○菅原
委員 重ねてお願いをしておきます。
求職者支援制度の方に移ります。
サブプライム、リーマン・ショックと続いて、本当に世界経済が大変厳しい
状況になり、かつまた、日本においては長引くデフレ
状況の中で、いわば深刻な経済危機に至ったのが三年前という
状況。そのときに、いわば非正規労働者が一気に増加をした。そこで、言ってみれば解雇あるいは雇いどめという
社会問題が起きて、当時我々は政権を担っておりましたから、自公政権のもとで緊急人材育成
支援制度を創設したわけであります。
言ってみれば、ハローワークがそれらの
対象者に対して民間の
訓練機関あるいは教育
機関の行う
職業訓練をあっせんして、その期間は、生活
給付ということで、単身者が月十万円、扶養家族がある場合は十二万円を支給するものということで
制度を進めてきたわけであります。
ただし、十万円というのは、最低賃金が、全国でも、鹿児島だとか高知初め八県ぐらいだと時給六百四十二円。例えば、一日に八時間働いて、二十日働けばそれで十万円ですよね。そういうことを考えれば、この額がどういうボリュームなのかということはもう一度よく考えなければいけない。
この
恒久化を進めるということに関して、それが多い少ないという
議論ではなく、その額というものが世間一般の世の中のサラリーに対してどういう重みがあるのか、これをまた税金で出すということあるいは
保険料で出すということに関しては、この点はよく踏まえる必要があるのではないかな、こう思っておりますし、さはさりとて、こういった中で三十三万人以上の方がこれによって再
就職ができたということであります。
そこで、再三
議論になっておりますモラルハザードの問題であります。
言ってみれば、報道では、
訓練を受ける形をとっていながら毎日アルバイトをして、その上に月十万円をもらっていた、こういう若者がいた。あるいは、今まで土木作業しかやったことのない人が、ある日、エステの教育
訓練を受けて、実際には、登録はしたけれどもずっと欠席して月に十万円もらっていた
ケースだとか、この
制度の中でいろいろな
ケースが出てきたのも事実であって、言ってみれば、生活者のいわば
生活費を
受給するということが目的化してしまった
ケースも多々出てきております。
したがって、言ってみれば求職者の適切な選択ということも大変重要になってくるのではないかな、野方図にお金があるわけではない、本当に救うべき人、その志といいましょうか思いを持った方を最優先に救済すべき
制度なのではないかと思っております。
そこで、この
対象となる
受講者の
要件に関して、
職業訓練については、意欲、能力、そしてその
訓練を
受講することが必要と考えられる者と、大きく三つ
要件が定められております。
そもそも、これまでの
制度にしても今回の
恒久化する
制度にしても、長期の
失業者あるいは非正規労働者の増加ということがその背景にあって、実際の
制度の
対象者は、単に
雇用保険の
受給を終了した者、今もらっていない者、あるいは
雇用保険そのものを受けることができなかった、できていない現在の者、こういった
方々を救うわけでありますけれども、長期の
失業者といえば、一般的には離職後一年以上経過したとされているわけですけれども、実際に、この
制度においては、
雇用保険の
受給を終了した後、直ちに
訓練に入って
受講するということも可能たらしめている内容になっていますよね。
したがって、この
雇用保険、先ほど副
大臣のお話があったように、
給付日数が九十から三百三十日、しかし、
雇用保険受給終了後
就職する人が多くはない。これは実際の数字を多分把握できていないんだと思うんですけれども。
とするならば、私は、この
雇用保険の
受給を終了した場合は一定期間のインターバルをきちっと設けて、本当に
仕事を探すんだ、
仕事につくんだというインセンティブがきちっと働くようにしないと、結局、マックスで三百三十日
失業保険を受けて、それでまた今度は、この
制度があるから、求職者
制度によって
自分は救われるんだ、月十万円もらえるんだというようなモラルハザードが生じたとするならば、その人が三カ月たった後に結局職につけなかったらどうするんだというもとのもくあみの話になりかねませんから、やはりこれはきちっとインターバルを設けてやるべきではないか。
というのは、
雇用保険、
失業手当をもらいながらこの
訓練を受けられるわけですから、それで受けて
就職する人もいるわけですから、このオール・オア・ナッシングといいましょうか、右と左の端から端を埋めていく作業というのが、本当にこの税金の使い道、あるいは国民に対する説得ということにつながってくると思いますから、この点はきちっとやるべきではないかな、こう考えていますけれども、この点の御所見をお伺いします。