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古屋(範)
委員 公明党の
古屋範子でございます。
きょうは、介護とそれからワクチン、この二つをテーマに
質問してまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
先日、公明党の高木陽介議員、介護について
質問を
予算委員会でいたしました。介護従事者の処遇改善ということでございました。民主党のマニフェストでは四万円アップと掲げていらっしゃるわけでありますけれども、私もこの件を実は長妻前
大臣にも
質問しております。しかし、そのときも結局は、財源の規模、
制度設計、また実現の時期等、明確なお答えがございませんでした。今回においてもやはり
状況は変わっていないなと
思いました。やはり、この四万円につきましても、財源の裏づけのないマニフェストを掲げているのではないか、絵にかいたもちではないかということがはっきりしたと思っております。この絵にかいたもちも多過ぎる、そろそろおもちにカビが生えてきているのではないか、このように言わざるを得ないわけであります。
この処遇改善につきましても、
一つだけ加えさせていただきます。
私たち、三千人余りの議員で介護総点検を行わせていただきました。それをもとに、昨年、新・介護公明ビジョンを発表したわけなんですが、これは、要介護者、家族、介護従事者、
事業者、
自治体等十万人の調査をいたしました。その中で七万は、街角アンケートというのを行いました。その中で、介護職として働いてみたいか、こういう
質問をしてみました。その中で特筆すべきは、十代の
方々が、社会にとって重要な職業なのでチャンスがあればやってみたい、こういう方が五割いらっしゃいました。他の年代に比べて突出して多かったわけであります。今若い人はという
言葉も聞きますけれども、このアンケートによれば、
高齢者を大切にしたい、あるいは介護という職業に非常に興味を持っている、携わってみたいというその芽があるわけですね。こういう十代の若い人たちのその芽をやはり大事にしていかなければいけない、私はこのように思っております。
四万円アップすると言ってできない、掲げてできないというのは失望感がさらに増大をするわけであります。ぜひ、こうした若い
方々のためにも、処遇改善には今後とも全力を挙げていただきたい、このことを申し上げて
質問に入ってまいりたいと
思います。
まず
最初に、在宅支援体制の強化についてお伺いをしてまいります。
私たち、この新しい社会福祉ビジョンというものを十二月に中間取りまとめをいたしました。この中には、従来の年金、介護、医療といった社会保障の拡充とともに、新たな社会の病理現象とも言えるような、うつであるとか虐待、引きこもり、こうした
課題に
対応する新しい福祉を掲げております。テーマは、孤立から支え合いの社会へということでございます。私は、特にこの中で介護の担当をしておりましたので、在宅支援体制の強化について、まず独居
高齢者支援の充実についてお伺いしてまいります。
今、日本は、人類がかつて経験したことのない超高齢社会に突入をしております。しかし、だれもが長寿を喜んで、また安心して暮らせる社会、これは政治に求められている最重要
課題でもございます。この中で、特に介護は
高齢者の生活に欠かすことのできないサービスであります。この介護保険
制度、施行十年を迎えるわけでございますが、介護の現場では、サービス量の大幅な伸びによります介護保険の総費用の急速な増大、また、いつまでたっても入居できない施設入居待機者が非常に多くいるわけであります。また、老老介護、シングル介護、また介護うつなどの
課題も発生をしております。
この中で、私たちは、二〇二五年を視野に入れて新・介護公明ビジョンをつくったわけなんですが、
高齢者が住みなれた
地域で暮らし続けることができる、必要なサービスを、また介護施設をみずからの意思で自由に選択できるこうした体制づくり、また家族の負担が過大になり過ぎないように
地域包括ケアの実現を目指しております。
昨年、
高齢者の所在不明問題が非常に話題となりました。百歳の記念品を贈呈する折に所在不明であった、こういう問題が相次いで発覚をしたわけでありますけれども、中でも都市部における独居
高齢者の問題が非常に深刻であります。これに伴って、訪問介護サービスの利用者数も増加をしておりまして、在宅に必要な介護、看護サービスを提供する
高齢者住宅の計画的な整備、また
地域包括ケアシステムの充実が不可欠となっております。
私、昨年、独居
高齢者の問題に直面しましたときに、八月に和光市に行ってまいりました。
高齢者専用賃貸住宅、リーシェガーデン和光というところに行ったんですけれども、これは非常に先進的な
高齢者施設でもございます。
そこで、和光市の長寿あんしんプランの説明を受けました。和光市では、
高齢者の掌握のためにまずスクリーニングを行っております。その返事が返ってきたところは、一応
状況は掌握できる。しかし、スクリーニングが返ってこなかったところに関しては民生
委員さんなり市の職員なりが訪問する。家庭としても、受け入れたくないというところもあるんですが、何度も訪問している間に信頼
関係ができて、
状況が掌握できる。孤独死はゼロに近いということでもありました。
それとともに、同じ市であっても、その市の中でもさまざまな偏在性があります。そこの
地域に合わせて、施設が乱立しないよう福祉計画を立てている。住宅政策も充実していて、
高齢者専用賃貸住宅またケアハウスの整備、家賃補助なども市独自で取り組んでいます。
高齢者一人一人が必要としている福祉を届けようという和光市の徹底した姿勢を、やはり国としても学ぶべきであると感じました。
また、ライフスペース研究所というところの安藤和子さんに住宅問題についてお伺いをしたんですが、女性の社会進出を支える社会システムと生活環境の整備が重要だということをおっしゃっていたんですが、
高齢者が住み続けられるまちづくりとして、
地域密着型で、また往診してくれる開業医を適数、
地域に配置することが非常に重要だと強調されておりました。まさに、生産、仕事、それから保育、教育施設、住宅環境、これを、メンタルな面とフィジカルな面、両方あわせて備わった本物のバリアフリー、こうしたまちづくりを目指すべきということも感じました。
また、戸田市にある有料老人ホームの戸田ケアコミュニティそよ風というところにも行ってきたんですが、やはり、医療と福祉がワンストップでサービスを受けられる、二十四時間安心の支援、介護が受けられる、優良な介護サービスの提供に努力をしている民間会社でありまして、こうした民間の活力を利用し、またそういうところを評価する
制度をつくっていかなければいけないということも感じてまいりました。
こうしたさまざまな専門家また現場の意見を踏まえまして、
地域で
高齢者が住み続けることができるように、
地域包括支援センターの機能強化を進めて、相談支援
事業を再構築しながら、二十四時間巡回型訪問介護、訪問看護のサービスを計画的に整備拡充すべき、このように考えますけれども、
大臣の御所見をまずお伺いします。