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2011-03-25 第177回国会 参議院 外交防衛委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月二十五日(金曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員氏名     委員長         佐藤 公治君     理 事         榛葉賀津也君     理 事         谷岡 郁子君     理 事         岸  信夫君     理 事         佐藤 正久君     理 事         山本 香苗君                 石井  一君                 大野 元裕君                 北澤 俊美君                 徳永 久志君                 広田  一君                 舟山 康江君                 猪口 邦子君                 宇都 隆史君                 島尻安伊子君                 浜田 和幸君                 山本 一太君                 山口那津男君                 小熊 慎司君                 舛添 要一君                 山内 徳信君     ─────────────    委員異動  一月二十四日     辞任         補欠選任         舟山 康江君     小川 勝也君  三月二十三日     辞任         補欠選任         浜田 和幸君     溝手 顕正君  三月二十四日     辞任         補欠選任         溝手 顕正君     浜田 和幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 公治君     理 事                 榛葉賀津也君                 谷岡 郁子君                 岸  信夫君                 佐藤 正久君                 山本 香苗君     委 員                 石井  一君                 小川 勝也君                 大野 元裕君                 徳永 久志君                 広田  一君                 猪口 邦子君                 宇都 隆史君                 島尻安伊子君                 浜田 和幸君                 山本 一太君                 山口那津男君                 小熊 慎司君                 舛添 要一君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     松本 剛明君    副大臣        外務大臣    高橋 千秋君        防衛大臣    小川 勝也君    大臣政務官        外務大臣政務官  徳永 久志君        防衛大臣政務官  広田  一君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        内閣府政策統括        官付参事官    小滝  晃君        外務省北米局長  梅本 和義君        経済産業大臣官        房審議官     中西 宏典君        防衛大臣官房長  金澤 博範君        防衛大臣官房審        議官       鈴木 英夫君        防衛大臣官房審        議官       添田 慎二君        防衛省防衛政策        局長       高見澤將林君        防衛省人事教育        局長       徳地 秀士君        防衛省経理装備        局長       西  正典君        防衛省地方協力        局長       井上 源三君     ─────────────   本日の会議に付した案件国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十三年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、平成二十三年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、平成二十三年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国  際協力機構有償資金協力部門)     ─────────────
  2. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  去る十一日に発生した東北地方太平洋沖地震により、多くの尊い命が犠牲となりましたことは痛恨の極みであります。さらに、今なお行方が分からない方が多数おいでになり、御家族関係者のお気持ちを察しますと、同情を禁じ得ません。  本委員会といたしまして、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対し衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。  ここに、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立お願いいたします。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  4. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 委員異動について御報告いたします。  去る一月二十四日、舟山康江君が委員辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。     ─────────────
  5. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) この際、国務大臣及び副大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。松本外務大臣
  6. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 外務大臣松本剛明でございます。  就任に際しまして、御挨拶を申し上げます。  我が国及び日本国民の安全と繁栄を確保することは政府最大の責務でございます。現在我が国東北地方太平洋沖地震という未曽有危機に直面をいたしております。我が国がこの困難を乗り越え、再建に向けて力強く歩んでいくためにも、外交全力で取り組んでいく決意でございます。  我が国外交安全保障基軸である日米同盟を深化させ、近隣諸国との協力関係を推進し、北朝鮮問題など諸懸案の解決に努力いたします。中東、北アフリカ情勢を始め気候変動、核軍縮・不拡散、テロ対策途上国開発といった国際社会の諸課題にも積極的に取り組みます。国力の充実に向けた経済外交にも引き続き力を入れてまいります。  佐藤委員長始め委員各位の御支援と御協力を心からお願いを申し上げます。
  7. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 続きまして、高橋外務大臣
  8. 高橋千秋

    ○副大臣高橋千秋君) 外務大臣高橋千秋でございます。  現在我が国が直面している国家的危機の中で、松本大臣を補佐し、我が国及び日本国民の安全と繁栄を確保していくため力を尽くします。  佐藤委員長始め委員各位の御支援と御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
  9. 佐藤公治

  10. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 防衛大臣小川勝也でございます。  まず初めに、今月十一日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様そしてその御家族方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。  発災当日から現在まで、防衛省自衛隊は、その全力をもって被災者救助活動援助物資輸送、給水、給食支援原子力発電所に対する放水活動等活動に当たっております。今後被災者方々の生活を支援する活動がより一層求められてまいりますが、防衛省自衛隊として被災地復旧復興のため、関係各省都道府県等と緊密に連携しつつ、様々な活動に取り組んでまいります。  そのほか防衛行政には重要な課題が山積しておりますが、全身全霊をもって北澤大臣を補佐してまいる所存でございます。  佐藤委員長を始めとする委員各位におかれましては、御指導、御鞭撻を賜りますように心よりお願いを申し上げます。     ─────────────
  11. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、外交防衛等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  13. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官付参事官小滝晃君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  15. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 去る二十二日、予算委員会から、三月二十五日の一日間、平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  審査を委嘱されました予算について、順次政府から説明を聴取いたします。まず最初に、松本外務大臣
  16. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 平成二十三年度外務省所管予算案について概要説明申し上げます。  平成二十三年度一般会計予算案において、外務省は六千二百六十二億二千三百十五万五千円を計上しております。これを前年度と比較いたしますと、四・七%の減額となっております。  他方、ODA予算は、外務省所管分として、対前年度比〇・九%の増額の四千百六十九億八千九百四十一万九千円となっております。一般会計予算案において外務省所管ODA増額となったのは、平成十二年以来十一年ぶりです。  平成二十三年度予算案作成に当たっては、四つの予算上の重点項目を設け、めり張りを付けた上で必要な予算を計上いたしました。  第一に、新成長戦略実現のための取組です。  前原前外務大臣が推進した経済外交を私の下で更に推進してまいります。経済外交を戦略的に展開し、我が国の土台である経済強化することにより、我が国の総合的な外交力を高めてまいります。  第二に、平和安全保障上の取組であります。  経済外交を展開する上で必要な安定した地域国際環境を構築するためには、日米同盟基軸とした盤石な安全保障体制が必要不可欠です。また、米国そして近隣諸国等協力しながら国際社会が直面する様々な課題へ取り組んでまいります。特に、アフガニスタンについては引き続き、治安、再統合、開発を三本柱とした支援を着実に実施します。  第三に、グローバル化の負の側面への対応です。  我が国としては、人間の安全保障の視点に立って引き続きミレニアム開発目標の達成に向けた貢献を行ってまいります。昨年九月に菅総理MDGs国連首脳会合において表明した保健・教育分野支援、第四回アフリカ開発会議でのアフリカ向けODA倍増等の公約を確実に実施します。  第四に、海外における外交実施体制強化最適化です。  これまで述べてきた政策を効果的に実施するためには、海外における外交実施体制強化最適化が必要不可欠です。在外公館の新設や在外公館職員の再配置を含む体制整備を推進すると同時に、情報収集分析能力及び情報保全を含む外交実施体制強化します。  以上が、平成二十三年度外務省所管予算案概要でございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  17. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 続きまして、小川防衛大臣
  18. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 平成二十三年度の防衛省関係予算についてその概要を御説明申し上げます。  平成二十三年度予算については、平成二十二年十二月十七日に閣議決定された新たな防衛計画大綱中期防衛力整備計画に基づき編成される予算の初年度として、必要な経費を確保しております。具体的には、新たな防衛大綱で決定された動的防衛力を構築するため、警戒監視能力輸送力などを重点的に整備するなど、真に必要な機能に資源を選択的に集中することで、国民の御理解をいただけるよう、予算作成に努めました。  平成二十三年度の防衛省所管歳出予算額は、四兆七千七百五十一億九千七百万円で、前年度の当初予算額に比べますと百五十億九千六百万円の減となっております。  新たな継続費総額平成二十三年度潜水艦建造費で五百七十七億三千百万円、また、国庫債務負担行為限度額は、武器購入航空機購入弾薬購入及び武器車両等整備提供施設整備等で一兆七千百十六億一千八百万円となっております。  次に、平成二十三年度の防衛省関係予算において、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。  第一に、実効的な抑止及び対処です。南西方面等強化運用を重視することで、より実効的な対処が可能な防衛力を整備します。  第二に、アジア太平洋地域安全保障環境の一層の安定化です。そのために、日米同盟を深化させつつ、二国間、多国間の防衛協力交流共同訓練・演習を多層的に推進します。  第三に、グローバルな安全保障環境の改善です。国連平和維持活動等への参加、海上交通安全確保などに積極的に取り組みます。  第四に、防衛力構造改革に向けた取組です。自衛隊の一体的な運用性を高めるため、組織、編成、人員、業務、資源配分在り方等について検討を進めます。  第五に、効率化合理化への取組です。我が国をめぐる財政事情を踏まえ、装備品等集中調達などを推進します。  以上に加え、宇宙・情報通信関連事業、将来戦闘機に関する研究や防衛省開発航空機民間転用に向けた取組米軍再編への取組基地対策等の推進などの諸施策も実施してまいります。  これをもちまして、平成二十三年度の防衛省関係予算概要説明を終わります。
  19. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 以上で説明の聴取は終わりました。  この際、お諮りいたします。  外務省及び防衛省関係予算大要説明につきましては、いずれもこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  21. 岸信夫

    岸信夫君 自民党岸信夫でございます。  この度の東日本を襲いました大震災津波によりましてお亡くなりになられた方々そして被災された方々に対しまして、心より哀悼の意を表するとともにお見舞いを申し上げたいと思います。  また、震災発生以来、現地で不眠不休活動を続けていただいております自衛隊を始めとして、消防、警察、その他自治体の皆さん、多くの皆さん、中には津波から住民を救うために自らの命を逆に落とすことになった方もおられると聞いております。また、福島原発においては、まさに危険を顧みずに命懸けで放射性物質という目に見えない敵と闘っておられるわけでございます。支援の輪は今全国そして世界中に広くまた力強く広がっているわけでございます。そうした全ての方々に対しまして心から敬意と感謝を表したいと思っております。  我々は、この外交防衛委員会におきまして、国家国民の安全を守るために真剣な議論を重ねていかなければいけないと改めて心に銘じた上で、質問に入ってまいりたいと思っております。  なお、特に防衛大臣以下防衛省皆さんにおかれましては、連日連夜の震災原発対応に大変お忙しく動いていただいておられるわけでございます。かかる状況の下では、本日の委員会大臣出席かなわないということについては理解を申し上げるところでございます。何よりも災害対応を最優先にしていただきたい。  ただ一方で、副大臣政務官もお忙しい中をこうして御出席をいただいておるわけでございますけれども、このことについて感謝を申し上げたいと思います。ただ、つきましては、大臣と同様の覚悟と責任を持って御答弁をいただきたい、こういうふうに思っております。  まず、今回の外務省防衛省予算ですけれども、先ほど御説明がございました。それぞれの省の予算総額という意味ではそれぞれ減額になっているということでございます。我が国を取り巻く安全保障環境、ますます厳しくなっている中で、我が国が果たしていかなければいけない役割も大きくなっているわけですけれども、その中で予算が削られている。これは大変政府の姿勢というものも問われなければいけない部分ではないかと、こういうふうにも思っております。  今回の大震災発生以来、世界の百三十二の国や地域そして三十四の組織から支援申出があった。中には、昨年大震災で二十二万人の犠牲者を出したハイチからもこの申出があったというようなことを聞いております。中身はいろいろございましょうけれども、まさにこの大惨事を世界が我が事として考えて日本のことを案じてくれている。大変有り難いことだなと思うわけでございますし、これまで長年積み重ねてきた我が国ODA始めとして外交努力、これはそれだけにとどまらず民間レベル交流も含めてだと思いますけれども、そうした日本総合力がある意味では評価されてのことだというふうには思っておるわけです。  ODA予算については、過去ずっと削減が続いてまいりました。我々自民党が政権を取っていたときもずっと減らしてこざるを得なかった、そういうようなことでございます。かつての最大支援国であったわけですけれども、現在では第五位ということです。この順位というものもやはりもう少し何とかしていかなければいけないんじゃないかと、こういうふうにも思います。そして、国連関係機関に対する拠出額で見ればまだ第二位ということではありますけれども、二国間においてもその分相当のやはり金額というのも出していかなければいけないんではないかというふうに思います。  更に言えば、このお金の問題以上に重要なのは人の問題だというふうに思っています。国際機関への派遣人員の数です。二〇〇九年末で我が国派遣人員が七百七十一人、国連機関職員が二万八千八百三十五人、これの二・七%にすぎないわけでございます。日本のプレゼンスという意味でも大変重要だと思いますし、我が国政策実現をしていくに当たってのそれぞれの地域での説明能力とか個別の案件の遂行に関しての我が国の考えや立場を反映していく、こういう意味からも大変必要なことだと思っております。そういう意味では、飛躍的にこの数を増やしていかなければいけない、もう桁を一つ上げていかなきゃいけないというふうに思っているんですけれども、この点について、外務大臣、御所見をいただきたいと思います。
  22. 高橋千秋

    ○副大臣高橋千秋君) 岸委員から御質問いただき、ありがとうございます。  私からも、冒頭、東北大震災に見舞われた皆様にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた皆さん哀悼の意を表したいと思います。  先ほどODAの問題それから国際機関への人の問題につきまして委員から御指摘がございましたが、昨日も参議院のODA特別委員会の中でもODA予算の執行についてのいろいろな御質問がありましたが、今回御指摘のとおり百三十を超える国そして三十を超える国際機関から支援申出をいただいております。これもやはり日本が過去にODAに対して積極的に頑張ってきたその成果だろうというふうにも思いますけれども、そのODA予算とともに御指摘のあったような国際機関への日本人職員、これをどうやって増やしていくのか、大変重要なことだというふうに考えております。私もいろいろなところで会いますと、最近韓国や中国の職員が増えている実態も聞いておりますけれども、何とか我々の意見が通るようにもこの日本人職員の数を増やしていくというのは大変重要だというふうに思っております。  こういう認識の下に、国際機関に対して、単に職員というだけじゃなくて幹部レベルを含めて優秀な日本人採用をずっと働きかけておりまして、加盟国負担で自国の職員国際機関に派遣するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー派遣制度というものがございますけれども、こういうものを通じるなどして国際機関に勤務する日本人職員の増強に努めております。今後更に日本人職員採用をもっと増やすという、そういう取組強化していきたいというふうに思っております。  ちなみに、国連関係機関における専門職以上の邦人職員数は十年間で約五割増加をしております。ただ、幹部職員につきましては、その割合が横ばいというか少し減っている状況にあるのも事実でございます。
  23. 岸信夫

    岸信夫君 これは本当に国力が問われていることだと思います。在外公館の数についても他の先進国と比べるとまだまだ見劣りをしているわけですから、これもしっかり充実させていかなければいけないというところだと思っております。  ちょっと話はそれるんですけど、この外務省予算の中でいろいろ見ていましたら、いわゆる普通の要求枠と元気な日本復活特別枠と、こういう仕分がなされているんですけれども、見ていても余りよく分からないんですね。ほかの省庁は分かりませんけれども外務省のこの予算については特にそういうふうに思う。  特にODAの例えばアフガンの支援のことなんかを見ていましたら、警察物資支援が普通の要求枠で、地雷の関係が元気な日本の枠だと。これまでの継続の分と新規の分という区分けはされているようですけれども、それは今までだってある話で、どういうふうにこれ分けているのか全く分かりにくい。逆に言うと、こういうものは最初から分けなくていいんじゃないかなとさえ思うような次第です。何かコメントあればお聞きをします。
  24. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 大きな意味では、私ども要求をさせていただいた全体が必要なものであるという考え方に基づいて予算要求をさせていただいているところでありますが、政府として歳出を全般的に見直していく中で、今お話がありましたように要求要望とを分けて提出をするという形になっておりました。  要望につきましては、今御指摘があったわけでありますけれども、マニフェストに記載をしている項目であるとか成長戦略に寄与する項目など要望として提出をすることが認められる内容というものが定めておりましたので、私どもとしましても、要求枠の中で要求できるものと要望の中で要求をできるものというものを仕分をいたしまして要求をさせていただいたということでございます。  内容については多く御理解をいただいて、一定程度要望についても御理解をいただく中で、外交に必要な予算は確保できたのではないかと、このように考えているところでございます。
  25. 岸信夫

    岸信夫君 何度聞いてもよく分からないというのが正直な感想でございます。  それはともかくとして、今回の地震のことについて御質問をしたいと思っております。在日米軍関係ということです。  まさに米軍在日米軍、総力を挙げて支援をしていただいている、これは通常の日米同盟関係があったからこそ実践として生きてきている、こういうふうに思うわけですね。米軍災害発生時から、グアムからグローバルホークも飛ばして災害状況も見ている、またその情報はそれぞれ外務省防衛省にも出ている、こういうふうには了解をしているわけでございます。とにかく、そういう状況が、今、日米が緊密に動かなければいけない大切な場面に来ている、こういうふうに思っておるわけです。  一方で、ほかの国の軍隊の派遣ということでいえば、豪州、オーストラリアがC17を派遣して国内でも物資輸送をされている、また韓国からもC130で救助隊員を派遣をしてくれている、こういうことではありますけれども、一つお伺いしたいのは、外国から軍隊を受け入れると、こういう状況というのは、民間人あるいは救助隊員を受け入れるというのとはまたちょっと違うんではないかなというふうに思います。  どういう根拠に基づいて、今回、米軍の動きというのはまた違うのかもしれません、ほかの国、豪州の軍隊を一機でも受け入れて国内で活動をするというのはどういう根拠があるんでしょうか。
  26. 高橋千秋

    ○副大臣高橋千秋君) 米軍のことに関しましては、まさに岸委員よく御存じのことだろうと思いますけれども、ほかの国のところ、既に豪州等対応していただいているのは御指摘のとおりでございますけれども。  一般論として言えば、国際的な災害救援時には文民による支援が原則とされておりますが、文民では対応できないニーズが生ずる場合に、これを補完するために軍事的能力を活用されるということになっております。実際、世界各地の自然災害におきまして、我が国自衛隊も含めまして軍事的能力を活用した災害救援が行われるということも多いわけでありますけれども、その際、国際的に確立した特定の手続が存在しているというわけではございません。  なお、我が国におきまして、軍隊を含めた外国が災害救援のために活動することを妨げる特定の法的枠組みというものも存在をしておりません。主権国家としての固有の権利に基づき、我が国国内における援助活動の実施を目的として他の災害救援関係者と同様に諸外国軍隊に派遣を要請するということは可能だというふうに考えております。  ちなみに、災害救援に関するオスロ・ガイドライン関連規定というのがございまして、軍の援助隊は民の援助隊で代行できない場合に限って要請されるべきであり、軍の部隊は重大な人道的ニーズに合致する場合に限って使用されるべきだという、そういう項目もございます。
  27. 岸信夫

    岸信夫君 ありがとうございました。まあ、やたらめったら軍が来てもらってもそれは対応に困るという部分もありますけれども、一方で、こういう大規模な災害の場合、日本だけに限らずどこでも起こるかも分からない。こういう災害について一国だけで対処できないケースというのがこれからも増えてくる。そのときのためにもいろいろな、軍隊だけではなく民間組織、あるいはコーストガードも含めて援助があるかもしれません。そういうときの統合のオペレーションの形というのも必要になってくるんだろうと思います。地域安全保障ということを考えると、そういう枠組みづくりをしていくこともこれは必要なことだと思っています。  一つは、ARFで災害救援の共同対処をやってきていますね。今年はちょうどこの震災と重なってしまったわけですけれども我が国がインドネシアと共同開催、共催という予定だったと思います。二年前に、もう私も現地をフィリピンでやったときに視察をしてまいりましたけれども、ああいうような形での枠組みづくりが必要だと思っております。  ただ、そこには台湾が抜けていますね。地域をカバーするという意味ではこれは穴があってはいけないわけですし、特に安全保障、人の命が懸かっているわけです。そういった意味で、その穴のないような形でそういう枠組みをしっかり我が国がイニシアチブを取ってやっていかなきゃいけないと思っておりますけれども、この点についてどのようにお考えか、外務大臣お願いします。
  28. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 御指摘がありましたように、近隣諸国を中心として多国間の災害協力対応というのは大変重要なことであろうというふうに思っております。実際に今回も多くの外国からの支援をいただいて、支援そのものが大変有効であると同時に、国際社会から支援をいただいているということそのものが、また同時に我が国そして国民にとっても励みになっているのではないかと、このように感じているところでございます。このように救援そして支援をいただくに当たって効果的にしていくためにも、協力の体制という御指摘については私どももしっかり踏まえてまいりたいと思っております。  今委員がお話しをいただきましたARFの災害救援実動演習につきましても、今月の十四日からということで、発災三日後からのが予定をされておりまして、現地に赴きかけていたというのが正確かもしれませんが、自衛隊においては災害対応に当たるためにそちらに向かったというふうに承知をしております。  防衛省とも相談をいたしまして、共催の責任として我が国からは外務省の菊田大臣政務官を主催者ということで派遣をさせていただいて対応をしたところでありますが、先般インドネシアのマルティ外務大臣ともお話をする機会があった際にも、成功裏に行うことができたということで、またこのARFの枠組みというのも有効に活用をしていかなければいけないと、このように考えております。この演習には二十五の国、地域から四千名以上が参加をしたというふうに私どもも承知をしております。  また、十九日の日に日中韓外相会談を行わせていただきました。今回の我が国における状況の中で、かねてから予定をされたものでありましたけれども、開催につきまして私も政府の中で十分に検討をいたしましたが、大変重要な近隣諸国との三か国外相会談であるということで、実務的な部分に絞って開催をさせていただいたわけでありますけれども、この外相会談の中におきましても、今後予定をされるサミットに向けて、防災、原子力安全分野、災害協力、こういった面において具体的な成果を目指して協力をしていきたいということで一致をいたしたところでございます。  今御指摘をいただいた面も含めまして、引き続き地域的な枠組みや国連などの場を活用しながら、この分野での連携、協力が促進をされるように努力してまいりたいと考えております。
  29. 岸信夫

    岸信夫君 今回、大変な災害でございました。自衛隊の派遣体制も今十万人を超えている。大変なオペレーションであるという状況なんですけれども、そういった中で、特に現地の状況、もうまさに戦場さながらということだと思いますし、非常に隊員に対するストレスも高い状況だと思います。そういうことで、隊員に対する精神衛生面でのフォローというのも、これは欠かせないと思っておるんですけれども、一方で隊員のローテーション、こうしたものもしっかり組んでもらわなきゃいけない。全体の数からして非常に大きな数がこのオペレーションにかかわっている。  しかも、それだけやっているわけじゃないですね。当然ながら、外国にも派遣をしている、海賊対処をやっている、そして通常の、例えば尖閣の問題だってあるわけです。これだともうまさに三正面作戦、もっとかもしれませんけれども、それをやらなきゃいけない状況ということだと思っておるわけです。  特に、今回、松島で非常に大きな、松島基地、被害が出ました。F2で十八機、そのほか航空機が多数被害が出て、飛行機にとっては取り返しの付かないぐらいの損害であろうというふうに思うわけですけれども、あそこは航空教育隊ですからF2のパイロット養成ということだと思いますけれども、このままだとF2のパイロットの養成さえできないような状況だ。FXが選定にもまだ決まっていないような状況の中で、果たして今後防空体制というものがしっかり取れるのか、こうしたことも大変不安に感じているわけです。  過去のスクランブルの実績を見てみましたら、今年度の場合は十二月末までの三・四半期で二百九十回を数えていると。このままあと三か月、今月末まで足していったら四百回近くなっちゃうんじゃないかと、こういうようなことでございます。まさに冷戦後の時期ぐらいまでの数になってくるんじゃないかなというようなことだと思います。  尖閣の問題にしても、先日、香港の中国紙だったと思いますけれども、今こそ尖閣を奪いにいくべきだというような記事さえ出ていた。弱っているところが付け込みどころだと、こう言いたいのかもしれませんけれども、そういう状況が今我が国の周りに発生をしているというわけですね。  防衛予算は切り詰められています。そして、中期防、大綱も作ったばかりですけれども、こうしたことも大幅に見直していかなければいけないんじゃないかと思うんですけれども防衛省、副大臣、どういうふうにお考えですか。
  30. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 御指摘がございましたように、未曽有災害ということで大変大きなオペレーションを実施をさせていただいております。また、ハイチ、UNDOFあるいは海賊対策ということで、本当に多正面作戦を今強いられているところでもございます。そんな中で、松島基地の被害も御心配をいただいているとおりでございまして、今まさに、質問にしっかり的確に答えることはできませんけれども、様々なことを同時に考えていかなければならないということを毎日の省内の会議で確認をさせていただいておるところでございます。  先ほど御指摘をいただきましたように、隊員も大変疲れておりますし、大臣からも、毎日、隊員は大丈夫か、ローテーションとか後詰めとかしっかり配慮するようにというふうに幕僚監部にも指示をさせていただいておるところでございます。また、厳しい財政状況の中で失われた機材をどう復活させていくのかということと同時に、まさにこういう大災害の起きたときこそ防衛というのはしっかりやらなければならない時期だろうというふうに思っております。  北もそして南西も安心できる状況ではないということを鑑みながら、御指摘を受けて、しっかりと日常の任務を怠りないようにさせていただきたいというふうに考えております。
  31. 岸信夫

    岸信夫君 今副大臣おっしゃったように、こういうときだからこそということですね。  ただ、今までの民主党政権のいろいろな状況を見てみますと、そのことが本当にそうなのかなと。感じられないんですよ。防衛に対する哲学といいますか、あるいは日米関係に対する哲学といいますか、そういうものが残念ながら感じられていない、それが今の現状じゃないかなというふうに思うわけでございます。  それが、一つは防衛省予算の問題もあります。こういったことにしっかり手当てをしていくべきだと思っておりますけれども。更に言えば、より突っ込んだ防衛に対する議論を御党の中でもやっていただかなきゃいけないと思いますし、我々も同じ、これは日本を守るという立場ですから同じ立場です。しっかり議論を積み重ねていかなければいけないと思っております。  日米関係、特にこの非常に困った状況において日米同盟があるというのは本当に助かっているわけでございますけれども、一方で再編を進めなければいけないと、こういう状況もあるわけでございます。普天間をめぐるいろいろな動きございましたけれども、この再編のロードマップはまだ生きているわけですから、これに対してどのようにこれから取り組んでいかれるつもりか、すなわち、こういう災害の後も同じように進めていくのかどうか、あるいは今年、2プラス2もあると思います、そうしたことに対してどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  32. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 御指摘がございましたように、未曽有の大災害ということでございますので、まさに災害が起きる前と災害が起きた後と全く同じ対処ができるかどうかということを問われますれば、しっかりとお答えをすることはできないかもしれません。  しかし、委員と同じ思いで、私どもはロードマップの実施、着々と進めていくべき、あるいは進めていかなければならないというふうに考えているところでございます。普天間飛行場の移設問題あるいはグアムにおける様々な事業、そして空母艦載機の岩国飛行場への移駐につきましても、着実に進捗をさせていきたい、そのように考えておるところでございます。
  33. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 今既に小川大臣から御回答申し上げたところでありますが、私ども外務省としても、震災対応はもちろん最重要課題でありますが、同時に、外交につきましても、一日もゆるがせにできないという気持ちで取り組んでまいりたいと思っております。  政府としては、普天間飛行場の移設問題を含む米軍再編問題につきましては、二〇〇六年のロードマップを補完するとして再確認をした昨年五月の日米合意を着実に実施していくという方針でございます。同時に、沖縄に集中した米軍施設・区域による負担の軽減にも全力を挙げて取り組み、沖縄の皆様の御理解を得られるよう、誠心誠意努力をしてまいりたいと思っております。  なお、今お話がありました次回の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2については、現時点では開催時期は決まっておりませんで、今後適切な開催時期について米側と協議をしてまいりたいと、このように考えております。
  34. 岸信夫

    岸信夫君 だんだん時間がもう迫ってきたんですけれども、一つ今、小川大臣が言及されました岩国の問題です。私の地元でもあるんですけれども、これについても着々と進めると、こういうことであるんですけど、実態としては、愛宕山の問題、今期予算を計上しながら、もうあと僅かになっている、まだ何も進んでいない。そうしたことも、やはり現地の山口県知事を含めて防衛省に対する信頼関係というものが少し揺らいでいるんじゃないか、こういうふうに思っております。  それから、例えばFCLPの施設についても、ロードマップでは二年前の七月に本当は場所を決めているはずだった。それは私が防衛省にいた時期であったわけですけれども、その後速やかに決めると、こういうことになっているわけですけれども、もう速やかにという時期ではないわけですね。非常にその辺りが、現地の住民の皆さんにとっては、どうなるんだろうと大変不安な思いをしているわけでございます。そういったことにもしっかりまた取り組んでいただかなければいけない、こういうふうに思っております。  時間が来ましたので、以上といたします。ありがとうございました。
  35. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。  まず最初に、今回の災害犠牲になられた方々あるいは被災された方々に心から哀悼の意とそしてお見舞いを申し上げたいと思います。  また、福島県出身の議員といたしまして、今回の支援で本当に多くの方々自衛隊を始め本当に多くの方々に御支援をいただいている。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます。  今回本当にお忙しい中、大臣、副大臣政務官方々、御参加賜りありがとうございます。とりわけ、松本大臣、本当にありがとうございます。  それでは、松本大臣にお伺いいたします。  まずODAですけれどもODAの必要性、これは非常に分かります。ただし、今回未曽有災害ということで多くの国から支援をいただいています。あのアフガニスタンからももう今回義援金が来ているという状況です。そういうことを考えますと、やっぱりODAの中でも不急のものというものについては先送りする、とりわけ二十三年度予算の中で有償案件で新規のもので大型のもので先送りできるものは二十四年度に延期するとかそういうことも必要だ、私はあえてこの理解も得ることができる、その分を復興の方に回すということも可能だと思いますけれども外務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  36. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 御指摘のとおり、ただいま現在の問題として、また今後しばらくの間は東北地方太平洋沖地震の復興のため国内において相当規模の資金が必要になると、このように考えられます。したがいまして、予算そして予算の執行につきましても、政府としてどのように考えていくかということをこれからしっかりと考えていった上で、また国会にも場合によってはお諮りをしていく形になるのではないかと、このように考えているところでございます。  他方、今回の震災に対しては世界各国から我が国に対して大変温かい支援や激励が寄せられてきているということであり、これにつきましては、先ほども申し上げたように、この支援そのもの、そして支援をいただいているということの励みの意義というものも大変有り難いものがあるというふうに思っております。そして、その背景には、やはりこれまでの国際協力の積み重ねということによって培われてきた我が国に対する信頼というものも大変大きなものがあると、このように考えております。  その意味では、我が国自身、極めて甚大な震災被害を受けている状況ではありますけれどもODAを通じた国際協力の意義というものそのものはやはり引き続き大変重要なものがあるということで取組も考えていかなければいけないと、このように考えております。そのような意味で、ODAの意義とそして現在我が国が置かれた状況と今後の予算の在り方ということの兼ね合いをこれから総合的に判断される中で定められていくものと、このように考えております。
  37. 佐藤正久

    佐藤正久君 よく分からなかったんですけれども、不急のものについては今後見直す場合もあるという理解でよろしいでしょうか。
  38. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 不急のものということの定義がなかなか難しゅうございますけれども、もう既に多くの、委員御承知のとおり、ODA案件というのは、案件の形成から含めて、今年度そして来年度執行が考えられているものというのは、それまで相手国との間でも様々な積み重ねがあるものでありますので、その中でどのように考えていくかということがあろうかと思います。しかし、今お話がありましたように、私自身としても、今年度予算の執行についてもまずは必要なものからという考え方は委員の御指摘もおっしゃるとおりではないかと、このように考えております。
  39. 佐藤正久

    佐藤正久君 その中で中国に対するODA、これはやはり私は、来年度、二十三年度は中止ということでも理解が得ることができると思っています。もう首相も三月四日の予算委員会で大幅に削減するという意向を言われましたけれども、ましてや、ODAというのはやっぱり開発支援ですから、途上国支援ですから、今回日本よりもGDPが高い中国に対して行う、環境問題も自分で多分できる分野も多いと思うんですよ。今回被災地の現場を歩いたら、やはり中国に対するODAというものをやる場合、なかなか理解を得ることが難しいと私は思います。外務大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  40. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 先ほどODAの意義については申し上げましたので、繰り返しません。また、中国も私ども外交関係のある一つの外交関係としては重要な関係の一つだと、このように考えておりますので、特定の国の外交ないしはODAについて今の段階でコメントをさせていただくのが必ずしも適当かどうかということは思うところでありますが、そもそも中国のODAにつきましては世界第二位の経済大国になるということで、今後増やすということになることにはならないのではないかという趣旨の答弁を既にさせていただいているところであります。  今後、この予算の在り方ということについては、先ほど申し上げましたように、ODAにとどまらず、今年度の残りの執行はもとより、来年度の分につきましてもこの震災対応最優先ということをしっかりと果たしていきながら考えていきたいと、このように考えております。
  41. 佐藤正久

    佐藤正久君 三月四日の前原大臣あるいは菅首相の答弁よりも何か後退したような感じがいたします、今の答弁だと。あのときは大幅に削減をするということまで踏み込まれました。今の話だと、大臣の語感だと何か後退したような感じがします。本当にこれを中国に対して行うときは、やっぱり国民大臣自ら私は説明しないとなかなか通るものじゃないというふうに思います。もう一度お願いいたします。
  42. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 委員指摘のとおり、国民の税金を使って、全てODAの場合、有償の場合は必ずしも直接的にはあれですけれども、最終的にはやはり国の予算として行われるものでありますから、国民理解をいただくようにこれはしっかりと努力をした上で、また理解がいただける、納得いただける内容でなければいけないということも御指摘のとおりだと、このように考えております。
  43. 佐藤正久

    佐藤正久君 では、大臣、約束してください。中国に対するODAについては、大臣自ら国民にコメントなり説明をするということをこの場でお約束願いたいと思います。
  44. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) ODAについては個別一つ一つ全て説明を申し上げているわけではありませんけれどもODAの執行につきましては、もちろん所管である部分については私が最終的には責任を持っておりますし、またそれを国民に御理解をいただくということについても私が先頭に立って努力をしなければいけないものと、このように考えております。
  45. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、よろしくお願いします。  多くの国民は今回の未曽有災害に対して本当に支援を今求めておりますので、そういう気持ちに立ってまた対応お願いしたいというふうに思います。  また、今回の災害派遣、自衛隊方々に対しては本当に頭が下がる思いで、私も元自衛隊のOBとしてまた本当に誇りに思うところもあります。ただ、今回、原子力災害派遣というのは、この前の東海村というものに次いでの実質的二回目ということになります。自衛隊の方が頑張っているんですけれども、その際の全般の安全管理、これはどうしても原子力保安院の方の知見も必要だと思いますけれども、報道によりますと、一週間、保安院の方が現場を離れたということがあります。この事実関係について経済産業省にお伺いします。
  46. 中西宏典

    政府参考人(中西宏典君) お答えいたします。  我々は、元々原子力発電所安全確保につきまして、サイトにおいて保安院から例えば福島原子力発電所に七名、福島第二原子力発電所に六名派遣をしてございます。  実は、三月十一日に発災直後、現地の災害対策本部の方に我々の副大臣を含めて五名更に追加して現地に派遣してございます。現段階でサイトの方にトータルで経済省としては三十三名の人間が行っております。そのうち、具体的に福島第一原子力発電所の緊急対策室に二名、福島第二原子力発電所の緊急対策室に二名というふうな形での張り付けがなされてございます。
  47. 佐藤正久

    佐藤正久君 質問に答えてください。一週間いなかったということは事実ですかと。
  48. 中西宏典

    政府参考人(中西宏典君) 多分、今御指摘いただきましたのは、福島第一原子力発電所の緊急対策室というところがございます。そちらの方には、今御指摘ありましたように、一時期サイトの我々が駐在するところはちょっとオフサイトセンターとか違うところに移動しましたので、その間は電力会社の方がずっとその緊急時対応室にいたのと比べますと、我々の専門家はいていないというのは事実でございます。
  49. 佐藤正久

    佐藤正久君 オフサイトセンターからもう七名の方が福島県庁の方まで撤退していたんです。その間は誰もいなかったんです、保安院の方が。今言われたように今サイトの方に行っているのは二名ですよね。そういう状況なんですよ。本当に二名の保安院で全体の安全管理ができるかと、そういう状況で、あの経済産業大臣発言は、私は非常に現場の隊員の気持ちを逆なでするというふうに思いますけれども、本当に二名でできるのかと。  昨日の発表にありました作業員の三名の被曝、これだって安全管理の問題ですよ。それを見るのはやっぱり政府の仕事なんですよ。しっかりと気概を持って保安院の方がやっぱりそこをチェックしてあげないと、あんな水の中でつかっている。長靴履けばいいのに短靴でやっている。保安院の方、やっぱり目が足らないですよ。  二十四時間体制で本当に二名でいいのか。国民がほんの二名と聞いただけでみんなびっくりしますよ。本当に東電さんの発表のデータが正しいのかどうか、これもチェックするのもやっぱり最終的に保安院なんですよ。やっぱり二名で本当に二十四時間体制ずっと、無理だと思いますよ。多くの経済産業省が行かれているといっても、やっぱり立場立場で責任がありますから、保安院の私はサイトへの増強、これを求めたいと思いますが、そうすることがやっぱり現場で頑張っている自衛隊員や協力会社の方々の思いにも通じる、安全管理にもつながると思いますけれども、増員の意思はございませんか。
  50. 中西宏典

    政府参考人(中西宏典君) 今御指摘のように、確かにいろんな現場で自衛隊方々、放水とか注水につきましては本当にいろんな現場で第一線に行って勇敢にいろんな行動をやられておられます。そういった意味では、我々、二名という数字が本当に適切かどうかということにつきましては、今後の全体の安全確保在り方等々も踏まえて対応していきたいと思います。
  51. 佐藤正久

    佐藤正久君 誰が考えたって二名で十分というわけないですよ。普通三交代が通常でしょう。八時間、八時間、八時間。二名だと、上番、下番、上番、下番の連続ですよ。誰が考えたって不十分だし、目が計器の方を見ている方と現場の作業の方をやっぱり確認する、絶対足らないですよ。是非ともこれは大臣にお伝えしていただいて、増員という方向で考えていただきたい。  実際、現場の隊員からも、非常に不安がっていますよ、今回の被曝作業、本当に安全管理上大丈夫なのかと。保安院あるいは東電さんのことを信じて警察や消防あるいは自衛隊の方は動いているわけですから、本当にそこはしっかりとお願いしたいというふうに思います。  また、今後とも原発に対する災害派遣、これは長くなる可能性があると思います。これからは原子炉の安全化の話と周辺地域の安全化の話であります。周辺地域の家でも三十キロ圏内、二十キロ圏内、十キロ圏内、安全化しなければ避難された方々は帰ることができません。今土壌あるいは水とかのモニタリングは三十キロ圏外の方で文科省の方がされていますけれども、今後周辺地域の安全化についてこれも自衛隊の方にお願いするという可能性はございますか。経済産業省にお伺いします。
  52. 中西宏典

    政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。  現在、この原子力発電所災害に伴いまして、政府全体として原子力災害対策本部を設置いたしまして、各省極めて緊密な連携の下やっております。そういった意味で、引き続き自衛隊の御支援もいただきながら、政府全体として積極的に取り組んでいきたいと思います。
  53. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、今あったように多分これ長く自衛隊の派遣というのは続く可能性があるんですよ。でも、化学科隊員って非常に少なくて、そして私も元化学科隊員で、どちらかというと核、放射線の専門だったんですけれども、化学科隊員の中でも核、放射線は非常に少ないという状況です。  今後、原子炉の安全化は東電さんとかが中心にやるんでしょうけれども、周辺の安全化、これは生半可じゃないですよ、これは化学と違って中和できませんから。半減期が三十年のセシウムのようなのはずっと残るわけで、それはどこかに移動しなければそこは安全化できないんです。それを安全化する、多分相当なこれから体力が必要になると思います。この辺りもしっかり考えてやっていただきたい。  でも、そのときにやっぱり隊員の安全を確保するためには防護装備品というのが必要なんです。防衛大臣、今自衛隊が持っている鉛入りの核防護衣、どのぐらいお持ちでしょうか。
  54. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 残念ながら今お答えをする能力はございません。鉛入りの方が効果が高いということは承知をしておりますけれども、何着装備品として所有しているのかはお答えする能力がありません。
  55. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常に少ないんですよ。それを持っているところも非常に限定されていまして、鉛じゃないとガンマ線は当然遮断できませんから。今着ているような薄いやつは、これはちょっとした付いたちりは払うことはできたとしてもガンマ線を防護する能力はありません。  だから、そういう意味において、これを考えたら輸入をするとか、あるいは米軍の方からそういうのがあったら借りるとか、そういう措置を今からやらないと、どうしてもあの薄っぺらな防護衣というのはやっぱりみんな不安なんです。これからそういう作業が、ピンポイントでそういうのをチェックをする、モニタリングをすると考えると、そういう鉛入りの防護衣というのもこれから緊急にも調達するということが隊員の安全にもあるいは安心にもつながると思います。いかがでしょうか。
  56. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 御指摘をいただくまでもなく、今回委員が元所属をされておられました化学防護隊の果たした役割というのが大変大きいものだと思っておりますし、またどのような不安を国民に与えたかということは別にいたしまして、私たちの国の国土には多数の原子力発電施設が存在をしております。その原子力施設の数と化学防護隊員の数あるいは装備品、大変アンバランスだという認識は共通をいたしております。  また、アメリカ関係者から多数の防護服の提供もいただきましたけれども委員指摘の鉛入りの防護セットは、私ども自衛隊が所有しておりますのは、現在のところ六百六十四という非常に脆弱な数でございますので、これは委員の御指摘も踏まえまして緊急調達、輸入を含めまして検討させていただきたいと考えております。
  57. 佐藤正久

    佐藤正久君 大宮の部隊が行くときは、実際任務で行くときはやっぱり覚悟を決めて行くんですよ。なぜかというと、そういうときしか使われないんです。だから、オンリーワンの部隊であり、例えばミサイルが落ちたというときに、やっぱり一番行くのは化学部隊なんですよ。なぜかというと、弾頭が核弾頭か化学弾頭か生物なのか通常かと、これ分かるのは化学部隊しかいないんですよ。また、東海村の事故のときもそうです、あるいは地下鉄サリンのときも。そういうときは、大宮の部隊が使われるときはそういうときなんです。しかしながら、なかなかそういう装備品が少ないという現実があります。でも、これからいろんなこと考えても必要だと思います。  例えば、今回はNBC偵察車、これは持っていけていません。これは二十二年度予算で三両なんですけれども、入ってくるのは二十三年度末という状況です。二十三年度予算も、取りあえず十一両要求したのが結果的に二両。これはまとめ買いすればもっといいと思うんですけれども、そういうこと含めて、やっぱりそういう納入期間も早くするという措置も必要だと思いますけれども防衛大臣の御所見をお伺いします。
  58. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) この後政府参考人から補足をさせていただきたいと思いますけれども、実は同じ認識を持っておりまして、先ほど答弁を申し上げましたとおり、全国に原子力発電施設がございます。そして、真っ先に駆け付ける能力がある、対応する能力のある車両が著しく少ないということでございます。  また、限られた財政状況の中で国民皆様の御理解をいただいて装備品を調達をするということから鑑みますれば、今まさに委員の御指摘を受けて省内で早急に検討をさせていただいて、まさに国民の安心のために必要な装備品は、国民皆さんに御理解をいただいて正々堂々と財政当局に要求をさせていただきたいと考えているところでございます。  事務方から補足をさせていただきます。
  59. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  今回の原子力災害というのは、地震津波、それと原発という三つの災害がまさに未曽有、同時に起こったということでございますので、これまでの装備体系が前提としていたような事態ではないということは事実だというふうに思っております。したがいまして、現在我々が取っております体制は、まず現場での対応に必要なものについては、あらゆる手段を問わず、アメリカ製であれほかのフランスであれいろんなところで支援要望がありますので、それを一定の形で確認した上であらゆる形で利用していくということが一つあろうかと思います。  それから、化学防護車であれ偵察警戒車であれいろんなシステムについては、これまでの定数の考え方というのはこれまでの事態を前提にしたものでありますので、今後更にその辺も踏まえて見直して、政府全体としてどういった規模が必要かというものを考えていく必要があろうかと思っております。  それで、御指摘の偵察警戒車につきましては、今回十一両、二十三年度概算要求ではまとめ調達ということで、防衛省としてはかなり重視をしてこれを要求をさせていただいたわけでございますけれども、全体の経費枠といいますか、どうしても厳しいものの中でその優先順位をどうするかといったときに、我々としてはやむを得ず二両になったということでございますので、これは改めて今回の事態を踏まえ、補正予算といったこともあろうかと思いますし、あらゆる予算体系の中で適切な対応ができるようにしていくというのが重要ではないかというふうに思っておりまして、具体的には省内でいろいろ検討させていただきたいと思います。
  60. 佐藤正久

    佐藤正久君 今政府参考人からありましたように、今回複合事態なんですよ。今まではどちらかというと、地震津波災害とあるいは原子力災害が一緒に起きるというのはなかなか想定せずにいろんなことを組み立ててきた。ところが今、福島県の場合は複合事態で、両方の事態、地震津波と原発両方来ていると。結果的にこれからの補償も両方なんですよ。  非常に分かりにくいのは、原発の関係で退避した方々は原子力災害対策措置法、こちらの方で補償になると。でも、地震津波は今度は大規模震災対処特措法の、非常に複雑だということになります。装備もそうですけれども、やはりこの際、武力攻撃事態というものを除いて、今ある災害対策基本法とあるいは原子力災害対策特別措置法あるいは大規模震災対策特別措置法、こういうものを三つまとめて緊急災害の基本法というものを作るべきだと思います。実際に自民、公明、民主の三党でその骨子については合意もしていますから、この辺りはやっぱり基本法を作って、その下でもっといろんな役所が動きやすい、部隊が動きやすいという方向にすべきだと思いますけれども内閣府の御見解をお伺いします。
  61. 小滝晃

    政府参考人小滝晃君) 現行法の体系でございますが、御指摘ありましたように、災害対策の一般法は災害対策基本法となっておりまして、原子力災害については、平成十一年に茨城県の東海村のジェー・シー・オーの臨界事故が発生いたしまして、これを契機として災害対策基本法の特別法といたしまして平成十一年に原子力災害対策特別法が制定されております。  それで、今回の地震津波以来の事態につきましては、災害対策基本法に基づく緊急災害対策本部を設置して、地震津波対応を進めております。また、原子力発電所事故に関しましては、原子力災害対策特別措置法に基づく原子力災害対策本部を設置いたしまして対応を進めていると、こういった体制になっております。  大規模な災害対応するための法制度につきましては、委員指摘のように一つの法制度に統合すべきという御意見も見られる一方で、他方ではそれぞれの専門性を重視する立場からきめ細かく対応すべきという御意見など様々な御意見が見られるというのが現在のところの現状かと思っております。  いずれにしても、御指摘の点につきましては、まずは現在起こっている災害への対応に私ども政府関係者としては当面全力を傾注させていただきたいと、このように考えているところでございます。
  62. 佐藤正久

    佐藤正久君 運用の観点から考えますと、やっぱり基本法というものがあって、その下に今それぞれの法律があっても私はおかしくないと。実際、安全保障基本法も同じ意味で作らないといけないと。これは多分、松本大臣小川大臣も同じだと思いますけれども、そこの基本法がやっぱりないんですよね、日本安全保障についても。この災害も同じですので、多分考え方は同じだと思いますので、ここをまた一緒に政府あるいは与野党でいろいろ話をしていきたいと思います。  最後に、情勢について松本大臣にお伺いします。リビア情勢で今欧米の空爆、これについての日本の立場、これをお伺いします。
  63. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) リビアの我が国の立場でありますけれども、今リビアにつきましては、我が国を含む国際社会がカダフィ指導者を始めとするリビア当局に対しまして、リビア国民に対する暴力を即時に停止するように繰り返し求めてきたにもかかわらず、リビア当局が暴力を継続しているというふうに理解をしております。そして、これによりましてリビアの一般の市民がその攻撃の脅威にさらされていると、このように理解をしているところであり、我が国としては、そのような文民の保護を目的として今般採択をされた国連安全保障理事会決議にのっとって国連加盟国が措置をとることを支持をすると、このような立場を取っているところであります。  仮にリビアにおける暴力による国民の弾圧が容認されてしまう場合には、それが中東・北アフリカ地域における更なる国民への暴力行使の先例となってしまう危険があります。そのような事態を防ぐために国連安保理決議に基づく国際社会の連携は極めて重要であると、このように思っております。また、北アフリカで重要な地位を占め、石油も豊富なリビアが一日も早く安定化することが我が国のみならず世界の安定と平和にも大変重要であるということで、このような立場を取らせていただいているところでございます。
  64. 佐藤正久

    佐藤正久君 ただ、なかなか空爆だけでは事態が、今大臣が言われたような意図を達成する状況に至っていない。もうこれが地上戦もやむなしという声も欧米の一部に出ているという状況です。でも、なかなか地上戦に欧米が入ると、どうしても構図的にアラブ対欧米の構図になってしまう。いろんな面で影響が出てくると思います。  アラブの方にこれから今後協力を更なる、アラブ諸国にそういう軍事行動的なものを呼びかけるという考えはございませんか。
  65. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 国際社会の連携が大切だということを申し上げさせていただきました。  既に欧州そして米国などの各国に加えてアラブの諸国もこの議論に加わっているというふうに承知をしておりますし、またアフリカの関係各国もこの事態に対しましての対応に努めていただいているところでありますので、私どもとしても国際社会とは緊密に連携を取ってまいりたいと、このように考えております。
  66. 佐藤正久

    佐藤正久君 今回の中東あるいはアフリカの情勢が、自衛隊等が行っています海賊対処行動あるいはゴラン高原のPKO、これに対する影響あるいは対応、これをどのように防衛省は考えておられますか。
  67. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  現在、佐藤理事が御指摘のとおり海賊対処行動そしてまたゴラン高原の方で活動しているところでございますけれども、現時点ではこういったリビアを始めとする中東の情勢というものがそれぞれの活動について影響を与えるというふうな報告は上がってきてはおりませんけれども、しかしながら、この事態というものは刻一刻と変化をするものでございます。ですから、適切な情報というものはもちろんこちら側も収集すると同時に、隊員個々に対しても今現状がどうなっているのかというふうな正確な情報を伝えるということがこれまで以上に大事になってくるのではないかなというふうに思っております。  以上でございます。
  68. 佐藤正久

    佐藤正久君 やっぱり個々の部隊に対する支援防衛省米軍あるいはほかの国と連携しないとできないと思うんですよ。どうしても現地の方は情報は少ないです。  今回イエメンがあのような状況になってしまうと、イエメン自体の沿岸警備隊が機能しない。となると、当然海賊の監視任務ができない、海賊がもっと動きやすくなってしまう、当然影響が出るわけですよ。しかも、P3Cで飛んだときに緊急着陸の場所は基本的にイエメンですから。イエメンの空港が今の状況では使えないとなると、どうしても隊員は不安を抱えながら監視任務をP3Cも続行しないといけない、いろんなことがあります。  またシリアにおいても、御存じのとおり今デモが起きて百名以上が亡くなっているということがあると、ゴラン高原PKOの任務あるいは活動地域というものにも影響は出ますし、当然イスラエル側においてもハマスやファタハの動きの方にもエジプトの情勢も連携すると。いろんなものがありますから、この辺の情勢分析というのはやっぱり中央の方から与えてあげないとなかなか難しいので、災害対処も大変でしょうけれども、中東・アフリカ情勢、これもやっぱり予断を持って対応しないといけないということだと思いますので、外務省防衛省連携しながら情報提供の方をまた対応かたがたよろしくお願いしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  69. 宇都隆史

    宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  まず初めに、今回の災害におきましてお亡くなりになりました多くの犠牲者皆様に対するお悔やみを申し上げますとともに、被災者皆様に対するお見舞いと、そして被災地で現在も活躍している自衛隊あるいは消防・警察関係者、東電社員、ボランティアの皆様感謝を申し上げますとともに、日夜この対応に御努力されている政府関係者の皆様に関して敬意を表したいと思います。  質問の本題に入る前に一件だけ、まずは防衛省に確認をさせてください。  昨年七月二十八日、航空自衛隊入間基地の納涼祭で起こりました民主党松崎哲久議員の事実関係、これは先日やっとのことでペーパーとして明らかになったわけですけれども、それによると、ある数点に関しては言った言わないとお互いのそごはあるものの、おおむねで相違はないということで松崎議員も認めたということが明らかになりました。私は、これは隊員が頑張られた、隊員が言ったことには非がなかったんではないかと、このように考えているんですが、これに対して防衛省としてどのように対応するつもりか、小川大臣、お答えください。
  70. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  まず、今回の松崎議員の言動等に関する認識でございますけれども宇都委員御承知のとおり、入間基地の納涼祭におきまして松崎議員とその任務に就いている隊員との間でトラブルがあったところでございます。その事実関係につきましては、先ほど御紹介がございましたようにほぼ防衛省調査をしたとおりの結果になったわけでございます。  一方で、今後このようなことがないようにするためにはどうしたらいいのか、このことがむしろ大事じゃないかなというふうに思っております。よって、例えば一方通行の在り方についてももちろん見直しをしていかなければなりませんし、様々な取組を行っていかなければいけないというふうに思っております。  ただ、御指摘のとおり隊員は与えられた任務というものを整々と遂行をしたと、この点は宇都議員が御指摘されるとおりだというふうに自分たちも認識をしているところでございます。ただ一方で、隊員の方からももう二度と来てほしくないといったような趣旨の発言がありました。こういったことはやはりいかがなものかというふうなところもこれまた事実であり、私たちも遺憾に思うところでございます。  こういったところも踏まえまして、今回のトラブルといったものについて党側の方からも松崎議員の方に対して注意をしたというふうに聞いておりますので、この件はこれをもって一つの区切りを付けるべきだというふうに考えております。
  71. 宇都隆史

    宇都隆史君 この松崎哲久議員との隊員のトラブルに関しては、言った言わない、あるいは体に触れた触れないのことは私は瑣末なことだと、このように思っています。  ただ、それだけだと私は防衛省の認識は甘いと思っておりまして、これは指揮系統にない人間が越権行為をしてその隊員を動かしたと。非常に防衛組織にとっては重大なことですので、今後このようなことが起こらないようにこれは厳重に抗議をするなり、構いません、それは防衛省に任せますので、起こらないような対策を何とか取られることをお願いしたいと思います。  それでは、質問の本題に入らせていただきますが、三月十七日、北澤大臣が臨時記者会見におきまして、防衛省として福島原発の水の投下に関することについての会見を行いました。この中で防衛大臣が、地上からの放水が非常に高い濃度、これは放射線のことです、のためになかなか判断ができないという状況下で、今日は限度であるという判断をして決心をしたという発言をされました。  これは佐藤正久議員が予算委員会の中でも指摘されましたが、私もこれは国民に不安を助長するかのような非常に軽率な発言であったんではないかなというふうに考えていますが、防衛省として小川大臣、どのような認識なされていますか。
  72. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) そのような報道があったことは私も承知をいたしております。  原子力発電所、福島第一でございますけれども、御指摘のように大変危惧をされる状況が数日間続いておりました。総理も北澤大臣も様々な情報を得ながら対応を協議し、省内におきましてもヘリから水を投下するという今まで自衛隊が訓練をしてこなかった活動をせざるを得ないということで大変緊張が高まっておりました。そんな中で、総理との相談の中で、北澤大臣が一刻も早くこの放水を行うべきだ、行いたいというその思いの中で、早い段階で行うべきであるというふうに判断をしたことがそのような表現につながったものだろうというふうに考えております。  そのようなことがどの程度国民皆さんに不安を与えたかどうか、私の口から発言をするべきではないというふうに考えておりますけれども、そのような思いからあのような発言になったんだということを御理解をいただければ幸いでございます。
  73. 宇都隆史

    宇都隆史君 私は、間違いなく国民、あるいはああいう発言を聞いたメディアの人間もそうでしょう、私たちもそうですけれども、そんなひどい状態なのかというような一瞬不安に陥ったわけです。防衛大臣として、やはりされる発言、特に公式の場においてされる発言には十分注意をして発言していただきたいと思うんですが、外務省にもお伺いします。  今国内で日本に来られている外国人の方々が自国の国内からのいろいろな勧めに応じて国外に逃れるというようなことが起こっておるわけですけれども、こういう一言一言の言葉が外国に対して誤ったメッセージ、日本政府は何かを隠しているんじゃないか、このような報道も海外の報道ではなされているわけですけれども外務大臣としてこの辺りをどのようにお考えですか。
  74. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) おっしゃったように、今般の地震災害においては外国人の方々やまた大使館などがそれぞれ措置をとっておられる部分があります。  私どもといたしましては、地震発生後の十三日からは連日、外務省におきまして、在京の大使館で言わば説明会ということをさせていただいて情報提供をすると同時に、これは各省にも全部御協力をいただいて、御質問ども受けられる体制を取ってまいりました。また、外国メディアに対しましても、できる限りの情報提供を申し上げなければいけないということで進めてきたところでございます。  その上で申し上げますと、一つは、やはり当初の段階では、本当に未曽有の、しかも先ほども指摘があったように複合的な大災害であるということで、情報その他も含めてこれまでにない状況にあるということを御理解をいただくということが必要であった部分に少し認識が一致をするまでに時間が掛かったところはあるかもしれませんけれども、今は外国の方々にも認識を共有をいただけているんではないかと、このように思っておりますが、引き続き情報提供の努力には改善する努力を続けていきたいと、このように思っております。  またもう一つは、それぞれの自国民保護の対応ということでございますけれども、私どもも逆に外国にいる日本人に対しましては、その国の情勢いかんによっては何らかの行動を勧める若しくは促す若しくは強くお願いをするようなメッセージを発するというケースがあります。その際にはやはり逆に私どもにとりましては外国でありますので、危険その他を考えた場合に、リスクその他を考えた場合には早めにといった若しくは手堅くといったことを考えることもある一方で、他方でその国の判断を尊重すべき国と国の関係もあるという中で判断をさせていただいているということでありまして、今回の外国の行動につきましても最終的にはその国の御判断ということになりますが、是非的確かつ速やかな情報提供をすることによって理解をしていただくように引き続き努力をしてまいりたいと、このように考えております。
  75. 宇都隆史

    宇都隆史君 防衛大臣のこの発言についての外務大臣としての御認識ということで伺ったんですけど、よく今の答弁で分からなかったんですが、全世界日本の各級大臣の一挙手一投足に今注目しているわけです。そのときの発言というのは、今御苦労されて非常に疲れている中ではございますが、非常に外国のメディアが意識しているんだということを考えていつも以上に慎重な発言お願いしたいと、このように思っております。  さて、同じこの同記者会見の中で防衛大臣が上空のヘリからの水の投下に関してこのような発言をなさいました。総理と私の重い決断を統合幕僚長が判断していただいて、統合幕僚長自らの決心の中で今回は実施すべしと隊員に命じたと。よく分からないんですけれども防衛省に確認したいんですが、結局、誰が決心をして誰が命令を出したんですか。
  76. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) これも報道があったのを確認をさせていただいております。  総理と北澤大臣が相談をしてということが度々繰り返されておっただろうということは私も想像いたしております。そして、間違いなく任務の決断そして指示を下したのは北澤防衛大臣でございます。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、日ごろ訓練をしている任務以外のことで我が隊員がちゃんと実行できるだろうか、やっていけるだろうかということを度々幕僚監部と相談をしておりました。  そして、判断をしてくれたというのは、今まで原子力発電所上空で水を投下するという訓練はしていないけれどもやれるだろうというふうに御判断をいただいたのが統幕長であり、そしてそのコンセンサスの下、実施を指示したのが大臣である、これを防衛省の統一の見解としてお答えをさせていただきたいと思います。
  77. 宇都隆史

    宇都隆史君 実は私が質問しているのは、大臣のこの発言の言挙げを決してしようと思ってやっているわけじゃないんです。  私の認識が間違っているかどうかということでこの質問で確認をしたいんですけれども、今回の福島原発で派遣されている部隊の隊員たちは、原子力災害対策特別措置法に基づいて行っているわけですね。この十七条に基づくと、対策本部を設置して、この対策本部長は内閣総理大臣、副本部長は経済産業大臣になっているわけです。つまり、防衛大臣というのはこの指揮系統のルートには入っていないんですよね。防衛大臣は、あくまでふだんの平時においてこの防衛力というのを整備し強化するいわゆるフォースプロファイラーの役割でそこに提出をしているもの、ましてや統合幕僚長はこの指揮系統に何も入っていないわけなんですよ。  それは、私は今の認識はそれで本当に正しいのかなと。これを正確にもし報道するのであるとすれば、現場の意見を統合幕僚長から聞き、防衛大臣から意見具申をして最終的に命令を決心、判断したのは内閣総理大臣、対策本部長である、これが正しい認識なのではないですか。
  78. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) おっしゃるとおりでございます。  度々総理と防衛大臣が協議、相談をし、そして防衛省の中の判断は統幕長でも副大臣でもなく大臣だということを申し上げた次第でございまして、法律上も事実上も総理から伝達を受けた北澤大臣がそれを実施をしたということでございます。
  79. 宇都隆史

    宇都隆史君 北澤大臣が実施したという認識がおかしくないかという質問をもう一度させてください。災害対策本部に対してこの部隊をいわゆる提出をしているわけですね、防衛省としては。実際にこれを指揮、運用する権限は対策本部長にあると私は認識していて、この決心、判断、最終的な責任を取るのも対策本部長である内閣総理大臣であると、私はこういう認識なんですが、それは間違っていますか。
  80. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 委員と全く同じ認識でございます。
  81. 宇都隆史

    宇都隆史君 恐らくこれは私の推測では防衛省が混乱しているのかなと思うんですが、もしかしたら混乱はしていないかもしれません。  ただ、こういう発言を聞くと、何か指揮系統がごちゃ混ぜになっているんじゃないかなと。実際、例えば、東北四県と茨城全域において災害派遣で出動している隊員たちは統合部隊運用をしていて、東北方面総監である君塚陸将がこの指揮官として現地でやられているわけですよね。それと、別の法的な根拠で原子力は動いているわけですから、その辺の指揮の所在、これはこういう根拠に基づいて誰の指揮と、誰の権限と、誰の責任をもって動いているんだというのをはっきりやはりプレスの中にも出していただきたい。それがプレスにしっかりと出ないと、現場の隊員も、今自分は誰の命令に基づいて、どういう根拠で動いているんだろうというのが分からなくなりますから、ここのところはやはり政治、特に防衛省がしっかりと仕分をして、隊員だけではなくメディアも通じてはっきりと区分けをさせる必要がある部分だと、このように思っています。  ともすると、こういう認識、認識というか、意図はないとはもちろん思うんですけれども、例の尖閣の問題があった後ですから、政府はまた責任転嫁をするのか、結局現場に責任を負わせてというような意味に取られがちなところが私はあるんじゃないかと思っています。もちろん公式なメディアではこういうようなことは言われませんけれども、実際ITの中のツイッター、ブログ等々の中でそういうことを書き立てる論調が増えてきているわけですね。私は、今こういうような状況にあって、国として一体化しなきゃいけないのにそういう言葉が出てくるというのは非常によろしくないことだと思いますから、そういうのが出てこないようにやはりしっかりと説明責任を果たしていく。これをどうぞお願いしたいと、このように思います。  質問内容を変えまして、次に、今十万人体制の中で非常に苦労しながら災害対策に当たっているわけですけれども、私、元自衛官の人間として、約二十四万人体制の半分までいきませんけれども、多くの人員を投入していることで現在の国防体制に対して決して緩みがあってはならないなと、そこの方を危惧するものでありますけれども、今回こういう大震災対処しているさなかにもかかわらず、ロシアの軍用機が我が国の領空に接近するという事態が起きました。  報道によりますと、三月の十七日にIL20という飛行機が接近した。これはロシアの情報収集機です。そして、三月の二十一日にはスホーイの27、これは主力戦闘機です。そして、アントノフの12、これは向こうの電子戦機、つまり情報収集機です。これが接近して、我が方もこれに緊急発進を下令して対処したということが報道に述べられました。  報道の中のベースとしましては、日本の防空体制、十万人を割いている中でこの体制に緩みがないか、こういうのを確認する狙いがあったのではないかというような報道をなされておりましたけれども防衛省としての今回のロシアのこの動きに対する認識、どのようにこれを判断されていますか。
  82. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  お話のとおり、今回三月十七日にロシアの軍用機一機が、また三月二十一日にロシアの軍用機二機がそれぞれ日本海の公海上において日本の領空に接近する飛行をしたことから、航空自衛隊戦闘機を緊急発進させた、そして対応させていただいた、委員のお話のとおりでございます。  これらの事柄に対して、政府としましては、これらの飛行機といったものは公海上を航行していると、そういった意味で領空侵犯をしたものでないから政府としては抗議をしていないというふうに認識をいたしているところでございます。  ただ一方で、やはり委員の御指摘のとおり、偵察機であるとか情報収集機といったものが飛んできて、我が国領空の付近までやってきたわけでございますので、その意図、考え方、目的といったところについては注視をしていかなければいけないのは御指摘のとおりだというふうに思っております。今回こういった事柄について適切にスクランブルを掛けているところでございますから、今後とも引き続きこういった対応に遺漏なきように取り組んでいきたいというふうに思っております。
  83. 宇都隆史

    宇都隆史君 今回のこの緊急発進をした対応に鑑みまして、三月二十二日、外務大臣、記者会見を行われました。記者からのこういったことに対して抗議をしているのか、あるいは今後される考えがあるのかという質問に対して、我が国に対してお見舞いの言葉をいただき、支援をしようという申出をいただいているという各国の気持ちがまさにそういうものであるということを信じて各国とこれからお付き合いをしていく、これが外務省のスタンスだと。  今防衛省広田政務官からもありましたけれども、今まで公海上であるから特に政府としては抗議はしないんだということもあるとは思うんですが、今回のように十万人体制で自衛隊を使っていると、非常に現場も残された国防の体制、国防の方の正面を預かっている方に対しては非常にやっぱり過度のストレスが掛かっているような状況なんですね。  この件に関して、松本大臣、今でもこれに関して抗議をすべきではないと、外国の支援の気持ちを大事にすべきだと、このようにお考えですか。
  84. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 記者会見の際は、こういったことに関する確認のお話がありましたので、防衛省対応について今私から申し上げる立場にはないということを申し上げました。その上で、全体として、その前の段階でも各国の支援についての評価の話がありましたので、その流れの中で、私は今各国の支援感謝を申し上げるということを申し上げたことを繰り返して申し上げたということでございます。  その上で、先ほども広田大臣政務官からお話がありましたけれども、私どもとしましても、外国機による領空侵犯が行われる場合にはそれを排除すべくしかるべき措置をとるということが当然であります。また、そのような領空侵犯が行われないように事前にしかるべき対応をすることも当然であると考えております。自衛隊は今回の航空機の飛行について適切に対応したものだと私どもも考えております。  他方、今お話がありましたように公海上を飛行しているということも申し上げたとおりでありまして、我が国の領空を侵犯したわけではないので抗議を行うという考えは持っておりません。そのことは改めて申し上げさせていただきます。
  85. 宇都隆史

    宇都隆史君 国際法上は、公海上を飛行している、だから我が国の主権を侵害しているわけではない、そのとおりなんですね。  ただ、この緊急発進、私もまさにこの緊急発進を掛ける現場で仕事をしていた人間ですから、あのタイミングで掛けなければ、真っすぐ飛んでくれば侵犯されるんですよ。たまさか領空、たまさかではないですね、我々がそれを計算し判断して、領空に到達する前に戦闘機はそこで会合するわけなんです。その結果彼らが回っていっているかどうか、彼らの意図まではもちろん分かりませんよ。しかし、公海上を飛行しているんだから関係ないんだと、これは私は日本国の政府の意見としてはちょっといかがなものかなと。現場を預かる人間としては、我々が適切に対処したから公海上で済んだんだと、このように思うわけなんです。  それで、今までこれがあったときにどのような対応をされていたのかという経緯をお伺いしたいんですが、領空侵犯をされた場合についてはこれは防衛省から外務省に行って外務省から抗議をするんでしょうか。それがもし領空侵犯されない場合については、外務省には報告がある、通報がある、そこはどうなんでしょう。この辺のところを防衛省に確認したいと思います。
  86. 添田慎二

    政府参考人(添田慎二君) 領空侵犯でない場合につきまして、ただ、先ほどおっしゃられたようなADIZを通過したような場合において公表をする場合はございますけれども外務省に対して特に通報するということではございません。
  87. 宇都隆史

    宇都隆史君 私は、こういうときだからというのではないんですけれども、ともするとこの災害派遣に十万人出していますから、向こうの出している方だけがメディアでもあるいはいろんなところで注視されるんですけれども、出しているということは残った隊員は通常以上の体制で、同じく現場に出ている隊員と同じように不眠不休で動いて体制を組んでいるんですね。  この隊員たちが頑張って国の国防という一番正面の仕事をしてくれたことに対して、防衛省はもうもちろん整々粛々となんですが、外務省も抗議と言わないまでも何らかのアクションをやはり政府として起こすということが私は必要なのではないかと、このように個人的な意見として言わせていただきます。  さて、国益に関してということで質問させていただきますが、菅総理が、一月二十七日、参議院本会議中の中曽根議員の質問に対して、開かれた国益を追求する国を目指すと、このような答弁をいたしました。  私は、この答弁に関しまして質問主意書で、開かれた国益とは何かという質問をしましたところ、政府の方から返ってきた答弁書には、自国の利益を追求しつつ、国際社会との共生を目指して役割を果たしていくことであると、このような回答が参りました。もちろんそれは当然だなと、このようには思うんですけれども、ともすると、この国際社会においては双方の国益がぶつかるときというのが存在するのが日常茶飯事ではないかと、このように考えるわけです。  そこで、外務大臣に確認したいんですが、双方の国益がぶつかったとき、このときに我が国はどちらを優先されるのか。当たり前の質問で申し訳ないんですが、是非お聞きしたいと思います。
  88. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 私は日本国の外務大臣でございます。
  89. 宇都隆史

    宇都隆史君 実は先日の参議院予算委員会の公聴会で拓殖大学の森本教授が、非常に私、興味深い話だなと思って聞かせていただいたんですけれども、今原子力災害に対して各国が支援を申し入れて、いろんな部隊が入って応援をしてくださっている。この意図がどこにあるのかという質問をされたときに、森本教授は、あくまで自分の個人的な意見だがということで付け加えての御意見ではございましたけれども、各国は、支援したいという思いと、それと同時にこの未曽有災害から何かの情報をやはり取って帰りたいんじゃないかと。正確に言うとこういうことを言われているんですね。自分の国益になるからこそ、犠牲を払って人間を出し、支援をしてきているわけですから、そういう意味では国益とは冷厳なものであると思いますと。  森本教授というのは元々防衛省の人間で、外務省でも仕事をされた非常に国際感覚の鋭い方だと私は認識をしております。こういう方が言うこの国益の観点、非常に我々も学ぶべきところが多いんじゃないかなと思うわけですね。  各国に今支援をしていただいています。各国のこの気持ちというのは有り難いんですけど、それと国際社会におけるこの国防の前線で起きたこと、これに対して外務省対応しなければならない国家としての顔、これはやっぱりまた別物であると。その対応をしっかりすることが逆に我が国が独立国家として各国に尊敬をされる、このような状態においても日本はやはりしっかりしているなと安心感を与える、このように思うわけですけれども松本外務大臣、どのようにお考えですか。
  90. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 政府として一体となって連携をして進めさせていただいておりまして、先ほども申し上げたように、宇都委員指摘の航空機の飛行の事例に関しましても、まさに自衛隊が適切に対応していただいたことがあるというのは、お話をされたとおりだろうというふうに思います。また、先ほど外務省防衛省の連携についてお話がありました。領空侵犯の場合のような通報という形ではありませんけれども、緊密な連携の中で、どういったことが起こっているのかということは、もちろん私どももお話を承っているということは申し上げておきたいし、その辺は防衛省さんも御認識をいただいているというふうに思っております。  その上で、私も、森本先生も尊敬をする先生のお一人であり、御指摘はしっかりと受け止めたいと思いますし、国益ということの持つ重みということは十分に理解をさせていただきたいというふうに努めてまいりたいというふうに思っております。  その上で、私どもとしては、開かれた国益というのは先ほどの答弁書で申し上げたとおりでありますけれども我が国経済も含めて開かれた国際社会の中で大いに国の力を発揮をしてきたということを考えますと、開かれた国益という中で国際社会との共生が図れるような、そういう環境を整えることもまた外交の一つの目的ではないかと、このように考えて努力をしてまいりたいと思っております。
  91. 宇都隆史

    宇都隆史君 非常に今厳しいこういう中ですけれども、是非外交は、森本教授が言うようなこの冷厳な顔というのを忘れずに、我が国の初代総理大臣の名に恥じぬ外相としての対応をなさっていただきたいと、このように思います。  国際外交、非常に厳しい社会ですから。今CMの中でACの宣伝ばかり流れていますけど、ありがとうと言ってありがとうと言ってもらえませんから。ありがとうと言ったら形で示せと、ごめんなさいと言ったら謝罪しろと言われるのが、それが国際社会の常識なので、そういうところをしっかり切り分けて、友愛と倫理観だけでは国際外交渡っていけないというような、その対応を示していただきますことを国民も望んでいると思いますから、よろしくお願いいたしたいと思います。  時間も参りましたので最後の質問に移りますけれども、現時点で十万六千百名の隊員が交代要員も乏しい中で現地で頑張っておられます。昨日、三月二十四日の記者会見では、折木統合幕僚長は、隊員の活動は極限状態に近いと、このような表現をされて現場の厳しい状況を訴えられました。  それで、この十万人という体制、どのような根拠でこの十万人が決まったのかということをあえて今ここでは聞きませんけれども、今後これは長期化することがやはり予想されます。政府の上の方から十万という数字をもう設定されてしまうと、やっぱり現場はもうその十万をいかにクリアするかという、そこに縛られてしまうんですね。  ですから、私は、この災害情報がまだ乏しい中でどうしなきゃいけないかというときに十万という大規模な戦力を投入した、このことに関しては非常に評価をしております。ただ、もう二週間続いているわけですから、これを継続していくときに、じゃこれから十万体制を一体いつまでしいて、それ以降どういう縮小規模を取っていくのか、この辺の計画は練れているのか、あるいはこの十万体制、いつまでだったら継続できるのか、防衛省の見解をお伺わせください。
  92. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 重大な御指摘だろうというふうに思います。  隊員も疲弊をいたしておりますし、本来業務に当たっておる隊員も過度のストレスがあるという御指摘もそのとおりだろうというふうに思っています。  また、政府災害対策本部から自衛隊にどのようなニーズが今後もたらされるかということも併せて考えていかなければなりませんけれども、ずっとこの体制を維持していくのか、あるいは交代が必要なのか、それとも縮小していくのか、大事な課題だろうというふうに思っているところであります。また、今回の災害救援活動その他の活動は長期化することが予想されますので、自衛隊の能力を継続的に最大限に発揮していく中で、ローテーションや派遣部隊の入替えなど様々な方策について検討を進めているところでございますので、その体制が決まりますればまた報告をさせていただきたいと思います。
  93. 宇都隆史

    宇都隆史君 是非よろしくお願いします。  現場の隊員は、本当、有事になればこれ以上のストレスが掛かってくるわけですから、そこで必要以上な甘やかしをする必要はないと思います。ただ、その補償とかそういうのではなくて、彼らに対してやっぱり身分の保障をしっかりさせる、尊厳、名誉を回復させる、そういうところにまた御尽力いただければと、このように思います。  ありがとうございました。
  94. 山本香苗

    山本香苗君 東日本地震発生から二週間がたちました。改めてこの度の大地震でお亡くなりになられました方々、御遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方、避難所での生活を余儀なくされておられる多くの方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  被災地におきましては十万人を超える自衛隊方々がフル回転で活動を続けておられます。その身を挺しての活動に心より敬意を表したいと思います。  早速その自衛隊活動につきまして伺っていきたいと思いますが、今回の自衛隊の初動につきまして、軍事アナリストの小川和久さんは、自衛隊と救難、救援にかかわる消防、警察、海上保安庁は共に連携よく迅速に動いた、阪神・淡路大震災のときはこれがばらばらだったが、中越地震などを経験し、長足の進歩を遂げたと高く評価をしておられました。  被災地では、自衛隊災害派遣、これは今なお続いているわけでございますけれども防衛省として、この自衛隊の今回の初動というのをどう評価しておられますか。
  95. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 隊員にとって励みになる御指摘をありがとうございました。  私どもも、去る十一日に十四時四十六分に地震が発生をし、十四時五十分に防衛省内に災害対策本部を設置をいたしました。そして、十五時二十七分に内閣総理大臣指示が出まして、自衛隊最大限の活動をすることという指示をいただいたところでございます。  北澤大臣が官邸に行っている間、十一日の十五時三十分に第一回の災害対策本部の会議を私が主宰をさせていただきました。その後、この地震津波災害の規模が大変大きなものである、そして激烈なものであるということが分かるにつれて、迅速に派遣自衛官の規模を増やすことができました。残念ながら、佐藤理事も宇都委員もおられませんけれども、十万人の出動ということは、これ大きな組織でございますので、一朝一夕にできるわけではありません。日ごろから準備、計画、訓練がなされていて初めてその派遣ができるものと考えておりますし、今回はまさにその迅速な対応ができたものと考えておるところでございます。  一部つらい点もございました。総理から、やはり人命を救うことを中心に仕事に当たってくれということでいわゆる救難、捜索、ここに重点、力点が置かれているという事柄から、冒頭の発生からしばらくの間はまさに食料も水も十分でなかった避難民の方がたくさんおられたということ、そして、私どもも想定外ではあったという言葉は許されないわけでありますけれども、思った以上に灯油や軽油、ガソリンが不足していたということで、大変いろんな御迷惑をお掛けしたことも事実でありますけれども、今理事から御指摘がありました初動という面では、大変向後の参考になる出動ができたのではないかというふうに考えているところでございます。
  96. 山本香苗

    山本香苗君 今回の活動に対しまして一般の方々から一番数多く参りましたのが、まず、なぜ自衛隊輸送機から物資の投下ができないのかというようなことが一番多かったわけなんですが、確認の上でこれはできることになっているんですけれども、なぜ今回ほとんど行われなかったのか、理由を教えていただけますでしょうか。
  97. 添田慎二

    政府参考人(添田慎二君) お答えいたします。  できるだけきめ細かく孤立している地域や離島にまで自衛隊のヘリコプターなどで物資を届けるということは先生御指摘のとおりでございますけれども、先ほど先生からもございましたとおり、一般的には民間機から物資の投下は航空法で禁じられておりますが、自衛隊の航空機については適用除外でありまして物資投下は可能でございます。しかしながら、物資を投下しようとしますと特別なこん包をするというような必要がございまして、これに非常に手間が掛かったりあるいは積載効率が悪くなったりといったことがございますし、なおかつ、それを落としますと、物が壊れたり散乱したりということがございます。  私どもの目的は、できるだけ早くたくさんの避難民のニーズに対して届けるということでございますので、学校の校庭のような着陸できるところにはできるだけ着陸して降ろす、もし着陸できないような場合であってもひもを使って簡単なこん包で降ろすというようなことで、投下でない方法の方が効果的ではないかというふうな考えでございまして、そういう方法を採用しているところでございます。    〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
  98. 山本香苗

    山本香苗君 とにかく被災者の立場に立って、一番最善の選択の中にこれがあるという場合であればやるということですね。選択肢の中の一つとしてきちんとあるということですね。
  99. 添田慎二

    政府参考人(添田慎二君) 確かに着陸できない場合におきましては投下という方法もございますが、投下に非常に近い方法として、低く高度を下げましてネットとかにこん包したものをひもで降ろすというようなことをしていますので、投下に近い形で、いわゆる投下というのは、我々はすごくがっちりこん包したものをどすんと落とすということで言っておりますけれども、先生御指摘の投下に近い形でやっている場合がたくさんございます。
  100. 山本香苗

    山本香苗君 時と場合によってきちっとやっていただけるということでございますが。  阪神・淡路大震災のときは、先ほど来話がありましたように、一月の地震があって、そして四月の末まで災害派遣というものが続いたわけでございます。今回は、規模からしてもそれよりも大きい、ですから長期化することは予測されると。幾ら自衛隊は持久力があるといっても、交代要員を計画的に確保、投入していかなければならないと考えますが、災害派遣が長期化することを見越した具体的な計画というのはきちんと立てられているんでしょうか。また、このまま十万人規模の体制を続けていくお考えなんでしょうか。先ほどの副大臣のお答えだと災対本部の指示待ちみたいな感じがするわけなんですが、そういう状況なんでしょうか。
  101. 添田慎二

    政府参考人(添田慎二君) 先ほど小川大臣の方からも御説明申し上げたところでございますけれども、今回、死者、行方不明者も多数でございますが、避難民が依然として二十六万人もいらっしゃるということで、相当長期化するであろうということでございます。  この十万六千人体制でございますけれども、やはりかなり初期から出ている隊員は疲れております。先ほども申し上げましたのも、指示待ちということではなくて既に大臣からの必ず休ませろという御指示もあり、ただ、現場の隊員はどうしても続けたい、残りたいという隊員もございまして、これは何としても強制的にでも休ませなければいけないということで、戦力回復をどのように図るかということは既に具体的に考えておりますけれども、まだ今検討段階でございますので、副大臣からそのように申し上げたところでございます。
  102. 山本香苗

    山本香苗君 昨日の記者会見で統合幕僚長が、隊員の活動は極限に近いという、自衛隊員の疲労がピークに達していることを訴えておられましたけれども、この訴えを真摯に受け止めていただいて、政府全体で早くきちっとした具体的な対応策を取っていただきたいと思います。  とにかく今回のような極めて未曽有の大規模な災害を想定したような自衛隊災害派遣議論というのはなかったと思います。今後こうした事態も視野に入れて、人的・物的支援がどれだけ必要なのかということを真っ正面から議論をして、自衛隊の体制を見直していくことが必要なんではないかと考えます。  二十二日の予算委員会で、今おられませんけど、佐藤正久さんが自衛隊の体制見直しについて質問されたときに、防衛省として、防衛省の中でも議論していかねばならないという答弁をされておられましたけれども、昨年末に決定したばかり、閣議決定したばっかりの防衛大綱、中期防、この見直しも視野に入れたような議論を防衛省内で行おうというお考えなんでしょうか。
  103. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) 質問にお答えしたいと思います。  まず、今回の災害につきましては、先ほども申し上げましたけれども、従来想定していなかったようないわゆる複合災害でありますし、地震の規模も津波の規模もそして原発における事故という、事案ということもございましたので、そういったことを含めて今現有の勢力の中で必死に対応しているというのが一つ実態としてあろうかと思います。  一方、派遣の規模ということだけで申し上げますと、南関東の直下型の大震災の場合にも、現在規模以上の規模の対応というのが必要になるというような想定で、その中でいろいろなプランニングというのはございます。  それから、十万人以上ということで、どうしても陸上自衛隊だけで十万人というイメージでありますので、陸十四、五万の中で十万人というと非常に大きいように見えますけれども、これは海空も合わせた十万何千人ということでございまして、陸上自衛隊全体としては七万人程度というようなこともございますので、そういった意味ではぎりぎりのところでやっているということでございます。  それから、自衛隊にとってやはり一番大きいのは、我々の活動ができる場合に、民間の活動がしっかりしている、あるいは関係省庁の活動がしっかりとしている場合に自衛隊が先頭に立って行っても全体としてそういった国民の力で支えられれば大いに回っていくわけですけれども、ここは自分たちではできないからもう自衛隊お願いしたいというようなことですと、どんどん自衛隊のやる仕事が増えていって回らなくなると。今若干そういったふうな状況もありますので、そういったところは国民全体で対応していくということが必要ではないかというふうなのが現地の実情でございます。  それから、この問題が今後の大綱、中期にどういった影響を与えるかということでございますけれども、私どもとしては、被害を受けた戦闘機の問題でありますとか、あるいは全体のこれからの重点をどこに置くかというふうなことを含めまして総合的に検討した上で結論を出す必要があると思いますし、大綱、中期というのは政府全体で策定したものでございますので、我々としては、まず現在の対応全力を挙げながら対応すべきところではいろいろな教訓というようなものを整理してやっていくと。    〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕  当面は、現在の落ちてしまった戦力をどういうふうに回復するかというふうなことを早急に御検討いただくというのが先決ではないかなと。その上でいろいろ幅広い議論をしていく必要があるんだろうというふうに思っております。
  104. 山本香苗

    山本香苗君 現時点ではそういう答弁しかできないことだと思うんですけれども、副大臣大臣にもしっかりこういった形で、こういう窮状があるということをしっかり踏まえて政治決断で、政治主導と言われているわけですから、そういうことをしっかり政府部内の中でおっしゃっていただきたいと思います。  それで、今回の震災に対するトモダチ作戦と名付けられました米軍の大規模な支援体制というのは、自衛隊と緊密な調整の上で実施されていると伺っております。  二十三日の参議院予算委員会の公聴会で、先ほどお話ありましたとおりに森本公述人の方が、今回の米軍活動は阪神・淡路大震災のときとは比べ物にならないぐらい深い、質、量共に充実した大変内容のある活動と高く評価しておられました。と同時に、今後の課題といたしまして、日米間で太平洋軍と自衛隊の合同司令部を設置し、日米災害相互共助協定を締結することが必要ではないか、またアジア太平洋の多国間災害救助訓練を一層充実させるべきではないかといったことを提案されておられました。  協定がなくても今回のようにワークするというようなことも、ワークするのでいいじゃないかということあるかもしれないんですが、災害時のきちんとした枠組みというものを日米間でしっかりとつくっておくということも重要なんじゃないかと思うわけですが、副大臣の御所見をお伺いします。
  105. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 公聴会における森本先生の主張の中身というのは私も詳しくは存じ上げておりませんけれども、今理事からの御指摘がございましたように協定があった方が進むことというのもあるかもしれませんけれども、今回の米軍我が国震災に対しましての御支援というのはまさに未曽有で大変大きなものであったと考えておりますし、様々な支援がストレスなく実行いただいたのではないかというふうに考えているところでございます。  また、今回のが、大変つらいことではございますけれども、大きな教訓をもたらしてくれることも事実であろうかと思います。日本の足らざる部分で米軍関係からもっともっと御支援をいただける部分があったのではないか、あるいは様々な装備品その他の話もこれから進んでいくかと思います。  いずれにしても、今回の災害におけるいわゆる被災者皆さんの生活、暮らしの安定、それからまだ不安定な原子力発電所に対する様々な自衛隊に課せられている仕事、これをしっかりさせていただくということが今時点で一番大事であり、そして様々な反省点や様々な議論が出てきた後、また先生にも御指摘をいただいて、日米の在り方やそしてアジアにおける災害対策ということもしっかり防衛省としても考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
  106. 山本香苗

    山本香苗君 是非検証していただいた上で前向きに検討していただきたいと思います。  被災地での自衛隊活動は日々刻々と過酷を極めていると伺っております。こうした中でひたすらにこの国を、国民を守ろうと頑張っていただいております自衛隊皆さん方、本当に誇りに思います。士気高く任務を遂行していただけますよう我々としてもしっかりとバックアップをしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、松本外務大臣にお伺いしていきたいと思いますが、今回の震災に対しまして昨日までに百三十二か国・地域、三十四国際機関から支援申出があったと伺っております。そして、この有り難い申出については一度も断ってないと外務省から伺いました。松本大臣は今回の震災におけます外国からの支援の受入れ体制をどう評価されていますか。
  107. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) まさに、先ほども申し上げましたけれども、外国からの支援そのものが大変有り難いものであると同時に、やはり多くの外国からの支援を受け入れることがまた国民皆さんにも励みになるのではないかと、そういう思いで外国からの支援は受け入れると、そういう方針で臨んでまいりたいというふうに当初から進めてまいりました。  その上で、先ほどODAの際も議論がありましたが、非常に有り難いことに、これまでの日本の国際協力であるとか貢献にこたえるべく是非とも日本支援をしようではないかということで各国からお声をいただき、その支援についても早く実行したいと、こういうお声もたくさんいただいたところでございます。  私どもとしても、支援については受け入れるということでお話を進めさせていただいているわけでありますけれども、実際にどこにどうやって受入れをさせていただいて、また受け入れたものをどこへどうやって届けていくかといったようなことについては調整が必要になってまいりますものですから、この支援の受入れの調整ということは体制をしっかりつくっていかなければいけないということでスタートをいたしました。  まずは、外務省の方にすぐ緊急対策本部をつくりまして、外務省の方で支援受入れもしっかり担当を決めまして受入れの窓口をさせていただいて、関係の各省との調整に当たらせていただいたところでございますが、現在は被災者生活支援の特別な対策本部というのを政府において設けておりまして、そこに海外からの支援受入れの総合調整もできるような体制を整え、実際には外務省からもそちらの方に人を出しまして、そこでしっかりと調整をして、できる限り速やかに受け入れて有効に活用させていただくという体制を考えているところでございます。
  108. 山本香苗

    山本香苗君 具体的な名前は、国名は出しませんけれども、我が党には物資を提供したいという申出をしたけれども返事がないとかといった声も寄せられました。また、ある国では、原発対応で忙しいから要らないと言われたというようなことが現地の新聞で報道されておりました。  今日の産経新聞においては、「「日本に恩返し」の思いが宙に」という見出しで、日本側の支援受入れ体制の不備で我が国に対する諸外国からの善意と支援が行き場を失っていることが報道されています。二十三日までの受入れ実績というものも、申し訳ないですが、申出に比べてやっぱりまだまだ少ない感が否めません。  海外からの支援受入れについては防災基本計画に基づいてあらかじめ定めておくこととされて、平成十年一月二十日に海外からの支援受入れについて関係省庁連絡会議申合せというものがなされています。今回これに基づいてやっていますということだったので拝見させていただきました。はっきり言って、海外からの支援受入れについて言及してあるという程度のもので、いざというときに動くようなものではありません。  日本に恩返しをしたいという海外からの善意と支援をできる限り速やかに受け入れていただくために、今体制をちょっと変えたというお話でありましたけれども、是非とも急ピッチでやっていただけますようよろしくお願いしたいと思いますが、大臣、どうでしょうか。
  109. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 私どもも、一部の報道で、例えば支援について私どもが規格を指定したとかいう報道があったり、手続が大変時間が掛かるということで事実上申出を断るような趣旨の発言をしたというようなことがございますけれども、実際に受け入れているものを御覧をいただきましたら、そのような規格を指定をしたということも一切ありませんし、また様々な援助隊などの、また物資などの手続については、こういった緊急時でありますから特別な対応ができるように関係省庁とも調整をして対応してきているところでございますので、是非御理解をいただきたいと思います。  また、その前に、今お話がありましたように、もしどこかの国でお話があって私どもがお返事を申し上げてないということがありましたら、また是非私どもにお知らせをいただきましたら、万一コミュニケーションの不足でそういった具体的なお申出と一般的なお申出がうまく私ども理解が足らないところがもしあったとしましたら早急にまた修正をさせていただきたいと思っておりますので、そういった点は担当の部署、若しくはそこが万一また何かございましたら遠慮なく私の方へおっしゃっていただけたらと思っております。  その上で、結果としてお話がありましたように多数のお申出を今現在受け入れ切れてない部分があるという御指摘については、私どもも謙虚に受け止めてまいりたいと思いますし、災害につきましてどういうあらかじめの準備が必要なのかということの御指摘についても改めてしっかり受け止めさせていただきたい。ただいまのところは今の対応を必死に行うということでございますけれども、そのような御指摘をいただいたことは私もしっかり刻んでおきたいと、このように思っております。
  110. 山本香苗

    山本香苗君 外務省だけでできる話ではないんです。ですけれども外務省が受け入れるまず窓口になるわけですから、他省庁にお願いしたで終わるんじゃなくて、最後きちんと受け入れるところまで面倒見ると、責任持ってやるという姿勢で臨んでいただきたいと思います。  時間が大分迫ってまいりましたが、先ほど宇都議員からも御指摘のありました二十二日の松本大臣の記者会見での御発言ですね。いわゆるロシア空軍の方が、戦闘機と電子戦機が領空に接近したことに対して抗議しないのかという記者の問いかけに対して、そういう報道があったことは承知しているとしながらも、私としては、各国とも、我が国に対してお見舞いの言葉をいただき、支援をしようという申出をいただいているという各国の気持ちがまさにそういうものであるということを信じて各国とこれからお付き合いしていくのが今の私どもの立場ですとお答えになっていた。  この大臣発言は、ロシアが今回の震災で救済チームの派遣や物資提供を行っているということを念頭に置いた発言だったんですか。
  111. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) ロシアを含めていただいている支援には常に感謝の気持ちを持って、またそのことにこたえられる外交をしていきたいという気持ちを申し上げたつもりであります。  他方、先ほど宇都委員にもお答えをさせていただきましたけれども我が国の領空が侵犯をされた場合、若しくは領空に接近をしてきた場合に領空を侵犯されることがないように事前に対処をするということは国として当然のことでありまして、これはしっかりまた行わなければいけない。今回自衛隊は適切に対応していただいたものと考えています。そういう意味でロシアの支援とロシア機の日本海における飛行の件というのは全くの別問題だというふうに考えております。もしそのことがこの記者会見の中で正確に伝わっていないという御指摘であるとすれば、改めてそのように申し上げたいと、このように思っております。  その上で私自身は、是非やはり外柔内剛というような言葉も思いながらこれからの対応もしていきたいと思っております。
  112. 山本香苗

    山本香苗君 いろいろ支援してくれたから多少領空に接近したとしても不問に付すというようなことは絶対あっちゃいけないことですので、そう取られかねないような発言だと思って、記者会見の外務省のホームページに載っているのを見てどういうことなんだろうと思ったわけなんです。  外交のトップとして、支援してくれたことには感謝しつつも、もう一方で先方の意図がどういうことにあるのかと常に頭に置いて行動していただきたいということをお願い申し上げまして、あとちょっとの時間、先ほど来の経協の話をしたいんですが、円借款先送りのことについては昨日のODA特別委員会高橋大臣の方から緊急性の高いもの、人道上大変必要なものについては先送りをせずに粛々とやっていくということでございますが、緊急性のないものについては今回先送りをさせていただいたと一部の先送りを認めた御答弁をされたわけです。今回先送りをすることを指示した理由は何ですか。
  113. 高橋千秋

    ○副大臣高橋千秋君) 昨日のODA特別委員会でそのような答弁をさせていただきました。  先ほど佐藤委員の方からは不要不急のものはやるべきではないというようなお話もございましたけれども、三月中に閣議決定を予定をしておりました中で、特にそれはスリランカの案件でございましたけれども、それは相手国との関係もありやらなければならないということでそれは閣議決定をさせていただきましたけれども、他のものについてはこういう緊急事態の中で今それに時間を割くべきではないといういろいろな配慮もありまして、それは先送りをさせていただいたということでございますし、その予算の使い方等について、これは政府全体で決めるということになってくると思うんですけれども、先ほど佐藤委員からの意見のような話もあり、今後どういう形になっていくか分かりませんけれども、そう急がないものにつきましては先送りをさせていただいたという答弁を昨日させていただきました。
  114. 山本香苗

    山本香苗君 事実を聞いているわけじゃなくて理由を聞いていたわけなんですが、もう時間がありませんので、今回先送りするのは円借款だけですか。
  115. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 有償無償共にでございます。  今、高橋大臣の方からお答えをさせていただいたように、本件に対しましても様々なお声がございます。国際協力はこういうときでも推進をすべきだというお声もいただきますし、やはり緊急時であるだけによく考えるべきだというお声もいただくところでございまして、国民を代表するこの委員会における皆様のお声そして我々に直接寄せられる声も踏まえながらいろいろと熟慮をした結果、外務省として今回のODAの有償無償の実施につきましては緊急性の高いものをまずは実施をするということで決定をさせていただいたところでございます。
  116. 山本香苗

    山本香苗君 未曽有大震災で各国から支援を受けている事態で外国に支援している場合かという声があるのも事実だと思うんですけれども、先送りした今回の案件というのは既にもう約束している案件でこの三月末までにいわゆる交換公文に署名するだけだったわけで、別に来年度の話をしているわけじゃないんですね。幾ら大変だといってもこちらの一方的な都合で先送りをした上にいつやるかどうか分からない、そこをはっきりしていないわけなんです。これは本当にこんな対応でいいんでしょうか。  我が国は約束を確実に守る国として国際社会の高い評価と信頼の基盤を築いてきた、これは外務省が常に言ってきた言葉でございますけれども、だからこそ今まさに国際社会から、もう本当に最貧国と言われるようなところからでも支援申出が相次いでいるんだと思います。  外務省から相手国にこちらの事情を丁寧に説明していますということは伺いました。でも、それだけじゃなくて、相手国に対して、これはあくまで一時的な措置です、確実に約束守ります、来年度ちゃんとやりますからと、そういうことをしっかりとそういう誠実な姿勢を示していただきたいんですが、大臣、どうでしょうか。
  117. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 今日、今のところは、大変御指摘はそのとおりだと私も思っているということは申し上げられると思いますけれども、まさに今おっしゃったように、未曽有の事態が発生をした中で、これまで日本は約束を守ってきたからこそ信頼があるんだと、こういうお話でありましたけれども、今回の対応を御説明をさせていただいた上で、その発言そのものにもまた責任を持った形で対応したいと思っております。  そういう意味では、今現在はまさに目前の震災対応をしておるわけでありますが、今後、復旧復興そしてそれに伴う莫大な資金そして政府対応、そういったものを総合的に勘案する中で政府としてもこのODAを含む政策をどのように実行していくかということを定めていかなければいけません。  私は、その際にはしっかりこれまでの日本政府が培ってきた信頼の意義そして国際協力の意義というのも申し上げてまいりたいと思っておりますが、その上で諸外国にもしっかりとまた今後の対応について御説明を申し上げ、日本の信頼を引き続き確保することができるように対応に努めてまいりたいと思っております。
  118. 山本香苗

    山本香苗君 今の御答弁に必ずしも納得してはおりませんが、震災対応にはしっかり我々野党といえども全面的に協力させていただきますので、頑張っていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。
  119. 小熊慎司

    小熊慎司君 この度の災害に遭われた方々に深くお見舞いを申し上げます。  この言葉も何回言ってきたか分かりませんし、私も福島県ということでありまして、早々に委員長始め委員皆様からは温かいお見舞いの言葉をいただきましたことをこの場をお借りしまして御礼申し上げます。ありがとうございます。  また、本来であれば新しい外務大臣に対しましてはお祝いの言葉を申し上げるところでありますが、こういう事態でありますので特段の言葉は控えさせていただきまして、質問に移らさせていただきます。  昨日、私もODAの特別委員会委員でございます。ほぼ発言に立った委員全てがこういう事態になったとしてもODA継続性ということを強く訴えてきました。これはこれまで日本が積み上げてきたこの努力というものをこの未曽有災害においてでもやはり断ち切ってはいけないという、その重要性というものをみんなが認識しているからだというふうに思っております。  さりながら、この国難に当たって、やはりこれは通常の延長線上では対応し切れない部分がこれから出てくるということであります。そういった意味においては、今後のODAの在り方、これはしっかりと継続していくということではありますが、今まで以上に戦略的に効果的に、これは金額の云々ではなくて、しっかりとそういう対応をしていかなければならないというふうに思いますが、そうした新たな視点でのこの取組についてお伺いをいたします。
  120. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) これまでの本委員会そして昨日のODA委員会で申し上げたところの繰り返しはできるだけ避けてまいりたいと、このように考えて御答弁を申し上げていきたいと思っておりますが、ODAを始めとする我が国の国際貢献への取組というのが、まさに今おっしゃったように、大きな信頼につながっているということは私どももしっかり考えてまいりたいと思っております。  同時に、戦略的な取組を行っていくために、これまでも、昨日の御議論でもいただきましたけれども、プログラムアプローチなども含めて、案件、方法もさることながら、本当に効果が上がっていくためにはどういう形が望ましいのかといったようなこと、同時にいろんな形で日本の人も含むソフトパワーのような形でのODAというものもしっかり進めていく必要があるだろうと、こんなふうに思っております。昨今は途上国開発においては民間企業やNGO等の役割も大変大きくなってきているわけでありまして、これから官民の連携ということもしっかり進めてまいりたいと思っております。  お金の問題だけではないという話でありました。今後のODA予算の在り方というのはもう先ほども繰り返しお話をさせていただきましたので、ここでは繰り返しは避けてまいりたいと、このように思っておりますが、あわせて、やはりODAについてまさに今もいろいろな御議論がこの委員会でも行われましたところでありますけれども、広く国民皆様に御理解をいただけるようにODAについては特に公開をするということをこれまで以上に進めていきたいと、このように考えておりまして、先般もODAの見える化ということで、あらゆる案件状況を御理解をいただくようなホームページの作成などにも努力をしているところでございます。  委員におかれましては、意義等を御理解をいただき、お話をいただいたものと理解をしておりますが、私どもとしてもしっかりそれを受け止めて努力をしてまいりたいと思っております。
  121. 小熊慎司

    小熊慎司君 今大臣おっしゃったとおり、NGOとか民間企業といったものの連携というのをより強くしていかなければならないと思いますし、あと、過日、緒方理事長、JICAの方の理事長とお話ししたときにも、今まで援助されていた国が経済的に良くなってきて逆に援助する側に回ってくるという意味において、そういう意味では、この日本の培ってきたノウハウを生かしながらそういった国のリーダーとして一緒にやっていくということが必要だと思います。  今回私もほぼ被災地をずっといましたが、いろんな善意が集まるんですけれども、結局二重になっていたり統制が取れていないということを見たときに、これは海外援助も同じだなと。各国がみんな善意を持って行っているんだけれども、二重になっていたりいろいろ統制が取れなくて効果が上がらないという点もありますので、これは何か国かと連携していろんなプロジェクトをやっていくと。特にこの東アジア地域においてはリーダーシップを日本が発揮していくという、そういう視点も必要だというふうに提案をさせていただきます。  もう一個の提案は、今後日本の復興に向けてこれからいろんなことを取り組んでいくわけでありますけれども、まさに世界の貧困や戦乱で苦しんでいる国々が日本に逆に来ていただいて、日本がどのように復興していくかということを現場で見ていただく、手伝っていただくことによってそのノウハウ、そういったものを得ていくということも、逆に海外に行っての援助ではなくてこの日本の努力を見せることによってその国に対する資する部分もあると思います。  この二点、提案をさせていただきますが、御見解だけでもお伺いしたいと思います。
  122. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 一つは、東アジアにおいて、また広い意味では恐らく世界においてリーダーにというようなお話だったと思います。これまでも我が国は、開発については様々な国際的な場面でも開発をテーマにすることを主導して申し上げてきたつもりでありますけれども、今改めて御提案をいただいたように、そういう認識を持って、また意識を持って取り組むということが必要だという御指摘を受け止めてまいりたいと思っております。  おっしゃったように、私自身も兵庫県の出身で阪神・淡路大震災のときの現場も何度も訪れたわけでありますが、まさにコーディネートというのが効果を上げるために非常に重要だということは御指摘のとおりだというふうに思っております。  また、もう一つの御提案であります、震災発災をする前から、私どもはやはり一つ大きなテーマとして人と人との交流ということで、我が国の人が外国へ行って学ぶ、交流をするということ、他方で外国の方々我が国に来ていただいて学ぶ、交流をするということ、この両面を深めていくことが理解をいただくことにもなるし、また我が国の進んだところを広く世界に活用していただくことにもなると、こういう認識を持っておりました。  今おっしゃったように今回の防災若しくは復旧復興の場面でというようなお話をいただいたことも確認をさせていただいて、私どもとしても今お話をいただいたことをこれからどういうふうに生かしていくことができるか考えてみたいと、このように思っております。
  123. 小熊慎司

    小熊慎司君 次に移りますが、今国際的な気候変動を含む様々グローバルな環境問題、取り組んでいるんですが、今までクリーンエネルギーと言っていた原子力の問題、私の地元で発生をして広範囲に今影響を及ぼしているわけであります。私も福島県会議員を経験した中では、原発容認、推進、プルサーマル容認という立場で活動してきたことが、その善しあしというのは今は何も自分の中で答えを見出せないでいる、非常に大きな十字架を背負ってしまったというふうに認識をしております。  こうした各国の中でも世界的にも原子力の建設ラッシュが進んでいた中で、今回のこの災害においての大きな衝撃が世界の流れも変えていくというふうに思います。今回の原発災害を受けて、これまでの環境問題の取組国際社会の中においてのこの取組がどのように変わっていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  124. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 今回の原子力発電所の件というのは、今お話がありましたように大変重く大きく受け止めなければいけない事案だと、このように考えております。  と同時に、私自身は、先般の委員会でもお答えをさせていただいたのでありますけれども、原子力というエネルギーは人類が得たやはり非常に貴重なかつ重要なエネルギーであるというふうに考えております。結果として今回のような事態になった以上、課題があるというふうに考えて取り組まなければいけないと思っておりますが、国際的な枠組みでの協力も得ながら原子力安全の分野というものを一層強化をしていくということは今後の一つの大きなテーマになってきたと、このように考えております。  気候変動について今お話があったわけでありますし、また気候変動と原子力政策ということのお話があったというふうに理解をいたしましたけれども、まずその意味では原子力安全についてのしっかりとした対応というのが早急な課題として我々としても取り組んでいかなければいけないと思っております。  気候変動の私どもの立場については、これも大変重要な、地球規模のグローバルな課題ということで是非主導的な役割が果たせるようにこれまでも努めてきたところでありますけれども、現段階では、昨年のカンクン合意、これを発展させた一つの新しい包括的な法的な文書の速やかな採択という目標に向かって交渉の進展に尽力していくという立場を引き続き維持をして努力をしている途上であるというふうに御報告を申し上げたいと思います。
  125. 小熊慎司

    小熊慎司君 私の言いたかったことは、今まで環境分野においても国際的にリーダーシップを発揮していた日本ではありますが、今回のこの災害を受けて少しやはりその方向性の見直し強化というものをしなきゃいけないという指摘をさせていただいたところでありますので、しっかりとそこを外務大臣として受け止めて、国際的なリーダーシップがこの分野においても発揮できるようにしっかりと政府の中で整理をして対応していただきたいというふうにお願いを申し上げるところであります。  また、今ほど、地震津波そして原発災害というふうに言いましたが、昨日の委員会でも私言いましたけれども、福島県またそれを取り巻く隣県においても様々な風評被害に遭っています。私の地元のいわき市の市長は風評災害というふうにも言っておりました。  また、ここに二次的に、間接的に今後は経済災害というものが起きてきます。本当に複合的な未曽有災害、そのマイナス要因というのはますます日々追うごとに出てくるところでありますし、また今日聞いたところによれば、全然この東北関係ない地区の農産物も輸出が拒否をされたというところも聞いておるところでありますし、今ほど山本委員の方からもあった海外救助隊も、福島県、私見たことないんですよ、来ているのを。ずっと岩手まで見てきましたけれども、石巻にもイギリスの部隊が来て様々な捜索をされていた活動を見てきましたし、大船渡市においては延べ二百二十五名が活躍されている。中国、アメリカ、イギリスというのも市役所でお聞きしてきましたが、福島県はいないんです。国際救助隊、入っているのを私見たことないんですね。  まして、災害対策本部が各市にもありますけれども、大船渡市にも国交省の人間が入ったりしていましたが、その会議は、まあ自衛隊の方は入っていただいていますよ、だけど省庁関係の方はいませんし、先ほどの保安院の方も、福島県庁にはいるけど、出先にはいるけど、その市関係には特段入ってきていないという状況でもあります。これは、過日大臣が言ったとおりその国ごとのその何キロというラインがありますから、これは致し方ないというふうには思いますが、この国際救助隊ではなくて、そうしたことぐらいもうすごいセンシティブになっているということを考えれば、今まで以上の努力をしなければいけないというふうに思っています。  まして、東北でないところのですよ、福島県の隣県じゃないところの農産物が拒否されてしまっているという状況は、これは外務省としてしっかりともっと各国に正しい情報理解の徹底を求めていかなければならないというふうに思いますので、これは指摘、時間がないのでとどめたいと思いますが。  先ほど来出ている自衛隊方々、御努力は本当に有り難いというふうに思っています。現地でも大変、まあ疲れたという言葉もありますが、私も今ここにいること自体がじくじたる思いで、早く地元に戻りたいという思いです。隊員たちもそういう思いで、休めと言っても休みたくないというのが本当ですし、実際、現地の方は、様々な関係機関はもう二十四時間寝ないでやっている。着のみ着のままですよ。風呂にも入れない。風呂にも入れないのは被災者だけじゃなくて、それにかかわっている人たちもそのとおりであります。  でありながら、今十万人動員しています。しかし、今後また変わっていくと思うんですけれども、とりわけ福島県においてはこれ災害が終わっておりません。今後その福島県における自衛隊の配置の問題に関してどのように考えておるのか、お聞きをいたします。
  126. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 先ほども近い御質問に御答弁をさせていただきましたけれども、まだ事態が落ち着いておりませんし、様々な政府対策会議から自衛隊への御要請が、各種相談が舞い込んで来ております。全ての任務を自衛隊が引き受けるわけにもまいりませんし、十万六千人の体制というのはほかの任務に無理が掛かっていないという小さな体制でもありません。自衛隊しかできないこと、自衛隊がやらなければならないことをしっかり把握をさせていただく上で、先ほども申し上げましたとおりオペレーションに時間が掛かる組織でもございますので、様々なニーズに的確にこたえるべく、適宜適切に部隊の人数や配置を調整をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  御指摘の福島県に関しましても、様々な同時進行の事象がございます。そんな中でまさにこれからこういう体制を組みますということを今申し上げられる段階ではございません。適宜適切な体制を取ってまいりますということだけ報告をさせていただきたいと存じます。
  127. 小熊慎司

    小熊慎司君 最後に一点だけ。  今日、官房長官は、訳の分からない自主避難というまたグレーゾーンをグレーゾーンのままに、南相馬ですね、置きましたけれども、次にお願いしたいのは、私も行きました、政務官も行って分かるとおり、現地にはバスでも運べない要介護者が五、六百人以上いるんですね。これはもうバスで運べないんですよ。そして、地元、お医者さんに聞いたら、自衛隊の救護車でも使うしかないんだと。その際は是非その体制をお願いしたいというふうに思いますし、また南相馬、相馬市周辺は民間の様々なその救援の業者とか瓦れきを片付ける業者も入ってこないという実態を踏まえて、特段の配慮をいただいて、今でもそこに家族がいても探せない人たちがいるという意味では、その部分も考慮をいただいて部隊の配置をお願いしたいというふうに御要望を申し上げます。
  128. 山内徳信

    山内徳信君 まず最初に、この度の未曽有の災難で犠牲になられました方々の御冥福をお祈り申し上げ、あわせて被災者皆さん方へお見舞いを申し上げます。  私は、民主党政権が誕生し、三代目の松本外務大臣に今日初めて質問を申し上げる機会を得ました。外務大臣の御奮闘を心から期待を申し上げます。日本外交は多難でございます。北はロシアを相手にした四島問題、南は中国を相手にした尖閣諸島問題、太平洋の向こうにはアメリカがおります。アメリカを相手に沖縄における基地問題を県民の期待にこたえる形で対米交渉など、御奮闘を心からお願いを申し上げます。  さて、私の通告申し上げましたのは、後ろの方から質問をしていきたいと思います。  私は、追加質問として次のようなことを今日通告をいたしました。この度の未曽有の国難あるいは災難は、日本国民として過去に体験したことのない大きな試練であります。被災地域と被災者の生活再建あるいは復興支援のために、現在、政府、各自治体、各団体等、本当に昼夜の別なく全力を尽くして頑張っております。心から敬意を表しております。さらに、全国民的規模で救援、支援の輪が展開されております。  復興再建には長い時間と何兆という莫大な財源が必要となります。私は、長い時間そして莫大なお金と申し上げておりますのは、体験は今回の体験と違いますが、沖縄というところは、全部焼き払われて一木一草をとどめない状況下にあって、二十七年間アメリカ軍の統治下にあって、その後日本復帰をして今日まで三十九年目になろうとしております。その間に四次にわたる振興開発計画で今日を迎えておりますが、そういう体験からしますと、今回のこの災難もやはり長い時間掛かります。莫大なお金が掛かります。  そういうふうな沖縄の体験から申し上げるわけでございますが、不要不急のお話もさっきございましたが、私から率直に申し上げさせていただきますならば、普天間飛行場の移設先と言われてきた海を埋めて辺野古の方に新しい基地を造るという、これまた過去の政府が答弁した額は三千五百億と言っておりましたが、それは最初のころの話でありまして、V字型ができ上がるころは六千とも七千とも、あるいは一兆近く掛かるぞと、こういうふうな情報もあったわけであります。  それから、ジャングル戦を想定をして今沖縄の東村の高江というところでヘリパッドを造る工事を進めてきたわけです。ヘリパッドは今十五か所あるんです。ところが、一部返すから新しいのを造ってくれぬかということで六つ造れと言われておるわけですね。それにも何十億という予算が掛かるわけであります。そういうふうなことをやる状況ではないわけです。  さらに、ずっと指摘されてきたのは、思いやり予算は湯水を使うがごとくアメリカ兵や家族方々は使っておる、こういう思いやり予算についても、この際、やはり政府内部において、聖域なきという言葉がありますが、この基地問題についても大なたを振るってほしい。そうしませんと、国民感情としてこれは許せないということになるわけであります。そういうふうにして、やはりアメリカに対しても、今回のこの災難を救っていくために、復興していくためには、これにこういう資金が要るんだという対米交渉をちゃんと外務大臣にやっていただいて、対等にやってください。  戦後六十六年たっています。敗戦国のああいう心理状態がまだ残っているやにも見えますが、それじゃいかぬのです。そういう意味で、私は岡田外務大臣にも提言しました。それから、前原大臣にも提言いたしましたが、どうぞ主権国家、独立国家の外務大臣として、堂々と胸を張って中国ともロシアともアメリカとも交渉していただきますことを心から御期待を申し上げます。  このことについて、今基地建設の予算をここに回すということは、これはすぐはお答えはできぬだろうと思いますが、どうですか、やれそうですか。じゃ、お願いします。
  129. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) お話がありましたように、主権国家、独立国家の外務大臣としてしっかり努めてまいりたいという決意をまず申し上げたいと、このように思っております。  その上で、日米関係の私ども予算といったものにつきましては、日米安保条約に基づいて在日米軍我が国防衛の義務を負っているということも勘案をしながら、これまで我が国として、もちろんおっしゃったように米国との交渉の部分はあるわけですけれども、踏まえて適切に行ってまいりました。  今回未曽有の大災害ということで今後の予算の在り方ということのお話も少しさせていただいたわけでありますが、他方でこの委員会の議論でも御指摘をいただいたように我が国安全保障というものは一日もゆるがせにできないという視点の中から、しっかりと対応できるように努力をしてまいりたいと思っております。
  130. 山内徳信

    山内徳信君 大臣のお気持ちは伺いましたが、日本国民、一億二千万国民の今回の災難に対する思いをやはり実現するために、是非私が提起をいたしましたこの三つの項目について内部検討をお願いを申し上げたいと思います。  さて次は、三月九日の予算委員会に引き続きまして、そのとき、どうも不明瞭な答弁がありましたから、引き続き答弁を求めてまいります。  それは、米軍基地に関する爆音訴訟で確定した損害賠償の支払に当たって日米地位協定第十八条第五項によると、合衆国のみが責任を有する場合は合衆国が七五%、二五%は日本国が分担するという規定になっておるわけであります。  さて、この米軍機の爆音はアメリカ軍が出しているんですか、日本政府が出しておるんですかという、こういうくだらない質問大臣に求めることは失礼になりますし、大臣の名誉のためにもこれは今まで進めてきた事務方の答弁を求めたいと思います。お願いします。
  131. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) ただいまの御質問でございますが、米軍日本側から提供された施設・区域を使用して安保条約の目的達成のための所要の活動を行っておるわけでございます。その所要の活動の中にこの航空機の飛行というものがございます。この航空機の飛行に伴って騒音が生じているということがここで問題になっているわけでございます。
  132. 山内徳信

    山内徳信君 外交交渉は外務省の仕事だと認識しておりますが、アメリカ側とこの分担問題について交渉されたと思いますが、交渉された年度、その年度の何月何日かということを承っておきたいと思います。どうぞ。
  133. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 米側との協議はいろいろな形で行っておりまして、その中には非公式に行っているものもございます。そういうこともございまして、その日付等の詳細あるいは誰がということについては、これまで明らかにすることは差し控えさせていただいております。これは、アメリカ側との信頼関係あるいは外交上の慣例等に鑑みまして、私ども、申し訳ございませんけれどもそういう立場を取ってきております。
  134. 山内徳信

    山内徳信君 基地問題とか日米合同委員会とかその小委員会とか、結構あるじゃないですか。その爆音訴訟のこの賠償金の分担割合について日米間の話合いの枠組みはちゃんとできておるんですか。できておれば、何という名前の枠組みかをおっしゃってください。
  135. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) もちろんこれは日米外交交渉ということでございますので、基本的には外交ルートで交渉しておるということでございます。
  136. 山内徳信

    山内徳信君 私は、民主党政権の中で評価するものの一つとして、当時の岡田外務大臣のときに有識者委員会を立ち上げられまして日米間の密約問題の検証をされました。これは、日本国民からは高く評価されておると思います。  そこで、こういう分担金の問題さえもここで明らかにできないぐらいの外務省の事務方ということでは、これは困ります。大臣、細かい金額は三月九日に全部申し上げてあります。したがいまして、これは、岡田さんはそういうふうに有識者を立ち上げられましたが、是非、松本大臣は、これは地位協定第十八条五項にあるんです、それは日米間で決めた地位協定でしょうし、むしろアメリカがリードして作った地位協定でしょうから、これは是非検証していく、そしてちゃんとアメリカに対してアメリカの持分は出せと、こういうふうにしませんと、全部日本政府が出すということは国民が納めた税金でアメリカの持分も払っておるということなんです。大臣、どういうふうに対応されますか。
  137. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 今局長からも御報告を申し上げたように、米側との間では随時協議をしておるということは改めて山内委員に御報告を申し上げたいと思います。  その上で、外交文書の公開ということにつきましては岡田元大臣の際も進めてきたところでありますけれども、三十年という一つの年限を区切りとして、もちろんその際にも引き続き三十年以降も場合によってはということでありますけれども外交については、交渉の途上である、また外国との関係もあるということで速やかに公開できないものがあったとしても、一定の年月がたった場合にはやはり公開をして国民理解を得られるようにすべきであるという方針の下で行ってきております。  その考え方は私も基本的に受け継いでいるところでございますけれども、現在のこの騒音訴訟のことにつきましては、今北米局長の方から御回答申し上げたことは私の最終的には責任において御回答申し上げたものと御理解をいただきたいと思います。
  138. 山内徳信

    山内徳信君 私は、時間ですからこれで終わりますが、このことは、当事者である、私はアメリカ大使館にも横田基地にも行って調べてきたいと思います。そういうふうなことになると、梅本さん、今までそれを進めてきた北米局長として責任問題になりますよ。そういうふうなことではいかぬでしょう。したがって、今大臣の答弁もいただきましたが、そういうふうな生易しい問題じゃないと思います。  以上です。
  139. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 以上をもちまして、平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十五分散会