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2011-05-11 第177回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月十一日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十五日     辞任         補欠選任      相原久美子君     金子 恵美君  四月十二日     辞任         補欠選任      木庭健太郎君     秋野 公造君  四月十三日     辞任         補欠選任      秋野 公造君     木庭健太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中川 雅治君     理 事                 行田 邦子君                 今野  東君                 島尻安伊子君     委 員                 石橋 通宏君                 岩本  司君                 金子 恵美君                 田城  郁君                 外山  斎君                 山根 隆治君                 猪口 邦子君                 宇都 隆史君                 長谷川 岳君                 橋本 聖子君                 木庭健太郎君                 横山 信一君                 江口 克彦君                 紙  智子君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     松本 剛明君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  枝野 幸男君    内閣官房長官        内閣官房長官  福山 哲郎君    副大臣        外務大臣    高橋 千秋君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        園田 康博君        防衛大臣政務官  広田  一君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君    政府参考人        内閣府政策統括        官        清水  治君        内閣北方対策        本部審議官    小河 俊夫君        水産庁長官    佐藤 正典君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件  )     ─────────────
  2. 中川雅治

    委員長中川雅治君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官清水治君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 田城郁

    田城郁君 民主党田城郁です。よろしくお願いをいたします。  さて、私は沖縄が大好きで、もう二十年来、沖縄公私共にかかわっております。鉄道マンであった私は、かねてより、なぜ沖縄には鉄道がないのだろうかと疑問に思っておりました。さらに、地元方々になぜないのかと聞いてみると、昔は軽便があったさあと、そのようなお答えでした。さらに、地元方々お話を聞いたり、あるいは私なりに調べてみると、次のような現状が分かりました。  戦前沖縄には沖縄県営軽便鉄道が走っておりましたが、戦災で壊滅をいたしました。戦後、沖縄を除く四十六都道府県は、戦災復興の形で政府による鉄道再生整備が行われたわけですが、復帰以前はもとより復帰後も、沖縄県は鉄道整備から置き去りにされたまま現在に至っております。その結果、県内陸上輸送はほとんど自動車によって行われ、県内の慢性的な交通渋滞が社会問題を引き起こしていることは承知の事実でございます。高速道路が全線開通してもこの問題は解消をされておりません。  そうした問題を解決するために、政府沖縄振興特別措置法に基づいて平成十四年から平成二十三年度にかけて沖縄振興計画策定し、軌道系を含む交通システムにつき調査検討するとしております。そして、民主党政権になって初めて、平成二十二年度予算において沖縄鉄軌道導入に向けた調査費が計上をされております。  平成二十三年度予算にも調査費が付けられ、実現に向けて確実に歩を進めていると思いますが、そこで、予算措置を行った経緯と、現在この経過はどうなっているのか、また、いつごろをめどにきちんとした計画策定をされているのか、調査の中間的な現状などを教えていただければ幸いです。参考人の方、よろしくお願いいたします。
  6. 清水治

    政府参考人清水治君) お答え申し上げます。  鉄軌道等に関する予算調査関係の御質問でございます。  内閣府におきましては、平成二十二年度、二十三年度にわたりまして、鉄軌道を始めといたします新たな公共交通システム導入可能性検討のための基礎調査を実施しているところでございます。  まず、平成二十二年度でございますが、調査費約三千五百万円でございまして、アンケート調査等を実施いたしまして需要予測モデルを構築することにしてございます。また、平成二十三年度におきましては、調査費約四千万でございますが、総事業費事業採算性等課題等について検討する予定でございます。
  7. 田城郁

    田城郁君 では、このような過程にありまして、沖縄県への鉄軌道実現に向けて大臣決意をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。
  8. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 沖縄皆さんからは、鉄軌道導入に向けた御要望を様々いただいているところでございます。  そうしたお気持ちにはできるだけおこたえをしたいと思う一方で、今事務方の方から御説明申しましたとおり、今回は需要予測に向けてのアンケート調査を行いまして、その結果について精査をしている状況でございます。また、路線バス等の既存の公共交通システムとの関係でありますとか、あるいは今後の特に基地などの跡地利用による都市構造の変化を踏まえた将来の全体としての公共交通ネットワークの在り方をしっかりと整理をしていかなければならない。また同時に、もし鉄軌道導入する場合の事業主体をどうするのか、総事業費がどうなるのか、そしてそれとの絡みで特に事業採算性がどうなっていくのかなど、様々な課題があるのも間違いございません。  現在実施中の調査結果も踏まえつつ、これらの課題も含め内閣府としてもしっかり検討すると同時に、そうした前提の下で沖縄皆さんとも御相談をしてまいりたいというふうに考えております。
  9. 田城郁

    田城郁君 ありがとうございます。  さらに大事な点ですけれども、これはまだまだ採算性も含めて調査中だということの中での話でありますが、やはり実現に向けてしっかりと歩を進めていくべきだというふうに思いますが、沖縄復興のためには地元企業を潤すような、そういう政策としての鉄軌道整備というのが必要だろうと思います。沖縄企業のほとんどが中小企業でありますし、鉄軌道敷設に当たってはこれらの中小企業建設事業に参加できるための配慮を今のうちから明確にしておくことが必要だろうと、そのように思われますし、沖縄振興策としてのインフラ事業地元に還元されずに本土の事業者などを潤すというだけの結果に終わっては沖縄人たちは納得できないだろうというふうに思います。  仮定の話ですけれども、進行した場合のそういう観点についてはどのようなお考えでしょうか。大臣お願いいたします。
  10. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) お尋ねの中にもございましたので御理解いただいているかと思いますが、鉄軌道自体が今申し上げたような、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますので、現時点でどうなるかということを申し上げられる段階ではございません。  ただ、この鉄軌道導入されるかどうかにかかわらず、御指摘いただきました様々な特に国が行います沖縄での事業について、しっかりと地元経済に直接その事業そのものがプラスの効果を及ぼすような発注の仕方といいますか、そもそも事業組立て方から考えるべきかもしれませんが、そうした配慮をもっと強化をしていかなければならないというふうに思っておりまして、なかなか様々な規制といいますか、別の観点からは公平性担保等ということもございますが、できるだけ、特に沖縄振興という私の所掌の観点からは、直接沖縄の業者の皆さん事業を発注できるような仕組みを更に強化をしてまいりたいというふうに考えております。
  11. 田城郁

    田城郁君 大変ありがとうございます。  以前に沖縄県が実施した調査やあるいは今進められている国の調査では、南北の直線ルートで、しかも旅客を対象にした採算性についての調査であるというふうに私はお聞きしておるんですが、それで間違いありませんか。また、鉄軌道方式はどのような方式を想定して採算性などをカウントしているのかということについてお答えいただければ幸いですが。参考人の方で結構です。
  12. 清水治

    政府参考人清水治君) 需要予測等に関する御質問になるかと存じますが、まず先ほど御説明申し上げました需要予測調査でございますけど、これは先生指摘旅客、人の流れに着目したものについてまずその調査を行っているところでございます。また、事業の仕方、御質問ございましたが、そういった全体のことについては二十三年度の調査等でまた調査をしていく予定にしているところでございます。
  13. 田城郁

    田城郁君 ありがとうございます。  沖縄鉄軌道を敷設する場合に心配なのは、やはり赤字にならない経営ができるかどうかという見通しであろうと思います。  まず第一に導入コストの問題ですけれども、一キロ造るのに幾ら掛かるかということで、試算として出ているのがLRT、ライトレールトランジット、この場合が約十五億円ぐらいでできる、通常の鉄道やあるいは現在造られて利用されておりますモノレールなどでは百億掛かるというようなことが言われております。まあLRT、一キロ十五億というのが採算ベースに乗せるには有利だろうというふうに思います。  二番目には、旅客だけではなく貨物輸送前提にした方が収入の道が飛躍的に開けると。戦前軽便鉄道は人と貨物の双方を運搬することによって黒字経営に持っていくことができたというふうにも聞いておりますし、日本全体の物流人流のことでいいますと、人流の十二兆円という経済規模に対して物流は二十三兆と、物流の方が圧倒的に大きなボリュームを占める。そういうものを考えたときに、やはり物流という観点も入れた鉄軌道導入ということを考えることが採算性を追求するにしても実現性が、あるいは経営的にも安定するのではないかというふうに思います。  LRT旅客だけと思われがちですけれども、例えば貨物を運搬する機能も併せ持っていると。ドイツのドレスデンでフォルクスワーゲン社が工場と倉庫の部品輸送で既に導入をしております。僅か四キロでシンボル的な意味合いが強いのですけれども、LRTでの貨物輸送というものは既に実用化をされているということが証明をされております。  これを沖縄に当てはめますと、貨物、いわゆる物流観点も入れた八の字型のルートで、是非、二十三年度の調査費の中にそういうシミュレーションお願いしたいというふうに思います。西の那覇港と東の中城港を結ぶルート物流ルートとして前提にしながら南部を周回する、あるいは那覇やその付近でクロスをさせて中部を周回するというような八の字型のルートでのシミュレーション考えていただければ幸いです。そして、名護へは、北部の農産物を運ぶという前提考えながら直線ルートでよいのではないかと思いますが、こういう観点についていかがお考えか、教えていただければ幸いです。
  14. 清水治

    政府参考人清水治君) お答え申し上げます。  鉄軌道導入可能性に関する需要予測については、まずは人の流れに着目した需要予測ということが重要な課題かと考えておりますが、先生指摘のように、物流ということについても重要な視点であるかと存じます。そういった点も今後の検討の中で検討してまいりたいと考えてございます。
  15. 田城郁

    田城郁君 よろしくお願いをいたします。  戦前沖縄鉄道経営母体は、鉄道省には沖縄県営鉄道沖縄県側では沖縄軽便鉄道と呼称されておりまして、一九一七年以降は沖縄鉄道と改称をされております。この沖縄県営鉄道若しくは沖縄鉄道経営母体、まあ形式上のことだと思うんですが、というのが残っているのではないかという可能性があります。また、当時の経営母体が解散されずにそのままあるのだとすれば、その経営母体を再建する形で話を進めるということが今後の計画推進に役立つのではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
  16. 清水治

    政府参考人清水治君) お答え申し上げます。  沖縄鉄道県営鉄道でございますが、先生も御指摘のように、沖縄戦戦災鉄道施設が破壊されたと伺っておりますが、改めて御指摘の点について沖縄県に確認したところでございますが、県営鉄道廃止に係る資料は確認できなかったということ、それから県営鉄道運営主体である組織実態として現存していないということでございます。
  17. 田城郁

    田城郁君 その場合に、形としては、実態としては残っていない、解散されないという場合には形式上でも残っているということでよろしいんでしょうか。
  18. 清水治

    政府参考人清水治君) その点、まさに今回、沖縄県の方に確認しているところですが、組織行為としてどういう例えば廃止の手続をしたのかというところが確認されていないので、引き続きそういった点は更に確認してみたいと思いますが、今この段階では明確にお答え申し上げることはできないことを御理解いただければと存じます。
  19. 田城郁

    田城郁君 沖縄での鉄道の役割は旅客あるいは物流ということをお話をしてきましたけれども、やはりこれから観光立県ということで沖縄日本のみならず世界にアピールをしていくという場合に、バス採算性あるいはタクシーの採算性ということも問題になるんですが、交通渋滞の中で定時性が非常に失われている、利用したくても何時に着くか分からないという中で利用者が減っているというような悪循環もあるわけです。  ですから、観光立国ということをアピールして世界中から今の何倍も外国人の方に来ていただくためにも、やはりこういうLRTフル規格鉄道よりもLRTの方が現実的だと思うのでそういうことを前提お話ししますが、いずれにしてもLRTなり鉄軌道導入というものがやはり沖縄振興あるいは日本の発展のためにも必要だと、そのように思いますが、改めて最後大臣にもう一度御決意をお聞かせ願えれば有り難いと思います。よろしくお願いします。
  20. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘のとおり、もし採算性の取れるような形でいい形で鉄軌道導入することができれば、それは沖縄県にとどまらず日本にとっても大変意義のあることだというふうに思っております。  アンケート調査を踏まえた需要予測等の今後の調査についても、できるのかできないのかという何かニュートラルな立場でというよりも、何とかやれないだろうかという観点検討した上で、もちろんその結果については現時点で予断を持って申し上げるべきではないと思っていますが、少なくとも何とか採算性を持ってやれる方法はないだろうかという観点検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
  21. 田城郁

    田城郁君 最後に大変力強い枝野大臣のお言葉をいただきまして、私も希望を持ってこの振興に努めてまいりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  22. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党島尻安伊子でございます。  まず審議に入る前に、本日は両大臣御臨席の下でこの委員会が開かれるということをまずもって御礼を申し上げたいというふうに思っております。与党理事にも改めて御礼を申し上げたいというふうに思っております。沖縄北方問題、大変にもう山積をしているわけでありまして、是非こういった形での委員会の開催、今後もお願いをしておきたいというふうに思いますけれども、時間の都合もありますので早速審議の方に入っていきたいというふうに思っております。  私は今回、前回に引き続きまして、今年度で期限を迎える沖振法とそれから軍転法についての新たな立法ということについて、これを中心にお聞きをしていきたいというふうに思っております。  この沖縄振興特別措置法、新たに立法をしなければならないということは枝野大臣も同じく認識をお持ちだろうというふうに思っておりますけれども、まずこの理念について、なぜまた新たに、まあ十年と私は認識をしておりますけれども、今後この新法立法しなければならないというふうにお考えなのか、まずお聞きをしたいというふうに思います。
  23. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 従来から沖縄については振興法が作られてきたわけでございます。それについては、もう歴史的あるいは地理的、様々な状況、背景、理由があったものというふうに承知をいたしております。  この間の積み重ねによって沖縄振興についての一定の成果は上がっているかというふうに思っていますが、しかしなお、特に様々な歴史的な経緯などを踏まえて、国全体として沖縄振興に対してしっかりと責任を果たしていかなければならない、その部分はまだまだ残っているというふうに思っております。  と同時に、従来のように、まあ言葉を気を付けなきゃならないかもしれませんが、沖縄が弱いので後押しをするというそういう時代から、むしろ沖縄の強みをしっかりと生かしていただいて、国全体としての責任沖縄振興を図ることで沖縄が伸びていくと同時に、逆にこれからは、例えば地理的な条件も、アジアに対する地理的な条件とか、あるいは全体としての平均年齢が非常に若いであるとか、様々な沖縄の有利さを生かしていただき、沖縄自主性の下に日本をある意味で逆に今度はリードをしていくような沖縄になっていただくということが、沖縄のために重要であると同時に日本全体にとっても重要であると。そこに向けては、従来以上に沖縄の自らの自主的な判断とか考え方というものをしっかりと前提に置いた中で、国としてしっかり責任を持ってその振興後押しをしていくと、こういった理念でこの次の振興法考えてまいりたいというふうに思っております。
  24. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 もうおっしゃるとおりだというふうに思っております。  付け加えさせていただければ、尖閣の問題等々あるわけでありまして、いわゆる国境離島ということでの沖縄の重要さ、大臣もおっしゃったような地理的なところからの沖縄重要性ということ、もういろいろな切り口があるんだというふうに思っております。  今回、残念ながら震災がございまして、これからどうやってこの日本が、あるいはこの日本経済を立て直していくのかという中で、やはり日本として稼がなければいけない、外貨を稼がなければいけないのではないかというふうにも思っておりまして、その稼ぎ頭として私はあるいはこの沖縄というのが今こそ力を発揮すべきときなのかなというふうに思っておりまして、そういった面での国の方からの御支援もお願いをしたいというふうに思っております。  それでは、これまでの軍転法に代わる跡地利用法というものについてお聞きをしたいというふうに思います。  もちろん、この度のこの法律、法案は、普天間基地跡地利用を見込んだ大規模返還跡地に対応するためのものだと認識をしております。しかし一方では、返還めども立っていないのにどうやって制度化をするのかという声も聞こえてまいりますが、大臣のお考えでこの軍転法に代わる新法の制定への重要性というものをどのようにとらえていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
  25. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘のとおり、じゃ具体的にいつ、どんな形で返ってくるのかという詳細までもちろん決まっているわけではございません。しかしながら、沖縄基地負担軽減に向けてしっかりと前に進んでいく、そしてその基地返還が進んでいけば、それがしっかりと沖縄の全体としての振興に有効利用していかなければならない、その段階における様々な制度的な体制整備と、そしてそれに対する国としての責任をしっかり果たしていくという枠組みは、これはいずれにしても振興法と同時に改めて整備をしなければならないというふうに思っております。  今これは沖縄県ともいろいろと御相談をさせていただいているところでございますが、特にこの問題については、沖縄県の御意向を踏まえながら現実的かつ実効性のある法整備をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  26. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうしますと、大臣、今回この軍転法に関して、今の現行法が切れるわけでありますけれども、新法を制定しなければならない、そのときに、これまでの軍転法単純延長ではないというふうに断言なさいますか。
  27. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 少なくとも、今の段階で単純に延長しようということではなくて、沖縄皆さんからの、県からの御要望も踏まえて、今の時点でどういう形として、この基地の問題についての一種の国の責任を果たすという側面もございますので、どういった形が県の御要望、あるいはその基地返還後の跡地利用沖縄振興に効果的につながっていくのかと、そういった点についてしっかりと、ゼロベースとまでは申し上げませんけれども、改めてしっかりと御相談検討をした上で、できるだけ早くまとまったものを御提起をしてまいりたいというふうに思っております。
  28. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 この跡地利用については、返還前からの綿密な準備が必要だということは言うまでもないというふうに思っております。  直近では那覇新都心がありますけれども、これは全体で約二百ヘクタール、地権者が約千人、昭和六十二年の返還後、跡地整備の完了までに十九年も要しているということでございます。今回の普天間飛行場でございますけれども、言うまでもありませんが、その新都心の二・五倍の広さ、つまり五百ヘクタールありまして、地権者も、後で触れますけれども、実は年々増えているという状況でございます。さらに加えて、現に見付かっている埋蔵文化財、こういったこともあるわけでございまして、大臣、こういったことを勘案して、普天間飛行場は、返還後、この跡地整備に何年要するというふうに見積もっておられますでしょうか。
  29. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘いただきましたとおり、なかなか従来、実際に返還をされた跡地利用について、実際にその整備が終わるのに大変長い時間が掛かって、そのことが沖縄振興にとっては障害になってきた側面はこれは否定できないというふうに思っております。  御指摘をいただいた例えば埋蔵文化財等の問題にいたしましても、できるだけ返還前から、県や市における調査等について支援できる部分がないか、あるいは米軍に理解を求めて可能な範囲でできる部分はないか等について更に努力をしてまいりたいと思っておりますし、また、跡地利用計画策定についても県や市と御相談をしながらできるところから進めていくという努力をしてまいりたいというふうに思っておりますが、一方で、例えば文化財一つ取っても、どの程度のものが埋蔵されているのかということについて現時点見通しを立てることはなかなか難しいところがございます。そうした中でございますので、余り確証なく期限を申し上げて、過剰な期待で実際は違ったということになってもいけないと思っております。  そうした意味では、できるだけ早く実際に返ってきた後の利用ができるようにと、そのことに向けた最大限の努力をしていくということが現時点で申し上げられるところかなというふうに思っております。
  30. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今、見通しは難しいというふうなおっしゃい方でございましたけれども、なぜ難しいかということ、お答えいただけますでしょうか。
  31. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 一つは、御指摘もいただいた文化財等が埋まっていたりすると、それを実際に調査をして、そういったものについて例えば掘り起こしてしっかりと整備するとか、こういったことについても、実際にどれぐらいのそういったものがあるのかを調べてみないと分からないところがあります。  また、現実に跡地利用するに当たっては、どういった使い方をするのかということについて、これは国だけでもちろん決められる話ではありません。むしろ、市や県の御意向等を総合した中で最終的な跡地利用の方針が決まっていくわけであります。残念ながら、まだそこの段階が具体的に固まっている状況ではございません。そして、その跡地利用の具体的な仕方によって、地権者皆さんとの様々な関係の調整が必要になります。  こうしたところについて、もちろんできるだけ前倒しで固められること、できることについては努力をしてまいりたいというふうに思っておりますが、まずは跡地利用の大まかな少なくとも方向性等について、県、市と国とで一定の方向性についての、まずは同じ方向を向いた合意ができることを目指して、そこから時期についても見通しが出てくるのではないかと、こんなふうに思っております。
  32. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、大臣、これはなぜ見通しが難しいか見通しを立てるのが難しいかといいますと、返還前に立入りができないからなんです。その御認識は持っていらっしゃるんだというふうに思っておりますけれども、この返還前の立入りについて枝野大臣はどのようなお考えを持っていらっしゃいますでしょうか。
  33. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) なかなか返還前の基地の立入りについては米軍の側の許可が出ない。過去においては認められた例もありますが、許可されなかった例の方がむしろ多いのではないだろうかと承知をしております。  ただ、返還前の調査のための米軍施設・区域への合理的な立入りを含む、特に環境調査についての合意形成に向けた作業部会を日米両国政府で設置をいたしました。沖縄県からの要望も踏まえて、この日米両国間の協議の場、作業部会において、できるだけ返還前からその中の状況について、日本政府として、あるいは県や市の皆さん調査ができることに向けて、アメリカ側との協議あるいは日本から要請という形を進めていくよう努力してまいりたいと思っております。
  34. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 もうこの返還前の立入りができない、つまり測量もできない、今大臣からもございましたこの環境調査もできないと。耳にするところ、何か鍾乳洞が中にはあって、それがどのぐらいの大きさのもので、深さがどのぐらいで、どういうふうに点在しているのかということもさっぱり分からない。つまりは、この跡地利用としていわゆる上物が建てられない状況かもしれないと、そういう状況なんですね。  それで、そういった調査ができないうちにやはりこの跡地利用計画なんか立てられるわけがないことでありまして、そういった点からも、大臣、この辺もしっかり返還前の立入調査ということを心して力を入れてやっていただきたいというふうに思っております。  そこで、外務大臣にお聞きをしたいと思います。  これ、今枝野大臣からもございましたように、地位協定に絡む事項になってくるわけですよね。2プラス2ですか、前回、昨年の2プラス2で環境に関する合意形成に向けて作業部会が持たれるということが決定したと、設置されたということでございますけれども、十二月に設置された後、何回会議が持たれて、どのような進捗状況なのかということをお聞きをしたいと思います。
  35. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) まず返還前の環境調査という意味では、九六年の日米合同委員会合意に基づいて実施をされてきているものもありまして、昨年も普天間飛行場、ギンバル訓練場、キャンプ瑞慶覧の泡瀬ゴルフ場地区においてこうした立入りが行われたということは御報告を申し上げられると思っております。  なお、今御指摘がありました昨年の五月二十八日の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2の合意の環境の項の中に、今お話がありましたように、閣僚は、環境関連事故の際の米軍施設・区域への合理的な立入り、返還前の環境調査のための米軍施設・区域への合理的な立入りを含む環境に関する合意を速やかに、かつ、真剣に検討することを事務当局に指示したということで、昨年十二月に作業部会を設置して、今事務レベルで鋭意検討を行っておるところでありますが、これについて私も非常に重要であるというふうに認識をしてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  36. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 引き続きこの件はやっていただきたい。そして、聞くところによると、2プラス2が近々開かれるのではないか。この辺、大臣、お答えになれる範囲で構いませんけれども、次いつ2プラス2があるのか、それもお聞きしたいというふうに思っておりますけれども。  加えて、この環境調査に関して、軍転法の九条であっせん申請、国がアメリカに対して、例えば沖縄県が立入調査をしたいということに関してのあっせんができるということらしいんですけれども、あっせんをした後、米国側から立入りが認められる認められないということに関しての沖縄県に対しての報告義務がないそうでありまして、過去あっせんをお願いした経緯は何度もあるんだけれども、それに対しての報告、こうでしたという答えが返ってきたことは一度もないそうでございます。  これは、前回、外交防衛委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、県民の交通死亡事故が、軍属との間の交通死亡事故がございましたけれども、あれに同じようなことなのではないかというふうに思いまして、これは日本国の外務省として、日本政府として、この調査に関しては、あっせんをお願いした方の市町村なり地方の自治体にこうでしたという返事をするのは当然のことでありますし、先日のその死亡事故に関しては、その遺族の皆さんにこうでしたという報告をするのはこれは当たり前のことではないかというふうに思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。
  37. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 2プラス2の時期も聞かれたんでしょうか、私は。
  38. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうです。
  39. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 四月の二十九日にワシントンで日米外相会談を行いました際にも、我が国の外務、防衛、そして米国の国務、国防の両長官の四者がそろって、言わばフェース・ツー・フェースで顔を合わせて2プラス2をやることが重要であるということで、できるだけ早い時期に実現をするように日程調整をするということで一致をしたところであります。四者がそろうというのは過去四年ほど実現をできていないということで、日程調整には大変難しい面があるのが率直なところでありますけれども、しっかりとできるだけ速やかに行って、幾つかの課題について答えを出せるように努めてまいりたいと思っております。  御質問の二つ目、三つ目、併せてお答えをいたしたいと思っておりますが、先般の参議院の外交防衛委員会において理事からお問合せをいただいた事件に関する件だと思っておりますが、引き続き米側に対しては照会をしているところでございますが、本日、大変申し訳ないんですけど、現段階においてまだ御報告をできるものは私の手元にはありません。御遺族に対しては、尊い命が失われた、人命の失われた痛ましい事故であるということは私も痛切に思っているところでありまして、処分結果が報告されるように米側、関係省庁と調整をしてまいりたいと、このように思っております。  また、いずれにせよ、沖縄県と中央政府との連携、緊密な連携というのは大変重要なことであると、このように考えておりますので、今後ともしっかりと連携が取れるように、その意味では様々なボールのキャッチボールがちゃんとできるように私としても心掛けてまいりたいと、このように思っております。
  40. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 環境調査に関してはいかがでしょうか。
  41. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 本件の、先ほどの事故の件もそうでありますけれども、まず私どもとして誠意を持って政府として沖縄県に対してお答えができるようにという姿勢をきちっと持つことが必要だという御指摘はそのとおりだと思いますので、今後そのように心掛けるようにまたしていきたいと思っております。
  42. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、大臣の心掛けでは駄目で、これをきちんとルール化していただくということが必要なんだというふうに思います。もう一度御答弁願います。
  43. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 先ほどの事故の処分の件ということ、それとも環境、両方という意味ですか、ルール化の話というのは。  おっしゃったことについては私どももよく理解をしているつもりでありますけれども、ルール化ということについてどのような形がいいのか、まずはきちっと実質的に御報告できるようにということにすることが重要ではないかと、このように思って、努めるところから始めたいと、このように思っています。
  44. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 それでは、この返還前の立入調査に関して、これはやはり、もう繰り返しになりますけれども、地位協定に絡む事項だということでございまして、この跡地利用のための事前の立入調査に関して外務大臣としてどのようにこれから米国と協議を進めていくおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
  45. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 先ほど環境についてはお話をさせていただきました。また、先ほど枝野長官からお話をさせていただいたように、申請をさせていただいた中で結果としては両方の結果が出ているというふうに承知をしておりますけれども、私どもとしてもまた申請をサポートしていく立場から、できるだけ実現できるようにこれからも努力をしていきたいと、このように思っております。
  46. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 枝野大臣、大変に外務大臣の心もとない答弁だったと私は印象があるんですけれども、このようなことで跡地利用計画、立てられるとお思いですか。
  47. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 日本政府だけで物が決められることについては、まさに様々な状況の中で跡地利用に向けてできるだけ早い段階からいろんなことをやりたいということについては、もう外務大臣を含めて一致をいたしているところでございます。  ただ、現実にはこれは相手のあることでございますので、最大限の努力外務大臣にもしていただく中で、現実的にできるだけ早い段階から跡地利用に向けた調査が進められるようにそれぞれの立場で努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  48. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非、こういった問題一つ一つクリアしなければならない沖縄の大規模の跡地利用なんだということを改めて大臣には御認識をいただきたいと思います。  それで、もう一つ言えば、軍転法はもう今年で切れるんだ、今年度で切れるんだということでありまして、少し、少しといいますか、もう大分スピードアップをしていただかないと間に合わないんだということを改めてここで御指摘をさせていただきます。  最後になりましたけれども、一つだけお聞きをして終わりたいと思いますが、公共用地の先行取得についての大臣の見解をお聞きしたいというふうに思っております。先ほども触れましたけれども、今民有地が九〇%以上の普天間飛行場でありまして、やはりこれは早急に公共用地について先行取得、国として考えなければならないのではないかというふうに思いますが、御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
  49. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘の趣旨は私も十分理解をするところでございますが、一方で、やはり具体的な跡地利用計画がどうなっていくのか、そしてその跡地利用計画そのものが地権者との権利調整を前提としていかなければならないところがございます。そういたしますと、その前段階で国として用地取得をどこまで実際にするべきなのかというのはなかなか難しい判断が必要ではないかというふうに思っております。  国としては、できるだけ早い段階で実施の事業内容について大まかなところだけでも特定をしていけるように国としても支援をしてまいりたいというふうに思っておりますが、そうした流れの中で、できるだけ早い段階から必要な用地取得について着手できるような全体としての流れの加速と、それからその段取りの進め方について、県などとも御相談をしてまいりたいというふうに思っております。
  50. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  本日は、在沖縄米軍基地問題について質問をさせていただきます。時間も限られておりますので、端的な答弁をお願いいたしたいと思います。委員長、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、外務大臣、本年三月十一日、本特別委員会における外務大臣の所信にて大臣はこのように発言されています。普天間飛行場の移設問題にかかわる一昨年の政権交代からの経緯については沖縄県におわびを申し上げなければなりません、このように述べているわけですが、大臣に端的にお聞きいたします。普天間基地問題がこのように暗礁に乗り上げている最大の原因はどのようにお考えですか。
  51. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 普天間基地問題については、昨年五月の合意に基づいて着実に進められるように努力しているところでございます。
  52. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 原因を聞いております。端的に質問に答えてください。
  53. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 着実に進むように努力をしているところでございます。
  54. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 私は、この質問作るに当たって、昨日一日、大臣が本常会における各委員会でどのような発言をされているか全てチェックをしてまいりました。全く誠実を欠いた官僚答弁、質問にも全く答えないその態度に私は非常にがっかりしております。熟議の国会と言われるのであれば、質問者に対してやはり誠実に答えることが、これは議員として、あるいは閣僚としての当然の使命であると、このように付け加えまして、このように私は明確にしておきたいんですけれども、当時の外務大臣であります福山哲郎議員もおりますので。  私はこのように今考えております。政権交代後の我が党総裁との党首討論で、鳩山前首相は、自民党は十四年間でくい一本打てなかったと、このようなことを述べておるんですが、実際に沖縄県民の感情を逆なでして今回のように暗礁に乗り上げ、普天間基地問題どころか沖縄に関するこの問題に対してくい一本どころか指一本触れられないような膠着状態に持ち込んだのは、民主党政権のこれ大きな失敗ですよ。まずはそのことに対する反省の意、そのことをもってしなければ沖縄県民は納得できないと思います。  私は、最大のこの原因に関しては当初はこのように思っておりました。民主党が、この沖縄という地政学的な意味あるいは軍事的な重要性、これを理解していない稚拙さから、代替案が可能なのではないか、このようなところを模索したところに最大の原因があったんではないかと、そう思っておりましたけれども、実はそのような幻想によるのが一番の原因だったということ自体も実は違うんではないかという疑惑が今浮上しております。どのような疑惑かと申しますと、民主党沖縄のこのような軍事的、地政学的な重要性を当初から理解していながら、沖縄県民の感情を操り政治的利用あるいは選挙に利用した疑いが極めて濃厚であるという疑惑です。  連休中の五月四日の朝日新聞朝刊記事、内部告発サイト、ウィキリークスが入手した二〇〇六年から二〇一〇年にかけての米国外交公電、これ約七千点ありますけれども、これを朝日新聞が詳細に分析した形で掲載されました。これによると、二〇〇九年、一昨年です、一昨年の十二月二十一日、当時の外務省薮中三十二事務次官と当時の米国ルース大使の昼食会を扱った極秘指定の公電の中、この中で薮中氏の発言として、政府による見直し作業で辺野古移設に代わる実現可能な案が見付からなければ、二〇〇六年の再編合意、これは自民党時代にやった再編合意です、二〇〇六年の再編合意に立ち返ると鳩山氏は確認したと、このようにあります。  鳩山政権が誕生したのはこの年の九月十六日ですよ。九月十六日誕生して、最低でも県外という話を沖縄県民には国内に向かって一生懸命しておきながら、その方針も撤回しない三か月後に、米国に対してはダブルスタンダードとも言える、もし不可能だったときには最終的には自民党案に戻ります、このようなことが指摘されているわけです。つまり、当初の段階から、代替案が見付からなければ自民党案に移行することを踏まえていたことになるわけですが、外務大臣、この内容は事実ですか。
  55. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 不正な方法によって外交上の秘密と称される文書が公開をされたことは極めて遺憾でありまして、そのようなものに基づくことについてはコメント、確認を申し上げるのは適切でないと考えております。
  56. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 私もこのウィキリークスというサイト、この情報の公開手段に対しては非常に懸念をしております。しかも、外交上、非常に国家機密にかかわるようなことが公になるということに関する危機はもちろん感じておりますが、事この沖縄の問題です。あなた方民主党政権でこれだけの混乱を起こしておきながら、そして今は、元の案に極めて近い辺野古案を認めてもらおうという努力沖縄にしているわけです。その中でこのような文書が出てしまった。このことの真偽はともかく、これに対してノーコメントで私は済むわけはないと思います。沖縄県民は決してこれ理解できないと思います。  省内で内容の事実確認をしたかということだけ、じゃ確認させてください。
  57. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) こういったものに基づいて確認、コメントをお申しするのは適切でないというふうに申し上げさせていただきました。これ以上は申し上げるべきことはないと思っております。
  58. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 これはニュースベースですけれども、鳩山首相はこのような発言をしていないと否定をしているわけです。薮中次官はもう現在外務省にはおりませんので、コメントもしていない。  薮中次官がじゃ勝手なことを言ったのか。私は官僚がそういうことをするはずはないと思うんです。あるいは、では薮中次官がそういうことをしていないとすれば、アメリカの大使館が誤った情報を本国に送ったのか、これについてもゆゆしき事態。どちらにしても、この件に関しては全くコメントしないということであれば、国民から政治に対する不信感を取り除くことは私はできないと考えています。  松野頼久官房副長官はこのようにコメントなさっています。公電なのかどうなのかの信憑性も分からないと。私は、このような判断というのが非常に正しい反応だと思うんです。そうであれば、やはり日本政府として、これの出どころ、あるいはそれの信憑性がどうかについては分からないけれども、そのような正規の手段でない形で情報リークされたものに関しては、コメントできないではなくて、その信憑性について疑いを持つと、そのような発表をするべきではないかと、このように思います。  米国は、このウィキリークス側に対して文書の公表中止、返還、記録の削除を実際に要求しています。日本政府としてこのウィキリークスに対して何らかの要求をしていますか。
  59. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) いずれにせよ、今申し上げたように、これについてコメントも確認もしないというふうに申し上げましたけれども、少なくとも、ウィキリークスは米国の公電を流出をさせていると、まあ自称しているというのかどうか、これは私どもが確認をするすべはありませんけれども、それに対して米国がそのような措置をとられているということは米国側の御判断ではないかというふうに思います。  いずれにせよ、委員自身もおっしゃっておられたように、方面隊の司令官の副官もされた方ですから、こういった秘密の取扱いということの意義についてはもうよく御承知だというふうに理解をしております。これについて、繰り返しになりますけれども、こういったものに対してコメント、確認をすることが適切でないということでまず申し上げておるところでございます。
  60. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 私は全く当事者意識がないと思いますよ。自分たちの、少なくとも県外という誤ったメッセージを沖縄県民に与えたことで、あと二年ぐらいで解決するかもしれなかったこの問題を暗礁に乗り上げて全く先の見通しが立たない状態にしておきながら、去年、一〇年の五月に履行した2プラス2の合意どおりにやってくれと沖縄県民に、あるいは沖縄の県知事に言っても、それ納得できるはずないじゃないですか。  もちろん、アメリカの外交文書です、それが表に出たことですから米国政府が対応するのは当然ですけれども、内容にはこれ、日本政府との関係が非常に重要な問題として出ているわけですから。しかも、沖縄の問題は最も民主党政権の喉元に刺さった大きなとげじゃないですか。それを一生懸命今取り除こうとして努力しているわけじゃないですか。それをノーコメントだと言って簡単にスルーできるその当事者意識のなさに、私は非常に、本当にこの国の外交を外務大臣に任せていいのかなと危惧を申し上げておきます。  これは防衛省にも重大な責任があると思います。この辺野古の移設に関しては、何年にもわたって防衛省の中で防衛施設庁を中心としながら、現地の沖縄あるいはアメリカ国政府米軍と調整をしながら、最終的に案がこの辺野古しかないと分かってきたはず、そしてその資料は防衛省の中に残っているはずなんです。なぜ防衛省としてもそういうような意見具申をちゃんとしなかったのか、そのことについては強く指摘を申し上げておきます。  関連して、五月一日の産経新聞の朝刊記事によると、松本外相は四月二十九日に訪米した際、外務省においてクリントン長官と会談し、その際に普天間基地問題、これに関しては一切言及をせず、ただ単に震災支援のお礼を言いに来ただけの中身の薄い訪米をされたと、2プラス2に関しても全く言及されなかったと、このような報道がありますけれども、これは事実でしょうか。事実だとしたら、なぜこのことを言及されなかったんですか。
  61. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 委員に御理解をいただかなければいけないと思いますが、私どもとしては、先ほども申し上げたように、この間、沖縄の皆様に結果として昨年の五月の合意をお願いをせざるを得なくなったようなことについては、ここでも所信で申し上げたようにおわびをさせていただいております。そのこととウィキリークスに基づいて話を進めるということは別の次元の話だと、このように考えておりますので、ウィキリークスに基づいての話についてはコメントも確認も申し上げることが適切でないと考えていると、このようにお話をさせていただきました。  なお、四月の二十九日の外相会談について、お話をさせていただいたことについては既に発表させていただいておりますけれども、日米同盟全体の話についてもお話をさせていただきましたので、その中にはいろいろなものが含まれているというふうに御理解をいただいてよろしいかというふうに思います。
  62. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 明確にお答え願いたいんですけれども、この中に含まれているのは、普天間の問題、2プラス2、ちゃんと言葉にしてお話しなさったんですか。
  63. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 日米同盟の深化の中には、今回の震災の防衛協力から今後の協力の在り方、その中には当然米軍再編から今後どのようなタイミングで協議をするかということも含まれると御理解いただいてよろしいかと思います。
  64. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 答弁を聞いていて、本当にそれをしゃべったのかしゃべっていないかも全く分からないわけですが。  私は、前回のこの委員会の中で、是非渡航してくださいと、この基地問題は非常にこの国にとっても、あるいはアジアにとっても重要なことですから、2プラス2の日程調整も含めて是非行ってくださいということをお願いしたんです。しかし、行ったのに普天間の問題にも触れない、2プラス2の問題にも触れない。こういうのを無駄っていうんじゃないですか。税金の無駄遣いして外交渡航したと言われてもこれは全然おかしくないですよ。ありがとうと言うだけだったら電話で済むじゃないですか。ちゃんとした日程調整、そういうのをやっていただくために我々は会期の中で外務大臣に行ってもらったつもりであります。  これは防衛省にも申しますけれども、五月七日、北澤大臣が仲井眞沖縄県知事と会談した際、五月の日米合意について真剣に追求せざるを得ないと表明されて、実際には話合いは平行線に終わった、これは当然のことだと思います。当時の鳩山内閣からずっと変わらず防衛大臣を務めた方が今になってやはり自民党案に戻しますと言われても、これは納得できる話ではないと思います。  防衛省にお伺いしますけれども、私は、この2プラス2の交渉がなかなか先に進んでいないのは、この五月に決めた2プラス2のこの案どおりといっても、結局は工法が定まっていませんよね。V字案、I字案のその検討をする、そして一〇年の八月までに専門家の意見を聴取し終わるというところまでしか決まっていないわけですよ。それが決まっていない状況であれば着工できない、着工できないのであれば、米国としては全てがワンセットとして動かなければならないのであれば上院の中でも予算を付けることができないと、このように述べているわけです。V字案、I字案、決まったんですか。
  65. 広田一

    大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。  委員指摘のとおり、V字案、I字案につきましては、今防衛省の中でも検討をしているところでございます。いずれにいたしましても、この普天間の移設、また辺野古の問題というものを進めていく上でどのような工法にしていかなければいけないということは委員の御指摘のとおりだというふうに考えているところでございます。  一方で、北澤大臣自身も、先般、沖縄の方を訪問させてもらったのは、やはり仲井眞知事始め沖縄県民の皆さんに誠実また懇切丁寧にこの立場というものを説明してやっていく、そういった過程を今懸命に努力しているということを是非とも御理解をしてもらいたいというふうに思います。
  66. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 私、今の民主党政権努力は、非常にそれは努力しているということは理解しています。ただ、努力しているということと、やらなきゃいけないことをやっていないということは別なんですよ。V字案、I字案、このことが決まっていなければ、それは外務大臣、そうですよね、2プラス2の日程なんか決められるはずがありませんよね。自分たちでこんなことも決めていないのに一体何の話合いをするのだと、そういう話になるわけですよ。  いつまでに決められるんですか、この工法だけでも教えてください。いつまでにV字案、I字案を決めるんですか。
  67. 広田一

    大臣政務官(広田一君) もちろんこれは今度のやっぱり2プラス2までに決めるということは筋として考えいかなければならないというふうに思いますけれども、しかしながら一方で、先ほど来申し上げているとおり、沖縄皆さんの思いというものを十分踏まえた上で事に当たっていかなければならないというふうに思っております。こういったことを一つ一つ積み重ねていくということが今私たちに課せられた使命であるというふうに認識をいたしております。
  68. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 全く順序が逆であるということを申し上げておきます。まずは工法を決める、そしてこのようにやる、辺野古にちゃんと移設をする、計画はこのようにする、そういうのを決めた時点で2プラス2の協議をしなければ私は米国は絶対乗ってこないと思います。  もう一度端的に外務大臣にお伺いしますけれども、これは再確認です。この普天間基地の問題に関して、政府の方針としては、昨年の一〇年五月の日米合意で決まったこの辺野古案で場所、移設先は変更ございませんね。
  69. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 昨年五月の合意を着実に実施すべく、沖縄の皆様にも誠意を持って理解をいただけるように努力を重ねているところでございます。
  70. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 御答弁で変更ないと御回答いただいたというふうに理解をいたします。  そこで御質問いたしますけれども、二日前ですね、五月九日、訪米していた国民新党幹事長の下地幹郎議員、国会内で記者会見をされました。米国政府あるいは議会関係者と会談した成果を詳細にわたって御報告していただき、また、記者に対して非常に詳細な、どのような答弁をお互いにやったかという資料も配っていただきまして、私もそれを入手した上で質問するわけですが、この中で最後の方に、米国のレビン上院軍事委員会委員長との会談の一幕です。  その中で、下地議員から、与党の幹事長でもあります下地議員の方から、この沖縄の2プラス2、昨年、一〇年五月の2プラス2の合意は一旦白紙に戻すべきだと、そして辺野古案の具体的代替案を実際に示しているんです。その示しているところは点々々で付されております。示した上で、レビン委員長がびっくりされて、それは幾ら掛かるのか、費用はちゃんと考えているのかという話をしたら、ちゃんと費用も一千数百億円ほどと費用も言及した上で、この案は実際に公表されているんですかとレビン委員長質問に対し、下地議員は二十日には公表されるはずであると、このように回答しているんですよ。  まあ議員外交の中で言われた一つの提案と取られるかもしれませんけど、私は、一野党の議員が、ある意味責任を持っていない、日本政府としての責任を持っていない人間としてただの提案、私はこう思うという私見を述べるだけだったらいざ知らず、同じ連立をしている与党の幹事長である下地議員が、議員外交といいながらもそのようなことを述べる、これは政府として見解が一致していないんじゃないんですか。  官房長官、お答えになりますか。外務大臣でもよろしいですけど。
  71. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 沖縄の御出身であり与党の幹事長である下地議員の御意見というのは、私どもも注意深くお聞かせをいただかなければいけないと、このように考えておりますが、政府としては昨年五月の合意を着実に実施すべく努力をしているということで、変わっているというふうには理解しておりません。
  72. 宇都隆史

    ○宇都隆史君 与党内でその辺のすり合わせ、あるいは一致をまだ見ていない部分があるんじゃないんですか。沖縄出身の議員さんがそういうことを言い出す。それは、党の中でもしっかりと議論をして、最終的にこの一〇年五月の2プラス2、辺野古案で落ち着きますよという話であれば、ちゃんとそれはまず党内の中でしっかりと一つに、一本化に絞るべきじゃないですか。それを一人の議員が行って米国に誤ったメッセージを与える。まさに日本政府は一本化していない。全く信じられませんよね。一つ一つ言うことが違ってくる。  私は、そういうところ非常に、日本の外交が本当にこのままでいいのか、同盟国に対しても非常に誤ったメッセージを与え続けているんじゃないかと、このような危惧をしています。恐らくこの2プラス2、普天間の問題は、今の民主党政権、この外交に関して一本化もできない政権が担っている間は解決できないのではないかと私は危惧をしております。  質問のまとめといたしまして、私は今回の質問で三点が分かったわけですけれども、まず一点目は、沖縄基地問題に関しては、この下地議員との交渉を見ても全て分かるとおり、全てが暗礁に乗り上げている、全く一歩も前に進まない状態であるというのがアメリカの議会人の発言からもよく分かったということが一点目です。  二点目として、外務省そして防衛省共にですけれども、政府全体として普天間の問題は自らこじらせた案件であるという自覚が全くなさ過ぎる。それが二点目。  三点目に関しては、与党内でもいまだ意見の一致を図れておれず、いまだに場当たり的な個々においていろんな発言をしてしまっていると。今後ますますこじれる可能性がある問題の要素を多くはらんでいるということが今回の質問で分かりました。  私、以上のことより、民主党に関しては、これ以上沖縄問題を任せていては、この普天間問題、恒久化することが極めて可能性が高いと思いますので、一刻も早く勇気ある退陣をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  73. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 今日は東日本大震災からちょうど二か月ということになります。改めて亡くなった方々に哀悼の意を表するとともに、まだこれから、計画避難だ、原発の問題でまだまだ対応しなければいけない点もあったり、まだ避難所にも大勢の方がいらっしゃいます。心からお見舞いも申し上げたいと、こう思います。  ただ、そういう現在の動きとともに、やはりこの東日本大震災も、ようやく復旧を行うとともに復興への第一歩をそろそろもう進めなければならない、そのために政府も様々な会議もおつくりになっているというような現状だろうと思います。  私は、この東日本大震災を受けて東北が復興というところに道筋を進めていくときに、全くケースは違いますが、沖縄が、あの大戦で十万人以上もの犠牲を出し、国内で唯一の言わば地上戦を行ったというそういう地域で、しかも戦後二十七年間なかなか復帰ができなかった、そして復帰して、ある意味では全くの白紙の中で復興の道筋をたどってきたと。その手法は、今も御論議がありましたが、特別措置法という特別の法律を作り、沖縄開発庁という一つの庁をつくり、そういったやり方の中で一つの方向性、復興ということに向かっていったという点は、これは今回、東日本の問題を考えるときも、やはりその沖縄の歩みということを検討する必要があるんじゃないかと、このように私は思うんですが、官房長官から御意見を承っておきたいと思います。
  74. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘をいただきましたように、確かにその原因といいますか、状況、事情は全く異なっておりますし、また、沖縄の場合は沖縄県という一つの単位でありますが、今回の東日本大震災の場合は複数の県にまたがっているなど違いもございます。  しかし、その一方で、本土復帰以来の沖縄振興に当たって、沖縄開発庁、そして現在は内閣府の沖縄部局と沖縄総合事務所という形で、様々な沖縄地元の声、要望というものを内閣としてしっかりと集約的に窓口になり、なおかつそこで全体調整を行って実施をしてきたというようなプロセスといいますか仕組みなどは、今回の東日本大震災においても十分生かされるのではないだろうかというふうに思っているところでございます。  また、この間、沖縄振興に一定の成果を上げてきたというふうに思っておりますが、その間にはいろいろな先人の皆さんが御苦労されてきた。こうした、国がバックアップしながら、責任を果たしながら、地域の事情と地元の声を生かして振興を行っていくという、そのことについての沖縄復帰以来の今日までの歩みというもの、様々な経験というものは、今回の東日本大震災からの復興に向けても大変生かされるのではないだろうかというふうに思っています。  一方で、さらには、従来から一国二制度的という、的を付けた方が正確だと思いますけれども、沖縄について沖縄独自に様々な制度を導入すべきではないかと、部分的には進んできているところはございますが、少なくとも沖縄担当大臣としてはもっともっとそういったものを進めていきたいというときに、沖縄だけではなくて、沖縄については沖縄の事情でこういうふうな特区的なことが進む、東日本については大震災を理由にしてこういうふうに進むというような形、さらに、北方担当でもございますので、直接ではございませんが北海道などについてもある部分についてはということで、従来沖縄だけだとなかなか進まなかった特区的なことは、沖縄ではこういうことを、東日本の震災地ではこういうことをといった形で、それぞれ重要性、必要性については国民的な理解を得られると思いますので、そういった意味では、全く違っているけれども、そういった意味では連動させたプラスの効果を及ぼせるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  75. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 確かに沖縄でそういう一つの仕組みをつくりながらやってきたことが大きなプラスになった部分もあるんですが、一面どんなことが起きたかというと、特別立法をやって公共事業の高率補助とか税制の特例とか今おっしゃったいろんなことをやった結果、社会資本の整備はいろいろ進んでいくんですよ。でも、その一方で、やっぱりそういうやり方の中で余りに中央主導が強かった場合どんなことが起きてくるかというと、やっぱり何か財政依存型みたいな、そういう沖縄の一つの特殊な形もつくってしまった。  言わば、やっていくときのやり方一つで良くもなり悪い部分もつくっていくという意味では、プラスだけじゃなくてそういった面もよく検討する必要があるんじゃないかなと思うんですが、いかがですか。
  76. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘のとおり、まずその復興の中身そのものについても、国からの押し付けではなくて、それぞれの地域の事情に応じた地元からの声というのをまず重視していかなければいけないし、そして沖縄については振興、被災地については復興というのは、まさにある時期はそういったことをこの地域についてのそれぞれの地域の特殊性に基づいて進めていくわけでありますが、一定の期間でそれによって従来以上に強い地元としての力を発揮していただくということが目標でありますので、その目標をしっかりと忘れずに、したがってその目標に到達するような内容の振興策をしていかなければならないということは大変肝に銘じていかなければならないことだというふうに思っております。
  77. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 実は、沖縄のこれから新しい振興に向かって、沖縄地元からは、大きく言ってしまえばどういう言い方をしているかというと、新たな振興策を沖縄がやるならば、まずその新たな振興計画、基本は県が主体となって言わば考える、それを実践するために、例えば制度の規制緩和の問題であるとか大幅な財政措置、そういったものは国がやっていただくというようなことを一つの考え方として沖縄がお示しになっている。これは、私は、今の東日本大震災も全く、これから復興計画をお立てになるわけですが、一番学ばなければいけない点はここではないかなと。一言で言うと、復興に対する、あの大震災の復興も誰がやるかと。それは、計画、何をやっていくかというその具体的な話は県なり市町村なり言わば地元考える。それが本当に実現できるようにある意味では支える形で国が財政上の措置をしてあげたり規制緩和をしてあげたり、先ほどちょっと大臣いかけられましたが、例えば特区の問題を含めて、そういったことを言わば支える形で国がサポートしていく、これが基本になるんではないかなと。言わば国と地方との関係ですよね。  そういう基本をやっぱり私は持つべきだと考えるんですが、大臣から御意見を賜っておきたいと思います。
  78. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 全く私も、この震災の復興の話が政府内でも出始めた段階から委員指摘のようなところは大変重要だと認識をしているところでございます。  特に東日本大震災の被災地については、被害の状況も地域によって決定的に違います。もう地域全体が役場等を含めて全滅に近いようなところもございますし、仙台市などは中心部は、ガスがなかなか復旧しなかったようですが、ほとんど影響を受けていないところもございます。それから、それぞれの地域も、もうまさに仙台市のような政令指定都市から、もう本当に小さな過疎化に悩む、元々そういったことで苦しんでいた漁村等までありますので、国からこれでいくんだと押し付けをやったら、全くそれぞれの地域から見ればピント外れなものになってしまう。それぞれの地域の事情と声に基づいて、それを国としてどう後押しをさせていただくのかということこそが震災復興について大変重要なことだというふうに政府内で繰り返し申し上げてきているところでございますし、そういった方向に持っていきたいと思っております。  沖縄振興についても、若干、ともすると初期のうちは、いろんな歴史的な事情の中から、国からの押し付け的な部分がなかったかなというところの危惧を持ちながら、特にこれからの振興については一層地元の強みを生かしていただくということが重要だと思いますので、今まで以上に地元の声というものを前提にした振興策を国として支えていく、バックアップしていくという方向に更に進めてまいりたいと思っております。
  79. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 さて、これも先ほどから議論になっておりますが、沖縄振興開発の法律、計画、それぞれが二〇一二年三月で期限切れになるということで、現行の沖縄振興計画の総点検、ポスト沖振法、沖振計画の議論が今進んでいる最中なんですが、この大震災が起きた後、ある意味じゃ沖縄皆さんが心配もし、ある意味じゃ一番気を遣っていらっしゃる問題も何かというと、これをどう考えていけばいいかということなんだろうと思います。つまり、大規模ないろんな案をやっていくとそれは財政的には掛かるわけですから、本当にそういったことを沖縄として発信してもいいのかと悩んでいらっしゃる方がいるのも事実なんです。  だから、まずは政府として、これは東北の問題も東北の問題きちっとやらなくちゃいけない。でも、一方でこの沖縄の、先ほど御指摘ありました、新たなものをつくるぐらいの決意でやらなくちゃいけない。まさに私はそれが基本だと思うんですが、地元から出ている声というのは、もうこの大震災を踏まえると、現行制度を少しいじるだけのものになりはしないかというような危惧がやはり今出されていることも事実でありまして、もう一度私は官房長官に、今回のこの沖縄振興計画というのはもう抜本的にやるものだということを是非確認をさせていただきたいし、そして更に申し上げると、もっと後退して、例えば期限切れになる段階を前にして、現行法や現行計画を少しつないで延長しようなんということが起きないのかという危惧も実際にあるわけで、そういったことについては、ないならないとここで明確に否定をしておいていただきたいと思います。
  80. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 沖縄振興策、そして法案が期限切れになることに対するポスト法、新しい法律については、御指摘のとおり、震災がございまして、私が沖縄担当大臣と特に官房長官を兼務していることもございまして、間に合うんだろうかとかいろんな御心配はいただいたということは承知をいたしております。  しかしながら、まさにこれは、もちろん震災復興も大変重要でございますが、沖縄のいろいろな様々な今までの歴史的な経緯を踏まえる中で、そして先ほど前向きな意味からも、これからの日本をリードしていく地域として沖縄に頑張っていただくという意味からも大変重要だというふうに思っておりまして、率直に申し上げて、震災発生後の一か月ぐらいはこの沖縄振興策について事務レベルのところでの前進ということにとどまっておりましたが、きちっと少なくとも国としてはしっかりとしたものを予定どおり法案として国会に御審議お願いをし、新たな振興段階に進んでいくと、国としてはそういう決意であることは全く変わっておりません。
  81. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 その決意を踏まえた上で、これは三月のこの委員会の委嘱審査だったと思うんですが、大体本年夏ごろまでには一定の取りまとめができるというようなお話もちょっと当委員会でいただいていたと思うんですが、今お話しできる範囲で、どこまでか分かりませんが、新たな沖縄振興の在り方について今の政府としての進捗状況、こんなことまでは検討が行われておりますよというようなことがあれば、是非教えていただきたいと思います。
  82. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) これまでも沖縄政策協議会や沖縄振興審議会において様々な提言をいただいているところでございますし、それを踏まえまして、事務レベルでは特に沖縄二十一世紀ビジョンなどを踏まえて県の方といろいろと御相談をさせていただいているところでございます。  ただ、事務ベースでの御相談というか整理のところがようやく付いてきたというところで、さあ、いよいよそろそろ政務レベルで、いろいろと重要な案件ほど政務レベルでの各省庁との調整も含めた判断、決断が必要になってくる段階かと、ようやくその段階にこれから入っていこうという段階現状でございますので、逆に言うと、今は県からの御要望を事務的に整理をして、普通に考えるとなかなか難しいですよねということが幾つか積み重なっているという状況だというふうに御理解をいただければと。これからそれについて政治判断、政治決断をどう進めていくかという段階に入ってまいります。
  83. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そうすると、県との打合せみたいなことは、ある程度もうちょっと県がまとめてから沖縄県も入っていただいて検討するというような形になっていくんですかね。
  84. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 事務レベルでは、県からいただいている様々な御要望を整理をさせていただいたり、あるいはその内容について更にお尋ねをしなきゃならないことなどについては把握をさせていただく努力などは進めております。そして、それに基づいて、従来の制度とか従来どおり事務ベースで各省と御相談をすると、なかなか必ずしも全てが前向きとはならないような方向のものが少なからずあることは私も承知しておりますので、どういう障害があるのかなどといったことを事務的に整理をしていると。  これから県の側にも優先順位などを政務レベルで内々いろいろとお話をさせていただきながら、どこを前に進められるのか、どこは大きく前に進められるのか、どこがなかなか難しいのかという政治的なめり張りをこれから付けながら、それを知事さんを始めとする県の方の政務の皆さん相談を進めさせていただこうと、これからそういう段階に入っていくところでございます。
  85. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 先ほども申し上げたように、地元の意見をまずは大事にしていこうという大臣の姿勢はもう大変結構なことだと、こう思っておりますが、その一方で、先ほどもおっしゃったように、ある程度いろんなものは出たけれども、最終的なところはやっぱり政治的にどう判断していくかというような問題がいずれにしても起きてくるんだろうと思うんです。  沖縄についても、一つの方向性、ビジョンというようなものも考えていったときに、沖縄担当の大臣として沖縄、先ほどもおっしゃいました、地理的な要因の問題であってみたり、それから特区の問題もおっしゃいました。沖縄がこれから振興していこうとするならば、何をどう核にしながらというようなある一定程度のものは、大臣そのものもある程度ビジョンを現在もお持ちではないかなと思います。一番根本となるような、沖縄振興のために私としてはこういう方向を一番主眼に持ちながらいろんなことを話していきたいというような核の部分があれば大臣の御意見を伺っておきたいと思います。
  86. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 基本的には県のあるいは沖縄県民の皆さんの声を大前提に、それを後押しをさせていただくというのが私の役目だというふうに思いますので、どこまで私の思いとかそういったものを申し上げていいのかどうか迷うんですが、あえて御質問をいただきましたので、これは沖縄の県民の皆さんの当事者としてのお気持ちとはずれるかもしれませんが、少なくとも担当大臣としてこんな思いを持っているということで御理解いただければと思いますが。  歴史的にいろいろと、沖縄皆さんにはそれ以外の県の皆さん以上の歴史的ないろんな御苦労もありました。それは、沖縄の地理的な条件がそのことの一つの大きな要因になっています。しかし、現在は、その沖縄の地理的な要因が沖縄皆さんにとっても、そして日本全体にとっても、まさにこれから伸びていくアジア地域に最も近いという非常に大きなプラスをもたらす要因だと私は思っております。  そうした意味では、先ほどもちらっと申し上げましたが、これまではどちらかというと、沖縄が特に様々な歴史的な経緯の中でどちらかというと厳しい立場にある、事情にあるので、国としてバックアップをしていくということが中心であった側面が否めなかったと思います。そして、歴史的なことからそういったことについてバックアップしていくという責任も果たしていくと同時に、このアジアに開かれた地理的な条件というものを沖縄振興のためにもしっかりと生かしていただくことが日本全体がアジアに開かれて伸びていくために大きな大きな意味を持っていると。そして、むしろ沖縄こそが日本のこれからの先進地域なんだというような時代になっていくことが沖縄にとっても日本にとっても大変望ましいことなんだと、こういう私自身は認識を持っておりまして、そうしたところにつながっていくような振興の支援を国としてしていければというふうに思っているところでございます。
  87. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 何でこうやってあえてお聞きしたかというと、何か今日の新聞を見ていましたら、あっ、質問通告しておりません。何をお聞きしたいかというと、何か内閣法の改正ですか、がもうすぐ出されそうな感じでございまして、その中の何か一案が閣僚を三人お増やしになられる、何か三名増やされると。それで、その三名何で増やすのかという理由は明確には今なっていないんですが、様々な新聞報道によりますと、どうも沖縄について担当大臣をきちんと設けるんだと。じゃ、官房長官沖縄やめるのかという話にもなりかねないようなお話でございまして、これはどういうことなのかな、ちょっとよく分からなかったんですが。  これは大臣にお聞きするのがいいのかどうか分かりませんが、三人増やして沖縄の専門の担当大臣をつくろうというような、そんなお考えがどこかに何かあるのかどうか。現時点ではそんなことはまだ出してもいないわけですから答える立場にないとおっしゃるかもしれませんが、一応確認のために、これからも沖縄のために官房長官としては是非頑張りたいと思っていらっしゃるのかどうか、ちょっと聞いておきたいと思います。
  88. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 官僚答弁的に答えた方がいいのかなと迷いながらもあえてお答えをさせていただきますが、間もなく国会に閣僚三人を時限的に震災対応として増員させていただけないかという法案をお願いをしようというふうに思っております。  最終的には、その三ポストがどういう人間をどういった肩書で充てるのかと、これはもう総理の人事権でございますが、基本的な考え方としては、最初考えたときにはもうまさに被災者支援が中心でありましたが、それがもう今、これからは復興をしっかりと担う担当者が必要であろうねと。それからもう一つは、これだけの大きな事故である原子力災害対応については、経産大臣と同時に、経産大臣の権限、役割を少し軽減するようなそういったポジションが必要であろうねと。そしてもう一つは、これは私のところも例に挙がったようでございますが、現状、十七人の閣僚の中には幾つかのポストを兼務せざるを得ないということの中にありますので、これ震災に対しては各省いろんな仕事を抱えております、私の官房だけではなくて。そうしたことの中で、若干そうした兼務の状況のところを調整することによってそれぞれが震災に更に万全を期せるようにしたいねと。おおむねこのことで三つのポストということをお願いできないかということでございます。  そこから先、もしこの法律通していただいたときにどうなるかは、これは私は人事の任命を受ける側でございますので何とも申し上げにくいところでございますが、私自身としましては、もちろん内閣官房長官という役割は大変広範多岐で多忙な役割ではございますが、元々それが分かった上で沖縄北方担当についてはいろんな意味で官房長官が兼ねるということ、マイナス面もあるけれどもそれがいいことなんだということで総理に御指名をいただいておりまして、私自身も実は野党時代にも沖縄の担当をしたことがあるいろんな経緯からも特に沖縄の問題には思い入れもございますので、できれば続けさせていただきたいなと個人的には思っているということの答弁にとどめさせていただければと思っております。
  89. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 そこはどういう形になるかを是非しっかり見守っていきたいと、こう思っております。  ちょっと普天間の問題も議論したかったんですが、もう私に与えられた時間はほぼありませんので、最後外務大臣に、先ほど普天間の問題でやり取りされていて、大臣としても是非この普天間移す問題については最大限努力するとおっしゃっておりましたが、私は、じゃ具体的に、本当に沖縄側の理解を得るために外務大臣としても具体的にどのような努力、今から、それこそ2プラス2もうやる前には、それはきちんとまずは県民の理解を、外務大臣としてもですよ、やはりいただく努力はされた方がいいと思うんですが、具体的に何かおやりになるつもりか、是非それだけを伺って、質問を終わりたいと思います。
  90. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 外務大臣の立場としては、負担軽減の話であるとか対外交の面で沖縄に資することができるものを一つでも獲得をしていくということが私の役目だろうと思っておりますが、同時に、私自身としては機会があれば沖縄にも伺ってお話をさせていただきたいと、このように思っておりますが、来るべき2プラス2までの中で、今長官もここにおいででいらっしゃいますが、沖縄北方担当を始めとする関係の閣僚の皆さんともよく相談をして役割分担をして、政府として一番よく効果の上がる形の中で私は私の使命をしっかり全うできるように努力したいと、このように思っております。
  91. 木庭健太郎

    木庭健太郎君 終わります。
  92. 江口克彦

    ○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。  在日献金問題で前原前外務大臣がお辞めになりました後、松本大臣が仕切られてまだ二か月ぐらいだと思います。たしか二か月だと思うんですけれども、その二か月の間で、なかなか大変だと思いますけれども、時間がなかったということになるかもしれませんけれども、大臣は北方領土にお入りになったことはおありなのかどうか、お尋ねしたいと思います。
  93. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 北方領土に行ったことがあるかという御趣旨であるとすれば、ありません。大臣として行ったことはありません。
  94. 江口克彦

    ○江口克彦君 大臣として北方領土に行かれる御予定はおありでしょうか。
  95. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 私が外務大臣を拝命をしたのは三月の九日でございまして、十一日にこの大震災が発災をいたしました。この間で限られた時間をどのように使うかという部分もあったわけでありますが、現在のところ、北方領土に私自身が行くという予定は今まだ持ち合わせておりませんけれども、本件について、北方領土の問題というのは我が国にとって大変重要な問題であるという認識は持って取り組んできております。  ある意味では、巡り合わせとしては幸いにして、九日に就任をいたしましたけれども、その直後、一週間以内にG8の外相会議がございまして関係の各国とも会談をする機会があり、ロシアの外務大臣とも会談をする機会がありましたときに我が国の立場というのをしっかり申し上げてまいりましたし、しっかりそのことを貫いてまいりたいと、このように思っております。
  96. 江口克彦

    ○江口克彦君 私がお尋ねしているのは、重要な認識があるとか、あるいはまたロシアの外務大臣と話をしたということではなくて、実際に北方領土の中に入る、あるいはまた行かれる御予定があるのかどうかということを御質問しているんです。
  97. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 今のところ、そういう予定は持ち合わせておりませんとお答えをさせていただきたいと思います。
  98. 江口克彦

    ○江口克彦君 言うまでもなく北方領土は日本の領土であるのは大臣も御承知のとおりだと思います。なぜ自国の領土でありながらその自国の領土に日本外務大臣が入っていかれないのか、あるいはまた行かれないのか。自国の領土でないロシアの大統領とかそういう閣僚の人たちがどんどんどんどん入り込んでいるんですね。それに対して、日本の総理大臣を始め、あるいはまた閣僚の方々はただの一度も北方領土に入っておられない。枝野官房長官は空からひょいと見ただけですよね。ひょいと空から見たというのは、あれは逆効果だったんですよ。要するにあれは、日本が領土として、自国の領土として、本気になって領土として認識していないということをロシアに伝えてしまったんですよ。飛行機で見るぐらいだったら、飛行機で視察をするぐらいだったら、あなたは命を賭してでも本当にビザなしで行けばいいんですよ。なぜ行かなかったのか、枝野官房長官、お答えください。
  99. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘の趣旨やお気持ちは十分理解するものでございますけれども、そうした行動を取った場合の様々な影響等を総合的に判断をいたしまして、北方対策の担当大臣として、北方領土、そして元島民の皆さんの心情、状況等について把握をさせていただくべく現地視察を行ったものでございます。
  100. 江口克彦

    ○江口克彦君 そういうことを行ったときにそういう問題が起こることを想定してあえて北方領土に入らなかったとおっしゃいますけれども、ロシアは現実に入り込んでいるんですよね。ロシアは自国の領土でもないところへ入り込んでいて、じゃ、そのロシアの大統領あるいは閣僚の人たち、あるいはまた政府の主要の人たちが北方領土に入り込んできて、それを抗議しているだけですよね。いつも遺憾である、いつもけしからぬというようなことを、これは自民党時代からずっと続けているわけですよ。ところが、実際には実効支配でどんどんどんどんロシアはわあっと、今一万七千人ぐらいいますよ、ロシアの人たちが。そういう人たちが住み着いて、しかもインフラも整備してしまっている。そういうような状態で、こういうことになってきて、これからどのように北方領土を返してもらうというか北方領土交渉をしようとしているのかということですね。  これは、自民党の長い間そんなことをやってきたから、自分たち、しり拭いさせられるのは困るとか、あるいは民主党政権になったからという、それではやっぱり政権を取ったという誇りとかあるいはまた威厳は何にもないですよね。やっぱり政権交代したからには、自民党がこうだったから民主党としてはこういうふうに北方領土の返還についてはこういうふうなやり方をやるんだということを明確に示されないといけないと思うんですよ。弁護士をやっておられるというか、法律家の枝野官房長官だったら当然そういう論理的なことはお考えになるはずだし、そういうことをやらなければいけないというふうに思うんですけれども。  ここで外務大臣にお尋ねしたいんですけれども、現実的なこの北方領土返還に対する具体的な解決策あるいはまたスケジュールというものをどのように考えておられるのか、これは是非お答えをいただきたいと思います。
  101. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 六十年以上にわたって、私は、日本の国の領土である北方領土の帰属の問題を解決をすべく多くの方が努力もし、また試みも重ねてこられたと思いますが、残念ながら現在に至って解決をしていない問題であるという現実は重いものがあるというふうに思っております。  私どもとしては、これについては一朝一夕に、若しくはこれをやればという解決方法があるのであれば、それはまさに身を賭してでも可能であればそれは行われるものだというふうに思っておりますが、しっかりとこの問題が解決をされて日ロの間で平和条約が結べるように粘り強く交渉を行っていく、この道を歩んでいきたいと、このように思っております。
  102. 江口克彦

    ○江口克彦君 一朝一夕には解決できない、粘り強く交渉するというのは、歴代外務大臣がもう毎回毎回同じせりふ、そこにテープレコーダーがあるんですか、それぐらい同じ答えをされているんですよ。それが、実際には北方領土はどんどんどんどんロシアが入っていって、そして実効支配して、日本日本人がビザなしでは行けないんですよね。しかも、自粛を要請するようにと政府は言っているわけですよ。だから、陰に隠れて日本人はロシアのビザを取って北方領土に入っているという状況ですよね。  これに対してまた、一朝一夕で解決できない、慎重に検討して、また時間を掛けて平和条約、これやっているうちに、恐らく北方領土は三万人か五万人のロシア人の島になってしまいますよ。そのとき日本はどうするんですか。今行動を起こさなければ、今本当に思い切った決断をしなければならない。自民党の政権のときはできなかったと言うんだったら、民主党政権だったらできるでしょう。民主党政権だったら、過去のことはさておいて、私たちはこういうふうなやり方でロシアと対抗して、対応してやっていくんだというようなことを民主党政権として言わなきゃいけないのに、相変わらず、私は、自民党政権と同じような、今までの外務大臣と同じような答えをしておられるんだったら政権交代の意味がないというふうに私は思いますよ。  だから、是非、民主党政権として北方領土の返還についてはこういうふうにするんだ、いついつまでにこうするんだと。いいじゃないですか、ロシアと少々衝突しても。それぐらいの気持ち、気迫がないから、結局、穏便に穏便に、何でも事なかれ主義でやっているから、一朝一夕では解決できません、慎重に検討して、平和条約が結ばれてからなんというようなことをやっているうちに、もう北方領土はロシアの領土になってしまいますよ。それでいいんですか、大臣
  103. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 私どもとしては、是非北方四島の帰属の問題を解決をしたいと思っておりますので、賢明な先生のお知恵もまた御開陳をいただけたら、よく勉強させていただきたいと思っております。
  104. 江口克彦

    ○江口克彦君 解決したいというお気持ちについては大変敬意を表しますが、それでは、解決するという、いつまでに解決するのか、その工程表、スケジュールをお話しください。
  105. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 現状先生もよく御存じのとおりでありますので、先ほど申し上げたように交渉しなければいけないという状況でございますので、その点については、私どもとしても交渉にしっかり取り組んでいきたいということを申し上げております。
  106. 江口克彦

    ○江口克彦君 交渉しなければならない、交渉しなければならない。いつ交渉するんでしょう。そして交渉をして、そしていつ戻ってくるんでしょうか。私は絶望的なお答えだというふうに思います。  沖縄に話題を変えます。  沖縄でありますが、今、沖縄基地、普天間から辺野古ということになっておりますね。辺野古になっておる。そして、宜野湾だとかというようなこともいろいろと取りざたされているようでありますけれども、もう沖縄人たちは、鳩山さんが県外でいい、県外だと言ったから、大喜びしてそれを信じたんですよ。信じて、そして沖縄から基地は県外に移るんだというふうに思い込んだわけですね。そうですよね。そして、県外だって、鳩山さんは県外にしてくれるんだと。で、鳩山さんもアメリカに行ってのんきにオバマさんにトラスト・ミーなんていいかげんな答えをして帰ってきたわけですよね。  そういうようなことからすると、もう完全に民主党政権というのは、鳩山さんの時代から沖縄の人を欺き、欺き、欺いちゃっているわけですよね。欺いちゃっているわけですよ。欺き続けている結果、この間の参議院の選挙でも立候補者立てられなかったわけですよ。それぐらい沖縄人たちは怒っているわけですよね。怒っているわけですよ。  要するに、沖縄の人からしたら辺野古も駄目なんですよ。そして、普天間はもちろん、宜野湾も駄目なんですよ。県外なんですよ。もうそれで、だから沖縄人たちは、県外以外は絶対にもう認めないということになっている。  ところが今、五月に戻る、アメリカの案に戻る、あるいはまた自民党案に戻る。これはアメリカの考え方ですよね。民主党政権はアメリカを取るんですか、沖縄人たちを取るんですか。アメリカの言うことを聞くんですか、沖縄人たちの言うことを聞くんですか。どちらですか。
  107. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 私どもは日本国の政府でありますし、当然沖縄方々日本の方であります。ですから、日本にとって、沖縄にとって望まれるというか、いいと思うことをしっかりとやっていくということであります。
  108. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 江口克彦君、時間が過ぎておりますので。
  109. 江口克彦

    ○江口克彦君 あと二分ありますね。
  110. 中川雅治

    委員長中川雅治君) いや、四十二分までです。
  111. 江口克彦

    ○江口克彦君 ああ、そうですか。ごめんなさいね。  じゃ、最後に申し上げますけど、そうしたら、沖縄の人の言うこと、沖縄の人の考え方を取るということであるとするならば、県外ですね、大臣
  112. 松本剛明

    国務大臣(松本剛明君) 私どもとしては、昨年の五月の合意というのが我が国にとってしかるべき決断だ、判断だということになりました。  ただ、この間に、昨年の五月の合意に改めて至ったことについて、その経緯については沖縄の皆様にはおわびを申し上げなければいけないということはこれまでも申し上げてまいりました。沖縄の皆様にも私どもの判断を御理解をいただけるように誠意を持って努力をしているところでございます。
  113. 江口克彦

    ○江口克彦君 ありがとうございました。
  114. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は私は、沖縄の泡瀬干潟の埋立問題について、これ枝野沖縄担当大臣に対してお聞きしたいと思います。  政府として、先月の四月二十六日に沖縄の泡瀬の埋立事業計画変更を沖縄県に対して申請をしました。それで、枝野大臣は、国が示した留意点を地元で引き続きしっかり受け止めて、それに沿った対応で事業を進めてもらいたいというふうに述べられたそうなんですけれども、地震による液状化ですとか津波の影響などは考慮された上でこの事業を申請されたんでしょうか。
  115. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 泡瀬地区の埋立事業については、昨年七月に沖縄市が策定した土地利用計画を踏まえて国として埋立承認の変更申請を行ったところでございますが、今御指摘のような、特に今回の東日本大震災を踏まえて、津波やあるいは地震による液状化等の問題に対しての万全の措置については、今後、沖縄県における地域防災計画の見直し動向等を踏まえつつ、沖縄県、沖縄市と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。
  116. 紙智子

    ○紙智子君 今回の東日本大震災は、津波被害の大きさと、それから埋立地が液状化ということでは極めて脆弱な土地ということが、私たちみんなが目の当たりにしたというふうに思うんですね。  それで、ところが、県の防災計画の見直しをこれからやろうとしているんだけれども、これも待たずに言わば震災前の埋立ての計画をそのまま提出をしたということでありまして、これは政府の見識が問われる問題じゃないかというふうに思うわけです。  それで、琉球大学の工学部の教授で島嶼防災研究センターの、これは併任ですけれども、教員の仲座栄三教授ですね、この方が、大震災を受けて、今回の津波や、それからかなり昔にあった明和の津波、大津波ってあるそうですけれども、これも踏まえれば、本島で十メートルを超えた津波を想定してよいと、防災計画を見直す必要があるということを指摘されているわけです。  それからさらに、琉球大学の理学部の中村衛准教授は、琉球海溝でマグニチュード八・五の地震が発生すると、本島東海岸で二十メートルの津波が地震発生から二十分程度で到達するということを予測しているわけですね。  私も認識を新たにしたんですけれども、全体としては沖縄では余り地震がないような印象ってあったんですけれども、決してそうじゃなくて、海溝なんかもそういう意味では実際に想定される、予測しなきゃいけないということでありまして、大臣はやっぱりこうした地震や津波の、大津波の危険性が指摘されている中でこの埋立事業を推進することが適切だというふうにお考えなのかどうか、お聞きしたいと思います。
  117. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 御指摘のとおり、今回の東日本大震災で改めて、津波に対する備え、それから液状化に対する備えということについては改めての見直しが必要であるというふうに思っております。当然のことながら、埋立てという海に近いところで行われる事業でございます。したがって、津波の影響についての考慮は必要でございます。また、埋立てということですので、液状化の被害の可能性についても十分備えなければいけないというふうに思っております。  そうしたことによるリスクというものも、これは当然この埋立承認の変更の手続が踏まれている中に、この事業そのものは、沖縄市が土地利用計画を作ってそれに基づいて国として埋立事業を行っていく、その承認の手続でございますので、当然のことながら、お金を掛けて事業を進めていく、もちろん国もですが、沖縄市においても、その二つの点のリスクについてはしっかりと検証をしながら今後の手続を進めていくことになろうというふうに思っております。
  118. 紙智子

    ○紙智子君 それであれば、申請を出しているんですけれども、これは一旦取り下げるということでしょうか。
  119. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 今回の申請手続は、例えば津波や液状化によって被害が生じるリスクというような問題についての手続ではございませんので、手続については法に基づいて進めさせていただきながら、じゃ実際に埋立てというお金を掛けたり、あるいはその埋め立てた土地を利用した土地利用計画をお金を掛けて推進していくに当たっては、そうした今回の東日本大震災を踏まえたリスクの考慮の中でしっかりと改めての評価はしていくことになるだろうということを申し上げているものであります。
  120. 紙智子

    ○紙智子君 そもそもこの埋立ての事業というのは、元々自然破壊ということでの批判も強くありまして、これ二〇〇九年ですけれども、福岡高裁が、経済合理性が認められない、公金の支出は違法だということで判決を下しているものです。その上に今回のこの大災害を日本全体が体験をして、いかにしてこの先、災害に強い町づくり、国づくりを進めるのかということがまた課題になっているときです。  液状化に弱いことが明白な埋立事業を従来どおり進めるというのが本当に適切なのかといえば、今大臣おっしゃったように、今のその事態を踏まえて見直さなきゃいけないというふうに言っているわけですけれども、一千億以上の総事業費だと、これに加えて、地震に弱い埋立地を更に強くするというので巨額を投じてまで造成する必要があるのかというふうに思うわけです。これはやっぱり立ち止まって申請は取り下げるべきではないでしょうか。
  121. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 法に基づいて、実際に埋立てをしようと思ったらこうした手続を行っていかなければならないわけでありますので、それについての審査の手続はこれは進めさせていただきたいというふうに思っておりますが、当然、御指摘のように、東日本大震災の今回の様々な事態を踏まえて検証をした上で、まさにコストがどの程度、あるいはリスクがどの程度ということについては、これはそこを利用しようとしている沖縄市においてもしっかりと改めて御評価をいただくべきだろうと思っておりますし、埋立事業を行う国としても改めてその点については同時並行で評価をする必要があるとは考えております。
  122. 紙智子

    ○紙智子君 一たび大地震が起きたときには、例えば沖縄の中部の地域でも、沖縄市のこの泡瀬からうるま市の州崎まで含めて埋立地域一体が水没するということで警鐘が出されているわけです。  それで、地元紙にはいろんな読者の方が声を載せていますけど、液状化や津波を連想させる土地をわざわざ購入しようという企業はないんじゃないかというようなことなんかも含めてたくさんやっぱり声が寄せられているわけで、こういう声に真剣に是非耳を傾ける必要があるというふうに思います。  それから、住民監査請求でこの福岡高裁那覇支部が、経済的合理性が認められない、事業を進める前提として相当程度の手堅い検証が必要だというふうに言って公金支出を違法としたわけですけれども、この高裁判決が求めた手堅い検証がじゃこの間されたのかということが問題なわけです。  市の需要予測沖縄県を訪れる観光客の予測ということでいいますと、二〇一八年に八百五十万人というふうになっているんですね。この数字というのは、二〇〇八年の六百五万人の一・四倍。二〇〇九年度の実績は県の発表でいいますと五百六十五万人ですから、この沖縄市の推計六百三十万というのは既に六十五万人過大推計になっているわけです。新たに造るという多目的施設やスポーツコンベンション、それから宿泊、この需要予測が延べ四百十五万人となっているんですけれども、これは沖縄の最も有名な観光地でもありますみんなが行く首里城、ここが年間百八十万、それから海洋博公園が二百二十万ということから見ても大きく上回る数字なわけです。  この需要予測が本当に手堅い検証だというふうに言えるのかというふうに思うんですけれども、これはいかがですか。
  123. 園田康博

    大臣政務官(園田康博君) お答えを申し上げます。  まず、需要予測事業費の……
  124. 紙智子

    ○紙智子君 余り長くないように。
  125. 園田康博

    大臣政務官(園田康博君) かしこまりました。失礼いたしました。  まず、需要予測でございますけれども、沖縄市においては堅めの想定をされておられるということで私どもは承知をいたしております。そこの例で申し上げますと、県がまず、先ほどおっしゃいましたけれども、平成二十八年には一千万人ということに対して、今回は私どもは、私どもって沖縄市ですけれども、平成三十年には八百五十万ということで、この辺については需要予測の伸びをそのまま堅めの推計値でやっていらっしゃるということで、そういった統計を基に算定をされているものであるというふうに認識をしております。  それから、事業費に関しましても、これは今御指摘ありましたように、インフラ整備であるとかあるいはスポーツ施設、そういった上物の施設の整備に係る経費、これについて投資額全体で一千二十億円ということで見込んでおりまして、その小さい規模とする、大体八割の推計でこの事業費計画をされているというふうに認識をさせていただいております。
  126. 紙智子

    ○紙智子君 県の需要予測の八掛けなんだから堅いんだという話なんだけど、八掛けだからいいというものじゃなくて、実際に需要予測自体をもっと現実に即してこれ見直すべきだというふうに思うんですよ。  変更計画では、埋立面積が百八十七ヘクタールだったわけですけれども、今度小さく半減したということで九十五ヘクタールに減っているわけですけれども、その事業費の土砂の処分場造成整備費ということでいうと、二〇〇〇年段階三百八億円だったのが今年は三百三十二億円で二十四億円の増になっているわけですよ。だから、国の埋立事業費ということで比較すると、これまでに支出した額も含めて約一・八倍になっているんですね。だから、計画そのものの面積が半減しているのに何でこの整備費は倍近くになるのかとか、それから土地利用計画についても、そういういろいろ見直しと言うんだけれども、県民とか市民に対してはこれは十分説明されているわけじゃないわけです。  それから、内閣府に聞いたら、九人の有識者から意見を聴いたというんですけれども、これは匿名を条件にしていると。名前は出さないでということで条件にしていて、しかも泡瀬に行ったことのある人というのは一人か二人しか入っていない、で、自然環境の専門家は入っていないと。  担当大臣にお聞きしたいんですけれども、こういうふうな責任が要するに問われないような形で意見聴取して、経済合理性を相当手堅くこれは検証したというふうに言えるんでしょうか。
  127. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 手続としては少なくとも違法ではないというふうに思っておりますが、先ほど御指摘のとおり、東日本大震災の事態を踏まえた津波リスクであるとか液状化リスクというものについては恐らく十分にはその中には含まれていなかっただろうというふうに思われますので、そうしたことも含めた上で、本当に経済合理性があるのかどうか、沖縄市とも御相談をしたいというふうに思います。
  128. 紙智子

    ○紙智子君 この泡瀬干潟は、環境省が昨年の九月に、ラムサール条約登録湿地の条件を満たしている湿地であるということでこれ候補地に選定した干潟ですよね。それで、この計画進めるに当たって、干潟の消失分が最初の一八%から二%まで減るんだから大丈夫だという話もあったんですけれども、これはやっぱり専門家の方から言わせると、生態系全体に影響を及ぼす、そのことをやっぱり本当に考えられていないという批判もあるわけですよね。それで、この間、国土交通省の交通政策審議会の港湾分科会の中でも、埋立ては可能な限り回避するとともに、当該区域を埋め立てる場合には自然環境への影響を最小限に抑える必要があるんだと、環境省からこういう意見が付けられたという経過もあったわけです。  そして、この間、修学旅行生も随分行っているわけですけれども、非常に干潟を見に行って感動しているわけですよね。こんなにたくさんの生物がいるというふうに思わなかったという驚きの声なんかも寄せられているわけで、やっぱり沖縄の観光の主力ということでいうと修学旅行というのは本当にその中でも相当主力を占めているわけですけれども、貴重な自然と触れ合える泡瀬の干潟を保全して地域の財産として生かすことが大事だというふうに思うんです。  その泡瀬干潟の自然を生かした観光、振興計画こそが重要なんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点での大臣の御認識を伺いたいと思います。
  129. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 沖縄の一つのアドバンテージを持っている部分は豊かな自然環境にあるというふうに思っております。そうした意味では、観光資源としてその豊かな自然環境というものを十分に生かしていくことが沖縄振興にとって重要だろうというふうに思っておりますし、干潟についてもその大きな要素であるというふうに思っております。
  130. 紙智子

    ○紙智子君 時間になりましたけれども、経済合理性から見ても、それから今度の地震災害や環境への影響から見ても、埋立事業から撤退するというのが私は今の段階政府の取るべき選択だというふうに思いますし、そのことを強く申し上げまして、質問を終わります。
  131. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、質問に入ります前に、今日最初の質問者でありました田城郁委員から、戦前沖縄鉄軌道の話、そして軽便鉄道質問がございました。私は、実は軽便鉄道に乗った世代の一人なんです。それに対して担当大臣が前向きの答弁をしていらっしゃいますその姿を見ていて、やはり政治は、政権はやはり替わって、新しい政権になってやっとこれが日の目を見ると。過去ずっとこういう要請はしておりましたが、今日のを見ていて、いや、これは本物になるぞと、こういうふうに私は感動いたしました。質問者そして答弁者、本気で頑張ってまいりましょう。ありがとうございました。  さて、私は今日は、北方四島については二問、そして沖縄関係について四問、したがいまして、なるべく簡潔に質問をいたします。お答えも簡潔にお願いいたします。  来年の三月でもって現在の沖縄振興特別措置法は期限切れを迎えることになっております。したがいまして、従来の継続ではなくして新しい法律を作って、新しい計画の中には沖縄二十一世紀ビジョンの基本計画を織り込んだ計画を作っていこうと、こういう努力が今沖縄県と政府関係機関の方で進められておりますが、現時点で来年の三月末日までに大体こういうふうになるんだという工程表をお示しをいただけたらと、こういうふうに思います。よろしくお願いします。
  132. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 今年度末に期限を迎える現行の特措法後も途切れることなく万全の措置を講じてまいりたいと思っておりまして、先ほどもお話ししましたが、沖縄県からの提言を受けて実務レベルでの論点整理を行っているところであります。これから政務レベルでめり張りを付けて政治判断をしてまいりまして、概算要求や税制改正要望の時期を考慮して、本年夏ごろまでに方向性を取りまとめたいというふうに思っております。そして、その後更なる検討を加えた上で、来年の通常国会には所要の法案を提出させていただきたいと思っておりますので、その節には御協力よろしくお願い申し上げます。
  133. 山内徳信

    ○山内徳信君 是非めり張りを付けて、いい法律、いい計画を双方で作り上げていただきたいと思います。私たち関係者も全力を尽くして努力をさせていただきます。  次に、振興計画実現するための財源として今沖縄側からずっと要求がありますのは、自由度の高い一括交付金制度を是非つくってほしいと、こういうふうに要求を進めておりますが、それに向けての実現するための御努力はなさっておると思いますが、どういう状態になりそうでございますか。
  134. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 自由度の高い一括交付金制度は、国全体としての一括交付金制度を目指しているというプロセスと、沖縄については特に先行させてというべきなのか、より大掛かりにというべきなのかという沖縄の御要望とが実はダブルトラックで走っているようなところがございまして、若干そこに悩ましさを感じておりますが、沖縄担当大臣としては、是非、国全体としての一括交付金制度とは先行し、なおかつ、より大掛かりな形で沖縄についての一括交付金制度を進めてまいりたいというふうに思っておりまして、総務大臣などと調整をしているところでございます。  各省にもいろんな御意見ございますが、ここは是非皆様方も含めて多くの皆さんにこれから御協力をお願いをしていこうと思っておりますのは、沖縄以外の都道府県の皆さんの一括交付金の話とは別次元で、沖縄についての一括交付金については先行かつ大規模に進めさせていただきたいということを四十六都道府県の皆さんに御理解をいただければかなり本格的に進むというふうに思っておりますので、その努力を進めてまいりたいと思っております。
  135. 山内徳信

    ○山内徳信君 できる自治体から、できる都道府県から是非進めていただきたいと思います。  次に、民主党政権は、選挙前も政権交代後も沖縄を地域主権改革の先行モデルにしたいと、こういうふうにおっしゃっておりました。先般、地域主権関連法も成立いたしましたし、先行モデル化の実現として是非具体的に取り組んでいただきたいと思います。そのことについての担当の御意見を伺っておきたいと思いますが。
  136. 清水治

    政府参考人清水治君) 地域の創造力あるいは自主性といったような観点からの取組についての御質問と存じますので、これまでのことについて簡単に申し上げますと、観光、ITなど沖縄の魅力や優位性を生かした産業振興の取組を進めてきたほか、また、二十三年度予算で他の都道府県とは区別した沖縄自主戦略交付金の予算計上など、地域の自主性を高める取組を進めてございます。  先ほど枝野大臣がおっしゃられたように、沖縄の優位性、潜在力、若年者の割合が多いですとかアジアとの近接性、そういったものを踏まえまして、沖縄の自立的発展につながるような取組について更にしっかりと検討してまいりたいと思っております。
  137. 山内徳信

    ○山内徳信君 ありがとうございます。  私はかねてから、北海道は北海道の良さ、沖縄沖縄の地域特性、九州、四国、本州と、こうあるわけでございまして、それぞれの地域の個性とか特性を生かした国づくりをしていくことが新しい日本の創造的な発展につながるという、そういう視点を持って行政を進めておりました。したがいまして、是非、今進めております視点に立って全国を元気付けるそういう地域づくり、町づくりの方向付けをしていただきたいと思います。  次は、簡単に担当大臣にお伺いいたします、時間がありませんから。  政府は、沖縄政策協議会の下に設置されております基地負担軽減を五月二十三日、沖縄振興部会を五月二十四日にそれぞれ開催するということに決定されたようでございます。今、天災そして電力の事故等の超多忙な時期にこういう部会が開催されますことを、沖縄出身として皆さん方の御努力に心から敬意を表しております。  さて、そこで質問でございますが、過去において、基地問題と絡めてあめとむちで沖縄振興をゆがめ県民から批判されてきたことがあります。その反省に立たれて、この二つの部会をリンクさせることではなくして、あるいは振興策をもって基地を押し付けるという、そういうこそくな手段を取ることは今後ないと思いますが、そういうリンクすることはないと考えてよろしゅうございますか、大臣
  138. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) リンクをさせようという思いは全くありません。
  139. 山内徳信

    ○山内徳信君 ありがとうございます。  私は、歯舞、色丹、国後、択捉、これは高校時代にこの四つの島の名称を覚えて、あれからもう五十年以上、あるいは六十年近くたっております。  そこで、私は沖北の委員として二度にわたって北海道根室を訪ねまして関係者からの要請を委員皆さん方と一緒に受けておりますが、その中の一つ、漁業権の補償を是非やってほしいといっぱい要請がありましたが、この要請は非常に深刻で、必死に訴えておるというふうに私は受け止めました。したがいまして、今日は水産庁長官にもおいでいただいておるわけでございます。この四島の旧漁業権者の漁業権の補償を私は是非実現させていただきたいと、こういう立場からの質問でございます。  水産庁長官、これは、漁師たちの戦前、戦中、戦後のこの姿を見たときに、これは原因者負担として、戦争の結果でございますから、戦争を起こしたのは国でございます。したがいまして、その責任はやはり補償という形で実現をしていくべきだろうと思っております。水産庁長官の前向きの答弁をお伺いします。  ここですぐやるとは恐らく申し上げることはできぬだろうと私は知っております。少なくとも半年、あるいは一年以内に内部で検討をしていただきたい、そして是非実現するようにと、こういうふうにお願いいたします。先般、シベリア抑留で生き残っていらっしゃる方々への見舞金みたいな形のそういう法律もできたわけでございます。水産庁長官の答弁をお願いいたします。
  140. 佐藤正典

    政府参考人(佐藤正典君) 御説明を申し上げます。  漁業権は行政庁の免許によりまして生ずる権利でございます。北方四島の旧漁業権は、昭和二十一年一月二十九日付けのGHQの覚書によりまして、行政分離措置ということで我が国の行政権が及ばなくなることによって消滅したものと承知しているところでございます。このため、昭和二十五年三月でございますけれども、北方四島の旧漁業権につきまして、現在の漁業法の施行時に行われました旧漁業権の補償の対象とはならなかったものでございます。法律上、その補償を行うことは困難かと考えているところでございます。  それから、北方四島の特殊事情を考慮いたしまして、昭和三十六年に北方地域旧漁業権者等に関する特別措置に関する法律という法律ができまして、その法律の中で、北方協会、現在の独立行政法人北方領土問題対策協会でございますが、そちらに十億円を交付いたしまして、これを基金といたしまして旧漁業権者の方々事業あるいは生活に必要な低利の資金を貸し付けるようにしてきておりまして、これを積極的に御利用いただければというふうに考えているところでございます。
  141. 山内徳信

    ○山内徳信君 私は、GHQとかあるいは見舞金を出したということではこれは納得はできません。したがいまして、是非私の事務所で水産庁の関係職員と話合いをして、是非一歩も二歩も進めていきたいと、こういうふうに考えておりますから、長官、ひとつよろしくお願いいたします。  最後に、北方四島は日本固有の島でございます。戦争の結果とはいえ、残念ながら戦後六十六年間たっても日本への返還がいまだ実現しておりません。先ほども質問ございましたが、内閣府は今後どのような取組を強化をしていくか、伺っておきたいと思います。これはただ事ではございません。半世紀以上経過をしてなお、向こうからの、ロシア側からの実効支配の話は先ほどもございましたから、本当に民主党政権の命運を懸けて北方四島を取り戻すと、こういう決意がなければいかぬだろうと思います。大臣決意のほどを伺っておきたいと思います。
  142. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 実はロシアとの交渉は外務大臣の権限でございまして、内閣府は、元島民の皆さんに対する支援であるとか、それから国民の皆さんへの啓発啓蒙等が私の方の、北方大臣としての所管でございます。  そして、実は実際にロシアとの交渉をしっかりと前進させるためにも、やはり国民的にこの問題に対する認識を共有を幅広くして、そして大きな国民運動的なうねりをつくり出していくことが大変重要だというふうに思っております。  残念ながら、まだまだこの問題について十分な理解が国民各界各層にあるかというと、そうではない。特に若い人たちにしっかりと歴史的な経緯等を認識、共有をしていただくということに向けての啓発活動をできるだけ、ここは私自身直接口を出して、従来のような悪い意味での役所的なやり方では広がっていかないと思っておりますので、今できるだけ直接工夫をして、若い人たちがこの問題に関心を持ち、歴史的な経緯について共有をして、国民運動的なうねりになっていくよう努力をしているところでございます。
  143. 山内徳信

    ○山内徳信君 終わります。
  144. 中川雅治

    委員長中川雅治君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十四分散会