運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2011-04-20 第177回国会 参議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年四月二十日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月十三日     辞任         補欠選任      木庭健太郎君     秋野 公造君      大門実紀史君     山下 芳生君  四月十九日     辞任         補欠選任      高橋 千秋君     岡崎トミ子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長     ツルネン マルテイ君     理 事                 友近 聡朗君                 平山 幸司君                 加治屋義人君                 佐藤 信秋君     委 員                 相原久美子君                 岡崎トミ子君                 加賀谷 健君                 轟木 利治君                 平山  誠君                 吉川 沙織君                 青木 一彦君                 金子原二郎君                 岸  宏一君                 佐藤 正久君                 若林 健太君                 秋野 公造君                 山本 博司君                 上野ひろし君                 山下 芳生君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        松本  龍君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        内閣府副大臣   東  祥三君        文部科学大臣  笹木 竜三君        厚生労働大臣  小宮山洋子君        経済産業大臣  松下 忠洋君        国土交通大臣  池口 修次君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       岡本 充功君        農林水産大臣政        務官       田名部匡代君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       田島 淳志君        内閣府政策統括        官        齋藤  潤君        内閣原子力安        全委員会委員長  班目 春樹君        内閣原子力安        全委員会委員   代谷 誠治君        消防庁国民保護        ・防災部長    佐々木克樹君        文部科学大臣官        房審議官     伊藤 洋一君        文部科学大臣官        房審議官     尾崎 春樹君        厚生労働省社会        ・援護局長    清水美智夫君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    木倉 敬之君        林野庁林政部長  末松 広行君        経済産業大臣官        房審議官     中西 宏典君        経済産業大臣官        房審議官     長尾 正彦君        国土交通大臣官        房審議官     井上 俊之君        観光庁次長    武藤  浩君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (東日本大震災に関する件) ○委員派遣承認要求に関する件     ─────────────
  2. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、大門実紀史君、木庭健太郎君及び高橋千秋君が委員辞任され、その補欠として山下芳生君、秋野公造君及び岡崎トミ子君が選任されました。     ─────────────
  3. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官田島淳志君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 災害対策樹立に関する調査のうち、東日本大震災に関する件を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 加賀谷健

    加賀谷健君 民主党新緑風会加賀谷でございます。  まず、犠牲になられた方々の御冥福と被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げます。また、今も被災地の最前線で復旧に尽力をされている皆様に心から感謝申し上げる次第でございます。  さて、今回の東日本大震災では、多くの人命が失われた津波の恐ろしさ、そして被害が大きくクローズアップされていますが、首都圏中心にした液状化による被害各地で甚大な影響を与えております。私の地元千葉県でも、浦安市を始め、我孫子市、香取市等々の各地被害が出ております。実は、私も千葉市の稲毛区に住んでおるんですけれども、庭で液状化が起こったわけでございまして、いろんなところで液状化が起きているわけでございます。被害がこの中で最も多い浦安市を例に挙げて今日は少し御質問をさせていただきたいと思います。  浦安市は全市で七万三千弱の世帯数のうち、約半数以上、三万七千軒程度被災をいたしております。面積では全市の八五%。この町は四分の三が埋立地ということもありまして、大きな液状化被害が出ております。特に下水道、上下水道による損傷が大きい。下水道もやっとつい先日に復旧はしたと、こういうことでございまして、浦安市として試算をした整備費だけでも七百三十七億円掛かるのではないかというふうに言われているわけでございます。  また、先週の土曜日には、我が党の岡田幹事長とともに津波犠牲が出ました千葉県の旭市や液状化影響を受けた香取市を私も一緒になって視察をしてまいりました。香取市では、浦安市と同様、民家や道路はもちろん、主力産業である農業にも大きな被害が出ております。今回の震災による液状化は、公益社団法人地盤工学会現地調査等によりますと、東京湾沿岸だけで少なくとも四十二平方キロに及んでいると。この規模は世界でも最大規模ではないかというような報告もあるようでございます。  そこで、御質問をさせていただきます。  やっと手に入れた我が家がこの液状化でどうしたらいいのかと、多くの人が困っているわけでございまして、私も浦安へ入ってみてつくづくその状況を感じました。  お手元にお配りをいたしました四枚の資料がございますけれども、これを参考にしていただきながら話を進めてまいりたいと思います。  今の政府支援策の中で、内閣府が自治体に向けて出している、災害に係る住家被害認定基準運用指針、これに基づいて液状化による状況把握をしているわけでありますけれども、この資料の一にありますように、傾斜が二十分の一以上だと全壊というふうになっています。しかし、六十分の一以上だとその損害割合は一五%と判定をして、全壊の場合の被災者生活再建支援法による基礎支給額百万円プラス加算支援金二百万円の合計三百万円が支給をされるわけでありますけれども、ところが、この資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、今回の液状化被害というのは傾きだけではなくて水平に沈むケースが非常に多い。現実香取市の場合も庭石ごと沈んでいる、で、家の傾き現実には出ていないと、こういう状況が多うございまして、この認定基準でいきますとどうもこのような状況を想定をしていないのではないか、こういうふうにしか思えないわけでございます。  資料の三と四というふうにこれは付けてございますけれども、こういう傾斜住宅に住む弊害というのがありまして、ちょっとの傾きでもかなり感ずるものというのは違うし、また影響が出ているということを是非とも御理解をいただきたい。  そういうことで、この被害認定をする基準、この部分について先日の会議の中で、衆議院の災害対策特別委員会松本防災大臣は、この部分について見直しも含めて勉強をしたいという答弁をされていると聞いておりますけれども、その後のこの取扱いの経過について御説明をいただければ有り難いと思います。
  7. 松本龍

    国務大臣松本龍君) お答えいたします。  私も、六年前の三月に福岡西方沖地震というのがありまして、福岡の北の方、埋立地液状化現象を本当に目の当たりにしました。今の状況でいえば、液状化による住宅被害につきましても市町村認定する住宅被害程度に応じて被災者生活再建支援法による支援が受けられるというふうに思っております。  ただ、液状化による住宅被害程度については、今申し上げられましたように、外観による判定によって建物の基礎の一部が全部破壊している場合、あるいは傾斜による判定によって住宅の四隅の傾斜が一定以上である場合には全壊判定できるということとされています。  そういう意味で、先週でしたか先々週でしたか、御要望を受けまして、現在の基準が今回の地盤液状化による住宅被害実態にそぐわないという指摘がございましたので、先週の土曜日に潮来市に担当官派遣をして実態把握させていただいたところであります。昨日、こういった写真も添えて説明を受けました。かなり深刻な状況もあるというふうに担当者から聞いたところであります。  そういう意味では、調査結果の分析をこれから行いまして、また学識経験者意見聴取等も踏まえて、基準見直し等も含めて検討をしてまいりたいというふうに思っております。
  8. 加賀谷健

    加賀谷健君 実際にはもう罹災証明等々を発行している段階でございまして、検討ということではなくて、私はまさに政治的決断をすべきときではないかなと思うんですね。これは政令でも何でもない、言えば内閣府が自治体に出したガイドラインということですから、これは早急に大臣、まさにやるべきことだろうと思いますので、検討をぼちぼちじゃなくて結論を出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  9. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 急いで検討してまいりますので、御理解をいただきたいと思います。
  10. 加賀谷健

    加賀谷健君 早急にお願いをしたいと思います。  次に、住宅金融支援機構災害復興住宅融資についてお伺いをさせていただきます。  今回、液状化住宅被害を受けた方たちというのは、家を建てたばかりでローンも残っているという方もたくさんいらっしゃいますけれども、ところが、この融資制度はいろんな条件がございまして、なかなか受けられないのではないか。借りられても、低利とはいえ現行では一・七八%の金利が付くということでございまして、抵当権の問題も含めて非常に厳しい。  これでは貸さないと言っているのに等しいのではないかという声もあるんですけれども、これに対してお考えをお示しいただきたいんですが。
  11. 井上俊之

    政府参考人井上俊之君) お答え申し上げます。  住宅金融支援機構融資についてのお尋ねでございます。今回の災害液状化を含めてでございますけれども被害を受けた住宅再建あるいは改修支援していくというのは極めて重要な課題であるというふうに思っております。御指摘液状化の場合には、建て直すというよりは、一般的には整地地盤を整え直して補修をするという対応が多いのではないかと思いますけれども、この整地費用共住宅金融支援機構災害復興融資対象としているところでございます。  まず、金利でございますけれども、これは過去の阪神大震災の際には基金を設けまして金利の低減を行っております。今回の災害も非常に大規模なものでございますので、過去の事例を含めて検討すべき課題というふうにしっかりと認識をしているところでございます。  それから、抵当権でございますけれども、これも改修ということになりますと、従前に付いている新規の、新築のときのローン抵当権が付いているわけでございますので、これの後から後順位ということで金融機構の方も対応させていただいておりますので、事実上、借入れはそういう意味では可能ではないか、改修費であれば可能ではないかというふうに思っております。  委員の御指摘も踏まえまして、今回の震災による液状化住宅被害を受けた方の住宅再建補修について、一層どういうことができるか真剣に検討してまいりたいというふうに思っております。
  12. 加賀谷健

    加賀谷健君 私、確かに液状化の話を前段しましたけれども、このお金を借りる話は液状化ということでなくて、千葉でいえば津波でも家が壊れていますし、いろんな形があるので、この辺を含めてやはり考えていかなければならない。確かに液状化の場合は改修ということになるんだろうけれども、これもだけどそんな簡単に改修できないですよ。あのでかい家をどうやって持ち上げるかというのは、一千万とか二千万というお金が掛かっていくわけですから。  そういうことも含めて、せっかく池口大臣お見えですけれども是非国土交通省としての決意をお聞かせ願えると有り難いんですが、どうでしょうか。
  13. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) 今回、広い地域液状化被害が出ております。これから国土交通省としても液状化対策をやっていくことは必要だというふうに考えております。ただ、いろいろなデータを実は集めなきゃいけないというふうに思っておりまして、今回も全てのところの埋立地液状化が起きたかというとそうでもないというような例も見受けられております。  というのは、平成十八年に、これは盛土中越地震等盛土対策として三十センチメートルごとに締め固めを行うという政令を作っておりまして、それ以降、平成十八年以降は埋立地においてもそういう締め固めをしているという事例があって、そこが割と液状化が起きていないんではないかというようなことも言われておりますので、それの検証結果なり、どういう状況の中でこの液状化で家に被害が起きているかということを今後検証をしながら必要な対策は打っていきたいというように思っております。
  14. 加賀谷健

    加賀谷健君 済みません、与えられた時間が僅かなので、ちょっと、いっぱい通告してあるんですけれども、はしょっていきたいと思います。  この被害認定は行政がやっているんですけれども、極端なことを言うと、国や県が負担をするということで市町村負担をしないようなことから、被害認定が非常に雑になる場合もあるし、また市町村によってはすごく違いが出てくるような気もするんですけれども、この辺についてどのように思っているのか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
  15. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 御指摘住宅被害認定は、被災者生活再建支援金支給判断基準となるものであります。被災自治体において認定が今おっしゃられた的確そして公平に行われることが重要であると私どもも考えております。  事務の円滑な遂行のために、内閣府において住家被害認定の標準的な調査判定方法を定めております。今回の三月十一日の未曽有の大災害に当たっても、職員派遣をして被災市町村職員等調査判定方法説明を行うことにより、市町村において適切に、今言われました公平に被害認定がなされるようにサポートしているところであります。
  16. 加賀谷健

    加賀谷健君 最後、今のこの基になる支援基金、これは都道府県が負担をしているんですけれども、五百四十億程度しかないということで、全国知事会災害対策特別委員会も大型の災害時における支援実現可能性への疑問ということで問題提起をされているというふうに聞いておりますので、是非ともこの辺にも御配慮をいただけるようにお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  17. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 民主党新緑風会岡崎トミ子でございます。  松本防災大臣、本当にお疲れさまでございます。被災県宮城ということで、このようなお時間をいただきました。委員長始め理事皆さんに感謝を申し上げたいと思います。  三月十一日から五週間がたちました。地震が発生した当初、現地からは、生存者が孤立しているという悲痛な叫びのようなそういう情報が届きましたし、今日食べるものがないという本当に今日の生き死ににかかわるようなそういう情報が多かったと思いますが、やがてガソリン不足が言われるようになって、これが大変困難な材料だということを繰り返し言われるようになりまして、どんどんそれを党の災害対策本部に伝えました。やがてニーズが毎日変わるようになりまして、地域によっても多様化するようになりました。  そうした中で、今避難所被災した農家漁業関係者中小企業者自治体関係者に共通して言われますことは、自分たちがこれからどうなっていくのか、生活をどうしていったらいいのか、その対応はどういうペースで国は行っているのか、それがどういうふうに伝えられているのか、いろんな情報不足についてもたくさんの指摘を受けました。  現在、避難所生活をしている人の数は、宮城、岩手、福島の三県を中心に十三万五千九百人に上っております。そして、宮城県の場合には四百十四か所の避難所で四万三千三百三人が避難生活を続けているという状況でございます。  四月十六日にこの東北被災地である避難所でその生活ぶり政府アンケート調査をした結果、衛生面プライバシー確保の問題などで依然として多くの避難所が厳しい状況にあるというふうなことが分かりました。いろいろあるんですよね。栄養に偏りがあるであるとか、朝昼晩そのうちに一回でも温かいものを食べたいと、それがまだ不十分であるというようなこともありましたし、洗濯機がないためにちょっとした時間で洗濯をするのがとても難しいというような声がありましたり、間仕切りがないと、あるところとないところといろいろ違っているというような、いろんなことがあるわけなんですけれども。私は、こうした皆さんたちの声を聞くにつけましても、このアンケートの結果から、いろんな管理する自治体現場取組、工夫によっても大きな違いが出ているというふうに感じているところでございます。  今回のアンケートをどういうふうに生かしていくのか、ただ統計的なものとしてではなくて、個別のケースにどう取組を促していくのか、具体的にお教えいただきたいと思います。
  18. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 今御指摘避難所生活改善というのは非常に重要な課題でありまして、私ども、今日も被災者生活支援本部の会合でも、もう最初から言っておりますけれども避難所での生活改善、そして家におられる方あるいはお寺におられる方、様々避難をしておられる方の生活改善が一番重要だという岡崎先生の御指摘はそのとおりだというふうに思っております。プライバシー、そして温かい食べ物あるいは情報共有といったものが非常に重要であるというふうに認識をしております。  今回の避難所実態把握は、東北三県の全ての避難所対象として重点的な支援を一層進めていく観点から、各避難所における生活環境実態を調べたものであります。取りまとめ結果については、各府省関係自治体とも情報共有をしております。今日も様々な避難所のお話をいたしまして、ある避難所ではまさに今仮設トイレ衛生面が悪い、あるいはパーテーションがない等々あって、その都度その都度そこに指示をしながら改善を図っているところであります。  避難所への支援の強化と、関係自治体に対して様々要請をしていきながら、私どもも今後避難所環境が一層改善されるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  19. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 避難所の場所によっていろいろ違っていると。状況のいいところもあるんですね。ですから、そうした避難所取組事例を各避難所共有してもらうことが必要ではないかなというふうに思います。  今後にもそれを生かしていただきたいと思いますが、例えば、今千十円という避難所での生活、これ柔軟に変えられるということを大臣お分かりだというふうに思っております。是非この辺も、多分この額だけでは難しいのではないかなというふうに思っておりますので、その辺について一言、柔軟に変えられるということでございますが、いかがでしょうか。
  20. 清水美智夫

    政府参考人清水美智夫君) 避難所に関しまして、炊き出しの基準額被災者一人当たり一日千十円という一般基準がございます。しかしながら、これだけ発災後日数も経過いたしまして生活環境改善が求められる中、食事につきましてもメニューの多様化適温食の提供、栄養バランスの重視といったようなことが必要になってまいります。私どもとしましては、必ずしもこの基準額にこだわる必要がないというふうに考えてございます。この基準額を超えたものにつきましても、現地で必要だということであれば災害救助法による国庫負担対象としてまいります。
  21. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 松本大臣最初におっしゃられましたように、最初段階ガイドラインのような形で理想的な形をいろいろと示されておられるんですね。三月十二日のことでございます。十分な配慮お願いしたいということで、避難所生活、畳、マット、カーペット等整備、できておりません。間仕切り用パーテーション、あるところとないところとございます。暖房機器の設置、これは大分良くなりました。仮設洗濯場、これも十分じゃないという状況でございます。仮設トイレ、これは大分良くなったというふうに思っておりますけれども是非ともそうした現地被災者皆さんたち現場の声をきちんと聞いて、私たちも伝えてまいりますので、生かしていただきたいなと心からお願いを申し上げます。  続きまして、私たち被災者皆さんたちの中に入っていきましていろんな声を聞き続けていくということと、被災県であるということで、そうした皆さんたちの声をきちんと伝えていきたいということを頑張ってやっているわけなんですけれども。例えば農家皆さんたちですね、農家皆さんたち排水機場を早速造っていただきたい、除塩もしていきたいと。それには代かきをしっかりと行って、二回でも三回でもやれば除塩が早くなっていくんじゃないかと。それは国のきちんとした責任でやっていただきたいということが言われているわけなんですけれども、先週の日曜日辺りに種をまいて、苗を育てて、それに間に合えばというのはもうちょっと断念せざるを得ないという状況になっておりますけれども、この辺り、少し農家皆さんたちにこたえるような内容をお示しいただきたいというふうに思います。
  22. 田名部匡代

    大臣政務官田名部匡代君) まず、今回の津波被害でありますけれども、現在分かっている段階被災した農地の面積というものは二万四千ヘクタールであります。非常に大きな被害があった。そういう中で、まず一つ排水、水田にまで水がたまっているものを、これ現在も災害応急ポンプを集中的に投入をして水を抜く作業をしています。さらには排水路、この機能回復に向けた工事というものにも着手をしています。  そして、先生今御指摘いただきましたように、早く農業を再開したいと願っている農家皆様がたくさんいらっしゃる中で、まず一つ瓦れきの撤去をすると、と同時に除塩作業をしていかなければならないわけでありますけれども除塩作業をしてもまたすぐに農業を再開できる状況にないということも踏まえ、これらの作業をしていただくことにしっかりとした、災害復旧、農地回復、この作業をしていただくことに対しての雇用というか生活支援をしていきたいというふうに考えておりまして、瓦れきの撤去や除塩作業というものをする際の作業員として、被災した皆様農家皆様を雇用していただく。そして、その後も、今申し上げましたように、すぐには農業、営農を再開できませんので、土壌を改良したり細かい石を取ったり、この作業をしていただくことに対してしっかりと生活支援をしていく中で、早い段階農業を再開していただけるように、また意欲を持ってそういう作業に当たっていただけるように取組をしてまいりたいと考えています。
  23. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  今瓦れきのことについて触れてくださいましたけれども松本防災大臣、膨大な量の瓦れきの処理、復旧復興には前提だというふうになっておりますけれども政府が一次補正と財政援助及び助成に関する法律案を準備中というふうに伺っておりますけれども、この全額政府負担するということを防災大臣がおっしゃってくださいました。ただ、地方自治体の首長さんは、いや、そう言ってもいつか大体自分の方が少し負担しなきゃいけないようになるんだよねといってなかなか信用されないものですから、ここで大臣として、例外なく、海中の瓦れき、そして崩れた塀なども含めて全額国が負担するということについて確認をしたいというふうに思います。
  24. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 十六年前の阪神・淡路の震災のとき、私は二週間ほどで災害復旧復興プロジェクトの、自民党の皆さんと、座長をしました。そういった中で、阪神以上のこれから手だてが必要だということで、発災以来十日ほどしていろんな議論を重ねていきながら、今回の瓦れきの処理について、市町村災害廃棄物を処理する場合の費用負担については国庫補助率のかさ上げを行うとともに、災害廃棄物処理事業費が多額に及ぶ市町村の地方負担分の全額を災害対策費により対処し、その元利償還金を一〇〇%交付税措置するといたしました。以上の内容は三月二十九日に発表をいたしたところであります。  一部には、自分の家の前にあった瓦れきが家から出られないから事業者に頼んで自費でやったということがあって、それが自費の負担になるんじゃないかということがありましたけれども、これは市町村がしっかり連携をしていただいてやっていただきたいと、全額国庫でやるというふうにここで申し上げておきたいというふうに思っております。
  25. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 大臣、ありがとうございます。これはこの報告をしっかりとしていきたいというふうに思っております。  今回の地震津波を受けまして、多くの障害福祉サービスの事業者も被災をいたしました。こうした事業者が被災後も継続して運営できるように必要な支援を行っていくことが重要であると考えますけれども、その認識はおありでしょうか。  例えば、既に本年三月のサービス提供分の請求を行った障害福祉サービスの事業者は、厚生労働省が四月の六日付けで事務連絡を示しました、それは安否確認等のできる限りの支援の提供を行った場合に報酬の対象とすることができることとなっているわけでございます。これを新たに知ったり、知っていたけれども請求しなかったというそういう事業者がいるわけなんですけれども、報酬の追加請求を行うことが可能か、またその際に概算請求を行うことが可能か、お願いいたします。
  26. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。  御指摘のように、今回の震災では福祉サービス事業者の方々も被災をされるという例も多々ありました。そこで、このような障害福祉サービスの事業者の方々が被災後もできる限り継続して運営をしていただけて、必要な利用者に対する支援を続けていただく、そのことによりまして障害のある方々が引き続きサービスを受けられるということは大変重要なことであるというふうに認識しております。  このために、事業者の方々が障害のある方々に対しまして、従来どおりの形ではサービス提供することは困難であるけれども、引き続き何とか支援を確保するためやむを得ないという場合に、例えば安否の確認、相談支援だけでも続けていくというような場合には、これまでのサービスとして報酬支払の対象とすることができるということを連絡をしておるところでございます。また、避難所に避難された方々に対してホームヘルプのようなサービスを提供し続けておるというときにも報酬の対象とする。さらに、利用者とともに事業所の方々も仮の施設、ほかの場所に避難をしてそこでサービスを継続をされているというふうな場合にも報酬支払の対象とするというふうなことについても連絡をしておるところでございますが、できるだけ柔軟にこのような支払が継続するような運用を行っていきたいというふうに思っております。  また、御指摘の報酬の支払い方、データ等を失った場合には概算での請求ができますよというふうなことについて御存じなかった、あるいは後からの手続になってしまったというような場合には、これは追加の請求可能でございますので、これはまた追加の請求をきちんと受け付けていくようにさせていただきたいというふうに思っております。  今後とも、いずれにしましても、その報酬上の柔軟な取扱いも含めまして、事業者の方々に引き続き支援を続けていただきまして、一日も早く、できる限り被災前と同じように障害者の方々が必要なサービスが利用できるよう、提供されるようしっかり支援をしていきたいというふうに思っております。
  27. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 是非こうした内容を各県、市町村そして事業者、国保連、関係したところにも再度徹底していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  28. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党佐藤正久です。  大臣、発災後もう四十日近くになりました。ただし今、復旧復興のさなかという反面、まだ福島においては原発災害が続いているという状況でありますので、今日の質疑を通じて、やっぱり政治家としてこれは取り入れるべきだと思うことはどんどん取り入れていただきたいと思います。  まず最初に、資料一を御覧ください。  ここに震災政府が作っております対策の組織図がございますけれども松本大臣、まずこの組織図を見て御感想をお伺いしたいと思います。
  29. 松本龍

    国務大臣松本龍君) まず、緊急災害対策本部を直ちに、発災後、三時十四分でしたか、総理を本部長として立ち上げました。そういう意味ではここからスタートしたわけでありますけれども、同時に原子力の事故がありました。そういう意味では、ある意味では地震津波被害ということに私自身は集中をしてやってまいりました。  そういう意味では、被災者生活支援特別対策本部等々あります。そういった中で本部長として今やっているわけですけれども、大変これ、一見したら本当分かりづらいというふうに思われると思いますけれども、私どもはしっかり、例えば瓦れきの処理にしても、損壊家屋の撤去に関する指針を三月二十五日に発信をしました。ある意味では、これからまたいろんな課題がありますけれども、小宮山副大臣を先頭に緊急雇用、あるいは瓦れきの処理あるいは住宅再建等々いろんな私どものところにはチームがありまして、それぞれ私どもは機能を果たしているというふうに理解をしておるところであります。
  30. 佐藤正久

    佐藤正久君 中には複雑だとありましたけれども、これについてはまた別途議論したいと思うんですけれども、非常に中央政府の方にはいろいろなものができているんですよ。私、今日これから議論したいと思いますのは現地部分現地部分がやっぱりどうしても弱いように見えます。この前の予算委員会の審議でもいろいろ出ました。どうしても現地の方をもっと強化しないといけないというふうに私も考えています。  そこで、この前の参議院の予算委員会の中で、この福島には、地震津波現地連絡室に加えて、原子力災害現地対策本部がございます。その本部長は池田経産副大臣ですけれども、代行を含めて六回も交代している。それで、経産大臣は今後替わらないようにいたしますということを言われました。  実は、地震津波現地対策本部あるいは連絡室も同じような状況が起きていまして、これは内閣府からいただいた資料によりますと、宮城県で代表が七回、福島で五回、岩手でも五回交代しているんですよ、代表が。大臣、これについてはどう思われますか。
  31. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 政府としては、地震発生後直ちに宮城県、福島県、岩手県にそれぞれ政府調査団を派遣をして、三月十二日に仙台市に緊急災害現地対策本部を置きました。福島市及び盛岡市に現地連絡対策室をそれぞれ立ち上げ、地方公共団体と連携をして対応に当たっております。  情報現地共有をしながら連携を図っております。緊急災害現地対策本部の本部長はここにおります東内閣府副大臣でありますし、東内閣府副大臣現地対策本部が置かれている宮城県のみならず、岩手県及び福島県にも順次滞在をし、被災地状況を逐一把握をするとともに、現地における陣頭指揮を執ってきたところであります。  宮城県に置かれた緊急災害現地対策本部については、現地対策本部長である東内閣府副大臣が国会等の都合で不在のときは、阿久津内閣大臣政務官が本部長代行として指揮を執ってまいりました。岩手県におきましても、政府連絡対策室の室長は平野内閣府副大臣が担当し、被災者生活支援特別対策本部の副本部長という立場になられ、あるいは事務局長となられてからは東内閣府副大臣が指揮を執ったり、黒岩法務大臣政務官あるいは山花外務大臣政務官が交代で指揮を執っております。福島県は、吉田財務大臣政務官が連絡室の立ち上げ以来、一時的な帰京を除いて現地で室長として指揮を執っております。  以上であります。
  32. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、答弁はもっと短くしてください、限られている中ですから。  私が指摘したことは、経産大臣が反省したように、もっと固定化すべきなんですよ。でも、実際、東副大臣宮城県の、三県の対策本部長ですよね、ここにいることも本当はおかしいんですよ。国会対応というのではなくて、やっぱりある程度固定化すべきだと。  しかも、このいただいた資料によると、七回、五回、五回と宮城、福島、岩手で交代しているほかに、政治家の方が現地にいない日があるんですよ。内閣府からの資料によりますと、宮城県で三日間いない、福島県で一日いない、岩手県ではこれまで十七日間いないときがあるんですよ。岩手県では十七日いないと。  これはやっぱり問題であって、誰か、できれば当然固定化が望ましいですよ。しかも、誰もいないというのはおかしいわけで、そこはしっかりしていただきたいと。これは大臣が命じているわけですから、大臣に答弁を求めます。
  33. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 東内閣府副大臣が隣におられます。いろんな意味で全体を見ながら、様々な現地に行ったりしながら対応しているところでありますし、今言われたことも真剣に受け止めながらこれから対応していきたいと思います。  いずれにしましても、審議官、参事官、企画官等々、防災担当が常におりますし、連絡を取り合っており、手となり足となり、あるいは声を聞かせていただいて現状を訴えていただいてつぶさに対応していることは事実でありますので、御承知おきいただきたいと思います。
  34. 佐藤正久

    佐藤正久君 政治家がそこにいるということはやっぱり大事で、審議官じゃ判断できないところはありますよ、政治主導と言っている以上は。もう岩手においては十七日もいないというのはやっぱり異常だと思います。  特に福島の場合は、今二つの出先機関がありますよね。松本大臣も両方行かれたと思いますけれども、原発とあるいは地震津波、実際は連携しないとやれないところがいっぱいあります。例えば被災された方々、一つ避難所に、あなたはどちら、地震津波ですか、原発ですか、聞くこともできません。プレハブの方もそうです。  実際に二つの政府の出先機関、福島市にありますけれども、歩いて五分ぐらい掛かるんですよ。私も実際歩いてみました。これは一つの部屋にして、スペースもありますから一つの部屋にして、そこで両方連携しながらやった方が私はいいと思いますけれども松本大臣、お考えを聞きたいと思います。
  35. 松本龍

    国務大臣松本龍君) ただいま御指摘の原子力災害現地対策本部との連携につきましては、関係者が一堂に会する原子力災害合同対策協議会への参加を通じて情報共有あるいは意思統一を図っているところであり、連携は取れているというふうに思っております。
  36. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、やっぱり行ったら分かりますよ。かなり無理ありますよ。そばに、同じ部屋にいたらすぐ話できるんですよ。歩いて五分ですよ。しかもエレベーター等を使わないといけない。同じ部屋で、同じ政府の出先機関ですよ、そこで政治家同士が、トップ同士が話したらもっと早いじゃないですか。  私も自衛隊出身です。こういう運用をやるときに、部屋を分けてしまうのと同じ部屋、全然違いますよ、本当に。今本当に苦しんでいる人がいる、そうしたら政治はこたえないといけないんです。縦割りではなくて、これは地震津波、これは原発ではなくて、確かにそこは系統が違ったとしても同じ部屋でやった方が早い部分ありますから、そこはしっかりと考えていただきたい。同じ政府の人間ですよ。それぞれの役所から両方に出ている。私は同じ部屋であのスペースを見たら十分できるというふうに思います。  それと、実は一番大事なことは、今回、法に基づいてつくっている原子力災害合同対策協議会、これは福山官房副長官か松下副大臣の関係だと思いますけれども、これは政府現地対策本部と県と原発被害市町村が合同してやるんですよ、本来は。毎日十一時から会議はやっています。だけど市町村がいないんですよ、みんな散らばっているから。あれを見たら、今この時代ですから、テレビ会議とかあるいはスカイプ使えばいいじゃないですか。今やっているのは国と県だけで、肝心の市町村の人がいないんですよ。確かにLOを置いている。だけど、どうせ会議をやるのであれば、今そういうテレビ会議システムあるわけですから、それを使って毎日十一時から、それぞれの八町村の意見、こういうのを吸い上げてじかに話した方が早いですから。本当に今スピード感が大事ですから、そういう辺りを、副大臣、どうですか。やった方がいいと思いますけれども
  37. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) おっしゃるとおりだと思っています。  ただ、三月十一日のあの大地震、大津波、それによる被害が、とにかく現地に近かったオフサイトセンターという我々の現地対策本部、そこが機能不全になりまして、一切連絡が付かないような状態になった形で四日間おったわけですけれども、ただ一つ東京電力の通信系統でやっていたんですけれども、これではいけないということで福島県庁に持ってきて、そして大慌てであのフロアを借りてつくり上げたと。そのときに一緒に、同時に市町村の人たちも大急ぎで避難されていく、二十キロから出ていかれるということで、残った人たち、遠くに行かれた人たち、もうばらばらになりまして、その人たちの中で一緒に組み立てることは現実として不可能でした。  ですから、県庁や自衛隊の人たちを含めて、全体の中であの会議は毎日定期的にやっていましたけれども市町村の人たちに対しては電話連絡あるいは走っていってやる、それで所在を確かめて、どこにおられるか、そこで確かめてやっていくということの努力はしていました。今そのことはしっかりと一つのルールにのっとってやるようになることができるようになったということでございます。
  38. 佐藤正久

    佐藤正久君 そういうこともいいんですけれども、やっぱり今テレビ会議システムありますから、簡単にできますから、そういうものをやればいい。  例えば大熊町、大熊町の町役場は会津若松にあります。でも、今避難箇所が五十二か所に分かれているんです。もう町役場の人、本当に五十二か所を歩くだけで大変なんですよ。もうばてばてですから。であれば、そこに、役場の方にテレビ会議のシステムあれば、毎日、実際新しい状況をどんどん上げられるんですよ、十一時の会議に。それはそんなにお金掛かる話じゃありませんから、もう四十日過ぎているわけですから、どんどん取り上げていただきたいというふうに思います。  次に、避難区域設定関連の質問をいたします。  官房副長官、今回、残念ながら逐次避難地域が拡大しました。これからも更に拡大すると、計画的避難区域ということが予想されています。福山官房副長官、今まで何回ぐらい拡大したかと記憶ございますか。
  39. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) お答えいたします。  三月十一日に避難区域三キロ、これは全交流電源喪失で冷却機能を喪失したということで、まずは防災計画に従って三キロの方に避難をいただきました。これは緊急の措置でございます。その後、御案内のようにベントの議論がありました。そのときの三月十二日の明け方に十キロへの避難をお願いをいたしました。さらには、残念だったんですが、水素爆発が起こりました三月の十二日の午後、水素爆発の後に避難区域を二十キロに広げさせていただきました。さらには、三月十五日でございますが、二号機の圧力抑制室でいわゆる異音がしたということで、そのことも含めて、二十キロから三十キロの圏内の方に屋内退避ということでお願いをさせていただいた次第でございます。
  40. 佐藤正久

    佐藤正久君 残念ですけれども、拡大を逐次してしまったという部分、これ、避難された方々は物すごく負担がやっぱり大きくて、何回も何回も避難場所を変えたというのを官房副長官御存じのとおりだと思います。  今回、同心円状で避難をさせたということですけれども、今回不幸にしてSPEEDIが使えなかったということもあるんですけれども、これから先爆発はもう起きないことを願っておりますけれども、そのときに同心円プラス、SPEEDIが使えなくても、風向きをやっぱり首長さんたちに言ってあげるだけでも違うんですよ。  実は、私も自衛隊出身ですけれども、風向きというのはイロハのイで、例えばミサイルが落ちたといった場合、そこに化学剤が充填されているのか、核か何か分かりませんから、絶対風下にはみんな行かないんです、風上の方に逃げる。今回もその爆発が起きたときに避難地域を拡大したと。円プラス風向きを言うだけでも、風下の方は避けてくださいと言うだけでも全然違うんですよ。  結果として今回、相馬や南相馬の方々が十五日以降、わざわざ放射線量が高い飯舘とか川俣、浪江の津島の方に動いてしまったんです。あのときの風向きは南東とか南南東で、まさにその風下の方に多くの、五百人を超える方が移動して、結果的に相馬にいるよりも高い被曝量を受けた可能性があるわけです。風向き一個言ってもらうだけで違うんですよ。皆さん車洗うときだって、風上から洗うでしょう。風下から洗ったらみんな飛沫が来ますから。当たり前のことなんです。  次に、もうないことを願っていますけれども、SPEEDI使えないのであれば、これは風向きというものも併せて周知をするということだけでも全然違うと思うんですよ、首長の判断が。福山官房副長官の御見解をお伺いします。
  41. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 僕は、風向きを考慮に入れた方がいいという佐藤委員の御指摘は全くそのとおりだというふうに思いますし、最初の原子力発電所のいわゆるベント、水素爆発については非常に、電源が全部落ち、初めての状況の中で、予想がしにくい状況の中で、本当にこういった状況になったことは残念に思っているところでございます。  我々としては、現状、例えばベントの必要性とかが高まったような状況が起これば、当然我々はそのときの風向き、時間帯、さらには地域の住民の皆さんへの影響も含めて対応しようというふうに思っておりますので、まさにそれは御指摘のとおりだと思います。  ただ一方で、先ほどおっしゃられた、避難区域が広がったことが残念だとおっしゃったように承ったんですが、我々としては、とにかく住民の皆さんの安全が第一であるということ、放射性物質の被曝がない状況をとにかく条件として、環境としてつくりたいというふうに思いました。緊急の状況だったので二十キロ、三十キロという形の同心円状でやらせていただきまして、そして実測値が積み重なった今ですから、今、計画的避難区域、緊急準備区域の設定については、風向き、これまでの累積等を含めて判断をさせていただいているということでございます。
  42. 佐藤正久

    佐藤正久君 当然安全第一、それは国会議員も国民も当たり前の話であって、それをどうやって担保するかということを考えると、風向きというのは、あるいは風向、風速、これは基本ですから、これも併せて周知をしていただきたいと思います。  その関係で、資料二を御覧ください。これが文部科学省が原子力安委員会の方に提出した積算線量の推定値の分布図です。  文部科学大臣にお伺いします。  これは、これまでの実測値というものも踏まえて計算して、三月十一日から四月五日ぐらいまでですか、までの積算線量プラス四月六日以降の予測値というものを合わせてやったという結果がこれだと思います。ただ、一応、百とか五十とか三十ミリシーベルト、二十ミリ、線が等高線のようにありますけれども、これある程度幅を持った線だというふうに認識してよろしいですか。文部科学大臣に。
  43. 笹木竜三

    ○副大臣(笹木竜三君) これは実際にどういうような調査をしているかということですが、四月十一日に公表しているものですが、安全委員会そして保安院と共同で地震発生以降の累積の積算線量についてこれは推計を行ったということです。これは今までの空間線量率の実測値を踏まえた推計値、五十か所以上のものですが、それで推計で出しているということです。推計ですから幅というのは当然あるということです。
  44. 佐藤正久

    佐藤正久君 私も文科省の方から、これは今までの実績というものと推定値というものを合わせて作りました、だから幅があるものですということを聞きました。  となると、福山官房副長官、これ見ると、二十ミリシーベルトより強いところを計画的避難区域と言われていますけれども、これ二本松も掛かっているんですよ。よく見ると、川俣地区の山木屋以外に、一部二十ミリシーベルトが二本松の方に二か所掛かっているんですよね。一つは、川俣町と書いてあるところの下に丸書いていますよね。丸の下、一部もうこうして入っているんですよ、二本松の方に。下の方も、右下の方も入っているんですよ。実際にこれグーグルアースで見ると家もあるんですよ。ということを考えると、この辺りも非常に皆さん心配しているんですよ。  今、政府の方では川俣地区とそして飯舘というふうに指定しておりますけれども、この二本松地区の川俣あるいは浪江の方に近い部分、これについて、幅があると文科省は言っています、実際この線が掛かっている、これについてはどういうふうに評価をしているんですか。
  45. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 佐藤委員の言われる幅という幅の定義が非常に難しくて、これ住民の皆さんに誤解を与えますので気を付けて答弁をしなければいけませんが、飯舘村は、大変飯舘の皆さんには御不自由をお掛けすることになると思いますが、村全体として実は全体の線量が高いです。部分的に低いところということでいうと本当に僅かでございまして、恐らく地形の関係だと思いますが、高い状況になっています。  川俣町は、一部非常に高い地域がございまして、あとのところは非常に線量が低いので、我々の今の方針でいえば川俣町の一部の地域を計画的避難区域にさせていただくというふうに考えております。  そういった点でいうと、二本松の場合に面として、点としては高いところが若干見受けられるということは私も分かっておりますが、面としてどのように評価をするかというのは、モニタリングポイントをしっかりと設置をし、我々としては継続的にモニタリング調査をしながら今後も判断をしていきたいというふうに思っております。
  46. 佐藤正久

    佐藤正久君 安全という観点からすると、この政府が出した、これ公表されていますから、そこで二本松が掛かっているんですよ。それは責任がありますから、出した以上は。安全という観点から、じゃ、そこにおられる方々に対してどうするんだということはやっぱり説明しないと。確かに今、川俣と飯舘はやっています。じゃ、二本松はどうなんだと。これ出したのは、政府が出したやつですから、そこはしっかりしていただきたいというふうに思います。  次に、昨日文部科学省が発表された学校の安全基準、これで……(発言する者あり)今しゃべっているんです。それで、文部科学大臣が、結果的に年間二十ミリシーベルトという安全基準を前提として三・八マイクロシーベルト出されました。なぜこの二十ミリシーベルトが学校の安全基準として採用されたのか、その根拠をお聞かせください。
  47. 笹木竜三

    ○副大臣(笹木竜三君) ICRPの勧告で、復旧時、非常事態収束後の参考レベルが一から二十ミリシーベルト、そして緊急時の状況における参考レベルが二十から百ミリシーベルト、これは年間ですが。今現状は、少なくとも緊急事態ということはかなり収まっている状態であるとは思っていますが、しかし放射能はまだ完全に止まっているわけじゃないということで、この両方に掛かっている、今言った復旧時と緊急時の両方に掛かっている二十ミリシーベルト、この数値ということを設定の基準にしたということです。  もう一つは、この二十ミリシーベルトでずっと安心だということでは必ずしもなくて、今の数値は、ここ最近の数値を見るとずっと減衰をしています。毎日毎日落ちております、数値が。その傾向も合わせてこの二十ミリシーベルト、単純計算をした。しかし、この単純計算というのは、減衰していくことを考えずに今この測定時点のその数値がずっと続くという前提で計算をしているわけですから、これはかなり、この二十と取ったことで、大体今の基準とするのにふさわしいんじゃないかと思っているわけです。
  48. 佐藤正久

    佐藤正久君 今の説明だとお母さん方は全然安心できないと思いますよ。なぜ二十ミリで大丈夫かということをやっぱり説明し切らないと。  通常のときは一ミリシーベルトですよね。それで、放射線関係の作業者が防護をして、それが年間五十ミリシーベルトですから、通常。ICRPが百から二十、一番下取った、二十取ったと言っても、その二十の根拠が、説明し切らないと、やっぱりみんな不安なんですよ。実際、二十ミリシーベルトというのは、まず文部科学省が出している資料だと胸部レントゲン四百回分ですよ。そうでしょう。四百回分なんですよ。本当に子供に四百回分与えますか。普通与えないでしょう。二十ミリが医学的に安全だということを言い切って、分かりやすく説明してもらわないと、みんな不安なんですよ。  今回出したやつ、三・八マイクロの場合は一時間だけ屋外でいいと言うんです。でも実際には、うちの方もそうですけれども、通学に三十分、往復一時間掛かって歩くんですよ。そういうところは当然二十ミリを超えちゃうわけですよ。そうでしょう。今回は一時間だけいい、非常にその説明の仕方が曖昧だと。しかも、計画的避難区域は、今までの積算の被曝線量も考慮して二十ミリなんですよ。今回文部科学省が出したやつは、今までの積算の部分も入っていないんですよ。これからの一年間の計算しているんですよ。  安全ということを考えたら生活の中で考えないといけないでしょう、子供のことを。生活の中で考えたとしたら、家にいる場合あるいは学校にいる場合、両方あります。しかも、今までの積算線量、三月十一日からの積算線量に加えてこれからの推移というものを合わせてあげないと、みんなお母さん不安なんですよ。片や、計画的避難区域は積算線量と予測値を入れている。片や、学校の方、同じ二十ミリに合わせるために何か三・八を持ってきたように見えてしまうんですよ。  なぜここで、学校の場合、積算線量をカウントしなかったのか、あるいは通学の部分をカウントしてないのか、そこについての見解をお聞かせください。
  49. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) お答えを申し上げます。  委員のおっしゃるとおり、通学の問題を考えなければいけません。ですから、我々としては、子供たちの健康を第一に考えたときに、余りざくっとした大まかな計算ではいけないと思いましたので、我々としてはモニタリングを特に詳しめにやりまして、学校の校舎内のモニタリングもしました。校舎の中というのは、現実にグラウンド等から比べても十分の一から二十分の一になります。  そして、更に申し上げれば、先ほど委員がおっしゃられたように、一般的なレントゲンの写真四百回分ですから、子供の健康に直接に影響があるとは思えない数字ですし、さらに百ミリシーベルトを瞬時に当たったとしても、全体としては数十年後のがんの発生率が〇・五%増えるという、大人の場合でもその程度だという状況になっています。  更に申し上げれば、子供の場合には甲状腺にたまっての危険が出るわけですけれども、御案内のように、沃素の甲状腺にたまるのは、これは半減期の問題がありますので、一番多く出た沃素というのは三月の十四日、十五日前後でございますので、半減期的にいえば全く問題ないということの判断の中で今回の学校の基準を考えさせていただきました。
  50. 佐藤正久

    佐藤正久君 文部科学省からいただいたペーパーだと、今回の計算式、非常にざくっとしているんですよね。今までの累積線量入ってないんですよ、そうでしょう。屋外の三・八マイクロ掛ける八時間足す一・五二マイクロ掛ける十六時間、括弧閉じて、掛ける三百六十五日なんですよ。だから二十ミリシーベルトになっているんですよ。今は積算線量全然入ってないし、片や計画避難区域の方は入っているんです。  だから、そういう、もっと丁寧に説明しないと非常に誤解を招きますよ。片や、隣の町では計画的避難区域、これは積算線量を入れている。この学校の方は入れていない。今非常にどういうことが起きているかというと、もう学校あるいは幼稚園の入学辞退とかいうことも起きちゃっているんですよ。本当に丁寧にこれを説明しないと、なぜ片方がそれでいい、計画的避難区域は積算線量を入れて、こちらは積算線量を入れてない。非常に分かりにくいですよ。もっと丁寧に、福山官房副長官、これは説明しないと、本当に、特にお母さん方、御父兄に説明しないと大混乱になりますよ。やっぱり両方の整合性がないと分かりにくいと思います。  済みません、時間の関係で、今日はほかの方おられますので、しっかり後で説明してください。今言っても無理、なかなか絵とか何かがないと分かりにくいと思いますから。  それで、次に雇用調整助成金、これについて伺います。  厚労省の現在の考え方では、原発地域の二十から三十キロ圏内は雇用調整助成金が出ません。三十キロの外だと今助成金が出るという状況です。でも、実態は二十キロから三十キロの中でも多くの事業主の方がおられて事業をやっているんですよ。経済的な縮小の関係で、本当は従業員をそのまま置いておきたいんだけど、出ないために一部リストラしている人もいるんですよ。  また、これから緊急時避難区域というものもあります。今度は屋内退避ではありません。同じ区域です、二十から三十です。ここは別に法改正ではなくて、厚生労働大臣の判断があれば雇用調整助成金出せるわけですから、二十から三十で。実際、南相馬市だけで、今実態上は三万を超えて四万人ぐらいもう南相馬だけでいるという話もあるんですよ。ここは柔軟に対応していただきたいと思いますけれども厚生労働大臣の御見解をお伺いします。
  51. 小宮山洋子

    ○副大臣小宮山洋子君) 雇用調整助成金は、御承知のように、事業主が納めました雇用保険料で全て運営されています。ですので、災害や法令の規制等による休業といった事業主の共同連帯により対応すべきでないものについては、従前からこれは助成対象となっていないんですね。このため、原子力災害特別措置法に基づく屋内避難指示を理由とした休業につきましては、残念ながらこの雇用調整助成金の対象とはなりません。  でも一方、どこかで救わなければいけないということで、事業所が屋内退避指示を受けて休業し労働者が賃金や休業手当を受けることができない場合には、雇用保険の特例措置を適用しております。これは離職、職を離れていなくても失業手当がもらえると、こういう措置をとっておりますので、是非、事業主の皆様にはこの措置をしっかりと広報いたしまして、この雇用保険の特例措置を使って何とか雇用を維持していただきたいと、そういう対応を取らせていただいているところです。
  52. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然分かりにくいですよ、それは。  三十キロ圏外の方で、原発事故の対応で縮小したら出ているといいます、今回。三十キロ圏外は雇用調整助成金が出るんですよ、原発を理由としても。原発の関係でいろいろ今縮小していますよ、実際、風評被害を含めていろんな面で。そこは対象になっているんですよ。でも、三十キロ圏内の二十から三十で事業をやっている方々いるんですよ、実際に。そこの部分にやっぱり光を当ててあげないと、そうしたらもう失業状態になってしまったら、それはまた違う、仮に次のところに就職したときにその分が失業扱いになってしまったら、その分がもう期間から減免されてしまうという場合も、いろいろ弊害があるわけですよ。  実際に二十から三十で頑張っている事業主の方がいるんですよ。その方々も同じように救うと。ましてや、今回、福山官房副長官がこれから示す緊急時避難区域、これになるともっと多くの人が入ってきます、二十から三十キロ圏内でも。それは本当に雇用調整助成金、使えないようなままでいいんですか。
  53. 小宮山洋子

    ○副大臣小宮山洋子君) 委員がおっしゃったことでちょっと違っているところがございますのは、二十キロより外のところでこの雇用調整助成金が適用になっているのは、災害救助法の適用などで、その事業が行えない経済的な理由があるところで、そこと取引があるなど、三分の一以上そのことによって経済的な理由があるところという、そういう理由を付けたところでやっておりますので、そういう意味では、二十キロの中だけができないということではなくて、きちんと雇用調整助成金も今回特例措置をしておりますので、その範囲を拡大した中に当てはまるものについて適用しているということでございまして、この雇用保険の特例措置についてもしっかりと周知をすべく、いろいろな壁新聞とか様々な方法を取ってお伝えをしているところでございます。
  54. 佐藤正久

    佐藤正久君 今二十キロの中を言っているんじゃなくて、二十から三十の話しているんですよ。二十から三十、これ本当に政府の方でもう一回考えていただきたい。これ、どんどん帰ってきますよ、緊急時避難区域になったら。本当にその事業主に対して雇用調整助成金出さないんですか。これはもう一度考えていただきたいと思いますよ。今ですら多くの人がいるんです、頑張っている方々。  時間がないので、次に農業関係の実被害、政務官来られていますのでお伺いしますけれども、今回、原発被害という関係で、実際、農産物に出荷制限、摂取制限で大きな被害が出ております。これは原則的には原賠法の対象の範囲だと思います。だけど、これ原賠法、まともにいったら物すごくそのお金が出るのに時間掛かりますから、やっぱり何とか、実際実被害が出ている、特に酪農をされている方々、三十キロ圏外においてももう今出荷制限等で、乳は搾っても捨てるだけ、収入ゼロです。しかも、放牧もできないために餌代も跳ね上がっている。借金も当然ありますよ。やっぱり早くそういう手だてをしないといけないと思います。そういう声もいっぱい来ていると思います。  だから、ここ、文部科学大臣、審査会の方の指針を、できれば実被害で分かっている部分、これについては早く、今月中に一次指針でもいいですから出していただいて、それを五月の連休からすぐその辺の交渉に入るというぐらいのスピード感を持っていただきたいと思います。指針は一回、二回、三回に分けてもいいわけですから、特定できるものについてはどんどんやっていくというようなスピード感が必要だと思います。  それでは、文部科学大臣と農林水産省、それぞれの見解をお伺いしたいと思います。
  55. 笹木竜三

    ○副大臣(笹木竜三君) 今委員から御指摘がありましたが、緊急性の高いもの、あるいは賠償の範囲で蓋然性が高いもの、例えば政府指示による避難をしたということ、それにかかわるものですとか出荷制限とか、これはかなりはっきりしているわけですから、こういうものについてはおっしゃるとおり順次もう指針ができたものから発表するというそういう基本方針を、十五日に第一回目の会合をやりましたが、そこで基本的な方向で、姿勢で考えております。次回は二十二日、来週ですが、ここでこの指針の議論を早速行うということになっています。とにかく早く決まったものから出していくということをしたいと思っております。
  56. 田名部匡代

    大臣政務官田名部匡代君) 本当に先生の御指摘のとおりでありまして、農家皆さん、本当に苦しんでいらっしゃると思います。  一番最初の出荷制限が行われたのが先月の二十一日でした。その後すぐに農林水産省の中では、こうした農家皆さんへの仮払い的な何らかの形で応援ができないだろうかということが議論をされました。  当然、まずは東京電力にしっかりと損害賠償請求をして、そのお金が支払われるということが基本ですけれども、しかし先生がおっしゃったように、時間が掛かるということもありますし、その請求を取りまとめて上げるこの作業にも時間が掛かるということもありました。  こういった中で、もう今現在進められていることでありますけれども、JAグループと民間の金融機関も含めて、つなぎ融資という形をこれは自主的に行っていただけるよう、農林水産省と様々話をしながらその形ができて、現在は、農家皆様に無利子の融資であるとか買ったものの支払の期限を延ばすだとか、こういったことを行っていただいているわけであります。  しかしながら、やはり出荷制限、出荷自粛だけではなくて、風評被害も含めて、しっかりとした支援、支払が行われるべきだと思っておりますので、まず、今は農林水産省において、四月十八日、関係都道府県、それとまた関係団体で構成をする東京電力福島原子力発電所事故に係る連絡会議、これを開いて様々意見交換をしました。それに加えて、先ほどの損害賠償紛争審議会、これにおきまして、今言ったような風評被害まで含めたこういった補償を受けられるよう強く働きかけをしていく。最後に一つ、鹿野農林水産大臣も構成員となっておりますけれども、経済被害対策本部においても、まさに農業者の立場に立ってしっかりと後押しをしていきたいと考えています。
  57. 佐藤正久

    佐藤正久君 是非ともお願いします。  二十二日の会議で一次指針の中に具体的なものを出していただきたい。東電さんの百万円の仮払い、これは今回の三十キロ圏外は対象外ですから、是非ともこの四月中に指針を出していただきたいと強く求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  58. 秋野公造

    秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。  被災地皆様に、国民の皆様のお役に立てるよう、質疑に入りたいと思います。  まず最初に、先日、東京電力より福島原発の収束へ向けた工程表が発表されました。このとおり順調に進捗をした場合、放射性物質の放出はどれぐらいで収束すると考えられますか。
  59. 中西宏典

    政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。  今般の福島第一原子力発電所の事故につきまして、現状で、一歩一歩ではございますけれども、一応安定化の方向に向かっているということでございます。放射性物質の放出も減少傾向にあるというようなことを我々は確認をしてございます。  そういった中で、政府としては、東京電力さんの方に対しまして次への一歩といったことを早急に考えろというようなことを指示してまいりました。これを受けまして、この間の日曜日でございます十七日、東京電力から具体的な道筋というものが示されたというふうに考えてございます。  その中で、大きく二つのステップに分けて今後のアクションを示されてございます。一つ目は、原子炉及び使用済燃料プールの安定的な冷却状態を確立して、放射性物質の放出を抑制するということを明確にしておりまして、その第一ステップといたしまして、確実に放射性物質が減少するというふうなことを目指している、第二ステップといたしましては、その放射性物質の放出が管理され、放射能量が大幅に抑えられるということを目指しております。  その第一のステップにつきましては、大体三か月程度を目標にしてアクションを取るというようなことを聞いてございます。
  60. 秋野公造

    秋野公造君 まだまだ掛かるということですが、ステップワン、ステップツー、今後進めていく上で放射線レベルが高い地域での作業が非常に多くなってくることが考えられますけれども作業員の安全対策、どのように行っていますか。
  61. 中西宏典

    政府参考人(中西宏典君) 先生指摘のように、今後、事故の収束に向けた作業がいろんな形で出てまいります。そういった面では、放射線の管理といったことも含めまして、安全管理をしっかりと進めていくといったことが非常に重要だという認識でございます。  そのために、東京電力さんの方では、発電所に向かう際には事故対応の活動拠点としてのJヴィレッジ、そこを拠点にいたしまして、放射線防護の装備をちゃんと装着する、あるいはそこから出るときにはちゃんとサーベイを行うというような形での入退室管理をしっかり行うという形。あるいは、そこの中から具体的に発電所の中で作業を行うわけでございますけれども、ちゃんと防護服を着用し個人の線量計を携帯するというふうな装備をしっかりとすると。あるいは、東京電力の担当者が協力会社の方々を含みます作業をしっかり管理をするというふうな具体的な安全管理を行うというふうなことを聞いてございます。  原子力安全・保安院といたしましても、このような東京電力の取組をしっかりと監督していきたいと思ってございます。
  62. 秋野公造

    秋野公造君 こういった方々、今後フォローが必要になってきます。労働安全衛生法が変更されたことにより、百ミリシーベルト以上浴びた作業員の方々、今後フォローが必要になってきますけれども、こういった方々のリストをきっちり東電が作って今後のフォロー体制ができているということを確認をされていますか。
  63. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 副大臣からお答えいたします。  確認しております。大変重要なことでございますし、大事なことでございますので、名前も含めて詳しく持っていますけれども、線量も含めて、そのケアをしっかりとやっていかなきゃいかぬということで、しっかり対応してまいります。
  64. 秋野公造

    秋野公造君 ありがとうございます。  それでは、作業員の安全を守る緊急被曝医療体制について伺います。  福島県立医科大学にも行かせていただきましたけれども、これまで緊急被曝医療の体制の充実をお願いをしてきましたけれども、もとより、まず現時点においては、福島県立医大をボランティアベースでしっかり支えてくださっている長崎大学や広島大学など、先日例示をいただいた五つの大学と放射線医学研究所を支援をすることが急務であると考えますが、文科省としての対応、いかがお考えでしょうか。このままいつまでもボランティアベースで応援をいただくことは難しいと思います。
  65. 伊藤洋一

    政府参考人伊藤洋一君) 御説明申し上げます。  今回の東日本大震災におきましては、特に福島におきましては地震津波に加えまして原子力災害が発生するなど、求められる対応も非常に多岐にわたってございます。このため、福島、宮城、岩手に全国各地の大学医療機関から多くの医師、看護師その他いろいろなスタッフの方々が献身的な医療活動を行っていただいているところでございます。  特に福島県におきましては、原子力災害への対応のため、三次の被曝医療機関でございます放射線医学総合研究所、それから広島大学に加えまして、今先生指摘のございました長崎大学あるいは弘前大学を始め数多くの大学あるいは医療機関からの関係者の方々が御尽力いただいておられるというふうに承知してございます。  これらの大学の方々の応援による緊急被曝医療体制につきましては、今後、大学における人材育成の面を含めまして中長期的にしっかり対応してまいる所存でございますけれども、現在、現地で活動に従事されている方々、こういった方々の活動が円滑に行われるよう文科省としても努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  66. 秋野公造

    秋野公造君 よろしくお願いします。  人材育成は非常に重要ですが、平成二十二年度に終了した緊急時対策総合技術調査、防護対策技術調査を再検討していただいて、緊急被曝医療の幅広い人材育成を行っていただいた上で福島県立医大で見られた人材不足を補うことを提案しますが、文科省の見解いかがでしょうか。
  67. 伊藤洋一

    政府参考人伊藤洋一君) 御指摘のありました緊急時対策総合技術調査でございますとか防護対策技術の調査事業、これにつきましては当初の計画どおり二十二年度で終了しているところでございますけれども、これ以外に放射線医学総合研究所でございますとか、あるいは財団法人の原子力安全研究協会、こういったところにおきまして医療関係者の職種に応じた様々な研修を実施しているところでございます。  いずれにいたしましても、今般の原子力災害、従前の想定を超えるものであったことから、今後、緊急被曝医療体制につきましてもその再構築を含めて、原子力安委員会中心に事後の評価、検討が行われるのではないかというふうに認識してございます。そういった検討の結果を踏まえまして、緊急被曝医療関係の医療人材の充実強化、こういったことに必要な対応を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  68. 秋野公造

    秋野公造君 せっかく福島県立医大を支える、放射線医学研究所と五大学が中心になって支える体制が自然発生的にボランティアベースで起きてきましたので、こういったものは大事にすべきだと私は思います。  これを機会に、この六機関を災害対策基本法に基づいて緊急被曝に限定した指定公共機関に指定をして、平時より体制整備を行っていただくということ。それから、機械が足りません。検査をするための機械が全然足りませんので、かといってあの重たい被曝を検査するための機械を福島に運んできてということには今後ならないと思います。原発の立地条件を考えると、全部海岸べたにありますので、そういうことを考えると、船などを利用した形で緊急被曝医療体制を整備していくことを提案したいと思います。二つ提案したいと思います。検討していただけますでしょうか。
  69. 伊藤洋一

    政府参考人伊藤洋一君) 今後の緊急被曝医療体制の再構築につきましては、先ほど申し上げましたように、原子力安委員会中心に評価、検討を踏まえて検討していくべきものというふうに考えてございます。ただいま御提案のありました点についても貴重な提案として受け止めさせていただきたいと、このように考えてございます。
  70. 秋野公造

    秋野公造君 よろしくお願いします。  次に、四月六日の災害対策特別委員会でも取り上げさせていただきましたが、私の地元の九州、沖縄でも、建材、合板、電線などが不足をしておりましたので、国においてしっかり流通を確保してもらいたい、必要に応じて生活二法の発動も行うべきだと申し上げさせていただきましたが、その後の対応状況、いかがでしょうか。まず、建材と電線について伺いたいと思います。
  71. 末松広行

    政府参考人(末松広行君) まず、建材について御説明させていただきたいと思います。  大震災によりまして、岩手県、宮城県の合板工場が被災いたしました。これらの工場の生産割合は全国の三割ということでございました。こういう状況でございましたので、農林水産省におきましては、合板関係団体との情報交換会を開催し、また森林組合など合板の原材料となる国産材の積極的な供給について要請するなどしております。  合板業界は在庫を余り抱えないという流通実態でございましたので、他の建材、資材と同様に需給面での混乱が発生し、合板価格の上昇傾向も見られましたが、三月下旬から合板業界挙げてフル生産を行っているというのが今の現状でございます。徐々に混乱は収束に向かうものと思っておりますが、引き続き供給余力等の正確な情報政府と業界で共有できるように発信をしていきたいというふうに考えております。
  72. 秋野公造

    秋野公造君 今、合板について回答をいただきましたね。建材と電線についてはどうですか。
  73. 長尾正彦

    政府参考人(長尾正彦君) 断熱材、電線関係を含めてお答え申し上げたいと思います。  震災の発生によりまして、これらの物資の製造事業所も被災いたしまして一時的に生産量が減少し、あるいは物流が混乱したり計画停電の実施ということで、確かに直後は供給量が減少いたしたことも事実でございます。  そこで、私どもを含めまして国交省さん始め四省庁で住宅建設資材の需給に関する緊急調査を実施したところでございます。これは断熱材とか電線も含めてでございますけれども、その結果、先ほど申しました種々の事情によりまして供給量が減少している資材も見られましたけれども、現状では震災後の混乱が収まるにつれて正常化する面も多いというふうに受け止めております。  実際、既に被災工場も四月に入りまして順次操業を再開しているところもございます。それから、計画停電が回避されておりますので、逆にフル生産体制に入っている企業も出始めております。それから、例えば断熱材等でございますと、フル生産してもまだ足らない部分につきましては緊急輸入を開始したということで、四千トンを上回る規模の形で補完していると、こういう動きも出てきておりますので、こういったところを含めますと、供給量は震災前のレベルに戻りつつあるというふうに認識しております。  ただ、一部の製品ではまだ仮需が発生しているという指摘もございますので、全体的に市場が落ち着くには若干の時間が必要かと思われますけれども、私ども引き続き注視していきたいと思っております。
  74. 秋野公造

    秋野公造君 マス全体で見ると足りているけれども工務店レベルでいくと足りていないところがあるというのは、仮需が起きているということでよろしいですね。  若手の工務店関係の方と懇談の機会があったんですけれども、インターネットで見た価格で見ると、三割どころか二倍ぐらいに跳ね上がっているようなものも見られましたので、そういう意味では、現場との乖離を埋めるような調査も含めてこの仮需の対策、どうかよろしくお願いをします。  次に、観光における風評被害対策について伺います。  九州、沖縄でも十二万人の観光客キャンセルと伺いました。震災後、海外からの観光客が七割減ったということで、私も実は中国からの修学旅行生の受入れを準備しておりました。北九州市内においてエコ工場の見学、それから長崎市内においてホームステイを準備をしておりましたけれども、これは学校の意向ではなくて保護者の意向によって六月の修学旅行中止になってしまいました。すごく残念に思いました。本当にこういった風評被害を乗り越えるということは非常に難しいんだということを私自身も今回実感をさせていただきました。  そんな中で、たくさんの人数が来る国際会議さえもどんどんキャンセルが相次いでいるということで、これはもう本当に大きな問題だと思います。たくさんの人数が来てくださる国際会議がキャンセルが相次ぐと、これは地方経済にも大きな影響を及ぼしてしまうことになります。そして、この国際会議をしっかり招致する仕組みが今の我が国にはないではありませんか。  これ、しっかり補正予算組んででも、どんどんどんどん韓国やシンガポールに剥がされてしまっては、我が国の観光業界だけではなく地方経済にも大きな影響を与えると思います。しっかりやってもらいたいと思います。補正予算でやることも含めて検討してください。いかがですか。
  75. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) ただいま御質問のありました国際会議なりスポーツ・文化イベントがこの震災でキャンセルをされているというのは我々も承知をしております。これらのイベントというのは、非常に海外に日本をアピールする若しくは経済効果の高いもので、重要なものでございます。  これにつきまして、我々としては、まずは日本の実態を正確に情報を主催者に提供するということはやっておりますし、個別に、現時点でキャンセルされた例もありますが、また予定どおり開催するといった話も来ております。これらについては、個別の情報を取りながら、観光庁長官の方からその主催者当事者に対してレターを送って戻ってきた例が、六月の中部圏の経営関係の国際会議、それと七月に近畿圏で医学系の国際会議、これは参加人数七千人ですから、相当大きな会議はレターを送って理解を深めた結果、日本の開催がほぼそのとおりいくということになっております。  それと、予算の件ですが、我々としてもMICE等の活動は重要だという認識はしております。今回、いろいろ予算折衝の中で、全体予算の中でMICEという項目での予算は確かに計上できませんでしたが、ビジット・ジャパンの事業ということでは六十億円認められておりますので、この予算を大事に使いながら、是非国際会議の誘致率を上げたいというふうに思っております。
  76. 秋野公造

    秋野公造君 必要があれば補正予算を組んでやっていただくということでよろしいですか。必要があればでございます。
  77. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) 状況を見ながら、やはり国際会議の誘致が必要であるということになれば、多分財務省も同じ認識になって認められるかなというふうに思っております。
  78. 秋野公造

    秋野公造君 ありがとうございます。  何年も掛かって国際会議は誘致をされますので、今手を抜いておくと、これ、何年かたってからまたダメージが大きくなってきますので、どうか早急な対応をよろしくお願いします。  私も学校について伺いたいと思います。  四月六日の災害特別委員会で、半径二十から三十キロ圏内の小中学校、高校の始業式行えるのか、学校を開くことができるのかと質問させていただきましたところ、まだ決まっていないということでしたので、しっかり基準を作ってくださいと申し上げました。  まず最初に、原発半径二十キロから三十キロ圏内において学校は開かれておりますか。
  79. 尾崎春樹

    政府参考人(尾崎春樹君) お答え申し上げます。  半径二十キロと三十キロの間の、圏内の学校施設を用いて小中学校を開いているところはないと承知をしてございます。
  80. 秋野公造

    秋野公造君 先ほど佐藤委員からもお話がありましたが、二十ミリシーベルトという基準はICRPに基づいたという御答弁でありましたが、そもそも我が国のルールは、原子力安委員会が作った「原子力施設等の防災対策について」、これに基づいて対策を打ってきたのではありませんか。これに基づくと、十ミリシーベルトを超えると屋内退避というルールです。変わったんですか。これが変わったという助言を文部科学省が受けたのであれば、原子力安委員会が考え方を変えましたということを公表してから文部科学省は昨日の公表を行うべきではなかったでしょうか。見解を求めます。
  81. 伊藤洋一

    政府参考人伊藤洋一君) 御指摘の十ミリシーベルト、これは原子力安委員会が定めました屋内退避のときに用いられている指標でございます。具体的には、十ミリシーベルト以上五十ミリシーベルト未満の場合を屋内退避の場合の指標とすると。これは、いわゆる緊急時における防護対策に関する指針におきまして災害応急対策の実施のために定められているという性格のものと承知してございます。  先生よく御承知かと思いますが、国際放射線防護委員会、ICRPにおきましては、二〇〇七年勧告におきまして二つの緊急時における参考レベルというのを示してございます。一つは、事故が継続しているなどの緊急時の状況における参考レベルといたしまして年間二十ミリから百ミリシーベルト、また非常事態が収束後の復旧時における参考レベルといたしまして一から二十ミリシーベルト、こういう二つの基準を示しているところでございますが、また同時に、この二つの基準が同時に適用される、そういった地域の併存を認めているところでもあります。  さらに、ICRPにおきましては、三月二十一日に改めて、今回のような日本の非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとしては年間一から二十ミリシーベルトの範囲で考えることも可能であると、こういった内容の声明を出していただいてございます。  今回の通知、すなわち昨日福島に発出いたしました学校施設等の利用判断に関する暫定的な考え方、ここにおきましては、避難区域、計画的避難区域及び緊急時避難準備地域以外の地域の児童生徒の方が日常的に学校に通う際の校舎、校庭の利用判断における暫定的な考え方というものを示させていただきました。この通知におきましては、今申し上げたICRP二〇〇七年勧告の事故収束後の参考レベル、すなわち年間一から二十ミリシーベルト、これを暫定的な目安として用いると、あるいは今後できる限り児童生徒の受ける線量を減らしていくことが適切であるというふうに判断したところでございます。  なお、原子力安委員会におきましては、原子力災害対策本部からの助言の求めに応じまして、今申し上げたような考え方、これについて差し支えないとした上で、加えまして、関係する学校等において例えば線量計を配布するなど被曝状況を継続的に把握すると、こういった留意事項も示していただいたところでございまして、文部科学省といたしましては、これも踏まえて継続的なモニタリングを実施してまいりたいというふうに考えてございます。
  82. 秋野公造

    秋野公造君 これに基づいていたものをICRPの基準に変えるということであれば、これは文科省だけの問題なのか、ほかのものも全部ICRPに基づいてやるのか、それはどうか皆様、近いうちに公表してほしいと思います。  最後に、経済産業省、厚労省より福島県内の子供に対して小児甲状腺を中心とした健康モニタリングを行う検討がなされておりますが、安心を行うためのモニタリング、どうか文部科学省も御協力をいただくようお願いを申し上げます。  終わります。
  83. 上野ひろし

    上野ひろし君 上野ひろしでございます。  まず、防災関係予算について一点お伺いをいたします。  四月六日の災害対策特別委員会で、防災関係予算の推移とその策定の方針についてお伺いをさせていただきました。時間が限られていて確認し切れなかったところもありますので、改めて質問いたします。  まず、政府において予算を策定していく際には、ある分野、防災なら防災について中長期的にどういうことをやっていくのかという方針を立てて、またその上で、ある年度、その年に何をやるのかというこれも方針を立てて、その上で、ではどれぐらいの予算が必要なのかということをきちんと議論をした上で予算案をつくる、それを政府の中で議論をし、また国会で審議をするという過程を踏むものであると思っています。  一方で、この防災関係予算について言うと、各省がそれぞれ関係する部分について、個別に予算要求というのをやっておりますけれども、統一的な指針、方針、手順の下に政府として必要な予算額、防災予算額を要求をするといった形は取られていないのではないかと思います。  また、例年であれば七月ごろだと思いますけれども防災対策の重点、方針のようなものですね、それを中央防災会議で策定をしていたということでありますけれども平成二十三年度予算案の作成に当たってはこれも策定をしていないということであります。  我が国としてきちんとした防災対策防災体制を構築していくという観点から、まずきちんとした方針を策定して、それを踏まえて、各省がばらばらに予算要求するのではなくて、きちんと防災関係予算というくくりで統一的に予算を要求をしていく、議論をしていく、そういうことが必要なのではないかと考えますけれども、御見解をお伺いいたします。
  84. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 今大変重要な御指摘を上野委員からいただいたというふうに思っております。  防災関係予算につきましては、厳しい財政事情が続く中においても、必要な予算についてはしっかりと確保し、防災施策を推進をしてきたところであります。特に今大事なことは、建築物の耐震化の推進などにつきましては必要に応じて補正予算等も活用し、着実に推進をしてきたところであります。  今回の東日本大震災はマグニチュード九・〇という世界最大規模地震とそれに伴う津波により、極めて広範囲であり規模も大きい非常に甚大な被害が発生をしているところであります。この度の大震災を踏まえて、今後起こり得る災害に対しても施策を強化していくことが必要と考えております。  今委員指摘の、中長期的な観点からという御指摘は非常に重要なことでありまして、そういう中長期的な見通しの下に毎年度必要な予算を確保することが大切であるというふうに考えておりますので、これからも鋭意努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  85. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  防災関係予算、これは単年度についてもそうなんですけれども防災関係予算全体を見るという視点が余りなかったのではないかと思います。これも前々回の委員会指摘をいたしましたけれども防災関係予算がピーク時から三分の一まで減っているということもそういったところにも原因があるのではないかと思います。是非政府全体として防災対策をどういう方向でやっていくのかというのを、きちんと方針を示した上で対応いただきたいというふうに思います。  次に、震災発生後の景気の状況について質問したいと思います。  震災発生後、地震等による直接の被害、それに加えて、例えば計画停電、それから風評被害、また自粛の問題等々、いろんな影響があったのだと思います。被災地以外のところも含めて、今の我が国の景気の状態というのをどういうふうに見られているのか、また今後の見通しはどうなのかという点についてお伺いをしたいと思います。
  86. 齋藤潤

    政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。  東日本大震災発生後の景気動向を、被災地及び被災地以外を含めて我が国全体として見てみますと、被災地において地震の直接的な被害が見られたことは言うまでもございませんが、被災地以外に対する部品供給の停滞、いわゆるサプライチェーンの寸断といったことも生じておりまして、これらによって生産活動の低下が見られております。また、電力供給の制約やマインドの悪化等によって消費の弱まりというのも生じておりまして、こうしたことから、最近まで持ち直していた景気ではございますけれども東日本大震災影響によってこのところ弱い動きとなっているというふうに認識をしております。こうしたことは、例えば端的に言いますと自動車の生産とかあるいは販売の減少にも表れております。三月の自動車販売台数を見てみますと、前月比二五%の減ということで大幅な減少になっております。  今後の見通しでございますけれども、当面は震災影響から弱い動きが続くというふうに見込まれております。その後、生産活動が回復していくのに伴いまして景気は持ち直していくということが期待されますけれども、電力供給の制約あるいはサプライチェーンの立て直しの遅れなどによって景気が下振れするリスクが存在するということには注意が必要であるというふうに考えております。今般の震災の与える影響につきましては、今後とも十分に注視してまいりたいと思っております。
  87. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  足下は非常に厳しい状態だということなのではないかと思っています。  ここで、また予算のことについてお伺いをしたいと思います。東日本大震災の復興財源として公共事業費の五%分について執行を留保するということだと思います。  被災地復旧・復興、これはもちろん大変大事なことですので是非最優先でやるべきことなんだと思うんですけれども、一方で、被災地以外の地域で既に公共事業費というのは近年大幅に削減をされておりますので、それを更に五%カットされるということになると大きな影響が出てくるということではないかと思います。  防災という観点から申し上げても、今回たまたま三陸沖で地震が発生をいたしましたけれども、もちろん次はどこで災害が起きるか分からないという状況であります。日本全体として災害に強い国土をつくる必要があるという、そういう中で防災関係予算の大きな部分を占める公共事業費を削減するということになると、東北地方以外の地域災害に対する対応力が低下をするおそれがあるのではないかと思います。  まず、この件について御見解をお伺いしたいと思います。
  88. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 経済に対する影響というのは、先ほども合板の関係あるいは建材、断熱材の関係等々、私も九州ですけれども、いろんなところで不足をしているという状況があるということで、震災に遭われた方々もう本当に大変な状況でありますけれども、今大変重要な御指摘だというふうに思っております。  四月一日の閣議におきまして、財務大臣から、二十三年度予算の執行に当たっては公共事業、施設費において五%を一つのめどとして執行を一旦留保した上で、今後必要な事業を見極めながら、東日本大震災対応にかかわるもの、国民生活の安全、安心にかかわるもの等については留保を解除しつつ被災地への重点化を図るよう発言があったところであります。  このように、壊滅的な被害を受けた被災地への重点化を図りつつも、他方において日本全体の防災対策や景気に与える影響にもしっかりと配慮をすることが委員指摘のとおり大切だと思って取り組んでおります。
  89. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  中身について配慮するということでありますけれども、いずれにしろ、公共事業費が削減をされれば災害対応力というのは弱くなるわけであります。きちんと配慮をいただければと思います。  また、加えて、先ほどお話がありましたように、足下の景気が随分落ち込んでいるということであります。そういう数字がある中で、公共事業費を削減する、また留保して仮に執行するということになっても、執行の後ろ倒しということになりますから、景気に与える影響というのは随分大きなものがあるのではないかと思います。  これからまた予算の議論というのもあると思いますけれども是非政府として、被災地のことについて御配慮いただくのはもちろんなんですけれども、日本全体の公共事業、防災対策、景気はどうあるべきなのかという観点から、きちんと予算においても配慮をいただきたいと思います。  次に、私も観光産業についてお伺いをしたいと思います。  風評被害影響というのは随分大きいのだと思います。観光産業への影響については随分これまでも議論させていただいておりますけれども、最近幾つか報道も出ておりますけれども、ゴールデンウイークそれから夏休み期の観光需要についてどのように把握をされているのかということをまずお伺いをしたいと思います。
  90. 武藤浩

    政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。  震災の発生以降、被災地はもとより、直接被害を受けなかった地域におきましても、全国的に旅行や宿泊施設の予約のキャンセルが続発するなどの影響が出ております。四月に入りましてもまだ震災影響が払拭できていないのは事実でありますけれども、旅行を見合わせる動きは鈍化をして、旅行需要も徐々に回復基調にあるというふうに今認識をしております。  ゴールデンウイークの全国的な旅行動向につきましては大手旅行会社の調査がございますが、国内旅行が前年比二七・八%減の千五百六十五万九千人、それから海外旅行が前年比一六・六%減の四十三万一千人という見通しであります。特に国内旅行、全般に予約は減っておるわけでありますが、地域別に見ますと、関西、九州、沖縄、そういった方面への人気が高いというか、予約が堅調だと、そういう傾向がございます。  夏休み時期の旅行動向につきましてはまだ数字は持ち合わせておりませんけれども、自粛ムードの払拭などによってゴールデンウイーク以上に旅行需要が回復することを期待しているところでございます。
  91. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  まず、国内旅行について言うと、ゴールデンウイークは約二八%減ということであります。関西、九州については好調なところもあるということで、逆に言うと、関東、東北、北海道は随分厳しい状況なのではないかと思います。  そういう中で、これも一昨日報道があったところですけれども、四月二十三日から予定をされていた青森デスティネーションキャンペーン、これはJR各社と青森県などの関係者が協力して行う大規模な観光キャンペーンですけれども、こういった民間と地域が協力をして行うキャンペーンというのは、是非国土交通省政府としても支援をすべきではないかと思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
  92. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) 今御指摘がありましたように、民間で観光で頑張ろうという動きが出ておりますので、観光庁としてもできるだけのことはしたいというふうに思っております。  今までやっていることを紹介しますと、まず十二日に観光庁長官から観光関係者に対して、観光で日本を元気にしよう、復興する日本の姿を世界の人々に見ていただこうというメッセージを添えて関係者の皆さんにレターを出させていただきました。  それを受けてということかどうかというのはちょっと分かりませんけれども、二十一日に日本観光振興協会が東北復興支援の集いというのを開催をします。東北の観光面での支援を誓うとともに、全国的な観光の活性化につなげていこうという動きが観光団体で出ておりますので、国土交通省としても、これらのキャンペーン等イベントについて、できるものについて全て協力をしていきたいというふうに思っております。
  93. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  先ほど申し上げた青森のデスティネーションキャンペーン、これは被災地ということもあって、開催するかしないか随分議論があったということだと思います。そういう中で、このデスティネーションキャンペーンは、被災地を元気にしていくという観点からもしっかりやっていこうという方向性を出されたというところだと聞いています。また、同じく風評被害で多大な被害を受けている群馬県においても、青森の次、七月一日からデスティネーションキャンペーンをやられるということであります。  これは一例ではありますけれども各地域、民間含めて地方自治体と協力をして観光振興のために取り組まれているケースは多いのだと思いますけれども是非政府としてもきちんとした支援をしていただきたいと思いますけれども、まさにこういったデスティネーションキャンペーンのような例について御支援いただけるかどうかという話を、もう一度確認でお願いをしたいと思います。
  94. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) 具体的にどういうケースが出るかというのは、個別にお話をしながら、必要なものは全てやるということで御認識をいただいて結構だと思います。
  95. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。
  96. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  初めに、復興構想会議がつくられた経緯、目的、性格を簡潔に説明していただけますでしょうか。
  97. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) お答えをいたします。  未曽有被害をもたらした東日本大震災からの復興に当たっては、第一に、被災者被災地の住民の意見を、思いを反映をしなければいけないというふうに思いますが、同時に、国民全体がしっかりとこの大震災をとらえてどのような役割を担っていくかということを考えることも必要不可欠であると考えます。ですから、復旧段階から、復旧だけではなく未来に向けた創造的復興を目指していくことが重要であると考え、この復興構想会議を設置するに至りました。  そのためには復興に向けた指針を策定をしなければなりませんので、復興構想について我が国の英知を結集し、幅広く御議論いただくために、四月の十四日に第一回を五百旗頭議長の下に開催をさせていただきました。  この会議の目的といたしましては、政府はこの会議からいただく提言を受けて速やかに復興に向けた指針に反映させ、一丸となって復興に取り組んでまいりたいと考えております。
  98. 山下芳生

    山下芳生君 復興会議議長の五百旗頭真氏が十四日の初会合で、十六年前の阪神・淡路大震災被災がかわいく思えると発言したと報じられております。  官房副長官、事実ですか。
  99. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 復興構想会議の今現在の会議の運営のルールとして、どなたがどういう発言をしたかということを具体的に固有名詞を挙げて言うのはそれぞれ自制をしようと、しかし自分が発言をしたことについては、私はこういうことを主張したということについてははっきりとメディアもまた外に向けても公言をしていいという形で動いておりますので、議長がどのように発言したかについてはここでは控えさせていただきたいと思います。
  100. 山下芳生

    山下芳生君 いや、自分がおっしゃったから載っているんだと思いますけれども。共同通信でそうはっきり言ったということが配信されていますから、これは否定されませんね。
  101. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) まさにそのルールの下で議長が言われたならそういうことだと思います。
  102. 山下芳生

    山下芳生君 私は、阪神・淡路大震災被災地からの反発を招きかねない発言だと報道されておりますけれども、そのとおりだと思うんですね。実際、阪神・淡路の被災地からは、失礼な言い方だと、どれだけ阪神・淡路の人が苦労したか分かっていない、ましてや五百旗頭氏は神戸にいて悲惨な事実を目の当たりにしていながらあんな発言をするとはという声が伝わっております。  防災担当大臣、この発言は不適切、不謹慎だと思いませんか。
  103. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 十六年前の一月十七日の阪神・淡路大震災、私もかかわってまいりました。六千四百三十四人の方が亡くなって三名の方が行方不明ということで、私も三か月か四か月ずっとかかわってまいりました。五百旗頭先生も自らが被災され、復興のプラン等を担当されたというふうに思っております。  そういう意味で、今回の震災がマグニチュード九・〇という世界的にも最大規模の発災ということで、未曽有の複合的な原子力を含めた災害であるというふうにとらえられているというふうに思います。このような大災害からの復興構想をまとめる議長としての重大なある意味では責務、会議に懸ける決意を述べられたというふうに私は思っております。
  104. 山下芳生

    山下芳生君 仮にそういう決意の表れとしても、阪神・淡路大震災がかわいく思えるという表現をするのは不適切だと私は思いますが、阪神・淡路大震災を知っている防災大臣、そう思わないですか。
  105. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 自らも被災をされた経験からそういう発言に私はなったというふうに思います。いろいろな解釈の仕方もあろうかと思いますが、五百旗頭先生がそういうふうに言われたときに、私も、まあちょっとそういう発言でいいのかなと思いましたけれども、ある意味では、被災をされたということを思えば、やっぱりそういう重大な今度の災害に対して決意を表されたとの理解をしております。
  106. 山下芳生

    山下芳生君 実際に、阪神・淡路からは大変な失礼な言い方だという声が返ってきているわけですね。これははっきり言って不適切だと認めないと駄目ですよ、私は、担当大臣としてですね。  実は、私は、阪神・淡路大震災の年に参議院に初当選させていただきました。災害対策特別委員となって、被災者生活再建支援、とりわけ住宅再建支援の必要性を当時の村山首相、その後の橋本龍太郎首相に直接訴えました。しかし、当時の政府は、私有財産制の国では個人の財産は自己責任が原則だという、このゆがんだ自己責任論で個人の住宅再建支援を冷たく拒否したわけです。そのことがどれだけ阪神・淡路の被災者を苦しめたかと。  私は、今回の五百旗頭発言というのは、その当時の拒否した政府の責任を免罪することにもなる重大な発言だと、かわいく思えるなんというのは。不適切だと思いませんか、防災大臣
  107. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) その阪神・淡路大震災のときの反省を踏まえて、別に私どもという気はありませんが、民主党が議員立法を出し、自民党も公明党からも法案が出てきて、あの私有財産だけは拒否するというものが今変わって、そのことが今回も対応に対しての第一歩になっているというふうに私自身は理解をしております。  さらには、五百旗頭議長のことに関して申し上げれば、先ほど松本防災大臣もおっしゃられましたように、五百旗頭議長自らが被災をされました。さらには、五百旗頭先生のゼミ生が一人地震で亡くなられました。お嬢様だと思いますが、お嬢様が家がなくなったので別の地域にある意味でいうと避難をしながら生活をされた経験もお持ちです。  今回、五百旗頭議長はこの復興構想会議の議長をやられるに当たって、本当に毎日毎日どうこのことを、被災地皆さんの心を受け止めてやれるのかということを考えておられますし、いち早く現地も御覧になられましたし、全く山下先生の御指摘のような気持ちで言われたんだというふうに私は思いません。とにかく懸命に、復興に向けて何とか力になりたいという思い一心で今も臨んでおられるというふうに私は考えております。
  108. 山下芳生

    山下芳生君 もうこれ以上はやめておきますけれども。  さっき言いました、住宅再建支援は阪神・淡路の被災者皆さんにはなかったんですね。それでも諦めなかったんです、阪神・淡路の人たちは。粘り強く運動して、政治を動かして、そして被災者生活再建支援法が作られました。それが何度か改正されて、さっき官房副長官もおっしゃったように、全壊世帯に三百万円住宅再建支援金が支給されるようになったわけですね。阪神・淡路の皆さんは、全くこれは恩恵ないんです。恩恵ないけれども、粘り強くつくった、自分たちが頑張ってできたこの制度が、今、東日本大震災被災者生活再建の大きな土台となろうとしていることを阪神の皆さんは我が事のように喜んでおられますよ。それが私は社会が進歩することだと思っております。  戦後未曽有の大災害であるこの東日本大震災の救援、復興に責任を持って当たろうとする者、私たちも含めてですけれども、その者は、やはりそういう歴史を忘れてはならない、歴史をしっかり踏まえて、その歴史を更に進歩させる決意と構えで当たらなければならないと、これは自分にも言い聞かせておるわけですが、その思いから私は五百旗頭発言にこだわらせていただきました。  次に行きます。  歴史を踏まえるという点でもう一つ。復興計画の作り方であります。  国が上から押し付けるのではなくて、何よりも被災者の意見を反映して作る、被災地の住民が参加して作ることが大事だと思っております。それは基礎自治体である市町村の仕事だと思います。そうやって住民参加で作った市町村の復興計画を県と国が支援することが基本であるべきだと私は考えますが、防災担当大臣認識を伺いたいと思います。
  109. 松本龍

    国務大臣松本龍君) 今、復興構想会議、いろいろこれから議論をなされるというふうに思っております。今、山下委員、大変重要な御指摘でございますが、阪神・淡路のときも一番、今となっては一番大きなものは何だったかというと、住まいも大事ですけれども、つながりという言葉が一番大事だというふうに私も記憶をいたしております。そういう意味では、地域のつながりやきずなをしっかり強める復興構想でなければなりませんし、地域の伝統や産業、そして様々な地域の住民の合意形成があって初めて復興構想というものがあるというふうに思います。まさに構想もそこの人たちの、住民の合意形成をしていきながら、ある意味では大きな構想をそこで提示をしていただくという仕組みが必要なのかなというふうに思っております。
  110. 山下芳生

    山下芳生君 復興構想会議のメンバーの皆さんの発言を聞いておりますと、ちょっと心配になるんです。例えば五百旗頭議長は、復興構想会議がモデルや水準を示したいと、こう発言されております。河田惠昭関大教授は、人工地盤、高台造成、海岸砂丘などの提案をされております。それから、村井嘉浩宮城県知事は、水産業、農業規模を集約化すべきだと、こうおっしゃっています。被災された住民、被災者の方々が本当にそういうことを望んでいるのかということを考えると、私はちょっと心配になるわけですね。  先週、宮城県東松島市のある避難所を訪ねまして、津波住宅が壊れ、農地が海水につかった農家の方からこう聞かされました。農家の淘汰、大規模農家の形成、飯米農家の切捨てが行われるんじゃないかと心配だと、こういう声ですね。  官房副長官に伺いますけれども、復興構想会議被災者の意見、被災市町村の復興計画を反映させるという仕組みはありますか。
  111. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 山下委員御案内のように、復興構想会議には宮城県、岩手県、福島県の各知事にも委員にもちろんなっていただいております。  そして、復興構想会議の下に検討部会というのがつくられておりまして、これはより専門家の皆さん現地のことも含めて御議論いただくという検討部会でございますが、今日、第一回目が行われました。もちろん、岩手大学の農学部の先生東北大学の津波の専門家の先生も含めて、多くが地元を歩いた結果を今日もお示しをいただいて、議論をいただいております。  地元の市町村の意見、住民の皆さんの意見、そして県の知事さんや県の意見を聞いてこの復興構想会議の全体の構想は作られなければならないのは、全くにもう言うに及ばず私は当然のことだというふうに思いますので、山下委員の御指摘を踏まえて、そのようにきっちりと対応していきたいと思っております。
  112. 山下芳生

    山下芳生君 市町村の意見を聞くのは当然だということでしたから、そうなるように注視しておきたいと思いますが、阪神・淡路のときには県が作った計画に住民の意見が反映されなかったという、これはマイナスの教訓だと思います。住民が避難所に避難している間に、再開発やそういうプランが上から押し付けられました、区画整理などが。それが非常に住民を苦しめましたので、やはり住民参加がないと、幾ら県が決めたといってもこれは非常にまずいことになると。これは是非生かしていただきたいと思います。  それからもう一つ、五百旗頭議長は初会合で震災復興税の創設を提唱されましたが、これ新税の創設や増税提案をする権限まで与えられているんですか。
  113. 福山哲郎

    内閣官房長官(福山哲郎君) 実は、先ほど私が申し上げた、誰がどのように発言をされたかということを、それは自身の責任で発言をしていただきましょうと言ったのは、今のような議論が起こるからです。  つまり、五百旗頭議長は恐らく、御自身の発言ですから、御自身でそういう発言をしたというふうにお述べになったんだろうというふうに思いますが、五百旗頭議長が財源としての震災復興税について考えられたのは御自身の考え方として御披瀝をいただいたんだと思います。  復興構想会議は何度も行われます。また、検討部会のアイデアや考え方もどんどん入れ込んで議論をいただくことになっております。もちろん現地視察や現地の御意見もいただきます。一個一個の会で、それぞれの御自身の、それぞれの委員先生方が発言されたことの言葉じりをとらえて一つ一つチェックするような状況だと自由闊達な議論がされないから、そういうルールにしようというのが五百旗頭議長の私は御発言の趣旨だったというふうに思っておりまして、震災復興税の話が五百旗頭議長から御自身から語られたとしても、それは一つの考え方として申されたことだろうというふうに私は推察をいたしますし、そのことが別に一回目の会議で合意されたわけでもないし、合意形成されたわけでもありませんので、そこはまず自由に御議論いただくということで、私はそれでいいのだと思っております。
  114. 山下芳生

    山下芳生君 実は同じ委員の玄侑宗久さんが御自身のホームページの中でこの復興税について、それについての議論は何もなされていないし、無論決議もしていないと、それにしても、復興構想会議は、机上の青写真では済ませたくないが、財政まで考える組織だったのだろうかと疑問を呈しておられます。  私は、上から復興計画を押し付けるというようなことに、こんなことになってはならない、それから国民に復興税と称して消費税の増税を強要するようなことになってもならない。しかし、今そういうふうになる兆しが早くも見えてきていると、こう感じているわけであります。そうなるのか、ならないのか。なってはならないと思いますが、厳しく今後注視をしていきたいということを申し上げて、時間が参りましたので、終わります。
  115. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  116. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災による被害状況等の実情調査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. ツルネンマルテイ

    委員長ツルネンマルテイ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時七分散会