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竹内委員 公明党の
竹内譲でございます。
私の方からは、まず
最初に、児童養護施設等への
支援につきまして質問をさせていただきたいと思います。
最近、各地の児童養護施設などに、漫画「タイガーマスク」の主人公の伊達
直人さんを名乗る人物から贈り物が届けられる現象が相次ぎまして、昨年末から
全国の児童養護施設や児童相談所に届いた寄附というのは、一月中旬で既に千件以上となっていると聞いております。こうしたタイガーマスク現象によりまして、児童養護施設への社会の関心が集まっており、そこで暮らす子供
たちの
生活環境の向上が期待されているというふうに思います。
児童養護施設の対象児というのは、皆様御承知だと思いますが、
一つには、父母が死亡または行方不明となっている児童、二番目には、父母などから虐待を受けている児童、三つ目には、父母が養育を放棄している児童等でございまして、現在、
全国で五百七十五カ所、三万五百九十四人が入所されています。児童養護施設への
支援は、このような名もなき民間の皆様の善意にゆだねるだけではなくて、これこそ
政治の
責任でしっかりと行うべき仕事だと
考えております。
実は、自公政権の
時代におきましても、里親手当の倍増であるとか、ファミリーホームの創設であるとか、それから自立援助ホームの拡充、さらには、中学生になったら学習塾費とか部活動費、また幼稚園費の創設など、そういう対策も講じてきたわけでございます。
私も、改めて先日、
地元の京都の児童養護施設、乳児院を視察してまいりました。やはり、親と死別したり、あるいは親から捨てられたり、それから虐待を受けたりして、親の庇護を受けられない子供ほど不幸な子供はないというふうに痛感をいたしました。これこそ、総理が言う世の不条理そのものではないかというふうに思ったくらいでございます。
視察した児童養護施設に入っている子供のうち、半数近くは親からの虐待を受けていました。その心の傷はとてつもなく深刻なものでございます。ある児童は、父親からの虐待によりまして、その父親を大変憎んでいて、いつか大きくなったらリベンジしてやると言っているそうであります。リベンジということはどういうことかというと、体が大きくなって強くなれば必ず仕返ししてやるというふうに言っているんですね。大変悲しいことであります。
また、次に多いのは、親の養育不能でございました。いわゆるネグレクトというものでございまして、親の
状況としては母子家庭の方が多くて、その半数以上が未婚の母となっていました。
ゼロ歳から小学校就学前までの子供を養護する乳児院というのもまたあるわけでございます。こちらの方も訪問いたしましたが、生まれて間もなく、産院から、病院から直接入所する子供が非常に多いということに驚いたわけでございます。まさに、産み捨てのような
状態であるわけであります。そのほかにも、両親からの虐待が理由のケースも相当ありましたし、また、年末には一時的に保護委託が急増するという現状でございます。
赤ちゃんの場合は、感染症のリスクもあるため、養護には大変な苦労が伴います。また、夜間には、二人の職員さんが一睡もすることなく、十五分置きに見て回らなければならない、こういう実情でございます。さらに、看護師の
方々の職員の確保も困難な
状況が続いているということでございました。
さらに加えて、最近では障害等のある児童も増加しておりまして、私も現に、全盲の三歳児の方にもお会いをいたしました。本当に胸が痛む思いであったわけでございます。
そこで、
最初に、
厚生労働大臣にこのような現状を踏まえて御質問したいわけでございます。
児童養護施設では、二十四時間三百六十五日、子供
たちの
生活を支えるために、いわば労働基準法の遵守さえ難しい
状況で養育を行っている。また、現在、児童養護施設はどこも経済的に厳しい運営のところが多くて、他の
事業収入を子供
たちの
生活費に充当している施設もあるというふうに伺っております。
そのためにも、まずはやはり、ここは抜本的
改革に取り組んで児童養護施設の人員配置を早急に拡充すべきであると
考えます。特に緊急を要するのは、直接養育職員、すなわち保育士、児童指導員の配置基準を抜本的に改善する必要があると痛感をいたしました。
現行の職員配置基準というのは、学童以上の子供、就学以上の子供は六人に一人の職員であります。六対一でございます。六対一と言いながら、二十四時間三百六十五日、子供の
生活はあるわけでありますから、実際には十五、六人の子供を職員一人で見ているというふうなことであって、大変もう
現場は激務でございまして、本当に子供一人一人への丁寧なかかわりが困難になっているというものでございます。
なおかつ、現在の基準は昭和五十一年に定められたものでありまして、三十五年間据え置いたままだったんですね。私どもも、本当に
時代の要請に合わせる必要があるんじゃないかということを改めて痛感した次第でございます。
その
意味で、まずは思い切って本当にもう
財源を
見直して、子供三人に職員一人ぐらいに改善をすることが急務であるというふうに思っています。
それから、乳児院につきましても、いろいろあるんですが、現行の二歳未満では子供一人に対して職員一・七人というふうなことなんですが、先ほども申し上げましたように、赤ちゃんの場合は本当に二十四時間目が離せません。そういう
意味では、一対一、すなわち、赤ちゃんの場合は赤ちゃん一人に職員一人というふうに改善すべきであるというふうにまず痛感をした次第でございます。
その
意味で、これまでの経緯を踏まえまして
厚生労働大臣にこの点を強く要望したいと思いますが、
厚生労働大臣のお
考えをお聞きしたいと思います。