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川田龍平君 みんなの党の
川田龍平です。
原子力災害による放射性物質は今もまき散らされており、
政府はいまだに対処ができておりません。引き続く
放射能汚染により、健康被害が起こることを黙って見過ごすわけにはいきません。
薬害エイズの裁判が先週ようやく最後の一人が和解に至りましたが、和解で終わりではありません。これからも被害自体は続きます。繰り返される薬害、水俣病やアスベストなどの公害による被害、そして広島、長崎の原爆による被害の障害も、被害者がその被害の因果関係を確定するために長い裁判を闘わなければなりません。もうこんなことはやめにしませんか。原爆投下から六十五年が
たちましたが、いまだにその影響範囲が明確になったとは言えない
状態にあります。一九九九年のジェー・シー・オーの事故の影響についても、現在裁判が進行中です。
今回の福島第一
原発事故の被害も、このままでは恐らく全く同じようなことが起こるのではないかと思います。戦後、何度も何度も繰り返されてきたこのような苦しみを二度と繰り返さないためにも、今回の
原発事故の影響については、可能な限りの防衛手段と、問題が起こったときに少しでも迅速かつ正確に
対応できるための
調査と記録を国が
責任を持ってしていただきたい。
先ほ
ども手帳の話も出ました。放射線が健康へ悪影響を与えるかについては様々な議論がありますが、ICRPの閾値なし直線仮説は、どんな低レベルの放射線でも健康に対して潜在的な悪影響があり、その上で許容できる範囲を決めるという立場であって、安全な放射線量というのはないということを言っているのです。三月二十五日の
厚生労働委員会でも、私の
質問に対して大塚副
大臣から、ICRP、国際放射線防護
委員会、こちらが定めた
基準を参照しながら議論をし設置された水準だと思っておりますので、私
どもとしては、現在はこの暫定規制値を
一つの
判断のよりどころとさせていただくというふうに思っておりますという答弁をしていただきました。この答弁がありましたので、このICRPの閾値なし直線仮説を採用していただけるものと思っています。
その上で、ICRPのパブリケーション一一一として出版されたICRPの勧告を見ますと、暫定値として年間被曝量二十ミリシーベルトを上限と
設定するのはあくまで参考値であり、この
基準を超えると当該集団を強制的に移住させ、それ未満であれば
住民は
一定の条件に従ってとどまることを許されることになろうとあるとおり、本質的には
避難が好ましいが、
避難に伴う社会的、身体的なリスクを避けるという決断を
住民自身がすることを尊重すべきであるという主張です。
また、参考レベルを下回る被曝を無視してはならず、防護が最適化されているかどうか、あるいは更なる防護
措置が必要であるかどうかを確実にするために評価を行うべきである、また、当局が
実施する防護方策の優先事項は、被曝が最も大きい人々を防護することと並行して、当該事象に伴うあらゆる個人被曝を合理的に達成可能な限り低減することであるとも述べており、線量が参考値以下であるとしても
政府はこの線量の低減に向けて努力すべきであるとも述べられています。
つまり、ICRPは二十ミリシーベルトまでなら安全と言っているのではなくて、いずれにしても
基準値を超えるのだから、
政府は
住民の方々に移住してもらうか線量を下げるかしなければいけません。ただし、
住民の方々にも生活があることを考えると、必ずしも強制的に移住された方がいいというレベルではないというのが参考値なのです。
ですから、
政府は、まずICRPの言う当該事象に伴うあらゆる個人被曝を合理的に達成可能な限り低減する
計画を速やかに示すべきです。現在残っているセシウムなどは半減期の長い核種ですから、今後自然に線量が下がるということはほとんど考えられません。なるべく速やかに被曝量を年間一ミリシーベルトの水準に近づけるべきだと考えますが、そのための方策をお持ちでしょうか。お持ちであれば、どの程度の期間でそれを
実施するのか、お聞かせください。