○
藤原良信君
委員派遣について御
報告を申し上げます。
本
委員会の
中村博彦委員長、中谷智司
理事、
牧山ひろえ理事、
福岡資麿理事、松山政司
理事、
大島九州男委員、
岡崎トミ子委員、
那谷屋正義委員、
姫井由美子委員、
藤原正司委員、水落敏栄
委員、
竹谷とし子委員、小熊
慎司委員、荒井広幸
委員及び私、
藤原良信の十五名は、去る二月二十一日及び二十二日の二日間、
独立行政法人国際協力機構、JICAの
青年海外協力隊事業及び研修員受入れ
事業等に関する実情
調査のため、長野県及び愛知県に派遣をされ、JICA駒ケ根
青年海外協力隊訓練所、JICA中部国際センター、KTC中央高等学院を訪れ、
関係者からの
説明聴取と関連施設の視察並びに
意見交換を行いました。
以下に
概要を
報告をいたします。
第一日目は、長野県駒ケ根市に赴き、JICA駒ケ根
青年海外協力隊訓練所におきまして、まず、JICAから、
青年海外協力隊事業の沿革、現状、実績及び意義や、同訓練所における
青年海外協力隊員候補生の訓練
状況等について概況
説明を聴取をいたしました。
その中では、
青年海外協力隊事業は、一九六五年の
事業開始以来、八十七か国に累計三万五千名を超える隊員が派遣されておりますが、その献身的な
活動は派遣国で極めて高い評価を受けていること、同
事業は途上国の開発だけではなく、我が国の
外交政策の実施や我が国自身の人材育成を通じました我が国の活性化にも貢献していること、また、訓練におきましては、
現地の中に入り込んで
活動する
事業の特色に鑑み、実用的な語学訓練や異文化適応に重点を置いていることなどの
説明がございました。
派遣委員からは、語学訓練の内容、派遣国決定の方法、派遣国における安全対策、隊員への手当の内容、我が国の
外交戦略と
青年海外協力隊事業との
関係性、同
事業の広報や評価指標の在り方、帰国隊員の就職
状況等について質問が行われました。
その後、同訓練所内におきまして、語学研修クラス、宿泊棟などの施設、
海外安全対策に係る講義等を視察をいたしました。
次いで、駒ケ根市長、同市議会議長、駒ケ根
協力隊を育てる会会長等の
地元の
青年海外協力隊事業支援者から、同訓練所と
地元との
協力状況や同訓練所の存在を生かした
地元の国際交流の現状等につきまして、
青年海外協力隊帰国隊員から、派遣国での
活動の
状況や帰国後の就職の実情等につきまして、
青年海外協力隊員候補生及びシニア
海外ボランティア候補生から、志望した理由や訓練の
状況、
青年海外協力隊員候補生とシニア
海外ボランティア候補生が合同で訓練を受ける意義等について、それぞれ
説明を聴取をした後、
意見交換を行いました。
派遣委員からは、駒ケ根
協力隊を育てる会の
活動状況、駒ケ根市の国際交流の取組、国際
理解教育の重要性、派遣を控えた候補生の抱負や不安、同訓練所における訓練の
改善点等について質問が行われました。
第二日目は、愛知県名古屋市に赴き、JICA中部国際センターにおきまして、まず、JICAから、同センターの沿革と役割、研修員受入れ
事業の実施
状況、市民参加
協力事業の内容、民間
連携推進
事業の現状等について概況
説明を聴取をいたしました。
その中では、同センターが所管する中部
地域が有する物づくりなどの
援助リソースを生かし、研修員受入れ
事業を実施していること、また、同センターに所在する地球ひろばを活用し、市民参加
協力事業を推進していること、中部経済連合会等の民間企業をJICA
事業の重要なパートナーとして民間
連携推進
事業を実施していることなどの
説明がありました。
その後、中部
地域で
活躍する
青年海外協力隊帰国隊員から、
活動経験を生かした就業の
状況等について
説明を聴取した後、
意見交換を行いました。
派遣委員からは、派遣国でより円滑に
活動するための
青年海外協力隊事業の
改善点、現職参加制度の実情等について質問が行われました。
次に、同センター内におきまして、地球ひろばなどの施設、研修、
NGOとの
連絡会等を視察をいたしました。
次いで、中部経済連合会、民間企業等の民間
連携推進
関係先から、中部
地域の有する水技術等を活用した国際貢献・ビジネス育成に向けたJICAとの
連携の現状等について
説明を聴取した後、
意見交換を行いました。
派遣委員からは、
青年海外協力隊帰国隊員を積極的に雇用するための
体制づくり、水分野でのJICAとの
連携を進めるに当たっての課題、同センターにおける研修員受入れ
事業と
連携した民間
連携推進
事業を行う必要性等について質問が行われました。
さらに、同センター内におきまして、今回の
委員派遣を取りまとめる
意味で、JICA
関係者と
意見交換を行いました。
派遣委員からは、
青年海外協力隊帰国隊員の経験を生かした就職
支援の在り方、帰国後の起業や現職復帰につながるような派遣国及び
協力分野の選定の必要性、国や
地方公共団体等が企業に対し帰国隊員を雇用するインセンティブを付与する必要性、
地元との
連携の基礎となるJICA国際センターの拡充の必要性、
青年海外協力隊員の派遣国におけるバックアップの重要性などの
意見が表明されました。
最後に、愛知県名古屋市内にあるKTC中央高等学院を訪れ、同学院
関係者及び同学院に勤務する
青年海外協力隊帰国隊員から、帰国隊員を積極的に雇用している背景、帰国隊員の有するコミュニケーション力等の特色、帰国隊員の就職の実情等について
説明を聴取した後、
意見交換を行いました。
派遣委員からは、
青年海外協力隊帰国隊員を採用した経緯、同学院の教育方針、帰国隊員を雇用する利点等について質問が行われました。
以上が今回の派遣の
概要であります。
今回の
調査により、JICAの
青年海外協力隊事業及び研修員受入れ
事業が、途上国の国づくりの担い手となる人づくりに直接貢献する、我が国の
国際協力の特色をよく表した
事業であることについて認識を新たにすることができました。特に、
青年海外協力隊員候補生や帰国隊員、
青年海外協力隊事業を支える
地元の
皆様の
要望や
意見を聞くことを通じ、同
事業は、途上国の開発だけではなく、我が国自身の人材育成を通じた我が国の活性化にも貢献していることを実感をいたしました。その一方で、帰国隊員の就職をめぐる
状況には厳しいものがあり、その人材活用に
改善の余地があること等の実情についても認識を深めることができました。この点、国会として果たすべき課題も多いことを改めて痛感をした次第であります。
最後に、今回の派遣に際し、御
対応いただきました
関係者の
皆様方に対し心から
感謝を申し上げ、御
報告といたします。
以上です。