○長沢広明君 ただいまこういうふうに
復興基本法の柱について確認をさせていただきましたが、一日も早い成立を図りながら、なおかつ
復旧復興に向けてのレールをきちんと進めていくこと、そして今この
法案の中に修正された中に実は底流にきちんと私は入っていると
思いますが、やはり
現場の声がきちんと届く
復旧復興にすべきであるということをしっかりと進めていっていただきたいということを言わせていただきます。
次に、ちょっとテーマを変えまして、
被災者生活再建支援制度についてお伺いをしたいと
思います。
今回の
東日本大震災の被害の特徴の
一つに、広範囲で大規模な液状化現象というのが現れています。この液状化というのは、昭和三十九年の新潟地震のときに初めて現象として認識されました。それは認識されましたけれ
ども、今回の大
震災ほど広範囲で甚大な液状化の被害というものを私
たちが目の前にしたのは今回が初めてでございます。
その
意味で、それにかかわる様々な幾つかの課題があります。液状化被害は、
都道府県でいいますと、
岩手、
宮城、
福島、茨城、埼玉、群馬、東京、千葉、神奈川と大変広い範囲で発生しておりますし、これは国土交通省の確認ですね。
内閣府がどこから報告を受けているかというのを確認しますと、千葉、茨城、埼玉、神奈川の関東の四県だけで一万九千戸の
住宅が液状化による被害を受けていると。液状化は地盤の液状化ですから、沈み込んだり傾いたりということです。逆に言うと、壊れるという感じじゃありません。沈む、傾くというような被害が起きます。これが一万九千戸に広がっているということで、これを受けて、五月二日
付けに
内閣府においては
被災者生活支援制度の認定基準について
運用基準の見直しをしていただきました。これはこれで非常に良かったというふうに思っていますが、ただし、今回の見直しの基準だけではまだまだ救われない世帯がたくさんあるということなんです。
〔
委員長退席、理事藤原良信君着席〕
配付資料の一枚目を見ていただきたいと
思います。(
資料提示)これは、今回のいわゆる
被災者生活再建支援制度のうち、液状化被害に関連する部分だけを抜き出して簡単に整理したものです。実際は液状化被害の認定というのは、
全壊か、大
規模半壊か、半壊か、一部損壊かと、こういう認定というのはもっと実は複雑な計算式によって認定をされますが、できるだけ分かりやすくちょっと整理をしますとこういうことになります。
被害程度が
全壊、大
規模半壊、半壊とあります。基礎、床も含めた傾斜、これは二十分の一以上、四隅の傾斜が百二十センチ下に下がったときに、下にどのぐらい差が開くかという傾きでございます。百二十センチに対して六センチ開きがありますと、二十分の一の傾きということになります。柱が傾いていれば、構造物ですから基本的に床も同じ傾きになります。これによって、四隅の傾きを計算をして、その平均が二十分の一以上だと
全壊、六十分の一以上—二十分の一、つまり六十分の一というのは、百二十センチ下で二センチの開きがあるという傾きだと大
規模半壊、それより下、百分の一、つまり百二十センチ下で一・二センチまでの開きの傾き以上の場合は半壊と、こういうことになります。
基礎の潜り込みは、床上一メートルまでは
全壊、床までは五十万円。基礎の天端下、天端下というのは基礎の一番上の角ということですね、一番上の線、これから二十五センチぐらいまで潜り込んで沈んでいるという場合は半壊と、こういう形になり、それに対して
基礎支援金、加算
支援金がこれに支給される、こういうのがこの図でございます。
ただ、これは私、参議院の国土交通
委員会の
皆さんと一緒に、千葉県の浦安市の液状化被害を
委員会として現地に行きました。そこで、実際に傾いている御家庭の家に入りました。ほかの与野党
委員の
皆さん一緒に、許可を得て入らせていただきました。この御家庭は大
規模半壊でございました。この傾いた家に入った瞬間に、やはり気分が悪くなります。平衡感覚が、気分が悪くなるし、頭痛がしてまいります。そこにまだその御家族住んでいらっしゃいました。若い御夫婦でしたけれ
ども、この御夫婦とも、もう夜寝ていても肩凝りが取れない、頭痛がすると。小さなお子さん、いらっしゃいました。お子さんは、家の中にいて、その家にいるとしばらく慣れる、慣れるけれ
ども、遊びに外に出た瞬間に道路で転ぶというんです。つまり、肉体的、現実的な苦痛を受けるんですね、この傾斜被害というのは。
液状化被害というのは、外から見ている以上にそこに住んでいる人にとっては大変な苦痛を受ける、こういう被害であるということをまず認識しなければいけないというふうに
思います。
この百分の一から六十分の一については半壊とされますが、その際、
基礎支援金は基本的には出ないということになっています。解体した場合のみ、半壊と判断されると解体した場合のみ
基礎支援金が百万円出ると。壊さなきゃ百万円出ない。補修したいと。補修しただけでは、補修はなし、半壊で。補修なしといっても、補修といったって傾きの補修ですから、基礎ごとジャッキアップするんですよ。それは百分の一であっても基礎ごとジャッキアップする、そんなお金が、どれだけ掛かると思っているんですか。一千万掛かります。二度とこの液状化を起こさないように地盤の改良も一緒にやるともっとお金掛かる。床の面だけを直す、柱の傾きは直さないで、床の面だけ直すだけでも五百万ぐらい掛かるというんです。それが補修ですよ。その補修でゼロ円なんです、半壊は。出ないんですよ、お金が。ですから、私はこれは見直すべきじゃないかというふうに
思います。
資料の二枚目をちょっと見ていただきますと、このお配りした資料の中に
内閣府の資料がありますが、百分の一以上は半壊になりますけれ
ども、百分の一というのは、医療関係者にヒアリングを行って設定した居住者が苦痛を感じているとされている値と書いてある、これ
内閣府がそう書いているんです。つまり、百分の一以上の半壊は居住者が苦痛を感じると。そして、潜り込みについては、三枚目の資料に書いてありますが、雨が降ると恒常的に床下浸水するから半壊と設定したと書いてある。
つまり、居住者が苦痛を感じる傾き、雨が降ったら必ず床下浸水する沈み込み、それが半壊なんです。だけど、壊さなきゃ一銭も出ない。これは実態に合わない。私は、これは実態に合わないので、これについては見直すべきではないかというふうに
思いますけれ
ども、防災担当
大臣のお考えをいただきたいと
思います。