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2011-08-23 第177回国会 参議院 総務委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年八月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  八月四日     辞任         補欠選任      行田 邦子君     金子 恵美君      秋野 公造君     石川 博崇君  八月五日     辞任         補欠選任      金子 恵美君     行田 邦子君  八月八日     辞任         補欠選任      石川 博崇君     山口那津男君  八月九日     辞任         補欠選任      山口那津男君     石川 博崇君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤末 健三君     理 事                 加賀谷 健君                 武内 則男君                 片山さつき君                 金子原二郎君                 魚住裕一郎君     委 員                 石橋 通宏君                 小西 洋之君                 行田 邦子君                 友近 聡朗君                 難波 奨二君                 平田 健二君                 吉川 沙織君                 礒崎 陽輔君                 岸  宏一君                 世耕 弘成君                 中西 祐介君                 藤川 政人君                 山崎  力君                 石川 博崇君                 寺田 典城君                 山下 芳生君                 片山虎之助君                 又市 征治君                 浜田 和幸君        発議者      礒崎 陽輔君        発議者      魚住裕一郎君        発議者      片山虎之助君        発議者      中西 祐介君    委員以外の議員        発議者      荒井 広幸君    衆議院議員        総務委員長代理  稲見 哲男君        総務委員長代理  赤澤 亮正君        総務委員長代理  坂本 哲志君    国務大臣        総務大臣     片山 善博君    副大臣        国土交通大臣  池口 修次君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       小泉 俊明君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君    政府参考人        総務省自治行政        局長       久元 喜造君        総務省自治税務        局長       岡崎 浩巳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○運輸事業振興助成に関する法律案衆議院  提出) ○東日本大震災による被害を受けた合併市町村に  係る地方債特例に関する法律案衆議院提出  ) ○東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復  興のための臨時の交付金交付に関する法律案  (礒崎陽輔君外五名発議)     ─────────────
  2. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四日、秋野公造君が委員辞任され、その補欠として石川博崇君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) この際、片山総務大臣から、去る四日の委員会における山崎力君の質疑に関し発言を求められておりますので、これを許します。片山総務大臣
  4. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 八月四日、山崎委員質疑におきまして、私の答弁に誤りがございました。  具体的には、次の二か所であります。  国会法国会議員政府の中に入る人数を規定していると答弁いたしましたが、国会法でそのような人数は規定されておりません。  国会法政務官人数が決まっているのかとの質問に、副大臣とか政務官人数が決まっていると答弁いたしましたが、正しくは、内閣府設置法及び国家行政組織法で副大臣政務官の定数が規定されているところであります。  おわびをして、訂正させていただきます。
  5. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 委員長から一言申し上げます。  ただいま片山総務大臣から答弁の訂正がございましたが、先般の答弁により委員会の議事に無用な混乱を招いたことは誠に遺憾であります。  今後、より充実した審議ができますよう、政府におかれましては、質疑者趣旨を十分に体し、適切かつ真摯に答弁されるよう御注意申し上げます。     ─────────────
  6. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 続きまして、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事業振興助成に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治税務局長岡崎浩巳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 運輸事業振興助成に関する法律案議題といたします。  まず、提出者衆議院総務委員長代理赤澤亮正君から趣旨説明を聴取いたします。赤澤亮正君。
  9. 赤澤亮正

    衆議院議員赤澤亮正君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案理由及び内容を御説明申し上げます。  本案は、軽油引取税税率について特例が設けられていることが軽油燃料とする自動車を用いて行われる運輸事業に与える影響に鑑み、当該事業に係る費用の上昇抑制及び輸送力確保に資し、もって国民生活利便性向上及び地球温暖化対策推進に寄与するため、当分の間の措置として、当該事業振興助成するための措置について定めるものであります。  次に、その主な内容について申し上げます。  第一に、都道府県は、軽油燃料とする自動車を用いて行われる運輸事業を営む者を構成員とする一般社団法人であって当該都道府県区域を単位とするもの及び当該都道府県区域内において当該事業を営む地方公共団体に対し、当該事業振興助成するための交付金であります運輸事業振興助成交付金交付するよう努めなければならないものとしております。  運輸事業振興助成交付金の額は、平成年度以降に交付された運輸事業振興助成交付金の各年度における総額の水準が確保されることを基本として、総務省令国土交通省令で定めるところにより算定した額を基準とするものとしております。  第二に、運輸事業振興助成交付金交付を受けた者は、当該運輸事業振興助成交付金の額を、旅客又は貨物の輸送の安全の確保に関する事業輸送サービスの改善に関する事業環境対策及び地球温暖化対策推進に関する事業その他の軽油燃料とする自動車を用いて行われる運輸事業振興に資する事業として政令で定めるものに充てなければならないものとし、また、都道府県の規則で定めるところにより、当該運輸事業振興助成交付金を充てて行った事業実績その他の事項を都道府県知事に届け出なければならないものとしております。  第三に、運輸事業振興助成交付金交付に要する経費は、地方交付税法の定めるところにより、都道府県交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとしております。  第四に、国は、この法律施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行するものとしております。  以上が、本案提案理由及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  10. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 片山さつき

    片山さつき君 自由民主党片山さつきでございます。  ようやくこの運輸事業振興助成交付金についての法案議員立法というか委員長提案の形で参議院に参りましたけれども、この何か月かの間の関係者の深甚な御努力に深い敬意を表し、こうして今日質問できるということを非常に喜んでいる次第でございます。  と申しますのは、燃油高騰というのが平成二十年にありまして、今振り返ってもすごい上がり方でございまして、WTIの原油が百三十三ドルぐらいまで行った平成二十年の六、七月、あのときに軽油はスタンドでもローリーでもかなり上がっておりました。これはすごいなということで様々な対策を取ったときの私は自由民主党側燃油高騰対策議連事務局長でございまして、今日提案者になっていただいている赤澤委員長代理とともに様々御提案をさせていただいて、例の百万円の交付金制度ですとか、それから資源エネルギー庁の方からのお達しによって異常な高騰が起きないようにするとか、それからサーチャージの問題とか、いろいろとやってきたんですけれども、後でもお話ししますが、必ずしも意図されたとおりに全部その制度が動いているわけじゃない中でまた燃油が上がっております。  こういう状況の中で、ようやく運輸事業振興助成交付金交付義務付けというんですか、実際には努力義務になったんですが、そういう法案が出すことができたんですけれども、そもそもこの交付金はどういう趣旨だったんだろうか。  昭和五十一年の税制改正におきまして、地方道路財源の補完の見地から自動車関係諸税の全般的な見直しが行われたわけでございます。その一環といたしまして、軽油引取税税率が三〇%引き上げられましたけれども、営業用トラックとそれからバスにつきましては、公共性だと、物流の血管であり、また皆さんの足であるというその公共性に配慮いたしまして、公共輸送機関としての輸送力確保し、輸送コスト抑制しろということで、そのための施策を講じることが必要だということに当時されたわけでございまして、通達をもってこの運輸事業振興助成交付金制度が創設されたわけでございます。  総務大臣、今日はこの法案審議なんですけれども、このそもそもの昭和五十一年からの趣旨についてどのように理解し、お考えであるか、まずお聞きしたいと思います。
  12. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今、片山議員がおっしゃったとおりだと私も思います。  この交付金は、昭和五十一年度軽油引取税のいわゆる暫定税率の導入に際しまして、営業用バスでありますとかトラック輸送コスト上昇抑制などを図るために、バスターミナル等共同施設整備、運営などの公益的な事業を支援する趣旨で設けられたものであります。  こうした趣旨を踏まえまして、各都道府県におきまして、関係業界などとの間で協議をして対象事業が実施されてきたものと認識をしております。
  13. 片山さつき

    片山さつき君 トラック協会バス協会につきましては、この交付金を先ほど申し上げた燃料高騰対策のように経営が苦しくなっているときはそういう目的にももちろん使ってまいりましたが、環境対策であるとか、交通安全対策、あるいは業務の適正化緊急輸送といった災害対策、それから労働環境向上のための対策など、いろいろな方式で使ってまいりましたし、交付を上回って、今までの金利とかを取り崩して使っていた年もあるわけでございます。  そういった努力をしてきたわけでございまして、これらが特に中小のトラック事業者負担軽減にはなってきたと。その後のいろいろな規制の変化、緩和によりまして今は五両持っていればいいわけで、しかも五両ということで許可を取っても、ずっとその五両を持っていなくても三両であっても営業している、非常に業者数の多い業界でございまして、それがいいか悪いかの問題というのはまた別途あるんですけれども、その負担軽減国民生活への寄与ということは一定の効果があったんじゃないのかなと。私なんかは元々予算の査定していた人間なんで、使い道については無駄をしてはいけないと、より有効にということを平成二十年のときにも増やしながらもかなり申し上げた方ですが、その後ますます考えて、いろんな施策を前向きに取っていらっしゃるなと思うんですよ。  ところが、近年、一部の地方自治体の長が、特に大きな、どことは申しませんが非常に大きな自治体ですね、非常に大きな自治体というと名前が特定されてまいりますけれども。国が地方公共団体に対する交付税として、これ算定基礎に入れて計算しているわけですよ、算定基礎に。なのにもかかわらず、根拠がたかが通達じゃないかと、今は地方自治だ、地方分権だ、民主党さんの言葉でいえば地域主権だまで言っているから、たかが通達じゃないかと、何だということで、意に介せず、非常に大きな部分を、大部分をほかに使ってしまった。それ以外についても、ちょこちょこちょこちょこ、まあいいじゃないですか、いいじゃないですかと、いいわ、いいわの世界で減ってきたわけですよ。  これを考えると、この趣旨を維持するならば、五十一年に何で軽油だけ三割上げて、それでこうしてこうして、しかも暫定税率制度がもうない、変わったわけですからね。何でだということは、これは国会意思として法律でやらなくてはいけないというふうに考えてこの法案を出したわけですが、この出てきた法案内容も御覧になった上、総務大臣としては、これは法制化して確実に交付していただかなければ困ると我々はお願いしたいわけですが、その点についての御見解、その考え方というんですかね、まずそれを大臣に伺いたいと思います。
  14. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 昭和五十一年にいわゆる通達によってこの交付金制度が始まったわけでありまして、当時は、もう通達というのがまだ一定の効力がありました。それを前提にしてこういう仕組みというものをつくったわけでありますけれども、二〇〇〇年の四月から地方分権一括推進法施行されまして、たかが通達と言われましたけれども、通達行政というものが廃止になったわけでありまして、したがってその根拠を失ったわけであります。したがって、その時点で、こういう仕組みをこれから維持するということであれば通達に代わる何らかの手当てが必要だったんだろうと思いますけれども、それがなされないで通達のままで来ていたというところにこの問題の一つの本質があるんだろうと思います。  この度、努力義務を課すという内容ではありますけれども法律にその旨が明記をされましたので、通達ではない根拠国会意思に基づく法律上できるということになりますので、努力義務でありますからそれぞれ強制することはもちろんできませんけれども、しかし、この法律趣旨内容はもちろんですが趣旨、それからこれまでの経緯というものを役所としてはちゃんと各自治体説明をできるという、そういう足場ができるものだと思っております。
  15. 片山さつき

    片山さつき君 発議者自民党赤澤委員長代理に伺いますが、我々もこの法案を作っていくプロセスで、特に自民党の中では、交付税算定基礎に入れている以上はもうこれは義務付けると、その額を完全に全部当該事業者等交付することを義務付ける書き方にすべきではないかということがありまして、その原案を主張してきたんですが、最終的には、それこそ地域主権なんだからというお考えもあったようで、各党合意して義務付けではなくて努力義務になったわけですが、この努力義務でもこれで交付を担保できるんだというお考え方をちょっと伺いたいと思います。その趣旨ですね、心意気を伺いたいと思います。
  16. 赤澤亮正

    衆議院議員赤澤亮正君) 今、片山委員指摘のとおり、党内ではこれしっかりと義務付けまで行くべきだという議論があったことは事実でございます。しかも、御指摘の点、誠にごもっともな懸念で、近年、運輸事業振興助成金の大幅な減額をしての交付という自治体増えておりますし、中にはもう交付しないという意図を明確にする地方公共団体も登場したことは事実でございます。  本法案では、第二条第一項により努力義務ということで交付金交付定めておりますけれども、それを担保する考え方としては、まず第一には、先ほど片山総務大臣から御指摘のあった点です。昭和五十一年の自治事務次官通達以降、一貫して通達に基づいて交付されてきたこの運輸事業振興助成交付金に、努力義務とはいえ明確な法律根拠を与えたということが挙げられます。  また第二に、本法案附則第二号に、国は、この法律施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするという規定により、本法案施行後も交付金の大幅な減額が続くような場合があれば、国が必要な措置を講じることが明記されているということが挙げられます。  第三に、衆議院総務委員会附帯決議によりまして、本法案附則第二号の必要な措置には税制上の措置も含まれるという立法者意図が明らかにされています。本法案の第四条により、交付金については地方交付税措置が講じられているのは御指摘のとおりですが、地方交付税措置の性格から、地方交付税措置が講じられた一般財源の使途については地方公共団体にとって事実上ある程度の融通が利く取扱いが現在行われております。しかしながら、もし交付金の大幅な減額が続いたため必要な措置として税制上の措置が講じられれば、地方公共団体にとっては融通の利く交付税措置はなくなるため、大幅な減額をしている地方公共団体含む全ての地方公共団体にとって、本法案に基づき交付金交付する相当程度強いインセンティブが与えられるものと考えております。  以上でございます。
  17. 片山さつき

    片山さつき君 是非、この法案が実際に成立、施行されましたら、各都道府県がこの運輸事業振興助成交付金の実際に交付をどのぐらいやったか、その実績をしっかり総務省においては把握して、この法律趣旨にのっとってちゃんと交付しているかどうか調べた上でびしっと要請を行って、実際にはもう本当に義務付けたのと同じような形で運用していただきたいと思います。  以上でございます。
  18. 石川博崇

    石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。本日は質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。  ただいまの片山委員からも様々な御指摘ございました。本日議題となっておりますこの運輸事業振興助成に関する法律案、本年度平成二十三年度税制改正大綱におきまして、政府で閣議決定された中身がまだ、この交付金基準額の確実な交付確保するために法整備等を受けて所要措置を講じますというふうになっていた後、各位の本当に深甚なる御努力によりまして今日この日を迎えられたことを心より感謝申し上げますとともに、この法案が無事に成立することを心より念願する次第でございます。  経緯につきましては、ただいまの御質疑にもございましたとおり、昭和五十一年、軽油引取税等自動車関連諸税暫定税率引上げに伴って営自格差をやはりしっかりと付けていかなければならない、営業用と自家用においては、考え方、特に営業用バストラック等については公共輸送機関としての輸送力確保、また輸送コスト上昇抑制に努めていかなければならない、そのために行政としても手だてをしていかなければならない、その側面からこの運輸事業振興助成交付金というものが交付されてきたわけでございます。  しかし、残念ながらこれが事務次官通達で各地方自治体へのお願いという形でされていたということから、この数年間の暫定税率をめぐる議論におきまして様々な影響を受けてまいりましたし、また地方自治体自主性に対して、なぜ次官通達でやっているのかというような形式的な議論が非常に多かったのではないかというふうに思います。  そこで、まず総務大臣から、そうした手法あるいは交付金交付に当たっての制度的な面はもちろんございますが、そもそもこの交付金交付する意義、また重要性、その点についてどういうふうにお考えか、認識を御説明いただければと思います。
  19. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、昭和五十一年度税制改正がありまして、軽油引取税のいわゆる暫定税率が導入されました際に、やはり営業用バス、それからトラックについてはその軽油引取税税率引上げに伴ってコストが、輸送コスト上昇するということ、これが当然予想されますので、それをできるだけ抑制をしなければならない、抑制をしたいということで、そこでこの交付金仕組みが当時考えられたわけであります。  その際に、当時は、これは決定されたのは当時の与党であります自民党税制調査会でこの仕組みが決定されたのでありますけれども、そのときの手法として、マル通ということがあったんですけれども、通達処理をするという仕組みがありました。当時は地方分権ということがまだ叫ばれない時代でありましたので、こういう地方税についても、法律によって実施する手法と、それから、今から考えると本当にそれが正しかったかどうかという疑問はありますけれども、当時としてはやはり通達というのが一定拘束力を持つ手法でありましたので、その場で通達処理をするということが決まったわけであります。  しかし、その後、先ほども申し上げましたけれども、二〇〇〇年の地方分権改革によって通達行政というのは廃止になったものですから、そこで手法についての混乱が生じたということだと思います。  この度、議員立法としてこの法律努力義務ではあっても法律根拠が置かれるということは、通達行政から法に基づく行政に変わるということで、これは私は評価されてしかるべきだろうと思っております。  この法律内容というものはこれは国会でお決めになることでありますから、その法律内容というものをよく周知をして、その趣旨が伝わるようにするということがこれからの政府の役目だろうと思います。
  20. 石川博崇

    石川博崇君 いや、ですから、そういった通達行政、あるいはそれを法で明文化するという手続的な面ではなくて、この交付金自体意義重要性について是非しっかりと政府としても認識していただきたいというふうに思っております。  といいますのも、これは交付金を受けた各業界団体等トラック事業あるいは営業用バス安全対策あるいは環境省エネ対策、そうした意義あることに使われているんだという認識を受けてこの交付金というのは交付されているわけでありまして、単にそれが次官通達だからけしからぬとか、あるいはそれを法で明記されていないからこれは地方自治体に対する自治権の侵害だとか、そういう形式論にどうもこだわっているような気が非常に強くしております。  是非、この交付金のそもそも使われている意義、そしてその重要性というものを政府としてもしっかり認識していただいて、これが成立した暁には各地方自治体への働きかけというものを強めていただければというふうに思っております。  そこで、政府認識をもう一点お聞きしたいんですが、平成二十三年度税制改正大綱におきましては、この交付金制度につきまして、交付金基準額の確実な交付確保するため、法整備等を受けて所要措置を講じますと書かれております。この法整備等を受けというところを受けて議員立法という作業が加速化したわけでございますが、この法整備を受けた後、政府としては、交付金基準額の確実な交付確保すると閣議で明記されております。この交付金基準額を確実に交付するということを政府としてお約束されているわけでございますが、今後どのようにこれを確保されていくのか、お答えいただけますでしょうか。
  21. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、法案が成立いたしますと、今引用されました税制改正大綱に基づきまして、それから今回の、成立をいたしますれば、その法律の規定に従って、例えば交付金の使途それから交付基準を定めるのは政令、省令になりますので、その政省令の整備に速やかに取り組みますし、あわせて、先ほど申しましたけれども、新しくできますこの法律趣旨内容、それから、議員もお触れになられました、この仕組みが元々昭和五十年代からできた経緯趣旨、そういうものを十分自治体に対して説明を行ってまいりたいと思っております。
  22. 石川博崇

    石川博崇君 ありがとうございます。  政府として閣議決定で明記した内容、これが交付金基準額の確実な交付確保するということを明記されているわけでございます。しっかりこの閣議決定の重みというものを踏まえて、今後、この法律成立以降の政府の取組を期待したいと思います。  残念ながら今回の法律案ではこの交付について努力義務となっておりますので、実際には、各都道府県がそれぞれの自治体状況を踏まえて実際に交付するかどうかというものを決定する、最終的な判断というものは各自治体に委ねられるということになります。  そういう中で、先ほどもお話がありましたとおり、自治体の中には、もう今後この交付金については交付しないというような意図を示している自治体も出てきている状況でございますが、冒頭お聞き申し上げましたとおり、例えばこの営業用バスあるいはトラックにおける安全対策、あるいは環境省エネ対策などの諸課題に取り組むために重要であった予算といいますか、交付金でございますが、これを削減してしまいますと、そうした安全対策あるいは環境省エネ対策の取組がおろそかになることが懸念されます。  こうした取組がおろそかになってしまっては問題だと思いますが、政府としてはこうした懸念を共有されていますでしょうか。また、もしそうした懸念を有しているのであれば、どのように取り組んでいくのか、御説明をお願いいたします。
  23. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、この度、一連の経緯を経て法律で必要な規定が定められることになりまして、その法律に基づきまして省令、政令で必要な具体的な内容が決まることになります。そういう法令の規定と政省令を踏まえて、各自治体において、例えば安全対策でありますとか環境対策に必要な事業量を踏まえた予算を計上することになると思います。  もちろん、これは努力義務でありますし、自治体の予算は最終的には首長が提案をして議会が決定をするという仕組みでありますから、国の方でその努力義務だけで強制をする、義務付けるということはできませんけれども、その法律内容それから基準などにつきまして、法律が成立しましたら、その安全対策でありますとか環境対策に支障が生じないように、都道府県でよくこの法律趣旨を踏まえて、また交付金の創設の経緯などをよく周知していただくように十分な説明をしてまいりたいと思います。これは、首長が予算の提案権がありますし、それから議会が決定権がありますので、双方にこの必要な情報をお示しをしたい、また十分な説明をしてまいりたいと思います。
  24. 石川博崇

    石川博崇君 以上で終わります。
  25. 寺田典城

    ○寺田典城君 みんなの党の寺田典城でございます。よろしくお願いします。  昭和五十一年ですか、通達行政からようやく法律で一つの認知されるということは、私はそういう点では遅きに失したのかなと、率直にそう思っています。また、県行政をやっておっても、交付金を出す当事者でもありましたし、この件については相当関心持っておりました。  非常にある面では政治的な活動もする業界でもあったし、そういう点については、これ、ぶった切ってやろうかなという、そういうことも含めて、私は内心では相当、そういう点では自分自身も、執行するに当たっては、まあ軽油引取税というと県税にとりましては相当大きな、二割近い、十数%ぐらいの県税の位置付けになっていますから、そういう点では大きな位置付けになっておったんですが、内容を私は精査しました。  ただ、一番不安なのは、橋下知事が、率直に言って、これを全て、何というんですか、一般財源化してしまって交付金廃止したというのは、それはそれなりに私は社会の関心を得るためにはいいことであったなと思っています。    〔委員長退席、理事加賀谷健君着席〕  そのほかに、各県では、約半数近いですか、私は分かりませんが、三、四割かは、その何割かは削減して交付しているような状況にもあるということなんですが、この法律ができることによって大臣は、今、交付金が、出すべきだという形の法律ですから、努力規定ですから、これが、三割、四割の自治体が率直に交付金としてトラック協会にこれを出すのか出さないのか、その辺はどのように感じていらっしゃるか含めてお聞きしたいと思います。
  26. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはそれぞれの自治体でどういうこれから判断をされるのかということに懸かっておりますので、今、私の方で予断を持って判断することはできないと思いますが、ただ、恐らく変化はあるだろうと思います。  それぞれの自治体もこれまでの制度趣旨でありますとか経緯は御存じでありまして、その上でずっとこの予算措置は続けてきたわけでありますけれども、しかし、近年になって地方財政が非常に厳しくなって、言わば背に腹は代えられない状態になったときに、さて、その根拠は何だろうかと調べてみたときに、一片の通達であるということがこれまででしたから、既に二〇〇〇年以来通達行政廃止されておりますので、それならばまあいいやと、こういうことだったと思いますけれども、今回、努力義務ではあれ、しかし、国会で制定した法律の中にこの規定ができるわけでありますから、ちゃんとした根拠が成立するわけでありまして、そのことの持つ重みは私はあるだろうと思いますので、恐らく変化はあるだろうと思います。よく注視してみたいと思います。
  27. 寺田典城

    ○寺田典城君 私個人のことで誠に申し訳ないですけれども、私は家業が油屋もやっていまして、軽油引取税、約二億ぐらい納めているんです。油業界からいうと、これトラック業界のつかみ金だ、政治金だなんというような形で見られたんですが、実際、執行して、知事に私なりました折調べてみましたら、ある面では非常にいいことをやっているんです、こういう確かに、安全だとか事故防止とか適正対策だとか環境だとか。一つの例としてはアルコールチェッカー、秋田県のことなんですが、何百台とか何千台とか買うとか、それからブレーキだとか環境だとか、いろいろこういうものを使っているので、これはやはり協会としてあるべき、それからトラックというのはある面では中小零細企業が多うございますしね、そういう点では、これはこの法律、できて良かったなと率直に思っています。反対でしゃべっているんじゃないんです。    〔理事加賀谷健君退席、委員長着席〕  ただ、今までの使い方と活動の在り方がある面では不自然な面があるし、特に中央に二割ぐらいの交付金を出すわけなんです。これがそれなりの、例えば四、五十億のお金が使っているようなんですが、価値のある使い方をしているのかと。  日本の国というのは、どちらかというと物流コストが高い国ですね。こういう点では、私は、ある面では徹底して物流コスト削減、それからある面では人材育成、それからそういう物すごい近代化に向けた、中央のトラック協会はそういうことで大学までつくるぐらいのことをしたらいかがですかと。もっと、せっかく認知されるんだから、もう少し打って出た方がいいと思いますよという話をしたんです、考えているんですよ。  その辺を、総務省ばかりじゃない、国土交通省とかいろいろな担当省庁がしっかりとわきまえて、価値のある使い方をどのようにしたらいいのか、そういう点、発議者議員も少しどう考えていらっしゃるかを含めて、大臣も含めて意見聞きたいと思うんですが。
  28. 赤澤亮正

    衆議院議員赤澤亮正君) 衆議院総務委員会質疑においても、大変、みんなの党の柿澤未途委員からいろいろな御指摘をいただいて、中には法案の成立の経緯、今の政権の物の考え方についてもいろんなお考えをいただいたところですが、今日、寺田委員から、法案の成立は良かったと思うという言葉をいただいて、提出者としては非常にうれしく思います。その点は大変ありがとうございました。  一方で、中央に二割上納することも含めて、我が国の高い物流コストの観点から、もう少し使途を考えろということでございます。  御案内のとおり、この法案、使途については、第三条ですかね、第一項で政令で定めるということになっておりますので、今の委員のような御質疑があったこともきちっと認識の上で、政府において、どのような使途が最も有効であるかについてよく考えた上で、法律意図、そしてこの審議の中身も踏まえて決定をいただきたいというふうに考えている次第でございます。
  29. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今、赤澤議員からお話がありましたように、これはその使途について政令で定めますので、今まではこの使途については通達で定めていたわけでありまして、これが政令というちゃんとした法形式で定められますので、非常にルール化、それから透明度が高まると思います。  いずれにしても、これは税の使い道になりますので、是非これは透明性の高いものでなければいけないと思っておりますので、今、赤澤議員がおっしゃったような趣旨を踏まえて、法律内容を踏まえて、政府において責任を持ってちゃんとした政令を作りたいと思っております。
  30. 寺田典城

    ○寺田典城君 私は知事三期、自民党と闘ってきた知事なんですよ、率直に言ってそうなんです、申し訳ないですけれども。これが、トラック業界が政治利用されないように、今度は、今は民主党が何か利用しようとかしているような感じなんですが、そういうふうなのじゃなくて、はっきり言って、この税金がそれこそ社会からしっかりと認識してこの業界振興するようなことを率直に努力していただきたいということを一言付け加えさせていただきます。その辺の決意をお二方から聞きたいと思います。
  31. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) この議員立法を作るにつきましては、与野党の中でも相当突っ込んだ議論をしてまいりました。そういう中で、総務委員会としては、地域主権改革を進めていくという中で、そのバランスも考え、あるいは先ほど大臣からもありましたように、透明性を高めるという形での法制化という形を進めてきたところであります。  衆議院では自民、公明、民主の三党が発議し、共産党、社民党からも賛成をいただきました。みんなの党からは厳しい指摘もありましたけれども、今後、この法制化によって更に運輸事業振興されていくと、このことに資していきたいと、こういう決意でございます。
  32. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これまでは、その根拠自体もそうですし、それから使途も通達という今となっては非常に不明瞭な根拠しかありませんでしたけれども、法律に基づいて政令で定めるということでありますので、透明性の高い、そういう仕組みにしていきたいと思いますし、そうでなければいけないと思います。
  33. 寺田典城

    ○寺田典城君 終わります。どうもありがとうございました。
  34. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  我が党は、中小運送事業者の現状を踏まえて、限定的な措置として本法案に賛成するものであります。その上で、総務大臣と国交省にそもそも論的な質問をさせていただきます。  御案内のとおり、一昨年、無駄な高速道路建設の温床となっていた道路特定財源制度廃止となって、軽油引取税も目的税から普通税となって都道府県一般財源へと変わりました。私は、このことは国民にとっても地方自治体にとっても前進だと思っております。そうであるならば、軽油引取税暫定税率が導入された際、一九七六年ですけれども、運輸事業者、運送事業者の負担増に配慮をして創設されたトラック協会バス協会等に運輸事業振興助成交付金交付する制度についても根本的な検討がなされるべきだったと私は考えております。  具体的には、本来であれば貨物運送の安全対策適正化事業に対する国の助成制度としてこれを設けるなどがされるべきであったのではないか、せっかく地方一般財源になったものからこちらにまた回してくださいよという手法ではなくて、国が必要だとして助成制度を設けるべきだったのではないか、こういう根本的な検討がなされるべきだったのではないかと考えますが、総務大臣と国交省の見解を伺いたいと思います。
  35. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今おっしゃったことで申しますと、一般論でいいますと幾つかの選択肢があったと思います。  税率を調整することによってその一定の目的を果たすということもあったと思いますし、それから、おっしゃるように、これに要する財源を何らかの形で、国庫の財源として、国から補助金として交付をするということも手法としてはあり得ると思います。そういう幾つかの選択肢の中から現行の仕組みが継続をされて、今回、法律上の根拠を置くということになったわけでありまして、これが唯一絶対ということではないと思いますけれども、しかし、こういうことになっていることを踏まえて、今後どう改善していくかということの一つのこれは作業だろうと思います。
  36. 池口修次

    ○副大臣(池口修次君) 今の山下委員の、経過につきましては山下委員の言ったとおりでございます。  そういう意味で、今回の法律化に当たっては、この制度経緯を踏まえた中で軽油引取税、確かにまだ軽油引取税暫定税率を含めてありますけれども、当分の間税率ということでまだ残っておりますので、そこからある意味原資としながらこの助成金を、交付金交付するという仕組みになっております。  あわせて、衆議院附帯決議の中で今後の経過を踏まえて更に検討を踏まえるということにもなっておりますので、我々としては、状況を見ながらどういう適切な措置ができるかということは更に検討をする必要があるだろうというふうに思っております。
  37. 山下芳生

    ○山下芳生君 先ほど発議者の方からも御答弁ありましたように、地域主権ということとこの手法というのはなかなか相矛盾するものがある、筋が悪い面があると思っておりまして、やはり必要な運送事業者に対する安全対策ですとか事業適正化に対する支援はそれとして、国の制度としてつくってこそ、地方の財政の自主性というものも、それから運送事業者の事業適正化というものも矛盾なく進んでいくのではないか。引き続きそういうことも検討されるということですので、そういう点では我が党もそこも踏まえながら賛成ということであります。  続いて、法案とは直接かかわりないんですが、現在、東日本大震災の被災地に対しまして全国各地から救援物資が届いております。それを担っていただいているのがトラック運送事業者の皆さんだと思っておりますが、事情を聞きますと、普通はトラック運送事業というのは、荷物を積んでいく際に、ただ行くだけじゃなくて、帰ってくるときにも行ったところから新たな荷物を積んで帰ってくると、こういう往復積むことによって経営が合理的に成り立っていくという面があったんですが、被災地に対する救援物資という性格上、被災地に必要な物資は送るけれども、被災地はまだ産業等の復興が遅れておりますので、被災地から今度逆に全国に届ける荷物というのはやっぱりがたっと少ないと。したがって、どうしても片荷になりがちだと、非常に経営的にこれは不利になるということも聞いております。そこで、現在、国や、あるいは大手の荷主さんはそのことも配慮して運送料を少し上積みするなどのことがやられているというふうに聞いておりますが、これ非常に大事だと思っております。  そこで、運送事業を所管する国交省として、そういう不利な中でも被災地の復興のために荷物、救援物資を運んでいただいている道路運送事業者などに過度な負担が掛からないような目配り、それから監視監督ですね、こういうことをしっかりやって、必要であるならば更に新たな対策も講じる、こういうことも求められているんではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
  38. 池口修次

    ○副大臣(池口修次君) まずは、今回の震災に対して緊急物資の輸送等でトラック業者の皆さんに大変な御協力をいただいているということについては、国交省としても大変感謝を申し上げたいというふうに思っております。  その上で、今御質問がありましたように、トラック輸送というのは往復で荷物を載せるというのが非常に経営的にも効率的にも重要なことであるというふうには思っておりますが、ただ現実問題、この震災というときに往復の荷物を調整をして輸送をするというのができにくい環境にあるというふうに思っております。  通常のシステムとしては求荷求車情報ネットワークというのがありまして、これは今回の議論になっております運輸事業振興助成交付金の中でトラック協会においてやっているもので、そのシステムの中でできるだけ空荷がないような調整をしていますが、それがなかなか今回の震災では調整が付かないという面での苦労は掛けているというふうに思っております。  そういう意味で、なかなか現実問題として、じゃ空荷で帰らないようにするというのは難しいというふうには思いますが、できるだけ、努力をしているということに甘えることなくできるだけのことはしたいというふうに思っておりますし、その一つというふうに理解をいただけるかどうか分かりませんけれども、八月末をめどに高速道路の料金等は、緊急物資の輸送については料金をある意味免除をするということも助成の一つではないかなというふうに考えております。
  39. 山下芳生

    ○山下芳生君 終わります。
  40. 片山虎之助

    片山虎之助君 質問いたします。  この制度は、今までの質問でもありましたように、それは昭和五十一年ですか、軽油引取税暫定税率を上げると。暫定というけど、暫定じゃありませんよね、ずっと続いているんだから。まあそのうちやめるのかどうか知りませんが。そういうことで業界の皆さんが大変反対されたんですよ。しかし、その代わりに輸送力確保コスト上昇を抑えるという名目でお返ししますと、一部を、こういうことで始まったんですね。これはもう始まりも元々良くない。しかも、その根拠事務次官通達にしたんですよ。  そこで、三十五年ですよ、もう、この制度が。副大臣、効果がありましたか、輸送力確保コスト抑制に。これは県単位と中央とあるわね。時間が短うございますから、簡潔に答えてください。
  41. 池口修次

    ○副大臣(池口修次君) 今回の交付金、今でも交付金は支給されているんですが、その使い道ということでいけば、トラック事業バス事業における環境対策安全対策輸送サービスの改善に活用するということになっておりまして、環境対策としては低公害車や燃費に関する車両の導入に対する助成ということがされておりますし、安全対策としてはドライバーの運転教育に対する助成等が行われております。さらに、輸送サービスについて言えば、バス事業者等が共同で行うICカードの導入などがこの助成交付金を使ってやられているというふうに思っております。
  42. 片山虎之助

    片山虎之助君 まあ効果があったということなんでしょうな。もうそう認めますよ。  ところで、これも質問にありましたけれども、通達というものがだんだん値打ちが下がってきて、これは余りそれにとらわれなくてもいいということで、各県が削減を始めるんですよ。私が得た資料だと平成十七年からですよ。それで、最初にやったのが鳥取県なんですよ、和歌山県と長野県。そのときに大臣が知事だったかどうかは知りませんけれども、どういうお考えでやりましたか。
  43. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、もう鳥取県は全国でも一番の貧乏県でありまして、本当にお金がなくてもう背に腹は代えられなくて、やはり議会でも議論、実は議会でも議論をしたんです。根拠は何かという質問が県会議員さんからありまして、通達だということで、そして通達行政廃止を、そういうことが本当に妥当なのかという議論を経て若干の削減を行ったという経緯であります。
  44. 片山虎之助

    片山虎之助君 交付税もらえるじゃないですか。交付税がもらえるじゃないの、交付金を出したら。交付税が増額になるんですよ。交付税で補填されるんですよね。交付税をもらえてもやっぱり切った方がいいという判断だったんですな。
  45. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 交付税はこれ普通交付税基準財政需要額でありますので、標準的に入っておりますので、実績に応じてあんばいされるという性格のものではありませんので、出したから増えるというものではありません。
  46. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、まあそれはそうだけれども、ちゃんとそのための補填だからね。  そこで、今回この法律が通りますけれども、私も賛成ですし皆さん賛成だから通りますけれども、通った後、きちっとそれじゃ都道府県交付するかしないかということになる。副大臣、どう思いますか、全部してもらいたい。
  47. 池口修次

    ○副大臣(池口修次君) これについては、先ほどちょっと横で聞いていましたが、総務大臣の方が法制化することによってある程度制度が徹底されて不明瞭な部分がなくなるんではないかという答弁を聞いておりましたが、そのためのある意味法制上の今回の措置だというふうに思っておりますし、先ほども山下委員のときに答弁しましたが、衆議院の附帯事項の中でそういう問題も含めて改善の余地があるものについては引き続き検討をするということになっておりますので、すぐに法律ができたから今までのいろいろと県別の差が解消するかどうかというのはちょっと私は定かではありませんけれども、改善は引き続きしていきたいというふうに思っています。
  48. 片山虎之助

    片山虎之助君 この法律は筋が悪いんですよ。これもどなたかが言われましたけれども、大体、地方税でしょう、一般財源ですよ、それを国の法律で、努力義務とはいえ強制するようなことは正しくないんですよ。私、賛成ですよ、この法案に。賛成だけれども、こういうことにならざるを得ないという今までの経緯が私は基本的に問題だと思っている。一方では義務付け・枠付けをやめようという法案が出ているんですよ。これからここで議論しようということになっている。  総務大臣、どう思いますか。
  49. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、今、片山議員がおっしゃったような疑問というのは、私ももう当初から持っております。  今回の法案というのは、そういう地方分権といいますか地域主権の理念とそれからこれまでの昭和五十年代からの経緯と、どこで調和させてバランスを取るかということの苦肉の策だろうと思います。それがこの法案努力義務ということに凝縮されているんだろうと思います。  その結果を見て、この法案附則にもありますように、法律施行状況について検討を加えて、必要があると認めるときはその結果に基づいて必要な措置を講ずると、こう書いておりますのはそういう苦肉の策を前提にした規定だろうと思いますので、この規定に象徴されておりますように、是非これは施行状況を見ながら、今後の、どういうやり方に改善すべきなのかということも含めて検討すべきだろうと思います。
  50. 片山虎之助

    片山虎之助君 この一番の問題点は、できるときのこの経緯なんですよ。それから、私は、約束した以上、公で、業界の皆さんに、守らにゃいかぬと思うんですよ、交付金を出すと言うたら。そこにあるんで、だから、この法案には基本的に賛成しますけど、こういうやり方はこれはやめてもらわにゃいかぬ。  そこで、今も、今年は分かりませんが、二十を超える都道府県が削減しているんですよ。これ、ほっておきますか。法律が通って削減のままでいったら、国が法律を、ほとんど全会一致で決めた法律が権威を持たないということになりますよ。これはどうしますか。副大臣総務大臣発議者、全部答えてください。もっと聞きたいが、しようがない。皆さん、答えてください。
  51. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 片山総務大臣からでよろしいですか。
  52. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、今度は法律根拠になりますので、内容趣旨経緯をこれは政府の方からきちっと説明ができるということになりますので、状況が変わってくると思いますが、しかし、義務付けではありませんので、自治体の判断になりますので、その判断を見て、結果を見て、今後どうするかということを政府国会で決めていくことになると思います。
  53. 池口修次

    ○副大臣(池口修次君) 交付金の支給については今の総務大臣の発言が法律に書かれていると思いますので、そのとおりにやるべきだろうというふうに思っています。
  54. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) 御指摘の懸念は当然ながらあります。したがいまして、衆議院では、附則の中に書いてあることに加えて、委員会決議を行いました。その内容は、この法律施行後における同交付金交付状況を踏まえて、必要があると認めるときは、運輸事業振興助成手法の在り方、営業用車両に係る軽油引取税税制上の取扱い等について検討を加える、その結果に基づき必要な措置をとると、こういう決議をしております。  できれば、参議院においてもそういう形での方向性を確認をいただければと思っております。
  55. 片山虎之助

    片山虎之助君 参議院も今附帯決議を各会派で相談していますが、同じような決議になると思います。是非、そうなったら、衆参合わせて一遍決まったものは守ってもらわないと。しかし、もうこういうやり方はやめないと、それを最後に申し上げて、終わります。ありがとうございました。
  56. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  運輸事業振興助成に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  57. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、片山さつき君から発言を求められておりますので、これを許します。片山さつき君。
  58. 片山さつき

    片山さつき君 私は、ただいま可決されました運輸事業振興助成に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     運輸事業振興助成に関する法律案に対する附帯決議(案)   国は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。  一、運輸事業振興助成交付金の創設経緯及び本法施行後における同交付金交付状況を踏まえ、必要があると認めるときは、運輸事業振興助成手法の在り方、営業用車両に係る軽油引取税税制上の取扱い等について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。  二、各都道府県における運輸事業振興助成交付金交付実績について毎年度把握し、本法の趣旨にのっとった交付が行われるよう、都道府県に対し、要請すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  59. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) ただいま片山さつき君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  60. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 全会一致と認めます。よって、片山さつき提出附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣
  61. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ただいま決議されました事項につきましては、今後とも配意してまいりたいと存じます。
  62. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  64. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局長久元喜造君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  66. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債特例に関する法律案議題といたします。  まず、提出衆議院総務委員長代理坂本哲志君から趣旨説明を聴取いたします。坂本哲志君。
  67. 坂本哲志

    衆議院議員(坂本哲志君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案理由及び内容を御説明申し上げます。  本案は、東日本大震災による被害を受けた合併市町村の実情に鑑み、当該合併市町村が市町村建設計画に基づいて行う公共的施設の整備事業等に要する特定経費に充てるための地方債を起こすことができる期間を延長しようとするものであり、平成二十三年度において旧合併特例法第十一条の二第一項の規定により地方債を起こすことができる合併市町村であって東日本大震災特別財政援助法第二条第三項に規定する特定被災区域をその区域とするものに対する旧合併特例法第十一条の二第一項の規定の適用については、同項中「十年度」とあるのは、「十五年度」とすることとしております。  なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。  以上が、本案提案理由及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  68. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  69. 武内則男

    ○武内則男君 民主党・新緑風会の武内則男です。  本当に、被災された皆さん、そして自治体そのものが喪失をしていくという大変な未曽有の災害に遭われ、そしてこの間、国が平成の大合併として進めてきた合併事業、そうした現状の被災地域に思いを寄せていただいて、今回こういう立法にまでこぎ着けていただいた多くの関係者の皆さんに心から敬意を表しながらも、少し私なりの視点も加味をさせていただきながら御質問をさせていただきたいというふうに思いますので、発議者の皆さん、よろしくお願いをいたします。  まず最初に、この法案で被災地に限って延長の、合併特例債の延長を五年間とした根拠についてお伺いをいたしたいと思います。
  70. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) これについてはいろいろな議論がありました。被災地でいいますと大船渡がこの平成二十三年度で十年間の期限が切れるということもありまして、復興計画との関係はありますが、まずは緊急の措置として五年間の延長と、こういう形で与野党協議が調ったということでございます。
  71. 武内則男

    ○武内則男君 二十三年度にこの合併の期限が訪れてしまう市町村があると同時に、被災した自治体の中では、平成十七年、十八年に多くの自治体が合併を被災地の中でもされてきているというふうに私も承知をいたしております。  その全体のこれからの復旧復興計画が基本方針の下で議論をされ、多分三年や五年で新たな町づくりが、建設計画が完成に至るというふうにはなかなか考えにくいだろうというふうに承知をしておりますが、そうした自治体の復旧復興計画がこれから作り上げられてきて、地域住民と一緒になって自治体がより良い行政サービスを提供していく上で、すなわち、その自治体に住民が住んでいただけなければ自治体は存在をいたしません。そうした意味からも、これからの復興計画というのは、本当にその地域の、その自治体の、そこに住む住民の将来を左右する計画になっていくんだろうというふうに思います。  そうした計画を立てていく中で、今回五年としたことによって、その心はよく分かるんですが、その五年間が全体の復興計画の中で切れてしまうという事態が生まれる自治体が、先ほど例にあった大船渡なんかがそういう事態を迎えていくんだというふうに思います。  その全体の復旧復興計画との関係からいったときに、この期限が終わってしまうということに対してどのようにお考えか。また、少し、そうした見通しも含めて、御所見があればお伺いをいたしたいと思います。
  72. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) この議員立法、当初自民党から起草をされました。これに対して民主党、与党として態度を議論をいたしましたときに、総務部門会議として提言をまとめております。その中では、やはり復興計画との関連でいうと、被災地で十年、それから被災をしていない市町村においても、これから防災であるとか減災であるとか町づくりそのものを変更して実施をしていくことが考えられますので、そこにおいても延長の考え方が必要ではないかと、こういうことでございました。  この点は、委員会決議の中で、とりわけ被災市町村の実情あるいは要望などもきっちり聞き取っていただいて、必要があれば政府として更に追加の措置を講じていただく、こういう形で委員会決議も上げたところでございます。
  73. 武内則男

    ○武内則男君 ありがとうございました。  私は、メッセージ性として、多くの被災した自治体の皆さんに、来年末に切れる大船渡を始め、その次への一つの進んでいくための、あるいは復旧復興計画を立てていく上での合併特例債の期限というものが一定猶予ができるということについては、私も賛成であります。法案には賛成をいたします。ただ、そういう懸念が実際いずれまた五年後には起きてしまうという事実がありますので、復興計画の中で、今後も立法の中で協議をされた内容について是非尊重していっていただきたいなというふうに思っております。  次に、先ほど答弁の中で稲見代議士の方がお触れになりましたが、実は平成十七年、十八年、大変私事で申し訳ないんですが、一つの要因として申し上げたいというふうに思います。高知・春野合併特別委員会の、実は地方議員で、僕、副委員長を務めてまいりました。そのときの新市まちづくり計画はその特別委員会で作り上げてきました。その中におけるいわゆる東海・東南海・南海地震を始めとした三連動地震に対するマップの製作も含めて、改めてそこを視点に入れながら町づくり計画も作ってまいりましたが、今回の東日本大震災で実はその津波到達区域であったりとか様々な防災計画を見直さざるを得ない、町づくり計画を見直さざるを得ないというところに来てしまったという事実がございます。この事実から我々は逃げるわけにいきませんし、しっかりと直視をしながら、お話もあったように、これから減災あるいは防災、それに対する町づくりの見直し、そして公共的ないわゆる避難所、あるいは災害復旧の拠点となる公共施設、様々な建設計画を見直さざるを得ないという状況に今なっているというのがこの三連動をめぐる関係の都道府県基礎自治体だというふうに思います。  多くの御要望もいただいておりますが、そうした被災地以外において様々な要因で、この多くが十七年、十八年、合併しておりますが、その町づくり計画、それに基づく建設計画を見直さなければならないという中で、もう残された年数が三年、四年という時期になってきております。  是非、そうした被災地以外でこれから起こるであろう三連動地震等に対してきちっと対応しなければいけないという多くの自治体を我々も国家行政として抱えているという視点から、是非、そうした被災地以外の自治体に対する合併特例債、地方債特例措置をしっかりと我々も検討していかなければならないというふうに考えておりますが、発議者の御所見をお伺いをいたします。
  74. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) 御案内のように、この今回の議員立法で適用される自治体は六十九自治体ほどでございます。今、武内委員からありましたように、この間の合併特例債を発行している団体は五百五十五団体ございますので、そういう意味では、新たに統合した中学校を造るのに高台に造ろうという形で計画そのものが変わっていく、そういうことを含めて、今後、被災地以外の自治体の合併特例債の延長についても速やかに次の臨時国会などで政府の対応をしていただければと、こういうふうに思っております。
  75. 武内則男

    ○武内則男君 ありがとうございました。  片山総務大臣質問の通告しておりませんが、今回のこの地方債特例措置をめぐって、少し短い時間ではありましたがやり取りをさせていただきました。大臣の方から御感想をお聞かせ願いたいと思います。
  76. 片山善博

    国務大臣片山善博君) この度、当面急がれます被災地のこの延長の問題について法制的な手当てをしていただけるというのは大変私は時宜にかなっていると思いますし、有り難いことだと思います。  それから、今議論のありました被災地が五年で十分なのかどうかという問題、それから被災地以外のところにも必要性はありはしないかという問題、これにつきましても、衆議院の議決のときに附帯決議もありましたので、それらの点については政府としてよく検討いたしまして、今既にもう調査も始めておりますけれども、よく検討した上で必要がありましたら次の臨時国会政府として御提案を申し上げたいという、そういうつもりで今調査をしているところであります。
  77. 武内則男

    ○武内則男君 終わります。
  78. 寺田典城

    ○寺田典城君 どうも、寺田でございます。  今回の合併特例債の延長につきましては賛同するものでございますけれども、この東日本大震災の被災地を見て、何というんですか、あそこの町村も大分合併していますけれども、被災地には、合併市町村は市町村建設計画の下で合併しておりますね。ですから、ただこの合併特例債を延ばすだけでは、先ほども武内議員もちょっと御指摘なさっているんですけれども、その合併に対する市町村計画とこれからの町づくりというのは全然合わないという、整合しないじゃないかというのが非常に懸念しております。    〔委員長退席、理事加賀谷健君着席〕  ですから、延長は構わないんですが、その辺を、片山大臣は八月の十一日、衆議院総務委員会で延長するということで勇気を持っておっしゃってくれていますし、秋の臨時国会に関連法案提出したいということであれなんですが、現実として市町村計画と余りにも乖離した場合どのようにお考えになっていらっしゃるか、その辺をお聞きしたいんです。ひとつよろしくお願いします。
  79. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今、寺田議員がおっしゃった点は非常に重要な点だと私も思います。もう市町村計画を当初定めたことと地域の現況とががらっと変わってきておりますから、復興事業との関連で市町村計画というのは当然見直す必要があるだろうと思います。  したがって、被災地について今回五年ということで延長されるということになりますと、その期間内に市町村計画との整合性もよく当然検討されると思いますし、今の現行の仕組み、すなわち市町村計画に盛り込んであるものを対象とするというその枠組みも、市町村計画がそのままでいいのかどうか、市町村計画の変更あり得べしということも含めた制度の見直しが必要だろうと私も思います。
  80. 寺田典城

    ○寺田典城君 大臣も同じような考えなさっているようなんです。  非常に、本当に壊滅状態というあのような状態と、それからこの新たな震災を経験して全く今までの行政の在り方自体が、何というんですか、想定するものを超えているような状況の中で、特例債を延ばすということそれ自体は是とすることなんですが、ですから、関連する、何というんですか、被災地でない町村に対しても例えば耐震のための何々するとかというので合併特例債を延ばすとかいろいろ出てきていますけれども、あるんですが、要するに、町村自体もそうなんですが、中央政府というか総務省自体も、この合併特例債にかかわる総務省自体も全く頭の切替えをしていかざるを得ないんじゃないのかなと、安全面から含めて。  それから、今まで地総債だとか過疎債だとか出てきていますけれども、この在り方についてだって、過疎債は延ばし延ばしに、過疎債は二〇〇〇年ですか、から十年間という形で来ていますけれども、あれも延ばしになって、ソフト事業なんかも入っていますが、いずれにしましても、ひとつそういうのを、今この法律の中では見えないんですが、ひとつそれこそ地域が再生できるようなことを大いに知恵を絞っていただきたいというのが率直に私からの、何というか、今回の法、賛成に対しての考え方なんです。  もう一度、その辺も含めて、状況とか何か現在検討していることがありましたらちょっとお聞きしたいんですが、その辺について。
  81. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 合併特例債は過疎債とは違いまして、一定の額を定めてそれを、表現は悪いですけれども、既得権といいますか、そういう形で付与しているものでありますから、それの使い方について、被災地については私はより柔軟な対応をしなければいけないと思います。    〔理事加賀谷健君退席、委員長着席〕  今回、第一陣といいますか、五年間の延長ということがこれはその一つの、弾力化の一つの形態だろうと思いますし、それから市町村計画を硬直的に考えることはやはり避けなければいけないと思います。復興計画との間で柔軟に有機的に組み合わせることが必要だろうと思いますので、その辺は市町村計画に必ずしも、既存の市町村計画に必ずしもとらわれないような柔軟な対応をする必要があるだろうと思いますので、その点で必要でありましたら、先ほど来の、次の国会で必要な関連の法案も用意したいと思っております。
  82. 寺田典城

    ○寺田典城君 市町村計画の下で合併特例債が発行されるということなんですが、そういうことなんですが、全く想定できない範囲のことがみんな起きているわけです。それに関連する例えば市町村でも今までの市町村計画がこれ成り立たないという、この震災で、また原発も含めて、まあパラダイムシフトというか、そういうことも、そのぐらい大きな、今回の三月十一日というのは町村の在り方まで変えていかざるを得ないような原点、もう少し、それこそ時代、その後の、三月十一日前と三月十一日後の町村の防災計画だって何だって全部、県だってそうなんです、変えていかなきゃならぬ状況になってきているんです。  そういう点について、今後ともいろいろ、地総債だとか過疎債だとかいろいろあるわけなんですが、今の合併特例債は特にそうなんでしょうけれども、そういう点では柔軟にこれから総務省が対応する考えがあるかないか、どうなんでしょうか、その辺の考えをお聞きしたいんですが。
  83. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 合併特例債につきましては、先ほど申しましたように、額は固定されておりますので、被災地は特に弾力的な運用が図れるような制度仕組み検討したいと思います。  被災地以外のところも、期限の延長ということについては、例えば、先ほども議論ありましたけれども、この際、大津波が来るかもしれないということで今までの建物の設置場所なんかは再検討したい、したがって、少し計画期間をずらしてくれないかというようなこともありますので、その辺も考えてみたいと思います。  ただ、被災地以外のところは、既にもう発行して事業を終わっているところがありますので、それとのバランスもありますので、年限の延長はともかくとして、内容を弾力化するということについてはそのバランスの上において慎重でなければいけないと思っております。  あと、過疎債などにつきましても、被災地では非常に深刻な問題もありまして、例えば飯舘村などは今年度からその過疎債の事業をやろうと思っていたのがもうできなくなるわけでありまして、であれば、時効の延長、時効のような考え方を取ってもらえないかということが来ておりまして、村に帰ったときにそこからまた向こう何年という過疎債の適用期間があるような、そういうふうな弾力的な措置をとってもらえないかという要請もありまして、それも十分私は耳を傾けて、弾力的な取扱いを被災地についてはする必要があるだろうと思っております。
  84. 寺田典城

    ○寺田典城君 私たちはそれこそ新たな経験というんですか、大変悲惨な経験させられた中で、総務省行政の中でもひとつ、何というんですか、こういういろんな合併特例債も含めた起債の面で、国民の安全安心というんですか、そういうことを含めた視点で柔軟に、それからもっと建設的に考えていい方向を出していただきたいと、率直にそう申し上げて、私の質問を終わります。  その辺の考えも、できましたらひとつお聞きしたいと思うんですけど。
  85. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今御指摘のありましたように、できるだけ被災地については柔軟な取扱いが図れるように、今回のこの法案を皮切りにしまして、合併特例債について更なる調査をした上で検討し、必要な対応をしていきたいと考えております。
  86. 寺田典城

    ○寺田典城君 終わります。どうもありがとうございました。
  87. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  四月二十五日、参議院の災害対策特別委員会の視察で仙台市を訪ねた際に、市長から甚大な宅地被害の実態の説明を受け、国の支援を要請されました。  仙台市では、住宅地の盛土部分の崩落や地すべりなどによって二千七十八件の宅地被害が発生しております。余震によってその被害が拡大しております。地盤災害対策については国交省の災害関連地域防災がけ崩れ対策事業など国の補助事業が幾つかありますけれども、仙台市によりますと、現行制度のままでは、被害宅地のうち一千九百三十四件、実に九割強が対象外となるというんですね。被災自治体の意見を十分に聞いて、要件の大幅緩和など東日本大震災の実情に合った特例措置をつくるべきじゃないかと思いますが、国交省、いかがでしょうか。
  88. 小泉俊明

    大臣政務官(小泉俊明君) お答えをさせていただきます。  今般の東日本大震災におきましては内陸部の造成宅地において広範かつ多数の被害が生じており、復興を推進するに当たって最も重要な課題の一つであると認識をしているところであります。  国土交通省における宅地被害への支援策といたしましては、先生に御指摘をいただきましたように三事業あるわけでありますけれども、東日本大震災からの本格的な復興対策につきましては、これまで震災復興対策本部において、国による復興のための取組の全体像を明らかにした復興の基本方針が、去る七月二十九日、決定されたところであります。国土交通省といたしましては、この東日本大震災からの復興の基本方針や地元のニーズ等を踏まえて必要な対応を検討してまいる所存でございます。
  89. 山下芳生

    ○山下芳生君 地元のニーズを踏まえて必要な対策検討するということですが、具体的に、じゃ、どういう要件緩和が求められているか、地元から出ているかということですが、資料に仙台市の要望書を配付させていただきました。現行制度内容と、それから仙台市の要望内容が対比して整理されております。  ちょっと説明しますと、この災害関連地域防災がけ崩れ対策事業、これ、市町村の事業ですけれども、崖地の高さ五メートル以上という要件がありますが、これを高さ二メートル以上に緩和してほしい、それから、この事業は自然の崖地に適用されるんですが、人工ののり面や擁壁等も対象にしてほしい、それから、事業費六百万円以上の枠を撤廃してほしいということであります。  それから、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業、これは都道府県事業ですが、これは、急傾斜地の高さ十メートル以上という要件をやはり二メートル以上になどの緩和の要望が出ております。  それから、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業、これは新しい事業ですけれども、盛土面積三千平方メートル以上、家屋十戸以上の要件を緩和してほしい、それから、国道や都道府県道などの公共施設への被害が発生するおそれがあった場合に適用するという要件も、これ、非常に縛っていますから、緩和してほしいという要望などであります。  これらは、被災自治体が被害の実態調査に基づいてより多くの被害宅地を救済するために必要だとして国に要望している内容でありますので、是非これにこたえた特例措置にする必要があると思いますが、いかがですか。
  90. 小泉俊明

    大臣政務官(小泉俊明君) 仙台市長からも御要望いただいておるところでありますが、これまでも被災した宅地に関しましては、その実態に応じて、例えば平成十六年の中越地震等におきましても、今御指摘いただきました災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業そして災害関連地域防災がけ崩れ対策事業につきまして、宅地擁壁等の人工のり面の被害についても補助対象としておりますし、崖の高さを五メートル以上から三メートル以上に緩和するという特例措置の実施といった工夫も過去行われているわけであります。  国土交通省といたしましては、こうした過去の事例も参考にしつつ、地方公共団体によります被災実態についての調査結果や具体的要望等も踏まえ、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業も含め、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。
  91. 山下芳生

    ○山下芳生君 過去の中越地震、中越沖地震の特例措置を適用したとしても仙台市は救われない部分がたくさん残りますので、新しい事態に対応していただきたいと思います。やはり、被害を制度に合わせるんじゃなくて、制度を被害実態に合わせる改善が必要だと思うんですね。  それから、三事業の補助率が二分の一から四分の一になっておりますが、仙台市の宅地災害対応に係る事業費は三百三十億円に上ると聞きました。現行の補助率では自治体負担が大変大きいと。これは、国の補助率のかさ上げ、自治体に対する財政支援の拡充、これも行うべきだと思いますが、いかがですか。
  92. 小泉俊明

    大臣政務官(小泉俊明君) 御指摘いただきましたように、今般の震災による住宅被害、極めて広範囲で、復興に向けて地方公共団体も相当な負担となる可能性もあるわけであります。  国土交通省といたしましては、被災地における被害の実態や地元のニーズを踏まえ、こういった今までの事業の活用が適切に図られるよう引き続き検討をしてまいる所存であります。
  93. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、その検討を急ぐ必要があると思うんですね。国の制度が決まらなければ地方自治体は絵をかけないんです。かいたとしても、絵にかいたもちになるかもしれない。速やかに具体化をしていただきたいと思います。  仙台市が要望している特例措置が仮に全部実施されたとしても、国交省の事業で対応できない被災宅地がなお百八十一件残ると聞いております。それは、宅地被害を受けているのが一戸とか単体だということだと支援が受けられないということになっているからであります。私は、単体の宅地被害であっても所有者自身が復旧する場合の工事費の助成、融資、金利補填などの支援が必要だと思いますが、これ、いかがかという点。  それとあわせて、自治体が単体の宅地被害に対して独自に支援した場合、国として自治体を財政的に支援する必要があるんじゃないかと。これ、総務大臣、いかがでしょうか。
  94. 小泉俊明

    大臣政務官(小泉俊明君) 宅地被害に関する支援策といたしましては、被災された個々の宅地の補修につきまして、第一次補正予算において、独立行政法人住宅金融支援機構による災害復興住宅融資の金利の引下げや宅地のみに被害が生じた場合の災害復興宅地融資を新設をさせていただいたところであります。その活用を十分図ってまいりたいと考えております。
  95. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 地方財政を所管する者からしますと、少し国交省に対しては身勝手な発言になるかもしれませんが、できるだけ国費を中心にする国の制度で被害の支援をしていただきたいと思います。その上で、しかし、やはりルールはルールとして、そのルールに合わないものも出てくるでありましょうから、それについて必要な施策自治体が講ずることは当然あり得ると思います。  それをどうするかということでありますが、それは地方財政に支障が生じるようなことがあってはいけませんので、結果としてどの程度の言わば持ち出しといいますか財政支出があったかということもにらみながら、最終的には地方財政の方で、仙台市なら仙台市の財政運営に支障がないような措置総務省施策としても考えていきたいと思います。
  96. 山下芳生

    ○山下芳生君 最後に、総務大臣に宅地災害への公的支援の必要性について少し理念問題を問いたいと思うんですが、知事として鳥取県西部地震で個人の住宅再建に対する公的支援を実現した経験を持つ片山総務大臣認識を問いたいわけですが、私は阪神・淡路のときから、住宅というのは個人の財産であるという側面とともに生存権の保障にとって不可欠な要素であって、その回復を国が支援することは憲法違反どころか憲法上の要請であると考えておりました。住宅再建にとって必要不可欠な要素である宅地についてもやはり同じ考えを当てはめる必要があるんじゃないかと私は思うんですが、総務大臣の御認識を伺いたいと思います。
  97. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 上物とそれから土地というのは必ずしも切り離して考えることはできません。できないと思います。  私は鳥取県で知事をしておりましたときに、壊滅的な被害を受けて、それで被災者が、皆さんが域外に出て散り散りばらばらになるという状況がありましたので、そうあってはならないということで、是非残っていただきたい、コミュニティーを守っていただきたいということで三百万を限度の支援を鳥取県でしたわけであります。  その際に、基本はその上物でありましたが、上物はほとんど傷が付いていないけれども液状化で住めないとか、それから上物は傷が付いていないけれども崖地といいますか傾斜地で基盤が壊れてしまっていてそのままでは住めないというところがありましたので、そういうところは言わば土地だけについての支援も類似の制度をつくって行いました。  その際の考え方は、例えば液状化は、ほっておきますとそこはゴーストタウンになってしまうわけです、せっかくのニュータウンが。しかも、その方々のために仮設住宅とか、それから公営住宅とか復興住宅のような公的な住宅を用意する必要が生じます。どちらがより財政負担が大きいかということを考えますと、まあより小さいかということを考えますと、支援をした方が財政負担はかえって少ない、なおかつ住んでおられる方もその方を望まれているということもありまして、理念とともにそういう、功利性と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、そういう経済性とか、さらには住んでおられる方の本人の意思をそんたくをしてしかるべき助成をしたわけであります。
  98. 山下芳生

    ○山下芳生君 終わります。
  99. 片山虎之助

    片山虎之助君 平成の大合併が終わりまして、平成の大合併の検証というのが私は要ると、功罪について一遍きっちり点検してみる必要があると思うんですが、今回の大震災で、本当に合併して良かったというところもたくさんあるんですよ。ところが、合併をしたから具合が悪かったというところもあるので、まあこれは場所によって違うと言えばそれだけなんだけれども、総務大臣が見られて、率直な感想はどうですか。
  100. 片山善博

    国務大臣片山善博君) おっしゃるとおり、両方あると私も伺っております。  合併をして規模が大きくなって、それで一部の地域が被災をして、そこの救援とか、それから被災された方を同一市町村内でちゃんと避難先を見付けるという、こういうことで合併していて非常に良かったと。それから、合併しないところがあるので非常に復興もやりやすいという、そういう声も聞いております。  他方で、合併をしてまだ一体感が醸成されないところに大きな被害を受けて、それで当初の被災状況の把握がなかなか困難であったとか情報の連絡網がなかなかうまく作動しなかったとか、そういうところもありますし、従来ならば役場があったのに、もう支所、出張所に小さくされてしまってなかなか機動性が取れなかったとか、そういう合併の負の側面というものをよく伺っております。  これらは、ちょっと今は取り込み中でありますので、しばらくして落ち着きましたらその功罪などについてよく検証してみたいと考えております。
  101. 片山虎之助

    片山虎之助君 私は、復興の一つのポイントは、やっぱりコミュニティー機能の回復だと思いますよ。それをしっかりと念頭に入れながら、やっぱり役場の機能もなくなっていますからね、そういうことを含めて対応してもらいたいと、こういうふうに思います。  ところで、今度の復興基本方針は十年なんですよね。最初の五年が集中投資期間で、しかし後の五年もある。ところが、今度のこの特例債は五年でしょう。まあ十年をね、プラス十年、二十年じゃ長過ぎるという意見がありますよ。しかし、取りあえず五年ということなんですが、後の五年があるべしかないべしか、発議者はどうですか。
  102. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) 先ほど武内委員質問にお答えをいたしましたように、与党民主党の立場としては、やはり復興計画十年に合わせていくべきだと、こういうふうに考えております。
  103. 片山虎之助

    片山虎之助君 それと、今度、復興計画の方は復興債を発行するんですよ。まだ決まっていませんけれどもね、政府・与党の基本的なあれが。いずれにせよ、復興債を発行して財源を調達していろんなことをやるんだけれども、その中には当然、市町村の交付金みたいなものもあるんですよ、まあ一括交付金をどうするかというのはあるけれども。その辺と今度の合併特例債、さらに今まで議論があった辺地債あるいは過疎債あるいは山村債、いろんな似たような制度があるんですよ。その辺の整理をしっかりしながら市町村計画を、建設計画を見直さなきゃやれませんよ。そこで仕分をしないと私駄目だと思いますけれども、これは両方答えてください、総務大臣発議者と。
  104. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはもう御指摘のとおりだと思います。  まだ政府の方で確たる方針決まっておりませんけれども、いずれ三次補正で被災地の一括交付金の話、使い勝手のいい交付金の件、それから基金の構想もありますので、そういうものもいずれ具体化されると思います。そういう中で、この合併特例債、延長された合併特例債の活用、さらには地域によっては過疎債、辺地債もありますので、それらを含めて総合的に地域の復興にどういう事業を当てはめていくのか、いつやるのかということを、もう一回その市町村計画のようなものを再検討する必要があるだろうと思いますので、そのためにもやはり今回のようなある程度の期間の延長ということは必要だろうと思います。
  105. 稲見哲男

    衆議院議員(稲見哲男君) 総務大臣がおっしゃったとおりだと思っております。  この合併特例債は、合併のときに、発行可能額と、それからそれぞれの市町村が決めた発行予定額、それに今までどれだけ発行済みかということもありますから、それがオールマイティーにはならないというふうなことを思っております。そういう意味では、今後の政府総務省としての議論に我々も参加をしていきたいと思っております。  それから、済みません、発言に立ちましたので、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。  この法案で適用される被災市町村の数でございますが、先ほど私六十九というふうに申し上げましたけれども、七十二というのが正確な数字でありますので、訂正させていただきます。
  106. 片山虎之助

    片山虎之助君 合併特例債は、総額決まっていますけれども、枠が決まっているけれども中はもうかなり弾力的なんですよね。それで、ハードにはもちろん充てるんだけれども、ソフトには基金を通じてまた出しているんですよね。これをもっと緩めると、私はこういうものの規律、財政規律としてどうなるかという心配が実はある。あるけれども、いろんな需要があるので、提供できなきゃ駄目なんですよね。だから、両方が難しいところがあるんだけれども、この被災地の合併特例債についてもう一遍枠をつくるんでしょうから、五年分の。つくるんでしょう。つくらないですか。その際に内容についてどうするかという御検討を賜りたいと思うんです。下手をするとモラルハザードになる。いかがですか。
  107. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 枠は残りの枠を使うことになりますので、新たに……
  108. 片山虎之助

    片山虎之助君 期間だけ延ばす。
  109. 片山善博

    国務大臣片山善博君) そうです。ですから、そういう意味でのモラルハザードにはならないと思います。  ただ、今までの枠組みで市町村計画に盛り込まれたものに充てるという、そこのところは、やはり地域の事情はもうがらっと変わっておりますので、そこの変更はやはり柔軟にこちらとしては対応しなければいけないと思っております。
  110. 片山虎之助

    片山虎之助君 それから、既に今日の答弁でも大臣のあれありましたけれども、この被災地以外の市町村の合併特例債を延ばすという御検討をされているのかもしれませんが、しかし、これは大変格差の議論が出ますよ。被災地と被災地以外の合併市町村と非合併市町村と、こうなったときに、被災地でないところはどういうことに認めるのかというのと、延ばすのかというのと、どういうケースの、それから合併していないところ、状況が似たようなところ、それのバランスをどういうふうに考えますか。
  111. 片山善博

    国務大臣片山善博君) いずれにしても、例えば仮に被災地以外のところを延ばすということにしましても額の変更はありませんので、ですから、合併をしてこれまでも合併特例債を使って事業をしたところとの間で金額的には遜色はありません。ただ、今回被災地を延ばすということに鑑みて被災地以外のところを延ばすかどうかということが論点です。期間だけの話です。  その際、例えば、今伺っておりますけれども、被災地が津波災害に遭われた、そうしますと、今回被災はしていないけれども津波の被害が想定されるところで改めて被害想定を考えたときに、これまでの計画に盛り込まれた施設の建設場所でいいのかどうか、やはりこれは見直さなきゃいけないということが現実にあります。そういうものは私はやはり見直しをされた上で建設された方がいいと思いますので、そうしますと、必要な延長期間というのが被災地以外でも出てくる可能性は十分にあります。  ただ、議員がおっしゃるように、じゃそれをどこで区別するのかということについては非常にこれは難しい問題があろうかと思います。それはそのとおりです。その辺も踏まえて、全国の該当の自治体の皆さんから丁寧に意見を今聞いているところであります。その結果を踏まえて必要な法案をまた出したいと思います。
  112. 片山虎之助

    片山虎之助君 今あなたが言われるとおりなんで、合併しているところで津波のおそれがあるんで庁舎その他を建て直すかどこかへ移転せにゃいかぬと。しかし、それは合併していなくても同じような状況のところはあるわけですよね。  それは地域防災計画ということになるのかどうか分かりませんが、そういうところにも何らかの財政措置が、庁舎なんかないんだから、今、起債があるだけでしょう。だから、そういうことで何らかのバランスを考えて、似たようなところの防災力、地域防災力を高めるようなことについて御検討是非お願いしたいと思います。  もし答弁ができるならしてください。
  113. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは復興基本方針の中で、もちろん復興事業というのは被災地中心ですけれども、たしか一兆円程度だったと思いますが、被災地以外のところで事業が想定されるだろうと、今回の被災に鑑みて防災力を高めるという観点で。具体的な内容はまだこれ決まっておりませんで、補正予算の査定を通じて決まりますけれども、庁舎が該当するかどうかはともかくといたしまして、今おっしゃったような趣旨が何らかの形で補正予算の中に盛り込まれる可能性は私は十分あると思います。
  114. 片山虎之助

    片山虎之助君 終わります。
  115. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  私どもは、いわゆるこの平成の大合併については、住民を自治体政治から遠ざける、あるいは施設の統廃合や職員削減などで住民サービスなどが低下をするという観点から反対をいたしてまいりました。また、この合併特例債についても、その誘導手段とされておるわけでありますから、償還を将来の地方交付税で充当することから、貴重な地方一般財源の目減りという形で合併しない自治体にしわ寄せをする不公平な制度であるということからもこれにも反対をしてまいりましたが、今回のこの法案について言えば、大震災に伴って実施ができないという、こういう部分に限って五年間延長という趣旨でございますから、これには賛成をしたいと思います。  その上に立って二、三質問をしたいと思うんですけれども、まず実務的な面で四つ併せて質問をいたしますが、一つは、合併特例債の発行累計額は現在どのぐらいになっているのかというのが一つ。二つ目に、それは一年で市町村債発行額の何割ぐらいを占めているのか。三つ目に、その償還予定額は当然利息も計算をすべきですけれども、総務省が分からないと言うので、元金だけでいえば地方交付税算入分、言い換えれば、今後自治体全体が被る交付税の目減り額は一体どのぐらいになるのか。四つ目に、残りの市町村が直接自力で償還すべき分は幾らなのかと。この以上四点、伺います。
  116. 久元喜造

    政府参考人(久元喜造君) 今の四点につきまして、数字の問題ですので私からお答えをさせていただきます。  合併特例債の発行額は、平成二十一年度までで約三兆三千四百八十五億円ということになっております。平成二十一年度の合併特例債の発行額、これ二十一年度の数字ですけれども、約六千六百五十三億円でありまして、市区町村の普通会計ベースでの地方債発行額、これが約四兆六千六百六十九億円でありますが、約その一四・三%というふうになっております。  それから、合併特例債の償還に関するお答えですけれども、この合併特例債の償還は、発行可能上限額は十二兆円というふうにこれは決まっておりまして、これは変わりませんけれども、実際の発行額は市町村のこの建設計画によって、内容によって変わり得るものですし、また発行時期につきましても、これはそれぞれの自治体の判断ということになりますし、また償還期間もこれも様々であります。  したがいまして、仮にの、仮定ということになりますが、二十一年度までのこの発行総額約三兆三千四百八十五億円ということを前提にいたしますと、元金について、合併特例債は元利償還金の七〇%が基準財政需要額に算入することとされておりますので、算入額は約三兆三千四百八十五億円の七〇%、約二兆三千四百四十億円ということになります。仮に二十年にわたって均等に算入されるといたしますと、大体毎年千百七十二億円が算入されるということになります。基準財政需要額に算入されない三〇%分につきましては、約一兆四十六億円というふうに推定をしております。
  117. 又市征治

    ○又市征治君 大分この間から渋っておられましたけれども、ある程度御回答をいただきましたが、合併特例債の発行、市町村起債の一五%、約一五%ですか、に及ぶ。返済は数字が元金分だけで二兆円余に上るということ。つまり、本来自治体共有の財源であるものを削減して合併団体のために穴埋めをしていくという、こういうことにもなるわけでありますし、さらに、なおかつ自力でも一兆円余の返済をしていかなきゃならぬ、こういうことなんですが、利払いを考えるとかなり、倍ぐらいになるんじゃないですかね。そういう格好で、果たしてこのような特例債よかったかどうかという問題、さっき片山大臣が合併の功罪を検証せないかぬというふうにおっしゃいましたけれども、やっぱりそういう時期に来ているんだろうと思います。そういう点は是非とも検討もいただきたいと、こう申し上げておきたいと思います。  ところで、この法案の枠外ですけれども、先ほど来からも出ておりますが、被災地以外の地域で震災対策を今後考慮するとすれば合併特例債についても締切りを延期すべきではないか、延長すべきだろう、こういう御議論も出ております。  そこで、そこまで広げる、さっきの大臣答弁だと一兆円ぐらいの話が出てくるんじゃないかというふうに、ちょっと私は聞き間違いかどうか、今後そういうことが出てくるんじゃないかというお話だと思うんですが、もしそこまで広げるぐらいならば被災地用に新たな、この今の制度のような九割充当、償還七割は交付税といった同様の有利な地方債というものをむしろつくったらどうかという考え方も別にやっぱりある、こういうことについて一体全体、大臣としてはどのようにお考えになるか。  一方で、今のやつをもっと延長して幅広い団体にも適用したらどうだというのがあるし、一方では、逆に言えばむしろ新たな制度、同じようなもので新たな制度を適用したらいいんじゃないのか、こういう話があるんですが、その点について、まあ急な話ですけれども、大臣、どのようにお受け止めになるでしょうか。
  118. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 被災地にうんと有利な仕組みをつくるべきではないかということでありますが、これはそのとおりでありまして、被災地は合併をしたところも合併していないところもあります。したがって、その合併の有無にかかわらず、被災されたところに対しては財政運営に支障がないような措置を講ずる必要が当然あります。  これも復旧復興についてはできる限り国費でその支援をしていただきたいというのが総務省考え方でありまして、今それを、瓦れきについてもしかり、復興事業についてもしかりでありますけれども、そういうことを国庫にお願いしておりますけれども、残った地方負担分については、これについては基本的に当面地方債でその資金を賄っていって、後でそれの例えば九五%とか、場合によっては一〇〇%とか、それを交付税措置の中で処理をしていくということをもう既に決めておりますので、御指摘のような財政支援制度が既に制度としてつくられているというふうに御承知おきいただければと思います。
  119. 又市征治

    ○又市征治君 もう少し議論したかったんですが、時間がございませんから。  先ほど来ありましたように、合併後の市町村の状況を見ると、大臣からも答弁がありましたけれども、合併したことによってその市の中で、あるいは町の中で被災者を受け入れることができたという、そういう面での良さというものも一面では聞いてもまいりましたけれども、しかし状況を全体的に見ますと、合併のメリットや効率化を理由に、さっきも申し上げましたが、職員の削減やあるいは非正規職員化というものが進められたり、サービスが低下をする、あるいは公共公益施設の廃止などが強行されて、それが多くの旧町村部で、人口の減少であるとかあるいはコミュニティーの崩壊であるとか耕作地や山林の放棄であるとか、さらには、今回の震災被災地に見るように災害に事実上職員などが大幅に減ったために対応できない、こういうことが出てきているという、こういう問題点も、やっぱり罪の側もあるということも出てきているわけですね、結構。  合併特例債ですぐに使わず基金造成という形も開かれ、ソフト事業によって合併の弊害をカバーする道も多少ありますけれども、しかし、全体としては特例債が弊害を食い止めたのか、むしろ借金だけを残したんではないか、こういう点の厳しくやっぱり私は検証もし総括をすることが必要じゃないか、このように思っているわけで、この点について大臣に最後に御見解を伺っておきたいと思います。
  120. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 合併のもたらした影響というのは、功罪を含めてよくこれは検証したいと思います。  負の面でいいますと、先ほど言いましたように、やはり役場機能がなくなったとか非常に縮小されたということは、大変今回の被災地の初動において私は大きな影響はあったと思います。一方では、しかし、功罪の功の方もあったということは先ほど申し上げたとおりでありますが。  今おっしゃった例えば職員の数が減ったというのは、合併に伴って職員の数が減ったというのもありますけれども、いわゆる非正規化の進行ということで、これは合併の有無にかかわらず多くの自治体でそういうことが行われておりまして、私はこれも、実は今回の復旧復興、特に被災者に対する避難所での支援などがなかなか当初思うに任せなかったというようなことはそういうこともやはり影響あったんだろうと思いますので、合併の功罪の検証と、それからこれまで進めてきました自治体の在り方についての検証も併せてできればと思っております。
  121. 又市征治

    ○又市征治君 終わります。
  122. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  123. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、片山さつき君から発言を求められておりますので、これを許します。片山さつき君。
  124. 片山さつき

    片山さつき君 私は、ただいま可決されました東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債特例に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債特例に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。  一、合併特例債を発行できる期間の延長は、東日本大震災の被災地域に所在する合併市町村の実情を考慮した緊急の特例措置であることから、当該合併市町村における復旧・復興事業の見通し等、実態の把握に努めるとともに、当該合併市町村の要望を踏まえ、必要があると認められる場合は、期間の延長等適切な措置を講ずること。  二、被災地域以外に所在する合併市町村においても、東日本大震災に起因する事情により市町村建設計画に基づいて行う事業等の実施が遅延する等の影響が生じている場合には、当該合併市町村の実情を考慮し、被災地域の合併市町村に対するものと類似の期間の延長に係る特例措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  125. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) ただいま片山さつき君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  126. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 全会一致と認めます。よって、片山さつき提出附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣
  127. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ただいま決議されました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重し、延長する期間及び被災地以外の合併市町村への適用についてよく検討してまいりたいと存じます。
  128. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  130. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金交付に関する法律案議題といたします。  発議者礒崎陽輔君から趣旨説明を聴取いたします。礒崎陽輔君
  131. 礒崎陽輔

    礒崎陽輔君 ただいま議題となりました東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金交付に関する法律案につきまして、発議者を代表して、その提案趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。  東日本大震災の被害は甚大であり、かつ、その被害を受けた市町村には財政規模が小さいものが多いため、これらの市町村の財政状況は非常に厳しいものとなっております。そのため、被災した市町村では、復旧及び復興が十分には進捗しないという状況が見られます。また、被災した市町村からも、財源があればもっと被災者に対する措置も手厚くできるという声も寄せられているところであります。こうした状況を踏まえ、国において、特別な財政支援を早急に行う必要があります。  第二次補正予算においては、昨年度の決算剰余金の一部を特別交付税として交付することとしておりますが、地方交付税は本来全国の地方公共団体に共通の財源であり、地方交付税とは別に被災した市町村に対する財政支援措置を講ずることが必要と考えます。  さらに、復興支援策の一つとしての使い勝手の良い自由度の高い交付金については、七月二十九日に決定された東日本大震災からの復興の基本方針においてその創設が盛り込まれており、そうした交付金の必要性は、政府・与党、野党を問わず、共通の認識になっているものと考えております。  以上のような状況に鑑み、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための事業又は事務に要する経費に充てるために市町村に交付する臨時の交付金について定める法律案提出した次第であります。  以下、この法律案の概要を御説明いたします。  第一に、国は、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律に規定する特定被災区域をその区域とする市町村である特定被災市町村に対し、予算の範囲内で、災害復旧復興事業等に要する経費の全部又は一部に充てるための交付金交付するものとしております。  第二に、この法律に基づく交付金は、特定被災市町村がその区域の特性に即して自主的かつ主体的に災害復旧復興事業等を実施することを旨として交付されるものとする等の基本理念を定めることとしております。  第三に、総務大臣は、交付金交付に係る基本方針を定めるものとし、交付金を充てる災害復旧復興事業等の範囲、交付金交付基準その他交付金交付の申請等に関し必要な事項を定めることとしております。  第四に、特定被災市町村は、交付金交付を受けて実施しようとする各災害復旧復興事業等の目的、概要等を記載した申請書を総務大臣提出することとし、総務大臣は、当該特定被災市町村の財政状況、既に行われている災害復旧復興事業等の実施状況等を総合的に勘案して、交付金対象事業等及びこれに係る交付金の総額を決定し、当該特定被災市町村に通知するものとしております。  第五に、特定被災市町村は、総務大臣の通知を受けたときは、交付金対象事業等を一括してその実施に関する計画を作成し、総務大臣提出するものとしております。  第六に、交付金は、翌年度以降に繰り越して使用することができることとするとともに、交付金に係る実績報告は、交付金対象事業等の全体が完了したときにその全体について行うこととする等の規定を設けることとしております。  なお、この法律施行に伴い必要となる経費として、平成二十三年度において約五千億円を見込んでおります。  以上がこの法律案趣旨及び主な内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  132. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会