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2011-05-19 第177回国会 参議院 国土交通委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月十九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月一日     辞任         補欠選任      吉田 忠智君     又市 征治君  五月二日     辞任         補欠選任      又市 征治君     吉田 忠智君  五月十一日     辞任         補欠選任      渡辺 猛之君     松村 祥史君  五月十二日     辞任         補欠選任      岩井 茂樹君     林  芳正君      松村 祥史君     渡辺 猛之君      上野ひろし君     松田 公太君  五月十三日     辞任         補欠選任      林  芳正君     岩井 茂樹君      松田 公太君     上野ひろし君  五月十六日     辞任         補欠選任      川崎  稔君     風間 直樹君  五月十七日     辞任         補欠選任      風間 直樹君     川崎  稔君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小泉 昭男君     理 事                 藤本 祐司君                 室井 邦彦君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 長沢 広明君     委 員                 池口 修次君                 川崎  稔君                 小見山幸治君                 平山 幸司君                 藤原 良信君                 安井美沙子君                 米長 晴信君                 岩井 茂樹君                 岡田 直樹君                 伊達 忠一君                 中原 八一君                 脇  雅史君                 渡辺 猛之君                 白浜 一良君                 上野ひろし君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   大畠 章宏君    副大臣        内閣府副大臣   東  祥三君        国土交通大臣  三井 辨雄君        国土交通大臣  池口 修次君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       津川 祥吾君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      小田 克起君        文部科学大臣官        房政策評価審議        官        田中  敏君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       平野 良雄君        国土交通省都市        ・地域整備局長  加藤 利男君        国土交通省河川        局長       関  克己君        国土交通省道路        局長       菊川  滋君        国土交通省鉄道        局長       久保 成人君        国土交通省自動        車交通局長    中田  徹君        海上保安庁長官  鈴木 久泰君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (フリーゲージトレインの開発及び九州新幹線  長崎ルート費用効果に関する件)  (国土交通省震災対応とリーダーシップの在  り方に関する件)  (地盤の液状化対策に関する件)  (八ッ場ダム検証作業に関する件)  (領海警備法制の在り方に関する検討状況に関  する件)  (多量の放射性物質を含む下水汚泥の処理に関  する件)     ─────────────
  2. 小泉昭男

  3. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 川崎稔

    川崎稔君 おはようございます。民主党の川崎稔です。  本日は、先輩、同僚議員の御配慮をいただきまして質問の機会をいただきました。ありがとうございます。  また、大畠大臣を始め国土交通省の皆様には、東日本大震災復旧復興に向けてのお取組、本当に心から感謝と敬意を表したいというふうに思っております。  今日、実は私が取り上げようと思いましたのは、昨年の三月の本委員会新幹線在来線との間を直通運転できるフリーゲージトレーン、これの開発について質問をさせていただきました。これは九州新幹線長崎ルートにおいて大変重要な鍵を握っているものなんですが、時節柄といいますか、東日本大震災で膨大な復旧復興事業が必要という中で厳しい財政事情などを考えますと、思ったように開発が進んでいないフリーゲージトレーン、これについてこれまで以上に厳しい目が注がれるんではないかと思います。そうした中で、実はこの四月に新幹線長崎ルート費用効果あるいはその時短効果について新たな試算結果が公表され、私の地元佐賀の方でも大変大きな反響を呼んでおります。  そこで、本日はこの件について質問をさせていただきたいんですが、まず最初に鉄道局長にお伺いをしたいと思います。  これは質問のときに必ず確認をさせていただいているんですが、このフリーゲージトレーン、御承知のとおり在来線新幹線レールの幅が違います。これを直接乗り入れることができるように車輪の幅を変更できるようになるというフリーゲージトレーンの新しい技術なんですが、この開発に掛かる予算として、これまで国費累計でどれぐらい投入されているか、この点についてお願いいたします。
  6. 久保成人

    政府参考人久保成人君) フリーゲージトレーン先生お話にございました新幹線在来線を相互乗り入れできる列車でございますけれども、その開発費用につきましては、平成九年度から技術開発を推進しておりまして、費用としては整備新幹線建設推進高度化事業費の中として、平成二十三年度までの予算額は二百六十九億円となっております。
  7. 川崎稔

    川崎稔君 二百六十九億円これまでに投じられているということなんですが、これは今申し上げましたようにいろんな装置を取り付けたり、あるいは新幹線用在来線用両方システムを積まなければいけないということで、非常に車両が重たくなっているわけですね。で、スピードが出ないということなんですが、これが逆に、在来線を走るときなんかはレールに対しての非常に負担が掛かっているということで御苦労をされているわけなんですが。  昨年質問をしたときに、ちょうど技術評価委員会、これの実用化に向けた評価が夏に行われますというところで、その前にお伺いをしたと思うんですが、その後にこの技術評価委員会評価がどのように行われたかということで、一言で言うと、車両だけでは無理だと、レールの方も強化しなければいけないということで、本来車両開発だけの話なんですが、レールまで一緒になっちゃったということで評価が出たというふうに記憶をしております。  いずれにしても、技術的に言えば、実用化に向けた開発というのが当初のスケジュールよりも遅れているんじゃないかなというふうにも見受けられるんですが、現在の開発、どのような状況なのか、この点についてお願いいたします。
  8. 久保成人

    政府参考人久保成人君) フリーゲージトレーン技術開発につきまして、今先生の御指摘軌間可変技術評価委員会、軌間可変というのは車輪の幅を変えるという意味でありますけれども、その軌間可変技術評価委員会、これは専門先生たちに集まって見てもらっておるわけですけれども、昨年の九月七日に開催をいたしました。それで、それまでの技術開発成果及び課題について評価をいただいております。  その主な内容は、新幹線上、これはレールの幅が広いいわゆる標準軌でありますけれども、新幹線上においては時速二百七十キロ、在来線、これ狭軌でありますけれども、在来線直線区間においては時速百三十キロで安全に走行できることを確認していただいております。ただ、在来線の急曲線部、要するにカーブがきついところでありますけれども、その急曲線部では本来特急電車が持つ目標速度時速十から四十キロを下回ると。安全に回るためには十キロから四十キロを下回るということが課題だと、こういう御指摘をいただいたところでありまして、その課題を解決のために、これから予定しておることでございますけれども、御指摘を踏まえた形の新たな改良台車を造って、それでその課題の克服のために更に研究を続けている状況でございます。
  9. 川崎稔

    川崎稔君 今の御答弁に出てきたんですけれども、フリーゲージトレーン新幹線区間で二百七十キロ、最高速度ですね、在来線区間で百三十キロ、この目標は達成はしたということなんですが、実は今回取り上げましたのはこれに関連することです。  お手元の資料をお配りをさせていただきましたが、これは一ページ目は四月二十九日、地元の朝刊で記事として出たものなんですが、これは何かといいますと、新幹線長崎ルート時短効果フリーゲージトレーンで僅か十二分しかなかったと。むしろ在来線車両であるスーパー特急で走った方がむしろ時間の短縮効果は大きいということなんですが、これについて若干敷衍をさせていただきます。  今回、このようなことが出た背景なんですけれども、元々九州新幹線長崎ルート費用効果、これについては平成十六年に一度試算をされております。平成十六年の試算の後、今回、この四月に実は再試算が行われているんですね。これは何かといいますと、国土交通省さんの方で新しい交通需要、将来交通需要の予測に基づいて様々な交通体系について費用効果を見直そうということで取組をされておられまして、この四月一日付けで新幹線長崎ルートについても一旦費用効果試算が出ております。  ただ、そこで一部のマスコミから指摘があって、再びもう一度再計算をしたというのがこの一面の記事内容なんですが、多少その点について申し上げますと、資料の二と三を御覧いただきたいんですね。二ページ目と三ページ目。今回の問題となったのは何かといいますと、資料二についてはフリーゲージトレーンを導入した場合の経路ということで路線図を書いております。この平成十六年の試算山陽新幹線の下に枠が書いてありますけれども、平成十六年のときの最高速度前提条件としては時速三百キロ、一方、新線区間ということで左側の青い囲みがございますが、こちらの方では平成十六年の試算のときには最高速度二百キロということで試算をされております。  しかし、今お話ございましたように、フリーゲージトレーン技術開発目標というのは、新幹線が二百七十キロ、在来線については百三十キロということでありまして、今の資料でいえば、平成十六年の下に現在の技術開発状況を踏まえた速度ということで、山陽新幹線の方には二百七十キロと書いておりますし、新線区間、青い方の右側には現在の技術開発状況前提にすると百三十キロということで、これで試算をされたということですね。  そういうふうにして、同じように実は三枚目も御覧いただきますと、もう一つフリーゲージトレーンとは別のスーパー特急方式での試算が行われております。こちらは在来線については従来どおり百三十キロということですが、同じく青いところにございます新線区間、これは現在建設中のところですね、こちらについては平成十六年は二百キロ、スーパー特急としては二百キロを前提試算を行っていたんですが、現在、狭軌鉄道の実績、いわゆる実用化されている車両ですと最高百六十キロということがスーパー特急前提になっておりますので、百六十キロということで同じくスーパー特急についても再び試算をされたと。  その結果として何が起きたかというと、今開発しているフリーゲージトレーンによる所要時間よりもスーパー特急の方が早いということが試算結果として出たんですね。これは実は資料の四枚目を御覧いただきたいんですが、四枚目の上の表です。九州新幹線長崎ルート所要時間ということで書いておりますが、欄としては上にフリーゲージトレーン、下にスーパー特急ということで、所要時間については、左側の欄には平成十六年の試算、そして右側の欄が今回の試算ということでお示しをしております。  その結果、何が起きたかというと、平成十六年のときの試算では、フリーゲージトレーンの方が長崎—新大阪間ですと十一分早い、長崎—博多間でも五分早いというのが平成十六年のときの試算結果だったわけですが、これは下のA引くBのところに書いてあります。今回の試算ですと逆に、A引くBだとフリーゲージトレーンの方が長崎—新大阪間だと五分余計に掛かってしまう、長崎—博多間でも三分余計に掛かってしまうというのが今回国土交通省の方で御試算をされた結果でございます。  このように、今多額のコストを投入して開発をしているフリーゲージトレーンスーパー特急方式よりも時間が余計に掛かってしまうという結果が出たんですが、この点について国土交通省の方でどのように御覧になっているのか、所見伺いたいと思います。
  10. 久保成人

    政府参考人久保成人君) 所要時間の試算に当たりましては、今先生から御説明がありましたように、これは九州新幹線武雄温泉—諫早間の着工が決定された平成十六年当時でありますけれども、フリーゲージトレーン技術開発、当然今の段階に比べれば進んでいない段階にありまして、当時の新幹線車両性能前提試算をいたしました。  今回の試算に当たりましては、現状の技術開発状況を踏まえた数字計算すべきだ、これ大臣の御指導もありまして、現在のフリーゲージトレーン車両性能を踏まえて改めて試算をし、発表させていただいたものであります。その結果、時間短縮効果平成十六年当時に試算したものに比較して減少する、要するに所要時間が長くなると、こういう数字計算し、それを発表させていただいたものであります。  BバイCについては、また別の観点も入りますので、そのような場合でもいわゆる一以上の数字になっていると、そういう状況でございます。
  11. 川崎稔

    川崎稔君 今、BバイCの話が出ましたが、実はそのフリーゲージトレーン、時間は掛かるけれども、費用効果BバイCはむしろ高いというのが今回の国交省さんの試算結果なんですが、それが資料の四枚目の下の表です。費用効果投資効果ということでBバイCフリーゲージトレーンについては一・三、スーパー特急については一・一といったところで出ております。  この点について、なぜ時間が掛かるフリーゲージトレーンの方が費用効果が高いんだろうと素朴に思うわけなんですが、内訳を実は今回出していただきました。なかなか実は出していただけなくて困ったんですけれども。  というのは、一枚目の資料新聞記事傍線が引っ張ってあるところがございます。新聞記事なんですが、傍線が引いてあるところに、時短効果が低いフリーゲージトレーン評価スーパー特急よりも高い理由について、担当課の方では、フリーゲージトレーンは乗換えに伴う心理的なストレス低減あるいは需要増効果を数値化し、便益に加算した結果と説明しているという、こういうお話があったものですから、今回、なぜBバイCフリーゲージトレーンの方が高いんだろうということで、数字を、資料を出していただいたのが四枚目の下の表でございます。  これを見ると、確かにフリーゲージトレーンBバイCは一・三〇、スーパー特急は一・一で、フリーゲージトレーンが高い。その内訳を見ると、利用者便益供給者便益利用者供給者の方に分かれて、便益がまず大きく分かれます。それを見ると、フリーゲージトレーンの方は利用者便益が〇・五七、それに対してスーパー特急は〇・六三ということで、実はスーパー特急の方が高いんですね。フリーゲージトレーンの方が利用者にとっての便益が低い。  そうすると、新聞記事に出ておりました乗換えがないからということに伴うメリットというのは、この表でいえば乗換利便性向上、要するに乗換えがないことによって便益を受けるという項目は資料でいえば右から四番目の枠になるんですけれども、〇・一一ということで出ております。しかし、乗換えがないからということで〇・一一なんですが、一方で、新幹線料金が高くなるということで、その横に三角でマイナス〇・一三と。要するに、新幹線料金が高くなった分で、便益的にいえばこの乗換えがない分はチャラになっちゃうんですね。そうしますと、利用者にとってはやっぱりフリーゲージトレーンの方がメリットが小さい。  じゃ、何で全体としてフリーゲージトレーンBバイCが高いのかというと、その右側にあります供給者供給者というのはJRですね、JR便益が〇・六八ということでフリーゲージトレーンはなっておりまして、スーパー特急の方は〇・四三ということで、供給者の方はフリーゲージトレーンが高いと。  結局、フリーゲージトレーンの全体のBバイCがなぜ高いのかというと、この供給者便益が高いということで、それが主因じゃないかというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
  12. 久保成人

    政府参考人久保成人君) 先生の御指摘にありますようにフリーゲージトレーンBバイCは一・三でございますけれども、当然これはフリーゲージトレーンあるいはスーパー特急の場合だけじゃありませんけど、先生がお詳しいと思いますけれども、通常BバイCをはじく上で利用者便益供給者便益、その他に分けて足し算をしていくという形を取っています。  それで、フリーゲージトレーンにつきましては、利用者便益を構成する乗換利便性向上、要するに乗換抵抗がなくなるということをどう見ていくかということでありますけれども、これも一般的に見られている数字を今回も使わせていただいて、乗換抵抗がなくなるということを、そこの便益を見ていると。一方、確かにおっしゃるとおり料金に反映してきますので、交通費用減少というところが減少じゃなくて、マイナス、要するにプラスになっているということであります。  一方、供給者については、料金等、あるいは需要が増えるということから、供給者、これはすなわち鉄道運営会社でありますけれども、鉄道運営会社便益が増えると。これはBバイC計算する上で通常行われている手法に従って計算をした結果こうなっている、先生の御指摘のとおりであります。
  13. 川崎稔

    川崎稔君 実は、このBバイC内訳を拝見していていろんな質問をさせていただいたんですけれども、国土交通省さんに、今、乗換えがなくなったことによってどれぐらいの利便性があるんですかという質問を申し上げたら、大体乗換えの所要時間は三十分、三十分乗換えに掛かるという前提での計算になっているということなんですが、私たち博多駅で通常今乗り換えるときにそんなに、三十分も待ちません。そんなに待ちません。ですから、どうしても三十分の時間短縮に換算しているというのは過大評価になるんじゃないかなという気もするんですが、大体、国交省さんのこのBバイC計算では一般的にこの三十分というのが使われているようですね。あるいは、この運行頻度増加ということで約〇・二ぐらい織り込んでいるんですけれども、これは運行本数が一日五本程度増えるということを前提計算をされていると。一日五本増えるということでこんなにBバイCが増えるのかなという気もするんですが。  いずれにいたしましても、この運行頻度増加あるいは乗換えの利便性向上だけで〇・三近くなるんですね。これで一・〇を上回る部分にほぼ該当してしまうんですけれども、そういう意味で非常に、ある一定の前提を置いたらこうなっているんですけれども、この前提が変わればかなり数字が変わってくる可能性があるんじゃないかなというふうに思っております。  そういうことで、時間ございませんので、大臣、最後にお伺いしたいんですが、今回の所要時間の計算あるいは費用効果試算を見まして、やはり私たち利用者便益ができるだけある形が望ましいんじゃないかというふうに思って拝見したんですけれども、今後のこの長崎ルート整備方針についてどのようにお考えなのか、この点についての御所見伺いまして、質問を終わりたいと思います。
  14. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 川崎委員からの御質問でございますが、今のやり取りを私も拝聴しておりまして、なかなか今回のこの導入についてはどうなんだろうかという視点での御質問でありました。  聞いていまして、実は私が乗っている電車常磐線でありまして、これは在来線最高スピード百三十キロなんですね。上野駅で新幹線に乗り換えると、こういうルートしかございませんので、それで新幹線等を利用させていただいておるんですが、もしも乗り換えなくて済むということであれば非常に私は精神的にも利用者の方はいいだろうなと、そんな羨ましい気持ちで今やり取りを聞いておったんですが、しかし実際にやるときにその費用効果というのはどうなんだと、こういう冷静な視点での御質疑をいただきました。  現在、私も、このフリーゲージトレーン方式というのはなかなかうまいことを考えたなと、在来の狭い線路とそれから新幹線の幅の広い線路を両方走れると、これも日本らしい一つ技術開発かなと思っておりましたけれども、先ほどから御議論いただきましたように、車両性能前提試算すると、フリーゲージトレーン所要時間はスーパー特急方式よりも長くなると、こういうことでありまして、山陽新幹線への乗り入れ効果により費用効果スーパー特急方式よりも高くなると、こういう試算がされております。  それで、いろんな工夫が今されているところでありますが、私は、飛行機でも車両でもそうですが、安全第一でやってほしいと、無理して飛ばして事故にはならないだろうなということはよく話をしておるんですが、そんなことを考えながらも、新幹線上では時速二百七十キロの安全走行は達成できると、これを確認しておりますし、いろいろ技術陣も挑戦をしてこのような現在の形になっております。  なお、在来線の急カーブでのスピードを上げると、こういうお話もあるんですが、ここについても安全第一ですよということで現在課題についても論議されておりますし、また技術開発を進めておりますが、今委員から御質問をいただきましたことを踏まえて、改めてよくそこら辺は確認をしながらこの課題については取り組ませていただきたいと考えているところであります。
  15. 川崎稔

    川崎稔君 終わります。
  16. 吉田博美

    吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。  東日本大震災並びに長野県北部の震災から二か月が経過をいたしました。改めて多くのお亡くなりになった皆様方に対しまして心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げるところでございます。  被災地、被災者の皆さん方にとりまして様々な課題が浮上しておりますが、この一つ一つについて解決をしていかなければならないわけでございますが、当面の課題といたしまして、今朝の新聞にも出ていましたように十万人以上の人が失業していると、この失業者の対策、雇用の本当に場、職場の確保が大事でございますし、そして、被災者の皆さん方にとりましての仮設住宅の問題でございます。  そうした中で、菅直人首相が五月一日の参議院予算委員会で、被災者向けの仮設住宅についてお盆までに全員入居を明言されました。しかし、五月二日には、各部署で一〇〇%確定的になったわけではない、私が強く指示すれば実現できると、私なりの見通しで言ったと述べ、大畠国土交通大臣など関係閣僚との事前調整なく表明をしたことを明らかにされました。  そこで、大臣にお伺いしたいわけでございますが、間違いなく仮設住宅にお盆までに全員入居できるのでございましょうか。
  17. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいま吉田議員から御質問を賜りましたが、経過については今御指摘のとおりであります。この仮設住宅を一日も早く完成させて、今御指摘いただきましたように、十一万人を超える方々が現在でも避難所での生活をされておりますので、できるだけ早く仮設住宅に入居していただくように全力を挙げようと、こういう気持ちで今日まで取り組んでまいりました。  その中で、総理から、お盆までに希望者全員が入居できるようにと、こういう予算委員会での意思表明を受けまして私どもも今全力を挙げているところでありますが、何分にもその前提となるところが、まずは土地の確保というのが大前提であります。土地がなければ仮設住宅は建てられません。そういうことで現在、土地の確保に努めながら、同時に、あと二週間弱になりましたけれども、五月末までには三万戸をまず完成させようということで全力を挙げてやってまいりました。現在、どのくらいのところまで行っているかということでありますが、昨日の五月十八日時点では四百五十二地区で土地の確保を終えまして、三万二千二百十二戸の建設に着手しておりまして、昨日までに一万三千二戸の完成をしております。これから二週間弱であと一万七千戸完成させるということで、今大工さんも一生懸命頑張っておりますし、自治体の関係者、県の関係者も全力を挙げているところでございます。  そこで、総理からの、お盆までに全員希望する方が入れるようにと、こういうことでありますが、まずは土地の確保というのが非常に難儀をしております。しかし、各県の方でも更に必要戸数というものをもう一度確認してみようということで全力で頑張っていただきまして、岩手県では当初一万八千という希望がありましたが、これを四千戸減らして一万四千戸、これは実態を調査したところそのような形になりまして、七月前半までに岩手県では完成すると、この見通しとなりました。  宮城県でありますけれども、宮城県でも努力をして一生懸命土地の確保に努めておりますが、当初三万戸程度と、こういうことでございましたが、二万戸台の前半になるのではないかということで、その二万戸前半であれば何とか土地の確保をして八月の前半までに完成できるのではないかと。これはまだ確定はしておりません、土地の確保がまだ未定のところもございますから。建設資材関係は大体供給体制が整ったわけでありますが、そういう土地の確保が、確定が六月いっぱいぐらいまでにできればという前提でありますが、八月前半まで完成できるのではないかという見通しを立てる段階に入っております。  福島県でありますが、当初二万四千戸必要と、こういうことでありましたけれども、この福島県につきましても民間賃貸住宅にお入りになる方がかなりおられまして、現時点では一万五千二百戸必要だろうと、こういうことで、この一万五千二百戸程度で収まるのであれば、八月前半までに完成するのではないかと、県の担当者あるいは自治体の担当者と詰めたところ、そのような状況に今は至っているところであります。  いずれにしても、今ここで確約すると、こういうところまでは正直なところ至っておりませんが、しかし、何とか八月の前半のところに希望者の方が全員入居できるように体制は整えつつあると、こういう状況でございますので、またいろいろと御指導を賜りたいと考えております。
  18. 吉田博美

    吉田博美君 今のような大臣の答弁だと私も納得するわけでございます。これは、あくまでも、入居を希望する人の、例えば学校の近くがいいとか、あるいは病院の近くがいいとか、職場の近くとか、様々な課題もありますし、用地は県がやるわけでありますから。  ただ、総理のもう必ず入居させますと明言されたことに対して、私どもは甚だ疑問がございます。なぜかというと、国の最高責任者でありますから、やはり自分のお言葉には責任を持っていただきたいと。そして、今、菅内閣に対する国民の信頼が薄らいできているのは何かと。大畠国土交通大臣、あなたではないんです、トップリーダーの菅総理なんですよ。菅総理がやはり必ず、原発の問題につきましてもそうでありますが、かなり発言がぶれてきたり、いろいろなことの見通しが立たない発言があるわけでございまして、そうしたことに対する国民の不信感があります。  私は、かつて厚生労働大臣のときに薬害エイズのときの菅総理大臣、県会議員でありましたが、輝いておりました。本当にすばらしい政治家だとして尊敬の念を抱いておりましたが、今の菅総理はまさしく心身共にお疲れでございます。私は、むしろこの際お休みになって、ちょっと休んでいただいて、また輝く菅さんになってもらいたいと。このことがまさしく今参議院議長が御提言されたことじゃないかなと思っておるところでございます。  さて、実はこの震災が起きた後に、ボランティアの皆さん方の活躍、あるいは自衛隊の皆さんの活躍、様々な皆さん方が活躍されました。そして、あの震災の、テレビで見るだけでございますが、状況を見ますと言葉を失ってしまいました。藤原先生地元でございますので目の当たりに見ておられるわけでありますから、本当に大変な状況だなと思いましたときに、ちょっと私もこう何となく見ていますと、日に日にあの道が開いた、この道路が通れるようになったと、どんどん道路が通れるようになるわけですよね。これを見ますと、やはり大畠国土交通大臣の強力なリーダーシップの下に国土交通省の皆さん方がそれぞれ一生懸命頑張ったんだなということを私も肌で感じました。  そんな中で、今回の大震災に対しましてどのような対応を取られたのか、初期の対応からいろいろとお聞きさせていただきたいと思います。まず大臣に、今回の東北地方で発生した災害に対しまして、まず国土交通大臣としてどのような対応を取られたのか、お聞かせいただきたいと思います。
  19. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 今回の大震災に対して国土交通省はどのような対応を取ったのかと、こういう御質問を賜りました。  正直言いましてあの三月十一日、国土交通省の十四階の対策本部という部屋がありまして、防災室というところでありますが、そこに私も入りましたときには、これほどの大きな被害を生んでいる大震災とは想像もできませんでした。しかし、あの防災会議といいますか、この大震災に対する対策本部を開きまして、現地の東北地方整備局長とテレビ会談をしたときに私が感じたことがあります。局長の方からのメッセージといいますか報告は、これは大変な被害を被っております、想像を絶する状況にありますと。非常に今でも私、感ずるわけですが、危機感というものが、想像を絶する危機感がまずは画面から伝わってまいりました。それから緊張感というのが、その現地の東北地方整備局の映像が流れたわけでありますが、その周りの関係者の方からも伝わりました。  したがって、私がまず感じたことは、人命第一主義でいこうと。人命救助を第一義に考えようと。そして局長には、私がそこに行くわけには今いかないんで、あなたが国土交通大臣に成り代わって陣頭指揮、現地でしてほしいと。そして予算は気にするなと、国土交通省の所管の範囲外でもいいから、もう次々とあなたが判断をして、当面、人命救助を第一義にやり抜いてほしいというようなお話をしたことを覚えております。  局長もそれによくこたえていただきまして、私は今でも感ずるんですが、多分東北地方整備局の職員の皆さんが日ごろから地域の方々と交わって信頼関係があったと思います。信頼関係の上に地域のことをよく知っている職員がたくさんいたと。その組織的なチームワークが最大限に発揮して、今日の、御指摘のようにまず人命救助のための道路を通れるようにしようと、こういうことで、くしの歯作戦という名前が付いていると聞いておりますが、そのようなことで全力を挙げてやっていただいたものと思います。  国土交通省としても、もう一つ申し上げますのは、全国各地の地方整備局がありますが、そこから応援隊を出しまして、五月の十七日までにこの緊急災害対策派遣隊、テックフォースと略称しておりますが、延べ一万五千八百十名を派遣しまして、この現地に入って対策の作業を行ったということであります。  私、今申し上げましたとおりでありますが、まずは信頼関係、その東北地方整備局の三千人のメンバーあるいは運輸局の五百五十名のメンバーのお互いの信頼関係というのが日ごろからつくられておりまして、その組織力を最大限に発揮したのはそのような日ごろからのものがあったのではないかと、そのように感じております。
  20. 吉田博美

    吉田博美君 十四階に行かれたときに、大臣が、私が行くわけにいかないからあなたに全てお任せしますよと、それがリーダーなんですよ。総理がすぐヘリコプター飛ばして第一原発のところをどんどん見て、そして東電にどなり込んでいくんじゃなくて、官邸にしっかりと座って、そして本部長としての采配を振るうのがリーダーたるべき姿なんですよ。私は、大畠国土交通大臣は正しかったと、そう思っております。  次に、このような災害において、先ほどもちょっと触れられましたが、命の道となる緊急輸送路を迅速に確保することが重要であるが、どのような対応を取られたのか、お聞かせいただきます。
  21. 菊川滋

    政府参考人菊川滋君) お答え申し上げます。  今回の大震災におきましては、東北地方を中心に高速道路や直轄国道、また補助国道あるいは地方道も幅広く被災を受けまして、特に太平洋岸の国道四十五号、そして国道六号が各地で寸断されました。命の道となりますこれらの道路の復旧に当たりましては、三段階で取り組みました。  まず、第一ステップといたしまして、東北地方へのアクセスのために、南北方向の幹線であります東北自動車道と国道四号、この縦軸のラインを発災の翌日の三月十二日には緊急輸送ルートとしてその機能を確保いたしまして、次に第二ステップとして、内陸部のこの縦軸ラインから太平洋の沿岸に向けての東西方向の国道をくしの歯型に啓開をいたしまして、翌十二日のうちに十一ルートを確保、四日後の三月十五日には全ての十五ルートを確保したところでございます。そして、第三ステップとして、国道四十五号の道路啓開をおおむね発災から一週間で終了いたしまして、その後の応急復旧の段階に移行しているということでございます。
  22. 吉田博美

    吉田博美君 阪神大震災の教訓が生かされているんではないかなと感じたところでございます。  また、今回の災害では沿岸部の市町村に壊滅的な被害が発生し市町村の機能が麻痺しましたが、このような市町村に対してどのような対応を取られたのか、お聞かせいただければ。
  23. 関克己

    政府参考人(関克己君) お答え申し上げます。  今回の東北地方の被災の著しい市町村を中心に全国の緊急災害対策派遣隊、いわゆるテックフォースから市町村支援要員として延べ八千九百九十九人を派遣したところでございます。また、国土交通省が全国の地方整備局に有します衛星通信車による市町村の通信機能の確保、これは市町村の通信機能が途絶してございましたので、こういったものを確保する。それからさらには、地盤沈下等による低平地の排水の実施ということで、十六市町村に対し支援を行ったところでございます。  また、先ほどの衛星通信車等を通じまして市町村のニーズを聞き取り必要な対応を行う、あるいはこういった情報を広くお伝えするといった役割、さらには、日ごろから養っております専門知識を生かしまして市町村における道路あるいは堤防等の被災状況調査、あるいは復旧の助言等、市町村の支援を行ってきたところでございます。
  24. 吉田博美

    吉田博美君 次に、梅雨、台風等による洪水などが心配される時期が間近に迫っておりますが、このような二次災害に対する備えはどうなっているのか、お聞かせいただけますか。
  25. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今回の地震及び余震によりまして、東北地方のみならず関東地方においても広い範囲で河川の堤防の被災が生じているところでございます。国が管理している区間では、東北地方では千百九十五か所、関東地方、これは茨城が多いわけでございますが、九百二十か所で、計二千百十五か所の被災が生じております。こういった被災箇所につきましては、梅雨期に向け、二次災害の防止に向け応急対策を実施しております。  特に、堤防が決壊してしまったり大規模な崩壊をしており、堤防の機能を著しく損失しております五十三か所については現在でも昼夜兼行での作業を進めているところであり、四十か所で完了しており、残り十三か所、鋭意進めているところでございます。  こうした堤防の復旧は極めて重要と考えており、秋の出水期に向けましてこういった暫定的な対応を進めるとともに、出水期明けには本格復旧に着手することとしております。
  26. 吉田博美

    吉田博美君 県ではなかなかできないからということで法律も改正されたわけでありますが、宮城県が海岸事業について国での実施を求めているようだが、迅速な復旧のために国の支援体制を強化する必要があるが、どのような対応を取られるのか。
  27. 関克己

    政府参考人(関克己君) 御指摘の点でございますが、今般の震災で甚大な被害を受けました宮城県の仙台湾沿岸の堤防等につきまして、国で早期に着手し復旧してほしいとの御要望を三月三十日に宮城県知事より大畠国土交通大臣にちょうだいしたところでございます。  今回の御審議をいただきまして、四月二十九日にいわゆる権限代行法が施行されたところであり、必要な場合に県の災害復旧事業を国が代行できることになったことを受けまして、五月の二日に改めて宮城県知事より代行工事の要請をいただき、五月九日にお引き受けするとのお答えを出させていただいたところでございます。  今後とも、災害復旧事業の代行のみならず、被災地の町づくり等々の連携を図りながら、迅速な復旧のために一層の支援を行ってまいります。
  28. 吉田博美

    吉田博美君 豊かな経験と実績を生かして取り組んでいただきたいと思います。  次に、自治体の災害復旧に伴い、調査、査定等に膨大な作業が発生することが想定され、これらに対して支援等を行う必要があると思いますが、どのような対応を取られるのでしょうか。
  29. 関克己

    政府参考人(関克己君) お答え申し上げます。  今般の地震では甚大な被害が発生しており、自治体における災害復旧、これを早期に行う必要があるということで、この支援を全力を挙げて行っているところでございます。  こうした中で、いわゆる災害復旧に必要な図面あるいは資料等の大幅な簡素化、あるいは災害復旧にかかわる作業の軽減というものに努めております。また、こうした手続のみならず、先ほど申し上げましたテックフォースによります災害状況調査の支援、あるいは本省の担当官が事前に相談に応じスムーズな災害査定が進めるように、あるいは災害査定官が被災県に赴きまして直接調査や査定等を行う、技術的助言を行うなどの支援を行っているところでございます。  今後とも、地方公共団体の意向を十分に伺い、踏まえながら適切な支援に努めてまいります。
  30. 吉田博美

    吉田博美君 この発生をしたときに私たちも感じたんですけど、非常に利益を上げているドコモがほとんど通じないんですよね。だから災害で家族とも連絡が取れないような状況であったということで、これもしっかりと対応、この委員会じゃございませんが、しなきゃいけないんですけど、そうした中で、衛星通信だとかそうしたものを今までの機器を生かしながら対応されて、また市町村にリエゾンを派遣されて、そして橋渡し役として活躍されているという、こうしたことが本当に、地道な活動というものを我々はある意味では評価をしなきゃいけないと、大事なことじゃないかと思いますが。  大臣にお聞きしますが、全国の地方整備局等が震災発生の直後から機動力を発揮し今回の震災に対して大きな役割を果たしているということは十分に理解できましたが、なぜこのような迅速かつ的確な対応が可能であったのか。また、地域主権を受け、地方整備局を丸ごと地方に移管する話があるが、これについてどのようなお考えでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  31. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 先ほど御答弁の中でも指摘をさせていただきましたが、私は地方整備局が今日それぞれ力を発揮できる背景には、日ごろから各自治体と連携を取って仕事をやってきたという人間的な信頼関係がもうできていると、こういうことが背景に私はあったと思います。したがいまして、国土交通省の地方整備局あるいは運輸局の職員の皆さんも大変日ごろから一生懸命やっておりまして、市町村あるいは県との連携というのが十分取れていたと、こういうことで力を発揮することができたと思います。  そこで、この地域主権というものの中で、地方整備局をもう丸ごと地方に移管するという構想がございますが、実は私はその組織というものはしっかりと生かしていかなきゃならないと、今後ともですね。この防災だけでなく日本の国の土台を、国土づくりのためにも地方整備局あるいは運輸局というのは大変大事な役割でありますから、その組織体というのはしっかりと継続をしなければならないと思っております。  ただ、それが国土交通省からじかに連携取っているのか、あるいは大阪の方では広域連合体というものをつくりたいと、こういうお話がありまして、そういう県というものを越えた地域の一つの連合体、こういうものをつくるということであればそことの連携、いわゆる東北地方整備局というのは県との連携取っていますが、地域全体をカバーしているものでありますから、そういう意味では、そういう組織体ができるのであればその傘下で、もちろん国土交通省もいろんな形で連携は取りますけれども、そういう組織体の中に加えてもいいのかなとは思います。  ただ、私どもが考えておりますのは、身分といいますか、組織としてきちっとしたものになるのかどうか、そこのところは非常に私は大事だと思いますし、職員の皆さんが安心してこういう非常時に大いに力を発揮するためには、そのような組織体の位置付けというのが明確でなければならないと思いますので、そのようなことが、なるのであれば、そのようなことも一つの私は選択肢としてあるのではないかと、そのように考えているところであります。
  32. 吉田博美

    吉田博美君 私も党において地方分権推進委員会の今会長代理をさせていただいておりまして、やはり国から地方へという、そうした動きはあることはあるんです。そして、自由民主党としても取り組んでいるんですけど、私は、今回のこの東北地方整備局の、あの大臣の全部局長に任せますよと、そうした判断、すぐヘリコプター飛ばしてそして道路を開けていくという、そうした一つ一つを見たときに、果たして地方に移管して今回みたいなこの広範囲な中で、こっちは宮城県、こっちは岩手県、その隣はどうなるか分からないような状況じゃなくて、やっぱり一括的に国がこれは安心、安全な国土づくりのために、私はやはり東北地方整備局、また各地域の整備局は必要だ、存続すべきだと。  その形態についてはいろいろな部分もあるかも分かりませんけど、ただ、違う連合体にしてしまいますと、予算なんかもなくなりますし、いろいろなことで信頼関係もできなくなりますから、私は、やはりきちっとした中で今回のことを考えて、私も実はこのことを思いながら、私どもの長野県の北部じゃなくて南部の地方の町村長の皆さんに聞いてみたんです。中部整備局なくなった方がいいですか。とんでもないと、町村長の皆さん方。我々は仕事を、県で仕事をしてもらう、市町村で仕事してもらう、国土交通省の直轄でしてもらいたいと、みんなそう言っていますよ。  何が国と地方は対等だという、全然そうじゃないんで、別に国が全部命令してやるわけじゃないんですよ。こういう信頼関係を持って初めて整備局のあるべき姿があると思いますから、私は、ある意味でこの大きな方針転換というものも必要になってきたんじゃないかと、こう思っているところでございます。  次に、私どもの長野県北部の震災についてお聞きをさせていただきたいと思います。  三月十一日の地震の翌日、三月十二日に発生した地震は、長野県北部の栄村で震度六強、野沢温泉村で震度五弱を観測し、隣の新潟県におきましては十日町市や津南町で震度六弱を始めとして各地で強い揺れを観測し、さらに、その後一時間余りの間に同じ震源域内で震度六弱の余震が二度も繰り返され、これにより住宅や上下水道の損壊、国県道、鉄道の崩落、農地、農業用施設の崩壊等の被害が生じました。三月十三日には激甚災害に指定され、現在、国、長野県も、村とともにライフライン、道路等の復旧を進めており、豪雪・過疎地域にある栄村の存続、復興へ向けて全力で支援をしているところでありますが、つきましては、既に法律もできているわけでありますが、確認意味でもってお聞かせをいただきたいと思いますが、長野県栄村等の被災地域に対しましても東日本大震災の復興支援に関する特例措置や特別立法で定める支援措置と同等の措置を講じていただけるのでしょうか。
  33. 小田克起

    政府参考人小田克起君) いわゆる財特法の対象災害は東日本大震災と規定しておりまして、この中で、三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震と、それ以降に発生した余震や三月十二日に発生した長野県北部を震源とする地震などによる被害を一連の災害としてとらえております。  このため、財特法第二条第二項に基づく特定被災地方公共団体につきましては、対象都道府県としては新潟県及び長野県を法律で明記をしております。また、対象市町村につきましては政令で新潟県十日町市、津南町や長野県栄村を定めており、長野県北部を震源とする地震によって被害が生じた県、市町村にも本法に基づく措置を適用するということにしております。
  34. 吉田博美

    吉田博美君 次に、現時点で把握している被災家屋は、全壊、半壊が百八十四戸となっております。被災者の生活再建に当たっては住宅の再建が極めて重要であります。したがって、被災者生活再建支援法に基づく支援金支給額の増額、半壊家屋の支援対象化等の十分な支援措置を講じていただけるのでしょうか。
  35. 小田克起

    政府参考人小田克起君) 支援金の増額、それから半壊世帯を対象にすることができないかということでございますけれども、今回の震災が前例のない大規模な災害で被害が大きいこと、そういう状況にあるものではございますけれども、個々の被災者に着目した場合、新潟県中越沖地震や豪雨などの災害で被害を受けられた方々との公平論が課題になるなど、検討すべき問題が多いというふうに考えております。  加えまして、この制度の趣旨でございますが、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた世帯の生活再建を支援すると、これが本制度の趣旨でございますので、半壊世帯まで支援の対象とすることはこの制度の根幹にかかわることから慎重な検討が必要だと、このように考えております。
  36. 吉田博美

    吉田博美君 まあ審議官の方からはそういう答弁しかできないと思いますけど、私は本当に、じゃ今までの中越地震がそうだったとか、今までがそうだからと言うのは、これはもう官僚の答弁だと思います。  しかし、私たちは、常に変えるべきところは変えていかなきゃいけない、それが立法府のあるべき姿でありますから、やはりこのことを我々はしっかりと取り組んでいかなきゃいけないわけでありますが、全壊家屋なんか、例えば二千万円のローンを組んでおきながら、そして新たに建てようと思った若い人たちは大変なんですよ、ダブルにローンになっちゃうものですから。このことも取り組んでいかなきゃいけない問題でありますから。  また、栄村なんかは四五%の人が高齢者なんですよ。百四十日間、場所によっては雪の中で生活しているんですよ。その方が、半壊家屋だといって、でも住めないんですよ、それを修理するのにはもう何百万も掛かるんですよ。だからそれは、駄目ですよというのはこれ、死ねということなんですよ。  私たちは、今大事なことは、財源がないといえばそれまでかも分からないですけど、これは我々が本当に考えなきゃいけない。なぜかというと、子ども手当で一律にお金持ちの人も配るお金があるんなら、これしっかりと公明党さんが言っておられるような形の中で一万円にして所得制限を設けて、そして出たお金をそうした困った人に渡すのが政治じゃないですか。政治というのは温かみがあることが必要なんですよ。私は、そんな中で、我々がみんなで、国会議員が与野党を超えてこの問題については取り組んでいかなきゃいけないなと思っているところでございます。  次に、瓦れきの除去を始めとして、国において十分な財政措置を講じていただけるのでしょうか。
  37. 小田克起

    政府参考人小田克起君) 瓦れき、災害廃棄物の処理でございますけれども、これは復旧や生活再建の第一歩となる極めて緊急性の高いものであることに鑑み、交付税措置を含め全額国庫負担としたところでございます。  それ以外のものにつきましても、いわゆるこの財特法におきましては、上水道など公共土木施設等の災害復旧事業は、地方自治体の財政負担力に応じて国庫補助率が最大十分の九までかさ上げされ、さらに残りの地方負担分につきましても起債が認められ、その元利償還金につきましては交付税措置が導入される見込みでございますので、地方自治体の実質的な負担はごく僅かというふうになってございます。  これらの措置につきましても、長野県北部を震源とする地震の被災地に対しても同様に講じられていくということでございます。
  38. 吉田博美

    吉田博美君 審議官、結構でございますから、お帰りいただいて。どうぞ。
  39. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) どうぞ。
  40. 吉田博美

    吉田博美君 次に、一般国道百十七号の道路、橋梁の早期回復についてお伺いしたいと思います。  この道路は長野市と新潟市を結ぶ最短道路であり、両県民のみならず多くの人々にとって重要な道路であります。この復旧についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞かせいただきます。
  41. 菊川滋

    政府参考人菊川滋君) お答え申し上げます。  三月十二日の日に長野県北部で発生いたしました地震によりまして、今御指摘の一般国道百十七号の長野県の野沢温泉村から栄村に至る約十四キロの区間におきまして、路面の段差や橋梁の損傷などの通行の支障になるような被災が六か所で発生いたしました。  そのため、長野県におきまして同日全面通行止めといたしましたけれども、三月二十四日までにこれらの六か所について応急復旧を完了いたしておりまして、現在一応通行が不能な区間はないという状態にはなっております。ただ、橋脚にかなり大きな損傷が発生いたしておりまして、北沢橋を含む区間におきましては、現在八トンを超える大型車の通行を禁止している状態だというふうに聞いております。長野県におきまして早期に大型車の通行が可能となるように近々復旧工事に着手するというふうに聞いております。  国土交通省といたしましても、必要な支援をしっかりと行っていく所存でございます。
  42. 吉田博美

    吉田博美君 できるだけ早く取り組んでいただきたいと思うところでございます。  これから申し上げる、ちょっと時間もありますので、申し上げることは、大臣、通告をしてございませんのであえて答弁をいただかなくても結構でございますが、しっかりとお聞きいただきたいと思うところでございます。  実は、今回の東日本大震災におきまして、まさしく福島第一原発にあのような事故が起きました。本当に、早く、あらゆる手段を講じて、もう全ての皆さん方の力を、海外の力もみんな借りて解決をするということは大前提だと思います。  そして何よりも、その地に生まれて育って、そしてその地を誰よりも愛する皆さん方が避難せざるを得ない状況の中で、その皆さん方が早くその地元に帰って生活して、笑いができる家庭ができるような地域をつくるということが大事でございますから、今避難されている皆さん方の、まずは補償問題については我々は全力で取り組んでいかなきゃいけないと。東電だけに任せるのではなくて国も本当にやっていかなきゃいけないと思うところでございますが、こうしたことが起きて、そして、実はこの関東地方で計画停電が行われたわけであります。これは、私どものところは幸いにして中枢部にあってこの計画停電には入っていませんでしたが、本当に計画停電の起きたところの、つい先日も浦安市の市長さんが言われていたのは、浦安市は液状化災害を受けて計画停電と、こんなばかなことないじゃないかと言って何度も交渉されたということをお話をお聞きしたわけでございますが、この計画停電の状況を見たときに、やっぱり安全保障というものを我々はしっかりと考えていかなきゃいけないと。何か安全保障というと誰もが日米安全保障で防衛力の安全保障だと思ってしまいますけれども、しかし私は、最も大きな安全保障がやはりエネルギーの安定的供給と食料の安定的供給だと思います。  ところが、エネルギーの供給率は、いろいろな換算の計算はありますが、一応七%だと言われています。食料はカロリーベースで四〇%だと言われています。しかし、このエネルギーの自給率を高め、食料の自給率を高めるために何が必要になってくるかというと、ダムなんですよ。ダムが必要になってくるんですよ。  なぜかと申しますと、日本のエネルギーの九三%は海外から輸入しているわけですよ。海外から輸入しているものの中で五〇%は石油に依存しているんですよ。これは過剰な依存なんですよ。そして、石油はもうピーク時を越して枯渇期に入っているわけですよ。この石油が、九州大学の資源システム工学部の研究部の発表によりますと、石油の埋蔵量があと四十年、天然ガスの埋蔵量があと六十年、ウランの埋蔵量があと七十年、そして石炭が二百三十年。  これから世界の趨勢として、石炭を中心とした中でのエネルギーという自給率向上が図られると思います。しかし、私たちの国では、石炭も、まあウランはちょっと難しくなる、ウランもそんなに採掘できないんですよ。  じゃ、どうして我々は自給率高めるか。新たに太陽光発電やりましょう、あるいは風力発電やりましょうと、これも結構なことだと思います。しかし、私たちの国の地形を見たときに、アジア・モンスーン地帯に位置して降雨量もかなり多いわけであります。そしてまた、この降雨量の多い中で、雨が降ってこれをためているダムの中で今発電を行っているわけですが、全発電量の今七%供給しているわけであります。  しかし、これはある説によりますと、今の発電の中で、ダムの中の治水が今度は、治水というか利水の方ですね、考えてみましたら人口減少になるわけですよ。そうすると、利水容量が余りますから剰余利水、そしてこちらの方では治水の容量を全て発電に使うと五〇%ができるというんですよ。それはもう治水容量も利水容量もそんなに使えるものじゃないと。じゃ、どうするかだと。既設ダムの再開発するんですよ、かさ上げすることだって日本の技術ではできるんですよ。かさ上げすることによって、発電量を二〇%、三〇%へ持っていくと。  そうした状況の中で、いや、流域、水域の環境が良くないから、だから駄目なんだという、今ダム反対論がばっこしておりますけれども、しかし我々は生きていかなきゃいけない、産業の振興も図らなきゃいけない、食べていかなきゃいけない。そうしたときに水がないとどうなるか。  そして、食料自給率もそうなんですよ。今、我々は水資源大国だといいますけれども、ミシシッピ川と利根川では百分の一なんですよ。水がたまっていないんですよ、急峻な地形で。一旦山に雨が降ると、二日間で出ていっちゃう。そうした急峻な地形の日本の中で、じゃ、どうやって水を得る。八割が利用されないから二割しか今利用されていない現状を考えたときに、この状況を我々は放置できないわけでありまして、そして食料も四〇%しかないんですよ。  ところが、これから地球温暖化になっていくと。地球温暖化になっていきますと、外国での水がなくなり食料がなくなると外国からなんか輸入できないですよ。そうすると、私たち自給率を高めなきゃいけない。  仮想水という、バーチャルウオーターということ、またきっと河川局長は御存じだと思いますけれども、バーチャルウオーター、これが小麦を一キロ作るのに二トン要るんですよ。米は一キロ作るのに三トン要るんですよ。牛肉は一キロ作るのに十トン要るんですよ。このバーチャルウオーター、言わば日本で取れます要するに食料の穀物五品目プラス畜産プラス工業用水を全部入れると六百四十億トン今必要なんですよ。今全部使ったら八百九十億トンですから、そうすると一・七倍必要なんですから、一・七倍のことを維持しようと思ったらダムをおいてないわけですよ。  この将来のエネルギーの安定的供給と食料の安定的供給を考えたときに、何でダムは必要ないんだと。ダムは要らないよと言う。じゃ、どうして生きていくのかということになるんですよ。我々は生きるために、CO2にも優しい、この水域環境については皆さん方の理解を得るようにできるだけ我々は対処しなきゃいけない。  しかし、本当に今必要なのはダムだということを考えたときに、今日藤井先生見えております、つい先日、台湾でありました。総統も出られたそうでありますが、脇先生、お帰りになりました脇先生の大学の先輩であります八田與一さんという技術者が烏山頭ダムというのを造ったんですね。台南市の方はもう本当に不毛の地だったんです。そこでアジア最大のダムを造ることによって台湾の農業の振興につながったんですよ。その台湾では、最高の指導者まで出てきてそのお祝いを、八田さんのその当時の住居を復元してまで、公園の名前まで付けてやったんですよ。  日本は脱ダム宣言、脱ダム宣言と言う。これから本当に方向転換をして、そのためにはまず最初に手掛けなきゃいけない一都五県の皆さん方が、全員があれですよ、知事さんは誰一人反対いなくて、八ツ場ダムを再開しようと言っておるわけですよ。八ツ場ダムは治水も利水も、キャスリン台風のことで分かるじゃないですか、何千人もが亡くなって、治水も利水も、そして発電にも使えるわけですよ。これをやめて何になるかと。失われた二年間、我々はどうすればいいのかと。このことを早く大臣、決断をしていただきたいと。大臣、あなたが決断することが、私は、やっぱり大畠大臣というのはすばらしい大臣だったと、そして歴史に残すような大臣になってもらうために、あの例の、菅さんが厚生労働大臣の薬害エイズ、あれと同じように早く決断をしていただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  43. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  まず先日、当委員会で浦安市に液状化被害の視察に行かせていただきました。委員長を始め視察の機会をいただきました皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。  今日は、せっかく視察をしましたので、液状化に関連をして御質問させていただきたいと思います。  まず、今回の東日本大震災で液状化被害がどこまで広がっているのかと。被害をどこまで把握しているかということについて、まず国土交通省、どこまで被害を把握していますでしょうか。
  44. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今般のこの東日本大震災により、広い地域において液状化による被害が生じております。  私ども、これまでに調査をし把握しているところでございますと、都道府県で申しますと岩手、宮城、福島、茨城、埼玉、群馬、東京、千葉、神奈川という非常に広範な地域でこの液状化による被害が発生しているところであり、また、こういった液状化によりまして道路、海岸、河川、あるいは公園、下水道等、広範な施設にも被害が及んでいるというふうに認識してございます。
  45. 長沢広明

    ○長沢広明君 同じ質問内閣府の方ではどのように把握していますか。
  46. 小田克起

    政府参考人小田克起君) 液状化による住宅の被害に限ってでございますが、現在各地方公共団体において調査中でございまして、私どもが報告を受けているところでは、千葉県、茨城県、埼玉県、神奈川県におきまして約一万九千戸の住宅に住宅が沈下する、あるいは傾斜するなどの被害が出ているという報告を受けております。
  47. 長沢広明

    ○長沢広明君 今後、対策をしっかり立てていく意味で、今回の液状化被害の範囲をどこまできちんと把握するか、状況把握ということが非常に大事でございます。  やっぱり特徴は、今言っていただいて分かるとおり、震源地からの距離に関係なく被害が出るということです。つまり、地震の今までの被害の出方とこの液状化被害というのはちょっと違う。実は、地震対策で今まで組み立てていたことが液状化対策としては全く違う角度から組み立てざるを得ないという、観点が変わってくるということを、これをちょっと認識しないといけないというふうに思っているんですね、実は。  三月二十五日の質疑で、私は液状化対策をこの委員会で取り上げさせていただきました。そのときに国土交通大臣から液状化対策について、研究を深め、対策を強化してまいりたいと、そのように答弁されました。その後、具体的にどういう取組を始めたんでしょうか。
  48. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 長沢議員からの御質問にお答えを申し上げます。  三月二十五日の委員会で、液状化対策についての研究を深めることが必要じゃないかと、こういう御質問をいただきまして、私も、今御質問をいただいたような答弁をさせていただきました。  その後のことでありますが、五月の十一日の日に液状化対策技術検討会議というものを立ち上げまして、調査分析を進めさせていただきました。関係する学会とも連携しながら、液状化発生メカニズムの研究等に取り組んでいるところであります。  御指摘のように、新潟地震のときに液状化というものが初めて浮上しまして、その後いろいろと研究はされておりますが、今議員から御質問のように、これほど大規模に広範囲にわたっての液状化というものの現象が現れておりますので、私どもといたしましては、この技術検討会議というものを踏まえて、公共インフラについての液状化対策というものも検討してまいりたいと考えているところであります。
  49. 長沢広明

    ○長沢広明君 新たに液状化対策技術検討会議を設置をしてスタートをされていると。その中でも、やっぱり被害実態を把握する、それから発生メカニズムを解析するという、ここからまず始まるわけですね。  これ非常に重要なことで、先日浦安に行ったときも、浦安市長からは、やっぱり発生のメカニズム、表層面で起きているのかもっと深いところで起きているのか、発生の、被害の出方も地域によって全く違いがあるので、メカニズムをきちんと分析していただかないと再液状化に対する住民の不安が払拭できないということがございました。  実は、液状化問題というのは簡単に分かっているようでいて、私たちはいまだに研究をもっとしなければいけない余地をたくさん持っているというふうに思いますし、先ほど来私が指摘しているのは、今までの地震による住家の倒壊とか損壊という在り方と今回の液状化の被害の出方というのは質がやや違う。ここをもう一度見直さないと対策を誤るということを改めて指摘しておきたいというふうに思います。  重ねて、四月二十八日付けで千葉市や浦安市など千葉県内で液状化被害を受けた市町村の市長から、銚子市とか香取市とか我孫子市とか連名で国土交通大臣あてに要望が出ていると思います。液状化に関連した災害復旧に関するガイドライン等の作成を早急に行っていただきたいと、こういう現場からの要望が出ておりますけれども、これに対して、大臣、どうおこたえになりますか。
  50. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御質問のように、確かに四月二十八日の日に、千葉県内の液状化被害を受けた市長さん等から、液状化に関連した災害復旧に関するガイドライン等の作成を早急にするようにという要請をいただきました。  今回の液状化というものを、私も現地を見させていただきましたけれども、下水道あるいは宅地、そして地域全体が大変大きな被害を受けておりまして、同時にまた、私もお伺いしましたが、液状化対策をやった宅地では被害が本当に比較すると微少であると。だから、液状化の、今御質問のように、どういうメカニズムでこういうのが起こっているのかというものをよく分析すると同時に、対策案というものも作っていかなければと思います。  そういう意味では、液状化により被災した道路を復旧する高さですとかあるいは土地の境界のずれへの対応、地域によって被害状況がそれぞれ異なっておりますので、まずは現状をしっかりと把握をして早期の復旧に努めることが大事でありますが、御要望をいただいておるガイドライン的なものを作成するというのも一つの方法でありますし、また被災状況を十分に千葉県や千葉市からもお伺いして、きめ細かな技術的助言等を行う体制を取り、そしてまた早期にその復旧についてのお互いの意見交換、技術的な交換もしながら復旧に向けて支援を進めてまいりたいと考えております。
  51. 長沢広明

    ○長沢広明君 よろしくお願いします。現場ではやはり住居部分と道路部分の間に段差プラス開きが出ちゃった場合、一体どこからどっちの責任なのかというかなり細かいことも含めてそういうガイドラインをきちんと作らないと、なかなか行政の範囲が確定できないということもありますので、是非現場の意見をしっかり聞いて対応していただきたいと思います。  今日は内閣府から東副大臣お越しいただきまして、お忙しいところ済みません。ありがとうございます。  この液状化被害を受けて、今回、被災者生活再建支援制度、今日資料をお配りさせていただいておりますけれども、この被災者生活再建支援制度について、五月二日、内閣府から認定基準の見直しが発表されました。この住家被害の認定の運用を五月二日に見直しをされた、この見直しの趣旨について御説明いただきたいと思います。
  52. 東祥三

    ○副大臣(東祥三君) 長沢議員が現場を訪問されて、そして液状化の実態を踏まえた上での御質問であるというふうに理解した上でお答えさせていただきたいというふうに思いますが。  罹災証明書発行の前提となる住家の被害認定に関しては、従来の基準が今回の地盤の液状化による住家被害の実態にそぐわないという数々の指摘をいただきました。それと同時並行的に、私たちの担当部局においても担当官を派遣すると同時に、私も茨城県そしてまた千葉県中心に約九か所、実態を把握させていただきました。  その上で、この液状化の実態を踏まえながら、学識経験者、被害認定の専門家、さらにまた、ちょこっと傾いた家にお住まいになり続けると健康的にも被害を助長してしまうと、医療者の意見も伺った上で、地盤に係る住家被害認定の運用を見直して、五月二日付けで地方公共団体に通知したところであります。  具体的には、基礎そしてまた床一体となった傾斜による判定及び住家の基礎等の潜り込みによる判定を追加して、地盤に係る住家被害についてより実態に即した判定ができるよう見直しを行ったところであります。
  53. 長沢広明

    ○長沢広明君 今までの判定基準とこの液状化被害の判定とはそぐわない面があったので、是非運用面について見直しをしていただきたいということは、例えば衆議院の予算委員会等で我が党からも強く要望させていただいて、それに内閣府で検討していただいてこの運用基準が新たに決まったと、取りあえずこの基準を見直したということでございますが。  ちなみに、浦安市に行って浦安市の資料を見ましたら、従来の認定基準ですと、浦安市の液状化のあの地域で大規模半壊がゼロだったんですね、従来は。今回、この五月二日の新基準適用した後、大規模半壊が千三百八十七戸になったんです。千三百八十七戸は従来の基準では全く大規模半壊と認定されなかった。従来基準ですと、半壊が三十三戸だった。この新しい基準で千九百十二戸に増えているんです。いかにこれまでの基準と今回の基準で大きな差が付いたかということがこの数字からもはっきりしていると思います。これは非常に大きな前進をしたというふうに思います。  ただ、大規模半壊の場合は補修すると支援金が百五十万ですね、基礎支援金と加算支援金が出ます。この資料の一番最後のページを見ていただくと、出るんですが、大規模半壊については基礎支援金が五十万。ただ、これ解体した場合は百万円になる。しかも、加算支援金が建設した場合二百万、合わせて三百万と、こういうふうになります。  ところが、半壊の場合は実は基礎支援金ゼロなんです、半壊だと。じゃ、何かお金出てこないかというと、解体しないとお金がもらえないんです、半壊の場合は。解体すれば実は三百万、解体、建設で三百万が出る、半壊でも。しかし、補修しただけでは基礎支援金も加算支援金も半壊世帯はゼロ円なんです。これがちょっとおかしいんじゃないかと。  資料の一番目、見ていただいて、半壊というのは今回新規で、特に傾斜の場合は百分の一以上六十分の一未満と。潜り込みの場合は基礎の天端下二十五センチまでは半壊というふうになっておりますが、この半壊の場合、なぜこの支援金が対象にならないのか。解体しないと支援の対象にならない理由は一体どこにあるんでしょうか。
  54. 東祥三

    ○副大臣(東祥三君) 長沢議員、私も一番初めよく分からないときに同じような質問を自ら問いかけました。物事ってやっぱり決め事でありますから、どこからどこまでという、どこかで切らなくちゃいけないわけですよね。これが政治のまたつらいところであります。  その意味で、改めて被災者生活再建支援制度の仕組みそのものってどういうものなのかという角度から申し上げますと、自然災害により、その生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して自立した生活再建を支援し、被災地の速やかな復興に資することを目的とした制度でありますから、全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯を対象としている、そういう仕組みなんだということをまず御理解願いたいというふうに思います。  したがって、補修すれば元どおりに再使用できる程度の半壊は支援法の対象外としているわけであります。当該住宅の倒壊による危険を防止するために必要があること、当該住宅に居住するために必要な補修費等が著しく高額となること、その他これらに準ずるやむを得ない事由によって解体した場合に限って被災者生活再建支援制度の対象としているところであります。
  55. 長沢広明

    ○長沢広明君 今副大臣がおっしゃったことは十分私、理解しているんです。被災者生活再建支援法の立法趣旨は、災害によって自らの生活の基盤である住居が破壊されて、生活を再建する際にはその基盤である住居の再建から始めなきゃいけない、そこに支援をすると。本来、私有財産に対して国がお金を出すということはあり得ない話だったんです。だから、そこに風穴を空けたのがこの被災者支援法だったんですよ、私有財産にお金を国が出すと。それは、生活を再建するためには国も一定の責任を負うべきであると、しかも都道府県にそのお金も出してもらって相互扶助的にやっていこうと、こういう制度としてスタートしたその立法の趣旨は十分分かっているんです。  で、半壊と認定したと、じゃ、この資料を見ますと、今、補修の場合はそういう対象じゃないと言いますけど、実際、被災者生活再建支援制度の加算金には補修で百万出るんですよ。補修も対象になっているんです、支援の対象に。しかし、半壊の場合は補修だと出さないということになるんですよ。じゃ、その半壊の基準は一体どこで切ったのと。  一ページ目を見ていただきますと、一ページ目のこの資料の傾斜の場合、一番下に米印が三つ並んでいて百分の一と書いてありますね。百分の一の傾斜以上は半壊なんです、六十分の一以下は。しかし、この百分の一は医療関係者等にヒアリングを行い設定した居住者が苦痛を感じるとされている値と書いてある。つまり、百分の一以上の傾斜だったら居住者が苦痛を感じますよと、だけど、補修にはお金を出さないんです。おかしいじゃないですか、これ。  二ページ目を見てください。住家の基礎等の潜り込みによる判定の追加、これは、今までなかった潜り込みについては今回、これ判定に追加してもらいました。これは大変大きな前進。だけれども、この三つ目の米印の下、基礎の天端下二十五センチまでにしたというのはなぜかというと、雨が降ると恒常的に床下浸水することから設定したと書いてある。補修避けられないじゃないですか。つまり、補修しなければ苦痛を感じるし、あるいは日常的に床下に浸水するということをこの資料自ら認めているんですよ、これ内閣府の資料が。にもかかわらず、補修には金を出さない。それは生活の再建ではないという判断なんですかと。  私、ここちょっと論理的に今の御説明は食い違うと思う、そごがあると思いますよ。もうちょっと私はそこを深く見ていただいた方がいいと思うんですよ。  例えば、仮にこの基礎支援金、あるいは加算支援金の枠の中に、液状化被害のこの新しい追加が出たのであれば、半壊についてはもう一歩、例えばせめて基礎支援金を追加するとか、何らかの考え方を、私は、今までの地震の被害とこの液状化被害というのは角度が違うんだと、私、最初に言ったのはそういう意味なんですよ。そういう意味で、私はもっと見直す必要があるんじゃないかというふうに思いますが、もう一度、いいですか。
  56. 東祥三

    ○副大臣(東祥三君) 問題は、したがってどこまでを切るかという話です。例えば、百分の一ということは一・二メートル、百二十センチに対して一・二センチ、これが百分の一です。じゃ、何で一・〇以上、それを生活再建支援制度で対応できるようにしないのかと、こういう議論って当然成り立ちます。  ただ、問題は、じゃ、それを補う意味で、この制度それ自体では対象外になっていても、もう一方においては災害救助法というのがあります。したがって、補修する場合には直接的な形でお金は出ませんけれども、事業者に各市町村がそうだというふうに認めた上で、そこにその補修費の一部を充当してもらえる制度というものもここにつくられているわけであります。したがって、そこで不十分だという意見も当然あります。  しかし、これも基本的に、個人的に見れば長沢委員と私も共通の認識を持つか分かりませんが、基本的には国民からいただいている税金を使うという角度でありますから、これも一つは政治家としての責任としてとらまえなければならない、こういう角度で、現在までのところ、こういう形で査定させていただいているということであります。
  57. 長沢広明

    ○長沢広明君 ちょっともう時間がなくなりましたので、本当は、今副大臣がおっしゃった災害救助法の方もあるというお話もあって、実は埼玉県の久喜市というところで百世帯以上の液状化被害が出ているんですよ。九十五世帯ぐらいが大規模半壊と半壊の指定を従来の基準で既に受けているんです。今、新基準でもう一回やり直しているんです。ところが、埼玉県久喜市は災害救助法の適用にはなっていないんです。もう川を隔てて右側の茨城県は災害救助法、全県がなっている。しかし、埼玉県は県として救助法の指定になっていない。しかも、そこの久喜市の場合は、全壊世帯が一軒もないから、大規模半壊が何十軒あったとしても二百軒を超えない場合は災害救助法の適用にならないんです。それは言い換えたら、災害救助法で救えるところと救えないところとあるんですよ。これをもっとよく見ないと実は簡単な話ではないと。  最後に一つだけ、済みません、海上保安庁、本当はお話ししたかったんですが、一つだけ私の方からお話をさせていただくのは、海上保安官の皆さん、非常に今回頑張った。自衛隊の方にはすごい光が当たっているけど、海上保安官に光が当たっていない。私はすごく残念。物すごく頑張って、御遺体の収容も二百体を超える御遺体の収容をやってくださっていると。メンタル面で非常に被害が逆に出ている。そういう人たちのメンタルケアのサポートをしっかり拡充してもらいたい、こういうふうに思いますので、お考え、一つだけ伺って終わりにします。
  58. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  先生指摘のメンタルケアの問題、大変重要な問題と考えておりまして、海上保安庁では平成十五年度から本庁でストレス対策のアドバイザーという形で臨床心理士の方を委嘱してお願いをしておりますし、それから各地域でも専門家とネットワークを構築しております。  今回の震災では、本当におっしゃるように、御遺体も二百十九体、今収容しておりまして、しかも通常よりもかなり厳しい状況の御遺体も多いということで、これに過剰なストレスが発生していないかということで気を付けてやっております。  私どもとしては、具体的には三月十八日、一週間後でありますが、と約一か月後の四月十五日に第二管区の職員と派遣している職員についてストレスチェックというものをいたしました。これはチェックシートを配って自分で判定してもらうものでありますが、それの中で問題のありそうな職員について先ほどのアドバイザーを二回派遣をいたしました。それからもう一回は、東北大学の臨床心理相談室の御支援もいただきまして個別のカウンセリングをいたしました。ただ、幸いなことに今までのところは直ちに治療を要するとか、あるいは業務上の配慮、配置替えなどを要するといった職員は出ておりませんが、この問題、大変デリケートでありまして、今は高い使命感で頑張っているから発生はしないけど、一息つくとまたストレスが出てくるというようなこともありますので、継続的に息長く、しっかりとやっていきたいと思っております。
  59. 長沢広明

    ○長沢広明君 ありがとうございました。  終わります。
  60. 上野ひろし

    上野ひろし君 上野ひろしでございます。よろしくお願いいたします。  先ほど吉田理事からもお話がありましたけれども、私も八ツ場ダムの話について幾つかお伺いしたいと思います。  東日本大震災が発生をいたしまして、もちろん被災地の復旧・復興は最初に取り組むべき本当に大事な課題なんだと思います。一方で、地元にとっては八ツ場ダムの話というのも生活が懸かった、多くの方々の本当に人生が懸かった、非常に大事な問題でございます。震災対応があるからといっておろそかにされてはいけない、そういうものではないかと思います。  先週末も私、八ツ場の地元へ行ってまいりました。地元で話を聞くと、今そもそもどういう検討状況にあるのか全く見えてこない。震災の発生で検証作業自体がうやむやになっているんじゃないか、そういう懸念すら地元では生じているという状況でございます。また、その間にも一日一日、日々地元の方々の生活は厳しくなっている、そういう状況でございます。  八ツ場について言いますと、関係地方公共団体からなる検討の場、またその幹事会というのが設けられておりますけれども、これも二月七日以来もう三か月以上も開かれていないという状況であります。関係都県それからまた地元の方々からは大きな不満の声も上がっているというところではないかと思っています。  現在、八ツ場ダムの検証作業はどういう状況にあるのか、また検討の場はいつ再開をされるのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
  61. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 上野議員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。八ツ場ダムの検証の状況についての御質問を賜りました。  この課題については従来から御答弁をしている姿勢で臨んでまいりたいと思いますが、それは、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議で示されましたダム事業の検証という考え方がありますが、これにのっとってしっかりと進めてまいりたいと考えているところであります。  そういうことで、最近この検討状況はどうかということでありますが、現在、関東地方整備局において五月中に第五回の検討の場、幹事会を開催する方向で一都五県と調整をしているところと聞いておりますし、今後とも一切の予断を持たずに精力的に検証作業を進めることとしております。
  62. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。五月中に検討の場を設けていただくということで、是非きちんと検証の状況というのを、地域に説明を十分にいただきたいというふうに思っています。  次に、検証のスケジュールについてお伺いをしたいと思います。  震災の発生を受けて政策決定のスケジュールの後ろ倒しが懸念をされているというところであります。また、八ツ場ダムについて言うと、検証の前提となる基本高水の再検証のスケジュール、これは報道でありますけれども、本来五月末までに結論を得るということになっていたものが六月半ばまで掛かるという報道も出てございます。  八ツ場ダムの検証のスケジュールについて、これまで大畠大臣は秋までに結論というふうに言われてきたという認識をしております。また三月に、これは衆議院の国土交通委員会でありますけれども、その御答弁の中で、できるだけ早く前倒しをして結論を出していただきたい、これは事務方にということだと思いますけれども、できるだけ前倒しをするように要請をするという趣旨の発言もされているところだと承知をしております。  改めて大臣確認をさせていただきますけれども、秋までに結論を出すという期限、また事務方に指示をされたということだと思いますけれども、できる限り前倒しをするというこのスケジュールに変更はないと考えてよろしいでしょうか、お伺いいたします。
  63. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 八ツ場ダムの検証についてでございますが、先ほど御答弁をさせていただいていますが、一切の予断を持たずに今年の秋までに結論を得ると、こういうことを目標として現在進めております。  今後とも、精力的に検証作業を進めてできるだけ早期に結論を得るように努力していくという姿勢には変わりは全くありません。
  64. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。秋までに結論、それからできる限りの前倒しということでお願いをしたいと思います。  最後に、生活再建事業についてお伺いしたいと思います。  これも報道でありますけれども、八ツ場ダムの生活再建事業の実施に当たって用地取得の遅れが生じているという話もございます。八ツ場ダムの建設に係る生活再建事業の進捗の状況についてお伺いしたいということと、あともう一点、震災の発生に伴って本年度の公共事業費の一部が留保されるという話もあります。災害対策として大変重要な意義を持っている八ツ場ダムの関連事業について支障は生じないという理解でよろしいか、お伺いをいたします。
  65. 津川祥吾

    大臣政務官(津川祥吾君) 八ツ場ダムの生活再建事業につきましても、これまで大臣からも累次お答えを申し上げてきたとおり、用地補償、付け替え道路工事などにつきまして、その生活再建については万全を期すという姿勢、変わらずこれからも進めてまいりたいというふうに考えております。  今後とも、地元の方々の要望にできるだけおこたえすべく全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  66. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  生活再建に万全を期していただくということで、大変心強い答弁だと思います。是非よろしくお願いいたします。  次に、自転車の活用推進という点についてお伺いしたいと思います。  環境問題への関心の高まり、それから特に震災の後、燃料の不足ということもあると思うんですけれども、特に東北地方で自転車の活用が随分増えているという話も聞いております。そういう中で、自転車の活用については、物としての自転車というのは経済産業省の所管、また走る道路については国土交通省、また走行のルールについては警察庁の所管ということでかなり縦割りで対応されているということではないかと思っています。  私も経済産業省にいたときに、自転車の普及促進、自転車産業の振興、またスポーツとしての自転車の普及ということに取り組んでまいりましたけれども、まず国土交通省の所管ということで自転車道の整備、自転車走行帯の整備ということについてこれまでどのように取り組んでこられたのか、お伺いをしたいと思います。
  67. 菊川滋

    政府参考人菊川滋君) 自転車走行空間の整備状況ということでございます。  平成二十一年度末現在、自転車道や自転車専用通行帯などの自転車が専用で通行する空間、全国で約三千キロメートルでございます。それから、自転車歩行者道などの、自動車からは分離されているものの歩行者とは分離されていないという、こういった空間が約八万一千キロ程度ということでございます。  なお、五年前の平成十六年度末の延長でございますが、それぞれ二千七百キロ、そして約七万二千キロということで、この五年間でそれぞれ約一割程度延長を延ばしてきているという実態にございます。
  68. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  先ほど申し上げたように、自転車の活用ということで申し上げますと、かなり多くの機関、役所でいうと経済産業省、警察庁、それからまた地方自治体、私の地元、群馬でありますけれども、大変多くの市町村が自主的に自転車の普及促進に取り組んでいるという状況でございます。  是非、国土交通省といたしましても、関係の地方自治体、関係機関と協力をしながら自転車の普及促進に取り組んでいただきたいと思いますけれども、今後の取組、また決意について最後にお伺いいたします。
  69. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) 自転車利用についての今後の取組ということですが、まず基本的な認識ということで、環境、エコというか、若しくは都市部の渋滞を解消をするという観点からいいまして、この自転車利用の促進というのは積極的にやっていくべきだというふうに理解をしております。  一方で、自転車に係る事故は増大をしておりますので、自転車事故対策が必要だということです。そのために、前段でお答えをしましたように、この自転車と歩行者、さらには自動車の分離をどうやっていくのかということが大変重要であるというふうに思っております。  ただ、これは大変土地なりお金が掛かる話でございます。これについては、地方自治体なり関係省庁、特には警察庁、安全ということで警察庁ということでありますが、合同でガイドラインを作る必要があるというふうに思いますし、ガイドラインに沿って自転車の走行空間を確保していきたいというふうに思っています。
  70. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  自転車道の整備ということでいうと、なかなか国だけでできるという話ではなくて、地方自治体と協力をしていくということなんだと思います。是非、他省庁を含めて協力をしていただいて、自転車の普及促進、活用の促進ということに取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  71. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 時間が限られておりますので、端的にまたお伺いしたいと思います。  私も、今月初めに福島県あるいは宮城県の方にお伺いしてまいりました。被災地の状況はもとよりですけれども、先ほど来お話がありましたように、大臣からも御答弁がありましたように、東北整備局を始め本当に職員の皆様方が、局長を始め本当に士気が高いと申しましょうか、職務に対しての責任感の重さ、重いものを持ちながら決意というものを非常に私も感心をさせられたところであります。  そこで、大変広い範囲の被災なものですからもう様々な課題がありますが、今日は、東北から北関東にかけて、あの地域は自動車産業、製鉄、製紙、木材、あるいは様々な製造業、中心的な、やはり部品メーカーも含めて本当に大きな産業地帯であるということを改めて感じた次第であります。そういった中で、先ほどこれも質問にもありましたけれども、大臣の答弁にもありましたけれども、くしの歯作戦、道路網の整備、あるいは鉄道整備、本当に努力がされていると感じております。  ただ、もう一つ、やはり福島第一、第二もああいう状況ですし、また浜岡原発も停止という形の中で、これから火力発電所の役割というのは非常に大きくなる。そうすると、火力発電所に対する燃料の補給、石油であるとか石炭、これもうほとんど輸入ですよね、こういったものを補給をどうするか。それから、先ほど言ったあらゆる産業のいわゆる原材料を、これどういうふうに供給するかということを考えていきますと、やっぱり港湾の整備というのが非常に大事なんですよね。鉄道も非常に大事なんですけれども、鉄道もよく聞いてみますと、鉄道本線から工場までの引込線、これが全部やられてしまってほとんどその復旧のめどは付かないとなると、港湾の基盤整備というのが非常に重要だと考えますけれども、その点についての状況について御所見をお伺いいたしたいと思います。
  72. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御指摘のように港湾というものが非常に重要でございまして、特に、火力発電所が港のところにありまして、そこの復旧に全力で取り組んでおられるわけでありますが、私も、電力供給体制が非常に今損傷を受けておりまして、この夏も電力供給体制になかなかまだ十分な体制がつくれないと、こういう中で、火力発電所の復旧というのが非常に大事な課題になってまいりました。  したがいまして、ちょうど一か月ほど前から、火力発電所の復旧に合わせて港の復旧を急ごうと、火力発電所の設備の方は立ち直ったんだけど港が不十分なために燃料の供給ができなくて発電できないということがないようにしようと、こういうことにいたしまして、この太平洋沿岸の火力発電所の状況はどうなのかと全部調べさせていただきました。それで、燃料を供給する港はどうなのかと、こういうことを調べまして、火力発電所の復旧の時期と合わせて港も使えるように全力を挙げようと。火力発電所は復旧したんだけど港が使えないために発電できないということがないようにしようということで、今国土交通省としても全力を挙げて港の復旧に努めているところでありまして、現在のところ、ほぼ火力発電所の復旧と港の復旧は同時期にできると、このような見通しの下に今全力を挙げているところであります。
  73. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。  というのは、総理はいとも簡単にということは言い過ぎかもしれませんが、浜岡を停止しましたと、そして、これから自然エネルギーとかなんとかといろいろおっしゃっています。それはもっともな一つの政治判断かもしれませんけど、これ当面、日本の産業を興していかなきゃいけない、そのためには電力の供給をしなきゃいけない。そうすると、今大臣がおっしゃられたように、火力発電所の力というのは非常に大きくなる、そのための燃料補給、そのための港湾整備というのは非常に大事であるということを、是非また今後ともしっかりと復旧に取り組んでいただきたいと思います。  さて、時間がありませんので次に参りますが、海上保安庁長官来ていただいていますが、私もお伺いしましたとき、第二管区本部にもお伺いしました。野俣本部長を始め、職員の士気の高さにこれまた感心をさせられました。先ほど長沢委員から、そうはいっても大変な、御遺体の収容だとか、本当に苦しいつらい環境の中での海上保安庁職員の頑張りというのは大変敬意に値すると思っておりますけれども、そういったメンタル面のケアも大事でありますが、実は、海上保安庁本体、艦船もかなり影響を受けておりますが、ちょっと観点を変えまして、大臣にまずお伺いしたいんですけれども、私、この委員会でも質問いたしましたけれども、領海警備、尖閣諸島の問題、漁船の船長の逮捕の問題にかかわる、日本の領海をどう守るか、領海警備法というのを整備しなきゃいけないということを申し上げてまいりました。今回も、震災以降、竹島あるいは尖閣諸島で中国船などが、韓国との関係とか、いろいろ日本の領海の警備というものがこの震災によって大きな影響を受けているんじゃないか、そういったことに対する大臣の、日本の領海、領土を守るための海上保安庁の役割というのがこの震災において大きな影響を受けているのかどうなのか、その点についての所見伺いたいと思います。
  74. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 藤井先生の方からの御質問でありますが、今回の大震災においても海上保安庁はまさに国民の命を守るために全力を挙げて行動をし活動をしていただきました。  前々から先生からそのような趣旨の御質問をいただいておりますが、私ども国土交通省としても、海上保安庁の強化をしようということで、海上保安庁長官を中心に検討を進めているところであります。特に、船にはコーストガードと書いてあるわけでありますが、世界のいわゆる沿岸警備隊というものがどのような体制をつくっているのか、アメリカもカナダもあるいは韓国も、そしてその他の諸国も沿岸警備隊というものをしっかりと持っているわけでありますが、その国の組織というものを十分検討しながら、日本国にふさわしい海上保安庁の体制をつくるために、現在その全体像について長官を中心に検討をしていただいているところであります。  今回、この大震災を受けて、アメリカの軍等も救援に駆け付けていただいたわけでありますが、自衛隊とも連携を取り大震災を受けたときにどのような形で連携を取って救難に当たるかと、こういうことについても大いなる実践をさせていただきましたので、今御指摘をいただきましたことを踏まえて更に一層この日本国の権益を守るための海上保安庁の体制整備に努めてまいりたいと考えているところであります。
  75. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 是非、これは国の国家安全保障にかかわる基本的な問題ですので、よろしくお願いいたしたいと思います。  そこで、二十二年の予算の中で補正予算組みましたね、十一月。そして八十四億円という、海上保安庁。その執行状況というのは今どういうふうになって、順調にいっているのかどうか、その点についてお伺いしたい。
  76. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  二十二年度の補正予算委員指摘のように八十四億円という大変貴重な予算をいただきました。内訳としては、千トン型の大型巡視船二隻の建造、それから三千トン型のヘリコプター搭載型巡視船の延命・機能向上工事、それから中型ヘリコプター四機の購入、それからデジタル秘匿通信機器の整備という項目でございますけれども、頑張って昨年度中にこれを執行しようということでやっておりましたが、残念ながら、最後あの震災もございまして一部執行が繰り越されてまだ残っておりまして、現在まで八十四億円のうち六十一億円が執行済みになっております。  残っておりますのは、ヘリコプター搭載型巡視船の延命・機能向上工事、これは、どういうやり方をするかというのをいろいろ詰めておったところ、震災もあってちょっと作業を中断して間に合わなくなったということで、今鋭意契約に持っていこうということでやっておりますし、それからデジタル秘匿通信機器の整備につきましては、機器の方の購入は終わっているんですが、工事の方が間に合わなかったということで、これもやりたいと思っております。  以上でございます。
  77. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 要するに、私が申し上げたいことは、今度の震災によってもう一変したんですよね。本当に大変な国難という事態です。ですから、先ほど吉田委員の方から大臣所見をということで、大臣のリーダーシップを大いに発揮したという評価のお言葉もありましたけれども、本当に国土交通省、私、常日ごろから陸海空そしてまた沿岸警備、いわゆる日本の領海、領土、幅広い役割をしなきゃならない国土交通省大臣として、また副大臣も今日いらっしゃいますけれども、本当にこの災害で大変な中でも更にこれからそういった士気あふれる職員を抱えているというのは私は大臣にとっても皆さん方幹部にとっても誇りなことだと思っています。そういった誇りをしっかり踏まえながら今後ともこの復旧復興に大いに頑張っていただきたいことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  78. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  四月三十日に福島県郡山市の県中浄化センターで下水汚泥から高濃度の放射性物質が検出された問題で、私も、汚泥を運搬するトラック運転手の皆さんからの要請を受けまして、五月十日に省庁からヒアリングをさせていただきました。関係省庁が六府省にまたがるものですから、そのときに担当の方にお集まりをいただいて協議をさせていただきました。  その後、本日資料として配付させていただきました平成二十三年五月十二日付けの「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」が示されたわけでございます。そのときに関係の府省の担当の皆さんも一堂に会して、こういう取扱いが示されたということについては幾ばくかの役割を私も果たすことができたのではないか、そのようにも考えておりますが、その後、福島県以外の都県でも下水処理場から高い放射性物質が検出をされております。  そこで、まず国交省にお伺いをしますが、他都県の状況も含め、この間の経緯を簡潔に御紹介ください。
  79. 加藤利男

    政府参考人加藤利男君) お答え申し上げます。簡潔にということでございますので、簡潔にお答え申し上げたいと思います。  まず、五月二日に、福島県知事から内閣総理大臣国土交通大臣あてに放射能量が高い下水汚泥の安全な処理方策等にかかわる緊急要望が出されました。その後、検討を進めまして、五月十二日に原子力災害対策本部において、原子力安全委員会の助言を踏まえて「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」を当面の対応にかかわる基本的な方針として取りまとめたところでございます。  一方、福島県以外でございますが、茨城県、栃木県等におきましても下水汚泥から放射性物質が検出されているということは承知しておりまして、いろいろ私どもも御相談に応じているところでございます。
  80. 吉田忠智

    吉田忠智君 次に、厚労省にお伺いをしますが、下水処理場、ここから脱水汚泥を受け入れるセメント工場、運搬するトラック運転手等の労働者が被曝をするおそれはないのでしょうか。現状どのような規制が設けられているのでしょうか。これらは日常的には放射性物質を扱わない事業所、労働者ですから、特別な配慮が必要であると考えますが、見解を伺います。
  81. 平野良雄

    政府参考人平野良雄君) 脱水汚泥やその溶融スラグなど下水処理の副次産物の処理につきましては、政府の原子力災害対策本部による当面の取扱いに関する考え方におきまして、労働者の安全や健康の確保に関する事項が示されてございます。  具体的には、下水処理場におきましては、外部放射線による実効線量が三月につき一・三ミリシーベルトを超えるおそれがある場合又は下水汚泥等が電離放射線障害防止規則、電離則に定める放射性物質に該当する場合には、事業主は電離則の関係規定を遵守し、被曝放射線の線量の測定や記録、保護具やマスク等の着用、健康診断の実施等、労働者の安全衛生を確保するための措置を講ずることが必要であるというふうにされております。また、下水汚泥等が放射性物質に該当する場合には、これを受け入れる事業場におきましても電離則の適用の可能性があることに留意することというふうにされております。  放射性廃棄物に該当する汚泥等を下水処理場から運送又は受入れをいたします事業場が適切に被曝管理等を行えるよう下水処理場に対しまして、下水汚泥等に含まれる放射性核種の種類、量、濃度等につきまして文書により運送受入れ事業者に通知するよう指導していくこととしておるところでございます。また、下水処理場又は運送受入れ事業者から被曝管理等について相談がありました場合には、必要に応じて労働衛生コンサルタントなど専門家の紹介を行うなど、適切な対応を行うこととしております。  厚生労働省といたしましては、下水処理場や脱水汚泥を受け入れるセメント工場の作業員、汚泥を運搬するトラック運転者等の労働者の方々の安全や健康を確保するためにこれらの措置が確実に実施されるよう関係事業場に対して指導や周知を徹底してまいりたいというふうに考えております。
  82. 吉田忠智

    吉田忠智君 ありがとうございました。  そこで、国交省にお尋ねしますが、汚泥を運搬するトラック運転手等の被曝管理はどうなっているんでしょうか。
  83. 中田徹

    政府参考人中田徹君) 放射性物質を含みました汚泥を下水処理場等の事業所の外で運搬する場合についても輸送に従事する者の安全確保を含め適切な保安措置が講じられる必要がございます。  核燃料物質等を車両で運搬する場合につきましては、講ずべき措置の技術的基準が定められてございまして、輸送従事者の被曝管理に関しても運転室内の最大線量当量率が定められてございます。  今回の汚泥の運搬に当たりましても、この規定に準じた安全確保がなされることが適切と考えてございまして、関係者を指導してまいりたいと考えてございます。
  84. 吉田忠智

    吉田忠智君 しっかり指導をしていただきたいと思います。  そこで、また厚労省にお伺いしたいんですが、電離則が適用される下水処理場は具体名でいうとどこでしょうか。
  85. 平野良雄

    政府参考人平野良雄君) 電離則の適用につきましては、第一義的には、下水処理場の管理者が、下水汚泥等に含まれる放射性核種の濃度、量又は下水汚泥の近傍の実効線量のいずれかが電離則の基準を上回るかどうかで判断すべきものでございますけれども、具体名ということに関しましては、福島県、茨城県、栃木県、群馬県の下水道管理者が、放射性核種の濃度及び量が基準を超えている下水汚泥などがあるとしている下水処理場につきましては、福島県内では県浄化センター、堀河町終末処理場、横塚処理場、会津若松市浄化工場、中部浄化センター、茨城県内の那珂久慈浄化センター、栃木県内の下水道資源化工場、群馬県内の前橋水質浄化センターの計八処理場であるというふうに承知をしております。  さらに、福島県の下水道管理者が下水汚泥等の近傍で実効線量が電離則第三条の管理区域の設定の基準を超えていたことがあるとしている下水処理場は、堀河町終末処理場であるというふうに承知をしております。
  86. 吉田忠智

    吉田忠智君 東京都についても一キロ当たり十七万ベクレルという高濃度の放射性物質が検出されたという報道がなされています。  これは元素ごとにということになっていませんで、一括、まとめてということになっておりまして、やっぱり正確な情報把握が必要だと、そのように思いますし、電離則の適用の有無についても早急に確認すべきと考えますが、いかがですか。
  87. 平野良雄

    政府参考人平野良雄君) 電離則の適用に関しまして、基本的には先ほど申し上げましたように事業主の方で判断すべきものですけれども、それの適用に関しまして私どもの労働基準監督署等に、あるいは労働局の方に相談がございましたら、適切に対応して適切な健康管理が行われるように指導してまいりたいと考えております。
  88. 吉田忠智

    吉田忠智君 厚労省にまたお伺いしますが、電離則が適用されるセメント工場はありますか。  栃木県佐野市の住友大阪セメント栃木工場では、震災以降四月三十日までの間に県中浄化センターからの下水汚泥九百二十八トンを受け入れておりますが、電離則の適用の有無が明らかではありません。確認していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  89. 平野良雄

    政府参考人平野良雄君) 先ほど申し上げましたように、基本的に事業主が適用の有無を判断すべきものでございますが、お尋ねの住友大阪セメント工場につきましては、三月十一日以降に福島県下の下水処理場において処理されました下水汚泥を受け入れた実績のあるところでございますが、受け入れた時点の下水汚泥の放射性核種の濃度及び量、実効線量のいずれも測定しておりませんで、電離則の適用に関する基準を上回っていたかは不明であるというふうに承知をしております。  なお、福島県が下水汚泥等に含まれる放射性核種の濃度を公表いたしました四月三十日以降は、御指摘のセメント工場においては福島県内の下水処理場の下水汚泥等は受け入れていないというふうに聞いておりますので、現時点で電離則の適用はないというふうに考えております。
  90. 吉田忠智

    吉田忠智君 次に、原子力災害に関する補償についてですが、下水処理場も、これは文科省と国交省にお伺いしますが、セメント工場も東電原発事故の被害者でありまして、下水汚泥の対応に特別の出資があれば原子力損害として東京電力により補償されるべきであります。セメント工場や出入りのトラック運転手等の休業損害も補償されるべきであります。特に、トラック運転手などは歩合で代金を受ける請負契約になっておりまして、休業が即減収につながり、生活が成り立たなくなってしまいます。  政府として東電への損害賠償請求について、それぞれの被害当事者、自治体やセメント会社、あるいはトラック運転手等の弱い立場の皆さんの請求を促したり手続を分かりやすく案内したり、サポートする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
  91. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 時間が参っておりますので、簡潔に。
  92. 田中敏

    政府参考人田中敏君) 文部科学省では、原子力損害賠償紛争審査会において原子力損害賠償の範囲に関する指針というのを順次策定してございます。実際には、ただ、この指針を実行に移すためには、東京電力はもとより、国、地方自治体、関係団体等が一体となって取り組むということが必要だというふうに認識をしてございます。福島県では被害者支援の観点から、原子力損害に関する関係団体連絡会ということを設置されておりまして、その中にはトラック業界の方も参加をされているというふうに承知をしてございます。  具体的、個別的な事業についての損害賠償ということにつきましては、事故との相当因果関係ということを照らし判断されるものというふうに考えてございますけれども、文部科学省としては、その指針の周知ということを図るとともに、地方自治体との取組の連携、あるいは関係事業団体の方に対しての取組の支援というようなことについて、円滑かつ適切に損害の賠償が行われるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  93. 吉田忠智

    吉田忠智君 一点いいですか。
  94. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) もう時間が参っておりますので。
  95. 吉田忠智

    吉田忠智君 分かりました。  じゃ、今後ともしっかり対応していただきますようにお願いします。  ありがとうございました。
  96. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時二分散会