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2011-03-24 第177回国会 参議院 財政金融委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月二十四日(木曜日)    午後三時十三分開会     ─────────────    委員異動  三月二十三日     辞任         補欠選任      川上 義博君     姫井由美子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤田 幸久君     理 事                 大久保 勉君                 舟山 康江君                 佐藤ゆかり君                 荒木 清寛君     委 員                 尾立 源幸君                 風間 直樹君                 金子 洋一君                 櫻井  充君                 田中 直紀君                 中谷 智司君                 姫井由美子君                 水戸 将史君                 鴻池 祥肇君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 古川 俊治君                 丸川 珠代君                 竹谷とし子君                 中西 健治君                 大門実紀史君                 中山 恭子君    国務大臣        財務大臣     野田 佳彦君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        自見庄三郎君    副大臣        内閣府副大臣   末松 義規君        法務副大臣    小川 敏夫君        財務大臣    櫻井  充君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        園田 康博君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君    政府参考人        中小企業庁長官  高原 一郎君    参考人        日本銀行総裁   白川 方明君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (財政政策等基本施策に関する件)  (金融行政に関する件)     ─────────────
  2. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  この度の東北地方太平洋沖地震により甚大な被害がもたらされ、尊い人命を失いましたことは誠に痛ましい限りでございます。犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者皆様にも心からお見舞いを申し上げます。  ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立を願います。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 黙祷終わり。ありがとうございました。  この委員会にも御出席されておられます、被災地域であります愛知治郎理事、今日御欠席でございます、それから櫻井充大臣、あと、お見受けをしまして、元々地元であります田中直紀先生被災をされた関係議員方々にもお見舞いを申し上げたいと思います。     ─────────────
  4. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 委員異動について御報告いたします。  昨日、川上義博君が委員を辞任され、その補欠として姫井由美子さんが選任されました。     ─────────────
  5. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として中小企業庁長官高原一郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会参考人として日本銀行総裁白川方明君出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等基本施策に関する件及び金融行政に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 自由民主党佐藤ゆかりでございます。  まず、冒頭、今回の東日本大震災でお亡くなりになられました方々、また被災をされました皆様方、そして全国のその御家族皆様方に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。  さて、審議に当たりまして、まず冒頭、残念ながら民主党に苦言を呈さなければなりません。  政府の二十三年度当初予算案は、既に衆議院で可決をしているにもかかわらず、予算関連法案がいまだに参議院に回ってきていない状況であります。このような異常な状況下予算案だけを参議院審議せざるを得ない状況になっているわけでありますが、民主党は、そもそも二十三年度予算案子ども手当の月二万円への増額をうたいながら、裏付けとなる予算関連法案審議に回さず、代わりに月一万三千円への減額を維持するつなぎ法案を提出するとは、政府与党として二十三年度政府予算案に自ら責任を持たないことの意思表示であり、国民を余りに愚弄した国会操作と言うしかありません。  こうした異常な国会操作には、民主党に対して我が党も厳重に抗議を申し立てるとともに、国家危機対応が最優先課題の今現在におきまして、政治的駆け引きはやめて、子ども手当などの四Kを即刻取りやめ、東日本大震災向け緊急対策費に回すべきであると考えますが、野田財務大臣のお考えはいかがでしょうか。
  11. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) まず、佐藤委員の御質問お答えをする前に私からも、今回多くの尊い命が奪われました、そうした皆様に心からお悔やみを申し上げるとともに、大変厳しい寒さの中で依然として多くの皆様被災生活を余儀なくされています。皆様に心からお見舞い申し上げたいと思いますし、被災地においてあるいは福島第一原発において献身的なお取組をいただいている自衛官皆様、そして警察官の皆さん、消防の皆さん自治体職員皆さん民間事業者皆さん、ボランティアの皆様に、心から感謝とともに敬意を表したいと思います。  その上で、お尋ね民主党のいわゆる予算案民主党というか政府予算と、そして関連法案取扱いについての御指摘がございました。  私ども政府としては、予算関連法案年度内の成立をあくまでお願いをしてまいりました。そういう中で、国会の運びについて政府からどうのということではありませんが、こうした異常な事態を受けて野党の皆様の御協力をいただいてこうして御審議をいただいていることに、まずは心から感謝を申し上げたいというふうに思います。  その上で四Kという御指摘がございました。今、御指摘をいただいた予算の中身については、これから被害現況を各省庁、今必死で把握をしようと努めておりますが、その現況把握をし、その上で必要な対策を講じるという中で、当然のことながら予備費だけでは足りない部分は補正予算対応になってくるかと思います。その補正予算の編成の際には、震災前と後では事情は相当変わったと思いますので、政策優先順位をどうするかについて、与野党の真摯な御議論を踏まえてしっかり対応をしていきたいというふうに思います。
  12. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 政府与党一体とうたっておきながら、政府答弁として与党のせいにするとかコントロールできていないような御答弁を伺ったわけでありますが、今大震災の直後で国が一体としてやらなければならないときであります。当然ながら政府与党一体としての対応をお願い申し上げたいと思いますし、また、当初予算を通してこの震災事態を受けて補正予算で組み直せばいいというような、まさに国民生活に更に影響を及ぼすようなやり方はそもそも改めていただいて、自民党は予算の組替え動議を既に出していたわけでありますから、その辺りを真摯に耳を傾けていただく姿勢というものを私はまず求めたいというふうに思います。  さて、この内容の方に入りますが、この財政金融委員会というのは、やはり所轄の案件として今回の大震災影響に対する緊急対応策として金融面、そして税制面等で緊急に支援策が講じることができないか、早急な手だてを行わなければならないわけでございます。  そこで、まず地震保険制度についてお伺いをしたいと思います。  今回の地震津波災害による損害規模は、公共施設や港湾、道路、橋などの公共インフラも含めますと十五兆から二十五兆円程度政府試算になっております。他方、今回の震災損害保険会社支払保険金額は六千五百億円から一兆二千億円程度との民間試算もあります。  地震保険法に基づきますと、保険金支払責任区分は、最初の千百五十億円までは損害保険会社日本地震保険株式会社による一〇〇%民間負担、そして千百五十億円超一兆九千二百五十億円までは民間負担五割、政府地震保険特別会計で五割負担と折半になっております。  やや古い数字ですが、二十二年三月末時点で保険会社民間積立金残高が九千六百九十三億円、政府地震保険特会残高が一兆二千五百九十九億円、したがいまして官民の合わせた積立金合計額は二兆二千二百九十二億円、当時あったわけでございます。  こうした積立金から今回一兆円前後とも見られます地震保険金責任区分に従って支払う形となるわけでありますが、まず速やかな支払というものが担保できているのか、そこを野田財務大臣にお伺いします。
  13. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 地震保険についてのお尋ねでございますけれども、損保業界による被災地での実地調査はこれから本格化するということでございまして、損保業界による予想支払保険金総額の算出はいましばらく時間が掛かる見込みであります。  地震保険特別会計は、御指摘のとおりでございまして、国の積立金として約一・三兆円ございます。民間において約一兆円の準備金がありまして、官民合わせると約二・三兆円の積立金保有をしています。  この国の再保険支払は、速やかにというお話でございましたけれども、概算払制度措置をされておりまして、民間損保より請求があれば迅速に対応し、被災者の円滑な復興支援に向け全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
  14. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 是非、全力の御努力をお願い申し上げたいと思います。  そして、この積立金なんですけれども、やはり災害というのはいつ起きてもおかしくないというのが災害でございます。したがいまして、今回この積立金を切り崩しても次の災害に備えて比較的速やかに補充が求められてくると、その財源手当てはどうするのかという問題が直ちに上がってくるものと思われるわけであります。  例えば、地震予測調査によりますと、今後三十年以内に東京で起こり得るいわゆる首都直下型地震発生確率は七〇%、そして東海地域から近畿、四国をまたぐ東海南海東南海地震発生確率は五〇%から八七%という数値になっております。  これらの大規模震災発生に備えるために、この官民積立金補充のめどについてあらかじめお伺いしたいと思います。
  15. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 現時点では今般の大震災に対する対応に万全を期すということが一番最初だと思っていまして、今後のことについては今回の対応を踏まえた中でどういう形の補充をしていくかということを検討させていただきたいというふうに思いますし、積立金の問題もありますし、加えて保険に対する加入の問題、加入率の問題を含めて総合的な判断をしていきたいというふうに思います。
  16. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 震災は、繰り返しますが、いつ来るか分からないということでありますから、早急な手だてを念頭にお願い申し上げたいと思います。  さて、この政府地震保険特別会計在り方が実は事業仕分対象になっておりました。国以外の主体への移管について政府保証などの国の関与条件具体的制度設計ができないものか、そしてさらに、それによって特会廃止が可能かどうか、早急に検討をするという評価結果が事業仕分によって出されたのであります。  その後の検討状況がどうなっているのか、手短に野田大臣にお願いします。
  17. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 事業仕分評価結果を踏まえてでありますけれども、まずは私の下で論点整理を行うこととなりました。この作業を行うために、有識者及び業界関係者から成る地震保険特別会計に関する論点整理に係るワーキンググループを今年の一月に財務省に設置をさせていただきました。ワーキンググループにおいては、保険契約者安心を損なわないことを大前提として様々な観点から御意見をちょうだいをしている今最中でございます。
  18. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 その最中でこのような大震災発生をしたわけでありますが、それでは行政刷新担当園田政務官にお伺いしたいと思いますが、今回の東日本大震災発生に伴いまして、この保険金支払額というのが膨大な金額、兆単位発生する可能性があるという民間予測が出ているわけであります。そうした中で、民間移管ではこれほどの膨大な資金調達も困難を来すおそれが今後出るわけでありますが、今回の大震災を受けて地震保険特会廃止検討対象とした事業仕分の結果は正しかったのか誤っていたのか、お伺いします。
  19. 園田康博

    大臣政務官園田康博君) 御質問、ありがとうございます。  私からも、今回の大震災に遭われました皆様方にお見舞いを申し上げたいと存じます。また、犠牲になられた御家族方々には本当に心からお悔やみを申し上げたいと、そのように思っております。その上で今の御質問お答えをさせていただきます。  昨年、この特別会計仕分を行わせていただきました。その際に、この地震保険特別会計制度在り方について議論をさせていただいたところでございます。地震保険特別会計に係る仕分におきましては、民間のみではカバーし切れない巨大地震損害に対して国家関与した形で対応していくこと、これがまず大前提にあるというふうにさせていただいた上で、これは先ほど野田大臣からも御答弁をさせていただいたとおりでございますが、これをいかに効率的、そしてより良い形に運営をしていくかというところの観点から議論をさせていただいたというふうに思っております。  そして、仕分結果につきましては、保険者保険契約者安心を損なわない、これを大前提にさせていただいて、国以外の主体への移管について国が政府保証等関与することが条件、これが条件でありますけれども、制度設計が可能かどうか、それによって特別会計廃止が可能かどうかを早急に検討するということで、今財務省の方でまずその論点整理をしていただいているというふうに思っております。  このように、地震保険特別会計につきましては、政府保証等関与の下で再保険を一括して引き受ける仕組みの構築、これが可能かどうかの早急な検討結論であったというふうに思っておるものでございまして、廃止ということが結論ありきということで評価結果を出させていただいたものではないというふうにまず認識をさせていただいています。さらに、保険契約者安心を損なわない、このことへの細心の配慮を求めているということでございます。  そして、それを受けて今般のこの財務省論点整理でございますけれども、今後は、この今回の大震災、これを踏まえた対応が行われるものであるというふうに考えておりますので、昨年の事業仕分評価結果につきましては正しかったものというふうに理解をさせていただいています。
  20. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 これほどの大震災が起きていて、兆単位資金を、積立金を取り崩さなければいけない事態、これは莫大な影響が市場にも及ぶわけですね。それをいわゆる国以外の民間移管をすると、しかし政府保証を付けるんだと。結局、政府保証を付けるのであれば国の特会を維持しているのと全く同じなわけですよ。  ですから、その辺が、先に結論ありきという御答弁をいただいたような気がしますが、そんな言葉のあやを言っている時間は今ないんです。大震災の直後の結果を今求められているんですね。これから保険金支払が要求されてくる事態にあるわけですから、早急に結論を出していただきたいと思います。  さて、次は金融に関する手だてでありますが、少し時間が迫っておりますので手短にまいりたいと思いますが、今回は、この地震を受けまして、全国でやはりサプライチェーン関係が寸断されてしまっている、そして、全国各地のみならず諸外国の部品などの納品先にまで生産活動に多大な影響が及んでいるという規模災害が出ているわけであります。  そこで、振り返りますと、阪神・淡路大震災やかつての中越沖震災危機対応時には政府系金融機関はまだ統廃合の前であったわけでありまして、国民生活金融公庫中小企業金融公庫等がそれぞれ個別に、個別の対象者に対して対応を行っていたという経緯があります。その後、政府系金融機関が統一されたわけでありますけれども、その統一後初めての巨大震災に当たるわけでありますが、統一された二行、日本政策投資銀行日本政策金融公庫、それぞれの緊急の金融支援対策について自見大臣にお伺いしたいと思います。  既に中小零細企業は、全国企業被災地に限らず全国から緊急融資を求める声が上がっているわけでありますが、金融庁としての銀行法、二行について枠組みを、対策をお伺いします。
  21. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 私からも、答弁に先立ちまして、今回の地震津波で本当に命を失われた方に心から哀悼の意を表すると同時に、まだまだ本当に多数の方が被災をしておられます。心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  今、佐藤ゆかり議員から公的金融民間金融機関のことについての御質問だったと思いますけれども、公的金融機関については基本的に財務省あるいは経済産業省の所管でございますが、銀行に関する、民間金融機関に関する御質問もございましたので、そのことについての答弁をさせていただきますと、今般、三月十一日に、東北地方太平洋沖地震発生を受けまして、もうその日でございますが、金曜日、今日おられます日本銀行白川総裁と私の名前で、また三月の二十日には金融庁担当局長東北、関東両財務局長により、貸出しの迅速化貸出条件変更等金融上の措置を適切に講ずるように要請したところでございます。  さらに、先生御存じのように、年度末ですね、これ、資金需要期を迎える中、中小企業等事業者に対する金融機関による適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が一層重要となっていることから、昨日でございますけれども、もう一回改めて、三月二十三日でございますが、金融庁担当局長全国財務局長により更なる要請を行ったところでございまして、今回の災害影響を直接、間接に受けている顧客から返済猶予等貸付条件変更等つなぎ資金供与等申込みがあった場合に、これも既に皆様方から御理解をいただきました中小企業金融円滑化法がございますので、この趣旨を踏まえてできる限りこれに応じるように努めることということをさせていただいたわけでございまして、非常時には非常時に対処するというのが、これは政治家の一番大事なところでございますから、私も、微力でございますけれども、マーケットあるいは金融を預からせていただいておるわけでございますから、皆様方のいろいろなすばらしい御意見を、御指導をいただきながら、全身全力を挙げて災害復旧、あるいは特に金融面民間金融面でございますけれども、全力を挙げてやらせていただきたいというふうに思っております。
  22. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 財務大臣に先にお伺いすればよろしかったんですが、大臣には後ほどたくさん質問がございまして、もし今付け加えがあれば一言。
  23. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 地震発災の日が三月十一日でございました。このときに日本政策金融公庫とか日本政策投資銀行、これらの政府系金融機関にはその日のうちに相談窓口を設定しまして、その後、土曜、日曜でございましたけれども、土日も開いて相談に乗らさせていただきました。  その上で、危機対応融資対象に今回の地震災害を追加をさせていただきまして、激甚災害指定に合わせて災害融資に係る優遇金利を設定して対応させていただいております。
  24. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 それから、自見大臣にもう一度お伺いしたいんですが、実は手形交換所東北地方には多いんですが、やはり被災をしまして休業している手形交換所が岩手県、宮城県、福島県内でいまだ十三か所、これは今日、明日に再開する予定のいわきと相馬の手形交換所を除いた箇所数でありますが、十三か所残っているということであります。  手形交換所を運営する全国銀行協会によりますと、この休業している交換所代行業務はそれぞれ盛岡仙台福島交換所で行うというふうにされているようでありますが、しかしながら、この三月期末の決算時期で非常に資金需要が多い、決済需要も多い中で、まだ復旧途中の道路を遠路主要な交換所に向かうというのもなかなか非現実的であると思われるわけでありますが、この辺り地元銀行を活用するなど、金融庁としての何かプランがあるか、お知らせください。
  25. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 全手形交換所において、今回の災害のための不渡りとなった手形、小切手について、不渡り報告への掲載等を猶予することとなったことを踏まえ、災害時における手形不渡り処分について配慮することなどを実は要請をさせていただいております。  こうした要請を踏まえて、金融機関においては、今般の地震津波による直接的、間接的被害を受けた被災地及びその他の地域中小企業者に関して、貸出条件変更等を踏まえ、被災者支援のための金融円滑化全力を挙げて取り組んでいるものと承知をしておりますが、今また先生の御質問にありました、被災により休業している手形交換所の当面の手形交換業務については、この年度末にかけての決済機能を確保する観点、大変大事な決済機能でございますから、そういった意味で、今お話にございました全国銀行協会を中心として関係機関間で調整が行われた結果、三月二十一日に、全国銀行協会において、各県の主要手形交換所、今も先生お話にもございました盛岡仙台福島等手形交換業務を集約して、近日中に休業中の手形交換所の分の手形交換取扱いを開始する見込みがあることを公表いたしております。  手形交換所、これ、いろいろ一つの県の中でも結構、先生も御専門でございますから、たくさんございますが、例えば一時閉鎖をしておりました福島県の太平洋側と申しますか、この辺の手形交換所も四か所を既にまたオープンいたしておりまして、これは今、放射能で待機を命じられている地域はまだこれ閉まっておりますけれども、そういった意味で、この手形交換所って、先生御存じのように、一つの県で十個とか、それぐらいあるわけでございますけれども、そういったところはずっとまだ手形交換業務をやっております。  そういった意味で、金融庁といたしましても、今後とも被災地及びその他の地域中小企業者に対する手形のことも含めて金融仲介機能の維持に努めてまいりたいというふうに思っております。
  26. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 直接私の質問お答えいただいていないんですが、遠路はるばるこの主要交換所に足を運ぶのが今現実的かどうかという御質問をさせていただいたんですが、恐らく、まだ御検討というか、頭にこういう地元銀行活用の案件とかが入っておられないんだろうということを察したわけでありますが、是非地域金融機関も活用する形で資金繰りをより円滑に、仲介機能を円滑にする取り計らいを金融庁にはお願いを申し上げたいと思います。  さて、時間も迫ってまいりましたが、税制について少しお伺いしたいと思いますが、阪神・淡路大震災の際には、震災法の制定によって個人資産や事業用資産の損壊などについては前年所得から雑損控除や損金算入できる、そういう特例措置を設けたわけであります。  今回もそのような立法化が必要と思われますが、どういう状況にあるか、野田財務大臣にお伺いします。
  27. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 現行制度災害に係る税制上の措置としては、例えば、所得税については住宅や家財に損害を受けた場合の雑損控除及びその繰越し、被災事業用資産の損失の必要経費算入及びそれによる純損失の繰越し、そして災害減免法による税額の減免などがございますが、これらの措置については、ちょうど今、年度の切替えのときでございますので、雑損控除及び災害減免法による減免を平成二十二年分所得で適用できるようにするということと、事業用資産の損失について平成二十二年分の事業所得の計算上、必要経費に算入する等の方針を既に表明をさせていただきました。  その上で、阪神・淡路の大震災では税制においても様々特例措置を講じております。被害現況を踏まえて、その上で、過去の阪神・淡路大震災のことも参考にしながら、所得税、法人税、相続税等々、様々な税制について適切に検討して対応してまいりたいと考えています。
  28. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 そのような方向性だということを伺ったわけでありますが、今回は福島原発事故も伴った震災でございます。そういう意味では、この原発関連も当然ながら特例措置対象となるんでしょうか。
  29. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 基本的には、原発の被害によって出てくる損害は原子力損害賠償法の対応だと思うんです。法律的にはそうなっていますが、その因果関係がはっきりしない部分が出てくると思いますので、そこはきちっと整理をして、いずれにしても万全の体制で臨んでいきたいと思います。
  30. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 福島県内方々も大変な不安を抱えておられますので、これは同等の扱いで早急に検討結果を打ち出していただきたいというふうに思います。  それから、この雑損控除と事業用資産の損金算入の件ですが、前年の所得から控除可能というふうに伺ったわけでありますが、この繰延べ期間について現行法では三年間と規定されております。しかしながら、今回の大震災影響で再建までの長期化する見通しの下では三年では到底、とても足りない、十年程度まで延長するべきではないかというふうに思われますが、その点、いかがお考えか、お伺いします。
  31. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 現状では、御指摘のとおり、繰延べ三年まででございますが、雑損控除の取扱いについても今後の、先ほど申し上げた所得税、法人税、様々な税制のいわゆる特例的な見直しを行う際には、その中の一つの材料として判断をしていきたいというふうに思います。
  32. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 阪神・淡路大震災とは規模が違う震災ですので、是非、繰延べ期間の延長も同時に検討をお願い申し上げたいと思います。  さて、この雑損所得の控除方法にもやや問題があるようであります。個人所得税の確定申告において、通常ですと、この課税対象所得を算出するに当たりましては所得控除を所得のまず合計額から差し引いているわけでありますけれども、しかしながら、問題となっているのは、所得税法第八十七条、こちらで雑損控除をまず第一に所得合計額から差し引くものと規定をしているわけであります。所得が低い個人ですとか、所得が急激に落ち込んだ今年のような年にこの申告をする場合に、その雑損の損失額は大きいと。そうすると、多額の雑損控除を最初に差し引いてしまうという規定ですと、そもそもの社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除、基礎控除といった人的控除が十分に生かせない問題が生じてきかねないわけであります。  ですので、まずこれらの人的控除を先に行って、その上で雑損控除を差し引く形式に改めて、そしてまた、控除し切れない雑損失金額について翌年度以降、まあできれば十年ぐらいの期間にわたって繰延べができるというような制度に変えるのが筋ではないかというふうに思われますが、この雑損控除の繰延べ期間延長の検討をきっかけとして所得税法第八十七条に規定される控除の順序を変えるべきと考えますが、大臣のお考えをお願いします。
  33. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 雑損控除をまず最初にほかの控除の区分と別にして最初に所得控除から引くというのは委員の御指摘のとおりなんですけれども、その理由は、先ほどの繰延べの話もされておりましたけれども、雑損控除の金額はほかの控除と異なって、所得金額から引き切れない場合にはその引き切れない金額を税額不足として翌年以降に所得の計算の際に差し引くことを認めるという、繰延べがあるから逆にこういう形の制度というふうになっておりまして、直接担税力を減殺させるものであり、まずは第一に雑損控除を引くというのが適当ではないかというふうに思いますけれども、さっき申し上げたとおり、様々な税目について阪神・淡路の大震災より規模が大きいということも含めて、検討は様々な観点からはしていきたいというふうに思います。
  34. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 まずは、ここは考え方が申し訳ないんですが大臣と全く逆でして、やはり単年度だけで控除できる人的控除から先に控除をして、そして残りの部分の差額で雑損控除をし、更に余った分は翌年度以降繰越しを雑損するというのが筋ではないかと改めて御指摘をさせていただいて、御検討をお願い申し上げたいというふうに思います。  さて、時間が迫ってまいりまして、日銀の方に話を移らさせていただきたいと思いますが、振り返りますと、今回のこの経済危機とも言える状態ですけれども、一九三〇年代の世界金融恐慌の時代を思い起こしますと、当時の財務大臣だった高橋是清の下で日銀は国債引受けや通貨切下げを行って、そして日本経済は早期回復に至ったという経緯が歴史的にあります。  ただ、今般は未曽有の国家危機からの脱却とはいっても、やはり財政規律の問題もある。しかしながら、財政法でも国会の承認を経た金額の範囲内であれば日銀の国債引受けは時限措置としてできるわけでありますが、この辺り、まず財政規律の観点から日銀の国債引受けをやるべきではないかと、時限措置としての考え方について野田財務大臣にお伺いします。
  35. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) まず、今大事なことは、被害現況をしっかり把握して、その上に必要な対策をどうするかで、まずは復旧だと思います。被災者の救援と復旧、そのための、当面はまだ予備費対応になりますけれども、当然のことながら、阪神・淡路よりも大規模で広範でありますので、補正予算の編成を与野党で真摯な議論をしながらまとめていくということが大事であって、日銀引受け云々という以前になるべく国債発行には手を出さないように、規模は大きいのでこれ大変でありますけれども、予算の組替えも含めて、歳入も含めてそういう議論をしながら、その上で、その後の財源論は国債の話も含めての議論になってくると思いますので、プロセスが私は大事だというふうに思います。
  36. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 損失金額内閣府試算で今回十五兆から二十五兆円。ですから、組替えで四Kは是非やめていただきたいんですが、それでも三・三兆円しか出ないんですね。ですから、やはり現実を見据えて、国債発行に依存せざるを得ない復興需要があるということを今からやはりきちっと道筋を立てるべきであると、私はそのように思うわけでありますが。  そこで、国債残高の対GDP比率というのがよく財政状況を示す一つの指標として言われているわけでありますが、この国債残高の対GDP比率で重要なのは、国債残高の中の市中消化分がどのぐらいの比率にあるかということであります。市中消化分が極度に高まるのは危険でありまして、それを避けるためにも、今回復興需要で大量の国債発行が必要となるならば、それを、まず現実を直視することから始めて、次に何ができるか、市中消化額を極力抑えるにはどうしたらいいか、そういう頭の発想の転換が必要ではないかというふうに思われるわけであります。  そういう中での日銀引受けが賢明であると思われるわけでありますが、実際、データを見ますと、今年の三月二十日時点の日銀券発行残高は八十兆五千三百三十億円、国債買入れによる長期国債保有残高は六十兆三千二百六億円。通常、国債買入れというのは国の経済成長のための資金供給という位置付けにあるんですが、現時点で日銀券発行残高と国債買入れ残高の差額が約二十兆円あるということは、この幅が言わば復興国債、復興のために使う国債を復興国債と呼ぶならば、この復興国債の引受け可能な幅の上限として、経済成長の資金供給の観点からも、金額的な上限という観点からも常識的な範囲内に入ってくるというふうに思われるわけでありますが、この損失規模政府試算で今回十五兆から二十五兆円と言われる中で、この日銀の幅が今二十兆円程度あるという現実でございます。  日銀として引受けを検討しないかどうか、白川総裁にお伺いします。
  37. 白川方明

    参考人白川方明君) お答えいたします。  国債の引受けに関しましては、議員指摘のとおり、これは国会でお定めになりました法律で規定されております。  この点に関する法的な取扱いということで、まず、これは世界各国の取扱いから申し上げたいわけですけれども、これは、先進国はもとより、新興国を含め、世界の多くの国で中央銀行による国債引受けは、これは認められておりません。我が国でも財政法五条が、これは本則におきまして日本銀行による国債の引受けは禁じていると。その上で、議員指摘のとおりにただし書があるということでございます。  なぜ世界の多くの国でこのような規定になっているかということを改めて考えてみますと、一旦中央銀行による国債の引受けが始まりますと、確かに初めは問題がなくても、やがて通貨の増発に歯止めが掛からなくなり、その結果激しいインフレあるいは激しい通貨安になったという、その結果、国民生活、経済活動に大きな影響を与えたという歴史の教訓を踏まえたものであります。  このように、通貨に関する基本原則が世界的に確立されている中で、仮に日本銀行による国債の引受けを行うということになりますと、我が国の通貨やあるいは金融の仕組みに対する基本的な信認それ自体を毀損することになるように思います。この結果、長期金利の上昇や、あるいは金融市場の不安定化を招きまして、現在は円滑に行われています民間の消化それ自体にも悪影響が出てくるというおそれもございます。  今回の震災の経験から、我々は、一旦インフラが破壊された場合に国民生活やあるいは経済活動にいかに大きな影響を与えるかということを身をもって認識させられました。この点、通貨への信認ということは、これは我が国の金融、経済にとって重要なインフラの一角を成すものであります。したがいまして、今後とも、国際的にも国内的にも通貨への信認を維持し、金融面からインフラをしっかりと維持することは極めて大事だというふうに思っております。  日本銀行自身は、現在の厳しい経済状況について十分に認識しております。地震直後から連日、市場に対して大量に資金を供給しております。地震発生直後の資金供給規模は、これはリーマン危機発生直後の既往ピークの金額を三倍上回る金額で、その後も連日供給しておりまして、本日の当座預金の残高は、これは約四十三兆円となる見込みでございます。危機発生前は、これは約十七兆円でございました。僅か一週間強の間で潤沢に資金を供給し、短期金融市場の安定を図っていく、これは中央銀行が最も貢献し得る大きな役割でございます。それと同時に金融緩和の強化も決定いたしました。  日本銀行としては、この経済の厳しい状況について十分に認識しておりまして、緊張感を持ってこれからもしっかりと職責を果たしていきたいというふうに思っております。
  38. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 白川総裁が御答弁されたことは、一般論としては財政規律上、そして過剰なインフレを招かないという意味で正しいことだと思いますが、今回は特例的な大震災国家危機が起きているというときですね。同時に、この資金の余剰主体というのは今企業にありまして、日銀が幾ら高い水準の資金供給を行っても、企業はお金は要らないと。そして、復興需要でまさに今お金が要るのが政府主体の方になってきているんですね。ですから、そこに有効需要があるわけですから、有効な資金供給を行っていく、それこそが成長経済に向けた資金供給の在り方と私は思うわけであります。  同時に、無制限な資金供給で国債を引受けをするということであれば、当然ながら市場の暴発につながると思われます。しかしながら今提言を申し上げているのは、上限を決めて、ここまでは引受けをするよ、でもそこから先はやらないよと、そういう上限のシーリングを設けたやり方であれば市場は安定すると思われるわけであります。  そこで、私も財政規律は非常に大事だと思っておりますので、幾つか提言をさせていただきたいと思いますが。  一つには、この二十三年度補正予算、今は本予算の方ですけれども、やがてこの復興需要で補正予算が必要になるというわけでありますが、二十三年度補正予算とともに、東日本大震災復興特別会計というような特別会計を新設する、そして復興国債の発行状況等の歳入と復興関連事業の歳出の収支を明確化するということ。  そして二つ目、財政法五条に則して日銀の復興国債引受けの国会承認と引受額の上限は毎年度予算で毎回制定をして、この東日本大震災復興特別会計で復興国債の日銀引受け状態についても明確化をし、そしてこの特会財政規律の状況について、毎年度財務大臣国会報告すること。  そして三番目、日銀の独立性を維持しバランスシート健全性を維持するために、日銀券発行残高を日銀による引受総額の上限とすること。  そして四番目、日銀の独立性維持の上に政府、日銀が復興という政策目標を共有し、政策連携できるようにするため、政府・日銀アコードを策定するなどでございます。  白川総裁に御所見をお伺いしたいと思います。
  39. 白川方明

    参考人白川方明君) 国会でどういうふうな法律を作るか、これはもちろん国会がお決めになることでございます。今の御質問は、日本銀行の総裁としてどういうふうに考えるのかということでございます。  現在、日本は毎年膨大な金額の国債を現に発行しております。なぜこの国債がこれだけ日本の財政状況が悪いにもかかわらず低利で安定的に発行できているのかということを改めて我々は考えてみる必要があると思います。  それは、確かに財政状況は悪いわけですけれども、しかし、最終的に日本の国民あるいは日本の政府財政バランスをしっかり立て直す、そういうふうに日本は取り組むはずであるというふうに、内外の投資家がそういう信認を置いてくれていると、その結果、現在のこの低金利があるというふうに思います。  現実に、もう今民間金融機関は貸出しがなかなかできないで資金が大量に余って、その資金を国債に振り向けているというのが現在の姿であります。つまり、現在国債の消化に困っているという状況ではございません。  そういう状況の下で日本銀行が国債の引受けを行う、つまり通貨、金融に関する基本的な枠組みが、これが世界の多くの国の標準から外れたものになるということになりますと、現在の財政状況が厳しいだけに、これがどういうふうに信認に影響を与えるか、ひいては現在安定的に発行できている元々の国債発行それ自体にも悪影響が出てくるということを私は懸念いたします。
  40. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 最後に一言、野田財務大臣からも御所見を伺いたいと思います。
  41. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 我が国のまさに底力が試されているときに、どういう形で復興していくかということは与野党の真摯な議論の中で合意形成することが大事だと思いますので、いろいろ今論点のある御提起だったとは思いますけれども、虚心坦懐に受け止めて検討させていただきたいというふうに思います。
  42. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 いずれにしましても、今の野田大臣の言葉に期待を掛けて、前向きな議論の進展をお願い申し上げ、国民生活の再建が最優先の政策立案と実施に専念をしていただきたいと思います。  これで質問を終わります。
  43. 古川俊治

    ○古川俊治君 続きまして、自由民主党古川俊治から質問をさせていただきます。  私も、冒頭、今回の震災によりまして亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げ、また被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  初めに内閣府にお聞きいたしますけれども、今回の震災による経済への影響について伺いたいと思います。  政府皆さん震災対応で苦労されていると思いますけれども、我々野党の議員も全く心は同じでございまして、先週からできるだけ野党の議員として何ができるか考えまして、政府皆様方に情報を提供させていただき、また皆様方から情報をいただいて地元皆さんに知らせるということを一生懸命やってまいりました。今後も、是非一致団結して、一日も早いこの震災被災された皆様方の生活の回復のために頑張っていきたいと考えている次第でございます。  昨日、試算が出ました。ストックの毀損額は最低限で十六兆、そして最大の場合は二十五兆という見積りが政府の試算でございましたけれども、この試算には実は今回の原発による計画停電、こういったものの影響は含まれていないということでございます。  この計画停電によるGDPの損失、マイナスというものですけれども、今月一か月間の試算だけでも大体年率にして〇・二から〇・五%のマイナスになるのではないかというような民間の試算結果が昨日の試算で示されておりますけれども、これは民間のものなのでどういう前提で計算をしているかはよく分かりませんが、それは今後またあと六か月ぐらい夏場、冬と更に節電を続けなきゃいけないわけですよね。そうすると、トータルすると本当に二%、三%、そうしたGDPへの影響があることになるわけですね。  今回、震災後の試算によれば、総固定資本形成が行われまして生産が増えるということでありまして、それで来年度のGDPは、この電力供給制限の影響を除いた場合、大体最大で六・五兆、約一・四%弱増加する見込みになっているわけですね。二十二日ですね、与謝野大臣も、日本経済の実力は相当なもので、日本経済が沈没するような状況にはならない、そういう御答弁をいただいているわけです。  ただ、この電力削減の影響を加えた場合には、最低でも民間の試算によれば一・四%ぐらい、そして最大では三・五%ぐらいのマイナスになるわけですよね。そうすると、結局のところ、最低、良くてマイナス成長、悪ければかなりのマイナス成長になる、こういうような結果になるわけですけれども、この点について、どのような御認識でそういう発言をされているのか、お話しいただきたいと思っております。
  44. 末松義規

    ○副大臣(末松義規君) 今回の地震津波におきまして多くの尊い人命が失われたこと、また膨大な数の被災民の方々が出られたことに加えて経済的な影響という話になった場合、ストック、物的な損害として大量のストックが失われました。先生指摘のように、ストックの毀損額というのは、昨日、内閣府で公表しましたように、約十六兆円から二十五兆円、これが失われたと見積もっておりますし、これは阪神大震災被害の、これは十兆円ですから、大体これをかなり上回るというものと見込んでおります。  一方、フローの面でですけれども、ストックの毀損とか、あるいは原発事故の悪影響とか、あるいはサプライチェーンの中断、あるいは電力供給の制約などを通じて生産の減少に、かなりマイナスの影響を見込まれております一方で、先生も御指摘なされたように、この失われたストックの再建のための生産の増加というのが想定されております。  そういった意味で、先生が御指摘になったような、GDPがある程度ちょっと高まることもあり得るということで我々試算しているんですが、御指摘のように、電力の制約を計算していなかったり、あるいは原発の悪影響、こういったものを計算に入れておりませんので、また家計や企業のマインド悪化なんかも入れておりません。そういった意味でいけば、先生の御指摘のようなところにもかなりこれは留意することになることになると思います。  いずれにしても、与謝野大臣がおっしゃったことは、基本的には日本経済全体としては健全性を保っているという一つのメッセージ性があると考えております。
  45. 古川俊治

    ○古川俊治君 ありがとうございます。余り時間がないので先に参ります。  野田大臣、先ほどから補正の規模についてずっとこのところ御質問があると思うんですけれども、私も質問させていただきますが、阪神・淡路の際には被害額が約十兆であった。そのときに出された公費というのが大体五、六兆円だったと言われているんですね。今回、被害の額を見極めてからという御答弁ありましたけれども、昨日、政府の方で十六兆から二十五兆という試算を発表されていると。それを受けて、これからの震災対策予算規模というとどのぐらいになってくるというように考えていらっしゃるか、御答弁をお願いします。
  46. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 阪神・淡路の大震災のときは、これ平成七年の一月十七日に発災をしました。その平成六年度中に一回目の補正を組んでいます。その後、平成七年度入ってから二回補正を組んでいます。それだけで終わっているわけではなくて、数年間にわたって阪神・淡路関連の予算というのは続いたんですよね。そういうことを考えると、短期的にすることと中長期的に復興に向けてすることとあると思います。当面は、今予備費の活用をさせていただいておりますけれども、早晩これは補正予算を組まなければなりません。  そのかさというか規模を言うにはちょっとまだ時期尚早でございまして、少なくともまだ余震が続いている中、原発の憂慮すべき事態が収束をしていないという、進行中ということもありますので、被害現況をまず正確に把握をした上で必要な対策、どんなものがあるかということを積み上げるという作業がございます。それをやらないと、なかなかまだ規模までは申し上げることはできませんけれども、まずは予備費で、年度内についてはまだ残が千六百七十八億ございます。予算を成立させていただいた暁には、予備費三千五百億と経済予備費がこれ八千百億ございますので、合わせて一兆一千六百億で緊急の対応はさせていただきたいと思いますが、現況を踏まえて補正予算のかさを決めていきたいというふうに思います。
  47. 古川俊治

    ○古川俊治君 その被害規模というものは、一応政府が出された試算によって十六兆から二十五兆、これストック分だけですから、そこからの復興となると更に公費を投入すべきという話になるわけですね。自治体もやられてしまっていて、大変国庫に対する期待が大きい、そのことをよく御認識していただきたいと思います。  阪神・淡路の場合、昨日の政府の資料によれば、震災後の三年間、これで約十三・五兆の純投資が行われたということになりまして、それは毀損ストック額の約十兆円を上回っていると、こういうような報告がございました。  ところが、阪神・淡路地域の場合は、平時でもベースの純投資というものが大体年間約三兆円あるんですね。そうすると、震災のために上回ったという部分は、大体三年間計算してみると十三・五兆から大体八・五兆ぐらいを、ベースを引かなきゃいけない。そうすると、大体五兆円になるんですよ。五兆円というのは、数回に分けて公費が投入された大体五兆円と同じ規模なんですね。ということは、やはり毀損されたストックの部分は、それはしっかりと公費を補っていかなきゃいけないと。  特に今回、東北三県の場合は、純資本形成、これ年間〇・二兆円だけなんですね。三年間で僅か〇・六兆円になってしまう、計算上は。そうすると、十六兆から二十五兆の毀損ストックですから、ほぼ丸々公費でそれだけ出さないと、結局これは復旧対策にもならないと。そこから先の復興ですから、このことを十分御認識の上、その財源も考えていただきたいと思います。  財源の話になりますけれども、野田大臣、何度も、今日佐藤議員からも御質問ありましたけれども、政策優先順位、組替えを含め、与野党の真摯な議論を踏まえ対応していきたいと、これがずっと御答弁続いているわけですね。  我が国の財政状況、もう百も承知だと思いますけど、財政再建、それから復興と復旧対策というものを両立しなければいけないと、今非常に難しい時期になっているわけですね。特に、現在のような事態を迎え、様々な議員から日銀による国債の引受けというお話も出ておりまして、そこにおける財政規律に対する財務大臣責任というものは極めて私は重要だと認識しているんです。  その上で伺いますけれども、民主党の出されている政策は、現在予備費の活用ということで、これ本年度、来年度分含めて大体一兆三千三百億ですね。これはまだまだ全然十六兆から二十五兆に足りないわけでありまして、さらに高速道路料金の上限ですか、あの政策の一部見直したようですけれども、これ大体二兆円用意されているわけですよね。それから子ども手当、これ全部やめれば二兆九千億あります。それから、高速道路無料化、それから法人税率の引下げ、これもちょっと、まあ一・五兆円ありますから、こういったものを優先順位を考えて、もしやるとしたら当然この震災対策が先に来ると思うんですね。  これトータルすると八兆円近くの財源が出てくるんですが、その政策優先順位、またマニフェスト事項の見直しということについてどうお考えになっているのか、財務大臣としての御答弁をお願いします。
  48. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 今般の未曽有の大震災でございますので、阪神・淡路大震災のときのいわゆる対応した予算措置よりはやっぱり規模がかさんでくることはこれは間違いないというふうに思います。その上で、震災前と震災の後ではやっぱり、我々は当初は様々な制約のある中でベストな予算を作ったつもりでございましたけれども、状況は変わったというふうに思います。  その中で、今個別のことをいろいろ御指摘ございましたけれども、やっぱりその中で政策優先順位をしっかりと決めて必要な組替えは行っていくということが基本的な姿勢になるというふうに思います。
  49. 古川俊治

    ○古川俊治君 被災された方々、そして現在でもこれからずっと先、避難所生活を強いられる、そうした皆様方、その皆様方のことをよくお考えいただければ、優先順位がどうかというのはおのずと明らかだと思うんですよ。それはもう国会議員全員の認識だと思いますけれども、そのことをしっかり念頭に置いて優先順位を考えていただきたいと思います。  時間も限られておりますので、次に白川総裁にちょっと伺いたいと思います。  日銀は、三月十五日から二十二日までの八日間のこの間に連日買いオペを実施されまして、七十・七兆円という多量の資金供給を行ってきたというわけであります。ところが、かなりの実際は札割れの状況も起こっているわけですよね。既に、市場のニーズは飽和に近い状況になっていると考えられるわけですけれども、中東の政情不安、これによって原油の価格がかなり高騰しております。そして、日本においてもこうした原発への対応ということで、これから石油に対するニーズが増えてくると考えられるわけですよね。  そういう中で、物価が上がってくるかもしれない、こういう可能性がある中で、日銀のこの資金供給の金融の緩和政策というのは今後どうなってくるべきとお考えなのか、その辺、総裁のお考えをお聞きしたいと思っています。
  50. 白川方明

    参考人白川方明君) まず最初に、連日の大量の資金供給でございます。先ほど佐藤議員の御質問に対してもお答えしましたとおり、日本銀行は過去のピークの金額を上回る連日の資金供給を行っておりまして、現在当座預金残高は四十三兆円でございます。  今先生指摘のとおり、日本銀行資金供給を大量に行うということで、大量の金額を市場に対してオファーするわけですけれども、それに対して札割れという状況も生じております。つまり、日本銀行の方は十分に資金を供給する用意がありますよと、その中で金融機関は欲しい金額は幾らでも取ってくださいということでやっております。その結果、仮に札割れが生じても、札割れが生じてもまだ資金ニーズがある金融機関があれば、それはそれで大きな意味があるというふうに考えております。その意味で、我々自身、札割れが生じることを覚悟の上でしかしこれはやった方がいいということで、現在資金供給を行っております。  それで、先生の御質問は、こういうふうな大量の資金供給が将来インフレにつながらないかということでございます。私どもは、毎回金融政策決定会合において先々の経済、物価の姿を見通しまして、その上で現在の金融政策のスタンスがどういうふうな意味合いを持っていくか、これを入念に点検しております。私どもの見通しの下では、現在そうしたインフレが生じるということではこれはございません。ただ、先生の問題意識はこれは十分に受け止めまして、しかしその上で、日本銀行の目的はこれは物価安定の下での国民経済の健全な発展ということでございますので、その目的にしっかり邁進していきたいというふうに思います。問題意識は十分に受け止めさせていただきました。
  51. 古川俊治

    ○古川俊治君 先々まだしばらくは大丈夫というような趣旨と思いますけれども、民間事業者には是非勇気を与えていただきたいと思っているところであります。  円・ドルレートについてちょっとお話をしますけれども、今回の震災後円高に振れまして、三月十七日には急激な円高が進んだと。一ドル七十六・二五円ですか、歴史的な円高となりました。翌日に協調介入が行われて、それでも円高傾向にあるわけですけれども、私、白川総裁の御著書大好きでございまして、そこの著書から抜いてきましたけれども、一般的には為替市場介入で為替レートに影響を与えられるとは考えにくい、しかしながら、ファンダメンタルズから極端に乖離する状況では為替介入を行うことが許容されると、このようにお書きされている。  一般的には我が国の厳しい財政状況と、地震による経済への打撃、これを考えればファンダメンタルズは悪化すると。ですから、円安に触れるのが理論的ではないかと考えるわけですね。そうすると、円高基調となっている最近の状況、またこの介入後も円高になっているんですが、これ、為替介入が許容されるべき状況にあると言えるのかどうか。これについては日銀としては答えにくいというお話だったので、財務大臣にお聞きしたいと思っております。
  52. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 先般の介入はどういう形で行ったかというと、やっぱり無秩序な動きと過度な変動があったということで、G7の各当局と共通認識が持てたということでございまして、一定の水準を目指したものではございません。という形で、こういうG7で共通認識が持てて、これからもマーケットを注視しながら適切に協力をするということを改めて確認をしていますので、マーケットの安定につながる私は対応だったというふうに思っております。  一般的に円安がどうのと、これはちょっとまだどういう形になるかというのは定まらない話でございますが、仮定の話になってしまいますのでこれ以上お答えできませんが、引き続きマーケットを注視していきたいというふうに思います。
  53. 古川俊治

    ○古川俊治君 市場関係者の見込みによれば、また七十円台に突入するという見込みもありますので、その辺は国際的なまたリーダーシップを取りながら、是非、野田大臣には頑張っていただきたいと思います。  時間が参りましたので、これで質問を終了します。
  54. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 まずは、今回の東北地方太平洋沖地震犠牲者お悔やみを申し上げ、また被災者皆様の窮状に思いを致してお見舞いを申し上げる次第でございます。  そこで、まず両大臣お尋ねをいたします。  政府は二月の月例経済報告では景気判断の上方修正をしていたわけでありますが、そこへ来て今回の大地震被害は甚大でありまして、日本経済にも相当深刻な影響が懸念されるところであります。そこで、日本経済の現状、また今後について、両大臣はどういう認識をしているのか、まずお尋ねします。
  55. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) まず私の方からお答えしたいと思いますけれども、ちょうど昨日、月例経済報告等に関する関係閣僚会議がございました。この月例経済報告において、「景気は、持ち直しに転じているが、自律性は弱く、東北地方太平洋沖地震影響が懸念される。また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」との基調判断が示されました。これが政府の基本的な認識でございます。  また、「先行きについては、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待されるが、東北地方太平洋沖地震影響に十分留意する必要がある。また、金融資本市場の変動や原油価格上昇の影響、海外景気の動向等によっては、景気が下振れするリスクが存在する。デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。」としております。
  56. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 今財務大臣から、昨日ございましたことの基調の部分は私も同じでございますが、先行きにつきましては、今お話がございましたように、東北地方太平洋沖地震影響に十分留意する必要がある、また金融資本市場の動向、原油価格の上昇の影響、海外景気の動向等によって景気が下振れするリスクがある。いずれにいたしましても、今後とも景気、金融資本市場の動向を十分に注視してまいりたいと思っております。  ただし、もう今さっきからお話が出ております、三月十八日、財務大臣日本銀行総裁、電話会議でございましたが、G7財務大臣・中央銀行総裁が声明を出されておりまして、これはフランスでラガルドさんという方が今財務大臣兼日本でいうと経済産業大臣でございまして、私も一月お会いをしてきましたが、この方が日本の経済と金融セクターの強靱さへの信認を表明すると、こうG7の財務大臣・中央銀行総裁が声明をしてくれまして、日本とともに為替市場における協調介入に参加をすると、ここまで言ってくれているわけでございますから。やはり、こういったときは各国の協調政策というのも、これほどの経済が国際化になったときは非常に私は大事だということを痛感をいたしておりまして。  それから、もう古川先生お帰りになられましたけど、私、金融機能強化法について今日質問があるということでございましたが、私が今さっき申し上げましたように、非常時のときには非常時政治家の判断が要るということを申し上げましたけどね。これはもう、実に公的資金を十二兆円投入することができる、銀行金融機関の自己資本に十二兆投入することができるわけでございまして、これはもう一番最初、ペイオフと一緒に最初の法律作りまして、これ一遍切れまして、この前、リーマン・ショックのときにまた新しく作り直した法律でございますが、前の法律、御存じのように、経営者の経営責任をかなり厳しく追及するという項目がありましたけれども、そこを緩めましたので。  そういった意味でも、これはまだ、金融庁といたしましても、こういう時期でございますからこそ積極的、親身になって、しっかりこの金融機能強化法、これだけでも先生御存じのように十二兆、まあ十兆といたしましても、国内行の自己資本比率は四%でございますから、〇・〇四でございますから、逆に割ると二百兆、まあ少しこれは大き過ぎましても、やっぱり百兆ぐらいのお金は、これはきちっと民間銀行に、向こうからこれは当然要請があって、金融規律もありますけれども、それくらいのお金は出せるということを、これはきちっと、昨日も官邸で私申し上げましたけれども、今本当に民間のお金大丈夫かというふうな不安も強いわけでございまして、こういったときこそ私は政治家はきちっとこういった法律に基づいて、もしその銀行が、当然、私企業でございますから、向こうが要求する、あるいは必要とするということが非常に大前提でございますけれども、そういった、もし、マキシマム、金融機関からそれくらいの、百兆円ぐらいの規模資金がきちっと日本の民間銀行からでも貸出しすることはできるんだということを申し上げておきたいというふうに思っております。
  57. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 政府には非常時の経済対策を力強く断行することを求めまして、次の質疑に移ります。  中小企業庁長官お尋ねします。  今回の震災地域経済を支える中小企業も深刻な影響を受けているわけであります。そこで、こういうときこそ政府系金融機関の出番でありますし、そうした活用も踏まえて、中小企業庁にはきめ細かな中小企業に対する金融支援、また経営相談の体制を整えてもらいたいと思います。  具体的には、そうした政府系金融機関あるいは信用保証協会の信用保証等におきまして、担保や保証人の徴求について弾力的な対応をすることでありますとか、とかく政府系は申請書類が複雑だと言われているわけでありますから、思い切って簡素化をする、こうしたときこそそうした対応を求めます。  また、これは被災地だけではなく、中小企業資金需要がもう増しております。私は決して資材の買占め等はあってはいけないと思いますが、こういう状況の中で建設関係もあらかじめある程度資材を確保できなければ受注ができないとか、そういう状況になっているわけでありますので、この与信枠やあるいは信用保証の特別枠を設ける等の、そういう対応をしてもらいたいと考えますが、いかがですか。
  58. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) お答えを申し上げます。    〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕  まず、地震発生をいたしました三月十一日には、公的金融機関を中心に特別相談窓口全国で約千か所設けてございます。おとといまでにもう既に一万件の御相談を承っております。あわせて、同日に、公的金融機関に対しまして、被災中小企業者方々資金繰りに重大な支障が生じないように、窓口における親身な対応でございますとか、今委員指摘の担保徴求の更なる弾力化ということを要請いたしております。  十四日には、本人確認などの審査書類の簡素化でございますとか、あるいは契約手続の迅速化なども要請をいたしております。  また、被災された中小企業者方々にとっては、金融機関などへの返済も含めまして、特にこの年度末を乗り切るということが大変重要でございます。公的金融機関に対しまして既往の債務の返済猶予などの条件変更に特に柔軟に対応するよう要請いたしておりますし、また一方で、返済猶予を求めようにも震災によって申込みさえできないという中小企業の方が大変たくさん出ておりますので、日本公庫あるいは商工中金におきましては、返済期日を過ぎて申込みがあった場合にも遡及して返済の猶予を認めさせていただくというような弾力的な運用を開始をいたしております。  ただ、今後とも、中小企業者方々被災後の事業立ち上げに御注力いただけるように、今先生指摘の弾力的な運用というのが実際にちゃんと機能をしているかどうかということは、これは十分注意しながら、さらに、適切あるいはまた必要な方策について検討をしていきたいというふうに考えております。  よろしくお願いいたします。
  59. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 もう一つ、我が党は昨年の九月以来、緊急保証制度を本年四月以降も継続すべきである、このように再三主張をしてまいりましたし、また今回の震災災害を受けまして、緊急保証制度の継続を再度政府要請したところであります。  昨日、政府は、四月以降半年間にわたりましてセーフティーネット保証を原則全業種対象にすると、そういう運用の方針を発表いたしまして、評価するところでありますが、しかし、この半年間でこうした緊急事態が解消するわけではありませんので、十月以降も同様の措置を継続する等の金融対策には万全を期してもらいたいと考えますが、いかがですか。
  60. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) お答え申し上げます。  幾つかの手は、委員の御指摘にもありましたように、打たせていただきましたけれども、さらに、中小企業者方々資金需要というのはまさにこれから本格化をしていくと思います。したがいまして、本年十一月以降もそうでございますけれども、今後とも、被災された中小企業者方々状況をしっかりと踏まえて、さらに、必要な対策につきまして検討、更に実施をしていきたいというふうに考えております。  よろしくお願いいたします。
  61. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 次に、財務大臣お尋ねいたします。  先ほどから議論になっておりますので簡潔にいたしますが、こういう事態でありますので、震災復興の財源を捻出をする、なるべく赤字国債の発行を抑えつつ、あるいは建設国債の発行を抑えつつ財源を捻出することが大事でありますので、私からも、来年度、二十三年度予算の中の不要不急の事業の見直しということは是非英断をもってやっていただきたい、この点、お尋ねいたします。  また、今回の震災で改めて感じますことはライフラインとしての生活道路の重要性でございまして、まずは道路復旧して物資が届くようにしなければいけないわけであります。そこで、期限を限ってでも結構ですから、廃止をした道路特定財源を一定期間復活をして、インフラ整備に充てる等の対策検討してはいかがかと思いますが、併せてお尋ねいたします。
  62. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 荒木委員指摘のとおり、これから補正予算を本格的に準備していかなければなりません。当面は予備費対応しますが、その補正予算の財源については、予算の組替えを含めて、御指摘のことも含めてきちっと対応をしていかなければいけないというふうに思っています。  それから、インフラの部分でありますけれども、これは復旧の部分と復興の部分とで、どういう形で分けていくかということが大事でありますが、一つには、今回、国交省がいわゆる割引の見直しをしました。そういうことも含めての対応もあると思いますので、皆さんからの御提起も含めて真剣に受け止めながら対応していきたいというふうに思います。
  63. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 今も申し上げましたように、まずは復興支援の財源の手当てをすることが大事でありまして、我々も全面的に協力をいたします。  ただし、財政が破綻をしてしまっては、あるいは国債のデフォルトというようなことになってしまっては元も子もないわけでありまして、ただでさえ税収よりも国債発行が上回るという予算を二年連続で編成されたわけでありまして、そこへ来て今回の緊急事態でございます。どうこの国の財政破綻を、きちんと財政規律を立て直すかということが大事であると思いますが、この点、どのように財政健全化についても取り組んでいくのか、大臣の見解をお尋ねします。  六月の税と社会保障の一体改革も、もうこういう事態で難しいのではないかというような観測が出る中で、しかし、財政の健全化についての政府の姿勢はこの中でもしっかり示さなければいけないと思いますので、大臣の見解を問います。
  64. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 財政運営については、先ほど来出ている被害現況をしっかり把握してきちっとした対策を講じながら、その予算規模と財源どうするかという議論のプロセスの中でこれからの財政運営も併せて検討していきたいというふうに思います。  ただ、この財政に対して健全化に向けて努力しようとする姿が日本にあるのかどうかということもマーケットが注目していることもございます。その点も十分留意をしながら対応していきたいというふうに思います。
  65. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 最後に、これは震災とは少し離れますが、いわゆる事業承継税制の更なる要件緩和について、大臣の見解、また要請をいたします。  これは我が党の強い要請もありまして、平成二十一年度に、中小企業の後継者の相続につきまして非上場株式等の納税猶予制度を創設をしまして、これは評価されている、このように考えます。しかし、五年間、雇用の八割維持でありますとかあるいは経産大臣の認定を求めている等の点につきましては、もう少し要件緩和できないか、使い勝手がいいようにできないかという改善を求める意見もあることも承知をしております。    〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕  そこで、事業承継税制につきましてどう改善、要件緩和をしてもらえるのか、財務大臣の前向きな答弁を求めまして、終わります。
  66. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度、いわゆる事業承継税制は、中小企業の事業承継の円滑化を通じた雇用の確保や経済活力の維持の観点から、経営承継円滑化法という、この制度に基づいてでございまして、その例えば認定であるとか要件であるとかという、その制度設計そのものはこれは経産省のマターでございます。  それを受けての税制の対応が私どもであるということでございますけれども、いずれにしましても、この制度政策目的と課税の公平をどう担保するかという観点から、これから、前向きにと言われましたけれども、前向きとまで言えるかどうか分かりませんが、そういう御意見があったことを経産大臣にお伝えをさせていただきたいと思います。
  67. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 終わります。
  68. 中西健治

    ○中西健治君 みんなの党の中西健治です。  被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。  まず、予算審議在り方について質問いたします。  今回、予算案予算関連法案一体となって参議院に送付されてきませんでした。与党国会運営によるものとはいえ、一参議院議員として、今回の予算について一生懸命考えようとするときに、どうしても財務大臣の考えを聞かざるを得ません。野田財務大臣参議院財政金融委員会に何を審議してもらいたいのでしょうか。歳出は予算案に書いてありますが、歳入を確定する予算関連法案はありません。予算の主要な項目についても、衆議院のこれからの審議によっては変わり得るという大変不確かな予算案です。  予算案予算関連法案一体となって参議院に送られてこなかった現状について、財務大臣の認識をお聞かせください。
  69. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) あくまで、平成二十三年度予算とそしてその関連法案は、私どもは年度内成立を目指してまいりました。ただ、残念ながらその採決の時期がずれたりとか、こういう異例の事態を含めてこういう形になってしまったことは、これがレギュラーだとは元々思っていません、残念なことでございました。  ただ、この関連法案については、もう既に衆議院の方で委員会レベルでは御理解いただいたものもございますので、順次御審議をいただいて、速やかに御賛同いただければ大変助かるというふうに思っております。
  70. 中西健治

    ○中西健治君 今回の予算が成立した後に補正予算が組まれるということがもう濃厚になってきているわけですが、大震災のこととは別に、本予算の主要な項目について補正予算で何でも変えても構わないという考えなのでしょうか。  本来、本予算の中身に当たる部分を変えるのであれば、本予算の修正を行うべきではないのでしょうか。
  71. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 本予算の修正は、この時期になるとさすがに物理的にも技術的にもそれは無理だと思います。これまでの政府修正、国会修正の過去の経緯を見てもそうだと思います。  ただ、申し上げたとおり、今回の補正予算を組むに当たっては、その財源については、平成二十三年度予算を成立させていただいた暁にはその中のものを、何でもかんでもという表現ではないんですが、まさに優先順位を決めて対応するということは、これは必要不可欠だというふうに認識をしています。
  72. 中西健治

    ○中西健治君 次に、税と社会保障の一体改革に関連してお伺いします。  一昨日の予算委員会で、私、質問に立たせていただきました。その際、与謝野大臣には、私の質問、新経済成長戦略は大幅な見直しが求められるのではないかという問いに対しまして、経済そして財政の先行きについては見直しが必要と答弁をされました。財務大臣も同じ認識と考えてよろしいでしょうか。
  73. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 基本的な認識は一緒でございます。新成長戦略の根幹は、これは生きていると思いますが、今回の震災を受けて、例えば観光の政策はこれまででいいのかどうかとか、パッケージ型インフラで原発とか入っていますが大丈夫かとか、そういうことの観点からの見直しはやっぱり当然避けて通れないと思いますし、逆に復興に向けてどういう哲学でこの国をつくっていくかということも新成長戦略に生かしていくべきだろうと思っていますので、根幹は変わりませんが、経済のこれからの立て方とか、あるいは財政を含めて見直しは当然のことながら必要になってくるというふうに思います。
  74. 中西健治

    ○中西健治君 であれば、一月二十一日に内閣府が発表した経済財政の中長期試算ですとか、財務省が一月に策定をいたしました平成二十三年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算の数字も当然変わってくるということになるかと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
  75. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 昨日、内閣府が震災による影響額を、大変あらあらでございますけれども影響額を算出をしました。そういうことも踏まえて、いろいろこれまで公表している数字の見直しは当然のことながら必要になってくるだろうと思います。
  76. 中西健治

    ○中西健治君 野田財務大臣、昨日の内閣府の数字ということをおっしゃられましたけれども、これも先ほど古川委員から出ておりましたけれども、供給サイドの電力の制約ですとか消費マインドの低下、一切加味されておりませんので、要するに今の段階では全く影響が分からないに近いということなんではないかと思います。  その中で、予算委員会では与謝野大臣は、総理や関係閣僚が出席する会議は当分できないので、私と事務方で意見を総合的に検討して、四月に全体像、六月に一体改革の案を出すということを発言されました。財務大臣は横で聞いていていかがでしたでしょうか。まるで与謝野さんと官僚だけで決めるというように聞こえましたが、検討財務大臣が入らなくてよろしいのでしょうか。
  77. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 与謝野大臣のおっしゃったことは、当面、これは震災への対応、それぞれの閣僚、今必死でやっておりますけれども、そのことにまず専念をしてほしいと、総理も含めて、官房長官も含めて他の閣僚もと、そういうお話でございますが、スケジュール感については、これは与謝野大臣のおっしゃったとおりが今のところ政府の基本方針です。  その間に私が全くかかわらないのかというと、そうではありません。社会保障のあるべき姿を描いて、それを支える税財政改革をどうするかということは当然その後の政府税調の議論にもかかわっていることですので、仮にその会議に出れないとしても、政務三役で手分けをして誰かに出てもらうとか、あるいは私の意見というものを資料としてお配りするとか、そういうかかわり方は積極的にしていきたいと考えています。
  78. 中西健治

    ○中西健治君 本当に四月、六月というスケジュールで進めていけると財務大臣は現実的にお考えでしょうか。経済財政の中長期的な見通しもないような状況です。いかがでしょうか。
  79. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 経済財政の中長期的な見通しをしていく中で、当然、加えて社会保障というのは大きなテーマで、それを支える税財政改革、これは避けて通れません。これも、当面は震災対応全力を振り絞りますが、これもそんなに遠くへ延ばせる課題ではないということですので、可能な限りこのスケジュール感で対応していきたいと思います。
  80. 中西健治

    ○中西健治君 仮に、無理やりとは言わず、まあスケジュールどおりに進めていくことは可能としても、本当にそうすべきかどうかという議論をしなければならないのではないかというふうに思っております。  未曽有の大災害に直面しているわけです。復興政策の策定に全力を集中すべきではないかと思っております。その上で、経済に与える影響を見定めて、新たな経済政策を前提にした税と社会保障の一体改革なんではないでしょうか。菅総理は順序が大事だということをよくおっしゃられました。四月の社会保障のあるべき姿、六月のその財源を含めた一体改革と、その四月、六月という意味だったと思いますが、私から言わせれば、復興政策を含めた経済・財政政策がまずあって、中長期的な税、社会保障という順序が大事なんではないかというふうに思っております。いかがでしょうか。四月、六月にやるのは拙速過ぎるのではないか、このように私は思っております。
  81. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) まずは、これスケジュール感ですけれども、補正予算最初のもの、これは復旧中心のものになるというふうに思います。これは、阪神・淡路大震災の過去の経験を見ると、最短で頑張って約四十日掛かっています。それをまず全力で仕上げることだと思います。まだ進行中のものがありますけど、なるべく現況把握して仕上げると。  その後は復興に向けての取組です。復興に向けた取組は、もちろん被災地皆さんの御意向もよく踏まえて対応しなければなりませんが、どういう国をつくるのかということと極めて関連があると。  例えば、今回はエネルギーの問題が大きくなりました。じゃ、エコという形で東北で何ができるかとか、そういうビジョンというのは経済のビジョンと整合性を持たなければいけないと思います。復興に向けての着実な計画と同時に、併せて経済、財政の見通しを立てていくということは同時並行でやらなければいけない。その意味では、スケジュール感としては、六月に成案を出すということは決してスピード感としては遅くないというふうに思います。
  82. 中西健治

    ○中西健治君 私が申し上げたいのは、その復興、そしてマクロの経済政策、これが非常に大事であるということだと思います。そして、それを策定した上で、やはり税収の見込みはこうなるんだろうというようなことから税と社会保障の一体改革というのは初めて成せるんじゃないかな、できるのではないかなと。その順序ができないのであればやはり遅らせるべきなんではないかなと、そういうふうに私は思っております。いかがでございましょうか。
  83. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 財政と経済と社会保障の一体改革がこの我々の内閣の主要命題でございました。復興というまさに想像していなかったような事態の中での新しいテーマが出てまいりましたけれども、それはしっかりのみ込んで、今申し上げたように、今回は高齢者の方が被災者はいっぱい多いですよね。そういう場合の例えば社会保障のモデルをどう考えるかということもこれ一体議論しなきゃいけないと思っていますので、復興は復興、もちろん大事なんです。だけど、全体的な財政や経済や社会のビジョンとその整合性がなければいけないと。それは私は同時並行でやっていくべきものだろうと思います。
  84. 中西健治

    ○中西健治君 時間が参りましたので終わらせていただきますが、税と社会保障の一体改革という言葉が随分と言われてきたわけですが、今大臣がおっしゃられたとおり、やはり経済と税と社会保障の一体改革、これを是非お願いしたいと思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  85. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  もう時間が少ないので被災者方々の具体的な問題についてだけお聞きしますが、簡潔にお答えをいただきたいと思います。  とにかく今回の大震災は未曽有の規模でございまして、死者、行方不明が二万人を超えるというところで、家屋の倒壊なども膨大な数に上るというふうに思われます。  被災者方々の話も伺ってまいりました。その中の一つでございますが、地震損害保険あるいは生命保険、この保険金が今後の命綱になっていくという点でいろんな不安が出されておりますので、その点、質問をいたします。  逆に言えば、こういうときだからこそ保険会社は社会的責任を自覚して、こういう被災者方々の要望、期待に真っすぐにこたえる必要があると思いますけれども、この点、生保あるいは損保業界の取組はどうなっているのか、まず教えてください。
  86. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 大門議員からの御質問でございますが、三月の十一日でございますか、地震が起きたときに、すぐその日に私と白川日本銀行総裁の名前で生命保険業界あるいは損保業界に対してもきちっと、何よりもこういう災害のときでございますから十分な措置をするようにというお願いを出させていただきまして、例えば保険証書、保険の話が今先生出ましたけれども、保険証書あるいは届出印鑑等を喪失した保険契約者についても可能な限り便宜を講ずることとか、保険金、これ給付金の支払をできる限り迅速に行うように配慮することとか、あるいは保険料の払込みについては、契約者の罹災状況に応じて猶予期間の延長を行うなど便宜の措置を図ることなどを要請したところでございまして、これを受けて、生命保険協会も既に、三月十二日でございますけれども、保険金等の迅速な支払保険料払込猶予期間の最大六か月の延長などの措置を講じたところでございまして、その旨を既に公表をいたしております。
  87. 大門実紀史

    大門実紀史君 ちょっと大臣、ちょっと申し訳ないんだけれども、時間短いから、よく質問を聞いてもらって、業界の取組がどうなっているかだけ聞いたんで、業界の取組一言しかないんですよ、それだと。  もう時間がないんで、ちょっと事務方にも言っといたんだけど、ちょっと簡潔な答弁を、答弁書書けと昨日言ってあるんだから、長々した話はいいんだよ。ちゃんとしてくれよ、そのことは本当に。  もうこちらで言います。被災者契約照会制度とかいろいろやることになっているんだけれども、保険会社から死亡が分かった人には請求勧奨の郵送で案内出すとか、言いたいことは、これはあくまで言ってきたら払うという範囲の取組なんですよ。これで今回の事態対応できるのかということなんですよね。  例えば、死亡が判明しない行方不明の方々がどうなるのか、あるいは死亡が判明した場合でも、御家族丸ごと受取人も含めて亡くなった場合はどうなるのかとか、あるいは、例えばお父さんが生命保険に入っていて、御遺族が入っていることを御存じないケースはどうなるのかとか、こういうことを考えなきゃいけないんですよ、今度の場合は。これについてどうなっているのか教えてもらえますか。
  88. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 今回の震災に際しまして、生命保険協会において、今も先生お話にございましたように、被災者契約照会制度、仮称でございますけれども、これを創設しまして、死亡した方の加入保険会社が不明な場合であっても、あるいは生保協会に照会することにより加入保険会社の確認ができる態勢を整えることとしております。それから、損保協会においても照会窓口を設置し、加入保険会社が不明な場合でも、損保協会に照会することにより加入保険会社の確認ができる態勢を整えております。  それから、少し答弁が長いとお叱りをいただくかもしれませんけれども、それに加えて、各生保会社、損保会社が保険金支払事故の発生把握した場合には保険金受領者に対し請求を勧めること、勧奨を実施するというふうに指導をいたしておりまして、金融庁といたしましても、今回の被災地の事情に十分配慮して、できる限り被災者の立場に立って丁寧な請求勧奨を実施するように指導してまいりたいというふうに思っております。
  89. 大門実紀史

    大門実紀史君 だからそれは、それはあくまで言ってきたら払う仕組みの範囲ですよと言っているんですよ。今言ったケースはどうするんですかということをお尋ねしているんだけど、だからその次の答弁書読んでください。──分かってないよ、何やってるか。何やってるんだ、何を。しっかりしろよ、しっかり。
  90. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 私今さっき申し上げましたように、申請がなくても、各生保会社、損保会社は、保険金支払事故の発生把握した場合、入っている人とかあるいは家族から申請がなくても、把握した場合には保険金受取人に対して請求勧奨を実施するように聞いておりますから、これはもう先生が一番御専門でございますけれども、以前、不払の事実がございましたので、これはもう当然、この生命保険業界は金融庁の免許業でございますから、こういうときに、まさに免許業ということは公共性、公益性があるわけでございますから、きちっとそういうふうにできる限り被害者の立場に立って丁寧に行うように指導していきたいというふうに思っております。
  91. 大門実紀史

    大門実紀史君 要するに、今大臣からもありましたとおり、この日本の生保、損保は大変たちが悪いんですよ。今までも相当不払事件を起こしておりますし、この委員会で何度も取り上げた第一生命始め、損保ジャパンも十二月に五億円以上ですか、不払を起こしました。そういう体質を持ったところが、お手元に配りましたけれども、生命保険協会が対応についてと一応出しているんだけれども、これ出したからって払えるのかという話をしているわけですよ、こんな程度の話で。しかも、これ出しているのがあれですよ、生保協会の会長の渡邉光一郎というのは第一生命の、不払を起こした第一生命の社長ですよ。こんな人が出したこんなリリースなんか誰も信用していないですよ、これ。知っている人はみんな笑っていますよ、これ、何だこれはと。  第一生命、一言言っておきますと、私はここで取り上げて、金融庁も厳しく指導してもらって、朝日新聞からマスコミが取り上げて、ひそかに請求案内があってひそかに払ったりしているんですよ。そんなところが、そんなところもうこれ会長辞めさせたらどうかと思うんだけれども、そういう不払やった張本人がこんなもの出しても誰も信用していないし、中身も今言ったようなことでは払われませんよ、現場には。  それで、申し上げたいのは、引き続きこれやりますけれども、こういう通り一遍のことでは膨大な未払、まだ未払と言っておきますが、生まれてしまいます。したがって、相当の体制を取って、言ってきたら払うんじゃなくて、保険加入している人は分かるわけですから、被災地も分かるわけだから、生保会社の方から出向いて、安否確認と、受取人がいないのかということと、言ってきたらやるんじゃなくてこちらから出向くことをやらなきゃ駄目なんですよ、駄目なんですよ。  もう一つは、請求案内するにも体制がないというのが、この間、生保会社、損保会社、リストラばっかりやって人減らしたから請求案内をしなくなってきたというのがあるんですね。これを払うためには相当の人員が必要でございます。ですから、金融庁にお願いしたいのは、最後の一人まで払ってあげなきゃ駄目なんですよ、こういう場合は。その努力をしなきゃ駄目なんです。そのためには、各生保が体制を取ってそういう努力をするというところを金融庁責任を持って、責任を持って最後までウオッチングするといいますか、指導するということをやってもらいたいんですけれども、いかがですか。
  92. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 今、私が答弁申し上げましたように、生命保険会社、過去にはいろいろあったようでございますが、私は金融大臣である限り、これもう公益性、公共性があるわけでございまして、この生命保険業というのはさっき言いましたように国家の免許業でございますから、それをきちっと踏まえさせて、厳正にきちっと監督をして、できる限り、今さっき申しましたように、把握した場合でも、向こうから申込みがなくても、被害者あるいはその親族からこの保険支払発生したと把握した場合でも、きちっと保険金受取人に対して請求を勧めると、この請求を勧めるということをさせるということでございます。厳正、確実に、今回は私の責任において指導したいと思っております。
  93. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございました。  終わります。
  94. 中山恭子

    ○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。  まずやはり、未曽有の地震津波で命を落とされた方々に対し、改めて心から御冥福をお祈り申し上げます。また、被災地で厳しい毎日を過ごしていらっしゃる被災者皆様に心からお見舞い申し上げます。  二十二日の予算委員会でも野田大臣に緊急支援、復興支援についてお伺いいたしました。緊急支援につきましては、まず、二十三年度についてはやはり早く、支援額を予備費に頼るのではなくて、補正を組んで当たる必要があると考えております。減額補正などいろんなやり方がありますので、子ども手当とかそういったものもお考えいただいて、至急に第一次補正を組んでいただきたいと思っています。  阪神・淡路大震災のとき四十日ということでございました。例えば、四月半ばには第一次補正が出てくると考えていてよろしいでしょうか。
  95. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 時期をちょっと明示することはなかなか難しいんですが、最短で頑張った阪神・淡路のときで約四十日なんですね。加えて、今まだ進行中のこともあります。  もうなるべく早く取りかかりたいと思っていますが、まず被害現況を押さえて、本当に必要な対策を積み上げて、予算規模を決めて、財源をどうするかという、そういう議論になっていくと思いますが、阪神・淡路大震災のあの後の速やかな対応を目安にしながら頑張っていきたいというふうに思いますが、いずれにしても、四月中には提出し、そして成立できるように、与野党の協議ができるように準備をしていきたいというふうに考えております。  なお、予備費だけでは不安だという御指摘でございます。それはそのとおりなんですが、平成二十三年度予算の中には、例えば、被災地で自衛隊が活動する場合の人件費とか糧食費が例えば二兆円以上入っているとか、あるいは特別交付税の措置も入っているとか、直接、間接的に被害対策に流用できるお金はたくさんございますので、まずは予算関連法案の成立をなるべく早くという形でお願いをした上で、補正予算については早急に準備をするようにしていきたいというふうに思います。
  96. 中山恭子

    ○中山恭子君 関連法案も直ちに審議始まると思いますので、補正の提出を早くしていただくようにお願いいたします。  また、復興支援の方につきまして、昨日、予算委員会公聴会で日本金融財政研究所の菊池所長から三年間で百兆円が必要といったお話が出ていたかと思います。今後いろんな数字が出てくると思います。  政府として、やはり積み上げで今被害の総額とかいろいろ検討していらっしゃると思うんですが、積み上げだけではなくて、中長期ビジョンといったものを復興についてはお考えいただいて御提示いただくのが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  97. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 復旧についてはまさに積み上げて早くということ、これは委員の御指摘のとおりで、復興についてももちろんこれは速やかな方がいいんですけれども、従来のように原形を戻すだけでは多分ないと思うんです。もう海側のところに町をつくることがいいのかという議論も含めると、そうすると、どういう地域をつくっていくか、国をつくっていくか。少なくとも、日本の半分の東日本をどうするかというビジョンを作りながらの復興になるというふうに思います。  そのビジョンを作ることが何よりも大事であって、今民間からいろいろな金額は先行していっぱい出てきていますけれども、きちっとしたビジョンの中でやっぱり日本の底力を発揮してもう一回日本が奇跡を起こすと、そういう段取りを着実に進めていくということが大事ではないかなというふうに思います。
  98. 中山恭子

    ○中山恭子君 大臣おっしゃるように、再び、先日もおっしゃっていましたが、このような悲しい思いを多くの人々がしないために、復興ということを新しい考え方で進めていくというお考えで、私もまさにそういう立場で進めていただきたいと思っております。  日本の英知を集めてこの地域をどのような形にしていくのか、また被災された方が安心して生活できる、また更に発展していく地域としていくためにどのような形を取っていくのか、これについてももうそろそろといいましょうか、既に始まっているかもしれませんが、英知を集めてお考えいただきたいと思っております。  今回は極めて広範囲な災害であり、また全てが失われてしまったということで、その内容的にもあらゆる分野に及んでいると考えます。例えば、岩手県、宮城県、福島県の県内総生産、三県で平成十八年度で二十兆円超でございます。また、茨城県を加えますと三十一兆円超となります。  今回の場合には、この県内総生産をもたらす基盤が崩れてしまっているということも考えなければいけませんし、また福島の原子力被害の問題も考慮しなければいけません。こういった事柄もそのビジョンを組むに当たっては一つの考え方として使えるのではないかと思っています。  また、視点を変えますと、社会インフラ整備の事業規模というものについて、デフレギャップ、現在あるのが二十ないし三十兆円と言われておりますが、こういったものを埋める規模ということも考えていいのではないかと思っています。また、これが社会インフラ整備ということですから、単年度ではなくて、こういった考え方を十年なり使っていくということもあっていいのではないかと思います。もちろん、デフレギャップ解消の道筋が見えたらそれはもうそこで止めるという一つの目安として考えていけばいいのではないかと思います。こういったことを含めて、やはり中長期ビジョンに基づく財政在り方というものを早期にお示しいただきたいと思っております。  今日は佐藤議員から日銀引受け、無利子でと、あっ、無利子とおっしゃらなかったですか、日銀引受けの国債の話が出ました。これはもう昨年から、この被害のない段階でも日本にとって今必要だと申し上げ続けてきているテーマでございますけれども、現下の惨状、そして深刻なデフレ状況を考えると、ハイパーインフレの懸念というものは今はないと見ております。また、そういった状況が出たときには、出てくることはないと思いますが、その前から今の財政当局であれば手をしっかり打てるはずだと考えておりますし、ヨーロッパでこういった動きがないと、また先進国や何かでないというお話が先ほど総裁からございましたけれども、こういう特殊な状況にそれらの国が陥っていないということを考えれば、日本の現状をしっかり見据えて日銀引受けの国債というものを検討していただきたいと思っております。  佐藤委員から御提案がありましたが、私からも、この国債について、これは国会が議決する、しかも非常に厳しい制限を付けなければいけないと思っておりますので、幾つかの点だけ御提案しておきます。  まず、この国債による動きは、大規模な社会インフラ整備を対象とする、又はそこに使途を限定する。基本的には譲渡禁止の非市場性国債として発行する。ただし、一定の場合にはもちろん市場への放出による日銀券吸収を認めなければいけないと考えております。また、社会資本整備に対する日本銀行の貢献という観点から無利子とする。ただし、市場放出の際には一定の割引価格によることを可能としていく。また、日銀に国債を交付しインフラ整備が行われた際の民間への支出時、支出するときに現金化するといった、もちろんこの国債は日銀券ルールの枠外とするしかありませんけれども、こういったことをしっかりと考えて、今回の惨状、日本のデフレ状況を考えて日銀引受国債、無利子でという対応を是非御検討いただきたいと思っております。  昨年まではこの言葉自体、こういった発言自体がタブーのような状況でございましたが、多くの皆様がこういったことを議論するということも大切ですし、今や大臣の御決断というものがまず一番大切なこと、そういう時期に来ているかと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  もし何か御意見がありましたら、でも時間が過ぎているということなので、お願いいたします。
  99. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) では、財務大臣、手短にお願いいたします。
  100. 野田佳彦

    国務大臣野田佳彦君) 委員からいつも大局的な見地から御提言をいただいていることに感謝申し上げたいと思います。  今の国債に関連してですが、無利子かどうかというのもいろいろ議論がある、日銀引受けについてもいろいろ議論があると思います。私は、やっぱりこういう危機だからいろんな発想は必要だと思います。従来にとらわれない発想は必要だと思うんですが、ただ諸外国には例がありませんけれども、我が国はかつて経験したことがあり、その中で私が一番心配しているのは、危機対応の危機が新たな危機を生まないかどうかなんです。そのことをよく留意をしながら検討させていただきたいというふうに思います。
  101. 中山恭子

    ○中山恭子君 お願いいたします。  ありがとうございました。
  102. 藤田幸久

    委員長藤田幸久君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五分散会