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2011-03-25 第177回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月二十五日(金曜日)    午前十時十九分開会     ─────────────    委員異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      姫井由美子君     川上 義博君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤田 幸久君     理 事                 大久保 勉君                 舟山 康江君                 佐藤ゆかり君                 荒木 清寛君     委 員                 尾立 源幸君                 風間 直樹君                 金子 洋一君                 川上 義博君                 櫻井  充君                 田中 直紀君                 中谷 智司君                 水戸 将史君                 鴻池 祥肇君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 野上浩太郎君                 林  芳正君                 古川 俊治君                 丸川 珠代君                 竹谷とし子君                 中西 健治君                 大門実紀史君                 中山 恭子君    国務大臣        財務大臣     野田 佳彦君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        自見庄三郎君    副大臣        財務大臣    櫻井  充君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        和田 隆志君        文部科学大臣政        務官       笠  浩史君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君    政府参考人        内閣府政策統括        官付参事官    小滝  晃君        国土交通大臣官        房審議官     井上 俊之君    参考人        株式会社日本政        策金融公庫代表        取締役総裁    安居 祥策君        日本銀行総裁   白川 方明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成二十三年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、平成二十三年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、平成二十三年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (内閣府所管金融庁)、財務省所管及び株式  会社日本政策金融公庫)     ─────────────
  2. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、姫井由美子さんが委員を辞任され、その補欠として川上義博君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官付参事官小滝晃君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会参考人として株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁安居祥策君及び日本銀行総裁白川方明君出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 去る二十二日、予算委員会から、三月二十五日の一日間、平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  審査委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取いたします。野田財務大臣
  8. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) おはようございます。  平成二十三年度一般会計歳入予算並びに財務省所管一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。  まず、一般会計歳入予算額は九十二兆四千百十六億円余となっております。  この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は四十兆九千二百七十億円、その他収入は七兆千八百六十六億円余、公債金は四十四兆二千九百八十億円となっております。  次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十三兆九千八百六十四億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十一兆五千四百九十億円余、経済危機対応地域活性化予備費は八千百億円、予備費は三千五百億円となっております。  次に、当省所管の各特別会計歳入歳出予算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきましては、歳入二百六兆三千九百三十九億円余、歳出百九十四兆三千九百三十九億円余となっております。  このほか、地震保険等の各特別会計歳入歳出予算につきましては予算書等を御覧いただきたいと存じます。  最後に、当省関係政府関係機関収入支出予算について申し上げます。  株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入千九百十九億円余、支出千三百八億円余となっております。  このほか、同公庫農林水産業者向け業務等の各業務収入支出予算につきましては予算書等を御覧いただきたいと存じます。  以上、財務省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。  なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  9. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 続きまして、自見内閣府特命担当大臣
  10. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 平成二十三年度における内閣府所管金融庁歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。  金融庁平成二十三年度における歳出予算要求額は二百二十一億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、金融庁一般行政に必要な経費といたしまして百九十二億円余、投資者等の保護に必要な経費として十六億円余、金融機能安定確保に必要な経費といたしまして七億円余を計上いたしております。  以上をもちまして、平成二十三年度内閣府所管金融庁歳出予算要求額概要説明を終わりにいたします。  よろしく御審議くださいますようにお願いを申し上げます。  ありがとうございます。
  11. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 以上で説明の聴取は終わりました。  なお、財務省所管予算説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 西田昌司

    西田昌司君 自民党西田昌司でございます。  質問に入らせていただく前に、私からも、この度の震災でお亡くなりになりました方々に御冥福をお祈り申し上げますと同時に、被害を受けられましたたくさんの方がおられるわけでございます、お見舞い申し上げますと同時に、その救済のために頑張っておられるたくさんの方々にまた感謝と敬意を申し上げたいと思っております。  さて、質問に入らせていただきますが、まず、今、野田財務大臣から、本年度ですね、この予算説明をされたんですけれども一般歳入予算額は九十二兆四千百十六億円余り、この内訳租税収入等が四十兆九千二百七十億円とおっしゃっているんですけれども、この担保される税法がないんですが、どうなっているんでしょう。
  14. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 西田委員からはお叱りをいただくと思いますけれども、基本的には政府としては、御審議をいただいている平成二十三年度の予算案と、そしてそれを裏付ける関連法案を年度内に成立をさせたいという思いでございます。ただし、様々なねじれている状況の中で合意形成が難しい等々いろんなことによって、国会の運びは国会でお決めいただいておりますけれども、一体的に御議論いただいていないということは残念だというふうに思います。  その上で、今日もこの後、午後で衆議院財務金融委員会におきましてこの税法審議も行われます。各党からまた御意見をいただくことになるというふうに思いますが、私どもとしては、今回の平成二十三年度の税制改正案というのは経済活性化財政健全化観点から作った、その上で、加えていわゆる税制改革抜本改革一貫性とも整合的な、そういう緊要性のあるものを盛り込んだ内容でございますので、そのことを今日はきちんと御説明申し上げたいというふうに考えております。
  15. 西田昌司

    西田昌司君 いや、全然説明になっていないんですよ。  ねじれているとおっしゃいますけれども、ねじれているのは参議院側であります。衆議院側与党が圧倒的に多いんですよ。だから、与党の方で審議をして、そして参議院に回してくるのは当たり前じゃないですか。それを国会の仕事だと言うけれども皆さん方のお考えでは、与党政府一体型でやっておられるんですから。衆議院の圧倒的に多いこの状態で参議院に送られてこないこと自体がおかしいんですよ。その後、何かいろんなことをおっしゃいましたけれどもね。  そもそも、この税法をここに提出できないという説明に全くなっていません。おかしいじゃないですか。全く無責任なんですよ、あなた方の対応自身が。だから、ねじれは全然意味がないんです。参議院側で否決するかどうかは我々の意思ですから。衆議院で圧倒的に多数だからできるじゃないですか。  もう一度お答えください。
  16. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 税制改正法案について、様々な論点から今衆議院審議中でございますし、今日もこの後審議があるという状況でございますので、先ほど申し上げた立場でしかお答えすることはできません。
  17. 西田昌司

    西田昌司君 いずれにしましても、民主党自身に、政府与党を含めて、予算をまともに国民の前で審議していただこうという姿勢がない。参議院に対して全くこれは無礼千万でありますよ。そのことはきつく指摘をさせていただきたいと思います。その上で、この予算内容についても議論をさせていただきたいんですが。  まず、昨日、各委員から大臣所信に対する質問がありましたけれども、その中で、地震が起きましていろんな優先順位が変わってきたと、そういうような印象の発言されたんですけれども、この震災の後、随分やっぱり必要な予算も変わってくると思うんですね。当然、補正なんかもこれから出されるということもおっしゃっていますけれども、私は、震災の後、当然そういうこともあるんですけれども震災がもし起こらなくても、やっぱりかなり民主党考え方に間違いがあったと思うんですよ。その一番の典型がいわゆるコンクリートから人へという話ですよ。  今回のこの震災見ても分かりますように、インフラが非常に破壊されています。この復興のためにはたくさんの予算が要りますよ。しかし、そもそもそのインフラを、本来充実していなければならなかったものを、あなた方はもう要らないと、これは十分できているという認識予算編成をやってきているんですよ。それ自体が大きな誤りだったとは思われませんか。
  18. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 確かに公共事業関係費という意味では、平成二十二年度、大変大きく削減をして、二十三年度についても、あの一括交付金分を除くと約五%の減という形になっています。  ただし、これについては、めり張りを利かせた予算編成をしてきたつもりでございまして、例えば、公共事業には様々なものありますけれども防災観点で申し上げますと、厳しい財政状況の中で、長期的な防災機能の発揮などについては効果的な施設整備を行うべく取り組んできているところでございまして、今回御審議いただいている二十三年度の当初予算におきましても、激甚な水害土砂災害が生じた地域における再度災害防止対策を始め、国民生活の安心、安全にかかわる事業予算は増額するなど、真に必要な社会資本整備には重点的な予算配分を行っています。  今申し上げた、例えば激甚な水害土砂災害が生じた地域における再度災害防止対策では、二十二年度の予算五百四億円でございましたけれども、二十三年度五百六十二億円というふうにプラスにしておりますので、いろんな部分がありますけれども、めり張りを利かせてはいるというふうに御承知をいただきたいと思います。
  19. 西田昌司

    西田昌司君 あのね、もっと本質的なことを聞いているんです。要するに、民主党予算に対する考え方が余りにもインフラ整備ということを軽く考えてきたと。それよりも人に直接給付金与えていく、そういう考え方だったんですよ。しかし、それは選挙のときに人気を得る政策であったかもしれない。そして、平時のときに何も問題起こらなかったらそれでよかったと思えたのかもしれない。  しかし、そうじゃないんです。天災は忘れたころにやってくるという言葉がありますけれども、まさに今回、残念なことですけれどもこれだけ大きな天災日本を襲ったわけですね。そのときになって初めてみんな気が付くんですよ、ああ、やっぱりインフラ整備はしておくべきだったなと。  その根本的なところが反省でなければ、これから補正予算を組んでいくとかいう話になりましても、国家をもう一度これは復旧して復興していく、その肝心のポリシーといいましょうか哲学がそこに出てこないんですよ。単に困っている方々復興するだけじゃなくて、強靱な日本をもう一度再建しなければならないということは、イコールインフラ整備ということ、これ当然考えなければならない。そうなってきたときに、民主党政権が今まで掲げてきたことでは全く駄目だということを意味しているんですよ。そのことをやっぱり素直に認めていただかないと、復興はこれは及びも付かないと思いますよ。  ですから、細かい数字の話じゃないんです。もっと根本的なことを財務大臣として、やはりこれは反省も含めて言っていただかないと、これは今後の復興を期待することすらできないんですよ。もう一度きちんとお答えください、そこを。
  20. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、私どもインフラ整備を怠ってきたというか手を抜いてきたということではなくて、先ほど申し上げたとおり、真に必要なインフラ整備はやってきたつもりです。  ただ、今回の未曽有の大震災を受けまして、復興する上での哲学をどうするかということは、インフラの問題もあると思います。加えて、今回エネルギーの問題もありますから、エコの問題どうするかとか、あるいは今回被災されている方は高齢者の方が多いですから、そういうことをどうするかという、復興哲学をどうするかという上では野党皆さんとも議論をしながら進めさせていただきたいというふうに思います。
  21. 西田昌司

    西田昌司君 全くその辺の自分たちが今政権を持っている与党政府としての、私は責任感がみじんも感じられないと思いますよ、残念ながら。それでは復興できませんよ。  それで、その復興のことも含めて、地震が起きましたから、これから当然インフラ復興復旧のために大きな予算が当然必要になってまいります。なってまいりますが、私はかねがね申し上げていたのは、地震が起きたから言っているんじゃなくて、地震が起きる前からインフラ整備は必要なんだと。  特に、コンクリートから人じゃなくて、例えば、私は、この地震の前にニュージーランド地震がありましたね。あのときも言っていたんですよ、いろんなところで。つまり、あの地震ニュージーランドで起きたけれども日本だけが唯一、同じような地震帯の上で先進国で一億の人口を抱える国というのはないんです、日本以外。  だから、あのことを他山の石として、今こそこの地震が起きる前にやらなければならないという思いでいたんですが、残念ながらそれが本当に現実のものとなってしまったことを大変残念に思うんです。ですから、この震災復興だけではなくて、そもそも最初から必要であったということを私は申し上げているわけです。  それと同時に、もう一つ大事な視点は、震災復興とか強靱な国をつくるというだけではなくて、この日本震災の起きる前一番大きな問題の一つに、やっぱりデフレということがあったわけなんですよ。このデフレをどう脱却して成長路線に持っていくかと。財政再建ということはもちろん必要なんですけれども財政を再建しようと思えば、これは当たり前の話ですけれども借金を返済しようと思えば、デフレでは借金返済絶対できないんですよ。少なくともデフレではできない。インフレ状況でないとこれできないわけなんですよ、これ当たり前の話。ですから、そのためにもデフレ脱却をどうすべきかということをこの予算の中でも考えるべきだと思っていたわけです。  今の、今回の民主党予算というのは、当然震災の前に出していますから震災を念頭に置いた予算になっていない、これは仕方ないんです。しかし、それでも大事なことは、震災以前にデフレ脱却についていかなる予算組みがされていたかということなんですよ。全くされていないんですよ。これは本当に、だからそういう意味で我々、この予算というのは反対なんです。そして、その中でも特にコンクリートから人へという言葉に代表されるように、結局インフラ整備をやめて、そしてまた一番デフレ脱却をさせる乗数効果の高い支出をやめて、給付金のような形のいわゆる子ども手当などのようなばらまきをしていると、これ乗数効果的に言ってもデフレ脱却には全く意味がないんです。  だから、それを我々は批判をしていたんですが、くしくも、私は、先日の公聴会、その公述人方々意見を聞いて全く同感、同じ思いをしたんです。そのくしくもと申しますのは、我々自民党公述人として推薦したのは京都大学藤井教授。この方は今、地震があったので、日本復興計画という緊急提言を出されて説明されました。そして、民主党与党側の方から説明された方が菊池先生であります。私は菊池先生の話初めて伺ったんですが、まさに私の今まで考えていた意見と全く同じなんですよ。要するに、日本デフレ脱却するためには、藤井先生と同じように公共支出公共的支出をしなければならない、そのためには建設国債出せばいいんだと、そういう話だったんです。だから、この方々意見を聞いておられれば、民主党はこの震災前の予算であってもこんな間違った予算は出さなかったはずなんです。  そこで聞きますが、野田大臣、この菊池先生、御存じなんでしょうか。それで、この方が今まで言ってこられたこと、そして公述人のこの記録も目を通していただいていると思いますけれども、どういうふうに考えられておられましたか、菊池先生考えを。
  22. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 菊池先生、よく文芸春秋でも論文を掲載されておられますし、今回の公聴会における資料等も取り寄せて拝見をさせていただいております。いわゆる積極財政立場で論陣を張っていらっしゃる有識者の方と理解をしています。
  23. 西田昌司

    西田昌司君 それで、その意見について同意なさっているのかどうかということなんです。つまり、民主党側公述人として推薦してこられた方の意見とあなた方が出している予算内容は全く違うじゃないかということを今申し上げているんですよ。そのことについていかなる感想をお持ちなんですか。
  24. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) デフレを脱却しなければならないというのは、これは政府もそして日銀もこれ共通の認識で一体的に取り組んできたわけであって、私どもが出している予算にはそういう評価をいただけないという御指摘でございましたけれどもデフレ脱却のために新成長戦略を本格稼働させるという、私どもは私どもなりの考え方を持って提出した予算であります。  その上で、震災と後によっていろいろとやっぱり状況変化はありますけれども、一方で、バランスを考えなければいけないのは、やっぱり震災における復旧復興がこれ最優先課題です。最優先課題に基づいて予算の組替え等は行わなければいけませんけれども、一方でやっぱり財政の問題も、これもマーケットが注視をしていますし、菊池先生のような一つの論もありますけれども、またそうではない慎重な意見もありますので、よくその辺を総合的に勘案をしていきたいというふうに思います。
  25. 西田昌司

    西田昌司君 ですから、こういう考え方大臣がされますから救われないんです。  民主党の恐らく方々にもいろんな意見の方がおられるんでしょうけれども、私は少なくともあの予算委員会、あの中で公述人の話を聞いておりまして、多くの与党方々菊池先生意見には賛同されていたと思いますよ。そして、その方がおっしゃったことが非常に、私も自民党自身反省しなければならないことがたくさんあったと思っているんです。  つまり、私は自民党ではありますけれども、元々構造改革には大反対でありました。小泉さんや竹中さんの唱えられている構造改革は大反対なんです。ですから、自民党選挙に負けて下野したと。これは残念ではあったけれども皆さん方が、民主党がそのとき野党としておっしゃっていたのは、構造改革は間違っていると、そのことを盛んにおっしゃっておられたんですよ。だから、そのことに対して私も賛同していましたから、我々が負けたのは間違った政策を言ったからだと。あなた方が勝たれたのだから、正しいことをやっていただければ、政治としては負けたけれども、これは政策としては国民生活を守ることができていいんだと思って期待していたんですよ。  ところが、今されている政策は、まさに構造改革そのものなんですよ。そのことを菊池先生指摘されているんです。そういう認識財務大臣になければ、隣の副大臣はお持ちだと思うんですけれどもね、これは。  だから、財務大臣、どうなんですか。それから副大臣。お二人にちょっと意見聞きたいんですよ。あなた方がされている政策構造改革から転換したことになっているんですか。なっていないじゃないですか。ますますデフレを促進させることになってしまっているんですよ。そう思いませんか。簡潔に言ってください。
  26. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 私は、小泉政権下構造改革とは私どもが進めている政策は違っているというふうに思っています。行き過ぎた規制緩和等々との立場とは私ども違います。
  27. 櫻井充

    ○副大臣櫻井充君) 済みません、通告がなかったので、急な御質問なんですが。  私は、政権交代直後はそういう政策ではなかったというふうに思っております。しかし一方で、最近進めてきている政策に関して言うと、あの当時の新自由主義に近づいていないとも必ずしも、じゃそういうふうに言い切れるのかというと、必ずしもそうまで言い切れなくなってきているというところに少し違和感を感じているところはございます。  それから、先ほどの菊池先生のお話に関して、積極的に財政出動をしていくということについては、ある時点においてこれはまた必要なお話だと思います。  ただ一方で、一方でその財政出動をしていった際に、彼の論のとおりいくとGDPは確かに伸びるんですが、だけど財政出動をあのままずっとやり続けていかなければ結果的にはGDPの伸びが止まってしまう、止まってというか、ちょっとごめんなさい、そういうような問題点もありまして、そこら辺のところのバランスはこれ考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っています。
  28. 西田昌司

    西田昌司君 櫻井大臣、正直にお話しいただいて大変感謝します。野田大臣ももう少しやっぱり正直に言っていただきたい。というよりも、これ正直じゃなくて本当にそう思っておられるならとんでもないですよ。財務大臣失格ですよ。今の経済の状態を全く分かっておられません。  それで、あともう少し質問させていただきたいのは、要するに復興、そのためにインフラ整備をやっていかなきゃならないと。これはもうそのことについては議論はしなくてもそうだということになると思うんです、今の時点となると。しかし、その後、それじゃ財源どうするのかという話なんですね。それが昨日の様々な委員会でも質問ありましたけれども、要するに国債を発行しなさいと。国債を発行していって、それは十分財源になると。その場合に、日銀との協調ということなんですね。つまり、日銀に直接買い取ってもらうという意見方々もあるかもしれませんけれども、私は別にそこまで言っていないんです。結果的に日銀が買えばいいだけの話ですから。  要するに、今建設国債を出していくと。出していった分の、市場に出すんですけれども、今の市場のキャパシティーからいいましても十分市場で吸収できると。つまり、民間需要が少ないわけでありますからその分は十分吸収できると思うんですけれども、しかし、これから逆に民間の方も復興していかなければならないというので資金需要が当然増えてくるわけですよね。そうなってくると、これは市場の方も金融が窮屈になってくると。じゃ、そういうことを見越して今度は日銀の方がそれぞれ買いオペレーション、既存の国債を買っていくという形で供給していくと。要するに、需要と供給を金利という長期金利をしっかり見ながらそういうオペレーションをしていけばいいということだと思うんですけれども、日銀総裁のお考えどうでしょう。
  29. 白川方明

    参考人白川方明君) 今後の国債の発行額そのものにつきましては、これは政府国会でお決めになることでございますけれども、いずれにせよ国債、今現在年間百兆円を超える大量の国債が発行されております。この国債が円滑に市場で消化されるということが非常に大事なことでございます。  日本銀行としては、国債の円滑な消化ができるような、そうしたマクロの経済金融環境をしっかりつくっていくということが大変大事なことでございます。そのうちの一つの柱が金融市場に対して潤沢に資金を供給するということでございまして、その一環として国債も現在大量に購入しております。それから、金融緩和という形で更に強化をするということを先般実行いたしました。  その際に、先ほど先生がおっしゃった哲学ということでございますけれども哲学として、日本銀行の金融政策がこの日本という国の物価の安定、その下での経済の持続的な成長ということについて、しっかり軸がぶれずに運営されているというふうな信頼感が保たれるような形でしっかり金融政策を運営していくということが大事だというふうに思っております。
  30. 西田昌司

    西田昌司君 余り答えになっていないんで、もうちょっと踏み込んで言っていただかないと困るんです。  つまり、これからどんどん積極的に財政をしていかなければならない。そのまず復興ということに関して、インフラ整備をもう一度やっていくということももちろん重要なんですが、同時に、デフレというこの状況考えたときも、公的なそういう需要がたくさんあるんですから、そのための資金を供給しなければならないということなんですね。  その資金を供給するのが国債なんですが、市場から吸い上げていきますから、当然のことながら、日銀の方がそれを供給する側として既存国債を買うことによってどんどん市場に資金を出して、結果として日銀が引き受けるという形になるわけですね、これは。そのことを日銀がオーケーだと、そういう覚悟でやっていきますということを市場に対して言っていただかないと、これは復興を期待されている方々も安心できませんよ。  今までさんざん日本は国債がたくさん発行し過ぎて大変なんだということを言ってきました。しかし、これはちょっと話すると時間掛かってしまうんであれだけれども菊池先生おっしゃっているように内国債で自国建て通貨でやっているんですから、これははなからいわゆるデフォルトになることなんてあり得ないわけですよ、これは。だから、そのあり得ないものをあり得るような形で説明してきた方がもうこれ問題なんですが、今はこの問題ちょっと横に置いておきます。  取りあえず、だから、今のこの資金を、復興資金をやるために日銀がどんどん買いオペレーションでやっていきますよと、そのことをやっぱりしっかり言ってくださいよ。
  31. 白川方明

    参考人白川方明君) 日本銀行として、現在、市場に対して潤沢に資金を供給するという姿勢は、これは非常に明確にしております。昨日のこの席でも申し上げましたけれども地震発生後、当座預金の残高は、直前が十七兆円程度、それが昨日は四十三兆円弱ということで、これは大量に資金を供給しております。  どの中央銀行もそうですけれども日本銀行も、これは大量の、様々なオペ、資金供給手段を使って、その中には国債もございます、国債は現在大量に買っておりますけれども、そうした国債という手段、それから金融機関に対する国債等を担保とする資金の供給、様々な手段を駆使して資金を大量に供給しております。  その上で、国債そのものについての購入でございますけれども、これはあくまでも資金を供給する手段でございます。中央銀行の行動原理が、ある特定の、財政のファイナンスそれ自体を目的にして運営されていくというふうに見られますと、これはもう釈迦に説法でございますけれども、リスクプレミアムが発生してしまう。そうなりますと、大本の国債発行それ自体にも悪影響が出てくると。そのことにも注意しながら、しかし市場に対しては潤沢に資金を供給していくという姿勢で臨んでおりますし、今後もそういう姿勢で臨みたいと思っています。
  32. 西田昌司

    西田昌司君 日銀総裁は政治家じゃありませんから、そういう答弁に終わってしまうのかもしれないけれども野田大臣野田大臣は政治家ですから、やっぱりそこを日銀に対して、国債を出して復興資金に充てていくんで協力してもらわなければ困るという、やっぱりそういうメッセージ出してもらわなきゃならない。それがあって初めて日銀の方も動いてくるんですよ。  野田大臣の決意をお伺いしたいと思います。
  33. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 復興の財源については、歳出の見直し、歳入の見直しを含めて、与野党議論を踏まえて対応していきたいと思います。  その上で、国債の発行の仕方、日銀とのかかわりについては、これいろいろ議論があります。今委員指摘のような論に立つ方も最近随分多いなというふうに思いますけれども、一方で、マーケットの中ではそれを心配する声もあります。そのバランスをよく考えていきたいというふうに思います。
  34. 西田昌司

    西田昌司君 だから、そのマーケットが期待しているんですよ。あの震災が終わった直後、なぜ円高になったんですか。要するに、日本財政が破綻してしまうと、経済が破綻してしまうというんなら円安になるんですよ。円高になった理由は一体何ですか。まさに日本は、財政は安定しているんですよ。そして、その中でもう一度復興資金が要るだろうと、円資金が要るだろうというので、それで円が上がっているわけなんですよ。円が下がっているんじゃないんですよ。  そして私が申し上げたいのは、昨日も日銀総裁がお話しになったけれども、要するに日銀引受けでどんどん国債を発行しちゃうと、インフレ懸念なんですよね、インフレになっちゃいますよと。ということは、要するに金利も上がってくるという話ですね。それから、円が安くなってしまうと。通貨をたくさん発行し過ぎて円が安くなっちゃうと、こういう話なんですよね。ところが、今起こっている状況というのは、今日本経済が苦しんでいるのは不当な円高ですよね。そして、デフレという状況で物の物価がどんどん下がっちゃっているという話なんですよ。それで経済活動が滞っているという話なんですね。  だから、日銀総裁が懸念されている話というのは、むしろ今のこの状況からすると、状況を改善することになるんじゃないですか。だから、総裁の昨日おっしゃったような懸念というのは、まさに杞憂にすぎないと思いますが、どのようにお考えでしょう。状況は、つまりそういう方向に、多少インフレの方向に、円安の方向に振れて、問題ないんじゃないですか。
  35. 白川方明

    参考人白川方明君) 日本銀行の政策のスタンスでございますけれども、これは地震の発生以前からそうでございますけれども、この現在のデフレからできるだけ早く脱却し、物価安定の下での持続的な成長軌道に復帰することが極めて大事だというふうに思っております。そうした目的意識の下に、潤沢な資金供給、それから金融市場の安定、それから成長基盤の強化の支援ということに全力で取り組んでおります。  現在の為替相場でございますけれども、先週の急激な一時的な円高ということについては、いろんな説明はございます。一つの理由としては、これは根拠のないうわさではございましたけれども、しかし、日本の機関投資家、保険会社等が海外に持っている資産を、これを売却して震災後のいろんな財源支払に充てるという、そういう根拠のないルーマーが広がりまして、その結果、一時的に円高になったという面がございます。  今後の動きでございますけれども、もちろん相場の先行きについては予測できません。私が昨日申し上げましたのは、円安になることを今直ちに懸念しているという意味で申し上げているわけではなく、あるいは、今直ちにインフレが起こるということではございません。そういう趣旨で申し上げたわけではございません。ただ、これは日本の、ただでさえ今この危機の後、地震という大変大きな危機の下で日本経済日本政府、あるいは中央銀行がどういう行動原理で行動しているか、それについて、もし海外の見方も含めて市場の見方が変わりますと、これはある段階で非連続的な変化を起こし得ると、そうなった場合にその流れを逆転することは難しい、そういう意味で、政策の基本的な構えとして申し上げた次第でございます。
  36. 西田昌司

    西田昌司君 いずれにしましても、原則論を述べておられるだけで、今、日本が起きているのは、これ、まさに国難ですよ。これ国難ですよ。とんでもない話。そしてもっと言えば、戦争で日本は随分戦後の復興、時間掛かってきたわけですけれども、ある種、東日本は戦災以上の被害を受けておられるんですよ。非常事態なんですね。非常事態には非常事態の構えをしなければならない。今まで日銀が引き受けてどんどん国債発行することはタブーであったと。しかし、非常事態のときにはそれをやらなきゃならないんですよ。あの世界大恐慌のときに高橋是清がやったあの政策というのは、まさに日銀が直接引き受けることによって政府支出を担保してきたわけですけれども、だから、直接引受けをするとかしないとか以前に、やり方いろいろあるわけですね。市場と対話しながらでも十分できるわけですし、そういうやっぱり構えを見せていただかないと困るということなんです。  それともう一つは、私が実は非常に懸念していますのは、通貨発行によるインフレじゃないんです。生産力が落ちてしまったことによるインフレの方がもっと怖いんですよ。戦後のインフレというのはまさにそれなんです。あれは、国債が多かったからじゃないんですよ。まさに生産手段がなくなってしまったから、供給不足によってインフレが起こっている。今起きている、例えば石油の値段が上がってきているのもそこなんですよ。だから、そのためにもまず喫緊にやらなきゃならないのは、インフラを整備して生産力を回復させるということなんですよ。それをしないと、とんでもないことになるんです。だから、皆さん方にそのことを訴えているわけです。  もう時間が来たのかな。
  37. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) そろそろ。
  38. 西田昌司

    西田昌司君 そろそろですか、はい。  そろそろということですから、これで終わりますが、一言ずつお願いしたいのは、だから、復興のためにやっぱり非常事態だということを認識して、デフレ脱却のためにあらゆる手段を取るんだと。  そのためには、最後に一つ皆さん方に確認したいのは、TPPを今までやろうとしていましたね。TPPは、日本の生産力の余っている分を海外にやって、関税をなくしてやることによって経済成長するんだというのが論理的な裏付けなんですが、もはやそんな状態じゃないんです、今。日本のその供給力はあの震災地に持っていかなきゃならないし、供給力自体が落ちてしまうととんでもないインフレになるんですから。だから、この時期にはTPPは絶対やめるべきだということも付言したいと思うんです。  そのことについても一言ずつ、大臣、自見大臣もお伺いしたいと思います。
  39. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 今般の大震災における危機感と、それがまさに国難であるという認識委員と全く同感でありますし、デフレ脱却しなければなりません。そのためにあらゆる手を講じていかなければなりませんが、一方で、やっぱり財政が基本的に日本は健全だという認識があるとするならば、これは私は違うと思っていまして、先ほど来お名前が出ている菊池先生は、純債務で見ればというお話されます。純債務で見ても対GDPで一二〇%でありますから、それは先進国で最悪の水準です。そのことも念頭に置きながら必死に立ち上がっていかなければいけないというふうに思っています。  あと、TPPについては、これは六月までに結論を出すということだというふうに思います。
  40. 西田昌司

    西田昌司君 状況が変わったんじゃないですか。
  41. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) いろんな状況も勘案しながら結論を出すということだと思います。
  42. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 西田先生が菊池先生の話をいろいろ出されましたが、私、菊池先生からいろいろ御指導いただいておりますが、一九九〇年代のクリントン大統領のした経済政策を大変先生は高く評価しておりまして、スティグリッツという後からノーベル賞をもらいました方が主に経済政策をつくったわけでございますけれども、レーガン大統領のときに、双子の赤字というんで大変アメリカの経済、一旦批判したわけでございますけれども、積極的財政投資をいたしまして、投資が大事だということですね。確かにこの八年間の中で、最初はなかなか厳しかったんでございますけれども、後からIT等々の発達等もありまして非常にアメリカ経済が上り坂になってきたわけでございまして、ああいったことをしっかりやるべきだということで、我が党は積極財政でございまして、一例だけ事実を申し上げますが、連立政権、去年でございますけれども、あの二・七兆の補正予算を、これ亀井党首と菅総理と非常にやって七・二兆に変えたということでございまして、我々やはり財政投資も、財政出動というのも非常に大事だと思っておりまして、しかし、昨日申しましたように、非常時には非常時の考え方があるわけでございますから、しっかりその点、原点を踏まえて、我々は民主党とは違う政党でございます。そういった意味で、しっかり我々は度胸を決めてやっていかねばならないというふうに思っております。
  43. 西田昌司

    西田昌司君 TPPは。
  44. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) まあ。
  45. 西田昌司

    西田昌司君 肝心なことを答えてくれなかったら困るんです。まあいいです。これはまた次回、議論したいと思います。  終わります。
  46. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。  私からも、まず始めに、東日本震災、津波で亡くなられた多くの皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災に遭われた全ての皆様にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  西田先生が非常に活発に議論いただいて時間が大分迫ってきているので、まず最初に、いろんな要望が出ている中で、建設資材の供給不足について、これは被災地のみならず、そのほかの地域からも非常にこういう声が最近出てきていますので、委員の先生方の地元でもそういうことが聞かれているんじゃないかと思いますが、燃料、ガソリンの不足は言うに及ばず、建設資材の供給が全然ストップしているんではないかという話です。  その中に、買占めが行われているような話も出てきているということで大変懸念をしているんですが、この辺り、国土交通省、どのように調査をされていますか。
  47. 井上俊之

    政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。  東北地方太平洋沖地震の発生に伴いまして、応急仮設住宅の大量供給ということも一方で求めております。こういう中で、工場の被災でありますとか輸送の滞りによりまして、資材不足が懸念されるという声も私どもに大変多く寄せられております。  このため、国交省それから経産省、農水省、環境省、四省庁共同で対策会議を設けまして、関係団体に対しまして、仮設の資材の確保、一方で、買占め、過剰在庫、こういうものがないように御要望し、また二十三日には大臣の方から直接、住宅生産団体連合会会長に対してもこの旨御要請を申し上げたところでございます。  さらに、四省庁で昨日付けで緊急アンケートを関係団体に出しておりまして、買占め等、実態をよく把握してまいりたいということで取り組んでいるところでございます。  引き続き、問題、できるだけ押さえますように、切迫感を持って取り組んでまいりたいと思います。
  48. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 これ、もし買占めが行われているとすればとんでもないことで、こういう被災に遭われている状況の中でそういう投機的な動きがあるということは厳に許されないことですから、しっかりと管理監督をしていただきたいと思います。  まだこれから四省庁で調査をされるということもあると思うので、後日、当委員会に御報告をお願いしたいと思いますが、委員長、よろしくお願いいたします。
  49. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 理事会で協議をさせていただきます。
  50. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 次の質問に入らせていただきます。  被災者生活再建に関してですけれども、これは制度としては、阪神・淡路の被災以降、いわゆる個人の被災者に対しても政治がきちっとした形で救済をしていかなければいけないということで制度が整備をされてきたわけですが、まだまだ残念ながら不十分なところが多いというふうに思っています。  実際今、全壊の場合は三百万円まで政府が基金を使って個人の被災者に対して支援をするという制度があるわけですけれども、従来、いわゆるインフラ復旧復興に比べると個人の被災者の生活再建支援ということは、ともすれば自己責任ということを中心に余り、消極的だったと、積極的に行われていなかったというところがあると思うんですが。  まず、ちょっと大臣認識をお伺いしたいんですが、いわゆる国民の生活が第一という民主党財務大臣というお立場で、このいわゆる被災者の生活再建支援というものは自己責任という考え方なのか、より手厚く行っていくべきだという考え方なのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
  51. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 基本的にはこれまでの災害対策の考え方というのは自助、共助、公助で、公助のところは市町村、都道府県、国で役割分担をしていくと、そういう考え方に基づいて様々な法律ができているというふうに思います。  ただ、今回の震災の異例なところは、例えば公助の部分では、自治体機能が著しく低下をしていてそういう役割分担が言っていられないということもあります。その分、だから今般のあの救援物資の調達についてはもう国がストレートに予備費で出すということを措置しました。激甚の指定も早くやりました。ということで、今回いろんな意味で異例です。  ただし、被災者の生活支援という考え方でいきますと、今、全壊の場合は三百万とかいう具体的な数字がございましたけれども、今回の大震災、規模が大きいし、広範であります。ただ、個々の一人一人の被災者を見ると、例えば委員の御地元は新潟県でございますけれども、じゃ上越のあの地震のときに被災をされた皆さんとのその公平性とかも含めて総合的に勘案をしていかなければいけないのではないかなというふうに思います。
  52. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 大体政府はいつもそういう御答弁なんですね。  阪神・淡路のときには制度がなかったじゃないかと。その後でそういう制度ができたときに、じゃ、その制度ができる以前の人たちとの公平感ということが議論に確かになると思います。そういう要素はあると思いますけれども、やはり今大臣がおっしゃったとおり、今回の災害というのはもう過去に例を見ないような大変な災害で、コミュニティーそのものが喪失をしていくような状況に今なっているということを考えると、余りそういう公平感だけで議論をしていいのかなというふうに思うわけですね。  そういう観点からすると、この三百万円という限度額そのものについても引上げということも検討するべきではないかと思いますが、内閣府、いかがですか。
  53. 小滝晃

    政府参考人小滝晃君) 被災者生活再建支援制度は、被災者が生活の再建を行おうとする場合に、その自立した生活の立ち上げを後押しするという性格の制度ということになっておりまして、支援金額の見直しについては、今回の東北地方太平洋沖地震が前例のない大規模な災害で被害が大きいことといったような状況はあるわけでございますけれども、先ほど財務大臣も言われましたのと同じことではあるんですが、個々の被災者に着目いたしますと、新潟県の中越沖地震や豪雨などの災害で被害を受けられた方々との公平論が課題になってくることなど、検討されるべき課題は多いのではないかなと思っております。被災者への支援につきましては、他の様々な支援制度との総合的なバランスにも配慮しつつ、慎重に対応していく必要があると思料しているところでございます。
  54. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ですから、同じ答弁をされているわけですよね、そういうバランスを考える、公平感を考える。今回はそうじゃないんじゃないですか。ですから、立法府として議員立法で改正を、新潟の中越沖地震の後にこういう制度の見直しを行ったわけですよ。ですから、今後、じゃ立法府として仮にそういう動きが出てきたときは、しっかりと政府として対応するということでよろしいんですか。
  55. 小滝晃

    政府参考人小滝晃君) 政府の見解は先ほど述べたとおりですが、立法府の御見解が示されれば、また政府としてはそれを受け止めて、その内容を踏まえて対処していくということになろうかと存じます。
  56. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非そういう視点で物事を見ていっていただきたいと思います。最終的にはこれ国の負担ということもあるわけですから、財務大臣もそういうところをしっかりと御認識をしていただきたいなというふうに思います。  これ、基金を中心に今この支援ということをやっているわけですが、基金そのものの不足ということがまず今回の、今の制度であっても、今回の被災者件数を、世帯数を考えると基金が不足をしていくのではないかと言われていますが、その点はいかがですか。
  57. 小滝晃

    政府参考人小滝晃君) 被災者生活再建支援制度は、全国の都道府県が相互扶助の観点から、基金を拠出いたしまして運営しているという都道府県主体の運営による制度となっております。しかしながら、今回の災害では、住宅被害の全容は依然として明らかになっていないものの、現在の基金総額では対処できない可能性も既に指摘されているところでございます。  いずれにいたしましても、被害の状況やこの制度の趣旨を踏まえながら、資金が円滑に被災者に支給されるよう検討していく必要があるものと考えているところでございます。
  58. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非よろしくお願いします。最終的にはこれ二分の一国が負担ということですが、その負担割合も含めて今後議論が必要になってくると思います。是非その点を認識して政府の方で考えていっていただきたいということを御要望を申し上げさせていただきます。  もう一つ、やはり住宅そのものの再建をすることが今回のケースは非常に難しくなってくるケースもあると思うんですね。場合によっては移住をしなければいけないようなケースもありますから、単に住宅を建て直すということじゃなくて、生活そのものの再建がどういう形でなされるかという視点に立って我々も制度の見直しをしていかなきゃいけないですし、その点も政府で御認識をいただきたいということを御要望させていただきます。  次に、円高、いわゆる震災直後の急激な円高についてですが、まず、先ほど来投機の動きというような話も出ていますけれども、それが本当に投機の動きだったということなのか、あるいは、いわゆる外貨資産の手じまいみたいなことはなかったとおっしゃっていますが、そういうことでいいのか、今の相場が安定してきているという認識なのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
  59. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 介入前にかなり様々な思惑で神経質な動きがあったというふうに思います。そこの最大のやっぱり思惑というのは、損保業界、生保業界等がいわゆる円資金を獲得しなければいけないということで海外資産を売却をしているというようなことが流布されました。先ほど日銀総裁もおっしゃったとおり、まさにこれルーマーであって、根拠のないということでございました。手元の現預金は潤沢にあるわけで、そういった事態はありませんでした。まさにこういう思惑で過度な変動が生じました。過度な変動と無秩序な動きに対してG7が協調して介入をしたということでございまして、相場観を云々というのはこれコメントは差し控えたいというふうに思いますけれども、あのときに比べれば落ち着いた動きにはなってきているというふうに思います。
  60. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 改めてもう一度、どういう状況になったらば介入をするというふうに財務大臣として御判断をされるのかということです。特定の相場に基づいてやるんではないということをいつもおっしゃっているわけですね。一方で、急激な変動や無秩序な動きがあったらという表現なんですが、なかなかちょっと分かりにくいわけですよね。どのレンジでもそういうことは起き得るわけですから、今の八十円の近辺でも急激な変動は起こるでしょうし、過去には九十円というレンジでもそういうことは起きるでしょうし、その辺についてもう少し、どういうときに財務大臣として介入の必要があるというふうに思われているのか、分かりやすく御説明いただけますでしょうか。
  61. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) あくまで介入は、過度な変動、そして無秩序な動きがあったということを認識をしたときでございまして、そのときに適切な対応をするというのが基本方針でございます。一定の水準云々ではないということは委員の御指摘のとおりでございます。
  62. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 大臣、そうすると、レンジができてだんだん相場が円高の基調に流れてきているわけですね。百円だったものが九十円になって、九十円だったものが八十円になって、そうすると、そのレンジがまた一つ形成をされていくと、円高そのものの中長期のトレンドというものは変わらないで、今度はこの八十円からまたドルでいえば下値を探るような動きになってくると、長いレンジそのものがだんだんずれてきて基調としての円高は止まらないというようなことが出てくると思うんですよね。  その辺りについて、もちろん特定の幾らだということを指定できないのは分かりますけれども、その辺りの難しさをどういうふうに考えられているのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
  63. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 基本的には、為替のいわゆる相場というのは経済のファンダメンタルズを反映するもの、すべきであるというのは、これはもう国際社会の共通認識であります。その中で、先ほど来申し上げたとおり、やっぱり過度な変動、無秩序な動き、どう見たってこれは思惑だなとかというときに対応するのが一つの介入であって、円高対策というのは、相場の話はいたしませんけれども、相場観も、水準はあえてコメントしませんが、円高対策は介入によって対応するものとそうじゃない様々な経済対策もありますので、その総合的な対策の中で対応するというふうに考えていただければというふうに思います。
  64. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 そうすると、大臣、例えば八十円という相場に対して日本経済の適応力が付いてきて、それが円高かどうかといえば私は円高だと思います。でも、それはだんだん経済というものはそれに順応してくる要素がありますから、そういう判断を財務省としては考えないということなんですか。つまり、経済そのものが相場に対して適応できるかどうかということは別のところで対応することで、財務省としてはそういうことは関知をしないという意味なんですか。
  65. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 円高対策は、介入だけではなくて様々な対策を講じて対応するというのが基本だと思います。  先ほど来申し上げているとおり、その相場が過度な変動、そして無秩序な動き、これは国際社会と認識を共有しなければいけないと思うんですね。今回はその認識の共有ができました。G7の各当局は、これは我々と同じ認識を持っていただいたということです。基本的には、単独で介入するよりも協調して介入した方がはるかに効果が大きいわけです。その今回は認識共有できました。これからもマーケットの動きを注視しながら適切に協力をしていきたいというふうに考えておりまして、その水準とか相場じゃありません、国際社会が本当に認識していただける動きになっているかどうかが最大のポイントだというふうに思います。
  66. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 協調介入が効果があるということは、私もそのとおりだと思います。今回の協調介入ができた一つの大きな理由は、やはり大震災、津波という日本にとって大変危機的状況があるということを各国が認識をして、こういう状況の中で投機的な動きで急激な変動があっては好ましくないということの認識があったからそういう協調ができたわけですよね。  そうすると、今、地震から時間がたっていく中で、もう一度いわゆる円高の水準がいわゆるドルの下値を探るような為替の動きが出てくるかもしれませんよね。それは、だから震災直後とはまた違う次元でそういうことが起こって、例えば七十六円よりも円高の水準というときになったときに、同じように協調介入が得られるという保証はないわけじゃないですか。そのときにどのように考えるかということを今やはり我々としては認識を持たなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣、その点、いかがですか。
  67. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先般のG7の電話会談の後に声明を出しておりますけれども日本経済の健全性とそして金融セクターの強靱さについては、これそれぞれのG7各国当局が認めていただいています。その上で、こういう厳しい状況の中で過度な変動、無秩序な動きがあったからあの三月十八日に協調介入するということをそれぞれ合意していただきました。  その上で、まだこれから復旧復興という過程を我々はたどるわけでございますので、あの声明にも書いてあるとおり、引き続きマーケットを注視しながら適切に協力をすると。もっと具体的におっしゃっているECBの関係者もいますけれども、そういうマインドの中で今協調しているということでございまして、私はこの意義は大きいと思いますし、水準の話は先ほど来出ていますが、申し上げられませんけれども、そういうような日本経済に対する、この困難に立ち向かっていくときにサポートしようという国際社会のいわゆる共通認識というのは大変私は有り難いというふうに思っております。
  68. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 大臣、そうすると、G7の財務大臣・中央銀行総裁の三月十八日のステートメントによると、日本における悲劇的な出来事に関連した円相場の最近の動きへの対応として、日本当局からの要請に基づきというような書かれ方がしているわけですよ。  今の大臣のお話を私なりに理解をすると、それは地震が起きた直後の急激な変動ということは当然今回の介入の要因の一つですが、今後も復旧復興というプロセスにある中で同じように日本が急激な円高ということに直面をしたときに、今後も協調介入が得られる可能性があるというふうに大臣としては認識をされているということなんでしょうか。
  69. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 世界経済の中で日本のまさに位置というのは、GDPでは中国に抜かれたということでございますが、それでも世界の三番目という大きさです。この日本経済がどうなるかということは、世界の経済に大変大きな影響を及ぼすことは間違いございません。そのことを踏まえて各国は対応していただいているというふうに思っていますし、それによって為替に変な変動があったときに日本経済が打撃が出ている、これは避けなければいけないという思い皆さん共通をしています。  これは、今般、介入はG7、本当に全て協力していただいてできました。これからも必要なときには相談に乗ってくれというメッセージを皆さんからいただいています。そういう局面がないことを私どもは祈りながらも、何かあるときは率直にG7各国に相談をしながら、そして適切に協力をするということはこれからもやっていきたいというふうに思います。
  70. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 分かりました。つまり、今回のこと以降でも、こういう復旧復興のプロセスの中でこういう急激な変動があった場合は力を貸してほしいということを大臣からも各国にお願いをしてあるし、そういうことに対しての理解を得られているというふうな理解でよろしいわけですね。
  71. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) まさに声明に出ているとおり、引き続きマーケットを注視しながら、そして適切に協力をする、これは今回のG7の後の電話会談後のステートメントだけではなくて、これまでのG7、G20でもずっと確認をしてきたことでございますので、これは基本的な方針だと御理解をいただいて結構だと思います。
  72. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  何でこれをしつこく聞いたかというと、まさに投機を仕掛けようとしている人はそういう中央銀行の協調介入の決意みたいなものを見ているんだと思うんですね。そういうことがあるということが認識されれば、これは無駄な投機を行っても意味がないということを彼らが認識をして、そこで始めて介入の効果というのが市場として認知されるというふうに私は理解しています。  ですから、そういう決意ということを日本財務省、財務大臣が持っているということも当然大事ですし、各国がそういう日本に対しての協調ということをこれからもやっていくんだということを大臣がきちっと認識をされて、あるいは世界がそういうことを話していくということ自体が今後こうした同じような投機的な動きを抑制するのに私は最大の効果があると思うので、その意味でしつこくお伺いをしたわけですが、そういう意味では非常に、ある意味安心感を持たせていただきましたが、しかしながら何度も申し上げるように、投機というのは必ずまたいつか同じような動きになってくるので、そこを十分これからも注視をしていただいて、各国との協調ということをこれを契機に深めていっていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。  もう残り時間があと四分弱ぐらいになりましたので、いろいろお伺いしたいことはあるんですけれども、まず財務大臣のこの震災を受けての決意ということを改めてお伺いをしたいと思います。  まさにリーマン・ショック以降で、百年に一度の経済危機という言葉がありましたけれども日本にとってはまさに百年に一度どころか、もう過去に経験をしていないような、今経済的な、社会的な、政治的な危機の局面にあって、財務大臣というお立場でどういう覚悟を持って今この災害からの復旧復興に当たっていかれる決意なのか、そういう気持ちをちょっとまず改めてお伺いをしたいと思います。
  73. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 今、短期的には各省が被害の現況把握に努めて、そしてまず必要な対策を練って、そして補正予算を作っていくということになりますし、その分、足りない分は予備費で対応するという形になっておりますけれども、やっぱり、寒さをしのぎ、そして飢えをしのぐためにまさに必要なことは何でもやらなければいけないというふうに思っていまして、従来から申し上げていますが、厳しい財政状況ですが、でも財政が制約になって万全の対策を来すことができない、実行することができないということがあってはならないというふうに基本的には思っています。  その上で、短期だけではなくて、まさに委員指摘のとおり、今回はまさに戦後最大の危機だと思います。でも、あの敗戦の直後、我々の父や母や祖父や祖母が、産業も国民生活もぼろぼろの中から立ち上がって、そして奇跡を起こしたように、まさにこれから日本が底力を発揮すべきときだし、そのための東日本どうするかというまさに哲学を持ってこれから復興を果たしていかなければなりません。それはもう与党とか野党じゃなくて、皆さんのお知恵も借りながら総力を挙げて復興していきたいと思いますし、そのための財政的な裏付けというものを真剣に考えていきたいと考えております。
  74. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  今現場でこの被害に対して対処されている皆さんには、本当に我々、敬意と感謝を申し上げなければいけないと思うんですね。そういう方々がもしフロントの部隊だとすると、財務省、財務大臣というのはバックオフィスみたいな位置付けだと思うんですよ。でも、ここがしっかりしていないと現場に出ている人たちが不安になります。  例えば、これからいろんなことで、ちょっと例えが悪いかもしれませんが、この震災復旧復興の請求書がいっぱい回ってくるわけですね、財務省に。そのときに、これはちゃんと落としてもらえるのかななんということを現場の人が心配していたんじゃ、いい作業あるいはいい活躍ができないわけですね。そこをどおんと財務大臣に任せろというような覚悟を、是非野田財務大臣に私は示していただきたい。  私も新潟県の出身で、過去に被災に遭った地域を代表している立場からいえば、どうしても、ここまでやっても本当に政府が面倒見てくれるのかなとか、そういう心配というのは被災地には付き物なんですよ。だから、そういうことをやっぱり払拭するような、財務大臣がしっかりと、俺が最終的には責任を持つから頑張れという、そういう声を是非これからも野田大臣には上げていっていただきたいということは、私は是非切にお願いをしたいなというふうに思います。  その意味でいえば、財源がどうしても最後には必要ということになるんですね。細かいことは言いませんけれども、やはり予算そのものはいずれこれは成立すると思いますけれども、それ自体も聖域なく見直していくということは、まずやっぱり大臣の意識の中で持っていただきたい。  もちろん、民主党選挙でマニフェストを約束したということは分かります。しかし、こういう状況で仮にそれを変えたとしても、国民が怒ることは私はないと思いますよ。むしろ、勇気を持って、こういうときだから災害復旧を何よりも最優先をするんだという姿勢を財務大臣がお示しになることは、私は多くの国民の共感を得られる。そういう勇気ある決意を是非今後も示していただきたいということを切にお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  75. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 まず、質問に入らせていただく前に、被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。  また、この震災に当たりまして、御自分の命を賭して人を救われた方々のお話がたくさん入ってまいります。最後まで防災無線で住民の方々に、津波が来ます、逃げてください、津波が押し寄せる中で御自分の命を落として最後まで呼びかけられた役場の若い女性の方、また、災害時につながる衛星電話、病院に一つあった、それを取り外してほかの方に託して自分は津波にのみ込まれてしまった病院の事務長さん、最後の最後まで避難してくださいというふうに住民に呼びかけて亡くなられた消防署や警察の方々、一般の住民の方々、その尊いお心におこたえするためにも、被災された方々の御支援、また被災地の復旧復興のために全力を尽くさせていただきたいというふうに思っております。  質問に入らせていただきますが、まず、大震災にかかわる金融上の措置について自見大臣にお伺いしたいというふうに思います。  今、数多くの被災地の方々からお声をいただいております。そのようなお声を少しでも届けたいというふうに思いまして、党を通じて様々な要望を政府に出させていただいております。その中に、福島県いわき市の事業者の方からの相談の御連絡をいただきました。その方は介護施設を営んでいらっしゃいます。しかし、御存じのとおり、いわき市、福島原発から二十キロ—三十キロの屋内退避区域が含まれております。また、隣接した地域も非常に広くあります。この影響もあって、デイサービスなど、施設の利用者が激減をしてしまいました。三十キロから離れている人たちも、どんどんどんどん自主避難をされている状況でございます。それに伴って収入は当然激減、賃金など固定費の支払等はありますので資金繰りが非常に厳しくなっているというお声です。それを相談しようにも、これは二十一日時点での情報ですけれども、いわき市内の金融機関、十社とも全店舗休業してしまっている。相談しようにも、相談することすらできなかった。  今回の大震災に対して、金融庁は、平成二十三年東北地方太平洋沖地震にかかる災害に対する金融上の措置との通知の中で、預金取扱金融機関に対して、休日営業又は平常時間外の営業について適宜配慮することというふうに要請をされています。昨日、現場にいらっしゃる方にお話を伺ったところによりますと、少し店舗が開いてきているような気もすると、そういうお声もありました。金融庁からの御指導もあるかというふうには思いますけれども、でもまだまだやらなければならないことがあると思いますけれども、このような状況について金融担当大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
  76. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 竹谷議員にお答えをさせていただきます。  今般の特に福島県の原発事故の話だと思いますけれども、今お話にもございましたが、屋内待機措置等がとられている金融機関自身の従業員の安全に十分配慮する必要がありまして、当該原発事故による屋内待機地域及びその周辺の地方銀行、それから信用金庫、信用組合において、三月十八日金曜日には九十店舗が閉鎖をされておりました。そういった中で、金融機関において、実は三月十一日でございますが、私と日本銀行総裁名で、先生御指摘ございましたように、被災地の金融機関、特に東北六県と茨城県、七十二の金融機関がございまして、二千七百の金融機関の本店、それから支店、営業所がございますが、大変御協力していただきまして、今さっき言いましたように、中には家族がまだ行方不明だということもありましたけれども金融の持っている公共性、公益性を鑑みていただいて、約九割弱の店が開けていただけたわけでございますけれども。  今の話はまさに原発の話でございまして、こうした中で、金融機関において当庁の要請を踏まえて被災者支援のために可能な限り対応を行っており、閉鎖している店舗においてもATM、これは動かすことができます。具体的に福島県からもそういう要請が来まして、金融庁として調べさせていただいたら、福島県で一番大きな地方銀行でございますが、店は実は支店長さんか副支店長さんがいる、ATMは稼働させている、しかし防犯上の理由でシャッター閉めておきなさいというふうにその筋から御注意をいただいたのでシャッター閉めていると。そういったところも実はございまして、それを何か一般の方々に分かるようにきちっとATMを稼働させ、あるいはそういったことを店頭にポスターに掲示して近隣の開店店舗を紹介する等の対応を行ったというふうに承知しておりますが、おかげさまで、先生も少し店が開いているという話がございましたが、三月二十四日現在では約四十店舗になりまして、五十店舗がこの一週間でまた大変厳しい中でも店を開けていただいたという報告をいただいております。  いずれにいたしましても、まだまだ大変御不自由を掛けておるわけでございますし、そういった中、しっかり先生方の御意見を踏まえながら、しっかり適切な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
  77. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 改善をされてきているという点については感謝を申し上げたいと思いますけれども、それでもまだ四十店舗閉鎖している。これは津波の影響でどうしてもできないところもあるというのは理解をしているんですけれども、その各店舗に取引をしている方々がいらっしゃいます。その方々は一体どうしたらいいんでしょうか。  銀行というのは、新規に融資を申し込むときに取引実績がない場合に非常にハードルが高いです。門前払いということがよく起きます。そうしたときに相談できるところが必要だというふうに思いますけれども大臣の御見解、伺いたいというふうに思います。
  78. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) そういった、何といいますか、手近な金融機関というのが、特に企業をしておられる方、中小企業には一つ、二つ、大抵、私も北九州出身でございますからたくさんの中小零細企業を知っておりますけれども、いわゆる非常に親しくさせていただいている金融機関があるということは事実でございます。  ただ、その金融機関が実はこの津波で流された、あるいは自分の工場が流されたということも現実に被災地の厳しいところであるわけでございますから、そういったことを踏まえて、できるだけほかの銀行にも、もう非常時でございますから、できるだけ銀行間の連絡をより取り合ってしっかりそういったニーズにこたえるようにという指導はいたしております。
  79. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 そのような指導も本当に大切なことだと思うんですけれども、まずは政府がすぐに近くに行って、三十キロ以上のところは安全だというふうに言っているわけですから、そこに政府が職員を派遣して受付窓口をつくるということはできないでしょうか。
  80. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 非常に熱心に東北財務局あるいは関東財務局も一生懸命やっていただいておりまして、今さっき言いましたように、九十店舗のうち五十店舗は開いていただいたわけでございますから、やはり金融庁といたしましては、いろいろ関係の部署部署の方に本当に懇切丁寧にお願いをしてこういうふうに開いていただいておるということでございまして、現場に行って、今まさに、民間金融機関の我々は監督でございますから、やっぱり民間金融機関のできるだけ実情に合ったような指導をさせていくことが私はルールだというふうに思っております。
  81. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 政府が受付窓口をつくるという、そういう働きかけはしてくださらないという、そういうことでしょうか。
  82. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) それは大変貴重な意見でございますし、例えば、私たまたま郵政改革担当大臣でもございますから、これは車がございましてね、郵便事業株式会社、郵便局株式会社が移動の車を持っておりまして、それをいろいろな災害の起きた地域、あるいはそういったところに今、移動郵便局と申しますか、そういうのをさせていただいておりますが、これは大変貴重な意見でございますから、地域地域において政府が窓口をつくるというようなこと、当然今、各地域地域には手分けして副大臣クラスが対策本部長で行っておりますけれども、そういったことを含めてしっかり検討させていただきたいというふうに思っております。
  83. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 今、ゆうちょの車の話が出ましたけれども、ゆうちょで中小企業の事業者にお金を貸してくださるという、そういうことですか。そういうことを御検討されるということでしょうか。
  84. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 一応、日本銀行総裁と私の名前で、預金通帳、貯金通帳がなくなっても、あるいは判がなくなっても、本人確認ができればお金を払い戻していただきたいということをお願いいたしまして、ゆうちょ銀行は二十万円まで限度、一般の金融機関が十万円まで限度でございますが、これももう本人確認といいましても、こんなときでございますから、そう簡単に本人を確認する、例えば免許証なんかももう流れた人が多いですから、ですからもう今のところは氏名、それと住所、生年月日、それから電話、これだけで本人確認に準ずるということを、本当に緊急の事態でございますから、そういうことをやらせていただいております。
  85. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 済みません。しつこいかもしれないんですけれども、二十万円で事業資金が足りるというふうにお思いになられますか。
  86. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 私の今申し上げたのは生活資金でございまして、事業資金も大変大事でございますから、そういったことも含めて、この事業資金、しかしながら現実にはもう自分の親しくしていた金融機関が物理的になくなっているようなところも実はございまして、そういったところは今はまだ、まず人命救助、そして生活支援と、それからまさに事業、生活支援の一部が事業資金、事業再開だとかそういうことでございますから、これ、先生、昨日私が申したと思うんですけれども金融機関の金融機能強化法でございますか、これが、一遍切った銀行がございますが、法律がございますから、自己資本に注入をするということができますので、そういったこともきちっとやっておりますし、また金融機関、企業には貸出しを、既に三回ほど通達を出しておりますし、非常に、今さっき言いましたように、土曜日、日曜日も九〇%近く守っていただいたわけでございますし、これも先生に今、そういった意味で、もう一回一例を挙げますと、例えば石巻、これは非常に地震でほとんど壊滅をしたと、お気の毒でございますけれども、そういったところの、ここにあります石巻商工信用組合、これは実はたまたま全員無事でございまして、これ最後まで七十二の金融機関のただ一つ実は連絡が取れなかった金融機関でございますが、現在十二店舗中で九店舗で営業中、そしてここは二店舗のみ電気が通じていると、電気は通じていないけれども七店舗が営業をしていたということでございまして、これは実は携帯電話、固定電話がまだ不通だと、携帯でアンテナの立つところを探してようやく電話をしてきたということで、十七日の日に、木曜日の日に初めて東北財務局に最初の連絡が入ったわけでございますけれども、御家族はもう本当にまだ安否が確実でない中で、こういったことの、先生が今さっき言いましたように、金融の持っている公益性、公共性をしっかり守りながら、なかなか連絡も付かなかったんですけれども、きちっと、これは信用組合でございますけれども、営業していただいたという実績もございます。  先生の大変貴重な話でございますから、話を伺いながら、より一層きめの細かい企業に対しても監督指導をしてまいりたいというふうに思っております。
  87. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 とても残念なんですけれども質問には答えていただけなかったように思います。  お金を必要としている人が、被災地の方々がお金を借りられるようにしていただきたいということでございます。私の質問四つあったんですけれど、まだ一つしか終わっておりません。  次の質問させていただきたいというふうに思いますが、今大地震について二次被害とも言える被害を受けている中小企業等に対する融資制度についてお伺いさせていただきたいと思います。  先ほど塚田委員からも建設資材の不足というお話ありました。今回の大震災で甚大な被害を受けた岩手県や宮城県、福島県の海岸側の地域は、住宅関連資材、例えば住宅建設に不可欠な合板や石こうボード、キッチンユニットやユニットバスなどの一大生産地で、また物流の拠点にもなっています。そこが今回の震災や津波によって工場が壊滅状態で、操業停止、出荷不能になっています。住宅建築業者は震災以来それらの資材を入手することが困難になっています。  また、今後、避難されておられる方々の仮設住宅の建設が急ピッチで進むために、国や地方自治体による住宅関連資材の調達が一挙に進んでいます。かえって、ほかの地域の業者さんが資材の入手の見通しすら立たず、現場は混乱しています。完成間近にもかかわらず資材がない、また電気工事が進まず住宅の引渡しができない、そのために住宅業者は集金予定額が半減、激減、そういう一方で、工事業者への支払は通常どおり必要です。結果、多額の立替払が生じることになっています。  震災や原発の事故、さらに計画停電等の影響で生産体制が大幅に変更になって、一時的に運転資金が不足する状況は、住宅建築業界のみならず、多くの業者で発生する可能性が高いです。国は、これらの中小企業を支援するために、セーフティーネットの保証を全事業への拡大、また緊急保証制度について六か月延長をするということで対応すると伺っています。  日を追って広域の業者に震災等の影響が出てくることが予想されますが、被災地への手厚い支援は当然のこととして、今後の復旧復興を促すためにも、今ある産業、事業の支援というのは不可欠です。このような間接的な被害に対しての金融支援の在り方について大臣の見解を伺いたいと思っていましたけれども、端的にお答えいただきたいんですけれども、このような間接の被害を受けているそういう企業がきちんと間違いなく融資を受けられるように、大臣はどのように措置されるおつもりでしょうか。
  88. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 大臣、申し上げますが、簡潔かつ明瞭に御答弁をお願い申し上げます。
  89. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 簡潔に申し上げます。  被害の際の直接的、間接的という今話、先生しっかり言われましたけれども、間接的に受けている方にもしっかりこの返済猶予あるいは貸付条件の変更等、つなぎ融資等の供与等の申込みがあった場合には、これはもう積極的に中小企業金融円滑化法案、二十二日に衆議院の財金委員会を通していただいた、全会一致で通していただいたわけでございますけれども、それをできる限り応じるように今は努めて、そしてきめの細かい指導をさせていただいておるところでございます。
  90. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 よろしくお願いします。  金融機関の融資、特に信用保証協会の取扱いについてもお願いしたいと思います。  岩手県の企業から次のようなお話を伺いました。国は、今年度の確定申告について被災者に時期を延長することを認めています。しかし、一方で、ある事業者が金融機関に出向いて融資の申請について問い合わせたところ、今年度の確定申告書の添付をしなさい、その旨信用保証協会から指示を受けていると話があったと聞いています。経産省に確認をしたところ、柔軟に対応するように事務連絡を出していると説明を受けました。にもかかわらず、現場の金融機関の窓口では事務連絡とは異なる対応をされている場合があるということが危惧されます。  是非、金融庁において経産省とも連携を密にしていただいて、被災地の金融機関の窓口において確定申告書の添付を求めるようなちぐはぐな対応がないように、しっかりと目配りをお願いしたいというふうに思います。
  91. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁をお願い申し上げます。
  92. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 御意見、趣旨を踏まえまして、きちっと最前線まで指導が行くように徹底をしてまいりたい。こういうときでございますから、本当に全身全霊を挙げてしっかり指示が末端の一店舗、一職員に行くようにしっかり指導をさせていただきたいと思っております。
  93. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。質問を終わります。
  94. 中西健治

    ○中西健治君 震災後の金融市場に関しまして自見大臣にお伺いします。  一昨日に質問通告を行いましたが、昨日の大門委員とのやり取りも踏まえた上で、詳細な質問通告を改めて昨日も行わせていただきましたので、的確にお答えをいただきたいと思います。  震災直後、本邦株式市場は、二日間にわたって最大瞬間風速二一%下落するというようなことを経験して、その後は急反発という、乱高下という状態になりました。この激動の中で、株式市場が閉鎖されるのではないか、あるいは現物は閉鎖されないけれども先物は閉鎖されるのではないかという疑心暗鬼が市場を駆け巡っていました。  自見大臣は市場を開けるという決意は述べておられましたけれども、十分な市場とのコミュニケーションを図ったと考えておられるでしょうか。
  95. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 市場を開けるということは、こういうときに特に、乱高下があるのは当然予想できても、やはり日本の、きちっと、経済金融は最もインフラでございます。市場を開けるということは、これは私の責任でもございますから、私はきちっと開けさせていただいたわけでございます。政界の一部には、こういうときだから市場を閉めるべきだという意見も率直に言ってございました。しかしながら、こういったときだからこそ、私は担当大臣としてまさに市場を開けるということをやらしていただいたわけでございまして、おかげさまで、東京証券取引所の責任者の方も、やはりこういうときだから開けるというような後から声明を出していただきまして、そういった意味で市場を開けたわけでございます。  先生御存じのように、開けたら六百三十三円下がって、千十五円下がったわけでございますけれども、その次の日は急反発して四百八十八円上がったわけでございますから、やっぱりこういったときは右顧左眄せず、きちっとやっぱりマーケットは開いておくんだという決然たる意思が私は大事だと思いまして、これ記者会見、当然外国の商業の雑誌、非常に有名な欧米の新聞記者も同席しておりますので、その中でもきちっと決意を述べさしていただいたわけでございます。
  96. 中西健治

    ○中西健治君 決意の方はよく分かるんですけれども、その切迫した状況の中で首都圏の交通は麻痺していました。神奈川や千葉からも東京に働きに行けない、そんなような状況の中で東証を本当に開いていくべきだったのか。また、株式市場が下落している中で更に不安感があおられたというところも軽視できないと思います。被災地の方々が市場に参加できない、こうした不公平という問題もあったと思います。  さらに、余震が続いている中で本邦の個人投資家が冷静な判断ができたんだろうか。一説によるとというか報道によると、個人投資家がパニック売りをした、そして日本にいなかった外国人がこれは安いということで買ったというのがあの相場の中で起こったという話も随分出ています。本当に正しい判断と言えたのでしょうか。客観的な基準があったのでしょうか。そこを教えていただきたいと思います。
  97. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) いずれにいたしましても、株式でございますから、売ったり買ったり大変大きな商いで、先生御存じのように、ございました。そういった中で、いずれにしても、株式市場の動向については、高い関心を持って動揺することなく冷静に見てまいりたいというふうに思っております。
  98. 中西健治

    ○中西健治君 動揺することなく冷静にというのは当然のことだと思うんですが、そんな中で、何らかの客観的な基準という、判断のポイントというのがあったはずなんです。そうでなければ開けるという判断もしなかったはずなんですが、そのポイントは何だったのだろうかということを私はお伺いしています。
  99. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 世界の、金融商品取引所の取引の停止というのは、我が国経済のみならず世界経済、今さっき財務大臣も言われましたけど、大変日本経済、世界の経済の中に占める割合は、もう先生よく御存じのように、大きいわけでございますから、そういった意味で重大な影響を与えることから、この個別の状況を総合的に勘案して政策的に私が判断をさせていただいたわけでございまして、今回の震災後の対応については、株式市場の機能がきちんと維持されていたことを国内外に示すことが我が国経済状況に対する大きなメッセージになると、こう思って、引き続き市場が開場されることが重要だと考えたわけでございます。  いずれにいたしましても、今後の株式市場の動向については強い関心を持って、動揺することなく冷静に注視してまいりたいと思っております。
  100. 中西健治

    ○中西健治君 もう一度、今、証拠金取引という言葉が出ましたが、これ次の質問なんですけれども、株式市場が大きく動く中で、個人投資家がデリバティブ取引で大きな損失を被るケースが散見されました。そして、追い証を負担させられた証券会社がビジネスから撤退するというようなことも起こったわけでございますが、この証拠金取引において市場が急変したときにはこうしたことは十分予見できたのではないか。今までの金融庁金融行政、そしてこれからの監督指針について何らかの変化がある、何かの教訓があれば教えていただきたいと思います。
  101. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 今の御質問でございますが、証券会社の経営の健全性の確保のために、先生も御存じと思いますけれども、自己資本規制比率が一定水準を下回った場合に業務の方法の変更を命ずる等必要な措置、これは早期是正措置でございまして、これは法令に基づいたものでございますが。  もう一つ、その手前と申しますか、それ以前にこうした措置の対象とならない証券会社に対しても、実は、継続的な経営改善を促すため、株価等の変動が財務に与える影響を把握して一定の基準に該当した場合ヒアリング等を行っている、これは早期警戒制度と、こう申します。これは監督上の対応でございます。そういったことをやっておりますけれども。  また、他方、各証券会社は、震災後株価等が急激に変動している状況に鑑み、先物ですね、今先生お話がございました、先物オプション取引に係る必要証拠金の引上げ等により、顧客損失の拡大に備えていることは承知しております。  金融庁といたしましても、この震災の影響も踏まえて、各証券会社の状況について、財務局、それから日本証券協会と連絡して綿密にモニタリングを実施し、今後とも早期警戒制度の適切な運用等により証券会社が抱えるリスクを迅速に把握するとともに、改善策の確実な実行を行ってまいりたいというふうに思っております。
  102. 中西健治

    ○中西健治君 済みません、では野田財務大臣にお伺いさせていただきます。  復興や復旧にどれくらいのコストが掛かるのかということはこれまでも多々質問が出ているわけですが、現況を精査して積み上げて計算するということですけれども、恐らくはそうしたコストの計算のときに為替レートや今後の原油価格の変動などは一切考慮されないんではないかと思います。これまで政府がやってきたことというのはそういうことなのではないかと思いますが、それでいいのだろうかという疑問が私にはございます。これからすごく大きな金額が掛かることでございますし、企業経営者であれば市場の変動というのをシナリオ入れてこれぐらい掛かるのではないかというようなことをやっていったりヘッジをしたりということまでしていくわけでございますが、そうした考え方を取り入れていく、そんなことはあり得ると考えてよろしいのでしょうか。
  103. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 今後、まさに復興復旧に向けて予算編成してまいりますけれども、その予算の積算に当たっては、委員指摘のとおり、市場価格の動向などを適切に見込むこととしており、これまでやってきたつもりでございますけれども、これからもそういう形で予算の編成をしていきたいと思います。  なお、為替レートについての言及ございましたが、レートについては各通貨の積算レートを定めて予算額を算定をしております。直接外貨で支払う経費については、実際の支払時の為替レートが円安の場合には日銀に貨幣交換差減補填金を交付して補填することなどによって調整をしているなど、これまでも工夫をしてきているところでございます。
  104. 中西健治

    ○中西健治君 震災対応、そして世界的なコモフレーションとも言われる資源価格の上昇に備える意味でも、今後原油備蓄をもっと増やした方がいいのではないかという意見が多数ございます。  また、復興復旧の過程で国家全体として見ると、一次産品をドル建てで大量に輸入するということになるのではないかと思いますが、こうした資源、資材の購入に外為特会に積み上がっている米ドルを活用することができるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  105. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 外為特会は、これは為替相場の安定のために行う為替の介入や、これに備えて保有する外国為替等の運用を行うための特別会計でございまして、震災復興には本当にいろんなお金必要だとは思うんですが、これ、復興のための資金を外為特会から支出するということは基本的にはできません。  ただ、両替コストを削減する観点から、国が海外へ支払のために米ドル建てで送金する場合には、外為特会が円から米ドルへの両替を行う取組を行っておりまして、その対象範囲については先般拡大をさせていただいたところでございます。
  106. 中西健治

    ○中西健治君 時間が来ておりますので、最後に私の方から提言ということなんですが、そうしたドル建てでもし外為特会利用できるということであれば是非とも活用していただきたいなというふうに思っておりますし、昨年の介入二兆円規模でございましたし、今回、介入の規模は分かりませんけれども、それで得たドルをもし使うという可能性があるのであれば、米国政府というのは日本財務省証券を売るということに関して難色を示すということをよく巷間言われておりますので、あらかじめ復興のためには使うことがあり得るよということを耳打ちしておく、こんなことがあれば向こうも理解するのではないかというふうに思いますので、もし必要であればやっていただきたいと思います。  質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  107. 大門実紀史

    大門実紀史君 昨日から日銀の国債引受けが議論になっております。先ほども西田さんからございました。私は大体西田さんとは意見がほとんど合うんですけれども、この問題だけはかなり見解が違うなと思います。  振り返れば、日銀に国債を引き受けさせろという話は、もうこの十年来絶えず出てきている話で、速水さんのときからあった話でございます。何かあるたびに日銀に国債を買えという圧力といいますか、これがずっとありまして、その都度私は日銀の味方をして、圧力に屈すべきではないということを一貫して申し上げてまいりましたけれども、日銀は迫られて迫られて、結局今六十兆ですか、何だかんだいって六十兆ですかね、引き受けている、持っているわけですね。  もちろん、今回の大震災の規模というのは国債発行は避けられないという認識は私も持っております。いわゆる復興国債ということですね。それをどこが引き受けるかということなんですが、先ほど予算委員会公聴会の話がありましたが、西田さんから言われたとおり、日銀が積極的にというのもありましたけれども、私も提案いたしましたが、今余剰資金のあるところ、企業にしろ個人でも一億、三億持っている、金融資産を持っている人が百何十万人になってきているわけですから、国難ですからね、そういう方々の余剰資金にもお願いするということも含めて、国民みんなでまずやるべきだと、我が党はそういう考えでございます。  ところが、そういう中で、まず日銀にという話がこれだけわあわあ出てくるのが私ちょっと異常じゃないかなと思っておりまして、一つは産経新聞が火を付けたようなところがありますけれども、従来から日銀に、こういうことがなくても日銀に国債を買わせようという、リフレ派というんですか、よく分かりませんけれども、何考えているのかよく分からない人たちですけれども、そういう人たちがこれを機会にやらせてしまおうと、どさくさ紛れに言っているようなところが多分に感じられます、はっきり申し上げてですね。  場合によっては、日銀法を変えて日銀に言うことを聞かせようなんてとんでもないことを考えたりする議員連盟もあるわけですね。私はそれはとんでもないことだと思っておりますし。あえてもう少し良識的な方でも、こういうときなんだから日銀がアコードという形でいざというときには引き受けますというようなメッセージも含めてやるべきじゃないか、若干良識的な意見もあるんですけれども。  どうしても、私はこういうことだと思うんですね、復興は必ずやり遂げなければなりません。人の命も救わなければなりません。お金が掛かります。国債発行が必要です。しかし、市中で吸収できない、消化できないという事態になればこれは日銀が引き受けるという、まさに非常事態ですからこれはあり得ることかなと。そこまで私は否定するつもりはございませんけれども、今市中で吸収できる力はあるわけですね。その時点でいきなり日銀に先に引き受けろとか、あるいは引き受けることをあらかじめメッセージ出せとか、私はこれは大変、何といいますか、後々何をもたらすのか大変恐れるところでございます。  高橋是清の話もよく分かっておっしゃっているのかどうかと思うんだけれども、よく出てくるんですけれども、高橋是清というのは物すごい財政規律論者でございました。だからこそ二・二六で命を奪われたわけですよね、軍部にですね。  要するに、あのときは大恐慌がありまして景気対策をやらなきゃいけないと、しかし市中に引き受ける力がないから日銀に国債を引き受けさせた。そして、当時は公共事業といっても軍需産業が最大の公共事業ですから軍事費を拡大するという形になって、もちろんそこで雇用は生まれたわけですけれども。高橋是清は、一定景気が回復したところで、やはり国債をこれ以上どんどん発行するのはまずい、歯止めを掛けなければいけない、財政規律をやっぱり戻さなきゃいけないということをやったんですけれども、軍事費拡大というのは軍部の言うことの表裏一体なものでございましたから、そういうことを言うともう軍部から反発を食って命を奪われたわけですね。  したがって、財政規律を守るために高橋是清は命を奪われたわけでございます。高橋是清が殺されたものですから、どんどんどんどん国債が発行されて、軍事費が膨脹して、戦争に突入して日本を破滅させたと、こういう流れになるわけですから、高橋是清から学ぶべきは、命懸けで財政規律を守ったということだと私は思っているわけでございます。  この点で、私は、日銀が引き受けると簡単にハイパーインフレになるとか、金利がどうなるとか、それは大丈夫だとか、そんな話よりも、まず中央銀行の信頼とか通貨の信認とかがどういうふうになってしまうのかと私大変危惧を抱いておりますけれども、それをもう少しやっぱり白川さんの方から踏み込んで、メッセージとしてきちっと説明してもらうことが必要かと思いますが、いかがですか。
  108. 白川方明

    参考人白川方明君) お答えいたします。  今、大門先生が述べられましたように、通貨への信認、金融への信認というのは、これは一国の経済の土台を成すものであります。これは非常に大事だというふうに思っております。  昨日来申し上げたことと同じ言い方で申し上げるわけではなくて、少し自分の言葉でもう一回言い換えて申し上げたいと思うわけでありますけれども、今回、地震が起きまして、改めて私が感じましたことは、これは金融の世界だけではありませんけれども、安心、安全、これが非常に重要であるということだと思います。そうしたことがきちっと守られているということに対する社会の信認、信頼、これが大事でございます。このことは、金融というインフラについても、あるいは通貨というインフラについても全く当てはまるものでございます。  この点、現在は大変厳しい状況、危機の状況ではございます。そうしたときだからこそ、逆にそうした基本的な信認が守れるということが大事だというふうに思っています。先ほど来申し上げておりますとおり、日本銀行は現在、資金を潤沢に供給しております。国債も買っておりますけれども、しかし、我々自身の行動の軸はぶれない、その点について多くの国民の方が疑念を持つということのないようにする、これが大事だというふうに思っています。  それから、高橋財政でございますけれども、これも議員御指摘のとおり、この教訓について、あるいは事実そのものについても必ずしも十分に理解が行き渡っているというふうには思いません。  高橋財政について、これはいろんな側面がございますけれども日本銀行が国債を引き受けたということがよく指摘されるわけでございます。ただ、あのとき、高橋財政下の日本銀行は、引き受けた国債を直ちにこれ市場に対して売却をしているわけでございます。つまり、国債を瞬間的にはもちろん日本銀行が持つわけですけれども、しかし、これは市場に売却しました。したがいまして、高橋財政直後、日本銀行の国債保有が大きく増えたということではこれはございません。  それから、当時、じゃなぜそういう方法を取ったかといいますと、これは民間で国債の市場が十分に発達していなかった、したがってそういう方法を取ったわけでございます。この点、現在、日本の国債市場はこれは非常に発達した市場がございます。これだけの危機にもかかわらず、震災発生後も国債はこれは円滑に消化をされています。これだけの国債を発行する経済だからこそ国債が安定的に発行できるという、このインフラをしっかり維持することが大事だと。その点につきまして、これは国民、それから内外の市場参加者がその点についてしっかりと、疑念を持つことなく日本銀行の政策姿勢、それから政府政策姿勢ということを理解していく、これが大事でございます。  今回、震災後、円高が一時的に発生しました。そのときに改めて感じましたことは、海外の投資家が根拠のない情報に基づいてドルを売り円を買うということが起きました。改めて風評といいますかルーマーの怖さということを感じましたけれども、そういうときに日本銀行が世界の多くの中央銀行が行っていない政策を打ち出すと、打ち出すというのはそういう引受けを行うという、そういうふうなことが、海外にそういうふうに理解されますと、これは大変に誤ったメッセージになってまいります。そうしますと、国債の安定的な発行という、最も今日本の今後の復旧復興にとって大事なその基盤自体が崩れることになります。  そういう意味で、高橋財政については、先ほど先生がおっしゃったような歴史の教訓というものをしっかり受け止めて対応する必要があるというふうに考えております。
  109. 大門実紀史

    大門実紀史君 昨日もございましたけれども、一定まあ良識のある提案の中で、銀行券ルールの範囲内ならばそういうこともやるべきではないかという御意見もあったりするわけですけれども、私はこれも慎重に考えなきゃいけないと思っているんです。  銀行券ルールもこの委員会でさんざんいろんな議論がありました。ちょっといろんな方が勘違いしているのもあるのかと思いますが、銀行券ルールの上限といいますか発行額範囲内というのは、別に、何といいますか、カードローンの上限とは違うわけですよね。そういう意味じゃないんですよね。ですから、カードローンだって目いっぱい使っている人はやっぱり余り、分かっちゃったら信用されないというのはありますけれども、銀行券ルールの重みもちょっとこの機会にきちっとお話ししてほしいなと思うんですけれども
  110. 白川方明

    参考人白川方明君) 日本銀行が現在実施しています長期国債の買入れオペは、これは経済の成長に伴います銀行券の趨勢的な増加に対応して、市場に対して安定的に資金を供給するということを目的にしております。つまり、買い入れた国債を安定的に保有するということを、これを想定をしております。こうした金融調節目的の国債保有につきましては、これはその性格上、銀行券の発行残高を上限にすることが適当だというふうに考えておりまして、そうした運営方式を決定会合で定め、これを公表しております。  この運営方式は、あわせて日本銀行の国債の買入れが財政のファイナンスを目的としたものではないということを明確にする、そういう趣旨がございます。この点、復興目的で発行される国債について銀行券のこのルールの対象外にするということは、これは日本銀行の国債の買いオペが、これが金融の調節ではなくて財政のファイナンスのために運営されるんだという、そういうふうな誤解をやはり生みかねないというふうに思います。  通貨への信認はこれ非連続的に変化するもので、一旦失いますとそれを直ちに解消することはなかなか難しい。そういう意味では非常に重みのある運営だというふうに思っております。
  111. 大門実紀史

    大門実紀史君 終わります。
  112. 中山恭子

    ○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。  やはり今日も、この度の地震・津波災害で命を落とされた方々に対し、改めて御冥福をお祈りいたします。また、被災地で厳しい毎日を過ごしていらっしゃる皆様に心からお見舞い申し上げます。  今日は二十三年度予算委嘱審査でございますが、喫緊の課題として教育の問題を取り上げたいと思っています。  三月から四月、本来であれば、卒業式、入学式、進級といった、子供たちにとっては大切な節目の季節でございます。今日の産経新聞で、宮城県石巻市立大川小学校の情勢が報道されておりました。この小学校に集まっていた、避難していた児童や教職員が津波にのみ込まれてしまって、多くの子供たちや教職員の命が奪われたという記事でございます。  この大災害で子供たちは、亡くなった子供たちのことも本当に痛ましいことでございますが、生き残った子供たちも想像を超える恐ろしい思いをしております。親を失った児童も多くいます。今後どのように学校生活を送っていくか、めどが立たない児童も多いと考えます。文部科学省は被災した児童生徒の受入れ等についてどのような対応をしていらっしゃるでしょうか。
  113. 笠浩史

    大臣政務官(笠浩史君) 文部科学省といたしましては、三月十一日の今回の地震発生を受けまして、ちょうど金曜日でございましたので、土曜日、日曜日を挟んで十四日の月曜日に、今回被災した児童生徒の学校への受入れを可能な限り弾力的に取り扱い、速やかに受け入れることなどについて、鈴木副大臣名の通知を発出をさせていただきました。また、義務教育の教科書の無償給与や経済的な支援、あるいは心のケアの充実などについても併せて通知をさせていただいたところでございます。  ただ、この通知がしっかり広く現場に行き渡るよう、ホームページなどの掲載はもちろんですけれども、来月には全国の教育長らを集めた会議もございますので、そうしたことも含め、しっかり徹底していきたいと思っております。  また、私も二十日の日に岩手の方に、陸前高田から釜石、さらに大槌町と入ってまいりました。もう本当に地域によっては、自治体によっては、教育委員会皆さんがやはり犠牲になられて、なかなかその行政機能が働かないというようなところもございます。さらには、今先生御指摘のように、今回、岩手の場合、学校現場では多くの子供たちが本当に一緒に先生方と避難されて助かっているんですが、親を亡くしている子が相当数にやっぱり上るのではないかということも、本当に悲しいことですけれども、予想されますので、また引き続き万全を尽くしていきたいというふうに考えております。
  114. 中山恭子

    ○中山恭子君 文部科学省の方から教育委員会ですとか大学等に通知を出していらっしゃるというようなお話ですが、やはり一般にはまだそれほど徹底して知られていないというようにも見受けられますので、あらゆる機会を使って、文部科学省から受入れ体制はしっかり進めていくんだよということをもっともっと報道して、報道といいましょうか、広報していただいて、子供たち、親たちに安心感を与えていただきたいと思っております。  また、今回は非常に広範囲で、そして長期にわたる対応が必要だと考えられます。その県や市町村に任せるだけではなくて、文部科学省が率先して市町村等の調整を行って、きめ細かな対応を取ることが必要だと思われます。問合せがあればお答えするとか、要請があれば連絡を取ってみるというような対応ではなくて、より積極的に被災者、被災地域に、回ってくださっているということですけれども、もっともっと積極的に受入れ機関と被災された方々の間の調整を進めていただきたいと思っております。  おっしゃられるように、自治体機能自体が大きく被害を受けております。国が要請するというだけではなくて担当者が、事務方も担当者をどんどん地方へ回して、被災者のいるところへ出ていって調整に当たって、対応が遅れないようにしていただきたいと考えていますが、いかがでしょうか。
  115. 笠浩史

    大臣政務官(笠浩史君) 今まず委員からありました更なる広報についてはしっかりと、またあらゆる機会を通じてやっていきたいと思います。  それと、今文科省の方からも、それぞれ岩手県あるいは宮城県、福島県と、多くの職員も派遣し、やはり何といっても、もう先般、私が岩手へ行って岩手の教育長さんとお話ししたときも、もう逆に安否確認、様々な学校の被害等々の情報収集だけでもうそれで手いっぱいで、しかも相手と連絡が付かないところもあると。そういうような状況もつぶさに見ておりますし、具体的に、例えば陸前高田の方では、二十四人の教育委員会の方がもう五人しか今現在は復帰されてないということで、同規模の、例えば二万数千人の市になるわけですけれども、どこか近隣の他県の教育委員会方々、専門家の方々みたいな方に応援に来ていただけないかというような具体的な要請も、やはり現地に入りますといろんなことが分かりますので、これからも大臣含め、我々手分けしながら、なるべく現地に足を運び、そしてやっぱり主導的にいろんなことを主体的に支援をしていけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
  116. 中山恭子

    ○中山恭子君 是非、政務三役の方々にも活動していただきたいですし、事務方もどんどん被災地に入って、被災されたところと、それから受入れ側との調整を是非進めていただきたいと考えています。  子供たちの教育というのは、本当に一日一日が大変ですし、心のケアというのも非常に大きな事柄だと思っております。また、被災した子供たちの状況もそれぞれ違っています。個別に移転して新しい生活を始められるところもある、そういった方々もいるかもしれませんが、個別では全く動けない家庭が多いと考えています。また、地域ごとにまとまって移っている場合もあるでしょうし、場合によっては、一定期間、児童を集団疎開といった形で学校教育を受けられるように、そういった状況をつくっていくということも考える必要があるのではないかと思っております。  被災した全ての児童が学校教育を速やかに受けられるように、恐怖心を抱えている子供たちをみんなで支えて、強く生きていけるように、国として受け身ではなくて、可能な限りの手を打っていただきたいと考えています。  もしそういった御決意があれば、もう一度お願いいたします。
  117. 笠浩史

    大臣政務官(笠浩史君) 今おっしゃったように、しっかり我々も、これまでの例えば法体系とかいろんな、阪神・淡路のときの対策だけでは、今回はやっぱり広域ですし、また、ほとんど多分津波によって命を落とされた方が多いんではないかと思っていますし、学校についても、先ほどの、これから親を失ったお子さんたちが相当な数に上ってくるということで、そういう子たちにもう一度、本当に、生きていく、前へ向かって進んでいく勇気を持ってもらえるような環境をつくれるような新しい学校の在り方というようなことも含めてしっかり、また国会での御議論ども踏まえながら対応していけるように約束をしたいと思います。
  118. 中山恭子

    ○中山恭子君 あと一点だけ、財務大臣に。  こういった場合、各地方では、その受入れの自治体がやはり財政的な裏付けがどうしてもこういった動きでは必要になってまいる、教室の整備ですとかいろんな、教職員の手当てとかあります。受入れ自治体が二の足を踏まないように、是非、財務省として予算面でバックアップ体制を十分取るということを皆に知らせていただきたいと思っておりますが、一言だけお願いいたします。
  119. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 中山委員指摘のとおり、これは恐らく、集団疎開というお言葉を使われましたけれども、広域避難は間違いなく必要になってくると思いますし、児童生徒が被災地から大量に転出をせざるを得ないということ、あると思います。そのときに、受け入れるときの校舎どうするかとか、教職員の配置どうするか、これは基本的には、第一義的には文科省で御検討いただきたいと思いますし、予算的には既存予算の流用でまずは対応していきたいと思いますが、必要に応じてしっかりと相談をしていきたいというふうに思います。
  120. 中山恭子

    ○中山恭子君 よろしくお願いいたします。  終わります。
  121. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 以上をもちまして、平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会