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2011-04-14 第177回国会 参議院 経済産業委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年四月十四日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十四日     辞任         補欠選任      高橋 千秋君     西村まさみ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         柳澤 光美君     理 事                 平山  誠君                 広野ただし君                 増子 輝彦君                 関口 昌一君                 牧野たかお君     委 員                 加藤 敏幸君                 直嶋 正行君                 西村まさみ君                 姫井由美子君                 藤原 正司君                 磯崎 仁彦君                 末松 信介君                 松村 祥史君                 松山 政司君                 若林 健太君                 松 あきら君                 松田 公太君                 荒井 広幸君                 大江 康弘君    国務大臣        経済産業大臣   海江田万里君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       田嶋  要君    政府特別補佐人        公正取引委員会        委員長      竹島 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        山田  宏君    政府参考人        原子力安全委員        会委員長     班目 春樹君        経済産業省経済        産業政策局長   安達 健祐君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     寺坂 信昭君        特許庁長官    岩井 良行君        中小企業庁長官  高原 一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○特許法等の一部を改正する法律案内閣提出) ○不正競争防止法の一部を改正する法律案内閣  提出)     ─────────────
  2. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君が選任されました。     ─────────────
  3. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、原子力安全委員会委員長班目春樹君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 特許法等の一部を改正する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 姫井由美子

    姫井由美子君 おはようございます。民主党の姫井由美子です。  まず、この度、東日本大震災で亡くなられた方々、被災された方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。そして今、様々な場所復旧復興作業に当たっておられる皆様に心から敬意を表したいと思います。  今回の被災地に対する支援では、世界で貧窮している各国からも今支援が入っておりますし、また世界で、こういった貧困地域で活躍している岡山のAMDAというNGOを始め、あらゆるNPO、NGOが現地で今活躍をしております。今現在の世界からの日本に対する義援金、これは百三十四の国から八百六十四億円、これはスーダンを抜いて実は日本世界一の援助受入れ国になってしまったということであります。そして、その百三十四か国のうちの六九・四%、約七〇%の九十三か国が私たちODA援助をした国からだということが分かりました。  今回、この一次補正に当たりまして、もちろん財源としていろいろなことが考えられますけれども、私たち経済産業委員会では、ODAを単なる国際協力ではなく、資源外交経済外交としても位置付けていますので、機械的な削減というのはいま一度考えてみたいと私は思っております。  そして、まず最初質問をしたいんですけれども、ちょうど一昨日、増子委員がこの場所質問をされていた十一時過ぎに保安院からレベル七という発表がありました。このレベル七という発表タイミングにつきまして、様々な意見があります。このタイミングは適切だったのでしょうか。お伺いしたいと思います。
  7. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 姫井委員お答えをいたします。  私が保安院から今度の事故レベル七に相当するということを聞きましたのは、十日、日曜日の夜の九時ぐらいでございます。そこで、これは大変大切な、大事なレベルの引上げでありますから、できるだけ早くと。それからあと、このレベル七ということについては保安院だけでありませんで、原子力安全委員会、こちらも知見があって、それに対する評価を行うということでありましたので、よく調整をして、そして最終的には総理のところに情報をきちっと届けなければいけないわけでございますから、官邸とよく調整をして公表をするようにということを伝えました。  そして、それから一日、十一日が入りました。月曜日でございます。十一日というのは、これは御承知のように、まさに今回の震災津波、そして原子力事故発生をした日付でございますので、いろんな形で、総理最初会見の予定も入っておりました。しかし、ちょうどこの十一日の四時ごろになりますかね、また大きな余震がございまして、結果的に総理会見も翌日に延びたということがございまして、その結果、今お話のありましたこのINESの評価レベル七という発表が十二日に遅れてしまったということでございますが、これが事実関係でございますが、適切であったかどうかということであれば、例えば頑張って、もう十一日は、先ほどもお話をしましたけれども、夜の九時で私が聞きましたわけですから、その十日の発表というのは無理でございますが、十一日に発表しようと思えばできたのではないだろうかというふうに思っております。
  8. 姫井由美子

    姫井由美子君 ということは、早過ぎず遅過ぎず適切だったというわけではなく、一日早い場合も考えられたということでしょうか。
  9. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 最大限、これを最優先をさせてということであれば一日早く発表できたかなと。もちろん調整が必要ですから、原子力安全委員会の方がどういう段取りであったかというのはちょっと私は存じ上げませんが、私のところに情報が入ってきて発表に至る経緯というのはそういう流れでございますので、そのことをお伝え申し上げました。
  10. 姫井由美子

    姫井由美子君 十日に大臣は知っていたということであれば、一日余裕があれば、福島県はもとより私たち国会議員の方にも事前にこういう状況だからという説明する機会はあったということですね。
  11. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) どういう形で連絡をするかということはいろんな形があろうかと思いますが、もちろん委員会などが開かれればそこではしっかりとそういう事実関係についてお伝えをするということでございます。
  12. 姫井由美子

    姫井由美子君 いや、委員会が開かれなくても一日以上あれば事前にしっかりと報告、そして私たちの理解を得る時間は十分あったと私は考えられると思っておりますし、委員皆様も同じ意見ではないかと思っております。  大臣前回レベル五という暫定的な発表をされました。そして、今回レベル七ということで、この二度の発表したということが、もちろんこれはそちらの官邸ホームページでいえばレベル七になったのではなくレベル七であることが分かったというふうに言われておりますけれども、実はこの二度の発表によって悪化にあるのではないかという国民、あるいは被災者はもちろんのこと、そして世界に対しても大きな不安と動揺を波及をさせたということは拭い去れないと私は思っております。  今後、こういった発表に対する信用性が失われかねないと思うんですけれども、そういった、原子力安全・保安院、今後の対応連携についてはどうお考えでしょうか。
  13. 寺坂信昭

    政府参考人寺坂信昭君) お答え申し上げます。  発表に当たっての原子力安全委員会との調整、私どもの作業の進展、そういったものにつきましては、よく内部での調整が必要だと思ってございます。  それで、発表タイミング等々に関しましては、それぞれレベルが六、七に上がる場合の何をその根拠にして上げていくのか、評価の尺度というものがございまして、そういった意味でのその放出量を推定するということに関しましての作業の結果、安全委員会との関係も含めまして、十日の時点でそういう判断に至ったということでございます。  いずれにいたしましても、内容はもちろんでございますけれども、発表タイミングそれから発表の仕方、こういったことについては、御指摘も踏まえまして、今後よく考えていくものではないかと考えてございます。
  14. 姫井由美子

    姫井由美子君 つまりは、保安院の方ではタイミングは適切ではなかったということを認めたということでしょうか。  また、そのタイミングの問題ではなくて、こういったタイミングがいい悪いではなくて、こういった発表の手順であるとか、事前に地元であるとか私たち国会議員であるとか、いきなり発表というそういったことに対する不安感不信感、これを取り戻していただきたいと私はまずは思っております。  今回は内閣府の原子力安全委員会の方もいらっしゃっておりますけれども、二重のチェック、二重の安全性チェックされるはずが、それぞれがお互いに責任を転嫁をして結局はチェックが働いていない、安全性が信用されていないという部分が私は大変問題だと思っているんですけれども、今後、今ある五十四基のこの原発、そしてさらに計画されているもの、これを進めていく上で、大臣、このような原子力安全・保安院、この位置でちゃんとチェック機能が働くんでしょうか。
  15. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 今委員から、保安院とそれから原子力安全委員会、二重のチェックというお話ありましたけれども、やっぱりそれぞれ役割が若干違うと思います。  保安院はまさに経済産業省外庁でございますけれども、これは、例えば東電なら東電が今いろんな形で原子炉事故をこれ以上拡大させないために努力をしているところでありますが、その努力をするに当たって、事業主体としてこういう形で作業をやりたいけれどもどうだろうかという伺いを立ててくると、それに対して、まさに保安院でございますから、規制当局でございますから、そういうまず工事の過程で、例えば作業員が多量の線量を浴びないだろうか、あるいはそういう工事をやることによって本当に炉の安定が保たれるのかと、そういうかなり細かなところにまでわたってチェックをするということ、それから、それだけじゃありませんで、この間余震がございまして、そのときに実は電源が落ちてしまったということがありまして、じゃ、もう一歩進んで、炉の安全を保つために電源の備えが一重だけでいいんだろうか、もう一重やらなきゃいけないんじゃないだろうかというようなことについても、これはそういう指導を行うということでございまして。  原子力安全委員会については、今日、安全委員会見えておりませんかね、安全委員会からお答えをいただくのが一番適切でございますが、内閣府の方でございまして、そして、これはもう少し幅広い立場から、大所高所から総理に対してアドバイスをするという形になっております。  いずれにしましても、やはりどちらかというとこれまで保安院は、今前段でお話をしたように、事業主からこういう形で工事をやるけれども、そこでのチェックはどうだろうかというようなお尋ねが来て、それに対してかなりきめ細かなチェックをするということになっておりますが、先日の余震のときもそうでありますが、今度の事故を契機にもう一歩前に出て、そして次のいろんなリスクを考えて、そして事業主を、事業主体指導しなければいけないというふうに切り替えまして、今回の場合でも、外部電源を一系統だけじゃなくてとにかく全ての炉について二系統ずつしっかりと準備をしなければいけない、あるいは緊急用のディーゼルも、それを津波被害に備えた置き方をしなければいけないと、あるいは消防の車は高台に置かなければいけないと、一歩進んだ指導をやっているところであります。
  16. 姫井由美子

    姫井由美子君 大臣、いずれにしましても、今のままの状態では、この原発というものを進めていく上で国民のコンセンサスというものが私は取れるのかな、取れないんではないかと思います。しっかりそれぞれのチェック機能を働かせるように、またそれと連携をしているあるいはそれをしっかりと私たち情報開示をする、しかも信用性のある正しい情報を開示するということに是非努めていただきたいと思っております。  そして、この三月三十日になってやっと発令したようなそんな遅い対応じゃなく、タイミングがいずれにしてもそれ以外の場合につきましても適切ではない、全てのことについて適切ではないということも私の方からも皆様に訴えまして、次の質問に移りたいと思っております。  今回のこの特許法の一部を改正する法案並びに不正競争防止法の一部を改正する法律案、これは随分以前からいろいろな中小企業から訴えられたことで、これが参議院先議で行われるということは大変私は有り難いことだと思っておりますし、中小企業情報管理の在り方、支援もお願いしたいと思っております。  そして、せっかく中小企業庁長官も来ていただいたんですけれども、時間がなくなってしまいましたので申し訳ありませんが、最後の質問になってしまうんですけれども、今回のこの震災におきまして、例えば三月十一日、地震発生後、首都圏では交通機関がストップしたために多くの方々が徒歩で帰宅を余儀なくされ、途中、災害帰宅支援ステーションとしてのコンビニでは飲料水や食料を買い求める人で長い列ができました。  こういったように、首都圏の場合では、東京都などでつくる八都県市でコンビニ本部支援協定を結んで災害時にいろいろなサービスをする等行っています。しかし一方で、こういったサービスについては、本部と自治体だけで決定し、実際は加盟店オーナーたちが、災害対応には取り組むのは嫌だというわけではないんですけれども、こういったことを全く意見を聞かないでされている。税金の代行収納各種料金の支払なども同じであります。それは加盟店の過重な労働の上に成り立っていることが余り理解されていないように感じるんですけれども、竹島委員長に、フランチャイズ契約において締結されていないサービス本部加盟店に強いることというのは優越的地位濫用として問題にならないのでしょうか、お伺いしたいと思います。
  17. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) 本部加盟店の間でよくお話合いをしていただきたいということに尽きると思うんですが、やはり状況が変化して、新しい事業をやりたいとか、フランチャイズシステムとして新しいことをやりたいということは当然起きてくると思いますけれども、それの導入に当たってはやっぱりよく説明していただくということが何よりも大事で、一方的に、その加盟店立場からして、そういうことを追加してやることによるメリットとそれからコストとを比較したときに、とてもコストが賄い切れないということが明らかであるにもかかわらず本部がやれということを事実上強制するというようなことは当然好ましくないわけでございまして、そういったことについては、さっきお話しになった、災害のときに対応するというのはこれは私は社会的に大変大事なことだし、ただ、そういうことを結んだのであれば、加盟店にもきちんとお知らせをするということをされるべきだと思います。  したがって、ただただ新しいことをやっちゃいけないということじゃなくて、本部加盟店の間のまさに意思疎通の問題。その中で誰が考えても割に合わないことを本部が強制するということになれば、これは独禁法上の優越的地位濫用という問題が出てくるということだと思っております。
  18. 姫井由美子

    姫井由美子君 お知らせをすればいいということでしょうか、お互い了解ではなくて、本部お知らせをすればいいことでしょうか。
  19. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) いや、それはやはり了解ということまでが必要だと思います。
  20. 姫井由美子

    姫井由美子君 今のは契約にないことを新たにサービスを追加してきた場合ですけれども、契約にある場合、例えば二十四時間三百六十五日、年中無休でしましょうという契約がある場合、本部の方で一方的に定休日を設けなさいと、定休日を設けることによって不利益を被る、こういったことを一方的にお知らせだけで要求した場合はどうでしょうか。
  21. 竹島一彦

    政府特別補佐人竹島一彦君) フランチャイズチェーンの特色というのは、やっぱり統一性を持って、加盟店が別なそれぞれごとの事業主であったとしても、統一性を持っていろいろなサービスなり商品を提供するということにあるわけでありましょうから、そういう中でルールが決まっていると思って、それを了解して加盟店も入っているというふうに我々は考えているわけなんです。  ですから、定休日を設けるとかいうことについても、ある合理性があって、今節電の問題が出てまいっていますから、それに対応するために今までのルールを変えるというようなことは当然あり得ると思うんですね。それもやはり合理的にやっていただきたいと。合理的なことであれば当然会員も理解するでしょうと、そういうふうに私は思っております。
  22. 姫井由美子

    姫井由美子君 本来であれば節電のことについて質問しようと思っておりましたけれども、今後、この夏に向けて節電を全ての家庭、大企業、そして中小企業はもとより、そういった全国に二十三万店舗あるフランチャイズ、そして四万五千店舗あるコンビニ等も全てが協力しないといけない。そういった中で、是非、海江田大臣にはリーダーシップを取っていただきまして具体的なやり方を示していただきたいと思っております。それぞれが個々にやるというのもあるんですけれども、本当に合理的な方法をできるような思い切った節電対策、スペインのシエスタ、あるいは銀行のように朝六時から始まって、二時、三時にはこの夏の三か月間だけは帰るというようなまず基本方針を示していただいて、それに協力をしていただきたいと思っております。  この未曽有震災被害を受けた中小企業をしっかりと支援するために一刻も早い復興を図るための全力の取組をお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  23. 関口昌一

    関口昌一君 自民党関口昌一でございます。  この度の東日本大震災企業に壊滅的な被害をもたらしました。こうした被害を受けた企業において知的財産の保護の観点からどのような問題が生じてきているのか、またそれに対してどのような特許庁としては対策を講じているのか、まず冒頭伺います。
  24. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) 御答弁申し上げます。  特許庁では、震災の影響を受けた方々期限の定めのある手続をするのが困難であることから、特許出願審査請求特許料納付手続など三十七の手続について、特許法等で定められている期間内に手続ができない場合にはその期限を本年八月末まで延長することとし、既に百二十七件の申請を四月十三日現在いただいておるところでございます。また、海外の九十か国・地域知財庁に対しまして料金納付等手続期間延長等特例措置を要請したところでございますが、これまでに米国、欧州、中国、韓国など三十五か国・地域知財庁手続期間延長等特例措置発表していただきました。  こうした特例措置等につきまして、特許庁ホームページにおいて一元的に発信をするとともに、東日本大震災に関する手続相談窓口を開設し、ユーザーへの積極的な情報提供相談への対応を行っておるところでございます。  以上です。
  25. 関口昌一

    関口昌一君 今御指摘いただいたとおり、いろいろな問題が生じてきていると思いますが、速やかに対応していただき、また海外との対応もあるかと思いますが、しっかりとした対応を取ってもらいたいと強く要望させていただきたいと思います。  今日は二法に対する法案審議ということでありますが、我々も、自民党も長く与党を経験させていただきましたので、さすが与党を経験した野党自民党と思っていただけるように、この法案審議についてしっかりと質問をさせていただければと思います。もう大臣を含め原子力保安院の顔を見ますと原発の問題をばしばし質問したいんでありますが、またこれは原発にかかわる調査をしっかり時間を取っていただくという話でありますので、次に回さしていただきたいと思います。  まず、特許行政は受益と負担の関係を明確化するためにほぼ全て特許特別会計で賄われております。この特許特別会計歳入歳出の推移を見ると、歳出はここ数年ほぼ一定の金額であるのに対して、歳入額は大幅に増加しております。これは、歳入歳出乖離幅も拡大する傾向にあるということでありますけど、翌年度に繰り越される剰余金の額が増加傾向にあることが起因していると思われます。現実に二十三年度予算においても約一千九百十九億円の繰入れをしておりますが、この剰余金の繰入れはどのような目的で、さらに金額の決定はどのように行われているのか、伺います。
  26. 岩井良行

    政府参考人岩井良行君) お答え申し上げます。  特許特別会計特別会計に関する法律という規律を受けてございまして、この特別会計に関する法律第八条の一項というものに基づきまして、決算剰余金を生じた場合には、積立金として積み立てる金額を控除した額を当該特別会計の翌年度歳入に繰り入れるという仕組みになっているわけでございます。  この特許特別会計で計上されます剰余金といいますものは、退職給付等引当金というものを除きますと、審査請求料納付がなされまして現実コスト発生する審査実施との間に待ち時間があると、こういうタイムラグがあるために一時的に生ずる、会計的には前受金と言われる性格のものとして発生をしてございます。そして、先ほど申し上げましたように、その剰余金から積立金があればそれを引いて繰り越せというのが法律ルールでございますが、特許特別会計には積立金として控除すべき金額がないものですから、その前受金は翌年度以降の審査に必要な費用の財源として翌年度特許特別会計歳入にその全額が繰り入れられるという形で金額が確定し、繰り入れられる仕組みになってございます。
  27. 関口昌一

    関口昌一君 特別会計法では、決算上の剰余金のうち積立金として積み立てる金額や翌年度歳入に繰り入れる金額を控除した残余である純剰余金について一般会計に繰り入れることができるとされております。現実特許特別会計においては十九年から二十一年にかけて三年間で約六十六億円の一般会計への繰入れを行った実績があります。特許特別会計において、剰余金を除いた単年度歳入額でも歳出額を上回っているという状況である中で、現在のような多額の繰入れを行わなくても特許行政に特別の支障が起きるとは考えられません。  こうした中で、今、国家の財政状況が大変厳しい中で、また震災復興のためにも財源確保が大変重要な課題になってきております。翌年度へ繰り入れる剰余金の額を見直して一般会計への繰入れを増やすべきと私は考えておるんですが、大臣の見解を伺います。
  28. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 委員から貴重な御提言、ありがとうございました。  しかし、今、岩井長官からあるいは委員からもお話ございましたこの特別会計のお金というのは本来特許を出願する人たちが負担をするお金でありまして、国の税金からの補助金が入っているとかそういうことではほとんどないわけでありますから、基本的にはこれは、もしそこでお金が余ればそれは特許の申請料を安くするという方向で持っていくのが筋道ではないだろうかと思っております。
  29. 関口昌一

    関口昌一君 理屈は分かるんですけど、またちょっとレクをやったときにいろいろ説明を受けただけで、審査の順番待ちの期間が約二十九か月、二年半ということでというような話が出ておりました。しかし、二〇一五年にはこれを十一か月にするという話も出ておりまして、今これだけ厳しい財政状況の中でありますので、是非こうした問題は、今あらゆる財源の確保のことで大変になっていると思いますので、これは是非前向きに考えていただきたいと思っております。これは強く要望させていただきたいと思います。  次に、特許庁における新たなシステムの導入について伺います。  この新たなシステムの開発を今進めているわけでありますけど、二〇〇六年の発注にもかかわらず、稼働開始が二回も延期されております。いまだ本格的な実施に至っていないというのが現状であります。また、受注した業者にはその技術力を疑問視するというような報道もあります。  特許庁は新たなシステム構築のために約二百六十億円、多額の費用を投じておりますけど、このシステム開発における現在の進捗状況と、また特許庁が稼働予定とする二〇一四年一月までに安定したシステム構築は可能であるのかどうか伺います。
  30. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) これは今も御指摘ありましたけれども、去年の三月、不祥事がございました。そこで、第三者委員会をつくりまして、これは直嶋大臣のときでございましたけれども、ここでしっかりとどうしてこういう問題が起きたのかということを検証するようにということでございますから、その検証作業、これを行っているということと、それからこの検証委員会が提言を行いまして、やはり設計書をまず公開すべきであるということ、それから複数のITベンダーからの意見を求めて、意見を求めたその意見をしっかりと分析をして、そしてこれから業者を決めなければいけないということになっておりまして、今その意味では作業の途中でございますから、当初二〇一四年の一月新システム稼働ということで準備をしてまいりましたが、今の進捗状況から勘案しますと二〇一四年一月から新システムの稼働というのは大変難しい状況になっております。
  31. 関口昌一

    関口昌一君 とにかく一四年の一月という設定の中で取り組むということでありますので、しっかりと対応していただきたいと思います。  そして今、大臣からちょっとお話が出たんですけど、このシステム開発をめぐっては、特許庁職員に逮捕者が出たり、また受注業者の下請企業が一斉に家宅捜索を受けるなど、看過できない大変な事態となっておりました。  これらの事件の経緯について説明をいただきたいと思いますし、また今後、こうしたいろんな課題に対して組織としてどのようなコンプライアンスを徹底させていくのか、大臣の所見を伺います。
  32. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 先ほどお話をいたしましたが、事件が起きましたのは昨年の六月の二十二日ですね。特許庁の職員が情報システムに関連し収賄容疑で逮捕されたというところでございます。これを受けまして、昨年の六月の二十九日、外部の有識者で構成されます特許庁情報システムに関する調査委員会を設置をして、そしてまず事実関係の解明に努めたわけであります。  そして、八月二十日、逮捕された職員を始めとする複数の特許庁職員が国家公務員倫理規程に違反する行為を行っていた事実が判明いたしましたので、これにのっとりまして処分をいたしましたのは、これは九月の十四日に逮捕された職員の有罪判決の発出と同時に、関係職員及びその管理監督者に対して懲戒免職を含む処分を行いました。  その上で、今お話をしました特許庁情報システムに関する調査特別委員会の報告書を踏まえて、特許庁におきまして、倫理意識の徹底、情報管理の整備強化、入札手続の改善、内部通報制度の強化と活用といった内容を盛り込ました再発防止策を講じたところでございます。
  33. 関口昌一

    関口昌一君 二〇一四年の一月までに安定したシステム構築をしていくという話の中でこういう事件が起きてきたということであるんですが、しっかりとやっぱり対応していただきたい。先ほど直嶋大臣のときというような話ですが、これは大臣も迷惑している話で、こんなときに名前出されちゃたまったものじゃないと思うわけでありまして、これはもうとにかくしっかりと対応してもらいたい、こういう問題は二度と起こさないように毅然と対応してもらいたいと思っております。  次の質問に移らさせていただきますけれども、これまで利用率の低かった通常実施権の登録制度は廃止になりまして、当然、対抗制度が導入されることになりました。一方では、利用率の低さが指摘されております専用実施権については何らの措置も行われていないというのが現状であります。専用実施権については、使い勝手の悪さがいろいろ指摘されております。実施権者の氏名や実施権の範囲を含む登録事項の全てが一般に開示されるために使いづらいというような指摘も受けております。  現行の特許法では、登録制度は専用実施権の効力発生要件とされておりますけれども、より使い勝手の良い制度とすべく早急に見直しが必要と考えておるんですが、今回の改正で見送られた理由は何か、伺います。
  34. 岩井良行

    政府参考人岩井良行君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきましたように、今般は通常実施権につきまして制度の見直しを行うことにしたわけでございますけれども、今御指摘がございました専用実施権は、この通常実施権とは異なりまして、特許発明の独占的利用が認められるという大変強い権利でございます。したがいまして、その制度を見直すに当たりましては、通常実施権の場合以上に第三者に対する影響も大きいということもございますので、登録事項をどうすべきか、開示事項をどうすべきかということを包括的に検討する必要があるわけでございます。  この点に加えまして、仮に登録制度を見直しをして新しいものにしようといたしますと、今し方御質問をいただきました業務・システム最適化計画に基づいて新たなシステムをつくっている、この問題とどういうふうに絡めていくべきであるかということも併せて検討する必要があるという事実がございます。  今般、法律の見直しに当たりましては、産業構造審議知的財産政策部会特許制度小委員会において十分御議論をいただきまして御報告書をお取りまとめいただいたわけでございますけれども、今申し上げましたような事情を踏まえまして、この報告書におきましては、特許庁の新システム構築の状況も踏まえつつ改めて検討を続けていくという御提言をいただきました。今回の改正は、この報告書に沿って法案をまとめさせていただいた次第でございます。  以上でございます。
  35. 関口昌一

    関口昌一君 利用者側からすると、より使い勝手の良い制度にするというのが大変必要なことになってくるかと思いますので、是非、今質問した中でも出ておりますので、よろしく対応をお願いしたいと思います。  また、今回の改正で、特許を受ける権利を有しない者による特許出願、いわゆる冒認出願等にかかわる特許権に対して真の権利者による移転請求を認めることとしております。冒認出願に対する真の権利者保護の法整備の必要性については、かねがね実務者などから長らく求められてきて、ようやくここへ来て実現することになったということであります。今日まで時間が掛かった、改正までに時間が掛かった理由をちょっと聞かせていただきたいと思います。
  36. 岩井良行

    政府参考人岩井良行君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきましたように、今般の改正では、いわゆる冒認出願等につきまして真の権利者に権利移転を認めるという制度を導入するわけでございますが、これまでは真の発明者は不当に取得された特許権を無効審判によって消滅させるということもできたわけでございまして、一定の制度はあったわけでございます。しかしながら、近年複数の企業や大学等による共同研究開発といったものが一般化してまいりますと、単にその持分を全部無効にするということではなくて、自分の持分をどのように確保すべきかという新たな問題が現実化をしてきているということが指摘をされております。  こういった状況の変化がございましたので、産業界等からも、不当に取得された特許権を単にこれまでのように消滅させて救済を図るというだけでは足りないので、特許権の取戻し、とりわけ持分の取戻しというようなことについての措置をなすべきではないかという御意見を強くいただくようになってまいりました。  こういった状況の変化もございましたので、制度を従前のものから今回御提案をさせていただいているようなものに変えさせていただきたいという法改正をまとめた次第でございます。  以上でございます。
  37. 関口昌一

    関口昌一君 今回ようやく実現することができたということで、一歩進んだかなと思っております。  ただ、真の権利者保護の観点から、現在出願中の特許出願についても、それに係る特許権の移転請求を認めるべきだと考えるんですが、適用対象を法施行後の出願に限定したということでありますが、この理由を伺います。
  38. 岩井良行

    政府参考人岩井良行君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、新たに権利移転をできる対象は何かというのを決めさせていただいたわけでございますけれども、それは法施行後に出願されたものに限るというふうな法案にさせていただいております。  今先生御指摘がありました、それじゃ今出願になっているものはどうなっているのだということでございますけれども、これは実は出願になっていて権利化していないものにつきましては、現行制度でも発明を受ける権利の確認をするというやり方で取り戻すことは可能でございます。問題は、先生御指摘のように、既に出願をしていて権利になってしまっている人、過去に冒認があったものであって権利化しているものはどうすべきかというところが一つ判断があり得るところだろうと思います。  これにつきましては、特許権二十年もあるものですから、既に権利化している、これで冒認で取り戻されるという仕組みではないということを前提に権利が移転をしていたりする場合もあるものですから、そういった方に不測の損害を与えるというようなこともありますので、今回の頭の整理は、今申し上げましたように、既に出願されているものにつきましては現行制度でも救済があるということを前提に、今後出願をされるものから救済が受けられるという制度にさせていただきたいという形で御提案を申し上げた次第でございます。
  39. 関口昌一

    関口昌一君 現在出願中のものについて救済もあるというような話も今答弁いただきましたので、しっかりと対応していただきたいと思います。  次に、実際に知的財産を活用しなければならない中小企業にとっては、依然として知的財産制度は理解しづらい複雑な制度だという話を聞きます。特許庁では、一層中小企業における知的財産制度の浸透と活用を更に促進していかなければならないと思いますけど、こうしたことについてどのような対策を講じているのか、伺います。
  40. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、理解しにくい、複雑という印象が一般的にはあろうかと思います。また、中小企業にはそういう知的財産専門の部署というものも恐らくは難しいのではないかなというふうに思っております。  そういう中で、私どもの昨年六月に閣議決定いたしました新成長戦略の中でも、科学・技術・情報通信立国戦略の中に「中小企業の知財活用を促進する。」というふうにも明記をさせていただきました。  御指摘のとおり、今、中小企業による特許出願比率というのは最近三か年は一〇%強でございまして、八〇%以上が大企業に偏っておる、残りは大学、個人という状況でございます。  では、どういう施策をするのかでございますが、二つございまして、一つは、非常にシンプルでございますが、特許の料金を下げるということでよりアプローチしやすくするということでございますが、もう一つは、実態的にワンストップの知財総合支援窓口というのを今回初めてつくらせていただきまして、既に本年度の予算で四十七都道府県に窓口を整備したところでございます。これに対する予算としては十八億六千万円ということで委託事業としてスタートをさせていただき、支援担当者というものを二、三名ずつ配置をするということで、各都道府県の中小企業支援センター、工業技術センター、そして各都道府県の発明協会などに受託をされておるところでございます。  ただ、申し添えますと、そうした器はよくつくるんでございますけれども、一か月に一人ぐらいの相談しか来ないなんということがよくありますので、私はこれをしっかりとこれからフォローしていきたいと思います。むしろ出かけていって御用聞きをするということで、知らなければ保護しようがありませんので、中小企業の経営者がこういった自分の技術が守られるんだということがまずは分からないといけないということなんで、誰も相談がありませんでしたということがならないように、これからしっかりと動いてもらおうというふうに思っております。  以上です。
  41. 関口昌一

    関口昌一君 中小企業にとって知的財産制度というのは非常に理解しづらくて複雑な制度だということが前提になっていまして、情報提供等やっぱりしっかりと指導していただくということが大事になってくるかと思いますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  不正競争防止法の一部を改正する法律案について幾つか質問をさせていただきます。  今回の改正でアクセスコントロール等の回避機能以外の機能を有していても、実質的にそれを回避するために用いられる場合を新たに規制の対象に加えるということにしております。  では、具体的にどのような場合が規制の対象になるのか、また規制の対象が不当に広がらないようにするためには、回避装置等の客観的な要件に加えて、故意や図利加害目的という主観的な要件を加えて規制の範囲をより明確にする必要があると考えておりますが、いかがでしょうか。
  42. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) お答え申し上げます。  今回の法改正によって新たに規制対象となる、今御指摘いただきました技術的制限手段を回避する機能以外の機能を有する装置等の提供行為については、回避の用途に用いられるために行うものに限定をされてございます。したがいまして、その機能のみを有するものからほかも併せ備えて有するものに拡大はしてございますけれども、回避の用途に用いられるために行うものに限定をしているということでございます。  そして、そういう回避の用途に用いられるために行うものか否かについての判断でございますが、例えば広告宣伝の内容といった提供の態様、そしてユーザーの一般的な利用の実態等の客観的状況に鑑みて明確に判断できるというふうに考えてございます。また、御指摘もいただきましたが、新たに導入する刑事措置に関しましても図利加害目的の要件を付してございまして、処罰対象を限定をいたしておるところでございます。  このように、今回の法改正によって拡大される規制対象の範囲は明確に判断され、不当に広がるものではないと考えてございます。  以上です。
  43. 関口昌一

    関口昌一君 客観的要件に加えて、今、図利加害目的も含めて主観的な要件も加えるというようなちょっと話もいただいたわけでありますけど、規制の範囲をより明確にこれはする必要があると考えておりますので、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。  次に、アクセスコントロール等の回避装置等については、マジコンのように比較的小さな部品等であることが想定されるために、意匠や商標などの他の知的財産の侵害と比較して侵害品であるか否かを非常に判断するのが難しい、見分けることが難しいと思います。  また、効果的に水際対策を講じていくためには、関係省庁や、またアジア、諸外国を含めて海外当局との連携体制を強化する必要があると考えておりますけど、どのような対策をするのかと。先ほどちょっと話をさせていただきましたけど、税関で結局当該回避装置であるというのを本当に見極めることができるのかどうかということも私もちょっと心配しているんですが、その二点について質問いたします。
  44. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) お答え申し上げます。  この今御指摘いただきましたマジコンのようなものは、今のところは国内が供給源ではなくて一〇〇%海外流入ということでございます。御指摘いただいたとおり、水際作戦が大変重要になってくると思いますが、この侵害物品に関する水際措置は、関税法に基づく輸出入が禁止された物品を侵害を受けた者の申立てにより税関が差し止めるものでございます。この関税法の改正は、三月三十一日、今年、昨年度末に行われたところでございます。  この差止めの手続におきましては、侵害を受けた者が税関に差止めの申立てを行う際に、侵害物品に当たるか否かに関する経産大臣意見書を必要としてございまして、この意見書を踏まえて税関は侵害物品の認定を行うと、そういうことになってございます。  また、例えばマジコンに関してでございますが、特徴的な正規のゲームソフトと同一の形状をしていることなどを踏まえれば、侵害物品に当たる旨の経産大臣意見書と併せて、税関で発見、認定は容易であるというふうに考えてございます。  さらに、こうした水際措置の実効性を向上させるため、財務省、税関当局とも十分連携をするとともに、侵害物品に該当する装置等が製造されている外国の政府との各種の対話や協議を通じて不正コンテンツ対策を働きかける等の取組を進めてまいりたいというふうに思っております。  具体的には、二国間交渉としての、例えば中国との知的財産権保護に関する交流及び協力に関する覚書、こういうことにより設置をする会談の枠組みでございます。  以上です。
  45. 関口昌一

    関口昌一君 水際規制の強化というのが非常にこれから重要になってくると思いますので、しっかり対応していただきたいと思います。  限られた時間でありますので、最後に、中小企業における営業秘密の保護の強化を図る観点から、今回の改正による具体的な対応方法や企業内での情報管理体制の整備の方法などについて周知徹底する必要があると考えておりますけれども、経産省としては今後どのような取組を行っていくのか、伺います。
  46. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) 先ほどの御質問とも関連いたしますが、中小企業にとって大変この営業秘密の保護という面も大事になってまいります。そのオンリーワン技術やノウハウを保護するということが死活問題になることも多いわけでございまして、今般、この知財の方の話とセットで、刑事訴訟手続における営業秘密を保護する措置により営業秘密の保護の強化を図るということで行ってまいります。  この不正競争防止法による保護を受けるためには、技術やノウハウが秘密管理性を満たす必要があるため、それぞれの中小企業においてその技術やノウハウを適切に管理することも必要でございます。秘密管理性、しっかり管理していないものが盗まれちゃったということがあってはいけないということでございまして、この営業秘密の要件として三つございますけれども、秘密管理性、有用性、非公知性という三要件のうちのこの秘密管理性を高めていかなければいけないということでございますので、その管理体制の整備に資するべく、経産省としては今後も、まず営業秘密の管理に関する水準を示す指針を全国で説明会を行うと。それから、もちろんパンフレットの配布や、専門家、これは具体的には弁護士、弁理士でございますが、具体的な支援を専門家から得られるような仕組みを整備する、こうしたことによって中小企業に対して周知徹底を行ってまいりたいと考えております。  以上です。
  47. 関口昌一

    関口昌一君 この両法案について今法案審議をさせていただきましたけれども、我々は賛成という立場であります。ただ、いろいろな様々な課題もあるわけでありますので、今回、一部改正ということでありますので、質問の中で指摘をさせていただいた部分についてはしっかりと取り組んでいただきたいと要望させていただきます。  私の持ち時間はまだあるのでありますけれども、ちょっと最後に、先ほど姫井委員質問大臣の答弁もありましたけれども、例のレベル七に上がった時点が三月二十三日に分かっていたというような状況でありましたけれども、私もびっくりして思わず椅子から転げ落ちるような状況だったんですけれども、これが四月十二日に発表になったということであります。事前に分かっていたということでありますけれども、私は、今国民が求めていることは、厳しい報告であっても正確な情報をしっかりと伝えていただきたいと。  さらに、私も今日ちょっとテレビを見ておりましたら、朝、学校の校庭に放射性物質がまだ蓄積しているということで、これは保安院発表だったと思いますけれども、学校を開校するにはお勧めできないというような発表をされた。お勧めできないって、じゃ現場はどうするのかというような、私は本当に耳を疑ったのでありますけれども。  この間、ちょっと、大臣所信に対する質疑、これはもう与党も野党もなくて、みんながこれは原発の問題を真剣に考えている。そうした中で、私どもも、自民党原発を推進してきた責任がありますので、これは何とかしなくちゃという思いでおりました。もう私も長く議員をやっておりますけれども、与野党が一つになって政府を追及した場面なんてなかなか見なかったんですけれども、やっぱり大臣大臣は真剣に取り組んでいただいていると思うんですけれども、まだ真剣さというか、気持ちが伝わってこないというか、よし、俺が責任を持つんだと、後は頑張れと、とにかく東電の問題もあるかと思いますけれども、毅然とした態度で取り組んでいただきたいと思う次第であります。  原発にかかわる調査は、我々は、もう十分時間を取ってくれるということで、今日は法案審議について中心に質問をさせていただきました。こうしないと委員長委員長報告できなくなりますので、しっかりさせていただきましたけれども、強く要望させていただいて、次回に譲ることとさせていただきたい。一言ありましたら。
  48. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 私、姫井委員質問に対してお答えをしましたのは、四月の十日の日曜日でございます、私が知りましたのは。三月三十日ということではございません。ですから、そこはひとつお間違いのありませんように。そして、翌日十一日に一生懸命何とかできないかなということでありますので、三月三十日ということではありません。  それから、あともう一つだけ。委員の先ほどの発言の中で、私は先輩の経産大臣を何か責任を転嫁するつもりじゃありませんで、本当に早く第三者委員会をつくっていただいたということは大変感謝をしておりますので、これは本当にそういうつもりでお名前を出したということで、第三者委員会についてお出しをしたということでありますので、これは本当に是非誤解のありませんようにお伝えしておきます。  ありがとうございました。
  49. 関口昌一

    関口昌一君 ちょっと、私勘違いしていて、大臣が知ったのは十日ということでありますが、二十三日には保安院を含めた、レベルがその数値に達していたということであります。だったら早く大臣に報告をすべきであると思うので、その辺もしっかりと連携を取って対応していただきたいと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。
  50. 松あきら

    ○松あきら君 公明党の松あきらでございます。  どうしても原発の話が出ます。私は、昨日テレビを見ておりましたら、原発内で働いてくださっている作業員の方は、昨日、二百十四人でありました。皆様御存じのように、この作業員方々は、最初はビスケット一日二回、そして毛布一枚で床に雑魚寝ということで、一週間、十日、二週間たつ。今現在は温かいものも食べられるし、畳の上で寝られるということでございましたが、大変な中で働いてくださっているその一人に昨日はインタビューをしておりました。  そうしましたら、その方が何と言ったか。怖くないですかと聞かれたら、もちろんお顔は出ていないんですよ、名前も出ていないんですけれども、私は恐れは全くないと、これはテレビだから言っているんじゃありませんと、それは自分たちはきちんと教育を受けているから恐れはないんですと。まさに一日も早く収束をさせたい、その一念で働いております、私の言葉にうそはありませんという、もう胸が熱くなりました。  政府の対応、様々な対応、今問題にもなっております。多くの方々が疑問を持っております。正確な情報開示対応、しっかりとお願いを私からも申し上げたいと思います。  それでは、質問を始めさせていただきます。  特許法を始めとする知的財産制度に関する質疑は二〇〇八年以来三年ぶりとなるわけでございます。前回の質疑におきましては、商標制度やパテントトロール対策について私は御指摘をさせていただきました。この三年間で経済産業省、どのような取組が行われて、どのような成果を上げてきたのか、確認をしたいと思っております。  三年前の審議では、日本の登録商標、特に日本地域産品や地名に関する登録商標と同一あるいは類似のもの、これが中国において第三者によって勝手に登録をされてしまって、日本企業が、また日本の国がこれら商品を販売していく妨げになっている等々、もうこれはずっと言われているところでございます。今現在は、何か中国では有名なところは駄目ですよと、でも有名じゃないところはオーケーですと、こういうことだそうでございまして、宮城や秋田、福島、群馬、千葉など十一の府県名が登録、公示をされている状況にあります。  経済産業省では、これまでも御指摘をしてまいりましたけれども、中国当局に対してどのような働きかけを行ってきたのかと。もうこれ以上の被害拡大を防止する観点から、私は中国政府に対して基準の見直しを求めるなどの働きかけが今後も当然行われるべきでありますけれども、中国に限らない。各国間で異なる基準を見直して世界共通の基準を策定する検討も、もうこれは是非進めていかなきゃいけない。そのためには日本政府が先頭に立って行動していくことが私は大事だと思っているんですよ。  二〇〇〇年にマドリッド協定議定書、これは加盟したんですけれども、これは一々商標登録しなくてもここに加盟、登録をすれば全て、これに加盟している国には一々しなくてもいいという、こういうことでありまして、このマドリッド協定というのは、ここで共通の例えば商標登録の権利侵害などがあるという、こういうものをつくっているというわけじゃないわけでありますね。  私は、日本というのは高付加価値のもの、あるいは知的財産高い、こういうもので勝負をしてきた、勝ってきたんですよ。ですから、これを守らなきゃいけない。これからの日本経済を復興していく上でも大変大事なんですね。やはりこれは具体的な対抗手段などを取らなければ私は駄目だ、政治力でやらなければ駄目だと思っているんです。  こうした対抗手段なども含め、どういうふうな大臣、御所見を持っていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  51. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 御指摘のように中国の商標権の問題というのは本当に大変大きな問題があろうかと思っております。そして、二〇〇九年の六月に我が国と中国の間で知財保護に関する大臣級の覚書を結んで、商標権を含めた知財に関する政府間協議の場を充実をしております。この二〇〇九年六月の覚書を受けまして日中知的財産権ワーキンググループをつくりました。この中で、年一回、商標権を始めとする知財に関する法的整備や執行、運用について意見交換を日中間で行っているところでございます。  そして、二〇一〇年の中国の動きでございますが、日本の都道府県名、北海道、京都、福島、千葉、石川、広島、福岡を用いた商標の申請について商標権の成立を認めなかったということがございます。同時に、既に中国国内において成立しておりました秋田や佐賀という名前のこの登録も、これは商標権を取り消したところでございます。  もちろん、中国とだけではございません。世界に向けて日本の商標権あるいは知財をしっかりと守っていかなければいけないということでございますが、ただ、中国との関係というのは、私も、まだこの職に就く前でございますけれども、この商標権の問題で随分中国の側に申入れをしたことがございましたけれども、そのとき反論をされました。どういう意見を言われたかというと、海江田さん、今の日本の元号は何ですかと、平成ですと。その平成の由来は知っていますかと。これは中国の易経の天平らかに地成るというところからですけれども、これは易経から取っているじゃないですか、こういうことをやっぱり反論をするんですね。だから、もちろんそれとこれは全然違うということをしっかりと言いましたけれども、そういう意識、感覚があるということもこれは御理解を是非いただきたいと思います。
  52. 松あきら

    ○松あきら君 そういうへ理屈にはきちんとこちらは対抗しなきゃいけませんよ。冗談じゃないですよ。ですから、強い政治力を発揮していただきたい、日本を守っていただきたい、強くお願いをいたします。時間がないので、次に参ります。  パテントトロール対策について御質問いたします。  私も当時も伺いました。そうしましたら、経産省は、イノベーションと知財政策に関する研究会で検討するというふうに言われました。このパテントトロールといいますのは、自ら研究開発あるいは製品の製造販売を行わない、また特許のライセンス契約も締結をせずに、ある日突然、大企業に対して特許権を盾に特許権侵害訴訟を起こして高額な和解金やライセンス料金を得る、こういう目的をする、これがパテントトロール。パテントというものは欧米の伝説の怪物だそうでございまして、造語でございますけれども、こういう、ほんの一部しか持っていないのに製品等でまさにこういうことを起こすんですね。  非常にアメリカなどでは大変な状況になっておりますけれども、アメリカでは、パテント政策を裏付けるような三倍賠償規定の存在、これは明確にWTO違反なんですけれども、これも実はEUではすぐにこの三倍訴訟に対抗する法律を作られまして、日本では作っていなかったんです。  私は、もうここで当時進言をいたしまして、十六年のこれは臨時国会でこれに対抗する法律を作りました。やっとこれができた。そうじゃないと、こういう三倍訴訟を吹っかけられると。和解金で結局対応するしかないということで、本当に日本企業は大変な目に遭っていたわけでございます。時間がないんです。  こういうことでありまして、このパテントトロールに対して今現在どういう対策がその後取られているのか、お伺いをしたいと思います。
  53. 岩井良行

    政府参考人岩井良行君) お答え申し上げます。  今御指摘がございましたように、先生御質問をいただいた際には、イノベーションと知財政策に関する研究会という形で勉強させていただきました。この問題は極めて重要でございますので、その翌年度も特許制度研究会というところで注視をしていたところでございます。  また、今般、法律を改正させていただくに当たりまして、産構審の場でもこの議論をさせていただきました。現時点で産構審の場でいただきました結論は、米国で生じているパテントトロール問題が我が国において直ちに顕在化する状況ではないので、現時点で特許法の規定を改正する必要はないという御意見をいただきました。  ただ、今御指摘がございましたように、この問題は極めて重要なことでございますし、また米国で我が国企業が巻き込まれるという問題もあるわけでございます。私ども、この問題の重要性に鑑みまして、引き続き必要な調査をするなど注視をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
  54. 松あきら

    ○松あきら君 日本はアメリカの十年後と言われているんですね。悪意のあるパテントトロールは起きていないということだそうでございますけれども、私は必ずこれが起きてくると。大変な状況になるのはもうアメリカを見ていて分かるわけでございますので、是非、何か日本は民法の法律で対処できるとちょっと聞いたんですけれども、それはのんきなことだと、そんなこと言っていられない、きちんとした対応を取っていただきたい、今後しっかり取っていただきたいということを申し上げて、時間ですので、きっちり終わらせていただきます。
  55. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太でございます。  経済産業省は、特許法であったり不正競争防止法に関して、私は個人的によくやっていただいているなというふうに思っております。ただ、まだまだブラッシュアップできる部分はたくさん残っていると思いますが、基本的に国内の法整備に関しては大分進んできているなという印象を持っております。  しかし、ここから大切になってくるのは、私、オペレーション面じゃないかなというふうに考えるんですね。  言うまでもありませんが、日本中小企業、中堅企業、ベンチャー企業にはこれからどんどん海外に出ていっていただきまして、稼いできていただかなくてはいけません。先ほど、関口先生のお話にもありましたが、そのオペレーション面、田嶋務官の回答にも既にございましたが、中小企業、ベンチャー企業などの特許や商標、この出願を促すためにフォローするというお話をされましたけれども、もうちょっと具体的に、どのようなフォローを考えていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。田嶋務官、よろしくお願いします。
  56. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) 先ほどとちょっと重複はすると思いますけれども、おっしゃっていただいたとおり、法律改正をしたりという、そういう制度面での対応だけでは当然不十分でございまして、私自身の意識としても、その後のフォロー、オペレーションがやっぱり肝心になってこようかというふうに思っております。  国民の税金を使って体制はつくったものの、実効的に中小企業のそういった活動が高まってこなければ、あるいは認識が高まってこなければ全く意味がないわけでございまして、先ほどの繰り返しになりますけれども、いろいろな形での、ワンストップの窓口をつくったり、あるいは電話等での専用番号の設定はもう既にされておりますが、あるいは説明をするリーフレット等を配布するという、いつもやっている三部作でございますが。そういうことは必ずやるんですが、それが形だけに終わらずに徹底して人が前垂れ精神でですね、私は御用聞きに行けと常に中小企業関係の人には言っておるんですが、事務所にいて待つなということを言っておりますので、中小企業庁あるいは産業経済局あるいは独立行政法人を含めて、ジェトロも含めて、対応はあるいは文化は大分変わってきているのではないかというふうに思っておりますが、それを引き続きしっかりと頑張っていきたいというふうに思っております。  なお、もう一つは、海外との関係では、特許審査の結果を各国間で共有するということも大切でございますので、実体的な国際制度調和を図るための特許審査ハイウェイというのがございますが、その推進など、知的財産の保護強化のための施策を推進してまいりたいというふうに考えてございます。  以上です。
  57. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございます。  これジャストアイデアなんですが、たった今思い付いたのは、例えば日本って間接金融の国じゃないですか。ですから、銀行って意外と持っているんですよね、いろいろな中小企業、中堅企業情報をですね。そういったところと連携して、タイアップしてどんどん情報を提供していただく。例えば、もちろん中身については銀行はお話しできないと思うんですけれども、こういう面白い技術を持っている会社があるよということを教えていただければ、そこにこちらサイドから、国サイドからどんどんアプローチを掛けるという形もよろしいんじゃないかなというふうに思います。  それで、是非、啓蒙活動、大変重要だと思いますので、海外に出たいという意識はあるんですけれども、どうしようかなとぼんやり考えているところがたくさんあるんですね。そういったところが、技術力とか、あと意匠デザイン、商標登録するべきものをたくさん持っていますので、是非どんどんどんどん啓蒙活動をしていただければと思います。  ちょっと引き続き済みません、時間がないものですから。  もう一つ、これ提案なんですけれども、冒認出願につながってしまっている一つ、私は特許を誰でも本当に簡単に自由に今閲覧できるということもあるんじゃないかなというふうに思っているんですね。  もちろん、これを公表しないということはできないと思うんですが、例えばレジスター制にして、自分の名前であったり会社、住所、そういったものを登録しないと見れないという形にするのも一つの案じゃないかなというふうに思っていますので、それも是非御検討いただけないかなというふうに思います。  よく開発途上国でこれ聞く話なんですが、弁護士仲間から、友達から、閲覧してしまって、インターネットで、面白そうなのがあったらもうそれをさっさと冒認出願してしまうということが繰り広げられているというふうにも聞いておりますので、是非そういったことも御検討していただければというふうに思っております。  じゃ、ちょっとそれについて、是非御検討をということで。
  58. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) 大変いい御指摘をいただいたと思います。  先ほど、中小企業に対してのこの知財への認識を高めるために、現場では三つの団体、発明者協会を含めて三つの団体ということを申し上げましたが、おっしゃるとおり、日本のようなこれまでの間接金融の強い国でございますから、当然金融機関に様々な、そのクライアントであるあるいは融資をしている相手先の会社のいろいろなことが蓄積をされているということでございますので、当然この強化を行う上では金融事業者からの更なるバックアップということが大変重要じゃないかなと今お伺いしていて思いましたので、これも至急アクションに移らせていただきたいというふうに思っております。  レジスター制に関しましては、これは今回の法改正、知財の方が公開をして守るという方であり、不正競争の方は隠すものは隠すという、違うベクトルを向いた二法案でございますけれども、今御指摘いただいたレジスター制に関しましてはちょっと私詳しく分かりませんが、研究をさせていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
  59. 松田公太

    ○松田公太君 済みません、ちょっと私の次の質問海江田大臣にお願いできればと思っております。ちょっと前回も時間がなくて、原発事故についてもう一つどうしてもお聞きしたかったことがあって、それについての質問なんですけれども。  原発事故被災者補償、これは一義的には東電が責任を持つと、これはもう当たり前のことだと思いますし、これも私も賛成なんですけれども。今、レベル七、先ほども質問がありましたが、になってしまった、そしてまた収束が全く一向に見えてこないという状況が続いておりまして、私は避難命令も更に拡大する可能性があるんじゃないか、するべきじゃないかなというふうにも思っております。  そんな中、やはりそういった方々の補償であったり、休業補償であったり全てを含めますと、相当な金額の損害賠償になるなというのがこれは見えているわけですよね。これが何兆円になるかというところだと思います。  その債務超過が見えてしまっている東電だと思うんですけれども、この東電の一時国有化ということは考えられないのかなというふうに思っていまして、是非大臣の見解を教えていただければと思います。
  60. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 松田委員は当然御存じだろうと思いますけれども、万々が一に国有化というふうなことになれば、じゃ今の株主の権利がどうなるんだろうかということで、それこそ今、東京電力というのは九十三万人株主がいらっしゃって、そして、もちろん株主の責任というのもありますけれども、ただその九十三万人の中には本当にお年寄りの方でずっと東京電力の株を持っているという、そして配当を何がしかの生活費の足しにしようというふうな方もいらっしゃるわけでありますから、私はあくまでもそういう現実、それからあるいは国債の問題、国債というか社債の問題があります。これは大変信用度の高い社債ですね、この東京電力の社債が、電力債が暴落をするようなことになりますと、当然のことながら国債に対する影響もございます。  そういうことを考えますと、やはりこれは大変厳しい賠償責任を負っているわけでありますが、まず東電にしっかりと頑張ってもらって、そしてそれを政府がしっかりと支援をするという枠組みでやるしか道はないと、そのように思っております。
  61. 松田公太

    ○松田公太君 確かに、大臣のおっしゃるように、その資産的な部分というのはしっかり考えなくてはいけない部分だと思うんですね。例えば社債市場に与える影響であったりとか、若しくはその減資を何%したらいいのかと、減資一〇〇%するべきなのかと、そういったことも含めて考えなくてはいけないと思うんですが、ただ私がなぜ今の段階で国有化をするべきかと思っているかといいますと、大きな理由が二つありまして、これは一つは責任感の問題だと思うんですよね。  どうしても私が、記者会見であったり、先日も発表の話をさせていただきましたが、そのような状況を見ていますと、何となく政府の中には東電がとか、やっぱり東電はっていう、そういうイメージがこう見え隠れしてしまっていて、すごくその責任を取ろうとしていないという状況がもう見えてしまっている。それはやはり、二つに、今、例えば責任の所在であったり、その管理であったり、そういったことがもう分かれているからじゃないかなというふうに思うんですね。  だから、どうしてももう多くの国民の命がこれはかかわっていることですから、もう国有化してしまうことによって政府がもう一元的な責任を全て負うんだと。そして、それによって組織がスリム化できると思うんですよね。それを、スリム化することによって、検討であったりアプローチ、対応がもう相当スピーディーになるんじゃないかなというふうに私思っておりまして、是非そのようなことを考えた上で、責任感ということを考えた上で国有化していただきたいと。  そして、もう一つがやはり安心感、先ほども言いましたが、債務超過に陥ることが間違いないという状況においては、被災者方々がどうやって補償してもらうんだろうという心配もありますので、それをやはり国有化することによって、もうとにかくスピーディーに、迅速に補償、賠償を国民の監視の下でしてしまうということをもって国有化を御検討いただければというふうに思っております。  済みません、ちょっと時間が来てしまいましたので、それを私の要望として、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  62. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 荒井でございます。  営業秘密についてお尋ねいたします。  日本の日産とフランスのルノー、これが共同開発したEVカー、電気自動車ですけれども、これに情報漏えい、国際産業スパイ事件というふうに発展してまいりました。こういったことを防いでいくためには日本海外との連携というのが必要だと思うんですが、どういう連携強化を考えていらっしゃいますか。
  63. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) おっしゃるように、海外との連携強化というのは大変重要なポイントであろうかと思います。  まず、政府間では、我が国と、それから相手の国との間で、例えば今御指摘のありましたルノーのフランスとの間におきましても、日仏産業協力委員会をつくりまして、ここで二国間協議をしているところでございます。それから、先ほどお話のありました中国との間でも、日中知財権ワーキンググループをつくって、それぞれ連携を強化する中からこうした知財権の保護ということに努めているところでございます。
  64. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 どうぞ、そういう連携をしていただかないと大変だと思います。  保安院長にお尋ねいたします。  原発では、今も放射性物質が毎日放出され続けていますか。端的にお願いします。
  65. 寺坂信昭

    政府参考人寺坂信昭君) お答え申し上げます。  第一原子力発電所の事故に関しましては、事態の収束に向けた努力を続けておりますけれども、放射性物質の放出を完全に食い止めるには至っていないというふうに考えてございます。発電所敷地内や海域、空間等、様々な場所でのモニタリングを行って監視をしておりまして、直近のモニタリング結果などによりますと、発電所敷地内の空間線量の測定値は、例えば微減傾向は示しておりますけれども、放出が完全に止まっているというふうには至っていないと考えてございます。
  66. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ここが問題ですよね。詳しい情報と、それに対する対策というのをワンセットで出さないと住民は困るわけです。現実情報だけでも困るんです。それは、福島県佐藤知事が、さあ、雨が降りますから皆さんどうぞという知らせをするというんですよ。かっぱを着るのか、家の中にいろというのか、その手だてまで示す、これが本当の情報じゃないか、私も全く同感なんです。まだ放射能は完全に遮断されていない、外に出ていると、こういう現状です。  それでは、これは安全委員長にお尋ねします。  総理は収束めどを東電に早く示しなさいと言ったと、こういうことですね。安全委員長は、東電総理が指示しなくても、いつごろ収束できるか、こういったことについては、安全委員長総理に補佐する立場で何らかの御検討、お考え、見通し持っているんですか。
  67. 班目春樹

    政府参考人班目春樹君) 事故を収束させるためには、荒井委員よく御存じのとおり、まずは放射性物質を外に出さないで原子炉をきちっと冷却するシステムをつくり上げることが必要でございます。このシステムがどのような姿であるかということについては、やはり電気事業者自身が提案しなきゃいけないものであり、それに基づいてスケジュール等は決まるというふうに判断してございます。そういう意味では、総理の方がまず東京電力に対してこのような指示をしたのが的確だと考えてございます。
  68. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これ、安全委員長、姫井さんの質問に対して大臣は、新しく変えたというふうに言っているんですね。保安院の場合ですよ。今までは相談してくるものを、今度はこちら側から指導するようにしたと、東電に対して、大臣そうおっしゃったんですよ。  保安院長に聞きます。安全委員長はそうおっしゃっています、来るのを待っている。それでいいんですか、安全委員長。収束するめどを立てなさいと総理は言っていますけれども、保安院長は、そういう状況は一義的には東電が言ってくることだと言うんです。そういう立場で待てますか。さっきは大臣そうおっしゃっていますよ、保安院長
  69. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) あの……
  70. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 手短に言ってください。
  71. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) はい、分かりました。  ただ、実際に作業をやるのは、これは残念ながら国ではありませんので、やはりその事業主が、事業主体がどういう段取りでこれから今の事態を一日も早く収束させようとしているか、その青写真をかいてくださいというのは、これは適切な指示だと思います。
  72. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そこで、保安院も知恵を出す、場合によっては安全委員会も知恵を出す、フランスもロシアもアメリカも知恵を出すということでしょう、保安院長。そういう意味でいうと、東電に収束せよと命令をしたのは結構だとしても、保安院あるいは安全委員会もそうなんですけど、それなりの収束の道筋というものは持っているんですかということを聞いているわけですよ。東電に聞かなきゃ分からないんですか。情報を共有していないんですか、シミュレーションに基づく様々なこれからの展開というものを考えていないんですか、それを現状にどう合わせるんですかと聞いているんです、保安院長
  73. 寺坂信昭

    政府参考人寺坂信昭君) 収束の見通しの前提となりますその現状、それからどのような対応を進めていくのかということは日々情報を共有しながら、また意見交換もしながら作業を進めているわけでございまして、形の上と言ったら言葉がよろしくないかも分かりませんけれども、まずはその収束に向かっての事業者としての東京電力がどういうふうな考え方、見通しを持っているのかと、それに併せまして、私どももいろいろな意見を出したりあるいは提供したり、そういったことでトータルといたしましてしっかりとした見通しを作るという、そういうものと考えてございます。
  74. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 では、安全委員長、そういう立場総理指導されますよね、チェックですよね、ある意味でチェックの機関ですよ。連携を十分に取っているんですか、そういう意味では。チェックという意味での連携保安院東電。安全委員長に聞きたいと思いますよ。
  75. 班目春樹

    政府参考人班目春樹君) 東京電力の対策等については、統合本部等を通じて原子力安全委員会の方でも情報を共有してございます。  原子力安全委員会としては、そこで取る対策が安全の観点から見て十分なものであるかという立場でのチェックをさせていただいているというところでございます。
  76. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 まさに国民のための安全ですよね、原発のための安全じゃないんですよ。そういう点を本当にチェックし合っているのかなと、これを私は非常に疑問に思っています。  そういう観点で、チェックしている立場で安全委員長に聞きます。これ以上悪い事態が起こらないということを、そのような状況認識をされていますか。
  77. 班目春樹

    政府参考人班目春樹君) 残念ながら事故はまだ収束しておらず、これ以上悪いことが起こらないということを断言することはできない、一〇〇%否定することはできないというふうに認識してございます。
  78. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 是非、努力してください。  そこで、大臣、この間は私もかっとしまして済みません。大臣もかっとされて、お互いに。冷静に進めたいと思うんですが、お手元にもう一回配付をさせていただきました。  今度は、大臣は、あのときも中小企業等をもうそのまま生殺しにしないために、内閣に持って帰る、そして、今は本部長ですよね、経済被害対策本部長です、全責任を負っていらっしゃいます。そして、今日の質問でも出ましたけれども、大臣は相変わらず、まず東電、その対応を見極めて国がやっていくんだと。こういうようなことをやったらもう間に合わないんですよ。まさに特許や不正競争、こういったものを論議する前に、日本の物づくりの人と、そして同時に技術と意欲が損なわれつつあるんです。融資では間に合わないんですよ。国がしっかり我々がやると、その後の、今度は、先ほどの審査委員会ができるわけでしょう、あしたからスタートですよね、原賠法に基づく。どんな賠償していくか、配を決める、待っていられないでしょう。  大臣、ここは踏み込まないと世界各国が日本売りですよ、日本離れをしますよ。国がしっかり、まず我々が率先してやるんだと言ったら株も落ち着きますよ。日本の信頼戻ってくるんですよ。まさに経済対策です。どうですか、お考え、今ずっと御議論していただいたのかどうか、そして、どういう見通しなのか、本部長として責任ある御回答をお願いします。
  79. 海江田万里

    国務大臣海江田万里君) 先日いただいた意見も議論の俎上に上げております。そして、今、この審査委員会ですね、これが名前が決まって、そして、まさに第一回の会合が開かれようとしております。それを受けて、私どもの方ではこの経済被害対応本部でございますが、これは全部の閣僚がその本部員でございますので、この閣議と前後をしまして、恐らく閣議の前になろうかと思いますが、この会合を開いて、そこでまずやっぱり大きな枠組みを決めなければいけないということでありまして、やはり国が乗り出すということになりますと、これは、財源は後から付いてくるというような御意見もありますが、やはり財源のことも念頭に置かなければいけないというのが、これが責任のある立場であろうかと思います。  財源ということになると、果たして本当に広く国民全般にその負担を求めるのか、あるいはまた別な形があるのかということも考えなければいけないわけでありまして、もちろん可及的速やかに急がなければいけないわけでございますが、やっぱりその段取りを一つ一つ踏んで、そしてはっきりとした政府の支援の体制というものをつくっていきたいと、そのように考えております。
  80. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 最後になります。  結局、今までの金融支援でも効果はあります。しかし、それにもう全く当てはまらない方々原発災害にいるんです。
  81. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 終了時間です。質疑一分でまとめてください。
  82. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そして、先ほどからのお話がありましたとおり、どうっと進んでおりますので、現状進んでいるから、その進んだ現状を見終わらないと全体像が見えないからお金はどうするんだなんというようなことをやっていたら、もう手順が全く違うということだけもう一回申し上げ、そして是非、早期にこの仮払い、買上げをしてお金を渡していただきたい、そして操業ができるようにしていただきたい、お願いして、終わります。
  83. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、特許法等の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  84. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、不正競争防止法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  85. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 柳澤光美

    委員長柳澤光美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十三分散会