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稲津委員 現時点での基本的な
政府の認識、これまでの
経過についての御
説明はいただいた。それはそうですけれども、私が質問したのは、これまで
政府として具体的な北方領土の
返還に向けての提案をしてきたのかどうかということを、どうお
思いですかということをお聞きしたんです。随分丁寧な
答弁であったかもしれませんけれども、正確には答えていただいていないと
思います。
後でこの問題については関連で触れますので、そこで質疑させていただきたいと思っていますけれども、いずれにしても、具体的な提案が結果としてなされていないという現実。それからもう
一つは、長谷川市長がいみじくもこの
委員会でおっしゃったように、あの北方領土と向き合って暮らしているそこの首長としては、具体的な提案はなされていない、こう思わざるを得ないということを明確におっしゃったんだと
思います。このことは後でもう一回触れますので、そこで具体的に質疑をさせていただきたいと
思います。
次に行きます。
次は、ビザなし交流のあり方についてなんですけれども、これも、ビザなし交流が始まってもう二十年ということで、大変な歴史を重ねてまいりました。北方領土に住んでいるロシア人との相互
理解という意味では、私は、一定の評価、あるいはまた時々の大きな交流、前進があった、こう思っております。ただ、これが領土
交渉を行うためのいわゆる環境整備みたいなものにつながってきたかどうかというところは、いろいろな解釈があるというふうに思っております。
御
案内のとおり、ロシア
政府のいわゆるクリル
発展計画がどんどん進められている中で、この
発展計画が進めば進むほど、実はこのビザなし交流のことを考えていったときに、
日本との距離が遠のいていっているんじゃないか、こういうことが、実際にビザなし交流で行ってきた団員の方々から口々に述べられているわけでございます。
例えば、これはこれまで私も直接何回か聞いたことがありますけれども、北方領土に住んでいるロシア人側が、
日本からの訪問団との対話集会の中で、領土問題のことを話すことを非常に嫌っている、あるいは対話集会そのものを拒否するといったような現実もあるということも聞いております。
ここでぜひ
大臣にお伺いしたいのは、このビザなし交流のことを考えていったときに、今後、このビザなし交流をさらに活性化するような、そういう方途がいよいよ
政府としては必要じゃないかと私は思うんですけれども、この点、
大臣、どうでしょうか。