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2011-05-17 第177回国会 参議院 総務委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月十七日(火曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員長異動  五月十三日那谷屋正義委員長辞任につき、そ  の補欠として藤末健三君を議院において委員長  に選任した。     ─────────────    委員異動  五月十三日     辞任         補欠選任      那谷屋正義君     平田 健二君  五月十七日     辞任         補欠選任      世耕 弘成君     西田 昌司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤末 健三君     理 事                 加賀谷 健君                 武内 則男君                 片山さつき君                 松下 新平君                 魚住裕一郎君     委 員                 石橋 通宏君                 小西 洋之君                 行田 邦子君                 友近 聡朗君                 難波 奨二君                 平田 健二君                 吉川 沙織君                 礒崎 陽輔君                 岸  宏一君                 中西 祐介君                 西田 昌司君                 藤川 政人君                 山崎  力君                 山本 順三君                 石川 博崇君                 寺田 典城君                 山下 芳生君                 片山虎之助君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     片山 善博君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        総務大臣    鈴木 克昌君        環境大臣    近藤 昭一君    大臣政務官        総務大臣政務官  内山  晃君        総務大臣政務官  逢坂 誠二君        総務大臣政務官  森田  高君        財務大臣政務官  尾立 源幸君        厚生労働大臣政        務官       小林 正夫君        農林水産大臣政        務官       田名部匡代君        環境大臣政務官  樋高  剛君    政府特別補佐人        人事院総裁    江利川 毅君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      小田 克起君        総務大臣官房地        域力創造審議官  門山 泰明君        総務省自治行政        局長       久元 喜造君        総務省自治行政        局公務員部長   佐々木敦朗君        消防庁長官    久保 信保君        文部科学大臣官        房政策評価審議        官        田中  敏君        水産庁長官    佐藤 正典君        経済産業大臣官        房審議官     中西 宏典君        国土交通大臣官        房審議官     三好 信俊君        国土交通省河川        局次長      山本 徳治君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君    参考人        日本郵政株式会        社専務執行役   斎尾 親徳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (派遣委員報告)  (緊急消防援助隊設備整備費補助金在り方に  関する件)  (被災地要望する一括交付金創設に関する件  )  (国家公務員給与の一割削減に関する件)  (東日本大震災被災地過疎化に与える影響  に関する件)  (地方公務員給与削減に関する件)  (下水処理場汚泥から検出された放射性物質対  策に関する件)  (被災地がれき処理に関する件)  (被災者に対する郵政サービス一体的提供に  関する件)     ─────────────
  2. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る十三日の本会議におきまして総務委員長選任されました藤末健三でございます。  委員長といたしましては、委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  3. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 委員異動について御報告いたします。  去る十三日、那谷屋正義君が委員辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。  また、本日、世耕弘成君が委員辞任され、その補欠として西田昌司君が選任されました。     ─────────────
  4. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  私が委員長選任されたことに伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事武内則男君を指名いたします。     ─────────────
  6. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣大臣官房審議官小田克起君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本郵政株式会社専務執行役斎尾親徳君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。  去る十二日に行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。片山さつき君。
  11. 片山さつき

    片山さつき君 去る五月十二日に当委員会が行いました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、藤末健三理事魚住裕一郎理事吉川沙織委員礒崎陽輔委員世耕弘成委員山本順三委員寺田典城委員山下芳生委員片山虎之助委員又市征治委員及び私、片山さつきの十一名であり、宮城県において、東日本大震災による自治体行政機能消防情報通信及び郵政事業被害状況等に関する実情調査をしてまいりました。  宮城県は、他の被災県に比べ、広い面積で津波による浸水が生じ、石巻市の高台から望む市街地は、津波による荒涼とした風景が見渡す限り広がっておりました。  現地におきましては、まず、総務省東北総合通信局から説明を聴取いたしました。  生活情報被災者に届けるために、関係者協力を得て、「簡易無線」、「衛星携帯電話」等合計約二千台を被災自治体に貸し出すとともに、ラジオ約一万台を配布したとのことであります。また、被災者に向け、地域に密着した情報を提供するため、「コミュニティFM」などの臨時災害放送局等がこれまでに二十五局開設されております。災害時の情報伝達の手段として、ラジオ有用性が改めて認識されています。  次に、NTT東日本及びNTTドコモから、被害復旧状況及び今後の対応について聴取いたしました。震災当初は、地震及び津波による通信用建物設備の水没、損壊及びケーブルの切断等により通信機能が失われました。その後、停電の長期化に伴う蓄電池の容量枯渇により基地局機能不全に陥るなど、更なる被害の拡大が見られました。電源用燃料及び輸送用ガソリン等の不足により復旧が遅れたものの、固定電話携帯電話共に四月末までにほぼ復旧したとのことでありました。  次に、NTT女川ビル被災状況を視察いたしました。女川ビルは、加入電話が約三千六百回線、光ファイバーが約一千回線の通信サービスを提供しておりましたが、ビル全体が津波により損壊し、サービスが途絶えました。ビルの屋上には民家の家屋が乗り上げ、内部機器損壊も激しく、そのため、女川第二小学校敷地内等高台の三か所に非常用装置を設置し、四月中旬には通信サービス復旧させたとのことであります。  次いで、津波による被災のため、現在、女川第二小学校を仮庁舎としている女川役場において、安住宣孝町長から被害状況及び復旧状況説明を受けるとともに、今後の課題要望を聴取し、意見交換を行いました。  女川町は、宮城県の東部、牡鹿半島の基部に位置し、天然の良港に恵まれ、水産業基幹産業となっております。しかし、今般の東日本大震災で震度六弱の地震及び二十メートル級の津波に見舞われた結果、死者、行方不明者は合わせて女川町の人口約一万人の一割を超える一千百五十名以上、津波による家屋への被害は全世帯の八割にも上るという甚大な被害が発生しております。町内に設けられた避難所は十六か所、現在でも約千六百人の住民方々避難所生活を余儀なくされておりました。  女川町では現在、復興のための基本計画策定しており、住宅地高台に移し、公共施設を海抜二十メートル程度中間域に配す一方で、漁業の町としての特性を生かした商業地を水際に展開するという「減災」とともに「親水性」を意識したまちづくりを行う等の今後の方針についてお聴きいたしました。  そして、土地の買上げ等新たな市街地を造成する際の手法、漁業を存続させるための点在する漁港の集約、水産加工業者等の二重債務対策等についての課題が挙げられました。  また、護岸のレベルについては早急に国が決定すること、一日も早い復興と今後のまちづくりのためには、モデル地区、特区の適用を始め、規制の緩和が必要不可欠であること、財源については、手続の煩雑さを排し、復興のスピードを速めるために一括交付金として交付されること、国は明確なメッセージを出し、今後の方向付けを早くしてほしいことなどの要望がありました。  派遣委員からは、漁業の担い手の再生及びつなぎ止めのための方策、原発に対する町民の受け止め方、瓦れき処理対策、今後の漁港在り方、浜岡原発全面停止がもたらす女川原発の今後への影響、町としての雇用対策等について質疑が行われました。  続いて、避難所となっている女川総合体育館前車両型郵便局を視察するとともに、女川郵便局被災状況について説明を聴取いたしました。  車両型郵便局は三月三十日から町内八か所を巡回しており、郵便転居届受付、紛失・破損した通帳・カードの再発行受付等を行っており、通帳等がなくとも、本人確認ができれば二十万円までの貯金の引き出しには対応しているとのことでした。  また、女川郵便局は全壊したものの、防災訓練経験が生かされ、非常時の持ち出しが迅速に行われた結果、局内にあった郵便物は一通も失われなかったとのことであります。  その後、被災現場を順次視察いたしました。  女川役場建物は壊滅的な状況であり、瓦れきとともに流れ込んできた車が正面をふさぎ、建物内部では大量の書類が散乱し、泥にまみれておりました。安住町長から、行政を遂行する上で生じている数々の支障、特に罹災証明書年度の更新に伴う各種証明書発行住民登録住基ネット活用による復元、町独自の本人証明書発行等について説明を受けました。その間にも、役場では職員方々が黙々と書類を回収する作業に従事しておられました。  女川消防署も甚大な被害を受け、女川町においては三名の消防職員の方が亡くなられております。女川消防署石巻地区広域行政事務組合消防本部に属しており、現在の消防活動石巻市及び東松島市の消防支援を受けて行っているとのことでありました。  最後に訪れた漁港周辺地域では、一・二メートルほど地盤が沈下したと言われており、そのままでは満潮時には冠水するため、土砂によるかさ上げが施されているところを検分いたしました。  以上が、今回の委員派遣による調査概要であります。  最後に、今回の派遣に際して、種々の御配慮をいただきました関係者皆様、特に、調査に御協力いただきました被災地皆様には心から感謝を申し上げます。あわせて、被災地の一日も早い復旧復興を祈念いたしまして、派遣報告を終わります。  以上です。
  12. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 以上をもちまして派遣委員報告は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 吉川沙織

    吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。どうぞよろしくお願いいたします。  今般の東日本大震災対応において、消防機関の果たしている役割重要性、改めて認識をされました。この消防体制整備するのは一義的には自治体役割ではあると思います。しかし、それは、国が消防行政責任を負わなくてよいということでは決してございません。むしろ、この大震災を契機として、国を挙げて国民生命の安心、安全を守るため、国の消防行政在り方について真正面から向き合う必要があることが再確認されたと言えるのではないかと思っています。  野党時代から一貫して機会あるごとに消防予算体制充実在り方課題について質疑を行ってまいりましたが、今回もこれらの観点から質問させていただきたいと思います。  五月六日、消防庁長官名で各都道府県知事に対して「地域防災計画等に基づく防災体制緊急点検の実施について」という通知が発出されています。今回の東日本大震災による災害の特徴として津波による被害が甚大であることなどを挙げた上で、各自治体防災体制緊急点検を求めるものです。  この緊急点検を行う際の留意点の中に、津波に関する避難指示等住民への伝達体制についてという項目があり、この項目では、基準の速やかな策定、作成している場合はその見直し、そして住民への迅速かつ確実な伝達といったことを留意点としています。  しかし、この点に関しましては、昨年十一月十一日の当委員会でも質問させていただきましたが、策定方法が分からないから策定しないという団体もまだ残されているという実態がございます。国としては既にガイドラインを作成してそれを周知しているからそれで十分だという考えかもしれませんが、いま一度大臣のお考えを聞かせてください。
  14. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 消防行政に関する基本的な仕分といいますか仕組みのお話がありましたが、私は、基本的には、住民皆さんに最も大切で最も必要な防災、その中心消防がありますけれども、これはやはり市町村が担うのが適当だと思いますし、今そうなっております。市町村住民皆さんの安全のことを考えて常日ごろ消防体制防災体制をしいていただきたい。それを国は支援をする、応援をするということが基本になります。  その支援の仕方としては、財政支援もありますし、それから知識、他の自治体経験などを伝達するということもありますし、助言もあります。これが基本だろうと思います。別途、最近では国が主体性を持って、例えば緊急消防援助隊編成でありますとか国際消防援助隊など、こういうこともやっておりますが、基本的には市町村だと思います。  そういう上で、例えば津波のおそれがある場合の避難勧告等発令基準などについて今どうなっているのかといいますと、全国の市区町村でまだ三割以上のところが策定していないということもありまして、こういうのは是非市町村が主体的に取り組んでいただきたいと思うんです。  こういうのを作ってくださいと言うのは簡単なんですけれども、それをそのまま真に受けて引き写したのではほとんどその実効性がないものができ上がってしまいますから、是非主体的に自分の問題として取り組んでいただきたい。その際に、問題意識を持って、例えば分からないとか、そういうことがありましたら当然県や国が助言をいたしますけれども、まずは第一義的には市町村問題意識を持っていただくことが肝心だろうと思います。
  15. 吉川沙織

    吉川沙織君 去年の答弁とほとんど同じでございましたけれども、もちろん第一義的には自治体がやるべき仕事だと思います。でも、今回の大震災のこの大きな津波被害を受けて、国としてもう一歩踏み込んだ助言支援、そして積極的な取組を促すことは国としてもっとやるべきことではないかと思いましたので、再度質問させていただきました。  そして、今申し上げた消防庁通知では、避難指示等が確実に住民に伝わるようにすることが指摘されています。去る十二日、本委員会委員派遣女川町長からお聞きした中で、避難訓練を実施しても学校関係者以外の住民の参加はほとんど得られないというようなお話がございました。最終的には避難に対する住民意識の問題になるかもしれませんが、常日ごろから意識啓発して、実際に訓練を行っておくことが大事なことではないかと思います。  これは先ほど大臣からも御答弁いただきましたように、住民に最も身近な基礎自治体が取り組むべき課題ではありますが、国としても、例えば政府広報等でもっと避難に関する啓発を促進するですとか、また自治体が行う避難訓練について特別交付税等財政措置をするといったことも新たに検討してもいいのではないかと思いますが、御見解をお聞かせください。
  16. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 避難訓練というのは本当に重要だと思います。私も自治体の長をやっておりまして、実際にいろんな訓練をやっていたかそうでないかによって随分いざというときに初動対応が違うということを自分でも経験しておりまして、本当に避難訓練を含めた訓練というのは重要だと思います。  それは本当に自分の問題として、人から頼まれたとかお金もらえるからとかじゃなくて、本当に自分の問題として、住民皆さんのために自治体が私は取り組むべきだと思います。そのための基礎的な財源というのは既にもう普通交付税基準財政需要額の中に反映されているはずでありますので、財源的には私は問題ないと思います。  特別交付税対象になってもらえるからやります、対象にならないんならやりませんという、そういう姿勢では、私はこの種の問題というのは自治体姿勢としては良くないと考えております。ちょっと冷たいですけれども、一番肝心なのはやはり自治体問題意識だと思うものですから、こういうことをあえて申し上げている次第であります。
  17. 吉川沙織

    吉川沙織君 確かに、大臣がおっしゃいますとおり、自治体意識の問題ではあると思います。しかしながら、特に今回の東日本大震災では東北沿岸部、特に財政力の弱い自治体が甚大な被害を被っているような状況にもありますし、この日本国震災の国でもありますから、どこでどんな震災が起きるかも分かりません。そんなときに、やっぱり避難に対する啓発自治体がやるにしても国が何らかの形で後押しというものは、今財政状況が厳しい中、国としてもやれることはやった方がいいのではないかと思います。  そこで、消防費在り方について質問させていただきます。  市町村消防費に占める国の補助金の割合、改めて数字で確認をいたしますと、僅か一%程度にすぎません。年度によってもこれはそう変わるものではありません。このことに関しても野党時代からずっと取り上げてまいりました。しかし、この僅かな補助金でも、国民生命、身体を守る上では非常に大きな役割を果たしてきたはずであると思います。しかし、それすらも三位一体の改革を発端として削減され続けてきています。これで国の責任を果たしていると言えるのか、今改めて問われていると思います。  この点に関連して、片山大臣、三月二十四日の当委員会において、「今までいろんな財政改革の中でこの消防予算というのは少しずつ切り詰められてきた傾向があることはもう否めないわけですけれども、いま一度やはりこの重要性というものを再評価をして、総務省として今後この分野での予算などの充実に努めてまいりたいと思っております。」と答弁されています。  確かに、一次補正では消防防災関係予算が六百二十一億円計上されていますが、このほとんどは今般の震災災害復旧によるものであるため、今後想定される災害に備えた体制の構築を推進するためには、例えば二次補正、それから毎年度予算でしっかりと措置していく必要があると思います。その際、有するべき視点として、これまではどっちかといえばハードに偏ってきた嫌いがある防災対策ですが、ソフト事業にももっと目を向けていくべきだと思います。社会資本整備のようなハード事業ソフト事業を両輪で進めることが危機に強い国、災害に強い地域をつくると考えるからです。  昨年十一月十一日の当委員会において、ハザードマップを例にソフト事業必要性指摘し、また今避難訓練重要性についても指摘させていただきました。こういう指摘をいたしますと、今年度創設をされました地域自主戦略交付金を活用してほしい旨の答弁、最近の委員会でもありましたけれども、この地域自主戦略交付金は今のところハード事業対象ソフトには使うことができません。  今後、ソフト事業に対する国の財政支援についてどのようにお考えか、御見解をお願いします。
  18. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 消防も含めまして、その補助金一般財源化というのをかねてやってまいっております。したがって、その補助金自体としては、特にハード事業ですけれども、その額が少なくなっているということは確かであります。ただ、一般財源化をした分は、その分が地方交付税基準財政需要額の方に算入されておりますので、自治体の方でそれなりの標準的な行政を行おうと思いましたら、それはもう地方交付税で確保されているはずであります。そこのところの共通認識が必要だろうと思います。消防もそういう流れの中で今日まで変遷をしてきております。  今回の地震を経まして、私もやはり消防施設整備というのは非常に重要だと改めて認識をいたしました。御指摘のありましたように、一次補正にもかなりの額を計上しましたけれども、これは専らどちらかというと滅失したものを回復するとか、それが中心でありますので、新たな積極的な整備ということになりますと、今後の予算ということになります。特に二十四年度予算編成過程においては十分に注意をしたい、これまでとはちょっと違った見方をしたいと思っております。  その際、ソフトになりますと、先ほど一般財源化の話をしましたけれども、ソフト事業というのは総じて、個別の一つ一つの事業を取りますと額の余り大きくない事業中心であります。そうしますと、これを補助金にしますとどうしても零細補助金になりまして、かねて地方分権改革とか地域主権改革の中で整理して自治体の自主性が発揮できるようにという方向に持ってきたことと反することになってしまいますので、その辺はよく注意をしなければいけない。むしろ、ソフトの経費というのは地方交付税充実させるということの方で賄う、解決するということの方がトータルとしては賢明ではないかと思います。
  19. 吉川沙織

    吉川沙織君 今御答弁いただきましたけれども、これは昨年の委員会でも御紹介いたしましたが、このハザードマップ、これはソフトですけれども、財政面が問題になって、これも策定ができていないというような現状もありますので、もちろんハード整備も必要ですけれども、ソフトに関しても、零細だとおっしゃいましたが、これも両輪でやっていかないと危機に強い国はつくることはできませんので、是非取り組んでいただければと思います。  交付金の関連で続けますと、女川町長は、複雑かつ難しい手続のため時間的なロスが生じている状態であると指摘をされ、被災地で悪用や流用をする余裕はないから、是非一括交付金措置をしてほしいとお話をされました。女川町長指摘は、各府省がそれぞれ持っている補助金は煩雑で、災害復旧関連であれば何にでも使える交付金を創設してほしいという趣旨であったものと私は理解をしております。  先ほど申し上げました地域自主戦略交付金の要綱は、予算の移替え等制度の基本的枠組みを定める制度要綱と、補助金等適正化法に基づく手続等を定める各府省の交付要綱から構成されています。従来の補助金よりは使い勝手が良くなっていますが、各府省の縦割りの側面、全て払拭されているとは言い難いと思います。各府省の交付要綱も分厚いもので百ページ以上ありましたけれども、これを逐一参照しなければならない地域自主戦略交付金のスキームでは、女川町長や各被災地の長の要望におこたえすることはできません。  要は、限りなく一般財源に近い新しい交付金の創設を求めていることだと理解しますが、御見解をお願いします。
  20. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはもうかねて被災地皆さんから、国の縦割りの補助金ではなくて、復興に当たっては自主性の発揮できる自由度の高い一括交付金のようなものないしは基金を設置してもらいたいということを伺っております。私もかつて被災をした県で行政復興に当たりましたときに、各省の縦割りの補助金を一つ一つもらいに行って決定を受けてということに支障を感じたことを覚えておりますので、被災地皆さんの今次の要望というのは非常によく分かります。  これはもう復興構想会議でも一つの検討課題として取り上げられておりますから、そこでも検討が進められると思いますけれども、別途政府におきましても、この問題の必要性を私も感じておりますので、関係方面と検討を始めたい、一部省内ではもう検討を始めておりますけれども、検討を始めたいと思っております。  なかなか一朝一夕にはでき上がらないんではないかという、非常な難しさがあるということを現実の問題としては私も認識しておりますけれども、できる限りこれが実現するように努力をしたいと考えております。
  21. 吉川沙織

    吉川沙織君 五月二日の閣議後の記者会見で、総務大臣、今おっしゃった旨のこと、そして、それは早く進めていかなければならないと閣議後の記者会見概要を拝見しましたら載っておりましたので、是非、大臣主導、政治主導でやっていただきたいと思います。  次に、四月十三日の災害対策特別委員会において、被災した自治体防災行政無線について、故障状況を把握すること、これをいち早く復旧すること、その際に国費を投じることの必要性について指摘申し上げました。この質疑から一か月以上経過していますが、現在の防災行政無線の状況について、消防庁長官、お願いします。
  22. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 今回の震災によります市町村防災行政無線の被害状況でございますが、その多く、ほとんどが津波による流失でありますとか津波による水没によるものでございまして、私どもの調査によりますと、現時点で東北、関東地方の六十六の市町村被害が出ているという状況でございます。
  23. 吉川沙織

    吉川沙織君 第一次補正予算には、消防防災災害復旧補助金として計二百八十一億円が計上されています。大臣は五月十日の本委員会において、「今回の一次補正の中に、この防災無線、市町村防災行政無線に充てられる財源として、補助金として七十億円を計上しております。市町村には是非これを積極的に活用して、できるだけ早期に整備なり回復なりを図っていただきたいと願っております。」と答弁されています。この答弁から推測するに、約二百八十億円のうち七十億円が防災行政無線の復旧に充てられることになるのか、また、自治体ごとの交付限度額や、事業ごとに枠があるのかないのかについて、長官、お願いします。
  24. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 御指摘のように、二百八十一億円、これは二つに分かれまして、一つは消防防災施設災害復旧補助金、そしてもう一つは消防防災設備のものでございまして、今御指摘ございました七十億円というのは、この二つの補助金を足した二百八十一億円の内数としてまたがって、私どもの調査では七十億円ほどがあるだろうというので内に計上しているというつもりでございます。  使い勝手がいいということのために、その対象となりますような事業、これは全体の話をまずさせていただきますと、広範なメニューを用意しております。消防庁舎とか自動車とか、あるいは防災行政無線だとか消防救急無線だとか、およそ消防防災関係施設設備災害復旧にこれは措置しなきゃいけないと考えているものにはこの予算が使えるというふうにしておりますし、また自治体でありますとか事業ごとに限度を設けるということもやっておりません。
  25. 吉川沙織

    吉川沙織君 今、防災行政無線や消防救急無線、庁舎、それから車、いろんなものに使えるというお話がありましたが、関連して、防災行政無線の続きをお伺いします。  この補助金対象となる防災行政無線の整備事業は、今長官答弁いただきましたように、故障したものを復旧するための経費を措置するものにとどまらず、例えば四月十三日の災害特で、防災行政無線の戸別受信機の重要性指摘させていただいて、そのとき消防庁からは「非常に地域のニーズによっては有効な手段であるというふうに考えております。今回の復旧に当たりましては、こういった地域のニーズに応じた無線の整備ということも考えてまいりたいというふうに思っておりまして、最大限必要な支援を講じるように補正予算で検討してまいりたいというふうに考えております。」との答弁がありました。  このときの答弁を踏まえれば、防災行政無線、壊れたものを新しく直すことに加えて、こういった貸与事業にも使えるのかどうか、お伺いします。
  26. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 一般的にはこうした投資的経費に使うようなものというのは新しいものに使うということになりますけれども、今回の災害復旧関連の補助金につきましては修繕に充てるということも可能にしておりますし、また、補正予算が成立をいたしました五月二日が当然施行ということになりますけれども、三月十一日に遡って適用をして、三月十一日以降に壊れたものを整備をしていくといって既に五月二日までに復旧しているというものにも遡って充当できるというふうなものに今回の要綱ではいたしております。
  27. 吉川沙織

    吉川沙織君 ですから、防災行政無線の戸別受信機の貸与事業にも使えるという解釈でよろしいですね。
  28. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) それがどこかの会社からお借りをされたというものは駄目ですけれども、購入されたようなものであれば当然適用されます。
  29. 吉川沙織

    吉川沙織君 これは活用できる、そしてその範囲が今先ほどの答弁でもいろんな広範な事業で使えるとありましたが、このことが当該自治体消防関係者に伝わっていなければ、なかなかこれを活用していただくことは被災地状況を鑑みますと難しいと思います。このことについてはもう説明は終わっていますでしょうか。
  30. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 補助金の交付要綱につきましては、去る五月二日、予算成立と同時に、都道府県を通じまして全ての地方公共団体に対して連絡済みとなってございます。
  31. 吉川沙織

    吉川沙織君 また、総務省及び消防庁のウエブページを拝見いたしますと、これだけ広範な事業、そして柔軟な運用ができるにもかかわりませず、こういった内容を広く国民皆様消防行政に対するスタンスを明らかにするためには、今答弁いただいたような制度概要を掲載して情報公開するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  32. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) その方向で検討をしております。できるだけ早くホームページに載せたいと思っております。
  33. 吉川沙織

    吉川沙織君 是非早急に対応をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。  先ほど大臣の御答弁の中で緊急消防援助隊について触れられた部分がありましたので、最後、このことについてお伺いしたいと思います。  今回の震災対応における緊急消防援助隊の活躍には多くの国民皆さんが感謝し、敬意を表していることと思います。五月十二日時点で派遣人員数は約二万八千四百人であり、全消防職員のおよそ六人に一人が被災地に向かった計算になります。この緊急消防援助隊の献身的な消火・救助・救急活動により、多くの人命が救助されました。  緊急消防援助隊は、今年の四月一日現在で四千三百五十四部隊登録されており、国の計画では平成二十五年度末でおおよそ四千五百部隊規模とすることを目標としています。この部隊数については近年登録が進んで目標数に随分近づいてきていますが、装備の面ではどうかというところを疑問に思いました。長期間の活動を想定する場合、各部隊の活動に必要な輸送や補給を行う後方支援部隊の重要性というものが非常に高まってまいります。後方支援用の装備等については通常の災害で使用しないことが多いものがあるため、整備が遅れがちな側面があります。  緊急消防援助隊設備整備費補助金は、大規模災害において、消防庁長官の指示等に基づき出動する体制を確保するために、国として計画的に整備するため不可欠な義務的経費でありますが、大体使われている使われ先というのは、救助消防ヘリ、特殊消防ポンプ車、救助工作車が中心で、後方支援部隊用の支援車等にはなかなか補助金が振り向けられていないという現状があります。  今後想定される大規模震災に備える観点から、後方支援部隊用の支援車等の設備についてもっと推進すべきではないかと考えますが、いかがですか。
  34. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 緊急消防援助隊関係での私ども国として支援をするという方法には二つございまして、一つは二分の一、予算の範囲内ということではございますけれども、二分の一の結構高い補助率による義務的な補助という制度と、もう一つは無償貸付けを行うという制度と二つございまして、いずれにいたしましても、私ども、その必要な金額、補助金の金額というのを確保しようというふうに努力しております。  ただ、いろんな制約もございまして、思ったとおりになっているというわけではございませんが、御指摘がございましたような形でメニューも増やしていって、そして補助金の質、内容ともに充実させていきたいと考えております。
  35. 吉川沙織

    吉川沙織君 平成十八年度から消防庁のウエブページでチェックできる限り報道資料を見て、消防防災施設整備補助金の交付決定、何に振り向けられているか拝見しますと、やはり今申し上げたようなヘリだとか自動車とかばっかりで、支援車、後方部隊用、長期間の後方支援をするための支援車はなかなかやっぱり補助金が振り向けられていませんので、是非、長官、平成二十三年度はまだ発表されていないようですけれども、前向きに対応していただければと思います。  この今述べた事柄を実現するためには、緊急消防援助隊整備補助金充実が不可欠であります。野党時代から一貫して消防予算体制充実を求め続けてまいりました立場からちょっと差し上げにくい質問ですが、この補助金については、残念ながら事業仕分において議論の俎上とされてしまいました。  昨年十一月二十六日の事業仕分第三弾では、平成二十一年十一月の事業仕分第一弾で一〇%削減とされたことが守られていない、法改正してでも補助率を引き下げて目的を達成すべしなどといった意見が相次ぎ、政策目的や自治体財政の現状は脇に置かれ、一〇%削減すること自体が目的とされ、削減目標に達していないことが問題視をされてしまいました。その事業仕分第一弾で一〇%削減されたのも、私、個人的には財務省のミスリードがあったのではないかと思いますが、この第一弾の評価結果について、大臣、御見解をお願いいたします。
  36. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは私、当時外におりましたので直接伺ったわけではありませんが、というか、正確に言いますと行政刷新会議の方におりましたので別の立場から見ていたんですけれども、この消防をめぐる議論というのは、推測しますに、考え方の違いがやはりぶつかり合った面があると思います。  消防というのは、日常、住民皆さんのために地域で消火をする、救急をするということですから、短期間で身近なところで仕事をするということであります。緊急消防援助隊、まして国際消防援助隊になりますと、ある程度の期間を置いて地域外で活動をするということになりまして、消防のミッションというのは何だろうかという、やはりそのミッションの相克があったんだろうと思います。  その上で、消防というのは本来の古典的な、やはり地域に密着した業務に専念すべきではないかという議論の方がそのときは勝っていたのではないか。しかし、今日、こうやって見ますと、消防の別の観点がやはりクローズアップされると、こういうことだろうと思います。
  37. 吉川沙織

    吉川沙織君 当時と今、大臣お立場違いますし、最近の委員会質疑答弁拝聴をしておりますと、本当に消防予算充実していかなければならないという姿勢、前面に出ていらっしゃいますので、是非、大臣、リーダーシップを取ってやっていただきたいと思います。  消防予算につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、これまでも申し上げてきましたとおり、三位一体の改革を発端として削減され続けてまいりました。消防費の割合もいかにも少額です。  これら消防予算については、災害や事案が発生してから補正予算で措置されることがこれまでもたくさんございました。二年前の北朝鮮の弾道ミサイルの発射事案のときも、Jアラート整備されていないから、結局どこでも使われることありませんでした。その後、麻生政権の最後で百億以上の予算が付いて整備が推進された。今回の東日本の大震災があって補正でたくさんお金が付いた。  これから来るかもしれない災害に備えていま一度、一義的には自治体がやるべき仕事ですけど、国が国民の命と財産、暮らしを守るためにやっていかなければならない消防行政在り方をいま一度改めて真正面から向き合う必要を申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  38. 山本順三

    山本順三君 自由民主党、山本順三でございます。  先般、女川石巻へ参りまして、その状況を見まして、改めて身の毛がよだつような、そんな思いがしてまいりました。ちょうど私は四月の四日の日に宮城県の仙台の若林地区であったり、あるいはまた名取とか亘理とか、言わば一次産業を中心にした、田畑が津波にのみ込まれて、その中に瓦れきが散乱するという状況を見て、息をのむ思いがしましたけれども、もうそれから約一か月たって、今度はまた女川であったり石巻であったり、ビルが倒壊する、その瓦れきがいまだに多く残っているような状況を見まして、本当に国会議員としてやるべきことをきっちりやっていかなければならないなということを改めて感じました。  ちょうど藤末団長の下で、女川町長との話合いの場を持つことができまして、町長がまさに命懸けで、命懸けでこの我々のふるさとを守ろうとする、そういう気概というものを我々感じることができました。団長の下で、その町長の様々な話の内容というものをしっかり国につないでいこうというような話になりましたので、今日は私見を述べるというよりも、その町長のいろんな意見なりあるいは要望なり、その辺りを中心お話をさせていただきたいと思います。  その前に、質問通告しておりませんけれども、政府の一員として大臣にお答えいただきたいと思うんでありますけれども、そういう現場の状況です。国に対して様々な要望がこれからも新たに出てくるんだろうと思うんですね。そんなときに、今日も新聞に載っておりましたけれども、やれ六月の二十二日の会期末には国会閉じるんだというような話ばっかりが政府筋から流れてくる。これは、恐らく被災地皆さん方にとったらこれほど悲しい話はないんだろうというふうに思うんですね。我々は寸分を惜しんで本当に一生懸命頑張っていかなければならない。そういう議論をしていくときに、いつ閉めるんだ、そんな議論が出ているということ自体、私はもう不見識極まりないというふうに思っていますが、これ、政府の一員である片山大臣の感想をまず聞かせてもらってから質問に入りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  39. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 被災地の視点に立ちますと、やるべき課題は早く処理をした方がいいと私も思います。それは、財政面の支援もそうでありますし、それから法制面の支援もそうだろうと思います。それは基本的な考え方であります。  あと、国会をどうするというのは、政府全体といいますか、与党を含めた、国会含めた議論で決まるんだろうと思いますから、私の方からどうすべきだということは申し上げかねますけれども、仮に、仮に例えば臨時国会を開くということになりました際にも、必要なことは早めに検討しておくということが必要だろうと思います。予算編成をいつするかというのは、それはそれなりに決まってくるんだろうと思いますけれども、重要な事柄はそのスケジュールよりも前に前倒しで中身を検討しておくということ、こういう準備をしておくことが必要だろうと思っておりまして、私が所掌する分野につきましてはそういうつもりで今臨んでいるところであります。
  40. 山本順三

    山本順三君 被災された県のリーダーとしていろんな思いがあったと思うんですね。ですから、そういったこともしっかりと政府内で発言していただいて、そして、よしんば政局にこれがなるような、そんなばかげた話にならないように、大臣のまたリーダーシップを大いに期待しておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、まず女川町長の話の中で印象に残りましたのは、先ほど吉川議員からもお話がありました一括交付金の話が出ました。  これは、我々自由民主党の立場としては、今回の拙速な一括交付金に対しては反対をいたしました。だって、いろいろ考えてみたらそうなんですよね。何かしら総額が抑えられるというような話がずっと蔓延してみたり、あるいは現実にどういう判断基準、客観基準をもってこの一括交付金が交付されるのかということが、あの議論の最中、衆議院の予算委員会でもいろんな議論になりましたけれども、そういったことも決まらずに一体これを出していいのかどうかということもありました。  そしてまた、五千億余りでありましたか、五千百億余りでありましたか、そういった中で、さはさりながら継続事業が重要だよね、そうしたら、せいぜい一割ぐらいがこの対象のものになるのかな、そういうことをいろいろ考えておりましたときに、これは今現段階で、民主党のコンクリートから人へじゃないですけれども、言葉の独り歩きじゃないかと。もっと地道にちゃんとした制度設計をやって、そしてスタートするならば我々も反対する立場ではなかったわけでありますけれども、そこの問題点がたくさん出てきたわけであります。  恐らく、今に至って客観基準、明確にこれだということがまだまだ確定していないように私は思いますけれども、そんな中で、先ほどのお話のとおり、今回復興のためにいろんな財源措置あるんだけれども、複雑であったり、あるいはまた難しい手続があったりするものだから、そう簡単に対応できないんだよと、時間のロスがあるんだよというその女川町長の話というものは、これはやはり我々も謙虚に耳を傾けていかなければならないんだろうと、こんなに思っているところであります。  そういった中で、ある意味では自治体に裁量があって、自主性を持って取り組むことのできるような財政支援、これを災害対応一括交付金として扱うことができるその新制度の設計ということになるんだろうと思いますけれども、今ほどお話がありまして、一朝一夕ではなかなか難しいけれども検討を始めたというような今大臣答弁ありましたけれども、具体的に今の大臣のイメージとしてどういうふうな一括交付金の形になる可能性があるんだろうか、それをいつまでにやるんだろうか。一朝一夕、難しいといったって被災地は動いていますから、いつまでも待つわけにいかない。今が極めて大事な時期だという、そういう観点から、いま一度その点についてお伺いしたいと思います。
  41. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 時期でいいますと、私はこれは早い方がいいと考えております。選択肢としては、例えば従来型の各省の縦割りの事業系列で補助金を出すと、その補助率を高くするかどうかというこういう議論が一つの選択肢だろうと思いますが、それとは違った新しい試みとして、今おっしゃったような地元から要望の出ております一括交付金をつくるということになりますと、もうがらっと変わってきますので、自治体のこれからの行動の予測を容易に付けてもらうためにも早く決めた方がいいだろうと思っております。したがって、予算編成をいつやるかということともちろん関係はしますけれども、それはそれとして、この種の問題というのは早く検討を始めた方がいいと考えて一部着手しているところであります。  どんなイメージかといいますと、私は、自分被災地の知事として体験したことを踏まえて、二つポイントがあると思います。  一つは、各省の縦割りの中で事業を決定してもらうのは本当に難儀なことでありまして、いろんなところに足を運んでそのために労力を取られるという煩わしさの問題がありますので、この煩わしさが解消できるという、そういう利点を私はイメージ、一つしております。  それからもう一つは、優先順位というのが地元にあるわけであります。その優先順位というのは霞が関のレベルでいいますと、各省またがった事業間の中での優先順位というものがあるわけでありまして、ともすれば補助金というのは一つの事業地域での優先順位を国が決めるわけですけれども、そうじゃなくて、一つの地域でどの事業を優先させるかという主体性の問題がありまして、一括化されるとその主体性が地域で発揮できるということになります。これは非常に意義があると思います。  あと、総額を決めるのが非常に難しい。自治体単位の総額を決めるのが難しい。ここが容易でないといったことの一つのポイントでありますけれども、これは既存の従来型の補助制度を活用しても相当の額が必要となるわけでありますから、そういうものをにらみながら発想を変えていくという、そういう頭の切替えができるかどうか、ここが一番のポイントだろうと思います。
  42. 山本順三

    山本順三君 早い方がよい、まさにそのとおりでありまして、今のような話をどう煮詰めていくかということは、実は一括交付金の将来の在り方にかかわってくるんだろうと思う。復興に向けての一括交付金というものが新たに創設されるとするならば、前回、皆さん方が出したような極めて中途半端な一括交付金とは違った新しい形ができると思いますから、是非その流れを築くという意味においても早い段階でそのような対応がされますように期待申し上げます。  ただ、さはさりながら、やはり早計な形での制度設計というのは、これまた将来に禍根を残す危険性もあります。そうなってくると、一括交付金もいいのでありますけれども、一番地元が喜ぶ、あるいは使い勝手のいいというのは、これは特交だろうと思うんですよ。  大臣は、特別交付金というのはより透明性を保つという意味で縮小していく方がいいというお考えであるということをずっと聞き及びましたけれども、私どもは、これからのこういう状況の中でいつどこでどういう災害が起こるかも分からない、そういったときにやはり特別交付税というものをしっかりと確保しておくことが極めて重要だろうと思うし、今回なんかはそういった特交というものを最大限に活用できるようなそういう体制をつくっておく方がはるかに対応は早いんだろうと思いますが、その辺に対しての考えをお聞かせください。
  43. 片山善博

    国務大臣片山善博君) おっしゃるとおりでありまして、自治体からしますと、どういう財源を付与されるのかということの選択肢の中では特別交付税は一番いいと思います。  ただ、特別交付税で全てをカバーするということになりますと巨額の特別交付税が必要になりまして、これは地方財政の仕組みの中でなかなか難しいと思います。といいますのは、地方交付税という全国の自治体をカバーする財源の中の六%、これを五にする、四にする、いや、六に置いておこうというのが先般の議論だったわけでありますけれども、いずれにしても、六%でありますからそんなに大きくはない。今回、千二百億円の増額を一次補正でしていただきましたけれども、これも千二百億円でありますから被災地の全ての需要を賄うわけにはいかないわけで、それは別途の国庫補助金一括交付金か何かの手当てがある。それを補完するという意味で、特別交付税が重要な役割を果たすということだと思います。  そういう位置付けの中で特別交付税の額をできるだけ確保したいと考えておりますし、それを自治体の、被災地の実情に応じて適切な配分を心掛けたいと思っております。  あと、ついででありますけれども、私が特別交付税について総額の問題なんかを問題視しましたのは、どうしても普通交付税に比べましてルール性が希薄になります。透明性が希薄になる可能性があります。そういう透明性の低いものはやはりできるだけ縮小した方がいいのではないか、できるだけ客観化した方がいいのではないかというのが別途一般的な財政の原則としてありまして、そのことを被災前は強調していたわけでありますけれども、こんな大震災がありますと、そこの一般的な理念と、それから現実の必要性の問題との兼ね合いをどこでバランスさせるかということだろうと思います。
  44. 山本順三

    山本順三君 少なくとも、一括交付金という制度を新たにつくる。そのときに、特交の言わば制度といいましょうか、そういったものも十二分に配慮しながら、いかに使いやすい、それも迅速に対応できる、そういう予算を今被災地は求めているということについての判断を早くにしていただきたいと、このように思うところであります。  それから、もう一つ驚いたのは、やっぱり瓦れきでした。先ほど申し上げた仙台の若林地区辺りの、ああいう、畑の中に、田んぼの中に瓦れきがというのとはまた違った印象で、町自体がもう瓦れきになっているようなそういう状況の中から立ち上がるというのは本当に苦労するんだなということを如実に感じましたけれども、この瓦れきの処理が始まらない限りはもう何も始まらないだろうと。多くのトラックが行き交う中で、それでもこれ当分掛かるだろうなということをつくづくと思いました。  一次仮置場があり、また今度二次仮置場に移して、分別して対応していくということも必要なんでしょうけれども、女川町長の言葉を借りるならば、できるだけ地元の業者の皆さん方に大いに活躍してもらいたい、でも地元だけではとても無理だろうね、ゼネコンもその力も借りて対応していかなければならないということもおっしゃっておりましたし、一方では、さはさりながら自治体が細かく対応していく。例えば鉄くず、これは売却することができるよと、あるいはコンクリート、これについてはリサイクルすることができるよと、そういったきめの細かい対応というものも、これまた併せて重要である。  その辺りを調整していくのが極めて難しいんだろうと思いますけれども、自治体の創意工夫がこの瓦れきの処理で生かせる、そういうきめ細かい対応、これが配慮されるべきだと思っておりますけれども、今の状況なり見解を、環境省、お越しでありましょうから、お聞かせいただきたいと思います。
  45. 近藤昭一

    ○副大臣(近藤昭一君) 環境大臣の近藤でございます。  御質問をいただきまして、また山本委員におかれましても現地へ行かれ状況調査いただき、また関係の部局からお話を聞いていただいていると思います。御承知のとおり、宮城県では年間のごみ発生量の約二十年分だと、また岩手県では十年分以上と、こういった調査がなされているわけであります。  そういった中で、やはり地元のことを一番よく知っている、また廃棄物行政の中で窓口となっている自治体にまずやってもらうと。ただ一方で、大量な瓦れきであります。国としても、積極的にしっかりと速やかに進めていくためにかかわっていく必要はあると、こういうふうに考えています。スピードも重要でありますし、そういう中で自治体からも要請が来ているので、政府としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  そういう中で、宮城県知事からは、県内の災害廃棄物処理については、二次仮置場までの集積は県と市町村で行い、それ以後の焼却、粉砕、埋立てなどの処理は国で実施してほしいと、こういう要望も受けております。また、実は私、昨日岩手県の方にも視察に参りまして、達増岩手県知事とも話合いを持たせていただきました。そういう中から、やはり広域的な処理の問題、あるいは今、山本委員も言及されましたリサイクル等々の問題、こうした課題について積極的に国のかかわりの要請を受けたところであります。こうした要望を受けて、環境省としても積極的に支援考えさせていただいているところであります。  また、今御言及もありましたリサイクルについて、これは何せ大量のいわゆる瓦れきが発生しているわけであります。なかなか埋立てをする、最終的に処分をする、こうしたところも非常に不足をしている状況の中では、しっかりとした途中の段階における分別、またそういう中でリサイクルできるものはしっかりリサイクルをしていく。木くずを木質ボードとして再利用する、コンクリートを埋立材として利用する、こうしたこと、そして今委員も御言及なされましたように、そういう中で自治体が大変に創意工夫をされておられるところであります。そうしたことも国も連携させていただいて、自治体の創意工夫が生きる、こういう形で処理をしていきたい。  そういう中で、昨日、東日本大震災にかかわる災害廃棄物の処理指針、マスタープランを作成して公表をさせていただいたところであります。  いずれにいたしましても、様々な方法で自治体と連携をしながら、このいわゆる瓦れきの処理については進めてまいりたいと思います。
  46. 山本順三

    山本順三君 是非よろしくお願いします。  特に、先般の予算委員会で我が党の川口委員からお話ありました放射性物質に汚染された瓦れき対応、これについてはまだ法的根拠がないという話で、それに対して総理から余りまともな返事が返ってこなかった。しっかり環境省でそのことについても議論ができるように、対応ができるように、その対策方、くれぐれもよろしくお願いします。  最後になりましたけれども、現地へ行きまして、例えば住むところはやっぱり高台の方がいいよね、しかしながら一方では、漁業中心とする町で、その町に住む漁民が高台に行って通勤するという、それが果たして歴史や文化や伝統に本当に当てはまるのかどうか。やはり現地には現地なりの、言わば夢もあれば、一方では乗り越えなければならない壁もある。  そういう状況の中で、復興会議という総理の私的諮問機関ができましたけれども、遅いんですよ。現地はもう、女川町にしても、新しい復興計画立てようとしている。そのときに、例えば、一方的にいや住むのは高台だよというふうに規定をしたところで、それはやはり、先ほど言ったようなその地域地域の実情に合わせた形で対応していかなければならないし、よしんば高台にといっても、もう高台がないというところはたくさんあるわけですね。そうしたら、災害と言わば共存すると言ったらおかしいんでありますけれども、減災ということを前提にした議論もしていかなければならない。そのためには一体どうしていったらいいのか。こんなことを、復興会議の答申待っていたら対応できないよというような状況があります。  是非、地方の声を早くに集約してそれを今後の復興計画の基にしていく、その中心が私は総務省だろうと思っていますから、そのことについてこれから大いに対応していただきたい。  時間が参りましたので、もう答弁は求めません。やめます。  以上であります。
  47. 西田昌司

    西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  今日は政治と金ではなくて、公務員の給与の問題についてお聞きしたいんです。先日、国家公務員の給与を一〇%削減するというお話が報道されました。まず、このことについての目的、何のためにされるのか、そのことについて大臣から御説明いただきたいと思います。
  48. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 本来、国家公務員の給与というのは、労働基本権の制約の代償として人事院があり、それに基づいた制度ができておりますが、今般、それとは異なる形で給与の切下げをしようと思いましたのは、それは昨年の人事院勧告の処理をする過程でも明らかにしたわけでありますけれども、現下の我が国の非常に厳しい財政事情というものをやはり考慮する必要があるということ、これは人事院の勧告にはその財政事情の考慮というのは基本的にはありませんので、それは別途政府としてやはり考える必要があるだろうということ。  それからもう一つは、これは余り科学的ではありませんけれども、国民感情といいますか、これはいろんな要素がありますけれども、非常に財政が厳しいときに公務員の給料がそのままでいいのかというようなことも含めて、そういう国民感情がある、それにもやはり何らかの答えを出す必要があるだろうと、こういうことがありまして、その段階で、十一月の段階で、人事院勧告、当時の人事院勧告の処理に加えて別途検討を加えて次期通常国会、今の国会でありますけれども、この国会に給与の深掘りについての必要な法案を提出するという方針をその段階で決めたわけであります。
  49. 西田昌司

    西田昌司君 今、財政事情が国が悪いと、それから国民感情を考慮してということですけれども、それはそれでそれなりに分かるんです。分かるんですが、政治はそういう形で動いていいものかということなんです、私が言いたいのは。  まず、人事院の総裁の方に来ていただいていると思うんですけれども、今大臣がおっしゃいましたように、本来、公務員の給料は、労働基本権が制約されているということとセットになってこの人事院制度になっているんですね。そこを通り越えてやるということ自体、これ違法行為じゃないかと思うんですよ。そして、公務員の給料を守るのが人事院の仕事ですから、これは同意すべきじゃないし、これは明確に反対のやっぱり意思表示してもらわないと、制度的におかしいと思うんですが、いかがでしょう。
  50. 江利川毅

    政府特別補佐人(江利川毅君) 人事院の勧告制度は二つの側面を持っていると思っております。一つは、今先生おっしゃいましたように、労働基本権が制約されていますので、その代償機能としての勧告であります。もう一つは、憲法七十三条になるんですが、公務員の勤務条件は法律で定めることになっております。国会でそれを議論するときに、その議論に資するように人事院が調べたものを国会に報告したり勧告したりすると。同じ勧告が二つの側面を持っているわけでございます。  一方、公務員は、基本権は制約されているといいましても、団結権とか団体交渉権は持っているわけであります。そういう意味で、交渉の中で、労使の交渉が行われること自身をこれは否定されるものではないというふうに思います。  それから、政府の方では政府のお立場でお考えを発表されておりますが、労働組合の中には逆に給料引き上げろというところもあるわけでございまして、そこと話合いをするわけでありますから、これからどういうふうな展開をするかはこれからの推移を見なければならないわけでございます。  人事院としましては、民間の給与実態調査を把握して、民間に準拠して公務員給与はこうあるべきだということを勧告するのが役割でございますので、この法律に基づきましてそういう実態を調査し、しかるべく勧告を内閣や国会の方にお出ししていきたいというふうに思っております。
  51. 西田昌司

    西田昌司君 今、要するに人事院の制度というのは労働基本権のその補完するために、担保するためにやっているということと、法律に基づいて公務員の給料は決めるとおっしゃっているんですけれども、今その法律の制度に乗らない形でやるということ自体がおかしいんです。  私は、民主党のこの政権の危うさというのは全てそういうところに集約されていまして、要は法律に基づかなくて行政権だけで何でもやっちゃうわけですよ。あの浜岡原子力発電所の話もそうなんです。そういうことも含め、全部、一見すると、浜岡の話でも国民的感情からするといいようなことに思われるかもしれません。そしてまた、今財政が厳しかったらその分を公務員がちょっと我慢してやるというのは、国民感情的にはいいことに思われるのかもしれないけれども、これは全く駄目だと思いますよ。  というのはなぜかというと、一つは私はこの法律の制度の問題であると同時に、もう片っ方、実は午前中の財金委員会でずっと言っていたんですけれども、要は今の日本の一番の問題は、この三・一一の大震災がないとすればデフレなんですよ。デフレで財政状態が悪くなっているんです。景気とデフレの、これをどう改善するかなんですね。そのことが全く頭から抜け落ちているんですよ。  もしこの給料を下げるとどういうことになるかと。私は、国会議員の給料、歳費削減も、実は私一人だけ反対したんです。それはなぜ反対したかというのは、このことになるからなんですよ。つまり、公務員給与を次は削減する話になるだろう、そして、国家公務員が行くと次、地方公務員ですよ。そしてそうなってくると、全部の、民間給与も含めて、下振れの方向に引っ張るんですよ。給料を減らしていくとどうなるか。給料を減らすと、当然のことながら消費は減ります。消費が減るとGDPが減ってくる。  それだけじゃないんですよ。もう一つ大きな問題は、個人の所得が減ってくると、銀行に預けている要するに預金の金額が減ってくるんですよ。銀行に預けている預金の金額が減るとどういうことになるか。今、国債がGDPの倍ぐらいにあると言われていますが、その国債自体が支えているのは、全てこれ元になっているのは個人の預金なんですよ。それと企業の剰余金です。その中でも一番大宗はやっぱり個人の預金なんですよ。これがどんどん取り出していくとどうなりますか。これ国債自身が実はもたなくなるんです。  だから、そういうマクロの経済を考えてみると、一見すると公務員の給料を減らしていくというのは国民受けするかもしれないけれども、これはそのままどんどん広がってくると、まさにデフレそのものになるんですよ。だからここはしっかりとして、そういう感情論はあっても、大きなマクロ政策考えたときに、政治の一番の仕事というのはそれですからね、そこをしっかり整理して、またそういうことを説明するのが大臣の仕事じゃないですか。特に大臣は公務員を守るのが仕事じゃないですか。  もう一度この政策についてお答えいただきたいんですけれども、要は何のためにするかといえば財政の問題と国民感情だといって、これ行政的には目的何もないんですよ。おかしいですよ、これは。もう一度御答弁ください。
  52. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私、民主党に属しておりませんのであえて民主党を擁護するつもりはありませんけれども、何でもこの政権は法律にのっとらないで行政権でやってしまう癖があるとおっしゃいましたけれども、この問題は、例えば交渉が何らかの結論を見まして給与を実際に引き下げようとしますと、当然国会にその法案を出して審議をいただいて国会で議決を得るわけでありますから、行政権が乱暴にやるというわけではなくて、最終的には国会の承認によって決まるということでありますから、手続はちゃんと踏みます。  それから、民主党政権はこんな乱暴なことをするんじゃないかと、こうおっしゃいましたけれども、あえて申しますと、私が鳥取県の知事のときに、民主党政権ではありませんでしたけど、五%カットを同じようなことでやりまして、したがって、これは党派に関係なく必要なときにはやらざるを得ないということだと思います。  それから、デフレの要因になるんではないかというのは、それは私はおっしゃる面はあると思います。当然国の歳出をその分を減らせば、公務員給与も減らせば、当然それは民間消費といいますか、公務員を含めたところから、公務員から発するその消費を減らすことになりますから、そういう景気に対しては下に押すという要因は当然その部分については出てくると思います。  ただ、恐らくこの給与の引下げをしますとその財源は今次の復興財源に充当されるはずでありますから、別の形で国庫から出ていく、国の歳出として出ていくということになりますので、まあその出ていき方にもよりますけれども、政府の固定資本形成でありますとか政府の消費支出でありますとか、そういうことを通じて、国の経済にはその部分については上向きの要因になるはずでありますから、トータルとしてこのマクロ経済に及ぼす影響というのは把握する必要があるだろうと思います。
  53. 西田昌司

    西田昌司君 まず、ちょっともう一遍確認させていただきますが、これ我々にとっては唐突にこの十三日に出た気がするんですけれども、今言いましたようにいろんな問題点を私は言いましたけれども、そういうことをまず閣内でこれ議論されてるんですか、こういうことやるとデフレになったりしますよということを。  それからもう一つは、今国家公務員ですけれども、地方公務員まで恐らくこれ行きますよね。そのことについてとか、そういう議論はされてなかったんですか。これ、もう一度その辺を御説明ください。
  54. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 唐突とおっしゃいましたけれども、これは決して唐突ではなくて、国会でも昨年のもう私が大臣になりましてからこの問題はいろんな委員会でも本会議でも議論をしたはずであります。もちろん、閣内それから関係閣僚会議でこの問題については今日まで度々議論をしておりまして、その中でマクロ経済に及ぼす影響というのも当然懸念が出てきたりしたこともありますし、それから地方公務員との関係についてもこれはかなり詰めた議論をしてきております。  具体的には、私どもが決めますのは国家公務員の給与でありまして、地方公務員の給与は地方公務員法に基づいて所定の手続を経て地方自治体の議会の条例で決めるということになっておりますので、総務大臣にも決定権はありません。それは、もちろん国家公務員の給与水準というものは地方公務員の給与、それぞれの自治体が決める場合の参酌すべき要素の一つでありますから、そういうものを参酌しながら別途自治体が決めるということで、そういう関連はありますけれども、直接国家公務員がこうなったから地方公務員も一律こうしろというものではないという整理をしております。
  55. 西田昌司

    西田昌司君 それじゃ、これ一〇%削減するとして、それはいつまでやるわけですか。ずっと継続でやられるわけですか。
  56. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今組合に提示しておりますのは、二十五年度までの三年度間、二十三年度から始めると三年度間ということで組合には提示をしております。
  57. 西田昌司

    西田昌司君 三年度といえば結構長いですよ、そもそも。  それで、私は三年度というのはちょっとびっくりしましたけれども、要は、結局いずれにしましても、継続的じゃなくて短期的な話でしていくという話で、その間の財源だとおっしゃるんだけれども、財源問題は本来別じゃないですか。本来は財源は税でやるべきなんです。そして、税でやるべきなんですが、要するに国民の負担でやるべきなんですよ、これは。ところが、今現在税を上げられる状況じゃないと。  やはりデフレという、先ほどから申しましたように、これはもうこの十数年一番大きな問題はデフレなんですよ。だから、デフレを直そうと思うとある程度経済のパイを大きくしなければならない。経済のパイを大きくしようと思って、今まで民間の方にお金を回していけばその分国内で投資していただけるんじゃないだろうかという政策が自民党のときからも含めてずっとされてきたんです。しかし、結果どうなったかといえば、その結果民間は投資しなかったんですよ。投資しなかったために経済が大きくならないから税収はどんどん減る一方、減る一方の税金を補填するために結局は赤字国債を出さざるを得ないというこの悪循環にずっと入ってきたわけですね。  そして、それだけ赤字国債を出していても、結局この日本の経済の中で金利はどんどん低い。本当でしたら、もし日本の経済が赤字国債が本当にひどいんだというんだったら、もっととっくに金利上がるんですよ。なぜ上がらないのかといえば、要は日本の国内で投資先がないんですね。それは、その一番の大きな原因は先ほど言いましたように国民の家計からの余ったお金が銀行に預けられ、その民間銀行から民間の企業に投資する先がないものですから、安定的投資先として国債が選ばれているということなんです。これは、午前中、財金でも日銀総裁ともずっと言ってきた議論なんですよ。ということを考えると、今は公的な需要が実は民間の方の市場の調査をしてもはっきり現れているわけですよ。だから、国債を出して復興のためのお金をどんどんつぎ込んでいけば、経済全体も良くなるし、今は国債が破綻することもないという話なんです。  ところが、ところがですよ、今、そうじゃなくて、給料をどんどん下げていく方向の話に振っていくと、せっかく国債を支えようとしているその家計の分が、公務員給与に引っ張られて当然民間給料も下がるんですから、そうなってきたときにどういうことになるかといえば、国債自身も破綻する可能性が出てくるということなんですよ。だから、そこはもう少しやっぱり考えていただかないと、今おっしゃったように、とにかくこの効果は何かといえば、片っ方で見せかけの財源を見せているだけの話、そして国民感情にその方がかなうじゃないかという話、それ以外おっしゃっていないんですよ、大臣は。  しかし、もう片っ方、こういうことをやると、公務員だって怒りますよ。政治家のパフォーマンスで、昼夜を問わず一生懸命働いているんですよ、役人は。その彼らが、なぜ、その分給料上がるんなら分かるけれども、何で給料減らされるんですか。おかしいじゃないですか。そうなると、モラルもやる気も物すごく落ちますよ。その結果、行政効率どうなりますか。もっとひどくなるんじゃないですか。だから、国会議員の歳費は、これはパフォーマンスで通っちゃいました。こんなことはもう国会議員だけでいいんですよ。そのほかの人間まで引きずってパフォーマンスする必要はない。(発言する者あり)皆さん方がそうだとおっしゃっているんだから、これは責任持って反対してもらわなくちゃ駄目ですよ、これ、本当に。  もう一度、大臣、ちょっとお答えくださいよ。
  58. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほど、ちょっと私も言葉を選んで御答弁申し上げたつもりなんですが、決してこれは復興財源のために給与を引き下げるという、そういう文脈ではありません。地震が起こったので、やおら公務員給与を引き下げようとしてこの作業を始めたわけではありませんで、昨年のもう十一月からこの作業を始めているわけであります。その間に大震災がありましたので、結果としてこの引下げが実現すればそれが復興財源の一部に使われるだろうということを先ほど申し上げたわけであります。ですから、そこは誤解のないように是非お願いを申し上げたいと思います。
  59. 西田昌司

    西田昌司君 今の、もう一つおかしいですよ。それじゃ、なぜ三年間限定なんですか。復興財源と言うのならまだ、限定で言うのならまだ分かりますよ。なぜ三年間限定なんですか、それじゃ。意味が通じないじゃないですか。
  60. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、実は今回検討を経た上で給与法を出そうと思っておりますけれども、併せて国家公務員の労働基本権の回復のための法案も出すつもりであります。それが、先ほど少し人事院の総裁からも話がありましたけれども、労働基本権の回復が全部でなくても一部なされますと、公務員の給与の決定の在り方って変わってまいります。代償措置としての人事院の性格も変わってまいります。結果的に、その法案が通ったとしますと、これからは国家公務員も労使の協議といいますか、交渉によって物事が決まってくるということになります。  そうしますと、この三年の間にそういう法整備がなされますと、その三年間で今のこの異例の措置は一応そこで終わって、後は労使の協議によって決まるという新しい体系に移っていくということを念頭に置いているわけであります。
  61. 西田昌司

    西田昌司君 全く納得できませんね。だから、法律が決まって新しいそういう体系になったら、それは私は反対ですが、仕方ないかもしれない。ところが、まだその法律ができていないところから超法規的な形でやってしまっているんですよ。  しかも、今もう一つ私言いたいのは、震災復興で言うのならまだしも、震災復興ではなくて、公務員制度改革するその中の一つの、順番にこれやってきているという話ですよね。そうなってきたときに、これ元々の土台の議論自体が実はもう狂い始めているんですよ。というのは、元々あったのは、さっき言いましたように、自民党の時代からそうでしたけれども、要は、公務員というのは数が多いとか給料が高いとか含め、これを整理して、そして民間にお金を回していった方が経済が発展するんだという前提でこの数十年やってきているんです。ところが、それが失敗したというのが現実なんですよ。自民党の中でもいろんな意見あるけれども、私はそこは自民党の中でも整理しなければならないと思っています。  そんな中で、民主党が今やっている政策、大臣は民主党員じゃないんだけれども、今この政権がやろうとしている政策は、その誤りを全く反省せずに、そのままその延長線上にもっと加速度を掛けてやっていくんですよ。その結果、何がなるかといえば、要はデフレつくってしまうんです。国内経済もっとおかしくしてしまいますよ。  今この震災を契機に我々が気が付かなきゃならないのは、この一連の改革をやっぱりもう一度総括することなんです。地方にお金を出すということはもちろんだけれども、インフラ整備ももちろんです。そのためには相応の負担を国民からもらわなければなりませんよ。しかし、それは順番があって、まず経済を立て直してからそういう話になるんです。だから、今までやってきた改革の方向をやっぱり私は根本からこれ議論し直さないと、今までこうやっていますからそのまま延長線でやっていますというのでやられては、これは国がもちませんし、第一、翻弄されてきた役人はかわいそうですよ、本当に。  もう時間が来ましたからこの辺りで終わらせていただきますが、また機会がありましたら是非この委員会にも出させていただいて、大臣に私はただしていきたいと思います。  ありがとうございました。
  62. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  先ほど委員派遣報告がありました。先週の木曜日に女川町まで一緒に行かせていただいたところでございますけれども、震災がなければ本当にすばらしいところなんだろうなと。東松島から牡鹿半島を越えて、天然の良港、リアス式海岸だと、そういうことでですね。  ただ、天然の良港はいいんだけど、今回の震災で大変な損害を受けられた。やっぱり町中入って、ビルの上に自動車がひっくり返ってとどまっているという姿を見ると、あそこまで水があるということを通路で、地べたで見ると大変な、まあ二十メートル級という御報告あったわけでございますが、たまらぬなというのが実際の姿で、確かに、遠くに見える山、遠くでもないんだけど、その山から見ると中腹まで水でやられてしまっていると。その中腹に、あれはトラックかなと思ったら電車がひっくり返っているという世界があったわけでございまして、本当にすさまじい災害だということを本当に肌身で感じてまいりました。  いろいろ資料を読みますと、やっぱり女川町も水産関係の損害額が三千九百億に上っておりまして、この被害も相当でかいなと。  産業以外でも、この女川町の場合、地形、人口の面で特色があると思うんですね。これは、住める地域、可住地域というんですか、可住地面積、宮城県内では大体平均が四三%、仙台でも四三・二%。女川町って一四・七%しかないんですね、平地というか住める場所というのが。そこのところに、どかんと来たというか、津波が来たということでございますし、それから逆算して、全世帯数に占める浸水世帯の割合が、南三陸や東松島と同じに約八〇%に及ぶという状況になっているわけでございます。  あともう一つ、女川町の特色は、人口も少ないわけでございますが、六十五歳以上の人口が、これは平成二十二年三月現在でございますけれども、仙台市が一八・六%、女川町は三三・七%、三分の一がこの六十五歳以上ということでございます。  この四月に総務省で過疎地域等における集落の状況に関する現状把握調査結果の概要というのが発表されましたね。平成十八年にあった集落、その後で消滅したのが九十三集落ですか。どういう理由で消滅したのかと、いろいろありますけれども、公共事業による移転というのもあるわけでございますが、自然災害による分散転居というのが全国で三つありますが、そのうち二つが東北ゾーン、圏になっているということでございます。  今回の大震災によって、やっぱり東北地方の過疎化というのがまた進んじゃいけない。女川町もかつては一万八千人ぐらいあったけど、今一万人切るか切らないかという状況であるわけでございますが、この大震災からの復興復旧に当たって、政府として過疎化との関係をどのようにとらまえているのか、総務大臣にお聞きしたいと思います。
  63. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 非常に重要な視点だと思います。とかく復旧復興になりますと、ハード事業整備するとか非常に華やかな事業のメニューが並んだり構想が出てきたりしがちでありますけれども、実はもう既にかなり過疎化、高齢化が進行している地域をこれからどういうふうに維持していくのか、発展させるのかというポイントがやっぱり必要だろうと思います。  私は実は鳥取県で被災をしまして、大きな震災に見舞われたんですけれども、被災地の幾つかは、先ほどの三十数%という高齢化率でいいますと、四〇%超えているところがかなりありまして、同じような問題を抱えておりました。  そこで、何が重要かといいますと、いろんなことがありまして、若い人の雇用の場をつくるとか、いろんなことを考えましたけれども、すぐに行政でできることということでいいますと、すぐにといいますか、行政でできることといいますと、やっぱり幾つか絞られてきます。一つは、できるだけコミュニティーを維持する、地域のそのまとまりを維持するということで、したがって、当時の震災復興基本原理は元どおりにするということを念頭に置きました。  今回の場合には、必ずしもその元どおりにするというのは安全との兼ね合いでダイレクトには適用できないと思いますけれども、安全のことを確保しながらできるだけ元どおりの環境に近づけるということは一つの重要なポイントだろうと思います。  あと、鳥取県でやりましたのは、該当の地域に総合事務所を設けました。これは行政機能を強化するという意味で、県がその地域にあえて総合事務所を設けて、災害復興から、それからその後も恒常的に住民皆さん行政サービス市町村を補完するという意味で設けましたし、あと、ある郡は高齢化と過疎化が進行しますので県議会の議員が一人になってしまいましたので、民意の吸収、反映がしにくいということで、その地域だけ、鳥取県では通称郡議会と言っておりましたけれども、地方自治法にないその郡全域を対象とする議会のようなもの、議会もどきのようなものをつくって、そこには知事も出席をして代表の皆さんの意見を聞いて行政施策に反映させるというようなことも実はやりました。  そんなことを考えますと、是非これはそれぞれの県が市町村と相談をしていただきながら、今のような問題意識を持って対応していただきたい。もしそれに対して必要があれば国の方も助言を差し上げたり支援を差し上げたりするという、こういうことが望ましいのではないかと思います。
  64. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それで、お会いさせていただいた安住町長、元気いっぱいというか、元県会議員であるということで、一聞いたら十ぐらい返答するというぐらいのアイデアもいっぱい述べていただいたところでございますが、そういうのをやっぱり県また国としても生かしていく必要があるなというふうに思っておりますが、女川町として、ほかの三陸のところもそうだと思いますけれども、やっぱり一日も早い、漁業が再開されることが一番大事なんだろうなと思っております。  もちろん、いろんな加工場含めて、漁港も含めて大事かと思いますが、私、復興の一番ネックになっているのはやっぱりこの瓦れきじゃないのかな、浜の瓦れきあるいは海中の瓦れき。で、来るわけでございますけれども、ここは仙台の方で、放射能が来るかどうかというのはまだ分かりませんけれども、入り江になっていて、直接になるのかとありますが、やっぱりそこの養殖あるいは定置網を再開できるように、これ本当に地域の、被災地の、女川町の場合でも主要産業なわけですよね。サンマは八十億から百億になりましたって語ってくれましたけれども。そういうことからすると、やっぱり海底の瓦れき、可能な限りやらなきゃいけないなと思っておりますが、現在の海底瓦れきの撤去の進捗状況はいかがでしょうか。
  65. 佐藤正典

    政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。  委員指摘のように、漁業を再開する場合に瓦れきへの対応というのは大変重要な課題となります。まず、漁港の中にも大変な瓦れきが沈んでいたり浮いていたりするわけでございますが、これにつきましては、災害復旧事業によりましてその応急工事をするということで対応しておりまして、先週末の状況で、百六十八漁港について瓦れき状況調査をいたしまして、うち九十八漁港で着工いたしまして、そのうち十四漁港で工事の完了があったというふうに報告を受けております。  また、委員指摘の養殖あるいは定置網の漁場につきましては、その瓦れき、浮遊している瓦れきあるいは沈んでいる瓦れきにつきまして、その漁場を大変よく知っておられる漁業者の方々自らに漁場の再生ということで、瓦れきの回収、処理等を行っていただく事業を二十三年度補正予算で百二十三億円計上しておりまして、この事業に取り組んでいるところでございます。
  66. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今百二十三億円という話がございましたけれども、本当に漁業者、こういう悲惨な災害状況ですから、もう仕事を離れるという人がいっぱいあると思うんですね。先ほどの報告にもありましたように、漁業の再生あるいは浜につなぎ止めるということが一番大事かと思っておりますが、私も、そのためにも、この瓦れき処理のためにも漁業者の一時雇用ということが本当に大事だなと。あのスマトラ沖大地震のときに日本のNGOが、キャッシュ・フォー・ワークということで地元の人を雇い入れて、そして災害復興に当たらせたということがございますが、文字どおりその漁場を知っているのは漁師さんたちであるし、その再生復興に当たってもらうこと自体がその地域復興、また被災者の自立支援にもなっていくねと、また尊厳も取り戻せるというふうに思っておりまして、百二十三億で間に合うかどうか分かりませんけれども、しっかりやっていただきたいなというふうに思っております。  結構瓦れき重いし、下に自動車があったりいろいろあると思いますけれども、クレーンとか限られた機材だと思うんですよね。もうすごいたくさんの漁港があって、引っ張りだこというか、県越えて取り合いになっているということがあるかもしれませんが、また、どこにどういう瓦れきがあるのかというのを調べなきゃいけないと、こういう技術的な問題もあるかと思っておりますけれども、これについての御見解をいただきたいと思います。
  67. 佐藤正典

    政府参考人(佐藤正典君) 御説明を申し上げます。  先ほど申し上げました百二十三億円の事業の中でも、委員指摘のように、漁業者が簡単に小型の漁船等で取れる瓦れきと、それからやはり海底に沈んでいるもの、家とかそれから車とか相当大きなものが沈んでいる場合がございます。そうした大きな瓦れきにつきましては、専門業者によります、ガット船とかサルベージ船とか呼んでおりますけれども、そういうものを使った作業と、それから、細かく手を施すという意味で漁業者の方たちに手伝っていただく部分と合わせまして、対応をきちんとしてまいりたいというふうに思っております。  また、県とよく連絡もいたしまして、機材、大変タイトになってきておりますけれども、なるべく円滑に進むように協力してまいりたいというふうに思っているところでございます。
  68. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それから、女川に行かせていただいてあっと思ったのが、こういう言葉があったんですよ。海が高くなっているという言い方がたしかあったと思うんですね。ふだん、今まで生活していた海よりも高い位置に水平面があって、何のことはない、地盤沈下しているということだけなんですけれども、先ほど報告あったように、一・二メートル下がっていると。その隣の石巻でも、何センチですか、一メートル近く下がっていると。  漁港で、私たちも行かせていただきましたけれども、海のにおいとか何とも言えないというか、腐っているのもあるのかもしれませんし、特有なにおいがあるようなそんな中で、やっぱり地盤沈下してしまうと接岸するにも厳しいねと、昨日の大潮みたいになると余計大変なことになるなということがありまして、この辺をどうするのか。私たちも、先ほど報告ありましたように、伺ったあれが百九十八号線でしたっけ、国道、自衛隊が一メーター近くかさ上げしているんですよね、道路を。だから、潮が来るとそこまで行っちゃうということでございまして、漁港又は商業地住宅地の地盤沈下の対応について御答弁をいただきたいと思います、国交省また農水省。
  69. 佐藤正典

    政府参考人(佐藤正典君) 御説明を申し上げます。  まず、漁港の関係につきまして御説明を申し上げます。  今回、委員指摘のように、大変広範に地盤沈下が生じておりまして、岩手県の陸前高田では最大八十四センチメートル、あるいは宮城石巻市で最大七十八センチメートルの沈下等が起こっているところでございます。  今回の補正予算で、流通の拠点である中核的な漁港につきまして、荷さばきなどの作業を円滑に行うために用地のかさ上げとか、それから排水、かなり冠水状態になっておりますので排水対策を行うということで、五十五億円計上しているところでございます。  こうした事業と、それから災害復旧の港湾そのものを直していく事業、両方併せて活用いたしまして、漁港機能の早急な回復に努めてまいりたいと存じております。
  70. 山本徳治

    政府参考人山本徳治君) お答えいたします。  先生おっしゃいましたように、地震に伴います地殻変動によりまして、国土地理院でも調べておりますけれども、広範な地盤沈下が起こっております。石巻市辺りではもう七十センチ前後というふうにも聞いておりますけれども、そういうことによりまして、一部の沿岸部では大潮とか満潮のときに冠水の被害が生じているという状況でございます。  国土交通省としましては、そういう冠水が生じております市街地状況に応じまして、農林水産省や県、市町村と連携いたしまして、被災を受けた海岸堤防や防潮堤などにつきまして、当面の対策として梅雨など出水期までに盛土などによる締切りを実施いたしまして、海との縁切りをいたしまして、大潮や満潮時でも冠水しないよう対策を進めております。  また、気象庁とも連携しまして、洪水予報、水防警報の基準となる水位を下げまして、情報の早期の提供に向けた対応を図るということで、今後とも自治体情報交換しながら整備を進めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  71. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 大臣、今回女川町行かせていただいて、町の理事者は当然でございますが、職員も本当に一生懸命やっているなと思いました。また、ちょっと職員に聞いたら、何か群馬県の職員の方が来ているという話で、あれ、前、何か玉突きで県は県同士でやって、例えば宮城県なら宮城県が各市町村に行くのかなと思っておりましたけれども、何か群馬県だというふうに言っておりましたけれども、非常に助かっているというお褒めといいますか、そういう評価がありました。  それはそうですよね。必死の思いで、自分の家がなくなっている、親族が亡くなっているという中で、この職員としての仕事を一生懸命やっている。相当心労がたまってきているんじゃないのかなというふうに思うんですよ。まだ自分の例えばおふくろの遺体も捜しに行っていないという方もあるかもしれない。そういう自治体職員皆さんをどうフォローするか。また、今回応援で一生懸命行っていますよね、西日本とか北海道から、応援部隊として。  私らも大変でした。それから、例えば一週間でも何でもあの現場を見て、先ほど報告があったように石巻の方は非常に横から見たら本当に、それは私は知らない、生まれる前だけど、敗戦後の焼け野原みたいな世界になっているわけですよ。やっぱり、すごい衝撃です、これは。  やっぱり、そういう派遣される職員のフォローということもしっかりやっていかないといかぬのじゃないかなと思っておりますが、その辺をどういうふうにお考えでしょうか、大臣として。
  72. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 被災地職員の健康管理というのは非常に重要だと思います。特に被災をされている、御本人も被災をされている、肉親を失った、財産を失ったという職員が数多くおられますので、そういう中で、しかし住民皆さんのために睡眠時間も十分取ることなく激務に耐えているという報告を私も受けておりまして、よく気を付けなければいけないと思います。  それから、応援に駆け付けて今いただいておりまして、これ姉妹都市交流でありますとか応援協定でありますとか、別途全国にわたる公務員の派遣スキームがありますので、それを通じて八百数十人がこれから行くわけですけれども、こういう形で応援に行った職員も、今までの既存の自分のところ、属していた組織とは違ったところで勤務をするものですから、無理が生じたり、なかなか自分の健康の状態を言えないとか、そういうことになっても困りますので、そこはよく注意しなければいけないと思います。  そこで、既にそういう問題意識を持っておりまして、四月の中旬でありますけれども、これを各自治体通知を出しまして、被災地職員はもとよりでありますけれども、被災地派遣される職員も含めて、健康管理それから安全衛生対策をお願いをしております。是非このことに注意をしていただきたいと思っておりますので、これからも折に触れて注意喚起をしたいと思います。  あわせて、十分なというのはなかなか難しい現状にはありますけれども、しかし、できるだけ地元の皆さん自治体の要請にこたえて、必要とする職員を必要とする期間現地に派遣されるように、もう今既にシステムをつくっておりますので、これが更に柔軟に運用されるように配意したいと思っております。
  73. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 たしか中越の山古志村ですか、何か過労死ということがあったと思うんですよね。やっぱりそういうことにならないように是非お願いをしたいと思っております。  そんな中で、とても私、選挙はというふうに言い出せなかったです、実は。質問しようかなと思ったんですけれどもね。なかなか職員が本当に選挙事務、大変だなというふうに思いますけれども、ただ、これ、延期されているその選挙もやっぱりまだ、この間のやつはまだ半数にも満たないわけですよね。政令対象となったのは十六市町村であって、まだその全体の五十二団体の半数にも満たないわけであって、やっぱり相当早めに決めてあげないと、それなりの準備があると思っておりまして、この点について総務省の方針はどういうふうになっていますでしょうか。
  74. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先般、既に統一地方選挙で延期をした自治体のうち、めどが付いたところでいつ選挙をやるというのを政令で指定しました。そこはつつがなくやっていただけると思います。あと残ったところがまだかなり半数以上ありまして、これについてはもう絶えずできるだけ密に事情を伺っていきたいと思っております。それから、実際に総務省職員派遣をして、選挙執行ができるかどうかということもこの目で職員が確かめてくるということをしたいと思っております。それで、準備が整った、めどが付いた段階で順次政令で指定をしていきたいと思います。  問題は、九月二十二日が法律上の現行法のデッドラインになっているんですけれども、そこまでにできないというか、できる見通しが現段階で立たないという自治体が十数団体あります。これが一番問題でありまして、ここについても密に事情を伺いまして、もしどうしてもできないということが明らかになれば、その段階でまたしかるべくその法律上の措置を国会においてしていただく必要があろうかと思いますので、そのときはまた改めて御相談を申し上げたいと思っているところであります。
  75. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 私たちの実感も、再延期というのは確かにあり得るなと。それ、役所見たってもうぐちゃぐちゃですからね。役所の真ん中に町長車が、黒いクラウンがぶち込んでありまして、ぐちゃぐちゃに潰れているわけでございますが、その中で選挙をやれってなかなか言い出し難いなというのはあると思うんですね。  ただ、大臣御案内のとおり、この国会は六月二十二日までの会期になっていますね。こんな大震災ですから通年国会は当たり前だと私は思いますよ。地方税法だって、これ三か月ジャンプしただけでどうするのと。だけど、万が一閉じられてしまったら、九月二十二日でしょう、デッドラインが。相当きちっと判断してもらわないと、その政治と現場との接点は総務大臣でございまして、いつごろそれを判断されるんですか。
  76. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 国会がどうなるかという国会の動向をよくにらんでおかなければいけないと思います。その上で、時機を失しないようにしかるべく判断をした上で御相談申し上げたいと考えております。
  77. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。
  78. 寺田典城

    寺田典城君 みんなの党の寺田でございます。よろしくお願いします。  私、この十二日ですか、五月の十二日、震災、三回目でございますけれども、委員派遣で二回、それから個人的に一回ということで視察してまいったんですが、時間とともに復興復旧は進むと期待していますが、被災者方々の、何というんですか、目に見えない計り知れない心の疲労と申しますか、これ精神的なものというのは私は物すごい増える傾向にあるというわけでございます。これをどのようにすべきか、どう対応するかというのが、時間とともに増えていく精神的な心の疲労の問題というか、そういう生きがいを持てない人方をどうサポートできるかと、この前もちょっとお聞きしました。  制度的には、今、特別交付税でやったらいかがなのかとか一括交付金でどうなんですかとかということはあるんですが、私はどの金でも結構です、とにかく総務省が、市町村行政、要するに市町村行政というのは揺りかごから墓場までですから一番地域と密着していますし、何とかそう一言添えて、まあこれは、そういうのは厚生労働省のあれじゃないのかという縦割りの考え方もあるでしょうけれども、地域行政にとっては元気あるかないかというのは総務省の大きな課題だと思いますし、そういう点では特別な形でひとつ大臣、取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  79. 片山善博

    国務大臣片山善博君) それは重要なことだと思います。縦割り的に言いますと厚生労働省の所管になりますけれども、自治体の本来中の本来の業務は住民一人一人の皆さんの、こういう場合ですと安心をどうやって確保するかということでありますから、自治体の本来のミッション、これを再確認していただくということは必要なことだと思います。  私も、あえて文章などでお出しはしておりませんけれども、知事さんでありますとか市町村長さんにはよくお会いしておりますので、そのたびに今御指摘のようなことを、別の表現ではありますが、申し上げております。あとは、県も大きな役割を果たしていただく必要がありますので、県にも、知事さんなどにもそのことを、まあお願いするのも変ですけれども、お伝えしているところであります。
  80. 寺田典城

    寺田典城君 議題変えますけれども、先ほど自民党の西田議員が、何というんですか、公務員の賃金カットの件で話出ておりました。私は、率直に言って、せざるを得ないだろうと、そう思います。国民の所得が一九八九年並みになっているし格差も付いていると。デフレにますます進むんじゃないのかといっても、世界はフラットですから、ますますデフレ傾向は、恐らくインフレにはなかなかならないだろうと、そのようにも思っています。  ですから、そういう中で、財政破綻して誰が責任取るのかというと、これは誰も取ってくれないですよ、国民にみんな迷惑掛かるだけですから。申し訳ないですけれども、自民党政権では、地方も、地方だって責任あると思うんですが、八百兆円以上の借金を付けたと。また今、民主党自体も、それこそ七十兆円しか、地方と国合わせて七十数兆円しかないのに四十兆円も赤字国債を発行せざるを得ないとかって、そういう状況なんですね。思い出すのは、それこそ夕張市なんか破綻した。簡単な言い方をすると、どうなのというと、賃金カットは三割もさせられる、四割近くさせられるということも事実でしょうし、そして、職員が確かに、何というんですか、一定の規模の職員の数より倍から倍以上あった職員を全部削減させられるという、そういう急激なことをしていますね。  公務員の全体的な、国と地方と合わせて三十兆円近い人件費が、公務員の給料が掛かっておるわけです。その中で国家公務員は四兆円とか何兆円とかという話は出ているんですが、私としては、賃金カットというのは一番緊急避難的に、何というんですか、これは仕方がない、経営の能力なかったということだと思うんです。これは政治の責任もあると思います。企業でいうと、経営能力なかった、皆さん何とか賃金カットよろしく頼みますとせざるを得ないと、そういう形だと思うんですよね。  みんなの党は二〇%、民主党だって二〇%、自民党だって二割ぐらい公務員の給料削減しなきゃならない。三十数兆円ぐらいのものが、そうすると五、六兆円のお金が捻出できるかできないかと。それによって、これからの税の問題で、消費税はどうできるのか、上げられる、国民の理解が得られるのかという話が出てくると思うんですよ。  私は、そういう労働基本権が、確かに給料は法定主義ですし、職務内容も公務員というのは法定主義ですからあれなんですが、地方にどのような影響するのかというのは今想像しているんです、国が一割カットすると地方はどう動くだろうと。地方によっては、ラスパイレス指数が一〇〇のところもあれば一〇〇超えているところもあります。例えば、大阪府なんかは経常収支比率が一〇〇超えちゃっているから賃金一〇%カットを橋下知事はやったんで、よくやったなと思うんですけれども、一〇%カットして九〇ぐらいになっているとかってあるんですが、いずれにしろ、地方自治体自体もカットできるところとカットできないところとかいろいろあると思うんですが、そういう影響について、大臣は、地方行政にどのような影響を具体的に及ぼすのか、そういうことを検討したことはありますか。
  81. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 推測はしたことはあります。  ただ、今回の場合には、かねてずっとやっておりましたように、国が何か措置をしたら自治体も右へ倣えで措置をさせるという、こういうことはもうしないということは判断として持っております。といいますのは、本来、自治体職員の給与というのはそれぞれの自治体が所定の手続で最終的には条例で決めることですから、国が一律にどうしろこうしろという話ではないという、この原則を大切にしたいと思っております。  推測と言いましたけれども、それは自治体によっていろいろ異なると思います。既におっしゃったようにもう国に先んじて給与のカットをやっているところもありますし、そういうところはカット後の国と比べてどうかという比較をされるでしょうし、それから、鳥取県のことばかり言って恐縮ですけれども、私が知事をやっていたときは、五%という、国の半分ですけれども、これを六年間もう既にやったりしました。そうすると、時期は違いますけれども、同じような経済効果を及ぼしたりしておりますので、そのことをどう判断するかということもあるでしょうから、それぞれの自治体ごとに、現在の給与水準とか現在の給与の運用状況などを見ながら判断をされるものだと推測をしております。
  82. 寺田典城

    寺田典城君 地方も、今臨財債、臨時財政対策債だとか交付税を小泉改革なんかよりもずっと多く出して、昔のレベルまで上がっちゃったということで、本格的な、地方が行革、私たち平成十五年から進めておったころよりも緩くなっちゃったことは事実じゃないのかなと、そのように私は思っています。  ですが、国の財政からいけば、地方にだってそんなに仕送りできるような状況じゃないし、これからますます厳しい財政運営させられるような状況は恐らく想定していると思うんです。ですから、地方だってそれを考えているんじゃないのかなと。リーマンショック以降比較的に、麻生さんの内閣から含めて民主党の地方に対するばらまきも含めて、今は何とか地方は一息ついているんでしょうけれども、後は原資がないから、それはもうはっきり言って物すごい地方と国とのせめぎ合いも出てくるのかなと、そのように思っていますけれども、とにかく総務省としては、そういう点では前もって、もうこれより二割ぐらいは削減せざるを得ないよということをもうアナウンスしなきゃならぬときに来ているんじゃないのかなと、そう思いますけれども、どう思いますか。
  83. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 地方財政というのはやっぱり、今は国が法律で決めたことを含めて、自治体住民皆さんのために必要なことをちゃんとできるというその財源を保障するといいますか、財源が確保できるような制度なり環境なりをつくるということが総務省の使命でありますから、もちろん無駄を省いてそれで緊縮的な財政運営をしてもらいたいということはメッセージとして言い続けますけれども、どこをどうしろということを差し出口をするというのは地方分権改革地域主権改革の理念にはたがうことになるのではないかと思っております。
  84. 寺田典城

    寺田典城君 賃金カット等についてはやはり期限を設けて組合と話し合うべきで、私も過去に経験していますが、今回三年だと。三年間で先行きが、経済が良くなればまた考えることもあるでしょうし、もっと悪くなる可能性もあるので、ひとつ勇断を持って取り組んでいただきたいと、そう思います。  それと、公務員部長、公務員部長は昭和五十五年採用ですね。私は平成三年採用で市役所です。皆さん影響力を受けて今まで生きてきました。その中で公務員部がいかに影響しているかということなんですが、やはり何というんですか、また同じようなことを聞きます。今回納得いかなけりゃまた次も聞きます。やっぱり、一つの法律を決めて役に立つような法律にしなきゃならぬということなんですよ、率直に言って。  修学部分休業には二十六条の二、これなんかどの程度何というか条例制定されているかというと、僅か一四%です。それから、高齢者部分休業は十・何%ぐらいでしょう。それから、自己啓発事業だってこれは三割ぐらいです。で、活用者を見ていると、何というんですか、修学部分休業なんというのは全国で三十人ぐらいしかいないとか、自己啓発は幾らか、百九十四人とかしかいないとか、こういう法律をぬくぬくと作っているということ自体がやはり考え方として異常なんです。  私は二十四分までしかないんですよ。とにかく、制定されていない理由をひとつお聞きしたいと思います。  あと、今度は次の時間、次の時間もまた取りますから。まだ総務委員会というのは永遠にあるでしょうから、ひとつあなたが、はっきり私が理解できるまで私は話聞きますんで、ひとつ覚悟して話してください。  以上です。
  85. 佐々木敦朗

    政府参考人佐々木敦朗君) 今先生の方からお話がございました修学部分休業、これは地方独自の制度としてつくったものでございますが、一方の自己啓発休業につきましては、国におきましても平成十九年に制度が創設されまして、それに合わせて地方でも創設をしたものでございます。  いずれも考え方としては、これからの公務員、地方公務員について、その能力の向上、自己の能力を向上をできるだけ図っていただくということが重要であるということの中で自己の研さんを図ると、自らの意思に基づいてそういう能力の向上を図るという機会をできやすくするということで、修学部分休業につきましては勤務時間の一部を割いて休業にして修学をできる、それから自己啓発については一年とか二年とかそういう長期にわたって大学に行ったりとかそういうことができると、そういう仕組みでございまして、それぞれその必要性に応じて現場で使用されておりますけれども、今先生お話しありました、それほど使われていないのでないかというようなお話がございました。私ども、いろいろと地方から実態をお聞きしております。  例えば修学部分休業、これは部分的に、例えば大学院に金曜日だけ通うとか、午後だけ通うとか、こういう場合に部分的に休業できるというような仕組みでございますけれども、必ずしもこの修学部分休業を使わずに、例えば早出とか遅出とか、こういった勤務時間の割り振りとかで活用してやっておりますといったようなことで、今のところその範囲内でできているというようなところの御意見を伺っております。  それから、自己啓発休業……
  86. 寺田典城

    寺田典城君 もういいよ。今何の話しているんだよ。
  87. 佐々木敦朗

    政府参考人佐々木敦朗君) はい。使われておらないという理由について地方から聞いておる話でございますけれども。  自己啓発休業については、任命権者が必要と認めて、例えば研究休職とか留学に派遣するとか、任命権者の方から派遣する方式というのもありますので、そういう方式でも活用されているというようなことをお聞きをしております。
  88. 寺田典城

    寺田典城君 もう時間です。この次にお聞きします。  もう少し、制定されていない理由について説明するのに五分も説明されたのではあれなんで、もう少し網張って、私まだ任期五年ぐらいありますから。だけれども、この次とか次辺りで決めたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。  以上です。
  89. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  福島第一原発の事故を受けまして、今福島県内の下水処理場から放射性物質が検出されております。五月一日の福島県の発表によりますと、郡山市の下水処理場の下水汚泥一キログラム当たり二万六千四百ベクレル、それから、汚泥を千二百度の高温で溶融し減量化してできる溶融スラグでは、一キログラム当たり三十三万四千ベクレルの放射性セシウムが検出されたとあります。  これ、福島第一原発から広範囲に降り注いだ放射性物質が、雨水などによって下水管に入って、それがずっと集まってくるのが下水処理場ということです。それを処分する、処理する過程でこの濃度が凝縮されるということが起こっているんだと思われます。これは非常に新しい深刻な問題だと私は思いました。  そこで、今日は福山官房副長官に来ていただいておりますが、この問題についての御認識と、政府としての対策についてまず説明いただけますでしょうか。
  90. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 山下委員にお答えをさせていただきます。  委員指摘のように、この問題が出てきて、新しい課題が出てきたというふうに我々も認識をしました。それで、福島県内からも、早く国の方からも方針を示してほしいという要請を連休のさなかですがいただきまして、先日、国としての方針を、国交省や総務省、多くの省庁との協力の中で発表させていただきました。  今、山下委員言われたように、これは主に降雨によって沈積していた放射性物質が処理場に流入をして、そして水処理の過程において濃縮されたものと推測をされます。下水汚泥に放射性物質が検出されるということは、一方で、市街地の落下をしている放射性物質の蓄積量が実態としては雨に流されて、それは実は減少しています。結果として、河川への流出は抑制をされていることを意味しているというふうに我々は考えております。  ですから、それぞれの場合、これ実はそれぞれの処分場でも高い濃度のところと低い濃度のところとそれぞれがばらばらの状況ですので、汚泥の処分をそれぞれの濃度に応じて適切に行う必要が生じてくるというふうに思っております。  政府としては、五月の十二日に、安全委員会助言を踏まえ、原子力災害対策本部が福島県内の下水処理副産物の当面の取扱いに関する考え方について取りまとめておりまして、適切な対応を取るように、関係者を通じまして、福島県そして関係事業者等に対して適切な指導、助言を行っていきたいというふうに思っておりますし、現実にもう福島県にはお伝えをし、福島県としては対応を早速いただいていると認識しております。
  91. 山下芳生

    山下芳生君 ちょっとその対策の中身に余りお触れにならなかったんですけれども、十万ベクレルを超えるものについては可能な限り県内で焼却、溶融等の減容化処理を行った上で適切に保管することが望ましいなどが書かれてあります。  ただ、この適切に保管ということですが、例えば、紹介した郡山市の下水処理場では毎日八十トンの下水汚泥が発生するそうです。これ、敷地内にある溶融炉で処理しても毎日二万トンの溶融スラグが発生するわけで、これをためていくことになるわけですね。済みません、二トン、ぐっと圧縮されますから、二トンです。  それから、一キログラム当たり四十四万六千ベクレルの検出があった福島市の下水処理場では、敷地内に焼却施設がないので、これまではセメントにリサイクルするなど、産廃業者にこの処理を委託していたそうですが、放射性物質が含まれているということでもう引き取ってもらえなくなったと。  かといって、埋立処分場への埋立てというのも、仮に十万ベクレルを超えていなかったとしても、これはもうそういうものが入っているというだけで理解をしていただけないというので、今、福島市の処理場では、これ脱水処理して、毎日十トンもの汚泥を敷地内で保管しているというふうに聞きました。これは当面は仕方ない措置だとしても、これは数か月もたったらもう保管場所がなくなると。一体これ、最終的な処分先はどうなるのかと。福島県は国と東電の責任で引き取ってほしいというふうにもおっしゃっております。  私は、これは適切に保管とか、十万ベクレル以下は管理型処分場で仮置きして差し支えないという当面の方針ですけれども、これはそんなに簡単なことではないと思いますので、これは自治体任せではなくて、やはり国がきちんと最終的な処理の方針を示して、最終的な処理まで国が責任持つ必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  92. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) これなかなか難しい問題でございまして、まず下水道法の管理者は地方公共団体になっております。だからといって国が責任を逃れるつもりは全くありませんが、今すぐに移動してどこへ処理をするのかという問題は、そう簡単に解決をする問題ではありません。だからこそ、逆に、県にも御理解をいただきまして、十万ベクレル以下のものに関しては管理型処分場の埋立敷地内に仮置きをしていただきたいというお願いはさせていただいているところでございます。  そして、先ほど山下委員も言われました当面の取扱いに関して、現状、ほっておくとどんどんどんどん下水で汚泥がたまっていきますから、やっぱり下水はしっかりと福島県民の皆さんのために使える状態をつくっておかなければいけないので、そのことと処理をすることのぎりぎりのところで、我々としては今回の当面の措置を県と協力をしてやらせていただきたいと認識をしております。
  93. 山下芳生

    山下芳生君 これは、当面そういうことで示した方針なんですけれども、早速、十万ベクレル以下であっても、管理型処分場に持っていこうにも、もうそういう報道がされているわけですから、なかなか住民の理解は、たとえ十万ベクレル以下でもできないので、福島市では処分場内に十トン毎日毎日たまっているというんですね。  これは、やっぱり自治体でそういう方針でやってくれというだけでは済まないんで、さらにこれどうしたらいいのか。これ一緒に知恵出して考えないと、これはもうそこに処分場があるんだから自治体でやってくださいというふうにはならないんじゃないかと。これはそうでしょう。
  94. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 問題意識としては同様ですから、県としっかりと話し合っているつもりでございます。県の方も、今、仮置きをする管理型の処分場の敷地なり管理型処分場を探していただいているというふうに承っておりますし、おっしゃっていただくとおり、大変難しい課題でございますので、政府といたしましては、県や市町村としっかりと連携をして対応していきたいと思っております。
  95. 山下芳生

    山下芳生君 これも原発事故があったからの話なんだよね。こういうことをもう二度と絶対に起こさない、もう一回原発政策の見直しということをやる必要があると思います。  報道によりますと、これ福島だけではなくて、茨城県、栃木県、群馬県、神奈川県、新潟県、東京都でも検出されていると、処理場からですね。これ、ほかの自治体についてはどうするんでしょうか。
  96. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 他の都道府県の下水汚泥から放射性物質が検出されたことについては私も承知をしております。数値も確認をさせていただきました。これらの都道府県におきましても、先ほど申し上げました福島県の取扱いについての考え方を参照して、放射性物質の濃度に応じて適切に下水汚泥の処理、処分が実施されるものと理解をしております。  先ほど申し上げましたように、下水汚泥に放射性物質が濃縮されるということは、逆に言うと、町中の放射性物質は一定流されて下水汚泥にたまっているということですから、そこは町中のリスクが落ちているということは考えなければいけませんが、その後の下水汚泥の処理について、今の他の都道府県については数値も現状のところでは福島ほど高いというふうに理解をしておりませんので、当面の考え方、処理の方法で対処していただいて、我々としても指導、助言を行っていくつもりでございます。
  97. 山下芳生

    山下芳生君 それから、今副長官もおっしゃったように、下水処理場の仕事というのはやめるわけにはいきません。そこで働く自治体労働者の安全、健康管理はどうなっているんでしょうか。
  98. 小林正夫

    大臣政務官(小林正夫君) 先ほど福山副長官が申し上げたとおり、下水処理副次産物の処理に当たっては、政府の原子力災害対策本部による当面の取扱いに関する考え方が示されました。その中で、一つとしては、下水処理場における放射線量が一定の基準に該当する場合には、電離放射線障害防止規則の関連規定を遵守すること、二つ目には、下水汚泥等をセメント原料あるいは路盤材等として受け入れる事業場においても、電離則の適用の可能性があることに留意すること、こういうことを明記してございます。  具体的には、下水処理場で外部放射線による実効線量が三月につき一・三ミリシーベルトを超えるおそれがある場合、二つ目としては、下水汚泥等が電離則に定める放射性物質に該当する場合、こういう場合には、事業主は被曝放射線量の測定や記録、そして健康診断の実施など労働者の安全衛生を確保するための措置を講ずることが必要である、このように考えています。  厚生労働省としましては、下水処理場や下水汚泥等を扱う事業場においてこれらの措置が確実に行われるように、関係する都道府県知事及び都道府県労働局に対して通知を行いました。関係事業所に対して指導や周知をこれからも図っていきたいと思います。
  99. 山下芳生

    山下芳生君 労働安全衛生法あるいは電離則で決まっていることを周知していくということですが、これは周知すれば済む問題ではないと思うんですね。下水処理場で働いておられる方々は、やはりこれまで放射性物質を扱うための教育や訓練は恐らく受けておられないと思います。それから、そのための機器や装備もない場合が多いと思いますね。そうすると、これもやっぱり自治体任せにしないで、周知徹底というだけでは済まないんで、やっぱり国が責任持って丁寧な対応をやる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  100. 小林正夫

    大臣政務官(小林正夫君) 山下委員おっしゃるとおり、しっかりこれは対応していかなきゃいけないと、このように考えております。  そこで、電離則等では、下水処理副次産物を取り扱う事業者に対して、一つは、作業員の雇入れ時や作業内容変更時にその従事する業務で安全衛生を確保するための必要な事項について教育を実施すること、二つ目には、作業内容や作業環境に応じた有効な防護服あるいはマスクなどを作業員に着用させることなどを義務付けております。  厚生労働省としては、下水処理副次産物を取り扱う作業員の安全や健康を確保するために、これらの措置が確実に実施されるよう、関係事業所に対して指導や周知を更に徹底していきたい、このように考えております。
  101. 山下芳生

    山下芳生君 総務大臣にも伺いたいと思いますが、やはりこれ、処理場で働いておられる、毎日、自治体労働者の皆さんが危険にさらされる可能性があるわけですね。しかし、これはやらなければならない仕事ですので、労働者の安全管理はもちろん、その最終処分についても自治体任せにならないようにしっかりと政府の中で対応していただきたい。いかがでしょうか。
  102. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 是非、国の方の専門的知見などを生かして、自治体が安全に仕事ができるように配慮をしていただければと考えております。
  103. 山下芳生

    山下芳生君 終わります。
  104. 片山虎之助

    片山虎之助君 片山です。  私も十二日の委員派遣皆さんと御一緒させていただいて、大変いい勉強をしたと思っております。本当に、百聞は一見にしかずというけれども、そうですね。思っていたのとは違ったり、あるいは同じだったり、いろいろしましたけれども、私は、こういう今回のような大震災では、最終的にはやっぱり立ち直るかどうかは被災地におる人の元気とやる気だと思っているんです。あるいはリーダーのしっかり度だと、こう思って行きましたけど、石巻から女川に行ったんですけれども、思ったよりおられる人が明るいわね。まあそれは二か月もたったということもありますよ。それから、安住町長を始め、中心になる人が私は意欲的でしっかりしているというんで、そういう点、安堵しました。  しかし、瓦れきは本当にひどいですね。あれ、瓦れきというのは地震の言葉なんですよ。行って、見たのは瓦れきじゃないですよ、何でもあるんだから。車がある、家がある、船がある、いろんなごみがある。その集合体ですよね。この瓦れきを処理しないと、復興の青写真をかいてもできないんですよ。私は、当面は瓦れきの処理に全力を挙げること、エネルギーを特に瓦れきの処理に重点的に注ぐことだと、こういうふうに思いましたね。  それで、その町長さんに、あんたどう思うかと言ったら、仕分は町でやらせてもらいたいと、仕分は、いろんな。仕分というのはどこまで仕分かは知りませんよ。それからあとは、やっぱり国の金でゼネコンか何かが中心でやってもらわにゃできませんと。地元の業者も使ったらどうかと言ったんですけど、それは下請か何かでしょうね。あるいは、漁港の一部分では現地の人が雇われているらしい。お金のことを言っちゃいかぬのかもしれぬけど、よくこれ聞いてみると、あれは補助事業で日当一万二千円ですよ、補助金が出ている。ところが、それ以外はそうじゃないんだね、これは後の議論だけれども。  そこで、瓦れきの担当の方に、来られていると思いますが、どれだけの瓦れきがあって、今どこまで処理できたか、幾ら残っているか、まず現状を教えてください。
  105. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) 片山先生におかれましては、今回の震災対策、大変御熱心にお取り組みをいただいております。心から深甚なる敬意と感謝を申し上げさせていただきたいと思います。  まず瓦れき処理の状況でございますけれども、最新のちょっと状況を御報告させていただきたいと思いますが、かいつまんでお話ししますと、岩手県沿岸十二市町村におきましては、今八十二の仮置場が確保されまして、瓦れきのうち今約一八%、約百万トンが仮置場にまずは搬入をされたというところでございます。また……
  106. 片山虎之助

    片山虎之助君 百万トンができたということ。
  107. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) まずは被災現場から仮置場に搬入を終えたという量でございまして……
  108. 片山虎之助

    片山虎之助君 それがね、処理というのは難しいんだけれども、とにかく大ざっぱに言ってください。というのは、余り細かいのをやったら時間がなくなっちゃう。
  109. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) 恐れ入ります。  今、被災地域、約二千五百万トンの瓦れきがあるわけでありますけれども、まず一次仮置場に、まずは住宅地近傍あるいは交通アクセスの場所からまずは一旦移動させるという作業につきまして、岩手県で約一八%、宮城県で約一四%、福島県で約四%、今瓦れき処理が進みつつあるというところでございまして、先生おっしゃいますように、まずは、被災地の生活を取り戻すためにはまず瓦れきを撤去するということが一丁目一番地だと、このように考えているところでありまして、国として、広域連携を含め二次処理以降、先生も今おっしゃいましたとおりでありますけれども、広域的に行うことによってスピードアップを図ってまいりたいと、このように考えています。
  110. 片山虎之助

    片山虎之助君 しかし、それを、その処理率というか、進行のパーセンテージで八月末までにめどを付けるとか、全部の最終処分ですよ、最終の処理までが三年でできるなんというのは、これ夢物語だね。新聞なんかが報道しているのはあれはうそですね。いかがですか。
  111. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) 環境省といたしましては、昨日でありますけれども、五月の十六日付けで、災害廃棄物の適切かつ効率的な処理を進めていくための指針、マスタープランを作成をし公表させていただいたところでございます。  それが今報道されているわけでありますけれども、現在生活している住宅地近傍等の近くの瓦れきにつきましては、まずは、今年秋口に台風が到来をしてまいります。そのときの二次被害を防止するという観点から、まず優先順位を付けさせていただきまして、まずは住宅地近傍等につきましては、八月末までをめどにまずは一次仮置場に仮の移動をさせていただくということ。そして、全ての瓦れきについての処理でありますけれども、これは二十四年の三月末までに仮置場に移動すると。まずは住宅地近傍については八月末まで、そして来年の三月末までにそれ以外の地域のものについても仮置場に移動するという目標を立てさせていただいております。その後でありますけれども、平成二十六年三月末までをめどに、三年間掛けまして瓦れきの処理を完了するというプランを提示をさせていただきました。  ただし、一方で、資源の有効活用という観点からいたしまして、木くずあるいはコンクリートくずなどのように再生利用が可能なものがございます。例えば倒壊した瓦れきを破砕をして、またその後、道路を造るときに下にそのコンクリート殻を例えば敷き詰めるなど、こういった長期でむしろ再生利用をするということに関しましては、つまりリサイクルあるいは再生利用が可能なものだということにつきましては、その三年に限らず、いわゆる腐敗をしない、あるいは劣化をしないというものにつきましては優先順位を付けて、そしてそれぞれの種類をしっかりと峻別をしながら、仕分をしながら進めていくと、このように考えているところでございます。
  112. 片山虎之助

    片山虎之助君 しかし、まだ道は遠いね、いやいや。  それで、それじゃ国と県との今の役割分担がどうなっているか、それをあなたの方でこれをもっと進めるためにはどう変えようかという、そのプランか何かあるんですか。そんなこと市町村にやらせておったらもうできませんよ。
  113. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) 災害廃棄物につきましては、基本的には今先生おっしゃったようにまずは市町村でございますけれども、御案内のとおり、沿岸域で今、行政機能そのものが残念ながら著しく低下をしているという、あるいは瓦れきを処理をする能力がどうしてもやむなく低下をしているということにつきましては、事務委託という制度によりまして県が代行するということになっております。  それと同時に、先ほど申し上げましたとおり、市町村が仮に県に委託をして県でやっていても、事実上、その当該県内、例えば宮城県内あるいは岩手県内で焼却ができないということなどにつきましては、ほかの地域、広域連携と申しますけれども、ほかの地域において焼却、破砕あるいは最終処分、埋立てでございますけれども、これらを広域連携でもって実現をし、速やかに、言ってみれば国が積極的に関与をさせていただいて処理をしていきたいと、このように考えているところであります。
  114. 片山虎之助

    片山虎之助君 それは、県だって限度があるよ。市町村でいいと思うんで、国が直轄で瓦れき処理部隊をつくりませんか。それでこれ重点的にばばっとやっていくようなことを、それを検討されたらどうですか。瓦れきの処理ができなけりゃ、復興なんていうのはもう遠い先ですよ。どうですか。
  115. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) 松本環境大臣から強い指示を受けておりますのは、とにかくスピーディーに、先生おっしゃいましたように迅速に、かつ円滑、スムーズに処理をするという御下命をいただいておりまして、それに向けまして今様々な、申し上げましたとおり広域連携によって実を上げていくと、結果を出していくと、それを、今そのスキームを具体的に検討中でございます。  例えばですけれども、被災地は沿岸域でございます。沿岸域ということは、港があるわけでございます。今、様々な努力によって港も復旧をしてきたということでございまして、例えば接岸をして、海路、海の輸送によってほかの地域で受けていただくということを、広域連携、マッチングを国が主導して行うことによって、例えば東北地域では最終処分場が限られているものですから、ほかの地域との連動をすることによって、輸送費も含めてもむしろコストも安くできるというメリットも出てくるわけでございます。あるいは、陸を通じなくても、海路でそのまま処理をするということもできるわけでありまして、これらの具体的な施策を通じて、国が主導して、国が一緒に、共になってスピードアップをしてまいりたいと、このように考えております。
  116. 片山虎之助

    片山虎之助君 皆さんの政権の問題点は、言多くしてスピードがないんですよ。いやいや、本当に。こういう災害に絡む復旧復興はまずスピードなんですよ。少々間違えてもいいんだよ。やりながら直していきゃいいんで、もう完璧なものを最初から考えてきるわけがない、そんなことは。いや、この問題でも、ほかの問題、私は本当にそう思いますよ。是非それは検討してください。もう時間余りないけれども。  それで、お金はどうなるんですか、このお金は。全部国ですか。
  117. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の震災廃棄物につきましては、都道府県、市町村あるいはそれから委任を受けた都道府県が実施するものについて、通常の補助率のかさ上げを行っておりますし、その裏負担分につきましては全て地方財政措置を講じるということで、実質、地方負担ゼロということでやっております。
  118. 片山虎之助

    片山虎之助君 それじゃ、地方財政措置を含めて地方の負担は一銭もないということですね、確認しますけれども。補助率を九〇か九五ぐらいにするんですか。あとは起債とか元利償還、どうせそういう手法でしょうけれども。どうぞ言ってください。
  119. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 補助率につきましては、その地方の財政力等に応じて最高九割まで上げると。その裏負担分については全て地方財政措置を講じると、こういうスキームでございます。
  120. 片山虎之助

    片山虎之助君 ちょっと、総務大臣か代理の方でもいいけど、地方財政措置の方をはっきり言わないと。
  121. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今答弁があったとおりでありますが、市町村財政力に応じまして最高九割まで国庫補助金が出ます。その裏負担は、地方負担になりますけれども、これは全額当面、起債措置をします。その起債の元利償還について、これは他の災害復旧事業と同様に九五%分は普通交付税で措置をされますが、残りの五%分については、特に今回の瓦れきの多さ、それから処理の難しさに鑑みまして、その五%分も特別交付税で措置をするという、そういうことにしております。
  122. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、もう何度も同じことを言いますけれども、国としてこの瓦れき処理の被災地全部の計画を作ってくださいよ。それを県ごとに下ろして、市町村にも作ってもらって、国、県、市町村ではずを合わせて全体をいつまでに処理するということを示してくださいよ。どうですか。それは総理大臣に言うことかもしれぬけれども、いないからもう代理で結構だ。
  123. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) どなたに。樋高環境大臣政務官、よろしいですか。
  124. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) ありがとうございます。  今それぞれ被災三県に地域協議会というのを立ち上げさせていただいております。これは、国の出先機関、そして県あるいは被災市町村、そして民間の関連の団体が入りまして、それぞれの県でローカルで今具体的にいつまでに処理をしたらいいのだろうかというマスタープランを提示をさせていただきました。これにのっとりまして、地域の協議会等で、いつまでにどういうスキームで、具体的にどういった方法で見通しを持って計画的に処理をするのかということを今まさしくきちんとオーソライズさせていただく、承認をさせていただいて、みんなで納得した上で、見通しを持たれた上で瓦れきの処理は行わさせていただくと、このようにさせていただいております。
  125. 片山虎之助

    片山虎之助君 フォローしますからちゃんとやってください。  それから、水産庁の関係の方、来られていますか。もう一つ、この女川町の町長さんや皆さんが心配なのは水産業の復活なんですよ。あそこは大拠点だからね、漁業の。岡山県以上の水揚げがあるんだから、場合によっては。あれを是非、三陸沖の漁業は日本の誇るべき漁業や漁場ですよ。あれを復活するというのは、私は国家的な課題だと思っている。そこで、いろんな注文をやっていましたよ、町長さんが。それについては皆さんしっかり受け止めていると思いますけれども、ちょっとそれを教えてください。
  126. 田名部匡代

    大臣政務官田名部匡代君) 今先生から御指摘お話ございましたように、本当に漁業者が早い段階で漁業を再開していただけるように私たちも全力で取り組んでいきたいと。特に鹿野大臣の方からは、これだけの大きな被害を受けてももう一度漁業をやるんだという漁業者の思いを何よりも大事にしなければならないというお話がございまして、その指示の下、今様々な取組をしているところでございます。  そこで、各自治体のお考えであるとか、またそれぞれの漁業者のお考えであるとか、こういったことをしっかりと受け止めていくことが何より重要だと思っておりまして、四月一日に農林水産省の中にもプロジェクトチームというものを立ち上げて、それぞれの被災地にその調査団を派遣をいたしました。それで、各漁港等もくまなく足を使って回って、それぞれのお話を今聞かせていただいているところでございます。  できるだけその御要望に添って対応できるように全力で取り組んでまいりたいと考えています。
  127. 片山虎之助

    片山虎之助君 もう一点だけ。若い漁業者を是非残すためには三世代同居やなんかについて優遇をしてくれというて町長さんは言うんですよ。例えば三世代同居で、若い、漁業者以外の人だっていいんだけれども、漁業者が念頭にあると思いますよ、そうした方が同居した場合には、所得課税をまけるとか、ほかの税金をまけるとか、何らかの優遇を与えるということも検討してくれと言ってましたが。  もう時間がありません、答える、どうぞ。
  128. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 時間が過ぎていますので、簡潔に。
  129. 尾立源幸

    大臣政務官(尾立源幸君) お答えいたします。  所得税制におきましては、生計を一にしている扶養親族について、納税者との続柄や、また扶養親族の年齢などに応じた所得控除が現在でも認められております。それで、納税者の世帯構成に応じた担税力の減殺、すなわち所得税減税が現行制度でも行われておりまして、とりわけお年寄りや一定の障害者をお持ちの扶養親族については、納税者と同居している場合については一定の加算がされておりますので、三世代同居というような場合には、他の世帯と比べて同居世帯に配慮した税制となっているということでございます。
  130. 片山虎之助

    片山虎之助君 終わります。
  131. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  先ほどからお話がありますように、女川視察を踏まえて幾つか質問をいたしたいと思います。  震災から二か月がたって、住民は元の土地に戻りたい、そういう意向が強いという報道が相次いでおります。安住女川町長は、私どものヒアリングに対して、復興計画は公聴会など開きながらお盆ごろまでにまとめて、八年ぐらいで何とか復興させたい、漁業を大事にしながら住民の安全を守る必要がある、その際、一々国にお伺い立てなければならないんではなくて、一括交付金で自由に使える財源が必要だというふうに求められました。これは先ほどからの先行議員の皆さんからも出されております。この点は、そういう意味では大臣がこの間から、私もこれは質問いたしましたが、考え方はほぼ一致しているんだろうと思うんですね。  したがって、何回も聞いておりますが、その後、やはり政府内でこの片山提案というのはどういうふうに検討されているのか。何かマスコミ見ていると、ちょこちょこっと第二次補正は僅か二兆円ぐらいの格好にして、ずっと後、第三次補正やるのが後回しにしようみたいな話が流れてみたり、いろいろとあるんですが、ここらのところ、どういうふうになっているのかということが一つ。  もう一つは、十四日の報道にもありますように、特区方式が出されていますが、土地利用の規制緩和や投資の法人税の免税といった開発事業者優遇の格好では、阪神・淡路の教訓からも、それでは権利の弱い住民が復帰からむしろ排除されるんじゃないのか、こういう懸念があります。確かに大臣のおっしゃるような使い勝手の工夫も入るようですけれども、この特区法案の全体像は本当に住民優先になっているのかどうか、その点についてもお伺いしておきたいと思います。
  132. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 一括交付金の理念といいますか趣旨などについては既にお話ししたとおりでありますが、これは政府内で今どうなっているのかということでありますが、今お触れになられましたように、次の補正予算のスケジュールとも関係をいたしますので、それが少しずれ込むということになりますと検討もずれ込むということになりかねませんので、そうであってはいけませんから、この種のことは早く検討すべきであるということを先般の閣議後の閣僚懇談会で私の方からあえて申し上げました。  それは、復興構想会議でも議論されることになるし、いずれ補正予算のテーマにもなりますけれども、それらと並行してといいますか、それらを待つまでもなく、必要なことは早めに検討しなければいけない。その具体例としては、一括交付金の問題、それから特区、被災地特区の問題ということを総理もおられる中で申し上げておきました。それに対して特段の反論はありませんでしたし、総理の方も御関心を持っていただいたと私は隣に座っていて思いました。  それから、特区が開発業者優先になるんではないかという御懸念でありますが、そうであってはいけない、そうではありません。むしろ、そうではなくて、住民皆さん要望を踏まえて自治体復興のプランを作る復興の具体的な過程に入ったときに、一々国の基準があったり規制があったりするのではなかなか復興がスピーディーに、また自主性を持った柔軟な復興ができない。それを避けるために、そういう弊害を避けるために、自治体住民皆さんの意向を酌んでいろんな作業をしたいときに、国の規制ではなくて、自治体が自ら必要な規制を設けながら取り組めるという、こういうことにしたいというのが少なくとも私及び私の周辺で関係しております者の基本的な認識であります。これを是非復興の重要な一つのテーマに入れたいと思って今検討を、これは内閣中心になりますけれども、内々始めているところであります。
  133. 又市征治

    ○又市征治君 さっき申し上げたように、女川町長はお盆ごろまでにまとめたいと言っているんですね。ところが、片一方で第二次補正の問題が、いや九月以降でありますというのは、全然追い付いていかないと。さっきの片山先輩の話じゃないけれども、スピードが全然追い付かないという問題がある。片一方で二メーターも地盤沈下を起こしている。護岸の高さをどうするかと、早くこれは固めてもらわなきゃもう復興なんて成りはせぬじゃないかと、こういうやっぱり要望を出されているわけですよね。やっぱりここはスピードアップを是非お願いをしておかにゃいかぬと、こう思います。  次に、今おっしゃいましたけれども、現実には国交省あるいはその他事業官庁の縦割り、ひも付きの補助金事業の圧力がやっぱり一方で強い。またそれに寄りかかった方が事業開始が手早いんではないかと、こういう考え方も一方であると。逆に、自治体はそういう意味で苦慮しているという、こういう状況もあります。  特に、今回被災した中小規模の自治体では、自ら専門家を雇って自前の復興プランを作ることもままならない小規模な自治体ですから、ともすれば中央主導で画一的な、住民の意向やソフト面、つまり地域の歴史的、文化的あるいは経済的な特性を考慮しないプランを与えられて、そして金づくりでそれに従わざるを得ないということになりかねないという面も持っている。それを防ぐためには、住民の意向をじっくりと深いところから繰り返し丁寧にやっぱり酌み取る住民参加の仕組みが私は必要だろうし、これは片山大臣も前からおっしゃっていることだと思う。  いま一つは、全国各地での中小規模の町づくりを手掛けている民間や自治体職員のプランナーの人材を被災した自治体に紹介をし、その費用も支援する、そういう政府の役割も必要ではないかと思うんですが、この二点、いかがでしょうか。
  134. 門山泰明

    政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。  今後、被災地復興を進める上での外部専門家の積極的な活用の仕組み、支援についてのお尋ねにつきまして御説明申し上げます。  総務省では、平成二十一年度からでございますけれども、外部の専門家、アドバイザーの方を招聘することができるようなということで事業を行っております。具体的には、地域づくりに実績があります民間の専門家ですとか、あるいは先進市町村で活躍しておられる職員方々、こういう方々地域の人材ネットというデータベースに登録いたしまして、総務省のホームページで公開をいたしております。市町村がこういった地域人材ネットに登録しておられる方々を招聘いたしまして地域のいろいろな取組をしていこうという場合の旅費ですとか謝金といったようなものにつきまして、特別交付税の算定対象にするという仕組みでございます。  こういった仕組みが復興にも使える仕組みと思われますので、こういった事業のPRなどに努めてまいりたいというふうに考えております。
  135. 又市征治

    ○又市征治君 一つだけ答えられたんですが、住民参加の仕組みの問題、これはまあいいです、今申し上げた点は、さっき申し上げたように片山大臣もかなりその点は留意いただいているようですから。  時間の関係で一問、自治体の雇用問題、瓦れき処理などの問題と併せた雇用問題、ちょっと飛ばさせていただいて、次に郵政の問題です。  この三事業分社化で弊害が出ているんじゃないのかということで、私も現場でお聞きをいたしました。郵政として何ができるか、全力で努力をしていると。当初は、信書を避難場所を探し回って届けたとか、郵便配達員は今も金の受け払いもできるんだろうと住民は思い込んでいる。だけれども、そうなっていない。全国から移動郵便車を持ってきてこれらの要望にこたえることができるように努力されている現場も見てまいりました。  この住民皆さん避難所生活や仮設住宅住まいというのは、遠方に疎開している状況がまだまだ続く、こういう状況があるわけで、郵便局によるサービスも相当長期間行うべきだろう、このように思うわけで、その体制はどのように考えられているのか。特に、配達員が今申し上げたようにお金の受け払いも分社化以前のようにできるようにという課題というのは、これはやっぱり早急に解決をすべき問題だろうと思うんで、三社間の話合いで何ぼでもできるんじゃないのかと。ここらの方針、どういうふうにされようとしているのか、お聞きをしておきたい。  これは最初から、全国的にやっぱり批判されてきた分社化の弊害ですよ。郵政改革法案も衆議院で審議入りの段階ですけれども、せめて被災地だけでも先行的に解決ができないのかどうか、この点について伺いたいと思います。
  136. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 先日は大変厳しいスケジュールの中、女川郵便局被災状況やそして車両型郵便局を御視察いただき、またその際、社員を激励していただきまして本当にありがとうございました。  被災された皆様にとりまして、郵便、貯金、保険の郵便サービスは極めてニーズの高いサービスであるとの認識の下、現在、郵政グループ挙げて全力でその復旧に取り組んでいるところでございます。  まず、被災後の緊急の対応としまして、三月の二十日より避難所の付近等において、これも先日御視察いただきましたけれども……(発言する者あり)はい。最大十五台の車両型の郵便局を利用しまして、貯金の非常取扱いや保険に関する相談受付、普通郵便物受付等郵便サービスを実施しているところでございます。また、先ほど先生のお話にもありましたけれども、郵便につきましても、可能な限り避難所への配達を実施しているところでございます。  そして、当面の復旧として、津波被害を受けて郵便局でサービスの提供ができていない地域では、地方公共団体との連携を密にしながら、拠点となる郵便局を優先して、四月の二十六日に陸前高田市に仮店舗を設置するなどしまして、営業再開に向けて取り組んでいるところでございます。  しかしながら、これらの対応に当たりましては、民営分社化によって郵便局と郵便事業が別の会社に分かれたために、例えば、避難所への郵便配達の際にお客様から貯金、保険の御依頼をいただいても直接お受けすることができず、お客様に郵便局に御来店いただくとか、又は郵便局の渉外社員に改めて御連絡をいただく必要があったこと、あるいは、お客様はいまだに郵便局で郵便物を配達をされていると思っておられる方が多くて、被災のために休止をしておりました郵便物の配達の再開状況等の照会が郵便局に殺到いたしましたけれども、郵便局にはその再開の状況情報がなくて適切な回答ができなかったことなど、郵政サービスを一体的に提供できず、お客様に御迷惑をお掛けした問題もあったことも事実でございます。  今後、郵便、貯金、保険の郵政サービス復旧復興していくため地方公共団体との連携を密にしつつ取り組んでまいりたいと考えているところでありますが、先ほどもお話がありましたように、そのためにも郵政改革法案の早期の成立をお願いしているところでございます。
  137. 又市征治

    ○又市征治君 現実に合ったサービスを、住民皆さんは依然としてそれやれるものだと思い込んでいるという状況、それだけやっぱりサービスしていたわけですよ。そういうことが欠けているわけで、これはこれからの郵政改革法案審議の中でしっかりと議論をし、変えるところは変えて、住民サービスを、ユニバーサルサービスをしっかりやっぱり確立していくということが大事だろうと思います。  そこで、最後になりますが、これは経産省に聞きますが、福島第一原発一号機が津波直後からメルトダウンしていたと東電が十五日に発表しました。二か月もたっている、隠しておったんじゃないかと、誰もがそう見ているわけですが、最悪どのような被害がこの後考えられているのか。これにより、東電の冷却計画の期間は長くなって、収束の難しさも大きくなるんではないかと誰もが思うんですが、そこらのところはどうなのか。  今日十七日が工程表の見直しの予定のようですけれども、この予定には、この十五日に発表した内容が織り込み済みなのかどうか、いずれにせよ全面的な見直しが必至だと思いますけれども、今の時点で見通しを明らかにしていただきたいと思います。
  138. 中西宏典

    政府参考人中西宏典君) 御説明申し上げます。  まず、現状の状況でございます。  放射性物質のいろいろな外への放出といったところの影響でございますけれども、その外への影響というのは直接的になかなか現時点でも正確に予測するのは難しいというふうに考えてございますけれども、いずれにしましても、原子炉の圧力容器の温度というのが海水や淡水の原子炉圧力容器への注入ということで百度から百二十度ぐらいで安定的に推移しているということで、これから何か大きな事象が発生するということはなく、安定的に推移しているというふうに認識してございます。  それと、メルトダウンをしたというふうな御指摘についての我々の判断でございますけれども、一応、東京電力の方がそういう解析を先日出されました。そういうものを踏まえてでございますけれども、我々は更にそれの具体的な解析を、クロスチェックをするというふうな形で、今後はもう少しちゃんとした評価をやっていきたいというふうに考えてございますし、そういう中で、今日の午後、夕方に東京電力の方から道筋のまた見直しというふうなことが出されるというふうに聞いてございます。中身についてはまだ我々も、まだ公表されてございませんけれども、一応そういうことではございますけれども、可能な限り早いタイミングで当初の道筋の目標というものがちゃんと実際の形で具現化されるように政府としては積極的にこれをサポートするとともに、安全面からもしっかりと確認をしていきたいというふうに考えてございます。
  139. 又市征治

    ○又市征治君 何か東電任せというかな、そういう格好で、何のために統合対策本部をつくったのかよく分からぬというのが、多くのやっぱり国会議員の皆さんもそうですよ、そういう思いがいっぱいです。  これ以上、時間がなくなりましたから最後総務大臣に要請だけしておきますが、この原発汚染による住民避難はますます長期化して、地域も広がる可能性がある、こういう格好で、そういう意味では、総務省住民生活あるいは共同体の維持という点から改めて自治体支援をして、長期的な取組を構築してもらいたい、この点だけ要請して、終わりたいと思います。
  140. 藤末健三

    委員長(藤末健三君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十二分散会