○竹本
委員 衆議院議員の竹本直一でございます。御苦労さまです。
いろいろ御議論がありましたけれども、私は少し、
大臣と大きい話をしたいと思います。
今回の災害を見ておりまして、私は非常に腑に落ちないことが一つあるんです。それは、一週間ぐらいたってもなお、水がない、食べるものがない、握り飯を三人で分けた、寒い、着るものがない、こういう声があちこちで上がっておりました。私のところにも知り合いの市
会議員とか町
会議員あたりが、私は東北出身じゃないんだけれども多少知っておりまして、いろいろ、あれを送ってくれ、飲み水を送ってくれと、いっぱいあったんですね。送ってあげましたけれども、何でそんなことが起こるのかなということが非常に私は腑に落ちないんですよ。
なぜかといいますと、私が国交省におりましたときに、三原山の噴火、これは中曽根
内閣のときなんですね。
後藤田さんが官房長官で、私はその下で走り回っておったんですけれども。大田区へ、一万人の人を自衛艦で都内へ移転させました。一カ月そこにおられて、そして帰島していただいたんですが、あのときも、全国から
支援物資がいっぱい来るんですよ。毛布から缶詰から、本当に、後の処理に困ったぐらい来るんですね。
北海道で奥尻島の……(
蓮舫国務大臣「南西沖
地震」と呼ぶ)ありましたね。あのときも毛布が山になりまして、むしろその処理に相当金を使ったという話を聞いております。
私の地元の阪神・淡路
大震災、これは、私は直接、有馬温泉に泊まっておって遭いました。塩川正十郎さんも一緒で、ほかの市
会議員、百人ぐらいおったんですが、私はもう大変な思いをしたんですよ。
あの災害のときも、実は災害が起こった後、あれは十七日だったと思いますが、その日は無理としても、少なくとも翌日ぐらいはもう食べるものはありました。もちろん都会の中心地ですからあって当たり前じゃないかと言いますけれども、しかし、陸路は全部遮断されておりまして、海路で、船で行くしかない、あるいはヘリで行くしかない、こういうような状況だったんです。それでも食べるものはちゃんと届いておりました。少なくとも、食べるものがなくてひもじい思いをしたという話は余り聞いたことがありません。
実を言うと、今まで起こった日本の大災害というのは、ほとんど、物がないということはないんです。むしろ、物が送られ過ぎて困るというのが実態なんですよ。ところが、今回は違うんですね。物がないんです。テレビ等で見まして、気の毒で仕方ないんですね。
なぜこうかと考えましたら、今回の災害
対策、民主党さんも政権につかれて二年足らずで、初めての経験ですからなれておられないということもあるのかもしれないけれども……(発言する者あり)まあ、聞きなさい。中央防災
会議をどうして開かないのかな。災害
対策基本法で中央防災
会議というのがあるんですよ。今回はより大きい災害だということで緊急災害
対策本部になっていますけれども、各省を全部集めて中央防災
会議を開いて、あらゆる各省の
情報等を
集約して、それに対し
指示を出して、そして必要な物資を運べば、それでできたはずなんですよ。
ですから、そういうことを……(発言する者あり)経験がないんだから仕方ない。しかし、試行錯誤でやって、結果として
国民に迷惑をかけていたら、何をやっているのかと。我々がやってきたことが全部正しいと言っているわけじゃないですよ。だけれども、いろいろな人の
意見を聞いて、適切に
国民のためになる
対応をとるべきだったんだ。だから、ひもじい思いをさせたというのは非常に残念で仕方ない。
だから、今後もいろいろな人のやり方を、このときはどうしたんだと聞いていただいて、自民党に聞いていただいたら我々は答えますから、そういうことで、既にやってはおりますけれども、経験もまた一つの知恵ですから、ぜひもう少し活用していただきたいなと思っております。
もう一つは、福島の原発災害が起こった後、総理が翌日ヘリで行かれました。私は、菅さんが一生懸命やっているのはよくわかる。わかるけれども、これも、災害を経験しておられないとそういうふうになるのかなと思うんですが、大体、災害が起こったときにトップが現地に行くのはしばらくしてからにしないとだめですよ。
というのは、日本は先進国ですから、末端に至るまで行政
機能が完備しております。ここはアフリカや、まあフィリピンも途上国ですから、こういう国とは全然違う。ですから、初期
対応は行政組織がきちっとできるんですよ。もちろん、役場が皆流されたところもあります。そこは県庁職員が派遣されて行って代替
機能を果たせばいいわけで、まずは役所をきちっと動かして
対応させれば、最低限の、根幹的なことはできるはずなんですね。だから、それが非常に抜かっていたというような感じがします。
むしろボランティア
対策が大事だとおっしゃるんですけれども、ボランティアは大事なんですけれども、やはりメーンの仕事は役所組織じゃなきゃだめですよ。それプラスアルファ、人々の好意で助けに行っていただく。それが逆はだめですよ。ボランティアで人に迷惑かけてやらせる、そしてその後、役所がもたもたやっているのでは話にならない。
だから、聡明な
大臣だからそこはおわかりいただけると思うんです。この二つをやらなきゃいけない。
そこで、もう少し話をしますが、結局、例えばアフリカのような国だと、行政組織がそろっておりませんから、完備されていないから、大統領が現地に飛んでいくと、大統領の顔を見て、うわあっと大騒ぎになって、ほっと安心をする、これはあるんですね。日本の国はそうじゃないと思うんですよ。ですから、陛下とか、三原山の噴火のときは皇太子殿下、妃殿下が行っていただきましたけれども、一定期間が過ぎてから御慰問されるのがやはりいいのではないかというふうに思います。やはりこれも経験からいろいろと学んでいただくことが必要。だから、そういう助言を
大臣からしていただきたい。
ちょっと消費とは直接
関係ありませんけれども、物の
不足という意味では消費問題でもありますから、これについての
大臣の、感覚で結構ですから、お話をいただきたい。