○
柿澤委員 みんなの党の
柿澤未途でございます。
きょうは、
震災関係の一般質疑ということで御質問の機会をいただきました。
私も、三月十一日の
震災発生以来、この一カ月間で三回、
被災地に入りました。直近では先々週の土曜、日曜、四月の二日、三日に、宮城県の石巻市と岩手県の大槌町を、車で寝泊まりしながら、国道四十五号線を北上して回ってまいりました。
一義的には、一ボランティアとして、
避難所で地元の仲間と一緒に炊き出しの
支援をやってきまして、カレーをお出ししたりしてきたんですけれ
ども、そのときに目の当たりにした
被災地の言葉を失うような情景というものが、今も脳裏に焼きついて離れません。先日の土曜日にも福島県の相馬市に行きまして、ここは、津波の
被災者とまた原発事故で逃げてきた方々と、両方を受け入れて大変な思いをしているところでありますけれ
ども、そちらでもさまざまな形で
被災の
状況を見てまいりました。
また、我が党も、
皆さんもそうだと思いますけれ
ども、本来四月に行われる予定だった統一地方選挙の候補者の
皆さんがやはり現地にいらっしゃるわけです。気仙沼で県
会議員選挙に出る予定だった境さんという方がいるんですが、ちょうど宣伝カーに乗ってマイクを握っていたら地震に襲われて、そのまま高台に車で上がって難を逃れた。あと数分判断がおくれていたら、恐らく高台に逃げる車の渋滞にぶつかって、車ごと、そういった車と一緒に流されてしまっていただろう、こういうふうに言っておりました。揺れた瞬間に津波が来るなとわかったんだそうです。三十二歳なんですけれ
ども、やはりああいうところの方々は津波の恐ろしさについていろいろな形で教育を受けているので、すぐさま逃げることができた、こういうふうに言っておりました。
この境さんから、現地の話をいろいろ追加的に聞かせていただきました。気仙沼ですから十日間以上連絡がとれなくて、これはもしかするともしかするんじゃないかという心配をしたんですけれ
ども、連絡がとれて、上京をしてきてくれまして、現地の
状況をいろいろと報告してくれました。
その中で言われたのが、気仙沼は今一万一千人ぐらいの
避難者がいる、そこで
生活をしている方々の一番の願いは、まず仮設住宅です、仮設住宅に一日も早く入りたい、これです。もう一つは、とにかく着のみ着のまま逃げてきたので当座の
生活資金もない、何とか当座の
生活資金として現金を幾らかでもいいから支給していただけないだろうか、こういう声が大変強いということをお聞きいたしました。現地の
状況を
考えればそういうことなんだろうな、こういうふうに思ったところであります。
その時点では義援金の配分の方法というのが決まっていなかったので、恐らく、一千数百億円に上る義援金の配分が決まればそうした方々に当座の現金が回っていく、そういうことになるんだろうというふうに思ったんですが、八日に配分
委員会が決定をしたこの義援金の配分基準というのを見て、私は、これは一体どういうことなんだろう、こういうふうに思いました。
皆さんも御承知のとおり、今回、義援金の配分に当たって、日赤等々を初めとする主要な募金団体というか、こうしたところが集まって、また
厚生労働省が事務局をやって、配分
委員会というのがつくられました。それで決められた配分基準というのは、死亡または行方不明の方がいる、そういった方には三十五万円、そして住宅全壊の方が一世帯当たり三十五万円、半壊が十八万円、また原発の
避難者についても三十五万円、こういうことになりました。
原発
避難者をこの義援金の配分の対象にすることについて、本当にそれでいいのか、こういう批判がありますけれ
ども、この話はもうわきに置きます。私が申し上げたいのは、この家屋全半壊を前提にする義援金の支給方法をとったことによってどういうことが起こるかということであります。
家屋全半壊というのは、自治体による家屋
被害認定
調査によって、全壊、半壊という認定を得ることを必要とします。そして、先日、
総務委員会でお
伺いをいたしましたが、この家屋
被害認定がどのぐらい進んでいるかというと、そもそも全半壊家屋がどれだけあるかということをつかみ切れていないわけですけれ
ども、全半壊家屋は、報道ベースでいえば三十万戸から四十五万戸と言われています。そんなに間違っていないだろうと思います。
この四十五万戸に対して、今、先週の時点ですけれ
ども、この家屋
被害認定がもう既に終わっているというのは、何と四万六千戸、一割です。ほとんどのところは、まだこの家屋
被害認定が完了していないんです。
そして、それに加えて、この家屋
被害認定というのは、自治体の機能が壊滅をして、そして家が敷地から流されて、
家族の大半が失われている、こういう、
被害の程度が最も大きくて、したがって一番
避難所で困っているはずの
人たちが、一番認定
調査がおくれるものなんです。したがって、この義援金の配分方法を決定したということは、この義援金は一番困っている人に一番最後に支給をされる、こういう方法を今回配分
委員会で決めたということになってしまうのではないかというふうに思います。みんなが求めているのは、本当に、今何とか
生活していくための当座のお金が必要なんです。
そして、家屋全半壊の認定
調査の結果を前提とする支給であれば、これは
皆さん御承知のとおり、
被災者生活再建
支援法の百万、三百万、この
支援金と同じ
調査を前提にするわけですから、義援金を受け取れるということは三百万を受け取れるということなんです。
こういうことではなくて、まさに今当座の現金をお配りする。
被災者生活再建
支援法の基礎
支援金百万、そして住宅再建の二百万、計三百万は、そうした形をとれない、家屋
被害認定が前提ですから。義援金はそういう縛りは基本的にないわけですから、だからこそ私
たちは、早く配分方法を決めて、そして今困っている人に今すぐ一律でお渡しをする、こういうことが必要だと思って言ってきたわけなんですけれ
ども、今回の配分方法は、残念ながら、それとは違うやり方になってしまいました。
今、阿部先生からもお話がありました。連日、実務者会合が行われています。私も連日
出席をさせていただいていますけれ
ども、この実務者会合でも、義援金の配分は何とか連休前にはというような要望が野党の方から出されているような
状況で、今すぐあしたにこうしたお金が
避難所で
生活をする
皆さんの手元に渡るというような
状況ではない。このことが極めて私は、
被災地の
避難所で
生活をしている
皆さんの今の現状を
考えると、大変残念なことに思えてなりません。
きのう、
総務委員会で参考人質疑がありました。壊滅的な
被害を受けた釜石市の野田市長が、夜行バスに乗ってわざわざ来ていただきました。この同じ質問を釜石市長にさせていただきました。
当座の
生活資金としての義援金の配分は、
被災した方々が一様に望んでいることだと思います。既に
被災から一カ月が
たちました。着のみ着のままで逃げて、下着もそのままという人もいると思います。そうした方々にきちんと国の思いが伝わるような政策が必要だと思います。
私が尋ねたのに答えて、釜石市長はそういうふうにおっしゃっておりました。
このような義援金の配分方法で果たしてよかったのかと、私は今も思っています。そして、
避難所にいる方々が必ずしも重い
被災者とは限らない、こんな見方もありますけれ
ども、しかし、こういうところは、やはり公平性とかいうことを
考え過ぎると今すぐ支給をするというのが難しくなりますから、そういう
意味で、一律、
避難所で
生活をしている方々、そうした方には何がしかの現金を
生活の糧として今支給をする、こういうやり方を義援金の一部について
考えるべきではないかというふうに思います。
この配分
委員会の事務局をつかさどった
厚生労働省の見解をお
伺いしたいと思います。
〔
委員長退席、郡
委員長代理着席〕