運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2011-03-30 第177回国会 参議院 国土交通委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月三十日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小泉 昭男君     理 事                 藤本 祐司君                 室井 邦彦君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 長沢 広明君     委 員                 池口 修次君                 川崎  稔君                 小見山幸治君                 輿石  東君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 藤原 良信君                 安井美沙子君                 米長 晴信君                 岩井 茂樹君                 岡田 直樹君                 伊達 忠一君                 中原 八一君                 脇  雅史君                 渡辺 猛之君                 白浜 一良君                 上野ひろし君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   大畠 章宏君    副大臣        国土交通大臣  三井 辨雄君        国土交通大臣  池口 修次君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        厚生労働省社会        ・援護局長    清水美智夫君        国土交通省道路        局長       菊川  滋君        国土交通省住宅        局長       川本正一郎君        国土交通省鉄道        局長       久保 成人君        国土交通省港湾        局長       林田  博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内  閣提出衆議院送付) ○港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院  送付)     ─────────────
  2. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会厚生労働省社会援護局長清水美智夫君、国土交通省道路局長菊川滋君、国土交通省住宅局長川本正一郎君、国土交通省鉄道局長久保成人君及び国土交通省港湾局長林田博君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 おはようございます。自民党の渡辺猛之でございます。  今日は踏切道改良促進法の一部を改正する法律案ということでございまして、私も今回の震災について、特に鉄道関係について中心質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  一昨日、私も党の災害対策本部から宮城県の被災地の方にお邪魔をさせていただきました。改めて現場に行って思ったことは、今回の震災被害が、地震被害というよりも津波被害が本当にひどいなということを改めて目の当たりにしてまいったところでございます。  そこで、まずお尋ねを申し上げたいんですけれども、今回の震災による鉄道被害状況あるいは復旧の現況と、そしてまた今後の見通しについてまずお尋ねをしたいと思います。
  6. 久保成人

    政府参考人久保成人君) 鉄道施設被害状況と今後の復旧見込みについて御説明させていただきます。  まず、東北新幹線でありますけれども早期復旧に向けて鋭意、復旧作業を進めておりまして、四月の八日には、今開通しておりますことに加えまして、岩手県内の一ノ関から北、盛岡駅の間、そして四月中旬には、南の方でありますけれども、栃木県の那須塩原駅から福島駅の間において運転を再開できる見込みでありますなど、復旧作業が終了した区間区間から順次運転を再開することといたしておりまして、四月の下旬までには全線で運転を再開できる見込みであると承知しています。  また、同じく幹線鉄道であります東北本線につきましては、一部地盤が大きく変形したり、土砂崩れの発生等によって鉄道施設に甚大な被害発生しておる区間がございます。これらの区間を含めまして、これらの区間については復旧は時間を要するものと承知しておりますけれども、今の区間を含めまして鋭意、復旧作業に努めております。復旧作業が終了した区間から、これも順次運転を再開することとしております。  また、幹線鉄道であります常磐線、これも鋭意、復旧作業を進めて、復旧作業が終了した段階から順次運転を再開することとしておりますけれども、ただ、ここにつきましては福島原発の立入り規制区域に含まれている区間がございます。ここ、被害状況の把握のための調査がまだ十分できない区間もありまして、これらの区間復旧めどは正直なところ立っていないという状況であります。  以上、復旧作業に鋭意努めてまいりたいと思います。
  7. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 ありがとうございました。  ただいま御紹介をいただきましたように、東北新幹線あるいは東北本線常磐線という基幹的な輸送経路について早期復旧が待ち望まれているところでございます。特に、鉄道復旧というのは、人員の大量輸送が可能になるということでは地域皆さん方にとってはまさに切実な願望だというふうに思っておりますので、国土交通省とされましてもどうか鋭意御努力をいただくようにお願いを申し上げたいと思います。  そしてまた、ただいま鉄道局長から御紹介をいただきました東北新幹線、あるいは東北本線常磐線という非常に多くの人口が住まわれている地域の路線から優先的に復旧ということでございますが、今回の東北地方巨大地震、それから津波災害で受けた被害の大きさ、そしてまた鉄道復旧を考えますと、完全な復旧までには相当な時間が掛かることが予測をされます。恐らく、被害復旧に当たりまして補助のかさ上げ等々も今後御検討いただかなければならないことだと思っておりますし、私が一昨日訪れました松島町では、鉄道復旧状況を見ながら町独自でバスを出しまして、そのバス復旧をした鉄道の駅まで輸送をするというような試みも始められたということを副町長さんから伺ってまいりました。心配をしておられましたのは、その財源の手当てがしっかりと面倒見ていただけるだろうかということを非常に心配をされておられましたので、そのような現状もあるということで御理解をいただきたいと思います。  続きまして、今回、災害発生時における鉄道安全対策についてお尋ねをしたいと思いますけれども、実は私の友人知り合いが、岐阜県の方なんですけれども、たまたまあの震災発生時に岩手県に出張されておられたそうであります。そして、電車に乗っているときにあの地震津波に遭遇をされたということでありますが、そのときにはその電車車掌さんが、地震発生と同時に電車をストップさせた、そしてまた、そのストップした電車から、とにかくこれは津波が来るからということで、早く避難をということで、的確な誘導をいただいたおかげで難を逃れたというお話を聞きました。また、昨日の報道では、電車に乗り合わせた警察官の方々乗客皆さん方を安全に避難を誘導したというような記事も載っておりました。  そのような今回の地震津波被害に対しまして、鉄道に対しての安全対策も注目をされたところであると思いますけれども、その状況についてお尋ねをしたいと思います。
  8. 久保成人

    政府参考人久保成人君) こういった地震津波発生時において車掌運転手がどういう対応を取るのかということでございますけれども、例えば今回、中心でありましたJR東日本のマニュアルでは、列車運転中に地震を感知したときは列車を直ちに停止させると。また、津波の警報が発せられたときは列車を安全な場所に停止させて避難場所乗客方々を誘導することということが定められております。今回、地震とこれに伴う津波におきましては、このマニュアルに沿って列車乗客方々避難場所に誘導したとの報告を受けております。この乗客避難状況等の詳細については、私ども国土交通省としても検証を進めて、今後の安全対策に一層役立ててまいりたいと思っております。  以上です。
  9. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 ただいま局長からお話をいただきましたように、今回の安全対策、しっかりと再検証をしていただいた上で、今後の災害発生時における鉄道安全対策に大いに生かしていただきたいとお願いを申し上げます。  次に、被災地鉄道復旧状況あるいは被害状況等は今お話をいただいたとおりでございますけれども、今回の震災を受けましてこの首都圏でも大混乱を招きました。それは、東京電力計画停電に伴う様々な影響でございます。特に当初混乱をしたのが通勤客の足の確保ということでございまして、これには大変、サラリーマンの皆さん方中心にこの首都圏通勤をされる皆さん方、大幅な混乱を招いたことは否めないと思っております。  そこで、今回の計画停電決定をした当初、国土交通省としてどのような対応を取られたのか、これは大畠大臣お尋ねをしたいと思います。
  10. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 渡辺議員の御質問お答えを申し上げたいと思います。  その前に、先ほど、御友人といいましょうか、お知り合いの方が電車で途中で止まってしまって、誘導していただいて安全に避難することができたというお話がございました。  実は、三月十一日の以降、対策本部を立ち上げまして、実は四つぐらいの電車が連絡が取れないと、こういう話がありまして、乗客の方の安否が分からなかったわけですが、その後、徐々に全員が車掌さん等々の案内で近くの避難所避難したと。そして、その後、車掌さんたちも連絡取れなかったんですが、全員安全、無事が確認されましたが、私は改めて、今の御質問の中で示されました車掌さんを始め関係者皆さんが必死に乗客の安全を確保していただいたと、このことについては私からも御礼を申し上げたいと思います。  その上で、先ほどの首都圏のこの計画停電に伴う対策でありますが、当初、国土交通省としては、三月十一日のあの夜の退勤時の大混乱というのを見ておりましたから、それと同じような出勤混乱が起こるんじゃないかということで、鉄道事業に対しては除外してほしいという気持ちを持っておりました。しかし、この電力不足に伴う大変な事態を避けるためにどうしても鉄道事業も含めて計画停電協力をしなきゃならないと、こういう事態になりまして、鉄道局を通して各鉄道事業者とも緊密な連携を取りながら、とにかくテレビ等のマスコミでその情報を明確にお知らせをして、出勤時の大混乱を防ごうということで一生懸命取り組んできたところであります。  その結果、東京電力あるいは鉄道会社も必死に連携を取って、ダイヤ編成等を徹夜で行いましてその明朝に備えたわけであります。非常に翌日はいろいろと乗客皆さんには御迷惑をお掛けしましたが、徐々に、綿密な連携を取りながら適切な、最善と思われるようなダイヤも組んでいただきまして、まだまだ御迷惑を掛けているところでありますが、一定の秩序を保ちながらダイヤ編成をし、可能な限りの運行が現在では確保されてきていると、そのように私どもは受け止めておりますが、また先生の御指摘を踏まえて、更に一層、乗客皆さんに御迷惑を掛けないような形での対応が取れるように更に努力をしてまいりたいと思います。
  11. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 ありがとうございました。  今後とも経産省あるいはもちろん鉄道各社連携をしていただきながら、通勤手段確保、また適切な情報発信等にお努めをいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。  さて、そのような中で、ようやく春めいてまいりまして、計画停電等々も当初心配されておりました。この温暖な春の一時期は安定的な電力供給が期待をされるんではないかと思っておりますけれども、もう既に各所で現在から心配をされておりますのは、夏季電力需要が急激に伸びたときに、これはまたあの混乱が起きるのではないかということが心配をされております。昨年のような猛暑になりますと今のままの電力供給では圧倒的に不足をすることが目に見えておりますので、また混乱が生じるんではないかという懸念もあるところでございますけれども夏季電力需要が伸びたとき、このときの電力不足について、鉄道分野での対策についてどのようにお考えですか、お尋ねをしたいと思います。
  12. 久保成人

    政府参考人久保成人君) 先生指摘のとおり、夏場に向けては特に冷房需要増大等に伴って電力需要は、例年そうでありますけど、大幅に増加するという見込みであると聞いております。特に夏のピーク時においては相当程度電力不足が生ずる見込みであるとも聞いております。夏場のこの電力不足対策については、鉄道だけではなくて、鉄道のみならず政府全体で事業活動のありようだとか、あるいは国民の皆さんのライフスタイルの見直しとか、こういうことも含めて取り組んでいくことが重要ではないかというふうに認識しております。  私ども鉄道におきましても、今後の電力需給の動向を踏まえながら運行の安全は確保し、一方、鉄道利用者皆さんの利便はきちんと確保しないといけないと、そういうことの前提の下に夏場の節電に取り組んでまいる所存であります。昨日、二十九日には、鉄道事業者を含めまして国土交通省所管の業界の団体の方たちに集まっていただきまして、電力需要抑制に向けた取組協力を要請したところであります。
  13. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 ただいま御答弁をいただきましたけれども、先ほどの大畠大臣の御答弁の中にありましたけれども、今回の震災を受けて私たち一つ教訓として学んだことは、やはり情報発信を、いかに正確な情報を迅速に提供をしていくかということで現場混乱は随分、被害を最小限に食いとどめることができるということを学んだところでございます。  そういう意味では、今局長から御答弁をいただきましたけれども夏場電力不足はもう既に今から予測をされていることでありますし、そしてまた、それに対して今回の大幅な震災発生当初の混乱現状も私たちは学びました。しっかりと今から対策を打っていただいて、そして適切な時期に正しい情報を流していただくことによって、今から予測されている電力不足への対応を今度はしっかりやっていただきたいということを御要望をさせていただきたいと思います。  さて、続きまして、本日の議題でもございます踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について数点お尋ねをさせていただきたいと思います。  この法律は、平成十八年に五年間の延長決定をされまして、また今回、更に五年間の延長をするということでございますけれども、この五年間における踏切道改良成果について御紹介をいただきたいと思います。
  14. 久保成人

    政府参考人久保成人君) この五年間、平成十八年度から平成二十二年度までの五年間でございますけれども立体交差化については二百十か所、歩道の拡幅、歩道を広げるということでありますけど、こういう構造改良については二百十一か所、歩道橋等鉄道を渡ります立体横断施設整備については九か所、また遮断機等鉄道保安設備能力向上、こういった整備につきましては二百二十か所を指定いたしまして、その改良を促進してきたところであります。この法律に基づいてそういった対策を行ってきました結果、平成二十一年度の踏切事故件数は、五年前、これは平成十七年度でございますけれども平成十七年度と比較して六十四件の減少、これは当時、四百十九件から三百五十五件ということでありますけれども、一八%の減少となったところであります。  踏切事故というのを更に減らすべく、踏切道改良促進法に基づきまして着実かつ強力に踏切道改良を今後とも進めていきたいというふうに考えております。
  15. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 踏切道は、確かに改良が進むと今御紹介をいただいたように明らかに事故減少につながるということで、大変住民要望も強い公共事業一つでございます。今局長から御答弁をいただきましたそういう成果も踏まえながら、今回の法律によって延長される五年間もしっかり対応をしていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。  そして、今回の法律改正点で一点、私が気になったところがありますので御質問をさせていただきたいと思うんですけれども踏切道改良に係る計画、これが、提出義務付けから今度はこの本改正により任意での提出ということになったわけでありますけれども、一般的な受け止め方といたしまして、義務任意に変わるということはそれだけ改良に対する意欲が下がったんではないかとか、そういうイメージを与えてしまいがちですけれども、今回の改正によってなぜ義務から任意に変えられたのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
  16. 久保成人

    政府参考人久保成人君) この計画につきましては、道路管理者である自治体、それと鉄道事業者の間で話し合っていただいて、計画を作って国交大臣に上げてくると、こういう仕掛けなんでございますけれども、今までのところ、きちんと当然、両者とも責任ある方々でありますので、しっかり計画は作っていただいて実行に移してきていただいたということであります。  ということでありますので、両者話し合って進めていくという形であれば、手続をその都度その都度、大臣まで上げるとか、少しちょっと中身が変わるとまた大臣まで上げると、あるいは計画の達成時期が少し延びるとまた大臣まで上げると、こういうことは、地域で柔軟にやっていく上ではかえって対応が遅れたりするということもありますので、そこは、大臣まで上げていくということについては任意にすると。ただし、指定をすれば、やっていただくという義務は変わりませんので、これによって踏切道改良が後退するということはないというふうに考えております。
  17. 渡辺猛之

    渡辺猛之君 今回、義務から任意改正をされるということは、今御答弁をいただきましたように、結果的には迅速に改良を進めるという観点でのということでございましたので、その言葉を信じて御努力をいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  18. 長沢広明

    長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  踏切道改良促進法の一部改正案について質疑をさせていただきます。  今回の改正案の主な柱、ポイントの一つ改良計画作成任意化ということでございます。これまでは計画作成提出することが義務とされていたわけですけれども、この計画作成提出について任意にする、作成義務を廃止する、五年を超えるものについては改良計画作成させると、こういうことになっているというふうに思いますけれども道路管理者鉄道事業者が話し合って、必要な場合には計画を作るが、工事内容がおおむね合意されている場合、計画を作らずに着手することが可能になるということで、これは工事を促進するという意味では非常に大事な意味があると思います。地域の実情に応じた柔軟な改良を促進するということで、地方分権の流れの中での決定であると、こういうふうに理解をしております。  そういう意味では、地域裁量を持って進めていくことができるという意味では私は評価できると思いますし、ただ一方では、国は指定するのみで関与が薄くなるという改良工事が多くなるという可能性もあるわけです。まだまだ対策が必要な踏切は数多くありますので、間断ない取組がどうしても必要になります。裁量地方移管したから責任も地方というようなことのないようにしておかなければならないと思います。  そこで、計画作成提出をすることを任意化することは結構ですが、任意化することによって逆に計画がずるずると延びてしまうと、あるいは、何ですかね、めどが立たないというようなことが起きてはかえってマイナス面が生じるわけでございます。したがって、この踏切改良事業任意化することで後退しないようにという考え方が必要だと思いますが、後退させないための措置というのはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
  19. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 長沢議員の御質問お答えを申し上げたいと思います。  基本的に、今、任意化の背景については長沢議員がおっしゃったとおりであります。この踏切改良の詳細にわたって大臣に報告するという義務を外して、いわゆる自治体事業者がお互いに連携取って踏切改良については取り組んでいただければいいと、こういうことにしたわけでありますが、ただ、御指摘のように、じゃ、ずるずると改良事業が遅れてしまったんでは困るわけでありまして、その点については進捗状況を国としても把握しながら、問題があれば勧告を行う、こういうことで踏切改良工事の遅れというものを防止しながら効率を上げて事業を進めたいと、そのように考えているところであります。
  20. 長沢広明

    長沢広明君 とにかく指定期間内ということにまず改良するということの義務そのものは残っているわけですね。計画作成する義務はなくなったけれども指定した期間内に終わらせるということは義務であると。したがって、それに対して勧告をしっかりしていくことが国としてできると、こういうことでしっかり担保していくということは、逆にそういう意味では、踏切事業の進み具合というものをきちんと見ていくということが必要になると思いますので、お願いしたいと思います。  踏切というのは様々な事故が多発をしておりまして、特に印象に残っておりますのが、二〇〇五年の三月、東京の足立区の東武伊勢崎線で竹ノ塚駅のところの踏切事故が起きました。これは手動式踏切でございました。電車が大体上下線通過した後もう一回通過して、しばらく通らなくなるので手動踏切を開けると、踏切係員の人が開けるというやり方だったんですが、その係員の方が勘違いをして、上下二本一遍に通った後、すぐその次が来ることになっているのに、踏切手動で開けてしまったと。そこに何人かの方が通って、時速九十キロで通過する予定だった電車が走ってきて二人の方が亡くなったという事故がございました。  この事故をきっかけにして、たしか平成十八年に踏切交通実態点検というのが行われたはずでございます。この実態点検をやったことによって、歩道を広げるとか軽微な改良対応できる速効対策が必要な踏切が千二百三十四か所、それから立体化などの抜本対策が必要な踏切が千四百二十八か所ということが分かったという調査結果だというふうに認識しておりますが、この速効対策箇所が千二百三十四か所、抜本対策が千四百二十八か所あったということですが、それぞれちゃんとその後、対策を打たれているのか、どのぐらいかという対策進捗状況を伺いたいと思います。
  21. 菊川滋

    政府参考人菊川滋君) お答えいたします。  平成十八年に国交省で全国の踏切を対象に踏切交通実態点検、今御指摘があった調査でございます、これを実施いたしました。御指摘がありましたように、速効対策の必要な箇所として千二百三十四か所、それから抜本対策ですね、連続立体交差などですが、これの必要な箇所として一千四百二十八か所を抽出いたしました。  その平成十八年度以降、これらの箇所を対象に取組を進めておりまして、今年度末でございますけれども速効対策の必要な踏切につきましては約千百か所、対象箇所の約九割に相当いたします。この九割につきまして対策を完了する見込みでありまして、また一方、抜本対策の方でございますけれども、これについては従前、大体五年間で三十か所弱といったそういうオーダーでございましたけれども、従前の二倍以上、七十か所のペースで踏切除却を完了する見込みというふうになっております。
  22. 長沢広明

    長沢広明君 特に、抜本対策の箇所が千四百二十八か所あって七十か所程度ということでございますから、かなり残っているところが多いと、千か所以上もう残っているということになります。この残りの部分というのは、それぞれ自治体の事情もあるでしょうし、鉄道事業者の事情もあると思いますけれども、今大体五年で三十か所ということがめどというふうにおっしゃっていましたが、本当はもっと速いペースで進めなければならないという課題がございます。  なぜ進まないのか、事情はいろいろあると思いますけれども、主な理由は一体何でしょうか。
  23. 菊川滋

    政府参考人菊川滋君) 抜本対策でございますけれども、やはり連続的な立体交差とかそういったことになりますので、大変事業費が高くなるということ、数百億円といったオーダーになります。それから、周辺の土地利用といろんな調整も図る必要があるということで、コンセンサスを形成するのにかなり時間を要するというようなことでございますし、また実際工事をやる場合も鉄道運行を継続しながら、また道路交通も確保しながら工事を行うといったことで工事期間が長期にわたっているということでございます。
  24. 長沢広明

    長沢広明君 そういうようなことも含めて、今これは政府全体の課題の一つにもなっていると思いますが、内閣府の中央交通安全対策会議で第九次交通安全基本計画というものの見直し検討が進められているというふうに思います。  これは内閣府の会議ですけれども、もちろん国土交通大臣も重要な構成員の一人でございまして、この中には踏切における交通の安全についての対策というテーマも一項目持って検討をされているというふうに認識しておりますが、その中にはこういうふうにあります。「構造改良等による「速効対策」と立体交差化の「抜本対策」との両輪による総合的な対策を促進する。」と。これはまだ中間案なので決定ではありませんが、そういうことがやはり今の速効対策抜本対策という意味でも触れられております。  こういうことを触れているのはいいんですけれども、まあ中間案ですから仕方ないとは思いますが、数字とかデータとかそういうものがまだまだ固まっておりません。特に、踏切改良をいつまでにどのぐらいのスピードで進めるというこの事業目標というものが数字としては上がってきておりません。ですので、この費用負担の問題も確かにあります。合意形成が非常に必要な問題もあるということで、今挙げられた事業費とか土地利用の問題とか鉄道運行との工事との兼ね合いとか、そういう課題がたくさんあることは承知しておりますが、だからこそ国がきちんと責任を持って進めるというリード役をしないとなかなか進まない問題でもあるというふうに言うこともできると思うんですね。  その意味で、しっかり具体的な目標、早急に対策が必要な抜本対策の残りの千か所以上については、どういう目標を持って推進していくかというような姿勢をきちんと示すべきではないかと思いますが、この点についてのお考えをお伺いします。
  25. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいまの御指摘でございますが、抜本対策が必要な踏切が千四百二十八か所と、そして五年間七十か所ぐらいずつやっているというと何十年も掛かるわけでありまして、そういう意味では、御指摘のように、具体的な目標を明確に示して一つ一つやっていくべきじゃないかと、御指摘のとおりだと思うんです。  このことについては、私も、この今回の踏切改良に関する法律案改正といいますか、五年延長でございますが、これを契機にひとつ全体的に御指摘のように目標を持って計画を持って進めると、こういうことは非常に大事だと思います。地元の人に話をしたり、あるいは関連の自治体に話をして理解を求めることが非常に大変なことは事実でありますが、一つの目標を作って着実に進めるように対策をやっていきたいと思います。
  26. 長沢広明

    長沢広明君 是非そういうところに力を入れていただきたいというふうに思います。  ただ、今までも議論の間で出たとおり、やはり踏切改良というのは非常に規模によっても違いますし、時間がどうしても掛かって、そこに住んで毎日通勤、通学で踏切を通っている人にとっては、まだならないのか、こうならないのかということが毎日身に迫るわけですね。そういう中で、優先順位をきちんと付けながらやらなきゃいけないし、できるところからスタートしていくということも大事だと思います。  特に、ちょっと今後この踏切ということも含めて改良していく上で頭の隅に置かなきゃいけないなと私は思っているのは、踏切のバリアフリー化ということでございます。  平成二十一年度で踏切事故というのは三百五十五件、死傷者は二百七十四人、一年間に二百七十四人の死傷者が出ていると。そのうち、身体障害者の方の事故が二件発生しています。これは、聴覚障害、踏切の音が聞こえなかったということなんでしょうが、聴覚障害の方が一件、それから肢体不自由の方、車椅子かもしれませんが、の方が一件。  全国の数字ではありませんけれども、JR西日本管内の数字がちょっとありまして、平成二十一年度全体では四十九件の事故のうち、六十歳以上の高齢者が二十一件、つまり四割は高齢者の事故であったというのがJR西日本の出した数字の中にありました。  踏切事故をなくすには、立体交差化とか踏切自体をまず除去していくということは一番いいんですけれども、現実的には時間が掛かり困難があるという中で、高齢化社会でもありますし、バリアフリー化という要求が高まっているこの社会情勢の中では、踏切のバリアフリー化という観点をそこに持っていくということも必要ではないのかというふうに感じております。  身障者それから高齢者、時には小さなお子さんを乳母車に乗せているお母さんという方々の安全を確保するために必要だということで、踏切のバリアフリーという観点からいえば、これまでこういう取組してきたということがあればちょっと御紹介いただきたいと思いますが、どうですか。
  27. 菊川滋

    政府参考人菊川滋君) 委員御指摘のとおり、この踏切道対策におきまして、障害者あるいは高齢者の方々にも配慮して、歩行者の円滑な移動と安全の確保を図っていくということは大変大事なことだというふうに思っております。  これまで、直接バリアフリーのという観点ではありませんけれども、バリアフリーという面での効果もあると思います歩道拡幅あるいは立体横断施設、例えばエレベーターを付けた横断施設、こういったことにも一部取り組んでいるというところでございます。
  28. 長沢広明

    長沢広明君 どうしてもバリアフリーというとエレベーターだとかエスカレーターだというふうになっちゃうんですが、本当に車椅子の方とか、あるいは乳母車を押しているお母さんとかからすると、できるだけ急角度な坂とかそういうものをなくしてもらいたいとか、ちょっと渡るところを少し広げてもらいたいとか、通路をですね、広げてほしいとか。  線路があるので凸凹が、がたがたになるのはどうしようもないんですけれども、それをできるだけ緩和するとかというできるところからやるということはこれは速効対策の中でもやられていることだと思うんですが、そういうことをきちっと着実に進めるということは非常に大事だというふうに思いますので、そういうちょっと細かい観点も含めて、バリアフリーという観点からでも踏切点検というのをやってみたらどうかというふうに思いますが、どうお考えになりますでしょうか。
  29. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 私も、子供のころ、歩いて、そうですね、子供の足で一時間ぐらいしたところに踏切がありまして、通るときに大変怖いといいますかね、昔の踏切ですからすき間も空いていましたし怖い思いをしておりましたが、今のこのバリアフリーという観点で踏切を見たときにどんな状況にあるのか。今御指摘を賜りましたけれども、改めて車椅子ですとか歩行が困難の方々にとっては踏切どうなのかと、そういう観点から踏切を総点検をすると、こういう方向で対処していきたいと思います。
  30. 長沢広明

    長沢広明君 ありがとうございます。是非進めていただきたいというふうに思います。  ちょっと観点を変えて、鉄道のホームの安全について最後にお話しさせていただきたいと思います。  鉄道駅での視覚障害者の転落事故が続いております。東京都の視力障害者団体がもう九四年、一九九四年に点字による調査を行ったところ、回答した視覚障害者百人のうち何と半数の五十人が鉄道のホームから転落した経験がある、こう回答されました。つまり、視覚障害を持っている方の半分はホームから落ちたことがあるというんですね。しかも、全盲の方に絞りますと、全盲の方の実に三人のうち二人が一度や二度落ちたことがあると、経験があるというんですね。  新バリアフリー法の際に、鉄道事業者が駅を改築したり新築したりする場合にはホームドアを設置するということを義務付けておりますが、なかなか進んでおりません。現在の設置状況を簡単に報告いただきたいと思います。ホームドア。
  31. 久保成人

    政府参考人久保成人君) ホームドアにつきましては、今年度末までには四百九十八駅で整備される予定であります。また、本年一月に、大臣の御指示もあり、鉄道事業者に対して今後の整備計画等の報告を求めました結果、今後更に二百八十五駅についてホームドアの整備計画があることが明らかになりました。  現状は以上でございます。
  32. 長沢広明

    長沢広明君 四百九十八駅までできて、残りあと一応方向が見えているのは二百八十五という答えでございました。ただ、全国に九千五百駅あるわけですね。そういう意味ではなかなか進んでいないということがございます。  そこで、ホームドア設置については、かねてから私たち公明党は、事業目標を立てて、もちろん鉄道事業者協力がないとどうしてもできないことですし、電車そのものが三ドアだったり四ドアだったりするとかなかなか難しい課題があることは承知をしておりますが、ホームドアをきちんとどう造っていくかという、これについても事業目標を立てて推進すべきだということをかねてより申し上げさせていただきましたが、この点についての見解をいただきたいと思います。
  33. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいまのホームドアの件でありますが、私もそのように考えまして、先月、ホームドアの整備促進等に関する検討会というものを発足をさせていただきました。この検討会は、もちろん国土交通省とそれから鉄道事業者方々によって構成するものでありますが、その検討会の中で、視覚障害者の方ですとか関連する利用者の方々お話も聞きながら計画的にこのホームドアを整備していくと、こういうことについても検討をし、計画的に御指摘の点を踏まえて設置に努力をしていきたいと思います。
  34. 長沢広明

    長沢広明君 是非、視覚障害者の方々の声をしっかり聞いて進めていただきたいというふうに思います。  ただ、ホームドアを設置するというのは、非常に時間の、これもやはりそう今日明日でできることではありませんので、視覚障害者の方々の特に独り歩き、一人で歩いていらっしゃる方に対する安全策を別途講じる必要があると思います。  一つは、点字ブロックに、どっちがホームの外でホームの内側かというのを分かるような形にすると。内方線とかって呼ばれているらしいんですけれども、これ障害者の方からもこれは結構有効だというふうに声が上がりました。点字ブロックのこっちに行くとホームの外で落ちますよ、こっちが内側ですよというふうに分かるようにするというような点字ブロックについての内方線を引くとか、あるいは、駅員さんが一人で歩いている視覚障害者については降りる駅も聞いた上で、ちゃんと電車に乗れるところまでガイドを付けるというような形の駅員の配置ということについても配慮が必要ではないかというふうに思いますので、こういう具体的な策を打っていただきたいというふうに思いますが、お考えいただきたいと思います。
  35. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 先ほど御答弁の中で申し上げさせていただきましたが、ホームドアの整備促進等に関する検討会の中で、視覚障害者の方からのお話の中に今御指摘の点がございました。  私も、一月たしか十七日だと思いましたが、視覚障害者の方がホームから転落をして大変残念ながら命をなくされるという事故がありましたけれども、これをベースに踏まえて、点字ブロックはどうなのかと、私も目白駅に確認に行きました。そうしたら、一か月ほど掛かりましたけれども、今の御指摘の新方式といいますか、こちら側がホームでこちら側は安全ですよということを示すラインが入った点字ブロックが設置されておりました。この点についても視覚障害者の方から、非常にあれは有効であると、こういう御指摘をいただきましたので、それを、積極的に点字ブロックを張り替える作業を今要請をしているところであります。  同時に、朝晩の非常に込む場合にはやはり人がいてその横でよく見ていると、こういうことも大事だと思いますので、そういう点も踏まえて転落防止のために努めてまいりたいと思います。
  36. 長沢広明

    長沢広明君 以上で終わります。  ありがとうございました。
  37. 上野ひろし

    上野ひろし君 上野ひろしでございます。  本日は、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の審議ということでございます。  既に他の委員からも随分質問がございましたので、私の方からは、この法案について質問をさせていただいた後、今こういう事態でございますので、関連ということで震災のことについても何点かお伺いしたいと思います。  まず、法案に関連をいたしまして、今、全国に踏切は三万四千百四十二か所ということであります。そのうち、この法律の中の保安設備整備計画に基づいて整備をされる対象、第三種、第四種の踏切ということですけれども、合計四千二百十二か所ということでございます。  このスキームによる踏切改良ですけれども、平均、これはお伺いすると年間約三十件ということでございます。このペースで改良していくと、四千二百件あるわけですから、何十年、百何十年掛かるということでございますけれども、この法律、昭和三十六年に公布、施行されて、これまで九回延長されてまいりました。このスキームでこの先どこまでやっていくのか、踏切改良踏切事故減少ということであればもっと抜本的な対策が必要なんじゃないかと思うんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
  38. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) お答えをしたいと思います。  この法律におきますと、第三種、第四種の踏切については、国と地方で合わせて最大六分の五の整備費を補助する踏切保安設備整備補助金ということで遮断機とか警報機の整備を促進をしているということでございます。二十三年度予算は一・五億円の予算を確保いたしました。その中で整備をしていくわけですけれども、今、第三種、第四種ということでは四千二百か所あるのは事実でございます。  ただ、その中の内訳を見ていきますと、車が通らない踏切等も二千七百か所あります。指定の対象となる踏切というのは千五百か所あるわけですけれども、その中で優先度の高い踏切を今回整備をしたいというふうに考えておりまして、今の計画でいいますと、五年間で三百か所を一種の踏切に変えていきたいというふうに思っておりますが、このうち百五十については国の補助を入れた中で整備をすると。残りの百五十については、これはJRの踏切でございまして、JRさんにお願いをして、JRの、補助を入れないでJR単独で整備をしていきたいというふうに考えております。
  39. 上野ひろし

    上野ひろし君 踏切事故減少は大変大切な話ですので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  では、震災の関連で、住宅の問題、幾つかお伺いしたいと思います。  仮設住宅の着工が開始をされたという話を聞いております。一方で、先日の質疑の際にも触れさせていただきましたけれども、例えば住宅関連資材が不足をしているという話もあり、また、今回の震災に関しては、仮設住宅の用地がなかなか取得が難しいんじゃないか、用地の手当てが難しいんじゃないかという話も聞いております。場所によってはまだ瓦れきの処理が進んでいないというところもございます。  そういう中で、今現在大変多くの方が避難をされている。これは内閣府の数字だと今十八万人ということでございますけれども、その方々のうちどれくらいの人数を仮設住宅で受け入れていく必要があるのか、また、それがどれくらいのタイミングなのかということをきちんと把握をした上で仮設住宅の建築の計画を立てていくということが重要なのではないかと思っています。仮に、多くの被災者の方々が本当に短期間のうちに仮設住宅に入るということであれば、それなりの資材の供給体制、また建築体制を取らなければいけないということだと思います。  こういう需要の見通しというのがなければなかなか供給の計画というのは立てられないと思うんですけれども、まず大臣に、今後どれくらいの仮設住宅の需要が見込まれるのかという話と、それから、それに応じた十分な供給体制が取れるのかという観点から、今後の仮設住宅の建設の見通しをお伺いをしたいと思います。
  40. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 上野議員からの御質問お答えを申し上げたいと思います。  必要とする仮設住宅のおおよその見通しを付けるというのは非常に大事な視点だと考えております。阪神・淡路大震災と比較することはできないわけでありますけれども、阪神・淡路大震災時の避難者数がピーク時で三十一万七千人、それから東北地方太平洋沖地震では、ピーク時は三月十四日ということでありますが、四十六万九千人ということであります。単純に比較することはできませんけれども、応急の仮設住宅の戸数が、阪神・淡路大震災は、災害発生後約半年後でありますけれども、四万八千戸必要だったということでございます。  そういうことから、この災害直後、できるだけ多くの仮設住宅を準備してほしいということで要請をいたしまして、当初四週間で大体四千八百戸と、こういう話でしたが、しかしそれではとても足らないんだと、こういう要請をしまして、二か月間で三万戸の仮設住宅を造ると、こういうお約束をいただいて、今急ピッチで造っていただいているところであります。  同時に、これでも足らないのではないかという思いもございます。もちろん、そういうことからホテルあるいは旅館あるいは民間の賃貸住宅等々にも協力を求めているところでありますが、まずはこの三万戸の建設ということで、用地の確保自治体協力をいただきながら今やっているところでありますが、たしか希望は今三万三千戸を超しているということでありますから、それについても今後どう対応するか十分に検討しながら需要には応じていきたいと考えております。
  41. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  今若干、大臣の方からも御答弁いただきましたけれども、公営住宅それから民間の賃貸住宅の活用というのも非常に重要なのではないかと思っています。もちろん、どれくらいの方が仮設住宅に入居希望されるのかという話もありますけれども、なかなか全てに対してきちんと住宅の手当てをするということは難しいのではないかと思います。また、阪神・淡路大震災のときにも公営住宅、民間住宅の借り上げを随分行われていたということだと思います。  そこで、公営住宅については既に入居可能な戸数について情報公開も行っておられるということだと思いますけれども、こういった公営住宅の活用、それから不動産関係業界ともきちんと密接な連携を取りながら民間住宅の借り上げというのを進めていくことも必要なのではないかと思いますけれども状況と今後の進め方をお伺いしたいと思います。
  42. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  今御指摘ございましたように、被災者の当面の住まいの確保ということにつきましては、応急仮設住宅と併せまして、公営住宅やURの賃貸住宅あるいは民間賃貸住宅の空き家を活用するというのは大きな課題であるというふうに考えております。  既に、公営住宅とUR賃貸住宅につきましては全国で約二万二千戸という戸数を確保いたしておりまして、こういった住宅への入居の円滑化を図るために三月二十二日にはセンターを設置をいたしまして、被災者などへ一元的に情報提供できるような仕組みというのをつくりました。  既に、約二千戸で入居がほぼ決まっておりますし、それから、まだ最終意思確認中ですが、東京都、神奈川県などでは今週初めに合わせて七百戸程度、大体抽せんを行ったということを受けております。  民間賃貸住宅の空き家につきましても、応急仮設住宅としてこれを借り上げすることが可能でございますので、関係団体を通じまして可能な住宅の洗い出しをいただきまして、これを各県に情報提供いたしました。これらを民間賃貸住宅については被災者個々人が契約をされるという場合も当然想定されますので、これにつきましても先ほど申し上げましたセンターで情報の提供を開始をいたしております。  また、国家公務員の宿舎あるいは雇用促進住宅、これら両方合わせますと二万戸以上ございますけれども、これらにつきましてもこのセンターで一元的に情報提供するということにいたしておりまして、こういった取組を通じまして被災者の方々の住まいの確保ということに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
  43. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  では最後に、大臣からも今ちょっとお話がありました、一時的な避難場所として既に観光地のホテルそれから旅館が随分活用されているということだと思います。私も今週の月曜日に、私の地元、群馬県ですけれども、群馬の東吾妻町それからみなかみ町に行って、それぞれ既に数百人規模で受入れを行っておりますけれども、その状況を確認をして、また町長さんからもいろいろ話を伺ってまいりました。  まず最初に、厚生労働省さん、いらっしゃっていると思いますけれども、やはり各自治体とも現場で、災害救助法の適用を受けた場合に、被災者の方々、受入れを行ったときに国費できちんと負担をされるということがなかなかまだ認識をされていないということでございます。例えば、実費でありますとか一泊五千円までは手当てをするという話もございます。是非きちんと現場にも声が届くように周知を再度お願いをしたいと思います。  もう一点、既にこういった受入れを進めている自治体につきましては、予備費で対応しているところもありますけれども、新たに予算措置をして手当てをしているというところが随分ございます。片品村というところでは、小さな村ですけれども、年間の予算三十億円のところで一億円の予算を組んで被災者の受入れをしているということで、非常に大変大きな負担を負っているということでございます。  こういう場合、もう既に予算措置をしている、そして既に受入れをして、場合によってはもう被災地の方に帰られているケースというのも随分あると思うんですけれども、こういう場合、もう既に率先をして受入れをしている、手当てをしているというところについても是非きちんと国からの支援を受けられるようにしていただきたい、手当てをしていただきたいと思いますけれども、厚生労働省さん、その辺りの見解を伺いたいと思います。
  44. 清水美智夫

    政府参考人清水美智夫君) 御指摘のとおりでございまして、広域の避難受入れというのは大変重要なことでございます。  受け入れていただいた自治体からはその県を通じまして被災県に求償していただく、被災県に対して私ども国庫負担を打つという形にしてございます。そのことの周知についてでございますが、先日の上野委員の御指摘を踏まえまして、昨日も改めて全都道府県に周知したわけでございます。その中においては、予備費を三県に対して三百一億円、予算措置講じましたので、そういうことも踏まえて積極的な求償を行っていただきたいというふうな形で周知したところでございます。  今後とも引き続き、ホテルや旅館の活用など様々な形態を含めまして、広域避難が円滑に進むよう私どもとしても引き続き配慮してまいりたいと考えてございます。
  45. 上野ひろし

    上野ひろし君 既に対応されているところについてもきちんと国費で負担をされるということだと思います。実際になかなか周知をされていなかったということでございますので、引き続き対応お願いしたいということと、これは各自治体、今立て替えていると、ある意味立て替えているという状況ですので、速やかに支払を行っていただく、そういう手続の円滑化も是非進めていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  46. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 今日は踏切道改良促進法の一部を改正する法律案ですが、既にこの件に関しましてはそれぞれの委員の方々から御質問ありましたので、私は震災関連のことについてお伺いをいたしたいと思います。  私も連日、政府・与党それから各党との合同会議に出席いたしております。原発が大変深刻な問題になっていますが、それはそれとしまして、震災関係の復興につきましてもテーマごとに今分けて、昨日は避難所状況、今日の午後は多分、住宅関連ということで今日も会議を開きますけれども、いろんな問題がもう次から次へと出てまいりますが、先般の質問をさせていただいた際に、私は大畠大臣に、とにかくあなたがリーダーシップを発揮して頑張ってほしいというふうに激励をいたしました。と申しますのは、国土交通省は、陸海空はもとよりですけれども、気象庁あるいは海上保安庁、観光庁、そしてまた分野でいけば、もう今申し上げたように、鉄道、港湾、道路、あるいは河川、それから防災、砂防も含めて、もうありとあらゆることを今度の災害について本当に大臣のリーダーシップが期待されているということですから、改めてもう一度、激励、また頑張っていただきたいと思います。  そうして、港湾も鉄道も、それから空港も含めて、どんどんどんどん復旧復興に関係者皆さん方努力されていることに敬意を表しますけれども、しかしよく考えますと、そのことを結ぶ、人を運ぶ、復旧する、キーは何かといったらやっぱり道路なんですね。道路のネットワークをやはり早急に整備していきませんと、瓦れきをどかすのにも、これは無価価値であるとか有価価値であるとか財産権だとか、いろんな問題がありますけれども、しかしどかさないと、道路を通さないとガソリンも物資も運べない。やっぱり今度の災害の復旧には道路のネットワークをどう整備していくかということが大事だと思うんです。  そこで、震災発生した直後は、特に四十五号線と六号線が大変な被災を受けたということで、それに対して少しでも早くということで現場皆さん方努力されて、四号線を中心に、くしの歯作戦ですか、もう新聞にも出ていましたけれども、十五本のルートを数日間で開通させたということ、大変これは迅速な対応だと思っております。  しかし、今後のもっともっと大きな意味での災害復旧ということになりますと、やっぱり基本的に先取りして、もう既に皆さん方この現状は把握しておりますし、すぐやらなきゃいけない、今対応しなきゃいけない問題もたくさんありますけれども、やっぱり中長期的に、基本的にどういうふうに整備をしていくか、特にその中心となる道路というものをどういうふうに復旧していくかということの基本的な考え方をお聞きしたいと思っています。
  47. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいまの御指摘でございますが、私自身も、この、何といいますか、歴史上類がないぐらいの大地震、そして津波、そして原子力という三つの大きなものが重なったわけでありますが、その中で、御指摘のように、道路というのが非常に早い形で復旧してまいりました。道路の役割というのは大変大事だと思います。特にその中でも、一本では駄目と、必ず一本が使えなくなったときにはもう一本はちゃんと生きているという、それが非常に大事だということを今回、私も痛感したところであります。  そこで、東北地方整備局が、一生懸命頑張っていただいたわけですが、御指摘のこのくしの歯作戦というもの、これ、今朝、局長の方から、マスコミから取材を受けて、これに答えていいかと言うから、どうぞという話をしたんですが、いずれにしても、今回の災害にどう対応したのかというのを事実関係をしっかりと踏まえて、今後、復旧だけでなく、災害に強い国土づくりのための道路はどうあるべきかということをしっかりと検討してまいりたいと思います。
  48. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 やはり、今私、申し上げましたように、道路の、高速道路と国道、地方道含めたそういった、大臣も今おっしゃいましたけれども、単なる一本だけつながりゃいいというものじゃなくて、やっぱりネットワーク、ある意味では林道も作業道も含めて、全てを含めた道路というものがネットワーク化することによって、特に私の地元は岐阜県で山間地域が八割というところですから、やっぱりそういったネットワークによって、何か災害が起きたときに、すぐこちらのバイパスこういうふうにつなげれば少しでも人命あるいは救難も迅速に行われるということで、是非頑張っていただきたいと思っています。  そこで、今後、いろんな復興復旧基本計画について伺っているわけなんですけれども、もう一つは財政的な面ですね。激甚災害というのはありますけれども、これだけではとても足りないですし、あるいは、これから具体的に、財政面もそうですし、それから実行面でも、実施面でも、やっぱり直轄代行とかいろんなことを、あらゆる知恵を駆使してやはりサポートしていかなきゃいけない。この点について、いかがですか。
  49. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) この点については、昨日の予算委員会でも、菅総理の方からも一部お話がございましたが、私自身も平成二十三年度というものを全体的に見直しをしながら補正予算を早急に組むと。それも与党だけで云々ということよりも、これは超党派で、各党がいろんな知恵を出して、あるいは意見を出して、その中で一つの成案を得ることが私は大事なんだろうと考えておりまして、政府全体で議論をすると同時に、与野党の皆さんのいろんな御意見を踏まえて必要な財源というものをどう捻出するかということについて、政府全体で、平成二十三年度補正予算も含めて対策することが必要だと考えております。
  50. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 私、昨日、予算委員会はテレビで拝見しておりましたけれども、まあ総理の発言、超党派と今大臣言われましたけど、やはりもっと根本的に、我々野党に対して協力を得るんなら、もうちょっと腹を据えてというんですか、そういう姿勢が見られないとなかなか我々も協力できないという、それはあえて申し上げておきたいと思う。これは国土交通大臣に申し上げることじゃなくて、よく総理にその点を、しっかりもっと腹を据えて、各党に協力するんなら、その姿勢をもっと率直に表せと、是非そう申し上げていただきたいと思います。  最後に、いずれにしましても、今度の被災されたところはもう実際のところ全く違いますね。全壊したところまであります。役場も、そして残念な、非常に不幸なことで首長さんも亡くなられたというところもありますけれども、いろいろ様々ですけれども、しかしそういったことに対する復旧復興というのは、単にまたそこに町をつくるということじゃなくて、どういう形で将来の、また今想定外の災害が起きましたけれども、それを含めて将来どういう、特にまた今度の、内陸もそうですけれども、いわゆる海岸線の漁港、そういった漁業を中心とした地域が多いわけですけれども、そういったものを復興させるためにどういうふうな町づくり、市街つくりをしていくかということが、非常に今からもうシミュレーションと申しますか、いろんな形で想定していただきたいと思いますけれども、その点について基本的な考え方を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  51. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) この件については池口大臣中心対応しようということで今動いておりますので、池口大臣の方から答弁させていただきます。
  52. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) 決して私だけでやるわけではなくて、国土交通省挙げてやりますので、ちょっと……。  今御質問なり御意見いただきましたように、今回の災害というのは決して復旧をすればいいという話ではなくて、復興をどうするのかということは大変大事な点であるというふうに考えております。  現在まで、国土交通省としては特に交通インフラを早急に復旧するということに力を入れてきましたが、これからは仮設住宅をどう確保していくのかというところなり、なおかつ、さらに復興をどうするのかというところも並行して考える時期に来ているというふうに思っております。そういう意味で、これについては、政府一体として、さらには民間の知恵もお借りしなきゃいけないわけですから、官民の総動員をして将来ビジョンを作っていくべきだろうというふうに思っております。  これらについて、じゃ具体的にどうやっているのかという問いかけだろうというふうに思いますけれども、与党、野党の中にもいろいろな会議がされているというふうに思いますが、政府の中においては現段階の名称ということでは被災者生活支援特別対策本部というところがありまして、そこに被災地の復興に関する検討会議というのが昨日スタートをしました。その中の議論として、国土交通省に対する指示としては、復旧の六か月計画を省内で議論をして作れということですが、冒頭申しましたように、復旧ということだけじゃなくて、復興も当然この議論の中では入ると思いますので、国土交通省としてはそういう前提でこの六か月計画というのを議論をしていきたいというふうに考えております。
  53. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 是非頑張っていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  54. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  本法案は、踏切事故防止のため、特に地域の実情に応じ踏切改良を促進するものでありまして、我が党としても賛成の立場でございます。  これまでの質疑で今後の課題についてはほぼ出されたわけでありますが、改めて、踏切改良促進に向けた大臣の御決意をお伺いをいたします。
  55. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御質問お答えを申し上げたいと思います。  私も、先ほど申し上げましたように、子供のころから鉄道を利用させていただいて、夢も抱きました。小学校のたしか一年か二年のときには、駅に行って機関車を見るのが遠足でございまして、非常に憧れを持ったところであります。同時に、この踏切事故というのも随分見聞きをしておりまして、私の近所のお米屋さんでは、オート三輪が踏切で横の方に行って線路にはまってしまって、そこに列車がぶつかってけがをしたと、命は取り留めたところでありますが、大変な大けがをしたことも子供のころ聞いております。  この踏切をどうするかなんですが、一番いいのは、踏切をなくしてしまうのが一番いいわけでありますが、しかし踏切を全部なくすというわけにはいきませんので、したがって、先ほど御質問にもいろいろありましたが、踏切の総点検をして、どういう形にこれを改良していったらいいのかと、こういうことを全体的な計画をして、お金も掛かります、時間も掛かりますが、計画的に取替えをし、改良をして、できるだけ国民の皆さんにとって安全な踏切というものを造るために全力で取り組んでまいりたいと思います。
  56. 吉田忠智

    吉田忠智君 どうぞよろしくお願いします。  大震災にかかわりまして、港湾の関係を何点か質問をさせていただきます。  改めまして、震災で亡くなられた皆様、被災された皆様、避難生活を余儀なくされておられる皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。  震災復興に向けた建設、運輸、港湾の事業者、労働者の取組に関する私の先般の質問に対し、大畠大臣は、民間の方には大変な御尽力をいただいている、お礼を申し上げ、国土交通省としてもできる限りの支援体制を組みたいと答弁されました。  港湾労働者で組織をする全国港湾労働組合連合会と全日本港湾運輸労働組合同盟は、春闘を一時中断をして、業界団体である日本港運協会と共同で、今このときにも救援物資に係る港湾荷役作業に全力を挙げておられます。そのような中、選択と集中をうたい、京浜、阪神港に政策資源を集中する港湾法改正が改めて適切なのか。被災した港湾の復旧が最優先という御答弁とも矛盾するのではないでしょうか。  復興に尽力されている港湾事業者、労働者には自らも被災されている方もおられます。こうした皆様の支援に逆行する、お気持ちを逆なでするような、あした議論をするようになっているようでありますけれども港湾法改正、強行すべきでないと考えますが、いかがでしょうか。
  57. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御指摘の点でございますが、私どもとしては、今、被災を受けた方々に対する救援をどうするか、非常に大事な視点でございます。これはこれとして一生懸命やらなければなりませんが、同時に、地域社会の中での経済というのも考えなければなりません。世界の経済はかなり激しい動きをしておりまして、それにどう日本として取り組むかと、これも大事な視点でございます。そういうことから、港湾法改正というものをお出ししているわけでありますが、これについても是非同時並行的にやりながら、そして港湾を強くしながら、また被災者に対する救援の手も伸びるわけでありますから、そういう意味で、是非御理解をいただいて、是非お願いをしたいと考えているところであります。
  58. 吉田忠智

    吉田忠智君 限られた財源の中でいかに港湾整備を進めていくか、住民サービスを向上させていくかという視点で、是非再考をお願いしたいと思います。  また、衆議院国土交通委員会での港湾法の審議で、中島隆利議員の、価格競争、コスト削減で港湾労働者の労働条件の低下が懸念をされる、法改正の中身も労働団体の意見を踏まえたものではないという質問に対して、大畠大臣は、働く人の立場を考えていくことは大事である、できるだけそういう形が取れるように努力していきたいと答弁をされました。  そこで、現在、交通政策審議会港湾分科会の委員には港湾労働者の代表が入っていませんが、この港湾分科会の委員に港湾労働者の代表を加えるべきではないでしょうか。  また、地方港湾審議会に港湾労働者の代表が入っていない地方港湾審議会があると聞いていますが、港湾労働者の代表を必ず入れるように港湾管理者に対し助言すべきだと考えますが、いかがですか。
  59. 林田博

    政府参考人林田博君) お答えを申し上げます。  平成十三年の省庁再編に伴いまして、港湾審議会が交通政策審議会の一部会であります港湾分科会に再編をされてございます。再編以前の港湾審議会は、若干の有識者のほか、業界団体や行政委員などで構成をされておりまして、一面、利害関係者の調整の場という側面もございました。  一方、再編後につきましては、従来の審議会をより簡素化するとともに、委員の方々につきましても物流や産業などの分野にかかわる有識者の方々中心とする委員で構成することといたしまして、港湾分科会では港湾計画など、これからの港湾の在り方などについて、全国的、広域的な観点から審議をいただいております。  なお、港湾労働者の皆様の御意見につきましては、国土交通省港湾局として、このような審議会といった場ではなく、皆様から直接頻繁にじっくりと御意見をお伺いをしてございます。このようなつながりを通じまして、今後とも港湾労働者のお立場、御要請を直接しっかりとお聞きしてまいりたいと考えてございます。  また、地方港湾審議会につきましては、各港湾管理者の御判断によりまして委員が選ばれてございます。港湾労働者の代表の方が委員となっておられるところもあると伺っております。国といたしましては、それぞれの港湾の状況に応じて港湾管理者が適切に地方港湾審議会の委員を選定していただいているものと考えてございます。
  60. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非、今日はこれ以上議論しませんけれども、審議会のメンバーとして入れていただくように、また地方に対しても助言をしていただきますように要請をさせていただきます。  同じく、衆議院国土交通委員会で、我が党の中島議員が港湾運送事業法に基づく指定港の拡大について質問をしたところ、大臣は基準に基づいて指定すると答えました。  愛媛県の三島川之江港では、指定港ではないために、少人数での無理な作業が行われたり、港湾荷役業務に派遣労働者の使用を禁じた労働者派遣法が適用されず、危険な港湾労働に未熟練の派遣労働者が従事し、労働災害が多発するという深刻な事態が生じております。三島川之江港において、お手元の資料のとおり、国交省指定の基準を満たしていると判断されているとお聞きをしております。早急に三島川之江港を指定港とすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  61. 林田博

    政府参考人林田博君) お答えを申し上げます。  今、委員御指摘のとおり、お手元に資料も配付されてございますが、港湾運送事業法の指定港の基準といたしまして、単に貨物取扱量の多寡だけではなく、港湾法上の重要港湾であるということ、あるいはまた、周辺の指定港において、現に港湾運送事業を営んでいる者に対する影響がどうかということ、さらには港湾整備計画の内容、こういったものを総合的に勘案をして判断をしてございます。  三島川之江港につきましては、取扱貨物量も多く、四国の中心的な重要港湾でございます。四国各地と結ぶ高速道路も整備され、また港湾整備につきましては多目的国際ターミナルが平成二十年三月に供用されるなど、今後一層の取扱貨物量の増大が予想されてございます。港湾運送事業法の指定港としての基準を満たしていると我々も考えてございまして、国として指定港化を検討しているところでございます。  しかしながら、地方公共団体、荷主の方々、あるいはまた港湾運送事業者など、地元の港湾関係者の合意を得ながら指定港化を進めることが必要と考えてございます。指定港化につきましては、地元の御理解を得られますよう我々も努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  62. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非、早期指定港化をお願いを申し上げたいと思います。港湾法改正につきましては、あしたまた引き続き議論させていただきます。  ありがとうございました。
  63. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 他に御発言もないようでございますから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようでございますので、これより直ちに採決に入ります。  踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  64. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  66. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 次に、港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。大畠国土交通大臣
  67. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいま議題となりました港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  近年、経済のグローバル化や東アジアの経済発展等を反映して、我が国をめぐる国際海上輸送量は大きく増加しておりますが、東アジア諸国に発着するコンテナ貨物が急増していることにより、我が国港湾の位置付けが相対的に低下することが懸念されております。このような状況において、我が国港湾のサービス水準の向上、コスト低減が東アジア諸国の主要港に遅れた場合、欧米基幹航路に就航するコンテナ船の我が国港湾への寄港が減少することも想定され、これが我が国の経済に影響を与えるおそれが生じております。  こうした状況を踏まえ、長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であって、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾を始めとする我が国の港湾について、その運営コストの更なる低減等を図り、フィーダー輸送網の強化による国内外の貨物の集荷、国際海上コンテナ運送の基幹航路寄港回数の増加を図ることで、これら港湾を利用する背後の産業が今後も国際競争力を維持することができるようにするため、この度この法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、港湾の種類について、特定重要港湾を廃止し、長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であって、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾として国際戦略港湾及び国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾として国際拠点港湾を追加します。  第二に、国が行う港湾工事の対象に、国際戦略港湾における一定の国際海上コンテナ埠頭の荷さばき地に係る港湾工事を追加するとともに国際戦略港湾及び国際拠点港湾における港湾工事の費用に係る国の負担割合を定めます。  第三に、国際戦略港湾及び国際拠点港湾において、コンテナ埠頭等を一体的に運営する株式会社を港湾運営会社として指定し、運営計画の変更認可その他所要の監督規制を設けることとします。  第四に、国及び港湾管理者は、港湾運営会社に対して、行政財産である港湾施設を貸し付けることができることとします。  第五に、地方公共団体等以外の者は、港湾運営会社の株式について、保有基準割合以上の数の議決権を取得し、又は保有してはならないこととします。  その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  68. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十一分散会