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2011-09-09 第177回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年九月九日(金曜日)    午後二時開会     ─────────────    委員異動  九月六日     辞任         補欠選任      山本 博司君     荒木 清寛君  九月八日     辞任         補欠選任      高橋 千秋君     中村 哲治君      友近 聡朗君     大島九州男君      金子原二郎君     鶴保 庸介君      秋野 公造君     山本 香苗君      上野ひろし君     小熊 慎司君      山下 芳生君     井上 哲士君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松下 新平君     理 事                 大島九州男君                 平山 幸司君                 加治屋義人君                 佐藤 信秋君     委 員                 相原久美子君                 加賀谷 健君             ツルネン マルテイ君                 轟木 利治君                 中村 哲治君                 平山  誠君                 吉川 沙織君                 青木 一彦君                 岸  宏一君                 鶴保 庸介君                 若林 健太君                 荒木 清寛君                 山本 香苗君                 小熊 慎司君                 井上 哲士君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        平野 達男君    副大臣        総務大臣    松崎 公昭君        国土交通大臣  奥田  建君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        郡  和子君        総務大臣政務官  福田 昭夫君        国土交通大臣政        務官       津島 恭一君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        内閣府政策統括        官        原田 保夫君        消防庁国民保護        ・防災部長    佐々木克樹君        厚生労働大臣官        房審議官     篠田 幸昌君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        関  克己君        国土交通省鉄道        局長       久保 成人君        気象庁長官    羽鳥 光彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (平成二十三年台風第十二号による被害状況等  に関する件)  (平成二十三年台風第十二号により被災した道  路の復旧に関する件)  (災害対応の観点に基づく道路整備必要性に  関する件)  (速やかな激甚災害指定等の国の支援必要性  に関する件)  (災害時の避難勧告指示及び住民避難の在り  方に関する件)  (河道閉塞深層崩壊等土砂災害対策に関す  る件)  (平成二十三年七月新潟・福島豪雨の際の河川  管理の在り方に関する件)  (上水道等ライフライン復旧の見通しに関  する件)     ─────────────
  2. 松下新平

    委員長松下新平君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  平成二十三年台風第十二号により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立を願います。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 松下新平

    委員長松下新平君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  4. 松下新平

    委員長松下新平君) 委員異動について御報告いたします。  昨日までに、山本博司君、金子原二郎君、山下芳生君、秋野公造君、上野ひろし君、友近聡朗君及び高橋千秋君が委員辞任され、その補欠として荒木清寛君、鶴保庸介君、井上哲士君、山本香苗君、小熊慎司君、大島九州男君及び中村哲治君が選任されました。     ─────────────
  5. 松下新平

    委員長松下新平君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松下新平

    委員長松下新平君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事大島九州男君を指名いたします。     ─────────────
  7. 松下新平

    委員長松下新平君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官原田保夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松下新平

    委員長松下新平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 松下新平

    委員長松下新平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  平成二十三年台風第十二号による被害状況等に関する件について政府から報告を聴取いたします。平野防災担当大臣
  10. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 平成二十三年台風第十二号の被害状況及びその対応につきまして御報告をいたします。  まず、この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対しまして深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。  台風第十二号は動きが遅く、上陸後も大型の勢力を保っていたため、台風周辺の暖かく湿った空気が長時間流れ込み、特に紀伊半島では、降り始めの八月三十日十七時からの総降水量奈良県上北山で千八百八・五ミリ、三重県宮川で一千六百二十・五ミリを記録するなど、西日本から北日本にかけて広い範囲で記録的な大雨となりました。  この台風により、多数の土砂災害河川の増水、はんらんなどが生じ、全国で非常に大きな被害が生じています。昨日までに把握しているところでは、人的被害としては、和歌山県で三十八名、奈良県で六名など死者五十四名、行方不明者五十四名、重傷者二十四名、軽傷者七十七名、住家被害としては、床上・床下浸水一万七千九百八十七棟、全壊、半壊、一部破損二百十六棟、非住家被害としては百二棟となっております。また、道路寸断により多数の地区孤立状態に陥るとともに、断水や停電、固定電話回線使用不可携帯電話の停波、鉄道運転休止農林水産関係被害などが生じております。  この災害に対する政府対応といたしましては、九月四日、野田内閣総理大臣から私への、人命救助を第一に、被災者救出救助を始めとする災害応急対策全力を尽くすこと、被害状況の迅速、的確な把握に努めること、関係省庁地元自治体と連携し、復旧復興対策政府一丸となって緊張感を持って取り組むこととの指示を受けまして、同日二十時、私を本部長とする非常災害対策本部を設置いたしました。  これに先立ち、同日十時三十分、私と阿久津内閣大臣政務官出席の下、台風十二号に関する災害対策関係省庁連絡会議を開催いたしまして、政府被災県、被災自治体一体となって、災害応急対策に万全を期することを確認をいたしております。  また、同日午後には、被害状況把握を行うとともに、被災地方公共団体と連携を取るため、阿久津内閣大臣政務官団長とする政府調査団和歌山県及び三重県に派遣いたしました。九月六日には私も被災地に入り、政府調査団と合流した上で、和歌山県、三重県及び上空から奈良県を現地調査いたしました。  和歌山県では、和歌山県知事や那智勝浦町、新宮市の関係者から、三重県では、三重県知事や紀宝町の関係者から被害状況について御説明いただくとともに、被災現場調査を行いました。さらに、同じく六日には、前田国土交通大臣団長とする政府調査団奈良県へ派遣し、奈良県知事五條市、十津川村、川上村の関係者から被害状況について御説明いただくなど、現地被害状況をつぶさに調査してまいりました。本日は、野田内閣総理大臣後藤内閣府副大臣とともに、和歌山県、三重県及び奈良県を視察しております。  非常災害対策本部会議はこれまで四回開催し、政府一丸となって被災自治体との連絡調整を行いつつ、様々な対策を実施してきております。  具体的には、行方不明者捜索救助活動につきましては、三重県、和歌山県、奈良県において、延べ四千五百七十名の自衛隊員災害派遣活動に従事し、人命救助物資輸送などの活動を行っています。また、孤立地区への対応として、通信手段がない地区には衛星携帯電話簡易無線を配備するとともに、ライフライン復旧につきましては、例えば厚生労働省の要請などにより日本水道協会が調整し、水道事業体給水車による応急給水を行うなどの対応を行っております。電気についても、民間事業者復旧作業に徹しているところであります。また、道路復旧につきましては、国・都道府県管理道路通行止め区間は、最大三百五十か所であったところ、二百二十七か所に減少しております。さらに、国土交通省緊急災害対策派遣隊、いわゆるテックフォース被害状況調査復旧方針等の技術的な支援、助言を行っております。特に、河道閉塞箇所につきましては、国土交通省土砂災害防止法に基づく緊急調査及び土石流危険範囲の解析、情報提供を実施しているところであります。また、大規模河道閉塞につきましては、閉塞場所解消に向けて準備を進めているところであります。  これまでの国、地方公共団体を始め関係機関の精力的な活動により、四十地区以上あった孤立地区は半減し、またライフラインにつきましては、例えば水道は、和歌山県、奈良県及び三重県の三県で五万戸以上断水していたところでありますが、約二万戸が復旧するなど、復旧が進捗しつつあります。  しかしながら、なお現在も行方不明となっている方がおられます。また、多くの方が不便な生活を強いられています。さらに、被災地では地盤が緩んでいるなど、二次災害発生も懸念されております。引き続き、捜索救助孤立集落解消被災者生活支援、二次災害防止などに全力で取り組んでまいります。  台風第十二号による被害に対しましては、引き続き政府一丸となった対応が必要であります。被災された皆様方が一日でも早く平穏な生活ができるよう、被災地方公共団体と緊密に連携しながら、全力を挙げて対応に当たる所存であります。  以上であります。
  11. 松下新平

    委員長松下新平君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。  これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 中村哲治

    中村哲治君 民主党・新緑風会の中村哲治です。  まず、台風十二号の水害により被災された方に心からお見舞いを申し上げます。そして、亡くなられた方の御冥福、そして御遺族の方に哀悼の意を表します。  私も現地に行ってまいりまして、ひどい状況を見るにつけ、言葉を失いました。その中で、今日、委員長そして与野党の理事方々を始め、この委員会質疑の場を設けてくださったことを心から感謝申し上げます。それから、午前の衆議院の委員会質疑に引き続き、この場で答弁に立ってくださる平野大臣始め政府皆様方にも改めて感謝を申し上げます。  それでは、質問に入らさせていただきます。  東日本大震災では、いわゆるくし歯作戦がありました。幹線道路からくしの歯のように道路整備されていたために、沿海側被災地に対して効果的な救助をすることができました。紀伊半島では、和歌山県や三重県につながる百六十八号線、百六十九号線がこのくしの歯に相当することになります。東海地震南海地震が間もなく紀伊半島を襲うと言われております。奈良県は、この二本の道路アンカールートと呼び、整備に重点を置いてまいりました。しかし、今回、この台風十二号により二本のアンカールート被災をいたしました。大規模土砂崩れ、何か所も寸断されました。  百六十八号線や百六十九号線は単なる奈良県のためだけの道路ではありません。東南海南海地震に備え、和歌山県や三重県につながる災害対策上重要な道路考えられます。この二本の道路復旧には直轄代行区間を増やすなど国が積極的な取組をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
  13. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) 国土交通政務官津島恭一です。よろしくお願いいたします。  ただいまの国道百六十八号と国道百六十九号は、紀伊半島中央部を南北に縦貫する幹線道路でありますとともに、半島内陸部沿川地域方々にとっては貴重なこれは生活を支える道路であります。これらの国道は、今般の台風十二号に伴う豪雨で大規模被災を受け、人や物資輸送路が断たれる等の被害発生しており、その復旧につきましては、大臣指示の下で道路復旧支援チームを立ち上げるなど、本省と地方整備局一丸となって全力支援を実施しているところであります。  今後とも、県の考えもお聞きしつつ、直轄権限代行が必要とされる場合には適宜実施してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
  14. 中村哲治

    中村哲治君 ありがとうございます。  それでは、百六十八号線について具体的に一つ一つ聞かせていただきたいと思います。  奈良県の南部、十津川村では、和歌山県との県境近くの折立地区桑畑地区で道が寸断されております。さきに述べましたように、百六十八号線の国家的な重要性考えますと、国としての積極的な取組が必要と言えます。  まず、橋が落ちました折立地区についてでございます。  折立地区は、国が自治体に代わって整備をする直轄代行区間に当たっております。橋が落ちたために十九日に予定していた全着工部分十津川道路開通式典も延期をされました。ということでございますので、この折立地区がもし復旧されないと今まで造っていた道路というのもなかなか有効に機能しないということになりますので、この復旧スケジュール感、どのようなこれからの段取りで進めていこうと考えておられるのか、国土交通省の御答弁をお願いいたします。
  15. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) 今御質問のありました国道百六十八号線折立橋につきましては、橋長が約二百七十二メートルのうち、二径間の間約九十五メートルが落橋し、全面通行止めとなっておりますが、これまでに迂回路となります村道応急復旧作業を完了し、七日の午後十時三十分より四トン車未満一般車両迂回が可能となっております。  折立橋応急復旧につきましては、国としても緊急災害対策派遣隊派遣をいたしまして、復旧工法については管理者である県と一体となって検討しているところでございます。  また、今回流失いたしました折立橋を含む国道百六十八号の十津川村小原から平谷までの延長六キロの区間につきましては、現在、十津川道路として国の権限代行事業による整備を進めております。また、今回供用する四・三キロ区間整備効果を発現するためにも、折立橋早期復旧が必要不可欠であると考えております。国としても引き続き必要な支援を検討してまいります。
  16. 中村哲治

    中村哲治君 百六十八号線の桑畑地区では、道路のり面自体が消失し、道自体が崩落してしまっております。県の担当者にお聞きをいたしますと、高さ何十メートルもの矢板を消失した道路延長約六十メートルにわたり間断なく打ち込み、そこに土砂を入れ込むなどの工事方法考えられるとおっしゃっておりました。しかし、このような工事方法もベストかどうかということは分からない、判断しづらいということでございました。  この地区直轄代行区間にもなっておりませんけれども、どんな工事方法を採用するかも含めて、国家レベルの人的な物的な取組が必要だと考えられます。国としてどのような支援策考えているのでしょうか。国土交通省に伺います。
  17. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) 今のお話でございますけれども、県ともよく相談をいたしまして、やはり最終的に国が責任を持って行うということも含めて検討いたしたいと思っております。
  18. 中村哲治

    中村哲治君 今、百六十八号線の具体的な二つのルートをお聞きしましたが、津島先生にもう一度お聞きしたいんですけれども、確認ですが、こういった災害復旧に対する財政的な措置、特に財政的な措置に関して今若干触れられましたけれども、これについてはどのようになっているでしょうか。
  19. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) まず、全体的なお話をさせていただければ、今回の東日本大震災でも、高速道路直轄道路発生地域地域住民避難路として、その後の迂回路緊急道路輸送等機能を果たしてきたということは、もう既に御承知のことだと思います。また、直轄国道整備管理を担っている東北地方整備局は、大臣の統一的な指揮命令の下に、速やかに被災地に至るルートを確保するなど、不可欠な役割を果たしたところであります。  高速道路直轄道路など広域基幹ネットワークにつきましては、こうした災害時における道路機能地方整備局役割も踏まえて、国がその責務を果たすべきだと考えております。  それから、先ほど先生の御指摘でございますけれども、この百六十八号のところでございますけれども、もう一度ちょっとお話をさせていただければ、国土交通省では平成二十年に、災害時における国土交通省の持つ災害に対する経験と技術力や資機材を投入し、地方公共団体支援するための緊急災害対策派遣隊、いわゆるテックフォースでありますけれども、設置したところであります。大規模自然災害発生した際には、地方公共団体等に対しまして、被災状況の迅速な把握被災地早期復旧に関し技術的支援を実施しておりますということでございます。
  20. 中村哲治

    中村哲治君 財政的な支援についてはいかがでしょうか。
  21. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) また、災害復旧事業につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法によりまして、国が三分の二以上の補助をすることとなっております。さらに、地方負担を極力抑える措置として交付税措置がなされる仕組みとなっております。  今後も、緊急災害対策派遣隊災害復旧事業を活用することにより、被災した地域への支援を努めてまいりたいと考えております。
  22. 中村哲治

    中村哲治君 具体的には、地方負担は全部で合わせるとどれぐらいの負担になるというふうに御認識でしょうか。
  23. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 最終的な負担につきましては、事業費がまず確定されなければなりません。その上で、この地域が例えば激甚に指定されるか局甚なのか、こういったことの判断もなされなければなりません。最終的な地方負担については、そういったことが明らかになったときに確定されるものだというふうに承知をしております。
  24. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) 今、大体地方実質的負担額は一・七%相当だと考えております。
  25. 中村哲治

    中村哲治君 次の質問に移らさせていただきます。  今回の台風被害によって道路ライフラインの要になっていることが明らかになりました。具体的には、道路寸断により、物資が届かないだけではなく、電気も通じない、電話も通じない、インターネットも使えない、地方公共団体広域情報網、いわゆるWANというやつですね、も消えてしまった。山間部では、地上波デジタル移行に伴い、地デジ対策もCATVを使って行っておりました。線が切れてテレビも見られないという状況に陥ってしまいました。道路は、十津川村の更谷村長が繰り返しおっしゃっておりますけれども、まさに命の道ということが明らかになりました。  私は、百六十八号線が寸断された五條市大塔村の辻堂地区仮設階段を使ってのごみの積替え作業も経験させていただきました。そのとき現場土木事務所責任者の方が、辻堂バイパスが通っておればこの区間での道路寸断を防げたのにとおっしゃっていたのが印象的でございました。  今年から社会資本整備総合交付金地域自主戦略交付金という形に段階的に移行することになっております。この一括補助金化で問題なのは、地域自主戦略交付金では道路整備率一括交付金算定の際に考慮されないという点がございます。河川では改修率が考慮されているということと比べても論理的に整合が取れません。  道路については、投資効果考えれば、まず経済効率の高い都市部に優先して予算を措置し、先に道路整備するという政策が取られていることは理解ができます。だからこそ、道路大都市部や一部政治的に影響力の強い地域が先行的に整備をされてまいりました。それにもかかわらず、都市部等整備が終わったこの時点で地域自主戦略交付金算定道路の未整備率ではなく道路の総延長が考慮されるのは、先行投資された地域を過度に優遇するものでございます。  地域自主戦略交付金算定には道路整備率を考慮し、未整備区間が多い自治体には厚く一括交付金措置すべきだと考えますが、いかがでしょうか。福田政務官に伺います。
  26. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 総務大臣政務官を仰せ付かりました福田でございます。地域主権も担当させていただいておりますので、答弁をさせていただきます。  これもう中村先生はよく御承知のことと思いますが、今回のこの地域自主戦略交付金については、いわゆるひも付き補助金を段階的に廃止をして地域自由裁量を拡大するため、今年度当初補助金都道府県分について制度化したところであります。  今年度の配分については、その九割程度については今までの継続事業事業量等に基づいて、一割程度については客観的指標により算定をいたしております。客観的指標については、地域自主戦略交付金対象となっている事業の性質などを踏まえて設定したところでありますが、道路に関しては、対象事業道路修繕道路拡幅など既存道路にかかわる事業が多く、必ずしも未整備道路における事業に限定されないことから客観的指標として道路延長を採用したところでございます。  ただし、一括交付金は新しい試みでありまして、制度を運用しながら改善していくべきものと考えております。地方からの御意見あるいは中村先生の御意見なども伺いながら、また今年度の運用状況等を検証しながら、必要があれば指標の見直しについても検討したいと、こう考えております。
  27. 中村哲治

    中村哲治君 ここに関しては少し今から議論をさせていただきたいんですけれども、全国知事会が今年の六月二十三日、来年度、平成二十四年度地域自主戦略交付金制度設計に関する意見という形で意見を出されております。そのときにやはりこの客観指標のウエートを高めるというようなことというのを検討してほしいと。読ませていただきますと、社会資本整備の遅れた地域に配慮した指標、例、河川の要改修延長を導入したことは評価するが、配分割合が少なく不十分、特に道路については未改良道路延長など整備の遅れを示す指標を加えることを検討することが必要と、そういうふうに書かれております。  私、ここで問題なのは、今まで、今、福田政務官がおっしゃったような内容のことがきちっと自治体に伝わっていないんではないか、またこの議論経過、どのような指標をいかに付けていくのかという議論経過が非常に不透明であったために誤解も生まれてしまっているんじゃないかということが考えられます。それについていかがお考えでしょうか。
  28. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 中村先生のおっしゃるとおりでございまして、確かに説明はしたところでありますけれども、客観的指標については、今年度は初年度ということもありまして、十分に御理解をいただけなかった点があるのではないかと、そのように考えております。  いずれにいたしましても、客観的指標の在り方については、今後とも、今、中村先生の御指摘、私も、知事会の御指摘もそうでありますが、非常に重要な指摘だと思っておりますので、この点については是非見直しも含めて検討していきたいなというふうに考えております。
  29. 中村哲治

    中村哲治君 今積極的な答弁をいただいたというふうに認識をしておりますので、改めて確認なんですが、福田先生のお考えとして、一括交付金化していくときに、やはり整備率を重視するのではなくて、整備されていない状況、それを重視していくということの方が必要であるというふうにお考えでしょうか。
  30. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) ここからは答弁書を見ないでお答えいたしますけれども、私の考えとすれば、やっぱり道路については道路延長も一つの客観的指標になると思いますけれども、未整備率というのも加えることによって更に内容の充実した指標になるかな、客観的指標になるかなと思っていますので、その辺は、今度は客観的指標の割合が、今年一割ですけれども、これは多分どんどん、最終的には客観的指標が十割になることですから、その中でその配分の割合というのはしっかり検討させていただければと、こう思っております。
  31. 中村哲治

    中村哲治君 ちょっとしつこくて申し訳ないんですけれども、まず福田先生の御認識とすれば、未整備地域の割合をどんどん増やしていかないといけないということが一点と、またそのお考え政府の中でどのように反映されていくのか。個人的な考え方ということでは困りますので、その二点についてお答えいただけますでしょうか。
  32. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 私もまだ就任したばかりですから、これから政府の中にどうやって反映させていくかということでありますが、これはしっかり政府の中でも議論をして、本当に客観的指標はどういうものなのかということを議論をして改善をしていきたいと、こう思っております。
  33. 中村哲治

    中村哲治君 質問に丁寧に答えていただいて有り難いんですけれども、今私が申し上げたのは、客観指標にしていくことは、これはもう地域自主戦略交付金という制度上、これは当たり前のことです。その客観指標のウエートをどのような形で重点を移していくのか。  道路というものが、経済効果を考えれば先に都市部に重点的に投資をするというものであるということは社会資本一般のルールとして理解できます。しかし、今、都市部があらかた整備も終わり、重要な投資は終わったような段階で、次に地方への投資をしないといけないという段になって、この一括交付金議論の中で先に整備率が取り上げられて、そして私たちが取り残されるんじゃないかと思われているところに問題の所在があるわけです。  そういった意味で、この一括交付金化に、今一割の部分が徐々に増えていって十割になっていきます。そのときに、この整備率が、いや未整備率の割合増やしていくんですよと。指標算定する基準として、今は整備率だけですけれども、これから未整備率も増やしていって、未整備率の方が今度は取って代わるという状況になってくる、そういうふうな見通しが示されないと、地方としてはなかなかこのことを理解することはできない。河川の場合は未整備率が入っている、そのことと整合性が取れない。そこの議論について、地方の側がこれは疑問だと言っているにもかかわらず政府から明確な答えが出ていないことに対して、全国知事会を始めとして各自治体は不安に感じているということなんです。  ここの都市と地方の格差の問題、また先行投資で都市に重点的に社会資本の整備を行ってきたというそういう歴史、経緯、このことについてどのように考えているのかという政治的な哲学が問われるところになってきているということなんです。だからこそ、今後どのような形で検討されるのか、地方にどのような形で配慮されるような形になっていくのかということについて、地域主権という考え方の中でどのように考えていくのかということをお聞きしたいということなんです。
  34. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 中村先生、随分急ぎ過ぎですね。まだ始まって一割で、継続事業を中心に始まっているわけです。ですから、継続事業がどの程度で終わるのか、三年ぐらいで終わるのか、四年ぐらいで終わるのか、また未整備率がどの辺の割合になっているのか、そういうものの割合もよく考えながら検討していかなきゃならないと思っています。  今ここで答えが出せるような話じゃありませんので、その辺はよく御理解いただければというふうに思っています。
  35. 中村哲治

    中村哲治君 私は、今、政府の確定した考え方を政務官にお聞きしているわけじゃなくて、物事の整理としてどういうふうな整理がありますかと。私は今このように考えていますけれども、まず福田政務官のお考えをお聞きしたいということでまず議論をさせていただいております。さらに、その考え方、今議論させていただいた考え方を今後政府の在り方にどのように反映されていかれますかという二段階の質問をさせていただいているわけです。  だからこそ、私は、急ぎ過ぎているというわけではなくて、この地域主権担当者である政務官としてどのような御認識をされているのか。それは今、福田先生個人、また政務官の御認識としても答えることができないということであれば、それはそれで私も理解させていただきます。そこのところの踏み込んだ議論をさせていただけるのかできないのか、まずそこを確認させていただきたいんです。
  36. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 残念ながら、まだ踏み込んだ議論はできません。私も現状をまだ伺ったばかりですので、現状を踏まえてのこれからの方向性を出すということでありますので、残念ながら踏み込んだ話はできません。
  37. 中村哲治

    中村哲治君 それであるのであれば、ただ、現状はなかなか議論のプロセスが伝わっていない、自治体に伝わっていないということが現状としてあると思うのですけれども、そこに対して、今後の議論を進めるに当たって、より開かれた透明性の高いやり取りを国と都道府県、市町村の間で行っていくと、そのことについてはお約束いただけるでしょうか。
  38. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 国と地方との協議の場がございますので、そちらを十分活用しながら、意見交換しながら、この一括交付金だけの話じゃありませんので、子ども手当の問題から、それこそ社会保障と税の問題もありますから、これは十分に国と地方の協議の場を使って議論を深めていきたいと、こう思っております。
  39. 中村哲治

    中村哲治君 この問題につきましては後でもう一回議論をさせていただきたいと思いますが、次の質問に移ります。  衛星携帯電話については、一台二十万円程度のうち半分は補助金として出ると言われております。しかし、一度契約すると一台当たり月五千円ほどの基本料が掛かってしまいます。一自治体に十台から二十台用意するとして、一年間で六十万円から百二十万円ということになります。十年に一度しか使わないとなると、六百万円から千二百万円のランニングコストが一つの自治体に掛かってしまうことになります。自治体からは、この部分についての補助金はないのかというような質問とか声、要望をいただきました。  しかし、これは本質的には契約方法の問題と思われます。災害対策衛星携帯電話整備については合理的な契約の在り方というのは考えられないでしょうか。総務省に伺います。
  40. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) この度、総務大臣を拝命いたしました松崎公昭でございます。よろしくお願いいたします。  ただいまの中村哲治先生の御質問に対する御答弁をさせていただきます。  衛星携帯電話料金については、電気通信事業法上、契約約款の届出を求めておりません。基本的に事業者の経営判断に基づいて設定をされております。  他方、総務省においては、災害時の通信確保のため、地方自治体に対して、九月八日時点で、東日本大震災においては二百三十五台、台風十二号については五台の衛星携帯電話の無償の貸出しを今行っております。また、事業者の取組といたしましては、地方自治体に対して、やはり九月八日の時点で、東日本大震災においては七百八十八台、台風十二号においては百五十七台の衛星携帯電話の無償の貸出しが行われております。  総務省といたしましては、引き続きまして災害時における通信の確保のための措置に努めてまいりたい、そのように思っております。  以上です。
  41. 中村哲治

    中村哲治君 今、自治体の方からは、自分たちがずっと契約して持ち続けているのはすごくコストが掛かるというところで補助金を付けてほしいということなんですけれども、今、松崎副大臣の御答弁をお伺いしますと、総務省としていろいろな手を打っていると。つまり、事業者に対して無償で提供をさせたり、また総務省の側でも用意をして提供をさせたりと。そのような形で、一つ一つの自治体には負担が掛からない形で衛星携帯電話を使えるような環境整備には取り組んでいると、そういうふうな趣旨の御答弁と理解してよろしいでしょうか。
  42. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) はい、そのとおりでございます。
  43. 中村哲治

    中村哲治君 是非、その取組の拡充をよろしくお願いをいたします。  次の質問に行かせていただきます。  今回の水害では河道閉塞、いわゆるせき止め湖の問題も大きな問題となりました。土砂災害防止法の改正により直接国家が関与できるようになりましたが、災害は平時か有事かといえば、有事対応が必要なものでございます。  やはり、せき止め湖への対応も含めて、国家の責任として国が有事対応すべきレベルのものと地方自治体に任せるべきレベルの事象とを仕分けていく作業が今後必要だと考えますが、平野大臣はいかがお考えでしょうか。
  44. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の被災では、国交省の調べでは十二か所河道閉塞が起こっておりまして、土砂災害防止法の新改正に基づいた新土砂災害防止法に基づいて、国が専ら主体となってその調査、それから、これからの復旧に向けての技術的な検討がなされているというふうに理解しております。  最近、災害がいろんな形で形が変わってきているとも言われます。そうした災害の形態の変化も含めて随時見直しが必要だということは私も深く認識しております。特に、今の災害救助法を始めとした一連の災害の法体系というのは、自治体がまず一義的に動くということが主体に、基本になっております。これは考え方としては当たり前だろうと思います。しかし、例えば、東日本大震災なんかの例で見ますと、その動くべき市町村が、市町村そのものが被災をしているという中で、市町村がいろんな活動をしたくてもできなかったというような、そういう実態もあります。  他方、例えば物資の供給等々については、災害が起こればこれも自治体の仕事になっておりますが、東日本大震災では、少なくとも当初一週間は国が油、ガソリン、灯油等々も初めて供給をしたということになっておりまして、こういう実態もあるということでございます。  こういうことも東日本大震災の震災等々の経験も踏まえまして、この法体系の在り方ということもこれは検討が必要ではないかというふうに思っております。
  45. 中村哲治

    中村哲治君 そこで、検討をしていただくときに、どのような形で仕分けていくのか。ここまでは国の仕事で、ここからは自治体の仕事だ、また、どういうふうな状況になったときに国が先行的に自治体に代わってやっていけるのか。このことは国と地方自治体の間で協議をしていく必要があると思います。  そのような協議のやり方について、もし大臣、今の段階で具体的なイメージとして進めるような姿があったらお答えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  46. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 基本的には、土砂災害防止法考え方でいえば技術的な難易度ということがあるかと思いますし、それからあと、一般的な例えば物資の救援をどうするか、それから被災者に対する支援をどうするかということについては、災害規模ということが一つの大きな指標になりますし、緊急度ということも指標になってくるんだろうと思います。こういったことに関しましては、国と自治体との議論をしっかり踏まえて、ここからここまでは国ですよ、ここからここまでは従来どおり自治体主体ですよというような仕分といいますか、責任の分担というのは、これは明らかにしていくことが大事だと思います。  このことは、特に首都直下型の地震とか東南海の三連動の地震というかなり大きな災害が今想定されておりまして、そのときに国がどういう役割を果たすかということについて、そしてまた自治体がどういうことを果たすかということについては、そういったことも想定しながらしっかり詰めていかなければならない課題だというふうに認識をしております。
  47. 中村哲治

    中村哲治君 今の平野大臣答弁は非常に踏み込んだ答弁をしていただいておりまして、本当に感謝を申し上げます。  やはり、災害というのは有事対応をしないといけない、国家全体の言わば安全保障にも匹敵するような緊急事態として対応しないといけないということで、それに対して、まず一本筋の通った背骨を通していく必要があると。それと並行して、地域主権の在り方としてどこまで自治体責任を持ってやれるのか、かなりぎりぎりとどちらが責任を取るのかということを事前に決めておかないと、国民の命が守れないということになってこようかと思われます。といった意味で、今の答弁は非常に重い答弁だと考えております。本当にありがとうございます。  次の質問に移らせていただきますが、そのような観点から見ると、次に道路についていかに考えるかということでございます。  東日本大震災以降の災害により明らかになってきたことは、国家的ネットワークに位置付けるべき道路網については国が責任を持って整備をし、かつ災害復旧についても責任を持つべきだということでございます。この部分については一括交付金化の議論を整理する必要がございます。そこで課題になるのは、どの道路は国が責任を持つべきであり、どの道路地方自治体責任を持つべきかということの線引き、仕分でございます。この線引き、仕分については国が国家としての意思をまず示し、地方自治体との協議に入っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。津島国交政務官、お願いいたします。
  48. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) 先ほどもちょっとお話を申し上げましたが、高速道路直轄道路など広域的な基幹ネットワークにつきましては、こうした災害時における道路機能やあるいは地方整備局役割も踏まえて、国がその責務を果たすべきだと考えております。
  49. 中村哲治

    中村哲治君 国が責務を果たす道路はそうである。例えば百六十八号線、百六十九号線、今これは県が管理しているということなんですけれども、ここで福田先生にまたもしよろしければ答弁いただきたいんですが、地域主権考えていくときに、今でも百六十八号線、百六十九号線というのは県が管理する道路になっているわけです。しかし、東海地震東南海南海地震というような大きな地震があって三重県や和歌山県が被災をしたときに、そのルートとしてのいわゆる奈良県がいうところのアンカールート、湾岸の道路が使えないときに、通れるルートとしてはこの一六八や一六九しかないわけです。  今の津島務官の御答弁であると、一六八や一六九は必ずしも国の責任整備していくというような話にはなってないと。今回の災害で問題なのは、この東南海、南海で非常に大きな被害を受けたときに救助に当たるべきルートである一六八や一六九がこういう形で寸断されやすい道路であるということがはっきり分かってきたということなんです。この一六八や一六九、本当に奈良県の領域については奈良県に責任を持たせておいていいのかどうか。  そこはもう少し、災害対策ということであれば、もう少し国が関与する度合いを深めた方がいいんじゃないかという論点が今回この台風十二号で明らかになったんじゃないかということでございますが、福田政務官、個人的な見解でもよろしいので、ここについてはちょっと検討していくべきなのではないかというようなことを、もしお考えであれば一言御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  50. 福田昭夫

    大臣政務官福田昭夫君) 私から答えることでいいのかどうか分かりませんが、先ほど津島国交政務官お話しされたように、やはり基幹的な道路は国が整備をするというのが、地域主権を大事にする世の中になってもその必要性は変わらないと私も思っておりますので、そういった意味では、今度の災害を踏まえて、災害に強い国をどうやってつくるか、国土づくりをどうやってやっていくかという中で、今、中村先生の御指摘の点についても、是非これは、それこそそれぞれの、あの地方三重県、それから和歌山県、奈良県ですか、あの辺の地域とやっぱり国土交通省の近畿整備局ですか、この辺でよくしっかり検討して、どういう形で災害のときに対応するかということについてやっぱり早急に検討すべきではないかなと個人的には思っております。  以上であります。
  51. 中村哲治

    中村哲治君 最後に津島務官に決意だけお聞きしたいんですけれども、ここの問題で明らかになったのは、幹線道路はあると。しかし、一六八、一六九というのは言わば東日本大震災におけるくし歯作戦でいうところのくしの歯であると。ということになると、やはり一定の程度国が関与する度合いを強めていく必要があるんじゃないかという問題提起を私、今日させていただきました。もしできる範囲で答えられることがあるのであれば、意気込み等だけでも結構ですので、お答えいただけますでしょうか。
  52. 津島恭一

    大臣政務官津島恭一君) 今、中村先生の御指摘でありますけれども、まさしくくしの歯というのは東日本大震災でも国交省として取ってきた手段でございますが、今後とも、県の考えをお聞きしつつ、直轄権限代行が必要とされる場合には適宜実施していきたいと考えております。
  53. 中村哲治

    中村哲治君 積極的な答弁をいただきました。本当にありがとうございました。  これで質問を終わります。ありがとうございました。
  54. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 自由民主党の鶴保庸介でございます。そしてまた、和歌山県選出の鶴保庸介でございます。被災地対応のためにこうした委員会を開いていただいたこと、被災地を代表いたしまして感謝を申し上げたいと思います。  現地に私、入らせていただいたのが五日の朝でありました。四日の夜にはもう大雨が降っておった、そんなさなかでありましたけれども、委員長始め加治屋筆頭にもお見舞い電話をいただきまして、早速対応するからという温かいお言葉をいただきました。それがこういう委員会の開催につながっていたんだろうと私は信じておりますし、それに対応していただいた与党の筆頭理事方々理事方々にも感謝を改めて併せて申し上げておきたいと思います。  ただ、委員会を開いたからには、是非、大臣始め政府方々にはしかるべき対応を、迅速な対応をお願い申し上げたい。  先ほど、委員会の冒頭に黙祷をささげました。まさに私も知り合いの何人かが亡くなったり行方不明であったりとかいうことがございまして、これは世の常だろうと思いますが、身近にある者がそういう不幸に見舞われるとやはり臨場感というのは湧くものでありまして、改めて、自分の反省も含めてこれは申し上げるんですけれども、政治というのは自らの目の前にないことに思いをはせながら進めていかなければならないものなんだということを改めて感じたわけであります。  もちろん、東北の大震災のときも同じ思いで皆、国会議員全員がひとしくこの対応に当たっておったわけでありますが、なぜこんなことを言うかというと、ともすると、最近の政治を見ておって、自分自らの臨場感とちょっと懸け離れたようなところ、目の前にはそのものがないから痛みを感じずにやってしまっているというようなものが散見されてきた嫌いがあるかなと、その典型がこの道の問題であります。  中村議員、先ほどお話になられたときに少し私言いましたけれども、別に中村先生を批判しているわけでも何でもなくて、はっきり申し上げますが、私たちはずっと、私たちの党はこの道の問題については、命の道だと。地方の道は決して無駄だとか経済効率のみでは測れないということをずっと議論をしてまいりましたし、その主張は一定の重みがあったようにも思いますが、いとも簡単にとは言いませんけれども、政権が替わりまして、我が和歌山県での道路事情は大きく変わったことは事実であります。様々な計画が凍結され、そしてまた高速道路の進捗状況も大きく後退をしたことは事実であります。  これらのことについて、まず冒頭、道路が命の道だということを改めて感じておられると思いますが、平野防災担当大臣の御認識を伺い、そしてまた所感をいただきたいと思います。
  55. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 災害に強い地域づくりということは、これはどの地域にとっても重要なテーマだと思います。その中で、何かあった場合に人が通れる、あるいは物資が運べる、そういった道路の確保というのは、機能の確保というのは非常に重要でございまして、今、命の道というお話がございましたけれども、地域の中でこの道路が必要だというような道路につきましては、いろんな工夫をしながらその道路整備を進めていくということは大切なことではないかというふうに思います。  ただ、その一方で、私は従来、予算委員会等々でも再三申し述べてきましたけれども、この国には道路、空港、港湾、それから新幹線、大変な量の社会資本ストックが積み上がっております。この社会資本ストックのメンテナンスということに対して、これから相当程度の費用負担が掛かってくるということでございまして、このストックの維持管理ということを考え合わせていくときに、できるだけ新規の投資はやっぱり抑制すべきではないかという考え方にも立っております。ただ、その中で地域防災上必要な施設、これについては重点化をするということで、その地域の中での話合いの中でこの道路が必要だということについては、さっき申し上げましたように、いろんな工夫によって進めていくべきものだというふうに理解をしております。
  56. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 前半は良かったんですけど、後半がどうも。  まさにそこなんです、大臣。メンテナンスにお金が掛かる、そしてまた整備にはお金が掛かる、これは当たり前のことです。しかし、震災が起きてみて、現実にそこに至る、そこの集落、今回も孤立集落が幾つか出ましたけれども、孤立集落の命を助けるということは、そういったお金に換算できる話なのかという話であります。  それからもう一つは、何も我々は、くまなく、もう網の目のように道路を造れと言っているのではありません。主要幹線道路、田舎についての防災にかかわる主要幹線道路だけは少なくとも造っておきましょうと。  五日の日に私が入らせていただきました、午前中の衆議院の災害特別委員会でもこんな質問、指摘は出ておりましたけれども、那智勝浦町、あの有名な那智勝浦町とそれから新宮との間に、紀伊半島一周のための高速道路をずっと造るための一部区間ができているんですね、那智勝浦—新宮の間に。その那智勝浦新宮道路がなければ、今回恐らく物すごいことになっていただろうと思いますよ。ところが、大臣御存じだと思いますが、前総理とは言いませんがね、のまだ政権が渡っていなかったときでありますが、民主党の有志の方々は、その地域へわざわざ来られておっしゃったことは、タヌキの通る道要らないじゃないか、こんな無駄な道路を造るやつは誰だと、ひどいことを言って帰られたんです。そのことの反省をやっぱりいただきたい。  私たちは、決してむちゃくちゃなことを言っているんではありません。少なくとも紀伊半島一周の高速道路を、片道二車線とは言いません、一車線でも構わない、とにかく高速道路、片道一車線の高速道路を造ってくれと。しかも、それは海岸線沿いにあるのであっては、東北の大震災のときの教訓があるように津波等々でもやられますから、山の内側に付けてくれという話をしておるわけであります。  もう一度、大臣答弁をお願いします。
  57. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 東日本大震災、私は岩手県の出身でございますけれども、津波、地震によって沿岸部は壊滅的な被害を受けました。その南北に走る道路はずたずたにやられました。そのときに横断道路は生きていました。それからもう一つ、三陸縦貫道で部分区間しているところは全部生きました。この部分開通しているところで釜石周辺については、この道路のおかげで助かったというようなことも私は現地でしっかり聞いております。  今委員から御指摘あった道路についても、仁坂知事、地元の町長は、あの道路で助かったということで、現地で私もきっちり言われました。そういった道路必要性、先ほど申しましたけれども、特にこれから災害に強い町づくり、地域づくり、それが本当に必要な道路ということであれば、いろんな工夫をして、できるだけしかしコストは掛からないように、しかし頑丈にこういった道路を造っていくことはやっぱり必要だというふうに理解をしております。
  58. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 ありがとうございます。拍手をしたいと思います。でも、それが政権全体の声になるように、大臣、これからもよろしく努力をしていただきたいと思います。  冒頭、これだけは申し上げておきたいと思うんです。今回の質問をするに当たって担当の役所の方々お話をしておりましたら、防災関係、内閣府に当たるんでしょうけれども、内閣府の方々が、それは厚生労働省です、それは国土交通省です、それは総務省ですと、こういうお話をよくされました。しかし、事防災、事安全、安心にかかわるものについては、被災、復興については防災の所轄であるという気概を持って進めていただきたい。  当委員会でも、私も以前委員会に所属をしておったとき、もう十年も前の話でありますが、その当時から日本版FEMAをつくろうじゃないかと。その心はというと、防災についてはもう国論を統一して進めなければならないという、その必要性があるからであります。  大臣、もう一度その認識でこれからも進めていただきたいと思うんですが、具体的には、大臣、けんかしなきゃ駄目ですよ、各役所と。おまえ、こういうことできていないじゃないかと、おまえのところの役所、こんなんじゃ駄目じゃないかと、こういうことをしろと言ったのにまだできてないのかと、こう言うぐらいの権力を大臣が持つぐらい、平野さんよくやったなと後になって、平野さんよくやったけど嫌なやつだなと言われるぐらい、けんかをあちこちでしてくれるぐらい頑張っていただかなければならないんだと思います。  そういう意味では、さっきの道路の話も、防災という観点からはやらねばならない必要最低限のものがあるんだということを国土交通大臣、そしてまた財務担当の方々ともしっかりとお話をいただきたい。このことは切にお願いをしておきたいと思います。  それから、以降は、五日の日に入らせていただいた中で各被災地を回らせていただいて、被災地の現場でそれぞれが細かい問題がありました。それらの全てを網羅するわけにはいきませんけれども、その問題点の裏に隠れているようなものをちょっとでも拾えたらという思いで、ちょっと時系列的にお話をし、そしてまた質問をさせていただければなというふうに思います。  御存じのとおり四日には、四日、昼夜かけて大量の雨が降りました。その半ば、四日のお昼過ぎですかね、ぐらいにはもう浸水が始まっておった。特に新宮の地域、熊野川の下流地域では浸水が始まっておったというふうにも聞いております。そこで、浸水が始まったときに、住民が皆異口同音に言ったこと。この熊野川というのは、元々全国有数の予想洪水河川というんですかね、計画高水量河川というんですかね、これは正確な名称をまた後で教えていただければと思いますが、想定をされておって、かなり堤防も頑丈に、そしてまたその対処できるようにしておったはずだと、なぜこんなことになるんだというのがまず住民の戸惑いでありました。  想定外の流量だったということはもちろんのことでありますが、当時の思いというか、こういう市民、県民に対するお答えを、どう答えるか、政府を代表してお答えをいただきたいと思います。
  59. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いわゆる熊野川、新宮川でございますけれども、ちょっと数字が若干不正確かもしれませんが、計画高水流量は一万八千トンと聞いております。既往の、これまでの洪水の流出量は、現地の近畿整備局からお聞きしたところ一万九千トン、これは伊勢湾台風でありました。今回は二万二千トンの水が出ているという推計もなされています。この二万二千トンというのは利根川の計画高水量に匹敵するという、ちょっとここは不正確で、後で議事録の修正が必要かもしれませんが、私の印象の中では、利根川の大流域と同じぐらいの水があの川には、水が出てくるという大変な川だということであります。  今回は二万二千トンという大変な巨大な水が出てきまして、それで本川の水位が上がって支川のバックウオーターで、支川の流域も一時的に湖になったところがたくさんありまして、被災地域が拡大したということであります。その中で住民の方々、結構私は避難したんじゃないかと思います。  ただ、今回の災害の中でもう一つ見ておかなくちゃならないのが土砂災害であります。これはもう大変な箇所で土砂災害が起きておりまして、むしろ行方不明者方々、命をなくされた方々は、その水でなくされた方々もあるかと思いますが、私の感じでは土砂災害で亡くなられた方が多いのではないかというふうに思います。いずれこの辺の実態については、今はまずとにかく不明者の方々救助、これが優先でございます。孤立者に対する支援も優先でございます。こうしたものがある程度落ち着いた中で、しっかりとした国土交通省を中心とした実態解明がなされるものと理解をしております。
  60. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 全くおっしゃるとおりで、その土砂災害が人命には大変な影響を及ぼしたわけであります。  じゃ、その土砂災害。川沿いの市民は戸惑いを覚え、そして土砂災害はなぜこんなことになるんだという思い。深層崩壊なんていう言葉は私初めて聞きまして、山が崩れると。こんな話、昔、活断層のときも同じ議論がありましたけれども、分かっているんだったら早くから言ってくれと、そんな言葉が初めからあって、専門用語として、こんな危険があるんだったら初めからそう言ってくれというものなんですが。  これ、ちょっと通告がそこまではっきりしたものを申し上げられませんでしたけれども、どう思われますか。こういう深層崩壊なるものの危険というものがこれから新しく出てくるのであれば、各地域で深層崩壊区域みたいな、危険区域みたいなものを作って、ハザードマップじゃありませんが、そんなものを作って危険性を呼びかけるというような用意がありますか。
  61. 平野達男

    国務大臣平野達男君) これは基本的には国交省さんがきちっとこれから対応していただく話かと思いますが、ちょっと参考までに私の現地を見た印象を述べさせていただきますと、今回、土砂災害、いわゆる和歌山県で起こっている土砂災害奈良県側で起こっている土砂災害はちょっと違う感じがいたします。和歌山県の土砂災害は、どっちかというと渓流若しくは谷という中で、その谷筋に土石流という形で、小さな土石流という形で起こっている土砂災害が多くて、奈良県側は、まさに今委員のおっしゃった円弧すべりといいますか、要するに大規模土砂、岩盤崩壊というふうにも言われているようですが、そういった崩壊が多かったように思います。それはなぜなのかということにつきましても、これはこれからの一つの課題だと思います。  それから、なぜこんなに土砂災害が起こったのか。私は、和歌山県には旧日置川町、今白浜町ですけれども、二年半おりました。和歌山県のあの本当にきれいな山、緑が湧き出るようなあの山が今回はずたずたにやられているということで、見ているだけでもやっぱり心が痛みました。その状況、なぜこうなったのかと。山が荒れていたからなのか、水が、要するに今回の雨の降り方が時間雨量百三十ミリとかというとてつもない雨が降っていますから、それが理由なのか。  こういったことについても、これは国交省さん中心にしっかりと解析をしてもらわなくちゃならないと思っていますし、国交省さんとあと林野庁ですね、を中心にしっかり解析をしてもらって、それを踏まえた上での被災マップ等々の見直しが必要だというふうに思います。今日午前中の国交省さんの答弁で聞いておりましたのは、警戒区域の外でもかなりの土砂災害発生したということでございます。
  62. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 話題に出ました日置川町は私の墳墓の地でございまして、きれいな田舎だと言っていただいて本当にありがとうございます。  緑多き田舎でありますけれども、そんな中にこういう危険が潜んでいるんだということを誰も知らないわけですね。地域方々に言わせると、なぜなんだということを勝手に言うがために、伐木が悪かったんだとか山をいじったから悪かったとか、あのときにあんなことをしたから悪かったとか、まるでおまじないに掛かるような田舎の人たちのうわさ話がいっぱい盛り上がっている、そんなときですから、これから先こういうことが危険な山なんですよ、こういう地域はこうなんですよという話は是非分かる範囲で発表をしていただきたい、公開をしていただきたいなというふうに思います。  それから、雨が降って土砂崩れがあり、そして浸水がどんどんどんどん進んでまいりました。熊野川水域の下流では、夕方の六時にはもう膝丈のところまで浸水していたというんですね。  さあ、そこで住民がどう思ったか。避難命令、来ないなと。来ないんですよ、来なかったそうなんですよ。それを後でちょっと聞いてみたら、出していたと言うんですが、これは出していなかった地域もあり、出していた地域もある。そして出していた地域については、雨がざんざかざんざか降ってくるものですから、これは人によるとナツミカンが降ってきたような雨だったというような雨でしたから、音が物すごくて防災サイレンも何も聞こえないと、まるで漫画のような話があるわけですね。  こうした防災のまず市町村のまちまちの対応について、それからまた、避難命令なら避難命令を出すためのガイドラインというのは当然あるんでしょうけれども、これ、出さなかったら何かペナルティーがあるというわけではないわけですよね。だったらもっと早めに出したらいいじゃないかという話になるわけです。実際出たのは、新宮、熊野川地域の相筋という地区ですけれども、例を取りますと、相筋地区で出たのは何と夜中の二時だそうですよ。夜中の二時に避難命令が出て、避難命令というか、避難してくださいと来て、市の職員か消防団の方か知りませんが、もう肩の高さまで来ているその家の前のところをボートで皆さんこうやってこいでこられて、ボートに乗せて避難所へ連れていったという話でありましたので、その辺りのちょっと矛盾点というか、何かこうやるせないものを感じるんですね。  これは一義的には市町村だろうと思いますが、今、市町村も御存じのとおり大変疲弊をしております。そしてまた、合併等々があって様々な行政的な混乱もある。そんな中で国としてできること、やらねばならないと思うこと、その辺りを所感として述べていただきたいと思います。
  63. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回、現段階では報道からの残念ながら情報ということになってしまいますけれども、自治体によって、避難命令、避難指示、出したところと出さないところがあるというふうに聞いています。  この避難命令が、出した自治体、出さない自治体、なぜそうなのか、それから、出した自治体についてはどのタイミングでどの情報に基づいてどのような避難命令を出したのか、その結果としてその地域がどのような行動を取ったのか。これは、先ほどの土砂災害に対する様々な調査と併せて、今回の災害の中である一定の復旧復興のめどが立って地域が落ち着いたときにしっかりと調査をしなければならないテーマだと思っております。  一方で、自治体によってはこういった避難命令基準がまだできていない自治体もたくさんございます。そういった自治体には作るように私どもしっかり働きかけなくちゃならないと思っていますし、今回の震災についての教訓もしっかり生かしていく必要があるというふうに思います。  ちなみに、先般、新潟と福島の大きな大豪雨がございました。その折、新潟県については、特養ホーム等々のいわゆる災害弱者と言われる方々に対しても随分早い段階から場所を移して避難が非常にうまくいったといったことが伝わっています。  今、どういうことをやって何をやって地域がどう動かしたかということについては、今内閣府も新潟県に赴いていろいろ調査をしています。そういった調査等も含めて、いい事例、それから、今回の実態等々も踏まえた避難等の在り方については、内閣府、国交省、農林水産省等と連携取りながら、また自治体とも連携取りながらしっかりと今回の教訓を生かすということをやっていきたいというふうに思っております。
  64. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 断っておきますが、私が今申し上げていることはでっち上げたわけではありません、地元の人たちがみんな申し上げていることですから、一度調べてみてください。その実態がもし事実としてあるのならば、これは本当にゆゆしき問題だろうというふうに思います。  それから、同じ意味で、こんなこともありました。消防団の方々がずっと堤防のぐるりを回っていたと、まあ気になさっておられるわけですね、当然。そうすると、だんだんだんだん水が増えてくる、水かさが増えてくると。それで、おかしいよな、これ、避難命令も聞こえないし、やってもこないと。何よりも一番問題は、自分たちでその地域を守るためにポンプアップをしたいと、するために、水をくみ出してちょっとでも被害が遅れるようにできないか、雨がここでやんでくれればそれでまた被害は済むわけでありますから、そんな思いでポンプアップのタイミングを計っておりました。  しかし、よくよく聞いてみると、そのポンプアップというのは、本当かうそかは知りませんが、彼らが言っていることですよ、本当かうそかは知りませんが、ポンプの施設管理者の許可というものが要るんだそうでありまして、それが下りてこなかったという話であります。これは、事実も含めて、それがもし事実でなかったとしても、そのポンプアップのタイミング等々について現場にもう少し判断を委ねることができないのかと。  当たり前のことだと思いますが、国土交通省河川管理しています。国交省がそのポンプアップをやりなさいということが法律上決まっているんだとしても、実際、現場を一時間も二時間も、徐々に徐々に水位が上がってきているのを見ているのは地域の住民の消防団の方々が大いにあるわけでありますし、迅速に対応もできる。こういったことについて前向きな対応ができないものか、それについて、大臣ばっかりですから、国土交通大臣にちょっといただきましょうか。──じゃ、大臣からどうぞ。
  65. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 河川のポンプアップということで、多分委員は、本川の水位が上がって支川の水位が低いと、だけどその支川の水位もだんだんだんだん上がってきて、そこから本川にポンプアップしないと支川の流域が水につかってしまうと、そういうときにその河川管理者の了解を得なければポンプアップができないという、そういうことの……
  66. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 それも一つだと思います。
  67. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 一つ。  あるいはあと、内水により、市内に水がたまっているのでポンプアップと。これについては河川管理者の判断ということですから、一義的には国交省さんの、あるいは、あの場合は一級河川ですから国交省ですね、河川管理者の方の、その河川管理考え方にかかわる話だと思います。これについても、どういうことが起こったのかということについては国交省さん等々とちょっといろいろ意見交換をして、必要な調査等々についてはやるようにしてみたいと、やりたい、やらなければならないというふうに思います。
  68. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) 具体的に先生お話で、消防団が深くかかわりを持っておりますので、河川管理の問題等は若干立場が違いますけれども、消防の方の立場からの今の先生の御質問に対して、直接的な答えになっているかどうか分かりませんが、お答えさせていただきます。  河川管理施設を用いた内水排除については、河川管理者から水防団、消防団などにその運用を委託していることが多いわけです。また、その運用については水防団、消防団などの判断に委ねている点が多いと聞いております。  ですから、この問題は河川管理施設の洪水等の運用にかかわる事項でありますので、今回の台風による災害への対応について、課題が確かに明らかになった場合は、国土交通省においてしっかり検討がされるように我々からもお願いをしていきたいと思っております。  以上です。
  69. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 ここまで聞いたら国交副大臣に聞かないわけにいきませんから、どうぞ御答弁いただきたいと思います。国交省。
  70. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 今、鶴保議員の御指摘の点というのは、熊野川流域の新宮水系の話かというふうに思いますけれども、こちらの方、一番最初の方に平野大臣からお話のありましたように、大変これまでの水量、想定していた水量というものを大きく超えての水害、そしてまた支流の方にも大きな被害が出ていると。  こちらの方の、ポンプアップというわけではありませんけれども、これまで度々の水害のパターンというのが、本川の方から支川の方へ逆流したりというような水害もあったということで、樋門という形で水門を造っての防御ということを整備したりしておりましたけれども、今回の方は水門は開いていた、樋門の方は開いていたというふうに聞いておりますけれども、支流からもあるいは本川からも大きな流量の水が出てきて今のような市街地の被害につながっていったというふうに認識をしております。  市街地の中でポンプアップで自分たちの生活圏を守っていこう、住居を守っていこうと、それも当然の行動でありますけれども、こういった前面からも後ろからもまた水が回ってくるというときにどういう対処をすることが一番効果的なのか、そういうことはまたしっかりと検討して対応策というものを示していく努力をしていかなければいけないというふうに認識をしております。
  71. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 お分かりだと思いますが、流域の、ポンプアップがもちろん決め手になることはめったにありません、これだけの流量であれば。はっきり申し上げて、見ている目の前で出てくるものを何とか緩やかにできないかというぐらいの程度のことであって、決め手にはならない。  しかし、地元の人たちにとっては、じりじりと、逃げるのか逃げないのか分からないまま、許可もない、何もできないという状況になっていることがどんなに不安感をあおるかということを考えたときに、それからもう一つ、案外私たち国会議員も知らないんですね、この地域は天井川になっていますよとかいうのを全部知っているというのは実を言うとありません。地域方々が一番よく知っていまして、そのことについてもう少し国としても検証をされるべきではなかろうかなというふうにも思います。  そういうことの注意喚起だと思っていただければと思いますから、国土交通省、そしてまた農水省、また地方自治体、こうしたところどころで連携を取っていただいて、この地域は水害が出てくる場合がある、その場合にはこういうふうにするんだというある程度のガイドライン、マニュアルは想定事態として作っておかれた方が私はいいと思いますので、是非前向きにお願いをしたいと思います。  長くなりましたが、そんなところで、幾つもありました。水がどんどんどんどん増えて今度は決壊もし、決壊にもいろいろありました。もう質問をする時間もありませんから、決壊について、決壊堤防が実を言うと新しく造った堤防が多かったとかそんな話までありました。  もう時間がありませんから、より重要な問題として、その後、孤立集落ができました。さあ孤立集落ができた後、田辺市なんか、和歌山県の田辺市というところで多かったんですけれども、ヘリコプターで透析患者を運ぼうじゃないかという話になりました。これは田辺市長がその地域に透析患者がたくさんいるということを事前に知っていたからでありますが、当然のことながら、じゃヘリコプターで運ばなきゃいかぬのは透析患者だけかという疑問は当然湧いてくるわけでありますね。ましてや、そのほかにも様々な、ヘリコプターをどこから調達するのかとか、そういった問題が出てくるわけであります。  その行政の判断について、聞いてみましたら、避難のマニュアルはあるけれども、避難命令が出た、あるいは避難をしなさいというところまではあるけれども、これの後、孤立集落をどう誘導するかとか、その集落に対するどういうケアをするべきなのかということについて注意書きみたいなもの、こんなガイドラインは全くないんだという話を聞きました。  防災担当大臣、これについては、透析患者の例なんかも引き合いに出しましたけれども、どう思われますか。そしてまた、これについてどうこれから対処なさるか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
  72. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今の御質問の趣旨は、例えば、孤立集落のところから一時的に住民、住人を避難させた後の集落の管理をどうするかとかという、そういう問題ですね。この問題については、もう現に福島県の二十キロ圏内で起こった問題とも関連します。避難した後に誰もいなくなってしまった。その中で、家の管理をどうするかということで、結構物取り等々が入ったというような情報も出てきました。そういう中で、現地の警察等々の皆さんが見回りしながら家を守ったというような、そういった例もございます。  今回の場合については、現時点において、そういった孤立集落から一気に人がいなくなった、避難をさせたというような事例が今どこまであるかということについては把握をしておりません。いずれ避難をさせるというだけではなくて、避難先にどういったケアが必要か、あるいは避難した後の要するに家の管理というのは誰が行うのか、こういったことについてはふだんからしっかりとした枠組みを用意して、いざとなったときに対応できるような体制を取っておくということは、これは必要なことだというふうに思います。
  73. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 必ずしもその避難した先のことだけではもちろんないんです。要は、避難命令を出すまでのマニュアルはしっかりしていますね。ところが、その後、その命令出した後、もちろん避難元あるいは避難先、これら両方ともに対してどう、誰を避難させ、どういう誘導をするのか等々についてはほとんど自治体の判断、独自の判断に委ねられているというふうに聞いておるんです。  そうすると、当然むらが出ます、さっきのように。避難命令の出し方も、その出すタイミングについてもむらがあるように、むらが出ます。これはやっぱり、いい首長さんだったらいいんですよ、よく気が付く首長さんだったら。ところが、さっきも申し上げたとおり、自治体もかなり疲弊しているんです、人材的にも、人的にも。こういうおそれがあるところだから、早急にそれらについても、透析患者だけじゃありません、やらねばならない、こういった集落にこういう患者さんがいるんだったらこういうことまで気を付けなさいよというようなことについて、ある程度ガイドラインというか注意書きみたいなものが必要なんじゃないかということを言ったわけでありまして、大臣、ありますか。思いがあればお答えをいただきますが、ではどうぞ、大臣
  74. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 災害が起こった場合にどういう対応をするかということについては、場合によっては自治体間の、自治体における瞬時の判断が求められる場合もあるかと思います。その場合に、ガイドラインが本当に必要なのか、何を優先させて何を後送りするか、こういったものにガイドラインが必要なのかどうか、こういったことについても、こういうことを含めてちょっと検討対象にしたいというふうに思います。
  75. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 時間がありません。じゃ、あと一、二点しかもう質問はできないわけでありますが、そこで、じゃ全てが、孤立集落もできました。午前中の衆議院の方でもずっと言われておりましたけれども、あの携帯電話であります。情報インフラの孤立が物すごく不安感をあおったのはもう今回の被災でも、被害でも当然のやはり同じような状況になってしまいました。  そこで、何だったんだと。東日本の大震災のときにかなりこの話をいろいろなさっておられて、携帯電話が落ちないようにするために、みんなその地域地域によって発電機を付けるとか、中継基地に電気が落ちたら電波が届かないなんてことのないようにしますと言っていた割には簡単に落ちちゃったと。これはまた進捗状況も含め、反省も多いんじゃないかというふうに思います。  大臣、このことについて所感を述べ、また決意を述べていただきたいと思います。総務大臣でも総務大臣でも結構です。
  76. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) 携帯電話の方は私の方の管轄でございますので、お答えいたします。  携帯電話の基地局等の通信施設については、おっしゃるとおり、停電対策のために非常用電源として蓄電あるいは自家用発電機の設置等をずっと義務付けているわけであります。事業者においても、そのような非常用電源を配備するとともに、その電源を使い果たした場合に備えて移動の電源車を確保しております。しかし、長時間にわたって停電して、道路が破壊されて移動の電源車を必要な場所に速やかに派遣できない。今回の場合もそうかもしれません。そういう蓄電池の容量、それから発電機の燃料が枯渇する、これは東日本でもそういうことがたくさんありました。そういう基地局が機能を停止することが多々あるわけであります。  総務省では、そういったことを踏まえながら、東日本大震災で基地局の停波が広範囲におっしゃるとおり発生したことを踏まえ、災害に強い情報通信網の整備に向けて、今、有識者とか事業者の関係者で大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会、これをずっと開催をしております。八月の二日に中間取りまとめを発表いたしましたが、電気事業者等による基地局への自家用発電機の設置や蓄電池の容量の長時間化、また移動電源車数の数を増やす、こういったことを今求めております。  具体的な動きとしましては、例えばNTTドコモでは、都道府県、市町村役場の通信を最低でも二十四時間確保するため、また主要の基地局への自家用発電機の設置や蓄電池容量の二十四時間化、こういう新たな電源対策を推進しております。また、総務省といたしましても、平成二十三年度の第一次補正予算で各地方通信局に移動電源車を配備し、大規模停電時に地方団体や電気事業者に貸与する、そういうことで既に一次補正の分では東北に配置済みでございます。  我々総務省といたしましても、今回の十二号の台風被害も考慮して、電気通信事業者の取組状況も踏まえまして、非常用電源の在り方、そしてまた通信施設の安全、信頼性、こういった技術の基準の見直しも図っていこうと思っております。  以上です。
  77. 鶴保庸介

    鶴保庸介君 長い答弁、ありがとうございます。その答弁と同じぐらい、もうしつこくやってくださいよ、これは。和歌山県だけではなくて、ほかの地域も全部そうですからね。今度こんな問題が起きたら、そのときは私たちもう一度この質問に立たせていただいて、あのときやると言ったじゃないかと、はっきり私たちも申し上げますから、そのつもりで我々一緒になって頑張ろうじゃありませんか。  それから最後に、もう今後のことでこれだけはどうしてもという話がありました。さっき地元から電話が掛かってきまして、これからしてほしいことの一つでありますが、とにかく土砂ダムの対処、河道閉塞ですかね、等々があって土砂ダムがすごいと。こんなところにやってくると県も市ももう対応できない、専門家集団をとにかく一刻も早く派遣をして指導してくれという話であります、当然お分かりだと思いますが。  このことで私は少しちょっと考えるんですね。いたずらな公務員制度改革、いたずらなと言いませんけれども、余りにも性急な後先見ずの公務員制度改革は必ずしも、こういった専門家のレベルを下げてしまっているんではないかという危惧があります。  ずっとこれは、私前々から申し上げているわけですけれども、日本国国土交通省河川局、別に持ち上げるつもりはありませんが、こういった方々のこれまで培ってきた技術なりなんなりというのは世界的なものがあって、それが専門家集団としているからこそ、こうした災害には様々なことに対応する力を発揮できるというふうに思います。  そういう意味では、いたずらな公務員制度改革や様々な解体、解体的なものを今こそ見直していただけるよう思いをはせていただいて、さっき申し上げたように地方に対する温かい手だてをお願いを申し上げたい。  低利融資やあるいはお金目の話等々についてももっともっと申し上げたいことがありましたが、時間が参りましたので、最後に現地視察を是非また委員長にもお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  78. 若林健太

    ○若林健太君 被災地鶴保議員に続いて、私、自由民主党の若林健太でございます、質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、質問に入る前に、今回の台風十二号による災害によって亡くなられた方に心からの御冥福と、また被災された多くの皆さんへお見舞いを申し上げさせていただきたいというふうに思います。  先ほど来質疑の中でも出ておりますが、今回の台風十二号による災害被害状況については、亡くなった方、また行方不明の方が百名を超えるという状況になっておりまして、私はまだ現地には行っておりませんけれども、報道でうかがい知るだけでも大変な被災状況だと、これはまさに激甚災害に指定されるべき規模ではないかなと、こんなふうに思います。  現在、災害の査定を行って激甚災害指定について検討していただいているんだと、こんなふうに思いますが、どのような進捗状況なのか、いつごろこの結論を出していただけるのか、このことについて大臣にお伺いしたいと思います。
  79. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今現地では、先ほど来申し上げているとおりでありますけれども、まずは行方不明者捜索救助、これに全力を挙げているということでございます。それからライフライン復旧水道電気等々のライフライン復旧でありますし、それから被災した道路についての応急復旧、さらには孤立集落に対しての住民に対する支援、避難した方に対する支援、こうしたことに全力を挙げております。一方、被害額がどうだというような問題につきましては、これからの話になってくると思います。  激甚災害に指定するかどうかにつきましては、その災害査定、いわゆる災害の査定見込額の額ができまして、それと自治体の財政力との比較によってこれは自動的に決まってきます。早い最短のもので十八日間、これは先般の新潟、福島の豪雨がそうでございました。十八日間で激甚災害を指定しておりますけれども、大体一か月ちょっとぐらい掛かるかと思います。特に、今回の場合は非常にあちこち道路が決壊して、それから土砂ダム等々もあるという中で、この被害額の算定には若干の時間が掛かるのではないかというのが私の今の現段階での率直な感想です。  しかし、今回の災害は本当に大きな災害でございます。これは現地に行ってみれば分かります。そういうことを私は先般、午前中の衆議院の委員会でも申し上げてきましたということでございます。
  80. 若林健太

    ○若林健太君 指定をする予定とまでは言えないと、こういうことだと思いますが、東日本大震災のときには、あれは見るからにでかい災害状況でありましたから、翌日には激甚災害と、こう指定するということとともに、当該災害に対して適用するべき措置を指定し、災害復旧事業の国庫補助のかさ上げなど、地方公共団体に対する特別の財政援助を実施することが閣議決定されました。  復旧に必要な資金を国がしっかり用意をするよと、こういうメッセージを出すことが、被災地の皆さん、また被災自治体へ立ち上がる勇気を与えるものだと、こんなふうに思います。なるべく早い指定に向けて是非御努力をいただきたい。そして、もちろん積み上げ、これは法の規定に基づいて指定をするものですから、積み上げていかなければならないことでありますが、しかし、こういうときだからこそ政治の指導力が問われているというふうに思いますので、大臣の積極的な取組をお願いしたいと、こんなふうに思います。  激甚災害の指定以外の財政援助の実施というのも重要な観点だというふうに思うんですね。災害廃棄物の処理に対して、東日本大震災の際には、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法、その制定によって、市町村が行うとされていた災害廃棄物処理について国が直接処理をするようにいたしました。また、費用負担については早い段階から、国の補助を最大九五%、残り五%は交付税措置対応するよと、町は負担しないので大丈夫だよと、こういう対応をしていただいたものであります。  平野大臣は九月六日の現地視察の際に、マスコミから、あの東日本と同様の財政支援をする考えはないかと、こういう記者の質問に対して、国交省や環境省の問題もあるので検討したいというコメントを出しておられます。また、報道によると、藤村官房長官と我が党の石破政調会長、会談をして、瓦れきの全額国負担、こういうものについても是非検討したいというようなコメントを出していただいているようであります。  今回のこの大きな被災に対して東日本大震災と同じような同程度措置をするそのおつもりがあるかどうか、今現時点での検討状況、おつもりについて伺いたいというふうに思います。大臣に。
  81. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 御案内のとおり、東日本大震災では二千万トンから三千万トン、二千二百万トンぐらいだったと思いますけれども、大量の瓦れきが発生をしたということであります。今回の災害においても瓦れきが出ております。しかし、全体の量からすれば、東日本大震災の量とはちょっと比較にはならないと思います。  ただ、那智勝浦町にお邪魔した際には、そこで見て驚いたのは、やはり上流から来ている流木の多さ、それから被災家屋の多さ、ちょうどあそこは那智の滝に行くときの道路に沿って家々がございますけれども、あの状況を見ますと、その家々があったところが一時的に全部河道になったというか水が流れているという、流れたという、そういう状況が恐らく何時間か続いたんだろうと思います。その結果として車も流されて、その車も、ちょうど津波のようにかなり傷んだ形であちこち放置されているという状況を見まして、少なくとも那智勝浦町がこの処理をするのは実に大変だろうなということは瞬時に分かりました。  そういったことも含めまして、東日本大震災のような形になるのかどうか、今のところは確たる、申し上げられませんけれども、少なくとも局所的に見た場合には、特に那智勝浦町一町に関して言うと、かなりの負担が掛かってくるだろうということは容易に想像付きますので、このものについては環境省にも現地よく見ておいてくれということで、先般呼んで指示を出したところでございます。
  82. 若林健太

    ○若林健太君 これは災害廃棄物ですから環境省の所管、しかし防災という意味で、災害ですから大臣のやっぱり所見が非常に重要だというふうに思います。前向きな今お話をいただいていたんだと思います。  被災状況は各市町村によって違いますから、それぞれの市町村の被災状況に応じて対応しなければいけない。特に中山間地の市町村、財政力も非常に厳しい状況の中で今回の被災を受けているということでありますから、そうした点も是非考慮の中に入れて対応していただきたいなと、こんなふうに思いますが、しかし一方で、今日資料で御覧になっていただいているように、特別措置とすれば、通常の場合でいけば国庫補助二分の一、地方負担分の八〇%について交付税措置をするというのが災害廃棄物の対応、阪神・淡路あるいはこの間の東日本については別途の特別の措置をしたと、こういうことで、じゃ、特別の措置をするのはどういう場合についてそれを行うのか、この辺の考え方をこの際やっぱりはっきりしていかないといけないんではないか。  もちろん、中山間地の財政力の低い自治体に対する配慮、これも必要だと思いますし、その時々のその被災状況を受け止めた自治体状況というのもあると思うんですけれども、この辺についてどういう観点で今後特別な措置ということを考えていこうとするのか、現時点で考えられている基準といいますか、そのことについて大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  83. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 考え方とすれば、やはりこの災害廃棄物、瓦れきの処理することによって当該自治体に過度な負担が掛かると、掛からないようにするというためにはどういう措置が必要かということだろうと思います。  東日本大震災につきましては、先ほど申しましたように大変な量の瓦れきができておりまして、その処理を市町村がまず主体となってやるということに当たっては、例えば負担率が一%だったとしても大変な負担額になってしまうと、そういったことも考えた上で特例措置を用意したということであります。  じゃ、どこからその特例になるかということについては、これはなかなか明確に線を引くというのは難しいと思います。いろんな被災自治体状況、瓦れきの発生量、それにどれだけのコストが掛かるか、こういったことも踏まえながら弾力的な対応をするということが必要ではないかなというふうに思います。
  84. 若林健太

    ○若林健太君 非常に難しいところだと思います。何でもかんでも特例だというわけにはいかないと、こういうことでもありましょうし、しかし先ほど大臣がおっしゃられたように、それぞれの自治体状況、同じ被災の額でも、被災状況でも受け止めた自治体の体力によって、例えば五%であってもそれだけの負担ができるところできないところがあると、こういう御判断だと思いますので、その辺は本当に弾力的に政治家としての御判断を是非今回についてもしていただきたいと、こんなふうにお願いを申し上げておきたいというふうに思います。  次に移りたいと思いますが、土砂災害防止対策についてお伺いしたいと、こんなふうに思います。  我が国は急峻な山地や谷、崖地が多くて、地質が非常に脆弱であるという土地の条件に加えて、台風豪雨、豪雪に見舞われやすいという気象条件のため、土石流、地すべり、崖崩れなどの土砂災害発生しやすい国土であります。私は地元、長野県でありますが、長野県も含めて全国至る所で土砂災害発生する可能性を持っているというふうに思います。実際、集中豪雨や地震に伴う土石流や地すべり、崖崩れなどの土砂災害というのは平成元年から二十年までの二十年間で毎年平均約千件程度発生しているというわけでありまして、多大な被害が毎年発生をしております。  平成十一年六月、中国地方に停滞した梅雨前線による集中豪雨によって、広島県で死者三十一人を記録する大きな災害がございました。この災害をきっかけとして、土砂災害から国民の生命及び身体に対する安全を確保するべく土砂災害防止法平成十二年の五月に制定されて、翌十三年から施行されたということであります。  今回、台風十二号による被害に当たって、土砂災害警戒区域あるいは土砂災害特別警戒区域の指定状況被災地域においてどういう状況であったか。先ほど大臣答弁の中にも、実は指定されなかったけれども大きな土砂災害発生した地域があった、こんなお話も伺いましたが、その状況についてお伺いできればと思いますが。
  85. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今先生からのお話にもありました土砂災害警戒区域あるいは土砂災害特別警戒区域の指定状況ということでございます。  まず、全国で申し上げますと、これは今年、平成二十三年の七月三十一日現在でございますけれども、土砂災害警戒区域の指定数は二十二万五千六百八十三か所、また特別警戒区域は十万六千四十六か所ということでございます。また、今回台風十二号によりまして被害の大きい三県、和歌山県、奈良県、三重県におきましては災害警戒区域が六千三百四十か所、そして災害特別警戒区域が千三百二十五か所という状況になってございます。
  86. 若林健太

    ○若林健太君 今指定の箇所数についてお伺いしたんですが、答弁いただきましたが、十二号によって被害を受けたところ、そしてまたその指定をされなかった地域で実は土砂災害が起きていると、こういう状況についてお伺いできればと思いますが。
  87. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今御指摘の箇所につきましては、先生御指摘のように、警戒区域等が設定されないところでも発生しているということは事実でございます。  それで、数字でございますが、これは九月八日現在であります。九月八日現在と申し上げました意味は、まだ現在調査が進んでいない、現地に入れない、そういった箇所もあるという意味で申し上げてございますが、九月八日現在でありますが、発生した百二十七か所のうち、警戒区域が指定されていた箇所が二十八か所、指定されていなかった箇所が九十九か所という、そういう状況となってございます。
  88. 若林健太

    ○若林健太君 想定外の今回の災害であったということを踏まえたとしても、結果としてその指定されていない地域における土石流が発生してしまっているということが分かりました。この点を一つ確認をさせていただいて、さらにもう一点。  報道によると、奈良県内で崩落した三か所について、土砂災害防止法に基づく警戒区域に指定されていなかったんだけれども、実は人家がその危険区域の近くの方になくて対岸にあったと。土砂が落ちてきて川の流れが変わって対岸にあった家が流されたと、こういうようなこともありまして、したがって指定基準に該当しなかったというようなこともあったそうであります。それは先ほどの数の中の一つに入ったのかもしれません。  いずれにしても、今回のこの災害を受けて、この指定基準の見直しということについて考える必要があるのではないかというふうに思いますけれども、御所見をお伺いできればと思いますが。
  89. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今御指摘のございました今回の台風十二号によります被害状況というものは、警戒区域等を指定していないところでも発生しているということは先ほど申し上げたとおりでございます。  特に、今回の災害の主たる原因となっております降雨につきましては、約二千ミリに近いというような極めて、めったにないという降雨でございまして、こういった豪雨に対しまして、今回の災害のもう一つの特徴でございますいわゆる深層崩壊という、極めて大量の、多くの雨が降ったことによりまして地盤そのものが深いところから崩壊していく、こういった特徴も持ってございます。  こういった今回の災害状況につきましても、よく私どもも調査をいたしまして、その原因、それから、その結果どの範囲がどういうふうに被害を受けてきたか、こういったものをしっかり調査をした上で今後の対応について十分検討してまいりたいというふうに考えております。
  90. 若林健太

    ○若林健太君 確かに今回は非常に特殊な条件がそろってしまって大きな災害をもたらした、特殊な事態だと、そのとおりだと思うんですね。  しかし、実は近年、ゲリラ豪雨だとか集中豪雨と言われるようなことが頻発をしているわけでございまして、そういう意味では、結果として指定されなかった地域においてこれだけの土砂災害が起きたということを踏まえれば、指定基準の見直し、これをやっぱり検討すべきだというふうに思いますが、その点について明確にちょっとお答えしていただければと思います。
  91. 関克己

    政府参考人(関克己君) 先ほども申し上げましたが、最近、深層崩壊という現象が非常に多く報告されるということがございます。明確な調査というものはこれからになるわけですが、いわゆる現時点での知見で申し上げますと、深層崩壊というものは大体降雨量、総降雨量が千ミリを超えるような、こういった場合に発生するというふうに見ております。まだこれから十分調査をしていかなければなりません。そういう意味では、最近千ミリを超えるというような降雨が非常に増えてきているというふうにも言えるというふうに思っております。  そういう意味では、こういった降雨の状況それから被害状況、こういったものも含めまして災害状況が変わってきているという可能性があるということも踏まえて、十分しっかり調査をした上で検討してまいりたいというふうに考えております。
  92. 若林健太

    ○若林健太君 なかなか指定基準の見直しというところまで言及されませんけれども、それは当然のことながら見直しをしていかなければならないと、検討するという言葉に含まれていると、こう理解をさせていただきたいと思います。  昨年、土砂災害防止法は改正されたわけでありまして、その改正の中で、大規模土砂災害の急迫した危険のあるときには、国や都道府県が緊急調査を行って市町村長に避難勧告、避難指示の判断に資する情報を通知したり、あるいは一般に周知するということになったわけでありまして、まさに先ほど来話題になっています河道閉塞による天然ダム、今十二か所あるという、先ほどの大臣答弁にもありましたが、確認されているようですが、これに対する対応、昨年の法改正の中で出てきているわけでありますが、これに対して既に緊急調査を行っていると思いますが、その実施状況についてお伺いしたいと思います。
  93. 関克己

    政府参考人(関克己君) 御指摘のように、今回、台風十二号によりまして大規模土砂崩壊が発生し、これに伴いまして十二か所の河道閉塞が形成され、特にそのうち、この河道閉塞が上流に水がたまりますことにより決壊のおそれがある、こういった急迫性の高い箇所が四か所ございます。この四か所につきまして、この九月の六日から御指摘の土砂災害防止法に基づく緊急調査に着手したところでございます。  この調査に当たりましては、国土交通省地方整備局あるいは国土技術政策総合研究所あるいは土木研究所といった土砂災害の専門家が現地に入りまして調査をしており、この調査の結果を踏まえまして土砂災害緊急情報、これを九月八日に出させていただいたところでございまして、この対象としては、奈良県の五條市、それから十津川村、それから和歌山県の田辺市でございます。この情報に基づきまして、対象地域では住民の方々への避難指示等を出させていただき、避難等の対応が図られたというふうに承知してございます。  あわせまして、現地には、この想定される区域につきましては救命救助等の活動のため多くの機関が入ってございますので、こういった皆様方にもこういった情報については周知をさせていただいたところでございます。  さらに、こういった情報、調査に基づきまして、河道、決壊するおそれもあるといったことから、こういった対策についても併せて進めていく必要があろうかと思っております。特に、現地につきましては、水位計、人里離れたところでありますのでなかなか人が入れないということもありまして、ヘリコプターで水位計を上空から落としまして、上流の状況確認、あるいは閉塞の状況確認するためのカメラの設置、こういったものを設置し、観測体制の強化ということも併せて図っているところでございます。
  94. 若林健太

    ○若林健太君 昨日の質問のときにはまだ緊急情報は出てないというお話でしたが、既に出されたということで、市町村はそれに基づいて避難指示を出していると、こういうことで理解させていただきました。  実は、次の台風の到来ということも言われておりまして、非常に天然ダム、決壊が心配されています。今のその緊急調査、現状を管理するということも必要だと思いますが、私素人だからあれですけれども、水を抜いたりなんかして少しずつ危険を除去するという手も打たなきゃいけないかと思うんですけれども、現地はそういう対応というのはどんなふうにされているのか。もちろん市町村なんかではできませんので、技術力のある国が実際には手だてを打っていかなきゃならぬと思いますが、その辺はどういうふうに取り組んでいるか伺わせていただければと思います。
  95. 関克己

    政府参考人(関克己君) 御指摘のように、こういった河道閉塞によりまして湛水し、そしてそれが決壊していくという極めて危険な状況がございまして、これをいかにこの危険な状況を避けていく、より安全にしていくかということは極めて難しい状況であるということでございます。そういう中で、私どもこれまでの実績を踏まえながら、過去の実績を踏まえながら幾つかの対応を検討しているところでございます。  具体的に申し上げますと、平成十六年、これは中越地震で山古志村で大規模河道閉塞がございまして、これへの対応、さらには平成二十年、岩手・宮城内陸地震、これにおきましては栗原市でやはり同じような大変厳しい状況発生してございます。こういったときに進めてまいりましたのが、今先生御指摘のように、排水ポンプ車で上流の水を下流に吐いて水位の上昇を防ぐ、あるいは水位を下げてやるということ、あるいは水路、排水路というものを設けまして、仮に上流の水が安全に下流に流下するようなそういった施設を設置していく、こういったことが考えられるわけでございます。  ただ、いずれにしろ、雨で緩んだ土砂がたまっているという極めて土砂が軟弱な状況である、しかも高さが五十メーターとかそういった状況にあるところでの作業でございますので、今進めております調査に基づきまして、どういった方法がそれぞれの河道閉塞において可能かといったことを早急に詰めながら、検討しながら、こういった対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
  96. 若林健太

    ○若林健太君 マスコミ等でも大変興味を、国民の皆さんがどうなっていくのかと心配をしている点でもあります。一方、しかし大変危険な作業でもあると思いますので、リスクをしっかり管理しながら対応を是非していただきたい。こういうときはやっぱり国が、技術力を持った国がしっかり前へ出て、そして市町村との連携を取りながらしっかり対応していただくということが大切だというふうに思います。御期待を申し上げたいというふうに思います。  ちょっと話題は違うんですけれども、せっかく気象庁の皆さんに来ていただいているので、台風十二号に伴う回線障害によって、三重奈良和歌山の各県で一部のアメダスが欠測という状況になっていて、この地点ではレーダーや数値予測などから算出した解析値を使用して代替していると、こういうふうに伺っておりますけれども、この欠測の事実関係についてお伺いしたいと思います。
  97. 羽鳥光彦

    政府参考人(羽鳥光彦君) 今回の豪雨では、和歌山奈良三重の三県で十か所のアメダスが障害となりました。これまでに一か所を除き全て復旧しております。  具体的に申し上げますと、地上の通信回線等が障害となりました七か所については七日までに順次復旧しました。また、機器が水没した地点ございまして、それら二か所につきましては、昨日の八日、衛星回線を用いた代替観測機器等を新たに設置いたしまして復旧しております。残る一か所につきましても、可能な限り早期に復旧させるべく今努力しているところでございます。  なお、障害が発生したアメダスにおいても、幸いにもその多くは雨のピークが過ぎた後、障害が発生したということでございますし、さらに先生御指摘のように、障害時におきましても、当該地域については雨の状況について気象レーダー等により監視に努めたところでございます。  以上です。
  98. 若林健太

    ○若林健太君 復旧は進んでいると、こういうことでありますが、台風シーズンも非常に近づいてまいりますし、被災地の皆さん、二次災害に向けて大変心配されるところでありますから、予測体制の充実強化、そういう意味でも早急な復旧に是非御努力をと、こんなふうに思います。  時間が参りました。以上で質問を終わらさせていただきたいと思います。
  99. 荒木清寛

    荒木清寛君 台風十二号による犠牲になられた方へのお悔やみを申し上げ、被害者の方にお見舞いを申し上げます。  大臣におかれましては、未曽有の災害が続く中、大変御苦労さまでございます。  ただ、今回の台風十二号につきましては、先ほどの報告の、大臣本部長とする非常災害対策本部の設置の時期が少し遅かったのではないか、こういう感じを持ちます。今日の御報告でも、八月三十日十七時からの総雨量が云々で記録的な大雨となった、こういう報告でありますし、三日の十時前には高知県に上陸しているわけですから、四日の夜八時に設置をしましたというのはちょっと間が空き過ぎている。最悪の事態を想定してもっと早い時期に対策本部を設けるべきであった、このように私は考えますが、今後の教訓も含めて大臣の見解を伺います。
  100. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今委員御指摘のように、非常災害対策本部設置、これは九月四日の二十時で、第一回会合が二十一時三十分ということでございます。その前に、同日の午前中、十時半からでございますけれども、第一回関係省庁連絡会議開催、これは通常の大きな災害のときに開催するものでございます、これを開催したということであります。さらに、九月三日には官邸情報連絡室を設置しております。九月二日には内閣府情報対策室を設置しまして、現地の情報の収集に当たっていたということでございます。  非常時災害本部の設置の時期については様々な御意見があろうかと思いますが、こういった今の現地状況等を踏まえてこの時期に設置をしたということでございます。
  101. 荒木清寛

    荒木清寛君 つかさつかさでは当然やっていたわけですし、東日本の復興もあって、なかなか二方面というのは大変だということは分かりますが、やはり早くそういう構えをつくって備えていただきたいということを申し上げます。  次に、ライフライン復旧の見通しについてお尋ねします。  今回の台風では、土砂災害河川のはんらんによりましてライフラインが甚大な被害を受けているわけであります。特に、三重県、和歌山県では多くの世帯で断水が続いておりまして、土砂を洗い流そうにも水道が出ない。私は三重県の紀宝町に行きましたが、清水をくんでバケツで水を流しておられました。  そこで、特に上水道復旧について、これは自治体任せでは当然なかなかいかないわけですから、政府も全面協力して、いつごろまでに各地域における上水道復旧ができるのか。私は紀宝町で聞きましたら、ここは取水施設のポンプが土砂と浸水で破壊されておりまして、数か月直すには掛かりますと言っておられました。したがって、こういう地域では臨時のそういうポンプを持っていってやらないことには、数か月これは断水しておったのではもう大変なことになります。この紀宝町での対策も含めて、いつまでに各地域のこうした断水を政府の全面バックアップで解消できるのか、示していただきたいと考えます。
  102. 篠田幸昌

    政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。  ライフライン水道についての被害、またそれの復旧についてのお尋ねでございます。  先生おっしゃいましたように、今回の台風によりまして、和歌山三重というところで大変断水の事故というのが生じておるのはおっしゃるとおりでございます。特に、三重県の方におきますと一万七千戸断水ということもございましたし、和歌山ですと三万三千戸断水という結果が生じております。もちろん、被災の直後から各水道事業体方々復旧の作業を始めておられます。今日現在で三重県では九千戸、和歌山では約一万一千戸が復旧という状況でございます。  ただ、先生お触れになりましたように、水道の事故というのはいろいろ形態がございます。おっしゃいました三重県の南部の紀宝町でございますと土砂によりまして取水口が埋まったとか、あるいは別のところですと浄水場が冠水をしてポンプができないとか、いろいろケースございます。  したがいまして、もちろん引き続きその復旧ということは取組をさせていただきますし、また必要がございますれば県内とか県外の方から現場の技術者を現地派遣するといった体制もございますので、そういったことを使いまして、可能な限り早期に復旧をしていくということで対応してまいりたいと思っております。
  103. 荒木清寛

    荒木清寛君 それはもう技術者の派遣の必要はあるに決まっているわけで、可能な限り早くということは分かりましたが、大体もうこの一月以内に復旧するとか、そういうめどは示せないんですかね。
  104. 篠田幸昌

    政府参考人(篠田幸昌君) なかなか個々のケースで難しゅうございますので、一律に何日までということは今の時点で申し上げるのは、簡単な復旧でございましたらもちろん直ちに取りかからせていただきますけれども、大きな復旧ですと当面仮設というような形で対応することもあろうかと思いますので、何はともあれ、現地の事情ということがございますので、可能な限り早い復旧ということに心掛けてまいりたいと思います。
  105. 荒木清寛

    荒木清寛君 その復旧の前までに給水車を増援すると、こういうことはしっかりやってもらっていますか。
  106. 篠田幸昌

    政府参考人(篠田幸昌君) こちらも同様でございます。  三重県あるいは和歌山県ということでございますと、隣接あるいは近接の地方公共団体の方から給水車を出していただきまして対応していただいているということはございます。生活に必要な用水でございますので、こちらを被災者方々に提供するというのは非常に緊急性を要しますし、また一定の時間、引き続きやっていかなければいけないということもございますので、もしこれもそういう事情で是非、御要請があればということであれば、さらに給水車の提供あるいは派遣ということも増加していただけるような態勢は整えてあるつもりでございます。
  107. 荒木清寛

    荒木清寛君 次に、この三重県紀宝町では、熊野川の支流の相野谷川がはんらんをしまして甚大な被害発生をしましたが、その中で輪中堤ですね、堤、これが三か所あるんですけれども、全部溢水しまして浸水を防ぎ得ませんでした。  ということで、今後、この地域についてはどういう形で復旧するのか、私は現地見て非常に困難性も感じたわけでございますが、これは国土交通省の方に、どういう方針でこの輪中地区復旧考えているのか、お尋ねします。
  108. 関克己

    政府参考人(関克己君) 御指摘の相野谷川、これは新宮川の支川、河口部から一番近い、上流にある近い支川でございます。この河川の治水に当たりましては、御指摘のように輪中堤という考え方を持って、集落を堤防で囲むということで安全度を確保しようということでこれまで進めてきたところでございます。  今回この堤防を超える、しかもこの堤防は本川の堤防と同じ高さ、本川の高い水位が支川に及んだ場合においても守れるという高さで造った堤防でございますが、この堤防を二メートルから三メーター超えるという高さの洪水によりまして、この地域全体が甚大な洪水被害を受けるという状況になったものでございます。さらに、その災害、水害の中で、堤防が四十メートルにわたりまして転倒、倒れまして、堤防の機能が現在喪失しているという状況でございます。さらにまた、排水機場につきましても運転が今困難な状況になっております。  こういった状況下におきまして、まず応急措置をしっかりやるべく、この四十メートルの箇所につきましては土のうを積みまして、まだまだ上の十分な高さまで参りませんけれども、この四十メートルについてはまず大型土のうによりまして連続性を確保させていただいたところでございます。さらに、ここに鋼矢板、鉄の板でございますが、これを用いました締切りを九月中の完了をめどに現在鋭意進めているところでございまして、九月中には一定の安全度を確保できるように取り組んでいるところでございます。  さらに、排水機場につきましては、元々毎秒十一立方メートルという量の水を吐く機能を持ってございました。これがゼロになっていたわけですが、現時点で全国から可搬式の車に積みました排水ポンプ車を集めまして、現時点で五立方メートル、約半分まで復旧させており、さらに明日までには十一、本来の機能とほぼ同等の機能を確保すべく現在対応しているところでございます。さらに、今後の対応につきましては、本格復旧にできるだけ早く着手し、機能を確保するということを考えております。  また、御指摘のように極めて大きな洪水でございました。現時点での推定値でございますが、毎秒二万二千立方メートルという洪水が発生したと、本川におきましてでございます。こういった状況を踏まえまして、今回の雨量あるいは流量、こういったものをベースに、計画規模を超える洪水が出たことを踏まえまして、改めてこういったものについて今後の治水の在り方、計画につきまして調査をした上で検討を加えていきたいというふうに考えております。
  109. 荒木清寛

    荒木清寛君 最後に大臣に関連をしてお聞きします。  東日本大震災で、各自治体から被災土地の買上げについて国が財政措置をしてもらいたいという強い要望は大臣の方に繰り返しあると思います。  我が党も昨日、第三次補正への提言の中で、高台移転等のためにはこの被災土地の買上げが必要でありますのでこの予算措置をすべし、こういう申出もしております。東日本大震災を中心に、ある意味では震災も関連するかもしれませんが、被災土地の買上げということについて国がきちんと対応すべきだと考えますが、大臣考えをお尋ねします。
  110. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今、東日本大震災被災地域の自治体、市町村が主体になりまして復興計画を作っております。その場合に、地震、津波の被災地域の中で大きな柱となるのが土地利用計画であります。その土地利用計画を作るときに、今回は津波の被害でございますから、もう御案内のとおり、従前地、住宅であったところがこれからも住宅地ということにはならない場合もある、そういう場合には高台移転といった、そういった手段も一つの選択肢になってくるわけです。  今御質問の趣旨は、今回のそういった集団移転事業あるいは地盤沈下した地域について土地の買上げができないかということについてはどうかという御質問でございまして、これは何回も国会でも取り上げられました。私は、土地利用計画を作るときは、土地はとにかく従前地にかかわらず有効利用するのが基本じゃないかということで、それを基本にして土地利用計画を作るべきであると。ただし、どうしてもそこは、例えば住宅地としても使えない、農地としても使えない、ほかのあれにも使えないんだというところについては、今の制度の中でも土地の買上げ制度というのはございます。その買上げ制度のことを利用しながら買上げをするということも一つの手段だということを繰り返し申し述べております。ただし、その買上げの単価をどうするか等々については、これから自治体の各いろんな状況を踏まえながら検討すべき課題だというふうに思っております。
  111. 荒木清寛

    荒木清寛君 終わります。
  112. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗です。  引き続き質問させていただきますが、まず冒頭に、この度の台風十二号でお亡くなりになられた方々、御遺族方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  現地では再び激しい雨が降ることが予想されております。これからまた雨が降ると、それによって奈良和歌山両県で、この度の台風発生した河道閉塞箇所二か所で決壊のおそれがあるとの土砂災害緊急情報が昨日公表されました。  そこで、大臣、今分かる範囲で結構なんですが、現在の状況はどうなのか、またそれに対して実際どういった対策を取っているのか、取ったのか、お答えいただきたいと思います。
  113. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 河道閉塞十二か所、うち四か所については浸水深等々について国土交通省調査をしているということで、二か所については緊急避難するようにという、自治体との連携の中でやったということについては私も逐次報告を受けております。  その一方で、先ほど河川局長からもるる説明がございましたけれども、遠隔監視のカメラを付けたり、それからあと現地状況を見ながら湛水深がどうだとか、それからあと土砂がどういう状況になっているかについてかなり詳細な詰めを行っています。その先に今念頭に置いているのは、先ほどのほかの委員の御質問にもお答えしましたけれども、この河道閉塞状況解消するためのいわゆる工事をどのようにするかということを視野に入れながら今検討を進めているということであります。
  114. 山本香苗

    山本香苗君 もうこれ以上人的被害を拡大させるわけにはいきませんので、是非、継続的な監視体制はもちろんでございますけれども、しっかりと必要な体制を取っていただきたいと思います。  今月の六日の日に、先ほど中村委員から奈良県の状況、御質問がございましたけれども、私も六日の日に、この度の台風土砂災害で陸の孤島となりました五條市の大塔町宇井地区へ途中から歩いて行ってまいりました、かなり歩きましたけれども。避難所となっているふれあい交流館のところで、上田自治会長から今回の土砂災害発生したときの生々しい状況を伺ってまいりました。  土砂が崩れた途端に、すごい風圧で一瞬にして川底が見えた、対岸の集会所が跡形もなくなくなっていた、あれは山津波だったと。朝ちょっと小降りになったから、ちょっと自宅に戻ってくると言って被害に遭った方がおられた、あのとき無理にでも止めておけばよかったと、本当に涙ながらに語ってくださっておりました。避難所では水、電気電話といったライフライン寸断されております。道路寸断されて情報もない、まるで陸の孤島だと、その当時ですね、一日も早くライフライン復旧してもらいたい、こういう切実な声がありました。  先ほどの報告の中では、ライフライン復旧が進んできているという御報告でありましたけれども、先ほど荒木議員からもありましたが、復旧の見通しですね、めどというのをやっぱり示していただきたいんです。どうでしょうか。
  115. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 例えば水道、さっき荒木議員から御質問ございましたけれども、水道復旧については、例えば道路がもう通っていて資材搬入等々に全く差し支えない、いわゆる河川の下流域の市街地等々につきましては、これは先ほど審議官もお答えになっていましたけれども、自治体間の連携によって復旧がかなり速いスピードで進むんじゃないかというふうに思います。これは東日本大震災もそうでした。水道は、何か伝統的に自治体間の連携という体制ができておりまして、この町で何かがありますとこの自治体から技術者が行く、あるいはポンプ車が行くという体制ができています。今回も被災自治体との関係自治体の中で連携がされていて、ポンプ車も比較的早く入ったというふうに理解しています。  問題は、やはり山の方でありまして、孤立集落については何といっても資材を運ぶ道路がまだできていないという中で、電気水道もなかなか復旧できないという中で、私、国交省さんにお願いしているのは、まず道路復旧についての見通しをできるだけ早くつくるべきではないかと。その復旧の期間が長くなりますと、それだけ孤立する集落の期間も長くなります。そうしますと、その集落に何をしなくちゃならないかという対策が出てきます。比較的短い区間であれば、道路復旧を急いで、あと自由に通行ができますから、まず応急の処置、応急の支援だけで足りますけれども、そういったその人に、集落に着目した支援をどうするかということについても、例えば道路なんかについての復旧のめどというのは早くつくるべきだということで、今国交省では奥田副大臣を先頭にその詰めを現地と急いでいるというふうに理解をしております。  長くなって済みません。
  116. 山本香苗

    山本香苗君 大臣おっしゃるとおりなんです。電気であれ水であれ、ライフライン復旧の鍵握るのは道路なんですね。先ほどもお話ありましたけれども、今回の台風道路ずたずたです。紀伊半島の動脈である先ほど出てきた国道百六十八号線、ここ、道路が崩落して通行できません。迂回する林道は自衛隊のおかげでどうにか復旧したんですけれども、緊急車両だけ当面という形になっていまして、現地では何で通行させてくれへんねんという形で現地の住民と言ってみたら押し問答が続いていて、自治体も大変苦慮しているというふうに伺いました。何としても早くこの百六十八号線の復旧をしてもらいたい、そのため国の全面的な支援をお願いしたいと、これが地元の住民であり、また自治体の強い願いであります。  午前中にも、また先ほどのお話の中でも、でき得る限りの支援をしたいというふうに午前中も松原副大臣答弁されておりましたが、先ほど政務官も来られて答弁されておりましたが、でき得る限りの支援とは具体的に何なのかを含めて、具体的な答弁を副大臣、よろしくお願いします。
  117. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 山本議員におかれましては、本当に徒歩でまで集落の方に入っていかれたというお話に大変感銘をいたしました。私どもも本当に現地へ足を運びたい思いが多々ありますけれども、まずは大臣が自ら入ると。平野大臣和歌山県側へ、そして前田大臣の方は奈良県側へということで、留守を頼むという形で国会の方、政府の方を預かっておったわけでもあります。  できる限りの支援という中で、一つ一つ何をしているのだということでいえば、今最優先のこととして取り組んでいることは二つあるかと思います。一つはせき止め湖、河道閉塞の問題。そしていま一つは、孤立集落というものを解消するための道路復旧復旧というよりも、まず通れるように切り開いていくということを全力でやっているところでもあります。  国が行って地方のやることを取っているのかというと、そうではなくて、河道閉塞の方では土砂災害防止法の改正で初めての調査の出動ということになります。そして、道路の方でも、国というだけではなくて、地方整備局と県ともプロジェクトチームを組んで技術的な、そして人的な対応というものに取り組ませていただいています。
  118. 山本香苗

    山本香苗君 ちょっと時間がないので余り突っ込まないで次に行きたいと思いますが、今の御答弁からしても時間掛かりそうなんです。  平成十一年度から事業化されていて平成二十六年には開通予定の辻堂バイパスがありますが、この計画を何とか前倒しできないんだろうか、可能なのかどうなのかと、前倒しを国交省として前向きに検討する考えがあるのかどうか、この点を明確に御答弁いただけますか。
  119. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 今御指摘の辻堂バイパスの方は奈良県の方の事業ということであります。そして、時間的にはどっちが早いんだということでいえば、私も少しお話を聞いてまいりましたけれども、今の既存の道路復旧に取り組む方が早いと。その理由というのは、バイパスの方はまだトンネルそして橋梁基礎といった時間の掛かるところがまだ残っていると。部分的に先生御存じのように供用している部分はありますけれども、それが川を渡ってまた戻ってくるような、今の被害地域の対岸を通るルートを供用するというのにはまだまだ時間と資材と資金等が必要だということであります。
  120. 山本香苗

    山本香苗君 とにかく見ていただいたら分かると思うんですが、非常にバイパスのところはきれいにできています。できればいろんな形で既存のものを早く仮復旧まずすると。その中で、選択肢として、県だけに任せるんじゃなくて、国もしっかりと連携していただいて安全な道路の早期確保ということを、手段はどうであれ安全な道が確保されることが大事でございますので、やっていただきたいと思います。  今回、山津波のような土砂災害が起きたここの五條市の大塔町、昔は村だったわけですが、ここは急峻な山間部にございます。高齢化率も現在は五一・六%と、市内の中でもとにかく高いところです。ここに前田国交大臣もちょうど行かれたそうなんですが、仮設住宅を建てるという話が市長さんにあったみたいですけれども、仮設建てようにも建てるところがないと、そういうところです。でも、ここにお住まいの方々は生まれたところで住み続けたいという思いでおられます。  こうした山間部、中山間部でどうやって安心、安全に居住し続けることをできるのかと。そのためには都市部とは違った対策というものが必要だと思います。是非、関係省庁とか、また地方自治体、有識者を集めた会議を立ち上げていただいて、具体的な対策というものを是非検討していただきたいと思うんです。  先ほど来お話ありましたけれども、避難の在り方ですね、こういう山間部における避難の在り方や、また避難勧告等の発令の仕方、これは現地で伺ってまいりましたけれども、一律にはやっぱり難しい。兵庫県の佐用町の例のようなものもありますけれども、非常に難しいわけで、こういった地域の特性を考えた上での在り方というものをこの中で検討していただくことをお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  121. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 既に和歌山三重奈良県三県共同で今回の被災等々も踏まえて復興計画を作る復興会議をつくるという構想を持っておりまして、前田国交大臣三重県に視察に行った際に三重県からそのような提案がございまして、前田国交大臣は受けましょう、やりましょうというふうに返事をしております。そうした会議体に国交省を中心に私ども内閣府の防災担当も入りまして、その地域の様々なこれからの防災に強い地域づくりに力を尽くしたいというふうに考えております。
  122. 山本香苗

    山本香苗君 確認ですが、今の三県合同会議でそういうことを話し合うということですか。
  123. 平野達男

    国務大臣平野達男君) そういうことを話し合う会議だというふうに理解しておりまして、そこに国の機関、国交省、内閣府も入って共同でいろんな議論をしたいということでございます。
  124. 山本香苗

    山本香苗君 三県に限ることじゃないと思うんですね。山間部というのはいろいろその三県以外にもあると思うので、私はちょっと考え方として違う形でやっていただきたいと思っているんですが。
  125. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いずれ、今回の被災を踏まえまして、例えば避難勧告の在り方等々について、やった自治体、やらなかった自治体、やった自治体はどういう考え方、どういう基準で出したのか、その結果、地域でどういう動きが起こったのかということについては、この被災が一段落した段階できっちり調査をしたいと思います。その結果は、全国の山間地域の様々な防災対策地域づくりに役立てていくということになると思います。
  126. 山本香苗

    山本香苗君 今の三県の合同会議お話ですけれども、国が、国交省が、あと防災部局が、内閣府のですね、行くという話なんですが、ただ単に行くという、国がオブザーバー的に入るんじゃなくて主体的な役割を果たしていただきたいというような声が上がっていますが、そういう役割で入られるということでよろしいですね。
  127. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まだ復興構想会議、その中身については正直申しまして具体的にこうこうというところまでまだ聞いているわけではございません。いずれ、そういうところに入る以上は、国が様々な情報提供を行う、意見も言う、そういう中で国の主体性もしっかりやっぱり発揮するということがこれは当然必要になってくるというふうに思います。
  128. 山本香苗

    山本香苗君 是非そういう、単なるオブザーバーで入っていますというものではなくて、しっかり国が主導的な役割を果たすというような形で三県のこの合同会議を一緒に進めていっていただければと思います。  最後になります。  午前中も我が党の西議員から激甚指定のことは話が最後にちらっとあったと思いますけれども、昨日官邸の方に我が党として今回の緊急申入れというのをさせていただきまして、藤村官房長官の方からもしっかりと、与野党なしでしっかり要請を聞いて対応していくというようなことを話されたと伺っております。  今回の台風はもう平成十六年のあの二十三号を超えるような規模になるということは確実だと思います。ということは、指定基準を上回るのは確実だと思います。調査、査定は別途きっちりやってください。一日も早く復旧に取りかかれるように激甚指定をしていただきたいなと。ありきたりなのじゃなくて、型どおりのじゃなくて、もうちょっと踏み込んだ答弁をしていただければと思います。
  129. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 型どおりの答弁で恐縮でございますけれども、いずれ災害復旧見込額、この額が出てきて自動的にそれが適用されるかどうかが決まってまいります。  これは繰り返し午前中から申し述べておりますけれども、一方で、私も農水省時代も含めて台風等々の被害の現場というのは何回か見させていただきましたけれども、これほどの土砂災害の現場というのは見たことがございません。それぐらい今回は甚大だというふうに思っています。  昨日も現地でも申し上げましたけれども、午前中も申し上げましたけれども、とにかく今は復旧すべきものは復旧する、必要なものはやるということはやっていただきたいということで、自治体を是非山本委員の方からもどんどんやってくれというような督励をやっていただければ有り難いと思います。
  130. 山本香苗

    山本香苗君 激甚指定を待って、ぴたっと市町村止まっているんですね。そういうのをちゃんと、やってもいいですよという紙が出ればそれはやるんだと思うんですよ。是非何か工夫してください。今後の指定まで、正式な指定まで何かこう、仮じゃないですけど、是非大臣、新しいフォームを作っていただければと思うんですが。  さっき荒木議員からも政府対策本部遅いんじゃないかと話がありました。ここでもう遅いからどうのこうの言いません。ただ、この遅れを挽回するためには、やっぱり国が最大限支援しますよという姿勢だとかメッセージをしっかり出すことが必要であって、私はこれが激甚指定じゃないかなと思っているわけでありまして、我々しっかりと、この週末も被災地へ行ってまいりますけれども、この災害対応については全面協力させていただきますので、どうぞ大臣頑張っていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。  終わります。
  131. 小熊慎司

    小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。  まず初めに、今回の台風十二号の災害によって亡くなられた方々に御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方に深く心よりお見舞いを申し上げます。また、あわせて、七月末の新潟・福島豪雨でも亡くなられた方いらっしゃいます、また被災された方いらっしゃいますので、併せて心よりお見舞いを申し上げる次第であります。  さきの新潟・福島豪雨は、早期の激甚災害指定をいただきました。そういう意味においては、今回のこの十二号の災害においても早期の激甚災害指定がなされるというふうに思っておりますし、この新潟豪雨のときには、三十日の朝には、私、会津でありますので、南会津町から只見町に入ろうとしたんですけれども、道路寸断されて入れなかったと。山際の県道を走ったら、消防の方には命の保証しませんと言われましたけれども、走りましたら、もう沢から水があふれているというより山そのものから水がにじみ出ているような状況で、本当に恐ろしい思いを感じながら走っていたわけでありますけれども。  こうした、実は福島県、まだ原発事故も収束をしていない、さらには昨年の暮れから今年にかけては豪雪もありまして、大きなまた災害を受けているところであります。まして福島県は地震、津波、原発事故ということで、私の会津地方では比較的地震また放射能の影響も少ない地域で、福島県の復興なくして日本の復興なしと大臣には、総理には言っていただきましたけれども、福島県内においてはこの会津がまさに福島県の牽引役となって復興に果たしていかなければならないというときの豪雨でありましたので、大変な大きな痛手を被っているところであります。  また、当該地域は、七年前、二〇〇四年、平成十六年にも豪雨被害を受けておりまして、同じような只見川流域で甚大な被害を被っているところであります。その過去の経緯、またいろんな反省を踏まえながら今回の豪雨に関して検証されてきたとは残念ながら言えないというふうに思っております。  とりわけ、私も様々な調査をさせていただきましたけれども、ダムが幾つもあります。今回、地元においてはダムの異常な放流によって、若しくは電気が足りない、関東で足りないということですから、水力発電をフル稼働、これは東北電力だけじゃなくて電源開発公社が東京に電気を送っていますから、関東に送っていますから、節電のために、原発が停止していることで、水力発電を最大限動かしたために水位を上げてやっていたんじゃないかといううわさ話も出ているぐらいなんですね。でも、実際は例年どおりの水位でもあったわけでありますが。  そこで、規程どおりのダムの管理をしながらこれだけ大きなまた被害が流域で出てしまったということを考えれば、今回の豪雨を踏まえて、河川管理者とダム管理者、ダム設置事業者によるダムの水位とか又はその放流の管理等について、この際検証する必要があるんではないかというふうに思っています。そうした考え方に関しての見解を求めます。
  132. 関克己

    政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。  先生御指摘のように、今回、新潟・福島豪雨におきまして、御指摘の只見川、そして阿賀野川、上流は阿賀川と呼んでございますが、ここにおきましては、河川の護岸の損傷、あるいは道路橋、それからJR只見線の鉄道橋の落橋など極めて激甚な被害発生したというふうに認識してございます。  また、今御指摘のように、この只見川、阿賀野川には十七基の、十七か所の発電専用のダムがございます。そのうち十四か所、これは電源開発株式会社が持っておりますものが一基、東北電力によりますものが十三基、この発電所が被災により発電を停止しているという状況にございます。  こういった中で、今回の被災の原因といいますか検証ということで先生の方から御指摘があったわけでございますが、私どもも今回の被災状況についてはしっかりと調査をし、その検証と申しますか確認と申しますか、そういったことをしっかりやっていく必要があるというふうに考えてございます。そういう意味では、発電専用ダムの操作記録につきまして電源開発株式会社及び東北電力に提出を求めまして、これは河川法四十九条に基づく手続でございますけれども、それぞれ九月五日及び二日に提出をいただいたところでございます。  こうした発電用のダム管理者から提出されましたこういった操作記録とともに、降雨の状況、雨の状況、あるいは河川における流量の状況、それから被災状況、こういったものを十分調査をし、検討しまして、その状況について必要な確認を行い、その上でまた必要な対策を検討していくと、そんなふうに考えているところでございます。
  133. 小熊慎司

    小熊慎司君 今回の豪雨では、只見町はもうこれは観測史上最多というふうになっているんですが、また大きな被害を受けた金山町の副町長さんとお話ししたんですけれども、七年前のときは沢も結構あふれていて、金山町においてはあふれて、避難をしたときも結構その場所が限定されたんですが、今回は本当に只見川流域だけ避難をして、沢伝いのところは避難しなくても十分だったということなんですね。  そうすると、只見町は大きく降りましたけれども、金山町は七年前よりも印象として降っていないと言う町民の方もいらっしゃって、実際その沢伝いの、沢なんかもあふれていないという記録を見れば、やっぱり只見川のダムの放水というものも大きく今回の水害に影響したというふうに思いますし、私も金山町も見てきましたけれども、本当に津波に遭ったような状況で、また橋が、あれだけの橋がどんどん流されていった。上の方でダムの工事をしていて、その作業船が橋桁にぶつかっていったなんという話もありましたけれども。  そうした状況を見れば、規程どおりにダムの管理はされていたというふうに私も聞いていますけれども、規程どおりにやってこうした激甚な災害を生んでしまったということを考えれば、この規程自体を今後見直していかなければまた同じような災害が起きないとも、起きると言えるというふうにも思いますし、また住民の安全、安心といったものに関しても、これダムのせいだみたいにもう信じ切っている人もいますし、その放水していたときの写真も見ましたけれども、あれだけ放水すれば確かに下流の堤防は決壊するななんて素人目でも分かるような状況がありましたので、そういう意味では、規程を守っていたからいいんだということではなくて、その規程そのものが無理があるのではないかというふうに思いますし、あとこの只見川流域のダムは洪水調整の機能を有していません。規程にもそういったものが入っていません。  そういうことも含めて見直していくということが必要であるというふうに思いますけれども、御所見をお願いいたします。
  134. 関克己

    政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。  御指摘のように、今回この只見川及び阿賀野川にあります発電を目的としたダム、発電のみを目的としたダムでございまして、こうした発電のみを目的としたダムは当然ながら洪水調節という目的を有しておりません。そういう意味では、河川法四十七条に基づいて定められております操作規程においては、ダムからの放流を調節するということは、そういった意味での規程は定められていないというのが操作規程の内容でございます。  一方、今回、そういう意味では操作規程で、さらには操作規程の中で、洪水時のダムの操作につきましては、放流量、下流に流す量が入ってきた量を上回らないと、足して下流に流さないようにということは明確に規定されているところでございます。  また、今先生の方から金山町等の被害状況お話ございました。今回の雨は、平成十六年の新潟・福島豪雨と比較しまして、雨量観測所にもよりますが、四割増しという、相当十六年よりも多い雨が降ってございますし、また、特に雨の降った地域というものも、その雨によりまして少し変わっているところもございます。そういう意味での水の出方というものも、雨域の分布と私ども申し上げますが、それによって変わってくるということもございます。  こういった雨の降り方あるいは洪水の出方というものも併せまして、先ほど申しましたけれども、十分しっかりと調査をし、整理をし、必要な対応考えていきたいというふうに考えております。
  135. 小熊慎司

    小熊慎司君 金山チョウじゃなくて金山マチと言うんですけれども。  これ、だから二〇〇四年もあって今回もあって、これ今言っていただいたとおり、しっかりと検証して変えるべきところは変えていくということを早急にお願いしたいというふうに思います。  次に移りますけれども、今回様々な橋梁が流されて、鉄道の橋も幾つも壊されました。その中で、今住民の不安というのはこの鉄道復旧が成るのかどうか。もちろんこれはJRという一企業の事業ではあるんですけれども、これは公的な役割も担っているところでもありますし、JR関係者とちょっとしゃべりましたら、手前の川口駅というところまでは何とか行けるけれども、その先の只見町までは行けないと。また、只見町から新潟の方の路線、只見町の町長さんとしゃべったら、只見町から新潟に行く方を先にやってほしいというようなこともありましたけれども、実際、現実的には百円稼ぐのに千円掛かるような路線ではあるんですね。ですから、もう地域住民の人も、地域の足としては必要なんだけれども、なかなかこういう赤字路線というのは無理なんじゃないかというような諦めもあるんですけれども。  しかしながら、この只見線というのは、御党の政調会長は御存じだと思いますが、会津地域は三台の機関車が走っていて、生活路線ということだけでもなくて、いわゆる観光の資源としてこれから、まさに只見川流域、そしてその鉄道を利用した観光開発ということも流域町村で連携をしながら取り組んでいたところであります。そうしたことを考えれば、その生活の足ということだけではなくて、まさに地域振興のツールという観点からも、この鉄道復旧というのはやっぱり非常に重要なことであると思います。  先ほどおっしゃったとおり、大幅な赤字路線ではありますけれども、そうした観点から、激甚災害の指定のスキームに沿ってではなくて、また別の支援といったものでこの鉄道復旧といったものが考えられないかどうか、観光振興といった点とか地域振興といった点からですね。そうした可能性について、この際御見解をお伺いしたいと思います。
  136. 久保成人

    政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のとおり、この只見線、JR只見線といいますのは全国屈指の観光路線として有名な路線であります。このJR只見線が今回の豪雨によりまして橋梁の流失、御指摘のとおり土砂崩壊などの施設被害が生じております。これらの被害によりまして、新潟方の方の大白川駅から会津宮下駅、これ福島方の三島ですけれども、について、現在なお御指摘のとおり不通になっております。  この区間のうち、比較問題でありますけれども、比較的被害が少なかった先ほど名前が出ました会津川口駅、これ金山町にあります、から会津宮下駅間については、現在JR東日本において復旧工事が進められているところであります。一方、大規模な橋梁の流失、これ三本流失しております、や、土砂崩壊など大きな被害を受けました先ほどの新潟方の大白川駅から会津川口駅、これは金山ですけれども、については、現在JR東日本会社において詳細な被害状況調査、そして復旧方策の検討を鋭意進めているところであります。  鉄道災害復旧については、これ鉄道軌道整備法に書いてございますけれども、鉄道事業者の資力のみによっては復旧が著しく困難であるときは補助がありますけれども、JR東日本は補助対象とはなっていませんが、早期の復旧に向けて、必要に応じて関係機関との調整等適切な支援を行ってまいって復旧の方向に向けていきたいというふうに私どもは考えております。  以上でございます。
  137. 小熊慎司

    小熊慎司君 的確な対応を是非よろしくお願いをいたします。  また次に移りますけれども、この奥会津と言われる地域は非常に高齢化率も高くて、南会津郡というところはもう平均で三六・七%で、只見町は四〇%を超えて、金山町はもう五五%高齢化率といった地域でありますし、先ほど来お話ししているとおり、豪雪、また七年前の豪雨といったことで災害のたんびに人が出ていってしまっている状況でもあります。  今回のこの被害においても、これは十二号の台風でもそうでしょうけれども、やっぱり大臣も御承知のとおり、復旧はスピード感が求められるところであります。そのスピードが遅かったために人がいなくなってしまったということが間々ある話でもありますけれども、今回、そしてまたこの地域は豪雪地帯でもありますので、通年で工事ができるような地域でもありません。激甚災害に指定していただいたわけでありますので、国の大きな支援がいただけるところでありますけれども、こうした高齢化率、そしてまた豪雪地帯であるということをしっかり考慮して、スピード感ある対応を是非取っていただきたいというふうに思っているところであります。  そういう意味で、豪雪で工事なんかもなかなか進まないというところもありますので、徹底した、短期的に素早く仕上げることもありながら、長期にわたってもしっかり対応を取っていくことが望まれているところでありますけれども、その辺の対応をお伺いいたします。
  138. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今御指摘のように、この会津の地域は豪雪地帯であるという中で、早期に復旧を進めていく必要があると私どもも考えてございます。  一般的に公共土木施設被災災害復旧というのは早く行うのがいいということでございますけれども、通常は三年ぐらいをめどにできるだけ早くということで取り組んでいるところでございます。もちろんそういう意味では豪雪地域、この春も豪雪でございましたけれども、その地域状況をしっかり踏まえまして、それに対応して進められるよう取り組んでいきたいというふうに思っています。  なお、只見川につきましては、只見川の河川の護岸の工事と復旧に当たりましては、県からの要請を受けまして国が代わってこれを進めるということにしてございまして、こういった意味も含めて、できるだけ早い復旧をし、地域方々に安心していただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  139. 小熊慎司

    小熊慎司君 先ほどお話ししたとおり、只見町の町長と昨日お話をしたんですけれども、今言われたとおり、おおむね三年なんだけれども、やっぱり豪雪を考えれば五年ぐらいのスパンも是非考えて、五年掛けろということではなくて、そういう対応を是非取っていただきたいというふうに言っておりました。  本当に福島県は何でこんなに不遇な災害が続くのかなというふうに、誰を恨むわけにもいかないわけではありますけれども、しっかりと、平野大臣も東北人の同じ気質で、白河以北一山百文の扱いの中でもしっかりと明治維新を生き抜いてきたその根性で我々も頑張っていきたいというふうに思いますし、この会津が駄目になれば福島県が駄目になるというそういう気概を持って私も全力で頑張っていくことをここでお誓い申し上げ、質問を終わります。  ありがとうございました。
  140. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  台風十二号による犠牲者の方々に心からのお悔やみを申し上げ、また、被災者の方に心からのお見舞いを申し上げるものでございます。  私も七日の日に三重県の熊野市や紀宝町に行ってまいりました。熊野川の支流の相野谷川がはんらんをしたわけでありますけれども、行ったときはもう水が引いておりました。ふだんは本当に穏やかな小さな川でありますけれども、はるかに離れたところも池のようにつかって、二階の屋根の上に流木などが引っかかっているという事態を見ますと、何でこんなところまで来たんだろうかと本当に思わず絶句するような想像をはるかに超える被害でありました。  大臣現地調査に入られて、三重県では紀宝町に行かれ、この相野谷川のはんらんの状況も見てこられたと思います。その際、県知事や町長さんからは、国としての財政的な、技術的な支援、それから、やはり瓦れき処理などにこれは国主導でやってほしいと、こういう要望も寄せられたというふうに聞いております。  今日、繰り返し各委員からもあるわけでありますが、これ、今後台風シーズンに入っていくことを考えますと、二次災害を起こさないということを考えますと、非常にやっぱりスピード感が求められるわけですね。地方自治体は、そうはいってもちゃんと財政的支援があるのか、どこまであるのかということでちゅうちょするということがあるわけでありまして、やはり激甚災害の指定や瓦れき処理の問題などで、国がここまできちっとやるから安心して地方自治体思い切ってやりなさいという、こういう姿勢を、メッセージをもっと強く発していただく必要があると思うんですが、そこの基本的姿勢、まず大臣にお聞きしたいと思います。
  141. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 激甚指定につきましては、繰り返し申し述べているとおりでございまして、被害額の確定、これがまず基本だというふうに思っています。  一方で、県あるいは自治体、特に県にはお願いしたいと思うのは、査定前着工制度というのがございます。新潟県の、新潟、福島の豪雨発生したときに泉田知事が冒頭私に一番言われたのは、査定前着工をやりたいと、それは結構でございますということで、ついては激甚災害もよろしくという、そういうお話でした。つまり、工事ありきで後で激甚、そういうことを想定しているんですが、そういういわゆる急ぐということについてはもう国も自治体も同じ考えでいると思います。  激甚災害についてはやっぱり一定のルールがございますから、それはそれで従っていただかなくちゃならない。しかし一方で、先ほど言ったように、工事を急ぐというものについてはどんどん査定前着工でやっていただいて、応急復旧から始まってやっていただきたいと。このことについては、関係する知事にも私からきちっとお願いをしたいというふうに思っております。
  142. 井上哲士

    井上哲士君 国がきちっと後追いをするので、後追いといいますか、後ろから支えるので、ちゅうちょなくやりなさいと、こういうメッセージだったと思います。是非、本当に今地方自治体も大変厳しいわけですから、一方で、この災害で必要なことがちゅうちょあってできないということになりますと、命にかかわる問題ですから、これは是非きちっと支援をお願いをしたいと思います。  幾つか避難所も回ってきました。食料とか飲料水などは回り始めておりました。夜は避難所で泊まって、昼間は家に行って泥かきなどをされているという状況でありました。  これは東日本大震災でもそうだったんですが、避難所に行かれていない、自宅にいらっしゃる方のところになかなか救援物資が行かないということがあります。特に、お年寄りの方など取りに行くこともできない、電気も水も通っていないという状況があるわけですから、私はこれはやっぱり本当にきめ細かくそういうところまで物が届くという対応を求めたいと思います。  それから、先ほどもありました紀宝町の場合に、町の水道の取水口が壊れたり、それからポンプの電気系統が水につかるなどで町内全域が断水をしておりまして、家を、泥を洗うにも水がない。それから、何とか清水を確保してやっても、その後お風呂にも入れない、もちろん洗濯もできないということになっています。車で一時間ぐらい掛けて那智勝浦までお風呂に行くという方もいらっしゃるようでありますが、そこも芋の子を洗うような状況だということもお伺いをいたしました。  そういう点で、この水道の再建は本当に急がれるわけでありますけれども、先ほどの答弁では、なかなかこれは、紀宝町の場合、大きな規模で、まだいつとめどを申し上げる状況じゃないというようなことがあったわけですが、今朝の地元紙などを見ておりますと、昨日の午後に熊野川に仮設の取水ポンプを設置をして、数日掛けて水質検査を行って、水道管に破損がなければ給水を始めると、こういう報道もありますし、知事は、これを踏まえてだと思いますが、二、三日後には復旧できるんじゃないかということも言われております。  本格的な全面的復旧というのは一定のめどが掛かるかと思いますが、こういう応急的な復旧で取りあえずやっぱり水を供給するということについては、どれぐらいのめどを持っておられるのか。そして、こういうことに対しての国としての支援はどのように取り組まれているんでしょうか。
  143. 篠田幸昌

    政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。  今お触れになりました紀宝町の件、確かにおっしゃるとおり取水施設が破損をしているということで、従前の水道全体が今使えないという状況でございます。その取水施設、言ってみれば一番最初のところでございますので、そういう状況にあるわけでございますけれども、もちろん、最終的にはと申しますか、できるだけ早くということだと思いますけれども、従前の機能を取り戻すということはこれは非常に大事でございます。  ただ、同時に、少しでも早く水を供給するということも一方で必要でございますので、恐らく、今御紹介になりましたように、県庁なりあるいは地元の町なりで一生懸命これに対応されているということだと思います。  当面あるいは応急の措置といたしまして、取水施設が傷んでおるわけでございますから、仮設の施設を造るとか、工夫するとか、あるいはポンプもそういった設置をするとか、そういったことは対応はしていただくのは全く結構でございまして、むしろ一日も早く水の供給が欲しいという被災者方々のお声にこたえることになろうかと思います。  ただ、取水の機能が一部元に戻りましても、全体の水道管の破損があるかないか、さらには、さっきおっしゃっておられましたように水質はどうかといった点もございますので、物理的な施設的なところはできたとしても、そういったところでやっぱり一定の時間はいただかなきゃいけないんだろうというふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、なるべく早く、一〇〇%ではないにしても、少しでも機能を元に戻すということが必要かと思っております。
  144. 井上哲士

    井上哲士君 そういうことに対してなかなか、地方自治体自身も被災をしているわけですから、大変な手も、手間も要るわけですね。国としてのこういう対応に対する支援、当面の水の確保も含めてどのように対処されているんでしょうか。
  145. 篠田幸昌

    政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。  当面の水、もちろん本当に必要な最小限のことになりますけれども、給水車による必要な水ということの提供ということはさせていただいておりますし、これもまた必要があれば更に拡充することは必要だろうと思います。  それからまた、施設の方につきましても、一定の技術的な裏付けというものがありませんとやはりいけないんだろうと思いますが、そういったものにつきましては、御要請があれば、これまた技術的な支援ということをできる体制が水道事業者間でできておりますので、そういったことを御利用いただけるかと思います。国としても、そういった体制のバックアップということは十分心掛けてまいりたいと思っております。
  146. 井上哲士

    井上哲士君 御要請があればではなくて、積極的にこういうこともあるよということで、地方自治体一体となって一刻も早い復旧全力を挙げていただきたいと思います。  それから、先ほどもありましたけれども、この相野谷川ではこれまで度々水害が発生してきて、輪中というものが造られておりました。一定の集落を囲んで、川がはんらんしてもそこは守るというやり方だったと思うんですが、今回これを乗り越えて水が入ってきたと。私も現場見てまいりましたけれども、集落の側から川の側に向かって堤が崩壊をしているという状況もありました。国の事業で行われてきたもので、これがあるから安全だということでかなり安心しておられて、気が付いたらもう屋根まで水が来て、窓から逃げたとかボートで逃げたとか、こういうお話も伺ってまいりました。  かなりの費用も掛けてやってきたものがこういうことになっているわけで、そもそもこういう輪中堤という対応をしてきたことの経緯や今回のこういう結果に至った原因など、まずどのようにお考えでしょうか。
  147. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 井上議員にお答えさせていただきます。  井上議員御指摘のように、もう度々といいますか、四年から五年に一度のペースでこの地区というのは浸水被害というのが発生しておりました。輪中堤につきましては、平成十三年度より二十年度までの時間を掛けて、宅地のかさ上げ、そして排水機場の対策、もちろん輪中堤を構築していくという事業を完了しておるわけであります。  この度の水量というのは、この熊野川に関しましては、平野大臣からも御指摘のありましたように、御回答のありましたように、計画高水量、この一万九千立米、一秒間に一万九千立米という計画水量を大きく超えた二万二千立米という出水があっての決壊ということになります。決壊が四十メーター、そして傾斜が六十メーターと。この百メーターについては仮締めという形で矢板を打って、矢板を二重に打って、その間に大型のトン単位の土のうを積んでいくという作業は今応急処置として完了させていただいたという報告を受けております。  原因としては河川の、推測で物を言ってはいけないかもしれませんけれども、この輪中の底をえぐっていくような、そういった流れによって輪中堤全体が倒壊してしまったということが考えられるところであります。
  148. 井上哲士

    井上哲士君 土のうは終わったけれども矢板はまだ作業中だという認識なんですが、そういうことですね。うなずいていらっしゃるからそういうことだと思います。  これからも台風シーズンになりますから、もうそういう応急的な対応をまず必要なわけでありますが、この地域を、そういう四、五年ごとに水害があるというところでどうやってこの防災をしていくかというのは、かなり議会、県議会等でも議論があった末にこういうことがやられたわけですね。  ですから、今後どうしていくのかというのは、住んでいらっしゃる住民の皆さんの意向もしっかり聞くことが必要だと思うんですけれども、そういう議論の場とか今後の方向ということはどのようにお考えでしょうか。
  149. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 間違いの御指摘もいただきましてありがとうございます。矢板の方は九月中にやるということで鋭意取組と、そしてまた本格復旧の検討を進めているというところで訂正をさせていただきたいというふうに思います。  これからの対策をではどうするのかということですけれども、ちょっと今の時点ではっきりとこうだということはなかなか申し上げることはできません。ただ、今の雨量というものをしっかりとこれからの計画の中に取り込んでいくということ、そして今先生も御指摘のように、決壊や傾いた原因調査というものもしっかりと対応した上でこの相野谷川の治水の安全確保ということに取り組んでまいりたいと思っております。
  150. 井上哲士

    井上哲士君 住民の意向もしっかり踏まえながら取組をお願いしたいと思います。  もう一点、熊野市の井戸川の状況も見てまいりました。幾つか橋が流れて堤防も相当損傷しておりますし、川に沿った道路寸断されております。そして、上流から流れてきた岩やそして流木が川底にたまっておりまして、場所によっては相当川底が高くなっていました。住宅がある土地と川の水面の高さがもう一、二メートルぐらいしかないんじゃないかと思われるような場所もありました。  台風シーズンを控えますと、再び大雨が来ますと相当な被害が出るんじゃないかということで住民の皆さんも不安に感じていらっしゃるわけで、ここの被害状況をどう把握されて、この復旧についてどういう国としても支援をして取り組むのか、いかがでしょうか。
  151. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 今御指摘の井戸川の方には、河川からの溢水により三重県の熊野庁舎前においても約六十センチの冠水と、そしてまた熊野市内全体に広い範囲で冠水したという報告を受けております。  そして、御指摘のように上流からの土砂流出、そして流木といったものが川をふさいでしまったという状況になっておりまして、この流木というものをまず緊急に撤去して流れを確保するんだということを指示したというふうに聞いております。  そして、緊急でやることというのは、やっぱり河川の、河道といいますけれども、断面をしっかりと確保することということが一番次の災害に対する、あるいは次の降雨に対する対応ということになりますけれども、上流からずっと川底が大量の土砂が流れて上がってきているということですので、それもやはり時間との闘いが必要となるかというふうに思っております。
  152. 井上哲士

    井上哲士君 まさに時間との闘いでありますから、地方自治体全力を挙げていらっしゃるわけですが、これはやっぱり国の、そしてできる限りの支援をしてやらないと本当に次の災害が心配なわけですね。  その点ちょっと大臣から、やはり国としてできる限りの支援をしていくという点、いかがでしょうか。
  153. 平野達男

    国務大臣平野達男君) いずれ災害が起こった場合には、どんな災害でもそうですけれども、一日も早く地域住民が元どおりの生活に戻るということが、戻すということが基本であります。  例えば、それと併せて那智勝浦、どうしても私はあそこに行って思いが強いものですから再三例示として出させていただいておりますけれども、あそこはやっぱり観光資源でもあります。今のあの状況の中では観光客も来ません。地域の経済に与える影響も非常に大きいと思います。  こういったことも勘案しながら、まずできるだけ早期に復旧をしていくということについて地元自治体一体となって国も全面的な支援をしていくと、そういうつもりで取り組んでいきたいと思いますし、各省にもそのことを強く私の立場から訴えていきたいというふうに思っております。
  154. 井上哲士

    井上哲士君 本当にできるだけの支援をお願いしたいと思います。  紀宝町で行方不明者が出た浅里地区というのは、電話は全部切れていたわけですが、防災無線も不通になったわけですね。町は結局通じないということで避難指示も勧告も出さなかったということが報道をされております。ここの防災無線は、実はこの前の台風のときに、今年七月の台風六号で水につかって故障をして、それを直したんだけれども、なかなか東日本大震災なんかの関係で資材がなかったということで、結局また同じ場所に置いてあったということなんですね。  報道によりますと、区長さんは、今回もその基地局に当たる部分が全部水につかっていたので各家に対して受信機も全く使えなかったということを言われておりまして、ですから、七月にも台風でつかったのに同じ状況になっていて、またつかったと。町は連絡が付かないということで指示を出さなかったけれども、町民の皆さんは、地域の皆さんはそんなこと知りませんから、何の指示もないというようなことになっていたのではないかと思われるんですね。  この防災無線が水につかって使えなかったというのは去年の奄美でもあったことでありまして、私は、こういう教訓から見れば、やっぱり総点検もして、一番防災のときに必要な防災無線が真っ先に使えなくなっているというのは話にならぬわけでありますから、これはやっぱり是非、総点検なり対応をしていただきたいと思いますけれども、最後にこの点をお聞きしたいと思います。
  155. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今回の災害防災行政無線等が被災したことによって避難情報の提供ができなかった地区が、例があるということについては私どもも承知をしております。したがいまして、防災行政無線等が被災しないような措置をこれからも周知、しっかり徹底するということも大事だというふうに思います。  さらに、もし仮に防災行政無線等が被災して使えなくなったとしても、放送や衛星携帯電話などの複数の手段によって住民に情報伝達することが必要じゃないかなというふうに考えております。今回でも被災集落には、総務省さんの御努力によりまして、携帯無線、道路等々についていち早くそこの提供をして、現地対策本部とのやり取りをやっております。  なお、内閣府では、道路寸断や通信の途絶による孤立集落発生した場合に衛星携帯電話通信手段として大変有効なものとして考えておりまして、二十三年度から地域防災力向上支援事業により支援を実施するということになっています。予算二億、一千個程度の供給ができる体制になっておりますが、私どものPR不足が多分一番の理由だと思いますが、まだ一件も手が挙がってきておりません。あえて申し上げれば自治体の意識も若干薄いのかなということでございまして、今回の被災の例を踏まえまして、この衛星携帯電話の普及に努めていきたいというふうに思っております。
  156. 井上哲士

    井上哲士君 終わります。
  157. 松下新平

    委員長松下新平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時十分散会