IAEAという舞台で国際社会に向けて、日本政府のこの内容で、自らの失敗を告白するということでよろしいのですね。失敗をお認めになったのなら、まず、原発周辺で余計な被曝をすることになってしまった福島の皆さんに謝罪をしてください。よろしくお願いします。限られた時間ですので、答弁は簡潔にお願いいたします。総理お願いいたします。総理お願いいたします。
  34. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) SPEEDIの予測が結果的に必要なところに共有がされず、その結果として周辺住民の皆さんに伝わらず、また避難等に活用されなかったということについては、その理由いかんを問わず、結果的に政治の結果責任だと思いますので、これは本当に大変申し訳なく思っております。なぜそういうことになったのかということは第三者委員会、検証委員会でしっかりと検証をしていただきたいというふうに思っているところでございます。  また、IAEAに対する報告書でございますが、過日の委員会で御指摘をいただきましたのでより明確にしたものでございますが、今申し上げたとおり、結果的に活用されなかったことが周辺住民の皆さんには特に大変遺憾であった、申し訳なかったということを踏まえたものでございます。  それから、御指摘いただきましたとおり、周辺の、特にお子さんなどの健康に関する今御指摘もいただいた部分も含めて、二次補正においてしっかりとそれにかかわる費用を国が責任持って負担をするということについて、計上できるようにという指示を強く総理と私の方から出しているところでございます。
  35. 上野通子

    ○上野通子君 総理総理
  36. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 総理、よろしいですか。
  37. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今、官房長官からもお話がありましたが、私も、このSPEEDIのそうした仮の計算にしてもあったものが、私のところあるいは官房長官のところに来ないことによって活用ができなかったということは、結果として本部長として責任を感じております。  と同時に、これは是非誤解を招かないように申し上げさせていただきたいんですが、それでは避難を一切しなかったかというとそうではなくて、当日十一日の二十一時二十三分にはまず三キロ以内の避難を指示をし、翌日の五時四十四分には十キロ圏の避難をし、そういう形で結果として、距離として考えると、その後の蓄積部分は別として、いろいろな水素爆発等に備えた避難としては十分な距離の避難が行われているわけであります。  そういう点で、SPEEDIと若干性格が違いますけれども、そういった円状の避難はきちんと行ったということは申し上げさせていただきたいと思います。
  38. 上野通子

    ○上野通子君 済みません、私はもっと謝罪の言葉がいただきたかったんです。でも、残念です、時間がありません。次の質問に移ります。  実は本日、外国人観光客集客の対策について外務大臣にお伺いする旨を事前に通告いたしましたが、本日、大臣外遊のためこの場にいらっしゃらないとのことで、大変残念に思います。  驚いたことに、議運理事会は外国出張を認めなかったとのことです。それどころか、議運に対して外遊の届出すらなかったと聞いております。どんな理由があったにしても、国会のルールであったらそれを守らないでよろしいのでしょうか。  本来なら、この件で総理にお伺いしたかったんです。これが常識的なことかどうなのかを判断していただきたかったのですが、時間がございませんので、外務大臣に代わって総理にお答えいただきたいと思います。  東日本大震災を受けて、実質的な被害上、あらゆる分野で風評被害が広がっております。中でも、特に厳しい状況にあるのが観光業であると思われます。  私の地元の栃木県の現状を少し話させていただきますと、世界遺産に登録されているあの日光東照宮などの寺社がございます日光市は、例年、春先、三月、四月、そして五月のゴールデンウイークには国内外から多くの観光客がお越しになって、また修学旅行生もいらっしゃるんです。大変にぎわいます。  ところが、今年は東日本大震災直後から観光客は激減しました。実際に、老舗と言われている歴史を長く持つホテルもゴールデンウイークを前に力尽き、閉館してしまいました。悲しいことです。日光そして那須塩原温泉地区では、四月の宿泊客が何と前年比九割減という非常に厳しい状況です。  そこで、現在、この危機的な状況を何とか自分たちの力で挽回しようと日光市や栃木県としての独自の観光安全宣言を提言し、いち早く国内外に発信しているところでございますが、観光客はなかなか戻ってきません。特に外国人観光客は全く戻っておりません。幾らそれぞれの地域で頑張っても、国としての信頼できる発信をしていただかなかったら、特に諸外国には安心してもらえないんです。特に、外国人宿泊客、ホテル、旅館等に泊まるそういう方々は壊滅的な状況で、日光市の周辺の重立ったホテルに対して調査した結果、九五%減という速報が届いております。このようなことでは、これから先どのようになるのか心配でなりません。  そこで、外務省に主要国の日本に対する渡航情報をお尋ねしましたところ、皆さんのお手元にあるような結果が来ましたが、しかしながら、これは他国の日本の渡航に対する情報であって、外国人への日本からの日本の観光に対する政府の対応ではなく、政府からの対応は全く見えないのです。  総理、日本は観光立国日本を目指すつもりではなかったのですか。ならば、外国人観光客を一日でも早く日本に戻っていただくために、日本全体というわけにはいきませんが、大部分の地域は既に安全であるといった観光安全宣言を国として諸外国へ向けて発信し、さらにあらゆる手段を使ってPRしていただきたいと思います。  総理、諸外国への安全宣言はどのようにしていくおつもりでしょうか。
  39. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 外務大臣臨時代理としてお答えを申し上げます。  風評被害に対しては、外務省、在外公館はもとより、政府を挙げて、外国の政府関係当局や報道関係者のみならず、産業界や相手国の国民に対しても日本の状況措置について丁寧に説明し、特に御指摘いただいた渡航について、安全性に関して正しい認識を持っていただけるよう努力をしてきているところでございます。  総理自身が、五月に開催された日中韓サミットやG8サミットの際に、日本からの情報提供を適時適切に実施することを述べつつ、日本への渡航が科学的にも安全であることを強く訴え、一定の理解を得たところであります。  さらに、諸外国からの観光客の大幅減少に関しては、在外公館より各国・地域の当局に対し常に最新で正確な情報を伝え、渡航規制等の見直しを累次にわたり働きかけております。また、諸外国に対する情報発信も重要と考えており、松本外務大臣や私からも会談、講演、インタビュー等を通じて日本が旅行先としてオープンであることを繰り返し申し上げているところでございます。  さらには、在外公館は、地元の地域の有識者、あるいは現地メディア、インターネット等を通じて正確な情報提供を進めるとともに、特に映像資料をも活用した復興イメージ発信にも取り組んでいるところでございます。  観光庁などとともに、更に安全、安心なイメージの早期回復など、訪日旅行の本格的な再開に向けた環境整備に更に力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
  40. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 総理答弁されますか、何か。
  41. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 重複を避けますが、先般の日中韓の首脳会議でも温家宝首相そして李明博大統領が福島においでになり、またその直後に中国の観光関係の方の会合がありました。またさらには、日本の観光業者が中国では営業がなかなかできなかったのを、まだ一企業ではありますけれども、それを開いていただきました。  政府としても、問題意識は上野議員と同様で大変深刻だと思っておりまして、全力を挙げてこれからも取り組んでまいりたいと思っております。
  42. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 自由民主党の北海道の長谷川岳です。  震災復興における自衛隊の役割を伺う締めくくり総括の中での北澤防衛大臣の欠席を委員として残念に思うということを冒頭に述べさせていただきます。  それでは、質問に入らせていただきますが、阪神大震災対策を指揮された小里貞利元震災対策担当大臣は、大事なポイントとしてこのようにおっしゃっております。一つは人事、財源の一元化、そして二つ目には即刻即決、出てくるテーマを即断する、そして三番目に平時でない挙国体制をつくる、そして四番目には戦略拠点をつくる、五つ目に実行ベースに乗せる。これを踏まえて伺いたいと思います。  復興基本法案の考え方を伺います。第一章の基本理念において伺いますが、第二条の六、原子力発電施設の事故による災害を受けた地域復興については、とありますが、この地域の定義について伺います。現在、様々な定義において三十キロ圏内と限定されておりますが、被害の大小にかかわらず福島は県全体が被害を受けた地域だと考えますが、この認識をやはり基本理念の背景の認識とする必要があるのではないかと思います。  総理地域とは福島県全域を含むという考えでよいですか。
  43. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) ここは文字どおり原発事故による被害を受けた地域全域を指すものでございまして、例えば計画的避難区域等の指定を受けた地域等に限らず、福島県内はもとより被害を受けた地域は全てこの対象になっているというふうに御理解ください。
  44. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 第二章の基本的施策にある第十条、復興特別区域制度の整備について伺います。  去る五月二十七日、参議院の予算委員会でお聞きした日本原子力技術協会の石川参考人の見解によりますと、世界中の技術者を集め、冷却、固化、そして大量汚染水の処理等の対策を行い、半径三キロから五キロを完全な治外法権地域とするべきとのことでありました。非常に厳しい考えではありますけれども、この半径三キロから五キロ圏内の民間の土地及び財産の買取り、ケアを含めた非常時の対策が必要かと考えます。  総理、この復興特別区域制度はこのような想定も当然含まれると考えてよろしいでしょうか。
  45. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 原発の近い地域皆さんについては、今後ちゃんと収束をさせ、なおかつその上で土壌の調査等を行った上で、どのぐらいでどうお帰りになれるのかなれないのかということを判断していかなければいけないと思っております。それを踏まえて、この石川参考人の御指摘をされたようなことも当然選択肢としては考えていかなければならないと思っておりますし、その際には立法措置なり特区措置なりということもその段階で考えなければならないと思っておりますが、今回の法律のいわゆる復興特区ということとはちょっと趣旨が違うのかなとは思っております。  ただ、いずれにしても、まずは収束をさせて、しっかりと土壌等の調査を行って、できるだけ元に戻っていただくということを最優先に、どうしてもできない場合については、今の御指摘を踏まえた対応をその時点で考えてまいりたいと思っております。
  46. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 第三章の東日本大震災復興対策本部について伺いますが、これやはり、被災地域の実情も最も知って即刻即決実行に移すというのが私は地元の国会議員方々だというふうに思っています。  今回のこの復興対策本部員若しくは幹事に三県の被災地域の全議員を加えるべきだと思いますが、見解を伺いたいと思います。総理お願いします。
  47. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) この間も、震災発生以来、地元を中心とした各党の議員皆さんから個別にもあるいは党を通じてでも大変有意義な地元の情報をお寄せいただきました。今後も復興に当たってそうしたことは大変重要だと思っております。  今回の法律の立て付けでは、そうした皆さんを直接メンバーに入っていただくということはできない法律の構造になっておりますが、いずれにしても、そういった皆さんの声をしっかりと受け止めて、それが復興対策本部あるいは復興庁の施策に反映できるような仕組みについては進めてまいりたいと考えております。
  48. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 次の質問に移ります。  福島県の子供たちの学童疎開の受入れを主宰する脚本家の倉本聰さんの元に切実な手紙が届きました。今日皆様方に資料としてお配りをさせていただいておりますけれども、復興基本法案の基本理念、第二条二項にもありますように、被災地域の住民の皆さんの意向が尊重され、あわせて女性、子供、障害者の方々を含めて多様な国民の意見が反映されるべきためにも、この手紙をあえて紹介いたします。私たち自民党が進めてきた原子力政策指摘を含め厳しい言葉が並んでおりますが、私が避難所で感じてきたことを併せて質問いたしたいと思います。  まずは東電の企業姿勢について伺いますが、三ページ目のこの手紙の①を御覧になっていただきたいと思います。特に清水社長、御覧になっていただきたいと思いますが、東電の企業姿勢あるいは東電のトップによる当事者意識のない発言に被災住民の方々が精神的にかなり追い込まれているということがこの文章でも分かります。これから、今後株主を見ていくのか、被災地域方々のことを見ていくのか、東電清水社長の覚悟を伺います。
  49. 清水正孝

    参考人清水正孝君) お答えを申し上げます。  まず、この度の事故によりまして大変多くの皆様に御迷惑をお掛けしていることを、この場で改めておわび申し上げたいと思います。  今、私どもの企業姿勢というお話でございます。当社といたしましては、今回の事故のまさに当事者であるということを真摯に受け止めまして、発災当初から被災されている方々への物資の御支援であるとか、あるいは避難所へ私どもの社員を何百人という形で派遣するというようなことも含めましてできる限りの御支援を申し上げている、またこれからも御支援申し上げたいと思っております。そして、何よりもこの事態の収束に向けまして、道筋に沿って一つ一つ対策を着実に取り組んでいく、全力を挙げて取り組んでいくという覚悟でおります。  以上でございます。
  50. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 東電の幹部の皆様にも是非読んでいただきたいと思います。  原子力損害賠償紛争審査会について伺います。  この三ページ目の②をちょっと読んでいただきたいんですが、被災者方々は、自己責任において何事も行動せよ自立せよとの政策と受け取っております。この背景には、一つはこの原子力損害賠償紛争審査会の在り方に問題があると私は考えています。  私たちが考える紛争審査会のありようというのは、被害を受けた方々の申立てをすぐに受理し、個別の事案を早急に検討し、判断し、スピーディーに支払を促す、あるいは仮払いを行うといったスピード感と決定、そして何よりも支払をさせる強制力だと私は考えます。  総理に伺います。総理は、賠償審査会のありようが改善されるべきとのお考えはないでしょうか。あるいは、原子力損害の賠償に関する法律、及び第十八条を変える考えはありませんか。
  51. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 長谷川委員にお答えをいたします。  この原子力損害賠償紛争審査会のシステムは、これまで長い間この制度があるわけでありまして、その法律もそうでございます。  今回、私たち被災者の立場に立って、日々、今日か今日かという方々は、本当に遅いという気持ちはよく分かります。そういう中で、我々は多くの被害者皆さん方のまさに損害の範囲、相当因果関係、こういったものをしっかり調査をして適切な損害賠償が行えると、国としてもしっかりやる、こういうことで今、紛争審査会は既に七回会合を開きまして、今日も八回目がありますが、第二次の指針まで出したわけです。  特に、風評被害というのはどこまで及ぶのか、大変な議論が要ると思うんですが、しかし、そういう中でも私たちとしては被災者のことに鑑みて早く結論を出して、七月にはそういう中間報告の中で全体的なものが出てくると、このように思っております。
  52. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 質問します。  その被災者の方を鑑みるという文科大臣に伺いますが、三ページ目の③のように、この手紙の中に書かれているように、子供たちを守るというメッセージが文科省にはみじんも感じられません。今回、年間二十ミリシーベルトをめぐる文科省の姿勢、福島の親御さんや私たち子育て世代に大きな不満と不安をもたらしました。現在、僅かに改善された状況をまずしっかりと、少なくとも大臣が直接出向いて、浜通り、中通り、会津の三地区で直接親の皆さんと向き合って話を聞く必要があるのではないでしょうか。  大臣、五月二十七日のこの改定以降、福島には行きましたか。
  53. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 私は行っておりません。福島には三月の二十七日に参りました、宮城にも。そしてまた、残念ながら岩手はまだ行っておりません。  今災害で多くの方々が自ら被災をし、そして親を失い、家庭を失う、そういう大きな災害でございました。一日も早く我々は、そういう子供たちに励ましの声を送っていきたい、環境整備をしていきたい、この気持ちでいっぱいでございます。
  54. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 行くつもりはありますか、ありませんか、大臣
  55. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) 国会等の日程が許せば是非行きたいと思います。
  56. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 暫定という、正式な決定がなされるまで仮の措置として取りあえず定めるというこの暫定の言葉を子供に使ったという、親御さんの不信感というのは今非常に大きなものです。できるだけ早く福島に行っていただきたいと思いますが、どうですか。
  57. 高木義明

    国務大臣(高木義明君) あくまでも暫定です。  私どもとしましては、何度も申し上げますが、今最新の知見、世界的な専門家のICRP、いわゆる国際放射線防護委員会、ここの勧告というのは多くの調査の中で定めております。それを私たち一つの目安にさせていただいておりまして、最終的には原子力安全委員会の助言をいただいて、そして原子力災害対策本部としてこういうものを出したわけでございます。  私たちとしては、子供の安心、安全、これからもしっかり努力をしていかなきゃならぬと、このように思っております。
  58. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 総理大臣に伺いますが、この手紙の中の四ページの④、現在政治家がかかわっているのは福島の原子力災害現地対策本部の田嶋政務官です。本当に御苦労されていると思います。  しかしながら、原発事故の対応拠点となっているJヴィレッジ、第一原発、第二原発には一人も政治家が入っておりません。政治主導を主張されるのであれば、やはり一番厳しい最前線に国会議員を送り込む必要はありませんか。ここがやはりこれからの収束の最も鍵を握ると、私はそのような拠点になると思います。私たち自由民主党議員は喜んでこの使命を志願しますが、政府・与党はいかがでしょうか。
  59. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 大変積極的な提案いただきまして、ありがとうございます。  本当に私ももっと多くの政務三役がいれば、Jヴィレッジも含めて配置をしたいと思いますが、残念ながら、そのための内閣法の改正に野党の皆さんの協力が得られないために、自民党時代からの政務三役の数の中で対応いたしております。もちろん、党の関係でいろいろなところに出向いてやっていただいておりますが、やはり内閣の立場でないと、場合によっては野党の方からも、どういう立場でこういう会議に出ているんだという指摘もいただきます。是非これは、本当に今度のこの法案が今日成立するとすれば、これからの問題としても是非、どちらが政権を取っても必要なことでありますので、御協力をお願いいたしたいと思います。
  60. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 原子力発電所に対するテロも含めた対策について伺いますが、これは本来防衛大臣に伺いたいと思ったんですが、原子力発電所にとって電源喪失が大きなアキレス腱ということが分かりました。  今後、福島第一発電所のテロ等における警備及び全国十七か所、五十四基に上る発電所の自衛隊による警備強化が必要となります。平時においては警察庁が警備をされておりますが、陸海空を含めた自衛隊の増員ということは考えておりますか。
  61. 中野寛成

    国務大臣(中野寛成君) 現在、警察におきましても福島第一原発の警備につきましては万全を期しているところではありますが、第一義的に警察が守りますが、警察の手に余る状況があるとすれば、迅速果敢に自衛隊の出動をお願いをするということに当然なっております。  今後とも、警察、そして自衛隊、共同訓練を重ねておりますが、より一層これらの教訓を糧にして努力をしていきたいというふうに思っております。
  62. 長谷川岳

    ○長谷川岳君 終わります。ありがとうございました。
  63. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  今日は震災基本法の締めくくり総括ということで、改めまして、自民、公明、民主の三党の提出者の皆様方、大変御苦労さまでございます。ありがとうございます。  今日はこの基本法につきまして、私、一点だけ冒頭ちょっと確認をさせていただきます。  先ほど民主党小西委員からも、復興特区についての大変重要な御議論がございました。この復興特区は、私ども公明党が強く提案をさせていただいたことでもございますし、様々な現場の意向を伺いますと、市町村長を中心にこの特区に対する期待というものは非常に高まっておりますし、今日この復興基本法成立をするとすれば、この復興特区の設定、これをまず第一に進めていただきたい、こういうふうに思っております。  本法案成立後、これは直ちに間髪入れずに復興特区設置に関する法整備に着手するよう、この明快な指示を出していただきたいと、このように思いますので、官房長官、御見解を。
  64. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 既に復興特区については、実務的、事務的な研究といいますか検討を進めておりますし、また構想会議においても御議論いただいております。構想会議の結論を待たずに、本法律成立をいたしましたら、更に具体的な作業に着手をするように指示をいたします。
  65. 長沢広明

    ○長沢広明君 是非素早くお願いしたいと思います。  現地においては特に土地利用の問題とか、この規制を早く外してもらわないと進まないという問題にもう今日この現在ぶち当たっておりますので、素早く対応をお願いしたいというふうに思います。  それでは、今日は厚生労働大臣にもお越しをいただきまして、災害救助法に関することを何点か確認をさせていただきたいと思います。  この災害救助法の適用につきましては、適用された市町村からの避難者の救助に関する費用が適用された都道府県にその全額を求償できるということになっております。簡単に言いますと、被災三県から避難された方々がほかの都道府県で避難所に行かれたりして様々な食料の提供等を受けていると。その費用を、避難を受け入れた都道府県知事から避難元の、岩手県、宮城県、福島県という避難元の県知事に対してその費用を支払うように求償するということになっております。  これは、災害救助法そのものが都道府県知事が救助を行うということが、法律でそういうふうに定まっておりますので、そういう仕組みにどうしてもなるんですけれども、被災した三県にとっては大変その事務手続が大変になります。また、受け入れた自治体の側からも、苦しんで困っている、大変な混乱をしている岩手県知事や宮城県知事や福島県知事に幾ら掛かったから払ってくださいと、このように言うのは大変忍びないと、こういう声が前から上がっておりまして、私ども、四月でしたか、本会議の中で我が党の荒木議員から、この費用求償の在り方についてはもう少し国が前面に出て、負担を軽くするようにということも含めて、費用求償の手続、在り方そのものを見直すべきではないかと。このように申し上げましたところ、細川厚生労働大臣から、地方自治体の負担軽減のため、事務手続を簡素化するとともに、被災県への求償事務を国が代行することにすると、このように答弁がございましたので、これたしか第一回目の取りまとめが七月末になっています。最初の手続が七月末に手続に入りますので、今大変大事な時期になっているので、どこをどう代行して負担軽減を図るのか、簡潔に御説明いただきたいと思います。
  66. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) この被災三県への求償手続、これにつきましてはいろいろな書類等がございます。そういう一切の書類をまず厚生労働省の方に送付をしていただきまして、そこで厚生労働省の方で点検、整理をいたしまして、そして一括してそれを被災県の方にお送りをすると、こういう手続にいたしております。したがって、点検、整理をいたしますので、被災三県の事務というものはこれは極力少なくなると、こういうことでございます。  第一回目が、委員お話ありましたように、六月までの費用を七月末までに請求してくれと、こういうことで手続をさせていただいております。
  67. 長沢広明

    ○長沢広明君 今御説明いただきましたとおり、都道府県知事と都道府県知事の間で費用求償が行われるところを、今回は国が一回窓口になって、そこで様々な避難されている地域市町村からある程度吸い上げたものを県でまとめて、それをまた国で、窓口でいわゆる集計をするということですね、簡単に言いますと。いろんな費用が掛かっていますから、これは食料だけじゃなく衣服も含めて、医療品とか助産、学用品の給与、埋葬、いろいろなことを含めて、炊き出しのお金とかいろんな費用が掛かっております。それを全部集計を一旦国でするということですので、このことについては確かに被災三県にとりましては大きな事務負担の軽減にはなります。  しかし、最終的には国が取りまとめて集計したものを被災三県に回して、結果的には被災三県がその相手の都道府県にまた払うという、この事務は相変わらず都道府県が払うということになるわけですね、現実的には。つまり、領収書を整理して集計してまとめるけど、支払はお互いやっぱり都道府県でやってくださいよと、これちょっとここが中途半端なんですよ。  災害救助が救助法では都道府県知事が行うと、市町村長がこれを補助するという仕組みになっているのはよく承知をしております。しかし、遡ってみれば、災害救助法で都道府県がそれを行うというのは、これは法定受託事務だからなんです。つまり、一号法定受託事務、国が本来果たすべき役割法律政令であらかじめ定めて都道府県にそれをやってもらうと、こういうことでございまして、かつての機関委任事務を法定受託事務と自治事務の二つに分けたときに、この法定受託事務として国が本来果たすべき役割を都道府県でやってもらうということになったわけで、ほかにも、例えば国政選挙なんかはそうですよね、国政選挙なんかは本来国が行うべきものを法定受託事務として都道府県で事務を執行してもらっている、こういうことになるわけです。  ですから、本来、災害救助を国が果たすべきは当然なんです。しかも、災害救助に掛かったこの費用求償については、最大九割が国の補助ですね、九割。残った一割分が都道府県の負担になったとしても、それは最終的には地方財政措置で埋めますということになっている。つまり、結果的には十分の十国が払うんですよ。それを、わざわざ何で、領収書を整理するところまでやっておいて、それをまた被災県に渡して、被災県がまた受入れ県に払ってくださいよというところまでやらせるのかということです。  それだったら、今回に関しては特例的に、ちゃんと領収書まとめましたと、最終的には国が払うんですから、立替えという形取っても結構ですから、福島県や宮城県や岩手県の手を煩わすことなく国が支払までやりますよと、こういうふうにやり方を見直してもいいんじゃないでしょうか。厚生労働大臣、どうですか。
  68. 細川律夫

    国務大臣(細川律夫君) 今回の国の方が代行するということにつきましては、これは災害が大規模だということで関係市町村も全国に至るというようなことで、これは被災三県の事務が大変だろうということで、これは国が代行すると、こういうことになりました。  それで、突き進めていけば、委員が言われるように、それはもう国の方で直接払えばいいんじゃないかと、こういうことになるかと思いますが、今の仕組みがこういうふうになっておりますから、被災三県の方から他の都道府県にお願いもしているわけですね。お願いをして、そしてそれに応じて各都道府県がいろいろ支援をされたというようなこと、そういうこともあるので、まずは被災三県の方もどういう実態かという、自らの、自分の県民がお世話になったその実態も把握もしなければいけないだろうというふうにも思います。  そういうようなことから、被災県が自分の県の実態をよく把握をするということで、これは一旦書類を県の方にお送りをしてそして見ていただくと、こういうことにするわけですけれども、しかし、委員が言われましたように、私もこの問題についてはいろいろ、国がその支出した都道府県に直接支払ってもいいんではないかというようなことも考えもするところもありますので、ここは、今回の、県を通じて被災三県あるいはお世話をした自治体などの意見も聞きながら、今後、委員が言われるような仕組みにしていくかどうか、ちょっと検討をさせていただきたいというふうに思っております。
  69. 長沢広明

    ○長沢広明君 今、私こういうお話をさせていただきましたけれども、当初、避難者を受け入れている自治体からは、本当に岩手県、宮城県、福島県から払ってもらえるんだろうかという一抹の不安もあった面もあるんですね。ですから、そういう意味ではしっかり検討してもらいたいと思いますし、総理にもちょっと感想を伺いたいと思うんですが。  そういう自治体間のこういう問題について国がしっかり間に立つ、立って書類を回すだけではなくて、最終的には十分の九は国庫負担、なおかつ残った一割は地方財政措置でちゃんと後で国が払いますと言っておきながら都道府県に先に払わせるというようなやり方ではなくて、そこは国が前面に立って、被災三県の負担を軽くすると同時に、受け入れてくれる自治体方々の不安を少しでも軽くして安心してもらえるように、これは国がしっかり責任を持つというふうにやるということが、私はそういう決断があってもいいんじゃないかと思いますが、総理の御決断、どうでしょうか。
  70. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 今のお話を聞いて、この図面を見る限りは、おっしゃるように、いずれにしても、国が全額見るんであれば、直接払うのが一つの簡便な方法ではないかと感じました。  ただ、先ほどの厚労大臣の話にもありましたように、その場合は被災県が全く知らないことになりますので、そういう形がいいのかどうかは、やはりちょっと関係している都道府県の意見は、やっぱりそう変えるにしてもどうするにしても意見は聞かなければならないと、このように感じておりますので、厚労大臣の方に、しっかり意見を聞いた上で方向性を出していただきたいと指示をいたしたいと思います。
  71. 長沢広明

    ○長沢広明君 じゃ、次のテーマにちょっと時間がないので移りたいと思います。  復興には生活の基盤である住居の確保は大前提ということは、これまでも何度もいろいろな場面で議論をさせていただいてまいりました。  そこで、今、仮設住宅の問題もありますけれども、避難所をまず一日も早く解消できるようにする、そのために仮設住宅を早急に完成させる、そして仮設住宅にまず入っていただけるようにするという、ここまでは来ていますけれども、仮設住宅に入ってからの生活の基盤というものをどこに置くかという先が見えないということが、ああ、仮設に入って大丈夫かという避難者の方々の不安の一つにもなっているわけでございます。  これはもう有名な話ですけれども、先日、陸前高田市の市長とお話をしましたときに、有名な既に新聞でも報道された例ですが、三月十日にマイホームを建てましたと、翌日十一日に全部流されましたと、残ったのは、三十五年間の三千四百万円のローンだけ残りましたと。  もちろん、この方への二重ローンの問題、これは当然対応しなきゃいけないことではあるんですけれども、この方に仮に仮設住宅に入っていただいて、二年、三年仮設住宅にいたとしても、その後、この方がもう一度自分で家を建てられますかと、それはちょっと過酷ではないですかと、それは無理でしょうと。となれば、仮設住宅の後、住む場所をちゃんとこうなりますよという道を示さないとその方々の安心をつくることはできませんと。もちろんそのとおり。  そう考えると、その次の住宅というものを既にもう用意しないといけない。これを、阪神のときにもありました災害復興住宅というのがあります。公営住宅として建設するということです。公営住宅として建設をして、そこに入っていただけるようにという道をつくっておきたいというふうにお考えになりました、陸前高田市だけでもしかしたら二千戸ぐらいそれで必要になるかもしれない、こういうことをおっしゃっていました。  当然、土地をどうするかとかいろんな問題が起きてくるんですけれども、復興への一歩を踏み出すためにも住まいの不安をどう払拭するかということって大事なんですが、これは既に第一次補正予算の中に、災害復興住宅の建設に使える費用として千百十六億円、一万戸分、これ一次補正に計上されております。  この千百十六億円、どうなっているか、現段階の執行状況と今後の見通しをちょっと示してもらいたいと思います。
  72. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 長沢議員からの御質問にお答えを申し上げます。  ただいまの御指摘のいわゆる災害公営住宅でございますが、現在の状況はどうかということでありますが、岩手県におきましては七百五十戸分を今年度中に着手、それから仙台市において現段階での目標供給戸数を二千戸とし、そのうち六百戸について今年度中に着手、それから相馬市においては百八十一戸を今年度中に着手のスケジュールが示されております。  これらは新しい町づくりとも関係してまいりまして、そういうトータルとしての町づくりの中での位置付けということでありますから、そういう自治体の御意見というものを踏まえながら、私たちとしても積極的に取り組んでまいりたいと思います。
  73. 長沢広明

    ○長沢広明君 今お話のありました大体千五百戸分ぐらいですね。一万戸分の予算として千百十六億円予算がありまして、事実上ほとんどがまだ手付かずなんです、この千百十六億円の予算というのは。なので、このせっかく用意した予算が手付かずになってなかなか執行しないということはどこに原因があるのかと、これはきちっとやっぱり総括しておかないといけないと思います、せっかく。  現実には、今お話があった、先日この委員会参考人にお越しいただいた相馬市長のように、どんどんプランを立てて進めようとされておるところもある。しかし、現実には、用地の問題もあったり、まず復興計画に着手するところまで行かない、そういう住宅の問題まで手が届かないという被災市町村も現実には多いわけです。  これは、やはり一つにはマンパワーの問題等あると思うんですが、やはりこの災害復興住宅をきちっと進めていくということは復興プロセスにおいて非常に大事だということで、資料を今日お配りしておりますけれども、この一枚目の資料を見ていただきますと、これ阪神・淡路大震災のとき、避難所を解消する、それには仮設住宅と、仮設住宅からの撤収を完成させる、それには災害復興公営住宅と、こういうやはりつながりがあってプロセスが進んでいるということは、阪神・淡路のときのこの動きを見ても明らかだと思うんですね。その意味では、この災害復興公営住宅をちゃんと進めていけるように、被災市町村に対する計画立案のマンパワーの手助けというのをやらないといけないと思います。  国交省からも、いろいろ事例集を出されたり現地説明会をされたり、いろいろそういうソフトの提供はされていると思う。しかし、更に必要なのは、やっぱり現場で必要なのはそういうマンパワーが必要なので、例えば住宅関連部門の職員国交省から積極的に必要なところに応援に入れると、こういうようなサポート体制を考えるべきだと思いますが、国土交通大臣、どうでしょうか。
  74. 大畠章宏

    国務大臣(大畠章宏君) 御指摘のように、マンパワーの件についてでございます。  国土交通省として、私も県あるいは自治体等々でマンパワーが不足しているというようなお話を伺っておりますので、現在、仮設住宅の建設に全力を挙げているところでありますが、この応急仮設住宅の建設あるいは復興計画の策定を支援するために、岩手県には十九名、宮城県に二十六名、福島県には十九名それぞれ派遣をしておりまして、応急仮設住宅の建設支援は六十五名、復興計画策定時の技術支援として十九名の職員を派遣をしております。  私は、国土交通省内で仕事をするよりも、この際、現地に行って県や自治体の中で実際に仕事をすることが、どれほど今の職員皆さんの力量をアップすることにもつながると、こういうことから、できるだけ自治体皆さんの要請をいただいて、自治体との連携を取りながらできるだけの支援体制を組んでまいりたいと思います。
  75. 長沢広明

    ○長沢広明君 時間がなくなりましたので、最後に一点だけ。これは答弁は要りませんので、一つだけ申し上げます。  こういう復興住宅を建てて、その後、自治体が公営住宅をずっと維持するのは実は重荷になります。同時に、持家を流された人に次の持家を持てるようなステージを提供しなきゃいけないということで、相馬市長もおっしゃっていましたけれども、払下げ、買取りを可能にしてもらいたいというふうにおっしゃっていました。  ただ、公営住宅法の中に細かい規定がありまして、払下げの時期はこの耐用年数の四分の一であるとか、あるいは価格はこういう計算を時価でやらなきゃいけないとか、あるいは売り払った場合の対価は公営住宅の修繕に使わなきゃいけないとか、その対価の使い道まで細かい規制がなっています。これが足かせになっている。まさに、こういう復興公営住宅を持家につなげやすいような形に、これこそ特区の中で対応してもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  76. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太です。  菅総理、本日は余りこういう話をするつもりはなかったんですけれども、先ほど上野さんへの答弁を聞いていて、ちょっとふつふつとまた憤りを感じてしまったものですから、是非お話をさせていただきたいんですけれども。  私も先週、被災者皆さん是非しっかりと謝ってくださいと。様々な不手際がありましたよね。それを今全てお話しすることはありませんが、御自身の中で分かっていらっしゃるはずです。まずそこをスタートに私はこの復興を始めるべきだなというふうに思っております。それとも、御自身の中で一〇〇%、自分は本当に間違っていないというふうに思っていらっしゃるんですか。是非もう一度私は被災者皆さんにおわびをしていただきたい。よろしくお願いいたします。
  77. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私も、いろいろな被災地を回り、またいろんな避難所の方とお話をし、もちろん首長さんともお話をしました。そういう中で、私が全体の責任者でありますので、いろいろなことが遅れている、あるいはいろいろな要望が十分こたえ切れていない、そういうことについてはおわびをする、あるいは申し訳なく思う、その気持ちは表してまいりました。  余り言い訳をするというふうに言われるので言わない方がいいかもしれませんが、先ほどのときに申し上げたのは、被曝をされたという表現をされていましたので、いやいや、早い段階で何キロ以内までは避難をしていただいていることも御理解をくださいというのは、国民の皆さんに御理解をくださいということを申し上げたつもりなんですが、もしかしたら、決して、避難された皆さんの安心を思って申し上げたつもりです。
  78. 松田公太

    ○松田公太君 今のおわびの仕方では私はまだまだ不十分だと思うんですね。責任を感じたいとか申し訳ないと思うと、そういうような言い方ではなくて、私はやはり明確に、申し訳ございません、謝りますという言葉を発せられた方がいいんではないかなと思います。その方が正々堂々とされていて、そこから復興、もう一度スタートしようという気持ちに全国民もなるんじゃないかなというふうに思いますが、もう一度お願いいたします。
  79. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) いや、本当に被災された皆さんには、こういう形になってしまうことを防げなかった、そしてそれに対して十分なスピードと十分な対応がまだまだできていない、このことについては心からおわびを申し上げたいと思います。
  80. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。今までの中で本当に初めて総理のお言葉からそういう話をいただいたので、私は今までよりかは若干良かったなというふうに思っておりますが、それをもって次の質問に移らせていただきますけれども。  御存じのとおり、菅総理、我が党では、東日本大震災復興基本法案に対しまして、参議院から対案を出させていただいております。しかし、残念ながら、六月二十日現在、議院運営委員会で付託合意がされておらず、その対案がいわゆるつるしの状態になっているというふうに聞いております。  総理は先日、みんなの党の対案は概略ぐらいは読んだというふうに言っていただきましたが、大まかで結構ですので、政府民主党、自民党、公明党案とみんなの党の案はどこに大きな相違点があるとお考えか、教えていただければと思います。
  81. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 前回も同趣旨の御質問に私なりにお答えをしたと思いますが、一つ復興院という表現だと思いますが、御党の復興院というのは、三年の時限で復興院は被災地設置し、将来東北州に鋭意移行するという考え方になっております。道州制というのは御党の基本的考え方かと思いますが、現在の三党で出していただいている案はそういう道州制、つまり東北州への移行を前提にはしていないという点が一つ違っているかと思います。  また、復興資金の問題では、三党の案は復興債を発行してそれを別会計にしていくという形になっておりますが、みんなの党の案では、いわゆる埋蔵金、あるいは日銀による公債引受け等によるということになっていて、この点も若干考え方が違うのかと思います。  しかし、自治体、地方公共団体主体の復興を国が支えていくという、そういう基本的なところでは共通していると、このように認識しております。
  82. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  今大事なポイントを二つ言っていただいたんですが、それではちょっと質問したいんですが、なぜ我が党の対案をこの復興特別委員会に付託してちゃんと話合いをさせていただけないんでしょうか。
  83. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 答弁者は。
  84. 松田公太

    ○松田公太君 じゃ、枝野官房長官
  85. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 大変申し訳ありませんが、私ども内閣国会法案提出して御議論をいただく立場でございます。国会での御議論のやり方等については政府にお尋ねをいただいてもお答えはできないので、そこはあしからず御了承ください。
  86. 松田公太

    ○松田公太君 枝野官房長官、おっしゃっていることは分かりますが、国会の運営だから任せてあるというお考えのようですけれども、御存じだと思いますが、今、今回の復興基本法案、これを御一緒に作られた自民党と公明党さん、既につるしを下ろしていただいているんですね。つまり、民主党だけがつるしを下ろしていただけないんです。ですから、本気で議論する気があったら、代表が一言、民主党の代表である菅総理が一言、つるしを下ろしなさいと、話し合いましょうというふうに言っていただければいいんじゃないでしょうか。
  87. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) もちろん、私、民主党の代表でありますけれども、各院の運営はそれぞれの院の党の役員がいろいろ御議論をいただいて、他党とも議論いただいて、かなり自主的な範囲でやっていただいています。そういう中での扱いでありますので、是非それぞれの国会対策担当者の間でお話合いをいただきたい、このように思います。
  88. 松田公太

    ○松田公太君 私は、やはり一つしか出ていない対案ですから、本当はこの場でしっかりと話し合うべきだったと思っております。ですから、いまだに、今の御答弁では、なぜ本当に、菅総理から一言、前回も私お願いしましたが、つるしを下ろせということを言っていただいて話合いができなかったのか、非常に理解に苦しむんですね。民主主義じゃないなというふうにも感じてしまいます、これは。  私は、おととしのあの民主党政権の発足直後から、この基本的な理念のところで民主党政権の考え方というのはちょっとおかしいんじゃないかなというふうに思ってきた部分が多々ありましたが、政治家になってからもますます最近それを感じるんですね。  例えば先週閣議決定されました原子力損害賠償支援機構法、これ、私も読ませていただきまして、先週も枝野官房長官に御質問させていただきました。なぜこの中に例えば債務超過をさせないというような言葉が入っているのか。これ、非常に不思議な言葉だと私思うんですよね。これは本当にベーシックなことなので菅総理にお聞きしたいんですが、なぜそのような言葉を入れてしまうんですか。資本主義からそれていると思いませんか、債務超過にさせないという考え方は。
  89. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 東京電力といいますか、今回の原子力災害によって被害を受けられた皆さんに対する賠償は、これは東京電力が行うにしろ、東京電力が行えなくて政府が行うにしろ、これは必ずその賠償はしっかりと行わなければならないと。そのための法律でございますので、したがって、もちろんこの国は自由主義経済、資本主義経済でありますから、平時、一般的な場合においてはそのマーケットメカニズムによって動くわけでありますけれども、まさにこの被災者皆さんに対して適切な賠償を行うという政策目的に基づいた法案でございますので、その政策目的に基づいて東京電力の債務超過状況をつくれば、結果的に賠償が遅れ、なおかつ、その賠償に対する財源という問題で国民の税による負担が大きくなるということを考慮して、そうしたスキームを提起したものでございます。
  90. 松田公太

    ○松田公太君 私は、やはりその債務超過にさせないという言葉を言った瞬間にもう民間企業じゃなくなってしまっているんじゃないかなと思うんですね。だからこそ、みんなの党が提案している国有化、一時国有化、それを考えましょうよという話をしましたら、いや、それは考えられないというふうにおっしゃる。非常にあやふやに、非常に軸が通っていないんじゃないかなというふうに私は思ってしまうんですね。  ですから、場当たり的に何でも決めてしまわれているのかなという印象が否めないんです。是非是非……(発言する者あり)いやいや、これは債務超過にさせないという言葉はそのぐらいの重たい意味だと私は思いますよ。  じゃ、どうぞ、何か答弁があるようですから。
  91. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) このスキームでは交付国債を通じて機構が東京電力に出資をすることになっておりますので、そういった意味では一部、一時国有化をするということのスキームになっております。
  92. 松田公太

    ○松田公太君 それでは、一時国有化されるということをお認めになるということですね、今回。そういうことですね。それは間違いないですね。もう一度お願いします。
  93. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 既存の株式をどうするのかということについては今回のスキームに何も書いてありませんが、国が間接的に東京電力の株を持つスキームになっておりますので、そうした意味では、一部、一時国有化であるのは間違いありません。
  94. 松田公太

    ○松田公太君 何か今、急に一部という言葉も何か出てきておりますけれども、国有化されるのであれば、やはり株主責任は問うということですね。これ、間違いないですね。よろしいですね。
  95. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) ちょっと国有の定義問題なのかもしれませんが、国が出資をして国が東京電力の株式のうち一定比率を持つという意味で、国が有する、一部分を国が有するということになるということを申し上げているわけでございます。
  96. 松田公太

    ○松田公太君 一部というふうにおっしゃいますけれども、一部って何%のことをおっしゃっているんですか。過半数を取るということですか、マジョリティーのことですか。
  97. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) これは法案のスキームを御覧いただければというふうに思いますが、先ほど御指摘あったとおり、賠償に影響を与えないために債務超過状況にしないような資本の増強をせざるを得ないということの中で、その出資を国が間接的に行うということでございますので、最終的にはどの程度の賠償が、負担が生じるのかということや東京電力の財務内容等によって変わってきます。
  98. 松田公太

    ○松田公太君 今のお話ですと、私はやはりマジョリティーを押さえる可能性が十分にあるというふうにとらえましたが、済みません、ちょっと時間ですので、今日の質問、終わらせていただきます。  どうもありがとうございます。
  99. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  原発事故の損害賠償問題について質問いたします。  今から五十年ほど前、一九六一年の四月、原子力損害賠償法が作られたときの国会審議において、原子力委員会原子力災害補償専門部会長の我妻栄東大名誉教授がこのように発言されております。計り知ることのできない大きな災害を必然的に含んでいる企業を国家が許してやらせる以上は、無過失責任を事業者に負担さして、被害者に損害を被らさないように、つまり、泣き寝入りにさせないようにしなくちゃならないということでは、部会の委員は全員一致で、反対はありませんでしたと。大変重い発言だと思いました。  被害者に損害を被らさない、泣き寝入りにさせない、これが私は原賠法の原点だと思いますが、総理の御認識を伺いたいと思います。
  100. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 基本的には私も同様な認識です。
  101. 山下芳生

    山下芳生君 同様の認識だということでありました。  ところが、東京電力は、農業団体それから漁業団体が根拠を示して損害賠償請求したものについても、指針に基づいて賠償するとして、原子力損害賠償紛争審査会の指針に明示されていないものは仮払いさえしておりません。そのために、事故から三か月以上たっているのに一円も賠償を受け取っていない農家や漁業者や関連業者がたくさんあります。  しかし、原子力損害賠償紛争審査会というのは、原子力損害の賠償に関して紛争が生じた場合における和解の仲介をするところであり、審査会の指針も、当該紛争の当事者による自主的な解決に資するためのものと原賠法十八条にはっきり書いてあります。したがって、紛争になる前から審査会の指針にとらわれる必要は全くありません。  実は、海江田大臣も、私との質疑を踏まえて、紛争審査会はあくまで紛争が起きた場合の一つのジャッジをする会、東京電力の側が分かりましたと言って支払すれば、そしてそれが被害方々の納得を得られれば、これは別に審査会が判断を下さなくてもいいんですと、こう答弁をされました。  そこで、総理質問いたします。  原子力損害賠償審査会の指針は、指針に明示されている以上のことを東京電力が賠償してはならないという性質のものなんでしょうか。
  102. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘のとおりでございまして、紛争審査会の指針はまさに一つの指針であって、東京電力においてこの指針とは別にお支払をすることを妨げていないどころか、むしろ明確に支払うべき損害であると認められるようなものについては積極的にお支払をいただくことが当然であると考えております。
  103. 山下芳生

    山下芳生君 今非常に重要な答弁がありました。指針に明示されていなくても、私は、事故から損害が生じるのが相当であると判断されるものであれば賠償すべきなんだということ、そして、指針に記載されている以上のことを東電が賠償してはならないということではないという、今、枝野さん、うなずいておられますが、はっきりした答弁が出されました。  だったら、被害者が根拠を示して損害賠償請求しているのに、指針を理由に、指針にまだ明示されていないからということを理由に支払を遅らせている今の東電の姿勢を私は政府として改めさせるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
  104. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 東京電力においてはできるだけ迅速に、そして今御指摘のとおり、指針の有無にかかわらず明確な損害として東京電力としても認めざるを得ない範囲についてはお支払をいただくべきと考えておりますが、一方で、東京電力の、例えば請求に対する事務の扱いであるとか、それからそれに対しての様々な法的判断とかがどういう手続でどういうペースで進んでいるのかということは確認をしなければいけないと思っております。  できるだけ早く速やかに対応することは促してまいりたいと思っておりますが、一方で、個別のことについて東京電力が一つ一つ判断をさせると時間が掛かるというようなことも想定されるということの中で、できるだけ早め早めにこの指針を出して、少なくともこの指針にあるんだからということでまずは仮払いを急いでさせるということの意味もあって、できるだけこの指針を早く出すということを求めております。  一方で、個別のことについてできるだけ迅速に対応できないかということは促してまいりたいと思います。
  105. 山下芳生

    山下芳生君 促してまいりたいということなんで、促す必要があるんですよ。もう三か月以上たっても指針にないものは払っていないんですからね。  例えば、漁師が操業自粛になったら、港に水揚げされた魚をさばく仲買人の収入はなくなります。酪農家の原乳が出荷制限になったら、その原乳をタンクローリーで集める事業者の収入はなくなります。因果関係はっきりしているんですが、それを指針に入っていないからとの理由で仮払いしないというのが今東電が取っている態度なんですね。これは被害者を事故と賠償で二重に苦しめる、そういう姿勢だと言わなければなりません。  そういう東電の姿勢を放置してはならない。私は、東電の立場に立つのか、被害者の立場に立つのか、政府に問われていると思います。はっきりと指導してください。総理、よろしくお答えください。
  106. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 考え方はもう官房長官から答弁したとおりで、あと東電自身が自らの判断で行う、そのことについて迅速に行うようにということは申し上げたいと思います。
  107. 山下芳生

    山下芳生君 東電任せでは駄目です。国と東電が原発で日本では大きな事故起こらないと言って被害を拡大したんですから、国の責任で東電にしっかり賠償責任を果たさせるべきだということを申し上げて、終わります。
  108. 藤井孝男

    藤井孝男君 非常に限られた時間でありますので、基本的な考え方をお聞きしたいと思います。  本委員会で何度か質問に立たせていただきましたけれども、提出者の議員先生方一つ質問していないので、今日は、代表してということではありませんが、石田祝稔議員にお聞きしたいと思います。  たしか石田議員と私、今日は谷議員も山口議員もいらっしゃいますけれども、政府・与党、そして各党との代表者実務者会議で同じメンバーでしたね。二十回を超える会議がございましたけれども、その中で、石田議員は当初から、特にこの事故、発災以来といいますでしょうかね、この震災も含めて、原発も含めて、とにかくやはり権限の集約化、そして一元化をすべきであると。それが今回の三党合意の中で復興庁という形で出てまいりましたけれども、そういったことをずっと一貫して意見を述べられていた。それからもう一つは、原発の事故が起きました後、情報開示についても、これも私と同意見でしたけれども、やはりこの情報開示は基本と当然すべきであるけれども、適宜適切、そして正確な情報開示、これをしないと、国内外の信用といいますか、それを失ってしまうということをおっしゃっておられた。  ようやく三か月がたちまして、今度のこの基本法が衆法の形で提出され、今日いよいよ可決、成立の見込みということになったわけですが、これからこの成立した後、これはもう枠組みだけでございますから、これから具体的にどう被災地皆さん方の意向にこたえていくか、これが大事だと思いますが、その点についての御意見の一端があればお伺いしたいと思います。
  109. 石田祝稔

    衆議院議員(石田祝稔君) お答え申し上げたいと思います。  三党の代表ということで、誠に光栄な答弁をさせていただくと思います。  藤井委員とも、おっしゃるように、実務者会議で、ちょうど二十回だったと思いますけれども、熱心に議論を重ねた結果として今回の委員長提案という形になったと、このように思っております。  これからの体制として、私は一言で言えば、機能する体制、また被災者被災地の思いにスピーディーにこたえていける体制、このことが体制としては重要ではないかというふうに思います。そして、これから、特に復興特区復興庁も、今後法律を制定をしてその中身を入れることになっておりますので、そういう思いにこたえていけるような法律にしていかなければならないと、このように思っております。  ともかく、そのような趣旨に沿った法案をできるだけ政府にも早く提出をしていただきたい、このように考えております。
  110. 藤井孝男

    藤井孝男君 分かりました。  一言で、私が今の答弁を聞いて、御意見を聞いて感じるのは、やっぱり機能する体制、それとやっぱりスピード感、これが大切だということだと。私はもうこれも委員会で何度も言ってまいりました。  そこで総理総理にお伺いしますけれども、我が党も、今、石田議員からの話がありましたように、この発災以来の体制というのは、やっぱり機能する体制をつくるべきだと、これが非常に重要だと思います。それから、スピード感が必要であると。それともう一つは、総理にも何度か申し上げたが、リーダーシップというのが大切だと、こういうことでありますが、改めて、このリーダーシップ、大変な権限と権力の座にいらっしゃるわけですから、そのことについての総理の考え方、もう一度基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
  111. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) リーダーシップには、ごく普通の言い方をすれば、陣頭指揮型のリーダーシップと、それからチームを全体として機能させる言わば監督型とでも言うんでしょうか、そういうものも一般論としてはあろうかと思います。しかし、現実には私はその二つが組み合わさったものだと思っております。  今回、この基本法成立させていただいて復興本部を立ち上げたときに、これまでも復旧の段階で緊急災害対策本部で生活者支援のチームが動いておりますので、その仕事はこれまで同様に継続しなければなりません。と同時に、現在、復興構想会議で間近に提言をいただくことが決まっておりますので、それを受けてこの法律に基づいて指針を作り、そして本格的な復興に向けての、まあ今の言葉で言えば第三次予算ということになっていくのかもしれませんが、そういうことについて進めていかなければなりません。そのときは私は、国会でいえば与野党を超えて、そして役所でいえば役所の壁を超えて全体がうまく動いていく、まさに機能する体制をつくること自体がやはりリーダーシップの一番重要な要件ではないかと考えております。
  112. 藤井孝男

    藤井孝男君 分かりました。  そこで、やっぱり機能する体制をつくるには、大事なことはやっぱり信頼ですよ。与野党を超えてとおっしゃいました。その信頼を失っているんじゃないかと思うんですよ。それの最たるものは、あえて言えば、何かと言えば、最近行われた現総理と前総理の会談ですよ。あれで国民の信頼も、内外から信頼を失ったんですよ。そして何があったか。ペテン師だとかうそつきだとか、言ったとか言わないとか、あの文書の中身も非常にずさんなものでした、お粗末、これが信頼を失った。そうした政府に対して国民が憤りを感じ、いら立ちを感じている、そこはもう一度申し上げておきたいと思います。  そして、やっぱり政治家というのは俺が俺がの世界ですけれども、しかし、やっぱりその中には謙虚さ、先ほど、謝った方がいいんじゃないんですか、もっと素直にそうと認めた方がいいんじゃないですかという、そういった謙虚さも必要だと思います。  そういう中で、一言だけ最後申し上げておきます。そういった謙虚さを戒める言葉に、過ぎたるは及ばざるがごとしという言葉があります。しかし、私は、そのことも大事でありますけれども、もう一つ大事な私は意味があると思います。それは、別な言い方をしますと、及ばざるは過ぎたるより勝れりという言葉です。この言葉を総理にお贈りして、私の質問を終わります。
  113. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  総理には大変失礼な言い方になるかも分かりませんが、昨年、菅総理が就任以来、消費税増税発言や大企業法人税率の引下げ、TPP問題、また普天間問題への対応、そして今回の不信任決議案などの一連の経過を見ますと、一連の総理の言動を見ておりまして、菅総理は権力志向の非常に強い現実主義者だなと、そのように思っておりました。ところが一方で、最近菅総理が浜岡原発の停止、原発の安全基準の再検討、また新規立地の白紙からの検証、また特に再生可能エネルギーの重視などを打ち出したことは、社民党としても評価をいたしております。  ところが、原発事故調査・検証委員会は、本来なら最優先すべき過去の原発推進政策是非はテーマに含まれておりません。また、委員長の畑村氏は、就任前の四月のインタビュー記事で、今後の原発政策について、これからも原発事故は起きるだろうが、事故を克服して原発を使っていくべきと答えています。しかも、委員会設置された事故原因等調査チームの長は、原子力村のメンバー、東京大学大学院工学系の越塚誠一教授でございます。また、原子力賠償機構法案も、被害者への補償を口実に発送電一体、地域独占、総括原価方式を温存をして、これまでのエネルギー政策をさんざんゆがめてきた東京電力を救済するスキームになっています。これでは再生可能エネルギーの普及、促進は望めません。  また、議論のありましたIAEA報告書には、新たな重大事実が語られながら、海外へはあっても国民への謝罪はありません。しかも、最初から事故原因を津波に限定して、地震による配管破断などを示唆するデータを計測間違いとして無視し、事故当時の作業員の聴取や記録保全もないなど、およそ科学的にもお粗末なものであります。  事故調査特別委員会内閣官房の所管であります。原子力損害賠償機構法案内閣官房原子力発電所事故経済被害対応室の所管、IAEA報告書は原子力災害対策本部、今後のエネルギー政策を検討するエネルギー・環境会議内閣府国家戦略室が事務局です。このほか、文部科学省に原子力損害賠償紛争審査会、経済産業省に原子力被災者生活支援チーム、まさに乱立状態であります。東京電力の影響下にある経済産業省がこれら事務局に入り込み、人を送り込み、複雑な組織系統を隠れみのに原発推進路線を維持しようとしているのではないか、そのようにも見られるわけでございます。  今回、ワンストップの司令塔、復興庁が必要だというのが基本法の眼目でありますが、原発対応や今後のエネルギー政策にも、これまでの東京電力、経済産業省とは決別をした、独立した強力な司令塔が必要である、そのように考えますけれども、総理の御所見を伺います。
  114. 菅直人

    内閣総理大臣菅直人君) 私は、現在の原災法というものが本部をつくることを命じてその本部長になっているわけですが、今回の復興基本法に基づく復興本部とこの原災法に基づく本部は、やはりかなりダブる部分もありますが、性格を異にする部分もあるので、これは少なくともある時期までは併存せざるを得ないだろうと思っております。  そして、特に今幾つかの原子力政策の根幹にかかわる問題、いろいろと御指摘がありました。この部分については、もちろん復興本部にかかわりがある部分も確かにありますけれども、どちらかといえば、原子力の今後の在り方については、まずは御指摘のあった事故調でしっかり事実関係を調べる。さらには、国際的にも、IAEAなどを通して国際的な形での理解を得ると同時に、逆にそういう知恵を得る。そして、最終的にはどういうエネルギー政策にしていくのか。  私は、これまでのエネルギー基本計画は白紙から見直すということを申し上げていますが、これまではどちらかといえば経産省、エネルギー庁が中心にこのエネルギー基本計画を作っていたわけでありますが、今後同じやり方で考えていいのか、あるいはもっと別なやり方、さらには国会議論も大変重要でありますから、私は、エネルギーの在り方を決めるのはまさに社会の在り方を決めること、ある意味で国民が選択することだと思いますので、そういう姿勢で、一部の役所が従来の経緯に引っ張られて決めていくという形は変えていかなきゃいけないと、このように考えております。
  115. 吉田忠智

    吉田忠智君 私は、総理の思いをしんしゃくしますと、今原発からの撤退を総理が口にするといろんな抵抗に遭う、そういう意味では段階的に原発の依存率を下げていきたいと総理は思っておられるのではないか、そのように考えております。  今回の原発事故を受けまして、福島県も脱原発を復興基本理念に盛り込みました。また、経済界や地方自治体、市民運動でも再生可能エネルギー推進の動きが広がっています。それは総理のライフワークでもあると、そのように考えております。  是非そうした道筋をしっかりつくっていただいて、いつ大臣退陣されるか分かりませんけれども、次の信頼される方に引き継いでいただくように、そのことを強く要請をしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  116. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党の亀井でございます。前回の質問に続きまして、今日は財務大臣に集中的に質問をさせていただきます。  日本の財政は危機的状況であるとよく総理財務大臣はおっしゃいますが、何を根拠に財政危機であると認識をされているんでしょうか。  実は、昨年十二月の予算編成のときに、無利子非課税国債を発行すべきであると国民新党は主張しました。そのときに、財務省がどうしてもできないと言うので、主計局と主税局の局長クラスの方を党に呼んで説明を聞きました。そのときに、国債は今のところ安定的に償還されているので、そんなものを出したら、無利子の国債を出したら日本は財政危機だと思われてしまう、そんなことはできないと言われました。そこで、日本の財政は今、平時か非常時かという二択の質問をしましたら、平時ですと答えました。国民に対して財政危機だと言いながら平時なのかと言いましたら、繰り返して平時だと言われました。  今、震災が起きたわけですけれども、では、現在の財政状況は平時でしょうか非常時でしょうか。
  117. 野田佳彦

    国務大臣(野田佳彦君) 亀井議員にお答えをしたいと思います。  国と地方の長期債務残高が対GDP比で一八四%。この数字をもってしても、主要先進国の中で日本の財政状況が一番厳しいというか最悪の水準であるということは御案内のとおりであります。  それをもって平時か非常時かという判断ですが、そういう状況の中で、昨年六月財政運営戦略を定めて、G7でもG20でも御説明をしてまいりました。その後、大震災が発災をして、この今の財政状況を諸外国があるいは国際機関が大目に見てくれるのかというと、むしろそうではなくて、日本の震災からの復興を強く期待しながらも、一方で財政規律を守るのかどうかというところを大変強い関心を持って見ているという現状であります。  ということは、厳しい財政状況の中で財政健全化の取組を具体的に行うのか、そのためのメッセージをしっかり発信するか、それによって平時か非常時かは変わると思います。きちっと説明できるような状況をつくり出していくならば私は平時だと思いますし、適切な国債管理政策を行っていかなければいけません。でも、その取組がなくて、内外の信認を失うような事態、それは非常時です。そうならないように努力をしていかなければならないと思います。
  118. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国際社会、そしてIMFは、本音では日本は財政危機ではないと思っているでしょう。なぜならば、日本は、ギリシャとは異なって、IMFから資金を借りているのではなく貸しています。昨年、IMFに対して約二兆円の増資を日本は決めています。お金を借りるときは普通はお金がある人のところに行きます。今にも破産しそうな人のところには行きません。つまり、IMFは本音と建前を使い分けています。  今月末退任されるゲーツ国防長官が本音ベースの発言を連発して話題になっています。CIAでの二十七年間、今の仕事での四年半の経験からいえば、どこの政府も互いにうそをつくものだと発言をされました。つまり、IMFの発言を真に受ける必要はないと思います。  政府は、九百兆の債務がある、大変だと国民に対しては言うわけですけれども、一方で見合いの資産を見せていません。例えば住宅ローンでいえば、三千万円の住宅ローンを組んだときにそれ相当の見合いの資産、住宅があるはずなのに、そちらの資産は見せないで、債務の方だけを見せて大変だ大変だと言っています。  国家の総債務、それから金融資産を引いた分の純債務はそれぞれ幾らでしょうか、お答えください。
  119. 野田佳彦

    国務大臣(野田佳彦君) 数字のお答えをする前に、IMFの評価どうするかは別として、三月十一日の大震災発災後、私も様々な国際会議に出ておりますけれども、今申し上げたことはIMFだけではなくて諸外国がそういう目で見ているということを体感をしているということを付け加えておきたいと思います。  その上で、お尋ねは数字でございますので正確に申し上げますと、日本銀行の資金循環統計、二〇一一年三月末速報からで数字を出しますと、一般政府の総債務残高は平成二十二年度末で千四十五兆円でございます。一般政府資産が四百八十五兆円でございますので、これを除いた純債務残高は五百六十兆円となります。ただし、この五百六十兆円、今申し上げましたけれども、一般政府資産の半分程度は社会保障基金であって、年金等の将来給付を賄う積立金でございますので、これを債務の償還や利払いに充てることはできないということは是非留意をしなければいけないというふうに思います。  仮に財政状況を純債務残高で議論するとしても、我が国の一般政府の純債務残高は対GDP比で一二〇%であり、この数字をもっても主要先進国の中では最悪の数字であることは変わりありません。
  120. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 先日も申し上げましたが、日本はまずデフレから脱却することがまず一番に必要だと思います。  実は、十年前の平成十三年二月十九日の衆議院予算委員会の議事録を持ってまいりました。このときに、私の父親ですが、亀井久興が日本はデフレに陥っているのではないかという質問をしました。その際、当時の麻生経済財政担当大臣が次のように答えております。  国家というものを一つの会社の経営に例えれば、どれくらいの借金を持っているかというのは、その企業なり国家というものを考えるときに非常に大事な視点の一つだと思いますけれども、同時に、借金がある分に関しては、こちらにそれに対応する資産、担保、債権というものと比較して見ていただかないと、この総債務が大きいからこの国は駄目なんだということになりますと、大きな企業は総じて借金を抱えている会社が多いのであって、無借金経営のみが善で、そして借金で経営しているのは全て駄目だということになるのなら、それは経営者のいわゆる思想、哲学の部分でありますので、私どもとしてはその総債務だけでいうのは甚だ問題だと思っております、このような御答弁でありました。これは正しいと私は思っております。  今、消費税の増税の話がされていますけれども、六月二日、与謝野大臣案が示されて、それから税率についての話合いは一切されておりません。そして、この五%増税する中身ですけれども、三%までが社会保障のお金、次の一%が年金財源などを取り崩したその穴埋め、最後の一%が増税のための増税、つまり、政府が、消費税を払う、余分に払うその増税分を消費税そのものの税率に乗せてしまおうということです。こういうことは国民には許されないと思います。本来、国民を助けなければいけない、お金を出さなければいけないときに、増税と引換えに助けてあげましょうというその財務省の姿勢は到底許されるものではないと思います。  時間がなくなりましたので、御答弁は結構です。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  121. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  122. 柳田稔

    委員長柳田稔君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤正久君が委員辞任され、その補欠として若林健太君が選任されました。     ─────────────
  123. 柳田稔

    委員長柳田稔君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  124. 松田公太

    ○松田公太君 松田公太です。私は、みんなの党を代表して、東日本大震災復興基本法案に反対の討論を行います。  まず初めに、協議と努力を重ね、この法案提出されるに至った各党の皆様には敬意を表したいと思います。しかし、その上で、今回の法案にはみんなの党として反対をさせていただきます。  以下、その理由を五つ申し述べます。  第一に、復興財源から増税の可能性を排除するべきだと考えています。みんなの党は、独自の復興基本法案を提出し、増税によらない復興財源として特別会計の積立金や剰余金の活用と日銀の国債引受けを提案しております。  第二に、中央集権的発想で復興対策本部復興庁をつくるべきではないと感じております。それではゼロからマイナスになったものをゼロに戻すことができなくなってしまいます。みんなの党は、東日本復興院に権限、財源、人間を集約し、地域主権型道州制への先例として東北州に移行するという出口戦略を描いております。復興を通じて日本の次の未来を先取りするべきだと考えております。  第三に、オールジャパンでの復興が必要だと言われながらも、野党の考えが反映される枠組みが本法案にはありません。私たちは、与野党を超えて英知を結集させ復興に当たるべきだと考えており、各党党首を復興組織に参画させるべきだと思っております。  第四に、復興特区規定では被災地の当事者が自ら企画立案する枠組みが不明です。従来の中央による特区審査型が推測されてしまいます。私たちは、一番に被災された方々の考え方を導入し、実行できる仕組みにしていく必要があると思っております。  第五に、復興組織の本拠点もどこに設置するのかが決まっておりません。私たちは、復興院を被災地域内に設置し、現地における即断即決の体制で迅速な復興を進めようと提案しております。  以上、復興基本法案に反対する理由を述べさせていただきましたが、地域主権、道州制がビジョンの一つである我が党としては、今回の多くの尊い命を奪った悲劇的な大災害から学び、しっかりと次につなげていきたいと考えています。  ピンチをチャンスにするという発想が日本の未来を明るくするためには必要だと申し述べ、私の反対討論を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  125. 金子恵美

    ○金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。会派を代表し、東日本大震災復興基本法案について賛成の立場から討論を行います。  東日本大震災は、多くの尊い命を奪い、多くの町を破壊するなど甚大な被害をもたらしました。さらに、東京電力福島第一原発の事故はいまだ収束の見通しが立っておりません。  東北地方の梅雨入りが迫っております。政府におかれましては、被災地域の一刻も早い復旧と被災者の皆様へのきめ細やかな支援に引き続き御尽力いただくとともに、原発事故の早急な収束と国民への十分な情報公開につき、しっかりと対応していただきますよう改めてお願い申し上げます。  東日本大震災復興基本法案は、国が総力を挙げ、また政党の枠を超えて復興に取り組む決意を明確にするものであり、被災地域の皆様もこの法案成立を待ちわびておられると思います。黄川田衆議院復興委員長を始め、基本法案の立案に御尽力くださいました関係者の皆様に改めて敬意を表したいと思います。  基本法案には、政府案で検討事項とされていた復興庁設置について本則に明記されているほか、復興債の発行を始めとする復興のための資金確保や復興特区制度の整備が盛り込まれました。これらについてはそれぞれ別途法整備が必要となりますが、被災地域の皆様の御意向をしっかり反映した上で検討をし、できるだけ早急に法案国会提出していただきますよう政府に要望いたします。  また、基本法案が成立いたしますと、岩手、宮城、福島の各県を管轄区域とする現地対策本部設置されることになります。設置に当たっては、国の一元的な窓口として十分な機能を果たすことができるよう充実した体制整備をしていただくとともに、我が党を始め多くの会派から表明された復興特区への期待にこたえるためにも、現地対策本部復興特区サポート体制を構築し、被災地のニーズ把握を直ちに始めることが必要と考えます。そのことからも、現地対策本部の速やかな設置お願いいたします。  さらに、被災自治体復興のために自由に使える交付金に対する期待も示されましたが、補助率や補助対象の面で自由度の高い交付金をできれば二次補正予算から導入することも政府に要望いたします。  基本法案の成立は、東日本大震災からの復興への大きな前進となります。復興までの道のりは長く、これからも様々な課題が出てくることも予想されますが、今後とも、被災された皆様とともに歩み被災地選出の国会議員として復旧復興に向け引き続き全力を尽くしてまいる決意を申し述べ、私の賛成討論といたします。
  126. 山下芳生

    山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、東日本大震災復興基本法案に対し反対討論を行います。  我が党は、衆参両院での審議を通じ、復興の基本は被災者が主役であり、上からの押し付けであってはならないこと、地震津波、原発事故で破壊された被災者の生活基盤の再建こそ復興の土台であるべきことを繰り返し主張してまいりました。生活基盤の再建とは、一人一人の住まいとなりわいの再建であり、このことが地域社会と地域経済の復興を可能にするものだからです。  以下、本法案の反対理由を述べます。  第一に、法案は、その基本理念において、一人一人の被災者の生活再建が復興の土台であるということが曖昧にされているからです。  法案には、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指すことや国境を越えた社会経済活動の進展など、我が国が直面する課題の解決に資するための先導的施策が行われるべきと記され、一人一人の生活再建は、農林水産業などの切捨てにつながる新成長戦略との整合性が取れる範囲に限定されるものになっています。あるべき姿や先導的施策の名で農業や漁業の大規模集約化、民間企業参入のための規制緩和などが優先され、被災者の生活再建が置き去りにされてしまう懸念を生じさせます。  第二に、地方公共団体の責務について、地方公共団体は、国の定める基本方針を踏まえ復興施策を講ずるとされています。これでは、被災自治体は国の基本方針が決まるまでは本格的な復興を進めることはできず、また、被災地の実態よりも国の方針を優先しなければならないことになりかねません。復興施策について、上からの押し付けが可能になる仕組みを見過ごすわけにはいきません。  第三に、総理の言わば私的諮問会議である復興構想会議及び同会議のこれまでの議論を法的に追認することになるからです。  復興構想会議は、復興への提言骨子の中で、基幹税の多角的検討により復興財源を確保するとしています。法案には、復興財源について、償還の道筋を明らかにすることとされており、結果として復興を口実とした消費税大増税に道を開くことになりかねません。  最後に、原発事故の被害からの復興です。  原発被災地域は、地震津波による被災地域とは異なる深刻な事情があり、そのことを踏まえた特別な対策が必要です。しかし、法案では、原発事故の収束状況を勘案しつつとしながらも、原発事故がない被災地と同じ復興対策規定しているにすぎず、極めて不十分です。  なお、海江田経産相が定期検査中の原発の運転再開を地元自治体に認めるよう要請する考えを示し、菅首相もそれを追認しましたが、立地自治体の首長から根拠は不明などと反発の声が上がっています。産業界からの要求を盾に、住民合意のない原発の運転を強行することは許されません。  大震災からの復興の進め方は、計画は住民合意で、実施は市町村と県、国が連携して、財政の大半は国の責任でとすることを大原則とすべきです。このことを強く求め、反対討論を終わります。
  127. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 自由民主党佐藤信秋でございます。  私は、自由民主党を代表して、東日本大震災復興基本法案について賛成の立場から討論を行います。  我が党は、発災直後より、これまで数々の災害に対応してきた経験と党内外の英知を結集し、総力を挙げて緊急対策に取り組んでまいりました。本法案は、自らも被災され、御家族を失うという大変つらい経験をされた黄川田委員長の下、与野党で協議し、我が党の提案も大部分取り入れられたものであります。関係の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございました。  以下、賛成の理由を主要な三点に絞って申し上げます。  一つは、復興に関する基本法ができることで、今後長期にわたる復旧復興に関する基本理念が明確になり、各省庁の施策を集中できます。二つ目は、復興庁復興特区等の設置であります。また三つ目に、復興のための資金確保について、復興債を発行することを定めております。今後、償還の道筋などについて詳細を詰めていかなければなりませんが、復興資金のための財源を早期に示すことは政府の重要な責務であります。  自民、公明、政府・与党案のいいところを取り入れることにより、東日本大震災からの復興のための基本方針としてより充実したものとなったと考えております。本法案成立が、これまでの震災対応の混乱に歯止めを掛け、被災者方々の生活を一刻も早く再建する新たなスタートとなることを希望いたします。  被災した地方公共団体の税収、これは激減しています。これからは、自民党が一貫して主張してきたように、国が予算も含めて最後まで責任を持つと宣言し、国民一丸となって大震災と原発事故の収束に当たらなければなりません。そのためには、菅総理の存在が障害となっています。  どうか、この基本法成立を花道として菅総理には潔く御退陣されるよう強く強く要請しまして、私の賛成討論を終わります。
  128. 横山信一

    横山信一君 公明党横山信一でございます。  私は、公明党を代表して、東日本大震災復興基本法案について賛成の立場から討論を行います。  東日本大震災の発生から三か月以上たちましたが、政府による対策は遅れております。いまだに避難者数は八万人に及び、瓦れき処理は進まず、義援金は一向に被災者に届きません。東京電力の原発災害では、損害賠償の仮払いが進まないばかりか、政府と東電の変わらぬ隠蔽体質により、国民不信は増大するばかりであります。  菅政権の拙劣な震災対応を象徴するのが政府提出した復興基本法案です。阪神・淡路大震災復興基本法震災後一か月で提出をされました。それに対し、今回の政府案の提出は発災から約三か月が経過しており、余りにもスピード感が欠如しております。  しかも、その内容は極めて消極的で、阪神・淡路大震災法律を引き写し、政府のこれまでの対応を後付けるだけでした。復興推進する組織は本則に明記されず、附則で復興庁の検討が記されただけでした。財源確保に至っては、その方針は全く示されていませんでした。  このような政府案に対し公明党案は、憲法の幸福追求権と生存権を念頭に、一人一人の人間に光を当てた人間の復興を基本理念にしました。そして、復興庁設置、歳出の削減と復興債の発行、復興特別区域制度の創設という、政府案に欠落した内容を補足しました。  公明党案と自民党案には共通する部分もあり、民主党を含めた三党による協議の結果、本法律案提出されるに至りました。これは、三党が復興を早く進めたいとの一点でまとまった結果であり、今後の復興にかかわる法律制定のモデルとなるものであります。  本法律案成立によって、一日も早く被災者の生活が安定するとともに、今後の模範となる地域社会が構築されることを願って、賛成討論を終わります。
  129. 吉田忠智

    吉田忠智君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、東日本大震災復興基本法案に賛成の討論を行います。  発災後三か月以上、一体何に時間を費やしてきたのかというのが国民多数の意見です。政治は率直に反省しなければなりません。  基本法には、復興の司令塔となるべき復興庁が明記されました。今後は、二重行政となって既存の復興の動きを妨げることのないよう、実効性の高い機関をつくり上げなければなりません。  また、他の自治体からの被災自治体への職員派遣が行われてきましたが、結果として、仮設住宅建設や瓦れき処理、義援金配付などの遅れが生じています。被災地の実情に迅速に対応し切れていないことを真摯に受け止め、今後の改善につなげなければなりません。  今回の修正の手法そのものに異論なしとはしませんが、修正の結果、人間の復興が基本理念に盛り込まれたことは我が党も評価しています。しかし、一人一人の人間が災害を乗り越えて豊かな人生を送れるようにという人間の復興を目指すならば、大企業、ゼネコンによる大規模プロジェクト中心で、復興住宅における孤独死が社会問題となり、震災後十数年経てもなお七割復興と批判された阪神・淡路大震災における創造的復興への反省が明確にされるべきでした。  また、復興債についても、逆進性を有し、課税技術上被災者を除外することも困難な消費税などの増税を財源とすることは、人間の復興の理念に背くものであります。  さらに、復興特区についても、当初、被災者の迅速な生活再建のために法規制を一時簡略化するという趣旨だったものが、農漁業への株式会社参入など、あたかも復興をビジネスにしようという一部経済界の主張を受け入れる余地を残しました。  二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指すという理念も、この間の三位一体改革、平成の大合併が、広域化と職員減により、基礎的自治体災害対応能力を減退させ、被災の実情把握を困難にし、被害の拡大につながったという反省もなく、更なる合併の促進や道州制の導入などが提唱される余地を残しております。  被災地、中でも福島県の復興には原発事故の収束が欠かせません。我が党は結党以来一貫して脱原発を主張してまいりました。今こそ政治は従来の原発推進政策を徹底的に見直し、脱原発、再生可能エネルギー、自然エネルギー重視へと政策転換すべきであります。  以上述べたとおり、多くの条件を付けざるを得ませんが、人間の復興の基本理念の下、被災者被災地の一日も早い復興を図るという点で異論はなく、社民党は、被災自治体にとって自由度の高い一括交付金や基金により住民主体のボトムアップによるコミュニティー再建を支援するべく、今後とも総力を挙げる決意であることを申し上げ、本法案に対する賛成討論といたします。  ありがとうございました。
  130. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 私は、国民新党を代表し、ただいま議題となりました東日本大震災復興基本法案について賛成の立場から討論を行います。  まず、この度の東日本大震災でお亡くなりになられた方々に衷心よりお悔やみを、また被災された方々にお見舞いを申し上げます。  震災から三か月以上が経過しました。国民新党は、震災発生当初から与野党が協力して被災者支援と復興に取り組むことのできる救国体制づくりを目指し、党首自ら奔走しました。それは各党・政府震災対策合同会議設置という形で具体化し、震災後一か月間は一元的にこの会議を通して各党が政府に説明及び対応を求めました。政府の混乱、特に原発対応については手探り状態であることは明らかで、会議において十分な情報が得られたとは言えません。それでも、通称キリンと言われる生コン圧送機の投入、SPEEDIのデータの公表など各党の要望が反映され、この会議は一定の成果を上げることができたと思います。  国民新党は、各党・政府震災対策合同会議の発展形として復興実施本部を閣外に設置し、震災以外の政策的な争点には影響されない体制をつくろうと亀井静香党首自ら各党に協力を呼びかけましたが、残念ながら十分な理解を得られませんでした。  本法案は、自民、民主、公明の三党合意によって修正された議員立法であり、国民新党が最善と考える形とは異なりますが、震災対策において政党間の対立は極力避けるべきであるとの考えから賛成する次第です。この法案成立が与野党を超えた復興への着実な一歩になることを願います。  日本の復活は、財務省が増税に頼ることなく復興資金を提供するかどうかに全て懸かっています。一次補正予算は、政府が国債を発行しなかったため十分な規模が得られませんでした。復興基本法成立によって復興債の発行を急ぎ、その際、償還についての見通しは、経済活性化による税収増によって確保すること、投資回収の道筋を示すことで御対応ください。デフレ経済において増税した場合、震災恐慌が発生しかねないとの視点が参考人からも示されました。今こそ国が先頭に立って、財政面で被災者を助け、復興特需で景気回復を実現すべく、各党が一致団結することを強く願い、賛成討論を終わります。
  131. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより順次両案件の採決に入ります。  まず、東日本大震災復興基本法案の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  132. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、現地対策本部設置に関し承認を求めるの件の採決を行います。  本件に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  133. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 柳田稔

    委員長柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会