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小野寺委員 自由民主党の
小野寺五典です。
安住さんと同じ
三陸、私は気仙沼で生まれ育ち、今も気仙沼市民です。今回の
津波におきまして私の自宅も事務所も全壊をしました。また、二台の車が流され、そのうち一台にはまだ友人が乗ったまま行方不明ということになります。
今回、この
被災を通じまして、本当に
全国の
皆様からたくさんの
支援をいただきました。この場をかりて
感謝を申し上げます。民間団体、NGO、ボランティア、警察、消防、
自衛隊、自治体、
米軍、本当に多くの
皆様から御
支援をいただきました。幼稚園児からお年寄りまで
支援物資を送っていただきました。心から
感謝を申し上げます。
その中で、菅
総理に少し現場のことを知っていただきたいと思って
お話をさせていただきます。
今、
津波の
状況というのは、これは地震とは全く違うということです。地震であれば、家が崩れて倒れます。自分の家の家財は、洋服は、実は自分の庭、家の敷地内にあるんです。
津波はすべて流されます。我が家も一番初めにしたのは、おやじの位牌を泥の中から捜すことでした。ようやく見つかりました。ですが、それ以外のものはみんな流されている。これが
津波の大きな違いです。
ですから、今この瞬間にも、体育館にいらっしゃる方、避難されている方の持っている財産というのは、映像でも見られたと思います、段ボールのつい立ての中で布団と毛布で
皆さん生活されていますが、あの段ボールの中にあるものすべて、あれだけなんです。あれが持っている財産なんです。
ですから、一日も早く
お金が欲しい、一日も早く復活したい、一日も早くちゃんとしたところに住みたい、そういう思いを強く持っているのが、実は今、
被災者、避難地にいる
皆さんです。
実は、現場にいるとさまざまいろいろな矛盾を感じます。
被災してすぐ、こんな場面に出くわしました。
自分の息子が流されて行方不明になって、その遺体を捜すお父さん。実は気仙沼でも、遺体を安置する場合、小学校の体育館が安置所になります。次々と体育館が埋まっていきます。市内のいろいろな小学校の体育館が遺体でいっぱいになります。小学校は離れています。自分の息子の遺体を確認するために、歩いたのでは何日もかかる。だから、車を買いたい、そう思って、残っていた中古車屋さんに行った。そこで、持っていた
お金、借りた
お金、これで中古車を売ってくれと言ったときに、もう軽自動車がないので普通自動車しかありませんでした。その場で言われた答えは、車庫証明と住民票と印鑑証明がないと売れません。警察は流されてないんです。役場は機能していないんです。
ぜひ、この
被災直後に
政府に現場に出てきていただいて、そんなことは大丈夫だ、どんどん車を売ってあげてくれと。この方は、二日も三日もかけて歩いて、自分の息子を、遺体安置所を確認して歩いていたそうです。
ほかにもあります。今回、企業がこういう
状況です。工場も冷蔵庫もすべて流されました。ですから、少しでも
雇用を守りたい、会社の社長はそう思います。
政府は、
雇用調整助成金という制度、さまざまな研修制度で、首を切らなくても
雇用を維持できますよ、こういう制度は用意してくれています。ですが、申し込まなきゃいけない。
ある企業、この方は七百人社員がいる、一人も首を切りたくない。だから、この
雇用調整助成金の申し込みをしに行った。そうしたら、
地元にはもうハローワークがありません。必要な書類は二千枚。この
避難所で散り散りになっている七百人の人が全員窓口に来てください、仙台に来てくださいと。どうやって行くんですか。こういう不都合が、実は現場ではさまざまありました。
私
ども、こういうものを
一つ一つ聞きながら、実は、
総理は知らないと思います。官邸に直接行って、
総理はお忙しいので、官房副長官に
一つ一つお願いをし、そして、少し時間はたちましたが、特例で
一つ一つ認めていただき、今は、ハローワークの方が
避難所を回って
対応していただけるようになりました。私は、やはり発災直後、こういうときにこそ政治がもっと前に出てほしい、そう思っております。
今すぐに欲しいのは、先ほど
安住議員からも
お話がありました
仮設住宅です。
今、
仮設住宅は、実は本当におくれております。ちょっとパネルを見てください。実は、この間、
大畠大臣に
地元に来ていただきました。視察をしていただきましたが、恐らく
大臣もまだ全体をお感じになっていないと思うんです。
役所からはいろいろな数字が上がってきます。先ほど
安住議員の紹介もありました。ですが、今現在できているのは、
東日本大震災で今現在、四十三日後、おとといです、実際に住めているのは全体で五百七十五なんです。全体で五百七十五しかないんです。阪神・淡路のときは、もうこの
時点で七千建っているんです。なぜこんなに遅いのか。今でも段ボールの中で、毎日毎日
避難所で、電気がない
避難所もあります。こういうところで生活している多くの避難民の心、思い、一日も早く
仮設住宅をと、そういう声であります。
総理にお伺いします。この
仮設住宅を初め、しっかりとした
支援を早くしてほしい、なぜおくれているのか、そのことについてお伺いしたいと思います。