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2011-03-24 第177回国会 参議院 総務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月二十四日(木曜日)    午後一時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         那谷屋正義君     理 事                 加賀谷 健君                 藤末 健三君                 片山さつき君                 松下 新平君                 魚住裕一郎君     委 員                 石橋 通宏君                 小西 洋之君                 行田 邦子君                 武内 則男君                 友近 聡朗君                 難波 奨二君                 吉川 沙織君                 礒崎 陽輔君                 岸  宏一君                 世耕 弘成君                 中西 祐介君                 藤川 政人君                 山崎  力君                 山本 順三君                 石川 博崇君                 寺田 典城君                 山下 芳生君                 片山虎之助君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     片山 善博君        国務大臣     自見庄三郎君    副大臣        総務大臣    鈴木 克昌君        総務大臣    平岡 秀夫君    大臣政務官        総務大臣政務官  内山  晃君        総務大臣政務官  逢坂 誠二君        総務大臣政務官  森田  高君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      道盛大志郎君        消防庁国民保護        ・防災部長    塚田 桂祐君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (行政制度地方行財政消防行政情報通信  行政等基本施策に関する件)  (郵政改革基本施策に関する件)  (平成二十三年度人事院業務概況に関する件) ○公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特  別措置に関する法律の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  去る十一日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震により各地に甚大な被害がもたらされ、多くの尊い命が失われましたことは誠に痛恨の念に堪えません。犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対しましては心からお見舞いを申し上げます。  ここに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  4. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣大臣官房審議官道盛大志郎君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、行政制度地方行財政消防行政情報通信行政等基本施策に関する件、郵政改革基本施策に関する件及び平成二十三年度人事院業務概況に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 山崎力

    山崎力君 自民党の山崎力です。  先ほど委員長からもありましたように、今回の大震災に対しての犠牲者方々罹災者方々に、御冥福をお祈りするとともに、本当に頑張っていただきたいという声援を送りたいと思いますが、我々の使命は、それの具体化というよりも、今目前にあるこの予算関連、そしていわゆる総務省、そういった関連のところの中身でございますので、時間の制約のある中でございますので、短い的確な御答弁をお願いしたいと思います。  それでは、まず最初に、これは総務大臣担当ということで郵政問題についてお尋ねいたします。  さきに郵政会社といいますか郵政グループが行った非正規社員正社員化、この問題について、私はこれはできればいいことだと思うんですが、結果として人件費の増加につながって経営内容を著しく悪化させているんではないかということがデータ的に出ていると思うんですが、所管大臣の見解をお伺いいたします。
  8. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 非正規労働正規労働にするというのは、私も基本的には好ましいことだと思っております。やはり、同一労働同一賃金の原則ということは本来守られるべきことだと思いますし、社員皆さんの生活の安定ということも重要だと思います。  ただ、そのことによって、それに伴うコストが増える分をそのまま利用者に押し付けるということはできませんので、それは企業の中の他の方面での節減合理化などによってバランスを取るようにしていただきたい、それが会社経営陣に要求されることだと思います。
  9. 山崎力

    山崎力君 おっしゃるとおりなんですが、そこのところで政治が少し絡んでいたんではないかというふうなことが言われているわけで、一民間会社経営判断正社員化したのかと、こういう問題があるわけでございますが、郵政担当大臣、いかがお考えでしょうか。
  10. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 今総務大臣がお答えしたように、実は私、十三年前、郵政大臣をさせていただいたときは、正規国家公務員、当時は国がやっておりましたので約三十万人おられました。非正規社員が、これは主にお正月の前後の年賀状の繁忙期でございました、これが七万九千人という状態でございましたが。  今、もう御存じのように、正規社員が二十三万人ですね。七万人減っておりまして、そして非正規社員が二十一万人ということで、今、この国会でも何回か指摘されましたように、日本国で一番非正規社員が働いておられる会社といいますか組織は実は日本郵政でございまして、これをもう先生御存じのように、この正規社員、非正規社員の問題、千七百六十万人の非正規社員がおられまして、大体三人に一人ですね、働いておられる方は非正規社員。  今も総務大臣も言われましたように、これ年収が二十代、三十代、四十代、五十代にもかかわらずずっと大体二百万円前後ということでございまして、実は郵便局の非正規社員だけ集まっていただきましてずっと話を、我々東京、それから大阪、広島、福岡、長野、新潟で五十人ぐらいの方に、当時、亀井大臣と私も同行させていただいて聞いたんでございますけれども、大体ボーナスが二万円、五万円、十万円と。同じような仕事をして非常に差別があるというようなことを本当に切々と訴えておられた方がおられるわけでございますから、今総務大臣が言われたように、やはりできるだけこれは、特に先生御存じのように規制緩和の中で、二〇〇四年だったと思いますが、非常に工場現場それから作業現場からどんどん正規社員というのが大変、日本は戦後、非常に民主的な労働法というのがあったわけでございますけれども、それを規制緩和したということで、大変国際競争力の中でもあったわけでございますけれども、急速に非正規社員化が進んだわけでございました。  そういった中で、今お話がございましたように、もう日本最大の非正規社員を抱えているところでございますから、今大臣が言われましたように、やっぱり安定した雇用環境を提供する、あるいは士気の向上ということも考えて、しかし同時に、確かに会社経営上は人件費が高くなるというような話もございますし、今度はグループ全体で八千四百三十八人をまた登用するということでございまして、非常に非正規社員の人に希望は高まっておりますけれども、グループ全体で約三十七億円人件費が要るということでございますから、やはりできるだけほかのところを合理化していただくと。  やはり人でございますから、人は物とは当然ですが違いますから、そこら辺、やはり明治以来、人を大事にしてきた郵政事業でございますから、そういった原点に立ち戻っていただければと、こういうふうに私は思っております。
  11. 山崎力

    山崎力君 いろいろお答え願いましたけれども、先ほど来私が申し上げているのは、非常に政治的なことでもまれてきたというか、郵政の問題というのはそこのところを切り離せないままで今民営化されているわけでございますので、その辺のときに、民間会社になった郵政政府とのつながり、あるいは政治とのつながりが特殊でございますので、その辺のところを勘案した形でしっかりやっていただかなければ、一言で言えば郵便局会社赤字が上乗せになっていると、これは明らかに正規社員化がそこにしわ寄せになっているということでございますので、そういった意味でも、合理化だけで済むものかどうか、その辺は考えていかなければ全体がまたおかしくなるということでございます。  時間の関係で次に移らせていただきますが、続いて選挙制度のことについてお伺いいたします。  裁判所からのいろいろな判決も出ておりますが、現政権における、まずは国会、衆参の定数とか区割りなどについてどのように考えているのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
  12. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 選挙制度といいますか、言わば基本的なルールについて一つ政権が確定的に決めてしまうということは、私は必ずしも適当ではないと考えております。やはり国民代表を選ぶ決め方でありますから、それこそ国民代表である国会議員皆さん方各党会派皆さん方で十分に意見を交わし合って合意を形成するということが必要だろうと思います。これが基本的な考え方であります。  参議院につきましては、かねて西岡議長の方から一つの案というものを出されて、これをそれぞれの各党会派で御検討していただいていると思っております。それから、衆議院の方は、これは定数配分といいますか、についてはルールがありまして、選挙区の画定審議会というものがありまして、これが既にもう三月、今月から活動、検討を開始しております。  ただ、昨日の最高裁判所判決では、これまでの衆議院定数配分基本的なルール一つであります一人保障という、別枠方式という、これについて最高裁判決ではここに疑義を呈しておられますので、この点をどういうふうに審議会の方が踏まえるのかどうかといいますか、これをどう考えるのかということが一つ問題として浮上いたしました。  そんな問題はありますけれども、一応、ルールによって衆議院の方は検討する場がありますので、これからそこを中心に検討がなされていくということになっております。
  13. 山崎力

    山崎力君 ということは、現内閣において、こういう突発の大災害が起きている時点ですから、事情がそういう変わってきましたけれども、いわゆる大災害を、大震災を除いたとしても、現菅内閣では選挙制度について、こうこうこういうふうな方針で、日程観でやりなさいという指示担当である総務省には来ていないと、このように理解してよろしいんでしょうか。
  14. 片山善博

    国務大臣片山善博君) いや、そうではありません。先ほど申しましたように、少なくとも衆議院につきましては、法律にのっとって定数配分見直し検討する場がありますから、これはもう既に三月一日から動き出しております。  そこで、さっき申しましたのは、その動き出している審議会議論前提としては、一人別枠方式というものを前提にしてどういうふうに再計算するかという、そういうやり方をやる多分予定だったと思うんですけれども、最高裁の方の判断が一人別枠方式に疑義ありと、疑念を呈せられたものですから、それをどういうふうにするのかということ、これは審議会だけでは決められませんので、これはもうそれこそ先ほどの本来の原則に戻って、各党会派の御議論をいただくことが必要になってくると私は考えております。
  15. 山崎力

    山崎力君 質問の趣旨は、今、片山大臣のおっしゃったことが、いわゆる官邸サイド総理サイドからこういうふうな形でやりなさいという、そういう状況になっているのか、それともいわゆる淡々と、先ほどおっしゃったような形での審議をしていただいて、ある時点国会側に投げるのか、どちらかという、そういう意味質問です。
  16. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、そのときのたまたま総理がこうやりなさいと言って決めるというやり方も、それはないわけではありませんけれども、私は選挙ルールというのはそういうやり方は必ずしも好ましくないと思っておりますし、現にそういう、こういうやり方をしなさいという明確な具体的な指示は私のところにはありません。ありませんが、その方が私は妥当だろうと思っております。  言うなれば、議員表現を使いますと、淡々と実は、制度がもうできておりますから、淡々と進めておったところに昨日の判決が出たものですから、その違憲判決違憲状態であるという判決を踏まえて、じゃ、一人別枠方式をどうするのかというのは、昨日の今日でもありますし、今日の災害対応状況でありますから、そこについてはまだ、私の上司であります、任命権者であります総理とも具体的な相談は今日時点ではしておりません。
  17. 山崎力

    山崎力君 続いて、地方交付税関係について、いわゆる地方自治体における財政の問題についてちょっと伺っていきたいと思います。  二十三年度の交付税、繰越金や別枠加算という形で増額になったわけですが、この辺のところを踏まえた上で、政権考え方一般会計から増やすことができるとか、あるいはそういったことで地方交付税総額が変わってくるということは、財政規律考え方から見てどうなんだろうかという基本的な疑問が生じるんですが、その辺どのようにお考えでしょうか。
  18. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 毎年その状況地方財政状況を見ながら毎年加算を加えるというようなそういうやり方は、今はやむを得ないんですけれども、本来の在り方としては私は好ましくないと思っております。それは議員のおっしゃる財政規律という観点からもありますし、当の自治体にとっては、これは税に匹敵する財源なものですから、それが来年度一体どうなるのかというのが毎年毎年の地方財政対策で各年の年末に決まるというのは決して好ましくないと思います。  やはり自治体にとっては、地方税と同じように地方交付税もある程度の確度で予見可能である、予見可能性があるということが本来の自主的な財政運営を可能にしますので、本来からはやはりルール化をして、客観的な指標によって決まる、総額も決まるし、それから各自治体への配分も決まるという、そういうやり方が断然好ましいと私は思っております。
  19. 山崎力

    山崎力君 それと若干関係するんですが、具体名は挙げませんけれども、ある地方自治体の長が減税をぶち上げて有権者の支持を得たと、こういう事例が、ここにおられる方は皆さん御存じだと思うんですが、その自治体独自減税というものが、これは念のためですが、地方交付税算定にかかわっているかかかわっていないか、その辺のところからまず伺っていきたいと思います。
  20. 鈴木克昌

    ○副大臣鈴木克昌君) このことは私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。  結論から申し上げますと、関係はないということでありますが、その辺の仕組みをちょっと申し上げたいんですが、今大臣が御答弁させていただきましたように、あくまでも客観的なものでこれは決められていかなければ本来おかしいということであります。  現在の算定の方法でありますけれども、各団体の具体的な取組がどうであるということではなくて、標準的ないわゆる財政需要と、それからいわゆる標準的な税収に基づいて客観的に決められておるということでございますので、減税したから多く出すとか、増税したから少なくするとか、そういうことではないということでございます。
  21. 山崎力

    山崎力君 今、ちょっと最後のところの表現がおかしかったかなと思って聞きましたけれども、逆なんですよ。要するに、不交付団体であれば、我が県でも市町村でもいいんですが、非常にいい税収源があって、それで国からの地方交付税を受けていない、しかもまだ余裕があると。それで、その余裕で何をするかというのも大事だけれども、これを市民に、あるいは県民にお返しするということで減税をすると、これはよく分かるんです。  ところが、交付団体が、一つ政治的な哲学か何かあるのか知りませんけれども、税金をどんどん減らしていく。そうすると、先ほどあった標準的なと、こういうふうなことでおっしゃられたけれども、標準的でなくしているわけですよ、ある意味でいえば。そういうところに、ある意味でいえば財政的に余裕があるところがやるべき減税と私は思うんだけれども、それがないところがやって、それでいわゆる地方自治体財政が苦しくなったとしても、国からの地方交付税がそのまま受けられるというのは何か釈然としない気持ちがあるんですが、その辺はどうなのかという、そういう意味でございます。
  22. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 制度一般論といいますか理屈でいいますと、例えば、交付団体であってもいろんな経費を切り詰めて節約をして、その分財政余裕が生じたので、じゃそれを減税に回しましょうかということは、これは制度的には可能です。ただ、若干地方債の制限が強化されるとかそういう面はもちろんありますけれども、制度的には可能です。  ただ、幾つかの条件といいますか要件がありまして、いろんなところを切り詰めるといったときに、国が交付税算定するときの前提としておりますいろんな福祉とか教育とかの仕事ぶりについて切り詰めて、標準的でないかなり劣悪な行政サービスしかしないことによって節約をしたということになりますと、これはいささか問題ですので、それについては別途そういうことにならないようにという仕組み財政制度の中にあります。あくまでもやはり標準的なちゃんとした行政をやってくださいと、そのために交付税はあげているわけですから、それをしないということになりましたら、なら交付税の方も少し見直しをしますがというのは、これはありますけれども、そういうのがあります。  それから、私は今回の問題考えまして、交付税を受けていて、それでもう一方で借金が相当あるわけです、借金ストックが。そうしますと、節約を一生懸命することはこれは当然でありますけれども、節約をすることによってある程度財源が浮いた場合に、それを全部減税に回すというよりは、まず負のストックの方の、借金返済の方を優先するということの方が長期的な視野に立った財政運営からは健全であり、かつ常識的でないかなと私は思っております。
  23. 山崎力

    山崎力君 次に私が言うことを先取りされちゃったみたいなところがあるんですが、ただ、それを止める手段はない。しかも、なおかつ選挙減税をすると言うのは有権者の心をつかみやすい。  そして、切り詰めるといったときの中身でいえば、人の持ってないアイデアで切り詰めた、よくやったと、それで余裕を出した、それを何かに使ったと、これは行政的に財政的に美談になるんでしょうけれども、逆に言えば、それが分かった途端に、それを全部の市町村にあるいは県に持っていって、それを適用することによって、こういうことをやればこれだけ切り詰められますよということになれば、本来やるべき仕事がその分浮くわけですから、そうすると全部に対する交付税の減額の一つの対象になる可能性も十分ある。まさに両刃の剣ならんところで、そのバランスだと思うんですけれども。少なくとも、それに対して今回の事例というのは禁じ手を使ったような気がするんですね、私は。  その辺のところについて、総務省として何らかの検討をこれから加える考えはないのか。このまま放置して、私の任期中は減税して皆さん方のためにやって、それで財政赤字が積み上がって、それでにっちもさっちもいかなくなる前に、名市長で、はいさようならと。次の人は、その借金返済に、なってみたらこれほど財政がひどくなっているとは思わなかったといって苦吟すると、こういうパターンがこれから地方財政に出てくるような気がするんですが、その辺いかがでしょうか。
  24. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは一般論としてはあり得ると思います。そうであってはいけないので、何というんでしょうか、改革派というんでしょうか、行政改革をしっかりやって自治体運営をするかどうかという、その真贋を見抜く目をやはり有権者皆さん、多くの有権者皆さんに持っていただくということがこれは一番の基本だろうと思います。  それはそれとして、何か総務省としてないのかということでありますが、これはかねて片山議員がこの問題で御指摘になられましたけれども、さっき山崎議員がおっしゃったように、減税をして一方で交付税をもらっているという問題と、もう一方で地方債を発行するという問題があって、減税をして収入を減らして、その分を地方債の方でカバーするという、これは決していけませんので、これはチェックするシステムがあります。そこで減税をする財源というものをちゃんと、無理やり教育とか福祉なんかに切り込んでしわ寄せをするというようなことではなくて、合理的な分野でちゃんと本当に節減していますかというチェック総務省の方ですることにしているんです。  それは、しかし、あくまでも借金をするかしないかの許可をするときの基準でありまして、減税を認めるかどうかというこれは仕組みはありませんので、あくまでも減税をした上で借金をすると言われたときに、それが財政の健全なバランスを汚すことになっていないのかという、侵すことになっていないのかという、そういうチェック名古屋市の場合も既にやっておりますし、来年度も恐らくそういう局面が出てくるだろうと思います。
  25. 山崎力

    山崎力君 私の方からは名古屋市という言葉は使わなかったことだけ、ちょっと記していただきたいんですが。  それとの絡みで、今度、いわゆる一括交付金、何か戦略何とか、地域自主戦略交付金ですか、こういう名前で出てきて、担当大臣片山大臣であるということもあって内閣委員会でも当然問題になると思うんですが、私の方からも質問させていただきたいと思います。  これは、あえて私、表現させていただいて、きつい言葉になると思うんですが、まさに羊頭狗肉交付金制度だと。これは中身について後から申し上げます、その理由については。  そして、片山大臣の発言を聞いていると、羊ではなくて犬かもしれないけれども肉だからいいじゃないかというふうに一般の方に納得してもらおうという、宣伝マンというか、そういう感じで私は受け止めさせていただいています。そういったことの、私の手のうちをばらすようで、先に示すようで恐縮なんですが、そういう気持ち質問させていただくということでお答え願えればと思います。  まず第一に、どういう基準だというのは、おいおい皆さん方の方からこういう基準で配りますということを示していただいてアウトラインは見えてきました。それで、一言最初に言わせると、菅総理は、皆様方、何でも使える交付金ですよ、それを一括して地方に与えますと、何回も出ているんですね。いや、多少の制限はありますと、いや、多少どころじゃない制限があるんです、使い方にはということについて菅総理の口から聞いた記憶がないんです。  その辺についてどうお考えでしょうか。
  26. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 総理の発言ということでいいますと、少なくとも予算委員会衆議院、参議院で臨時国会以来やってきましたけれども、特に今国会では衆議院でやってきましたけれども、少なくとも私、予算委員会などで総理の発言をじかに聞いておりまして、今おっしゃったような何でも使えますよという表現はされていないと思います。幾つかのメニューの中で自治体が自由に選べるんですと、箇所付けも自由にできるんですということをかなり正確に国会答弁などを通じて発言されていると私は認識しております。
  27. 山崎力

    山崎力君 ということは、マスコミ向け、一般国民向けの発言と議会、委員会での発言が少し多少ずれているなというふうに理解させていただいて、これはちょっと言わなくてもいいことですが。  そういった中で、それでは本当に、これが制限はある、自主性は持たせると言うんですが、私の聞くところ、今回は県が対象、都道府県が対象ですから申し上げますけれども、単独事業には使えませんね、この交付金は。そして、地方交付税の方は単独事業に使えますね。その点、まず確認させていただきたいと思います。
  28. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 交付税は、これは先に申しますと、これは一般財源ですから何にでも使えます。それは交付税基本的性格からくるものです。  この一括交付金を単独事業に使えるかというのは、そもそも単独事業というのは国庫補助金が全く入らない事業のことをいいますから、入れた途端に補助事業になるわけで、ですから、ちょっと失礼な言い方しますと、いささか語義矛盾があるわけです。  従来単独事業としてやらざるを得なかったものに充てられるかという話になりますと、基本的には、やはり従来国庫補助事業でやっていたもの、そういう事業、そういう程度の規模の事業を想定して今回一括メニュー化するという基本的な考え方です。もっと小さいものまで交付金の対象にしたらいいじゃないかという議論はありましたけれども、まあ初年度でありますので、大きな変化というよりは従来のやはりやり方というものをある程度尊重した方が戸惑いが国にも自治体にもないだろうということで、規模の問題ですけれども、余り小さな規模のものにはこれは使ってほしくないという、そういう気持ちは持っております。  ただ、従来と違いますのは、従来、農道でありますとかそれから国県道でありますとか、いろんなハード事業がそれぞれの各省縦割りのところで交付決定をしていてもらったものを、今度は枠として総額が示されて、その中で自分たちでそれを張り付けていくことができる、なおかつ同じ事業の中で箇所付けも自分たちで決められると、ここが私は従来の補助金に比べて非常に自由度を増すことになると思っております。
  29. 山崎力

    山崎力君 ところが、まず初年度からだということをおっしゃる、そこのところをおっしゃりたい気持ちは分かるんだけど、自由になる部分と言われているのは約一割しかない。五千百二十億ですか、そのうち一割しかない。それが継続事業の分で九割行くだろうという、都道府県単位ですね。それが本当に、それじゃ将来いわゆる継続事業がなくなったときにどうなるんだと、新たな箇所付けのところも含めてということが一点です。  それからもう一つ、来年度から、年度柄まだ三月ですから、再来年度から市町村部分までやりますよということになっているわけですね。そうすると、規模の問題といったら、本当に県より大きな市から、区から、そしてもう何百人という村までこの対象になるわけです。事務作業量というのは非常に膨大なものになる。市町村の役場にとっても大変、今までやったことのない仕事が加わるわけですから。その辺いかがお考えでしょうか。
  30. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 最初の御質問ですが、これはいささか誤解がありまして、九割は継続事業分、一割が新規分と、こういうふうに伝えられているんですけれども、正確に言いますと、各都道府県に配分する際のその配分額を決めるときに、余り激変をするのは好ましくないだろうと、やはりなだらかな激変緩和が必要だろうというのが基本的な考え方です。その際に、じゃ、どういうふうに激変を緩和するかといったときに、既存の事業があって継続事業がどれぐらいあるかということを一つの目安にしようということなんです。それを目安にして配分枠を決めるわけです、九割分は。で、あと一割分は客観指標で決めて、合計したものが都道府県の枠になります。  じゃ、その枠の中で何に使うかというのは、今度は都道府県の自由であります。既存の継続事業に機械的に張り付けてもそれも構いませんけれども、もうそれとは関係なく新しい事業に、もちろん対象メニューの中ですけれども、新しい事業に着手するということも可能でありまして、何も今までどおり継続事業に全部使えという趣旨ではないんです。単なる枠を決めるときの目安として継続事業の賦存量というものをその参考にしようというだけのことであります。それが一つです。  それから、市町村分については、これは都道府県は四十七、それでも東京都と鳥取県の間には大きな差はありますけれども、それでもまあまあ粒がそろっています。ところが、市町村になりますと千七百数十ありまして、非常に大きな格差があります、人口面でも機能面でも。そこで、これはなかなか都道府県のようにはいかないので、ちょっと一年掛けてじっくり考えてその制度を設計しましょうということです。  ですから、今まだ市町村分については詳細決めておりません、これから決めます。その際には市町村の意見もよく聞いて決めたいと思いますが、そのときに、市町村仕事が、作業量が物すごく増えるようにするということは、全くこんなことは考えておりません。  そうではなくて、市町村も今縦割りの中で補助金を各省からもらうのにきゅうきゅうとしているようなところありますから、そういう作業を減らしてあげたいと。自由度を増すことによって、そういう今までやってきたような作業を緩和したいということが眼目でありますから、議員がおっしゃったように、膨大な新しい事業ができて膨大な作業量になるなんということは、全くそんなことは想定しておりませんし、そういうことのないようにしたいと思っております。
  31. 山崎力

    山崎力君 今のお言葉ですけれども、この予算は内閣府の予算なんですか。名目はというか、最初の取り分は内閣府ですけれども、実際の事業に関してはそれぞれの役所の予算になるんじゃないですか。もしそうだとするとというか、そういうふうに聞いておりますけれども、そうだとすれば、内閣府で枠が来たものを、自分たちが何をしたいのか、箇所付けを含めて、そこの担当のところの役所と話といいますか下打合せをしなければこの予算は来ない、そういうことになるんですが、それが事務作業量としてどうなのかと。  今までだったら、縦割りの中で、何というんでしょう、いろいろ問題はあったにしても慣れていたところが、今度は、これをどういうふうに使うかということをそれぞれの役所、これはこうだろうこうだろうという張り付けのところの役所と打合せしてからでなかったら、その役所の予算額決まらないじゃないですか。その辺が私の申し上げているところです。
  32. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは内閣府の予算になります。内閣府で各都道府県に配分する枠を決めます。それを各都道府県に通知をします。通知を受けた県の方は、その枠内でどの事業に充当するかということを自分たちで決められます。したがって、どの箇所で事業をするかも自分たちで決められます。それを内閣府に報告をします。そうしますと、そこで道路事業に幾ら使うとか農道に幾ら使うとか、それが決まってきます。  そうやって決まった後は、これはあくまでもやっぱり国の交付金でありますから、会計検査とか適正に使われたかどうかのチェックはしなきゃいけませんから、都道府県が決めた後、その後、今度は各省の法律で決められたチェックとか会計検査院などのチェックを受けるようになるという、それは従来と途中からは一緒であります。  しかし、一番最初のところの、各省の縦割りのところに行って、来年度はこれをくださいあれをくださいという作業はもう要らなくなるわけです。内閣府から示された配分枠の中で、それぞれの都道府県が言わば勝手に決められるという、ここが一番のポイントだと思います。
  33. 山崎力

    山崎力君 そういうふうに決めても、そこのところを実際に使うための事業をするためには、その監督官庁の方に行ってしっかり打合せしなきゃできないというところは同じじゃないですか。  しかも、今会計検査院のことをおっしゃいましたけれども、そのときは、今までは、こういった事業というのは、もちろん現場にも来ましたけれども、元々の役所にも行くわけですよね。それで、例えば道路を造るとしたら国交省の予算額の中に入るわけでしょう。そうすると、会計検査院の方は国交省にも行くわけですね。向こうの方で付けた場所について、こういう道路を造った、これがどうなんだという検査は、会計検査院としては国交省の判断もそこのところで聞かなくちゃいけないわけだ、もちろん。それをなぜ認めたか。それは、内閣府で何でも使えるから、こっちの方はただ名目上うちの予算で例えば鳥取県にお渡ししたということで会計検査院から逃れることはできないと私は思っています。そうすると、実際は変わらぬということですよ、僕に言わせれば。  それから、時間の関係でそこのところを飛ばして、一番私がこの制度羊頭狗肉だと思っているのは、恒久法なんですよね、この建前は。ところが、先ほどおっしゃられたように、市町村については来年度からやる。しかも、なおかつ、今までの経緯もあって、申し訳ないんだけれども、沖縄と北海道が別枠、特に沖縄は別枠でどんと来ている。激変緩和措置だと言っている。激変緩和措置というのは、本当の、元々の計算値に即行くと大変だから、それに行く途中でこうやっていきましょうと、なだらかにしましょうというのが激変緩和措置の問題ですけれども、沖縄、北海道について、将来、全国共通の基準でこの地域自主戦略交付金配分する予定なんですか。
  34. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 沖縄と北海道は、特に沖縄の場合は従来から、以前でありますと沖縄開発庁というのがありまして、そこで、例えば本土の県でありますと各省の縦割りで流れていた補助金を沖縄開発庁で総括をしておりました。ですから、言わばある意味では一括化されていたわけです。その枠組みというものを今回も、今後とも踏襲をしようということにしたわけであります。  北海道も、沖縄ほどではありませんけれども、旧建設省と旧農林省とかの補助事業というのはそこに集約されていた、北海道開発局に集約されていたわけでありまして、そういう従来の経緯というものを踏襲したわけであります。  今後どうするかというのは、当面はやはりこの枠組みを私は維持すべきだろうと思っております、特に沖縄などにつきましては。ただ、未来永劫かどうかというのはこれは分かりません。これは今後のその推移によると思います。また、判断が加わってしかるべきだろうと思いますけど、今々これを、この枠組みを私として変えたいとは考えておりません。
  35. 山崎力

    山崎力君 今までの経緯は経緯なんですけれども、激変緩和措置、それで今のところ九割そういうふうな形でやりました。どうやってそれをいわゆる分かりやすい形の、何というんでしょう、事前の計算、計数によって、おたくのところは来年度のこの戦略交付金は幾らですよという、そういったあるべき姿に持っていくんですか。それが示されなかったら、これはもう法律としては不完全なことこの上もない。全国一律に適用されていないんですよ、考え方が。  今までの経緯をしょい込んで、それはそれで別法で、特別法でやるなら分かりますよ。基本的に、この地域戦略交付金という、まあ何というんでしょうか、大げさなというような名前を付けておきながら、そういうふうないびつな形でスタートさせる、それが私は菅内閣における羊頭狗肉だと。  いいものだいいものだと、おいしい羊の肉だと言っておきながら、中身は違うよ、どこがおいしいんだ、不公平じゃないか、将来展望ないじゃないかと。きちっとした形で、羊の形を分かった上で国民に示すならともかく、表面上は羊だ羊だと、頭だけは羊だ羊だと言っておきながら、中身の肝心の食べる肉のところは大変なことになるんじゃないかという危惧を私は持たざるを得ないわけです。  特に、あの三位一体の改革のときに一番の問題になった、同じ片山という大臣の下での改革ですけれども、結局、地方の怨嗟の的となったのは、やはり地方自治体、そちらにも経験者……(発言する者あり)そこのところを、ちょっと今やじが入って恐縮だったんですが、総額を削られたということが集約として一番この三位一体改革の精神というか中身を傷つけてしまった、結果として。そのことを私は、今度の自主戦略交付金でも、いいことかもしれないけど、総額削られたら元も子もない、それが地方自治体の私の聞くほとんどです。  そこのところについて大臣は、まあいつまでやっておられるか分かりませんけれども、この法の精神として減額しないということをお約束できる立場でしょうか。最後にお伺いいたします。
  36. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 総額は確かに自治体の側の皆さんの心配の一つです。これはおっしゃったように、三位一体改革、これは自民党時代に行った改革で、気が付いたら交付税が大幅に減っていたという、結局だまされたという自治体が多かったのは事実でありまして、この二の舞だけは避けたいということであります。私のところにも随分多くの皆さんが言ってこられました。  私も三位一体改革のときに自治体の長をやっておりまして、最初から警鐘を発しておりました。三位一体改革って言うけれども、別に自治体に有利になるような内容が含まれるかどうかは分かりませんよと、だから気を付けなきゃいけませんよと言っていましたけれども、大勢でざっと流れて、結果的には大変大きな被害を被った者の一人でありまして、そういう経験を持つ者が今度担当大臣になったときに、同じようなことを自治体に強いるということは決して私はすべきではないと最初から自覚をしております。  今回も、ちなみに申し上げますと、既存の補助金、この種の補助金の査定率といいましょうか、やはりそれはこういう財政事情でありますから査定はありますから、その査定率に比べてこの一括交付金の対象になった交付金の総額は、査定率は低くといいますか、歩留り率が良くなっている、要するに削減率が少なくなっているというのは、これは一つの、手前みそかもしれませんけど、努力の結果だろうと思っております。これからも総額は、自治体皆さんの信頼を損ねないように総額の確保に努めてまいりたいと思います。  それから、先ほどは羊頭狗肉だということを何回も強調されて、羊ではないとおっしゃいましたけれども、沖縄の話は、これはやはり私は特例は必要だろうと思います。沖縄と全国他の地域を別枠にするから羊頭狗肉だと言われるということは、自民党の場合は全部一緒にしろと、この際もう沖縄の特例なくせということでしたら、それはそれの一つ考え方かもしれませんけれども、私はやはり当面は沖縄の特例というのは必要だろうと思っております。
  37. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  今日は政府出席者、多くは防災服というか、着ておいでになりまして、私も亡くなられた方々に哀悼の意と、そしてまた被災者に心からお見舞いを申し上げるものでございます。  また、復旧復興へ懸命な努力をしておられます総務省また自治体職員の皆さん消防消防団員の皆様に、その努力に心から敬意を表するものでございます。一日も早い復旧を心から祈るものでございます。  片山大臣、やっぱりこういう災害のときに一番大事なことは、現場に希望と勇気を与えることだろうと思うんですね。そこには手を具体的に差し伸べていくということが一番大事だろうというふうに思っております。  二〇〇〇年の秋の鳥取西地震のとき、大臣は知事をされておられました。結末として、家屋の復旧に利子補給という今までにないようなことを思い切って取られて、やはり復旧に大きな役割を果たしたというふうに評価するものでございますが、今回も想定外というか、あるいは法体系が想定する以上の災害が起きておりまして、もちろん法律による行政でございますけれども、果断な対応を是非取っていただきたいなと心からお願いをするものでございます。与党、野党関係なく、国会もしっかり応援していきたいと考えるものでございます。  震災で一番、約十三日たって今の段階で大事なことは、被災者の生活支援、大分物が行き渡ってきているようでございますが、生活支援、それから行政基盤の再建ということが一番大事になってくるんだろうなというふうに思っておりまして、そんな観点から若干質問をさせていただきます。  まず、津波が来ました。逃げることが一番大事であるわけでございますが、ある自治体で津波警報が来た段階で半鐘を鳴らすというやつをやっていたんだけど、それが実際に鳴らなかったと、で、被害者も出たというような報道もございました。  一方で、大きな津波が来ているにもかかわらず、これ町ですか、町の防災センターの二階にある放送室からずっと津波に、逃げろという女性の声でやっていて、そしてそのままのみ込まれて、防災センターは三階建てでございましたけど、全部鉄の骨組みしか残っていないと、いまだに行方不明という、そういうような事案もあります。  これは防災行政無線、それで、その南三陸町ですか、物すごく助かった、その女性の悲痛なアナウンスで必死になって坂道を上がったという声も放送されておりましたけれども、これが本当に防災行政無線が生かされたといいますか役立ったという部分になっているんだろうというふうに思っているわけでございますが、これは、今回かなり水浸しになって今機能しないかもしれませんけれども、これはやっぱり整備をしっかりやっていく必要があろうかと思っておりますが、この防災行政無線の重要性をどう認識して、またこの整備をどう進めようとしているのか、大臣の所見をお伺いをします。
  38. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) 私の方からお答えいたします。  防災行政無線、同報系の重要性は、私自身も自治体に長くおりましたので非常に強く認識をしているところでございます。しかもこれは、小規模な自治体に限らず、人口の多いところでも有効に機能するものだというふうに思っております。  その上で、今回の震災において多くの機能を果たしたということを承知しつつも、随分被害があったということも認識をしているところでございまして、今この被害について、どの程度の防災行政無線が被害があったのかということも調べなければならないというふうに思っております。  その上で、今後、まず復旧に政府としてこれは応援をしてまいらねばならないというふうにも思っておりますし、加えて、整備率がまだ十分ではないところもございますので、これらについても政府として応援をしてまいりたいというふうに思っております。
  39. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 この防災行政無線、この戸別受信機というのを各戸に貸し出している例もあるようでございますが、やはり情報伝達をきちっとすると、そういうことが大事だと思いますが、この点について積極的な後押しをする必要があるのではないですか。
  40. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) 防災行政無線の仕組みについては幾つかパターンがあるというふうに認識をいたしておりますけれども、それぞれのケースに応じてどういう支援の仕方が良いのかということについては、丁寧に対応してまいりたいというふうに思います。
  41. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 こういう災害、あるいは災害でないところも情報伝達は非常に大事だと思うんですね。計画停電と言われてもう大騒ぎになりました、東京都でも埼玉でもですね。それで、自治体によってはチラシを作ったり、ここから何時から停電になりますよと掲示板を作ったり、場合によってはこの無線を使ってお知らせしているところがあるんですね。そうすると、やっぱり東京電力のホームページ見ろといったっておばあちゃん見れないという場合もあるわけであって、そこのところはきっちりこの防災行政無線を生かしていくという手も必要ではないのかなと思いますので、是非そういう観点からも検討をしていただきたいと思っております。  今、国としても推進をしたいということでございますが、先ほども山崎委員からもあった中で、この一括交付金と言われている中で、消防防災施設整備費補助金、二十二年度から二十二億減らす、三十一億のものを九億に減らして、しかも拠出金、一括交付金への拠出金は一千万だということでございますが、大幅に減になっているんですね。もちろん、これは施設整備補助金ですからこの防災無線は使えないだろうとは思いますけれども、その代わり消防援助隊、緊急援助隊ですか、これへ付け替えているという部分もありますが、これも一・五億の増加にすぎません。  やはり、国として消防に対する財政的な責務をもう担わないという、そういう方向性を総務省としてお決めになったのか。前の消防防災設備整備補助金、これ三位一体で廃止されていますよね。それで設備が施設というふうになったわけでございますけれども、やはり自治体向けの消防補助金の充実強化を図っていくべきではないかというふうに思いますが、大臣いかがお考えでしょうか。
  42. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) ただいま御指摘いただきましたとおり、三位一体改革の折に消防関係の補助金の幾つかが一般財源化されたわけであります。それで、残った補助金の範囲内でこれまで消防関係の整備をやってきたというのは、これは事実でございます。その上で、国としてやはり自治体消防であってもある一定の役割を果たさなければいけないというふうに考えております。そうした中で、緊急消防援助隊設備整備費補助金など、こういったものを活用して消防施設についても拡充をしてまいるということを考えているところでございます。  さらに加えて、消防防災施設整備費補助金でございますけれども、これ今回、御指摘のとおり地域自主戦略交付金の中に入ったわけでございますが、地域自主戦略交付金は、先ほど来大臣からも説明しておりますとおり、今度は配分された予算の範囲内で、都道府県がその元々の予算の額にかかわらず、自分の県の中で優先順位が高いと思えば、その消防関係のところにメニューの範囲内でたくさん予算を割くことができる仕組みでございますので、そういうものの中でこれからまた消防施設の整備を推進していきたいなというふうに考えているところでございます。
  43. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 予算額、補助額がどんどんどんどん減っていくよと。もっとしっかりこの地域、自治体消防にも充実をさせていくことが必要ではないのか。必要なときに恫喝をすればいいという話じゃないと思いますよ。だから、総務省自体もそういうような、消防庁自体がそういう姿勢だったら、現場も命懸けでやっているのに申し訳ないじゃないですか。  大臣、どうですか。単にほかの大臣が恫喝すれば物が動くという、そんなレベルじゃありませんよ。私も消防団員の慰霊祭みたいなもの出たことあるけれども、命懸けですよ。これは遺体の処理だって消防団員頑張っているんでしょう。どうやって頑張っておられるか、国として、総務省として、消防庁として、是非お答えいただきたい。
  44. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 議員のおっしゃることは私も同感であります。  この度のような災害を見まして、一つは、本当に過疎が進んだようなところで大きな被害に見舞われたということ。そういうところの通報システムも含めた広い意味での防災システムが非常に重要だということ。それからもう一つは、今回原子力発電の場所に東京消防庁を始め全国から消防機関が放水に協力をしてもらっております。もちろん東北、それから東北地方を中心とする被災地に緊急消防援助隊ということで、これ本当に全国各地の消防局から駆け付けていただいていますし、加えて、原子力発電関係にはかなり高度な機器を持った部隊が協力をしていただいておりまして、どちらにしても、高度な方も、それから地域を守るという面でも消防防災の機能が充実していなきゃいけないということを、この度本当に私も担当大臣として痛感しました。  ともすれば、今までいろんな財政の改革の中でこの消防の予算というのは少しずつ切り詰められてきた傾向があることはもう否めないわけですけれども、いま一度やはりこの重要性というものを再評価をして、総務省として今後この分野での予算などの充実に努めてまいりたいと思っております。
  45. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 避難生活、それから仮設ができるまで集団で避難をしたいという、そういう生活支援、現場で頑張っていただいていると思いますけれども、それにしても、それは自治体職員、マンパワーでしっかりやるしかない。郵便局も郵便行政あるいはゆうちょ銀行で、本当にお金の出し入れだって現場で被災に遭いながら頑張っているということで敬意を表するものでございますけれども。  自治体職員も被災されて、首長さんもいないところが出てくる。受理者がいない、あるいは職員も本当に大きな割合でいなくなってきている。そういう状況の中で、具体的に多分マンパワーをどう補充するか、自治体同士でやっているというのがあるんだろうと思いますが、総務省としてどういうふうにお取り組みになっているか、お知らせください。
  46. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、この度の災害に際しましてはいろんなことをやっておりまして、一つは、今お触れになりましたけれども、自治体の職員で足らないところを補うという面では、一つは地元の県から派遣するというのがあります。ただ、これも限りがありますので、もう一つは、同種の自治体の同じような経験を積んだ職員が欲しいというのがありまして、例えば福祉でありますとかの分野ですけれども、それは知事会とか市長会の方にその枠組みを早速につくっていただきまして、相談をして、今そのルートを通じていろんな職種の派遣をしていただいております。これが一つです。  それからもう一つは、役場機能自体がもうかなり大きなダメージを受けているものですから、これも県にお願いをして、どうか自治体を支えてあげてくださいということは私も直接知事さんにお願いをしたりしたんですけれども、さらにその上、総務省の方から地元の自治体に、これはと思う自治体に電話をしまして、どういう人たちを求めますか、何人ぐらい求めますかということを聞き取りをしました、全部じゃありませんけれども。それについては県の方に言いにくい事情もあるやに伺いましたので、県にも今度直接電話をしまして、市町村からこういう要望があるけれどもどうでしょうかということも聞きまして、うまくいったところもありますし、県の方でちょっとその職種はないということもあったところは直接市長会にお願いをして派遣の要請をしたようなこともやりました。  それから、別途、国家公務員が被災地に行くことも必要だろうということで、これは内閣府の方が音頭を取りまして総務省が中心になってやっているんですけれども、国の職員を直接県に派遣したり、それから被災自治体に派遣したりもしております。  ちなみに、総務省でいいますと、二人の職員を岩手県に派遣をしまして、これは非常に大きなダメージを受けて、もう役場機能が相当失われたようなところの立て直しをどうすればいいのかということで、総務省の経験豊かな職員を二名派遣して被災自治体を回ってもらったりしています。それから、宮城県とか岩手県にあります、総務省の出先機関があります、ささやかな出先機関でありますけれども、ここの職員がチームを組んで被災地に行って、その被災の状況を伺ったり、それからできるお手伝いをするということも実は昨日からやったりしております。こういうことを今順次取り組んでいるところであります。
  47. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 本当に猫の手も借りたいという、変な表現でございますけれども、やっぱり御遺体の処理から、住民基本台帳が流れてしまったとかあるじゃないですか。あるいは、土地、固定資産の台帳はどうなったのか、ありますね。そんな簡単に旧に復せるわけじゃないと思うんですね。やっぱりそういう意味のプロをしっかり現場の役所の方に持っていくといいますか、その費用は全部もう国で見るぐらいの発想でやらないと、この派遣元の自治体だって大変ですわ、これは。だから、そういうような思い切った手を是非取っていただきたいなというふうに思っております。  それとの関係で、先般、統一選、今日から知事選がスタートのようでございますが、延期の第一次指定というのがありましたね。いろんな知事が反発したり、今日は新聞に載っているのは浦安市長さんですか、本当にできるのかと。やっぱり相当現場の事情をよくしっかり踏まえて指定していかないといかぬのじゃないのかなというふうに思うんですね。  それは、直接の被災を受けていなくても、受け入れている、あるいはガソリンも上がるかもしれない。また住宅復興で選挙の公営掲示板のベニヤ板だって値上がりしますよ。そういうような、あるいは投開票場も本当に確保できるのか、そういうことが現場でできるのかという観点で見なきゃいけない。一方で、もちろんリーダーシップを発揮できる首長あるいは議員を早期に選出していくというのも大事でございますが、それの兼ね合いだと思うんですね。  やっぱり現場の被災者の皆さんの思いも含めて指定していく必要があると思いますが、一次指定だけで終わることはないだろうと思いますが、今後どういう方向性でこの指定をお考えでしょうか。
  48. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先日、いわゆる一次指定を行いまして、これは本当に自治体自体が被災をしてもう選挙事務が物理的に執行できないという、そういうところを指定をいたしました。それ以外に、選挙ができないほど、物理的にできないほど壊滅的な被害を受けていないけれども、しかし大きな被災を受けた同一県内に属して、それで、いろんな手だてとかそれから受入れなんかをやっていてとても当面選挙はできないというところも、事情があるところもあります。  それで、今、一昨日からまたその一次指定の後の事情の変化でありますとか、そうした受入れの状況とかを都道府県の選挙管理委員会を通じて聞いておりまして、都道府県の選挙管理委員会の方からここは指定してほしいという、そういう要請があったところについてはできるだけ指定をしたいということで今準備をしているところであります。  正直言いまして、例えば県会議員選挙をやるときに、一つ二つの市町村ではなかなか、ある程度の被害を受けていて厳しいというような事情もあることは伺っておりますが、そういうところはそういうことも含めて県の方で、さてそれはどうかという判断をしていただいておりますが、そのときに、ある程度いろんな事情で多少の困難があるという、そういう事情を抱えたところには、都道府県の選挙管理委員会の方ができるだけの応援を当該自治体にするという、そういう話も伺っておりますし、我々の方からもそういう要請をしております。
  49. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 これで質問を終わりますけれども、この度の震災、本当に総務省の存在意義を懸けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  終わります。
  50. 寺田典城

    ○寺田典城君 私は秋田でございまして、隣の県の岩手県、何というんですか、視察を含めて秋田県民の心を届けようということで、いろいろな生理用品だとか衛生品を持ちまして、陸前高田、それから大船渡、それから釜石と大槌町、行ってまいりました。余りにもひどい被害の状況というんですか、津波のエネルギーには、あの悲惨さにはやはりそれこそ驚き、言葉を失ったわけですが、一つは、先ほど魚住議員さんもおっしゃったように、どのようにしたら希望を与えて勇気を持って立ち上がれるようにすることができるのかという、行政が何ができるのかということを考えさせられました。  私たちには、何というんですか、都道府県ごとに災害対策基本法の下で、一つは全てが想定の下で対策を立てて、その中で防災計画を進めてそのような訓練をしているんですが、今回の地震は想定外というんですか、各市町村が当事者能力というんですか、それをこなすだけのキャパ、能力がもう喪失してしまっているということで、普通は市町村行政が何ともならぬときは県にお願いします、県ができないときは国も手伝ってくださいよという形で進めていくんですが、全然そういうのはマニュアルが通らないというような形でした。  そういうことで、それと、やはり周りの人方も財産もなくなったことも事実でしょうが、働く場所もなくなっているということ。それから、周りにもう人もいないし商品もないというんですから、全然経済的にも活動ができないとか、あと、ドクター関係の人方、お医者さん、医療関係方々たくさん聞いてみたんですが、いや、急性期は何とかヘリコプター使ったり病院入れたりしてどうにか対応できるけれども、これからの問題としては慢性期型、介護の問題、特に認知症の問題、認知症は介護認定を受けている方の大体七、八%が認知症ですし、特別養護老人ホームなんかへ入っているうちの七、八割は認知症傾向があるという、そういうふうなことになっているんですね。  ですから、市町村行政をつかさどる総務省が、市町村行政というのは揺りかごから墓場までこれは全て見ていくのが市町村行政なんですが、果たしてどのようなお手伝いができるのかと。  それで、大臣の所信の中に、今日二つほどお聞きしたいんです。一つは、「行政相談等を通じ、誰一人として排除されない社会の実現に向け、弱者に寄り添った課題解決を図ってまいります。」とありました。これは所信の中にありました。非常に良いことを書いていらっしゃるなと思っていたんですが、具体的にはどのようなことをなされるのかお示ししていただきたいと思いますし、この震災により大きな痛手を負った被災者には、一日も早い助けを求めていますので、困窮している弱者の方々、もちろん健康の問題もある被災者にどのような方策を考えていらっしゃるのか、ひとつ大臣のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。  それから、大臣始め政務官、皆さん大変こんなになさっていることをこの席で敬意を表させていただきたいと思います。健康には留意して、かつひとつ頑張っていただきたいなと思います。  以上です。もう一つ
  51. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 所信で弱者に寄り添った課題の解決を図ってまいりたいということを申し上げましたのは、これは、実は菅政権の改造で私、内閣に入ったんですけれども、そのときの、昨年の臨時国会総理の所信表明の中に弱者に寄り添うという言葉がありまして、そのことを一つの省として実現したいと思ったものであります。  具体的なことはどんなことかといいますと、例えば、具体例でいいますと、評価局が行った仕事の中で、公共施設とか公共的施設には身体障害者の皆さんの専用駐車場があります。空港などにもあります。ところが、そこが一般の車両によって占拠されていてなかなか本来使える人が使いにくいという指摘もありまして、一斉調査をしました。かなりのところが本来使えない人が使っているというのがありましたので、各省庁にそういうことのないようにということを総務省の方からその結果を提示して指示をいたしたりしました。  それから、例えば評価の中の項目に児童虐待の問題を取り上げて、最前線でその仕事に当たっている人たちから児童虐待の行政についての現状を伺ったり課題を伺ったりして、それを厚生労働省の本省の方にきちっと提示をして、現場の意見を踏まえたそういう政策の充実なり展開なりをしてくださいというようなことをやっております。  ですから、これはむしろ弱者に寄り添うという精神を踏まえてそれぞれの職員、組織の職員たちが自主的にやってもらうということが一番基本でありますので、そういう方向に向かわせたいと思っております。今次の災害対策も早速に行政評価局の職員を災害現場に派遣をいたしまして、その現状を見てニーズなどを伺ったりも今し始めているところであります。
  52. 寺田典城

    ○寺田典城君 今回の地震につきましては私たち教訓をいろいろ得ているわけでございますけれども、今現地で実際に活躍なさっていた例えば自衛隊さんだとか消防庁の方々だとか警察の方々だとか、いろいろもちろん各省庁の方々もなさっていると思うんですが、私は、これからのシステムとしてこういう縦割りというのはある面では非常に非効率的な面があるんじゃないのかなと、そう思いました。  ですから、何というんですか、危機管理庁みたいな形ですね、今、地域主権とか様々な行政改革とか、それから地方の出先機関を廃止だとか、そういうことがなされているわけなんですが、そういうふうな計画立てられていますね、出先機関を廃止だとか。各省庁からそういう関係方々を移して常に常設の危機管理庁みたいな形を検討してみてはいかがかなと思うんですよ。  ということは、これから東海地震だとかいろいろ東南海だとかあるんじゃないのかとか、あってほしくないですけど、それから海外に対してのいろんな面での支援制度だとかあると思うんで、その辺はひとつ、まあ大きな課題です、これはそれこそ国家全体にかかわる部分。  だけれども、県行政からいわせると、知事、副知事が、危機管理の一番のトップは知事です、市町村行政でいえば市長なんですけれども、その下に、県の場合は副知事、危機管理監という、今はそういうふうな形でなっていますから、それぐらいの強い位置で、危機管理監は全て縦割りを廃止してみんなものを進めていくというのは、県行政はそのような形になっているのが多うございますし、そういうことも含めて御検討大臣なさってはいかがなのか、ちょっとお聞きしたいと思います、御意見。
  53. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 縦割りでなくて総合的な力を発揮させることができる政府の組織が必要だというのはそのとおりだと思います。一応これまでもそういう危機管理の中枢はあるんです。ですけど、それが十分に働くようにするには、組織だけではなくてやはりソフトの部分が、人の力とかそういうものが必要だろうと思っております。  それからもう一つは、実は今のような災害対応のときには縦割りの効用もあります。上から言った方が早いという面もあるんですね。ですから、そういう面はやはり、せっかくの縦割りですからというのは変ですけれども、それは私は今回の災害対応でも実は使っておりまして、要は縦割りとそれから横割りとの連携をどういうふうにするかということで、これをもう運転するといいますか、オペレートする人の、最後はそこの人の問題になってくるんだろうと思います。
  54. 寺田典城

    ○寺田典城君 鈴木大臣にお聞きしたいと思います。  できるだけ、何というんですか、自治体は自分たちが自己完結型で頑張ろうというのが、そのようなシステムになっていますしあれなんですが、今の状態では、市町村がそれこそこれだけ壊滅的な打撃を受けていまして、復興策については実行不能というような形が言えると思うんですね。  この場合は、市長経験をなされています鈴木大臣が一番望みたいのは何であるかというようなことをお聞きしたいと思いますし、それからもう一つは、総務省からもいろいろ人を派遣なりお手伝いに出す実態になると思うんですけれども、一つ気を付けて、まあ総務省からおいでになった、お守り役を付けなきゃならないというんですか、そのような形はないように、私もよく、何というんですか、試験の能力、試験を受かる能力はあっても仕事する能力のない人がたくさん来たりするときあるんですよ。そういうのも現実です、現場を見ていると。  だから、自己完結できるような、やはりある面ではそういう派遣する人間は、まあもちろんレベルも見てなんでしょうけれども、警察とか消防庁で一週間ぐらい合宿させて、何というかそういう危機管理とか物を、マナーを覚えた段階で出すとか、その辺までしなければ、かえって来てもらった町村とか、変な用事ばっかり増えて何ともならぬというようなこともありますので、これは経験則でもしゃべっていますので、その辺もひとつ御注意なさっていただきたいと思います。  以上でございます。
  55. 鈴木克昌

    ○副大臣鈴木克昌君) 人の問題はやっぱり大臣からお答えいただいた方がいいと思いますが、現実的に今回の災害、まさにおっしゃるとおり壊滅的な被害をいわゆる市町村、町役場が受けておるわけですね。そこをきちっとフォローするようにというのが大臣からの私どもに対する指示でございました。  もちろん、職員の派遣も含めて、それから税財政措置、それから制度的な対応、もうできる限りのことを総務省として、挙げて前例を顧みずに頑張れと、こういう御指示をいただいて私ども今やっておるところでございます。ただ、大臣は常々、やっぱり県がやるべきことは県がやるんだと、そして県ができないところを国がフォローするんだと、こういうお考えでありまして、私どもも全くそのとおりだと思っています。直接全てやってしまうということが本当にある意味では混乱を招いたり、いろいろな問題を起こすということになってもいけませんので、その辺は心得ながらやっております。  答えだけ申し上げますけれども、私どもが最初にやった仕事は実は各被災を受けた市町村長さんのところに電話をさせていただきました。現実を、どんなふうですかと、何が今一番お困りですかということを大臣指示でやらせていただきまして、今そのときのヒアリングの材料がかなり復興対策、諸問題の解決に役立っておると、こんなことを一つだけ御報告をさせていただきたいと思います。  以上です。
  56. 片山善博

    国務大臣片山善博君) おっしゃいました人の問題は、もう私も共感するところがあります。私の場合には、ちょっと言葉は悪いですけれども、直ちに返品をいたしました。総務省からこれから、今次の災害への応援もそうでありますし、それから平時の自治体への職員の派遣もそうでありますけれども、受入先の意向を十分に伺った上でふさわしい人を出すように努めたいと思います。
  57. 寺田典城

    ○寺田典城君 どうもありがとうございました。
  58. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  まず原発事故の危機回避について質問いたします。  この事故は、政府関係機関、さらに専門家の知恵と能力を総結集して、何としても収束をさせなければならないと思っております。現在、使用済み核燃料を冷却するために、菅首相、片山総務相の要請を受けて、東京消防庁、大阪市消防局など自治体消防職員が現場で任務に当たっておられます。  三月十九日、東京消防庁から派遣されたハイパーレスキュー隊による福島第一原発三号機への十四時間の連続放水が実施されました。同日夜の東京消防庁での記者会見を拝見して、大変な困難を乗り越えての任務であったということがよく分かりました。心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。  同時に、記者会見を聞いていて一つ疑問が生じました。佐藤康雄総隊長がこうおっしゃったんです。現場に突入して、屋外タンクが転がっていることや瓦れきが散乱している状況が初めて分かったと。これは私おかしいなと思ったんです。といいますのは、日本が保有する情報収集衛星というものがあります。その衛星から福島原発の上空から撮った画像情報があるはずだと思うんですね。東京消防庁はその情報の提供を受けていたのかいなかったのか、お答えください。
  59. 塚田桂祐

    政府参考人(塚田桂祐君) ハイパーレスキューの実際のオペレーションに当たりましては、東京消防庁の現地部隊が現地で自衛隊や東京電力などから消防活動上必要な情報を得まして、その上さらに、自ら特殊災害対応車で収集した情報に基づきまして具体的な戦術を決定したものと承知しております。  消防庁といたしましても、あらかじめ東京消防庁に対しまして、東京電力から提供されました発電所の図面、また三号機付近の放射線量等、必要な情報の提供を行ったところでございます。
  60. 山下芳生

    ○山下芳生君 答えになっていないです。衛星の情報提供を受けたのかどうか答えてください。
  61. 塚田桂祐

    政府参考人(塚田桂祐君) 私ども消防庁からそのような情報は提供しておりません。
  62. 山下芳生

    ○山下芳生君 受けていないし、提供していないんですね。これはそれでいいのかと。政府関係機関の能力を総結集してこの危機を回避しなければならない。そのときに、なぜ消防にこういう重要な情報が提供されないのかと。  情報収集衛星の導入を決定した閣議決定というのがあります。それを読みますと、安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報の収集を主な目的として導入すると、こうあるんですね。今この情報を使わなかったら一体いつ使うんだというぐらいの私は瞬間だと思います。  菅首相は、三月十八日、東京都に出動を要請した翌日ですね、福島における原子力事故の状況はまだまだ予断を許さない状況が続いております、今、この危機を乗り越えるため、関係者の皆様がまさに命懸けで作業に当たっていただいております、必ずやこの危機を乗り越えて、国民皆さんに安心を取り戻したいと国民向けに演説をされました。私は、国家の危機を回避するためにまさに命懸けで頑張っておられる消防職員にとって、作業の効率上あるいは隊員の安全上極めて有用な情報を持ちながら政府がそれを消防に提供しなかった、これは非常に重大だと思います。  現場で事前に調査したとおっしゃったんですけど、その調査の様子は記者会見で全部リアルに報告されて、物すごい時間が掛かっているんです、物すごい何回も行ったり来たりしています。予想と違ったということが書かれてあります。それで、現場に行ったときの様子は昨日、当時のビデオ撮影の画像が出ておりました。もう放射線測定器がピーピーピーピー、基準値を上回ったということを鳴らしながらも、決死の覚悟で頑張っていただいたわけですね。そういう隊員になぜ有用な情報が渡されなかったのかと。  政府の緊急災害対策副本部長でもある片山総務大臣に伺います。あらゆる知恵と能力を総結集して原発事故の危機を回避するという本気の構えに政府は立っていないんじゃないですか。
  63. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 東京消防庁が放水作業を始めるにはいろんな事前の準備が必要であります。それは、消防車の設置をする、これもかなり広い場所を要します。それから利水、水を引くためにかなり海岸まで長い距離、ホースを設置する必要もあります。そのための必要な情報というものが東京消防庁にもたらされていなかったということは事実であります。その結果、あの高度な訓練を受けた精鋭部隊が瓦れきの処理に当たらざるを得なかったということ、しかも夜間その作業をしなきゃいけなかったということは、これは誠に消防担当大臣としては遺憾であります。  私もその点について、瓦れきの処理を消防機関がやる、本務ではありませんので、そういうことはちゃんとあらかじめやっておいてもらいたいと。その上で消防に要請をしてもらいたいということを、経産省でありますとか、それから、それを通じて東京電力でありますとか関係皆さんに、そのことが判明してから強く要請、抗議をしたところであります。
  64. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、情報衛星の問題は一つの例として言ったんですね。やっぱり総力を挙げて、知恵と能力を総結集して、今ふるさとに住めなくなるんじゃないかという人がたくさん生まれようとしている、この危機を回避しなければならない。そのときに、持っているものを出さないなんということは絶対あってはならない。政府は総力を挙げてやってほしいと、その立場から質問をさせていただきました。  次に、被災地の復興について伺います。  戦後未曽有の災害からの復興に、国の総力を挙げて取り組まなければならないと考えます。被災地の多くは、地域経済の衰退あるいは高齢化や過疎化の進行などで、元々財政基盤も弱い市町村が多かったと思います。そこに震災の大打撃を受けました。国家的な、あるいは国民的な取組がなければとても復興は達成できないと思います。  国の総力を挙げて復興に取り組む政治の決意が求められていると思いますが、大臣の認識を伺います。
  65. 片山善博

    国務大臣片山善博君) この度の本当に大きな災害の復興はとても重要な仕事であり、かつ非常に困難を伴う仕事だろうと思います。国家としてもこれに全面的な支援を行わなければいけないと私も思います。その際に、やはり基本自治体が中心になって、住民の皆さんの町づくりのビジョンといいますか構想といいますか、そういうものを踏まえた上で再建計画を作るのが、これが筋だろうと思います。かつて神戸でも、避難をしている住民の皆さんが全く知らない間にいろんなプランができたとか、これは、もっと言えば山形県の酒田の大火のときにもそういうことが言われておりまして、そういうことがないようにしなければいけない。  したがって、私は、やはり自治体が中心になって、それを県が応援し、さらに国が全力を挙げてバックアップをするという、こういう大きなスキームというものを最初につくることが必要ではないかと、これは今政府全体としてまだそこまでの相談はしておりませんけれども、総務大臣としてはそう考えているところであります。
  66. 山下芳生

    ○山下芳生君 阪神・淡路のお話がありました。私も、復興に当たっては阪神・淡路大震災の教訓を生かすということが大事だと思っております。阪神・淡路では、道路や港や空港はどんどん復興するのに、被災者の生活の再建は置いてきぼりにされたということがあります。これは二度と繰り返してはならないと。  私は、被災者の生活の再建こそ復興の土台だという立場で東日本大震災の復興に当たるべきだと思いますが、この点いかがでしょうか。
  67. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これはいろんな、私が酒田の大火の後の再建とか阪神・淡路の神戸の再建なんかを見まして感じるところは幾つかあります。その一つは、再建に当たって一生懸命皆さん自治体の方は取り組まれたんですけれども、その主役は土木関係、公共事業関係の方が取り組まれたというのが一つの特徴であります。したがって、施設整備とか街路の整備とか、これはどんどん進むけれども、その被災者の生活とか、それからメンタルの面に対する配慮が必ずしも十分ではなかったんではないかという、そういう印象を持っております。  したがって、これからの被災地の復興に当たっては、人を中心に、災害を受けた皆さん方を中心にその町づくり、復興計画というものは作られるべきだと、基本的な考え方を持っております。
  68. 山下芳生

    ○山下芳生君 阪神・淡路大震災の被災者の生活再建が置いてきぼりにされた根底には、当時の政府が、私有財産制の国では個人の財産は自己責任が原則という、根拠のない理屈で住宅再建に対する支援を拒否し続けたことがあると私は思っております。しかし、その後、阪神・淡路の被災者を始め国民的な運動で被災者生活再建支援法が作られ、後に抜本改正され、全壊世帯に三百万円、住宅再建費用が支給されることとなりました。  ただ、全壊世帯に三百万円という現行の支援では、地震と津波によって生活基盤を根こそぎ破壊された被災者が生活を再建するには余りにも不十分だと私は思います。大幅に引き上げる必要があると思います。ほかの災害とのバランスなどという、私は官僚答弁は聞きたくないんです。是非大臣に、戦後未曽有の災害から国の総力を挙げて復興するという決意に立つんだったら、その土台となるべき被災者の生活再建に対する支援水準も抜本的に見直す、再検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  69. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 被災された皆さん方の生活の再建ということが、これが一番の要諦、災害復興の要諦であると私も思います。その際に、どういうその手当てがあるのかというのは、現行は、順次進化、発展をしてきまして現行の被災者生活再建支援法というのはあります。  これについてはいろんな今意見が出ております。今、山下議員がおっしゃったその総額の問題というのももちろん提起されておりますが、これは、まあ官僚答弁は聞きたくないとおっしゃいましたけれども、やはり個々を取ってみると、個々の被災者を取ってみると、規模は大きくない災害であっても家財を失った人と比べると、個人個人を比べると、やはりそこでのバランスの問題というのは出てくることはこれはやむを得ない問題だと私は思います。災害全体として大きい、それから災害全体としては小さいかもしれないけれども、個々の被災者にとってみれば同等ということも当然あり得るわけで、そういうバランスもやっぱり考えなきゃいけないということは一つ念頭に置いておく必要があると思います。  もう一つは、今回の災害というのは、本当に従来の災害とは違って、もう町が全部なくなってしまうとか、それから、生活手段のみならず生産手段、例えば養殖漁業の施設でありますとか水産加工場でありますとか田畑でありますとか、そういうものが全部なくなってしまうという、単に住宅、生活の場がなくなっただけではなくて生産の場もなくなってしまったという、そういう特質もあるものですから、そういうことに今の被災者生活再建支援法というものがちゃんと対応できるのかどうかという、こういう点検も必要ではないかという議論もあります。  今、そんないろんな議論を踏まえて、被災者生活支援本部の方で検討を進めているところであります。
  70. 山下芳生

    ○山下芳生君 額の問題も含めてということでしたけれども、やっぱり被災者の生活が本当に復興、再建されるのかどうか、現場の被災者の実態が何よりの出発点ですから、その立場でやはり見直すべきは見直していただきたいと思います。  最後に、この東日本大震災からの復興では、先ほど大臣からもあった、従来になかった新しい課題が生まれていると思うんです。津波で押し潰され、地盤が沈下した同じ場所に町を再建することができるのか。あるいは、今大きな不安を広げております基準を超える放射能が検出された地域はどうなるのか。これは新しい課題で、自治体だけでは対応できないと思います。こういう新しい課題には国が責任持って対応する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  71. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 国が対応する分野は、領域は広いと思います。特に、原発の問題というのは、これは自然災害とはいささか異なりますので、基本的には国が責任を持つ、防災にも災害対策にも責任を持つということになっておりますから、初めてのこれは体験でありまして、新しい領域だと思います。  それから、津波で被災された地域の再興ということになりますと、先ほど言いましたように、基本的には市町村、それからそれを県がバックアップ、更に国がそれを支援するということになるんでありますけれども、根こそぎ自治体が壊滅的な被害を受けているという、根こそぎ町が潰れて壊滅的な被害を受けているということもありまして、従来の基本パターンだけでは済まない問題があると思いますし、それから、元いたところに再建ということが本当に果たしてふさわしいのかどうか。やっぱり、町のプランニングといいますか、ゾーニング自体を大幅に変えなきゃいけないし、そこには生業の問題とか、それからメンタルな問題で安心感を与えるとか、自然とかエネルギーとかいろんな要素が再建の中には含まれてくるだろうと思いますので、いろんな知恵を、国としても金だけじゃなくて知恵の面でも協力する分野が広いんではないかと思っております。
  72. 山下芳生

    ○山下芳生君 終わります。
  73. 片山虎之助

    片山虎之助君 この三月十一日に起こりました今回の大震災は、日がたつにつれて人的、物的被害が増大しまして、本当に史上空前の、マグニチュード九・〇というのは最高だそうですけれども、大惨事になってきましたね。私は、被災に遭われた多くの方にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方に本当に衷心より御冥福をお祈りしたいと思います。  また、消防を始め自衛隊、警察、全国のボランティア、さらに最近は県や市から事務的な応援を含めて相当人が出ていっているんです。そういう全ての応援をしていただいている皆さんに敬意と感謝を表したいと、こういうふうに思います。  政府も一生懸命私は取り組んでいると思いますよ。しかし、どうもどじどじではないかとか、司令塔がないではないかとか、指揮命令が乱れているではないかと、多元化しているではないかと、いろんなことが言われていますよね。そういう中で、この前も予算委員会で少し言ったんですけれども、大臣を三人増やすとか、副大臣や政務官や参与ですか、そういうものを増やせばいいようなやや安易な考えがあるような気がします。  私は、阪神・淡路のときは、小里さんという一人の大臣に、もう御承知でしょうけれども、全て権限を集中して、彼は神戸に常駐して奮闘したんですね。それは今回とは、神戸で狭い、淡路で狭いということはあるのかもしれませんが、私はあの方式から学ぶべきだと思いますよ。一人の強力な大臣に全て権限を集中して、その代わり大臣を補佐する事務スタッフを充実して、えりすぐりを集めて、そして各省が全般的な協力をすることなんです。  私は、これもいつも思うんですが、こういう非常時は役所の組織というのは非常に有用なんですよ、使えば、使いこなせばですよ。私は、今この政権政治主導という、政権交代以来のそのツケが出ているんじゃないかと。もっと本気で、官僚組織挙げて、各省庁挙げて協力したらもっと強力な私は体制ができると思いますね。まだ遅くありません。是非そういうことについてのお考え総務大臣にお聞かせいただきたい。
  74. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 議員がおっしゃったこういう場合の、非常時対応の強力な権力中枢をつくるというのは傾聴に値する議論だと思います。  それから、こういう場合に各省の力をフルに使うべきだというのは全く同感でありまして、先ほど寺田議員とのやり取りでお話ししましたけれども、縦割りの弊害がよく言われていますけれども、こういうときには実は縦割りの有用性というのがありまして、私も去る十七日に本部長代理になったものですから、実はこの縦割りの仕組みをフルに生かす、それから、しかしそうはいっても被災地は縦割りではいけませんので、被災地の窓口をちゃんと担当参事官などをつくって把握をして、それを縦割りで流していってチェックをするという実は仕組みをつくりました。本当に今回のようなケースは、縦割りはある意味では有効な機能を発揮すると思います。
  75. 片山虎之助

    片山虎之助君 特に総務省は地方の擁護者であり代弁者ですから、あるいは同時に監督者かもしれないけれども、もう地方自治体なんか崩壊しているんですよ、あの関係のところは。自然の猛威というのは恐るべきものですね。あっという間に自治体もコミュニティーも全部なくなったよ、根こそぎ。これをどうやって再建するか、大変我が国の地方自治の歴史の上でも大きな課題だと、こう思いますよ。新しい実験だと思いますよ。是非総力を挙げて自治体の再建とコミュニティーの再生に頑張っていただきたいと、こういうふうに思います。  そこで、総務大臣は通信の担当ですから、私は携帯電話を、あれ、三月十一日の午後二時四十六分ですよね。私もいろんなところ気になるものですから、携帯で一生懸命電話したんです。ほとんど通じません、ほとんど。場合によっては都内を含めて。もちろんああいう緊急時になると公的なものが優先する、緊急のそういうものが優先するというのはそうでしょうけれどもね。恐らく、固定電話はもとより、携帯の方の電波はパンクしていると思いますよ。それから、後で聞けば中継塔がかなり倒れたんですよ。だから中継能力がなくなっているんですね。  そういうことで、私は、緊急通信のときに携帯電話というのは極めてこれもう役に立つんですよ。個人の安否情報、個別の情報でしょう。そういうことからいって、是非緊急時における通信システムについてちょっと考えてくださいよ。改善というのか開発というのか向上というのか。それをしないと心配でなりませんよ。これは通じていればみんな元気になるんですよ、どこかと話ができれば。それについていかがでしょうか、お考え
  76. 平岡秀夫

    ○副大臣(平岡秀夫君) 今委員がお話しになりましたように、今回の災害、大変大きなものでございましたので、想定をはるかに超える急激な通信量が増加したということで、ある事業者によれば、想定の、平常時の五十倍以上の通信量があったというようなことであったようであります。いわゆるふくそうというような問題でございます。  他方で、こういう事態のときには、もう御案内のように、警察、消防の緊急通報、あるいは交通、電力の確保等に必要な通信、病院や地方自治体の通信というものを優先的に確保するというような仕組みの中で動かしているということでございますので、一般の通信については規制が行われたということでございます。  他方、いろんな努力も行われておりまして、お聞きになったこともあるかと思いますけれども、災害用伝言ダイヤルというようなものがありまして、これによりまして、いろいろな一定の伝言については被災者が録音し、そしてそこの電話番号に掛けた家族がその伝言を聞くというような形で情報をお互いに共有するというようなこともできるような努力もしてきたわけでございます。一定の効果を上げたというふうにも思っております。  しかし、さはさりながら、今回の震災の状況をしっかりと調査、分析いたしまして、更により一層、災害時に強い電気通信システムの在り方について技術面あるいは運用面で我々の方でも見直しを図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
  77. 片山虎之助

    片山虎之助君 今までもおやりになってきたと思うし、これを一つの契機に、金やあるいは研究スタッフをもう少し充実して是非やっていただきたい。  日本は地震国なんですよ。面積は世界の〇・一でしょう。ところが、地震は二割なんですよ、ちょっと大きい地震は。全体では一割だそうです。地震国なんで、今後も東海、南海・東南海というのは三十年以内に八割の確率だという。首都直下型は七割だという。うそであればいいんだけれども、そういう保証はありませんわね。むしろ、順位がずっと下だった三陸の方がトップになったんですよ、順番が。これから東海、南海・東南海が来ない、直下型が来ないという保証はありませんよ。そういう意味では、少なくとも通信面では万全の対応をしていただきたい。  そこで、電波なんですよね。電波の有効利用からいうと、デジタル化なんですよ、地上波の。デジタル化することによって電波が、まあ空くというわけでもないんだけれども、相当、もっともっと有効利用ができるようになるんで。そこで、デジタル化のもう期限が七月二十四日ですからね、あと四か月ですよ、四か月。今、世帯でいうと九四%といったかな、五%といったかな、目標からいくと幾らか下だけど、大体目標どおりだ、こう言っている。しかし、ぎりぎり一・五%ぐらいが残る可能性もあると聞きますよ。一・五パーといっても百何十万ですからね、それはなかなか簡単にいきませんよ。しかも、今度はこれだけ広い範囲で大災害でしょう。そういうところのデジタル化をどうするのかという議論に同時になる。  やれますか、延ばしますか、この震災を一つの契機に。地上波デジタル化の期限は七月二十四日ですよ。どうですか。これはもう大臣だ。
  78. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは計画どおりやっていきたいと思っております。多少残るということをおっしゃいましたけれども、できる限り残らないように、残ったところには暫定的に衛星を使うとか、そういうことも含めてでありますけれども、支障のないようにしたいと思っております。  それから、今回の地震の影響というのは、今全貌が明らかになっている、影響が明らかになっているわけではありませんけれども、その影響もできるだけ克服するように、もう最大限の努力をしたいと思っております。
  79. 片山虎之助

    片山虎之助君 あなたはそう言われるけれども、しかし、これだけの震災の被災を受けた地域のデジタル化についてのお考えがありますか。今検討していますか。何もないでしょう。後始末に追われているだけじゃないですか。いかがですか。副大臣でもいいですよ、どうぞ。
  80. 平岡秀夫

    ○副大臣(平岡秀夫君) いずれにしても、大変大きな被害が出ているという状態がございますので、その状況もしっかりと見極めて、そして、これから何ができるかということについてもしっかりと検討していきたいというふうに思っておりますけれども、これまで続けてきた努力というものはかなりの成果が上がっております。  先ほど委員の方からも御指摘がありましたように、目標の九五%が十二月末までにできているということでありますけれども、この目標というのはあくまでも四月末までに一〇〇%ということを前提としての目標ということでございましたので、まだ七月まで時間もありますから、今回の災害についてしっかりと現状を把握し、そして何ができるのかということについてもしっかりと検討をした上で、七月二十四日の完全移行に向けてしっかりと努力していきたいというふうに思います。
  81. 片山虎之助

    片山虎之助君 デジタル化は国策ということでこの十何年やってきて、しかし、本当に今、満願成就寸前になっているときにこの大震災でしょう。これから後のこの大震災地域の通信や放送をどうするかというのが私は大きな、総務省におらせてもらったこともあって、課題だと思っているんですよ。そういうことについて新たな観点から本気でひとつ取り組んでいただきたいと、こういうふうに思いますよ。  それで、デジタルが出たついでに言いますと、今デジタル化には日本方式、アメリカ方式、ヨーロッパ方式、中国方式とあるそうですね。ところが、最近日本方式が大変評判が良くなってきて、例えば南米は、よし日本方式でいこうと、あるいはフィリピンもそれでいこうと、こういうことになってきたというんですね。私は、どうせ、こういう方式は国際的にそろえるということも将来必要だと思うんだけど、それが無理ならできるだけこういう、今日のようなことを含めて、日本方式を広めていただく方がいいと思うんで、それについての何かお考えや努力、ありますか。
  82. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今おっしゃるとおりでありまして、総務省としては本当にいろんな方面に働きかけをしております。御指摘ありましたように、南米についてかなりの成果を上げておりますし、今アフリカに働きかけを行っております。今年になって担当政務官もアフリカに直接訪れて、その売り込みといいますかPRをしたりしましたし、それから総務審議官などもしょっちゅう該当のところに出かけて、日本方式のメリット、それから日本方式を採用していただく場合の日本の協力のメニューなどについても伝えているところであります。
  83. 片山虎之助

    片山虎之助君 もうあとほとんど時間なくなったんで、ほかのことを聞こうと思ったんですが、また明日にでもしますけれども、消防団がかなりやられているんですよ、この震災地域で。消防団が壊滅しているところもたくさんあるんですよ。その実態を早く把握してください。  また、再建のときに、町づくりや地域づくりで消防団の屈強の壮年や青年は役に立つんです。その消防団の再建というのも是非考えていただかないと。これは日本消防協会のような弱小団体ではなかなか難しい。それは、もちろん一緒にやるんですけれども、是非、消防一つの地域再生のてこになるんですよ。しかもボランティアですしね。それについてのお考えをお聞かせください。
  84. 片山善博

    国務大臣片山善博君) かねて、消防団の再建といいますか、高齢化したり人数が少なくなっていたりするのをもっと充実させようという政策を取ろうとしていたところなんですけれども、今次の災害に当たりまして大きな被害を受けたところの消防団の実情というものを早急に把握をして、そこで若い人たちが加わって再建できるように働きかけをしたいと思います。
  85. 片山虎之助

    片山虎之助君 震災対策には与野党ありません。我々も全面的に協力しますからね。まず政府が先頭に立って頑張らないと。ひとつよろしくお願いします。  終わります。
  86. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  初めに、この度の東日本大震災によってお亡くなりになった方々あるいは御遺族に衷心より御冥福を、そしてまた哀悼の意を表したいと思います。  また、この大震災とそして福島原発で被災された、そして避難されている皆さんにも心からお見舞いを申し上げたいと思います。  あわせて、自らも被災者でありながら、被災者の救援と生活支援やあるいは復旧、原発事故の対処に日夜御奮闘をなさっている自治体関係者の皆さん消防皆さん始めとして警察や自衛隊、そしてボランティアの皆さんにも心から感謝と敬意を表したいと思います。  死者、行方不明者を含めて日々増えていって、今二万四千人余と、こう言われておりますし、避難所避難者は二十六万人を超える、なお原発の事故の恐怖が日本中を覆っている、こういう状況にあると思います。こうした被災された方々や恐怖におののく国民が安んじて生活できるように、一日も早い救援、支援の手を差し伸べることこそが目下の政治の最大の課題であり使命だ、こんなふうに思います。  私たち社民党といたしましても、十一日の日にこの震災対策本部と併せて原発事故対策本部を立ち上げまして、政府に数次にわたって対策を提言をし、協力もしてまいりました。率直に申し上げると、この原発安全神話に正直言って毒されているんじゃないのかと思うくらいに、この原発問題に対する初動のまずさというものに対しては私どもは批判を持っていますけれども、しかし、今その批判よりも被害の最小化に向けてもう全面的に協力をしていく、こういう立場をまず表明をしておきたいと思います。  そこで、片山大臣始め政務三役の皆さん方、大変な日夜御奮闘をいただいているわけですが、その点に敬意を表しますけれども。まず、特別交付金を被災の四県に五億円ずつ配分をされたということでありますけれども、全然足りないということは重々御承知のとおりだろうと思いますが、交付税改正案は後日出てまいりますけれども、これ、特別交付税を六%から四%に下げようという提案が、この大震災を受けて、衆議院の修正でこれを三か年延長する、こういうお話のようであります。これは結構だと思いますが、今国会中に補正でやはり特別交付税を増額すべきじゃないかと、こう私は思いますが、この点の考え方、いかがですか。
  87. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 阪神・淡路のときのことを踏まえても、今次の災害に対応する特別交付税の額は特例的に増額をすべきだと私も考えております。
  88. 又市征治

    ○又市征治君 また、全体的あるいは中期的なと言うべきなのか、地方財政上の特例措置、これを早急に講ずるべきだろうと、こう思います。  阪神・淡路大震災のときと同様の特別財政援助法、こういったものが必要なんだろうと思うんですね。そうした支援のメニューなり規模は、現段階でどのようにお考えになっているのか。ちなみに、我が党的には、既に政府に申し上げたところですけれども、当面十兆円規模の補正予算案を今国会で成立させるべきだ、こう提言をしておるところですけれども、そういうことを兼ね合わせて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  89. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 当然、さきの特別交付税だけではなくて、いろんな分野での特別的な財政措置が必要になると思います。今それを政府では検討を始めております。  あわせて、財政面だけではなくて、いろんな各種の制度も、これも必要な修正を行わなきゃいけないものが随分あります。阪神・淡路のときにもそういう改正やっておりますけれども、阪神・淡路のときとはまた異なった改正が必要な面もあると私は思っておりまして、いずれにしても、財政面とそれから制度面での手当てを早急にしなければいけないと思いまして、政府の被災者生活再建本部などを中心に官邸とともに今検討を始めているところであります。
  90. 又市征治

    ○又市征治君 関連をしまして、災害の廃棄物の処理について言えば、廃棄物処理法とあるいは同施行令で国庫補助は二分の一だと、こういうふうに決められておりますけれども、あの惨状を見ますと、先ほどからも出ておりますけれども、町全部がなくなってしまったとか、もう瓦れきの山ですよね。そういう状況を見たときに、これを自治体に二分の一負担せよというのは、これ、どだい無理な話、不可能だというふうに言わざるを得ぬと思うんですが。ですから、当然、岩手県始めとして、これは一〇〇%国庫補助でやってほしい、こういう要望が出されておりますけれども。  この点は総務大臣、是非ともそういう、もう全くこれまでの経緯とかそういう話じゃなくて、実態に応じたそういう対応が必要だと思いますから、私はやっぱり一〇〇%国庫補助で行うべきだろうと、こう思いますが、この点、現状ではどうお考えでしょうか。
  91. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) お答えいたします。  今回のような災害のとき、優先しなきゃならない案件というのは幾つかあろうかと思っております。そのうちで、瓦れきの処理というのもこれ非常に優先度の高いものでありまして、これを先にやらないとその後の復興につながっていかないというふうに思っています。  現在、御指摘のとおり、確かに国庫補助二分の一、残った分の八割を特別交付税で措置するというのが内容になっておりますが、今回本当に被害が甚大であること、瓦れきの量が物すごく多いこと、それから、どちらかといえば財政力の弱い自治体が今回の地域には多いということもございまして、もし私自身がその自治体の首長の立場だったら、二分の一の負担でこれやってくれと言われたら、とてもじゃないけれどもこれはやれないというふうに悲鳴を上げるというふうに思います。  そんな観点から、総務省としては、何とかこの財政措置が拡充できるように関係省庁とも現在調整をして、自治体の負担が少しでも少なくなるように頑張っていきたいというふうに思っております。
  92. 又市征治

    ○又市征治君 逢坂さんも元首長をなさっておりましたから重々お分かりのとおりですけれども、できるだけ少なくなるんではこれは困るわけですよね。全く金がないんだから。金がないところに金払えといったって、そんなむちゃな話はないわけで、これこそ国が何のために存在するのかということが問われているわけですから、是非、そういう意味で一〇〇%補助というものを実現するように、これはもうほぼ今日の委員会においでの皆さんはどなたも反対はないんだろうと思うんですね。是非ともそういう点でしっかりと取り組んでいただきたい、このように思います。  次に、やや中期的な自治制度にかかわる問題について伺ってまいりたいと思います。それは、住民の広域的な避難の問題についてであります。  震災と原発汚染によるものを合わせますと、避難をなさっている方たちが三十万人にも上ると、こう言われておりまして、この方々は元の住所での生活再建が相当長期にわたってまず困難だ、望めない、こういう事態になっているんだろうと思います。  先ほどもございましたけれども、一体全体この原発問題、一生懸命冷やしている冷やしていると言うけれども、いつまで続くのか。我が党としては、これはもう直ちに廃炉を前提として作業に掛かるべきだということを、これは政府に申し入れることにいたしましたけれども、そういうことも含めて、一体全体この放射能汚染というのはいつまで続くかということを考えるならば、家がそのまま立派に建っているのに帰れない、こういう状況などもございます。現地では仮設住宅も建てられないし、あるいは建てる場所もないというところももちろんある、こういう状況になってきているわけですね。  この事態に、全国の自治体から大規模な長期的な避難所を提供するぞという、こういう提案などが随分と起こっておることは本当に有り難いことだと思うんですけれども、県外の避難は新潟県の一万数千人を始めとして多くの自治体が受け入れ、沖縄県からさえも受け入れるぞという、こういう申出があるやに聞いています。せんだってからテレビでやられているのは、さいたま市が福島県の双葉町を町民と役場ごと受け入れたと、たしかこれは期限付ですよね、そういうこともありました。また、関西方面など遠方からも随分とあるようであります。  伊豆大島の全島避難の際は、避難先の住まいや学校が同じ東京都の区域内ということもございましたが、今度の場合は県域を越えてしまう。こういう状況に、全国に散らばるというこういう状況が起こっているわけですが、この受入れの自治体の現況なり、あるいは今後そのことに対してどのように総務省などとしては考えているのか、この点お伺いしたいと思います。
  93. 鈴木克昌

    ○副大臣鈴木克昌君) 私の方から御答弁させていただきます。  昨日の夕刻時点ということで御理解いただきたいと思いますが、岩手県、宮城県、福島県以外の四十四都道府県からの聞き取り調査の結果でありますけれども、公共施設や民間施設を最大限活用した場合の受入れ可能人数合わせて約二十万人、そして公営住宅等での受入れ可能戸数が一万七千戸というのが現在の状況であります。  受入れ可能人数の内訳は、都道府県営施設が約九万八千人、市町村営施設が七万五千人、民間施設が約三万人となっております。今委員がさいたまスーパーアリーナのお話をされましたけれども、そういったようなところも含めて、そしてまた新潟県なんかでは一万三千人の受入れをということであります。  ただ、これはそれぞれの施設の事情がありまして、期間もそれぞれであります。我々としては、少しでも安心して長期にお住まいいただけるような手だては考えていきたいというふうに思っていますが、決してこれが恒久的なもので完全なものではないということを前提に、また今後しっかりと対策を考えてまいりたいということでございます。
  94. 又市征治

    ○又市征治君 テレビなどで見ておりますと、体育館などに避難をした、しばらく期間が来たらまた今度はどこかの体育館に。こういうことはできるだけ避けるような努力というものを是非、そういう意味では、何かそこでNHK頼りじゃ困るわけでありまして、やはりこのときこそ総務省の出番だと思うんですね。  そういう意味で、やはりそこで安らぎが得られるような、そういうことに向けて、かなりミスマッチあるわけですよね、三十万人ぐらいの避難をなさりたいという方。本当は三十万といっても、原発の地域なんかというのは実際上はまだそこにお住まいなんですよね。行こうにも行けない。ここのところは後日また質問をいたしますけれども、行くに行けない。おまけにそこは行政の谷間になって物も届かない。  こういう状況になっているところなどもあるし、そういう意味では二十万と三十万の違いがあるということがありますが、さらにここのところは是非総務省からも、更なる、避難ができて、それもやはり安らぎが得られるような場所の提供というものにもっと努力いただきたい。  特に、自見大臣、かんぽの宿を幾つか有効に活用しようという動きが出てきたようでありますし、いいことですね。ここのところは、まだほかにあるわけですよね、かんぽの宿、休眠中のやつ。これを生かすなり何らかのことを自治体とも協力いただいて、そういう努力もいただきたいと思うんですが、そこのところいかがですか。
  95. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 又市先生の御質問でございますが、かんぽの宿でございますが、千葉県の鴨川ですね、あそこのかんぽの宿に、あそこには亀田総合病院という病院がございますが、そこの方々の御配慮で、一つの特別養護老人ホーム、質問通告いただいておりませんから少し記憶違いがあるかと思いますけれども、全部移ってきたということもございましてね。  今たしか四千九百ぐらい、かんぽの宿、実は私すぐ調べさせました。やはり、こういうときでこそ、まさにかんぽの宿、ずっと国の施設、あるいは一〇〇%今国が所有しているわけですから、こういうときこそやっぱりお役に立つべきときですからね。そういったことで、今たしか四千七、八百ございまして、そこら辺をまた県ともあるいはいろいろマッチングをしながら、きちっとお役に立てるところはお役に立つように、既に千葉県の鴨川のかんぽの宿は実現しておりますけれども、そういう方向で関係各位にきちっとお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
  96. 又市征治

    ○又市征治君 森田さん手を挙げていただいているんですが、ちょっと時間の関係があって。  これはどこか一か所じゃなくて、全国的にそのことを是非お願いをしておきたいと思います。  そこで、国が災害救助法などでこれらの受入れ側自治体財政的に援助、支援をするということも、これも当然のことだと思うんですね。  こうした人たちが避難先で、さっきも申し上げましたが、一定期間安住できるように、住宅の提供、あるいは住民登録あるいは義務教育、社会福祉、社会保障などの配慮が当然必要だろうと思うんです。それは、住民という身分を例外的に設けて一定の期間弾力的な扱いができれば、安心してスムーズな幅広い移住と一時的な安定も保障できるんではないかと、このようにも思うんですね。  場合によっては、受入れ自治体の中に一定期間、避難した自治体住民丸ごとの言わば小さな自治区みたいなものをやっぱり設けて、首長や役場やあるいは学校などの機能を続けることが避難者自身の自治活動を助けるし、そしてまたこの避難者がばらばらになって孤立化するのを防ぐ。こういうコミュニティーを保全をし、復旧を早めることになるんだろうと思うんですね。  大臣、こうした暫定的な立法措置も必要になってくるんじゃないのか。避難者が暮らしやすい条件というものを受入れ側の自治体が提供できるように、そういう措置というものをどのようにお考えでしょうか。
  97. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 実は、その問題は非常に重要な問題でありまして、私も先般、全国市長会長の森長岡市長からつぶさに伺いました。  被災地、かつて新潟中越地震の被災地でありまして、今回は福島県の原発で避難せざるを得ない皆さん方を率先して新潟県が引き受けられて、長岡市も五百人余りを引き受けておられるんですけれども、そこでいろんな施策をするに当たって法的な問題などがあります。  現行は災害救助法というのがありますけれども、これは自然災害を中心にして、なおかつ現地で、基本的には現地でその住所地の市町村長が救助をするという、こういう仕組みになっているんですけれども、現地に仮設住宅も建てられないで出ていかざるを得ない、で、かなり長期間が予想されるという、こういう事態には災害救助法は想定しておりませんので、いずれにしても法的な手当てが必要であります。  自治体の中にもう一つ何か準自治体のようなものをつくるというのも一つのアイデアでありますけれども、それよりは、今の既存の受入先の自治体が、受入れ側の自治体が快く必要にして十分な支援ができるような、そういう仕組み考えることの方が現実的ではないかと思って、その検討も早速始めているところであります。
  98. 又市征治

    ○又市征治君 終わります。
  99. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 三件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  100. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣
  101. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、公害の防止に関する施策の推進を図るため、地方公共団体が行う公害防止対策事業に係る経費に対する国の負担又は補助の割合の特例その他国の財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十六年五月に制定されたものでありますが、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととなっております。  政府としましては、公害の防止のための事業を推進してきたところでありますが、関係地域の実情等に鑑み、平成二十三年度以降も引き続き公害防止対策事業の促進を図るために国の財政上の特別措置を継続する必要があると考えております。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  この法律案は、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の適用期限を十年間延長し、平成三十三年三月三十一日までとするとともに、廃棄物処理施設の設置の事業等について、法律の対象事業から除くこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  102. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時九分散会